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『レイピアお姉さんと愉快な仲間達1』 19KB 愛で 制裁 パロディ 日常模様 飼いゆ 野良ゆ ゲス 都会 現代 初投稿です。感想などいただけると嬉しいです。 *注意事項 基本愛で。虐待成分薄めです。 D.O氏作『ワンス・アポンナ・タイム・イン・ニジウラシティ』の登場人物、設定などを使わせていただいています。 D.O氏に多大な感謝を。 ここは虹浦町。かつて大規模なゆっくり被害にあったことで、かえってゆっくりとの距離を縮めることに成功した町である。 「あっついわね~、ゆゆこ~」 蒸し暑い空気の中、私が隣でぐったりとしているゆっくりに言うと、「こぼね~……」と弱々しい返事が返ってきた。 今は夏真っ盛り。そこまで売れてない作家の私の家に、クーラーなどあるはずもない。 今頃人々は冷房の効いた部屋の中でスイカでも食べているのだろう。 こっちは頼みの綱の扇風機まで故障して暑さに悶えているというのに、羨ましい話だと思う。 「こぼねぇ~……、こぼねぇ~……」 もはや跳ねるのも億劫なのか、ずりずりとゆっくりがこちらに這いずってくる。私の飼いゆっくりだ。 ゆゆこを飼い始めたのは丁度一年前のこと。 趣味のお菓子作りでケーキを焼いていると、匂いに引き寄せられたらしいゆゆこが外からドアを叩いたのだ。 野良だから舌もそう肥えてないだろうし、食いしん坊だから生ゴミの処理に使えるかもしれない。 最初はそんな軽い気持ちでゆゆこを拾って飼い始めたのだが、今ではすっかり家族の一員になっている。 「ああ、アイス? 食べる?」 そう聞くと、ゆゆこは途端に元気を取り戻して「こぼね~っ!」と催促の声を上げた。 「はいはい」 適当な器を持って冷蔵庫まで行き、お徳用ゆっくり用アイス(バニラ)と書かれたケースからアイスを掬い取って器に盛る。 ちなみにこれ、人間用に比べると甘みが薄い。ゆっくりの舌が肥えるのを防ぐためだろう。 「はい、どうぞ」 ゆゆこのところに持って行き、目の前のテーブルに置いてゆゆこをひょいとテーブルに上げた。 ゆゆこがぺろぺろとアイスを舐め、その度に「こぼね~」と喜びの声を上げる。 「あ~ん、か~わい~い」 食べる邪魔にならない程度に頭を撫でてあげると、ゆゆこが一層幸せそうな顔になる。ああ、本当に可愛い…… 「おい、くそにんげん! さっさとここをあけてれいむとおちびちゃんにあまあまよこせぇぇ!!」 だが、その至福の時間は突如として終焉を迎えた。 「……あ゛ぁ゛!?」 店の前でぎゃあぎゃあと喚いているクソ饅頭の姿を確認し、私は壁に立てかけてあるどこぞの銀の戦車が持ってるような剣をとった。 これでも私はゲス限定で虐殺を行う制裁お姉さんである。ひゃっはー。 大きな黒い針のような外見のこれはゆっくり虐待のために買った物だ。銘は『ブラックフラワー(黒き餡子の花)』(命名:私) 扉をガラリと開けると、そこには西瓜サイズのれいむが一匹と、林檎サイズの小まりさと小れいむが二匹ずつ。 「れいむはしんぐるまざーなんだよ! かわいそうなんだよ! だからあまあまたくさんちょーだいね!」 「「「「あまあまよこちぇー!」」」」 なんでこんな生きた生ゴミとゆゆこが同じ『ゆっくり』に分類されるんだろう。こいつらは種族『ド饅頭』で良いんじゃないの? 看護婦が静脈に注射針を差し込む時のような冷静な気持ちで剣を振り上げると、横から別のゆっくりの声がした。 「……おちびちゃん。間違ってもあんなことしちゃいけないみょん」 「うー?」 「よく見てるみょん」 一匹はみょんで、額に『げす』って書かれている。あと唇が削れて前歯もちょっと削れてるし、体中の傷跡が見てて痛々しい。 そいつが頭の上に乗ってる赤れみりゃに小声で話しかけてた。うん、会話の内容からしてこの二匹は結構賢いみたい。 「ゆぎいぃぃっ! れいむをむしするなあぁぁぁっ!」 「あー、うるさい。……ブラックフラワーの錆にしてやるわ!」 うわ、自分の台詞ながら痛い痛い。 まあ、ちゃんと手入れしてるから錆びたりはしないけどね。 足にぽてんぽてんと体当たりをしてくるれいむを縦に真っ二つにし、「お゛があざあああああん゛!」とか何とか騒いでる子ゆっくり共を素早く串刺しにして黙らせる。 「ふう、駆除完了。……ねぇ、あんた達」 水道からホースを引っ張って残骸を洗い流し、隣にいた二匹に声をかけた。 「……みょんたちはちょっとゲスを掃除に来ただけですみょん。すぐに消えるから迷惑はかけませんみょん」 みょんが私に背を向け、赤れみりゃを頭に乗せてぴょんぴょんと跳ねていく。 「違う違う。こんな暑いしちょっとアイスでも食べていかない? あ、毒なんか入れないから大丈夫」 私はゲスは徹底的に痛めつけるが、このみょんのように賢いゆっくりは嫌いではない。むしろ好きだ。 そう言って誘うと、みょんはちょっと考え込んだ後、私がとりあえず安全だと判断したのかこう言った。 「せっかくだからちょっとご馳走になるみょん。でも、お家の外で食べさせてもらうみょん。」 え、何で?と言いかけて、止めた。逃げ場のない家の中に入るのは危険だと判断したんだろう。考えてみれば当然のことだ。 「わかったわ。はい、どうぞ」 怪しまれないようにみょんの目の前でアイスを少しだけ掬い、皿に載せてみょんの目の前に置く。 「うー☆」 「待つみょん。みょんがまず毒味するみょん」 すぐに飛びつこうとする赤れみりゃを制し、みょんがアイスをほんの少しだけ舐める。 「……大丈夫みたいみょん。おねーさん、ありがとみょん」 そう言ってこちらを見ながられみりゃと一緒にアイスを舐める。こちらから視線を外さないのは、不意打ちされるのを用心してのことだろう。あまあまと見るや『しあわせー!』と叫びながら脇目もふらずにがっつく糞饅頭とはえらい違いだ。 「おいしい?」 そう聞くと、みょんは前歯がむき出しになっている口の端をちょっとだけ吊り上げて笑って見せた。 「そ、よかった。……あんた達、野良よね?」 「そうだみょん。まりさファミリーの一員だみょん」 「まりさファミリー?」 私がみょんに訊くと、みょんは視線を外さずに頷いた。 「お父さん――まりさがみょんみたいなおちびたちを育てたのが始まりだみょん。そしてまたみょんたちが見込みのありそうなゆっくりを育てて、『姉妹の契り』を交わすんだみょん。それがまりさファミリーだみょん」 「へー。