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高校野球敗退で、甲子園の砂を持ち帰るノリで京太郎を持ち帰る豊音さん 01、大会終了後に岩手に戻る電車内にて 塞「やっぱり個人戦の壁も厚かったわね」 胡桃「豊音も頑張ったけど、あんなに魔物が潜んでるんじゃ…」 豊音「頑張って追っかけたんだけど、追いつけなかったよ」 エイスリン「コワカッタ(二匹の∠が生えた怪獣とそれより小型の怪獣達が暴れてる絵)」 白望「ダルい、早く岩手に戻ろう」 豊音「えへへ、有名選手のサインいっぱい貰えてよかったー」 塞「ところで豊音、そんな大きいバッグどうしたの?」 胡桃「私が3人分は入りそうだよね、中身なに?」 豊音「お土産ってとこかな、部室で開けるね」 02、宮守麻雀部部室にて 豊音「よいしょっと、ちょっぴり重かったかな」 塞「豊音が重いって言うことは、けっこうな重さの品なのかな」 胡桃「なんだろう、お菓子なら其処まで重くないよね」 エイスリン「ミンナデヤマワケ!!(金塊の絵)」 白望「ダルいけど中身気になる」 豊音「それじゃご開帳ー」 バッグの中には猿轡され縛り上げられ気絶中の京太郎が!!w 03、宮守麻雀部部室・凍りついた空気の中 塞「」 胡桃「」 白望「」 エイスリン「」 豊音「えへへ、どう?」 塞「」 胡桃「」 白望「」 エイスリン「」 豊音「高校野球で敗戦すると甲子園の砂を持ち帰って記念にするの、TVで見てて」 豊音「つい全国大会出場記念に、都会のイケメン攫って来ちゃったよー」 塞「ついって」 胡桃「ちょっとヤバいじゃないこれ」 白望「ダルいってレベルじゃねえ」 エイスリン「ミンナデヤマワケ!!(モザイクにより見せられません)」 04、宮守麻雀部部室・そして時は動き出す 京太郎「…?、!?。むー!?、むー!!」 豊音「あ、気がついた?」 塞「マズ、とりあえず猿轡解いて」 胡桃「落ち着いて、なんにもしないから静かに」 エイスリン「アバレンナ、アバレンナヨ(先ほどとは違うモザイクのかかった絵)」 白望「ダルいけど、とりあえず鍵閉めて…」 京太郎「ゴホゴホ、あれ?皆さん宮守麻雀部の方々ですよね、いったい何が」 豊音「わ、私たち有名人になってる」 胡桃「別の意味でも有名になりそうだけどね」 塞「とにかくごめんなさい、いろいろ説明させてもらえないかな」 少女説明中……… 京太郎「そうですか、悪気が有ったわけではないようなので構いませんが…」 豊音「ごめんなさい、つい浮かれてとんでもないことしちゃって」 豊音・塞・胡桃・白望・エイスリン「すみませんでした」 京太郎「いえ、もう大丈夫です。ただ豊音さんには申し訳ないんですが」 豊音「!?、はい、私が悪いので私だけ罪を償いますからみんなには…」 京太郎「いえソッチじゃなくて、残念ながら長野出身で『都会のイケメン』じゃないんです」
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俺が奇想天外な奴らがいる世界に来て数日が経った。相変わらず俺は愉快な仲間達がいる世界にいるが、こちらの世界は俺の世界とほぼ一緒なので、たいした問題もなく生活できている。自分でも驚いているが、適応能力が高いらしいな。 日が経つにつれ、SOS団のメンバーの癖がわかってきたので報告しよう。 涼宮は、おもしろいことが大好きで、本気で宇宙人、未来人、超能力者を探しているらしい。正直な感想。おそろしいくらいの変人だ!変人ってのは、良いことだ。みんな一緒だと面白くない。個性ってのはやっぱ必要だと思うぞ。しかし、だ。こいつは度が過ぎている。やりたいなら1人でやれよ。俺達を巻き込むなっての。 朝比奈さんは癒し系で、メイド服を着たりして俺を和ませてくれる。誰しもが憧れの存在になるだろう。ただ涼宮におもちゃにされているのがかわいそうでならない。 古泉は理屈っぽいが、人当たりが良く、良すぎて涼宮の無茶に反抗するってことは全くない。暴君に仕える軍師ってタイプだろう。 長門は相変わらず無表情で本を読むだけ。全くつかめない。宇宙人ってのは、みんな無愛想なのだろうか?達観しすぎて、感情ってのを置いて進化したのかもな。 キョンはあだ名こそ変わっているが、全くもってまともな常識人だ。唯一、俺がまともに話せる奴で、だらだらと毎日を過ごしたいと願うところなんか、俺と一緒。ただ、ひねくれたところがあるのが、たまに傷だろう。 さて、人物評価はこのくらいにしておこう。今は放課後。SOS団のアジトである文芸部の部室で、いつもどおり退屈な時間を過ごしていた。部室の中にいるのは、俺とキョン、古泉、長門、朝比奈さんだけで、我らが団長は遅刻している。 キョン曰く 「どうせまた疲れるやっかい事を、どっかから拾ってくるんだろうよ」 と疲れた様子で言っていた。俺もキョンと同じで、日々平穏を祈る体質である。何事もなく1日が過ぎていき、後に平和だったなと思い返すのが、俺にとって一番幸せなことなのだ。 だが、そうもいかなかった。お騒がせ団長は、他の団員の誰でもない、俺に迷惑をかける事件を引っ張ってやってきたのだ。 涼宮が勢いよく部室のドアを開けたかと思うと 「聞いて聞いて、おもしろい話を聞いちゃった!」 叫びながら部室に入ってきた。 キョンが、「げっ」という顔をして、一瞬、古泉の顔が引きしまった。一体、何なんだ? 「実はね、学校近くにある洋館に、お化けがでるらしいのよ。最近特に頻繁に出ていて、みんな怖がっているらしいわ。これってお化けと遊ぶチャンスじゃない!?」 びっくりするくらいの笑顔で、銀河が目の中に入っているのではないかと思えるような輝きを放ちつつ涼宮がとんでもないことを言ったかと思うと、 「それなら僕も聞きました、最近噂になっているみたいですね」 古泉が余計な相づちをうちやがった。 次へ 目次
