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秀丸/略奪主義者 「戯言はいいんだよォォッ!! そんなに渇くならお前たちの血だまりで ビチョビチョのベチョベチョにしてやるぜェェッッ!!」 知略 男 知・悪 200/200 【瞬/任】 登場時、場に存在する任意の『キャラ』一体を『属性:奇妙』に変える。 解説
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【彼の主義】 「最近変な妖怪が出るようになったらしいわね」 話題を切り出したのは、七色の人形遣いことアリス=マーガトロイド。 いつものように、売買を終えた後の雑談をしていたときのことだ。 「変なと言われても、僕の知り合いでまともな妖怪はむしろ少ない気がするんだが」 「……まさかその中に私も入っているんじゃないでしょうね?」 「おや、君は魔法使いであって妖怪ではないと思っていたんだが、まさか普通ではないという自覚でもあるのかい?」 「く……」 ニヤリと笑う霖之助。 どうも最近こんなふうにからかわれることが増えたような気がする。 いかにも苦々しく思ってますと言わんばかりの顔をするアリスを見て、霖之助はその笑顔を優しいものへと変えた。 「冗談だよ。むしろ僕にとっては君ほど褒めるに困らない性格の知り合いこそほぼ皆無だ。 僕の主観を君が信用できるかどうかはまた別の話だがね」 からかわれてばかりかと思えば、こうして手のひらを返したかのように褒めてきたりもする。 正直怒っていいのか喜んでいいのか複雑な心境だ。 まあ、こういう掛け合いのできる友人は往々にして得がたいものだし、多少は大目に見るとしよう。 「私が言ってるのは性格がどうのこうのという話じゃないわよ。 その妖怪は見た目が人間なら種族を問わず襲い掛かってくるらしいの。多分、幻想郷では新参なんでしょうね。 霖之助さんはまさしく人間にしか見えないんだし、大して強くもないんだから気をつけなさいよ」 「おや、心配してくれるのかい?」 「だっ、誰がよ!? この店がなくなったら不便だって言ってるの! 何で私が霖之助さんの心配なんて!」 「僕のことを、とは一言も言ってないんだがね?」 「今の言い方なら誰が聞いたって霖之助さんのことに聞こえるわよ!」 前言撤回。霖之助の評価をやや下方修正することにして、アリスはぷんすか怒りながら帰っていった。 「さて……」 アリスが店から出ると、霖之助は様々な道具を取り出して占いを始めた。 「今日これから、か」 別人のように鋭い目つきでその結果を見ると、霖之助は店の奥へと向かうのだった。 「まったく、最初に会ったときはもっと優しかったくせに、最近どんどん意地が悪くなってるんじゃないの? って違う! これじゃ霖之助さんに優しくして欲しいみたいじゃない!」 香霖堂を飛び出したアリスは、自宅へ戻る道中で最近の霖之助の態度について考えていた。 「まあ、そりゃ私だって優しく接して欲しくないわけじゃないんだけど。 でもあの態度はつまり、私との関係が軽口なんかじゃ壊れないって思ってるわけだし、そう考えたら私だってまんざら でも……。 ああもう何言ってんだろ。早く帰ろう」 そんなふうにぼやきながら歩いていると、背後から何かがつけてきている気配がすることに気が付いた。 足を止めてあたりを見回しても何もいない。だが、何かがアリスを観察しているように思えて仕方がないのだ。 勘違いであればいいが、楽観視していて本当に襲われたら洒落ではすまない。 「まずいわね、こんなときに……」 今日は買い物だけ済ませてすぐに帰るつもりだったため、上海以外の人形は連れてきていない。 もしこちらを見ているのが件の妖怪だとすれば、今戦うのは少々心もとなかった。 家に向かって足を速めるアリスだが、何かの気配は遠ざかるどころかどんどん近づいてくる。 走り出したアリスの背後、やや上のほうから、ガサッ、ガサッ、という音が聞こえだした。 どうやら木の枝から枝へと飛び移っているらしい。 おそらく逃げきれはしないし、家に着いたところで鍵を開ける余裕など与えてくれはしないだろう。 アリスはここで迎撃しようと腹を括った。 足を止め、周囲を警戒するアリス。 敵もこちらの雰囲気が変わったことに気付いたらしく、気配を消して様子を伺っている。 そんな状態がいつまでも続くかと思われたが、敵は早々に痺れを切らしたらしい。 ガサッと言う音に反応したアリスの目に、飛び掛ってくる大きな影が映った。 咄嗟に身を引いてかわすと、地響きと共に着地したソレと目が合う。 「猿!?」 そこには黒い毛に覆われた、身の丈2メートル程の大猿がアリスを睨みつけていた。 狒々(ヒヒ)。猿の姿をした、もしくは年老いた猿が変化した妖怪である。 獰猛でよく人を襲い、特に女性が餌食になることが多い。 本来の大きさは約3メートル。この狒々は力が弱いか成り立てのどちらだと思われる。 標準より小さいとはいえ、動きは早いし力も強いだろう。 アリスと目を合わせたのは一瞬のことで、狒々はすぐに木々の間へと飛び込んでいった。 逃げたわけではない。予想以上に反応のよいアリスを強敵と認め、全力で命を取りに来るつもりだろう。 追いかけようかとも考えたアリスだが、森の中は狒々の土俵だ。ここで待ち受けたほうがいいだろう。 スペルカードを展開する時間はおそらくない。 さっきの動きから考えて、間に合うかどうかは5分5分だ。賭けに出るにはあまりに分が悪い。 狙うなら、さっきのような着地の瞬間。攻撃をかわすと同時に弾幕を打ち込んでやる。 普段のような拡散する弾幕ではなく、魔理沙のマスタースパークのように一撃の威力を重視して魔力を練る。 念のため上海にも同様の魔法を準備をさせ、アリスは周囲の様子を伺った。 アリスを追いかけてきたときとは違い、狒々は完全に気配を消している。 となれば、頼るべきは聴覚だ。やつが飛び出してくる瞬間、茂みを抜ける音が必ず聞こえる。 耳に神経を集中させ、ひたすら待ち構えるアリス。 いつでも反応できる状態を保つというのは、想像を絶する集中力を要する。 どのくらい待ち続けただろうか、集中力の限界が近いアリス。 その耳が、草木の揺れる音を捉えた。 バッ! と音の方向を見たアリスの目に移るのは、ただ森の姿のみ。 呆気にとられたアリスの右、警戒の薄れた瞬間を突いて狒々が飛び出してきた。 「なっ!?」 まさかこちらが音を頼りにしていることを見抜いていたとは。最初の音は石か何かを投げた音か。 敵を甘く見ていた自分に歯噛みしつつ、迫り来る狒々に魔法を放とうとするアリス。 (ダメだ! 間に合わない!) 虚を衝かれた分、こちらの動きがわずかに遅い。どう足掻いても敵の爪が先にこちらの体に達するだろう。 だからと言って諦めるのは論外だ。間に合わなくてもせめて一矢報いてみせる! 手の届く位置まで来た狒々が右腕を振りかぶる。 次の瞬間襲って来るであろう衝撃に歯を食いしばりつつ、アリスは用意していた魔法を放った。 ズドン!!! 森中に響くような轟音。 だが、アリスの体に痛みはない。 狒々の爪は、アリスの体まで後数ミリというところで停止しており、その胸には大きな風穴が開いていた。 「間に……あった……?」 ペタン、とその場に腰を下ろすアリス。 とたんに暴れだす心臓を抑えつつ、湧き上がる違和感について考えた。 おかしい。どう考えても狒々の爪はあと20センチは進んでいたはずだ。 そういえば、狒々が手を振りかぶった瞬間、わずかに動きが鈍ったような気がした。 通常であれば気が付かない、ほんのわずかな硬直。 原因が何かはわからないが、あれがなければアリスも無事ではすまなかっただろう。 「……いいや、考えても仕方ないし。とにかく、怪我がなくてよかったぁ」 はしたないとは思ったが、地面に大の字になって横たわるアリス。 はあ~っ、と息を吐いてから見ると、狒々はゆっくりと崩れ落ち、そのまま動くことはなかった。 どうやら完全に絶命したようだ。ならば、今は帰って休もう。短い戦いだったが非常に疲れた。 よろよろと立ち上がり、自宅へと向かうアリス。 そんなアリスの姿を、一羽の烏がじっと見つめていた。 すう、と視界が森から室内へと変わる。 霖之助は式神との視界共有を終了させ、軽く安堵の息を吐いた。 香霖堂の地下に作られた隠し部屋。