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須田 正己 【すだ まさみ】 1943年9月16日生まれ。埼玉県出身。(アニメージュ1987年9月号より) タツノコプロ→Aプロダクション→タマ・プロダクション→フリー(東映動画に机を置いていた時期もある ※「いまだから語れる70年代アニメ秘話~テレビまんがの時代~」より)→ヤピコアニメーション日本支店(パートナーシップ)→フラリッシュエンタテインメント(パートナーシップ) タツノコプロ出身のベテランアニメーター。しばしば「須田 正巳」とクレジットされることがある。 タツノコプロで制作進行の運転手として4ヶ月ほど働いた後に退社し、Aプロダクションにて動画の研修を受ける。 その後、タマ・プロダクションに半年ほど所属して原動画を担当した後、フリーとなり、「ガッチャマン」等のタツノコプロ制作のアクション物のアニメに原画として参加。 1976年制作の「マシンハヤブサ」以後は、東映動画の作品にも数多く参加した。 「北斗の拳」や「魁!!男塾」のキャラクターデザインなどに代表されるように劇画調の濃い絵が非常に得意。 非常に作画スピードが速く、全盛期はアニメーターの稼ぎ頭として有名だった。 スポーツカーを何台も乗り回し、「稼ぐなら須田正己」という格言が業界では残っている。 原画マンとしての評価も高く、「ガッチャマン」では当時動画マンだったなかむらたかしに影響を与え、「アニメンタリー決断」の原画では湖川友謙をも唸らせた。(WEBアニメスタイルより) 稲野義信もインタビューにおいて、特に影響を受けたアニメーターとして二宮常雄、湖川友謙の両氏と共に、氏の名前を挙げている。(「おい!鬼太郎 甦るゲゲゲの鬼太郎80 s」より) 80年代に東映の作品に関わっていた頃には、合作の「スパイダーマン」では梅津泰臣と「北斗の拳」や「魁!!男塾」では羽山淳一と仕事を共にしており、 両氏の画風に直接的な影響を与えている。 2014年には齢70歳で「妖怪ウォッチ」のキャラクターデザイン(本編はノータッチ)に就任し、作品のメガヒットと共に注目を集めた。 2016年には総合格闘技イベント「巌流島」のポスターを制作した。 2020年に前立腺がんが見つかり闘病生活を送っていたが、合併症を併発したため、2021年8月1日に死去した。享年77歳。 ・須田 正己|ガッチャマンから妖怪ウォッチまで手がけるアニメーターのスゴい人! | 日刊スゴい人! ・『北斗の拳』『ドラゴンボール』から『妖怪ウォッチ』まで! 巌流島ポスターのイラストを描いた方はアニメ界の超大物。 現在、アニメ『巌流島』を鋭意構想中!!巨匠・須田正巳先生インタビュー ■マッハGoGoGo(1967~1968) 原画 動画 ■おらぁグズラだど(1967~1968) 作画 原画と動画を担当(アニメージュ1987年9月号より) ■ドカチン(1968~1969) 作画 原画と動画を担当(アニメージュ1987年9月号より) ■紅三四郎(1969) 作画 ■ハクション大魔王(1969~1970) 作画 1人で月3本の原動画を担当。(アニメージュ1987年9月号より) 一週間で一本分の作業を終えた後、3日倒れて、また一週間で一本分の作業をするといった生活だったそうである。(同上) ■アニメンタリー 決断(1971) 原動画 2話 6話 9話 11話 14話 17話 20話 23話 25話 ■昆虫物語 みなしごハッチ(1970~1971) 原画 ■樫の木モック(1972) 原画 OP ■科学忍者隊ガッチャマン(1972~1974) 原動画 1話 3話 8話 11話 17話 24話 27話 31話 39話 45話 52話 54話 58話 62話 68話 74話 78話 85話 91話 97話 102話 105話 1:一人原画・一人動画 ■破裏拳ポリマー(1974~1975) 原動画 9話 15話 20話 25話 ■宇宙の騎士テッカマン(1975) 原画 1話 5話 8話 13話 18話 23話 24話 26話 OP ■タイムボカン(1975~1976) 原画 OP ■ゴワッパー5 ゴーダム(1976) 作画監督 1話(共同) 原画 OP OP:冒頭部分(「今だから語れる70年代アニメ秘話~テレビまんがの時代~」より) ■マシンハヤブサ(1976) 作画監督 15話 21話 原画 この作品より東映動画の作品に参加(アニメージュ1987年9月号より) ■キャンディ・キャンディ(1976~1979) 原画 OP OP:一人原画(梅座流星群より) ■マグネロボ ガ・キーン(1976~1977) 作画監督 9話 17話 25話 31話 36話 ■超人戦隊バラタック(1977~1978) 作画監督 3話 12話 20話 25話 29話 ■SF西遊記スタージンガー(1978~1979) キャラクターデザイン 作画監督 1話 8話 16話 23話 31話 39話 47話 64話 原画 1話 8話 16話 23話 31話 39話 47話 64話(39話 47話は須田正巳名義) 1話以外の話数は一人原画 初めてキャラクターデザインを担当した作品(アニメージュ1987年9月号より) ■科学忍者隊ガッチャマン(劇場/1979) 原画 ※テレビシリーズの再編集映画 ■科学忍者隊ガッチャマンII(1978~1979) オープニングアニメーション ■ザ☆ウルトラマン(1979~1980) 作画 2話 8話 14話 ■SF西遊記スタージンガーII(1979) キャラクターデザイン ■ジャン・バルジャン物語(TVSP/1979) キャラクターデザイン 作画監督 ■科学忍者隊ガッチャマンF(1979~1980) 作画監督 9話(レイアウト) 41話 ■地球へ…(劇場/1980) キャラクターデザイン 作画監督 この作品で初めて劇場作品での作監を担当(アニメージュ1987年9月号より) ■タイムパトロール隊オタスケマン(1980~1981) 原動画 31話 ■がんばれ元気(1980~1981) 作画監督 2話 8話 18話 25話 31話 原画 2話 8話 18話 25話 31話 担当話数は全て一人原画 ■とんでも戦士ムテキング(1980~1981) 原画作監 19話 29話 37話 49話 原画 2話 9話 ■ゴールドライタン(1981~1982) オープニングアニメーション ■Dr.SLUMP(劇場/1982) 原画 マシリトが初めてみどりの前に姿を現すシーン。マシリトがマイクを持って登場して歌って踊る辺り。(WEBアニメスタイル アニメ様365日第105回より) ■FUTURE WAR 198X年(劇場/1982) キャラクターデザイン 作画監督 ■パタリロ!・ぼくパタリロ!(1982~1983) 作画監督 24話 28話 47話 原画 24話 28話 47話 49話 ■スパイダーマン(日米合作/1982) 原画 ■愛してナイト(1983~1984) 原画 OP ■魔法のプリンセスミンキーモモ (1982~1983) 原画 52話 56話 58話 58:田中保氏との2人原画。2人で半パートずつ原画を担当。「2週間かかってないんじゃないかっていうくらいの早さで原画が上がってきた記憶があります」と当時葦プロでモモの動画を担当していた羽原信義氏が語っている。(「いまだから語れる80年代アニメ秘話~美少女アニメの萌芽~」より) ■Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!世界一周大レース(劇場/1983) 原画 ■Dr.スランプ アラレちゃん(1981~1986) 原画 114話 ■パタリロ! スターダスト計画(劇場/1983) 原画 ■ビデオ戦士レザリオン(1984~1985) 原画 OP 須田氏ともう一人の原画マンの2人でOPを担当(「まんが映画家@越智一裕のblog」より) ■少年ケニヤ(劇場/1984) 原画 ■パパママバイバイ(劇場/1984) 原画 ■世紀末救世主伝説 北斗の拳(TV/1984~1987) キャラクターデザイン 作画監督 1話 7話 13話 17話 22話 26話 32話 38話 44話 51話 76話 86話 94話 101話 108話 原画 1話 7話 13話 17話 22話 26話 32話 38話 44話 51話 76話 86話 94話 101話 108話 26話、32話、38話、76話、86話、94話、101話、108話は一人原画(ノークレジットで羽山淳一などが一部担当している回も存在する) ■Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!ナナバ城の秘宝(劇場/1984) 原画 ■NORA(OVA/1985) 作画監督 ■Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!夢の都メカポリス(劇場/1985) 原画 摘突詰が、拳法マンガのヒーローになるシーン。(WEBアニメスタイル アニメ様365日第237回より) 須田氏がキャラクターデザインを担当した「北斗の拳」のパロディになっている。 ■北斗の拳(劇場/1986) キャラクターデザイン 作画監督 ■ドラゴンボール 神龍の伝説(劇場/1986) 原画 ■世紀末救世主伝説 北斗の拳2(1987~1988) キャラクターデザイン 作画監督 5話 13話 20話 26話 35話 原画 5話 13話 20話 26話 35話 担当話数は全て一人原画。 ■SCOOPERS スクーパーズ(OVA/1987) 原画 ■魁!!男塾(1988) キャラクターデザイン 作画監督 1話 7話 13話 29話 OP 原画 7話 13話 29話 第1話、第7話以外の担当話数は一人原画。 ■アニメ三銃士(TV/1987~1988) 作画監督 27話 作画 27話 27:一人原画 ■魁!!男塾(劇場/1988) キャラクターデザイン 作画監督 ■ひみつのアッコちゃん[第2作](1988~1989) 作画監督 20話 27話 原画 20話 27話 ■アイドル伝説えり子(1989~1990) 原画 8話 ■シティーハンター 愛と宿命のマグナム(劇場/1989) 原画 ■ドラゴンボールZ オラの悟飯をかえせッ!!(劇場/1989) 原画 ■クレオパトラD.C.2 クリスタル・ファラオ(OVA/1989) 原画 ■スーパーマリオの消防隊(OVA/1989) 作画監督 ■新ビックリマン(1989~1990) 原画 24話(須田正巳名義) ■天空戦記 シュラト(1989~1990) 作画監督 37話(須田正巳名義) ■昆虫物語 みなしごハッチ(第3作)(1989~1990) 作画監督 24話 32話 54話(共同) 原画 27話 32話(すべて須田正巳名義) ■キャッ党忍伝てやんでえ(1990~1991) オープニングアニメーション 作画監督 1話 ■ヘヴィ(劇場/1990) 原画 ■男樹(OVA/1990~1991) キャラクターデザイン 作画監督 ■力王 RIKI-OH VIOLENCE2 滅びの子(OVA/1990) 原画 ■シティーハンター 百万ドルの陰謀(劇場/1990) 原画 ■捜獣戦士 サイキック・ウォーズ(OVA/1991) キャラクターデザイン・作画監督・原画 ■惑星アトン2 パルポノスの塔(OVA/1991) 作画監督 ■迷走王ボーダー 社会復帰編(OVA/1991) 原画 ■クッキングパパ(1992~1995) 第1期オープニングアニメーション ■宇宙の騎士テッカマンブレード(1992~1993) 作画監督 19話 24話 25話(キャラクター) 32話 38話 46話 ■あしたへ フリーキック(1992) 作画監督 18話 ■ろくでなしBLUES 1993(劇場/1993) キャラクターデザイン 作画監督 ■SLAM DUNK(1993~1996) 作画監督 7話 14話 19話 25話 32話 38話 45話 52話 59話 66話 74話 83話 90話 97話 ■紺碧の艦隊(1993~2003) キャラクターデザイン ■ゴールFH(1994) 作画監督 4話 ■メタルファイター♥MIKU(1994) 原画 1話 ■宇宙の騎士テッカマンブレードII(OVA/1994~1995) 作画監督 2話 原画 1話 ■STREET FIGHTER Ⅱ MOVIE(劇場/1994) 原画 ■BE-BOP-HIGHSCHOOL(OVA/1990~1998) 原画 6話 ■ヤンボウ ニンボウ トンボウ(1995~1996) キャラクターデザイン ■キューティーハニーFX(PC-FX/1995) 作画監督 ■地獄先生 ぬ~べ~(1996~1997) 作画監督 1話 8話 15話 23話 31話 36話 44話 48話 ■ザ・ハード BOUNTY HUNTER(OVA/1996) キャラクターデザイン ■マッハGoGoGo(第2作)(1997) キャラクターデザイン 作画監督 1話 4話 7話 13話 21話 27話 34話 ■旭日の艦隊(OVA/1997~2002) キャラクターデザイン ■ドクタースランプ(1997~1999) 原画 1話 ■キューティーハニーF(1997~1998) 作画監督 32話 37話 ■剣風伝奇 ベルセルク(1997~1998) 原画 13話 ■遊☆戯☆王(1998) 作画監督 7話 11話 19話 25話 ■熱沙の覇王 ガンダーラ(1998) 作画監督 23話(共同) 26話(共同) ■神風怪盗ジャンヌ(1999~2000) 作画監督 8話 18話 ■タイムボカン2000 怪盗きらめきマン(2000) オープニングアニメーション ■サラリーマン金太郎(2001) キャラクターデザイン ■電脳冒険記ウェブダイバー(2001~2002) 作画監督・原画 7話 7:一人原画 ■黄金の法 エル・カンターレの歴史観(劇場/2003) キャラクターデザイン(共同) ヘルメス/釈尊作画監督 ■みさきクロニクル ダイバージェンス・イブ(2003) 原画 9話 ■出撃!マシンロボレスキュー(2003~2004) 原画 42話 ■F-ZEROファルコン伝説(2003~2004) 作画監督 13話 21話 29話 37話 44話 ■爆裂天使(2004) 作画監督 7話 原画 5話 7話 ■お伽草子(2004) 原画 6話 10話 13話 15話 22話 ■トランスフォーマー スーパーリンク(2004) 作画監督 16話 20話 ■ビューティフル ジョー(2004~2005) 作画監督 1話 7話 13話 20話 28話 35話 41話 42話 ■エンジェル・ハート(2005) 原画 6話 ■Xenosaga THE ANIMATION(TV/2005) 作画監督 7話 ■MUSASHI -GUN道-(2006) キャラクターデザイン ■内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎(2006) キャラクターデザイン 総作画監督 作画監督 ■HELLSING(OVA/2006~)原画 1話 2話 ■ハヤテのごとく!(2007~2008) 原画 29話 ■地球へ…(2007) 作画監督 8話 ■BAMBOO BLADE(2007) 原画 2話 ■真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝(OVA/2008) 原画 ■クイズマジックアカデミー ~オリジナルアニメーション~(OVA/2008) 原画 ■仏陀再誕(劇場/2009) キャラクターデザイン 作画監督(共同) ■戦う司書 The Book of Bantorra(2009~2010) 作画監督 15話(共同) ■宇宙戦艦ヤマト 復活篇(劇場/2009) 原画 ■クイズマジックアカデミー ~オリジナルアニメーション2~(OVA/2010) 劇画風作画 ■GIANT KILLING ジャイアント・キリング(2010) 作画監督 7話(共同) 原画 2話 12話 17話 ■ポケットモンスターDP 幻影の覇者 ゾロアーク (劇場/2010) 原画 ■劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来!(劇場/2010) 原画 ■神秘の法 The Mystical Laws(劇場/2012) 総作画監督(佐藤陵、しまだひであきと共同) ■PSYCHO-PASS-サイコパス-(2012) 原画 1話 ■えびてん-公立海老栖川高校天悶部-(2012) 原画 5話 ■妖怪ウォッチ(2014) キャラクターデザイン(22話以降は共同) 1~76話 ■映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!(劇場/2014) キャラクターデザイン(共同) ■語りべ少女ほのか(WEB配信/2015) キャラクターデザイン(河童・天狗) 公式動画 ■ルパン三世(TV/2015) 原画 2話 ■UFO学園の秘密(劇場/2015) キャラクターデザイン(共同) ■宇宙の法 黎明編(劇場/2018) キャラクターデザイン(共同)
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☤ ジブリ映画とオカルティズム ① ナウシカ編Ⅰ 時代の落とし子 アニメ大国日本を代表するアニメ映画であり、広く世界にも名を馳せる 宮崎駿監督映画作品をはじめとするジブリ映画。 …… 海外におけるディズニー映画のごとく、国内では大人から子供まで 広く親しまれ、TVでも毎年のように放送されている。 だがそれらの根底におどろおどろしい、不気味なオカルティズムが 地下水脈となって色濃く流れている事を知る人は少ない。 そしてこれを知らなければ作品の本当の姿は見えない構造となっている。 ここでは各作品ごとに、そうした隠されたオカルティズムについて簡単な説明をしよう。 ☤ 『風の谷のナウシカ』。 1984年3月11日に公開されたトップクラフト (スタジオジブリの前身) 製作のアニメ映画。 興行的にはあまり振るわなかったのだが、爾後ジブリ映画の知名度が 広まるに従って再評価され、世代を超えて語り継がれる一大名作となった。 ぶっちゃけ、原作版はその終盤に明かされる設定やストーリーその他の多くが 「鉄腕アトム」のファイナルエピソードのパクリ…もといオマージュなのだが そこには目をつぶるねとして、私は個人的に 「ナウシカ」こそ宮崎映画の嚆矢にして頂点だと思っている。 この映画が高く評価されたのは、当時のアニメ映画にしては 非常に目新しい世界設定もさることながら、 久石譲氏による神がかった音楽、隅々に見られる宮崎監督の傑出した才能、 優れた脚本と、ただの感動物語に終わらぬ根底に流れるメッセージ性だろう。 …… ナウシカが世に出たのは1945年から1989年まで続く冷戦の最晩期である。 20世紀は科学による理想社会の到来を待望したユートピア幻想の時代であったが、 人々の期待とは裏腹に、大戦が終わってなおも世界各地で戦火が消える事は無かった。 それどころか科学は公害問題や、その最悪の鬼子である核兵器を生みだした。 …… 20世紀、急速な工業化によって自然はかつてないほどの速度で破壊され、 汚染されていき、更にこの時代登場した核兵器は 地球上の大部分の生命を抹殺する危険を孕んだ、恐るべき鬼子であった。 世界はダーウィニズムという“宗教”の呪縛に囚われており、 弱肉強食、適者生存の名のもとに戦争が正当化され、軍事費の増大の名目となり、 列強は不毛な核開発競争に走る事となった。 …… その果てに膨大な核兵器を抱えて怪物のごとく肥大化した 米ソふたつの超大国が、互いに照準を向け合って対峙し合うという 緊迫した構図を生み出した。 こうした不気味な国際情勢とより身近に感じられる核戦争の不安から、 核戦争の愚かしさと核廃絶を唱える運動が世界的に起こり、 核戦争の恐ろしさをこれでもかといわんばかりに喧伝する作品が現れる一方で 核廃絶のメッセージを含んだ作品が幾つも生み出された。 …… 1983年には核によって現代文明が崩壊した後の世界を舞台とした、 マッドマックスがモデルの漫画「北斗の拳」が週刊少年ジャンプで連載開始。 翌年には核戦争で未来世界が壊滅する米映画「ターミネーター」が封切られ、 どちらも大ヒットしている。 ☤ ターミネーターと同年に公開されたナウシカもまた、「核」とは明記していないものの 超科学兵器によって全土が焼き尽くされ、世界人口が激減し、 工業文明が崩壊して科学技術が大きく後退した未来世界を舞台にしている。 その世界は地中の毒物を吸い上げて有毒な瘴気を発する、巨大な菌類による 「腐海」と呼ばれる領域に大部分が覆われ、 これらは人類の住める地ではなくなっている。 人は既に地球の支配者ではなく、ごく僅かだけ残った生存領域にへばりつき、 細々と暮らしを繋ぐだけの存在にまで凋落していた。 …… なお、この物語のバッググラウンドストーリーに登場する、世界を火で焼き尽くし、 文明を崩壊させた超兵器である「巨神兵」とは、 核兵器、原子炉、またはそれらを積んだ巨大兵器の暗喩である。 