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生徒ホール二階、金管楽器の練習場所だったり楽器置き場になっている部屋。 部屋は四つのテリトリーに分かれている。入り口から時計回りにトランペット、トロンボーン、バリチュー、ホルン。 窓を開けても隣の部室棟があって風が入ってきづらい都合上、夏は木管部屋よりも暑い。 おまけとして、夏場になると合奏室にあるクーラーに電力を供給するための、発電機がバリチュー側の壁の真下にあるため窓をあけられなくなる。 あまりの暑さに夏の時期だけはバリチューも金管部屋で練習しない。 看板課の作業場所。 看板の木の破片が散乱していて、はだしで歩くと事故る。 また、シンクロがよく見えるが、本番の際はカメラに映りこんでしまう都合上、部室から見てると怒られる。 バリチューのあたりに換気扇があるのだが、毎年春頃、野鳥が巣を作っているので優しく見守ってあげましょう。
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徹夜観測 天文部のメイン活動。月に一度のお楽しみ。 事前に用意するもの 徹夜観測承諾書…徹観長が徹観の二週間前くらいに配布し(部室のドアのファイルに挟んでその旨部員に伝える)、遅くとも三日前には回収して先生に渡す。 徹夜観測承諾書見本 今月見える星…その日の徹夜観測でテーマとなるようなものをまとめたもの。天文年間や、星ナビを参考に。どんな星が何時にどの方角に見えるかなど、出来るだけ具体的に書く。また難しい用語などは、自分なりにでも分かり易く説明するのが好ましい。どこかのサイトを参考にしたら、そのサイトの名前も記入する。 お金…晩ご飯を買ったりする。仮に弁当の人でも多少ないといざというとき不便です。 防寒具…冬場は寒いです。羽織れるものはもちろん、ホッカイロや手袋、マフラー、靴下(二枚履きする)なんかも役に立ちます。 筆記用具…天気図作成の際に必要です。鉛筆・消しゴム・ボールペン(黒・赤・青)くらいは持っておきましょう。 ラジカセ&天気予報紙…部室にあるやつです。9 50分くらいまでには徹観長が地学室にもって行きましょう。 お約束 騒がない 行っちゃいけないところに行かない 部室や地学室を汚さない 天文台は仮眠室じゃねーんだよばかやろう、寝るんじゃねぇ! 校内を徘徊しない タイムスケジュールというか、おおまかな流れ ひとつき前…前回の徹観終了と同時に次回の徹観の日程をどうするか部長・徹観長・先生・コーチなどで話し合う。可能であれば新月に近い方が望ましい。決まったら出来るだけ早く部員に知らせる。 二週間前…徹観長が承諾書を用意する。原稿は自分で作って印刷は先生に頼む。 数日前…徹観長が承諾書を回収し、先生に渡す。 当日 8 20頃?…登校。徹観用の荷物があって教室において置けない場合は部室におく。 15 00…授業終了。部室や地学室で時間をつぶしてもいいし、一端うちに帰ってもいい。 17 00…地学室に集合。5時までに晩御飯をコンビニ等で買う人は買っておくこと。 以降10時までフリータイム。この間望遠鏡を屋上に出すという作業が入ります。夏場は7時くらいでも結構明るいですが、冬は早く暗くなってしまうので、集合後すぐにセッティングすべきです。暗くなってしまうとファインダーあわせ等が大変です。 22 00…天気図作成。10分前には地学室に集合すること。基本的に全員参加です。 以降再びフリータイム。大いに観測を楽しみましょう。早めに寝たり遊んだりしてももちろん構いませんが、何のために来ているのかを忘れずに。 6 00…ぼちぼち夜が開け、起き出してくる頃。起きた人から、片せるものは片してしまいましょう。 7 00…この時間になると寝てる人もいい加減たたき起こして片付けに参加させましょう。屋上に忘れ物の無いように。地学室の掃除は丁寧に。「元よりきれいにする」くらいの気持ちで。 8 00…部長・徹観長・コーチ・先生の挨拶の後、解散。 ☆主砲の使い方 ここでは、自称「主砲マイスター」こと千葉が主砲の使い方について説明しちゃいます。 「主砲」とは、アストロ工学製ドームに鎮座する富士高天文部の誇る五藤光学研究所製15センチF15屈折望遠鏡のことです。口径ではシュミカセやニュートンに劣りますが、自在に扱えたときの達成感は上です。 さて、主砲の使い方に入る前に天文台の使い方を説明しましょう。 まず、天文台に入り、向かって右側の壁についているハコのふたを開け、中のスイッチを入れます。そして、脚立を使ってスリット(天文台のドームの開くところ)のハンドルの下についているかんぬきを抜き、ハンドルを回してスリットをあけます。 ☆天気図の書き方(もしかしてこれどっかに書いた?) (永久保存版・天気図作成法の添付ファイルまたは参考になるサイトの紹介もしくはクリックで詳しく説明したページに飛ぶか) 10時から始まる。書き込む位置を確認するため、事前にある程度練習をしておくとよい。また、アナウンサーにも上手い下手があり、急に早くなったり遅くなったりするので注意。途中で投げ出して、日本中「大雪」にしたり、海に変な怪物を書かない事。 ※以下広告
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「お姉ちゃんだってスタイルいいのにもったいないよ・・・。ほら、感度だってこんなにいいのに♪」 「ひぁ・・・!い、樹・・・ここじゃだめ・・・」 「どうして?いつも他のみんなにセクハラまがいなことしてるのに、私にされるのはイヤなの・・・?」 「そ、そうじゃない!そうじゃない、けど・・・!部室じゃだめよ・・・・・・だれか来ちゃうからぁっ」 「ふふっ♪お姉ちゃんってば恥ずかしがりやさんなんだぁ。でも、先輩たちだってみーんな部室でえっちなことしてるんだよ?お姉ちゃんしらなかったの?」 「っ、ふぅん・・・っ///そ、そんなぁ・・・あぁあっ///」 「安心して♪みんなが来る前にちゃんとイかせてあげるから・・・ね♪」
