約 796,937 件
https://w.atwiki.jp/is03android/pages/21.html
管理系アンドロイドアプリを紹介!! ファイルやSDカードをきっちり把握したい、アプリケーションをきっちり削除したい・・・ アンドロイド携帯をキチンとコントロールするための管理アプリを紹介。 アプリ1 アプリ1 アプリ2 アプリ2
https://w.atwiki.jp/sentairowa/pages/153.html
魔王 暗闇浮かぶ豪華なパイプオルガンの前に、茶色のコートを着た、黒い髪が眼元まで届く陰気な男がシューベルト作『魔王』を奏でていた。 ただ陰気な場所に、神崎は右手で馬の疾走を表現し、左手で忍び寄る魔王を不気味に演出していた。 音楽がいっそう激しさを増し、神崎は今回のライダーバトルに思いを馳せる。 彼は自分の妹である優衣を救うためにはこの方法以外なかった。多くの命より、強い生命を精製する。 そのために、最後は自分が勝者となった。幾つもの命を犠牲に、彼は優衣に命を与えようとした。 だが結果は同じ。優衣は、毎回新しい命を拒んだのだ。 もはや、ライダーバトルを幾千、幾万繰り返したか分からない。 悠久の時を経て、神崎は自分の知った平行世界の人間を連れ出す準備をする。 十二人で駄目なら、五十二人の命を精製し、優衣でも拒めないほど強烈な力で、無理矢理命を与える。 それしか手段は無いと、縋るような思いで神崎は新たな戦いを決意したのだ。 そのうち、渡り歩いた時空の中、今にも消えそうな空間を発見した。 彼が参加者として選んだ、太陽の子と名乗る男が滅ぼした世界の一部だと気がついた。 自分の力をもってしても、一週間と少しの世界。多少のアレンジを加え、この地を舞台とした。 逃げ場の無いこの空間。終わるには勝利しか与えない。 この空間には一つ問題があった。鏡の世界でしか生きれない自らの身だと、この時空に干渉できる時間がごく僅かだったことだ。 その影響はミラーモンスターにも現れている。 本来なら現実世界で十分近く存在できるはずのモンスターたちが、一分程度しか存在できない。 もっとも、自分がこの世界に降り立つことはできる。異世界の技術の結晶、首輪がその鍵だ。 この首輪はリュウガへとつけたところ、その存在を空間へと定着させた。 彼と同じ存在である自分なら、首輪さえつければあの舞台へと行けるだろう。 だがその瞬間、力が制限され、空間は崩壊する。 間抜けな話だ。どうしても、首輪は存在を異世界に定着させると同時に、力をある程度奪ってしまう。 この機能は二つで一つ。神崎の技術力をもってしても切り離すことはできなかった。 結局、自らが選んだ参加者なら戦いに干渉し、わざわざ促進させる必要はないと判断するしかなかった。 ライダーバトルと同じく最後の一人になることでしか希望を紡げぬ者。 闘争を追い求め続ける者。 復讐を胸に秘める者。 この場に大切な存在がいる者。 ……そして、何の力も持たぬ者。 無力な彼らを参加させるのは僅かに躊躇があったが、他の参加者を戦いへと促せる生贄として放り込む。 いざという時のため、切り札を二枚仕込んだ。 着々と冷酷な殺し合いの準備を進める神崎の姿は、『魔王』そのものだった。 選定が終わり、彼は一つの世界へ降り立った。 隕石が落ち、荒廃した土地。しかし、時空に何らかの干渉があったのか、崩壊寸前だ。 神崎はこの空間から参加者を集めるのを諦め、殺し合いに使う道具を回収するのにとどめた。 右手にあるのは銀のライダーブレスとドレイクグリップ。いずれも強力な武器だ。 その土地を去り、近い時空にほぼ同じ人物がいる世界が存在するため、参加者はそこから集めることにした。 無力な少女を呼び寄せる。少女の無防備な姿に、妹の優衣を思い出すが、心を鬼にして連れ出す。 暗い空間に、時が止まった少女を支えて神崎が佇む。 その胸中に広がるのは、暗闇か、容赦なき煉獄の炎か。 彼女を横たえ、せめて僅かな間でも兄であろう男のそばに置こうと思った。 突如、空間に静かでいながら甲高い足音が響いた。 「お婆ちゃんが言っていた。不味い飯屋と悪の栄えたためしは無いとな」 現れたのは、端正な顔立ちと豊かで癖の強い黒髪を持つ、長身痩躯の男。 後ろで日下部ひよりの傍にいる、時を止められた男と同じ顔をしている。 参加者の一人で、今連れ去ったはずの天道総司であった。 もちろん、神崎は平行世界の彼であることは気づいた。 問題は、どうやってここまで来れたかである。 こちらの考えを察したのだろう。天道は口を開き始めた。 「ハイパーゼクターは時空を超える。時空を操れるのはお前だけでは無い」 「……なるほどな。あの世界が消えかけたのは、お前の仕業か」 「ああ。ちゃぶ台をひっくり返した罰だ。お前と同じ、時空を彷徨うだけ。 お婆ちゃんが食事時に粗相をしたときは罰が当たるといっていたが、その通りだ。だが、それも妹を守るためなら悪くは無い」 天を割り、カブトゼクターが天道の右手に錐揉みしながら収まる。 カブトゼクターの角を天に指し、掴んだ右手を左肩まで持ってくる。 「変身」 呟くと同時に、天道が腰に巻いた銀に輝くベルトへと、カブトゼクターをセットした。 ――HENSIN―― 戦いを告げる電子音のゴングが鳴り響く。 六角形の金属片が銀と赤の装甲を精製して、青の単眼を持つ屈強な戦士が顕在する。 「キャストオフ」 ――Cast Off―― 銀の装甲が飛び散り、神崎の傍をかなりの速度で通り過ぎる。 顎よりせり上がる角が単眼を複眼へと変えた。 ――Change Beetle―― 力強い双眸を向ける、紅のカブトムシを模した戦士が天へと手を掲げる。 その手には銀のカブトムシを模したゼクターがあった。 左腰へとセットし、前へ向けていた角を、ゼクターを回転させ天に向けさせる。 