約 285,855 件
https://w.atwiki.jp/shingeki/pages/76.html
各兵士カードページ作成用テンプレ その他/test
https://w.atwiki.jp/shingeki/pages/5.html
まとめサイト作成支援ツールについて @wikiにはまとめサイト作成を支援するツールがあります。 また、 #matome_list と入力することで、注目の掲示板が一覧表示されます。 利用例)#matome_listと入力すると下記のように表示されます #matome_list
https://w.atwiki.jp/shingekititan/pages/20.html
◎01巻 第001話 「二千年後の君へ」 854。人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレンと、エレンを守る怪力の少女ミカサと博学な友人アルミン。父グリシャが秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受け、エレンたちの住む突出街「シガンシナ区」の壁に穴が開けられてしまう。 ◎01巻 第002話 「その日」 超大型巨人の開けた穴から巨人が侵入し、エレンの母カルラも食べられてしまう。ウォール・マリアの門を破壊した鎧の巨人の姿を見てエレンは誓う。「駆逐してやる!!この世から・・・一匹・・・残らず!!」。 850。訓練兵を卒業する成長したエレンの姿があった。「今度は人(オレ)類(たち)の番だ 今度は人類が・・・巨人を食い尽してやる!!」 【現在公開可能な情報】 1.街が壁から突出している理由 ◎01巻 第003話 「解散式の夜」 進路を決める卒業式の夜、調査兵団を目指すエレンの言葉は多くの訓練兵の心を動かす。その夜、夢の中でエレンは行方不明の父グリシャが自分らしき子どもの腕に謎の注射をする映像を思い出す。次の日、5年ぶりに超大型巨人がウォール・ローゼの突出街「トロスト区」の壁に穴を開けて固定砲を破壊。エレンは超大型巨人に反撃する。 【現在公開可能な情報】 2.立体機動時の体重移動装備 【現在公開可能な情報】 3.立体機動装置の大まかな機構 ◎01巻 第004話 「初陣」 襲いかかったエレンの眼前で突如消失した超大型巨人。エレンはトロスト区防衛に出動するが、ミカサと別配置にされる。巨人の異常な生態と弱点を思い出し、高揚して出撃したエレンたちだったが、次々に巨人に食べられてゆく。そしてエレンはアルミンを救ったために巨人に食べられてしまう。 ◎02巻 第005話 「絶望の中で鈍く光る」 人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレン。父が秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受ける。 ◎02巻 第006話 「少女が見た世界」 人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレン。父が秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受ける。 ◎02巻 第007話 「小さな刃」 人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレン。父が秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受ける。 ◎02巻 第008話 「咆哮」 人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレン。父が秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受ける。 ◎02巻 第009話 「心臓の鼓動が聞こえる」 人を食べる巨人から壁で守られた世界で、壁の外にあこがれる少年エレン。父が秘密の地下室を見せると約束したその日に、壁は100年ぶりに巨人の攻撃を受ける。 ◎03巻 特別編 「リヴァイ兵士長」 ◎03巻 第010話 「左腕の行方」 ◎03巻 第011話 「応える」 ◎03巻 第012話 「偶像」 ◎03巻 第013話 「傷」 ◎04巻 第014話 「原始的欲求」 ◎04巻 第015話 「個々」 ◎04巻 第016話 「必要」 ◎04巻 第017話 「武力幻想」 ◎04巻 第018話 「今、何をすべきか」 ◎05巻 特別編 「イルゼの手帳」 ◎05巻 第019話 「まだ目を見れない」 ◎05巻 第020話 「特別作戦班」 ◎05巻 第021話 「開門」 ◎05巻 第022話 「長距離索敵陣形」 ◎06巻 第023話 「女型の巨人」 ◎06巻 第024話 「巨大樹の森」 ◎06巻 第025話 「噛みつく」 ◎06巻 第026話 「好都合な道を」 ◎07巻 第027話 「エルヴィン・スミス」 ◎07巻 第028話 「選択と結果」 ◎07巻 第029話 「鉄槌」 ◎07巻 第030話 「敗者達」 ◎08巻 第031話 「微笑み」 ◎08巻 第032話 「慈悲」 ◎08巻 第033話 「壁」 ◎08巻 第034話 「戦士は踊る」 ◎09巻 第035話 「獣の巨人」(雑誌掲載時「光り輝く少年の瞳」) ◎09巻 第036話 「ただいま」 ◎09巻 第037話 「南西へ」 ◎09巻 第038話 「ウトガルド城」 ◎10巻 第039話 「兵士」 ◎10巻 第040話 「ユミル」 ◎10巻 第041話 「ヒストリア」 ◎10巻 第042話 「戦士」 ◎10巻 豪華カラー特典 第014話 「原始的欲求」 ◎11巻 第043話 「鎧の巨人」 ◎11巻 第044話 「打・投・極」 ◎11巻 第045話 「追う者」 ◎11巻 第046話 「開口」 ◎12巻 第047話 「子供達」 ◎12巻 第048話 「誰か」 ◎12巻 第049話 「突撃」 ◎12巻 第050話 「叫び」 ◎13巻 第051話 「リヴァイ班」 ◎13巻 第052話 「クリスタ・レンズ」 ◎13巻 第053話 「狼煙」 ◎13巻 第054話 「反撃の場所」 ◎14巻 第055話 「痛み」 ◎14巻 第056話 「役者」 ◎14巻 第057話 「切り裂きケニー」 ◎14巻 第058話 「銃声」 ◎15巻 第059話 「外道の魂」 ◎15巻 第060話 「火種」 ◎15巻 第061話 「回答」(雑誌掲載時「終幕」) ◎15巻 第062話 「罪」 ◎16巻 第063話 「鎖」
https://w.atwiki.jp/shingekititan/pages/7.html
・巨人の目的とは 子孫も残さずひたすら人類を食べるが、人類を食べても消化せずに吐き出し、人類を食べなくても太陽光だけで活動できる。 体重は外見よりもかなり軽く、高熱を発し、蒸気も出す。 体が欠損してもすぐに元通りに再生する。 修復個所からは常に蒸気が出ている。 唯一の弱点はうなじであり、うなじを瞬間的に切り取られると再生できずに死ぬ。 その上、特定の人類を食べると人間に戻り、以後、自分の意志で巨人化できる。 これを仮に「知性巨人」と呼称する。 知性巨人の巨人化の際には、周囲の空気中から肉体が生成されるかのように描写される。 これらの条件から、巨人化のシステムや巨人の存在意義を考察する。 ◎テラフォーマー 巨人は動物と酵母(植物)をかけ合わせて作られた惑星環境改造用の人造生物である。 ◎生命球・ダイソン球 壁のある世界は密閉された生命球である。生命球とは、エビ、水、水藻をガラス球の中に閉じ込めたモノ。外界と遮断されているため、外部からの物質の供給は無いが、ガラス球内で自給自足できるため生態系が維持される。 水藻:光合成で酸素とエビのエサを供給 ←→ エビ:二酸化炭素と排泄物で藻の栄養源を供給 ただし、外部からの太陽光だけは必要。 また、永遠に生態系を維持することは不可能(3~5年)。 エビが死滅するとガラス球内部の世界も終わる。 エビボトルという非密閉型の容器で作る疑似生命球もあり、定期的にエサを与えて水を入れ替えればエビの繁殖が可能になる。つまりガラス球内部の世界も存続可能。 SF小説や映画では「ダイソン球(Dyson sphere)」として知られる。ダイソン球はもともと巨大な球体(殻)で恒星を覆い、恒星の熱や光を100%活用するためのアイディア。 ◎重機・農耕器具 巨人には用途別に、エサとなる小型巨人(壁内人類)、小型巨人を捕食して吐き出す巨人、小型巨人を統括する少数の指揮官巨人、その指示に従う大多数の兵士巨人、体を変質させて建築物を作ることができる(硬化能力)壁巨人など複数の種類が存在する。 ◎スター・シード 巨人で構築した”生きた宇宙船”に水や資源、植物の種、巨人と小型巨人を搭載して、目的の惑星に打ち込む。地表に打ちこまれた宇宙船の上部が分解し、宇宙船を構成していた巨人が再生して植物の種とともに胞子のように周囲に散らばる。 ◎ジェネレーター ・打ちこまれた根元の部分は円形の壁として残り、その内側で小型巨人が繁殖を開始する。 ・壁の内側に小型巨人すなわち壁内人類が生活し、壁の外側に巨人が徘徊するよう住み分けができる。 ・巨人は太陽光さえあれば大抵の過酷な環境でも活動が可能であり、肉体からは酵母を発散して大気を酵母で満たしてゆく。 ・小型巨人(壁内人類)も体から酵母を発散しているため、人口密度の高い壁内は空気中に酵母が浮遊し、日光が弱くなる。 ・環境がある程度変化したら、壁内の指揮官巨人がわざと壁内人類の一部を壁外に出す(調査兵団)。 ・巨人が小型巨人を食べ、その死体を吐き出すと、その死体が肥料となって土壌が改良されてゆく。
https://w.atwiki.jp/aot_hokan/pages/22.html
part1 239 『獅子ノ乙女宵闇情歌』(ししのおとめよやみのこいうた) 「遠慮なんてしなくていいって」 そんな台詞が乾いた空気を揺らすのはもう何度目だったか。喋った方も、聞かされた方も、そんな瑣末な事はもちろんいちいち覚えていない。 今日もそんなおさだまりの一言のあと、向かい合った少年少女のあいだの空気が一瞬にこわばる。 新兵訓練所の屋外、対人格闘術の訓練の一齣だ。 いつものように――少年が夢中で突進する。その先の相手、細身の少女をめがけて踏み込みながら、振りかぶった拳を突き込んだ。 その刹那だった。鞭のようにしなった少女の手がその拳をはじき、手首を巻くように掴んでいた。 同時に少年の内懐に入りざま肩に担ぎ上げ、その身を宙に跳ね上げる。 次の瞬間、少年は息をつく暇もなく背中から土の上に逆落しに叩きつけられていた。 「うごぁっ!」 少年の肺の中の空気が呻きと共に吐き出される僅かの時間に、少年の上に乗った少女の膝と襟を持った外腕がそれぞれ腹と喉を押さえて動きを制していた。 いつの間に抜刀したのか、一方の手に握られた木製の短刀が肋骨の隙間を通るように正確に心臓に擬せられている。 抵抗不可能――。まさに少年の生死は完璧に少女に握られた状態になっていた。 「いてて…クソッ…!まいったまいった」 たまらず少年が声を上げた。 黒髪の、少し気性の荒さを感じさせる精悍な顔立ちだった。痛い目に遭いながらも眼がギラギラと光っている。 その少年、エレン・イェーガーは少々悔しそうに少女を押しのけ、起き上がる。 「この技の要諦は。いいか?エレン」 エレンから離れた少女が静かに口を開いた。その声音は静かだったがどことなく威がこもっている。 青い湖水のような双眸をエレンに向け、金髪の少女――アニ・レオンハートは淡々と続ける。 獅子の心胆、をその名に持つ彼女の口調は事務的で冷静だった。 「奇襲を捌いて投げるだけで終わりじゃあない。投げたあと、反撃を許さず止めを刺す事にある。 本当は脳天から落とすんだ。ナイフで一突きはダメ押し…いいか?」 「一回でわかるかよ…」 唇を尖らせたエレンは、しかしどこか嬉しそうだった。 「ま、しっかし毎度すげえ技術だよな。ちゃっちゃとモノにして見せるぜ」 「フン…じゃ、ライナーとやってみな」 「ああ。自分よりでかいヤツのほうが練習にゃいいからな」 エレンはそう言ってぴょこんと立ち上がると、傍らで一連の組み手を見ていた巨漢の方に寄っていった。 その背を見送ったアニは膝の草を払って立ち上がり、そして視線をめぐらせた。 周囲は同じように取っ組み合う同年代の少年少女の怒号や拳足の応酬でたいそうな熱気だった。 もっとも、今のエレンを制したアニの動きほど水際立ったキレを見せているのはほんの数人ほどだ。 だらだらと適当に流している者や、ふざけているのか滑稽な構えでダンスを演じている者が大半だった。 時おり、眼を光らせながらその間を見て回る教官の叱声が飛んでいる。 それはいつもと変わらない光景――。 ここ新兵訓練所に入所した時から、この対人格闘術の訓練の時間はどこか怠惰の空気が漂っている。 それもそのはず。 対人格闘術など、人類を圧倒的に凌駕する体格をもつ人類の天敵、『巨人』に対しては何の役にも立たないのだから。 この世界のあらゆる戦術理論、軍組織の編成と兵士養成のカリキュラムは、ほとんど全てが巨人に対抗する、その一点を目的としている。 ゆえに兵士は巨人を殺す唯一の戦闘術――立体機動装置と双刀による三次元的高速機動白兵戦技、これを最も重要な技術として訓練される。 対人格闘などおまけにすぎない。実際、訓練兵の能力評価項目でも対人格闘術の重要度は低い――点数にならないのだ。 