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めも めも入手先・強化方法 AF入手エリア 型紙の種類 型紙入手先アビセア-アットワ[頭用] アビセア-ミザレオ[両脚用] アビセア-ブンカール[両足用] +3強化アイテムアビセア-アットワ[頭用] アビセア-ミザレオ[両脚用] アビセア-ブンカール[両足用] トリガーHNMアビセア-アットワ アビセア-ミザレオ アビセア-ブンカール 入手先・強化方法 部位 素体 +1 +2 頭 クルオ20,000 ◯◯の型紙:頭×8枚 木行の◯◯×6個 脚 抵抗軍戦績1000 ◯◯の型紙:脚×8枚 金行の◯◯×6個 足 死闘のアビセア金箱 ◯◯の型紙:足×8枚 水行の◯◯×6個 ※強化方法はメイジャン方式(メイジャンモーグリから試練を受ける) AF入手エリア アビセア-アットワ 戦モシ黒白赤 初期ジョブ アビセア-ミザレオ ナ暗獣狩詩 初期エキストラジョブ アビセア-ブンカール 忍侍召竜青かコ学踊 追加エキストラジョブ 型紙の種類 戦:ラベジャーの型紙 モ:タントラの型紙 白:オリゾンの型紙 黒:ゴエティアの型紙 赤:エストクルの型紙 シ:レイダーの型紙 ナ:クリードの型紙 暗:暗:ベイルの型紙 獣:フェリンの型紙 吟:アエドの型紙 狩:シルバンの型紙 侍:雲海の型紙 忍:伊賀の型紙 竜:ランサーの型紙 召:コーラーの型紙 青:マーヴィの型紙 コ:ナバーチの型紙 か:チルコの型紙 踊:カリスの型紙 学:サバントの型紙 型紙入手先 アビセア-アットワ[頭用] くえすと じかんNM とりがーNM てんでばらばらな調査隊 戦召踊学 Amun 忍ナコモ Kampe 戦暗竜侍 チョコボの焦心苦慮 モナ吟青 Gieremund 戦竜踊シ Berstuk モシ忍踊 キジの代わりに 白シ獣侍 Warbler 赤獣狩学 Wherwetrice 学黒赤白 天晶堂での取引II 黒忍竜コ Aggressor Antlion 黒吟召か Nightshade ナ吟狩青 ヨランオランの秘策 赤暗狩か Whiro 白暗侍青 Mielikki 召か獣コ Granite Borer 戦白コ踊 Gaizkin モ吟竜学 Blazing Eruca 黒暗忍か Pallid Percy ナ赤シ侍 Kharon 獣狩召青 アビセア-ミザレオ[両脚用] くえすと じかんNM とりがーNM 落とした料理書 白シ獣侍 Gukumatz 白黒赤学 Manohra 戦竜踊シ スモークオンザミザレオ 赤暗狩か Asanbosam ナ吟狩青 Minax Bugard モコナ忍 ジーグリンデの研究 戦召踊学 Heqet 戦暗侍竜 Cep Kamuy 白暗侍青 未知の素材の研究 モナ吟青 Flame Skimmer 獣召コか FunerealApkallu 黒吟召か メディカルアラート 黒忍竜コ Athamas モシ忍踊 Sirrush 赤獣狩学 Npfundlwa 戦白コ踊 Avalerion モ吟竜学 Nonno 黒暗忍か Nehebkau 赤シナ侍 Tusukertrap 獣狩召青 アビセア-ブンカール[両足用] くえすと じかんNM とりがーNM 最前線に待ったなし 戦召踊学 Lord Varney 黒暗忍か Armillaria 戦シ竜踊 ビッグブリッヂの修繕 モナ吟青 Hrosshvalur 獣狩召青 Pascerpot ナ忍モコ 盗聴パール最前線 白シ獣侍 Div-e Sepid 戦白コ踊 Chhir Batti 白暗侍青 水質汚染調査II 黒忍竜コ Hanuman モ吟竜学 Gnawtooth Gary 黒吟召か ブンカールに蒔かれた貝殻 赤暗狩か Iktomi 赤シナ侍 Seps 赤獣狩学 Khalkotaur 戦暗竜侍 Iku-Turso モシ忍踊 Quasimodo 白黒赤学 Kadraeththe Hatespawn ナ吟狩青 Dvalinn 獣召コか ※一つのクエストにつき決まった4ジョブの型紙がランダムで出る。[戦召踊学][モナ吟青][白シ獣侍][黒忍竜コ][赤暗狩か]の5グループ。 +3強化アイテム アビセア-アットワ[頭用] 木行の原石 戦白シ吟狩 Itzpapalotl Titlacauan 木行の小片 黒暗獣忍召 Ulhuadsh Lusca? 木行の宝石 モ赤侍コか Ulhuadshi Titlacauan 木行の絵札 ナ竜青踊学 Itzpapalotl Lusca アビセア-ミザレオ[両脚用] 金行の原石 戦黒忍青か Sobek Cirein-croin 金行の小片 赤シナ暗吟 Amhuluk Tristitia 金行の宝石 モ獣狩侍学 Amhuluk Cirein-croin 金行の絵札 白竜召コ踊 Sobek Tristitia アビセア-ブンカール[両足用] 水行の原石 戦赤ナ召踊 Bukhis Durinn 水行の小片 モ暗青コ学 Sedna Ketea 水行の宝石 白シ吟侍か Sedna Durinn 水行の絵札 黒獣狩忍竜 Bukhis Ketea トリガーHNM アビセア-アットワ Itzpapalotl 毒々しいワモーラの触角 重いクロウラーの繭 肥大化したチゴーの腹 Titlacauan 黒ずんだドゥームの舌 ひび割れたスケルトンの鎖骨 震えるゴーストの中指 錆びついた屍犬の首輪 Ulhuadshi 縮んだヘクトアイズの触手 体液まみれのワームの石 Lusca 三日月形の翠色のジェイド アビセア-ミザレオ Sobek 血なまぐさいブガードの牙 ねじ曲がったトカゲの爪 脱皮したペイストの皮 Cirein-croin 美しいオロボンの肝 破けたポロッゴの帽子 Amhuluk 鋭いアプカルの嘴 切り刻まれた死鳥の羽 血染めのコウモリの毛 Tristitia 三日月形の翠色のジェイド アビセア-ブンカール Bukhis 硬直したガーゴイルの手 伸びきったタウルスの爪 血まみれのヴァンピールの牙 Durinn 黄ばんだドゥエルグの歯 脈動するソウルフレアの髭 砕けたインプの角笛 Sedna 艶やかな頭足の吸盤 輝くプギルの鱗 Ketea 三日月形の翠色のジェイド
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ニーズヘッグ 能力:大地・魔 武器:牙(非常に硬いユグドラシルの根をかじる事が可能な強度を誇る牙) 所持アイテム:ニーズヘッグの牙・脱皮した皮・ニーズヘッグの血 生息地:ユグドラシア下層“ウルドの泉” 所持技 かじる:対象にかじりつき攻撃をする。大ダメージ+HP吸収 食べる:かじるの強化版。凶悪ダメージ+HP吸収+麻痺+恐怖 叩きつける:尻尾から胴体にかけて鞭を撃つような攻撃 威嚇:精神を揺さぶる恐怖の咆哮。全体恐怖 スパーリングクエイク:暴れ回り地面を揺らす地属性広範囲技 詳細 巨大な黒い蛇の魔物 主に見かけるのは泉の近くよりもユグドラシアの根元である 戦闘に入ったならば相応の討伐作戦と実力を持って居なければ勝つのは難しいが 大抵は冒険者に襲い掛かるよりもユグドラシアの根をガブガブして、その事に夢中になっている事が多いため、 相当ニーズヘッグに近づかない限り戦闘に入る事は無い 但し、一度戦闘に入ればその好戦的な性格のままに冒険者に攻撃をしかけてくるだろう フレースベルグ 能力:嵐・炎・氷河 武器:くちばし(まるで自分が天空の王であるかのように誇示する鋭利なくちばし) 所持アイテム:フレースベルグのくちばし・天空の翼(エアレイドの飛行力強化) 生息地:ユグドラシア上層“フレースベルグの園” 所持技 豪風:彼の大きな翼による羽ばたき。風属性のダメージと共に吹き飛ばし効果 疾風:豪速な移動。その進行方向に立っていてぶつかったならばひとたまりも無いだろう 吹雪:氷属性の豪風。豪風のダメージに追加効果で凍結。また、HP減少を与える 灼熱:火属性の豪風。豪風のダメージに追加効果で炎上(HPダメージ。行動不能)を与える なぎ払う:その巨大な翼によるなぎ払い。範囲物理攻撃 突く:鋭利なくちばしによる突攻撃。単体凶悪攻撃 詳細 蒼炎の羽に包まれた魔鳥。その体長は5M前後か 鋭利なくちばしに巨大な羽。力強い足と爪が武器となる。 妖精からは聖獣と崇められ、年に一度、妖精が収穫した食物を供物として献上する事が風習としてあるようだ その妖精の代わりに、ユグドラシア上層に侵入する異端者を排除する。という契約をしているのではないか。という説も有力 蒼炎は不思議と熱く無く、フレースベルグの意思により絶対零度をも超える極寒になったり、全てを溶かすマグマよりも熱い極熱になったりすると言われている(が、これは流石に過剰表現だろうと思う) フレースベルグ自体は草食で、主にユグドラシアの葉を食べている。 世界樹と呼ばれるユグドラシアの葉を食べているおかげか、人間・妖精・魔物・動物・または他の次元の生物等など、多くの言語を理解する知識があると言われている ひょっとしたら、話せば理解の深い魔物かもしれない。と、推測してみたり ジュデアマキシア 能力:天・大地 武器:- 所持アイテム:複翼竜の白翼膜・複翼竜の装甲殻・竜王種の血(※) 生息地:砂漠およびその周辺 所持技 サマーソルト:空中で後方宙返りをしながら巨大な尻尾を叩きつける ウィングストーム:翼で強烈な突風を発生させて敵を吹き飛ばす ドラゴンハウリング:強力な咆哮で周囲の障害物を見境なく吹き飛ばし、破壊する エリュシオン:口内より強大な紫電の塊を放射し、地面に着弾すると同時にそれが広大な範囲にわたって拡散される 詳細 砂漠でも最大級の大きさを誇るサンドイーターを捕食する大型複翼竜。 一生の殆どを空中で過ごしている所為か、その生態は殆ど謎とされている。 性格は外見に似合わず大人しいが、時折砂の村サンドヴィレッジを襲うこともあり、その兆候である村の上空の旋回が見られると、迎撃依頼が各地の街へと依頼される。 迎撃依頼のランクはS。 全身を覆う白銀の外皮装甲は並外れた強固さを誇り、大砲の砲弾が直撃しても傷ひとつ負わず、焦げ跡だけを残したのみだったとされる。 危険度でいえばグランドラグーンと同等かそれ以上なので、例えSランクの支援士であろうとも、本種にむやみに喧嘩を売るような馬鹿な真似はやめておいた方がいいだろう。 また地底洞窟のメギド・ボルカと同じく、現在の人間の技術では『殺しきれない』種族の1つでもある。 ※本種の血は外気に触れると数秒で蒸発する性質をもつため、本種から血を採取するのはほぼ不可能だろう 聖神竜グランディエル 能力:神聖 武器:- 所持アイテム:聖竜の鱗、聖竜の牙、竜神種の血 生息地:天壌 詳細 太古より伝説に残る光の竜神種。 根本的に人智を超えた戦闘力を持ち、現在の人間の力では殺すことはおろか気絶させることすら不可能とされている。 知能は極めて高く、世界の守護者の一柱として数えられることも。 噂によれば、光の満ちる天壌への道、それを抜けた先にいると言われている。 某司書の召還する同名の竜は、彼の力のほんの一旦を映したものに過ぎない 血が与える力は【再生】 魔神竜ルードゼルク 能力:深淵 武器:- 所持アイテム:魔竜の鱗、魔竜の牙、竜神種の血 生息地:魔界 詳細 グランディエルと対を成す闇の竜神種。 戦闘力と言う意味では聖竜と互角で、太古の彼らの戦いは聖魔大戦などと呼ばれているとかいないとか。 この世界のどこかにある亜空間、闇が満ちる魔界と呼ばれる場所にいると言われている。 血が与える力は【腐食】 炎神竜ヴァンエルニ 海神竜アクエリエイス 氷神竜グラキアス 雷神竜トーラバルト 風神竜アークヴェイル 地神竜ロストガイア
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チラ裏みたいなもんで、単なる覚え書きです。 ストーリーに直接の関係は殆どありません。 概観 鬼といえば一般にはさまざまなバリエーションが存在しますが、イメージとしては角が生え、鋭い爪と牙を持った人型の怪物とて描かれる事が多く、スレの鬼は基本的にそのイメージを踏襲しています。 厳密に言えば上記のイメージは丑寅の方角を鬼門と呼ぶことから、牛の角に虎革の腰巻をつけ、仏教で言う羅刹のイメージが混ざり合って生まれたものです。 また、西洋でいう悪魔と呼ばれる存在とは基本的に同一であると考えます。 これは日本における鬼の語意には「強い」「悪い」と言う意味が含まれて居ることに起因し、聖なる者、もしくは人に対して悪にあたるものの象徴をひっくるめて"鬼"と定義しているからです。 西洋に在る場合を悪魔、東洋に在る場合を鬼、と言うわけです。 よって自キャラの鬼は基本的に羊の角に牙と爪、真紅の瞳に悪魔の尾と言うのがデフォルトの造形です。 蛇 まず、このスレにおける鬼を語るに当たって、「蛇」について記述しなくてはなりません。 蛇という動物は文明社会では実感がわきませんが、世界各国の宗教、神話に置いて特別な動物として扱われています。 足を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力などにより、古来より「神の使い」などとしてヘビを崇める風習が世界各地で広がっていったからです。 同時に、後発したユダヤ、キリスト系の宗教では既存の宗教観に反発するために「悪魔の使い」とされています(邪神から派生した龍の解釈が東と西で対照的なのもこのためかと)。 聖と悪の象徴という二つの側面を持った存在というわけです。 死と再生の象徴としてはアスクレピオスやカドゥケウスの杖が有名ですし、豊穣の神としての神話も多く伝わっています。 ですがキリスト教において蛇といえば、ルシファーに下ったリリスが遣わし、イヴに知恵の実を齧るよう唆した蛇の話が有名です。 この蛇のエピソードは人を楽園から追放すると同時に、神の奴隷ではなく、自分で考える力を持ったひとつの存在へと人を昇華したという見解もあります。 ここではこのキリスト教の蛇をベースに、蛇神信仰が本来持っていた死と再生を司るという要素をプラスしています。 これらによって、神の子にして、知恵の実を口にしたが永遠の生命を持たない「人間」<=>悪魔の使いで、知恵の実を人に食べさせて自身は永遠の命を持つ蛇、という対比を造っています。 その他の神話における蛇 日本神話における八岐大蛇(豊穣の神) ギリシャ神話におけるテュポーン(最強の怪物)、ウロボロス(無限の象徴) 北欧神話のミドガルズオルム(ラグナロクの引き金) インド神話のアナンタ(世界を支える大蛇) マヤ神話のククルカン(創世に関わる) 等がありますが、多くが「巨大である」「多頭である」という特徴をもっているため、自分としては思い切って、これらは全て同一視して考えています。 デフォルトとしてはやはり「八岐大蛇」をベースに組み込みたいわけですが、それがどうしたのかというと後述↓ 鬼の誕生 スレでは基本的に日本三大悪妖怪の一人、「酒呑童子」を機軸に置いて設定が造られています。 酒呑童子の誕生については諸説ありますが 八岐大蛇の子供説 八岐大蛇が、スサノオとの戦いに敗れ、出雲国から近江へと逃げ、そこで富豪の娘との間で子を作ったといわれ、その子供が酒呑童子という説もある。その証拠に、父子ともども無類の酒好きであることが挙げられる。 越後の国の若者説 絶世の美貌をもっていたことから数々の女性達に言い寄られ、それを断ったことから女性達の怨念を受けて鬼と化した。 この二つの説をベースにしています。 ここで、前述した蛇=八岐大蛇のスタンスを踏まえて 蛇=神、人との対照存在…その子供=鬼=悪の象徴みたいな構図をぼんやりと設定しているわけです。 八岐大蛇(スサノオの敵)=リリスの蛇(ルシファーの嫁)=テュポーン(ギリシャの神の天敵)=ミドガルズオルム(ラグナロクの引き金)--------→の子が鬼=邪悪なスタンスの象徴なんですよ。というのがまず一つ。 もう一つ、越後の国の話での「怨念集合体説」も要素としては取り入れています。 ここから、「鬼は、人の歪んだ愛情、恐怖、憤り、疑心暗鬼のような感情が生み出すんだ」という定義を定めています。 とりあえず鬼ってなんなのよ とりあえず、このスレにおける鬼の存在は アンチ・人間 なわけです。 そのせいで人間が目を背けたくなるマイナスな要素(嫉妬、怒り、疑心)なんかを抱きやすくなります。 激情に駆られると周りが見えなくなったり、短絡的、破滅的思考が多くなったり、やたらと世界にとってマイナスな能力を手に入れたりしてしまいます。 だからといって、別に根っからの悪かというとそうでもないのですが。 鬼は素質さえあればどんな人間でも変異する可能性があります。 溜められた鬱憤や、誰も信じられない疑心暗鬼、吐き出しても収まることを知らない怒りなどがその人を満たし、何かの拍子に"人間からズレ"たら、鬼と定義しても良いでしょう。
