約 24,298 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1204.html
Extra.2 長門有希の思惑 いろいろな事件やらごたごたやら、すべてが終わった後。俺の目の前には朝比奈さん(大)がいる。 そう。俺達は『すべてが終わった後』の、公園にいる。 「すべてが……終わりました。」 「……そうですね。」 静かに、これまでの数々の出来事に思いを馳せる。 「いろいろ……ありました。」 「そうね。わたしはあなたより更に長い時間を掛けているんだけどね。」 きっと、そうなのだろう。俺は一時的にとはいえ過去と現在を行ったり来たりし、三年ほどそのまま待つことになった時もあった。さらには、一万数千回も繰り返す夏の二週間、年換算で590年以上を過ごしたこともあった。 だが、これらは俺の意識の上では経過していないことになっていて、見かけ上は、一繋がりの時の流れになっている。これは俺も、朝比奈さん(大)も同様だ。 だが、朝比奈さん(大)が過ごした時間はそれだけではない。少なくとも、朝比奈さん(小)から朝比奈さん(みちる)を経て朝比奈さん(大)になるだけの時間が、目の前にいる朝比奈さん(大)には流れたのだ。感慨も一入だろう。 さて。そろそろ話を切り出そうか。すべてが終わった後の、エピローグ。あるいは、解答編。 「朝比奈さん。それじゃあ、語ってくれるんですよね? これまであなた達が裏で何をしてきたのか。すべての……解答編を。」 「そうね……すべてが終わったんだものね。それじゃあ、語りましょうか。真相を……」 「わたしも同席させてもらう。」 その時俺の後ろから声がした。朝比奈さん(大)は……驚愕していた。 振り返ると長門がいた。いたのだが……違う。何かが違う。何が違うって、いろいろ違う。すまない。俺も正直混乱している。上手くまとめられる自信がないので、見たものをありのまま話すぜ。 長門が……二人いた。 二人の長門。こいつは今この世に一人しか存在しないはずだ。もちろん普通の人間なら、双子の存在を考えるだろう。一部の普通でない人間や、事情を一部知る人間なら、『同型機』の存在を考えるだろう。 しかし俺は、ある事情から、こいつは正真正銘この世界に一個体しか存在しないことを知っている。それが二人いるということは……間違いない。『異時間同位体』だ。 異時間同位体とは、分かりやすく言うと、朝比奈さん(大)と朝比奈さん(小)の関係だ。同一時間平面上に同時に存在するはずがない、異時間同位体。それが同一時間平面上に存在する光景は、実は結構目撃している。何より、俺自身もそんな状態になったことがある。 そして、振り返ったところにいたこいつ、この銀河を統括する情報統合思念体によって作られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスであるところの長門有希もまた、異時間同位体が同一時間平面上に存在するところを俺は目撃した。というか、そうなるようにした。 しかし、すごいな、俺。こんな難解な長文をすらすらと思い浮かべることができるようになったとは。俺にもいろいろあったからな。 よし、それじゃあ、見たままの情景を語ろう。 長門有希が二人いる。二人は手を繋いでいる。片方は俺が知っている、いつもの制服姿。もう片方は、パンツスタイルのスーツと眼鏡で知的な雰囲気を醸し出している。眼鏡のデザインは、以前に掛けていた飾りも素っ気もないやつじゃない。楕円形の、最近の主流な形だ。その眼鏡はそこに存在するのが当たり前であるかのように、見事に様になっていた。 そうだな……一言で表現すると、『既定事項』ってやつだ。 そして眼鏡を掛け、スーツを着た方の長門は……大きくなっていた。少しだけ。 長門(大)。ワショーイ。 以上だ。俺の混乱ぶりが言葉の端々から伝わったかもしれない。とにかく、そんな光景が俺の前に展開されていたのだ。最後の最後で、とんだサプライズかよ。どこの誰だ、こんなシナリオを書いた奴は。 これもハルヒの仕業なのか? それとも……長門(大)? お前なのか? まったく。最後くらいは平和に美しく終わらせてほしいもんだ。 「やれやれ。」 もう何回言ったか分からないくらい言った、もはや俺の決まり文句を言い、俺は肩をすくめた。まったく。本当にやれやれだぜ。 「さ、参事官……! なぜあなたがここ……この時間へ……!!」 朝比奈さん(大)が震える声で搾り出すように言った。『さんじかん』? 何だそりゃ。 「ここ……この時間での呼び名は、それではない。この時間での呼び名で呼んでほしい。」 長門(大)が静かに口を開く。 「え!? う、は、はい。……な……長門、さん……」 朝比奈さん(大)は、恐る恐る言った。 「そう、それでいい。」 あの~、長門さん? あなたは何をしておいでなのでしょうか。 「わたしはわたしの異時間同位体に呼び出され、ここに連れて来られた。」 長門(小)が言った。どこか複雑な表情を浮かべているように見えた。 「朝比奈みくるがすべてを語ると聞いて、駆け付けた。」 長門(大)が静かに語る。 「わたしもあなたに言うことがある。」 朝比奈さん(大)は、何やら緊張している。 「わたしの今の肩書きは、こう。」 そう言って長門(大)は、紙片を取り出した。栞を模したデザインの名刺だった。 ――総務省時空管理局 ――特務班時空湾曲対策担当 ――参事官 長門有希 名刺には、こう書かれていた。総務省……国家公務員なのか? 「そう。朝比奈みくるは、わたしの部下の一人。」 何と……俺はてっきり、朝比奈さんの上司は朝比奈さんだと思っていたが、確かに朝比奈さん(小)の直属の上司は朝比奈さん(大)かもしれんが、更にその上、朝比奈さん(大)の上司は誰か、考えたことなかったな、そういえば。 「えーと、朝比奈さん。その、『参事官』って、どれくらい上の人なんですか?」 「偉い人です。審議官級だけど局長待遇で……ええと、民間企業で言うところの役員クラスね。送り迎えがある、って言えば、何となく想像が付くかしら?」 なるほど、そう考えれば合点がいく。朝比奈さん(両)が、長門(小)を苦手としていた理由が。過去の存在とはいえ、すごく役職が上の者を相手に、先輩として振舞わなければならないのだ。さぞやりにくかったことだろう。 ところで、もうお気付きかもしれないが、長門(小)が長門(大)になっていて、そして朝比奈さん(大)と同じ時間平面上で上司として存在しているわけだ。 ということは、今この時間平面上にいる長門(大)もまた未来人……というか、未来から来た宇宙人ということになる。 それでは、元々この時間平面上にいる……本当にそうなのか若干疑わしくなってきたが、とりあえずそう仮定して、長門(小)との関係は一体? まさか未来までずっと長門は存在し続けるのか? 「話せば長くなる。」 「構わん。話してくれ。もちろん、余り長くならなければ嬉しいがな。」 「そう。では、話す。こういうことになる……」 長門(大)は語りだした。いつぞやの呪文か、それ以上の早口で。もはや何倍速か分からん…… 「……ということ。わかった?」 「はっきり言おう。」 俺はきっぱりと言った。 「ぜんっぜん分からん。」 「それは残念。あなたが話を短くするようにと言ったから、一分以内に話し終えた。」 そう言って長門(大)は、にひっ、と……悪戯っぽく笑った。長門(大)……お前もそんなジョークが言えるようになったんだな。 「わたしも長い時間を過ごした。有機生命体として存在する以上、変化は起こる。」 長門(大)はにっこりと微笑みながら言った。笑顔が眩しいぜ、長門(大)よ。 「ありがとう。」 ふと見ると、長門達の横に移動していた朝比奈さん(大)も笑っている。長門(小)は、いつもの通り無表情。だが、俺にだけ分かる微細な長門(小)の表情の変化によると、目の前の光景が信じられない様子だった。そりゃそうだろう。もう一人の自分、未来から来た自分が、現在の無表情な自分とは違って、表情豊かに微笑んでいるのだから。 でもな、長門(小)。俺には分かるんだ。そこにいる長門(大)は、間違いなく今のお前と地続き、未来のお前自身なんだ。未来のお前は、それはそれは知的な雰囲気を醸し出して、その雰囲気にぴったりの、お前らしい笑い方ができるようになるんだ。それとな、長門(大)。前にお前に言った言葉は撤回する。そして、これだけは言わせてくれ。 眼鏡も良く似合うぞ、長門。 「はいはい、皆さん。積もる話もあるでしょうし、立ち話も何ですから、お茶にしませんか? 今のわたしにとってみれば、昔取った杵柄。腕によりを掛けて、この時間でお茶を淹れますよ。あ、そうだ。せっかくだから、本格的にお茶を点てちゃいましょうか!」 「それなら、『この時間』のわたしの部屋がいい。気兼ねなく話ができる。」 長門(小)が言った。もしかして、長門(小)を連れて来たのはこのためだったのか? 長門(大)。 「それもある。でも、それだけではない。わたしは過去のわたしと会いたかった。」 「それも既定事項なのか?」 「答えは……いつもあなたの胸に。」 はぐらかされた。マジかよ。 「わたしは、あなたが点ててくれるお茶をまた飲みたいと思っていた。たのしみ。」 「わぁ、本当ですかぁ~!? うれしいですぅ~♪」 未来から来た二人は打ち解けた様子で談笑している。朝比奈さん(大)のさっきまでの緊張はどこへやら。長門(大)の笑顔は、朝比奈さん(大)の心をも溶かしたのだろう。 「この時間のわたしも、顔には出していないが、本当はとても楽しみにしているはず。」 長門(大)は、目を細めて長門(小)の頭をくしゃくしゃと撫でた。長門(小)は、無表情だがなんとなく満更でもない様な顔をしているように見えた。 仲の良い姉妹、そんな光景のように俺の眼には映った。 もし俺だったらどんな光景になるか想像して、やめた。きっとこうなるだろう。 二人して誰かさんに振り回され、全く同じ顔で、同じタイミングで、こう言うのだろう。『やれやれ。』……情けないな、俺。 「ところでお二人さん。これだけは教えておいてくれませんかね。」 『?』 俺の言葉に、二人は揃って首を傾げる。……あまりの美しさに、気が遠くなりそうだぜ。 「本当の……年齢と名前は?」 「それは……」 「…………」 おー、長門(大)の三点リーダは初めて見るんじゃないか? 朝比奈さん(大)は、例の見る者すべてを恋に落としそうな天使のような笑顔で。 長門(大)は、見る者すべてを涅槃に誘いそうな慈愛に満ちた菩薩のような笑顔で。 『禁則事項(です)。』 俺の意識は、極楽浄土へ運ばれた。 ………… ……… …… … 「という、夢を見た。」 「そう。」 放課後の部室、『彼』は言った。他の団員達はまだ来ていない。『彼』が見た夢。わたしと朝比奈みくるの異時間同位体。未来のわたしと朝比奈みくるの関係。 「ユニーク。」 「肝心な部分はさっぱり覚えてへんけど、何(なん)でか、お前らの表情だけははっきり覚えとぉで。」 【肝心な部分はさっぱり覚えてないけど、なぜか、お前らの表情だけははっきり覚えてるぜ。】 「そう。」 『彼』は真面目な顔になって、言った。 「何でこんな夢見たんか分からへんけど、これだけは言わしてくれ。長門。眼鏡掛けたお前も、めちゃめちゃ可愛かったで。」 【何でこんな夢見たのか分からないけど、これだけは言わせてくれ。長門。眼鏡掛けたお前も、すごく可愛かったぞ。】 「…………」 わたしは立ち上がり、窓辺に立って窓に向き合った。『彼』に顔を見られないために。 別に照れているわけではない。この状況なら、あれができると思ったから。 そして、昨日構成した眼鏡を掛け、昨日やってみたことをしてみる。問題はなさそう。眼鏡の意匠は、恐らく『彼』が夢で見たものに近いだろう。 「長門?」 『彼』が訝しがる。わたしは逸る気持ちを抑え、努めて平坦に言った。 「あなたが夢で見たもの。それは……」 わたしは振り返る。昨日鏡の前で練習した、今できる精一杯の、わたしらしいと思われる笑顔を浮かべながら。 「こんな顔?」 この日、『彼』は眼鏡属性に目覚めた。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4773.html
「物質、エネルギー、そして情報。これが、宇宙を構成する三つの要素」 「情報統合思念体って、どういうものだと思ってる?遠い宇宙の果てのはてにある、銀河みたいな星の固まり?それとも、宇宙に漂う、 何か大きなクラゲみたいなもの?」 「どっちも外れね。情報統合思念体は、この宇宙を構成する情報全て。全宇宙の情報が、時に秩序を形成し、 時に無秩序に増殖する。そして、それらを認識する情報。これが情報統合思念体。率直にいえば、この宇宙全体が統合思念体なのよ。 もちろん、あなたも私も思念体の一部。でも安心して、あなたが自分の体の細胞の1つを認識できないように、 思念体もあなたのことなんか全然気にしていないから。」 俺と朝倉は、今カラオケボックスのベンチシート席に居る。最近のカラオケボックスでは、少人数の客はこうしたベンチシートルーム、 3人掛けくらいのベンチ1台に向かい合うようにマシンが設置された小部屋に案内されるようになっている。今日は団のメンバー抜きでの 朝倉との二人連れであり、世間一般的に見ればまあ非常に羨まれるべきシチュエーションなんであるが、やはり一度なりとも刃物で殺され かかった相手というものはなかなかその恐怖を体が忘れづらい。あと、朝倉、普通に会話するだけなら別にマイク使う必要ないだろ。 事の発端はこうである。 朝倉とSOS団の『懇談会』以来、一段とその頻度、クオリティともに激しさを増した長門のレッスンのせいか、俺は最近思い出し笑い、 思い付き笑いを所わきまえず非常に頻繁に繰り返すような状態になってしまい、だんだんクラスでも浮いた存在になってしまってきている。 最近では谷口も挨拶を一拍置いてから返すようになってきているし、国木田は弁当を別のクラスで喰うようになった。笑いさざめくクラスの ドアを開けて教室に入ると、今まで談笑していた生徒全員が一斉に俺の事を注視する、と言ったことも1度や2度ではない。 ハルヒは一人 「なんか、最近のキョンちょっとオモシロイわ!何ていうかほら、バガボンドの最初の頃に出てきた『不動さま』みたい!」 と盛り上がっているが、うん、まあ、ホントはあんまりおもしろい状態でもないんだろ。俺も自分でわかるからさ… そんな孤独と焦燥のさ中にあって、再びクラスの中心人物に返り咲いた朝倉が 「キョン君、今日放課後空いてる?空いてるなら、ちょっと付き合って欲しいんだけどな♪」 と聞えよがしに話しかけてきてくれた時、俺は1も2もなく飛びついてしまった。誰だってそうだよな? そして、放課後俺は口早にハルヒに団活を休む旨を告げると、下駄箱で待ち合わせした朝倉に手を引かれる様にこのカラオケボックスまで来たという訳だ。 「でもね、涼宮さんは別。あなただって、突然自分の体の一部がチクッと痛んだりしたら、何かな、って思うでしょう? 思念体もそう思ったの。いつもどおりに生活していたら、体の一部が変におかしい。何だろう?と思って立ち止まり、調子がおかしい 箇所をしげしげと見ている。調子がおかしい箇所が涼宮さん。それを見つめている目や、触って調べたりしている指が私たち。」 「そういう訳で派遣されてる私たちなんだけど、まあ、私たちだって完璧ではないわけなのよ。同じ宇宙の構成物なんだしね。 目だって指だって病気になるしケガもする。変なものを見ちゃったり、触っちゃったりしたら。」 そう言って、にじり寄ってくる朝倉。 「涼宮さんみたいな強い存在のそばにいたら、私達端末も影響を受けちゃうのよ。本来の機能からエラーを起こして、 自分で勝手に情報を紡いでいくようになるの…あなた達の体でいったら、ガン細胞ね。心でいったら、何かしら…」 朝倉の顔が近い。つぶらな瞳が、俺を真正面から捕えて離さない。 「いっそ、本人に聞くのが一番早いかも♪」 個室のドアが勢いよく開く。廊下の蛍光灯のまばゆい光を逆光に、小柄なシルエットが目に飛び込む。 『…二人とも、表に出ろ』 長門がいた。いつも通りの、高熱に燃える炎のような青白い表情で。 ------------------------------------------------------------------ 俺達がカラオケボックスにいる間に表は小雨になっており、長門は自分で持ってきたであろうビニール傘を差し、 俺は頑強に拒みはしたものの朝倉の持っていた折り畳み傘に結局引っ張り込まれてしまい、先を行く長門の2メートル ほど後ろを2人でついて行っている。 駅前から離れ、踏切を渡りやや閑静なあたりに差し掛かる。 「この前のカラオケでのキョン君の歌。あれ、歌じゃないわ。心の悲鳴よ。キョン君の。」 朝倉が足を止め、長門に声をかける。 「わかってると思うんだけど、最近のキョン君、ちょっともう限界よ。ここまで彼を追い詰めて、何をしたいの?」 長門も足を止め、傘を片手に雨の中、背中で朝倉の言葉を聞いている。 『…獣は、追い詰められた時に一番良い声で鳴く。赤子の声が一番心を打つのは、その母親を呼んで泣き叫ぶとき。』 『歌は、惚気話でもなければ、自慢話でもない。人間の、泣き声。叶わぬ望みが心に叫ばせるもの』 振り向きもせず答える長門。 『だから、人は歌に心をふるわせる。人が、人の泣き声を聞き過ごせぬよう、人の心は、歌にとらえられる』 「なかなか言うじゃない… …まるで、人間にでもなったみたいに。」 口角を上げて、朝倉が答える。 「でも、長門さん、わかってるかしら?私達、端末よ。そんな感傷、本来の機能にはないの。エラーが溜まりすぎちゃったのね。 システムの処理の、暴走。人によっては、こういう風にも、言うかしら」 「『精神病みたいな、もの』、って」 ビニール傘が転がる。 振り向いた長門の顔。いつも通りの、軽く結んだ唇、澄み切った黒い瞳。その瞳の縁から、小雨に打たれた顔の頬を二筋の流れが伝っている。 「観測用端末の更新が発令されたわ。長門さん、あなたはもうとっくに暴走状態。思念体への報告すら満足に行っていない。 私が来たのは、バックアップのためじゃない。あなたと交代して、私が涼宮ハルヒを観測するの。」 「あなたはもう、観測を行える状態じゃない。復旧すらおぼつかないエラーの蓄積状態で、観測対象の周囲にすら影響を働きかけて きている。これはもう、思念体による観測活動継続の為の、除去の対象。つまり---」 朝倉が傘を手放した。 「パーソナルネーム長門有希を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除します。」
https://w.atwiki.jp/hiroki2008/pages/80.html
長門有希の憂鬱IVメイキングオブ 連載中にSNSで書かれていたネタバレ日記に加筆したもの 構成について プロットを書き始めたのは2007年の4月17日になっている。前にも書いたがあの頃ちょうど消失と微笑を読んでいて爆発的に生まれたのがこの6部作である。長門有希の憂鬱Ⅰを書き終えたあたりで続きを書くエネルギーを失い、kiseki氏に手伝ってもらうことになった。プロット自体は経営のものより前に書かれたのでネタが前後してる部分もある。 発案のきっかけは、憂鬱Ⅰを書いていた頃に長門のウエディングシーンを書いてやりたいと考えていて生まれたもの。最初はハルヒの校庭落書き事件からちょうど10年後という設定だったのだが、そのタイミングは誤算に譲ってここでは24才9月という設定に変わった。 時系列的には: 涼宮ハルヒの経営Ⅱ(執筆中) 古泉一樹の誤算 涼宮ハルヒの経営Ⅲ(執筆中) 長門有希の憂鬱Ⅳ←イマココ テーマとしては長門の持つ見えない情熱とかやさしさだった。経営の枝を取り込んでからハルヒのほうが目立ってしまいうまく表現できているかどうか自信がない。スレで後半にも長門の感情表現が欲しかったという感想があったが、確かに後半は挙式と披露宴で駆け足展開なのでそのように感じられる部分もある。長門とハルヒのそれぞれの視点でキョンという存在について考察させたかったのだが、挙式の前日の会話のみにとどまっている。ハルヒが長門のことをどう見ていたかというところにも少し触れている。 全体としては憂鬱Ⅲのような地味な展開で、ドタバタといえば長門の身元捏造に奔走するキョンってところだろうか。このプロットはどちらかといえば80K程度の短編向けだったのだが、それだけでは物足りないということになって3章の消失長門の部分を追加した。文章量的には257Kbyteで原作消失や微笑と同じくらいある。 プロローグ(7.6Kbyte) この部分は本編がほとんど書きあがってから追加された。 長門に似合う車ってどんなのだろうかとずっと考えていて、路上で黄色いニュービートルを見かけてそれに決めた。カタログ取り寄せたんだが新車で300万くらいするらしい。どこここ氏に無理を言って車内のアングルで描いてもらった。 最初のプロットでは確か8月ごろの予定だった。経営ⅡとⅢと誤算の舞台が夏に集中していてやむなく9月ということにしたのだが、筆が進まず締め切りに間に合わないで9月になったという説もある。前作がしょっぱなから波乱含みだったので今回は落ち着いたスタートである。 一 章(28.9Kbyte) 冒頭の長門と携帯で会話する部分は、エリザベスタウンという映画のワンシーンにヒント得て断片として書かれ。どこに挿入するか最後まで決まっていなかった。これ以降は時系列上、展開が詰まっており挿入する場所がなかった。プロローグが書かれてからここに配置した。冒頭の段落でCEOの話なんかが出ているが経営ⅡとⅢのネタバレである。 同窓会の案内の部分で、誤算のときの歴史改変のフォローが入っている。このプロットは誤算より前に書かれたのでこれが必要になった。同窓会はほかに2パターンあり、歴史改変の影響による内容チェックは頭痛の種だった。 二 章(38.6Kbyte) 中河の扱いは微妙である。ヒトメボレLOVERSの中河の人格の再現もさることながら、悪役なのか味方なのかどっちに徹するのか曖昧で言動には慎重を極めた。ハルヒSSは敵対関係を作るとうまい具合にドタバタ展開になるのだが、今回はそういう話ではないのでキョンを動揺させて結婚まで持ち込むために中河を駒として使うということに落ち着いた。の、はずなのだがハルヒ的展開もプロット時点では存在していて、詳しくは三章で後述する。 朝比奈みちるAIは以前にも使わせてもらった、◆eHA9wZFEww氏の涼宮ハルヒシミュレータが原型(ごめん今回は断ってなかった。ちょっと謝ってくる)。 買収ネタはnomadが一時期株に凝っていたことがあって、ネタとして使った。起業のときのネタなんかもそこから着想を得ているが、専門用語を使うときはキョンにあらかじめ説明書きさせるなどして、なるべくには避けた。 キョンの動揺→中河の買収→長門の意思表示という流れは前後関係がシビアだった。どっちかといえばキョンの内面かキョン視点の定点で展開していて、たぶんうまく繋がっているとは思うのだが、繋がりがスムーズにいかないときもあるのはプロットベースのアウトラインで書いているための欠点でもある。 三 章(40.5Kbyte) 消失長門の部分には朝倉を出す予定もあって未公開シーンに含まれている。上書きされた二度目のループ以降の朝倉の扱いが難しかったのと、向こうの世界の中河の存在が霞んでしまうことを懸念して結局書かれなかった。 喜緑さんの説明が固すぎるのはシリーズを通して見られる描写で、喜緑さんの会話が前置きがないというのはオリジナルの設定でもあり、ちょっと反省している。 シリーズ全体に流れるテーマとして平行世界があるのだが、実は分裂のように話全体を二重化する予定もあった。ハルヒが中河テクノロジーにTOBをかけるネタはその流れなのだが、プロットデータの消失長門の部分に、AパートBパートとあるのがそれである。二重化を考えていた理由は、プリン向けにハルヒメイン展開の話と、TFEIスレ向けに長門メインの展開をそれぞれ用意しようかと思いついたところにある。 別のパートはみくるが16歳12月18日へタイムトラベルするという展開だった。