約 4,030 件
https://w.atwiki.jp/hachiohicity/pages/123.html
基本情報 葛葉亜理子 くずのは・ありす ブリード なし シンドローム なし ワークス/カヴァー 高校生/高校生 生年月日 2002年6月15日 性別 女性 身長 156cm 体重 49kg 作者 みーくん 「化け物は人とは暮らせない」 経歴 都立大瑠璃高校に通う物静かな文学少女。父親が教師で母親は著名な俳優であるがそういった印象を感じさせない内向的な性格である。成績は優秀で学年の上位に位置し、教師からの覚えもいい優等生である。よく考えて話すタイプで口数こそ少ないがユーモアもあり親しい友人との関係も良好である。 オーヴァード化事件 彼女の親友である瀬上陽介がオーヴァードに覚醒した直後、FHとの戦闘の場に出くわしてしまう。FHに誘拐された彼女はアルファトランスの実験体となってしまう。 現場に駆けつけたUGNエージェントに対して彼女は、「自分は心が読める化け物だ」と語った。彼女の持つ卓越した観察力は読心の域に達しており、過去の失敗からトラウマとなっていた心の弱みをFHに付け込まれてしまったのだった。 現場のUGNエージェントによって確保されホワイトハンドの治療によって回復した彼女は日常に戻ることが出来た。 対人関係 瀬上陽介 私の"正体"を知ってる恋人。私と同じ化け物。 戦闘スタイル 彼女はオーヴァードではない一般人だが、一時的にオーヴァード化したときはキュマイラ/サラマンダーのシンドロームを発症し、狐に獣化し炎を扱う戦い方を見せた。ちなみにUGNによる診断の結果、レネゲイドによる読心能力は全く無いことが判明している。 キャラクターシート 130点:https //charasheet.vampire-blood.net/ n点:https //charasheet.vampire-blood.net/ 関連項目 都立大瑠璃高校 瀬上陽介 2002年生 みーくん キャラクター 東京都立大瑠璃高等学校 葛葉亜理子 非オーヴァード
https://w.atwiki.jp/gamerowa/pages/109.html
FIRE FIRE◆5WJyYTYBtI 結局、俺は一人になった。 槍を持って鎧まで装備した、まるでゲームから出てきたような男。 片や、炎を纏い操る真赤なマント男。 しかも、お互い知り合いときた。 「……聞きたいことは山ほどあるってのに」 炎男ことルビカンテは、自分の名を名乗ると「ゴルべーザ様を探さねば」などと言ってどこかへ消えてしまった。こんな森の中であんな炎男がぶらついてたら火事でもおきやしないか心配だ。 「でも、ルビカンテは悪い奴じゃあないのか……な。助けてくれたし」 今俺の手に握られているのは、一本のスパナ。かなり大きめで、工具としてだけでなく武器としても十分なサイズだ。 ルビカンテが去り際に渡してくれたものだ。本人は使わないから、らしい。確かに、漫画か何かからそのまま出てきたみたいな奴には不要な代物だろう。 一般ピープル・花村陽介にとっては、武器の存在は重要、ありがたく使わせてもらう。 元々は二本セットになっていたのだが、両手を塞ぐのはマズいと思ったのでもう一本はデイパックにしまうことにした。 「俺の残りの支給品で武器になりそうなものといえば、こんなのだったもんなあ……」 デイパックを開けると嫌でも目に入る、スタンドマイク。 カラオケ大会でもやれってか。殺し合いよりはマシだな、うん。でもここで歌うと殺されるよな、俺。 ……ってか、なんでこのサイズのデイパックにこんなスタンドマイクがそのまま収まってるんだ!? 「……四次元ポケット?」 ……あまり驚かない自分に驚いた。 テレビの事件で慣れたんだな、俺。 スパナをしまい、デイパックを閉じて立ち上がる。 コンパスと地図を確認する。目指すタウロスタウンは東。こんな森をうろつくより、町に出れば何かわかるだろ。 「よし、行くか!」 一人作戦会議終了。 さっきより少し慎重に足を踏み出し、歩き出した。 ◆ 「花村陽介、か……」 先程邂逅した少年、花村陽介。 見たところ、何の力も持たない、ただの人間。 しかし、私の心には何かひっかかるものがあった。 先程は助けに入ってしまったが、もし助けが入らなければ奴はどうしていたのだろうか? 花村は間違いなくただの人間、しかも戦いの心得もないような少年だった。 だが――私がカインを止めに入らなかったとしても、奴が槍に突き刺されて死ぬような気が、しなかった。 私はゴルべーザ様を信じているが、私自身の感覚も同様に信じている。 何か……見えない力が、花村陽介にはある。私の直感がそう言っている。 よって、私は一旦花村と別れる事にした。奴が本当に得体の知れぬ力を持っているのならば、私が味方せずともこの殺し合いとやらを生き延びる事は出来るだろう。 死んでしまうようならそれまで、だ。 花村と別れ、随分歩いた。木々はいっそう生い茂り、月の光もあまり届かぬ道を進んでいく。 目指すはあの巨大な木。地図では世界樹となっていたが……相当な大きさの木だ。ずっと見えているのに、これほど歩いてもまだその下にたどり着くことが出来ない。 木々をかきわけるように進む。進む。 その時だった。 巨大な世界樹に、一本の閃光が走る。 同時にその光は炎と変わり、木を侵食し始めた。 「なんだ、あれは!」 猛烈な炎が、世界樹を焼き尽くそうとしているのが、この離れた場所からでもよく見える。 おそらく、あの勢いだと世界樹が倒れるのも時間の問題だろう。 私は世界樹へ向けた足を早め、走り出した。 あれほどの巨大な木を燃やす程の力を持つ者は、そうそう居ない。 かなりの手練れ、しかもあれほどの力を放ったということは、それ相応の敵が居たという事。 炎を上げ、木々を焼きながら走り続ける。 一体誰が、あの世界樹の下に居るというのか! それを思うと、私はもう走る事をやめることができない。 もしかすると、ゴルべーザ様があそこにいらっしゃるのかもしれない。 そうでなくても――戦いが待っている。 高まる期待に応えるように、炎が燃え上がる。 戦士、ルビカンテは行く、強者を求めて。 【B-3 森/一日目/黎明】 【ルビカンテ@ファイナルファンタジー4】 [状態]健康 [装備]なし [道具]基本支給品一式、ランダム支給品未確認×2 基本方針:ゴルべーザ様を探し、指示に従う。強者との戦いを望む。 1:世界樹へ向かう 2:花村陽介か・・。 ※作中からの登場時期はカインと面識がある以降、時期不明としておきます。 ◆ 「なんだよ、あれ!?」 森を抜け、ふと振り向くと、世界樹が燃え上がっていた。 ――まさか、ルビカンテか!? 炎を操っていたあいつなら、あんな事も簡単にできそうだ。なんだか「俺は強いぞ」オーラ出てたし。実際、槍男はビビって逃げたし。 別れて良かったのか、悪かったのか……とにかく、あの世界樹の下にはルビカンテかそれくらいヤバい奴が居るに違いない。 「向こうには行けねえな……」 少し急ぎ足で進む。街は……見えた!おそらくあれがタウロスタウンだ。 もう一度、燃える世界樹を振り向く。 ――あいつら、あそこに居ないだろうな…… 名簿には、俺の仲間……瀬多、里中、天城の名前があった。 あいつらが、さっきの槍男みたいなヤバい奴に出会ってたら…… 「……早く合流しねえとヤベーな」 心配より、信頼だ。あいつらならきっと大丈夫さ。 デイパックを背負いなおし、街へ向けて駆け出した。 【B-4 橋付近/一日目/黎明】 【花村陽介@ペルソナ4】 [状態]健康 [装備]熟練スパナ@ペルソナ4 [道具]基本支給品一式、ランダム支給品×1(武器にはならない)、スタンドマイク@星のカービィ [思考] 基本方針:殺し合いはしない。まず仲間達と合流、その後行動方針を決める 1:瀬多総司、里中千枝、天城雪子を探す為にタウロスタウンに行ってみる。 2:世界樹の方へはしばらく行かない 3:カインを警戒。 4:ペルソナが使えるか試したい。 ※カインの名前はルビカンテがカインと呼ぶのを聞いています。 ※ランダム支給品を一つ消費しました(ゴルフクラブ@ペルソナ4) が戦闘により破損しました。 ※作中からの登場時期に関しては真ルート突入前、ペルソナはジライヤ 足立に関しては頼りない刑事の印象です。 【熟練スパナ@ペルソナ4】 大きなスパナ。二本セット。ゲーム中では花村陽介の使用武器。工具としても使える。 【スタンドマイク@星のカービィ】 何の変哲もないスタンドマイク。小型のスピーカーが付属していて、拡声器としての機能がある。 カービィがこれで歌を歌うと周りの敵を一掃することができる。 時系列順で読む Back 愛しさは、腐敗につき/友達を殺してまで。 Next PANIC FANCY 投下順で読む Back 愛しさは、腐敗につき/友達を殺してまで。 Next PANIC FANCY Back 堕ちた竜騎士 ルビカンテ Next さまよえる紅い弾丸 Back 堕ちた竜騎士 花村陽介 Next 勘違いの連鎖
https://w.atwiki.jp/2jiseihaisennsou/pages/226.html
日は落ちた。三度目の夜。 紛れもなくこれが最後の夜であると、誰もが確信している。 時は、午前零時。 暗闇の中にあってなお、太陽の如き輝きを放つ一人の男――名をギルガメッシュ。 金の髪、赤い瞳、黄金の鎧。只人が見れば無意識に頭を垂れる、圧倒的な存在感を放っている。 彼こそは人の歴史に燦然と名を刻む、万夫不当の英雄王だ。 そしてその側には、英雄王とは対照的に漆黒の礼服に身を包む長身痩躯の男が一人。 言峰綺礼。神父のNPCにして、ギルガメッシュのマスターとしてこの聖杯戦争に参戦したイレギュラー要素である。 彼らは、敵を待っている。 もうすぐここに――西と東の街を結ぶ冬木市の要所、冬木大橋へと、敵がやってくる。 「英雄王よ、一つ質問がある」 綺礼の問いに、ギルガメッシュは目線で先を促す。 この決戦の地に着いて、ギルガメッシュはただの一言も発していない。 緊張している……という訳ではない。その視線は遥か彼方、これより雌雄を決する人間たちの来訪を待ち受けている。。 「何故、この場所を選んだのか、ということだ。お前に戦場の有利不利などないのだろうが、ゼロに依頼してまでここに拘った理由があるのか?」 「ふ……ん。大した理由ではない」 ギルガメッシュの目線は言峰から天へと巡る。 否、彼が見ているものは空ではない。過去の情景を思い出すように、ギルガメッシュは浅く瞼を下ろす。 「いつか、どこか、までは覚えておらんが。このような場所で、我は賊を裁いた記憶がある。 奴は、正しく英雄であった。この俺が手ずから誅する価値のある、な」 「ほう……英雄王にそこまで言わせるとはな。よほど名のあるサーヴァントだったか」 「我とは違う王道を掲げた益荒男だ。奴の覇道は、あれはあれで見応えのあるものだった」 昔を懐かしむように、ギルガメッシュは述懐する。 豪放磊落を地で行く真の英雄との、譲れぬ王道と掲げた誇りをぶつけあった一戦。 長き眠りと倦怠の中にあって、あの鮮烈な記憶は未だ忘却の海に沈んではいない。 「ではここを選んだのは、これからやって来る彼らが、その英雄某に比肩し得ると見定めたから、か」 「さてな。此度は王と王の戦いではない……そこまでの期待はしてはおらん」 ただ、と英雄王は付け加える。 「この橋を戦場とするなら、余計な小細工が入る余地はない。ただ前進し、ただ敵を粉砕する。 勝ち残った、より強い者だけがこの橋を渡り切ることができる。明快であろう?」 そう語るギルガメッシュの眼には、隠し切れない喜悦と戦意が入り交じっている。 拳王、狂王、騎士王、紅世の王、不死者、破壊者、抜剣者。仙人、妖狐、円卓の騎士、妖魔狩り、錬金術士。 スタンド使い、エンジェロイド、戦国最強、光の御子。魔法少女、北斗神拳の使い手、ルーンナイト、神話級礼装の防衛プログラム。 散りゆく者は皆、いずれ劣らぬ当千の強者ばかりだった。 「ここまでの顔ぶれを揃えた聖杯戦争は歴史上そうはあるまい。そして奴らは勝ち残ってきた。それが運であれ、実力であれ。結果的に今、生きているということに意味がある。 生を渇望する意思――曇りなき魂。ゼロが求めているものを、奴らは磨き上げ、研ぎ澄ませてきた。 ならばこそ、奴らは我の前に立つ資格がある。我の手で試す価値がある。人の内なる可能性を示す……その行く末を見定めるのが我の仕事である故な」 「裁く……ではなく、試す、か」 「今宵、我は王としてではなく試練として、奴らの前に立ち塞がる。 奴らが我を超えられぬのならば……ゼロもとんだ道化に成り下がるというものよ」 「なるほどな。ゼロに言われただけでなく、お前自身にも彼らと戦う理由があるということか」 得心がいった、と神父は頷く。その姿には気負いも緊張もない。理由というならば、このNPCこそここにいる意味がない。 「何、私も同じだ。彼らがこの戦いでどこまで成長し、そしてどこに辿り着くのか……その果てを見てみたいのだよ」 「異なことを言う。もし敗北すれば見届けるも何もないではないか」 「それはそれで構わんさ。私を……いや、お前を超えるということは、彼らの可能性は人の臨界を極めたという証左。 ゼロが求める次代の魔王も必ずやそこにいるだろう。新たな魔王の誕生を見届けて消えるのなら、何の不満もない」 そう、魔王ゼロもこの戦いを見ている。 ギルガメッシュが打倒され新たな魔王の器が生まれるか。あるいは魔王たるべき者は現れず、ギルガメッシュによって魔王そのものが滅ぼされるか。 魔王が滅びれば、秩序と混沌の天秤は崩れあらゆる宇宙はいずれ緩やかに壊死していくだろう。 ギルガメッシュはそれでも構わない。人が進化の果てに選んだ結末ならば、黙して受け入れるだけだ。 だが――予感がある。期待、と言ってもいい。 それはか細く不確かなもの。しかしそれでも、信じてみたいと思わせる。 「……来たか」 閉じていた瞼を開く。橋の向こう側――遮るものなき前方に、五つの影が現れている。 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。悪逆皇帝、奇跡を起こす男。 ガウェイン。円卓の騎士、太陽の聖剣を担う者。 泉こなた。力なき幸運の星、天秤の支柱となる少女。 火野映司。欲望の王、古の力を宿す仮面の戦士。 花村陽介。ワイルドカード、受け継がれる絆と力。そして傍らには信念を貫く槍兵のペルソナ。 マスターが三人、サーヴァントが二人。 皆一様に先刻とは比べ物にならない王気を纏い、確かな意志と共にギルガメッシュと対峙している。 誰の眼にも恐怖はない。感じていないのではなく、呑み込んでいる。何の力もない小娘でさえも、英雄王の視線に怯まず睨み返してくる。 「どうやら彼らもただ遊んでいた訳ではないようだな。 特にあの三人……マスターたちは、どうしたことか、保有する魔力が桁違いに増大している」 「それでこそよ。無策で突っ込んでくるようなら踏み潰してやるところだが……ああ、それでこそだ。 我が相手をするのだ。死力を超えた全力を以って挑んでこそ、初めて戦いになるというものよ」 笑み、ギルガメッシュはゆっくりと前進していく。その手には龍を象った匣がある。 もはや言葉など意味を成さない。此処から先に意味があるのは、雌雄を決する力のみ。 戦を前に、この傲岸不遜を形にした男が常ならあり得ない準備をした。 古の竜を迎え撃つは、新たなる龍の力。鎧を脱ぎ捨て、宝物庫から呼び出した鏡へと、匣を掲げる。 炎が巻き起こる。瞳と同じ、鮮烈な赤。 「――変身」 顕現するは龍の戦士。 英雄王ギルガメッシュが出陣する。 ◇ ◆ ◇ 最後の時間は何事もなく過ぎた。 精神世界から帰還し、決戦に向けての打ち合わせを終え、休息を取る。 こなたは母親が既に亡くなっていて、父親と従姉妹の三人暮らしのため家事には長けている。こなたと陽介が驚いたのは、ルルーシュもまた料理が達者なことだった。 「うわー、美味しいねこれ。