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【名前】 大魔王一族 【読み方】 だいまおういちぞく 【登場作品】 忍者戦隊カクレンジャー 【分類】 妖怪 【詳細】 妖怪大魔王の血が流れている妖怪の一族。 妹・ヤマンバ、弟・ダイダラボッチ、息子・貴公子ジュニア(ガシャドクロ)がいる。 ヤマンバ・ダイダラボッチは昔から妖怪大魔王に縁を切られた為、妖怪達から冷たい仕打ちを受け続けた。 それは肉親の情に溺れていては地上に妖怪王国を築けないと思い、大魔王として常に非情でなくてはならなかった為だった。 ヤマンバが倒された際は酷く動揺していた為、妖怪大魔王の肉親への想いは消えていなかった事が伺える。
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本来の魔王 開始時期 第6期 前提クエスト ぺリアの果たし状※勝利が必須 主な関連仲間キャラ 魔王さま、アリサ 関連ダンジョン 魔王城 開始条件 前提クエストクリア後、ツクシティスクールに入る クリア条件 魔王城最奥で本来の魔王を倒す クエスト開始のためにはぺリア一人で魔王さまに勝利する必要があるので、それが難しい場合は必然的に後回しになる。 本来の魔王は魔王さまと同じく敏捷が1だが、能力は凄まじく強化されている。ある程度HPを失うとダブルアップを使用し2回行動になる。高い攻撃力と高威力のダークネスを使用してくるのでそれなりの装備品を用意して挑むこと。ステータス異常は火傷と毒はほぼ確定で通るので使えるなら利用したい。弱点は光属性なのでウカちゃんの天罰や、単体なのでジョゼットのプラリネも有効。 クリア後に入手できる「灰被りの紅玉」はクエスト「大魔女の7つ道具」で使用する。
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二つ名:淵の魔王 名前: 詳細: 数ある魔界の中でも最も端にあるとされる魔界を統治している魔王。端過ぎて勇者があまり来ないのと一人用ゲートを開けられる能力をいいことにいろんな世界をふわふわと放浪して回っている ほぼ海の世界の深淵で生まれた魔王。そこそこ長生き。 重度の放浪癖で遊びに行くと最低でも2週間は帰ってこない。 目標は全ての世界を隅々まで見て回ることである。そのため他の世界や勇者の情報にやたら詳しい。 戦うことに面倒臭さを感じており、勇者や好戦的な人に遭遇しそうになると 逃げたり隠れたりして戦いを避ける。 心臓のように見える下半身は過去に勇者に敗北し、肉片状態から急いで回復する時に 犠牲にしたため。両腕も同じ理由で骨と皮しかなく、上半身もとても細い。 その結果、物理的な攻撃力がほぼ無くなった。 ゲームや邪神に関しての記憶はこの再生時に一部の記憶と一緒に欠落してしまった。 勇者があまり来ない理由として、淵の世界が最も端にある魔界であることの他に 淵の世界での移動の不便さや、外出期間の長さ故に必ずしも遭遇出来るか分からない事など 色々な要因が挙げられる。運が良ければ陸の廃墟地帯などで目撃することが出来るが 本宅が海溝の最深淵にある情報しか出回っていないため、直接会いに行くとなると とてつもない水圧に耐えながら水中を移動する手段を用意する必要がある。 |性格など| 楽天家で、その時自分が楽しければ後はどうでも良くなる性格。 常にその場凌ぎの行動をとっている。後にツケが回ってきてもまた逃げる。 ノリの軽い話し方をするが、空気はそれなりに読んでいる。 |淵の世界| 9割以上が海でできた世界。陸地は複数ある大きな島と多数からなる小島で形成されている。 住人の大半が水棲の魔族であるため、海中にも多くの住居が存在する。 かつては海産物などの交易で栄えており、陸住みの魔族も多く存在していたが 魔王が放浪中に勇者と交戦、瀕死に追い込まれその回復に膨大な時間を費やしてしまったがために 向こう十数年自国への帰還が見込めない状況に陥った影響で (前提として魔王本人が国を顧みないレベルであちこちに遊びに行っていた事も含めて) 国の政治的な中枢機能は徐々に衰え、陸にある多くの都市は衰退してしまった。 そのため陸住みの多くは他の世界に引越してしまい 過疎村や廃墟のようになってしまった地域もある。 なお、海中住まいの多くは自給自足であったため、陸ほど過疎は酷くなく そこそこ栄えている様子が伺える。 |淵の魔王の住処| 水深約1万mの海溝の深淵にある本宅と、陸の小高い丘の上にある小さな別荘を保有している。 本宅と別荘は隠しゲートで繋がっていて行き来が可能となっている。 放浪からの帰還後は別荘で休憩をとりながら他の世界の情報やお土産をまとめている。 本宅は元々勇者から受けた瀕死の傷を誰にも邪魔されずに療養するために造ったものだが 今は他の世界のモノを保管する倉庫と化しているため、別荘より滞在期間が少ない。 |能力| 水深1万mの水圧を素で耐える耐圧能力を有しているが 硬さで耐えているのではなく、独自の調圧機能によるものであるため 高重力にも対応できるが斬撃には弱い。 水中でなら暑さも寒さも耐えられるが、陸にいる時は凍結や熱に対して耐性が落ちるので 防御用の魔力を纏って補っている。 水中での移動速度は頑張れば100km/h位は出せるが、頑張るような場面が無い。 下半身の大きさを調節することである程度抵抗を減らすことが出来る。 地上では浮遊移動のため遅くなるのでカモフラ用に義足を付けることの方が多い。 ダメージを受けても少しの傷なら自前の再生能力ですぐに回復することができる。 再生力は魔力の量に比例し、身体の損傷度に反比例する。 全て消し飛ばされない限りは体の一部さえ残っていれば肉片のみになっても数年かけて蘇る。 ダメージが大きすぎると一部の記憶が欠落する。 見た目のせいで下半身が弱点だと思われがちだが、ただそれっぽいだけで 胸元の魔力を貯めるための石が本当の弱点である。 石が破壊されると遠距離ゲートの開通が困難になる。 ゲート能力の魔力消費は距離によって大きくなる。開通時間も距離によって変わる。 写真や映像などの視覚的な情報を得ることができれば、行ったことがなくてもゲートを開くことができるが 一度ぐぐると消える一方通行ゲートとなっている。 一応複数人用ゲートも開けられるが、魔力消費が激しいので絶対に使おうとしない。 短距離ゲートを使った回避やカウンターも可能。 ゲートの開通方法は ①物体の面か区切られた空間 ②水面の一部 ③世界の固有ゲートの行き先強制変更 の 三種類あるが、③<②<①の順に魔力消費が上がるため旅行時は③を使用している。 ゲート化した面はくぐる際に水面の用に波紋に揺れる。 今の身体になってから物理的な攻撃手段がほぼ無くなってしまったので、攻撃は魔法メインである。 しかし本人に戦う気が全くないので ゲートによる不意打ち強制転送や呼び出しで撹乱するのみである。
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まおうだりー 魔王ダリー 【分類】 キャラクター 怠惰の魔王 病魔 魔王 【キャラクター設定】 『魔王ダリー・メンドーサ・マドロム』 冒険者レベル133→12。 【怠惰】の魔王 かつてペイルードに存在し、現存する魔王の一人、天然素材の魔王中の魔王である。 怠惰を司る病魔で、現存するペイルードの八大魔王のうちで最弱。 怠惰を司ると言うとおり、きわめてものぐさでだらだらと過ごしている。 かつては、力の源である『なまけパゥワー』を放出し、大陸全土を無気力にする『怠惰地獄』にたたき込んだ。 しかし、異世界から来たという勇者に討伐され、著しく弱体化している。 その結果、ダリーは今はただのものぐさな人間程度の力しか持っておらず、彼女が怠けていても周囲にはほとんど影響を及ぼさない。 そのおかげでペイルードは、魔獣の活動がものすごいことになっている。 『なまけパゥワー』を使用して、対象を眠らせたり、魔術の発動を遅らせたりする術が得意
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【クーチュリエ】 種族Lv. 神魔蜂女王 Lv.94 (1278話) 経歴 ギガントビー→ギガントクイーン→魔豪蜂女王→真魔蜂女王→神魔蜂女王 序列 魔王軍団No.21 初出 198話 ステータス 器用値 100敏捷値 124知力値 67筋力値 32生命力 78精神力 33 スキル 針撃 噛付き 飛翔 回避 受け 採集 養蜂 建築 広域探査 夜目 強襲 危険察知 魔力察知 空中機動 追跡 誘引 自己回復[大] 物理抵抗[中] 魔法抵抗[大] MP回復増加[中] 致死毒 麻痺 暗闇 魅了 耐石化 耐混乱 隷従 紹介文 クーチュリエは女性服仕立て屋の事。大型の猛禽類をも超える大型の蜂で女王蜂の風格は十分にある。強力なフェロモンで獲物を呼び寄せたり逆に遠ざける能力を持つ。ポータルガードに配置時は養蜂の能力を大いに発揮している。拠点の召魔の森にほぼ固定で配備中。配下に追加されたスパーク、クラックとの連携は完璧。ナインテイルに蜂蜜を奪われているが害意は無い模様。性格はマイペース。 備考 ・スキル採集の真価は不明。・キースはかねてから配下の神魔蜂を増やして同時召喚した時にどうなるかについて興味を抱いている。・708話にてついに下僕となるスパークとクラックが召喚された。・パンタナールが召喚後初めて召魔の森に来た時に鼻先でとまってパンタナールを硬直させた。 クーチュリエとしては挨拶のつもりだったかもしれない。・人形組ほど甘くは無く、召魔の森の巣に盗人共を近づけることはなかった。(1165話)・・