ファミリーってどんなことするの?」 「あんまり胸をはって言えることじゃないみょん。でも、悪さをしたゲスやよそものを始末したりもするみょん」 このまえもゆ連隊っていうのが出て困ったみょん、とため息をつくみょんの前で、私はただただ感心していた。 「野良も色々あるのねぇ。あたし、あんたたちってなんの悩みも無いのかと思ってたわ」 「そんなことないみょん。人間さんもゆっくりも、生きてるなかでゆっくりできることなんかこれっぽっちだみょん」 ……まさかゆっくりに人生観について語られるとは思わなかった。ゆっくりにも色々居るなあ。 「こぼね~。こぼね~」 玄関から他のゆっくりの声を聞きつけたゆゆこがこちらに向かって跳ねて来て、みょんたちを見つけて『こ~ぼねっ!』とお辞儀した。 「……みょん。おねーさんの飼いゆっくりも来たみたいだし、みょんたちはこれで帰るみょん。アイス、どうもありがとみょん。この恩はそのうちに返すみょん。ゆゆこさまと仲良くするみょん」 「うー☆」 「ん、気にしないで。気をつけてね」 跳ねていく二匹を見送り、わたしはゆゆこの方に向き直った。 「じゃ、ご飯にしよっか」 「こぼね~♪」 ゆゆこを抱き上げ、私は再び家の中へと入っていった。 古傷だらけのみょんとの出会いの後、およそ一ヶ月が経過した。 「こぼね~」「みょーん!」 私の家には、また新たな住人が増えていた。 この胴無しみょんは前に会った傷だらけのみょんじゃなくて、ゆっくりショップで買った銀バッチのゆっくり。 この間ゆっくりの駆除を手伝って貰ったお金で何を買おうか悩んでいたところ、ゆゆこの友達を買ってあげようかな、と思ったのだ。 このみょんにした理由はゆゆこをショップに連れて行って「誰が良い?」と訊いたらゆゆこはこのみょんの前で元気よく「こ~ぼねっ!」と鳴いたから。 「おねえさん、きょうはなにかようじがありますかみょん?」 「今日は無いわ。一日ゴロゴロするわよー」 そう言うと、みょんは嬉しそうな顔で「みょーん!」と声を上げた。 「だったらきょうは『くんれん』するみょん!」 みょんがうれしそうにそう言って壁に立てかけてある木刀の所まで跳ねていく。 因みにみょんはこれを『ろーかんけん』と呼んでいる。何でも、みょん種は棒とかのことを『ろーかんけん』『はくろーけん』と呼ぶそうだ。胴付きの中には二刀流の子もいるとか。 そして『くんれん』とは、みょんの振ってくる木刀を愛用のレイピア『ブラックフラワー』で軽くいなすことだ。 この剣はよっぽど強く叩き付けるか突き刺すかしない限りゆっくりの身体を傷つけることがないから割と安全だ。 「みょっ! みょっ!」 ぶんっ! ぶんっ! 「甘い甘い甘い甘い甘い! 砂糖500グラム一気食いより甘ああぁぁぁい!」 しゅばばばばばばっ! 「は、はやいみょん!」 因みにこの連続刺突はゆ虐のために編み出した技で、より多くのゆっくりを蜂の巣に出来る、いわば対ゆっくり用の技である。もちろんみょんの身体に当てるつもりはない。 30分ほど『くんれん』は続き、その後みょんとゆゆこと三人で一休み。 「みょ……」 みょんが何かに気付いたように家の横にある余り広いとは言えない庭の方を向いた。 「どしたの? みょん」 「のらゆっくりがいるみょん」 『げらげらげら! おかおがゆっくりできてないゆっくりだよ! ゆっくりしないでさっさとしんでね!』 『まりささまたちのおうちせんげんをじゃまするななのぜ! せいっさいっするのぜえぇ!?』 む、どうやらお家宣言をするつもりだった糞饅頭共を止めてる善良なゆっくりが居るらしい。 すぐさまレイピアを取り、庭に続く裏口をバァン! と開けた。 「あんた達、一体何を……って、あんたこの前のみょんじゃない」 庭にいたのは、汚らしい成体れいむとまりさ、そして一ヶ月前にアイスをご馳走したみょんだった。 みょんはドアの前に陣取り、今までまりさ達が近寄らないようにしてくれてたみたい。 「ゆゆ! くそにんげんがでてきたよ! ゆっくりしないであまあまもってこいくそばばあ!」 「それとこのおうちはまりささまたちがつかってやるんだぜぇ! ありがたくおもうんだぜぇ!」 ……ダメだこいつ等……。早くジェノサイドしないと……。 レイピアを構えた私の前に、古傷だらけのみょんが立ち塞がった。 「この前の恩、折角だしここで返すみょん。手出し無用だみょん」 ごぼり、と淀んだ音を立てて、なんとみょんは喉の奥から刃渡り30センチほどのケーキナイフを引っ張り出した。 柄を舌でしっかりと持ち、ナイフを軽く頭に乗せて静かに構える。 (こいつ……できる!) 私に流れる剣士(笑)の血がそう訴えかける。 「ゆぎいぃいっ!! むじずるなあああぁぁぁっ!!」 体当たりを仕掛けてきたまりさの身体に銀色の閃光が走り、まりさのが憤怒の表情のまま斜めにパックリと割れた。 「ばりざああああぁぁぁあぁっ!!?」 間髪入れずに喚くれいむの脳天にみょんがすとんっ! とナイフを入れ、れいむの身体を真っ二つにした。 ゆっくりとは思えないほどの早業で二匹の息の根を止めた後、みょんはこっちに跳ねてきて頭を下げた。 「……お庭を汚してごめんなさいみょん」 「えっ!? いや、いいのよ? 気にしないで。またアイス食べてく?」 「悪いけど、また今度にするみょん。今は連れもいるし、お水を取りに行く途中なんだみょん」 「うー!」 庭の向こう側から、空っぽのバケツをくわえたふらんが飛んできた。どうやらこの子がみょんの連れらしい。 「うー、みょん、どこ行ってたのー? ……うー、人間さん……みょんが何かした?」 「みょ、ちょっと前にアイスをご馳走してもらったんだみょん。そのお礼にお家宣言しかけてたゲスをつぶしたんだみょん」 みょんが説明すると、怪訝そうだったフランの顔がぱあぁっと輝いた。 「うー! じゃあ、このお姉さんがみょんの言ってた「親切できれいなお姉さん」?」 「みょっ! そ、そんなこと本人の前で言うなみょん! 恥ずかしいみょん!」 みょんの顔がみるみる赤くなる。そっか、そんなこと言われてたのか。うふふふふ。 「あなた達、お水を取りに行くんですって? 何処まで行くの?」 「向こうの公園までだみょん」 それを訊いて、私は仰天した。 ここから一番近い公園でも、ゆっくりの足だとそれなりに長い時間がかかる。 ふらんのような飛べるゆっくりなら少しは早いだろうけど、水が入ったバケツを持ったままじゃうまく飛べなくなるし、他のゆっくり達に攻撃される危険も高まる。 