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https://w.atwiki.jp/raycy/pages/109.html
下書き http //slashdot.jp/~yasuoka/journal/485217 yasuoka氏は、 QWERTY配列上で近接して配置されているのに、 (QWERTY配列上で)離して配置しても と、QWERTY配列上の、キーボード上での配置として、翻訳解釈され、「近接」「離して」と、キー間の距離を論じているようである。 だが、原文は、キーボード上でのキー配置間距離に、真っ先に言及しているわけではない。 OCN|翻訳サービス http //www.ocn.ne.jp/translation/ 今日のキーボードはABC順にありません。 なぜしましたか 注文変化 ? それはメカニカルな問題に打ち勝つ必要がありました。 もしタイピストが非常に迅速にタイプするならば、タイプバーはお互いに当たり、タイプライタは詰まっています。 解決は、キーの位置を変更することでした。 しばしば一緒にタイプされたiやeなどの手紙は、マシンの逆の側に置かれました。 こちら、それらのバー お互いに当たりません。 教科書の原文は、まず、タイプバーの干渉問題を言っている。 タイプバーの干渉を防ぐために、マシンの反対側に配置したといっている、ともとれる。 目的は、タイプバーの干渉を防ぐことであり、キーの配置は、そのために従属する、操作パラメーターである、ともみなせよう。 原文中では、「マシンの」という表現だけで、専門用語タイプバスケットは使われていないが、主旨は、そのようなこととも解釈できまいか。 そう解釈すれば、実際、 たとえば、TとHも、タイプバスケット上では、opposite sideに配置されているのである。 http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/961ccad4dc012dd4b7a906d4fad2aaf2 だが説明するうえでは、TとHでは、マシーン上の反対側とは、タイプバスケット上配置解説図なしには、説明しづらかろう。 http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/6d201d08b49a5a88cc30de3389c586ec そこで、説明には、キーボード上でも反対側にあって関係がわかりやすく伝わりやすい、EとIが用いられたのではないか。 ///// プロトタイプ機までは反対側に配置されていた、 EとRに関しては、別の事情が絡んでいると思われる。思われていた。 ネットワーキング―情報社会の経済学 林 紘一郎 (1998/4) http //raycy.seesaa.net/article/103616397.html までは。 安岡孝一説が出現して、 進化するネットワーキング 情報経済の理論と展開 林 紘一郎、湯川 抗、 田川 義博 (2006/9/23) http //raycy.seesaa.net/article/112462752.html では、安岡孝一説が、紹介されているが、判断は、留保されているようである。 安岡孝一説は、新説である。オーソドックスな手続きを充分に踏まずに飛び越えて、一般向けに流布喧伝しすぎている面がありはしないか。まだ、未検証なままの、生の最先端新歴史解釈仮説であると考える。 定説として定着すればよいが、そうでない場合には、新たなる都市伝説の候補となるであろう。 link_trackbackcounter -
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50音配列とは、50音順に配置されたキー配列のことである。 初期のワープロ専用機によく見られた配列である(それ以外にも、ファミリーベーシック用のキーボード、 Panasonic FS-A1 などがある)。メーカーや機種により配列や実装が異なり、必ずしも統一された規格ではない。以下にその一例を示す。 (アンシフト状態) あ い う え お な に ぬ ね の や ゆ よ か き く け こ は ひ ふ へ ほ わ 、 さ し す せ そ ま み む め も を 。 た ち つ て と ら り る れ ろ ん (シフト状態) ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ ゃ ゅ ょ ヵ ヶ ゜ ゛ っ (※他の約物などの配置は省略) 高齢者など、キーボードに触れたことのない方向けの配列なので、見るからに早打ち向きではないことがわかる。 ちなみに現在のJISかな配列も、実はその原型であるカナモジカイのタイプライター配列が、打鍵効率よりもキーの検索性を重視した配列であることから、50音配列とJISかな配列は同系といえる。 現在はほとんど見かけない配列だが、ナラコード(あいうえおキーボード)がそのコンセプトを継承しており、決して消滅したわけではない。
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犬と羊とタイプライター/carnaval・『表』 ※※※ 「よし―――――押し倒そう」 日暮れ後の群青色の空の下。 コブシを握り、堅い決意で誓うわんこが一人おりました。 そうとも。今日という今日はアイツを襲おう。 なぜだか今なら色欲に走っても許される気がするんだワン! ※ ランプの灯は消えて、部屋の中を照らすのはストーブの揺れる炎だけです。 ベッドの上で揺れる二人が、壁に大きな影法師をつくっています。 汗ばんだ額に、黒い髪が筋になって張り付いています。 しどけなく半開きの口元から、はっはっと短い吐息と、やわらかそうな舌がこぼれます。 男は、ベッドの仰向けに横たわって、その様子を見上げております。 その男の上に膝立ちでまたがる人影の、頭の両側に、重たそうな雄羊の角がついています。 けれどこの世界の雄のように体毛に覆われてはいません。 股間にも危険な陽物はついておらず、奥ゆかしい髪と同じ色の茂みがあるばかりです。 生まれたままのすべすべの裸体を、ストーブのオレンジの光がゆらゆら照らします。 薄闇に沈んだ部屋の中で、なめらかなラインの裸体がくねるたびに幻想的な陰影が宿ります。 男はその光景に、いきり立つよりもむしろ、深い感動をもって魅入られています。 けれど男も男ですので、敬虔な気持ちとは関係なく、息子さんは正直に天を向いております。 むき出しの下半身は、もう今か今かと待ちわびております。 その上に膝立ちでまたがりまして、雄羊のふりをした、そうでない生き物は、おそるおそる照準を定めます。 すでに男の指と舌で、身体の準備はすでに万端整っております。 改めてうっすら体毛で覆われた屹立にうるんだ視線を落として、あ、と躊躇うように息を飲みました。 ―――――こんなの無理。入んない。 そう心の中で怯えるのが、つんと男の鼻に匂いました。 男は急かさず、経験豊富の男としての矜持を支えに、じっと動きません。 ただ、すべすべふんわり、あったかい太股をゆっくり撫でさすります。 黒い髪が揺れました。唇を噛んでいます。 泣き言を口にしないのは、そもそも、初めてなのにこの体勢を要求したのは彼女だからです。 ―――――ちゃんとするもん。 軽くのけぞるように背を反らして、位置を修正いたします。 それから、タイプライターの使いすぎで腱の浮いた、すらりとした手を自分の股間に伸ばします。 茂みに分け入った白い指が、小刻みに震えながら、くちゃりと粘着質の音をたてて、その場所を左右に開きました。 自分の腰の影に隠れて見えない屹立の上に、ゆっくりと、腰を落と ※ 「……先輩? 先輩どうしたっすか!? ガン泣きっす、マジ泣きっす、悲しい夢でも見たんすか!?」 「う……うううううううう…」 案の定、そのあたりで正気に戻りましたとさ。 ここはいつもの軍の施設です。 先輩と呼ばれました男の勤め先でございます。 軍人と申しましても表立った戦争などできない犬の国、デスクワークもまた立派なお勤めです。 男はいろいろあって秘密部隊の最前線を離れておりまして、あっちこっちの部署を体よく使い回される身分です。 いまは王都の治安を守るぼくらの町のおまわりさんでありまして、後輩の面倒見も仕事のうちという次第。 いつものように出来のおぼつかない後輩の、これだけはいつも立派な出来の反省文をチェックしていた最中でした。 眼球に残る幻痛を、指で揉んでなだめます。 この男、ときおり唐突に、貧血を起して意識が飛ぶことがございます。 貧血と言うのは嘘っぱちで、彼はちょっとした幻覚を見る悪い癖があるのですが、それは一部の人にしか伝えていない秘密なのです。 幻覚を見ている間は、傍目には突然、目を半開きのまま気絶したように見られます。 戦闘員としての最盛期には、その幻覚を視ながら強引に振り切り、現実の光景を二重に捉えて行動していたものです。 近頃まったくたるんでいます。 「………なんでもない……なんでもないんだ……うう」 望陀の涙をハンケチでぬぐいまして、男は、気を取り直しました。 チェックを終えた反省文にポンとはなまる判子を押します。 わーい、はなまるっすー、と喜ぶ後輩に、しおしおになった目を向けました。 「お前はなあ………反省文だけは手本みたいにきっちり書けるのになあ……」 おもわず本音が漏れます。上司として減点です。 「え? そんなの当たり前っすよ先輩!」 高身長の多い軍部でも飛びぬけてでかい後輩、一部の心無い者たちにウドのなんとやらと呼ばれておりますが、その後輩が胸を張りました。 「だって反省文は持ち帰って書いていいっす! 妹と徹夜して書いてるっす! 出来がいいのは当たり前っすよ!」 「……………。」 ぱくん、と先輩の男の口が開きました。 その様子を、世間では唖然とか、開いた口がふさがらないとか申します。 いやいや待て待て、と眉間に手をあて聞き間違いかと考え直し、男はたずねました。 「………軍に提出する反省文、妹に手伝ってもらってるのか」 「ちがうっす先輩! おれは一人できちんと書いてるっす! でも妹が反省文があると何故か嗅ぎつけてくるっすよ! しかもおれががんばって書いた反省文、びりびり破くっす! ひどいっす、イジメっす! お兄様が軍部で叱られたってべつにどうでもいいけど、家の恥になるから仕方なく手伝ってあげますわって言うんす! 押し付けがましいっす! おれ養子だから言いなりっす! 早く寝たいのにおかげで徹夜っす! しかもおれが起きたら妹は机でぐーぐー寝てるんす! つらいっす! 養子つらいっす! でもくじけないっす!」 「……………いま、『おれが起きたら』とか言わなかったか?」 無駄な気がしながらも、男はつい我慢できず指摘しました。 「なにかおかしいっすか? 朝は起きるものと決まってるっす! 遅刻したらまた叱られるっす!」 「………今朝は思い切り遅刻してたし、徹夜してたの妹だけなんじゃ……いや、まあ、いいか」 面倒くさくなったので、男は追及を打ち切りました。 後輩君は、元々は捨て子です。 犬の都市部にありがちな孤児の一人で、幸運にも軍部に拾われ、のち王族の気まぐれな『福祉活動』の恩恵に与り、 継承権はないという条件つきで貴族の養子に潜り込んだという、奇跡のラッキーボーイです。 取り得と言えば図体のでかさと小食なことです。 小食なことは、犬の国ではイコール魔法がろくに使えないことも意味しています。 ようするに見事なまでにウドの何とやらなのです。 ステータスをすべてラックに振った一極男と呼ばれています。 彼を見る者は、その幸運を羨んだり妬んだり、なにやらちょっと安心したりすると申します。 しかし、彼のような者でも立派に生きていける社会じゃないとダメだよね、という意見もございます。 さて、反省文が合格したので、すっかり仕事のなくなった後輩君、おそろしいことに先輩の傷に塩を振りました。 「ところで先輩、どんな夢を見たんすか? オンナっすか?」 「…………。」 部署内の、デスクワークに没頭していた人々が、ぴしりと固まりました。 気温に例えると氷点下です。 けれど後輩君は怖いもの知らずですので、へっちゃらです。 「だいじょうぶっす先輩! オンナなんて下の口にねじこんじまえばあとは言いなりっすよ!」 明るく朗らかに、どんと胸を叩く後輩君です。 もう先輩君は見た目もしょぼくれて、老人が宇宙人を見る目で後輩君を眺めております。 もはや、どこでそんなファンタジー知識を拾ってきたんだ、元の場所に捨ててきなさいと言う気力もありません。 妹さんはこんな義理兄のどこがそんなに気にかかるのかなあと思いもします。 部署内のほかの人々は凍ったままです。 他の部署から回されてきた、微妙な立ち位置の中間管理職の男には、不吉な噂があるのです。 以前に休暇中に鉢合わせた事件で知り合った、見るも麗しい羊のマダラに懸想しているという、不吉な噂です。 女性の軍人も少なくないとは言え、結局は男の殿堂・軍隊に、そうした噂はつきものです。 そんなわけで、聞かないふりで聞き耳を立てながら、皆してそっと尻尾を股にはさんでガード強化の体勢です。 王都を訪れる異国の女性たちに言い寄り、それとなく諜報活動するのも男の仕事のひとつです。 仕事でオンナばっか相手にしてると私生活では男に走っちゃうんだよ、と、風の噂が申しております。 「それで、相手はどこのだれっすか先輩! おれ及ばずながらオーエンするっす! いいっす、先輩のためっす、任せてほしいっす! まずは市場で無味無臭の媚薬を仕入れて井戸にゲゴッ」 ぐらり、ばったり。 意気揚々と環境テロを実行しかけた後輩を、抜く手も見せず、男のコブシが黙らせました。 裏拳を振りぬいた姿勢のまま、シルエットになったその体の、目だけが燐光のように燃えております。 「………ばかだなあ、クスリは身体に悪いだろう?」 ぼそりと、大幅に遅れて、コメントしました。 常人の筋力を超えて、軍事機密的にパワフルな裏拳をまともに食らって、後輩君は床で大の字です。 これで午後からの仕事を邪魔されなくて済むなあと、他の面々はこっそり一安心です。 男はふと、後輩をここに寝かしとくと通行の邪魔だと気づきましたので、おもむろに椅子から立ち上がりました。 後輩の両足首をつかみますと、億劫そうに、死体に慣れすぎた墓堀人夫のように、無言でずるずる引きずって行きます。 たぶん美味しくないと評判の食堂にでも転がしてくるつもりでしょう。 こうして、部署につかの間の平穏が訪れました。 「…………ボス。ボースーぅぅぅ」 「言うな。泣くな。仕事はできる奴なんだ、仕事は」 ※ そうした経緯がありまして。 