その場合の消失長門の時空は“部分的に切り離された時間”ということになっていて、18日にはじまって22日に時間が停止するという話になっている。時間に限界点の概念を与えて空間と同じに扱った。 公開用プロットには書かれていないが、別のパートではキョンと長門をくっつけたのは未来からの干渉だった。背後で動いていたのは無論未来のハルヒなのだが、駒として動かされていたのが中河ということになっている。プロローグとエピローグでは中河が未来のハルヒに作戦指令を受けるシーンと遂行を報告するシーンがあった。某コナミ製ゲームの影響である。 力尽きて二重化まではできなかった。いつかトライしてみたい。 四 章(36.1Kbyte) プロポーズの部分は断片としてスレに貼っている。もうすこし濃いシーンにしてもよかったのだが、キョンが自ら言っているとおり、これがまあ奥手の二人にはお似合いかってところで落ち着いた。長門の結婚願望をもっと前面に押し出してもよかったかもしれない。 長門の後見人は、最初は新川と森にタッグを組ませる予定だったのだが、喜緑さんの立ち位置が非常に曖昧になってしまってやむなく森を降ろした。従姉妹役として用意してたんだがごめん森園生、そのうち主役で書く。 どうしてもオリキャラを出さざるを得ない状況では、すでに登場しているレギュラーの誰かに似せて表現する手法をいつも取る。キョンの両親もハルヒと長門に似せて作ったのだが、作者の中でハルヒはキョンの姉のような存在としてイメージしているので、ここでも母親役になった。 五 章(30.4Kbyte) 前述にあるとおり、新川と森で親子とする予定だったのだが変更された。喜緑さんに依頼するシーンはだいぶ後になって書かれたもの。 正式な結納ではすべて仲人が結納品を取り扱い、新郎新婦が顔を合わせることはない。最近は仲人を省略して新郎の親が挨拶込みでする結納が多いらしい。 六 章(35.4Kbyte) ハルヒと長門の見えざる関係というテーマがずっと謎のままだったので敢えて扱ってみた。原作にも直接的な表現は多くないと思う。ハルヒが長門をどう思っていたか、キョンの存在をどう捉えているか言わせたかったのだが、もう少し突っ込んだ会話にしてもよかったかもしれない。深くは後日扱う予定にしている。 図書館を式場にする案は最初からあった。古泉とキョンの会話の断片をスレに貼ったこともある。部屋の中の描写は実際の間取りを参考にしている。西と東を間違えたりして書き直した。 西宮中央図書館 http //tosho.nishi.or.jp/libraries/chuuo_plan.html 古泉が言っているローエングリンの話は資料を漁っていて偶然見つけた一致。こういうピタリとはまるパズルのピースには感動すら覚える。 キョンの閉鎖空間はピンポンという映画でクライマックスにそういうシーンがあり、そこで着想を得た。もう少し細かい情景描写があってもよかったかもしれない。 七 章(40.5Kbyte) この章はほかの章とは展開もスピードも異なり、独立したプロットが用意された。開始時間が5時になったのはエピローグで花火を見せるためで、最初は午後一くらいからになっていた。 羽織袴の部分は描写が難しくて、読者にはいまいちイメージとして伝わっていないかもしれない。どうやって着付けをするのかは写真を見ないと分かりづらい。 披露宴のために結婚雑誌を何冊か読んだのだが、ケーキカットはそこでヒントを得た。風船の中にくじを入れて割るという、かつてのSOS団バレンタインデーイベントを髣髴とさせるシーンも考えていたのだが、結局は使わなかった。 中河のスピーチは、最初はノーマルなスーツを着て登場していたのだが、二章を推敲しているときにピエロという表現を使ったのに目をつけ、いっそのことピエロコスプレをさせてしまえということになった。ピエロ姿で書き直したところ披露宴会場の雰囲気がガラリと変わってしまい、道化師の雰囲気を動かす力に正直驚いている。 ハルヒの無限時間ループはエンディングの三姉妹ダンスのシーンが書かれてから追加された。せっかくなのでキョンにもいつものフォロー役を持たせようという狙い。実はここですっぱりと終わるか、後日談に繋ぐために別の終わり方をするかずいぶん迷った。三姉妹ダンスできれいに終わるべきだと考えてこの形になった。 エピローグには朝倉と消失長門の雰囲気を入れたのだが、どうもすっきり収まらずに心残りである。花火のシーンは8月中旬に現れるペルセウス座流星群を使いたかったのだが、脱稿が間に合わなくてこれも心残りとなった。 資料一覧 資料URLリスト HTMLファイル
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4108.html
『長門有希の勝負』 その日は、朝からどんよりした天気で、今にも雨が降り出しそうだった。もちろん、そんな天気のことなど関係なく恒例の不思議探索のため、待ち合わせ場所に集合した我らSOS団の一行は、やはり恒例の俺のおごりの喫茶店での組み分けくじ引きの後、天気同様の重い足取りで店を出た。常に快晴エネルギーの団長様を除いて。 案の定、お昼に集合場所に戻ってきた頃には、ぽつりぽつりと降り出してきた。 「午後の探索、どうすんだよ」 イタ飯屋で昼食のパスタをぱくついている団長様に聞いてみた。 「雨が降ろうと槍が降ろうと探索はやるわよ!」 しかし、店を出るころには雨脚は少し強くなっていて、さすがのハルヒも雨の中を探索するのはやめたほうがいいと判断したようだ。 「うーん、この雨では仕方ないわね」 「じゃあ解散というこ……」 「有希、これから有希んちへ行ってもいい?」 俺がすべてを言い終わらないうちに、物事を進めようとするのはいつものことだ、もう驚きはしない。 長門も否定することはなかった。 「……いい」 「うん、こんな日はツイスター勝負ね!」 どんな日なんだよ。 「いいじゃない、健全な高校生にふさわしい遊びよ」 「それもいいんじゃないですか」 だから簡単に肯定するな、古泉。 「ツイスターなら私でもなんとかできますね」 健気にいう朝比奈さんの姿を見ながら、ツイスターのシートの上で朝比奈さんと複雑に絡み合う場面を想像して、古泉に同意せざるを得ない俺って、健全な高校生だよなぁ、やっぱり。 道中のコンビニで少しばかりのお菓子とジュースを仕入れた俺たちは、おなじみの長門のマンションにたどり着いた。 部屋に入ってみると、3LDKのマンションのリビングはいつにもまして殺風景だった。 「あれ、有希、いつのもコタツは?」 ハルヒの声で気づいた。リビングの真ん中にあるこの部屋で唯一の家具といっていいコタツ机がなかった。 「模様替えしようとして片付けている」 いや、まてまて。 「長門、どこをどう模様替えするつもりだ。コタツしかないだろうが」 そう言った俺を、少し怒った表情で眺める長門がいる。うーん、コタツ机の位置が1ミリ動いても部屋の模様替えになる、といわんばかりの表情だ。俺にしかわからん表情の変化だが。 「本体は和室にある」 振り返ると、4本足のコタツの本体部分は、長門の言うとおり和室においてあった。 「天板はあっちの部屋。重いので運ぶのを手伝ってほしい」 「キョン、行ってあげて。古泉君は和室のやつを運んで」 「了解です」 「わかったよ」 「みくるちゃんはお茶の用意してね」 「はーい」 語尾にハートマークがつく朝比奈ボイスを後ろに聞きながら、俺は長門について廊下を玄関の方に向かい、右手にあるドアへと進んだ。 長門のプライベートな部屋に入ったのは初めてだ。ピンク系のカーテンに、山のようにぬいぐるみでも置いていたらどうしようかと思ったが、やはり杞憂だった。 リビングと同様に、いたってシンプルなその部屋には、壁際にベッド、突き当りの廊下に面した窓には白いレースとベージュのカーテンがかかっていて、小さ目の整理ダンスと、丸いテーブルとその上に電気スタンドと読みかけらしいハードカバーが1冊あるだけだった。整理ダンスの上に、前のホワイトデーにお返しとして俺からプレゼントした熊のぬいぐるみがぽつんと置いてあるのが、唯一女の子らしい点だ。 整理ダンスの横の壁には、いつものコタツ机の天板が立てかけてある。 「運ぶのはこれか?」 部屋の奥側にいる長門を見ると、小さくうなずいていた。 結構重いはずなのに、長門一人でどうやって運んだのだろう?得意の情報操作でもしたのか、と考えながら、ふと、振り返ってみると、作り付けのクローゼットの扉が開いていて、ハンガーにかけられている服が視界に飛び込んできた。そこで俺は目を疑ったね。 「これ……全部お前のか?」 やはりうなずく長門。 壁一面の幅のあるクローゼットにかかっていたのは、全部北高の制服だった。夏服と冬服の違いを除いては、同じセーラー服だ。十五・六着はあるか。 「なんでこんなに持ってるんだ?」 「……毎日変えている。おかしい?」 うーん、制服ってもんは、そんなに毎日変えるものではないぞ、普通は。 だいたいシーズンオフにクリーニングに出して、次のシーズンまではクローゼットの中でお休みだ。さすがに高校生にもなれば、そんなに体のサイズが変わることもないから、シーズンごとに買い換えるやつもほとんどいないだろう。 「その日の気分か何かで変えているのか?」 「天気、気温、日照量、その日の行動予定、その他多くのパラメータを総合して、どの制服を着るか判断している」 「で、今日の天気の場合はそれになるのか」 「そう」 長門は両手を広げて軽く首を動かした。ちょっとばかりポーズをとっている……らしい。 「ちなみに昨日着ていたのはどれだ?」 「……この服」 と、クローゼットの右から3番目にかかっていたセーラー服を取り出してきた。 「このあたりの生地の状態が、昨日の状況に適していた」 はて、どう見ても同じなんですけど、長門さん。 宇宙人謹製のなんとかインタフェースの繊細な感覚は、一介の男子高校生たる俺にはわからん。わからんが、ちょっと聞いてみたくなったので、聞いてみた。 「……もし、明日、俺と二人だけで出かけるとしたら、どれを着てきてくれる?」 じっと俺の目を見つめた長門は、やがてクローゼットに手を伸ばすと、なんのためらいもなく、真ん中あたりにかかっている制服を取り出して、その華奢な体の前にあてがった。 「……これ」 す、すまん、俺のために選んでくれたんだろうが、やはり制服以外の何者でもない。 やや上目遣いで、でも、何かしらの自信というか、強い想いのこもった澄んだ瞳で俺をじっと見上げる長門は、やがてポツリとつぶやいた。 「……勝負服」 Fin.
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4566.html
(涼宮ハルヒの陰謀のネタバレを含みます。) 目次 1章 失踪 2章 長い夜 3章 旅 4章 真実 1章 失踪 長門が失踪した。 その日は風邪が流行っており、高校生活1周年をまもなく迎えようかという時期だった。放課後、部室に行くと驚くことにいつも長門が鎮座しているはずの窓辺の椅子が空席なのだ。はじめは、コンピ研にでも行っているのだろうと考えていたが下校時間になってもとうとう部室に現れなかった。SOS団に不可欠な無口キャラが来ないことに業を煮やした我らが団長は携帯電話で電話をした。。。。が出ない。「何回コールしてもでないんだけど、有希どうしちゃったのかしら」ハルヒは動物園のライオンのように部室を無意味に歩き周っていた。キョン「すまん、探してくる。」とてつもない不安に駆られた俺は堪らず部室を飛び出した。「待ちなさい。勝手な行動は団長への背信行為と見なすわよ。」ハルヒは怒声をあげ俺の後を追い、その後ろから朝比奈さん、古泉も付いてきた。コンピ研の扉をノックをせずに開けた俺はそこに長門がいないことを0.2秒で判別し、長門のクラスへ走り出した。コンピ研の部員はただ呆然と立ち尽くしていることだろう。今日ばかりは俺もハルヒの影響を少なからず受けていると認めざるを得ないな。全力で走ったのですぐに教室に着いた。幸いにも教室には数人の生徒が残っている。俺はその生徒の1人から長門が今日学校に来ていないという事実を聞き出した。今度はハルヒが走り出した。「おい、どこに行くんだ。」「職員室よ。担任の先生なら休んだ理由を知ってるかもしれないでしょ。さっさっとついてきなさい。」今度は俺がハルヒの後を追った。このとき俺は団長にはなれないな、と考えるまでもない事実を再確認した。が今はそんなことを言ってる場合ではない。長門が学校に来ない。なぜ?風邪か?インフルエンザか?そんな訳はない。何か用事ができたから、、、いや、あいつの任務はハルヒの観察でそれ以外にすることといえば読書ぐらいのものだ。以前、長門が口にした言葉が頭を横切った。「処分が検討されている。」まさか情報統合思念体の仕業なのか? ハルヒは職員室に入るなり長門のクラス担任を睨みつけ、誘拐犯をみる刑事のような目で「有希はどうしたの?」と声を張り上げた。先生は戸惑いながらも無断欠席で全く連絡がつかないという情報を提供してくれた。それを聞いた我らが団長はすぐに行動を起こした。「有希のマンションに行くわよ」俺たちは長門の住むマンションへと向かう。長門のマンションに着いた一行はインターフォンを何度もならしたが、応答はなかった。古泉は微笑を浮かべながら「風邪の流行っている時期です。きっと長門さん風邪なのでしょう。寝込んでいて、呼び鈴に気づかないのではないのでしょうか。昨日長門さんと話していたら、風邪気味とおっしゃっていたので。風邪で間違いないでしょう。今寝ているのであれば無理に起こさない方がいい。今日は解散しましょう。」ともっともらしい嘘を言った。こいつは超能力者よりペテン師になるべきだな。ハルヒは眉間にしわを寄せ考え込んだが、「そうね。」と言って、俺たちに解散を宣言した。俺はすぐさま古泉をみた。それに気づいた古泉はウィンクを返してきた。何のつもりだ。気持ち悪い。これ以上古泉と目を合わせる必要もないので、朝比奈さんに目配せをした。朝比奈さんもすぐにこちらの視線に気づき真剣な顔で見つめ返してくれた。俺は「あ・と・で」と口パクをして地面を指さした。通じただろうか。まあもし通じていなくとも携帯電話に電話すれば足りることだ。そうして長門のマンション前で解散した。 そして、俺はハルヒの姿が見えなくなったのを確認してマンションに戻った。古泉、朝比奈さんは既に玄関前にいた。 「長門が休むとはどういうことだ。古泉、何か心当たりはあるか?」 「私には検討もつきません。とりあえずインターフォンをならしてみましょう。」 インターフォンを鳴らす。無音が続いた。しかしそれはいつもの無言の返事ではない。本当に誰もいない無音だった。「参りましたね。手の打ちようがありません。お手上げです。」諦めの早い古泉をぶん殴ってやろうかと思ったがそういう自分も解決法があるわけではない。人のことを言える立場ではない。だが俺はこいつと違い諦めの悪い方だ。考えろ!何か糸口があるはずだ。何かが。「そうだ」 俺はひらめいた。「時間遡航だ。昨日に戻って長門に直接事情を聞けばいい。朝比奈さん。今すぐ申請してください。」「ええ。はい。えっと。そうですね。わかりました」朝比奈さんは数秒間、目を閉じた。「だめです。許可が下りません。」どういうことだ。朝比奈(大)さん。行く必要がないからか。それとも長門が消えることが規定事項だからか。俺は冷静さを完全に失っていた。「申請なしではTPDDは使えないのですか」俺は声を荒げた。「駄目です。ご、ごめんなさい。」くっそ!どうなってんだ。朝比奈(大)さん。「もう一度申請してください。」朝比奈さんはぐっと目を閉じた。「ごめんなさい。やっぱりだめです。」朝比奈さんの目には涙が溢れ出していた。 「ごめんなさい。」 その涙で俺は正気を取り戻した。キョン「いえ、許可が下りないということは、解決策が別にあるか、本当に風邪なのかもしれません。いずれにしろ、時間遡航は解決策にはなりえないということでしょう。気にしないでください。朝比奈さん。」朝比奈さんはただ泣くばかりだった。 いつまで考えても他にいい考えが見つからず俺たちは結局、解散した。まだ寒さの残る3月。俺は家路につくため1人自転車をこいでいた。今更ながら後悔した。結局長門がいないと何もできないのかよ。長門が失踪して身にしみて気づいた。俺はいつも長門に頼ってばかりだった。自分で努力することをせず無敵のスーパーマンに任せっきりだった。俺は修羅場をくぐり中学生のときより格段に成長したと思っていたが、そうじゃない。人に頼ってばかりで自分で何もしてないじゃねえか。くそ。そんなんだから朝比奈さんを追い詰めてしまうんだろうが。自分じゃ仲間も助けられないのかよ。 俺は別に急いでいるわけでもないのに全速力で自転車をこいだ。進行方向12時に見覚えのある「やつ」が立っていた。 「やあ。」古泉とは違う微笑を浮かべそいつは言った。朝比奈さんの誘拐に関わった、あの未来人だ。 「君は自分の置かれている状況がわかってないようだから説明しよう。長門有希とは二度と会えない。」きさま。俺は胸ぐらをつかんだ。「おまえがやったのか」「やめたまえ。僕ではない。あの宇宙人はおまえらを守るために自らを犠牲にした。涙ぐましじゃないか。」「どういうことだ。」「情報統合思念体は涼宮ハルヒの精神が安定することを快く思っていない。「進化の可能性」というやつがなくなるからな。情報統合思念体は涼宮ハルヒに大きなショックを与え情報爆発を観測しようとした。それを防ぐため、あの宇宙人はそれを阻止するため涼宮ハルヒの力を使い自らの存在もろとも情報統合思念体を消したと言うわけだ。」「うそだ。なぜ朝比奈さんは時間遡航の許可をださなかった。なぜおまえが俺を助けようとする。理由がない。」「朝比奈みくる達は情報統合思念体の存在を恐れていた。もし彼らが涼宮ハルヒに大きなショックを与えれば、未来が大きく変わりTPDDが存在しなくなるからな。朝比奈みくる達はあの宇宙人を見限った。それは賢明な判断さ。僕の目的はそれを阻止することだ。あの宇宙人の行動を止めれば、情報統合思念体は存続し行動を起こす。そうすればTPDDが発明されなくなる。」キョン「TPDDが発明されなければおまえも時間遡航できないじゃないか。」「僕の使っている装置は彼らのTPDDとは若干違う。99パーセント同じ理論だが、最後の1パーセントが違う。朝比奈みくる達のTPDDはその1パーセントに涼宮ハルヒが大きく関わっている。情報統合思念体が行動を起こしSOS団を崩壊させれば未来は変わる。彼らはTPDDを使えなくなる。僕の目的は朝比奈みくるのTPDDを封じることだ。 宇宙人を助けSOS団を崩壊させるか、SOS団を守るため宇宙人を見捨てるか。どっちを選ぶ。」 選ぶも何もない。そんな選択肢は存在しない。長門が消えればその時点でSOS団は崩壊したといっていい。よってそんな選択肢は存在しない。情報統合思念体が何をするか知らんが、そんときはそんときだ。今は長門を助けることが先決だろう。 しかし。そもそも、こいつの言っていることは信用できるのか?朝比奈さんとこいつどちらが信頼できるかと聞かれたら、俺は100%朝比奈さんを信用すると言うはずだ。だが、なぜなんだ朝比奈(大)さん。どうして時間遡航を拒否したんだ。 いけすかない未来人は言った。 「過去に行くといっても縄文時代じゃない、昨日だ。簡単に帰ってこられる。それに昨日に行ってどう行動するかは君の自由だ。僕は何も束縛しない。なんの不満があるというのだね。」俺は決断した。別にこいつの言うことを信用したからではない。それ以外の選択肢がなかったからだ。長門失踪の理由を知るには過去に遡航するしかない。長門には助けられてばかりだ。一度ぐらい俺が助ける役になってもいいはずだ。俺は迷いのないまっすぐな視線を未来人に向け、こう言った。「昨日に連れて行ってくれ。」 2章 長い夜 後になって冷静に考えてみれば俺はどうにかしていたのかもしれない。朝比奈さんを誘拐しようとしたやつの言うことをほいほいと信じたのだから。 その未来人は律儀にもきっちり24時間過去に連れていった。 「着いたぞ。あれから24時間0分0秒前、3月6日木曜日の午後6時12分だ。約束通り僕は帰る。あとは好きにしろ。君の自由だ。」そう言い残し闇へと消えていった。「ありがとよ」まさか、あいつに礼を言うとは誰が予想しただろう。俺はすぐさま長門のマンションへと向かいインターフォンを鳴らした。「・・・・」無言の応答があった。これほど長門の無言に懐かしさを覚えたことはないだろう。「俺だ。話したいことがある。あけてくれ。」ドアがゆっくり開いた。「入って」長門はいつもと変わらない無表情で、長門の部屋もいつも通り殺風景だった。俺はリビングの隅にかばんを置き、こたつの前に座った。長門は急須と2つの湯飲みを持ってきた。「飲んで」「ああ」長門のお茶を飲んで驚いた。以前より格段にうまい。もしかしたらこいつはお茶を煎れる練習をしていたのかもしれん。まさかな。俺の精神状態がそう感じさせただけだろう。長門は俺の前に座っていた。「長門」「なに」「実は俺は明日から来たんだ。明日、おまえがいなくなる。」「・・・・」「なぜだ。なぜだか知っているか。」「知らない。」長門は淡々と答えた。「私があなたの前から姿を消すことはない。」「じゃあ、なんで学校に来なかった。何か心当たりはないか。」「ない。」長門はいつもより強い口調で言ったように思えた。長門は嘘を言っているようには思えない。これから何かが起こるのか。長門が予想もしない何かが。俺はとてつもない不安に駆られた。長門を失いたくない。俺は長門の両手を包み込むように両手で握りしめた。 「長門。約束してくれ。明日学校に行くと。明日だけじゃない。これからもずっとSOS団にいると。」「約束する。」俺は長門の手を握りしめたまま離さなかった。離してしまうと消えてしまいそうな不安にかられずっと握りしめ続けた。長門は液体ヘリウムのような目で俺を見つめていた。手を離してもよかった。いっそのこと抱きしめようか。しかし、俺は変化を恐れた。このまま何もしなければ永遠にこの時間が続くような気がした。長門を失わなくてすむ。そう思うと俺の手は長門の手から離れなかった。長い夜が続いた。 3章 旅 長い夜の終わり告げるように、鳥のさえずりが聞こえた。窓からかすかに光が差し込む。俺は手を握り続けていた。「離して。行かなければならないところがある。」長門が突然言った。「どこへ?」おれは血の気が引いた。ついに来たか。「大丈夫。私はあなたの前から姿を消すようなことはしない。信じて。」「東経140. 0872278度 北緯36. 2293542度の地点で波動型情報生命体が見つかった。今は問題がないが情報拡張活動が活発化する前に処置を施す必要がある。」いつもながらわけがわからん。「ほっておくとどうなる。」「波動型情報生命体は増殖力が弱く驚異とならない。しかし現在彼らがいる空間は特殊。彼らに適した環境。爆発的な増殖の危険がある。すぐに対処すべき。」長門が俺から離れるための口実ではないだろうか?いや違う。長門は約束してくれた。俺は世界で一番長門の感情を読み取る能力に長けているといっても過言ではない。あの言葉はうそではない。しかし、そうなるとあの未来人の言葉はなんだったんだ。嘘か?だとしたら何のため。やはり罠なのか。しかしもう乗りかかった船だ。途中で引き返すわけにもいかない。「わかった。俺もついて行く。行こう。」俺はこのとき奴らの真の目的が何なのか全くわかっていなかった。わかっていれば事前に古泉に電話くらいはしていただろう。困ることになるからよろしく頼むと。 俺たちはマンションを出て駅へ向かった。朝早くまだ人はまばらだ。駅から私鉄に乗った。早朝の電車に揺られながら長門へ問いかける。「で、どこへいくんだ。」「東経140. 0872278度 北緯36. 2293542度」「いや、すまん。わからん。それがどの辺なのか検討もつかん。何市にあるとか、最寄り駅はどこかとか、俺でもわかるような説明で頼む。」「I県T市。T駅が最寄り駅」俺は意表を突かれた。てっきり電車で数駅行ったところだと思い込んでいた。