そんな技に秀でるアニも、熱心に習得に励むエレンも、要するに異端者と言って差し支えないのだった。 アニはエレンとライナー・ブラウンが取っ組み合うのをぼんやり眺めていた。 「…すげえ技術、か…」 彼女が格闘技術に秀でているのは、ものごころついた時から父に叩き込まれた、ただそれだけが理由だ。 巨人が天敵として存在するのに、こんな技術など何の意味も無いことはおさな心に分かりきっていたが、それでもアニは父親に逆らえなかった。 言われるままミットに蹴りを叩きつけ、突きをぶち込み、巌のような体躯の父と取っ組み合った。 アニの体格が小柄なのは、幼時からあまりに過酷な運動を強いられたからかもしれない。 そんな過酷な時間と経験を経てアニの中にはその無意味な技術が骨の髄まで身についていた。 格闘技術とは要するに人体破壊の理論だ。整然と体系化された技術は習得過程で学ぶ者の思考方法の形成や性格に影響を与えずにはおかない。 アニは合理的で理論的な思考を身につけるとともに、無意味さへの不満や父親へ反抗できなかった自分への嫌悪などを同時に抱え込んで成長してしまった。 澱のように堆積したそれはアニの心を重くさせ、口を閉ざさせ、他者との協調性を乏しくさせていた。 ところが。 アニの唇がわずかにゆがむ。 もう結構経ったが、どのくらい前だったか―? 『教えてやってもいいけど?』『遠慮なんてしなくていいって』なんて、どうしてそんな台詞がこの自分の口から出たものだろう? そんな台詞を言ってしまった結果として、自分はエレン・イェーガーというあの必死な目をした男にこの技術を教えている。 本当に、どういうわけなのやら…自分でもわけがわからない。 「おい、どうだ?アニ!」 その声でアニは我に返った。 見ると芝生の上で汗みずくの男ふたりがこちらを見上げている。 エレンがライナーの喉を押さえ、膝を鳩尾にのせていた。草やら土が所々に張り付いており、どうやらお互い何べんか反復していた様子だ。 一見して先ほどアニがエレンに示した形になっているようだったが――。 「は…」 アニは小馬鹿にしたように鼻を鳴らした。いつもの台詞が口をついて出た。 「全然駄目。まったくなっていない」 そして物覚えの良いとは言えない弟子?たちの方に踏み出してゆく。 ――自分は今、笑っているのだろうか。 アニはそんな事を思っていた。 夕刻。兵舎の食堂は賑やかだった。 この訓練所には食事と同期の仲間たちとの会話以外に娯楽など無きに等しいのだから無理もない。 みな制服を脱いだ部屋着でテーブルでくつろいでいる。 もっとも支給される食事自体はたいしたものではない。パンと、豆や野菜が入ったスープ程度のものだった。 それでも兵士は食事だけは保証されているというのは人類の有史以来の不文律と言えようか。 アニは隅のテーブルで、周りの喧騒を少々うざったく思いながらパンをちぎっていた。 固めのパンをスープに少し浸して口に運んでいると、向かいに座ったおさげの少女が話しかけてきた。 「アニ、少し変わったね」 「…何?急に」 ミーナ・カロライナだった。豊かな黒髪を左右でまとめている。あまり他者に関わらないアニの数少ない話し相手だった。 「最初の頃、怖い感じだったよ、アニは。でも最近はちょっとだけ」 「ちょっとだけ…何?」 とげとげしいアニの反応にもミーナは慣れているのか、あまり意に介さない。 「本当にちょっとだけ、カドが取れた感じがする」 「…っ」 その返答はアニには、パンを吹き出しそうになる程度には意外だった。 アニは他者に無頓着なせいかその他者からどう見られているか意識しない。 ところがやはり他者はこちらを観察していて、そして親しければ会話の端にその変化をこのように指摘してくるものなのだ。 それは彼女が過去において持たなかった友人関係というものの端緒なのだが、そんな心の襞に疎い(というか注意を向けようとしなかった) アニには新鮮なおどろきだった。 「私が…変わった?」 「うん。だいいち、前は気安くこんなこと言えなかったと思う」 どうして?どこが?どんな風に? アニの中にはそんな疑問が浮かんでは消えたが、言葉にならない。 会話の成立が困難になりかけたとき、向かい合う少女たちのテーブルに、どん、と音がなった。 エレン・イェーガーの、手をついた音だった。 エレンという男の物言いはいつも直裁的で、断定的だ。 「アニ、ちょっといいか?」 そしていつも真顔だ。彼の目はまっすぐアニに据えられている。 「昼間の技とは別に、蹴り技の事なんだが」 アニはつい、その視線を受けてたってしまう――というより、なぜか彼女はエレンを無碍にはできない。あらわした態度はそれとは真逆だったが―。 「めんどくさい…」 「前聞いた体重を乗せるとか、膝のスナップとか…わからんところが山積みなんだよ」 「また課外授業?たいしたやる気ね」 「評価試験だって近いだろ?ちゃんとやることやっとかないとな」 訓練兵たちはいまや訓練課程の終了を間近に控えている。その最後に、各科目の試験が待っている。 ただ、エレンは試験に限らず技術的なことで疑問があると、すぐにその技術に長けた者に質問し指導を求めることがしばしばだった。 それは立体機動も座学も対人格闘も例外はない。彼の兵士としての向上心は半端なものではなかった――そら恐ろしいほどに。 直接の理由を彼は滅多に語らないが、同期の訓練兵たちはなんとなく察してはいた。 ただ、ミカサにだけはそんな相談を持ちかけないところに彼の複雑な心境を読み取れるかも知れない。 もちろんそれはアニには関係の無いことだったが。 ともあれ、エレンはうざったげなアニの態度に少し鼻白んだようだ。 「なんだよ、遠慮なんてしなくていいんだろ?」 「…確かに、そうは言ったけど」 「えっと、エレンいいの?ミカサがこっち見てるよ?ちょっと怖い顔してるよ?」 すかさずミーナのちゃちゃが入る。 確かに、離れたテーブルに座すミカサ・アッカーマンの視線が、矢のようにこちらに注がれていた。その眼はエレンの唇と、アニとミーナの表情を捉えている。 壁の内側の人類とは人種の違う「東洋人」の血を引くミカサの表情は全般的に変化に乏しい。 真っ黒なハイライトのない瞳が何とも言えぬ威圧感を放っている。いや、はっきり言うなら怖い。 唇の動きからエレンが何を言っているか読み取ってさえいるかも知れない、ミーナにはそんな疑念すら浮かんだ。 あの天才肌の少女が幼なじみのエレンに向けるある一種狂おしいほど逸脱した強い想いは、今期の訓練兵たちにはおおむね共通認識となっている。 エレンはそんな認識からの冷やかしに、当たり前のように反発した。 「なんであいつが出てくんだよ!俺は必要だから言ってるんだ」 「つまりアニが必要ってことぉ?ミカサよりもぉ?」 必要以上にムキになるオトコノコなど、年頃の少女にとってはいいおもちゃだ。ミーナはにやにやしながら突っ込んだ。 「…引っ込んでてくれよ、頼むから」 しかめっ面で歯をむき出すエレンの貌は、アニには他人事ではない。 自分に話が回ってくる可能性を嗅ぎとったアニは、さっさと会話を終わらせることにした。 「わかった、エレン。ミットを持って行くよ、それでいいんだろ?」 「ああ。すまねえな、アニ。場所はいつもんとこで頼む」 少年の背を見送ったミーナは、少し考えて、 「アニがちょっと丸くなったの、…エレンのせいだったりする?」 真顔でアニに質問した。少女特有の論理飛躍は、しかし合理的なアニには不意打ちだ。 「…っ?!」 アニはたまらず含んだスープをひとしずく吹きこぼしてしまう。そんな反応はミーナには満足なものだったようだ。 「ま、理由はどうあれ、必要とされるって気持ちがいいもんね。それとも…」 下目遣いに、口元を拭うアニの眼を覗き込む。 「ドキドキしちゃってるとか?」 どん!今度はアニがテーブルを叩いていた。顔をそらしながら立ち上がっている。 「…!…どうでもいい…!」 アニはそれだけ言うと、スープもパンも残したまま足早に席を立ってしまった。 「あー…怒っちゃったー…。」 ――こういう会話、慣れてないんだろうな、やっぱり。 ミーナに苦笑がこぼれる。 年頃の少女たちなら半ば必然的に話題とするであろう、ちょっと気になる男の子の話。それに関する冗談、雑談、ホンネと建前。 アニとはやはり、そんなおしゃべりはまだ無理のようだった。 ――でもアニはそんなところが可愛いんだけど。 ミーナはそんなことを思いながら、友人の残り物と食器を片付け始めた。 さて、その皿に残ったスープとパンのかけらにはミカサとは別種の、さらに怖い視線が注がれていたのだが――その後の顛末は別の物語である。 兵舎の裏手、倉庫の脇はちょうどいい広さの空地になっていた。月のあかりがあたりを陰翳濃く塗り分けている。 ここは教官たちのいる建家からも遠く、音を立てても聞き取られにくい。 要するに、エレンの昼間の訓練の復習の場としては格好の立地となっていたのだった。 「しぃっ!」 鋭い呼気のあとに鈍い重い音があがる。 アニの外腿に携えた革のミットに、エレンが蹴りを叩きつけていた。すでに結構な本数をこなしたのか、エレンの額に汗が光っている。 おたがい、上着にズボンと革靴の部屋着だった。 「…力みすぎ。動作の起こりでは力を抜いて。入れるのはインパクトの一瞬だけ」 細かい注意がアニから飛ぶ。応えるようにエレンが蹴りを返す。習ったとおり蹴り足を変え、左右の構えを変え、蹴りの質を変える。 アニの教えでは――それは彼女の父が伝承してきた教えだったが――あまり高い蹴りを打たない。 敵手にキャッチされてしまったら金的を蹴り上げられたり軸足を捌かれてテイクダウンされてしまうので、 中段下段の前蹴りや回し蹴りが中心だ。狙うのは肝臓や水月、金的、膝関節などだ。 アニとその父が修めている技術はかつて人類社会で競技化され高度化細分化した格闘技術よりはるかに荒っぽい。 失伝によりもはや再現不可能な技術や理合も多いのだ。しかし制圧と殺傷を目的とした即効的で合理的な面を残したものと言えた。 こうした稽古をしているとよくあることだが、おたがい次第に乗ってくるとだんだん予定していなかった他の技もやり始める。 エレンも例外ではなく、熱くなった身体の沸くまま、アニに蹴り以外の技もついでに教えてくれと言い出していた。 いつのまにやら、脛や膝を蹴ってからそのまま足の甲を踏みつけ、手技や組みにゆく技術の稽古になっていた。 アニはミットを放り出し、向かい合う受けに回ったエレンに手本を示してゆく。 間合、お互いの体格、どの足でどの足を踏んだか、などの状況によって様々に展開されるアニの技は多彩なものだった。 指を弾くように使った目打ち。平拳や親指を立てての喉突き。顎への肘打ちや掌打。頸動脈への手刀。眼を塞ぐような平手のフェイントからの様々な変化――。 ひとつの動作を起点に、アニの細身のしなやかな身体は受け手のエレンを翻弄するように自在に踊る。 ――まただ。なぜ自分はこんな事をしているのか。適当に蹴らせて、切り上げればよかったのに―― アニは拳足を鞭のようにうねらせながら考えていた。思考とは別に動く身体はエレンに技をかけては離れる事を繰り返している。 だが胸のうちにはさっきのミーナの言葉がずっとひっかかっていた。 『必要とされるって気持ちがいいもんね』 ――無意味な、少なくとも私は無意味と思っている、役に立たない技術を。エレンは。 この男の過去はライナーからうっすらと聞いた。エレンは巨人に復讐するために兵士になった。なろうとしている。 いや。その精神はすでに筋金の入った兵士、戦士なのだ。 だから、エレンはその責務としてこんな無意味な技術も欲しがるんだ。 エレンが私に関わるのは、私が技術を持っているから、だ―― だがアニはそんな自らに言い聞かせるような思考の根本原因には意識を向けなかった。 合理的な彼女は心の何処かでわかっていたのだ。 …リスクは回避する、と。 だが、現実にはそんな理屈と行動は乖離し、アニはエレンの稽古に付き合ってしまっている。いまだ未熟な若年ゆえに。 「ちょ、ちょっと待てアニ!そんないっぱい覚えられないだろうが!」 「…ん…ああ」 言われてアニは動きを止めた。 白い肌はさすがに上気していた。頬がほんのり紅い。ひとすじ張り付いた汗に濡れた髪をかきあげた。 ぞくり。 アニの何気ない動作に、エレンは背筋に何かが走ったのを自覚していた。それがなんなのかは――彼にはわからない。 型を示しながら動いているうちに――いつの間にか、汗とは別な何かをアニはまとっていた。その何かが、エレンの胸に靄のようにかかっている。 エレンはそれが本能的に怖くなって、 「アニ、今日はそろそ…」 と言いかけた。が――。アニの声がかぶさった。 「…じゃあ最後に、…組み手、でも…するか?」 アニの青い双眸がエレンに向けられている。月のあかりが微かに宿って、潤んだようにおぼろに光っていた。 「い、いや…」 いつもは明快なはずのエレンのたどたどしい声が闇をさまよっている。 そんな声が、アニの中の何かに、こつりと当たる。 アニの内側をぐるぐると往来していたわけの分からない思考が、ふっと止まった。 唇が、動きそうになった。瞬間、アニは自分が何と言うか、わかっていた。 「遠慮なんてしなくていいって」 しかし――何故そう言ったのかは、やはりわからなかった。 向かい合ったエレンとアニの距離はおおよそ3メートル。 半歩ふみ出せば、ひと跳ねで突きを打ち込める間合い。一歩ふみ出せば、身を沈めざまタックルに行ける間合い。 ライトコンタクトの取り決めではあったが――対峙する二人の空気は重い。 アニは前足を軽く浮かせ、後ろ足で立って両拳を頭の脇に構えている。