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【名前】垣根帝督 【スペック概要】未元物質を使う 【サイズ】180cm程の一般男性を象った未元物質+学園都市規模にまで拡がり無限に増殖し続ける未元物質 【攻撃方法】 未元物質の翼 [威力]…一方通行が10m先の木に激突。ビルの屋上から中腹まで一気に切り裂く。 [射程]…20m以上 [速度]… 回折 [威力]…日光から殺人光線を。即死レベルではない。 [射程]…光の届く範囲? [速度]…光速? 烈風 [威力]…一方通行の竜巻を吹き消す。余波で鉄コンのビルが音を立てて頼りなく揺れる。 [射程]… [速度]…風? 正体不明の爆発 [威力]…オジギソウを一掃し冷凍倉庫を内側から粉々に、さらに余派で周囲のビルのガラスが割れる。 垣根を中心に発生する。絹旗に投擲されたベンチを砕いて絹旗を10m以上、内装を突き抜けるまで吹き飛ばし、戦闘不能にする。 [射程]…十数m以上? [速度]…絹旗がベンチを投げてすぐに発動可能。 衝撃波 [威力]…一方通行の超電磁砲より速い石(4、5センチ進んで石が消滅)の衝撃波をありったけの力を翼に込めて衝撃波を撒き散らし相殺、余派でさらに別の衝撃波が発生し信号機や看板が吹き飛ぶ。 [射程]… [速度]…一方通行の攻撃後に発動しても間に合う。 圧迫 触れずに人間に圧迫をかけ見えない何かで踏みにじる。 瀕死の黄泉川を殺すほどではない程度の威力しか作中では使用していない。 ホワイト垣根(通称) 垣根帝督の本体といってもいい存在であり『垣根帝督』の主要意思でもあるが、あくまで全体の司令塔的な存在というだけであり、倒したところで未元物質体であるためにいくらでも再生可能である。ただし、垣根の話ではクローン体よりも戦闘能力・再生能力は圧倒的らしい。また、本体からしてこの状況であるため、老衰や餓死といった人としての死は超越しているものと思われる。新たに腕を翼に変換し、さらにそこから非常に長大な槍を無数に伸ばすといった攻撃をしてくる。 クローン ホワイト垣根のデッドコピーとしての能力を持っていると思われる。黒夜と同様に能力の噴射点を無数に設定する事によりそれぞれが能力を使用することを可能としている。作中では周囲のビルの屋上を埋め尽くすほどの数が作り出されており、一方通行との戦いで圧縮され300体ほどが倒された。 カブトムシ 全長15m程の未元物質で作成した白い巨大なカブトムシ型の兵器。主に角に存在する砲身からスプリング方式で砲弾を射出して攻撃する。背中の羽により飛行することが可能。また、その背中の羽により一定までの衝撃波を相殺することも可能。ホワイト垣根と同様に驚異的な再生能力と同型の攻撃をしばらく耐え忍ぶ防御力を保持している。また、自律行動を行なうことのできる高度な頭脳も持っており、与えられた命令を遂行するために状況に応じて臨機応変に行動できる。集団で行動する際には意見調整役というリーダーのようなものが存在しており、ある程度ホワイト垣根からの命令を曲解することが可能。また、カブトムシ05曰く、自分の数千倍から数万倍の強さの個体も作り出せるらしい。 [威力]…地下鉄のトンネルが崩落する [射程]…おそらく5km程とされている [速度]… 残留思念妹達 垣根が実験場で死んだ妹達の断末魔の叫びともいえる特殊な記録を元に作成したかつての妹達のコピー。紛い物ではあるが妹達の思考をトレースしており、残留思念の再現といってもいい存在となっている。その戦法も銃器こそ持っていないが、もし妹達が未元物質製の身体であったらこのような戦術を選択するだろうといったものであり、スペックは高い。他の兵器群と同様に驚異的な再生能力を持っている。作中では数体登場。 [威力]…拳は壁面破壊用の大型ハンマーより重たい鈍器になり、爪は指と同じ太さのワイヤーを軽々と断ち切るワイヤーカッターよりも強力とされている [射程]…腕の長さ [速度]…オートバイに匹敵する速度で走り回れる 【防御方法】 翼を使わずに一方通行の衝撃波に近い莫大な烈風とそれに伴うATMの破片の渦の激突を受けてもバランスを崩す程度で無傷。 同じく翼を使わずに一方通行と正面から衝突し反射されはするも無傷。 また、復活後は身体そのものが未元物質である。 作中の描写からナノサイズのオジギソウの攻撃や物理最高威力である原子崩しを防御可能と思われる。(Equ.Darkmatter、病理参照) 未元物質の翼 一方通行と戦闘した余派で、街路樹がコンクリートの壁に突き刺さり信号機がへし折れて周囲のビルのガラスが砕け散っていた(この時点では双方共に無傷)。 一方通行と本気で正面衝突した場合は双方共にダメージを受けている。 自分の攻撃を反射されても翼を繭のようにして防御することで無傷。 一方通行の手が翼に突き刺さると同時に翼を無数の羽に変換して衝撃を阻害。 一方通行の竜巻でもぎ取れはする様子(自分から竜巻に巻き込まれるのを防ぐ為切り離した可能性もあり?)。 無限増殖 新約6巻にて復活を果たした際に修得していた能力。未元物質を無制限に能力で創造し続けることが可能になり、さらには未元物質がさらに別の未元物質を生み出すという手法でねずみ算式に無限に増殖し続けるまでになっている。未元物質同士は生体電気に似たパルス信号で相互に情報伝達を行なっており、作中で一方通行にこれを操作された際は未元物質を一定範囲破壊され、本体にも影響が出ていた。しかし、それぞれは無数にブロック化され、相互通信は直結ではなく自由伝達であるために極一部しかこの方法では破壊することができない。新約6巻では学園都市中に未元物質が拡がっていたらしい。既に生身の肉体や脳の欠損は垣根にとっては死ではなく、実際に作中では脳が能力を生み出しているのか能力が脳を形成しているかが非常に曖昧になり、未元物質そのものが『垣根帝督』という存在になっている。そのため、垣根を倒すにはこの無限に創造され無限に増殖していく未元物質を全て完全消滅させる必要がある。また、この創造と増殖には時間的にも限界が存在しないため、時間が経つほどに相手にとって絶望的な状況となっていく。 無限再生 例え、ホワイト垣根や未元物質製の兵器群を構成する未元物質が完全破壊された場合でも瞬時に再生する能力。作中でもホワイト垣根が上半身を消し飛ばされた場合も瞬時に再生している。 【移動速度:移動方法】 翼で高速飛行可能。 羽ばたきで一息に数十メートル進む。 互角の速度の通常一方通行が時速700km以上で先行するハイウェイチーターに追いつくことが可能。 【反応速度】 不意討ちの一方通行のATM投げを翼を使用せず何らかの手段で防御、最初から不意打ちを警戒した常時防衛の可能性も高い。 マッハ3以上の小石が消滅するのを確認して小石の衝撃波を一方通行との中間で迎撃可能。 【特記事項】 トンボ 垣根が偵察用に作り出した1m程のトンボ型の偵察機。 オープンカフェ内での発言からその場の全てのベクトルを集めても動かすことの出来ない質量を生み出せると思われる。 1位・2位と3位以下の能力者には、実力差に超えられない壁があるとされ、作中では第4位の麦野と二回戦闘を行い二度とも一蹴している。 未元物質…この世界には本来存在しない物質を引き出す、もしくは生み出す能力。 生み出した物質は「この世の物質」ではない以上この世の物理法則には従わず相互作用した物質もこの世のものでない独自の物理法則に従って動き出す。つまり、単に変わった物質を作るというだけでなく物理法則全体を塗り替えてしまう能力である。性質の変化はあくまで未元物質が存在することで発生する副次的な効果であるため、 法則改変の方向性を決められる訳でなく、「思いのままに法則を作り上げる」ものでもない。 【基本戦法】 無限に増殖し、クローン・カブトムシ・残留思念妹達を作成しながら、共に空中から翼・日光の回折・烈風・爆発・衝撃波で攻撃 【備考】 黒翼を見た後の覚醒した能力は描写不足なので考慮外
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【種別】 異能・技術 【元ネタ】 原則的には量子力学を下地にしている。 三巻には、小萌先生によって判りやすい例えとして「シュレディンガーの猫」の簡約が挙げられている。 とあるシリーズの世界においては「自分だけの現実」などの説明から、 波束の収縮を脳(の認識)によって意図的に引き起こし、超能力を発現させているようだ。 wikipedia-量子力学 wikipedia-シュレーディンガーの猫 wikipedia-超能力 【初出】 一巻 【概要】 【原理】 【演算】 【特性】 【学園都市において】 【余談】 【関連】 【概要】 学園都市において研究されている、物理法則を捻じ曲げて超自然現象を起こす力。 自分だけの現実(パーソナルリアリティ)と呼ばれる「認識のズレ」によって、 ミクロな世界を歪めることで、マクロな世界に超自然現象を引き起こす。 学園都市創設者にして初代統括理事長のアレイスター=クロウリーによって開発・確立された概念とされる。 学園都市の『開発術』が確立されたことで人為的に習得することが可能になったが、 それ以前から天然で能力を発現させた者である原石が存在する。 また、「才能なき人間」が原石という「才能ある人間」と対等になる為の技術として、魔術が生み出されている。 これを行使する者は『超能力者』と呼ばれそうだが総称は『能力者』。 真に「超能力者」と呼ばれるのは7人のレベル5のみである。 それぞれの能力名は、『念動力』や『発電能力』などのような学校側が命名したシンプルなもの、 『超電磁砲』、『一方通行』のように学生や研究者が申請して決めたもの、 そして能力者が勝手に自称しているものがある(『幻想殺し』はこれに当てはまるものと思われる)。 (※参考:『とらドラ!vs禁書目録』・https //twitter.com/gouranga_/status/1312042507400744960) レベル5などの特別な能力者は、能力名がある種のコードネーム・通称として一般に広まることがある。 (例:『常盤台の超電磁砲』、麦野が垣根を『未元物質』と呼んでいる、など) 【原理】 量子力学の語る所によると、ミクロな世界では、 観測されていない物は抽象的な確率や可能性でしか語ることができない。 「ある」「ない」ではなく、「70%存在する」といった表現しかできない。 そして観測されると「70%存在する」物は70%の確率で現れ、30%の確率で消えるのである。 とあるシリーズの世界ではミクロな世界の「観測者」は人間の脳であり、 故に人間の脳を適切に操作し、ミクロな世界を観測させれば、ミクロな世界を歪めることができるとされている。 例えば、自然的現象が99%存在し、超自然現象が1%存在する時には、 普通の人間が観測すると99%の確率で自然的現象が起こり、超自然現象が起こる確率はわずか1%でしかない。 しかし脳を操作された人間は、1%しか存在しないはずの超自然現象を観測し、本来の確率を無視して無理やり発生させることができる。 そしてミクロな世界の歪みが「バタフライ効果」のようにマクロな世界にも影響を及ぼし、 マクロスケールでの超自然現象、つまり本来有り得ないはずの歪んだ現象を引き起こすのである。 操作された人間の脳にある、「超自然現象を発生させる何か」を『自分だけの現実』と呼ぶ。 自分だけの現実には未だ不明な点も多く、例えば脳のどこが司っているかは判っていないし、 また脳単体では超能力を発生させることはできないようである (これについてはプロデュースという暗部の実験が行われていた)。 ともあれ、「自分だけの現実」を持っているということは「まともな現実から切り離されている」という一種の精神障害と同義であり、 事実「自分だけの現実」を極めた存在とも言えるレベル5は、全員が人格破綻者として広く知られている。 学園都市で行われている開発術とは、投薬や電気ショック、催眠術などにより、 人為的に「自分だけの現実」を獲得させる技術である。 【演算】 能力自体は「自分だけの現実」があれば発現するが、 その能力を行使・制御するためには頭脳による「演算」が必要となる。 どんな能力にも現象を起こすための計算式があり、それを正確に演算することで能力を発動させる。 演算能力は訓練や学習、実験等で向上させることができ、 そして演算能力の大きさはそのまま能力の精度の高さに繋がる。 このため、基本的に「演算能力が高い」ことは「学習能力が高い(≒頭が良い)」ことと同義であり、 その結果、高位能力者ほど知能が高くなる傾向がある (もちろん低位能力者でも知能が高い者は多いが、知能が低い高位能力者は少ない)。 ただし、黒い翼を展開させた一方通行などの例を見るに、 演算は非科学的(魔術的?)法則の様なものに基づいて使用する際にはあまり関係ない(もしくは邪魔)のかもしれない。 また、原石に分類される能力者は自身の力を全く抑えきれなかったり、 詳細を把握していない状態でも行使しているため、 彼らについても学園都市製の能力者と同様の演算が必要なのかは不明。 端的にまとめると、 能力の「種類」と「最大値」を決めるのが『自分だけの現実』、 能力使用時の「精度」と「制御可能値」を決めるのが『演算能力』 である。 能力の総合的な強さはこの二つの掛け算と考えると分かりやすい。 【特性】 観測さえすればいいので特に予備動作は要らず、使おうと思いさえすれば即座に発動可能。 ただし可能性がその場に全く存在しない現象は起こすことができず、 疲労や苦痛などで集中力が乱れると演算の精度が落ちて使用不能になったりもする。 また、観測の力と言う性質上、知覚能力と干渉能力がセットになっていることもある。 (例:御坂美琴の電磁場操作と電磁力線可視) 基本的に学園都市のカリキュラムを受ければ誰でも能力を獲得することが可能だが、 能力の種類は先天的資質に大きく左右され、どんな能力が身に付くかは開発するまで分からない。 