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「状況は！？」 アロザウラーを走らせながら、アラドは通信機に向かって叫ぶ。 『こちらホークアイ、現在目標はウエスタ砂漠を北上中！』 「了解、追尾を続けてくれ。必要以上に刺激しないようにな！」 ニビル市の治安局本部への通信回線を開きながら、別のモニターにニカイドス島の地図を出す。ホークアイからの情報と照らし合わせ、対象の目的地を予測する。 「本部、こちらアラド・イクサス。目標はフォボス要塞跡地に向かっていると予想される。コマンドウルフ隊を一つ寄越してくれ！」 「了解しました。第二小隊を向かわせます」 ニビル市はずれに位置する治安局ニカイドス本部、その管制室は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。 「娘は、娘は無事なのか！？」 「落ち着いて下さい市長！ 現在、総力を挙げて……」 「犯人グループからの要求、まだありません！」 怒号の飛び交う中でも、（手伝いとして）アラドの要請を受けていたイリアスはある程度、冷静ではあった。 （誘拐事件なら、犯人達の安全がある程度確保された時点で要求があるはず……） 彼女が推察するに、恐らく犯人はフォボス要塞跡に立て篭もるつもりなのだろう。 誘拐事件。 今回の件を単純に説明するだけなら、この四文字で事足りる。もっとも、被害者が市長の令嬢であったりだとか、犯人グループがかなりの重武装であるとか、色々と追記事項はあるのだが。 『……こちらホークアイ、管制室、応答せよ』 「はい、こちら管制室」 そんなイリアスの思考を、先行し目標を追尾していたプテラスからの通信が遮る。 『目標はフォボス要塞跡に入った。監視を続け……何っ！？』 「！ どうしました、ホークアイ！？」 直後に入ったのは、一瞬の爆音。そしてその後、ノイズ。 「……こちら管制室、アラドさん、聞こえますか？」 『聞こえている、どうした？』 「ホークアイからの通信が途絶、撃墜された可能性があります」 「何だと……！？」 ホークアイへの通信を試みるが、応答が無い。 「くそっ……」 市長の令嬢を人質に取っているという事実からなのか、それともフォボス要塞跡に入ったという安心感からなのかは不明だが、犯人グループは過激な行動をも厭わない事がはっきりした。 （それにしても……） ウエスタ砂漠を疾走しながら、アラドは考える。 誘拐事件にしては、明らかにやる事が派手だ。わざわざ治安局の目を引くようにウエスタ砂漠を逃走ルートに選び、複数のゾイドで武装した上、追尾していたプテラスを撃墜までしている。 裏があるのか？ だが、今は考えても仕方ない。 （とにかく、これ以上被害を拡大するわけにはいかない） 後ろから、パトライトを光らせたコマンドウルフが4機、走り来る。先ほど要請した部隊だ。 しかしこれだけでは、やはり戦力に不安が残る。 アラドは通信回線を開くと、追加の部隊出動を要請した。 この判断が、後に大きな間違いとなる事も知らずに。 「おうおう、急いで出て行っちまってまあ」 街はずれ、地下のゾイドロード出口付近に隠れながら、ライオット・アレクセイはその顔に凶悪な笑みを浮かべた。視線の先では、治安局仕様のゾイドが群れをなして北に向かっている。 全ては予定通り。治安局は目先の誘拐事件に気を取られ、戦力をそちらに廻している。 後は悠々と、こちらの計画を遂行すればいい。 作戦の立案から、資材の調達と訓練。これらを最速でこなし、ようやく今日という日を迎えた。 心が潤っている。満たされようとしている。 楽しいじゃないか。 さあ、高らかに宣言しよう。 「……始めようじゃないか、俺の戦争をなぁ！！」 同時刻、トライデント社オフィス。 「……何だ、これは？」 フレッド・スターンは、自分のパソコンに転送されたメッセージに首を傾げた。 『貴社は粛清されるべきである』 意味不明の文章。いや、意味自体は理解出来る。なぜ、このようなメッセージが届くのかが理解出来ない。 何かの警告か？ あるいは脅迫。文面から取れば、それが一番しっくりくる。 