その床に描かれた直径3メートルほどの魔方陣の上で、霖之助は座禅を組んでいた。 この陣は、東洋魔術と西洋魔術を組み合わせた霖之助のオリジナル。 簡単に言うと大掛かりな魔力増幅器にして隠蔽装置。 先ほど狒々の身に起こった不自然な硬直は、この陣を介して霖之助がかけた呪によるものだった。 「危ないところだった。まだまだ彼女も甘いな……」 狒々との戦いぶりを見て、アリスをそのように評する霖之助。 魔理沙やパチュリーにしてもそうだが、どうも彼女たちはスペルカードルールに慣れすぎている。 最近の幻想郷がいかに平和とは言っても、正々堂々と襲ってくる敵ばかりとは限らないというのに。 今回はたまたまアリスの運勢を占った霖之助が陰ながら手を貸すことにしたが、次も上手くいく保証はどこにもない。 「弾幕は火力。弾幕はブレイン。弾幕は属性。確かに間違ってはいない」 彼女たちの特性と弾幕勝負の性質を考えれば、これらは正しい理念だ。 だが、と霖之助は眼鏡を押し上げる。 「"魔法"は……秘匿性だよ」 彼(相手)を知り、己を知れば百戦して危うからず。よく知られる孫子の言葉だが、これにはまだ続きがある。 『彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず敗る』 自分自身のことがよくわかっていても、相手の情報が全くなければ勝率はせいぜい5割である。 自分のことも相手のこともわからないようでは、勝つことなど到底できはしない。 言い換えれば、たとえ自分自身を知り尽くした熟練のものが相手でも、こちらの内情を一切知らせなければ5分以上の戦いが見込めるということだ。 この言葉に従い、霖之助は己が魔法使いであることを徹底的に隠し通してきた。 この部屋もあらゆる手段で持って隠蔽してあるし、使う術にしても、古今東西の魔術から秘匿性が高いものばかりを選んでいる。 己の内情はおろか、己が敵であることすら悟らせずして敵を倒す。これが魔法使いとしての霖之助の信念だ。 アリスを助けるにしても、直接狒々の息の根を止めるなり、もっと簡単な方法はいくらでもあった。 それでもあのようにややこしい方法をとったのは、ひとえに自分が魔法使いだと悟られぬため。 魔法も使えぬ貧弱な半妖を装っておけば、無用の争いに巻き込まれることはないからだ。 今回の狒々のように無差別に襲ってくる輩でも、こちらを侮っているなら不意をつくなり煙に巻くなりどうとでもできる。 その代わり、彼女たちが得意とする派手な弾幕ごっこはまるで専門外になってしまった。 おそらく八雲紫あたりは気付いているだろうし、勘のいい霊夢もどうだか分かったものではないが。 地下室の入り口を完璧に隠すと、霖之助は店番を再開すべく定位置に座った。 数日後。 「というわけで大変な目にあったわ。 とりあえず誰彼構わず襲い掛かるような妖怪はいなくなったから、安心していいわよ霖之助さん」 「それはありがたいね。お礼に今度は、心ばかり割り引きさせてもらおうか」 「……随分素直ね。逆に不気味だから遠慮しておくわ」 どうやら、アリスの考える霖之助像はあまりよろしくないようだ。 苦笑しつつ、霖之助は少し真剣にアリスに声をかけた。 「それはさておき、アリス」 「何よ?」 「ありがとう、無事に帰ってきてくれて。君に怪我がなくて本当によかった」 しばし呆然と霖之助を見ていたアリスだが、見る見るうちに顔が真っ赤になっていく。 「な、何よいきなり!? わかったわ! どうせ常連がいなくなったら店の儲けがどうとかってことでしょ!? 女の子が大変な思いをしてきたってのに、仕方ない人ねまったく!」 「そうだね、僕の店の帰り道で妖怪に襲われたなんて噂が立つのはよろしくない。 経営維持に協力感謝するよアリス」 それを聞いて、怒りつつも嬉しそうだったアリスの顔に影が降り、動きもぴたりと止まった。 ゴゴゴゴゴ、という効果音が聞こえた直後、 「あ、あんたって人はぁぁーー!!!」 ムキー!と憤るアリス。 それをのらりくらりとかわす霖之助は、実に活き活きとした表情を浮かべるのだった。 おまけ、というか別ルート? 「ありがとう、無事に帰ってきてくれて。君に怪我がなくて本当によかった」 しばし呆然と霖之助を見ていたアリスだが、見る見るうちに顔が真っ赤になっていく。 「な、何よいきなり!? わかったわ! どうせ常連がいなくなったら店の儲けがどうとかってことでしょ!? 女の子が大変な思いをしてきたってのに、仕方ない人ねまったく!」 「そうじゃない。店云々じゃなくて、君とまたこうして話ができることが嬉しいんだ」 「あう……」 更なる追撃に声が詰まるアリス。その様子を彼方から覗く影があった。 「アリス……。色を知る年かッッッ!!!」 いろいろとごめんなさい。
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主義者達の咆哮 白の空箱ひっくり返せば 脳の中身が落ちてくる 罪舐めちゃって 噛み砕いちゃって 先のコトなんて知らないわ! 加虐(サディスト)の視線ぶち抜いて 喉潰された理想(ロマンチスト) 自由(リベラリスト)は見向きもせずに 仮面を剥ぎ取る平和(パシフィスト) 雑踏 of midnight! マントルとベガ侍らせて "Shall we dance?"を高らかに 腐った性根の猛獣達は 朝日も待てずに駆け出すの 本能のみに従って 他に存在意義なんてない 打倒世界の精神で 怠惰な理論はゴミ箱へ 散り散りにした我儘は いつまでたっても終わらない 堂々巡りの四次元は 途切れた悪夢と輪舞曲に狂う 黒い指先崩れ去ってけ 甘い激痛はもう飽きた 罰投げちゃって 貶めちゃって 後のコト全部任せたわ! 鍵穴を飲んだ被虐(マゾヒスト) 現実(リアリスト)の詭弁は融けた 未来を転がしている虚無(ニヒリスト) 利己(エゴイスト)は秒針を折る 敏感 in mirrorball! ヴォイスとネイル滑らせて "Are you OK?"下らない 饒舌過ぎた正義の語り部 痺れるルビーが消え去るの 理性なんかは蹴り上げて 純情人情つまらないでしょ 破れたTシャツ引き裂いて 宣戦布告もいいじゃない そのままでいる本質は 曲げられないのが当たり前 泣きたくなるほど跳びはねて 無限となった炎を砕く 何処かで響いているはずの 咆哮は誰に届くのだろう
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貸し手の権利が制限され、資本が人格のように扱われるようになった結果、事業 の所有者の名前は金融においてそれほど重要ではなくなりました。 資本主義より前において、事業の所有者が資金を引き上げる際に、事業は清算さ れていました。しかし、事業の所有者の名前が重要ではなくなった結果、事業の 所有者が事業の一部あるいは全体を第三者に売りつけることができるようになり、 事業は所有者の金銭面での都合に対して相当に「端が閉じている」(closed-end) 状態になりました。 このように事業の金銭面で「端を閉じる」こともまた、資本主義の本質的機能の 1つです。 もちろん、これは従業員にとっても都合がよいことでした。事業の所有者が事業 から手を引いても、従業員が即座に職を失うようなことはなくなりました。
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リーマン・ショック以来、現代資本主義の限界はあらわなものとなっている。 ただちに破綻や崩壊が訪れるというものでもないだろうが、オプティミスティックに発展ばかりを信じられた時代は終わったと言えよう。 無論、これまでだって資本主義の危機は何度も訪れて、その都度乗り越えてきたのだという主張にも一理はある。 もしそうだとしても、少なくとも資本主義のモードチェンジのタイミングが訪れていることは間違いない。 現代資本主義の課題と、新たな時代の方向性を検討してみたい。 資本過剰
https://w.atwiki.jp/nankin1937/pages/18.html