角を倒し、最強への呼び声を静かに告げた。 「ハイパーキャストオフ」 ――Hyper Cast off―― 紅の戦士に新たな装甲が精製される。 頭と胸に銀の装甲が生まれ、角がボリュームを増し、胸の銀の装甲にカブトムシの角を模したアーマーが作られた。 ――Change Hyper Beetle―― 神崎の目の前で、ゆっくりと天を指差す。 「かかってこい。俺が正義だ」 厳かに告げる戦士の威圧に、神崎は僅かに体が押された錯覚を起こした。 目の前の男は、只者ではない。神崎は対抗するため、金の男を呼び寄せた。 「出番だ」 神崎が呟くのが聞こえる。 カブトは、突如現れた金のライダーに僅かに驚く。 だが、時空を操るこの男のこと、無力だとは思っていない。 「私は十三人目の仮面ライダー、オーディン。いや、このたびは五十三人目の仮面ライダーだ。 修正が必要になったようだな」 「オーディン、戦いの神を名乗るのか。俺は天の道を行き、総てを司る男。 相手にとって不足は無い」 鳥を模した杖を左手に、腕を組む金のライダー。 その威圧感に真っ向から対抗する。 お互いの隙を探して場が凍りつく。 一瞬にも、数時間にも感じる時間が流れた。 「フンッ」 オーディンの掛け声とともに、金の羽が舞い散る。 姿が掻き消え、カブトは後ろに気配を感じ、振り向きざまに顔を庇うように右腕を上げる。 重い衝撃が右腕と身体を貫き、たたらを踏む。 「今のを防ぐか」 「当然だ。この程度、天の道を行く者には容易い」 強がるものの、カブトの右腕は衝撃で痺れていた。 数十トンの攻撃にも耐えれる装甲が歪んでいる。 これほど強烈な攻撃は、ハイパーフォームになる前にくらったコーカサスの攻撃以来だ。 再び、金の羽が舞い、オーディンが姿を消す。 死角より拳が迫り、カブトは辛うじて身を捻って急所を外すが、吹き飛ばされ、地面を転がった。 そのカブトに、オーディンが姿を現して踏み潰さんとする。 その足を掴んで、跳ね上がってオーディンに拳を叩き込もうとする。 だが、オーディンは金の羽を残して姿消し、カブトの背後に現れ、拳の甲を叩きつけた。 カブトは壁に叩きつけられ、足がふらつく。強敵を目の前に、静かに闘志を燃やしていった。 「どうした? 私に手も足も出ないようだが?」 「なに、どの程度か見極めていただけだ。今からお前に俺が攻撃をくらわせる。 キサマはなす術も無く地に伏せるだろう」 「ほざくな」 再度姿を消えそうとするオーディンを目の前に、カブトはハイパーゼクターのボタンを叩いた。 「ハイパークロックアップ」 ――Hyper Clock Up―― 腕と足と胸の装甲が開き、金の輝きが暗闇を照らす。 背中より開いた装甲から、タキオン粒子が羽をかたどるようにエネルギーを形成し、時の流れを凍りつかせる。 羽を精製する前で、時の流れを遅くされたオーディンに、カブトは渾身の拳を叩き込む。 遅々として進むオーディンへ、回し蹴りを側頭部に当て、逆回しに裏拳をかます。 右腕がオーディンに当たる感触を感じながら、左手でハイパーゼクターの角を倒しカブトゼクターのボタンを押す。 ――Maximum Rider Power―― ――One―― オーディンの金の胸部アーマーに拳の連撃を六度続け、装甲を歪ませた。 無防備の腹に、中段蹴りを当てる。 ――Two―― 顎にアッパーカット気味の拳を打ち上げ、身体を浮かしたオーディンに身体を独楽のように回して蹴り飛ばす。 壁へ敵がひびを作り、埋め込まれるのが見える。 ――Three―― オーディンを掴んで宙へ放り投げる。 凍りつき、流れの遅い時は格好の標的を作り上げた。 「ハイパー……キック!」 カブトゼクターの角を反転させ、戻す。 タキオン粒子のエネルギーが稲妻を模して、カブトゼクターからカブトの角へと流れる。 ――Rider Kick―― カブトは地を蹴って天へと身体を躍らせる。 タキオン粒子の羽が更に加速させ、己が身を矢と化し、オーディンの身体を貫かんと唸りを上げる。 足の裏にオーディンの胸部アーマーを砕く感触を感じた。 金の破片が宙にいくつも飛び散り、カブトが時を支配する時間の終わりを告げる電子音が告げられた。 ――Hyper Clock Over―― 同時に、稲妻が轟いたような轟音を上げ、オーディンが勢いよく吹き飛ぶ。 金の破片が地面に乾いた音を立てて落ち、敵は壁を崩して瓦礫に埋もれる。 破壊の音が響く中、カブトは神崎へと向き直る。 「オーディンは倒した。後はお前だけだ」 だが、神崎は表情を変えない。 むしろ、余裕な態度に見え、怪訝に思う。 ――TIMEVENT―― 電子音が響き、瓦礫が宙へ浮き、元の壁へと吸い込まれ、ひびを無くしていく。 己の行動も、カブトゼクターの電子音も、逆回しになっていく。 ――Hyper Clock Over―― オーディンに当てていた蹴りが離れ、地面へと下り戻る。 ――Rider Kick―― カブトゼクターの角が、稲妻を頭からベルトへと走らせながら、元の位置へと戻る。 ――Three―― 三個目のボタンから指が離れ、宙を舞うオーディンが壁に戻る。 ――Two―― 二個目のボタンから指が離れ、体が独楽のように逆回転する。 ――One―― 一個目のボタンから指が離れ、歪んでいたオーディンの装甲が、修復する。 ――Maximum Rider Power―― 倒れていたハイパーゼクターの角が戻り、回し蹴りが逆回転して、元の位置へと戻る。 ――Hyper Clock Up―― 最後に、ハイパーゼクターのボタンからカブトの手が離れた。 「ハイパークロッ……」 「ムンッ!」 オーディンが手をかざし、金の羽が襲い掛かって、火花を散らす。 「クッ!」 ハイパーゼクターを叩こうとして中断され、カブトは歯噛みする。 