ちょっとした店で食べるくらいのレベルじゃない?」 「そんな大したものじゃない。妹や弟によく作ってやっていただけだ」 「へえ、お前兄弟がいるのか」 どこか懐かしむ口調で言うルルーシュに、彼の作ったカレーを食べながら陽介が答えた。 料理の得意な兄、に親友を連想する。故郷を思う気持ちが一層強くなる。 「じゃあ、絶対帰ってやらないとな。もちろん俺も、泉も」 「……ああ、そうだな」 元の世界に帰ったところで、ルルーシュが妹の前に姿を見せる訳にはいかない。 と言うより、首尾よくギルガメッシュとその背後にいる者を倒せて元の世界に帰還したとしても、ルルーシュにはこなたや陽介のように元の日常に帰るという結末は望めない。 ガウェインはかつて“死の直前にある”とルルーシュを評した。ならば、ムーンセルより解放されれば、その後には本来向かうべき結末――死が待っているだけだ。 ルルーシュはその最期に文句などない。やるべきことをやり遂げたのだから、あとはただ舞台から降りればいいだけだ――だが。 (あいつは…スザクは俺に生きろと言った) 元の世界に戻れば、今もゼロとして活動しているスザクがいる。そのスザクは、この聖杯戦争でルルーシュが看取ったスザクとは別人だ。 故に、その言葉に従う必要はない。 ないのだが――本当に、それでいいのかと思う部分もある。 今更死を恐れてはいない。しかし、もし元の世界に戻った後に俺は死ぬ、などと言えば、陽介もこなたもきっと迷ってしまうだろう。 言わないでいる、あるいは嘘をつくことは簡単だ。今までにも散々やってきた。 しかしルルーシュは、運命共同体となった二人の友を偽ることに強い躊躇いを覚えている。 (生きろ…か。難しい注文だな、スザク。俺がお前に課した命令は、こうも重いものだったと今更ながらに思い知るよ) 仮に生きて元の世界に戻った場合どうなるだろうか。 こなたは、今までと変わらぬ日常を送るだろう。彼女は元々日向の世界にいる人間だ。 陽介は、鳴上悠の死を親しい者に注げると言った。辛い役目だが、それをしなければあの冬の日から一歩も前に進めないのだと。 ではルルーシュはどうするか。 最愛の妹であるナナリーの前に姿を見せる訳にはいかない。ルルーシュは世界の憎しみを集めて死んだのだから、世界に無用な混乱を招くことになる。 無論、ゼロとして活動するスザクや、カレンといった縁者も同様。かつてのルルーシュを知る人間には全て、出会ってはいけない。 結局、残るのはあの魔女くらいだ。 (そう言えば、あいつはどうしているだろうな。願いを叶えてはやれなかったが…) ルルーシュが世界を変えるきっかけになった、ギアスを与える魔女。今も一人で世界を彷徨っているのだろうか。 もしスザクの言葉を守って生き続けるとするなら、彼女と一緒に生きるのも悪くない。 (…未練だな。すべて捨てたと思っていたが、そう簡単に忘れられるものでもないらしい) それはこの戦いで得たものも同じだ。友を得ることなど、スザク以外にはないだろうと思っていた。 しかし今、ルルーシュの周りには友がいる。彼らだけはなんとしても元の世界に送り届けてやりたい……今はそれが一番望みであることは間違いない。 ガウェインを見る。騎士は、口に出さずともルルーシュの思いを汲み取ってくれる。 (そう、ギルガメッシュを討つのは俺たちだ。その結果俺たちが果ててしまおうとも…泉と花村が先に進めるのなら、悔いはない) 仮面を被る。秘めた願いを見透かされないように。 最後の夜は更けていく。 ◇ ◆ ◇ 「あれは……たしか、ディケイドが変身していた……」 「うん、仮面ライダー龍騎だ」 日付が変わる時刻。決戦の場、未遠川に架かる冬木大橋に赴いた一行を出迎えたのは英雄王と神父のNPC。 書状にはこの二人が相手になると書かれていたので驚きはない。何故NPCが、という問いも、その向こうにムーンセルを支配する黒幕がいるのなら不思議ではないからだ。 問題は、黄金の鎧を纏っていた英雄王がその姿を変えたことだ。 仮面ライダーディケイド、仮面ライダーオーズ。二人の「ライダー」に準ずる、三人目の「仮面ライダー」に。 宙を泳ぐ赤龍が吐き出す炎が、数百メートルの距離を隔ててなおマスターたちの肌をチリチリと焦がす。 「全部のパラメータがBクラス以上!?」 「あらゆる財宝を所有する、英雄王の宝物庫…まさか、仮面ライダーの変身道具まで収めているというのか…!」 開戦した瞬間、ルルーシュたちの目論見は早くも瓦解した。 強大な戦力を次々と投射する英雄王を打倒するには、何らかの手段でガウェインとの接近戦に持ち込むしかない。それが、ルルーシュたちの狙いだった。 至近距離で切り札たるエクスカリバー・ガラティーンの全力を叩き込めば、いかな英雄王とて必ずや打ち砕ける。 問題は、どうやって聖剣の間合いまでガウェインを踏み込ませるか――だったのだが。 「ガウェイン、やれるか?」 「いえ……難しいでしょう。私の宝具もルルーシュのコードキャストも、基本属性は火です。今の英雄王には、効果が半減すると見て間違いない」 エクスカリバー・ガラティーンは太陽の灼熱で敵を焼き尽くす宝具、そして決闘術式「聖剣集う絢爛の城」は、炎の壁で相手を覆い自由を奪う術式だ。 どちらも燃え盛る炎熱を力とする。ゆえに、炎を司る仮面ライダーである龍騎に対しては、スペック通りの効果が見込めない可能性が非常に高い。 「で、でもよ。火野さんと同じ姿になったってことは、あの剣を飛ばす攻撃はできない訳だろ? じゃあ手数で俺たちが勝てるんじゃ」 陽介の発言は、ギルガメッシュ=龍騎が後背に出現させた無数の刀剣によって遮られる。 仮面ライダーに変身していようと関係なく、英雄王の基本戦術は健在だ。本人を強化しつつ、さらに宝物も自在に操る。これでは数で優っていても何のアドバンテージもない。 「……来ます!」 綺羅星の如き宝具の数々が、流星となって射出される。 その上方には、王の支配下に置かれたドラグレッダーが炎をまき散らしまっすぐに向かってくる。 本体たるギルガメッシュもまた、どこからか飛来した剣を手に悠々と歩き出す。 三面からの同時侵攻。迷っている時間はない。 ガウェインが迎撃に飛び出す。続こうとした映司は、こなたが引っ張って止めた。 「……映司さん、あれを使おう!」 こなたが言うと同時に、映司の胸から三枚のメダルが飛び出してくる。色は紫……この聖杯戦争では一度も使っていない、恐竜系等のメダルだ。 本来映司の自由意志では使えないこのメダルが飛び出してきたということはすなわち、この状況が絶対的な危機であるということを意味する。 そして――。 「これは……そうか、こなたちゃんから供給される魔力がすごく増えたから……!」 火野映司――仮面ライダーオーズのマスターである泉こなたは、ウィザードとして飛躍的に成長した。故に本来は制御できない恐竜メダルを、こうして自らの意志で取り出すことができる。 今のこなたは、消耗の激しいプトティラコンボを用いるに足る十分な魔力を保有している。映司がコンボの制御に気を回さずとも問題ない――つまりは消耗を気にせず全力で戦えるほどの。 かつてディケイドは自身のマスターとこなたを比較して、その未熟ぶりを突いた。 ここに来て、仮面ライダーオーズに初めて全力で、いや全力以上で戦う機会が巡ってきたのだ。 「……いいかい、こなたちゃん?」 「うん。私も一緒に戦うから。だからきっと――きっと大丈夫だよ!」 何の力もない非力なマスター。そんな者はもうどこにもいない。 今ここにいるのは、映司を支え、肩を並べて戦う「相棒」にほかならない。 映司が思い出すのは、かつての相棒の姿だ。似ても似つかないのに、何故か懐かしい気持ちになる――感傷を呑み込み、三枚のメダルを掴み取った。 ベルトに叩き込んだメダルが魔力を循環させ、火野映司の全身を覆う。 緑でも黄色でも白でも青でも赤でもない、本来もう失われたはずの禁断の力。その力が今、必要だ。 かつて見た悪夢を振り払う。マスターたちには傷一つつけさせないという、固い決意とともに。 「変身!」 仮面ライダーオーズが有する最強の宝具――プトティラコンボ。 力強く翼が広がり、長く伸びた尻尾が大地を打つ。迫り来る刃の嵐と赤龍をじっと見据える。翼が羽ばたき、重力の鎖から解き放たれたオーズが弾丸のように突っ込んでいく。 「――ゥゥゥゥゥウオオオオオオオオオオオオオォォォォッ!!!」」 獣の如き咆哮が放たれる。 ドラグレッダーが吐き出した灼熱のブレスを、オーズが冷気のブレスで以って迎撃した。超高温と極低温が激突し、空気さえも震わせる。 その衝撃は降り注ぐ英雄王の宝具を散り散りに吹き飛ばし、橋の橋脚に次々と突き立たせた。 そして、ガウェインがその只中を疾風のように駆け抜けていく。狙いは英雄王ギルガメッシュの首、ただ一つ。 ギルガメッシュが再度宝物庫を開くが、間に合わない。ガウェインの踏み込みは陽介のペルソナによって強化されている。 音すらも置き去りにする一撃は、しかしギルガメッシュが構えた龍の尾を模した剣に受け止められた。 「英雄王、討ち取らせていただく!」 「音に聞こえたキャメロットの騎士か。ふん、騎士王が倒れた今も剣を置かぬは滑稽よな」 「今の私の主はルルーシュだ……故に! ここは、押し通る!」 ガウェインが気合とともに聖剣を一閃させる。寸前に後退したギルガメッシュの胸元に一筋の傷が刻まれる。 さすがにセイバーと正面から斬り合うのは英雄王といえども荷が重い。セイバーとは接近戦に特化したサーヴァントなのだから。 すかさず追撃しようとしたガウェインだが、後方から迫る気配がそれを許さない。身を翻すと、ドラグレッダーが顎を大きく広げ食らいついてくるところだった。 ガウェインはなんとか回避する。しかし、次は体勢を整えたギルガメッシュの斬撃が来た。 剣を構え直す時間はない。一直線に突き込まれる剣閃――受け止めたのは、飛び込んできたオーズの斧だ。 肉食恐竜の頭を象った意匠の斧が、龍尾の剣と拮抗して火花を散らせる。 「来たか、雑種。貴様の欲望、我が喰らい尽くしてやろう」 「遠慮しときます……よ!」 オーズがギルガメッシュの剣を弾く。だが、ギルガメッシュが接近戦ではガウェインに及ばないように、オーズもまたギルガメッシュには届かない。 閃く幾つもの斬光は目にも止まらない。剣の英霊たるガウェインならば防げただろうが、騎兵であるオーズではそうも行かなかった。 ギルガメッシュもまた神話に名を刻む英霊だ。セイバーには譲るとはいえ、刀剣の扱いは並みの英霊を軽く凌駕する。 援護に入ろうとするガウェインは、再び襲い来るドラグレッダーとバビロンの宝具たちに足止めされた。 プトティラコンボの尻尾――テイルディバイダーを振り回して隙を狙うが、ギルガメッシュは虚空から飛び出てきた剣を片手で掴み、難なく受け止めた。 「やはり竜種には竜種よな。楽しいぞ、雑種!」 余裕すら感じさせるギルガメッシュに、映司は答えられない。 オーズ・プトティラコンボと通常フォームの龍騎なら、パワーはオーズに軍配が上がる。しかしこの場合、装着者に差があった。 変身しなければ人間とさほど変わりがない火野映司と、元から一流の英霊であるギルガメッシュでは、素のスペックに天と地ほどの開きがある。 ギルガメッシュが本来持つ膂力や速度に、龍騎の力が上乗せされた形になるからだ。その結果、ギルガメッシュの能力はオーズに拮抗せずとも近いレベルまで迫っている。 そして、武器の性能差が縮まれば物を言うのは両者の戦闘技術になる。 仮面ライダー龍騎というスタイルに限って言うなら、今のギルガメッシュはオリジナルの龍騎やディケイドをも凌駕しているかもしれなかった。 「それでも、ここは退けないんだ!」 至近距離で冷気のブレスを吐きつける。対抗してギルガメッシュが一挙動でガントレットに叩き込んだカードが新たな力を召喚。オーズの眼前に巨大な盾が現れ、冷気を完全にシャットアウトした。 凍りついた盾をメダガブリューで殴りつけ、粉々に砕く。しかしその向こうにギルガメッシュは既にいない。ギルガメッシュは跳躍し、ドラグレッダーに騎乗していた。 ギルガメッシュはドラグレッダーの頭部を傲岸に踏みつける。龍は暴君の怒りに触れぬよう、直ちにその意図を組んで高く舞い上がる。 「フハハハ……やるな。ここまで勝ち残ったのは伊達ではないか」 ギルガメッシュは一旦引いていく。 何故、と戸惑うも、一呼吸置けることは好都合だ。ガウェインとともに後退し、マスターたちの元へと舞い戻る。 「こなたちゃん、大丈夫?」 「うん、私は平気。映司さんこそ大丈夫?」 「俺も平気。前よりずっと安定して紫のメダルを使えてると思うよ。こなたちゃんのおかげでね」 その言葉は嘘ではない。本来プトティラは長く使えば暴走の危険があるコンボだが、ここまでの戦闘でその兆候はまったく感じられなかった。 こなたから供給される魔力が潤沢なため、映司の精神状態も安定しているからだ。 「とはいえ、お前たち二人がかりでも詰め切れんか。花村、もう一度補助魔法を頼む」 「おう。頼むぜ、アレックス!」 マスターたちはサーヴァントの攻防を見ているしかなかった。 サーヴァントとペルソナの融合体を操る陽介といえども、超級のサーヴァントたちの闘争に割って入ることはできなかった。 ガウェインやオーズが何気なく弾く剣の一本でさえ、陽介が防ぐには重すぎる。ルルーシュやこなたでは言うまでもない。 「あの龍が厄介だな。どうにかして仕留められないか?」 「難しいですね。ギルガメッシュは常に龍の周りに宝具を展開し、護衛させている。まずはあの宝具の防壁を突破しなければ」 「でも、前に戦った時より飛んでくる宝具は減ってる。多分、龍騎を同時に使ってるからそこまで魔力が回らないんだと思う」 先刻のギルガメッシュとの戦いでは、あの弾幕を防ぐにはガタキリバコンボを使わざるを得なかった。 今は減った宝具の代わりにドラグレッダーが加わっている。速度と規模を落として破壊力を上げたということだが、現在のプトティラなら何とか対応できる。 陽介が補助魔法をかけ直し、こなたが回復をする。 オーズ、ガウェインともに万全の状態に復帰するが、それはあくまで振り出しに戻ったというだけだ。 「もし奴が宝具を無尽蔵に呼び出せるのなら、長期戦は不利だ。一気に決めるしかない」 「じゃあ……あれ、やる?」 こなたが言う「あれ」とは、一発限りの切り札のことだ。 マーガレット名付けるところの「至高の魔弾」。サーヴァントすらも傷つけ得る、とっておきの鬼札。 威力もさることながら、何よりも敵にとっては道の手札ということが大きい。 「いや、駄目だ。あれは俺たち三人が全力を傾けねばならない。向こうのマスターがその隙を見逃すとは思えん」 ルルーシュが否定する。サーヴァントたちの攻防の間、ルルーシュはじっと綺礼を観察していた。 サーヴァントたちに割って入れないのはこちらと同じだろうが、それにしてもあの神父は動かなさすぎた。 神父はルルーシュと同じくこちらを観察していた……隙を見せればそこに食らいついてくる、そんな不気味さを感じた。 ギルガメッシュがマスターに直接攻撃してこないのは、姑息な真似はしないという王たる誇りがあるからだろう。 あるいは正面から力づくでガウェインとオーズを打ち破ることに意義を感じているのかもしれない。だが、マスターまでそうだとは限らない。 「じゃあ、私が礼装であの人を見張って、ルルーシュくんがそれに備える。陽介くんが映司さんとガウェインさんの援護をする…これでどうかな」 敵対者の情報を表示するこなたの礼装なら、偵察にはうってつけである。 もし綺礼が動けば、ルルーシュが対応する。立ち向かうことは難しくても、こなたを連れて退避するくらいは十分に可能だ。 「相談は終わったか? では、再開するぞ」 結論を待たず、ギルガメッシュが再度侵攻してきた。 剣と炎の嵐が降り注ぐ。「壊刃」サブラクに匹敵する、広範囲に渡る破壊だ。 オーズがガウェインを掴み、炎は冷気のブレスで迎撃、宝具の雨の間隙を縫って突撃する。 一瞬後には先程と同じ光景が繰り広げられる。龍から降りたギルガメッシュへガウェインが斬りかかり、オーズがその援護につく。 