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『想っている人との距離が縮まりそう―』 そんな朝の情報番組の占い結果を気にしつつ、校舎までの坂道を歩く。見慣れた風景だ。教室に入ると俺の後ろの席のハルヒに挨拶をするのがもう習慣になっているのだがどうも様子がおかしい。窓から空を眺めて溜息をついている。 原因は先日行われた学内模試の俺の結果が芳しくなく、放課後の補習に強制参加させられているためSOS団の活動を休んでいるせいか、と自ら解答を導きつつ声をかけた。 「よお、ハルヒ。おはよう。昨日も部室に行けなくてすまん」 「補習受けてるんでしょ。我がSOS団から成績不振者が出るなんて恥ずかしいわ」 「それが今日で終わるんだ。今日からは行けるぜ」 「・・・遅れたら罰金だからね」 そう言うとハルヒは再び目を窓の外にやった。いつもは暴走列車以上の活発ぶりをみせるハルヒだ。今日のような落ち着いた日があってもバチは当たるまい。そう思いながら俺は担任が来るのを待った。 連日の補習で頭を使いすぎたか、昼休みに俺は強烈な睡魔に襲われた。それは通常登場予定の空腹感の出番を奪い去る程のものだった。窓から容赦なく照りつける太陽も味方し、俺は深い眠りについた。その頃には朝の占いのことなど全く覚えてなどいなかった。 「ちょっと。もうすぐ授業始まるよ」 俺はその声で目を覚ました。その声は間違いなくハルヒではなかった。声を聞いて感じたのは違和感と恐怖。俺は反射的に机から身体を起こした。 「目は覚めた?次は教室移動だから早くしないと間に合わなくなるわよ」 目の前にいたのは―カナダに引っ越したことになっていて、俺のことを殺意をもって襲ってきた張本人の―朝倉涼子だった。 「ああ、そうだったな。ありがとよ」 朝倉はちょこっと頷いて待っていた数人の女子の輪に入って教室を出て行った。 またか。 またこんな世界になっちまったのか。長門も朝比奈さんも鶴屋さんも俺のことを知らず、ハルヒと古泉に至っては光陽園学院に通っている世界に。どうせこの教室にはハルヒはいないことになっているんだろう、過去の経験から狂ったように人に聞くのはやめよう、きっと解決策は見つかる。そう楽観視しながら教室を出た。 思っていた通り解決策はすぐに見つかった。放課後部室に行ったときのことだ。 文芸部の長門がいるはずだからノックをすると意外な返事が返ってきた。 「はぁい、どうぞ」 予想していなかった声が返ってきたので急いでドアを開けると、団長を除くSOS団が揃っていた。 「困ったことになりましたね」 状況を把握できないまま部室を見回している俺に最初に話しかけたのは古泉だった。お前は光陽園学院の生徒ではなかったか? 「皆あなたのことを知っていますよ。あの改変世界と今我々がいる改変世界は違います。前者の改変者は過去の長門さんでしたが、今回の改変者は涼宮さんです」 やはりな。今度は何故なんだ。 「涼宮さんは本気で世界を変えようとは思っていません。何か抱えている問題があるのでしょう。僕はてっきりあなたが答えを知っているものだと」 知るか。 「最近涼宮さんは部室にきてもパソコンをいじるか、溜息をつくかで今までの元気が無いのは明らかでした。教室では元気だったのですか」 確かに元気は無かった。もしかしたら俺の成績が悪いことが原因か。 「そうならあなたに勉強を教える等世界を改変しなくても解決できるでしょう。補習が終わるのは今日なのであなたがSOS団に参加できなかったことが原因であるのは考えにくい。予想ですが、涼宮さんは自分がいないとあなたはどうなるかを知りたいのだと思いますが・・・。結論を言うと、答えは彼女のみが知っているのですよ」 お前にとってはGod knows…か。ハルヒは何処にいるんだ。 「涼宮さんは閉鎖空間を作っています。ただ神人の出現が確認されていないので機関としては動きようがありません」 じゃあどうすればいいんだ。 「僕たちが出した結論はこうです。過去に涼宮さんが作り出した閉鎖空間に入ったことのあるあなたが再び閉鎖空間に入る」 俺はあんな所はもう嫌だ、と言いたいところだがそうは行かないみたいだな。でも、どうやって。 「以前あなたと涼宮さんだけの閉鎖空間に入ったときはどうしたのですか。それと同じ方法をとればいいのですよ」 方法も何もただ寝ただけなんだがな。 「では寝ればいいんですよ。涼宮さんは待っていると思われますから、場所はここがいいでしょう」 一つ我儘を言わせてもらえば朝比奈さんの天使の声で子守唄を歌って欲しい。でも今回は皆この部屋から出ていただくとありがたい。 「わかりました。僕たちは出ましょう。すべてはあなたにかかっていることを忘れないで下さいね」 「キョンくん・・・絶対帰ってきてね」 「・・・こっちで待ってる」 古泉はその日初めて見たニヤケ顔で、朝比奈さんは制服姿に天使の声で、長門はいつもの無表情でそう言うと部屋から出て行った。 一体ハルヒが抱えている問題って何だ?世界を変えてまで悩むことなのか。何で俺は気づかなかったんだ。いや、気づいていたが気づいていないフリをしていたのかもしれない。まあいい。閉鎖空間に行ったら思う存分聞いてやろう。多分俺にしか聞けない悩みだから閉鎖空間を作ったんだろう・・・そんなことを考えていたら昼に十分すぎる睡眠をとったはずなのにまた眠りについていた― 背中にコンクリートの硬い感覚を覚える。俺は前と同じ場所に寝ている。 目を開ける。灰色の空。静かすぎて灰色の空に吸い込まれるような感覚になる。 何度来ても嫌だな。この不気味な空間は。 俺は部室へ向かう。危機管理が全くなっていないのかと思うほど昇降口は簡単に開いた。この様子だと部室の鍵も開いている。そこでハルヒは待っている。 そんな確信と共に部室への道を駆けていった。 部室は唯一電気が点いており、やはりここかと安心した。 よく考えると今日二回目の入室だな。一回も出てないのに。 俺はドアを開けた。部屋の奥には窓から外を眺めているハルヒがいた。 「ちょっと、キョン。何よこれ。どれも暗いじゃない」 「落ち着け。一度来たことがあるように感じないか」 「言われてみればそうかも・・・。ああ思い出した。けど思い出したくない悪夢だったわ」 俺も思い出したくはないが。それより俺が部室に入ってきたことに驚きはないのか。 「別に。来てくれると思っていたしね。何となくだけど」 ハルヒの声に元気が無いことに俺は閉鎖空間に来た目的を思い出した。 「なあ、ハルヒ。