相手が、時間を巻き戻したのを悟ったのだ。 「お前……時間を巻き戻したな」 「これで理解しただろう。お前は私には勝てない」 「そいつはどうかな? 俺は天の道を行き、総てを司る男。時を司ることくらい、造作もない」 「ほざけ。『時空』を渡ることはできても、『時』を操ることはできまい」 オーディンがベルトのカードデッキから、カードを取り出すのが見える。 (おそらく、俺がハイパーフォームになる前まで時を戻すつもりなのだろう) 鳥を模した杖に、カードをセットして電子音を暗闇に響かせた。 ――TIMEVENT―― 再び、時が巻き戻り、カブトがハイパーゼクターをつける前まで戻ろうと…… 「ハイパークロックアップ」 ――Hyper Clock Up―― しなかった。 オーディンは目の前でカードを掲げている。 「キサマ! 何をした!!」 「お前が時を三秒戻した時点で、俺が時を戻しなおした。お前が、カードをセットする前にな。 ついでに、近寄らせてもらった」 カブトは拳を固め、腰を落とす。 最大限まで溜め、信念を弾丸に拳の嵐をオーディンに叩き込む。 再び無傷だった金の装甲が、破片を飛び散らせる。 ひびの入った胸部へ、蹴りを放ち吹き飛ばす。 柱を倒して、オーディンは地に伏せた。 「ヌゥ……」 「言ったはずだ。キサマはなす術も無く地に伏せるとな」 悠然と告げる。その姿は、第三者が見れば、まさに孤高を表現した気高き姿だっただろう。 天の道を行き、総てを司る男。彼はオーディンと神崎に、神のごとき己が姿を焼き付けた。 (こいつ……) オーディンは、かつてない強敵に身体を震わせた。 もっとも、それは恐怖からではない。 修正を果たせない自分に憤っているのだ。 オーディンは神崎の木偶でしかないと、秋山蓮が言っていた。 しかし、オーディンはもはや神崎そのものである。 優衣を救うために存在し、優衣を救うため戦い、優衣を救うために時を操る。 神崎の理想と執念の詰まった存在。たった一人のための仮面ライダー。 ゆえに今は負けることは許されない。否、今は負ける事を許さない。 ここがいつもの場所なら、負けたところで新たな身体を得ればいいだけだ。 しかし、今は違う。さすがのオーディンも、敗れてすぐ復活することは不可能だ。 ここでの負けは、最愛の人を救うことができなくなってしまう。 (彼女を救うためなら、他に何もいらない。彼女を救うためなら、鬼にでも神にでもなる) (そうだ、オーディン。俺たちは、優衣のために……) 黄金の仮面ライダーが立ち上がる。 最早、身体はひび割れた装甲に覆われ、杖を持つ手は震えていても、闘志に一片の曇りも無い。 鳥を模した黄金の仮面は、静かな炎を瞳に宿して、カブトを睨みつける。 「私は……私たちは、妹のための、妹のためだけの! ヒーローだ! 仮面ライダーだ!! こんなところで……負けはせぬ!!」 オーディンと神崎は吠え、ベルトからカードを取り出し、バイザーに収める。 ――SWORDVENT―― 天より黄金の、二振りの剣が降り、オーディンは両手でそれぞれを掴む。 カブトに向かって構えるその様は鬼気迫っていた。 「ヌォ!!」 金の羽を残して、カブトの背後から上段に振りかぶり、降ろす。 だがその攻撃は、厚さ一メートルはある鉄の柱を切り裂いただけだった。 「お前の動きは見切っている」 紙一重でかわしたカブトが、オーディンの腹にカウンター気味に拳を叩き込む。 血を吐きながら、オーディンは自分が仮面の下で、ニヤリとした気がした。 錯覚である事を自覚しながら、カブトの腕を掴む。 「知っている。だから、この時を狙ったのだ」 「ッ……!」 右手の金の剣が、伝説のヒヒイロカネの装甲を紙のように切り裂く。 カブトの胸から、血が吹き上がり、オーディンの仮面を赤に染めた。 「クッ……」 敵の空いている左拳が、オーディンの頭に数トンの衝撃を与え、脳を激しく揺さぶった。 二度、三度同じ攻撃を繰り返される。 だが、その場を退くつもりなど、彼には無かった。 拳を顎に、頭にくらいながらも、オーディンは更に間合いを詰めた。 吐息がかかる距離まで近付き、アッパーをカブトの顎へと叩きつける。 敵の体が宙を舞い、鉄の天井を砕いてボトッと落ちる。 同時に、オーディンも膝をつく。さすがに、まともに拳をくらえばただでは済むはずが無かった。 執念だけで足腰に力を入れる。すでにカブトは立ち上がっていた。 「哀れな奴だ。お前の行動は、妹を悲しませるだけにすぎない」 「それでも、やらねばならない。例え悲しませても、救うにはその道しかない」 「それが哀れだというんだ。兄なら、男なら総てを救ってみせろ」 「キサマはどうなのだ? 妹は、私たちの手にある」 「フッ、愚問だな。俺は天の道を行き、総てを司る男。 妹だけでなく、人間からアメンボまで、そして世界を救う男だ!」 「そのボロボロの身体で、守るだと?」 カブトは無言で天に指を指した。その心の強さに、三枚のカードを引き抜くことで応える。 バイザーにカードをセットにするのと、ハイパーゼクターの角を倒す行動が、同時に行われた。 ――Maximum Rider Power―― カシャッと音を立て、バイザーが閉じると、敵がボタンを三つ押す。 ――One―― ――Two―― ――Three―― バイザーがカードを読み込み、電子音を発生させる。 カブトは、カブトゼクターの角を反転後元に戻した。 「ハイパーキック」 ――FINALVENT―― ――Rider Kick―― 炎を纏った黄金の不死鳥が、オーディンの背後へ召還される。身体を浮かし、金の鳥と並ぶ。 カブトは、腰を落として溜めを作っている。 「うぉおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「ぬぅぅぅぉぉおぉぉぉぉ!!」 