また、能力は一人につき一種類で、一度習得した能力は変更することはできない。 応用次第で多様な現象を起こすこともできるが(例 発火能力で煙を作ったり、酸素を奪うなど)、 根本の能力が一つなのは変わらない。 ただし、努力によりある程度成長させることは可能で、 強さに応じて6段階のレベルで評価される。 【学園都市において】 学園都市の真の目的は、超能力の先にあるとされる 『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの(SYSTEM)』に到達することであり、 超能力自体はその研究の過程で生まれた副産物に過ぎない。 そのため能力開発は能力発現までの仕組みを探る生体実験的な意味合いが強く、 基本的に学園都市は能力の効果そのものにあまり興味はない。 実際、大多数の能力は戦闘利用の観点で見れば役立たずで、 高位能力者でも銃に勝てる者は少ない。 ただし一部の上位能力者だけは別格であり、世界を敵に回しても勝てるとさえ言われる。 学園都市暗部では、能力そのものではなく、 「その能力を用いて鍛え上げた武装を作る」といった二次利用が画策されており、 一部の装備は実戦投入可能なレベルにまで達している。 垣根帝督がかなり無理をしてでも生かされていたのは、 「この世のものでない性質を物質に付与できる」という特異な能力による工業的な価値が高いためらしい。 レベル5の序列も戦闘力ではなくこの研究的な利用価値で決まっており、 やたらと戦闘能力の高い削板軍覇が第7位であるのもこれが理由である。 【余談】 前述の通り一定のカリキュラムをこなせば、誰でも大なり小なり何らかの能力に目覚めるはずだが、 それでも能力を得られない、「真の無能力者」とでも呼ぶべき人間も僅かに存在するらしい。 小萌先生はレベル5ではなく、彼らこそが『SYSTEM』に辿り着く鍵だと思っているようだ。 また上条当麻の能力の有無については、幻想殺しを有している弊害なのか、 それとも本当の意味での無能力者なのかは言及されていない。 なお、学園都市の「能力を制御する方法を学ぶ」という名目からか、 都市内には「自分の能力を自分で制御できないヤツは恥ずかしい」という風潮があるようだ。 【関連】 能力一覧表 能力者 全体論の超能力 能力者・魔術師相関図 能力開発 開発官(デペロッパー)
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「さぁ来い上条! お前の根性と俺の根性、どっちが上か白黒ハッキリつけようぜ!」 (まさか削板の奴、ここですごいパーンチってのをやるつもりか? いや、いくら何でもそれは無い。とすると……) 「行くぜ、すごいスライディーング」 削板のすごいスライディーング、要は音速の2倍の速度で繰り出されたスライディングである。 しかし体は地面を滑っておらず超低空で飛んでいるのでスライディングというより飛び蹴りと呼ぶ方が正しいのかもしれない。 普通に考えれば避けられないのだが上条は普通のカテゴリーに収まる人間ではない、強敵との戦闘をくぐり抜けてきた猛者なのだ。 「なにっ! かわしただと!」 「悪いな削板。今はお前と真っ正面から勝負するつもりはねぇんだ。何せ人の恋路がかかってるんだからな!」 (他人の恋の為か、ホントに根性入ったすげぇ奴だな) 削板のすごいスライディーングをジャンプでかわした上条、着地して心理掌握の守るゴールへと切り込んでいく。 ところがそこへ【歩く教会】チーム最後の砦が上条の進撃を阻む。 「削板を抜いたからって気を抜き過ぎよ!」 「うわっ! む、結標っ!」 【座標移動】で上条の前に現れた結標の鋭いスライディングで上条はボールを取りこぼしてしまう。 宙に舞ったボールにいち早く反応したのは白雪で、雪の翼の力強い跳躍ですぐさまボールに詰め寄ると雪の翼でボールを撃ち出す。 コースは【歩く教会】チームのゴール右上隅、しかし心理掌握もきっちり反応していた。 (コースは厳しいですがキャッチは出来ますわ。そして近くまで下がっている削板さんへパス。すごいパーンチで逆転で試合終了、いけますわ!) 「ナイスセンタリングだァ白雪ィ! 行ってこいよ紫木くんよォ!」 「のわああああああああああああっ! へぶしっ!!」 「(アク様がチームメイトの誰かを撃ち出した!)し、しまったっ!」 そこにいつの間にか情報屋の後ろに回っていた一方通行が情報屋を風のベクトルを操作して射出した。 暴風で飛ばされるという人生の中でもワースト3に入る恐怖体験をしている情報屋の顔面に白雪の撃ち出したボールが上手い具合にヒット。 そしてボールは心理掌握とは逆方向に飛んでゴールネットを揺らしていた、上条チームの逆転である。 「き、」 「「「「「「「「「「決まった(ァ)ーーーーーーーー!!」」」」」」」」」」 「やりやがったな情報屋!」 「あの野郎なんて根性入ったヘディング(?)なんだ!!」 「お前らまだ気抜くんじゃないぜよ?まだ試合は終わってないんだからにゃー」 「あれ?友くんは…?」 テンションが最高潮に達するスタジアム。 そんな中このゴールの主役である紫木は… 「ぐふぅ、あ、アクセラぁ…。感謝してはいるが別な方法は無かったのかよぉ」 「ンだァ!?せっかくゴール譲ってやったンだろォが!?文句でもあるンですかァ!!?」 「いや、だからもっと優しくできなかったのかって…」 不機嫌になった一方通行におどおどしながらも自らの意見を述べる紫木。 しかし 「一方通行!!貴方のアシストいぶし銀で痺れちゃった!ってミサカはミサカは賞賛を送ってみたり!!」 という打ち止めからの声で機嫌をなおし 「打ち止めァ!次はオレがゴール決めて差を広げてやるぜェ!!」 と言い残し自分のポジションへと帰っていく。 その頃逆転を許した【歩く協会】チームは… 「すいません。あそこで私がもっとアク様の動きに気を配っていれば…」 「過ぎたことは仕方ないんだよ。それに相手の攻撃力を甘くみて選手をあげるようにいったの私にも責任はあるかも…。それよりもいま話し合わなくちゃいけないのはいかにしてこの短時間でゴールを決めるかなんだよ!」 「確かに。残り時間はあと僅かだね…。」 「でしたら…とミサカは最後の賭けとなる戦略を提示します。 ごにょごにょ」 「!!いや、でもそれは…!」 「でもここまで来たら超覚悟決めましょう!!」 「そうね、それしかないわ!」 「こんなに根性入った作戦は初めてだ!!」 「腹をくくるしかないね。」 「なんとしてでもとうま達にかつんだよ!!」 【歩く協会】チームは御坂妹の提案した最後の賭けにのった。 その『最後の賭け』の正体は 「「「「「「「「「「「決着はPK合戦で(超)お願い(するんだよ)(するよ)(します)!(とミサカは頭を下げます)」」」」」」」」」」」 「は、」 「「「「「「「「「「「は(ァァァァァァァァァァァァァ)ああああああああああああああああ!!!!???」」」」」」」」」」」 【歩く教会】チームの最後の賭け、その内容に上条チームは怒りを通り越して呆れていた。 何とか気を取り直した土御門が冷静に【歩く教会】チームキャプテンのインデックスに尋ねる。 「なぁ禁書目録。要するにお前さん達は今までの試合は無かったことにしてPK合戦で本当の決着をつけよう、そう言いたいのか?」 「うん。さすがはもとはる、察しが良くて」 「ふっざけんじゃねーーにゃーーっ! 今までの努力や汗を無駄にするような提案なんぞ呑めるわけねーーだろーーっ!」 「ふふんっ、超分かりました。土御門は私達とPK合戦で勝つ自信が超無いから拒否するんですね。まったくとんだ超チキン野郎です」 【歩く教会】チームの不条理極まりない提案&絹旗の暴言に土御門もさすがに我慢の限界に来ていた。 そこに真夜が割り込んで【歩く教会】チームを正当かつ容赦の無い追い込みを仕掛ける。 「すみませんがあなた達のそのプライドの無い提案、受け入れることは出来ません。試合終了後ならまだしも試合中ですよ」 「そ、それはそうだけど……」 「それに泣きの1回のようなPK合戦、今まで僕たちを応援してくれた観客の皆さんに申し訳ないと思います。それに潔くありません」 真夜の物言いに【歩く教会】チーム全員が何も言えなかった、麦野や絹旗でさえも。 そして止めとして真夜がPK合戦を反対する理由が語られるのだが、それは意外にも【歩く教会】チームの不利を示すものだった。 「PK合戦になったら僕達は当麻くんじゃなくて一方通行くんをキーパーにします。風のベクトルを操作すればどんな相手だって止められますから」 「……確かにそうよね。私は【座標移動】でのボール移動は禁止されてるから直接ゴールは決められないし……。誰も決められないんじゃないかしら?」 「流石は淡希さん、理解が早くて助かります。そちらもその白い学生服の人の奇妙なパンチがありますけど一方通行くんのシュートは止められないですし」 「そんなもん俺のこ」 「時間もギリギリあるようですから諦めるのは早いと思いますよ。さ、試合を再開させましょう。試合終了後、同点だった場合はあなた達の提案を受け入れることも考えますので」 削板の発言を遮った真夜を見て削板以外の【歩く教会】チームは思う、間違いなく削板に怒っていると。 真夜の言葉、そして早めに表示されたロスタイムが2分なのを見てインデックスは素直に引き下がり、奇跡的な逆転勝利を掴むことを決意する。 「いやー助かったぜよ井ノ原弟。あそこでお前さんが割り込んでくれなかったらオレらしくなく挑発に乗ってた所だぜい」 「いえ、正直ギリギリでした。一方通行くんの能力使用時間を相手の方々に悟られていたら危うかったです。さ、今は勝つことだけを考えましょう」 「よし! 情報屋の逆転ゴールでようやくここまできたんだ、絶対に勝つぞぉ!!」 「「「「「「「「「「おおっ!!!」」」」」」」」」」 「勝負は最後まで分からない。みんな、ここは出せる力の全てをもって逆転して優勝を勝ち取るんだよ!!」 「「「「「「「「「「オーーーーーーーーッ!!」」」」」」」」」」 両チームの最後の円陣の後、後半44分から【歩く教会】チームのボールで試合再開。 そこからの3分間、余計な言葉は一切聞かれず、互いのチームは全力でぶつかり合った。 お互いに一歩も譲らない試合展開に観客席に居る応援団も一生懸命彼らを応援し、選手もそれに応えるように更に頑張りを見せる。 そして主審の災誤の試合終了のホイッスルが吹かれた、6対5で上条チームの勝利と共に上条のクラスの全種目優勝が決まったのだった。
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【作品名】デート・ア・ライブ 十香デッドエンド EXTRA EPISODE 【ジャンル】漫画 【作品設定】ライトノベル「デート・ア・ライブ」の2番目の本編コミカライズ作品。 原作は十巻以上発売されているがこの漫画は原作一巻分の内容でひとまず完結している。 なお、以前発売されていた最初の本編コミカライズや別の関連漫画とは特に繋がりはない。 参戦作品は単行本3巻の最後に収録されている外伝で主人公は当時は名無しの精霊だった夜刀神十香。 ・速度計算 携帯型ミサイルランチャー(120m/s程か)が6m程の距離まで接近してから視認して 動作と共に叫ぶ事ができる士道と余裕で手をかざして防げる十香(1mから20m/s反応・戦闘速度) 十香と互角に近接戦闘が可能な折紙(1mから20m/s反応・戦闘速度) 【名前】夜刀神十香(漫画) 【属性】精霊 プリンセス 、世界を殺す災厄 【大きさ】高校二年生女子並み 【攻撃力】足で地面を強く踏んだだけで直径2mのクレーターができる。 鏖殺公:「サンダルフォン」と読む大剣。 呼べばどこからともなく台座と共に現れ金属を軽々と斬る事ができる。 衝撃波:剣を普通に振っただけで衝撃波が発生して 最低でも100m先まであった多数の10階建てビルが一撃で全て真っ二つに両断された。 衝撃波の速度は最低でも10mを士道にとって一瞬(200m/s)。 飛んでいるミサイル数十発だろうが普通に衝撃波連発で被弾前に落とせる。 それなりに力を込めて振ると十字型に衝撃波が飛んでいく。 また、素手でも腕を振って鉄筋コンクリート壁複数枚を2m幅で跡形もなく破壊できる。 射程は10m程で速度は最低でも4mを士道にとって一瞬ほど(80m/s)。 最後の剣:「ハルヴァンヘレヴ」と読む鏖殺公の強化形態。 どこからともなく近くに現れる台座を斬りその破片が 自動的に鏖殺公に集まる事で8m程の巨大な剣と化す。 台座召喚から最後の剣が完成するまでは結構時間がかかるので数秒位か。 なお、全力を使う際のエネルギーが暴走すれば街一つ消し飛ぶらしいが自分も耐えられないので省略。 衝撃波(最後の剣):最後の剣を振る事で100m先まで届く衝撃波が剣筋に沿って発生して 途中にあった地面や崖などが幅10mほどで下底が見えない位に抉られた。 速度は完全に剣筋と連動しているので十香が100mサイズの剣を振る相応か。 衝撃波は大きさ10m・射程100m程の弾としても放つことができる。 速度は100m程の距離を十香にとって一瞬で飛んでいく(2000m/s)。 弾の威力はアングル鉄塔(最低でも30mか)を一撃で破壊したり 直径10m・高さ20m規模の光の柱と共に周囲の地面や木々諸々を全て粉砕する位。 エネルギー弾:指先に直径20cm程の不思議エネルギーによる弾を作りだして撃つ。 射程は最低でも5m程で弾速は士道が5mから対応できない程(100m/s)。 着弾時に3m程の爆発を起こす威力で爆発に直接巻き込まれなくても 爆発の近くにいた高二男子の士道が4m程の高さまで吹き飛ばされた。 また、同サイズでも掌全体から放つことにより爆発を起こさずに 直径2m範囲で鉄筋コンクリート壁を複数枚抉って貫通して8m程進むようにできる。 指ビーム:指先数cmに放つビームで黒板にそれなりに太い漢字を彫れる。 【防御力】直径100m範囲内の全ての10階建てビルが粉々に粉砕される衝撃波が 剣の打ち合いにより発生して超至近距離で巻き込まれても戦闘続行可能。 