約 1,042,475 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3291.html
マクロスなのは 第1話『フォールド事故、たどり着いたのは魔法の世界』←この前の話 『マクロスなのは』第2話「襲撃」 アルトは開けられない窓から下界を見渡す。 ここはあの高層ビル内部の待合室だ。ランカのライブ終了後すぐにフェイトによってここに連れて来られていた。 下界には今あまり人はいない。爆弾テロがあった現場を捜査する捜査員が十数人とカメラとリポートで報道をしているらしい報道スタッフが4,5人。そして下に置いてきたVF-25を守るガードマンが3,4人見えるだけだった。デモ隊も防衛隊もライブ終了と同時に解散していた。 「どうアルトくん?なにか見える?」 「いいや。10分前と代わり映えはしないな」 ソファに落ち着かない様子で座っているランカに、10分前と同じ言葉を返した。 ここに連れられ、退室する時フェイトは 「本局に確認してきますので、しばらく待っていてください」 と言っていた。しかしもうあれから30分が過ぎようとしていた。 また、久しぶりにランカに会えたと言えど、このような状況では和やかに談笑、というわけにもいかない。 アルトはそろそろ文句を言ってやるべきだろうかと思案していると、ようやく扉が開く音がした。 だがそこにいたのはフェイトではなく、同年代ぐらいの2人の少女だった。 2人には見覚えがある。たしか先ほどのテロ事件での救助作業で、それぞれが中心的な立場にあり、フェイトともよく行動していたと記憶している。 しかし彼女達は部屋に入って窓際でたたずんでいた自分を見るなり、「あれ?」という顔になった。そして視線をソファに座るランカに落とし、確認するように部屋を見渡して再びこちらに視線を戻すと、さらにその疑念の顔を強めた。 「ん?」 その不審な行動に顔を傾いで見せると、慌てて言い訳を始めた。 「あ、ごめんなさい。フェイト執務官からはランカさんと男性が1人って聞いてたのに、あなたしかいなかったから―――――」 「だ、誰が女だ!誰が!!」 反射的に怒鳴ってしまった。その声でようやくこちらが男であることが認識されたようだ。そして意図せず険悪になりかけている2人との間に絶妙なタイミングでランカが介入してきた。 「私もね、アルトくんに初めて会った時そう思ったんだ。『わぁ、なんて綺麗な人だろう・・・・・・』って」 「お、おいランカ・・・・・・!」 当時を思い出し思わず恥かしさがこみ上げて口を濁した。しかし当のランカは確信犯であったようで、振り返ると同時にいたずらっぽくペロッと舌を出して謝罪すると、再び2人に向き直って「一緒だね!」と屈託無く笑いかけた。 その笑みが伝染したのか2人の顔から緊張の色が抜け、微笑みがこぼれていた。そしてランカと一緒に「ごめんなさい」と謝られると、自然と毒気が抜かれて 「もう慣れてるよ・・・・・・」 と、ため息しか出なかった。 ここにランカの人心把握術の一端を見た気がした。一時、彼女のシンデレラ的な人気の急浮上を批判していた当時の批評家達が、彼女に会った途端に賛美に寝返るという現象が日常的に発生していた。 偽善のはびこる一種怪物のような芸能界で、彼女が歪みない素直でまっすぐな心を保っていけたのは、そんな本人には自覚のない非凡な才能のおかげなのだろうと、改めて納得した。 (*) 「改めましてこんにちは。私は時空管理局、地上部隊所属の八神はやて二等陸佐です」 「同じく、高町なのは一等空尉です」 「俺は惑星『フロンティア』の民間軍事プロバイダ『SMS』所属の早乙女アルト中尉だ」 ちょっとしたハプニングとランカのおかげでこんな状況における初対面の緊張感が抜けたようだ。口調は軍人のそれだが自然に挨拶が交わされた。 「・・・・・・それで、どうやってこの星に来たんですか?」 なのはの問いに、アルトは事の顛末を簡単に説明する。 自分の任務はランカを地球のマクロスシティまで送り届けることであった。しかし途中でフォールド機関が故障して、一番近くの不時着場所を探したらこの星だったということ。 「それじゃあの飛行機の燃料タンクを直して、燃料を入れなおせば自力で帰れますか?」 「いや。フォールドブースターを空間を抜けるときに無くしちまってな、さすがに何百光年も自力で帰ることはできそうにない。まぁここの銀河絶対標準座標を教えてもらえれば、地球に救難信号を送るつもりだ」 そのアルトのセリフによってはやてとなのはの間に、「やっぱり次元航行以前の文明みたいやね」とか「となるとフェイトちゃんの言う通り次元漂流者か・・・・・・」という憶測が飛び交う。 悪意はないんだろうが、なんかひそひそと話されてこちらの文明が劣っているとも聞こえる発言にアルトとランカはカチンときたが、彼らにとって今の問題はそこではなかった。 「次元航行?次元漂流者?いったい何の話だ?」 「えっと・・・・・・驚かないで聞いてな。この星は、太陽系、第3惑星『地球』なんよ」 アルトははやての言葉に、前振りに関わらず驚いてしまう。 「はぁ!?なにを言っている!衛星軌道上には防衛艦隊も防衛衛星もなかったし、呼びかけてもどこからも応答がなかったぞ!」 「多分2人とも、他の次元世界(パラレルワールド)から来たんだよ。」 はやてとなのははできる限りのことを話す。 この世界には次元世界(パラレルワールド)が存在していて、アルトとランカを乗せたVF-25は恐らくそのフォールド事故によって次元の壁を乗り越え、この世界に迷いこんでしまったこと。 自分達の所属する時空管理局の本局は、次元世界同士を繋ぐ次元宇宙の平和維持のために組織された軍・警察組織で、100年近く前からその職務を続けていること。 この世界には〝魔法〟文明が発達していること。 「ちょっと待て、魔法だと!?」 その単語のもつオカルト的な面に面食らったらしいアルトだったが、その魔法もデバイスなどのテクノロジーに支えられたものと知ったので、2人のカルチャーショックは軽かったようだ。なぜなら元より彼らはOTM(オーバー・テクノロジー・オブ・マクロス)という20世紀末の人が見たら十分魔法に見える技術を持っていたためであった。 (*) パラレルワールドの存在など早乙女アルトとしての18年の人生で積み上げてきた価値観の急な変わりように精神的に大きなダメージを負ったアルトだったが、なんとか踏みとどまる。 「・・・・・・とりあえず、ここは俺達の地球じゃないんだな?」 その確認になのはが頷く。 「じゃあ、お前達の地球はどうなんだ?」 「うーん・・・・・・私達の地球でもあんな足が生えるような飛行機はなかったなぁ・・・・・・」 この時空管理局本部ビルの置かれている第1管理世界ではなく、第97管理外世界出身というなのはが、外に駐機してあるVF-25を見ながら首をかしげる。隣に座るはやても覚えは無いようだ。 「バルキリーがないのか?それじゃあここや、そっちの地球の新・統合政府はどんな防衛政策を?」 「新・統合軍?聞き覚えないなぁ・・・・・・なのはちゃんは?」 はやてはなのはに振るが、彼女にも分からないらしく首を横に振った。 (おいおいマジで知らないのか!?) アルトの世界では新・統合政府や各移民船団の運営する新・統合軍なしではやっていけない。それは生きるためには物を食べなければならない。という真理にも近いものだった。 「1999年に落下したASS(エイリアンズ・スター・シップ)-01(後の初代マクロス)の技術を巡る戦争で、当時の世界各国が統合されてできた世界政府が地球統合政府だ。2009年に起こった第一次星間戦争で、ゼントラーディが加わって2010年に新・統合政府に改称したが・・・・・・」 こちらの説明に更に首を捻っていくはやて&なのは。 「えいえすえすわん?ぜんとらーでぃ?・・・・・・ん~私達の世界は今2009年だけど、私達の住んでた日本って国は64年間そんな大きな戦争はしてなかったよ」 なのはは答えるが、彼女の言ったある1つの単語がアルトの頭を真っ白にした。 「ニホン? ニホンってあの歌舞伎のある日本か!?それに2009年から64年前の戦争って太平洋戦争のことか!?」 「そっ、そうだけど・・・」 「なんや、日本を知っとるんかいな?」 たじろぐなのはの代わりにはやてが聞く。 「太平洋戦争は今なお語り継がれる伝説だ。」 2060年を生きる彼らからすれば太平洋戦争はすでに100年以上前の出来事。それらはもう歌舞伎の演目としての体を確立していた。例えば真珠湾奇襲を描いた『ニイタカヤマノボレ』や、硫黄島での玉砕を描いた『日本皇国に栄光を』などがある。しかし、残念ながらそれらは大幅に美化されていたりする。 自らの知る〝日本〟をアルトは熱を持って語りだす。それは、なのはの会った老夫婦やその筋の人が聞けば、「君のような若者があと百万人もいれば・・・」と涙するほどだろう。それほどに彼の知る日本は美化されていた。そしてそれゆえに、彼は地雷を踏んだ。 「2009年の日本はどうなってるんだ?やっぱりまだ経済成長が続いてるのか?」 (*) 少年の瞳は純粋だった。それゆえになのはもはやても口をつぐんだ。 アルトの世界では統合戦争によって前後の歴史が曖昧化している。そのため、日本については1990年代前のバブル経済から詳しいことはわかっていなかった。 そのため彼らの予想では、バブルの芽は中央銀行(日本銀行)の〝緩やかな〟公定歩合引き上げによって段階的な収束を迎え、マクロス落下の1999年まで持ち前の経済発展を続けたというのが定説だった。 無論第一次星間戦争を生き延びた日本人もおり、バブルが弾けて大不況に陥ったと主張したが誰もそれを信じなかった。 そんな〝バカなこと〟を器用な日本人がするわけがないと考えていたからだ。 しかし実際には中央銀行の急激な公定歩合引き上げにより市中銀行が企業への貸付をひかえ、次に資金を回収しようとした企業が一斉に土地や株式の売却に走り、地価及び株価は大幅に下落。こうして〝バカなこと〟は実際に起こり、バブルは崩壊した。 また、それに関連して経営の再構築などと称したリストラが進み、経済成長を支えた日本型終身雇用制度と年功序列制度も崩壊前夜だ。 その後第97管理外世界で〝失われた10年〟と言われるように、アルトの世界でも1999年にマクロスが降って来るまで変わらなかった。 これが真実だ。 それは2009年に到達した第97管理外世界の日本でも変わらない。 1度、期間面で「いざなぎ景気」を超えたなどという好景気が訪れたが、それは企業を潤すのみで、家計の収入を増やさない偽りのものであった。 また、アルトの知る日本人像はいわゆる〝古き良き時代の日本人像〟と酷似しており、最近増えてきた凶悪犯罪。助け合いの精神の低下。若者のモラルの低下等々。おそらく彼はこれらの事を知ったらさぞや失望するだろう。 しかし2人は彼の純粋な瞳を汚したくなかった。 そこではやては強引に話をねじ曲げる事にした。 「そんな事より! アルト君が日本を知っとる、ちゅうことはタイムスリップに近いけど、少しちゃうみたいやね」 「・・・そ、そうだね。多分うちに近い次元世界から来たんだ」 はやての機転になのはも乗る。おかげでアルトも論点を変えた。 「それじゃ結局、俺達の世界は見つかってないのか?」 そのアルトの質問に答えようとしたその時、部屋のドアが開いた。 そこには本局に連絡をしていたフェイトと、彼女の兄であるクロノ・ハラオウンがいた。彼の艦隊は確か一番近くの次元航行船受け入れ港で補給をしていて、報告のためにこの時空管理局本部ビルに来ていた。どうやら次元宇宙に浮かぶすべての世界にある程度精通している彼を連れて探す手間を省こうというのだろう。 もとより地上部隊である自分たちがランカ達に会いに来たのもフェイトが 「時間かかかりそうだからあの2人に事情を説明してきて」 という要請からだった。 (*) 「失礼、じゃましたかな?」 フェイトと共に登場した男がそう聞く。 「・・・あんたは?」 「私はクロノ・ハラオウンという者だ。この管理局では次元航行部隊の護衛艦隊(次元航行艦隊)、第3艦隊提督をしている」 そう言って彼は右手を差し出す。それを握り返すと、先ほどの質問を繰り返した。 