約 4,895,037 件
https://w.atwiki.jp/dandelion-seed/pages/165.html
DANDELION★SEED>ダンデライオン用語辞典>や行>やりたいように 村田亮2ndアルバム「Any way you want」に収録。 song written by 村田亮太 song Arranged by 数井塁・真藤敬利・三宅亨・中村タイチ・村田亮太
https://w.atwiki.jp/kokeiro/pages/80.html
次のステージに進めるようにする 今はステージ1しかありませんね。とりあえずステージを追加してみましょう。現在何面をプレイしているか記憶するグローバル変数PlayStageNumberを追加しましょう。ステージクリアしたらこの変数の値を増やし、次のステージのデータをロードします。 なんかもはや大改造です。どこを変更したのか分からなくなりましたっ!下の項目を読んで自分で改造してみてください。全3ステージ構成です。最後の最後で投げる! PlayStageNumberをグローバル変数として追加 メインループが始まる前に1度だけPlayStageNumberを1で初期化する ステージをロードするとき、条件式がPlayStageNumberのswitch文でBord構造体配列に格納するステージを選ぶ 全てのマスを通ったらクリア画面に移動する。PlayStageNumber==3のとき、全ステージクリア画面を表示。ZキーでPlayStageNumberを1にし、ClearFlagに0を入れてタイトルに戻る。全ステージクリアでなかったら、PlayStageNumberを1増やしてステージをロード、プレイヤーの位置を初期化してClearFlagに0を入れてゲームスタート。 リタイア画面のとき、Zキーでステージをロードしなおしてプレイヤーの位置を初期化してゲームを再スタート ゲームプレイ中Zキーでクリアする機能を削除 これらの機能を追加しました。 ソースファイルをzipでまとめました。完成品なので参考にしたい方はどうぞ。勝手に改変なり何してもかまいません。ただし、このソースは簡単な構造ばかり選んで作っているので無駄が多いですし、見直しにくいです。暇なときに清書してもっとゲームらしくします。 一筆書き.zip
https://w.atwiki.jp/suproy/pages/148.html
あずけられない背中 「死者は12人、禁止エリアはD-3とE-7か」 一人密林に潜んでいた相良宗介は、放送を聴いてそうひとりごちた。 死者が12人出ていることには、彼はたいした感慨を抱かなかった。 戦場では当たり前のことである。むしろ少ないくらいだった。 だが、禁止エリアについてはそうはいかない。今回は運良く自分の所在地ではなかったが、いつもそうとも限らない。 いざ指定されてから、まったく土地観のない場所に出るわけにもいかない。 「この森の周囲は把握しておくか」 そう呟いてミラージュコロイドを起動し、ブリッツガンダムは静かに動き出した。 安全のため、ある程度探索してはミラージュコロイドを解除して小休止。 また起動して探索、ということを繰り返して、 すっかり夜もふけてきた頃。宗介は森の外周まで出てきていた。 一旦ミラージュコロイドは解除して、(今日の探索はこれくらいにするか?)と考えていた宗介の耳に、爆音が聞こえてきた。 「戦闘が行われているようだな。巻き込まれないように遠ざかるか、近寄って機体を見ておくか・・・」 しばし迷って足を止める宗介。そのおかげで、彼は気が付いた。このあたりは木々もまばらで地面は広い。 だが、なぎたおされた木と広範囲にわたって地面を掘り返したような跡はなんだろうか? こんな跡を付けられるのは、自分と同じようなロボットに乗っているものだけではないか。 では何故地面などを掘り返したのか? 彼はあたりに最大限の注意を向け始めた・・・。 「また戦闘を始めたようだな。まあ、ここは高みの見物といくか」 ガストランダー形態で地中に潜っていたウルベは、ゼンガー達のいる方向から爆音が聞こえてきても特に動く気は無かった。 ゼンガーが気絶している今、シンジ一人では生き残ることは難しいだろうが、ならばなおのこと。 敵の戦力が分からないのに、ノコノコ出て行く必要はまったくなかった。 戦闘が終了するのを待つことに決めたウルベだったが、その時、上に突然何かの機体が出現したのに気が付いた。 「なにっ!? この距離まで気が付かないとは・・・」 接近されたのはミラージュコロイドのステルス能力のせいなのだが、地中のウルベにそこまでは分からなかった。 「まあ、地中の私に気が付くこともないだろうが・・・上にとどまられては多少厄介か」 その機体はとりあえず動く様子がなかったが、あまり動かれないのも困る。 対策を思考していると、若い男の声が響いた。 「そこにいるのは分かっている。姿を見せろ」 結局のところ地面のあとが何を意味するのかは宗介には分からなかった。 何かの罠という可能性はあるが、少なくとも周りに他の機体がいる様子はなかった。 (この機体のような装置を積んでいれば別だが・・・それよりは地雷のたぐいか?) ミラージュコロイドを解除してしまった以上、周りに敵がいるとすれば自分のことに気付かれてしまっただろうし、 見られているかもしれない状況でもう一度ミラージュコロイドを使うのは論外だった。手の内は極力さらすべきではない。 そこで宗介はかまをかけてみることにした。敵がいないのなら良し、いるにしても今より状況が悪くなることはないだろう。 「そこにいるのは分かっている。姿を見せろ」 すぐには何も起きず、(やはり地雷か・・・?)などと宗介が思い出したころ。相手は彼が想像だにしないところから現れた。 つまり、目の前の地面から。 「よくこちらに気が付いたな・・・降参だ」 地面の下から登場した巨大な戦車型の機体から、男の声が聞こえてきた。 若い男の呼びかけに対し、ウルベはしばし悩んだ。 地中を移動して逃げることも考えたが、移動速度はさほどでもないし、下手をすると居場所を知らせるだけになりかねない。 といって、ずっと地中にいたのでは狙い撃ちにされる危険もある。 (やむをえんか。こいつが使えるようなら手駒に加えてもいい。警告してくるような奴であれば即戦いにはならないかも知れんしな) 舌打ちしつつウルベは地上に出ることを選択した。出ると同時に 「よくこちらに気が付いたな・・・降参だ」 と声をかけ、相手の機体を確認し彼は驚愕した。 (ガンダム、だと!?) 彼の世界での力の象徴、ガンダム。目の前の相手はそれに乗っていた。 やや細身ではあるが、見たことのない形状でどんな奥の手があるかわからない。 (うかつにはしかけられんか) 相手からの返答はない。ガンダムであるなら戦力的にも問題ないだろう。ウルベは懐柔に動くことにした。 「地中の私に気付くとはすばらしい腕だ。見ての通り地中に潜むしか能のない機体でね。 私の名はウルベ・イシカワ。ここで争いたくはない、手を組まないかね」 巨大な機体が地中から表れたことに驚愕していると、相手から再度呼びかけがなされた。 「地中の私に気付くとはな。見ての通り地中に潜むしか能のない機体でね。 私の名はウルベ・イシカワ。ここで争いたくはない、手を組まないかね」 (ふむ・・・少なくとも不意打ちの意思は無いようだな) 隠れ家からわざわざ姿を現した相手をそう分析する。そして、その形状・サイズから想像される装甲の厚さにも思い至る。 (致命打を与えることは難しいか? しかし、スピードではこちらに分があるな) 「手を組んでどうする。生き残れるのは一人だけだ」 「その通りだ。だが、一つ方法がある。あのユーゼスとかいう男を倒せばいい」 その通りではあった。だがそれで元の世界に戻れるという保証はない。それに・・・ 「地中に潜るほか能のない機体で、空にいる戦艦にどう対処する?」 付け加えるなら。信用する理由がまったくない。 交渉は難航しそうだった。ゼンガーやシンジと違い、この相手はまったくこちらを信用する様子がない。 このような相手になら、むしろ力を見せた上で協力させた方がよいかもしれない。 「しかたがない・・・これは秘密にしたかったのだが。信用してもらうためにもこの機体の真の姿を見せるとしよう」 そう呼びかけつつウルベは機体をウイングガストへ変形させた。 「なんだと・・・!?」 右腕を構えつつ距離をとるガンダム。臨戦態勢といっていいだろう。攻撃される前に再度話しかける。 「見ての通りだ。この機体は飛行形態を取れる。いかがかな? これならば上空の戦艦にも届くやも知れん。だがこれ一機では力不足だ」 相手は警戒を緩めない。いよいよ実力行使しかないか、という考えがちらりと頭を掠めた時、返答があった。 「いいだろう。話を聞こう」 見る間に戦車は戦闘機へとその姿を変えていた。慌てて飛びすさり、警戒態勢をとるももう相手は変形を完了してしまっている。 どうやら機動力でも上を行かれてしまったようだった。 「見ての通りだ。この機体は飛行形態を取れる。いかがかな? これならば上空の戦艦にも届くやも知れん。だがこれ一機では力不足だ」 相手は手の内を一枚見せた。まだカードを隠し持っている可能性が高い。こちらにも切り札があるが、それでも互角といくかどうか。 戦うのは得策では無さそうだった。といって、戦闘機から逃げ切れる道理もない。 なにより、相手に今のところ戦う意思は無い。信用できない、まったく信用できないが。 生き延びるために利用することくらいはできるかもしれない。 「いいだろう、話を聞こう」 「感謝する。貴殿の名前は?」 「宗介・・・相良宗介だ」 お互いまったく相手を信用していない。はじめから失われているようなコンビがここに結成された。 【相良宗介 搭乗機体:ブリッツガンダム(機動戦士ガンダムSEED) パイロット状況:健康 機体状況:良好 現在位置:H-3 第一行動方針:ウルベには気を許さない 最終行動方針:生き延びる。戦いも辞さない】 【ウルベ・イシカワ 搭乗機体:グルンガスト(バンプレストオリジナル) パイロット状態:良好 機体状態:良好 現在位置:H-3 第1行動方針:状況を混乱させる(宗介を利用する) 最終行動方針:???】 【初日 22 30】 前回 第115話「あずけられない背中」 次回 第114話「漢の約束」 投下順 第116話「骸は語る」 第112話「魔神開放」 時系列順 第114話「漢の約束」 前回 登場人物追跡 次回 第58話「その手に掲げるは悪魔」 #N/A 第132話「新しい朝が来た」 第62話「卑劣な超闘士」 ウルベ・イシカワ 第132話「新しい朝が来た」
https://w.atwiki.jp/legendworld/pages/425.html
越えられない壁とは、自分の力ではどうやっても解決できないこと、乗り越えられないこと、あるいはモノである。 自分の力で超えられるのなら、それは壁ではない。 越えられない壁の歴史 その歴史の流れはいくつかあり、その1つは、東西冷戦時代に遡る。 ドイツは、東西に分裂され、それぞれロシア(旧ソ連)とアメリカが統治していた。 その分裂の境目にあったのが「ベルリンの壁」である。 ベルリンの壁は、ドイツを二分し、交流を途絶えさせた。 壁の周囲には警備兵が銃を持って、警備に当たっており、壁を越えようものなら、警告。 最悪の場合射殺もありえた。 1989年に、ベルリンの壁が崩壊し、その越えられない壁は無くなった。 また、場所は変わって、韓国と北朝鮮の国境でも、「超えられない壁」が設けられた。 こちらは現在でも存在している。 LWでの、主な越えられない壁 はとろじーさん。 クオリティ的な意味で、越えられない壁。 安藤君(と、ドリャイア君) Legend worldチャットADSにおいて、彼らは絶対的な存在である。 関連項目 特にないです。
https://w.atwiki.jp/morrowind/pages/361.html
Better Fitting Gloves【手袋の袖がローブの袖を突き抜けないようにする】 最終更新日 2011-11-21 タグ #B *Mod バグ 単純 服 概要 wildmanさん作。 グローブの一部がローブから飛び出して見えるのを、グローブのメッシュを改善することで修正するMod。 esm/espファイルなし。 ダウンロード PES -- Better Fitting Gloves スクリーンショット有り。 コメント欄 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1345.html
─平沢邸─ 律「おーい、唯ー!!」 唯『りっちゃん?その声は りっちゃんなの!?』 澪「どうした唯?どこにいるんだ?」 唯『こっちこっち!!早く来てぇ!!お願いぃい!!』 紬「ただならぬ声ね!!」 梓「急ぎましょう!!」 澪「ここから声がしたぞ!!」 ガチャ 唯「あ、みんな~!!当然、ウンコ拭いてくれるよね?」 澪「私は そっと扉を閉めた」 パタン 唯「お゙願い゙い゙拭いでよぉおぉおぉおおおウンゴ拭いてよ゙おぉおおお」ビェーン 澪「どうしたらいいんだ」 律「このままじゃ話が進まん、誰か拭いてやれ」 梓「こ、公平にジャンケンで決めましょうよ」 紬「でも もしも服にウンコがついたら嫌じゃない?」 澪「し、しかし、それは誰がやっても同じ事…」 律「いや、待て!!いたぞ!!一人だけ服にウンコがつかない人物が!!」 紬「そう、それは全裸の梓ちゃん!!あなたが犯人だったのよ!!」 梓「あ?」 澪「全裸で他人のケツを拭くのが気持ちいのは当たり前、そうでしょ?」 梓「イヤですよ そんなの!!」 律「何 が 嫌 い か よ り 何 が 好 き か で 自 分 を語 れ よ!!」ド ン!! 梓「はい!!」ウォオオオオオッ ゴジャアアアア ズゴッ ゴゴゴゴゴボボボッ 唯「あ~スッキリした!!」 「電話を部屋においてきてたから助けも呼べなくて困ってたんだよ~」 梓「最悪だ…」 澪「ご苦労だったな、梓」 紬「まぁ何事も経験よ」 梓「だったらムギセンパイが拭けば よかったじゃないですか!!」 唯「それでみんな何しに来たの?」 「予知能力で私のピンチを救いに来てくれたの?」 澪「もし この状況が超能力で分かってたら 絶対に来なかったよ絶対に」 紬「昨日から私達、けいおん部以外の人と会ってなくて…」 「唯ちゃんは憂ちゃんと会えたの?」 唯「それが いないんだよ~」 「だからトイレに3時間も籠ってたんだから」 梓「え?」 唯「ん?」 紬「憂ちゃんがいないから…?」 律「えっ、それってつまり いつも憂ちゃんにウンコ拭かせてたってこと?」 唯「当然だよ」 澪「なにがだよ」 梓「それが憂がいなくなった理由では」 唯「でも憂、喜んでたよ」 「『お姉ちゃんの肛門、ネコの肉球みたいに手触りがいい』って」 律「……」 澪「まぁ憂ちゃんの人生だ。