明らかに油断している時に背後からサブマシンガンの銃撃を数十発食らっても倒れこむだけで無傷。 神威霊装・十番:「アドナイ・メレク」と読むドレス風の鎧を装備している。 バリア:手をかざす事で全周囲半径4m程の不思議バリアを一瞬で展開可能。 思考発動の場合は半径2mになるがこちらだと一度展開すれば意識しなくても維持できる。 どちらもサブマシンガンの銃の一斉射撃による数十発以上の銃撃や 弾のサイズが太さ10cm・長さ20m程で着弾すると直径2m程の爆発が起きる 携帯型ミサイルランチャーの砲撃を8発同時に食らっても破られなかった。 【素早さ】1mから20m/s反応・戦闘速度で10m程の高さまで跳躍可能。 それ以外は達人並みで飛行速度は通常移動速度並みはあるはず。 【特殊能力】姿は人間だが種族は精霊であり人外。 装備等も必要なく素で飛行や空中静止が可能。 服装変更:1~2秒程度で服装を自由に再構築する事ができる。 たとえ初めて見た服装でもすぐに構成する事が可能。 世界移動:自分の意思とは関係なく発生する世界移動能力。 基点世界と別空間を不定期に交互に行き来しており別空間にいる際は休眠状態になっている。 作中では1日以上基点世界にいる事も1日経過せずに世界移動が発生する事もないため 時間経過で世界移動による戦闘続行不能が発生して負け扱いになるか。 【長所】天真爛漫 【短所】無類のきなこパン好き 【戦法】地面に立っておりバリア未展開で鏖殺公を持っている状態で参戦。 初手剣を振って衝撃波、物理が効かないならエネルギー弾を試す。 あとは臨機応変に行動し、必要そうなら最後の剣に強化して衝撃波。 【備考】参戦時点では長くても残り1時間程度で別空間への世界移動が発生する。 参戦 vol.115 vol.139 244格無しさん2023/03/03(金) 22 43 15.31ID 0Io4/7OW 以下の七名は位置に疑問のあるキャラ ピオラ:改変範囲は惑星規模と狭めだが物理無効、精神耐性、改変耐性があるのでもっと上 アムル:達人以上の反応にマッハ1.47の飛び道具持ち。防御も高いので達人思考発動の壁を越えられる スタンリー・イプキス:高耐久キャラが下に増えてきたので落ちる 夜刀神十香(漫画):0.05秒反応、30m破壊攻防の範囲攻撃持ち。バーニィwithザク改より上に行ける 海王丸:50m爆発攻防に50mの大きさ。ランキング2を越えられるのでは ローズマリー:素早さはともかく攻撃が低すぎる コンカー:スタンリー・イプキスの防御を下げたようなスペックなのでその辺りまで落ちる vol.116 475格無しさん2017/09/26(火) 12 18 24.78ID I5zPfDOm 夜刀神十香(漫画) 考察 高二女子の人外+高層ビル破壊を超える攻防+1mから20m/s反応・戦闘速度+1時間経過で強制世界移動による敗北+他 攻防はそこそこあるが反応が獣並とあまり高くなくて時間制限付きなのも痛い 達人思考発動の壁直上は衝撃波の速度的にギリギリ先手取れるはずなので亜音速の壁前後から確認 ○ 流浪の戦士レイナ(漫画):攻撃耐えるし衝撃波勝ち ○ 本郷猛(仮面ライダーTheFirst):攻撃耐えるし衝撃波勝ち ○ 麦野ちこ:攻撃耐えるし衝撃波勝ち × ジョナサン・モリス:パイ投げ負け ○ エンハウンス:衝撃波勝ち - バーニイwithザク改:再考察待ちなので飛ばす × カンベエ;斬撃負け ○ 大介withおまる:衝撃波勝ち × 森安竜夫:攻撃耐えるけど速度的に攻撃見てからかわされる、時間制限負け ○ 風間光二withサイクロン:攻撃耐えるし衝撃波で範囲攻撃勝ち ○ スタンリー・イプキス:人外なので誘う踊りは無効、銃撃も耐えるし衝撃波勝ち ○ サンレッド:攻撃耐えるし衝撃波で範囲攻撃勝ち ○ キリヤ・ケイジ:攻撃耐えるし衝撃波で範囲攻撃勝ち ○ 葉桜:攻撃耐えるし衝撃波勝ち - バル・クロウ:参考URL切れで防御力が一切不明、要修正か × 神with神像:神本体に衝撃波は当たらん、雷でも撃たれて負け ○ 大海の覇王エドワード・ヒル:相手の攻撃はある程度耐えるだろう、衝撃波勝ち ○ 虎水ギンタ:攻撃耐えるし衝撃波勝ち ○ ドナルド・マクドナルド:攻撃耐えるし衝撃波勝ち × ボギ:隕石破壊銃負け ○ やっちゃん:攻撃耐えるし衝撃波勝ち ○ 皐月駆:衝撃波勝ち ○ ヨブ:催眠は人外なので無効、落雷はタメがあるので衝撃波撃って勝ち ○ ウッドペッカー:攻撃耐えるし衝撃波で範囲攻撃勝ち ○ アダッチマン:攻撃耐えるし衝撃波勝ち × ヴァルバトーゼ(漫画):ギガファイア負け × アシュトン・アンカース:ギョロとウルルンによる防御無視攻撃負け × 江戸川コナン:麻酔銃負け × 国鉄子:ギリギリ射程外か、プリンセスロッド振り下ろし負け × シャーロックホームズ:攻撃耐えるけど速度的に攻撃見てからかわされる、時間制限負け × 金田正太郎with鉄人28号:普通に堅い、打撃等を当てられて負け × 早瀬浩一withラインバレル:反応と射程とオーバーライド的に攻撃当てる事はできない、時間制限負け >ヴァルバトーゼ(漫画)>夜刀神十香(漫画)>アダッチマン> バル・クロウに関しては「参考URL切れで防御力が一切不明」なので要修正かな
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「……くたばっちまったか、あいつ」 放送後、開口一番に言葉を発したのはシグレであった 「呼ばれた名前に知り合いがいたのでしょうか?」 「まあな。エレノア・ヒュームってやつだ。元同僚だったんだが、まあ色々あって裏切りやがったわけだが」 エレノア・ヒューム。病院にてメアリが殺害した人物。まさかこの男が彼女の知り合いだったと内心多少は驚いたものの、そこは気付かれないようにとメアリは言葉を選ぶ 「シグレ様は思いの外ドライなのですね。……まあ私には関係ないのですが」 「こんな殺し合いだ、実力はあっても死ぬ時は死ぬだろ。最も、俺はまだ死ぬ気なんてねぇがな」 そんな風に不敵な笑みを浮かべながら言い返すシグレ。戦場に身を置く者と、日常に身を置くもの。メアリとしても殺し合いに乗って既に一人殺しているが、認識が経験の根本的な違いをまざまざと実感させられる結果であった 「てめぇの方はどうなんだ? 知ってる名前でも呼ばれたのか?」 「……一応は、ですが特に何も」 メアリ・ハントとしては放送で呼ばれた名で知っているのはキース・クラエス。カタリナ・クラエスの義弟であり 最も、『ゴミの一人が勝手にくたばった』分にはメアリ・ハントとしては好都合である カタリナ様は悲しむだろうけれど、自分が何かしらの手段で励ますなりすればいい 「それよりも、少々面倒なことになってしまいましたわ」 ひとまず邪魔者共のことは片隅においておき、放送で説明された禁止エリア。スポーツジムを経由して魔法学園に向かうはずだったのがB-5、C-4の禁止エリア化の通告である 「どうすんだ? 俺ならこのまま突っ切って行けるが、嬢ちゃんはそういうわけには行かねぇだろ」 「……仕方ありませんわ、ここはD-4の方に向けて遠回りに行くしかありませんわね。申し訳ございません」 「気にすんなっての。もしかしたら別の強えやつに出会えるかもしれねぇしな!」 形程度に謝罪するメアリに対し、シグレはただただ豪快にポジティブな態度を見せつけるのであった ○ ○ ○ 「……これは、本当に最悪の事態ってわけよ……」 テミスの放送を聞いたフレンダ・セイルヴェンはその事実に項垂れながらとぼとぼと歩いていた 放送で流れた名前の中に、『煉獄杏寿郎』の名 終わった、もうこうなったら竜馬が自分に対してどうするかなんてわかりきっている。というか最悪殺されかねない、いやマジで 「しかも……よりによって……」 さらに追い打ちをかけるように禁止エリアの位置が問題だ。煉獄が自分を助けにやってきた際に、『どこからやってきたか』という点で予測するならC-4となる 移動のための条件が整ってしまっているのだ。もしも、万が一竜馬がこっち側に来ようものなら――終わる そう思考した瞬間に、駆け出していた。ただ生きたいという衝動のもと、我武者羅に逃げようとしていた。だが…… 「……ん、なんだてめぇ?」 「―――あ」 またしてもガタイの良さそうな大男(と女の人)が目の前に映り、フレンダの思考と身体は一瞬停止した ○ 「……というわけってことよ」 「ほう。つまりてめぇは妙な男に襲われて、逃げてきたら仮面かぶった剣士に襲われて、それを別の剣士に助けて貰って逃げてきたってことか」 「フレンダさん、なんというかそれは災難でしたようですね……」 数分後、冷静さを取り戻したフレンダは出会った二人、シグレ・ランゲツとメアリ・ハントに対して身の上の事情及び情報を説明していた、勿論多少嘘や脚色を交えて入るが 「ところでだフレンダ。仮面被った剣士の持ってた剣、覚えてるか?」 「いや、覚えてるかって言われても……仮面の方は黒い刀だったってのは覚えてるわけよ」 「……そうか。そいつが俺の得物を持ってやがるのをちょっと期待したが、そう甘くねぇか。だが……」 フレンダの話を聞いたシグレが笑みを浮かべ、メアリは「あ、これなんかあまりいい予感がしない」と半ば諦めの表情を浮かべていた 「……ええと、シグレ様? もしかして……向かいますの?」 「強えかもしれねぇやつがいるんだ。それに、殺し合いに乗ってるやつを一応聖寮の立場としちゃ放っては置けねぇからな」 「は、はぁ………わかりました。まず遠回りを選んだのは私の方ですので、もうなるようになれです」 こうなっては仕方がない。禁止エリア指定のタイミングもあるし、最悪シグレに仮面の剣士を任せて逃げるという手段もありだろう、そうメアリは思考し納得することにした 「わかりゃいいんだよ。で、こいつどうすんだ? 道案内にでも連れて行くか?」 「えっ」 ふとしたシグレの言葉に、フレンダが思わずキョトンと沈黙し、数秒後顔面蒼白になる 「あからさまに嫌そうな顔をしていますね……。まあ無理に付いていかせる必要も無いとは思いますが」 「ま、そりゃそうだな。……悪かったな、足止めしちまって。………ってもういねぇ」 シグレとメアリが目を離した隙に、既にフレンダの姿は無かった 「逃げ足だけは妙に早かったな……ま、何かしら企んでるんだったらその時にでも〆ときゃ問題ねぇか」 「私としてはどっちでも良いのですがね」 そうして二人がたどり着いた場所が、新たな戦場の幕開けとなろうとは、まだ二人は知らない 【C-3/朝/一日目】 【シグレ・ランゲツ@テイルズ オブ ベルセリア】 [状態]:右腕、背中に火傷(小) [服装]:普段着 [装備]:七天七刀@とある魔術の禁書目録 [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考] 基本方針: 帰る。號嵐・真打を探す。 0:敵なら斬る。強い剣士なら更に良い。敵意がないなら斬らない。 1:災禍の顕主一行(ベルベット、ライフィセット、ロクロウ、マギルゥ、エレノア)とブチャラティは襲わず先にマギルゥとの契約を話す。ただしそれでも襲ってきた場合は別。 2:メアリ・ハントと共に、魔法学園を目指す 3:フレンダの言っていた殺し合いに乗っているらしき黒い刀の仮面男が気になる。禁止エリアの都合もあるから迂回ルートでもし出会うことがあれば…… 4:こいつ(メアリ)何なんだ? 5:ついでに心水(酒)もほしい。 [備考] キララウス火山での決戦前からの参戦です。 【メアリ・ハント@乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…】 [状態]:健康、狂気 [服装]:いつもの服装 [装備]:プロトタイプ@うたわれるもの3 二人の白皇 [道具]:基本支給品一式、エレノアの首輪、カタリナ・クラエスのメモ手帳@はめふら、不明支給品1つ [思考] 基本:優勝してカタリナ様を破滅から救う 1:カタリナ様の破滅に繋がる連中(ジオルド、キース、マリア)は始末する 2:シグレと共に、魔法学園へ向かう 3:ミナデイン砲のトリガーとなるオーブを探す 4:もうなるようになれ、最悪シグレを置いて逃げる [備考] ※魔法学園入学前からの参戦です ○ ○ ○ 危機は脱した、安全圏には逃げれた? それはわからない だが一旦は安全と安堵し、ため息をつく 「……ここからだとホテルが一番近いはずだったけれど……」 一番施設として近い場所に位置するのはホテル。だが今は考えてる暇はない。多少のリスクは承知で、ホテルへと向かうのであった 【E-3/朝/一日目】 【フレンダ=セイヴェルン@とある魔術の禁書目録】 [状態]:全身にダメージ(小)、疲労(大)、右耳たぶ損傷、頬にかすり傷。衣服に凄まじい埃や汚れ。 [服装]:普段の服装(帽子なし) [装備]:麻酔銃@新ゲッターロボ [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1、『アイテム』のアジトで回収できた人形爆弾×2他、諸々。レインの基本支給品一色、やくそう×2@ドラゴンクエストビルダーズ2、不明支給品1つ(確認済み) [思考] 基本方針:とにかく生き残る。現状は首輪の解除を優先するが、優勝も視野には入れている 0:煉獄の言う通りに竜馬に謝りに行く?それともさっきの連中とは別の参加者を探す? 1:麦野たちと合流できればしたい...後々を考えると複雑な気分ではあるが。 2:あの化け物(ミカヅチ)から逃げる。絶対に関わり合いになりたくない。 3:彩声にちょっぴりの罪悪感。まあでも仕方ない、切り替えていこう 4:死なないで煉獄、マジで ※フレンダの支給品の一つ、煙玉は使い切りました。 前話 次話 限界バトル 投下順 わたしのとくべつ(前編) 前話 キャラクター 次話 Strange Interlude メアリ・ハント 未来戦線異常アリ Strange Interlude シグレ・ランゲツ 未来戦線異常アリ 闇を暴け(下) フレンダ=セイヴェルン フレンダちゃんのドキドキ⭐︎生存戦略!