左を前にしたオーソドックスの構えだ。 対してエレンは利き腕の右手を前にしかかとを浮かせてリズムを取っている。右利きのサウスポースタイルという攻撃的な構えだった。 おたがいゆっくり右に左に廻るうち、縮まる距離にあわせてアニも前傾気味の構えに移ってゆく。 立合いの緊張が先刻ふたりの胸を騒がせた何かを鎮めている。 小柄で軽量なアニに、エレンが圧力をかけて前に出てきた。慎重に図った摺り足が微妙な拍子と間を割る。 その一歩は出るか出ないか、回るか下がるか――お互いの思考の綾が交錯する絶妙のタイミングを盗んでいた。それはアニの意の虚をついた。 ――エレン、やる! 思えば最初の「授業」よりもうだいぶ経っている。 相手の研鑽の成果にアニも瞠目したその瞬間、エレンの右手がぴくりと動く。一瞬のフェイントから、奥足の下段廻しがアニの左の内腿を叩いた。 「ぐっ!」 アニが思わず呻くほどの、早く重い見事なインロー。闇夜とはいえ、エレンの稽古の成果はアニに反応を許さなかった。 技はまだ粗いが、攻撃に重要なのはいつ何処で何処をどう打つかだ。そして敵の息の根を止めずにはおかない、あくなき攻撃精神。 そんな闘争の「髄」を、エレンは本能的に知っている。 それはアニの知らないエレンの幼時――ミカサとともに賊を手にかけたときから、エレンの裡に宿ったものだ。 だからエレンは下がらない。一度攻勢に回ると、あくまで獰猛に喰らいつく。 続いてリーチにも僅かに勝るエレンは、アニの突きが届かない絶好の間から鋭い右ジャブを放っていた。 その矢のような拳をアニは内側に身を沈ませて入身することでかろうじて躱していた―― 同時にその眼にエレンの既にタメの効いた左拳をはっきり認識していた。膝も選択肢に入っているはずだ。 それを無効化するため、アニはエレンの胸に頭を押し当てるように組み付いていた。同時に踏み出されていたエレンの右足の膝裏を刈る。 残った足で地を蹴り、肩をつけて体重を預け、エレンの重心を崩して押しこむ――胴タックルが見事に決まった。 アニの身体がエレンの身体を芝生の上に押し倒した。 エレンの背を地につけた瞬間、アニの下半身は地を蹴ってエレンの足を飛び越えている。 もがくエレンの身体の左脇側部、腕や首への関節技や馬乗りを狙えるポジションを、アニはあっさり制していた。 相手の左腕を両足に挟みこみ、もう一方の腕の手首を掴んで動きを殺そうとする。 暴れるエレンの喉もとに下腕部を押し付けて呼吸を邪魔しながら、胸を合わせる――。 「うっ…」 エレンが呻いていた。そう、今まさに弾力のあるアニの足が腕に巻き付き、胸の上には何か柔らかいものが押し当てられているのだ。 およそ取っ組み合っているとは思えないような、なんとも言えない感覚。言うまでもない、アニの胸のふくらみの感覚だった。 普段見ている兵士の制服姿からではあるのか無いのかわからなかったし、べつにどうでもいい物だった。 それがどうやら確かに存在するということが実感できたが――力が出ない。 アニの胸だけではない。腕も、おなかも、内ももも、全てが柔らかい。少女のみずみずしい弾力が、エレンの身体の上に載っている。 アニの胸は波打っていた。 無心に攻防を応酬した立ち技の局面とは違って――流れでテイクダウンしたのだが――エレンの力が抜けていっている。 触れ合っている内もも、腕、そして胸にはっきりエレンの戸惑いを感じる。それは同時に自分の中にもあった。 アニの肉体が真綿に包んだワイヤーなら、エレンの肉体は生ゴムで覆った鉄板さながらだった。 質の違う鍛えられた肉の、その奥にある鼓動が布越しに伝わってくる――。 『ドキドキしちゃってるとか?』 先刻のミーナの台詞が唐突にアニの脳裏を打った。 ――違う! アニは否定の文言を浮かべながら、眼前のエレンの右腕を取りにゆく。 肘を押さえながら手首を取り、腕がらみを狙った。その意図はエレンも察していた。 萎えかける右腕に力を入れ、アニの手を手首から振り払おうとする。同時にアニの足に挟まれている左腕を引き抜こうと捻転させた。 「…っ!」 アニの尻が僅かに跳ねた。もがくエレンの上腕部が、足の付根のあたりで暴れたのだ。 そこから背を駆け上った痺れにも似た妙な感覚に、アニのエレンの両腕に対するロックがゆるむ。 すかさずエレンは足で地を蹴り、身体を反りあげた。右手首からアニの手をほどくとその肩を押してはねのけようとする。 その手は体勢を変えようとしたアニの、まさに胸乳の上に押し付けられた。 布地の下にはっきりわかる、手の中の丸いやわらかいふくらみ。その下の大きな動悸がエレンの手のひらに伝わった。 「う…」 「あ」 予期せぬ接触に二人の時間が止まったかも知れない。 一瞬の停止から、アニはその胸に置かれたエレンの手首を取って腰を浮かせた。それを軸に低く素早く身体を一転させる。 両足の間にエレンの腕を挟みこみ、片足をその胸の上に投げ出し、一方をエレンの首に巻く。 両腕でエレンの手首を掴み取り、後ろに背を伸ばし――そのまま地に倒れこんでエレンの腕を伸ばしきれば、腕拉ぎ十字固めの完成となったが――。 さすがにエレンも反応した。 肩を起こしたエレンは伸ばした左手とアニに抱え込まれた右手でクラッチしていた。 浅くブリッジしながら、持って行かれそうになる右腕を必死で守る。伸ばされれば即、終わりだ。 アニはエレンの手首を掴む手をずらし、下腕の内側に深く抱え込んだ。内ももを締め、全身でエレンのクラッチを切ろうと力を込めようとした。 唐突に、アニは気づいた。 自分の足の間のエレンの上腕のこわばり。うねり。エレンの肘のあたりが、自分の胸のふくらみの間に挟み込まれている。 ――熱い。 アニの頬に血がのぼっていた。それは力を込めているからだけではない、何か胸の底からやってくる温度。 ――でも、不快じゃない。 膝の裏がふるえる。込めていたはずの力が、まるで溶けるように抜けかけた。 「おおおっ!」 エレンが低く吠えた。緩んだアニの肉体を押しやるようにブリッジし、下半身を反転させる。アニの体が後ろに転がった。 体勢が反転し、先ほどとは上下逆の体勢になった。 腕はいぜん逆さまになったアニに掴まれたままだったが、エレンは中腰で立つ。体重をかけて、腕十字の体勢を押しつぶすためだ。 首に巻き付いていたアニの足はずれている。三角絞めや再度の腕十字を警戒しながら、腕を体ごとアニの側に押し込もうとした。 上手くいけばサイドを取れるはず――。 ふわり。 何かかぐわしい空気が舞い上がり、エレンを包んだ。それはアニの汗の匂い。そして髪の香り。 取っ組み合っている真っ最中に、場違いな香りだった。 それはたちまちエレンを狼狽させた。 くらんだ視線の先に、アニと眼が合う。闇に青い目がうっすら光って――かすかに潤んでいるようにも見えた。 白磁の肌は夜目にもあらわに上気している。きっと自分も同じだろう。アニに触れた部分から、なんとも言えない感触が、腹の底に伝わってくる。 ふと、自分たちのとっている体勢の事が浮かんだ。腕を取り合う妙な体勢で身を絡めあい、息を荒らげている二人。見ようによっては滑稽だが――。 ――こいつ、こんなに綺麗だったっけ。…畜生、なんでこんなに、ドキドキするんだよ! もうやめだ、今日はもう寝る、そうエレンは叫びだしそうになった。 アニはもちろんそんなエレンの内心は知らない。 むしろエレンの端々の対応に舌を巻いている。 最初の訓練時の喧嘩屋然とした荒い動きから、闘争心はそのままに技術が着実に身についている。 それはアニの指導によるものも大きい。本当に真剣に戦ったら、今ではどうなるかちょっとわからない。 ――私がエレンを強くした。 そんな想念がふっと浮かんだ。無駄だと思っていた自分の技が、他者の中で実を結びつつある――それは無駄で無意味なことなのだろうか? そしてそれは――。 ――嬉しい、かもしれない。 今までアニの中にはなかった感情だった。アニはそんな思考にたどり着いた自分に驚いた。 『アニがちょっと丸くなったの、…エレンのせいだったりする?』 ミーナの言葉が浮かんできた。やっぱり見ている者は見ているのだ。 アニはもう否定の言葉を浮かべることはできなかった。 「…やるようになったね、エレン」 そんな賛辞は照れ隠しか、自分への言い訳か――そのどちらでもあるのだろう。 「お…おかげさんでな…!感謝、してるぜ…」 エレンの返答もあるいは照れ隠しだったかも知れない。 だがアニはその声を聞いたとたん、顔が熱くなるのを止められなかった。 こらえかねたように、アニは弾けるように動いた。 下からの腕十字は捨て、体重を掛けるエレンの動きに乗って腕を引き、前にのめらせる。 同時にエレンの片足をたぐるようにその股下にもぐった。 アニは一瞬四つん這いになったエレンの足の間を潜りぬけ、瞬時に体を起こすとがら空きの背中に飛びかかった。 エレンが手をついて起き上がろうとしたときには、アニはその背後に密着していた。 バックポジション。アニの足がエレンの腰に絡みつき、腕がエレンの首に巻きついた。エレンはうつ伏せに地面に潰れてしまう。 エレンの背中一面にやわらかなアニの肉が押し付けられた。鍛えられた腹筋も、控えめなふくらみも――。 耳にアニの吐息がかかり、触れ合う髪から少女の香りがエレンの鼻孔に流れこんでくる。 うつぶせたエレンの身体の芯にかっと熱が生まれ、甘やかな痺れのようなものが広がっていく。 エレンの身体が緩んだその一瞬をアニは見逃さなかった。 アニの胸と腹が反り、エレンの上体を引き伸ばす。蛇のように首を制した腕が深く食い込んでゆく。 頸動脈を締め上げるそれは、完璧な裸絞めだった。 『ドキドキしちゃってるとか?』 アニの脳裏に、またその声がした。 ――そうだな…ドキドキ、してるよ。 最初に見た時から、エレン・イェーガーと言う男は真っ直ぐで、必死で、ひたむきだった。 私とは違う。私は熱くなれない、こんなくだらない世界で。 だからかも知れない。だからこそ…気になった。 そうだ。ずっと気になっていた。 エレンが欲しいのは私の技術だけだ。それはわかっている。でも…。 上手く言えない。でも、これが…好きって事なのかもしれない。 アニは全身にエレンを感じていた。持てる力の全てでその首を締め上げる。 そう、獅子が獲物を仕留めるときのように。 もう逃げられない。 呻くこともできないエレンはアニの腕を力なくタップし、負けを認めた。 いつしか月は雲に呑まれていた。 漆黒の闇の中、二人は草の上にひとかたまりになって転がっていた。 うつ伏せのエレンの首に腕を廻したまま、アニはその背にからだを預けていた。脚のロックは解かれ、エレンの脚の間に流れている。 密着した背と胸の間を互いの脈打つ鼓動の音が行ったり来たりしていた。 どのくらいそのままでいただろうか。 「お…おい…タップしただろ、…離れろよ」 エレンが腫れ物にさわるような、おずおずとした声をあげた。 「…」 アニは答えない。その沈黙が、エレンには重い。 同時に、甘い。もうエレンは自分の胸にかかった靄がなんなのかはっきりわかっていた。 アニの双眸によって。上気した白磁の肌によって。そのしなやかな筋肉の感触によって。汗のにおいによって。やわらかなふくらみによって。 いままで同期の仲間、格闘術の先達くらいにしか思っていなかったアニの、少女の部分によって―― エレンは欲情していたのだ。 彼がうつぶせから動かない、いや動けないのもそのせいだった。 自分の身体を持ち上げるほど――肉棒を充血させていたのだから。 アニはエレンの汗の匂いを呼吸していた。 自分の汗が温度が、エレンに染みこんでゆくのが心地良かった。 ――自分はこの男を好きになっていたのだ。 身体の火照りは疼きに変わっていた。 「エレン」 自然に口が開いた。口を開いて言葉がどんな音を立てるのかわからなかったが、アニは語りだした。 「…あんたは私が必要?」 「な、何言ってんだよ…」 「答えて」 「そ、そりゃ…格闘術…教えてくれるし…仲間、だし…」 狼狽したエレンはアニの意図に考えが及ばない。 「私も…必要かもしれない」 アニの「必要」は、エレンのそれともちろん意味は違う。 一言ごとに自分が変わってゆく感覚が、アニを揺さぶっていた。 次に何を言うかも決めず口を開く。 「でも私は目標があって…それはあんたと同じ所を向いていない」 「あ、ああ…憲兵団に行くんだろ…?」 アニの目指す内地で王を守護する憲兵団は壁外で巨人と戦うことはない。 それは大抵の成績優秀者の目標であった。何故なら戦死の可能性から圧倒的に遠ざかることができるのだから。 彼女のその目標は、壁外で活動し時として巨人と戦わねばならない調査兵団を目指すエレンとは対極にあるのだった。 そして互いの目標は絶対に覆らない。 それは未来の暗示でもあった。訓練所を卒業すれば、一度別れて二度と合わない――そんな永訣の定めの。 その定めがわかっているから、いまアニの心は激しく動いているのかも知れない。 火照った身体と昂ぶった心が、ふだん冷静だったはずのアニの自制を吹き飛ばしていた。 「…一回だけ。今までの授業料、ってことで…あ、あんたを…好きにさせて」 顔じゅう真っ赤にして、アニはその台詞を吐ききった。闇夜の中、背中越しででもなければ最初の一文字も発音できなかっただろう。 「う…あ…?」 「いや、…する」 エレンはアニが何を言っているのか、音は拾っても意味には思いが及ばない。 考えがまとまる前に――アニの腕が首から離れ、地面と身体のあいだに潜り込んできた。 「な、おい、アニ!?」 「…遠慮なんて、しない」 次へ
https://w.atwiki.jp/shingekititan/pages/72.html
