約 4,029 件
https://w.atwiki.jp/dream11/pages/175.html
選手名 ポイント 守備位置 初期値 MAX値 売値 備考 OF DF TEC OF DF TEC 数値合計 2012 林 彰洋 7 GK 14 328 115 41 828 262 1131 1400 村松 大輔 13 DF 76 394 298 194(643) 1009(828) 764(692) 1967(2163) 2600 カルフィン ヨン ア ピン 14 DF 80 403 299 212(675) 1065(875) 790(726) 2067() 2800 岩下 敬輔 14 DF 132 396 296 338 1013 757 2108 2800 吉田 豊 14 DF 142 291 346 560(616) 764(840) 732(805) 2056(2261) 2800 李 記帝 7 DF 98 231 114 251 (352) 591 (546) 291 (349) 1133 (1247) 1400 小林 大悟 11 MF 319 131 211 608(669) 473(520) 560(616) 1641(1805) 2200 河井 陽介 8 MF 229 100 115 404(444) 500(550) 414(455) 1318() 1600 小野 伸二 14 MF 380 168 296 943 416 735 2094 アレックス 16 FW 358 149 448 889 369 1111 2369 3200 大前 元紀 17 FW 361 120 459 954 318 1211 2480 3400 高木 俊幸 16 FW 315 101 486 807 259 1245 2311 3200 高原 直泰 15 FW 375 192 362 1102 244 885 2231 3000 伊藤 翔 13 FW 304 177 267 (857) (498) (751) (2106) 2600 犬飼 智也 6 DF 56 289 99 129 670 230 1029 ジミー フランサ 8 FW 298 85 90 787 225 237 1249 1600 山本 海人 16 GK 22 673 212 53(63) 1536(1894) 706(596) 2295(2553) 3200 2013神戸へ移籍 平岡 康裕 14 DF 93 402 306 233 998 758 1989 2800 鍋田 亜人夢 10 FW 317 98 169 811(673) 252(425) 433(546) 1496(1644) 姜 成浩 11 DF 98 329 258 517(568) 639(703) 544(598) 1700(1869) 2200 枝村 匠馬 13 MF 260 168 357 646(756) 417(559) 885(826) 1948(2141) 2600 平岡 康裕 13 DF 99 459 327 239(263) 1101(1211) 786(865) 2126(2339) 2600 2012シーズン2 河井 陽介 16 MF 300 318 469 721(793) 762(838) 1125(1238) 2608(2869) 3200 2012シーズン2 村松 大輔 15 DF 157 446 407 377(414) 1071(1178) 976(1074) 2424(2666) 3000 2012シーズン2 杉山 浩太 13 MF 142 323 355 341 775 852 1968 2012シーズン2 小林 大悟 13 MF 251 206 359 603(664) 493(542) 862(948) 1958(2154) 2600 2012シーズン2 吉田 豊 15 DF 193 415 418 466(512) 994(1093) 1005(1106) 2465(2711) 2012シーズン2 赤RSB 高原 直泰 15 FW 329 268 381 792 643 915 2350 3000 2012シーズン2 白崎 凌平 6 FW 183 124 133 (467) (317) (340) (1124) 1200 河井 陽介 14 MF 364 378 486 874 (962) 907 (998) 1166(1283) 2947 (3243) 2800 2012シーズン3 高原 直泰 11 FW 381 277 397 914(1006) 666(733) 954(1049) 2534(2788) 2200 2012シーズン32013契約非更改 小林 大悟 9 MF 311 235 401 746(821) 564(620) 963(1059) 2273(2500) 1800 2012シーズン3 杉山 浩太 10 MF 256 346 390 615(676) 830(913) 936(1030) 2381(2619) 2000 2012シーズン3 伊藤 翔 8 FW 330 223 325 (870) (590) (859) (2319) 2012シーズン3 吉田 豊 14 DF 333 439 440 800(880) 1054(1159) 1056(1162) 2910(3201) 2012シーズン3 赤RSB 平岡 康裕 14 DF 218 577 422 524(576) 1386(1525) 1014(1115) 2924(3216) 2012シーズン3 金 賢聖 9 FW 341 260 327 820(902) 624(686) 784(862) 2228(2450) 2012シーズン3 2013 河井陽介 21 MF 371 396 512 891(980) 952(1047) 1229(1352) (3379) 4200 2013S1 八反田康平 17 MF 384 285 428 923 (1015) 685 (754) 1028(1131) 2636(2900) 3400 2013S1 高木純平 17 MF 295 406 395 711(782) 975(1073) 948(1043) (2898) 3400 