好きに生きたらいいさ」 梓「テレビで何か言ってないですかね」 「昨日からドタバタして一回も観てないんですよ」 澪「そういえば私もだ」 「もし町中の人が消えたならニュースになってるハズだ」 パチッ ザアアアーーーーー 律「……なんだコレ」 紬「なにも映らない…」 澪「コンセントが抜けてるとかそういうオチはやめてくれよ」 梓「いえ、残念ながらコンセントはしっかり刺さってるし 携帯電話のワンセグテレビも映りません」 律「……」 唯「まぁそんなことより 朝ごはん食べようよ!!」 紬「そうね!」 ─コンビニ─ 梓「誰もいませんね」 澪「…店員さーん!!」 「誰かいないんですかー!!」 律「おいおいマジかよ…」 唯「スイーツ食べ放題だよ…」 梓「私、この半熟カステラって言うの食べてみたかったんです!!」ムシャムシャ 唯「あっ」 梓「えっ?」 唯「いや、本当に食べるかな…」 律「そうだぞ、いくら店員いなくても勝手に食べるのは犯罪だ」 澪「さすがにひくわ…」 梓「また私だけダマされた!!」ウワァァン 紬「まぁ代金はレジの上にでも置いておくとして 腹ごしらえをしながら今後のことを話し合いましょう」 澪「子供はやっぱり男の子と女の子一人ずつがいいかな?なぁ律~?」 律「なんの今後だよ」 澪「ところでさっき、梓の事を通報しようと思って 警察に電話したんだが…」 律「なに その切り替えの早さ」 唯「後輩をサツに売るだなんてさすが澪ちゃん、冷酷だね」 紬「さようなら梓ちゃん」 梓「ちょ、え!?」 澪「それが残念ながら警察も電話に出ないんだ…」 律「さてどうする?」 梓「正直、話が大きすぎて何をしたらいいのか分かりませんね」 紬「状況を整理すると……私達が最後に人と会ったのはいつ?」 唯「昨日 授業が終わって、いつものように部室に行って…」 梓「そうですね。それっきり誰とも会っていません」 澪「それがハッキリ分かったのは部室から脱出した午後9時頃」 紬「つまり放課後の午後4時から午後9時の間に 何かがあった……ってことね」 律「しかし、たかが5時間で何があったっていうんだ?」 梓「何か未曾有の災害が起きることが発覚して全員、緊急避難したとか」 紬「でも5時間程度で、町中の人が避難するとは思えないわ」 澪「第一、部室のドアノブにかけられていた鎖はなんだ?」 「かけるべきは鎖ではなく、私達に声をかけるべきだろう」 律「お前、それで上手いこと言ったつもりかよ」 澪「えへへ」ポッ 紬「あっ!!監視カメラ!!」 唯「えっ?」 澪「そうか。コンビニの監視カメラは24時間回り続けている」 「昨日、私たちが部室にいた時間帯の記録映像を見れば何か分かるかも…」 律「なるほど。でも操作できるのか?」 梓「ダメですね。この鍵のかかった棚の中に操作パネルがあるみたいですけど…」 律「鍵?なんだってそんなもん ついてんだ」 澪「アルバイト店員が記録をイジってタバコ盗んだりするからじゃないか?」 唯「鍵なら ここにいっぱい あったよー」ジャラジャラ 紬「ナイス唯ちゃん!」 カチャ 梓「あ、棚が開きました!」 澪「よし、じゃあ確認してみますよ」 キュルキュルキュルキュルキュル 店員『っしゃいぁせー』 『ただいまコーラと一緒におでんを買うと 10円引きになっておりますー』 律「なんでコーラとおでんがセットなんだよバカじゃないの」 澪「う~ん、4時の時点では特に変化なしか」 紬「もうちょっと早送りしてみましょう」 店員『っしゃいぁせー』 『ただいまコーラとコーラを買うと 100円引きになっておりますー』 律「どんだけコーラ売りたいんだよアホじゃないの」 澪「う~ん、4時30分の時点では特に変化なしか」 紬「もうちょっと早送りしてみましょう」 キュルキュルキュルキュルキュル 店員『っしゃいぁせー』 『ウチの店ではストッキングしか あつかっておりません』 律「なんだ このコンビニ」 澪「いったい4時半と5時の間に何があったんだ」 紬「気になるところだけど さらに早送りしてみましょう」 店員『…ん?』タタッ 客1『これって…?』タタッ 客2『うぅ…』ヨロヨロ シーン 律「お?」 澪「みんな店の外に出て行っちゃったぞ」 唯「外をパンダさんが歩いていたのかな」 梓「なんでパンダなんですか」 紬「店の外で何かを見た……というより何か異変を感じて外に出た、という感じね」 澪「確かに何かを確かめるようにキョロキョロしてるな」 「しかしこのヨロめいている客は…?」 律「ニオイ…か?」 梓「あ、確かに鼻をヒクヒクさせているようにも見えますね」 キュルキュルキュルキュルキュルキュル 澪「結局、それっきり店員は帰ってこないし お客も来なかったな」 紬「6時頃、何かがあった…」 唯「ちょうど私達が帰ろうとした時間だね」 律「どう思う?」 梓「なにか体に悪そうなニオイ…有毒ガスを察知して そのままどこかへ避難した?」 澪「じゃあ部室の鎖はなんなんだ?」 「かけるべきは鎖ではなく、私達に声をかけるべきだろう」 律「それ、お前が思ってるほど上手くないからな」 澪「おい ウソだろ」 紬「まぁ結局、そこの疑問が解消されないのは確かだわ」 紬「選択肢は2つ」 「いなくなった人たちをどこかへ探しに行くか ここで情報を収集するかよ」 律「人を探すったって、ノーヒントじゃなぁ」 澪「まずは情報収集か」 「他のコンビニの監視カメラを調べてみれば もっと詳しいことも分かるかもしれない」 梓「でも、もしも みんなが危険を察知して避難したのなら 私達もできるだけ遠くに行くべきでは?」 律「う~ん、一理ある」 紬「唯ちゃんはどう思う?」 唯「そうだねプロテインだねぇ」 紬「そっかぁ」 唯「マジメな話、闇雲に避難しても 危険から遠ざかってるつもりで 爆心地に近づくことになるかも知れないよ」 律「おぉ確かに」 梓「すいません唯センパイ、一瞬コイツどうしようもねぇなと 思ったけど、間違いでした」 唯「げへへ」 澪「よし、そうと決まれば各自 手分けして情報収集だ」 紬「でも本当に危険が近づいているなら急がないと」 律「とりあえず1時間後をめどに このコンビニに集合だー!!」 みんな「おー!!」 5
https://w.atwiki.jp/sundayrowa/pages/67.html
こうしてはいられない ◆hqLsjDR84w そこは、ひどく暗かった。 とはいえ彼方から伸びる市街地の灯りはぼんやりと見て取れるし、上空では月や無数の星が燦然と輝いている。 だがそれらが認識できるということは、つまりよっぽど他の光がないということだ。 そんな場所で、一人の少年がたたずんでいる。 彼の存在は、闇夜のなかでとても異質だった。 浮いている、というか――どうも馴染んでいないのだ。 周囲に比べて、あまりにも色がなさすぎる。 見た目が、という話ではない。 Tシャツもズボンも、無地の白い物を纏っているが。 額には包帯を巻いているし、肌だってとても白いが。 そういう、表面的な違和感ではなく。 まるでこの世界に本来いるべき人間ではないかのような――そんな、気配を放っていた。 彼の名は、ロベルト・ハイドン。 親の欲のために人間界へと堕とされ、彼の力を恐れる人間たちに虐げられてきた天界人である。 「殺し合え、か」 誰にともなく呟いて、ロベルトは天を仰ぐ。 これまで彼は、人間たちを空にある星のようなものだと思っていた。 太陽のような強い光には隠されてしまうほど、ちっぽけで弱い。 他の星が隠れてしまっていても見向きもせず、自分だけは輝いたまま。 群れているように見えて、実際の距離はとても離れている。 