約 7,335 件
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/37.html
一節三話にて 「はあ? 今更戦闘配備ってな、どういうこっごほっごほっ……」 撮影、一時中断。 「悪い、むせた」 フーバー・シュタインベルグ氏、年齢ゆえにのど飴が必需品。 一節四話にて 「やれって言うのか? 超音速のゴートンターンを……?」 こちらの言葉を感じたかのように、レドラーが首を縦に一振り。 「ぐげっ」 勢いよく首を振りすぎたレドラー。 二節一話にて 行く当てもなく、砂漠を歩いていた。何も持たず、ぼろきれのような服と日除け代わりのマントを羽織って、ただ前に。 ただ前に。ただ前に、ただ…… (いつまで歩けば……?) グスタフのトラブルがアルフィまで伝わらず、延々歩く演技を続けたアルフィ。 二節二話にて 日が暮れた。眠い。あのお喋りな男のせいで寝るに寝れなかった。 背負ったザックを放り出し、私は身を横たえた。 「……熱、熱っ!!」 砂を掘り忘れたらしい。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/54.html
「……トローヤ?」 「はい。例の機関は、そこを本拠地としている可能性が高いと推測されます」 リッツと戦った後、診療所に戻ったらイリアスが開口一番、そう告げてきた。 「テュルクの古代都市か……。確かに、隠れるには絶好の場所だが、何故そこだと?」 「……毎度毎度、ドクトルに勧誘が来るのですよ。一度気になって尾行してみたら、行き先がトローヤだったもので」 間抜けなのか何なのか。そう言われれば、私を捕獲する方法もやけに遠回りかつ不確実なやり方だった気がする。 「所詮、研究者の組織という事か」 リッツが言う。 「でしょうね。自分達の存在を、殊更に隠すつもりは無いという事でしょう」 己が組織の研究が、正しい事だとでも思っているのだろうか。だとしたら、なおの事許せそうには無い。 絶対に潰す。 決意をした所で、ふと気付いた。 「ねえ……、トローヤって何処?」 赤道直下から一転、猛烈な寒さが私達を襲う。 暗黒大陸テュルク。50数年前の大異変……グランドカタストロフにより、広大な死の大陸となったテュルクは、やはり寒かった。 「……ここか、地下空洞への入り口というのは」 リッツと二人で、かなり巨大な洞穴の前に立つ。入り口の時点でジェノブレイカーはおろかマッドサンダーですら入れそうなサイズだが、よく見てみるに内部にはさらに広大な空間がある。 イリアスによれば、ここを進めばトローヤにたどり着けるという。 「……準備はいいか?」 「うん」 リッツがジェノブレイカー……ルイゼに乗り込む。私もルイゼの腕に掴まる。ゆっくりと、ルイゼが足を踏み出した。 「……!」 『これは……』 中に入るや、周囲の光景に目を疑った。 完全にコーティングされた壁面と天井。大型ゾイドが余裕ですれ違える広さの空間は、天然の空洞を利用したとは思えないほど洗練されていた。 これが、ガイロス帝国発祥の地に続く回廊。 『……ガイロス建国に古代ゾイド人文明が関連しているというのも、あながち嘘では無いらしいな』 手持ちの通信機から出るリッツの声が、反響する。 けれど、私はそれを見ていなかった。 (……この感覚は) 磁石が引き合うような、失った半身を求めるような感覚。 間違いない、いる。 私の、真の身体が。 不意に、ルイゼが低く唸った。 「……君も感じるの?」 僅かに、ルイゼが首を縦に振る。肯定の意思表示。 「リッツ」 『よし……、行くぞ。ルイゼ、アルフィ』 その感覚に引かれるまま、ルイゼはスラスター全開で奥に向かった。 記憶ではなく「記録」として私に刻まれている、真オーガノイド本来の身体。 『もしかしたら、貴女の身体もそこにあるかも知れません』 という、イリアスの予想は当たりだったらしい。 敵とそれがイコールで繋がるとは、必ずしも言えない。けれど、私の直感が告げている。 私の身体が、敵になると。 「……近い!」 もう、地上の光は全く届かない。一寸先が闇、そんな状況でも、ルイゼは迷わず進む。 何度目かの曲がり角を過ぎた直後、突然周囲に光が満ちた。 「うあっ!?」 遅れて熱。 何かが燃えている。 「いる……!」 ルイゼが止まる。 『あれか……!?』 私達の目に飛び込んできた存在。 ルイゼ……ジェノブレイカーより、二周りほど大きな姿。 巨大な鋏。長大な尾。八本の節足。 間違いない。 私の、真オーガノイド本来の身体。 敵に発見されづらい低い体高、攻撃から身を守る天然の装甲、節足による安定性と踏破能力、鋏と尾の持つ格闘能力。 最も戦闘に適した身体として、かつての私が選んだのが海蠍型金属生命体。その遺伝形質を受容し、喰らった金属生命体の屍から造り出したのが、今目の前にいる異形。 ……私の、本来の身体。 ゾイドコア……私無しで動いている理由は謎だけど、今の技術ならクローニングなど容易いはずだ。大方、ネオゼネバス製デススティンガー……K・F・Dのコアか何かで代用しているんだと思う。 『……何があったんだ、これは』 当惑したリッツの声。でも、アレがいて、周囲が燃えているとしたら、答えは一つくらいしか浮かばない。 「アレも……、私に引かれたんだ。束縛していたものを振り払って、ここまで来た」 『その束縛者というのが、例の機関か』 「……いずれにせよ、先に進めばわかる」 そのためには、 『アレを倒さなければならない』 「ってことだ!」 ルイゼの腕から飛ぶ。腕をレーザーカッターに変えて、上段から攻撃。 弾かれる。当然、そんな攻撃でどうこう出来るとは思わない。本命は、 「リッツ!」 『喰らえっ!』 私に意識を引き付けさせての、ルイゼによる荷電粒子砲。 閃光。 荷電粒子砲は、一戦闘ゾイドが搭載出来る火力としては最大級の威力を持つ。ルイゼ……ジェノブレイカーの集束タイプは、有効範囲こそ狭いが命中しさえすれば大型ゾイドにも一撃で風穴を開けられる。耐えられるゾイドなど、そうそういるはずがない。実際に経験した私が言うんだから間違いない。 けれど。 「そう……、上手くはいかないか」 ほとんど無傷のアレが、光の中で蠢く。 