今朝元気が無かったみたいだったが何かあったのか」 「えっ・・べ、別に無いわよっ。いつもの私だったじゃない」 「俺もSOS団の一員だ。団長に元気があるか無いか位わかる。本当に何も無いのか。よかったら話を聞くぞ」 「・・・・・・・」 流れる沈黙。しまった、俺は地雷を踏んでしまったか。 ハルヒが口を開く。 「・・・実はね・・私・・・・」 ハルヒは少し涙目になっている。そんなに重い悩みなのか。 「好きな・・・人が・・出来たのよ・・・」 意外な悩みに俺は言葉を失った。 「でもっ・・私全っ然素直になれなくて・・・その人の前だと」 ハルヒは泣いている。俺はどう声をかけてよいか迷っていた。 「ハルヒ、前に告白は電話とかじゃなく直接言うべきだって言ってただろ。俺もそう思う。言うのなんて数秒で済むわけだし、思い切ってその人に告白した方がいいんじゃないか。勇気が出ない、素直になれないとかここで悶々としてても想いは伝わらないぞ。行動する前に悩むなんかハルヒらしくないしな」 我ながら恥ずかしいことを長々と言ってしまった。しかしこれが解決策だろう。ハルヒの想いなんぞ、ここで言う限り俺しか知ることは出来ない。俺以外には伝わらない。だから伝えなくてはいけないんだ。 次の瞬間、頭にある言葉が浮かんだ。 『想っている人との距離が縮まりそう―』 朝の占いだ。ま、まさか― 「グスッ・・・そうね。私らしくないわ。スパッと言えばいいのに何悩んでたんだろう。私の好きな人はね、そのっ・・うんと・・・キ、キョン、あんたなの・・・」 告白した瞬間ハルヒは再び泣いた。よほど勇気を振り絞ったのだろう。俺はその勇気に答えようとハルヒを抱きしめた。 「ハルヒ、気づかなくてすまん。ハルヒの想いは受け取ったよ」 ハルヒは俺の胸で涙を流しながら言った。 「・・・返事は?」 「あ、ああ。実は俺はハルヒが消えた夢を見たことがある。その夢で俺はハルヒがいないことでパニックになった。そこで俺は気づいた。俺にはハルヒがいないとダメだ。俺にはハルヒが必要だ。ハルヒ、俺もハルヒが好きだ。ずっと一緒にいよう」 二人しかいない部室。ハルヒは涙を拭き、抱きしめてきた。俺も力を入れる。長い時間が流れる。 「なあ、そろそろあっちの世界に帰ろう。皆待ってるぞ」 「そうね・・・。あっ、戻る方法覚えてる?」 「ん・・・ああ、覚えているよ」 俺はハルヒの唇に自分の唇を重ねた。 気づいたら俺は部室の長机に突っ伏して寝ていた。ハルヒはいつもの場所に同じく突っ伏して寝ていた。 まもなく6時になる。下校の放送がかかる前に帰ろうとハルヒを起こした。 「おい、ハルヒ。起きろ」 「ん・・・ぅあ。がっ!」 ハルヒは驚いたか顔で俺を見るとすぐ目を逸らした。 「恥ずかしい夢を見たんだけど・・・。あれを夢で終わらせたらいけないと思う。ねぇ、キョン。私―」 「ハルヒ、夢の中で俺はOKをした。それでいいじゃないか。俺はハルヒのことが好きだ」 「・・・恥ずかしいこといってバカじゃないの・・///でも、嬉しい。私も好きだよ、キョン」 そんなことを話しながら俺たちは帰った。 空で輝く月の下繋いでいたハルヒの手は暖かかった。
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「先日の閉鎖空間で、大変興味深い現象が観察されました」 「ほう、どうしたんだ一体」 「一度に2体の神人が出現し、しばらくは周囲を破壊していたのですが…」 古泉はそこで言葉を切り、うつむいた。 「その後、その2体で生殖行為類似の行動に出たのです」 「神人にも性別があるのか」 俺は軽く驚いた。 「いえ、少なくとも外部から観察した限りでは性器のような器官はないようですが」 「ハルヒが欲求不満になっているということなのか」 「…わかりません。わかったとして、それをあなたに伝えることがどんなことを意味するか、 あなたもおわかりですよね?」 あまり考えたくはないがな… その日は一日、なんだか意識してしまってハルヒの顔を正面から見られなかった。 「なによ」 「いや、なんでもない」 「…あっそ」 こんな調子で、ハルヒが…その、なんだ。俺を求めているとは到底思えないのだが。 まったく女心というのはよく分からない。それは俺だって健康な男なんだし、性欲がないと 言えば嘘になる。しかし俺にだって選択権はあってもいいじゃないか。第三者に決められた 相手と恋愛するのはしゃくだ。それは相手にとっても失礼になるようにも思う。 …いや、これらすべてがハルヒを避けたいがための理屈なのかもしれないし、逆にハルヒを 好いていることの照れ隠しなのかもしれない。女心だけでなく自分の心もよく分からない… あまり深く考えすぎていつの間にか朝比奈さんの胸を揉んでいたことに、俺は気づいて いなかった。 「キョ、キョンくん…あ、だめぇ」 「ちょっとキョン? なにやってんの!」 柔らかく温かな朝比奈さんの乳房は、しかし何の解答も示してくれなかった。 結局、疲れすぎて朝比奈さんの胸がボールに見えた、という理屈でどうにかその日はしのいだ。 まあハルヒは納得しなかったので頬に2、3発張り手を食らったのだが…朝比奈さんは顔を真っ赤に していたが、特に泣いてしまったりということはなかったので安心した。帰り際に 「あんなこと、涼宮さんの前じゃダメですよ、ね?」 と耳打ちされたのにどきっとしたことは、絶対にハルヒにばれちゃまずいよな… 古泉もあきれていたようだが、 「あなたにも恋愛の自由はある、というのが僕の考えです。しかし今回の件はさすがにもう少し 考えていただかないと」 と、いつもよりは多少真剣な面持ちで言われただけだった。 長門は終始無言だった。ハルヒがどんな反応をするか、それだけが観測できればいいのだろうか。 次の日、ハルヒはちょっと不機嫌だった。やっぱり昨日のことが尾を引いていると見るべきだろう。 俺はハルヒを刺激しないように、昼休みになるとすぐ弁当を持って部室へ向かった。 「長門だけか」 案の定昼休みの文芸部室には読書する長門しかいなかった。こいつ、昼飯はいつ食べてるんだろう… 気を遣う相手でもないので、自分でお茶を淹れて弁当にする。長門にもお茶を淹れてやる。 