しかし長門が示した場所は新幹線やら飛行機を使わなければ行けそうにない場所だったのだ。「ちょっと待て。そんなに遠いのか。まさかそんな旅行をするとはみじんこほども思っていないから、俺は何も準備しちゃいない。手ぶらでマンションを出てきちまった。お金も持ってきていやしない。」「大丈夫。」長門は封筒に入った札束を見せた。こいつの所持している現金は日本銀行で発行されたものなのだろうな。俺たちは私鉄を乗り継ぎターミナルへ行き、そこの駅員に長門の言った最寄り駅への順路を聞き、切符を手配した。そこから在来線で新幹線の駅まで行き、俺たちは新幹線に乗った。新幹線の車中、俺が昨日(正確には今日だが)経験したことになることを事細かく説明することにする。説明途中で俺はあることに気づいた。「長門、学校に電話しろ。」「・・・・」「無断欠席だとみんなが心配する。風邪で休むといっておけばいい。」「携帯電話を部屋に置いてきた。」俺の携帯で、と言いかけてやめた。俺は今携帯電話を使えない。同じ時間に同じ番号の携帯電話が2台存在したとすればそれはクローン携帯に他ならない。長門は言う。「あなたの記憶では私は学校に電話していない。その事実に従うべき。」「そうだな。」 新幹線に乗ること2時間半。そこからさらに電車に乗り継ぎ長門の指定する駅についたのは昼過ぎだった。長門の指定する場所は山の中らしく、とうてい歩いていける場所ではなかったのでタクシーに乗ることにした。駅前に広がっていた田園都市はみるみる田んぼへと変化し、気づけば見渡す限り山となった。長門の正確なナビゲーションにより目的地付近に難なくついた。T駅から車で40分ほど走り着いた場所は本当に何もない山奥だった。俺はすぐに戻ってくるからここで待つようタクシーの運転手に伝え、長門の後を追う。そこから車では入ることのできない獣道を歩くこと1分、すぐに視界が開けた。そこには巨大な携帯電話の基地局があった。フェンスに囲まれ立ち入り禁止の看板がある。「着いた。」長門はつぶやき、黙々と塀を登った。俺も後に続き塀を超える。 長門はまっすぐ歩き、巨大な建造物で立ち止まると、そこについた小さな塵を取って言った。「これが波動型情報生命体。有機生命体は粒子性と波動性の両方に束縛される。情報統合思念体はそのどちらにも束縛されない。波動型情報生命体は物体の波動性のみに束縛される。」全くわからん。古泉を連れてくればよかった。「通常は驚異となり得ないがこの空間は波動エネルギーが異常に大きいため、増殖の危険性がある。」そう言いながら長門は指先にのせた塵を見つめるとその塵は消えていった。俺たちがやるべきことは終わったようだ。「ありがとう。」長門は小さくうなずいた。永遠と続く夏休みを解決しようともせず、ただ観察するだけのあの長門が、今やSOS団はおろか、地球の心配までしてくれるんだ。感謝の一言ぐらいあっていいだろう。 「遅くなると行けない。帰ろう。」まだ、日は高い。いまからだと今日中には帰れるだろう。そう思いタクシーの止まっているはずの場所に戻り俺は愕然とした。ない。ないのだ。待ってくれと頼んだはずのタクシーがいないのだ。ここは見渡す限り木しかない山の中だ。どうする。歩いて麓まで歩くべきか。 俺は長門をみた。昨日あれだけ後悔したにも関わらず、長門がどうにかしてくれるだろうと心のどこかで期待する自分が嫌になる。長門は俺の視線に気づき言った。「道順は正確に把握している。歩けば10時間ほどで帰れる。」淡々と言う長門をみて思わず頭を抱えた。それしかないか。別に急いで帰る必要もない。どうせ明日は土曜日、学校は休みだ。このとき俺は知るよしもない。これこそがあの未来人の罠であり、急いで家に帰らなければ後々面倒になるということを。 俺たちが10時間強制ウォーキングを開始して一分も経たないうちに一台のタクシーが俺たちの目の前で止まった。ドアが開き助手席に乗っていた女性が降りようとする。俺の中にあるトラウマが蘇り、長門の肩を持ち体を寄せる。誰だ。刺客か?女性は車から降り笑みを浮かべた。俺が全く予想もしていない人がそこに立っていた。「お久しぶりです。」年齢不詳のその方は俺の緊張を吸い取るような笑みを見せてくれた。俺は運転席をのぞき見る。やはり。そこにいたのは、森さんと新川さんだった。「どうしてここに。」「事情はあとでお話します。とにかく乗ってください。」俺と長門は車に乗り込んだ。車はすぐに走り出す。「どうして森さんはここに、いや、どうして俺たちがここにいることがわかったんですか。」「あなたの居場所を教えてくれた方がいました。誰だと思いますか。」森さんは微笑を浮かべた。俺は今日ここに長門と2人で来ていることを知っている人を検索した。古泉、、は知るはずない。俺の後をつけていない限り、いくらあいつでも俺が朝比奈さん以外の未来人と遭遇することは予想できない。古泉ストーカー説を却下した後、知っていて不思議ではない該当者が1人思い浮かんだ。 古泉は「機関」と未来人はそれほどの協力関係にないようなことを言っていたが多少は交流があるはずだ。「朝比奈さんですか。」「正解です。朝比奈さん。といってももっと未来の朝比奈さんですが。」朝比奈(大)さん。疑ったりしてすまなかった。「どうして朝比奈(大)さんが?」「あなたは明日の9時ごろ北口駅にいる必要があるのです。朝比奈さんはそれを私たちに知らせてくれました。今回の件で私たちと朝比奈さんは利害が完全に一致しています。もちろん、あなたや長門さんとも。」「利害とは?」「現状維持です。急がなければ間に合いません。あなたが間に合わなければ未来が変わってしまいます。朝比奈さんと対立する未来の人たちはあらゆる手段であなたが北口駅に行くことを妨げるでしょう。」「どうして北口駅に行く必要があるんですか。この後、何が起こるんですか。」森さんは微笑みながらこう言った。「未来を知りすぎることはよくありません。あなたが知りすぎた未来に束縛され、ぎこちない行動を取れば涼宮さんが不自然に思います。あなたも今にお分かりになると思います。心配しないでください。不安を抱く必要はありません。別に何もありませんから。」そういわれると余計気になる。俺は長門を見た。長門はそんな俺にぼっそとつぶやくように言った。「禁則事項です。」どうやら2人にいいようにからかわれているらしい。 俺は長門に問うた。「じゃあ、あの波動なんとか体も奴らの仕業なのか」「因果関係は断定できないが可能性は高い。」「波動なんとか体の存在に気づいたのはいつだ。」「私が波動型情報生命体の存在を知ったのは、今日の午前6時。微弱な異常電波を情報統合思念体が受信した。」いくらなんでもタイミングがよすぎる。やつらが俺たちをおびき寄せる手段だと考えて間違いない。だんだんわかってきたぜ。こんな山中に呼び出した理由を。雪山の時のように異空間に飛ばしても長門ならどうにかする。タクシーの運転手が誘拐犯だったとしても長門なら、運転手を気絶させ自分が車を運転するくらいのことはやってのけるだろう。しかし、山中で置き去りにされたらどうなる。さすがの長門も手のうちようがない。しかし、なめんなよ。長門が駄目でも俺たちには未来人も凄腕ドライバーもいる。たとえおまえらがどんな罠を仕掛けようともそう簡単にはやられないぜ。 車は山道を抜け町中を走っていた。行きよりも早く感じるのは、新川さんのテクニックの賜だろう。電話が鳴った。森さんの携帯だ。 「はい。わかりました。ありがとうございます。」 何かの業務連絡のようだった。「新川。Tエクスプレスは電力系統の故障で不通になっています。目的地を都心方面へ変更してください。」 Tエクスプレスは俺たちが行きに乗った私鉄の名称だ。何か嫌な予感がした。まさか奴らが仕掛けたのか。と思った矢先、今まで軽快に流れていた国道が渋滞になった。新川さんは迷わずハンドルをきり車一台がやっとのことで通れる路地に入った。路地に入っても全くスピードを緩める気配はない。この人の本業はドライバーなのか?そうこうしている内に大きな道にでた。幸いにも渋滞ではなかった。どうやら日本すべての交通網が麻痺しているわけではないらしい。車は颯爽と走る。高速道路の入り口が見えてきたところで、またも森さんの電話が鳴った。「ええ。わかりました。」「新川。高速道路は車両横転で渋滞です。高速道路には乗らず、一般道で行ってください。あとこの道は3km先で渋滞しています。次の交差点を左折してください。」もう疑いの余地はない。そんなに偶然がそんなに重なることはない。あの未来人の仕業に違いない。俺はふと時計を見た。6時37分。たしか俺は6時ちょっと過ぎに過去へ遡航したはずだ。つまりこの時間にいる俺は俺1人だ。森さんは交通管制室の管制員のように電話応対をし、新川さんに指示を出していた。その姿を見て俺は自分の携帯の電源が切れていることに気づいた。もうクローン携帯の心配はない。俺は電源を入れる。とすぐさま電話が鳴った。よりによってハルヒからだ。 俺はつばを飲み、一呼吸おいて電話に出た。 「もしもし」「あんた、さっきから何回電話してもつながらなかったわよ。」「すまん。」「明日、有希のお見舞いに行くわよ。北口駅9時集合。いいわね。」このとき俺はどう答えなければならないのか、瞬時に悟った。「わかった。必ず行く。」もし、ここで用事があると言って断れば、森さん達の努力の意味がない。何の理由かはわからんが、森さん達は俺をこの行事に参加させるために、俺を送迎しているのだろう。「キョン?横に誰かいる?」俺は一瞬動揺した。横に長門がいることがばれてしまってはまずい。「いや。誰もいない。」「そう。あんた、あれから有希と連絡した?」俺はぞっとした。ばれたか?「いいや。」「私はあれから連絡したけど電話に出ないの。」ハルヒは長門を気遣っているようだった。答え方を間違えたか。長門に電話したら風邪だと言っていた、とでも言っておけばよかった。ハルヒは続けて言った。「さっき古泉君に電話したんだけど、古泉君は有希に電話をかけたら通じて、学校を休んだ理由を聞いたらやはり風邪だって。」さすが古泉だ。今日ばかりは賛美を送くらなければならんようだ。「長門も疲れているだろう。あいつに電話するのは控えよう。あいつも風邪をおしてどこかに行きやしない。明日いきなりお見舞いに行って長門を驚かしてやろう。」「そうね。 ねえ、今どこにいるの?」俺は冷静な感じの声で言った。「どうして?」「なんか音がするから」「車の中だが」「え?なんで車に乗ってんの?」 俺は動揺した。おちつけ。なんか言い訳を考えろ。「家族で買い物に行っていて。」苦しい言い訳だ。「それよりハルヒ。どうして北口駅集合なんだ。長門のマンションに行くなら現地集合にすればいい。」「バカキョン。あんたはお見舞いに手ぶらで行くつもりなの。有希がすぐに元気になるようなおいしくて栄養価の高い食材を探すのよ。団員ならそれぐらい自分で考えなさい。」 「そうか、すまない。明日9時だな。わかった。」「たまには団長より早く来なさい。」そう言うとハルヒは電話を切った。ふう。なんとかしのいだ。風邪で寝込んでいるはずの長門が、実は風邪ではなく俺との小旅行中で、俺とハルヒの会話の様子を眺めていたと知ったらあいつはどれだけ怒るだろう。すっかり日は沈んでいた。どうやらこのまま車で地元まで帰ることになりそうだ。いったい何時間かかるんだ。どうやら家に夕食の不要と遅くなることを伝える必要がありそうだ。しかし、わからん。なぜ明日ハルヒに会わねばならんのか。俺がさっきの電話で欠席すると宣言しても未来が変わるとは思えん。いくら人の意志を尊重しないハルヒでも一度ぐらい欠席を認めてくれるだろう。ハルヒも成長しているはずだ。 車は一度も休憩もせず走り続けた。新川さんの集中力にはただただ感服する。そんな新川さんには大変申し訳ないことに、俺はあえなく睡魔に負けた。昨日から全く寝ていないんだ。仕方ないだろう。 4章 真実 「起きてもらえますか」俺は森さんの声で目覚めた。できれば長門にも起こして欲しかった。いや今はそんなことをいっている場合ではない。外から光が差し込みまぶしい。俺は時計を見た。間に合ったのか?時計は午前9時ちょうどを示していた。「もうすぐ、北口駅に着きます。あなたの家まで送って着替えてもらう予定でしたが、予想以上の妨害で到着時間が遅れてしまい間に合いませんでした。時間がありません。直接集合場所に向かってください。あと、これに着替えてください。」 森さんから渡されたのは俺のサイズにぴったりあう私服だった。俺はこの時初めて自分が制服を着ていることに気づいた。俺は北口駅から少し離れた場所で車を降り、駅のトイレで森さんが用意していた私服に着替え集合場所に向かった。午前9時を10分ほど回っている。俺は俺が集合場所に着いたとき、ハルヒは目をつり上げて俺を睨んだ。「このバカキョン。」ハルヒの怒声が駅前広場に響いた。 「あんた。団員が寝込んでいるのにのうのうと遅刻するわけ。私の部下にこんな不届き者がいたなんて恥ずかしいわ。」俺はただただ謝罪した。説教タイムが終了した後、俺たちはデパートに向かった。いつものようにハルヒと朝比奈さんは前を歩き、俺と古泉は3mほど後ろをついていった。「おまえは知っていたのか?」「いいえ。私たち機関がこの件を知ったのはあなたが時間遡航した後ですよ。そもそも朝比奈(大)さんがこの一件を事前に把握していたのか、我々にもわかりかねます。」「どういうことだ。」 「朝比奈(大)さんと対立する未来人にとって今回の件は規定事項でなかったと考えるのが妥当でしょう。同様に朝比奈(大)さんにとっても規定事項でない可能性が高いと言えます。」 「なるほどね。」 一行は俺と古泉が持ちきれないほどの食材を買い、長門のいるマンションに向かった。部屋に入ると、長門は布団に横たわり病人のふりをしていた。俺たちは長門のマンションでハルヒ特製、風邪の治る栄養満点料理フルコースを味わったあと解散した。 もうすっかり日が暮れていた。みんなと別れ、俺が1人になった時、朝比奈(大)さんが前に立っていた。朝比奈さんと敵対する未来人の口車に乗り時間遡航をした俺はどんなお咎めをうけてもかまわないと覚悟していたのだが、俺の予想に反してこういった。「おつかれさま。」朝比奈さんは微笑んだ。「立ち話もなんですから例の公園に行きましょう。」俺も朝比奈さんから聞きたいことはたんまりある。あの未来人の本当の目的はなんだったのか。集合場所に間に合わなければどうなっていたのか。公園のベンチで朝比奈さんから種明かしを聞いた。「今回の一連の騒動はすべて彼らの仕業よ。私たちと対立する未来人、長門さんとは違う宇宙人、古泉君達と対立する組織が一体になって企てたの。」 「朝比奈(大)さんは奴らの企てをどうやって知っていたんですか。」 「キョン君がTPDDを申請してくれたから」 「それまでは知らなかったんですね。」 朝比奈さんは微笑んで言った。 「禁則事項です。」 「目的は何だったんですか。」「おそらく涼宮さんの精神的動揺を狙ったもの。」「俺が待ち合わせをすっぽかすことでですか。確かに高校に入学したばかりのハルヒなら古泉が根を上げるような巨大な閉鎖空間を作ったかもしれませんが、今のハルヒはその程度でどうこうなりません。」「もし、あなたが集合時間に到底間に合わず、涼宮さんに断りの電話をいれたとしたらどうなっていたと思います?」あいつなら俺抜きでも長門のマンションに行っただろう。まあ、長門は俺と一緒にいるわけでマンションにはいないが。 「じゃあ、キョン君。その誰もいないマンションの鍵が開いていたらどうなります。」「マンションの鍵は長門が閉めていました。それに仮にハルヒが部屋に入ったとしても見られてまずいものはないはずです。」「鍵なんて魔法を使わなくても簡単にあけることができます。彼らに取っては造作もないことです。本当に見られたらまずいものがなかったかしら。キョン君が部屋を出る時の様子をよく思い出して。」俺は考える。何だ。見られてまずいものなんてないはずだ。 「答えを言いましょう。あなたの「かばん」です。あなたは涼宮さんに電話で、長門さんに連絡を取っていないと言いましたよね。連絡を取っていないのに、長門さんのマンションにあなたのかばんがある理由が言えますか。かばんだけではありません。机の上にはあなたと長門さんが飲んだ2つの湯飲みがあります。勘のいい涼宮さんなら長門さんの部屋で何があったか気づくはずです。キョン君が電話で嘘を言ったことも。いくら涼宮さんの精神が安定したとしても、団員2人が内緒で密会したとなれば相当ショックでしょう。しかも心配していた長門さんの風邪が嘘だと知ったら。団員に裏切られたと考えても仕方ありません。」朝比奈さんの口調はいつもより強かったように思う。まるで朝比奈さんに責められているようだ。しかし朝比奈さんの言うことは正しい。たしかに言い訳のしようがない。俺はハルヒの激しい詰問に耐えかね、すべてを吐いてしまうかもしれん。 俺は朝比奈さんと別れた後、もう一度長門のマンションに向かった。かばんを取りに戻る必要があったからだ。それに長門に言いたいこともあるしな。長門の部屋に入るとさっきまで引いていた布団は畳んであった。俺はリビングで腰を降ろし長門へ言った。 「すまん。」長門は俺が何を言いたいか理解できないようで首をかしげた。「俺はいつもことあるごとに長門に頼っていた。長門ならどうにかしてくれるだろうって。そんな俺の依存心から脱却しようと思ったが、俺は結局長門任せだった。」長門は俺を見続ける。俺は語り続ける。「長門が消えちまったら俺は朝比奈さんに問題を押しつけてしまった。朝比奈さんが自分の非力さで悩んでいるのを知っているのに。朝比奈さんはずっと泣いていた。俺が追い詰めちまったからだ。俺はほんとにバカだ。去年のクリスマスから何も変わっていない。」「違う。」長門は小さな声で、だが力強く言った。「あなたは正しい行動をとった。朝比奈みくるが泣いた理由はあなたに追い詰められたからじゃない。」長門は続ける。「朝比奈みくるは私を助けられないことに泣いた。朝比奈みくるが泣いたのはSOS団として当然のこと。そしてあなたもSOS団の一員。あなたはあなたにできることをすればよい。あなたにできないことは他の団員を頼ればいい。あなたは誰かに頼れることを誇りに思えばいい。あなたがあなた自身を恥じる理由は存在しない。」長門には頭が上がらないな。「ありがとう。」俺は長門に心からの感謝を述べた。
https://w.atwiki.jp/anews/pages/686.html
公式サイト→長門有希ちゃんの消失公式サイト 2015年4月 長門有希ちゃんの消失 第1巻 限定版 [Blu-ray] posted with amazlet at 15.04.09 KADOKAWA / 角川書店 (2015-06-26) 売り上げランキング 1,026 Amazon.co.jpで詳細を見る %E6%9C%89%E5%B8%8C%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93 に関するツイート!function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http /.test(d.location)? http https ;if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+ //platform.twitter.com/widgets.js ;fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document, script , twitter-wjs ); ブログ #blogsearch ニュース 立民・山田勝彦議員 “酔っ払い”迷惑行為 見舞金20万円を渡すも返金される(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース バイオリニスト川井郁子、20周年音楽舞台で娘、細川護熙元首相の孫と共演 - ニッカンスポーツ 新JCB ORIGINAL SERIES、JCBのタッチ決済で20%還元 - Impress Watch ドリームベッド、マットレス工場建て替え 20億円投資 - 日本経済新聞 統計開始以来最低「20万トン」今年のコメの収穫量…作付け面積も過去最低 作況指数は「平年並み」 富山(富山テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「ガンダムSEED」「閃光のハサウェイ」「Zガンダム」の楽曲披露!今夜20時台に「FNS歌謡祭」で特別プログラム放送! 小野賢章がナレーション担当 - アニメ!アニメ!Anime Anime 【静岡・新型コロナ】静岡・富士の小学校で学級閉鎖 富士は児童20人感染し2学級閉鎖(テレビ静岡NEWS) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 石原氏団体、雇用助成金を受給 20年収支報告に計60万円 - 時事通信ニュース 日本ハム・近藤が新庄ビッグボスの〝ダメ出し〟受け目標を上方修正「3割2分、20本塁打、100打点」(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース - スポーツナビ 英拠点ESG株ファンド、COP開催の11月に20億ドル流入 - ロイター (Reuters Japan) 大橋未歩アナ、20年前のテレ東の入社面接を回顧「学歴は書いちゃダメって言われた」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 愛犬と一緒に参拝できる神社ベスト20…健康祈願やお守りも くるまの旅ナビ - レスポンス 最新作公開記念! 12月16日(木)20時からHuluのライブTVで『マトリックス』 前夜祭 開催! - PR TIMES 背後から首絞めたか…帰宅途中の20歳女性襲い現金入った鞄奪った疑い 45歳男逮捕「お金が欲しくて」(東海テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース シマエナガのストームグラスや全20種類のラッピングヤーンなど、フェリシモ「SeeMONO[シーモノ]」から2021年冬の新作が登場 - PR TIMES 前澤友作氏ら搭乗のソユーズ宇宙船「MS-20」打ち上げ成功(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース プロテイン13点万引き、20代女性店員をボンネットに乗せ190m走行…強盗殺人未遂容疑 - 読売新聞オンライン ヘッジファンドの11月運用成績、20年3月以降で最低=HFR - ロイター (Reuters Japan) 来日20人でも特例措置ないボクシング…五輪のための「安全・安心」だった - スポーツ百景 - スポーツコラム - ニッカンスポーツ 30日に20年度成人式 金ケ崎【岩手】(岩手日日新聞社) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 20科目の診療科を持つ総合病院並みの「ナゴヤガーデンクリニック」へクラウド型電子カルテ『CLIUS(クリアス)』を提供! - PR TIMES 増水した川でバスが転倒し水没、20人死亡 ケニア(ロイター) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 20歳・関新天元「自分より若い棋士との戦い、これから大変」 初のタイトル、激戦振り返る(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 河北抄(12/8):20年も前の話。なじみの谷にイワナ釣りに… - 河北新報オンライン 映画「ロード・オブ・ザ・リング」公開20周年記念 ニュージーランド政府観光局公式Twitterでプレゼントキャンペーンを実施 - PR TIMES 8月出産の柳いろは、挙式を報告…20キロダイエット成功でスリムなドレス姿披露「思いが叶いました」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 東京オートサロン2022直前情報、12月11日20時よりオンライン生配信 - Car Watch 「ミッションは越境EC市場20%獲得!」