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魔王ーーーーーそれは、多くの生命ある者に畏怖される存在。 ある魔王は世界をこの手にするために侵略を行うーーーーー また、ある魔王は太陽を欲し、神々の判断を断罪するーーーーー 思想・行動から「魔王」という称号を手にする。または呼ばれる者もいるーーーーー では、この「魔王」はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「我は、再び復活した」 「世界は一度無に還す日がきている……」 「我はこの殺し合いを利用して世界を砕く。そして、その残骸と共にゼロへと還る」 自らを含めてあらゆるものをゼロに還そうとする。 【魔王ゾウナ@ワルキューレの冒険 時の鍵伝説 】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3 [思考・状況] 基本方針:優勝後、世界を砕きゼロへと還る 1:参加者の魂を手にする(最終的にメフィスとフェレスも) 2:利用できそうな参加者は魂集めに協力させる 2:ワルキューレが参戦していたら、今度こそゼロへ還す [備考] ※参戦時期はナムコクロスカプコン第43話もう一度、時の鍵伝説で、時の狭間へ封印後
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王様「こっち向け」 王様「魔王」 アレックス「把握」 魔王把握とはVIPツクスレで製作されたもしも勇者が最強だったらから始まったバカゲーである 大まかな流れは ①城エリアで王様の前に主人公を立たせてスタート ②フィールドエリアに出て仲間になりたがるキャラを吹っ飛ばす ③城に入って城の門番を吹っ飛ばす ④雑魚エリアで大量の迫りくる雑魚を吹っ飛ばす(次のエリアに行く前に固定されたキャラクターを吹っ飛ばすことも) ⑤四天王エリア前のエリアで戦闘アニメを大量に流した後にキャラが出現するので吹っ飛ばす ⑥四天王エリアで雑談する4人くらいを吹っ飛ばす(無視することもできる事が多い) ⑦ラスボスを吹っ飛ばしてBGM ファンファーレが流れ、爆発してゲームオーバー 派生は極めて多く、この型に当てはまらないものも多い
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Recipe050 でぃ よね イヴ キリング シリーズ:モナーブルグ夏祭り ジル ソロ タカラ ドクウォル ニラッチュ ノル ノートン フュシャ フーディア ペルミーナ マィニア ミガナー モラーレン ラーク リオン レク 作品 奈菜 爺 実際に読む(リンク) シリーズ:モナーブルグ夏祭り 前話東方不敗 次話正義のバナナ 概要 超弩級連続投下第6話 短くて密度たっぷりの4コマ劇場 レシピ追加 No.486 妖精さんの服と帽子 登場キャラ 初登場 ペルミーナ 本編 127 登場 フュシャ よね イヴ ドクウォル マィニア ミガナー リオン ソロ レク ジル ニラッチュ タカラ でぃ 奈菜 モラーレン ノートン ラーク キリング フーディア ノル 元ネタ解説 21 「『ビアンカタソ』と『フローラタン』」 ゲーム「ドラゴンクエスト5」に登場するヒロインより、主人公はどちらかと結婚出来る。 35 「将星フシャウザー」 漫画「北斗の拳」に登場する拳法:南斗六聖拳「将星」の男 サウザー より 39 フュシャ「愛ゆえに~」 上記サウザーの名言より。本人の名誉のために言うと、本編では決して非モテとかそういう下らない理由で言ってはいない。 41 「ドクオの墓」 ジブリ映画「火垂るの墓」のパロディ 逸話だが、アメリカ海兵隊で罰ゲームにこれを見るのが流行った事があったが、あまりの精神的ダメージに2回目にして禁止になったらしい。 45 フュシャ「なんで、ドクオすぐ氏ぬん?」 上記映画に登場する幼い女子:節子の「何でホタルすぐ死んでしまうん??」というセリフのパロディ 50 フュシャ「商品の中和剤(赤)を眺めながら~」 昼飯のナポリタンを壮大に考える「 「なぜナポリタンは赤いのだろうか」のガイドライン 」のパロディ 71 リオン「だが断る」 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部において 漫画家「岸辺露伴」が敵に襲われた時に「主人公を呼べば助ける」 という敵の甘言を「だが断る」とはっきり拒絶した名言より。 71 モランス「僕が一番ツッコミをうまくできるのにッ!」 アニメ「機動戦士ガンダム」において、命令違反を行って独房に入れられ、主役機:ガンダムのパイロットを降ろされそうになった時の主人公:アムロのセリフ 「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ!」