エネルギー切れによるフリーズを心配したか、ルイゼの砲撃が止む。こうなった時、まずアレが狙うのは恐らく、ルイゼの方。 『甘い!』 でも、ルイゼは機能停止したわけでも、オーバーヒートしたわけでもない。振りかざされた鋏をかわして、サイドに回り込む。 それに合わせて、私が奴の視界を横切る。また意識を私に向けさせ、その隙にルイゼのシールドに装備された武器……エクスブレイカーによる刺突。 今度は入った。甲高い声で、奴が啼く。 自身に危害を加える存在を消すため、奴は再びルイゼに向き直る。 ……と、私は予想した。けれど、それに反して奴が狙ったのは、私。 「何!?」 そして、予想もしない方法で。 『アルフィ!』 両の鋏から……その間から伸びた、無数のケーブルが、私に絡みつく。ここに来る過程で取り込んだものか、統一性のかけらもない様々な色をしたそれが、次々に私を拘束していく。 「くぅ……!」 Eシールドで焼き切ろうと、力を集中させる。だが、 「……っあ!?」 ガクンと、私の身体から力が抜けた。 (……アンチ・ゾイドコア・マテリアル!) 接触したあの一瞬で、私から遺伝データを吸い上げた? 困惑する私、そしてリッツを尻目に、奴は悠々と、そして高々と私を掲げる。そこから見えた奴の背中、抉られた部分を不恰好に覆う金属細胞と、内部で燦然と輝くゾイドコア。 (私を……、取り込もうとしている!?) 戦慄する間も無かった。 壮絶な速度で、私は奴の背中に叩き付けられ、そして、取り込まれた。 気付いた時、私は一人の少女と向き合っていた。 無造作に、短く切られた白い髪。どこまでも透き通った、青い瞳。その顔に、表情らしきものは浮かんでいない。 悪夢の登場人物。 私じゃない、私。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/23.html
グスタフの男と別れ、ゴドスとも別れた。あの子がこの先どうなるか、不安でもあるが、私といたって仕方がない。 日が暮れた。眠い。あのお喋りな男のせいで寝るに寝れなかった。 背負ったザックを放り出し、砂を少し掘って(こうしないと砂が熱い)、私は身を横たえた。 ぼたぼたと、何かに雨粒の当たる音で目が覚めた。 「……」 目を開けた私の上に、鋼鉄の翼。今現在の相棒たる片腕のレドラーが、着の身着のまま砂丘に寝転がる私に翼を差し出し、雨よけになってくれていた。 何故片腕か、と問われても、私に詳しいことはわからない。ただ、失った左前足に何らかの思いがあるのは間違いなく、私が修復を持ちかけても、必ず拒んでいた。 目覚めた私が最初に出会った野良ゾイドであり、人間風に言うなら「愛機」となる。放浪癖があるというのが珠に瑕、か。 「帰ってきたなら起こせって……。助かったけど」 無茶なことをゾイドに言いつつ(自覚はある、これでも)私は身を起こした。何にせよ、雨季が到来したのを失念していた私のミスでもある。認めたくはないけど。 「さてと……」 この子が帰ってきたのなら、とりあえず行動が再開できる。 その前に。 「……行かないとね」 十年前の戦争、その傷も癒えた北エウロペの西側に、未だにだれも寄り付かない場所がある。 「……やっぱり、変わらないな」 あるのは無数の瓦礫と古代遺跡の痕跡、石化したゾイド達の亡骸、そして墓標。 『私の知りうるかぎり、“最高のゾイド乗り”ここに眠る。その勇気、その決断力、その魂は、帝国・共和国の壁を越え、すべてのゾイド乗りの指針となるべきものである』 降り積もった塵埃を掃うと、そう刻まれている。 「……眠っているのは、その人間の魂だけじゃない……」 悲しい怒りというのか、何とも形容し難い感情が、この墓標を見るたび、浮かぶ。 「さみしかった、だけなんだよ……?」 時の止まった永遠の夢から覚め、その世界に絶望し、それでも諦められず。私は、ある意味での「禁忌」を犯した。ゾイドを糧にゾイドを増やす。ゾイドコアを糧にゾイドコアを生む。 「ごめん……、ごめんね……!」 そうして生まれたあの子達は、おそらく何も知らぬまま、死んでいった。 なのになぜか、私だけはこうして再び生きている。 忌み嫌う、人間の姿で。 おそらく、私の中に残っていたプログラムが、いつしか自己進化を遂げていた結果だろう。かつての私の体と同じく。 単体では弱いだけのコアを守るため、現在のこの惑星を支配する者に警戒心を抱かせず、そして必要な時に、偽物でもいい、コアを守る力を持つことが出来る姿。 真なるボディを探す姿。コアを守る卵の殻。 無差別攻撃として働いた防衛プログラムとは別の防衛プログラムが、私をこの姿にした、そう推察している。 ……報い、なのだろうか。禁忌を犯し、ゾイドの命を奪い、子供達を死なせ、それでもなお生き続け、死ぬことさえ許されない。こうして生き続けるか、時の止まった永遠の夢という名の牢獄に戻るか。 ……報い、なのだろう。間違いなく。 何度、この自問自答をしただろうか。 私はいつか、またこの過ちを繰り返すだろうか。 不意に、視界が霞んだ。 「――っ!」 またか。 「……う、うぅ、っ、うあ、ああぁ……!」 熱い。体の中いたる所で、炎が燃え盛るような、怖気が走る、有り得ない感覚が襲う。 無理も無い。叫ぶ私自身をどこか客観的に見ながら、冷静な私自身は思った。この薄皮一枚の下に、馬鹿げた力を持ったゾイドコアがあるのだから。集中を切らせば、こんな脆弱な姿、すなわち「肉体」など簡単に弾け飛ぶ。 これもまた、報いなのだろうか。いっそ、このまま死ねたら楽なのに。それでも、私は……。 荒く息をつきながら、改めて自分で確認する。私というゾイドの、いや、ゾイドコアの特異さを。 もし私が力を開放すれば、ここに石化して眠っているゾイド達に、再び命を吹き込むことすら出来る。オーガノイドとはそういう力だ。一種の生命操作。 「……使う気は無いけどね」 と、 「……?」 感じた。何か来る。ゾイドの心と人の心、そしてオーガノイドの心が一緒くたになったような、何とも不思議な感覚。 空気が振動する。排気音。だけど飛行ゾイドじゃない。 「……あれは……!」 記憶が蘇った。渦巻く感情が、私をかき乱した。 あの時の私を殺した、赤いゾイド。 ……ジェノブレイカー。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/72.html