第3回スタ★アトピッチ 出場のお知らせ - PR TIMES 農家女性の声届け20年 いわてポラーノの会、決意新た - 岩手日報 頭皮・頭髪に悩む前に!20代の今だから始める頭皮用美容液「beAnswer(ビーアンサー)スカルプケアエッセンス」を発売 - アットプレス(プレスリリース) 韓国俳優が「兵役逃れ」で反感、20年近く入国できず 一方で入隊し魅力UPした人も? 韓国の兵役事情〈AERA〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 千葉県7日 新たに20代男性など6人コロナ感染 死者の発表なし(チバテレ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 基金、20年度の計画未達3500億円 政府は点検指示へ - 日本経済新聞 山形県の3世代同居率日本一 20年国勢調査、00年から5回連続 - 河北新報オンライン 残業上限超の新潟県職員 倍増 20年度 感染対応が要因 - 新潟日報 20歳で…弟が真珠湾で戦死、葬儀で涙見せぬ母 忘れられない姉「戦争は嫌」 懐かしみ願う平和な世界(埼玉新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 皇室ジャーナリストが振り返る「愛子さま20歳、祝福の軌跡」(FRIDAY) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 妊活は回数が勝負。20・30代から支持される新たな妊活のスタンダード。お客様の声からシリンジ法キット「meeta(ミータ)」がリニューアル:時事ドットコム - 時事通信 換気で寒く冷える…「温活」三種の神器と20分入浴 上半身と下半身の温度差が攻略のカギ(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース CNN解雇のキャスター・クオモ氏、契約金の残り約20億円の支払いを要求 - ニッカンスポーツ 【20代姉妹が経営】ゴルフ界にファストファッションが誕生。細身女性のためのゴルフウェアブランド「ACEANDRARE(エースアンドレア)」 - PR TIMES 祝20周年! タフケータイ「G z One」が令和に復活。12月10日発売決定!! - GIZMODO JAPAN ハリポタ「卒業生おかえりなさい」公開20周年記念特番の予告編公開 - ニッカンスポーツ 長崎、20歳FW植中朝日と契約更新…2018年から所属のMF磯村亮太は契約満了 - Goal.com 「抱きついていないけど胸をもんだ」札幌のスーパー 買い物途中の20代女性 後ろから抱かれる 男を逮捕(北海道ニュースUHB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース オリ宮城の「ネクタイ高そう」 20歳なのに風格すごいスーツ姿が「課長クラス」 - Full-Count 20年国勢調査 県の人口、11万1124人増 前回比 増加続くも「東高西低」 - 東京新聞 オミクロン株3例目 都内の濃厚接触者は20人 - テレビ朝日 1年で13人からプロポーズされた20代美女社長!ビジネス成功の裏に“謎の男性4人”の存在 - テレ朝POST 最新本決算の「1株当たり純利益が大きい」20社ランキング | 会社四季報オンライン - 会社四季報オンライン 輝き放ち始めた「個性派」 上京20年で見えた“居場所”とは 俳優林田麻里 - 西日本新聞 「住宅ローン控除の見直し間近?」20代~50代・はたらく世帯の貯蓄と住宅ローンの残高の推移(LIMO) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【トップ30一覧】新車販売、20カ月ぶり登録車首位はトヨタの主力車種|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch かまいたち「開始20秒でネタ飛んだ」 M-1準決勝でのハプニングを振り返る(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 豪エロクアンスより初集成!ルッジェーロ・リッチ『英デッカ録音全集』(20枚組) - TOWER RECORDS ONLINE - TOWER RECORDS ONLINE 芸歴20年! 元子役・美山加恋、現在は“声優”としても活躍中(ananweb) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 千葉市で「20年前のタイムカプセル開封品」展示 小中学校絵画作品展も(みんなの経済新聞ネットワーク) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <国内男子ゴルフ>大槻智春「V争いをやり続ける」20ー21メルセデス男の誓い - スポーツナビ - スポーツナビ 大学内で20代女性に強制わいせつ容疑、筑波大教授を逮捕 - 読売新聞 大麻を所持した疑い、20歳男を逮捕 岐阜・大垣市の路上(岐阜新聞Web) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ラップが上手いと思う20代以下のジャニーズは誰? 3人を解説(ねとらぼ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 全国から20店集結「カレー博」10日に開幕 2 大阪百福&福井スパイスタリテマスカ?(福井テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース デジタル版ワクチン接種証明書、12月20日開始。要マイナカード - Impress Watch 「神奈川を統一」少年36人摘発 バイク20台“暴走”(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 日本代表にC大阪21歳瀬古歩夢と20歳西尾隆矢のCBコンビが初選出(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ヤクルト・高津監督が正力松太郎賞受賞 球団では20年ぶり5人目の栄誉(サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 頭を後ろから殴りバッグを奪った疑い 20歳の男ら逮捕 大阪市内で同様の手口が相次ぐ(関西テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース オミクロン型に国内IT・通信大手20社はどう対応?緊急調査で分かった温度感 - ITpro J1昇格の京都、生え抜きの20歳MF上月壮一郎と契約満了(超WORLDサッカー!) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「交通費を貸してほしい…」4人の20代女性から100万円以上詐取 浜田市の男4度目の逮捕(島根県)(TSKさんいん中央テレビ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 20年ぶり日本一 ヤクルト高津監督 オーナーに今季の戦いを報告 - NHK NEWS WEB ディズニーシー20周年を祝う“10分間”の限定ショー 合言葉は「タイム・トゥ・シャイン!」(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 2022年はシナモロール デビュー20周年!たくさんの感謝の気持ちとともに世の中を“シナモロールブルー”に - PR TIMES 【速報】宮城県新型コロナ2人感染確認 仙台市20代女性と60代女性 - www.fnn.jp 12月20日再開 大規模接種センター運営費16億円追加提出へ・宮城(tbc東北放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 国民的王道ラブついに完結! 『なまいきざかり。』20巻完全無料&全話イッキ読みキャンペーンがマンガParkで12/8(水)からスタート! - PR TIMES 20~30代の既婚男女の年間ボーナス支給額 最も多い金額は? - ITmedia ビジネスオンライン 木佐彩子アナ「最愛のばばとのお別れ」20歳長男&そっくり母との思い出ショット公開(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 企業の使用権、最長20年 所有者不明土地活用へ倍に 国交省(時事通信) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース オートバックス、LEDバルブ「アルバライズ」刷新 明るさが20%アップ - Car Watch 西武池袋線、人身事故で1時間20分ストップ…通勤客らに影響 - 読売新聞オンライン オリックス・紅林が4倍増で更改「20本、3割に盗塁王!?も」(ベースボールキング) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ペイペイ最大20%分ポイント還元、船橋市内5千店で 市、消費喚起向け今月実施(千葉日報オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース EV普及率は0.8% 充電器は20万基=韓国(聯合ニュース) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 渋野日向子 第2週進出「20位以内には絶対入らないと」バーディー締め(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ソフトバンク明石健志 プロ20年に向けレギュラー奪取目標「来年が大事」(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【角田裕毅F1第20戦密着】スタート直後にアルピーヌ勢が先行、選手権5位の座は遠のく。接触のベッテルには謝罪 - オートスポーツweb 美山加恋、中居正広と約20年ぶりの再会「お会いしてた頃は6歳とか…」(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 嵐、初のライブフィルム『5×20 FILM』“無発声”応援上映が決定(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 国交省、ドローンの事前登録20日から 22年6月義務化(Aviation Wire) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース PS2版『ICO』が発売20周年。少年と少女が手を繋いで冒険するシチュエーションに心打たれた傑作。切なげな雰囲気が漂う幻想的な風景が忘れられない【今日は何の日?】(ファミ通.com) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 《速報》新型コロナ 東京都で新たに20人の感染確認 先週の日曜日より11人増(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース <韓国大統領選挙>「必ず投票」20代88%、30代91%…青年層の政治参加意志ますます強まる(中央日報日本語版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 年末も20%~50%還元のお得な施策が続く スマホ決済12月のキャンペーンまとめ【2021年12月5日】(1/5 ページ) - - ITmedia Mobile 愛子さま20歳「全ての経験が私の財産となっています」眞子さん“NYファッション”のルーツと、佳子さま“スカート丈”への変わらぬこだわり - 文春オンライン 海賊版サイト、半年で閲覧20億件 被害額は正規市場超え - 日本経済新聞 ビットコインが20%超の下落、暗号資産全般が売られる - ブルームバーグ 殺到したスカウトは20社以上!注目女優・仁村紗和が現事務所を選んだ理由とは?(島田薫) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 老朽化した橋「修繕終えるまで20年以上」国交省新試算 - NHK NEWS WEB 天皇皇后両陛下の長女 愛子さま 20歳の誕生日 成年皇族に - NHK NEWS WEB
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4263.html
(涼宮ハルヒの陰謀のネタバレを含みます。) 目次 1章 失踪 2章 長い夜 3章 旅 4章 真実 1章 失踪 長門が失踪した。 その日は風邪が流行っており、高校生活1周年をまもなく迎えようかという時期だった。放課後、部室に行くと驚くことにいつも長門が鎮座しているはずの窓辺の椅子が空席なのだ。はじめは、コンピ研にでも行っているのだろうと考えていたが下校時間になってもとうとう部室に現れなかった。 SOS団に不可欠な無口キャラが来ないことに業を煮やした我らが団長は携帯電話で電話をした。。。。 が出ない。 「何回コールしてもでないんだけど、有希どうしちゃったのかしら」ハルヒは動物園のライオンのように部室を無意味に歩き周っていた。キョン「すまん、探してくる。」 とてつもない不安に駆られた俺は堪らず部室を飛び出した。「待ちなさい。勝手な行動は団長への背信行為と見なすわよ。」 ハルヒは怒声をあげ俺の後を追い、その後ろから朝比奈さん、古泉も付いてきた。コンピ研の扉をノックをせずに開けた俺はそこに長門がいないことを0.2秒で判別し、長門のクラスへ走り出した。コンピ研の部員はただ呆然と立ち尽くしていることだろう。今日ばかりは俺もハルヒの影響を少なからず受けていると認めざるを得ないな。全力で走ったのですぐに教室に着いた。幸いにも教室には数人の生徒が残っている。俺はその生徒の1人から長門が今日学校に来ていないという事実を聞き出した。今度はハルヒが走り出した。 「おい、どこに行くんだ。」 「職員室よ。担任の先生なら休んだ理由を知ってるかもしれないでしょ。 さっさっとついてきなさい。」 今度は俺がハルヒの後を追った。このとき俺は団長にはなれないな、と考えるまでもない事実を再確認した。が今はそんなことを言ってる場合ではない。長門が学校に来ない。なぜ?風邪か?インフルエンザか?そんな訳はない。何か用事ができたから、、、いや、あいつの任務はハルヒの観察でそれ以外にすることといえば読書ぐらいのものだ。以前、長門が口にした言葉が頭を横切った。 「処分が検討されている。」 まさか情報統合思念体の仕業なのか? ハルヒは職員室に入るなり長門のクラス担任を睨みつけ、誘拐犯をみる刑事のような目で「有希はどうしたの?」 と声を張り上げた。先生は戸惑いながらも無断欠席で全く連絡がつかないという情報を提供してくれた。それを聞いた我らが団長はすぐに行動を起こした。「有希のマンションに行くわよ」 俺たちは長門の住むマンションへと向かう。長門のマンションに着いた一行はインターフォンを何度もならしたが、応答はなかった。 古泉は微笑を浮かべながら 「風邪の流行っている時期です。きっと長門さん風邪なのでしょう。寝込んでいて、呼び鈴に気づかないのではないのでしょうか。 昨日長門さんと話していたら、風邪気味とおっしゃっていたので。風邪で間違いないでしょう。今寝ているのであれば無理に起こさない方がいい。今日は解散しましょう。」 ともっともらしい嘘を言った。こいつは超能力者よりペテン師になるべきだな。ハルヒは眉間にしわを寄せ考え込んだが、「そうね。」 と言って、俺たちに解散を宣言した。俺はすぐさま古泉をみた。それに気づいた古泉はウィンクを返してきた。何のつもりだ。気持ち悪い。 これ以上古泉と目を 合わせる必要もないので、朝比奈さんに目配せをした。朝比奈さんもすぐにこちらの視線に気づき真剣な顔で見つめ返してくれた。俺は「あ・と・で」と口パクをして地面を指さした。通じただろうか。まあもし通じていなくとも携帯電話に電話すれば足りることだ。そうして長門のマンション前で解散した。 そして、俺はハルヒの姿が見えなくなったのを確認してマンションに戻った。古泉、朝比奈さんは既に玄関前にいた。 「長門が休むとはどういうことだ。古泉、何か心当たりはあるか?」 「私には検討もつきません。とりあえずインターフォンをならしてみましょう。」 インターフォンを鳴らす。無音が続いた。しかしそれはいつもの無言の返事ではない。本当に誰もいない無音だった。「参りましたね。手の打ちようがありません。お手上げです。」 諦めの早い古泉をぶん殴ってやろうかと思ったがそういう自分も解決法があるわけではない。人のことを言える立場ではない。だが俺はこいつと違い諦めの悪い方だ。考えろ!何か糸口があるはずだ。何かが。「そうだ」 俺はひらめいた。「時間遡航だ。昨日に戻って長門に直接事情を聞けばいい。 朝比奈さん。今すぐ申請してください。」 「ええ。はい。えっと。そうですね。わかりました」 朝比奈さんは数秒間、目を閉じた。 「だめです。許可が下りません。」 どういうことだ。朝比奈(大)さん。行く必要がないからか。それとも長門が消えることが規定事項だからか。俺は冷静さを完全に失っていた。「申請なしではTPDDは使えないのですか」 俺は声を荒げた。 「駄目です。ご、ごめんなさい。」 くっそ!どうなってんだ。朝比奈(大)さん。「もう一度申請してください。」 朝比奈さんはぐっと目を閉じた。 「ごめんなさい。やっぱりだめです。」 朝比奈さんの目には涙が溢れ出していた。 「ごめんなさい。」 その涙で俺は正気を取り戻した。 キョン「いえ、許可が下りないということは、解決策が別にあるか、本当に風邪なのかもしれません。いずれにしろ、時間遡航は解決策にはなりえないということでしょう。気にしないでください。朝比奈さん。」 朝比奈さんはただ泣くばかりだった。 いつまで考えても他にいい考えが見つからず俺たちは結局、解散した。まだ寒さの残る3月。俺は家路につくため1人自転車をこいでいた。今更ながら後悔した。結局長門がいないと何もできないのかよ。長門が失踪 して身にしみて気づいた。俺はいつも長門に頼ってばかりだった。自分で努力することをせず無敵のスーパーマンに任せっきりだった。俺は修羅場をくぐり中学生のときより格段に成長したと思っていたが、そうじゃない。人に頼ってばかりで自分で何もしてないじゃねえか。くそ。そんなんだから朝比奈さんを追い詰めてしまうんだろうが。自分じゃ仲間も助けられないのかよ。 俺は別に急いでいるわけでもないのに全速力で自転車をこいだ。進行方向12時に見覚えのある「やつ」が立っていた。 「やあ。」古泉とは違う微笑を浮かべそいつは言った。朝比奈さんの誘拐に関わった、あの未来人だ。 「君は自分の置かれている状況がわかってないようだから説明しよう。長門有希とは二度と会えない。」 きさま。俺は胸ぐらをつかんだ。 「おまえがやったのか」 「やめたまえ。僕ではない。あの宇宙人はおまえらを守るために自らを犠牲にした。涙ぐましじゃないか。」 「どういうことだ。」 「情報統合思念体は涼宮ハルヒの精神が安定することを快く思っていない。「進化の可能性」というやつがなくなるからな。情報統合思念体は涼宮ハルヒに大きなショックを与え情報爆発を観測しようとした。それを防ぐため、あの宇宙人はそれを阻止するため涼宮ハルヒの力を使い自らの存在もろとも情報統合思念体を消したと言うわけだ。」 「うそだ。なぜ朝比奈さんは時間遡航の許可をださなかった。なぜおまえが俺を助けようとする。理由がない。」 「朝比奈みくる達は情報統合思念体の存在を恐れていた。もし彼らが涼宮ハルヒに大きなショックを与えれば、未来が大きく変わりTPDDが存在しなくなるからな。朝比奈みくる達はあの宇宙人を見限った。それは賢明な判断さ。僕の目的はそれを阻止することだ。あの宇宙人の行動を止めれば、情報統合思念体は存続し行動を起こす。そうすればTPDDが発明されなくなる。」 キョン「TPDDが発明されなければおまえも時間遡航できないじゃないか。」 「僕の使っている装置は彼らのTPDDとは若干違う。 99パーセント同じ理論だが、最後の1パーセントが違う。朝比奈みくる達のTPDDはその1パーセントに涼宮ハルヒが大きく関わっている。情報統合思念体が行動を起こしSOS団を崩壊させれば未来は変わる。彼らはTPDDを使えなくなる。僕の目的は朝比奈みくるのTPDDを封じることだ。 宇宙人を助けSOS団を崩壊させるか、SOS団を守るため宇宙人を見捨てるか。どっちを選ぶ。」 選ぶも何もない。そんな選択肢は存在しない。長門が消えればその時点でSOS団は崩壊したといっていい。よってそんな選択肢は存在しない。情報統合思念体が何をするか知らんが、そんときはそんときだ。今は長門を助けることが先決だろう。 しかし。そもそも、こいつの言っていることは信用できるのか?朝比奈さんとこいつどちらが信頼できるかと聞かれたら、俺は100%朝比奈さんを信用すると言うはずだ。だが、なぜなんだ朝比奈(大)さん。どうして時間遡航を拒否したんだ。 いけすかない未来人は言った。 「過去に行くといっても縄文時代じゃない、昨日だ。簡単に帰ってこられる。それに昨日に行ってどう行動するかは君の自由だ。僕は何も束縛しない。なんの不満があるというのだね。」 俺は決断した。別にこいつの言うことを信用したからではない。それ以外の選択肢がなかったからだ。長門失踪の理由を知るには過去に遡航するしかない。長門には助けられてばかりだ。一度ぐらい俺が助ける役になってもいいはずだ。俺は迷いのないまっすぐな視線を未来人に向け、こう言った。 「昨日に連れて行ってくれ。」 2章 長い夜 後になって冷静に考えてみれば俺はどうにかしていたのかもしれない。朝比奈さんを誘拐しようとしたやつの言うことをほいほいと信じたのだから。 その未来人は律儀にもきっちり24時間過去に連れていった。 「着いたぞ。あれから24時間0分0秒前、3月6日木曜日の午後6時12分だ。 約束通り僕は帰る。あとは好きにしろ。君の自由だ。」 そう言い残し闇へと消えていった。 「ありがとよ」 まさか、あいつに礼を言うとは誰が予想しただろう。俺はすぐさま長門のマンションへと向かいインターフォンを鳴らした。「・・・・」 無言の応答があった。これほど長門の無言に懐かしさを覚えたことはないだろう。「俺だ。話したいことがある。あけてくれ。」ドアがゆっくり開いた。「入って」 長門はいつもと変わらない無表情で、長門の部屋もいつも通り殺風景だった。俺はリビングの隅にかばんを置き、こたつの前に座った。長門は急須と2つの湯飲みを持ってきた。「飲んで」 「ああ」 長門のお茶を飲んで驚いた。以前より格段にうまい。もしかしたらこいつはお茶を煎れる練習をしていたのかもしれん。まさかな。俺の精神状態がそう感じさせただけだろう。長門は俺の前に座っていた。 「長門」 「なに」 「実は俺は明日から来たんだ。明日、おまえがいなくなる。」 「・・・・」 「なぜだ。なぜだか知っているか。」 「知らない。」 長門は淡々と答えた。「私があなたの前から姿を消すことはない。」 「じゃあ、なんで学校に来なかった。何か心当たりはないか。」 「ない。」 