「ねぇ、良かったらこれからお水あげようか?」 単なる親切心からそう言うと、ふらんとみょんが目を丸くし、ぶんぶんと首を横に振った。 「とんでもないみょん。お姉さんにそこまで甘える訳にはいかないみょん」 「うー! うー!」 「別に良いわよ。そこに蛇口あるから、いつでも使って」 元々は洗車とかに使う為の物だけど、私は自転車で十分だし、どうせ使わないのならこの子達に開放したって良いだろう。 「うー……。どうする、みょん?」 「みょ……。お姉さん、本当に良いのかみょん?」 まだ少し警戒しているようなので、私はできるだけ優しい口調でこう言った。 「私はゲスは嫌いだけど、あんたたちみたいな賢いゆっくりは飼い野良問わず好きなの。信用して良いわよ」 みょんとふらんはしばらく顔を見合わせていたが、やがて頷き合って蛇口から水を出してバケツに注いだ。 「お姉さん、ありがとう」 「本当にありがとうみょん。これでお水が少しは楽に手に入るみょん」 丁寧にお礼を言ってから、二匹は仲良く帰って行った。 それを見送った後家に戻ると、何故かみょんが開いたドアの前でぽけっとした顔で鎮座していて、それにゆゆこが心配そうに「こぼねっ?」と声をかけていた。 「……す」 「す?」 「こぼ?」 「すごいみょおーん!」 「わっ!?」 「こぼっ!?」 突如みょんが大声を上げ、私とゆゆこは驚いて後ずさった。 「おねーさん! みょんは、いままでけんはしっかりくわえるものだとおもってたみょん! でもあのみょんはしたでけんをもってゆっくりたちをきってたみょん! ああやったらもっとすばやくけんをふれるみょん! みょんはあらたなけんのきょうちをみつけたみょん!」 「う、うん。ちょっと落ち着こうか?」 力説するみょんにとりあえずそう言うと、みょんは途端に元気を無くし『ごめんなさいみょん』と項垂れた。 「で、みょんはあのみょんみたいな刃物が欲しいってこと?」 もしそうなら危ないから断ろう、と思ってそう訊いたが、みょんは首を横に振った。 「たゆんとおなじことしてるだけじゃ、ぜったいそのゆっくりにはかてませんみょん。でも、するどいけんをしたであやつったほうがいいってことにきづいたのはしゅうかくですみょん」 「ほほう、なかなか良いことを言うではないか」 「つまり、みょんはおねーさんのけんみたいなのがほしいみょん!」 「えっ? 私のコレみたいなって、これ突きしかできないわよ? いや、ゆっくりなら切れるか……一応」 「けんをしたでつかえばみょんもおねえさんみたいに『れんぞくしとつ』ができるみょん!」 なるほど、つまりは突きを極めたいという訳か。私は頷いた。 「わかった。ホームセンターで材料買ってきて作ったげる。レイピアの使い方をマスターさせてあげるわ」 「のぞむところみょん!」 「こ、こぼぉ……?」 その場の空気について行けないゆゆこが、困惑の鳴き声を上げた。 「みょんはお留守番してて。 ゆゆこ、お土産に焼き芋買ってきてあげるからね」 「こぼねぇ~!」 焼き芋と聞いた途端目をきらきらさせて満面の笑みを浮かべるゆゆこ。可愛いなチクショウ。 今すぐ引き返して抱きしめたい衝動を押し殺し、私は自転車に乗ってホームセンターへと向かった。 「そうだ、せっかくだし鎧も作っちゃおう」 ここは私の家から自転車で十分ぐらいの所にあるホームセンター。 そこで私は金属の板やら棒やらを買い込んでいた。 別に木で作っても良いのだが、私はやるとなったら徹底的にやる主義だ。 木で作って何かの拍子に折れたらみょんが泣きそうだし。 帰り道、屋台で買った焼き芋をゆゆこに渡してから、みょんの剣作りもとい改造が始まった。 まず長さは35センチ強、太さは鉛筆ほどのアルミ棒の先端をヤスリで削り、その先端を僅かに丸くする。 誤ってみょん自身や他の生き物を傷つけてしまわないようにである。うっかり人間を傷つけて責任とらされるの嫌だし。 木を削って作った柄を取り付け、最後に鍔の部分を作ってレイピアの完成である。 「う~ん、我ながら良い出来」 手前味噌だが綺麗に出来ている。見た目は私のブラックフラワーそっくりだ。銀色だけど。 他にも三ミリ厚の金属板を八角形に切って薄く切ったスポンジと合わせたものを二つ作り、、弱くなったヘアーバンドにくっつけてみょんの両頬に装着。これが盾だ。相手が木の枝など尖った物を持っていたときには防御に役に立つと思う。 最後に盾と同じ金属板を切ったりくっつけたりして前頭部から後頭部までを防護する形に作り、仕上げに薄切りスポンジを内側に敷いて兜の完成。 兜をすっぽりとかぶせ、騎士ゆっくりの完成である。兜や盾の内側にはスポンジを敷いてあるため、肌が直接金属と触れて傷つくことはないだろう。 「さあ、みょん。身体は重い? きつくない?」 「みょ……。おもいけど、なれればどうってことないみょん。この新しいろーかんけんはむしろ前より軽いみょん!」 みょんがレイピアを舌で持ってぶんぶんと振るう。 「その剣は突いた方が綺麗に仕留められるよ」 「みょ、ゆっくり理解したみょん! ……このほっぺとあたまにあるのは何だみょん?」 みょんが盾と兜を指して言った。 「ほっぺのは盾。敵が尖った物で襲ってきたら、この盾にぶつけなさい。そしたら枝はあなたには刺さらないわ。頭のは兜って言って、頭を守るための物よ」 「ゆっ……? ゆ、ゆっくり理解していくみょん」 「よろしい。じゃ、訓練の前にちょっと部屋中を走り回ってごらん」 「みょっ? そんなのおやすい御用だみょん!」 十秒後 「みょっみょっみょっ……」 二十秒後 「みょっ、みょっ、みょっ……」 三十秒後 「みょ……、みょ……」 「ふーむ、三十秒で息切れか。せめて二、三分は平気で動けるようになろうね、みょん」 「わ、わかったみょおん……」 「こ、こぼね~?」 ゆゆこが心配そうにみょんにすり寄る。 「ゆゆこさま、心配しなくてもみょんはだいじょうぶみょん。みょんはあのみょんやおねーさんみたいに、かっこよく戦えるゆっくりになりたいんだみょん」 「こぼね、こぼぼね、こーぼね-!」 「つよくなってもあぶないことしないでね? いまよりもっともっとつよくなるから大丈夫みょん。安心してくださいみょん」 「こぼね……」 ゆゆこがため息を漏らす。多分『ほんとかしら』とか思っているのだろう。 ゆっくりは増長しやすい生き物だ。みょんをこのまま放置しておけば、他のゆっくりに喧嘩を売る辻斬りへと変貌しかねない。 