核による恐怖がいまだに生々しい時代であったからこそ、 巨神兵の恐ろしさは当時の視聴者に嫌というほど伝わった事だろう。 …… 巨神兵の遺骸の中には人間が内部に乗り込める構造になっており、 かつ操縦席があるものまである。 おそらく人工知能により自動運転するタイプと、巨大ロボットのように 人間が乗り込みコントールできるタイプとがあったのだろう。 あたかも凄まじい火力を誇る戦艦である。 …… 巨神兵は映画版ナウシカの終盤近くで、放出した光線により 凄まじい大爆発を起こしている。 これは名目上プロトン(陽子)粒子光線とされているため、 核とは無関係だという意見もあろう。 しかしこれもまた、子供向け映画の中で盛大に核兵器を ぶっ放すわけにもいかないがための方便であって、 実際は核爆弾の暗喩以外の何者でもない。 …… 実際に原作版のナウシカでは、オーマと名づけられた巨神兵の一体は 恐ろしい毒の光を発し、その毒性によってナウシカを衰弱させ、 キツネリスのテトを殺している。 「毒の光」とは「放射線」のメタファーである。 …… 映画版の巨神兵は急いで孵化させたため体が出来上がっておらず、 恐らくプロトン粒子を放出した際にオーバードライブした原子炉の超高熱により、 自己崩壊(メルトダウン)してしまった。 …… 実際にアニメ版巨神兵の心臓部の設定を見ると、 「放射性物質が臨界状態である」事が記されている。 …… 原子炉を動力源とし、毒の光を無差別に撒き散らす存在。 一面を焼き尽くし、天に沖するほどの爆発を引き起こす超兵器。 これが原子炉と核兵器の暗喩でなくて何であろうか。 その力を戦争に利用しようとする原作の侵略国家トルメキアは 現実の核武装した国家の暗喩である。 …… その力を持って腐海を焼き払い、対抗すべく来襲した大自然の尖兵である王蟲を 無慈悲に殺戮する映画版のトルメキアは、重工業化と乱開発による 自然破壊を繰り返す近代国家。 同時にメルトダウンのリスクを省みず、原子炉を建設しようとする国家政策の暗喩である。 …… また、プルトニウム239は半減期に約2万4000年かかるというが、 毒によって汚され、浄化まで膨大な年月を要する ナウシカ世界の大地もまた、放射能によって汚染された 核戦争後の世界のメタファーであろう。 原作版の終盤において、一見人間であるように見えるナウシカたちは、 その実こうした汚染された環境に絶えうるように造られた人造人間であり、 この世界は到底かつての人類が棲めるようなものではない事が明かされる。 世界全ての除染作業が終わるのは、まだまだ先の時代だというから、 ここから世界の殆どが、かつての戦争によって 相当に強い放射能によって汚染されていた事が伺える。 …… また、そこに棲まうのはかつてのようや哺乳類や鳥類、魚類ではなく、 それらが生態系の上に立っていた時代はとうに終焉を迎え、 かわってごく小さなものから小山のごとく巨大なものまで、 何千何万となく腐海のうちに蠢きかえる、 「蟲」と呼ばれる、獰猛で強靭な体躯を持った異形の節足動物である。 …… 工業文明時代、絶大な力を持っていた国家群は消滅してしまい、 人類はもはや地上の支配者ではなく、腐海の瘴気と蟲の来襲に脅かされ、 細々と生活圏を守るだけの惨めでか弱い存在でしかない。 そしてそれにも関わらず、寸土を巡って醜い戦争を繰り広げている。 …… いわば宮崎監督はこうした荒廃して毒に覆われた世界と異形の生物、 そこに住まう人々の惨状を描く事で、核戦争の不毛さと放射能の恐ろしさを ファンタジー映画という暗喩を通して視聴者に訴えかけていたのである。 ☤ 「ナウシカ」に見られる政治的メッセージは上記に述べた反戦と、 もうひとつ環境問題が大きな柱となっている。 環境破壊の歴史は人類の文明の萌芽とともに始まった。 これは現存する世界最古の物語であり、同時に環境破壊への警鐘を鳴らした 最古の作品である「ギルガメッシュ叙事詩」にも暗示されている事である。 宮崎駿はこの「ナウシカ」出発点として環境問題を世に問い、 後にこのギルガメッシュ叙事詩を「もののけ姫」という形でリメイクして 更なる問いを投げかける事となる。 …… さて、西洋庭園と日本庭園との特徴の対比に着目して、 「西洋においては自然は征服すべき存在であり、 東洋において自然は慈しむべき存在であった」とする比較論は有名である。 しかし実際のところ自然を征服すべき存在と捉えていたのは東洋も同じで、 それ故に遥か太古から今に至るまで、西洋以上の苛烈な環境破壊が続けられていた。 …… 太古の中国はゾウが住む緑の国だったという。 だがそこに住まう者たちは自然に対し何の敬意も抱かず、 人殺しのための金属の武器や要塞用の煉瓦を作るための燃料として、 数千年に渡って森林を伐採し、自然を破壊し尽くしてきた。 そのため今では内陸部を中心に著しい砂漠化が見られ、大規模な砂嵐見られるようになり、 黄砂の害が海を越えた日本にまで及ぶようになった。 …… 「中国は100年後、1000年後の出来事までも考えて方針を決める、 偉大な国家だ」などと嘯いているが、全ては近視眼的な視野しか持たず 愚かなエゴを優先し続けてきた結果である。 近代に入ってからもそうした誤った歴史を悔い改めるばかりか、 環境問題を考慮しない著しく無茶な工業化により更に自然破壊が加速した。 そうした事情はお隣の朝鮮半島も同じで、日韓併合後に日本が 大規模な植林を行うまでは、草木が刈り尽くされた禿山ばかりだったという。 ☤ 対して日本は森羅万象全てに神が宿るというアミニズムの精神を保ち続けてきた国であり、 自然に対して敬意を払い、これを保護する事に努めてきた。 …… しかし敗戦後の教育と政策によって考え方が著しく西洋化し、 さらに「アメリカに追いつき、追い越せ」という経済発展と重工業化が政治の目標に、 金儲けが庶民の最大の関心事になるに至って、 こうした昔ながらの自然保護の精神は脇へ追いやられてしまった。 また高度経済成長期のツケとして、50年代から70年代にかけて 公害が深刻な問題となり、更に人工増加に伴う山林伐採や ゼネコンの懐を肥やさんがための景観を損なう過剰な護岸工事など、 全国で著しい自然破壊が見られた。 …… 1962年に出版されたレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は 農薬などの化学物質の危険性を「鳥達が鳴かなくなった春」という 出来事を通し訴えた作品で、大きな話題を呼び、 後に起こる様々な環境保護運動の嚆矢となった。 (現在ではこの本の主張には多くの疑問符がついているが) 国内でもこれに続くようにして、過剰な自然破壊に対する批判運動が盛んになり、 60年代に作られた『ゴジラ』、70年代に連載された 『ブラック・ジャック』をはじめとする様々な作品の中に反対論が見られる。 …… そうした時代の流れを汲んで、1984年に生み落とされた 環境保護メッセージアニメ「ナウシカ」が、大きな反響を生み、 そして今なお人々の心を捉えて離さないのは、 この作品が単なる自然破壊の反対にとどまらず、 更に一歩踏み込んで、森羅万象全ての繋がりに視野を広げ、 環境と人間との関わりを改めて考え直した作品だからである。 ☤ 宮崎駿によるとナウシカという人物のモデルの1人は、 平安時代の短編集『堤中納言物語』に登場する『虫愛ずる姫君』だという。 …… 「美しく気高い按察使大納言の姫。 彼女は裳着(元服に相当)を済ませたにも関わらず、化粧も学業も行わず、 可憐なものの代わりに毛虫を愛する風変わりな性癖を持ち、 子供たちを使って虫を集めていた」 …という話だが、その話は風の谷の支配者の娘であり、 年頃ながら化粧っ気が無く活発な性格で、子供たちに愛され、皆が忌み嫌う蟲を愛し、 腐海の植物を集めて研究する、主人公のナウシカの姿にも重なる。 …… 映画版ではナウシカが腐海の奥に分け入るのは「石化の病を直す方法」を探すためらしいが、 原作版では特にそのような理由づけはなされていない。 多くは好奇心のためと思われる。 また、ナウシカは蟲に対し、あたかも人に接するように話しかけ、 また蟲の声を聞くことができる。 あたかも人と蟲の中間の存在、2つの世界の橋渡しでもあるかのようだ。 …… 人々の忌み嫌う腐海の奥深くにまで入り込み、そこから持ち帰った生物を自ら育て、 研究に勤しむナウシカ。 親しく、戯れるように自然と接する幼児のように、彼女は 峻険で恐ろしい自然と接し、その中にあって深い理解や愛情を育む。 自然を凌駕するための対象としてではなく、理解し、語り合う相手として捉えるのだ。 人がなぜ自らは存在するのかと問いかけるように、彼女は同じいのちである 腐海についても、何かしらその存在意義があるものと考え続けきた。 そしてテロリストのアスベルを追い、迷い込んだ腐海の底で、 大自然のサイクルが生み出す自己治癒のメカニズムを見出して感動し、 森が大地を蘇らせる事のできる唯一の存在である事を知って、 これを焼き払う事に反対する。 …… ☤ 地球の歴史を俯瞰すれば、人類は森から生まれ、 数万年に渡り豊かな自然によって育まれてきた。 そうして今の社会を築きあげた。 にも関わらず現在、人は自然に対して感謝を忘れ、一方的な破壊を続けている。 毎日繰り返される森林伐採や焼畑による自然破壊は二酸化炭素の上昇を齎し、 温室効果ガスは地球温暖化を促し、世界中の生物圏に危機を齎す。 そうした環境破壊のツケは人類にも返ってくる。 人は自然が無いと生きられない。 ゆえに、こうした乱開発を中止し、自然とともに共生すべきなのである。 …… 「自然とともに共生すべきだ」というテーマはナウシカ作中でも、 腐海の保護による環境回復を、まったく聞く耳持たぬ人々に対して ナウシカが孤軍奮闘の形で提唱する事を通じて強く訴えられている。 このテーマは次回作『天空の城ラピュタ』でも クライマックスシーンで、ヒロインを通じて唱えられている。 「今、ラピュタがなぜ滅びたのか私よくわかる。 ゴンドアの谷の歌にあるの… 『「土に根を下ろし、風と共に生きよう。 種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう』 どんなに恐ろしい武器を持っても、 沢山のかわいそうなロボットを操っても、 土から離れては生きられないのよ」 …… 重工業化、科学万能の社会は、便利で一見煌びやかに見えても やがてはシステムに無理が奈じて滅ぶだろう。 対して人は、土と共に生きる昔の生き方に回帰すべきだと 宮崎監督はシータを通じて訴えかけているのだ。 オリジナルの『虫愛ずる姫君』はただの変わり者と 言えるかも知れないが、宮崎は彼女に日本古来の 自然保護の精神を見ていたのかも知れない。 そして彼女をモデルにして作った主人公を通し、核開発に狂った 軍事国家への警告や反戦メッセージ、また、自然を愛しともに生きる、 古代の精神性への回帰を説いた映画を製作したのであろう。 それが『風の谷のナウシカ』であり、続く『天空の城ラピュタ』である。 …… もっとも、こうした急進的な自然環境保護運動と あまりにも奇麗事にすぎるその理想については、 宮崎は原作末期においてナウシカを通じて否定している。 それは本質的に矛盾と欺瞞を孕んでいるからだ。 これについてはまた後に述べる事にして、 次章ではナウシカという作品に秘められたオカルト構造を見てみよう。 ☞ナウシカ編その② ナウシカという名の “地母神神話”……………… ───────────────────────────────────── Amazon: 風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」 風の谷のナウシカ [DVD] 風の谷のナウシカ 豪華装幀本 (上巻) はじめての宗教学―『風の谷のナウシカ』を読み解く 風の谷のナウシカ―宮崎駿水彩画集 (ジブリTHE ARTシリーズ) END
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267 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 01 54 1917年。日英独の連合軍によるヴェルダン要塞攻略戦が進められる上空で、人造の猛禽たちによる熾烈な争いが繰り広げられていた。 「よぉし、やったぞ!」 赤く塗られたアルバトロスD.Ⅲの操縦席でマンフレート・フォン・リヒトホーフェン騎兵大尉は快哉を叫び、錐揉みしながら地上に墜ちていくフランスのスパッド S.XⅢに視線を向けた。 60機目の撃墜を成し遂げた撃墜王は我知らず口角を上げ――自機の後方で起きた機銃の発砲音に目を見開く。 慌てて振り返ったリヒトホーフェンはエンジンを撃ち抜かれたニューポール17を発見し、自分が撃墜寸前だった事に気が付いて戦慄する。 「助けられたのか……」 敵機を追うのに夢中になっていた自身の悪癖に冷や汗を流しながら、リヒトホーフェンは自分を救ってくれたRAF&倉崎S.E.5に手を振った。 S.E.5の操縦士は軽く手を上げてリヒトホーフェンに応えると、一気に上昇して周辺を警戒していた僚機と合流する。 滑らかな動きで一分の隙も無い編隊を組み上げるS.E.5の翼には大きな赤い丸が描かれていた。 「あれがヤーパン自慢のレイヴンたちか」 日本が絶対の自信を滲ませて送り込んできた海軍航空隊は欧州の空を転戦し、その移動の多さからワタリガラスの異名を戴いていた。 始まりは一部の日本人操縦士の自称だと噂されるが、彼らが空で敵に凶兆を告げる存在である事は間違いない。 二機一組の集団戦法を基本とする日本海軍航空隊の航空戦術は、騎士道に従うリヒトホーフェンや他の大勢の欧州パイロットには納得しかねる物であったが、海軍航空隊設立に努力した若手士官自らが参戦してフランス相手に実績を積み上げる事でその戦術の正しさを証明していた。 集団戦法という戦術は気に入らなくても、指揮官陣頭というその姿勢には率直に共感できる。 第11戦闘機中隊中隊長として自分もあのようにならねばならないとリヒトホーフェンは決意し、以降は時折突出しながらも撃墜王兼空戦指揮官として部隊全体を統率していく。 戦後、日本で『帝国海軍三羽烏』と呼ばれるようになっていた嶋田繁太郎に赤い男爵からこの時の礼を述べる手紙が届き、有名人を助けていたとは知らなかった嶋田を驚愕させる事になる。 268 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 02 24 夢幻会の憂鬱 第四次太平洋戦争の勝利は、日清戦争と第三次太平洋戦争で傷付けられた明治政府の威信を回復させる事に成功した。 仏露の牽制により不完全燃焼に終わった第三次太平洋戦争の復讐は日本国民の溜飲を下げさせ、日清戦争の遠因であった中華市場への進出は政財界を中心に大いに満足させるものであったからだ。 しかしながら、そんな日本よりも第四次太平洋戦争の結果に喜んでいる国があった。 念願の新市場を獲得した世界帝国イギリスである。 これまで日本を間に挟んだ間接貿易か小規模な朝貢貿易しか中華市場で行えなかったイギリスは、満州朝鮮という大々的な橋頭堡と中華という巨大市場を手に入れた事に狂喜した。 日本本土に近すぎるが故に軍事力を配備して植民地にすることは不可能だが、それは逆にいえば日本との友好関係と同盟が維持されている限り、日本の軍事力の庇護の元で商売に専念できるという事だ。 中華市場で日本と競合するのは若干の問題だが、長い付き合いで日本人の考え方は良く分かる。 公平な正論と対等な立場で真っ向から正々堂々と競争するだけなら日本人は理不尽に怒り出したりしないし、むしろ下手に陰謀を巡らす方が無駄にコストがかかる上に日本との関係に悪影響を及ぼす。 大日本帝国という友好的な競争者の存在は程よい刺激となり、健全なる市場競争は19世紀から続く大英帝国の栄光をさらに輝かせるはずだ。 ……気取った建前はそれぐらいにして、とにかく新市場の開拓を! こうしてイギリスは『日英同盟バンザイ!』と叫びながら、日本が困惑するほどの勢いで中華大陸へと乱入していく。 1906年には日英共同で満州鉄道株式会社を設立。 1908年にドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー二重帝国の間に三帝同盟を成立させて国際関係の安定を図りつつ、独墺伊に満鉄への出資を求めて更なる関係の強化を推進。 日本と共に清国に資金を貸し付けて様々な利権を買い漁り、北京天津上海モンゴルへと延びる鉄道の敷設権を購入すると、潜在敵国であるはずのロシアと協力してアメリカの代わりに日英露の三ヶ国でユーラシア鉄道の建設を開始する。 そして中華大陸を嬉々として動き回るイギリスが、ジョンブルとしての本領を最大限発揮する好機が――清国にとっては悲劇が――発生する。 269 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 03 22 日清戦争の敗北は清王朝の支配体制に深刻な打撃を与え、それから立ち直る為の国政改革に欧米列強が好き勝手に干渉した結果清国内部に無数の軍閥が台頭。 清国政府の制御を離れた軍事力は急速に革命勢力と結びつき、1911年に辛亥革命が勃発する。 革命勢力が中華民国の建国を宣言すると、清国宮廷の有力者である袁世凱は自身の大総統就任を条件に宣統帝溥儀を退位させ、至極あっさりと清国を滅亡させてしまった。 当初日本は夢幻会を中心にこの中華革命を傍観する立場をとっていたのだが、満面の笑みを浮かべたイギリスの行動に愕然とさせられる。 中華民国大総統に就任した袁世凱と接触したイギリスは中華民国政府と地方勢力との仲介を提案。 袁世凱の了解を取り付けると資金をばら撒きながら有力軍閥の間を飛び回り、チベット・ウイグル・モンゴルを中華民国から独立させてしまう。 しかも1913年には退位したばかりの宣統帝を王に据えて満州王国を建国し、ついでのように朝鮮王国を成立させると、中華大陸の混乱に付け込んで九龍半島を買収してイギリス悲願の極東植民地である香港を獲得した。 国内勢力の取り纏めを期待してイギリスに交渉を許可した袁世凱は瞬く間に自国の領土を切り取られて唖然とし、にこやかな紳士の提案によって満州王国に収まるしかなかった清国宮廷は憮然とする。 鮮やか過ぎるイギリスの手際に流石の日本も若干引き気味になりながら、それでも長年の友好国の謀略を手伝って独立した各国に利権を獲得。 旧清国の領土を細切れにしたイギリスはロシアと協調する事でチベットとウイグルを両国の緩衝地帯として新しい勢力圏を安定させると、倍増した市場を前に『最高に「ハイ!」ってやつだ!』とか言い出しかねないテンションで高笑いを上げようとして――欧州大陸で発生した大戦争に目を丸くする。 1901年にアメリカ外交が暴走を始めると、日英はアメリカを軍事的に孤立させるために仏露が併呑した地域への干渉を開始。 ロシア支配下のフィンランド・ベラルーシ・ウクライナ、そして日英が間接的に滅ぼしてフランスに併合されたオランダで独立運動を支援し、仏露を欧州大陸に拘束しようと計画した。 日英の目論見通り国内の不安定化に動きを封じられた仏露はアメリカと協調する事が出来ず、単独で第四次太平洋戦争に突入せざるを得なかったアメリカを叩き潰すと日英は独立運動支援から手を引いていく。 欧州大陸の混乱は日英にとって歓迎すべき事象ではあったが、自国内にアイルランドと言う火種があるイギリスは欧州で盛り上がる独立運動へ関わる事には慎重にならざるをえなかったのだ。 ……しかし一度火が付いた独立運動はイギリスの思惑を超えて確実に延焼を続けていた。 まず潜在敵国の国力低下と自国の勢力圏拡大を望むドイツ帝国が日英のばら撒いた火種に油を注いで回り、国内不安を煽られてドイツへの憎悪を滾らせた仏露はドイツの同盟国であるオーストリア=ハンガリー牽制の為にバルカン半島への干渉を強化する。 とばっちりで勢力圏に踏み込まれたオーストリアはドイツ経由で日英との連携を深め、ボスニア・ヘルツェゴビナ獲得を目指して仏露の支援を受け始めたセルビア王国との対立を激化させていった。 イギリスは自分がばら撒いた火種が原因である為に迂闊に干渉する事も出来ず、とりあえずこの状況が自国へ飛び火する前に国内を安定させようと、1910年に長年準備していたアイルランド自治法を施行する。 この法案の施行によって自治権を獲得したアイルランドは他の連合王国を構成する「一国内の国々」同様の存在として名実共にイギリスへと統合されていき、1801年以来百年以上の時をかけてようやく『グレートブリテン及びアイルランド連合王国』が虚名ではない存在として成立した。 1845年のジャガイモ飢饉による方針転換から半世紀以上の時間をかけて最大の国内問題を解決したイギリスは祝杯を挙げたが、アイルランドの自治権拡大は欧州大陸の独立運動に希望の光と受け取られ、欧州情勢を一気に悪化させる。 270 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 03 53 1911年には火種に注ぐ油の量を間違えたドイツが自国を含めたポーランドに飛び火させ、ロシアはついに軍事力による独立運動制圧を決定。