長門はいつもより強い口調で言ったように思えた。長門は嘘を言っているようには思えない。これから何かが起こるのか。長門が予想もしない何かが。俺はとてつもない不安に駆られた。長門を失いたくない。俺は長門の両手を包み込むように両手で握りしめた。 「長門。約束してくれ。明日学校に行くと。明日だけじゃない。これからもずっとSOS団にいると。」 「約束する。」 俺は長門の手を握りしめたまま離さなかった。離してしまうと消えてしまいそうな不安にかられずっと握りしめ続けた。長門は液体ヘリウムのような目で俺を見つめていた。手を離してもよかった。いっそのこと抱きしめようか。しかし、俺は変化を恐れた。このまま何もしなければ永遠にこの時間が続くような気がした。長門を失わなくてすむ。そう思うと俺の手は長門の手から離れなかった。長い夜が続いた。 3章 旅 長い夜の終わり告げるように、鳥のさえずりが聞こえた。窓からかすかに光が差し込む。俺は手を握り続けていた。「離して。行かなければならないところがある。」 長門が突然言った。「どこへ?」 おれは血の気が引いた。ついに来たか。「大丈夫。私はあなたの前から姿を消すようなことはしない。信じて。」 「東経140. 0872278度 北緯36. 2293542度の地点で波動型情報生命体が見つかった。今は問題がないが情報拡張活動が活発化する前に処置を施す必要がある。」 いつもながらわけがわからん。 「ほっておくとどうなる。」 「波動型情報生命体は増殖力が弱く驚異とならない。しかし現在彼らがいる空間は特殊。彼らに適した環境。爆発的な増殖の危険がある。すぐに対処すべき。」 長門が俺から離れるための口実ではないだろうか?いや違う。長門は約束してくれた。俺は世界で一番長門の感情を読み取る能力に長けているといっても過言ではない。あの言葉はうそではない。しかし、そうなるとあの未来人の言葉はなんだったんだ。嘘か?だとしたら何のため。やはり罠なのか。しかしもう乗りかかった船だ。途中で引き返すわけにもいかない。 「わかった。俺もついて行く。行こう。」 俺はこのとき奴らの真の目的が何なのか全くわかっていなかった。わかっていれば事前に古泉に電話くらいはしていただろう。困ることになるからよろしく頼むと。 俺たちはマンションを出て駅へ向かった。朝早くまだ人はまばらだ。駅から私鉄に乗った。早朝の電車に揺られながら長門へ問いかける。「で、どこへいくんだ。」 「東経140. 0872278度 北緯36. 2293542度」「いや、すまん。わからん。それがどの辺なのか検討もつかん。何市にあるとか、最寄り駅はどこかとか、俺でもわかるような説明で頼む。」 「I県T市。T駅が最寄り駅」 俺は意表を突かれた。てっきり電車で数駅行ったところだと思い込んでいた。しかし長門が示した場所は新幹線やら飛行機を使わなければ行けそうにない場所だったのだ。「ちょっと待て。そんなに遠いのか。まさかそんな旅行をするとはみじんこほども思っていないから、俺は何も準備しちゃいない。手ぶらでマンションを出てきちまった。お金も持ってきていやしない。」「大丈夫。」 長門は封筒に入った札束を見せた。こいつの所持している現金は日本銀行で発行されたものなのだろうな。俺たちは私鉄を乗り継ぎターミナルへ行き、そこの駅員に長門の言った最寄り駅への順路を聞き、切符を手配した。そこから在来線で新幹線の駅まで行き、俺たちは新幹線に乗った。新幹線の車中、俺が昨日(正確には今日だが)経験したことになることを事細かく説明することにする。説明途中で俺はあることに気づいた。「長門、学校に電話しろ。」 「・・・・」 「無断欠席だとみんなが心配する。風邪で休むといっておけばいい。」 「携帯電話を部屋に置いてきた。」 俺の携帯で、と言いかけてやめた。俺は今携帯電話を使えない。 同じ時間に同じ番号の携帯電話が2台存在したとすればそれはクローン携帯に他ならない。長門は言う。 「あなたの記憶では私は学校に電話していない。その事実に従うべき。」 「そうだな。」 新幹線に乗ること2時間半。そこからさらに電車に乗り継ぎ長門の指定する駅についたのは昼過ぎだった。長門の指定する場所は山の中らしく、とうてい歩いていける場所ではなかったのでタクシーに乗ることにした。駅前に広がっていた田園都市はみるみる田んぼへと変化し、気づけば見渡す限り山となった。長門の正確なナビゲーションにより目的地付近に難なくついた。T駅から車で40分ほど走り着いた場所は本当に何もない山奥だった。俺はすぐに戻ってくるからここで待つようタクシーの運転手に伝え、長門の後を追う。そこから車では入ることのできない獣道を歩くこと1分、すぐに視界が開けた。そこには巨大な携帯電話の基地局があった。フェンスに囲まれ立ち入り禁止の看板がある。「着いた。」 長門はつぶやき、黙々と塀を登った。俺も後に続き塀を超える。 長門はまっすぐ歩き、巨大な建造物で立ち止まると、そこについた小さな塵を取って言った。「これが波動型情報生命体。有機生命体は粒子性と波動性の両方に束縛される。 情報統合思念体はそのどちらにも束縛されない。波動型情報生命体は物体の波動性のみに束縛される。」 全くわからん。古泉を連れてくればよかった。 「通常は驚異となり得ないがこの空間は波動エネルギーが異常に大きいため、増殖の危険性がある。」 そう言いながら長門は指先にのせた塵を見つめるとその塵は消えていった。 俺たちがやるべきことは終わったようだ。 「ありがとう。」 長門は小さくうなずいた。 永遠と続く夏休みを解決しようともせず、ただ観察するだけのあの長門が、今やSOS団はおろか、地球の心配までしてくれるんだ。感謝の一言ぐらいあっていいだろう。 「遅くなると行けない。帰ろう。」 まだ、日は高い。いまからだと今日中には帰れるだろう。そう思いタクシーの止まっているはずの場所に戻り俺は愕然とした。ない。ないのだ。待ってくれと頼んだはずのタクシーがいないのだ。ここは見渡す限り木しかない山の中だ。どうする。 歩いて麓まで歩くべきか。 俺は長門をみた。昨日あれだけ後悔したにも関わらず、長門がどうにかしてくれるだろうと心のどこかで期待する自分が嫌になる。長門は俺の視線に気づき言った。 「道順は正確に把握している。歩けば10時間ほどで帰れる。」 淡々と言う長門をみて思わず頭を抱えた。それしかないか。別に急いで帰る必要もない。どうせ明日は土曜日、学校は休みだ。このとき俺は知るよしもない。これこそがあの未来人の罠であり、急いで家に帰らなければ後々面倒になるということを。 俺たちが10時間強制ウォーキングを開始して一分も経たないうちに一台のタクシーが俺たちの目の前で止まった。ドアが開き助手席に乗っていた女性が降りようとする。俺の中にあるトラウマが蘇り、長門の肩を持ち体を寄せる。誰だ。刺客か?女性は車から降り笑みを浮かべた。俺が全く予想もしていない人がそこに立っていた。 「お久しぶりです。」年齢不詳のその方は俺の緊張を吸い取るような笑みを見せてくれた。俺は運転席をのぞき見る。やはり。そこにいたのは、森さんと新川さんだった。「どうしてここに。」 「事情はあとでお話します。とにかく乗ってください。」 俺と長門は車に乗り込んだ。車はすぐに走り出す。「どうして森さんはここに、いや、どうして俺たちがここにいることがわかったんですか。」 「あなたの居場所を教えてくれた方がいました。誰だと思いますか。」 森さんは微笑を浮かべた。俺は今日ここに長門と2人で来ていることを知っている人を検索した。古泉、、は知るはずない。俺の後をつけていない限り、いくらあいつでも俺が朝比奈さん以外の未来人と遭遇することは予想できない。 古泉ストーカー説を却下した後、知っていて不思議ではない該当者が1人思い浮かんだ。 古泉は「機関」と未来人はそれほどの協力関係にないようなことを言っていたが多少は交流があるはずだ。「朝比奈さんですか。」「正解です。朝比奈さん。といってももっと未来の朝比奈さんですが。」朝比奈(大)さん。疑ったりしてすまなかった。「どうして朝比奈(大)さんが?」 「あなたは明日の9時ごろ北口駅にいる必要があるのです。朝比奈さんはそれを私たちに知らせてくれました。今回の件で私たちと朝比奈さんは利害が完全に一致しています。もちろん、あなたや長門さんとも。」「利害とは?」 「現状維持です。急がなければ間に合いません。あなたが間に合わなければ未来が変わってしまいます。朝比奈さんと対立する未来の人たちはあらゆる手段であなたが北口駅に行くことを妨げるでしょう。」 「どうして北口駅に行く必要があるんですか。この後、何が起こるんですか。」 森さんは微笑みながらこう言った。「未来を知りすぎることはよくありません。あなたが知りすぎた未来に束縛され、ぎこちない行動を取れば涼宮さんが不自然に思います。あなたも今にお分かりになると思います。心配しないでください。不安を抱く必要はありません。別に何もありませんから。」 そういわれると余計気になる。俺は長門を見た。長門はそんな俺にぼっそとつぶやくように言った。「禁則事項です。」 どうやら2人にいいようにからかわれているらしい。 俺は長門に問うた。 「じゃあ、あの波動なんとか体も奴らの仕業なのか」 「因果関係は断定できないが可能性は高い。」 「波動なんとか体の存在に気づいたのはいつだ。」 「私が波動型情報生命体の存在を知ったのは、今日の午前6時。 微弱な異常電波を情報統合思念体が受信した。」 いくらなんでもタイミングがよすぎる。やつらが俺たちをおびき寄せる手段だと考えて間違いない。だんだんわかってきたぜ。こんな山中に呼び出した理由を。雪山の時のように異空間に飛ばしても長門ならどうにかする。タクシーの運転手が誘拐犯だったとしても長門なら、運転手を気絶させ自分が車を運転するくらいのことはやってのけるだろう。しかし、山中で置き去りにされたらどうなる。さすがの長門も手のうちようがない。しかし、なめんなよ。長門が駄目でも俺たちには未来人も凄腕ドライバーもいる。たとえおまえらがどんな罠を仕掛けようともそう簡単にはやられないぜ。 車は山道を抜け町中を走っていた。行きよりも早く感じるのは、新川さんのテクニックの賜だろう。電話が鳴った。森さんの携帯だ。 「はい。わかりました。ありがとうございます。」 何かの業務連絡のようだった。「新川。Tエクスプレスは電力系統の故障で不通になっています。目的地を都心方面へ変更してください。」 Tエクスプレスは俺たちが行きに乗った私鉄の名称だ。何か嫌な予感がした。まさか奴らが仕掛けたのか。と思った矢先、今まで軽快に流れていた国道が渋滞になった。新川さんは迷わずハンドルをきり車一台がやっとのことで通れる路地に入った。路地に入っても全くスピードを緩める気配はない。この人の本業はドライバーなのか?そうこうしている内に大きな道にでた。幸いにも渋滞ではなかった。どうやら日本すべての交通網が麻痺しているわけではないらしい。車は颯爽と走る。高速道路の入り口が見えてきたところで、またも森さんの電話が鳴った。 「ええ。わかりました。」 「新川。高速道路は車両横転で渋滞です。高速道路には乗らず、一般道で行ってください。あとこの道は3km先で渋滞しています。次の交差点を左折してください。」 もう疑いの余地はない。そんなに偶然がそんなに重なることはない。あの未来人の仕業に違いない。俺はふと時計を見た。6時37分。たしか俺は6時ちょっと過ぎに過去へ遡航したはずだ。つまりこの時間にいる俺は俺1人だ。森さんは交通管制室の管制員のように電話応対をし、新川さんに指示を出していた。 その姿を見て俺は自分の携帯の電源が切れていることに気づいた。 もうクローン携帯の心配はない。俺は電源を入れる。とすぐさま電話が鳴った。よりによってハルヒからだ。 俺はつばを飲み、一呼吸おいて電話に出た。 「もしもし」 「あんた、さっきから何回電話してもつながらなかったわよ。」 「すまん。」 「明日、有希のお見舞いに行くわよ。北口駅9時集合。いいわね。」 このとき俺はどう答えなければならないのか、瞬時に悟った。 「わかった。必ず行く。」 もし、ここで用事があると言って断れば、森さん達の努力の意味がない。何の理由かはわからんが、森さん達は俺をこの行事に参加させるために、俺を送迎しているのだろう。「キョン?横に誰かいる?」 俺は一瞬動揺した。横に長門がいることがばれてしまってはまずい。「いや。誰もいない。」「そう。あんた、あれから有希と連絡した?」俺はぞっとした。ばれたか?「いいや。」「私はあれから連絡したけど電話に出ないの。」ハルヒは長門を気遣っているようだった。答え方を間違えたか。長門に電話したら風邪だと言っていた、とでも言っておけばよかった。ハルヒは続けて言った。「さっき古泉君に電話したんだけど、古泉君は有希に電話をかけたら通じて、学校を休んだ理由を聞いたらやはり風邪だって。」さすが古泉だ。今日ばかりは賛美を送くらなければならんようだ。「長門も疲れているだろう。あいつに電話するのは控えよう。あいつも風邪をおしてどこかに行きやしない。明日いきなりお見舞いに行って長門を驚かしてやろう。」「そうね。 ねえ、今どこにいるの?」俺は冷静な感じの声で言った。 「どうして?」 「なんか音がするから」 「車の中だが」 「え?なんで車に乗ってんの?」 俺は動揺した。おちつけ。なんか言い訳を考えろ。 「家族で買い物に行っていて。」 苦しい言い訳だ。 「それよりハルヒ。どうして北口駅集合なんだ。長門のマンションに行くなら現地集合にすればいい。」「バカキョン。あんたはお見舞いに手ぶらで行くつもりなの。有希がすぐに元気になるようなおいしくて栄養価の高い食材を探すのよ。団員ならそれぐらい自分で考えなさい。」 「そうか、すまない。明日9時だな。わかった。」「たまには団長より早く来なさい。」そう言うとハルヒは電話を切った。ふう。なんとかしのいだ。風邪で寝込んでいるはずの長門が、実は風邪ではなく俺との小旅行中で、俺とハルヒの会話の様子を眺めていたと知ったらあいつはどれだけ怒るだろう。すっかり日は沈んでいた。 どうやらこのまま車で地元まで帰ることになりそうだ。いったい何時間かかるんだ。どうやら家に夕食の不要と遅くなることを伝える必要がありそうだ。 しかし、わからん。なぜ明日ハルヒに会わねばならんのか。俺がさっきの電話で欠席すると宣言しても未来が変わるとは思えん。いくら人の意志を尊重しないハルヒでも一度ぐらい欠席を認めてくれるだろう。ハルヒも成長しているはずだ。 車は一度も休憩もせず走り続けた。新川さんの集中力にはただただ感服する。そんな新川さんには大変申し訳ないことに、俺はあえなく睡魔に負けた。昨日から全く寝ていないんだ。仕方ないだろう。 4章 真実 「起きてもらえますか」 俺は森さんの声で目覚めた。できれば長門にも起こして欲しかった。いや今はそんなことをいっている場合ではない。外から光が差し込みまぶしい。俺は時計を見た。間に合ったのか?時計は午前9時ちょうどを示していた。「もうすぐ、北口駅に着きます。あなたの家まで送って着替えてもらう予定でしたが、予想以上の妨害で到着時間が遅れてしまい間に合いませんでした。時間がありません。直接集合場所に向かってください。あと、これに着替えてください。」 森さんから渡されたのは俺のサイズにぴったりあう私服だった。俺はこの時初めて自分が制服を着ていることに気づいた。俺は北口駅から少し離れた場所で車を降り、駅のトイレで森さんが用意していた私服に着替え集合場所に向かった。午前9時を10分ほど回っている。俺は俺が集合場所に着いたとき、ハルヒは目をつり上げて俺を睨んだ。 「このバカキョン。」 ハルヒの怒声が駅前広場に響いた。 「あんた。団員が寝込んでいるのにのうのうと遅刻するわけ。 私の部下にこんな不届き者がいたなんて恥ずかしいわ。」俺はただただ謝罪した。説教タイムが終了した後、俺たちはデパートに向かった。いつものようにハルヒと朝比奈さんは前を歩き、俺と古泉は3mほど後ろをついていった。「おまえは知っていたのか?」 「いいえ。私たち機関がこの件を知ったのはあなたが時間遡航した後ですよ。そもそも朝比奈(大)さんがこの一件を事前に把握していたのか、我々にもわかりかねます。」 「どういうことだ。」 「朝比奈(大)さんと対立する未来人にとって今回の件は規定事項でなかったと考えるのが妥当でしょう。同様に朝比奈(大)さんにとっても規定事項でない可能性が高いと言えます。」 「なるほどね。」 一行は俺と古泉が持ちきれないほどの食材を買い、長門のいるマンションに向かった。部屋に入ると、長門は布団に横たわり病人のふりをしていた。俺たちは長門のマンションでハルヒ特製、風邪の治る栄養満点料理フルコースを味わったあと解散した。 もうすっかり日が暮れていた。みんなと別れ、俺が1人になった時、朝比奈(大)さんが前に立っていた。朝比奈さんと敵対する未来人の口車に乗り時間遡航をした俺はどんなお咎めをうけてもかまわないと覚悟していたのだが、俺の予想に反してこういった。 「おつかれさま。」 朝比奈さんは微笑んだ。 「立ち話もなんですから例の公園に行きましょう。」 俺も朝比奈さんから聞きたいことはたんまりある。 あの未来人の本当の目的はなんだったのか。集合場所に間に合わなければどうなっていたのか。公園のベンチで朝比奈さんから種明かしを聞いた。「今回の一連の騒動はすべて彼らの仕業よ。私たちと対立する未来人、長門さんとは違う宇宙人、古泉君達と対立する組織が一体になって企てたの。」 「朝比奈(大)さんは奴らの企てをどうやって知っていたんですか。」 「キョン君がTPDDを申請してくれたから」 「それまでは知らなかったんですね。」 朝比奈さんは微笑んで言った。 「禁則事項です。」 「目的は何だったんですか。」 「おそらく涼宮さんの精神的動揺を狙ったもの。」 「俺が待ち合わせをすっぽかすことでですか。確かに高校に入学したばかりのハルヒなら古泉が根を上げるような巨大な閉鎖空間を作ったかもしれませんが、今のハルヒはその程度でどうこうなりません。」 「もし、あなたが集合時間に到底間に合わず、涼宮さんに断りの電話をいれたとしたらどうなっていたと思います?」 あいつなら俺抜きでも長門のマンションに行っただろう。まあ、長門は俺と一緒にいるわけでマンションにはいないが。 「じゃあ、キョン君。その誰もいないマンションの鍵が開いていたらどうなります。」 「マンションの鍵は長門が閉めていました。それに仮にハルヒが部屋に入ったとしても見られてまずいものはないはずです。」 「鍵なんて魔法を使わなくても簡単にあけることができます。彼らに取っては造作もないことです。本当に見られたらまずいものがなかったかしら。キョン君が部屋を出る時の様子をよく思い出して。」 俺は考える。何だ。見られてまずいものなんてないはずだ。 「答えを言いましょう。あなたの「かばん」です。あなたは涼宮さんに電話で、長門さんに連絡を取っていないと言いましたよね。連絡を取っていないのに、長門さんのマンションにあなたのかばんがある理由が言えますか。かばんだけではありません。机の上にはあなたと長門さんが飲んだ2つの湯飲みがあります。勘のいい涼宮さんなら長門さんの部屋で何があったか気づくはずです。キョン君が電話で嘘を言ったことも。いくら涼宮さんの精神が安定したとしても、団員2人が内緒で密会したとなれば相当ショックでしょう。しかも心配していた長門さんの風邪が嘘だと知ったら。団員に裏切られたと考えても仕方ありません。」 朝比奈さんの口調はいつもより強かったように思う。まるで朝比奈さんに責められているようだ。しかし朝比奈さんの言うことは正しい。たしかに言い訳のしようがない。俺はハルヒの激しい詰問に耐えかね、すべてを吐いてしまうかもしれん。 俺は朝比奈さんと別れた後、もう一度長門のマンションに向かった。かばんを取りに戻る必要があったからだ。それに長門に言いたいこともあるしな。 長門の部屋に入るとさっきまで引いていた布団は畳んであった。俺はリビングで腰を降ろし長門へ言った。 「すまん。」 長門は俺が何を言いたいか理解できないようで首をかしげた。 「俺はいつもことあるごとに長門に頼っていた。長門ならどうにかしてくれるだろうって。そんな俺の依存心から脱却しようと思ったが、俺は結局長門任せだった。」 長門は俺を見続ける。俺は語り続ける。「長門が消えちまったら俺は朝比奈さんに問題を押しつけてしまった。朝比奈さんが自分の非力さで悩んでいるのを知っているのに。朝比奈さんはずっと泣いていた。俺が追い詰めちまったからだ。俺はほんとにバカだ。去年のクリスマスから何も変わっていない。」「違う。」 長門は小さな声で、だが力強く言った。「あなたは正しい行動をとった。朝比奈みくるが泣いた理由はあなたに追い詰められたからじゃない。」 長門は続ける。「朝比奈みくるは私を助けられないことに泣いた。朝比奈みくるが泣いたのはSOS団として当然のこと。そしてあなたもSOS団の一員。あなたはあなたにできることをすればよい。あなたにできないことは他の団員を頼ればいい。あなたは誰かに頼れることを誇りに思えばいい。あなたがあなた自身を恥じる理由は存在しない。」 長門には頭が上がらないな。 「ありがとう。」 俺は長門に心からの感謝を述べた。
https://w.atwiki.jp/ranobesaikyou/pages/1181.html