2013S1 杉山浩太 22 MF 344 465 518 4400 2013S1 イミンス 17 MF 988(1087) 728(801) 884(972) (2860) 3400 2013S1 櫛引 正敏 18 GK 210 521 377 (555) (1376) (996) (2927) 3600 S2 吉田 豊 23 DF 365 470 470 4600 S2 石毛 秀樹 21 MF 442 223 543 1062 537 1303 2902 4200 S2 竹内 涼 18 MF 379 308 409 (1003) (815) (1081) (2897) 3600 S2 六平 光成 18 MF 359 330 410 (950) (871) (1084) (2905) 3600 S2 杉山 浩太 24 MF 380 512 571 2013S3 櫛引 正敏 19 GK 213 685 324 2013S3 本田 拓也 20 MF 981(1020) 981(1020) 1104(1148) 3066(3188) 2013S3 村田 和哉 MF 2013S3 村松 大輔 DF 2013S2 河井 陽介 22 MF 398 432 559 2013S3 李 記帝 DF 2013S3 石毛 秀樹 19 MF (1203) (608) (1476) (3287) 2013S3
https://w.atwiki.jp/gununu/pages/217.html
PERSONA4 作品情報 公式HP http //p4.atlusnet.jp/ 9枚 主人公 花村陽介 里中千枝 里中千枝(メガネ) 天城雪子 巽完二 久慈川りせ クマ 白鐘直斗
https://w.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1020.html
149 幻日 第二話 sage 2010/03/19(金) 00 56 35 ID D6mziyv2 秀峰高校の原則。秀峰の生徒は、皆まじめな生徒ばかりである。 実際、偏差値が高く、入学試験が鬼の様に難しい秀峰には、自明の理として優秀な生徒が集まってくる。 彼らの目標は、よりレベルの高い大学へ進学する事に集約され、授業中は皆、真剣そのものの表情である。 教師の言葉を、一言一句聞き逃すまいとするかのように、あっという間に消されてしまう黒板の文字を映し損ねないように、じっと前を見据える。 その中で、隼人は退屈そうに目を細め、窓の外へと視線を向けた。 実は、隼人は、余り優秀な生徒ではない。 始めの方こそ秀峰に合格する程度には成績の良かった隼人ではあったが、高校の勉強に四苦八苦し、教師たちも落ちこぼれに対して時間を割く事などしないので、 あれよこれよの間に、ごろごろと転げ落ちてしまったのである。 今では既に諦めてしまったのか、授業を真面目に聞こうとしていなかった。 といっても、このピリピリと張り詰めた空気の中でさすがに居眠りをしてしまえるほど剛毅でもないようで、ただ退屈な時を、あくびを噛み殺しながら浪費している。 隼人のクラスには、隼人同様落ちこぼれてしまった生徒が一人いて、その生徒は机に突っ伏し堂々と眠りこけている。佐倉陽介である。 陽介のこの様子はクラスメートにとっても、教師にとっても慣れたもので、いびきをかかない限りは注意する時間がもったいないと無視を決め込んでいる。 窓の外は雨が降っている。 暗い空から、しとしとと降る雨はどことなく寂しさをにおわせる。 見ているだけでも憂鬱になってしまいそうな天気。それに隼人は、余り雨が好きではなかった。 濡れるからとかそういう理由だけに止まらず、雨は隼人の気持ちを沈降させる。 じくじくと肩が痛む。もうとっくの昔に治ったはずの古い傷。 勉強が好きではない隼人が、この高校を選んだ理由の一つ。梅雨のある日に失くしてしまったものだ。 隼人にとって、この傷の事に関しては今更思う所なんてないつもりだし、後悔もしていないと声を大にして言える。 けれど、隼人は、矢張り雨を好きになれない。隼人自身からだけでなく、何よりも明日香から奪っていった日の象徴だから。 何となく苛々してしまう気持ちを抑えながら、隼人は退屈以外の何物でもない時を過ごすのだった。 秀峰に入学して初めての授業。 名門校の秀峰らしく、教師の自己紹介や授業のオリエンテーションもそこそこに、早速本格的な授業が始まった。 といっても、高校1年のこの時期の内容はほぼ中学の延長のものと言っても良い。 実際、中学で3年間ずっと成績トップで、入学試験も主席合格し入学式に新入生代表として言葉を述べた桐香にとっては取るに足らないものであった。 明日香は大丈夫かしら。ふと気になって、明日香の座る席へと視線を向けてみる。 桐香の視線の先、明日香はあまり授業に身が入っていないようであった。 黒板の文字をノートに書き写す手も止まり、窓の外をぼんやりと見つめている。 桐香の位置からは明日香の表情をうかがい知る事は出来ないが、彼女の方が通常よりも皿理落ち込んでいるように見えて桐香は不安になる。 具合でも悪いのだろうか。 明日香は生理が重いらしく、度々テンションの低い日がある。 昨日の明日香の様子も気になるし、休み時間に声をかけてみよう―― そこまで考えて、桐香は一人苦笑する。 さっきからまるで自分が明日香の両親にでもなったかのようだった。 そこまで考えて、ああ、と桐香は何かを悟った。 明日香の見つめる先、窓の外では朝から雨が降り続けている。 明日香は雨が好きではない。 それは桐香もよく知っていたし、その原因についても推測ではあるが、悟っている。 そして、その原因が桐香の推測通りならば、桐香にできる事はかなり少なくなってしまうのだった。 少しだけ寂しさの様なものを感じながら、桐香も雨を眺める。 桐香も雨の日よりも晴れの日の方が好きではあるが、嫌いという訳でもない。 けれど、明日香は違う。彼女はかなり明確に雨を嫌っている。 明日香は窓の外を睨みつける。けれど、生来の彼女の顔のつくりのせいで、睨むと言うよりは泣きそうな顔になってしまっている。 睨みながら、彼女はいろいろな事を考える。 色々な事を考えるけれど、結局それは殆ど彼女の兄の事に帰結するのであった。 