「あのさ、強くなるのも良いけどそれ以前にその鎧が似合うような騎士にならなきゃ」 「きし……って何みょん?」 みょんが首を傾げた。 「えっとねー。騎士って言うのは大昔にいた人間のことでね、何かを命を賭けて守る人達のことなのよ。みょんの鎧はその騎士さん達が被ってた物そっくりに作ってあるの」 簡単に説明すると、みょんは「みょーっ!」と目を輝かせた。 ……おや? みょん の ようす が…… 「みょっ! きしさんってかっこいいみょん! みょんもきしさんになりたいみょん! おねーさんたちをまもりたいみょん!」 おめでとう! みょん は きしどう に めざめた! 「単純ね……。まあ、嬉しいこと言ってくれるじゃない。……じゃ、せめて三分間は息切れせずに走れるようになるまで、鎧を着けて生活ね。お風呂の時だけは外したげるから」 「こ、こぼねぇっ!?」 ゆゆこがあたしに抗議の視線を向けてくるが、気にしない。負荷を感じなくするには常に負荷を与え続けるほか無いのだ。 「みょっ……。が、がんばりますみょん!」 その日から、あたしは仕事の合間を縫ってみょんの特訓に付き合った。 常に鎧を着けさせる方法は大成功し、みょんは二分半ほど動きまわることができた。 「ほら、防御が遅いわよ! 相手の攻撃を見たら反射的に盾が前に出るくらいになりなさい! あと身体は後ろに引いて! それで衝撃をいなすのよ!」 「みょっ!」 盾の扱いも徹底的に叩き込み、手加減した連続刺突は全て弾かれてしまう。 最近はわざと兜で受けて剣の切っ先を大きくずらすという技をやってのけるようになった。 「もっと早く! 前に突き出す回数が多くても後ろへの引きが足りないとパワーが乗らないわよ!」 「みょっ! ……みょみょみょみょみょみょっ!」 シュバババババババババッ! 連続刺突の威力も速度も精密性も向上し、あたしと同じとまでは行かなくても並の生物相手なら充分脅威なスピードが出せる。 そのほかにも、あたしが教えうる刺突の全てを叩き込んだ。 こうして暇な時特訓すること一ヶ月ちょい。そこには相当な実力を身に着けたみょんがいた。 が、みょんには一つ欠点がある。 「ゆぷぷ、よくわからないゆっくりがいるよ!」 「おお、きもいきもい」 「みょおおおぉん!みょんのよろいをばかにするなみょん!」 そう、自分の鎧を馬鹿にされるとすぐ怒るのだ。 まあ、今までの苦労の成果を馬鹿にされるのは嫌だろうが……。ちょっと騎士としてはいただけない。 「というわけで、みょん。最後の特訓。お題は『三日間、一日中外にいて、向こうから何かされるまで何もしちゃダメ』。 自分を馬鹿にした野良に向かって何か言うのもダメだし、馬鹿にされても怒っちゃダメよ」 「みょ……」 今までとは違う精神的な特訓と知って、みょんの口から戸惑いの声が漏れた。 D.O氏の言葉に甘えさせていただき、まりさファミリーのみょんに登場してもらいました。 ……なんかD.O氏の設定の説明文みたいになってしまいました。 シリーズ物にするつもりで書いたのですが、否定的な感想が多いなら止めようかと思います。
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「某としたことが……」 ◆LXe12sNRSs 「先刻は失礼した。某(それがし)の名はトウカ。エヴェンクルガ族の武士(もののふ)なり」 なんとかロワイアルに巻き込まれて早数分、首筋に刃物を突きつけられるといういきなりのピンチに遭遇した俺だったが、今はなんとか難を逃れることに成功した。 時代劇に出てきそうな武士の着物を身に付け、鳥類の羽を模した耳を携える謎のコスプレイヤーさんの名前は、トウカというらしい。 なぜ彼女はこんな異常事態に、こんなふざけた格好をしているのか。少なくとも、先ほど出刃包丁を突きつけてきた時の彼女にはマジな緊迫感を感じたんだが。 ひょっとして俺の錯覚だったか? それとも、彼女は真剣にこの姿で殺し合いに臨むつもりなのだろうか。 オイオイ、まさかとは思うが、この舞台のどこかにいるであろう朝比奈さんも、SOS団給仕用のメイド服を着ていたりはしないだろうな。 メチャクチャ可能性ありそうで、限りなく不安なんだが。 「しかしそなた……随分と珍妙な格好をしているが、いったい何処の国の出身だ?」 珍妙な格好はどっちだ。自慢じゃないが、北高男子の制服はオーソドックスすぎるブレザーで、地味なことだけが自慢なんだぞ。ってやっぱ自慢になんねーよ。 それに何処の国の出身かって、そんなもん一目瞭然じゃないか。あんたが今話している言語は何処の国のものだ。俺の知識じゃ該当する国は一つしかないのだが。 と、俺の常識とトウカさんの常識をぶつけ合うこと自体そもそもの間違いだったのだと、その後の情報交換で思い知らされることになる。 なんでも、トウカさんの出身国はハクオロという王様が統治するトゥスクルというところだそうで、豊かな自然と寛大な王に守られた素晴らしく住み心地のいい国らしい。 しかしおかしいな。俺は世界地図でも地球儀でも旅行番組でも、トゥスクルなんて国はお目に掛かったことがない。 エヴェンクルガ族とかいうのも初耳だし、ひょっとしたら国というよりはどこかの辺境民族の集落かなんかじゃ、と俺は考えた。 我ながら、常識人らしい考えを持っちまったと思ってる。 現在自分の身が置かれている状況と、普段自分が遭遇しているビックリ体験の連続を照らし合わせてみろ。 この鳥の羽の耳を付けたコスプレイヤーさんじゃない人が何者なのか、トゥスクルという国が実在するのか否か、答えは実に簡単じゃないか。 つまりトウカさんは――ハルヒが創りだした閉鎖空間のような――パラレルワールドの住人というわけだ。 もちろん、この世界も俺の知る世界なんかじゃなく、その類のものなんだろうな。 だとしたら、やっぱり元凶はハルヒか? アイツ、宇宙人や未来人や超能力者では飽き足らず、密かに鳥耳少女と友好を深めたいとか願ってやがったのか? って、いや、ちょっと待てよ俺。いくらハルヒがトウカさんみたいな特異な人種との遭遇を願ったからといって、そこが殺し合いの場である必要性なんて皆無のはずだ。 確かに八十人が生死を懸けて戦うなんてのは、刺激的を通り越して猟奇的すぎるイベントだ。 だがハルヒが心の底からそんな惨劇を望むかといえば、答えはノーに決まってる。実際、夏休みに起きた孤島での殺人事件もお芝居だったしな。 