「ああ、現在この宇宙座標に惑星『地球』の名を持つ世界はここを含めて確か83見つかっているが、どれも君達の世界とは違うようだ。・・・・・・こちらは助けてもらったのに、役に立てずすまない」 とクロノは頭を小さく下げた。 「マジかよ・・・」 そう呟きながら先ほどから楽しそうに話している4人娘を見る。 どうやら魔法に関する話で盛り上がっているようだ。 (あいつらもう打ち解けてるよ・・・・・・) それを見ると少し落ち着いた。まったく女性という人種のバイタリティーの高さには頭が上がらない。 「我々も全力で君達の世界を探す。だからどうか絶望せず、待っていてほしい。」 クロノが真摯な態度で言った。 「・・・・・・わかった。でもそれまで俺たちは―――――」 どうすればいい?と言おうとしたところ、話に夢中かと思っていたうちの1人、はやての口から突拍子のない提案が出た。 「もしよかったら、ウチらが新しく作る部隊に入ってけーへんか?」 「は、はやてあれは・・・・・・!」 と、その提案に口を濁すクロノ。 「実はランカちゃんからは超高濃度のAMFが展開されとったみたいなんよ」 聞き慣れない略語に、ランカは首を傾げ 「えーえむえふ?」 と繰り返す。 「そうや。『アンチ・マギリンク・フィールド』。略してAMFってのはな、空気中の魔力素の結合を阻害して魔法を弱体化する現象を作るフィールド魔法のことや。本当はクラスAAAのリンカーコア出力を持った熟練魔導士か、巨大なジェネレーターとか専用アンプがいるんやけど、これを見てみ」 そう言ってはやてはホロインターフェースを展開、操作する。すると部屋に比較的大型のホロディスプレイが出現し、何かの動画を再生する。よく見ると先ほどのライブの映像だった。 クロノは初めて見るらしく、 「なるほど・・・・・・これは威力絶大だ。特に〝キラッ☆〟というのが・・・・・・」 などと呟いている。 「なんやクロノくん、目移りか?」 「ば、バカ!そんなわけあるか!妻に謝れ!」 「はいはい♪」 クロノの赤面した反撃をサラリとはやてはかわすと、説明を続けた。 「それでこれを魔力素の結合を見えるようにするスペクトル・フィルターに掛けると―――――」 画面に何かが被せられる。すると全体的に薄暗くなったが、ランカを中心に背景がクリアな領域ができ、バルキリーのスピーカーがそれを増幅する様がみてとれた。 「この暗くなってるところが魔力素が自然に結合してるところで・・・・・・まぁつまり普通だと薄暗くなるはずなんや。・・・・・・こんな感じにな」 この部屋の監視カメラを呼び出したのか新たに浮かび上がったホロディスプレイに、この部屋の隅から映した映像が流れる。それは確かに薄暗い。試しになのはが魔力球を生成してみると、その桜色の球は画面では真っ黒になった。 「最初はあの飛行機のせいかと思ったんやけど、ランカちゃん自身も独自の発生源になっとるみたいやったし―――――」 ランカが独自に発生でき、バルキリーのあのスピーカーから出る普通と違うものは1つしかない。だからその原因はすぐにわかった。 「・・・・・・間違いなくフォールド波だな」 「え?」 集まった一同の視線に晒されながら淡々と理由を説明する。 「ランカはこっちの世界でもバジュラという異星生命体とフォールド波によってコンタクトできるんだ。VF-25・・・・・・バルキリーのスピーカーも宇宙空間で使えるようにフォールド波を振動媒介にして超光速で音を伝えるようにできてる」 (口で説明しても分かりづらいか) 皆の反応を見てそう思い、携帯端末のデータベースからフォールド波に関するデータを呼び出し、お互いの世界の共通部分である1999年代の第97管理外世界の規格に変換すると彼女のコンピューターに送った。 そうしてデータを元にコンピューター上でシュミレーションして原理を探るが、思ったような効果を発揮せず、またそれだけでは説明がつかないことに気づいた。 考えてみればランカは常に微弱なフォールド波を発しているが、救助活動中や今は妨害されていなかった。 つまり、フォールド波は関係ないか、他に要素があるのか。 そのヒントを発見したのはランカ自身だった。 「そういえば、私が歌い終わってから10秒ぐらいで暗くなっちゃうんだね」 芸の精進のためかデータ解析しながら試行錯誤していた自分達とは離れて、ライブ映像を見ていたランカがつぶやく。 「そうか!歌だ!」 「ああ!」 「「歌エネルギー!」」 ランカと声が唱和する。もちろん、クロノやはやてなど管理局勢は顔にハテナ(?)を浮かべていた。 歌エネルギー理論と呼ばれる理論は2045年にマクロス7の軍医であるDr.千葉の手によって提唱された。 これは人間が歌ったり、楽器を演奏したりすることで精神活動が活発化すると『サブ・ユニバース』と呼ばれる高次元エネルギー空間から我々の三次元宇宙に高次元エネルギーが流入、それが精神的・物理的作用を引き起こすというものだ。 その作用の具体例を出すと、人間の精神エネルギーであるスピリチアを回復させたり、物質の最小単位である量子を振動させて伝わるサウンドウェーブなどがある。 その理論は有名であったが、普通強力な歌エネルギーの発現者にそう出会うものではない。そのためほとんど省みられないが、ランカという少女は正真正銘の歌手であり、発現者だった。 そこで最も分かりやい科学的現象として量子の振動(サウンドウェーブ)を要素として加えてみることにした。 「ちょっと待って!歌にほんとにそんな力があるの?」 なのはが信じられないといった顔で聞いてくる。相当なカルチャーショックを受けたようだ。無理もない、ただの空気の振動、ただの言葉と変わらない。と考えていた歌にそのような力があるというのだから。 「・・・・・・じゃあランカ、ちょっと歌ってみてくれないか?」 ランカ自身も真相は気になるようで、こちらの要請に快く承諾するとデビュー曲「アイモ」をコーラスする。 『アイモ アイモ ネーデル ルーシェ―――――』 するとどうだろう。検証のためなのはの手のひらに生成されていた魔力球は彼女の驚きと共に瞬時に掻き消え、監視カメラの映像も一点の曇りないクリアな映像となった。 こうして歌が関係することは立証され、シュミレーションによる検証を続行する。 「ランカ、お前は何チバソングあるんだ?」 「え~と、確か平常値が6万、最高値が10万だってカナリアさんが・・・・・・あ!これ秘密だった・・・・・・」 ランカは口を塞ぐがもう遅い。反応兵器と同等、またはそれ以上の価値を持つ歌手という〝兵器〟の科学的スペックは秘密などという生易しいものではない。それは最高峰の軍事機密(TOP SECRET)の域にある。 そんな情報をコロッと出してしまうランカのうっかりさには呆れるほどだが、そんなところが彼女らしく、それがまた魅力であった。 「・・・・・・まぁ、必要なんだ。許せ。さて、仮に平常値の6万チバソングだとすると量子の振動数はサウンドウェーブに平行に―――――」 歌エネルギー理論の公式に当てはめて導き出した値を入力するはやてに伝える。 そうして開始されたシュミレーションは見事その能力を白日の下に晒した。 魔力素という素粒子の変換エネルギー体である魔力は、まず次元干渉を起すフォールド波によってエネルギー構成を乱され、バグ(穴)のようなものを作る。それだけなら問題はないのだが、そこに量子を振動させるサウンドウェーブが加わると一転、共振を起してバグから構造全体を崩壊させる。結果、制御不能に陥り、霧消するように魔力が消え、魔力素に戻ってしまうようだった。 「それで・・・・・・この原理を何に使うつもりだ?」 ランカの歌の予想を上回る威力に、周囲から彼女を庇うようにして立つ。 最低1万チバソングでなければこの現象は発動できないようだが、ランカ単体でもその効果範囲は半径500メートルに及ぶと計算結果に出ている。 彼女達の話によれば、この世界では軍事から民生に至るまで魔法に頼っているところが多いという。しかしランカの歌があれば戦術レベルでそれらすべてを無力化することなど造作もない。フォールドスピーカーを搭載したVF-25を併用すれば余裕で戦略兵器たり得た。 「さっきの話の続きやけど、今管理局システムは本局に重きをおいてミッドを守る戦力が乏しくなっとるんや。地球全体は各自治領にそれぞれ自衛組織があるし、次元宇宙レベルの凶悪な事件は起こらんけど、管理局の本部のあるミッドじゃそうはいかん。管理局の敵対組織からの攻撃に備えなきゃいけないんや。でも近年の地上部隊は、予算の減少による練度の低下に喘いでいて、しかも動かすコストが治安隊に比べて高いことが悪循環に繋がっとる」 (フロンティアでの新・統合軍のようだな) と、軍に籍を置いていた時期があり、同じような経験もしたためそれには深く同情した。 また、これと同時にはやての声に徐々に熱がこもっていくのを敏感に感じ取っていた。 「まぁ今日ランカちゃんのおかげでその問題も劇的に改善されそうなんやけど、全快するには少なくとも1年はかかるはずや。そこで所属は本局でも、ミッドを守るための部隊。それがウチの考える新しい部隊の構想や。艦船がないから本局でも通常の10分の1の予算しか出してけーへんけど、まだ陸士部隊みたいな地上部隊よりは多い。それで高ランクの魔導士を隊長にすえて、残った予算で未来の管理局を引っ張っていく人材を育てるんや」 「・・・・・・そこでランカの歌を何に使うんだ?」 「そう、重要なのはそこや。新しい部隊には当然ミッドの治安維持も任務に入っとる。そんでミッドで起こる大概の事件は魔法を使ったものや。だから、正面から行ったら大被害を被るような場面で、ランカちゃんが歌ってくれれば相手も改心してくれるかもしれんし、突入も容易になるやろ? それで安全無事に犯人確保。めでたくスピード解決って魂胆なんやけど・・・・・・どうやろか?」 「・・・・・・つまり、戦争や人殺しには使わないんだな?」 彼女が悪人には見えないし、悪意も感じなかったが、グレイスに騙されたフロンティアの二の舞は御免(ごめん)なため、これは外せない確認事項だった。 「もちろん!管理局は元々平和のために質量兵器を禁止したんや。今頃戦争なんてウチらがさせん!」 はやてはなのはとフェイトを脇に抱える。そしてクロノすら巻き込んで大見得をきった。 いつの間にかランカもそれに参加している。どうやら彼女はもう決めたようだ。 当事者のランカが乗り気ではもうどうにもならない。 「・・・・・・わ、わかったよ。はぁ、手伝ってやるさ・・・・・・手伝えばいいんだろう・・・・・・」 しぶしぶ答えると、4人娘の間に万歳の声が高らかに唱えられた。 シレンヤ氏 第2話 その2へ
https://w.atwiki.jp/tanosiiorika/pages/1717.html
星龍凰コズミック・ドラゲリオン ≡V≡ 光/水/闇/火/自然 コスト10 進化クリーチャー:ワールド・ドラゴン/フェニックス 26000 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■進化-自分の、名前に「ドラゲリオン」とある進化クリーチャー1体の上に置く。 ■メテオバーン-このクリーチャーが攻撃するとき、このクリーチャーの下にあるカードをすべて墓地に置いてもよい。そうした場合、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべて破壊し、相手のマナゾーンにあるカードを3枚選び残りを墓地に置き、相手の手札を1枚見ないで選びそれ以外をすべて捨てさせる。 ■相手がクリーチャーの能力または呪文の効果でバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶとき、このクリーチャーを選ぶことは出来ない。 ■ワールド・ブレイカー 作者:ペケ 超ド派手なメテオバーン能力ですが、進化条件がなかなかにハード アンタッチャブルはクロスギアや城には効きません 収録 神犯編第三弾 翔星環紋(コズミック・アンド・パイレーツ) 評価 名前 コメント -
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3735.html