「よし―――――押し倒そう」 勤務時間を終えて軍施設を退出し。 五分ほど黙々と歩いて、ぴたりと立ち止まるなり、男はふたつの月に誓ったのでした。 道の真ん中で仁王立ち。 男は二メートル越えの偉丈夫です。 最近では隠れマッチョとか申します。 一番星を見上げる横顔は真摯で、精悍です。 でも心に誓っていることはぶっちゃけ鬼畜です。 いい年した大人がお星様を見上げて考えることではありません。 けれど心の声はおおむね他の人には聞こえませんので、誰も彼を止めません。 聞こえていれば、きっと心の優しい紳士かおばあちゃんあたりが、 あんたおやめなさい、犯罪ですよと言ってくれたことでしょう。 いまどきのお嬢さんであったなら、キモイと一刀両断のうえで通報です。 誰も止めないので、もちろん男はとまりません。 自らの誓いに、自分でぐっと胸を熱くして、歩き出しました。 帰宅を急ぐ人々を掻き分けて、のしのしと進みます。 その姿は、あたかも戦場に向かう殺人マシーンのごとくです。 鬼気迫るオーラが背後に燃えています。 もはや向かうところ敵ナシです。 標的の生命、いえ性命は今や風前の灯、生贄の子羊、ザラキエルの前にチェリーです。 そうこう申し上げているうちに標的の住まいに到着しました。 旅商人などが長期滞在に利用する、下宿のようなお宿です。 腹の足しにもならない岩石だけは豊富な犬の国、このお宿も石造りです。 勝手知ったる調子で食堂をかねた無人のホールを通りすぎ、石段を上がります。 二階のいちばん奥の角部屋が、標的の今の仮宿です。 ごんごんとノックをして、名前を呼びます。 部屋主の機嫌が悪いと、通例ですと中にも入れてもらえないのですが、今日は無理やりにも押し入るつもりです。 「………ひゃい………」 奥から蚊の鳴くような声がしました。 「……ひゃい?」 男は面食らいます。 こんな弱弱しい声なんて聞いたことがないのです。 血の気が引きました。 いったい何事かとドンドンとドアを乱打します。 「おい!? オツベル? どうした、何かあったのか!?」 どんどん、どんどんどん。 「………………んゅー……………ぐふ」 ますます様子が変です。 男は慌てふためきまして、こじあけるつもりでドアノブに手をかけました。 意外なことに鍵はかかっておりません。 開けたとたん、ガタの来ている彼の鼻にもツンと怪しい香りがしました。 「げほっ…! なん、」 鼻を手でおおって、うっすらとただよう煙をふりはらいます。 入って正面の壁際にはタイプライターの載ったデスクがあります。 デスク前の椅子の上は無人です。 あわてて左を見ますと、ベッドの上に、くたりと倒れこんでいる姿が目に入りました。 「オツベル!?」 ベッドの上、うっすら額を汗ばませて、その人物は横たわっていました。 枕は端に吹っ飛び、毛布はぐちゃぐちゃに乱れ、シーツも裸足のかきむしった跡だらけです。 オツベルと呼ばれた、頭に毒蛇的な紫と黄の雄羊の角をつけた『標的』は、億劫そうに目を開けました。 「あ………なに、かってに………はあ、はあ…出てけ、こっち、くんな……」 心配している男に吐く暴言にも、いつもの覇気がありません。 て言うか、寝乱れてます。 よほど寝心地が悪かったのか、さんざんベッドの上でもがいた形跡があります。 めくれたシャツの裾からすべすべした脇腹が、ずり上がったズボンの下から足首が覗いています。 苦悩めいた表情は、いままで見せたこともない顔です。 なにか、ひとりでどうしようもない苦痛を耐えていたかのようです。 男は思い当たることがあったのか、すぐさま取って返し、窓を開け放ちました。 まだまだ寒い犬の国、しかも陽も落ちていますので、ぴゅうと冷たい風が吹き込みます。 「んあっ……さむ」 「うるさい。馬鹿野郎が」 有無を言わせず、室内の煙を外に追い払います。 ついでにデスクに乗っていた小さい香炉を開けて、中の灰をやっぱり窓から捨てました。 じゅうぶんに空気が入れ代わったのを確認してから窓を閉じます。 ネジの鍵を閉めてカーテンを閉じ、飛び込んでから開けっ放しだったドアにも鍵をかけます。 ストーブに薪を足し、火かき棒で調整して、充分部屋が暖まるように調整します。 それから水差しの水を、干からびかけていたヤカンに足してストーブに載せます。 そこまでが流れるような動作です。 基本、几帳面でかっちりした男なのです。 散らかすのが得意な部屋の主は、まだベッドでくたりと横倒しになっています。 とろんとした目が、てきぱき働く男を見ていました。 一仕事を終えて、やっと思い出したように男はコートを脱ぎました。 オツベルが、億劫そうに身体を起します。 しかし途中で、「んうっ…」と小さく呻いて、またベッドに身体を沈めました。 「っ……はあ、はあ………ぁぅ…」 苦しいのか、身体を折り曲げて顔をしかめます。 その様子は、あたかも腹痛と頭痛発熱と肩こりと全身の倦怠感と筋肉痛とつわりがいっぺんにやってきたような有様です。 けれど男はそうではないことを正確に察していました。 怪しい香。悩ましげな顔。 導き出される推理はひとつしかありません。 なぜこんなきつい香を、どこから手に入れて、なぜ自室で焚いていたのか判りませんが、オツベルはたまに騙されたり面白がったりして意味不明な小物を買う悪癖がありました。 コートをコートかけにひっかけて、重い軍靴をごつり、ごつりと焦らすように響かせて、男はベッドサイドで立ち止まりました。 ぼうっとした目で見上げてくるオツベルを、じっと見下ろします。 ―――――旦那、なんか怖い顔。おこってる? なんで? でたらめな鼻が、ちらりと、オツベルの感情を伝えてきます。 そうじゃないと、口に出すことは出来ませんでした。 できるだけ顔を緩めて、ぎしりと、ベッドの端に腰を下ろしました。 肩越しにオツベルを振り返ります。 「………つらいのか?」 なんと声をかけるか迷いに迷って、ようやく、それだけ言いました。 オツベルは、きょとんと不思議そうに。 それから、へにゃりと笑いました。 「ちょっとねー」 ひひひ、と、せいいっぱい陰気そうに笑います。 男は、そうかと言いました。 …………たまには。そういう気まぐれもいいかも知れないと。 そんなような考えが、男の胸を行き過ぎました。 「なんとかしてやろうか?」 「なんとかー?」 ふざけた口調で、笑って首をかしげたので。 それならと、男らしく、行動で示すことにしました。 ※ 夕暮れ時を指して、黄昏時と申します。 誰そ彼時。 そこにいる人影がいったい誰なのか、夕闇混じる刻限にはふと見失うのだそうです。 人間の群れの中に、ふらりと見知らぬ誰かが紛れ込む刻限でもあるそうです。 陽が落ちて、部屋の中に宵闇が降りています。 ストーブは薪をたらふく咥えて煌々と燃え、部屋を僅かなオレンジ色で満たします。 いつもこの時間に住人によって灯されるランプは冷たく。 かわりに、おとぎ話の狼男のような巨きな影が、手の平にふうと吐息を吹きかけました。 吐息はふわりと光を帯びて、焚火に似た柔らかな明りで部屋を照らしました。 イヌの国の出身なら、たいていの者が使える魔法の技です。 円い鬼火は重みのないように浮き上がって、部屋の天井あたりで止まりました。 ベッドの上に転がったまま、オツベルはぼんやりとそれを見つめます。 オツベルに魔法は使えません。 猫の国でとっくに見慣れているはずなのに、じっと無心に光を見つめています。 