日本の一般国民は、軍事教育を受けず、日本の大学においても一般教養科目に軍事学が存在しないので、軍事目標主義がどういうものかは知らない。 軍事目標主義 地上兵力による占領の企図に対し抵抗しようとする(防守)都市に対しては無差別攻撃が許されるが、 無防守都市においては戦闘員及び軍事施設(軍事目標)に対してのみ攻撃が許され、非戦闘員及び非軍事施設(非軍事目標)に対する攻撃は許されず、 これに反すれば当然違法な戦闘行為となるという原則。 根拠条文 ハーグ陸戦規則第25条 「防守サレサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ、之ヲ 攻撃又ハ砲撃 スルコトヲ得ス。」 Art. 25. The attack or bombardment, by whatever means, of towns, villages, dwellings, or buildings which are undefended is prohibited. ※条文は、砲撃に限定していないことに注目。 防守都市の要件 ①占領を企図する地上兵力が近接していること ②敵の占領に対し抵抗しようとする勢力が存在すること 防守都市であった場合 無差別攻撃が許される (理由) 敵の占領の企図に対して抵抗する都市に対しては、軍事目標と非軍事目標とを区別する攻撃では、軍事上の効果が少く、所期の目的を達することができないから NEXT―>1937年12月の南京は防守都市か? 参考文献 原爆判決 軍事目標主義解説部分抜粋 田岡良一著空襲と国際法-1937年版 原爆判決 軍事目標主義解説部分抜粋 (五)・・・国際法上戦闘行為について一般に承認されている慣習法によれば、陸軍による砲撃については、防守都市と無防守都市とを区別し 、(中略)そして 防守都市(中略)に対しては 無差別砲撃 が許されているが、無防守都市(中略)においては戦闘員及び軍事施設(軍事目標)に対してのみ砲撃が許され、 非戦闘員及び非軍事施設(非軍事目標)に対する砲撃は許されず、これに反すれば当然違法な戦闘行為となるとされている。 (田畑茂二郎の鑑定参照)。 この原則は、ヘーグ陸戦規則第二五条で、「防守サレサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ、之ヲ 攻撃又ハ砲撃 スルコトヲ得ス。」 と規定し(中略)ていることからみて明らかである。 (七) それでは、防守都市と無防守都市との区別は何か。一般に、防守都市とは地上兵力による占領の企図に対し抵抗しつつある都市をいうのであつて、 単に防衛施設や軍隊が存在しても、戦場から遠く離れ、敵の占領の危険が迫つていない都市は、これを無差別に砲撃しなければならない軍事的必要はないから、 防守都市ということはできず、この場合は軍事目標に対する砲爆撃が許されるにすぎない。 これに反して、敵の占領の企図に対して抵抗する都市に対しては、軍事目標と非軍事目標とを区別する攻撃では、軍事上の効果が少く、 所期の目的を達することができないから、軍事上の必要上 無差別砲撃 がみとめられているのである。 田岡良一著空襲と国際法-1937年版 81、94、126、266p 防守都市を占領せんとする軍隊が、非戦闘員に甚大な被害を与える無差別の砲爆撃という極端なる害敵手段の行使を許される理由は二つある。 一つは、もし味方軍の攻撃隊が砲爆撃の対象を都市の一部に限る時、敵兵は都市内の他の区域に退避してこの場所に拠り味方軍を待ち伏せることが可能となり、 結果として味方軍が速かに敵兵を都市より駆逐し又は降伏させることが困難になるが故に、迅速に占領作戦行動を遂行し戦線の進展を促進する為には、 都市全体に砲火を注ぐ無差別砲爆撃が軍事上必要やむを得ざる害敵手段となるからである。 もう一つは、陸上の戦線付近にある都市の住民は、敵軍の接近を知って避難し又は都市を防守する軍隊の指揮官より戦闘開始に先立って退去を命ぜられることを 常とするが故に、敢えて砲火を浴びる危険を辞さない決意を持つ住民の外に滞在する者が稀であり、斯かる都市への砲撃によって非戦闘員の生命に加えられる危害 は比較的大きくない、と考えられるからである。 合計: - 今日: - 昨日: - トップページの合計: -
https://w.atwiki.jp/detoxjapan/pages/30.html
※「日本人右翼の毒」「日本人左翼の毒」「自由主義の毒」を、「反日主義者の毒」に統合しました。 反日主義者の毒 詳細 2011.07.09 編集開始 お花畑バスター 2011.07.14 最終更新 お花畑バスター 反日主義者の毒とは、日本を否定することで利益や快感を得る人たちによる毒(*1)のことです。 左翼と呼ばれる人々について 日本人左翼の毒の原点(原案:ようずん) 「日本人左翼の毒」追加情報(原案:ホルホルバスター) 掲示板に寄稿された記事 資料室へ追加すべき情報 5http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/5372/1308836046/5 反日主義者の毒 4http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/5372/1310193307/4
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王国名:絶対主義無敵ランド 王国環境: 迷宮の怪物と共存(牧場と6人のエルフ) 自慢できる召喚士の逸材がいる 先王の隠し財産(4MG) さらに迷宮の怪物と共存(5人のドワーフ) 階段で繋がる別の領土(領土と一本の道) 王国レベル:2 人口:/66 予算繰越:4MG 生活 文化 治安 軍事 民の声: 逸材: “蛇の道は蛇の”ニャルラトホテプ ジョブ:召喚師 その他の民: 民には含まれて居ない王国のNPC: 国教:天階系っぽい 領土 ○絶対主義無敵ランド 壁壁壁壁壁壁壁 壁②壁空壁空壁 壁壁\┃\┃壁 ━空━①壁空壁 壁壁壁壁壁┃壁 壁空━空━空壁 壁壁壁壁壁壁壁 ①王宮 ②牧場 ○無敵ランド領退廃の沼 壁壁壁壁壁壁壁 壁②壁空壁空壁 壁壁壁壁壁壁壁 ━空━空壁空壁 壁壁壁壁壁壁壁 壁空壁空壁空壁 壁壁壁壁壁壁壁 既知の土地欄 □□□□□□ □□③□□□ □□②①□□ □□□□□□ □□□□□□ □□□□□□ ①:絶対主義無敵ランド ②:無敵ランド領退廃の沼 ③:ヨミの弟がいる
https://w.atwiki.jp/zsphere/pages/2858.html
「アリスタゴラスがスパルタのクレオメネスひとりをだますことができなかったのに、三万のアテナイ人を相手にしてそれに成功したことを思えば、一人を欺くよりも多数の人間をだます方が容易であるとみえる。」 (ヘロドトス『歴史』巻五 古代ギリシャの人たち、意外と「民主主義」に冷淡な事を言うケースが多くて色々面白い)
https://w.atwiki.jp/kbt16s/pages/80.html
護国活動並びに政治活動を行っていくうえで、保守思想に基づいた理論武装を目的として作成したページです。本ページを活用して、左翼や売国奴が議論をしかけてきても面前で論破できる実力を身に着けましょう! <目次> ■理論派保守を養成するための最速プログラム◆(1) 政治的スタンス5分類・8分類+円環図、政治思想の諸概念(整理表)の紹介 ◆(2) 中川八洋氏の著作を便法として使用する理由 ■ステップ1■中川八洋氏の著作を読む→予めゴールの目星をつけておく ■ステップ2■政治思想の古典を読む→有益vs有害:4X3、プラス1◇代表的な思想家(政治思想・法思想)と評価 《1》自由を守る4人の有益な思想家と著作 《2》隷従への道を囁く3人の有害な思想家と著作 《3》有益だが見過ごせない問題点のある思想家と著作 ■ステップ3■理論派保守として乗り越えるべき壁→標準的な政治思想も押さえる《1》現在の標準的な政治学の教科書を読む 《2》西洋政治思想を毒するJ-J.