中でも彼女の心を大きく締めるのは、梅雨のあの日の事と、昨日から兄とギクシャクしてしまっている事だった。 150 幻日 第二話 sage 2010/03/19(金) 00 57 22 ID D6mziyv2 昨日、兄とその恋人の姿を見て感じた違和感。 それは一瞬の事で、今は形を潜めてしまったけれど、それ以来どうしてか兄との接し方が良く分からなくなってしまっていた。 兄と顔を合わせると、何故か胸に僅かな痛みが走るのも明日香を困惑させた。 一体あの違和感は何だったのだろうか。そして、明日香の胸をチクリと刺すものの正体は。 「うーっ……」 明日香は小さく呻いた。考えすぎで、知恵熱が出そうなくらいだった。 そして、そのくらい考えても一向に答えが出ない事も明日香をムシャクシャさせる。 明日香は余り、頭を遣って考える事が得意ではない。かといって、考えるよりも行動優先という訳でもないのだが。 要するに、彼女は要領が悪いのだった。 秀峰。秀峰高校。明日香は自然、自虐的な笑みを浮かべる。 こんなにわたしたちに向いていない高校はない。そう、明日香は確信している。 わたしたち。その中には、明日香はもちろんの事、兄である隼人も含まれる。 隼人もあまり成績が良くない。明日香とは違い物覚えは良いみたいだが、勉強するのが嫌いであるようだ。それは、妹である明日香がよく知っていた。 一方で、明日香は頭の回転がそもそも鈍い。馬鹿ではないのだが、努力して並みよりも少し上のレベル。それが明日香だった。 入学試験に際しては、才女である桐香に散々お世話になって何とか合格にこぎつけたのだ。 そして、それは高校に入ってからも変わらないだろう。 明日香は頼りっぱなしで心苦しくはあるが、桐香の手助けがなければ進級も危うい。 明日香自らが望んで選んだ高校ではあるが、これから先の事を考えると溜息の一つでもつきたくなる明日香であった。 考えすぎて、段々と考え事の内容が脱線してしまっている事に明日香が気付いたのと同時、チャイムの音が授業の終わりを告げる。 この音だけは、中学の時に聞きなれたそれと変わらないように聞こえる。その事に明日香は、安堵してしまうのだった。 「明日香――」 授業が終わり、直ぐに桐香は明日香のもとへと駆け寄った。 桐香は、声をかけながら、自分よりも小さくて華奢な背中を軽く叩こうとして。 「――よし、決めた!」 突然立ち上がった明日香に吃驚させられて、硬直してしまった。 桐香の周囲の生徒も、驚いた顔で明日香を窺うように見ている。 「って、あれ、桐香ちゃん?」 どうかした?固まっている桐香に気付き、明日香が首をかしげた。 その声に桐香は、はっとしたような顔をして、 「どうかしたじゃないわよ。それを聞きたいのはこっちの方。突然大声出して、吃驚しちゃったじゃない」 周りの人も。桐香が周りを眺めながら言うと、明日香は漸く周囲へと目を向けた。 そして自分が注目されている事に気付くと、 「あぅー」 小さく縮こまって、すとんと席にへたり込んでしまった。 机に突っ伏し、頭を抱える様にして顔を隠そうとしている明日香に、桐香はくすりとした。 周囲の生徒も明日香の小動物的な行動に、和んでいるようだった。 「明日香、顔真っ赤よ。ふふ、恥ずかしがり屋なんだから」 「そんなんじゃないもん。このくらいへーき」 そう言う明日香は、顔一面を赤くしている。 「でも珍しいわね、恥ずかしがりやで、人見知りの明日香があんな大胆な行動に出るなんて。まあ、でもクラスメートに大きなインパクトは与えたようね」 良かったわね。悪戯っぽく桐香が言う。 「だから、そんなんじゃないんだもん」 明日香が不満そうに頬を膨らませて、ぷいとそっぽを向いてしまった。 「あらあら、怒らないで、冗談なんだから。それよりも、何を決めたの?」 そう言うと、明日香は直ぐに桐香の方を向く。 こういう素直なところが可愛い、と桐香は思う。 「えっとね、ウジウジ考えるのはやめようって。決めたの」 「?」 明日香の短すぎる答えに、桐香はクエスチョンマークを浮かべた。 その様子に気づいているのか、気付いていないのか、明日香は続ける。 「どうせ、わたしがいくら考えたって答えは出ないんだから、それなら無理に考えない方がいいやって。そっちの方が、多分わたしらしいもんね」 明日香は桐香に喋っているようで、実はそうではない。彼女は彼女自身に対して言い聞かせている。 明日香が、無い知恵を振り絞って考えた所で良い考えが浮かぶとは思えない。 それなら無駄な事は考えず、成行きに任せてしまおう。 山積する悩みは、きっと時が来れば解決できる。今はまだその時ではないのだ。 151 幻日 第二話 sage 2010/03/19(金) 00 58 10 ID D6mziyv2 明日香は、うん、と頷いた。やっぱりこっちのほうがわたしらしい。 それなら、まず自分が取るべき行動、それは。 「お兄ちゃんと仲直りしなきゃ!」 「……何、お兄さんと喧嘩でもしたわけ?」 明日香のこの奇妙な行動は、それが発端なのだろうか。 桐香の言葉に、明日香は首を振った。 「ううん、喧嘩なんてしてないよ」 「そうなの?じゃあ、何で仲直りなのよ」 「うーん」 明日香は、人差し指を唇にあてて考え込むようなそぶりを見せる。 けれど直ぐに、 「何となく、かな?」 と、笑って見せた。 † 「は、交換日記?!」 高校の、昼休み。 普段は屋上で昼食をとっている隼人達だが、今日はさすがにそう言う訳にもいかず、教室の隼人の席の周りに集まって食べていた。 隣のクラスの立夏は、隼人の前の席の生徒に椅子を借り、弁当箱を隼人の席の上に広げてから、徐に、 「ねえ、隼人交換日記しようよ」 この言葉に、既に弁当箱を突いていた隼人は、眉をしかめ、素っ頓狂な声を出した。 「そそ、交換日記」 言いながら、立夏は自分の鞄の中から一冊のノートを取り出した。 そのノートには可愛らしいシールやら何やらが散りばめられて、ファンシーに飾られている。 いつもは丁寧な筆致の癖に、やけに丸っこい字で、でかでかと書かれた“こうかんにっき”の文字に隼人はげんなりとした。 隼人の隣の席の机に座り、パンを齧っていた陽介は、それを覗きこんで、 「へぇー可愛いじゃん」 ニヤニヤと、面白くてたまらないという風である。 「でしょー。友達に色々手伝ってもらったんだからー」 陽介の真意に気付かず、立夏は満面の笑みを崩さない。 