それは、綺麗な星を見上げる顔によく似ています。 魔法の明りが安定したのを見届けて、イヌの男はふうと息をつきました。 「……旦那がそういうの使うの、はじめて見た」 「ん。そうだったか?」 なんでもないふりをして、男はベッドの端に腰掛けました。 この部屋に椅子はひとつきり、それは部屋の住人のお気に入りで、勝手に座ると怒られるのです。 だからいつも男の座席はこのベッドなのですが、今夜は少々遠慮がちに座っています。 安物のスプリングがぎしりと鳴りました。 反動で軽くバウンドしたオツベルが、横になったまま不思議そうに顔をあげます。 俺のは少し効率が悪いんだと、男がもそもそと言いました。 「初歩の魔法も中級くらいのも、おなじ位に消耗する。だから、あんまり使わないようにしてる」 「……そりゃーまた丼勘定だねー。ああ、煙草あんま吸わないのにマッチ持ってんの、そーゆーことかー」 オツベルがつくつく笑いながら、くにゃりとベッドの上で丸くなります。 あいかわらず顔色は悪いです。 頭の両側の雄角がとても邪魔そうです。 ぶかぶかの部屋着をまとった棒切れみたいな身体を、イヌの薄水色の目がじっと見下ろします。 ※ 選択肢を選んでください。 a.偽羊は風邪をひいている。 →避難所643さんの次回作にご期待ください。 b.風邪以外 →14へすすめ c.兎と犬の掌編を読んでいる。 →『表』のあと『裏』へすすめ ※ 14 視線と沈黙に気づいたオツベルが、すこし居心地悪そうに身じろぎしました。 でも、部屋の角に置いたベッドの上では逃げる余地はありません。 ぐらりと傾いた男が圧し掛かるように、オツベルの両脇に手を置きました。 「ふあ……っ? ふぇ、ちょ、旦那ぁ?」 「……いいから。じっとしてろ」 オツベルから見上げる男は逆光になって、まるで大きな影のようです。 押しても引いてもびくともしない大きさです。 対するオツベルは、男がちょっぴり触れただけでパキリと折れそうです。 男はそっと、精一杯慎重に、その肩に触れました。 それでもオツベルが逃げようとしないのは、男を信頼しているからでしょうか、それとも。 「身体の力を抜いて、……全部、俺に任せろ」 ※ 「んっ……う、ぁ…」 オツベルはベッドにうつ伏せにされています。 その上に男が圧し掛かり、ゆっくりとしたリズムで揺れています。 揺れるたびにオツベルはシーツをつかんで顔をしかめています。 声を漏らさないように耐えています。 「は、あ、んぅ……ふあ……」 「……ここか?」 「は、ぁん……んっ、そこぉ…ふあ、それっ……あ……きもちいー……」 とろけた声がこぼれます。 うっすら開いた目はすでに夢見心地です。 男から顔は見えないので、その声を聞いて、心地よさそうに耳を震わせます。 尻尾もふわんふわん、左右に振れています。 壊さないように丁寧に丁寧に、男はオツベルの身体に指を這わせます。 「ん、ん、んっ……は、ふぁあ……あ、や、旦那、軍人、で、なんで、こんな巧……」 絶え絶えの息の下、もつれる舌で、辛うじて言葉をつむぎます。 男は律動をやめないで、軽く頭を振りました。 「……軍人の身体は軍の備品みたいなもんだからな。維持管理も仕事のうちでね」 「は、あふ……んん、ん…維持管理、ね……っ、は、はあ…っ」 「ここ、こんな硬くなってる」 「っあう!? は、や、痛、痛い、そこ痛ぁ…!」 「ん」 男が動きを止めました。 どうしたものかな、という顔で、でっかいイヌの顎をひと撫でします。 「はっ、はっ、はっ………んう、あ、はぁぁ……」 苦痛から開放されて、シーツに突っ伏したオツベルが短く息をつきます。 その様子を目で堪能しながら、悦楽をおくびにも見せず。 男は再び、あっさりと医者の手つきでオツベルに触れました。 「ひあ、やぁっ、ちょ…!」 「ん。痛いか?」 「あ、あぅぅっ、そこダメだって、痛い、痛ぁっ、痛いっつってんだろバカぁあ…!」 たまりかねたオツベルが両腕をつっぱって上半身を反らし起します。 目じりには涙さえ浮いています。 「……力、抜いてろって」 感情を漂白したような声で男は言いました。 標的を捕縛する要領で、易々と立てた腕をすくいます。 「はぅんっ!?」 支えを奪われて、オツベルの上半身がばすんとベッドに落ちました。 太股の上にはイヌが跨ってがっちりと挟み込んでいます。 逃げられません。 崩れ落ちた細い肩を、大きな毛むくじゃらの手が押さえつけます。 「あんっ、や、痛い、いた、あああああんっ!」 「これでもまだ痛いか。……ん、まあ、大丈夫だ」 「んあ、ああ、はぅぅん……! あっあっ、だ、大丈夫っ……!?」 「うん」 子供がうなずくように、わんころコクリと請合います。 「今は痛くても、だんだん快感になってくるから」 「だっ……! ば、バカか!? それ大丈夫ちがう、うあっや、やめ、あ、あ、んはあああん!」 偽羊、陸揚げされた海老みたいにびちびち暴れますが、どうにもなりません。 閑静な住宅街を切り裂く声はすでに悲鳴の域です。 でも声の届く範囲のお宅は空き家で、下宿の他の住人は留守にしていると、男の優秀な耳はすでに リサーチ済みです。 状況、完璧。 自然と男の口元に笑みがこぼれます。 にたりと吊りあがる口はまるっきり人食い狼の顎そのものです。 ふふんふーん、とハミングさえ奏でます。 尻尾のフリフリぱたぱたはテンポを速めて、まるでお気に入りの玩具で遊ぶ飼い犬の如しです。 その下敷きになって、偽物の羊はじたばたもがき、男の指の動きにあわせて跳ねたり、 綺麗な悲鳴を上げさせられるばかりです。 ※ ところで、察しのいい方はすでに見抜いていることと思われますが。 下宿の二階の角部屋の、ベッドの上にて一人と一匹が繰り広げているこの饗宴。 実のところ、まったく色気もエロスも欠片もない作業なのであります。 端的に申しまして、按摩です。 整体です。 ツボ押しです。 横文字で表すとマッサージ、性的でない意味で、です。 こいつらここが何板なのかわかってんのかよ、です。 KYにも程というものがありますよ、であります。 うん、そんなこったろうと思ってた、と優しく微笑むお客さん、貴方には座布団一枚差し上げます。 「あー、腰椎が歪んでる歪んでる。おまえちったあストレッチくらいはだな」 「んぎゃあああああああ! ひぐぅぅぅぅぅぅぅ! ぐわああああああああ!!」 嬌声と申しますより屠殺中の家畜の悲鳴があがります。 なにしろヒトの数倍の筋力をデフォで備えたこの世界の住人ども、ドアノブひとつとっても 固いわ重いはでっかいわ、まったくもってヒトの非力さに考慮などしてくれないのです。 そのうえ机に向かって何時間もじっと固まっていることの多い文筆業、肩はがちがち、 腰は痛め、全身の血流も滞るというものです。 「痛い痛い痛い痛痛痛ぃぃんああー! ちょマジ痛いってば、んあああ! ギブギブギブ!」 肩の凝りをゴリゴリほぐされた後は腰の番です。 もうオツベルは悲鳴しかあげません。 傍目には痴態とか嬌声とか感じすぎて半泣きのような様相です。 でも当人はそろそろマジ泣きです。 愛液どころか鼻水が漏れる勢いです。 「んあっ、あ゛ぅぅっ、んくぅぅん! ひあ、は、んううううう!」 不摂生と無理の祟った体はどこのツボを押さえても激痛が走ります。 「ガチガチだなあ。こりゃ徹底的にほぐさないとなあ」 イヌの本性とは群れへの従属、同時に支配欲と征服欲とも申します。 