だからそんな貧弱で自分勝手な種は、滅ぼしてしまう――つもりだった。 しかしその考えを否定しようと、ロベルトの前に立った少年がいた。 「植木くんに佐野くん、君たちは……考えるまでもないか」 この場にも呼ばれているらしい植木耕助である。 彼と彼の仲間たちは、身体を張って主張したのだ。 人間は弱いけれど強くなれる、と。 ロベルトはその主張を馬鹿げていると一蹴したが、それでも食い下がり―― 『レベル1』にすぎない彼らは、『レベル2』であるロベルトに一発叩き込んだ。 弱くて最後には保身に走るはずの人間が、死の恐怖を越えて立ち上がってきたのである。 彼らが殺し合いに乗るはずがない、とロベルトは断定した。 「僕は――どうするかな」 これまでのロベルトならば、迷わず参加者の全殺害を目指しただろう。 優勝の褒美を信じきっているワケではないが、そうせねば次の神を決める戦いに復帰できないのだから。 恐怖に歪み本性をさらけ出してしまう人間たちを鑑賞するのも、さぞ楽しめただろう。 だが――と、ロベルトは考える。 彼の脳裏を過るのは、恐怖を前にしても自分ではなく仲間のために立ち上がった植木たちの姿だ。 はたして、人間は本当にただの弱虫なのだろうか。彼らのような人間も他にいるのではないだろうか。 最近、そのような考えがロベルトのなかで膨らみ続けている。 唯一心を許している父親に相談しようかとまで、思っていたのだ。 そんなときに呼び出されてしまい、ロベルトは頭を悩ませる。 「……ッ」 ロベルトが、唐突に思考の渦から復帰する。 小さな光が見る見る接近してきているのだ。 目を凝らして、近付いてきているのが自転車だということは分かった。 (なぜ、このような他に人がいないところに――まさか!?) 人間が己だけを大事にする生き物ならば、問答無用で仕掛けてくることもあるはずだ。 ならば自分を轢き殺すつもりか、と憶測して身構える。 「む?」 いつでも能力を発動できるよう備えていたロベルトが、意図せずポツリと漏らす。 凄まじい勢いで迫ってきた自転車は、すぐ横を通って遠のいて行った。 金色の髪の包帯で押さえられいない部分が、大きく風に揺れている。 予想していなかった事態に戸惑うロベルトの後方から、大気を切り裂くような高音が響く。 即座に振り返ってみると、自転車と人間が宙を舞っていた。 急なブレーキに対応しきれなかったのだろうか。 「……なんなんだ」 あまりにも正直な感想が、ロベルトの口から零れた。 呆れたような視線を向けられながら、運転手だと思われる女性は空中で身を捻る。 二回ほど回転して姿勢を立て直し、自転車のハンドルを掴み取って、車体を己の下へと持っていく。 足だけをペダルに乗せてサドルに腰を下ろすことはせず、両腕を伸ばして脚を内側に畳み込む。 そのままの状態で重力に身を任せて落下していき、地面に接触する瞬間に脚を伸ばす。 結果、彼女は服や自転車を土で汚してしまうことなく、着地した。 こともなげに決められたアクロバットに、ロベルトは息を呑んだ。 同時に、自分自身のことを差し置いて、銀の髪と白いチャイナドレスを風になびかせていた彼女に浮いているような印象を抱く。 浮いている少年に浮いていると思われた女性は、「しまった」などと呟いてペダルを踏んだ。 またしてもロベルトを抜き去り、ブレーキをフルに握るも今度は後輪が軽く浮くくらいで済み、小さくUターンしてから地面を足で蹴って進み、ようやくロベルトの隣で静止する。 自転車のスタンドを勢いよく蹴り、あまりに強すぎて元の場所に戻ったスタンドをさらに蹴り、また戻ったスタンドを今度は足を添えて下ろすことでどうにか停車させる。 恐る恐る自転車から手を離して倒れないのを確認してから、ロベルトの肩へと手を伸ばす。 「おっ、おぼっ、お坊ちゃっごほっ……ごほっ! お坊ちゃま! お坊ちゃまは、どこでどうして何をしていらっしゃるのでしょう!?」 ロベルトの身体を激しく揺さぶりながら、女性は問いただす。 暗闇から舞い下りた姿からロベルトが感じた幻想的な雰囲気なんて、もはやどこかへ消え去ってしまっている。 近くで見てみると、一本一本が細い銀色の髪はところどころが跳ねてしまっており、顔は汗ばんでいた。 掴まれている箇所がじんわりと湿ってきていることに気付き、ロベルトは女性の手を払いのけて水の入ったペットボトルを取り出す。 「とりあえず冷静になってくれないか。なにも分からない」 蓋を開ける前から手渡したボトルがひしゃげてしまっていたので、ロベルトは自身の能力を発動させる。 強く握っても歪まず割れることもない理想的なボトルに入った水は、女性に一気に飲み干されてしまった。 ◇ ◇ ◇ 「つまり、エレオノールさんは――」 「『しろがね』で構いません」 「しろがねさんはその勝くんを守るために探している、ってことかな」 「はい、その通りです」 しろがねと名乗った女性の頷きに、ロベルトは安堵の息を吐く。 水を飲んで落ち着いたかと思いきや、そこからこの情報を聞くだけのためにかなりの時間がかかった。 落ち着くために行わせた深呼吸さえ、しばらくうまくできていなかったのだ。 くわえてロベルトに人を休ませた経験などなく、どう対処すべきなのかも分からなかった。 「『守るため』か……」 左手で口元を押さえて、ロベルトは思考を巡らす。 この殺し合いで生き残ることができるのは一人だけ。 だというのに、自分を守る力もないという子どもを守る。 それが、どうにも信じられなかった。 「ロベルト、あなたはお坊ちゃまを――」 「なぜだ」 だから、ロベルトはしろがねの言葉を遮って問いかける。 「こんなときに、どうして他人を守ろうとする」 しばらく目を丸くしてから、しろがねは僅かに頬を緩めた。 「私は、命に代えてもお坊ちゃまをお守りすると誓ったのです」 「命に、代えても……」 勝ち目など一片もないというのに立ち塞がった三人の姿が、ロベルトのなかに蘇る。 恐怖を前にすれば弱い本性を出してしまうはずなのに、自分ではなく他人のために退かなかった植木たちの姿が。 「ふむ……なるほど、ね。 勝くんのことは、まだ見ていないよ。小学生高学年の太眉の少年だったね。見付けたら、しろがねさんが探していたと声をかけておくよ」 ロベルトの返答に項垂れてから、しろがねは思い出したように尋ねる。 「それでは、ギイ・クリストフ・レッシュという私と同じ色の髪と目のフランス人男性と、才賀正二という日本人でご年配の男性は――」 「同じく見ていないね」 しろがねは、ついに首から上だけでなく大きく肩を落とす。 思い詰めたようにしばらくそのままの体勢でいて、ようやくゆっくりと再び口を開く。 微かにしろがねの表情に赤みが差したように、ロベルトからは見えた。 「で、でしたらっ! カトウナルミという――」 「しろがねさんと会うまで、僕は誰とも会ってない」 いつまで質問が続くか分からなかったので、ロベルトはきっぱりと言い切った。 それを聞いたしろがねは全身がしおれてしまったかのようによろめきながら、止めてあった自転車に向かっていく。 サドルに腰を落として呼気を整えて、やっとしろがねはロベルトに向き直る。 「いろいろとありがとうございました。ロベルトのおかげで落ち着きました。では、またいずれ」 それだけ言って、しろがねは再びペダルを踏み締める。 「お坊ちゃまぁぁ~~! しろがね! しろがねはここにいます!! お坊ちゃまぁぁあああ~~~!!」 またたく間に小さくなっていく自転車を眺めながら、ロベルトは思案する。 