とまぁ、この世界における俺の浅知恵な考察はこの辺にしておこう。 この殺し合いゲームにハルヒが関与しているにせよしていないにせよ、俺みたいな一般ピープルが一人が悩んだところで答えが見えるはずもない。 何度も言うが、俺は至って普通の男子高校生だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもないし、そうなりたいとも思わない。 ただちょっとばかり、周りが特殊すぎるだけだ。ライオンの檻の中に一人迷い込んだネコみたいな存在なんだよ、俺は。 「で、トウカさんはまず仲間たち――ハクオロさんとエルルゥさんとアルルゥさんとカルラさん、この四人と合流したいと」 「ああ。カルラ殿ほどの実力者なら心配要らないだろうが、エルルゥ殿やアルルゥ殿を一人にしておくのはあまりに危険。 それに聖上は、絶対に失ってはいけぬ御方。某がなんとしてもお守りしなければ。キョン殿は――」 ちなみに。 これから俺に会う奴会う奴、みんな俺のことをキョンと呼ぶのだろうが、その辺のことについてのツッコミはご遠慮いただきたい。 そもそも参加者名簿での登録名があだ名ってのはどうなんだ。いくら俺が本名で呼ばれることがないからって、これじゃあ初対面の相手にもキョンって名乗らなきゃいけねぇじゃねぇか。 例外は俺だけでなく、鶴屋さんもよく『鶴屋さん』なんて呼称で名簿に載ることになったもんだ。ってか殺し合う相手に対してさん付けがデフォルトってのはどうなんだ。 「――えすおーえす団、というところの仲間を捜しているのであろう? 人捜しをするならば、人手が多いに越したことはない。 どうだろう。ここは某と、協力関係を結んではくれまいか?」 協力し合うことには何の異存もないだのだが、仮にも殺し合いをしろと言われてここにいるのに、そう簡単に人を信用していいものか。 もっともそんな心配をしているのは俺だけのようで、トウカさんの瞳は曇りを一切持たない天真爛漫な光で輝いている。 きっと、人を疑ったりとかあんまりしない人なんだろうな。 「あのギガゾンビなる怪人が如何程の実力を持っているかは分からぬが、某とて武の民エヴェンクルガ族の端くれ。 某と共に歩んでくれるというのであれば、身命に懸けてキョン殿のお命を守ることを約束しよう」 やたら勇敢なことを言ってくれるが、俺はうら若い女性に守ってもらうほど弱い男じゃない。 そりゃ俺は古泉みたいな超能力バトルはできないし、この世界からの脱出方法についても結局は長門頼りだが、それなりに修羅場はくぐって来たつもりだ。 運よく身を守るための武器も支給されているし、トウカさんにそこまで苦労をかけるつもりは―― 「某の実力が疑わしいというのであれば、それなりの証拠をお見せしよう。そこで見ていてくれ」 どうやら俺の気遣いの意味を取り違えてくれたらしい。 トウカさんは弱く見られたと思っている自分の実力を見せ付けるため、支給された出刃包丁片手に一際高く聳えた大木の前に立つ。 そしてそのまま腰を落とし、出刃包丁を持った右腕は左脇の辺りに構えた。 ああ、この構えなら分かるぞ――これは、世にいう『居合い』というものだ。 剣術なんてものには精通していないが、どういう技なのかはそれなりに知っている。 刀を鞘に納めた状態で腰元に構え、相手が間合いに近づいてきた瞬間に抜刀、一撃で斬り伏せる神速の型だ。 その姿は剣戟モノの時代劇で見る役者なんかよりよっぽど堂に入っており、思わず見惚れる程でもある。 だが忘れちゃいけないが、彼女が持っているのは日本刀ではなく出刃包丁だ。 そしてそれを使って斬り伏せようとしているのは、秋刀魚や鯵ではなく樹齢100年はあろうかという大木だ。 ミスマッチにもほどがある。そんな風に考えていたら、風が吹いた。 ――ヒュンッ トウカさんの出刃包丁による居合い斬り――その一振りが、轟音と突風を生み出したのだ。 その剣速には正直俺も驚いたが、そんなことよりもまず、訪れた残酷な結果に言葉を失ったね。 「なぁ!?」 案の定というかお約束というか想定通りというか、出刃包丁は見事に大木に減り込んでいた。半分にも斬り込めていない。 まぁ、刃渡り数センチの刃物で人よりも大きな木を一刀両断なんて離れ業は、たとえ中国雑技団でも無理な芸当だ。 こうなることは予測できていたのだが、なんというか、意外そうに目をパチクリしているトウカさんを見ると居た堪れない気持ちになってくる。 自分の失態が納得いかないのかそれとも恥ずかしいのか、トウカさんは減り込んだ出刃包丁に力を込め、強引に木から引き離そうとしている。 あーあー、そんなに力いっぱい引き抜こうとしたら…… ――ポキンッ 危惧して忠告しようとしたのも束の間。 無理やりに力を込めた出刃包丁は、ものの見事に折れてしまった。 「なななななななななななななァァ――!?」 や、そんなに驚かれても対応に困るのだが。 そしてそのままがっくりと項垂れるし。 トウカさんの剣の腕が凄いってのは分かったが、出刃包丁じゃこれが限界ってことをぜひ知ってもらいたい。 「クッ! 某としたことが……一生の不覚ッ!」 不注意から武器を失ってしまったことにショックを受けているのか、トウカさんは悔しそうに嘆いていた。 「まぁまぁ。そうだ、剣が得意っていうなら、俺のヤツを譲りますよ。俺の支給品、偶然にも刀でしたから」 「それはかたじけない。キョン殿には何から何まで、迷惑をかける……アッ!」 俺が物干し竿をトウカさんに譲ろうと、徐に支給品類を広げた時のことだ。 突如トウカさんの瞳が宝物を見つけたかのような反応を見せ、キラキラと輝きだす。 その視線の先は俺が差し出した物干し竿ではなく、もう一つの支給品……不細工な上にやたらとデカイ、ウサギのぬいぐるみに注がれていた。 「か、かわいい……」 ……そ、空耳か? 今一瞬、この不細工ウサギを見つめながら可愛いと称賛する声が聞こえたのだが。 もしかしてあれか? トウカさんは、気丈な性格の割に実は無類の可愛い物好きというお決まりな設定を秘めているというのか? ……だとしたらそれなんて……ゲフンゲフン。いや、俺はトウカさんの正確な素性とかよく知らないぞ。原作とか、そういう単語はNGワードとして登録するように。 「そ、そういえば、トウカさんの他の支給品はなんだったんです? まさか出刃包丁一本だけってことはないでしょう?」 話題を切り替えようと、俺はトウカさんに手持ちの荷物を見せてくれるよう頼む。 