男たちの雄叫びが重なる。 オーディンは金の光を、破壊をもたらすために放った。 光がダイナマイトの爆発にも耐える鉄の壁を砕きながら、カブトへと迫る。 カブトは、地を駆け、稲妻に似たエネルギーを纏った飛び蹴りを放つ。 金の光と、紅い閃光がぶつかり、お互いを破壊するため迫り続ける。 全力と全力のぶつかり合い。戦いの神の名を持つ男と、天の道を行く名を持つ男の戦いは、まさに互角だった。 その拮抗を破るために、オーディンの背後へ神崎が立った。 彼の手には、日下部ひよりが存在している。 「天道総司。キサマの妹の命が惜しければ、その蹴りを収めろ。 キサマが勝てば、妹は俺たちとともに吹き飛ぶ」 陳腐だが、効果的な手だ。 事実、カブトは動揺を…… 「その程度、考えないわけが無いだろう」 していなかった。もっとも、それくらいでなくては参加者として選んだ甲斐も無い。 次に彼がするであろう行動は目星がついている。対策も、先程ヒントをもらった。 「ハイパークロックアップ!」 僅かに焦った声で時を操る言葉を告げ、ハイパーゼクターのボタンを叩く。 妹を人質にとったのは、無駄ではないらしい。オーディンたちはカブトに、少しだけ共感をする。 ――Hyper Clock Up―― 電子音が、銀色のゼクターから発せられた。 時が遡り、オーディンがカードを収める前に…… ――TIMEVENT―― 戻らなかった。再び、時は神崎が背後に立つところで止まる。 「なにっ!」 「三秒の時点で時を巻き戻しなおした。先程の借り、返す!」 ――ADVENT―― オーディンの光の中から、金の不死鳥が現れ、カブトを弾き飛ばす。 無防備となったカブトへ、混沌の光が装甲を破壊し、右手を引きちぎっていく。 決着は、オーディンたちの勝利でついた。 (やられてしまったか。お婆ちゃんが、急いては事を仕損じると言っていたが、その通りだな) 失った右腕の切断面に、焼き鏝を当てられたような痛みが、じわじわと広がっていく。 変身の解けた身体には、無数の傷が走っている。 傷は熱を持ち、皮を剥がしているような痛みが続いている。 体温は失血により、どんどん低くなっている。 自分が助からないことを、天道は悟った。 視線を神崎とオーディンに向ける。 意外にも、神崎はひよりを優しく地面へ降ろしている。 それが済むと、二人は天道の前へ立った。 「終わりだ」 「言われなくても分かっている。だが、ただでは終わらん。ハイパーゼクター!!」 天道の呼び声に応え、ハイパーゼクターが時空の彼方へと消える。 その様子に、神崎は怪訝な表情を浮かべた。 「……何をした?」 「このホールから、あの舞台へとワープさせるのだろう? あの世界はお前のような存在を拒んでいるようだからな。 だから、ここからあの世界へとワープする瞬間、いずれかの参加者の荷物にハイパーゼクターが紛れ込むように指示した」 「キサマ!!」 「お前の失敗は、俺の侵入を許したことと、平行世界の俺を参加者に選んだことだ。 全ての参加者を選び終えたのだろう? どうやら、あの五十二人しか召還できなかったようだな。 時の止まった者を殺しては、キサマの目的、新たな命の精製は行えない。 同じ理由で一定のルール違反を行わなければ、首輪を爆破できない。違うか?」 神崎の歯軋りを、肯定と受け取る。 なにも、天道は神崎の行動を察知してすぐ動いたわけではない。 ある程度、様子を見て動いたのだ。いや、干渉できるタイミングが限られていたため、様子を見るしかできなかった。 その成果が現れたことに、満足する。続けて、ひよりに視線を向ける。 (ひより、すまない。俺は、お前を助けることができなかった。できれば、優しい人間に出会ってくれ。人に絶望しないでくれ。 俺でなくても、お前の傍にいてくれる者は確実にいる) 自愛に満ちた視線を終え、続けて戦友へと視線を移した。 (加賀美。お前は俺が認めた男だ。必ず、ひよりを助け、こいつらに一泡を吹かせてやれ。 それができたら、義弟と認めてやる) 試すような視線を移動し、平行世界の自分へと向ける。 (お前が、天の道を行き、総てを救え。俺が出来なかった事だ。頼む) 最後に、仮面ライダーたちに視線を向ける。 (俺に、力を貸してやってくれ。一人で挑んで、負けた男がここにいるからな。 挫けず、平行世界で俺に見せたように、各々の正義を貫いてくれ) 「遺言は終わったか?」 オーディンが剣を首筋に当てた。 苦しみを短くする結果にしかならないことといい、遺言を待っていることといい、妹に対する扱いといい、意外と人は悪くないのかもしれない。 そんな考えに、馬鹿らしくなり微笑んでしまう。 「なぜ微笑む?」 「お婆ちゃんが言っていた。散り際に微笑まぬものは、生まれ変われないとな」 言い終わると同時に、首が刎ねられ頭が天に舞う。しかし、天道の表情は微笑んでいた。 天の道を行く男は、最期まで天の道を行く。 己が道を信じているがゆえに。 回想が演奏と同時に終わり、ガタックゼクターがハイパーゼクターを運ぶ過去の映像が浮かぶ。 神崎は、イレギュラーである銀のゼクターを睨みつける。 ジョーカーたちに指示しに行こうかと思ったが、彼ら自身が役に立つか怪しくなってきた。 相川始はともかく、リュウガまで変化するとは、意外としか言いようがない。 これでは切り札を仕込んだ意味が無い。 だが、反対に殺し合いは順調だ。 たった半日で三分の一が脱落など、今までのライダーバトルではありえなかった。 この調子なら、自分が手を出す必要も無いだろうとも考えられた。 参加者たちの中には、首輪を解除しえる技術を持つものもいる。 当初は、首輪を解除したところで、時空の牢獄から逃れられないゆえ、そのまま参加させていた。 例え首輪の拘束から逃れたとしても、脱出できなければ殺しあう以外道は無いからだ。 研究所を消さなかったのも、そうした考えがあってのこと。 だが、荒廃した世界の天道総司の干渉で、それが致命的なミスになりつつある。 そこまで考え、まあ良いと呟く。 いざという時は、首輪をつけたオーディンを放ち、天道総司をしとめるまでだ。 手には第二回放送の原稿がある。 胸には妹を救うことしかなく、更なる殺し合いを願う。 スマートレディに原稿を渡すため、その場を去った。 実は、神崎士郎も知らないことがある。 彼が殺し合いを促進させるために支給したライダーブレスが、ハイパーゼクターを扱える事を。 それがどういった事態をもたらすのか、誰にも分からなかった。