イヌの旦那、オツベルが泣こうが喚こうが手を緩めようとしません。 普段、オツベルにいいように振り回されているせいでしょうか、オツベルを じたばた暴れさせて泣かせてるだけで、もう嬉しくてしょうがないのです。 エロ以外の大義名分で堂々と身体に触れられる上に、こんなに気持ちよく 声をあげてくれるとなると、もはや 止 ま る わ け が あ り ま せ ん 。 ニヤニヤしそうな顔だけは、まだ抑えていますが、目はすでにちょっとイッてしまっています。スイッチ入ってます。 俗にそれをSのスイッチと呼ぶ向きもございます。 オツベルの腰を男は抱え込むと、持ち上げてくるりと反転します。 「ひゃう!? ふあ、なに…!」 うつ伏せからあお向けにひっくり返して、片足をひょいと掴み揚げました。 「んあっ、はぅっ、もぉいい、もういいからぁ……!」 オツベル、雨の日の捨て犬みたいにぷるぷるとか細く震えております。 「ふっふっふ。まあそう遠慮するな。抵抗しても無駄だぞー、観念して力を抜けよー」 「ひぁん!? うあっ、やぁっ、ちょ、こんな格好やだぁあああ、あああああん!」 オツベルの片足が、高々と天に向かって挙げられました。 ぼくっ、ぼきばきべきぽきん。 「んやあああああ!? あああ、折れたあああ! すごい折れたよぉおおう!?」 「折れてないって。股関節の固まったのがほぐれたんだよ。ほら左足もいくぞー」 「やっ、だっ、やだってばああああ!? あっやぁぁ! 足、足離して、あううう!」 べきべきぼくん、ばきんぼきん。 「はぅん!? あ、は、あああ、ああああ、ぁぁぁぁん…」 男が、持ち上げていたオツベルの足を離しました。 失神寸前のオツベル、目も虚ろに、足と手とがぱさりとベッドに落ちます。 しかし、それでもなお鬼畜の責めは終わりません。 「じゃ次、足の裏な。ここが胃、ここが目、腎臓、このへんが肺」 「ッッッん゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? ん゛がああ、あうあうあう、あはああああああんん!?」 足の裏を両手の親指でくにくにと揉み始めたとたん、力尽きたと思われたオツベルが 今まで以上に悶絶して飛び跳ねました。 ヒト世界で言う所の足ツボマッサージ、イヌ国軍部伝来の技もヒトのそれに酷似しています。 判りやすく表現いたしますと拷問です。まだしも生爪はがされるほうがマシでございます(断言)。 哀れオツベル、足先だけ捕まえられて、膝から上がくねったりもがいたり跳ねたりしています。 「あ゛あ゛あ゛! 痛い痛い死ぬ死ぬ死ぬ死んじゃうぅぅぅ! やはああああああ!」 「こんなので死ぬわけあるか。これくらいじゃ熟れた桃だって潰せない、と」 「はんんんっ、あぐ、あんんっ…! 嘘つきぃっ、痛い、イダ、あ゛あ゛、痛いもん、痛いもん…!」 旦那、そろそろ顔のニヤニヤが抑えられなくなっております。 オツベル、それに気づく余裕もなく、踊るように七転八倒中です。 開いてる足でぽこぽことイヌを蹴るのですが、まったく効きません。 「はうっ、んうっ、ぁぁあん…! 痛ぁ……! や、旦那、旦那ぁ、やあああ…」 とうとう哀願入りました。 はあはと息を荒げて、シーツを掴む手にも、もはや力が入らない様子です。 がっちり抱えられた足も、がくがくと震えています。 「ん、このあたりがイイのか?」 そ知らぬふりで、男は、狙い澄ましてぐりぐりと(指を)抉りこみます。 「うああああああん! ん゛あ、ん゛あ、っあ――――ぁ……!!」 ひときわ高い悲鳴をあげて、オツベルが仰け反りました。 「はっ、あ、ぁ! ひぅっ、痛いよぉおお…ばかぁあああ、何の恨みがあるんだよぅうう…!」 「はっはっは。身に腐るほど覚えがあるだろう。ここか? ここがイイのかー?」 「はぐぅぅぅ!? いぅっ、ぁん、ぁん、あぁぁああああん! あああ! んあああー! わ、わかったぁぁ、判ったからあ! もうしません、仕事邪魔したり砂糖いれたり カバン勝手に覗いたりしませんんんん! だからもうやだぁああああああああ!」 「うんうん、許す許す。ん~、軍式整体術二人組み式、フルコースいくからなー♪ ちゃんと最後までしてやるから覚悟しろよ? 終わる頃には身も心も病み付きになってるぞー♪」 「ひゃうんんんっ!? あ゛っ、あ゛あ゛あ゛っ、あ゛ー! やああああ、ばかぁああああ! そんなの、あ゛うっ、いらないぃぃ、はああ、あああ! は、んっんんん、んうー!」 「よーしよし。俺のことしか考えられなくしてやるからな……♪」 「ひいっ!? ちょ、それ用途違、男の台詞と違、あ、あんっあんっあんっ、あ゛、ふあああん!」 ………。 「………うっく……えぐぅ、しくしく……」 オツベルの目の淵から、ひとすじ、涙がこぼれました。 もう気も心も萎えて、くたりとベッドに沈みます。 タイトル、『このケダモノぉ……』です。 見ようによっては色気むんむんですが、端的に申し上げるなら、脱水後の ドラムに張り付いた洗濯物です。くちゃくちゃのぷーです。 対して施術を終えたイヌ、ぷふーと心地よい汗など拭っています。 やり遂げた感とほどよい運動と、何か英気を吸い取った風でつやつやぴちぴちです。 「……ふう。まあこんなところだろ。軽くなんか食って風呂に浸かって、とっとと寝ろ」 いそいそ、てきぱきと、男はコートを羽織ります。 じゃあまた明日な、なんて言いながら、返事も聞かないで部屋を出ます。 すんすんすすり泣くオツベルは見送る気力もありません。 ぱたんとドアが閉じました。 薄暗くて肌寒い廊下にひとり出て、はた、と男は止まりました。 「……ん? あれ? 俺、確か今日こそ……?」 首をひねります。 何かが胸にひっかかったのですが、思い出せません。 当社比でいつもの数倍の満足感を得たために、当初の目的を見失った様子です。 なんと恐ろしいことに、この男。 これ以上一緒にいたら本当に押し倒してしまうから、と滞在を切り上げて帰路につく 習慣が、すっかり骨身に染み込んでしまっていたのでした。 きつく張り詰めたアレやナニやらも、まったくいつも通りなので、気にも止まりません。 もはや紳士や臆病者を通り越して不能の疑惑が持たれます。 廊下を通り抜け、階段を下りながら、何だったかなあとしきりと考え込みます。 階段の途中で、とんとんと上がってくるチワワの美女と鉢合わせました。 「あら、いらしてましたの。もうお帰りですか?」 美女、ふんわりと微笑みます。 ヒトの年で言うなら二十歳そこそこ、おっとり優しげなこの美女が、この下宿の主人です。 「……あ、はい。こんばんわ。世話になってます。…もう帰るところです」 オツベルをこの下宿に紹介した男、ぺこりと頭を下げます。 「あら、お茶でも淹れますから、もうすこしいらしてくださいな」 「いえ、お気持ちだけで。……ああ、アレがちょっと調子を崩してるようなんですが」 「あら」 「たぶん今日はろくなモノを食ってないんで、その」 「はい、引き受けました。ちょうどそこのパン屋さんで焼きたてを買ってきたところなんです。 オツベルさんにおすそ分けしようと思って。スープの残りも温め来れば、軽い夕食には ぴったりですわ。いかがですか、せっかくですからご一緒に。お食事は大勢のほうが楽しい ですから」 「あ、いや。自分はもう食べてきましたから。アレを宜しく御願いします。では」 横をすり抜けて階段を下ります。 下宿の門を飛び出して、ようやく息をついて。 