「帰るわよ、プーキー」 物資の搬入を終え、イリアスは廃都市のはずれに停めておいたグスタフに戻る。 「へいへい、了解っス」 イリアスがサブシートに座ると、すぐにキャノピーが下りグスタフは発進。次なる「仕事場」へと向かった。 「……にしても、お嬢も物好きっスね」 「んー? 何が?」 何をするでもなく外を眺めていたイリアスが、プーキーと呼ばれた男性の声に反応して振り向く。どこか気だるそうに。 「いや、わざわざこんな組織相手に仕事しなくとも、お嬢ならまともな働き口くらいあるでしょうに」 「まあね……」 シートに身体を預け、目を閉じる。疲れているのか何なのか、普段と比べて反応が悪いようだった。 「……別に伊達や酔狂でやってるわけじゃないわよ」 ぽつりと、一言。 「やってる事自体はそれこそ死の商人……。ま、今更ビビっても仕方ないんだけどね」 またこうやって、はぐらかそうとする。 「そりゃ、そうっスけど」 「別に、怖くなったら辞めてもいいのよ?」 どこか退廃的な光を湛えた笑み。結局の所、プーキーはこれに惹かれているのだった。とても自分より年下に見える少女が見せるものではない、引きずり込まれるような笑み。 「……そしたら俺、どこで働きゃいいんスか」 仕事が無い、これも理由の一つだったが。 「行っちゃった?」 「ん? ああ、ついさっきな」 先ほどまでイリアスが訪れていた格納庫に、新たな来客が一人。 「あ、そ……」 「何だ? 何か用でもあったのか?」 「別に」 整備士の男はこの来客を胡散臭げな目で眺める。イリアスよりもさらに小柄な少女。薄暗い格納庫においてなお黒い、無造作な髪。真紅の瞳。 だがそれらを差し置いて最も目を引く存在、それが顔の右半分を覆う仮面だった。数ヶ月前に突然組織に参加して以降、一度も仮面を外した事は無い。組織内ではその姿から、いつしか「ファントム・オブ・ジ・オペラ」、通称で「オペラ」という通り名までついていた。本名が明かされていないため、実質名前扱いになっているが。 当然、様々な噂が流れる。過去に大火傷を負った、戦場で傷付けたというオーソドックスなものはともかく、外見の年齢にそぐわない言動から、秘密組織の薬で縮んだとかいうわけのわからない噂話まで飛び出す始末だった。 そんな得体の知れないヤツに、好意的に接する人間などそうは居まい。 「おい、本当にあんたの機体、整備しなくていいのか?」 整備士から見ても、この少女は少々扱いに困る。搭乗機を一切、他人に触らせないのだ。彼女の機体はとても個人で維持できるようなモノではなかったし、なによりメカニックとして「いじりたい」と思わせるにふさわしい機体でもあった。 「死にたい?」 だからそう聞くと、必ずこう返ってくる。 「……知らねえぞ、どうなっても」 本当に、取り付く島も無い。しかしそう言われた以上、勝手に機体を触るわけにはいかない。余所者同士の集まりである彼らには、越えてはいけない一線が存在するのだ。それは、整備士自身がよく知っていた。 「そうね……、リュシーさんは、歴史は得意?」 「えと、普通に学校でやるレベルなら」 まるで学校の先生のように、目の前の女性は私に話しかけてくる。 「じゃあ、今の統一政府が出来たきっかけは何だったかしら」 それなら少しはわかる。最後に受けた授業で、丁度そんな内容をやっていたはずだった。というか、こんな経験をしても授業の内容は覚えているらしい。 「ZAC2132年に起こった、ニカイドス島でのテロが原因なんですよね?」 「んー、まあ正確にはあれはテロじゃなくて『個人戦争』ってカテゴリーに入るんだけど、よしにしましょう。ところでその当時、国というものはどうなっていたかわかる?」 「え……、国、ですか?」 あまり意識した事の無い単語だった。 「正直……、良くわかりません」 「うん、それでいいわ。その当時、国家というものは限りなく規模を小さくしていたからね」 「領土が少なかったんですか?」 パッと浮かんだイメージを、そのまま口にする。すると、女性が苦笑いを浮かべた。 「うーん、そういうわけじゃないのよ。規模を小さくするっていうのは、要するに国がやらなきゃいけないことを可能な限り減らした……っていうところかしら」 「国がやらなきゃいけないこと?」 「そう。簡単に言うと福祉、教育、防衛あたりかしらね」 そのあたりなら、私にもわかる。 「まあこれらをひっくるめて『行政』としましょう。これを各都市に全部丸投げしてたのよ」 「ま、丸投げ……?」 ずいぶんと乱暴な言い方だと思う。 「そ、丸投げ。もっともこれは、あまりに長く続いた戦争のせいで国を国として維持出来なくなったというのが本音かしらね」 「戦争……」 言葉だけはよく聞く。やってはいけないものという、マイナスのイメージを持って。 「……戦争ばっかしてきたからな、この星は」 「え?」 振り返ると、そこに私より年下に見える少女が立っていた。顔の右半分を仮面で覆っていて、凄く不気味な。 「あらオペラ、また包帯?」 「うん、悪いけど頼む」 女性が机の引き出しを開く。と同時に、仮面の少女は私に視線を向けた。ふと見ると、袖口から覗く右腕には包帯が巻きつけられている。何か怪我でもしたのだろうか。だとすれば、この少女もテロに関わっているのだろうか……? 「……何?」 「! い、いえ! 別に……」 そんな事を考えていたら、じろじろ見ていたのに気付かれたらしい。 「はい。もう残りも少ないから、なるべく節約して頂戴ね」 「わかった、ありがとう」 女性から包帯の箱を受け取り、少女は部屋から出て行った。 「あの、今の子は……?」 「名前は私達も知らないわね。ここだとそういう人達も多いし。オペラっていうのは通称ね。ほらあの仮面、『オペラ座の怪人』にそっくりでしょ?」 そう言われればそんな気もする。ミュージカルなんて、音楽の授業でしか見たことは無いのだけれど。 「あの子も、テロリストなんですか?」 「そうね、今の貴女の目線から見れば、彼女もテロリストかもね」 信じられなかった。私が普通の生活をしていた影で、私より小さな子ですら、テロに関わらなければならないなど。 「でもこれだけは言っておくけど、彼女は自分の意思で参加しているわ。洗脳とかそういうのじゃないから」