ルソー対策として 《3》日本の政治思想を毒する丸山眞男対策として 《4》西洋思想の標準的知識を押さえる ■ステップ4■理論派保守の目標地点→憲法と法理論を押さえる《1》法学基礎理論(基礎法学)をまず押さえる 《2》次に様々なスタンスの憲法基本書を一瞥する 《3》最後に保守主義・自由主義の立場からの憲法構想を把握する ■ステップ5■政治思想・政治理論 各論ページ ■ご意見、情報提供 ■理論派保守を養成するための最速プログラム 当ページでは、①保守思想、並びに、②関連する政治思想全般(及び関連する経済思想・法思想)、を一般の保守層の方々になるべく簡便に理解していただくことを目的に、 (1) 政治/経済/法学その他の理論/思想を概括的に把握するための工夫として、政治的スタンス5分類・8分類、及び政治思想の諸概念・整理表を提示し、 (2) また、西洋政治思想全般のガイドラインとして中川八洋氏(筑波大学名誉教授)の著作をまず紹介します。 (3) 続けて、この中川氏の著作を杖としつつ、我々がマスターしておくべき政治思想(及び関連する法思想等)の代表的著作を順次紹介し、 (4) 最後に、様々なトピック毎の各論へのリンクを提示します。 なお、そうした書籍の紹介よりも、政治や経済・法学などの具体的なトピックをまず一瞥したいという方は、ページ末尾のリンク先一覧へどうぞ。 ◆(1) 政治的スタンス5分類・8分類+円環図、政治思想の諸概念(整理表)の紹介 △政治的スタンス5分類・8分類+円環図 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ⇒上図の詳しい説明は、政治の基礎知識、政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 参照。 △政治思想の諸概念(整理表) ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ⇒上表の詳しい説明は、■ステップ5■政治思想・政治理論 各論ページへ。 ◆(2) 中川八洋氏の著作を便法として使用する理由 中川八洋氏については、初めて名前を聞く方も多いと思いますが、特に西洋思想について、保守主義の立場から体系的に諸理論を整理・批評した貴重な解説書を著述している学者です(但し後述の★重要な注意事項も参照のこと)。 (*補足説明)保守主義のガイドラインとしては、近年、潮匡人氏『日本人として読んでおきたい保守の名著』や岩田温氏『逆説の政治哲学』などの秀逸な図書が刊行されており、中川八洋氏の見解を相対的に見るためにも、これらを併用することが望ましいが、下記の理由に示すとおり、総合的に見て中川八洋氏の著作がガイドラインとしてなお圧倒的に優れていると考えます。) 当ページにて、ガイドライン・総論を一瞥された後は、ページ末に列挙されている西洋政治思想の各論に進まれることをお勧めします。 そして、西洋思想について一定の理解を得られた後には、さらに、同じくページ末に列挙されている戦前~戦後(さらに現代)に至る日本の思想問題の各論に進んでいただければ当ページの目的は十分に果たされたことになります。 ◇中川八洋氏の著作を機軸に据える理由 (1) ポイントが明確で読みやすいこと 高度な内容が書かれているにも関わらず、中川氏の主張が極めて明瞭なため、政治思想の初心者であっても、何とか読み進めることが出来ること。 (2) ガイドブック機能が高いこと 著作中に、西洋思想を理解する上で知っておくべき良書(正しい思想家)と悪書(間違った思想家)の充実したリストを掲げており、中川氏の解説を頼りに、それらの古典に順次挑戦していくことが可能なこと。 (3) 自主憲法制定まで視座に据えていること 単に西洋思想の解説に留まらずに、それらの理解を現実の日本政治の改善にどう活かすか、を考究し、究極のゴールとして明治憲法に範を取った自主憲法制定を志向し、その具体的内容まで提案していること。 ◇制約事項:自虐史観が残っている人は時期尚早です 朝鮮半島や東南アジアについては日本が侵略した訳ではないが、中国については日本の侵略戦争であり、日本は中国に関してはきちんと謝罪すべきだ 靖国神社に祭られている一般の英霊には感謝の念を表すべきだが、東条英機元首相などのA級戦犯は分祀すべきだ といった類の半可通な歴史認識の方は、こちらのシリーズに参加するにはまだ時期尚早です。 チャンネル桜などの歴史関連動画を視聴したり、当サイトの歴史関連ページを探るなどして、自虐史観の残滓を確り漱ぐことに注力して下さい。 ★重要な注意事項 中川八洋氏の西洋思想の解説は非常にお勧めですが、残念ながら同氏の戦前~戦後の日本の政治・思想状況に関する著作は、 ①読みやすく興味深い内容ではありますが、②実証的裏付けが乏しく、余りお勧めできません。ご注意下さい。 戦前~戦後の日本の政治・思想状況に関しては、当ページ下部や丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証などのページで紹介していますが、 堅実な実証研究に基づく論説を発表している ①竹内洋・井上義和・植村和秀氏のグループや、②新田均・八木秀次氏のグループの著作をお勧めします。 1 これについては、西洋思想という膨大な諸観念の塊を、自在に切り分けて整理し要点を抽出する中川八洋氏の強力な「構想力」「独創性」が、地道な事実検証を積み重ねること、あるいは他の研究者の研究結果と比較し整合性を検証すること、により自分の仮説を躊躇なく修正していく必要が生じる実証研究に際しては、残念ながら逆に仇となってしまっている、ことが原因と考えられます。 2 その点で、①竹内・井上・植村氏や、②新田・八木氏の研究成果は、一種の集合知としてバランスの取れた内容が提示されており、当サイトの戦前~戦後(さらに現代)に至る日本の思想問題各論ページも、この①・②を機軸としてまとめられています。 ◇最速! 理論派保守養成プログラム《概要》 【ステップ1】 中川八洋氏の著作を読む →予めゴールを知っておく 【ステップ2】 政治思想の古典を読む →有益vs有害:4X3、プラス1 《1》 自由を守る4人の有益な思想家と著作 バーク、ハミルトン、ハイエク、ポパー 《2》 隷従への道を囁く3人の有害な思想家と著作 ルソー、ヘーゲル、マルクス 《3》 有益だが見過ごせない問題点のある思想家と著作 ロック 【ステップ3】 理論派保守として乗り越えるべき壁 →標準的な政治思想を押さえる 《1》 現在の標準的な政治学の教科書を読む 批判的にチェックしていこう 《2》 西洋政治思想を毒するJ-J.ルソー対策として フランス革命の誤謬を知る 《3》 日本政治思想を毒する丸山眞男対策として 日本ファシズム論の誤謬を知る 《4》 西洋思想の標準的知識を押さえる 分析哲学の概要まで押さえることが必要 【ステップ4】 理論派保守の目標地点 →憲法と法理論を押さえる 《1》 法学基礎理論(基礎法学)をまず押さえる ドイツ系法学と英米系法学の違い 《2》 次に様々なスタンスの憲法基本書を一瞥する 芦部信喜、佐藤幸治、阪本昌成、各々の憲法論 《3》 最後に保守主義・自由主義の立場からの憲法構想を把握する 日本会議による提案、中川八洋案 ◇時間的な目安 ステップ1 50~100時間 結論だけ知るなら、これで十分 ステップ2 150~300時間 以下はステップ1の論証です ステップ3 150~300時間 ステップ4 150~300時間 計 ミニマム500時間、マックス1000時間 いざ! 左翼・売国奴討伐に出陣! これだけ見ておけば大丈夫。 なお結論だけなら、ステップ1(50~100時間)で十分です。ステップ2以下は、なぜそのような結論になるのかの論証です。 (※注意事項:結論だけ押さえた場合、保守主義を理解したつもりで、実は保守主義と密接に関連した自由主義と正反対の「右の全体主義」(つまり保守ではなく右翼ないし極右的スタンスに陥ってしまう危険があります。詳しくは【ステップ4】など参照)) ※以下、ステップ毎の推薦図書&説明 ■ステップ1■中川八洋氏の著作を読む→予めゴールの目星をつけておく ※ここで押さえた内容にステップ2以下で繰り返し立ち戻ることになります。 『正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒 (単行本) 』(中川八洋:著)西欧哲学の正統保守主義(真正自由主義)の系譜と、それに対立する邪悪な全体主義思想(自由を圧搾する偽りの思想)の系譜を峻別して分かり易く解説。正統の思想・邪悪な異端の思想の各々の思想家と代表的著作の一覧表が大変参考になります。 <目次> 第1部 総論 真正自由主義離脱の代償 第一章 近代がうんだ「反・近代」―全体主義の源流フランス革命 第二章 「進歩」という狂信 第三章 真正自由主義―伝統主義、保守主義 第2部 各論 隷従の政治か、自由の政治か 第四章 「平等教」の教祖ルソー―全体主義と大量殺戮の起源 第五章 フランス革命―人類の「負の遺産」 第六章 「大衆」―全体主義の母胎 第七章 「人権」という狂信―全体主義への媚薬 第八章 迷信の「国民主権」、反・人民の「人民主権」 第九章 「進歩」の宗教、「進化」の神話 第十章 平等主義―自由抑圧の擬似宗教 終章 伝統・権威と自由の原理―保守する精神 文献リスト 「悪書」の過剰と「良書」の欠乏 『保守主義の哲学―知の巨星たちは何を語ったか (単行本)』(中川八洋:著) ハイエクの思想を機軸に西欧哲学の正統保守主義(真正自由主義)の系譜と、それに対立する邪悪な全体主義思想の系譜を峻別して分かり易く解説。エドマンド・バークを初めとする正統保守思想の概略をこの一冊でマスター可能。後は本書で紹介されている興味の湧く各思想家の書に挑戦しましょう。 正統の憲法 バークの哲学 中川八洋著 中公叢書 (2002年) 米・英・仏・日(明治・昭和)の憲法をその来歴から「正統の憲法」と「異端の憲法(偽りの憲法)」に切り分けて論じた目から鱗の名著 <目次> 序 正統の憲法、異端の憲法―祖先の叡智を保守する精神 第1章 保守主義のアメリカ憲法―デモクラシーへの不信、人民への警戒 第2章 イギリス憲法の母胎―封建遺制と中世思想 第3章 フランス憲法、負の遺産―血に渇く神々を祀る宗教革命の教理 第4章 「日本の知的遺産」明治憲法―自由と倫理が薫る英国型憲法 第5章 GHQ憲法のルーツ―スターリン憲法の汚染、ルソー主義の腐蝕 第6章 バーク保守主義の神髄―高貴なる自由、美しき道徳 あとがき 「改革」の魔霊に憑かれた日本 ※内容に関しては、中川八洋『国民の憲法改正』抜粋も参照のこと 国民の憲法改正―祖先の叡智日本の魂 第1部 正統の日本国憲法 中川草案 第2部 「国民の憲法」の絶対三条件―皇室、国防軍、家族 「世襲の共同体」日本の皇統―天皇への崇敬は悠久の日本の礎 美徳ある国民 名誉ある国家―道徳の主体としての国防軍 ほか 第3部 国家簒奪・大量殺戮の思想を排除する―根絶すべきフランス革命の教理 「国民主権」は暴政・革命に至る―「デモクラシーの制限と抑制」こそ憲法原理 「人権」という、テロルの教理―文明と人間を破壊した「フランス人権宣言」 ほか 第4部 亡国に至る三つの憲法改悪―一院制、首相公選、地方分権 参議院の再生―「法の支配」の番人 国の伝統と慣習の守護 中曽根「首相公選」論の正体―スターリン型独裁への中間段階 ほか ■ステップ2■政治思想の古典を読む→有益vs有害:4X3、プラス1 ※ステップ1の中川氏の解説を手がかりに、西洋思想の古典に挑戦します。 ◇代表的な思想家(政治思想・法思想)と評価 № 有益な思想家 主著 評価 説明 1 A.ハミルトン(1755?-1804、米) 『ザ・フェデラリスト』(1788)(マジソン、ジェイと共著) 有益度 S アメリカ独立戦争でワシントンの副官として活躍。その後13邦に分立したままのアメリカを一つの連邦にまとめる合衆国憲法案の批准を訴える論説をJ.マジソン、J.ジェイと共にニューヨーク州の新聞に連載し合衆国発足に貢献。その論説集『ザ・フェデラリスト』は現在に至るまで合衆国憲法の最良のコンメンタール(注釈書)として揺ぎ無い地位を保ち続けている。 2 E.バーク(1729-1797、英) 『フランス革命の省察』(1790) 有益度 S 当時英国領であったアイルランド出身のホイッグ党(自由党の前身)の有力下院議員。アメリカ独立戦争では植民地側に理があるとしてこれを支援したが、フランス革命が勃発すると逸早くその全体主義的・狂信的本質を見抜いて、これを糾弾する名著『フランス革命の省察』を著し英国のフランス革命反対の世論形成に大きく貢献した。 3 F.A.ハイエク(1899-1992、オーストリア→英) 『隷従への道』(1944)『自由の条件』(1960)『法と立法と自由』(1973-79) 有益度 S ノーベル経済学賞を受賞。しかし「隷従への道」執筆後は経済学に加えて法思想・政治思想の分野を総合した哲学者として晩年まで精力的に活躍。第二次世界大戦を挟んで膨張する一方の社会主義に警鐘を鳴らし、自由主義の価値を訴え続けた。1970年代末に始まる英国のサッチャー改革はハイエクの思想をバックボーンとして実行された。⇒リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 4 K.R.ポパー(1902-1994、オーストリア→英) 『開かれた社会とその敵』(1945)『歴史(法則)主義の貧困』(1957) 有益度 S ハイエクと共に、マルクス主義・全体主義の似非科学性を厳しく追及・糾弾し、相互批判に向けて開かれた自由な社会を擁護し続けた。なお上記の様にポパーの名著『The Poverty of Historicism』(歴史法則主義の貧困)は日本では左翼文化人の久野収によってワザと『歴史主義(historism)の貧困』と誤訳されている。 № 有害な思想家 主著 評価 説明 1 T.ホッブズ(1588-1679、英) 『リヴァイアサン』(1651) 有害度 S 英国の清教徒革命(1640-60)期にスチュアート王朝もクロムウェルの共和制も双方とも擁護可能な御用理論として『リヴァイアサン』を著し、一旦社会契約を交わして国家を創立した後には、人民は国家に対する絶対的服従を要求される、とした。 2 J-J.ルソー(1712-1778、スイス→仏) 『社会契約論』(1762)『人間不平等起源論』(1755) 有害度 S 社会契約を締結した人間は、その契約の結果形成される「一般意思」に完全に従属する(喜んで従う)、とする個人の自由意志を完全に滅失した集団主義的・全体主義的思想(Collectivism:集産主義と訳す)を唱えて、フランス革命やヘーゲル更にマルクスの思想に大きな影響を及ぼした。 3 G.W.F.ヘーゲル(1770-1831、ドイツ) 『歴史哲学』(1840)、『法哲学』(1821) 有害度 S ドイツ観念論の大成者。「歴史とは世界精神(世界を支配する絶対的な理性原理)の展開過程である」とする歴史法則主義を唱えて、マルクスの思想に多大な影響を与えた。 4 K.H.マルクス(1818-1883、ドイツ) 『共産党宣言』(1848)、『資本論』(1867) 有害度 S ヘーゲル左派から出発し、F.エンゲルスと出会って以降フランスなどで提唱されていた初期の社会主義(空想的社会主義)に接近。これに科学の装いを施し「共産主義社会の出現は歴史的必然である」とする科学的社会主義(マルクス主義)思想を打ち立て、さらにプロレタリア革命を実現するための実力行使を広く呼びかけた。⇒マルクス主義と天皇制ファシズム論 ※上記のように英語圏では常識である自由主義擁護の大思想家(ハミルトン・バーク・ハイエク・ポパー)の著作は、日本では殆ど紹介されず、学校でも全く教えられていない。 逆に下段の全体主義・共産主義を生み出した狂気の思想家達(ホッブズ・ルソー・ヘーゲル・マルクス)はまるで世界の偉人であるかのような大きな扱いを受けている。 《1》自由を守る4人の有益な思想家と著作 フランス革命についての省察ほか 中公文庫か、みすず書房の翻訳本を薦める。岩波文庫版は悪訳。要検証 2011年に出版されたPHP研究所刊行のものはどうか? ザ・フェデラリスト(抄訳版)A.ハミルトン(初代財務長官)、J.マジソン(第4代大統領)、J.ジェイ共著 アメリカ合衆国憲法のコンメンタール(注釈書)として不動の地位を確立している名著。福村出版の完訳版は残念ながら非常に高額のため岩波の抄訳版をお勧めします。これと中公文庫『世界の名著』シリーズの1巻で重要な部分はかなりカバーできるはず。 『隷属への道』(F.A.ハイエク:著)(※西山千明氏による新訳を薦めます) 計画経済と生産手段の共有という社会主義政策が、なぜ全体主義に至ってしまうのか。