これで支給品が包丁一本だけだったらどう慰めようかとも思ったが、あいにくその心配は杞憂に終わったようだった。 トウカさんが新たに取り出した支給品は二つ。 一組のボクシングローブと、造花のようにも思える一輪の花だった。 俺はその二つの花の方を手に取り、説明書片手に難しい顔をするトウカさんに尋ねる。 「この花はなんていう道具なんですか?」 「『わすれろ草』、というらしい。なんでも、この花のにおいを嗅いだ者は、たちまちその時思っていたり考えていたことを忘れてしまう……と」 なんじゃそら。つまり相手から思考を奪う道具ってわけか……まさかと思うが、なんかヤバイ薬の原材料とかじゃないよな。 しかしまあ、使いようによっては使える道具かもしれない。 たとえばもし誰かに襲われたとして、その相手にこの花のにおいを嗅がせれば、襲っていたこと自体を忘れちまうわけだ。 ご丁寧にも数十分で効果が切れるとの補足説明付きだが、急場凌ぎくらいにはなるだろう。もちろん、使わないにこしたことはないのだが。 「じゃあ、このボクシンググローブみたいなものは? これはどことなく武器っぽいですけど」 「ぼくしんぐぐろーぶ……というのはよく分からないが、それは『けんかてぶくろ』という名前らしい」 なんつーまんまなネーミングだ。製作者はもっとこう、センスというものを考慮しなかったのだろうか。 機能については説明を受けるまでもない。ただのボクシンググローブではないようだし、十中八九けんかが強くなるとか、そいうまじないめいたものが込められた道具なのだろう。 俺はそのけんかてぶくろなるものを拝借し、試しに手に嵌めてみた。 ボクシンググローブを嵌めるなんて機会は滅多にないからな。気分はプロボクサーだ! なんて思いつつ、少々舞い上がりシャドウボクシングなどしてしまった。 それが、最大の間違いだったんだな。 「ぐふぉっ!?」 ――突然、殴られた。誰にかって? 他でもない、自分の腕にさ。 「ごふっ!? ぐおっ!?」 「キョ、キョン殿!?」 混乱するな。誰がなんと言おうと俺が一番驚いている。 一応断っておくが、俺は急に自虐の楽しみに目覚めたとかそんなんじゃないぞ。 シャドウボクシングするつもりで空に振り被ったパンチが、意図せずUターンして俺の顔面に飛び込んできた。ただそれだけさ。 結果的に、俺は自分で自分を殴っていることになる。それも自分の意思とは関係なしにだ。 力の調節もできたもんじゃない。どうすれば止まるのか見当も付かず、俺は激痛の走る顔面から鼻血を垂れ流していた。 「こ、これはいったいどうなって……」 「ト、トウカさんごふぉ、説明書をぼっ、読んでくださべっ!?」 「説明書……は! な、なんと! 『自分で自分と喧嘩できる道具』と書かれている!?」 な、なんてこった。喧嘩が強くなる、なんてとんだ見当違いな効果じゃねーか! あまりの馬鹿げた効果に怒り狂いたかったところだが、腕が殴ることをやめない内ではそれも叶わない。 つーか誰だこれ作ったの。責任者出て来い。 ――危うく、自分の拳に殴り殺されるところだった。 結局、俺の腕が俺の顔面を殴り続けるというアホすぎる行動から解放されたのは、五分が経過してから。どうやら時間制限が付いているらしい。 だがあえて文句を言わせてもらおう。なげーよ五分。というかこんなものはこの先一分一秒足りて着けたくはない。てかもう絶対着けねぇ。 もし俺の拳が本当にプロボクサーのものだったら、それこそ死んでいたかもしれない。効果はふざけているが、考えようによっちゃ恐ろしすぎるアイテムでもある。 ないとは思うが、こんなものが普通にデパートに並んでいたとしたら、消費者から事故が発生するのは間違いないと思う。 「申し訳ないキョン殿! 某としたことが……支給品の効果を見誤るとは、なんたる不覚!」 トウカさんはといえば、自分の支給品で俺を傷つけてしまったことが居た堪れないのか、ほとんど土下座の体勢でさっきから謝り続けている。 もとはといえば、先走ってあんなものを嵌めてしまった俺が悪いのだが。 俺はトウカさんに気にしないよう言葉を投げかけてみるのだが、この人の性格も相当頑固なようで、自らの手で責任を取らなければ気が済まない様子である。 「かくなる上は……割腹し、この命を持ってお詫び申し上げまする!!」 ――――ハ? 「え、あの、トウカさん? 何もそこまでしなくても……」 「いいえ! せっかく協力し合えた相手にこのような失態を働いてしまうとは、エヴェンクルガ族末代までの恥! 義を重んじる民の者として、償いを入れねば某の気が収まりませぬ!」 俺が制止を入れても聞かず、トウカさんは正座の体制から腹部目掛け、折れた状態の出刃包丁を突きたてようとする。 いくら折れてるからって、あんなもの突きつけりゃ怪我をすることは間違いなしだ。 「聖上……某の未熟が故の失態、どうかお許しください。願わくば、皆が無事に生還できることを……」 覚悟を決めたのか、目を瞑り切腹の体勢に入る。 「わー! ストップストップ!!」 俺は慌てふためき、咄嗟に地面に置かれた一輪の花を手に取った。 わすれろ草、だったか。彼女を止めるには、もうこれしか方法がない。 「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!」 トウカさんの鼻元で、がむしゃらにわすれろ草を振るいまくる。 するとトウカさんはむず痒かったのか、ハクチュ、と可愛らしいクシャミを一回。 そして、次の瞬間には手から出刃包丁を放していた。 「あれ……某はいったい何を……?」 「や、やだなぁ座り込んじゃって! ほら、早く立ってくださいよ! 仲間を捜しに向かうんでしょう?」 俺はやや強引にトウカさんの手を引き、方向も確認せずに歩き出す。 トウカさんはやや不服そうな顔を見せたが、すぐに自分の成すべきことに気づき、自らの足で歩みだした。 「そうだ……一刻も早く聖上を見つけ出し、お守りしなければ。某としたことが……そんな大事なことを失念してしまうとは」 「そうですよ~ハハハ……」 つ、疲れるっ! なんかもの凄く疲れたぞこれまでの一連の行動っ! ともかく俺は心強いかどうかはかなり微妙な線をいく協力者を得て、仲間達の捜索に当たった。 正直先行きはかなり不安なんだが……ま、グチを言っても始まらんだろう。 ちなみに。 トウカさんは今回、「某としたことが……」と三回も口にした。おそらくは、本人も知らない内に口癖になっているだろう。 そしてそれを分析して、俺は確信したね。 口には絶対出さんが、トウカさんは重度の「うっかり者」で間違いない。絶対。 【A-3森 初日 黎明】 【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】 [状態]:軽度の疲労(精神面含め)、顔面に軽傷 [装備]:なし [道具]:支給品一式、わすれろ草@ドラえもん、けんかてぶくろ@ドラえもん [思考・状況]1:トウカと共に仲間の捜索。 2:ハルヒ達との合流(朝倉涼子に関しては保留)。 基本:殺し合いをする気はない。 【トウカ@うたわれるもの】 [状態]:健康 [装備]:物干し竿@Fate/stay night [道具]:支給品一式、出刃包丁(折れた状態)@ひぐらしのなく頃に、なぐられうさぎ@クレヨンしんちゃん [思考・状況]1:キョンと共に仲間の捜索。 2:エヴェンクルガの誇りにかけ、キョンを守り通す。 3:ハクオロ等との合流。 基本:無用な殺生はしない。 ※それぞれの支給品を交換しました。 時系列順で読む Back 復讐の道を行く男、愛に生きる女 Next approaching! 投下順で読む Back 淵底に堕ちた鷹 Next approaching! 10 普通の人間にしか興味はない キョン 75 洗濯⇔選択 10 普通の人間にしか興味はない トウカ 75 洗濯⇔選択
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ちょっとした裏話その2 ちょっとした裏話その1 毎回作る時設計図とかは決めてない。というかもし決めて作ったとしても絶対にその通りにはならないと思うからテキトーに線引いてから作ってる。
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amazonで探す @楽天で #来世ではちゃんとします を探す! 水24テレ東 2021.08.11~2021.09.29 wikipedia Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索 1 ヤリマン桃江ちゃんの婚活/ヤリチン松田の憂鬱 2021/08/11 2 松田くん監禁される/お別れの時が来た 2021/08/18 3 2つのヤバい恋/桃江ちゃんの恋人? 2021/08/25 4 桃江ちゃんの恋人?後編/悩めるお年頃 2021/09/01 5 林くんの好きな人/檜山くんの休日/愛されたいよ 2021/09/08 6 梅ちゃん遭難事件簿禁断の社内恋愛 2021/09/15 7 2021/09/22 8 2021/09/29
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「ほら、抱っこして」 急に抱っこなんて言われても、いままで産まれたばかりの赤ん坊を抱いたことがない僕は、どうしたらよいかわからない。 「大丈夫。うでのところに頭を置くようにして、片方の腕でおしりをかかえて」 そう言うと、姉は躊躇する僕の胸に赤ん坊を押し当てた。僕はとっさに、両腕を言われた通りの形にし、赤ちゃんをなんとか抱っこした。 ち、小さい!しかも、軽い!これが赤ちゃんなんだ! 緊張の時間が始まった。 少し抱き方を変えようと、頭が乗っている左腕の脇の下を空けた。すると、腕が坂道となったために頭部が回転し、今まで僕の胸の方に向いていた顔が、180度違う方向を向いた。 (おおっと!) とっさに脇を閉め、首が元の位置になるようにゆっくりと自分の胸の方に引き寄せた。 焦った!首がねじれてもぎれ、ポトン、と落ちてしまうのではないかと思った。同じ人間のはずなのに、赤ちゃんというのは、なんだかもろくて柔らかい。 「お姉ちゃん、はい、返すよ」 そう言って赤ん坊を姉に渡そうとしたときだった。 「見て。おっぱいほしがってるよ!」 上から自分の胸の辺りを見ると、右の頬を僕の胸にぴったりとくっつけた甥の口元が、大きく開いたり閉じたりしている。以前、テレビで見たことがあった。目がしっかりと開かない段階でも、頬や口元に力が加わると、乳首を求めるように本能的に唇を動かすことがある、と。あっくんは、Tシャツの上から僕の乳首を探している。はずかしい。でも、か、かわいい! 「あんたもいよいよおじさんだね」と姉。 無事に赤ちゃんを渡し、僕は二階の自分の部屋に戻った。ふぅー。「おじさん」かぁ。緊張して抱いていたせいか、肩が凝っている。もっと上手に抱っこしてあげればよかった。そのためには、後頭部をこんなふうに腕に乗せて、・・・僕はいつの間にか枕を持って練習していた。 子育てはとても大変だと聞く。中には育児ノイローゼになってしまう人もいるらしい。お姉ちゃん、自分が疲れて、旦那さんも忙しかったら、俺のところに来いよ。いつでも子守してあげるから。それまでにもっと上手に抱っこできるようにしておくよ。 あの子が大きくなったら、キャッチボールを教えてあげよう。ふわふわした赤ちゃんが、がっしりした少年に育つことを想像すると、胸がワクワクしてくる。 あっくん、おじさんをこれからよろしくな! www.sumitomolife.co.jp/child/index.html
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autolink DC/W23-057 カード名:凛とした風格 エリカ カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:8000 ソウル:1 特徴:《生徒会》?・《王族》? 【起】[あなたの【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く]を持つキャラを1枚レストする]そのターン中、このカードは次の能力を得る。『【自】このカードのバトル相手がリバースした時、あなたはそのキャラを山札の上に置いてよい。』 覚悟はできておりますわね? レアリティ:R illust. 13/01/21 今日のカード。