独露国境は両国の軍事力が入り乱れる火薬庫の様相を呈し始めた。 そして欧州全土で盛り上がる民族主義に刺激され、第二次ナポレオン戦争以降対仏感情を悪化させ続けていたオランダ系住民がフランスからの独立を決意。 1912年にネーデルランド連邦共和国の復活を宣言し、フランスに対して第二次オランダ独立戦争を開始する。 当然これを認めないフランスは正規軍を投入してオランダの独立を阻止しようとするも、明らかにドイツの支援を受けているオランダ軍と彼らが駆使する伝統の洪水線によって戦況は文字通り泥沼化。 この状況を打破する為に、フランスは同じく独立運動を煽られて血圧を上げているロシアと共に対独戦へ向けた国内の動員を始め、ドイツへ対して仏露国内への内政干渉を止めるよう強く通達する。 これをドイツは旧オランダ総督との血縁関係を盾に拒絶して総動員を開始。 言い分としては完全に仏露の主張が正しかったのだが、世界は正論だけで正しい方向に向かってはくれなかった。 仏露は日英の戦力に後背を脅かされるよりも早く東西から侵攻してドイツを屈服させようと戦争を計画し、ドイツは内線作戦による兵力の戦略機動によって仏露戦力の撃退を目指した。 双方共に目論んでいたのは敵国を完全占領まで戦う総力戦ではなく、戦場における敵軍事力の撃破による外交的勝利。 すなわち古き良き19世紀型欧州の戦争を望んでいたのだが、科学技術と戦争手段の発達はそんな欧州首脳の理想を嘲笑いながら血と泥濘の中に飲み込んでいく。 第一次南北戦争をその萌芽として、北米大陸で進化し続けていた戦場の悪夢が欧州人たちへと襲い掛かったのだ。 1913年。動員を完了したフランスとロシアの兵力はドイツ帝国に宣戦を布告すると一気にドイツの東西国境線へと雪崩れ込み、組織的に運用される機関銃の弾幕という近代戦の地獄に遭遇する。 短期決戦を目指す仏露軍は積極的にドイツ軍へ攻撃を仕掛けて損害を積み重ね、反撃に転じたドイツ軍は辛うじて東西の戦線を国境まで押し返す事に成功するが、膨大な死体の山を築いて戦線は膠着状態に陥ってしまう。 有刺鉄線と塹壕と機関銃という、情緒の欠片も無い悪魔たちの支配する戦場では防御側の優位は絶対的ですらあった。 北米での戦訓はそれぞれの同盟国を通じて欧州に伝えられていたのだが、欧州の人間の過半数はどれほど悲惨な未来であっても自分達で経験しない限り信じる事は出来なかったのだ。 こうして誕生した地獄の戦場へ、三帝同盟に従ってイギリスとオースリア=ハンガリーが参戦。 シベリアでロシアと塹壕戦という悪夢に顔を引き攣らせた日本が日英同盟に引きずられて参戦するに至り、第二次オランダ独立戦争は仏露協商と帝国同盟の世界大戦へと発展する。 271 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 04 24 不本意ながら同盟の信義を守った日英の参戦は、当初仏露が恐れたほど致命的な圧力となる事も、ドイツが望んだほど劇的に戦況を改善 させる事も出来なかった。 日本はシベリアでロシアと戦いながら地球の裏側へ派兵する為に時間がかかり、イギリスも海を越えて欧州大陸に戦力を展開する時間を必要とした。 そもそも日英は北米で動き出すであろうアメリカ合衆国に備える為にカナダ国境へ戦力を配置し続ける必要があり、アメリカへの牽制を目的として構築された戦略的仏露包囲網は、塹壕戦となった世界大戦で短期間のうちに戦術的効果を上げる事は不可能だったのだ。 それでも日英は1915年に入ると仏露に対する攻勢を開始。 シベリア戦線でロシア軍の戦力を拘束して帝政ロシアの補給線に過大な負荷をかけながら、海外植民地を制圧してフランスの国力を切り崩しに掛かった。 迎撃に出てきたフランス海軍をアムステルダム沖と地中海において撃破した日英は、1916年になるとドイツに対して本格的に陸上戦力の増援を始め、日英共同開発で旋回砲塔を装備して産まれたMk.Ⅰ戦車(日本名称:74式)を大量投入する事で東西の戦線を大きく仏露へと押し込むことに成功する。 これにより総力戦の負担に耐えられなくなったロシアでは革命が勃発。 帝政ロシアが崩壊して成立した臨時政府は大戦を継続する事で国家体制が破綻した祖国を取り纏めようとするが、その努力は一人の男の存在によって水泡に帰してしまう。 アレクセイ・ルイ=ナポレオン・ボナパルト。 第二次ナポレオン戦争後にロシア帝国へと亡命してきたナポレオン3世の孫である。 当時ロシア海軍参謀部に勤務する大佐だった彼は政治的野心など何もない完全に中立で誠実な一ロシア軍人に過ぎなかったのだが、革命にナポレオンが居合わせるという事実そのものが急進的共和主義者やボリシェビキの恐怖を刺激し、ボリシェビキは急進的共和派を取り込んでペトログラード労兵ソヴィエトを結成。 1917年に臨時政府に対するクーデター=共産革命を成功させ新たなロシア政府として人民委員会議を設立すると、ドイツ帝国との間にブレスト=リトフスク条約を締結し世界大戦から離脱した。 革命勃発直後からボリシェビキによる執拗な襲撃を受けたアレクセイ=ナポレオンは家族ともども辛うじてその襲撃から生き延びるが、それ以降彼は完全に反ボリシェビキの王党派として行動するようになり、1918年には日英の支援を受けてロマノフ王室亡命作戦を決行。 クロンシュタット軍港のバルチック艦隊を掌握し、ロマノフ王室と共にイギリスを経由して日本へと亡命する。 日英独の海上封鎖と植民地の占領により国民生活が困窮し始めていたフランスでは、ロシアの離脱により厭戦感情が増大。 アメリカで発生したインフルエンザパンデミックのフランス上陸を受けて反戦暴動が発生し第三共和政が崩壊し、中立を維持していたイタリアとセルビアに仲介を依頼して帝国同盟に停戦を申し込む。 これをロシアと同じように総力戦による浪費で国家が限界を迎えかけていたオーストリア=ハンガリーが受諾する方向に動き、フランスは海外植民地の返還と引き換えにオランダの独立を承認。崩壊したロシア帝国からフィンランド大公国・ポーランド共和国・バルト伯連合公国・ベラルーシ共和国・ウクライナ連合共和国が独立する事で、丸5年続いた世界大戦はようやく終結した。 272 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 07 24 投下は以上となります アメリカの出番が無いのは書き忘れではありません 273 :百年戦争:2016/10/01(土) 20 09 40 あ、wiki転載などはOKです いつも掲載ありがとうございます
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―――――――――― (――ここは……?) 菜々が意識を取り戻したのは、ウサミン星人の宇宙船の仮眠室に備え付けられた 休眠用ベッド・チャンバーの中であった。 この2メートルそこそこの円筒型密閉式チャンバーには高い精神安定効果を持つ各種装置が 備わっており、チャンバーの中に3時間横たわっているだけで、心身のリフレッシュ効果が 12時間の熟睡に匹敵するとされている。 ウサミン星の船舶には大抵備わっている標準的な装置だ。 実に数十年ぶりに身体を預けるベッド・チャンバーだったが、畳の上に布団を敷いて 眠る生活に慣れ切った彼女からすれば、実感として、狭苦しさが懐かしさに勝っていた。 それにこのチャンバー、確かに疲れは取れるのだが、どうにも休んだ気になれないのが頂けない。 チャンバーの内側の開閉スイッチに指を触れると、音もなくカバーがスライドする。 菜々は起き上がって周りを見回してみる。 ベッド・チャンバーが三つ並んでいる仮眠室には、タワー型のドリンクディスペンサーや 観葉植物が置かれている。休憩室に置かれている備品は地球製の品も多く、ドリンクディスペンサーに 貼られたラベルには、地球の大手メーカーのミネラルウォーターのものもあった。 『お目覚めになられましたか、ナナ様』 横合いから投げかけられた声は、ややくぐもった響きを伴っていた。 菜々が振り返ると、つやつやとした白い巨体が視界の半分を埋めた。 数日前、自分にコンタクトを取ってきたウサミン星人だ。 地球人とは呼吸器や発声器官の構造が異なるウサミン星人は、地球の重力や気圧の下では マスクで口元をすっぽり覆ったような発音になることがある。 地球人の身体構造を真似て変身することでこの問題は避けられるが、彼はそうしないのだろうか。 「ナンバーをどうぞ。ナナはNo-2017……」 咄嗟に『挨拶』を口にしかけ、菜々はハッとなった。 意識を失う直前のことが、脳裏に浮かんでは消える。 数時間前、彼と会話をしている時に夕実が現れて、抗しがたい眠気に襲われて…… いや、その前だ。彼はナンバーを提示した自分に怪訝な顔を見せたのだ。 そうだ。 個人名ではなく、ウサミン中央政府が発行する管理登録ナンバーを提示し合うこのやり取りは 既に過去のものだと、彼が言っていたではないか。 戸惑いに目をしぱたかせる菜々に対して、ウサミン星人は底堅い声音で言う。 『……旧政府発行のパーソナル・ナンバーの提示は、ウサミン救国軍事会議によって禁止されています。 首都ウサミンシティでその挨拶をしたら、反政府主義者の嫌疑をかけられて逮捕されるでしょうな』 「ウサミン救国軍事会議……?」 まったく聞き覚えのない単語に、菜々はさらに困惑を深くせざるを得なかった。 先程から、目の前のウサミン星人とは何かが決定的に食い違っている。 今のウサミン星は、自分の知っているウサミン星ではなくなったとでもいうのだろうか? 「……教えてください。ウサミン星はどうなってしまったんですか……?」 『……やはり、何もご存じないのですね』 「ナナはもう何年もウサミン星に帰還していません。ウサミン星から何も言ってこないから……」 『新体制に移行してからも政府は貴女に接触したがっていて、毎年使者を送っていました。 超光速通信で、貴女の端末に帰還命令も出ていたはずですが…… ……いえ、何かの事故によって、地球に辿り着けなかったという可能性もありますか』 ウサミン星人は、菜々の親友である夕実がその使者達を秘密裏に始末していたことは敢えて伏せた。 これから話す内容を考えれば、彼女がより大きなショックを受けることは確実だったからだ。 ……やはり、真実を語る以外に方法はない。ウサミン星人は苦々しい認識を噛みしめた。 ウサミン星を救うためには沙織の能力だけでは心許ない。ウサミン星人・ナナの影響力は必要になる。 たとえそれが、彼女の決して望まざるものであったとしてもだ。 『ナナ様。これから私が語ることはすべて真実です。貴女にとって、とても辛い内容です。 しかし、ウサミン星を救うためには、必要なことです。どうかご理解ください』 「……」 ウサミン星人の言いように、菜々にもおおよその察しはついた。ついてしまった。 現実問題、この地球にもウサミン星人の宇宙犯罪者が多数やってきているのだ。 少数の悪人が地球に来ているだけだと信じ続けるには、菜々は少し大人になりすぎていたようだった。 ―――――――――― ウサミン星人から故郷の惨状を聞いた菜々は、戦慄と驚愕に塗り込められた心身を震わせた。 「そんな……ナナが持ち帰ったデータが、そんなことを引き起こすなんて……」 思わず吐いた声がかすれて、弱々しく震える。 菜々は度数の高い酒に悪酔いしたように視線が揺れて、平衡感覚が失せていくような錯覚を覚えた。 ウサミン星人は無意識に視線を逸らし、休憩室の窓から外の風景を見た。 それは、先刻と何も変わるところはない。夕暮れの中に高層ビルが立ち並び、地上には それぞれの生活を営む地球人がいて、その中に菜々や夕実や……沙織の暮らしがある。 何も変わらないのだ。この地球は。この宇宙は。 彼女にこの事実を突き付けたところで、自分も世界も何も変わるところはない。 同様に、果たして自分達が本当にウサミン星を救いうるのかどうかも、確証の持てるものではない。 ウサミン星人は今更ながら、自分の罪深さに思いを致さずにはいられなかった。 自分の故郷と何らの関わりもない地球人の女を巻き込んだ上、自分の最も敬愛する偉大な 女性の心を傷つけたのだ。仕方のないことと片付けてしまうことはできない。 故郷を救うためなどと言ったところで、この罪の大きさに比べれば、己の果たしうる救星の功など ごくごく小さなものに相違あるまい。 『貴女の持ち帰ったデータは、貴女を地球に派遣した旧ウサミン中央政府にとっては、 辺境惑星の原住民に関する調査資料以上の価値を持つものではなかった。 しかし、ウサミン救国軍事会議のような者達が、それを政治的に利用したのは確かです。 地球の文化に触れた人々の受けたカルチャー・ショックが、自由への希求にもなったのですから』 この偉大なる女性は、幾度同じ絶望を味わわされたのだろうか。 その小さな肩に、どれだけの重荷を負わされたのだろうか。 そしてこれまで彼女に真実を突きつけた者達は、どれほど良心の痛みを感じたのだろうか。 知らなければよかったと思っているに違いない。 知らなければ何の迷いもなく、一人のウサミン星人として生き続けることができたのだ。 彼女に真実を突きつけた者を、大精霊が葬り去ってきた理由も理解できる。 しかし、知ってしまった以上は、行動しなければならない。してくれなければ困るのだ。 積み上げられた犠牲の大きさが、菜々の呪いをさらに重くするとわかっていても。 『文化を、自由を、そして感情を取り戻したウサミン星人は、眠っていた闘争本能を呼び覚ました。 私は沙織の精神同調能力によって彼らの心を静め、戦乱を抑え込む計画を立てました。 しかし、それではまだ足りない。ウサミン星には人々を導く新たな指導者が必要なのです』 失う痛みを、背負う重さを知りながら、なお彼女を駆り立てなければならない。 『よしんば戦いを終わらせることができても、依然として混乱は続くでしょう。 ですが貴女なら、その状況を収束させうる。それだけの政治的影響力がある』 いつしか言葉は熱を帯び、湿り気を伴って、振り絞るように呟かれた。 『偉大なるウサミン星人、ナナ様。 どうか、我らがウサミン星の『グレート・マザー』になって頂きたい』 ――――――――――― 地上から数千メートルを隔てた上空に静止しているウサミン星人の宇宙船へ向かうためには、 街のあちこちに仕掛けたテレポーターから瞬間移動をする必要がある。 地球上における沙織とウサミン星人の行動には制約が多い。 地球では全長60メートルクラスの宇宙船が降りられる場所は限られているし、 下手に目立てばGDFのような組織とぶつかる可能性も常につきまとっている。 あくまで秘密裏に行動したいからこそ、ハイパー・ステルスによってその存在を秘匿しているのだ。 沙織は5時限めの講義が終わるとすぐ、大学に程近い繁華街の路地裏に設置したテレポーターから 宇宙船へ移動しようとしたが、すぐに異変に気付いた。 ウサミン星人の手によって超光速通信やテレポーターのガイド・ビーコンなどの機能を追加された 携帯電話で宇宙船の位置を確認してみると、宇宙船は地上に降りているのだ。 座標からすると街からかなり離れたところに着陸しているようだが、彼らしくないと疑念を禁じ得ない。 携帯を操作して、テレポーターを起動する。 沙織の足元の、マンホールの蓋に偽装された装置から発した金色の光と共に、彼女の姿が瞬時に消え失せ、 気がつくと宇宙船の一室へと転送されていた。 「ウサミンさん? どこさいるんですか?」 宇宙船の中はそう広くない。4~5人程度の乗員が快適に過ごすだけのスペースはあるが、 逆に言えばそれだけだ。ウサミン星人を探すのもそう苦労はない。 「ウサミンさーん……?」 居住スペースの部屋をひとつひとつ見て回ると、開け放たれた休憩室の扉の向こうに 白く大きな背中が見えた。 ベッド・チャンバーの傍らで立ちつくしている後ろ姿は、ウサミン星人のそれに違いなかった。 休憩室に足を踏み入れると、かすかな甘い香りが鼻孔を突く。 女物の香水かなにかだろうか? しかし、目の前の異邦人と香水とはイメージしがたい組み合わせだ。 『沙織か』 振り向きもせず、ウサミン星人はかすれた声を絞り出す。 どこか寂寥とした声音に胸を突かれながらも、沙織はウサミン星人のそばに歩み寄る。 「どうしたんだが? 宇宙船、なんで降ろしてるんですか?」 『……客人が来ていた。つい先程帰られたところだが』 見るからに消沈した様子なのに、どうにか虚勢を張っていつも通りに見せようとしているのがわかる。 異星人の自分から見てもわかるくらいだから、きっと故郷でも嘘をつくのが下手だったんだろうと、 そうでなければ、他人を路傍の石と決め込んで開き直ることができないのだろうと沙織は思った。 「喧嘩して物別れになっちまったんですか」 『結論を先送りにしただけだ。どちらにせよ、今すぐに決められることでもなかった』 「……ウサミン星の話、ですか?」 『……そうだ。今すぐには決められないが、急がなくてはならない。私達の故郷が消え去ってしまう前に』 消え去ってしまう、という言葉には比喩以上の重みがあったが、追及する必要は感じなかった。 今この瞬間も、彼の同胞は相争い傷つけ合っている。 破滅へと至る最後の引き金を、誰かが引かない保証はないのだ。 誰とも合わせる気のない視線を彷徨わせながら、ウサミン星人はぽつりと呟いた。 『……もしかしたら、これは私の独り善がりにすぎないのかもな』 「えっ?」 『故郷を救えると思っているのは私の勝手な思い込みで、もう何も取り返しのつくものはなくて、 ただいたずらに無関係の人々を巻き込んで傷つけているだけなのかもしれん。 もしそうなのだとしたら、私のやっていることに意味などない』 虚勢も皮肉も剥がれ落ちた、率直な声だった。 悄然と呟くウサミン星人の背中は、普段よりもずっと小さく見えた。 『私は卑怯者だ、沙織。君やあの方に重荷を負わせて、私自身は一体何をしているんだ。 君達と同じ目線に立って苦悩を分かち合うこともできない。その資格さえない。 私は――』 心を裂くような痛みを吐露するウサミン星人に、沙織には応える言葉がなかった。 ただ、目の前の異邦人も『人間』なのだと、改めて知った。 故郷を救いたいという善意と生真面目な性分に縛られて、自分を責めている。 通そうとした我が裏目に出て、誰かを傷つけてしまったことを悔いている。 姿形が違っても、生まれた星が違っても、彼も優しい心を持った『人間』にすぎないのだ。 沙織は、初めて出会ったときのことを思い出す。 あのときも彼は、自分に役目を負わせることに忸怩たる思いを抱いていたのではなかったか。 確かに、彼は弱い人間かもしれない。 けれどその弱さこそ、誰かを思いやる優しさなのではないか? その優しさがあるからこそ、彼は故郷を遠く離れて地球へやってきたのではないか? 沙織の感性がそう思わしめたとき、彼女は自然と、ある歌を口ずさんでいた。 「When the night has come And the land is dark……♪」 目には見えないものを、言葉では伝えきれないものを届けられる力があるのなら。 自分にそんな大それた力があるというなら、やるべきことはひとつだった。 「And the moon is the only light we ll see No, I won t be afraid Oh, I won t be afraid Just as long as you stand stand by me……♪」 宇宙船の設備を使わなくても、綺麗なメイクもきらびやかな衣装もなくても、 目の前でうなだれている一人のウサミン星人を勇気づけることならできるはずだ。 そう信じて、沙織は歌った。 「So, darling darling Stand by me Oh stand by me Oh stand Stand by me Stand by me……♪」 やがて、沙織の周囲に虹ともオーロラともつかない光が揺らめき始める。 夢幻のような輝きの海をさざめかせて、澄んだ声が虚空に波紋を広げる。 ウサミン星人の固く握り締められた拳から力が抜け、荒れる波濤のような心が凪いでいく。 心身の隅々まで沁み渡るような安らぎが、彼に無意識のうちに涙を流させた。 まるで虹の色彩が心身の澱を洗い流したようだった。 涙を流したのは何年ぶりだっただろうか。 ふとそんなことを考え、ウサミン星人は静かに顔を上げた。 (わだす、あんまり可愛くねぇし、いつまでも訛りも抜けねぇけんど) 滑らかに流れ出る歌声とは無関係に、沙織は心の中で呟く。 願わくば、この気持ちも彼に伝わるよう。 (歌だってアイドルの猿マネしてるだけで、まだまだだけんど…… ウサミンさんは、こんなわだすにも、できることがあるって教えてくれたんです) 彼の言う偉大なるウサミン星人がもたらしたのは、文化や娯楽や感情だけではない。 それはきっと、可能性というべきものだった。 何世代にも渡って先人達の引いたレールの上を歩き続けてきたウサミン星人達が、 自分の意志で何かを選び取り、自分の手で何かを掴み取るための自由。 地球でもウサミン星でも、全宇宙のどこの惑星でだって、繰り返されてきた挑戦と失敗。 雑多で非効率的で愚かで、けれど新たな進化の形をたぐり寄せる可能性。 (自分じゃ全然わがんなくて、自信もねーですけんど……ウサミンさんのおかげで見つけられたんです。 新しい自分、新しくなれるかもしれない自分の姿を) 一人のウサミン星人が沙織にもたらしたのもまた、新しい可能性の萌芽に違いなかった。 (だから、ウサミンさんも信じてくだせぇ。きっと何もかもよぐなるって。 ウサミンさんの気持ちは間違いなんかじゃねぇって……) 揺らめく虹色の光に乗って運ばれる思惟は、ハッキリとした形で伝わったかどうかは判然としなかった。 けれど、二人の『人間』の内奥に共鳴の灯を宿したのは確かだった。 それは希望と呼ばれる感情だったのだろうと、沙織は後に述懐した。