そこで、はた、と当初の目的を思い出しました。 「……ああ!? 押し倒……」 慌てて口を押さえたのは賢明と言えるでしょう。 振り向きますと、二階の廊下を、下宿の主が手にした明りが移動していくのが見えました。 向かう先はくちゃくちゃのオツベルの部屋です。 「あ……」 ぱくん、と呆けて顎を落とします。 完全に機を逃してしまいました。 「………。……うう。うううう。まあ…いい。いいさ。うん」 コートのポケットに両手を突っ込んで歩き出します。 丸くなった背中が侘しい佇まいです。 その夜、宿舎近くの飲み屋で呑んだくれる栗毛の軍人がいたそうですが、どこぞの旦那との因果関係は 定かではありません。どっとはらい。 ちなみにー、改造人間はアルコールくらいじゃいくら飲んでも呑まれないのねー。不便不便。 「あんたさん、カネの無駄なんだから、呑まなきゃいいのにねェ。 おらよ、火気厳禁、消毒薬の味しかしねェ高純度蒸留酒、"盛った兎でも昏倒する"銘酒・精霊殺し。 出所は聞くなよ。ストレートの燗で五合、飲めるもんなら飲んでみやがれ」 ※ 「うう……めそ…もそもそ…ひっく…」 「あらまあ。それは大変でしたわね」 「しくしく……もぐ…えうー」 「でも、今朝方よりずいぶんと顔色が良くなってますよ。痛いぶん、よく効いたんでしょうね」 「…………ずびー」 「お引越しのしたくなら、声をかけてくれればお手伝いしましたのに。重かったでしょう、この荷物」 「………もぐ…しく…」 「オツベルさんがいなくなったら淋しくなります。また遊びにいらしてね」 「…………くすんくすん…」 「お待ちしてますからね。そうそう、ところでオツベルさん、はいこれ、プレゼントです」 「………?」 「消臭効果をうんとアップした生理用ナプキン、一年分。お香って、意外と匂いは誤魔化せないんですのよ?」 「…………ふ、うう、はぅぅぅんんん管理人さぁあああんっ(ひしっ)」 「ええ、あの人なら大丈夫、以前に怪我をしたので鼻は悪いと仰ってましたから。このナプキンはイヌの国で 作られたものだから、これなら絶対に匂いではわかりませんからね。あちらに行っても元気で過ごしてくださいね」 ※ 【犬と羊とタイプライター/carnaval・表】 了
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“QWERTY配列”言説の構造と検証仮説 http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/125.html 検証対象 検証対象キー配置 Sholes の1868 年のタイプライター http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/134.html 1872 年8 月10 日付Scientific American誌 http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/133.html Sholes Glidden Type-Writer http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/132.html United States Patent No.568630 http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/135.html 検証対象タイプバスケット配置 白タイプバスケット http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/139.html 確認すべき事実関係 出現頻度の高い文字がキー配置上の探しやすい位置にあるか。ショールズ後年機では、はっきり頻度順が見て取れる。 http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/143.html 頻出連続出現文字は、キー配置上で打ちやすい関係にあるか。 出現頻度の高い文字がタイプバスケットの円周上に分散配置されているか http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/123.html#id_d1704293ABC順機に比べれば、周上に分散配置されているといえよう。http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/145.html 頻出連続出現文字間のタイプバスケット上の隣接配置は低頻度か。http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/115.html 頻出連続出現文字間のタイプバー間距離は離れているか。 視線運動距離 運指距離 キー配置の文字頻度順分布状況 色相スケール http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/127.html 「etaoinshrdlcumwfgypbvkjxqz」アルファベット文字頻度順 http //en.wikipedia.org/wiki/Letter_frequency を使って図的に見てみたい。 アルファベット出現頻度順カラーバー http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/137.html E T A O I N S H R D L C U M W F G Y P B V K J X Q Z link_trackbackcounter -
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どなたでも、自由にリンクを追加することが出来ます。 編集しようとする方は、必ず以下をお読み下さい。 【最重要】他者の著作権を侵さないでください。 【重要】「誰でも自由に複写できる」状態を維持するため、主張・意見・見解などの文、及びリンク先内容の本文・要約・解説などは記述しないでください。技術的な理由により閲覧制限・閲覧条件がある場合は、その条件のみを記述してください。 リンクに用いるタイトルは、可能な限り「元のページにあるタイトルタグの中身をそのままコピー」としてください。不適切なタイトルがついている、もしくはタイトルが存在しないなどの場合については、ページ表題などの文字列を採用してください。「誰が」追記しても「結果は」同じ、という状態が理想です。 できる限り、配列制作者・配列使用者かつ配列そのものについて言及している人・資料のそれぞれを分離して記述してください。 各キー配列の発生年月日が解るものは、配列名のあとに年月日を追記してください。 各ドキュメントの初版作成年月日が解るものは、リンクのあとに年月日を追記してください。 …くらいでしょうか? あとは、実運用してみて決めるしかなさそうです。 これ以降はリンク集となります。 