19スレ目 光速議論 18スレ目 417 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 00 51 52 ID 8xUxgl6d そういえば長門の修正ってどないなった? 統合思念体がルール1-1に抵触するとかしないとかで 418 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 01 00 54 ID rQC2NEUv 417 その問題以外にも修正必要みたいに 言われてるし、修正行きだと思うが 420 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 02 13 25 ID +CQLl/ZU 統合思念体がNGならスレイヤーズの黒魔術もダメか? ところで何故、長門はあんな低位から考察してんのさ。 超光速でワープで触ればほとんど終わりなんてスペックなら遥か上だろ。 543 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 06 19 45 ID t5edI7lj 長門の超光速反応は、正確には調べないと判らないけど数mの距離だった。 予測不可能な事態で発射源から標的も、長門から標的も5m以内だったはず。 『光が数m進む間に、知覚して反応して数m移動して手を出して庇う事が出来る』超光速反応。 544 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 06 32 45 ID t5edI7lj サクッと本が出てきたので追記。 こういう状況だった。 みくる(レーザー発射人) | |距離不明だった(10mくらい有ったのかも) | 長門(射線からは少し外れていた?) | |2m キョン(標的。長門の後ろ姿が視界に入っており、レーザーは眼を貫通する射線だった) ※みくるとキョンの距離は不明。少なくとも長門~みくるの距離+2mよりは近い。 で、長門はキョンの間近に移動してレーザーを防いでる。 おそらくレーザーが横を通り過ぎてから『急いで(ワープで?)追いかけて』庇ったと推測。 545 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 06 53 25 ID RkzBbCIs みくるレーザーって光速なの? 546 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 07 18 03 ID t5edI7lj 545 原理が凝縮光と明言されてる。 あと明確な根拠にはならないけど、前後の文面でも光速というのが意識されてる。 (目撃者(一般人なんだが)が光速のようなうんぬん) 547 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 08 10 07 ID TxafScNG 546 とりあえず文章がほしいかな、後未来予測が反応を曖昧にしてる結局それはできるのか? あと凝縮光とはいえ光速なのか?他の反応を見ると光速とはとても思えんのだが 定義は機械のレーザー=光速で不思議発生源では怪しい気もする基本、攻撃に速度は欲しい どうでも良いがミルクロって光速扱いだが違うんでない?こいつは露骨に不思議光線だと思うんだが(いつの間にか馴染んでたな) まああんまり変わらんかもシレンガ 548 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 08 25 06 ID ymyY9Fic 546 その説明じゃ何もわからん 549 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 09 01 00 ID i2rbRv1M 547 同期は使ってない。 同期はエマージェンシーモードで普段は使用してないから。 多分、記憶の共有も一時的なもので状況が変われば元に戻ると思う。 だけど光速反応かは当てにならないのも事実。 前兆のないみくるレーザーだが、飽くまで一般人の主人公視点から言えること。 長門自身はハルヒによる世界改変を感知できるので レーザーも予測できたのではないかと思う。 そもそも一人称という小説の形態上、完全に信頼できる描写がない。 文字通り、常人(主人公)反応不可あたりまでしか保証できない。 550 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 09 17 41 ID t5edI7lj 547 凝縮光を光速と認めずに何を光速とすれば良いんだ? 光そのものなんだから。 世界法則として光速が遅いんじゃないかとまで言うならそれは否定できないけど(w 他の描写との比較は、実際よく判らない。 確かになんか差が有るようにも思えるんだけど、 戦闘描写の大半は大幅に能力を制限された状態で戦った一巻の物だし。 能力制限、足手まとい有り、敵も優位だと油断してた、 そもそも一般人視点では反応出来ない以上の速度で有る事は間違いなし、 という具合に最低限の保証しかならない描写ばかり。 更に新情報が後付で追加されたりしない限り、超光速反応を否定する要素にはならないと思う。 予知については知らない。 ただ、このレーザー身代わりの場面は予知できていたようには見えない。 レーザーへの身代わりは間に合ったけど防御バリアを張り損ねてダメージを受けた。 事前に予知で見て判断していたなら起こりえない。 戦闘中に使えるものではないんだと思う。 551 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 09 21 21 ID t5edI7lj 549 レーザーを発射前に感知できていたなら 544で移動する必要無いんじゃないか? 552 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 09 24 44 ID t5edI7lj 訂正。 移動する必要無いんじゃないか、でなくて、 中間の射線に割り込むとか、それかみくるの方をどうにかする方が自然。 もちろん直前に感知する描写が有ったならそれ優先だけどそういう描写も無かった。 これ、やっぱり『発射されてから反応した』と見るのが自然な状況に思えるんだが。 553 名前:イラストに騙された名無しさん[] 投稿日:2006/07/24(月) 09 38 36 ID r1BYsD5N 550 それだと打ち出された弾が凝縮された光というだけで、 弾(凝縮光)の打ち出された速度が光速ということにはならない。 不思議光線が光と描写されていても光速でないというのに該当してる。 560 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 10 26 58 ID i2rbRv1M 552 奪って自分が使える能力を感知できないとは思えないけど。 描写があることは当てになるけど無いことは根拠にならない。一人称だから。 そして、カメラの前に移動したのは確実にそこをめがけて撃たれるから(カメラ目線)ではないか? 結局、事前に知る可能性がある以上、反応に採用は出来ないだろう。 562 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 12 35 15 ID 6rKWUcfd 553 みくるビームに関しては長門がはっきりレーザー、それもフォトンレーザーだと断言してる 凝集光って言ったのは粒子加速のビームと言われたのを訂正してコヒーレントな光って意味 それから長門がハルヒの改変を事前に検知した描写設定ってあったか? 560の拡大解釈にしか思えんのだが 567 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 05 38 ID EdiJu87+ 562 Q7.こいつは発射後のレーザーを見切って避けたから光速反応だよね? A7.レーザーと名の付くもの全てが光速というわけではありません。 機械的な物から発射されたレーザーのみが光速となり、それ以外から発射された場合は 特に設定が無ければ「~レーザー」と名前がついていても単なる技名に 「レーザー」と付いているだけという扱いになります。 568 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 22 21 ID gWqGGKpw 567 「ミクルビーム」という技の解説としてレーザーと言われてるわけだから、 特に設定が無ければ「~レーザー」と名前がついていても単なる技名に 「レーザー」と付いているだけという扱いになります。 は当てはまらない。 569 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 22 38 ID 6rKWUcfd 567 みくるビームがなんだったかの説明でレーザーだと言ったの 技名で言えばみくるビームだ 高い指向性を持つ位相が揃えられた光と説明されたことが設定違う言うならお手上げだが 570 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 26 14 ID 1pW8WtDk 技名じゃなくて原理がレーザーと作中で言われてるから、光速だよな。 571 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 42 21 ID i2rbRv1M 562 事前ではなく事後の察知が正しいと思うけど。 レーザー発射後、ではなく、改変後という意味で。 統合思念体はハルヒの力を無からの情報の創造と理解しており 長門は閉鎖空間の発生も感知できる。 というか、ハルヒの力を自在に操作できるのに 感知はできないという方が不自然。 572 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 14 02 26 ID 6rKWUcfd 571 別に操作できることと感知できることに関連性はないと思うけどね 発射されたみくるビームがキョンに当たると事前に察知していながら、発射前のみくるに噛み付かず 発射されたレーザー光を事前に予測していた軌道に割り込んで受け止め、噛み付いて以降の発射をできなくする こう考えるほうがよっぽど不自然じゃないか? 573 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 14 07 04 ID gWqGGKpw 571 二回目の単分子カッターのときはニュートリノ以下の質量を検知して 直接みくるを取り押さえてるが、その際にも情報創造能力については触れられてない。 要は12月の段階で出来ても、文化祭前の段階で出来る描写も設定も無い。 578 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 14 47 28 ID i2rbRv1M 572 そう言われてしまえば、こちらにそれを覆すだけの理屈はない。 余裕のない状態で察知したら、不自然な行動ではないと思うけど。 察知したタイミングのある範囲はさほど広くないとは思う。 噛みついたりする暇はなかった、これは確か。 573 なんで常に完全に情報を公開する前提なんだ。 閉鎖空間の察知はその辺でもやってる。 言いたい事は言い尽くしたと思うので引っ込む。 579 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 14 57 08 ID gWqGGKpw 578 公開されてないものを有りとするには論拠が不十分じゃないかって話。 閉鎖空間については時空間を察知すればできるでしょ。カマドウマの時のように。 584 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 17 03 40 ID W2jQD8SH 578 消失での長門がやった改変時にみくるが時空震を観測してたから 時空の異常を察せられるんなら改変にも気づけたりはせんかね。 ま、あんまり小規模なものは気づき辛いとも思うけど。 実際にみくるは気づいてないし。でも能力的に 長門有希>> (越えられない壁) >>朝比奈みくる だしねえ。 ソースとなるのがキョンの一人語りだからどうとでも取れそうだなあ。 586 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 17 29 08 ID MpkSm4QP コヒーレント光であることや高い指向性を持つ位相が揃えられた光であること、 原理がレーザーであるということは、その光の性質を説明する言葉にすぎないから、 不思議光線の光がどんな性質か詳しく説明されてるだけで光速の証明にはならない。 「目から光線を放つ」という不思議光線に少し説明が加わり、 「目から位相のそろった干渉性の高い光線を放つ」になっただけ。 不思議光線を否定しないで、光の性質を並べても光速扱いにはならないと思うよ。 587 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 17 39 58 ID cIuWYA/A 疑いだしたらきりがないぞそれは。 588 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 17 45 23 ID pi+408uk 伝勇伝の雷議論みたいになりそうな気がする。 589 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 02 39 ID FoqH1+iz 伝勇伝とかいぬかみっみたいなもんか。 590 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 02 45 ID D0tGjx/6 不思議ビーム・光線がダメなのはそれが謎の発光物質である可能性が高いからであって、 位相を揃えられた光と言われてるならそれは電磁波としての光(つまりは光速)として扱っていいだろ。 591 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 06 59 ID eeEAJkOr 586 その理屈は、どれにだって当てはまる。 描写や語りをどの程度まで採用するかなんだから、それを疑うのはナンセンス。 第一完全に矛盾してるわけじゃないんだから。 ついでだが、未来予測は俺としてはナシがいいと思う。 ある時点にやったやらない、原理云々以前に、戦闘での明確な使用実績がないかと。 592 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 23 26 ID lBXjokas 574 いや、世界の崩壊するのに0.1秒かかって、絶対の法自体は0秒発動だから0秒攻撃しか効かない それとみくるビームは凝縮光と炭素分子カッターの二種類がある このスレでは凝縮光のほうを出してるのでスピードは光速 これは比喩や謎レーザーではなく、地の文で光レーザーと書いてあるので光速反応で間違いないよ。 まぁ光レーザーが打ち出された後に行動してるから、スピード自体も光速超えてるな。 光速超えないとレーザーより速く動けないし 593 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 28 47 ID FoqH1+iz 光速だと分かる、本文の前後が知りたいんだよな。 594 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 38 27 ID 6rKWUcfd 586 機械以外の物から撃たれた光はナレーションや設定で光速であると明記されない限り、光であっても光速ではないと言っているのか? 不思議光線って言ってるのは光っている速度不明のビームやファンタジー的な光属性の何か、光という名称の何かのことだ 光であると言われたものは特別、他と矛盾したり設定などで違うと言われていない限りは原則光速に決まっているだろう 光そのものであることと光速であることが説明されない限り一致しないって言うなら、一人称視点の見えた事柄が眼に届く速度も不明になるぞ 597 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 45 35 ID UDzX34OX 原理としてレーザーでも光速じゃないかもしれないって言いだしたら、 原理不明の機械から打ち出されるレーザーも光速か疑わないといけないだろ。 SFの機械なんてよく判らないものも多いんだから。 598 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 52 20 ID lBXjokas 以下長門のセリフ 「高い指向性を持つ不可視帯域のコヒーレント光」 「粒子加速砲ではない。凝縮光」 「熱線ではない。フォトンレーザー」 以上の抜き出しから、 高い指向性を持つ不可視帯域のコヒーレント光=凝縮光=フォトンレーザー=光レーザー=光速 んで長過ぎるから書かないが、みくるがこれを放った後に長門はそれに対応してみせた。 光速より速く動ける=認識は光速対応で移動も光速以上 これでもまだダメなら2ページくらい抜き出す。時間かかるけど。 599 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 18 56 59 ID YnGQb1+I 598 ここまで揃ってるなら光速で問題ないと思うけど。 事前察知の件についてはよくわからんが。~と考えたほうが自然ってのは根拠としちゃ少々微妙だし。 603 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 19 19 50 ID UDzX34OX 発射時 「はい、そこでビーム!」 ハルヒのかけ声に、朝比奈さんは自信なさそうにポーズを取った。 「みっ……ミクルビーム!」 ムリヤリなカメラ目線でヤケ気味のファルセット、可愛く叫んでへたっぴなウインク。 その瞬間、俺の覗いているカメラのファインダーが突然真っ暗になった。 ~中略~ 長門が俺の目前で握り拳を作っている。レンズを覆って暗くしたのは長門の右手だ。 「え?」とハルヒも口を開け放している。 ハルヒの描いた×マークは俺の2メートルほど前方にある。 ついさっきまで確かに長門はそこに立っていた。 ~中略~ 長門は答えず、ビー玉みたいな瞳を朝比奈さんに向けていた。 その朝比奈さんも目を見開いて驚愕の表情、そしてゆっくりと瞬きを――。 再び長門の手が光速くらいのスピードで動いた。 まるで飛んでいる蚊を捕まえるように空中をつかむ。 持っていたはずの星付きアンテナ棒はどこだ? ん? 今なんか微かに変な音がしたぞ。火の点いたマッチをどぶ川に落としたような、そんな音だ。 発射後(ほぼ台詞のみ抜き出し) キョン「それで、あれはなんのアドリブだったんだ」 長門「これ」 長門「レーザー」 長門「高い指向性を持つ不可視帯域のコヒーレント光」 #他のキャラから掌を見せてほしいと要求。 #ここで長門が掌を見せる。黒く焦げた小さな穴が五個ほど開いている。 長門「シールドしそこねた」 長門「とても強力。とっさのこと」 ~略 長門「朝比奈さんは、マジで目からビームを出したのか」 長門「粒子加速砲ではない。凝縮光」 長門「熱線ではない。フォトンレーザー」 604 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 19 20 54 ID UDzX34OX ……間違えた。 ラスト三行は キョン「朝比奈さんは、マジで目からビームを出したのか」 長門「粒子加速砲ではない。凝縮光」 長門「熱線ではない。フォトンレーザー」 本人の証言のみだが、嘘を言う理由は全くない。 610 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 20 33 29 ID 1R/HYOsA 592 速度vの攻撃をかわすにはv以上の速度で動かなければならない、というわけでもないよ。 たとえば、3mからの光速攻撃は約一億分の一秒で到達するけど、 この間に1m動いて攻撃をかわしたとすると光速の1/3で動いたことになる。 624 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 23 47 29 ID lBXjokas 610 あ、そっか…じゃあ朝比奈と長門は向かい合ってたって描写あるから1mとして、長門とキョンの距離は2m(これは地の文) んで、朝比奈さんからキョンが3mで長門がそれに反応できたってことは、2mバックして反応しないといけないから最低でも光速の三分の二かな? 実際にはもっと速くないとキョン救えないけどね。三分の二じゃレーザーと長門が同タイミングでキョンの場所に着くことになるし。 ただ反応自体は光速対応じゃないと無理じゃない?でなければレーザー放たれた瞬間に反応できないし。 627 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 01 09 18 ID Sxj63YOc 594 機械以外の物から撃たれた光はナレーションや設定で光速であると明記されない限り、光であっても光速ではないと言っているのか? まさにその通り、本来はどんな攻撃でも速度明記が必要 例外として拳銃、「機械」から出たレーザーがある 条件が厳しいのでキャラによりけりで考慮がある場合が多いが 長門が光速で動くのは本人の能力には明らかにそぐわない、ルールを無理に当てはめてるようにしか思えん 630 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 01 41 51 ID q5i89kp5 627 速度明記が必要というなら、機械を例外にする必要性は無くなるな。 597で言われてる通りだし。 長門が光速で動くのは本人の能力には明らかにそぐわない、ルールを無理に当てはめてるようにしか思えん 描写はないがマイクロブラックホールにすら対処できる長門なら 光速で動くくらいおかしくはないと思う人間もいるわけだ。 主観で語っても意味が無い。 631 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 01 57 42 ID C6BrbkRs 627 光であったとしても光速と言われていないと秒速30万kmではないと言うのははっきり言ってもうメチャクチャだぞ 同じ理屈で、物を見てそれに反応したときもその見えた光が光速であると言われていないので光速ではない よって見てから反応したとしても実際の反応時間はより短くなる、こうなるんですけど ていうかさ、普通は矛盾がないと光である=30万km/sのなによりの説明なんだけどな 光子速度ってのは重力加速度とかと同じ物理定数だから 632 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 02 19 04 ID Sxj63YOc 630 自然発生していない光が光速でOKかってこと、機械はOKと過去に出てるが超能力はどうなるんだ? OKなら、魔法で電気を集めてる(電気自体は自然の物)伝勇伝のイズチをかわせる連中は光速の50%が保障される事になるが? 633 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 02 30 48 ID C6BrbkRs 632 雷の速度は約150km/秒らしい 真空中の光速度c=30万km/秒というのは言わずもがな で、光速の50%ってどこから出た数字? それから伝勇伝の雷反応が認められてないのはその他のシーンと矛盾しすぎるから 同様の例に終わクロの佐山が月光を見てから反応してるが、他と矛盾するので佐山はセブンセンシズに目覚めていないという解釈になってる 634 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 02 41 42 ID aeF/QQKo あの月光は不思議光扱いだな。光ってる魔法とかと同じで。 635 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 02 42 30 ID Sxj63YOc 633 うお、しまった桁が違った・・・フェリスの兄が光を切ってたのでそのイメージが強すぎた 636 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/07/25(火) 02 46 38 ID M1R1KK6f 伝勇伝の雷反応はフェリスだけなら認めて良いと思うけどね。 「本物の雷を切れるならイズチが切れるのも判る」という発言も有るし、 これが逆に雷速>イズチの速度という根拠になる。 フェリスの雷切り(おそらく、なんとか)達成という自己申告だけ認めれば良い。 終わクロの方は、月光は不思議光線。 それにあの作者、銃弾が撃たれてから届くまでに普通に会話する事も有る。 一般人クラスの筈のキャラまで。 ……作風の影響も強いぞ。 17スレ目 178 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 15 09 54 ID /+PnQrof いまさらだけど長門追加考察。 足りなかったキャラの考察追加。 ○ブリュンヒルデ 始まった瞬間動作ロック+メッタ刺しで無問題。勝ち。 △鞍馬:不思議系攻撃無効じゃ攻撃のしようがない。かといってこいつの攻撃も当たるとは思えん。引き分け。 ○ニコラウス:記号片を展開する前にメッタ刺し。動作ロックすらいらない気が。勝ち。 てわけで巨大生物の壁以下では鞍馬以外全勝ということに。突っ込みヨロ。 199 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 17 34 08 ID Nb3FxSLf そういえば長門の世界改変はどうなった? 205 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 18 19 36 ID 5jWWNllR 199 1-1:他者の力を借りるのは禁止だが強制的に収奪するのはOK。 