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登録日:2010/07/05(月) 13 05 29 更新日:2024/06/27 Thu 11 45 59NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 さくら さくらがんばる コピー能力 ストリートファイター スニーカー セーラー服 チートキャラ ナムカプ ハチマキ ブルマ ブルマー ポケファイ 万年学生 世田谷 中平正彦 主人公 久川綾 体育教師 天才少女 天才肌 天武の才 女子高生 姉 弟子 日本 日焼け 春日野さくら 春野サクラ←ではない 瞬獄殺 福圓美里 笹本優子 見よう見真似 追っかけ もしかして:春野サクラ(NARUTOの登場人物) 「まっ、こーんなとこだね!」 /" /" / / ,、-'"" ./ / ,、-'"" _,,.... ----ーーー---...、___ / ,' /'" ,、-'' '-、....__ / l / / ./ ニz.,. l l ./ // ', ; \"" ゙, ゙,.,.l " ', ',; \ \ " ヽ"\ ;;; ' ,; ',; ; \ ./ l\ \ `'-、_ ヾ ヽ ヾ \ / l! l \ \ `'-_;;; ヽ ヽ ヽ l"" / |ヽ l \ ';;,_,..z;;;;;;,,. \ \ ヽ ヽ ヽ l l ヽ r-''''""""/' \ ヾ; ヽ"ヽヽヽ ヽ l l /ヽ '; ,/ ,,zziiiz,,, \ ヽヽ /'l !"l lヽ; 、 l レ=z、. \ ゙、. " fllllllll=i ゙' \! ヽ ハ/"l .l ゙, ゙ . l f _゙;;, \'., llllllllll} ヾ l l .} l ヽ ゙, zillf ゙ ヾ ゙'''''" ll; .l ".l;;;;;';, 'lllf .lf" / / "''ヾ ゙" r''" / l,_ l f L,. -" l \ l. \ . /;;| ; ;/"\ \ l. _‿--""; ./;;;;l ;/ \ `'-、_ ヽ '\-'" ; /;;;;;;l ;ハ \ `"'-、_ ヽ '\ ノ /;;;;;;" l /l ' , `'-、_ ' l \ /;;;;;;;;" x,-'" l ' , `'-、_ l \ /;;;;;;;;;;;" l l ヽ \ l `'-、 , 、-''";;;;;;;;;;;;;;;" l l ヽ \ `''7 ";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;"zzzmiiiifff 春日野(かすがの)さくらは、ストリートファイターシリーズのキャラクター。 出身地:日本 格闘スタイル:リュウの見よう見まね 誕生日:3月15日 血液型:A 身長:158cm 体重:42kg スリーサイズ:B80・W60・H84 好きなもの:体育(特に陸上系)、白いごはん、ストリートファイト 嫌いなもの:数学、弟のゲームの相手 特技:英会話、料理(見てくれは最低) 声優 笹本優子(ZEROなど)、福圓美里(Ⅳ以降) 【概要】 【他キャラクターとの関係】 【ゲーム上の性能】 【主な必殺技】 【さくらがんばる!】 【概要】 世田谷の玉川南高校に通う現役女子高生。弟がいる。 ある日リュウの闘う姿を見て憧れを抱いた彼女は、技を見よう見まねで習得。 リュウともう一度会い、闘うためにストリートファイトの旅に出る。 リュウへの憧れから、白いハチマキと赤い手甲というZERO時代のリュウと同じ格好をしており、『ZERO3』以降ではリュウの勝利ポーズも真似している。 アレンジコスチュームは、上が胴着、下がブルマ。上がジャージ、下がブルマ。 とブルマまみれだったが、最新のアレコスは花柄のワンピースである。下?自分で確かめて下さい。 当初は姿格好だけの真似っ子であり、ストリートファイトもただの遊びと考えていたが、 リュウと再会したことでストリートファイトに対する考えを変え、自分にとってのストリートファイトとは何かを模索することとなる。 あまりにもファン受けを狙った容姿から当初は批判を受けたが、現在ではストⅣのCMキャラクターに採用されるなど、シリーズを代表する人気キャラクターの1人となった。 ちなみに『ストⅣ』のCMでさくらを演じた高良光莉は当時小6。 中平版漫画「さくらがんばる」ではリュウを追っていく途中で様々なキャラクターと出会い、その設定がほとんど公式に逆輸入されている。 尚、同作のラストでは高校の体育教師になった。『ファイティングジャム』でミッドナイトブリスを喰らった姿はこれを再現したものである。 『IV』の勝利メッセージでも体育教師を将来の夢としており、『スパIV』ではエンディングでこの姿が見られる。 『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』ではエンディングで母親になっている未来のような描写があるが、これについては詳細不明。VS.シリーズ限定の可能性がある。さくらがアポカリプスを倒してポーズを決めている写真が出ているだけで、「偶然その場に通りかかって驚いて思わず写真撮った一般人」の可能性も無いとはいえない。 【他キャラクターとの関係】 リュウ 「落ち着いて力みを無くすんだ。そうすれば相手が見えてくる」 憧れ。ストリートファイトの世界に入るキッカケとなった人物。リュウさんと呼んで慕っている。 初出作品の『ZERO2』ではリュウに興味を持って面白半分にストリートファイトを行なっていたが、エンディングでリュウに再会し弟子入りを願う。 しかしリュウもまた道半ばである事、そして「一人でも強くなれる」と言われて断られ、その後はリュウと同様に真の強さや闘いの意味をも探求していく。 ちなみにさくらはリュウの写真を大事に持ち歩いており、名前がわからなかった頃はリュウの事を「あの人」と呼んでいた。 『V』ではリュウへの人生相談(物理)で迷いに答えを出した勢いで凄いことを口走ってしまう(*1)。 まさか、マブストのEDの…… 中平正彦の漫画『STREET FIGHTER ZERO』では、新宿でリュウとベガの戦いに巻き込まれたのがきっかけで出会った。 リュウに襲い掛かるベガを正義感で止めようとして逆に返り討ちに遭い、彼女の頭を踏み砕こうとしたベガに激昂する事でリュウは覚醒した。 ダン 「これでオレの偉大さがわかっただろう!よし!飯食いに行くか!お前のオゴリで!」 知り合い。漫画版ではさくらの師匠的存在。技と気の練り方の基本を教わる。それ故ダンからは勝手に一番弟子扱いをされている。 後に漫画の設定が公式に逆輸入され、ブランカ(ジミー)とダンの三人トリオが定番となっていく。 実際には技のコツを教えてもらった程度で、最も難しい『気(波動)』の練り方すら口頭説明と見よう見真似だけで一日で習得した。 それでもストリートファイトの世界に導いてくれた間違いなく恩人であり、「ダンさん」ではなく「火引さん」と呼ぶ。まあ何だかんだで信頼している。 ちなみに『ポケットファイター』のダンENDで仕方なく本当に弟子入りする。 …が、3日で全てマスターされた上に「ダサいしかっこ悪いし使えない」という理由で習った技は全て忘却された。 断空脚だけはガチ性能なんだから覚えてくれてもいいのに…。 ブランカ 「モノマネのワザにはまけないぞ!オレのはオリジナルだぞ!」 知り合い。ダンを通じて知り合ったが、どちらかと言えばこっちの方が仲が良い。 ダンにならってか「ブランカさん」ではなく本名の「ジミーさん」と呼ぶ。漫画版の設定が逆輸入された。 ストクロではコンビでDLCキャラクターに。行方不明になったダンを探しに旅に出る。 ブランカのストーリーでは悪徳業者に騙され大量の「ブランカちゃん人形」を作らされて困り果てていた彼をフォロー。 働いているゲームセンターの景品として引き取るという助け船を出した。 ケン・マスターズ 「ま、悩むこともあるかもしれないが お前さんはちゃんと成長してるよ」 「さくらがんばる」ではかりん主催の格闘大会の決勝戦で出会った。ケンは飛び入り参加し、さくらを倒して優勝している。 しかしさくらの攻撃で肋骨を折っており、ダンにはその事を見抜かれていた。これが海外進出のきっかけになる。 格ゲーも強いらしく、さくらの弟つくしとの対戦では一方的に圧勝しており、ダンに大人げないと言われていた。 ケンはさくらに修行時代のリュウを重ねて見ており、リュウの妹か、もしくは娘なのではと邪推していた。 結局大会でケンに敗北、父の胸で悔し涙を流した…が、実はケンもさくらにあばら骨を2~3本折られ、かなり際どい勝負であった。 ゲームではさくらの良きお兄さん的な位置合いでアドバイスや手合わせをしている。 春日野つくし 小学生の弟。ゲーム中にはほとんど登場しないが、姉と違いインドア派。 「ZERO2」ではさくらの自宅ステージの背景でゲームやってる。 実は絵を描く才能が有り、学校で賞を取っている。 千歳ケイ さくらの親友で、同じ玉川南高等学校に通っている生徒。一緒に登下校をする仲。 格闘に興味はないが、漫画版だとイケメンを得るため始めようとしていた。 さくらがストリートファイトをはじめた事を心配するが、性格上止めても無駄な事も分かっている良き理解者。 時にはさくらのストリートファイトの旅に同行することもある。 成績は良くも悪くもないが驚異的な記憶力を持っており、一度あった人の顔と名前は絶対に忘れない。 タコ型の宇宙人グッズを集めている。 神月かりん 「あなたから受けた敗北の屈辱 まだまだ返し足りませんことよ!」 漫画版からの逆輸入キャラクター。神月コンツェルンの令嬢。武道全般にも通じていて、段位はあわせて100段と8級とのこと。 一方的にライバル視されているが、さくらとしては普通の友人関係も持ちたいと思っている。 平凡な家庭←→お嬢様、白いはちまき←→赤いリボン、黒・茶のショート←→金のロングなど、リュウとケンに通ずるものがある。 お互いに「さん」付けで呼び合う仲であり、微妙に慣れ合えない関係となっている。 春麗 「あなた…リュウの妹さん?」 中平版漫画「さくらがんばる」で、人身売買のマフィアを潜入調査中に銃口を向けられたさくらを庇って正体を現した。 春麗はさくらの事をリュウの妹と勘違いしており、さくらはさくらで春麗をリュウの彼女かと勘違いしていた。 ちなみに春麗の反応を見るに満更でもない様子で、その態度を冷やかしたダンを一蹴している。 シリーズを通して恋敵…というよりは「格闘家としての先輩」として、さくらの成長を見守っている。 キャミイ 「おまえにはまた『キャミィ』と呼んで欲しい!!」 漫画版で中国に滞在中、シャドルーから逃げてきたところでさくらと出会った。ダンは踏んづけられた。 記憶喪失だったこともあって、コードネーム「キラービー」の彼女にキャミイと名付けた。(*2) かつてザンギエフに素性を偽って格闘訓練を受けたため、誇りを傷つけた事をわざと敗北する事で謝罪しようとする。 しかしさくらがそれを認めずに乱入した事により、2対1ながらも勝利。二人には友情が芽生え、この設定は後に公式へ輸入された。 元 「ふ…殺すつもりが (殺意を)殺されてしもうたわ」 上記のキャミイを殺す為に追ってきた凄腕の殺し屋。春麗の父の師匠でもある。シャドルーに所属しているわけではなく雇われただけ。 当初はキャミイをして無慈悲な殺し屋と称されており、弟子の娘である春麗もその手にかけて殺しかける。 しかし割って入ってきたさくらの真っ直ぐな戦いぶりと心に失っていた心を打たれ、まるで孫を見守る祖父のような穏やかな表情を取り戻した。 さくらの一撃を鳩尾に直撃を受け、反射で殺し屋モードに戻ってさくらに額の必殺の点穴を打つも、落ち葉に邪魔されて気絶させるに留まった。 その後、感銘を受けたさくらに手紙を託して任務を放棄し、いずこかへと立ち去った。 ザンギエフ 「どうだ…『あの男』は強いだろう?」 ご存じロシアの英雄、赤きサイクロン。中平版漫画「さくらがんばる」ではキャミィの贖罪の相手として立ちはだかる。 しかしそれに納得できないさくらは強引に共闘を申し込み、ザンギエフの中に残るリュウの残像を追って覚醒したさくらの猛攻に膝をついた。 ちなみに波動拳に対してはトラウマになっており、さくらの波動拳を見るや怯えてしまっていた。しかしバニシングフラットで波動拳を消滅させ克服する。 若葉ひなた 「ん~~~~ッ!!やっぱりさくらちゃんとの組み手はしっくりくるよっ! てかズルイよぉ!なんかすっごく強い人達と知り合いなんでしょ?なんで紹介してくれなかったのっ!?」 『ジャスティス学園』シリーズのキャラクターであり親友。とある事件を追って共闘した。 さくらからは「ひなちゃん」と愛称で呼ばれており、夏も含めた3人でケーキ屋「デルフォンヌ」でよくつるんでいる。 出会いのきっかけはさくらのストリートファイトを喧嘩と勘違いして止めに入ったことから。 通信教育で「ケン・マスターズ格闘術」を習っており、さくら同様格闘センスが凄まじいらしくケンのように炎を纏わせる技まで使える。 …というか、炎を纏った竜巻旋風脚をもどきとはいえ本家のケンより先に編み出している。 ベガ 「戯れにせよ、この私に歯向かった代償 高くついたな…」 殺意の波動の存在を知るきっかけとなった存在。 『ZERO3』のエンディングではベガのセリフから「殺意の波動」の存在を知り、ベガに殺されそうになるも、寸前のところでリュウに助けられた。 中平正彦の漫画『STREET FIGHTER ZERO』では、新宿でリュウとベガの戦いに巻き込まれたのがきっかけで殺され掛けた。 もっともベガから見れば単なる小娘に過ぎず、さくらから見ても殺され掛けた以外に接点がないので「怖いおじさん」程度の認識だったりする。 剛拳 憧れの人(リュウ)と師匠(ダン)の師匠なので大師匠になる。 剛拳からは「春の若木」と評され、才能の伸びを微笑ましく見られている。 【ゲーム上の性能】 リュウよりむしろケンを更に接近特化した性能で、ガンガン前に攻めてラッシュを仕掛けるキャラクター。 通常技がリュウ・ケンどちらとも違う独自のものになっており、小技の連打から必殺技に繋げたり、判定が強く相手の技を潰しやすかったりする。 むしろ高性能なことが多く、このため通常技の調整による強さの変動が割合大き目。 反面、必殺技は所詮見よう見まねなためか 射程距離がついていて途中で消えてしまう波動拳 昇龍拳とは違ってほぼ無敵時間のない咲桜拳 竜巻旋風脚とは違って放物線にジャンプする春風脚 など、リュウ・ケンに似ているが同じ使い方はできない技が多め。ただし全てが劣化・低性能というわけではなく、使いどころを弁えれば優秀。 ジャンプはあまり鋭くないが、地上からも空中からも攻め込めるキャラクター。対空面は一癖あることが多いが、そこまで弱くもない。 だが、難点は体力・攻撃力が共に低い傾向があること。このため、一方的に攻めてコンボをキッチリ決められないと体力負けをすることが多い。 特に咲桜拳をはじめ多段ヒットする技が多いが単発の威力は最低なので、とにかくいかに多く攻撃を当てられるかが決め手となる。 色々な事ができる反面、その多種多様な選択肢を怒涛の如く浴びせ続けないとジリ貧になりやすい。 スピードは比較的速いが体力は低めなのでコンボ一発で逆転される事も少なくない。 調整の結果キャラランクが変動しやすい傾向があり、実は憧れであるリュウよりも強キャラとされている作品も多かったりする。 ストリートファイターZERO 初登場のZERO2では中堅。癖のある波動昇龍が人気を呼んだ。 ZERO3では調整のおかげで強キャラ。性能が高水準にまとまっており、対空が優秀。めくりからループコンボに持ち込める利点も。 また、防御力自体は若干低めなものの、ガードゲージが何故か全キャラ中2番目に長いグループに属しており、回復速度も普通と非常に恵まれている(*3)。 このため思ったよりもガードクラッシュしにくく、重要な「地上戦の通常技の差し合い」でかなり有利に働くのも大きい。 V-ISMの場合はレバーを後ろに入れることで、クソ強判定の「振り子パンチ」を距離に関係なく振り回せるようになるため、オリコンと併せてさらに強さが増す。 通常時の火力は若干低く、苦手キャラも少なからずいるが、それでもやり込み次第で大会上位に食い込めるキャラパワーは充分持っている。 CAPCOM vs. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001 「波動掌」「桜華脚」など、このゲーム特有の技を持つ。 前キャンのおかげでAグルでは最強の一角であり、ショウオリと呼ばれるコンボで無茶苦茶削れる。 VS.シリーズ 「MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER」ではカプコン勢の一人として登場。 リュウ、ケン、さくら、豪鬼、ダン、ダルシム、春麗、ザンギエフ、ベガと、9人しかいない枠に5人も波動昇竜キャラがいるのは黙っておこう。 師匠すらもVSシリーズでは弱キャラであるため、さくらの性能もお察しである事がほとんど。 日焼けすれば豪鬼の技も使えるが、そこまでして使う価値は…… ポケットファイター リュウを探すために参戦。 コスプレは水着、バニーガール、袴、テニス選手、ソフトボール選手などスポーティーな物が多い。 傘で攻撃する「咲桜傘」、だだっこパンチ「春火襲倒」などの技も持つ。 ストリートファイターⅣ 家庭用から参戦。 ダン、ブランカと共に格闘大会に出場する。 立ち回りに不安が大きく、通常技も必殺技もどこかイマイチ。 しかし潜り込んでからのコンボ火力は全キャラクター中トップクラスであり、屈指のインファイターでもある。 安定感は低いものの、破壊力は屈指のキャラクターだろう。 ストリートファイターⅤ アーケードエディション SEASON3から参戦。 相変わらずのインファイターっぷりで、立ち回りをどうにかしながら潜り込んで連続技を狙うのが基本。 ちなみに本作のさくらは年を重ねたという設定のためか、全体的にスタイルがかなり良く肉感的になっている。 特に胸は、見る人によっては充分に「巨乳」と見えるほど成長している。 【主な必殺技】 波動系 波動拳 前方にやや小さめの気弾を放つ。 本家と比較すると隙が大きい上、端まで届かず弾速も遅い。 ただし貯める事で飛距離を犠牲に威力と大きさを上げられる。 彼女の成長を表しているのか、作品によって性能の違いが大きい。 天仰波動拳 斜め上に向かって波動拳を放つ。昇龍系が前進するさくらにとって対空に使える。 ただし昇龍系と違って無敵時間がない上に硬直が長めなので乱用は禁物。 蒼空波動拳 ジャンプ中に斜め下に波動拳を放つ。豪鬼の斬空波動拳に相当。 ただし威力は低い上に隙が大きい。また射程も非常に短く当たり判定も小さい。 斬空と違い反動もないので対空攻撃への判定負けになりがち。 真空波動拳(真空天仰波動拳) スーパーコンボ。5ヒット波動拳。 『Ⅳ』シリーズではウルトラコンボ。PかKで天仰と使い分け可能。 後者は斜め上に撃つ優秀な対空技で、さくらの立ち回り補強に使える。 ただし威力は控えめで硬直&無敵時間は本家と比較するとやはり性能が低い。 また飛距離が遠くなるにつれて威力は下がってしまう。 熱血波動拳(ねっけつはどうけん) 『ストリートファイターEX3』(以下『ストEX3』)のメテオコンボ。 弾速が非常に速く、体力を半分奪うという超強力な単発の波動拳を放つ。 波動掌→萌芽掌(ほうがしょう) 『CVS』シリーズと『ウルIV オメガ』でのみ実装されている技。 波動を纏った両手を前に突き出して飛ばない波動拳を目の前に繰り出し多段ヒットさせる。 後に『ストリートファイターV』でVトリガー技の「萌芽掌」と名を変え実装された。 発生が遅い上に通常技からのキャンセルで発動できないが、滞留するため起き攻めという使い方ができる。 波動閃光(仮称) 中平版漫画「さくらがんばる」でのみ登場した技。 波動拳の気を練る際に気弾に固めず一気に放出する事で強烈な発光を起こし目くらましを起こす。 ヤンキーくのいちのマキ(ファイナルファイト2の主人公)との戦いで咄嗟の思い付きで放った。 昇龍系 咲桜拳(しょうおうけん) クセで踏み込んだ後に見よう見まね昇龍拳を繰り出す。 多段ヒットするが前身してしまう為、対空には不向き。また無敵時間がないので非常に当たり負けしやすい。 