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変若水(おちみず、をちみづ)とは、飲めば若返るといわれた水。月の不死信仰に関わる霊薬の一つ。人間の形態説明の一部としても形容される。 月夜見の持てるをち水 日本神話における月神、ツクヨミも変若水の信仰に関わりを持っており、『萬葉集』の中で「月夜見」は、若返りの霊水「をち水」を持つ者として登場する。巻13の歌には、 「天橋(文) 長雲鴨 高山(文) 高雲鴨 月夜見乃 持有越水 伊取來而 公奉而 越得之(旱)物」 天橋も 長くもがも 高山も 高くもがも 月夜見の 持てるをち水 い取り来て 君に奉りて をち得てしかも(3245) 反歌 「天有哉 月日如 吾思有 君之日異 老落惜文」 天なるや 日月のごとく 我が思へる 君が日に異に 老ゆらく惜しも(3246) という歌が見られ、年老いていく人を嘆いて、どうにかして天にいる「月夜見」が持つという「をち水」を取り、あなたに奉りたいと若返りの願望を詠んでいる。万葉集中に「をち水」を詠んだ歌は幾つか見られ、 「吾手本 將卷跡念牟 大夫者 變水白髪生二有」 我が手元 まかむと思はむ ますらをは をち水求め 白髪生ひにたり(巻4・627) 「白髪生流 事者不念 變水者 鹿煮藻闕二毛 求而将行」 白髪生ふる ことは思はず をち水は かにもかくにも 求めてゆかむ(巻4・628) 「従古 人之言来流 老人之 變若云水曽 名尓負瀧之瀬」 古ゆ 人の言ひける 老人の をつといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬(巻6・1034) とある如く、いずれの歌にも年老いた者を若返らせる「をち水」を求める切実な心が詠み込まれている。 新井秀夫は、論文「「月夜見の持てるをち水」小考」(「日本文芸研究」1991年4月)において、民俗学の見地から、元旦に一年の邪気を払う「若水」を汲む行事が日本各地で多数採取されていること、そして『延喜式』『年中行事秘抄』や佚書『月舊記』などの文献に平安時代の年中行事として、立春の日に行われる「供若水」が見られることを指摘し、古代日本に季節が新しく生まれ変わるのと同じように、春の始めに聖なる水「若水」を汲み、身心を清め生気をたくわえるいわゆる「若水」信仰の存在を考察している。そして、ある種の水を若返りの水として神聖視する信仰は、万葉集においては「変若水」や若返りを詠んだ歌に散見されており、単純な文学的表現とは考えにくいので、これらの歌表現の背景に「若水」信仰が存在したのではないかと考察している。 アカリヤザガマの若水と死水 「月と若返りの水」の結びつきは、ロシアの東洋学者ニコライ・アレクサンドロヴィッチ・ネフスキーが著した『月と不死』(東洋文庫)に採集された、沖縄の民族伝承にも語られている。 太古の昔、宮古島にはじめて人間が住むようになった時のこと、月と太陽が人間に長命を与えようとして、節祭の新夜にアカリヤザガマという人間を使いにやり、変若水(シジミズ)と死水(シニミズ)を入れた桶を天秤に担いで下界に行かせた。「人間には変若水を、蛇には死水を与えよ」との心づもりである。しかし彼が途中で桶を下ろし、路端で小用を足したところ、蛇が現れて変若水を浴びてしまった。彼は仕方なく、命令とは逆に死水を人間に浴びせた。それ以来、蛇は脱尾して生まれかわる不死の体を得た一方、人間は短命のうちに死ななければならない運命を背負ったという。 月と太陽の慈悲がかえって人の死という悲劇の誕生となったが、神は人を哀れみ、少しでも若返りできるよう、その時から毎年、節祭の祭日に「若水」を送ることとなった。これが「若水」の行事の起こりである。 若水信仰の起こり 中国の古い伝説には若返りの仙薬の話が幾つもあり、『淮南子』には、姮娥が西王母の「不死の薬」を盗んで月の世界に走った話がある。このような仙薬の話が、若返りの薬の発想の由来となったとも見られる。これと同じ発想の話は世界中に広がっており、フレイザーは死の由来話を分類して、蛇など脱尾する動物にからむ「蛇と脱尾(脱皮?)」型と、月の満ち欠けを人の死の由来を結びつけて考えた「月盈虚」型に分けている。アカリヤザガマの話は両者の結合した形となっており、しかもその話の結尾が若水の行事の由来話となっている。 このように古くから世界中で月と不死・再生が結び付けられて来たのは、月の盈虚が見せる死と再生の姿であろうと考えられている。月は新月から上弦の月、満月、下弦の月、新月…という満ち欠けのループを繰り返している。すなわち、月が満月という盛りを過ぎて衰え、下弦の月となってしまいには新月として消えてしまうが、また三日月として夜空に復活する、というループが直接に死と再生を想起させ、そこから更に不死と不老を願う観念と結びついて、「若水」の信仰が成立したと考えられる。
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配置 炎泡をあやつるもの(烈火をあやつるもの)纏火泡吹ファイアロブスター 炎の湖畔に住むもの(烈火に炙られしもの)赤翡翠鳥マガタマカンムリ 紅鎧の亀甲松 火光獣ヒネズミヌートリア 大燃玉クレナイマリモ ロータスリーフトータス 熱風蛸デビルドライヤー ドライアイカメレオン ガスライターオオハシ トコナツアカネ雑感 配置 赤翡翠鳥マガタマカンムリ 2 3 ガスライターオオハシ 火光獣ヒネズミヌートリア 大燃玉クレナイマリモ 7 8 紅鎧の亀甲松 ロータスリーフトータス 熱風蛸デビルドライヤー 12 纏火泡吹ファイアロブスター(ボス) 13 14 ドライアイカメレオン トコナツアカネ ※-:出現しないマス 炎泡をあやつるもの(烈火をあやつるもの) 纏火泡吹ファイアロブスター 種族 甲殻 属性 風 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 風+~ 射撃 2.5? スキル 爆焔連泡ファイアブリッジ 炎風+~ 射撃 2.5? 敵貫 ダメージ スキル 消火嵐泡ホワイトタイフーン 風+~ 射撃 2.5? 敵円 ダメージ ガード 未確認 その他 ※(投具or弩or銃)所持 炎の湖畔に住むもの(烈火に炙られしもの) 赤翡翠鳥マガタマカンムリ 種族 鳥 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 打撃 1.5 スキル マガタマガトリングフェザー 無 打撃 1.5 敵単 6回ダメージ ガード サイドステップ 魔法 確率で回避 その他 ※(錫杖)所持 紅鎧の亀甲松 種族 植物 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 斬撃 1.5 骨折追加 スキル 松毬鬼火 炎+~ 斬撃 1.5 敵× ダメージ ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 骨折抵抗 自身 オープニング時、骨折抵抗*4を付与 ※紅刀亀甲破り(刀/骨折追加Lv16)所持 火光獣ヒネズミヌートリア 種族 獣 属性 光 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 光+~ 打撃 1.0 スキル 炎毛輝歯ヌーファング 炎光+~ 打撃 1.0 敵単 ダメージ ガード カウンタ 直接 確率で反撃 その他 ※(戦闘靴)所持 大燃玉クレナイマリモ 種族 植物 属性 炎 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 炎+~ 射撃 2.0 スキル グリーンファイアボール 炎命+~ 射撃 2.0 敵十 ダメージ ガード マイティガード 全 ダメージ軽減 その他 ※(投具)所持 ロータスリーフトータス 種族 爬虫 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 爆撃 2.5 敵× 生命還元 スキル 脱皮ロータスカッター 無 爆撃 2.5 敵円 ダメージ ガード ブロッキング 直接 ダメージ軽減 その他 ※爆裂火薬蓮根(爆弾/生命還元Lv17)所持 熱風蛸デビルドライヤー 種族 軟体 属性 風 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 風+~ 魔撃 2.5 スキル 炎海芸デビルダンス 風闇+~ 魔撃 2.5 敵広 ダメージ混乱・魅了追加 ガード マジックバリア 魔法 ダメージ軽減 その他 ※(魔銃)所持 ドライアイカメレオン 種族 爬虫 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 神撃 2.5 恐怖追加 スキル ドライアイヨーヨー 無 神撃 2.5 敵単 4回ダメージ ガード ディフレクト 直接 確率で回避 その他 恐怖抵抗 自身 オープニング時、恐怖抵抗*4を付与 ※溺れる点眼注射器(注射器/恐怖追加Lv16)所持 ガスライターオオハシ 種族 鳥 属性 炎 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 炎+~ 音撃 3.0 スキル 大嘴火鳴ガスバーナー 炎風+~ 音撃 3.0 敵単 ダメージ ガード マジックカウンタ 魔法 確率で反撃 その他 ※(楽器orマイク)所持 トコナツアカネ 種族 蟲 属性 無 - 行動名 属性 攻種 射程 対象 効果 通常攻撃 - 無 魔撃 3.5 魅了追加 スキル 常夏熱帯翼 炎+~ 魔撃 3.5 敵列 ダメージ ガード 未確認 その他 魅了抵抗 自身 オープニング時、魅了抵抗*5を付与 ※(ロッドor本)所持 ※共通所持品 レッドグラスガントレット(小手/魅了恐怖抵抗*4) レッドグラスバンド(腕章/魅了恐怖抵抗*4) 巻蓮煉華の赤法衣(法衣/炎/炎風12%) 火鬼蓮鎧グリーンヴォルケーノ(魔法鎧/炎/炎風12%) タイプ:ダンジョン 属性:炎&風(水に弱く木に強い)(木に弱く鉄に強い) マップLv:437(438~440) スキップLv:不可 クリアボーナス: ボスLv:453~ ボス魂片 名称 種族 Lv 属性 ギフト 纏火泡吹ファイアロブスター 甲殻 133 無 泡沫炎禍 泡沫炎禍 武器専用 / 攻撃時、20%で1ターン間、単体対象の受ダメージ+4% / 効果中は再発動なし最大で受ダメージ上昇効果発動は5回まで効果中、対象の受ダメージ上昇効果発動後、次以降の効果+4% 重複× 雑感 乾風広げる火海枯原のなかに広がる窪地。 火の点いた枯れ草が乾いた風に吹かれて宙を巻い、火の海を作っている。 そのなかに目を凝らせば、熱風を生み出す湖が存在するのが確認できる。 炎湖は下から順に水、水草、炎の三層で構成されている。その層を貫いて鉄の柱が並び、鉄製の桟橋が陸地から伸びている。 なぜか熱が遮断されて涼しい桟橋の上を歩いていくと「纏火泡吹ファイアロブスター」が左右のハサミから泡を吹き出している。 ロブスターが真っ赤に焼け上がった後、風に吹かれながら湖の奥へ目をやると船がやってくる。 船乗りの手を取れば『ミッション:風止む火枯れの湖』を受諾、炎風の紅湖航路へと繰り出すことになる。 コメント すべてのコメントを見る
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『抜け殻』『脱皮』『小箱』の続きになります。 ======== 『空蝉』 「緊急事態です!」 暑い日だ。燦々と輝く日差しが降り注ぐ部室に、爛々と目を輝かせる古泉がいる。 「どうした、古泉」 「どうも、機関の非主流派が橘の手の者と通じているようで、あなたのことを狙っているとの情報が入りました」 橘? あの機関の敵対組織のやつか? 「ど、どういうことだ?」 「最近の安定した状況に、機関の存在意義が危ぶまれていると勝手な解釈を……」 「それで、俺を狙ってハルヒを焚きつけようというのか?」 どうしてみんなハルヒにちょっかいを出したがるんだ。酷い目に遭うのはいつも俺なのに。 「とにかく、差し迫った危険を回避するためにあなたは身を隠す必要があります」 「どうすればいい?」 古泉は長机を回りこむと、ぐっと俺に近づいてきた。そして、ポケットから小さな箱を取り出すと、俺の目の前に差し出した。 「ここに僕の抜け殻があります、これを被って僕に成りすましてください」 「何?」 「あなたと僕では、ほぼサイズ的には問題ないと思います。ごく一部分を除いては」 「一部分ってどこなんだよ」 「まぁまぁ。とにかく服を脱いで裸になってください。そして、これを身に着けるんです。一部分も含めてです」 「こ、こら、それ以上変に近づくな、自分でできる……」 「いえ、あなたはただじっとしていればいいんです、フフ」 「やめろ、古泉! ベルトから手を離せ!」 「いいじゃないですか、お手伝いしますよ」 「や、やめろおぉぉぉぉぉー」 ……ぉぉぉぉおおおお、お? 視界の中に見慣れた天井の模様がはっきりしてきた。暗い……、夜か? ここは、俺の部屋? どうなっているんだ? 今のは……、そうか、夢、か……。 ベッドから身を起こして時計を見ると三時だった。 いやな夢だ。なぜ俺が古泉にズボンを脱がされなければならないんだ。しかもあいつは自分の抜け殻を着ろと迫ってきた……。 俺は額の冷や汗を右手で拭うとベッドから降りて机の前に行き、引き出しの奥から、三つの小箱を取り出した。 これのせいであんな夢を見たのか……。 成り行きで手にすることになった、宇宙人と未来人の抜け殻が入った小箱を、俺はぼんやりと見つめている。 成り行き? いや、長門が半ば強引に……、でも、俺にも興味があったのは事実だ。まだ、小箱の中身を三つを並べてじっくりと眺めてみたことは無いけれど。 『緊急事態に陥った時に使って』 先日の長門の言葉が思い出された。とりあえず、しばらくの間は、常に持ち歩いた方がよさそうだ。緊急事態が起ころうが起こるまいが、この小箱の存在を誰かに知られるわけにはいかないしな。 ふぅ、もう一眠りできるだろうか? 小箱を引き出しにしまい、俺は再びベッドに潜り込んだ。 結局、その後もたいして眠れなかった。おかげで、今日は授業中も寝てばかりだった。なに、普段と変わりないって? ほっといてくれ。 「あんた、相変わらずよく寝るわねー、どっか悪いんじゃない?」 午後の授業が始まる前のことだ。俺の後ろの席のハルヒはあきれた様子だった。 「いろいろ苦労があるんだよ」 「なにが苦労よ。ホントに苦労してるんなら、寝てるヒマなんかないわよ」 「へいへい」 当面の苦労の種は、かばんの中の三つの抜け殻だが、なぜそんなものを俺が手にする事態になったか、ということについて「なぜなぜ」と、とことん辿っていくと、行き着く先は、ハルヒ、お前にぶち当たるんだぜ。すべての道はハルヒに通じている。責任とってくれよな。 「なに? なんか言いたいことでもあるの?」 「いいや、なんでもない」 「ふん」 ハルヒはプイっとふくれて窓の外を見ている。でも、心底怒っているわけではなく、会話を楽しんだ、と言う感じのリラックスした横顔だった。 その後の午後の授業も記憶がはっきりしないうちに終了したようだ。気がつけばすでに放課後モードになっていた。 「じゃ、お先」 「うん、あとで」 掃除当番のハルヒを残して、俺は教室を出て部室へとむかった。ハルヒは結構律儀に掃除はしている。適当に理由つけてサボったりしそうにも思えるんだが、こういうところも常識が支配しているようだ。その勢いで、妙な灰色空間など出現させないでいて欲しいわけだが、その辺は古泉の守備範囲なので俺としては深入りはしないし、したくもない。 いつものようにノックして部室のドアを開けると、デフォルトの長門に加えて珍しく古泉も来ていた。いつもの笑顔に少し怪しい光を感じたが、それは昨夜の夢のせいかも知れない。朝比奈さんもまだのようなので、おいしいお茶はいましばらくお預けだ。 「よお、早いな」 「どうもです」 古泉は少しばかり頭を下げた。 「涼宮さんは掃除ですか?」 「そうだ、まじめにやっているようだな」 俺はいつもの場所に腰を下ろした。長門は、普段どおり丸テーブルの横でなにやら分厚い本に目を落としている。たまにはマンガでも読んでみてはどうだ、と言ってやりたいね。結構気に入るかもしれないしな。 一方、古泉は長机の上で組んだ指先をじっと見つめていたが、顔を上げるとすこしばかりまじめな表情で静かに話し始めた。 「涼宮さんがいらっしゃる前にお話ししておこうと思うのですが、実は、あなたに危機が迫っているようなのです」 「なに? 俺に?」 長門も少し驚いた様子で顔を上げた。 古泉は軽く腕組みし、やや伏し目がちに物憂げな様子で続けた。 「機関の非主流派の一部が、例の橘の手の者と通じているようで……」 ん、あ、あれ? どこかで聞いたような状況……。 「どうやら、最近の安定した状況に対して、機関の存在意義が危ぶまれていると勝手な解釈をしているようです」 な、な、な、なにぃ? 「そこで、涼宮さんを焚きつけてコトを起こすために、あなたに危害を及ぼそうと……」 そこで古泉はぐっと体を乗り出すと、少しばかりいつものニヤケ顔に戻った。 「でも大丈夫です、フフ」 眼前に迫ってくる古泉の笑顔に、昨夜の夢に登場した古泉の危険な笑顔が重なって、俺の背中に電気が走った。思わずズボンのベルトを確認し、少しばかり後ずさりすると、俺は叫んだ。 「ま、ま、待て、まさかお前の抜け殻を被って身を隠せ、なんて言うんじゃないだろうな!?」 「は? 僕の抜け殻? 何のことですか?」 あっけにとられた古泉がぽかんと口を開けた後ろから、長門の声がかぶさってきた。 「彼は今、わたしの抜け殻を持っている」 「な、長門さんの抜け殻? なんですか、それは?」 こんな表情の古泉など見たことが無い。狐と狸に同時につままれたようだ。 どうやら古泉は俺のズボンを強引に下ろそうとしているわけではないことははっきりした。とりあえず落ち着いた俺は、椅子に座りなおすと、古泉に面と向かい、状況を説明することにした。 「うん、いや、実はな……」 俺は例の抜け殻のことをかいつまんで古泉に話した。古泉は、時折、「ほぉ」とか「なるほど」とか、大げさに相槌を打ちながら話を聞いていたが、最後に、 「安心してください、僕は脱皮はしません。あなたと同様にこの時代を生きる普通の人間ですので」 そういって、いつもの笑顔で微笑んでいた。 「頼むぜ、お前の抜け殻まで俺は持ち歩きたくはないからな」 古泉は無言で肩をすくめて苦笑いを見せたが、すぐに真顔になって話し始めた。 「いずれにせよ、あなたに危険が迫っていることは確かです。どうやら長門さんの抜け殻をうまく利用することも考えないといけないようです」 「同意する」 「長門……」 「そろそろ涼宮さんも掃除を終わってこちらにこられる時間です。続きは、よろしければ長門さんのご自宅で、いかがですか?」 古泉の問いかけに長門は間髪を入れずに答えた。 「わたしは構わない」 「わかったよ、なんだか知らんが、俺もヒドい目には遭いたくないからな」 「では、今日の解散後にあらためて長門さんのところに集合しましょう」 「朝比奈さんはどうする?」 「そうですね、とりあえず僕たち三人だけでいいんではないでしょうか」 「同意する」 再び即答する長門。 うん、そうだな。ここに朝比奈さんが入っても、申し訳ないが正直役に立つとは思えない……。古泉の言う通り、俺たち三人でコトに当たるのがよさそうだ。 「じゃ、よろしくな」 その後すぐにハルヒと朝比奈さんが前後して部室に到着した。そして、いつもと変わらぬように団活動にいそしんだ俺たちは、長門の合図と共に今日のメニューを終了し家路についた。 坂の下で解散した一時間後、俺と古泉は長門のマンションのリビングでコタツ机の定位置に座っていた。このコタツ机とも長い付き合いになるわけで、おのずと座る位置が固定してしまっている。慣れとは恐ろしいもので、たまに違う位置に座るとなんとなく落ち着かない気がするようにさえなった。 今、その机の上には、長門が出してくれた三つの湯飲みと、例の三つの小箱が並んでいる。古泉は長門の抜け殻の入っている青い箱を手に取ってしばらく観察しいていた。 「そうですか、これがTFEI端末の体表保護皮膜ですか」 「あとそのピンクのやつが朝比奈さんの、えっと、SPSだったっけ?」 長門の方に振り向いて確認してみると、即座に応答が返ってくる。 「そう、Surface Protect Shield」 「それが入っているらしい。俺も実物はまだ見ていないんだが」 朝比奈さんが『見ないで』と言ったので今のところ俺はその言葉に忠実に従っている。箱の中になにが入っているか確認したわけではないが、生真面目な朝比奈さんのことだ、きっときれいにたたまれた朝比奈さん自身の抜け殻がそっと納められているはずだ。 「先ほどの話だと……」 古泉は、手にした小箱を再び机の上に置いた。 「中に入ることができるそうですね」 「彼は、わたしの中に入ろうとした」 「『わたしの抜け殻の中』だ」 俺は少しばかり情報の伝達に齟齬が発生しそうな言い回しを修正した後、話を続けた。 「長門は小柄なんで、抜け殻の中は狭いんだ。肌に密着するし大変だったんだ。片足入れるだけでも結構時間がかかった」 俺はあの夜のことを思い起こした。右足だけ抜け殻に入れたところで抜けなくなってしまったことを。そして、夜中にここまで駆けつけて、長門が俺の太ももをサワサワしてくれたおかげで、やっとのことで俺も脱皮することができたことを……。 「大丈夫、少しばかり情報操作を行うことにより、抜け殻の着脱は以前より容易に行うことができるようになるはず」 「そうすると、後は衣装ですね」 古泉は俺と長門を交互に見ながら、自信たっぷりに頷いた。 「幸い、長門さんはほとんどいつも制服をお召しです。つまり、あなたの体のサイズに合わせたセーラー服があれば、いつでも長門さんに成りすますことができます。すぐにでも機関の方で用意させましょう」 「おい、待てよ、すると俺は抜け殻と一緒にセーラー服まで持ち歩く必要があるわけか?」 「当然です。さらに言うなら、必要に応じて長門さんと行動を共にした方がいいですね」 「長門と?」 「長門さんになりすまし追っ手を振り切るためには、まずは長門さんと行動を共にしないと意味がありません」 ふむ、そりゃそうだ。俺一人のときにいきなり長門に変身したら怪しいことこの上ない。 「今週末は、久々に例の不思議探索が予定されています。入手した情報によると、どうやらその日に何か計画されているようです。おそらく、探索が終了し解散した後、あなたが一人になった時を狙ってくるのではないかと予想しています」 古泉は、一言一言を噛みしめる様にはっきりと話すと、湯飲みを手にしてお茶をすすった。一瞬の静寂が無機質なリビングを包み込んだ。 「残念ながら、連中がどのような手段で来るかまではわかっていません。とりあえず探索終了後、敵の出方を見るために、長門さんと一緒に少しばかり街中を歩いてください」 「了解した」 長門は小さく肯いた。何かこう闘志というか決意に満ちた無表情だった。 「機関のものも適切に配置させます。うまく、連中の裏切りの証拠を入手できれば、今後の動きも抑えることができます」 ううむ、それってつまり……、 「……俺は囮か?」 「すみません」 申し訳なさそうに頭を下げた古泉だが、静かに頭を上げると力強く宣言した。 「しかし、当初予定していなかった長門さんの抜け殻を使うことによって、危険度はかなり緩和されると思われます。大丈夫です、あなたに危害が及ぶようなマネはさせません」 「わたしもついている。安心して」 長門が漆黒の瞳を輝かして俺のことをじっと見つめている。そんな長門は小柄ながらもとてもたくましく見える。長門がそういってくれるなら、それは俺にとって十分な重みを持っている。 「わかった、任せる。よろしく頼む」 翌日の放課後には、古泉から俺サイズの北高指定セーラー服が届けられた。 今、かばんを開けられると、俺は『変態』の称号をほしいままにできそうな状況ではある。女性の抜け殻三つにセーラー服だ。しかし、これらのアイテムは俺の身の安全のために必要なものらしい。あぁ楽しきかな、この日常……。 そして、毎日かばんの中身を気にしているうちに、あっという間に週末がやってきた。 ======== 週末、天気はよかったが俺の気分は晴れなかった。 そういえば久しく不思議探索はやっていなかったので、なんとなく新鮮な気もするのだが、やっぱり俺の奢りからスケジューリングされていたので、結局は、以前と一緒だった。 ただひとつ違うのは、今日は、俺に危機が迫っているらしいということだ。ただし、それも探索終了後ということなので、それまではごく普通に振舞わなければならない。 例の小箱と変装用のセーラー服は駅のロッカーに入れておいた。普段手ぶらで探索に来ているので、今日だけ紙袋をぶら下げるわけにもいかないからな。探索終了後に取り出して、長門と一緒に街中をうろつく予定だ。 ハルヒは、久々の探索と言うことで、すこぶる上機嫌だった。さらに午前の探索は、珍しく俺とのペアになった。いろいろありそうな今日一日のことに思いを巡らし若干ブルーな俺に、 「どうしたの、元気ないわね。あたしが元気あげようか?」 などと優しい言葉をかけてくれる。普段からこれくらいのことをしてくれれば、俺も苦労することは何もないのだが。 「お前の元気を貰ったら、俺はオーバーフローしてしまうよ」 「ははは、じゃあほどほどにしておいてあげるわ」 確かに、今日のハルヒからはいつも以上に、こっちまで元気させてくれるオーラが湧き上がっているのを感じる。午前中、一緒にあちこち回っているうちに俺の気分にも少しばかり晴れ間が差してきた。 午後は、長門と古泉と一緒の組になった。どうも、長門がくじ引きに少し細工をしたようだが、まぁ、いいだろう。俺たち三人は喫茶店に入って、今日のこの後の段取りについて、もう一度確認した。 「すでにあなたには尾行がついているようですね」 「ほんとか、古泉?」 「おっと、なるべく普通に話してください。二、三名が入れ替わりながらずっと尾行(つけ)ているようです。それ以外にも何人かいるようですが、まだ全貌はつかめていません」 せっかく午前中にハルヒに貰った元気だったが、一気にしぼんでしまいそうな感じだ。いったい、俺をどうしようと言うのだ。 「とにかく、普段どおりにしていてください。解散後もできるだけ長門さんと行動を共にしてください」 「わかったよ。長門、よろしくたのむ」 「了解した。大丈夫」 その後は三人でできるだけ人の多いところを選んで探索を行った。もちろん、万が一のことを考えてのことだったが、特には何も起こらなかった。確かに、万能宇宙人と、機関の主流派が一緒じゃ手出しはできまい。 「今日は、久しぶりに楽しかったわ。やっぱり不思議探索は我がSOS団の活動の原点ね」 午後の探索も終了し集合場所に集まった俺たちを前に、ハルヒは満足したように宣言した。 「今日は解散! お疲れー」 「お疲れ様でしたー」 朝比奈さんと一緒に去っていくハルヒの後姿を見送りながら、いよいよこれからが俺にとって本番であることを自覚し、少しばかり身が引き締まる思いだ。 「では、僕も失礼します。この後は長門さんにお任せして、僕はバックアップの方に回ります。大丈夫です、安心してください」 俺は機関に百パーセントの信頼を置いているわけではないが、SOS団結成以来のゴタゴタを通して、古泉のことは良き戦友として信頼してやってもいいと思っている。 「頼むぜ、古泉、長門」 そして、長門だ。この万能有機アンドロイドには俺は言葉にならないぐらい世話になっている。何か恩返しができればいいんだが、俺にできることは残念ながらほとんど何もないのが悔しい。 「例のものを……」 俺は長門と一緒に、駅のロッカーから小箱とセーラー服の入った紙袋を取り出すと、街の探索を再開した。 その後、しばらくウィンドウショッピングしたり、喫茶店でコーヒーを飲んだりしたが、俺は気が気じゃなかった。長門はいつもの様に終始無表情だったが、おそらく全身全霊をかけて周囲の状況を探り続けていたのだろう。 「なぁ、長門」 「なに?」 「やっぱ尾行されているのか?」 「店の外に一名、さらにその後方に二名。ただしそのうちの一名は古泉一樹側のもの」 「そ、そうなのか」 ううむ、どうしようもないな。長門がいてくれて助かった。俺一人だと、あっという間に敵の手に落ちて、すき放題されていたことだろう。 喫茶店を出てしばらく歩いていたが、そろそろ、街は暮れなずんできた。いつまでも長門といれば俺はおそらく安泰だが、ここは囮となって今後の憂いを排除する方向に持っていかないと、いつまでたっても危険と隣り合わせの追われる立場だ。 ふと隣の長門を見ると、漆黒の大きな瞳の輝きが五割ほど増しているのがわかった。何かある。 「どうした? 長門……」 「徐々に追っ手が間合いを詰めている」 「なに、ほんとか?」 「人数も増加している。危険」 「お前と一緒なら大丈夫だろ」 「そう。だが、彼らは、あなたがわたしと別れて一人になる時を待っている。そして、その時が近いと判断している」 「じゃあ、そろそろ……」 「そう」 通りを曲がると、急に人通りが少なくなった。しばらく行くと、長門が、 「こっち。ここに行く」 といって、俺の手を取って右側の建物に入ろうとした。 「おい、どこに……、って、これラブホ……」 「そう、ここで休憩」 「いや、あの、ちょ、ちょっと待て……」 「待てない」 こんなところを誰かに見られたらどうするんだよ、という突っ込みを入れる隙もなく、俺は長門に引っ張られるままにラブホテルに連れ込まれてしまった。 しばらくは何がどうなったのかよくわからなかった。ロビーのようなところの各部屋を紹介するパネルを操作しているうちに、気がつけば、シックな内装の少し大きめの部屋の、やはり少し大きめのベッドに長門と並んで腰掛けていた。 こんなところに長門と二人でいるなんて、なんか場違いだ。危険が迫っていることも忘れて、思わずあちこちきょろきょろしてしまうのが情けない。 テレビドラマなんかで見たことのあるようなケバケバしさはなく、全体的に落ち着いた感じのする部屋なのだが、妙に大きい鏡とかベッドの枕もとの用途のわからないスイッチ群とかが、怪しげな雰囲気を醸し出している。 「何がなんだかわからん」 「はじめて?」 「そうだよ」 「そう、わたしもはじめて」 そのわりにはチェックイン(というのか?)の手際はよかったな。長門のことだから何か情報操作でもしてくれたのだろうか。 「変装してすぐに出て行く必要はない。少しばかり時間をつぶし、相手の注意を引いてからの方がよい」 ベッドの縁にちょこんと座った長門は、隣に座っている俺の方を見上げながら少し首を傾けて言った。 「せっかくだから、少し休憩していく?」 二・三度まばたきした長門の大きな瞳に壁際の間接照明の明かりが映り込んでなんとなく潤んで見える。 「え、え、休憩って?」 「そう、休憩」 いや、あの、長門、それって……、えっ? 長門はそのまま仰向けにベッドの上に倒れこむと、組んだ手をおなかの上に載せて天井を見上げている。 「天井も鏡……」 その言葉で俺も見上げてみたが、確かに鏡だ。ベッドの上の長門と、首だけ見上げている俺の姿が映っている。 「なぜ?」 「ん、なぜって言われても……」 「不思議……」 長門はそうつぶやくとそっと瞳を閉じた。 「おい、長門……」 淡い灯りのなかで、長門の白い頬にやや朱みが差しているのがわかる。制服の胸元のリボンがゆっくり上下しており、やがてゆったりとした寝息が聞こえてきた。どうやら本当に休憩するつもりのようだ。 「……長門」 宇宙人製万能有機アンドロイドとしてかなりのエネルギーを使って、ここまで俺のために注意と警戒を払っていてくれたんだろう。さすがの長門でも少しばかり疲れたに違いない。 「すまんな、長門……」 俺はしばらく長門の寝顔を見つめていた。が、長門が初めて脱皮した日の俺の部屋のベッドで見たうつぶせ姿の白い裸身が浮かんできて、どうにもこうにも頭の中で妄想と言う名の大竜巻が暴れまわっている。こんな時に俺って奴は……。 「も、もういい。俺も寝る!」 勝手に宣言した俺は、長門の隣に寝転がると少しばかりの眠りに落ちたようだった。 「……ねぇ、お・き・て」 ん、あぁ? 「そろそろ、時間。お・き・て」 目を開けると、俺のことを覗き込む長門の黒い瞳が視界に入った。さらにその後方では、ぼんやりと目を覚ましつつある俺の姿が、天井の鏡の中に映りこんでいた。 「……な、長門?」 何か妙に甘い起こされ方をしたような気がするのは、夢の続きだったのかも知れない。俺はゆっくりと上体を起こすと、長門の方に振り返った。すでに長門からは戦闘モードに突入したような力強さが感じられる。やはり夢だったのか……。 「着替えて」 長門は、青い小箱とセーラー服の入った紙袋を俺に手渡した。 「えっと、服は全部脱いだ方がいいか?」 「その方が抜け殻が肌になじむと思われる」 「そ、そうか」 「手伝う?」 長門は、じっと俺の目を覗き込むように問いかけてくれたが、長門の前で素っ裸になるわけには行かない。 「いや、いいよ、あっちで着替えてくる」 俺はあわてて小箱と紙袋を受け取ると、洗面所の方に飛びこんだ。 それにしてもどこに行ってもでかい鏡がある。こういうところはどこもそうなのか? それともこの部屋だけのことなのか? 俺は小箱を開けると、長門の抜け殻を取り出した。ふわっという感じで広がると、以前に見た透明な長門が現れた。 まさか本当にこれに全身入ることになろうとは……。 俺は服を脱ぎ捨てると、以前と同じように抜け殻の背中の裂け目から右足をそっと入れた。今度は、長門が何か細工をしてくれたようで、前と比べると、あっさりと右足を入れることができた。ふくらはぎを触ってみたが、やはりキメが細かくつややかな肌だ。 おっとそんなことを確認している暇はない。 俺は、左足も同じように突っ込むと、太ももの辺りを手繰りあげながら、腰から下を抜け殻の中に納めようとした。さすがに太ももも腰回りも小さかったが、抜け殻は弾力よく伸びて、俺の下半身はすんなり納まった。 よし、このまま一気にいくか。 今度は上半身だ。長門と俺では十センチ以上の身長差があるので、肩の位置は結構違ったのだが、やはりこの抜け殻はよくできている。グーンと伸びて結局、両手と頭を入れるのにも苦労はしなかった。まぶたと鼻の位置を合わせるのに少しばかり手間取ったが。 ふぅ、入った……。 入ってしまえば締め付け感は少しもない。俺は、口の辺りのしわを延ばしつつ、ゆっくりの目を開けて、鏡に映った自分自身の姿をそっと見つめた。 そこで見たのは、洗面所の蛍光灯の明かりの中で、つややかで滑らかな白い肌が輝いている長門の姿だった。 もっとも、全体的な体つきは小柄な長門ではなく、俺だった。ふたまわりぐらい大きな俺が入ったおかげで抜け殻は伸びきってしまい、せっかくの胸もぺったんこだ。ただし、先端の薄いピンクの小さな突起だけははっきり残されている。 思わず指でつまんでみたが、ぺこっとつぶれてしまった。そりゃそうだ、抜け殻なんだからな。 さらに視線を下のほうに向ける。 当然ウエストラインにはくびれも変化もない。そしてもっとも神秘的な場所なんだが、こればかりはどう表現してよいものか……。所詮中身は男だ、根本的な造りが違う。あとは想像してくれ。 すまん、長門。 そういえば、この状態ではトイレにも行けない。先に用を済ましておくべきだった。 そんなことを考えながらひと通り観察が終了したので、俺は紙袋から制服を取り出した。その時、白いものが床に落ちた。さすがだ古泉、下着まで用意していたのか。 少しばかりレースで縁取られた純白の女物のパンツをはく。このパンツは古泉の趣味なのか、それとも森さんあたりが用意してくれたものなのか。小さいくせにきちんとはくことができた。抜け殻同様によく伸びるようだ。 ブラは入っていなかった。どうやら、ブラをする必要がないことに古泉は気づいていたと見える。あらためて言おう、さすがだ古泉! その後、どうにかセーラー服を身に着けた。短いスカートがどうもなじめない。女性たちはよくこんなスカスカするものをはいていられるもんだ、無防備なことこの上ない。 最後に紺のソックスをはいて、あらためて鏡の前に立ってみた。 うーん、でかい長門だな、やっぱり。 顔の輪郭は違うが、個々のパーツは長門そのものだし、セーラー服を着ると、体のラインが隠される。スカートから伸びる足も、皮膚の色と質感だけは長門と同じだ。太さはどうしようもない。スカートでなくパンツルックだとごまかせそうだな。 俺は、鏡の前でくるっと一回りして、ポーズを取ってみた。さらりとたなびくショートカットの髪、そして、一瞬舞い上がったスカートの中に白い下着が見えたような気がしてドキリとする。 鏡の中の俺に向かって、首をかしげて軽く微笑んでみる。ふむ、長門が微笑むとこんな感じなのか。か、かわいいじゃないか……。 いかん、いかん、あれは俺自身だ。俺は決して変な趣味はない。 「よし」 気合を入れた俺は洗面室を出て、長門の待つベッドルームへと向かった。 「すまん、待たせた、な、な、長門? その格好……」 ベッドの横で振り返った制服姿は、長門ではなくて喜緑さんだった。 「喜緑江美里の抜け殻を着た、……あなたもセーラー服がよく似合っている」 さすがに俺が長門の抜け殻を着るより、喜緑さんの抜け殻を着た長門の方が遥かによくマッチしている。どこからどう見ても喜緑さんだ。 その喜緑長門は、俺のことをじっと見つめている。何か珍しいものでも見るような表情に思えたのは、俺が気にしすぎているからか。 「あなたがここを出てしばらくしてから、わたしはこの格好で出る。できるだけ人の多いところを通ってわたしのマンションに向かって」 そういって、喜緑長門はマンションの鍵を俺に手渡した。 「ここを出るときには、見た目が小さくなるように、少し体を縮めた方がいい」 「うん、わかった。じゃ、行ってくる」 「気をつけて」 おそらくは古泉側の誰かが俺のことをフォローしてくれているはずだ。頼むぞ、古泉。 俺は、少し体を縮めるようにしながら、できるだけ自然な感じでラブホテルを後にした。追っ手が来ているかなんて俺にはわからない。長門に言われたように、人通りの多いところを選びながら長門のマンションを目指した。 長門に変装しセーラー服まで着ているので周囲の視線が気になって仕方がなかった。どれほどの時間が経過したかもわからないし、どこをどう通ったのかもわからないまま、やっとのことで長門のマンションが見える所まできた。もう少し、向こうの角を曲がってちょっと行けば、エントランスだ。だんだん歩みが速くなる。 ついには少し小走りになって角を曲がった瞬間、誰かに腕をつかまれた。 「うぐっ?」 「そんなにあわててどうしたんですか?」 聞きなれない太い声が耳元で聞こえた。 「どこで手にいれたのか知りませんが、妙なものを着ていますね。すっかり出し抜かれるところでした」 「誰だ?」 「名乗ったところであなたはご存知ないですからね、どうでもいいじゃないですか」 しまった、角を曲がるときには注意しろ、と言われていたのに。ここまできて油断した。 「離せ!」 「それは無理な注文です」 「くっ!」 ごつい腕に両肩をがっしりとつかまれて俺は身動きが取れなかった。長門、古泉、頼む、早く来てくれ! 無駄な足掻きと知りつつも、俺は何とか振りほどこうともがいていた。 と、その時、 「あれ、長門さん、どうしたの?」 どこかで聞いたことがある声がして、俺は頭を上げた。 「あ、あ、朝倉ぁ!?」 ======== マンションのエントランスの方からゆっくり歩いてきたのは、制服姿の朝倉だった。 なぜだ、なぜ朝倉がこんなところに。 やばい、ますますやばい。すでに機関の非主流派は情報統合思念体の急進派とも連携していたというのか? くそっ、ここまでか……。 「誰だ、お前は!」 男が朝倉に向かって叫んだ。 おや、こいつは朝倉を知らない? 「それより、あなたは何? 長門さんをどうしようというわけ?」 ん、どういうことだ? この朝倉は……。 朝倉が一歩前に進み出ると、俺の肩をつかんでいた男の力がフッと抜けたのがわかった。俺は男の手から抜け出すと、転がるようにして朝倉の背後の電柱の影に駆け込んだ。 「わたしと戦うつもりなら、容赦はしないわ」 朝倉は以前に俺を襲った時と同じ様に、にこやかな微笑みを浮かべながら男との間合いを徐々に詰めている。 「……TFEI端末か?」 男はふり絞るようにつぶやくと、ゆっくりと後ずさりを始めた。 「そうね、あなたたちの言葉を借りるなら、そう言うことになるわね」 朝倉は、今にも飛びかかろうとする猫科の動物のように体を少し縮めた。 「ちっ」 男が後方に走り出そうとした瞬間、白い影が曲がり角から飛び出して男の足を払った。 勢い余った男は地面の上で二回転ほどして受身を取ったところで、今度は別の影が飛び出してきて後ろ手に男を押さ込んだ。 「き、喜緑さん!」 俺は思わず叫んだが、最初の影は、喜緑さんの格好をした長門だ。二番目の影は白いブラウスにタイトスカート、そして髪をポニーテールにまとめた、できる秘書風OLの姿に変身した森さんだった。 「大丈夫?」 喜緑長門がスカートの埃を手で払いながら、電柱の横でしゃがみこんでいる俺に近づいてきた。そして、俺の前に立っている朝倉を見つめると、わずかに頭を下げた。 「朝倉涼子……ありがとう」 「え、え、え?」 「うん、気にしないで。それよりホントに大丈夫? えっと、とりあえず大きい方の長門さん」 この朝倉は味方なのか? それとも休戦中の敵なのか? どうして復活したんだ? 少なくとも俺の見た目は今は長門のはずだ、中身が俺であることを知っているのか? 差しのべてくれた朝倉の手をつかんで、やっとのことで立ち上がった俺は、目の前で微笑みながら俺のことを見つめている朝倉を見つめ返した。あまりに疑問が多すぎる。 その時、背後から森さんの声がした。 「とりあえず後はわたしたちが何とかしますから、まずは長門さんのマンションに行ってください、って、ぐ、動くな、このぉ」 あの大男が森さんに押さえ込まれて身動きができないようだ。ポニーの髪を揺らしながら男に馬乗りになっている森さんのどこにそんな力があるんだろう。不思議な人だ。 「さ、早く!」 「了解した」 喜緑長門と朝倉に支えられて、俺は長門のマンションのエントランスを目指して走り始めた。一見、仲の良い女子高生三人組だが、見た目はともかく中身は大違いなんだけど。 やっとのことで、長門の部屋にたどり着くことができた。朝倉がいることだけが腑に落ちないのだが、喜緑長門はそんなことを何も気にしていない様子だった。どういうことだろう。 リビングに入ると、喜緑長門はまだ疑問を抱えたままの俺に振り返った。 「とりあえず、着替えては?」 「うん、そうだな、そうする」 「和室を使って」 長門はもともと俺が着ていた服が入った紙袋を手渡すと、和室に案内してくれた。 「たぶん、問題なく脱げるはず。もし、うまくいかない時は呼んで」 「わかったよ」 和室の襖を閉めてセーラー服から脱ぎ始めた。結局スカートだけは馴染めなかったな。これを着ることはこれで最後にしたい。俺はそんな思いを胸に秘めながら、背中の部分をぐっと開き、長門の抜け殻からの脱皮を始めた。 長門が言っていたように、特に苦労することも無く、するすると抜け殻から出ることができた。そういえば、肌に密着していたのに、汗ひとつかいていない。なんという通気性に優れた素材なんだろう。 長門の抜け殻と制服をたたんでリビングに戻ると、長門も朝倉もいなかった。別の部屋で、長門の脱皮と着替えでも手伝っているのだろうか? 何とか危機は乗り切ることはできたようだな。全身の力がどっと抜けた俺は、コタツ机でグターとのびていた。しばらくすると、廊下から長門と、その後ろからもう一人、見たことのある姿が……。 「え、あれ? 喜緑さん?」 長門はすでにもとの長門の姿に戻って、キッチンへお茶の用意に行った。と、言うことは、この喜緑さんの中身は朝倉なのか? いったい誰が誰なのかわからなくなってきたぞ? 「大丈夫でした? キョンくん」 「本物の喜緑さん、ですか? それとも朝倉……」 「うふふ、ほら、これを見てください」 そういって喜緑さんが手を広げると、ぱぱぱっと透明なものが大きく広がった。 こ、これは……。 「そう、朝倉涼子の体表保護皮膜です」 「な!」 コタツ机の上に横たわった朝倉の抜け殻を、俺は呆然として眺めていた。 「さっきの朝倉さんは、実はわたしだったんです。だって、長門さんがわたしに成りすましていたから、やっぱり、二人同時に登場したら変じゃないかなって」 いやいや、こんな抜け殻があること自体、十分変ですよ、喜緑さん……。 「朝倉さんはずいぶん前に、長門さんに情報連結を解除されてしまいましたが、保護皮膜はなぜか情報統合思念体によって保管されていたみたいです」 喜緑さんは朝倉の抜け殻を再び小さくたたむと、水色の小箱を取り出してその中にそっとしまった。 「驚きました?」 「はぁ、それはもう」 朝倉が現れた時、俺はもうすべて終わったと、一度はあきらめたんだから。 「それにしても危ないところだった」 お茶を持ってリビングにやってきた長門は、そういいながら腰を下ろした。 「朝く、いや、喜緑さんが来てくれたおかげでホントに助かりました」 俺も、あらためて喜緑さんに頭を下げた。 「いいんです。気にしないでください」 長門が淹れてくれたお茶はおいしかった。おかげで、心の底から一息つくことができた。長門も喜緑さんも、静かにお茶を飲んでいたが、やがて喜緑さんが俺の方に向かってにっこり微笑んできた。 「わたしたちの体表保護皮膜を集めているそうですね?」 き、喜緑さんまで何を言い出すんですか……。 「いや、別にそういうわけでは……」 「よかったらこの朝倉さんのものも持って帰ってください」 喜緑さんは水色の小箱を差し出した。 「そんな、別に俺は……」 「また、何かのときに役に立つこともある。あなたは持っておくべき」 「『持っておくべき』ってなぁ、長門……」 「いらない?」 一ミリほど首を傾ける長門。 「え?」 「いらない?」 「えーっと……」 「いらない?」 「…………い、いります」 またしても、俺の負け。三顧の礼かよ、まったく。 そんな俺たちの様子をニコニコして見つめていた喜緑さんだった。 その後、家に帰る俺を、念のため、といって喜緑さんと長門がエスコートしてくれた。万能有機アンドロイドとはいえ、女性二人に家まで送ってもらえて、なんとなく歯痒い様な嬉しい様な妙な気分だった。 やっと、我が家へ、俺の部屋に無事に帰りつくことができた。それにしても長い一日だった。 結局、今、俺の手元には、俺が身につけた長門の抜け殻と、長門が身につけた喜緑さんの抜け殻と、喜緑さんが身につけた朝倉の抜け殻と、そしてまだ現物は見たことがない朝比奈さんの抜け殻が残されている。特に真ん中の二つは微妙にコレクターズアイテムとしての価値が高まったような気がするな。 そうだ、もう一つおまけに俺サイズの北高指定のセーラー服とレースつきパンツもあった。……誰か欲しい奴はいるか? これらのスペシャルアイテムを俺はどうすればいいんだ? 毎日かばんに入れて持ち歩けというのか。と、言うか、持ち歩かざるを得ないではないか。うぅむ、教科書すらろくに入っていないかばんに、こんなものを入れておかないといけないなんて……。 「あーあ、もう、どうでもいい、なるようになれ、だ……」 四つの小箱はまた机の引き出しの奥に入れた。セーラー服は紙袋に入れたまま、クローゼットの奥に押し込んだ。くたくたに疲れた俺は、深い深い眠りについた。 そんな怒涛の週末が終わって、月曜日を迎えた。 ハルヒはその週末以降もずーっと機嫌がいいようで、授業中、しょっちゅう俺の背中をつついては、楽しげにいろいろ話しかけてきた。頼むから先生の話を聞かせてくれ。 え、いつも寝てるだけだから一緒だろって、ほっといてくれ。 そして、あっという間に放課後になった。 掃除当番のハルヒを残し、部室へと向かっている途中で、古泉と出会った。 「よお、古泉」 「あ、先日は、お疲れ様でした」 俺は、古泉と並んで歩きながら、週末の騒動の結末について尋ねてみた。 「結局、機関の非主流派とやらは何とかできたのか?」 「えぇ、あなたを見失った後、連中、あわてて行動を始めましてね……」 そこで古泉は俺の方に振り向いて軽く頭を下げてにっこり笑った。 「最後は少し危ないところでしたが、長門さんと森さんのおかげで、首謀者も捕まえることができました。あなたのおかげです。ありがとうございました」 そうか、あの大男が黒幕だったのか。 「そういえば、森さんの話によると、あの時もう一人、北高の制服を着た女性がいたとか」 「うん、あれか、あれはな……」 と、ここで古泉の携帯が鳴った。 「すみません、失礼します」 古泉は携帯を耳にあて、少し横を向いて会話している。 「え、えぇ。本当ですか? はい、わかりました。すぐに伺います」 通話を終えた携帯をポケットにしまいつつ、古泉の笑顔に憂いが宿った。 「久しぶりに閉鎖空間が発生したそうです」 「はぁ? どういうことだ。ハルヒはすこぶる機嫌がよかったぞ」 俺はついさっき別れたばかりのハルヒの姿を思い出した。ほうきを握り締めて、阪中と何か楽しげに話をしていたが……。 「とにかく行ってきます。涼宮さんにはよろしくお伝えください」 「わかった、気をつけろよ」 「ありがとうございます。それにしても、ここに来て閉鎖空間とは。皮肉なもんです」 古泉は力なく笑っていた。確かに、安定状態が続くことを嫌った非主流派の企みが潰えたとたんに閉鎖空間が発生するなんて……。 「僕も何か身を守ることのできる抜け殻が欲しいですね、では」 そう言いながら古泉は階段を駆け下りて行ってしまった。 抜け殻、か……。 今、俺のかばんの中には、四つの抜け殻が入っている。さすがに今日はセーラー服は置いてきたが。それにしても、まさかの朝倉の抜け殻まで手に入ってしまった。これらの抜け殻のおかげで俺は危機から脱することができたわけだが、あんな風に役に立つとは思いもしなかった。 それにしてもどういうことだ? なぜ急に閉鎖空間が発生したのだろう。 教室に戻ってハルヒの様子を見に行くことも考えたが、俺はひとまず部室でハルヒを待つことにした。何か気に入らないことがあるのなら、きっとドアを蹴破る勢いで部室に飛び込んでくるはずだ。対処するのはそれからでいい。 部室には、長門とすでにメイド姿に変身していた朝比奈さんが座っていた。 「こんにちは、キョンくん」 「どうも、朝比奈さん」 俺は朝比奈さんに軽く会釈していつものようにかばんを置くと、やはりいつものように本を読んでいる長門を見た。 「よお、元気か?」 「元気」 あいかわらずの平板な表情の長門を見ていて、あのラブホテルの鏡で見た、俺自身が変身した長門(俺)の笑顔を思い出していた。もし長門が表情豊かに微笑むならば、きっと今以上に輝いて見えるに違いない。えーっと、仮定法過去だったっけ? 「古泉くんは?」 「急にバイトが入ったそうで……」 「えっ!」 朝比奈さんと長門が驚いたように顔を上げた瞬間、ばこーんという大音響と共に部室の扉が吹き飛んだ。 「キョーーン! そこにいるの!?」 ものすごい勢いで飛び込んできたハルヒは、俺のネクタイを握りしめると長机の上に俺をねじ伏せた。 「な、何をする! どういうことだ!」 「ええい、問答無用よ、これからあたしの質問にきりきり答えなさい!」 「落ちつけ、問答無用なのか答えなきゃいけないのかどっちだ!」 「キョン、あんたこの前の不思議探索のあと、有希と一緒に、ラ、ラブホテルに行ったわね!」 「なっ?」 「えっ、キョンくん……」 「阪中さんに聞いたわ、あんたが強引に有希を引っ張り込んだところを見た人がいたって! どういうことよ、あんた、有希に無理やり変なことをしたんじゃないわよね?!」 ちょ、ちょっと待て! 行ったのは事実だが、俺たちは何もしていないし、そもそも、俺が引っ張り込んだんじゃない、俺が長門に引っ張り込まれたんだ。誰だ、いい加減なことを阪中に伝えた奴は! それにあそこに行ったのは必要に迫られて仕方なくだなぁ……、なんて、言い訳はできない。くぅー、どうすればいい? 俺はそっと長門の方に助けを求める視線を向けたが、長門は相変わらずの無表情だった。 「有希! 大丈夫だった? キョンに何かされなかった?」 ハルヒの問いかけに、長門は小さくつぶやくように答えた。 「そこで、彼はわたしの中に入った」 「ふへっ?」 「な、ながとぉー!」 前にも言っただろ、『わたしの抜け殻の中』だぁぁぁ…………。 もはや簡単には修正できないほど、情報の伝達に齟齬が発生してしまった。 激しく往復ビンタを食らわせた後も、ハルヒは俺のネクタイを締め上げながらなにやら叫んでいた。そんな目に遭いながら、俺にもしものことがあったら、かばんの中の四つの小箱はどうなるのだろう、なんて事が頭の中を駆け抜けていった。 誰かに見られたら、俺は怪しげな脱皮を繰り返す『完全変態』だと思われるではないか。いやいや、蛹にはならないようだから『不完全変態』か、困ったもんだ。 結局、どんなに手を尽くしたところで、最後にひどい目に遭うのはやはり俺ってことだ。あぁ、いっそ、俺自身の抜け殻を身代わりに残して、しばらくどこかに雲隠れすることができたらどれほどいいだろう……、やれやれだよ、まったく。 Fin.