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/88.html
「はい、到着。 あんまり特徴のない所だけど良い所よ」 彼女に案内された場所はエクスリックス市内の端――町を囲む城壁に程近い場所に位置する、広大な庭を有する住宅の一つだった。 「T4~ただいまー」 私をあの窮地から救い、ここに引っ張ってきた女性――フェイク・ディア・トリーティアと名乗った女性は、家内に居る“誰か”にそう告げると、私の道を開くように先に進んで扉を開いた。 「…………」 年の頃は20代、黒長の髪と鈍い赤の瞳――そして人として見た場合には凄く魅力的に映ると思われる容姿をしたその人は、まるで枯れる事の無い華をそのまま再現したような――綺麗な女性だった。 だが、しかし――。 ――多分、真っ当な人間ではない。 あの路地で王手(チェックメイト)を掛けられていた時、まるで周囲全てを透明にしたかのようにして私を助けたあの妙な事象や、抜き身であったレーザーブレードに驚かなかった事等からソレは多分間違いない事なのだが――。 「アルフィ、どうかしましたか?」 なぜか、自分と同じ者とは思えない。 「……今行く」 「その状態であんまり外に長居すると、またシンシアに見つかっちゃうかも知れないから急いでね。 T4ー、ごめん、お客さん案内してるからお風呂のお湯張っておいてー」 世間話のようなノリで告げられた忠告と共に、家内へと私を招き入れたフェイクは、玄関から再び中に居る誰かにもう一度声を送り、私は招きを受けるように家内へと足を踏み入れる。 ――調べたい対象の方から寄って来たんだ、じっくり聴かせて貰おう。 「歓迎するわ、アルフィ」 そんな物騒な心内を知ってか知らずか、フェイクはそう言って家の扉を閉じ、先導するように再び私の前に出た。 「――――」 そうして私が通された所は居間でも応接室でもなく、地下へと続く階段だった。 「…………」 私の前で揺れるその黒髪に――その普通とは多分異なると思う対応案内に、もしや嵌められたか? と言う疑心暗鬼が浮かんでくるが――。 「到着しましたよ。 ……海蠍」 「――――」 想い続けた敵意とも、愛おしい懐旧とも取れるその声は、辿り着いた地下室の中央に佇んでいた存在を目の当たりにした衝撃が強すぎて、頭に入ってこなかった。 暗い地下室の奥に佇む黒い獣――四足型の獣である以外、何型をしたゾイドであるかも判らないが――今の世で作られた物とは一線を欠き過ぎるそれと同質の物を、私は知っている。 「今の名前はクルゥーティ・ヤーウェ。 昔はテリジェと呼ばれていたらしい、私の本体で――昔の貴女と殺しあった、貴女の駆逐目標の一つよ」 ソレ黒い獣の目の前まで進んでいたフェイクが此方へと振り返る。 其処には、今までとは“違う”があった。 何時の間に変わったのか――年の頃や体の線に変わりは無いものの、髪は薄青に、顔形は先程までの冷たく冷めた感じから、人懐っこさを感じさせる温和なソレに。 「それと、これが私の本当……ヤーウェこの子に取り込まれたZA能力者、テーナ・F・ジェナスです」 ――どの位、衝撃に打ち震えていただろうか。 「やっぱり、私とはぜんぜん違うのですね」 ソレが晴れた後、私は取りようによっては宣戦布告とも取れる先程の言葉を言い放った人間と相対している。 「つまり……貴女は自身の一部に武装を形成する事はできないと?」 「はい、私はヤーウェの生体物質で模造・構成された“人間”ですので、そういった特殊な事はちょっと……」 相対しているといっても、黒い獣(奴)の足元に傍据え付けられていたテーブルセットに座らされ、テーナ――アレは人間の時の名前で、今は、テーナ・フェイク・オーガノイドです――と、名乗り直した彼女と私との相違点に関する事を語りあっていた。 「ただ、構成物質がそんなので、表層部を霧散させる事でシステム・ホロテック・ミスト(SHM)を極短時間の間構成できたり、完全な流体状態として他のゾイドに潜り込む事でゾイドコアと完全合一する事ができます」 「……姿形を変えたのは?」 自分が出来る事を最初に話した為、今は彼女の番であり――私はその中で気になっている事を度々問い掛け、 「構成している生体物質を、持っている“情報”で書き直す事で行っています」 続けざまに放たれる言葉に、彼女は明確な裏付けがあるようなハッキリとした答えを返していく。 「青い髪(今)の方が本来の私……といっても、人間の時の私はず~と昔に死んじゃっているので、そう言う言い方も変かもしれませんが……これが私が私と認識している身体で、黒髪の(最初に会った)方はヤーウェの中に元からあった情報を元に模造した身体です」 ――黒い獣(コイツ)の中に元から在ったもの……? 「アルバと関係のあった町中とか……テーナ(私)が居たら拙い所で使わせて貰っていますけれど、もしかしたらヤーウェがテリジェと呼ばれていた時代に乗っていた人女性なのかもしれませんね」 「……………」 その言葉に、“化け物”(私達)と関わった人間達の末路を夢想する。 私は“私”に乗っていた人間がどうなったかの結果は知っていても、経緯は覚えていない。 ――テーナは、ソレを知っているのだろうか? 知っていて、自分もその末路を辿った上で――笑っているのだろうか? 「……さっき、人間と言ったな。 と、言う事は歳を取れるのか?」 だが、その問いを実際に口にする事はできず、もう一つ聴きたかった事が代わりに出た。 「はい、老衰で死ねるかどうかは判りませんが、ヤーウェ(この子)と並列化して情報交換を行わないと劣化は出来るみたいです」 「……そうか」 今までで聴けた話を総括すると、全てが一つに纏まっている私とは異なり、黒い獣(コイツ)やテーナは主機と外部端末のような存在に近いと言う事だ。 データを完全に共有し、補完しあっている関係――彼女が何らかの理由で消えても、コイツ黒い獣が自分の中にある情報で彼女を再び創り出し、万が一コイツ黒い獣を消す事が出来ても、黒い獣(コイツ)のデータを持っているテーナが他のゾイドに潜り込めば、彼女はそのゾイドを変質させて黒い獣(コイツ)を創れるのだろう。 ――……結局、私と同じ存在は居ないと言う事か。 そして、こいつを殺す為には黒い獣(コイツ)と彼女を同時に消さなくてはならない。 そんな事実と物騒な事を頭の片隅にある感情と理性で思い、考えながら――黒い獣(ソレ)を見上げる。 テーナは“私達”とは異なる“化け物(私達)”だが、見上げた先――深い眠りに付いている黒い獣は“私達”の生き残りという確信は取れた。 ――……お前なら、私の話を聴いてくれただろうか? 「……そろそろ良い頃合ね、上がりましょうか」 そんな詮無い言葉を思った瞬間、テーナはそう言って席を立った。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/39.html