マヴカプシリーズでは突進時に波動のバリアを張る。軌道は横方向に広がり高さは伸びない。 昇龍拳は波動の力を利用して高くジャンプするのだが、この技は波動の力を使っていないために助走で跳んでいるらしい。 『ポケファイ』では黄色い傘を持って咲桜拳を放つ「咲桜傘(しょうおうさん)」になっている。 乱れ桜 さくら版昇龍裂破。咲桜拳を連発するスーパーコンボ。 『ZERO3』ではX-ISM対応のスーパーコンボとして使用。通常の咲桜拳とは異なり、突進せずにその場で繰り出す。 『MARVEL VS.』シリーズでは技の内容が全く異なる。(*4) 初段の突進がガードされるとそのまま跳ね返り、乱れ打ちが発動しない。 さくらの技の中では最も高い威力で無敵時間もあり発生も早いので、コンボの主軸にしやすい。 『ポケファイ』では咲桜傘(しょうおうさん)を連続で放つ「乱れ春雨(みだれはるさめ)」になっている。 紅桜拳(こうおうけん) 『CVS』シリーズと『ウルIV オメガ』でのみ実装されている技。 咲桜拳とは似て非なる技で、ダッシュアッパーを放ち相手を浮かす。昇龍系のようにジャンプはしない。 多段ヒットする点は咲桜拳に似ているが、自身は飛ばず相手を浮かせるため追撃が可能でコンボに入れやすい。 ただしガードされると弱、強問わず確実に反撃を受けるだけの隙が出来る。 旋風脚系 春風脚(しゅんぷうきゃく) 見よう見まね竜巻旋風脚。どちらかと言えば現実の旋風脚に近い。 本家と違い水平方向ではなく、放物線を描くように跳び、回転も2~3回転程度。 しかし実はかなり高性能で、しゃがみ状態にも当てられ固めやコンボに使える。 一部では春風脚ヒットから追加入力で大キックを放つ『春風連脚』という技もある。 春一番 さくら版真空竜巻旋風脚。スーパーコンボ。 しゃがんだ状態で高速回転しながら下段蹴りを連続で繰り出し、最後に相手を蹴り飛ばす。 地を這うようにスピンしながら前進していく為、高めの飛び道具ならすり抜けて当てられる。 ただしモーションの関係上、ガードされると最終的な隙が非常に大きいのが難点。 『CAPCOM VS. SNK 1』および『PRO』のノーマル版のみ、フィニッシュが蹴り上げになった「春一旋」になっている。 『ストリートファイターV AE』では連続足払い部分を『フラワースピン』という技名でVリバーサルで使用している。 その他 あはは! ある意味でさくらを象徴する技。単なる挑発なのだが、さくらの挑発は相手を指さして「あはは♡」と笑うというもの。 実はこの指先に当たり判定があり、これで倒すと相手に屈辱を味合わせることができる。 『ストEX』シリーズでは「あはは」という名で必殺技になった。 また『ジャス学』では挑発に攻撃判定がないが、ゲームシステム上、挑発には動作中は熱血ゲージが増加するという効果がある。 フラワーキック 大きく足を高く上げ、振り下ろすように回し蹴りを叩き込む。 発生が早く硬直も短い上にリーチも長いというかなり優秀な中段技。 ただ技の性能云々よりプレイヤー側(画面側)に大股を開いてブルマを見せつけるというインパクトの方が強いかも。セクシーコマンドー 海外ではPantsu Kickというまんまな俗称でも呼ばれる。 さくら落とし 飛び上がり、両腕で下方を叩く。『さくらがんばる』では不良四天王をまとめて軽く叩き潰した。 最大3回まで連続して使用可能だが、命中判定が厳しいので連続で当てるのはかなり難しい。 ただしZEROシリーズ等ではジャンプ強パンチ部分で飛び道具を叩いて回避することが可能。 上手く使えるようになると飛び道具を封殺できる。めちゃくちゃ難しいけど。 セーラーシュート 通常投げ。相手を掴んだ後、両足で蹴り飛ばす。相手にパンツ丸見え 『ストIV』では翻って相手の背後を取った後に巴投げの要領で行う。 春火襲倒(しゅんかしゅうとう) 『ポケファイ』にのみ実装されている乱舞技 …と言えば聞こえはいいが、その実態は前進しつつ手足をばたつかせて駄々っ子パンチをお見舞いするというもの。 バニーヒッププレス 『ポケファイ』にのみ実装されている技。 バニーガール姿に扮したさくらが、掴んだ相手にヒップアタックする。うらやまけしからん 幸せ落とし 『ポケファイ』にのみ実装されている技。 空中で相手を捕らえ、さくらのお尻の下に敷いた状態で落下して地面に叩きつける。 技後にさくらが恥ずかしがる動作をするほか、受けた相手が恍惚の表情を見せるのが特徴。うらやまけし(ry 桜華脚(おうかきゃく) 空中から急降下する突進技。なんちゃって百鬼豪刃。 『CAPCOM VS. SNK』『ファイティングジャム』『ウルIVオメガ』『ストV』で実装。 日焼けさくら変身 豪鬼の技が使用可能になり、元々の技の性質も変化する日焼けさくらに変身する。 勘違いしている人が多いが、日焼けさくらは殺意の波動に目覚めたさくらではなく、ただ夏合宿で身体能力が強化されただけのさくらである。 この間は移動技の「阿修羅閃空」と、さくら版瞬獄殺「春獄殺」が使用可能。 …合宿しただけで殺意の波動の真似が可能になる女子高生とは一体… 春獄殺(しゅんごくさつ) さくら版瞬獄殺。技としては瞬獄殺と同じ。 初出の『EX』と『ジャス学』ではさくらが走って相手に近付き、乱舞を叩き込む。 またジャス学ではツープラトン技で、パートナーが相手を羽交い絞めにしている隙に春獄殺をする。 一部の作品では桜の花びらが舞う演出がある。 元気一番!(げんきいちばん) 『ストEX3』の隠しメテオコンボ。前進して相手に近付き、挑発である「あはは」を行う。 なんとこの指先はガード不能かつ大ダメージを与える。ついに北斗神拳まで体得したか。 しかも前進中は飛び道具に対してのみだが無敵である。「春獄殺」に近い。 挑発ということでダンの影響もあるのかもしれない。 桜吹雪 『ウルトラストリートファイターIV オメガエディション』で実装。コマンドはPPP。 スーパーコンボの暗転後に様々な動作を組み合わせた連続攻撃を行う乱舞技。こちらも「春獄殺」に近い。 ガード可能だがパンチかキックを追加入力するとガード時専用の派生技に動作が変化する。 春爛漫 ウルトラコンボ。 蹴り上げた相手を空中から叩き落し、最後は踏みつける。威力の高さが魅力。 『ポケットファイター』でも同名の技があり、こちらはバニーガールに扮したさくらが謎の大男二人組を呼び寄せて攻撃させるというもの。 桜の雨 『ストV』のクリティカルアーツ。 真空波動拳を撃ち、これが近距離で相手にヒットすると春風脚で追撃して桃色の気跡を纏った咲桜拳で〆る。 相手を吹き飛ばすと同時に桃色の気跡が散り、桜の雨が舞う。 遠距離の場合は6ヒットの「真空波動拳」となり、放った後にぐったりと肩を落とす。 【さくらがんばる!】 中平正彦による漫画版で、漫画版『ZERO』の続編勝つ後日談に当たるスピンオフ作品。 「ZERO」でリュウを助け、助けられた事から彼に憧れ、ダンの元で格闘を習って技を身に着けた設定である。 強い不良程度は簡単に圧倒できるレベルだが、ダンに出会う前はその辺の格闘かじりに苦戦するレベルだった。 ダンのおかげで波動を身に着け、何かにつけて因縁をつけてくるかりんと戦った後、かりん主催の格闘大会でマキやケンとも戦う。 リュウを探すために中国やロシア、タイに向かい、出会いと別れ、そして格闘。 中国ではダンが行きつけの地下格闘技場に赴くも人身売買のグループに拿捕され、力ずくで脱出。潜入捜査中だった春麗と出会う。 更にはシャドルーを脱走してきたキャミイと出会い、そしてそれを追ってきた殺し屋である元と成り行きで闘いに。 ロシアではザンギエフとキャミイの因縁を知り、リュウと戦った事のあったザンギエフとの手合わせを願い出る。 タイに行ったという情報をもとにリュウの宿敵かつ宿命のライバルであるサガットに会って、そこでダンと別れリュウのいる日本の朱雀城に赴いた。 番外編ではKOFの草薙京とも戦っている。 この作品では「神月家と草薙家は代々親交がある」という描写がなされており、その関係上かりんと京は顔見知りの設定。 ちなみに冒頭の解説通り、ラストは高校の体育教師になった。 しかし心の底ではストリートファイター、ひいては格闘家としての自身を忘れておらず、久しぶりに会った「あの人」と、波動拳の撃ち合いで幕を下ろした。 以降の作品では本作の設定が多く逆輸入され、オリジナルキャラであったかりんも後にプレイアブル化している。 「いい項目だけど、なんか単調だなあ。ね、追記・修正も試してみたら?」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 昔松たか子がドラマでコスプレしてたような気が -- 名無しさん (2014-03-23 18 21 42) 全国の青少年にブルマ萌えを発症させた罪深いヒロイン -- 名無しさん (2014-04-01 09 59 00) 誰か「同人誌のエース」タグを足してちょ -- 名無しさん (2014-04-01 12 14 34) 色んなキャラから素質の良さを認められているあたり、確かな実力を持っていることが分かる。 -- 名無しさん (2014-07-23 20 59 20) 昔のアンソロ4コマだかで、ダンとの勝負にさくらが来れないから代理でケイが戦うネタがあったな 結果は囁き戦術(「さくらと違ってブルマじゃなく、おろしたてですよ~」)に釣られたダンが瞬殺というw -- 名無しさん (2014-08-24 15 34 34) 夏合宿で身体能力が強化されただけ→豪鬼の技が使用可能 …どんな合宿だよw -- 名無しさん (2014-08-24 16 30 09) 元も認めるスーパー天才肌だからな。ベガが執着しないのが不思議なくらい -- 名無しさん (2014-08-24 19 35 20) キャミィとは親友の間柄らしいが、その経緯がよく分からん。 -- 名無しさん (2015-02-27 08 03 01) ↑4 ボンボンの4コマだな。その後も弟やら飼い犬やらを代理によこしてた(ちなみにダン全敗) -- 名無しさん (2016-11-02 21 42 14) ↑2 元に追われるキャミィを助けた→わざとザンギエフに負けようとしたキャミィに代わって戦おうとした→キャミィと一緒に戦うこととなったときについ頬に傷がある猫の名前「キャミィ」を口走り受け入れられる→タイに旅立つ際、ロシアに残ったキャミィにまた「キャミィ」と呼んでくれと言われ、友情発生 -- 名無しさん (2019-07-24 12 10 24) 元から斬空もどきを使える辺り目覚めたも何も元から殺意の波動に近い性質なのかもしれない -- 名無しさん (2020-08-29 06 25 23) ↑いやたぶん逆だろう、元の様子から見ても。殺意が一切ない、かといって「無」とも違う、しいていうなら『桜の波動』『春の波動』みたいな暖かさと元気を与える波動なのかもしれん。 -- 名無しさん (2021-09-24 20 38 17) ↑5記事でも書かれてるが漫画「さくらがんばる」で描かれたエピソードが公式に逆輸入された -- 名無しさん (2021-09-24 21 29 44) ブルマなのは時代設定的にもバッチリなんだよね -- 名無しさん (2021-09-24 21 31 19) ZERO2か3で中Pボタンか中Kボタンで選んだらブルマの色が白になってビビった記憶がある -- 名無しさん (2023-03-20 20 35 56) 春麗がリュウとの絡みは全然ないから現在彼に明確なヒロインアタックしてるのこいつしかいないんだよね。ま、ストシリーズ自体はそこんところはあんまり重視してないんだろうな。 -- 名無しさん (2023-07-12 09 10 36) 名前 コメント
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麗華は自室へと戻る途中、ふと思案に暮れた。 もしも彼が少しでも自分達との間に聳える壁を乗り越えて自分に接してくれたなら、病の事も告げられるだろうか、 と。事務的に心配するのではなく、彼女の名前を呼び捨てにでもして、必死になってくれたなら、それでも自分は病の 事を隠し通そうとする事が出来るだろうか。 麗華が感じる彼への情、それには疑いようのない懸想の念が含まれている。それは彼女自身よく理解しているつもり であったし、それだから今のこの関係が酷く虚しく、そして寂寞漂うものになってしまっているのだ。けれども、黒川 が麗華に向ける想いはどのような形をしているだろうか、と彼女は考えて不安になる。 それは彼女が知る由もない事だが、それでも考えずには居られない。少しでも期待を込めた日々を送らねば、麗華は 日常の重さに耐えかねて、塞ぎ込んでしまうだろう。だからこそ、何時までもこうして日々を平然とした調子で送って いられるのだ。 麗華は物憂いげな表情を浮かべると、黒川が今何をしているかを想像した 此処の仕事は熾烈を極めるものである。 普通なら、一人で遣る事ではなく、少なくとも十人は必要な仕事だろう。しかし、それを黒川は一人で毎日こなしてい る。休暇などは与えられず、麗華の為に仕事の疲れを仕事で癒すかのような日々を送っている。 それが、一寸の希望の光を彼女に差し込ませるのだ。 「……普通の人なら、とっくに辞めているはずだもの」 彼女はその光に拘泥されて、離れる事が出来なかった。 主人と使用人の立場で均衡を保つ二人の関係に、新たな刺激を与える勇気を持ち得ていなかった。何時までも暗く孤 独な小部屋に閉じ込められて、小さな窓から時折差しこむ陽光に想いを馳せる事しか、彼女には出来なかったのである。 以前の彼女であったなら、常に昂然としていられただろう。彼女の元来の気質は、そう云った燦と輝く太陽のような光 に満ち溢れていたからである。 しかし、自分が黒川に抱いている感情が、恋慕の情であると気付いてからは、彼女の気質は瞬く間に変貌を遂げた。 そして運の悪い事に、彼女がそう成り始めた時期は丁度病に侵された時と重なるのである。そうなれば、人間が行う解 釈など一つに定められてしまうだろう。事実、黒川や、そして両親でさえそう思い込んで疑わなかった。 彼女の気質が変わったのは、〝病気に罹った所為〟であると決め付ける事には刹那の時間すら必要としなかったので ある。年頃の遊びたい盛りの女が、病気で外出すらままならないと云う事は誰彼が哀憐の念を抱く事だろう。誰も、彼 女が〝伝えられない想いに悩乱している所為〟だとは考えなかったのだ。 そうして、彼らの均衡は保たれたままこうして膠着状態を続けている。 それだから、彼女は平然として居られる。 そして、索漠とした感情に煩悶しているのだ。 「……いっそ、黒川が居なくなれば悩む事も無くなるのかしらね」 自嘲気味な笑みを讃えて、麗華は自室のドアに手を掛けた。どうせ出来もしない事なのに、と自らを嘲弄しながら。 そして、その時であった。 突然、彼女は身体の異変に気付かされたのである。答えは簡単に見出す事が出来た。恋々たる想いが積み重なった結 果の限界点――病気の、発作だ。 その確信を抱いた麗華は、直ぐに自室のドアを開け放って室内に入り込むと、乱暴にドアを閉めて寝台に飛び込んだ。 そして、柔らかな布団の感触に抱かれながら力を込めてシーツを握り締める。続く、病魔に耐え得る為に。 「はあっ……はあっ……はあっ――」 それは苦痛とは違うが、明らかな苦悶であった。 時が一刻を刻む度、上昇して行く彼女の体温は熱に浮かされる時のような意識を朦朧とさせるものではなく、体の底 から熱さを訴えるような、発散しなければ正気の喪失を彷彿とさせる熱だった。そして、麗華はその発作が起きる度に 一貫して同じ方法で発散させてきた。それ以外の対処法などは知らなかったし、存在しなかったのである。 体の奥から渦巻いて昇ってくる熱は、忽ち彼女の頭を蕩けさせた。そうして、正常な思考を段々と無くしていく彼女 の中に、或る渇仰が生まれる。それは、貪欲なまでの性的な欲求であった。 「はあっ……駄目、なの、に――」 自制を利かせる彼女の理性が、自身の行動を拒もうと奮闘する。絶え間なく生まれる自己嫌悪はその間にも彼女を苛 めるが、それでも麗華は自分を止める事が出来なかった。逆らうなど、元より不可能な事であった。 だからこそ、原因も、症状ですら病気と診断するには不明瞭であったのに、彼女が〝病気に罹った〟と云われる所以 に成り得るのである。その病気に抗うと云う事は、百人の兵が百万の兵と戦っても、決して勝てぬ事と同義であった。 抑え切れない情動が、彼女の手を突き動かす。最早、彼女の脳が身体に送る指令は彼女からのものであって、彼女の ものではなくなっていた。理性的な彼女の部分は、淫蕩な行いを今から行おうとしている自身の身体を、何処か身動き 出来ないような暗い牢獄で見せ付けられているかのように、客観的で屈辱的だった。 「熱い――熱くて、どうにかなっちゃう……」 彼女の細い指が、ブラウスの釦を一つ一つ外して行く。一つ、釦が外れる度に、彼女の中のもどかしさが歓喜の声を 上げていた。先に迫る快楽に向けて準備を着々と進めて行く自身の行動は、どうしようもなく煽情的で、どうしようも なく厭らしく、異なる二つの感情の挟撃に晒された彼女は最後の釦を引き千切ろうとするかのように乱暴に外した。 はだけたブラウスの隙間から窺える白磁のような真白な肌が、外気に晒される。ただそれだけの事で、彼女は快感に 身体を強張らせた。未だ脱ぎ切れていないブラウスを完全に取っ払う事すら面倒に感ぜられて、麗華は服の隙間から手 を差し込ませる。片方の手は未だシーツを堅く握り締めていて、手持無沙汰に震えているようだった。 「ぁっ……」 小さな喘ぎが桜色の唇の隙間から漏れ出る。下着の上から触っただけで、敏感に快感を感じてしまう自分の身体に嫌 悪しながら、それでも彼女はこの行いを止める事が出来ないまま、本能に近い行動を続行した。下着の中に手を滑り込 ませると、撫でるように手を動かす。その手が軽く乳房の頂点の突起に触れると、そこは既に屹立していた。 その様子を、牢獄に捉えられた彼女自身が冷やかな目で見詰める。厭らしい、汚らわしい、卑俗にも程がある。この ような行いに耽って快楽に身を捩っているなんて、大きい家のお嬢様だからと云ってその本質は淫乱な雌なのだ、と攻 め立てる心の声が何処からか聞こえる気がしても、麗華の手は止まる事が出来なかった。 「は……あ、あぁ……」 切ない声が豪奢で広い室内に木霊する。可憐な唇から漏れ出る吐息は麗華の体温を、そしてこの部屋の室温ですら上 げているかのように、熱く、甘い。彼女の乳房が自身の手によって形を変える度に、体の底から蠢く快楽への渇望が更 に麗華を追い詰めていた。冷やかな自分の目ですら、最早彼女の快感に貢献するものへと成り果てている。 頭の中が狂気に満たされているかのように、快楽を求め、真白になって行く感覚は、この発作が起きる時は必ず起こ る事象だった。そして、着実に視界が白い霧に満たされて行く度に、彼女が感じる悦楽は増大して行く。乳房を揉みし だくだけでは我慢が出来なくなれば、次はその頂点で屹立している突起を摘まみ、背筋を仰け反らせた。 「あっ、んぁぁッ……! ダメ、おかしく、なっちゃう……ッ!」 自分を狂わせる性欲が理性をことごとく瓦解させて、周りが見えなくなり、聞こえる音も自身の喘ぎだけになった頃 に、麗華の頭の中には一人の男の姿が浮かんでくる。麗華がこうなった時には、既に自分を冷罵するかのような目付き で眺めている自身の姿などは目の端にも映る事は無い。 最早彼女が目にしているものはその想像によって創造された男と自分とが、淫猥な情交をしている光景だった。そし て、その男こそが彼女に仕えているこの屋敷の使用人――黒川だったのである。 「んぅ……ッ! はっ……ぁ……もう、我慢、できないよぉ……!」 発する声は幼児の如く稚拙な発音で、どれだけ彼女が自慰行為に没頭しているかを窺わせる。 頭の中でのみ見える、黒川との情交はとても甘美で、この時ばかりはそれを虚しく思う暇も無く、彼女は長いスカートを たくし上げ、その裾を自分の口に挟むと、シーツを握っていた手で既に染みが広がっている純白の下着に触れた。 けれども彼女自身、もうそのような行いを自分がしているなどとは、思っていなかった。彼女の瑞々しい太股を、そ して恥ずかしい染みが広がる下着を露出させているのは、彼女にとっては黒川が行っている所業になっているのだ。 そして、黒川は囁く。麗華の想像から創られた理想の彼は、優しく彼女の耳元で囁くのだ。 〝綺麗です、お嬢様〟 それを聞くと、麗華は自分の中に羞恥と随喜とが入り混じり、云い知れない感情の萌芽が胸に芽生える感覚を覚え る。それは、荒れ狂う波が暴れて、何もかもを吹き飛ばす凶悪な暴風が吹き荒れる快楽の海へと身を投じる事を躊躇い 無く鼓舞して、現実の彼女の指を下着から透けている裂け目へと這わせるのだった。 「ふっ……んんッ! ふ、むぅぅ……!」 触れた所はもう液体が絞り出せるのではないかと思えるほどに濡れていた。彼女の指は下着越しにその割れ目をなぞ り、そして蜜が滴る壺を見付けるとそこに指を挿し込んだ。逆碁を打つような形になった麗華の細い指は下着の抵抗だ けを受けながら埋没して行く。ざらざらとした布の感触が内襞に擦れ、彼女は法悦とした表情をしたまま小さく震えた。 