「おれたちは5年前… 壁を破壊して人類への攻撃を始めた」 「俺が鎧の巨人で こいつが超大型巨人ってやつだ」 「俺達の目的は この人類すべてに消えてもらうことだったんだ」 10巻第42話「戦士」での、ライナー・ブラウンの告白。 「この」人類に消えてもらうために、壁を破壊した壁外勢力、ライナー、ベルトルト、アニの3人。 ここでライナーがアニの名前を出さないのは、アニの正体が壁内人類にバレていない可能性を考慮して、意図的に隠蔽したと考えられる。 しかし、この場面以外でも、3人の中でアニだけが特別であるかのような描写が散見される。 ◎珍しい女型の巨人である。(もちろん3人+獣の巨人の中で唯一) ◎通常の巨人がしゃべらないのに対し、巨人形態で叫び声をあげて他の巨人を呼び寄せることが可能(特定の種類の巨人だけ呼べる?)。巨人が叫ぶ現象自体はままあり、3巻特別篇「リヴァイ兵長」で目をつぶされた巨人なども叫んでいる(悲鳴というよりも、うなり声というべきか)。 ◎アニの「女型の巨人」の外見が、フリーダ・レイスの巨人にそっくり。 ◎運動能力が人間に近い。(巨人形態でハイキックできるほど、人間の動きを高レベルでシミュレートできている) ◎訓練生時代のヒストリア・レイス(当時はクリスタ・レンズ)を監視していた壁教の人間を尾行し調査する技術を持っている。 ◎3人の中で唯一、確実な壁潜入以前の回想シーンがある。(ただし、なぜか当時の顔が隠されている。ベルトルトの回想は事実かどうか不明) ◎かつて、ある理想を持っていた父親から、「弱者が強者から身を守るための近接戦闘技術」を習得させられている。 ◎自らの体を結晶状の物質で(硬化能力と同じ能力?)で覆い、保護することができる。(ほかの2人にも可能かどうか不明) ◎アニメ版第24話「慈悲 ―ストヘス区急襲 (2)―」で、アニが巨人に変身したときの目が、レイス家の「継承者の目」にそっくり。(おそらく、鎧の巨人のデザインのように、アニメ版→漫画版でデザイン共通化) ◎2巻第話「」でライナーたちが、コニーを助けた直後のアニのもとに駆け付け、「危なかったなアニ… 怪我をしなくてよかったぜ本当に・・・」というシーンがあるが、ほかの2人も怪我による巨人化を危惧したのかどうかについては疑問がある。 なぜなら、エレンの井戸の実験と地下道での巨人化失敗の例や、ライナーがウトガルド城で巨人にかまれても巨人化しなかったことから、巨人化は意志の力(目的意識)によってある程度コントロール可能と想像されるからだ(地上であること、日光や一定量の外気も必要条件の可能性あり)。 つまり、アニとライナーの性能が同じと仮定した場合、たとえアニが怪我をしても巨人化せずにすんだ可能性は高いと思われる。 だとすると、ライアーたちがここまでアニの怪我を心配したのには、別の理由もあるのではないか。 アニは「女型の巨人」編で調査兵団に捕えられたとき、一か八かの賭けで叫び声をあげ、巨人の群を呼び寄せて自分の体を食べさせ、その混乱に乗じて脱出に成功している。(アニは追いつめられると、あきらめたり安全策を取るよりも、賭けの方を選ぶ癖があると思われる) つまり、アニは他の巨人の捕食対象である。(エレンも、第12巻のライナーも巨人にも襲われているので同じ) そう考えると、たとえばアニが怪我をして、彼女の血液が大気に触れると、その「捕食対象の匂い?」を嗅ぎ付けて付近の巨人が一斉に襲い掛かってくるなど、好ましくない事態が起こるのではないかとも考えられる。 また、ライナーの心配は、アニが特殊な巨人だからという可能性もある。 アニメ版第24話「慈悲 ―ストヘス区急襲 (2)―」で、巨人に変身するアニと女型の巨人の目が、レイス家の継承者の目と同じように見えるため、レイス家と何らかの関係がある可能性がある。 ◎アルミン・アルレルトとアニ・レオンハートが血縁関係である可能性(レイス家、あるいは壁の王族出身?) ◎アニが女神候補、または座標候補の可能性 ◎尾行や体術などから壁外の潜入工作員?、または、「この」壁の裏切者(スパイ、外国の手先)である可能性
https://w.atwiki.jp/shingekititan/pages/197.html
巨人の分類 2015/03/03 (火) https //w.atwiki.jp/shingekititan/pages/51.html ■今後予想されるエレンの新たな力 他の巨人と同化し、相手の巨人細胞を材料に、願いを具現化するレイス家の創生能力を応用して、巨人の中に取り込まれている人物を再生させる。 この力を使ってアニを結晶の中から取りだす。 ※同化能力は、アニメ第一期最終回のアニ巨人とエレン巨人の融合から。 ※アニ救出は、アニの結晶とレイス家の巨人の力による壁の作り方や素材が同じだという仮定から。 ================ エレンがアニの結晶を解除するのは的中。 アニはハチで、結晶は琥珀(コハク)。 琥珀 https //w.atwiki.jp/shingekititan/pages/51.html >■今後予想されるエレンの新たな力 >他の巨人と同化し、相手の巨人細胞を材料に、願いを具現化するレイス家の創生能力を応用して、巨人の中に取り込まれている人物を再生させる。 >この力を使ってアニを結晶の中から取りだす。 > >※同化能力は、アニメ第一期最終回のアニ巨人とエレン巨人の融合から。 >※アニ救出は、アニの結晶とレイス家の巨人の力による壁の作り方や素材が同じだという仮定から。 ================ >他の巨人と同化し、 →同化というより、「自分の一部なのでコントロールできる」?半分的中か。 >相手の巨人細胞を材料に、 →前述の通り、一応的中か? >願いを具現化するレイス家の創生能力を応用して、 →レイス家の創世能力かどうかは不明。一応、始祖の巨人の力はレイス家(フリーダ・レイス)のものだったと見られる ※レイスは「幽霊、ライス、ジャンヌ・ダルクの盟友で『青ひげ』のモデルとなったジル・ド・レ(rais)、レイズ(raise:引き揚げる、掲げる、起こす、栽培する、蘇らせる)」などの意味。 エレンの新たな力でアニの結晶を解除する →的中。 >※アニ救出は、アニの結晶とレイス家の巨人の力による壁の作り方や素材が同じだという仮定から。 →壁巨人の硬質化と、アニの硬質化が同じだと確定したので、的中。 これらを総合すると、予測はほぼ的中したと言っていいだろう。 アニはハチで、結晶は琥珀(コハク)。 古代のハチは植物の樹液が固まった琥珀に包まれて出土することが多かったため、かつては「蜂は琥珀から生まれる」と考えられていた。 女型の巨人は「メンガタスズメ」蛾。 アニはエレン達がグリシャの日記を読んで世界を改変する前の記憶を持っている。 今回の元ネタとなる昔話は『浦島太郎』、『眠れる森の美女』、『白雪姫』。 アルミンは『アラジンと魔法のランプ』で、貝がランプの代わりである。 女型の巨人は「メンガタスズメ」蛾。
https://w.atwiki.jp/aot_hokan/pages/32.html
part1 448 はあっ・・・ はあっ・・・ 彼女は、今まで感じた事のない快楽で頭の中が真っ白だった 彼女はきれいな黒髪を靡かせながら、ひたすらに自分の腰を上下させている 彼女が腰を上下させる度に、室内には淫らな音が響きわたる 相手の男は、ミカサが自ら腰を上下に動かしているのを眺めながらニヤニヤしている ミカサは相手の顔をなるべく見ないようにしていた ミカサ自身、自分がなぜこの男から顔を逸らしているのか、ハッキリわかってはいなかった ただ自分が肉の快楽に溺れ、感じている表情をこの男に見られるのが嫌だったのだろう しかし男はそれを察したらしく、男はニヤニヤしながらミカサの顔をムリヤリ自分の方へと向けた 「・・・っ!」 ミカサは男から目を逸らそうとしてる 男は相変わらずニヤニヤしている 「照れてるの? 可愛い・・・」 ミカサは男の放った言葉を聞き、目を見開いた ミカサは、顔が赤くなっていくのが自分でもわかった ミカサは恥ずかしくて死にそうだったが、それでも腰の動きだけは止めなかった ミカサは気づいていないが、この男は正常な状態ではなかった 男には理性が存在していなかった 存在していなかったというよりかは、ある薬によってここまで性格が豹変したのだ この男、エレン・イェーガーは数時間前、巨人の生態に迫る為、 ハンジ・ゾエという研究者の意向によって、あらゆる薬を飲まされていた どうやらその飲まされた薬の中にマズイ薬があったらしく、性格が別人の様に豹変したのだった 彼は忽ち、近くにいる女という女を押し倒し始めたのだ まるでマンガの様な話である 面白いことに、その出来事は瞬く間にエルヴィン団長に知れ渡った しばらくして、階級の高いもの同士による緊急的な会議が行われた そして肉食系になったエレンを戻すために、彼の性欲を晴らさせようという結論になった その担当者として、彼と長いつきあいのあるミカサ・アッカーマンが呼び出された この時、彼女はまだなにも知らされてなかった ただエレンを落ち着かせてくれ、としか言われてなかった 彼女は、久しぶりにエレンにあえる事を楽しみにしていた 彼女は心を踊らせながらエレンがいるという地下室に足を踏み入れた その時だった 「!!」 ミカサは不意に後ろから誰かに抱きつかれた あまりにも唐突な出来事だったため、ミカサは完全に油断していた しかしその抱き方というのがあすなろ抱きだったため、ミカサはすぐさま迎撃の体勢をとることができた そして、ミカサが男の鳩尾に肘を入れようとしたとき、男がおもむろに口を開いた 「俺だよ、俺」 その声を聞いたミカサはピタリと抵抗をやめた エレンだ ミカサは一瞬で落ち着きを取り戻した それと同時に冷静に今の状況を把握し、急に女の子らしい表情になった 「・・・エレン?」 ミカサは自分でもびっくりするくらい可愛らしい声でエレンの名を呼んだ 「・・・」 エレンはミカサを優しく抱きかかえたまま返事をしない 「・・・」 ミカサがもう一度エレンに問いかけようとした、そのとき 「んあっ・・・』 ミカサは何が起きたか理解できなかった 自分の首を、何か生暖かいものが這ったことしかわからなかった ミカサは、普段なら絶対出さないような喘ぎ声を発しながらその場に座り込んでしまった ミカサはあまりの出来事に息を荒くし、頬も真っ赤に染め、床に女座りしている エレンは座り込んでいるミカサの真ん前にくると、中腰になり、ミカサを視姦し始めた ミカサが力なくエレンを見ているのに対し、エレンはミカサを眺めながらサドっぽく微笑んでいる ミカサは恥ずかしくなり、エレンから目を逸らした ミカサはまだ混乱していた エレンに首筋を舐められた事を、まだ理解できていなかった しかし混乱するにはまだ早かった エレンは人差し指でミカサのあごを持ち上げるや否や、ミカサの唇にキスをした ミカサは抵抗できなかった できなかったというよりも、しなかった ミカサの口の中で、お互いの舌が何度も絡み合う その度にミカサの体がビクッと震えた ただその震えは、エレンの加虐心をより一層掻き立てるだけだった エレンの舌の動きはどんどん加速していった エレンの舌がミカサの唾液と交わるたびにクチュッ・・・クチュッ・・・とイヤラシい音を響かせた やがてエレンはミカサの口の中からゆっくりと、二人の唾液まみれの舌を引き抜いた 二人の口と口の間には、二人の唾液が交わってできた唾液のアーチができている エレンはそれをニヤニヤしながら眺めている どうやらエレンもだいぶ興奮しているようだった ミカサの漆黒の瞳は、どこか遠くを見ているようだった エレンは自分の呼吸が整うと、ミカサをお姫様抱っこで丁寧に自分のベッドへと運んだ エレンはミカサを仰向けで寝かせると、もう一度ミカサの唇を舐め始めた ちゅるっ・・・じゅるっ・・・ しばらくするとエレンは満足したらしく、いよいよ本番に入るらしかった エレンは、不思議なくらいに無抵抗なミカサの上着を優しく脱がせ始めた ミカサは目がトローンとしていた まるで昔のミカサと同じような、何を考えているのかわからないような、そんな瞳をしていた エレンはそんな事構わないと言った風に、テキパキとミカサの上着のボタンを外してゆく これでようやく地肌が見える、そんなとき急にミカサが抵抗してきた 抵抗と言っても、胸を腕で隠すだけなのだが・・・ エレンがミカサを安心させてやろうと頭を撫でてやると、ミカサはようやく重い口を開いた 「エレン・・・」 ミカサの心配そうな表情と、か弱い消え入りそうな声を聞いたエレンは、思わずハッとした エレンは我に返った 「ご、ごめんな、 急にこんな事されたら嫌に決まってるよな・・・」 エレンはミカサの綺麗すぎる黒髪を優しく撫でながら、心の底から謝罪した エレンは薬のせいで失っていた理性を取り戻しつつあった エレンはミカサから離れて正式に謝罪しようとした ところがミカサはエレンの腕をギュッと握りながらぶんぶんと首を横に振っている 「え・・・?」 ミカサはエレンの鎖骨あたりに目をやりながら、聞こえるか聞こえないかぐらいの声量でこう呟いた 「エレンの・・・す、好きな様に・・・して・・・?」 ミカサはそれだけいい終えると、恥ずかしそうに下を向いてしまった この一言で、エレンは完全に歯止めが利かなくなってしまったのは言うまでもなかった 「わかった。