「既に私の分は書いたから、今日は隼人の番ね」 はい、と立夏がノートを手渡してくる。 呆然としている隼人は、立夏の勢いに押されてファンシーなノートを受け取ってしまった。 そのまま、何となく表紙を開くと1ページ目に立夏の文字が並んでいる。 ざっと目を通すと、昨日の出来事がメインになっているようだ。明日香や、桐香の名前もぽつぽつ登場している。 「ちょっと、恥ずかしいから読まないでよ」 立夏が隼人の手からノートを取り上げた。 「は?読むなって、お前、これ読むために書いたんじゃないのか?」 「そうだけど。今、読まなくても良いじゃない。目の前で読まれると恥ずかしいの」 立夏は、空気読めよ、とでも言いたげな表情だ。 面倒臭ぇ。隼人は、心中で毒づいた。この年で交換日記とか、一体何の罰ゲームだろうか。 「……冗談だよな?」 「何が?」 隼人の疑問に、立夏は首をかしげた。 隼人は、立夏の手にある交換日記を指さした。 ああ、と立夏が得心いったという体で頷いた。 「何で?本気だけど」 即答である。 彼女の目も真剣そのもので、それが本気の度合いを表しているようだった。 爛々と輝く立夏に対して、隼人はどんより澱んでいる。それこそ、今日の空の様に暗雲が垂れこめている。 「何でまた、交換日記なんだよ。メールがあるだろ」 隼人が嫌そうな声で言う。 「そうなんだけどね」 立夏は頷く。確かに今の時代、伝えたい事があればメールで済ましてしまえば、あっという間である。 それなのに、敢えて交換日記という前時代的というか、子供っぽい事をする理由が、彼女にはあった。 でもね。と前振りを置いて。 「やってみたいの」 「……それだけ?」 何らかの理由があるのだろう、と踏んでいた隼人は拍子抜けである。 152 幻日 第二話 sage 2010/03/19(金) 00 59 10 ID D6mziyv2 対する立夏は、ムッとしたような顔で、 「なに、悪い?」 いや、悪くはないけど。隼人は、立夏の眼光に気圧される様に口ごもった。 「ほ、ほら、やっぱりメールの方が色々便利だし、交換日記の必要なんてないんじゃない、かな、と」 思うん、だけ、ど。抵抗の声も段々と、小さくなっていく。 「まあ、確かに今更って感じではあるよなあ」 さっきからずっと、ニヤケ顔で成行きを見守っていた陽介が口をはさんだ。 見ようによっては、友人である隼人に助け船を出したかのようにも見えるが、実際は既にパンを食べてしまい、暇になっただけである。 とはいえ、劣勢気味の隼人にとって助け舟であることには変わらない。 「そうそう、今更だよ、今更」 陽介の言葉を繰り返す。 「別にいいでしょ、流行とかどうとかバカらしい。交換日記にはメールにはない良い所があるんだから」 しかし、立夏は全く歯牙にもかけようとしない。 メールにはなくて、交換日記にはある良い所って何だよ。隼人はそう思うが、口には出せない。 出したところで黙殺されるのは目に見えているし、これ以上立夏の機嫌が悪くなるのはまずい。 未だ立夏と付き合うようになって1年近くであるが、隼人はずっと立夏の尻に敷かれる形であった。 立夏は、再度ノートを隼人に手渡すと、もう話は終わったと言わんばかりに昼食に集中し始めた。 持っているだけで恥ずかしくなるようなファンシーなノートを手に、隼人はこみ上げるため息を堪えて、代わりに肩を落とした。 昼食後、昼休みもあと十分近くを残すのみで、生徒は皆、次の授業の準備に取り掛かっている。 隼人も教科書を机の中から引っ張りだして、沈んだ表情で窓の外を眺める。 外は相変わらずの雨である。予報によると、今日一日はこのまま止まないようだ。 「良い感じに、沈んでるな」 背中にかけられた声に振り返ると、陽介の相も変わらないニヤケ顔。 隼人は、うんざりとした表情で、しっしと手で追い払う仕草をした。 「もうすぐ、授業始まるぞ。早く席に戻れよ」 「まーだ、あと10分もあるじゃないか。他はどうかはしらねぇけど、俺とお前は少なくともそんな真面目ちゃんじゃないだろ?」 「お前と一緒にするなよな」 隼人は、さも心外だという風で反論する。 「俺は授業中に堂々と寝たりはしない」 「はん、どうせ真面目に聞いちゃいないんだろ?そんなの七難八苦だよ」 「……多分それ、五十歩百歩だと思うぞ。数字すらあってないじゃないか」 「べっ、別にそれはどうでもいいんだよ。それよりも交換日記だよ、交換日記」 隼人の指摘に、さすがに恥ずかしかったのか陽介が話題を変えた。 すると今度は隼人が、嫌そうな顔になる。 ちなみに、件のファンシーノートは手渡されてすぐに隼人は、鞄の中にしまいこんでいる。 「まあ、百川さんの気持ちも分からないでもないけどな」 陽介の言葉に、隼人は顔をひきつらせて体をのけぞらせ、陽介から距離を離した。 「お前、そんなメルヒェンな趣味が……?」 「バッカ、ちげぇよ。百川さん、中学時代はガリ勉少女だったからな、そういう子供っぽい青春に憧れがあるんじゃねぇの?」 両目の前で人差し指をぐるぐるさせて、 「こーんなメガネして三つ編みだぜ、笑えるだろ?」 「成程ねぇ」 隼人は頷く。どうやら、立夏は高校デビューというやつを果たしたということだった。 さすがに陽介の言葉全てを信じたわけではないが、そう言う憧れがあったという話は真実とみても良いだろう、と隼人は思う。 そうすれば、今回の立夏のちょっとばかり強引な行動も頷けた。 ちょうどその時、昼休み終了のチャイムが鳴った。授業開始五分前である。 そろそろ、教師も教室にやってくるだろう。 「んじゃ、交換日記、頑張れよ」 そう言って陽介が自分の席へ戻って行った。 結局、終始隼人の癇に障るような笑みを浮かべたままだった。 何をがんばれって言うんだよ、その背中に向かって隼人は小さくつぶやいた。 そして、今日からあのファンシーなノートに日記を、それも人に見せる前提のモノを書かなければならないと思うと、隼人はキリキリと胃が痛くなるような思いだった。
https://w.atwiki.jp/vip4u/pages/43.html