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DS2/SE16-31 カード名:凛とした美貌 マコト カテゴリ:キャラクター 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《サマナー》?・《オペレーター》? 【永】他のあなたのキャラが1枚以下なら、このカードのパワーを+1000し、このカードは『【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く]』を得る。 敵が無防備になるチャンスだ、倒せ! レアリティ:R 13/10/15 今日のカード。
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ほんとうのしあわせ、それは本当に幸せなんだろうか? ただの自己満足だったのか、襲来者の幸せなんだろうか? そんな幸せな とある一家のご紹介をすんどら。 キャラクタ 襲来者ら 虐殺を楽しむ 親まりさ 蹴られて即死 親れいむ 自分が幸せに浸ってるだけ 子まりさ キリライターで肛門に刺されるん。 子れいむ ちゅぶれりゅ・・・ん 新子れいむ 最後まで生き残ったと思われるチビ。しかし、最後は燃え盛り焼き饅頭となう。 新赤れぃむ 生まれようと新赤まりさと共にしているが噛み潰され誕生から僅か享30秒 新赤まりさ 前ん新赤れいむに続いて生まれるが噛み潰され共に誕生から僅か享30秒 別親れいむ 足焼 別子れいむら 足焼+潰し。れいむ10匹ってナメてんの? 別親まりさ ものもらいだ 別子まりさ 髪の毛毟られとるん 親ちぇん 殴られ 赤ちぇんら みゃみゃー! 親みょん こんなのないみょーん! 赤みょんら 鋭利ななんかで2匹串刺し 第0話 回想にも 『ゆぴ…』 『ゆぴー』 『まりさ! れいむたち…おやっさんになったんだねっ!』 『そうだね…! ゆっ…ゆぐっ… ぅゆぁ~んぁんぁん!』 『ゆふふっまりさったら!おちびちゃんにわらわれるよっ!』 『ゆっくち!してっちぇにぇ!』 『ゆっち!ゆっちぃ!(ちー…)』 キリッ 『ゆわあぁ… はんざいてきかわいさだよぉ!』 『ほんとだよ…ちびちゃんたちはてんしさんだね! ゆっふふ~…』 ほんとうのしあわせ 『ゆ~? あかちゃん?』 『そう!あきゃーさんのおなかにいるんだよ!』 『ゆぅぅ!ほんちょ?』 『ちびちゃんたちは もうすぐおにゃーさっんになるんだよっ!』 『ゆわわぁ~…しゅごいにぇ!』 『ゆんっ!いま うごいちゃ!』 『ゆっくち!ゆっくち!』 『ゆふふっ! これからもずっと…ずっと ゆっくりしようねっ! いつまでも いっしょに…!』 『かわいいかわいい れいむのおちびちゃん! おちびちゃんをみてると あんこさんがぽーかぽーかしてくるよ おいしいごはんむーしゃむーしゃするよりあったかべっどさんですーやすーやするより ずっとずっと!しあわせー!なきもちになれるよっ!』 『ゆ!さっそくおちびちゃんがしあわせのおねだりをはじめたよ! あんなちっちゃなおくちで いっぱいしあわせーをとりこもうとしてるよ あんなちっちゃなぴこぴこさんでしあわせーをつかもうとしてるよ あんなちっちゃなおからだで じぶんはここにいるよ!しあわせさんうぇるかむッ! ってあぴーるしてるよ! おちびちゃんたちといっしょならっ! どんなにつかれていてもどんどんげんきさんがあふれるてくるよ! ちびちゃんはよなかにゆんゆんなきだすけど ちびちゃんのおこえをきけば ねむけさんもふきとぶよ! うんうんしーしーいっぱいおもらしするけど ぜんぜんばっちくかんじないよ! おちびちゃんのためなら! れいむたちなんだってできるよっ! 『さいしょのころはおちびちゃんのきもちをかんがえてあげられなくてよくなかせちゃったよね…! みんないーらいーらしてゆっくりできなかったこともあったね ゆふふっごめんね…!』 『おちびちゃんがうまれてほんとうのしあわせーってなんなのか…わかったきがするよ! おちびちゃんがしあわせーになること それがれいむとまりさのしあわせーなんだね…! おちびちゃんはれいむといっしょに… きょうもゆっくりげんきにそだっているよ! しあわせいっぱいためたおちびちゃんぷっくぷくのま~んまる! とってもとってもかわいいよぉ! ザッ いっぱい しあわせー をあげるよ おちびちゃんがう~んとおおきくなってつぎのおちびちゃんをうめるように れいむたちがいっぱいいっぱい… しあわせーをあげるよっ!! あ? ここで終わりだがな
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関連 ゆっくり愛で小ネタ177 欝映画を見た結果がこれだよ!! 俺も半分実話な話を…… 「みょーん、買い物頼むー」 「みょふん?」 「駅前のビデオ屋で日本沈没と羊たちの沈黙を借りてきてくれないか。 余ったお金はお小遣いにしていいから。はいお金とメモ」 「いさいしょうちみょん!」 ………… 「ただいみょーん」 つ青い布袋 「おかえみょん。……あれ、1本だけか?」 「みょん?」 「忘れたか。まぁ借りて来れるだけで十分だr」 つ羊たちの沈没 「……えっ何この……何?」 「2つまとまってるからとってもおとくみょん!」 「タイタニックとかマトリックスとか頼まなくて良かったな、うん」 でも映画は意外に面白かった罠。 名前 コメント
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OP 佐倉としたい大西(佐倉綾音・大西沙織) / Radio time predator (第69回 -) DOVA-SYNDROME / 空気読めよ! (第1回 - 第68回) ED DOVA-SYNDROME / 手紙 ジングル1 DOVA-SYNDROME / Tama ジングル2 DOVA-SYNDROME / good noon 大西モールス信号 DOVA-SYNDROME / Dr.PIKOPIKO ホニャララしたい DOVA-SYNDROME / Easy Day AとしたいB DOVA-SYNDROME / 午後のミュゼット あやねるが入室しました! DOVA-SYNDROME / まじかる? ロンリーホーム不動産 DOVA-SYNDROME / 自宅にて 大西事件簿 DOVA-SYNDROME /探偵事務所 今回の予告写真 不明 反省会OP DOVA-SYNDROME / お気楽 反省会ED DOVA-SYNDROME / 小人たちのおもちゃ工場 パート2