・・・じゃあ、続けるぞ・・・」 エレンはそれだけいうと、またミカサの上着を脱がせ始めた ミカサは無言で両手を上にあげ、ホールドアップした状態でボーッとこちらを見つめている 「はぁ・・・はぁ・・・」 ミカサはエレンの手によって、十秒も経たない内にサラシだけの姿になった 「は、外すぞ・・・」 エレンはそういいながら、ゆっくりとミカサのサラシに手を伸ばした 「・・・」 その手と声はひどく震えていた為、エレンが緊張しているという事がミカサにはすぐわかった 「はぁ・・・はぁ・・・」 ミカサの胸に巻いてあるサラシが外れてゆくに連れ、エレンの呼吸が荒くなる 「あ・・・」 「・・・」 ついにサラシは外れ、ミカサの白く、豊満な乳房が露わとなった その光景にエレンは思わず言葉を失った ミカサはエレンが今まで見た事がないような、とても女の子らしい表情をしながらモジモジしている 「エ、エレン・・・」 相当恥ずかしいのだろう、こんなに弱々しく喋るミカサをエレンは久しぶりに見た ついに我慢できなくなったエレンは、たわわに実ったミカサの乳房に、勢いよくしゃぶりついた エレンは左の乳房にしゃぶりつき、もう片方の乳房は空いている手で揉みしだいている 何処で覚えたのか、エレンはミカサの乳首を舌の上で転がし始めた 生憎エレンからミカサの表情は見えないが、時々喘ぎ声に近いものが聞こえてくる 「んっ・・・あっ・・・エレンッ・・・あっ・・・!」 エレンはミカサの可愛らしい反応に大変興奮していた 転がす速度を速めたり遅めたり、強くしたり弱くしたりと、エレンはあらゆる方法でミカサを責めた 「んああっ・・・エレン・・・あっ・・・」 ミカサの体がビクンッと震える度にエレンは興奮し、喜んだ しばらくするとエレンの急所はすでにビンビンになっていた ミカサのイヤらしい反応にエレンは大変満足し、ようやくミカサの乳房から唇を離した エレンがミカサの様子を窺うと、ミカサは目の焦点が微妙に合っていなかった 口は半開きで、その半開きの口からはよだれをたらしていて、何というか、すごくエロい・・・ エレンはそんな事を思いながらズボンを脱ぎだした エレンがパンツ一丁になると、陰部の膨らみは隠しきれない大きさになっていた ミカサは両手を使って顔を覆っている 見てないよアピールのつもりなんだろうけど、指と指の間からしっかり見ているのをエレンは気付いている しかしエレンはそんな事関係ないか、といった風に何の躊躇もなく最後のパンツを脱いだ その瞬間、指と指の間から覗いているミカサの目がパッと見開かれた それと同時に、ミカサは「~~~~~////」と言いながら下を向いてしまった しかしそのウブな反応はエレンを喜ばせるだけであった エレンはニヤニヤしながら、顔を覆っているミカサに手を退ける様に促した 「ミカサ、怖くないよ」 それを聞いたミカサはおそるおそる顔から手をどけた その瞬間、ミカサの肩がビクッと震えた 無理もない、ミカサの顔とエレンの陰部の距離は10cm程しか離れていないのだから ミカサは本当に初めて見たらしかった ミカサは涙目で、不安そうにエレンを見つめている 「ミカサ、してくれるか?」 エレンは優しい口調でお願いした するとミカサは、緊張した面もちで、ゆっくりと首を縦に振ってくれた しかし、ミカサは何をすればいいのかわかっていない様子だった 不安げなその表情は、ドSなエレンを更に興奮させた エレンは無知なミカサに一つ一つ教えることにした まず手始めに、ご奉仕をさせる為にミカサに自分の竿を握らせた 「くぅっ・・・!」 ミカサに竿を握られた瞬間、エレンは今までに体感した事のない快感を得た ミカサの手は氷のようにヒンヤリと冷たく、熱く火照っていたエレンの竿と対照的だった さらに掌には女性独特の柔らかさがあり、包み込まれた時は自分の掌とは比べ物にならなかった 「ご、ごめんなさい・・・い、痛かった?」 エレンが思わず声を上げた為、ミカサは心配して竿から手を離した エレンは慌ててそれを否定する 「だ、大丈夫だ、気にすんな」 ミカサはそれを聞き、安心したような表情を見せた エレンは落ち着くと、またご奉仕の説明に戻った 「ミカサ、これをしゃぶってくれ」 何処となく幼い顔つきをしているように見えるミカサは、至近距離で竿を凝視している 聞いていなかったのだろうか エレンがもう一度同じ事をいおうとしたとき、ミカサがふと顔を上げた 「これを・・・くわえればいいの?」 「!!」 エレンはドキッとした ミカサが思っていた以上に従順だったというのもあるが、エレンが驚いた訳は別にあった しかしエレンは説明を続けた エレンは、さっき自分がミカサに抱いた感情を忘れようとしていた 「ああ、嫌ならやめてくれてかまわない」 エレンはそうはいったものの、ミカサは恐らく途中で止めたりはしないだろうとなんとなく承知していた ミカサはエレンの竿をゆっくりと顔に近づける エレンには、自分の心臓の音が嫌というほど大きく聞こえている 「あんむ・・・」 エレンの太く逞しい男根が、ミカサの小さな口の中にズブズブ入ってゆく その瞬間、エレンは脳内に電流が走ったような感覚に襲われた エレンは、気持ちよすぎて声すらでなかった エレンの竿を口一杯に頬張っているミカサが、上目遣いでこちらをみつめてくる エレンは、間抜けな面を見られたくない一心で慌てて天井に顔を背けた ミカサはエレンの男根をモゴモゴと頬張ったまま喋りかけてくる 「ひぇ、ひぇひぇん・・・ひもひひーひ?」 ミカサが口を動かす度、舌や口の内側の粘膜が鬼頭に当たり、思わず声が漏れそうになる 「・・・きっ・・・もっち・・・いい・・・ぞっ・・・」 エレンは今出来る精一杯の返事をした それを聞いたミカサの表情がパァーッと明るくなった しかしエレンは天井の方を向いていた為、ミカサのこの表情を拝む事はできなかった ミカサは、エレンが気持ち良さそうそうな声を出してくれた事がとても嬉しかった ミカサは、エレンをもっともっと気持ちよくさせてあげようと必死に舌を動かした 舌使いはとてもぎこちなかったが、逆にエレンからしたらそれがリアルっぽくて良かったのかもしれない エレンは当然の如くDOUTEIだったため、すでに発射しそうだった ミカサは一所懸命にエレンの男根の亀頭を舌でお掃除する 「んっ・・・んっ・・・んっ・・・」 ミカサは早くもエレンの一番敏感な部分を掴んだらしく、そこを集中的に責めている ミカサの唾液まみれの生暖かい舌が、敏感なところに何度もあたる 「ミカサ・・・俺もう・・・」 そうは言ったものの、ミカサが男性器のメカニズムをそこまで知っているはずがなかった ミカサはキョトンとしながらも、カリを舌で責める事をやめなかった ミカサが何の事か尋ねようと口を動かしたとき、エレンの巨大な竿が大きく波を打った 「うっ・・・」 エレンはミカサの柔らかな黒髪を自分の方へと引き寄せた エレンの竿は、伸縮を繰り返しながらミカサの口内へと白濁液を注ぎ込む ミカサは最初は苦しそうにもがいていたが、やがて静かになった エレンはすべての液体を注ぎ込むと、一時の役目を終えた竿をミカサの口内からヌプヌプッと引き抜いた エレンの萎んだ竿の先からはまだ精液が滴っていた ミカサの目尻には微量の涙が溜っていた エレンはミカサの右頬に優しく手を添えて、悪魔のような微笑みを浮かべながら呟いた 「・・・見せて」 ミカサは目尻に溜っていた涙を右手で拭った後、小さな口を半分くらい開きニュッと舌を出した その子供のような小さく可愛らしい舌には、出した本人もびっくりするくらい大量の白濁液がまとわりついていた エレンはそれをさぞかし満足そうに目に焼き付けると、優しい声色とは裏腹に、 これが初めての体験であるミカサに対して、鬼のような注文をするのであった 「・・・飲んで」 その悪魔のような一言聞いたミカサは、一瞬驚いたような表情を見せた後、すぐ下を向いてしまった しばらくすると、エレンの様子を一度だけチラッと見ると、唇をギュウッと噛み締めた そして思い切り目を瞑り、ミカサは口の中にあったものを飲み込んだ ミカサは飲み込んだ証拠として、口の中に何もない事をエレンに見せた エレンはそれを確認すると、さぞかし嬉しそうにミカサの頭を撫でてあげた 「いい子いい子」 ミカサはエレンからの思いがけないご褒美に、目をまん丸くして赤面した しばらくしてエレンが頭を撫でるのをやめると、Sっぽく微笑みながらミカサの耳元でこう囁いた 「今度は、俺がお前を気持ちよくしてやるよ」 エレンはそれだけいうと、ミカサのズボンを脱がせにかかるのであった ミカサは、先程までエレンのされるがままだった ところが、エレンは何か思いついたかのように、ミカサのズボンを脱がせる手を止めたのだった 「・・・?」 ミカサは疑問に思った エレンは悪戯っぽく微笑んでるだけで、自分からズボンを脱がせようとしない 「エレン?」 ミカサは普通に喋ったつもりだったが、エレンからすれば誘っているようにしか思えないような、 そんな可愛い声で、心から不思議そうにエレンを呼んだ するとエレンはニヤニヤしながらミカサにこう問いかけた 「さっきまで俺が脱がせてあげてたから、今回くらい自分で脱いでみろよ」 「!!」 エレンがいい放った言葉は、ミカサにとって予想外なものだった ミカサはどうしてそんなことを? と思いながらも自らのズボンに手を伸ばした ミカサは静かにズボンを脱ぎ終え、下着一枚の格好になり、ようやくえれんの思惑に気付くのであった しかし、気付いた時は既に遅かったのだ 「・・・////」 ミカサは下着一枚になってから、最後の一枚を一向に脱ごうとしないで、下を向いて恥ずかしがっている 「どうした?それも脱がなくちゃ始められないぞ?」 エレンはそういって、ニヤニヤしながらミカサの真っ白なパンツを指差している 「・・・////」 「まさか・・・今更になって恥ずかしくなってきたのか?」 「!!」 それを聞き、ミカサは躍起になってパンツに手を伸ばした エレンに見られている事が非常に恥ずかしかったミカサは、目を閉じながら、勢いでパンツを下ろした 露わになったミカサの恥部には適度な毛が覆い茂っており、エレンをとても興奮させた 気付けばエレンの竿はまた大きく成長していた 「そんなに俺に見られるのが恥ずかしいのか?」 エレンはそういいながらミカサの膝を持つと、M字になるよう開脚させた エレンは初めて女性器をみたので、思わずマジマジと見つめてしまっていた (・・・これが女の人の・・・ゴクリ・・・。でも・・・なんか・・・思ってたよりへんだな) 「エレン・・・あまりみないで・・・・・・恥ずかしい・・・」 ミカサの聞こえるか聞こえないかくらいの涙声は、またもエレンをドキッとさせた 「わ、わりいわりい」 エレンは適当にそう謝ると、静かにこう続けた 「い、入れるぞ・・・」 「・・・?」 ミカサはいまいち分かっていないようだった 「その・・・もしかしたら痛いかもしれない・・・いや、多分痛いと思うんだ・・・ だから、痛かったら遠慮しないで痛い、っていってくれ」 「? うん・・・」 それでもまだわかってないようだった この様子だけみた人は、素直で純粋で従順な、可愛らしい普通の女の子にしか見えないだろう エレンはそんな事考えながら、自分の竿をミカサの恥部へと近づける すると突然ミカサがいつも通りの口調で喋り始めた 「エレン・・・私はあなたのためならどんな苦痛にでも耐えてみせよう・・・ 例え私がどんな苦痛を受けたとしても、それであなたが幸せならば私も幸せだ 逆に、私がどんなに幸せな環境にいたとしても、あなたが幸せじゃないのなら私も幸せじゃない もしも貴方が私を嫌いになったのなら、私は貴方のそばから消える・・・ 貴方さえ幸せなら・・・私はそれでいい・・・ 貴方は・・・私のすべてなのだから・・・」 それを聞いたエレンは、狂ったようにミカサを自分の胸へと手繰り寄せた 「・・・エレン?」 ミカサはまた先程と同じような女の子らしい表情に戻っている 「・・・うなよ」 「?」 「俺の前から消えるなんて・・・そんなこと・・・そんな悲しい事言うなよ・・・」 ミカサはエレンの肩が震えている事に気付いた 「・・・エレン」 「お前は・・・お前は俺の大事な大事な家族なんだよ・・・ だから・・・きっ・・・消えるとか言うなよ・・・約束・・・だからな・・・」 エレンは感極まって泣いていた ミカサもエレンにこれだけ想われていることを改めて知り、嬉しくて泣いていた 「俺がお前の事嫌いになるわけねえだろバカ!」 「エレンごめんね・・・、私・・・嬉しい・・・」 この見てて恥ずかしくなる喧嘩は30分も続いた ~~~30分後~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「・・・なんかすっかり変な空気になっちまったな・・・」 エレンの巨大な竿もすっかり萎んでいた 「・・・」 ミカサは無言でエレンの小さくなったモノを見ている 「・・・どこ見てんだよ」 「? さっきまであんなに大きかったのに・・・どうして縮んじゃったの?」 ミカサは不思議そうにチョンッとエレンのモノを突っついた エレンは無知なミカサをとても愛おしく思った それと同時にエレンの心の片隅にどす黒い感情が湧いてきた 「あ・・・またおっきくなったきた・・・」 ミカサはちょっと嬉しそうな表情でそう呟いた 「ミカサ・・・さっきの続き・・・しよう」 「・・・うん////」 こいつめちゃめちゃ可愛いじゃねえか 「俺に上に乗っかれ」 「乗っかればいいの?」 二人は俗にいう騎乗位の体勢をとった 「ゆっくり・・・腰を下ろせ・・・」 お互いの恥部の距離がどんどん短くなるにつれ、その場に緊張が走る 「よし・・・いれるぞ・・・」 ミチミチミチッ・・・ 「あっ・・・エレンッ・・・」 「い、痛くないか・・・?」 