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/615.html
ボクと魔王 要約スレ2-7・10 7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/20(木)16 45 48 ID 7QS7w/sn ボクと魔王 影の薄い主人公が、大昔の魔王の生まれ変わりという影の魔王の下僕にされる。 各地で勝手に魔王を名乗っている奴らを倒して力を取り戻すため強制的に旅立つ。 勇者や元魔王、王女を仲間にしての珍道中。だかあるダンジョンの仕掛けで主人公は世界から認識されなくなってしまう。 主人公は同じく世界から忘れられた人が住む町から聞いた方法で、再び認識されるようになる。 仲間と合流していくが王女が自分の執事に襲われ人形になってしまう。 実はこの世界は執事が娘のために用意した箱庭の世界、王女はいつのまにか行方知れずとなった娘の代わり。 主人公の影が薄い=執事の作った世界の分類(ルール)から自由 主人公達は執事を倒す。そして新しい世界が発見される(箱庭からの解放)そして忘れられた町から王女と同じ顔の少女が主人公の家へ。 おまけ 実体を得て主人公と別れた魔王、新世界を征服するため下僕を呼びにくる。 ちょっと長かった? 10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/04/21(金)13 19 22 ID d2dmzynw 7 最後に魔王は「新世界を征服するため」ではなく「やはり主人公と一緒に居るほうが面白そう」だから 主人公の家に来るんじゃなかったっけ?
https://w.atwiki.jp/drahm/pages/15.html
■天使エリエル 魔王ヘルタレスと同時に新登場した、元気そうな天使くん。 エッチなちくびと下まつ毛が特徴的。 天使なのに力技って感じがかわいい。 ■スキル 1~5回の打属性攻撃で、3回が最も多い模様。ちゃんと当たります。 その上、攻撃回数分だけステータス(攻撃力)を上げてくれるすごいカード。かわいくて強い、すばらしい… ■余談 肝心な時にラッシュナックル[1]とかになる。 天使だけどちゃんとしっかりおちんちんがついていそうなお顔。 SS+の時だけ髪が短いのに今初めて気付きました。 SS+ SSS
https://w.atwiki.jp/c-atelier/pages/1874.html
Recipe050 でぃ よね イヴ キリング シリーズ:モナーブルグ夏祭り ジル ソロ タカラ ドクウォル ニラッチュ ノル ノートン フュシャ フーディア ペルミーナ マィニア ミガナー モラーレン ラーク リオン レク 作品 奈菜 爺 実際に読む(リンク) シリーズ:モナーブルグ夏祭り 前話東方不敗 次話正義のバナナ 概要 超弩級連続投下第6話 短くて密度たっぷりの4コマ劇場 レシピ追加 No.486 妖精さんの服と帽子 登場キャラ 初登場 ペルミーナ 本編 127 登場 フュシャ よね イヴ ドクウォル マィニア ミガナー リオン ソロ レク ジル ニラッチュ タカラ でぃ 奈菜 モラーレン ノートン ラーク キリング フーディア ノル 元ネタ解説 21 「『ビアンカタソ』と『フローラタン』」 ゲーム「ドラゴンクエスト5」に登場するヒロインより、主人公はどちらかと結婚出来る。 35 「将星フシャウザー」 漫画「北斗の拳」に登場する拳法:南斗六聖拳「将星」の男 サウザー より 39 フュシャ「愛ゆえに~」 上記サウザーの名言より。本人の名誉のために言うと、本編では決して非モテとかそういう下らない理由で言ってはいない。 41 「ドクオの墓」 ジブリ映画「火垂るの墓」のパロディ 逸話だが、アメリカ海兵隊で罰ゲームにこれを見るのが流行った事があったが、あまりの精神的ダメージに2回目にして禁止になったらしい。 45 フュシャ「なんで、ドクオすぐ氏ぬん?」 上記映画に登場する幼い女子:節子の「何でホタルすぐ死んでしまうん??」というセリフのパロディ 50 フュシャ「商品の中和剤(赤)を眺めながら~」 昼飯のナポリタンを壮大に考える「 「なぜナポリタンは赤いのだろうか」のガイドライン 」のパロディ 71 リオン「だが断る」 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第4部において 漫画家「岸辺露伴」が敵に襲われた時に「主人公を呼べば助ける」 という敵の甘言を「だが断る」とはっきり拒絶した名言より。 71 モランス「僕が一番ツッコミをうまくできるのにッ!」 アニメ「機動戦士ガンダム」において、命令違反を行って独房に入れられ、主役機:ガンダムのパイロットを降ろされそうになった時の主人公:アムロのセリフ 「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ!」