(……どうかしたの?) 暗闇の中、リンネのコクピットから光が漏れる。 「夢ってさ、何だろうね」 質問というよりは、独白みたいな形になった。正直言って、あの悪夢のショックからいまだに立ち直れてない。気分を換えようと思えば思うほどに、思考は暗い方向へと流れる。 (夢……か) リンネが少し、考える仕草を見せた。 (……過去に経験したこと、見たもの、そういう記憶が重なって、映像としてフラッシュバックする……ってことかな?) 「フラッシュバック……」 (抽象的なことにしろ、具体的なことにしろ、何がしかの経験や記憶が基になってることが多いと思う。ボクも、そういうのよくあるから) 「リンネも?」 意外だった。ゾイドであるこの子も、やはり夢を見るのだろうか。 (……君ならさ、ボクの記憶領域を見ることも出来るよね。見てみる?) 何で気付かれたのかはわからないが、実際私は他のゾイド、正確にはゾイドコアとリンクして、その記憶領域を覗くことが出来る。必ずしも全てを見られるわけではなく、強固な意志で記憶を閉ざすような子(あの片腕のレドラーのように)に対しては、意味の無い能力なのだけど。 「……いいの?」 (うん。アルフィは友達だもの) そう言われると、何だかくすぐったい。ともかく、私はリンネのコアとリンクを始めた。 (……?) 疑問を感じたのは、それを始めてすぐ。 (……何、これ!?) 頭が、というか思考回路がパンクしそうになる。 多い。 記憶があまりに多い。 というより、おかしい。 いくらリンネが長寿であっても、これほどまでに多くの記憶を持ち合わせているはずがない。 具体化することは出来ないが、リンネ自身の年齢、恐らく200歳弱に対して、記憶は軽く10000年分を超えている。 ありえない。絶対におかしい。 「……っ!!」 頭が吹っ飛びそうになる寸前、私はリンクを解除した。 (……大丈夫?) 平然と、リンネが私に聞いてくる。 「……うん」 (……前に言ったよね。死ねないんだ、ボクは) あくまで淡々と、リンネの言葉。 (多分、ボクはこれからもずうっと生き続ける) 「うん」 (今のカラダが壊れても、次のカラダで) ……そうか。 「リンネ、君は……」 (何度死んでも、記憶が無くならないんだ。楽しかったことも、悲しかったことも、全部、覚えてる。全部……) 記憶の継承。 聞いたことなど無いが、説明をつける方法を、私はこれ以外に思いつかなかった。 人間風に言うならば「前世の記憶」。それが、リンネには延々積み重なっている。それも途切れることなく、連続的に。 ある意味で私と似た、死というものの意味を無にするゾイド。 にしても。 「……多すぎるよ、君の記憶」 その後、他愛もない話をリンネとして、夜を明かした。空が白み始めた頃になって、眠気が意識を支配し始める。 「……ごめん、少し寝てもいい?」 (じゃあ、悪い夢とか見ないように祈っててあげる) 「……ありがと」 平和な町だ。物盗りだとか、人攫いだとか、そんなものは無いだろう。万が一あっても、リンネが傍にいる。 意識が少しずつ、混濁していった。 浅い眠りの中で、こんな声が聞こえた。 「……見せて、よかったのか?」 「大丈夫だよ。根本的な原則には触れてないし、ルール違反じゃない」 「……」 「それにそもそも、こうしてボクの所に来るよう仕向けたのはキミでしょ? あんな記憶まで見せて」 「まあ、な……」 「……つらい道だよ。彼女にとっても、キミにとっても」 夢かどうか、判別がつかない。ただ聞こえた声はどこか、懐かしくて、優しかった。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/84.html
テーナはあの後、涙を――迷惑を掛けてしまった私に町の中を丁寧に案内してくれて、知らなかった色々な事を教えてもらった。 そうして、あの格好にも私が慣れた頃、私達は帰路に就き、彼女達の家の前で合流したティファリスと共に夕食を共にした後、風呂場に放り込まれ――その後起こった事はあんまり思い出したくないが、テーナと一緒に薄着一枚という格好で寝室らしき場所に通された私は――。 「いや、ちょっと待て……きゃふぅ!」 うつ伏せの状態に寝かされた私をテーナは後ろから抑えつけ、手も足も出せない状態を良い事に彼女は馬乗りの状態のまま、背中の好き勝手に色々な所を押して来る。 ――いや、正確には『ちょっと体調を見てあげるわねー』とか言って“ツボ”とか言う物を押してもらっているのだが……。 「もういいっ! くすぐったいからもういいっ!」 「始めたばっかりなんだから、諦めて大人しくしていなさい。 む……ちっこい癖に良い体してるわねー」 「そっ…!? って、痛い痛い!」 最初(のっけ)から続けられている言葉攻めの辱めの中、テーナの肘が強く押し当てられた背中の一点に激痛が走る。 「ん? ここで痛い?」 私を辱めている元凶――良い体と言うならば、彼女の方が断然だと思う――は、私のその言葉に首を傾げ、 「と、言う事は……」 続けられたそんな言葉と同時に彼女は私の脇の辺りに手を当て、 「―――っ!?」 たったソレだけで、飛び上がりそうな痺れを味わう羽目になった。 「やっぱりそうね……貴女、怪我とかしても自身の再生能力に任せきりでまともな治療を受けた事がないでしょ?」 「――――」 事実とさっきの痺れの余韻でグゥの音も出ない。 