自由を守るために心に留めなければならないことは何か。「法の支配」の真の意味と重要性とは。後年のハイエクが、自己のエッセンスが全部詰まっているとして一般の読者に薦めた一冊。 第二次大戦末期にアメリカで好評を得たあと、1989年にベルリンの壁が崩れ91年までにソ連が崩壊していった時期に、その恐ろしいまでに的確な全体主義社会の分析によって、この本は再度、西欧世界で熱心に読まれ初めました。 全体主義を厳しく排撃するハイエクを、戦後長く意図的に無視し続けてきた日本の出版界にも1980年代の終わり頃から漸くハイエクの著書を出版する動きが出てきました。かなり難解だが、渡部昇一先生の解説本『自由をいかに守るか―ハイエクを読み直す』を頼りに読み進めて欲しい。なおハイエクの割と平易な編著作として『市場・知識・自由―自由主義の経済思想』があるので、『隷従への道』がどうしても難しい人はこっちに挑戦する手もある。 『開かれた社会とその敵』(全2巻)K.R.ポパー著(1945) 第一部:プラトンの呪文第二部:ヘーゲル、マルクスとその余波 2冊本だが、論旨明快で読み易い。プラトンから始まり、ヘーゲルを経てマルクスに至る全体主義思想を厳しく論駁した必読の名著。 《2》隷従への道を囁く3人の有害な思想家と著作 人間不平等起源論 『社会契約論』よりもこちらの方が読みやすい。興味が沸けば『社会契約論』に進むべし。 歴史哲学講義 ヘーゲル哲学の滅茶苦茶さは『歴史哲学講義(上・下)』を読めば十分わかるはず。興味が沸けば『法哲学講義』へ。 共産党宣言 ヘーゲル マルクスの政治思想の滅茶苦茶さ・問題点は、上のK.R.ポパー著『開かれた社会とその敵』で的確に指摘されているので、マルクスは『共産党宣言』だけ読んでおけば十分。 《3》有益だが見過ごせない問題点のある思想家と著作 統治論(市民政府二論) 超有名であり、内容もさほど難しくない。なお同じ社会契約論のホッブズ『リバイアサン』は長過ぎ 内容が古過ぎて読む価値が余りない。 ■ステップ3■理論派保守として乗り越えるべき壁→標準的な政治思想も押さえる ※有益or有害の区別がついた所で、現実に日本で教えられている政治学・政治思想の内容を批判的に考察します。 《1》現在の標準的な政治学の教科書を読む 政治学 (New Liberal Arts Selection) 「七人の侍」の政治学 第1部 統治の正統性―政治の課題とは何か 政策の対立軸 政治と経済 ほか 第2部 統治の効率―代理人の設計 議会 執政部 ほか 第3部 統治のプロセス―代理人の活動 政策過程 対外政策の形成 ほか 第4部 統治のモニタリング―何がデモクラシーを支えるか デモクラシー―理想と現実 投票行動 ほか) 上は現在の代表的な政治学の教科書だが、以下のとおり二つの重大な問題点がある。 (1) 西洋の政治思想について J-J.ルソーの思想を隠れた機軸とし、バークやハイエクの思想を故意に隠蔽し(バークの思想)、または「古い世代」などと婉曲的に否定(ハイエクの思想)していること。 (2) 日本の政治思想について 「国民主権を貫徹するために天皇制を打倒」することを最大の目標としていた“日本を代表する政治学者”丸山眞男の思想を実は基調としていること(著作者は丸山の弟子筋ばかり)。 これらの問題点を正確に認識し、打破するために以下を読破することを提案する。 《2》西洋政治思想を毒するJ-J.ルソー対策として 絵解き ルソーの哲学―社会を毒する呪詛の思想 渡部昇一(監修)・中川八洋(解説)両氏のコラボが実現した、分かり易い漫画付き解説本 第1章 「孤児」ルソーの、放浪の生と異常な性 第2章 5人の子を棄てた啓蒙哲学者の誕生 第3章 文明社会を破壊せよ!―「野蛮・未開社会こそユートピア」 第4章 性道徳の破壊と人間の改造―『新エロイーズ』と『エミール』 第5章 全体主義体制の教祖・ルソー 第6章 迫害、放浪、ひどくなる狂気 第7章 『夢想』と恍惚の果てに 第8章 死せるルソーの煽動―血塗られたフランス革命 『革命について』ハンナ・アレント(1963) 自由な立憲政体を建設したアメリカ独立革命と、暴虐のテロと全体主義に沈んだフランス革命・ロシア革命を鮮烈に対比した名著。ルソーの絶大な影響下に実行されたフランス革命への幻想を完全に打ち砕く。 《3》日本の政治思想を毒する丸山眞男対策として 丸山眞男と平泉澄 昭和期日本の政治主義 植村 和秀(著) 柏書房 (2004/10)単行本 丸山眞男といえば、進学校の学生が全共闘世代の教師に「夏休み(冬休み)の課題に『日本の思想』(岩波新書)の中の一章を読んで感想を書け」と言われて、面白くも無いヘンテコで拗けた文書を読まされて難儀するのがオチの“戦後日本を代表する政治思想家”なのだが、そうした丸山の思想に半ば洗脳されていた著者(京産大法学部教授、ドイツ政治思想史専攻)が、京都の古本屋でたまたま、丸山眞男と思想的に対極にある平泉澄の戦前の著作を手に取り、その流麗な文体・精緻な論理構成に打たれて、可能な限りの事実検証・文献検証を重ねて両者の思想的対立の根源に迫った好著。 「筆者には丸山眞男も平泉澄も、その支持者の多くのように、無条件に支持することはできない。丸山には心情的には共感できるが、しかし論理的には納得できない。平泉に論理的には共感できるが、しかし心情的には納得できない。それにもかかわらず、丸山と平泉の思想史的な意義の重さと、人間的な偉大さとは、素直に承認したい。」(著者:植村氏)…丸山眞男的あるいは進歩派文化人的な「戦後民主主義」思想にドップリ漬かった人への解毒剤としてお勧め。また昭和初年~昭和40年頃までの日本の思想状況の本当の所を知りたい人にもお勧めしたい。 「生きて皇室を守るべし。雑草を食っても生きよ」終戦前後の混乱期における平泉同学の知られざる奮起、まさに大日本帝国の殿(しんがり)としての貢献、阿南惟幾・下村定の陸軍最後の二人の陸相と平泉博士とのエピソードも興味深い。 相当にハイレベルだが、“理論派保守”を目指す人は是非挑戦してほしい。西洋の保守思想に留まらず、日本の保守思想への扉を開く貴重な一冊 昭和の思想 植村 和秀 (著) 講談社選書メチエ(2010/11)単行本上記『丸山眞男と平泉澄昭和期日本の政治主義』が内容的にハイレベルすぎて、初心者のみならず中級者でさえ中々に読みこなせないという難点に答えるかのように2010年秋に出版された簡潔な昭和期政治思想の概略本。内容(「BOOK」データベースより)「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「二つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。<目次>第1章 日本思想は二つ以上ある第2章 思想史からの靖国神社問題―松平永芳・平泉澄第3章 思想史からの安保闘争・学生反乱―丸山眞男第4章 思想史からの終戦と昭和天皇―阿南惟幾・平泉澄第5章 思想史からの世界新秩序構想―西田幾多郎・京都学派第6章 思想史からの言論迫害―蓑田胸喜第7章 二〇世紀思想史としての昭和思想史 《4》西洋思想の標準的知識を押さえる 現代政治理論 《1》で紹介した政治学 (New Liberal Arts Selection)や同じ有斐閣アルマの現代政治学が丸山眞男や彼の称揚した(ルソー的な意味での)「民主主義」をあまり疑問なく肯定しているのに対して、2006年出版とより新しいこの本は、「日本を代表する政治学者・政治思想家」丸山眞男の紹介もなく、またdemocracyを「民主主義」として変に賞賛せずにきちんと「デモクラシー」(政治思想ではなく政治制度の一つ)として考察する姿勢をとるなど、左翼思想の刷り込みが比較的少ない。また「自由主義」と一般には訳されるliberalismの解説が詳しく、特に他書が意図的に忌避しているハイエクの思想の解説も比較的多くお勧めである。 『知の歴史―ビジュアル版哲学入門 (大型本)』(ブライアン・マギー:著) イギリスの標準的な哲学・思想解説本(分析哲学以前の伝統的な哲学が中心)。左翼の強い日本では意図的に紹介されない英国保守思想の大家エドマンド・バークにも確り数ページが割かれている。