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何故だ。 どうしてこうなった。 自分たちの任務はただ子供を確保するという簡単なモノのハズ。 能力者対策も万全だった。 なのに。 「ハッ…ハァッ…!」 現実はどうだ。 部隊は壊滅状態で、自分は逃げ惑うばかり。 考えがまとまらない。 足がもつれる。 ここが限か――――― 「………」 スコープの中にある獲物の崩れ落ちる姿を認め、砂皿は次の標的を探す。 もっとも、敵の残存戦力は多くない。 大部分は、今はここに居ない味方達に無力化されたからだ。 ふと、近付いてくる気配を感じる。 「駆動鎧か…まだ残っているとはな」 どうにかできない相手ではないが、いかんせん距離が近すぎる。 だが、彼の表情に焦りは見られない。 駆動鎧が、銃口をこちらに向ける。 しかし、そちらに砂皿が目を向けることは無かった。 直後、ガガガガガッ!!と連続で金属が衝突する音が響く。 それと共に、駆動鎧がみるみるスクラップと化していく。 「ふぃー、危なかったですね砂皿さん……ってスルー!?私は空気か何かですかぁ!?」 「……煩い、集中できん」 「ぶーぶー!いいですよー!あとでネッチョリと絡ませてもらいますから!」 コントのような会話をしながらも、着実に敵を排除していく。 二人にとってはこのくらいがちょうどいいのかもしれなかった。 「……そろそろ、か。ここが終わったら他のメンバーの援護に行くぞ」 「はいはーい。……まあ行く前に終わってそうですけどね」 「反乱だと!?ええい、どうなっている!」 「隊長、どうしますか?」 「我々も出撃する!総員、相手にはレベル5もいる!十分に気を付け―――」 言いきる前に、爆音と共に近くの壁が崩れる。 「な、何があった!?」 「おそらく、爆発物が仕掛けられていた模様です!ここ以外でも被害は起きているようで…!」 「くっ…!」 カツン、と床を蹴るヒールの音が響く。 「あーあーフレンダの奴、張り切りすぎじゃないの?」 まさか。 「麦野…沈利…ッ!?」 「あらあら、名前を覚えてもってるのは光栄なんだけど……オッサンには興味無いのよね」 瞬時に、男たちは彼女に向かって構える。 「威勢がいいのは結構だけど―――後方注意ね」 「何ッ!?」 「超遅いです!」 集団に向かって、小柄な少女が突っ込む。 傍から見れば無謀に見えるが、彼女レベル4の能力者だ。 窒素装甲で覆われた人体という弾丸に吹き飛ばされ、隊員たちは散り散りになる。 「ナイス絹旗♪そんじゃ……サ ヨ ナ ラ」 麦野沈利が光線を放つ。 その光は、男たちの肉体を簡単に消し飛ばした。 「……派手にやったな」 「あ?あー…グラサン、名前なんだったっけ?」 「グラサン……土御門元春、だ」 「ああ、土御門ね…そっちの持ち分は終わったの?」 「いや、俺は戦力として数えられてないからな……だが、そろそろ出番だ」 そう言って土御門は携帯を取り出し、どこかへと電話をかける。 「超電話ですか、誰にです?」 「なに、ちょっと高みの見物をしてる狸にな」 『……よう』 「おや、貴方ですか……」 応対しているのは、スマートな黒の装束に身を包んだ人間。 顔も隠されていて、性別を確かめることすらできない。 「暗部同盟……なるほど、結束した貴方がたの力は凄まじいものがあります」 『お褒めにあずかり光栄、だな……随分余裕じゃないか』 「正しくは冷静、でしょうか……まあ、まだ策がありますので」 『そうか?』 土御門が、嘲笑するように言う。 訝しげに、黒い人間は相手の出方を待つ。 『そう思うなら、お前は随分と鈍感なんだな』 ガチャ、という音と共に頭に銃口が押し当てられた。 「悪いな、護衛は全員眠らせちまったよ」 「な…に…ッ!?」 銃口を向けるのは浜面仕上。 アイテムの雑用係で、無能力者の男。 「馬鹿な…!護衛には未元物質を元にした『アレ』を…!」 「ああ、ロシアで俺たちを襲ったヤツらだろ」 「無能力者程度が太刀打ちできる代物ではない…!元は第二位の、垣根帝督の力だぞ!」 「だからこそだ」 理解ができない。 他のレベル5ならまだわかるが、今目の前に居るのは無能力者だ。 こんなことがあるはずがない。 「未元物質はロシアに行く前に滝壺がそのAIM拡散力場を記憶している」 「……まさか」 「そうだ、全員無力化させてもらった」 だが、疑問が残る。 未元物質を使っているとはいえ、彼ら自身が能力者であるわけではない。 「元の能力が同じなら、できるんだよ」 答えるように、浜面が言う。 「元は未元物質なんだろうが。パンにとっての小麦粉……それを操れるなら、加工品のパンもってな」 つまり、武器の素材そのものを掌握されたということだ。 そして。 「覚えとけ、これが新生アイテム―――そして暗部同盟だ」 ズガン、という音と共に、黒が崩れ落ちた。 「おーおーお前ら俺のファンかよ、みんな俺の真似しやがって」 「いや、このメルヘンさは誰も真似したくないでしょ。ホラ、嫌そうな顔してる」 「仮面してるから見えねーっての」 「あら、メルヘンの方には突っ込まないの?」 ぐ、と垣根がうなだれる。 だが、コントをしたところで敵が笑い転げるわけではない。 「……自分の置かれた立場を理解できていないようだな」 「あ?理解してるぜ?雑魚共がウジャウジャしてるってなあ!」 「我々の力は、貴様の力を元にして作られたものだ。試作品が正式採用品に敵わないように、力の差は歴然だ」 「おいおい言ってくれるなぁ…だが、大事なことを忘れてんじゃねーか?」 「なに…?」 「俺の未元物質に常識は通用しねえ」 バサリ、と垣根帝得が翼を広げる。 「テメエらのルールはあくまでテメエら自身のモンだ、俺がそれに縛られる理由はねーんだよ」 「………」 仮面の男たちも翼を広げ、空に舞う。 垣根はそれを見て、ニタリ、と笑う。 「さあ…見せてやる。魔術さえも理解した俺の未元物質をな」 翼を持つ者たちが空で激突する。 そして。 ――――イギリス 「……今、何と言った?」 「おお、ステイル…そんな顔をしけると、小皺が増えなりけるのよ」 「うるさい…!何と言ったと聞いている!!」 激昂するステイルに対し、ローラ=スチュアートはただくすくすと笑う。 そう、人を見下したような顔で。 そして。 「魔導図書館を学園都市に送り込む、と言いけるのよ」 「貴様、あそこは今戦場だぞ!そんな所にあの子を―――」 ああ、と最大主教は答える。 今気付いた、という意味ではなく同意という意味で。 「だからこそ、意味がありしなのよ」 「―――な、に?」 どういうことだ、と炎の魔術師は思考を巡らせる。 その答えが出ないうちに、最大主教は言葉を続ける。 「あそこにはアレイスター=クロウリーが居けるのよ」 それは、つい最近になって魔術サイドに広まった事実だ。 もっとも、一般の魔術師には噂という形でしか認知されていないのだが。 「そして今、幻想殺し達がそれを倒そうとしたるのよ、好機に他ならぬことよ」 「……どういうことだ」 ステイルが再び問いをぶつける。 理解できない、むしろ理解したくないという風に。 「まだわからぬことなりけるの、ステイル?」 「………」 ステイルは、答えない。 何をしようとしているかはある程度理解できる。 しかし、それを阻止するだけの力はあるのか自分にはわからないから。 「アレイスターは魔術に関わる者にとって害悪そのものなるの。その討伐に我々が参加しすれば、功績によって発言力も増す」 「だけれども、大規模な討伐隊を組んでここを空けるわけにもいかぬことよ」 「だから、『アレ』を差し向けるのが効率的なりけるのよ」 それは違う。 確かに、フィアンマの件による被害の残るここを空けられないのは事実。 だが、禁書目録を向かわせるのが討伐隊を組むより効率的とは言えない。 その疑問に答えるように、最大主教は続ける。 「別に、戦力にはなるであろ?……そう、コレがありければ」 そして出てきた物は、ステイルにとって忘れようのないモノ。 そう―――禁書目録の遠隔制御霊装。 「また、そんなものを…そんなものを使えば、まだ全快でないあの子の体は…!」 「死んでも、構わぬのよ?」 今度こそ、ステイルは言葉を失った。 「他の組織を出し抜き、我々が参戦しけるという事実さえあれば、それで構わぬのよ」 最早、目の前の女が何を言っているのか理解できない。 「むしろ、損害がありける方がアレイスターの遺産と周りからの信頼も得られるであろうよ、それに、壊れたならまた用意すればよろし」 沈黙。 両者の心は憤怒と愉悦と、真逆の感情があった。 そして。 「遺産だと?信頼、だと?」 拳を握りしめ、炎の魔術師は、怒りを爆発させる。 「あの子の命が、そんなものと引き換えになっていいわけがない!!」 叫びと共に、ルーンが部屋中にばらまかれる。 そして使役する。 目の前の『敵』を殺すための力を。 「―――魔女狩りの王!!」 だが、発動しない。 それを疑問に思う前に、体が拘束される。 「が、はっ…!」 「……まさか、何の対策も取らぬとでも思うたの?」 そう言う女の顔には、焦りの感情は微塵も感じられない。 「な…にを…」 「この部屋にある霊装が起動したのみなるのよ。部下の反乱を防ぐ対策は必要であろ?」 そして、遠隔制御霊装を操作する。 「や、めろ」 「見ておれよステイル、お前の守ると誓ったものが滅びていく様を」 「やめろぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」 叫びに、答えは無い。 ただ、女は霊装を起動させた。 ―――学園都市 空に、白が舞う。 どちらが優勢かは、誰の目からも明らかだった。 「……どうした、大口を叩いた割に防戦一方だぞ?」 仮面の男が、垣根帝督に告げる。 その通りだった。 1対1ならいいものを、敵は複数いる。 垣根の翼で対応するのにも、限界はあった。 「―――チッ!」 敵の翼を破壊できる翼で、垣根は攻撃を加える。 だが、その間に別の性質を持った翼が割り込む。 「貴様が敵対した場合に備えて、性質の違う未元物質を用意していたのだ」 その繰り返し。 1対多では、持久戦に持ち込む意味もなかった。 「もう諦めろ。貴様の命運は決した。」 「―――く、」 ふと、垣根帝督が俯き、体を揺らす。 「くく――くははははははははははは!!」 突然の狂笑。 ついに狂ったか、と男たちは感じる。 「よお、お前ら……残念だったな、もう終わりだ」 「……ふん、この状況を打破することなどできん。ブラフだろう」 そうかそうか、と垣根は至極愉快そうに答える。 男たちは、妙な真似をする前に処分しようという結論に達し、そして、 「遺言なら聞いてやろう。この力を得ることのできた恩義もある」 「誠実だな、まあ、一言だけ言うなら――――」 「解析完了だ、クソッタレ」 「―――は?」 男たちが反応をする前に。 何らかの対処さえさせないまま、垣根は翼を振るう。 そして。 「が、あっ…!」 白い翼を粉砕された男たちが、ノーバウンドで数十メートル吹き飛ぶ。 男の一人が、かろうじて空中で垣根に向き直る。 だが。 「―――ひ、い!?」 「悪いが、俺は遺言を聞いてやるほど優しくはねぇぞ」 目の前に迫る、学園都市第二位。 再び、翼が振るわれる。 残ったのは、肉片だけだった。 「いやー、余裕だったぜ」 「あら、その割にはボロボロじゃない?」 物陰から、心理定規が姿を現す。 先の戦いに巻き込まれなかったのが不思議に感じられるが、理由はある。 垣根が、彼女をかばいながら戦っていたのだ。 「仕方ねーだろ、ハンデ付きで対複数だ。無傷で済むわけねぇよ」 「……やっぱり、居ない方が良かった?」 「いいや、そうでもねぇよ、おかげで第一位に近付くことができた」 「……?」 そう、周りの人間を守りながら戦うこと。 今だあの境地には程遠いが、前に進むことができたのは確かだ。 「なあ」 「何?」 「疲れた時はやっぱ膝枕だよな」 「………ハァ、まあいいけど、ホント締まらないわね」 「だろうな、俺に常識を当てはめる方が間違いだ」 「……それって、ただの馬鹿じゃない?」 戦いの後に訪れる平穏。 だが、未だ戦い続ける者もいる。 だからこそ、二人に休む暇などは無かった。 ピシ、とひびが入るような音がした。 「―――――?」 辺りを見回すが、特に変化は無い。 だが、ピシ、ピシと、音の間隔だんだんと短くなっていく。 まさか。 そう考え、手の中の霊装に目を向ける。 そして、 パキ…ンという音と共に魔道図書館の遠隔制御霊装はガラス細工のように砕け散った。 「なッ……!」 最大主教が、驚愕に目を見開く。 ステイルはそれに対し、最初は理解ができず、ポカンとしていたが、すぐに表情を変える。 「く…くくく……!」 その表情は歓喜。 まるで長年の研究の成果の出た科学者のような。 「――――ステイル、貴様の仕業か?」 「く、ふふ……おや、いつもの喋り方はどうしたんです、最大主教?」 「やはり……!」 「いいや……僕は何もしていないさ……」 そう言って、拘束されたままごろん、と仰向けになる。 「だが…これであの子を縛るものは無くなった……!」 ふ、と最大主教から顔から憤怒の表情が消えた。 だが、それはステイルに対する許しを意味しない。 そこには、ただ失望と侮蔑があったのだから。 コト、という音と共に、ローラ=スチュアートが杖を手に持つ。 ステイルにそれの正体はわからなかったが、どうせろくでもない霊装だろうと結論付けた。 ボウ、とステイルの上空に火球が現出する。 「炎、か……僕に相応しい死に様じゃないか」 「……そうか」 「まあ、あの子を守って死ぬのが理想だったかな」 興味なさげに、最大主教はブツブツと詠唱する。 それと共に、炎が肥大化する。 「―――先に行っているよ」 そして、炎はステイルに向けて堕ち、その体を完全に飲み込んだ。 「………」 反逆者は、一人始末できた。 ともかく、今は魔道図書館をどうにかしなければならない。 いや、アレイスターの件が先か。 そこまで考えた所で、 炎を落とした跡に、白い影が立っている。 「……何者かしら?」 煙と熱によって遮られていた視界が、徐々に晴れていく。 そして、そこに立っていたのは、 「―――禁書、目録?」 ステイルは、またも起きた事態に対応しきれずにいた。 炎から自分を守った少女は誰だ? 彼女が何故ここにいる? そもそも自分を助ける理由など、彼女には――― 「すている」 少女の唇から、炎の魔術師の名がこぼれおちる。 それは、彼が何より欲する言葉。 そして、もう戻るはずのない言葉。 「ごめんね、すている」 あの頃と同じ目で、少女が言葉を告げる。 慈しむように、警戒などの感情を全く感じさせない顔で。 「遅くなっちゃってごめんね、すている………ただいま」 「何故……」 驚きを隠せない顔で、最大主教が問う。 「どうして…記憶が戻っている…?」 答えるために、インデックスが最大主教に顔を向ける。 その目には、決意の色を宿して。 「今思えば、最初からおかしかったんだよ」 「私にかけられていた首輪は、記憶と魔力を奪うためのもの」 「にも関わらず、破壊された後も記憶はおろか、魔力さえ戻らなかったんだよ、つまりは―――」 「私の魔力と失われた記憶は全て、自動書記に奪われていたんだよ」 「そうだとしても、記憶を取り戻すことなど……ッ!?」 そこまで言ってから、気付く。 少女は一度、右方のフィアンマによって、霊装で操られたことに。 彼女には、あらゆる魔術を解析する力があることに。 そして、遠隔制御霊装が前触れもなく砕け散ったことに。 「ま、さか……」 あり得ない。 だが、あえてその可能性を口にする。 「掌握したのか……自動書記を……!」 返事は、無い。 だが、無言は肯定と同意だった。 ならば。 魔道図書館が命令を聞かぬ邪魔者になったのなら。 その意思と共に、最大主教は杖を構える。 「インデックス……!」 ステイルが、少女の名を呼ぶ。 危険だ、心配だという風に。 くす、とインデックスが微かに笑う。 「だいじょうぶだよ、すている」 やがてそれが、満面の笑みへと変わる。 「それに、今度は私が誰かを守る番なんだよ」 そして、少女はステイルに背を向け、敵に向かう。 ただ、大事な人を守るために。 少女の形をした生まれたての魔神は、己を傷つけた組織の首領へと牙をむく。 『……どうしますか、彼らは絶対に来ますよ?』 『ふむ、それなら……アレを出しなさい』 『アレ、ですか?しかし戦闘能力が少し足りないのでは……』 『問題はありません、彼か彼女のトラウマを刺激すればいいのですから』 『それは…前例が…』 『それよりは戦闘能力は少しは上ですし、強化用のツールもあるでしょう?』 『……わかりました、その通りに』 『頼みましたよ、それが唯一の対抗策です』 『……了解』