「触った感じが変だったから気になっていたけれど、外見は大丈夫でも中に相当の疲労が溜まっているわね……。 T4~、針と液体のままのレッケル持って来て」 「な、なにを……」 「今までの不摂生を楽しく矯正してあげる。 じっとしてないと寝かせてあげる時間が無くなっちゃうから大人しくていなさいね」 そんな恐怖しか生まれない言葉を、天使のような顔で告げられた。 「いや! いい、このままでい――っひ、ひゃう!?」 だが、テーナはそんな私の言葉を当然無視。 ティファリス(T4)が来るまでは先程までと同じように背中の点を押され――T4が来てからは二人掛りで押さえと点押しをやられ、なす術がないまま私の夜は更けていく。 ――その間私は、『痛いけれど、痛くない』という奇妙な感覚と、「私にもこんなまっさらな頃があったのよねー」や「背は小さい方が可愛いと思います」等と言う言葉攻めによる二重苦――そんな生き地獄を味わう羽目になった。 「まだ、他にやる事は残っているかしら?」 昨夜、私は結局気を失うように眠る(落ちる)羽目になり――次の日の朝食の時、テーナはそんな言葉を私に投げかけた。 「……?」 突然の事に訳の判らない私は疑問符を返すのと同時に、その言葉が本当に私に送られた言葉だったのかとT4の方に目をやるが、彼女は相変わらずに無感情に箸を進めている。 「この町で貴女の興味を惹きそうなのは私ぐらいしか居ない筈だから、目的は達成したのかな、って」 「――――」 私は自身の目的を――決して忘れていた訳ではない。 ただ、テーナがソレを判っている事に驚いた。 「……そうだな、私の目的は終わっている」 「うん、私も一日後れた分、早く追い付かないといけないから……今日はすぐに出ましょうか」 何をしようとしているのか、何が一日遅れたのか。 今のテーナの言葉だけでも聞きたい事は多くあったが、行動する事を決めてしまった彼女を止める術にはならないという事を、私は直感的に理解し、 「あ……待って、私は片腕――私のゾイドを助けに行かないと――」 自分の都合を問い掛け、自分の願いを告げる。 「大丈夫よ、手は回してあるから」 そんな私の杞憂に、彼女は全ての策を打ったような晴やかな断言と共に箸を降ろす。 私の夢が覚めた。 何故かその時、私はそんな感情を感じた。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/71.html
「く……」 這うような動きで、レイズタイガーは紅い虎から距離を取る。互いに満身創痍、先ほどまでのような全力でのぶつかり合いは出来ない。 不意に轟音が響き、紅い虎の背後――リエルから見て正面――の格納庫ハッチが開いた。 「っ、ちょっと、待って……!?」 この状態ではみすみす捕獲されるだけ、そう考え機体を返そうとしたリエルだったが、扉の奥に見えた機影に、一瞬言葉を失った。 「……なん、で」 あの夢が――全てのきっかけとなった、ワイツウルフの輸送キャラバンを救った日の朝に見た夢が、リエルの中でリフレインした。 黒い巨大な影。シルエットから推察されるその姿は、直立二足歩行恐竜。 夢の中で、無数の金属生命体の屍を築き屹立していたソレが、そこにいた。 「未完成?」 「ええ……、古代種の……正確には古代虎の制御システムは、まだ未完成なんです」 ネオ・タートルシップ格納庫、有るだけの戦力をかき集め持ってきた中にある溶解しかけた白き虎……ワイツタイガーを前に、リオーネ・フィンチはエクステリア・アーネの説明を聞いていた。 「コアの代謝パターンを制御することで、発生する熱量を抑え機体の溶解を防ぐ。ですが、それには限界がありました。だから、ワイツタイガーは機体を二つに分け、片方を安全装置としたんです……。レイズタイガーも、追って同様にプテロレイズを安全装置にする予定でした」 「が、間に合うわけがなかったと」 その結果がアレか、リオーネは格納庫のモニターを……それが映し出すホエールキング甲板上の様子を見て、そう言った。 赤熱し、その身を溶かしてゆく二体の虎。そして、その後ろから姿を現した黒い恐竜……、死竜、デスザウラー。 「ええ……、そして、これがZi-ARMSの狙いかどうかまではわかりませんが……あのままでは、レイズタイガーも……」 エクステリアの表情に、絶望の色が浮かぶ。だがリオーネは、まだ諦めていなかった。 「……こいつの飛行可能時間は?」 ワイツタイガーを指し、エクステリアに問う。 「まさか……出撃するつもりですか? ワイツタイガーで!?」 「この中じゃ、こいつが一番強い。そうだろ?」 さも当然のように、リオーネ。しかしワイツタイガーは、修理どころか先の戦闘以降整備すらされていない。再び起動させたら、どうなるかわからないのだ。 「む、無茶です!」 「無茶でも何でも、今あいつを助けられるのはこの機体だけだ」 エクステリアは気付いた。目の前の男性――リオーネ・フィンチは、あるいはリエル・フィアット以上に頑固だと。そして、パートナーたるリエルを救うためなら自身の犠牲すら厭わない。恐らくリエルが、リオーネに対してそうであるように。 ――少し、胸が痛い。 「……ここからホエールキングまでは、通常装備で充分飛べます」 「そうか」 リオーネが踵を返す。思わず、エクステリアは呼び止めていた。 「あ、あの!」 「どうした?」 「……か、帰って来てください、必ず」 一瞬、リオーネが呆けたような顔になる。 「――ああ」 直後、しっかり頷いて……虎のコクピットに収まった。 「……なんで、どうして?」 リエルは混乱する。初めて遭遇するはずの黒い恐竜……デスザウラーを、自分が知っている事に。 資料として知っている、それだけではない。デスザウラーの持つ力、恐ろしさ、それを身体で覚えていた。 「……っ、どうして!? どうしちゃったの、あたし……!!」 アレには敵わない、という本能的な恐怖がリエルを揺さぶる。動転した頭で記憶を辿ってみても、一向に見えてこない。 知らない、はず、なのに、知っている、それは―― 「どうして、あたしは見た事があるの!?」 リエルの精神の均衡を、完全に崩していた。 「なんで――」 『リエル、リエル・フィアット!!』 「っ、リオーネ!?」 