そこまで考えが至った所で、社長室の扉が開いた。 「し、社長……」 ソナタだ。だが、様子がおかしい。酷く怯えているように見える。 その疑問は、すぐに氷解した。彼女の後ろから、銃を突きつけて一人の男が入って来たからだ。 「よう、邪魔するぜ」 まるで気心が知れた友人の部屋に入るがごとく、男は軽い口調で言う。 「……何者だ、君は」 「何、あんたにちょいと頼みたい事があってね」 男に話しかけながら、フレッドは机の下、警報機に手を伸ばす。だが、 「おっと、余計な事はしない方がいいなぁ。この娘の頭が吹っ飛ぶのを見たいってんなら、話は別だが」 「何が目的だ……。金か？ それとも」 「そ～んなご大層なモンはいらねえよ。簡単な事さ。地下格納庫と試験場への道を開けてくれるだけでいい。な、簡単だろ？」 ここは要求に従うしかない。そう考え、フレッドはパネルを操作し、格納庫とゾイドロードとの間にある扉を開ける。 「……扉は開けた。彼女を解放してくれ」 「いーや、まだだ。あんたらは運がいいぜ？ この俺がやる戦争の生き証人になれるかも知れねえんだからよ。ま、生きて帰れりゃの話だがな」 この男は何を言っている？ 戦争だと？ フレッドの頭に疑問符が渦巻く。わかるのは、この男がまともな人間ではないという事。そしてこの男の指示に従わなければ、自分はもちろん、ソナタの命も危ういという事だ。 「社員どもをどこか一箇所に集めろ。全員が入れる場所で、なるべく狭い方がいい。そうしたら、この娘を縛っておけ。後で確認するからな。少しでも緩けりゃ……どうなるかわかるよなぁ？」 不意に電子音。男の持っている端末からだった。 「こちらライオット。……そうか、こっちもすぐ終わる。よし、作戦を第二段階に移行しろ」 「応答しろ、本部！ 聞こえないのか！！」 アラドは通信機に向かって叫び続けていた。本部との通信が繋がらなくなって、既に三十分が過ぎている。 フォボス要塞跡で、彼らと犯人グループはにらみ合いに入っていた。犯人側からの要求は未だ無く、ある一定以上の距離を縮めなければ攻撃もされない。 このまま膠着が続くと思われたその矢先、 「隊長！！」 部下の叫びに、アラドは要塞跡に視線を戻す。 大規模な爆発が発生していた。 「じ……、自爆だと！？」 煙の中から、一人の少女が走ってくる。カメラをズームして確認する。間違いない、誘拐された市長の令嬢だ。 「人質の救出に向かえ！」 指示を飛ばす。その直後、 『アラドさん！！』 通信。本部ではない、どこか別の場所からだった。 「イリアスか、こっちは現在、人質を救出して……」 『それどころじゃありません！！』 珍しく、イリアスが切迫した声で訴える。その内容に、今度こそアラドは驚愕した。 「治安維持局本部が……、テロリストに占拠されただと！？」
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アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 ＝＞http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/21.html
「さて、と……」 バレシア港。かつて中央大陸戦争において、「空飛ぶ虎」ダニー・ダンカンが命を落とした地。約束の期日、私はここに来ていた。 予定の時間まではまだあるので、今は穏やかな海を眺めて、何をするでもなく過ごしていた。そうしたら、 「やほ」 一月前にも聞いた声。振り返ると予想通り、アルフィがいた。 「早かったね」 相変わらず、旅塵にまみれた外套に無造作な黒髪。 「まあ、ね」 「ん。じゃあ、最後の確認……」 空気が変わる。アルフィの表情から人懐っこさが消え去り、極端に怜悧なものへと変わった。 「……君は回顧録の適合者として、今からトローヤへ向かう。そのことに、迷いはないね？」 迷わなかった、と言えば嘘になる。しかし、結局こうしてここに来たのだから、トローヤへ行くことに対して、恐れや躊躇いはない。それらよりも、好奇心のほうが勝ったのだろう。 