マクロスなのは 第28話『撃墜』←この前の話 『マクロスなのは』第29話『アイくん』 ランカが悲しみの歌声を発したのと同時刻 クラナガン上空200キロメートル(衛星軌道上) 「アイくん」は困惑していた。 さっきまであんなに嬉しそうに歌っていた〝愛しい人〟が、今度は心から悲しみに満ちた歌を歌っている。腸内(バジュラ)ネットワークを通して感じる痛みに、アイくんは改めてヒトの心の痛みという物を認識した。 しかしアイくんも約1年前、フロンティア船団で起きたいわゆる『第2形態バジュラ暴徒化事件』のように、悲しみに任せて下界に広がるヒトの町を破壊しないだけの分別はあった。 でも何もしないのは嫌だった。そこで〝愛しい人〟がなぜ悲しんでいるかを思考する。喜びの歌と悲しみの歌との間にあった出来事は、極小の粒を粒子加速して目標を破壊せんとする稚拙な暴力機械である〝筒〟から出た〝線〟が、彼女の友人が乗る〝ひこうき〟に命中したことだ。直後ひこうきからは、大量のフォールド波の奔流が異空間に流れ出たが、それは関係ないだろう。 人間はよく殺し合いをするが、こと味方や友人といった人種がやられることに関して敏感だ。〝自分がいた集団(惑星フロンティア防衛隊)〟でも同僚がやられると、弔い合戦だなんだと勝手に集まってきて不必要なまでの大きな戦力でその敵をねじ伏せる。 バジュラは全体としてその感情について完璧に理解したわけではない。彼らにとっての友軍(バジュラ)がやられたことを人間に当てはめると、腕や足を失くしたという認識に近い。確かにそれなりには怒りや痛みを感じるが、結局代わりの効くものだ。 しかし、アイくんにはわからなくもないものであった。 これもまた〝自分がいた集団〟にいた時の話だ。翻訳機の開発以来、編隊長として見た目にほんの少し差別化を図っていた自分に、いつも声を掛けてきてくれる〝よく一緒に飛んでいた男(バルキリーパイロット)〟がいた。平時の彼の通信からは曰く〝ろっく・みゅーじっく〟なるものが流れており、哨戒任務中いつも 「いい曲だろ」 などど自慢されていた。 しかし彼は〝大きな好戦的人間の集団(はぐれゼントラーディ艦隊)〟との戦闘中に撃墜。亡くなってしまった。それ以来哨戒任務中などにその曲や彼の声が聞こえなくなったことは、自分にとって大きな驚きと喪失感を与えるに至っていた。 だからわかる。人間にとって仲間を失うことは、丸ごとひとつ、世界を失うことに等しいとても悲しいことなのだと。 長くなってしまったが、その友人の乗るひこうきが破壊され、同時に友人を失った事に彼女の悲しみの根源があり、筒を持ったヒトが悪らしい。結論の出たアイくんの行動は決まっていた。 『そのヒトを捕獲または殺傷する』 アイくんは戦闘用の〝特殊な電波〟をピンポイントでその地域に放射すると、赤いフォールド光の光跡を残しながら現場に急降下した。 (*) 早乙女アルト撃墜、死亡の知らせはほとんど伝播されなかった。なぜなら撃墜からすぐ、核兵器クラスの強力な電磁波ショック(EMP)とジャミングが放たれ、一帯ですべての民間の電子機器がオーバーロードし、通信がダウンしたためだ。─────これをアイくんがやったとは誰も認識できなかっただろう─────通信設備から機器まで全て民間のミッドチルダ電信電話株式会社(MTT)に依存していた管理局はひとたまりもなかった。 軍用機である六課の輸送ヘリ(JF-704式)、バルキリー、AWACSはこのような事態に対応するために、基盤レベルで対電子攻撃の対抗と強力な電子攻撃防御手段(ECCM)を行っているため、EMPでオーバーロードしたMTT製の通信機器(ほとんど全て)以外はノイズ程度でなんとかなった。ちなみに、デバイスは元々電子機器でないためまったく関係ない。 通信できないことで周囲が混乱する中、ヘリを狙撃した砲戦魔導士に対する管理局側のファーストストライクは、怒りからMMリアクター(小型魔力炉)の消耗を無視して行われたさくらの大威力砲撃だった。 「破邪剣正(はじゃけんせい)、桜火砲神(おうかほうしん)!」 詠唱破棄した集束砲は非殺傷設定で放たれ、敵へと殺到する。だがそれはミッド、ベルカ両魔法でも、オーバーテクノロジー系列でもない別系統のシールドによって弾かれてしまった。 効果がなかったと見るや、間髪入れずに破壊設定にした第2射の充填に入る。なのはのそれよりも淡い桜色を湛えたドラグノフ・ライフルの銃口。MMリアクターによって強化され、Sランク相当となったこの集束砲は撃てさえすれば、管理局の戦艦を串刺しにできるほどの出力を有していた。だがそれは〝撃てさえすれば〟である。 MMリアクターの異常加熱により、緊急閉鎖を知らせる警告音と表示がさくらの視界を瞬時に覆う。そして引き金を引く間もなく銃口に集束していた魔力球は閉鎖システムに流用され、その輝きを失ってしまった。 「こんなときに!」 敵はこちらのオーバーヒートを察したらしく、構えを解いて逃げていく。こちらが完全に追撃能力を失くしたと判断したのか、屈辱的なことに後姿丸出しで、である。逃走速度は超音速。通常のバルキリーではMMリアクターの閉鎖と修復に時間を取られて、とても追えないことを知っているようだ。だが――――― 「させない!!」 さくらは目前を覆っていたホロディスプレイの群れを腕の一閃で吹き飛ばすと、スラストレバーを目いっぱい押し出して追撃に入った。 元々Aランクのリンカーコアを保有する彼女は、機載のMMリアクターに頼らずとも、ある程度の戦闘が可能なのだ。 「止まりなさい!こちらは時空管理局です!あなた方を、市街地での危険魔法使用と、殺人〝未遂〟の罪で現行犯逮捕します!」 あれが未遂かはわからないが、どうしてもアルトが死んだとは認めたくなかった。しかし今、撃墜現場は残った天城に任せるしかない。 『また今度にしておきま~す!』 そう言いながら逃げる2人組。 焦りと怒りに燃えるさくらの瞳が、謎の赤い飛翔体を認識したのはその時だった。 「あれは・・・・・・?」 敵の召喚士の寄越した増援とも考えられたが、どうも違うようだ。そのバルキリーほどの大きさをもつ飛翔体は2本の腕から連射される青い曳光弾・・・・・・いや、ビームを逃げる2人組に放つ。ビームは少なくとも非殺傷設定ではないらしく、着弾したアスファルトを耕していく。 「ちょ、ちょっと─────!」 考えようによってはあの2人組よりヤバそうな攻撃に声も出ない。ただ1つ救いなのはここは郊外であり、道路には人影がなかった事だった。それに〝それ〟は〝決して〟建物には当てようとしなかった。 そうして目標を決めかねていると、2人組の逃走者は突然姿を消した。 「うそ!?」 通常レーダー、魔力レーダー、ジャミングのせいでノイズは酷いが共に反応なし。フォールド式の方は、ジャミングの影響かなぜか画面の全面がホワイトアウトしている。どちらにせよ行き先がわからない事実には変わりがない。 「そんな・・・・・・!」 思わず苦虫を噛んだように顔になった彼女だったが、赤い飛翔体には違ったようだ。 それは背中に担ぐ甲羅から生えた巨大な針がスパークしたかと思うと、ビームを射出した。ある世界では〝重量子ビーム〟と呼ばれるこの粒子ビームは、空中で弾ける。果たしてそこには例のシールドを展開した2人組がいた。外部マイクが1人の声を拾う。 『私の迷彩が破られるなんて・・・・・・』 実はこの時、アイくんは彼女の固有武装である〝シルバーケープ〟の光学迷彩を破ったわけではない。彼女が併用して発動させた魔力の隠密装置がいけなかったのだ。 この装置は〝フォールド波〟を応用して魔力の探知を不能にする。しかし代わりに大量のフォールド波を放ってしまうのだ。人間の使用するフォールド式レーダーでは相手側の放射量が大き過ぎてオーバーロード。一時的にホワイトアウトするはずだったので問題はなかった。しかしフォールド波を血とし、肉とするバジュラには関係ない。それどころか多すぎる放射は、よりアイくんの照準を確実なものにした。 また、ビーム出力を下げたのはアイくんの判断だ。でなければシールドなど関係なく貫通し、下界の町をも吹き飛ばしていただろう。しかし生身の人間がシールドを張るなど思っておらず、最低出力で撃ったことが仇となった。かといって出力を上げれば周囲への被害は避けられそうにない。 こうして両者が手詰まりになった所に、管理局側のセカンドストライクが入った。ヘリの急を聞いてこちらに向かっていた、なのはとフェイトが間に合ったのだ。 『トライデント、スマッシャァー!』 『ディバイン、バスタァー!』 同一直線上を対になって発砲された桜色と金色の魔力砲撃は誤たず、2人組のいた空間に着弾した。 「やったぁ!」 さくらが声を上げるが、なのはは否定する。 『違う、避けられた!』 続けてフェイトが補足する。 『直前で救援が入った。』 さくらは即座に上空で待機するAWACS『ホークアイ』に、頭部対空レーザー砲を照準。長距離レーザー通信で後を追うよう要請した。自ら探しに行かないのは、更なる懸案事項が隣に鎮座するからであった。 『・・・・・・それで、さくらちゃん。〝これ〟は何・・・・・・かな?』 なのはが油断なくデバイスを飛翔体に突きつけて、その隣を飛ぶ自分に問うた。 (*) 時系列は少し戻って三浦半島上空 そこでは勢いづいたガジェット・ゴースト連合に対してフロンティア基地航空隊の必死の迎撃が続いていた。 EMPで軌道上のAWACS及び、各機を繋ぐ統合戦術情報分配システム(JTIDS)のデータリンクを失い、乱戦になってしまっている。こうなると編隊規模ですら組織立った戦闘行動は行いにくい。参加者の誰もが相手よりよい位置に着こうと無秩序なベクトルで飛び回る空戦なら尚更である。 その乱戦の中をカナード翼も映える1機のVF-11S(指揮官機仕様)が飛翔していく。そこへ上方から飛来したゴーストがガンポッドから20mm弾を放ってくる。 「そんなとこにいやしねぇんだよ!」 ガウォークの足を展開したVF-11Sは急速に進行ベクトルを変えて回避する。未来位置を追いきれなかった敵機の火線が過ぎ去り、ゴースト自身もそのまま擦過していく。それを見届けたVF-11Sのパイロット、スコーピオン小隊隊長アーノルド・ライアン二等空尉は機体の〝足首〟を横に振って機体をハーフループさせる。続いてバトロイドに可変。狙い澄ましたガンポッドの狙撃は吸い込まれるようにゴーストの主機関に飛び込み、それを爆散させた。 バルキリー(人型可変戦闘機)という奇想天外な兵器が誕生したのは、SDF-01(初代マクロス)の本来の持ち主が巨人族である。と知れたことに端を発する。 当時、惑星間航行がやっとだった人類は慌てふためき、あらゆる局面に対応可能な装備の開発に着手した。こうして誕生したのが人型陸戦兵器(デストロイド)とバルキリーだ。デストロイドは大火力・重装甲に代表される『モンスター』やフロンティア船団で主に使われる『シャイアンⅡ』など歩兵や戦車をスケールアップしたようなオーソドックスな設計思想に基づいている。しかしバルキリーは、宇宙・大気圏内両用の軍用戦闘機から機動歩兵に変形することで多目的な任務に対応しようという野心的な兵器だった。 例えば敵陣地を制圧するにあたって、従来の方法だと、まず制空権確保のために航空機部隊が先行。対空火器や敵戦闘機を撃滅し、それから輸送機で陸戦部隊を派遣する。しかし広大な宇宙空間、さらには移動する要塞である敵母艦を制圧するにはこんな時間的余裕はない。 そこで考えた有識者達は 『ならば制空権を確保してヒマになった航空機部隊をそのまま陸戦部隊にすればよいではないか』 という結論に到達したのだ。 まったくもって無理難題に聞こえるこの結論だが、マクロスのもたらしたオーバーテクノロジーはそれをいともたやすく可能にし、開発から5年ほどで実戦に耐えうる人型可変戦闘機、『VF-0 フェニックス』や『SV-51』などを生み出した。だがこうして誕生したバルキリーは技術者や軍部が最初に想定していた以上の働きを見せた。 ライアンは即座にファイターに可変。現域を急速に退避する。すると数機のガジェットがノコノコやってきた。 (やっぱりな) バトロイドなどで減速するとガジェットは即座に集まってくる。