より詳細なリンク集 文字入力システム情報 あなたのホームポジションは間違っていた 親指シフト NICOLA 日本語入力コンソーシアム 親指シフト・キーボードを普及させる会 M式 M式の世界 M式キーボード TRON配列 TRONキーボード kinesis @Wiki - 実寸大TRONキーボードレイアウト図 BTRON サブプロジェクト あなたのホームポジションは間違っていた エルゴノミクスキーボード『スケルトロンST-2000』 μTRONキーボード “TRONSHOW 2007”が5日に開幕!――ICタグの実用化事例など、見どころを紹介 μTRONキーボードってどうよ? その他のエルゴノミクスキーボード Kinesis Corporation - Computer Ergonomics Maltron Ergonomic and Special Needs Keyboards Ergonomic Keyboards Ergonomic Keyboards By DataHandR To Reduce Keying Stress プレゼン資料 B5擬似フルピッチキーボード Microsoft Natural Ergonomic Keyboard 4000 | ホーム その他の独創的なキーボード FrogPad Virtual Keyboard for the PC Optimus keyboard(ただし、製品化の初期段階) 28キーに拡張されたテンキーボードで文字入力 携帯感覚で簡単日本語入力「簡単キー25」 文字が導く2つのキーによる英文字入力 実用新案 鶴翼パッド 片手キーボードのすすめ
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Griffith-Noyes-安岡配列(GNY) http //b.hatena.ne.jp/raycy/20090828#bookmark-15599496 http //slashdot.jp/~yasuoka/journal/284997 安岡孝一ら『キーボード配列 QWERTYの謎』に(1870年4月)http //m1aya.tblog.jp/?eid=194028とある、1870年頃のショールズらの推測キー排列 http //slashdot.jp/~yasuoka/journal/486127 2 3 4 5 6 7 8 9 - A E I . ? Y U O , B C D F G H J K L M Z X W V T S R Q P N 高頻度文字 (赤)← →(青)低頻度文字 http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/143.html#id_4bb70d7e E T A O I N S H R D L C U M W F G Y P B V K J X Q Z GNYキー配列 2 3 4 5 6 7 8 9 ‐ A E I . ? Y U O , B C D F G H J K L M Z X W V T S R Q P N GNYタイプバスケット 5 . 6 ? 7 Y I 8 4 U E 9 3 O A ‐ 2 ., B N Z M C P X L D Q W K F R V G T H S J 2A3E4I5.6?7Y8U9O‐, BZCXDWFVGTHSJRKQLPMN
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大宇宙言語における罵倒では、大宇宙諸言語における罵倒について記述する。 目次 概要 諸言語における罵倒語リパライン語 概要 罵倒には文化が反映される。 「毛唐」という言い方は毛色の違う外国人に対する罵倒(*1)だが、これを英語に訳して "strange hair-colours" と言っても意図は伝わらないだろう。これはやはり、日本が置かれた歴史的状況がその言語に与えた文化的背景と言うことが出来る。 大宇宙諸国の言語においても、容易に理解することが難しい罵倒語が存在する。本項では、そのような罵倒語を認知し、大宇宙諸国の人々の文化を理解し、接触する際の参考とすべくまとめ記事として立てられた。 諸言語における罵倒語 リパライン語 浮かぶどんぐり(belarxte) リパライン語で、水に浮かぶどんぐりを表す "belarxte"(ベラーシュテ) は「役たたず」を表す。これはリパラオネ人が食用や鞣し用にどんぐりを利用することに由来する。渋抜きの作業の前にどんぐりの虫食いを水の中に投入することで見ることが出来るが、浮き上がってくるどんぐりはやはり捨てられる。これにより、使えない人間を指すときにこの語が使われるようになったのである。 しかし、原義は単なる「水に浮かぶどんぐり」である。料理のレシピなどで拾ってきたどんぐりを使うよう指示されている場合はこの単語が書かれているときがあるが、「水に浮いてきたbelarxteを捨てます」という文章を見て、人間を溺死させて道端に捨てることの無いようくれぐれも注意されたい。
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-ルール- 周回データを使用する。 使用可能武器はシカゴタイプライターのみです。 アタッシュケース内の回復アイテム使用は禁止です。 敵からのランダムドロップ以外の回復なら使用可能です(ex.アルマのハーブ、鶏の卵・・・) 回復アイテムのランダム出現を防ぐためにアタッシュケース内には常に救急スプレーを入れておかなければなりません。 ゲームオーバー(ミッション失敗)になったら最初からやり直しです。 50音順 2017 名前 ハード Take数 日付 備考 獅音 PS3 Take 7 17/09/30 へへへのおじさま PS4 Take 4 17/08/13 masa98xx PS4 Take 2 17/07/02 oka dai PS4 Take 4 17/08/25 Qルート使用 T.M- Taka PS4 Take 11 17/12/06 Qルート使用 ご意見や情報の誤りの指摘などございましたらこちらへどうぞ
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http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/216.html http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/220.html タイプバー原理タイプライターの少なくとも「一つの制約条件として頻出連続文字列のタイプバー隣接忌避があった説」を支持してくれそうな傾向が、少しは現れてきているように思えてきた。 アップストライク式ででも、フロントストライク式ででも。 ディッカーソンの「タイプバー&キー配列定石(アップストライク式編)」は、与えられたタイプバー配置をもとに、もっともシンプルなつくりで駆動しようとした場合に想定される、キー配列ということになろう。そして、その逆方向の推量をしてみているのが、本試みであろう。 あくまでも、一つの制約条件似すぎないのであって、この条件がつけられたからといって、絞られてくる配列の組み合わせ数は、まだまだたくさんあるということに、山田尚勇の説明ではなる。到底一つの配列に決まってしまうってな話ではもともとない。 Re 特に1882年8月のキー配列変更は、Sholesの特許を忌避するためのもので、技術的な理由によるものではない。