のパロディ 71 レッド「まだお前が出るような時間じゃない」 漫画「SLAM DUNK」の名バスケットプレイヤー:仙道の「まだ慌てるような時間じゃない」というセリフのパロディ 75 「スペランカー対ゴルベーザだ」 ゲーム「スペランカー」の主人公にして身長の半分落下しただけで死んでしまう最弱の主人公VS ゲーム「ファイナルファンタジーIV」のカリスマ的悪役の図 80 「何でもないようなことが ~」 アーティスト「 高橋ジョージ 」の楽曲「 ロード 」の歌詞より 97 全体的に小説家「京極夏彦」氏による「百鬼夜行」シリーズ第二作「魍魎の匣」より 98 フュシャ「ソノウチ俺ハ 考エルノヲヤメタ…」 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第2部のラスボスにして絶対に倒せない究極生物カーズを、主人公が火山の爆発を使って衛星軌道まで吹き飛ばした後で 地球に戻れなくなったカーズを説明するナレーション「そのうちカーズは、考えるのをやめた」のパロディ 104 ジル「思わずお持ち帰りしたくなるほど」 同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」の登場人物:竜宮レナ の口癖および行動のパロディ かわいいもの蒐集家で、ゴミ捨て場に赴いてかわいいものをお持ち帰りする他、かわいい女の子を「お持ち帰り~」と叫びながら拉致する。 123 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第3部における主人公:承太郎と宿敵:DIOの攻防のパロディ 154-157 全体的に「 外人4コマのガイドライン 」のパロディ
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魔王 暗闇浮かぶ豪華なパイプオルガンの前に、茶色のコートを着た、黒い髪が眼元まで届く陰気な男がシューベルト作『魔王』を奏でていた。 ただ陰気な場所に、神崎は右手で馬の疾走を表現し、左手で忍び寄る魔王を不気味に演出していた。 音楽がいっそう激しさを増し、神崎は今回のライダーバトルに思いを馳せる。 彼は自分の妹である優衣を救うためにはこの方法以外なかった。多くの命より、強い生命を精製する。 そのために、最後は自分が勝者となった。幾つもの命を犠牲に、彼は優衣に命を与えようとした。 だが結果は同じ。優衣は、毎回新しい命を拒んだのだ。 もはや、ライダーバトルを幾千、幾万繰り返したか分からない。 悠久の時を経て、神崎は自分の知った平行世界の人間を連れ出す準備をする。 十二人で駄目なら、五十二人の命を精製し、優衣でも拒めないほど強烈な力で、無理矢理命を与える。 それしか手段は無いと、縋るような思いで神崎は新たな戦いを決意したのだ。 そのうち、渡り歩いた時空の中、今にも消えそうな空間を発見した。 彼が参加者として選んだ、太陽の子と名乗る男が滅ぼした世界の一部だと気がついた。 自分の力をもってしても、一週間と少しの世界。多少のアレンジを加え、この地を舞台とした。 逃げ場の無いこの空間。終わるには勝利しか与えない。 この空間には一つ問題があった。鏡の世界でしか生きれない自らの身だと、この時空に干渉できる時間がごく僅かだったことだ。 その影響はミラーモンスターにも現れている。 本来なら現実世界で十分近く存在できるはずのモンスターたちが、一分程度しか存在できない。 もっとも、自分がこの世界に降り立つことはできる。異世界の技術の結晶、首輪がその鍵だ。 この首輪はリュウガへとつけたところ、その存在を空間へと定着させた。 彼と同じ存在である自分なら、首輪さえつければあの舞台へと行けるだろう。 だがその瞬間、力が制限され、空間は崩壊する。 間抜けな話だ。どうしても、首輪は存在を異世界に定着させると同時に、力をある程度奪ってしまう。 この機能は二つで一つ。神崎の技術力をもってしても切り離すことはできなかった。 結局、自らが選んだ参加者なら戦いに干渉し、わざわざ促進させる必要はないと判断するしかなかった。 ライダーバトルと同じく最後の一人になることでしか希望を紡げぬ者。 闘争を追い求め続ける者。 復讐を胸に秘める者。 この場に大切な存在がいる者。 ……そして、何の力も持たぬ者。 無力な彼らを参加させるのは僅かに躊躇があったが、他の参加者を戦いへと促せる生贄として放り込む。 いざという時のため、切り札を二枚仕込んだ。 着々と冷酷な殺し合いの準備を進める神崎の姿は、『魔王』そのものだった。 選定が終わり、彼は一つの世界へ降り立った。 隕石が落ち、荒廃した土地。しかし、時空に何らかの干渉があったのか、崩壊寸前だ。 神崎はこの空間から参加者を集めるのを諦め、殺し合いに使う道具を回収するのにとどめた。 右手にあるのは銀のライダーブレスとドレイクグリップ。いずれも強力な武器だ。 その土地を去り、近い時空にほぼ同じ人物がいる世界が存在するため、参加者はそこから集めることにした。 無力な少女を呼び寄せる。少女の無防備な姿に、妹の優衣を思い出すが、心を鬼にして連れ出す。 暗い空間に、時が止まった少女を支えて神崎が佇む。 その胸中に広がるのは、暗闇か、容赦なき煉獄の炎か。 