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/23169.html
2006年4月放送開始。第1、第3シリーズを掲載。プライムビデオが配信開始。 http //www9.nhk.or.jp/anime/zenmai/ 監督 やすみ哲夫 原作 m k チーフ演出 野中かずみ キャラクターデザイン 秋穂範子 総作画監督 神戸環 美術監督 永井由香、丸森俊昭 色彩設計 宮下眞理 撮影監督 袖山岳大 編集 瀬山武司 音響監督 なかのとおる 音楽 三宅純、SUN.SALT TIME アニメーション制作 A-1 Pictures、ノーサイド 脚本 大野木寛 やすみ哲夫 河原ゆうじ 西園悟 北条千夏 石川智子 小松崎康弘 高橋健太 山田かおり 川辺美奈子 きたいさちこ 山下友弘 絵コンテ やすみ哲夫 野中かずみ 鈴木卓夫 藤森カズマ おがわひろし 河合夢男 矢澤範生 工藤進 野田作樹 のだのーだ 長村しんじ 麦野アイス 細谷秋夫 サトウ光敏 佐久間信計 前田康成 一川孝久 演出 佐藤清光 長村しんじ サトウ光敏 ながむらしんじ 作画監督・作画 神戸環 小堤一明 林桂子 湯川高光 山崎登志樹 加瀬政広 小野隆哉 佐久間信計 おがわひろし はっとりますみ 華房泰堂 椛島義夫 岩崎ヨーコ 増谷三郎 古宇田文男 山川宏治 細谷秋夫 窪田正史 前田康成 守屋麻美 工藤好美 プライムビデオ:ぜんまいざむらい 1. ぜんまいざむらい誕生 出演:鈴木晶子, 川崎恵理子, 那須めぐみ 再生時間:5 分 初公開日/初回放送日:2006年4月3日 ■関連タイトル DVD ぜんまいざむらい~ぜんまいざむらい誕生~ OPテーマ ぜんまいざむらいのうた ぜんまいざむらい ~これぞ!傑作選~ ぜんまいざむらい全キャラじてん 3DS ぜんまいざむらい 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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Blu-ray 宇宙戦艦ティラミスⅡ地球限定コンプリート版 発売日:1月30日 ①宮川サトシ先生・伊藤亰先生描き下ろしリバーシブルジャケット ②ピクチャーレーベル ③特製リーフレット ④映像特典 -新作アニメーション4話 -ノンクレジットOP -PV、CM集 ここを編集 2018年10月放送開始。宇宙戦艦ティラミスの続編。 http //tiramisu-anime.com/ 監督 博史池畠 原作 宮川サトシ、伊藤亰 シリーズ構成 佐藤裕 キャラクターデザイン・総作画監督 横山愛 サブキャラクターデザイン 鎌田均 メカデザイン・プロップデザイン 杉村友和 美術監督 畠山佑貴、若松栄司 撮影監督 林コージロー 色彩設計 歌川律子 3DCGディレクター 吉良柾成 モニターグラフィックス・特殊効果 南條楊輔 編集 廣瀬清志 編集助手 榎田美咲 音響監督 郷文裕貴 音響効果 八十正太 録音エンジニア 清本百合子 アシスタントエンジニア 村山魁杜 音楽 石毛駿平 方言指導 宮川サトシ エンディングアニメーション 柴崎由佳 アニメーション制作 GONZO 脚本 佐藤裕 絵コンテ セトウケンジ 麦野アイス 福田道生 博史池畠 演出 所俊克 北井嘉樹 玉田博 八谷賢一 作画監督 横山愛 皆川愛香利 鎌田均 杉村友和 Kim Hee kang SEO SOON-YOUNG In Tea Sun Kwon Young-sang ■関連タイトル Blu-ray 宇宙戦艦ティラミスⅡ地球限定コンプリート版 OP&EDテーマ Gravity Heart/DURANDAL 原作コミック 宇宙戦艦ティラミス 1 セット買い 宇宙戦艦ティラミス 1-巻セット 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Blu-ray 魔女見習いをさがして Blu-ray「どうにかなる日々」Blu-ray Happy-Go-Lucky Edition 初回限定生産 Blu-rayDisc付き 『ラブライブ! スーパースター!!』「始まりは君の空」【みんなで叶える物語盤】 BEM~BECOME HUMAN~豪華版Blu-ray Blu-ray 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 10th Anniversary Compact Collection Blu-ray ぐらぶるっ! Blu-ray 映画クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 Blu-ray CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda Millennial Fair FINAL at NAKANO SUNPLAZA 2020 ゴブリンスレイヤー Blu-ray BOX 初回生産限定 グリザイア ファントムトリガー THE ANIMATION 03[Blu-ray] 特装版 ラブライブ! サンシャイン!! Saint Snow 1st GIG 〜Welcome to Dazzling White Town〜 Blu-ray Memorial BOX ゾンビランドサガ Blu-ray BOX 初回生産限定盤 Blu-ray 思い、思われ、ふり、ふられ 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 1st Season 完全生産限定版 Blu-ray Fate/Grand Carnival 2nd Season 完全生産限定版 Blu-ray ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII OVA Blu-ray 映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 BD特装版 Blu-ray アズールレーン 三笠大先輩と学ぶ世界の艦船 ぶるーれい Blu-ray 水瀬いのり Inori Minase 5th ANNIVERSARY LIVE Starry Wishes かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 22 OVA同梱版 呪術廻戦 公式ファンブック よつばと! 15 監修 庵野秀明・樋口真嗣など 夢のかけら 東宝特撮映画篇 パラレルパラダイス 13 特装版 アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 9 オリジナルCD付き限定版 美樹本晴彦マクロス画集 軌 わだち― 夜ノみつき 10th EUSHULLY WORKS しらこ画集 ILLUSTRATION MAKING VISUAL BOOK カズアキ画集 Kazuaki game artworks ライザのアトリエ2 ~失われた伝承と秘密の妖精~ 公式ビジュアルコレクション ぼくたちは勉強ができない 第21巻 音声ドラマ ミニ画集付き同梱版 あいきょう 荻pote作品集 ヒョーゴノスケ流 イラストの描き方 TVアニメ『くまクマ熊ベアー』オフィシャルファンブック 押井守原作・総監督 西村純二監督作品 『ぶらどらぶ』 解体新書公式コンプリートガイド OCTOPATH TRAVELER Design Works THE ART OF OCTOPATH 2016-2020 おそ松さん 3rd season SPECIAL BOOK 描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方 YMO1978-2043 「小冊子・YMO全トラックリスト2021 Amazon限定表紙版」付き To LOVEる -とらぶる- ダークネス FIGURE PHOTOGRAPHY COLLECTION 斉藤朱夏 CALENDAR 2021.4-2022.3 ラブライブ! サンシャイン!! Aqours DOME TOUR COMIC ILLUSTRATION BOOK ラブライブ! サンシャイン!! Aqours COMIC ILLUSTRATION BOOK 2020 Winter イジらないで、長瀞さん 10 特装版 「はたらく細胞」公式アニメ完全ガイド リスアニ! Vol.43.2「アイドルマスター」音楽大全 永久保存版VII アイドルマスター シャイニーカラーズ 3 CD付き特装版 ウルトラマンマックス 15年目の証言録 ウルトラマンZ特写写真集 じじぃ 人生は深いな 冴えない彼女の育てかた 深崎暮人画集 上 Flat. ぷよぷよ アートワークコレクション 古谷静佳1st写真集 re START THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER COLLABORATION! Great Journey ウルトラマンゼロ Blu-ray BOX クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 Blu-ray BOX 初回生産限定版 小林さんちのメイドラゴンBlu-ray BOX ゆゆ式Blu-ray BOX スペシャルプライス版 とーとつにエジプト神 Blu-ray 直球表題ロボットアニメ 全話いっき見ブルーレイ 未来ロボ ダルタニアス 一挙見Blu-ray VOL.1 シュヴァルツェスマーケン 全話見Blu-ray ワールドトリガー一挙見Blu‐ray VOL.1 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 魔王プレイボックス 初回生産限定 トータル・イクリプス 全話見Blu-ray Blu-ray Cutie Honey Universe Complete Edition 夜ノヤッターマン 全話いっき見ブルーレイ こみっくがーるず Blu-ray BOX 初回生産限定 Blu-ray 幼女社長 むじなカンパニーセット 初回生産限定 ログ・ホライズン 円卓崩壊 Blu-ray BOX 七つの大罪 憤怒の審判 Blu-ray BOX I Blu-ray 水樹奈々 NANA ACOUSTIC ONLINE 『Dr.STONE』2nd SEASON Blu-ray BOX【初回生産限定版】 魔術士オーフェンはぐれ旅 キムラック編 Blu‐ray BOX 今井麻美 Winter Live「Flow of time」 - 2019.12.26 at EX THEATER ROPPONGI - Blu-ray盤 Blu-ray 仮面ライダーゼロワン ショートアニメ EVERYONE'S DAILY LIFE 仮面ライダー一挙見Blu-ray 1号 2号・V3編 仮面ライダー一挙見Blu-ray X・アマゾン・ストロンガー編 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1975-1981 スーパー戦隊一挙見Blu-ray 1982-1986 半妖の夜叉姫 Blu-ray Disc BOX 1 完全生産限定版 裏世界ピクニック Blu-ray BOX上巻 初回生産限定 Levius レビウス Blu-ray BOX【期間限定版】 スーパー戦隊 学研の図鑑 江口寿史美人画集 彼女 アニメディスクガイド80's レコード針の音が聴こえる necomi画集 PHONOGRAPHIC フルーツバスケット アニメ2nd season 高屋奈月 Illustrations 2 彼女、お借りします TVアニメ第1期 公式設定資料集 ドラゴンボール 超戦士シールウエハースZ 超シールガイド ガンダムアーカイヴス『ガンダムビルドシリーズ』編 Angel Beats! 天使画集 Angel Diary PANZER FRAULEIN 野上武志画集 【陸編】 Angel's cage るび様画集 Sweet Dream はすね画集 画集 制服Girl's▼コレクション もりょ作品集 異世界ファンタジーのキャラクターコレクション 劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」公式ビジュアルBOOK アイドルマスター シャイニーカラーズ イラストレーション ワークス VOL.2 Blu-rayDisc付き 八十亀ちゃんかんさつにっき 10 特装版 あんさんぶるスターズ! Ready For Star 2巻 缶バッジ付 Switch エーペックスレジェンズ チャンピオンエディション New ポケモンスナップ -Switch 【PS4】BIOHAZARD VILLAGE PLAMAX 聖戦士ダンバイン サーバイン ノンスケール PS製 組み立て式プラスチックモデル スーパーミニプラ 無敵ロボ トライダーG7 3個入りBOX 魔道祖師 前塵編 完全生産限定版 HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム MG 機動戦士ガンダムSEED モビルジン 1/100スケール カンチ 青 ノンスケール ABS&ダイキャスト製 塗装済み完成品 ☆赤ver 魔女の旅々17 ドラマCD付き特装版 クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE 時空を超えて るるぶアズールレーン からかい上手の高木さん15からかいカレンダーカード付き特別版 「武装神姫」原案イラスト集 ALLSTARS 機動戦士ガンダム サンダーボルト 17 キャラクターブック付き限定版 とある科学の超電磁砲T OFFICIAL VISUAL BOOK Aqours 5周年記念アニメーションPV付きシングル「smile smile ship Start!」【BD付】