ミカサは辛そうにギュッと目を閉じている やはり辛いのだろう 「ごめんな・・・少し・・・我慢してくれ・・・」 (やべえ・・・ミカサの中・・・あたたけえ・・・うっは・・・すげえ締め付け・・・) 「う、動くぞミカサ・・・」 「・・・うん」 エレンは次第に腰を上下に動かし始めた エレンはゆっくりと腰を上下に動かした エレンが腰を突き上げる、その度にエレンの巨根はミカサの奥をノックする 「んあっ・・・んあっ・・・」 ミカサのイヤラシい体は、エレンの腰の動きに合わせて上下に揺れている エレンはミカサの細い腰を掴むと、さらに激しく腰を上下させた 「んあっ・・・エレンッ・・・エレンッ・・・」 ミカサはエレンの巨根をキツく締め付ける エレンにも限界が近づいていた 「ミカサ・・・抜け・・・・・・出るっ・・・」 エレンのその言葉はミカサの耳には届いていなかった 「ミカサ・・・どけ・・・このままだと・・・うっ・・・うあっ!」 びゅっ びゅるびゅるっ 「んああっ!」 エレンの射精と同時に、ミカサの体が何度も痙攣した ミカサはイってなおエレンのモノをきつく締め付け、吸い上げた そのおかげで、だした量は一回目よりも少ないが、快感は一回目とは比べ物にならないほどだった 「はあ・・・はあ・・・」 エレンはあまりの気持ちよさに放心状態になっていた ミカサも股から鮮血を流しているものの、最後の方は自ら腰を動かし快感を得ていた エレンは呼吸を整えると、ミカサに掛け布団をかけてあげようとした しかしミカサはその手を遮り、リンゴのように真っ赤に染まった顔でこういったのだった 「もう一回・・・して?」 「んっ・・・んっ・・・・・・んあんっ・・・」 まだ二回目だというのに、ミカサは自ら腰を振っている エレンはただ眺めているだけである 「気持ちいいか?」 エレンは意地悪な表情でこういった しかしミカサは恥ずかしそうにエレンから顔を逸らすだけで、何も答えない 「照れてるの? 可愛い・・・」 エレンがそういいながらミカサの柔らかい頬に手を添えると、もとから赤かった頬をさらに赤くしてしまった エレンはそれを悠然と眺めながらさらにこう続けた 「素直じゃないお前も可愛いぜ?」 エレンのこの一言でミカサの何かはぶっ壊れてしまったらしい ミカサは両手で顔を隠しているが、その隙間からは湯気が出ている そして子供の頃のミカサのように、ボソボソッと、嬉しそうにこう呟いた 「エレンの・・・バカっ・・・」 「馬鹿で結構・・・」 そしてエレンはラストスパートをかけた パンッパンッパン 「んあああっ・・・エレンッ・・・エレンッ・・・んああっ・・・んああああん!」 「くっ・・・出すぞミカサ・・・中に出すぞっ!」 びゅるびゅるびゅるっ 「んあああああああっ!!」 ミカサはまたも大きく体を痙攣させた ミカサは体をぐったりとさせながら、残っている力を振り絞りエレンにキスをした 「エレン・・・大好き・・・」 吸い込まれそうなくらい大きな黒目がちな瞳、自分のものよりも数倍も柔らかい唇、 思わず深呼吸したくなる程いい香りを漂わせるサラサラな黒髪 エレンはそのすべてを自分のものにしたかった 誰よりも、幸せにしてやりたかった エレンはその幼なじみの頭を、力強く、全力で抱きしめた 「エレン痛い・・・」 言葉ではそういっているが、ミカサはとても嬉しそうであった 「エレン・・・」 「何だ」 「その・・・」 ミカサは至極言い辛そうにしている 「何だ、この際言ってみろよ」 「その・・・も、もう一度だけ・・・してほしい////」 (°∀°;) そういってミカサはエレンの小さく萎んでいる竿をもてあそび始めた (やめるんだミカサ・・・そんな事したら・・・また勃っちまうだろうが!) ものの見事にエレンの竿は復活した 「♪」 ミカサは子供のような純真な瞳でエレンをまっすぐに見つめている そしてエレンにとって嬉しいのやら悲しいのやら分からないような第4ラウンドが始まるのであった (うああ・・・流石にナニが痛い・・・でもすげえ気持ちいい・・・) 「エレン・・・暖かいの・・・私の中に暖かいの出して・・・」 「へへへ・・・俺のほっぺにちゅーしてくれるならいいぜ?」 「//////」 ちゅっ 「へへへ・・・ありがとよミカサ・・・お前のキス顔、可愛かったぜ」 「エレンの・・・エッチ・・・////」 「エッチで結構っ・・・うあっ・・・出るっ・・・中に出すぞっ・・・!」 ぴゅっぴゅるるっ 「んあああああっa 」 さすがのエレンも四回目になると勢いが落ちていたが、それでも大量の白濁液をミカサの中に刻み付けた 「エレン好き・・・好き・・・」 ミカサはうわごとのように何度も繰り返している 流石にミカサも疲れたようだ ミカサはとても幸せそうな表情で眠りについている 「もう寝たのかよこいつは・・・」 「・・・俺も寝るかな・・・」 そしてエレンは深い眠りについた 「ふああ・・・だいぶ寝た気がするのに・・・まだ眠いな・・・」 「おはようエレン」 エレンが夢から覚めると、見覚えのある後ろ姿が台所で料理を作っていた 「ああミカサか・・・・・・ってアレ?」 「? どうしたのエレン」 「ミカサ、お前髪伸びてないか?」 ミカサは料理をしていた手を止め、ポケーッとした顔でエレンの方に振り向いた 「・・・」 「・・・」 「そんなに寝ぼけるまで熟睡してたの?」 「なんか・・・すげー長い夢見てた気がするんだけど・・・」 「エレン・・・いい夢でも見てたんじゃない?」 「え?」 「すごく・・・幸せそうだったから・・・」 「・・・何でだろう・・・おもいだせねえ」 ミカサは中断していた手を動かし始め、また家にトントントンッと小気味いい音が鳴り響く 今日の飯はカレーかな、とエレンがボンヤリ考えていると、またミカサが喋りだした 「・・・昔もこんなことあった・・・」 「え?」 「そのときは・・・エレン、泣いてた」 「・・・そういえば」 エレンはたった10~20年程前のことなのに、遥か昔の事に感じた エレンが頭をポリポリ掻いていると、一人の少女が元気よくエレンに飛びついた 「パパーッ!このまえのおはなしのつづききかせてーっ!!」 するとその少女に続くように、少女と同い年くらいの少年もエレンのもとへ走ってきた 「父さん俺も聞くぞ!」 少女はきれいな黒髪、おおきな黒目、赤く柔らかそうなほっぺが特徴的なとても可愛らしい女の子だ 少年の方は意志の強そうな大きな猫目が特徴的なこちらも美形の類いの男の子である 近所の人からはご両親によく似てる、と言われることが多かった 「ああ・・・パパが巨人を倒した話か?それともパパとママとお友達と外の世界を探検した話か?」 「外の世界を探検?そんなの普通じゃないか。それよりももっと巨人の話してくれよ!」 そうだった、今はもう外の世界を探検できるのは普通の世界だった エレンはそう思いながら何を話そうか考えていた 「そうだ、パパとママの初デートの話はどうだ?」 「えーつまんねー」 少年はつまらなそうな顔だが、女の子は目を輝かせながらエレンの話に食いついている 台所で料理を作っていたミカサは後ろ向きだが、モジモジしながらこちらの会話を聞いている 「そうだ、明日の休日は外の世界にピクニックにでもいくか」 そういうとつまらなそうな顔をしていた少年が急に元気になった 「マジで!?父さん!!よっしゃー!!◯◯!!今から準備しようぜ!!」 「うん!」 「もう、今からじゃ早すぎるでしょ・・・」 ミカサは鍋に野菜を入れながら、楽しそうにそういった しかし子供たちはまるで聞いてなく、祭りのように騒いでいる エレンは、窓から外を眺めた そこには、壁のない広々とした草原が広がっていた エレンはそれをボンヤリ眺めると、二度寝してしまった 「あれ?父さん寝ちゃったよ」 「パパおやすみー」 エレンがこの二回目の就寝で見た、家族全員からキスをされる夢は、意外と近い将来の正夢だったそうな ☆おしまい☆
https://w.atwiki.jp/aot_hokan/pages/46.html
朝になった。 (さて、食堂に向かうか) 食堂に着くと、すでにサシャとクリスタがいた。 「よう、二人ともおはよう」 俺は二人に声をかけた。 「おはよう」「おはようございます」 クリスタも昨日より幾分機嫌が戻っている様子だった。 「あっ、私、ユウジのお皿持ってくるよ」 「いや、私が……」 クリスタとサシャが同時にそんなことを言い出す。 「はは、ありがとう。じゃ、一緒に行ってきてくれ」 俺は冷や汗を垂らしながらそう言った。どうやらクリスタはまだ、俺とサシャが付き合っていることを知らないようだ。 (でも、それとなく伝えないとな……) それを考えると気が重くなる。 「おまたせ」「おまたせしました」 サシャとクリスタが俺の食事を持って戻ってきた。 「あ……ありがとう」 この事さえなきゃ夢のようなシチューエーションなんだけどなあ。とりあえず、俺は主菜と主食の一つをサシャにやった。 「ありがとうございます」 音符が付いていそうな声でそう言うと、サシャは喜んで食べ始めた。 さて、今日は待ちに待った乗馬の訓練だ。乗馬はもちろんやったことがないが、やりたいとは常に思っていた。ただ、あまりに お金がかかるから手が出せなかっただけだ。それにややこしい事情を抱えているとはいえ、こんな美人二人に教えてもらえるなんて、 こんな幸せなことは無いぜ。 「それじゃ食べ終わったら乗馬の訓練をするからな」 「了解」 二人が声を揃えて言う。 「でも、ユウジ道具持ってるの?」 「道具? そんなものがいるのか?」 「持ってないなら兵団に借りてきた方がいいよ」 そうか、それじゃ後でリヴァイに聞いてみるか。 食事も食べ終わり、俺達は乗馬場……、なんてものは無い、適当に馬を三匹選んで、適当な空き地に連れてきただけだ。 「それじゃ、まずお手本を見せますからよく見てて下さい」 サシャがそう言って、クリスタとともに馬を走らせて見せた。それにしても上手いもんだ。サシャにしてもクリスタちゃんにしても、 とても鮮やかに馬を駆る。映画かなんかの登場人物みたいだぜ。それに……、服装も乗馬服だもんな。乗馬服なんて、トモちゃんがTKに フラれた時のニュースでしか見たことないぜ。しかも、二人共よく似合ってる。 「どうですか?」 二人がしばらく馬を走らせた後、戻ってきて俺に聞いた。 「うん、よく似合ってる」 「えっ?」 「その服装」 俺がそう言うと、サシャはニコッと笑っていった。 「そうですか? ありがとうございます。でも、そんなとこばっかり見てないで、真面目に乗らないと怪我しますよ」 サシャの口調は朝からずっと、語尾にハートマークでも付きそうな優しい口調だ。付き合ってんだから、当然と言や当然かもしれないけれど。 「……」 なんか、クリスタちゃんが俺たちのこと怪しんでるんだよなあ。うーん、何か言い出しづらいぞ。 よし、じゃあ、まあ、とりあえず乗ってみるか。見てるだけじゃしょうがないしな。 「ほっ!」 俺は掛け声を上げて、鐙(あぶみ)に足をかけ、馬の背中にまたがった。 「っと……、これは思ったより……」 不安定な馬の背中……、というより自分のバランスが不安定なのだが。しっかり捕まっていないと振り落とされてしまいそうだ。 「わあ、すごい。初めてなのに台も使わずに乗れたんだ。センスあるよ」 クリスタちゃんがそう言ってくれたので嬉しくなった。 「でも、あんまり調子に乗り過ぎないでね。落馬したら大変だよ。ほら、もっと胸を張ってまっすぐな姿勢をとらないと馬が不安になっちゃうよ」 「そ……、そうか……?」 俺は馬上の意外な高さにびびりながら、体勢を整える。乗馬を馬鹿にしていたが、これは思ったより危険で難しいスポーツだ。ちょっと気を 抜いてると落馬して大怪我しちまう。 「実はサシャがいてちょっとホッとしてるんだ。一人だと訓練中に何かあった時にユウジを助けられないかもしれないから」 それを聞いて俺も納得した。クリスタちゃんと二人きりで楽しく訓練とか、そんな余裕は全く無いぜ。乗馬を舐めていたとしか言いようが無い。 今の俺は落馬しないようにビクビクしながら乗っているだけで精一杯だ。それでも馬が突然暴れだしたりしたらアウトだ。落馬して、打ちどころが 悪ければ大怪我、場合によっては死んでしまうぜ。 「でも、サシャと二人でしっかり見てるから安心してね。何かあってもフォローしてあげるから」 そうしてもらえるとすごく助かる。クリスタちゃん、ずっと弱い子だと思ってたけど、こうして見るとすごく頼りになるなあ。人は見かけに よらないってことか。 「それじゃあ今日は、発進と停止、それから常歩(なみあし)までやってみようか」 「はい、よろしくお願いします、先生!」 俺は元気よくクリスタに対してそう言った。 「ふぅ……」 部屋に戻ってきた俺は、全身の疲労と筋肉痛に苦しみながら、ベッドに横になった。 「まさか、乗馬がこんなにきついものだったとは……」 仰向けになって天井を見ながら独りごちる。 それにしても、怪我などしなくて良かった。馬が暴れだしたり、突然走りだしたり、何度か危ないところはあったが、あの二人がすぐに駆けつけて 助けてくれた。本当に、優秀な部下を持ったもんだ。二人とも女の子だけど、やっぱ成績優秀な軍人ってのは伊達じゃないんだな。見直しちまったぜ。 さてと、もうすぐ晩飯の時間だから、ちょっと休んだら食堂に行くか。 コンコンコン ん? 誰だ? ノックのクセからするとリヴァイかな……。そんなことを考えながら、俺はベッドから起き上がりドアを開けた。 ガチャ ギィッ 相変わらず、ドアの蝶番がきしむ音が大きい。油ぐらい差せよ。といつも思ってしまう。 