しかし、今度は陽介が加わる。 ペルソナのアレックスが両腕を変形させる。ペルソナがただ魔法を放つだけではギルガメッシュには通じないだろう。 だが、サーヴァントの力を受け継ぐアレックスなら…サーヴァントの力を再現することができるアレックスなら、話は別だ。 ペルソナ使いの枠を超えた高密度の魔力が荷電粒子に変換され、まばゆく輝く槍となる。 「力を貸してくれ、アレックス……行くぜ!」 真っ直ぐに放たれた荷電粒子の槍は、オーズに気を取られていたドラグレッダーに直撃した。 炎を司る龍といえど、雷光にはさほどの耐性はない。龍が身を焼く激痛に絶叫を上げる。 「ちっ、竜種といえどこの程度か」 ガウェインがすかさずドラグレッダーの首を落とそうと跳躍するが、その瞬間にギルガメッシュはアドベントのカード効果を解除した。鏡像が砕けるようにドラグレッダーが掻き消える。 空振りしたガウェインだが、龍が戦線を離れた今こそ好機とすぐさまギルガメッシュに詰め寄る。 頭上にはオーズがいる。今度はいくら宝具を展開しようと一手遅れるということはない。 「威勢のいいことだ。だが一つ忘れてはいないか?」 しかし、ギルガメッシュは怯まない。口元には酷薄な笑みが浮かぶ。 「貴様らのマスターが仕事をしたように、我のマスターも遊んでいるわけではないらしいぞ」 オーズが急停止。ギルガメッシュに気を取られていたが、いつの間にか綺礼の姿がない。 急ぎ振り返り、マスターたちを見る。ルルーシュとこなたではない。襲われていたのは、ドラグレッダーを攻撃した陽介だった。 全力を振り絞ったために、陽介はしばらく動けない。その隙を言峰綺礼は狙っていたのだ。 「陽介くん!」 「よそ見をしている暇があるのか、雑種」 ――ファイナルベント―― 鳴り響いたのは、必殺を告げる死神の声だった。 ◇ ◆ ◇ 陽介が荷電粒子の槍を放った瞬間。視界が閃光に染め上げられたその一瞬だけ、こなたは綺礼の姿を見失った。 綺礼にはその一瞬で十分だった。夜闇に紛れて姿を隠し、人間離れした脚力をもって一気に陽介に接近し――全力を開放した直後のアレックスへと拳の一撃を叩き込むには。 アレックスの姿が歪む。膨大な力を流し込まれたために、姿を構成する魔力が乱れに乱れたためだ。 ペルソナのダメージは本体へとフィードバックされる。腹に叩き込まれた一撃が骨と内臓をまとめて幾つか押し潰す。陽介は血を吐きながら吹き飛んだ。 「がはっ!」 「陽介! 貴様っ……!」 ルルーシュがとっさにコードキャストを放った。同時に綺礼は刃渡り1メートルに満たない剣――黒鍵を両手指に生み出す。 赤い雷は、神父が黒鍵を投擲することにより、すべて見当違いの方向へと誘導させられた。 「ふむ、一撃で仕留めるつもりだったが、仕損じたか。やはりペルソナ使いとは普通人よりも頑丈なのだな」 ルルーシュが立ち塞がったことにより、陽介にはそれ以上の追撃は加えられなかった。こなたが急いで駆け寄り、回復のコードキャストを陽介に施す。 アレックスはサーヴァント時に高い再生能力と耐久性を有していたため、ペルソナとなった今はその特性をやや引き継いでいる。 そのため陽介は即死することはなかったものの、かなりの深手を負っていた。 「さて……些か呆気ない気もするが、どうやら向こうも決着がつきそうだ。こちらも終わらせるか」 とん、と神父が軽く一歩を踏み出す。それだけで、ルルーシュには目の前にナイトメアフレームが降りてきたような錯覚を覚える。 この神父は、ペルソナであるアレックスをたやすく殴り飛ばした。半分はサーヴァントである、超常の存在をだ。 決してただのNPCではありえない。近接戦に不慣れなルルーシュが太刀打ち出来る相手ではなかった。 「花村陽介とは別の意味で、君には期待していたが。打つ手なしかね、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」 「くっ……」 神父のずっと後ろ、サーヴァントたちの戦いも佳境に入っていた。ギルガメッシュが龍を召喚し、空高く舞い上がっていく。 こなたの宝具を使わずともわかる。あの魔力の高まりは、勝負を決めに来ているのだ。 「泉、花村はどうだ?」 「待って、まだ時間かかるよ! 傷が深すぎる!」 陽介も、こなたも動けない。 ルルーシュ一人では神父に抗えない。 「では、ここまでだな」 「いいや、そうでもない!」 ならば――少し早いが、カードを切る。 ルルーシュはサーヴァントたちの戦いをただ見ていたわけではない。 陽介とこなたのようにサーヴァントを補助することはできないが、ルルーシュだからこそやれることもある。 戦いが始まってからずっと、槍王イルバーンを地面に突き立てていたのだ。 こなたの礼装により、冬木大橋の構造データは既に把握している。なぜだかやたらと硬くなるように情報が変化させられていたが、今のルルーシュとイルバーンなら改竄は可能だ。 ルルーシュはイルバーンに命令を下す。 「チェックメイトには早すぎたな!」 「これは――足場を!?」 綺礼が立っている橋そのものを、情報を分解し消去する。ルルーシュがかつて得意としていた足場破壊戦術を、ようやく披露する機会を得た。 砂のように崩れ去っていく橋に巻き込まれまいと、綺礼が退いていく。破壊の規模としてはせいぜい十メートルというところだが、僅かながらに時間を稼げた。 視線の先、ギルガメッシュは今にもガウェインたちに襲いかかろうとしている。 「使うぞ――スザク!」 逡巡の暇はない。 ルルーシュは右手に意識を集中し、叫んだ。 「令呪を以って命ずる! 我が騎士ガウェインよ、ギルガメッシュを斬り捨てろ!」 スザクから託された令呪が蓄えた魔力を解放、ムーンセルの定めた法則を歪める。彼の騎士であるガウェインに力を与えんがために。 ギアスではない絶対遵守の命令が、発動した。 ◇ ◆ ◇ 「これは!?」 天へと駆け上がっていくギルガメッシュ。 瞬時に後を追ったオーズと違い、翼なきガウェインはただ見上げることしかできない。宝具を放とうにもガラティーンは今のギルガメッシュには効果は薄く、逆にオーズを巻き込むだけだ。 このままギルガメッシュの行動を許せば、確実にオーズかガウェインのどちらかが敗北する。それだけのエネルギーを秘めた攻撃だ。 だというのに何もできず結果を待つしかない。焦燥がガウェインを蝕んだ、そのとき。 急激に沸き上がってきた魔力が、ガウェインの全身を満たす。しかし体内からではない、これは――。 「……ルルーシュ!」 かつて無二の友ランスロットとの決闘の時にも感じた力の本流が、またしてもガウェインを奮い立たせる。 今、王命は下された。我が手の内には剣がある。倒すべき敵もまた、ここに。 「ならば……往くのみ!」 ガウェインの姿が消失する。次に実体化した場所は、遥か天空――オーズも、ギルガメッシュも超えて、さらに上。 ギルガメッシュとオーズが同時にガウェインを振り仰ぐ。両者の顔には驚愕が張り付いている。 大地を斬り裂かんばかりの斬撃を、ギルガメッシュへと振り下ろす。対してギルガメッシュは、とっさにファイナルベントの矛先をガウェインへ向けて放つ。 「はあああああああぁぁっ!」 「ぐっ――」 太陽の聖剣は龍騎には通用しない。だがそれは、宝具を全面解放した時の話だ。 聖剣をただの刃として振るうのなら、龍騎だろうとギルガメッシュだろうと斬り裂ける。 ガウェインの全力と、令呪を上乗せした一撃は龍騎のファイナルベントに拮抗する力を生み出していた。 「セイヤァァァ――――――!」 そして、ギルガメッシュの全力と拮抗しているということは、下から迫ってくるオーズに対応する余力はないということだ。 メダガブリューが飲み込んだセルメダルが魔力となって迸り、純粋な破壊力として現れる。 プトティラコンボの必殺技――グランド・オブ・レイジ。凄まじいエネルギーを内包したアックスモードのメダガブリューを叩きつける技だ。 龍騎のファイナルベント、ドラゴンライダーキックの三倍近い威力を誇るその攻撃が、ギルガメッシュへと直撃する。 「貴様ら、よもやここま――」 ギルガメッシュの驚愕、あるいは賛辞は轟音にかき消される。 令呪の後押しを得たガウェインの斬撃、ドラゴンライダーキック、そしてグランドオブレイジ。 三極の巨大な力の激突は、漆黒の空を白に染め上げるほどの閃光を放った。 「やったか!?」 地上で天を見上げていたルルーシュ達も、思わず言葉を飲み込むほどの輝き。 令呪一画とかなりの魔力を持って行かれたが、どうやら乾坤一擲の攻撃は成功したようだ。 「つ…ゴホッ、ガフッ。くっそ……痛え!」 「花村。気がついたか?」 「おかげさんでな…うお、なんだこの光!」 「映司さんたちがやったんだよ。あっ、降りてきた!」 やがて光が霧散していくとともに、空からガウェインを抱えたオーズがゆっくりと降りてくる。二人とも全身に傷を負っている。特にガウェインがひどい。 必殺技を放っていたオーズと違い、ガウェインはただ聖剣を振るっただけだ。自らが放つエネルギーに守られていない分、他の二人とは受ける衝撃も段違いだっただろう。 着地した二人を、勝利を確信したマスターたちが出迎える。だが、サーヴァントたちは険しい視線を空へと向けたままだ。 「申し訳ありません、ルルーシュ。仕損じりました…!」 ガウェインが苦渋に満ちた声で言う。オーズもまたそれを否定しない。 二人の視線の先には、ガウェインの言葉通り、ギルガメッシュが五体満足のまま存在していた。 「中々面白い趣向だったぞ、雑種ども」 そう愉快そうに告げるギルガメッシュとて、無傷ではない。全身の装甲は砕け、黄金率を保っていた肌も無残に焼け焦げている。 しかし眼光に微塵の衰えはない。それはつまり、戦いはまだまだ続くということだ。 「王律権キシャル――我が財を砕き、この身に傷をつけるとはな。楽しませてくれるものよ」 ガウェインとオーズの攻撃は、ギルガメッシュが展開した宝具によって威力を半減させられていた。 宝具は破壊したもののギルガメッシュを討ち果たすことはできず、オーズとガウェインがダメージを負っただけだ。 「へっ、じゃあ今度こそ完璧にとどめを刺してやりゃいいんだろ! そんなズタボロの状態なら楽勝だっての」 しかし膝を屈することなく、陽介が気炎を吐く。 仕留め損なったとはいえ、ギルガメッシュの傷も深いのだ。対してオーズとガウェインは、負傷しているとはいえ動けないほどではない。 ドラグレッダーもまた半死半生の深手であり、回復した陽介ならば今度こそ倒し切れるだろう。 「ククク……言うではないか、雑種。ではこうしよう」 ギルガメッシュは焦らず、一枚のカードを引き抜く。サバイブ――と刻まれたカードをガントレットに装填。 「あれは……!」 唯一その行為の意味を知るオーズが、絶望に顔を歪める。 五人の見ている前で、ギルガメッシュとドラグレッダーが業火に包まれた。 「こなたちゃん、俺とガウェインさんを回復して!早く…!」 ただ一人状況を理解したオーズが、体勢を整えるべくこなたを急かす。 何事かわからずとも、オーズの様子からただ事ではないと判断したこなたが全力でサーヴァントを癒やす。陽介もそれに続いた。 「伏して仰げ。これが王の威光である――!」 炎の中からギルガメッシュの声が響く。躍り出てきたドラグレッダーにはもう傷一つない。 その名は無双龍ドラグレッダー改め、烈火龍ドラグランザー。 続いて姿を見せた龍騎も全身の装甲が元通り復元され、また意匠も力強いものへと変化している。 サバイブ・烈火のカードを得て現れる、龍騎の強化形態――龍騎サバイブ。仮面ライダー龍騎の、真なる全力の姿である。 あらゆるパラメータがワンランク上昇し、マグマの如き灼熱を衣のように纏っている。 「今までは、本気じゃなかったってこと……?」 力を取り戻した龍騎サバイブを前に、こなたの声も震えている。 通常形態の龍騎ですら、全力でかかっても仕留め切れなかった。なのに、そのさらに上がある。 こなただけではなく、ルルーシュもまた、心を支配する絶望に屈しそうになっていた。令呪という切り札を切り、二人のサーヴァントが全力を叩き付けてなお、軽くあしらわれたのだ。 「まだだ……まだ何か、活路があるはずだ!」 口では仲間を鼓舞するためにそう言っても、そう簡単に打開策を考え付けはしない。 こなたにはまだ令呪が二画残っているが、もはやオーズには同じ攻撃を行えるだけの魔力がない。令呪は威力の底上げではなく魔力の充填にしか使えないだろう。 至高の魔弾は論外だ。効いたところで、一発でギルガメッシュを倒せるわけではない。 「……奴は、神父はどうした!?」 マスターを狙えば、という思考に行き着いた時には遅かった。 足場破壊から逃れた綺礼は既にギルガメッシュの後ろにいる。 「惜しかったな。一度は勝てると思い、それが覆された時の君たちの表情は、中々に見応えがあったよ」 ルルーシュたちの絶望を味わうかのように、綺礼が述懐する。 「ギルガメッシュが本気を出す以上、もう私の仕事はないな。主演目はもう終わってしまっただろうが……さて、君たちはどのような結末を迎えるのか」 ――ファイナルベント―― ギルガメッシュが手にした銃にカードを差し込むと、ドラグランザーの体が折り畳まれ、バイク形態へと変形していく。 バイクに騎乗したギルガメッシュが腕を掲げる。彼の背後に無数の空間震動が起き、数十もの宝具が顔を覗かせた。 「さあ――幕だ。雑種ども。王の前に頭を垂れよ!」 十分に楽しんだと、ギルガメッシュは終わりを告げる。もう遊びはない、本気の、全力の一撃。 ドラグランザーが鎌首をもたげ、灼熱の火球を吐き出す。後を追うようにバイクが発進する。 龍騎サバイブのファイナルベント、ドラゴンファイヤーストーム。火球とドラグランザーそのもので、敵対者を打ち砕く必殺技だ。 さらに英雄王が指を鳴らす。それを合図に、宝具が次々と射出されてくる。 炎と綺羅の弾幕、そして龍の特攻。人の形をした破滅が差し迫ってくるのを、誰もが見ていることしかできない。 「……ルルーシュ、みな、下がってください」 否、ただ一人――ガウェインだけが、闘志を失わず立ちはだかった。 「何をする気だ、ガウェイン!」 「この剣ならば、あの龍に対抗できるかもしれません」 その手には陽介が持っていた封印の剣がある。かの騎士王ですら封じ込めた、異世界の大陸に名を残す伝説の竜殺し。 今までは、万が一ギルガメッシュがマスターを狙った時のために陽介が持っていたが、この状況ではもう陽介が持つ意味が無い。 「何とか、一手は凌ぎます。そこから先を――」 その先を言わず、ガウェインは前進する。否、言えなかったのだ。 ここを凌いだところで、どうするというのか。もはや打てる手はないのに。 「ガウェインっ……!」 迫り来る火球と刃を、ガウェインは聖剣と封印の剣を交差させて叩き落としていく。 その剣技はまさしく、彼の友であるランスロットが見せたもの。太陽の騎士は親友との戦いの中で、二刀を扱う彼の武技を己に刻みつけていた。 炎は龍騎となったギルガメッシュに効果が薄い――ならば、それはガウェインにも同じことが言える。 斬り割った火球が至近距離で爆発しても意に介さず、ガウェインはひたすらに前進し続ける。 「おおおおおぉぉぉっ……!」 「健気なものよな。良かろう、一思いに踏み潰してやろうではないか」 嘲るようにギルガメッシュが速度を上げる。 宝具の迎撃に気を取られたガウェインは、その疾走に対応できない。 「ガウェインさんっ!」 オーズがガウェインの前に飛び込んだ。バズーカモードのメダガブリューを使うもう一つの技、ストレインドゥームをドラグランザーの鼻先に撃ち放つ。 斬撃を繰り出すグランド・オブ・レイジに対して、ストレインドゥームは衝撃波を放つ。 だが――弱い。グランド・オブ・レイジに注ぎ込んだ力が大きすぎた。映司の残された僅かな魔力では、本来の半分の威力も再現できないからだ。 当然、ドラグランザーの疾走は止まらなかった。オーズの放った衝撃波はあっさりと吹き散らされる。 だがオーズも諦めない。全力で冷気のブレスを放射し、少しでもドラグランザーの勢いを殺そうとする。 