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涙が枯れるという表現があるが、実際そう簡単には枯れてくれない。 どれくらい時間が経ったのか、御坂美琴は泣き止んだ。 今の私は、きっとみじめな顔をしているだろう。 真っ赤に腫らした目をしているだろう。 そう考えると、ますます個室から出難くなった。 「はぁ……ついてないわね」 ズルズルと鼻をすすり、溜息をつく。 インデックスは、どうしているだろうか。 もしかしたら、自分を探しているかもしれない。 「…………」 もしかしたら、また絡まれているかもしれない。 「…………………」 もしかしたら、悪い人について行ってしまってるかもしれない。 そしてその悪い人に騙され、監禁され、脱がされ、体をすみずみまで舐め回され「いやー、みことー、たすけてー」と悲痛な叫びをあ 「させるもんですかっ!」 バン!と勢い良く個室のドアを開く。 洗面台までダッシュし、洗顔。 その後すぐにロビーに舞い戻り、純白の修道服を捜す。 「うわぁぁぁぁぁ!」 彼女の声がした。 ロビーの奥の方、『休憩所』と書かれたプレートのぶら下がった場所のさらに奥。 そこから、彼女の叫びが聞こえた。 「インデックス!?………くっ!」 少数の客の目も気にせず、一心に駆け抜ける。 「遅かったか!」という後悔が焦りと共に背中を這い上がってくる。 休憩所の古びた木製のドア。 そのノブをつかみ、思い切り回して 「インデックス!!」 休憩所に飛び込んだ。 禁書「すごーい!何これー!」キラキラキラ ??「ふふふ、これはですね、1960年に公開された時に特定の映画館のみで配布された主演俳優の………」ペラペラ 美琴「でえぇぇぇぇ!」ズガシャーン! 禁書「うわっ!み、みこと、どうしたの?」 ??「関西を彷彿とさせる見事な超ズッコケですね。周りの机も巻き込むっていうところが超グッドです」 美琴「な、なに、してるの?」ボロッ 絹旗「!」 禁書「えっとね、さいあいに『映画の超素晴らしさ』を教えてもらってたんだよ!」 美琴「あ、ああそうなの。心配して損したわ」 禁書「心配?」 美琴「なんでもない。こっちの話よ」 絹旗「……………」 美琴「えーっと、はじめまして?」 絹旗「ハ、ハジメマシテ。キ、絹旗最愛デス」カチコチ 美琴「あはは、そんなかしこまらなくてもいいのに」 絹旗「イ、イエ」 絹旗(なんで超電磁砲が超ここにいるんですか!?) 禁書「さいあい、どうしたの?」 絹旗「い、いや超なんといいますか、その」 美琴「まぁ、いきなり年上に話しかけられたら怖いわよね」 絹旗「い、いえ、そうではなくて」 美琴「ところで絹旗さんは何年生?」 絹旗「超中学生ですー!」ウガー! 禁書「ええっ!?そうだったの!?」ビクッ 絹旗「………何歳だと思ってたんですか」 禁書「11歳くらいかなーと」 美琴「同じく」 絹旗「もうそれでいいですよぅ……」ガクッ 美琴「いやー、ごめんね」タハハ 禁書「……ねぇ、みこと」 美琴「ん?」 禁書「なんでそんなに眼が真っ赤なの?大丈夫?」 美琴「うえっ!?えーっと、それはー…あの………あのね!その………」 絹旗「…………超こすってたんでしょう?乾燥、してますから」 美琴「そ、そう!それよ」 禁書「なんだ。超こすってただけかー」ホッ 美琴「インデックス、『超』がうつってるわよ」 禁書「うっ……」ブルッ 美琴「?」 禁書「ち、ちょっとおしっこ!」ダッ! 美琴「女の子がおしっこなんて言っちゃダメって何回……………行っちゃった……」 絹旗「…………」 美琴「あ、そういや自己紹介してなかったわね。アタシは」 絹旗「常盤台中学2年、御坂美琴。通称『超電磁砲』」 美琴「!!」 絹旗「ですよね?」 美琴「い、いやー、びっくりびっくり。読心系能力者かー」アハハ… 絹旗「『第四位』」 美琴「!!!」 絹旗「『麦野沈利』『布束砥信』『クローン』『妹達』」 美琴「アンタ………何者?」バチバチッ! 絹旗「私ですか?」 絹旗「『アイテム』元構成員、絹旗最愛です」 美琴「ッ!!」バチッ! ざわついた空気が肌を舐めまわし、皮膚がピリピリと叫んでいる。 Lサイズのポップコーン2つの影に忍ぶ少女は、笑っていた。 不敵な笑みでは無く、あざけるような笑みでも無く、ただ「お久しぶりです」というような、友好的な笑み。 それは逆に言いようの無い不安や焦燥につながった。 何故そんな笑みを見せるのか。 何を考えているのか。 疑念が疑念を呼ぶ連鎖。 それがじゃらじゃら音をたてて私を縛りつけてゆく。 「アンタ……………今さらなんの用?」 紫電をまとわず、迎撃体制をとる。 空気は依然、弦のように張り詰めたままだ。 「ふっ………そんなあからさまに、超構えないでくださいよ」 木製のイスに身をゆだねている少女。 身構えるのでもなくうろたえるのでもなく、ただ憮然に泰然に、超然と座っている。 どっしりとした様子でくつろぐ少女からは、なんとも形容しがたい、言うなれば『オーラ』のようなものが感じられた。 「……………」 ゴクリ、とのどが鳴る 摂氏8℃下の環境で流れる汗が、緊迫し、切迫した心理状態を表している。 一触即発。 そんな空気が御坂美琴を支配した。 「何しに来たのかって聞いてるのよ」 鋭い眼光はポップコーンの林を貫通し、彼女の眼光と衝突する。 互いに眼を逸らさず、ジッとした、冷戦が展開された。 約5秒の沈黙。 永久凍土の中に放り込まれたかのようなこの時間は、 「別に。超偶然ですけど?」 彼女の一言で融解した。 美琴「偶然なら、なんで正体を明かしたのよ?このままの、初対面の関係で良かったんじゃないの?」 絹旗「…………まぁ、超そう言われればそうですね」 美琴「まさかアンタ、インデックスに接触したのもアタシと話すのが目的?」 絹旗「いえ、超違います」 美琴「なら、インデックスが目的なのね……………!」ギリッ! 絹旗「いや、そんなわけ無 美琴「あの子に何をしたの?勧誘?洗脳?それとも『何かをしようとしてた』のかしら?」 絹旗「いえ、ですから違 美琴「はっ!もしかして……誘拐………っ!?」 絹旗「あの、超電磁砲?話を 美琴「あーあー、そーゆーことか。……………アンタ、」 ーーーー「覚悟は………できてるんでしょうね?」バチバチバチッ!!! 絹旗「だから私の話を超聞いてください!」ガタッ! 美琴「何? あの子を狙ってるなら辞世の句すら言わせないわよ?」バチッ! 絹旗「………はぁ。そんな気、さらさらありませんよ」 美琴「じゃあ何?さっさと言いなさいよ」 絹旗「自分が超言わせなかったんじゃないですか……」ボソッ 美琴「なに?」ギロッ 絹旗「い、いえ、なんでも」 絹旗「簡単に言うと、近況報告です」 美琴「はい?近況報告?」 絹旗「ええ。私たち、『アイテム』の」 ---------- 美琴「へぇ。アンタたちも大変だったのね」 絹旗「ええ、まぁ」 美琴「でさ、原子崩しを倒した無能力者って、黒髪のツンツンで、身長170㎝くらいの男子高校生?」 絹旗「いえ、超茶髪のボサボサで、身長180㎝くらいの元スキルアウトです」 美琴「なんだ、聞いて損したわ」 絹旗「今の時間を超返還を要求します」 美琴「たった数秒じゃない。チマチマしてると、身長もチマチマしてくるわよ」 絹旗「それは超関係ないでしょう!」ウガー! 美琴「あはは……疑って悪かったわね?」 絹旗「いえ、こちらこそ、超説明不足でした」 美琴「で、あの子………誰だっけ?欧米人の………」 絹旗「……………フレンダ、ですか?」 美琴「ああ、それそれ。あの子はどうなったの?」 絹旗「いえ…………まぁ…………」 美琴「?」 絹旗「………あいつ、私たちを敵に超売ったんです」 美琴「………さしずめ、保身のため、ってとこかしら?」 絹旗「鋭いですね。それで、麦野に超粛清されました」 美琴「……………え?」 絹旗「殺されたんですよ。上半身と下半身が超真っ二つ」 美琴「いや、そんな………」 絹旗「内臓がね、切断面から超出てるんですよ。なんとも滑稽な死に様でしょう?」 美琴「………………」 絹旗「あはははっ!ホント、超いい気味ですよ」アハハハハ 美琴「……………ねぇ」 絹旗「なんですか?『そんなのダメっ!』とでも言いたいんですか?だから表の世界の人間は……」 美琴「もう、やめなさいよ」 絹旗「何がですか?『死者を冒涜するな!』とでも?」アハハ 美琴「違うわよ」 絹旗「じゃあなんですか?」アハハハ 美琴「もうさ、自分を傷つけるのはやめなさいよ」 絹旗「ッ!!」 絹旗「あはは……超何を言ってるんですか。私は何も傷ついてなんか 美琴「じゃあ、なんでそんな辛そうな顔してんのよ」 絹旗「…………」ギリッ 美琴「アンタ本当はさ、悲しいんじゃないの?その、フレンダさんが亡くなって」 絹旗「………レベル5の超推測ですか?それとも事件大好き乙女の超妄想ですか?」 美琴「さぁね。アタシには、なんにもわからないわ」フゥ 絹旗「…………」 美琴「でもね、なんだろうな。なんかさ、アンタがフレンダさんの話する時、なんか痛そうだった」 絹旗「…………」 美琴「ま、それだけよ。根拠もなにも無い、ただの妄想。忘れて」 絹旗「……………なんでですか」 美琴「ん?」 絹旗「あのシスターも、あなたも、なんでそんなに超鋭いんですか…………っ!」 美琴「………顔にでてんのよ、アンタ」 絹旗「くっ………………そうですよ」 美琴「うんうん」 絹旗「私は、フレンダが、あの裏切り者の超クソヤロウが、」 美琴「うん」 絹旗「大、好きだったんです………!」 美琴「!」 絹旗「あぁ、友達うんぬんの好きじゃありませんよ。…………性の超対象としての、好きです」 美琴「ッ!!」 絹旗「ハハッ………超、キモいですよね。…………笑って、下さいよ」 絹旗「女が女を好きになるって………どこの超D級映画ですか。ホント、気持ち悪い」ハハッ 絹旗「ま、超そーゆーことです。さ、笑って下さい」 美琴「……………ホント、滑稽よね」 絹旗「………ッ!」ギリッ 美琴「女が女を好きになるなんて、ホントに気持ち悪い。ありえないわ」 絹旗「……………」 美琴「ホント、ありえ、ない………わよ」ポロポロ 絹旗「………え?」 美琴「気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い!」ポロポロ 絹旗「えっ?あ、あの……」オロオロ 美琴「ホントになんで………」 美琴「好きになんて、なっちゃったんだろうねぇ…………」グスッ 絹旗「! …………まさか」 美琴「…………………どう?自分と同じ性癖を客観視した感想は?」グスッ 絹旗「!!」 美琴「気持ち悪いでしょ?おかしいでしょ?アンタもこんな感じ。気持ち悪いよ。アタシも、アンタも」 絹旗「……………」 美琴「アンタこそさ、笑いなさいよ。指差して、腹かかえて、笑いなさいよ」 絹旗「…………できません」 美琴「そうよね。アンタもアタシも同じ異端だもんね。アタシのことを笑ったら、自分のことを笑ってることになっちゃうんだもんね」 絹旗「……………超、違います」 美琴「何が違うの?同情?偽善?やめてよそんなの。ヘドが出るわ」 絹旗「私たちは………私たちは、」 「同じ痛みを、知ってるじゃありませんか」 美琴「ッ………!」 絹旗「あなた、さっき泣いてたんでしょう?」 美琴「…………」 絹旗「実は私も、泣いてたんですよ。さっき」 美琴「!」 絹旗「そこに、インデックスが超来たんです」 美琴「…………」 絹旗「『君は泣いてもいいんだよ』って超言われちゃいました」 美琴「…………」 絹旗「それと、こんなことも言われましたよ」 絹旗「『誰かを好きになった気持ちを大切にすることは、とってもとっても素敵なことなんだよ』って」 美琴「……………あの子が?」 絹旗「はい。私も超一瞬見失ってましたけど」タハハ… 絹旗「だからあなた……御坂も、好きになった気持ちを、大事にして下さい」 絹旗「それがたった一つのプライドに変わる日だって、来るかもしれないんですから」 美琴「…………くっ…」ウルッ 絹旗「御坂、超大丈夫ですよ」 美琴「絹旗……さん?隣に座っ、て、くれる……かな?」 絹旗「はい」チョコン 美琴「う………ううぅぅぅ」ダキッ 絹旗「……………」ナデナデ 美琴「うええっ……ううぅっ……うえぇぇ……」 絹旗「大丈夫です。大丈夫、ですよ」ナデナデ ---------- ジャーーーーーーゴボゴボゴボ… 禁書「ふぅ」ガチャ 禁書「いやー、大量大量だったんだよ」 禁書「『おしっこ』って言ったのに、遅くなっちゃったかも」ジャバシャバ 禁書「………ん?」ゴソゴソ 禁書「あ、ハンカチ忘れた」 禁書「う~~~、冷たいんだよ……」 禁書「…………」チラッ 禁書「温風の出る箱………『ジェットタオル』………」 禁書「つ、使っても大丈夫なのかな…?」 禁書「いきなり熱風が吹き荒れたり………しないかな?」 禁書「……て、手を入れてみるくらいなら………」ソ~~~… ウゥ…フォーーーーン!! 禁書「ひゃわぁっ!」バッ! 禁書「あ、あったかい風が!フォーンって!フォーンって出てきたんだよ!」ビクビク 禁書「恐ろしきかな科学都市、なんだよ………!」 この街に来てから結構になるが、『機械』というものには まだ少々抵抗がある。 爆発する機械、『電子レンジ』。 指を挟んでくる冷たい機械、『冷蔵庫』。 目が回る機械、『洗濯機』。 私の唯一の味方は、喋る箱、『テレビ』のみだ。 そんなことを考えながら、どんどんと冷えてゆく手を合わせ、息を吹きかけた。 ふわりとした温風。 先ほどのびっくりさせる機械、『ジェットタオル』と比べて、幾分も優しく、思いやりのある風。 