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CS Pop`n music 12 いろは 2006/3/2発売! 公式サイト http //www.konami.jp/bemani/popn/gs/12/index.html システム概要 テーマは「和」 AC版での「NET対戦」にあたる対戦モード追加。CPUキャラ2人との対戦。 ゲームモードに「SPECIAL」が新設。スタディランド-キャラクターガイド-オマケがここに移動 他に、「POP`N REQUEST」「MINI GAME」を収録。 マラソンモードもここに出現する。 AC版のチャレンジモードへの2曲保証の追加を反映しているため、1曲目で落とすとコンテニューが発生せずそのままプレイが継続する。その代わり、AC版同様にEXステージが出せなくなる。また、CS版では「同一曲の連続選択=不可」で固定されているため、1曲目で落とした場合、ゲームオーバーになるまで1曲目で選んだ曲を選び直せなくなる。CS11以前のチャレンジモードでは無限コンテニュー制が前提のため、1曲目から何度でも、直前に選んだ曲も含めて選び直せていたため、この点は劣化点となってしまっている(CS11以前のノーマルモードにおける欠点をそのまま引き継いでしまっている) 譜面スクロール速度がACカーニバルより若干速い HS5-6、S乱は最初から使用可能 版権担当キャラは最初から選択可能 オプション設定のGAME LEVELが8段階に変更デフォは3。AC仕様は4(推定) キャラクター選択にランダム機能追加。 レベル表記はカーニバルの仕様。 クラシック11EXのレベルが42に変更。判定が少し甘くなった。 カウボーイHのレベルが31に変更。 コンテンポラリーネイションEXのレベルが41に変更。 ビビッドEXの譜面が一部変更。 CSエンディングが全部で4種類ある。スーツとモリーが戦うバージョン、戦わないバージョン、互いにすっぽかされるバージョン2種類の計4種類 特にモリーがすっぽかされるバージョンは必見。 パンキッシュガールは出現条件が厳しく常滞するのが難しいため、やったことがない人も少なくない。 収録曲一覧 AC12曲(23) エイジロック メッセージソング ブルースロック シンフォニックテクノ 琴フュージョン 流星RAVE アカペラ フロウビート トーキョーロマン プロポーズ キッズマーチ ヒーリングデュオ ダイナマイトソウル ハイパージャパネスク アジアンコンチェルト ポジアコ ビビッド ヒップロック3 ロックビリー J-ロックφ K-ダンス ビワガタリ オンセンラップ CS12曲(11) プリティ雅 昭和怪奇譚 セタガヤ系 ビジュアル艶歌 R&B&M 三味線ブラザーズ チンドンダンス 上京ラップ スローライフ 萌えポップ J-パンキッシュガール AC11再録曲(10) グラディウス トザン ねぶた ホラ-2 ナニワヒーロー ナンキョク メサリミ 大河 REMIX テクノボー ドラムンフライ CS11再録曲(4) フレンチメルヘン クラシック11 コンテンポラリーネイション2 カウボーイ AC12版権曲(6) キミョウ エヴァ クレヨンしんちゃん バブルバスガール ドラゴンボールZ クリィミー AC12隠し曲(22) ゴエモン ショータイム サイバーガガク ひなまつり ソツギョウ ハイパーロッケンローレ ヴィヴァーチェ UFOテクノ タナバタ ビーチ ハッピーキュートコア J-ソウル ガムラン 敬老パンク ハロウィン にょろロック ラメント J-ジャズ セツブン クリスマスプレゼント オオミソカ ニンジャ卍ヒロイン CS12隠し曲(4) 必殺スパイ むしばワルツ アスレチックミート フォレストスノウ ポップンリクエスト旧曲(9) (聴くと元気が出る曲) ハイパンク(9) ユーロビート(8) ソフトロックLONG(7) (ポップンが好きになった曲) ヒップロック(6) トランス(6) J-テクノ(1) (畳の上であそびたい曲) 禅ジャズ(10) エンカREMIX(5) ショウワカヨウ(7) ee`MALL曲(4)移植曲である「Sweet Illusion」と「airflow」はジャンル名ではなく曲名で表示される。 スウィング歌謡(花見で一杯) ションボリ(純勉夏) Sweet Illusion(from GF8dm7) airflow(from IIDX8th) エキスパ旧曲(4) オンド J-ポップ エンカ パラパラ ミニゲーム旧曲(2) フレッシュ コンテンポラリーネイション 連動曲(3) スカ ハードカントリー パンキッシュガール CS新曲情報 CSいろは新曲 ジャンル名 曲名 アーティスト 担当キャラ N H EX BPM スローライフ 甘い時間(pop'n mix) BE THE VOICE オリビア 13 26 34 128~256 セタガヤ系 東京ガール(pop'n mix) metro/trip ピルティ 13 26 30 138 R&B&M ドンパン節 笛吹二朗とドンパン・リスペクツ テクノスターズ 14 24 32 98~124 J-パンキッシュガール 脱皮-Knock Out Regrets- MAKI@TOGO.BAND スピンキー 15 29 35 180 萌えポップ オヤシロのムスメ 後藤沙緒里 みここ 15 23 28 189 三味線ブラザーズ 大桟橋(伊呂波調) 内田兄弟 内田一門 16 26 33 156 上京ラップ 俺ら東京さ行ぐだ(I'LL GO TO TOKYO!) ノーボトム! MC.TOME 16 28 40 140 ビジュアル艶歌 月影華(TSUKI-KAGE-BANA) 丸山和嘉 深川ふなを 17 28 36 152 チンドンダンス TIN-DON-DANCE ノーボトム! YANARY 18 30 36 145 昭和怪奇譚 鹿鳴館の怪人 リシャール秋田 文彦さん 18 28 35 180~190 プリティ雅 突確全回転! マロンちゃん みやびさん 20 34 40 196 CSいろは隠し新曲 ジャンル名 曲名 アーティスト 担当キャラ N H EX BPM パンキッシュガール Knock Out Regrets MAKI@TOGO.BAND スピンキー 14 31 37 180 むしばワルツ 僕の名前は勇気鈴木歯科クリニック編 ゆうき。 小山明美 17 25 30 140 必殺スパイ お仕置き忍のテーマ 000七 スーツ対モリー 19 32 37 120~153 フォレストスノウ 月雪に舞う花のように 猫叉Master 智羅 21 34 40 70~125 アスレチックミート 一発逆転!××だらけのハッピー大運動会!! P-4 laboratory bengbeng 21 36 41 190~200 CSいろは隠しコース 1 2 3 4 景コース 必殺スパイ むしばワルツ アスレチックミート フォレストスノウ 倭コース オンド J-ポップ エンカ パラパラ 解禁イベント「ポップン秘伝忍法帖」 AC版の同名の店舗対抗イベントがベース。 1 2 3 4 5 6 7 8 春 ヴィヴァーチェ 必殺スパイ ひなまつり ショータイム ソツギョウ サイバーガガク ハイパーロッケンローレ スウィング歌謡 夏 UFOテクノ むしばワルツ タナバタ ビーチ 景コース ゴエモン ハッピーキュートコア ションボリ 秋 Jソウル 倭コース アスレチックミート ガムラン ハロウィン 敬老パンク Sweet Illusion 冬 クリスマスプレゼントAC Jジャズ フォレストスノウ にょろロック セツブン ラメント オオミソカ airflow 忍 ニンジャ卍ヒロイン HELL HELL12 初回特典サウンドトラック ※全てロング曲 1 脱皮~Knock Out Regrets~ 2 僕の名前は勇気~鈴木歯科クリニック編~ 3 ふたりのマニフェスト 伊東家 公式サイトより 「Dance Dance Revolution STRIKE」のセーブデータがメモリーカードにあると「Dance Dance Revolution STRIKE」に収録されている「J-PUNKISH GIRL」の英語バージョンが登場 「GuitarFreaksV DrumManiaV」のセーブデータがメモリーカードにあると「スカ(GFDM)」と「ハードカントリー」が登場 ミニゲームのクリア特典 ミニゲーム「ししゃものネコ缶」をクリアするとフレッシュが登場 ミニゲーム「イマ様の緑化運動」をクリアするとコンテンポラリーネイションが登場 ※緑化運動は二人プレイで始めて片方放置すると選択肢が一つ減るので少し楽になる ※更に、同じ色は連続で来ないので、↑と組み合わせると実質的に3択となる 忍法帳の最速解禁法 バトルモードで短い曲3曲(J-テクノ→J-ソウル→トザン)を放置 ハイスピは付けると巻物のスクロールスピードが上がるので付けない 隠し出現コマンド 12348876 AC隠し曲 78987179 CS隠し曲 38877966 芋隠し曲 82347699 エキスパ隠しコース&曲&HELL譜面 97976868 パンキッシュガール 38271619 スカ&ハードカントリー イマ様&ししゃもは現時点では解禁コマンドなし コマンドで出した曲は常駐しないが、オリコに登録すれば残せる アナコン対応表 2 4 6 8 1 3 5 7 9 L1 ↑ △ R1 L2 ← - ○ R2 ○はセレクトを押しながら入力 DDR Strike 隠し解禁条件 (データ連動不使用時) 1: チャレンジモードのステージ1またはステージ2の曲選択画面で"4466373728(ポプコン)"もしくは"上上下下左右左右L1R1(パッド)"を入力する。 2: J-パンキッシュガールをプレイし Great、Good、スコア の合計の下3桁が105 (バトル時は2人とも満たす) ※手順2ではEX譜面をGREAT 1だけ出して放置する方法が一番簡単。 GFDM V 隠し解禁条件 (データ連動不使用時) 1: チャレンジモードのステージ1またはステージ2の曲選択画面で"4466373728(ポプコン)"もしくは"上上下下左右左右L1R1(パッド)"を入力する。 2: にょろロックをプレイし Great、Good, Combo の合計の下3桁が555になる。 (バトル時は2人とも満たす) ※手順2は最初から277コンボまでつないでから放置する方法が比較的簡単。5ボタン譜面では不可能。 ※N譜面なら間奏が終わる直前の赤2連打までを取れば277コンボ。 両方とも放置が有効なのはステージ1のみ(必ず次のステージに進める為) カレンダーの裏 適当に情報を書き殴っておく場所。いわばチラシの裏だが、いろはなのでカレンダーの裏 情報が纏まったら削除する事。 ポプコン・アケコンでオプションのハイスピードを選択する時 左青ボタンで減少、右青ボタンで増加というAC仕様になった 忍法帖全てクリアで未プレイEX解禁 上記+リクエスト曲制覇でマラソン解禁(ミニゲーム曲・連動曲は出さなくてもいい) リクエスト曲&ミニゲーム曲&連動隠し曲は忍法帖を全て埋めても出ない マラソンは全99曲(連動の3曲は出ない) 未クリアのミニゲーム曲も道中に出るが、クリアしても解禁しない 対戦におけるオジャマ攻撃「キャラクターポップくん」の仕様が変更された。 AC版では攻撃受けると自分の使用キャラのキャラクターポップ君が降ってきたが、対戦相手2名のキャラクターポップくんに変化する。両方共1Pカラーで振ってくるため慣れない内は結構キツいかもしれない。下段が初期状態で3位枠(青・マッチング画面左側のCOMキャラ)に配置されたキャラ、上段が3位枠(黄・マッチング画面右側のCOMキャラ)に配置されたキャラ(対戦終了時の順位は無関係)になるのでプレイ開始前のマッチング画面でどのキャラがどの配置になるのかを把握しておくとよい。色々ポップ君使用時に振ってくるキャラクターポップも同じ仕様に準ずる形となる 対戦の強制Low-SPEEDは、ステージ3位を取った上で総合1位になると獲得出来る 「なまえ」カテゴリにおいて、 「airflow」「SweetIllusion」はそれぞれのジャンル名(インストゥルメンタル/スイートポップ)で並んでいる Jジャズの曲名がバナー・演奏中表記共に「Thinking of You」に変更(以前は「Think of You」だった) スピンキーに3Pカラーがある MZDは使えないが、キャラクターガイドで11の各リミックスバージョンを見る事が出来る ウサおくんのLOSEがAC13で追加されたものになっている アスレチックミートの元ネタ 順 曲名 作曲者名 1 クシコスの郵便馬車(クシコスポスト) ヘルマン・ネッケ 2 天国と地獄 ジャック・オッフェンバック 3 オクラホマミキサー アメリカ民謡(作曲者不明) 4 見よ勇者は帰る ヘンデル
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『抜け殻』『脱皮』『小箱』の続きになります。 ======== 『空蝉』 「緊急事態です!」 暑い日だ。燦々と輝く日差しが降り注ぐ部室に、爛々と目を輝かせる古泉がいる。 「どうした、古泉」 「どうも、機関の非主流派が橘の手の者と通じているようで、あなたのことを狙っているとの情報が入りました」 橘? あの機関の敵対組織のやつか? 「ど、どういうことだ?」 「最近の安定した状況に、機関の存在意義が危ぶまれていると勝手な解釈を……」 「それで、俺を狙ってハルヒを焚きつけようというのか?」 どうしてみんなハルヒにちょっかいを出したがるんだ。酷い目に遭うのはいつも俺なのに。 「とにかく、差し迫った危険を回避するためにあなたは身を隠す必要があります」 「どうすればいい?」 古泉は長机を回りこむと、ぐっと俺に近づいてきた。そして、ポケットから小さな箱を取り出すと、俺の目の前に差し出した。 「ここに僕の抜け殻があります、これを被って僕に成りすましてください」 「何?」 「あなたと僕では、ほぼサイズ的には問題ないと思います。ごく一部分を除いては」 「一部分ってどこなんだよ」 「まぁまぁ。とにかく服を脱いで裸になってください。そして、これを身に着けるんです。一部分も含めてです」 「こ、こら、それ以上変に近づくな、自分でできる……」 「いえ、あなたはただじっとしていればいいんです、フフ」 「やめろ、古泉! ベルトから手を離せ!」 「いいじゃないですか、お手伝いしますよ」 「や、やめろおぉぉぉぉぉー」 ……ぉぉぉぉおおおお、お? 視界の中に見慣れた天井の模様がはっきりしてきた。暗い……、夜か? ここは、俺の部屋? どうなっているんだ? 今のは……、そうか、夢、か……。 ベッドから身を起こして時計を見ると三時だった。 いやな夢だ。なぜ俺が古泉にズボンを脱がされなければならないんだ。しかもあいつは自分の抜け殻を着ろと迫ってきた……。 俺は額の冷や汗を右手で拭うとベッドから降りて机の前に行き、引き出しの奥から、三つの小箱を取り出した。 これのせいであんな夢を見たのか……。 成り行きで手にすることになった、宇宙人と未来人の抜け殻が入った小箱を、俺はぼんやりと見つめている。 成り行き? いや、長門が半ば強引に……、でも、俺にも興味があったのは事実だ。まだ、小箱の中身を三つを並べてじっくりと眺めてみたことは無いけれど。 『緊急事態に陥った時に使って』 先日の長門の言葉が思い出された。とりあえず、しばらくの間は、常に持ち歩いた方がよさそうだ。緊急事態が起ころうが起こるまいが、この小箱の存在を誰かに知られるわけにはいかないしな。 ふぅ、もう一眠りできるだろうか? 小箱を引き出しにしまい、俺は再びベッドに潜り込んだ。 結局、その後もたいして眠れなかった。おかげで、今日は授業中も寝てばかりだった。なに、普段と変わりないって? ほっといてくれ。 「あんた、相変わらずよく寝るわねー、どっか悪いんじゃない?」 午後の授業が始まる前のことだ。俺の後ろの席のハルヒはあきれた様子だった。 「いろいろ苦労があるんだよ」 「なにが苦労よ。ホントに苦労してるんなら、寝てるヒマなんかないわよ」 「へいへい」 当面の苦労の種は、かばんの中の三つの抜け殻だが、なぜそんなものを俺が手にする事態になったか、ということについて「なぜなぜ」と、とことん辿っていくと、行き着く先は、ハルヒ、お前にぶち当たるんだぜ。すべての道はハルヒに通じている。責任とってくれよな。 「なに? なんか言いたいことでもあるの?」 「いいや、なんでもない」 「ふん」 ハルヒはプイっとふくれて窓の外を見ている。でも、心底怒っているわけではなく、会話を楽しんだ、と言う感じのリラックスした横顔だった。 その後の午後の授業も記憶がはっきりしないうちに終了したようだ。気がつけばすでに放課後モードになっていた。 「じゃ、お先」 「うん、あとで」 掃除当番のハルヒを残して、俺は教室を出て部室へとむかった。ハルヒは結構律儀に掃除はしている。適当に理由つけてサボったりしそうにも思えるんだが、こういうところも常識が支配しているようだ。その勢いで、妙な灰色空間など出現させないでいて欲しいわけだが、その辺は古泉の守備範囲なので俺としては深入りはしないし、したくもない。 いつものようにノックして部室のドアを開けると、デフォルトの長門に加えて珍しく古泉も来ていた。いつもの笑顔に少し怪しい光を感じたが、それは昨夜の夢のせいかも知れない。朝比奈さんもまだのようなので、おいしいお茶はいましばらくお預けだ。 「よお、早いな」 「どうもです」 古泉は少しばかり頭を下げた。 「涼宮さんは掃除ですか?」 「そうだ、まじめにやっているようだな」 俺はいつもの場所に腰を下ろした。長門は、普段どおり丸テーブルの横でなにやら分厚い本に目を落としている。たまにはマンガでも読んでみてはどうだ、と言ってやりたいね。結構気に入るかもしれないしな。 一方、古泉は長机の上で組んだ指先をじっと見つめていたが、顔を上げるとすこしばかりまじめな表情で静かに話し始めた。 「涼宮さんがいらっしゃる前にお話ししておこうと思うのですが、実は、あなたに危機が迫っているようなのです」 「なに? 俺に?」 長門も少し驚いた様子で顔を上げた。 古泉は軽く腕組みし、やや伏し目がちに物憂げな様子で続けた。 「機関の非主流派の一部が、例の橘の手の者と通じているようで……」 ん、あ、あれ? どこかで聞いたような状況……。 「どうやら、最近の安定した状況に対して、機関の存在意義が危ぶまれていると勝手な解釈をしているようです」 な、な、な、なにぃ? 「そこで、涼宮さんを焚きつけてコトを起こすために、あなたに危害を及ぼそうと……」 そこで古泉はぐっと体を乗り出すと、少しばかりいつものニヤケ顔に戻った。 「でも大丈夫です、フフ」 眼前に迫ってくる古泉の笑顔に、昨夜の夢に登場した古泉の危険な笑顔が重なって、俺の背中に電気が走った。思わずズボンのベルトを確認し、少しばかり後ずさりすると、俺は叫んだ。 「ま、ま、待て、まさかお前の抜け殻を被って身を隠せ、なんて言うんじゃないだろうな!?」 「は? 僕の抜け殻? 何のことですか?」 あっけにとられた古泉がぽかんと口を開けた後ろから、長門の声がかぶさってきた。 「彼は今、わたしの抜け殻を持っている」 「な、長門さんの抜け殻? なんですか、それは?」 こんな表情の古泉など見たことが無い。狐と狸に同時につままれたようだ。 どうやら古泉は俺のズボンを強引に下ろそうとしているわけではないことははっきりした。とりあえず落ち着いた俺は、椅子に座りなおすと、古泉に面と向かい、状況を説明することにした。 「うん、いや、実はな……」 俺は例の抜け殻のことをかいつまんで古泉に話した。古泉は、時折、「ほぉ」とか「なるほど」とか、大げさに相槌を打ちながら話を聞いていたが、最後に、 「安心してください、僕は脱皮はしません。あなたと同様にこの時代を生きる普通の人間ですので」 そういって、いつもの笑顔で微笑んでいた。 「頼むぜ、お前の抜け殻まで俺は持ち歩きたくはないからな」 古泉は無言で肩をすくめて苦笑いを見せたが、すぐに真顔になって話し始めた。 「いずれにせよ、あなたに危険が迫っていることは確かです。どうやら長門さんの抜け殻をうまく利用することも考えないといけないようです」 「同意する」 「長門……」 「そろそろ涼宮さんも掃除を終わってこちらにこられる時間です。続きは、よろしければ長門さんのご自宅で、いかがですか?」 古泉の問いかけに長門は間髪を入れずに答えた。 「わたしは構わない」 「わかったよ、なんだか知らんが、俺もヒドい目には遭いたくないからな」 「では、今日の解散後にあらためて長門さんのところに集合しましょう」 「朝比奈さんはどうする?」 「そうですね、とりあえず僕たち三人だけでいいんではないでしょうか」 「同意する」 再び即答する長門。 うん、そうだな。ここに朝比奈さんが入っても、申し訳ないが正直役に立つとは思えない……。古泉の言う通り、俺たち三人でコトに当たるのがよさそうだ。 「じゃ、よろしくな」 その後すぐにハルヒと朝比奈さんが前後して部室に到着した。そして、いつもと変わらぬように団活動にいそしんだ俺たちは、長門の合図と共に今日のメニューを終了し家路についた。 坂の下で解散した一時間後、俺と古泉は長門のマンションのリビングでコタツ机の定位置に座っていた。このコタツ机とも長い付き合いになるわけで、おのずと座る位置が固定してしまっている。慣れとは恐ろしいもので、たまに違う位置に座るとなんとなく落ち着かない気がするようにさえなった。 今、その机の上には、長門が出してくれた三つの湯飲みと、例の三つの小箱が並んでいる。古泉は長門の抜け殻の入っている青い箱を手に取ってしばらく観察しいていた。 「そうですか、これがTFEI端末の体表保護皮膜ですか」 「あとそのピンクのやつが朝比奈さんの、えっと、SPSだったっけ?」 長門の方に振り向いて確認してみると、即座に応答が返ってくる。 「そう、Surface Protect Shield」 「それが入っているらしい。俺も実物はまだ見ていないんだが」 朝比奈さんが『見ないで』と言ったので今のところ俺はその言葉に忠実に従っている。箱の中になにが入っているか確認したわけではないが、生真面目な朝比奈さんのことだ、きっときれいにたたまれた朝比奈さん自身の抜け殻がそっと納められているはずだ。 「先ほどの話だと……」 古泉は、手にした小箱を再び机の上に置いた。 「中に入ることができるそうですね」 「彼は、わたしの中に入ろうとした」 「『わたしの抜け殻の中』だ」 俺は少しばかり情報の伝達に齟齬が発生しそうな言い回しを修正した後、話を続けた。 「長門は小柄なんで、抜け殻の中は狭いんだ。肌に密着するし大変だったんだ。片足入れるだけでも結構時間がかかった」 俺はあの夜のことを思い起こした。右足だけ抜け殻に入れたところで抜けなくなってしまったことを。そして、夜中にここまで駆けつけて、長門が俺の太ももをサワサワしてくれたおかげで、やっとのことで俺も脱皮することができたことを……。 「大丈夫、少しばかり情報操作を行うことにより、抜け殻の着脱は以前より容易に行うことができるようになるはず」 「そうすると、後は衣装ですね」 古泉は俺と長門を交互に見ながら、自信たっぷりに頷いた。 「幸い、長門さんはほとんどいつも制服をお召しです。つまり、あなたの体のサイズに合わせたセーラー服があれば、いつでも長門さんに成りすますことができます。すぐにでも機関の方で用意させましょう」 「おい、待てよ、すると俺は抜け殻と一緒にセーラー服まで持ち歩く必要があるわけか?」 「当然です。さらに言うなら、必要に応じて長門さんと行動を共にした方がいいですね」 「長門と?」 「長門さんになりすまし追っ手を振り切るためには、まずは長門さんと行動を共にしないと意味がありません」 ふむ、そりゃそうだ。俺一人のときにいきなり長門に変身したら怪しいことこの上ない。 「今週末は、久々に例の不思議探索が予定されています。入手した情報によると、どうやらその日に何か計画されているようです。おそらく、探索が終了し解散した後、あなたが一人になった時を狙ってくるのではないかと予想しています」 古泉は、一言一言を噛みしめる様にはっきりと話すと、湯飲みを手にしてお茶をすすった。一瞬の静寂が無機質なリビングを包み込んだ。 「残念ながら、連中がどのような手段で来るかまではわかっていません。とりあえず探索終了後、敵の出方を見るために、長門さんと一緒に少しばかり街中を歩いてください」 「了解した」 長門は小さく肯いた。何かこう闘志というか決意に満ちた無表情だった。 「機関のものも適切に配置させます。うまく、連中の裏切りの証拠を入手できれば、今後の動きも抑えることができます」 ううむ、それってつまり……、 「……俺は囮か?」 「すみません」 申し訳なさそうに頭を下げた古泉だが、静かに頭を上げると力強く宣言した。 「しかし、当初予定していなかった長門さんの抜け殻を使うことによって、危険度はかなり緩和されると思われます。大丈夫です、あなたに危害が及ぶようなマネはさせません」 「わたしもついている。安心して」 長門が漆黒の瞳を輝かして俺のことをじっと見つめている。そんな長門は小柄ながらもとてもたくましく見える。長門がそういってくれるなら、それは俺にとって十分な重みを持っている。 「わかった、任せる。よろしく頼む」 翌日の放課後には、古泉から俺サイズの北高指定セーラー服が届けられた。 今、かばんを開けられると、俺は『変態』の称号をほしいままにできそうな状況ではある。女性の抜け殻三つにセーラー服だ。しかし、これらのアイテムは俺の身の安全のために必要なものらしい。あぁ楽しきかな、この日常……。 そして、毎日かばんの中身を気にしているうちに、あっという間に週末がやってきた。 ======== 週末、天気はよかったが俺の気分は晴れなかった。 そういえば久しく不思議探索はやっていなかったので、なんとなく新鮮な気もするのだが、やっぱり俺の奢りからスケジューリングされていたので、結局は、以前と一緒だった。 ただひとつ違うのは、今日は、俺に危機が迫っているらしいということだ。ただし、それも探索終了後ということなので、それまではごく普通に振舞わなければならない。 例の小箱と変装用のセーラー服は駅のロッカーに入れておいた。普段手ぶらで探索に来ているので、今日だけ紙袋をぶら下げるわけにもいかないからな。探索終了後に取り出して、長門と一緒に街中をうろつく予定だ。 ハルヒは、久々の探索と言うことで、すこぶる上機嫌だった。さらに午前の探索は、珍しく俺とのペアになった。いろいろありそうな今日一日のことに思いを巡らし若干ブルーな俺に、 「どうしたの、元気ないわね。あたしが元気あげようか?」 などと優しい言葉をかけてくれる。普段からこれくらいのことをしてくれれば、俺も苦労することは何もないのだが。 「お前の元気を貰ったら、俺はオーバーフローしてしまうよ」 「ははは、じゃあほどほどにしておいてあげるわ」 確かに、今日のハルヒからはいつも以上に、こっちまで元気させてくれるオーラが湧き上がっているのを感じる。午前中、一緒にあちこち回っているうちに俺の気分にも少しばかり晴れ間が差してきた。 午後は、長門と古泉と一緒の組になった。どうも、長門がくじ引きに少し細工をしたようだが、まぁ、いいだろう。俺たち三人は喫茶店に入って、今日のこの後の段取りについて、もう一度確認した。 「すでにあなたには尾行がついているようですね」 「ほんとか、古泉?」 「おっと、なるべく普通に話してください。二、三名が入れ替わりながらずっと尾行(つけ)ているようです。それ以外にも何人かいるようですが、まだ全貌はつかめていません」 せっかく午前中にハルヒに貰った元気だったが、一気にしぼんでしまいそうな感じだ。いったい、俺をどうしようと言うのだ。 「とにかく、普段どおりにしていてください。解散後もできるだけ長門さんと行動を共にしてください」 「わかったよ。長門、よろしくたのむ」 「了解した。大丈夫」 その後は三人でできるだけ人の多いところを選んで探索を行った。もちろん、万が一のことを考えてのことだったが、特には何も起こらなかった。確かに、万能宇宙人と、機関の主流派が一緒じゃ手出しはできまい。 「今日は、久しぶりに楽しかったわ。やっぱり不思議探索は我がSOS団の活動の原点ね」 午後の探索も終了し集合場所に集まった俺たちを前に、ハルヒは満足したように宣言した。 「今日は解散! お疲れー」 「お疲れ様でしたー」 朝比奈さんと一緒に去っていくハルヒの後姿を見送りながら、いよいよこれからが俺にとって本番であることを自覚し、少しばかり身が引き締まる思いだ。 「では、僕も失礼します。この後は長門さんにお任せして、僕はバックアップの方に回ります。大丈夫です、安心してください」 俺は機関に百パーセントの信頼を置いているわけではないが、SOS団結成以来のゴタゴタを通して、古泉のことは良き戦友として信頼してやってもいいと思っている。 「頼むぜ、古泉、長門」 そして、長門だ。この万能有機アンドロイドには俺は言葉にならないぐらい世話になっている。何か恩返しができればいいんだが、俺にできることは残念ながらほとんど何もないのが悔しい。 「例のものを……」 俺は長門と一緒に、駅のロッカーから小箱とセーラー服の入った紙袋を取り出すと、街の探索を再開した。 その後、しばらくウィンドウショッピングしたり、喫茶店でコーヒーを飲んだりしたが、俺は気が気じゃなかった。長門はいつもの様に終始無表情だったが、おそらく全身全霊をかけて周囲の状況を探り続けていたのだろう。 「なぁ、長門」 「なに?」 「やっぱ尾行されているのか?」 「店の外に一名、さらにその後方に二名。ただしそのうちの一名は古泉一樹側のもの」 「そ、そうなのか」 ううむ、どうしようもないな。長門がいてくれて助かった。俺一人だと、あっという間に敵の手に落ちて、すき放題されていたことだろう。 喫茶店を出てしばらく歩いていたが、そろそろ、街は暮れなずんできた。いつまでも長門といれば俺はおそらく安泰だが、ここは囮となって今後の憂いを排除する方向に持っていかないと、いつまでたっても危険と隣り合わせの追われる立場だ。 ふと隣の長門を見ると、漆黒の大きな瞳の輝きが五割ほど増しているのがわかった。何かある。 「どうした? 長門……」 「徐々に追っ手が間合いを詰めている」 「なに、ほんとか?」 「人数も増加している。危険」 「お前と一緒なら大丈夫だろ」 「そう。だが、彼らは、あなたがわたしと別れて一人になる時を待っている。そして、その時が近いと判断している」 「じゃあ、そろそろ……」 「そう」 通りを曲がると、急に人通りが少なくなった。しばらく行くと、長門が、 「こっち。ここに行く」 といって、俺の手を取って右側の建物に入ろうとした。 「おい、どこに……、って、これラブホ……」 「そう、ここで休憩」 「いや、あの、ちょ、ちょっと待て……」 「待てない」 こんなところを誰かに見られたらどうするんだよ、という突っ込みを入れる隙もなく、俺は長門に引っ張られるままにラブホテルに連れ込まれてしまった。 しばらくは何がどうなったのかよくわからなかった。ロビーのようなところの各部屋を紹介するパネルを操作しているうちに、気がつけば、シックな内装の少し大きめの部屋の、やはり少し大きめのベッドに長門と並んで腰掛けていた。 こんなところに長門と二人でいるなんて、なんか場違いだ。危険が迫っていることも忘れて、思わずあちこちきょろきょろしてしまうのが情けない。 テレビドラマなんかで見たことのあるようなケバケバしさはなく、全体的に落ち着いた感じのする部屋なのだが、妙に大きい鏡とかベッドの枕もとの用途のわからないスイッチ群とかが、怪しげな雰囲気を醸し出している。 「何がなんだかわからん」 「はじめて?」 「そうだよ」 「そう、わたしもはじめて」 そのわりにはチェックイン(というのか?)の手際はよかったな。長門のことだから何か情報操作でもしてくれたのだろうか。 「変装してすぐに出て行く必要はない。少しばかり時間をつぶし、相手の注意を引いてからの方がよい」 ベッドの縁にちょこんと座った長門は、隣に座っている俺の方を見上げながら少し首を傾けて言った。 「せっかくだから、少し休憩していく?」 二・三度まばたきした長門の大きな瞳に壁際の間接照明の明かりが映り込んでなんとなく潤んで見える。 「え、え、休憩って?」 「そう、休憩」 いや、あの、長門、それって……、えっ? 長門はそのまま仰向けにベッドの上に倒れこむと、組んだ手をおなかの上に載せて天井を見上げている。 「天井も鏡……」 その言葉で俺も見上げてみたが、確かに鏡だ。ベッドの上の長門と、首だけ見上げている俺の姿が映っている。 「なぜ?」 「ん、なぜって言われても……」 「不思議……」 長門はそうつぶやくとそっと瞳を閉じた。 「おい、長門……」 淡い灯りのなかで、長門の白い頬にやや朱みが差しているのがわかる。制服の胸元のリボンがゆっくり上下しており、やがてゆったりとした寝息が聞こえてきた。どうやら本当に休憩するつもりのようだ。 「……長門」 宇宙人製万能有機アンドロイドとしてかなりのエネルギーを使って、ここまで俺のために注意と警戒を払っていてくれたんだろう。さすがの長門でも少しばかり疲れたに違いない。 「すまんな、長門……」 俺はしばらく長門の寝顔を見つめていた。が、長門が初めて脱皮した日の俺の部屋のベッドで見たうつぶせ姿の白い裸身が浮かんできて、どうにもこうにも頭の中で妄想と言う名の大竜巻が暴れまわっている。こんな時に俺って奴は……。 「も、もういい。俺も寝る!」 勝手に宣言した俺は、長門の隣に寝転がると少しばかりの眠りに落ちたようだった。 「……ねぇ、お・き・て」 ん、あぁ? 「そろそろ、時間。お・き・て」 目を開けると、俺のことを覗き込む長門の黒い瞳が視界に入った。さらにその後方では、ぼんやりと目を覚ましつつある俺の姿が、天井の鏡の中に映りこんでいた。 「……な、長門?」 何か妙に甘い起こされ方をしたような気がするのは、夢の続きだったのかも知れない。俺はゆっくりと上体を起こすと、長門の方に振り返った。すでに長門からは戦闘モードに突入したような力強さが感じられる。やはり夢だったのか……。 「着替えて」 長門は、青い小箱とセーラー服の入った紙袋を俺に手渡した。 「えっと、服は全部脱いだ方がいいか?」 「その方が抜け殻が肌になじむと思われる」 「そ、そうか」 「手伝う?」 長門は、じっと俺の目を覗き込むように問いかけてくれたが、長門の前で素っ裸になるわけには行かない。 「いや、いいよ、あっちで着替えてくる」 俺はあわてて小箱と紙袋を受け取ると、洗面所の方に飛びこんだ。 それにしてもどこに行ってもでかい鏡がある。こういうところはどこもそうなのか? それともこの部屋だけのことなのか? 俺は小箱を開けると、長門の抜け殻を取り出した。ふわっという感じで広がると、以前に見た透明な長門が現れた。 まさか本当にこれに全身入ることになろうとは……。 俺は服を脱ぎ捨てると、以前と同じように抜け殻の背中の裂け目から右足をそっと入れた。今度は、長門が何か細工をしてくれたようで、前と比べると、あっさりと右足を入れることができた。ふくらはぎを触ってみたが、やはりキメが細かくつややかな肌だ。 おっとそんなことを確認している暇はない。 俺は、左足も同じように突っ込むと、太ももの辺りを手繰りあげながら、腰から下を抜け殻の中に納めようとした。さすがに太ももも腰回りも小さかったが、抜け殻は弾力よく伸びて、俺の下半身はすんなり納まった。 よし、このまま一気にいくか。 今度は上半身だ。長門と俺では十センチ以上の身長差があるので、肩の位置は結構違ったのだが、やはりこの抜け殻はよくできている。グーンと伸びて結局、両手と頭を入れるのにも苦労はしなかった。まぶたと鼻の位置を合わせるのに少しばかり手間取ったが。 ふぅ、入った……。 入ってしまえば締め付け感は少しもない。俺は、口の辺りのしわを延ばしつつ、ゆっくりの目を開けて、鏡に映った自分自身の姿をそっと見つめた。 そこで見たのは、洗面所の蛍光灯の明かりの中で、つややかで滑らかな白い肌が輝いている長門の姿だった。 もっとも、全体的な体つきは小柄な長門ではなく、俺だった。ふたまわりぐらい大きな俺が入ったおかげで抜け殻は伸びきってしまい、せっかくの胸もぺったんこだ。ただし、先端の薄いピンクの小さな突起だけははっきり残されている。 思わず指でつまんでみたが、ぺこっとつぶれてしまった。そりゃそうだ、抜け殻なんだからな。 さらに視線を下のほうに向ける。 当然ウエストラインにはくびれも変化もない。そしてもっとも神秘的な場所なんだが、こればかりはどう表現してよいものか……。所詮中身は男だ、根本的な造りが違う。あとは想像してくれ。 すまん、長門。 そういえば、この状態ではトイレにも行けない。先に用を済ましておくべきだった。 そんなことを考えながらひと通り観察が終了したので、俺は紙袋から制服を取り出した。その時、白いものが床に落ちた。さすがだ古泉、下着まで用意していたのか。 少しばかりレースで縁取られた純白の女物のパンツをはく。このパンツは古泉の趣味なのか、それとも森さんあたりが用意してくれたものなのか。小さいくせにきちんとはくことができた。抜け殻同様によく伸びるようだ。 ブラは入っていなかった。どうやら、ブラをする必要がないことに古泉は気づいていたと見える。あらためて言おう、さすがだ古泉! その後、どうにかセーラー服を身に着けた。短いスカートがどうもなじめない。女性たちはよくこんなスカスカするものをはいていられるもんだ、無防備なことこの上ない。 最後に紺のソックスをはいて、あらためて鏡の前に立ってみた。 うーん、でかい長門だな、やっぱり。 顔の輪郭は違うが、個々のパーツは長門そのものだし、セーラー服を着ると、体のラインが隠される。スカートから伸びる足も、皮膚の色と質感だけは長門と同じだ。太さはどうしようもない。スカートでなくパンツルックだとごまかせそうだな。 俺は、鏡の前でくるっと一回りして、ポーズを取ってみた。さらりとたなびくショートカットの髪、そして、一瞬舞い上がったスカートの中に白い下着が見えたような気がしてドキリとする。 鏡の中の俺に向かって、首をかしげて軽く微笑んでみる。ふむ、長門が微笑むとこんな感じなのか。か、かわいいじゃないか……。 いかん、いかん、あれは俺自身だ。俺は決して変な趣味はない。 「よし」 気合を入れた俺は洗面室を出て、長門の待つベッドルームへと向かった。 「すまん、待たせた、な、な、長門? その格好……」 ベッドの横で振り返った制服姿は、長門ではなくて喜緑さんだった。 「喜緑江美里の抜け殻を着た、……あなたもセーラー服がよく似合っている」 さすがに俺が長門の抜け殻を着るより、喜緑さんの抜け殻を着た長門の方が遥かによくマッチしている。どこからどう見ても喜緑さんだ。 その喜緑長門は、俺のことをじっと見つめている。何か珍しいものでも見るような表情に思えたのは、俺が気にしすぎているからか。 「あなたがここを出てしばらくしてから、わたしはこの格好で出る。できるだけ人の多いところを通ってわたしのマンションに向かって」 そういって、喜緑長門はマンションの鍵を俺に手渡した。 「ここを出るときには、見た目が小さくなるように、少し体を縮めた方がいい」 「うん、わかった。じゃ、行ってくる」 「気をつけて」 おそらくは古泉側の誰かが俺のことをフォローしてくれているはずだ。頼むぞ、古泉。 俺は、少し体を縮めるようにしながら、できるだけ自然な感じでラブホテルを後にした。追っ手が来ているかなんて俺にはわからない。長門に言われたように、人通りの多いところを選びながら長門のマンションを目指した。 長門に変装しセーラー服まで着ているので周囲の視線が気になって仕方がなかった。どれほどの時間が経過したかもわからないし、どこをどう通ったのかもわからないまま、やっとのことで長門のマンションが見える所まできた。もう少し、向こうの角を曲がってちょっと行けば、エントランスだ。だんだん歩みが速くなる。 ついには少し小走りになって角を曲がった瞬間、誰かに腕をつかまれた。 「うぐっ?」 「そんなにあわててどうしたんですか?」 聞きなれない太い声が耳元で聞こえた。 「どこで手にいれたのか知りませんが、妙なものを着ていますね。すっかり出し抜かれるところでした」 「誰だ?」 「名乗ったところであなたはご存知ないですからね、どうでもいいじゃないですか」 しまった、角を曲がるときには注意しろ、と言われていたのに。ここまできて油断した。 「離せ!」 「それは無理な注文です」 「くっ!」 ごつい腕に両肩をがっしりとつかまれて俺は身動きが取れなかった。長門、古泉、頼む、早く来てくれ! 無駄な足掻きと知りつつも、俺は何とか振りほどこうともがいていた。 と、その時、 「あれ、長門さん、どうしたの?」 どこかで聞いたことがある声がして、俺は頭を上げた。 「あ、あ、朝倉ぁ!?」 ======== マンションのエントランスの方からゆっくり歩いてきたのは、制服姿の朝倉だった。 なぜだ、なぜ朝倉がこんなところに。 やばい、ますますやばい。すでに機関の非主流派は情報統合思念体の急進派とも連携していたというのか? くそっ、ここまでか……。 「誰だ、お前は!」 男が朝倉に向かって叫んだ。 おや、こいつは朝倉を知らない? 「それより、あなたは何? 長門さんをどうしようというわけ?」 ん、どういうことだ? この朝倉は……。 朝倉が一歩前に進み出ると、俺の肩をつかんでいた男の力がフッと抜けたのがわかった。俺は男の手から抜け出すと、転がるようにして朝倉の背後の電柱の影に駆け込んだ。 「わたしと戦うつもりなら、容赦はしないわ」 朝倉は以前に俺を襲った時と同じ様に、にこやかな微笑みを浮かべながら男との間合いを徐々に詰めている。 「……TFEI端末か?」 男はふり絞るようにつぶやくと、ゆっくりと後ずさりを始めた。 「そうね、あなたたちの言葉を借りるなら、そう言うことになるわね」 朝倉は、今にも飛びかかろうとする猫科の動物のように体を少し縮めた。 「ちっ」 男が後方に走り出そうとした瞬間、白い影が曲がり角から飛び出して男の足を払った。 勢い余った男は地面の上で二回転ほどして受身を取ったところで、今度は別の影が飛び出してきて後ろ手に男を押さ込んだ。 「き、喜緑さん!」 俺は思わず叫んだが、最初の影は、喜緑さんの格好をした長門だ。二番目の影は白いブラウスにタイトスカート、そして髪をポニーテールにまとめた、できる秘書風OLの姿に変身した森さんだった。 「大丈夫?」 喜緑長門がスカートの埃を手で払いながら、電柱の横でしゃがみこんでいる俺に近づいてきた。そして、俺の前に立っている朝倉を見つめると、わずかに頭を下げた。 「朝倉涼子……ありがとう」 「え、え、え?」 「うん、気にしないで。それよりホントに大丈夫? えっと、とりあえず大きい方の長門さん」 この朝倉は味方なのか? それとも休戦中の敵なのか? どうして復活したんだ? 少なくとも俺の見た目は今は長門のはずだ、中身が俺であることを知っているのか? 差しのべてくれた朝倉の手をつかんで、やっとのことで立ち上がった俺は、目の前で微笑みながら俺のことを見つめている朝倉を見つめ返した。あまりに疑問が多すぎる。 その時、背後から森さんの声がした。 「とりあえず後はわたしたちが何とかしますから、まずは長門さんのマンションに行ってください、って、ぐ、動くな、このぉ」 あの大男が森さんに押さえ込まれて身動きができないようだ。ポニーの髪を揺らしながら男に馬乗りになっている森さんのどこにそんな力があるんだろう。不思議な人だ。 「さ、早く!」 「了解した」 喜緑長門と朝倉に支えられて、俺は長門のマンションのエントランスを目指して走り始めた。一見、仲の良い女子高生三人組だが、見た目はともかく中身は大違いなんだけど。 やっとのことで、長門の部屋にたどり着くことができた。朝倉がいることだけが腑に落ちないのだが、喜緑長門はそんなことを何も気にしていない様子だった。どういうことだろう。 リビングに入ると、喜緑長門はまだ疑問を抱えたままの俺に振り返った。 「とりあえず、着替えては?」 「うん、そうだな、そうする」 「和室を使って」 長門はもともと俺が着ていた服が入った紙袋を手渡すと、和室に案内してくれた。 「たぶん、問題なく脱げるはず。もし、うまくいかない時は呼んで」 「わかったよ」 和室の襖を閉めてセーラー服から脱ぎ始めた。結局スカートだけは馴染めなかったな。これを着ることはこれで最後にしたい。俺はそんな思いを胸に秘めながら、背中の部分をぐっと開き、長門の抜け殻からの脱皮を始めた。 長門が言っていたように、特に苦労することも無く、するすると抜け殻から出ることができた。そういえば、肌に密着していたのに、汗ひとつかいていない。なんという通気性に優れた素材なんだろう。 長門の抜け殻と制服をたたんでリビングに戻ると、長門も朝倉もいなかった。別の部屋で、長門の脱皮と着替えでも手伝っているのだろうか? 何とか危機は乗り切ることはできたようだな。全身の力がどっと抜けた俺は、コタツ机でグターとのびていた。しばらくすると、廊下から長門と、その後ろからもう一人、見たことのある姿が……。 「え、あれ? 喜緑さん?」 長門はすでにもとの長門の姿に戻って、キッチンへお茶の用意に行った。と、言うことは、この喜緑さんの中身は朝倉なのか? いったい誰が誰なのかわからなくなってきたぞ? 「大丈夫でした? キョンくん」 「本物の喜緑さん、ですか? それとも朝倉……」 「うふふ、ほら、これを見てください」 そういって喜緑さんが手を広げると、ぱぱぱっと透明なものが大きく広がった。 こ、これは……。 「そう、朝倉涼子の体表保護皮膜です」 「な!」 コタツ机の上に横たわった朝倉の抜け殻を、俺は呆然として眺めていた。 「さっきの朝倉さんは、実はわたしだったんです。だって、長門さんがわたしに成りすましていたから、やっぱり、二人同時に登場したら変じゃないかなって」 いやいや、こんな抜け殻があること自体、十分変ですよ、喜緑さん……。 「朝倉さんはずいぶん前に、長門さんに情報連結を解除されてしまいましたが、保護皮膜はなぜか情報統合思念体によって保管されていたみたいです」 喜緑さんは朝倉の抜け殻を再び小さくたたむと、水色の小箱を取り出してその中にそっとしまった。 「驚きました?」 「はぁ、それはもう」 朝倉が現れた時、俺はもうすべて終わったと、一度はあきらめたんだから。 「それにしても危ないところだった」 お茶を持ってリビングにやってきた長門は、そういいながら腰を下ろした。 「朝く、いや、喜緑さんが来てくれたおかげでホントに助かりました」 俺も、あらためて喜緑さんに頭を下げた。 「いいんです。気にしないでください」 長門が淹れてくれたお茶はおいしかった。おかげで、心の底から一息つくことができた。長門も喜緑さんも、静かにお茶を飲んでいたが、やがて喜緑さんが俺の方に向かってにっこり微笑んできた。 「わたしたちの体表保護皮膜を集めているそうですね?」 き、喜緑さんまで何を言い出すんですか……。 「いや、別にそういうわけでは……」 「よかったらこの朝倉さんのものも持って帰ってください」 喜緑さんは水色の小箱を差し出した。 「そんな、別に俺は……」 「また、何かのときに役に立つこともある。あなたは持っておくべき」 「『持っておくべき』ってなぁ、長門……」 「いらない?」 一ミリほど首を傾ける長門。 「え?」 「いらない?」 「えーっと……」 「いらない?」 「…………い、いります」 またしても、俺の負け。三顧の礼かよ、まったく。 そんな俺たちの様子をニコニコして見つめていた喜緑さんだった。 その後、家に帰る俺を、念のため、といって喜緑さんと長門がエスコートしてくれた。万能有機アンドロイドとはいえ、女性二人に家まで送ってもらえて、なんとなく歯痒い様な嬉しい様な妙な気分だった。 やっと、我が家へ、俺の部屋に無事に帰りつくことができた。それにしても長い一日だった。 結局、今、俺の手元には、俺が身につけた長門の抜け殻と、長門が身につけた喜緑さんの抜け殻と、喜緑さんが身につけた朝倉の抜け殻と、そしてまだ現物は見たことがない朝比奈さんの抜け殻が残されている。特に真ん中の二つは微妙にコレクターズアイテムとしての価値が高まったような気がするな。 そうだ、もう一つおまけに俺サイズの北高指定のセーラー服とレースつきパンツもあった。……誰か欲しい奴はいるか? これらのスペシャルアイテムを俺はどうすればいいんだ? 毎日かばんに入れて持ち歩けというのか。と、言うか、持ち歩かざるを得ないではないか。うぅむ、教科書すらろくに入っていないかばんに、こんなものを入れておかないといけないなんて……。 「あーあ、もう、どうでもいい、なるようになれ、だ……」 四つの小箱はまた机の引き出しの奥に入れた。セーラー服は紙袋に入れたまま、クローゼットの奥に押し込んだ。くたくたに疲れた俺は、深い深い眠りについた。 そんな怒涛の週末が終わって、月曜日を迎えた。 ハルヒはその週末以降もずーっと機嫌がいいようで、授業中、しょっちゅう俺の背中をつついては、楽しげにいろいろ話しかけてきた。頼むから先生の話を聞かせてくれ。 え、いつも寝てるだけだから一緒だろって、ほっといてくれ。 そして、あっという間に放課後になった。 掃除当番のハルヒを残し、部室へと向かっている途中で、古泉と出会った。 「よお、古泉」 「あ、先日は、お疲れ様でした」 俺は、古泉と並んで歩きながら、週末の騒動の結末について尋ねてみた。 「結局、機関の非主流派とやらは何とかできたのか?」 「えぇ、あなたを見失った後、連中、あわてて行動を始めましてね……」 そこで古泉は俺の方に振り向いて軽く頭を下げてにっこり笑った。 「最後は少し危ないところでしたが、長門さんと森さんのおかげで、首謀者も捕まえることができました。あなたのおかげです。ありがとうございました」 そうか、あの大男が黒幕だったのか。 「そういえば、森さんの話によると、あの時もう一人、北高の制服を着た女性がいたとか」 「うん、あれか、あれはな……」 と、ここで古泉の携帯が鳴った。 「すみません、失礼します」 古泉は携帯を耳にあて、少し横を向いて会話している。 「え、えぇ。本当ですか? はい、わかりました。すぐに伺います」 通話を終えた携帯をポケットにしまいつつ、古泉の笑顔に憂いが宿った。 「久しぶりに閉鎖空間が発生したそうです」 「はぁ? どういうことだ。ハルヒはすこぶる機嫌がよかったぞ」 俺はついさっき別れたばかりのハルヒの姿を思い出した。ほうきを握り締めて、阪中と何か楽しげに話をしていたが……。 「とにかく行ってきます。涼宮さんにはよろしくお伝えください」 「わかった、気をつけろよ」 「ありがとうございます。それにしても、ここに来て閉鎖空間とは。皮肉なもんです」 古泉は力なく笑っていた。確かに、安定状態が続くことを嫌った非主流派の企みが潰えたとたんに閉鎖空間が発生するなんて……。 「僕も何か身を守ることのできる抜け殻が欲しいですね、では」 そう言いながら古泉は階段を駆け下りて行ってしまった。 抜け殻、か……。 今、俺のかばんの中には、四つの抜け殻が入っている。さすがに今日はセーラー服は置いてきたが。それにしても、まさかの朝倉の抜け殻まで手に入ってしまった。これらの抜け殻のおかげで俺は危機から脱することができたわけだが、あんな風に役に立つとは思いもしなかった。 それにしてもどういうことだ? なぜ急に閉鎖空間が発生したのだろう。 教室に戻ってハルヒの様子を見に行くことも考えたが、俺はひとまず部室でハルヒを待つことにした。何か気に入らないことがあるのなら、きっとドアを蹴破る勢いで部室に飛び込んでくるはずだ。対処するのはそれからでいい。 部室には、長門とすでにメイド姿に変身していた朝比奈さんが座っていた。 「こんにちは、キョンくん」 「どうも、朝比奈さん」 俺は朝比奈さんに軽く会釈していつものようにかばんを置くと、やはりいつものように本を読んでいる長門を見た。 「よお、元気か?」 「元気」 あいかわらずの平板な表情の長門を見ていて、あのラブホテルの鏡で見た、俺自身が変身した長門(俺)の笑顔を思い出していた。もし長門が表情豊かに微笑むならば、きっと今以上に輝いて見えるに違いない。えーっと、仮定法過去だったっけ? 「古泉くんは?」 「急にバイトが入ったそうで……」 「えっ!」 朝比奈さんと長門が驚いたように顔を上げた瞬間、ばこーんという大音響と共に部室の扉が吹き飛んだ。 「キョーーン! そこにいるの!?」 ものすごい勢いで飛び込んできたハルヒは、俺のネクタイを握りしめると長机の上に俺をねじ伏せた。 「な、何をする! どういうことだ!」 「ええい、問答無用よ、これからあたしの質問にきりきり答えなさい!」 「落ちつけ、問答無用なのか答えなきゃいけないのかどっちだ!」 「キョン、あんたこの前の不思議探索のあと、有希と一緒に、ラ、ラブホテルに行ったわね!」 「なっ?」 「えっ、キョンくん……」 「阪中さんに聞いたわ、あんたが強引に有希を引っ張り込んだところを見た人がいたって! どういうことよ、あんた、有希に無理やり変なことをしたんじゃないわよね?!」 ちょ、ちょっと待て! 行ったのは事実だが、俺たちは何もしていないし、そもそも、俺が引っ張り込んだんじゃない、俺が長門に引っ張り込まれたんだ。誰だ、いい加減なことを阪中に伝えた奴は! それにあそこに行ったのは必要に迫られて仕方なくだなぁ……、なんて、言い訳はできない。くぅー、どうすればいい? 俺はそっと長門の方に助けを求める視線を向けたが、長門は相変わらずの無表情だった。 「有希! 大丈夫だった? キョンに何かされなかった?」 ハルヒの問いかけに、長門は小さくつぶやくように答えた。 「そこで、彼はわたしの中に入った」 「ふへっ?」 「な、ながとぉー!」 前にも言っただろ、『わたしの抜け殻の中』だぁぁぁ…………。 もはや簡単には修正できないほど、情報の伝達に齟齬が発生してしまった。 激しく往復ビンタを食らわせた後も、ハルヒは俺のネクタイを締め上げながらなにやら叫んでいた。そんな目に遭いながら、俺にもしものことがあったら、かばんの中の四つの小箱はどうなるのだろう、なんて事が頭の中を駆け抜けていった。 誰かに見られたら、俺は怪しげな脱皮を繰り返す『完全変態』だと思われるではないか。いやいや、蛹にはならないようだから『不完全変態』か、困ったもんだ。 結局、どんなに手を尽くしたところで、最後にひどい目に遭うのはやはり俺ってことだ。あぁ、いっそ、俺自身の抜け殻を身代わりに残して、しばらくどこかに雲隠れすることができたらどれほどいいだろう……、やれやれだよ、まったく。 Fin.
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随時追加予定! あ行 + ... エンデカープ 名称 エンデカープ 種族 水獣族 性別 雌雄 主属性 水 副属性 水→氷 弱点属性 火、木 生息地 アクアガルデ、ウインドロームの水中 生態、戦闘行動など エンデフォールの滝を上るほどの泳力を誇る巨大な魚。平均1.2mほどの体躯は最大で2mにまで成長することもある。 水中を駆け抜け、一気に水上に顔を出すと、最大5mほども空を跳んで獲物に食らいつく。水や氷の魔法を使うこともあり、油断できない相手である。牙は非常に鋭く尖っているので、大人であっても水辺に近付く時は注意が必要。エンデカープの出現はある程度予想できるので、ギルドがエンデカープの動きによく目を光らせ、住人に注意を与えている。 肉は非常に美味であり、ウインドロームでは逆境を乗り越える縁起物として喜ばれる。刺し身はもちろん、火を通したり色々な料理で活躍する。 オス 名称 オス 種族 鳥獣族 性別 雌雄 主属性 火 副属性 無し 弱点属性 冷気 生息地 ウインドロームの谷 生態、戦闘行動など 谷のハゲワシより一回りも二回りも大きい巨大な鳥類。群れは作らず、一匹で行動することが多いが戦闘力は非常に高い。 第一に、その飛行能力。最高速度は並の人間には捉えられない。滑空、上昇、下降、滞空、急停止、急発進。自由自在な空中機動で獲物を的確に追い詰める。 筋力も非常に強く、オスの爪に掴まれれば大怪我は免れないと考えて間違いない。 また、火の魔法を推進力にすることで更に加速することも。本体は冷気系の攻撃に弱く、気温が下がるだけで飛行に支障をきたすが、火の魔法によって無効にしてくる。 か行 + ... ゴブリン 名称 ゴブリン 種族 ゴブリン族 性別 8割ほどが男 主属性 木 副属性 風(木) 弱点属性 火、電気系統、土、水 生息地 ウィンドローム、ロックグランデ、アクアガルデ、果物の森以外全域、モンステッドタウン 生態、戦闘行動など ウィンドロームに広く生息するゴブリン族の中でも最下級のモンスター。 普段は集団で生活しており、肉食性。 たまに果実を食べることもある。 知能は子供並みだが、上位種族になるほど知能は高くなる。 石器武器を装備している事があるほか、自身たちの住処には罠を貼ってあったりする事があるなど、狡猾な一面もある。 ゴブリンウィッチ 名称 ゴブリンウィッチ 種族 ゴブリン族 性別 男 主属性 水 木 土 副属性 風(木) 泡(水) 壁(土) 根(木) 弱点属性 火、電気系統、水、土 生息地 ウィンドローム、ロックグランデ、アクアガルデ、果物の森以外全域、モンステッドタウン 生態、戦闘行動など ゴブリン内での中級クリーチャー。 宗教のような見た目の装備や、杖を装備している個体をそう呼ぶ。 普通のゴブリンなどと違い、簡単な魔法を扱って遠距離から攻撃を主にする。 ナイトと同じくゴブリンの集まりを指揮していることもあり、知能は大人レベル。 ごく稀に魔法書を持っている事がある。 ゴブリンキング 名称 ゴブリンキング 種族 ゴブリン族 性別 男 主属性 火 木 土 副属性 壁(土) 風(木) 火球(火) 火属性の下級魔法だが、王が使う魔術は一味も二味も違う。 指先から生まれた小さな火球は着弾した瞬間巨大な爆発を引き起こし、並大抵の障壁や人間など、消し炭と化す。 暴風(風×風) 辺り一体に猛烈な風の流れを作る。 これにより風の影響を受ける魔法などはうまく作動せず、また飛行も危険を極める。 弱点属性 無し 生息地 ウィンドローム、ロックグランデ、アクアガルデ、モンステッドタウン 生態、戦闘行動など 数多の冒険者を葬り、やがてその巨体と魔力を手に入れたゴブリンの中の王。他のゴブリンと比べると、この個体の出現は珍しい。また、大陸によって出現率に差がある。ロックグランデでは現れやすいが、アクアガルデにおいてはクイーンと同じレベルで現れにくい。ただし、ロックグランデにおいて現れやすいと言っても一つのゴブリンの集まりに必ずいるほどではなく、現れやすくても5つの集まりに1体程度と言ったところか。 常に大剣を所持しており、戦闘時にはその巨体から繰り出される圧倒的な力によって振り回され、堅固な盾を砕き、渾身の一閃もかすり傷程度に収まってしまう。出会ったら余程自信があるか、馬鹿でも無い限りは逃げた方がいい。 クイーンと共に生息していることもあるが、その場合クイーンを先に倒してしまうと怒りで我を忘れるので要注意。キングを先に倒すべきだろう。 知能は人間の大人と同等。 ゴブリンナイト 名称 ゴブリンナイト 種族 ゴブリン族 性別 男 主属性 木 副属性 風(木) 弱点属性 電気系統、水 生息地 ウィンドローム、ロックグランデ、アクアガルデ、果物の森以外全域、モンステッドタウン 生態、戦闘行動など ゴブリン内での中級クリーチャー。 まともな鉄鎧などを付けている事が多く、また装備もグレードアップしている個体を一般的にそう呼ぶ。 知能も青年ほどになっており、たまにゴブリンの集まりを指揮していることもある。 鉄の防具を付けていることにより電気属性がより弱点になったが、代わりに火属性、土属性が弱点から外れている。 また水属性は相変わらず。 さ行 + ... サンダーバード 名称 サンダーバード 種族 鳥獣族 性別 雌雄 主属性 木 副属性 木=雷 木=風 弱点属性 金 生息地 ウィンドロームの谷、エンデフォール、ファイアカルテット 生態、戦闘行動など 翼の大部分が雷で出来ている巨鳥。翼開長は5mを超える巨鳥。雷を自在に操り、獲物も雷で仕留めるぞ。 上空200〜300mの位置から戦闘をしてくるため、近接戦専門では刃が立たず、遠距離攻撃も遅いものはかわされてしまう。 金属性の攻撃には弱く、特に翼に当たってしまえば雷の部分が掻き消え、飛行能力が維持できなくなる。落下途中で持ち直すだろうが、それまでは攻撃を当てる大きなチャンスだ。 屍 名称 屍 種族 アンデット 性別 無し 主属性 闇 副属性 力の暴給(闇) 闇+闇=力の漏洩 弱点属性 火 水 浄化 生息地 ファイアカルテット以外の全域 生態、戦闘行動など 髑髏から一つ顔を与えられた無様な化け物たち。 その姿形は色々な姿が有り(2つの画像参照)固定された顔ではない。『髑髏への忠誠心』を刻み込まれた屍であり、それに背くことは不可能だ。 髑髏の手数を増やす為に、今日も今日とて敵を殴る。 射石砲のゾンビ 名称 射石砲のゾンビ 種族 アンデット族 性別 無し 主属性 土・火 副属性 土=岩 岩×火=射石砲発射 弱点属性 水・光 生息地 アクアガルデ以外のリバースファンタジア全域 生態、戦闘行動など ダークナイトに率いられる頑強なゾンビ、稀にそこら辺を歩いている。どんくさい怪力の怪物であり、かつては肉の盾でしかなかった。しかし、ちょっとした技術支援によって一体で射石砲を運用できる機動砲兵へと変化したのである。 「ゾンビはノロマでマヌケでどうしようもないクズだが、単純作業をさせるには丁度いいな!!」―ダークナイト た行 + ... 谷のハゲワシ 名称 谷のハゲワシ 種族 鳥獣族 性別 1対1 主属性 木 副属性 木=風 木=蔦 弱点属性 金、火 生息地 ウィンドロームの谷 生態、戦闘行動など ウィンドロームの谷を十匹以下の群れで飛び回る大きなハゲワシ。渡り鳥や谷の周りに迷い込んだ獣や人間を襲って食らう。 身体的な特徴としては非常に脚の力が強く、上空から岩(甲冑の人間を殺すのに充分な重さ)を落とすだけでなく、牛一頭くらいならば空に拐うことが出来てしまう。さらに拐った獲物を魔法の蔦で簀巻きにすることで動きまで封じてしまうのだ。 ダークナイト + ... 名称 ダークナイト 種族 アンデット族 性別 無し 主属性 闇・金 副属性 闇=恐怖 闇=引力 闇=顔のない男 引力×恐怖=生命吸収 恐怖×金=恐怖による強化 金×恐怖=軍勢の武器を作成する 弱点属性 浄化 生息地 アクアガルデ以外のリバースファンタジア全域 生態、戦闘行動など 黒い騎士 アンデットの王や指揮官として極稀に現れるこのクリーチャーは各地で非常に恐れられている。そして、恐れられる事こそこのクリーチャーの力の源なのだ。(後述) 大きさは人間と同じ。兜の中は靄がかかって見えないが、黒い鎧を纏った騎士である。アンデットの中では高い知性を持つが、生前の記憶はなく、生者への憎しみに満ちていて、時には軍を率いて人間の街を滅ぼしにやってくる。ダークナイトは発見次第、精鋭の冒険者で滅ぼす必要がある。 “ダークナイトを倒せる軍に弱卒なし” 魔法の詳細 『恐怖×金=恐怖による強化』 ダークナイトの持つ魔法は生物が持っている死者や暗闇に対する恐怖を自身の力に変える物だ。すなわち、敵である人間の数が多ければ多いほど彼は強くなる。例え勇猛な冒険者であっても死者の軍勢と暗闇を恐怖しないものは滅多にいないだろう。 人間が抱く恐怖はその真っ黒な鎧を非常に頑強なものとする。大きな街一つ分の恐怖があればその鎧には弱点属性すらほとんど効果が得られないだろう。また、剣は鉄や鋼どころか魔法すら切り裂くようになる。 この強化はダークナイトに恐怖する生物がその場に居なければ効果はない。また、恐怖がなくとも剣と鎧は十全ではある。侮れない敵だ。 『闇=顔のない男』 また、ダークナイトは兜を外すことで死や恐怖、夜そのものである闇の靄を対象に見せる(顔のない男)。 この世界の太陽のもとで生きるものに根源的な恐怖を呼び覚ますその魔法は対象を恐怖させ、時には発狂させてしまう。 『引力×恐怖=生命吸収』 他にも瀕死かつ死の恐怖を感じている半径200mの生命体全てから残りの生命力を奪って自分のものにする魔法もある。これはダークナイトが発生させる死と恐怖の引力なのだ。 『金×恐怖=軍勢の武器を作成する』 死者の軍勢の武器を作成する能力。とても単純だが、厄介な能力だ。愚かでウスノロなゾンビは身体の頑丈さを活かした砲兵になり、ガラクタのようなドクロダンサーも立派な武器を持った戦士へと変貌する。ダークナイト自身ではなく、死者の軍勢も恐れさせるのだ。 魔王との関係 多くの生物に対して非常に敵対的なクリーチャーであるが、魔王の影響下にないクリーチャーでもある。彼ら自身もあくまで“死者の王”を名乗り、魔王の僭称を認めない。独立して亡者の軍勢を束ね、人類に挑みかかる。 ああ、或いは…彼らを屈服させるだけの闇と恐怖があれば、その軍門に下るのかもしれないが…。 対策 ダークナイトは非常に強力なアンデットだ。最も恐ろしいのは亡者の軍勢を引き連れ、人間の街を襲撃したときであり、そうなったときは大勢の人間の死を覚悟する必要がある。少ない犠牲でダークナイトを倒すには事前の対応が非常に重要になるだろう。 烏合の衆では決して倒せず、死者の軍勢ごとダークナイトを滅ぼすだけの力を持った小数の精鋭で滅ぼすのが一番だろう。特に光の魔法を使えるものが居ると良い。 僥倖なのはダークナイト同士は非常に仲が悪いことだ。近くで発生した場合はお互いの死者の軍勢をぶつけ、潰し合うことすらある。ダークナイトが発生したとしても、2体以上の彼らを相手にすることなど無いだろう。 人々 「ダークナイトに対する一番の対策は彼らを恐れないことですが、それは非常に難しいことです。『恐れるな』…そう考えた時点で既に恐れているのですから。」―とある修道女 ドクロダンサー 名称 ドクロダンサー 種族 アンデッド族 性別 無し 主属性 土 副属性 無し 弱点属性 火、光(原初の川の水) 生息地 リバースファンタジア全域(夜)、蒼海の洞窟、モンステッドタウン、古代墓地 生態 戦闘行動など 何処から湧いているのか分からない死霊。 普段は土の下で生活しており(というか埋まっており)、夜になると動き出す。 人間に対して特に積極的に襲ってくる性質がある。 言い伝えでは前世に未練を残し、死に切れない者の成れの果てなどと言われるが真偽は不明。 たまに武器を装備しているがどれも錆びたものだったりと、殆どが使い物にならない武器ばっかり。 身体は非常に脆く、簡単に倒せるモンスターの一体。 は行 + ... 人食いアリジゴク 名称 人喰いアリジゴク 種族 昆虫族 性別 雌雄 主属性 火、土 副属性 土=砂 砂×砂=流砂 流砂によって獲物を絡め取る。捕まったらアリジゴクを倒さなければ脱出できない。 砂×火=熱砂弾 流砂の外への攻撃。熱された砂の塊を敵に叩きつける。 弱点属性 水、金、光 生息地 ウィンドロームの森、ロックグランデ、神王のピラミッド 生態、戦闘行動など 全長2〜3mの巨大なアリジゴク。アリジゴクによく似ているためにこの名前が付けられたが、別種の生物でありこの姿こそが成虫である。食欲旺盛な肉食昆虫であり、危険な生物だ。 普段は流砂の奥深くに隠れているが、ある程度の大きさの異物を放り込むとそれを取り除きに出てくる。 ペトスコス 名称 ペトスコス 種族 爬虫類族 性別 雌雄 主属性 火、光、金 副属性 金×光=鏡 鏡×光×火=太陽光線照射 鏡×金=魔法反射 火=火吹き 太陽光線照射 射程800mのビーム。照射し続けることによってダメージが蓄積していくタイプの攻撃だ。数秒の照射ですら火傷ものであり、10秒を超えれば十分な殺傷力になる。遮蔽物に隠れながら戦うのが吉。 魔法反射 自分の目の前に鏡を生成し、飛来してきた魔法を反射する。 火のブレス 口から火を吹く。射程は25mほど。 弱点属性 闇 生息地 神王のピラミッド、ウィンドロームの谷川や水辺 生態、戦闘行動など 形態と生態 頭部に巨大な鏡のような突起を持ったワニ。全長12mほど。 ウィンドロームにおいては射程の長い太陽光線で鳥を撃ち落として食べたり、近くに寄ってきた魚を食べたりしながらのんびり暮らしているぞ。 自分のテリトリーに近付く生物に対しては敵対的。とはいえ、いきなり攻撃するわけではなく相手の目の前の地面を焼いて警告を行い、それでも近付いてくる敵は焼いてしまう。 戦闘行動 高威力で射程の長い太陽光線と相手の魔法を跳ね返す魔法反射により、遠距離戦では無類の強さを発揮する。 近距離戦も決して弱くはない。全長12mの巨大なワニである。鱗は頑強であるし、その巨体から繰り出される攻撃や火のブレスは決してヌルいものではない。 ま行 + ... ミミック 名称 ミミック 種族 不明 性別 無し 主属性 無し 副属性 無し 弱点属性 無し 生息地 リバースファンタジア全域 生態、戦闘行動など 宝箱に擬態し、開けた物を捕食する典型的なヤツ。 ただし擬態能力がかなり高く、一見見分けが付かないが、基本的に発見された場合はギルドが出現区域にミミックの存在を伝えてくれる為、存在するかどうかは確認出来る。 そしてその場所で宝箱を見つけた場合は注意しよう。 彼らは反射的に獲物に食いつく為、木の棒などで開ければ囮になるであろう。 決して持ち帰り、嫌いな奴にプレゼントするなど考えてはいけない。 六つ顔の骨抜き髑髏 + ... 名称 六つ顔の骨抜き髑髏 種族 アンデット 性別 無し 主属性 闇 土 副属性 仮脱皮(土) 仮留め(土) 動かやぬ屍(土) 力の暴給(闇) 闇+闇=力の漏洩 仮留め+力の漏洩=一定時間相手の力を奪う 動かやぬ屍+力の暴給=動き出す奴の屍 弱点属性 水 浄化 生息地 ファイアカルテット以外の全域 生態、戦闘行動など 奴は六つ顔の化け物だ。 顔以外にも、肩、胸などに顔が張り付いていて気持ち悪がられることが多い。しかし、遭遇していては気持ち悪がる余裕など一切ない。そもそも、クリーチャーの前でボーっとする事自体が自殺行為であるのに、ましてや目を背けるなど存外であるからだ。 しっかりとした対策方法が分かっていても、倒すのが難しい化け物である。 ウェイトの大きい体、無駄にならぬ筋肉(全身に)などによって格闘家は無理を強いられる。 また、圧倒的な筋肉と骨の型さにより何かで腕を切り裂くのも難しい為に、そもそも対策方法が分かっていなければ対峙してはいけない。しかし、ふとした時に出会ってしまった場合は注意しなければならない。 ―――どれか一つの目と目を合わせた時、ケラケラケタケタと笑う化け物。その恐怖に抗えるとは限らないのだから。 魔法について 『土=仮脱皮』 その化け物は常に土で身を守っている。ただ勿論脆いし、すぐに破れる。 ただ、凍らされたり、燃やされたりした場合は一回だけ土を剥がして難を逃れることが出来る。仮脱皮は時間が懸かる為、戦闘中は行わないようだ。 『土=仮留め』 重要な魔法でも無い。自分が作った屍(後記述)を地面へ留めておく為の魔法。これがなければ動かやぬ屍は倒れ込んでしまう。 また、この仮留めは短期性の呪いを仮留めして効果を伸ばしたりなどが出来る。 しかし、その故にその呪いが脆くなってしまう事が多い。 『土=動かやぬ屍』 その名の通り、動かない屍を生成する魔法。ただ、土で有る為に脆いし、化け物の近くにしか作れない。この能力を使用する時、化け物の顔は一つ減る。また、その屍が壊されたとき化け物の顔に顔が戻る。 力が供給されていないならば、簡単に崩すことが出来る。しかも、これは連発出来ないために5ロル程度の休憩が確実に必要である。 『闇+闇=力の漏洩』 この魔法は、その化け物が何かを殴る、触れる等の時に付着する烙印によって、力を段々と奪う魔法だ。ただ、効果時間は相当に短く正直一発ごとに5秒もあるかどうか分からない。 さらに、5秒程度では『何をやられたか分からない』程度の力しか吸えない為に単体ではまともに使う事の出来ない魔法だ。因みに長く烙印が付いている程に力は奪いとることが可能だ。 また、この魔法により貯めた力は何にでも付与することが出来る。貯めた力が消えるのは使った時だけだ。 『仮留め+力の漏洩=一定時間敵の力を奪う』 力の漏洩を仮留めによって一定時間付着されたままにする魔法だ。ただ、大変脆くなんと『手で払う』だけで烙印が取れてしまうのだ。 そのうえ、烙印とは服の上からも透けて見える程に光る。その為目立ちやすいし、気づかれやすい。 ただ、奴は性質上手数が多い。軽く払える事=弱いとは限らない。油断は負けの一歩を踏み出す理由となるのだから。 『動き出す奴の屍』 動かやぬ屍に力を供給し、それを動くようにする。 この魔法が施された時点で屍の耐久力は上がり、前程の脆さではなくなる。 尚、屍の行動は後述である。 『出会った場合の対処法』 出会った場合の対処法。それは一応存在する。 その化け物の頭は6つあり、その内一つが本物である。ただ、その本物は偽物を全て潰さないと壊すことが出来ない。 偽物の頭は存外簡単に壊すことが出来る。ただ、本物の頭は固い為、簡単に斬る事が出来ない。 ただ、本物の頭を斬った時この怪物は死ぬ。 この対処法は接近、および長距離、中距離からの狙撃が有効であるが、この化け物は案外頭が良い為長距離はおススメ出来ない。 かといって、中距離からだとその化け物の圧倒的スピードによって大抵近距離戦に持ち込まれてしまうであろう。 だが言っておこう。『倒すことが出来ない訳では無い』と。 別記事一覧 リバースファンタジア トップページ リバースファンタジア 大陸等紹介ページ リバースファンタジア 教団 リバースファンタジア キャラ情報 リバースファンタジア 主属性、副属性について リバースファンタジア クリーチャー大陸別情報 リバースファンタジア ダンジョン一覧