しばらく無言で弁当を食べていたが、ちらりと長門を見やると目があった。 「どうした、一口食べるか?」 煮物のしいたけを持ち上げてみたが、長門は首を横に振る。 「何か、言いたいことでもあるのか」 「あなたは自分の気持ちがわからないで困っている。そのために大きな間違いを犯しかねない。 行動する前にはよく考慮すべき」 「昨日のことか」 「あなたの性欲の増大が単なる好意や好奇心を恋愛感情と誤解させるレベルにまで達している。 あなたは朝比奈みくるに好意を寄せているが、それは恋愛感情ではないことを認識すべき」 そう言われると確かにそうかも知れない。朝比奈さんは素敵なかわいい先輩で、何者にも代え難い 存在だとは思うが、彼女と一緒にいて楽しいのは長門や古泉、そしてハルヒも一緒であることが 前提になっているような気もする。 「それは否定しないとしても、じゃあ俺は誰のことを好きなんだ? お前か、長門」 冗談のつもりで切り返す。しかし長門は意外な反応を見せた。…顔が赤くなってるぞ。 「…それは…」 俺ははしを置いて席を立ち、長門に近づく。 「お前は俺のことをどう思っているんだ」 「…嫌いではない。でも…」 自分でも大胆な言動に出ていると思う。長門を好きだという気持ちよりも、むしろ長門の反応を 見たくて言っていることが自分でもわかった。これは恋愛感情ではない。 「や、やめて」 長門の正面から手を回し、パイプ椅子の背を両側からつかむ。長門を抱きかかえるような格好に なるわけだ。至近距離で長門を見つめる…ちょっと胸がどきどきしているのがわかる。あくまで 均一な、エラーの一切ない白いきめの細かい肌。びっくりしたように見開いた澄んだ瞳を縁取る 長い、だけど自然なまつげ。頬の赤さが整った顔立ちに映えている。 「かわいいな、長門…」 俺はなんだかよくわからないまま、我慢できなくなって長門に口づけした。長門は口は閉じている ものの、目をつぶって無抵抗のままだ。少し荒くなった鼻息が俺の頬をくすぐる。 「ちょっとあんたたち、何やってるのよ!」 大きな足音と共に突然ドアを開けて飛び込んできたのは…ハルヒだった。俺は弾かれたように 長門から離れ、軽く口をぬぐった。 「べ、別に…長門のほっぺたについていたごはんつぶをとってやってただけだ」 我ながら非常に苦しい言い訳だ。 「…口で?」 ハルヒが疑惑の目で俺たちをにらむ。 「彼の言うことは真実」 長門が助け船を出してくれる。ハルヒはまだ納得がいっていないようだったが、キスしているところを 直接見られたわけではなかったらしく、長門が否定するならこれ以上追及できないと諦めたようだった。 「はん、最近のエロキョンを見てれば、勘ぐりたくもなるわよ。昼休みに逃げるように出て行ったかと 思えば部室で有希と二人っきりなんだから…」 何とかごまかせた。ほっと胸をなで下ろす。 「いや、昨日は混乱のあまりひどいことをしてしまったから、いたたまれなくて」 「そんなこと、あたしじゃなくてみくるちゃんに遠慮しなさいよ」 確かにそうだ。なぜ俺はハルヒを避けたんだろう… 「とにかく、そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻りましょ」 ハルヒに促されて俺と長門は部室をあとにした。教室に入るとき、ふと後ろを振り返ると長門が自分の 教室の前でずっとこちらを見ているのと目があった。長門はハルヒを見ていたのだろうか、それとも… 「最近、神人の性行為の回数が増加しています」 古泉が多少苦々しげな顔で漏らす。 「そして、神人の性行為と涼宮さんの欲求不満が相関関係にあることもわかってきました」 やはりそうか… あれ以来、俺は部室で朝比奈さんや長門と情事に耽るようになっていた。とは言っても絶対に ハルヒに見つかってはいけないから、キスをしたり体に触ったりということばかりなのだが。 それでもハルヒは察知しているのだろう。そして…欲求不満を募らせている…? 「では、バイトがあるのでこれで失礼します」 すっかりやつれきった古泉は、俺の方を一にらみして帰って行った。長門も本を閉じて席を立つ。 今日はハルヒが早々に帰ったので、部活はこれでお開きだ。 「じゃあ、着替えるから先に帰ってて」 朝比奈さんが笑顔で言う。 「待ってますよ」 朝比奈さんがうなずいたのを確認して、俺は部室の外でしばらく待った。 「キョンくん、もういいですよ」 部室に入ると、制服に着替えた朝比奈さんがちょっとはにかみながら立っていた。俺は彼女の 肩を抱き寄せ、腰に手を回した。 「…キョンくん」 しばらくお互いの体温を交換し合うと、朝比奈さんが言った。 「キョンくん、私のこと、好きじゃないでしょ」 「…そんなこと、ないですよ」 顔を見ずに答える。 「でも、長門さんとも…」 「今は、何も言わないでください」 「私も、こんなことをしていて許されるとは思っていません。長門さんに対しても、涼宮さんに 対しても…でも、キョンくんと一緒にいると安心するんです」 「俺も、そうです。朝比奈さんと一緒だと落ち着きます。だから、もう少しだけこうさせて ください」 俺は朝比奈さんを抱く手に力を入れた。朝比奈さんも応えるように俺の背中に手を回す。 これで、いいんだろうか… 俺は安心だけを追い求めて、それからも長門や朝比奈さんとの逢瀬を止めることはなかった。 あるときは昼休み、あるときは放課後の部室で…しかし部室の外では二人きりで会うということは しなかったし、キスや抱擁以上の行為に及ぶこともなかった。俺は、迷っているんだと思う。 何をかって? もちろん、涼宮ハルヒのことだ。ハルヒは最近常に不機嫌で、あまり部活にも 来ない。教室で話す回数もめっきり減った。しかし休み時間には何となく彼女のことを目で追って しまうのだ。長門や朝比奈さんと会っているときも、ハルヒが脳裏をよぎるのだ… しかし、現在の状況を壊すだけの勇気は俺にはなかった。もしかすると俺はハルヒのことが 好きなのかも知れない。ハルヒも…そうかもしれない。かもしれない、かもしれない… それよりも決して俺を拒絶しない長門や朝比奈さんと、甘い、温かい一時を共有する方がずっと 楽で、心地いいじゃないか。 古泉がまったく部室に顔を出さなくなって一月ほどたった。最後に会ったとき、彼は機関でも 悲観論が大勢を占めるようになったとか言っていたが、もうこの世の終わりが近いのかもしれない。 だがそんなことは俺の知ったことではない。俺は世界を破滅させる神に背を向け続けるのだ。 BAD END