だが、思いやりと風勢は比例するようで、そよ風程度の温風は、私の手にまた冬を輸入した。 「みことにハンカチ借りよっかな………」 びちゃびちゃの手をブンブンと降ると、冷えた手が棒きれの様に硬くなった気がした。 『冷えた手』。 それから、いたずらを思いついた。 氷のように冷たい手を、誰かの暖かい背中に押し付けるという悪魔の計画。 標的はすでに決まっていた。 御坂美琴である。 「むっふっふ、わたしの怖さ、思い知るといいんだよ」 そう一人でつぶやき、猫のような足運びでトイレを出る。 休憩室の木製のドア。 それをそっと開けた。 (さぁ、覚悟を………………あれ?) なんだか、空気がおかしい。 あの2人しかいない休憩室全体の空気が、なんだか『重み』のようなものを孕んでいるような気がする。 磨りガラスすら はめこまれていない、薄い木製のドア。 それを薄っすらと開き中を伺うも、2人いる席は見えない。 もう少し開かなければならないようだが、なんだか、開いてはいけないような、そんな感じがする。 本当に漠然とした、言うなれば『女のカン』。 それがドアを開けることを阻害していた。 (なんだろう………?) 恐る恐るドアを、少しずつだが開いていく。 キィィという音。 それと共に、見える2人の姿。 「ーーーー!」 さっき見た、映画を思い出した。 同性愛者のA子、ノーマルのB子。 私はもちろん後者で、前者は異端だと思う。 おそらく日本国の大体数の人間が前者であろう。 そう思うのは、私が、私が所属する環境が、『A子的性癖』とはあまり関係の無いところにいるからなのだろうか。 まぁとにかく、前者は異端である。 が、 (……え?なんで?) 見えるのは、泣きながら抱き合う2人。 さっきの映画で聞いたレズビアンを指す言葉、『百合』という言葉がポップアップしてきた。 (え………?みことってもしかして……) ざわり。 胸の奥、心の隙間、そこに釘が打ち込まれた様に身動きが取れなくなる。 (い、いやいや、わたしだって、さいあいを抱きしめたんだよ。そうだよ。あれは、みこと なりの慈悲なんだよ) 必死に自身を洗脳するも、なかなか上手くいかない。 『友達がレズビアンかもしれない』。 そんな疑念が浮かんでは消え、大きくなってまた浮かぶ。 『泣いている絹旗最愛を慰めていた』という理由なら、美琴が抱きつき、泣く必要は無い。 『絹旗がせがんできた』という理由なら、応じた美琴も同類だ。 (違うよね?そうだよ、違う違う。みことがレズビアンなワケが) そこまで思考した時、御坂美琴が絹旗最愛を強く、深く抱きしめた。 絹旗最愛もそれに応じる。 その姿はまさに思い人同士だった。 (みことは………) (みことは、レズビアンなのかな?) (だったら、ちょっと汚らわしいかも………) 踵を返し、もう一度、トイレへ向かう。 寒い個室の中、考えることは一つ。 友人、御坂美琴のことだ。 (ねぇみこと、どうして?) 返答は、返ってこない。 (どうして?) 胸の中、頭の中、音が反響し、私の孤独を浮き彫りにする。 (どうして?) 冷えた身体に鞭を打つような洋式便器の非情さが、私を凍えさせた。 (どうして?) ねぇ、みこと、 「どうして…………どうして、わたしじゃないの?」 不意に、頬を冷たい液体が撫でた。 インデックスには、その正体が分からなかった。
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浜面は森林と市街地との境界に沿って続く道路を走っていた。 自分の足ではなく、街中の有料駐車場に泊めてあった車で、もっと言えば持ち前のピッキング技術で盗難せしめた車で。 浜面は片側一車線の道路を猛スピードで駆け抜けていた。 車種はライトバン。白色の車体から重低音のエンジン音を唸らせて、人間では到底追い付けない速度で道を進む。 その速度は浜面の焦燥感を表しているようであった。 (ちくしょう、人っ子一人見当たらねえぞ!) 周囲が暗闇だという事も影響しているのだろうか、幾ら車を走らせど参加者を発見する事はできない。 焦燥感が浜面の心中に募っていく。 『原子崩し』麦野沈利。 『AIMストーカー』滝壺理后。 どちらも暗部組織の一員として学園都市の裏側で生きてきた少女達である。 片や学園都市に七人しかいない超能力者、片や学園都市の上層部にすら重宝される大能力者。 レベル0の浜面如きが心配するような少女達ではないのかもしれない。 だが、浜面は知っている。 軍隊を相手取れる超能力者であろうと、将来的に学園都市最強の能力者に成りうる大能力者であろうと、その能力を振るう彼女達は少女だ。 まだ酒も飲めない、煙草だって吸えない、成人すらしてない少女。 分かっている。 彼女達だって人並みに悩み、人並みに笑い、人並みに後悔だってする。 そんな少女達がこんな殺し合いに参加させられている。 そう思うだけでペダルを踏み込む右足に力が籠もった。 呻りを上げるライトバン。 法定速度をぶっちぎりで超過して、白色の車両が道を進む。 そして数分後、浜面はとある少女と遭遇する事となる。 その出会いは浜面からすれば青天の霹靂で、シチュエーションなどまさに空から降ってきた系のヒロインであった。 いきなり空から降ってきて浜面の前へと現れた少女。 少女の名前は美樹さやか。 空から降ってきた系のヒロインであり、魔法少女でもあり、そして―――ヤンデル属性も持ったスーパー多ジャンルヒロイン。 確認しておく。 ヤンデ『レ』ではなく、ヤンデ『ル』のだ。 もう半端ないくらい、それこそ浜面が和解を果たした超能力者の全盛期と同等か、それ以上のヤンデル具合を見せつけている。 そんな少女との出会いを露とも知らず、レベル0の無能力者はライトバンを走らせる。 彼が、空から降ってきた系のヤンデル魔法少女と出会うまで、あと一分を切っていた。 ◇ そして将来の空から降ってくる系のヒロインにして、現ヤンデル魔法少女・美樹さやかは暗闇の森林を歩いていた。 時間にして浜面と遭遇する30分程前。まだ彼が車を探し歩いている時間だ。 何処か覚束ない足取りで森林を進むさやか。 その表情は無表情で、瞳にも何の感情も宿していない。 何も映さず、何も感じさせないその瞳は、言うなれば虚無。 感情を何処かに忘れてしまったかのような、そんな虚無の表情。 少なくとも、ただの少女が見せるような表情ではなかった。 さやかは、思う。 もうどうでも良い、と。 気付かぬ間に拉致されていた事。 爆薬の詰まった首輪により命を握られている事。 殺し合いを強制させられているという事。 その全てが、どうでも良い。 彼女はもう分からなくなっていた。 結局自分は一体何が大切で、何を守ろうとしていたのか。 自分は何で命懸けの戦いを続ける魔法少女になったのか。 自分は何で命懸けの戦いを続けていたのか。 何もかもが分からなくなってしまった。 命は、魂は、手中の小さな宝具にある。 肉体はもう、命を動かす為だけに存在する入れ物となってしまった。 もはや自分は動く死体で、まるでゾンビのようなものだ。 そんな身体になってまで、何を守りたかったのか。 そんな身体になってまで、自分はどんな願いを叶えたかったのか。 何で、戦い続けるのか。 何で、どうして、その全てが分からない。 分からないから、別にもう全部がどうだっていい。 死人のような瞳で、死人のような表情で、死人のような足取りで、さやかは道無き森林を進んでいた。 全てが全てに興味をなくした魔法少女が、死人のような容貌で進んでいく。 彼女の手中にある宝具が、見る見る内に色を変化させていく。 やはり魔法少女は殺戮の場であろうと、変わらない。 変わらずに破滅への未来へと突き進んでいく。 「あ~腹へった~。飯~、肉~。なのは、何か食い物持ってねえのか?」 「ルフィ君。ついさっき、食べちゃたじゃない。それも全部。分けるつもりで上げた、私の食料も全部」 「??? あれは繋ぎだろ?」 「あれで全部だよ。もう食料なんて何もないよ」 「えええええええ! どうすんだよ、なのは!!」 「それは私の台詞なんだけど……」 「くっそー、こうしちゃいらんねえ。早く飯屋を探さそう!」 そして、破滅の寸前にてさやかは見た。 暗闇の森林を歩く二人組の男女。 麦わら帽子を被った快活な青年と、茶色のスーツに身を包んだ女性。 こんな殺し合いの場だと言うのに、二人はギャアギャアと騒ぎ合って道を進んでいた。 愉しげに会話をする男女。 その光景を見て、何故だかさやかの胸中にある感情が沸き上がる。 理性では醜いと感じていても、どうしようもなく沸き上がってしまう感情。 その醜悪な感情は、嫉妬と呼ばれる感情であった。 さやかの表情に色が灯る。 この殺し合いに連れて来られて、初めて浮かべた感情。 冷徹な瞳で二人組を見詰め、さやかは手中の宝石を胸元へと掲げる。 さやかの身体が光に包まれ、一瞬にしてその姿を変えた。 白色の外套に、太腿まで伸びる白色のロングブーツ。 上半身は青と白の二色を基調にしたボンテージのような服。 腰回りもまた青色のミニスカートで覆われている。 先程までの学生服とは別次元にかけ離れた服装。 ファッションセンスとかそういう言葉を遥かにぶっちぎった恰好であったが、そんな服装のインパクトすらも霞む程のものを美樹さやかは右手に持っていた。 彼女の上半身よりも少し長い位のサーベル。 まるで中世の騎士が装備していそうなサーベルを、さやかはそのまんま右手に握っていた。 サーベルをクルリと一回転させ、そのまま中段の構えを取る。 その構えの先には、並んで歩く二人組がいる。 自分は何をやっているのかと、構えを取りつつもさやかは思った。 こんな事をしてもどうにもならないのに、そんな事分かっているのに。 さやか自身、自分を突き動かす感情の正体に気が付いていた。 醜悪な嫉妬。 おそらくは恋人同士ですらない、二人組。 そんな二人組を見て、自分はこんな醜い感情を沸き上がらせている。 醜い。 気持ち悪い。 さやかは、自分の事を心の底から、そう思った。 だが、そう自身を断じて尚も、身体は動き出そうとしていた。 心中に沸き上がる感情に任せて、身体が動く。 自己嫌悪の最中にて、絶望の魔法少女は動いていた。 渾身の力で地面を蹴り、最高の加速とスピードをもって視線の先の二人組へと迫る。 標的は二人組の片割れ、麦わら帽子の青年。 青年との間にあった三十メートル程の距離が一瞬で消失し、サーベルが暗闇で煌めきの軌跡を描く。 横一閃にその頸部へと。 木々の間から降り注ぐ月光に照らされながら、サーベルが振るわれた。 「うおっ!?」 が、サーベルは青年の薄皮を切り裂くに終わった。 魔法少女として強化された肉体による高速移動に、高速の一閃。 常人では反応すら出来ないであろう一撃に、青年は易々と対応せしめた。 上半身を弓のように反らし、ブリッヂのような体勢を楽々と取って回避する。 加えて、青年の行動はそれで終わらない。 上半身を倒したまま右手を振るい、返しの右拳をさやかの顔面へとぶちかました。 シフトウェートも型すらもない、右腕の力のみで放たれた一撃は、だがしかし強烈であった。 拳の刺さった右頬を中心としてさやかの身体を吹き飛ばし、再び三十メートル程の距離を造る。 地面を三回程バウンドし、木々に激突する事でようやく勢いが止まる。 「あーびっくりした。何すんだよ、いきなり」 額に小さく冷や汗をかきながら、青年は吹っ飛んでいったさやかを見詰めていた。 回避の際に頭から外れた麦わら帽子を、右手で掴む。 殺され掛けたというのに、その表情には純粋な驚きしかなかった。 「大丈夫、ルフィ君!」 「ああ。平気だ。何ともねえ」 唐突な事態に慌てたのはスーツ姿の女性であった。 焦燥を宿した表情で青年へと近寄り、安否の確認をする。 僅かな傷を負っただけの青年に、女性は安堵の息を吐き、自身の臨戦態勢を整えた。 青年と吹き飛んでいったさやかとの間に身を起き、右手を掲げる。 「私は、時空管理局機動六課スターズ分隊隊長・高町なのはです。現在が異常事態にあるのは確かですが、どうか落ち着いて下さい。でないと事態は悪い方にしか―――」 「おれはルフィ、よろしくな!」 「……ルフィ君、少し静かにしてて欲しいんだけど」 「へ? 何で?」 「今から彼女を説得するの。この状況で正常な判断力が低下しているかもしれないでしょ」 「ああ、たしかに」 と、何とも引き締まらない会話を続ける二人―――なのはとルフィであったが、さやかは構わず動いていた。 「ッ!」 再度の急加速をもって、今度はなのはの元へと急迫する。 その速度はやはり人間離れしたもの。 だが、歴然の魔導師を、管理局が誇るエース・オブ・エースを捉えるには余りに未熟。 技巧も、威力も、速度ですらも、まだ足りない。 少なくとも馬鹿正直に突撃するだけでは、エース・オブ・エースを切り裂くには至らない。 掲げられた右手を中心にして、桜色の模様が浮かび上がる。 円や三角形が組み合わさって構成された模様は、まさに御伽噺にでてくる魔法陣であった。 魔法陣が、さやかの一撃を易々と食い止める。 サーベルと魔法陣が火花を散らす。 陣が破れる様子は、ない。 均衡する魔法陣とサーベルを挟んで、二人の魔法少女の視線が交差した。 少女の瞳を見て、なのはは思った。 この瞳は、何処かで見た事のある瞳だと。 思い、直ぐに思い出した。 そう、この瞳は『あの時』親友が浮かべていた瞳だ。 現在からもう十年程も前の事。 母と信じていた女性から、全てを否定された親友。 その時、親友が浮かべていた瞳と酷似している。 「君は……?」 なのはの呆けたような声がさやかの鼓膜を叩くが、生憎としてさやかに会話に付き合うつもりはない。 ただ今は、胸にたぎる感情に任せて、身体を動かす。それだけであった。 一旦、さやかは大きく後ろに後退する。 一跳びで距離を離したさやかが、再度の加速で襲撃する。 今度は正面からではなく、木々の間を駆け抜けて攪乱を混ぜながら。 さやかが月光に照らされた暗闇の中を、走る。 「話を聞いて! 今のこの状況は悪意ある人達によって造り上げられたもの、その人達の言いなりになっては事態は悪い方に転がるだけだよ!」 必死の言葉がさやかに届く。 だが、瞳に映る虚無に変化は見られず、疾走の速度にも変化はない。 なのはとルフィを中心にして、円を描くように駆けながら、剣を構える。 転調は唐突であった。 円の動作から、一直線の突進へ。 その急転も常人には、いや熟練の戦士であっても対処は困難であろう。 「盾!」 だが、やはりエース・オブ・エース。 熟練という肩書きすらも超越したなのはには、決して命中しない。 背後からの穿突へ、なのはは振り向きざまにシールドを形成した。 さやかの攻撃が、再び止められる。 そして、今回の魔法は防御だけに終わらない。 盾から伸びた桜色に輝く鎖が、さやかのサーベルに絡み付く。 押せども引けども鎖はびくともしない。 さやかの動きが、止まる。 「話を聞いてもらうよ。そして、アナタの話も聞かせてもらう。