ドラグランザーが生む熱量はドラグレッダーの比ではなく、先ほどは何とか相殺できたが、今度は押し込まれる。 やがて限界に達したオーズが弾き飛ばされる。大地に叩き付けられたオーズのベルトからメダルが排出され、変身が強制的に排除された。 「感謝します、ライダー……!」 だが――それで十分。ドラグランザーの速度は確かに減少した。ガウェインはその機を見逃さない。 機を見定めたガウェインがガラティーンを放り投げ、封印の剣を両手で握る。ガウェインの魔力を込められた封印の剣は炎を纏い、ドラグランザーの機首へと突き込まれた。 しかし、拮抗は一瞬の刹那のみ。ガウェインが踏ん張った両足が地面を削り、徐々に後退させられる。 最も力の集中しているドラグランザーの頭部、突進の勢い、そしてギルガメッシュ自身の力。あらゆる条件がセイバーの時とは違いすぎる。 剣の英霊と封印の剣を以ってしても、今の英雄王の突進を止めるには足りなかった。 「その剣は我の蔵にもないものだ。さて、どこまで保つか見せてみるがいい」 楽しげなギルガメッシュとは逆に、ガウェインは死力を振り絞る。それでも、届かない。 封印の剣の効果で何とかドラグランザーの疾走を押し留めているものの……封印までには至らない。 そして封印の剣に細かいヒビが走っていく。激戦に次ぐ激戦、そして巨大な力のぶつかり合い。 マスターの宝具として顕現した封印の剣では、超級のサーヴァントたちの戦いに、最後まで付いて行くことができないのだ。 「っ……」 やがて、剣は砕け散った。同時にガウェインも崩れ落ちる。 致命傷は負っていないが、魔力を放出し尽くしたその姿はもう、敗残兵そのものだ。 「中々楽しめたぞ、キャメロットの騎士」 満足気に、英雄王が呟く。 多大な消耗と引き換えだが、ガウェインは確かに龍騎サバイブのファイナルベントを凌いでみせた。 これなるは英雄王が手ずから裁くに値する、真の英霊である――ギルガメッシュが褒美とばかりにバイクを降りて、剣を片手にガウェインへと歩み寄る。 時間がないと見た映司が立ち上がり、もう一度変身しようとメダルを取り出す。が、過度に魔力を消費した体は自由にならず、メダルを取り落としてしまう。 「ガウェイン!」 「くっ、アレックス!」 ルルーシュがガウェインへと魔力を供給し、陽介が疾風魔法を使ってガウェインの背を押す。 ギルガメッシュがそんなマスターたちを見て嘲笑する。状況は好転せず、ただ審判の時を先延ばしにするだけだ。 そんな中、こなたは転がってきたメダルを拾う。 「……映司さん」 そのメダルの色は赤。そして――ひび割れている。 以前聞いた、映司の相棒の命が入っていたメダルだ。 「このメダルを、使うの?」 映司にとっては、特別なコアメダル。 魔力を消耗した今のオーズでも、このメダル自体が魔力を供給してくれるため問題なく使用できる。 そして……一度きりしか使えないと、映司は言った。 「……こなたちゃん」 「ううん、わかるよ。きっとここが選ぶ場面。本当にギリギリの場所なんだってことだよね。 映司さんが大切にしてたメダルを使わなきゃいけないくらいの状況なんだって」 これを使うのは、オーズが力を失うことを覚悟した上でのこと。 そう理解しているからこそ、こなたも覚悟を決めることができる。 「こなたちゃん……俺に力を貸してほしい。みんなが、生きて帰るために」 「いいよ。だって私たち、相棒だからね!」 あっさりとこなたは言う。結果次第で死ぬかもしれないのに、微塵の躊躇いもなく。 これほどの信頼を裏切ることは、映司にはできない。 「今日も、明日も生きていくために、今戦わなきゃいけない。生きることは戦うことだって誰かが言ってたけど、今なら私にもわかる気がする。 戦わないと生き残れない…でも私、死ぬつもりなんてないから。勝って……生きて帰るよ! そのために戦うんだ!」 こなたは力強く言い切る。絶望に負けない強い意志が、その瞳には確かにある。 だからこそ、映司も覚悟を決められる。 たとえこの一撃で己が砕け散ってしまうとしても――この優しいマスターだけは、なんとしても。 「力が欲しい、アンク! 俺に――みんなを守れる力をくれ!」 ――タカ! ――クジャク! ――コンドル! 「映司さん、いっけぇぇぇ――――――――っ!!!」 令呪を解き放つこなたの声に重なり、かつての相棒の声が聞こえた気がする。 三枚の赤いメダルからも、活火山のような魔力が溢れ出てくる。同時に体の――否、魂の最奥からも爆発的な魔力が生まれた。 命令も何もない。ただひたすらに、映司を信じ抜くこなたの意志が、映司にかつてない力を与える。 龍騎サバイブと同じ、いやそれ以上の熱さ――炎。 仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ。火野映司の、最後の変身。 「行くよ、アンク……!」 タジャドルコンボに変身したオーズの胸から、七枚の恐竜メダルが飛び出てきて、オーズの左腕にあるタジャスピナーへとセットされた。 七枚の恐竜メダルから生み出される膨大なエネルギーがタジャスピナーの中で循環・増幅し、巨大な力へと練り上げられていく。 恐竜メダルを一発きりの弾丸として放つ――形は違えど、これもブロークン・ファンタズム。 異変を察したルルーシュが陽介に指示し、ガウェインを風で吹き飛ばす。ギルガメッシュが、オーズが生み出すエネルギーの奔流を見て笑う。 「それが貴様の切り札か、欲望の王。いいぞ、そうでなくてはな!」 「オオオオオオオオオオオオオオオォォォォォッ――――!!!!」 そして、オーズの最後の技が発動した。 ロストブレイズ――失われた炎が、もう一度オーズの、映司の力となる。 映司の力と、アンクのメダルと、こなたの思い。すべてを巻き込み、一つの巨大な渦になる。 「ぶ、ブラックホール……!」 「ほう、まだ足掻くか。楽しませてくれる」 目前の現象がどれほど凄まじいか、ルルーシュとて理解しきれない。確かなのは、ギルガメッシュが怯むことなくオーズへと向かっていくということだけだ。 オーズが威を振るうなら、受け止め、正面から打ち砕いてこそ、真の王とでも言うように。 ギルガメッシュは変身を解く。そして虚空より三軸の刀身を持つ奇妙な剣を手にし、相克渦動するエネルギーの中心――オーズの元へと突入していく。 「これを見せるつもりはなかったのだがな。しかしこういう趣向とあっては、我も本気を出すに吝かではない。 さあ、咆えろ――エア!」 それは、世界を切り裂いた剣。 あらゆる宝具の原典を所有するギルガメッシュただ一人だけが持つ――神話の神の名を冠した、ギルガメッシュの真の宝具。 三層のからなる力場を回転させ、空間そのものを斬り裂く対界宝具。騎士王のエクスカリバーすらも凌駕する、本来存在してはならない禁断の力。 オーズの生み出したブラックホールすらも呑み込む、最強にして無尽の破壊がもたらされる。 「原初を語る。元素は混ざり、固まり…万象織りなす星を生む! フハハハハハハ! 死して拝せよ! エヌマ―― ――――――――――――ぐっ!」 「天地乖離す開闢の星」――乖離剣エアの真名が解放されれば、この場にいるギルガメッシュ以外の全てが消し飛んだだろう。 だがそうはならなかった。乖離剣を構えるギルガメッシュの腕を、一筋の閃光が射抜いたからだ。 ギルガメッシュの腕を射抜いたのはオーズでも、ガウェインでもない。 「雑種、どもが――!?」 ギルガメッシュが早々に無力と判断し、捨て置いたマスターたち――彼らがやってのけたのだ。 束ねた力を一つにして放つ。あらゆる防御を突き抜け、対象へと確実に着弾する、至高の魔弾。 衛宮切嗣が遺した弾丸。名無鉄之介が遺した槍王イルバーン。鳴上悠が遺したペルソナの力。 自分たちだけではない、陽介たちが築き上げてきた絆の具現が、古の英雄王に確かに傷をつけた。 「映司さんっ!!」 こなたが叫ぶ。 至高の魔弾によって真名解放を妨げられた乖離剣は、予定されていた破壊を引き起こさない。 一瞬の停滞は致命的なズレとなる。宝具は不発――ギルガメッシュは、膨れ上がったブラックホールを前に微動だにできない。 ゲート・オブ・バビロンを使うも、射出した端からブラックホールへと吸い込まれてしまう。 自らの敗北を悟った英雄王は目を見開く。 「セイヤァァァァ――――――――――――ッッ!!!!」 「そうか、これがゼロの求めていた――」 そしておそらく、ギルガメッシュ自身も求めていたもの。 この結果は必然などではなかった。彼らは数時間前までは、ギルガメッシュに圧倒され逃げ惑うだけの弱者だった。 しかし、今。彼らはギルガメッシュを超える。厳しい試練を乗り越え、新たな地平を開く。 ほんの僅かな時間で見違えるほどに成長して。徹底的に叩き潰しても、何度でも立ち上がる。 人を試す王を――見守り、時には裁き、決して甘えさせない孤高の王の試練を、超える。 人の可能性。成長の証。厳しい試練の果てに得た無二の宝。それをこの目で見られた。 ならば、この遊戯には確たる意味があったのだ。英雄王が見定めるに足る価値が、確かにあった。 「――行くがいい、雑種ども。ここから先は、お前たちの道だ」 烈火龍が何とか脱出しようとするが、英雄王が射出した宝剣に頭を刺し貫かれ、一足先に消える。 直後にギルガメッシュの体は暗黒の穴に呑み込まれ、重力の井戸の底へ沈んでいく。 だが、あのような目をした者たちに倒されるのならば、悔いはない。 古の英雄王は――こうして、静かに舞台を降りた。 ◇ ◆ ◇ 「今度こそ……やった、のか……?」 呆然と、ルルーシュが呟く。ギルガメッシュはブラックホールに呑まれ、消えていった。 ブラックホールはギルガメッシュという巨大な力を呑み込み、ワームホールと化して今も膨張し続けている。 オーズがロストブレイズを解き放つ瞬間、彼らは精神世界で手に入れた力――ミックスレイド・至高の魔弾を放っていた。 ギルガメッシュにはロストブレイズすらも凌駕する力があるかも知れない。ならば、その発動を邪魔してやることだけが、こなたたちが勝利するたった一つの方法だった。 彼が最後に放とうとした宝具は、おそらく彼をしてなお、全力の集中を要するものだったのだろう。 でなければいかにサーヴァントにも通じるとはいえ、こなたたちの攻撃を許すとは思えない。 「――見事だ。これは本当に、予想外の結末だった」 サーヴァントを失った神父のNPCは、満面に笑みを浮かべてこなたたちに賛辞を送る。 陽介が構えようとするものの、綺礼にはもはや戦闘の意思はなく、両手を軽く掲げる。その手先が黒く染まる――NPCといえども、敗者の運命からは逃れられない。 「何故、俺たちを阻まなかった? お前なら、やろうと思えば横槍を入れられたかもしれんだろう」 「勝つことが私の――私たちの目的ではないのでな。とはいえ、手を抜いたわけではない。あれだけの力が放出されている中で動くことなどできんさ」 嘯く神父が本気かどうか定かではないが、それこそサーヴァントか至高の魔弾レベルの力でもない限りは、あのブラックホールの影響を受けて身動きが取れなかったのは不思議ではない。 マスターもサーヴァントも、力を出し尽くした末に掴んだ勝利だ。誰もが地面に腰を下ろし、立ち上がれずにいる。 「ガウェイン、無事か」 「ルルーシュ、さすがに、堪えましたね……」 封印の剣を砕かれ、ファイナルベントを受け止めたガウェインは全身に傷を負っている。しかし、ガウェインは健在だった。 紫色のメダルを弾丸に、最後の一撃を放った映司とは――違う。 「映司…さん」 「こなたちゃん……」 オーズはただでさえプトティラコンボでギルガメッシュと死闘を繰り広げ、さらにタジャドルコンボで恐竜メダル七枚のロストブレイズを放ったのだ。 特に英雄王すら葬り去るほどの一撃を放った代償は大きい。ギルガメッシュがあの時解放しようとしていた宝具を止めるには、それ以上の出力で、ロストブレイズを叩き込むしかなかった。 その結果、英雄王は虚空の彼方に消え―― 「火野!」 「え、映司さん、あんた……」 ライダー――火野映司もまた、限界を超えてしまっていた。 変身は解け、こぼれ落ちたメダルも次々に砂と消えていく。 「あはは……ごめんね、陽介くん、ルルーシュくん。絶対に死なないって言ってみたけど……そううまくはいかなかったみたい」 映司が死ぬということは、つまりこなたも死ぬということ。死の恐怖に身を浸しながら、それでもこなたはいつもそうであるように、二人の仲間に笑いかけてみせた。 戦う力のないこなたは、しかしずっとこうして笑って見せてきた。その行為がどれだけ仲間たちに力を与えてきたか、彼女は知らない。 本当はみっともなく泣き喚いて、もっと生きたいと叫びたいのをぐっと堪えて。そうしなければ、陽介たちが前に進めないと知っているから。 「でもさ、あんな強いやつ倒したんだから、これはもう私たちの勝ちだよね。後はスタッフロールだけっていうか」 「泉……待て、まだ諦めるな! 何か方法があるはずだ!」 「アレックス! 火野さんを治すんだ!」 しかし、誰よりもこなたと映司の死を認めないのは、他ならない陽介とルルーシュだった。 陽介が映司へと回復魔法を連発し、ルルーシュもこなたから強引に取り上げた礼装で続く。 しかし――映司、そしてこなたも既に魔力が枯渇している。傷を癒やそうにも、情報が消去されていくほうが早い。 消去速度を遅らせることはできても、根本的な解決にはならない。 「くっそ……どうにかならねえのかよ、ルルーシュ! このまま泉を死なせていいわけねえだろ、」 「わかっている! 俺だってもう仲間が死ぬのを認める気はない! だが、どうすれば……!」 ふと、陽介はこの場にいるもう一人に意識を向ける。 陽介でもルルーシュでもこなたでもない――言峰綺礼。この戦いの始まりを告げたムーンセルのNPC。 陽介たち参加者側ではない、運営側の構成要素。 「なあ、あんた! もしかしてあんたなら何とか出来るんじゃねーのか!?」 藁にもすがる思いで、陽介は綺礼へと問いかけた。 ルルーシュは何を言っているんだこいつは、という目で陽介を見たが、考えてみればその方法が一番可能性がありそうだと思い直す。 「神父よ、一つ疑問がある。貴様とあのギルガメッシュの参戦は、聖杯戦争に元々ありえた要素か?」 「いいや、違う。私も奴もイレギュラー…飛び入り参加のようなものだ」 「ならば俺たちは、本来ならばする必要のない、無駄な戦いをした。そういうことで間違いはないな?」 「ふむ……まあその通りだ。この参戦は我らの気まぐれ故のものだからな」 ならば、とルルーシュは畳み掛ける。 「イレギュラーに対処した相応の見返りがあってしかるべきだろう! 泉は本来ここで死ぬことはない! お前たち運営側のNPCが本当に聖杯戦争の管理を司っているのなら、正しい結果を歪めてはならないはずだ!」 「そうだ、バイトしたらその分の給料もらえるのが社会ってもんだ! 少しくらい埋め合わせをしろよな!」 二人の少年が轟々とまくし立てる。必死になって、こなたを救う術を模索してくれている。 こなたの頬を、恐怖からではない涙が、一滴、流れる。 「俺たちは、いい友達に会えたね。こなたちゃん」 「……うん。もちろん、映司さんもだよ!」 こなたと映司は笑い合う。数日間の付き合いであっても、ここまで互いを思い合うことができる――それはとても幸せなことだから。 ルルーシュと陽介に押し切られた――という訳でもないだろうが、神父のNPCは一本、指を立てる。 「一つ、手立てがないでもない」 「本当か、おっさん!?」 「もちろんだとも。それは――他ならない君自身だよ、花村陽介」 綺礼は立てた指を陽介に向けて倒す。 そして指を滑らせる。その先には、陽介のペルソナにしてサーヴァントのアレックスが佇んでいる。 「君は既に一度やってみせただろう。サーヴァントの情報を分解し、自身のペルソナとして再構成する――システムにない、奇跡というやつを」 「あ、あれか…でもあれは、賢者の石があったからできたことだろ?」 「あるではないか。