【すまれぼ3】スマイル暑中2on大会 日程 7/5(金)暑中大会 21時位から 主催 スマイル 配信 配信勢の方誰か協力お願いします 一応お喋り勢も募集! もし協力してくれる方がおりましたらレスのほうお願いします! 内容は固定2onだ!信頼できる相棒とともに優勝をめざそう!! 受付期間 今回は個人で参加表明しなくてもおkです スレ内で交渉して決まり次第、チームエントリーしてもらいますかねー 期限は4日(木)の21時まで(使用キャラや順番など、チーム内に関する変更も含む) また、2onで最大10チームを予定してるので10チーム決まり次第締め切り もし浮いちゃった人がいれば当日キャンセルの人の代打枠でおなしゃす 大会形式 参加チーム数次第です 少ない場合→全チームで総当たり 多い場合→ダブルイリミネーション式2onトーナメント チーム戦の方式は早稲田式 ※早稲田式について 先鋒同士、大将同士の試合を行い、片方のチームが連勝した場合そのまま勝ち抜け、 1勝1敗になった場合は勝者同士の決定戦で勝敗を決める形式 ルール 暑中大会はメインキャラで「PSR700未満なおかつ7段以下」のプレイヤーのみ参加可 PSRと段位はエントリーした地点のものを採用しますので、変動しても報告してくれなくておkっす 暑中大会の優勝チームは上級大会に参加可 今回チーム決めに関しては自由に組みたい人と組んじゃってください(もちろん参加資格を満たしている者同士で) スレ内でなんか言われても僕はシラナーイ エントリーはしたらば避難所にある大会関連スレ(http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/55938/1366645677/)に テンプレを埋めてレスしてもらえればおkです 参加チームテンプレ 【チーム名】 【メンバー】先鋒:称号(キャラ PSR/段位) 大将:称号(キャラ PSR/段位) 【コメント】 何か質問や意見などあればレスのほうお願いします (7/1 追記) チーム登録を引き続き行ないつつ、個人登録も可能にしたいと思います 下記のテンプレを埋めて相方を募集しよう! 【称号】 【使用キャラ】 【PSR 段位】 〆切りまでチームが決まらなかった場合、運営側でランダムにチームを作りたいと思います キャラ チーム名 先鋒 大将 コメント 番長、真田 永遠の初中勢~裏切りのホモ~ ぶっぱ番長であります 便所飯でござる いつまでも初中勢でいようと誓い合ったホモダチ。だがその誓いはいつしか裏切りに変わる・・・ 明彦、完二 清廉潔白チーム スペルマザー麺道 ヘイハチマンコイン くくくっ…清き聖なる称号を持つ我らに勝てるかな…? ラビ、ラビ 勝利の女神ラビリスは音ゲーとロマネスクが好き 音ゲー どっせい!職人馬鹿軍団 暑中ラビリス勢に希望を与えるため、ロマネスクと音ゲーが立ち上がる!響かせるはワンモアバースト 轟くは赤斧D猛獣俺たちがやらなきゃ!誰がやるんだ!次回「ロマネスク死す」デュエルスタンバイ! ラビ、陽介 ジュネス会長drコマ 狂乱のインテリお兄ちゃん 陽介使い最弱 「先鋒弱すぎ、糞して寝ろ」などの批判は一切受け付けません。また、万が一先鋒が勝ってしまった場合の負けた側の精神状態も保証しません。あしからず。 シャビ、ベス ずっとマーラ ずっと亡者 水着メガネっ娘マーラ 個人登録勢チーム1 陽介、番長 ドリームクラブジュネス 消費期限の切れた麻雀プロ 夢部活零 個人登録勢チーム2
https://w.atwiki.jp/dream-eleven/pages/475.html
GK ゴールキーパー 選手名 ポイント 初期値 MAX値 数値合計 売値 備考 オフェンス ディフェンス テクニック オフェンス ディフェンス テクニック 藤ヶ谷 陽介 11 25 450 238 2200 2012
https://w.atwiki.jp/ranobesaikyou/pages/232.html
. 【作品名】白の剣士ルーシファ 妖霊の塔 【名前】ルーシファ 【属性】放浪剣士(ハルデーン)の少女、一応は人間 【大きさ】純白の髪の十六,七の少女。 【攻撃力】鍛えた剣士並。抵抗する太った成人男性を引きずれる力。 被っていたヴェールを相手に叩き付け、布越しに殴って鼻を折った。 剣:聖別されているので、斬れば亡霊を塵と化す効果がある。 素早く数人の手足の腱を断ち斬った。 やろうと思えば腱だけでなく腕や首も落とせたらしい。 【防御力】鍛えた剣士並。 【素早さ】移動は鍛えた剣士並。反応は実戦慣れした剣士並。 腕の立つ剣士の攻撃を連続して飛びのいて回避し さらに退くと見せかけて、振り下ろされる剣の下をかいくぐって、脇腹に斬りかかった。 【特殊能力】特に無し。 【長所】霊を斬れる。 【短所】腕の見せ場が少ない。 霊を見たり感知する能力があるわけではない。(作中では常人にも見える霊が出てきた) 【備考】放浪剣士:単独もしくは数人で各地を旅し、要人の護衛等を努める腕の立つ剣士。 31スレ目 31 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 15 31 25 ID 3I4EsZlO 考察だ 19松下楓の考察 天導ひかりまでは勝ち ○奥森かずい 描写もリーチも上 ○支倉志乃 描写もリーチも上 ○?七転ふみつき 傘対モップ、描写量で少しまさるか? ×舞 幽霊では倒せない 舞>松下楓>七転ふみつき 20ルーシファの考察 ○黒峰キリコ 勝ち ○平賀才人 描写上で勝ち ×堀田陽介 反応や力でやや負けてる。 堀田陽介>ルーシファ>平賀才人 .
https://w.atwiki.jp/fklab-2007/pages/11.html
参加者一覧 2007年度福田研究会小説集の参加者一覧です。(*敬称略) (在籍生) 明石陽介 深沢祐一 阿久津隆 足達剛 石原征爾 (卒業生) 関根智恵 永井麻理 杉浦みな子 松浦由佳 大八木航
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/18105.html