のパロディ 71 レッド「まだお前が出るような時間じゃない」 漫画「SLAM DUNK」の名バスケットプレイヤー:仙道の「まだ慌てるような時間じゃない」というセリフのパロディ 75 「スペランカー対ゴルベーザだ」 ゲーム「スペランカー」の主人公にして身長の半分落下しただけで死んでしまう最弱の主人公VS ゲーム「ファイナルファンタジーIV」のカリスマ的悪役の図 80 「何でもないようなことが ~」 アーティスト「 高橋ジョージ 」の楽曲「 ロード 」の歌詞より 97 全体的に小説家「京極夏彦」氏による「百鬼夜行」シリーズ第二作「魍魎の匣」より 98 フュシャ「ソノウチ俺ハ 考エルノヲヤメタ…」 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第2部のラスボスにして絶対に倒せない究極生物カーズを、主人公が火山の爆発を使って衛星軌道まで吹き飛ばした後で 地球に戻れなくなったカーズを説明するナレーション「そのうちカーズは、考えるのをやめた」のパロディ 104 ジル「思わずお持ち帰りしたくなるほど」 同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」の登場人物:竜宮レナ の口癖および行動のパロディ かわいいもの蒐集家で、ゴミ捨て場に赴いてかわいいものをお持ち帰りする他、かわいい女の子を「お持ち帰り~」と叫びながら拉致する。 123 漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第3部における主人公:承太郎と宿敵:DIOの攻防のパロディ 154-157 全体的に「 外人4コマのガイドライン 」のパロディ
https://w.atwiki.jp/cookie_kaisetu/pages/244.html
[部分編集] 概要 正式名称は「【東方ボイスドラマ】ゲンソウクエスト~魔王神子の逆襲~」(2014年9月21日)。 MK兄貴が企画した東方ボイスドラマである。 後にMMD版も製作されている(2015年8月11日)。 売失作品の中では短い方だが内容はつまらないとSEX☆を除けば随一の駄作とされる。 またこの作品が投稿されたときはちょうどJYUがクッキー☆タグを荒らしていたときで、クッキー☆側にもあまり認知されてなかった。 唯一RK姉貴演じる布都だけが見所とされ人気がある。 ちなみにこの作品を発表する際、MR姉貴以外の声優陣は風評被害を怖れてMK兄貴に投稿を控えて欲しいと抗議を受けている。 MK兄貴は名義を公表しないということで納得してもらい、なんとか投稿までこじつけた。 その為この作品の声優陣は偽名を使っている人が多い。 [部分編集] +登場キャラクター 博麗霊夢:アオサノリ 霧雨魔理沙:イロハ 魂魄妖夢:秋桜 霍青娥、ナレーション:綺愛 物部布都:しめじ。 豊聡耳神:ミリ +大まかなストーリー [部分編集] ニコニコでの扱い ただでさえつまらないのに加え、JYUがちょうど荒らし回っている時期に投稿されたため注目度も低かった。 後にMMD化されたことによって少しは認知されるようになった。 [部分編集] 本スレでの扱い MK兄貴の作品は全体的に嫌う傾向があるが、この作品は特に相手にされてない。 [部分編集] 実況での扱い 売失作品随一の駄作とされる。 MMD版が登場してからは少し実況しやすくなった。
https://w.atwiki.jp/nitendo/pages/4290.html
大魔王 とは、空想の職業、及びそれを元にしたキャラクター。 プロフィール 作品別 関連キャラクター コメント プロフィール 大魔王 他言語 ふりがな だいまおう 初登場 【Miitopia】 「魔王」と同様、魔物たちの王を指す単語。 作品によっては「魔王」と分けて「大魔王」と記載している場合もあるが、「魔王」と同意義である事も多い。 主にファンタジーゲームに登場し、その大御所にして初期に名乗り出た開拓者は言うまでもなく【クッパ】である。(ただし日本における有名所ではドラゴンクエストシリーズのゾーマやバーンを指す場合が多数ある) 作品別 【Miitopia】 悪役として登場。ミートピア中のMiiの顔を奪い、無数の怪物を生み出した。 この肩書にしては珍しくストーリー前半の大ボスという扱いであり、話を進めると【魔王の呪い】?に憑依された一般人である事が判明する。 関連キャラクター 【クッパ】 【ガノンドロフ】 コメント 名前 全てのコメントを見る?
https://w.atwiki.jp/atelier_flareon/pages/51.html
あやつばがスカイプで叫んでいる! ・・・それは、今日もアトリエが平和な証拠である。
https://w.atwiki.jp/mugen21/pages/21.html
お勧めサプリメント サプリメントといえば、ビタミンなどに代表される栄養素ですが、最近では野菜だけからだと摂取できないものも出てき始めました。あるいは、ほんのわずかしか存在しないとか。 そのような栄養素は、サプリメント化していると思いますから、健康管理の意味からいっても、良いといわれる健康管理には気を配りたいものです。下に、成人以降に取った方が良いサプリメントを紹介します♪ 1.是非サプリで取りたいもの。それはhtmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。ですね。 疲れた頭・体と美容に効き目ばっちり! 2.htmlプラグインエラー このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。は成人すると年齢とともに体内で作られなくなるんですよね。先のα-リポ酸と一緒にとると効果的!