著者ブライアン・マギーは、ハイエクの盟友カール・R・ポパーと深い交流のあったイギリスの代表的な哲学解説者で、イギリス左翼の代表的思想家バートランド・ラッセルとも交流のあった人物。この本で特に興味深いのは、デカルト以来の大陸合理論が、ガリレオ・ガリレイからケプラーを経てニュートンによって完成した古典力学の決定論の大きな影響を受けていること、しかし20世紀に入ってアインシュタインの相対性理論・ハイゼンベルクの不確定性原理が発見され、絶対と思われたニュートン力学が否定され、それがハイエクやポパーの合理主義批判に影響を与えていること、がポパーの解説部分の前後に述べられている点である。他にバートランド・ラッセルの『西洋哲学史(第三巻)近代哲学』もまずまずお勧め(ただしラッセル自身は愛国的左翼なので注意)。 『分析哲学講義』(青山 拓央:著) ブライアン・マギーの上記図書では分析哲学の紹介がほぼ欠落しているので、こちらも必ずチェックして欲しい。分析哲学とは「哲学の役目は《概念の分析》《問題の明晰化》にある」として、ア・プリオリ(先験的)な観念論に囚われた伝統的な形而上学的思想・哲学の殻を打破して戦後の英米圏で圧倒的な主流となった哲学潮流であり、当ページ・ステップ4《憲法と法理論》に進む上で簡単にその考え方をチェックしておく必要がある。(逆に、これを一通り押さえずに憲法論・法理論に進むと、保守主義・自由主義ではなく独善的な「右の全体主義」に陥ってしまう危険が高くなってしまう)。 『保守主義の社会理論―ハイエク・ハート・オースティン 』(落合 仁司:著) ?F.A.ハイエクの自生的秩序論、?H.L.A.ハートの法概念論(法=社会的ルール論)、?J.L.オースティンの言語行為論(SPEECH ACT THORY)という20世紀哲学の諸潮流の内的関連性を、?ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論とも絡めながら解説し、社会哲学の観点から「20世紀以降の保守思想」を論じた名著。書中に多々登場する哲学・思想用語を一つ一つ辞書等でチェックしていく根気さえあれば、論旨明快で読みやすいはず。※参考ページ 落合仁司『保守主義の社会理論』内容紹介 ■ステップ4■理論派保守の目標地点→憲法と法理論を押さえる ※保守主義/自由主義の政治思想を左右の全体主義との違いを明確に認識しつつ押さえた後は、その応用編として、憲法論/法理論の理解へと進みます。 《1》法学基礎理論(基礎法学)をまず押さえる 『法学 (ヒューマニティーズ) 』 (中山竜一:著 (2009年))《目次》1. 法学はどのようにして生まれたか(なぜ法の歴史について学ぶ必要があるのか (西洋法の歴史 ほか)2. 生きられる空間を創る―法学はどんな意味で社会の役に立つのか(法に期待される役割と背景にある思想 (活動促進と紛争解決―民事法の役割 ほか)3. 制度知の担い手となる―法学を学ぶ意味とは何か(法学を学ぶ意味とは? (法的思考のいくつかの特徴―哲学との対比 ほか)4. 法学はいかにして新たな現実を創り出すのか―法学と未来 (法的思考で現実は変えられるか、難事案をどのように判断するか(一)―ドゥオーキンの構成的解釈 ほか)5. 法学を学ぶために何を読むべきか (BOOK GUIDE) ドイツ系(大陸系)哲学をベースにした従来の観念論的な「法哲学」ではなく20世紀後半以降に大発展した英米系分析哲学をベースとする「法理学」への扉を開く一冊。左右の全体主義に陥らない法学基礎理論の第一歩として非常にお勧め。なお、これとの対比で従来型の特定の観念・思想ゴリオシ型の「法哲学」の教科書として、笹倉秀夫『法哲学講義』を挙げておくので、興味のある人はこの両者の法理論を比較してみられるとよい。(笹倉秀夫氏は丸山眞男の弟子で、同書も強度の左翼思想と自虐的史観に満ちており、現在の目で見ると明らかに特定思想のゴリオシが目立ち失笑ものである) 『二十世紀の法思想』 (中山竜一:著 (2000年))《目次》第1章 20世紀法理論の出発点―ケルゼンの純粋法学第2章 法理論における言語論的転回―ハートの『法の概念』補論 ハート理論における「法と道徳」第3章 解釈的実践としての法―ドゥオーキンの解釈的アプローチ第4章 ポストモダン法学―批判法学とシステム理論補論 脱構築と正義―デリダ「法の力」第5章 むすび 『法学(ヒューマニティーズ)』と併せて読んで欲しい。20世紀後半に起こった、ケルゼンに代表されるドイツ系(大陸哲学系)法学から、ハートに代表される英米系(分析哲学系)法学へのパラダイム・シフト(法理論における言語論的転回)に焦点を当てた好著。なお20世紀哲学の最大事件「言語論的転回」については『分析哲学講義』(青山拓央:著)が分かり易い。 『現代法理学』 (田中成明:著 (2011年))《目次》序論 法理学の学問的性質と役割第1編 法動態へのアプローチ(第1章 法への視座、第2章 法システムの機能と構造、第3章 法の三類型モデル)第2編 法システムの基本的特質(第4章 自然法論と法実証主義、第5章 法と道徳、第6章 法と強制)第3編 法の基本的な概念と制度(第7章 権利と人権、第8章 犯罪と刑罰、第9章 裁判の制度的特質と機能)第4編 法の目的と正義論(第10章 法と正義、第11章 実践的議論と対話的合理性、第12章 現代正義論の展開)第5編 法的思考と法律学(第13章 裁判過程と法の適用、第14章 戦後の法解釈理論の展開、第15章 法的思考・法的議論・法律学、第16章 法的正当化の基本構造) 憲法その他の実定法をいかなる思想を持って定立すべきかを、かってのドイツ系の「法哲学(legal philosophy)」の立場からでなく、英米系の「法理学(jurisprudence)」の立場から考える重要な一冊。著者・田中成明氏は前記の中山竜一氏の師にあたる法理学者であり、本書は現在の日本の法理学(法哲学)の一応の最高到達点を示している(※但し、佐藤幸治氏と同じく京都学派に当たる田中氏は政治的スタンス分析では中間派に該当し、その主張内容には残念ながら些か中途半端で不徹底な所がある)。 『自由の条件』(全3巻) (F.A.ハイエク著(1960))《目次》第一部 自由の価値第二部 自由と法第三部 福祉国家における自由 自由主義の真髄を解き明かしてM.サッチャー(英元首相)のバイブルといわれた名著であり、自由と法の関係についてきちんとした知識を持つ上で必読の3巻本。続編の『法と立法と自由』も3巻本で、一冊一冊が高価だが、図書館などで見つけて目を通して欲しい。論旨明快なため、内容はさほど難しくないはず。 『法の概念』 (H.L.A.ハート著(1961年)) 20世紀後半の法理論に大転回をもたらした記念碑的な一冊であり、現在の法を学ぶ者は避けては通れない名著。しかし一般向けにも興味深いテーマを多く扱っており、また用語も難解でないので読みやすい。法学徒は必読だろうが、そうでない普通の人にもオススメできる。《以下概要》本書では、まず「法は威嚇による命令である」という説を批判する。その上で、法を第一次的ルールと第二次的ルールとに分ける。第一次的ルールとは、制裁をもってして何らかの行動を強制するものである。第二私的ルールとは、法として有効である権能を与える(契約・立法・裁判など)ものである。法は不確定性をともなうので、法の周縁部においては常に解釈がともなう。他。 『公正としての正義 再説』 (J.ロールズ著 (2004年))《目次》第1部 基礎的諸観念(政治哲学の四つの役割 (公正な協働システムとしての社会 ほか)第2部 正義の原理 (三つの基本的な要点、正義の二原理 ほか)第3部 原初状態からの議論 (原初状態―その構成、正義の環境 ほか)第4部 正義に適った基本構造の諸制度 (財産私有型民主制―序論、政体間の基本的対比 ほか)第5部 安定性の問題(政治的なものの領域、安定性の問題 ほか) J.ロールズ著『正義論』といえば自虐的史観ではないマトモな左翼(=リベラル左派)のバイブル的基礎理論書であるが、本書は『正義論』以降の思想的発展を綴ったロールズ晩年の草稿を弟子エリン・ケリーがまとめたエッセンス本である。