先日戦った植木耕助たちと、しろがねは同じことを言ったのだ。 少し前ならば一笑に付していた内容だ。 しかし実際に瀕死の重傷となっても立っていた植木たちを見ていたからこそ、それを知っているロベルトだからこそ、思う。 ――――はたして、彼らの言葉は真実なのだろうか。 たった一人だけしか生き残れないプログラム。 常に死への恐怖が付き纏うこの状況で、人間たちは本当に自分だけのためじゃなく『他者のために』生きるのだろうか。 「…………確かめるとしよう」 言い終える前に、ロベルトが履いていた靴の上に新たな靴が出現する。 すなわち、天界人がその実力に応じて発現できる『神器』。 全面に棘が生え、底にはキャタピラがつけられた――六ツ星神器『電光石火(ライカ)』。 発動するや否や風を切るようなスピードを出し、しろがねが漕ぐ自転車を追い抜く。 「ロベルト!?」 ぽかんと口を開けるしろがねの自転車を掴み、ロベルトはライカを減速させる。 先ほどの急ブレーキとは違って緩やかな停車のため、車体が飛び上がってしまうこともない。 完全に停止するのを待って、ロベルトは提案する。 「見ての通り、僕のライカのほうが早い。人を探すのなら手伝おう」 「ほ、本当ですか!? ですが……」 一瞬だけ顔を明るくしたしろがねが、自分の身体を眺めながら言いよどむ。 言わんとすることは、ロベルトにも分かった。 しろがねの身長は女性にしては高いほうだ。スケートのように足にくっついたライカで運ぶには、彼女の身体を支えきれない。 何せ、ロベルトはまだ中学二年生だし、そこまで鍛えているほうでもない。 そのように、見えるのだろう。 「問題ないよ」 ロベルトは右手の親指と人差し指で円を作り、そこから息を吐く。 すると石鹸水につけたワケでもないのに、円から青色の小さなシャボン玉が出現した。 そのシャボン玉を右手に乗せて、ロベルトはしろがねの腕を掴む。 「えっ!?」 意図せず、しろがねから驚きの言葉が零れた。 握り締めた自転車ごと、持ち上げられてしまったのだ。 しかもロベルトはそこまで力を入れたような素振りもなく、涼しい顔をしている。 「ありがとうございます、ロベルト!」 「……恐れないのか」 「恐れる? なぜですか?」 圧倒的な力や得体のしれないものを人間は何より恐れる――ロベルトはそう思っていたし、それゆえに阻害されてきた。 だというのに、しろがねはその力に感謝したのだ。 植木との戦い以来、自分の考えは崩されかけてばっかりだな、とロベルトは胸中でささやく。 (僕が思っていた以上に人間とは深いものかもしれないな、植木くん。 でも、やはりまだ、人間の正義が弱くて身勝手な本性を隠すための建前だという考えは捨てられない) 下ろしたしろがねに自転車を仕舞わせてから、再び抱え込む。 ロベルトは足元に意識を集中させて、ライカを再加速させる。 「じゃあ、まずはあの光が多いほうを目指すとしようか」 「ええ、私もそうするつもりでした」 僅かな時間で最高速に到達したライカを操りながら、ロベルトは真剣な眼差しで前方を見据える。 (だからこの殺し合いの場で、僕は――――人間という種を見極めてやる) 【F-3 草原/一日目 深夜】 【ロベルト・ハイドン】 [時間軸] 9巻83話『そうだ!!』にて地獄から帰還して以降、9巻85話『アノン』にてアノンの父親に悩みを打ち明ける前。 [状態]:健康 [装備]:ライカ発動中 [道具]:基本支給品一式、支給品1~3(確認しているか不明) [基本方針]:人間を見極める。ひとまずしろがねと同行し、人が集まりそうな街へ向かう。 【才賀エレオノール】 [時間軸] 28巻『幕間Ⅰ~「帰れない」』にて才賀勝と再開する直前。 [状態]:健康、焦り [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、自転車@出典不明、残り支給品0~2(確認しているか不明) [基本方針]:とにもかくにもお坊ちゃまを捜索し、発見次第守る。ナルミにも会いたい。 ※名簿は『才賀勝』までしか確認していません。 【支給品紹介】 【自転車@出典不明】 ペダルを足で踏むことで進む二輪車。 特になにも思いつかなかったので、出典は不明にしておきました。 次以降で、現実出典でも何らかの作品出典でも何にでもしちゃっていいです。 投下順で読む 次へ:『太陽の人形芝居』 戻る 次へ:風と煩悩と謎の玉 時系列順で読む 次へ:『太陽の人形芝居』 戻る 次へ:風と煩悩と謎の玉 キャラを追って読む GAME START ロベルト・ハイドン 033 It s like a 自問自答 GAME START 才賀エレオノール ▲
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/10880.html
MM/W35-077 カード名:出られない街 カテゴリ:イベント 色:赤 レベル:1 コスト:1 あなたは自分の控え室の《魔法》?のキャラを1枚選び、手札に戻す。あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、パワーを+1000。 えっ? レアリティ:U 対象が《魔法》?になった密室でふたりきりだが、あちらと違い、思い出には飛ばない。 タイトル内にはすでに魔法少女現るという極めて強力な回収イベントが存在するので、こちらを使うのであればLv1から発動できる点、パワーパンプを持つ点を活かしたい。
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1108.html
195 裏切られた人の話 New! 2010/06/30(水) 00 25 28 ID MbMb5Pj5 「いまさら1億円ですか……。」 思わず頭を抱えてしまった。 「話には聞いていましたが、本当にそういう額になるものですね。」 医師はこちらの顔を伺いながらおずおずと答える。 「はっきりと言ってしまえば、臓器売買ですので。」 1億か、今までに使った額がそれくらいあったかもなぁ。 もっと早くそう言ってくれば、役に立たない検査なんぞに使わなかったのに。 今までこいつが遊んでいたわけではないのは分かる。 分かるが、その首を絞め上げてやりたくなる。 「いつまでに、必要ですか?」 「手術に耐えられる体力を考えますと、一月ぐらいでしょう。」 「一月以内に1億円、悪い冗談みたいですね。」 頭の中で今有る流動資産の額を考える。ああ、多く見積もって6000万は足りないな。 こちらの算段がひと段落ついたところで先生が切り出す。 「その、従来どおりの治療を続ければ、あと三年は大丈夫だと思われます。」 要は諦めて、余生をどう過ごさせるかを考えろと言うことか。 常識的に考えればそうだろう。だが、そういうわけにはいかない。 夜澄をこんなところで死なせない。あいつの人生をずっと独りで、寂しいままで終わらせるものか。 「いえ、手術をしてください。一月以内に用意します。」 俺は先生に挨拶をして診察室を出た。 方法は有るんだ、手を尽くせば有る筈なんだ、そう言い聞かせて。 196 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 27 47 ID MbMb5Pj5 話は4時間前に遡る。 ××総合病院受付と書かれた窓口に座っている事務のおばちゃんに挨拶をして階段を上る。 四階の左端、特別個室「永瀬 夜澄(ながせ やすみ)」と書かれた部屋のドアをノックする。 