「はい」 「……いい返事だ」 アルフィに微笑みが戻る。今更ながら気付いたが、同性の私から見ても、アルフィはかなり可愛いのではないか。そういう格好をして、無造作な髪も何とかすれば、大いに化ける可能性が…… 「こら」 ゴン、と頭を叩かれた。 「人の顔見て変な想像してんじゃない」 気付かれた。やっぱり、彼女はやけに鋭い。と、 「はい。これを持って、ここであと１０分待ってて。そしたら迎えが来るから」 私の頭を叩いたらしき端末を渡すと、アルフィはさっさと踵を返してしまった。 「え、ちょ、ちょっと！」 「私は回顧録読めないし。それに、トローヤは人間より嫌いだ」 去り際、影の差した顔で、アルフィは言い残した。 待ち時間、私はさっきのアルフィの言葉を反芻していた。 『トローヤは人間より嫌い』 過去に何かあったのか、それとも別な理由かはわからない。「アルフィ・サーガ」を読み進めれば少しははっきりするかも知れないが、今はあいにくそういう場合ではなかった。 そんな具合に思考を流すこと、きっかり１０分。手にしている端末から、コール音が発せられた。 「えっと……」 操作方法がわからず、どうすべきか迷っていると、音は止み、変わって画面が表示される。勝手に通話状態に切り替わったらしい。 『あーあー、御機嫌よう。ボクの声は届いていますか？』 ……平行世界で赤毛の高いところが好きな人が発するような台詞が、少年か少女か判別のつきにくい声で聞こえた。 「……聞こえてます」 とりあえず、端末に向かって返す。 『それはよかった。あ、はじめまして。ボクはラグナといいます。どうぞよろしく』 表示されているのは、これまた少年か少女か区別しづらい姿。短めの赤い髪と、若干灰色がかった黒い瞳の、１０歳程度の子供だった。 「あ……、ローナ・レジェッタです。こちらこそ……よろしく」 はたしてこれでいいのか。ともかく、名乗り返すだけ名乗り返す。 『はい。では、今そちらに降りますので』 「降りる……？」 聞こえた単語に首を捻った瞬間。 排気音と共に、赤いゾイドが私の眼前に舞い降りた。 『この子がトローヤまでご案内します。スレイプニールと呼んでやってください』 機種はレドラー。今では珍しい、ゼネバスレッドの機体色。愛好家の中にはこの色の機体を所有する者も何人かはいるが、実物を見るのは初めてだ。 「はあ……」 呆気にとられる私をよそに、スレイプニールという名のレドラーは機首を下ろし、コクピットを開ける。と、 「あれ……？」 中に誰もいない。てっきり、ラグナという人物が操縦しているのかと思ったのだが。 『ごめんなさい。訳があって、ここでは直接お会い出来ないんです。どうぞ乗ってください』 勧められるまま、私はコクピットに座る。ノーマルとはいえ、超音速機のレドラー。かつてエミリオ・スパーク（蒼穹の挑戦者）も乗っていた機体に、実際に乗ることになるとは思ってもみなかった。 『端末をコンソールに繋いで頂けますか？』 シートベルトを締めた後、そう頼まれて端末をコンソールと接続する。数秒の間を置き、メインモニターにラグナの姿が映った。 『では参りましょう』 浮遊感。上りエレベーターに乗った時と似た感覚を味わいながら、私はスレイプニールと共に、一路トローヤへと向かった。 ……その旅路が想像を絶する物になるとは、この時点ではまだ、予想していなかった。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/28.html
偶然か必然かと問われれば、多分偶然だろうと答える。 私とその子の出会いについては。 一夜明けて、することもない私は町をうろついていた。荒れ地故に人の少ない西エウロペだが、逆を返せば人間の生活空間には、ここに住む人間のほとんどがいるということになる。そんなわけで、思いのほか活気があった。 ただし。 市場を一周し、広場で休憩して、住居のある区画を巡っても30分しかないほど狭い。 「……どーしよっかな」 宿に戻って、シエナか誰かを連れてくるか。だが、万が一昨日の連中が来た場合、私はなるべく離れていた方がいい。 と、 「……ん？」 何か、聞こえた。直接的な音ではない、別な物。 「こっち……か？」 理由はわからないが、何か呼ばれているような気がして、私は導かれるように、町のはずれへ向かった。 「……」 そこにいたのは、一機のゾイドだった。瓦礫の上、その身を横たえている。 「私を呼んだのは……、君？」 相当、長い年月を経ているのか、外装は錆びついている。それでも私の声に反応するかのように、長い首をギシリと動かした。 （……ボクの声、聞こえるの？） そして、はっきり聞こえた。間違いない、このゾイドが発している声。 「ん、聞こえてるよ」 （そっか……。キミ、誰？） 「私はアルフィ。そういう君は？」 私の問いに、その子は沈黙で返した。 「……名前、無いの？」 必ずしも、ゾイドに名前があるわけではない。私自身、デススティンガーとしては名前を持っておらず、機種名で呼ばれていた。それと同じ。 「ずっと、ここにいるの？」 だから、質問を変えた。 （……そうだよ。もうどれだけ経つか、自分でもわからないくらい） だと思う。外装の錆び具合や、機体そのものの古さから見て、少なくとも10年20年どころではないことはわかった。 「長生きなんだ」 長く生きる事がどういう事か、今の私には理解出来ない。それが素晴らしい事なのか、それとも苦痛なのか。 （どうだろう……、わかんないや） 「ここから離れるつもりはないの？」 （……疲れたんだ。色んな所に行って、色んな事をしてきたから） 何故か、その言葉とは裏腹な感情が、見え隠れした。本当はもっと動きたい、歩きたい、そう思っているのではないか。 「その色々な所に、私を連れて行ってくれないかな？」 （え？） 「今すぐは無理だけどさ。いつか、一緒に」 だからこれは、一種の方便。 （……一緒に？） 「うん、一緒に」 少しのきっかけにでもなればいい。 （ボク、普通じゃないんだよ？） 「ん？」 （どんなに傷ついても、壊れても、治っちゃう。だから、こんなになっても、まだ……） ようやく、この子の機種名に気が付いた。 ハイドッカー。非常に高い再生能力を持った、ディプロドクス型ゾイド。 「……心配しない。普通じゃないのは、私もだから」 腕からレーザーカッターを出して、見せてやる。 （……ホントだ） 「そゆこと。……君の名前、考えないとね。どんなのがいい？」 （……アルフィが考えてくれたなら、どんな名前でも） ちと困る事を言ってくれるもんである。私にネーミングセンスなんか期待してはいけないと思うんだけど……。 それでも、ひとしきり考えて。以前どこかで聞いた、東方大陸の言葉から連想した名前、 「……リンネ」 そんな名前を、この子にあげた。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/60.html
「……重力制御技術ですね、それは」 先ほど読み取った内容を話すと、イリアスがそう答えた。 「旧大戦……第一次大陸間戦争直後に発生したリーバンテ島戦で、同様の技術が使用されています」 「リーバンテ島？」 聞いた事の無い名前だった。これでも戦史研究雑誌の編集者なので、この星で起こった戦争に関して、ある程度以上の知識を持っている自負はあったのだけど。 「ああ、ご存知無くても無理はないです。公式の記録からは、完全に抹消された戦闘なので」 そう言いつつ、イリアスは壁に埋め込まれたモニターを操作する。見た事の無い、黒と紫のカラーリングをしたダンゴムシのようなゾイドが映った。 「ヴァルガ、と呼ばれる機体です。重力制御システムの一部を搭載し、機体そのものを大質量の打撃武器として運用されたゾイドで……」 画面が切り替わる。 「この通り、どこの国のデータベースにも存在しないゾイドです」 映し出されたのは、幾つかのウインドウ。その全てが「Not Found」を表示していた。 が、そんな事はどうでも……よくはないが、今はいい。今彼女は、「どこの国のデータベースにも」と言わなかったか？ 「ええ、ハッキングですよ？」 あっさりと答えられた。というか、モノローグを読まないでほしい。アルフィ並みの勘の良さだ。 「ご心配なく。