それを、突如響いた聞き慣れた声が叩き戻す。数瞬遅れて、リエルとデスザウラーの間に溶けかけた白い虎が割り込んだ。 ワイツタイガーが、挑みかかるようにデスザウラーに咆哮する。 「ちょ、なんで来たの!?」 『何でもいい、とにかく――』 リオーネが言葉にする前に、デスザウラーが動いた。巨大な爪が、ワイツタイガーを掴みあげるべく迫る。 だが――。 「……え?」 それを止めたのは、デスザウラーの後ろ側……、紅い虎の砲撃だった。 『……これは?』 それが最初に覚醒した時、感じたのは疑問だった。久しく味わっていない感覚。それは、身体が有るという本能的な安心感。 『あー、やっと気付いた!』 そして、聞き慣れた声。音として聞こえるわけではない、生体の波として、精神に……心に直接響く、若干かしましい声。 『……なぜ此処にいる、爆熱娘』 『ちょ、ひどっ! 第一声がそれ!? 幾千年ぶりの再会なのに!』 見れば――見る、という行為自体が久しいが――、最後に見た時とは姿を大いに変えてはいるが、懐かしい姿があった。紅い虎と、蒼い虎。 『焔(ほむら)、光(ひかり)……』 『そ、やっと起きた? 寝ぼすけの嵐(あらし)さん?』 旧友に会うような、懐かしさと嬉しさを滲ませて。紅い虎……ブラストルタイガー、いや焔は、白い虎……ワイツタイガー、嵐に笑いかけた。 『……嵐、焔。話は後だ』 『ん、そうね。どうやら……』 今まで黙っていた蒼い虎……レイズタイガー、光が、立ちはだかる黒い影を見据えながら言う。焔もそれに同意し、黒い影に向き直った。 『また、退けるべき存在に出くわしているようだな』 嵐も、同様に。 瞬間、三体の虎がほぼ同時に、コクピットハッチを開放した。 「うあっ!?」 いきなり操縦を受け付けなくなったと思ったら、レイズタイガーがコクピットハッチを開き、そして射出座席を作動させた。 「な、何がどうなって……!!」 大慌てでパラシュートを開きながら、リエルは眼下、甲板上に目をやる。 「……! これは……っ」 その光景は、まさしく夢で見たもの。いくらか足りない要素はあるが、黒い巨大な影に挑みかかる三体の虎。 風に流され、リエルはホエールの上から離れてゆく。上手く着地出来るかな、などと場違いな事を考えつつ、意識が混濁していった。 古代虎の制御は踏み台。デスザウラーに……強化されたメガデスザウラーに、古代虎のみっつのコアを取り込ませ、無限に荷電粒子砲を吐き続ける怪物を造り上げる事が、Zi-ARMSの目的。それは、意図せずワイツタイガーがホエールキングに舞い降りた事で達成を迎える――はずだった。 だがそれは、思わぬ所で綻びを生じた。三匹の虎が、己が意思で持ってメガデスザウラーを攻撃し始める。 ワイツタイガーの機動性は、大口径荷電粒子砲の照準をことごとく外し。 ブラストルタイガーの砲撃が、超重装甲をひしゃげ、破り。 レイズタイガーの牙が――そこから流し込まれるエネルギーが、メガデスザウラーの内部回路をズタズタに焼き切った。 自らを溶かしながら、虎達は黒い巨体に挑みかかってゆく。断末魔のように放たれた最大威力の荷電粒子砲が、メガデスザウラー自身を載せるホエールキングを撃ち抜いた。 「……ん」 目蓋の裏に光を感じ、あたしは目を開けた。 「お、悪い……起こしたか?」 「あ……、リオーネ……?」 見れば、あたしの横たわるベッドサイドの窓、それに掛けられたカーテンをリオーネが開いていた。そこから降り注ぐ日差しが、さっき感じた光の正体だろう。 「あたし……、どうしたんだっけ」 「……とりあえず、仕事がパーになったのは確かだな」 ベッドの横に腰掛けながら、額を押さえてリオーネが言った。 ああそうだ、思い出した。 あの時――ホエールキングの甲板で、あたしはレイズタイガーから放り出された。パラシュートを開いたまでは覚えているが、そこから先は記憶が混濁してよくわからない。どこも痛くは無いから、怪我はしてないっぽいけど。 「ここ、どこ?」 「ZOITEC系列の病院だ。一応検査入院だと。エクステリア・アーネが便宜を図ってくれた」 「あ、そうだ。アーネさん無事?」 そもそも、あたし達がZi-ARMSのホエールキングに殴りこんだのは彼女の救出のためだった。気になって、聞いてみる。 「ああ。話がしたいと言っていた。今呼んでくる」 そう言って、リオーネは部屋から出て行った。よかった、助けることは出来たんだ。 あたしは、あの時感じた違和感を思い出す。初めて見る光景のはずなのに、それを知っていた。夢、という形で。それはおぼろげなものではなく、とても鮮明な形で。 あたしは、知っていた。 「……あたしは、一体何?」 あたし自身――リエル・フィアットという人間が、その根幹が、揺さぶられるような感覚。 それは、リオーネとアーネさんが部屋に入って来ることで、一時的に止まった。 「……ご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありません」 あたしを見るなり、アーネさんは深々と頭を下げた。 「別にいいよ、依頼を受けたのはあたし自身だし」 「いえ、でも――」 「それに、アーネさんも無事で良かった」 そう、別にそれでいい。とりあえず、アーネさんを助け出すという当初の依頼は達成出来たんだから。あたし、何もいいとこ無かったけど。 「……ありがとうございます」 もう一度、アーネさんが頭を下げる。 「そういえば……、レイズタイガー達はどうなったの?」 あたしの疑問に、アーネさんは丁寧に答えてくれた。曰く、あの後ホエールキングはデスザウラーの放った荷電粒子砲を受けて墜落。生存者救出のためネオ・タートルシップが降下したが、その時点ですでに三匹の虎は姿を消していたという。 「……人が扱うには、過ぎた力だったのかも知れません」 アーネさんはそう言って、俯く。 今回の件は、表向きにはZi-ARMS社の実験事故として発表されるとの事。ZOITEC側としても、実験場への襲撃、及びアーネさんの誘拐については追及せず、牽制のカードとして使うつもりらしい。 「アーネさんは、それでいいの?」 あたしだったら、間違いなく公表してしかるべき責任を取ってもらいたいものだったから聞いてしまった。 