力づくでも」 同時に、視界の端にて光が走る。 桜色の何かが走ったと思いきや、瞬後、衝撃がさやかの頬を叩いていた。 横からの衝撃にさやかの身体が横倒しに弾け飛ぶ。 揺れる視界でさやかは見た。 上下左右から迫る桜色の光球。 四発の光る球体は、まるで意志を持つかのようにそれぞれが別々の軌道を描いて、飛行する。 そのどれもがさやかを標的として動いていた。 なのはが発動させた誘導型の射撃魔法である。 並みの魔導師ならば一撃で昏倒させる事のできる射撃魔法が、四発。 それら魔弾を前にして、だがしかし、さやかは怯まない。 着地と共に態勢を整え、地面を蹴り抜いた。 最短距離をひたすらに真っ直ぐ。 サーベルの切っ先を、高町なのはへと向けて。 三度の突撃を開始する。 「アクセル」 その突進を阻止すべく桜色の魔弾が稼動する。 迫るさやかへと、上下左右から動く魔弾。 「アクセル!」 加速に次ぐ加速の末に、魔弾がさやかの身体に直撃した。 四発の射撃魔法が全て直撃した事に、なのははさやかの撃墜を確信し―――だが、その確信は覆される。 直撃の射撃魔法に、さやかは微塵の怯みすら見せなかったのだ。 想定外の事態になのはの反応が僅かばかりに遅れる。 その僅かな隙に、さやかは変わらぬ体勢と変わらぬ速度でエース・オブ・エースへと接近した。 選択された攻撃は刺突であった。 接近の速度そのままに、なのはの顔面へと刃を直線に走らせる。 (マズい……!) 一瞬の隙が、なのはを窮地へ追い込んでいた。 アクセルシューターが直撃して尚、怯みすらしない少女。 非殺傷設定とはいえ、直撃すれば痛いですまない攻撃だ。 先のルフィの一撃を喰らった際もそうだった。 十数メートルと宙を飛ぶ程の勢いで顔面を殴られ、それでいて易々と戦線へと復帰してきた。 その外見に反して相当な防御力を有しているようだと、なのはは考察する。。 (完全に隙を取られた。レイジングハートがいれば何とでもなる状況だけど……) 刃が近付く刹那の間に、なのはの思考が急速の回転を見せた。 この状況にあって、未だに余裕がある証拠であった。 生半可な攻撃では動きの阻害すら困難な少女。 速度も一級品で、生身でありながらなのはの愛弟子たる蒼きストライカーに迫るレベルだ。 剣戟の技巧や戦闘の駆け引きなど、未熟な点も多々見えるが、それ補い得る長所を有している。 難敵だと、なのはは素直に感じた。 少なくとも相棒の居ない現状であるとはいえ、此処まで追い込まれてしまった。 (やるしかない……ね!) 迫る切っ先に対して、なのはは右手を突き出した。 瞬く間に迫る刃が右手に触れる。 皮膚の裂ける感覚があったが、なのはは構わず魔力の操作に意識を集中させる。 刃が徐々に肉へと食い込んでいく感触。 皮膚どころか肉にまで刃が到達し―――そこで刃の侵攻が止まる。 なのはが発動させた魔法にて、魔法少女の動きを封じ込めたからだ。 『フープバインド』 高速の剣戟を前にしての、超高速のバインド魔法発動。 エース・オブ・エースの所以たる技量が、窮地において活路を開いた。 桜色の光輪に拘束されたさやかの身体が、宙に漂うような形で静止する。 虚無の瞳に僅かばかりの驚愕が見えるが、それも感情と云える程のものではない。 「ちょっとだけ、痛いの我慢してね」 スタスタと歩いて距離を離しながら、なのはは声を飛ばす。 右手に集まる桜色の淡い光。 掌の裂傷から鮮血を滴らせながら、なのはは魔力のコントロールを行っていく。 臨界に至るには五秒と掛からなかった。 「ディバインバスター」 発動されるは小規模の砲撃魔法。 桜色の光が一筋の線となって闇の中を突き進み、宙に拘束されるさやかに命中する。 爆音と爆煙が巻き上がり、さやかの姿を呑み込んでいく。 「バスター、バスター」 そして、駄目押しの追撃を二発。 先までの防御力を見越しての砲撃三連発。 相棒のデバイスが存在しない今、威力としては本来の半分程度しかないだろう。 それでもなのはの砲撃は必殺と呼べるもの。 どんなに防御力の高い魔導師であろうと、直撃を三発もくらえば撃墜は必至だ。 それは驕りでもない事実。 その筈だったのだが――― (ッ! まさか!) ―――爆煙を切り裂いて現れたのは白銀の刃であった。 砲撃の三連発を直撃し、それでもノータイムで突撃してくる少女。 (防御力じゃ……ない!) どれだけ堅牢なバリアジャケットといっても、エース・オブ・エースの砲撃を三発も直撃して無事な訳がない。 ましてやノータイムでの突撃など現実問題として有り得ない。 別の要因がある。 防御力とはまた別種の何かを、この少女は持っている。 ルフィに殴り飛ばされ、射撃魔法を喰らい、砲撃魔法すら直撃して尚、容易く行動する力。 なのはの表情が、歪む。 顔面へと迫る刃を、なのはは首を傾ける事で回避する。 だが、踏み込まれた。 完全なクロスレンジへと引き込まれた事に、なのはは幾分の焦燥を覚える。 デバイスがある状況ならまだしも、現状では敵の速度故に距離を離す事は難しい。 術の強度や発動速度も著しく低下している。 さしものなのはも、事態に全力の集中を来さねばならないだろう。 (くっ!) 顔の直ぐ横を通り過ぎた刃が軌道を変え、その首を刈り取らんと横に動く。 それを上体を屈める事で避け、なのはは大きく後ろへとステップを踏む。 なのはの後退に、さやかは一瞬と距離を離す事なく追いすがった。 距離を離せないと思いつつ、射撃魔法を一発だけ放つなのは。 射撃魔法は直撃するも、やはり怯みすら引き出せない。 接近され、刃が振るわれた。 直後、 「―――銃(ピストル)!!」 なのはの顔の直ぐ横を何かが通り過ぎていった。 ゴウと風を切り裂く音が耳を叩き、続いてグシャと何かのひしゃげるような鈍い音が聞こえた。 なのはの知覚した光景は、何とも不可思議なものであった。 後方から呻りを上げて直進してきた肌色の『何か』が、剣を振るう少女を吹き飛ばしたのだ。 そりゃあもう、物凄い勢いであった。 高速で近付いたさやかが、それ以上の速度にて遠ざかっていく。 斜め上へ、斜め上へと、木々を突き破って闇の彼方へと吹き飛んでいく。 何が起きたのかと、なのはは後方へと視線を移した。 そこには、モンキー・D・ルフィが拳を振り抜いた体勢で、ピクリとも動かずに立っていた。 ただ、その右腕だけが伸びていた。 動かない体勢で、ゴムの右腕だけが前へ前へと突き進む。 襲撃者を吹き飛ばす為に、その右腕が伸び続けていた。 「……ルフィ、君……?」 なのはが呆然と声を掛けたその時、限界まで伸びたゴムの腕がようやく戻って来る。 二秒程の時間を掛けて引き戻された右腕が、弾けるような音を経て元通りとなる。 「大丈夫か、なのは?」 「あ、ありがとう」 「しつこいから、殴っといた」 「う、うん……って、えぇ!?」 ニッと、口角を吊り上げるルフィにお礼を零すなのはであったが、次いでの発言に愕然とする。 殴っといたって、あの勢いで? 襲撃者の少女はヤード単位で吹き飛び、夜空の彼方へと消えていた。 馬鹿力とかそういうレベルの話ではない。 下手すれば、というか常人であれば確実に死ぬレベルだ。 なのはの仲間たる鉄槌の騎士であっても、あれだけの打撃を放てるかどうか。 ルフィの持つ剛力に、なのはは正直に驚いていた。 ……まあ、それでもあれだけのタフネスを見せ付けた少女ならばピンピンしているだろうが。 「ん? どうしたんだ、なのは?」 「……スゴいんだね、ルフィ君」 「まあな! 海賊になる為に鍛えたんだ」 少女が吹っ飛んでいった方角へと視線を送りながら、なのはは思考する。 この場には、生半可な力では通用しない猛者が集結している。 先の襲撃者も、ルフィも、相当な強者だ。 魔導師であるなしなど関係の無いところで、段違いに実力が高い。 自分も相棒が居ない状況とはいえ、もしやと云うところまで追い詰められた。 気を引き締めねばと思う一方で、仲間達の無事が心配になる。 状況は予想以上に悪いのかもしれないと、なのはは眉を潜めて思った。 【一日目/深夜/E-5・森林】 【高町なのは@リリカルなのはStrikerS】 [状態]疲労(小) [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3(食糧なし) [思考] 1:殺し合いを止める 2:ルフィと行動しながらルフィの仲間達や他の参加者達を探す 3:皆なら大丈夫だと思うけど…… 【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3(食糧なし) [思考] 1:なのはと一緒に食糧を探しにいく 2:仲間とも合流したい ◇ 頬を殴り抜ける感覚に視界を揺らしながら、さやかは空を飛んでいた。 いや、飛んでいたというよりは、飛ばされているという表現の方が正しいか。 頬に突き刺さる拳が、墜落を許してくれない。 何がどうなっているのか、何処まで飛ばされど右拳が頬から離れる事はない。 伸びる右腕に伴って、さやかの身体も飛んでいく。 (……何やってんだろ、私……) ただ、痛覚は存在しなかった。 魔法少女である美樹さやかは痛覚を完全に遮断する事ができる。 加えて、さやか固有の能力である超常の回復能力もある。 だからこそ、エース・オブ・エースの大魔導師を相手にあそこまで立ち回る事ができた。 (……何もしていない人達を相手に魔法少女の力を使って……) 流れていく視界の中で、遂に頬を殴る右拳が離れていった。 それでも勢いは止まらない。 さやかの痩躯が何処までも何処までも吹き飛んでいく。 (……剣を振るって……殺そうとして……) 虚無の瞳に何か暖かいものが込み上げる。 瞳に込み上げる『それ』が何なのか、さやかには分からない。 何もかもが、分からない。 もうどうでも良くなってしまったからだ。 (……そうだ……確かまどかにも酷いこと言っちゃって……) ごちゃごちゃとなった思考に、ごちゃごちゃとなった記憶が流れ込む。 流れ込み、流れ込み、流れ込み……やっぱり何もかもが分からない。 浮遊感に包まれた身体が段々と落下していく。 地上から数十メートルの高さにあるというのに、美樹さやかは何の抵抗もしようとしない。 やっぱり、何もかもがどうでも良くなってしまったからだ。 (……ああ……) 落下の最中で、さやかは空を見ていた。 淡い光で輝く満月が、さやかを見下ろす。 さやかの身体(からだ)が、墜ちていく。 さやかの精神(こころ)が、堕ちていく。 墜ちていく中で、堕ちていく中で、さやかの瞳から『何かが』溢れ出した。 暖かい、暖かい、『何か』。 それが何なのか、やっぱりさやかには分からない。 (……あたしって、ほんと―――) 思考が紡ぎ終える寸前で、さやかの意識は漆黒の中へと消えていった。 その身体が地上へと墜落し、意識を喪失させたのだ。 さて、全てがどうでも良くなった最中で、最後にさやかが思った感情とは何なのだろう。 それは誰にも分からない。 ただ一つだけ彼女が幸運だったのは、何もかもが破滅に向かう寸前で、その意識を途切れさせた事かもしれない。 意識の喪失により、来るべき破滅への進行も一時的に中断されたからだ。 穢れに染まり掛けたソウルジェムが、彼女の腹部を飾る。 そして、 「うおおおおおおおおおお!?」 そして、甲高いブレーキ音が鳴り響く。 こうして空から落ちてきた系のヤンデル魔法少女となった美樹さやかは、本人の預かり知らぬ所で出会いを経験する事となった。 ◇ 「うおおおおおおおおおおお!?」 こうして空から落ちてきたヤンデル系魔法少女に対して、浜面は全力でブレーキペダルを踏みしめた。 甲高いブレーキ音が響き渡り、ライトバンは魔法少女にぶつかる寸前で停止した。 「な、何だ……空から女の子が……!?」 ヘッドライトで照射される先には、地面に横たわる少女が一人。 空から落ちて現れた少女である。 何がどうなっているのか、と浜面は少女が現れた空へと視線を送るが、そこにはまん丸の満月と綺麗な星々深があるだけであった。 視線を右に左に落ち着かない様子で動かす浜面。 浜面は、少女が誰かに襲撃されたのだろうと考えていた。 簡単に周囲を見た感じでは、人の姿はない。 決断は直ぐであった。 車から飛び出し、倒れ伏す少女の側に屈み込む。 口元に手を伸ばすと、生暖かい吐息の感触があった。 手首を触ると拍動を感じ取れる。 目立った傷も見えない。 派手に飛んできた少女であったが、奇跡的にも殆ど無傷で済んだらしい。 浜面はホッと息を吐く。 (取り敢えずココから離れよう。こいつを襲った奴が近くにいる筈だ) しかしその安堵も束の間、浜面は気絶中の少女を抱きかかえて、ライトバンへと乗り込む。 少女を後部座席へ押し込み、自分は運転席へ。 乗車と同時に、ライトバンがフルスロットルで走り出す。 人間一人をあれだけ吹き飛ばす能力だ。おそらく大能力以上の能力者だろう。 武器も持たない無能力者が敵う道理などない。 逃げるが勝ち。 これを、この車を何の為に調達したと思っていやがる。 こんな時の為、化け物から逃亡する為だ。 (フゥーハハー! ざまぁ見やがれ能力者! てめぇの好きにはさせねーぞ!) 少女の救出に舞い上がりながら、浜面は車を走らせる。 不幸な事に彼は気付いていない。 少女が空から落ちてきた経緯を、本当の襲撃者が誰なのかを、実は今拾った少女こそが完全なる厄ネタだという事を、 浜面仕上は知らない。 不幸な無能力者が、物凄い速度で走り去っていった。 【一日目/深夜/F-5・森林】 【浜面仕上@とある魔術の禁書目録】 [状態]健康 [装備]白色のライトバン@現実 [道具]基本支給品一式、煙草@現実、ブレイバックル(ブレイド)@仮面ライダー剣、ウォルターのワイヤー@ヘルシング [思考] 0:殺し合いには乗らない。滝壺と麦野と合流する 1:少女を襲った能力者(?)から逃亡する。 2:滝壺と麦野を探す [備考] ※原作22巻終了後から参加しています 【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]疲労(中)、気絶中 [装備]ソウルジェム(穢れ九割)@魔法少女まどか☆マギカ [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1~3 [思考] 0:気絶中 1:あたしって、ほんと…… [備考] ※魔女化直前・電車から下車した辺りから参加しています Back もう何も怖くない……そう考えてた時期が私にもありました 時系列順で読む NextGO!GO!市民館 Back もう何も怖くない……そう考えてた時期が私にもありました 投下順で読む Next GO!GO!市民館 とある不良の反逆物語(カウンターストーリー) 浜面仕上 Next GAME START 美樹さやか Next それは強烈な出会いなの? 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