貴女が関わったという痕跡は残しませんし、通常のネットワークから侵入したわけでもないので、問題はありませんよ」 ……ともかく、余計な疑問は抱かない方がいいらしい。 「あ、ただ他言は無用です」 その問題を脇に追いやり、改めて本来の疑問を聞く。 「どうしてそんな機体のデータが、ここに？」 「お嬢様の……ラグナの所持情報です」 今ひとつ、ラグナの本質を掴みきれない。そもそも彼女（お嬢様なのだから、彼女だろう）は一体何なのか。実体を持たず、回顧録に近い場所にいながら、彼女自身はその内容を知らない。 ラグナと回顧録の関係性も、未だ不明のままだ。 「……残念ながら、私も詳しくは知りません」 無駄とわかって聞いてはみたが、本当に無駄だった。 「ただ……、お嬢様が『回顧録』の内容を読み取れないという事実が、何かしらの鍵ではないか、とは思います」 それは私も感じた。 「……そもそも、回顧録って一体誰が書いた物なの？」 根本的な部分で、私はこの書物について知らない。アルフィに聞いた事もあるが、彼女からは確たる答えをもらえなかった。 「お嬢様が言うには、彼女の母上が記したそうです。……もっとも、人間で言う『母親』とはまた違う意味でしょうが」 ラグナの「母」。また何だか厄介なファクターが出て来た。 「……ごめんなさい、横道に逸れたね」 「いえ。で、お話を戻しますと……」 本当に考えても仕方無さそうだったので、無理矢理に思考を目の前に集中する。イリアスが、また画面を切り替えた。映るのは、ゴドスに良く似たアロサウルス型ゾイドと、何と言うか……でっかいグランチュラ。 「このヴァルガと同時期に実戦投入されたゾイドは、全てが記録を抹消されています。時のヘリック共和国大統領が、その力を恐れたためと言われているのですが……」 一度、イリアスが言葉を切った。 「真相は闇の中、です」 「その力っていうのが……」 「重力制御技術もその一端ですが、正確にはそれを含めたオーバーテクノロジー群……、グローバリー由来の技術です」 グローバリー。かつてこの惑星に不時着した、「地球」の船の名前。 「加えてもう一つ、古代技術」 「古代の？」 「オーガノイドをはじめとした生命操作、ゾイドの特殊な制御技術。主だった所では、DLS……ダイレクト・リンク・システムや複数の無人ゾイド制御機能……」 画面には、私の知らないブラキオスに似た海竜型ゾイド、そして黒いドーベルマン型機……ジークドーベルが映し出された。 「おそらく、近い未来にこれらの技術が復元されるのでしょうね」 イリアスが言う。 「貴女が見たという、ニビル市が『潰れる』イメージ……。リーバンテ島と、どこか重なる印象を受けます」 思えば、彼女自身も不思議な存在だ。いくらお手伝い（メイド）としてここに住んでいるとはいえ、これほどの知識を持っているというのは少々おかしい。 「まあ、色々知ってはいるのですよ。知らなきゃいけないんです。……王様ですから。いえ、独り言です。何でもありませんよ？」 ニカイドス・リベリオン。 目の前に広がる、破壊の光景。 ビルが、ゾイドが、そしてそこに居る人々が、潰れてゆく。 一度見た光景とはいえ、慣れるようなものじゃない。 けれど、いくつかわかったこともある。 この出来事の発端に、ある宗教団体とある人物が関わっている点。 この物語の登場人物に背負わされた、ある悲しい「さだめ」。 ひとつの物語として、このストーリーは成立している。 思えば、 「これまでの記述内容も、長短の差こそあれ物語として成立していた……と」 ラグナに送るメールを書き終えて、私は一息ついた。 「……オーバーテクノロジーか」 まだまだ、私は何も知らない事を思い知らされた気がする。今回の件だけでなく、これからも初めて知る事柄だらけになる予感がしていた。
https://w.atwiki.jp/jujutsu/pages/7.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 ＝＞http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 ＝＞http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円！（ギズモード・ジャパン） - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 終末のアーカーシャ（終アカ）攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始！ - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 (2021年12月6日) - エキサイトニュース マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始！ - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要？当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング（最新版） - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki｜MHRise - AppMedia(アップメディア) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」（現代ビジネス） - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ！シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス（プレスリリース） 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - 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皆様こんにちは、はじめましての方は、はじめまして。イリアスのゾイド講座、始まります。 第三回となる今回は、ヘリック共和国の傑作機・コマンドウルフについて解説させて頂きます。 優れた点が多いこのゾイドですが、意外な欠点も存在するものなのですよ。 ZAC2042年、ハドリアンウォール防衛戦でシールドライガーと共に初陣を飾った白い狼、コマンドウルフ。優れた高速性能と運動性、格闘能力を持ち、仮想敵であったヘルキャットを圧倒。その後もシールドライガーと共に運用され、ヘリック共和国軍高速部隊、そして後のMK-Ⅱ部隊の主力として活躍しました。 テクニカルデータは以下の通り。 全長・14.7m 全高・7.9m 全幅・5.9m 重量・46.0t 最高速度・200km/h（旧型）/210km/h（NEW・新型） 武装は牙のエレクトロンバイトファングと、背部の50mm対ゾイド2連装ビーム砲座、固定装備としては他にスモークディスチャージャーを持ちます。 この機体が傑作機と呼ばれる理由はいくつかありますが、まず挙げられるのはその扱いやすさでしょう。獰猛な狼型野性体をベースにしながら、前線では小回りがきき扱いやすいとの評判でした。 これは野性体の習性……主に対する服従という理由もあるのですが、新たな操縦コンソールを導入した事が大きいとされています。操縦桿・各種モニターを集約したこの操縦コンソールですが、不思議な事に後のゾイドでは導入されたケースが極めて少なく、確認されているのはケーニッヒウルフ、そしてバーサークフューラー系統のみです。 そして、高い次元でまとまった戦闘能力。当時猛威を振るっていたゼネバス帝国高速ゾイド・サーベルタイガーに対しても、複数機で挑めば決して遅れを取ることはありませんでした。 さらに分析・索敵能力も高く、敵後方の撹乱や偵察といった任務にも対応が可能で、かてて加えて生産性も良好。 要するに、いいことずくめなゾイドだったわけです。……データの上では。 この機体の、データに出て来ない問題点。それは、仮想敵ヘルキャットとのある明確な差が関わっています。 乗員数の違い、という明確な差が。 コマンドウルフは、操縦を担当するパイロットとは別に砲手が存在します。