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G 【投稿日 2006/03/09】 カテゴリー-現視研の日常 「あ、前も言いましたけど自前っすよ、自前」 衝撃コスプレから半年、またしてもクッチー独りコスプレ大会を目撃してしまった。 夏休み明けのげんしけん部室は、気まずい空気に包まれていた。 しかしあえて空気を読まないクッチーは、むしろ大野にコスプレ語りをしている。 「やー、学祭のコスプレ大会?楽しみでアリマス!」 「私、新宿のショップで買っているんですが、大野会長は田中先輩の手作りで良いですよね」 「ワタクシも下、田中さんに直接頼んでみたいものですにゃ~。ははは」 「着たいもの優先で、どんな系統のが似合うかは二の次なんですが!」 大野は辟易してしまい、返事は返せないがスルーも仕切れずダメージを受けている。 コスプレにポリシーが有るので、やってることの相違には言いたいことは多々ある が、コスプレすること自体は否定できない。学祭でどうクッチーを封じたものか…。 何といったら良いものやら。 「あうぅ……(汗)」 荻上に助けを求める視線を送ってみるが、荻上は冷や汗をかきながら ノートに鉛筆を走らせている。 あえて大野と朽木の方を見ないようにしている。 『う、恨みますよ、荻上さん―――!!』 『無理無理、無理です!!』 心の声はクッチー以外には丸聞こえだが、残念ながらこの場には3人しか居ない。 「荻上さん―――わ、わたし帰りますね!ちょっと用事が!」 現視研でまったり過ごす時間のはずだが、大急ぎで帰っていく大野だった。 残された荻上は、何やら漫画教則本を読みながらノートに向かっている。 朽木は話しかけるネタが何も出てこず手詰まりだ。 『ゲームの選択コマンドが表示されないバグでしょうか!?(汗)』 「…………。」 「お、オギちんは帰らないんですか?」 「…今日は、笹原さんが研修明けで部室に来るって事なので待ってますよ。」 「………あ、そうなんですかァ。なるほど――――」 『そ、それってもう付き合ってるって事ですか?私、情報に乗り遅れですか?疎外感ですか?』 「ワタクシ、ちょっとはばかりに…。」 『居るのも野暮というか、お邪魔かにゃ~。その場に居るのも気まずいですし』 トイレへの逃避行。とりあえずの、逃げの一手を打ってみる朽木だった。 が、鞄を持って出ている。これは帰っているんじゃないのか? 独りきりになった荻上は、慣れたものだという様子で過ごしている。 『朽木先輩と二人きりなんて、さすがにまだキツイしなぁ……』 教則本のページをめくる。 『笹原さん、泊まりで研修だったから会うの久しぶりだなぁ』 そして鉛筆がちびている事に気付き、鉛筆削りを持ってゴミ箱へ移動。 くるくると回すと、ガリガリという音が部室に響く。 『んー、照れくさいというか……どんな顔して会うべか』 ちょっと赤面してくるうちにも、鉛筆は削り終わった。 席に戻ると、何やら新しい構図表現に挑戦し始めた。 笹原のこともすぐに頭から消えて、部室で独りの時間を過ごす。 いつのまにか少し部室が暗くなった気がした。 荻上は立ち上がって、壁のスイッチを押して部屋の照明を灯すと、 何かの気配を感じた。 上の方で何か動いたような……でもただのシミですよね? 天井に楕円形の黒いもの。 『ああ、なんだゴキブリか。霊とかじゃなくて良かった。。。』 荻上は、そのまま席に戻りかける。 「―――!!」 じゃなくって!!奴が居たのだ。 ぐるっと振り返って、見るもおぞましい奴を確認する。 立派に黒く、しっかりと触覚が揺れている。 『う、動いてる、すぐ頭上で!?○△×※□……』 自分が動くとゴキブリも動く気がして、固まってしまう荻上。 その目はぐるぐると渦を巻く。 1分、あるいは5分も静止していただろうか。 荻上の頭の中では会議が開かれて、議論が継続中だった。 A『荷物をまとめて部室から逃げるのよ』 B『荷物をまとめるなんて悠長なことは言ってられない!即刻退避!』 A『笹原さんに電話をして呼ぶのは?』 C『久しぶりで「ゴキブリ退治に至急来て」ってロマンチックさの欠片もない…萎えるわぁ』 B『それより奴を殺さないと、明日から安心して部室が使えないではないか!』 A『じゃあ、スプレー買って来るか、叩く物を作るの?』 B『馬鹿!叩いたら中身が……中身が出るじゃない!それにスプレーは油で本とか汚れるし』 C『私はアイツに、丸めた雑誌ぐらいまで近づけないですよ』 A『……どうしたもんだべか?』 B『攻撃方法を考えるんだ!長いホウキで窓から追い出すんだ!』 「可決!」 小さくつぶやくと、荻上は天井のゴキブリから目を逸らさず、 慎重に窓を開け、隅に立ててあるホウキに手を伸ばす。 ホウキを動かすと、ゴキブリもあらぬ方向へ移動し始める。 「ああっ!」 棚の後ろに逃げられては元も子もない。 「えいっ、えいっ!」 必死でホウキを振るう荻上の勢いにやられたのか、ホウキの毛にゴキブリが絡まる。 いや、しがみついている感じだ。 『今しか無いっ!!』 獣の槍を手にした少年のような鋭い眼差しでホウキを操る荻上。 ホウキの先を窓から出すと、ブンブンと振るう。 ぽろりっ。 「やた、やったっ!」 ゴキブリは見事、落ちていった。 晴れやかな笑顔で溜息をつく荻上だったが。 『なっ、ナニぃぃぃ!!』 天井と、部室の扉に2体のエネミー発見。 「ヒィ…………」 荻上の目に涙の粒が浮かぶ。 しかし涙目のまま、ホウキで特攻を敢行してしまう。 結果は当然、目標ロスト……。 『う、動いたら殺られる!?』 ホウキをを両手で胸に抱えたまま、立ち尽くす荻上だった。 ガチャ。 「ちはー」 ドアの陰から顔を覗かせたのはシャツにネクタイ、スラックス姿の笹原だった。 「さ、笹原さぁ~~~ん………」 首をぎぎぎと入り口に向ける、青い顔の荻上が見えた。 