yasuoka (21275)より タイプバスケット上のタイプバーの並びを、アップストライク式については「ディッカーソンの規則性」に準じてmy手元で適宜勝手に推定して、タイプバーの隣接状況を検討している。 タイプバスケット上のタイプバーの配置を、製品機発売以前の分も製品機に準じて配置されていたと仮定して遡及し、隣接タイプバーのdigraphの具合を調べでみている。http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/215.html 時期など 説明 関係者 BCディ・グラフ・ポイント 総digraph当りパーセント ブラウン・コーパス順序なし異字digraph頻度 やらせ配列 タイプバー高確率ヒット配列 838884 23.194% http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/1a6a26bbbe45b6d2ec21be8da2fdc2a8 1868年ごろ 特許 ショールズら 342479 9.469% 電信配列 343677 9.502% GNY配列(安岡孝一氏2008年推定) 180519 4.991% http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/431798d4267a64f37e66ee3d0c42121a 1872年7月 サイエンティフィック・アメリカン紙取材時 ショールズら 29534 0.817% 1873年2月 デンスモアらレミントン持ち込み機 ショールズら 14994 0.415% 1873年9月 Jenneら特許図 9695 0.268% 1874年4月 製品発売機 9695 0.268% 1878年1月 大小文字シフト式 Jenneら 18186 0.503% 1882年8月 Remington Standard No.2 3756 0.104% 18、、年 ショールズ後年特許 20 0.001% 安岡孝一氏フィールド調査タイプバスケット図 2283 0.063% http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/050008f57200f0efd56789f8ddd7e554 ブラウン・コーパス・ディ‐グラフ・ポイント(BCDP)http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/25f08e32b202090d31f6a4d9a164cfc9 ブラウン・コーパス順序なし異字digraph頻度http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/182.html [atwiki.jp] 頻出連続文字列タイプバー隣接忌避http //blog.goo.ne.jp/raycy/e/440dd806177a6907c1c7d908825e5402 キー配列-タイプバー配置強関係性説http //www26.atwiki.jp/raycy/pages/158.html#id_da15e560 ディッカーソンの規則性 link_trackbackcounter -
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1時間で200kってどんな乱文生成機だよ 確か月姫は仕事辞めて一年ちょいで全ルート被り含めて4mちょっとだったな 1時間200kって 1日でも無理だろ 俺は物理的に8k以上は書けないとかレスした覚えがある 小説書いてるときは10時間かけて30kが到達点だったな しかも一度きりだった 一時間に8kも俺には無理ぽ 8kってのはタイピング速度から計算した量な 俺だって普通に書いたら筆が乗ってる日でさえ1時間に4kも書けるかどうか 30kbは3時間でいけたな ネタスレを立てたときは後で計算したら2時間で35kb書いてた 平均タイプ速度が大体、200タイプ/m位だっけ それから概算すると、1時間で60*200=12000タイプか 全部2タイプで1文字になって漢字変換しないとしたら6000文字=12kバイトか 漢字変換も含めて200kも書いてるとしたらタイプ速度が音速超えてるかもねw 一太郎で文字装飾とか使って200kなんじゃないの 実はペイントで文字書いてbmp保存で200kだったりしてねw 元から書いてたのをコピペしたら一時間で200kbいけるんじゃね!? 調子いいときと悪いときあるんだから、平均で考えたら6kb/hぐらいじゃないか こんな数値出したって、毎日何時間やるかわかんねえんだから意味ないがな 構想する時間とかはまた別だし 自称プロが、到底一日で書けない量を自己申告して、 住民から総ツッコミ受けた後、ワードファイルだからとか言い出した時は糞ワロタ プロでも一日20kbいかないっていうけど 5kb/h行く連中はすごいね 俺は後の推敲時間も含めて2kb/hがいいとこだな ライターの執筆速度比べほど無意味な討論はないな やべえ、ワードファイル作っただけで10kbいったぜ 元から書いてたのをコピペしたら一時間で200kbいけるんじゃね!? おまい天才じゃね? 調子いいときと悪いときあるんだから、平均で考えたら6kb/hぐらいじゃないか 上の8kや12kは「物理的には可能」ってだけで 考え事する時間とか、一旦消して書き直す時間とか全く考慮してないから 真に受けちゃ駄目だよ… 6kb/hって、100タイプ/mは必要だよ? 掲示板に適当に書き込むだけでもそんな速度で文章考えられねーよw 進捗を聞かれたライターがストーリーエディタで70MBだとか言っていた事があったな テキストにすると5KBもいってなかったようだがw 真に受けちゃ駄目だよ… でもそーやって間にうけた連中が放言するんだよな 「俺の執筆速度は5kb/hだけどちょっと遅いくらいかな」 みたいな 前に3日で7時間ぐらいかけて書いた文章の重さはかってみたら16kだった。 俺ライタじゃないからこんなもんだよな 前に測ってみたんだが、10時間平均値が大体120byte/minだった。 およそ7kByte/hってとこか。 書き方は適当じゃなく、かつ深く考えずって感じで。 まあある程度プロット決まってたせいもあるけど。 展開が決まってなかったらもっと時間がかかるな。 (荒れているので中略) 10日で200kなんてどれだけネタがありあまってるんだ ぜひうpしてほしいぐらいだ 10日で200kb 1日20kb 1日5時間作業したとして、1時間4kb すごいなぁ。感心しちゃうよぉ 1時間で5kとかならなんとかなるけど それを連続しては無理だな でも、本職のライターはデスマーチに入ると1日50k書くとか聞く。 一日中やってられる人だけだろ 仕事とかある人にそれは確実に無理 本職と比べられたらねw 2chで参加してる比較的まともなライタは大学〜社会人じゃね? 片手間で1日50書けって言われたら逃げるw ひぐらしの竜騎士さんが 好調時の自分のペースは1日1万字=約20KBと書いていた気がする。 今度のうみねこのなく頃に、がそのくらいのペースで書かれたとか。