賢者の石に匹敵する宝具が、そこに」 綺礼が示したのは、映司の手にたった一つ残った、ひび割れたコアメダル。かつてアンクの魂が宿っていた、たった一枚の特別なメダルだ。 メダルに人格を宿せることはアンクが実証している。賢者の石の代替として使うのならば、十分すぎる。 「でも、泉はペルソナ使いじゃないぜ。どうやって火野さんをペルソナ化させるんだよ?」 「……違う、花村。ペルソナ化させるんじゃない。そのメダルを、火野映司としてムーンセルに認識させる――つまりこういうことだろう」 ルルーシュが導き出した答えに、綺礼は満足気に頷く。 サーヴァントを失ったマスターはムーンセルにより失格と判定され、消去される。 ならば「サーヴァントが肉体を失ってもそこにまだ存在している」とシステムを欺瞞できれば、消去は免れる。 まさに陽介自身が今も証明し続けていることだ。 (それに、ゼロが求めている魂はたった一つ。私の目から見ても、この三者のうち誰もがその資格を満たしていると判断する。ならば二人は不要だ) 綺礼は、これは声に出さなかった。 仮に火野映司の人格をメダルに宿すことができたとしても、残るのはサーヴァントを持たない少女が一人だけ。 それではつまらない。言峰綺礼は魔王ゼロに協力しているとはいえ、ゼロの配下ではないのだ。 魔王の元へ辿り着き、さらなる物語を紡げる者。それはもう一人に確定している。 魔王ゼロと最も近しく、そして遠い者――この演劇の幕を下ろす者は、魔王ゼロとその者を置いて他にない。 「さあ、どうする? 泉こなたを救うというなら協力しよう。英雄王を倒したのだ、それくらいの報酬は与えられるべきだからな」 「泉、映司さん。いいよな?」 「こっちからお願いしたいくらいだよ、陽介くん。それでこなたちゃんを助けられるなら」 「陽介くん、ルルーシュくん……ありがとう」 こなたは涙ぐむ。覚悟はしていても……やはり、生きられるのならば生きたいのだ。 こうして、綺礼の協力を得て陽介は映司の魂をメダルに移し替える作業を行った。 「まさか俺がアンクと同じ姿になるなんて、思っても見なかったな……」 「おっと、時間のようだな」 魂の改竄は綺礼のおかげで滞りなく済んだ。映司の魂はメダルへと移行し、こなたも消滅から免れる。 そしてついに、綺礼も消滅の時を迎える。上級NPCだからか、意外なほどに長く存在し続けていたが、やはり限界はあったようだ。 綺礼は頭上に今も広がり続けるワームホールを見る。 おそらくゼロは今、このワームホールを何とか収めようと奔走していることだろう。なにせ解放直前の英雄王の宝具を呑み込んだのだ。生半可な干渉で打ち消せるものではないはず。 そして、ゼロの手が取られている今、この瞬間ならば。 「このワームホールを通れば、おそらくムーンセルの外側に出られるだろう」 綺礼が何気なく告げた真実は、皆を驚愕させるに足るものだった。 聖杯を破壊する――目的こそ一貫していれども、その後どうするかは全く定まっていなかったのだから。 「外側に出る……現実の世界に帰れるってこと!?」 「そうだ。これほどの規模のワームホールならば、出口は確実にムーンセルの外に繋がっている。サーヴァントに守られているならば、あの空間の中でも消え去ることはないだろう。 そして外に出た後は、魂は肉体のある次元へと自然に引っ張られるはずだ。一度ムーンセルの支配を脱してしまえば、我々もそれ以上追うことはできない」 「おいおい、それって……やったじゃんルルーシュ! 帰れるんだってよ!」 こなたと陽介は喜ぶが、それほど元の世界に未練のないルルーシュには一つやり残した仕事がある。 それを完遂しない限り、いつかまたこのような戦いに引き戻される可能性はゼロではない。 「泉、花村。お前たちは帰れ……自分の世界に」 「え? ルルーシュくんは帰らないの?」 「俺は、聖杯を破壊する。最初からそのつもりだったからな」 そしてピースマンの語った、ムーンセルを歪めたすべての黒幕。ルルーシュはそいつと対峙しなければならない。 サーヴァントを失ったこなたと陽介を付き合わせる気はない。どのみちギルガメッシュとの戦いで消耗しきった彼らでは、いてもいなくてもそれほど変わりはない。 ならば――彼らだけでも生き延びてくれる確証が得られたほうが、ルルーシュは心置きなく最後の決戦に臨める。 それで勝てるかどうかはわからない。いや、勝つためにはむしろ絶対に仲間の力が必要だ。 しかし。 「なら、俺も行くぜ。お前だけにいいカッコはさせないからな!」 「陽介くん……それじゃ、私も」 「いや、泉はダメだって! もう映司さんだって戦えないんだし、ここで帰った方がいいって!」 こなたを説得にかかる陽介を見て、ルルーシュはある決意を固める。 やはり、この二人が死んでいいはずがない。抜けられるのなら抜けるべきだ。この狂った世界から。 ガウェインを見る。彼は、目を伏せ頷いた。それがいい、と。 覚悟を決める。二度と使わないと決めた力――だが、今は。 「花村」 「おいルルーシュ、お前からも言ってやれよ。泉はここで――」 しっかりと、視線を合わせる。 ルルーシュの瞳が輝く。 「花村、お前は帰れ。自分のいるべき場所へ」 放たれたのは、絶対遵守の命令。 命令したのは、花村陽介。 人の意志を歪め、弄ぶ卑劣な力――ギアスを、ルルーシュは陽介へと使った。 「ルルーシュくん、何してるの!?」 「ここから先は俺とガウェインだけでいい。お前にも花村にも、帰りを待つ人がいるだろう」 動きを止めた陽介の瞳が、凄まじい早さで動いている。ペルソナ使いである陽介には、ギアスの効き目が薄いのかもしれない。 ガウェインに指示し、陽介を担ぎ上げさせる。ガウェインはそのまま、もう片方の手にこなたを抱えた。 他に方法がないとはいえ、やはり仲間にギアスを使うことはルルーシュにとって苦痛だ。この上こなたにまでギアスを掛けることは、流石にできなかった。 「ガウェインさん!」 「ここまで我が王に付き添っていただき、ありがとうございました。ミス・泉。そしてライダー。花村殿とランサーにも、どうかよろしくお伝え下さい」 「一人でなんて無茶だよ!」 「いや……俺の勘だが、おそらく一人でなければ意味が無いんだ。この聖杯戦争を起こした奴は、たった一人の勝者を求めている。 どうなるにせよ、もう戦えるサーヴァントを連れているのは俺だけだ。だから俺が行く――」 「……っざけんなよ、ルルーシュ! ……置いてかれるのなんて……ごめんだ!」 ギアスに抵抗しているのか、陽介の言葉は絶え絶えだ。 彼は心の底からルルーシュを案じている。こなたも同様だろう。 だが、だからこそ――。 「泉、花村。お前たちのお陰で、俺は生きる意思を捨てずにここまで来られた。 感謝している……本当に。だから今度は、俺に、お前たちを守らせてくれ。 お前たちの未来と、お前たちの生きていく世界……必ず俺が勝ち取ってみせる」 後ろに陽介とこなたの存在を感じることで、絶対に負けられないと己を奮い立たせる。 二人をこの箱庭から放逐し、最後の一人になる。それが、ルルーシュの選んだ聖杯戦争の結末。 「ガウェイン」 主の命を受け、ガウェインが二人をワームホールの中へと放り投げる。 その体が消える寸前。 「ルルーシュ! てめえ、今度会ったときに、絶対、絶対――ぶん殴ってやっからな!」 「ルルーシュくん、死なないで! 約束だよ! きっと、もう一度――!」 それは、再会の約束。 これでお別れなど許さない。絶対にまた、三人でもう一度出逢う。 花村陽介と泉こなたがルルーシュ・ヴィ・ブリタニアに掛けた――ギアス。 切なる願いをルルーシュに託し、陽介とこなたはこの聖杯戦争から退場した。 「そのギアス……確かに受け取った」 二人が消える間際、ルルーシュに向かって投げた物を受け止める。 契約者の鍵と、各種の礼装。もういない二人の、最後の残り香。 やがてワームホールは収縮していく。今飛び込めばナナリーのいる世界に戻れる――が、ルルーシュはそうしなかった。神父へと向き直る。 「この後はどうすればいい」 「ふ……心配せずとも、すぐに迎えが来る。そうだ、これも持っていけ」 綺礼はそう言って、残っていた自らの令呪をルルーシュへと分け与えた。 刻まれた令呪は三画。最初の状態に戻った令呪を見て、怪訝そうに問いかける。 「何故、ここまで俺に肩入れする?」 「フフ…なに、この先でそれがきっと必要になる。無駄に捨てるよりは、と思っただけだ。 ああ――だが、君を前にした時の彼を観察できないのは…残念といえば残念だ…な」 そして神父のNPCも消えた。夜の橋に、残ったのはルルーシュとガウェインだけ。 三日間に及ぶ聖杯戦争の果て、残ったのは――ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと騎士ガウェイン、この主従だけだ。 「……ついに、俺たちだけか」 「ですがルルーシュ。我ら二人きり、ではありません。我らの背は多くの朋友によって支えられています」 笑みを浮かべながら言うガウェインに、そうだな、と頷きを返す。ここに来るまで、ルルーシュはたくさんの出会いと別れを経験した。 全てを鮮明に思い出せる。敵であれ、味方であれ、誰もが懸命に願いを叶えようと戦っていた。彼らの存在は、強くルルーシュの中に刻まれている。 その願いを弄ぶ者――全ての元凶を、排除する。 それを以って、ルルーシュの二度目の生は幕を閉じるのかもしれない。 しかし、躊躇いはない。そして恐れもしない。 今のルルーシュには約束がある。いつかきっと――その約束がある限り、ルルーシュは死ぬつもりはない。 「……! これは」 佇んでいたルルーシュとガウェインを残し、冬木大橋が――否、冬木市そのものが解体されていく。 聖杯戦争が終結したためもはや冬木市を維持する必要もないためだろう。 地面が雪のように崩れ、どこまでも暗く先が見えない奈落を落ちていく。 一秒とも百秒ともわからない空白の時間を経て、やがて暗闇の底に黒よりも暗い仮面を見つける。 ルルーシュにはその仮面に馴染みがある――当たり前だ、自分も身に付けていた物なのだから。 足が地面につき、思わず仮面を拾おうと一歩踏み出したところで。 「まさか……お前が残るとはな。神父の干渉の結果か……。 だが、いい。お前になら資格はある……他でもない、この私が誰よりもそれを知っている……」 仮面が、喋った。 影が盛り上がり仮面に吸い込まれ、人の形を成していく。 現れたのは、かつて奇跡を起こす男と呼ばれ、世界を革命し、ルルーシュ自身を終わらせたはずの記号――つまりは、自分自身。 ルルーシュは、驚愕と共にその名を口にする。 「貴様は……ゼロ……!?」 「そうだ。我が名は魔王ゼロ。歓迎するぞ、もう一人の私。 そしてようこそ、我が後継者――新しき魔王の器よ」 たどり着いた、終端の果て。 盤面に残った駒は、キングとキング、ただ二人。 ゼロとゼロは邂逅し、そして最後のTURNが始まる。 これは、終わりに向かう物語――。 【花村陽介@ペルソナ4 生還】 【泉こなた@らき☆すた 生還】 【ライダー(火野映司)@仮面ライダーOOO/オーズ 生還】 【言峰綺礼@Fate/extra 消滅】 【ギルガメッシュ@Fate/extra CCC 消滅】 【月の裏側/???】 【ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス反逆のルルーシュ】 [令呪]:3画 [状態]:魔力消費(大) [装備]:槍王イルバーン@私の救世主さま、鳳凰のマフラー、聖者のモノクル、遠見の水晶玉@Fate/EXTRA [道具]:契約者の鍵@ペルソナ4 ※槍王イルバーン、他礼装を装備することで、コードキャストを発動できます。 hadron(R2) 両眼から放つ魔力砲。収束・拡散発射が可能。 効果:ダメージ+スタン。 絶対守護領域 決着術式“聖剣集う絢爛の城”をデチューンした術式。 効果:小ダメージを無効化。 heal(16) 効果:HPを小回復 view_status() 効果: 敵対者の情報を表示 view_map() 効果:アリーナの階層データを全表示 【セイバー(ガウェイン)@Fate/extra】 [状態]:ダメージ(大)、魔力消費(極大) ※『聖者の数字』発動不可 【魔王ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/3391.html
autolink 【ジュネスデッキ】 以下、コメントログ。 テスト -- (名無しさん) 2010-10-20 07 25 06 回収力が弱いから扉8で、P3から荒垣とか平賀とか入れて赤青黄3色で回してる。 -- (名無しさん) 2011-03-03 08 33 33 ジュネスがあるから十分なのでは? -- (名無しさん) 2011-03-03 17 57 38 ↑2 そんなに非《ジュネス》入れて後半の息子陽介が望んだめくれを見せるとは思えない。赤の《ジェネス》がサボり足立4、頭脳派足立が入れて2なのに、赤いCXを確実に処理するためには赤が足りない。足りないから荒垣入れるならこのデッキの強みを自ら削ってる。扉4前後なら分かるけど。正直「ジュネス」→菜々子→「ジュネス」だけでも十分場は整う -- (名無しさん) 2011-03-04 18 03 11 ↑場を整える作業はLv1で済んでないと正直勝ち目薄いと思うから回収強めてるってのもある。 「ジュネス」サーチは正直このカード自身の消費で結果的にLv3陽介のめくれを悪くするから、多くて2枚で菜々子も1~2枚。後列も小西2体並べばもうそれで十分というのもある。 自分のは荒垣2平賀2ジュネス2CX8で非《ジュネス》14枚だから、リフレッシュ前にはある程度ストックに埋めたままかレベル置場か手札に握ってある。 青入れる理由はLv2クマ採用してるのと、やっぱりLv3陽介を引っ張れなかったら時の回復要員かな。CXは扉8じゃなくて青+2000/1を使うという選択肢もあるかも。 -- (名無しさん) 2011-03-04 22 54 41 私のクリスマスイブ使うぐらいなら世界の意志でいいのでは? -- (名無しさん) 2011-03-05 01 51 02 ハルヒ流行ってたときは長門された後のリカバリーに菜々子入れてたけどハルヒ少なくなってきたし抜いてもいいかもな。 -- (名無しさん) 2011-03-05 12 32 18 助太刀ってどうしてる? -- (名無しさん) 2011-03-05 17 16 21 ↑1/0の陽介のみ ジュネスだとこればかりは仕方ない -- (名無しさん) 2011-03-05 23 58 03 アニメ版のエクストラに期待 -- (みんな大好き) 2011-06-06 12 17 50 青春の主張2ジュネス2CX8の他を全部《ジュネス》にしてるけど、店長の息子が回復させてくれない。。。 -- (名無しさん) 2011-07-25 22 58 07 それは引き悪いとしか -- (名無しさん) 2011-08-05 00 57 22 アニメのエクストラで強化されるだろうか? -- (名無しさん) 2011-09-08 12 06 25 トライアルデッキの出るし期待していいと思う -- (名無しさん) 2011-09-29 16 23 26 今も強いけど、トップメタって程じゃないからね・・・アニメ効果でパワーアップするといいね -- (名無しさん) 2011-10-13 12 49 15 お株のパワーが他タイトルで簡単に出せるようになっちゃったからな -- (名無しさん) 2011-10-13 15 54 52 今のジュネスはパワーって言うよりLv3耐久みたいな感じだしなー -- (名無しさん) 2011-10-13 16 52 07 古参プレイヤーとしては、ジュネスだけに限らず、ペルソナ自体が最近見かけなくなってきたから、テコ入れでまた返り咲いて欲しいは・・・同じ御三家のダカポも来年新作出て、メタに帰ってきそうやし -- (名無しさん) 2011-10-14 07 20 03 確かダカーポは普通のブースターだろ?