登録日:2011/10/30 Sun 15 56 32 更新日:2023/02/20 Mon 11 16 06 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 ギャラクシー銀座 ニューファラオ ブランデーに咲いた夜の水中花 ホスト 訪問ホスト 走るホスト 長瀬謙一郎 わたし・・・ 淋しいの 汽車『ポォ――――!!!』 もう貴方は一人じゃない! 「奥さん!ホットな汗かいた後に二人でビール飲みましょうや!!精吾!!」 「かの詩人ランボー言わく…シェリー酒を飲めば恋愛の何たるかが全てわかる…… あなたの陽介……」 「奥さん!!俺は奥さんという名のバーボンを飲み干してえんだ!!!虎之介!!!」 「幹部の真壁でございます……風薫る初夏…スコッチのおいしい季節がやってまいりました。 もう淋しいなんて言わせない……」 走るホストクラブ ニューファラオ ニューファラオとは、長瀬謙一郎の漫画「ギャラクシー銀座」に登場する走るホスト集団である。 淋しい淑女の電話一本で、 四人のホスト戦士がスグにも駆け付けてくれる。汽車で。 いわゆる訪問ホスト。風営法的に大丈夫なんだろうか…? ニューファラオのメンバー 精吾 下ネタ野郎。昭和くさい。 「カエルぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ!!!」 陽介 キザで昭和くさい。 「あわせてぴょこぴょこ!!」 虎之介 暑苦しくて昭和くさい。 「6ぴょこぴょこ!!!」 真壁 スコッチさんと呼ばれたら喜ぶ。やっぱり昭和くさい。 カチッ 「4秒…38……」 この四人が汽車で現れる様はかなりのシュール。 他にカウンタック乗った社長がいるが、なかなか胡散くさかったりする。 「今夜この項目を…」 「追記・修正しても…」 「いいですか…?」 「ケモノのように…」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1292.html
■金田一 一…0 ■七瀬 美雪…1 003 あっ、ども。はじめまして ■剣持 勇…0 ■明智 健悟…0 ■速水 玲香…0 ■いつき 陽介…0 ■佐木 竜二…0 ■真壁 誠…0 ■怪盗紳士…0
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8502.html
前ページ次ページゼロのペルソナ ルイズたちが魔法学院からトリスタニアへ向かう間に日は落ちてしまった。当然、視界は悪くなるが一行は馬の速度を落とさない。 その強行軍の中で突然、タバサが馬を止めた。それを見て陽介とキュルケも馬を止める。 「どした?いきなり止まって」 タバサは道の外れの茂みを見つめている。 3人が止まったことで最後尾の完二も止まらざるえなくなり、先頭を駆けていたルイズも取って返してきた。 「ちょっと、何してるのよ!早くしないと姫さまが!」 「血の匂いがする」 タバサの返答は短かったが、聞いた者を緊張させるには十分だった。 タバサは馬の首を道から60度ほどずらして森の中へと入っていった。他もそれに続いた。 その先は死屍累々の光景が広がっていた。焼け焦げたり、体の一部分がなくなっているような人間の死体や、血を吐くヒッポグリフたち。 「王家のヒッポグリフ隊だわ……!」 ヒッポグリフ隊はトリステイン王家に忠誠を誓う近衛部隊である。それが今、目の前で倒れ伏している。 ルイズは自身の最悪の予感が的中しそうにあると感じた。 「生きている人がいるわ!」 キュルケの声で一行は馬を下りて駆けつける。 腕に深い怪我を負っていたが、なんとか生きながらえているようだ。 「なにがあったの?」 「姫さまが……」 「さらわれたのね?犯人はどっちに」 その兵は怪我を負っていないほうの手をぷるぷると震わせながら指差した。 その指先は森の中で比較的道なりをなしている方向に向いている。伝えることを伝えたので安心したのかその兵は気絶してしまった。 「おい、クマ。お前はここで出来る限り助けてやってくれ。キュルケもここに残ってやってくれ」 陽介の指示にクマとキュルケは力強く頷いた。 その場を彼らに任せてルイズ、完二、タバサ、陽介は再び乗馬し、先ほど傷付いた兵が教えてくれた方向へと駆ける。 突然、横合いから魔法攻撃が飛んで来た。タバサが瞬時に反応して空気の壁を作り、火球、氷槍、風刃を防ぐ。 だが全てを防ぎきるとまではいかず、馬が攻撃を受け、また受けなくても驚いたために4人は馬から振り落とされてしまった。 それでも4人は危険を肌身に感じ、すぐさま立ち上がって攻撃に備える。 しかし攻撃は飛んでこない。代わりに襲撃者たちが姿を現した。その中にはやはりというべきかウェールズがいた。 そしてその傍らに立つ姿は…… 「ウェールズ皇太子!姫さま!」 ウェールズとその隣のアンリエッタ姫の姿を認め、ルイズは叫んだ。 だがアンリエッタは臣下に応えず、代わりにウェールズが静かに喋り始める。 「君はルイズだね。それにカンジ。あとはヨースケとタバサだったけかな。まあいいか。 ルイズ、その指に嵌めている水のルビーを返してくれないか?」 突然の申し出にルイズは声を荒げて返す。 「なぜあなたに渡さなければいけないのですか!」 「ぼくじゃないさ。それはもともとアンリエッタのものだ。だから彼女に返してあげてくれ」 「わっけわかんねえことをベラベラと……!」 イライラとする完二に陽介は緊張した趣で言った。 「言ってわかる様子じゃねえぜ、ありゃ……。ペルソナ!」 頭を焔とする陽介のペルソナ、スサノオが現れ、マハガルを発動する。 アンリエッタをさらっているメイジたちは陽介の素早さに反応できず疾風の刃に体を刻まれる。 だが襲撃者はそのまま地面に倒れこむことはなかった。なんとスサノオのつけた傷がふさがっていくではないか。 そしてメイジたちが攻撃を受けた痕跡は服にだけ刻まれ、その肌にはかすり傷一つ消えてなくなった。 その非現実的光景にたじろぐなかでタバサは素早く氷の槍をウェールズに放った。 わき腹に細い氷が突き刺さるが、その穴もすぐにふさがってしまう。他のメイジたちと同じだ。 その光景を見て、アンリエッタの表情が変わる。 「見たでしょう!それは王子じゃないわ!別の何かなのよ!姫さま!」 アンリエッタはそれでも信じたくないというふうに頭を振る。そして苦しそうに言った。 「お願いよ、ルイズ。わたしたちを行かせてちょうだい」 「姫さま?なにをおっしゃるの!それはウェールズ皇太子じゃないのですよ!姫さまは騙されているんだわ!」 アンリエッタは笑った。鬼気迫る笑みだった。 「そんなことは知っているわ。唇を合わせたときからそんなことは。それでも構わないわ。嘘かもしれなくても信じざるを得ないものよ。 