現代リベラル思想を代表するロールズの理論は難解だが、左派系の政治思想・法思想を押さえ的を外さずに批判・論撃する上で本書を批判的に読み込んでおく必要がある。 《2》次に様々なスタンスの憲法基本書を一瞥する ※法学基礎理論を押さえた次は、保守主義の憲法論に入る前に、①芦部信喜(リベラル左派)、②佐藤幸治(中間派)、③阪本昌成(リベラル右派)といった日本の代表的な憲法論を一通り押さえておきましょう。 『憲法 第五版』 (芦部信喜:著、高橋和之:補訂 (2011年)) 芦部信喜(故人)は、宮沢俊義に始まる東大憲法学(戦後左翼の通説的憲法学)の権威であり、本書は法律系資格受験者に最も参考にされている影響力の大きい基本書である。芦部の政治的スタンスはリベラル左派からさらに左翼よりと考えると理解しやすい(※参考ページ:よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編))なお芦部説をベースとした種々の憲法学説案内として LEC『C-Book 憲法Ⅰ《総論・人権》』抜粋 も参照また、芦部説に代わる近年の左翼リベラル側の代表的護憲論とその対策して、よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編)も参照。 『憲法 第三版』 (佐藤幸治:著 (1995年)) 佐藤幸治は、佐々木惣一から大石義雄へと続く京都学派憲法学の代表学者であり、J.ロックの「信託」論をベースとしたその憲法論は上記の芦部説(東大憲法学)に次いで大きな影響力を持っている。佐藤の政治的スタンス5分類/8分類では折衷的な中間派に分類すると据わりがよい(※参考ページ:佐藤幸治『憲法 第三版』抜粋)。 憲法1 国制クラシック、憲法2 基本権クラシック 著者・阪本昌成氏(近畿大学教授・憲法学者)は、①ハイエクの自由論と②ハートの法概念論をベースに自由主義的憲法学を展開する稀有の憲法学者。右記の2冊本は保守のための憲法基本書として唯一無二の価値を持つ名著であり、宮沢俊義→芦部信喜と続く左翼憲法学の誤謬を完膚なきまでに粉砕する内実を備えている。2冊とも2011年秋に改訂されており、最新の判例をも取り込んでいるところも嬉しい。(※参考ページ:政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価、なお阪本氏は正確にはリベラル右派=新保守主義のスタンスであることに注意)※阪本氏の憲法理論 紹介ページ⇒ 1. 阪本昌成『憲法理論Ⅰ 第三版』(1999年刊)⇒ 2. 阪本昌成『憲法1 国制クラシック 全訂第三版』(2011年刊)} 《3》最後に保守主義・自由主義の立場からの憲法構想を把握する ※《1》法学基礎理論(基礎法学)をまず押さえる、というステップを踏まずにいきなりこの《3》へ進むと、自由主義と全体主義の違いが理解できず自覚のないまま「伝統」や「国体」を絶対視してしまう「右の全体主義」に陥る危険が高いので注意しましょう。(左派憲法学を論破する上で《2》もきちんと押さえておく方と更に良い) 日本国憲法とは何か 平易でありながら、憲法を考える上で最低限必要な知識をきちんと教えてくれる名著。姉妹編の『明治憲法の思想―日本の国柄とは何か』と併せて読んで欲しい。 『憲法の常識 常識の憲法』百地 章 (著)チャンネル桜などでお馴染みの代表的な保守派憲法学者の憲法観を知るための一冊。amazonブックレビューで一部ページを拝見できる。 『新憲法のすすめ―日本再生のために』大原 康男 (著), 百地 章 (著), 日本会議新憲法研究会(編集)<目次>第1部 なぜ、いま新憲法か第2部 新憲法の大網第3部 新憲法への視座―歴史に学び未来を展望する(憲法調査会の議論に期待するもの/国家理念の再考/戦後民主主義は憲法原則たり得ない/主権をどう考えるか/憲法九条を考える/国際秩序の変容と日本の憲法)資料編★内容説明★常識的な憲法改正案として、日本会議の提言「新憲法の大綱」を挙げておく。ステップ1で紹介した中川八洋『国民の憲法改正』と並んで新憲法の具体的改正内容に踏み込んだ提案がまとめてあるので、相互参照しながら全体主義に陥らない「保守主義/自由主義の憲法構想」の具体例を感得して欲しい。 象徴天皇制度と日本の来歴坂本多加雄(著)<目次>序章 相互理解とは何か第1章 「選択する自己」から「物語る自己」へ第2章 国家の来歴第3章 戦後日本とその物語第4章 日本国憲法とフランス革命の物語第5章 近代日本における国家制度の形成過程第6章 象徴天皇制度と日本国憲法第一条第7章 近代国際社会と日本終章 ふたたび相互理解について★内容説明★「戦後の来歴」に拘束され、近代以降の歴史を否定的に見る習慣が身についた日本人。しかし「戦後の来歴」自体、ひとつの物語にすぎない。国際社会で日本が演じた事柄や天皇の存在について、戦後五十年を経た今こそ、幕末以来の「国体」観念や「憲法」を中心に見直し、新たな物語を語るべきではないか。気鋭の政治思想史学者による「日本の来歴」探求の提唱。現在は天皇論 象徴天皇制度と日本の来歴 (文春学藝ライブラリー)として再販されている。 ■ステップ5■政治思想・政治理論 各論ページ 理論派保守を目指す人のための読書ガイドを押さえたら、保守主義・自由主義・社会主義・ナショナリズム・デモクラシーなど政治思想・政治理論の各論に進みましょう。 下が政治思想・政治理論の各論ページとなります。 なお各論のうち最初に読むと便利なページは 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 です。 ※サイズが合わない場合はこちらをクリック ■ご意見、情報提供 下記の各論ページの掲示板をご利用下さい。 なお各論のうち最初に読むと便利なページは 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸、及び、政治の基礎知識 です。 ■左翼や売国奴を論破する!セットで読む政治理論・解説ページ 政治の基礎知識 政治学の概念整理と、政治思想の対立軸 政治思想(用語集) リベラル・デモクラシー、国民主権、法の支配 デモクラシーと衆愚制 ~ 「民主主義」信仰を打ち破る ※別題「デモクラシーの真実」 リベラリズムと自由主義 ~ 自由の理論の二つの異なった系譜 ※別題「リベラリズムの真実」 保守主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ ナショナリズムとは何か ケインズvs.ハイエクから考える経済政策 国家解体思想(世界政府・地球市民)の正体 左派・左翼とは何か 右派・右翼とは何か 中間派に何を含めるか 「個人主義」と「集産主義」 ~ ハイエク『隷従への道』読解の手引き 最速!理論派保守☆養成プログラム 「皇国史観」と国体論~日本の保守思想を考える 日本主義とは何か ~ 日本型保守主義とナショナリズムの関係を考える 右翼・左翼の歴史 靖國神社と英霊の御心 マルクス主義と天皇制ファシズム論 丸山眞男「天皇制ファシズム論」、村上重良「国家神道論」の検証 国体とは何か① ~ 『国体の本義』と『臣民の道』(2つの公定「国体」解説書) 国体とは何か② ~ その他の論点 国体法(不文憲法)と憲法典(成文憲法) 歴史問題の基礎知識 戦後レジームの正体 「法の支配(rule of law)」とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 立憲主義とは何か ※概念/理念定義、諸説紹介 まとめ 「正義」とは何か ~ 法価値論まとめ+「法の支配」との関係 正統性とは何か ~ legitimacy ・ orthodoxy の区別と、憲法の正統性問題 自然法と人権思想の関係、国体法との区別 「国民の権利・自由」と「人権」の区別 ~ 人権イデオロギー打破のために 日本国憲法改正問題(上級編) ※別題「憲法問題の基礎知識」 学者別《憲法理論-比較表》 政治的スタンス毎の「国民主権」論比較・評価 よくわかる現代左翼の憲法論Ⅰ(芦部信喜・撃墜編) よくわかる現代左翼の憲法論Ⅱ(長谷部恭男・追討編) ブログランキング応援クリックをお願いいたします(一日一回有効)。 人気ブログランキングへ