「よう」 そこにはリヴァイが立っていた。 「ああ、リヴァイか」 「ちょっといいか?」 「いいよ、入んなよ」 俺はリヴァイを椅子に座らせた。 「聞きたいことがある」 俺はベッドに座り、リヴァイの顔を見た。心なしかいつもより真剣な表情をしている。 「お前……、あの、超大型巨人に勝てるか?」 「……」 それは、いきなりの単刀直入な質問だった。だが、いつかは聞かれるだろうと思っていた。どこの馬の骨とも知れない素性不詳の俺を、役職まで付けて 調査兵団で匿ったのも、それが目的の一つだったのだろう。以前の俺なら答えを隠したが、今の俺は調査兵団を……、リヴァイを信頼している。もはや 隠す理由は無い。 「結論から言えば……、勝てる」 「本当か?」 「だが、条件がある」 「それは何だ?」 リヴァイが緊張してごくりと生唾を飲んだのが聞こえた。 「トラックに積んであるミサイルを命中させることだ。そのためには、目標の位置を正確に把握してプログラミングするか、目視してロックオンする必要がある」 「目標の位置を正確に把握するか、目視出来ればいいんだな?」 「そういうことだ」 リヴァイはこの返答を想像はしていたのだろうが、改めて聞くとあまりにも現実離れした話に戸惑っている様子が明らかに見て取れた。 「それで、倒せる確率はどれくらいだ?」 「100%だ」 俺は、考える間もなく即答した。実際、考える必要が無いほど、このミサイルには威力がある。 「ひゃ……、100%……!?」 リヴァイが明らかに驚愕した表情を見せた。 「実際にはうなじ周辺に当てないと倒せないだろうけどな。だが、俺なら確実にうなじ周辺に当てられる。だから100%だ」 「……実は超大型巨人の正体が分かった」 リヴァイが打ち明けた。 「……」 それを聞いて俺も真剣な表情になる。 「明朝、作戦を決行したい」 「作戦? 作戦ってのはその超大型巨人を倒すってことか?」 俺がそう尋ねる。 「そうだ」 リヴァイが答えた。 「それは急な話だな。俺はもうちょっとサシャやクリスタちゃんと楽しく訓練したりイチャイチャしたかったんだが……」 「作者の都合でな。俺にもこればかりはどうしようもない」 「そうか、それならしょうがないな」 「それで作戦だが……」 「分かった、そうしよう」 作戦が決まった。 明朝ヒトマルマルマル、超大型巨人の正体を壁外に連れ出し、拘束する。もし巨人化して抵抗しようとしたら、俺がミサイルで射撃する。 ミサイルを対象に誘導するための発信機(俺が持っていた携帯電話を改造して使用する)の目標うなじ付近への取り付けはリヴァイがやる ことになった。 「それにしても本当に壁内から発射するのか? 壁に当たってしまわないか?」 リヴァイが疑問を口にした。 「大丈夫だ。このシーバスターは地形回避機能を搭載していて、山の裏側から海上の戦艦を攻撃出来るように設計されている。あらかじめ プログラミングしておけば、超低空飛行で壁の出口から壁外に出て、それから目標に電波を照射しながら向かって行く」 「回避されることはないか?」 「敵が時速1,150km以上、亜音速の速さで30分走り回れるなら回避されるけどな。だがそれでも2発め、3発めがある」 「蒸発して逃げることも考慮されるが?」 「ミサイルが壁外に出てから目標に到達するまで、距離が1kmあったとしてもおよそ3秒だ。3秒という対処時間では最新鋭イージス艦 でも必ず命中するし、敵が壁から出てきたミサイルを発見した瞬間に蒸発して逃げるという決断をしたとしても、ミサイルは目標を消失した 瞬間に爆発するように出来ている。人間体でこれを食らえば、熱風に巻き込まれて黒焦げだ」 「分かった。では、この作戦で行くとしよう」 そして、翌日になった。 今日は朝からものものしい。ある者は作戦の内容を知っており、他の者は壁外に出て遠征に出発すると思っている。超大型巨人の正体と やらも、まさか壁外に出た途端自分が退治される側に回るとは思ってもいないだろう。 俺は壁内にいて、サシャとクリスタとともに、88式地対艦誘導弾(SSM-1シーバスター)のスタンバイに入った。トラックを定位置まで動かし、 ミサイル発射の衝撃に備えるため、ジャッキで固定する。そして、発射機を射撃姿勢に移し、レーダーを起動する。発信機が目標に正しく設置 出来たらレーダーに反応があるはずだ。 さて、当然のことではあるが、サシャとクリスタはこの超ハイテク兵器の登場に朝から驚きっぱなしである。 「安心しな。もうすぐ全てが終わる」 「は……、はい……」 とは言うものの、彼女たちは二人ともこの兵器の威力に半信半疑の様子だ。それもそのはず、この世界の人間は誰も、あんな巨大な物体を 倒せる兵器があるとは思わないだろう。だが、このミサイルなら倒せる。なんたって、こいつは排水量1000トンの駆逐艦でさえ一発で大破させる 威力がある。たとえ敵が硬化していたところで、のぞむところだ。その硬化を突き破ってうなじの中の人間に大損害を与えてやるぜ。 それからしばらく後、レーダーに電波の反応があった。 「ついに来たか」 俺はすかさず、ミサイルの発射スイッチを押す。するとミサイルは射出され、固燃ロケットモーターによる慣性航法により超低空を壁出口に 向かって飛んでいく。 「よし、あとはあのデカブツにぶちかますだけだ」 ミサイルは無事に出口を通過した。そしてその瞬間、エンジンがターボジェットに切り替わり、アクティブレーダホーミングによる誘導方式に 移行する。1、2、3秒後、ドカーンと敵に命中する音が響いた。 「よっしゃ、命中だ!」 俺は飛び上がって喜んだ。しかし、それもつかの間、命中した場所から巨大な白い光が立ち上がって広がっていくのが目に見えた。 「……、なんだありゃ……?」 その白い光はあっと言う間に、巨大な壁を飲み込み、俺達がいる市街地まで飲み込もうとしている。 「やばいぜ、なんだありゃ……。まさか、ミサイルの弾頭に核が搭載されていたのか……? いや、そんなはずはない。シーバスターに核弾頭を 搭載するのは不可能なはずだ……!」 考えている時間は無い、この白い光は俺たちのすぐ目の前まで来ている。これに飲み込まれたら、多分、死ぬ。いや、確実に死ぬだろう。 「クソッ、どうする?」 とは言っても、どうしようもないぜ。とりあえず、俺の近くにはサシャとクリスタちゃんがいる。二人とも呆気にとられて生気を失っているぜ。 とにかく、両方を助ける余裕は無い。どちらかを庇わないと。庇ったからと言って、助かるとは限らないが、あの世に一緒に行く事ぐらいは出来る かもしれないぜ。 (時間がない! 早く決めてくれ!) サシャをかばう → 【サシャEND】へ クリスタをかばう → 【クリスタEND】へ 前へ
https://w.atwiki.jp/aot_hokan/pages/31.html
part1 401 調査兵団への入団後、新兵達は訓練に明け暮れた。 ほとんどの訓練は次期調査出発地カラネス区への移動や移動先での旅団の設営と して作戦行動に組み込まれており、新兵達は各々緊張感をもって忙しく過ごした。 各自のスリーマンセル(班長+班員+新兵の小隊)が固定する頃には、新兵が顔を合 わせるのは何日かに1度の座学の時間だけとなっていた。 ある日の夕方、ジャンの班は久しぶりにトロスト区に立ち寄った。その日はトロスト区 での外泊日として外出が許可され、先輩方は馴染みの酒場で大いに盛り上がった。 ジャンもしばらくつきあったのだが、日頃の疲労が出たのかもともと酒に強くなかった のか、具合が悪くなって宿営地(と言っても訓練学校の校庭)に帰されてしまった。 携行用の簡易ベットと資材で一杯の狭いテントの中、ジャンは一人気持ち悪さをこら えてまんじりともできなかった。テントの外からは時折、宿営地を出入りする他の班の ざわめきが聞こえてきた。 やがて夜も更け、どうにか吐き気もおさまったので、水を飲みにテントを這いだした。 もちろん食糧や水は班で携行していたが、ジャンは冷たい井戸の水が飲みたかった。 勝手知ったる訓練学校の敷地で暗闇でも迷うことなく食堂の裏手の井戸に辿り着 く。 かすかな月明かりを頼りに汲み上げポンプの中に水が残っていることを確認して アームを上下させると、キィキィという音はやがて手ごたえとともにガボガボと いう音に代わり、注ぎ口から勢いよく水が飛び出した。 ジャンは顔を洗い、水を飲み、ようやくひと心地がついた。 ふと、背後の厨房で物音がしたような気がした。 振り返ると、消灯したままの厨房の勝手口が開き、人影が出てくるところだった。 人影はまっすぐ近づいてきて、足元のタライに屈み込んだところで初めてこちらの 存在に気づいたようだった。よほど驚いたのか後ろに飛びすさった。ごとん、と何 かが落ちる気配がした。 「あ、こんばんは」 ジャンは慌てて挨拶をした。班が学校の許可を得ているので井戸使用をとがめられ るはずもないのだが、時間が時間なので身許を明らかにしようと気を利かす。 「夜分すみません、自分は調査兵団所属一等兵ジャン・キルシュタインであります。 軍務で宿営のお許しをいただき、ごやっかいになっております」 敬礼の姿勢で名乗ったのだが、相手の反応が鈍い。距離をおいたままこちらの様子 をうかがっているようなので、引き続き怪しいものではないと弁明を続けようとし た時、予想外の返答が返ってきた。 「…ジャン?」 かすかな小声は、聞き覚えのある女性のものだった。同期で入団したあいつだ。 「…サシャか?お前なん…」 ジャンが驚いて声をあげると、電光石火の勢いで手が伸びてきて口をふさがれた。 「シッ、静かに」 一言ささやくと、次の瞬間サシャは足元に落ちた何かを拾い上げ、ジャンの腕を強引 に掴んで演習林に向かって走り出した。そのあまりの気迫にジャンは敵襲なのかと聞 こうとしたくらいだったが、すぐに別の可能性に気づき、黙ってサシャについて走った。 サシャのとった行程は荒っぽかった。腐葉土で足跡の残りにくい林を通り、長靴を脱 いで小さな池を歩いて渡り、最後に舗装された街道に出て完全に追跡を不可能にし てみせた。しばらく歩き、追手の気配がないことを確かめてからジャンはサシャの背中 に声をかけた。 「…で。戦利品は…なんなんだ?」 ジャンの息はまだあがっていた。落ち着いたとはいえ、弱った体には負荷の大きい強 行軍だった。声をかけられたサシャは黒髪をぎくっと揺らし、立ち止まって振り返った。 「えへへ、お見通しでしたか~」 サシャは疲れた様子も見せずに、薫じた肉の塊りを嬉々として出して見せた。 「お前…」 「あー大丈夫ですよ~、これは私のお肉です。食堂の冷蔵庫をナイショで使わせても らったのは悪かったですが、出してきただけですから~」 「んなわけねぇだろ、いったいどうやって入手したんだ」 「本当ですって。もう学校にいない上官のを…以前いただいたんです。誰にも咎めら れたりしませんて」 「じゃなんでここまで逃げたんだよ、お前の班、今夜どこにいるんだ」 ジャンは宿営地のことを気にした。今歩いている街道なら、いくつかの分岐を経れば すぐに校庭に戻ることができる。騒ぎになっていなければ、そしらぬ顔で先輩方が戻 る前にテントに帰れるだろう。 「…学校の校庭です…。ジャン達が設営した隣に後から来ました」 「…やっぱ逃げたんじゃねぇか」 口では冷たく言ったものの、サシャの目的地が同じだったことが分かり、ジャンはなに かほっとした。 「とっさに仕方なかったんです。あそこで話すのを聞かれてもまずいと思って」 「…変なことに巻き込まないでくれよ」 「絶対大丈夫です、約束しますよ」 「はぁ~、何やってんだか…」 大げさに嫌がって見せたが、本心ではなかった。敬語の毎日が続いた後だったので、 久々の同期との気軽なやりとりはなんだか懐かしかった。相手がサシャということも大 きい。妹分、というほどではないが、謙虚さのないジャンを面倒くさがらずに接してくれ る貴重な…ある意味変わった女の子だったから。 サシャは、超大型巨人の出現のせいで皆と食べる約束をした「この肉」を食べ損ねた 経緯、巨人襲撃の後奇跡的に壁の上から再発見できたことなどを聞かれもしないの に説明した。 ジャンは正直な人間は好きだった。サシャにしてもコニーにしても、馬鹿だが悪いヤツ らではないと認めていて、また、あれだけ喧嘩を重ね、散々嫉妬しているエレンに関し ても、彼が常に本音であるからこそできる喧嘩だった。 (エレンや…ミカサはどうしているのか) 口外を禁じられた異常事態(巨人から出てきたエレンをミカサが抱え出したこと、エレ ンが巨人になってミカサとアルミンを救い、軍の秘密兵器として扱われていること)を 思い出してしまい、ジャンはそれを振り払おうとサシャに声をかけた。今やるべきこと に集中すれば、答えの出ない考えを頭から締め出せることをジャンは心得ていた。 「お前、こんなに長い間抜けだしてて大丈夫なのか?」 「大丈夫ですよ、先輩方は酒場に行きましたもん。あれはオールする勢いでしたよ」 「そうか。どの班も似たり寄ったりだな」 壁外調査を控え、ハメ外しが大目に見られるのは周知の事実だった。また、トロスト区 には花街があることは新兵ですら知っていた。 「だとしても、バレないうちにさっさと帰るぞ」 「はーい」 ジャンがもう怒っていないことに安心したのか、サシャは笑顔で答えて速度を上げた。 慌ててついて行くジャンは「待ってくれ」とも言えず、校庭に着く頃には息も絶え絶えに 疲れていた。 校門の守衛をどうごまかすかという問題は、勝手知ったる訓練学校のこと、街道から もぐりこむ秘密の出入口を使うことで解決できた。