これに引っ掛かるかがグレーで、何より改変に要する時間が不明 改変できる限界描写あたりがネックとして挙げられていた。 223 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 19 09 25 ID Nb3FxSLf 205 1-1:他者の力を借りるのは禁止だが強制的に収奪するのはOK。 これに引っ掛かるかがグレーで ハルヒ自身は力を自覚していないので、長門がハルヒの力を使ったのは一方的と見て間違いない。 それに、「涼宮ハルヒから盗み出した能力によって」という台詞があるし、 再修正プログラムを打ち込むのは長門に対してなので、力を盗み出した「状態」になるんじゃない? 何より改変に要する時間が不明 キョンとみくるが再修正に来たのは改変の5分前。 そこから長門がやってくるまでも時間があったし、十数秒~数十秒くらいと思われる。 描写的にもそんな感じだし。 改変できる限界描写 限界描写って? 242 名前:イラストに騙された名無しさん[sagd] 投稿日:2006/06/29(木) 21 55 09 ID 3fqwfJzu 長門は統合思念体がルール1-1に抵触しないか? 243 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21 56 31 ID 6+W/ufMW ようするに思念体の力に頼らず単独でできることならOK? 244 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 22 05 16 ID 3fqwfJzu テンプレにあり詳しくは書いていないが弱体化した状態って奴になるかね。 ハルヒは最近読んだばかりで詳しく突っ込めないが。 15スレ目 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 11 52 44 ID M19jprB7 流れを無視して長門有紀考察。 レーザー発射後に数メートルを移動してガードしていたので超音速の壁より。 ちなみに射程距離は砂分解では触れた状態、物体の移動制御はアメフトグラウンドから観客席(50メートル?)、 呪文の詠唱時間は2秒強、これが必要なのは時間凍結と人間以上の大きさのものに対する分解攻撃のみということで。 ダンテ>坂上闘真>カロマイン>アンジェラ>イリス>ギルバ>ラファエル>南雲秋人>フィオナ>両儀式 ○vs両儀式:始まった瞬間動作ロック&。動作ロックを「斬って」来る前にメッタ刺し。勝ち ○vsフィオナ:時間凍結→分解。勝ち。 ○vs南雲秋人:同上。勝ち。 ○vsラファエル:動作ロック→串刺し。勝ち。 ○vsギルバ:瘴気が長門には効くか?同上。勝ち。 ○vsイリス:圧迫感は強靭&ほとんど無感情な長門に効くか?時間凍結しても動けるかどうか。時間凍結→分解で勝ち? ○vsアンジェラ:接近される前に時間凍結→分解。勝ち。 ○vsカロマイン:始まった瞬間に動作ロックで周囲のものを凍結→分解。勝ち。 ○vs坂上闘真:動作ロック&メッタ刺し。長門のほうが速いか?勝ち? ○vsダンテ:同上。勝ち? 515 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 12 05 30 ID Mr++75BQ 長門有紀はさらに修正中だったから考察はちと早計じゃないか? 516 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 12 13 56 ID QtB/ordM 長門を早く見積もりすぎ。 517 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 12 50 32 ID cghhE81x 513 そもそも超音速の壁は 127のが最新です 14スレ目 795 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 19 47 31 ID scUdZ0YL 素早さが分かりにくいんだが。 反応ってどれぐらい? 後、ワープ出切る距離ってどれぐらい? 798 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 21 08 35 ID jIYsPy43 795 確か最低でもレーザー反応だった気がするが(移動してレーザーをキャッチ) これに反論上がってたっけ? 802 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 22 35 47 ID T3QhN3UP 長門有希は未完成でさらに修正待ちだったはず、たしか 分解攻撃を普通の人間になっていた朝倉涼子に使用した時の速度を追加するとなっていた 教室の天井を目にも止まらぬ速さで氷柱状に変形させて攻撃。 氷柱で何をどうやって攻撃するかこれじゃわからん、威力も速度も 先述の朝倉涼子の攻撃をノーダメージで次々無効化 これを食らって血まみれになっても行動可能な上、自己再生も可能 自己再生の詳細、どれほどの攻撃までなら行動可能か、どうやって無効にしたか 呪文を唱える速さも重要かと思うんだが 803 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 23 04 12 ID KMriJrn4 長門は不明点が多いと思うけどな もともと戦闘が多い小説ではないし 描写自体もそんな多いわけではないから 能力の詳細が出しにくいと思うんだが 804 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 23 24 41 ID 9RXLdRnq ふと思ったんだが、朝比奈みくるはフォトンレーザー出すのに ポーズとって「みくるビーム!!」って言わなきゃならんのでは? 原作ではコンタクト付けた直後にまばたきして発射したの?それとも 発射するまでまばたきを一度もしなかったのか? 805 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 23 31 47 ID T3QhN3UP 804 世界改変能力のあるハルヒが、ポーズとってミクルビームと言えと指示 その後、撮影開始初めは発射されてないがそのシーンが来て、ポーズとってミクルビームと叫ぶと発射 その後は驚いてまばたきするたびに連射しまくりだったはず、うろ覚えだから誰かパス 806 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 23 54 38 ID XkptX9KS 805でほぼ正解。 条件を満たしてからは瞬きするたび発射されている模様。 ある程度の持続があるらしく、視線が通ったレフ板を切断したりもしていた。 長門がとっくみあいで、みくるの片目についていたカラーコンタクトを奪い能力は消えた。 807 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/24(水) 23 56 12 ID NReGego7 要するに、一度発射した後の状態が最強だから そっから戦闘開始か、 868 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 19 58 11 ID ykZhjdY8 799 溜息冒頭の体育祭の話のとき。 リレーで使ったトラックは憂鬱の閉鎖空間のときに出てきた200mトラックだとして ワープした場合の移動距離は30~70m、超高速移動の場合は50~100mぐらいかと。 802 氷柱攻撃はまんま氷柱で敵(朝倉涼子)を突き刺そうとしただけ。 まぁ残像が残るほどの高速移動でよけられてはいたが。 ちなみに発動は「天井を見上げるだけ」だった筈。 自己再生は身体にダース単位の杭+胴体を腕で突き刺す攻撃×2 を食らったときにやってた。このとき1度倒れているんでこれぐらいが限界かと。 同時進行で砂と化した教室の再構成とかやってたけどさ。 攻撃の無効化はおそらく攻撃に使った物体を砂に変えてただけだと思われ。 今憂鬱が手元にないから分からん。 869 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 20 37 39 ID njpycl+r 868 レーザーに追いついたっていうか、レーザーキャッチは扱われなかったんか? 確か前も議論されてた気がするんだが、何で超光速却下されたんだ? 攻撃描写がかなり少ないっていうのはものすごい短所なんだよな…… 870 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 20 57 17 ID fc8VvuAy 動き超光速が認められてないんじゃなかったっけ 反応超光速は認められてたはず 13スレ目 50 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 13 40 29 ID si5sOrh5 49 情報結合の解除 射程と効果範囲がわからんぞ。 51 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 13 51 48 ID si5sOrh5 あ、効果範囲は教室ぐらいか。 同程度の相手に大きく阻害されながら使用した為、発動に数分が掛かった。 阻害されなければ発動自体は無動作で任意? 他人が持っていた超能力を解析、消去した。(早口でぼそっと何かをつぶやく) 特殊能力の種類を明記してくれ。 消去したのと同系統特殊能力相手じゃないと同じことはできない扱いかと。 異空間の存在を感知し、侵入可能。 空間を切り開いて進入?それとも瞬時に異空間転移とか? 52 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 14 01 15 ID yTqoZ1Fo 情報結合の解除を何巻でだか忘れたが人間を一瞬で砂にしたこともあったぞ 53 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 14 01 43 ID i+m0wjmd まだ描写が全然足らんし無理だろ。もともとハルヒはそういう作品でないから詳細が出ないし 67 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/05/07(日) 17 06 13 ID fL3oWVL5 まあ実は半分程度しか読んでないから知らない所も有るんだけど。 50 射程は接触が必要。 空飛べる奴には当てられないか? でかい奴なら最初に乗っかってしまう手が有るだろうけど。 瞬間移動してたはずだが、転移可能距離がよく判らないしな。 51 >阻害されなければ~ 阻害されてしか使ってない。 だからその時の『阻害されまくって数分』のテンプレとなる。 >能力消去 前のテンプレ書いた人、ヘルプ。知らないのだ、この場面は。 >異空間の存在を感知し侵入 異空間転移だったと思う。 52 それだ。その描写を希望。読んでない巻っぽいので。 55 暴走ハルヒは本人に戦ってるという意識自体が無いから違うだろという話になった。 戦闘方法も本人さえ気づかない内に世界を滅ぼして勝利、だし。 56 いや、暴走ハルヒの行動は相手とか関係無く判りきってる。 このスレのルールだと相手を視認する前に自分の能力が発動して本人が異世界に消えちゃうから。 154 名前:イラストに騙された名無しさん[] 投稿日:2006/05/08(月) 18 59 29 ID 7lgZZfcI 亀レスですまんが 67 情報結合の解除は陰謀の冒頭で朝倉さん相手に行ってる。 あと動揺で情報統合思念体に長門を通してアクセスできる能力を消去(非接触)してる。 7スレ目 984 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 21 41 30 ID F2lJubEg 981 今日まだ書き込んでない俺ガイル。 修正待ちのうち、長門について。 攻撃力欄の情報結合解除は、既に事前の仕込みがある時に発動したもので、 同等程度の相手の支配する空間で使用するために全力で数分程度かけていた。 障害無しの時の発動時間は不明。 範囲としては、教室一個の内部における敵とその攻撃を全て分解していた。 防御力欄の各種兵器は、 レーザーは発泡スチロール+厚紙を切断しただけ。 超振動性分子カッターは公園のフェンスを切断しただけ。 他は名称のみ。 で、素早さの移動は 瞬きの間(コンマ二秒くらいか)←カッコ内も作中描写 に数m移動してる。あまり信用できないが。 かなり脆いし解る範囲だと遅いし、攻撃もアレなんで番外行きがいいかもしれん。 988 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 13 37 ID kHLGzoba 長門は前触れの全く無いレーザーに回り込んだから、知覚速度と反応速度は超光速だよ。 ただ、その速度で動いた距離はせいぜい10mか20m程度。 長距離移動の場合の速度は達人並程度か。 あとレーザーの威力だが、人の頭蓋を貫く程度の威力は有ったと『予想』されてる。 あくまで予想、しかも長門じゃなくてレーザーに焼かれそうになった一般人の予想だけど。 超振動性分子カッターは……短分子ワイヤーとかとは違うのか? これ。 原理で威力計算して良いんじゃないの? マイクロブラックホール消滅は最低規模のブラックホールを消滅させられる程度だろうな。 989 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 25 39 ID 9wO/zHBc 数グラムとかかw? 990 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 28 23 ID F2lJubEg 988 原理で威力計算 たとえばレーザーは出力次第で変わるし、件のカッターは振動の詳細(無いが)によって変わるといえないか? マイクロブラックホール その最低規模が解らんから問題なんだ。 991 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 41 18 ID LYO5aRPg 『ブラックホール』は作品ごとに扱いが違う場合が多いからな。 特にマイクロが付くと性質自体がフィクションだし、その描写や設定次第。 20cmぐらいの擬似BHで当たっても出血しかしないのもあるし、 数m近くにいても吸い込まれないBHってのもあるから物による。 992 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 43 58 ID 7FR49dl0 ブラックホールって何もしなければ勝手に蒸発するし、蒸発する速度は質量に反比例する。 例として見つけたのは、1000トンのブラックホールは1秒で蒸発するとあった。 最小規模のマイクロブラックホールがどの程度のサイズ・質量なのか、どの程度で蒸発するのかってのはわからんけどね。 あと、長門はマイクロブラックホールに触れたの?触れてないの? 993 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/22(木) 23 56 44 ID kHLGzoba マイクロブラックホールって最低重量でも結構あるのかと思ったが…… じゃあ、これは当てにならないっぽいな。 作中では『そういうのも飛び出して人知れず(瞬時に)対処した』という事しか書いてない。 ワイヤーの方だが……こっちはある程度記述が有ったな。 ちょっと確認してみる。 994 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/12/23(金) 00 13 32 ID FsmC4rgO 質量は10の41乗分の一グラム程度。 ニュートリノより軽い短分子ワイヤーらしい。 『一瞬で10m程度を迸る不可視の短分子カッターを防げる』程度か。 レーザーの威力は庇った長門が完全には防御しそこねて、 防御力不明(最低でも人並み)の掌に焼き箸を突き刺したような傷を五つ作る程度。 庇われた方が予測した『一瞬で頭蓋を貫いていただろう』という威力と思われる。 速度は凝縮光であると明言されている。 また、この時に長門が割り込むために移動した距離は2mだった。 二回目のワイヤーの時はもう少し離れていたようだが、ワイヤーの速度は不明。 『移動速度は人間の目には止まらない程度、極短距離なら光速に割り込める程度』 位の速度っぽい。 6スレ目 585 名前:イラストに騙された名無しさん 投稿日:2005/11/13(日) 21 31 42 ID srVRINS+ 確かに・・・ 長門有希 通常人類から放たれたレーザー、超振動性分子カッター、 ライフルダート、マイクロブラックホール これがそれぞれどの程度の攻撃力なのか詳細が欲しい。 それと移動速度と結晶化させた相手の大きさや結晶化の速度なんかも重要。 修正待ちにした方がいいかな。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1251.html
Report.15 長門有希の憂鬱 その4 ~過激派端末の強襲~ 部室での会話の後、なし崩しに涼宮ハルヒと朝倉涼子は、一緒に帰ることになった。 「何であんたと一緒に帰らなあかんのよ……」 【何であんたと一緒に帰らなきゃならないのよ……】 「まあまあ。たまにはええやん。」 【まあまあ。たまには良いじゃない。】 ふてくされたようなハルヒと対照的に、涼子は上機嫌に見えた。 涼子は、見かけ上、喜怒哀楽がはっきり現れるように設定されている。その点では長門有希と対照的。しかしその内実は、あくまで基礎的な人間の観測データに基づき計算された、『恐らくこのようなものだろう』というモデルを基に構築されたものに過ぎなかった。過ぎなかったが。 二度の『死亡』と『復活』を経て、今や涼子は人間に存在する『感情』に限りなく近いものを獲得した。その『感情』が、涼子を上機嫌な表情にさせていた。涼子の誘導は成功した。ハルヒは、有希に会いたいと思っている。今や、有希に対する負の感情は、わずかばかりの気まずさと罪悪感を残すばかりとなっていた。 ハルヒと涼子二人の帰り道。二人は他愛のない話に裏話を追加した、意外とためになる話をしていた。 どこか寄り道でもしようか、と話していた時、急に空の色が変わった。そして同時に、涼子にある異変が起こった。情報統合思念体に接続できない。そして襲い掛かる高負荷。 (っ……!? 何、これ!?) 彼女の五感が、次々に感度を落としていく。そして緩やかに拘束される身体能力。 (普通の人間と同じくらいしか能力が無くなってる……っ!) ハルヒも異変に気付いた。 「ちょ……! 何、これ……!? 急に空が変な色に……それに、物音もせえへんようになって……」 【ちょ……! 何、これ……!? 急に空が変な色に……それに、物音もしなくなって……】 灰色に塗り潰されたような世界。まるでハルヒが生み出す閉鎖空間のよう。生命の気配が感じられないことも同じ。しかし、決定的に違っていることがあった。そこに『神人』の気配はない。この空間の発生は、ハルヒの能力によるものではない。 (これは……空間封鎖!?) 空間封鎖は、涼子達、情報統合思念体の勢力が得意とする手段。広く言えば、情報統合思念体と起源を異にする広域帯宇宙存在も空間封鎖を行うが、彼らの手法は術式が違う。 今のこの空間封鎖は、光学的には偽装しているが、紛れもなく涼子が良く知る勢力の手法だった。 (そんな……情報統合思念体の一派の行動だったら、わたしが感知できないはずないのに……!) 今の空間封鎖は、全くの不意打ちだった。焦る涼子。涼子はハルヒの手を取った。 「ちょっと!? 何すん……」 言いかけたハルヒの言葉が止まる。ハルヒの手を取った涼子の顔には、焦燥の表情が浮かんでいた。そして、冷や汗で、顔も手のひらも、じっとりと濡れていた。 「……涼宮さん。わたし、今の状況は、わたし達がはぐれたらあかんような気がすんの。」 【……涼宮さん。わたし、今の状況は、わたし達がはぐれちゃいけないような気がするの。】 「……分かった。」 涼子のただならぬ気配に、ハルヒもおとなしく涼子の手を握り返す。命の気配が感じられないこの空間で、握り締めた掌だけが、命の存在を伝えている。 『江美里! 江美里っ! 応答して!!』 涼子は協力者である別のインターフェイスに交信を試みるが、応答はない。 (まずい……完全に孤立した……) しかも現状は、涼子は宇宙的な力をほとんど使用できない。身体能力は、辛うじてハルヒの能力に勝っている程度。人間の枠を超えた能力は使えない。例えば、もし肉体を損傷しても、即座に修復することはできない。 「誰かに連絡を……」 「あかん! 携帯は圏外やわ!!」 【だめ! 携帯は圏外だわ!!】 ハルヒは、携帯電話の画面を睨み付けながら答えた。 (この状況は……わたしを無力化させるため……? だとしたら、相手の目的は……) 涼子は、たとえ情報統合思念体と接続していなくても、通常の人間以上には高度な思考力を持つように設計されている。ただし、この設計は、あくまで不測の事態に対処するために設けられた『セイフティネット』。この設計が役に立つような事態は、本来あってはならない非常事態。早急な事態への対応が求められる。 そして涼子は思い当たった。 涼子を無力化することを、実行し得るのは誰なのか。 涼子を無力化することで、得をするのは誰なのか。 ……すなわち、この事件の首謀者は誰なのか。 (これは……過激派……! まずい! あいつらの目的は……っ!) その時涼子は何かに気付いた。そして迷わずハルヒの腰にタックルした。 「おわ……っ!」 不意にタックルを喰らい、盛大に地面に叩き付けられるハルヒ。 「痛いなー、もう! いきなり何すん……」 怒鳴りかけたハルヒの声が止まる。ハルヒの腰にしがみつく涼子は、衣服の肩の辺りを赤く染めていた。 「ちょっ、どないしたん!?」 【ちょっ、どうしたの!?】 「涼宮さんの死角から、何かが飛んできて……」 起き上がりながら答える涼子。ハルヒを助け起こすと、何かが飛んできた辺りを睨み付ける。そこには何の痕跡も見付ける事はできなかった。あるのはただ、誰もいない、何もない空間。 しかし、涼子は気付いていた。 飛翔体の軌道。出現時間。出現場所。飛行速度。 これらはすべて、涼子がその存在に気付き、取るべき行動を判断し、実行した時に、ちょうど涼子の肩を掠めるように設定されていた。 (これは……涼宮さんじゃない、わたしを狙った攻撃!?) 『涼宮ハルヒの観測と保全』が任務である今の涼子は、もしハルヒに危害が加えられるような事態になれば、最優先でハルヒを守る行動を取るであろうことは、容易に推測できる。だから、その危機がより切迫しているほど、涼子は確実に、ハルヒを守る行動を取る。場合によっては、身代わりに攻撃を受けることもあるだろう。 それが『奴ら』の狙い。 通常の涼子なら、そのような切迫した状況でも、難なくハルヒも自分も守れる。 では、情報統合思念体のサポートなしでは? 端末単体の能力で対処せざるを得ない状況では? 涼子が危機を『回避』する可能性を奪うことができる。確実に攻撃できる。 そしてまた、これはハルヒにとって強力な精神攻撃ともなる。 涼子は、ハルヒを庇って負傷する。そうして損傷を蓄積したところで、止めを刺す。 ハルヒから見れば、ハルヒを庇ったせいで涼子は怪我をし、そして殺害されることになる。 『自分のせいで人が苦しみ、死んでしまう』 これはハルヒに、己の無力さと自己の存在意義を強く意識させる事象となる。自らに『力』と『存在意義』が欲しいと強く願ったハルヒからは、間違いなく、巨大な情報爆発が観測できる。 