おかげでバルキリーとは相性が良い。 彼はしたなめずりすると、鋭くUターン。慌てたガジェットが撃ってくるが、速度のついた回避運動する物体にそう簡単には当たらない。VF-11Sは密集するガジェットの中に突入する寸前にバトロイドに可変。その拳にPPBを纏わせ逃げ遅れたガジェット達を撃破していった。 数ヶ月前の演習ではシグナムとタイマンを張ったライアンにとって、これらの敵はまったく脅威足りえなかった。 そこへ、友軍からデバイスを介した短距離通信が入る。 『メイデイ!メイデイ!こちらイエロー3、ゴースト2機に付かれた!っくそ!誰か追い払ってくれ!』 ライアンの視界の端を1機のVF-1Aとゴースト数機がすり抜けていく。どうやらあれらしい。 「待ってろよイエロー3!」 ライアンは再びファイターに可変。友軍目掛けて邁進するゴーストに追いすがる。 (ったく、もっとガウォークを使えと教えただろうに!) ファイターでエンジン全開、がむしゃらに振り切ろうとする友軍にライアンは舌打ちする。 そう、バルキリーが手に入れた付与機能、それは変形である。空戦において形態を変えることによって得られる恩恵は計り知れない。大気圏内で変形することで急激なエアブレーキをかけることも可能であり、腕や足を大きく振って、その反作用で推進剤をなるべく使わずに旋回できる。また、魔導士のように武装をその腕に保持することで随時広い射角を得、足先の推進器を振り回すことで推進モーメントを変え、あらゆる方向への加速を可能にする。 その最たるものがファイターから腕と足だけを展開したガウォークという形態だ。 開発の過程おいて偶然発見されたこの形態は、一見不恰好にも見えるがその用途は十二分に広い。推進モーメントを下に集中する事によってホバリングしたり、前方に大きく足を振り出して急停止するなどのポピュラーな使い方だけではない。ある程度の速度を保ったままその腕に握る武装で全方位を射軸に収め、足を振ることで、空中においてファイターでもバトロイドでも得られないヘリのような高機動を実現することができる。 VF-0、VF-1と乗り継いだ撃墜王ロイ・フォッカーやマクシミリアン・ジーナスなど黎明期のエース達によってこの形態の運用方法は昇華され、バルキリーの代名詞とも呼ばれるに至っていた。 しかしライアンもアルトから同じような叱責を受けていたことを思い出し、『まぁ、最初はみんなこんなもんか』と経験不足な2期生に視線を送り、ゴーストを流し見た。そして瞬時に未来位置を予想すると、ガウォークでフィギュアスケートのように空を〝滑り〟、まるで魔法のように友軍とゴーストの間に割って入った。 「喰らえ!」 ガンポッドを斉射。2機の内1機の主翼に、赤い曳航を引く30mm弾が吸い込まれるように着弾して、制御不能に陥ってキリモミ落下していった。もう1機のゴーストがライアンを横切る。 「逃がさん!」 ライアンは両翼のMHMM(マイクロ・ハイ・マニューバ・ミサイル)を照準、連続発射する。都合6発ものMHMMが音速の5倍という圧倒的な速度で飛翔し、目標に接敵した。 包む爆煙。 「・・・・・・他愛ない」 彼は撃墜を確信して再び索敵に戻ろうとする。だが次の瞬間には地獄の蓋を開けたような凄まじい音と衝撃が機体を揺らし、次には爆音が轟いた。 「なん、なんだ!?」 機位が乱れてキリモミ落下を始めようとする機体を抑え込み、出力に任せて退避する。 多目的ディスプレイに表示される転換装甲のキャパシティは大幅に削られていた。 「いったい誰が!?」 後ろを振り返った彼の目に映ったのは、先ほど撃墜したと思ったゴーストだった。しかしよく見ると、ゴーストの追加装備であるガンポッドどころか外装されていたミサイルランチャーもなくなっている。どうやらこちらのミサイル回避のために装備を全てパージ。囮としたらしい。 「なんて思い切りのいいヤツなんだ!」 ライアンは思わず感嘆の声を上げた。その間もゴースト内蔵の20mm機関砲(以前は魔力素粒子ビーム機銃だったが、対ESA弾を装備するために換装された)とマイクロミサイルの嵐が彼を襲う。 彼は機体を操作してなんとか振り切るが、そいつは用意周到だった。回避した先にすでにミサイルが撃ち込まれていたのだ。対応する間もなく着弾。機体を再び激震が襲った。 (*) (なんだ。俺もやればできるじゃないか) こちらの攻撃を叩き込まれて満身創痍になった敵エース級バルキリーを眺めてユダ・システムである彼は満足した。 (小細工を使おうとするからいけなかったんだ。俺はユダ・システム、直接戦闘なら人間なんかに劣らん!) 彼は自信を取り戻し、それを見下ろした。 (*) 機体の被弾アラートがコックピットに鳴り響き、何かが焼けたような刺激臭も鼻をつく。目前の多目的ディスプレイなど〝本機は撃墜されました。脱出を推奨します〟と告げる始末だ。 しかしエンジンはなんとか稼働しているし、ライアンもその闘争心を失っていなかった。 彼は機体のシステムを再起動して正確な被害状況を把握し始める。 ガンポッド以外の武装は使用不能。レーダーはブラックアウト。『アクティブ・ステルスシステム』、『アクティブ・空力制御システム』、『イナーシャ・ベクトルキャンセラー』などは軒並み沈黙していた。 しかし奇跡的にエンジンも変形機構も生きていた。 ライアンは顔を上げると、先ほどのゴーストを探す。それはまるでこちらを見下ろすような格好で無防備な機体の腹を見せていた。 (勝ち誇ってやがる・・・・・・) 本能的に彼はそのゴーストが無人機であるという先入観を捨て去った。無人機はそんな無駄な機動は行わないし、結果的にそれは正しかった。 ライアンは煙幕発生機(スモークディスチャージャー)から黒煙を吹き出させ、スラストレバーを絞って機体をふらふらと降下させた。すると彼の狙い通り故障で動きが遅くなったと見たゴーストは、ミサイルでなく機銃でトドメをさすために悠々と接近してきた。 「(かかった!)全ミサイルセーフティ解除!」 EXギアになったデバイスに命令を発して、ミサイルの信管を活性化させる。そしてゴーストの放った火線を、バトロイドに可変して紙一重で回避。そのままバトロイドの腕でパイロンに装備されていたミサイルランチャーを無理やり外して、ゴーストに投擲した。 「今だ!」 ライアンの指示と同時に遠隔操作によってランチャーに残っていたMHMMの全弾12発、都合大容量カートリッジ弾計96発が強制撃発。強力な魔力爆発が気流をかき乱し、敵ゴーストの機位を失わせた。 「当ったれぇ!」 ガンポッドが必殺の30mm弾をばらまく。照準器がイカれたため狙いはテキトーだ。 だがさっきのライアンのように勝利を確信した〝人〟は、敵の突然の反撃には脆いものだ。ゴーストはまるで人間のように驚いた挙動を見せると、逃げていった。 駆け付けた友軍機がそれを追撃していく。ライアンも追撃しようとスラストレバーを上げるが出力が上がらない。どうやら機体は本当に限界らしかった。彼は機体を降下させると、なけなしのエンジン噴射で三浦半島に着陸した。 「ふぅ・・・・・・」 思わず安堵のため息をつくが、機体の可変機構はバトロイドで固定されて、とても空戦には耐えられそうになかった。 (さてどうするか・・・・・・) そう考えながら後ろを見ると、大規模な黒煙が幾重も空に延びていた。それら黒煙の出どころは・・・・・・民家にしか見えなかった。 (畜生!これだから防衛戦は!) 吐き捨てる間にも彼の近くにゴーストが墜落。紅蓮の炎が無傷だった民家を包んだ。 「なんてこった!」 ある理由のため住民達は、家屋の内部から逃げていない可能性が高い。 そのままバトロイドで接近すると、外部マイクが声を拾った。 『お願い!─────を助けて!』 「何だって?」 ライアンはその民家の2階から、煙を避けるように叫ぶその少年をマニュピレーターで助け、コックピットに入れる。 「何だって?」 繰り返された質問に少年は必死に答えようとするが、泣き声になって聞き取れない。ライアンは彼を安心させるように抱くと、「大丈夫、大丈夫だから」と言い聞かせた。 そうしてようやく得られた情報は、あの民家の二階にいるこの子の母親が、倒れてきた家具に挟まれ脱出できないという事だった。 「わかった。大人しくしてろよ」 ライアンは少年を後部座席に座らせ、バックドラフトが起こらぬよう細心の注意を払いながら民家の壁を破壊する。しかし内部はすでに黒煙にまみれて、バルキリーからではそれより先が見えなかった。 「仕方ないか・・・・・・」 彼はキャノピーを開いてEXギアで内部に飛翔する。バリアジャケットとして機能するこのEXギアは気密が保たれており、この黒煙の中でも酸素マスクなしで入れた。 そして少年の情報を頼りに彼女を探すと、すぐにみつかった。しかしすでに大量の煙を吸い込んで意識不明だった。 「今助けるからな!」 EXギアのサーボモーターは彼の力を数倍にまで増幅し、その家具─────タンスを軽々持ち上げた。 (*) 「ありがとうお兄ちゃん!」 「ああ。次からはお前がお母さんを守ってやれよ」 「うん!」 元気よく頷く少年。その後ろでは担架に寝かされ人工呼吸器を付けられた母親が『ありがとうございます』と小さく頭を下げていた。そしてすぐさま後部ハッチが閉められた救急車は病院へと走っていった。 しかしライアンの活動は終わってなかった。後ろからかけられる声。それを発したのは災害出動していた陸士部隊局員だった。 「あのバルキリーはお前さんのか?」 陸士の指先が道路の真ん中で片膝を着いて沈黙するVF-11Sに向けられる。 「そうだ。すまない、邪魔だったか?」 「いや、重機が入れない場所があって手伝ってもらいたいんだ。大丈夫か?」 「了解した。誘導してくれ」 そう告げるとEXギアを介さない浮遊魔法で離床。続いてEXギアのエンジンで飛翔すると、頭部からコックピットに飛び込む。EXギア固定と同時にエンジンが始動し、ディスプレイとライトに光が灯っていく。 「基地に戻ったらオーバーホールの続きをしてやるから、もう少し頑張れよ」 彼の呼び掛けに応えるように、多目的ディスプレイに〝READY〟の文字が躍った。 (*) アルト撃墜後20分をピークに敵が撤退していく。 ヴァイスからAWACSからのレーザー通信によって戦闘が終わったとの知らせに、歌うのをやめ、ヘリのイスに座り込む。とても撃墜現場を返り見る勇気は出なかった。 コックピットから悲鳴が聞こえたのはその時だった。 「・・・・・・どうしました?」 しかしヴァイスには見たものをどう表現していいかわからないらしく 「すまない、来てくれ」 と返してきた。 (なんだろう・・・・・・) そうお思いつつも、重りでも付けられたのではないか?と思う程重い腰を上げ、キャビンからコックピットに向かった。そこで見たものは、なのはとフェイトによって幾重ものバインドで固められた成虫バジュラの姿だった。 「アイ、くん・・・・・・?」 何故だかわからないが、一瞬でわかった。そうわかるとデバイスを再起動し、マイクでなのは達に呼び掛ける。 「バジュラを、アイくんを放してあげて!」 フォールド波を介した声は即座になのは達の元に届く。なのはは拘束をフェイトに任せると、こちらへ飛翔してきた。 「ヴァイスさん、後ろのハッチを開けてください」 「お、おう」 ヴァイスの操作によって後部ハッチがモーターの軋み音とともに開いていき、吹き込んでくる冷たい強風に交じってなのはが乗りこんでくる。 「アイくんってリスみたいのじゃなかったの?それにバジュラって危ないんじゃ─────」 走り込んできたこちらになのははそう言い訳する。言い分を聞く限り、どうやら情報の伝達に齟齬があったようだ。 「アイくんは・・・・・・ううん、バジュラはね、そういう悪い生き物じゃないの!」 気が付くと必死にバジュラを、そしてアイくんを弁護していた。惑星フロンティア奪取作戦で、そして1年とアイくんと過ごした半年余りで知りえた〝バジュラ〟という生き物を。具体的にはアイくんはバジュラであり、手乗り小動物だったのは1年以上前の話であること。でもバジュラは決して好戦的な悪い生物ではなく、以前人間を襲ったのは誤解であり、自己防衛であったことなどなどだ。 (これ以上なにも失くしたくない!) その思いでいっぱいだった。 時空管理局には極端に保守的なところがある。一度危険と思うと、もうその判断はめったなことでは覆さない。例えば元夜天の書の主、八神はやても実は今でも完全には信用されてなかったりしている。 この世界に来て日も浅く、少しおこがましいと思うが、彼女がいない会議の席で何度か庇ってあちらの無理な命令を撥ねさせたり、こちらの要求を通させたりしていた。はやてもそれを知ってか知らずか、よくしてくれているので、お互い持ちつ持たれつなのだと思ってる。 管理局に青春を捧げる少女ですらそんな扱いなのに、アイくんは管理局にとっては質量兵器にしか映らないだろうし、その行動を理解してくれない可能性が大いにある。なにしろあのOT、OTM(オーバー・テクノロジー、オーバー・テクノロジー・オブ・マクロス)を結集したようなギャラクシー船団を壊滅させた生き物なのだ。その噂は何人か来ているという第25未確認世界の住人から筒抜けだろうし、最悪殺処分、もしくは厳重に封印されてしまう。アイくんにそれに抵抗するななどとはとても言えない。となるとそれまでに管理局側に壊滅的打撃を与えるであろうことは自明なことだった。 アイくんだけでなく六課のみんななど、失いたくないものは無数にこの世界にもできてしまっていた。 真剣に安全を主張するこちらに根負けしたのか、なのはが頷く。 「・・・・・・わかった。でも念のためバインドは外せないよ」 「それは仕方ないかもしれませんね・・・・・・」 そしてなのはとフェイトの監修の元、ヴァイスに頼んでヘリを寄せてもらう。 「アイくん、私だよ!わかる!?」 渾身の声で呼びかけるが、腰に付けた命綱でお腹を押さえられて声はまともに出ないし、ヘリのローター音で自分の耳にすら届かない。しかしフォールド波を通して感じたのか、アイくんは唯一動く首をこちらへと動かして応えた。 直後、腸内(バジュラ)ネットワークを通じてアイくんの感情が流入してくる。それは「会えて嬉しい」という類いのものだった。 (よかった・・・・・・いつものアイくんだ) そんなかつての小動物に愛くるしさが込み上げ、その頭を撫でようと手を置いた。 驚くべき事態はその瞬間訪れた。 光る手首。 そこにつけられたブレスレット型のデバイス『アイモ』が勝手に稼働を始めたのだ。 「・・・・・・え?」 血を抜かれるような肌寒さを伴って魔力が強制的に引き抜かれ、自分の魔力光であるエメラルド色の光がアイくんを包み込んでいく。 「ちょ、ちょっと待って!どういうこと!?」 デバイスに問うが、デバイス側は念話によって『I can t answer.(解答不能)』の音声を繰り返すだけだった。 (*) エメラルド色の眩い光がアイくんを包み、その姿が完全に隠れてしまう。 一同固唾を飲んで見守る中、その光が突然四散した。しかしそこにいるはずのアイくんの姿はなく、金色と桜色のバインドが空中に空しく漂っているだけだった。 (消滅?) 誰もが息を呑んだが、本当は違った。 「・・・・・・ん、あれは─────」 フェイトが何か見つけたのか、超高速移動魔法を起動し急降下。そして「キューッ」と鳴く〝何か〟を、地面に落ちる寸前に抱き止めた。 「・・・・・・あら、あなたがアイくん?」 腕の中で丸くなった緑色した生物は、間違いなく、かつての手乗り小動物の姿だった。 ―――――――――― 次回予告 燃え上がる市街地 出てしまった死傷者 救助活動に参加したスバルは何を思うのか? そして八神はやては、なぜ戦線に参加しなかったのか? 次回マクロスなのは第30話『アースラ』 「本艦をバルキリー隊の移動航空母艦として運用する!」 ―――――――――― シレンヤ氏
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/52062.html
登録日:2022/09/08 Thu 22 45 00 更新日:2023/11/03 Fri 14 53 15 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 おもしろ集団 お笑い集団 アイドルキャラ アリスギア アリス・ギア・アイギス エンパイア中野 ギャグ枠 コメディリリーフ ムロツヨシ 芸能事務所 エンパイア中野とは、ゲーム『アリス・ギア・アイギス』に登場する架空の芸能事務所。 本項ではその関連人物も合わせて掲載する。 ◆概要 その名の通り中野区に存在する中小企業。 成子坂と同様に公式グッズとして名刺が作られており、それによると住所は「東京シャード中野区新井一丁目L番L号 中野ワニスビル2F」。 中野区新井一丁目は中野駅から北へ向かい中野ブロードウェイを通り過ぎた先にある実在の地名であり、現実にはアパートの立ち並ぶ住宅街である。 中野駅周辺に複数のサブカルショップを展開するエンタメ企業であり、アクトレス事務所としては新参。 むしろ収入のほとんどがショップ経営によるもので、中野駅周辺などに「スレッジハンマード(スレハン)」なるサブカル店を展開し人気を博している。 元ネタは間違いなく発音がほぼ同じな書店という名の何か「ヴィレッジヴァンガード」であろう。 アクトレス事務所としては小規模ながら社長が独特のツテを持っており、少しずつ規模が高まっている。 成子坂とは業務提携を交わす関係であり、ストーリー開始前から序盤にかけて四谷ゆみが出向していた。 ゆみ含め所属アクトレスは強烈な個性を持つアクの強い者ばかりである。 一応タレント事務所なのだがプレイヤー間ではお笑い芸人集団と見られている。 また正規メンバーは何故か全員ショットギアがデュアルという共通点がある。 また、属性は電撃属性が多い。というか一人だけ焼夷属性のやよいが明らかに浮いている。 加えて、電撃属性メンバーは全員ギアスキルの片方が「前方範囲指定爆破」である。 ▽ストーリーのネタバレ 磐田さんの回想によれば先代社長室江利蔵の頃はアクトレス業界と芸能界を牛耳る名前の通り「帝国」と評される程の大勢力を持っていた模様。 しかし前社長が病に倒れたことをきっかけに幹部の離反が発生。 後を継いだ息子央典の努力もむなしく内部分裂の末に中野は崩壊。会社更生によって再出発して今に至る。 ◆所属メンバー 藤野(ふじの)やよい 大迷惑ハリケーンラッパーCV 田中あいみ エンパイア中野所属アクトレスの一人。 「大迷惑ハリケーンラッパー」という身も蓋も無いキャッチコピーが全てを物語る騒々しい人。 ほぼ全ての台詞がラップになっており、専用モーションも非常にうるさい。 またストーリー初登場時点では成子坂の話を全く聞かずに敵対心を向けて来るという強烈なデビューを飾った。 しかしこう見えて根底は真面目な文学少女。アナザー版ではこの側面がピックアップされている。 コミマにも小説島でサークル参戦しており、トライステラがドタバタを繰り広げる裏で彼女らに気付かれないまま陰で奮闘していたりする。 実家は「藤野家具」という家具屋で、母親とは折り合いが良くないらしい。 ユニットとしては焼夷属性の近接型。 誘導弾を撹乱するジャミングとSPゲージ回収率に優れるアームスキルを持ち、比較的HPも高い。 専用Tはグラップルアーム系スキルを持つが、固有モーションでウィンドミルを繰り出す。 シタラや椎奈のアームとは異なり、衝撃波はほとんど発生しないため、アーム連打ではあれら程の殲滅力は出ないが代わりにSPゲージ稼ぎに秀でている。 如何にしてSPを高回転で叩き込めるかが重要で、良くも悪くも波にノれるかが勝負となる。 モチーフはニワトリと思われる。 下落合桃歌(しもおちあい とうか) 江古田のアイドルCV 谷口夢奈 エンパイア中野所属アクトレスの一人。 所謂ローカルアイドルで自称「江古田のアイドル」。実際江古田に於ける人気と知名度は割と高い様子。 ぶりっ子にして腹黒なアイドルという性質は一言で表せば7歳若返った佐藤心である。 また自分以外のアイドル(バーベナなど)が人気を博していると、流石に妨害したりはしないものの嫉妬心をまるで隠しもしない。 一方でアイドルとしての情熱・プロ意識自体は本物である。 ツノハズカメラのホビー館とのタイアップ企画に際しても、「にわか丸出しは嫌」という思いからわざわざすぐみに弟子入りし、 自力でプラモデルを組み上げられるようにまでなっている。 3周年記念生放送にて、全アクトレスでも唯一となる詳細なプロフィールと3サイズが公開されている。 それによると、身長155cm、体重桃180個分(≒約45kg)、83-59-87とのこと(身長が4cm低い以外島村卯月と完全に同値)。 上記はあくまでアイドルとしての公称値と併記されているため、信憑性には疑問が残るが参考までに。 ユニットとしては電撃属性の近接型。 自機前方一定距離を爆破しスリップダメージを付与するボトムススキルが高火力。 微量だが回復スキルも備え、動作は遅いが無敵時間の長いSP、対応能力の高い両手剣、デュアルによる手数とオールラウンダーに纏まっている。 苗字の「下落合」は東京の地名で新宿の西辺りの地域を指す。 しかし彼女のアイドルとしての本拠地である江古田は下落合から更に西に2㎞ほど離れた地域であり、関連は薄い。 ギアのモチーフは蛾と思われていた(*1)が、後に「天使とトイプードル」であると公式に明かされた。 ギアモチーフは基本的に非公開であり、他のアクトレスのものも設定画集などで明かされたもの以外は全てプレイヤーの推測であるが、 彼女に限っては「蛾呼ばわりは可哀そう」として特別に軟式Pから明かされた。 ネタキャラ扱いの傾向が強い中野組の中でも特に公式からのイジリネタが多く、2019年にはエイプリルフール企画でアリスギア公式Twitterが彼女に乗っ取られたり、 1日限定のファンクラブサイトやら桃歌をモチーフとしたTシャツが作られたりしている。 ……と思ったら同年の夏コミにて本当に商品化され、同時にアリスギア初のキャラソンシンガーとしてCDデビューした。 なおCVの谷口氏は公式生放送のゲスト声優陣としては常連(上記桃歌ちゃんシャツを着ている事が多い)だが、 出演時は断固として桃歌「役」声優ではなく「桃歌ちゃんのお友達」と名乗っている。 当初は「声優」という紹介文を無視する形で名乗っていたが、後に谷口氏限定の特別措置として正式に肩書が「桃歌ちゃんのお友達」となった。 生放送内でのミニドラマでも生アフレコではなく借りて来た音源の再生という形を取っており、 収録時の裏話を公開する際も、あくまで「桃歌ちゃんの収録に付いて行った時に見聞きした話」としている。 ▽どうでもいいネタバレ 隊長は彼女の隠れファン。 そのため桃歌に対しては妙に甘く、密かに成子坂への移籍を目論んでいるなど結構な筋金入り。 但し彼女が主に事務員的な意味で中野に必要な人材である事は認識しており、それを押してまで引き抜くつもりは無いなどギリギリのラインで弁えてはいるらしい。 「まだ先になりそう」とか抜かしているあたり諦めてはいないようだが。 ちなみに彼女の父親は銀行の支店長。そんなお嬢様故か、実は幼い頃から藤野家具と家族ぐるみでの交流がある。ただやよいが幼馴染というわけではないようだ。 シャーリー・オークレイ テキサスじゃじゃ馬ガールCV 三宅晴佳 2019年3月のイベントで突如登場、その後正式にエンパイア中野に加わった「モーニングバレーのテキサス・シャード」(「テキサスシャードのモーニングバレー」ではない。ここ重要。)出身の娘。 とにかくテンションが高く、ジニーとは別方面の典型的なアメリカ人(属性)キャラ。 西部劇の大ファンであり、自称「中野の保安官」。その関係で銃、殊更リボルバー銃も大好きで、常にモデルガンを持ち歩いている。 同じく西部劇とリボルバー銃大好き繋がりでか、リボルバー・オセロットを意識したネタが非常に多い。 「ワタシのリロードはレボリューションよっ!」 ちなみに父ダニエル・オークレイJr.は元プロレスラーで得意技がラリアットだったり掛け声が「ウィー!」だったりとどう見てもスタン・ハンセン。 シャーリー自身も父直伝のラリアットが得意技で格闘大会に出場したりもしている。 2019年7月のイベントにて判明した事として、現在は東京シャードに於いて「サバゲ―タレント」として人気を博している模様。 他の外国人キャラと比べて日本語が不得手で、口調は日本語に不自然に英単語が混ざる、いわゆるルー語である。 ユニットとしては電撃属性の近接型。 常設としては初の拳銃クロスギアを得意とするアクトレスである。格闘攻撃は「ラリアット」→「拳銃連射」のコンボとなる。 投げ縄を模したの前方爆破とマルチロックミサイルを持ち、近距離帯での攻撃力は電撃の中でも高め。 モチーフは牡牛とカウボーイと思われる。ショットギアの形状もモロSAA。 またラリアットが得意なのも、伸ばした腕で喉を狙うプロレス技とカウボーイが使う投げ縄が両方「ラリアット」である事(*2)のシャレと思われる。 ▽どうでもいいネタバレ 勘のいい方はお気付きかもしれないが、国籍は東京シャード。 両親は米国人なので人種的にはアメリカ人だが、生まれも育ちも東京シャードのモーニングバレー(阿佐ヶ谷)にあるステーキ屋「テキサス・シャード」である。 確定的な情報は無かったが、2020年1月のイベント内で作成されたAEGiS出版の「アクトレス名鑑」に思いっきり書かれていた。 まあ本人も隠しているつもりはないのだろうが……と思いきや、2023年にはアニメ版の連動企画で実は普段のカタコトはわざわざ練習した演技であり、実際には両親も揃って日本語ペラペラな事が桃歌ちゃんによってウッカリ暴露された。 普段の振る舞いはキャラ作りに対する彼女(と両親)なりのプロ意識の高さ故、という事なのだろう……多分。 伊戸倉音緒(いとくら ねお) フォーリンミュージシャンガールCV 都月彩楓 2020年9月末に実装。 ゲームへの実装及び登場はあまりにも唐突だったが、実は初年度から外部書籍や室江の発言で存在は仄めかされていた。 桃歌らよりも前に中野にいたミュージシャン兼アクトレスで、諸事情で中野を離れていたが紆余曲折を経て中野に帰還した。 一見するとぶっきらぼうでクールな印象を与えるが、根は真面目で音楽への情熱は本物。 何故か成子坂事務所で待機中はぎこちない態度になり、言動もしどろもどろになるが……? 実家は両親が三味線奏者という音楽一家で、その影響で本人も三味線を弾く事ができる。 普段はカルチャースクールの三味線講師としても活動しており、演奏歴だけで言えばギターよりも長いとか。 またこれらの音楽系の活動以外に動画の配信も行っており、普段は演奏やゲームのプレイ動画などを上げている模様。 小柄で童顔な上につるぺったんだが、来歴からも分かる通り年齢は中野の正規所属アクトレスでは最年長の21歳。 他の3人はシャーリーも含めて全員19歳なので、中野では現状唯一の成人アクトレスでもある。 ユニットとしては桃歌、シャーリーと同じく電撃属性。やよいェ…… アナザージニー以来となるデュアルとライフルの複数適性持ちで、接近戦はランス。 ショットは中距離を維持しながらの射撃戦が得意で、チャージショットはカウンターとデュアルでは珍しいスタイル。そもそもデュアルという名のギターとスピーカーである クロスは下スワイプで一定時間強化モードに移行、範囲攻撃で火力を発揮する。 本人のスピードが速くなく、立ち射撃が強力なことから動き回るよりも足を止めて戦うのが得意で、被弾上等のロックなファイトスタイル。 3周年記念生放送に於ける自己紹介によると、名前の由来は三味線の部位名に因んで「音緒」(三味線の弦と胴を結ぶ紐)との事。 これを踏まえると、苗字の由来も同じく三味線の部位名「糸蔵(いと「ぐ」ら)」(ギターで言うヘッドに当たる、弦が巻かれている部分)と思われる。 また、ギアのモチーフは恐らく楽器とネズミ。デュアルは見たまま、ランスもどう見てもマイクスタンドである。 Twitterに掲載された2021年の年賀状でもネズミルックで登場し、ウシルックのシャーリーとツーショットを飾っている。新手のイジメかってんですよ ▽ネタバレ かつての中野在籍時の時点でそこそこ売れており、本編の3年前にミュージシャン専業を志して音楽系の事務所へと移籍。 しかし憧れと実像のギャップから周囲に食ってかかった結果、ライブ中に背中から飛び蹴りを受けるという凄絶な報復を喰らい右腕を骨折、 その上メディアからは自身が悪者扱いを受け、療養と精神的なケアのために休業していた。 当時は今よりも更にストイックで狂犬然とした人物だったとの事で、「憧れ」に対する失望、諦観から丸くなった今でもやよいからは怖がられている。 骨折した右肘には現在でも痛々しい痕(*3)が残っており、ノーマル☆4の専用スーツで右腕のみ分厚いサポーターが装備されているのも恐らくはそのため。 着せ替え画面でウキウキしながら露出度の高い服を着せた隊長が傷に気付いて居た堪れない気持ちになるのはある意味様式美 また、普段と事務所でキャラが異なるのは隊長に一目惚れしたから。 そのため、隊長がいる所では緊張して上手く話せなくなってしまうのである。 現状、隊長に対する想いが明確に恋愛感情である事が示唆されている数少ないアクトレスの一人。 ちなみに彼女、トライステラ☆もプレイしているグラスト(グランマティカストーリー)というネトゲもしているのだが、公式薄い本に記載されていたシタラらのギルドに属する「ミキヒジ=ギプス」なるメンバーの中の人である事が示唆されている。 室江央典(むろえ なかのり) エンパイア中野の社長。ム〇ツヨシ。 存在はサービス開始時から語られていたが、実際に登場したのは19春のシャーリー実装から。 個性豊かな部下達の後始末に追われる苦労人だが、本人自身もいい加減な性格で時には自らトラブルを呼び込むはた迷惑なオッサン。 ゴルフイベントで本格登場した際は非常に騒がしくしており、アクトレスらに鼻の下を伸ばすなどゴルファーとしてのマナーは最悪であった。 父が倒れた事をきっかけに崩壊していくエンパイア中野を右も左もわからない中でどうにか存続させた苦労人であるが、 普段のいい加減なダメオヤジっぷりから自身のボスという事になる桃歌やゆみ、挙句に隊長にすらぞんざいに扱われるなど、見た目も相まってコメディリリーフとしての趣が強い。 ◆その他の関係者 四谷(よつや)ゆみCV 松井恵理子 終 身 名 誉 中 野 芸 人 ……もとい成子坂製作所からの出向。 ストーリー当初は桃歌とやよいしかいなかったので、ゆみが中野にヘルプで入っていた。 現在は所属アクトレスが増えたので成子坂に戻っているが、今でもちょくちょく中野に顔を出しているようである。 追記修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] おかしいな、ゆみさんの記述がないぞ? -- 名無しさん (2022-09-09 11 57 48) ↑ひょっとしてそれはギャグで言っているのか -- 名無しさん (2022-09-09 12 24 43) 先代社長のムロパパは佐藤二郎だったりする -- 名無しさん (2022-09-09 21 23 17) もうゆみさんに成子坂枠の印象はほぼないんよ CSでも当然のように中野にいるし -- 名無しさん (2023-01-31 09 26 04) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/xxoverdosexx/pages/29.html
※消費SPは各対応技の消費SPがそのまま消費される。 ヒートストライクの場合、アイルがイグニッションの15でレイファがファイヤーエレメントの20。 クロスアーツ 効果 対応技 ヒートストライク 敵単体に火属性の物理/特殊ダメージ イグニッション(アイル)×ファイヤーエレメント(レイファ) ダブルマシンガン 敵単体に無属性の物理ダメージ マシンガンスマッシュ(アイル)×マシンガンブロウ(ゼス) ブレイクショット 敵単体に無属性の物理/特殊ダメージ ツヴァイブレイク(アイル)×リザムショット(マリオン) ジェノストライク 敵全体に無属性の物理ダメージ ブーメランソード(アイル)×ライトニングストーム(ダンテ・セシル) テラキャノン 敵単体に土属性の特殊ダメージ アースエレメント(レイファ)×リザムキャノン(マリオン)
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/5053.html
ブラッド・ギア R 闇文明 (5) クロスギア ■クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは +4000され、「スレイヤー」を得る。 ■これがクロスされている間、自分のカードを新しいシールドとしてシールドゾーンに加えた時、相手は自身のシールドをひとつ選び、持ち主の手札に加える。(その「S・トリガー」を使ってもよい) 作者:赤烏 フレーバーテキスト DMWZ-01 「ベーシック・オリカセット」「我らが力を得るほど、貴様らは衰弱する。分かりやすい理よな」 ――死運びの騎士イグヴェーダ 収録 DMWZ-01 「ベーシック・オリカセット」90/210 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/4815.html
プロジェクトギア テンショウ C 火文明 (4) クロスギア ■クロスギア ■これをクロスしているクリーチャーが攻撃する時、自分の山札を見る。その中から、名前に《プロジェクトギア》とあるクロスギアを1枚、または名前に《プロジェクトマスター》とあるクリーチャーを1体選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。 作者:赤烏 ここで初めてプロジェクトギアをキーワードに指定。 プロジェクトマスターはこの弾で出た《プロジェクトマスター・アマツガミ》がはじめて。 収録 DMW-20 「アルケミア編III ワールドセンス」47/55 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3312.html
マクロスなのは 第5話『よみがえる翼』←この前の話 『マクロスなのは』第6話「蒼天の魔弾」 地球環境の破壊が叫ばれる今日この頃。 その森は広大で、自然保護区にでも指定されているのだろうか? この時代にあって人工物がほとんど見られない。 だが唯一、明らかに人工物とわかる幅5メートルぐらいのコンクリート製の溝が山から山へと渡っていた。 その溝の上に1羽の小鳥が羽根を休めている。しかし何か危険を感じ取ったようだ。それは溝から飛び立つと空中に退避した。直後、小さく〝キーン・・・・・・〟という空気を切り裂く音と共に静かに鉄の箱が通り過ぎていく。 鳥は 「近所迷惑だ!」 とでも言いたげにそれに爆撃すると、豊かな緑に包まれた安住の地へと飛翔していった。 (*) 山間部を時速70キロメートルで走る貨物用リニアレールは戦場と化していた。 ヘリから飛び降りたティアナ達は、上空に展開するガジェットⅡ型を警戒しながら10両目に着地。なのは達の支援砲撃でガジェット達が気を取られている隙に10両目の車両の中に滑り込んだ。 「うわ・・・・・・」 ティアナは床を見て顔をしかめた。 そこには寝かされた陸士達の姿があった。全員出血性の外傷があるところを見ると殺傷設定で戦闘不能にされたらしい。 続いて突入してきたスバル達も血臭ただようこの車内で、真っ赤になってなお血の滴る包帯を顔面蒼白になりながらも必死に抑える者など痛々しい光景に絶句してしまったようだった。 その時まるで工事現場のような轟音を轟かせながら敵を迎撃していた前線から声が聞こえた。 「あぁ、増援か!」 最前線の9両目から1人の陸士が仲間に援護を頼み、敵の怯んだ隙にこちらへ走って来た。 「我々は第256陸士部隊、第5小隊所属、第1分隊だ。増援に感謝する」 どこか・・・・・・いや完璧に非魔法文明の意匠のバリアジャケット。質量兵器を忌み嫌うティアナはあまりいい気はしなかったが、ヘルメットの下に見えた彼の顔からは見捨てられていなかったことへの歓喜の表情がうかがえた。 どうやら猫の手も借りたい状況らしい。