唾液を次々と吸収していくスカートの端も、その黒の生地を更に濃く染めている。 彼女の頭の中では、黒川の、男の割に華奢に見える指が自分の秘部に埋没して行く様が映し出されている。それだけ で、彼女の体は歓喜に打ち震えるのに、彼女の中の黒川はまた甘い囁きを耳元に零すのだ。 〝もう、こんなに濡れていますよ。麗華お嬢様〟 と、意地悪い微笑を湛えながら囁かれる彼の言葉は、羞恥を煽るのに不足など無いのに、更なる快感を麗華に与えた。 彼の意地悪い笑みも、甘い囁きも、全てが媚薬になっているかのようで、麗華の身体を昂らせて行く。彼女の凄艶さは 増して行き、絡み付くような熱を孕んだ喘ぎは更に熱くなり、行為は加速して行った。 「あっ……ああっ……! だめ、そこ、おかしくなっちゃ――ふあぁッ!」 彼女は下着を太股の中間辺りまでずり下げると、完全に露出した自身の、柔らかな茂みに覆われた割れ目にいきなり 指を挿入した。布とは違う感触にまた身体が震え、体から吹き出る汗はその量を増した。膣の中を擦るように、指を曲 げればその度に背を反らせ、出し入れを繰り返せば淫靡な水音が室内に木霊した。余りに強い刺激に咥えていたスカートは 腹の上に被さっている。その所為で、口の端には滔々と唾液が流れていた。 想像の中の黒川は彼女の制止も聞かず、その白い指で彼女の中を容赦なく掻き回した。時折彼女の反応を窺っては、 意地悪い微笑みを湛え、そして空いている手の方で麗華の豊かな乳房を力強く揉みしだく。〝お嬢様は淫乱ですね〟と 云って胸の突起を甘噛みすれば、彼女は反論も出来ずに快楽に酔いしれた。 「くろ、かわぁッ……あっ、んんっ……! はッ、あああッ! そんなところ、だめ……んうぅッ……だって……!」 既に赤く充血した陰核を、彼女の指が優しく摘まむ。未だに膣内は蹂躙されているままであるのに、そのようなとて つもない刺激を与えられては、もう耐える事は叶わぬ事であった。 「あっ、ああっ! もう……だめ……ッッ!!」 麗華は背を弓なりに仰け反らせると桜色の唇が真白に変わってしまうほどに強く噛み締めて身体を震わせた。そして 恍惚とした表情で絶頂の余韻に浸かると、虚ろな眼差しで室内に目を巡らした。手は、未だに淫猥な手付きで自身の秘 部を弄っている。彼女の身体に蔓延る淫魔はこの程度の快楽を得たくらいでは満足しなかったのである。 麗華は部屋の壁際に位置している一つの棚を見遣ると、震える足で立ち上がりそこへと歩みを進めた。息は荒く、 目は蕩けているかの如く焦点を失い、意識があるのかどうかですら判然としない。もしかしたなら、彼女に意識は 無かったのかも知れなかった。彼女が見ている光景は甘美な妄想の世界に存在しているからである。 〝もう、いいでしょうか? お譲様〟 黒川がそう囁いた時には、麗華は再び寝台に坐していた。彼女の右手には、男性の性器を模した淫具が艶めかしい光 沢を放ちながら握られている。彼女は黒川の囁きに、黙って頷いた。そして、手に握られている醜い男性器を既に愛液 が溢れ出している割れ目に宛がうと、ゆっくりとそれを体内に埋めて行った。 「ふあぁ……入って、る……黒川のが、あたしの中に……ッ」 ちゅく、と云う音と共に無機質な冷たい塊が彼女の中を犯して行く。しかし、それが彼女の最奥に達する事は 無かった。無論、彼女の想像の中で黒川の性器は侵入を進めている。けれども、無意識の内に彼女はその無機質な道具 で自身の純潔を失う事を恐れていたのである。彼女は偽物の男性器を半分も埋め込まない内に出入を始めた。 その雁首が、彼女の中に溜まっている愛液を掻きだし、膣壁を擦り、浅い場所で快感を与え続ける。麗華にはそれだ けで充分であった。彼女の想像に鼓舞される快感は普通の自慰行為などでは及ぶ事のない範囲にまで上り詰めていたの である。異物が自身の膣を蹂躙する中で、一度絶頂に達した彼女の体は早々に高まり続けていた。 「あっ、ふっ……! ああっ! 黒川ッ……くろかわぁっ……!」 黒川の腰の律動は、麗華の現実での手の動きと呼応して彼女を苛めた。 彼女の表情は、普段の怜悧な面を影も残さず消して、そこには陶然とした快楽に打ち震える一人の女があるばかりで ある。弛緩した唇の端からは涎が流れ、陽光を受けて厭らしく光り、涙の伝う頬は赤く上気している。余りにも、凄艶 な姿。彼女の容姿がそこに合わされば、その美しさに敵う者など他に存在するだろうか。 人形のような容貌が醸し出すその光景は、もしも此処に観客が居たならば、欲情よりも先に溜息が出てしまうだろう。 それはまるで、例えようもないくらいの美しさを持つ風景や、とてつもない値打ちの絵画を見た時に感じる情操に酷似 したものだ。兎角、彼女の今の姿は美しく、そして淫乱だった。 「はぁっ……! ふっ、くぅ……ああぁっ!」 黄金の水が氾濫しているかのように乱れる金の糸が、浮かぶ汗の所為で至る所に張り付いて、煌めいている。何時し か喘ぎ声を耐えようと噛んでいたスカートの裾は寝台の下に脱ぎ捨てられて、最早使い物にならない純白の下着もその 上に投げ捨てられて、上半身に纏うブラウスの下に着ていた下着も同じように放られている。 上半身にただ一つ纏う白のブラウスは快感を渇仰する自身への細やかな抵抗であったのかも知れない。 淫猥な水音は絶え間なく室内に響き渡り、麗華の喘ぎ声は叫喚のようにも聞こえ、その部屋は淫蕩が極められた様を 克明に、刻薄に表しているかのようだった。麗華はもう直ぐ達せられるだろう快楽の高みに向かって、疑似男性器の出 入を激しくさせる。空いている手は豊満な乳房の形を変えて、高みへの促進剤となっていた。 視界に掛かる、白い霧は全ての音を、映像を隠してしまって、彼女はもう達する事でしか周りが見えなくなっていた。 それ故に、気付く事が出来なかったのである。 自分の病の事を、隠していた事が全て泡沫に消えてしまう音に、気付けなかったのだ。けれども、その音の主は〝今〟彼女と 交わっているのだから、彼女にとって仕方のない事であったのかも知れなかった。
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◆ 「近代日本文明の形成と発展」全体の概要 ◆ ■「近代日本文明の形成と発展」は、一九八四年五月、コレージュ・ド・フランスで行われた講義録。当時、日本は「ブラックホール(その近くを通過するすべてのものを吸い込んでしまう一方で、内部で何が起こっているのかを外部からうかがい知ることができない場所)」と見なされていたこと。 ■梅棹が、パリでの講義で払拭したいと願っていたポイントは、日本はごく最近になって発展した国であるという点。明治維新にいたるまでは後進国であったが、維新後は、西洋の科学技術や文化を模倣し、身につけて、産業の近代化を実現した。ゼロからの出発であった、という解釈。国内外で信じている人は多い。 → 日本は西洋との緊密な関係をはじめるずっと以前から、独自の近代化に向かってきた。日本と西洋の国々は、おたがいにまったく独立に、近代国家に変貌した:「徳川の幕藩体制と、ヨーロッパの絶対王政には、平行進化の現象がみとめられる」(p.88) 例)一八世紀初頭に、京都、大阪、江戸は世界でもっとも大きな都市のなかに入っていた。教育制度は、とても発達しており、識字率は五〇パーセントを超えていた。 江戸時代のあらゆる分野における発展と蓄積があったからこそ、開国以降の日本が、世界史の領土拡張主義時代における最後の帝国として急速に変化しえたといえるのです。(p.86) ■現在の日本の目ざましい成功は、注意を、第二次世界大戦以後の日本に集めすぎる傾向があるが、現代日本は戦後の廃墟から突然出現したのではない。成功した、模範的なブルジョワ革命としての明治維新があればこそ。 ■梅棹が現代日本社会において根底的な変動とみなしていたのは、社会的、経済的、文化的側面における「無階層社会」。これを軸として、講演は行われる。 1 現代日本 無階層社会にむかって 六〇年代の高度経済成長 六〇年代に日本はまったく特異で前例のない「文化改革」とよぶにふさわしい現象を経験した。 一九六四年の東京オリンピック、一九七〇年の大阪万博、この二つの重要な行事を目標とし、実現するために東京と大阪は都市改造整備計画を実施した。新幹線も開通し、国家的規模で影響。 メカトロニクス 新産業革命 行動経済成長は、日本人の生活スタイルの変化のリズムも同様に早めた。物質的安楽さの突然の拡充。販売網の改革は、スーパーマーケットを生み出し、インスタント食品を普及。大衆レジャー産業の爆発的成長。 例)「三種の神器」: 洗濯機、冷蔵庫、テレビ → 車、エアコン、カラーテレビ オフィス、工場に、コンピュータ、ロボットが導入される。とくに工場では、ロボットと情報処理とを結合させる(mechanism+electronics=mechatronics)技術は、「新産業革命」とも言われ、おおくの分野での技術革新の集成。 家庭生活の変化 都市化の普及は農・山・漁村の生活様式に大きな変化をもたらした。日本の現代家屋には客人用の部屋(客間)がないことが指摘されるが、それは日常の接客や冠婚葬祭が、家の外でおこなわれることを意味している。家庭で代々伝承されてきた家事や礼儀作法は発揮される場所や機会を失った。 日本社会は女性の労働条件の改善と社会的地位の向上に関してはまだ不十分。 無階層社会に向かって 戦後日本のもっとも著しい特徴は、無階層社会に向かってのたえまない歩みであると、まとめることができる。 一九四七年の貴族階級の制度上の撤廃。 社会的階層の区別と、それに由来する特権を許容しない平等主義(民主主義は政治的原則にあるだけではなく、この社会的特権の廃止をとくに意味している)。 財閥の解体による、富の集中の解消。農地改革により、小作人たちが土地所有者となる。 所得に対する、非常に高い累進課税制度。相続税。 少ない給与格差 → 一億総中流化 労働者と雇用者のはげしい衝突が、過去に何回もあったが、経済成長をつうじて富が分配されるにつれて、社会階級間の対立はしだいに解消されつつある。 移民労働者が、労働市場にほとんど存在していないことも特徴のひとつ。 文化的同質化も進んでいる。 ・服装の画一化が進んだので、身なりが社会的地位や職業を知る目安にはならない。 ・大衆紙の普及。それぞれの新聞間に、教育水準や職業による読者の類型の区別を見出すことはできない。 ・テレビの視聴習慣は、社会階層間と同様に、地域間の言語差をも消滅させた。 ・鉄道網、高速道路網の徹底的な伸展。そして、自動車の生産台数の増加(自動車のみならず、日本の生産分野はかならずしも、国際市場に依存していない。国内消費によって、日本経済の活力は支えられている)。 平等主義の典型的な例は、教育制度。努力するものにとっては、かならず報われる機会がある。教育の優先的目標は、中等教育の水準を高めることにあり、エリートの養成は二義的な重要性しかもたない。現代日本は、天才を必要としない。 2 明治の日本 黒船 一八五三年の黒船(強力な近代兵器)の到来が、近代日本の誕生と直接結びつけるのが日本人の一般的理解。 たしかに、この出来事は日本の近代化を早める決定的な役割をはたしていた。西洋の進んだ国々は黒船が証明するような軍事力を有しており、その軍事力を維持するための経済力も有している。これらの国々のなかで日本の独立を守るには、科学技術の進歩を利用して、軍事力、経済力を獲得せねばならない、という確信により、第二次大戦の終わりまで、日本の政治は、富国強兵というスローガンにつねに引き付けられてきた。 黒船来航から、太平洋戦争の敗北にいたる一世紀は、日本史のなかでもっともヨーロッパ的(な思想を国家の根本の原則として据えた)であった、異例な時代。 軍隊 戦争の遂行と軍隊の常設は、日本が一九世紀のヨーロッパ文明から学んだ重要な習わし。黒船来航時、日本は国家海軍を有していなかった。一八四〇年の阿片戦争を通じて、日本の独立を維持するために、強固な軍隊をつくる緊急の必要性があることが共有される。 例)年間国家予算の五〇パーセントにも達する軍事費 一八七三年、徴兵制度が導入。陸軍がモデルとしたドイツ軍(貴族制度とのつながりが強い)とは異なり、平民的な性格を有する。士官の募集は、高級官僚と同様に、公開の競争試験によって行われた。軍隊は巨大な官僚機構に他ならなかった。 軍隊は物理的暴力を独占する巨大な組織となり、自己抑制の仕掛けをうしなっていく。政治的にも哲学的にも、軍隊というヨーロッパ文明の本質的な一要素に、同化することができなかった。 官僚 武士階級が失墜した戦前の日本で、もっとも強力な集団は官僚だった。官僚制は、公開競争試験による募集制度と、各人の業績と貢献のみがその後の昇格を決定する、能力主義にもとづく。中央官庁は、大蔵省、外務省、司法省…と並び、地方行政を介して国民を監督する内務省から成り立っていた。 高級官僚は政党の指導者にもなった。内閣制度から第二次大戦までの三〇人の首相のうち、二七人が官僚出身者。この政治的伝統は、政党人の一般的な質の低さともあいまって、大戦後も温存されている。現在の日本人の気持ちもまた、高級官僚の専門家的態度に対する反発と、目ざましい能力への信頼とのあいだで揺れ動いている。 官僚が、平等な競争社会の勝利者であるという、業績主義という新しい理想を体現していたことも一因(ほとんど貴族がいない)。 家族 一八九八年に制定された家父長的家族制度にもとづく家族法は、一九八三年から施行されることになっていた別の法律を破棄するために作られた。それはフランスの民法典をモデルにした、血統主義のものであった(血統の存続が重要:ゲマインシャフト)。しかし、日本の伝統概念では、家族とはまず制度としての「家」で、、親族関係にもとづく共同体を組織することがもっとも重要と見なされていた(「家」とう共通の利益を守るための集団:ゲゼルシャフト)。 戦争 日本軍の増強は、西洋列強に対しての国の独立を守ることを最初は目的としていたが、一八七五年の朝鮮への派兵は攻撃的な性格を強くしている。帝国主義国家にいたる日本近代の歴史は、たえまない領土拡張期だった。日本の軍事行動は、西欧諸国がとっていた軍事行動と基本的に同じものであったが、西欧諸国ほどに抜け目のない帝国主義ではなかった。 産業革命 一八九〇年代の産業構造の変化にもかかわらず、この時期は産業革命の見地から、検討されたことがないように思われる。それは、この産業革命が、軍事と同様に、経済においても強力な国家を建設しようという政策の結果としてあるからであると考えられる。イギリスにおいては、まず産業革命がおこり、その経済的効果が社会、政治へと及んで行ったが、日本においてはその逆の方向。一八七〇年代から、明治政府は紡績工場を各地に建設しはじめる。重工業の発展においては、さらに官営工場の果たした指導的役割は大きい。 このような産業化を、多くの発展途上国も行うことができるかといえば、答えは、残念ながら否定的。一九世紀後半においては、まだ西洋諸国と日本を含む当時の発展途上国の参議用水準の差は比較的わずかであったからこそ可能であった。 3 江戸時代 絶対王政またはパックス・トクガワナ 江戸 江戸幕府は非常に中央集権的な政権で、参勤交代制を施行していた。これにより大名たちは大きな経済的負担を強いられたが、江戸に多様な文化があつまり、その文化が諸国に伝播することに寄与した。この体制が、日本の近代国民国家の基礎の一つとなった。同時に、武士と町人の文化を融合し、あらたな都市文化をうみだす場にもなった。無階層社会の萌芽。 将軍 当初、将軍を長とする幕府は、武士階級を統率し、かれらの利益を代表する組織であったが、やがて朝廷の貴族政府がその行政能力を失い、幕府がこれに代わり、全国を支配するにいたった。とりわけ江戸幕府において、徳川将軍の権力は、天皇のそれを完全に凌駕していた。にもかかわらず、将軍は決して、天皇制や貴族政府を廃止しようとはしなかった。この、朝廷と幕府の関係は、おそらくヨーロッパにおけるローマ・カトリック教会と世俗政治権力の関係に比較しうるものだろう。 明治維新はこの二重の政府という体制に終止符をうった。 藩 江戸時代の日本は、二〇〇以上の藩(連邦諸国)に分割されていた。幕府という中央政府とは別に、固有の行政組織を有する地方の両国が藩と呼ばれる。藩は幕府の統括下にあったが、その一方で幕府の法令は直轄領においてのみ有効で、非常時以外は、幕府の役人は藩政に介入できなかった。近現代の日本の地方自治は、この藩の伝統のうえに築かれたものといえる。 年貢のみで財政的にやりくりできる藩はごくわずかであり、それぞれの地域の特産物の生産、市場、流通を管理した。その結果、藩は現代企業体のような性格をもつにいたった(じっさい、日本の取締役、あるいは重役といった企業内の名称は、藩の役職名に由来する)。 鎖国 国家的孤立 一七世紀初頭から一九世紀中ごろに至るまでの鎖国政策は、キリスト教を排除しつつ、幕府が貿易の利益を独占するという二重の目的のために採用された。「鎖国」は結果からみた後の表現である。とはいえ、鎖国政策によって日本人の海外に対する関心は失われた。そのデメリットと引き換えに、日本的な生活様式、価値観の形成を自成的autogenicに行うことができた。 国土開発 新田開発による耕作面積の拡大と同時に、塩田や植林などの多様な土地開発が各地で試みられていた。同時に大規模な都市化現象がみられる。京都では寺院が郊外にうつされ、市中の再開発が行われると同時に、移動した寺院の周辺にあたらしい市街地が拡張されるなど。農村から都市へと集中する移民人口を吸収する機能をもつ。 工業 江戸時代に発展した家内制手工業の特徴の一つとして、製品の大部分が大衆の消費物資であったことは重要。鎖国化において、工業の発展は、海外市場の拡張ではなく、内需の拡大によってもたらされた。都市の膨大な消費人口にみあうだけの大量の物資を供給が求められていたことが、地方都市の工業の原動力となった。 町人の勃興 自主管理の原則にしたがって生活が営まれていた、行政の基礎単位でもある「町」は、一五世紀の終わりに京都に存在し、続いて大阪や堺に、そして江戸時代初期には日本全土に広まった。 江戸時代に都市に居住していた職人や商人は町人と呼ばれていた。ここで、「ブール(町)に住むもの」としてのブルジョワと、「町に住むもの」としての町人という語句の一致に気づく。それぞれの言葉は、社会の都市化という現象に相応していた。一七世紀の町人社会は、豪商たちがリードしていたが、鎖国政策によって没落。小市民層が町人社会の中心を占めるようになった。 町人文化の所産とみなされている、劇場の交流や出版産業の繁栄といった余暇活動の発展は、現代日本の大衆文化の発展を予告する。都市社会と市民文化の原点としての、町人社会。 出版 江戸時代初期の出版物のほとんどは、日本、中国の古典か仏教書であったが、一七世紀末に読者層が急速に拡大。娯楽本が増える。書物の購読層が、特権的な知識層から一般の都市民まで広まったことを示す。 教育 幕府と藩は、それぞれ大学のような施設を運営し、家臣の教育を非常に熱心に行ったが、町人の教育には関心がなく、これを奨励することもなかった。町人はみずから率先して教育機関としての私塾、寺子屋を普及させた。その数は一万校をくだらず、用いられた教科書は印刷されたものが使われていたことから、教育水準の規格化がはかられていたことがうかがえる。 総説 文明の生態史観 梅棹は『文明の生態史観』(1957)においても立てている「第一地域・第二地域」仮説は、以下のようにまとめられる。 梅棹は「第一地域」(西欧と日本)と「第二地域」(ユーラシア大陸のそれ以外の地域)にばっさり分ける。第一地域は、第二地域の東の端と西の端に、少しだけくっついているような形になる。 国全体として高度の近代文明を構築しえた(と梅棹が語る)「第一地域」は、「第二地域」と何が異なるのか。梅棹は、ある地域の社会制度の発達を左右するファクターとして気候や地勢の重要性をあげる。ここは和辻哲郎の風土論に似ている。が、梅棹は、風土の条件の相違を指摘するにとどまらない。巨大な乾燥地帯を有する「第二地域」は、帝国の建設と外部からの介入による破壊という同じ“歴史の変化”をくりかえす。一方、「第一地域」には中央を目指す暴力にさらされることがほとんどなく、力を蓄えることができる。これにより、“歴史の変化”のありかたそのものを変えることができる。これをもって、「第二地域」の歴史は他成的allogenicであるのに対し、「第一地域」は自成的auotogenicであるとする。日本を含む「第一地域」 ◆ 論点 ◆ ■「第一地域」「第二地域」論は、環境決定論に偏ってはいないか。 ■「無階層社会」は“理想”(例えばソビエトにおいてそうであったように)の実現として現れたものであったのか。 ■八〇年代初頭に梅棹がアメリカやフランスで招聘されたのは、日本が、アメリカ、アジア諸国を巻き込んだ新たな国際協調の枠組みを提起した時期(APECの原点となる「環太平洋連帯構想」が一九八〇年)であったが、梅棹の「第一地域」「第二地域」論は、十分にアジア諸国との関係性を包摂できているとはいえないのではないか。この時代の日本の通説?