「……?あれ?どうしたの?」 苦笑しつつ普通に部室に入ってくる笹原だったが 「駄目です!今……今、アレが居ます!黒い悪魔が―――!!」 ホウキを抱えたまま、笹原の傍に駆け寄る荻上。 「黒い悪魔?うーん、ひょっとしてゴキブリ出たの(苦笑)?」 上着と鞄を机の上に置くと、笹原は腕組みをした。 「はい……1匹はホウキで出したんですけど、さらに2匹出て……消えました」 「あ、上に……!」 机の上に有った先月のエロゲ誌を丸めると右手に構える笹原。 「だっ駄目ですよ!中身が出るじゃないですかっ!」 「えーーー(苦笑)それじゃどうするの?」 「さっきはホウキで窓から出しました」 「じゃあホウキ貸して(苦笑)」 手を伸ばす笹原。荻上の手の上を握ってしまう。 「あっ」 少し赤くなる二人。荻上は視線を逸らして照れている。 ベタベタバカップルへの道は遠い。 気を取り直してホウキを構える笹原。 「無残殺虫ホイホさんでも有ればなぁ」 などとマイナーな殺虫メカのネタを呟く。 もっとも、春にクッチーがコスプレしていたのも、そのライバル であるコンバッツさんなのだが。 とりあえず、天井に居るターゲットに向かってホウキを伸ばす笹原と 不安げに両手を胸の前に組み、それを見守る荻上。 その時、不意にゴキブリが飛んだ! 荻上の方に向かって一直線――――。 「きゃーーーーーーーっ!!!」 「荻上さんッッ!」 普段はそう声も高くないが、叫び声は甲高い荻上の悲鳴が サークル棟にこだまする。 荻上が目を覚ますと、床の上で笹原に抱き抱えられていた。 『うわーーー大胆……でねくて!』 「あ、あの、笹原さん?」 「…だ、大丈夫?窓から落ちそうだったから」 「ありがとうございます。アレは、奴はどうなりました?」 「うん、窓から飛んで出て行ったのが見えたよ」 「ホントですか?……よかった」 「やー、でもあと1ぴ――――」 ガチャり。 「大丈夫でありますか!?」 何故か近くに居たらしき朽木が、部室に入ってきた。 「――――やや!?こっ、これは失礼しました……」 「「ちがーーーう!!」」 笹原と荻上はハモって否定すると、大急ぎで立ち上がる。 「ゴキブリが出てね、荻上さんに向かって飛んだから」 笹原はやや必死に説明をしかける。 その説明に耳を傾けつつ、あごに手を構えてポーズを作り、朽木がゆっくりと歩む。 「そうでありマスカ」 ペキッ。 「「「ぺきっ??」」」 3人が朽木の足元に目をやると、靴の端から見える、黒い触角と脚。 顔をあわせて固まる3人だった。 後日、ゴキブリの巣は発見された。 田中が去年の夏にクワガタを買おうとした飼育ケースが ロッカーの上の奥に有り、中のものは時間の経過で ゴキブリの巣に変換されていた。 「やー、自然の驚異だねぇ……」 田中にしては珍しい失敗だ。誤魔化して笑うしかない。 「あれ以来、ワタクシの二つ名が『一撃殺虫』とか言われますし 荻上さんが何か前より距離を置くんですよ……」 流石に落ち込む朽木。 「すみません!けど、アレを思い出してしまって!」 テーブルの向こうで荻上が叫ぶ。 「お詫びに、学祭用に衣装を朽木君にも1着作るよ」 「それじゃあ無残殺虫ホイホさんのメイドVer.で―――」 「懲りてないのかよ!!」 笹原、斑目、大野のツッコミを受けて、してやったりの朽木だった。
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自由にコメントをどうぞ。 ご意見、要望などもここで受け付けます。 が、管理人多忙の為ご期待に添えられるかどうかはわかりません。 ワイルドショウスーシーの牌譜あったんで貼っときますhttp //tenhou.net/0/?log=2009041208gm-0061-0000-3df38fec tw=0 ts=4 -- 固定リスナー (2009-05-18 16 54 33) こっちはダイスーシーhttp //tenhou.net/0/?log=2009050804gm-0089-0000-b32a775d tw=3 ts=3 -- 固定リスナー (2009-05-18 17 00 07) 固定リスナーさん ありがとうございます!!さっそく追加させていただきますね。 -- 量産型 (2009-05-18 19 39 09) 三号目スーアンですhttp //tenhou.net/0/?log=2009061805gm-0061-0000-d508bd26 tw=3 ts=9 -- 固定リスナー (2009-06-19 23 52 24) 固定リスナーさん ありがとうございます!最近長時間の視聴が出来ないので助かります。 -- 量産型 (2009-06-20 05 46 43) お疲れ様です。役満リンクお願いします。http //www.youtube.com/watch?v=VSV7oJ5cKbw 一応こちらも貼っときます。http //tenhou.net/0/?log=2009071902gm-0061-0000-b44b15b3 tw=1 ts=1 -- 部室 (2009-07-19 18 24 33) 部室さん 動画編集お疲れ様です、作業が遅れて申し訳ありません。牌譜の方もありがとうございました。 -- 量産型 (2009-07-21 00 55 27) 役満リンクお願いします。http //www.youtube.com/watch?v=ZwUnP0RNges -- 部室 (2009-08-28 09 38 33) 久々に覗いたけど雰囲気全然違っててがっかりした -- 名無しさん (2009-09-25 12 21 03) 名前 コメント