待ちに待った増援が子供であったことすら気にしていない様子だ。 「機動六課、スターズ、ライトニング分隊です。現状は?」 簡潔な状況確認要求にすぐ彼は応じ、開いたホロディスプレイを指差しながら説明する。 現在、運転室を含む前方8両は敵に完全制圧されていること。 撤退しながら構築した9両目の臨時トーチカ(防衛陣地)が最前線であること。 9両目で切り離すと電力供給が止まり、電磁気で浮いている車体がレール(溝)に墜落、大破してしまうのでできないこと。 敵はⅠ型だけではなく、新型(仮にボールと呼ばれている)が混じっており、逆侵攻はできないこと。 説明を聞くうちに、ティアナ達は素直に陸士部隊の手際に感心した。 もし、訓練でガジェットとの戦闘に中途半端に慣れた自分たちが守っていたとしたら彼ら陸士部隊のように臨機応変に行動出来ただろうか? 答えは否だ。 おそらく力を過信して突撃、その新型の返り討ちにあっただろう。 特に彼らの造った臨時トーチカの完成度は手放しで賞賛できるものであった。 彼らはリニアレールで唯一大型貨物が集中している9両目に初期の頃から陣地構築を計画。形勢不利とみるとすぐさまトーチカの構築を始め、撤退中に完成させた。 それは狭い入り口から入ってくるガジェット達に対応不能なほどの十字砲火(クロスファイア)を行えるように巧みに計算し、構築されていた。 しかしそれだけでは持ちこたえられなかったろう。〝従来の〟陸士部隊の装備なら。 予算の問題が解決した陸士部隊は、急ピッチで装備の改変が行われている。 デバイスはほぼ全員がアップデートしており、それらは対AMF戦を想定した設計になっている。現在彼らの撃ち出すのは魔力砲撃や魔力弾だけではなく、〝フルメタルジャケットの徹甲弾〟だ。 「それは最早質量兵器ではないか!?」 という反対を押しきって採用されたそれは、バルキリーと同じレールガン型発射方式だ。(この方式は最低のCランク魔導士でも使用でき、うってつけだった) 反動を伴ってしまう物質投射型武器のノウハウのなかった管理局が参考にしたのは、第97管理外世界のJSSDF(ジャパン・サーファス・セルフ・ディフェンス・フォース。日本国陸上自衛隊。)の装備だった。そのため使用時形態のそれはJSSDFの制式装備である『89式小銃』と『MINIMI(ミニミ)軽機関銃』に酷似していて、事実そう呼ばれる。 機能もほぼ同じで、配備数は89式小銃の方が多い。なぜなら分隊支援火器と呼ばれるMINIMIはいわゆるマシンガンで、稼動を始めたばかりの弾丸製造工場への負担が大きいからだ。 ちなみにティアナ達は知らなかったが、バリアジャケットも同様にJSSDFの装備を元にしている。 ともかく、彼ら陸士の善戦は彼ら自身のたゆまぬ努力と新装備によって支えられていた。 「佐藤陸曹、弾を持ってこい!もうすぐ弾切れだ!」 前線からの要請。佐藤と呼ばれたさっきの陸士は、床に転がる弾丸ケースを抱えると敵のレーザーの雨を掻い潜って前線に届けようと走る。 しかし、一瞬停まった所をレーザーが狙い撃ちした。 展開した魔力障壁もAMF下では敵の集中射には耐えられず貫通。胴体はバリアジャケットの分厚い防弾チョッキがそれを受け止めたが、リンカーコア出力が低いと薄さに比例してバリアジャケットも弱くなってしまうため、足に着弾したレーザーが貫通してしまった。 しかし、4人の対応は早かった。 足の速いスバルが倒れる彼を抱き止め、負傷者の待つ後方へ。エリオが彼の仕事を継ぎ、ケースを前線に届ける。キャロは応急の治療魔法にティアナとフリードリヒはその間の援護射撃。 絶妙な連携で敵を退け、友軍である陸士を救う。この勇気ある組織立った行動が陸士達の若すぎる彼らに対して抱いていた評価を変えた。 「痛っつぅ・・・・・・!」 「・・・・・・あの、大丈夫ですか?」 足を抑える佐藤に、治療魔法をかけるキャロが心配そうに呼び掛ける。 「・・・・・・ああ、助かった。ありがとう」 彼は礼を言うと、八角形をした箱を指差す。 「あれが連中の狙っているロストロギアの入った箱だ。なんとか守ってほしい」 そうして佐藤はスバルに止血帯を絞めて止血してもらうと、足を気遣いながらも再び戦線に復帰した。 ティアナは3人に床に積まれた弾丸ケースのピストン輸送と負傷者の治療などの指示を出すと通信を放つ。 「こちらスターズ4。陸士部隊と合流。これより車内のガジェットの掃討に入ります!」 ティアナはクロスミラージュにカートリッジを装弾すると陸士逹の戦列に加わった。 (*) 10分後 防戦が続くが、全く突入のタイミングが計れなかった。そのもっとも大きな理由はボールの存在だ。 そのボールは後に『ガジェットⅢ型』と呼ばれ、強力なAMFと帯のような格闘兵装がある。そのためレーザーを撃つだけのⅠ型と違って数段に戦いにくい相手だった。 おそらくスバルの突貫力でも1体倒したら進撃が止まってしまうだろう。 (でもなんとかリニアレールを停めなきゃ、みんなが・・・・・・) リニアレールを停められれば、地上からの増援も期待でき、負傷者の搬送もできる。 先ほどティアナはなのはに支援砲撃の要請をして、 「わかった」 と返事が得られた。しかし例の新型空戦ガジェットに苦戦しているらしい。5分待ってもなのは達は来なかった。 すでに後ろには防衛していた第1分隊12人のうち7人が寝かされている。時折聞こえるうめき声が彼らの負傷の大きさを物語った。 それに敵のAMFはランカのSAMFと違い魔法の発動ができる。しかしいちいち干渉して体力を削るため、忌々しい限りだった。 「畜生!〝虫〟の次は機械かぁ!どうして俺はいつももこうなるんだぁ!俺らは〝フロンティア〟でも、ミッドでも、ただ平和に暮らしたいだけなのに!」 ティアナの隣の陸士が叫ぶ。彼女には彼の真意は理解できなかったが、極度の緊張で発狂しそうなのだろうと結論づけた。 そしてそれがさらに「時間がない!」と彼女を焦らせた。すでに陸士達の生命線である弾丸ケースも残り少ない。 そうして上を見上げると取っ手があった。それは整備用のハッチで、大柄な陸士と違って小柄な六課の4人なら上にあがれそうだ。 ちなみに入った時のハッチは場所が悪く、降りられても登れなかった。 ティアナは即座に判断すると、陸士部隊の隊長を探す。 「隊長は俺だ」 名乗りをあげたのは、さっき〝虫〟とか〝フロンティア〟とか訳のわからないことを口走っていた人だった。 しかし確かに階級章は部隊で最高位の准陸尉だ。それに思ったよりまともな応対をしていた。 ティアナは意を決し、作戦を話した。 「・・・・・・つまり君らが、上に登って直接運転室を制圧するんだな?」 「はい。それまでここをお願いできますか?」 彼は床の弾丸ケースや自身のマガジンを確認する。 「・・・・・・持って、15分だ。それまでに頼む」 「了解!後方へ行くので3秒間援護願います」 「わかった。・・・・・・お前ら!5秒後に3秒間入り口に向けて全力射撃!給弾忘れるな!」 「「了解!」」 彼はMINIMIを持つ隊員2人に叫ぶように命じると、カウントしつつ彼自身も床に転がっていたMINIMIに箱型弾倉を装着。ジャラジャラうるさいベルトを給弾部に装填した。 自分もいつでも飛び出せるよう身構える。 「―――――2、1、GO!」 途端地獄の釜を開けたような轟音が車内を包んだ。3挺の機関銃のそれぞれから毎分750発にも昇る弾丸が飛び出し、敵の頭を完全に押さえ込んだのだ。 そしてティアナは「GO!」のカウントと同時に迷いなく遮蔽物から走り出し、規定の3秒経つ前に10両目に飛び込んだ。 (*) 「しかし隊長もお人が悪い。この残弾じゃ、あと25分以上は持ちますよ」 先ほど彼女らに助けられた佐藤曹長が発砲音に紛れぬよう、耳元で言う。 スバルという少女が10両目に積載していた弾丸ケースを次々ピストン輸送してくれたおかげで、前線には十分長期戦に耐えうる数がそろっていた。 「まぁ、お手並み拝見ってことだ。15分過ぎてもあの子達が到達できなければ侵攻して援護してやろう」 「了解!」 佐藤は答えると、憎憎しいガジェットⅠ型に89式小銃をぶっ放した。 (*) ティアナは10両目につくと、弾丸ケース運びに勤しむスバル、負傷した陸士達に治療魔法を行使し続けるエリオとキャロに指示を出す。 「スバル、このハッチを吹き飛ばして。エリオとキャロも行ける?」 「「はい!」」 2人の元気のよい返事に、破砕音が混じる。 スバルのリボルバーナックルが、ハッチをロックごと吹き飛ばしたのだ。そこからのぞく南海の海のように透き通った青い空。 ティアナは頭を慎重に出す。ガジェットⅡ型はなのは隊長達によってほとんど掃討されたはずだが、油断はできない。 果たして打ちもらしが1機飛んでいた。 ティアナは素早く照準し、一発ロード。それを対AMF炸裂弾1発で見事撃破した。 「よし!」 自らを勇気付けるようにかけ声を上げると、這いずるように外に躍り出る。暴力的な風が吹き荒れているが前に進めない程ではない。 周囲を警戒するうちにスバルも登って来て、エリオ、キャロもすぐに引っ張り上げられた。 「行くわよ!」 上にいても聞こえる『タタタッ』という三点射のスタッカート。それが聞こえている間は、彼ら陸士達の生存の証だ。 陸戦型ガジェット達も上がって来れないらしく、順調に行軍は続いた。 余談だがこの時キャロが鳥のフンに滑って谷底に落ちそうになるというハプニングがあったが、その他には問題なく、運転室まであと2両に迫っていた。 (このまま行けば・・・・・・!) ティアナの中でフォワードの初陣を白丸で飾れると期待が膨らんだ。 (*) 漆黒の邪悪なる翼はすぐそこまで迫っていた。 しかし、4人にそれに対する効果的な対処法はなかった。 (*) ティアナがジェットエンジンの轟音に気づいて音源を視認した時にはもう目と鼻の先だった。 突然山肌から出てきたのは例の新型空戦ガジェットらしかった。それはアルトがいればすぐに、統合戦争で使われた統合軍無人偵察攻撃機「QF2200 ゴースト」だと看破しただろう。 このゴーストは未確認情報だが、統合戦争末期に当時の先行試作人型可変戦闘機、VF-0『フェニックス』のブースターパックとして無理やり装備されたことがあるという。 しかし装備は当時のものより遥かにグレードアップしている。ミサイル数発、12.7mm機銃1挺だった武装はマイクロミサイルシステムの進歩によって装弾数が数倍にはね上がり、機銃は魔力素粒子ビーム機銃に換装されている。更に機体下部には20mm3連装ガンポッドが追加装備されていた。 また、運用当時以上の高機動で長時間の飛行を維持していることから推進系も通常のジェットエンジンからバルキリーと同種の熱核タービンに換装されているようだった。 無論そんな考察はティアナ達には行えなかったし、ガジェットの5~6倍は大きいその機体に圧倒されて声もあげられなくなっていた。 そのゴーストは、マイクロミサイルを乱射すると即座に退避した。 置き土産たるミサイルは直後到着したなのはの支援砲撃と、ティアナのとっさの迎撃が食い止める。しかし、ワンテンポ遅れてやってきたミサイル1発は運悪く撃墜出来ず、4人の足下に着弾した。 恐らく殺傷設定だったミサイルだが、デバイスが緊急展開したシールド(シールド型PPBと魔力障壁)が破片を防ぐ。しかし、爆発の衝撃までは殺しきれなかった。 結果として着弾地点からリニアレールの前方にティアナ。後方にスバル。そしてエリオとキャロは谷底へ落ちていった。 (*) 頭がクラクラする。意識も混濁し、視界もブラックアウトしたまま回復しない。どうやら頭を打ったらしい。しかし自分がなぜこんなことになっているかがわからなかった。 (あれ・・・・・・なんで・・・・・・) 「ティア!」 「!」 親友の呼び掛けによって前後の記憶が蘇る。 こうしてはいられないと頭を振って視界を回復させると、すぐに立って対応をしようと手を床に付いた。瞬間、自分を優に越える大きさの影が覆った。 例の新型空戦ガジェットだ。おそらくトドメをさしに来たのだろう。しかし迎撃しようにも、気づいたときには手の内にクロスミラージュがなかった。どうやらさっきの衝撃で落としたらしい。 視界の端にスバルの姿が写る。