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現在、このページはテンプレート移行作業中のため、情報は一部前作のものとなっています。 ボルグ・カムラン 巨大な尾針と盾を持つ、騎士のようなサソリ型のアラガミ。 金属のような外皮を持ち、生半可な攻撃は通さない。 名前の由来は、おそらくアーサー王伝説における最後の戦い「カムランの戦い」から。 外見や出身国もアーサー王伝説を彷彿とさせる。 また余談だが、アーサー王はカムランの戦いにおいて「槍」で戦い、モードレッド卿を打ち負かしている。 ボルグはケルト神話に登場する槍「ゲイ・ボルグ(Gáe Bolg)」か、あるいはドイツ語で城塞・城砦を指す「Burg」からと思われる。 発生起源 グレートブリテン島南部 攻撃属性 なし 弱点 ◆物理属性 【銃破砕】:盾、後足(通常時) 【銃貫通】:上半身(活性化時)、口、尾(破壊後) 【剣切断】:尾(通常時) 【剣破砕】:盾(破壊後)、後足(通常時)、針 【剣貫通】:前足(通常時) ◆非物理属性 【氷】【雷】 ◆部位防御力 属性防御率 物理(銃) 物理(剣) 非物理 部位 銃破 銃貫 剣切 剣破 剣貫 火 氷 雷 神 上半身 80 40(10) 90 90 40 口 80 5 90 90 80 ×× ×× 盾(通常) 破壊前 15 90 90 90 90 × × 破壊後 10 90 40 20 40 ×× ×× 盾(防御) 破壊前 30 90 90 90 90 破壊後 15 90 40 40 70 前足 破壊前 90 90 80(90) 90 30(90) × × 破壊後 90 90 65(90) 75(90) 20(60) ×× ×× 後足 30(60) 90 80 30(90) 90 × × 尾 破壊前 90 90 20(70) 80 90 × × 破壊後 60 10 10(40) 60 50 ×× ×× 針 90 90 90 15 90 × × 数値が高いほど攻撃が通りにくくなります。 赤字はクリティカルが発生する部位。 活性化で変化する場合は、活性化後の値を()書きで後ろに記載。 ◆状態異常耐性 状態異常 耐性 持続時間(ダメージ量) 初期値 追加 ヴェノム ホールド 封神 防御力低下 ヴェノムのダメージ量はアラガミの最大HPに対する割合ダメージ。 ◆ダウン 部位 ダウン姿勢 備考 前足 針を浮かせたままダウン 口が開く 後足 針を地面に刺してダウン 探知タイプ 視覚>聴覚 捕喰 ◆アラガミバレット 銃身 名称 威力 属性 状態異常 説明 スナイパー ピアッシングシェル 貫通:157 まっすぐ飛ぶ弾 アサルト 鉄騎徹甲弾 貫通:146 ヴェノム:100 まっすぐ飛び、ある程度進むと上に飛ぶ弾 ブラスト 鉄騎炸裂弾 破砕:100、貫通:196 ヴェノム:100 当たると土柱を発生させる追尾弾 ショットガン ガーディアンニードル 貫通:23 7発の散弾 ※入手できるアラガミバレットは装備している銃身に依存する ◆素材と確率 難易度3 難易度4~6 難易度7~8 難易度9~11 難易度12~13 難易度14~15 騎士鋼片 -% 騎士鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士鋭錬鋼 -% 騎士血石 -% 騎士血晶 -% 騎士血晶 -% 騎士真血晶 -% 騎士真血晶 -% 騎士鎧 -% 騎士鎧 -% 騎士上鎧 -% 騎士上鎧 -% 騎士硬鎧 -% 騎士硬鎧 -% 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士硬鉄尾 -% 騎士針片 -% 騎士針 -% 騎士神針 -% 騎士神針 -% 騎士真針 -% 騎士真針 -% 荒神小鎧 -% 荒神鎧 -% 荒神大鎧 -% 荒神大鎧 -% 荒神真鎧 -% 荒神真鎧 -% 結合崩壊 ◆素材と確率 部位 難易度1~3 難易度4~6 難易度7~8 難易度9~11 難易度12~13 難易度14~15 盾 騎士面盾片 -% 騎士面盾 -% 騎士骸面盾 -% 騎士骸面盾 -% 騎士骸面大盾 -% 騎士骸面大盾 -% 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士硬鉄尾 -% 潤滑油 -% 上潤滑油 -% 上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 清潤滑油 -% 前足 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾片 -% 騎士鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士鍛鉄尾 -% 騎士硬鉄尾 -% 騎士鋼片 -% 騎士鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士鋭錬鋼 -% 潤滑油 -% 上潤滑油 -% 上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 清潤滑油 -% 尾 騎士針片 -% 騎士針 -% 騎士神針 -% 騎士神針 -% 騎士真針 -% 騎士真針 -% 騎士鋼片 -% 騎士鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士精錬鋼 -% 騎士鋭錬鋼 -% 潤滑油 -% 上潤滑油 -% 上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 最上潤滑油 -% 清潤滑油 -% ◆破壊可能部位 名称 破壊方法 防御率変化 盾 銃破砕が有効 銃破砕、切断、剣破砕、剣貫通、氷属性、雷属性の防御低下 前足 通常時は剣貫通が有効活性化時は特別有効な攻撃は無い 切断、剣破砕、剣貫通、氷属性、雷属性の防御低下 尾 切断が有効 全物理属性、氷属性、雷属性の防御低下 出現ミッション 難易度 ミッション名 フィールド 他の討伐対象 備考 3 蠍祭 嘆きの平原 寒空の孤鳥 蒼氷の峡谷 シユウ 高 3 赤い城 愚者の空母 4 女王と下僕 蒼氷の渓谷 サリエル 高 4 メトロパニック 煉獄の地下街 シユウ堕天 5 雪渓の蟷螂 蒼氷の渓谷 グボロ・グボロ堕天(火) 6 避雷針 嘆きの平原 高 6 スティングレイ 愚者の空母 8 ドライ・リッター 愚者の空母 ボルグ・カムラン堕天(火)ボルグ・カムラン堕天(雷) 高 8 クリジェス 黎明の忘都 サリエル堕天 9 柘榴石 創痕の防壁 高 9 冬のヴァルハラ 鎮魂の廃寺 グボロ・グボロ堕天(氷)ラーヴァナ 高 10 レコンキスタ 嘆きの平原 ボルグ・カムラン堕天(火)ボルグ・カムラン堕天(雷)スサノオ 11 メーンポン 鉄塔の森 プリティヴィ・マータ 高 11 赤い花 フェイズ2/4 鉄塔の森 プリティヴィ・マータ 12 スコッチ・オープニング フェイズ1/3 変容の神門・根端部 クアドリガ 高 12 タンブルウィード 嘆きの平原 フェイズ4/4 ボルグ・カムラン堕天(火)ボルグ・カムラン堕天(雷)スサノオ 13 スコットランドの薊 フェイズ1/5 淘汰の神梯・主根部 ハンニバル侵喰種 討伐対象外にシルキーx3 高 13 幻月環 嘆きの平原 ツクヨミ 気高き戦意 フェイズ3/3 変容の神門・根端部 クアドリガヴァジュラ 15 雀刺し フェイズ4/5 変容の神門・主根部 デミウルゴス 15(DLC) カルタゴの平和 愚者の空母 ハンニバル 特務 15 エルマーゴ フェイズ3/4 萌芽の神域・洞穴2層 クロムガウェイン 1分後に出現 特務(DLC) 15 クレイジーフォートレス フェイズ1/3 蒼氷の峡谷 ボルグ・カムラン堕天(火)ボルグ・カムラン堕天(雷) 行動パターン 内容 詳細・前後の行動 対処法 防御 奇声を上げずに両腕の盾を合わせて静止する。防御中は盾が硬化する。何もせずに解除するか、突進・スピンテイル・突き刺しのいずれかに派生。 次の行動を警戒 突進 防御から派生。盾を構えたまま正面に突進。一定距離直進するとホーミングしだす。 ステップ、ガード スピンテイル 体と尻尾を右に傾けたあと、時計回りに一回転しながら尻尾で薙ぎ払う。体にも当たり判定がある。ジャンプで飛び越えることも可能だが、出始めと終わり際は高い位置の尻尾まで判定があるので注意。難易度4以降は、防御からも派生する様になる。防御からの派生の場合は始めに体を大きく左にひねる。 ガード、ジャンプ範囲外に離脱 突き刺し 尻尾を正面に突き刺す。出が早く、見てからの回避は困難だが、密着するほど近ければ当たらない。防御からの派生の場合は振りかぶるので、回避する余裕がある。 正面に立たない密着する 三段突き 前足を持ち上げてから正面→左前→右前の順に前方3方向に尻尾を連続で突き刺す。刺した場所に衝撃波が発生する。 正面に立たないガード 乱れ突き(4方向) 両腕の盾を一瞬合わせたあと前傾姿勢になり、左から4方向に反時計回りの順で素早く尻尾を突き刺す。突き刺した場所から小さな衝撃波が3回発生する。最後の正面に突き刺したあとは尻尾を抜くのにもたつくので、捕喰のチャンス。 ガード、密着する 乱れ突き(斜め4方向) 両腕の盾を一瞬合わせたあと、右前から斜め4方向に反時計回りの順で素早く尻尾を突き刺す。突き刺した場所から小さな衝撃波が3回発生する。こちらはすぐに次の行動に移る。 ガード、密着する 飛び掛り 飛びかかり、盾で押しつぶす。ジャンプ中の体にも判定があるが、着地時の判定はあまり広くない。 ステップ、ガード ガトリングニードル 盾を地面に付けて伏せるような体勢になり、上半身から針を正面に連射。 移動、ステップ スプレッドニードル 盾を地面に付けて伏せるような体勢になり、上半身から針を正面扇状に3連射。1発目は一番外側に発射され、2発目は少し狭まり、3発目は正面に発射される。 ステップ、ガード ホーミングニードル 盾を地面に付けて伏せるような体勢になり、上半身から斜め上に針を3連射。ターゲット目掛けて降ってくる。移動していれば当たらず、ボルグ・カムランの側面から後方には飛んでこない。 移動、ガード 活性化 針の根元が黄色く発光する。 前足・後足・尾が硬化する。 上半身の銃貫通耐性が低下する。 攻略 活性化時の防御力上昇が厄介なアラガミ。 ダウンを奪える前足と後足への攻撃がはじかれるようになるため、リンクサポート「不活化」「破壊活性封じ」やスキル「敵活性化抑制」を利用するといい。 また、結合崩壊が可能な部位の盾や前足、尾は破壊後には大きく防御力を下げたり、活性化してもあまり防御力が上昇しなくなったりするので、 これらの部位を破壊することで有利に戦うことができる。 特に盾は防御力の低下が大きく、狙いやすい位置にあるので、破砕属性のバレットで壊すと楽になる。 盾を攻撃する場合は中途半端な位置にいると一番危険なので、正面を避けて盾や前足に密着するように。 乱れ突き(斜め4方向)の1発目がボルグ・カムランの右前にくるので、なるべくならば左側面がいい。 活性化時に防御力が上がるボルグ・カムランだが、唯一上半身は銃貫通属性に弱くなり大ダメージを与えることができる。 攻撃が激しくて狙いがつけられない場合はホーミング弾を有効活用しよう。 ホーミング弾は口に向かう。正面から撃てば口か上半身に当たり、脳天直撃弾のような上空から落下する弾なら真正面・真後ろ以外から撃てば上半身に当たる。 また、スナイパーの狙撃弾なら防御で構えた盾をすり抜けて上半身に当たる。 アラガミバレットは貫通属性なので、ダウンしたときに密着して撃つといい。 攻撃で気をつけたいのは、飛び掛りと尻尾を回転させるスピンテイル。 どちらも出が早く、うかつに攻撃を連打したり捕喰しようとするとはじき飛ばされるだろう。 また、2度・3度と連続で繰り出すこともあるので、一度かわしても注意が必要。 特にスピンテイルは範囲が広く、本体と尻尾に判定があるため、ボルグ・カムランに向けて盾を構えても横から来る尻尾に当たる可能性がある。 尻尾の回転方向に向き合うように盾を構えればほぼガードすることができるが、安全を期するならスキル「ガード範囲拡大」をつけよう。 慣れれば回転するタイミングを読んで、ジャンプで飛び越える事も可能。空中ジャンプしたり空中攻撃を出して滞空すれば比較的簡単にかわせるだろう。 ただし、出始めと終わり際は高い位置の尻尾まで判定があるので、右側面から後方は食らってしまうことが多いので注意。 また、本体と尻尾の間にはわずかに隙間があるので、位置によっては攻撃がすり抜けることもある。 ショートブレード 攻撃 剣貫通が前足に有効なので剣貫通属性よりの刀身がオススメ。剣貫通属性のみのペイジ派生がベスト。 側面から前足を狙い、結合崩壊とダウンを奪おう。ダウン中には破砕属性のバレットで盾を破壊しよう。 前足と盾は破壊さえすれば活性化中でも有効なのでそのまま討伐することができる。 切断属性よりの刀身の場合は尾を空中攻撃で狙うか、破壊後の盾を狙う。 尾も破壊すれば剣貫通も有効になるので、他のアラガミとの兼ね合い等により切断属性よりの刀身にする必要がある場合は、空中攻撃を強化する装備構成も有効だろう。 また、活性化中は銃貫通属性のバレットが上半身に有効なので、手数を生かしてOPを回復し、上半身を狙う戦術に切り替えていくのも手。 結合崩壊 全部位の破壊を狙う場合は切断と剣貫通のバランスを取る必要がある。 切断は尾に、剣貫通は前足に有効だが、どちらも活性化中は防御力が上昇するので、 活性化させないよう工夫するか捕喰に逃げた場合は無理に追撃せず、一度捕喰させて活性化を解除するといい。 盾は前足ダウン中に破砕属性のバレットで狙う。 ロングブレード 攻撃 切断は通常時の尾にクリティカルヒットするので、狙っていけば大ダメージと共に破壊できるだろう。 活性化中はクリティカルヒットしなくなるので、そのまま尾を狙う場合は活性化させないよう工夫するといい。 空中攻撃する場合はスピンテイルに十分注意する必要がある。空中△攻撃は着地するまで無防備になるので、攻撃のすき以外では出さないように。 また、密着していたり右側面では出始めと終わり際にあたるので、真後ろか左側面から攻撃するように。 尾を狙うには常に後ろに回り込む必要があり、スタミナも管理する必要があるので、攻撃に慣れてしまえば活性化中は破壊後の盾を攻撃する方が楽。 インパルスエッジは後足に有効でダウンを奪えるが、剣破砕とは異なり針に攻撃が通らないので、OPは盾の破壊などに使った方が良いだろう。 結合崩壊 尾は空中攻撃で、盾はインパルスエッジか破砕属性のバレットで狙えば容易に破壊できるだろう。 前足は根気良く攻撃を当て続けるか、リンクサポート「破壊の一撃」等に頼る必要がある。 バスターブレード 攻撃 剣破砕が後足や針、破壊後の盾に有効なので剣破砕属性よりの刀身がオススメ。 後足を狙い、ダウンを奪おう。ダウン中には針をチャージクラッシュで狙うか、破砕属性のバレットで盾を破壊しよう。 活性化したら破壊後の盾か針を攻撃しつつ、稼いだOPを使い上半身に銃撃する。 針は右手の前に立ち、右向きに空中□攻撃を出せば当たる。振り向きにあわせたり、スピンテイルをやり過ごしたあとに狙おう。 また、乱れ突き(4方向)のあとに尻尾を抜くのをもたついている間に狙おう。 このときチャージクラッシュを狙うなら、尻尾を抜き終わり元の位置に戻る時に合わせるように繰り出そう。 結合崩壊 尾の破壊を狙う場合は切断属性よりの刀身がオススメ。後足ダウンも狙うならバランスのいい刀身にしよう。 空中攻撃を丁寧に当てるか乱れ突き(4方向)のすきにチャージクラッシュで狙おう。 盾は破砕属性のバレットで狙う。 前足は根気良く攻撃を当て続けるか、リンクサポート「破壊の一撃」等に頼る必要がある。 ブーストハンマー 攻撃 剣破砕が後足や針、破壊後の盾にクリティカルヒットする。 通常時はバスターブレードと同様に後足を狙う。振りが遅いので、常にスピンテイルを警戒するように。 乱れ突き(4方向)などのすきが大きい時にはブーストラッシュを入れよう。 ダウン中にはそのまま足をブーストラッシュで狙うか、破砕属性のバレットで盾を破壊しよう。 スタミナに余裕があるのなら、針の方へ素早く移動すればよりダメージを与えられる。 活性化したら破壊後の盾を攻撃しつつ、稼いだOPを使い上半身に銃撃する。 空中□攻撃で針を狙うこともできるが、リーチが短くて突き刺し攻撃の餌食になりやすいので、無理に狙うよりかは盾を攻撃しよう。 結合崩壊 盾は破砕属性のバレットで狙えるが、前足と尾は銃撃でも効率よくダメージを与えられないので、 根気良く攻撃を当て続けるか、リンクサポート「破壊の一撃」等に頼る必要がある。 チャージスピア 攻撃 ショートブレードと同様に側面から前足を狙い、結合崩壊とダウンを奪おう。ダウン中には破砕属性のバレットで盾を破壊しよう。 前足と盾は破壊さえすれば活性化中でも有効なのでそのまま討伐することができる。 BA・暴風圏を装備して破壊後の盾を狙いやすくしたり、銃撃をしやすくするのもいいだろう。 結合崩壊 側面から前足を狙い、結合崩壊とダウンを奪おう。ダウン中には破砕属性のバレットで盾を破壊しよう。 尻尾は根気良く攻撃を当て続けるか、リンクサポート「破壊の一撃」等に頼る必要がある。 ヴァリアントサイズ 攻撃 ロングブレードと同様に切断は通常時の尾にクリティカルヒットするので、狙っていけば大ダメージと共に破壊できるだろう。 同様に尾を狙うには常に後ろに回り込む必要があり、BA・マッドオービットなどの空中攻撃を強化するBAを装備していない場合は破壊後の盾を攻撃する方が楽。 自身が狙われていない時や乱れ突き(4方向)などのすきが大きい時に、側面から盾に向けてクリーヴファングを繰り出せば大ダメージを見込める。 結合崩壊 尾は空中攻撃で、盾は破砕属性のバレットで狙えば容易に破壊できるだろう。 前足は根気良く攻撃を当て続けるか、リンクサポート「破壊の一撃」等に頼る必要がある。 メモ コメント一覧 出現ミッションの10以下は未確認。 - 名無しさん 2015-09-10 20 55 06 名前