二人は難なく校庭の宿営地に戻り、 それぞれのテントの前で別れた。 「それじゃ」 「おやすみなさい」 ジャンは挨拶もそこそこにテントにもぐりこんだ。まだ誰も帰った気配のないことを確か め、予想外の運動で汗に濡れた服を脱ぎ、体を拭いた。涼しい夜気が心地よかった。 「ジャン、入っていいかな」 突然サシャの声がしたので、ジャンは文字通りびくりと驚いた。 「や…ちょっと待ってくれ」 下着一枚でいたので、慌ててシャツとスパッツを身につける。脱ぎ散らかしてあった服 を背嚢につっこみ、「どうぞ」と出した声は少しうわずっていた。 「何度もごめん、どうせなら一緒にお肉を食べようと思って…」 入ってきたサシャも、シャツとスパッツの簡単な恰好に着替えていた。手には、先ほど の塊りから切り取ったら肉の切り身を持っている。ランタンに照らされたサシャは瞳が きらきらと輝いていて、なんだか初めて会う人のようだった。 「どういう風のふきまわしだよ、お前が食べ物を分けるなんて…」 「えへへー、やっぱりこのお肉は一人で食べるのはもったいなくて」 照れ笑いなのか、あまり見たことのないサシャの表情にジャンはどきっとした。また、 驚きながらも、酒のせいで食べ損ねた夕食を食べられるかと思うと、気遣いが素直に 嬉しかった。 「狭くて悪ぃけど…まぁ座って」 サシャを簡易ベッドに座らせ、自分は床に背嚢を置いてあぐらをかく。サシャが肉を半 分よこした。なかなかの分量で、持ち重りがした。 「こんなにいいのか?」 ジャンは思わず尋ねた。 「うん、大きいから大丈夫、他のみんなにも分けますよ」 「とか言って、我慢できなくて途中で喰うなよ」 「ジャン、それひどいですね。まぁ、あんまり時間がたつようなら傷む前に食べるかも しれないですけど。…本当はパンがあればいいんですけど、今日はこのままですね。 早く食べましょう」 「そうだな。…いただきます」 しばらくの間、二人はもくもくと燻製肉-いわゆるハム-を味わった。上官の所持品だっ ただけあってなかなか美味しく、何よりこれだけの量をじっくりと味わえることが至福 だった。 「あー美味しかった…もっと切ってきましょうか?」 自分の分を食べ終わり、まだ最後の一枚を食べているジャンを見ながらサシャが聞い た。ジャンはそれを飲み込むと、自分の腹具合を確かめながら慎重に答えた。 「…確かに全部くっちまいたいくらい美味かったが…オレはもういいかな」 もっと食べたいのも本心だったが、夜遅くの(食べ慣れない肉の)食事が明日にたた る気もしたし、どうやら複雑な経緯を経た肉を他の同期にも味わってもらいたいのも 本心だった。 「そうですか…ジャンがそう言うなら…そうします」 若干未練を見せつつ、サシャも同意する。満腹感と連帯感がないまぜになり、二人は 不思議な幸福感に満たされていた。 「ね、ジャン」 サシャがのんびりと口火を切った。 「その…前にキスした時のこと、覚えていますか?」 覚えているも何も、ジャンもたった今、早朝の林の中での思い出を反芻していたところ だったのだが、ついなんでもないフリをしてしまう。 「え?…ああ、まぁな…そんなこともあったな」 サシャは追撃の手をゆるめなかった。 「ジャンは…あのキスは気に入りました?」 「気に入るっておまえ、んな勢いでやっちまったものをどう言えと…」 見上げた先にあったサシャの瞳がこちらを見つめており、ジャンはまたしても目が離 せなくなった。 記憶にあるのと同じ、かすかに甘いサシャの香りが感じられる。このまままたキス… もしかしたらその先…に進むのだろうか? 予想に反して、サシャが近づいてくる気配はなかった。それどころか、静かに目線を 外すと下を向いて気弱な声でつぶやいた。 「ごめんなさいね…強引なことをして」 気勢を削がれたジャンはサシャの表情をうかがった。戸惑う空気に気づいたのか、 サシャは顔を上げて笑顔を作った。 「やだな、そんなに困らないでください~。ちょっと思い出がほしかっただけ…ジャンの 気持ちも考えないでごめんなさいね…えっと、そろそろ行きますね…」 サシャは立ち上がった。目の前をサシャの白い手が横切った時、ジャンはとっさにそ れを掴んでしまった。自分の行動に慌てながらサシャを見上げると、驚きが混じった 笑顔がそこにあった。こういうのなんて言ったっけ…毒をくらわば皿まで…? 若干失礼なジャンの思考をよそに、サシャはつながれた手の温かさを全身で受け止 めていた。嬉しかった。…嬉しかったが、ジャンの目の鋭さが気になった。…そういえ ば、ジャンて経験がないみたいだったっけ…もしかして緊張しているの…?…かわい い…。今度はサシャが目を逸らせなくなる番だった。 ランタンに照らされたジャンのまっすぐな鼻筋、かくばった顎をまじまじとながめなが ら、高まる心臓の鼓動が下半身のずきずきする感覚を強めているようで恥ずかしかっ た。ジャンの顔先にはやばやと腰があるのが嫌で、手をつながれたままストンとベッド に逆戻りする。 サシャを引き戻した格好になったことで、ジャンは遂に覚悟を決めた。手をつないだま ま中腰になって顔を近づけ、サシャの唇に触れた。 唇は湿っていて、温かかった。覚えのあるサシャの甘い匂いがした。サシャが小さく口 を開け、舌で舌に触れてくる。ピコピコと挨拶をしているようで可笑しかった。ちょっと 顔を離してサシャを見ると、サシャも笑っていた。 多分何かのスイッチが入ったのだろう。自分でも驚くほど早く、次にすべきことが イメージできた。ベッドに座るサシャを優しく抱きながら、一緒に横向きに倒れていく。 狭い中だが、二人とも筋力があるので周囲にぶつかるようなヘマはしない。サシャを 仰向けにさせてシャツのボタンを外し、喉、胸元、下着越しに胸にキスをする。甘い匂 いにくらくらした。サシャが手を伸ばして頭を抱いてくるのが照れくさかった。 下着の下から両手を入れ、乳房をたぷたぷと揉んだ。肌がしっとりとしていて、手のひ らに吸いつくようだった。寒さが気になったが、下着をたくしあげて両方の乳房をあら わにしてみる。 陽に焼けた首から上と違って乳房は白く、青白い血管が透けて見えそ うだ。たっぷりした乳房の上にちょこんと乗った小さい乳輪とピンク色の乳首が可愛ら しい。ジャンは躊躇なく、つんととがった乳首を吸った。 「ひゃ…」 頭に置かれたサシャの手に力が入った。気をよくしたジャンは強く弱く、乳首を吸い続 けた。また、反対側の乳房も、寒くないように片手でしっかりと覆って揉み続けた。 じわじわとサシャの体が汗ばんでくる。同時に、スパッツに阻まれた股間が痛くなって きた。 「サシャ、いっかい脱ごう」 色気がないと分かってはいたが、この狭い場所でサシャを脱がして自分も脱ぐのが 得策とは思えず、ジャンは休戦を申し込んだ。 「…ふぁい」 身を起こしたサシャが乱れた髪の毛を顔から払うと、見たことのない潤んだ瞳が現れ た。ぼうっと上気した頬が陶酔を物語っている。 「…大丈夫か?」 優しくたずねたつもりだったが、かすかに達成感が滲んでしまう。 「もう、はずかしいですぅ、そんなに見ないでくださいぃ」 サシャははだけた胸を隠しながら顔も隠そうとするので、いっこうに脱衣が進まない。 さっさと下着一枚になったジャンは、脱いだ衣類をまとめながらちゃちゃを入れた。 「おいおいたのむぜ、きっちりご指導ご鞭撻してくださいよ」 「なんでそんなに余裕があるんですか、ずるい」 「なんでと言われましても…」 「ずるいずるい。やだ、もう…明かりを消してくださいぃ」 そう言うなり、サシャは吊り下げてあったランタンに手を伸ばしてつまみを一気に回し た。ランタンの芯が引っ込み、ジジジという音とともに炎が消える。明るさに慣れてい たせいで、何も見えない真っ暗闇が訪れた。 「なんだよ、消すなよ…」 思わず抗議するジャンに、サシャは答えない。 静かな衣ずれの音だけが、黙って服を脱いでいる気配を示していた。 ランタンの煙の匂いに、かすかに甘い酸のような匂いが混じった。 「ジャン、ずるいですよ」 ベッドの横にいたジャンに、サシャの温かい裸身が正面から抱きついた。豊かな胸が 自分の胸に押しあてられ、ふわふわした陰毛が腹にあたる。どうやらサシャは簡易 ベッドの上で膝立ちしているらしく、顔がジャンの顔とほぼ同じ高さにあった。ジャンは 手探りでサシャの背中や、引き締まった、けれど男よりははるかに柔らかい尻をまさ ぐった。 サシャの胸が離れ、今度は頬を両手で包まれた。サシャの手は…女性にしては硬い 方だろう。兵士の荒れた手だ。でもとても温かかった。サシャが遠慮がちにそっと口づ けてくるので、ジャンはサシャを引き寄せ、こちらから舌を差し入れた。 「ん…くちゅ…ジャン……ジャン」 中で応えてくれる舌に、自分の舌を絡める。 「サシャ…」 「…はぁ…ジャン美味しい…」 以前サシャに聞いた、キスで相手の好き嫌いを判断する云々の話を思い出し、ジャン は密かに安堵した。 サシャはジャンの頭、首、肩など場所を変えて触れてきた。やがて両手が腰まで届く と、下着を下げて尻に触れてくる。ジャンは片手でサシャの背中を支えつつ反対の手 を下ろし、下着の中で限界まで硬くなった先端を取り出すとサシャの茂みに差し込んだ。 中は温かく潤っていた。優しく前後に擦り動かしながら、先端の花芯、中央の窪み、 後ろの窪みの位置を確認し、それぞれの反応を確かめる。前方と中央に触れる度に 潤いが増した。 「あぁぁ…ジャン…気持ちいぃです……ひゃう!」 ジャンの先端がサシャの先端に触れると、サシャはびくりと体を震わせた。この頃に は目が暗闇に慣れていたので、白く反りかえる喉元が見えた。ジャンは一旦体を離す と、火照ったサシャの頬に手をあてながら軽くキスをした。 「オレも…限界だ…」 サシャを再びベッドに横たえて、上からのしかかった。体液が混ざりあって滑り、勃起 はやすやすとサシャの中に入っていく。 「あ、ああぁぁっ」 サシャはジャンの腰にかけていた両手をぱたりと落とし、求めていた力強さと快感に 身を任せた。背中が弓なりにしなる。 「ジャン、すごい…すごいですぅ…」 サシャの体温が更に上がり、体内の締め付けが徐々に強まる。ジャンは完全に サシャの中に入ると、すこしずつ前後に動き始めた。締め付けられる快感にぞくぞくし ながら、背中の下に手を入れてサシャを引き寄せ、更に深く突き上げる。 「サシャ……」 「ジャ…ンが…奥まで…来てる…ああっ!!」 サシャは突き上げられながらとぎれとぎれに声を発した。手をジャンの背中にかけよう とするのだが、律動と快感に翻弄されて力なく動かすばかり。目の縁には涙が光って いた。 「サシャ…」 ジャンは目尻にキスをして涙を吸ってから、腰を動かし続けながら、サシャの充血した 突起に指を当ててそっと撫でた。 「だめ、そこは、ひゃう!あぁ!!」 ジャンの指が突起に触れるや、サシャは身悶えをした。それが快感なのか不快なの か、やめてほしいのか続けてほしいのか自分でも分からないほどの刺激らしく、言葉 もなく苦しげに体を捩る。ジャンは動きを止めてサシャを抱きしめた。サシャを支配し ている快楽が内側で暴れているかのように、サシャはビクビクと体を震わせた。 「ん…んん…」 身悶えしながらもジャンをさがし、キスを求めてくるサシャの様子に、ジャンは律動を 止めることができなくなった。激しく動くたびに快感で勃起が怒張し、体液が結合部か ら溢れていく。 「サシャ…もう…」 「ジャン…きて」 サシャは快感のせいで朦朧としているようだった。ジャンは伸ばされたサシャの指を つかみ、一層激しく突き上げ、一番深いところで動きを止めて絶頂を迎えた。 ジャンが奥深くでびくびくと放出する瞬間、それまで激しく締め付けていたサシャは 弛緩し、優しくジャンを抱きかかえた。 「…ふーっっ」 ジャンは繋がったまま大きく息をついた後、目を逸らしながらサシャと唇を重ねた。 そして目をあわせないままサシャの胸元に顔を乗せたので、サシャは優しくジャンの 汗ばんだ髪を撫でた。 「サシャ……なんて言うか…」 「照れくさいですか?」 「ん……」 ジャンは再び身を起こすと、きつい目でサシャを見つめ、 「ありがとう」 と言い、最後に目をつむってサシャにキスをした。サシャは微笑みながらキスを受け、 「こちらこそ、ですよ」 とつぶやいた。 しばらく抱き合ったあと、やがてジャンが体を離して立ち上がり、背嚢から清拭用の布 を引っ張り出してサシャに差し出した。二人は無言で湿ってしまったそこここを拭き、 使った分を油紙の袋にまとめた。ジャンがランタンを点灯すると、今度はサシャが気恥 しさを感じて訴えた。 「見ないでくださいよ~」 散らばったサシャの服をかき集めて差し出しながら、ジャンが面倒くさそうに答える。 「…お前、右側の乳の下にほくろがあるのな」 「!!見ないで下さいって言ってるのに!」 サシャは服をひったくると、後ろを向いてしまった。 ジャンはテントの中を点検しながら、マッチのリンの匂いで幕内の匂いがごまかされた けれど、やっぱり入口を開けて空気を入れ替えよう、などと考える。悪酔いの具合の 悪さは、爽やかなけだるさに置き換わっていた。考えたくないのに考えてしまうこと や、逆に浸り続けていたい状況があったとしても、いつだって目の前のすべきことに集 中するしかないし、それが最善なのだ。次のすべきことは…。 どうやら身支度をし終えたサシャに、ジャンは声をかける。 「サシャ…よだれの跡ついてるぞ」 怒ったサシャが顔を洗いにテントを飛び出したのは言うまでもない。 テントの換気をしながら、無様ににやけるジャンの顔を、夜半に出た下弦の月だけが 見ていた。