ペルソナはエクストラブースター、この時点で贔屓を感じられずにはいられない。強化されないよりはましだけど -- (名無しさん) 2011-10-14 08 28 54 今のP4も最初はエクストラだったが、後に正式タイトルになったから、来年の新作(と言うか移植)ゲーム出るし、来年充分タイトル参戦ありじゃね?ダカポもパソゲーが家庭用になったからって、別タイトルで出たし -- (名無しさん) 2011-10-14 08 39 27 なるほど、ゴールデンとアリーナか。そうなればいいけど、P3Pはプロモすら出してくれなかったと言う前例があるから心配 -- (名無しさん) 2011-10-14 08 43 45 ↑×2出てくれたら凄い嬉しいけど多分出ないと思う。basaraがいい例。 -- (名無しさん) 2011-10-14 16 54 24 でも、今までトライアルだけのタイトルって無いよね? -- (名無しさん) 2011-10-16 13 12 40 ジュネスデッキか主人公デッキを作りたいと思うのですが、今度発売されるTVアニメペルソナ4のトライアルデッキの事を考えるとどちらの方が良いでしょうか?個人的にはジュネスデッキを作りたいのですが値段が高いカードが多いもので… -- (名無しさん) 2011-10-18 01 21 00 ジュネスは今のままでも構築、技量で十分戦えるから今すぐ作ってもいい。主人公は今のままじゃインフレが激しく本当に玄人な人しか回せない感がある。主人公はエクストラ待つのがいいかと。だけど公式にレシピが載るくらい凄い主人公デッキもある。以上の事をふまえて財布と相談してください -- (名無しさん) 2011-10-18 09 53 45 あ、そうですか。ありがとうございます。ちなみに新しくでるTDでは主人公又はジュネスどちらの方が強化されると思いますか?なにやら広告を見る限りでは陽介が黄色で一枚出るみたいなので、再録の花村 陽介と合わせるとジュネスの方が強化されますかね? -- (名無しさん) 2011-10-18 15 51 23 ↑新しく出るEXは多分主人公メインです。再録陽介は再録なので強化にはなりませんがジュネスの数は増えると思うので強化はされます。ちなみに↑×2の人が言っている公式に載った主人公デッキはP3の主人公メインのデッキです。P4メインではありません。 -- (名無しさん) 2011-10-18 16 09 49 頭の中でタナトス=主人公になってた。↑の方、補足有難うございます -- (名無しさん) 2011-10-18 16 26 30 思ったんですが、高いカードは小西先輩しか無い気がする・・・。花村陽介は再録されるし、それ以外だとレベル応援が若干高いくらいで。 それらよりオルフェのが高くない? -- (名無しさん) 2011-10-18 16 36 58 浴衣の陽介高くないですか? -- (名無しさん) 2011-10-18 17 48 44 オルフェの方が若干高いかと。ただ先輩+浴衣ならジュネスの方が高い -- (名無しさん) 2011-10-18 18 04 00 先輩は800円ぐらいなんですけど、浴衣が1000円出ててジュネスデッキを作る気が中々おきません。ジュネスはレベル0のカードが少ないので、差し替えるカードもなく困っています…新しいTDにレベル0のジュネスが2種ほど出ればいいのですが… -- (名無しさん) 2011-10-18 18 21 03 浴衣陽介やばいくらい弱いから、バニラでいいからジュネス0欲しいよね。たまに荒垣さん入れるか考えるレベル -- (名無しさん) 2011-10-18 21 07 25 え、使った事ないから分からないんですが、浴衣陽介弱いんですか? -- (名無しさん) 2011-10-18 21 25 09 浴衣やってみると分かるけど普通に使ってると正直利用価値が全く分からない。効果使っても相手はマリガンで吐ききれなかったCXやらLv2以上を吐いたりされて実質相討ちとしてほとんど機能しない。だからガキさんかむしろ主人公ちゃんで問題ないレベル。何が言いたいかっていうとバニラ陽介希望…。ただバニラくるなら菜々子な気はする。 -- (名無しさん) 2011-10-18 21 52 11 それならバニラの方がいいですね…トライアル限定カードかは分かりませんが、陽介の黄色が出るみたいなので多少良くなるかと。見た感じはレベル0の気がしなくもない、イラスト… -- (名無しさん) 2011-10-18 22 08 28 ↑×2逆に考えろ、CXを使われずに済んだんだぞ?あれはあれで強いカードだよ。浴衣の陽介は相殺ではなく「なんちゃって相殺なんちゃってハンデス」です。 -- (名無しさん) 2011-10-19 11 37 07 浴衣陽介は涼くんみたいなCIPデメリット持ち戻してやっと意味がある・・・かな?のレベル。トライアルは黄緑だから、1枚は新ジュネス0出るよね・・・きっと -- (名無しさん) 2011-10-19 12 24 40 浴衣陽介はLv0ジュネスって言うのが一番の価値だからなぁ… -- (名無しさん) 2011-10-19 12 36 11 結局何がトライアルで入れば、ジュネスが強くなるの? -- (名無しさん) 2011-10-24 08 24 47 とりあえず現実的なラインならLv0の再録陽介だけじゃなくバニラも欲しい。あとは1/1 7000バニラ、2/1カウンターあたりですかねー。 ちょっとワガママを言うならLv0CIPの?/1ハンドのジュネスサーチとかあったら激熱 -- (名無しさん) 2011-10-24 08 40 13 ↑記号が化けました。CIPの1コスト1ハンドでデッキからジュネスを引っ張ってくるLv0が欲しいと。小鳥さんのジュネス版です。現状ジュネスだとLv0でストック吐けないのと小西先輩をスムーズに展開する為です。…さすがにワガママですけどね -- (名無しさん) 2011-10-24 08 46 15 後黄単で組めるといいね・・・ -- (名無しさん) 2011-10-24 09 04 39 ジュネスサーチはトライアルではキツイだろ… つか主人公を重点的に強化する気だろ。わざわざ早だし専用イベントつけるとか -- (名無しさん) 2011-10-25 00 20 27 トライアルは十中八九、主人公メインになるから、ジュネスは陽介が数枚収録されるだけで、ジュネスデッキ強化にはならないかもね・・・ -- (名無しさん) 2011-10-25 06 18 57 ジュネスの何が怖いって、ただのバニラが1枚加わるだけでも強化になるってのが怖いよなw -- (名無しさん) 2011-10-25 08 32 02 大会で入賞したタイプはジュネスタッチ赤やったね・・・ -- (名無しさん) 2011-10-26 14 50 52 非ジュネスは荒垣3、ジュネス2、CX8で13枚か。荒垣枠に何か見合う物があればいいのにね。 -- (名無しさん) 2011-10-26 15 09 07 荒垣ha -- (名無しさん) 2011-10-26 16 31 13 荒垣は非ジュネスだけど、単体で強いからいいんじゃね? -- (名無しさん) 2011-10-26 16 33 31 1/1 7000バニラ ジュネスと0バニラ ジュネス欲しいな… -- (名無しさん) 2011-10-27 17 31 02 ただ新カードで強くしずきたら、逆に制限の対象になるんじゃね? -- (名無しさん) 2011-10-27 19 53 53 いや、1強とかまで絶対行かないだろwwペルソナかける前にABとかミルキィかけろよ。 -- (名無しさん) 2011-10-27 20 51 57 時々ジュネスデッキはパワー負けするとか言う奴が居るが、店長の息子 陽介の後ろにジュネス大好き! 菜々子二枚と、アラームに酒屋の娘 小西早紀で、常時14000だが、これでもまだパワー負けとか言う奴居るのは何故だ? -- (名無しさん) 2011-10-28 02 16 41 いや、それは運要素高すぎるw真ん中だけだし。ダメージくらったらアラームないし、無難に先輩2枚並べて12000維持でアタック時14000あれば充分だろ。あと、バウンス、ストック送り。パワーで勝てなくてもここまで他に対処方があるデッキも中々少ないだろ -- (名無しさん) 2011-10-28 15 47 13 助太刀が弱いから返しで狩られやすくてキツイってことじゃないか?アラームだって常に発動するわけじゃないし、CXで2000,1積むのが流行ってるからね -- (名無しさん) 2011-10-28 15 49 24 あぁ、でもまぁそれはタイトル事にもよるからなぁ…それでも強い方だとは思うけどな。とあるやミルキィはレベル3強いけど。レベル3のパワー弱いタイトルもザラにあるからな -- (名無しさん) 2011-10-28 18 21 50 店長の息子 陽介はパワー以外にも、バウンスや回復があるから、別に弱いカードでは無い気がする。そう言う意味ではジュネスはまだマシかもしれん・・・ -- (名無しさん) 2011-10-29 01 56 25 もちろんペルソナ自体は弱いタイトルではないけど、浴衣にせよジュネスにせよ運が大きくかかわるのが厳しい -- (名無しさん) 2011-10-29 13 20 47 運の要素はしょうがない -- (名無しさん) 2011-10-29 16 17 16 とりあえずジュネスは2/1 3000助太刀が最優先だろ。 -- (名無しさん) 2011-10-29 23 03 40 1/17000欲しいね -- (名無しさん) 2011-10-30 14 30 17 3000バニラまだー -- (名無しさん) 2011-10-30 16 08 09 確かにホント欲しいな -- (名無しさん) 2011-10-30 23 25 34 11月23日公開のブシナビで、0/03000バニラのジュネスを確認。菜々子ちゃんのカードで、運が良いとサイン入り。 -- (名無しさん) 2011-11-24 13 08 16 1/1 6500の陽介もいるらしいね -- (名無しさん) 2011-11-24 16 29 18 トライアルで強くなったな -- (名無しさん) 2011-11-26 22 55 54 atoha -- (名無しさん) 2011-11-27 23 24 49 あとは3000助太刀だけだな -- (名無しさん) 2011-11-27 23 25 31 ↑堂島が出た手前ほぼ可能性無いけどなorz -- (名無しさん) 2011-11-28 00 14 28 ジュネスの今後の課題は、扉の為の赤混合型かそれらを抜いた黄色単色型のどちらがデッキとして強いか、だな -- (名無しさん) 2011-11-28 10 01 39 課題と言うか、各自の好みの問題じゃね?ジュネスがトップメタの環境なら、レシピにテンプレができるかもしれんが・・・ -- (名無しさん) 2011-11-29 07 44 09 特徴指定ではあるが、《ジュネス》がまず作品限定の特徴であるためカードプールが少なく、また増加も見込めない この文いらなくね? -- (名無しさん) 2011-11-29 09 39 30 確かにw -- (名無しさん) 2011-11-30 22 06 14 最低後一回は増えるし真面目な話、いらないと思う -- (名無しさん) 2011-12-01 08 54 44 1/0 4000アンコール持ちでパワーがジュネス×500のカードが欲しい -- (名無しさん) 2011-12-02 15 54 14 ↑流石に小西先輩考えるとそれは強すぎるわ。2/1の戦えるカードもう一枚欲しい -- (名無しさん) 2011-12-02 23 16 12 しっかり者の小学生 菜々子が、専用パンプのおかげでレベル0から高パワーで責められて強いね。小西先輩が揃うまでの繋ぎになるし。 -- (名無しさん) 2011-12-04 01 49 57 レベル1に間違って面倒見のいいムードメーカー 陽介はいっちゃってるんで誰か直してあげてください -- (名無しさん) 2011-12-09 12 55 44 店長の息子ガン積みしたデッキっていいと思うんだが、やってる人いないのか… -- (名無しさん) 2011-12-13 00 24 33 ↑5 絶対ないと思う。せめてアンコールはない程度だろ2/2だったら有り得るけど -- (名無しさん) 2011-12-13 07 20 37 ↑2 黄単で息子4積みしたデッキ組んでる。ちゃんと場整えば後半の粘りが半端ないよ、山札削れまくるけどw -- (名無しさん) 2011-12-13 07 23 52 実際3並ぶと強いからありっちゃありだと思う -- (名無しさん) 2011-12-13 07 45 10 俺はずっと四積みだが、つかここ見るまでずっと四積みかデフォだと思ってた -- (名無しさん) 2011-12-13 12 07 02 普通に四積みがデフォだろ? -- (名無しさん) 2011-12-15 14 10 29 デフォだな。店長の強さはやはり尋常じゃない -- (名無しさん) 2011-12-15 21 01 10 そもそもここのWikiにデフォのレシピがあるのを見たことがない件 -- (名無しさん) 2011-12-15 22 23 34 レシピがデフォじゃないと思うなら変えればいいじゃない -- (名無しさん) 2011-12-16 05 02 19 ↑2有名なの載せてる訳じゃないから あくまでも作成者の構築だし -- (名無しさん) 2011-12-16 07 41 40 東京抜けたデッキレシピなら載せてもいいんじゃね?あと、TDで強化された型にするとどんな感じになるんだ?それはまだ検討がつかん -- (名無しさん) 2011-12-16 11 19 52 ↑2/1アタッカーによってストックにも安定性上がったのとやっぱり0バニラの存在によって前よりも安定してるってところかな 荒垣さん入れなくて済んだし -- (名無しさん) 2011-12-16 11 33 16 具体的に皆が何を抜いて何を入れたのか知りたいな。自分は荒垣、なかよし兄弟、友情の絆創膏、スサノオ、ブレイブザッパーは抜けたんだが -- (名無しさん) 2011-12-16 15 53 37 ↑3東京抜けたやつは結婚宣言菜々子が入ってるから参考にならない気が… -- (名無しさん) 2011-12-17 10 18 34 ↑使用者コメント見たところネタで入れてるんだと思うけど -- (名無しさん) 2011-12-17 13 37 05 つか、浴衣の陽介入れたくないからあれ入れてると思うんだが -- (名無しさん) 2011-12-17 16 25 07 浴衣の陽介は別に弱く無いだろ? -- (名無しさん) 2011-12-17 16 38 52 弱くはないかもしれないが手札のCX切られたりとか相手のメリットになる事があるからでは? -- (名無しさん) 2011-12-17 23 53 18 なんでそこまで浴衣の陽介は評価低いんだ?扉8体勢だと0帯から高パワー突破できる貴重なジュネス持ちなのに。CX切られると言っても0からリフレなんてないだろうし。次のターンに使われるかクロックされるかだろ?新垣とピンピンとか2ずつでさせばかなり便利だと思うんだが。そこまで気にするほどのデメリットなのか? -- (名無しさん) 2011-12-18 00 19 56 相手が0Lv少ないときは要らないのを、多いなら0Lvは切られるっていう相手依存なのが以外に辛い -- ( ) 2011-12-18 10 22 54 あとはCIP効果のあるパワー高いやつが相手でも相手は喜ぶ、非常招集の綾波とか -- (名無しさん) 2011-12-18 10 25 47 それでも単純にジュネス持ちなのは評価できる -- (名無しさん) 2011-12-18 17 08 03 バニラの方がいいけどな。 -- (名無しさん) 2011-12-18 22 07 10 バニラは菜々子で良くね? -- (名無しさん) 2011-12-19 15 52 25 浴衣の陽介二枚で安定な気がする 正直浴衣の陽介弱いわけではないし けどバニラいるから極力バニラ詰みたいよね -- (名無しさん) 2011-12-19 17 59 26 俺は一枚で回ったがな。先攻1ターン目に引けなきゃレベル置き場に置く感じで -- (名無しさん) 2011-12-20 11 19 54 ↑失礼、浴衣の陽介の話 -- (名無しさん) 2011-12-20 11 20 36 浴衣の陽介よりはバニラの方が仕事する。後はがっかり王子。レベル3でアタックする前に一枚落としとくと便利 -- (名無しさん) 2011-12-26 14 46 38 ↑なんで一枚落としとくと便利なん?たまに落としたせいで非ジュネスかんだりするんだが… -- (名無しさん) 2011-12-26 14 51 02 ↑仕事はちゃんとするが -- (名無しさん) 2011-12-26 18 10 29 黄色単って事故らない?たんに俺の構築の問題かもしれんが -- (名無しさん) 2012-01-05 11 08 16 ↑正直黄色単はありえないけどな安定させるなら赤ははいるでしょ -- (名無しさん) 2012-01-05 14 46 17 処刑ジュネスってどうなの…? -- (名無しさん) 2012-02-15 17 26 39 ↑どうしてそうなった ストックカツカツに定評のあるジュネス それに店長の息子の関係で非ジュネスを減らすものなのに そして使っているならレシピを晒して欲しい 凄く興味がある -- (名無しさん) 2012-02-15 20 03 13 ↑多分CXコンボによるサーチを確定させるためと青色ジュネスのクマ、レベル3からのストック吐きに処刑。こんな感じかと -- (名無しさん) 2012-02-15 20 43 38 ↑サーチの補助というのは青春の主張クマ? ただし青春の主張クマはジュネス持ちじゃない 青のジュネス持ちは22のジュネスのアイドルクマだけのはず それにレベル3からのCX掃きってそれこそ青春の主張や平賀慶介が限度 処刑撃てるストックなんて貯まらないと思う -- (名無しさん) 2012-02-15 20 54 53 ↑荒垣さん入ってた例があるんだし、ジュネス持ってないって理由で青春の主張を要らないとかはどうかと思う。そもそもストック貯まらないなんて言ってたら処刑なんて積めない -- (名無しさん) 2012-02-15 21 02 35 つまりは店長の息子を維持したままで、回復かストック掃きたいんだろ -- (名無しさん) 2012-02-15 21 07 15 いや、ジュネスに処刑混ぜた型何回か見かけるんだよなぁ… -- (名無しさん) 2012-02-15 21 18 53 ジュネスって事故回避できないから“青春の主張”クマ ピン刺しぐらいならしていいかな?それに多分処刑二枚ぐらい入れていいかな? -- (名無しさん) 2012-02-15 21 26 31 ↑×4 ↑×5だが言い方が悪かったかな 個人的には青春の主張の採用に賛成だ 相手の事故誘発、リフダメ回避、ストック掃きと重宝してる ↑×3 店長の息子維持したままストック掃きたいってのは同意 ただ処刑が撃てるストック貯まった事がほとんど無い -- (名無しさん) 2012-02-15 21 52 57 処刑を入れる理由は? 十分に回復できると思うんだが -- (名無しさん) 2012-02-15 22 33 00 ↑確かに、回復力は足りてるか。だけど“青春の主張”クマ はピン刺ししてもいいかな?ちょっと個人的には事故回避できないってのはキツい -- (名無しさん) 2012-02-15 23 09 20 でも青春の主張と扉の相性は悪くないか?赤全部抜くならともかく -- (名無しさん) 2012-02-16 09 18 50 ↑使い所は難しいカードだと思うけど、だからこそ扉で手に入れるタイミングを増やして使ったりする 後リフダメ回避の使い方も多くリフレッシュ後の空撃ちだと思えばいい 2コスかかるから乱発出来る訳でもないし -- (名無しさん) 2012-02-16 10 21 35 お出迎え 堂島3枚とEVジュネス2枚とCX8枚で非ジュネス13枚って多い? -- (名無しさん) 2012-02-22 22 44 20 ↑それは構築が黄単色ですか? もしそうであればそれでいいと思う。 -- (名無しさん) 2012-02-23 00 06 19 サボる足立とメシアライザーが入っています -- (名無しさん) 2012-02-23 16 44 55 赤入れて2/1/3000カウンター入れるならお出迎え 堂島よりも明彦&ポリデュークスでよくね? -- (名無しさん) 2012-02-24 08 32 57 ↑×2そうですか。 やっぱりジュネスは黄と赤安定しますよね。cxはメシアと何をいれてますか? 自分はメシア×4逆ナン×1後はスサノオを使うのでブレイブザッパー×3を使っています -- (名無しさん) 2012-02-24 16 56 38 ↑ジライヤ発動が四枚です。やっぱり1ドロー+2000は安定するんで。早出しメタ足立もピン刺しぐらいでいれようかと思います。 -- (名無しさん) 2012-02-24 18 46 06 ↑×20 正直ジュネスに処刑はないわ。 店長の回復だけで全然いける。 あと青春クマもいらないかな。 つか処刑使う余裕がないと思う -- (名無しさん) 2012-02-28 19 15 57 ↑青春の主張を肯定する意見としてはリフレッシュダメージを減らせるのが大きい ジュネスは店長の息子の関係でリフレッシュが多くなるから、終盤の1点を回避出来るのは大きい それに相手のクライマックスの状況を考えて事故を誘発させる、もしくは自分が極端なキャンセルをした時の保険にもなる -- (名無しさん) 2012-02-28 23 26 21 エクストラ出たが、ジュネスはいまひとつやったな・・・ -- (名無しさん) 2012-04-04 17 38 58 0レベルが充実したのは嬉しいけどねー、結局助太刀は弱いままだし山札操作は別色だし -- (名無しさん) 2012-04-10 15 08 04 Lv0の充実&再録、1/1トリガー無し、黄色のパワー+2000ソウル+1だけで十分といえば十分なのでは? -- (名無しさん) 2012-04-10 19 23 29 ↑3全体的に微妙なのは確かかな?ジュネスのlv0バニラ出たから良いけどね。↑の言う通り、+2000で1ドローCXもありがたかった。でもこれら、新TD買えば揃う… -- (名無しさん) 2012-04-10 19 42 28 最近ジュネスで大会入賞する人がちょくちょくでてきたな -- (名無しさん) 2012-10-24 21 42 24 赤のクラマは逆ナン一沢 -- (名無しさん) 2012-11-16 11 34 22 逆ナンもメシアライザーも対応キャラ入れないなら効果は一緒だと思うんだけど、一択の理由は? 世界の意思もよかったけどジライヤ発動が来ちゃったからいらなくなったんだよなあ -- (名無しさん) 2012-11-27 12 38 20 ジュネスデッキが先の地区大会で入賞していたので載せておきました。参考までにどうぞ。 -- (名無しさん) 2013-01-17 22 28 13 ↑2〜3コノハナサクヤ発動とニュクスアバターのこともたまには思い出してあげてください -- (名無しさん) 2013-01-20 21 10 32 ジュネスに雪子集中 -- (名無しさん) 2013-01-24 21 23 29 ミスった。↑の続き 入れるか迷うけどどうしよう -- (名無しさん) 2013-01-24 21 24 17 参考の入賞デッキのコメントに「ブレイブザッパーが強い!」って書いてあるのにデッキに一枚しか入ってなくてワロタ -- (名無しさん) 2013-02-04 22 49 29 その人のプレイしてる様子見てたけど、マジでブレイブザッパー使いこなしてたわ。後でレシピ見て1枚しか入ってなかったことにそれはそれは驚いたよ -- (名無しさん) 2013-02-04 23 36 56 ふむぅ、参考になるなぁ・・・ -- (名無しさん) 2014-08-08 04 52 54 参考になんねーよこれw上の奴ら頭沸いてんじゃん。ジュネス打ったらデッキのジュネス持ちの率が下がるって持ってくんの店長の息子なんだから下がるも糞もねーし引いたら必ず全部打たないと負けるわけでもねーし -- (名無しさん) 2014-09-11 17 24 59 使ってみたが、なかなか・・・面白かったしかし、タナトスラッシュの劣化版だなwww助太刀ジュネスは中々使えた印象…Lv2から動かないと散るって書いてるようなものだしなwww -- (名無しさん) 2014-11-05 05 55 39 1、2年前のコメントにマジレスしてるお前らが面白すぎるwww -- (名無しさん) 2015-03-11 04 44 24
https://w.atwiki.jp/gamerowa/pages/28.html
異なる七つの世界に住む三十八の因子。 それらが今集まり、混じり、一つへと集められた――。 ……一つの、“神”の元へと。 ◇ 「…………ぃ。…………おい、……起きろ! 相棒!」 ――自室で眠りについたはず。なのに、部屋にいる筈のない『相棒』の声がした。 覚醒しきっていない頭は疑問すら抱かなかった。ゆっくりと体を起こし、首を振る。 「良かった、目が覚めた見たいだな。大丈夫か?」 まだ頭がぼんやりするが、それ以外に体に以上は見あたらない。そう答えた。 そして、状況確認を始める。今現在、自分が置かれている状況が分からないからだ。 とりあえず周りを見る。埃っぽく、薄暗い空間だった。 ここはどこだろう。当たり前の疑問を口にする。 同じく戸惑っていた様子の『相棒』――花村陽介が、口を開いた。 「分っかんねぇんだよ、それが。気づいたら俺もここに倒れてて、側にお前も倒れてた」 ――どういうことだろうか。さっぱり分からない。 お互い、知らない間にここに連れてこられたらしい。 ……何者かに拉致された? なら陽介もいる理由が分からない。 テレビの中の可能性もあるが、霧がまったく見えないのでそれは無いだろう。 周囲からはざわめきが聞こえる。まだ周りがよく見えないが、他にも人がいる事は確かだった。 他にも知り合いが連れてこられているのだろうか。目を凝らす。 「つうか、あれは何なんだ? コスプレか? なんかシャドウっぽい奴もいるしよ」 陽介が指差す先を見る。 黒い甲冑をまとった騎士――のような人物。 シャドウにしては愛くるしい外見――の、ピンク色の物体。 メイド服――のような物を身にまとった少女。 忍者のようで、サイボーグの外見――の男。 訳が分からない。とりあえずそっとしておこう……。 他に見知った人物がいないか探そうとした時、唐突に明かりがついた。 眩しさに目が眩むと同時に、前方から声が響く。 「はるばる、ようこそ」 白いローブをまとった姿。赤い双眸。 その人物から発せられる声は、不思議な響きを伴っていた。 ……人物、であるかどうかすら怪しい。何故なら『それ』は、上空にふわりと浮かんでいるからだ。 人間の姿をしているが、ヒトでは無い雰囲気を纏っている。 ――一瞬だけ、『それ』と目が合う。 ずきり、と頭のどこかが痛んだ。 「これから、君たちには――」 文字通り「人を見下している」ような目で、『それ』はあっさりと恐ろしい事を口にする。 「…………殺し合いをしてもらう」 ざわり、と会場がどよめく。 「殺し合いをしてもらう」。奴はそう言った。 一体何を言っているのだろう。胸に嫌な予感がわき上がってきたが、どこか現実離れしていた。 「何よそれ、どういう事!?」 どこか遠くで叫ぶ声。自分の友人の――天城雪子の声だった。雪子もここへ来てるのか。 「だいだい、アンタは何なの! 勝手に人を集めといて、『殺し合い』なんでふざけないでよ!」 同じく友人の、里中千枝の声もした。それに続き、怒号と喧噪がわき起こる。 会場は怒りに満ちていた。 殺し合いをしろ、と言われてすんなり納得する人間などいない。自分もそうだ。 だが、『奴』の目は冷たいままだった。 喧噪、叫びを気にしている様子はない。それどころか、哀れんでいるようにも見えた。 「まったく、君たちはどこまでも邪魔をする……」 その双眸と同じ、冷たい感情を宿した声が突き刺さる。 鳥肌が立った。心臓の鼓動が激しくなる。嫌な予感がする。 「この『私』――イザナミに立ち向かう事がどれほど愚かな事か」 「……イザナミだって?」 陽介が繰り返す。 日本で伝わる、国生みの神の名前。――こいつは、神なのか。 ……イザナミ。神話と照らし合わせるならば、自分のペルソナ「イザナギ」と対になる。もしや……。 「そう、君の力の後押しをしたのは私だよ。予想通り君たちは面白い結果を生み出してくれた」 自分の疑問に、いつの間にかこちらを向いていたイザナミが答える。 また頭痛がしたので頭を押さえた。 「何の話をしてるんだよ!? それとこの『殺し合い』に関係あんのか!?」 気持ちを押さえきれなくなったのか、陽介が叫んだ。 「君たちは町を霧で包み、そして晴らした。小さい町にもたらした変化と考えればそれは大きい」 「だが――私には物足りなかった。所詮は田舎町。事件も風化し、霧も忘れ去られる」 「……そう。小さい変化に過ぎないんだ。たとえ特殊な能力を秘めた人間がいたとしても、ね」 意味がよく分からず、話が見えてこない。 周りの人間も抱いている思いを無視しながら、イザナミは会場をぐるりと見渡す。 「しかし、この者達は違う。皆、特別な力に値する物を持って、それを生かしながら暮らしている」 「――面白いとは思わないか? 住む世界も能力も違う、ヒトですらないものが集まればどうなるか?」 面白い、と思えるから、「殺し合い」を要求しているのか……? 「無論、理由はそれだけでは無いよ。だが君たちは知らなくていい事だ」 「……ふざけるな! テメェの都合は知らねぇが、それだけの理由で、殺し合いなんてさせるかッ!!」 陽介が前より強く叫ぶ。自分も同じ気持ちだった。 だが、体が動かない。嫌な予感はいっそう体も心も満たしていく。当たって欲しくは無いが……。 「君たちの欲しい『真実』を口にしても、反抗は止まらないか。……ならば、犠牲が必要だな」 イザナミが呟くと、会場はどこからか現れた白い霧で覆われた。あちこちで悲鳴が上がる。 何も見えない。全てを閉ざしてしまう霧。誰もが、霧の中では無力だ。 ――そして、霧が晴れる。 ひとつの変化がそこにあった。 自分の姪の、まだ幼い子供に過ぎない菜々子が――宙に浮かんでいた。 それも、イザナミの目の前に、だ。 ――菜々子! 体を包んでいる呪縛が解けた。 なりふりかまわず、前に飛び出す。陽介も追ってきた。 千枝、雪子もイザナミの、菜々子の前へと駆けつけた。 「菜々子ちゃんを離して!」「こんな小さい子に何する気よ!」「止めろ! イザナミ!」 仲間達が次々に叫ぶ。自分も菜々子に声を掛けた。 「おにぃ……ちゃん、こわい、……よぉ…………」 訳が分からないまま引き寄せられたのだろう。菜々子は顔面蒼白だった。 目にはうっすらと涙が浮かんでいる。無理もない、まだ小学生の子供なのだから。 「……君たちは本当に愚かだ。いつまでもこの私に逆らうから、この子が――」 「――――死ぬことになる」 ぼん、と軽い音がした。 ……それは、命を奪うには、あまりにも軽い音。 菜々子の恐怖に引きつった顔が、……舞う。首から大量の血を流しながら。 血飛沫が顔にかかった。