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8603.html
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第8話 聖剣杯 第一回戦 「さ〜〜あ!やって参りましたよ聖剣杯第一回戦!!実況はコルベール!」 「解説は学院長であるわしがやるぞ」 なぜかノリノリなコルベールとオールドオスマンが実況解説をしている中で、対戦者同士が睨み合っていた。 「まさか、初戦の相手があなたとはね・・・ツェルプストー!!」 そう言って今にも噛みつきそうなルイズ。 それとは対照的に、余裕そうな態度を崩した様子もなくキュルケは言う。 「初戦があなたとはね・・・これは楽勝なんじゃないかしら?」 「なんですって!?」 「だって、あなた魔法使えないでしょう?」 「ラハール!!あんた絶対に・・・・あんたなんか顔色悪いわよ?」 「初戦の相手はあれか・・・?」 「そうよ!だから絶対に勝たないといけないのよ!」 「オレ様はこの戦い棄権しようかと思うのだが・・・」 ルイズは少なからず驚いた、何せ相手が誰であろうとも突っかかりそうなラハールがそんな事を言ったのだ。 それも心なしか腰がひけているようにも見える。 「馬鹿言ってんじゃないわよ!ツェルプストー相手に棄権なんてヴァリエールの名が泣くわ!!」 「オレ様はな・・・」 「何よ?何かそれ相応な理由g・・・」 「オレ様は、ムチムチな奴が大の苦手なのだ!!」 軽くルイズが凍りついた。 それはそうだろう、まさかラハールにこんな弱点があるなんて少なくとも予想が付かなかったからだ。 だが、今思えばラハールはアンリエッタともかなり距離をとっていた気がする。 「え?・・・何それ・・・?」 「うるさい!それより、棄権だ棄権!」 ラハールがムチムチ嫌いになったのは、過去に色々あったからなのだが・・・ルイズがそんな事を知るはずがない。(詳しくは、ファミ通文庫出版の「魔界戦記ディスガイア HEART OF THE MAOH」を参照) これが別の相手だったら、本来やる気のなかったルイズはこの提案に乗っただろう。 だが、相手がキュルケな時点で何が何でも勝たなければならないと考えているため、この提案に乗るわけにはいかない。 だから、なんとかしてラハールを戦わせる方法がないものか考える。 そして考え付いたのは・・・ 「ふ、ふ〜ん、つまり相手が苦手な相手だからって逃げるんだ?」 「・・・なんだと?」 ラハールを挑発して、なんとかやる気を出させるというものだった。 だが、少なからず心配だったのは自分に後で何かあるかどうかであるが、そんなのを気にしている場合ではない。 「魔王って言っても大した事ないんじゃない?」 「ほほ〜う?あの時のオレ様の力を忘れたか?」 忘れるわけがない、あれほど恐怖したのは初めてなのだから。 「だったら、ツェルプストー倒して見せてよ。魔王だったら出来るでしょう?」 「グッ・・・しかしな・・・」 「な〜んだ、出来ないんだ」 「・・・いいだろう!やってやる!おい、早く始めろ!!」 (・・・もしかして、ラハールって結構バカ?) とか思ったが、乗せる事には成功したのでそれで満足することにした。 「それでは、聖剣杯第一回戦ミス・ヴァリエールVSミス・ツェルプストーの試合を開始します。それでは始め!」 最初に動いたのはラハールで、剣を抜いたと同時に、手の甲のルーンが光ラハールのスピードが加速する。 「さっさと終わらせてやる!」 速攻勝負で終わらせようと考えているのだろう、真っすぐキュルケに斬りかかっていく。 だが、横からキュルケの使い魔のフレイムが吐いた炎がラハールを襲いかかる。 「チッ・・・」 それをマフラーで防いで距離をとる。 「確かにあなたは速いけど、それだけじゃ私には勝てないわよ」 「なら、これでもくらえ!『メガファイア』!!」 ファイア系の魔法のメガ級にあたるメガファイアを投げつける、当然剣を抜いてない状態だと使える魔法は初期魔法だけである。 「『フレイムボール』!」 だが、それをフレイムボールの魔法で相殺される。 力が下がったとはいえ、ラハールのメガファイアを相殺したあたり、さすがトライアングルメイジと言うべきか。 だが、相殺した本人は・・・ (ほとんどノータイムであれ?そのままぶち抜いて勝っとこうと思ったのに・・・これが東のメイジの力ってやつなのかしらね) キュルケとしても、速攻で終わらせるつもりでいた。 この聖剣杯のルールは勝ち上がり方式で、使い魔もしくは主人を倒せば勝利なのだが、あまり一回の戦いで魔力を消耗するのは避けたい。 だから、ルイズを狙うかと思ったがラハールとキュルケの魔法は互角、それプラス相手は接近戦も出来ると来たものだからラハールから注意をそらすのは危険である。 使い魔であるフレイムは、砲台としては使えるだろうが、当然ラハールに接近戦を仕掛けられると確実に負ける。 こうなっては、相手をいかに近づかせないかが大切になってくる。 「さて、この状況どう見ますかオールド・オスマン氏」 「そうじゃのー、ミス・ヴァリエールの使い魔が使う魔法はミス・ツェルプストーが相殺できる。じゃから魔法で倒す方法をとるより、その魔法でいかに接近戦に持ち込めるかが要じゃろうな」 「ほう、それはまたなぜ?」 