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ある日、何時ものように長門と二人で部室に居たら… 長門「……好き。」 キョン「へ?」 長門「………。」 キョン「え…ちょっ…エェ…!?」 長門「………。」 黙々とページをめくる長門。 …幻聴か? 長門「幻聴…じゃない。」またとんでもない爆弾を落とす長門。 キョン「へ…!?」 キョン「ちょ…ど、どして?」 長門「………。」 黙ったまま本に眼を向けてる長門。 キョン「お、おい…長門…?」 長門は静かに立ち上がり、読んでた本を俺に手渡す。 タイトルは…小恥ずかしくて口には出せない。恋愛小説だ。 長門「…読んで。」 そう言って部室を去る長門。俺はその場に立ち尽くした…。 その後、俺はどうやって家に帰ったか覚えてない。 いつの間にかベットで仰向けになって呆けていた。 お袋が夕飯が出来たと呼ぶが食う気になれない。 俺は一言いらないと告げ、また仰向けになって呆ける。 机の上には恋愛小説と長門の名前が書いてある栞。 キョン「…。」 思えばSOS団初期からの付き合いだよな長門とも。 キョン「……。」 無表情、無感動、無感情の…人造人間。 いや、人造でも長門は人間だ。 誰かを好きになってもおかしくない…はず。 キョン「…俺だって、長門は嫌いじゃない…。」 だが後一歩を踏み出せない。 どーにでもなれ。 俺はその日はふて寝した。 不覚にも早朝6:00に目を覚ます。 学校に続く坂を歩きながら(まさかこんな理由で余裕をもって登校するとは)長門の事を考えていた。 これが余程ハルヒ達の仕掛けたドッキリならと何度も考えた。 キョン「…何で律義に学校来てんだ俺?」 休めば良かったじゃないかと後悔するが、文字通り後悔先に立たず。 既に我が学びやは目の前だ。俺は溜息混じりに校門をくぐる。 放課後 何て時は無情で残酷だろう。間違いなく気のせいだが、今日は通常の3倍で時間が進んだんじゃないか?それかどっかの神父が時を加速させたか?…んなわけない…昨日から俺は動揺しすぎだ。 キョン「…きっと来てるよな…長門。」 俺は重い足取りで部室に向かう。 部室に入るとハルヒに朝比奈さんに、古泉…それに長門もやっぱり定位置にいた。この部室の備品の如く何時もの姿勢で何時もの様に本を読んでる。 ハルヒ「ちょっとキョン、遅いわよ!」 うっせー、人の気も知らないで。 今日もハルヒの思いつき騒動に引っ張り回される。 何時もなら迷惑この上ないが今日だけは感謝したい。引っ張り回されてる間は長門との事を考えずに済んだ。 …ああ、『逃げ』だよ。 俺は今、誰がどうみても間違いなくヘタレ街道まっしぐらだ。 分かってんだ。いずれ答えを出さなきゃいけないって。 朝比奈「疲れましたね~。ではお先に帰ります~。」 古泉「では僕も、バイトがありますから。」ハルヒ「今日も成果無し…行動パターンを変える必要がありそうね…。」 ハルヒの暴走の後始末・尻拭いを終わらせ、朝比奈さん、古泉、ハルヒが部室を後にする。 キョン「さて…俺も帰るか。」PC研究会から掻っ攫ったパソコンをシャットダウンし、鞄を持った所で気付く。 長門が真後ろに立っていた。 キョン「うぉっ!?」 長門「…。」 キョン「…な、何だ長門?」 長門「…本…読んだ?」 以前にもしたような会話…あの時はSF小説だったか? キョン「…悪い、まだ読んでない。」 同じような返事。 長門「…読みたくなったら…読んで。」 …前とは違う。命令調ではなく、あくまで俺が自発的に読むのを待つ言葉…。 そしてスタスタと速足で部室を出る。 キョン「…なが…」俺が呼ぼうとした時、部室には俺と俺の影しかいなかった。 自宅に戻った俺は、今度はベットに俯せになり頭を抱えていた。 キョン「…何でだよ…。」俺は恨めしげに机の上の恋愛小説を睨んだ。 キョン「何で決心出来ないんだよ…。」 何時までも答えが出ない。俺の思考はメビウスの輪状態だ。 また夕飯も喉を通らない。俺は夜中の3:24頃、ようやく睡魔に負けた。 次の日が日曜だったのは幸いだった。 翌日 AM9:07 水音が俺の意識を覚醒させた。 俺は重い身体を持ち上げ、窓を見上げた。 外は雨が降っていた…。 どういう風の吹き回しか、俺はおもむろに長門から渡された恋愛小説を手に取る。 キョン「……!」最初のページを開いてすぐに止まる。長門の栞が挟んであった。本の最初のページに栞を挟むのは貸すときに良くするが…。 俺はまさかと思いながらも栞を手に取る。 手に取って後悔する。 ハルヒ『栞に有希が何か書いてるって期待したの?あんたって本当に単純ね!まぁそこそこ楽しめたわ。気付いてるでしょ?これはドッキリよ!!』 …と書いてあったらどれだけ笑えただろう。残酷だぜ神様?あんたに俺が何をした? 栞には、長門の綺麗な、パソコンのような文字で 長門『18:00、あの公園で待ってる』 と書かれていた。 それが意味する事は一つ。長門は俺が来なかった日も公園で待ってたという事だ。 下手すりゃ、この雨の中も…? 俺は大慌てでパジャマを脱ぎ私服に着替え、お袋や妹の制止を振り切り傘もささずに家を出た。 時間はまだ午前中。だが、俺は待ってられなかった。 息を切らせ、ずぶ濡れで公園に辿り着くと、水色の傘をさして、見慣れた制服姿で長門が立っていた。 キョン「…何時から待ってた?」 ずぶ濡れの俺を、自分の傘に入れる長門。ちょうど向かい合う感じだ。 長門「…30分前から…今日は休みだから…時間を有効活用しようと思った。」 無表情だが、何故か眼が泳いでた。俺を直視しない。 キョン「また来ないかもしれなかったぜ?」長門「…問題無い…多分。」 多分、か。長門もやっぱり不安だったのか?そう、今更だが俺の心は決心がついていた。俺は長門が好きだ。きっと好きなんだ。 なら…言葉にすれば良いじゃないか。 キョン「…なぁ、長門…。」 長門「…何?」 僅かに、僅かに赤く染まる顔。 可愛いじゃねぇかチキショウ。 キョン「…俺は、俺は長門…お前が好きだ…。」 長門「……。」俺を真っ直ぐ見つめる瞳。 キョン「…俺と付き合ってくれるか?」 長門「………////」コクリと頷く長門。俺は彼女を抱きしめた。 傘が地面に落ちて、俺は長門の唇に… キョン「…という夢を昨日見た。」 古泉「…夢分析ならフロイト博士に相談して下さい。」 キョン「…冷たいな。」 古泉「専門外ですから。」爽やかに突き放すなコノヤロウ。 キョン「……。」 古泉「あ、間違っても涼宮さんに話さないで下さいね?また閉鎖空間創られたら迷惑ですから。」 誰が話すか。 キョン「……長門…。」 今日も彼女は本を読んでる。 END