「どうぞ」 「こんにちは、夜澄」 「こんにちは、宗一兄様。13時00分、いつも通り午後の面会時間きっちりですね。」 そういって少女がにこりと笑う。 夜澄、随分年下の、9歳程歳の離れた俺の大事な妹だ。 夜澄を一言で表すならば人形のような少女だと思う。 白い肌に澄んだ黒い髪。 笑う表情は上等の人形師が作り上げたように端整だ。 そして、そのような傑作は大切に箱の中へ仕舞われるように、夜澄もこの病室から出られない。 「邪魔だったかな?」 「いえ、兄様がいらっしゃらないときはこれ位しかする事もありませんから。」 そう言って、ベッドに腰掛けていた夜澄が櫛をテーブルに置く。 絹のような髪、丁寧に梳かれた長い髪は本当に上等な布のように見えてきれいだ。 ただ、それを見られるのがもう俺以外にはいないのが残念だが。 「体調はどう?」 「ええ、昨日と一緒ぐらいです。」 という事はここのところは小康といったところだろう。 「だんだん良くなっているんですよ。ふふ、早く戻って一緒に暮らしたいですね。」 「そうだな・・・・・・。」 夜澄には心臓の病気が有る。本人には言えない事だが原因が不明だ。 医者が言うにはだんだんと心臓が弱くなっているにも関わらず、どう検査してもその他の兆候が何も見られない、 見た目は変わらないのにゆっくりと死に向かっているそうだ。 「ところで、昨日の夜は何をしていらしましたか?」 「ああ、いつもどおりバイトだよ、昨日は・・・・・・。」 そういって、昨日のあったことの話を始める。 まあ昨日あったことと言っても実に取り留めの無い話ばかりだ。 例えば、いさきの有無をしつこく聞く客、つうか、いさきしかねぇよこの店。 あと、なんで愛称がお兄ちゃんなんだ、俺の兄妹は夜澄だけだ!! 等々。 ん、俺の紹介がまだだったか。地元で中高年の男性から莫大な支持を得ている居酒屋「いさき船」で 調理助手をしているフリーター、永瀬 宗一、20台後半の「お兄さん」だ。 おじさんでは断じてない。 「くすくす、それでその新規のお客さんはどうされたんですか?」 「結局食べたよ、季節の野菜とカニ尽くし鍋(イサキ入り)。・・・謎なんだが、あの店ではイサキ抜きは出来ない。 かに鍋(イサキ入り)カニ・野菜・出汁抜きは出来てもイサキ抜きは決して出来ない。 何を頼んでもイサキが付く、土手焼き(イサキ入り)、アジの叩き(イサキ入り)、・・・」 ・・・イサキ、イサキ、イサーキ、イサァーーーキ!! (立ち上がる周りの客)、歌うな。 「はあ、頭がおかしくなりそうだ。・・・・・・なあ、何かイサキに意味でもあるのか?」 ちょっと困った顔をしてから答える。 「さあ? 夜澄はイサキが特別おいしいとは思いませんが?」 「だよなあ?」 「くすくす、楽しいお店ですね、一度行ってみたいです。」 「いやまあ、楽しく無いわけではないけど、・・・・・・止めたほうが良いよ。なんか生臭いからあの店。」 くすくす、と控えめに夜澄が笑う、それが鈴の音のようで耳に心地良い。 197 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 30 12 ID MbMb5Pj5 「さて、もう三時です。ちょっとお茶にしましょうか?」 そう言っていつもどおりお茶を煎れ、お菓子を出してくれる。 ほぅ、今日はほうじ茶と葛桜か。 さすが夜澄、お兄様のツボを良く抑えてらっしゃる。 お茶を啜りながら、家に帰ったら部屋をこうしよう、食事当番は、と夜澄が語りだす。 熱の入った様子で矢継ぎ早に家の事を言う妹、その様を見るのが痛々しくて辛い。 いつかはここを出るつもりなんだろうな、やっぱり。 「・・・聞いてますか? それで、お布団に猫を入れて湯たんぽにするんです。ほっかほっかですよきっと?」 「ああ、ついでにお兄ちゃんも入っちゃてもいいか? 猫たんよりホッカホカだぞ多分。」 「はい?」 「へ?」 ぽかんと口を開ける夜澄。 あ、やっちまった。 「ごめん、聞かなかったことにして。」 「くすくす、狼さんが入っちゃたら夜澄が食べられちゃいますよ?」 ・・・・・・夜中まで居酒屋で働いているのでこの時間というのはどうしても眠くなり、 段々とアウトとセーフの境界が曖昧になってくる。 すると夜澄が俺の眠気を察したのか気を回してくれる。 「くすくす、そろそろお昼寝の時間ですか? はい、それじゃあどうぞ。」 そう言ってベッドの片側により、開いたスペースをぽんぽんと叩く。 俺はそこにゆっくりと寝そべる。 夜澄もそれに合わせるようにこちらを向いて横になる。 「いつも悪いな、窮屈な思いをさせて。」 「ふふ、良いんですよ、夜澄もこうしてると独りじゃないんだって落ち着きますから。」 笑顔の夜澄を見ながら眠りに落ちた。 198 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 30 57 ID MbMb5Pj5 まだ高校生の頃の俺がまだ小さな夜澄の手を握って、ベッドの前に立っている。 夜澄は状況が理解できないのだろう、ただ必死の形相の俺の顔を呆けたように見つめている。 ベッドにはお袋が包帯グルグル巻きのミイラのようになって横たわっている。 またこの夢だ、ここが病院だからなのか、それとも夜澄の着物のせいなのか。 「宗一・・・、夜澄をお・・・願い・・・・・・。」 「お袋!!、いいから喋るんじゃない!!」 高速道路で後ろからトラックにぶつけられ、おやじは即死、お袋は重体だった。 「夜澄・・・、幸・・・・・・せ・・・」 「分かっている! 分かっているから、絶対に夜澄を幸せにするから! だから!!・・・」 夢の中の自分が必死にお袋に喋っている、いや、怒鳴っているといった方が正しい。 「宗一・・・、夜澄、・・・手を・・・・・・」 最期に手を繋ぎたいのだろう、お袋の肩がわずかに動いた。 ・・・・・・でも、俺たちは繋げない。だってお袋の両手は根元から千切れているんだから・・・。 そのまま、心電図が弱まっていって、 199 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 31 37 ID MbMb5Pj5 「おい!! お袋!!!」 夢から目が覚めた。寝汗を掻いた、シャツが濡れて気分が悪い。 眠っていたはずなのに体が重い、力が入らない。 「あら、お目覚めですか?」 布団とは違う感触がする。ベッドの上に正座する夜澄、そしてその頭に載る俺の頭、要は膝枕だ。 手にはタオルがある、どうやら顔を拭いてくれていたようだ。 「起こしちゃったのか?」 「いえ、先に目が覚めまして、兄様の顔を見ましたらとても苦しそうでしたので。」 「ああ、ありがとうな。」 夜澄の膝から頭を退かせ、ベッドに胡坐をかく。 「・・・・・・手、ですか?」 「ん、ああ。」 「きっと同じ夢を見ていたのですね? 夜澄を幸せにとおっしゃるおかあさま、そしておかあさまの手・・・。」 「分かってる、言わなくても大丈夫だよ。」 「はい・・・。」 俺たちは寝ていると、よくあの夢を見てしまう。 そして、それが恐らく一番古い共通の思い出だ。 「それにしても、やっぱり着物のせいかな。その着物好きでよく着ていたからな、お袋。」 なんとなしに藍色の着物の袖をひらひらと摘んでみる。 「ええ、夜澄もこれを着ているとお母様の匂いがして、一緒にいるような気になれるんです。」 もう覚えてないが、これがお袋の匂いなのかな、ならきっとお袋は良い匂いだったんだな。 昔を思い出そうとしている俺に、夜澄がよそよそしげに俺の顔を覗くようにして尋ねた。 