わたしは誓ったのよルイズ。水の精霊の前で、誓約の言葉を口にしたの。『ウェールズさまに変わらぬ愛を誓います』と。 世の全てに嘘をついても、自分の気持ちだけにはうそはつけないわ。だから行かせてルイズ」 「姫さま!」 「これは命令よ、ルイズ・フランソワーズ。わたしのあなたに対する最後の命令よ。道を空けてちょうだい」 姫の言葉に宿る固い決意を感じ、ルイズは言葉を失ってしまう。しかし使い魔たちはちがった。 「んなのなんの言い訳にもなってねえ。テメーの好きなヤツの顔に泥塗るつもりかよ」 「そうだ!皇太子さんもそんなことは望んでなかったはずだ!」 アンリエッタの顔が羞恥で赤くなる。 なにか言い返そうとするアンリエッタを制止したのはウェールズ、いや操られたウェールズの死体だった。 「ならば交渉の余地はないということだね」 「たりめーだ」 瞬間ルイズたちを挟み込むようにしていたメイジたちから魔法が飛ぶ。 完二はデルフリンガーで弾き攻撃をかわしながら自分の主をまもった。 陽介は自分に傷をつけられない風攻撃は意に介さずそれ以外の攻撃を避け、タバサは風を操って攻撃を逸らす。 敵の攻撃の波が弱くなった瞬間、完二はデルフリンガーを地面に突き立てた。 相手が死体ならば遠慮はいらない。 「砕け!ロクテンマオウ!」 完二ももつ最高の電撃魔法マハジオダインが放たれた 。耳を塞ぎたくなるような激しい雷鳴とともに超高圧の電撃がメイジたちを襲う。 電撃に体を焼かれたために回復することもできず、動く死体は動かぬ死体に変わってしまった。 最後に残ったのはウェールズの姿をした誘拐犯だけであった。 「さあ、姫さんを返してもらうぜ」 「来ないで!」 完二がウェールズに近寄ろうとするとそれを遮ったのはアンリエッタだった。 「来たらわたしは自害します!」 アンリエッタの魔法の杖を両の手でぎゅうと強く握り締めて、そう言った。 彼女の言葉が嘘ではないのはその表情が教えている。 「カンジ!動かないで!」 「クソッ!」 アンリエッタの目は狂気をはらみながら真剣そのものであり、近づけば実行することは確実だった。 ウェールズだけを攻撃しようとしても、二人はほとんど抱きあうような距離で、攻撃をすれば姫まで巻き込んでしまう。 ルイズたちは動けなくなってしまった。 「さあ、アンリエッタ。ぼくらの幸せを邪魔するものをここで叩きのめそう」 「はい」 アンリエッタはもうウェールズの姿をしたそれ以外、何ものも信用していない。 『水』、『水』、『水』、そして『風』、『風』、『風』。 水と風の六乗。王家のみに許されたヘキサゴン・スペル。 風と水がまざり合い、水の嵐が生まれる。 詠唱が重なり、それはさらに巨大に膨れ上がる。 津波のような竜巻だ。城でさえ吹き飛ぶだろう。 その天災のような光景を呆然とルイズたちは見ていた。 しかしルイズはすぐに顔を鋭いものにした。その竜巻を、いやその向こうにいる人をきっと見る。 「カンジ、ちょっと時間を稼いで」 「ハア?オマ、アレをどうやって?つか時間稼いでなんとかなんのかよ?」 疑問符が多く付けられた言葉にルイズは確信を持って答えた。 「なんとかするわ。主君の悪夢を晴らすのも家臣の仕事で、友としての義務よ。それに……」 「あん?」 怪訝そうな顔をする使い魔にご主人様は挑発するように言った。 「守ってくれるんでしょう?」 ルイズのことを守る。それは完二が、アルビオンへ向かう旅の中で、そしてニューカッスル城でした約束だ。 ルイズは挑発するような笑みに完二も気楽に返す。 「へっ、たりめーだろ!」 使い魔の言葉を聞くとルイズは始祖の祈祷書を開き、一心に呪文を紡ぎ始めた。 台風は目の前に迫りつつある。 「んじゃ、腹くくるか」 「おう。それが使い魔ってもんだろ?」 完二の手にした剣が語りかける。 その肩に手が置かれる 「ま、先輩も手伝ってやっからさ」 「センパイ……!」 「おい、タバサ。危ないからお前だけでも離れてろ」 タバサは首肯せずに首を振ると「ここにいる」と呟いた。 おいおい。と陽介は苦笑した。退けない理由が増えてしまった、という風に。 主の前に壁のように立ちふさがった完二と陽介を氷の嵐が襲う。 完二はデルフリンガーで魔法を吸収するが、すべて防ぎきれるはずもなく体中に切り傷が出来ていく。 陽介は風属性の攻撃を一切受けないが、嵐は鋭い水を含みそれが陽介の体に傷を作っていく。 だが、二人とも負ける気はしなかった。彼らの背後で唱えられるルイズの呪文が彼らに勇気を与えていた。 嵐の渦中にあり、聞こえるはずもないだが、感じるのだ。自分たちを鼓舞する魔法を。 二人の胸にあるルーンが強く輝く。 なぜ自分が魔法を使えるようになったのか自分ではわからない。 どうして自分が虚無の魔法を使えるようになったのかはわからない。 ただ自分には主君を、友を救う力があるとわかったのだ。ならばその力を使うことに逡巡はいらない。 自分のことを信頼して完二と陽介、それにデルフリンガーも自然災害に等しい巨大な台風を防いでいる。タバサが隣にいるのだって自分を信頼しているからだろう。 だったらその信頼に応えるしかない。 ゼロと言われた自分を信じてくれる人たちを裏切れない。 ルイズの中で生まれ、そして発露を求める力が杖先から放たれる。 ルイズはあらゆる魔法を打ち消す虚無の魔法『ディスペル・マジック』を唱えた。それは王家のヘキサゴン・スペルも、水の精霊の力さえも打ち消す。 嵐は去って、悪夢は終わりを告げた。 精神力を使い果たして気を失っていたアンリエッタが目を覚ますと彼女の周りには多くの人がいた。 ルイズとその使い魔そしてその友人、またヒッポグリフ隊の隊員たち。 アンリエッタは、ヒッポグリフ隊は自分の前で殺されたものと思っていたので驚愕し、そして安堵した。 クマがいなければ、本当に全員が死んでいたかもしれない。 クマはメディアラハン、サマリカームといった使える最高の回復魔法を駆使して死の世界へと膝まで浸かっていた人たちを助けたのだ。 それでも数人手遅れで助けられなかった者もいたが、今回の最大の功労者はクマと言ってもいい。 アンリエッタは身を起こした。傍らにはウェールズの冷たいなきがらが横たわっていた。 ウェールズから視線を離し、自分を囲んでいる人たちを見る。誰も怒ってはいなかった。 その目に同情をたたえている者すらいたぐらいだ。