彼女を横たえ、せめて僅かな間でも兄であろう男のそばに置こうと思った。 突如、空間に静かでいながら甲高い足音が響いた。 「お婆ちゃんが言っていた。不味い飯屋と悪の栄えたためしは無いとな」 現れたのは、端正な顔立ちと豊かで癖の強い黒髪を持つ、長身痩躯の男。 後ろで日下部ひよりの傍にいる、時を止められた男と同じ顔をしている。 参加者の一人で、今連れ去ったはずの天道総司であった。 もちろん、神崎は平行世界の彼であることは気づいた。 問題は、どうやってここまで来れたかである。 こちらの考えを察したのだろう。天道は口を開き始めた。 「ハイパーゼクターは時空を超える。時空を操れるのはお前だけでは無い」 「……なるほどな。あの世界が消えかけたのは、お前の仕業か」 「ああ。ちゃぶ台をひっくり返した罰だ。お前と同じ、時空を彷徨うだけ。 お婆ちゃんが食事時に粗相をしたときは罰が当たるといっていたが、その通りだ。だが、それも妹を守るためなら悪くは無い」 天を割り、カブトゼクターが天道の右手に錐揉みしながら収まる。 カブトゼクターの角を天に指し、掴んだ右手を左肩まで持ってくる。 「変身」 呟くと同時に、天道が腰に巻いた銀に輝くベルトへと、カブトゼクターをセットした。 ――HENSIN―― 戦いを告げる電子音のゴングが鳴り響く。 六角形の金属片が銀と赤の装甲を精製して、青の単眼を持つ屈強な戦士が顕在する。 「キャストオフ」 ――Cast Off―― 銀の装甲が飛び散り、神崎の傍をかなりの速度で通り過ぎる。 顎よりせり上がる角が単眼を複眼へと変えた。 ――Change Beetle―― 力強い双眸を向ける、紅のカブトムシを模した戦士が天へと手を掲げる。 その手には銀のカブトムシを模したゼクターがあった。 左腰へとセットし、前へ向けていた角を、ゼクターを回転させ天に向けさせる。 角を倒し、最強への呼び声を静かに告げた。 「ハイパーキャストオフ」 ――Hyper Cast off―― 紅の戦士に新たな装甲が精製される。 頭と胸に銀の装甲が生まれ、角がボリュームを増し、胸の銀の装甲にカブトムシの角を模したアーマーが作られた。 ――Change Hyper Beetle―― 神崎の目の前で、ゆっくりと天を指差す。 「かかってこい。俺が正義だ」 厳かに告げる戦士の威圧に、神崎は僅かに体が押された錯覚を起こした。 目の前の男は、只者ではない。神崎は対抗するため、金の男を呼び寄せた。 「出番だ」 神崎が呟くのが聞こえる。 カブトは、突如現れた金のライダーに僅かに驚く。 だが、時空を操るこの男のこと、無力だとは思っていない。 「私は十三人目の仮面ライダー、オーディン。いや、このたびは五十三人目の仮面ライダーだ。 修正が必要になったようだな」 「オーディン、戦いの神を名乗るのか。俺は天の道を行き、総てを司る男。 相手にとって不足は無い」 鳥を模した杖を左手に、腕を組む金のライダー。 その威圧感に真っ向から対抗する。 お互いの隙を探して場が凍りつく。 一瞬にも、数時間にも感じる時間が流れた。 「フンッ」 オーディンの掛け声とともに、金の羽が舞い散る。 姿が掻き消え、カブトは後ろに気配を感じ、振り向きざまに顔を庇うように右腕を上げる。 重い衝撃が右腕と身体を貫き、たたらを踏む。 「今のを防ぐか」 「当然だ。この程度、天の道を行く者には容易い」 強がるものの、カブトの右腕は衝撃で痺れていた。 数十トンの攻撃にも耐えれる装甲が歪んでいる。 これほど強烈な攻撃は、ハイパーフォームになる前にくらったコーカサスの攻撃以来だ。 再び、金の羽が舞い、オーディンが姿を消す。 死角より拳が迫り、カブトは辛うじて身を捻って急所を外すが、吹き飛ばされ、地面を転がった。 そのカブトに、オーディンが姿を現して踏み潰さんとする。 その足を掴んで、跳ね上がってオーディンに拳を叩き込もうとする。 だが、オーディンは金の羽を残して姿消し、カブトの背後に現れ、拳の甲を叩きつけた。 カブトは壁に叩きつけられ、足がふらつく。強敵を目の前に、静かに闘志を燃やしていった。 「どうした? 私に手も足も出ないようだが?」 「なに、どの程度か見極めていただけだ。今からお前に俺が攻撃をくらわせる。 キサマはなす術も無く地に伏せるだろう」 「ほざくな」 再度姿を消えそうとするオーディンを目の前に、カブトはハイパーゼクターのボタンを叩いた。 「ハイパークロックアップ」 ――Hyper Clock Up―― 腕と足と胸の装甲が開き、金の輝きが暗闇を照らす。 背中より開いた装甲から、タキオン粒子が羽をかたどるようにエネルギーを形成し、時の流れを凍りつかせる。 羽を精製する前で、時の流れを遅くされたオーディンに、カブトは渾身の拳を叩き込む。 遅々として進むオーディンへ、回し蹴りを側頭部に当て、逆回しに裏拳をかます。 右腕がオーディンに当たる感触を感じながら、左手でハイパーゼクターの角を倒しカブトゼクターのボタンを押す。 ――Maximum Rider Power―― ――One―― オーディンの金の胸部アーマーに拳の連撃を六度続け、装甲を歪ませた。 無防備の腹に、中段蹴りを当てる。 ――Two―― 顎にアッパーカット気味の拳を打ち上げ、身体を浮かしたオーディンに身体を独楽のように回して蹴り飛ばす。 壁へ敵がひびを作り、埋め込まれるのが見える。 ――Three―― オーディンを掴んで宙へ放り投げる。 凍りつき、流れの遅い時は格好の標的を作り上げた。 「ハイパー……キック!」 カブトゼクターの角を反転させ、戻す。 タキオン粒子のエネルギーが稲妻を模して、カブトゼクターからカブトの角へと流れる。 ――Rider Kick―― カブトは地を蹴って天へと身体を躍らせる。 タキオン粒子の羽が更に加速させ、己が身を矢と化し、オーディンの身体を貫かんと唸りを上げる。 足の裏にオーディンの胸部アーマーを砕く感触を感じた。 金の破片が宙にいくつも飛び散り、カブトが時を支配する時間の終わりを告げる電子音が告げられた。 ――Hyper Clock Over―― 同時に、稲妻が轟いたような轟音を上げ、オーディンが勢いよく吹き飛ぶ。 金の破片が地面に乾いた音を立てて落ち、敵は壁を崩して瓦礫に埋もれる。 破壊の音が響く中、カブトは神崎へと向き直る。 「オーディンは倒した。後はお前だけだ」 だが、神崎は表情を変えない。 むしろ、余裕な態度に見え、怪訝に思う。 ――TIMEVENT―― 電子音が響き、瓦礫が宙へ浮き、元の壁へと吸い込まれ、ひびを無くしていく。 己の行動も、カブトゼクターの電子音も、逆回しになっていく。 ――Hyper Clock Over―― オーディンに当てていた蹴りが離れ、地面へと下り戻る。 ――Rider Kick―― カブトゼクターの角が、稲妻を頭からベルトへと走らせながら、元の位置へと戻る。 ――Three―― 三個目のボタンから指が離れ、宙を舞うオーディンが壁に戻る。 ――Two―― 二個目のボタンから指が離れ、体が独楽のように逆回転する。 ――One―― 一個目のボタンから指が離れ、歪んでいたオーディンの装甲が、修復する。 ――Maximum Rider Power―― 倒れていたハイパーゼクターの角が戻り、回し蹴りが逆回転して、元の位置へと戻る。 ――Hyper Clock Up―― 最後に、ハイパーゼクターのボタンからカブトの手が離れた。 「ハイパークロッ……」 「ムンッ!」 オーディンが手をかざし、金の羽が襲い掛かって、火花を散らす。 「クッ!」 ハイパーゼクターを叩こうとして中断され、カブトは歯噛みする。 相手が、時間を巻き戻したのを悟ったのだ。 「お前……時間を巻き戻したな」 「これで理解しただろう。お前は私には勝てない」 「そいつはどうかな? 俺は天の道を行き、総てを司る男。時を司ることくらい、造作もない」 「ほざけ。『時空』を渡ることはできても、『時』を操ることはできまい」 オーディンがベルトのカードデッキから、カードを取り出すのが見える。 (おそらく、俺がハイパーフォームになる前まで時を戻すつもりなのだろう) 鳥を模した杖に、カードをセットして電子音を暗闇に響かせた。 ――TIMEVENT―― 再び、時が巻き戻り、カブトがハイパーゼクターをつける前まで戻ろうと…… 「ハイパークロックアップ」 ――Hyper Clock Up―― しなかった。 オーディンは目の前でカードを掲げている。 「キサマ! 何をした!!」 「お前が時を三秒戻した時点で、俺が時を戻しなおした。お前が、カードをセットする前にな。 ついでに、近寄らせてもらった」 カブトは拳を固め、腰を落とす。 最大限まで溜め、信念を弾丸に拳の嵐をオーディンに叩き込む。 再び無傷だった金の装甲が、破片を飛び散らせる。 ひびの入った胸部へ、蹴りを放ち吹き飛ばす。 柱を倒して、オーディンは地に伏せた。 「ヌゥ……」 「言ったはずだ。キサマはなす術も無く地に伏せるとな」 悠然と告げる。その姿は、第三者が見れば、まさに孤高を表現した気高き姿だっただろう。 天の道を行き、総てを司る男。彼はオーディンと神崎に、神のごとき己が姿を焼き付けた。 (こいつ……) オーディンは、かつてない強敵に身体を震わせた。 もっとも、それは恐怖からではない。 修正を果たせない自分に憤っているのだ。 オーディンは神崎の木偶でしかないと、秋山蓮が言っていた。 しかし、オーディンはもはや神崎そのものである。 優衣を救うために存在し、優衣を救うため戦い、優衣を救うために時を操る。 神崎の理想と執念の詰まった存在。たった一人のための仮面ライダー。 ゆえに今は負けることは許されない。否、今は負ける事を許さない。 ここがいつもの場所なら、負けたところで新たな身体を得ればいいだけだ。 しかし、今は違う。さすがのオーディンも、敗れてすぐ復活することは不可能だ。 ここでの負けは、最愛の人を救うことができなくなってしまう。 (彼女を救うためなら、他に何もいらない。