彼女は自分の元に駆けつけようと急いでいるが、穴から出てきた新型、ボールに阻まれ間に合いそうもない。 自分の名を叫ぶスバルの悲痛な声が聞こえる。その間にゴーストのセンサーがこちらをロック。その重たそうな3砲身の銃口が向けられ、回転を始める。 デバイスのない今、兵器レベルの物理投射攻撃を受ければおそらく即死。自らの体はバラバラになり、原型が何かすらわからないだろう。 (・・・・・・痛くなければいいな) 頭も依然として朦朧とするし、助かるはずもない。完全に観念して瞼を閉じた。 しかしそこで彼女はあり得ないものを見た。 大好きだった兄と誰かが肩を取り合って笑っている。あれは――――― (アルト先輩・・・・・・?) 刹那、爆音のような発砲音が耳を塞いだ。 しかし、体を裂くような感覚はやってこなかった。 瞼を開けると、目の前のゴーストが真横からハンマーで殴られたようにひしゃげている。おかげで射軸から逸れたらしい。その打点とおぼしき場所には見覚えある青白い尾を引いていた。 『(無事かティアナ!?)』 同時に念話が届き、ひしゃげてバランスを崩していたゴーストを純白の巨人が殴り飛ばした。 ティアナはしばらく惚けたようにその機体を見つめていると、やっと何が起きたかを理解した。 『(は・・・はい!)』 やっとの思いで返事をすると、VF-25は安心したようにバトロイドからファイター形態に可変。 アルトは 『(あの機体には気をつけろ)』 と言い残し飛び去った。おそらくなのは達の支援に行ったのだろう。 ティアナは救援に来たスバルが彼女の肩に触れるまで、その後ろ姿を見つめていた。 (*) そのガジェットは手強かった。 まず機動が読めない。敵はなんらかの慣性制動装置と多数のスラスターを併用して、無人機最大の強みである機体の耐G性能の限界まで引き出し、大気圏内にもかかわらずほぼ直角の回避運動を行う。 ちなみにこの武装、スラスターを含むオーバーテクノロジー系列の慣性制動システム、そして反応エンジンは元の設計にはなかったものであり、スカリエッティの改良の成果だった。 今回のデバイスの改良で多数のOT・OTMを装備したフェイトは、彼ら相手にほぼ互角の戦いを繰り広げていた。 フェイトが銃撃しながら接近してきたガジェットに攻撃するため逆に肉薄する。 機械の軌道理論と確率論に沿った火線を避けることは、神速を誇る彼女には容易いことだ。しかしそれが2本、3本と増えると事情が変わってくる。 次の瞬間にはフェイトに向かい、違う射角から2本の集中射が襲う。 なのはとしても他の2機の突入を阻止するのが精一杯でそこまで手が回らない。 フェイトは自身の超高速移動魔法によって稲妻のようなハイマニューバでその火線から逃れるが、肉薄していたガジェットがマイクロミサイルを斉射。8発ほどのミサイルが白い尾を引いてフェイトに迫る。 このまま突入するのは危険だ。しかし、いかが彼女の超高速移動魔法でも前進へと向けられた音速レベルの慣性を瞬時に消滅させることはできない。 そこでフェイトは1発ロードしてOT『イナーシャ・ベクトル・キャンセラー』を最大。そして今回の改修で新たに装備されたOT『キメリコラ特殊イナーシャ・ベクトルコントロールシステム』を起動する。 このシステムは第25未確認世界ではクァドランシリーズの慣性制御装置として使われ、安価でVF-25のISC(イナーシャ・ストア・コンバータ)に劣らぬ性能を誇る。しかし、ミッドでは技術的な問題から最大出力での稼働時間が極端に短い。そのためここぞというときに使う装備だ。 起動と同時に2発ロード。その能力を保持するため魔力で形成された黄金色の羽根のようなフィンが足首に展開され、時をおかずに急制動を掛ける。 音速で飛行していたフェイトは1秒でその速度を零に持ってくると、周囲にプラズマランサーのスフィアを生成。それを置き土産に一気に反転して全速で離脱する。 すると彼女を追っていたミサイルはフェイトの狙い通りスフィアの目と鼻の先を通り、直前に射出されたランサーがその全てを見事に叩き落した。 ミサイルを発射してそのまま直進してきたガジェットにもその必殺の矢が4本ほど向かうが、元来直進しかしないそのランサーは容易くかわされてしまった。 フェイトの命令さえあれば再び方向転換して再追尾できるのだが、残念ながらランサーはガジェットが出しうるらしい音速の2~3倍という速度についていけない。これが対魔導士を念頭に置いて開発された現状の魔法の出しうる限界値だった。 こうしたことが続き、敵もこちらの支援砲撃が邪魔で5対1による物量戦術には訴えられず、フェイトもまた敵を捉えられなかった。 しかしガジェットと違い生身であるフェイトの消耗は目に余る。 例え魔法と新装備である各種慣性制動システムを全力で駆使しようと、音速レベルではその慣性を全て吸収してはくれない。 さきほどの緊急制動では単純計算で34G掛かる。各種慣性制動システムを使って軽減しても少なくとも5G、最悪10G近い重力加速度がフェイトの華奢な体にかかっていた。 このような状況では自分が支援砲撃をしなければ彼女は1分ほどしか持たないだろう。 ティアナの砲撃要請を受けていたなのはだったが、そのためこの戦線から抜けられず、どうにもならない気持ちにイライラしていた。 そこに自分達から遥か遠方で現場の指揮を取るロングアーチ分隊から緊急通信が開いた。 『敵の新型空戦ガジェットが1機、リニアレールに接近中!屋根から運転室を奪取しようとしているスターズ、ライトニング両分隊に奇襲をするつもりのようです!』 通信士を務めるルキノがガジェットの機関銃のように報告する。 新型の空戦ガジェットは周囲1キロ近くの全周波を常に撹乱―――――つまりジャミングしているので遠距離にいた自分に通信を送ってきたようだ。 気づけばフェイトと戦闘している敵が4機に減っている。 なのははルキノの滑舌のよさと、一歩下がった位置で戦局を冷静に見てくれている友軍がいることに感謝すると、リニアレールに飛ぶ。 4機ならばフェイトは少なくとも1分は持ち応えられる。しかしあの4人では10秒持つかどうか・・・・・・ ロングアーチの警告通りリニアレールを襲ったガジェットのミサイル迎撃を支援する。 だが、自分にはここまでしかできなかった。 いつの間にかフェイトと交戦していた4機のうち2機が、そして列車を攻撃していた1機が自分を包囲。徐々に範囲を狭めつつあったからだ。 スケジュールの関係でまだ大規模なOT・OTM改装の進んでいないレイジングハートには、フェイトや新型空戦ガジェットのような超高速の戦闘機動を行えなかった。また、能力限定リミッターがかかっていることも彼女の足を引っ張った。 空戦ガジェットから伸びる光の矢。受け止める魔力障壁が不自然に歪んだ。 (これは魔力レーザー? いや、実体弾みたいだね) 正体を見切ったなのははシールド型PPB(ピンポイントバリア)に切り替える。連続的で強力な物理攻撃に対して魔力障壁はあまりに脆かった。 なのははカートリッジを2発ロードするとレイジングハートを胸に抱き、突撃体勢をとる。 「レイジングハート!」 自らの呼びかけに、レイジングハート本体の赤い球がわかったように点滅する。そして時を置かず杖の後方に魔力球が出現。瞬時に自爆して突発的な魔力爆発を起こした。 なのははそれにバインドを掛け、四方に広がろうとする爆圧を後ろに集束させた。それによってレイジングハート・エクセリオンのSランク時のA.C.S(瞬間突撃システム)に匹敵する莫大な推進力を得たなのはは目前のガジェットに突撃する。 これまでの戦い方からこちらが間接攻撃しかできないと認識していたらしいガジェットは、突然の特攻に対応が遅れている。 その隙を突いてバルキリーのPPBパンチの要領でPPBをレイジングハート先端部に集中、泣けなしで相手の発射した機関銃弾数発を弾くと、あやまたずそれは機体本体に直撃する。 結果、AMFもPPBSもないガジェットの外壁をそれはいとも容易く貫いた。 「シュート!!」 宣言と共に放たれたゼロ距離砲撃によって機体のメインフレームを寸断。10メートル近い巨大な黒鳥は空中分解しながら急速に金属部品へと還元していった。 しかし、残り2機が機首に付けられたカナード翼と三次元推力偏向ノズルを上向き最大角にし、ほぼ機首を軸に急旋回。おそらく動きの遅くなったなのはを機銃弾で一気に撃破する腹づもりなのだろう。 なのはは2方向からの同時攻撃には通常バリアでは対応できないと判断。カートリッジのロックをフリーにしてレイジングハートに命令する。 シレンヤ氏 第6話 その2へ
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/28716.html
神風竜 ルドラ R 火文明 (4) 進化クリーチャー:フェザーノイド・ドラゴン 5000+ ■進化-自分のフェザーノイド1体の上に置く。 ■自分のフェザーノイドの召喚コストを1少なくする。 ■自分のフェザーノイドがバトルゾーンに出た時、または攻撃する時、カードを1枚引く。 ■アクセル(このクリーチャーにクロスギアがクロスされている時、このクリーチャーは次のAC能力を得る) ■AC−自分のクリーチャーは全てパワーが+2000され、「スピードアタッカー」を得る。 作者:ぽけっと 【企画】アナザー・ドラリン・プロジェクト参加作品 《神風ゼファー》のリメイク版。 ひたすらフェザーノイドをを横に並べる能力と、現行環境の主流から大きく外れた侍流ジェネレート抜きのアクセルでのSA付与による超過打点の形成を主軸とする。 フレーバーテキスト 奇跡は起きるものではなく、掴むものなのだ。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/37023.html
エメラルド・スーパークロー C 自然文明 (1) クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは+4000され、「パワード・ブレイカー」を得る。 作者:はんむらび 「クロスギアというメカニズムが弱い」という思想には正直めちゃくちゃ反対なんですよね MtGだと「装備品(クロスギア)」というメカニズム自体がぶっ壊れ、とまで言われてますし。 仮に弱いとしたら、それはメカニズムが弱いのではなくカードパワーがクソほど低いだけなのです。 【企画】急募!クロスギア強化案参加カード。 では、単純に現代で求められるスペックについて、《エメラルド・クロー》と比較して考えてみよう。 エメラルド・クロー C 自然文明 (1) クロスギア ■これをクロスしたクリーチャーのパワーは+2000される。 見た感じ凄まじく弱いが、これでもクロスギアの中では使われていたスペックである。 そして、現代のカードがこれ。 γζ ガッドゥーラ C 自然文明 (4) オレガ・オーラ:グランセクト/デリートロン +4000 ■これを付けたクリーチャーに「パワード・ブレイカー」を与える。(「パワード・ブレイカー」を持つクリーチャーは、そのパワー6000ごとにシールドをさらに1つブレイクする) これは、コモンの、かつ同弾アンコモンに完全上位互換がある全く使われなかったオレガ・オーラである。 この《γζ ガッドゥーラ》からGR召喚コストの2を引き、ジェネレートとクロスの分で2で割ると、だいたい1コストクロスギアと同様の機能を持つコスト論になる。もちろんGR召喚のコストや、「クロス先が場を離れても再度クロスできる」などの差はあれど、だいたいこれくらいのコスト論が適正となるだろう。 つまり、そもそものクロスギアのコスト論が「現代の半分以下の性能しかない」のが問題なのだ。 なお、この《エメラルド・スーパークロー》を実際にコモンで刷った場合、環境では使われない割にシールド戦環境を破壊する。こういった性質もあってクロスギアの強化はバランス調整が難しいのだ。 企画 【企画】急募!クロスギア強化案 評価 なるほど、こうして現代のコスト論と照らし合わせると、カードパワーの問題がよくわかります! -- 焼きナスオ (2022-01-09 11 45 20) 素晴らしい考察です -- 白山羊 (2022-01-09 11 56 52) 名前 コメント