必ずしも二人でなければ操縦出来ないわけではなかったのですが、ロールアウト当初は二名での操縦が基本だったとされています。Xゾイド……デスザウラーの調査部隊等、当時の資料をご覧頂けば、二人で操縦しているのがおわかりになるかと。 そしてゾイド乗りの間では、一部に「一人乗りのゾイドは強い」という考えが根付いています。もちろん、これは個々の戦闘での意見であって、戦略レベルを担当するゾイド……ウルトラザウルスやマッドサンダーが一人乗りでは話にならないわけですが。 パイロットとガンナーの間できちんと意思疎通が出来ていれば、問題はありません。しかし、もしそうでない場合。あるいは、ガンナーにとってやりづらいパイロットだったり、パイロットから見て下手くそなガンナーと組んだ場合。こうなった時、コマンドウルフという「複数の意思を持つ個体」の戦闘力は、ガクンと落ちます。 おまけに撃破された場合、人的被害は二倍です。撃破=死に直結するわけではありませんが、単純化して考えるとそうなります。常に敵機を二倍以上撃破しない限り、ゾイドの数はともかく人的被害が吊り合わない。たとえ100のヘルキャットを撃破したとしても、その過程で60のコマンドウルフが失われれば、人的被害は5対6。国力で勝るヘリック共和国とはいえ、決して無視出来る数字ではありません。おまけにヘルキャットは脱出機能のあるコクピットを持ちますが、コマンドウルフにはそれも無い。サバイバビリティでは明らかに劣っています。 と、このような諸々の事情が相まって、後々コマンドウルフは一人での操縦が主流になっていくわけです。 何故最初は二人乗りだったか、これは速度域に対応したFCS（火器管制システム）を搭載出来なかったからなのでしょうね。 後年、ゼネバス帝国でライジャーが開発された際には、自動で命中率の高い敵機に発砲するという高度な制御システムが導入されましたが、これは技術の進歩もさることながら、開発を担当したケネス・オルドヴァイン博士の手腕を褒めるべきでしょう。しかし……あの人、結婚してたんだ。おまけに娘さんまで……。 まあともかく、名機と言われる機体も、意外な所に欠点が隠されているというのがおわかり頂けた事でしょう。誤解のないように名言しておきますが、私個人がコマンドウルフ嫌いというわけではないのですよ？ ロールアウトから幾度もの大戦を経て、未だに活躍している機体はそうそうありません。その事実こそが、コマンドウルフを名機と言わしめる理由です。おそらく未来永劫、コマンドウルフは私たちの傍にいるのでしょうね。 今回はおまけコーナーありません。面白い噂って、なかなか無いものなのですよ。 お付き合い頂き、ありがとうございました。次回は同じく歴戦の名機・レッドホーンについての予定です。 では皆様、御機嫌よう。イリアスでした。
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お帰りなさいませご主人様……じゃない、皆様こんにちは、はじめましての方は、はじめまして。イリアスのゾイド講座の時間です。 今回はHRZ-006エクスグランチュラの解説です。その前に、お便りの紹介から。 『局地戦用強襲型機動兵器』のアサルト様から頂きました。 『ゾイド講座』、非常に楽しませて頂きました。 時に、イリアス再登場希望ですが――メイド服で講座をお願いします。 見えなくてもそこは妄想補完で^^ ずばり――“着ている”という事実に意味がありますッ！ ……というわけで、私今メイド服を着ております。しかしアサルト様、風の噂ではマヘリアさんやミゼットさんにせっつかれているとのことでしたが。こんなお便りを出していて大丈夫なのでしょうか……。 あら、お話がずれてしまいました。それでは本題、エクスグランチュラの解説に参りましょう。 ドスゴドスとの連携を前提に、蜘蛛型ゾイド「グランチュラ」をベースにして開発された磁気嵐対応型火力支援ゾイドが、エクスグランチュラ。 原型機譲りの多脚歩行、そして大型化されたシャーシによる安定性により、小型ゾイドに限定された戦場にあって破格の火力を実現、任務内容により複数の武装パターンを換装出来る汎用機としての側面も持っています。 テクニカルデータは以下の通り。 全長・10.8m 全高・7.2m 全幅・8.8m 重量・36.8t 最高速度・190km/h 基本装備は、原型機と同じくマクサー20mmビーム砲に加え、格闘兵装としてハイパーレーザーファングを装備。機体後部にはポイズンジェットスプレーと、機体を地面に固定するチタンスパイクを持ちます。 これに加え、オプション兵装として小口径高速キャノン砲、ハイブリッドガトリング砲、5連装ミサイルポッド、小口径パルスレーザーガン、小口径ガトリング砲、2連装衝撃砲、3連装衝撃砲が存在し、各所のハードポイントに装備が可能。 さらにバリエーションとして、偵察型・情報収集型など、多数の装備パターンがあります。 これほどまでに多くの装備が存在する理由は、磁気嵐によってそれまでこれらの任務を担っていたゾイドが行動不能に陥ったが故に他なりません。 火力支援を担当する、ガンブラスターやカノントータス。偵察・情報戦の要であるゴルヘックス。これらのゾイドが磁気嵐によって、そして保護政策によって使用出来ない以上、可能な機体が可能なだけ任務を肩代わりする必要があったわけですね。 ドスゴドスがゴドスの発展型である以上、その運用はあくまで対ゾイドが基本となります。しかしグランチュラは、元々は探査機として使用されていた過去を持ち、戦闘以外でも運用出来るキャパシティを有していた事が幸いしたのでしょう。 原型機と比較すると、まずその大きさが目に付きます。これは大火力を搭載するために機体を大型化した事に加え、コマンドウルフやベアファイター等に使用された「Hi-パワーユニット」を搭載した事も理由で、これにより重武装でも支障なく行動出来るようになりました。試作機ではグランチュラと同じパワーユニットを搭載し、空いた部分で装甲を強化するというプランもあったとのことですが、どうやら出力不足だったようです。 出力問題ではもう一つ、この機体はドスゴドス同様、新型の関節キャップを使用しています。結合力を高めつつ、関節部のパワーを引き上げることで、剛性と出力を双方共に上げる効果があるようです。これでも押さえきれなかったとみえるドスゴドスのジェットスラスター、どれだけ推力が高いんでしょうか……。 脚部そのものは装甲を追加した程度で、グランチュラと同じ物を使用しています。もともとグランチュラを330km/hで走行させていた脚なので、強度は充分だったのでしょうね。 以下は余談になりますが、当初予定されていた武装パターンから外された装備が存在します。 それが「対空支援型」。 言うまでもありませんが、エクスグランチュラが運用されていた時代は磁気嵐により飛行ゾイドが使用出来ません。 確かに、「ガイロス帝国脅威のメカニズム」により航空戦力を相手取る事も考えられたのかも知れませんが、もし敵国のみが航空戦力を保持していた場合、まず勝ち目はありません。それに「対空支援」とは、味方側にも航空戦力がいる事が前提の運用です。 何を考えて、武装パターンに設定したんでしょうか……。 おまけコーナー・イリアスのウワサ話 どういうコーナーかといいますと、私・イリアスが耳にしたゾイドやそれに関わる人たちにまつわる噂話を紹介するコーナーです。 あくまで「噂」なので、本気にしないで下さいね。 今回はドスゴドス開発主任、リル・メリル技師長に関する噂。 メリル技師長はグローバリー3号により持ち込まれた地球の「ニホン」という国の漫画が好きだったようで、ある推理漫画からドスゴドスの「ターボアクセレイションキック」のヒントを得た……という噂です。タイトルは……何でしたかね？ 忘れてしまいました。高校生の探偵が子供になっちゃう話だったと思うのですが……。 あくまで噂。信じるも信じないも、貴方次第です。 それでは、終了の時間となりました。引き続き、お便りもお待ちしています。「短三和音な日々」のコメント欄宛に、お気軽にどうぞ。 次回はまだ未定です。行ってらっしゃいませご主人様……じゃなくて、皆様御機嫌よう。イリアスでした。