彼女を救うためなら、鬼にでも神にでもなる) (そうだ、オーディン。俺たちは、優衣のために……) 黄金の仮面ライダーが立ち上がる。 最早、身体はひび割れた装甲に覆われ、杖を持つ手は震えていても、闘志に一片の曇りも無い。 鳥を模した黄金の仮面は、静かな炎を瞳に宿して、カブトを睨みつける。 「私は……私たちは、妹のための、妹のためだけの! ヒーローだ! 仮面ライダーだ!! こんなところで……負けはせぬ!!」 オーディンと神崎は吠え、ベルトからカードを取り出し、バイザーに収める。 ――SWORDVENT―― 天より黄金の、二振りの剣が降り、オーディンは両手でそれぞれを掴む。 カブトに向かって構えるその様は鬼気迫っていた。 「ヌォ!!」 金の羽を残して、カブトの背後から上段に振りかぶり、降ろす。 だがその攻撃は、厚さ一メートルはある鉄の柱を切り裂いただけだった。 「お前の動きは見切っている」 紙一重でかわしたカブトが、オーディンの腹にカウンター気味に拳を叩き込む。 血を吐きながら、オーディンは自分が仮面の下で、ニヤリとした気がした。 錯覚である事を自覚しながら、カブトの腕を掴む。 「知っている。だから、この時を狙ったのだ」 「ッ……!」 右手の金の剣が、伝説のヒヒイロカネの装甲を紙のように切り裂く。 カブトの胸から、血が吹き上がり、オーディンの仮面を赤に染めた。 「クッ……」 敵の空いている左拳が、オーディンの頭に数トンの衝撃を与え、脳を激しく揺さぶった。 二度、三度同じ攻撃を繰り返される。 だが、その場を退くつもりなど、彼には無かった。 拳を顎に、頭にくらいながらも、オーディンは更に間合いを詰めた。 吐息がかかる距離まで近付き、アッパーをカブトの顎へと叩きつける。 敵の体が宙を舞い、鉄の天井を砕いてボトッと落ちる。 同時に、オーディンも膝をつく。さすがに、まともに拳をくらえばただでは済むはずが無かった。 執念だけで足腰に力を入れる。すでにカブトは立ち上がっていた。 「哀れな奴だ。お前の行動は、妹を悲しませるだけにすぎない」 「それでも、やらねばならない。例え悲しませても、救うにはその道しかない」 「それが哀れだというんだ。兄なら、男なら総てを救ってみせろ」 「キサマはどうなのだ? 妹は、私たちの手にある」 「フッ、愚問だな。俺は天の道を行き、総てを司る男。 妹だけでなく、人間からアメンボまで、そして世界を救う男だ!」 「そのボロボロの身体で、守るだと?」 カブトは無言で天に指を指した。その心の強さに、三枚のカードを引き抜くことで応える。 バイザーにカードをセットにするのと、ハイパーゼクターの角を倒す行動が、同時に行われた。 ――Maximum Rider Power―― カシャッと音を立て、バイザーが閉じると、敵がボタンを三つ押す。 ――One―― ――Two―― ――Three―― バイザーがカードを読み込み、電子音を発生させる。 カブトは、カブトゼクターの角を反転後元に戻した。 「ハイパーキック」 ――FINALVENT―― ――Rider Kick―― 炎を纏った黄金の不死鳥が、オーディンの背後へ召還される。身体を浮かし、金の鳥と並ぶ。 カブトは、腰を落として溜めを作っている。 「うぉおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ぬぅぅぅぉぉおぉぉぉぉ!!」 男たちの雄叫びが重なる。 オーディンは金の光を、破壊をもたらすために放った。 光がダイナマイトの爆発にも耐える鉄の壁を砕きながら、カブトへと迫る。 カブトは、地を駆け、稲妻に似たエネルギーを纏った飛び蹴りを放つ。 金の光と、紅い閃光がぶつかり、お互いを破壊するため迫り続ける。 全力と全力のぶつかり合い。戦いの神の名を持つ男と、天の道を行く名を持つ男の戦いは、まさに互角だった。 その拮抗を破るために、オーディンの背後へ神崎が立った。 彼の手には、日下部ひよりが存在している。 「天道総司。キサマの妹の命が惜しければ、その蹴りを収めろ。 キサマが勝てば、妹は俺たちとともに吹き飛ぶ」 陳腐だが、効果的な手だ。 事実、カブトは動揺を…… 「その程度、考えないわけが無いだろう」 していなかった。もっとも、それくらいでなくては参加者として選んだ甲斐も無い。 次に彼がするであろう行動は目星がついている。対策も、先程ヒントをもらった。 「ハイパークロックアップ!」 僅かに焦った声で時を操る言葉を告げ、ハイパーゼクターのボタンを叩く。 妹を人質にとったのは、無駄ではないらしい。オーディンたちはカブトに、少しだけ共感をする。 ――Hyper Clock Up―― 電子音が、銀色のゼクターから発せられた。 時が遡り、オーディンがカードを収める前に…… ――TIMEVENT―― 戻らなかった。再び、時は神崎が背後に立つところで止まる。 「なにっ!」 「三秒の時点で時を巻き戻しなおした。先程の借り、返す!」 ――ADVENT―― オーディンの光の中から、金の不死鳥が現れ、カブトを弾き飛ばす。 無防備となったカブトへ、混沌の光が装甲を破壊し、右手を引きちぎっていく。 決着は、オーディンたちの勝利でついた。 (やられてしまったか。お婆ちゃんが、急いては事を仕損じると言っていたが、その通りだな) 失った右腕の切断面に、焼き鏝を当てられたような痛みが、じわじわと広がっていく。 変身の解けた身体には、無数の傷が走っている。 傷は熱を持ち、皮を剥がしているような痛みが続いている。 体温は失血により、どんどん低くなっている。 自分が助からないことを、天道は悟った。 視線を神崎とオーディンに向ける。 意外にも、神崎はひよりを優しく地面へ降ろしている。 それが済むと、二人は天道の前へ立った。 「終わりだ」 「言われなくても分かっている。だが、ただでは終わらん。ハイパーゼクター!!」 天道の呼び声に応え、ハイパーゼクターが時空の彼方へと消える。 その様子に、神崎は怪訝な表情を浮かべた。 「……何をした?」 「このホールから、あの舞台へとワープさせるのだろう? あの世界はお前のような存在を拒んでいるようだからな。 だから、ここからあの世界へとワープする瞬間、いずれかの参加者の荷物にハイパーゼクターが紛れ込むように指示した」 「キサマ!!」 「お前の失敗は、俺の侵入を許したことと、平行世界の俺を参加者に選んだことだ。 全ての参加者を選び終えたのだろう? どうやら、あの五十二人しか召還できなかったようだな。 時の止まった者を殺しては、キサマの目的、新たな命の精製は行えない。 同じ理由で一定のルール違反を行わなければ、首輪を爆破できない。違うか?」 神崎の歯軋りを、肯定と受け取る。 なにも、天道は神崎の行動を察知してすぐ動いたわけではない。 ある程度、様子を見て動いたのだ。いや、干渉できるタイミングが限られていたため、様子を見るしかできなかった。 その成果が現れたことに、満足する。続けて、ひよりに視線を向ける。 (ひより、すまない。俺は、お前を助けることができなかった。できれば、優しい人間に出会ってくれ。人に絶望しないでくれ。 俺でなくても、お前の傍にいてくれる者は確実にいる) 自愛に満ちた視線を終え、続けて戦友へと視線を移した。 (加賀美。お前は俺が認めた男だ。必ず、ひよりを助け、こいつらに一泡を吹かせてやれ。 それができたら、義弟と認めてやる) 試すような視線を移動し、平行世界の自分へと向ける。 (お前が、天の道を行き、総てを救え。俺が出来なかった事だ。頼む) 最後に、仮面ライダーたちに視線を向ける。 (俺に、力を貸してやってくれ。一人で挑んで、負けた男がここにいるからな。 挫けず、平行世界で俺に見せたように、各々の正義を貫いてくれ) 「遺言は終わったか?」 オーディンが剣を首筋に当てた。 苦しみを短くする結果にしかならないことといい、遺言を待っていることといい、妹に対する扱いといい、意外と人は悪くないのかもしれない。 そんな考えに、馬鹿らしくなり微笑んでしまう。 「なぜ微笑む?」 「お婆ちゃんが言っていた。散り際に微笑まぬものは、生まれ変われないとな」 言い終わると同時に、首が刎ねられ頭が天に舞う。しかし、天道の表情は微笑んでいた。 天の道を行く男は、最期まで天の道を行く。 己が道を信じているがゆえに。 回想が演奏と同時に終わり、ガタックゼクターがハイパーゼクターを運ぶ過去の映像が浮かぶ。 神崎は、イレギュラーである銀のゼクターを睨みつける。 ジョーカーたちに指示しに行こうかと思ったが、彼ら自身が役に立つか怪しくなってきた。 相川始はともかく、リュウガまで変化するとは、意外としか言いようがない。 これでは切り札を仕込んだ意味が無い。 だが、反対に殺し合いは順調だ。 たった半日で三分の一が脱落など、今までのライダーバトルではありえなかった。 この調子なら、自分が手を出す必要も無いだろうとも考えられた。 参加者たちの中には、首輪を解除しえる技術を持つものもいる。 当初は、首輪を解除したところで、時空の牢獄から逃れられないゆえ、そのまま参加させていた。 例え首輪の拘束から逃れたとしても、脱出できなければ殺しあう以外道は無いからだ。 研究所を消さなかったのも、そうした考えがあってのこと。 だが、荒廃した世界の天道総司の干渉で、それが致命的なミスになりつつある。 そこまで考え、まあ良いと呟く。 いざという時は、首輪をつけたオーディンを放ち、天道総司をしとめるまでだ。 手には第二回放送の原稿がある。 胸には妹を救うことしかなく、更なる殺し合いを願う。 スマートレディに原稿を渡すため、その場を去った。 実は、神崎士郎も知らないことがある。 彼が殺し合いを促進させるために支給したライダーブレスが、ハイパーゼクターを扱える事を。 それがどういった事態をもたらすのか、誰にも分からなかった。
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