これが『奴ら』のシナリオ。合理的で、的確な洞察。 また飛翔体。今度はハルヒの正面から。 涼子は飛翔体の射線上に躍り出ると、手ではたいて飛翔体の軌道を変えた。涼子達の背後にあった庭木の天辺が切り落とされた。 (随分と舐められたものね……さっきは不覚を取ったけど、いくら情報統合思念体との接続が切れてるからって、そう簡単にやられてたまるもんですか! これでもわたしは、『あの』長門有希の代理者なんだから!) 『奴ら』の思い通りにはさせない。たとえこの身が果てようとも、ただではやられない。少なくともハルヒだけは逃がしてみせる。それが朝倉涼子の意思。そして長門有希の意思。涼子は覚悟を完了した。 「涼宮さん、わたしのそばから離れんとってよ。」 【涼宮さん、わたしのそばから離れないでよ。】 涼子は、ハルヒを背に庇う位置に立ちながら言った。 「朝倉、あんた……今さっきの、アレ、どうやってやったん……!?」 【朝倉、あんた……今さっきの、アレ、どうやってやったの……!?】 ハルヒは、恐怖と好奇心が7:3の割合で混合された瞳で、涼子に尋ねた。 「それは……ふっ!」 答えの途中で涼子は両手を身体の前で素早く広げた。後方にあるブロック塀に、貫通痕が二つできる。 「実は少々、武術の心得があって……はっ!」 右足でアウトサイドキック。後方の電柱がえぐられる。 「少々ってレベル違(ちゃ)うやろ、コレは!?」 【少々ってレベルじゃないでしょ、コレは!?】 ハルヒのツッコミ。涼子は、前方から視線を外さず答える。 「……カナダに行ってる間に、マーシャルアーツの先生の下で武者修行を……やぁっ!」 左手で飛翔体を掴もうとするが、失敗。後方で植木鉢が弾け飛び、窓ガラスが割れた。 (だめだ……全然見えない。せめて何が飛んで来てるのか分からないことには……) それに、肉体の損傷を修復できない以上、素手での対処にも限界がある。涼子の手は、飛翔体を弾いた時の損傷で、所々出血している。損傷の蓄積は望ましくない。 (ここは涼宮さんの能力に賭けるしかないか。少なくとも今のわたしの能力では対処できないわね。) 「朝倉……大丈夫? その手……」 心配そうに聞いてくるハルヒに、涼子はすかさず誘導を仕掛けた。 「問題ない……って言(ゆ)うたら、嘘になるかな。正直、あんまりよろしくないわ。せめて、飛んで来(き)とぉ物(もん)を止めるか掴むかできれば、それ使って叩き落とせるんやけど……残念ながら、成功のイメージが湧かへんわ。」 【問題ない……って言ったら、嘘になるかな。正直、あんまりよろしくないわ。せめて、飛んで来てる物を止めるか掴むかできれば、それ使って叩き落とせるんだけど……残念ながら、成功のイメージが湧かないわ。】 「成功の……イメージ……」 ハルヒは思案顔で呟く。 (さあ、想像して、涼宮さん。成功のイメージを……わたしが、飛んでくる『何か』を掴む姿を。) 次々に飛来する飛翔体。涼子は両手両足をフル稼働させて処理していくが、次第に処理が飽和していく。 真正面に飛翔体。近い。よけられない。捌き切れない。そう思った時、涼子に見える景色がスローモーションになる。 (……! 見切った!) 涼子は両手で挟むように、飛来する『それ』を掴んで受け止めた。 「……鉄筋!?」 ハルヒが恐る恐る覗き込み、驚いた。飛翔体の正体は、コンクリート構造物の補強に使われる『鉄筋』だった。 涼子の誘導は功を奏した。ハルヒは『成功のイメージ』を作り上げた。それはハルヒが、『そうなること』を願うことに他ならない。かくしてハルヒの望み通りに周囲の環境が書き換えられ、涼子は飛翔体を掴み取ることに成功した。 「こんな物(もん)が次から次へと飛んで来てたんやね……」 【こんな物が次から次へと飛んで来てたのね……】 言い終わらないうちに、涼子は飛んでくる鉄筋を、右手に持った鉄筋で真下に叩き落とした。激しい金属音と共に、足元に転がる鉄筋。素早く涼子は落ちた鉄筋を拾う。両手に鉄筋を持った涼子は仁王立ちになった。 一度成功のイメージを作らせてしまえば、後は話が早い。情報統合思念体との接続は切れたままでも、今はハルヒの情報改変能力の援護を受けている。ハルヒが成功のイメージを思い描く限り、涼子に『負け』はない。涼子は両手の鉄筋を巧みに操り、的確に飛来する鉄筋を叩き落としていく。 (こうやって物質に干渉してきている以上、『奴ら』も何か端末を介して情報操作を行っているはず。そいつを見付けてどうにかしないと。) 涼子は感覚を研ぎ澄まして、周囲の気配を探るが、ここは相手の作り出した空間。かつて涼子が自ら言ったように、この空間は、相手の情報制御下にある。相手の意のままに操れる。通常時ならともかく、今の涼子では、索敵は不可能。ここもやはり、ハルヒの力を借りるしかない。涼子はハルヒに話を振る。 「誰か知らんけど、相手も相当卑怯で臆病やと思わへん? 姿も見せへんで、こそこそ女二人を物陰から狙い撃ちなんて。」 【誰だか知らないけど、相手も相当卑怯で臆病だと思わない? 姿も見せないで、こそこそ女二人を物陰から狙い撃ちなんて。】 「そうやね……確かに、かなりヘタレかもしれへんわ。」 【そうね……確かに、かなりヘタレかもしれないわ。】 ハルヒが話に乗ってきた。涼子は更に話を続ける。 「こういう時、敵は姿を現して、主人公にボコボコにされるべきやと思わへん?」 【こういう時、敵は姿を現して、主人公にボコボコにされるべきだと思わない?】 「主人公……」 「どう見ても、わたしらが主人公やんな? 常識的に考えて。」 【どう見ても、わたし達が主人公じゃない? 常識的に考えて。】 「……確かに、この状況では、悪役はあっさり姿を見破られて、ボコボコにどつき回されるんがオチやわ。」 【……確かに、この状況では、悪役はあっさり姿を見破られて、ボコボコにどつき回されるんがオチだわ。】 涼子は畳み掛ける。 「ほな、わたしらで、その状況を再現してやらへん?」 【じゃあさ、わたし達で、その状況を再現してやらない?】 ハルヒは、100Wの笑顔で答えた。 「うん、それ賛成!」 再び索敵に集中する涼子。今度はハルヒの能力の援護付きで。 「……そこっ!」 言うや否や、涼子は何もない空間に、手にした鉄筋を投げ付ける。メジャーリーガーのバックホーム返球のごとく、一直線に何もないはずの空間を貫く鉄筋。中空で鉄筋が、何かに当たったかのように弾ける。すかさず走り込んだ涼子が、その空間を鉄筋で殴り付ける。しかし何かの力に弾き飛ばされ、涼子は元いた場所まで押し戻された。 「……手応えあり。」 涼子が殴り付けた空間が歪み、人型を取る。 「…………」 絶句するハルヒ。姿を現した攻撃者をしばらく呆然と見つめていたハルヒは、ぽつりと呟いた。 「……ねえ、朝倉。言(ゆ)うても良い?」 【……ねえ、朝倉。言っても良い?】 「どうぞ。」 「……あたしら、こんな奴に苦しめられとったんやな。」 【……あたし達、こんな奴に苦しめられてたのよね。】 「そやね。」 【そうね。】 「……何(なん)か、めっちゃ腹立ってきたんやけど。」 【……何(なん)か、すごく腹立ってきたんだけど。】 「その反応は、たぶん正しいと思うわ。」 「……あたしら襲うより、銀行かどっか行った方がええと思わへん?」 【……あたし達襲うより、銀行かどっか行った方が良いと思わない?】 「ある意味、悪役らしい格好と言えなくもないとは思うかな。」 「……ねえ、朝倉。こいつ、しばいて良い?」 「危ないから、下がっとって。」 【危ないから、下がってて。】 「……どつき回して、蹴り倒して、大阪湾に沈めたろか思うんやけど。」 【……どつき回して、蹴り倒して、大阪湾に沈めたろかと思うんだけど。】 「代わりにやっとくから。何しよるか分からへんから、下がっとって。」 【代わりにやっとくから。何してくるか分からないから、下がってて。】 「……ケツの穴から手ぇ……」 「女の子が『奥歯ガタガタ言わす』とか言わない。それに、女かもしれへんで?」 【女の子が『奥歯ガタガタ言わす』とか言わない。それに、女かもしれないわよ?】 「……女やったら、ヒィヒィ言わす。」 【……女だったら、ヒィヒィ言わす。】 「えっちなのはいけないと思います。」 姿を現した攻撃者は、覆面姿だった。性別は分からない。覆面が完璧だったから。 『奴』は『ストッキング』で覆面していた。 ――変態が、そこにいた。 女子高生二人組(うち一人は、両手に鉄筋を持っている)と、女性用の下着であるストッキングで覆面した人型が対峙する。人間の言葉で言うと、非常にシュールな画だった。 覆面の攻撃者は、無言で手らしきものを涼子に向けて突き出した。途端に、攻撃者の背後に鉄筋が数本出現し、涼子に向けて撃ち出された。涼子は両手の鉄筋で、それらを残らず叩き落とす。人型が間合いを取りながら数度、それが繰り返された。 こちらの攻撃の届かない距離まで離脱して射撃してくることを感知した涼子は、させじと素早く間合いを詰めて、鉄筋で殴り掛かった。その攻撃を、瞬時に手らしきものの中に出現させた鉄筋で防ぐ攻撃者。もう片方の鉄筋で殴りつけようとする涼子に、今度は攻撃者がもう片方の手らしきものに鉄筋を出して殴りつける。涼子は攻撃を中断し、繰り出された攻撃を防がざるを得なかった。 そうして数度、鉄筋での攻防が続いた後、両者はいったん離れて睨み合う。 外見上は、相変わらず睨み合い、時折攻撃者が鉄筋を撃ち出しては、涼子がそれを叩き落とすという状態。しかし、実は先手の取り合いで、両者の間には仮想段階での攻防がものすごい勢いで繰り広げられている。 正にハルヒが望んだ『超能力』が眼前で展開されている状況。しかし、ハルヒはそれに気が付いていなかった。 彼女は口ではいくら不思議を追い求めることを言っていても、心の中ではそのようなものは存在しないと否定する、自己矛盾の塊。眼前に繰り広げられる、超能力者VS美少女女子高生という奇抜な光景を、どこか遠くの景色を眺めているかのような瞳で見つめていた。 ハルヒには、眼前の光景が酷く現実的でないものに思われた。白昼夢を見ているように感じられた。まるで、あの冬休みの合宿で見た白昼夢のように。 「あんまり激しく動いたら、見えるでー……」 【あんまり激しく動いたら、見えるわよー……】 ぼそりと投げやりに呟くハルヒ。彼女は急速に現実感を喪失していった。希薄になる『成功のイメージ』。 ハルヒの呟きが聞こえたわけではないだろうが、まるでそれを合図にしたかのように、睨み合いを続けていた涼子と攻撃者の均衡が崩れた。 攻撃者は同時に撃ち出される鉄筋の数を急増させた。鉄筋による射撃への対処が遅れ気味になっていく涼子。攻撃者は印を切るように、激しく手らしきものを動かすと、今までより高い位置に、膨大な数の鉄筋が出現した。まさしく雨のように大量の鉄筋が涼子に襲い掛かる。とても迎撃できる数ではない。 「朝倉――――!?」 ハルヒの叫び声は、鉄筋が地面に突き刺さる音にかき消された。 「くっ……! だ、だい、じょう……ぶっ……」 涼子は倒れ込んで巧みに鉄筋の直撃をかわしていた。しかし、地面に突き刺さり折れ曲がった鉄筋に阻まれて、身動きが取れない。このまま追撃されれば、今度は持たないだろう。 「大丈夫って……そんなん、全然大丈夫そうに見えへんわ!!」 【大丈夫って……そんなの、全然大丈夫そうに見えないわよ!!】 ハルヒが叫ぶ。涼子は静かな声で答えた。 「大丈夫。あなたがわたしを信じてくれる限り……わたしは負けへん。」 【大丈夫。あなたがわたしを信じてくれる限り……わたしは負けない。】 「そんな都合の良い精神論をしてる場合違(ちゃ)うやろ――――!?」 【そんな都合の良い精神論をしてる場合じゃないでしょ――――!?】 「信じて!」 朝倉の叫びに、ハルヒはぴたりと止まる。 「前にも言(ゆ)うた通り、わたしは、成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思うんよ。さっきも成功のイメージができたから、現実に成功したし。『信じる』ことって、やっぱりすごい力なんやで。」 【前にも言った通り、わたしは、成功のイメージを信じて行動すれば、上手くいく時があると思うの。さっきも成功のイメージができたから、現実に成功したし。『信じる』ことって、やっぱりすごい力なのよ。】 涼子は、何とか一つずつ動きを阻む鉄筋を引き抜きながら、続ける。 「せやから、涼宮さんが彼女に会いたいって願えば、きっとすぐに会えるって。もしかしたら、今この場に助けに来てくれるかもしれへんで?」 【だから、涼宮さんが彼女に会いたいって願えば、きっとすぐに会えるって。もしかしたら、今この場に助けに来てくれるかもしれないわよ?】 ――それは涼子の『賭け』だった。 このまま追撃を受ければ、そう長くは持たないかもしれない。しかし、ハルヒを上手く誘導して長門有希を復活させられれば、涼子の任務は達成される。長門有希なら、こんな状況でも上手くやってくれるだろう。『あの』長門有希なのだから。 「有希が……助けに来る……?」 「だって、ヒロインのピンチに颯爽と助けに現れるのは、ヒーローのお約束やろ?」 【だって、ヒロインのピンチに颯爽と助けに現れるのは、ヒーローのお約束でしょ?】 顔を赤らめるハルヒ。 「もうそろそろ、現れてもええん違(ちゃ)う? あなたのヒーローが。」 【もうそろそろ、現れても良いんじゃない? あなたのヒーローが。】 そう言った涼子の声に釣られて、有希の姿を思い描くハルヒ。 攻撃者は、先ほどより更に大量の鉄筋を出現させていた。大量の鉄筋が涼子に襲い掛かったその時。 何か硬いものが破壊される音。涼子達の近くの空間にひびが入る。そこから飛び出す、小柄な人影。無言のショートカットが揺れる。人影が手をかざし、何やら早口で呪文のようなものを唱えると、たちまち鉄筋の雨が爆散した。 ――涼子は、賭けに勝った。 ←Report.14|目次|Report.16→
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2668.html
Report.22 長門有希の憂鬱 その11 ~涼宮ハルヒの手記(前編)~ わたしは観測対象の内面、『心情』を理解する上で超一級の資料を入手した。観測対象が自ら書いた、個人的な心情を綴った文書。 その中から、今回の一連の出来事に関連する部分を抜粋して報告する。 本文書の内容にわたる部分は、すべて原文を記述した観測対象本人の思考によるものであるが、内容の理解及び構造の把握に資するため、報告者が小見出しを付加するなどしている。誤字脱字その他の、通常の日本語の文法に即していない記述は、すべて原文に起因するものである。 (涼宮ハルヒの序文) キョンもすなる書き物を、あたしもしてみむとてするなり。 な~んてね。『土佐日記』風の書き出しにしてみたけど、毎日書くつもりはない。だから、「日記」というよりは「手記」かな。 題して、『涼宮ハルヒの手記』! ……別に誰かに見せるわけでもないのに、なんでこんなに言い訳がましいことを色々書いてるんだろうね、あたしは。あ、でも、有希にはちょっと見せてみたいかも……?(んなこたぁーない。) でもまあ、普通に書くのもつまらないので、小説風に書いてみることにする。文芸部の会誌を作ったときにキョンが書いた話みたいに、あたしが普段考えていることをそのまま文章に書き出して書くことにしようと思う。 後から聞いた話になるけど、キョンはあの話を書く時に、普段考えていることをそのまま文章にしたら良いって古泉くんに言われたらしい。 それじゃ、まずは序文ってことで、これを書くに至った経緯から。 この手記を書くことを決意した日、あたしはとんでもなく恥ずかしい思いをした。 気が昂ってイライラした時なんかに、あたしは紙切れに色々なことを書き付けていた。最近の議題は、「有希への想い」かな。 なんとその紙切れを、あろうことか有希本人に見られちゃった! しくじったわ。ちゃんとゴミ箱に捨てないから…… おまけに、その現場を見て混乱したあたしは、同じく混乱してる有希を突き飛ばして怪我させちゃった。涼宮ハルヒ、一生の不覚! なんてね。そのあとあたしはもっと酷いことをしてしまったけど…… そんなわけで、このような失敗を二度と繰り返さないために、今日からは、書き付けるのはこの日記帳だけにすることにした。鍵も掛かるしね。 『日記帳』を使ってるけど、先に書いた通り、毎日書くつもりはない。もちろん、毎日書くことがあれば別だけど。 (長門有希の消失) 「あ゛~~もう!! 何であんなことしちゃったんだろ!!」 あたしは頭を抱えて部屋中を転げ回る。激しい自己嫌悪。 今日、部活後の部室で、有希にあたしが書いた恥ずかしい紙切れを見られてしまった。 あたしは、つい恥ずかしさから心にもないことを口走り、有希を突き飛ばしてしまった。すると運の悪いことに、有希が本棚にぶつかった拍子に本が落ち、そのうちの一冊が有希の頭に当たり、その血が額に垂れてきた。 正直、血の気が引いたわ。 そして混乱したあたしは、とんでもないことをした。 苦しい言い訳。そして怪我をした有希を、あろうことかそのままにして、逃げるように立ち去った。いや、逃げるようにじゃないな。文字通り逃げ出した。 最低だ。 それくらい、恥ずかしかった……なんて、言い訳にもならないわね。でも、でも……! まさか、よりによって、『アレ』を有希に見られるなんて…… 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~!!」 いけない。考えたら、また恥ずかしさがぶり返してきた。もう、死にたい。明日……一体どんな顔して有希に会えば良いっていうのよぉ!! 「お゛お゛お゛お゛お゛……」 頭を抱えて足をジタバタさせながら、あたしは長い夜を過ごした。 「あああああああ! 有希にだけは会いたくない!」 ……祈りが届いたのかしらね。こんな祈り、届いてほしくなんかなかったけど。 翌日、有希は学校に来なかった。 聞いた話によると、有希は身内のごたごたがあって、急遽学校を休んで遠方に出掛けているらしい。不謹慎にもあたしは、『当分、有希と顔を会わせなくて済む』と安堵してしまった。 べ、別に有希が嫌いってわけじゃないわよ!? ただ、昨日あんなことがあったから、ちょっと顔を合わせ辛いってだけなんだから! それに、有希もそんなに長く学校を休むわけにもいかないだろう。せいぜい一週間くらい? それぐらい時間が経てば、あたしも気持ちの整理ぐらい付く。ていうか、付ける。それで、「ごめん」って謝って、喫茶店で何か甘いものでも奢って、仲直り。それで良いじゃない。 (朝倉涼子の邂逅) 今日はすごいニュース! 朝倉涼子が帰ってきた! って、これ、前にも書いたっけ……ああ、書いたってのは、紙切れ時代のことね。 何でも、カナダから一時帰国しているらしい。 そんなに長く日本に滞在していられないらしいけど、懐かしくて北高に顔を出したそうだ。たちまち元・1年5組の女子達に囲まれる彼女。 そういえば、キョンが何やら青い顔をしていた。朝倉も、キョンを複雑そうな顔で見ていた。二人の間に一体何があったんだろう。 今度キョンを締め上げて問い詰めてやるか。 【ここから先はしばらく、初めて出会った時からの、わたしとの思い出を回想している記述が続く。既に報告済みの内容と重複するので割愛する。】 (涼宮ハルヒの遭遇) 今日はすごいニュース! 朝倉涼子が帰ってきた! あの、突然カナダに転校していった朝倉よ! ↑これは、前に書き付けてた紙に書いたもの。朝倉が帰ってきたことで思い出したので、再録。 この時の記述は実は誤りで、朝倉涼子本人じゃなかった。正しくは、こうなる。 長門有希と朝倉涼子のそっくりさんに遭遇!! もう、びっくりしたわ。他人とは思えないくらい、よく似てる……というより、生き写し! しかもこの二人、なんと従姉妹同士なんだって! 全然顔も性格も似てないけどなあ。 面白いことにこの二人、あたしが知ってる二人と姿かたちがそっくりでも、性格が全然違う。 有希似の彼女は、はきはきとした、笑顔が似合う可愛い娘。 朝倉似の彼女は、無口な、引っ込み思案で神秘的な娘。 なんと声までそっくり! 有希似の娘は、声こそ高めで、有希の低めの平坦な声とは似ても似つかないけど、あたしは知っている。例えば歌うとき、有希は高めの声も出す。試しにその声のまま、喋ってもらったことがある。その時の声とよく似てる。意外ときゃぴきゃぴした声になるのよね、有希って。それと……感じてる時の声…… って、きゃ――――!! 何を考えてるんだ、あたしは!! でも、有希似の彼女のそんな声も聞いてみたいかも……いかんいかん! あたしはノーマルだ! あ、でも、「ノーマル」ってことは、「普通」ってことか。むむむ…… 「普通」であることは、あたしにとっては何よりも不名誉な称号。でも、だからといって「レズ」ってのもいかがなものか。相手が、宇宙人、未来人、異世界人、超能力者っていうなら、男でも女でもEverything OK! なんだけどね。 そういえば、前にキョンが言ってたっけ。『長門は宇宙人が作った有機アンドロイドだ』って。つまんない冗談だったけど、この際、そういうことにしちゃうのもアリかも。 そうすると、宇宙人謹製アンドロイドと、あたしはデートしたことになるのか……今度、みくるちゃんも誘って、三人でデートしよっかな? みくるちゃんは、キョン曰く『未来人』だったかな? ということは、宇宙娘と未来娘の両手に花! ……どんな女だ、あたしは。宝塚の男役スターかっちゅうねん!? とか思ってたら、有希似の彼女が、有希の口調を真似して喋った。 マジそっくり! とかやってたら、今度はあたしの有希が、有希似の彼女の口調を真似して喋った。無表情で。 有希、それは反則だよ。 正直、くらっと来たわね。 朝倉似の彼女の反応も、なんか新鮮だった。 あたしが知ってる朝倉は、いつも明るくてクラスの中心にいたから。そういえば、クラスに溶け込んでいないあたしを心配してか、しょっちゅう声を掛けてきてたな。正に学級委員の鑑。もっとも、その頃のあたしは憂鬱の塊みたいなもので、ずっと無視してたけど。その後急に転校しちゃうなんて思わなかったから、今にして思えばもっと話しとけば良かったかな? 転校して以来、何の便りもないけど、どうしてるかな。「便りのないのは元気な証拠」って言うけど。みんなも、もう忘れちゃってる? 今度聞いてみよう。 以上が、この時に思っていたこと。 この時のあたしは、まさか本当に朝倉と再会することになるとは、夢にも思わなかったでしょうね。 【ここから数枚、ちぎった跡がある。ちぎった跡からは、何の情報も読み取ることはできなかった。そしてここから先は、わたしが情報操作を行い、涼宮ハルヒからわたしへの想いを消去した日より後の日付となっている。この間に何が起こったのか。何を書いていたのか。分からない。】 (朝倉涼子の戦闘) 【ここは、過激派による襲撃に関する部分の記述。当該記憶は消去したはずだが、本人は『夢』と認識した状態で記憶を保持していたと思われる。】 ありえない。 朝倉……あんまり激しく動くと、ぱんつ見えるわよ。いや、既に見えたんだけどさ。 朝倉は縞パン……か。可愛いの穿いてるじゃない。スカートの丈が短いから、激しい動きをすると、ちらちら見えちゃうのよね。ほら、また見えた…… うー、とっても眩しいぞ。むっちりした太ももとセットで、すごい破壊力だわ。男子がここにいたら、さぞや大喜びするシチュエーションなんだろうな。 とか言いつつ、女のあたしが何で喜んでるんだろうね。 そういえば、スカート丈の短い北高の制服着てるあたしも、激しく動いた時は、ちらちら見えちゃってるってことか。当たり前のことなんだけど、改めて他人がそうなってるのを見ると、実感するものね。 さて、何であたしが、こんなに「ぱんつ」を連呼してるかというと、そうでもして現実逃避しないと、やってられないから。 何が起こってるのか分からないから、見たままを書くわ。 鉄筋を持った朝倉と、ストッキングを被った変態超能力者が対決してる。 以上。説明終わり。 ……意味が分からない。そこ、首をかしげて良いわよ。あたしにも意味不明だから。 ←Report.21|目次|Report.23→