「ただ突っ込むだけではさっきみたいにミス・ツェルプストーの使い魔が近づけさせない、それにツェルプストーとの連携されたそれはもっと難しくなる。じゃから魔法をうまく使う必要があるわけじゃ。まあ、後はミス・ツェルプストーの魔力切れを狙うかじゃな」 「なるほど、それではミス・ツェルプストーが不利という訳ですな」 「ミス・ツェルプストー側から言ったら、一か八かで大技狙うとかしなくてはならんからな」 「なるほど、ですが大技を繰り出したとしても避けられる可能性があるのでは?」 「じゃから一か八かなのじゃよ。それに、使い魔だけでは抑えきれない可能性があるからの」 「この状況からどうなるか気になりましたな。・・・おおと!ここでミス・ヴァリエールの使い魔が動いた!」 「長期戦なんぞする気はない!すぐに決着をつけてやる!!」 ラハールがとった行動は、長期戦に持ち込むのではなく一気に勝負を決める方法を・・・つまりとりあえず突っ込むである。 だが、当然ただ突っ込むだけではなく今度はファイアの魔法を放って牽制する。 当然ファイアの魔法ではフレイムボールは相殺できないため、飛んできた魔法を避け、そこから一気に距離を詰める。 だが、そこでやはりフレイムの炎により距離を再び取らされる。 もう一度やるかと思ったら声が聞こえてきた。 「まったく・・・見ちゃいられねーな」 「む?何だこの声は?」 「こっちだこっち、おめぇさんの手に握ってるものだよ」 「握っている?剣しか・・・まさか剣がしゃべってるのか?」 「そうだよ、まあその辺の説明は後で誰かに聞きな、それよりお前完全に力押な戦い方してやがるな?」 「チマチマやっていてもしょうがないであろうが」 「それには賛成だが、もうちょっとマシな戦い方ってのがあるだろう」 「ほ〜う?それなら貴様はどんな戦い方をするというのだ?」 「ん〜?そうだな、まずお前さん使える魔法は火系統の魔法だけか?」 「基本的なオレ様の世界の攻撃系魔法は使えるが?」 「そうかい、なら氷出す魔法ないか?」 「あるが?」 「それなら今使える最高の氷系統の呪文を相手に放ちな。放ったらそれと同時に相手に斬りかかりる・・・それで勝てるはずだ」 「よく分からんがいいだろう・・・貴様名前は?」 「オイラはデルフリンガー、デルフとでも呼んでくれ相棒」 「そうか、デルフか・・・オレ様と言う魔王に使われる事をありがたく思うんだな」 「へ〜魔王ね〜、そいつは光栄だ。とりあえずあの娘っ子には負けないでくれよ魔王様」 「当然だ、オレ様は史上最凶の魔王だからな」 「あら?話は終わり?でも、その剣インテリジェンスソードだったのね。少し驚いたわ」 「そんな名前の剣のか?まあいい、今から決着をつけてやろう!」 「へ〜でも私も負けるつもりはないからその辺はよろしくね」 「言っていろ!『メガクール』!!」 ラハールは、そう言うとクール系のメガ級の魔法をキュルケに放つ。 火系統の魔法しか使えないと思っていたのを、さっきの火系統と同じレベルの魔法を放ったことに少し動揺したが、とっさにフレイムボールの魔法で相殺する。 だが、そこで問題が起きる。 「水蒸気!?しまった!フレイm・・・」 自分の使い魔を近くに呼び寄せようかと思ったが、フレイムの名前を言う前に冷たい感触を首に覚えて言葉を止める。 「オレ様の勝ちだ、降参するんだな」 水蒸気が晴れてきて、見ると自分の首に剣が押し当てられていた。 自分の負けは確定したと見ていいだろう。 フレイムは自分を巻き込まない為に、炎を吐けないみたいだ。 「・・・私の負けよ。降参」 「決まったーーーーー!!第1回戦の勝者はミス・ヴァリエールだーーーーーー!!!」 それを聞いた瞬間ラハールは急いでキュルケと距離をとっていた。 「ハァハァ・・・もう2度と近寄りたくないぞ・・・」 「まあ、とりあえず勝利おめでとうだ相棒」 「よくやったわラハール!あのツェルプストーn・・・」 そこで言葉をきったのは、今度はキュルケではなく、自分の首に剣を押し当てられたからだ。 「そういえば貴様、誰が大した事ないんだったか?」 「え、え〜っと・・・勝てたからいいじゃない。ね?」 「ね?ではないわ!!」 「まあまあ相棒、勝てたんだからいいじゃねーか」 「そういえばあんた、そのインテリジェンスソードどこから盗ってきたの?」 「盗ったのではない、倉庫にあったのをもらったのだ」 「倉庫?まあ、いいわ。それより速くここから出ましょう。次の試合が始まるわ」 「それもそうだな、行こうぜ相棒」 「分かった・・・だがさっきの事は後できっちりと教えてもらうからな?」 「え、ええ・・・(チッ!覚えてたか!)」 ラハール達が退場して行くのを冷ややかに見ているのがいた。 タバサである、もっとも、元々あまり感情を見せないからそう感じるだけかもしれないが・・・ その隣には、ローブで顔まで隠した女がいる。 「よかったわね、勝ったわよ」 「・・・そう」 「あれが勝ち上がらないとあなたは、絶好のチャンスを失くすものね。そう、あなたのお母さんを元に戻す方法が・・・ね」 「勝てば・・・」 「ええ、勝てば元に戻してあげるわ。もっとも、勝てればの話だけれどもね。まあせいぜい頑張りなさい」 すると女は人ごみに姿を消していく、それをにらみつけながらタバサは呟く。 「絶対に勝ってやる・・・!」 キュルケあたりが今のタバサを見たら驚いたであろう。 いつも感情を押し殺しているタバサが怒りという感情を見せたのだから・・・ 前ページ次ページゼロと魔王