何も考えられないままに、菜々子の首が地面へと落ちる。 ころころと転がり、こちらを向いた目は、何の感情も宿してはいない。 血を吹き出しながら空中に静止していた幼い体も、どさりと地面に落ちた。 ――…………菜々子!! 甲高い悲鳴。声にならない声。千枝と雪子の叫び声も聞こえる。 ――この会場にいる人間の生殺与奪は、イザナミが全て持っている。 会場の空気は、先ほどの“怒り”から“悲しみ”、そして“恐怖”へと移行した。 ……菜々子が抱いていた感情と同じ物に。 「くっそぉぉおぉぉぉ!! こいつ、よくも菜々子ちゃんを!」 拳を握りしめ、走りだそうとした陽介の肩を掴む。 止める言葉が、悲しみの感情に遮られて出てこない。 「何でだよ、相棒! お前も許せねぇだろ!! こいつは、何の罪も無い菜々子ちゃんを、こんな残酷に――!!」 肩を掴んでいる手に力を入れ、首を激しく左右に振る。 気持ちは陽介と同じだ。自分も怒りに満ちているし、相手を殴らなければ気持ちは収まらない。 だが――それは出来ない。陽介と目を合わせ、言葉にならない感情を必死に伝える。 それを感じ取ったのか、陽介は、ゆっくりと拳を降ろした。 「賢明な判断だ。さらなる犠牲は私にとっても不都合になる――駒は多い方がいい」 声色を変えずにイザナミが言う。 自分だって、飛びかかりたい。唇を噛みしめ、必死にその感情を抑える。鉄の味がした。 だが、これ以上菜々子と同じ目に合う人間は出てはいけない。それは菜々子も望まない。 ……菜々子。 あの笑顔は、もう見られない。 …………怒りがどこかへ過ぎ去り、ゆっくりと胸が悲しみの感情で満たされ始めた。 「納得がいかないのならば、好きなだけ騒げばいい。ただし、さらなる犠牲が生み出される事になる」 イザナミが再度会場を見渡す。 口を開く者は、もう誰もいなかった。 「参加者には荷物を配布する。中には食料、水、地図、筆記用具、時計、コンパス、ランタン、メモ帳が入っている。 その中には殺し合いを円滑に進める為の道具も入っている。他人から奪っても構わない」 「地図にはとある島が載っていて、そこで殺し合いをしてもらう。六×六ブロックに分かれていて、辺りは海だ。 海に入って地図の外に出ようとしたり、後で説明する『禁止エリア』に入ったりしたら、首輪が爆発する」 首に手を当てる。冷たい金属の感触が伝わってきた。 首輪が嵌められていることすら、今まで気づかなかった。 「殺し合いがスタートしてから六時間毎に放送を行う。放送では死亡者の名前と、禁止エリアの発表を行う。 禁止エリアにいる者は、指定された時間までに出ないと死ぬことになる」 「言い忘れていたが、首輪を無理に外そうとしても爆発する。無駄な抵抗はしない方が良い」 二十四時間経過しても死者が出ない場合は、全員の首輪を爆破する。 全員でどこかに隠れてやり過ごす、なんて甘い考えは捨てるんだな」 「最後まで生き残った一人は……そうだな、褒美をやろう。 金、地位、名誉――何でもいい。死者の復活でも構わない。それと元の世界に戻してやる」 「最後になるが、君たちの『能力』についてだ」 イザナミが、ここにいる四人を見た。 「ペルソナ能力は発動可能だ。……他にも、魔法が使えたりする者もいるだろう。基本的に『能力』は使える。 ただしそのままだと面白くない。いくつか制限を設けさせて貰った」 語り終えたイザナミの口が弧を描く。 「――さあ。殺し合いを始めよう」 再び、白い霧が辺りを包んでいく。 そして、深い深い霧が立ちこめ、何も見えなくなった――――。 【堂島菜々子@ペルソナ4 死亡】 ゲームキャラ・バトルロワイアル 開始 主催者 【イザナミ@ペルソナ4】
https://w.atwiki.jp/dream-eleven/pages/471.html
GK ゴールキーパー 選手名 ポイント 初期値 MAX値 数値合計 売値 備考 オフェンス ディフェンス テクニック オフェンス ディフェンス テクニック 藤ヶ谷 陽介 7 24 324 138 82 1083 460 1625 1400 背番号1・30歳・静岡県 河田 晃兵 3 30 201 120 100 671 401 1172 600 背番号19・24歳・大分 太 洋一 4 31 210 123 105 700 411 1216 800 背番号26・29歳・千葉県 木村 敦志 3 30 207 122 103 690 408 1201 600 背番号29・27歳・大阪 武田 洋平 4 9 251 148 800 2012 田尻 健 2 10 199 77 400 2012 木村 敦志 2 10 207 79 400 2012 藤ヶ谷 陽介 6 19 291 170 1200 2012
https://w.atwiki.jp/football-allstars/pages/69.html
hbh2012 第1弾 リアルカード No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 144 GR 遠藤保仁 MF 915 658 669 1093 876 ショートパス FKシュート ワンタッチパス インターセプト 145 GR 武井択也 MF 913 548 768 981 990 - - - - 146 SP 中澤聡太 DF 49 540 658 433 435 - - - - 147 SP ラフィーニャ FW 59 757 431 542 434 ドリブラー シュート ミドルシュート ラインブレイカー 148 SP 二川孝広 MF 611 756 545 966 217 スルーパス FKシュート ポジショニング - 149 SP 明神智和 MF 910 537 868 752 1072 ショートパス ワンタッチパス スライディング - 150 ST 藤ヶ谷陽介 GK 6文字 1文字 1文字 3文字 7文字 ロングパス - - - 151 ST 藤春廣輝 DF 35 533 419 527 321 ブロック - - - 152 ST 佐々木勇人 MF 47 744 529 531 218 ドリブラー スルーパス ハイクロス グラウンダークロス 153 ST 川西翔太 FW 1文字 5文字 3文字 2文字 2文字 シュート ワンタッチシュート フォアチェック ブロック 154 ST 内田達也 DF 13 219 322 17 218 ブロック クリア - - カルビー版オリジナル No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 SP 加地亮 DF 910 539 756 861 1077 ハイクロス - - - デジタルカード No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 353 黒 遠藤保仁 MF 6 5 5 8 6 ショートパス FKシュート ワンタッチパス インターセプト 354 黒 武井択也 MF 6 4 5 7 7 - - - - 355 黒 中澤聡太 DF 3 4 5 3 3 - - - - 356 黒 ラフィーニャ FW 3 6 3 4 3 ドリブラー シュート ミドルシュート ラインブレイカー 357 黒 二川孝広 MF 4 5 4 7 2 スルーパス FKシュート ポジショニング - 358 黒 明神智和 MF 6 4 6 5 8 ショートパス ワンタッチパス スライディング - 359 白 藤ヶ谷陽介 GK 4 1 1 2 5 ロングパス - - - 360 白 藤春廣輝 DF 2 4 3 4 2 ブロック - - - 361 白 佐々木勇人 MF 3 5 4 4 2 ドリブラー スルーパス ハイクロス グラウンダークロス 362 白 川西翔太 FW 1 4 2 1 2 シュート ワンタッチシュート フォアチェック ブロック 363 白 内田達也 DF 1 2 3 1 2 ブロック クリア - - 2012 第2弾 リアルカード No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 BD 今野泰幸 DF 812 546 877 657 1099 プレス スライディング クリア オフサイドトラップ GR 加地亮 DF 813 445 769 774 1098 ハイクロス - - - SP 遠藤保仁 MF 912 646 754 974 861 ショートパス FKシュート ワンタッチパス インターセプト ST 藤ヶ谷陽介 GK 7文字 1文字 1文字 2文字 9文字 ST 中澤聡太 DF 5文字 5文字 7文字 4文字 4文字 ST 倉田秋 MF 5文字 7文字 4文字 6文字 3文字 シュート ショートパス スルーパス グラウンダークロス デジタルカード No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 黒 今野泰幸 黒 加地亮 黒 遠藤保仁 白 藤ヶ谷陽介 白 中澤聡太 白 倉田秋 2012 第3弾 No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 BM 遠藤保仁 MF 916 665 773 1098 882 ロングパス 攻撃型DF FKシュート ワンタッチパス GR 佐藤晃大 FW 813 882 765 553 883 シュート ワンタッチシュート ポストプレイ ラインブレイカー SP パウリーニョ FW 710 863 537 650 647 シュート ミドルシュート スルーパス ワンタッチシュート ST 藤ヶ谷陽介 GK 88 318 318 527 742 ロングパス セットプレイ キャッチ優先 - ST 藤春廣輝 DF 46 638 422 530 318 ドリブラー ブロック - - ST 木村敦志 GK 5文字 3文字 3文字 5文字 3文字 - - - - デジタルカード No 券種 名前 適性 C OF DF TE ST プレイスタイル1 プレイスタイル2 プレイスタイル3 プレイスタイル4 黒 遠藤保仁 MF 文字 文字 文字 文字 文字 ロングパス 攻撃型DF FKシュート ワンタッチパス 黒 佐藤晃大 FW 文字 文字 文字 文字 文字 シュート ワンタッチシュート ポストプレイ ラインブレイカー 黒 パウリーニョ FW 文字 文字 文字 文字 文字 シュート ミドルシュート スルーパス ワンタッチシュート 白 藤ヶ谷陽介 GK 文字 文字 文字 文字 文字 ロングパス セットプレイ キャッチ優先 - 白 藤春廣輝 DF 文字 文字 文字 文字 文字 ドリブラー ブロック - - 白 木村敦志 GK 文字 文字 文字 文字 文字 - - - -
https://w.atwiki.jp/endlesswiki/pages/118.html
DECADANCE 2000.8.23-8.28 2004.4.29~5.5 2008.8.9~8.24 2020.1.24~2.1、2.8~2.9 役名 2000 2004 2008 2020 1.光と影 ルシア 田中良子 田中良子 田中良子 シエル 大森裕子 大森裕子 大森裕子 ラッセル 窪寺昭 窪寺昭 山崎雄介 パサド 加藤靖久 加藤靖久 加藤靖久 ジラファ 中川えりか 佐藤絢子 柊瑠美/杉林沙織 フィーデル 田中覚 榊陽介 榊陽介 アンガス 濱田純司 佐久間祐人 村田洋二郎 リプロ 八巻正明 八巻正明 八巻正明 シーラ 兼森理恵 兼森理恵 中川えりか 男 渡辺将司 小林洋貴 岩崎大輔 ウィル 渕上善一 永島真之介 神父 村田雅和 村田雅和 村田雅和 王 塚本拓弥 西田大輔 西田大輔 2.太陽の子 テイラー 児島功一 児島功一 塩野瑛久 マリウス 西田大輔 西田大輔 長妻怜央 ジェンバ 川畑博稔 佐久間祐人 猪野広樹 パサド 塚本拓弥 塚本拓弥 小南光司 ユベール 濱田純司 村田洋二郎 村田洋二郎 エリシア 塚本千代 建みさと 田中良子 シオン 岡崎司 杉山健一 谷口賢志 オルタンシア 尾崎由香 カヤル 宇佐美雅司 一内侑 中村誠治郎 ダナエ 倉田知美 南口奈々絵 片山萌美 グリーン 宮山国彦 村瀬啓佑 菊池修司 ナップ 村田洋二郎 伊藤寛司 シエル 小室さやか シェリーニ 菅原麻子 宮本京佳 芦原優愛 トム 加藤靖久 加藤靖久 ベル shie 神父 村田雅和 村田雅和 萩野崇 アンナ 木村智早 安藤繭子 白本彩奈 3.ハイノミドリ セナ 上原歩 テト 村田雅和 アシッド 西田大輔 キラ 田中良子 ハイデル 佐久間祐人 ドーグ 伊藤寛司 ギリング 岩崎大輔 マクラン 大畑真彦 ファルコン 村田洋二郎 ヘンドリック 塚本拓弥 クランバール 榊陽介 モリナーセ 宮本京佳 ジーラモ 八巻正明 ネイヴィ 中川えりか スラン 国崎誠 イーシャ 井本みさお チイロ 前田美香 ユサ 木村真奈美 ローズウェル 加藤靖久
https://w.atwiki.jp/sentai-kaijin/pages/6363.html
【名前】 マグマメモリ 【読み方】 まぐまめもり 【登場作品】 仮面ライダーW 【登場話】 第1話「Wの検索/探偵は二人で一人」 【分類】 ガイアメモリ 【内包した記憶】 溶岩 【綴り】 MAGMA 【頭文字デザイン】 Mを象った形状の火山(M) 【変身者】 戸川陽介 【生体コネクタ位置】 左腕 【変身】 マグマ・ドーパント 【詳細】 「溶岩」の記憶を内包したガイアメモリの一つ。 ミュージアムが製造し市販していたメモリの一つで、戸川陽介が購入して使用しマグマ・ドーパントとなった。 溶岩の記憶から生み出されたマグマ・ドーパントは超高熱を発するほか全身から火山弾を発射しての攻撃が可能。 頭文字デザインは噴火する火山を模した「M」。 【余談】
https://w.atwiki.jp/kwskp4/pages/103.html
おおたにはなこ CV 役名表示なし(ゲーム版) /阿川りょう(テレビアニメ版) 生年月日・星座 非公開 身長 150cm(「Persona4 the Golden ANIMATION PRODUCTION PROGRAMS」の設定資料集より) 体重 非公開 血液型 非公開 公式 とてもキャラが濃い。そして体もお腹も大きいナルシストな女の子。ミス八高コンテストにも出場した。どんな評価だったのか分からないが、観客はドン引きしたと思う。 無印での初登場は林間学校だが、『P4G』での初登場は林間学校の直前に追加された主人公達が二輪免許を取った直後バイクを駆り沖奈市に繰り出す場面で、花村陽介がナンパをした際に教えてもらった番号が何故か大谷花子になっており、突如遭遇した後陽介のバイクに乗っかり破壊した。 ダイエット中なのにカレーをバケツ一杯分食べる強者である。 さらにアニメ版では、陽介や主人公(鳴上)も吹き出した物体Xを「新食感」と言って普通に食すという離れ業を見せた。 教師の柏木先生とは非常に仲が良く、文化祭後も天城屋旅館で一緒に泣いていた。 アニメ版では巽完二の事を待ち伏せした挙句「趣味じゃない」と一方的に振っている。この事から、前日完二と同じテントの中で一夜を過ごしたことは覚えていることが分かる。 いびきが非常にうるさく、里中千枝からはイビキ魔神と言われた。 実は主人公の事が好きな上に放課後こっそり学校に出没するクマ(『P4G』にて追加)を狙ったりする、青春真っ盛りな女の子である。 少なくとも料理のスキルは千枝や久慈川りせよりも高いのは確実だったりする。 クマによれば、シャドウより禍々しいオーラらしい。 非公式 ネタにかなりの確率でされる愛すべきキャラ。タルタロス絵茶では神出鬼没の存在。寝落ちをすれば書置きとして書き残されては起きた者に恐怖を与える大いなる存在。『P3』で言う刈り取る者かもしれない。 その強烈なビジュアルと体型、大食漢振りからアバドンの異名を取ることも。