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トップページ>韓国>韓国文化 『韓国文化』40、2007.12 論文 이경하「亡室行状類研究」 박광현「高橋亨と京城帝大「朝鮮文学」講座:「朝鮮文学」研究者としての自己同一化過程を中心に」 노연숙「開化啓蒙期国語国文運動の展開と様相:言文一致をめぐる論争を中心に」 곽명숙「1920年代初期時の美的超越性と象徴主義」 김주리「植民地時代小説の中の温泉休養地の空間表象」 조은수「宗教的信仰心と魔術的霊験:『三国遺事』の仏教的読解」 尹京鎮「高麗末朝鮮初僑郡の設置と再編:慶尚道地域を中心に」 金暻緑「中宗反正以後承襲外交と朝明関係」 김남윤「丙子胡乱直後(1637-1644)朝清関係における「清訳」の存在」 朴性俊「甲午改革~大韓帝国初期(1894-1900)海税査検と徴収体系」 李潤相「日帝下「朝鮮王室」の地位と李王職の機能」 『韓国文化』39、2007.6 論文 한길연「「劉氏三代録」の死の形象化方式と意味」 임수만「金永郎論:「審美的なもの」の構造と意味」 장지연「太祖代景福宮殿閣名に含まれた意味と思想的志向」 姜文植「趙翼の学問傾向と『朱書要類』編纂の意味」 禹景燮「朴世采の朱子学研究と『朱子大全拾遺』」 特集:植民地時期検閲研究 이준희「日帝時代音盤検閲研究」 鄭馨民「1920-30年代総督府の美術検閲」 한만수「1930年代文人達の検閲迂回類型」 小林聡明(김인수 訳)「米軍政期通信検閲体制の成立と展開」 『韓国文化』38、2006.12 論文 김현식「「瑪川別曲」研究」 徐信惠「「貨殖伝」受容の様態と傾向」 이지하「「潘氏伝」の二重的性格とその意味」 황재문「雲養金允植散文研究:文論との関係を中心に」 서재길「「空気」と「演劇」:初期のラジオ芸術論に関する小考」 장성규「李泰俊文学に現れた理想的共同体主義:大杉栄、内村鑑三と『聖書朝鮮』グループ、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの影響を中心に」 羅喜羅「古代韓国のあの世観と地獄観念の理解」 金暻緑「朝鮮時代使行と使行記録」 최이돈「朝鮮初期工商の身分」 金景淑「17世紀後半儒生李必益の流配生活」 尹晶「英祖の『聖学輯要』進講と政策的活用:蕩平・均役・濬川との相関性」 韓明基「朝鮮時代韓中知識人の高句麗認識」 特集:朝鮮後期黄海道関防体制 강석화「朝鮮後期黄海道沿岸防衛体系」 高丞嬉「朝鮮後期黄海道内地防御体系」 李仙喜「朝鮮後期黄海道水営の運営」 盧永九「朝鮮後期開城府一帯関防体制の整備と財政の推移」 学術発表会中継:韓流フォーラム 染谷智幸「「冬のソナタ」で開かれた世界と閉じられた世界」 Sidney C. H. 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←back next→ 世界の破壊者 高橋愛 その旅の行き着く先は? 【前回のストーリー】 保田の開発したC3細胞に肉体を浸食された里沙を守るため、ダークネスを離脱し逃亡を続けてきたマルシェ。 そんな二人に迫る黒い影があった。 「ボク」と名乗る合成獣の肉体を持つテレパス。 「ボク」から「オバサン」と呼ばれている傀儡使いの女。 彼らに追いつめられたマルシェたちを救ったのは光の中から現れた愛だった。 「オバサン」の操る人形を一瞬で崩壊させた愛だったが、仲間の危機を救うために能力を酷使して駆けつけた代償は大きく、動きが止まってしまう。 Mの系譜に連なる能力者に敵愾心を燃やし、愛の目の前で里沙やマルシェを惨殺しようとする「ボク」。 生体ロケット弾をマルシェに向けて発射しようとした「ボク」だったが、激痛に襲われ意識を失ってしまう。 ガン細胞から抽出されたC3細胞の浸食を遅らせるために、精神と肉体の活動レベルを最低ラインに抑えていた里沙が、マルシェの危機を救うために、精神のロックを解除したのだ。 里沙が2年間戦い続けてきたC3細胞の生育に伴う激痛を疑似体験させられて、脳がシャットアウトしてしまう「ボク」。 薄れゆく意識の中で「ボク」は最後の思念を「オバサン」に送った。 …ボクたちはやっぱり地を這う虫だった 窮地を里沙に救われたマルシェが呟いた。 「里沙ちゃんが私のことを守っていてくれたんだ…」 第??話 「Wingspan の世界:闇の翼」 マルシェは倒れ伏した「ボク」から少し離れた場所で里沙の火傷の手当をしていた。 逃亡の旅に携えていた医療品を広げている。 危機を脱したというのにその顔に笑いはなかった。 2メートルを越える「ボク」の体は時折ビクッと震え、口からは泡を噴いている。 ―あれは私のやったこと。 自分の研究が転用されたC3細胞の猛威に心を痛めるマルシェ。 そんな彼女も腕に深手の傷を負っていた。 愛は医療品の中から三角巾を取り出してマルシェの腕を手当しようとしたが、変な結び方をして捻れてしまう。 ああっ、もうと苛立つ愛を見てようやくマルシェの顔に笑みが浮かぶ。 少しずつ埋まっていく空白の時間。 ★ 愛の一撃で気を失っていた「オバサン」は目覚めていた。 自分の操る傀儡たちを一瞬で破壊した愛の早業に恐れをなし、身動き出来ないでいる。 虫だ。 あたしは泥の中を蠢く虫だ。 大切な相棒。 異世界で巡り会ったパートナーを倒した相手がすぐ近くに居るのに体がすくんで動くことが出来ない。 息をするのさえ脅えてる哀れな虫だ。 頑強な人形たちを一瞬で破壊するだけの力を持つ高橋愛が、あたしの命を取らずにいたことに安堵してる。 やつらがこのままあたしのことを見逃してくれることを願ってる。 もしもやつらがそうしろと言うなら、靴の裏でさえ喜んで舐める。命乞いをして生き延びようと思っている。 プライドなんか1グラムも持ち合わせていない惨めな虫。 翼を求めた相棒はいま大地に倒れ伏し、死んだように動かない。 「オバサン」は「ボク」の本名を知らないし、自分の本名も教えていない。 「ボク」は自分のことを「ボク」と言い、「オバサン」のことをオバサンと呼ぶ。 「オバサン」は自分のことをあたしと言い、「ボク」のことをあんたと呼ぶ。 「オバサン」も「ボク」も元々は別々の世界で生きてきた。 何者かに導かれたマルシェや里沙が生きるこの世界で二人は出会った。 「オバサン」と初めて出会ったとき、「ボク」はカワイイ女の子の姿をしていた。 「オバサン」は元居た世界では汚い仕事を請け負って得た報酬で生きてきた。 ある日「オバサン」は若い女、喫茶店に住み込みで働いている二十歳前後の女の身柄を抑えるという依頼を請け負った。 「オバサン」は、女がよく一人で夜歩きをするという通りで網を張ることにした。 依頼主から渡されたデータによれば女は「五十人殺し」の異名を持つ喧嘩家だという。 そんな女を取り逃がさないようにするために、「オバサン」は能力の上限である三十体の傀儡人形を用意した。 万全の布陣を敷いた「オバサン」は、哀れな犠牲者がやってくるのを待ちながら夜空を見上げた。 薄汚れた血痕のように醜い貌を晒す月の妖しさに心を奪われた「オバサン」が我を取り戻した時、そこは知らない世界だった。 通りの繋がりや大まかな地形は、「オバサン」が若い女を待ち伏せしていた場所と殆ど変わらない。 だが詳細な部分、建物の大きさや形、閉まっているシャッターに描かれた落書きに見覚えのないものが混じっている。 自分が異常な事態の真っ只中にいることを悟った「オバサン」は、仕事を放棄して自分の雇い主の元に駆けつけることにした。 雇い主である寺田という胡散臭い中年男のことが心配になったわけではない。 日本ESP協会というふざけた看板を隠れ蓑に裏の仕事を斡旋している寺田なら、何か情報を持っているかもしれないと思ったからだ。 人形の部隊を散開させて目的の場所まで移動しながら「オバサン」は辟易していた。 空気が肌をチクチクと刺してくるのだ。 冷気とは様相が異なる、まるで世界が自分に対する拒絶反応を起こしているように思えてならなかった。 日本ESP協会の入居している薄汚い雑居ビルのあった場所にやってきた「オバサン」は眉を顰めた。 そこには見覚えのない近代的なビルが建っていた。 地震が来たらたちまち倒れそうだったオンボロビルとは明らかに違う堅固な造りのビル。 その出入り口に鮮やかに両断された警備員の死骸が転がっているのを見て「オバサン」は決めた。 何が起こっているのかを確かめてやると。 「あんた一体何者だい。 死んでいる警備員達はみんなあんたがやったことなのかい」 普通のビルとは思えないぐらい多くの隔壁で区分された通路を経てたどり着いた一室に「ボク」はいた。 一瞬男と見紛うたぐらい色気のない服装をしていたが、カワイイ顔立ちや、機器を操作してる華奢な指先が、女だということを物語っていた。 「警備員? オバサンは頭が悪いのかな。 」 「な、誰がオバサンだい。 あたしはまだね…」 「ボクからしたらオバサンだけどね。 それよりあいつらは警備員なんかじゃないよ。 装備を見なかったの」 生意気な若い女の言うとおり、ビルの中に転がっていた警備員たちの死骸が身につけていた装備は、プロテクターといい金属製のリングを先端に装着した警棒といい、ビルの警備員にしては物々しすぎた。 そしてその数も。 「外見は普通のビルを装ってるけど、中は要塞なみに頑丈な造り。五十じゃきかない数の物騒な装備をした警備員の死体。 このビルの中の連中が一体何をしていたのかも気にかかるところだけど、わたしが今気になるのはあんたのことさ」 数十人の人間が無惨な死に様を晒している同じビルの中で平然としている女の素性を問いただそうとするオバサンに対して女は…。 「そんなことを知ってどうするつもり? 知ったところでオバサンも外の警備員みたくなるのに」 「そいつはどうかね」 ビル内の人間を惨殺したのは間違いなく目の前にいる女だ。 そして今度は自分を狙ってくる。 確信を持った「オバサン」は室外に待機させていた人形の中の精鋭2体を女に差し向けようとする。 「いい年こいてお人形遊びなんてみっともないよ、オ・バ・サ・ン」 こっちの意図が読まれてる。 だけど普通の人間じゃないってことは織り込み済み。 後は傀儡たちで力押しするのみ。 「マスター・オブ・パペット!! この女を抹殺しろ」 「オバサン」の命令に従って戦闘態勢に入る人形たち。 仮初めの命を得た傀儡人形が一糸乱れず、自分に襲いかかろうとしている状況になっても、若い女は落ち着いていた。 「お人形さんってことはやっつけてもやっつけてもきりがないってことだよね。 だったらオバサンを消すしかないか」 耳の辺りに手をやると少し大きなピアスに触れた。 ピアスは輝きを発し、小さな起動音を発する。 起動音は女の身体全体に呼応する。 羽ばたこうとする鳥のように腕を上げると、女の身体が変わりだした。 筋肉が隆起し、骨格は音を立てて変形し、皮膚が膨張していく。 「お、お前は…」 思わず言葉を失ったオバサンの心に、若い女の声が直接響く。 「どうかな、この機能的な身体。 美しいと思わない」 ゴリラ、熊、バイソン。 異なる獣の肉体が普通ならあり得ない形で融合した合成獣の姿がそこにあった。 こんな獣が相手なら、ビルを守っていた男たちだってひとたまりもない。 それにしても、この怪物、何て醜悪で、何て凶悪で、何て…。 「素敵」 『ちょっ、オバサン。 人の身体勝手に触んなっつー』 「いいじゃないか、減るものじゃなし」 元々人形の造形美に傾倒していた「オバサン」は、異なる肉体のフォルムが織りなす造形美に目の色を変えた。 「それにしても惚れ惚れするぐらいにイカした身体じゃないか。 ゴリラと熊の身体の継ぎ目に頬ずりしてもいいかい」 『言う前からしてるし、ってここは怖がるところじゃね、普通。 異形の怪物に恐れおののき、逃げまどう女っていうのが定番だろうがねって、おい! 写メ撮るな!!』 「オバサン」の毒気に当てられて調子が狂った女はうんざりしたように言った。 『あんた、ほんど変わってるよ』 暫時後、若い女と「オバサン」は殺し合いを止め、話し合っていた。 女は獣の身体から人間の身体へと戻っていた。 話してみれば自分のことを「ボク」という若い女も「オバサン」と同じように裏の仕事に手を染めて生きてきた人間だった。 「ボクは動物保護の団体と契約してたんだけどね。 生まれながらの獣人を保護するのが目的だとなんだとか。まあ保護っていっても指定された獣人を捕まえるのが仕事だったんだけどね、生死を問わず」 「ボク」も「オバサン」と同じように仕事の為に出た先で赤い月の異変に出会い、現在いるこの世界に迷い込んでいたという。 「弱ったよ。 標的の中国人の女の子は見失っちゃうし。 仕方ないから近くにいた人間を捕まえて色々聞いてみても、要領を得ないし」 契約していた組織なら情報を握っているのではないかと駆けつけてみたら、組織の入ってたビルが姿を消していて、違うビルが建っていたと言う。 「だから、とりあえず中に入って確かめてやれと思ったら、ごらんの通りのイカついオジさんたちが襲ってきたから、仕方なく・・」 キメイラ化して降りかかる火の粉を振り払い、コンピュータの使える部屋までたどり着いたという。 「火の粉を振り払うねえ」 要塞のようなビルの中で息絶えていた者達の亡骸を見れば、「ボク」はまるで花火に打ち興じるように人間の命を奪ってきたことがわかる。 「ボク」が生業としてきた動物保護の仕事だって生死を問わないというならば、確実に対象の命を奪ってきただろう。 ただそれは「オバサン」も同じだった。 「ボク」の話の中で「オバサン」が気になったのは、ボクの目的地だったビルが姿を消して、今二人が話しているビルに姿を変えているということだった。 もしやと思って「ボク」の言ってるビルと自分の捜していたビルの名前や概要を照らし合わせても、同じ建物だとは思えないほどの差違が存在するらしい。 元号、歴代の首相、流行歌、歴史上の大事件についても思いつく限り挙げて比べてみる。 二人とも全てをそらんじれるほどの頭脳を持っているわけではないが、微妙な違いのあることは判った。 その意味するところは。 「どうやらあたしたちは元々違う世界にいたのが、何らかの力によって今存在する世界に召喚されたってことなのかねえ」 「オバサン」が慎重に言葉を選ぶ。 「召喚って何かポケモンみたいじゃん」 「ボク」の屈託無げな様子は変わらない。 「でまあこのビルの中で一体何が行われてたのかについてなんだけどさ」 先刻からいじっていたコンピュータから何か情報を得たらしい「ボク」が思わせぶりに話し始める。 「ボク」によれば、このビルの中にいたのは能力者を尖兵とするある種の反社会的な組織らしい。 「笑っちゃうよね。 ダークネスなんてセンスのない名前」 二人が欲しかった情報―二人が異界に迷い込んだ原因、元いた世界に戻ることの可否―は得られなかった。 しかし要塞ビルを根拠にしていたダークネスという集団についての情報は手に入れたらしい。 始まりは一人の能力者だった。 天使と呼ばれた少女。 彼女の近くにいた少女の予知能力者としての覚醒。 最初の頃は文部省の役人がお座なりの実験と調査を実施してお茶を濁していた。 しかし上がってくるデータの尋常でないことに気付いた一人の人間が、各省庁から横断的に人材を集め天使と呼ばれた能力者を徹底的に調べ尽くした。 やがて警察庁から派遣され少女たちの護衛に当たっていた女性にまで能力の萌芽が見受けられた時、一つの機関が設けられた。 Mというコードネームが付けられた機関の当初の目的は純然たる研究だった。 しかし天使の覚醒と呼応するように急増した能力者による兇悪犯罪に対応する為に舵が切られた。 能力者で編制された特殊部隊Mの編成。 Mの中核となったのは、“天使”安倍なつみ、“女神”飯田圭織だった。 能力者としては高レベルであっても、只の少女に過ぎない彼女たちをリードしたのが、警察庁から志願してMに出向していたキャリア官僚中澤裕子だった。 能力の実用、能力者の実戦投入は眠っていた悪龍を目覚めさせた。 旧軍時代から暗部で進められてきた伊号計画。 能力者の軍事利用。 人為的な能力者の創造。 国民を人間として認識せず、消耗資材として捉えていた悪しき時代の遺物。 脈々と続けられてきた悪魔の研究は、膨大な被害を最後に停止した。 後に残った責任の回避に汲々としていた人間にとって、Mの創設は福音だった。 プロジェクト“i”として甦った伊号計画と結びついた時、光を帯びていたMに闇が射し始めた。 Mの主導権争い。 派生する権益の確保。 世界を救うという大義が見失われかけた時点で中澤が策動を始めた。 情報網の分断、枢軸に立つ者の暗殺、脅迫、精神掌握。 この世界の不幸や不平等、不条理の存在を知りながら、何も為そうとしない大多数の人間を覚醒させる為に世界を闇で覆う。 Mがダークネスに変質した時、その足元には屍が累々と横たわっていた。 自分の能力を自分以外の何かの為に使ったこともなければ使う意思もない「オバサン」にとっては、世界を救うというMの大義などどうでもよかった。 世界を変えるという正義を抱くダークネスの存在もどうでもいいことだった。 しかし「ボク」は暗い感情を抱いたようだった。 「コイツら、気に喰わない」 「でもまあこのビルの中にいたダークネスの連中はあんたが皆殺しにしたんだろ」 我ながらオバサンっぽいと思いながら、「ボク」をなだめるように話す「オバサン」だったが、「ボク」の舌鋒は衰えることを知らなかった。 「あいつらは能力者でも何でもない只の人間さ。 只の人間のくせして世界を闇で覆うとかそんな思想に取り憑かれちゃったバカな奴らさ」 「じゃあ天使とか女神とか呼ばれてる能力者たちは一体何処に」 行ったんだという「オバサン」の質問に「ボク」は首を捻った。 「わからない。 ただ一つだけ言えるのはどうやらこの世界に迷い込んだのはボクたちだけじゃないみたいだね」 「ボク」が操作した端末の画面に禍々しい姿が映し出された。 自動制御された戦闘ロボット部隊、耐性が異常に強い障壁を帯びたモンスター。 「そして、ボクたち。 ダークネスの皆さんはそんな異界からの侵入者から世界を守る為に何処かで戦ってるんじゃないかな。 それとももう死んじゃったのかも」 いつの間にか「ボク」の顔に何とも言えない笑みが浮かんでいる。 「ねえ、オバサン」 「だからわたしはオバサンじゃないって」 「オバサン」の苦情を黙殺した「ボク」はある申し入れをした。 「オバサンこの世界にいたってどうせやることがないんだろう。だったらボクと組んでこいつらを狩らないかい」 「狩るって? 一体何のことなんだい」 「Mの流れを汲む能力者たち。 世界を救うとか世界を変えるとかご大層なことを抜かすダークネスやリゾナンターの奴らを捜し出して、息の根を止めてやろうって言ってるのさ」 ←back next→