約 5,754 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/623.html
封鎖された公園は、ゆっくりの楽園になりやすい。 人間は滅多に見かけなくなる。 不法投棄されたゴミは、かけがえのない建材となる。 伸び放題の雑草はごちそうの山にほかならない。 ふんだんな資源が、ゆっくりたちに安定を提供していた。 このような環境にあっては繁殖しないほうがふしぎで、 いつしか公園には十数の世帯をかかえる中規模コロニーが形成されるようになった。 しかし、世のなか決して甘くはない。 危険はどこにだって落ちている。 ゆっくりの住みやすい場所とは、 おおむねほかの生きものにとっても過ごしやすい。 野良犬や鴉などの野生動物が、公園に息づくゆっくりたちの、ほぼ唯一の懸念となっていた。 赤子のゆっくり八匹が、怯え震えて泣きじゃくっていた。 れいむ種とまりさ種、四匹ずつである。 恐怖の対象は毛むくじゃらの魔物だ。 黄金色にかがやく獰猛な瞳で赤ゆを見つめて、舌舐めずりをしている。 赤ゆたちの怯えようはただごとではなかった。 「ぎょばいぃぃっ、ぎょばいよぉぉぉっ、ぎょばっ、ゆ゛びゃぁぁっ、ゆ゛ぇぇぇっ、ゆぇっ、ゆぇっ」 「あっぢいっでにぇ゛っ、あっぢいっでにぇ゛っ、ゆっぐり、ゆっぐぢざぜでにぇ゛っ」 「だべないでぇっっ、ばりじゃ だべないでっ、ばりじゃ、ぎょばいっ、ぎょばいっ」 「れ、れれれれれれれれれれれれーみゅ、だ、だだだだだだだだだだずげでっ」 「おぎゃぁーじゃぁんっ、おぎゃぁぁーじゃんっ、だずげでっ、だずげっ、ごばいぃぃっ」 「ば、ばりじゃ、ぢゅ、おごりゅど、ぢゅよ、ぢゅよいっ、ぢゅよいがら、ゆるじでっ」 「ゆぇぇ゛ぇ……ゆっぎゅり でぎにゃいぃぃぃ゛ぃぃぃ゛っっ、でぎにゃいぃぃぃ゛っっ」 「こっちきゅりゅなー! こっちきゅりゅなーっ! こっちきゅりゅなー!」 「で、でいびゅっ、やっづげでねっ、ゆっぐりじでないでっ、やっづげでねっ」 「ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ、ゆんやぁぁぁっ」 赤ゆ八匹は一か所に固まって、おもいおもいに叫んでいる。 かれらを庇護すべきゆっくりれいむは、 餡子の海で溺れていた。 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……」と繰りかえすばかりで、助かる見込みは万に一つもない。 なお、親れいむにはほとんど外傷がない。 唯一、あんよの近くに引っかき傷があるのだが、 これとて皮膚を裂いただけで中身の流出はともなっていない。 親れいむは怪物の歯牙にかかって餡子を漏らしたのではなく、 恐怖のあまりに餡子を嘔吐して斃れたのだった。 それでも瀕死状態であることにはちがいない。 この一家は母子家庭であり、 隣人は家に引き籠ってしまっているから、 赤ゆに残された術は自助だけである。 ところがその赤ゆどもであるが、 涙をこぼし、 涎をたらし、 尿をながし、 糞をもらし、 ふるえ、 おびえ、 戦慄し、 何もしていないくせに謝罪の言を垂れ流し、 瀕死の母親に助けを求め、 なんの意味もなくあんよを振り回し、 そのつどぴちゃりぴちゃりと尿がはね、 あんよの背後にいたゆっくりれいむはうっぷうっぷと尿に溺れ、 徹底的に錯乱し、 一心不乱に狂乱し、 自分自身の力で事態を打開しようとする心意気は微塵も見えず、 まったくもって見るにたえなかった。 怪物はそんな赤ゆたちを爛々と光る瞳で見つめている。 口が開く。 牙から涎がしたたる。 喉がうなり、怪物が咆哮した。 「ニャー」 『ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっっっ!!!!!!』 猫はゆっくりの天敵だ。 ゆっくりできない筆頭だ。 他所とくらべて比較的危険の乏しいこの公園にあっては、なおさらだった。 そのときだ。 がさり。 草をかきわける音がして八匹は影に覆われた。 闖入者を見上げて、赤ゆは一斉に金切り声をあげた。 『ゆ゛びゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっっっっ!!!!!!』 人間の男が立っていた。 ゆっくりも驚いたが、突然の悲鳴に人間のほうも驚いていた。 一方の猫は相当に人間に馴れているらしく、人間が姿をみせても顔色一つ変えていない。 赤ゆ八匹をつぶらな瞳で睨んでいる。 人間は身をかがめて、手に持っていた檻を置いて、右手の人差指で猫の喉笛をくすぐった。 その光景を見て、赤ゆたちは赤ゆたちなりの知恵をふるった。 「に……にんげんじゃんっ、ね、ねござんを、どーにが、じでねっ」 「そ、そーなんだじぇっ、どーにがずるんだじぇ、じゃっじゃどじでねっ、げずっ」 「ゆっきゅりじゃじぇろぉぉぉぉぉっっ、ばりじゃを ゆっぎゅり じゃじぇろぉぉぉぉっっ」 「ばやぐ じないど、でいびゅ、おごるよっ、ぶぐーずるよっ、ばやぐ、じでねっ」 「ゆっぐぢ、ゆっぐぢ、ゆっぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢぐぢ……」 「どりぇいっ、どりぇいっ、はやくちてね!」 猫を始末しろとわめいている。 その物腰はともかく、悪い案ではなかったかもしれない。 人間は赤ゆたちを見下ろして、微笑みながら問いかけた。 「ふうん。この檻にでも閉じ込めておこうか?」 足もとに置いてあった檻を一瞥して、そう提案した。 願ってもない申し出だった。 早くしろ、さっさとやれと、まったくもってかまびすしい。 「わかった。どれくらい閉じこめておこうか?」 ずっとだ。 赤ゆは一斉にわめきちらした。 早くやれと吠えるだけならばまだしも、 ゲス、奴隷、馬鹿、のろま、思いつくかぎりの罵詈雑言をならべたてた。 人間はすぅっと目を細めた。 「わかった。ずっと……檻に閉じ込めておこう。約束する」 猫があくびをした。 喉をごろごろと鳴らしている。 空は抜けるように蒼かった。 赤ゆ八匹は安らかだった。 猫の危険は完全に去っていた。 「ゆゆ~ん。とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 「れいみゅは とっちぇも ゆっきゅり しちぇいりゅよ~」 「おうた うたうよ~。ゆっくちー、ゆっくちー」 「もう ねこさんなんて こわくにゃいね! れいみゅ さいきょうっ」 「ゆゆ…………しゅっきりーっ」 「くちゃぃぃぃっ、くちゃぃぃぃっ!」 「おねーぢゃんっ。さっさと うんうんさん かたづけてねっ」 「どーちて しょんなこと いうのぉぉぉ!? でいびゅの うんうん なのにぃぃぃっ!」 「ゆー! けんかは やめりゅんだじぇ!」 「れいみゅが わしゃわしゃ しちぇあげりゅよっ」 「ゆ~~。おねーちゃんの わしゃわしゃは とっちぇも ゆっきゅり できりゅ~」 「まりしゃもっ、まりしゃもっ」 「ゆっくちー。ゆっくちー」 「ゆゆ~ん。しょーいえば おとーしゃんは?」 「あんにゃ げしゅ! おとーしゃんじゃ ないんだじぇっ」 「しょーだね!」 「おとーしゃん なんきゃ いなくたって いいもん!」 「しょーだじぇっ。ここは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ~」 「ねーねーっ。きょきょを あたらしい おうちに しよう!」 「しょーなんだじぇ! ゆっきゅり できりゅんだじぇっ」 「きまりだね! いっきゅよ~」 『きょきょを れいみゅの(まりしゃの)ゆっきゅりぷれいしゅに しゅりゅよっ』 人間は約束を完全に果たしていた。 すなわち、檻に入れたのである。 人間は檻に放りこむと、しっかりと鍵を閉めて、公園から踵を返したのだった。 帰り道に、ドブに鍵を投げすてていた。 (おわり) あとがき: コンラート・ローレンツ著『ソロモンの指輪』。 自宅で飼っている動物が危険だから、檻に入れた――自分の子供を。 という逸話をそのまま使いました。 ネタかぶりがありましたらご容赦を。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/814.html
ゆっくりブリーダー試験 3KB 注意 初投稿です *現代設定 *虐待お兄さんが金銭的な面で被害に遭います *虐待成分薄め *虐待に厳しい世界観です(飼いゆに対して保護的) *独自設定があります この世にゆっくりが現れて既に長い月日が経った… 最初の頃ゆっくりが生物が物かで論議されたが、 喋ったり動いたりする存在を物と言う人達は、 世間から冷たい目で見られて引っ込んだ。 ゆっくりが生物と認定されたことにより、 生物に関する法律と制度が見直される事となった。 この話はその法律と制度によって翻弄されるゆっくりと人間の話である 『ゆっくりブリーダー試験』 201X年、ある建物に多くのブリーダーを目指す人々が集まっていた 何故集まったのかと言うと、今から試験をやるためである。 昔はブリーダーに成るため自体には資格が要らなかったが、 倫理的に問題のあるブリーダーが増えたために実施される事となった。 一次試験は「筆記問題」自分が扱いたい動物に関する問題が出される。 ゆっくりブリーダーにとって、ここが難関である 「ゆっくりの成長に悪影響のある食べ物……」 「まりさ種の変異体を全部記せか…水上と後…」 未だに謎が多いゆっくりの生態から正しいものを書かなければ成らないからである。 ただ、ここを通過すれば一部の人を除いた殆どの人は合格である 二次試験は「実技」 ここでは実物の動物と接し、その様子で合格か判断される 試験室の目の鬼異山が居た 「意外に楽な試験な~♪」 鬼異山はテストを満点で合格していた ありとあらゆるゆっくりを虐待してきた鬼異山にとって あの程度の問題を解くのなんて朝飯前である。 「アイツはこの試験は最難関って言てったけど何が難しんだか」 ちなみにアイツとは知り合いのゆっくりブリーダの事である。 「次の人どうぞ」 「はい~♪」 鬼異山は余裕の笑みで部屋に入った… 「ゆっくちしちぇいちぇね!!」 そこには一匹の赤ゆが居た 「…」 「はい、失格」 気が付いたら、鬼異山は赤ゆを潰していた 「わかってると思うけど、今回は生きてたから穏便に済ますけど二度目は無いよ」 「はい…」 「ゆっ…ゆっ…」 赤ゆは虫の息だが生きていた 「次は最低でも潰さない我慢を覚えてから来なさい」 そう言われ部屋を追い出された 毎回、多くの虐待鬼異山が、「実技」で失格していた おまけ 「はぁ…」 試験に落ちたは鬼異山はブリーダーお兄さんの部屋に来ていた 「良かったじゃん、下手をしたら逮捕されてたよ」 「実技に出るのが赤ゆならそう言いやがれ!!」 「ゆっ!」 鬼異山は楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「別に赤ゆが出ると決まってる訳じゃないんだけど… 今回は運が悪かったと思って諦めるんだね」 「ゆっ!」 ブリーダーお兄さんも同様に楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!おぢびぢゃああああああああん!!」 毎度お馴染み透明ケースに入れられたまりさが叫んでいた 「後の五月蠅い奴、虐待して良いか?」 「矯正を依頼された奴だから駄目」 このまりさは飼い主の許可なく子供を作ったので矯正を依頼されていた 「銅なんだから、潰して新しいの買えばいいのに面倒だな」 よく見るとまりさの頭には銅バッチがついている。 「なんでも子供がまりさを気に入ってるから潰したく無いんだってさ」 そう言いながらまた楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「そういえば何で資格とろうとしたの?」 「…単純に金欠」 「それで金策として趣味ついでに、ゆっくりを売ろうとした訳か?」 「ああ…」 鬼異山もまた、楊枝で赤ゆを刺し口に頬張った 「ぢびぢゃ… おぢびぢゃ…」 「確かにブリーダーに成れば簡単に販売許可が出るからね」 「ブリーダーも大変なんだぞ」 「最低でも銀バッチを育てられないと赤字だっけ?」 制度の改正で銀バッチは試験のみで取れるようになり 銅にも簡単な試験が用意されることになった 「うん、銅と銀だと値段が10倍違うから大変なんだよ」 「俺は銅でも良いから今は売りたい…」 2~3時間ほど愚痴を良い鬼異山は帰って行った それからしばらくして… 「おにいさん~♪おちびちゃんたちのお勉強終わったよ!」 声と共に金バッチをつけたれいむが現れた 「ああ御苦労さま」 優秀な飼いゆっくりに赤ゆを育てさせると殆どが優秀な子ゆに育つ その中から優秀な個体を選びブリーダーが教育する (ちゃんと環境を整えれば、楽な仕事なんだけどな) あとがき ゆっくりが生物として認められる世界観でもあまり 虐待には影響しないのでは?(バレ無ければ良いんだよ!!) と思いこんな世界観にしてみました。(あまり意味が無いかもしれない) 一応、続きで試験に合格したブリーダー達の話を書きたいと思っています 虐待要素は今回と違い多めに(ぬる~虐殺)入れる予定 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 虐待衝動をコントロール出来てこそ、立派な鬼威惨というものだ。 (実は酸素を必要としない)ゆっくりが生物として認められるって異様だな。 -- 2018-01-25 13 10 31 速攻潰す-ー -- 2012-07-08 19 14 00 金儲け目的とは鬼異山失格だな -- 2011-09-26 22 50 58 鬼異山にはブリーダーは向いてないなww -- 2010-10-07 20 48 55 鬼異山は田舎の農村にでも行って、害ゆの駆除屋でもやれよ。 -- 2010-07-05 03 13 13
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1374.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 640 れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 前」からの続きです ========== れいむ、5回目の妊娠 「おっ、順調に育ってるね~、みんなゆっくり早く生まれてきてね!」 仕事から帰ってくると、れいむの額から伸びた茎に、そこに生えた七つの実ゆっくりに話しかける。 まだ髪や飾りが生えてきていない状態なので、種族はわからない。 判別つくようになるのは、明日の日中だろう。 れいむは、今回から妊娠方法を数を産める植物型に切り替えていた。 意識的にか、無意識にかはわからないが、いい判断と言えよう。 ゆっくりの交配において、産まれてくる子供の種族は必ず両親いずれかと同じ種族になる。 記憶などは祖父母以前の代まで遡って継承する事もあるが、種族を決定する遺伝餡までは隔世で発現しない。 え? チェンジリング? 何それおいしいの? まあ、ポンデちゃんのお友達? 上がって待っててね。すぐ帰ってくると思うから。 スタンダードなれいむとまりさの組み合わせで交配を行った場合、それぞれの種族の子供が生まれる確率は、ほぼ五分五分。 片親が他の基本種や希少種だった場合、その確立は変わってくるが、まあその話はどうでもいいだろう。 という訳で、まり×れいで交配を行った場合であれば、7匹全部がれいむ種になる確率は(1/2)^7=1/128。 ご都合主義に支配された世界でも無い限り、そうそう起こる出来事ではない。 しかし、コトはかわいい赤ゆちゃん達の命に関わる。 微力ながら、赤まりさが生まれる確率を上げる手助けをしようではないか。 ……… 「フンフフフ~ン♪ おお、このまりさちゃんかわいいねぇ!」 「ゆ…おにいさん…なにしてるの…?」 水槽の横で雑誌を切り抜いている俺に、れいむが不思議そうに聞いてくる。 「んー? これはね~…お! この子もか~わいいなぁ~!」 チョキチョキ 切り抜いてるのは、ゆっくり愛好家向けの雑誌。 読者によるゆっくり写真投稿ページから、とびきりかわいい子ゆっくり・赤ゆっくりの写真を選り抜いているのだ。 選んだのは、全てまりさ種。 「お兄さん、れいむがまりさちゃんを産めるようにお手伝いしようと思ってね!」 写真を水槽の外側、中のゆっくりから見える向きにセロテープで貼り付けながら、れいむに答える。 フカフカクッションの上で姉妹ですりすりをしている赤まりさちゃん カメラに向けてウインクをしている見返り姿の子まりさちゃん ちょっと涙目になりながら、洗面器の中でお帽子で浮く練習をしている子まりさちゃん ああ…飼い主さん、この子達捨てないかなぁ…俺すぐ拾いに行くのにぃ… 「どーだい!? みんなかわいいまりさちゃんだよねぇ! こうやってゆっくりしたまりさちゃんの姿をたくさん見れば、れいむの赤ちゃんもまりさちゃんになるかもしれないよ?」 「ゆゆっ?! そうなの!?」 そんな話は聞いたことないけどね! でも、胎教みたいな感じで案外そんな効果もあるかもしれないし…ま、病は気からというヤツだ。 「れいむ、アレも水槽に入れてあげようか?」 俺が指差したのは、いつも水槽から少し離れたところに置いてある透明な箱。 「ゆっ? い、いやだよ! あのまりさはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできないとはひどいな~、いつもすっきりーしている仲じゃないか。それに頭の赤ちゃん達のおとうさんだよ?」 「おにいさんがむりやりすっきりーさせたんでしょおぉ! あんなゆっくりしてないまりさをみてたら、またあかちゃんのまりさがうまれなくなっちゃうよ!」 随分な嫌われようだ。 まあ、無理もないか。さっきからずっと透明な箱の中でこっちを睨みつけて暴れてるからな。 あんなの見てたら、かわいいまりさちゃん写真集の神通力も薄れてしまうというものだ。 ……… 「まりしゃはゆっくちできりゅね!」 「おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃ、たくしゃんうんでにぇ!」 「ゆっ! おちびちゃん! こんどこそだいじょうぶだよ! おかあさん、じしんあるよ!」 「ゆわーい! おうちにかえれりゅのじぇー♪」 水槽に貼られた写真を眺めながら、既に勝利を確信したか和気藹々と笑い合う母れいむと赤まりさ達。 一方、赤れいむ達はどこか複雑そうな表情を浮かべていた。 「おきゃあしゃん! れいみゅも! れいみゅもゆっくちしちぇるよ!」 「ゆふふ! そうだね! おちびちゃん! おうちかえってみんなでゆっくりしようね! ゆゆ~ん♪」 「ゆ……」 一匹の赤れいむが構ってほしげに母れいむに話しかける。 だが、浮かれている母れいむは答えはするものの、視線はすぐに写真の方に戻ってしまった。 「ゆー…おにいしゃん! れいみゅは!? れいみゅのしゃちんもはっちぇね!」 「いや、れいむちゃんの写真は貼れないよ。また赤ちゃんが全員れいむちゃんだったらどうするの? そしたられいみゅちゃん達、ゆっくりできなくなっちゃうでしょ?」 「ゆぅ……」「れいみゅはゆっくちできりゅ ゆっくちなにょに………」 疎外感を感じ、しょんぼりする赤れいむ達。 大丈夫! お兄さんはれいむちゃんもまりさちゃんもどっちも大好きだからねえぇぇ! そして、日付は変わり翌日 仕事から帰った俺は、早速れいむの茎に実った赤ゆをチェックした。 「れいむちゃん、れいむちゃん、…(中略)…れいむちゃんに~………れいむちゃん!」 結果は7匹全部、とってもかわいいれいむちゃん! 穏やかな笑顔で「ゆぅ…ゆぅ…」と寝息を立てている。 まだプチトマト大だが、出産促進剤が効いているのでもう生れ落ちる頃合だ。 「お、おかしいよぉ…! こんなのへんだよぉ…!?」 ずっと呆然と頭上の赤ゆを見つめているだけだった母れいむが、ようやく口を開いた。 そんなれいむを諫める。 「こら、れいむ。自分の赤ちゃんの事、変だなんて言っちゃだめだよ。こんなにゆっくりとした赤ちゃんじゃないか?」 「ち、ちがうよおぉ…! そうじゃなくてぇ…! どおしてあかちゃんこんなにいるのに、みんなれいむとおなじれいむなのぉ…?!」 「いや、そんな事言われても、産んだのれいむだし」 「ゆえっ…ゆええぇ…! おきゃあしゃーん! どうちてまりしゃを うんでくれにゃいのー?!」 「ゆっぐ…まりしゃたち…おにいしゃんに いたいいたいされぢゃうぅ…まりしゃやぢゃよぉぉ……!」 「れいみゅのいもうちょがちんじゃうよぉ! ゆああぁん!!」 今朝までは、今度こそお家に帰れると楽しそうにしていた一家が一転して恐怖に包まれ泣き喚く。 そんな家族達の声が聞こえたか、或いは、母れいむの恐怖が茎を通して伝わったか、 それまで穏やかな寝顔を浮かべていた新生赤ゆ達の表情も不安げになってくる。 「さーて、れいむちゃんしか生まれなかったことだし! お兄さんも心を鬼して処刑タイムにしっましょっかね~♪」 「ゆっ?! お、おにいさん、まってね! これはなにかのまちがい…な、なにするのぉぉ?!」 お楽しみ開始の宣言をした俺は、ゴトゴトと準備しておいた小道具を引っ張り出す。 水槽から取り出した母れいむを、れいむの直径と同じぐらいの板の上に乗せ、ビニール紐で縛り付ける。 これで跳ねる事も這う事もできない。 「やめてね! やめてね! れいむにひどいことしないでね!」 「「「おきゃあしゃんにひぢょいことちないでえぇ!」」」 「大丈夫、大丈夫。ちょっと大人しくしててもらうだけだから」 動けなくなったれいむを再び水槽に戻し、ここからが本番。 茎の真下を中心に、地面の上に落ちてくる赤ゆを受け止めるためのクッションを並べる。 「お、おおお、おにいざあぁん?! なにおいでるのおぉ!?」 「これは剣山って言うんだよ。とってもとかいはなクッションでしょ?」 「やめでよおぉぉ!! あがぢゃん ぢんじゃうでじょおぉぉ?! それどかしでえぇぇ!?」 「いや、殺すためにやってるんだし」 いや増した恐怖が伝わったか、茎に実った赤ゆ達の表情が更に不安の色を濃くする。 無理もない。これから何が起こるかわからない未知のゆん生。 先の見えない未来に不安を抱くのは、人間もゆっくりも同じではないだろうか? というわけで、その不安を払拭するために、ゆん生の先輩であるお姉ちゃんにこれからのゆん生を語ってもらうことにしよう。 「えーと、今日殺しちゃうお姉ちゃんは……ニ連続れいみゅちゃんだったから…れいみゅちゃんでいいか」 「ゆひ…ゆひいぃぃ……れいみゅ…ちにたくにゃい……こっちこにゃいでえぇぇ……」 角形の剣山を何枚か敷き詰め終えた後、 水槽の中で腰餡を抜かして動けなくなっている赤れいむを摘み上げ、茎と同じ高さから剣山の上に落とす。 ひゅ~ プスプスプスプスプスプスプスプス 「ぴんぎゃああぁぁぁああぁあぁぁあっっ!?!?」 何本もの針があんよに突き刺さる。 体重の軽い赤ゆであるが、ある程度落下距離があったので、饅頭皮に深く突き刺さった。 針先は中の餡子まで到達しているだろう。 「ぴぎっ! ぴぎいいぃっ! いちゃいっ! やめっ、とげとげしゃんやめちぇっ! いちゃいっ! ゆきいぃぃ!」 赤れいむはなんとか針を抜こうと身を捩るが、 足場のない針山の上、あんよに針が刺さった状態では、思うようには動けない。 お尻を持ち上げてはあごに食い込む針に泣き、あごを持ち上げてはお尻に食い込む針に叫びをあげる。 そんな堂々巡りを繰り返す内に、針はますます深く赤れいむの餡子に食い込んで行く。 「ぴいぃっ! いちゃいよぉ! とげとげしゃあんっ! ぴきっ! れいみゅにちくちくちないでえぇ!」 「「「「「「「……!? ……!?」」」」」」」 下で待つ姉赤れいむの呼び声に、まだ目の開いていない妹の赤ゆ達も素敵な未来を予感したか、ブルブルと震え出す。 その震動で茎が揺れる事で、赤ゆ達が生まれ落ちるのが早まる。 (ゆ? ゆっくちうまれりゅよ!) ひゅ~ プスプスプス 「ぴゅきいいぃぃっ?!」 (ゆゆっ?! きょわいよぉぉ!) ひゅ~ プスプスプス 「ゆぴいいぃぃっ!!」 (れいみゅまだうまれちゃくないぃぃ!) ひゅ~ プスプスプス 「いぢゃああぁいっ!!」 悲鳴で最初のご挨拶をする妹赤ゆ達。 その声に、まだ茎に残っている赤ゆ達は下で何か恐ろしい事が待ち受けている事を確信する。 「「「「……!!」」」」 茎から落ちまいと、茎に繋がった頭頂部に力を込めているのか、眉間に皺を寄せて何かを踏ん張っている。 だが、恐怖から来る震えは止まらず、次々に茎から切り離されて、悲鳴を上げる。 中にはパニックに陥りバタバタと暴れ出し余計に落下を早める者もいた。 「ぴいぃっ! ゆぴいぃっ!」「あんよいちゃいよおぉぉ!」「ゆっきちできにゃいぃ!!」 「おきゃーしゃあん!」「たちけちぇよおぉ! ぴきぃっ!!」 無事生まれ落ちた7匹の赤ゆ。 姉よりも軽いプチトマト大のため、針はあまり深くは刺さっていない。 そのため、身動きを取ることはできるのだが、動いた先もまた針のむしろ。 一歩這って悲鳴を上げて身をのけぞらせ、バランスを崩してコロンと転がってはまた悲鳴を上げる。 泣き叫び、じたじたと体を曲げて蠢き踊る7匹の赤ゆちゃん達の姿は、まるで楽しいお遊戯会。 よじよじ じたじた ころりん ぴこぴこ 「わ~赤ゆちゃん達かわいいなあ! みんなダンスがお上手だよ~!」 俺も手拍子のリズムで応援するが、みんなめいめいまちまちに動くのでリズムの取りようがない。 しかし、この自由奔放さこそが赤ゆちゃんのダンスの魅力だ。 「おにいさぁん…! もう…もう…やめてよぉぉ! あかちゃんがいたがってるよぉぉっ!?」 親御さんはこの線から出ないでくださーい。 でもヒートアップする親の気持ちもわかる。 今まさに赤ゆちゃん達がかわいいソロパートを披露してくれている真っ最中なのだから。 「いぢゃいいぢゃいいぢゃぁいっ! とっちぇええ! これとっちぇええぇ!」 転がる内に頭から針に突き刺さり、逆さまになった状態であんよを虚しくグネグネ動かす赤れいむ。 「ちくちくいちゃいよぉ! やめちぇえぇ…ゆぎゃああぁあっ! にぇいみゅのきゃわいいおべべぎゃああぁぁ!!」 前のめりに倒れて両目にサックリとサミングをくらう赤れいむ。 「おねいぢゃあぁあん!」 「やべぢぇええぇ! のっきゃらないぢえぇ! ぎゅぎゃああぁあぁっ!!」 唯一の安全地帯、動けない姉赤ゆに辿り着き、その上によじ昇ろうとする赤れいむ。 妹の分だけ重量が増した姉は、更に餡子深くに針が突き刺さり絶叫する。 半狂乱で振り回したもみあげが妹赤ゆの目に入り、のけぞった妹赤ゆは再び針山に転がり落ちる。 「いちゃいぃ…ゆーちょ…! ぴぎっ!? …ゆ、ゆーちょ…! ゆぴいぃっ!」 次々と刺さる針の痛みに泣きながらも、針山の端に向かって着実に這い進む赤れいむ。 無論、そんなにあっさり逃げられる程ゆん生甘くはない。 「ゆ…もーちょっとりゃよ……ゆーちょ… …?! ぴっ?! ゆびぎいいぃいいぃっ!?!?」 剣山クッションの外周近くの針には、ベットリとタバスコを塗りつけてある。 傷口から染み込む辛み成分に、赤れいむは狂ったように針のむしろを転げ回り、更に傷を増やしてはまた転げ回る。 そして、口からタバスコ付きの針山にダイブ、タバスコ味の針に舌を縫い付けられて動きを止めた。 「ゆぎっ…! かりゃっ…!? こりぇ…! どくっ…! ゆぴいぃ…! にゅいちぇっ…! にゅいちぇぇ……!」 数分後 「いちゃ…いよ……」「ゆひっ…ゆひっ…」「ゆ゛…ゆ゛…」 流石に踊り疲れたか、もう一歩も動けなくなった赤ゆ達が、剣山の上に横たわる。 垂れ流した涙とちーちー、傷口から零れた餡子が剣山の土台をたっぷりと汚していた。 「ふふふ! 赤ゆちゃん達ぃ! とってもかわいいダンスだったよぉ! それじゃお昼寝の時間にしようねえぇ!」 俺の声に、背中が針山に刺さって動けなくなっていた赤ゆがこちらに目を向け、その視線が俺の手の上の物に吸い寄せられる。 「ゆ…? ……!? や…やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ!!! ゆんやああぁぁっ!!」 「ゆっくりおやすみ…れいみゅちゃああん……ふふ…うふふふ……ゆふふふふ……!」 剣山のベッドで眠る赤ゆちゃん達の上に、ゴトッ、ゴトッと、そっと剣山のお布団を被せてあげた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×1 ========== れいむ、6回目の妊娠 今日は仕事の都合で帰りが遅くなってしまった。 茎に実っていた赤ゆ達も、もう生まれ落ちている頃だろう。 果たして今日こそは無事赤まりさが生まれてくれただろうか… 「ゆ、ゆっ! お、おにいさん! うまれたよ! あかちゃんのまりさがうまれたよ!」 虐待部屋に入るなりれいむの方から声をかけてきた。 へー産まれたんだー、どれどれ。 水槽の中には、プチトマト大の新生赤ゆが5匹。 見ると確かに、一匹だけ黒いお帽子を被った子が交じっている。 「わー! ほんとだ! とってもかわいいれ…赤ゆちゃんだね!」 「ゆ? ゆっくちちちぇいっちぇね!」 かわいいと褒められた赤ゆちゃんが、ブカブカお帽子の下で左右のもみあげを元気よくピコピコ動かしながら、俺に挨拶をする。 「はいはい、ゆっくりしていってね!」 「ね? ね!? ちゃんとあかちゃんのまりさでしょ!? だ、だかられいむたちをおうちにかえしてね!」 「うん! 勿論だよ! 約束通りお家に帰らせてあげようね!」 「あ、ありがとう! おにいさん! で、で、いつかえらせてくれるの?」 ダラダラと全身に汗を浮かべている母れいむを水槽から出し、透明な箱に移す。 続いて赤ゆ姉妹も。 箱に移された母れいむと姉の赤ゆ達が、チラチラと水槽の方に目をやる。 「ゆっ? ゆっ?! ちょ、ちょっとまっておにいさん!? い、いまかえるの?!」 「あっれー? お姉ちゃん達どうしたの? お家に帰れるよ? 嬉しくないの?」 「「「「ゆぴゃああぁあっ?!」」」」 れいむの言葉を無視し、やたらビクビクとしている姉の赤ゆ達に声をかけると、素っ頓狂な声を上げて飛び上がった。 何をそんなに怯えてるんだろうね! ふふふ…! 「ああ…そっか…妹やお姉ちゃん達…ゆっくりできなくなっちゃったもんね…みんなゆっくりできないよね… そうだ! お土産に食べ切れないぐらいのあまあまさんをあげようね! だからみんなでゆっくりしてね!」 「ゆ…ゆわーい! あ、あかちゃんたち! よ、よかったね! ね?!」 「「「「ゆわあぁぁ! あみゃあみゃしゃん!!」」」」 れいむがどうやら笑顔のつもりらしい歪な表情で目を泳がせながら大喜びする。 妹の赤ゆ達も笑顔で大喜びをしているが、お姉ちゃんの赤ゆ達はまだ水槽にご執心のままで気もそぞろだ。 俺も水槽にチラチラと視線を送ってみると、れいむが更に全身から汗を垂れ流す。 「あ、あ、あ、あの、おにいざん! きょ、きょうは、もうよるざんだから、れいぶだぢおうぢかえるのはあじだに…」 「じゃあみんなお家に帰ろうねえ! ゆっくりできるあまあまさんも一杯あげるからねえ! みんなで仲良くゆっくりと暮らしてねえ! それじゃあね! さようならああぁぁ!」 れいむの声を遮るように、俺が大声を張り上げる。すると 「ゆやああぁあっ! まりちゃをおいちぇかないでえぇぇ!? どうちちぇおいちぇくのおぉ!? おきゃあしゃあんっ!!! やぢゃあぁ! まりちゃもおうちかえりゅううぅぅ!!」 水槽の中から、大きな泣き声が聞こえた。 改めて説明するまでもないと思うが、 今回生まれた赤"まりさ"は、赤れいむに姉である赤まりさのお帽子を被せてまりさに見せかけたもの。 で、水槽でひとりおいてけぼりにされたのが、お帽子を貸した姉赤まりさ。 水槽の中に入れてある石の影に隠れていた。お尻が見えてたけど。 ゆっくりは飾りで個体識別をしているので、 飾りを他のゆっくりにつけると、そのゆっくりを本来の飾りの持ち主のゆっくりとして誤認識する。 これは親子や姉妹であっても区別がつかないほどだ。 今回みたく、自分達自身が目の前で飾りを渡した場合には、流石に"擦り替わった"と認識できるようだが、 それでも、帽子付きの赤れいむは赤まりさそっくりに見えていたのだろう。 餡子脳ではかんっぺきっな偽装だと思っていたのかもしれないが、 人間である俺からすれば、どう見てもまりさ種の帽子を被った赤れいむにしか見えない。 まんまと俺を欺き、帰宅の確約を取り付けたら、後は帰る直前に隙を見て赤まりさを口の中に隠すつもりだったらしい。 しかし、その"隙"はなく、赤まりさ一匹おいてけぼり。あの時の泣き顔のかわいらしさと言ったら…! こんな間抜けな抵抗が見られるから、監禁ゆ虐は楽しいよなぁ… 「やめちぇ! やめちぇ! やめちぇええぇっ! まりちゃのおぼうちしゃん、もうちょきちょきちないでえぇぇっ!!」 なんて事を考えながら、赤まりさが妹れいむに貸したお帽子をハサミで細かく切り刻んで行く。 「ほーら、まりちゃちゃん? 大事な大事なお帽子を他の子に貸しちゃうから、お帽子さん切られちゃったよぉ?」 「まりちゃじゃにゃいよぉぉ!? おきゃあしゃんが おぼうちとっちゃのおぉ! まりちゃ、いやっていっちゃのにぃぃ!!」 「おにいざんごべんなざいいぃ! でいぶがわるいんでずうぅ! おちびちゃんはわるぐないんでずうぅ! もうやべであげでぐだざいぃぃ!!」 「ちょーきちょーき! お帽子さんちょーきちょーき!」 「まりちゃのしゅてきなおぼうちしゃんがあぁぁーっ?!」 ……… 「ゆぐっ…おぼうちしゃん……ゆっぐ…もどっちぇ…いじわりゅちないで…もちょにもどっちぇよおぉ…」 「さ、じゃあ赤ちゃんまりさも生まれてなかった事だし、いつものヤツ行っとく?」 べそをかく赤まりさが、細切れになったお帽子だった物を舌で並べてなんとか元の形にしようとしているのを 指先でグシャグシャにしてから、本日の処刑タイム開始を宣告する。 「今日はどの子がいいかなぁ……よし! れいみゅちゃんだ!」 「ゆんやああぁぁっ!?」 「…と、思ってたけど、大事なお帽子貸しちゃった悪い子まりちゃちゃんが死のうねっ!」 「ゆっ…ぐ…ゆっぐ…まりちゃ…わりゅいこじゃにゃいよぉ… おきゃあしゃんが…おきゃあしゃんがあぁぁぁ……ゆびええぇぇん…!」 うんうん。いい泣き顔だね。 「良い子のまりさちゃん達はちゃんと覚えておいてね! とっても大事なお帽子! 他の子に貸しちゃったらゆっくりできなくなっちゃうからねえぇ! ……わかったか?」 ブルブル震えていた他の赤まりさ達が俺の言葉に涙目でコクコクと何度も頷く。 お間抜けイベントを見るのは楽しいが、同じネタを使われても萎えるので一応釘を刺しておく。 「よーし、今日はコレでいこうかな~」 取り出したものは、一本の竹ひご。 そこに"ある物"を被せてから、妹の赤ゆを一匹摘み上げ、あにゃるにブッスリと突き刺す。 「ゆびいぃぃ! いぢゃいぃぃ! れーみゅのあにゃりゅしゃんがあぁぁ! ゆげっ?!」 最後のゆげっ、は竹ひごを貫通させて赤ゆの口から突き出させた時に鳴った音だ。 串刺し状態になった赤ゆは、目を白黒させながら自分の喉を突き破って生えてきた竹ひごを見つめている。 「ゆげぇっ…! いぢゃっ…! のぢょっ…! あにゃりゅしゃ…! たっ、たちけちぇ…!」 さて、竹ひごに被せてあった物は、ゴム風船。長い棒状に膨らむタイプの物だ。 この風船の先っぽを指で摘み、中の竹ひごだけを引き抜く。 はい、これで風船が赤ゆの体を貫いた状態になりましたー じゃあ、いってみようか。 大きく息を吸い込みー フウーーーー!!! 思いっきり風船に向けて吹き込んだ。 「ゆぎゃ ブチンッ 一気に膨らませたので、悲鳴が終わる前に赤ゆの体が千切れ、上下に分断されて水槽の中に落ちた。 「「「「ゆびゃああぁっ!?!?」」」」 ボトボトと落ちてきたモノに、姉妹達が悲鳴をあげる。 口の上と下で離れ離れになってしまった赤ゆの方は、流石に声が出せない。 何かを言おうとしているのか、下半分にくっついた舌がピクピクと蠢いてはいるが、まったく声は出てこない。 その様子を、逆さまに転がった上半分が涙を流しながら見つめている。 そして、舌の動きが止まったのを見届けてから、上半分は暫く痙攣した後、目玉をグルリと反転させ、こちらも動きを止めた。 「あがぢゃんがああぁっ!?」 「まりしゃのいもうちょがああぁぁ!!」 「こあいよおぉ! おきゃあしゃあん! おねえちゃあん!」 「は~い、じゃあ次」 「ゆにゃあぁぁ! やめちぇぇ! ゆっくいちたぁい! ゆっくいちたいよぉ!」 悲鳴をあげて怯える妹赤ゆ達から一匹を選んで摘み上げる。 今度は口からあにゃるへと逆方向に風船を貫通させてから口に咥える。 俺と赤ゆの目が合う体勢だ。 「やめちぇ…! れいみゅぶっちんしゃんやあぁ…! ゆっくちでき フー… ゆぶっ?!」 今度は少しずつ息を吹き込み、直径1センチほどまで膨らませる。 それでもプチトマトサイズの赤ゆにとっては相当の圧迫感があるだろう。 「ゆぶぶ…! いちゃ…! れ…みゅ…おかお…ちぎれちゃ…! やめ…! おにいしゃ…!」 俺の眼前で、涙目で必死に助けを請う赤ゆ。 大きく開いたお口の端の饅頭皮がビロンと伸び、中の餡子が透けて見える程に薄くなる。 その表情を楽しみながら、更に息を吹き込む。 「ゆ…ぶっ…いぢゃっ…ちぎれ…りゅ…ゆごっ…! も゛ぼっ……!」 口をあんぐり開けたままの変則ぷくーで膨らみ、こちらを威嚇してくる赤れいむ。 口の端の皮がぷちぷちと裂け始めたかと思うと、みるみる頬まで裂け目が広がり、中の餡子が露になる。 更にもう少し息を吹き込む。 「も゛…! も゛っ…!!」 喉を完全に塞がれ、まともに出せなくなった言葉の代わりに、 ボロボロ涙を流す目とピコピコ揺れるもみあげが俺に何かを語りかけているようだ。 「もうやめでえぇぇえ! れいむのあがぢゃんにひどいごどじないでええぇ!!」 ブチ切れ寸前の赤ゆが母れいむの声に気づき、助けを求めるかのように視線を水槽の方に彷徨わせたところで、とどめのもう一息。 ブチッ…ブチブチ…ブチッ! ボトッ 再び赤ゆの部品が、水槽の中に落ちる。 だが、落ちたのは下半分だけだった。 上半分は膨らんだ風船の上にバランスよく乗った状態でそこに留まっていたからだ。 ピコピコピコピコピコピコ…! 風船を咥えたままの俺の目の前で、もみあげが激しく動き続け、暫くして、止まった。 「あがぢゃあああんっ!! ゆああぁ!! どおじでごんなあぁぁ!」 「よし! 最後はみんな仲良くいこうね! お姉ちゃんも一緒だよ!」 「ゆぴゃあぁぁっ!! ゆぎっ!?」 「おきゃあぢゃああんっ!! ぎびゅっ!!」 「た、たちっ…たちけちぇぇ…たちけちぇえぇ!! ゆぴぃっ!」 「ゆやぢゃああぁっ! まりちゃをぶちぶちちないでえぇ!! ゆげえっ!」 姉の赤まりさと残った妹赤れいむ3匹を捕まえ、一つの風船にまとめて通し、少々の事前準備を施す。 なお、俺の側から見て、こちらにお尻を向けた赤れいむ3匹が連なり、その妹と対面する向き一番外側に赤まりさの順だ。 フーーー… 息を吹き込むと、ポンと風船が膨らむ。 「「「「ゆぎゅぷっ!!」」」」 体の芯から外側に向けて強い圧迫を受けた4匹が一斉に声を上げた。 こちらに向いた赤れいむ達のお尻が振られる。 プリンプリンと振られるのではなく、プルンプルンと小さく震えるような振られ方だ。 あにゃるに風船が通ってる状態なので、あまり派手な振り方ではないが、その奥ゆかしい動きがまた愛らしいではないか。 俺からは赤まりさの涙目顔しか見えないのが残念ではあるが、きっと妹達もいい表情を浮かべてくれているのだろう。 フー… 「「「ゆも゛ぉっ…!!」」」 「やめ゛っ…おにいしゃ…! まりぢゃの…いもおぢょ…! ちんじゃうっ…!」 体の小さな妹達は、既にお口が一杯一杯に広がったのか、もうまともな言葉を発音できない。 替わりにまだ余裕のあるお姉ちゃんが、苦しそうに妹達を気遣う声を上げる。 さっきまではお帽子を細切れにされて泣いていたというのに。麗しきかな姉妹愛。 フー… 「「ゆぼっ!!」」 「ゆも゛…! いも゛っ…ぢょ…があぁっ…!」 上がった悲鳴は赤れいむ2匹と赤まりさ1匹分。 赤まりさの目の前にいた赤れいむは上下バラバラになって脱落した。 その光景を目の前で見ていた赤まりさと、すぐ後ろの妹赤れいむがちーちーを漏らす。 「「ゆぶぶ…! ゆぶぶ…!」」 残った赤れいむ達は、まだ千切れていない。 予めほっぺにセロテープを張って饅頭皮を補強しておいたお陰で伸びにくくなっているのだ。 あにゃるの周りの皮が裂け、俺からは見えないがおそらくは口も裂け、苦しそうに呻いているが、まだまだ健在。 元気にもみあげをピコっている。 さあ、もう少し息を吹き込んでみようか。 フー… 「ゆぎょおっ?!」 おっといい声が聞こえたね。 声の主、真中にいた赤れいむちゃんの様子を見てみよう。 こちらからは、大幅に拡張されたあにゃるしか見えないので、風船を折り曲げて、顔をこちらに向けさせる。 小さなお口は、顔の端まで真一文字に裂けているが、セロテープのおかげで裂傷はそこで止まり、 かろうじてお口の上と下がサヨナラするのを引き止めている。 縦方向の引っ張りにかなり強くなっているのだ。 しかし、風船は縦にばかり膨らむ訳ではない。 横方向への膨らみで、顔の中心線上の饅頭皮が伸びて薄くなり始め、赤れいむの両目が離れてきている。 こうして俺が見ている最中にも、ミチミチ…と伸びきった顔の皮が破れ始め、中の餡子が見え出してきた。 更にもう一息。 フー… ブチ…ブチ…ブチブチィッ ボトッ 「ゆ゛…ぶ…!」 「ゆ…や゛あ゛…ぶっ…まり…の…いもお…ぢょ…ゆもっ…!」 メリメリと真ん中から左右にゆっくり裂けて、水槽へと落下して行った。 最後の赤れいむ、俺の口から一番近い子は、まだ耐えている。 こちらはほっぺだけじゃなく、側面を一周させてセロテープを巻いてあるから、大変丈夫である。 フーーー…! 「……!!!」 「ゆぼっ…!? ぼっ…! びぼ…うぢょぉ……!」 再び風船が膨らむ。 最後の赤れいむのいる箇所だけ風船が窄まった状態で。 セロテープの輪が内からの圧力に耐えて、その場所だけ風船の膨張を押さえ込んでいるためだ。 だが、セロテープが圧力に耐えたところで、セロテープと風船の間の物も耐えるかと言うと、そうではない。 セロテープの輪と風船に挟まれて残っているのは、薄く潰れた饅頭皮一枚のみ。 その下にあった筈の餡子は、口とあにゃるの饅頭皮を押し広げて、水槽の中へボトボトと落ちてしまっていた。 さてさて、最後に残るはお姉ちゃんのまりさちゃん。 一番の特等席から、妹達が千切れたり、饅頭の抜け殻になって行く姿をつぶさに見ていたその目が、 今はその感動のラストシーンを反芻するかのように、固く閉じられ、涙を流している。 フー… 「んも゛ぉっ…!?」 眼底からの圧力に、目玉が半分ほど飛び出し、閉じていたおめめが再び開いて、俺を見る。 その怯えきった涙目に笑いかけてから、空気が抜けないようにして一旦風船から口を放す。 「まりちゃちゃあん、これから妹達みたくブッチィンって千切れちゃうよ? 怖い? ブッチンはイヤ?」 「ゆも゛ぉっ…!! も゛ぼっ…!!」 言葉は発せなくとも、目は口ほどに物を言う。 その涙が全てを俺に伝える。 「うんうん、わかる、わかるよー。そうだよねぇ。ブッチンはヤだよねぇ。 じゃあ、お兄さんがまりちゃちゃんがブッチンにならないようにしてあげるねええぇぇ!」 別の風船−大きくて透明度が高いもの−を取り出し、ハサミで切り開き、一本のゴムの帯状にする。 これを赤まりさと、その前後を囲むようにぐるっと巻き付ける。 被せた風船の下に透けて見える赤まりさちゃんが、 イヤイヤをするように目だけを左右に動かしている姿がかわいすぎて生きてるのがつらい。 「始まるよ! 始まるよ! かわいいまりちゃちゃんのすーぱーぷくぅタイムが始まるよ!」 そう言って再び風船を口に咥える。 水槽の中の姉妹達からゆんやゆんやの大喝采が聞こえてくる。 お母さんも感激の涙を流している。 フーーー…! 「ゆ゛ぼお゛っ………!?!?」 内側の風船が伸び、あっという間に赤まりさのお口とあにゃるが横に裂ける。 だが、一緒に伸びた外側の風船に押さえつけらているお陰で、千切れるまでには至らない。 フーーー…! 「~~!? ~~!!」 口元から、赤まりさの顔に縦に亀裂が走り始める。 ミチミチと皮が破れ、餡子色の亀裂が眉間へ、おでこへ、頭へと広がって行く。 風船の下で行き場のない涙を滲ませ、俺に向かって命乞いをする両目が徐々に離れて行く。 だが、千切れるまでには至らない。 フーーー…! 「………!!!」 風船と風船の間の空間に、赤まりさの餡子がじわじわと滲み出す。裂けたお顔やあにゃるから。 喉やあにゃるを通ってから排出された分は別として、 裂けた皮から漏れ出た分は、風船で押さえつけられているお陰でまだ体内の餡子と一つに繋がった状態。 言ってみれば、皮を剥がれた状態と変わらない。 だからまだ、命を奪うには至らない。 どんどん、どんどん、餡子が広がる。皮も広がる。広く広く、薄く薄く。 それでも命を奪うには至らない。 潰れて倍ぐらいに広がった小さなおめめが、遂に破裂して円形を留めなくなった。 その下からも、餡子が溢れ出してくる。 フーーー…! フーーー…! フーーー…! ……… ……… 外側の風船をそっと剥がし、内側の風船の空気を抜く。 「はい、プレゼント」 水槽の中で固まって震えている赤ゆ達の頭上から、風船に貼り付いていたソレを落とす。 約束通り千切れることなく繋がったままの、ペラペラの餡子のリングがパサリと音を立てて落ち、赤ゆ達の周りを囲む。 落ちたリングの外側の一部が捻れて裏返り、赤ゆ達の方を向いた。 そこに貼り付いていたのは、髪の毛、そして薄く引き延ばされた丸い穴の開いた饅頭皮。 赤まりさのお顔の右上側だった。 「「「「ゆぴ…ゆぴぴ……ゆぴいいぃぃぃぃーー!!」」」」 赤ゆ達が、一声鳴いた後、口から餡子の泡を吹いて気絶する。 餡子リングは暫くブルブルと震えていたが、やがて動かなくなった。 「あがぢゃん……あがぢゃああぁん……かえれると…おもっだのにぃ……」 愕然とした表情で餡子リングを見つめながら、母れいむが涙を流す。 そんなれいむの髪をそっと撫でて、静かに声をかける。 「れいむ…元気出しなよ…れいむがしっかりしないと赤ゆちゃん達がゆっくりできないよ… ほら、死んだまりさちゃんも言ってるよ…聞こえない…? …ゆやあぁぁあぁ、まりちゃちにたくないよー おかーさんがおぼうしとらなかったら、まりちゃはちななくてすんだのにー どーちて、まりちゃのおぼうししゃんとっちゃったのー おかーさんはまりちゃのこときらいなんだーゆええええん」 「ゆっぐ…ぢ、ぢがうのぉ…れいぶのあがぢゃん……れいぶ…れいぶ…ぞんな…づもりじゃ…」 「おかーさーん、くるちいよぉぉー、いたいよー、おくちがさけちゃうよー、からだがちぎれちゃうよー、 おかーさーん、まりちゃちゅぶれちゃうよー、まりちゃをたしゅけてー、 おかーさーん、まりちゃのおぼうしかえしてよー、まりちゃゆっくりできないよぉぉ…… …どう、れいむ? 少しは元気出た?」 「ごべ…ごべんね…あがぢゃん……ごべん…ねえ…ゆる…じでねえ…おがあざんをゆるじでえぇぇぇ……」 俺はれいむの涙を餡子リングでそっと拭ってやった… [残り赤ゆ] まりさ×3 れいむ×1 ========== 今日は日曜日。 積んであった本を虐待部屋に持ち込み、読書に勤しむ。 とは言え、実は本の内容はほとんど頭に入っていない。 俺のすぐ横の水槽で楽しいイベントが発生しているせいだ。 「ゆ…こうなのじぇ…」 「ちがうよ…こうぢゃよ…」 何やらボソボソと言葉を交わしているのは、二匹の赤まりさ。 母れいむの背後で身を寄せ合って、嬉しそうにお喋りをしている。 その二匹にチラリと視線を送り目配せをすると、二匹がぽいんと跳ねて答えてくれた。 母れいむは今はお昼寝の時間。 食事に微量のゆっくり用睡眠薬を混ぜておいたので、ご飯が終わるとすぐに舟を漕ぎ始めた。 額からは茎が伸び、四つの実ゆっくりが実っている。 予定日は明日。まだ種族不明。 きっと今度こそ無事赤まりさが生まれて、みんなでおうちでゆっくりしている夢でも見ていることだろう。 「ゆ…ゆっ…にゃんだか………きちゃよ……」 赤まりさ達の様子を横目で伺う。 そこで起きている事を見て、顔のニヤけが止まらない。 「「………………ぃぃぃーーー!」」 一際大きい声を聞いた瞬間、思わず噴き出しそうになり、慌てて本で顔を隠す。 赤ゆの声に反応して、母れいむが目を開いた。 だが、まだ夢うつつのようだ。 「ゆうぅ…いまのこえなに…? おちびちゃん…? ゆっくりしていってね…ゆぴー…」 眠たげに目を開いたれいむだったが、すぐに目蓋が下りる。 母れいむが再び眠りに落ちたのを確認して、赤ゆ達がまたお喋りを開始する。 「みょういっきゃい……」 「ゆぅ…にゃんだか…しゅっごく……のじぇ…」 ……… 「「………………りいいぃぃぃーーー!」」 またもや上がった大きな声に母れいむの目が半分ほど開くが、すぐに閉じる。 「ゆっ…こんぢょは…まりしゃが……」 「ゆっ…ゆふん…ゆぅぅん……」 「まりしゃたち なにちてるにょ? れいみゅもいれちぇね!」 「し、しじゅかに…! しゅ…しゅるのじぇ!」 「れ、れいみゅは…ゆぅ…! あっち…いっちぇよぉ!」 「ゆぅぅ…どうちてなかまはじゅれにしゅるのぉ…」 再び何事か始めた赤まりさ達に気付き、赤れいむが近づいて来たが、興奮した様子の二匹に追い返される。 「ゆえぇぇ…おきゃあしゃーん! まりしゃがいじわりゅしゅるー!」 ポインポインと跳ねて行った赤れいむが、母れいむのもみあげを引っ張って泣きつく。 それでようやく母れいむも目を覚ます。 「ゆぅ~ん…? どうしたの、おちびちゃん……? ゆ…この声…何……?」 キョロキョロと周囲を見回し、やがて、背後にいる赤まりさ達に向き直った、その直後 「「ちゅっ! ちゅちゅちゅちゅちゅっ! ちゅっきりいいいいいぃぃぃぃぃーーーー!!!」」 粘液にまみれた頬をくっちょくっちょと擦り合わせていた赤まりさ達が、幼いすっきりを終えた。 「ゆああぁぁぁっ!? おぢびちゃん!? なにやっでるのおおぉぉ!? まだあかぢゃんなのにすっきりしちゃだめでしょおぉぉ!」 「ゆぴっ!?」「ゆべちっ!?」 れいむが悲痛な叫びを上げながら、もみあげで赤まりさ達を叩いて引き離す。 そのもみあげの先に、ネットリとした粘液がこびりつく。 すっきり三回分の粘液が。 「いちゃちゃ……ゆっ! おきゃあしゃん! まりしゃたち、おうちかえれりゅよ!」 「ゆぅ! しょうなのじぇ! まりしゃがいもうちょのまりしゃを……ゆ…?」 誇らしげに笑顔を浮かべていた、のじぇまりさの言葉が止まり、顔が苦悶に歪み始める。 その額が小さく盛り上がった。 「…ゆひっ…! かひゅっ…! ゆぎゅ……く、くりゅ……ち……」 母れいむが叱ったとおり、赤ゆっくり・子ゆっくりのすっきりは御法度だ。 赤ゆっくりを宿した母体は、赤ゆっくりに体内の栄養分を吸収される。 生まれる赤ゆっくりは、母体のサイズに関係なく普通の赤ゆサイズに成長するまで母体の栄養を吸収しようとする。 それが実った赤ゆの数分だ。当然、体の小さなゆっくりが賄いきれる量ではない。 栄養状態が極めて良好な子ゆっくりであれば一命を取りとめるケースもあるが、赤ゆっくりでは120%助からない。 「ゆが……が………ゆ゛………」 「あがぢゃあぁん! しっかりじでえぇ! しんじゃいやあぁぁ!」 のじぇまりさの額から茎がニョキニョキと伸び始め、更にもう一本、茎が伸び始める。 と、同時に饅頭皮が急速に黒ずみ、体のあちこちがボロボロと崩れ落ちる。 「も゛……ゆ゛……」 「ゆわああぁあぁ! れいぶのあがぢゃんがあぁぁ!?」 そして完全に黒ずんで枯れたのじぇまりさは、何も言わない黒い塊になった。 二本の茎からは、西瓜の種のような黒い物体が糸を引きながら幾つもぶら下がっていた。 「まりしゃあぁ!? どうちちぇえぇ!? にゃんでえぇえぇ?!」 一緒にすっきりをしていた赤まりさが叫ぶ。 その様子を水槽の上から覗き込みながら、俺が口を挟む。 「あー…まだ赤ちゃんなのにすっきりーしちゃったのかぁ…そりゃ、死んじゃうよねぇ…」 「ゆうぅぅ?! な、なにいっちぇるのおおぉぉ?! だっちぇ…ゆ…? ゆゆ…?」 「だって」、ね。 そうそう、そうだったよね、まりしゃちゃん。昨夜は楽しかったねぇ… ~~~~~~~~~ 「「「ゆぴー…ゆぴぴー……」」」 夜十時 ゆっくり達が眠れるように、夜は照明を絞っている暗い室内にゆっくり一家の寝息が響く。 足音を立てずに水槽に忍びより、そっと様子を窺うと寝息以外の声が聞こえてきた。 「ゆうぅ…おなきゃがすいちゃよ…」「あみゃあみゃしゃんたべちゃいのじぇ…」 空腹で寝付けないのか、ボソボソとお喋りをしているのは、二匹の赤まりさ達。 起きているのがいると都合が悪かったのだが、この二匹ならばちょうど良い。 ヒョイヒョイと二匹を摘み上げ、掌に乗せた。 「ゆっ?」「まりしゃおしょらをとんでりゅのじぇ! ふーわふーわ!」 「夜更かししてるいけない子はだーれだ?」 「「…!?」」 大好きなお兄さんこと俺の掌の上にいる事に気付いた二匹が、かわいい目ん玉を飛び出させる。 悲鳴を上げられる前に素早く赤ゆ達の頭を押さえつけ、小声で囁く。 「騒がないでね? 騒いだら、お兄さん、びっくりしてゆっくりできない事しちゃうかもしれないよ? ゆっくりりかいできる?」 お口を開けない赤ゆ達が、揃っておそろちーちーで肯定の返事をする。 やめてね! そんな目でお兄さんを見ないでね! 握り潰したくなっちゃうよおぉ! ……… 「むーちゃむーちゃ! ち、ち、ちあわちぇえぇぇ!!!」 「おいちいのじぇぇ! これめっさおいちいのじぇぇぇ!」 「ははは、麦チョコおいしいかい? さっきは驚かせてごめんね!」 俺の部屋に連れてこられた赤ゆ達は、最初はこの世の終わりを迎えたような顔をしていたが、 麦チョコを三粒食べさせてあげただけで、すっかりご機嫌になった。 「おにいしゃん! もっちょちょうだい!」「むぎしょこしゃんはゆっくちできりゅのじぇ!」 「だーめ、もう終わりだよ」 「「ゆうぅぅ…」」 途端に涙目。コロコロと変わる表情は見ていて飽きない。 もっちょよこちぇぇ! こんにょくっしょじじいいぃ! とか言わないトコもかわいくっていいよね! まあ、アレはアレで身の程を知らないおバカさ加減がまたかわいいんだけどね。ふふふ! あぁ、ホント赤ゆちゃんはかわいいなぁ…はぁ…潰したい…潰したい…潰したいなぁ…… 「ゆー? おにいしゃん、どうちたにょ?」 「ん? 何でもないよ? 麦チョコはあげられないけどね、お兄さん、かわいいまりさちゃん達だけに特別にいいこと教えてあげるね」 ……… 「ゆゆーっ! しゅごいのじぇ!」 「やっちゃあ! まりしゃたち、おうちかえれりゅにぇ!」 興奮気味にポヨンポヨンと飛び跳ねる赤ゆ達。 俺が教えてあげたのは、赤ゆでも理解できる簡単な事。 まりさとまりさですっきりーをして赤ちゃんが"生まれれば"、絶対にまりさの赤ちゃんになる ゆっくりのすっきりー行為は、赤ゆ同士でも実行可能だ。その後の事を考えなければ。 やり方もすりすり型なら至極簡単。 母れいむのすっきりーをいつも見せているし、後は本能でどうとでもなる。 俺からそれを聞いた赤まりさ達は、楽しげな計画を思いついて大喜びしていた。 「そうだ。この事はれいむお母さんには内緒にしておこうね」 「ゆ…? どうちちぇ…?」 「お母さんをビックリさせてあげるためだよ! そうだね、お母さんがお昼寝しているときにでも、こっそりすっきりーをしてごらん。 お母さんが起きたら、まりさちゃん達の赤ちゃんを見せてあげるんだ! きっとお母さん、大喜びして、すっごくゆっくりしてくれるよ~!」 「「ゆうう~ん♪ ゆっくち! ゆっくちぃ!!」」 「ふふふ! ゆっくり! ゆっくりぃ!」 ~~~~~~~~~ 「ゆ…だっちぇ…ゆぎ…?! …ゆ…おにいしゃ…ゆぎっ?! く、くりゅちぃ…!」 だって、お兄さんが教えてくれたんでしょおおぉ?! かなぁ? まりしゃちゃん。 そうだね。お兄さんが教えてあげたんだよね。 赤ちゃんがすっきりーしたら、死んじゃう事までは教えてあげなかったけどね。 ふふふ…なんでお兄さんの事、信用しちゃうのかな? 今まで、お兄さんがまりしゃちゃんの姉妹達に何をしてきたか覚えてないのかな? ばかなの? 黒ずんで死ぬの? なんでそんなにかわいいの? ふふ…うふふふ…… 3回目のすっきりーで母体となったのが、残った方の赤まりさだったようだ。 こちらは茎一本分なので、最初に死んだ姉妹よりも緩やかに死へと向かって行く。 「ゆ…ゆぐっ……くりゅちい…! …おきゃあ…しゃ……」 「お、おちびちゃん?! おちびちゃんもなのぉ?! ゆやあぁあぁ! じっかりいぃ! しんじゃいやあぁ!」 額から茎が伸び始め、体内の栄養分を急速に吸い出して行く。 それと共に赤まりさの体の各所が崩壊を始める。 「ゆぎっ……かひぃ……ゆひっ……くりゅ……し……きひっ……」 「おぢびぢゃあぁあん!!」 まずは呼吸器系…だろうか? ゆっくりに呼吸器があるのかは知らないが、息を詰まらせているような声を上げ始め、苦悶の表情を浮かべる。 「い…ちゃ…おかおが…いちゃ…かひっ…あんよしゃ…いちゃ……ぺりょ…ぺ……ちちぇ…」 「いだいの? おぢびぢゃん、いだいのぉっ?! おがあざんがぺーろぺーろじであげるがらあぁ!」 饅頭皮が黒ずみ始め、その表面がハリを失ってひび割れ、崩れ始める。 髪の毛も縮んで黒ずみ、三つ編みのお下げがボロッと崩れて地面に落ちる。 「みえ……にゃい……まっきゅ…ら……かはっ……こあい……よ……おべべ……いちゃ…けひっ…」 「おにいざあぁん! あがぢゃんだずげであげでえぇぇ! いばならまだぁぁ!」 「いや無理でしょ、これは。もうこんなだし」 片方の目がドロリと溶け、頬を伝って滑り落ちて行く。 その目玉を追うようにして、餡子と混ざった黒い涙が滴り落ちる。 残った目は、まだ眼窩に嵌ってはいるが、こちらも溶け始めている。 もはや眼球としての機能は果たしていないようだ。 「かっ……ひっ……いちゃ…い…くりゅち……ちぬ…にょ……や……ぢゃ……まり……しゃ……」 「おねがいぃ! おねばびじまずうぅぅぅ!!!」 歯が歯茎ごと次々に崩れて抜け落ち、舌は干涸らびたように縮んで行く。 体内の餡子がグズグズになったのか、体が球形を維持できなくなりベシャリと潰れてくる。 「も゛っ……ぢょ……………ゆ゛…………」 「あがぢゃあああああぁぁん!!」 目や口、あにゃる、しーしー口、その他、体に開いた穴から、ドロリと粘液状になった餡子が漏れ出す。 そのまま、黒い茎を生やした赤まりさは何も言わなくなった。 「ゆっぐ……あかちゃん……どおして……どおしてこんなこと……したのぉ……?」 黒ずんだ二匹の赤ゆの前で涙を流して呆然とする母れいむ。 「お兄さんにもわからないよー でも、ひょっとして…自分達がれいむの替わりに赤ちゃんまりさを産めば、お家に帰れると思ったのかな…」 「ゆっぐぐ……ごべんね……あかぢゃんごべんね……おかあざんが……おかあざんが…だめなばっがりにぃぃ……!」 笑いを噛み殺しながら投げかけた俺の言葉に、れいむが地面に頭を擦りつけながら、黒ずんだ赤ゆに向けて何度も謝る。 それから、ひしっと、残った二匹の赤ゆをもみあげで抱きしめた。 「おがあざん…ふたりを…しなせないからねぇ…なにがあっでも…たすげるがらねえぇ……!」 三匹の親子は抱き合いながら、ゆんゆんと泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×1 れいむ×1 後編に続きます
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/101.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 640 れいむ、俺の為に赤ちゃん産んでくれ 前」からの続きです ========== れいむ、5回目の妊娠 「おっ、順調に育ってるね~、みんなゆっくり早く生まれてきてね!」 仕事から帰ってくると、れいむの額から伸びた茎に、そこに生えた七つの実ゆっくりに話しかける。 まだ髪や飾りが生えてきていない状態なので、種族はわからない。 判別つくようになるのは、明日の日中だろう。 れいむは、今回から妊娠方法を数を産める植物型に切り替えていた。 意識的にか、無意識にかはわからないが、いい判断と言えよう。 ゆっくりの交配において、産まれてくる子供の種族は必ず両親いずれかと同じ種族になる。 記憶などは祖父母以前の代まで遡って継承する事もあるが、種族を決定する遺伝餡までは隔世で発現しない。 え? チェンジリング? 何それおいしいの? まあ、ポンデちゃんのお友達? 上がって待っててね。すぐ帰ってくると思うから。 スタンダードなれいむとまりさの組み合わせで交配を行った場合、それぞれの種族の子供が生まれる確率は、ほぼ五分五分。 片親が他の基本種や希少種だった場合、その確立は変わってくるが、まあその話はどうでもいいだろう。 という訳で、まり×れいで交配を行った場合であれば、7匹全部がれいむ種になる確率は(1/2)^7=1/128。 ご都合主義に支配された世界でも無い限り、そうそう起こる出来事ではない。 しかし、コトはかわいい赤ゆちゃん達の命に関わる。 微力ながら、赤まりさが生まれる確率を上げる手助けをしようではないか。 ……… 「フンフフフ~ン♪ おお、このまりさちゃんかわいいねぇ!」 「ゆ…おにいさん…なにしてるの…?」 水槽の横で雑誌を切り抜いている俺に、れいむが不思議そうに聞いてくる。 「んー? これはね~…お! この子もか~わいいなぁ~!」 チョキチョキ 切り抜いてるのは、ゆっくり愛好家向けの雑誌。 読者によるゆっくり写真投稿ページから、とびきりかわいい子ゆっくり・赤ゆっくりの写真を選り抜いているのだ。 選んだのは、全てまりさ種。 「お兄さん、れいむがまりさちゃんを産めるようにお手伝いしようと思ってね!」 写真を水槽の外側、中のゆっくりから見える向きにセロテープで貼り付けながら、れいむに答える。 フカフカクッションの上で姉妹ですりすりをしている赤まりさちゃん カメラに向けてウインクをしている見返り姿の子まりさちゃん ちょっと涙目になりながら、洗面器の中でお帽子で浮く練習をしている子まりさちゃん ああ…飼い主さん、この子達捨てないかなぁ…俺すぐ拾いに行くのにぃ… 「どーだい!? みんなかわいいまりさちゃんだよねぇ! こうやってゆっくりしたまりさちゃんの姿をたくさん見れば、れいむの赤ちゃんもまりさちゃんになるかもしれないよ?」 「ゆゆっ?! そうなの!?」 そんな話は聞いたことないけどね! でも、胎教みたいな感じで案外そんな効果もあるかもしれないし…ま、病は気からというヤツだ。 「れいむ、アレも水槽に入れてあげようか?」 俺が指差したのは、いつも水槽から少し離れたところに置いてある透明な箱。 「ゆっ? い、いやだよ! あのまりさはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりできないとはひどいな~、いつもすっきりーしている仲じゃないか。それに頭の赤ちゃん達のおとうさんだよ?」 「おにいさんがむりやりすっきりーさせたんでしょおぉ! あんなゆっくりしてないまりさをみてたら、またあかちゃんのまりさがうまれなくなっちゃうよ!」 随分な嫌われようだ。 まあ、無理もないか。さっきからずっと透明な箱の中でこっちを睨みつけて暴れてるからな。 あんなの見てたら、かわいいまりさちゃん写真集の神通力も薄れてしまうというものだ。 ……… 「まりしゃはゆっくちできりゅね!」 「おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃ、たくしゃんうんでにぇ!」 「ゆっ! おちびちゃん! こんどこそだいじょうぶだよ! おかあさん、じしんあるよ!」 「ゆわーい! おうちにかえれりゅのじぇー♪」 水槽に貼られた写真を眺めながら、既に勝利を確信したか和気藹々と笑い合う母れいむと赤まりさ達。 一方、赤れいむ達はどこか複雑そうな表情を浮かべていた。 「おきゃあしゃん! れいみゅも! れいみゅもゆっくちしちぇるよ!」 「ゆふふ! そうだね! おちびちゃん! おうちかえってみんなでゆっくりしようね! ゆゆ~ん♪」 「ゆ……」 一匹の赤れいむが構ってほしげに母れいむに話しかける。 だが、浮かれている母れいむは答えはするものの、視線はすぐに写真の方に戻ってしまった。 「ゆー…おにいしゃん! れいみゅは!? れいみゅのしゃちんもはっちぇね!」 「いや、れいむちゃんの写真は貼れないよ。また赤ちゃんが全員れいむちゃんだったらどうするの? そしたられいみゅちゃん達、ゆっくりできなくなっちゃうでしょ?」 「ゆぅ……」「れいみゅはゆっくちできりゅ ゆっくちなにょに………」 疎外感を感じ、しょんぼりする赤れいむ達。 大丈夫! お兄さんはれいむちゃんもまりさちゃんもどっちも大好きだからねえぇぇ! そして、日付は変わり翌日 仕事から帰った俺は、早速れいむの茎に実った赤ゆをチェックした。 「れいむちゃん、れいむちゃん、…(中略)…れいむちゃんに~………れいむちゃん!」 結果は7匹全部、とってもかわいいれいむちゃん! 穏やかな笑顔で「ゆぅ…ゆぅ…」と寝息を立てている。 まだプチトマト大だが、出産促進剤が効いているのでもう生れ落ちる頃合だ。 「お、おかしいよぉ…! こんなのへんだよぉ…!?」 ずっと呆然と頭上の赤ゆを見つめているだけだった母れいむが、ようやく口を開いた。 そんなれいむを諫める。 「こら、れいむ。自分の赤ちゃんの事、変だなんて言っちゃだめだよ。こんなにゆっくりとした赤ちゃんじゃないか?」 「ち、ちがうよおぉ…! そうじゃなくてぇ…! どおしてあかちゃんこんなにいるのに、みんなれいむとおなじれいむなのぉ…?!」 「いや、そんな事言われても、産んだのれいむだし」 「ゆえっ…ゆええぇ…! おきゃあしゃーん! どうちてまりしゃを うんでくれにゃいのー?!」 「ゆっぐ…まりしゃたち…おにいしゃんに いたいいたいされぢゃうぅ…まりしゃやぢゃよぉぉ……!」 「れいみゅのいもうちょがちんじゃうよぉ! ゆああぁん!!」 今朝までは、今度こそお家に帰れると楽しそうにしていた一家が一転して恐怖に包まれ泣き喚く。 そんな家族達の声が聞こえたか、或いは、母れいむの恐怖が茎を通して伝わったか、 それまで穏やかな寝顔を浮かべていた新生赤ゆ達の表情も不安げになってくる。 「さーて、れいむちゃんしか生まれなかったことだし! お兄さんも心を鬼して処刑タイムにしっましょっかね~♪」 「ゆっ?! お、おにいさん、まってね! これはなにかのまちがい…な、なにするのぉぉ?!」 お楽しみ開始の宣言をした俺は、ゴトゴトと準備しておいた小道具を引っ張り出す。 水槽から取り出した母れいむを、れいむの直径と同じぐらいの板の上に乗せ、ビニール紐で縛り付ける。 これで跳ねる事も這う事もできない。 「やめてね! やめてね! れいむにひどいことしないでね!」 「「「おきゃあしゃんにひぢょいことちないでえぇ!」」」 「大丈夫、大丈夫。ちょっと大人しくしててもらうだけだから」 動けなくなったれいむを再び水槽に戻し、ここからが本番。 茎の真下を中心に、地面の上に落ちてくる赤ゆを受け止めるためのクッションを並べる。 「お、おおお、おにいざあぁん?! なにおいでるのおぉ!?」 「これは剣山って言うんだよ。とってもとかいはなクッションでしょ?」 「やめでよおぉぉ!! あがぢゃん ぢんじゃうでじょおぉぉ?! それどかしでえぇぇ!?」 「いや、殺すためにやってるんだし」 いや増した恐怖が伝わったか、茎に実った赤ゆ達の表情が更に不安の色を濃くする。 無理もない。これから何が起こるかわからない未知のゆん生。 先の見えない未来に不安を抱くのは、人間もゆっくりも同じではないだろうか? というわけで、その不安を払拭するために、ゆん生の先輩であるお姉ちゃんにこれからのゆん生を語ってもらうことにしよう。 「えーと、今日殺しちゃうお姉ちゃんは……ニ連続れいみゅちゃんだったから…れいみゅちゃんでいいか」 「ゆひ…ゆひいぃぃ……れいみゅ…ちにたくにゃい……こっちこにゃいでえぇぇ……」 角形の剣山を何枚か敷き詰め終えた後、 水槽の中で腰餡を抜かして動けなくなっている赤れいむを摘み上げ、茎と同じ高さから剣山の上に落とす。 ひゅ~ プスプスプスプスプスプスプスプス 「ぴんぎゃああぁぁぁああぁあぁぁあっっ!?!?」 何本もの針があんよに突き刺さる。 体重の軽い赤ゆであるが、ある程度落下距離があったので、饅頭皮に深く突き刺さった。 針先は中の餡子まで到達しているだろう。 「ぴぎっ! ぴぎいいぃっ! いちゃいっ! やめっ、とげとげしゃんやめちぇっ! いちゃいっ! ゆきいぃぃ!」 赤れいむはなんとか針を抜こうと身を捩るが、 足場のない針山の上、あんよに針が刺さった状態では、思うようには動けない。 お尻を持ち上げてはあごに食い込む針に泣き、あごを持ち上げてはお尻に食い込む針に叫びをあげる。 そんな堂々巡りを繰り返す内に、針はますます深く赤れいむの餡子に食い込んで行く。 「ぴいぃっ! いちゃいよぉ! とげとげしゃあんっ! ぴきっ! れいみゅにちくちくちないでえぇ!」 「「「「「「「……!? ……!?」」」」」」」 下で待つ姉赤れいむの呼び声に、まだ目の開いていない妹の赤ゆ達も素敵な未来を予感したか、ブルブルと震え出す。 その震動で茎が揺れる事で、赤ゆ達が生まれ落ちるのが早まる。 (ゆ? ゆっくちうまれりゅよ!) ひゅ~ プスプスプス 「ぴゅきいいぃぃっ?!」 (ゆゆっ?! きょわいよぉぉ!) ひゅ~ プスプスプス 「ゆぴいいぃぃっ!!」 (れいみゅまだうまれちゃくないぃぃ!) ひゅ~ プスプスプス 「いぢゃああぁいっ!!」 悲鳴で最初のご挨拶をする妹赤ゆ達。 その声に、まだ茎に残っている赤ゆ達は下で何か恐ろしい事が待ち受けている事を確信する。 「「「「……!!」」」」 茎から落ちまいと、茎に繋がった頭頂部に力を込めているのか、眉間に皺を寄せて何かを踏ん張っている。 だが、恐怖から来る震えは止まらず、次々に茎から切り離されて、悲鳴を上げる。 中にはパニックに陥りバタバタと暴れ出し余計に落下を早める者もいた。 「ぴいぃっ! ゆぴいぃっ!」「あんよいちゃいよおぉぉ!」「ゆっきちできにゃいぃ!!」 「おきゃーしゃあん!」「たちけちぇよおぉ! ぴきぃっ!!」 無事生まれ落ちた7匹の赤ゆ。 姉よりも軽いプチトマト大のため、針はあまり深くは刺さっていない。 そのため、身動きを取ることはできるのだが、動いた先もまた針のむしろ。 一歩這って悲鳴を上げて身をのけぞらせ、バランスを崩してコロンと転がってはまた悲鳴を上げる。 泣き叫び、じたじたと体を曲げて蠢き踊る7匹の赤ゆちゃん達の姿は、まるで楽しいお遊戯会。 よじよじ じたじた ころりん ぴこぴこ 「わ~赤ゆちゃん達かわいいなあ! みんなダンスがお上手だよ~!」 俺も手拍子のリズムで応援するが、みんなめいめいまちまちに動くのでリズムの取りようがない。 しかし、この自由奔放さこそが赤ゆちゃんのダンスの魅力だ。 「おにいさぁん…! もう…もう…やめてよぉぉ! あかちゃんがいたがってるよぉぉっ!?」 親御さんはこの線から出ないでくださーい。 でもヒートアップする親の気持ちもわかる。 今まさに赤ゆちゃん達がかわいいソロパートを披露してくれている真っ最中なのだから。 「いぢゃいいぢゃいいぢゃぁいっ! とっちぇええ! これとっちぇええぇ!」 転がる内に頭から針に突き刺さり、逆さまになった状態であんよを虚しくグネグネ動かす赤れいむ。 「ちくちくいちゃいよぉ! やめちぇえぇ…ゆぎゃああぁあっ! にぇいみゅのきゃわいいおべべぎゃああぁぁ!!」 前のめりに倒れて両目にサックリとサミングをくらう赤れいむ。 「おねいぢゃあぁあん!」 「やべぢぇええぇ! のっきゃらないぢえぇ! ぎゅぎゃああぁあぁっ!!」 唯一の安全地帯、動けない姉赤ゆに辿り着き、その上によじ昇ろうとする赤れいむ。 妹の分だけ重量が増した姉は、更に餡子深くに針が突き刺さり絶叫する。 半狂乱で振り回したもみあげが妹赤ゆの目に入り、のけぞった妹赤ゆは再び針山に転がり落ちる。 「いちゃいぃ…ゆーちょ…! ぴぎっ!? …ゆ、ゆーちょ…! ゆぴいぃっ!」 次々と刺さる針の痛みに泣きながらも、針山の端に向かって着実に這い進む赤れいむ。 無論、そんなにあっさり逃げられる程ゆん生甘くはない。 「ゆ…もーちょっとりゃよ……ゆーちょ… …?! ぴっ?! ゆびぎいいぃいいぃっ!?!?」 剣山クッションの外周近くの針には、ベットリとタバスコを塗りつけてある。 傷口から染み込む辛み成分に、赤れいむは狂ったように針のむしろを転げ回り、更に傷を増やしてはまた転げ回る。 そして、口からタバスコ付きの針山にダイブ、タバスコ味の針に舌を縫い付けられて動きを止めた。 「ゆぎっ…! かりゃっ…!? こりぇ…! どくっ…! ゆぴいぃ…! にゅいちぇっ…! にゅいちぇぇ……!」 数分後 「いちゃ…いよ……」「ゆひっ…ゆひっ…」「ゆ゛…ゆ゛…」 流石に踊り疲れたか、もう一歩も動けなくなった赤ゆ達が、剣山の上に横たわる。 垂れ流した涙とちーちー、傷口から零れた餡子が剣山の土台をたっぷりと汚していた。 「ふふふ! 赤ゆちゃん達ぃ! とってもかわいいダンスだったよぉ! それじゃお昼寝の時間にしようねえぇ!」 俺の声に、背中が針山に刺さって動けなくなっていた赤ゆがこちらに目を向け、その視線が俺の手の上の物に吸い寄せられる。 「ゆ…? ……!? や…やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ!!! ゆんやああぁぁっ!!」 「ゆっくりおやすみ…れいみゅちゃああん……ふふ…うふふふ……ゆふふふふ……!」 剣山のベッドで眠る赤ゆちゃん達の上に、ゴトッ、ゴトッと、そっと剣山のお布団を被せてあげた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×1 ========== れいむ、6回目の妊娠 今日は仕事の都合で帰りが遅くなってしまった。 茎に実っていた赤ゆ達も、もう生まれ落ちている頃だろう。 果たして今日こそは無事赤まりさが生まれてくれただろうか… 「ゆ、ゆっ! お、おにいさん! うまれたよ! あかちゃんのまりさがうまれたよ!」 虐待部屋に入るなりれいむの方から声をかけてきた。 へー産まれたんだー、どれどれ。 水槽の中には、プチトマト大の新生赤ゆが5匹。 見ると確かに、一匹だけ黒いお帽子を被った子が交じっている。 「わー! ほんとだ! とってもかわいいれ…赤ゆちゃんだね!」 「ゆ? ゆっくちちちぇいっちぇね!」 かわいいと褒められた赤ゆちゃんが、ブカブカお帽子の下で左右のもみあげを元気よくピコピコ動かしながら、俺に挨拶をする。 「はいはい、ゆっくりしていってね!」 「ね? ね!? ちゃんとあかちゃんのまりさでしょ!? だ、だかられいむたちをおうちにかえしてね!」 「うん! 勿論だよ! 約束通りお家に帰らせてあげようね!」 「あ、ありがとう! おにいさん! で、で、いつかえらせてくれるの?」 ダラダラと全身に汗を浮かべている母れいむを水槽から出し、透明な箱に移す。 続いて赤ゆ姉妹も。 箱に移された母れいむと姉の赤ゆ達が、チラチラと水槽の方に目をやる。 「ゆっ? ゆっ?! ちょ、ちょっとまっておにいさん!? い、いまかえるの?!」 「あっれー? お姉ちゃん達どうしたの? お家に帰れるよ? 嬉しくないの?」 「「「「ゆぴゃああぁあっ?!」」」」 れいむの言葉を無視し、やたらビクビクとしている姉の赤ゆ達に声をかけると、素っ頓狂な声を上げて飛び上がった。 何をそんなに怯えてるんだろうね! ふふふ…! 「ああ…そっか…妹やお姉ちゃん達…ゆっくりできなくなっちゃったもんね…みんなゆっくりできないよね… そうだ! お土産に食べ切れないぐらいのあまあまさんをあげようね! だからみんなでゆっくりしてね!」 「ゆ…ゆわーい! あ、あかちゃんたち! よ、よかったね! ね?!」 「「「「ゆわあぁぁ! あみゃあみゃしゃん!!」」」」 れいむがどうやら笑顔のつもりらしい歪な表情で目を泳がせながら大喜びする。 妹の赤ゆ達も笑顔で大喜びをしているが、お姉ちゃんの赤ゆ達はまだ水槽にご執心のままで気もそぞろだ。 俺も水槽にチラチラと視線を送ってみると、れいむが更に全身から汗を垂れ流す。 「あ、あ、あ、あの、おにいざん! きょ、きょうは、もうよるざんだから、れいぶだぢおうぢかえるのはあじだに…」 「じゃあみんなお家に帰ろうねえ! ゆっくりできるあまあまさんも一杯あげるからねえ! みんなで仲良くゆっくりと暮らしてねえ! それじゃあね! さようならああぁぁ!」 れいむの声を遮るように、俺が大声を張り上げる。すると 「ゆやああぁあっ! まりちゃをおいちぇかないでえぇぇ!? どうちちぇおいちぇくのおぉ!? おきゃあしゃあんっ!!! やぢゃあぁ! まりちゃもおうちかえりゅううぅぅ!!」 水槽の中から、大きな泣き声が聞こえた。 改めて説明するまでもないと思うが、 今回生まれた赤"まりさ"は、赤れいむに姉である赤まりさのお帽子を被せてまりさに見せかけたもの。 で、水槽でひとりおいてけぼりにされたのが、お帽子を貸した姉赤まりさ。 水槽の中に入れてある石の影に隠れていた。お尻が見えてたけど。 ゆっくりは飾りで個体識別をしているので、 飾りを他のゆっくりにつけると、そのゆっくりを本来の飾りの持ち主のゆっくりとして誤認識する。 これは親子や姉妹であっても区別がつかないほどだ。 今回みたく、自分達自身が目の前で飾りを渡した場合には、流石に"擦り替わった"と認識できるようだが、 それでも、帽子付きの赤れいむは赤まりさそっくりに見えていたのだろう。 餡子脳ではかんっぺきっな偽装だと思っていたのかもしれないが、 人間である俺からすれば、どう見てもまりさ種の帽子を被った赤れいむにしか見えない。 まんまと俺を欺き、帰宅の確約を取り付けたら、後は帰る直前に隙を見て赤まりさを口の中に隠すつもりだったらしい。 しかし、その"隙"はなく、赤まりさ一匹おいてけぼり。あの時の泣き顔のかわいらしさと言ったら…! こんな間抜けな抵抗が見られるから、監禁ゆ虐は楽しいよなぁ… 「やめちぇ! やめちぇ! やめちぇええぇっ! まりちゃのおぼうちしゃん、もうちょきちょきちないでえぇぇっ!!」 なんて事を考えながら、赤まりさが妹れいむに貸したお帽子をハサミで細かく切り刻んで行く。 「ほーら、まりちゃちゃん? 大事な大事なお帽子を他の子に貸しちゃうから、お帽子さん切られちゃったよぉ?」 「まりちゃじゃにゃいよぉぉ!? おきゃあしゃんが おぼうちとっちゃのおぉ! まりちゃ、いやっていっちゃのにぃぃ!!」 「おにいざんごべんなざいいぃ! でいぶがわるいんでずうぅ! おちびちゃんはわるぐないんでずうぅ! もうやべであげでぐだざいぃぃ!!」 「ちょーきちょーき! お帽子さんちょーきちょーき!」 「まりちゃのしゅてきなおぼうちしゃんがあぁぁーっ?!」 ……… 「ゆぐっ…おぼうちしゃん……ゆっぐ…もどっちぇ…いじわりゅちないで…もちょにもどっちぇよおぉ…」 「さ、じゃあ赤ちゃんまりさも生まれてなかった事だし、いつものヤツ行っとく?」 べそをかく赤まりさが、細切れになったお帽子だった物を舌で並べてなんとか元の形にしようとしているのを 指先でグシャグシャにしてから、本日の処刑タイム開始を宣告する。 「今日はどの子がいいかなぁ……よし! れいみゅちゃんだ!」 「ゆんやああぁぁっ!?」 「…と、思ってたけど、大事なお帽子貸しちゃった悪い子まりちゃちゃんが死のうねっ!」 「ゆっ…ぐ…ゆっぐ…まりちゃ…わりゅいこじゃにゃいよぉ… おきゃあしゃんが…おきゃあしゃんがあぁぁぁ……ゆびええぇぇん…!」 うんうん。いい泣き顔だね。 「良い子のまりさちゃん達はちゃんと覚えておいてね! とっても大事なお帽子! 他の子に貸しちゃったらゆっくりできなくなっちゃうからねえぇ! ……わかったか?」 ブルブル震えていた他の赤まりさ達が俺の言葉に涙目でコクコクと何度も頷く。 お間抜けイベントを見るのは楽しいが、同じネタを使われても萎えるので一応釘を刺しておく。 「よーし、今日はコレでいこうかな~」 取り出したものは、一本の竹ひご。 そこに"ある物"を被せてから、妹の赤ゆを一匹摘み上げ、あにゃるにブッスリと突き刺す。 「ゆびいぃぃ! いぢゃいぃぃ! れーみゅのあにゃりゅしゃんがあぁぁ! ゆげっ?!」 最後のゆげっ、は竹ひごを貫通させて赤ゆの口から突き出させた時に鳴った音だ。 串刺し状態になった赤ゆは、目を白黒させながら自分の喉を突き破って生えてきた竹ひごを見つめている。 「ゆげぇっ…! いぢゃっ…! のぢょっ…! あにゃりゅしゃ…! たっ、たちけちぇ…!」 さて、竹ひごに被せてあった物は、ゴム風船。長い棒状に膨らむタイプの物だ。 この風船の先っぽを指で摘み、中の竹ひごだけを引き抜く。 はい、これで風船が赤ゆの体を貫いた状態になりましたー じゃあ、いってみようか。 大きく息を吸い込みー フウーーーー!!! 思いっきり風船に向けて吹き込んだ。 「ゆぎゃ ブチンッ 一気に膨らませたので、悲鳴が終わる前に赤ゆの体が千切れ、上下に分断されて水槽の中に落ちた。 「「「「ゆびゃああぁっ!?!?」」」」 ボトボトと落ちてきたモノに、姉妹達が悲鳴をあげる。 口の上と下で離れ離れになってしまった赤ゆの方は、流石に声が出せない。 何かを言おうとしているのか、下半分にくっついた舌がピクピクと蠢いてはいるが、まったく声は出てこない。 その様子を、逆さまに転がった上半分が涙を流しながら見つめている。 そして、舌の動きが止まったのを見届けてから、上半分は暫く痙攣した後、目玉をグルリと反転させ、こちらも動きを止めた。 「あがぢゃんがああぁっ!?」 「まりしゃのいもうちょがああぁぁ!!」 「こあいよおぉ! おきゃあしゃあん! おねえちゃあん!」 「は~い、じゃあ次」 「ゆにゃあぁぁ! やめちぇぇ! ゆっくいちたぁい! ゆっくいちたいよぉ!」 悲鳴をあげて怯える妹赤ゆ達から一匹を選んで摘み上げる。 今度は口からあにゃるへと逆方向に風船を貫通させてから口に咥える。 俺と赤ゆの目が合う体勢だ。 「やめちぇ…! れいみゅぶっちんしゃんやあぁ…! ゆっくちでき フー… ゆぶっ?!」 今度は少しずつ息を吹き込み、直径1センチほどまで膨らませる。 それでもプチトマトサイズの赤ゆにとっては相当の圧迫感があるだろう。 「ゆぶぶ…! いちゃ…! れ…みゅ…おかお…ちぎれちゃ…! やめ…! おにいしゃ…!」 俺の眼前で、涙目で必死に助けを請う赤ゆ。 大きく開いたお口の端の饅頭皮がビロンと伸び、中の餡子が透けて見える程に薄くなる。 その表情を楽しみながら、更に息を吹き込む。 「ゆ…ぶっ…いぢゃっ…ちぎれ…りゅ…ゆごっ…! も゛ぼっ……!」 口をあんぐり開けたままの変則ぷくーで膨らみ、こちらを威嚇してくる赤れいむ。 口の端の皮がぷちぷちと裂け始めたかと思うと、みるみる頬まで裂け目が広がり、中の餡子が露になる。 更にもう少し息を吹き込む。 「も゛…! も゛っ…!!」 喉を完全に塞がれ、まともに出せなくなった言葉の代わりに、 ボロボロ涙を流す目とピコピコ揺れるもみあげが俺に何かを語りかけているようだ。 「もうやめでえぇぇえ! れいむのあがぢゃんにひどいごどじないでええぇ!!」 ブチ切れ寸前の赤ゆが母れいむの声に気づき、助けを求めるかのように視線を水槽の方に彷徨わせたところで、とどめのもう一息。 ブチッ…ブチブチ…ブチッ! ボトッ 再び赤ゆの部品が、水槽の中に落ちる。 だが、落ちたのは下半分だけだった。 上半分は膨らんだ風船の上にバランスよく乗った状態でそこに留まっていたからだ。 ピコピコピコピコピコピコ…! 風船を咥えたままの俺の目の前で、もみあげが激しく動き続け、暫くして、止まった。 「あがぢゃあああんっ!! ゆああぁ!! どおじでごんなあぁぁ!」 「よし! 最後はみんな仲良くいこうね! お姉ちゃんも一緒だよ!」 「ゆぴゃあぁぁっ!! ゆぎっ!?」 「おきゃあぢゃああんっ!! ぎびゅっ!!」 「た、たちっ…たちけちぇぇ…たちけちぇえぇ!! ゆぴぃっ!」 「ゆやぢゃああぁっ! まりちゃをぶちぶちちないでえぇ!! ゆげえっ!」 姉の赤まりさと残った妹赤れいむ3匹を捕まえ、一つの風船にまとめて通し、少々の事前準備を施す。 なお、俺の側から見て、こちらにお尻を向けた赤れいむ3匹が連なり、その妹と対面する向き一番外側に赤まりさの順だ。 フーーー… 息を吹き込むと、ポンと風船が膨らむ。 「「「「ゆぎゅぷっ!!」」」」 体の芯から外側に向けて強い圧迫を受けた4匹が一斉に声を上げた。 こちらに向いた赤れいむ達のお尻が振られる。 プリンプリンと振られるのではなく、プルンプルンと小さく震えるような振られ方だ。 あにゃるに風船が通ってる状態なので、あまり派手な振り方ではないが、その奥ゆかしい動きがまた愛らしいではないか。 俺からは赤まりさの涙目顔しか見えないのが残念ではあるが、きっと妹達もいい表情を浮かべてくれているのだろう。 フー… 「「「ゆも゛ぉっ…!!」」」 「やめ゛っ…おにいしゃ…! まりぢゃの…いもおぢょ…! ちんじゃうっ…!」 体の小さな妹達は、既にお口が一杯一杯に広がったのか、もうまともな言葉を発音できない。 替わりにまだ余裕のあるお姉ちゃんが、苦しそうに妹達を気遣う声を上げる。 さっきまではお帽子を細切れにされて泣いていたというのに。麗しきかな姉妹愛。 フー… 「「ゆぼっ!!」」 「ゆも゛…! いも゛っ…ぢょ…があぁっ…!」 上がった悲鳴は赤れいむ2匹と赤まりさ1匹分。 赤まりさの目の前にいた赤れいむは上下バラバラになって脱落した。 その光景を目の前で見ていた赤まりさと、すぐ後ろの妹赤れいむがちーちーを漏らす。 「「ゆぶぶ…! ゆぶぶ…!」」 残った赤れいむ達は、まだ千切れていない。 予めほっぺにセロテープを張って饅頭皮を補強しておいたお陰で伸びにくくなっているのだ。 あにゃるの周りの皮が裂け、俺からは見えないがおそらくは口も裂け、苦しそうに呻いているが、まだまだ健在。 元気にもみあげをピコっている。 さあ、もう少し息を吹き込んでみようか。 フー… 「ゆぎょおっ?!」 おっといい声が聞こえたね。 声の主、真中にいた赤れいむちゃんの様子を見てみよう。 こちらからは、大幅に拡張されたあにゃるしか見えないので、風船を折り曲げて、顔をこちらに向けさせる。 小さなお口は、顔の端まで真一文字に裂けているが、セロテープのおかげで裂傷はそこで止まり、 かろうじてお口の上と下がサヨナラするのを引き止めている。 縦方向の引っ張りにかなり強くなっているのだ。 しかし、風船は縦にばかり膨らむ訳ではない。 横方向への膨らみで、顔の中心線上の饅頭皮が伸びて薄くなり始め、赤れいむの両目が離れてきている。 こうして俺が見ている最中にも、ミチミチ…と伸びきった顔の皮が破れ始め、中の餡子が見え出してきた。 更にもう一息。 フー… ブチ…ブチ…ブチブチィッ ボトッ 「ゆ゛…ぶ…!」 「ゆ…や゛あ゛…ぶっ…まり…の…いもお…ぢょ…ゆもっ…!」 メリメリと真ん中から左右にゆっくり裂けて、水槽へと落下して行った。 最後の赤れいむ、俺の口から一番近い子は、まだ耐えている。 こちらはほっぺだけじゃなく、側面を一周させてセロテープを巻いてあるから、大変丈夫である。 フーーー…! 「……!!!」 「ゆぼっ…!? ぼっ…! びぼ…うぢょぉ……!」 再び風船が膨らむ。 最後の赤れいむのいる箇所だけ風船が窄まった状態で。 セロテープの輪が内からの圧力に耐えて、その場所だけ風船の膨張を押さえ込んでいるためだ。 だが、セロテープが圧力に耐えたところで、セロテープと風船の間の物も耐えるかと言うと、そうではない。 セロテープの輪と風船に挟まれて残っているのは、薄く潰れた饅頭皮一枚のみ。 その下にあった筈の餡子は、口とあにゃるの饅頭皮を押し広げて、水槽の中へボトボトと落ちてしまっていた。 さてさて、最後に残るはお姉ちゃんのまりさちゃん。 一番の特等席から、妹達が千切れたり、饅頭の抜け殻になって行く姿をつぶさに見ていたその目が、 今はその感動のラストシーンを反芻するかのように、固く閉じられ、涙を流している。 フー… 「んも゛ぉっ…!?」 眼底からの圧力に、目玉が半分ほど飛び出し、閉じていたおめめが再び開いて、俺を見る。 その怯えきった涙目に笑いかけてから、空気が抜けないようにして一旦風船から口を放す。 「まりちゃちゃあん、これから妹達みたくブッチィンって千切れちゃうよ? 怖い? ブッチンはイヤ?」 「ゆも゛ぉっ…!! も゛ぼっ…!!」 言葉は発せなくとも、目は口ほどに物を言う。 その涙が全てを俺に伝える。 「うんうん、わかる、わかるよー。そうだよねぇ。ブッチンはヤだよねぇ。 じゃあ、お兄さんがまりちゃちゃんがブッチンにならないようにしてあげるねええぇぇ!」 別の風船−大きくて透明度が高いもの−を取り出し、ハサミで切り開き、一本のゴムの帯状にする。 これを赤まりさと、その前後を囲むようにぐるっと巻き付ける。 被せた風船の下に透けて見える赤まりさちゃんが、 イヤイヤをするように目だけを左右に動かしている姿がかわいすぎて生きてるのがつらい。 「始まるよ! 始まるよ! かわいいまりちゃちゃんのすーぱーぷくぅタイムが始まるよ!」 そう言って再び風船を口に咥える。 水槽の中の姉妹達からゆんやゆんやの大喝采が聞こえてくる。 お母さんも感激の涙を流している。 フーーー…! 「ゆ゛ぼお゛っ………!?!?」 内側の風船が伸び、あっという間に赤まりさのお口とあにゃるが横に裂ける。 だが、一緒に伸びた外側の風船に押さえつけらているお陰で、千切れるまでには至らない。 フーーー…! 「~~!? ~~!!」 口元から、赤まりさの顔に縦に亀裂が走り始める。 ミチミチと皮が破れ、餡子色の亀裂が眉間へ、おでこへ、頭へと広がって行く。 風船の下で行き場のない涙を滲ませ、俺に向かって命乞いをする両目が徐々に離れて行く。 だが、千切れるまでには至らない。 フーーー…! 「………!!!」 風船と風船の間の空間に、赤まりさの餡子がじわじわと滲み出す。裂けたお顔やあにゃるから。 喉やあにゃるを通ってから排出された分は別として、 裂けた皮から漏れ出た分は、風船で押さえつけられているお陰でまだ体内の餡子と一つに繋がった状態。 言ってみれば、皮を剥がれた状態と変わらない。 だからまだ、命を奪うには至らない。 どんどん、どんどん、餡子が広がる。皮も広がる。広く広く、薄く薄く。 それでも命を奪うには至らない。 潰れて倍ぐらいに広がった小さなおめめが、遂に破裂して円形を留めなくなった。 その下からも、餡子が溢れ出してくる。 フーーー…! フーーー…! フーーー…! ……… ……… 外側の風船をそっと剥がし、内側の風船の空気を抜く。 「はい、プレゼント」 水槽の中で固まって震えている赤ゆ達の頭上から、風船に貼り付いていたソレを落とす。 約束通り千切れることなく繋がったままの、ペラペラの餡子のリングがパサリと音を立てて落ち、赤ゆ達の周りを囲む。 落ちたリングの外側の一部が捻れて裏返り、赤ゆ達の方を向いた。 そこに貼り付いていたのは、髪の毛、そして薄く引き延ばされた丸い穴の開いた饅頭皮。 赤まりさのお顔の右上側だった。 「「「「ゆぴ…ゆぴぴ……ゆぴいいぃぃぃぃーー!!」」」」 赤ゆ達が、一声鳴いた後、口から餡子の泡を吹いて気絶する。 餡子リングは暫くブルブルと震えていたが、やがて動かなくなった。 「あがぢゃん……あがぢゃああぁん……かえれると…おもっだのにぃ……」 愕然とした表情で餡子リングを見つめながら、母れいむが涙を流す。 そんなれいむの髪をそっと撫でて、静かに声をかける。 「れいむ…元気出しなよ…れいむがしっかりしないと赤ゆちゃん達がゆっくりできないよ… ほら、死んだまりさちゃんも言ってるよ…聞こえない…? …ゆやあぁぁあぁ、まりちゃちにたくないよー おかーさんがおぼうしとらなかったら、まりちゃはちななくてすんだのにー どーちて、まりちゃのおぼうししゃんとっちゃったのー おかーさんはまりちゃのこときらいなんだーゆええええん」 「ゆっぐ…ぢ、ぢがうのぉ…れいぶのあがぢゃん……れいぶ…れいぶ…ぞんな…づもりじゃ…」 「おかーさーん、くるちいよぉぉー、いたいよー、おくちがさけちゃうよー、からだがちぎれちゃうよー、 おかーさーん、まりちゃちゅぶれちゃうよー、まりちゃをたしゅけてー、 おかーさーん、まりちゃのおぼうしかえしてよー、まりちゃゆっくりできないよぉぉ…… …どう、れいむ? 少しは元気出た?」 「ごべ…ごべんね…あがぢゃん……ごべん…ねえ…ゆる…じでねえ…おがあざんをゆるじでえぇぇぇ……」 俺はれいむの涙を餡子リングでそっと拭ってやった… [残り赤ゆ] まりさ×3 れいむ×1 ========== 今日は日曜日。 積んであった本を虐待部屋に持ち込み、読書に勤しむ。 とは言え、実は本の内容はほとんど頭に入っていない。 俺のすぐ横の水槽で楽しいイベントが発生しているせいだ。 「ゆ…こうなのじぇ…」 「ちがうよ…こうぢゃよ…」 何やらボソボソと言葉を交わしているのは、二匹の赤まりさ。 母れいむの背後で身を寄せ合って、嬉しそうにお喋りをしている。 その二匹にチラリと視線を送り目配せをすると、二匹がぽいんと跳ねて答えてくれた。 母れいむは今はお昼寝の時間。 食事に微量のゆっくり用睡眠薬を混ぜておいたので、ご飯が終わるとすぐに舟を漕ぎ始めた。 額からは茎が伸び、四つの実ゆっくりが実っている。 予定日は明日。まだ種族不明。 きっと今度こそ無事赤まりさが生まれて、みんなでおうちでゆっくりしている夢でも見ていることだろう。 「ゆ…ゆっ…にゃんだか………きちゃよ……」 赤まりさ達の様子を横目で伺う。 そこで起きている事を見て、顔のニヤけが止まらない。 「「………………ぃぃぃーーー!」」 一際大きい声を聞いた瞬間、思わず噴き出しそうになり、慌てて本で顔を隠す。 赤ゆの声に反応して、母れいむが目を開いた。 だが、まだ夢うつつのようだ。 「ゆうぅ…いまのこえなに…? おちびちゃん…? ゆっくりしていってね…ゆぴー…」 眠たげに目を開いたれいむだったが、すぐに目蓋が下りる。 母れいむが再び眠りに落ちたのを確認して、赤ゆ達がまたお喋りを開始する。 「みょういっきゃい……」 「ゆぅ…にゃんだか…しゅっごく……のじぇ…」 ……… 「「………………りいいぃぃぃーーー!」」 またもや上がった大きな声に母れいむの目が半分ほど開くが、すぐに閉じる。 「ゆっ…こんぢょは…まりしゃが……」 「ゆっ…ゆふん…ゆぅぅん……」 「まりしゃたち なにちてるにょ? れいみゅもいれちぇね!」 「し、しじゅかに…! しゅ…しゅるのじぇ!」 「れ、れいみゅは…ゆぅ…! あっち…いっちぇよぉ!」 「ゆぅぅ…どうちてなかまはじゅれにしゅるのぉ…」 再び何事か始めた赤まりさ達に気付き、赤れいむが近づいて来たが、興奮した様子の二匹に追い返される。 「ゆえぇぇ…おきゃあしゃーん! まりしゃがいじわりゅしゅるー!」 ポインポインと跳ねて行った赤れいむが、母れいむのもみあげを引っ張って泣きつく。 それでようやく母れいむも目を覚ます。 「ゆぅ~ん…? どうしたの、おちびちゃん……? ゆ…この声…何……?」 キョロキョロと周囲を見回し、やがて、背後にいる赤まりさ達に向き直った、その直後 「「ちゅっ! ちゅちゅちゅちゅちゅっ! ちゅっきりいいいいいぃぃぃぃぃーーーー!!!」」 粘液にまみれた頬をくっちょくっちょと擦り合わせていた赤まりさ達が、幼いすっきりを終えた。 「ゆああぁぁぁっ!? おぢびちゃん!? なにやっでるのおおぉぉ!? まだあかぢゃんなのにすっきりしちゃだめでしょおぉぉ!」 「ゆぴっ!?」「ゆべちっ!?」 れいむが悲痛な叫びを上げながら、もみあげで赤まりさ達を叩いて引き離す。 そのもみあげの先に、ネットリとした粘液がこびりつく。 すっきり三回分の粘液が。 「いちゃちゃ……ゆっ! おきゃあしゃん! まりしゃたち、おうちかえれりゅよ!」 「ゆぅ! しょうなのじぇ! まりしゃがいもうちょのまりしゃを……ゆ…?」 誇らしげに笑顔を浮かべていた、のじぇまりさの言葉が止まり、顔が苦悶に歪み始める。 その額が小さく盛り上がった。 「…ゆひっ…! かひゅっ…! ゆぎゅ……く、くりゅ……ち……」 母れいむが叱ったとおり、赤ゆっくり・子ゆっくりのすっきりは御法度だ。 赤ゆっくりを宿した母体は、赤ゆっくりに体内の栄養分を吸収される。 生まれる赤ゆっくりは、母体のサイズに関係なく普通の赤ゆサイズに成長するまで母体の栄養を吸収しようとする。 それが実った赤ゆの数分だ。当然、体の小さなゆっくりが賄いきれる量ではない。 栄養状態が極めて良好な子ゆっくりであれば一命を取りとめるケースもあるが、赤ゆっくりでは120%助からない。 「ゆが……が………ゆ゛………」 「あがぢゃあぁん! しっかりじでえぇ! しんじゃいやあぁぁ!」 のじぇまりさの額から茎がニョキニョキと伸び始め、更にもう一本、茎が伸び始める。 と、同時に饅頭皮が急速に黒ずみ、体のあちこちがボロボロと崩れ落ちる。 「も゛……ゆ゛……」 「ゆわああぁあぁ! れいぶのあがぢゃんがあぁぁ!?」 そして完全に黒ずんで枯れたのじぇまりさは、何も言わない黒い塊になった。 二本の茎からは、西瓜の種のような黒い物体が糸を引きながら幾つもぶら下がっていた。 「まりしゃあぁ!? どうちちぇえぇ!? にゃんでえぇえぇ?!」 一緒にすっきりをしていた赤まりさが叫ぶ。 その様子を水槽の上から覗き込みながら、俺が口を挟む。 「あー…まだ赤ちゃんなのにすっきりーしちゃったのかぁ…そりゃ、死んじゃうよねぇ…」 「ゆうぅぅ?! な、なにいっちぇるのおおぉぉ?! だっちぇ…ゆ…? ゆゆ…?」 「だって」、ね。 そうそう、そうだったよね、まりしゃちゃん。昨夜は楽しかったねぇ… ~~~~~~~~~ 「「「ゆぴー…ゆぴぴー……」」」 夜十時 ゆっくり達が眠れるように、夜は照明を絞っている暗い室内にゆっくり一家の寝息が響く。 足音を立てずに水槽に忍びより、そっと様子を窺うと寝息以外の声が聞こえてきた。 「ゆうぅ…おなきゃがすいちゃよ…」「あみゃあみゃしゃんたべちゃいのじぇ…」 空腹で寝付けないのか、ボソボソとお喋りをしているのは、二匹の赤まりさ達。 起きているのがいると都合が悪かったのだが、この二匹ならばちょうど良い。 ヒョイヒョイと二匹を摘み上げ、掌に乗せた。 「ゆっ?」「まりしゃおしょらをとんでりゅのじぇ! ふーわふーわ!」 「夜更かししてるいけない子はだーれだ?」 「「…!?」」 大好きなお兄さんこと俺の掌の上にいる事に気付いた二匹が、かわいい目ん玉を飛び出させる。 悲鳴を上げられる前に素早く赤ゆ達の頭を押さえつけ、小声で囁く。 「騒がないでね? 騒いだら、お兄さん、びっくりしてゆっくりできない事しちゃうかもしれないよ? ゆっくりりかいできる?」 お口を開けない赤ゆ達が、揃っておそろちーちーで肯定の返事をする。 やめてね! そんな目でお兄さんを見ないでね! 握り潰したくなっちゃうよおぉ! ……… 「むーちゃむーちゃ! ち、ち、ちあわちぇえぇぇ!!!」 「おいちいのじぇぇ! これめっさおいちいのじぇぇぇ!」 「ははは、麦チョコおいしいかい? さっきは驚かせてごめんね!」 俺の部屋に連れてこられた赤ゆ達は、最初はこの世の終わりを迎えたような顔をしていたが、 麦チョコを三粒食べさせてあげただけで、すっかりご機嫌になった。 「おにいしゃん! もっちょちょうだい!」「むぎしょこしゃんはゆっくちできりゅのじぇ!」 「だーめ、もう終わりだよ」 「「ゆうぅぅ…」」 途端に涙目。コロコロと変わる表情は見ていて飽きない。 もっちょよこちぇぇ! こんにょくっしょじじいいぃ! とか言わないトコもかわいくっていいよね! まあ、アレはアレで身の程を知らないおバカさ加減がまたかわいいんだけどね。ふふふ! あぁ、ホント赤ゆちゃんはかわいいなぁ…はぁ…潰したい…潰したい…潰したいなぁ…… 「ゆー? おにいしゃん、どうちたにょ?」 「ん? 何でもないよ? 麦チョコはあげられないけどね、お兄さん、かわいいまりさちゃん達だけに特別にいいこと教えてあげるね」 ……… 「ゆゆーっ! しゅごいのじぇ!」 「やっちゃあ! まりしゃたち、おうちかえれりゅにぇ!」 興奮気味にポヨンポヨンと飛び跳ねる赤ゆ達。 俺が教えてあげたのは、赤ゆでも理解できる簡単な事。 まりさとまりさですっきりーをして赤ちゃんが"生まれれば"、絶対にまりさの赤ちゃんになる ゆっくりのすっきりー行為は、赤ゆ同士でも実行可能だ。その後の事を考えなければ。 やり方もすりすり型なら至極簡単。 母れいむのすっきりーをいつも見せているし、後は本能でどうとでもなる。 俺からそれを聞いた赤まりさ達は、楽しげな計画を思いついて大喜びしていた。 「そうだ。この事はれいむお母さんには内緒にしておこうね」 「ゆ…? どうちちぇ…?」 「お母さんをビックリさせてあげるためだよ! そうだね、お母さんがお昼寝しているときにでも、こっそりすっきりーをしてごらん。 お母さんが起きたら、まりさちゃん達の赤ちゃんを見せてあげるんだ! きっとお母さん、大喜びして、すっごくゆっくりしてくれるよ~!」 「「ゆうう~ん♪ ゆっくち! ゆっくちぃ!!」」 「ふふふ! ゆっくり! ゆっくりぃ!」 ~~~~~~~~~ 「ゆ…だっちぇ…ゆぎ…?! …ゆ…おにいしゃ…ゆぎっ?! く、くりゅちぃ…!」 だって、お兄さんが教えてくれたんでしょおおぉ?! かなぁ? まりしゃちゃん。 そうだね。お兄さんが教えてあげたんだよね。 赤ちゃんがすっきりーしたら、死んじゃう事までは教えてあげなかったけどね。 ふふふ…なんでお兄さんの事、信用しちゃうのかな? 今まで、お兄さんがまりしゃちゃんの姉妹達に何をしてきたか覚えてないのかな? ばかなの? 黒ずんで死ぬの? なんでそんなにかわいいの? ふふ…うふふふ…… 3回目のすっきりーで母体となったのが、残った方の赤まりさだったようだ。 こちらは茎一本分なので、最初に死んだ姉妹よりも緩やかに死へと向かって行く。 「ゆ…ゆぐっ……くりゅちい…! …おきゃあ…しゃ……」 「お、おちびちゃん?! おちびちゃんもなのぉ?! ゆやあぁあぁ! じっかりいぃ! しんじゃいやあぁ!」 額から茎が伸び始め、体内の栄養分を急速に吸い出して行く。 それと共に赤まりさの体の各所が崩壊を始める。 「ゆぎっ……かひぃ……ゆひっ……くりゅ……し……きひっ……」 「おぢびぢゃあぁあん!!」 まずは呼吸器系…だろうか? ゆっくりに呼吸器があるのかは知らないが、息を詰まらせているような声を上げ始め、苦悶の表情を浮かべる。 「い…ちゃ…おかおが…いちゃ…かひっ…あんよしゃ…いちゃ……ぺりょ…ぺ……ちちぇ…」 「いだいの? おぢびぢゃん、いだいのぉっ?! おがあざんがぺーろぺーろじであげるがらあぁ!」 饅頭皮が黒ずみ始め、その表面がハリを失ってひび割れ、崩れ始める。 髪の毛も縮んで黒ずみ、三つ編みのお下げがボロッと崩れて地面に落ちる。 「みえ……にゃい……まっきゅ…ら……かはっ……こあい……よ……おべべ……いちゃ…けひっ…」 「おにいざあぁん! あがぢゃんだずげであげでえぇぇ! いばならまだぁぁ!」 「いや無理でしょ、これは。もうこんなだし」 片方の目がドロリと溶け、頬を伝って滑り落ちて行く。 その目玉を追うようにして、餡子と混ざった黒い涙が滴り落ちる。 残った目は、まだ眼窩に嵌ってはいるが、こちらも溶け始めている。 もはや眼球としての機能は果たしていないようだ。 「かっ……ひっ……いちゃ…い…くりゅち……ちぬ…にょ……や……ぢゃ……まり……しゃ……」 「おねがいぃ! おねばびじまずうぅぅぅ!!!」 歯が歯茎ごと次々に崩れて抜け落ち、舌は干涸らびたように縮んで行く。 体内の餡子がグズグズになったのか、体が球形を維持できなくなりベシャリと潰れてくる。 「も゛っ……ぢょ……………ゆ゛…………」 「あがぢゃあああああぁぁん!!」 目や口、あにゃる、しーしー口、その他、体に開いた穴から、ドロリと粘液状になった餡子が漏れ出す。 そのまま、黒い茎を生やした赤まりさは何も言わなくなった。 「ゆっぐ……あかちゃん……どおして……どおしてこんなこと……したのぉ……?」 黒ずんだ二匹の赤ゆの前で涙を流して呆然とする母れいむ。 「お兄さんにもわからないよー でも、ひょっとして…自分達がれいむの替わりに赤ちゃんまりさを産めば、お家に帰れると思ったのかな…」 「ゆっぐぐ……ごべんね……あかぢゃんごべんね……おかあざんが……おかあざんが…だめなばっがりにぃぃ……!」 笑いを噛み殺しながら投げかけた俺の言葉に、れいむが地面に頭を擦りつけながら、黒ずんだ赤ゆに向けて何度も謝る。 それから、ひしっと、残った二匹の赤ゆをもみあげで抱きしめた。 「おがあざん…ふたりを…しなせないからねぇ…なにがあっでも…たすげるがらねえぇ……!」 三匹の親子は抱き合いながら、ゆんゆんと泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×1 れいむ×1 後編に続きます
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/442.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 198 それでもゆっくりは畑を守る/コメントログ」 八つ当たり兄さんのせいで野菜勝手に生えてこないと思ってる種全滅させたら自業自得だと思う -- 2010-02-25 22 24 40 やっぱ赤ゆがいっとうウザいな 親は何も分からない子供とか言ってるし実際そうなのかもしれんが、行動がいちいち悪質すぎる -- 2010-06-26 15 52 17 こんな繁殖法では滅びちゃうんじゃ… -- 2010-07-07 09 25 56 挿絵のれいむが可愛すぎる -- 2010-08-25 20 29 26 やはり同種であっても赤ゆ子ゆのウザさは異常 まじで赤ゆ子ゆだけは無条件で潰れろ -- 2010-08-25 23 13 28 普段ゆっくりが自然や人間にやってる事がそのまんま返ってきてるな -- 2010-10-06 16 08 01 押絵の鳥がエビフライに見えるwww -- 2011-01-10 22 56 38 因果応報ってのはまさにこのことか… 赤ゆの行動ってどうしても悪意があるとしか思えない -- 2011-07-17 19 27 11 流石に今回は人間が余計 -- 2012-02-22 19 49 31 今回の虐待お兄さんは新でいいとおもう。 -- 2012-04-08 04 31 48 ゆっくりがお百姓さんにおこなってきた仕打ちを考えれば、ゆっくりは何も言えないような気がする。 -- 2012-09-01 23 11 40 絵の鳥謎いw -- 2012-09-16 22 43 42 挿絵の顔がキモイ -- 2012-12-18 17 18 59
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1785.html
3投稿 れいむとまりさメイン 赤ゆ少々 話は短め あきしまいは出ない 他のSSと絵師設定に被りあるかも ↓それでもいいわよ。の賢者は進みましょう 俺の前には、焼け焦げた落ち葉の山 燃え尽きた黒い塊の底から、お目当ての物を掘り出す 「わーく。わーく。」 「わーく。わーく。」 2個のデカイ饅頭が、口から涎をだらしなく垂らしながら、俺の発掘作業を見つめている 「「ゆーん。たのしみだよーっ。」」 庭掃除で集まった落ち葉を燃やして芋を焼く 良くある秋の風物詩 「よーし。いい感じに焼けたな。」 「ゆわーい!まりさたちにそれをよこすんだぜっ!」 「れいむはあかちゃんいるんだよっ!いっぱいあまあまちょうだいねっ!?」 透明なケースの中で煩く騒ぐ、れいむとまりさの番 その顔は期待に満ち溢れ、ほくほくの焼き芋に視線が釘付けだ お兄さんは、そんなゆっくり達を無視して熱々の芋にかぶりつく 「ほふ。ほふっ!アチチっ!美味いっ!!!」 「うわぁーーーっ!?まりさのおいもさんがーーーっ!」 「なんでれいむにくれないのーーーっ!?」 苦痛の声を上げながら悶えるゆっくり達 それを見ながら食べる芋は、これまた格別ですな この番は、俺の飼いゆっくりではない 昨晩、庭の畑を荒らしていたアホ共を、華麗な舞で軽やかに捕獲 家に持ち帰り、『人間の畑を荒らすのはよくないよ?』と優しく諭したが…… 「おやさいさんはかってにはえてくるんだぜっ!」 「そんなかんたんなこともわからないのっ?ばかなのっ?しぬのっ?」 お約束の言葉を返してくるまりさ達 狩りをしていたら目の前に沢山の食べ物を見つけた。だから自分達の物にした そう言葉を重ねて、まりさ達は主張する でもね。その主張は通らないんだよ。まりさ 夜中にコッソリと進入して、計画的な犯行をしてるじゃないか? まりさ達は、とってもゆっくり出来ない、ゆっくりさんなんだね その日の晩は、まりさ達をケースに入れた状態で、台所に放置する事にした 庭に実っていた野菜をたらふく食った番は、寝息を立てて幸せそうに寝ている 俺はそれを横目に自室に入り、疲れた体を横にして床へとつく で、次の朝起きて様子を見に行ったら……、 「まりさたちのかわいいあかちゃんたち、とってもゆっくりしてるよーっ!」 「ゆっくりそだってねっ!」 一晩で子供を宿してるよ まりさは、やたらと体がツヤツヤさせながら、いい仕事したぜ!の表情で、赤ゆを見つめていやがる コイツが言い出しっぺの主犯か しかし……。こいつら、今の不利な現状が理解できないのか? 「ゆゆっ!まりさたちをここからだしてねっ!ゆっくりぷれいすにかえるよっ!」 「れいむはあかちゃんできたんだよっ!むーしゃむーしゃ。しないとゆっくりできなくなっちゃうよっ!」 なるほど。あの野菜が実る畑を、自分達のゆっくりぷれいすだと思っているのか 食べ物が豊富にあるから、赤ちゃん作っても大丈夫だと考えたんだろう しかし野生では、幾ら豊富な餌が確保されたからといって、秋口に繁殖行為はしない 越冬用の食料を赤ゆ達に食い尽くされてしまう為だ この番は、相当頭が悪いらしい 駆除する事に決めた。百害あって一利なし でも、趣味の農園とはいえ、タダ食いされた野菜の憂さ晴らしをさせて貰おうか 「……てな事で、こいつらの目の前で芋を食ってます。モグモグ。」 「だれにせつめいしてるのっ!?まりさわからないよっ!?」 「おいもさんれいむにもたべさせてーーーっ!?おなかぺこぺこだよっ!」 現時刻は夕方の4時。まりさとれいむは、朝から何も食べていない 頭から伸びる茎に大量の赤ちゃんを宿したれいむは、ゲッソリとやつれていた アホみたいに成っている赤ゆ達に、ガンガン養分を吸い取られてるらしい。ぶっちゃけ瀕死 まりさ頑張りすぎだろ。そんなに赤ゆはいらん 「れいむじっがりじでぇーーっ!?おでがいじばず!おいぼざんをぐだざいっ!」 「ゆーっ。まりさぁ………。」 ほくほくの芋を求めてまりさは叫ぶ 自分よりれいむか。泣かせるじゃねぇか 熱々の芋を少し千切って、まりさの口へと放り込む 「あふっ!?あふあふあふっ!ほふほふっ!しあわせーーーーーーっ!」 「ばりざぁーーーーーーっ!でいぶのぶんばでだべじゃっだのっ!?」 「……。あぁーーーーーーーっ!?うっかりたべちゃったんだぜーーーーーっ!」 「ゆわぁあーーーっ!ばじざのばがーーーーーっ!?」 よし。計画通り! これで家族間の亀裂が発生 お涙頂戴のドラマは展開されないぜっ! 「むしゃむしゃ!幸せーっ。」 俺はゆっくり達へ見せ付けるように、丸々一本の芋を平らげる 「もういっがいくだざいっ!おでがいじばずっ!?」 「いやー。食った食った。」 「ひどいよっ!ゆっぐじでぎないっ!?」 焚き火の中から回収した焼きたての芋を、まりさとれいむの透明ケースの前に、これ見よがしに積み上げていく 美味しそうな香ばしい匂いが、辺りに満ちる まりさはケースに顔面を押し付けて、口に入れようと無駄な努力に励んでいる れいむはもうヘロヘロだ。美味しそうな匂いにあてられて、腹から鳴り響く音が止まらない 「どぼじでおいぼざんだべれないのーーっ!?ばじざだじに、むーじゃむーじゃざれでよーーーっ!」 「れいむはおなかすいたよ……。なんだかおほしさまみえるよ。ゆへへへっ……。」 れいむがヤバイ領域に達してきた そろそろ妥協案を出さないと餓死するな 「この芋をその赤ゆ達と交換しないか?」 その申し出に、まりさ達は即座に飛びついた 俺の手には赤ゆが数個 「「「ゆっきゅちちていってねっ!」」」 全員で示したように声を揃え、元気良く挨拶をしてくる 「まりさたちのあかちゃんかわいいでしょっ!がつがつっ!」 「しあわせにしてあげてねっ!がふがふっ!」 狭いケース内で、赤ゆと交換した芋を貪り食らう親ゆ達 とりあえず空腹での餓死は免れた。と、だらしなく腹を突き出して仰向けになっている うん。熱湯ぶち込みたい位の醜悪さだ 「ゆん?れいむのせくしーさにめろめろなのっ?だめだよっ!れいむあかちゃんいるんだよっ!」 「まりさのれいむにいろめをつかうなっ!くそじじいっ!ぼこぼこにされたいのかっ!」 「だいじょうぶっ!れいむにはまりさだけだよっ!」 「ゆん!かわいいこといってくれるぜっ!すいーとはにーっ!」 「「すーりすーりっ!しあわせーっ!!!」」 ジャボジャボジャボ……… 「「あづぅうーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!?」」 熱湯をぶち込む 当然の行動だと思います お湯を何処から取り出したのかは企業秘密だ 「あづいっ!あづいよーーーっ!ゆっぐぢでぎないっ!」 「ゆわぁーーーっ!?あがぢゃんがびじょびじょだよっ!」 れいむの体に掛けたお湯が跳ね、頭の茎に実る赤ゆ達に飛び散ったらしい 茎にぶら下がる赤ゆが苦しそうに呻きだす。プルプル震えて今にも生まれて来そうだ 「だめだよっ!?うまれちゃだめだよっ!」 地面に着地する際の衝撃に、今の濡れた足では耐えられない 生まれた瞬間。全部の赤ちゃんが、ずっとゆっくりする事になってしまう おろおろと焦るれいむ 「にんげんさんっ!かわいいれいむのあかちゃんたすけてねっ!?」 人間に助けを求めたれいむ まりさは、あぼあぼ言ってて使い物にならなかった為だ ゆっくりと養子に出した人間さんなら、姉妹を快く助けてくれるはず そんな希望を胸に、れいむは人間に声を掛ける だけど視界に入れた人間は、貰った赤ちゃんを虐めている姿だった アルミホイルで赤ゆを包む ゆっくり出来ない雰囲気を感じ取った赤ゆ達は、ゆわんゆわんと泣き喚く 「なにをしてるの!?やめてねっ!こわがってるよっ!?」 「俺のなんだから好きにしていいだろ。」 「れいむのあがぢゃんだじに、ひどいごどじないでねっ!?」 「芋で売った赤ちゃんだろーが。よっと。」 「「「ゆゆゆっ!?にゃんじゃかあちゅくにゃってきちゃよっ!」」」 燻る焚き火の上に、ホイルで包んだ赤ゆを乗せる 火の気の無い焚き火程度では急激に熱くなる事は無く、ジリジリとホイルの底を焦がし始める 「「「あぢゅい?……あじゅいよっ!?ゆんやぁーーっ!みゃみゃたちゅけてぇーーーっ!?」」」 「おぢびじゃーーーーーーーーーーーーん!?」 「ゆっきゅちうみゃれるよっ!」 「ゆぇえぇっ!?」 この混沌の中、茎の赤ゆが大きく目を見開いて、この世界へと生れ落ちる 今、この時、新しいオンリーワンのゆん生が始まり 「ゆぶぇちっ!?」 早々に終わった 「あっ……?あがじゃーーーーーーんっ!?どぼじでぇーーーっ!」 緩くなった赤ゆの足が、ケースの底面でグチャグチャに潰れて絶命した 次々と続いて赤ゆ達が生まれ落ちても、皆、同じような末路を辿る それを見た赤ゆ達は、落ちない様に必死に耐えるが、れいむの体が振動してる為に堪えきれない赤ゆが続出した 「あぁあぁーーーーっ!?あがじゃんだじゆっぐぢじでーーーーーーっ!?」 ケース底面に黒い花が次々と咲いていく。れいむは泣きっぱなしだ 養子に出した赤ちゃん達が非道な目にあった今、もうれいむの子供はこれしか残されていない もう、形振り構っていられない 憎い人間に助けを求めるしか無いのだ 「だずげでーーーーーーっ!にんげんざんっ!?」 本日、何度目になるか解らない咆哮を、喉の奥から搾り出した れいむの下で炎が踊る パチパチと目の前を火の粉が舞った 「ゆー。ゆっくりかわかすよっ!」 れいむは俺に持ち上げられながら、ご機嫌な声を出す 「つぎはまりさだよっ!まりさなんだぜっ!?」 まりさはケース内で、おしりを流れるようにスライドしている 底面に落ちていた我が子の残骸も、見事に横へと広がっていく ……あいつの頭。大丈夫なのか? 「ゆー。おからだがぱりぱりさんになってきたよっ!ゆっくりあんしんだねっ!」 れいむの目の前にある一本の茎 先程まで多数の赤ゆが実っていたその茎には、1つの固体しか残っていなかった 最後の一粒種 れいむは大切な我が子に祝福の歌を口ずさむ 「ゆー♪ゆっくりのひー♪すっきりのひー……。」 「あっ。ヤッバ……。」 「ゆっ♪あ?じぃいぃーーーーーーーーーーーーーーーーーっ♪♪♪」 ツルッと滑ったれいむは、焚き火へと直撃コース! 燃え盛る火炎の中に放り込まれたれいむの足は、あっという間に黒く焼け焦げていく 「ゴメーン。手が滑っちゃった。」 「だずげでぇーーーーーーーーっ!おでがいじばずぅーーーーっ!?」 「……手を入れると熱そうだよな。どうしよ?」 「あぁあぁーーーーっ!?でいぶのがわいいざいごのあがぢゃんがぁあぁーーーーーっ!」 最後の希望が燃えていく 『もっちょ……ゆっきゅち…ちた…きゃ……』 れいむは赤ゆの遺言を耳にして涙が溢れる。そして、赤ゆの遺体が茎から千切れて、炎の中へと消えていく 黒い炭に変化した赤ゆだった物を見つめながら、同じ炭に変わっていく自分の半身を感じ取る 「ゆぁあーーーーーっ!おうじがえじだぁあぁーーーーーいっ!?」 れいむは全身を満遍なく焼かれて、赤ゆ同様に炭となってゆん生を終えた 「えーと。まりさもするんだっけ?」 俺が確認をしてみると、まりさがケースの中で、体がねじ切れる様なスピードを出しながら首を振り続ける 遠慮しなくいいのに 「ままままま。まりさはゆっくりかえるよっ!?」 「れいむは要らないの?」 「ゆわわわっ!?ばりざはだずげでぐだざいっ!おでがいじばずぅーーーーっ!?」 地面に転がる黒く染まったれいむの体から、まりさは目を背けて命乞いをする 「でいぶーーっ!?ゆっぐぢゆるじでねぇーーーっ!がわりにあがぢゃんいっばいつぐるがらーーーっ!」 いや。その条件では、れいむ確実に化けて出るから 「もう畑には入るなよ?わかったな?」 「ばいっ!ぼうばだげにばはいじまぜんっ!おやざいざんは、にんげんざんのものでずっ!」 (ゆっくり仲間を集めて報復にくるよっ!!!) ……とか思っていそうだな。凄く解り易い濁った目をしてやがる 「では、良い子のまりさにお土産をあげよう。」 「ゆゆゆっ?なかなかきのきくじじ……、にんげんさんだよっ!」 俺はまりさの帽子を奪い取る 「ゆっ!まりさのすてきなおぼうしゆっくりかえしてねっ!」 黒い帽子の中に物を一杯詰め込んだ後、ご希望通りに返してやった 「まりさのおぼうしにさわらないでねっ!まりさおこるよっ!ゆーんゆんっ!」 「ちょっと入れすぎたか。ちょっと溶けてきてる。」 「 ゆゆゆっ!なんだかあたまがあついよっ!ゆっくりできな………、 あああああっづいんだぜぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」 熱々のやき芋と焼きれいむを沢山詰め込んでやったぜ。ついでに焼き栗も入れといた 新しく焚き火を炊いてれいむを乾かす際、一緒に放り込んでおいたんだよね まりさは地面の上で、狂ったように跳ね回る 喜んでくれたようで良かった、良かった。 まりさの黒い帽子と、金色の頭髪が融合し始めたのは、俺の気のせいだろうな 原型を留めない位に溶けた帽子が、中身に詰まれた物体の重みに耐えられず、頭髪の一部と共に地面へとズレ落ちる 頭部の熱さから開放されたまりさ 目の前に転がる物体は、まりさが命より大切にしていた、金色が混じった黒いお帽子 「ゆあっ……。ゆぁあぁーーーーーーっ!?」 飾りが無いゆっくりは、群れに受け入れる事は無い 最悪の場合、同種同士間で始末対象にされるのだ 協力して報復どころの話では済まされない事態になってしまった 「たすげてくだざいっ!まじざのおぼうじもとにもどじでぇーーーーーっ!?」 まりさも情けない表情で、れいむと同様に懇願する 「勿体無いなぁー。」 お兄さんは地面に落ちた帽子とお土産を拾い、喚いているまりさの開いた大きな口に突っ込んだ 無理矢理詰め込んだら、なんとか入った。口の奥で歯が砕ける音がしたが、奥歯なら問題ないだろ 前歯が残ってれば、十分、十分。(根拠無し) 「はい。エンジン入りまーす。」 向かう方向を森に調整した後、苦しむまりさのあにゃるに、赤く染まる薪をぶち込む 一瞬まりさの動きが嘘の様に静寂する そして、次の瞬間 まりさはあにゃるから盛大に煙を噴出しながら、ゆっくりにあるまじき速度で森へと消えていった あ……。駆除するんだっけ?忘れてた まぁ、あの姿じゃ長く無いだろ。残り少ないゆ生を、楽しんでくれたまえ お兄さんは、消えた焚き木に上に置いてあるアルミホイルの塊を手にする 中には、ホクホクの赤ゆ達。1つ摘んで口の中へと放り込む 「うんめっ!これ、めっちゃうめっ!」 少々焼き過ぎたみたいだが、中々美味い お兄さんの秋の味覚が一品増えたようだ おわっとくか * あとがき(長いよっ!) 季節ネタ。ちと早過ぎたかな? 焚き火程度では、丸焼き余裕の火力は難しいと思うんだ 前作の話 裁きを申し付けるっ!マジで間違えた俺がまたやってきました 「訂正しようかな………。」とか思ったけど、「まぁいいやっ!」てな事で放置 「感想増えるかも!」の、嫌らしい考えなんて無いですよ?ええ、全くアリマセンヨ ある漫画の17巻?で得た知識を、そのまんま引きずった結果ですわ。無知って痛い もう1つ ゆっくり達は鏡文字くらいは読める!といいな 前作の感想色々参考になりました 多分、今回もおかしな所がわんさかあると思いますが、生暖かい目で見守ってください 最後まで読んで下さって、ありがとうございます
https://w.atwiki.jp/trivia-mike/pages/1804.html
親ぬ胎内にす赤ゆ。胎生で造られた 赤ゆ。 植生とぬ差く。う 親の額から伸びる茎になる実ゆ と異なる。
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/642.html
秋の風物詩 12KB 3投稿 れいむとまりさメイン 赤ゆ少々 話は短め あきしまいは出ない 他のSSと絵師設定に被りあるかも ↓それでもいいわよ。の賢者は進みましょう 俺の前には、焼け焦げた落ち葉の山 燃え尽きた黒い塊の底から、お目当ての物を掘り出す 「わーく。わーく。」 「わーく。わーく。」 2個のデカイ饅頭が、口から涎をだらしなく垂らしながら、俺の発掘作業を見つめている 「「ゆーん。たのしみだよーっ。」」 庭掃除で集まった落ち葉を燃やして芋を焼く 良くある秋の風物詩 「よーし。いい感じに焼けたな。」 「ゆわーい!まりさたちにそれをよこすんだぜっ!」 「れいむはあかちゃんいるんだよっ!いっぱいあまあまちょうだいねっ!?」 透明なケースの中で煩く騒ぐ、れいむとまりさの番 その顔は期待に満ち溢れ、ほくほくの焼き芋に視線が釘付けだ お兄さんは、そんなゆっくり達を無視して熱々の芋にかぶりつく 「ほふ。ほふっ!アチチっ!美味いっ!!!」 「うわぁーーーっ!?まりさのおいもさんがーーーっ!」 「なんでれいむにくれないのーーーっ!?」 苦痛の声を上げながら悶えるゆっくり達 それを見ながら食べる芋は、これまた格別ですな この番は、俺の飼いゆっくりではない 昨晩、庭の畑を荒らしていたアホ共を、華麗な舞で軽やかに捕獲 家に持ち帰り、『人間の畑を荒らすのはよくないよ?』と優しく諭したが…… 「おやさいさんはかってにはえてくるんだぜっ!」 「そんなかんたんなこともわからないのっ?ばかなのっ?しぬのっ?」 お約束の言葉を返してくるまりさ達 狩りをしていたら目の前に沢山の食べ物を見つけた。だから自分達の物にした そう言葉を重ねて、まりさ達は主張する でもね。その主張は通らないんだよ。まりさ 夜中にコッソリと進入して、計画的な犯行をしてるじゃないか? まりさ達は、とってもゆっくり出来ない、ゆっくりさんなんだね その日の晩は、まりさ達をケースに入れた状態で、台所に放置する事にした 庭に実っていた野菜をたらふく食った番は、寝息を立てて幸せそうに寝ている 俺はそれを横目に自室に入り、疲れた体を横にして床へとつく で、次の朝起きて様子を見に行ったら……、 「まりさたちのかわいいあかちゃんたち、とってもゆっくりしてるよーっ!」 「ゆっくりそだってねっ!」 一晩で子供を宿してるよ まりさは、やたらと体がツヤツヤさせながら、いい仕事したぜ!の表情で、赤ゆを見つめていやがる コイツが言い出しっぺの主犯か しかし……。こいつら、今の不利な現状が理解できないのか? 「ゆゆっ!まりさたちをここからだしてねっ!ゆっくりぷれいすにかえるよっ!」 「れいむはあかちゃんできたんだよっ!むーしゃむーしゃ。しないとゆっくりできなくなっちゃうよっ!」 なるほど。あの野菜が実る畑を、自分達のゆっくりぷれいすだと思っているのか 食べ物が豊富にあるから、赤ちゃん作っても大丈夫だと考えたんだろう しかし野生では、幾ら豊富な餌が確保されたからといって、秋口に繁殖行為はしない 越冬用の食料を赤ゆ達に食い尽くされてしまう為だ この番は、相当頭が悪いらしい 駆除する事に決めた。百害あって一利なし でも、趣味の農園とはいえ、タダ食いされた野菜の憂さ晴らしをさせて貰おうか 「……てな事で、こいつらの目の前で芋を食ってます。モグモグ。」 「だれにせつめいしてるのっ!?まりさわからないよっ!?」 「おいもさんれいむにもたべさせてーーーっ!?おなかぺこぺこだよっ!」 現時刻は夕方の4時。まりさとれいむは、朝から何も食べていない 頭から伸びる茎に大量の赤ちゃんを宿したれいむは、ゲッソリとやつれていた アホみたいに成っている赤ゆ達に、ガンガン養分を吸い取られてるらしい。ぶっちゃけ瀕死 まりさ頑張りすぎだろ。そんなに赤ゆはいらん 「れいむじっがりじでぇーーっ!?おでがいじばず!おいぼざんをぐだざいっ!」 「ゆーっ。まりさぁ………。」 ほくほくの芋を求めてまりさは叫ぶ 自分よりれいむか。泣かせるじゃねぇか 熱々の芋を少し千切って、まりさの口へと放り込む 「あふっ!?あふあふあふっ!ほふほふっ!しあわせーーーーーーっ!」 「ばりざぁーーーーーーっ!でいぶのぶんばでだべじゃっだのっ!?」 「……。あぁーーーーーーーっ!?うっかりたべちゃったんだぜーーーーーっ!」 「ゆわぁあーーーっ!ばじざのばがーーーーーっ!?」 よし。計画通り! これで家族間の亀裂が発生 お涙頂戴のドラマは展開されないぜっ! 「むしゃむしゃ!幸せーっ。」 俺はゆっくり達へ見せ付けるように、丸々一本の芋を平らげる 「もういっがいくだざいっ!おでがいじばずっ!?」 「いやー。食った食った。」 「ひどいよっ!ゆっぐじでぎないっ!?」 焚き火の中から回収した焼きたての芋を、まりさとれいむの透明ケースの前に、これ見よがしに積み上げていく 美味しそうな香ばしい匂いが、辺りに満ちる まりさはケースに顔面を押し付けて、口に入れようと無駄な努力に励んでいる れいむはもうヘロヘロだ。美味しそうな匂いにあてられて、腹から鳴り響く音が止まらない 「どぼじでおいぼざんだべれないのーーっ!?ばじざだじに、むーじゃむーじゃざれでよーーーっ!」 「れいむはおなかすいたよ……。なんだかおほしさまみえるよ。ゆへへへっ……。」 れいむがヤバイ領域に達してきた そろそろ妥協案を出さないと餓死するな 「この芋をその赤ゆ達と交換しないか?」 その申し出に、まりさ達は即座に飛びついた 俺の手には赤ゆが数個 「「「ゆっきゅちちていってねっ!」」」 全員で示したように声を揃え、元気良く挨拶をしてくる 「まりさたちのあかちゃんかわいいでしょっ!がつがつっ!」 「しあわせにしてあげてねっ!がふがふっ!」 狭いケース内で、赤ゆと交換した芋を貪り食らう親ゆ達 とりあえず空腹での餓死は免れた。と、だらしなく腹を突き出して仰向けになっている うん。熱湯ぶち込みたい位の醜悪さだ 「ゆん?れいむのせくしーさにめろめろなのっ?だめだよっ!れいむあかちゃんいるんだよっ!」 「まりさのれいむにいろめをつかうなっ!くそじじいっ!ぼこぼこにされたいのかっ!」 「だいじょうぶっ!れいむにはまりさだけだよっ!」 「ゆん!かわいいこといってくれるぜっ!すいーとはにーっ!」 「「すーりすーりっ!しあわせーっ!!!」」 ジャボジャボジャボ……… 「「あづぅうーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!?」」 熱湯をぶち込む 当然の行動だと思います お湯を何処から取り出したのかは企業秘密だ 「あづいっ!あづいよーーーっ!ゆっぐぢでぎないっ!」 「ゆわぁーーーっ!?あがぢゃんがびじょびじょだよっ!」 れいむの体に掛けたお湯が跳ね、頭の茎に実る赤ゆ達に飛び散ったらしい 茎にぶら下がる赤ゆが苦しそうに呻きだす。プルプル震えて今にも生まれて来そうだ 「だめだよっ!?うまれちゃだめだよっ!」 地面に着地する際の衝撃に、今の濡れた足では耐えられない 生まれた瞬間。全部の赤ちゃんが、ずっとゆっくりする事になってしまう おろおろと焦るれいむ 「にんげんさんっ!かわいいれいむのあかちゃんたすけてねっ!?」 人間に助けを求めたれいむ まりさは、あぼあぼ言ってて使い物にならなかった為だ ゆっくりと養子に出した人間さんなら、姉妹を快く助けてくれるはず そんな希望を胸に、れいむは人間に声を掛ける だけど視界に入れた人間は、貰った赤ちゃんを虐めている姿だった アルミホイルで赤ゆを包む ゆっくり出来ない雰囲気を感じ取った赤ゆ達は、ゆわんゆわんと泣き喚く 「なにをしてるの!?やめてねっ!こわがってるよっ!?」 「俺のなんだから好きにしていいだろ。」 「れいむのあがぢゃんだじに、ひどいごどじないでねっ!?」 「芋で売った赤ちゃんだろーが。よっと。」 「「「ゆゆゆっ!?にゃんじゃかあちゅくにゃってきちゃよっ!」」」 燻る焚き火の上に、ホイルで包んだ赤ゆを乗せる 火の気の無い焚き火程度では急激に熱くなる事は無く、ジリジリとホイルの底を焦がし始める 「「「あぢゅい?……あじゅいよっ!?ゆんやぁーーっ!みゃみゃたちゅけてぇーーーっ!?」」」 「おぢびじゃーーーーーーーーーーーーん!?」 「ゆっきゅちうみゃれるよっ!」 「ゆぇえぇっ!?」 この混沌の中、茎の赤ゆが大きく目を見開いて、この世界へと生れ落ちる 今、この時、新しいオンリーワンのゆん生が始まり 「ゆぶぇちっ!?」 早々に終わった 「あっ……?あがじゃーーーーーーんっ!?どぼじでぇーーーっ!」 緩くなった赤ゆの足が、ケースの底面でグチャグチャに潰れて絶命した 次々と続いて赤ゆ達が生まれ落ちても、皆、同じような末路を辿る それを見た赤ゆ達は、落ちない様に必死に耐えるが、れいむの体が振動してる為に堪えきれない赤ゆが続出した 「あぁあぁーーーーっ!?あがじゃんだじゆっぐぢじでーーーーーーっ!?」 ケース底面に黒い花が次々と咲いていく。れいむは泣きっぱなしだ 養子に出した赤ちゃん達が非道な目にあった今、もうれいむの子供はこれしか残されていない もう、形振り構っていられない 憎い人間に助けを求めるしか無いのだ 「だずげでーーーーーーっ!にんげんざんっ!?」 本日、何度目になるか解らない咆哮を、喉の奥から搾り出した れいむの下で炎が踊る パチパチと目の前を火の粉が舞った 「ゆー。ゆっくりかわかすよっ!」 れいむは俺に持ち上げられながら、ご機嫌な声を出す 「つぎはまりさだよっ!まりさなんだぜっ!?」 まりさはケース内で、おしりを流れるようにスライドしている 底面に落ちていた我が子の残骸も、見事に横へと広がっていく ……あいつの頭。大丈夫なのか? 「ゆー。おからだがぱりぱりさんになってきたよっ!ゆっくりあんしんだねっ!」 れいむの目の前にある一本の茎 先程まで多数の赤ゆが実っていたその茎には、1つの固体しか残っていなかった 最後の一粒種 れいむは大切な我が子に祝福の歌を口ずさむ 「ゆー♪ゆっくりのひー♪すっきりのひー……。」 「あっ。ヤッバ……。」 「ゆっ♪あ?じぃいぃーーーーーーーーーーーーーーーーーっ♪♪♪」 ツルッと滑ったれいむは、焚き火へと直撃コース! 燃え盛る火炎の中に放り込まれたれいむの足は、あっという間に黒く焼け焦げていく 「ゴメーン。手が滑っちゃった。」 「だずげでぇーーーーーーーーっ!おでがいじばずぅーーーーっ!?」 「……手を入れると熱そうだよな。どうしよ?」 「あぁあぁーーーーっ!?でいぶのがわいいざいごのあがぢゃんがぁあぁーーーーーっ!」 最後の希望が燃えていく 『もっちょ……ゆっきゅち…ちた…きゃ……』 れいむは赤ゆの遺言を耳にして涙が溢れる。そして、赤ゆの遺体が茎から千切れて、炎の中へと消えていく 黒い炭に変化した赤ゆだった物を見つめながら、同じ炭に変わっていく自分の半身を感じ取る 「ゆぁあーーーーーっ!おうじがえじだぁあぁーーーーーいっ!?」 れいむは全身を満遍なく焼かれて、赤ゆ同様に炭となってゆん生を終えた 「えーと。まりさもするんだっけ?」 俺が確認をしてみると、まりさがケースの中で、体がねじ切れる様なスピードを出しながら首を振り続ける 遠慮しなくいいのに 「ままままま。まりさはゆっくりかえるよっ!?」 「れいむは要らないの?」 「ゆわわわっ!?ばりざはだずげでぐだざいっ!おでがいじばずぅーーーーっ!?」 地面に転がる黒く染まったれいむの体から、まりさは目を背けて命乞いをする 「でいぶーーっ!?ゆっぐぢゆるじでねぇーーーっ!がわりにあがぢゃんいっばいつぐるがらーーーっ!」 いや。その条件では、れいむ確実に化けて出るから 「もう畑には入るなよ?わかったな?」 「ばいっ!ぼうばだげにばはいじまぜんっ!おやざいざんは、にんげんざんのものでずっ!」 (ゆっくり仲間を集めて報復にくるよっ!!!) ……とか思っていそうだな。凄く解り易い濁った目をしてやがる 「では、良い子のまりさにお土産をあげよう。」 「ゆゆゆっ?なかなかきのきくじじ……、にんげんさんだよっ!」 俺はまりさの帽子を奪い取る 「ゆっ!まりさのすてきなおぼうしゆっくりかえしてねっ!」 黒い帽子の中に物を一杯詰め込んだ後、ご希望通りに返してやった 「まりさのおぼうしにさわらないでねっ!まりさおこるよっ!ゆーんゆんっ!」 「ちょっと入れすぎたか。ちょっと溶けてきてる。」 「 ゆゆゆっ!なんだかあたまがあついよっ!ゆっくりできな………、 あああああっづいんだぜぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」 熱々のやき芋と焼きれいむを沢山詰め込んでやったぜ。ついでに焼き栗も入れといた 新しく焚き火を炊いてれいむを乾かす際、一緒に放り込んでおいたんだよね まりさは地面の上で、狂ったように跳ね回る 喜んでくれたようで良かった、良かった。 まりさの黒い帽子と、金色の頭髪が融合し始めたのは、俺の気のせいだろうな 原型を留めない位に溶けた帽子が、中身に詰まれた物体の重みに耐えられず、頭髪の一部と共に地面へとズレ落ちる 頭部の熱さから開放されたまりさ 目の前に転がる物体は、まりさが命より大切にしていた、金色が混じった黒いお帽子 「ゆあっ……。ゆぁあぁーーーーーーっ!?」 飾りが無いゆっくりは、群れに受け入れる事は無い 最悪の場合、同種同士間で始末対象にされるのだ 協力して報復どころの話では済まされない事態になってしまった 「たすげてくだざいっ!まじざのおぼうじもとにもどじでぇーーーーーっ!?」 まりさも情けない表情で、れいむと同様に懇願する 「勿体無いなぁー。」 お兄さんは地面に落ちた帽子とお土産を拾い、喚いているまりさの開いた大きな口に突っ込んだ 無理矢理詰め込んだら、なんとか入った。口の奥で歯が砕ける音がしたが、奥歯なら問題ないだろ 前歯が残ってれば、十分、十分。(根拠無し) 「はい。エンジン入りまーす。」 向かう方向を森に調整した後、苦しむまりさのあにゃるに、赤く染まる薪をぶち込む 一瞬まりさの動きが嘘の様に静寂する そして、次の瞬間 まりさはあにゃるから盛大に煙を噴出しながら、ゆっくりにあるまじき速度で森へと消えていった あ……。駆除するんだっけ?忘れてた まぁ、あの姿じゃ長く無いだろ。残り少ないゆ生を、楽しんでくれたまえ お兄さんは、消えた焚き木に上に置いてあるアルミホイルの塊を手にする 中には、ホクホクの赤ゆ達。1つ摘んで口の中へと放り込む 「うんめっ!これ、めっちゃうめっ!」 少々焼き過ぎたみたいだが、中々美味い お兄さんの秋の味覚が一品増えたようだ おわっとくか あとがき(長いよっ!) 季節ネタ。ちと早過ぎたかな? 焚き火程度では、丸焼き余裕の火力は難しいと思うんだ 前作の話 裁きを申し付けるっ!マジで間違えた俺がまたやってきました 「訂正しようかな………。」とか思ったけど、「まぁいいやっ!」てな事で放置 「感想増えるかも!」の、嫌らしい考えなんて無いですよ?ええ、全くアリマセンヨ ある漫画の17巻?で得た知識を、そのまんま引きずった結果ですわ。無知って痛い もう1つ ゆっくり達は鏡文字くらいは読める!といいな 前作の感想色々参考になりました 多分、今回もおかしな所がわんさかあると思いますが、生暖かい目で見守ってください 最後まで読んで下さって、ありがとうございます トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る あにゃるに焼けた薪が最高! とてもONONすっきりできましたw -- 2010-09-12 03 53 45
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1375.html
・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます 挿絵:36番あき
https://w.atwiki.jp/hutaba_ranking/pages/100.html
・餡子ンペ09出展作品、テーマは 「1.親子-期待外れ」です ・普通の頭のおかしい虐待お兄さんによる普通の虐待詰め合わせ話です ========== 「のーびのーび! のーびのーび!」 「みてみて! まりしゃがいちばんのーびのーびじょうずだよっ!」 「ゆっ! まりちゃだってまけないよ! のーびのーび♪」 「れいみゅもっ! れいみゅものーびのーびできりゅよっ!」 「ゆ~! みてみて! おにいしゃんっ! まりしゃのーびのーびだよ!」 のーびのーび! ふふふ! ここは、とある山奥のキャンプ場。 俺の目の前で賑やかに声を上げているのは、まだ赤ゆ言葉の抜け切らない子ゆっくりの姉妹達。 丸太で作られたテーブルの上で、のびのび競争の真っ最中だ。 テーブルの上で仰向けやうつ伏せに寝そべって一列に並び、元気よく体を伸ばしている。 「まりしゃおねいちゃん、ぎゃんばれー!」 「れいみゅおねいちゃんもがんばっちえぇ!」 「にょーびにょーび! まりちゃもにょーびにょーびだよ!」 「れいみゅもにょびにょびしゅるよ!」 「ゆぅ~ん! れいむのおちびちゃんたちとってもゆっくりしてるね!」 そして、子ゆっくり達の周りには妹の赤ゆっくり達。 声援を送ったり、姉達を真似て自分ものーびのーびをしたりと、思い思いのゆっくりを楽しんでいる。 彼女らの母親であるれいむが、そんなおちびちゃん達の様子を微笑みながら見守っている。 全員合わせて十数匹の大家族だ。 このキャンプ場は取り立てて人気スポットでもなく、しかも平日とあって俺とゆっくり達の他には誰もいない。 つまり、可愛いゆっくりちゃん達を俺が独占しちゃってるわけだ! 「ふふふ! みんなとってものーびのーびが上手だね!」 ゆっくり達の笑顔に釣られて、俺の顔も綻びっぱなしである。 「ゆうぅぅ…まりちゃ…うまくのーびのーびできないよぉ…」 おや、ひとりだけのーびのーびが苦手な子もいるようだね。 精一杯体をのーびのーびしようとしているけど、体がやや楕円系になる程度だ。 立派ななすび型になっている他の姉妹達に較べると、のび方はその半分にも満たない。 「ほら! まりちゃちゃん! がんばって! おなかに力を入れてぇ…ほら! のーびのーび!」 「ゆぎゅぎゅ…! のーび…のーび…!」 「おっ! ちょっと伸びたよ! その調子、その調子! のーびのーび!」 「ゆ…ゆぅ! のーびのーび! のーびのーび!」 正直さっきと全然変わっていないが、俺が元気づけてあげたらすぐに明るい表情を取り戻してくれた。 何だって一人寂しく無人のキャンプ場へ来てるかって? それは、こうしてゆっくり達と遊びたかったからだ。 キャンプ場の近くで見つけたこの一家は、最初に声をかけたときこそ警戒されたが、 持参したクッキーを食べさせてあげたらすぐに心を許してくれた。 その後、ここに連れて来て一緒にお菓子を食べたり、"おうた"を聞かせてもらったりする内に、あっと言う間に仲良しになった。 で、今は何をしているかと言うと、俺の発案でどの子が一番のーびのーびできるかなぁ? 競争をしている。 なんと一番になった子ゆっくりちゃんには! じゃっじゃ~ん! デパ地下で買ってきた1カット630円のケーキ! を! 1ホールプレゼントでーす! という事でみんな大張り切りでのーびのーびしているという訳。 「あっ、ほら~まりしゃちゃんダメだよ~、ちゃんとあんよをここに付けてね!」 別の子まりさの体を優しく引っ張り、テーブルの上に置いてある角材にあんよをくっつけさせる。 誰が一番のびのびかわかりやすくするために、全員この角材にあんよをくっつけてもらっている。 子ゆっくり達の大きさは皆同じぐらいなので、こうしてあんよの位置を揃えておけば、 お顔の位置を見れば誰が一番か一目瞭然という仕組みだ。 この子まりさは、張り切りすぎる余りにあんよが離れてしまったのだろう。 「ゆぅ…おにいしゃん、ごめんなしゃい…」 怒られたと思ったか、子まりさがしょぼんとして謝る。 大丈夫! わざとじゃないって、お兄さん、ちゃんとわかってるからねええ! 「いいんだよ! さあ! もう一回!」 そう言って笑いかけてあげると、子まりさもニッコリ笑って、またのーびのーびを始めた。 ああ、なんてかわいいんだろう、子ゆっくりちゃん達。 そもそもからして、だ。 「子ゆっくり」 この言葉の響きの時点で、もうかわいさが炸裂してはいないだろうか? もし今、職場や教室、あるいは、電車やバスの中にいるのなら、是非声に出して言ってみて欲しい。 「こゆっくり」「コユックリ」「こゆっくり!」 どう!? かわいいよね!? そうでもない? そう… いや~でもいいよね~! 無垢な野生ゆっくり! お行儀のいい飼いゆや、必死に生きる街中の野良ゆにもそれぞれの良さがあるけど、 やっぱり俺は元気溌剌・天真爛漫にのびのび育った野生ゆっくりが好きだなぁ~ 「のーびのーび♪」 「ゆわ~♪ まりしゃはすっごくのーびのーびできるね!」 「ゆゆ~ん! れいみゅだってのーびのーびしてるのじぇ! まりしゃもまけないのじぇ!」 豪華賞品がかかっているにも関わらず、子ゆっくり姉妹は互いに敵意剥き出しで争うでもなく、 競争という名の遊びを純粋に楽しんでくれてる。 とってもゆっくりとした子ゆっくり達だ。 きっとこの子ゆっくり達なら、誰が勝ってケーキさんを手にしても、家族みんなで分け合って食べてくれるだろう。 むーしゃむーしゃ、しあわせー! みんなであまあまさんたべるとゆっくりできるね! おにいしゃんもいっしょにたべようね! とか言ってね! うふ! うふふふ! 「ゆうう…まりさぁ…! まりさとれいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしてるよぉ…!」 母れいむが目の端に涙を浮かべながら、感慨深げにそんな言葉を呟く。 先程聞いたところによると、つい最近つがいのまりさがれみりゃから家族を守って死んでしまったらしい。 いわゆる、しんぐるまざーだ。 今は餌が豊富に取れる時期なので、これだけたくさんの子供達を養っていけているようだが、やはり相当の苦労がある筈だ。 それ故、子供達がこうしてゆっくりできている姿を目にするのは、ゆ一倍感慨深い物があるのだろう。 …この子供達もやがて自然の摂理に従って淘汰され、冬ごもりをする頃には適正数にまで減ってしまうのだろうが、 今この瞬間だけでも、家族揃ってのゆっくりを楽しんでもらいたいではないか… 「そうだね…れいむ…れいむのおちびちゃん達はとってもゆっくりしてるよ! お兄さんも見ているだけで、とおってもゆっくりしちゃぬぅおうりゃあああぁっっっ!!!」 メッシャアッ!!! 袖口に隠し持っていた竹刀を取り出し、テーブルの上面、 その上で元気にのーびのーびしていた子ゆっくり達の、一列に並んだ柔らかいお腹に向けて渾身の力で叩きつけた。 余りに力を込めすぎたせいで、竹刀が割れてしまう。 両の腕にジンジンと心地よい痛みと痺れが伝わってきているのだろうが、今はこれっぽっちも感じない。 何故なら、この一家を目にしたときからずっと待ち望んでいた、この瞬間の光景を視る事に全神経を集中させていたからだ。 その待望の光景は、スローモーションのように俺の眼前でゆっくりと流れて行く。 割れた竹刀の破片が宙を舞う。 その中に混ざるように、潰れたお腹から飛び散った黒い餡子もキラキラと黒く輝きながら宙を舞う。 テーブルの上には、小さなお口からもりもりと餡子がこぼれて盛り上がる。 あにゃるからも餡子がこぼれ、テーブルの上に黒い筋を描く。 破れたお腹の饅頭皮が捲れ上がり、そこからも餡子が飛び出す。 素晴らしい。素晴らしい光景。俺の口からも笑みがこぼれる。 スッと竹刀を上げ、そのまま放り捨てる。 一列に並んで寝そべる子ゆっくり達。 そのお腹が、竹刀の形にベッコリと潰れ、お饅頭山を切り開いて作った一本の直線道路を描く。 向かって左に見えますのがお顔山、右に見えますのがあんよ山でございます。 どちらのお山もピクッピクッとかわいく痙攣している。 ああ哀れ、子ゆっくりちゃん達のかわいいお腹、綺麗に まっ! ぷたぁっ! つぅぅぅ! んっほおおおぉぉっ!!! 「ゆ…ゆびっ……ゆびいいぃぃっ?!」 何が起きたのか理解できず、?マークを浮かべていた子ゆっくり達だったが、数秒遅れで一匹が白目を剥きながら悲鳴を上げた。 それが引き金となり、他の子ゆっくり達も極上の調べを奏で始める。 「いぢゃいいい…! まりしゃの…おなががぁ! いぎゃいよおおぉ…!!」 「いちゃ…おなきゃ…ゆえっ…ゆげっ! あ、あんござん…でないでなのじぇ…ゆげえっ!!」 「ゆぎっ…ぎ…れいみゅの…あんよざん…どじで…そごにいるの…? れいみゅ…ぴょんぴょ…でぎなくなっぢゃう…」 「ゆぎいいぃ…! おにゃかがないよおぉ! おにゃかがないのに おにゃかいだいよおぉぉ!!」 テーブルから生えた頭達が泣き声を上げる。 砂糖水の涙を飛び散らせながら半狂乱で振られる頭、のけぞって天を仰ぎながら餡子を吐く頭。 お尻達も頭に負けじとグネグネ元気に振られている。 ブルンブルンと勢いよく振られていたお尻の一つが、テーブルから剥がれて転がって行き、地面に落ちた。 潰れたお腹もまだ餡神経が通っているのか、所々でピクピクと蠢き、テーブルから剥がれようと少し浮き、力尽きてまたへばり付く。 ああ…のーびのーびが苦手だった子まりさちゃんだけは、竹刀の位置に頭があったので中枢餡ごと… でも残ったお尻はまだプリンプリンと元気良く…あ、止まった。 「おきゃあじゃ……ぽんぽん…いぢゃいよ…ぺーりょぺーりょ…じでぇ…ゆっぐじ…でぎないぃ…」 「ゆげっ…! やぢゃ…じにだぐ…ない…! おねえぢゃんを…だじゅげで…れいみゅぅ…まりぢゃぁ…ゆげえぇ…」 子ゆっくり達が助けを求めて母れいむや妹の赤ゆ達を呼ぶ。 だが、頼みの綱の家族は突然の状況変化に餡子脳の処理が追いつかず、(◯) (◯) と目を見開いたまま完全フリーズ状態だ。 「おにいしゃ…たしゅけ…れいみゅの…あんよしゃ…くっづげでぇ…いちゃいよぉぉ…! くりゅしいよぉ…!」 おっとぉ、俺ェ? 俺に助けろと? れいむちゃああん! 誰のおかげでこうなってるかわかってないみたいだね! ああ! もう! ホントにおつむがかわいいよほぉぉ! よっしゃー! 俺に任せろおおぉ! 「ほーら! あんよさん、くっつけー!」 「ゆ…あ、やめ゛ 分断された子れいむの頭とあんよを手に取り、雪合戦の雪玉を固める要領でギュウギュウ握ってくっつけてあげた。 「いっちょあがりぃ!」 ベッシャアッ! 饅頭皮や赤いリボンの混ざった餡子玉を瀕死の子まりさの目の前に叩きつけ、放射状に広げる。 「ゆ…おにい…しゃん…どじで…? まりしゃたち…わりゅいこと…しぢゃっだの…? のーびのーび…じだだけだよね…?」 その子まりさがボロボロと涙をこぼしながら、俺の顔を見上げて聞いてくる。 ………びきぃ 「なにがのーびのーびだあっ!! お前らかわいいぃぃんじゃあぁっ!! QNッQNッするんじゃあぁっ!! もっとかわいい泣き声聞かせろおぉぉおふっ…ふ…うふっ…! うふ…うふふふ…! 潰れてね! ゆっくり潰れてね! うふ! うゆふふ! うひゅひゅ…! ゆふひゅひゅぅ!!」 「ゆびゅぶっ…やめ…おにいしゃ…くりゅし…! まりしゃちゅぶれっ…!」 「あ、あの゛~…」 「ん?」 楽しくヒャハってる所に、今までフリーズしていた母れいむが遠慮がちに声をかけてきた。 ちょっと引きつった笑顔で左右のもみあげをもじもじと擦り合わせ、上目遣いに俺の顔を窺っている。 「おにいざんはぁ…もしかじてぇ~………"ぎゃくだいおにいざん"?」 「え? …そうだけど?」 「でずよねえ!!」 何をわかりきった事をと不思議そうに答えた俺に対し、れいむが大口を開けて、パアァ…!といい笑顔を浮かべた。 それから、その笑顔のまま赤ゆっくり達の方に向き直る。 「ゆっ! あかちゃんたち! それじゃ、おかあさんのおくちのなかにはいろうね! ゆっくりいそいではいってね!」 「ユー!」「ユ!」「ユッユッ」「ユッキュリ ユッキュリ」 俺が見守る中、赤ゆ達がどこかぎこちない動きでよちよちとれいむのお口に入って行く。 そして、全員がれいむの口の中に収まった。 「じゃあ、れいぶだぢ、これでしつれいじまぁず!」 「お疲れさまー!」 こちらに向かって、後頭部を曲げて礼儀正しく笑顔のお辞儀をしたれいむに、俺も右手を上げて笑顔で応えた。 ========== 「だしてえぇ! おにいさん、ここからだしてよぉ! れいむたちをおうちにかえしてよぉ!」 「おきゃあしゃん…れいみゅたちも おねえちゃんみちゃく…いちゃいことしゃれりゅのぉ…? やぢゃよぉぉ…いちゃいのやぢゃよぉぉ…」 「ゆえええぇん! まりしゃ ちにたくないよぉぉ!」 「ゆわあぁぁん! ゆっくちできにゃいのじぇぇ!!」 そんなわけで、母れいむと赤ゆ達は我が家にお持ち帰りした。 当然ながら、れいむからの抵抗はあったが、その辺は"テンプレ"とだけ言っておこう。 "虐待お兄さん"の存在を知っていただけあって、彼我の力の差を理解してくれるまでが早くて楽だった。 ゆっくり達は虐待部屋に置いてある水槽に閉じ込めてある。 水槽は成体ゆっくりが優に4匹は入るサイズ。もちろん強化ガラス製。 中には土を敷き詰めた。 それだけでは殺風景だし、ゆっくり達も落ち着かなかろうと、拳大から両手の平に乗るサイズまで大小の石を適当に入れてやった。 防音機能とか無粋な物はないので、ゆっくり達の泣き声をたっぷりと楽しめる。 無論、虐待お兄さんの嗜みとして部屋自体は防音にしてあるので近所迷惑にはならない。 「まあ落ち着いてよ。お兄さん、別にみんなを殺すために連れてきたんじゃないんだよ?」 「ゆゆっ? じゃ、じゃあ、はやくれいむたちをおうちにかえらせてよぉ! おにいさんとはゆっくりできないよ!」 「ゆにぇぇん! おうちかえちちぇー!」 「ゆっぐ…おうちぃ…おうちかえりちゃいぃ…」 「すぐに帰らせるわけにはいかない。だったら初めから連れてこないよ。 実はね…れいむにお願いしたいことがあるんだ」 「ゆ…ゆぅ…なあに…?」 疑いの眼差しを向けながらも、他に何ができるでもないと理解しているのか、素直に俺の話を聞く母れいむ。 「うん、お兄さんね、赤ちゃんまりさが欲しいんだよ」 「ゆぴゃああぁっ!! やぢゃやぢゃあ! きょわいおにいしゃんはゆっくちできにゃいいぃ!」 「おきゃあしゃあん! まりしゃを あげにゃいでにぇぇ! まりしゃ、いいこにしゅるかりゃあぁ! ゆにゃあぁあぁ!」 俺の言葉に真っ先に反応して泣き出したのは、赤まりさ達だ。 無理もない。お姉ちゃん達を殺した怖い人間さんに貰われたら何をされるかわからない。 でも大丈夫! そんなに怖がらなくていいよ! 「いや、違う違う。君達のことじゃないよ。お兄さん友達から頼まれててね。 生まれたばかりの赤ちゃんまりさを欲しいって言われてるんだ。君達じゃ少し育っちゃってるからダメなんだ」 「ゆっぐ…ほんちょ…? ゆっぐ…」 「うん、ほんちょほんちょ」 友達云々とかのくだりは本当じゃないが、大筋においては嘘ではない。 適当に答えて泣いている赤まりさ達をあやすと、用意しておいた透明な箱を水槽の横に置いた。 そこに入っているのは、一匹の成体ゆっくり。 ゆっくりまりさ。 「ここで産んで欲しいんだ。れいむに」 ========== それから数日後 「ゆぅ…あかちゃぁん…」 箱に入れられ俺に連れていかれる二匹の赤ゆを、母れいむが涙の滲む目で見上げている。 赤ゆは、れいむが今産んだばかりの赤まりさと赤れいむだ。 「おきゃーしゃーん! おねいちゃーん!」「ゆえええぇん! ゆっくちしゃせちぇー!」 「れいみゅのいもうちょを つれちぇかにゃいでえぇ!」「いもうちょかえちてー!」 離れ離れになる姉妹達も泣きながらに互いを呼び合う。 始めての「ゆっくりしていってね!」の挨拶を交わす間もなく引き離され、 二度と逢えない事を予感しているのか、しきりに泣き声を上げる。 今回がここに来てから二回目の出産。 一回目には、赤まりさが二匹生まれた。 そのときは、母れいむも今の赤ゆ達と同じように赤ちゃんを返してと泣き叫んでいたが、もともと俺が貰うために産ませた赤ゆ。 返す道理もない。 今回れいむが騒いでいないのは、それを理解して諦めているからだろう。 一匹生まれた赤れいむも"ついでに"俺が貰うと伝えたときには、多少の抵抗はあったが。 「れいむ、お疲れさま。今日もとってもかわいい赤ちゃんだったよ。 じゃあ、またすっきりー頑張ってくれるかな?」 俺は水槽の横にれいむの三回目のすっきりー相手が入った透明な箱を置いた。 ========== 「ゆうぅぅ…なんだかゆっくりできないまりさだよ…」 そう口にしてしまってから、れいむはハッとする。 (本ゆんの前でそんなこと言うなんて、れいむゆっくりしてなかったよ…でも…) これまで、赤ちゃんまりさを産むために、二回、別々のまりさと無理矢理すっきりーをさせられた。 ふたり共、ゆっくりしていないまりさだった。 お肌も、髪も、お帽子も、どこも薄汚れていて、汚い色の染みがこびりついていた。 れいむのはにーのまりさとは大違いだった。 お兄さんは、「まちののらゆっくり」だから汚いんだよと言っていた。 それでもれいむは、面と向かって他のゆっくりにゆっくりできない等と口にするような事はしなかった。 (ゆぅ…でも、このまりさは…) だが、今度のまりさはどうだ。 体そのものは前の二人程には汚れていない。山に住んでいたれいむ達とさほど変わらない。 でも、大きく見開いた、真っ赤に血走った目が怖かった。 まりさはその目でお兄さんを睨んでいた。 とっても怖い目。 れいむが子ゆっくりだった頃に群れを襲った、怖い"れいぱー"よりももっと怖い目をしていた。 それにまりさは、何かでお口を縫いつけられて、開けなくなっているみたいだった。 (お兄さんにいじめられたのかな…?) それなのに、開けないお口でお兄さんに向かって何かを叫ぼうとしていた。 あんまり叫ぼうとするので、縫いつけられたお口が切れて餡子さんが少し漏れていた。 見ているだけで、れいむのお口まで痛くなってきた。 まりさは何かに怒っていた。狂ったように怒って、箱の中で暴れていた。 とてもゆっくりできないまりさだった。 れいむが「ゆっくりできない」と口走ってしまったとき、まりさの怖い目がれいむを見た。 そして、怖い目でれいむを見て、ますます目を見開いて、れいむにも何かを叫んだ。叫ぼうとしていた。 とっても怖くて、思わず目を逸らしてしまった。 れいむのまりさと同じまりさの筈なのに、全然ゆっくりできなかった。 このまりさには悪いけど、一緒にすっきりをするなんて、考えただけでゆっくりできなかった。 すっきりしたくないのは、今までのまりさもそうだったけど。 (れいむはれいむのはにーのまりさのれいむなのにぃ) でも、お兄さんは最初に言った。笑いながら。 「赤ちゃんまりさを産んでくれないなら、れいむの赤ちゃん全員殺すね。どっちがいい? 産む? 産まない?」 だかられいむは、すっきりーをするしかなかったんだよ。ごめんね、まりさ。ごめんね。 (でも、それでも、こんな怖いまりさは嫌だよ。せめて前のまりさにして欲しいよ) でも、お兄さんは、れいむにこのまりさとすっきりーをさせようとする。 「前のまりさはもう死んじゃったんだ。もうこんなのしかいないから、コレで我慢してね」って笑いながら。 いつものように、お兄さんがまりさに"おくすり"を"ちゅうしゃ"をする。 怒っていたまりさの目がドロリと濁って、お顔がトロンと蕩ける。 前のふたりのまりさと同じ顔。れいぱーみたいな顔。 この後に起こる事も同じ。 ここでの生活で、一番ゆっくりできない時間の始まり。 泣いている赤ちゃん達が見ている前で、ベトベトの頬を擦りつけられて、無理矢理すっきりーをさせられて、 お兄さんがまりさを箱に戻してくれるまでの、とてもゆっくりできない時間。 ========== 「むーちゃむーちゃ…ちあわちぇ…」 「ゆ…おいちい…」 赤ゆ達が食べているのは、クッキー。 れいむが赤まりさを産んだ日だけの特別なご褒美だ。 にも関わらず、目の前で母親が"変な事"をされるのを延々と見せられ泣き続けた直後とあって、 辛い事を忘れ易い餡子脳でも、流石にべそをかきながらのお食事タイム。 ちなみに普段は腐りかけの生ゴミ、しかも赤ゆが衰弱し過ぎない程度に抑えた量しか食べさせていない。 赤ゆを産ませる都合上、母れいむだけは栄養価の高い食事を十分に食べさせているが。 「そうそう。実はみんなに良いお知らせがあるんだよ」 「ゆ…?」 いきなり話しかけた俺に、ゆっくり達が顔を向ける。 「あとひとり…あとひとりだけ、赤ちゃんまりさをお兄さんにくれたら…みんなをお家に帰してあげる。 ひとりだけくれれば、一緒に生まれた他の赤ちゃんも一緒に帰してあげるよ」 「…ゆ…ゆっ!? ほんと?! おにいさん、ほんとに!?」 「ああ、本当だよ」 「かえれりゅの? れいみゅたちおうちにかえれりゅの?」 「ゆっくちできりゅよ! まりしゃたちゆっくちできりゅよ!」 「おきゃあしゃん! はやきゅう! はやきゅ あかしゃんうんでなのじぇ!」 暗闇の中、突如現れた光明に、ゆっくり一家が色めき立つ。 「ゆっ! だいじょうぶだよ! おちびちゃん! もうすぐ…! もうすぐかえれるんだよ! おにいさん! やくそくだよ! ぜったいだよ!」 はいはい。わかってます。約束は守るよ。 安心してね。お兄さん、ゆっくりとの約束はそんなに破ったことないんだよ。 ========== それからまた数日後 「ゆぐぐうぅ…! う、うばれるうぅぅ!」 水槽の中には、りんっげつっのお腹を抱え、いきんでいる母れいむの姿があった。 「おきゃあしゃあん! がんばっちぇええ!」 「うまれりゅよ! れいみゅのいもうちょがうまれりゅよ!」 「あかしゃん! ゆっきゅりうまれちぇにぇ!」 「ゆ! れいみゅもあかしゃんうむよ! う、うみゃれりゅううぅ!」 れいむの周りでは、これからお姉ちゃんになる赤ゆ達がはしゃいでいる。 汗をダラダラ流してじんっつうっの痛みに呻く母れいむの表情も、心なしか笑っているように見える。 既に二度、生まれたばかりの赤ちゃんとの辛い生き別れを経験していると言うのに、よくこれだけ喜べるものだ。 餡子脳だからというのもあろうが、やはりゆっくりにとって、愛くるしい赤ゆっくりの存在こそが至上のゆっくりの素だからだろう。 しかも、今回、赤まりさが誕生すれば、念願叶ってお家に帰ることができるのだ。 一匹を除けば、新しい妹達も一緒に。 「れいむ! ヒッ、ヒッ、フーだ! ヒッ、ヒッ、フー!」 「ゆぐぐ…! ひっ、ひっ、ゆぅー! ひっ、ひっ、ゆぅー!」 実のお父さんは、透明な箱で別居させているので、出産立ち会いは僭越ながら俺が努めている。 れいむの射出口の前に使い古しのタオルを丸めたクッションを用意し、飛び出してくる赤ゆを受け止める態勢も万全だ。 「おきゃあしゃん! ぴっ、ぴっ、ゆぅー!」 「ゆゆっ?! あかしゃんの おかおがでちゃのじぇぇ!!」 「まりしゃがおねえちゃんぢゃよぉ! ゆっきゅちちchっちぇ! ゆっきゅちちい☆い#cっへえぇ!!!」 うん。落ち着け。 「ひ…ひっ…ゆぅぅー! うば…! うばれるうぅぅぅ…!!」 赤ゆの顔が、ムリムリとれいむの産道からせり出してくる。そして すっぽーん!! 間の抜けた音と共に、遂に新しい饅頭がこの世に生を受けた。 柔らかいクッションが赤ゆを傷つけることなく優しく抱き止める。 「うばれるっ…! またっ…うばれるよおぉ!!」 すっぽーん!! すっぽーん!! 先に生まれた赤ゆにぶつからないよう俺がタオルをずらしたところで、更に立て続けに二匹。 計三匹の赤ゆが誕生した。 胎生出産だが、れいむの餌に出産促進剤を混ぜて促成したため、大きさはピンポン玉大。 姉の赤ゆ達と同じくらいのサイズだ。 タオルの上でプルプルと震えている三匹の赤ゆを、家族達がこちらもプルプルと震えながら期待に満ちた視線で見守る。 最初のご挨拶、「ゆっくりしていってね!」の瞬間を待ちかまえているのだ。 そして、遂にその時が、ゆっくりのゆん生における最初の祝福の時がやってくる。 「「「…ゆ…ゆっ…ち………ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「「「「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」」」」」」」」 家族全員、満面に笑顔を浮かべてのご挨拶。 正に今がしあわせーの絶頂期だろう。そう。絶頂期だ。 「ゆううぅ…! れいむのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよおぉ! れいむによくにた…ゆ?」 そこで母れいむの言葉が止まる。ある事実に気付いたからだ。 勿論、俺も最初からその事に気付いていた。 生まれた赤ゆは、全てれいむ種だったのだ。 「ゆ…ゆ? お、おにいさん…」 れいむが俺の顔を窺う。 「うん、ごめんね、れいむ。お兄さんが欲しい赤ちゃんはまりさだからね。お家に帰るのはまだだね」 「ゆう……」 れいむの表情が曇る。 そう。"もう一匹赤まりさをくれたら"、お家に帰らせる約束だ。 残念ながら、今回は条件を満たせなかったようだ。 「ゆっ…! お、おにいしゃん! れいみゅのいもうちょたち、つれてっちゃやぢゃあ!」 「ん? 連れていかないよ。まりさちゃんじゃないからね」 ぴょんと一跳ね前に出た姉の赤れいむが、震えながらも妹を連れていかないでと俺に直訴してくる。 その赤れいむに返事をしながら、事前に用意しておいたペットボトルの蓋を開ける。 「やっちゃあ! いもうちょとゆっくちできりゅね!」 「ゆう~♪ みんにゃ! おねいちゃんと、いっちょにゆっくちちようにぇ!」 「あー…一緒にゆっくりはちょっと無理かな」 新生赤ゆ達が乗ったタオル、その外周に沿ってペットボトルの中の灯油を振りかけた。 「ゆぴいいぃぃっ!! あちゅぅぅ!! あちゅううぅぅ!!」 「みゃみゃあああぁあ!!」「おにぇいちゃあああん!!」 「ゆびゃああぁあっ?! れーみゅのいもうちょがああぁっ!?!?」 「まりじゃのいもうぢょがああぁぁあっ!?!?」 「いもおちょがあづがっでるよおお!!」 三匹で寄り添って泣き声をあげる、生まれたての赤ゆ達。 その周りをメラメラと音を立てて燃えさかる炎の壁がぐるりと囲んでいる。 生まれたてと言えど、よちよち這うぐらいはできるが、 わずかに炎に近づくだけでジリジリと身を焼く熱に晒され、それ以上進むことはできない。 姉の赤ゆ達も、同様に燃えさかる炎の壁に近づく事ができず地団駄を踏んでいる。 赤い炎の壁のすぐ向こうに、姉妹はお互いの泣き顔を窺うことができる。 少し跳ねれば、あるいは這えば、赤ゆでも簡単に到達できる距離。 にも関わらず赤ゆでは絶対に越えることのできない壁。 そうしている間にも、炎の壁はジリジリと妹赤ゆ達に迫ってくる。 「れいむのあがぢゃああん!! はなじでえぇえ! はなじでよおぉぉ!! おにいざあん!! あがぢゃんがあぁあ! れいむのゆっぐりどじだあがぢゃんがああぁあ!」 母れいむならば相応の被害を覚悟すれば赤ゆを救出する事ができるかもしれない。 だが生憎、俺の手に押さえつけられジタバタともがくのに忙しくて、助けに行ってあげられない。 なんたる間の悪さ。 しかし救世主は別の所からやってきた。 「ゆうぅぅ! おねいちゃんがたちゅけりゅよ! ぴいぃぃっ!! あちゅいよおぉ!!」 小さな救世主の伝説は2秒で終了した。 一匹の姉赤れいむが、妹を助けようと果敢にも炎の壁に挑んだが、 瞬く間にもみあげに引火、火を消そうと水槽の土の上を転げ回る事になった。 だが、この赤れいむは幸運だ。 もう一歩深く踏み込んでいたら、一瞬で全身火ダルマ饅頭になっていた。 まあ…踏み込んでいようといまいと最終的には同じ事なんだけど… 空いている方の手を伸ばし、ようやく火を消し止めてゆぐゆぐ泣いている赤れいむを掴む。 そして、妹達が助けを待つ炎の壁の中に放り込んだ。 「ゆびいいぃぃっ!」 炎の熱さから逃れたと思ったのも束の間、四方から饅頭皮を焼く熱波に襲いかかられ、姉赤れいむが再び悲鳴を上げる。 「おにぇいちゃああん!!」「ゆぴぃー! ゆぴぃー!」「あちゅあちゅしゃんけちてえぇ!!」 「ぴぎゃあぁあっ!! あちゅいよおぉ! やめちぇえぇ! こっちこにゃいでぇえぇ!!」 既に体に火が回り、燃え始めていた妹赤ゆ達が、救いを求めて姉赤れいむに縋り付いてくる。 姉赤れいむは妹達を振りほどこうとするが、妹とは言え体格はほぼ変わらない、 お姉ちゃんなら自分達を助けてくれるに違いないと信じ、無我夢中で三方から擦り寄って来られては跳ね除ける事もできない。 そうする内に妹達の体を焼いていた炎は姉赤れいむにも燃え移る。 姉赤れいむだけではない。 妹達同士でも、互いの纏う炎が互いの体に燃え移り、肌も髪もリボンも瞬く間に炎に包まれる。 全身を炎に包まれ、一つの塊になって燃えさかる姉妹達。その願いも一つ。 「「「「たちゅけちぇえぇっ!! れいみゅあちゅいよおぉぉっ!! おぎゃあじゃああぁぁぁんっ!!」」」」 無慈悲な赤い炎に焼き尽くされて行く小さな命。仲良く揃ったかわいい悲鳴。 「あがじゃああん!! おにいざんおねがいじまずうぅ!! あがぢゃんだずげであげでえぇっ!」 「ああ…綺麗だなぁ…かわいいなぁ…ふふ……ふふふふ……」 俺のすぐ下でれいむが大声で何かを喚いているが、まったく耳に入ってこない。 それほどまでに、目の前の光景は美しく、聞こえる音色は甘美だった。 ……… 「あかちゃん…? れいむのあかちゃん…? …おねがいだよ…おへんじしてね……おへんじしてよぉ……!」 母れいむが頬をすり寄せているのは、湯気を上げる四つの真っ黒な丸い消し炭。 球形のそれには窪みが三つ。 つぶらなおめめが嵌っていた、小さな窪みが二つ。 「おかあさん」 その言葉の形に大きく開いたままの、お口だった窪みが一つ。 他は全て焼け落ちて、何にもない、のっぺらぼうの消し炭。 他の赤ゆ達は、その光景から逃れようとするかのように水槽の隅に固まって涙を流しながらブルブルと震えている。 「ゆぅ……ゆぅぅ…! あか…ちゃん……れいむの……あかちゃんがぁ…! …どーしてぇ…? どーしてこんなことするのおぉぉ…!! おにいさあぁぁん!?」 「ああ、ゴメン。言い忘れてたね。 れいむが赤ちゃんれいむしか産まなかったら、産まれた赤ゆちゃんは全員殺すから。 あとオマケでお姉ちゃんの赤ゆちゃんも一人殺すから。 そういうルールだから、これ」 後付はゆっくりできないが、忘れていたものは仕方がない。 改めて、俺が決めていた"ルール"をれいむに説明する。 「な、なにそれえぇぇ!? ぞんなのれいむ ぎいでないよおぉぉ!?」 「だからゴメンってば。じゃあ、もう一回選んでいいよ」 「ゆ…? え、えらぶって…なにを…? ゆっ? おそら?」 れいむの髪の毛を鷲掴みにし、その顔が俺の顔の真ん前に来る位置まで持ち上げる。 「俺が、決めた、ルールで、赤ちゃんまりさを産むか、それとも、産まないで全部の赤ちゃんを殺されるか、だ。 言っておくが俺が決めるルールに文句は言わせないぞ? 文句があるなら、もうれいむには頼まない。自動的に『全部の赤ちゃんを殺される』だ。 さあ、選べよ。どっちがいい? ん?」 「ゆっ…ゆぅぅ…そんなぁ…そんなのぉ……ゆぅ……ゆぇ……ゆえええぇん!」 俺の言葉をゆっくりと飲み込んだれいむが、涙を流す目から、更に溢れるように涙を滲み出させて赤ゆのように泣く。 「泣いてちゃわからないよ、れいむ? どっち? 答えないなら…」 「ゆううぅぅ…うびばず……ゆっぐ…あかちゃん…うびばずがらぁ…もうれいむのあかちゃん…ゆっぐ…ころさないでよぉ…!」 「なあんだ! やっぱりそっちでいいのか! だったら先にルールを説明してても、結局あの赤ゆちゃん達が死ぬのは変わらなかったね! あ、あとね、れいむの赤ちゃんが死んじゃうかどうかは、れいむ次第だからね? 赤ちゃんまりさを産まなかったら、また赤ちゃん死んじゃうからね? お兄さんのせいにしないでね? ゆっくり理解したかい?」 「……ゆっ……ぐい………りがい………じだよ……」 「さっすが、れいむ! ものわかりが良くて、お兄さんうれしいよ! それじゃ、早速かわいい赤ちゃん作ろうか!」 俺はれいむを水槽に降ろすと、次のすっきりーに取りかからせるべく準備を始める。 楽しいショーはまだこれからだ。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×3 ========== れいむが俺の家に来てから4回目の出産を終えた。 「「「ゆっくしちちぇいっちぇね!!」」」 「はい、今度もれいむちゃんでしたー! 残念だったねぇ…みんな」 気の毒そうに声をかける俺に、ゆっくり一家は何も言葉を返さず押し黙ったままだ。 今回もれいむは3匹の赤ゆを産み落としたが、運命の悪戯か、或いはもっとタチの悪い別の何かの仕業か、全て赤れいむだった。 タオルのクッションの上では、生まれたての赤れいむ達がキリッと眉を上げてプルプル震えながら、 最初のゆっくりしていってね!のご挨拶を叫ぶ。 しかし、母親と姉達は呆然とその姿を見つめるだけで、青ざめた表情のまま誰も挨拶を返そうとはしない。 「ゆ…? ゆっくしちちぇいっちぇね! ゆっくしちちぇいっちぇね!」 「ゆっくしちちぇいっちぇねえぇぇ! ゆっくちいぃい…!?」 「ゆっくち…? ゆっくち…しちぇいっちぇね…? ゆぅぅ…ゆええぇ…」 挨拶を返してくれない家族に、生まれたての赤ゆ達の表情も曇り、すぐに泣き顔に変わる。 お母さんのお腹にいるときから、ずっと待ち望んでいたゆっくりしていってね!のご挨拶。 お外から聞こえてきた、お母さんとお姉ちゃん達のゆっくりとした声。 (れいむのあかちゃん! ゆっくりうまれてね!) (いもうちょはゆっくちできりゅよ!) (ゆんゆ~ん♪ れいみゅのおうちゃをきいて、ゆっくちちちぇね!) (おきゃあしゃん! いもうちょのまりしゃも いりゅよね!) (ゆっ! こんどはだいじょうぶだよ!) 自分達の誕生を待ち望む家族の声。 れいむは"まりさ"じゃないけど、それでもかわいいれいむを見れば、お母さんもお姉ちゃんもゆっくりしてくれる。 祝福で迎えられる誕生、そう信じて疑わなかった。 それなのに、お母さんもお姉ちゃんも、誰もゆっくりしていってね!と答えてはくれない。 れいみゅはゆっくりしちゃいけないの? ゆっくりできないの? ゆっくりしたいよ… 輝けるゆん生への希望は、生まれ落ちた瞬間から落胆へと変わった。 まだ己の運命を知らない妹達も、これから待ち受ける運命を知る家族達も、一様に悲しみに沈む。 そして楽しい時間は始まる。 「ど・の・こ・が・し・ん・じゃ・う・の・う・か・な」 水槽の中に並ばせた姉赤ゆ達を俺の指が順番に指し、指を向けられた赤ゆがその度にビクッと震える。 言うまでもなく、今回の処刑赤ゆを選んでいるのだ。 最後に指が止まった先にいた子が死んじゃうからね!と説明してあるので、俺の指が向くたびにおめめからじんわり涙が溢れてくる。 「え・い・き・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 俺の言葉が進むにつれ、赤ゆ達の緊張感は増していく。 もう既に全員涙目。か~わいいなあ! そしていよいよクライマックス! 一音一音に力を込める。 「ラ・ス・ト・ジャ・ツ・ジ・メ!・ン!・トォォォ!!」 「ゆぴゃああぁっ!? やぢゃやぢゃやぢゃあぁっ! ちにたくにゃいよぉ!」 俺の指がビシィッと差した先にいた赤まりさが甲高い絶叫を放った。 その横では、難を逃れた姉妹達が安堵の表情を浮かべている。 まさに天国と地獄の境目だ。 特に赤まりさの次の順番だった赤れいむに至っては、泣き喚く姉妹に気遣うでもなく露骨に安堵を口に出す。 「ゆぅ…たしゅかっちゃよ…これでれいみゅはゆっきゅ 「『ピチュゥゥーンッ!』 はい! れいみゅちゃんに決定~!」 その赤れいむをリボンごと摘み上げ、俺の頭上に高々と掲げた。 「ゆわあぁ?! れいみゅのきゃわいいおしょらをたちゅけちぇえぇ! おきゃあしゃんがとんでりゅみちゃーい!!」 やや錯乱気味になりながら、大空を羽ばたこうとするかのように、もみあげとあんよをバタバタ動かす赤れいむ。 天から飛び散るおそろしーしーが俺の顔に降り注ぐが、この業界ではご褒美だ。 「にゃんでえぇぇ?! れいみゅじゃなくちぇ、まりしゃでちょおおぉ?!」 「うちの田舎ではラストジャッジメントピチューン!まででワンセットなんだよ! ゆっくり理解してね!」 「ゆやああぁぁっ!! れいみゅちぬのやああぁぁっ!」 泣いても無駄だ。ミニスカ閻魔様の決定は絶対。 俺達地べたを這う者に許されるのは、その足元にひれ伏し、スカートの中をチラチラ覗き見る事だけだ。 さーて、じゃあ、お楽しみ処刑タイムいっちゃおうかなあ! 処刑道具はコレ! 透明なアクリルケ~スぅぅ! ゆっくりを閉じこめておくアレじゃなくて、20cm角ぐらいで小物入れとかにする蓋無しのヤツだ。 水槽から処刑赤れいむを取り出し、床の上に置く。 「ゆやあぁぁ! こ、ころちゃないでぇ! やぢゃああぁっ! れいみゅちにたくにゃいよおぉぉっ!!」 叫び声を上げて、赤れいむがぴょんぴょん跳ねて俺から逃げる。 「あ、ちょっとれいみゅちゃん! 動かないでじっとしててもらえるかな?」 「ゆんやあぁぁ! ゆんやあぁぁあぁぁ!!」 ははは、聞いてないね。 赤れいむを捕まえて、あんよを紙やすりでザリッと一擦り。 「ぴいいぃいぃっ!?!?」 んー! いい声! 俺の言う事を素直に聞いて大人しくなってくれた所で、再度、床に置く。 「おねーちゃんにひぢょいことちないでー!」 「ゆう…おにいしゃん…おねえちゃんをいじめにゃいでね…?」 「どうちておねえちゃんに こんなこちょちゅるの! れいみゅおこりゅよ! ぷきゅううぅ!!」 今度は、まだ状況を理解していない妹の赤ゆ達が、姉の窮状を見て抗議の声を上げてきた。 俺に向かってぷくうをしてくる威勢のいい赤ゆちゃんまでいる。おお、こわいこわい! 怖いのでここは穏便に許してくれるようお願いしよう。 「れいみゅちゃん、やめてね!? やめてね!? ぷくうしないでね!」 「ちゃんとはんしぇいちたの!? はんしぇいちたらおねえちゃんにあやまっちぇね! しょしたらゆるちちぇ バチィン! 「ゆぴいいぃっ!?」 ぷくう赤れいむを掴んで、顔面にデコピンを一発。 顔面がベコンとへこみ、顔の内側に埋没した目から涙が滲み出してくる。 少し待つとへこんだ顔が戻り、顔の真ん中を真っ赤に腫らして…お、俺をキッと睨んできたよぉ!? 強気な赤ゆちゃんもかわいいよね~! 「ゆっ…きゃわいいれいみゅになにすりゅ バチィン! 「びぎいぃっ!?」 「いちゃいよ! やめちぇ バチィン! 「ぴいぃっ!!」 「い、いいきゃげんにちないと バチィン! 「ゆびぃっ!!」 「や、やめちぇ! いちゃいのやめちぇ バチィン! 「いぢゃあっ!!」 「ばっちんやめちぇえぇ バチィン! 「ぴぎいっ!!」 「たちゅけてえぇ! おきゃあ バチィン! バチィン! 「ぶぎゅうぅ!!」 「おにいさあぁん! もうゆるじであげてぐだざいぃ! れいむのあかちゃんがいだがってるよぉぉ!! あかちゃんも おにいざんに さからっちゃだめえぇ! いたいいたいされちゃうよぉぉ!! あやまっでえぇ!」 「ゆぴいぃぃ! ごめんにゃしゃいぃぃ! もうぷきゅうちましぇ バチィン! 「ぎにぃっ!!」 「謝らなくていいんだよ! お兄さん、怒ってなんかないからね! 赤ゆちゃんの強気をへし折って粉々にしてあげたときのかわいいお顔が見たいだけだからね! ほらほらぁ! もっとかわいいお声で泣いてよおぉ! れいみゅちゃあん!」 「ゆんや バチィン! 「あやまりまちゅ バチィン! 「はんしぇいちまち バチィン! 「ゆっくちちた バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! バチィン! 一カ所だけ叩くとすぐに皮が破れるので、お顔に、ほっぺに、頭に、背中に、あんよにと四方八方からデコピンを喰らわせる。 このね! 赤ゆちゃんの柔らかい体にボフンと指が食い込むときの感触がなんとも言えないんだよねっ! ……… 「ふう~! れいみゅちゃん! すっごくかわいいお顔になったよ!」 「ぶ゛ぎゅ…ぶっぐ…ぢぃ………」 赤れいむの顔はブクブクに腫れ上がり、垂れ流した涙としーしーのお池にデコピンで折れた小さな歯が浮く。 残った二匹の妹赤ゆ達は、ようやく自分達の置かれている状況が少し理解できてきたか、母れいむに縋って泣いている。 「さ、じゃあ、みんなもお姉ちゃんと一緒に並んでね!」 抵抗しなくなった四匹の赤ゆを、何センチか間隔をあけて正方形を描くように床に配置。 対角にいる姉妹と顔が向き合うようにする。 これで素敵な赤ゆちゃん台座のできあがり。 早速、台座にアクリルケースを載せる。 「ゆぎゅ!」 「ゆゆ?!」 「おみょいよぉ!」 「や、やめちぇくだちゃい! れいみゅいいこにちまちゅかりゃ、やめちぇくだちゃあい!」 突然頭上に物を載せられ、これから何をされるのかと赤ゆ達が怯えた声を上げる。 特にデコピン責めにされた赤れいむが激しく怯えている。 ここで取り出しましたるは、一本のペットボトル。 中身はしゅわしゅわあまあまジュース、サイダーさん。 「赤ゆちゃん達! 驚かせちゃってごめんね! お詫びにあまあまで美味しいジュースさんをあげようね!」 「ゆゆっ?! あみゃあみゃ?! ほちい!」「れいみゅも! れいみゅも!」「ゆ…? あみゃあみゃしゃん…?」 自分達がどういう結末を迎えるか知らない妹赤ゆ達が、あまあまという言葉に先程までの怯えぶりが嘘のようにおねだりを始める。 泣いていたデコピンれいむもあまあまが気になるようだ。 リクエストにお答えすべく、ジョボジョボとサイダーをケースに注いであげると、シュワァァと炭酸の泡が心地よく弾ける音が響く。 「ゆぴー! ゆぴー! あみゃあみゃあ!」 赤ゆ達が頭上のケースに降り注ぐ甘露を求め、餌を待つ雛鳥のように舌を伸ばす。 当然、アクリル板の向こうのジュースは飲めないが。 「ゆっくちあみゃあみゃしゃんちょうだいにぇ!」 「ぺーりょぺーりょ!」 「あみゃあみゃちあわ…ゆ? あみゃくにゃいよ?」 赤ゆ達の舌がケースの底面を這い、夢中で注がれたあまあまにありつこうとするが、舌に感じるのは無機質なアクリルの味ばかり。 お間抜けな光景が繰り広げられる間にも、ジュースは注がれている。 「ゆゆ…?! にゃんだか あちゃまが おもくなっちゃよ!?」 「「「ゆぴー! ゆぴー! ゆ?」」」 最初に異変に気づいたのは姉赤れいむ。妹達も続いて異変に気づく。 当然ながら、注がれた液体の分だけ頭上のケースが重量を増したためだ。 「ゆぎぎ…! おみょいよぉぉ!」 「やめちぇにぇ! おみょいよ!」 「ゆっくちできにゃいよ! あみゃあみゃさん! れいみゅにいじわりゅちないでにぇ!」 「れいみゅおこりゅよ!? ぷきゅううぅぅ!」 更に重量が増し、赤ゆ達が平たくひしゃげて行く。 ぷくうしていた姉妹がどうなったかもう忘れたのか、頭上のジュースにぷくうで威嚇する妹赤ゆもいるが、 ケースに頭を押さえつけられているので不格好に横方向だけにほっぺが膨らむ。 ジョボジョボ… 「ゆきゅうぅぅ! あみゃあみゃさんごめんなしゃいぃ! ゆるちちぇぇ! もうぷきゅぷきゅしないかりゃぁぁ!」 ジュースさんと重力さんにそんな威嚇が効く訳もなく、頭上の重みは増すばかり。 ぷくうしていた赤れいむは、ちたちたともみあげで床を叩きながら必死に謝るが、ジュースさん達は許してくれない。 ジュースさんおこっちぇるよ!? 勿論、赤ゆちゃん全員の連帯責任だ。 更にジュースを注いでやり、アクリルケースがまた一段沈み込む。 「ゆっ…ぎゅ…おみょ…おみょいよぉ…! ゆっくち…できにゃいいぃ…」 「ゆぎゅうぅぅ…!」 「たちけちぇ…! おねい…ちゃぁん!」 妹れいむが対面にいるお姉ちゃんに助けを求めるが、そう言われても、お姉ちゃんだって一杯一杯だ。 目に涙を浮かべながら踏ん張ってはいるが、時間と共に増える重量の前に奮闘虚しく押しつぶされて行く。 そろそろくる頃かなーと思いながらゆっくりとジュースを注いでいると… 「「「「ちゅ……ちゅ……ちゅっ…!」」」」 お? これはぁ?! 来た? 来たの?! 来たんだね! よーし!! ジュースを注ぐスピードを少し早め、タイミングを見計らう。 「行くよぉ! 赤ゆちゃん達ぃ! せーの!!」 「「「「「ちゅぶれりゅうぅぅぅ!!!」」」」」 はい! 「ちゅぶれりゅう」いただきましたぁ! みんな息ピッタリだね! とってもかわいかったよおおぉ! ちなみに俺も赤ゆちゃん達と一緒にちゅぶれりゅうコールに参加した。 いやぁ、楽しいなぁ! 「ちゅぶれりゅう」! かぁわいいよね~ もし今、満員電車の中にいるのなら…おっと、そんな事言ってる暇はない。赤ゆちゃん達がお待ちかねだ。 ささ、もっとあまあまさんあげるからねええ! 「ゆぶっ…ぶっ!」「ぢゅ…ぶぅ…!」「ぶっ…! ゆぎゅううぅ…!」 いよいよ危なくなってきたか、赤ゆ達はあにゃるをキュッと窄め、歯を食いしばり、餡子の噴出に耐えている。 顔を真っ赤にして、ぷくうと大きく膨れた両のほっぺたは、まるでほおずきの実のようだ。 甘い匂いのする脂汗を浮かせながら、ブルブルと震えている様は実に愛らしい。 「ちゅっ! ちゅぶれっ…! ちゅぶれりゅう! ちゅぶれりゅうぅ! ちゅぶれりゅううぅぅっ!!」 今のは俺だ。 赤ゆちゃん達喋る余裕無さそうだし代弁してみた。 「ちゅぶれりゅうぅぅ! おきゃあしゃあん! れいみゅたちちゅぶれちゃうよおぉ! たちけちぇええ! ゆんやあああぁ!」 「ゆっぎっぎっぎっ……!!」 今のも俺。 水槽にへばり付いて赤ゆ達の様子を見守る母れいむに、赤ゆちゃんの言葉を通訳してあげたのだが、なんか睨まれた。 かわいさが足りなかったせいかもしれない。 「ゆぶううぅぅっ!!!」 そうしている内に、遂に耐えきれずに一匹が口から餡子を噴き出した。デコピン赤れいむだ。 歯をへし折ってしまったので、閉じた唇だけでは吐餡を抑えられず真っ先に限界に来たようだ。 透明なケースとジュースを通して、赤ゆの前にこんもりと餡子が盛り上がる様子がはっきりと見て取れる。 勿論、水槽の中で泣きながら赤れいむ達の様子を見守っているゆっくり達にも、その様子はよく見えている。 噴出した餡子の一部は、遠くまで飛び散り、デコピンれいむの対面にいた姉赤れいむの顔にもかかった。 「ゆ゛…ゆ゛…ゆ゛え゛っ!! ゆっぶ!? ゆぶろろおぉおおぉぉっ!?」 妹の吐餡を見て気分が悪くなったか、姉赤れいむがえづき、そのまま餡子を吐き出す。 「ゆぶっ! ぶびゅうぅっ!?」 「ゆ゛んむ゛~!?」ブビュビュビュ… それを見た残りの妹赤ゆの一匹も吐餡を始め、最後まで耐えていた一匹は先にあにゃるが決壊した。 どの赤ゆも再びブルブル震えて餡子の噴出に耐える作業に戻るが既に限界が近い。 少し餡子を吐いては、涙ながらに歯を食いしばりあにゃるを窄める、その連続だ。 じゃあ、そろそろフィニッシュといきますかあ! ドボドボと一気にジュースをケースに流し込む。 「「「「ゆぎゅうぅぅぅっ?!?!」」」」 急激に増加した重量に、赤ゆ達は一声泣いた後、みるみるうちに平面に近づいて行く。 口元から、あにゃるから、餡子が次々と溢れ出す。 それでも急速に高まる圧力には追いつかず、饅頭皮まであちこち破れ、ぷつぷつと餡子色の蕾をつけ始める。 その蕾はふわっと広がり、アクリル板の下で幾輪もの餡子色の花が咲き乱れた。 黒い餡子の花に囲まれた八対の白い目が、頭上のアクリル板に押しつけられながら 水槽から自分達を見下ろしている家族達を見つめていたが、その目玉もやがて弾け飛び、白い花となって咲いた。 「死んじゃった♪」 俺の手がピラピラと振るのは、アクリルケースの下敷きとなってグシャグシャに潰れた4匹の赤ゆ。 潰れてベッタリと広がった姉妹達の餡子と饅頭皮が混じり合い、どこまでが誰の物かその境界も曖昧だ。 まるで一枚の大きなのし饅頭。 そののし饅頭を水槽にベタンと貼り付ける。 「ゆんやあぁぁあ! ぎょわいよおぉぉ! ぎょわいよおぉぉ!!」 「いもおぢょがぁ……まりしゃのいもおぢょがぁ……」 「れいみゅがぁ…れいみゅがちんじゃったぁぁ…」 「ゆえぇえ…! ゆっくちできにゃいぃぃ…! ゆっくちできにゃいよぅ…!」 「あが…ぢゃん……れいむの………あがぢゃん………」 のし饅頭が乾いて剥がれ落ちた後も、ゆっくり一家は泣き続けていた。 [残り赤ゆ] まりさ×4 れいむ×2 中編に続きます