そのことがかえってアンリエッタのしでかしたことの重大さに気付かされる。 どうしようもなく生者から視線を逸らし、傍らの死者を見た。自分の隣に横たわっていたのはウェールズの死体だ。 ついさっきまで動いていたものが、今は目を閉じ静かに横たわっている。 その姿はまるで死体のよう、いや事実としてやはり死体であるのだろう。 「ウェールズさま……」 アンリエッタはそっとウェールズの頬に手を当てた。 その時信じられないことが起こった。ウェールズの目が開いたのだ。 「……アンリエッタ?きみか?」 弱々しい声だったが、恋人は聞き違えるはずもないウェールズの声だった。 「ウェールズさま……」 間違えようもない。偽りの生命を与えられた操り人形ではない。本物のウェールズだった。 「なんということでしょう。おお、どれだけこの時を待ち望んだことか……」 ウェールズはニューカッスル城で戦死し、アンドバリの指輪で偽りの生命を与えられた。 そしてそれをディスペル・マジックで消滅させられたのだから、彼はただ物言わぬ死体になるしかないはずであった。 だが、死者は甦らないという法則は反転し、ウェールズは息を吹き返した。 息を吹き返すと同時にウェールズの服がところどころ赤くなっていった。血が流れ生きている証拠であり、そしてそれが長く続かないという証拠だ。 「く、クマが治すクマ」 クマが急いで治療しようとするが、それをウェールズは制した。 「無駄だよ、クマくん……。一度死んだ肉体は、二度と甦りはしない。ぼくはちょっと、ほんのちょっと帰ってきただけなんだろう。 もしかすると水の精霊が気まぐれを起こしてくれたのかもしれないね」 恋人以外にかけられた言葉は最初だけで、後は全て恋人に向けたものだった。 「ウェールズさま……」 「二人で、全てを捨てられたら。もしきみと二人、小さな家で過ごすことが出来たら……ずっとそう思ってきた……。アンリエッタ、誓ってくれ」 「なんなりと誓いますわ。なにを誓えばいいのですか?」 アンリエッタは必死だった。死へと還る恋人の願いをかなえるために。 「ぼくを忘れると。忘れて、他の男を愛すると誓ってくれ。その言葉が聞きたい。水の精霊ではなく、ぼくに誓って欲しい」 「無理を言わないで。そんなこと誓えないわ。嘘を誓えるわけがないじゃない」 アンリエッタの肩は震える。 「お願いだアンリエッタ。じゃないと、ぼくの魂は永劫にさまようだろう」 アンリエッタは子供のように嫌だと首を振る。 「時間がないんだ。もう、もう時間がない。ぼくはもう……、だからお願いだ……」 「だったら、誓ってくださいまし、わたくしを愛すると誓ってくださいまし。わたくしに誓ってください。 それを誓ってくだされば、わたくしも誓いますわ」 「誓うよ」 アンリエッタは悲しいげな顔で誓いの言葉を口にした。 「……誓います。ウェールズさまを忘れることを。そして他の誰かを愛することを」 ウェールズは満足そうに頷いた。 「次はウェールズさまの番です。誓ってください。……ウェールズさま?」 ウェールズはすでに事切れていた。目をつぶったその顔はたしかに微笑んでいる。 アンリエッタは過去の記憶を思い出す。14歳の短い間、ウェールズと過ごした記憶。 双月を映す美しいラグドリアン湖での思い出を。 瞳に月明かりに照らされた湖が、二人過ごした記憶が焼きついているようだ。 「意地悪な人」 今、開かれたその瞳はただ一人を映しこんでいる。 「最後まで、誓いの言葉を口にしないんだから」 目を閉じると、瞳の中から横たわったウェールズの姿は消える。 一筋の涙がアンリエッタの頬を流れた。 アルビオン大陸の端にある港町ロサイスにはレコン・キスタの、いや、もはやアルビオンの正当な政府の指導者たちと軍事力が結集していた。 アルビオン新政府は現在、トリステイン・ゲルマニアと一触即発の状態にある。トリステインとゲルマニアは軍事同盟を組み、アルビオンに対抗しようとしている。 戦力がロサイスに結集しているのは先制攻撃をしかけるためである。しかし、軍事的目的とは別に隠された目的がある。 アルビオンは外交的に孤立している。それは他国だけでなくアルビオン国内でもそう思っているものがほとんどであろう。 ハルケギニアの3つの大国のうち二つはアルビオンへの敵意を隠さず軍事同盟を結び、最後の一つガリアは同盟側寄りの中立を保っている。 それが現在、ハルケギニアでの一般的な認識だ。 だが事実はそうではない。ガリアはアルビオンと手を結ぶため水面下の交渉を進めていたのだ。 そしてロサイスに軍事力だけでなく指導者たちも勢ぞろいしたのはこの日をもってガリア、アルビオン間で同盟を結ぶためである。 空中戦力で圧倒的優位にあるアルビオン、そしてハルケギニア一の国力を持つガリアが同盟を結べばハルケギニア最大の勢力となる。 国内勢力がつばぜり合いを広げ意思統一に欠けるゲルマニア、そして小国トリステインの同盟など問題にならない。 そういうわけでその指導者たちは楽観的な気分になっていたが、一人だけ険しい顔をしているものがいた。 最高指導者であるアルビオン皇帝クロムウェルだ。 今朝、彼はウェールズ皇太子が水のルビーを奪還するのを失敗したのを知ったのだ。しかもアンリエッタ姫をさらうことさえ失敗したという。 王家に伝わるルビーはガリアと同盟するのに必要なものだ。ガリア王ジョゼフがそれを強く求めているからだ。 もしアンリエッタ姫だけでも誘拐できていればルビーとの交換をトリステイン政府と交渉できたであろう。 結果としては何も得ず、いくらでも使い道のあったウェールズ皇太子というカードを失ってしまっただけであった。 「ガリア艦隊がやってきました」 兵がクロムウェルに伝える。結局どうやって、ガリア王に取り繕うか考えぬまま、時間はやって来た。 しょうがない。と彼は腹をくくり発令所に登った。そこには他の有力な人物たちが並んでいた。 彼らは全員その壮観をなす艦隊が自らの力になると喜んでいるようだった。しかしやってくる艦隊を見て彼らは一つ共通してある感想を持った。 艦隊の数が多すぎではないか。 それが明確な疑念となる前に艦隊の砲撃は赤レンガの発令所を襲った。歓声は悲鳴に変わり、そして崩壊の音が響き渡る。 ガリア軍は電撃的奇襲をかけ、アルビオン反乱軍主力を粉砕。反乱軍を鎮圧した。 それが翌日のガリア政府の発表であった。 前ページ次ページゼロのペルソナ