「あの、兄様にとって、夜澄は邪魔でしょうか? 夜澄が居なければ、大学でおかあさまの手を作れましたよね?」 ・・・・・・俺はフリーターになる前は大学研究室で助手をしていた。 両親を失った後の俺の心には、「手」が常に引っかかっていた。 あの最期の時、手があれば俺たちは握れたのに、手を付け足したい、無駄だと知っているのにそんな気持ちが晴れなかった。 結局、当時文系だった俺は機械駆動の義肢というものを知り、理転して工学部を目指すようになった。 そして、大学入学後に恩師と呼べる人にたまたま目を掛けて貰い、義肢を作る為にそのまま教授を目指して大学に残っていた。 「本当は、今でも兄様は夢に向かって進めたのに夜澄のわがままで・・・・・・。」 夜澄の表情が暗くなる、やめてくれ。 我侭だったのは俺なんだ、夜澄は悪く無い。 ただでさえ細い体が余計に小さく見えてしまうから、そのまま消えてしまいそうに。 「でも、あの時の生活にはもう、今の夜澄は耐えられないんです……。」 ぽつりと呟くように言う。 200 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 32 36 ID MbMb5Pj5 当時の永瀬家の日常は酷かった。 朝早くに家を出て、夜中に帰ってくる毎日、飯を食って倒れるように爆睡、時には研究室に連泊。 そして、二人分の家事も笑顔でこなし、家にいるときはどんなに遅くても俺を待っていてくれる夜澄。 そんな夜澄にありがとうの一言も言ったこが無かった。 時折言う「寂しいですね。」という言葉にも「ああ。」と生返事をするだけ。 頭の中では得体の知れないモーターと歯車がぐるぐると回っている。 休日だって、ただぼんやりと夜澄と一緒に部屋に居るだけだったな。 幸せ、とは程遠い生活だった。 そんな時に夜澄の病気が発覚した。 いや、医者に世話になりっぱなしの一家だ、はは。 難しい病気だと医者に言われても夜澄の表情は崩れなかった。 俺はその気丈さに暢気に感心しているだけだった。 夜澄は大人びた子だった。 だから、俺なんかが居なくても全て自分だけで心の整理を付けてくれるのではないかという卑怯な期待もあった。 けれど、家に戻ったときに何気なく聞いた何が欲しいという言葉に夜澄は笑顔を作って、 「何も要りません、でも夜澄がずうっと傍に居てください。もう独りは嫌です」と言って、 ・・・・・・泣き出した。 ごめんなさい、嫌です、もう嫌です夜澄、ごめんなさいと声を上げて夜澄は泣いた。 いつも笑顔で文句一つも言わない、そんな夜澄が感情をむき出しにしたのは初めてだった。 そして、そんな時でも俺を罵ろうともせずに泣きながら謝り続けるを見て、俺は言葉が出なかった。 そこでやっと自分が唯一の家族にして来た仕打ちの酷さに思い当たった。 ああ、自分のするべき事は妹を幸せにする事だった。 取り返せない過去なんかに固執している場合じゃなかったんだ。 それなのに自分は夜澄を無視して自分の我侭を押し付けていた。 また家族との大切な時間を失った。 俺は夜澄の望みに応えて傍に居ることにした。 即決したわけではない。 情けないが、未練がましく自分の夢と唯一の家族を一晩中天秤にかけた末だ。 そして、その足で大学に行き、引き止める教授の話を聞かずに研究室を辞めた。 治療費の充てには、賠償金と遺産、それでも駄目なら家と土地を売って金を作る、後は研究の過程で出来た教授曰く「がらくた」の特許料がある。 自分の生活費はバイトでもすれば何とかなる。 少なくとも夜澄の命が終わるまでは。 そして、現在の生活に至ったわけだ。 決してその事を後悔はしていない、と思う。 いや、決してしていない。 201 裏切られた人の話 sage New! 2010/06/30(水) 00 33 19 ID MbMb5Pj5 過去を思い出し黙っている俺に夜澄がまた不安そうに尋ねる、夜澄は兄様にとって邪魔ですか、と。 「そういうことは言うなよ、俺にとっては何よりもお前が大事なんだ。決して嘘じゃない。」 「兄様。」 「俺にとって大事なのは夜澄の幸せだけだ。 たった一人の家族の夜澄が幸せなら、俺も幸せだ。 夜澄が幸せじゃなきゃ、俺も幸せなんかじゃない。 夜澄の居ない幸せなんかないんだからさ、・・・・・・だからそんな悲しそうな顔しないでくれ、な。」 「ごめんなさい・・・。」 そう言って夜澄が抱きつく、その小さな体を抱きしめる、暖かくてやわらかい。 俺の胸に顔を埋める夜澄がどんな顔をしているのか分からない。 ただ、幸せな時にする顔ではないのだろう。 お互い黙って抱きしめてからしばらくがたった、夜澄がいつもの調子に戻ってくれる。 「ふふ、恥ずかしいところをお見せしてしまいましたね?」 そう言って恥ずかしそうに笑う。 「いや・・・、・・・ああ、もう面会時間が終わりか、もちろん明日も来るからな。」 「ええ、もちろん13時ぴったりにお待ちしております。」 そうして病室を出ようとして、つい聞いてしまった。 「なあ、夜澄」 「はい?」 「今、幸せかな?」 「はい、兄様が毎日傍に居てくださって、一緒に寝られて、話せて、夜澄は本当に幸せですよ。」 「そうか。」 ごめん。 心の中で夜澄に謝り、病院を出ようとしたところで主治医の先生に声を掛けられた。 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/compe/pages/354.html
森の中でザクザクと、土を掘る音が響く。 怪物、ペニーワイズに殺された西片の遺体を埋める為、ドラえもんは一人、彼を埋めるための穴を掘る。 手にあるのは一メートルほどのスコップ。 この殺し合いのどの参加者とも違う世界のものだが、五人ほど縁のある参加者がいる世界のものだ。 しかし、そんなことはドラえもんには関係ない。 彼はただ、穴を掘るだけ。 そして西片を入れるに十分な大きさの穴ができ、ドラえもんは彼を入れて土をかぶせる。 その作業が終わるころには黎明は終わり、時間は早朝へと進んでいた。 「終わったかしら?」 ドラえもんが西片に土をかぶせ、地面に埋め終えると同時に、折り畳み傘を差しているレミリアが声をかけてくる。 森の中とはいえ、そろそろ日が差し始めてもおかしくない時間帯。 吸血鬼である彼女にとっては、決して無視できない要素だ。故に彼女は折り畳み傘を取り出していたのだ。 それはそれとして、ドラえもんがレミリアの方を見ると、なぜか彼女は酷く不可解そうな表情を浮かべていた。 「……レミリアさん?」 「ちょっと地図を見せなさい」 疑問を呈すドラえもんに対し、問答無用で要求するレミリア。 彼が渋々言葉に従い地図を取り出し広げ、彼女がそれを一瞥すると、「やっぱり」と納得した声を出した。 「どうかしたの?」 「聞きなさいドラえもん。私達、転移しているわ」 「えっ!?」 あまりにも突然すぎる宣言に、大声で驚いてしまうドラえもん。 それを静かにさせてから、レミリアは地図のE-8辺りを指差す。 「最初に私達が出会ったのがこの辺りでしょ?」 「う、うん」 「だけどさっき、あなたが穴を掘っている間に、あいつがいないか調べるために周りを見てきたのよ。 まあいたのはゴブリンくらいだったけど」 実のところ、レミリアは先の言動に含めた分だけでなく、今見えているものが現実かどうかを確かめるために周りを見ていた。 懸念自体はひとまず晴れたと思いたいが、確実だと言い切れる自信はまだない。 ともかく彼女はここで言葉を区切ると、今度はD-7にあるシフティ・シャフトを指差した。 「これが少し行ったところにあったわ」 「な、何で……?」 「さぁ?」 ドラえもんの問いに対し、無造作に返答するレミリア。 事実、彼女もペニーワイズの能力なのか、奴に支給された物の力なのか判断できないので、こういう言動しかできないのだ。 それをドラえもんもちゃんと理解していた。 なので、代わりに尋ねるのは違うこと。 「レミリアさんはその、あの怪物をどう思う?」 「そうねぇ……」 ドラえもんの今一つ要領を得ない問いに、レミリアは顎に右手をやりながら考える。 自分に屈辱感を味合わせた、いつか殺す敵。 彼女の言わせれば、ペニーワイズに思うことなどこれくらいだ。 しかし、ドラえもんが問いたいのはそういうことではなく、おそらく本質について。 彼も彼なりにヤツを倒そうとしている、とレミリアは解釈した。 「怪物。 恐怖を呼び起こし、恐怖を糧にし命を喰らう、あらゆるものの敵よ」 ヤツの在り方は正しく怪物で、きっと対象を選ぶことはない。 だから自分達に襲い掛かり、西片を食べたのだろう。 別に、レミリアは人を喰うなと言うつもりはない。 彼女が人の血を吸いつくして殺さないのは、単に少食だからだ。 そうでなければ、妹に人間を加工したケーキを食事として提供したりはしない。 だからレミリアがペニーワイズを殺しにかかる理由は、結局のところただの私怨。 人間やドラえもんみたいな存在にとっては、怪物を倒す英雄譚だが、彼女にとっては同類同士の食い合いでしかない。 もっとも、そんな内心をレミリアはおくびにも出さない。 だから、ドラえもんが悩んでいるのはペニーワイズについてだ。 「恐怖を呼び起こす……」 「だから対処としては、恐怖を持たないもの、例えばゴーレムとかが相対するのが一番効率的でしょうね。 あるいは――」 ここでレミリアは一旦言葉を止めたかと思うと、どこか自嘲的な笑みを浮かべてから続けてこう言った。 「勇気で恐怖を克服しなさい。。 おとぎ話の勇者の様に、立ち向かって戦いなさい。それが怪物を倒す王道よ」 「勇気……!」 レミリアの言葉でドラえもんは思い出す。 太古の恐竜時代にいた違法ハンター。 遠い宇宙の彼方でコーヤコーヤ星を狙ったガルタイト鉱業。 アフリカ中央部のヘビー・スモーカーズ・フォレストに存在する犬の王国を牛耳っていたダブランダー大臣。 かつてバミューダトライアングルに存在した、海底国家アトランティスに残された自動報復システムポセイドン。 平行世界の地球を狙った魔界の大魔王デマオン。 小人達の惑星、ピリカ星を支配した独裁者ギルモア。 そして、鉄人兵団。 他にも様々な、かつて自分達が戦った敵を。 そうだ、いつもそうだった。 ただの小学生四人とドラえもんが、そんな敵と戦い打ち勝ってきた理由。 ドラえもんこそ未来世界の超技術で生み出され、彼の手元には同じく超技術のひみつ道具があった。 だがそれだけでは倒せない敵もいた。ならばどうやって倒してきたか。 知恵と勇気、そして友情だ。 時にバラバラになり、ひみつ道具を失うことがあっても、彼らは決して諦めなかった。 それだけではどうにもならず、運や外的要因に頼ることもあったが、人事を尽くして天命を待つ。 最初から運頼みならば、ハッピーエンドはありえない。 ならば、今度もそうしよう。 見知った仲は普段より少なく、おまけに近くに居る訳でもなければ、確実に会える保証もない。 おまけに倒したい怪物、ペニーワイズの正体は未だ分からず、勝つ方法も想像できない。 更に言うなら、ペニーワイズへの恐怖をぬぐえたわけでもない。 だとしても―― 「やろう! 仲間を集めて、あの怪物をやっつけるんだ!!」 ドラえもんは決意した。 声は未だ震え、恐怖していることは傍目に見ても明らか。 それでも、彼は戦うことを選んだのだ。 そんな彼を、レミリアは見つめながら考える。 (そう、それでいい。 だけどあなたは、それをどこまで貫ける?) レミリアにとってもドラえもんの決意は好都合だが、同時にある懸念があった。 それは彼女と違い、彼は友人が二人この殺し合いに参加しているという点だ。 そして、殺し合いである以上、今現在危機に陥っている、あるいは既に殺されている可能性も当然存在する。 (それでも戦うと言うのであればいいわ。 だけどもし、心が折れて立ち上がれなくなるのなら、あなたを置いていくことになるでしょうね) 奮起するドラえもんとは対照的に、レミリアは冷ややかな考えを頭の中に置く。 そして彼女の懸念は正しい。ドラえもんの友人、野比のび太は黎明の段階で既に殺されている。 それを彼らが知るまでの時間は、もう二時間も残っていないのだ。 (まあ、それはその時になってみなければ分からないか) そうしてドラえもんが決意を固めた後、二人は西片の墓を作った。 とはいってもそれは簡素とすらいえない代物。 彼に支給されていたギターを、彼が埋まっている地面の近くに突き刺して墓代わりにし、同じく支給されていた、彼が恋焦がれる少女のハンカチを供える。 二人がその気になればもう少しちゃんとしたものも用意できるが、今の彼らは時間が惜しかった。 (しかしまあ……) そしてドラえもんが西片のデイバッグ、レミリアは血塗れになった目隠しを回収してから二人が森林を無言で進む中、彼女はふと思う。 怪物に襲われた人間の墓を作った。 強力な怪物と相対するために、同行者を奮起させた。 そして今、仲間を求めて出発した。 (吸血鬼のやることじゃないわね。どちらかというと、人間の領分でしょうに) あまりにも妖怪(じぶん)らしくない振る舞いに、レミリアは思わず自身に対して戸惑ってしまうのだった。 【D-7 森林/早朝】 【ドラえもん@ドラえもん】 [状態]:悲しみ、ミルドラースに対する怒り、ペニーワイズへの恐怖、奮起 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、スコップ@幼女戦記、西片のデイバッグ(基本支給品のみ) [思考・状況]:基本行動方針 殺し合いには乗らない 1:レミリアと行動する。 2:あの怪物(ペニーワイズ)をやっつけるため、仲間を探す 3:のび太くん大丈夫かな... ※四次元ポケットは回収されました。 ※レミリアのこと、幻想郷のこと、紅魔館のことを知りました。 【レミリア・スカーレット@東方project】 [状態]:苛立ち、屈辱感、自分に対して戸惑い(小) [装備]:シュヴァリエボルト・マグナ@グランブルーファンタジー、折り畳み傘@現実 [道具]:基本支給品、目隠し(血塗れ)@水曜日のダウンタウン [思考・状況]:基本行動方針 主催をぶちのめす 1:ドラえもんと行動する 2:のび太という少年を探す 3:あの怪物(ペニーワイズ)はいつか殺す。 4:怪物を殺す為に策を練り、仲間を集める。……まるで人間みたいね ※紅魔郷終了後からの参戦です。(EXではないためフランが地下から解放されていません) ※むったん@けいおん! は西片の墓の代わり、高木さんのハンカチ@からかい上手の高木さん は供え物としてD-7 森林に置かれています。 【スコップ@幼女戦記】 ドラえもんに支給。 塹壕戦において穴を掘ったり敵兵を殺したりと大活躍した、帝国製の道具兼武器。 ぶっちゃけ、ただのスコップである。 これにて、参加者と支給品を合わせると異世界かるてっとコンプリート。 079:コスモダンサー(前編) 投下順 081:黒く黒く 040:それが見えなくても、終わり ドラえもん レミリア・スカーレット