「ええ……、今回の件は、私の見込みが甘かったのが原因ですし」 それは違うんじゃないかと思いつつも、口に出すのは憚られた。多分、アーネさんにも色々思うところがあるんだろう。 「……退院されたら、一度本社にお越しいただけませんか? 改めて、謝罪と御礼をしたいので……」 「ん、あたしは謝罪とか御礼とかより、何かおいしいものが食べたいけど」 「こら」 あたしの言った至極真っ当な希望に対し、リオーネが突っ込んで。アーネさんはそれを見て小さく笑って、 「では、御食事の用意もさせて頂きます。何かご希望はありますか?」 と聞いてくれた。 「んー、和食もいいけど、中華も捨てがたいし……いや、折角だからあまり東方じゃ食べれないやつを……」 「あー、決まったらメールするから頼む」 色々思い浮かべて考えるあたしを尻目に、リオーネはそう言って話を切り上げた。というか、 「リオーネ、いつの間にアーネさんのアドレス聞いたのさ」 「お前が寝てる間にな」 そういえば、何だかアーネさんのリオーネを見る視線が、あたしに対するものとは少し違う気がしてきた。 「……ははーん」 「?」 「アーネさん、こいつ堅物だから苦労するよ」 絶句して、アーネさんの顔が真っ赤に染まった。 アーネさんが社に戻って少し。 「……リオーネ」 「どうした?」 「あたし、何なんだろう」 ふと、あたしは口にした。デスザウラーを前に感じた違和感を。記憶にないはずの、身体が覚えている感覚を。 「……不安か?」 「不安、っていうか……」 「安心しろ、お前はリエル・フィアットだ。10年来の付き合いの俺が保証してやる」 ……やっぱり、安心する。 「ありがと」 そうして私は、また眠りについた。 あの夢は、もう見なかった。 その後、リオーネがアーネさんの雇われボディガードをやる事になったり、あたしがZOITECの嘱託テストパイロットとして雇われたり色々あったのだけど……それはまた別の話。 『……そろそろ時間のようだ、竜王の娘よ』 「楽しかったわ、嵐。クロアにいい土産話を聞かせてあげられそう」 東方大陸の、どこかの荒野。銀髪碧眼の少女と、三匹の虎との語らいは、終わりの時を迎えていた。 『……息災を願う』 「ええ。貴方もね、光」 『じゃあね、イリアステル!!』 「また何時か会えるといいわね、焔」 虎達の身体が白熱し、蒸発してゆく。その中のコアを光が包み――白のコアはデルポイへ、蒼のコアはエウロペへ、紅のコアはニクスへと、それぞれ飛び去った。 「……さて、私も帰りましょうか」 少女の背後に、黒い小さな飛竜が舞い降りる。飛竜が胴体部を開放し、そこから伸びる無数のケーブルが少女を包み込んだ。 ……話を聞いてわかった。リエル・フィアット。彼女は、イノセントだと。 クロア・フォウは喜ぶだろうか。己と同じ存在の生存を知って。それとも悲しむだろうか。 「……どちらでもいいわ。いずれにせよ、私はイノセントとは……違う」 少女は向かう。限りなく近しく、そして遠い存在が待つ地――トローヤへ。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【まおりゅう】最強パーティー編成とおすすめキャラ【転スラアプリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】スコーピオ杯のコース解説と強いスキル - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】カズヤの評価とコンボ【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】シナリオレコードの報酬一覧|評価点9000以上獲得する方法 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトのおすすめビルド(わざ・持ち物) - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) シャーマンキングふんばりクロニクル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE 【ポケモンユナイト】配信時間は何時から?スタートできない?【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) ディーサイドトロイメライ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 異常熱波のカナダで49.6度、いま北米で起きていること(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ひな図書】リセマラ当たりランキング【日向坂図書館】 - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES パニシンググレイレイヴン(パニグレ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON スタスマ攻略Wiki【スタースマッシュ】 - Gamerch(ゲーマチ) 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 「圧が凄い」Wikipedia、最新の「寄付のお願い」が話題 「ほとんどの方はこのメッセージを読んでくださらないでしょう。ただ...」 - J-CASTニュース 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン 【世界初!】モノの背景を全方位で執筆できるVintage Wiki「VOV」を正式リリース - PR TIMES パワプロ2021/2020攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ヌーラボ、「Backlog」の絵文字入力の補完機能やWiki編集の自動マージ機能を改善 - CodeZine(コードジン) ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース