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「ふたば系ゆっくりいじめ 1003 寂れた神社で/コメントログ」 腋の下でおにぎりって グルグルのネタじゃねーか -- 2010-04-26 20 40 18 落ち着いて考えてみると胴付きゆっくりって胴無しより遥かに気持ち悪くないか? -- 2010-05-26 23 13 31 可愛いじゃないか!飼いゆとしては大歓迎! -- 2010-06-10 00 44 32 こういうのいいね。 -- 2010-06-16 03 38 03 胴付きになると、れいむ・まりさでも可愛く 思っちゃうなあ -- 2010-06-17 11 39 04 胴付は個人的に頭でっかちな園児をイメージ -- 2010-06-29 22 38 27 この胴付きれいむほしいんだね、わかるよ~ -- 2010-07-24 01 01 05 胴付きになると下ぶくれ等に溜まっていた余分な餡子が体に移動して顔がすっきりすると勝手に妄想 -- 2010-08-17 14 01 38 ほっぎゅっ ほっぎゅっ -- 2010-10-05 11 01 24 まじかよ…どんだけ高性能なんだよ…しかも小規模な幻想郷を造ることができるなんて… -- 2010-10-09 23 29 06 んほ -- 2010-10-30 16 04 25 あまり見ない胴付きは量産型劣化版本人になりがちなんだよなぁ -- 2010-12-01 03 46 20 このれいむは可愛いなぁ…欲しいぜ -- 2010-12-04 15 09 53 胴付きになるとかわいくなるな― -- 2010-12-09 14 54 26 れいむが裸で布団に入ってくる!!???けしからんもっとy『HENNTAI』どぼじでぞんなごどいうの -- 2010-12-12 20 11 48 おにぎりの元ネタはグルグルなんだろうけど、あっちはおやじが握っていたのに対してこっちのは堪らないな。。。 -- 2010-12-19 00 58 42 胴付きになったら饅頭皮の強度不足と頭の重さで首が頭にめり込んで、顔の皮が首周りに引き込まれてものすごい不細工になり、頭はきのこみたいな形状になると勝手に予想。 -- 2011-01-22 15 04 17 なんかおもしろいwww -- 2011-02-11 12 35 41 胴付きれいむ可愛すぎる… -- 2011-05-08 15 31 47 キタキタ親父とこのれいむは脇で?を造れるのか・・・・ -- 2011-05-21 23 49 13 どう見ても幼女です。本当にありがとうございました。 -- 2011-09-02 01 14 26 いいなぁ劣化型本人な胴付きれいむ。 こんな感じでプチ幻想郷を開催したい。 考えてみたんだが。胴付きさとりって、ただのスモック着た幼稚園児だよね。小5どころの騒ぎじゃねぇ。 -- 2011-09-08 20 06 33 全種類の胴付きを一体ずつ集めれば幻想郷が再現できるとか・・・ 夢がひろがりんぐ -- 2011-09-15 19 30 45 イイ! -- 2011-10-19 22 47 07 なんかHENTAIあきって名前だから いかにもHENTAIなことをしてるのかと思いきや なんかKENZENだな。 おもしろい -- 2011-12-17 00 56 42 なんか上のれいむふてぶてしいゾ -- 2012-01-06 00 59 04 胴つきはかわええのう -- 2012-03-11 23 02 13 霊夢よりかわいい気がするしかも仕事熱心で神社で暮らさなくなってからも掃除を続けるとか人間よりもちゃんとしてるながんばって空を飛ぼうとするのを想像するとかわいいなあと後ろのゲスゆっくり共は先着で虐待し放題ということでいいですかな? -- 2012-06-22 22 05 22 最後の一行でクソワロタ -- 2012-09-03 22 21 18 この男の脇握りに塩は不必要だろうな。 -- 2013-01-03 20 00 49 すごくかわいいああ霊夢ちゃん、わきを(ピチューン -- 2013-02-25 19 48 28 ハハッ! いいぞいいぞ もっとやれー! -- 2013-06-19 03 39 11 マジヤベェ・・・・ -- 2013-11-04 23 20 10 何だ、ただのかわいい霊夢たんか…… -- 2013-12-10 23 02 29 わたしもおにぎり買お… -- 2014-02-12 23 35 11 れいむぅぅぅ俺にそのおにぎりとお前をくr(ピチューン -- 2014-06-24 19 46 56 ↓へんたいさんなんだねーわかるよー -- 2014-07-23 06 06 28 生意気だけどそこが可愛いのが胴付きですね -- 2014-11-24 07 44 11 胴無しゆっくりの生意気さのウザさは世界一ィィィィィィィィ!!!! -- 2014-11-24 07 46 27 クソ、ゆっくりよ現実に現れてくれ! -- 2014-12-21 23 30 50 ゆっくりってゲス以外なら大体可愛いよな。 -- 2015-07-27 00 09 55 可愛いんだねわかるよ~ -- 2015-09-05 16 22 24 さいこー -- 2015-09-14 20 13 44 いいぞぉ! -- 2015-09-15 19 11 00 ゆっくり霊夢って虐待されがちだけど胴付きになるとすごく可愛い -- 2015-10-11 22 49 42 胴付きゆっくりでここまでかわいいゆっくりは初めてみたんだねーわかるよー -- 2015-12-05 20 35 01 へんたいさんなんだねー。わかれよー -- 2015-12-18 22 46 52 このれいむを虐待するやつがいたら本気でぶっ飛ばしてやる! -- 2016-01-02 21 03 37 あ、そこのおにーサーン!そのれーむ。10000000で売ってくださーい!とはいっても一日だけでいいです!(笑) -- 2016-05-13 21 41 03 れいむ欲しいんだねーわかるよ~ -- 2016-08-28 23 06 07 霊夢が素直すぎてかわいい。 そのまま百万d(ピチューン -- 2016-09-20 21 53 13 どうつきはゆっくりできるよー -- 2017-01-22 23 02 58 「霊夢ちゃん美味しいお茶とあまあまをあげるから家に来てくれないかな? その代わりお賽銭としていくらでもお金はあげr(ログアウトしました)」 -- 2017-08-05 18 27 48 なんて素直で可愛い胴付きなんでしょう!ゆっくりのガキより美味しいお菓子やるから家に来なよ! -- 2017-10-26 20 27 06 可愛いけど、チート過ぎないかい!? 早めのバッジ登録をお勧めしますwww -- 2018-03-25 04 07 54 ビューティフォー -- 2018-10-21 11 23 52 ......←←ビューティフォー 火桜冬風 -- 2018-12-14 23 17 39 へんたいさんなんだねー。わかるよー -- 2022-08-12 04 27 51 かわいいからお持ち帰りしちゃったんだね。わかるよー -- 2023-01-13 09 24 13
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※色々注意。 ただゆうかにゃんとニャンニャンするだけのSSです。 山・落ち・意味無し ゆうかにゃんと言うゆっくり(?)がいる。 元々は『ゆっくりの素』という商品が引き起こした事態だったらしい。 ハゲ饅頭の素体に、それぞれの種類・・・例えば「まりさの素」をかけると毛が生え、目の色が変わり帽子まで生えてくるという。 なんとも便利な時代になったものだ。 いつの世も説明書を読まない人間は存在する。 だから「ひとつの素体に複数のゆっくりの素を使わないでください!」という注意書きが無視されるのは時間の問題だった。 最初の例は、まりさ×ありすのまりす。ありすのカチューシャの素材で出来た帽子を被った「まりさっぽい何か」だったらしい。 随分と強力なショットを撃ちそうな名前だがあくまで個人の感想に過ぎないのでここでは触れないこととする。 そんな調子でメガ○ンよろしく悪○合体のノリで次々とキメラゆっくりは作り出されていった。 所謂合○事故なのだが、そんなことは誰も気に留めない。 そしてゆうかとちぇんの組み合わせが試されたというわけだ。 ゆうかにちぇん。 元々人気の高かったこの二種が合体した結果、ゆうかをベースに猫耳と猫尻尾が生えるという個体が生まれた。 それがゆうかにゃんだ。 どうやら猫属性に弱い一般大衆はこのゆうかにゃんをいたく気に入り、ブームはあっという間に広がっていった。 今では(極少数だが)市場の流通に乗り、ペットとしての需要も高まりつつある。 れいむやまりさよりゆうかにゃんを飼う事がステータス。そんな風潮すら生まれてきている始末だ。 さて、ここまで前書きしておいてなんだが、俺は「ゆうかにゃん」とやらがあまり好きではない。 何故かと言えば、なんだか不自然なのだ。 俺は元々ゆうかが大好きで、胴つきのゆうかりんと一緒に同居していたりする。まぁ他にも同居しているゆっくりはいるのだが。 健康的な緑色の髪の毛。透き通った赤い瞳。気位の高い、しかし打ち解ければ信頼しきってくれるその性格。 俺はゆうかのことが大好きだ。俺はゆうかのことが大好きだ(大切なことなのでry)。 しかしそんなゆうかに不純物とでもいえる要素がついている。 まるで駄目だ。そんなのはゆっくりじゃねぇ。 例えるならモナリザの背景にピカソが割り込んできたようなものだ。 と言ったように世間の流行に一人逆らう俺は、今日も一人でゆっくりペットショップへと足を運んでいた。 別に変な用事じゃあない。ただ単に捕食種用の餌が切れたから買い足しに来たのだ。 そしてドアに張られたチラシを見咎める。 『ゆうかにゃん入荷しました』だぁ~? けっ。この店も流行に流されてるのか。この猫好きどもめ!そんなに猫が好きなら猫を飼えってんだ。 ぶつくさ呟きながら、入店する俺。 そして奥のショーケースに、緑髪らしき気配を察知した。 十中八九ゆうかにゃんだと分かっているが、確かめずにはいられないのがゆうか好きのサガである。 送られた視線のその先にはそいつがいた。 赤を基調としたチェック柄のお洋服。 胸元を飾る黄色のタイ。 そして緑の髪、そこにぴょこんと生えた耳。ついでに腰の辺りから尻尾が二本。 見紛う事なき胴つきのゆうかにゃんだった。 初めて実物を見た衝撃で、少しばかり動きが止まる俺。 おいィ!?胴つきだなんて聞いてないよ!!どぼなっでんのごれー!!?ものの見事に錯乱中。 ゆうかにゃんはそんな俺を見て、躊躇いがちにこう言った。 「わかるわー」 目と目が合う瞬間好きだと気づいた。 なにこの子?天使?天使なの?(俺が)馬鹿なの?(鼻血的な意味で)死ぬの? 先入観など容易く粉砕。今俺の心は、まさに天国にいた。 捕食種たちの餌?ええい、そんなもの明日にでも買えばいいだろ! 今大事なのはこのゆうかにゃんを可及的速やかに手に入れることだ。 気付けば俺の他にもゆうかにゃんを狙っている輩がいるのを感じ取る。 させるかダラズ共。ゆうかにゃんは俺の嫁だ!!! カウンターへと跳躍しつつ、不逞の輩に飛び膝蹴りを食らわせる。 いろいろなものを撒き散らしつつ、頭からもんどりうって倒れる不逞の輩。 誰にも俺の邪魔はさせん。例え神であろうともだ。 その後もカウンターへと群がる者どもをなぎ倒しつつ、さっさと店員と話をつける俺。 返り血に染まった俺の形相に、店員のお姉さんも涙目だ。 俺だってこんな客は願い下げだろうなぁ。 幸いにも俺にはゆっくり狩りで鍛えに鍛え上げられたこの身体と、意味も無いほどに溜め込んだ財力があった。 襲い来る不逞の輩の迎撃という所さえ除けば、商談はあっという間に片がついていく。 最も、その間も俺はどんどん返り血に染まっていく。更におびえる店員さん。こいつらも根性あるなぁ。 商談が終わる頃には、店内は屍山血河が築かれていた。 真っ赤に染まった俺の腕の中には、ゆうかにゃんが抱きかかえられている。 こんな状態であるにもかかわらず、ゆうかにゃんは幸せそうに眠っていた。あぁかわいいなもう。 訂正しよう。 ゆうかりんは素晴らしい。そりゃあもう、まるで女神のような美しさだ。パーフェクト。ビューティホー。ブリリアント。 だがゆうかにゃんも素晴らしかった。こちらはまるで天使のような愛らしさだ。プリティー。チャーミー。エクセレント。 俺には優劣を決めるなんて事はできない。たまには猫好きもいいよね! そうして俺とゆうかにゃんの生活が始まったわけである。 ついでに言うなら、帰宅した俺を待っていたのは予想外の出費と血まみれの格好に対するゆうかりんの説教だった。 ここから先はストーリーもへったくれも無いただの駄文が続きます。 ご注意ください。 さて、ゆうかにゃんは一応ちぇん種との混合体なので多分に猫らしい部分を持っている。具体的に言えば猫度72点。某メイド長の3倍だ。 そんな赤い彗星とタメを張るほどのゆうかにゃんに、ひとつプレゼントをしてみたいと思う。 プレゼントの内容は、猫がぐでんぐでんに酔うといわれている・・・・・・マタタビだ。 マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本、別名夏梅とも言われる・・・・・・まぁそんなことはどうでもいいわな。 ちょっとこの前公園に繰り出して採ってきたのだ。 マタタビの実が3つに、枝葉が2本。 紙袋の中に保管中だ。 ちなみに、普通のちぇん種でもマタタビは効果がある。 試しに与えてみたところ見事に酔っ払ったのだ。 ゆうかにゃんは一応ちぇん種の流れを引くことだし、やってみる価値はあると思う。 「ゆうかにゃん!ゆうかにゃんー、おいでー」 畑の方に向かって大声を出す。 確か今はゆうかりんと共に農作業中だったよな。 「おにいさん、なにかごよう?」 てくてくと歩いてくるゆうかにゃん。 一歩ごとに耳はふわりと、尻尾はふりふりと揺れる。 可愛いなオイ。 「ほい」 「??」 紙袋をひらひらとちらつかせる。 ゆうかにゃんは興味を持ったらしく、紙袋から視線をはずさない。 お、なんか勘付いたのかな?寄ってきた。 「ほ~れほれ」 すかさず実と枝葉を紙袋からぶちまける。 縁側に散らばるマタタビ。 「・・・・・・んにゃ」 お、しゃがんでいきなり実を口に持っていく。 でも食べない。かじりもしない。しゃぶってる。弄んどる。 「ん、ん・・・・・・にゃ」 なんかどんどん目がトロンとしてきてる。 しゃがみ続けるのも辛そうだ。あ、尻餅ついた。 尻餅をついた状態でも実を手放さない。しゃぶり続けている。夢中だ。 「あ、ふ・・・・・・にゃっ、んぁ・・・・・・」 倒れこんだ。床に散らばったマタタビの実や枝葉に、身体をこすり付けている。 顔に赤みが差し始め、目の焦点が合っていない。 ちょっと手を伸ばしてゆうかにゃんに触ってみる。 「ん、んん・・・・・・♪にゃぁ・・・・・・♪ゴロゴロゴロ」 おお、擦り寄ってきた。 俺の手にすりすりするかの様に、全身をこすり付けようとしてくる。喉もゴロゴロ鳴ってる。 ヤベェ。可愛い。鼻血でそう。 「あ、ふぁっ・・・・・・は、ふぅっ・・・・・・♪」 そのまま寝返り。 お腹を見せ付けるようなポーズ。身体をくねらせ、ひっきりなしに身悶えている。 完全に出来上がってるな。少し開いた口からは、少量の涎が垂れ始めている。 いわゆるメイテイ状態!!!という奴だろう。 ゆうかにゃんを抱き上げる。 柔らかな感触。ほんのりとした温かみ。ほのかな甘みを伴う香り。 最高だね。もう鼻血出てる。 「おにいさん♪おにいさん~~~♪ゴロゴロゴロ・・・・・・」 普段の態度からは想像もつかないほどに俺に甘えるゆうかにゃん。鼻血増し増しだ。 そのうちくてんと大人しくなってしまった。 何事かと見やると、どうやら寝てしまったようだ。 「むにゃ・・・・・・おにいしゃん・・・・・・♪わかるわぁ・・・・・・♪」 寝言を呟くゆうかにゃんを、そっと床に下ろす。 縁側に太陽の光を浴びてお昼寝するゆうかにゃん。実に絵になるね。 だらしなげに身を投げ出して仰向けでなにやら良い夢を見ているのだろう。 ・・・・・・・・・・・・。 見ているうちになんだかいけない欲望が鎌首をもたげてきた。 ゆうかにゃんも今は寝ている。誰も俺の邪魔をすることは出来ない。 俺の欲望、それは・・・・・・ ゆうかにゃんのおふぁんつ拝みたい。 HENTAIと言うなかれ。 目の前に眠るゆうかにゃんがいたら、誰だってそうしたくなるはずだ。え、俺だけ?知ったことか。 それに最近ある都市伝説がある。 それは『ゆうかにゃんはどうやらノーパンらしい』というなんとも素晴r・・・・・けしからんものだ。 この噂が流れ出した発端が激しく気になるがとりあえず置いておく。 一応俺はゆうかにゃんを養う立場にある。つまり保護者も同然というわけだ。 そして被保護者とも言うべきゆうかにゃんがはしたなくもノーパンの可能性があるという。 これはいけない。保護者として確認しないといけないよね。 気配を殺しきる。 相手はゆっくりとはいえ一応猫だ。迂闊な行動を取ればすぐに起きてしまう。 音を立てないように、そっと、そぉぉぉぉっ・・・・と手を伸ばす。 狙うはゆうかにゃんのチェック柄のスカート。 空気ひとつ乱さずにゆっくり、ゆっくりと近づいていく。 スカートに、指が触れる。 慌てるな。気付かれては全てが無駄になる。 少しづつ、少しづつゆうかにゃんのスカートをつまむ。 後は、これを捲る・・・・・・否、引き上げるだけ。 昔から『たくし上げ』が好きだった。 あの羞恥に満ちた顔。そしてそれに反するかのような淫靡極まりない箇所を晒す。そのシチュエーションにどうしようもない興奮を覚える。 生憎今回は相手は寝てるがそんなの関係ねぇ。目に焼き付ける光景にこそ価値があるんだよ。 ゆうかにゃんに気付かれないほど遅遅としたスピードでスカートを引き上げていく。 シュ、と時々衣擦れの音がするが、ゆうかにゃんは起きない。いける。これなら。 既に呼吸は荒く、何処からかフヒヒという気持ち悪い声が聞こえてきた。 訂正。その声は俺だった。 丁度膝までたくし上げが完了した。 もうすぐだ。もうすぐこのスカートの下に隠された幻想郷に辿り付ける。 興奮で目が血走る。あ、カメラ持ってくればよかった。 そしてとうとうあと一歩というところまで到達した。 あと一息。あと一息で俺は幻想郷を拝むのだ。 もう我慢できねぇ。今までの我慢を破るかのように、俺は力を込め――――― 「なにやってるの、おにいさん?」 ゆうかりんに見つかった。 当然、正座をして1時間の説教となった。 これは余談であるが、ゆうかにゃんのおパンツは花柄で猫さんのバックプリントが施されたものらしい。 あくまでゆうかりんや本人談である為、確証は無い。 * * いきなりの話で申し訳ないが、畑にれいむが侵入していた。 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!!じじぃとへんなこはゆっくりどっかいってね!!!」 「しょうだー!どっきゃいけー!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 あっと訂正。 れいむだけではない。子れいむが二匹、れいむの背後に隠れていたようだ。 今この畑にはこのれいむ共を除けば俺とゆうかにゃんしかいない。 ゆうかりんは只今絶賛お使い中だ。なんでも花屋に新しい種が入荷したとか。 そろそろ花を植える用の鉢植えの残りも少なくなってきた。今度俺も買い足しに行こう。 「れいむのはなしをきいてないの!?ばかじじい!!」 「はやきゅうちぇろきゅじゅ!」 「のりょまはきりゃいだよ!はやくちんでね!」 なんかれいむ共の口が悪くなってきたな。 いつもならここら辺でゆうかりんが瞬殺しているのだが・・・。幸運な饅頭どもだな。 ゆうかにゃんの髪の毛が少し逆立っている。警戒しているのかな? 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!かわいくてかわいそうなれいむのいうことはきかなきゃいけないんだよ!?」 「きゃわいいれいみゅのめいりぇいをきけ!」 「れいみゅとみゃみゃにひじゃまじゅいてねじじい!」 お決まりのシングルマザー宣言。 それにしても頭悪そうなツラしてるな。 いや、畑にガキつれてきてる時点で本当に相当頭悪いのか。 「おい、お前らさっさと失せろ。今なら潰さないでやるから」 「・・・・・・・・・」 「ゆゆ!?なにいってるのこのじじい!!ほんとうにばかだね!!」 潰すのも面倒なので一応声をかける。 ゆうかにゃんは黙って俺の話を聞いているが、機嫌が悪そうだ。畑にこんな糞饅頭がいたら心中穏やかでは無いのも分かるが。 当の糞饅頭はこちらの話に聞く耳持たず。 「ばかなじじいにそこのきもちわるいこのせいでゆっくりできないよ!!さっさときえてね!!」 「あちゃまにへんにゃのがはえてりゅ~」 「きみょちわりゅ~い!!」 あ、ゆうかにゃんの気配が変わった。 髪の毛が更に逆立ち、よく耳を凝らせば唸り声が聞こえる。 完全に怒らせたな。れいむ一家の命運は決まったようなものだ。 「・・・・・・・・・」 ずい、と一歩れいむに近寄るゆうかにゃん。 「ゆわ!!きもちわるいこがこっちにきたよ!!」 「きょわいよぉ~!」 「みゃみゃ!なんとかちてね!!ころちてやっちぇね!!」 なんか騒いでる糞饅頭ども。 俺も少しイラついてきた。 「きもちわるいのはゆっくりしね!!」 いきなりれいむがゆうかにゃんに向けて突進してきた。いくらゆっくりとはいえ、短気過ぎるだろ。 ゆうかにゃんは突っ立ったまま動かない。迫り来るれいむに対して、何もしようとはしない。 やばい、今からでも助けが間に合うか?そう思って俺が動き出したその時・・・・・・ ゆうかにゃんが、跳んだ。 れいむが触れるか触れないかでのタイミング。 俺の身長ほども跳躍し、そのままくるりと一回転、華麗に着地した。 猫さながらのアクロバティック。ちぇん種の運動神経のよさは受け継がれているようだ。 「ゆぶべぇ!?」 思いっきり体当たりがスカったれいむは、地面と熱いキッスを交わしていた。 泥まみれの(元からだが)汚い顔で起き上がるれいむ。 「どぼじでよげるのおおおぉぉ!!?れいむのこうげきをうけてしんでねぇ!!!」 地団太を踏んで、またもや突進してくるれいむ。 さっきと全く変わらない攻撃だ。簡単に避けられるだろう。 だがゆうかにゃんはそうしなかった。低く踏み込み、ぶれる程のスピードでれいむに向かって腕を突き出す。 「ゆびゃ!!?」 れいむの顔面、両目の部分が吹き飛ぶ。 いや、吹き飛んだのではない。突き破られたのだ。 いわゆる猫パンチ。スピードはともかく、威力は本家のそれより高そうだ。 「ゆゆ!?まっくらになったよ!?これじゃきもちわるいこg・・・・・・いだああああああああ!!!!」 かなり遅いリアクションを返すれいむ。 とりあえず両目を抉られればこれ以上抵抗は出来まい。 勝負決着・・・・・・といったところだが。 「わからないわー・・・・・・」 ゆうかにゃんがれいむに歩み寄る。 手を振り、付着した餡子と目を払う。べちゃりと汚い音を立ててれいむの眼球は地面に落ちた。 瞳孔が縦に細くなる。完全に捕食種モードだ。 「ゆ!?どこかにきもちわるいこがいるね!!かくれてないでれいむにころされてね!!」 状況を理解せずじたんじたんと暴れまわるれいむ。 ゆうかにゃんはそんなれいむに対し、更なる攻撃を加え始めた。 連打。連打。連打。 猫パンチの嵐。 一発撃つごとにれいむの身体は音を立てて打ち砕かれ、形が崩れていく。 「わからないわー。 どうしてあなたたちはここにきたの?しぬだけじゃない。 もしかしてしぬためにここにきたの?それならわかるわー」 「ゆぎゃああああ!!やべっ!!いだっ!!じぬっ!!じんじゃうっ!!!」 冷やかな口調で一片の慈悲もなくれいむを壊していくゆうかにゃん。 自分の容姿をバカにされたのもあるのだろうが、恐らくあれが本来の気質なのだろう。 サドいなさすがゆうかにゃんサドい。 あっという間に顔面を剥ぎ取られ餡子が露出するれいむ。 そのまま何も言わずに地面に崩れ落ちてしまった。死んだな。 「ゆううぅぅ~~~!!?」 「どうなっちぇるのおぉ~~!?」 そしてそれを理解していない子れいむ共。 心底不思議そうに叫んでいる。 「わかるわー、つぎはあなたたちのばんね・・・・・・」 「ゆゆ~~~~!!?」 「きょわいよぉ~~~~!!!」 ゆうかにゃんが子れいむ二匹の方に振り返る。 ガタガタと震えながら泣き叫ぶ二匹。 「みゃみゃぁ!」 「はやきゅなんとかちてね!!」 おろおろと周囲を見ながらそんなことをのたまう子れいむ共。 今目の前で親が死んだというのに何を言っているんだこいつらは。 そんなことを言っている間にゆうかにゃんはどんどん近づいてくる。 「みゃみゃぁぁぁ!どぼじでおへんじちてくれにゃいのぉぉぉ!!?」 「きゃわいいれいみゅがこみゃっちぇるんだよ!!はやきゅなんとかちてね!!」 泣き叫び、あるいは頬を膨らませながら今は亡き母に助けを求める子れいむ二匹。 ああ、こいつら底抜けの莫迦なんだな。 多分死ぬまで助けが来ると疑わないんだろう。 「みゃみゃ!!いいかげんにちないとせいしゃいしゅるよ!!」 「きゃわいいれいみゅをはやきゅたちゅけないと、ゆっきゅさせなくしゅるよ!くしょばばぁ!」 いきなり母親に悪態をつき始めた。 どうなってるんだ。こいつら阿呆すぎるだろ。 よく今まで生きてこれたな。それも今日までだが。 「はやきゅでちぇこい!!でちぇきちゃられいみゅがしぇいしゃい・・・・・・ぶびょっ!!」 「くしょばばぁはしゃっしゃとちんで、れいみゅをゆっきゅ・・・・・・びぇ゛っ!!!」 終わった。 ゆうかにゃんが一瞬で二匹を踏み潰した。 辞世の句となる悪態を最後まで言い切らずに、子れいむ二匹はゴミのように死んだ。 ゆうかにゃんも、やはりゆうか種が基になっただけあって捕食種たる凶暴性を持っているようだ。 可愛いだけが能じゃない。ゆうかにゃんは畑も守れる番ゆっくりとしても有効らしい。 花畑のドSの名は伊達じゃなかった。 ちなみに、れいむ親子は肥料とするべくコンポストの中に突っ込んでおいた。 ゆうかにゃんはどうやら初めての狩りだったようで、その日は一日ご機嫌だった。 * * 最後に、ゆうかりん以外の混合ゆっくりを紹介したいと思う。 ゆうか×おりん のゆうかにゃん(亜種)。 「じゃじゃ~ん(テンション低)」 「テンション低っ!?それにゾンビ饅頭が畑で働いてる!?」 さくや×もみじ のさくやわん。 「さくやわん、お座り!」 「はい、だんなさま!」 「さくやわん、伏せ!」 「はい、だんなさま!」 「さくやわん、お手!」 「ありませんわ、だんなさま!」 「さくやわん、おかわり!」 「いただいておりませんわ、だんなさま!」 「さくやわん、ちんちん!」 「ありませんわ、だんなさま!」 「え、無いの?一応ぺにまむついてるだろう、お前・・・・・・」 「めいどとはじょせいがなるものですわ、だんなさま!」 てんこ×うどんげ のてんどん(もしくはうさてんこ)。 「いっしょにいてねだっこしてねなでなでしてねぎゅってしてねそうじゃないとてんどんさみしくてじゅみょうがまっはだからね!」 「一息に言われても分からんよ・・・・・・桃に饂飩かけたら天丼になるってーのもすごい話だな」 いく×なずーりん のいくちゅう。 「いけ、いくさん!10万ボルトだ!!」 「ふぃーばー!!」 「明らかに某ねずみポケモンを意識してるよな・・・・・・」 きっとこれからもどんどんゆうかにゃんのような混合種は生まれていくのだろう。
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喧嘩 14KB 虐待-いじめ 愛で ギャグ 小ネタ 悲劇 希少種 現代 愛護人間 人間がかわいそうな目にあいます。虐待描写あまりなし ・虐待と言うより愛で ・希少種とのいちゃいちゃ描写あり。嫌な人はわかってねー ・人間が酷い目に合います ・ギャグです どこにでもある一軒家の夜。 そこでは今まさに喧嘩が行われていた。 「お兄さんといっぱいちゅっちゅしていいのはてんこなの!!」 金バッジの胴つきてんこと 「ゲラ!!ゲラ!!(ちがうよ!!いっぱいちゅっちゅしていいのはれいせん!!)」 同じく金バッジの胴つきうどんげだった。 この二匹は同じ頃に家の主であるお兄さんに飼われ、二匹とも仲良く過ごしていた。 だが、二人とも飼い主であるお兄さんが大好きだった。 二人とも寂しがりやで愛を欲しいがためにお兄さんの気を必死に引こうと意地の張り合いをやっていた。 だが今日、その二人のボルテージがマックスになったのだ。 「こうなったらどっちがお兄さんにたくさんちゅっちゅしてもらえるか勝負だよ!!」 「ゲラ!!ゲラ!!(望む所だよ!!)」 こうしてお兄さんのゆっくり出来ない一日が始まった。 喧嘩 お兄さんは毎朝7時に起きる。 どっかの漫画でも言われていたことだが、いつも同じ時刻に起きれば習慣づいて必ずこの時間帯に 起きれるようになるからだ。 「んっん~~~~~~!!」 7時になると同時に目を覚まし、布団の中で背筋を伸ばし眠気をとろうとする。 今日は久しぶりの休みだから、どう過ごそうかなぁと考えているとドアをトントン叩く音が聞こえた。 あの叩き方は…てんこだな? 「てんこか?入っていいよ」 そういうとてんこがドアを勢いよく開け、俺の上に飛びかかってきた。 てんこの頭が俺の息子に直撃して今までの眠気が嘘のように吹き飛んだ。 「~~~~~~~!!…どうしたんだいてんこ」 「…おはようのちゅっちゅ」 「ん?」 「おはようのちゅっちゅをしに来たの」 はい?なんでまた?俺は悩んだが、今まで仕事が忙しくてなかなかてんこに構ってあげられなかったから 寂しかったんだろうなぁと思い、てんこを抱えた 「お兄さん…」 「全くいつまでたっても赤ちゃんだなぁ、お前は」 そう呟きながらおれはてんこの唇を見た。 てんこの唇は薄く赤色ではあるがとても小さい形をしており、非常に魅力的な唇をしていた 俺はゆっくりとてんこの唇に重ねようとしたその時!! 「げら!!(そうはさせるか!!)」 「んん!?」 布団の中に何時の間にか潜んでいたうどんげが俺の唇を奪った。 月見だんごのような味がした。 「ぶわ!!うどんげ、お前何時の間に!!」 「ゲラゲラ!!ゲラゲラ!!(お兄さんの一日のファーストちゅっちゅを奪ったよ!!)」 「ぬぐぅぅぅぅぅぅ!!うどんげぇぇぇぇぇ!!お兄さんと一緒に寝てるなんて反則だよ!!」 「ゲラゲラ!!(ふんだ!!ルールなんて決めてないでしょうが!!)」 「こうなったらてんこはこうするよ!!」 そう言い張るとてんこは俺の唇に唇を重ねてきた。 だがただのちゅっちゅではない、でぃーぷちゅっちゅだった。 俺の口の中にてんこの舌が入って俺の舌と絡み合ってきた。 ああ…桃の味がする…俺はそう思いながらてんこと一分程熱いちゅっちゅをした 「ゲラゲラ!!(でぃーぷちゅっちゅなんて反則だよ!!)」 「ふんだ!!うどんげだってお兄さんと一緒に寝ていたんだからお互いさまだよ!!」 「げらぁぁぁぁぁぁ!!げら!!(うぅぅぅぅぅ!!次にいくよ!!)」 「望む所だよ!!」 そういうと二人は走って部屋を出て行ってしまった。 あいつらは一体何がしたかったんだ?俺はそう思いながらベッドに腰かけたが良い何も思いつかず 仕方なしにそのまま着替える事にした。 下に降りるとそこは戦場になっていた。 「ゆごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「げらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!いだいよぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 何この状況?俺はそう思った。 俺の飼っている胴つきのてんことうどんげが何か料理をしているようだった。 てんこはM体質なのか慣れているのか火を使ってどこからか拾ってきたゆっくりれいむを フライパンで焼いていた。 しかも全体が焼けるようにコロコロ転がしていやがる。 一方のうどんげは包丁を使ってゆっくりまりさを切っていた。 ほぼ同じ均一にしながら足から少しずつ切っていた。 朝からこんな悲鳴が聞けるなんて最悪だ…後、なんかいやな予感がする…。 「お兄さん!!てんこの愛がこもったお料理さんができたよ!!」 「ゲラゲラ!!(うどんげの匠なごはんさんを食べてね!!)」 そう考えている内に調理が完了したようだ。 てんこの料理は油を一切使わずにれいむをフライパンであぶったものです。 その焼き加減はもう加減なんか知った事じゃと言わんばかりの色でした。 もうね、炭です、はい。ほんと炭です、はい。 「ゆ…ゆ…ゆ…」 おお、こんな状態でもまだ生きています。 おそらく中には水分が飛びきってぱさぱさな餡子が詰まっているんでしょう。 一方のうどんげはきれいに切られていますね、はい。 ですが上に何か振りかけられています。これは…草でしょうか? いわゆる雑草というやつです。本人は薬味のつもりでふりかけているんでしょう、体に良いよという 顔をしています。 「えっと、これはちょっと…」 俺は食ったら腹を壊しそうだと考えた。だが、恐ろしい悪魔がそれを許してくれなかった。 「…たべてくれないの?」 「げらげら…?」 う、頼む、そんな顔で俺を見ないでくれ。ああ!!半泣きにならないでくれよ!!俺が辛いって!! く、なんてことだ!!こいつら悪魔だ!!こんな顔をして俺に『食べて』と視線を 飛ばしてきやがる。やっぱりかわいい奴はみんな悪魔なんだ!! 俺をギロチン台に誘ってやがる!!くそ、動け。逃げないと死ぬぞ。 ああだめだ、そんな顔で俺をみるなぁぁぁぁぁ!!みないでくれぇぇぇぇぇ!! だき!! だき!! 「ん?」 てんことうどんげが抱きついてきた。 今にも泣きそうな顔で俺の方を向いてきた。 「食べてくれないの?…てんこの事が嫌いになっちゃったの?」 「げらげら…(嫌いにならないで、お兄さん…)」 30分後… 「神よこの俺に救いをぉぉぉぉぉぉぉぉ!!体内に潜む悪魔をはらってくださいぃぃぃぃ!!」 「ごべんなざいおにいざぁぁぁぁぁぁん!!じなないでぇぇぇぇぇぇ!!」 「げらげらぁぁぁぁぁ!!(だれかお兄さんを助けてあげてぇぇぇぇぇ!!)」 こうして俺は30分程体の中に潜む悪魔と戦う羽目になった。 悪魔との戦いに打ち勝った俺は体力を回復するべく部屋で寝ることにした。 家の飼いゆっくり達には「寝かせてくれ」と言っておいた。 せっかくの休日だから一緒に遊べると思った二人はすごく泣きそうな顔をしていた。 「うん…わか…グスン…わかってるよ…グスングスン…げんきになったら…グスン…遊んでね…」 「ゲラ…グスングスン…ゲラ…」 先ほどの罪悪感もあってか二匹はおとなしく言うことを聞いてくれた。 がそんな思いは1時間後に裏切られた。 トントン!! 「ん?だれだい?」 「お兄さん…てんこだよ…」 「てんこ…わるいが今遊んであげられる状態じゃ…」 「わかってるよ…だからお兄さんはてんこが元気にしてあげるね!!」 バタン!! ドアが勢いよく開けられた。 そこに入ってきたのは以前買ってあげた子供用のナースの仮装服をきたてんこだった。 袖の長さは短く、足の丈も太ももが隠れるか隠れないか微妙な長さのナース服だった。 いろんな意味で眼福だった。 そうここまでは… 「お兄さんのためにてんこが体に良いお薬さんを作ってきたよ!!」 そう言っててんこがその手に持っていたのは注射器だった。中には何か黒い物が詰まっていた。 「…てんこさん?…そのやたらと黒いのは?」 「これ?その辺に歩いていた野良の中枢餡さんを詰めたものだよ!! 知り合いの物知りなぱちゅりーがこれは特効薬だと言っていたから効果てきめんだよ!! さあ、あにゃるさんを出してね!!」 うおぉぉぉぉぉい!!ちょっと前に家の庭に住みついていたそのぱちゅりーは1週間前に ゆっくりコロリを食って死んだ奴だぞ!! そんなやつの言うことなんぞきくなよぉぉぉ!! 「ゆぅぅぅぅ!!しょうがないね!!てんこがぬ~ぎぬ~ぎさせてあげるね!!」 おいだから話を…ってコラ!!ズボンにお手てをかけないでね!! あぁぁぁぁ、ベルトに体重をかけないでぇぇぇぇ!!ぶらんぶらんしないでぇぇぇぇ!! いやぁぁぁぁ!!パンツごとやらないでぇぇぇぇ…あ 「お兄さんのりっぱな像さんばんざぁい!!」 …いやぁぁぁぁぁ!!もうお婿にいけないぃぃぃぃぃ!! がし!! 「はい動かないでね!!すぐに済むからね!!」 いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!そんなぶっとい物をお兄さんのお尻にあぁぁぁぁぁぁぁ!! この時の事をお兄さんはつぶさにこう語ったという。 「最初は気持ち悪かったけど、だんだん未知の温かさと命の胎動を感じてきて、 お腹とお尻の辺りにまるで赤ちゃんが出来たような感触が味わえた」と悟りを開いたかのような顔でいった。 一時間後… コンコン… 「ひぃぃぃぃぃぃ!!お注射はいやぁぁぁぁぁ!!」 「ゲラゲラ!!(違うよ!!れいせんだよ!!)」 「げら?…ああうどんげか。どうしたんだい、お兄さんとしては横になりたいんだけど…」 ガチャ!! 「ゲラゲラ!!(お腹のお調子はどう?お薬を作ってきたよ!!)」 控えめな感じでドアが開けられた。 そこにはアニメ「ああえーりん先生」の主人公えーりん先生の衣装をきたうどんげが入ってきた。 あの衣装はうどんげがやたらと欲しがっていた服で、お家に来た一周年の日にプレゼントしたものだ。 少し衣装がブカブカで意味奇抜な衣装を着てはいるが逆にアンバランスなかわいい顔を強調していた。 「ゲラゲラ!!(このお薬を飲んだらすぐに良くなるよ!!)」 そういってうどんげが取り出したお薬は緑色をしたお薬だった。 ぱっと見からすれば大丈夫なお薬に見えた。 これなら大丈夫かと思ったお尻の痛みと不快さで苦しむ顔を無理やり笑顔に変え、 お薬が入った器を受け取った。 その時であった ピチャ…ジュゥゥゥゥゥゥゥウゥ… 器をきちんと受け取れなかったせいか液体が1液ベッドに落ちた。 落ちた所から明らかになにかおかしい音を立てながらベッドに穴が開いた。 半径10cmは穴が空いてた だらだらだらだら… 俺は汗をたくさん出しながらゆっくりとうどんげの方を向いた。 うどんげは笑顔で薬を差し出すだけだった。 俺は覚悟を決めるしかなかった…。 気が付くとお兄さんはお花畑にいた。 一面に広がる花畑の横には小さな小川が流れていた。 ここはどこだろう?さっきまでうどんげの薬をたしか… そう考えていると声が聞こえた。川の反対側からだ。 声のする方向を向くと、そこには死んだはずの俺の大切なパートナーだったゆっくりふらんとれみりゃの 姉妹が手を振っていた。だがその声はあまりゆっくりしていなかった。 「うーおにいさぁぁぁぁん!!まだこっちにきたらいけないんだどぉぉぉ!!」 「こっちにきちゃだめぇぇぇぇ!!」 何を言っているんだろうと思った俺は声のする方向へ一歩歩いた。 すると足元から急に光が満ち、俺を引きずりこんだ。 「うわ!!」 俺は足掻こうとしたが碌に足掻く暇もなく引きずりこまれた… 「は!!」 気がつくと俺はベッドに横たわっていた。 さっきまでそばにいたうどんげはいなくなっており、時間を見ると30分程意識を失っていたようだ。 さっきのはなんだったんだろうと考えたが昔可愛がっていたふらんとれみりゃを久しぶりに 思い出すことができて良かったと思う。 だがなんだか体がさらにしんどくなってきた…もうちょっと寝ていようか… 一方下のフロアでは… 「お兄さんお元気になったかな?」 「ゲラ!!(元気になったよ!!間違いないよ!!)」 二人がお兄さんの事で話し合っていた。 お兄さんがお腹を壊したりしてゆっくりできなくなっている事に罪悪感を感じ、二人で あれこれやってお兄さんの治療を行い、互いにそのせいかを確認しあった。 てんこは「おにいさんにお注射したらお兄さん、なんかどこか遠い所を見ていたから きっと!!腹痛さんが治っちゃったよ」 れいせんは「ゲラゲラ!!ゲラゲラ!!(お兄さんにえーりん先生が作っていたお薬を 作ってあげたらお兄さんその場で倒れちゃった。きっと眠りたかったんだね!! どこか遠い所に旅立ったお顔ですーやすーやしていたよ!!)」 二人は自分の行った事の成果を笑いながら話し合っていた。 「うどんげ」 「ゲラ?」 てんこがうどんげに話しかけた。結構真面目な顔をしていた 「考えてみればお兄さんは独り占めしたらッメ!!だよね…」 「ゲラゲラ…(そうだね…)」 「お兄さんはてんこ達のお兄さんなのにね」 「ゲラゲラ(そうだよね、てんことれいせんのお兄さんだよね)」 「だから…ゆ!!」 てんこが手を差し出した。 うどんげは何だろうと思ったが、てんこの口が開いた。 「仲直り、また一緒にゆっくりしよう」 「ゲラ!!」 うどんげは元気良く応じ、てんこの手を握った。 二人は笑顔で互いを笑いあった。 「そうときまればお兄さんの所に行こう!!」 「ゲラ!!」 二人は勢い良く走りだした。 「うう、また腹が…」 俺はまた寝ようとしたが急な腹痛に起こされ、トイレに行こうと部屋から出てきた。 ちくしょう、まだ俺の体の中に悪魔が潜んでいやがったのか… そう思いながらトイレに向かう途中の階段から声が聞こえてきた。 「おにいさぁぁぁぁぁぁん!!」 「げらげらぁぁぁぁぁ!!」 てんことうどんげが勢いよく階段をのぼってきたのだ。 「ああお前たちか…すまないが俺はいまか」 「お元気になったんだね!!ゆっくりできるんだよね!!ゆっくりできるんだよね!!」 「ゲラゲラ!!(一緒にあそぼ!!あそぼ!!)」 二人が場所も考えず階段の段差から一気にジャンプして俺に抱きついてきた。 てんこは俺の体、うどんげは俺の片足。 二人とも階段のある方から俺に抱きついてきた。 「うお!?」 抱きつく所が悪く俺はバランスを失い階段のある方へ倒れかけた。 このままではまずいと思い、俺は二人をとっさに掴むと安全な所へ放り投げた。 そして俺は階段下へ真っ逆さま… ぐcbhfhfbじょfsdjbjどs;… …病院… 「全治一か月です」 「ごべんざざいぃぃぃぃぃ!!じなないでぇぇぇおにいざぁぁぁぁん!!」 「げらげらぁぁぁぁぁぁ!!」 ああ、心配してくれてありがとう二人とも。怪我なくて良かったよ… …よかったから頼むからそんなにギュッと抱きつかないでくれ… いや、そこはマスイっていててててて!!そこ脇腹!!ヒビが入っている所を二人ががりで 抱きつかないでくれって!!頼むから!!治ったらたくさんキスしてあげるからほら!! やべでぇぇぇぇぇぇぇぇ!! ボキ!! 「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!げろげろげろげろぉぉぉぉ!!」 「先生!!444号室の患者の容体が!!」 「何だと!!すぐにオペだ!!ああそこのゆっくりはどこかへやって!!」 「はい!!」 「いやぁぁっぁぁぁぁ!!お兄さんとてんこを離れ離れにさせさいでぇぇぇ!!」 「げらげらぁぁぁぁ!!(おにいさんにだきだきさせてぇぇぇぇぇ!!)」 「胸骨の一部がさらに骨折し、それが胃に刺さっています!!」 「なにぃ!?しかもなんだこの患者は胃に細菌が異常繁殖しているぞ!!雑草でもたべたのか?」 「先生!!患者の胃の中に正体不明の液体、さらに腸から肛門にかけて未消化の餡子が!!」 「なにぃ!!なんで今まで気が付かなかった!!」 「すみません!!骨折だけだと思い詳しい検査がまだでした!!」 「言い訳は良い!!これは大手術になるぞ!!他の先生たちにも応援を頼め!!」 「はい!!」 ピコン!!手術中… 二人は何が起こったか分からずにはいたが、お兄さんの緊急事態を悟ると扉を泣きながらガンガン叩き 無理やり入ろうとしたが看護師さんに止められ、何度もしつこく入ろうとした結果 空いているベッドに完全に拘束される羽目になった。 「おにいざぁぁぁぁぁん!!おにいざぁぁぁぁぁん!!」 「げらげらぁぁぁぁぁ!!(じなないでぇぇぇぇぇ!!)」 無事手術は成功し、退院したお兄さんは二人にお仕置きとしてお尻ぺんぺんを百回した ペンペン!!ペンペン!! 「ごめんなざいぁぁぁぁぁい!!ごべんなざいぃぃぃぃぃぃ!!」 ペンペン!!ペンペン!! 「げらげらぁぁぁぁぁ!!(いだいよぉぉぉぉぉぉ!!)」 かくして一連の騒動は終わり、三人は未だ仲良く暮らしているのであった。 完 あとがき 餡コンペに出す予定の作品に悪戦苦闘しているブレあきです。 今書いている続き物は餡コンペ終了後に書く予定です。 え?これは?…息抜きです。 息抜きがてらにばっと書いた作品です。なんでクオリティーは大したことは無く、 人間に与える被害はどこまでなら許容範囲か少し考えてみた結果こうなった…。 感想にたくさんコメントをもらえたらありがたやです。 ではでは、餡コンペでよろしく~ ブレている作者:ブレあき ブレまくった作品集 ふたば系ゆっくりいじめ 621 ゆっくりとの共存社会 ~ニュースキャスター編~ 序章 ふたば系ゆっくりいじめ 914 ゆっくりとの共存社会 ~ニュースキャスター編~ ふたば系ゆっくりいじめ 955 ゆっくりの進化 一 前半 ふたば系ゆっくりいじめ 1047 ゆっくりの進化 一 中編 ふたば系ゆっくりいじめ 1066 ゆっくりの進化 一 後半 ふたば系ゆっくりいじめ 1089 ユグソウ プレリュード ふたば系ゆっくりいじめ 1135 ユグソウ 前半 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 胴付き希少種なのにこれほどバカなのか? 890れいむ程ではなくとも小学生くらいはありそうなのに。 -- 2018-01-26 17 22 17 お兄さん虐待www -- 2014-01-05 23 50 04 うどんげって月見団子なのか。てっきり人参ジュース味かなと。 -- 2013-01-06 14 13 58 悪魔www -- 2012-08-09 22 37 03 げらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげら げらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげらげら -- 2012-03-20 10 19 36 ↓おにいさぁああああああああああああああああん -- 2011-12-16 23 32 04 いや・・・ちゅっちゅっのかわりに毎日このお兄さんのようなことが・・・ ってお前何するやめろふだhfwぴfひうfhぐfhdspfhd(死亡) -- 2011-11-21 23 44 37 こんな調子じゃいつか殺されんぞwww -- 2011-10-27 01 00 56 胴付きに毎日ちゅっちゅっされる生活… いいなあ… -- 2011-09-04 06 09 00 久々に声をあげて笑ったwww -- 2011-08-31 03 35 30 このお兄さん若くして死にそう -- 2011-01-13 00 59 23 このお兄さんはいわゆる愛され体質なわけか? でも羨ましくないな。 -- 2010-12-30 04 21 23 とりあえず俺の知っている硫酸は緑色じゃないぞ -- 2010-12-16 07 48 21 …緑色の液体って硫酸? -- 2010-10-25 16 06 36 最後のお仕置きでてんこが目覚めなかったことだけが唯一の救い ドM化したてんこのウザカワイさは異常 -- 2010-09-25 21 42 29 ここまでくると羨ましくない -- 2010-08-20 13 52 21 羨ましいような、そうでもないような… -- 2010-06-21 19 00 38 なんかなあ・・・。 -- 2010-06-20 16 01 38 てんこもうどんげも可愛いけど、これお兄さん虐待だろw -- 2010-06-18 01 05 35
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てるよ2 ~俺と希少種と森と~ 27KB 愛護 ギャグ 差別・格差 引越し ゲス 捕食種 ドスまりさ 希少種 自然界 現代 愛護人間 二個目。あんまりゆっくり死ななかった 俺と希少種と森と ~てるよと俺~ ・駄文注意 ・希少種大好き ・自分設定いっぱい ・設定として春 ・うざい、主に主人公が ・42.195キロはガチで間違えてた。ゲラゲラゲラwwwwwwwwスマソ ・東方原作ネタ少し使う ・前作読まんと訳分らんと思う ・誤字は一応確認したからないと思う・・・・・・・・思いたい・・・・・・・ 家に帰ってからとりあえずディスガイアの対戦をすることになった。 てるよが、早くと急かすのだもの。 まずは僕の勝ち。当たり前だ。てるよは先程データを作ったばかり。対して僕はメインで使用してるキャラは皆レベル5000越え。装備アイテムもレベルMAXだ。 勝てるわけが無い。 そんな状況下でてるよは負け悔しさを噛み締めてるような様子で 「もう一回」 なんていう姿が可愛い。 大人気なく勝つ。勝つ。勝つ。全裸キャラで勝つ。 なんだかんだで20戦ぐらいやった。 僕の圧勝。そんなことをしてたらてるよが 「明日またやる」 なんて目に涙を浮かべながら僕に言ってきた。 やばかったね。よくあそこで自分を抑えられたと思うよ。自分で自分を褒めたいぐらいだ。 ここで僕はなるべく紳士的にこう言った。 「もちろん。何度でも受けてたつよ?てるよの頼みだもの。」 うん。大丈夫。平静を保ってる。今の僕はとってもCOOLだ。どこも変じゃない。 おっと、もう七時だ。飯にしなくては僕の腹もてるよの腹もピンチがマッハだ。 そんな一刻を争う状況下でもてるよへの配慮は怠らない。 「てるよ?これからご飯作るけど何が食べたい?」 PSPから目を離さずにボソッと 「何でもいい。」 と、一言。どうやら飯より僕に勝つことのほうがてるよにとって優先順位が上らしい。 う、うれしいじゃないのよーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!! ただてるよからのオーダーが無かったので何にしようか悩む。てかてるよって何か食べれないものでもあるのだろうか?アレルギーとか。 いかんせん資料が少ないのでどうなのかわからん。 「それじゃあ、食べれないものとかあるかい?刺激物とか」 これもPSPに向いながら 「なんでも大丈夫。刺激物はむしろすき」 うーん好きなのねん。でもなんか面と向って喋ってくれないのはなかなか寂しいものがあるな。まあ仕方ないだろう。 カレーは時間的に無理だろうな。時間に余裕が無い。とりあえずまずはあまり脂っこくなくて刺激の少ない日本食にしてみよう。 「それじゃあ、カレーは無理だけど少し待っててね。すぐ作るから」 そういって台所へ移動。 考えてるのは白いご飯と味噌汁、あとは友人の虐待鬼意山が実家から送ってきて困ってるんだ、とか言って渡されたもろ子。自家製鮭の粕漬け。 こんなもんだろ。そう思い調理を始めて終わる。 「てるよ~ごはんできたよ~」 なんて言いながら皿なり何なりを出し始める。すぐに用意は終わった。 「とりあえずPSPは置きましょうね。てるよは箸使える?」 というより箸なんて知ってるか疑問だったが 「当たり前」 と返された。すげぇなてるよ。兎に角使えるのなら問題ない。箸をてるよに渡す。 するとてるよは器用に右手で箸を使いながら左手で茶碗を持って、食べ始める。 うわぁ!!食べてる!!!箸で食べてるぅ!!!!箸で魚割きながらたべてるぅ!!!!!!!ビクンビクンッ!!!!!!!!!! 「なにやってる?」 「なんでもないよ」 やばいやばい。色々出ちゃいけないものが出てくるかと思った。なんとかてるよには誤魔化せたみたい。 またたべてるぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!! っと危ない危ない。一時の感情にに身を任せるのは馬鹿のすることだ。COOLになるんだ。 「それじゃあ僕も食べ始めるかな。どうだい味は?」 「いかす」まくまく 親指を立てながら答えてくれる。何だろうこの可愛い生き物。 「ならよかった」 これからどうしようか考えてみる。とりあえず食器片付けて、風呂入って、寝ればいいか。 うん、こんなんでいいや。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・風呂? 風呂? 風呂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・風呂!!!??? がたんっ!!という音と共に立ち上がる。変な所が起ちそうになったのは内緒だ。 「なにやってる?」まくまく 本日二度目の質問だ。 「あ、いやっ、な、なんでもないんだ。ただその・・・・・・・・・・・・てるよはお風呂とかどうするつもりだい?」 ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 何直球で聞いてんの!?馬鹿なんじゃないの!?これは駄目でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!???? あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!! 終わったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!! 「?いれてくれるんじゃないの?」 「へ?」 今なんと? 聞き間違えとかじゃないよね? なんかてるよのほうからさも当たり前のように入れてくれるんじゃないの? とか聞いてきたよね? ね? 「あ、あはははははは。そうだよね。そうだよね。」 やっっっっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!! なにこれ!?やばくね!?一緒にお風呂とか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・出血多量でしんでしまうわっ!!!!!!!!!!!!!! こんな感情を知ってか知らずかてるよはお兄さんに一言 「ん。おかわり」 食事が終わったあとてるよはまたPSPを始める。 お兄さんは食器を洗いながら他人に絶対見せられないような笑顔でニヨニヨしていた。 心境は察してあげて。 片づけが終わるころにはいつものお兄さん。こころの中は言葉にするのもはばかれる感じだけど。 「さあてるよ♪お風呂に入るよ」 「ん」 というわけで脱衣所へ行く 「脱がして」 そういってバンザイするてるよ。 「アア、ワカッタヨ。ハイヌゲタ~」 ッハ!!ここはどこだ!?確かてるよの服を脱がしてそれから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんも思い出せねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ くそったれがっ!!!!!!!!なぜだ!!!!どうしてもてるよの裸が記憶から取り出せんッ!!なんとか思い出せ!! 見たという記憶はあるんだ。体をこの手で洗った記憶もある。だがなぜ!?一番重要な映像と感触が思い出せんっ!!!!!! 畜生めがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!! とりあえず荒ぶるココロを何とか押さえ込もうとする。 素数でも数えようかとか考えたらなんとか落ち着いた。 僕はまだ湯船に浸かっている。頭が痛いわけでも息苦しいわけでも無いのでのぼせたわけではないだろう。 だが肝心のてるよが居ない。すると 「もうそろそろ出る。のぼせる」 てるよの声だ。 とりあえずなぜ記憶の一部が欠損しているのかはあとで考えるとしててるよが心配してくれているのだ。まず風呂から出よう。 「ああ、もう出るよ」 脱衣所を出るときになって気づいた事がある。洗濯するものの中にてるよの服があるのだ。 これはどういうことだろう?何にも着てないわけではないだろう。服がもう一着ある?いやいや、そんなの持ってたようには見えなかった。 出ればわかるだろうと思い、出るとそこには 僕のパーカー着ていた、って言うよりかぶってた。袖がとんでもなく余っている。しかもそれしか身に着けてないみたいだ。 ぎゃふん。ぼくはやられた。ばたん。ぼくはたおれたみたいだ。てるよがしんぱいしてかかけよってくる。てとてと なにかをいいながらぼくをゆらす。ゆさゆさ。てるよをふあんになんてさせないっ。むくっ 「大丈夫?」 「ウンダイジョウブ」 「本当に?気分が悪いならもう寝る。」 「ウンソウスル」 「じゃあ寝る。電気消す。」 「ウン。フトンモヒカナイト」 布団を出して寝る用意完了。 てるよにも出そうと殆んど思考の能力の無くなった頭で考えたがてるよに止められる。 「一緒にねる」 「ウンソウダネ」 普段なら大変なことになっていたであろう台詞だがいかんせん考える力を失ってしまっているのでうろたえようも無い。 布団に突入するとてるよももぞもぞと入ってきた。 「おやすみ」 「オヤスミ」 こんなんで一日目は終了した。 朝、起きるともうそこにはてるよがPSPをやっていた。 おにいさんはてるよと一緒に寝たことを考えとんでもない幸せ空間に居た。 「めし」 「わかった♪すぐに用意するよ♪」 そういって用意を始める。朝はご飯に味噌汁アジの干物。昨日と似たような感じだ。 用意しながら昨日のことを考える。なぜ記憶がなくなったのだろうか、まああらかた刺激が強すぎて自己の精神を守るために体が勝手にしたことだろう。 でも今晩だってお風呂に入るんだからいいさ。にしてもあの甘えんぼ服なてるよは可愛い。あれはもはや兵器だ。 そんなことを考えるうちに出来上がり。 「さあごはんだよ~」 もって行くとてるよがなぜか普通の服に着替えていた。 「あれ?まだ洗濯してなんじゃなかったっけ?」 「服はすぐ出来る」 「?」 「いつかわかる」 「?」 全く意味がわからない。脱衣所を覗くとちゃんとてるよの服はある。てるよは自分の服を着ている。? 頭を悩ませているとてるよズボンを引っ張ってきた。 「対戦」 「あ、ああ。わかった」 うーんレベル差がありすぎて勝てないことはてるよなら分ってる筈なんだがなぁ。てるよはそんじょそこらの饅頭とは天と地ほどの差があるのだから。 とにかく対戦開始。 今日もてるよの悔しがる姿が見れるのかー。なんて考えていたら度肝を抜かされるものを見せられた。 ちょっ、なんかてるよのラハールがレベル9000超えてるんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「え?ちょっと待って!?何で!!??」 「クロックアップ」 てるよがよく分らない言葉を口にした。僕は理解できなかった。 「時間を延ばしただけ」 ???????????? 「一カ月分位」 そんなこといわれてもわけがわからん。 呆然としながらも対戦開始。 勝てね。無理。負けた。 てるよはというと、実に満足したような表情で踏ん反り返りながら僕に一言。 「私の本気♪」 開いた口が閉まらねぇ。てるよには不可解なことがありすぎる。もちろんチート使ったわけでもないみたいだし、セーブデータ落としたわけでもない。 ただ一つ言える事があるそれは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てるよ可愛い。 うんどうでもいいや。てるよすげぇ。 「すごいすごい。」 「~~~~~~~」 ご満悦な様子。僕も満足。あ、やばい鼻血出てきた。 何とか気合で鼻血を抑える。問題ない。 「さあそれじゃあ今日はどうしようか?」 「好きにしていい♪」 てるよはご機嫌。てか好きにしていいって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいの? いやいやだめだろ。ここはもっと慎重にだな、 とぉぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる 電話だ。出なきゃね。 受話器を耳につけるといきなり 『もしもし、ドッピオです』 なんていわれた。切る。明らかに不審者だもん。全く、僕とてるよの幸せ空間に介入する変態は許さないよ?粉みじんにするよ? とぉぅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる またかかってきた。とりあえずまた出る。 『いやぁ。いきなり切るなよwwwwwwちょっといいたかっただけだからwwwwwwwwwww』 「明らかに不審者だから他の人にはやらないほうがいいよ?」 電話してきたのは僕の友人の一人。探検お兄さん。普段は国家権力振り回しながら人の害になるゆっくりを潰す偉い人らしい。 なぜ探検かと言うと、彼の趣味が関係してる。休みが取れたらとにかく色んな山やら森やらジャングルやら洞窟やらに行くからだ。 たまに外国のお土産とか探検してたら拾った変な石とかくれたりするので色んな人に好かれている。人間とは現金なものだ。 『まぁとりあえず面白い話を聞いたんだが、お前森でてるよ拾って飼いゆっくりにしたんだってな』 「何で知ってる?」 『だから俺偉い人って言ってるじゃない。お前がちぇんとかみょんとか飼うなら俺の耳には入ってこねぇよ。てるよなんて珍しいもん飼うからだよ。』 だからってプライバシーとかどうでもいいんだろうか? 「で、何なんだ?話はそれだけか?てるよに何か問題でもあるのか?あ?」 『ちょっwwwwwwおまwwwwwwwwwwww機嫌悪いwwwwwwww』 「切るよ?」 『ごめんごめん。まあ聞けや。単純に考えててるよの価値を考えてみろよ。デカイ機関が所持するには問題ないが、一般人が所持するには価値がありすぎる。だからそれを忠告するために俺らの上からお知らせがあったって訳だが、お前なら問題ないだろうと思って今電話しなくてもよかったんじゃねとか思ってる』 「ああそう?じゃあ切るよ」 『待てい!!あともう一つ個人的な話があるんだ。ちょっと手伝ってくんね?』 「嫌だよ。またドスまりさの群れ壊滅させるの手伝ってとか殺ゆ剤撒くの手伝えーとかだろ?」 『一概に否定は出来ない。でも今回はちょっと違うよ?ちょっとしたゲームみたいなもんさ』 「ゲーム?」 ここでてるよがなんだかゲームという単語に反応した。そわそわしている。 『そ。群れを壊滅させるのには違いないけど今回はやり方が違う。ちょっと新兵器の実験をね。』 「新兵器って?」 『ふふふ、なんと驚くな!!このたび対ゆっくり用小型遠隔操作兵器の開発に成功したのだ!!!!!!!!!!!』 「うるせえ、で?」 『ひどいっ!!もっとリアクションくれてもいいじゃない!!!!!!』 「な、なんだってー(棒読み)」 『もういいやとにかくそれのテスト操縦者にお前を指名したいわけだよ。俺の部下は皆ゲームとかやらないからさぁ。どう?』 どうって言われてもねぇ。ん?てるよがてとてとこっちに来るぞ? 「やりたい」 「おk」 『へ?なんだって?』 「やるよ。主にてるよが」 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあお前が来るならいいや。』 そんな適当でいいのだろうか。 『じゃあお前の家の前に車待機させてあるからそれに乗ってねー。まってるよー』 ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー いいたい事言って切りやがった。 「さあそれじゃあ行こうかてるよ」 「ん」 そういって両手をこちらに伸ばしてくる。ああやっぱりてるよは可愛い。 現地に着いたはいいのだがここっててるよと俺が出会った山ではないか。てるよもそんな事を僕に言っていた。とはいえPSPから殆んど目を離さなかったが。今度はマクロスやってる。 「こっちこっちー。」 山の入り口近くにベースをつくって冒険お兄さんはいた てるよを抱きかかえ近づく。うんてるよはいい匂いするな♪ 「おおすげぇ俺もてるよなんて始めてみたwwwwww俺のことはチーフか主任とでも呼んでくれ」 「はやく」 「てるよもこう言ってるんだしその新兵器見せてくれよ」 「ひどっ!!ううぅ、呼んだのはそのためだもんね・・・・・・」 そういって奥のテントに向って歩き出す。付いていく。今まで冒険お兄さんって呼んでたけど面倒だから俺もチーフって呼ぼ。 「なんていうかちっちゃいヘリって感じだな」 「そうだよー。小回り利くしね。試作品としてヘリみたいなのになった。」 「コントローラー」 どうやらてるよはやる気満々なご様子。喜んでくれてるみたいだしうれしい限りだ。 それを聞いてチーフが 「ああ、それならあそこに居るお姉さんがおしえてくれるよ。」 って言って部下らしき女性を指差す。てるよが向う。 どうやらあのお姉さんはとても戸惑っているみたいだ。するとチーフが 「そのてるよが今回のテストパイロットだよ。大丈夫問題はない。このお兄さんが責任とってくれるさ。」 「え?」 「ああちなみにこのお兄さんは田中とでも呼んであげて」 なんだか今この瞬間から俺は田中らしい 「は、はぁ」 お姉さんは混乱しながらもてるよに 「操縦教える」 なんていわれると顔が緩んでてるよに操縦方法を教え始めた。ウン、真剣な顔のてるよも可愛い。 「さあそれじゃあ田中君。君はこっちだ」 俺はもうホントに田中らしい。 また別のテントの中 「で、さっきの電話で気になったんだけど、テストパイロットとか関係なく俺呼ぼうとしてたのはなぜだ?」 「いやね、この作戦とは別に動かしてる俺の部下がどっかから拾ってきた情報なんだけどね、なんか突然変異なのか何なのか分らないんだけど、この森に希少種が増えてるみたいなんだよ。」 「?どういうこった?」 「こっちが聞きてぇよ。とにかく準希少種に分類されるゆうかとかきめぇ丸、フランなんかも多く確認されるようになってきてるんだよ。ただ増えてるのは準希少種だけで希少種は増えてないって考えられてたからほっといたんだが」 「そんなときに俺がてるよを見つけたってことか」 「そ、実のところ言うと希少種見つけんのは宝くじ三等とか言われてるけど一般人が希少種見つけんのは不可能だよ。運がいいとかってレベルじゃねぇんだな。お前が一般人かは別だけど」 「てことは、よく希少種見つけたなんていうのは大体プロがやってんだな」 「当たり前だよ。じゃなきゃあんな値段つかねぇよ」 「で、その乱獲とか通常種に殺されたりするのを防ぐために害ゆ駆除の名目で山を閉鎖ってことか?」 「そんなところだよ。希少種を発見次第保護ってのが本当の仕事だ。ただすでに別働隊が山に入って希少種の探索をしてるが全くいい返事が来ないんだよな。もしかしたらお前の運がよかっただけかもなー」 そんな話を聞いていながら動かない俺ではない。だが発見しても下手すりゃ押収されちまうだろうし、てるよはここから動く気はそうそう起こらないだろう。 考える。どうやったら希少種を発見お持ち帰りが出来るか。するとチーフがこんな事言ってきた。 「かまわんぞ。お前が見つければお前が持っていって。どうせ見つかったらどこぞの研究機関か金持ちの玩具にされるだけだろうからなー」 チーフ・・・・・・・・いい奴だったんだな。 「感謝する。」 「ああ、別にいいよ。そんなことよりも山に入るなら俺も一緒についていくぞ。面白そうだし。ついでにこのベースのてるよと連絡が取れるように無線も貸しとくよ。」 そういって無線機を僕に投げつける。 「行こうか。山に」 僕は強い信念を胸に向う。すべては夢のため。 まずはてるよの居るテントに向う。てるよに山へ入ることを伝えるためだ。 するとてるよは自分もいくと言い出した。うれしいがだめだろうあのヘリのコントローラはここにしかないしな。とか言ったらてるよに操縦方法を教えてくれたお姉さんが 「問題ありません、すでにもともと用意していたコントローラーとPSPを同期しましたし、あれからの映像はPSPの画面に出力されるようにしました。」 とか眼鏡をキラーンとでも言わせているような感じで言ってくれた。 「もーまんたい」 てるよもこんなこと言っている。 うーむどうしたもんか、正直な所危険だから連れて行きたくないというのもあるのだが・・・・・・・・・・・まぁ、てるよが望むのだからそうしよう。危険からは俺がすべて守ればいいだけだ。 「分った。ただ危険だと思ったらすぐ逃げるよ。いいね?」 「ん」 そういってまた両手を俺にのばしてくる。これは何度見ても鼻血もんだよ。 どうやらお姉さんもそのようでキャーキャー言ってる。 いつものようにてるよを抱きかかえようとしゃがむと僕の体をよじ登り始めた。なんぞこれ・・・・・・・・ 頭の所までくると肩車でもするかのような体勢になった。 「これでいく」 ぎゃああああああああああああああああ亜あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ なんじゃい!!!!!!なんじゃい!!!!!!!!!!なんでじゃい!!!!!!!!!!!!!!!!!! 何でこんなに可愛いんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!! いくらなんでもやり過ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!! 危ない。もう少しでトリップするところだった。さあCOOLになるんだ。精神を鎮めるんだ。 ふーふーふーふーふーフーフーフーフーフーフーふーふーふーふーふーふーふーふーふーふーふー。ん? なんだ?この首の裏側の柔らかいあったかいものは!!!!! 決まってるじゃないか!!てるよだよ!!!!!!!! あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば 「どうした?」 「おいどうした?行くんじゃないのか?」 「きゃーーーーーーーーーーきゃーーーーーーーーーーーーーかーーーーーーーわーーーーーーーーいーーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 「・・・・・・・・・・・・・・・問題ない」 おk。再起動完了だ。とんでもなく幸せな感触に全精神もって行かれそうだけど、何とか耐える。耐えろ。耐えろよ。起つなよ。 「それじゃあ山に入るぞ。」 「はい♪それでは試作型対ゆヘリ『ヒャッハー!汚物は消毒だー!!』号起動しますね」 何その名前・・・・・・・・・ ウィンッ!ガシャ!ひゅんひゅんひゅんひゅん とりあえずはてるよを見つけたときと同じ道を歩く。一度希少種の居た所なのだから何か鍵があるかもと言うことでだ。 てるよはというとPSPに釘付けになっている。そんなてるよはお姉さん曰く 『すごいですよ!!予想していた数値よりもいいものが出ていますよ!!てるよちゃんすんごいですよ!!!』 との事。当たり前だ。てるよはすごいのだ。可愛いし。ただちょっと夢中になり過ぎてて声をかけてもことごとく無視されてしまう。 かなしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ がさがさ 全員が身構える。何が来る?ゆうか?らん?きめぇ丸? 予想の斜め上をきて出てきたのは、なんとめーりん種だった。 「じゃおーん♪」 「ん?お前この間の奴か?」 「じゃお」 「何だお前?めーりんと知り合いか?」 チーフが聞いてくる。 「まあ色々あってな」 適当にあしらう。ここで知り合いのこのめーりんから情報が引き出せたらいいなー。なんて考えるが、言葉がわかんね。 とりあえずお引取り願うことにしよう。 「どうしたんだ?僕に会ってもいいこと無いと思うぞ?」 「じゃおじゃお。」 そういうと、すぅーーーーーーーーーーーーーと息を吸って 「じゃオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!」 とんでもない大声だった。僕とチーフは共に耳を押さえる。てるよは聞こえてすら居ない様子。 すると周りの木の間やら色んな所からフラン種が出てきた。とんでもねぇ数。しかも一匹だけだが胴つきもいる チーフは驚きを隠せないご様子。当たり前だ。フランはもともと一人を好む種だし、めーりんとの相性がいいのは誰でも知ってることだが、まさかこんな量と交友を持ってることが驚きだ。 『す、すごいですよ!!』 無線からお姉さんの声が聞こえてきた。しっかりこっち見えてるんだ。 「じゃおじゃお」 そうめーりんが言うと胴つきフランが翻訳してくれた。 「うー、めーりん恩返ししたいっていってる」 ありがてえ、こんだけいたらこの森殆んど把握できてるんでねーの? 「ありがとうめーりん。早速で悪いんだけど僕たちはこの森の珍しいゆっくりたちを助けるために来たんだ。君は今まで見たこともないゆっくりを最近見てないかい?」 「じゃお(めんどくさいからめーりんの声はここから全部翻訳済みとする)そんなゆっくりは見ていないが、ドスが増えたな。」 「「どす?」」 どすは最重要殺害対象に設定されている。もし本当に増えていたら真っ先に殺さなければ危ない。 「じゃお(そうだ。それのおかげで私のようなめーりん種や捕食種たちにはとても住みにくい環境にされてしまってね。さんざんだよ)」 「ドスはどこに?」 「じゃお(山のてっぺんで踏ん反りかえっているよ。我々は何とか一矢報いようとこうやって集結したのだがなかなか最初の一歩が踏み出せなくてね。そこに貴方が現れたというわけだ。)」 「とにかくドスが居るなら下で待機させてる俺の部隊も動かさなきゃいけねえな。チッ、めんどくせえ。悪いが俺はここでいったん降りるぞ、作戦を練り直す必要がある。」 「ならこいつらも一緒につれてってやれよ。めーりん種はどうか知らんがフラン種は保護対象に入ってんじゃないか?」 「・・・・・・・・・そうだな、よし、じゃあ付いて来い。とりあえずお前たちを安全な場所に連れて行く」 「・・・・・・・・じゃお(・・・・・・・・・わかった、指示に従う。人間が戦うなら我等が動いても足手まといだろうからな。)」 「分ってもらえたら助かる。じゃあお前はがんばれよ。あとあのお姉さんとは無線でのつながりだけになるからな。カメラはこっちだし。」 気軽に言ってくれる。ってかじゃあカメラよこせよ。 それからチーフたちが下っていってから少し歩いた所でてるよが口を開いた。 「・・・・・・・えーりん」 そういってPSPを操作して僕に映像を見せる。そこには確かにえーりんが居た。だがニヤニヤ笑うドスまりさ三匹に囲まれ追い詰められているように見える。 「助けるぞ」 「ん」 俺は走る。もちろんてるよへの配慮も忘れない。 落ちないよう、酔わないよう、なるべく揺れないようにかつ速く走る。 俺の頭の上ではもうすでに攻防が繰り広げられているようだった。PSPからマシンガンのような音が聞こえたと思ったら、ドスまりさの物と思われる悲鳴が聞こえたりしていた。 三分走っただろうか。ヘリのマシンガンが風を切る音やドスの悲鳴が聞こえるようになってきている。 もう近いようだ。するとてるよが 「これじゃ倒せない。頼りはお兄さん。近くなったら私を置いてドスをお願い。」 「わかった。」 それだけ言うとすぐに近くの茂みの中にてるよをそっと座らせ、10m程前方にある戦場に突っ込んだ。 「ゆゆっ!!人間さんいいところに来たよ!!!このゆっくり出来ないへりさんを壊してね!!!!」 とか勘違いしてるどすが居れば、 「ゆわーー、人間さんだーーーーーーー、ごめんなさいっ!!!許してくださいっ!!!!!」 すぐ謝るのも居て、 「ゆへへ、奴隷はさっさとドスをゆっくりさせてね!!かわいいくってごめんね!!!!!」 なんてゲスも居る。 そこでヘリは空高く一気に飛び上がった。てるよが邪魔になると直感したからだろう。正解だ。えらいぞ。賢いぞ。 「「「ゆゆっ!!きっとまりさに敵わないと分って逃げたんだね」」」 全部クズだ。潰す。 とりあえず一番近くに居た謝りドスに向かい両手を組みながらこんな事を叫ぶ 「ヘルッ!アンドヘヴン!!!」 するとお兄さんの体が緑に発光しながら足を動かしているわけでも無いのに何故か前進する。 ズパンッ!!!!!まずは一匹破裂した。 「「ゆわーーーーーー!!なにこれーーーーーーーー!!!どおしてこんなことするのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」 さすがドスまりさ、ただの饅頭と違いすぐに反応してくる。この調子だと応戦してくるだろう。 「ゆううううううううううううううう。許さないよ。ドススパークを使うよ!!!!!むーしゃむーしゃ」 ドゲスがそんな事を言いながら俺のほうを見る。ドススパークなんぞに当たれば俺もただではすまない。 「させねぇよ」 そういってドゲスに向って一直線。溜めが済んでしまいそうだ。口が光ってる。気持ち悪い。 口を開く寸前にあご下に着く、アッパー炸裂。 うまい具合に上を向いたドスまりさがドススパークを放つ。空高く天空に。 汚ねぇ花火だな。 ドススパークの威力が弱まり始めた所でドゲスのまむまむ辺りに両手を突っ込む。 ふすまを勢い良く開けるが如く腕を横に。力いっぱいね。 「そい!!」 「ゆっ!!!!!」 ばりっ! 中が見える。気持ち悪い。でもこれで戦闘不能だ。動けなくなった。なんか『ゆっ!ゆっ!ゆっ!』とか痙攣してる。気持ち悪い。 最後の勘違い野郎に取り掛かる。振り向くとビクッと体を震わせぶるぶる震えている。が、そんなのは関係ない。 解体に取り掛かりたいところだが、あんまりハードなのはえーりんにもてるよにも毒だろうと思う。 何か無いかとポケットに手を入れると柿ピーのピーナッツだけしかなかった。何で柿の部分が無いんだよ。 仕方ないのでピーナッツ二つをドスに投げつけ目を潰す。 ひゅん ズボッ 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 うるせえ。ん?ヘリが戻ってきたな。てとてとてるよもこっちに来たようなので、肩車する。うん、良い感触♪ 「ミサイル使う。危険」 「応よ」 てかなんでさっきミサイル使わなかったんだ? 「単発」 てるよが僕の頭の中を読む。 というわけでドスから離れる。てるよがPSPを操作するとヘリにくっついてたミサイルが発射された。パシュンなんて音出しながら。 ひゅるーーーーーーーどがん!! 爆発した。粉々だな。残ったのは精神崩壊したドスが一匹か・・・・・・・上々でしょう。 さてえーりんだな。なんて話そうか考えてるとてるよが一言。 「えーりん、来る」 ええーーーーーーーーーーーーーいきなりそれーーーーーーーーー?? 別にてるよを否定するわけじゃないけどさ、もっと言い方とか、あるん 「はい!姫様!!!」 おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!???? 何だそれは!?そんなんでいいの?とか考えてたら無線からお姉さんから答えがもらえた。 『驚くのも無理は無いと思いますが、ゆっくりの希少種になると種族で上下関係みたいなのがあったりするんですよ。たとえばらんはゆかりに絶対逆らわないとかですね』 こいつ俺の脳内見えるのか? 「つまりてるよとえーりんはそんな主従の関係があるって事か?」 「「『そう(です)(よ)』」」 なんか三つの声がハモったな。すげぇ。てかゆっくり希少種には驚かされるばかりだ。 『ああそう、それとチーフたちがそっちに向ってますよ。丁度ドススパークの見えたところですよね?』 「そうだ」 『もうすぐ着くらしいのですこしそこで待機していてください』 「分った」 ここで待ってろということなので少しえーりんと話をすることにしよう。 「えーりん、始めまして。お兄さんとでも呼んでくれ。ところで君は僕たちに付いて来る事がどういうことだか分かってるかい?」 「始めまして、お兄さん。はっきり言って分っていません。ですが姫様に来るよういわれたのですから、着いていきます。姫様に仕えるのが私の幸せです!!」 結構な忠誠心みたいだな。すげぇ。とか感心してたらてるよに全部説明された。 「えーりん、お兄さんの家で一緒に暮らす。」 うん簡潔にまとめてある。さて、えーりんの反応はというと 「分りました。つまり姫様は現在お兄さんとご一緒に暮らしていて、私もそこで一緒に暮らすということですね!!!」 「そう。お兄さん優しい」 う、うれしいこと言ってくれるじゃない。 「それではこれからよろしくお願いします。」 そういって頭を下げる。頭しかないけど。するとてるよが僕の肩から降りてえーりんの前まで行く。 「これじゃ不便」 そういってえーりんのでこに右手をパシンと叩き付ける。何かと見てたら、すんごいものが見れた。 なんとえーりんに体が生えてきたのだ。質量保存とか無視している。 えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ 呆然としているとてるよとえーりんに揺さぶられた。 「あ、大丈夫大丈夫。てか今の何?」 聞かずには居られない。お姉さんは映像を見ていないので何で俺が驚いてるか分らないみたいで 『どうしたんですか?てるよちゃん何したんですか?』 とりあえず何が起こったか話す。僕と同じ反応をしてくれた。ふつうそうだよね。 「で、何したんだ?」 「えーりん体無かったから作った。」 「ありがとうございます。姫様」 なんか分りそうも無いから気にしないことにしよう。お姉さんも同じ気持ちみたいだし。 ゆっくりって不思議 続く 続きだったり、中二だったり、新キャラだったり。 まだ森編は続くよ? 一番出したいの出してないしね。 なんか何作りたいのか分らなくなってきた。 あと自分設定だけど、希少種には少なからず何らかの特殊能力を持ってて、通常の希少種よりも胴つきの希少種のほうが能力の質がいいです。 例えば、てるよ種だと通常なら動こうと思えばとんでもなく速く動けたり遅く動けたりするクロックアップ。胴つきだと自分の周りの時間を丸ごと加速させたり減速させたりみたいな。 もこうなら通常でただの火を噴くゆっくり、胴付なら水でも消えない炎を出すみたいなもん。 あと胴つきになるための条件とかね 間違いとかは指摘してくれるととってもありがたいです。 でわ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てるよtasさんなみに凄い!! -- 2016-08-29 23 23 22 早く次のやつ見たい -- 2015-09-22 21 52 39 やっぱりゆっくりは奥が深いぜ…。 -- 2014-11-06 21 52 45 てるよすげえなww 希少種ほしい -- 2014-06-11 18 34 19 てるよかわいいなあ~希少種はね~。 それと比べて通常種は・・・ハッなんてことを! 希少種と通常種を比べるなんてなんて愚かなことを~! -- 2013-09-05 16 23 25 てるよほしーい!! -- 2013-08-26 18 18 40 くそっ、またもや柿の種が…ッ! -- 2013-04-03 01 17 59 あとはうどんげ。え?もう一匹?あんなう詐欺師恐ろしいよ。 -- 2013-01-05 15 27 50 てるよ片言過ぎてカワユ… -- 2012-06-25 09 25 06 てるよ可愛い~ゆっくりできるよ~ -- 2010-10-13 19 17 39 いいよー希少種はー -- 2010-08-16 18 02 28 スゲェ、てるよ、スゲェよ -- 2010-06-16 09 20 14 てるよはかわいいなあ -- 2010-03-14 15 03 49
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『じゃまもの』 11KB 考証 自業自得 駆除 野良ゆ 加工場 現代 なんとなくの思いつき 「ゆっへっへっ!くそにんげんはさいっきょうっのまりささまに、さっさとあまあまを」 「うるせえ!邪魔だ!」 「ゆげえ!?」 「くそ、先方との約束の時間に間に合えばいいんだが……いきなり飛び出してくんじゃねえよっこの糞饅頭ッ!」 いつものことだ。 急いで駅に向かって歩いているサラリーマンの前に、 ドヤ顔の野良まりさが恐喝目的で出てきてあっさり蹴り飛ばされた。 まったく、ゆっくりという生き物は一部の虐待好きを除いたほとんどの人間にとっては本当に邪魔者でしかない。 道を歩けば恐喝や強盗をしようと出てくるし、公園で食事をすればそいつをよこせとやってくる。 自宅に帰れば不法侵入したゆっくりどもがおうち宣言と抜かして家を荒らすし、 駅前に行けばおうたとかいう騒音を出してるし、ゴミを捨てにいけばゴミ捨て場を荒らしている。 人間にとってゆっくりと出会うという事はイコール不快な目にあうということなのだ。 まったく迷惑な事この上ない……ゴキブリやネズミと同類、いやそれ以上に嫌な連中だ。 だからほとんどの人間はこう思う。ゆっくりは自分たちの生活をいちいち邪魔する害獣だ。 ゆっくりなんてこの世からいなくなればいいのに、と。 「ゆぐぐぐぐ……ぐぞにんげんべぇぇぇ……どぼじてばりざがごんなめにぃぃぃぃ……!」 一方、先ほど男に蹴られた野良まりさは奇跡的に生きていた。 どうして自分がこんな目にあうのかさっぱりわからない。 まりさは様この世で一番ゆっくりしているゆっくりだ。 だからゆっくりしていない糞人間はゆっくりしているまりさ様にあまあまもゆっくりプレイスも差し出すべきなのだ。 なのに人間は強欲にもゆっくりできるすべてのモノを独り占めにしている。 ふざけるな!どうして糞人間はいつもいつもゆっくりがゆっくりするのを邪魔するのだ! いくら糞人間がゆっくりしていないからって、ゆっくりしているまりさ様に嫉妬するのもいい加減にしろ! まったく糞人間さえこの世にいなければこの世界はもっとゆっくりできるようになるのに! 本当に人間という害獣は邪魔だ!人間なんてこの世から全部いなくなれっ! 「……ゆぅ。ぐちってもしかたないんだぜ。くそにんげんのせいで あまあまはてにはいらなかったけどしかたないのぜ。こうえんさんのむれにかえるのぜ……」 野良まりさは一通り騒ぎ立てて気が済んだのか、痛みが残る体をひきずってのそのそと公園に帰っていく。 公園には野良ゆっくりの群れがある。まりさはその群れに所属していの野良ゆっくりだ。 その群れに番の愛するれいむとおちびちゃんも住んでいる。 今頃お腹をすかせて、おうちでまりさの帰りを待ちわびているだろう。 人間からあまあまは取り返せなかったが、帽子の中には生ゴミだの草だのが入っている。 戦果としてはとりあえず申し分ないはずだ。 しかし最近、妙に生きにくくなったと帰りながら野良まりさは思っていた。 なぜか美味しい草さんや虫さんを見かけなくなった。 ゴミ捨て場は野良ゆっくり同士で壮絶な餌の取り合いになっている。 その争いで野良ゆっくりが死ぬことも今では珍しくない。 さらにおうちを奪おうとするゲスが増えている。群れ全体で警戒しているが ゲスどもは少しでも油断するとおうちに入り込んでおうち宣言をかまそうとするのだ。 糞人間のことだけでも大変なのに、ごはんがとれにくいわゲスがたくさん現れるわ。 一体どうなっているんだ……と思いつつ公園に帰りついたそのとき。 公園からいくつもの絶叫が上がった。その声に野良まりさはハッと我にかえり……そして見た。 「やべでええええ!でいぶのおうちさんをつぶさないでええええっ!!」 「ぐぞじじいはちぇんのおちびちゃんをかえせよぉぉぉ!わか……や、やめてねー! ちぇんはそのふくろさんにはいりたくな…」 「いいかげんにしないとまりさぷくー!するのぜ!ぷ(ぐしゃっ!)」 「み、みんなにげでえええええっ! 「いっせいくじょはゆっくりでぎないいいいいいっ!!」 公園内は阿鼻叫喚の地獄と化していた。 加工所による公園の一勢駆除だ。おうちであるダンボール箱が潰され、かたっぱしからゴミ収集車に放り込まれる。 野良ゆっくりはトングで挟んでゴミ袋いきか、潰してからゴミ袋いきかのどちらかだ。 野良まりさは群れの仲間たちが次々と殺され捕まえられるのを何もせずに唖然として見ていた。 何が現実におきているのか、すぐに理解できなかったからだ。 たっぷり三分後……まりさは絶叫した。 「な……なにごれぇぇぇぇぇぇっっ!!?」 「……ん?こいつも群れの野良か?」 「ど、どぼじでごんなごとずるのおおおおおっ!?……はっ!れ、れいぶは?おちびはどうしたんだぜ!?」 「ゆー!ゆぅぅぅぅ!?ば、ばりざだぁぁ!ばりざぁぁぁぁぁっ!でいぶはごごだよぉぉぉ!」 「おちょうしゃんちゃしゅけちぇぇぇぇぇ!!」 「なんだ?ゴミ袋から……?」 野良まりさの近くにいた駆除作業員がもっているゴミ袋の中から まりさの姿をみつけた野良れいむと野良れいみゅが助けを求める声をあげた。 どうやら生きながらゴミ袋に放り込まれたらしい。 「ゆぅぅぅぅ!ぶ、ぶじだったんだねれいぶぅぅぅぅ!おちびぃぃぃっ!まっててね!いまたすけて…」 「あーもう面倒くせーな。潰しとくか」 「ぶぎゅ!」 「ゆべっ!?」 「………ゆっ?」 作業員はゴミ袋を地面に置くと、袋ごと中のれいむとれいみゅをあっさりと踏み殺した。 ゴミ袋は透明だから野良まりさが外から見ても一発でわかる。 れいぶとれいみゅがぐちゃぐちゃの餡子と小麦粉の皮だけになってしまったことに。 「ゆ…………ゆああああああああああああっ!!?」 「さーてと、もう野良は残ってないかな?ゆっくりしていってね!…………うん反応なしだ」 「ゆっくりし……ふ、ふざげるなああああ!ぐぞにんげんっ!どぼじでまりざのれいぶとおちびをごろじだああああ!!」 「ん?お前らの為に殺したんだよ。見てわかんないの?馬鹿なの?死ぬの?」 「ゆっ!???」 ゴミ袋の口を締めながら無造作に言ってのけた作業員に思わず絶句する野良まりさ。 あまりにも答えが斜め上の予想外なものなので、すぐには理解できないのだ。 まりさの為にれいむとおちびを殺した?何を言っているんだこいつは!? 「……お前さ。不思議に思わなかったか?餌をとるにも家を確保するにも最近何故か競争率が激しくなったってことに」 「ゆっ……?ぞ、ぞれがどうしたのぜ!ばりざがききたいのはそんなごとじゃ」 「まあ聞けよ。その理由はな……この辺り一帯の野良ゆっくりが増えすぎたからだ」 「ゆゆっ!?」 「野良ゆが数を増やせば餌も家も足りなくなる。当然だこの世のすべてのモノは数に限りがあるからな」 「ぞ、ぞれが」 「だからさ。俺たち加工所がわざわざ駆除して野良ゆの数を減らしてやろうっていうんだ。 そうすれば少しはお前らも過ごしやすくなるんじゃねえの?」 「ゆっ?ゆゆっ??ゆゆゆゆゆゆっ……!?」 確かに最近生活しにくいのは事実だ。だが……だがその為にゆっくりを殺していいはずがないではないか! しかもまりさのれいむとおちびをころすなんて! 「ゆっくりも増えすぎると同族からも邪魔者扱いされるからなー」 「ふ、ふざけるんじゃないのぜぇぇぇ!だっだらほがのゆっぐりをごろぜばいいのぜ!? どぼじてばりざざまのむれを、かぞくをごろずのぜぇぇぇぇ!!」 「どのみち他の群れも順番に駆除するさ。今回はたまたまこの公園が駆除の対象だったってだけの話だ」 「ゆぅぅぅぅっ!?ゆぐぅぅぅぅぅっ!!」 「さて……邪魔な野良にはそろそろご退場願おうか」 「ゆがぁぁぁ!ばりざはじゃまじゃないぃぃぃぃ!じゃまなのはおばえだちだぐぞにんげんんん! いつもいつも、ばりざざまたちのゆっぐりをじゃまじやがっでぇぇぇ!じねえ!ゆっぐじじねえぇぇぇぇっ!!」 「まあそういうことはさ。あちらさんにでも言ってくれや。じゃあな」 「やべろぉぉぉ!ばりざざまをふくろざんにいれるなぁぁぁっ!じね!ぐぞにんげんはじ……ね……?」 作業員は新しいゴミ袋をだすと野良まりさをトングで挟んで袋にいれた。 じたばたと見苦しく抵抗する野良まりさだったが、ある方向をふと見て暴れるのをやめる。 そこには他の群れの野良と思われるゆっくりが数匹いた……連中は笑いながら駆除されている公園内を見ている。 「むきゅきゅきゅきゅ!ここのむれもようやくくじょされたようね!」 「これでごはんさんのとりぶんがふえるみょん!」 「くそにんげんどもがいなくなったら、ここもまりささまたちのゆっくりぷれいすにするのぜ!」 「まったくここのむれは、ゆっくりできないじゃまでいなかものたちだったわ!」 「でいぶのごはんさんをよこどりするげすなむれはくじょされてとうぜんだよ!」 「ほんと、とっととしんでくれてよかったみょん!」 「「「「「げらげらげらげらげらっ!!」」」」」 ……公園のゆっくりたちが殺されているというのに、それを笑って見ている野良ゆっくり。 邪魔だと。ゲスだと。死んでくれてよかったと同族に好き勝手にいわれるのを聞いてまりさの心はへし折れた。 自分たちは生きているだけで常に誰かにとって邪魔な存在でしかないのだと気付いてしまった。 世界から祝福されて生まれたとか、世界中の生き物が喜んでゆっくりをゆっくりさせてくれるなんて妄想だ。 本当はゆっくりという種族はどいつもこいつも人間どころか同族からも憎まれ疎まれ 邪魔っけにされるやっかい者でしかないのだ…… 作業員の男はトングをしまい、死んだような目でブツブツ言っているまりさが入ったゴミ袋をもち、 げらげら笑っているよその公園の野良ゆを見て……仲間のところへ戻っていった。 どうせ1週間後にはあの馬鹿笑いしているゲスどもの群れも駆除する予定なのだ。 せいぜい今のうちだけでもいい気にさせてやろうじゃないか。優しくてごめんね! ……さて。もし野良まりさが思ったようにこの世から人間がいなくなったとしたらどうなるのだろうか。 ゆっくりは本当にゆっくりと生きることができるのだろうか? すべての人間、人間が作った街や道路、文明の痕跡をすべて消して自然のままの地球にゆっくりが住み着いたら……? ……恐らくなにも変わらないだろう。野良から野性に立場が変わるだけだ。 厳しい自然環境と他生物そして捕食種の脅威に晒されて ゆっくりは小さい繁栄と破滅、自滅を繰り返すというスパイラルが延々と続く。 しかしゆっくりという種族は繁殖力だけは折紙つき。 ゆっくりできない状況になればなるほどゆっくりできる子孫を増やそうとするのだ。 がむしゃらに作ったその子孫のほとんどが様々な理由で死ぬだろうが…… だがもしかしたら。いつかはその繁殖力が自然や他生物の脅威を上回る日がくるかもしれない。 すなわち……地球上が増えすぎたゆっくりによって埋め尽くされるというラグナロク。 その時になってようやく能天気なゆっくりどもは事の重大さに気付くだろう。 「どぼじてくささんもむしさんもいないのぉぉぉぉぉ!?」 「にんげんがひとりじめしていたあまあまさんはどこにあるのぜぇぇぇぇっ!?」 「おやさいさん!はやくかってにはえてきなさい!はえてこないと、とかいはじゃないわっっ!」 「ぐわぁぁぁぁ!せまいぃぃぃ!おばえらどっがいげぇぇぇぇっ!!」 「もうすめるところなんてどこにもないんだみょん!」 「どこのおうちもうんうんだらけでゆっくりできないんだねー!わかれよぉ――――!」 「おながずいだぁぁぁ!」 「じねええええ!おばえらぜんゆんじねえええええ!」 「んほぉぉぉぉ!!」 「れいぱーだぁぁぁぁ!」 「うっめ!これめっちゃうめ!まじぱねえ!」 「ゆっぐりをたべるげずはゆっくりしねぇぇぇぇ!」 「きゃわいいれいみゅに、しゃっしゃとあみゃあみゃもっちぇきょい!くずおや!」 「どぼじてぞんなごというのぉぉぉぉぉっ!?げすなちびはゆっくじじないでいますぐじねぇ!」 増えすぎたゆっくりのやる事といえば共食いして数を減らすことぐらいだろう。 そうすれば少しは数が減るだろうが。だがゆっくりによってさんざん荒らされた自然環境は容易には回復しない。 共食いの果てに……自滅という形でゆっくりは滅びる。他の生き物や地球そのものを道連れにして。 ……だからゆっくりは邪魔者だというのだ。滅びるのなら自分たちだけ滅びればいいものを。 ゆっくりは人間にとって邪魔。増えすぎれば同族にとっても邪魔。他の野生動物からみても邪魔だし地球にとっても邪魔。 人間と同じかそれ以上にこの星を蝕むゆっくりは地球にとっての天敵といえる。 だから……人間はゆっくりを駆除するのかもしれない。 人間は地球を守るなんて愁傷な心がけで駆除しているわけじゃない。自分たちの為だけに駆除しているのだ。 だがその行為は結果的にゆっくりを適度に間引いて、ゆっくりという種の存続に一役買っているのではないか? それが自然界において人間がゆっくりの天敵として課せられた役目なのかもしれない。 なにせゆっくりの絶滅だけはどうしてもできないのだ。 人間がゆっくりを計画的に駆除して数を減らさなければ他に誰がやるというのだ? ゆっくりを捕獲しても不潔な野良ゆじゃ再利用なんてほとんどできない。 駆除にかける労力、予算、道具、全部人間の持ち出しばかりで丸損だ。得することなんてほとんどない。 しかしそれでも人間は何かに導かれるようにゆっくりを駆除したり虐待したりする。 そしてそれが他の野性生物や自然環境のためになる。 邪魔者で使い道のないゆっくり。宇宙船地球号に密航したこのゴミ虫を始末するのが 地球号に乗らせてもらっている人間の役割という奴なのかもしれない。 今まで書いたもの anko3367人間に飼われるというのは… anko3370野良ゆは人間に関わってはいけないという話 anko3379親の罪は anko3401たすけあい anko3410世紀の凶悪立てこもり事件 anko3416選んだのはお前だ anko3440ぷくー!をしてみた anko3486胴つきさんはゆっくりできない anko3501胴つきさんはゆっくりできるね!
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チャラつきとは神戸市在住、ある大学の漫画研究会部員である。1993年3月21日生まれ。 2011年5月29日からmixiで日記を書き始める。 その内容があまりにも酷いと部員たちの間で噂になり、ついにチャラつきwikiまで作成された。 元々のハンドルネームは「暁」であったが、諸事情(後日記載)により「チャラつき」に変更。 更に一度の退会を経て、復活。今のハンドルネームは「闇月(チャラ月)」である。
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『あこがれ 前編』 38KB 思いやり 不運 変態 都会 現代 独自設定 ぺにまむ ばや汁 ジャンル不定 胴付きメイン 一部HENTAI表現あり ※:一部HENTAI表現アリ、『~』(波線)で囲った部分は嫌いな方は読み飛ばしても問題のないHENTAIシーンです。 作者はばや汁あきです。 第一部~まりさとにんげん~ ある森に、とても”ゆっくりした”まりさがいた。 まりさは群れ一番の健脚で、一匹で多くの獲物を狩り、時に知恵でぱちゅりーに勝った。 そして群れ一番の美ゆっくりであった、そのどれもが、まりさが幼いころから己を磨き続けたからである。 しかしまりさにとって、そのどれもが、自身にとっては到底”ゆっくりできている”とは言えないものだった。 それはまだまりさが幼い子ゆっくりだった頃に遡る。 まりさたちの住む森に、数人の人間たちが入ってきて、一斉に群のゆっくり達を殺してまわったのだ。 あまりに突然で理不尽な虐殺だった。 まりさの両親も、姉妹も、全て殺された。 生き残ったのは、命からがら難を逃れた、まりさを含む極少数のゆっくりだけだった。 まりさに殺戮の理由は分らなかったが、今でもその光景はまりさの脳裏に強く強く焼き付いている。 他のゆっくりは言う、ゆん生最悪の出来事だった、と。 しかし、その光景を思い出すたび、まりさの体に満ち溢れる感情は、他のゆっくり達とは違ったものだった。 それは、例えようのない感情であった。 未知! 初めて見る人間さんにまりさの心は踊った、それは好奇心である。 怖い! あまりにも突然の虐殺劇、次々と無言で仲間の命を奪う人間、それは恐怖だった。 強い! そして、群一番と謳われた強者のゆっくり達の抵抗も、まるで歯が立たなかった。 まりさはその光景を見た時、全く動くことが、そして目をそらすことが出来なかった。 そしてまりさの胸に去来した感情をあえて言葉にするのであれば。 あこがれ。 強さへのあこがれであった。 強いということは、どういうことだろうか。 まりさにとって強さの象徴は、あの人間たちであった。 『まりさはにんげんさんになりたいんだぜ!』 あの日以来、まりさは亡者になってしまった。 ”ゆっくり”であることに満足出来ず、強さをただひたすらに求め続けたのだ。 しかしそれはゆっくりにとって、まさに修羅の道であった。 まりさはたった一匹で森を駆け、己を磨き続けた。 その副産物として、まりさの所属する小さな群れの皆に、狩りで余った食べ物を分け、 まりさは”群れ一番狩りの上手なゆっくり”と讃えられるようになった。 元々の餡統がよかったのであろう、まりさは美しい整った顔立ちをしていた。 まりさは狩りの後の自分磨きも怠らなかった、全てにおいて完璧であろうとしたのだ。 まりさは”群れ一番の美ゆっくり”と讃えられるようになった。 まりさの群れに、はぐれのゲスがやってきても、まりさは進んでそれを全て撃退した。 まりさは”群れ一番の強いゆっくり”と讃えられるようになった。 しかしその全てが、まりさの満足できるものではなかった。 まりさは満たされていなかった。 いつもどこか不満げにしているまりさを見て、他のゆっくりは口をそろえて言った。 『どうしてこんなにゆっくりできるのに、まりさはゆっくりしていないの?』 まりさは孤独だった。 自分でもわかっていた、”人間になりたい”と願うことが、ゆっくりにとってどんなに愚かしいことかを。 群れの中にまりさの本当の思いを理解出来るものなどいるまい。 まりさはそう思い、この願いを誰にも伝えてはいなかった。 ある日、まりさは思った。 もうこれ以上、森でやることは残されていない。 その時まりさは既に周囲の群れも含めて、おそらくゆっくりの中では最強であった。 やろうと思えば、あの時人間がしたような大量殺戮を再現できたかもしれない。 しかしまりさはそんなことをしたいわけではないのだ。 手段や目的なんてものは、実は最初からなかったのかもしれない。 ただただまりさは想い続けた。 『まりさはぜったいに、にんげんさんになるんだぜ!』 まりさの群れの会議の日、長のぱちゅりーの締めの挨拶が終わったとき、まりさは言った。 「みんな、とつぜんだけど、まりさはむれをぬけるんだぜ!」 まりさの声に、皆が一斉に驚きの声をあげる。 「まりさがいなくなっちゃったらゆっくりできないよ!」 「いなくならないでほしいのぜ!」 「んほおぉおおーーー!!!もうあえないのぉおおおおおーーー!!!?」 しかしその声達には、まりさの心に波を立てることは出来なかった。 「まりさのおうちに、みんながしばらくたべられるぶんのたべものさんはためておいたんだぜ みんなでなかよくわけてほしいんだぜ」 まりさはそう言うと、皆にくるりと背を向けた。 「ばいばいだぜ!」 そしてまりさは勢いよく群れを飛び出す。 まりさの後ろからは、群れの皆の別れを惜しむ声がいつまでも響いていた。 しかしまりさは決して振り返らなかった。 全ては自らの”あこがれ”の為。 まりさはただひたすら、真っすぐに走り続けた。 --------------------------------------- 太陽がすっかり傾き、隠れてしまった頃、まりさはかろうじて人間の住む街にたどり着くことができた。 まりさが初めて見る人間の街は、キラキラとネオンライトが光り、まるで幻想の中にいるかのようだった。 まりさはゆっくりと街の中を進む。 もちろんその姿は人間たちの目に留まったが、誰一人として気に掛ける者はいなかった。 人間たちにとって、野良ゆっくりなど、さほど珍しいものではなかったのだ。 まりさが繁華街を、人に踏みつぶされないように進んでいると、突然 「おい、そこのまりさ」 と、まりさを呼ぶ声がした。 「ゆ?」 まりさが声のした方に振り向くと、一人の男が路地からまりさの方を見ていた。 まりさがゆっくりと近づくと、男はしゃがんで、まりさに顔を近づけた。 「お前、ずいぶん堂々と歩いてるけど野良じゃないのか?それにしてもバッジとかもないしなぁ」 男はまりさをひょいと持ち上げて、ぐるぐると回してまりさを眺めた。 「ゆゆっ、おじさんゆっくりやめてね!まりさは森からきたんだぜ!」 まりさが抵抗すると、男はまりさをそっと地面に置いた。 「野生か、珍しいな。森っていっても結構遠いし、なんでまたわざわざ街にきたんだ?」 まりさは男に聞かれて、少し戸惑った。 しかしすぐに考えなおす、仲間のゆっくりに言っても理解されないし、自分で考えても答えは出せないのだ。 人間さんだったら、もしかしたら何かアドバイスをくれるかもしれない。 まりさは思い切って、自分の夢を打ち明けてみることにした。 「おじさん、まりさはにんげんさんになりたいんだぜ!」 普通の人間だったら、ゆっくりごときが何を世迷い言を、と呆れたかもしれない。 しかしこの男は特殊であった。 男はどこかあやしく眼を光らせると、興味を示したように、まりさに聞き返した。 「へぇ…どうして人間になりたいんだい?」 男のその質問に、まりさは困ってしまった。 具体的に何をしたいから人間になりたい、と考えたことは、今までなかったのだ。 まりさは少し考えたが、すぐに答えが出ることはなかった。 「ゆぅぅ…と、とにかくにんげんさんになりたいんだぜ!よわいゆっくりはイヤなんだぜ!」 それを聞くと、男はニヤリと頬を吊り上げ、まりさに言った。 「そうか、しかしお前は運がいい、見たところ健康そうだし、顔も悪くない、その願いを俺が叶えてやろう」 「ほんとうに!?」 まりさは歓喜し、目をキラキラとさせて男を見た。 まさかこんなにも簡単に人間になることができるなんて、思ってもいなかった。 きっと今ままで必至に努力してきたのを、神様がどこかで見ていてくれたんだろう。 まりさが喜びに打ちふるえていると、男はニヤニヤとしながら続けた。 「あぁ、本当さ、ただし約束がある、これは”貸し”だ、お前は知らないかもしれないが 人間には色々なルールがある、”借りたものは返さなきゃいけない”も、その一つだ なぁに、難しいことじゃあない、まりさは俺の言うことをちゃんと聞くこと、それだけでいい」 そう一気に捲くし立てると、男は最後に、顔をぐっとまりさに近づけ 「約束できるか?」 と、念を押した。 まりさは男が言っていることの意味をあまり理解はできなかったが、 言いつけを守れば人間さんにしてくれる、ということだけはわかった。 「ゆっくりりかいしたよ!だからおねがいするんだぜ!」 二つ返事で承諾し、まりさは待ちきれないかのようにぴょんぴょんと男の前で跳ねまわった。 「それじゃあ、契約成立だな」 男はそう言うと、ひょいとまりさを抱えあげて、路地の奥へと進んでいった。 「野性味あふれるマリサちゃん…か、いけるかもな」 男がポツリと呟いた一言は、まりさには届かなかった。 まりさは夢が叶うという喜びと期待で胸がいっぱいだった。 (やったんだぜ!これでにんげんさんになれるんだぜ!まりさはかっこいいにんげんさんになるんだぜ!) まりさは、ただただ明るい未来に思いを馳せ、ゆっくりとした気持ちで男の腕に抱かれていた。 これからまりさが、今まで想像もしたこともない欲望の渦に巻き込まれてしまうことも知らずに… --------------------------------------- 男に抱えられたまま、まりさが連れてこられたのは、クモの巣のように張り巡らされた路地の奥の奥。 そこは薄暗く、目を凝らさなければあるかどうかわからないくらい、古ぼけてビルと同化した扉だった。 「…また、あんたかい」 男がまりさを連れてその扉をくぐると、さらに暗い部屋の中から、低い男の声がした。 「まいど、いつもの、たのむよ」 まりさを抱えた男がそう言うと、懐から何やら紙の束のようなものを取り出し、声のした方向に放り投げた。 するとしばらくして、その方向から、ぬっとやせ細った長身の男が現れた。 長身の男は、まりさの顔を見ると、面倒くさそうな顔をして、ぽつりと言った。 「金があれば俺は何でもするが…あんた、ろくな死に方をしないよ…」 それを聞いた男は、わざとらしくニカッと笑って 「そいつはどうも、褒め言葉さ」 と言った。 長身の男はそれを無視して、男の手からまりさを無造作に奪い取り、部屋の奥に連れて行った。 まりさはこれから自分に何が起こるのか全く想像がつかなかった。 ただただ黙って身を任せていると、まりさのあんよに冷たくて堅い感触が伝わってきた。 まりさの目には、暗過ぎて分らなかったが、どうやら地面に着地させられたらしい。 まりさを手放した長身の男が少し離れて、なにかゴソゴソと物音をたてる。 カチリという小さな音とともに、急に部屋に煌々と明かりがともった。 その強い光に、まりさが顔をしかめていると、白衣に身を包んだ長身の男が目の前に現れて、まりさの目を見て言った。 「今まで多くの”罪”を犯してきた俺が言うのもなんだが、お前達は実に可愛そうな生き物だ… 人間の欲望にまみれて、また一匹犠牲者が出てしまうんだなぁ…」 「ゆゆっ?おにいさん、それってどういう…」 まりさが言い終わらないうちに、男は黙って手に持っていた注射器をまりさに向け、針をまりさの額に突き刺した。 「ゆ”っ!」 男が一気にその中身をまりさの中に注入すると、まりさの全身はまるで糸が切れたかのように、だらりと力が抜けてしまった。 そして徐々に意識が薄れていく。 まりさの意識が無くなる直前に、男がぼそりと呟いた。 「せめてもの償いに、俺はお前のこれからの”じんせい”が、少しでも幸せな物になるよう、祈っているよ…」 そしてまりさの意識は深い深い闇の底に沈んでいった。 ------------------------------------------- じゅぷっ…じゅぷっ… 全体がピンク色の装飾に包まれた薄暗い部屋の中に、淫靡な音が響きわたっていた。 部屋には、真ん中に備え付けられたベッドに腰かける一人の男と、その股の間に顔を埋める幼い少女がた。 「ろーお、おにいはん、ひもちひーひ?」 男の肉棒を咥えたまま、少女が妖艶な笑みを浮かべ、男に問いかける。 この少女こそ、あの森を出た”まりさ”であった。 ここは繁華街の路地裏にぽっかりと空いた地下階段を降りた先にある、胴つきゆっくり専門の風俗店。 あの時、街でまりさが出会った男は、この店のオーナーだった。 まりさはあの夜、あの部屋で外科的に”胴つきゆっくり”になる手術を施されたのであった。 そして目が覚めたまりさは、オーナーに連れられ、この店でキャストとして働かさることとなった。 その日からまりさは、毎夜男達の欲望を一身に受け止めていた。 普通の感覚で言うならば、それは不幸な出来事であっただろう。 しかしまりさにとっては、不幸と感じることは決してなく、むしろ日々を幸せに感じてさえいた。 あこがれだった、”にんげん”になることが出来、そして自分と接する男達は、皆まりさに優しく、 行為が終わった後には、礼も述べてくれた。 まりさは願いが叶い、さらに自分を必要としてくれる人間たちに囲まれ、毎日が幸せだった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 男がまりさの腋を抱えて、ひょいと持ち上げ、自分の一物の上に抱きかかえるように座らせた。 「あんっ、おにいさんったら、あせっちゃだめなんだぜ」 「いいじゃないか、僕はもうすっかり準備OKになっちゃったよ」 男はそういうと腰を動かし、まりさの幼い秘裂にそそり立った肉棒をゆっくりと擦りつけた。 「もう、しょうがないおにいさんだぜ」 まりさはそう言うと、にっこりとほほ笑みながら、男の肉棒を片手でつかみ、その上にゆっくりと腰を下ろしていった。 まりさの秘裂がめいっぱい広がり、まりさのお腹の中に、肉棒がめりめりと飲み込まれていく。 半分ほど納まった所で、まりさの中はいっぱいになってしまう。 すこし下腹部は膨れ、それ以上肉棒を飲み込むことは出来なかった。 「ゆふふ、おにいさんのはおっきいから、まりさのおなか、いっぱいになっちゃったんだぜ」 まりさは幼い顔に似つかわしくない妖艶な笑みを浮かべ、腰を前後に動かして、膣全体で肉棒を刺激した。 その仕草と、あまりの締め付けに、男は顔をしかめ、 「うぅっ」 と苦しそうな声をあげた。 「どうしたのおにーさん、まだまだこんなもんじゃないのぜ」 まりさは腰の動きを前後左右上下にどんどん加速させる。 「あっ!あっ!どうだぜおにいさん、きもちいーんだぜ?」 「あ、あぁ、気持ちいいよマリサちゃん!うっ!!」 その容赦のない攻め立てに、男はあっけなくまりさのお腹の中に精を放ってしまった。 「あんっ!もう、おにいさんはそーろーさんなんだぜ」 まりさは片手で下腹部を抑え、目を閉じて射精の勢いを嬉しそうに感じていた。 実のところまりさの身体には、それほど高度な感覚は備わっていなかった。 まりさが肉棒に突かれ、甘えた声を出すのも、ほとんどが”そうした方が喜ぶから”という経験での演技だった。 しかし、まりさは僅かながらに響いてくる、身体がむずむずとする感覚は、嫌いではなかった。 それに、男たちが悦ぶ姿を見るのも、なんだか”可愛い”と感じていた。 まりさはこの仕事が大好きになっていた。 元々努力家だったまりさは、お客の細かな反応から多くのことを学び、吸収し、 新人ながらも、あっというまに店の人気上位ゆっくりの仲間入りを果たしていた。 それからも体位を変えながら、男は何度も何度もまりさの蜜壺や体、顔など、あらゆる所に欲望の塊をぶつけ続けた。 行為時間がいっぱいになるころには、すっかりまりさの体はどろどろとした白濁液まみれになってしまっていた。 「うっ!くっ!」 男はうめき声をあげ、最後の一滴をまりさの膣奥に絞りだす。 「んあぁっ!やぁん!」 それに答えるようにまりさは鼻にかかった甘えた声を出す。 仕事を終えた剛直を、男はゆっくりとまりさの中から引き抜いた。 長時間酷使させられた幼い秘裂は、すっかり赤く腫れ、ぽっかりと開けた口からは、ドロドロと白濁液を垂れ流していた。 「ふー…ふー…おにいさんったらすごいんだぜ、みなおしたぜ」 まりさは呼吸を整えながら、弄ばれた身体をゆっくりと起こし、男にすり寄り、軽く頬にキスをした。 すっかり消耗しきっていた男の肉棒は、そのキスで再び自己主張を始めてしまった。 「あはは…」 男は気恥ずかしそうに頬を染める。 「もう、やんちゃさんなんだぜ、でもごめんね、おじかんがきちゃったよ」 まりさはそう言うと、男の手を優しく握り、部屋続きになっているシャワールームに導き、二人の汗を丁寧に流した。 そして背伸びをしながら男の着衣を手伝い、自分も身支度を整える。 支度を終え、まりさは再び男の手を取ると、ゆっくりと歩いて男を店の入口まで見送った。 「それじゃあおにいさん、きょうはまりさをしめいしてくれてありがとう、またあそびにきてね」 まりさが笑顔でぶんぶんと手を振り、別れの挨拶をする。 男もはにかみながら軽く手を振り返すと、階段を上り、満足そうに店を後にした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「おぉ、おつかれ」 男が店のドアを閉めるのを確認すると、まりさの背後から美しい、しかしどこか気だるげな声がした。 「はげしーおにいさんだったんだぜ、つかれたぜ」 まりさは声のした方に振り向く、そこにいるのは、受付嬢をしている胴つききめぇ丸である。 このきめぇ丸は、かつて自身も客を取っていたが、今では引退し、受付嬢としての仕事を日々完璧にこなしている、 この店の古株の一人である。 「今は指名はかかっていません、フリーのお客はまわしませんので、ゆっくり休んでください」 きめぇ丸はそう言って、まりさの頭を撫でにこりとほほ笑んだ。 「ゆっくりありがとう!すこしきゅうけいしてくるんだぜ」 まりさはきめぇ丸にお礼を言うと、とてとてと店の奥にかけていった。 きめぇ丸はそれを見送ると、再び小さな受付スペースの中に入ると、イスに腰掛けて次の客を待った。 すると程無くして、一人の男が店の扉を静かに開けて入ってきた。 きめぇ丸はその気配を察知すると、背筋を伸ばし、丁寧に挨拶をする。 「いらっしゃいませ…おや、あなたは…」 --------------------------------------- 「ふぃ~、つかれたんだぜ~」 まりさは、店の奥にある、ここで働いている従業員に与えられた個室に戻り、ゆっくりとくつろいだ。 この店では、キャストを全て店で管理しており、それぞれ二人一組で個室が与えられていた。 まりさが部屋に備え付けられているベッドに腰かけてぼんやりしていると、静かに部屋の扉が開いて、 ゆっくりと胴つきのゆっくりが部屋に入ってきた。 まりさのルームメイトの、れいむである。 れいむはまりさよりも少し先輩で、まりさとは違い、生粋の胴つきゆっくりだった。 まりさは優しくいろいろなことを教えてくれるれいむのことが大好きだった。 「おつかれだぜ!」 まりさが元気に声をかけると、れいむはやわらかく微笑み、 「ん、おつかれ」 と返す、しかしその顔には少し疲れが見え隠れしていた。 まりさがそれに気づき、心配そうに声をかける。 「ゆぅ、れいむ、だいじょうぶなんだぜ?なんだかつかれてるみたいだけど」 れいむはまりさの隣に腰かけると、小さくため息をついてぽつりとつぶやいた。 「さっきのおきゃくさんがちょっとはげしくって…やだっていったのにおしりにむりやり…」 「まりさのおきゃくさんもはげしかったんだぜ、おつかれなんだぜ」 まりさはれいむの手をとって、優しく握る。 こうして二人で寄り添ってゆっくりしているだけで、少しずつ疲れが癒されていく気がした。 コンコン まりさとれいむが、ゆっくりしていると、部屋の扉が控えめにノックされた。 「あいてるんだぜ」 まりさが扉に向って声をかけると、静かに扉が開き、きめぇ丸が顔をだした。 「おぉ、ごめんなさい、まりさ、指名が入りました」 それを聞き、まりさが一瞬残念そうな顔をする、しかしすぐ笑顔になって、 「ゆぅ…でも、しかたないね、まりさをしめいしてくれたんだもの、がんばるよ!」 まりさは力強くベッドから立ち上がった。 その様子を見たきめぇ丸が、ニコリと笑う。 「しかし安心してください、次のお客様は、あのお兄さんですよ」 「ほんとに!?」 それを聞いたまりさの顔に、ぱっと華が咲く。 「それじゃあ、いってくるんだぜ!」 まりさは二人に手を振ると、元気に部屋を出ていった。 それを見送った二人の間に、沈黙が訪れる。 きめぇ丸は、元気がないれいむを心配そうに覗きこみ、優しく声をかけた。 「おぉ、お疲れですか」 「しんぱいしてくれてありがとう、でも、だいじょうぶだよ」 れいむは顔をあげ、にこりとほほ笑んだ、しかしそれはどこかぎこちないものだった。 「まりさが来るまでは、ナンバーワンだったあなたが、最近成績が落ち込んでいるようですが…」 きめぇ丸のその言葉を受け、れいむは気まずそうに目を背けた。 「ゆ…ごめんなさい、でも、まりさがちょっぴりうらやましいよ、あんなにたのしそうにしてるんだもん」 「この仕事が、嫌いですか?」 「きらいじゃないけど…すきじゃ、ないよ」 れいむはそう言うと、下を向いて黙ってしまう。 きめぇ丸は、れいむの横にふわりと腰かけると、優しくれいむの頭を撫でる。 「無理はしないでください、あなたたちの体は勿論、心の状態も気遣うのも私の仕事、なんでも言ってくださいね」 「おねえさん、ありがとう…」 目を閉じてれいむはゆっくりときめぇ丸の手の感触を味わった。 きめぇ丸の手はとても優しく、頭を撫でられていくだけで、暗い気持ちが和らぐようだった。 少しその状態でゆっくりとしていたが、きめぇ丸は部屋の時計を確認すると、そっと手をどけて、ゆっくりと立ち上がった。 「すみません、仕事があるので、戻ります。今日はれいむは退勤扱いにしておきますので、ゆっくり体を休めてください」 きめぇ丸がそう言って部屋を去ると、部屋にはれいむだけが一人取り残されてしまった。 一人きりの部屋には、静寂だけが満たされていた。 れいむが誰に言うでもなく、ぽつりとつぶやく。 「おにいさん…れいむはどうしたらいいの…」 --------------------------------------- れいむは自分自身に戸惑っていた。 今までこんな気持ちになったことなど、ただの一度もなかったのだ。 だが、まりさと一緒に生活を送るようになってから、れいむの頭には、ある疑問が浮かんでしょうがなかったのだ。 自分は一体何をしているんだろう。 娼館に勤め、身体を売って客を取っている、それは勿論分かっている。 れいむがここで働いているのは、れいむの大好きなお兄さんのためだった。 れいむは、高級ペットショップで取引されている、血統書付の胴つきゆっくりだった。 それを飼ってくれたのが、れいむの大好きなお兄さんだったのだ。 お兄さんはとても優しく、れいむはお兄さんの家で、日々ゆっくりと過ごしていた。 初めてのすっきりを教えてくれたのも、お兄さんだった、 れいむはその時の優しかったお兄さんのことを今でもはっきりと覚えている。 れいむは大好きなお兄さんと一緒に住み、愛されるこの幸せな生活が、ずっとずっと続くと思っていた。 けれど、お兄さんはある日れいむを連れてこの風俗店にやってきたのだ。 そこでれいむは初めてこの店のオーナーと顔を合わせた。 そしてお兄さんは、れいむにこう言ったのだ。 「ごめんねれいむ、お兄さんは長い間れいむを一人ぼっちにさせてしまうことになってしまったんだ。 だからその間、れいむをこのおじさんに預かってもらうことにしたから、 れいむはおじさんの言うことをちゃんと聞いて、いい子にしているんだよ」 れいむの生活は、その日から一変してしまった。 初めはオーナーの言いつけどおり、ここに居なさいと言われた部屋の中でただじっとしていた、 すると部屋に知らない男の人が入ってきて、れいむの身体の、お兄さんしか触れたことのないところに侵入してきた。 れいむは、はじめはそれをキモチワルイとしか感じることができなかった。 しかし、初めての”仕事”が終わり、オーナーからこれからこの仕事を続けるんだと”命令”された。 れいむは戸惑ったが、お兄さんの言ったことを信じ、オーナーの言いつけを守ることにした。 それかられいむは、何度も何度もお客を取らされ、知らない男達に組み伏せられた。 抱かれた男の数を数えるのをやめたころ、れいむの身体は男たちの欲望を快楽に変えることを覚えていた。 きめぇ丸の指導のもと、男を悦ばせるテクニックも学んだ。 れいむは、おにいさんがいったとおりにいっしょうけんめいがんばるよ…。 お兄さんと会えない日々は辛かったが、れいむは与えられた仕事を一生懸命こなしていった。 その一生懸命さと、健気な姿、献身的な奉仕がこの店にやってくる客たちに人気となり、 れいむはいつの間にかこの店のナンバーワンになっていた。 れいむにとって、仕事としてここに所属し、ただ客に喜んでもらえるように奉仕する、それが全てだった。 しかし、まりさが店に来て、れいむの心は激しく揺さぶられていた。 初めてまりさと出会ったのは、一日の客を取り終わり、部屋で一人疲れを癒していたときである。 れいむのルームメイトは、キャストの人数の関係でれいむが所属して以来空席だった。 そこにまりさがやってきたのだ。 れいむはまりさと初めて会った時のことを忘れない。 まりさは確かに、はっきりと”笑っていた”のだ。 そして、初めての客を取らされる時も、そしてそれが終わり部屋に戻ってくるときも、まりさは笑顔だった。 どうしてそんなに楽しそうにしているんだろう? それは素直な疑問だった。 れいむは毎日好きでもない人達に抱かれて、身体は気持よくはなっても、心はちっとも満たされないのに。 どうしてまりさは部屋に帰ってくると、自分がとったお客のことを笑顔で話すの? れいむはこのお仕事を、嫌いではないけれど、好きでもないのに。 どうしてまりさははっきりと、お仕事が楽しいっていうの? れいむはずっとずっと、この店に来る前に戻りたくてしょうがないのに。 どうしてまりさは今が最高だって、笑顔になれるの? れいむは自分と正反対のまりさに惹かれて行くとともに、その輝きに照らされ、 自分の暗い部分が、ひどく汚いもののように思えてきて仕方がなかった。 ねぇおにいさん… どうしてれいむはこんなところにいるの? どうしてれいむはしらないおとこのひととえっちなことをしてるの? どうしてれいむはいいこにしてるのに、おにいさんはむかえにきてくれないの? 「どうして…?」 この頃れいむは一人の時、いつも気づくと自らの体を抱いて小さくなり、そんなことばかり考えていた。 --------------------------------------- まりさが客用待合室に入ると、そこには一人の線の細い男が座っていた。 「やあ、まりさ、今日もお疲れ様」 まりさを見つけると、その男は優しくまりさに微笑みかけた。 「ゆっ!おにいさん、きょうもまりさをしめいしてくれて、ありがとうなんだぜ!」 まりさも、それに応えてニッコリと微笑む。 まりさは、男と柔らかく手を繋ぎ、ゆっくりとプレイルームまで導いた。 そして日常会話をしながら服を脱がせ、一緒にバスルームへ向かう。 まりさがリードしながら、お互いの体を綺麗にし、男の濡れた体をまりさが背伸びをしながらタオルで拭う。 男はそれを受けながら、まりさの体の水分を、タオルで優しく拭う。 ここまでは、この店のプレイタイムの通過儀礼である。 ここからは、名目上はお互いの自由な時間となっている。 通常ならば、以降のサービスは肉体交渉となっているのだが、この男の場合は違っていた。 お互いの体をふき終わると、バスタオルに身を包んで、まりさと男は静かにベッドに腰かける。 後はお互いのこと、今日あったこと、最近見たテレビの内容、何でもないことをただただ会話するのだ。 触れているのは、お互いの手くらいのもので、それ以上のことは一切しない。 まりさは男と過ごす、この時間が大好きだった。 この男はまりさの上得意客である。 男だけは、ほかの客と違い、”まりさの肉体”を求めに来ているわけではなく、 ”まりさ”を求めてここにやってくるのだ。 ただ二人、肩を寄せ合い、ゆっくりとした時間を過ごす。 与えられた時間一杯を、二人は笑顔でおしゃべりをしながら過ごすのだ。 何故、男はこのようなことをするのか。 ここは娼館である、公言はしないが、客がキャストの肉体を貪ることを目的とした施設だ。 実はこの男は、まりさに本気で惚れてしまっているのだ。 初めてこの店を訪れたきっかけは、会社の同僚のすすめであった。 内気な男は、今まで女性経験がなく、安価に擬似的に経験を積めるということで、ここをすすめられた。 断るような理由もなかったし、男も興味が無いというわけではなかったので、素直に従い、店を訪れた。 そして、まりさと出会ったのだ。 流されるままに、男はまりさと肌を重ねた。 男は戸惑った、ゆっくりとはいえ、外見では幼い子供とさほど変わらない、そんな娘が、自分に跨り奉仕をしているのだ。 男の胸には、切なさが満ちていった、そして、 こんな状況でも笑顔で自分を見つめてくるまりさに、愛しさがこみあげてきたのだ。 男は思った、この娘を守ってあげたい、ここから救い出してあげたい。 男が店を出る際に、受付をしていたきめぇ丸に、なんとかその方法はないかと聞くと、この店の裏システムについて説明された。 それは、この店における『キャストの買い取りシステム』である。 キャストがこれから店に収めるであろう利益に基づき、それに見合った金額を納めれば、 双方の同意の元で、そのキャストを個人が店から買い上げることができるのだ。 しかし、この時すでにまりさは店の人気キャストの一匹だった。 男の給料では、到底すぐに払いきることなど出来ない金額が提示される。 しかし、男はあきらめなかった。 絶対にまりさを買い、自分の手で一生幸せな生活を送らせてやる。 そう決意し、男は努力して金を貯め始めたが、やはり自分が店にいっていない間に、 それがたとえ仕事とはいえ、まりさが他の男に抱かれているかと思うと、いてもたってもいられなかった。 なので、男は出来る限り、この店に訪れ、まりさの”時間”を買いに来ているのだ。 自分がここにいる間だけは、まりさには仕事を忘れ、ただの一人の娘としての時間を過ごしてほしかった。 男はまだ、まりさに男が買い取りを希望していることは伝えてはいない。 それがいつになるかは、まだわからないからだ。 いつまでも続いてほしい時間は、だけどゆっくりと、確実に過ぎて行ってしまう。 楽しい二人の時間は、もうあと数分もしないうちに終わってしまう。 会話が途切れ、お互いの間に少しの沈黙が横たわっていた。 まりさは、男を見つめ、小さく口を開いた。 「ねぇ、おにいさん、おにいさんはまりさにえっちなことしないの?」 「しないよ」 男はまりさの手をギュッと握り、まりさの目を見つめて言った。 「そんなことしなくていいんだよ、僕はまりさと一緒に居れるだけで、嬉しいんだ」 男に見つめられ、まりさは少し頬をあからめて視線を外す。 「ゆぅ…でも、おにいさんがしたくなったら、ちゃんといってね、まりさはいつでもおっけーだよ!」 そう言ってにっこりと笑うまりさの頭を、男は無言でくしゃくしゃと撫でた。 時計の針がゆっくりとプレイ終了の時間を示す。 男とまりさは、お互い服を着て別れの時間を惜しんでいた。 「ざんねんだけど、もうおじかんだね、おにいさん、ぜったいまたきてね!」 そういってまりさは、背伸びをして男の頬にそっと口づける。 それは普段のまりさにとっては、サービスの流れの一環であったが、 まりさは大好きな優しいお兄さんには、心をこめてキスをすることにきめていた。 男はまりさが離れると、柔らかく微笑んで、まりさの頭をそっと撫でる。 「あぁ、必ずまた来るよ」 そして二人は、部屋に入ったときのように柔らかく手を繋ぎ、店の入口まで寄り添って歩く。 まりさは、男が店の入口の扉をくぐり、扉が閉まってしまうまで、ずっと男の背中に手を振り続けた。 男も店を出るとき、そっと後ろを振り向き、ニコリとほほ笑んでまりさに手を振り返す。 「またね!おにいさん!」 「またね、まりさ」 そんな二人の様子を、きめぇ丸が受付に座って、微笑ましそうに見つめている。 ぱたり、と小さな音をたてて、店の玄関の扉が閉まった。 --------------------------------------- コンコン まりさが部屋の扉を軽くノックすると、中から小さな声で返事が返ってきた。 「はい、どうぞ」 それを確認してから、まりさはゆっくりと扉を開け、中に入る。 部屋の中にいたれいむは、まりさが部屋を出たときと変わらずに、ベッドの上に腰掛けていた。 「おつかれさま」 まりさを見ると、れいむはやわらかく微笑んで、ねぎらいの言葉をかけた。 まりさはそれに微笑みで返すと、元気にれいむの隣に腰掛けた。 「きょうはほんとうのほんとうにもうおしまいだぜ、いっしょにゆっくりしようね!」 「うん、ゆっくりしよう」 声を掛け合い、見詰め合ってゆっくりとお互いの手を握る。 部屋に備え付けられたテレビをつけ、それをBGMにして、 他愛の無いおしゃべりをして消灯時間を待つのが、労働後の二人の日常だった。 けれどまりさはあのお兄さんのことだけはあまり話さないようにしていた。 前に何度か話したとき、れいむの表情が少しかげっていたのを、まりさは見逃していなかった。 れいむもその話題には触れようとはしてこない。 しかしそれ以外にも、年頃で、かつ歳も近い二人に話の種は尽きなかった。 今日のお客のこと、お店の他の仲間達のこと、配給される食事についてくる、大好きなあまあまのこと。 とりとめもなく、だらだらとおしゃべりを続けていると、壁にかかっている時計を見て、まりさがはっと顔を上げた。 「いけない、はじまるんだぜ!」 いつもはそのままおしゃべりを続けるまりさも、週に一度、ある時間だけは譲れない番組があった。 まりさがチャンネルを操作すると、キラキラとした画面に大きくタイトルの文字が表示され、リズム感のあるテーマソングが流れ出す。 正義の味方のヒーローが、地球を狙う悪の敵と戦うという、シンプルな戦隊モノの子供向け番組だ。 まりさはそれを毎週欠かさずチェックするのが習慣になっていた。 食い入るように画面に夢中になるまりさを、れいむはいつも微笑ましそうに見つめていた。 あっというまに時間が過ぎ、テレビのシーンはいよいよクライマックス。 毎度現れる怪人を倒し、ヒーローがキメ台詞を放つ。 そしてシーンは切り替わり、夕日をバックにヒーローが子供達に向かってメッセージを伝えていた。 「悪を倒すのが正義じゃない。弱いものを助け、守ろうとすることが正義なんだ!」 その台詞を聴いた瞬間、まりさに衝撃が走った。 このヒーロー番組に陶酔しているまりさも、今まで感じたことの無い興奮が体を包み込む。 「れ、れいむ!れいむ!これだよ!」 まりさは握っていたれいむの手を両手で包み込み、ぶんぶんと振りながらいった。 「ゆっ?ゆっ!?な、なあに?まりさ」 「たすける!まもる!まりさがやりたかったのはきっとこれなんだ!」 突然そんなことをいうまりさに、れいむはただただ腕を振り回されて、目を回した。 「まりさはせいぎのひーろーさんになるよ!れいむがこまったことがあったら、まりさがぜったいにたすけるからね!」 まりさはれいむの目を見つめて、強く言い放つ。 れいむはその輝く瞳に照らされて、ゆっくりにそんなことが出来るものかと卑屈な感情が自分の中に影として現れるのを感じた。 けれど、まりさのその真っ直ぐな感情は、素直に嬉しく思った。 「ありがとう」 れいむがそういうと、まりさはにっこりと微笑んで、言った。 「ぜったいぜったいやくそくだからね!」 その夜、まりさは興奮のあまり寝付けないでいた。 あのテレビの中のヒーローの言葉と、過去に起こった悲しい出来事がぐるぐると頭の中を何度も行ったり来たりする。 (もしももういちどあんなことになったら、こんどはまりさがみんなをまもるんだ!だってまりさは”にんげん”になったんだから!) ベッドを飛び出して、叫びだしたくなるような高揚した気分が、いつまでも続いていた。 明日への確かな希望を感じながら、ぎゅっと目を閉じる。 隣で眠っているれいむは、静かに寝息を立てている。 その吐息を感じながら、まりさはゆっくりと眠りに落ちていった。 --------------------------------------- 目が覚めて朝が来ると、またいつもと変わらない一日が始まる。 キャスト全員が集まり、朝食をとりながらきめぇ丸が昨日の反省、一日の目標、行っているキャンペーンなどの確認をする。 そして各々控え室で待機となり、指名が入ったものから客を向かえ、奉仕をする。 それを何度か繰り返して昼食、また繰り返し夕食。 疲れた体を引きずってベッドに入り就寝、そしてまた新しい、けれどいつもと変わらない一日が始まる。 そんな中でもまりさの成績は加速度的に上昇を続け、数ヶ月後には名実ともに店のナンバーワンキャストに上り詰めていた。 しかしそれとは対照的に、ルームメイトのれいむの成績は徐々に落ちていった。 そしてある日、事件が起こる。 「ゆふぅ~、つかれたんだぜ~」 まりさがその日最後の労働を終えて部屋に戻ると、扉の前に物憂げな顔のきめぇ丸が立っていた。 「あれ?おねーさん、どうしたんだぜ?」 きめぇ丸はまりさに気づくと、はっとした顔になって、まりさを引き止めた。 「おぉ、おつかれさまです。ごめんなさいまりさ、ただいま取り込み中です」 「ゆ…?」 まりさが怪訝そうな顔で扉のほうを見ると、ガチャリと音がして中からこの店のオーナーが姿を現した。 「おう、終わったぞ」 「オーナー…」 きめぇ丸がオーナーに近づくと、オーナーは表情を変えずにきめぇ丸に言った。 「あいつは”地下室”行きだ、残念だけどな」 「…!」 きめぇ丸はその言葉を聞いて、表情を曇らせる。 オーナーはそれを無視して、静かに店を後にした。 「ゆっ」 まりさは立ち尽くすきめぇ丸の脇を通り過ぎて、部屋の中に入った。 ベッドの上に腰掛けたれいむは、両手で顔を覆って、嗚咽をこらえながら泣いていた。 「ゆあぁっ!れ、れいむをなかせるなんて、ゆるせないぜ!」 まりさはそれを見て一気に興奮し、れいむに背を向けてオーナーの後を追おうとした。 けれどそれはれいむが伸ばした手に腕を引かれる形でさえぎられる。 「れい…む…」 「おねがい…そばにいて…」 それからしばらく、部屋の中にはれいむの嗚咽だけが響いていた。 まりさは、ただただ泣きじゃくるれいむの隣で肩を抱いてやることしか出来なかった。 れいむが落ち着きを取り戻し、ぽつりぽつりと独り言のように語り始める。 オーナーから聞かされたこと、それはれいむにとって自身の存在を揺らがせるほど衝撃的なものだった。 --------------------------------------- 時間はまりさが部屋に戻る少し前、れいむが指名がかからず部屋で待機していると、部屋の扉が突然ノックされた。 そしてれいむの返事を待たずに、少々乱暴に扉が開けられる。 部屋に入ってきたオーナーの肩越しに、心配そうな顔で覗くきめぇ丸が見えた。 扉が閉められると、部屋に重たい緊張感が満ちた。 オーナーは黙って部屋に備え付けられた小さな椅子を引いて、れいむの目の前で腰掛けた。 「よう、れいむ、久しぶりだな」 「おひさしぶりです…」 予想していなかった訪問者に、れいむが気まずそうに目線をそらす。 「お前、なんで俺がここに来たか、わかってるな」 「それは…」 言葉を濁すも、れいむは本当はわかっていた。 きめぇ丸からこの頃、頻繁に成績不良についての警告を受けていた。 それでも一度落ちてしまった信用を取り戻すことは簡単ではなく、かつ、なおもれいむの奉仕には以前ほどの真剣さは戻らなかった。 「お前、やる気あるのか?このままだったら、わかってるんだろうな」 「ゆ…れ、れいむはおにいさんがむかえにくるまでは…」 「あ?」 お兄さんが迎えに来るまではここで一生懸命働かなくちゃいけない。 そう伝えようとする途中、オーナーは怪訝そうな表情を浮かべた。 「お前何言ってるんだ?」 「ゆ…?」 「お前もしかして、まだそんなこと信じてたのか?」 今度はれいむが戸惑う番だ、れいむはオーナーの言っている意味が理解できなかった。 半ば呆れたように大きくため息をついてから、オーナーはれいむに言い放った。 「お前を連れてきた男、あいつは調教用ブリーダーだよ」 「え…」 れいむは一瞬頭の中が真っ白になった。 「ちょーきょー…ぶりー…だ?」 オーナーの言っている意味がわからない、”理解したくない”。 「頭の悪いゆっくりにもわかるように言うとだな、お前は優秀だから買われて セックスがうまくなるように調教されて、そしてこの店に売り飛ばされた、そういうことだよ」 「!!!う…うそです!だって!だっておにいさんは!!!」 れいむは声を荒らげ大声を上げてオーナーの言葉を否定する。 そうしないと自分がバラバラになってしまいそうだった。 「おにいさんはれいむのことかわいがってくれて!」 「嘘だ」 「おにいさんはっ…!れいむのことだいすきだよっていってくれて…!!」 「お前の能力を磨くための嘘だ」 「おに…さ…ひぐっ……むかえに…きて…くれるぅっ…てぇ!!!」 荒らげる声に、徐々に嗚咽が混じっていく。 キッとにらみつけたはずのオーナーの顔は、すでに涙の海に沈んでしまっていた。 そしてオーナーは現実というナイフを、れいむの小さな胸に容赦なく突き立てる。 「そんなものはお前の妄想だ、あいつはお前なんか迎えに来ない、もっとも、いつか次のキャストを”納品”には来るかもしれないがな」 「っ!!!!」 れいむはもう何も聞きたくなかった、何も見たくなかった。 ただこのまま自分という存在が消えてしまえばいいとだけ願った。 けれどオーナーは泣きじゃくるれいむの髪の毛をつかんで前を向かせ、言葉をぶつけ続けた。 「まったく甘ちゃんだな、どうしてお前らゆっくりときたらこうアホみたいにポジティブなんだろうな おかげでこっちは喰っていけてるわけだけど、それでもお前みたいな客も取れないのを生かしておく必要なんて これっぽっちもないんだ、お前にはもう少しだけ金を稼いでもらうぞ」 そういうとオーナーはれいむをベッドに突き倒して、椅子から立ち上がって背をむけて吐き捨てた。 「”地下室”行きだ、精々最後くらい幸せになれるように、神様にでも祈っとくんだな」 もうれいむは最後のほうはオーナーの言葉に耳を傾けていなかった。 けれど襲ってくる音の暴力が、か弱いれいむの心をガリガリと音を立てて削っていく。 オーナーが部屋を出て行くのも確認せず、れいむは両手で顔を覆って、ただただ自分の不幸を呪っていた。 --------------------------------------- 「そんな…」 まりさは一部始終を聞いて、胸が強く締め付けられた。 今まで直接れいむのお兄さんの話は聞いたことはなかったが、その想像を絶する悲しみは、ひしひしと伝わってきた。 「あ…えと…れいむ、”ちかしつ”って…」 ただ一つ、れいむの言葉、そして先ほどのオーナーの口から発せられた、”地下室”という単語が気になった。 れいむはその意味を知っているが口には出したくないのか、口を真一文字に結んで、ぼろぼろと大粒の涙を流すだけだった。 するときめぇ丸が、扉の端から沈痛な面持ちで顔を出した。 「それについては私がご説明しましょう…」 きめぇ丸が苦々しそうに話したその内容は、まりさにとって衝撃的だった。 地下室とは、この娼館の奥、一般客が立ち入り禁止の、特別客用扉の向こうにある暗い階段の向こう。 娼館の裏特別コースである、オリジナルスペシャルコース用の階層のこと。 そこには、主にこの一回フロアで様々な理由で用済みとなったキャストが在籍していた。 そのコースの内容は、まさに何でもアリ。 時間の許す限り、指名したキャストに対して何を行ってもよいというコースだ。 通常コースの何十倍もの値段を支払うことで体験できるその内容は、筆舌に尽くしがたい特殊な性癖を持った人間が行う、 まさに狂気の所業、悪魔の宴とも言えるものがほとんどだった。 言うまでもなく、指名されたキャストには、たとえ再生できないほどの障害を負わされようとも、一切の拒否権はない。 そしてその地下室から出ることが出来るのは、まさに用済みの用済み、キャストの死が確認された時のみという恐ろしい施設だ。 「どうしてそんなことに…ねぇおねーさん!なんとかならないの!?」 まりさが必死で訴えるも、きめぇ丸はただ目を伏せて首を降るだけだった。 「ごめんなさい、オーナーの決定は絶対です…」 「っ!」 まりさは強く奥歯を噛み、どんどんこみ上げてくる悔しさともどかしさをなんとかこらえようとした。 けれどまりさの中で膨れ上がった感情は、そんなことで収まるものではなかった。 「やだ!なんとかする!まりさがぜったいたすけるんだ!」 まりさはれいむの肩をつかんで、引き寄せ、目を強く見つめて言った。 「まりさがれいむをまもる!ぜったいにまもるんだ!だってまりさはとってもつよい”にんげん”になったんだから!なんだってできるんだぜ!」 「ちがうよまりさ…まりさはどうつきの”ゆっくり”だよ…ゆっくりにはなんにもできないんだよ…」 れいむが涙でくしゃくしゃになった顔で無理やり笑顔を作って言う、もうれいむにはなにも信じることなど出来なかった。 「ちがわない!まりさはなんでもできるんだ!ぜったいぜったいれいむをたすけるから!」 ”にんげん””ゆっくり”まりさの中では、すでにそんなことは小さな問題だった。 強い決意を込めて、ぎゅっとれいむを抱き寄せる。 まりさに抱かれ、けれどただただれいむは涙を流し続けた。 きめぇ丸はそれを見て、静かに部屋を後にした。 (だいじょうぶ、ぜったいにだいじょうぶ、ぜったいぜったいだいじょうぶ!) 自らに言い聞かせるように、まりさはただただ呪文のように心の中で繰り返す。 まりさはれいむが泣きつかれて眠るまで、ぎゅっと腕に力を込めてその体を抱きしめ続けた。 続く ご意見ご感想等ありましたら、是非お願いいたします。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/
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・こんなでいぶもありだろうか?まあいいや ・胴つきゆっくり登場 ・ハイスペックなゆっくりが登場します ・前半・後半がくっついています。 ・勢いで書いたので所々おかしい そのれいむは本ゆん基準でとてもゆっくりしていた。 れいむにとってはとてもゆっくりしているゆっくりは誰よりも強い… だかられいむがこの世でとっても強いんだ!!一番ゆっくりしていいんだ!! そう考えたれいむは森で暴れたい放題していた。 今までドスと対峙した事もなければドスに関する知識もない。 ドスという存在を知らなかったからこそこのような結論に至ったかもしれない。 『れいむがいちばんゆっくりしているんだ!!』と言って飛びかかってきたでいぶはれいむの こん棒(実際は贅肉が垂れまくった腕)のような腕で殴り殺した。 最後の断末魔すら認めない…何故なられいむが一番強い。だからそれ以外にゆっくりする義務なんてない!! 『ぞんなのみどめないんだぜ!!』と言って棒を咥えて襲いかかってきたゲスまりさは れいむの大木(実際は贅肉がたっぷりついた)のような足で踏み抜いた。 最後の断末魔を上げる暇さえ認めなかった…何故なられいむが一番ゆっくりする資格がある程 強いからだ。 『ゆうかのおはなさんをもっていかないでぇぇぇ!!』と言ってれいむのごはんを横取りしようといした ゆうかを全身を使って弾き飛ばした。これで少しは従順になるだろう。 なぜそんな事が認められるのか?…それがれいむがこの世で一番強いからだ。 だからもっともゆっくりする資格があるのだ。 かくしてれいむは頭と胴体を駆使して森の主に君臨していた。 森のあらゆる生き物(といってもゆっくりしかいない)を従え、だれよりもゆっくりする。 正義の味方!!でいぶ!? れいむはその日もゆっくりしていた。その朝の日はまずゆっくりと起き、 それから腹を空かしたもっともゆっくりする資格のないゆっくり達の目の前で 美味しそうに、ゆっくりとごちそうを食らっていった。 はら一杯食べるとお遊戯と称して体の弱いゆっくり、未熟児を遊び台にしていたぶった。 「ゆらゆらぁ!!れいむのせかいさいきょうのらっしゅはどう?くるしい?ゆひゃひゃひゃひゃ!!」 「もっど…ゆ…」 「ゆぅ?もうおわり?さいきんのどれいどもはほんとうにゆっくりするしかくなしだね!! れいむがいんどうをわざわざわたしてあげたからあのよではすこしはゆっくりできる… わけないよね!!どれいはどこまでいってもどれいだもんね!!ゆひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 そういいながられいむは高笑いをした。 そして最後に残った子ぱちゅりーを拳で粉砕しようとしたその時だった。 「れいむざまぁぁっぁ!!だいべんでずぅぅぅうぅぅぅ!!」 森の随所に立たせた監視ゆっくりの内の一匹が飛び込んできた。 そのまりさは全身がまるでゆっくり出来ない目に合ったかのような体をしていた。 「ゆん?どうしたのどれい?」 「ゆっくりできないやつが…」 ドゴォ!!「ゆべぇ!!」 「よわくてゆっくりするしかくもないげずがなれなれしくゆっくりできないなんてつかわないでね!! またいったらこんどはえいえんにゆっくりさせるよ!!」 「ゆ、ごめんなさいなんだぜぇぇぇ!!だがらえいえんにゆっぐりだげはぁぁぁ!!」 ギロリ!!「ゆひぃ!!」 れいむの鋭い眼光に睨まれ怖気付くまりさ。 れいむはそんな事を気にしようとはせずに続けた。 「そんなのどうでもいいからちゃんとほうこくしてね!!」 「ゆ…ゆ…、おっきなきさんのほうから…ゆんと…ゆん!!へんなやつがきたんだぜ!!」 「へんなやつ?」 「そうなんだぜ!!そのへんなやつがまりさたちをゆっくりできなくさせて…」 「ゆっぐりしねぇ!!」「ゆぼぉぉぉぉ!!」 まりさはれいむの蹴りによって即死した。 「ゆん!!これだからあんこのうなげすは…。ゆっくりするしかくがあるのはれいむだけなの!! おまえたちはゆっくりするしかくもないよ!!」 れいむはそう一瞥すると、側に控えさせていたゆっくりにゴミ始末を命じた。 側近が掃除をしている最中、れいむは考えていた。 あのゲス共でも他のゆっくりする価値もないゆっくり共と違って 多少はゆっくりする価値があるはず。それをあそこまでボロボロにできるということは… それなりに奴隷として使い道があるとゆうことだね!! ゆん!!決めた!! 「おいどれい!!」 「ゆひぃ!!な…なんでしょうか…」 「れいむはこれからへんなやつをせいっさいしにいくからるすばんしててね!!」 「ゆ…ゆひぃ!!わ…わかりました!!」 奴隷のゆっくりにとりにそう命じるとれいむはその足でおっきな木がある方角へ向かって歩き出した。 歩く事30分… れいむは目的地に着いた 「ゆぅん…なかなかつかえそうなどれいだね!!」 そこにはゆっくりの中身が大量に散乱しており、そこを中心にするように監視に付けていた ゲスゆっくりの皮が散乱していた。 れいむはこれから奴隷にするやつがこいつらよりは使えそうな事を確認すると思わず笑みを浮かべた。 これだけつかえそうならいろんな使い道がありそうだ…いまから楽しみだ… そう考えながらていると奥の方から何かが動いている音が聞こえた 「ゆん?あそこか!!」 れいむは長年この一帯のボスとして君臨してきたその感でターゲットの所在地を把握するとかけだした!! その速さ、ゆっくりの二倍にして人間の二分の一!! 怪しい影を見つけるとれいむはそいつの目の前に踊り出た!! ザザッ!! いきなり現れたれいむにその変な奴は驚いたようだ。 だがそんな事れいむの知った事ではない!!先手必勝だ!! れいむは飛びだしたその勢いを殺すことなくそのまま変な奴の顔面に膝を繰り出した。 ドゴォ!! クリーンヒット!! れいむの膝は変な奴の顔面に直撃した!!今まで多くのゆっくりの戦意を奪ってきた強力な この飛び膝蹴りの直撃を受けて生き延びたゆっくりなどこの世に… 「いきなり何をするこの悪の手先め!!」 だがその変な奴はひるんだ様子もなく、れいむの腹に拳を打ち込んだ!! ドン!!「ゆぼぉ!!」 変な奴の拳を碌にガードも出来ずにモロに食らったれいむはそのまま3メートル程飛ばされた。 「ゆぐぅ…」 赤く、そして熱く焼けるような痛みがれいむを襲い、れいむは少し餡子を吐いてしまった。 そして未だに痛む腹を押さえながられいむはゆっくり立ちあがった。 視界が痛みのあまりに歪んで見えるが、れいむをここまで吹き飛ばした変な奴の 姿が見えた。れいむは痛みに耐えるように声を上げる 「おばえは…だれだ…」 れいむは腹を押さえながら声を上げた。 もう一人の方はヘンなポーズを取りながら名乗り出した。 「私は、正義の味方!!仮面お兄さん!!罪のないゆっくりの救いの声を聞き、今ここに登場!! 貴様だな!!悪の親玉ゆっくり胴つきでいぶは!!何の罪もないゆっくりの代わって!!制裁だ!!」 まるでどこかの戦隊物のヒーローのようなポーズを取る仮面お兄さん。 まあ格好からして明らかにどこかの戦隊物のコスプレをしているお兄さんだったが。 れいみは腹の痛みが少しマシになったのか仮面お兄さんの顔を睨みながら言い放った 「ふざけるな!!もっともゆっくりするにたるでいぶがもっどもゆっぐりじでなにがわるい!! れいむはもっともゆっくりしているからもっともつよい!!だからおばえなんてがんだんに せいっさいできるんだぞぉぉぉ!!いばないてでいぶにあやまっでどれいになるとちかうなら はんっごろしでかんべんしてあげるよ!!」 れいむの頭の中ではもうすでに不意打ちに失敗したことなど完全に消え失せていた。 今頭にあるのはなかなか使えそうな奴隷が目の前にいることだ。 「やれるものならやってみろ!!正義は我にあり!!とう!!」 「ゆぅぅぅぅ!!でいぶさまがてかげんなしでちょうっきょうしてやるぅぅぅ!! かくごしろぉぉぉぉ!!」 二人の戦いは始まり… 「ふん!!」「ゆべぇぇぇ!!!」 一瞬で終わった…。 仮面お兄さんの蹴りは完全にれいむの胴体に直撃し、れいむの体を10メートル程吹き飛ばした。 その蹴りは、バイクが大好きなヒーローの決めわざと酷似していた…。 「どうした悪の親玉め!!これでおわりか!!」 仮面お兄さんの頭にアドレナリンが駆け巡りすぎておかしくなっているのか、 完全にヒーローになりきってノリノリになっていた。 れいむは10メートル程離れた大きな木にもたれかかるようにぐったりしていた。 普通のゆっくりなか今の蹴りで死んでいただろう…だが!! 「ゆ…ゆっぐ…」 れいむは体がフラフラになりながらも立ちあがった。 だがその体は見るも痛々しいような状態だった。 腹の一部は仮面お兄さんの蹴りに耐えきれなかったのか餡子が少量出ており、 口からも餡子を吐いていた。 普通の胴付きならこんな大けが負ったら死にはしなくても身動きが取れなくなる程の大けがだ。 「れいむは…とってもつよい…だがら…だがら…いっばいゆっぐりじで…いいんだ… ぜっだいに…どれいなんがに…ならないよ…」 れいむはブルブルと震える足をこらえながらも立ちあがった。 その様は今にも倒れそうなマッチ棒のような姿だった。 その姿に仮面お兄さんは感激したかの様な声で高らかに叫んだ。 このれいむに何かを感じたのか、仮面お兄さんはれいむに追撃をかけようとはしなかった。 だが、正義のヒーローとしては引く訳にはいかない。 「良かろう!!来い!!」 …一時間後… れいむは仮面お兄さんの足元で倒れていた。 「ゆはぁ…ゆはぁ…ゆはぁ…ゆはぁ…」 息はしているがその体はほっておいたら確実に死ぬであろう程の大けがだった。 腹の傷がさらに広がり、体の至るところから餡子が漏れ出している。 あの後れいむは震えながらも一歩ずつ仮面お兄さんに歩み寄って行きお兄さんに攻撃を仕掛けた だがれいむの攻撃はまるで小さな饅頭が体に当たったかの様な程度にしかならず、 仮面お兄さんは何かに取りつかれたかのように殴り続けるれいむはずっと見続けた。 そして一時間が経過する頃に、れいむは力尽き倒れた。 一発一発拳を打ち込んでいく度に仮面お兄さんのアーマーの棘がれいむの体に切り傷を付けていき 動けば動くほど腹の傷が広がっていった。 「どうだれいむ、これが正義の力だ。ゆっくり理解したなら今後は他のゆっくりを奴隷にしないで」 「ぞんなごど…ぎげるか…」 れいむが仮面お兄さんの話に割り込むように語りだした 「れいむは…あかちゃん…のごろがら…どれいあづがい…ざれで…ぱぱ…やままからも…はなされて… おねえじゃんも…げずどぼの…ぼーるざんに…ざれだ。 でぼ…どうさんが…はえでがら…どでもゆっぐり…でぎるように…なっだ。 どんなげずがら…も…ばがにざれない…。 ぼがの…あがぢゃんがらも…どれいだがらっで…ばがに…ざれない…。づよぐ…なっだがら…だぁぁ…。 づよぐ…なっだら…みんな…ぺこぺこ…して…ごはんを…けんっじょう…じだよ… みんな…れいむの…おねがいを…きいてくれる…ようになっだ…よ… だがら…づよい…ゆっぐりが…ゆっぐりじでいいんだぁぁぁぁぁぁ!!… でいぶはづよいんだぁぁ!!づよいがらごごまでゆっぐりずるげんりがあるんだぁぁ!! よわいやづはみんなごみなんだぁぁぁ!!だのにおばえはどうじでぞんなにづよいんだぁぁ!! ぞんなにづよがっだらもっどゆっぐりでぎるのになんでじないんだぁぁ!! なぜだぁぁぁぁぁぁぁ!!」 れいむは慟哭した。おそらく自分の絶対的信条だった物を完全に打ち崩されたからだろう。 もっともゆっくりできるものはもっとも強い…このお兄さんはこんなにゆっくりしていないのに なんでこんなに強いの?なんで!!なんでぇぇぇぇ!! じゃあれいむはゆっくりする資格なんてないのぉぉぉぉ!! 大粒の涙を流しながら仮面お兄さんに向い叫ぶ。 仮面お兄さんは仮面を外すと、ただ無言でれいむをおぶった そしてれいむの顔をじっと見てこう答えた 「それはなぜか?その答えは俺がゆっくりじっくり教えてやろう」 れいむはここで意識を失った。痛みに耐えきれなくなったからだろう。 お兄さんはれいむを担いだままそのままどこかへと消えて行った。 それから数日が立つ頃には奴隷のようにこき使われていたゆっくり達は 急にいなくなったれいむに対して言いたい放題言うと思い思いに散らばって行った。 奴隷として扱っていたゆっくりのほとんどがゲスやでいぶばかりだったためかれいむがお家と していた所を中心に民家や他のゆっくり等に多大な被害が発生した。 留守番を承ったあのにとりは何処かにいなくなり、れいむのお家だった所は完全に廃墟となった。 今ここに、れいむの王国は完全にこの地上から消え去った…。 それから3カ月の月日が流れた… 「ゆんゆん!!さあおちびちゃんおとうさんがかえってきたよ!!」 「ゆわ~い!!おとうさんがかえってきたよ!!」 どこにでもあるゆっくりのお家にどこにでもいるゆっくり一家がいた。 構成は父親まりさに子まりさ、母親れいむは不慮の事故で永遠にゆっくりしていた。 朝は一緒にお歌を歌い、昼には父親まりさは狩り行くという生活を送っていたが家族仲は 非常に良く、まさに理想のゆっくり家族だった。 帰ってきた親まりさは今日の獲物を食卓に並べ、早速おちびちゃんと一緒に食べようとした。 「おちびちゃん、ゆっくりごはんをたべようね!!」 「わ~い!!いちゃだきまちゅ!!「まってね!!」ゆ?」 まりさ一家がご飯を食べようと大きな口明けたその時を待っていたとばかりに横から声が聞こえてきた。 一家が声の方を向くとそこには一匹のゆっくりがいた。 茄子型の体、ふてぶてしい顔をさらにふてぶてしくした顔、やたらとうるさい声、 それは間違いなくでいぶだった。 「でいぶのごはんさんをかってにたべないでね!!」 この言葉にまりさ親子は言葉を失った。 このごはんはさっき親まりさが狩りに行って取って、帽子の中に入れ、家に帰ってから帽子の中身を広げたばかりだ。 まちがいなく親まりさがとってきた食糧だ。 「なにいっているの!!これはまりさが「うるさいよ!!」」 「でいぶのごはんどいっだらでいぶのごばんざんなのぉぉぉぉぉ!! ぞんなごどもばがらないのぉぉぉぉぉ!!ばがなのぉぉぉ!!じぬのぉぉぉぉ!!」 でいぶは怒り狂った顔でぷくーをした。 でいぶ自体はゲスゆっくり以上に性質が悪く、殺ゆっくりも「自分が間違いなく正しい」 という意味不明の理論から一切ためらいもせずゆっくりを殺す。 親まりさはその非常に大きく、そして禍々しいしいぷくーに恐怖を覚え、 しーしーをもらしてしまっていた。 恐怖に怯えきったまりさは命だけでもと思い、必死に言葉を紡いだ。 「ゆっぅぅぅ…ずみまぜん!!でいぶざまのごじょぐじをうばっでずみまぜんでじだぁぁぁ!!」 「おとうさん!?」 ここまできたら親まりさは止まらない。 「ばりざはでいぶざばのぼじょぐじをどっだげずでずぅぅぅ!! でぼ、ぜんぶおちびちゃんのだめにやっでぎだんでずぅぅぅ!! だがら、いのちだけは!!いのちだけはぁぁぁぁぁ!!」 親まりさは内心せっかくとってきた食糧をこんなでいぶに奪われる事に憤りを感じていた。 だが、でいぶは普通のゆっくりよりいくらか大きい体格を有しており、 単純な戦いでは普通のゆっくりが勝てる要因など一切ない事を知っていた。 こんなところで死にたくない!!親まりさにとっては苦渋の選択であっただろう… 「ゆん!!そこまでいうならせいっさいはかんべんしてあげるね!!でもまたやったらゆるさないからね!!」 「ばいぃぃぃぃぃ!!ありがどうございばずぅぅぅぅ!!」 親まりさは命が助かった事に安堵し、涙を流した。 子ゆっくりにとっては到底認められないことであったろうが、 親まりさは必死に自分の可愛い娘を宥めることしかできなかった。 「さーてとさっそくむーしゃむーしゃす「そこまでよ!!」ゆぅ?」 でいぶはお家の外から声がしたのを聞いた。 なんだ今の声は?と考えながら外の様子を確認しようとしたその時であった。 ガシ!!「ゆぅぅぅぅ!!」 お家の外から細長い腕のような物がれいむの頭を掴んだ。 頭を掴まれたでいぶはそのまま細長い腕によって外に放り投げられた 「ゆわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」 れいむはお家から3メートル程投げ飛ばされた。 飛ばされたれいむは顔から着地したれいむはいそいそと体を器用に使って起き、 声のする方を向いた。 「ゆっくりのご飯を横取りし、拒否するゆっくりは制裁という名の処刑。 ゆっくりはそれを…『でいぶ』という」 「ゆぅぅぅ!!だれだおばえは!!」 れいむはそう言いながら声の主を見た。それは…もっとも会いたくないあのゆっくりだった 「貴様に名乗る名前はない!!」 名乗りを上げると同時にそのゆっくりは駆け出した。 そしてそのまま勢いを殺さずにれいむのアナル辺りから蹴りを入れた 「ゆぼぉぉぉぉぉ…」 吹き飛ばされるれいむ…だが攻撃が終わった訳ではない。 そのゆっくりはれいむが墜落する辺りに一気に回り込み、そのままれいむのあんよ目掛けて さらに蹴りをいれる 「シュート!!」 「ゆぶごぉぉぉぉぉぉぉ…」 そして真上に飛ばされるれいむ。 れいむが空高く吹き飛ばされたのを確認すると、そのゆっくりは手を手刀の形にし 落ちるタイミングを測って気合を溜め始めた。 「ゆおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 気がますます高まっていく…。 そしてれいむがそのゆっくりの前を通過するかしないかというタイミングでそれは繰り出された 「必殺!!ゆっくりフィンガー!!」 同時に手刀がれいむのまむまむに無理やり突っ込まれた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!…ばむばむがぁぁぁぁぁ!!」 そのゆっくりの腕ごとはいったれいむのまむまむはもう二度と使いようがないぐらい拡張されてしまった。 広がりに広がりきったまむまむから餡子がこぼれ出る。 「ゆぎぎぎぎぎ…どっどどまむまむがらぞのぎだないのをどれぇぇぇぇぇ!!」 そのゆっくりは聞く耳持たずと言わんばかりの態度を取った後、 れいむを高く上げた 「ゆっくりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」 腕をグルグル回し始めた!!れいむは目を回し始め、こぼれ出るうめき声も嘔吐に近い物になってきた。 「エンド!!」 れいむは近くにあった木に思い切り叩きつけられた。 れいむは遠心力とその力に耐えきれずに全身から餡子を吹き出して死んだ。 目玉が飛び出て、歯が辺り一面に飛び散り、断末魔すら上げる暇すら与えなかった。 そのゆっくりは敵が死んだことを確認すると、森の奥へと姿を消していった… 「おとうしゃん…あのれいむは?」 「おちびちゃん…とってもつよくて…とってもゆっくりしているゆっくりだったね」 「…ゆん!!そうだね!!」 「でもあのれいむは…ゆ!!こ、これはいちだいじだよ!!」 命が助かった父まりさは大急ぎで近所のゆっくりにふれまわった。 あのとてもゆっくりしていないれいむが帰ってきたと… 「ゆん!!今戻ったよ!!」 「おう、お帰り」 「おかえりなさいませ」 れいむは元れいむのお家だった廃墟で待っていた二人にそう答えた。 あの仮面お兄さんと、今では胴つきとなったあのゆっくりにとりだった。 「初陣はどうだった?うまく家族を救いだせたか?」 「ゆん!!れいむはうまくあの家族を助けたよ!!」 「よしよし、どうだ?ゆっくりできるか?」 「ゆん…まだゆっくりできるか実感がわかないよ…」 少し戸惑うような顔でそう答えたれいむに、仮面お兄さんは頭を撫でてやった。 「まあお前の場合前科がかなりあるからな。しばらくゆっくりは出来ないが 必ずとてもゆっくりできるようになる」 仮面お兄さんはそう優しそうにいった。 れいむはそれを聞いて満足そうにうなずいた。 仮面お兄さんは自分の好きなヒーロー物のコスプレをして悪いゆっくりを退治するのが大好きな いわゆる虐待お兄さんだった。 このれいむと会ったのも、元をただせば比較的善良だったゆっくりから聞いた噂話からだった。 とてもゆっくりしていないゲスなでいぶがいると… お兄さんはそのでいぶをたっぷり虐待してたくさんすっきりしようと森に足を入れ そこに件のれいむが奇襲を仕掛けてきた。 明らかに体型はでいぶそのものだったがまさか胴つきだったと思わず、少し躊躇った。 だがその目をみた瞬間お兄さんはただのれいむではない事に気がついた。 そう判断したお兄さんはれいむの様子をただ見ることにした。 仮面お兄さんがれいむを下した後、仮面お兄さんはれいむを家に連れて帰り治療をしたのだ。 最初は「もうどれいになるしかないでいぶをどっどどごろぜぇぇぇ!!」と叫んでいたが 治療が進む頃にはおとなしくなっていった。 治療が済んでしばらくはおとなしくしていたが、時間が傷が塞がって行くにつれて 「でいぶはぼうどれいになんがなりだぐないぃぃぃ!!ごろぜぇぇぇぇぇ!!」 と叫ぶようになり何度も自殺しようとした。 だが仮面お兄さんは自殺しようとするれいむを何度も止めた。 「れいむ?お前はなんでそんなに自殺したがるんだ?」 「でいぶは…でいぶはもっどゆっぐりじでいるばずのおにいさんにまげだぁぁぁ!! だがらおにいざんよりゆっぐりずるがぢがないんでずぅぅぅ!!うずぎだないどれいでずぅぅぅ!! でぼ!!でいぶはぼうあんなゆっぐりでぎないひびをずごじだぐないぃぃぃ!! だっだらじぬぅぅぅぅ!!えいえんにゆっぐりざぜでぇぇぇぇぇぇ!!」 パシン!! 仮面お兄さんは無言でれいむの顔をはたいた。 「れいむ、確かにこの世、特にお前のような野良の世界は弱肉強食の世界だ。 だがな、だからといって強い奴が好き勝手して良い訳がないんだ。 弱い奴は弱い奴なりに身を寄せ合って互いを守ったりするんだ。 確かに俺はお前より強い。だがな、だからといって俺はお前を蹂躙しても良いという訳ではないんだ。 いいか、もっともゆっくりする価値があるやつはそんな暴れん坊な奴じゃないんだ。 みんなと一緒にゆっくりできるように皆を守ろうとするんだ」 「うぞづぐなぁぁぁぁ!!ぞんなやづいながっだぁぁぁぁ!!びんなよわいゆっぐりを ゆっぐりいじめでいだぁぁぁ!!やめでどいっでもぎいでぐれながっだぁぁぁぁ!! どんなにないてもやべでぐれながっだぁぁぁぁ!!おどうざんもおがあざんもどりあげたぁぁ!! ごはんざんもどりあげだぁぁぁ!!」 「だったら!!」 仮面お兄さんはれいむの顔をじっとみた 「お前が皆をゆっくりできるよう守ってみろ。そうしたらみんな奴隷になることなく ゆっくりできるようになる。俺も、お前も」 れいむは涙を流しながら答えた 「ほんと…れいむ…どうさんがなかったときみたいに…どれいにならならくても… ゆっくりできる…ようになるの?」 「ああ、みんなゆっくりできるようになる」 「ほんとのほんと!?れいむ、いじめられなくなるの!?」 「ああ、そうとも」 「ゆ…ゆわぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁん」 れいむはお兄さんの胸に飛び込み、泣き叫んだ。 このれいむは元々言うほどゲスではなかったのだろう。だが、周りのゆっくり達がゲスやでいぶ だらけだったのだろうか、ゆっくりする資格があるゆっくり=強いゆっくりという図式が 出来てしまったのだろう。 その結果がこの考え方だろう。少しでも弱いそぶりでも見せたらその場で襲われる。 胴つきになったおかげで並みのゆっくりより数段強くなった事がこのれいむの 救いだったのだろう。 その後仮面お兄さんはヒーローなりの戦い方を教え、本当のゆっくりを教えこみ、れいむは生まれ変わった。 生まれ変わるためには大変な手間と時間がかかり、協力者としてしてあのにとりを呼び 一緒にゆっくりすることを学んでもらった。 今までジャイアンみたいな生活を送っていたせいかれいむはにとりを良く怒鳴りつけたり 殴ったりしたが時間が経つにつれ回数が減っていき、ついにはにとりを思いやる 事ができるようにまでなっていった。 完全になくなったのを確認すると今度は正義のヒーローの在り方、減量、戦闘訓練を 学んでいってもらった。 それに前後してあのにとりも胴つきに進化し、途中から戦闘訓練のバックアップに努めてもらい 今ではれいむの後方支援や武器の放出までできるようになった。 もちろん、新兵器の開発もできるぞ!! 「さてと、今日からお前はヒーローとして多くの罪のないゆっくりを救っていく。」 「ゆ!!」 「これからは俺の助けや援助なくにとりと一緒にやっていってもらう、いけるな?」 「ゆん!!れいむはこれからにとりと一緒にやっていくね!!」 「よし、にとり、れいむを影で支えてやってくれ」 「ゆっくり理解しました!!」 「「今までお世話になりました!!」」 こうして仮面お兄さんは二人から去って行った。 これから森の平和は二人の手によって守られるだろう…。 と簡単に認める訳にはいかなかった。 仮面おにいさんが育てたかったのはあくまで皆からヒーローとあがめられるようなゆっくりだ。 それがゲスだったでは話にならない。 あくまでこれは仮定だが、お兄さんからすれば我慢ならない事だった。 仮面お兄さんはあるていど二人のアジトから離れたのを確認すると、懐から携帯電話を取り出し 電話をした。 「ああもしもし、おれだけどさぁ」 「うん、そうそう。だからあいつをれいむにぶつけてやってみてくれ」 「シチュエーションは任せる。うんうん、OK。じゃあ頼んだ」 最終試験…開始!! 仮面お兄さんが二人の元から去ってから数日が経った。 基本れいむは何があっても良いように森中を見回り、にとりはアシトで最新兵器の開発に 勤しんでいた。そして何かが起こったら連絡を取り合い、事態の解決に勤めた。 後方支援担当のにとりの支援もあってか最新の情報がすぐにれいむの元に届き、 すぐに対応していった。 にとりがお兄さんの家にいた時に作った無線のお陰だ 徐々に悪いゆっくりを退治していくれいむだったが、れいむ自身はゆっくり出来ていなかった。 助けたゆっくりに感謝してもらう事がほとんどなく、酷い時は石を投げられた。 ただ近くを通っただけでもこの有様だった 「ゆっくりできないれいむはあっちいってね!!」 「ゆっくりできないれいむはまりささまがたいじするよ!!ひっさつ!!まりさすぱーく!!」ポイ!! ヒーローとしての仕事をこなす度にれいむは精神的にこたえていき、アジトに戻っては にとりに不満をぶちまける日々を過ごしていった。 このままゆっくりできない日々がつづくのかなぁ… このままじゃあゆっくりできないよ…本当にこれでゆっくり出来るようになるの?お兄さん? れいむはそう考えていたその時だった。 「ゆぎゃぁぁぁぁっぁあ!!だずげでぇぇぇぇぇぇぇ!!」 悲鳴が聞こえた。れいむは声のする方向へ急行した。 れいむは必死に内の中にあいつを入れないように奮戦していた 「ゆっくりこないでね!!ゆっくりこないでね!!」 今こいつが中に入ったら…れいむのおちびちゃんが殺されてしまう!! れいむは危機感を募らせながら必死に木の棒を咥えて絶対的強者に相対していた。 そいつは…胴があった。そいつは…緑色の髪をもっていた。そいつは… 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえだ…。 ゆるさなえ…希少種と呼ばれるゆっくりさなえの突然変異体である。 普通のゆっくりさなえがゆっくりできない目、とくにれいむ種に死ぬほど酷い目に合うと このゆるさなえになる。 ゆるさなえはれいむ種をいたぶり殺す…簡単に殺してはくれない、死んだ方がましと言われる程 酷い目に合うのだ。 そのためれいむ種にとっては即刻逃げなければ殺されても仕方がないゆっくりなのだ。 れいむはゆるさなえの腕が近づいて来ようとすると口に咥えた棒で刺し、後ずさりする戦法で 必死に洞窟の中にいるおちびちゃんを守っていた。 「おじびじゃんだげはぜっだいばぼるぅぅぅぅぅぅぅ!!」 れいむは涙目になりながら必死に戦う…。 だが、胴があると無しとでは戦闘力が圧倒的に違うのだ。 「ゆぅ…ゆるさなえ」 ゆるさなえは仕方ないといわんばかりの顔をすると近くにあった比較的大きな石を掴んだ。 手ごろそうでちゃんと投げられそうだという事を確認するとゆるさなえは腕を振り回し始めた 「ゆ~る~…さなえ!!」 ゆるさなえが石をれいむ目掛けて放り投げた。大きさはれいむの半分程の大きさだ。 ただぶつかっただけならさほど脅威ではない… だが遠心力を利用してそこそこ速さがついたその投石は直撃したらひとたまりもない!! 「ゆぅぅぅぅぅ!!…ゆん!!」 れいむはこれはまずいと考え石を避けるように右に動いた。 だが、これは罠だった ガシ!!「ゆぎゃぁぁぁぁっぁあ!!だずげでぇぇぇっぇぇぇぇ!!」 れいむはゆるさなえに掴まってしまった。 そう、ゆるさなえは別に当てるために石を投げたのではない。隙を作るために投げたのだ。 れいむは髪の毛を捕まえられた。 「はなじでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえはまずれいむが咥えていた厄介な棒を奪った。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁっぁぁ!!れいむのぼうさんとらないでぇぇぇぇぇっぇ!!」 ゆるさなえは奪った棒を後ろに適当に放り投げ、空いた手をやたらワキワキさせ始めた。 そしてれいむの右目に手を向け始めた。 「な…なにずるのぉ?…いやぁぁぁっぁぁぁ!!やべでぇぇぇぇぇ!!おべべはごようじゃあぁぁぁ!!」 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえがれいむの右目を引き抜こうとした… まさにその時!! シュ!!「ゆる!!」 ゆるさなえは後ろから飛んできた棒を弾き飛ばした。 棒を弾き飛ばしたゆるさなえは棒が飛んできた方を向いた。 そこには一人の胴つきれいむがいた。 「罪のないれいむを見つけては即刻始末する悪逆非道のゆっくり… ゆっくりはそれを…『ゆるさなえ』という!!」 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえは持っていたれいむを後ろに放り投げ、ファイティングポーズを取った そしておそらく「だれだお前は!!」と言ったのだろう。 だがれいむは通じる通じないお構いなしに言った 「貴様に名乗る名前はない!!」 ゆるさなえはれいむの姿を確認すると口元を一回舌でなめて顔を歪めた。 それは最高の獲物を見つけたハンターのような顔だった。 戦いが始まった。 まずれいむがゆるさなえの前に飛び出すとゆるさなえの顔目掛けて拳を打ち込んだ。 「くらえぇぇぇぇぇ!!」 だがゆるさなえはそれを紙一重でかわすとれいむの足に蹴りを入れた 「ゆるさなえ!!」「ゆぐぅ!!」 れいむはバランスを崩し、その場で転んでしまった 「ゆわぁぁ!!」バタン!! だがゆるさなえの攻撃はまだ終わっていない。こけて立ち上がろうとするれいむの頭目掛けて 肘を入れてきた。 よくプロレスで見られる肘技だ。 「ゆるさなえぇぇぇぇぇ!!」 れいむはこれはまずいと見るや否や体をすぐに起こすことを諦め、転がってこの攻撃をかわした 「ゆわぁっと!!あぶなかったよ…」「ゆる!!」 今度は肘うちを食らわせようとしたゆるさなえが地べたに寝転がっている図になった。ゆるさなえより 早く起き上ったれいむはゆるさなえの腹目掛けて踏みつけよとした 「こんどはぁぁぁ!!」「ゆる!!…さなえぇぇぇぇぇぇ!!」 だが攻撃は直撃しなかった。ゆるさなえがれいむの踏みつけを両手で止めとめ、そのまま れいむの足を掴むとれいむをこかせた。 「ゆぐぅ!!」「ゆるさなえ!!」 こかしたのを確認するとゆるさなえはれいむの足を掴み直した後れいむの腰に乗り れいむの太ももをもち体の関節とは逆の方向に曲げ始めた。 いわゆる逆エビ固めだ 「ゆぎぎxぎいgxぎぃぃいぃぃ!!」「ゆるさなえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 このままではいけないと思ったれいむはとっさに砂を掴むとゆるさなえの顔目掛けて投げた 運が良いのかちょうどゆるさなえはれいむの苦しむ顔でも見ようとしていたのか れいむの顔の方を向いていた。 砂がゆるさなえの眼にかかった 「ゆる!!ゆるざなえぇぇ!!ゆるざなえぇぇ!!」「ゆ!!いまだよ!!」 とっさに力が緩んだのを確認したれいむは隙をみてわずかに出来た隙間から逃げ 距離を取った。 一方のゆるさなえは目玉を擦ってようやく砂が取れたらしく、れいむと同じく距離を取り ファイティングポーズを取りなおした。 「ゆぅゆぅ…このゆっくり…とっても強いよ!!」 「ゆる!!…ゆる!!…」 二人はそのまましばらく距離を取ったまま隙を窺いあった。 一方その頃…無線でれいむのピンチを悟ったにとりは大急ぎで現場に急行しようとしていた 「ゆぅ…ゆぅ…れいむが大ピンチだよぉぉぉぉ!!はやくこれを完成させてもって行って」 「ずびばぜぇぇぇぇん!!」ゆ?…気のせいだね!!」 アジトの入口で誰かが声を出した。だがにとりはこのアジトではないだろうと考えた。 このアジトはあの凶悪でゆっくりしていないゆっくりれいむの元居城と事もあってか 今までれいむによって葬られたゆっくりの死臭が至る所にこびり付いており、 胴つきならいざ知らず胴なしのゆっくりには到底耐えきれない臭いであった。 そのこともあってかこの付近のゆっくり達はこの付近には近付こうとはせずここを避けるようになった。 だれも近寄りがたいという事は変にゆっくりに荒らされる事がないという事でもあるため アジトにするにはもってこいな場所だった。 多分空耳だろうと思ってにとりが作業を再開しようとしたが 「ずみまぜぇぇぇん!!おでがいじまずぅぅぅぅ!!だずげでぐだざいぃぃぃぃ!!」 また入口から声が聞こえた。 これは気のせいではなく、ここに用があるに違いないとにとりは判断した 今はれいむのピンチもあるのでここで待ってもらった方が良いだろうと考えたにとりは とりあえずここで待ってもらおうと決め、表にでた。 「ゆ!!いま取りこんでいるの「おでがいじまずぅぅぅ!!ばりさのあがぢゃんをだずげで ぐだざいぃぃぃ!!」ゆ?」 にとりは表にいたまりさに擦り寄られた。 「ゆええ!?ちょっとまってね!!」 「おでがいじまずぅぅぅ!!ばりざのあがじゃんをだずげでぐだざいぃぃぃ!!」 何を言ってもこの調子だった。 こうなっては仕方ないとにとりはまりさの話を聞くことにした。 まりさの方も話を聞くといったら涙目になりながら少しづつゆっくりと落ち着いてくれた 「それじゃあまりさ、詳しく教えてくれない?」 「グスン…まりさのあかちゃんがね…でいぶにさらわれちゃったのぉぉぉぉぉ!!」 「でいぶに!?」 「ゆん…あのでいぶはね…」 まりさはそのでいぶの特徴を語りだした。 そのでいぶは自分の赤ちゃんを目の前でゲスまりさに食べられ、まむまむももう二度と機能 できない程にまで破壊されてしまった。 この時のショックが原因で性格がでいぶ化したのだ。 なにかというとそれは自分の子だと言い張り、ついには自分の子供を誘拐し、それを妨害 しようとする親を殺してしまうのだ。 いままで何度も誘拐された子供を取り合えそうと親達が手を取り合って挑んだが でいぶの持つ圧倒的脂肪の壁と体重になすすべもなく殺されて行ってしまった。 そしてこのまりさはここ最近になってあのゆっくりしていなかったれいむがゆっくりできる ゆっくりになったかもしれないという話を聞き、殺される覚悟でここにやってきたという訳だ。 「…話は良く分かったよ。そのれいむはどこにいるの」 「そのれいむは…『ゆぎぎxぎいgxぎぃぃいぃぃ!!』ゆ!?あのこえのするところだよ!!」 「ということは…あのれいむ!?」 にとりは大急ぎで試作品の新兵器を片手に持った。 「まりさ、お願いちょっと待ってて!!」「ゆっくりりかいしたよ!!」 にとりは大慌てで無線機を手にした。 「急ぐよ!!まりさ!!」「ゆん!!」 一人と一匹は声のした方を大急ぎで駆け出した。 れいむは二人の戦いを横から見ていた。 急に襲いかかってきたゆっくりできないゆっくりとそれと対峙しているれいむ… れいむにとってはどっちが勝っても負けても良いと考えていた。 出来れば共倒れしてくれれば良い…そうすればれいむがゆっくりできるからだ。 勝敗がどちらにせよここにいてはおちびちゃんに被害が出るかもしれない 今の内におひっこししよう… 「ゆ!!さあおちびちゃん!!おひっこししようね!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!ぴゃぴゃぁぁぁ!!みゃみゃぁぁぁぁ!!たちゅけてぇぇぇぇ!!」 「ごんなのどがいはじゃないぃぃぃぃぃぃぃ!!」 「むきゅぅぅぅぅぅ!!おねがいでずぅぅぅ!!みゃみゃのとこりょにかえちてぇぇぇぇ!!」 ゆ?おちびちゃんが何か変な事を言っているよ… あの二人がとてもゆっくりしていないからだね!!でも大丈夫だよ!! すぐにゆっくりできる所にお引っ越しするからね!! 「だいじょうぶだよ!!おひっこししたらゆっくりできるからね!!」 「いやぁぁぁぁ!!ぴゃぴゃのところからはにゃれたきゅないぃぃぃぃぃ!!」 「ちょきゃいはのみゃみゃにあいたいわぁぁぁぁぁ!!」 「むきゅぅぅぅぅ!!みゃみゃぁぁぁぁぁぁ!!」 ゆ?なに言っているのおちびちゃん?みゃみゃはれいむでしょ!! ママに向かってなに言っているの!! ゆ?…れいむの2番目のダーリン(妄想)の子供のぱちゅりー? 「おねがいしますぅぅぅ!!ぱちゅたちをぴゃぴゃとみゃみゃのところにかえらせて ぐだざいぃぃぃぃ!!ごんなどころじゃぁゆっくりでぎないんでずぅぅぅぅ!!」 ゆっくりできない?…ゆっくりできないってどうゆうごどぉぉぉぉぉ!! こんな優しいママと一緒に暮らしているんだからゆっくりできるでしょうがぁぁっぁあ!! ゆ!!…れいむわかっちゃったよ…このぱちゅはゲスなんだね!! ゲスだから他のゆっくりに悪い事をしようと企んでいるんだね!! そんなゆっくりできない事認めさせないよ!!れいむのぼっせーで説得するよ!! 「おちびちゃん…おかあさんといっしょにすごせたらとてもゆっくりできるでしょ? とってもとってもあったかで、とってもとってもゆっくりできるでしょ? だからおかあさんからはなれるなんていわないでね!!」 ここまで言ったんだよ…れいむのおちびちゃんへの愛をたっくさん言ったんだよ!! だから思い直して…「むきゅきゅきゅきゅきゅ!!」ゆ? 「ちがうぅぅぅぅぅ!!ぱちぇのおきゃあしゃまはけんじゃなのよぉぉぉぉ!! あなたのようなでいぶじゃないわぁぁぁぁぁ!!おねがいだがらぱちぇたちをおうちにかえしてぇぇぇ!!」 ゆ?…ごめんねおちびちゃん…れいむの教育が足らなかったんだね… 躾が足らんかったね…たっくさんスーりすーりしてあげなかったらからだね… 何時の間にこんなゲスになっちゃって…お母さん悲しいよ… …お母さんは最後のお役目を果たすね…ふがいないお母さんを許してね… 「ゲズなおちびちゃんはゆっくりしねぇぇっぇぇぇ!!」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!!!…むぎゅ!!」 れいむがぱちゅりーの上にのしかかった。 ぱちゅりーはれいむの体重に耐えきれずにそのま中身のクリームを辺り一面に撒き散らし その場で永遠にゆっくりしてしまった。 ぱちゅりーから放たれたクリームがれいむの顔に付着し、残った子供達の顔にも返り血のように ついた。 まだ幼い子供だったぱちゅりーを殺したれいむはゆっくりと残った子供達の方を向いた。 その顔はとてもゆっくりした笑顔に見えるだろうが、その返りクリームが 逆に残虐さをもの語っていた。 子ありすも子まりさも恐怖のあまりその場で泣くことすらできず、ただ固まっていた 「さあおちびちゃん!!いっしょにおひっこししようね!!おひっこししたら ゆっくりできるからね!!わかったらおへんじしてね!! …なかなかおへんじじないね…もしかしておちびちゃんもげ「とがいばのみゃみゃぁぁぁぁぁ!! ゆっぐちりがいじまじだぁぁぁぁ!!」「まりざはやざじいびゃびゃとおびっごじじまずぅぅぅ!! だいずぎでずびゃびゃぁぁぁ!!」 ゆん!!とってもいいこだね!!さあおかあさんについてきてね!!だいじょうぶ!! はなればなれにならないようにこうしてあげるからね!!」 そういうとれいむは先端がとがったフックのような物を保管庫から取り出してきた。 フックから後ろには糸のような物がくくりつけられていた。 おそらく最初からこのようにくくりつけられていたのだろう。 「…しょれをどうしゅるにょ!!」「いちゃいこちょはやめてぇね!!」 「だいじょうぶだよ!!ちょっといたいかもしれないけどゆっくりするためにはどうしても ひつようなんだよ!!ゆっくりりかいしたらちょっとがまんしてね!!」 れいむはフックの先端を子供に突き刺さるように思いっきり刺した。 まずは子アりスだ。 「いやぁぁぁぁぁ!!…ゆびぃぃぃぃ!!っちょちょちょtyちょtきゃいはちょきゃいひゃ!! ゆひゃひゃひゃはyひゃ!!ちょきゃいはちょきゃいはぁぁぁぁぁぁぁ!!」 刺し所が思いっきり悪かったようだ。おそらくどこかちゅうすいをやられたのかもしれない。 アリスは意味不明な言葉を叫びながらあっちこっちを飛び跳ね始めた。 さしたれいむはというとどうやら都合の良い解釈をしていた。 「ゆっゆ~ん、そんなにままからはなれたくなかったんだね!! こんなによろこんじゃって…おかあさんうれしいよ!!」 「ゆっぴぐあぁぁぁ!!とぎゃおばぁぁぁ!!とぎゃおばぁぁぁぁ!! ゆっぐじぃぃぃぃぃのびぃぃぃぃぃ!!ずっぎぃぃぃぃぃぃ!!」 まりさはこのアリスの変貌ぶりに恐怖を覚え、もらしーしーをしてしまった。 そして悟った…つぎは自分の番だと!! 「ゆゆ~ん、さあおつぎはさんばんめのだーりん(妄想)のおちびちゃんのばんだよ!! だいじょうぶ!!ちっともいたくないからね!!」 そういうとれいむはフックを咥え、まりさにつき刺そうと構えた。 このままではあのアリスみたいになってしまう!!そう判断したまりさはとっさにれいむに 向かって一歩跳ねた 「ゆわぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「ゆ!!おちびちゃん!!」 グサ!! 「いちゃいぃぃぃぃぃぃ!!」 れいむに向かって跳ねた事が幸いした。まりさは頬の部分に浅くフックが刺さった。 なんとか頬に刺さって大事に至る危険性を避けられたまりさだったが 親れいむは不服のようだ 「おちびちゃん!!うごいたらだめでしょぉぉぉ!!ゆあぁぁ…こんなにあさく ささっちゃって…これはさしなおししない」 「だいじょうぶぢゃよおぎゃあじゃん!!ぼら!!ごんなにぶがぐはいっでいるがら!! ほら!!ほら!!ほらぁぁぁぁぁ!!」 れいむは浅く入った事に不服でフックを抜いて刺し直そうとしたが咄嗟に身の危険を感じたまりさは 必死になって思ったより深く刺さっている事をれいむにアピールした。 れいむはしばらくささっているフックをまじまじと見ていたが、まあ問題ないと判断したのだろう。 れいむはそのままにっこりと笑顔をまりさに向けた 「なんかおもったよりふかくささっているみたいだね!!じゃあそろそろいくよ!!」 「とぎゃいびゃぁぁぁぁぁ!!とぎゃいばぁぁぁぁぁぁ!!とびゃいばぁぁぁぁぁぁ!!」 そうまりさに言うとれいむは糸を口に咥えるとゆっくりと家の裏口からこそりこそりと出た。 途中子アリスが変な方向に行こうとするのを何度も止めたりし、 あんまりに大きな声を上げて叫ぶものだから止めようとしたが碌に言うことを聞かずで苦労したが なんとか脱出する事に成功した。 後は安全な所へ移っておちびちゃんとゆっくりするだけだ!! れいむの狂った思考はすでに明るい未来を構築していた…。 「ゆうぅ…ゆぅ…ゆぅ…」「ゆる…ゆる…ゆる…」 二人は互いに息をしながら今もなお相対していた。 れいむが一歩踏みだし拳を入れようとしたらゆるさなえはそれをかわして逆に隙ができた腹に蹴りを入れ ゆるさなえが蹴りを入れてこようとしたられいむはそれをかわし、受け身が取れないであろう所に 拳を入れる…まさに一進一退!! 「ゆぅ…このゆっくりとってもつよいよ!!」 「ゆるさなえぇぇ…」 どうしたものかと考えたその時、無線から声が聞こえた 「れいむ!!大丈夫!!」 にとりの声だ!!れいむはなかなか連絡が来ない相棒の声を聞いて少し落ち着いた そして隙を見せないようにゆるさなえと向いあいつつ耳に神経を向けた 「にとり!!れいむは今大ピンチだよ!!だからあれを!!」 「わかっているよ!!それは良いとしてまだそこにれいむはいる?」 そう聞かれてれいむは神経を研ぎ澄ませ、他のゆっくりの気配を感じ始めた。 今この近くにいるゆっくりは…自分とゆるさなえ ここに近づくゆっくりが二体…内一体はにとりだ、でももう一匹は分からない ここからゆっくりと遠ざかるゆっくりがいる…三体だ。おそらくこれだ!! 「にとり!!あのれいむはここか…」 「ゆるさなえ!!」 れいむは一瞬顔をしかめてしまった。 ゆるさなえに感づかれたのだ。自分が今他の事に少し気を使った事を。 眼前にまで接近して、歪んだ笑顔のままとびこんできたゆるさなえ… れいむは大急ぎで腕を構えようとした…だが遅かった 「ゆるさなえ!!」 「ゆぐぅ!!」 ゆるさなえはれいむの腹目掛けて蹴りを入れた。 碌に受け身も防御も出来なかったれいむは数メートル程吹き飛ばされてしまった。 「ゆぶぅ!!」 地面に転がるれいむ。痛みがれいむの腹を中心にれいむを襲う。 反射的に腹を押さえているが、頭の中ではここままではいけない!!早く立ち上がらねばと考えてはいるが ここでもれいむは行動が遅かった 「ゆるさなえ!!」ドン!! 「ゆぼぉ!!」 ゆるさなえがれいむの腹目掛けて飛び乗ってきたのだ。 れいむは何の抵抗らしい抵抗も出来ないままゆるさなえに身動きを封じられた。 痛む腹にゆるさなえの体重がかかり、痛みがさらに増幅される いけない!!このままではまずい!! 「ゆぐぅおぉぉぉぉぉ!!ゆぐおぉぉぉぉぉ!!」「ゆるさなえ♪ゆるさなえ♪」 れいむは必死になってゆるさなえを振りほどこうとするがゆるさなえが思いの他重く この全く振りほどけない。 無駄無駄と言わんばかりの笑顔でゆるさなえは背中から何かを取り出してきた アレは…お祓い棒だ!! そのお祓い棒は警棒とほぼ同じ程度の長さではあったが、先端がとがっていた おそらく自分で先端をとがらせたのだろう。 「ゆわぁぁぁっぁあ!!ゆぐぅぅぅぅぅ!!ゆぐぅぅぅぅぅ!!」 「ゆ~る~さ~な~え♪」 れいむはゆるさなえの武器に恐怖を感じ、必死になるがやはり無駄だった ゆるさなえはさあて楽しみましょうかと言わんばかりにお祓い棒の先端を舌で舐め、両手で お祓い棒を持つと尖った先端をれいむに向けて大きく構えた 「ゆるさなえ♪」 そしてある意味狂気に歪んだ笑顔を浮かべると武器を思いっきり振り下ろ… 「だめぇぇぇぇぇぇぇ!!」ドン!! 一瞬だった。 おそらく二人とも相対している敵に集中しすぎていたからだろう。 ようやくたどり着いたにとりが手にもっているれいむ用の新兵器でゆるさなえの頭を 思いっきり殴ったのだ。 「ゆ…るさ…な…」 ゆるさなえはあまりの一瞬の出来事に何も対応できず、手に持った武器を落としその場で意識を失った。 「れいむ!!大丈夫!!」 にとりはれいむに近づいてきた。倒れこんでいたれいむをにとりは手を差し出して起こさせた。 れいむは腹の痛みがまだ厳しいものの立てぬ程ではなく、どうにかフラフラになりながら立った 「ゆぅん…ありがとうにとり…助かったよ…」 「こっちこそ遅れてごめん!!とりあえずあのれいむは今どこ!!」 「そうだよ!!まりさのおちびちゃんはどこ!!」 少し遅れてやってきたまりさが言う 「にとり、このまりさは?」 「ゆん、えっとね…」 にとりはれいむにかいつまんで今までのいきさつを説明をし始めた。 れいむは驚いた顔をしながら話を聞いていた 「そんな…れいむは知らぬこと事とはいえでいぶを助けていたなんて…」 「しょうがないわ、ゆるさなえみたいなゆっくりに遭遇したらどんなゆっくりだって ゆるさなえに襲われているって判断して襲われているゆっくりを助けるよ!!」 「…今からでも遅くないよ!!あのれいむを追って子供たちを助けるよ!!」 「ゆっぐりおでがいじまずぅぅぅ!!ばりざのあじびじゃんをだずげでぐだざいぃぃぃ!!」 れいむは大急ぎであのれいむの後を追おうとした だがにとりが制止をかけた 「ちょっと待って!!」 「ゆ?何にとり!!れいむは急がないと…」 「これを持って行って、さっき完成したれいむ専用の武器よ!!」 「…ありがとうにとり、れいむが戻ってくるまであのゆるさなえを見張ってて!!」 「ゆっくり理解したよ!!」 「まりさもいくよ!!」 今度はだれにも邪魔されることなく、れいむはあのれいむの後を追い始めた まりさは少し後ろを跳ねるようについていこうとするが、 やはり身体能力でどうしても差が出るらしく段々差がついてきた 「まっでぇぇぇぇ!!ばりざをおいでいがないでぇぇぇぇ!!」 「ごめん!!今そんな余裕ないよ!!」 「追いつければ良いけど…」 一人と一匹が段々小さくなっていくのを見送ったにとりはあのゆるさなえはまだ倒れているかなと 考えながら後ろを振り向いた 「ゆぅぅうぅぅ!!」 だがそこにはゆるさなえの姿がなかった。 「ゆぅぅ!!どこ!!どこにいったの!?」 にとりは作業に使っている工具品を両手に持ちながら辺りを見回した。 だがどこにもいない…。 「ゆぅぅぅ…こわいよ…お兄さん…れいむぅ…」 ここにはいない二人に助けを求めるように声を上げるにとり。 だが、恐怖心を抱いている事をどこに潜んでいるかも分からないのにゆるさなえに見せつけたのがまずかった 「ゆるさなえ!!」 「いやぁぁぁぁぁ!!来たぁぁぁぁぁ!!」 突如ゆるさなえが茂みから飛び出してきた。 にとりは驚き戸惑い、必死になりながら手のもった武器を必死に振り回し始めた。 「いやぁぁぁぁぁ!!来ないでぇぇぇぇ!!」 だがその言葉はゆるさなえからすれば来てくださいといっているようなものだ。 ゆるさなえはにやりと顔を歪めると勢いをさらに増し、にとりに詰め寄ってきた そしてにとりの攻撃を全て避けるとにとりの首元に手刀を打ちつけた 「ゆる!!」「うっ…」 にとりは意識を失った。 「さてと…あのれいむをどう料理するか…お手並み拝見させていただきますね、正義のヒーローさん?」 「ゆ!!さっきのれいむをやっと見つけたよ!!」 先行していたれいむがようやくでいぶに追いついた。 でいぶはフックに巻きつけられた糸を口に咥え、フックの先にいる子ゆっくりがどこにも逃げないように していた。 子ゆっくりは子まりさと子アリスの二体であった。 子アリスは時々体をビクンビクンと震わせているだけで自分から動こうとは一切しなかった おそらく、死後に起こる痙攣を起こしているのだろう。実際に、ありすは死んだ魚の ような目を浮かべていた。 一方の子まりさはフックがついた傷口から幾ばくかの出餡を起こしていた。 通常の成体ゆっくりなら少しめまいがする程度であったがまだまだ体が小さい子ゆっくりには 厳しい量だっただろう、子まりさは意識が朦朧としている状態でただただでいぶに 引きずられているような状態だった。 れいむはでいぶの前に躍り出た。これ以上先に行かせないためだ。 「でいぶ!!おとなしくその子供達を解放しなさい!!」 「なにいっでるのぉぉぉぉ!!ごれはでいぶのおじびぢゃんなんだよぉぉぉぉぉ!! れいむは大きくプクーをして威嚇をした。 今まで見てきたゆっくりの中でも非常に大きいプクーっだった。 だがこんな事でひるむ程れいむは弱くない!! 「こうなったら実力行使だよ!!」 「でいぶはおちびちゃんをまもるよ!!れいむのぼせいのちからをくらえぇぇぇぇ!!」 そういうとでいぶは地面に転がっていた石を口に咥えるとれいむ目掛けて撃った。 その射撃の正確さは恐ろしいぐらい正確で、確実にでいぶの顔を狙っていた。 一発撃てばそれで溜め直す…その隙を!!そう考えたれいむだったがそう甘くはなかった。 「むだむだぁぁぁ!!」 「ゆぶぅ!!」 れいむは一回弾を補給する度に多くの石を素早く補給し、それによって弾を立て続けに撃つことができるのだ。 一回うったら二秒後には弾がきている状況に、れいむは顔を腕でガードするしかなかった。 この技はでいぶが身につけた必殺技の中でも最強の物だ。 これで何十ものゆっくりを永遠にゆっくりさせたものだ。 そのためでいぶはこの技に絶対の自信も持っていた 「ゆぐぐぐぐぐぐ」 一方のれいむは腕でこの投石の嵐を耐えるしか策がなかった。 石は正確にれいむの眼や口を狙っていた。そのため突っ込むに突っ込む事が出来ず、 手をこまねくしかなかった。 「ゆぅぅぅ!!なにか手を…ゆ?」 この時れいむの頭の中にあるものが浮かんだ それは、にとりが持ってきてくれたれいむ専用の武器だ 「そうだよ!!れいむには武器さんがあったよ!!」 そう思いだすや否や左手で眼を守りつつ、右手で腰にさしておいた武器を手にした それは太くて、れいむの腕の長さと同じぐらいある木の棒だった。 ひとつ特徴があるとすれば、完全な円柱の形をしており、はたから見たらバットにしか見えなかった。 れいむはでいぶが口の中に貯めてあった石が尽きたであろうと予測を付けるとバットを両手に 持ち直した。 でいぶは弾が尽き、辺りに転がっている弾を補充している真っ最中だった。 れいむが構え直した頃には弾の補充は終わっていた 「ゆっふふふふふ!!でいぶのじゃまをずるげすはさっさとしねぇぇぇぇ!!」 でいぶはれいむが持ち方を変えて顔を隠そうとしなくなったのを見て もう死ぬ気になったのかと判断し、とどめといわんばかりに一発はなった。 石は一直線にれいむの眼に向かっていった。 れいむは待っていたといわんばかりにバットを構え、もう避けられないだろう という距離まで石が迫った時、れいむは武器を振った かーん!! 武器が石に当たった。石はそのまま一直線にでいぶの頬に直撃した 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!でいぶのおはだぎゃぁぁぁぁぁ!!いじゃいぃぃぃぃぃぃ!!」 でいぶは痛みのあまりに口に貯めていた石を全部吐き出してしまった 「今だ!!」 れいむはでいぶが石を落した事を確認するとそのまま一気に駆け出し、距離をつめた。 そしてその間武器を大きく振りかぶり、でいぶの前で大きく上にジャンプした 「必殺!!」 落下する勢いも味方につけ、武器を振り下ろした 「ゆっくり落としぃぃぃぃぃぃ!!」 ブン!!「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!」 れいむの必殺技はでいぶの頭に直撃した。 れいむは痛みのあまりに餡子を撒き散らし、その場で倒れた。 「ゆ…ゆ…どぼじで…ごんなごどずるの…」 明らかに重傷を負ったでいぶは恨めしそうにれいむを睨めつけた。 一方のれいむは餡子を垂れ流している子まりさの介抱をしていた。 まだ体が丈夫なら助かるかもしれないからだ でいぶの悲痛な声にこたえるように、れいむはでいぶの顔を見つめ、言った 「なんでかって?みんながゆっくりできるようにするためよ」 この答えに、でいぶは半ばあきれたような顔をしながら答えた。 「なに…いっでるの…でいぶは…おちびちゃんとゆっぐり…じで…いだだげだよ…」 はっきりと答えるでいぶ。だがれいむの質問は終わらない 「ねえれいむ、その子達は本当にれいむの子供?」 「とうぜん…だよ…れいむそっくりなおかざり…だーりんとそっくりな…おかざり… これの…どごがいげないんだぁぁぁぁぁぁ!! ゆっぐりはんぜいじだらざっざとでいぶをだずげろぉぉぉぉぉ!!…ゆはぁ…ゆはぁ…」 でいぶは咆えた。だがれいむは顔色一つ変えずに、子まりさの治療をしながら言った 「それじゃあ聞くね。なんでれいむのお家の裏口にゆっくりのお飾りがたくさんあったの?」 「ぞれば…あのげずどもが…でいぶのおじびじゃんを…うばおうと」 「そう?本当に?…じゃあこのお飾りとこのまりさのお飾りをよく見比べてごらんよ」 そういうとれいむは懐からいつの間に手に入れたか分からないおりぼんと 介抱していた子まりさのお飾りをでいぶに見せた。 「うずぎだない…げずの…おがざりざんで…なにを」 「よく見てみなさいな。特に中央の印」 実はあまり知られていない事なのだが、ゆっくりのお飾りのおよそ中央部分に傷があるのだ。 この傷なのだが、良く調べると同じ餡子でつながった姉妹や親子で必ず似たような傷がつくのだ。 「なんか似ていない?」 「…なんかにているね…でも…ぞれはでいぶの5ばんめの」 「だったら普通生まれるのはれいむじゃないの?」 「ゆえぇ!…」 でいぶは思わぬ指摘に驚いた。 だがれいむの言葉は更に続く。 「えっとれいむのおりぼんの印さんは…おやぁ、全然似てないよ」 「ゆえぇ!!」 「まあなかなか自分で見ることなんて出来ないからね」 「うぞだ…うぞだうぞだうぞだうぞだ!! ぞのおじびじゃんはばじがいなぐでいぶのおじびじゃんなんだぁぁぁぁぁ!! まじがいないぃぃぃいぃぃぃ!!まじがいないんだぁぁぁぁぁぁ!!」 傷がさらに開くことなんて一切気にしないかのように叫ぶでいぶ。 そこへようやく子まりさの父まりさがやってきた 「お、おじびじゃぁぁぁぁぁん!!だいじょうぶ!!おどうざんがゆっぐじでぎるようにじで あげるよぉぉぉぉぉ!!」 父まりさは叫びながら自分のこの所へ跳ねていった。 「うん大丈夫だよ、この子まりさはとてもゆっくりできるゆっくりだったから助かるよ」 「ゆ…ゆわぁぁぁぁぁぁ!!ありがどうございまずぅぅぅぅ!!ありがどうございまずぅぅぅぅ!!」 親まりさは子の前だというのもお構いなしに泣きだしてしまった。 だがでいぶにしてみればたまったものではない 「ごのげずがぁぁ…でいぶのおじびじゃんをづれでぐなぁぁぁ…」 今にも消えそうな声で叫ぶでいぶ 親まりさは最初はポカンとした顔で呆然としていたがゆっくり怒りの顔へと変貌していった 「なにがでいぶのおじびじゃんだごので」 「はいはい、抑えて抑えて」 「でぼぉぉぉ!!ごのでいぶぅぅぅぅぅ!!」 「だと思うんなら家族の証を見せつけてあげなさい」 「ゆ!?…ゆっぐりりがいじだよ!!でいぶぅぅぅ!!ごれがあがじだぁぁぁぁぁ!!」 そういうとれいむは手にもった子まりさをれいむが見える位置にまで下げ、それと並ぶように お帽子のおりぼんの印を見せた その傷は…ほぼ一緒だった。 「ゆ…ゆゆ…ゆゆゆっゆっゆゆゆゆゆゆ」 この時でいぶは理解した。 自分が子供だと思っていたおちびちゃん達はみんなれいむのおちびちゃんではない。 そして自分は子を想って救いに来た親達を皆殺しにした そしてそこまでして手に入れたおちびちゃん達が自分に懐かない、逆らったりしたら 制裁という名の元に殺してきた。 あれ…ちょっとまって…これじゃあれいむは…みにくいみにくいでいぶだ… みんながゆっくりできないといって避けてきたあのでいぶじゃないか… お母さんもお父さんもいってたよ…でいぶはゆっくりすることが永遠にできないゆっくりだって… じゃあなに…れいむは…にどと…ゆっくりするかちが…ないってこと? いやだ…いやだいやだいやだいやだおやだいやだおやだいやだいやだいやだ いやだいやだいやだいやだおやだいやだおやだいやだいやだいやだ いやだいやだいやだいやだおやだいやだおやだいやだいやだいやだ いやだいやだいやだいやだおやだいやだおやだいやだいやだいやだ 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごべんなざいぃぃぃぃ!!おじびじゃんをざらっでごべんなざいぃぃぃぃぃぃ!! ぱぱやままをころしてごべんなざいぃぃぃぃ!!おちびちゃんをきずずげでごべんなざいぃぃぃ!! だがらでいぶをゆっぐりざぜでぐだざいぃぃぃぃぃぃ!! ぼがのゆっぐりがらゆっぐりどじであづかっでもらえないなんでやだぁぁぁぁぁぁ!!」 ゆっくりにとって、他のゆっくりとゆっくりする、他のゆっくりにゆっくりしていると 言われる事はある意味生きる糧だったのかもしれない どちらにせよ、このれいむは子供の頃の親の教育によって染みついた ゆっくりにとっての「いきがい」をじぶんがでいぶであるとみなした事で 永遠に満たされなくなるという結論にいたり、自らの罪を悔い始めたのだ。 「ごべんなざい…ごべんなざい…」 「ゆうぅ、もう謝罪の言葉しか言わなくなってきたよ!!どうするまりさ?このれいむを許す?」 れいむはまりさの方を向き、そう言った。 まりさはとりあえず一命を取り留めた子まりさを帽子のつばの上に載せ、少し考えた末にこう 結論を下した。 「…まりさはね…ぜったいにこのれいむをゆるせないよ…まりさのれいむや… まりさのおともだちもみんなみんなえいえんにゆっくりさせたよ… でもね…だからといってまりさもやったら…まりさもでいぶになっちゃうよ… それにね…このれいむはもうわるいことをしそうにないとおもうんだよ…」 まりさは言葉を選びながらそう言いきった。 れいむは思いがけない答えが来て少し変な顔をしたがすぐにいつもの顔に戻った。 「…本当にいいの?」 「ゆん!!」 今度は強く言い切った。 「うん、分かった。まりさはすごいね、れいむなら多分お構いなしにつぶして…ゆ?」 この時、れいむの頭にヒーローとして最もふさわしいあり方が浮かんできた。 今まではゆっくりをゆっくりさせず自分だけ我儘な理由で他のゆっくりのゆっくりを奪ったゆっくりを 問答無用で退治してきたよ。 だけどどのでいぶも、ゲスも、このでいぶのように苦しんだ末にこうなったのかもしれない。 れいむも昔そうだったから分かるよ…お兄さん、そうゆうことなの? 「れいむもありがとう!!れいむがいなかったらおちびちゃんはえいえんにゆっくり していたかもしれなかったよ!! ほんとうにありがとう!!さすがはみんなのヒーローだよ!!」 …そうだよね、みんなでこんな笑顔ができるのが、本当のゆっくりだよね!! 「うんありがとうまりさ!!れいむはにとりが心配だから戻るね!! 一緒に戻る?」 「ゆん!!」 こうしてれいむとまりさは元来た道を戻って行った。 「でもよくまりさのれいむのおかざりさんがわかったね!!すごいよ!!」 「ゆーん、実は適当に掴んだのをそっくりと言い張ったのよ。でもあのでいぶの眼が おかしくなっていてよかったよ!!」 「ぢょっどぉぉぉぉぉぉ!!ちがうっでばれだらどうじだのぉぉぉぉぉぉ!!」 「まあ、その時はその時で」「ヒーローがぞんなごどいっだただべでじょぉぉぉぉぉ!!」 れいむとまりさの顔は、大変朗らかな顔だった。 ピ!ピ!ピ!ピ! プルルルルルルル!! 「ああお兄さん、早苗です。はい、ええ、ちゃんと監視しておりましたよ。 結果?そうですね…ギリギリ合格っといた所です」 「理由ですか?…まず第一に戦い方がいまいち正義の味方っぽくありませんでした。 第二に、明らかに体型があきらかにでいぶなれいむをいち早くでいぶと見抜けなかった。 そしてこれが最大の理由ですが…」 ブン!!ゆぶぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 「悪いゆっくりは即消毒すべきなのにあえてしませんでした。これが主な理由になります。 まあ今私が代わりに始末しておきましたが…」 「はい、何故そんな採点ですかって?…そうですね、依頼人の仮面お兄さんからの依頼が入ってから 今このでいぶを始末するまで一連の行動を見てきましたがでいぶ特有の行動、発言がほぼありませんでした。 また自分が全くゆっくり出来ない状況下でもゲス行為が一切見られませんでした 以上を踏まえての及第点です。これで仮面お兄さんもお喜びになりますね」 「はい、途中でにとりを気絶させてしまいましたがまあ私のお友達に れいむがにとりを発見するまで身辺の警護をやっていただきましたので大丈夫です。」 「はい、では今からお家に帰ります。帰ったら目一杯可愛がって下さいね、では」 ピ! 「うふふ、れいむさん。またでいぶになったらこんどは早苗が始末することになります。 ああ…できたらまたでいぶに戻って下さいね。あなたは…早苗にとって最高のごちそうですから…」 おお、終わり終わり 行き当たりばっかりな感じで書いたので少し展開がおかしくなっちまったよ…
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ゆうかにゃんと色々してみよう! 16KB ※色々注意。 ただゆうかにゃんとニャンニャンするだけのSSです。 山・落ち・意味無し ゆうかにゃんと言うゆっくり(?)がいる。 元々は『ゆっくりの素』という商品が引き起こした事態だったらしい。 ハゲ饅頭の素体に、それぞれの種類・・・例えば「まりさの素」をかけると毛が生え、目の色が変わり帽子まで生えてくるという。 なんとも便利な時代になったものだ。 いつの世も説明書を読まない人間は存在する。 だから「ひとつの素体に複数のゆっくりの素を使わないでください!」という注意書きが無視されるのは時間の問題だった。 最初の例は、まりさ×ありすのまりす。ありすのカチューシャの素材で出来た帽子を被った「まりさっぽい何か」だったらしい。 随分と強力なショットを撃ちそうな名前だがあくまで個人の感想に過ぎないのでここでは触れないこととする。 そんな調子でメガ○ンよろしく悪○合体のノリで次々とキメラゆっくりは作り出されていった。 所謂合○事故なのだが、そんなことは誰も気に留めない。 そしてゆうかとちぇんの組み合わせが試されたというわけだ。 ゆうかにちぇん。 元々人気の高かったこの二種が合体した結果、ゆうかをベースに猫耳と猫尻尾が生えるという個体が生まれた。 それがゆうかにゃんだ。 どうやら猫属性に弱い一般大衆はこのゆうかにゃんをいたく気に入り、ブームはあっという間に広がっていった。 今では(極少数だが)市場の流通に乗り、ペットとしての需要も高まりつつある。 れいむやまりさよりゆうかにゃんを飼う事がステータス。そんな風潮すら生まれてきている始末だ。 さて、ここまで前書きしておいてなんだが、俺は「ゆうかにゃん」とやらがあまり好きではない。 何故かと言えば、なんだか不自然なのだ。 俺は元々ゆうかが大好きで、胴つきのゆうかりんと一緒に同居していたりする。まぁ他にも同居しているゆっくりはいるのだが。 健康的な緑色の髪の毛。透き通った赤い瞳。気位の高い、しかし打ち解ければ信頼しきってくれるその性格。 俺はゆうかのことが大好きだ。俺はゆうかのことが大好きだ(大切なことなのでry)。 しかしそんなゆうかに不純物とでもいえる要素がついている。 まるで駄目だ。そんなのはゆっくりじゃねぇ。 例えるならモナリザの背景にピカソが割り込んできたようなものだ。 と言ったように世間の流行に一人逆らう俺は、今日も一人でゆっくりペットショップへと足を運んでいた。 別に変な用事じゃあない。ただ単に捕食種用の餌が切れたから買い足しに来たのだ。 そしてドアに張られたチラシを見咎める。 『ゆうかにゃん入荷しました』だぁ~? けっ。この店も流行に流されてるのか。この猫好きどもめ!そんなに猫が好きなら猫を飼えってんだ。 ぶつくさ呟きながら、入店する俺。 そして奥のショーケースに、緑髪らしき気配を察知した。 十中八九ゆうかにゃんだと分かっているが、確かめずにはいられないのがゆうか好きのサガである。 送られた視線のその先にはそいつがいた。 赤を基調としたチェック柄のお洋服。 胸元を飾る黄色のタイ。 そして緑の髪、そこにぴょこんと生えた耳。ついでに腰の辺りから尻尾が二本。 見紛う事なき胴つきのゆうかにゃんだった。 初めて実物を見た衝撃で、少しばかり動きが止まる俺。 おいィ!?胴つきだなんて聞いてないよ!!どぼなっでんのごれー!!?ものの見事に錯乱中。 ゆうかにゃんはそんな俺を見て、躊躇いがちにこう言った。 「わかるわー」 目と目が合う瞬間好きだと気づいた。 なにこの子?天使?天使なの?(俺が)馬鹿なの?(鼻血的な意味で)死ぬの? 先入観など容易く粉砕。今俺の心は、まさに天国にいた。 捕食種たちの餌?ええい、そんなもの明日にでも買えばいいだろ! 今大事なのはこのゆうかにゃんを可及的速やかに手に入れることだ。 気付けば俺の他にもゆうかにゃんを狙っている輩がいるのを感じ取る。 させるかダラズ共。ゆうかにゃんは俺の嫁だ!!! カウンターへと跳躍しつつ、不逞の輩に飛び膝蹴りを食らわせる。 いろいろなものを撒き散らしつつ、頭からもんどりうって倒れる不逞の輩。 誰にも俺の邪魔はさせん。例え神であろうともだ。 その後もカウンターへと群がる者どもをなぎ倒しつつ、さっさと店員と話をつける俺。 返り血に染まった俺の形相に、店員のお姉さんも涙目だ。 俺だってこんな客は願い下げだろうなぁ。 幸いにも俺にはゆっくり狩りで鍛えに鍛え上げられたこの身体と、意味も無いほどに溜め込んだ財力があった。 襲い来る不逞の輩の迎撃という所さえ除けば、商談はあっという間に片がついていく。 最も、その間も俺はどんどん返り血に染まっていく。更におびえる店員さん。こいつらも根性あるなぁ。 商談が終わる頃には、店内は屍山血河が築かれていた。 真っ赤に染まった俺の腕の中には、ゆうかにゃんが抱きかかえられている。 こんな状態であるにもかかわらず、ゆうかにゃんは幸せそうに眠っていた。あぁかわいいなもう。 訂正しよう。 ゆうかりんは素晴らしい。そりゃあもう、まるで女神のような美しさだ。パーフェクト。ビューティホー。ブリリアント。 だがゆうかにゃんも素晴らしかった。こちらはまるで天使のような愛らしさだ。プリティー。チャーミー。エクセレント。 俺には優劣を決めるなんて事はできない。たまには猫好きもいいよね! そうして俺とゆうかにゃんの生活が始まったわけである。 ついでに言うなら、帰宅した俺を待っていたのは予想外の出費と血まみれの格好に対するゆうかりんの説教だった。 ここから先はストーリーもへったくれも無いただの駄文が続きます。 ご注意ください。 さて、ゆうかにゃんは一応ちぇん種との混合体なので多分に猫らしい部分を持っている。具体的に言えば猫度72点。某メイド長の3倍だ。 そんな赤い彗星とタメを張るほどのゆうかにゃんに、ひとつプレゼントをしてみたいと思う。 プレゼントの内容は、猫がぐでんぐでんに酔うといわれている・・・・・・マタタビだ。 マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本、別名夏梅とも言われる・・・・・・まぁそんなことはどうでもいいわな。 ちょっとこの前公園に繰り出して採ってきたのだ。 マタタビの実が3つに、枝葉が2本。 紙袋の中に保管中だ。 ちなみに、普通のちぇん種でもマタタビは効果がある。 試しに与えてみたところ見事に酔っ払ったのだ。 ゆうかにゃんは一応ちぇん種の流れを引くことだし、やってみる価値はあると思う。 「ゆうかにゃん!ゆうかにゃんー、おいでー」 畑の方に向かって大声を出す。 確か今はゆうかりんと共に農作業中だったよな。 「おにいさん、なにかごよう?」 てくてくと歩いてくるゆうかにゃん。 一歩ごとに耳はふわりと、尻尾はふりふりと揺れる。 可愛いなオイ。 「ほい」 「??」 紙袋をひらひらとちらつかせる。 ゆうかにゃんは興味を持ったらしく、紙袋から視線をはずさない。 お、なんか勘付いたのかな?寄ってきた。 「ほ~れほれ」 すかさず実と枝葉を紙袋からぶちまける。 縁側に散らばるマタタビ。 「・・・・・・んにゃ」 お、しゃがんでいきなり実を口に持っていく。 でも食べない。かじりもしない。しゃぶってる。弄んどる。 「ん、ん・・・・・・にゃ」 なんかどんどん目がトロンとしてきてる。 しゃがみ続けるのも辛そうだ。あ、尻餅ついた。 尻餅をついた状態でも実を手放さない。しゃぶり続けている。夢中だ。 「あ、ふ・・・・・・にゃっ、んぁ・・・・・・」 倒れこんだ。床に散らばったマタタビの実や枝葉に、身体をこすり付けている。 顔に赤みが差し始め、目の焦点が合っていない。 ちょっと手を伸ばしてゆうかにゃんに触ってみる。 「ん、んん・・・・・・♪にゃぁ・・・・・・♪ゴロゴロゴロ」 おお、擦り寄ってきた。 俺の手にすりすりするかの様に、全身をこすり付けようとしてくる。喉もゴロゴロ鳴ってる。 ヤベェ。可愛い。鼻血でそう。 「あ、ふぁっ・・・・・・は、ふぅっ・・・・・・♪」 そのまま寝返り。 お腹を見せ付けるようなポーズ。身体をくねらせ、ひっきりなしに身悶えている。 完全に出来上がってるな。少し開いた口からは、少量の涎が垂れ始めている。 いわゆるメイテイ状態!!!という奴だろう。 ゆうかにゃんを抱き上げる。 柔らかな感触。ほんのりとした温かみ。ほのかな甘みを伴う香り。 最高だね。もう鼻血出てる。 「おにいさん♪おにいさん~~~♪ゴロゴロゴロ・・・・・・」 普段の態度からは想像もつかないほどに俺に甘えるゆうかにゃん。鼻血増し増しだ。 そのうちくてんと大人しくなってしまった。 何事かと見やると、どうやら寝てしまったようだ。 「むにゃ・・・・・・おにいしゃん・・・・・・♪わかるわぁ・・・・・・♪」 寝言を呟くゆうかにゃんを、そっと床に下ろす。 縁側に太陽の光を浴びてお昼寝するゆうかにゃん。実に絵になるね。 だらしなげに身を投げ出して仰向けでなにやら良い夢を見ているのだろう。 ・・・・・・・・・・・・。 見ているうちになんだかいけない欲望が鎌首をもたげてきた。 ゆうかにゃんも今は寝ている。誰も俺の邪魔をすることは出来ない。 俺の欲望、それは・・・・・・ ゆうかにゃんのおふぁんつ拝みたい。 HENTAIと言うなかれ。 目の前に眠るゆうかにゃんがいたら、誰だってそうしたくなるはずだ。え、俺だけ?知ったことか。 それに最近ある都市伝説がある。 それは『ゆうかにゃんはどうやらノーパンらしい』というなんとも素晴r・・・・・けしからんものだ。 この噂が流れ出した発端が激しく気になるがとりあえず置いておく。 一応俺はゆうかにゃんを養う立場にある。つまり保護者も同然というわけだ。 そして被保護者とも言うべきゆうかにゃんがはしたなくもノーパンの可能性があるという。 これはいけない。保護者として確認しないといけないよね。 気配を殺しきる。 相手はゆっくりとはいえ一応猫だ。迂闊な行動を取ればすぐに起きてしまう。 音を立てないように、そっと、そぉぉぉぉっ・・・・と手を伸ばす。 狙うはゆうかにゃんのチェック柄のスカート。 空気ひとつ乱さずにゆっくり、ゆっくりと近づいていく。 スカートに、指が触れる。 慌てるな。気付かれては全てが無駄になる。 少しづつ、少しづつゆうかにゃんのスカートをつまむ。 後は、これを捲る・・・・・・否、引き上げるだけ。 昔から『たくし上げ』が好きだった。 あの羞恥に満ちた顔。そしてそれに反するかのような淫靡極まりない箇所を晒す。そのシチュエーションにどうしようもない興奮を覚える。 生憎今回は相手は寝てるがそんなの関係ねぇ。目に焼き付ける光景にこそ価値があるんだよ。 ゆうかにゃんに気付かれないほど遅遅としたスピードでスカートを引き上げていく。 シュ、と時々衣擦れの音がするが、ゆうかにゃんは起きない。いける。これなら。 既に呼吸は荒く、何処からかフヒヒという気持ち悪い声が聞こえてきた。 訂正。その声は俺だった。 丁度膝までたくし上げが完了した。 もうすぐだ。もうすぐこのスカートの下に隠された幻想郷に辿り付ける。 興奮で目が血走る。あ、カメラ持ってくればよかった。 そしてとうとうあと一歩というところまで到達した。 あと一息。あと一息で俺は幻想郷を拝むのだ。 もう我慢できねぇ。今までの我慢を破るかのように、俺は力を込め――――― 「なにやってるの、おにいさん?」 ゆうかりんに見つかった。 当然、正座をして1時間の説教となった。 これは余談であるが、ゆうかにゃんのおパンツは花柄で猫さんのバックプリントが施されたものらしい。 あくまでゆうかりんや本人談である為、確証は無い。 * * いきなりの話で申し訳ないが、畑にれいむが侵入していた。 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!!じじぃとへんなこはゆっくりどっかいってね!!!」 「しょうだー!どっきゃいけー!」 「ば~きゃ!ば~きゃ!」 あっと訂正。 れいむだけではない。子れいむが二匹、れいむの背後に隠れていたようだ。 今この畑にはこのれいむ共を除けば俺とゆうかにゃんしかいない。 ゆうかりんは只今絶賛お使い中だ。なんでも花屋に新しい種が入荷したとか。 そろそろ花を植える用の鉢植えの残りも少なくなってきた。今度俺も買い足しに行こう。 「れいむのはなしをきいてないの!?ばかじじい!!」 「はやきゅうちぇろきゅじゅ!」 「のりょまはきりゃいだよ!はやくちんでね!」 なんかれいむ共の口が悪くなってきたな。 いつもならここら辺でゆうかりんが瞬殺しているのだが・・・。幸運な饅頭どもだな。 ゆうかにゃんの髪の毛が少し逆立っている。警戒しているのかな? 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!かわいくてかわいそうなれいむのいうことはきかなきゃいけないんだよ!?」 「きゃわいいれいみゅのめいりぇいをきけ!」 「れいみゅとみゃみゃにひじゃまじゅいてねじじい!」 お決まりのシングルマザー宣言。 それにしても頭悪そうなツラしてるな。 いや、畑にガキつれてきてる時点で本当に相当頭悪いのか。 「おい、お前らさっさと失せろ。今なら潰さないでやるから」 「・・・・・・・・・」 「ゆゆ!?なにいってるのこのじじい!!ほんとうにばかだね!!」 潰すのも面倒なので一応声をかける。 ゆうかにゃんは黙って俺の話を聞いているが、機嫌が悪そうだ。畑にこんな糞饅頭がいたら心中穏やかでは無いのも分かるが。 当の糞饅頭はこちらの話に聞く耳持たず。 「ばかなじじいにそこのきもちわるいこのせいでゆっくりできないよ!!さっさときえてね!!」 「あちゃまにへんにゃのがはえてりゅ~」 「きみょちわりゅ~い!!」 あ、ゆうかにゃんの気配が変わった。 髪の毛が更に逆立ち、よく耳を凝らせば唸り声が聞こえる。 完全に怒らせたな。れいむ一家の命運は決まったようなものだ。 「・・・・・・・・・」 ずい、と一歩れいむに近寄るゆうかにゃん。 「ゆわ!!きもちわるいこがこっちにきたよ!!」 「きょわいよぉ~!」 「みゃみゃ!なんとかちてね!!ころちてやっちぇね!!」 なんか騒いでる糞饅頭ども。 俺も少しイラついてきた。 「きもちわるいのはゆっくりしね!!」 いきなりれいむがゆうかにゃんに向けて突進してきた。いくらゆっくりとはいえ、短気過ぎるだろ。 ゆうかにゃんは突っ立ったまま動かない。迫り来るれいむに対して、何もしようとはしない。 やばい、今からでも助けが間に合うか?そう思って俺が動き出したその時・・・・・・ ゆうかにゃんが、跳んだ。 れいむが触れるか触れないかでのタイミング。 俺の身長ほども跳躍し、そのままくるりと一回転、華麗に着地した。 猫さながらのアクロバティック。ちぇん種の運動神経のよさは受け継がれているようだ。 「ゆぶべぇ!?」 思いっきり体当たりがスカったれいむは、地面と熱いキッスを交わしていた。 泥まみれの(元からだが)汚い顔で起き上がるれいむ。 「どぼじでよげるのおおおぉぉ!!?れいむのこうげきをうけてしんでねぇ!!!」 地団太を踏んで、またもや突進してくるれいむ。 さっきと全く変わらない攻撃だ。簡単に避けられるだろう。 だがゆうかにゃんはそうしなかった。低く踏み込み、ぶれる程のスピードでれいむに向かって腕を突き出す。 「ゆびゃ!!?」 れいむの顔面、両目の部分が吹き飛ぶ。 いや、吹き飛んだのではない。突き破られたのだ。 いわゆる猫パンチ。スピードはともかく、威力は本家のそれより高そうだ。 「ゆゆ!?まっくらになったよ!?これじゃきもちわるいこg・・・・・・いだああああああああ!!!!」 かなり遅いリアクションを返すれいむ。 とりあえず両目を抉られればこれ以上抵抗は出来まい。 勝負決着・・・・・・といったところだが。 「わからないわー・・・・・・」 ゆうかにゃんがれいむに歩み寄る。 手を振り、付着した餡子と目を払う。べちゃりと汚い音を立ててれいむの眼球は地面に落ちた。 瞳孔が縦に細くなる。完全に捕食種モードだ。 「ゆ!?どこかにきもちわるいこがいるね!!かくれてないでれいむにころされてね!!」 状況を理解せずじたんじたんと暴れまわるれいむ。 ゆうかにゃんはそんなれいむに対し、更なる攻撃を加え始めた。 連打。連打。連打。 猫パンチの嵐。 一発撃つごとにれいむの身体は音を立てて打ち砕かれ、形が崩れていく。 「わからないわー。 どうしてあなたたちはここにきたの?しぬだけじゃない。 もしかしてしぬためにここにきたの?それならわかるわー」 「ゆぎゃああああ!!やべっ!!いだっ!!じぬっ!!じんじゃうっ!!!」 冷やかな口調で一片の慈悲もなくれいむを壊していくゆうかにゃん。 自分の容姿をバカにされたのもあるのだろうが、恐らくあれが本来の気質なのだろう。 サドいなさすがゆうかにゃんサドい。 あっという間に顔面を剥ぎ取られ餡子が露出するれいむ。 そのまま何も言わずに地面に崩れ落ちてしまった。死んだな。 「ゆううぅぅ~~~!!?」 「どうなっちぇるのおぉ~~!?」 そしてそれを理解していない子れいむ共。 心底不思議そうに叫んでいる。 「わかるわー、つぎはあなたたちのばんね・・・・・・」 「ゆゆ~~~~!!?」 「きょわいよぉ~~~~!!!」 ゆうかにゃんが子れいむ二匹の方に振り返る。 ガタガタと震えながら泣き叫ぶ二匹。 「みゃみゃぁ!」 「はやきゅなんとかちてね!!」 おろおろと周囲を見ながらそんなことをのたまう子れいむ共。 今目の前で親が死んだというのに何を言っているんだこいつらは。 そんなことを言っている間にゆうかにゃんはどんどん近づいてくる。 「みゃみゃぁぁぁ!どぼじでおへんじちてくれにゃいのぉぉぉ!!?」 「きゃわいいれいみゅがこみゃっちぇるんだよ!!はやきゅなんとかちてね!!」 泣き叫び、あるいは頬を膨らませながら今は亡き母に助けを求める子れいむ二匹。 ああ、こいつら底抜けの莫迦なんだな。 多分死ぬまで助けが来ると疑わないんだろう。 「みゃみゃ!!いいかげんにちないとせいしゃいしゅるよ!!」 「きゃわいいれいみゅをはやきゅたちゅけないと、ゆっきゅさせなくしゅるよ!くしょばばぁ!」 いきなり母親に悪態をつき始めた。 どうなってるんだ。こいつら阿呆すぎるだろ。 よく今まで生きてこれたな。それも今日までだが。 「はやきゅでちぇこい!!でちぇきちゃられいみゅがしぇいしゃい・・・・・・ぶびょっ!!」 「くしょばばぁはしゃっしゃとちんで、れいみゅをゆっきゅ・・・・・・びぇ゛っ!!!」 終わった。 ゆうかにゃんが一瞬で二匹を踏み潰した。 辞世の句となる悪態を最後まで言い切らずに、子れいむ二匹はゴミのように死んだ。 ゆうかにゃんも、やはりゆうか種が基になっただけあって捕食種たる凶暴性を持っているようだ。 可愛いだけが能じゃない。ゆうかにゃんは畑も守れる番ゆっくりとしても有効らしい。 花畑のドSの名は伊達じゃなかった。 ちなみに、れいむ親子は肥料とするべくコンポストの中に突っ込んでおいた。 ゆうかにゃんはどうやら初めての狩りだったようで、その日は一日ご機嫌だった。 * * 最後に、ゆうかりん以外の混合ゆっくりを紹介したいと思う。 ゆうか×おりん のゆうかにゃん(亜種)。 「じゃじゃ~ん(テンション低)」 「テンション低っ!?それにゾンビ饅頭が畑で働いてる!?」 さくや×もみじ のさくやわん。 「さくやわん、お座り!」 「はい、だんなさま!」 「さくやわん、伏せ!」 「はい、だんなさま!」 「さくやわん、お手!」 「ありませんわ、だんなさま!」 「さくやわん、おかわり!」 「いただいておりませんわ、だんなさま!」 「さくやわん、ちんちん!」 「ありませんわ、だんなさま!」 「え、無いの?一応ぺにまむついてるだろう、お前・・・・・・」 「めいどとはじょせいがなるものですわ、だんなさま!」 てんこ×うどんげ のてんどん(もしくはうさてんこ)。 「いっしょにいてねだっこしてねなでなでしてねぎゅってしてねそうじゃないとてんどんさみしくてじゅみょうがまっはだからね!」 「一息に言われても分からんよ・・・・・・桃に饂飩かけたら天丼になるってーのもすごい話だな」 いく×なずーりん のいくちゅう。 「いけ、いくさん!10万ボルトだ!!」 「ふぃーばー!!」 「明らかに某ねずみポケモンを意識してるよな・・・・・・」 きっとこれからもどんどんゆうかにゃんのような混合種は生まれていくのだろう。 テンタクルあきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てんどんあーいいっすねぇ -- 2017-04-22 20 20 07 てんこわん -- 2016-02-10 21 45 37 なにこれ(^q^)可愛い(^q^)混合ゆっくりすべて飼いたい(^q^)てんどんはあれですか?さみしいと死んじゃううさぎがもとですか。そうですか(^q^)(^q^)(^q^)(^q^)(^q^)(^q^)(^q^)全部俺にくれええええええええええええ(^q^) -- 2015-03-08 18 39 15 DIO「さくやわんよしよしよしよしよしよし♪」 ブロリー「DIOさくやを可愛がってるな!?」 DIO「だって咲夜好きだから」 -- 2015-01-20 16 39 28 胴付きさくやわん雇いたい -- 2014-11-09 09 16 30 さなえ×れいむ みこみこれいむ -- 2014-01-25 10 10 30 みょん×二ッ岩 みょんだぬき -- 2014-01-04 20 16 30 てんどん・・・好きなキャラ×嫁は俺暴走だからカワイくてほしい。(何語 -- 2013-05-13 20 53 22 鼻血がとまらな・・・(ピチューン -- 2013-02-23 21 37 10 ヤバイな、萌え死ぬかと思った -- 2013-02-18 00 01 33 さくやわん良いな、楽しそうだ -- 2012-12-11 13 21 35 いくちゅうに吹いたww進化形はなんだ!?ww らいくちゅうか!?ww -- 2012-11-06 20 31 24 グフフ・・・おぅ、いかんいかん。 つい、HENTAIになるとこだった。 -- 2012-08-02 23 11 24 身震いが止まらない最高だ! -- 2012-07-26 23 47 43 ああああゆうかにゃんのまむまむをぐちゃぐちゃにしてぇ -- 2012-05-22 13 59 42 ゆうかにゃんくれゆうかにゃん -- 2012-02-19 16 26 14 いくちゅう( ゚д゚)クレ -- 2011-12-27 15 34 11 ゆうかにゃんとヤりt -- 2011-11-14 17 28 18 さくやわんのところ笑った。 -- 2011-11-14 16 50 33 (´ー`)ニヤニヤ -- 2011-09-11 14 56 26
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『続おしかけ』 92KB 愛で 愛情 変態 現代 独自設定 ぺにまむ 『anko2068 おしかけ』の続きです 注意! この作品はゆなほシリーズ、プレミアムすっきりドールの流れを組んだ作品となっております。 この作品は、『anko2068 おしかけ』の続編です、未読の方はそちらを先にご覧頂くと、 一層楽しめるかと思います。 また、この作品内では読みやすさを考慮し、一部ゆっくりの発言に漢字・カタカナを用いています。 作者はばや汁です。このSSにはドHENTAIな表現が多分に含まれております! 苦手な方は、申し訳ありませんがブラウザバックをされるか、 不快な思いをされる場合があることをご理解のうえ、読み進んでください。 ------------------------------------- 「ん~・・・っ、幸せだなぁ・・・」 暖かく柔らかな枕に埋もれて、俺、双葉としあきは言葉通り、実に幸せな気分だった。 腹は満たされ、窓からの午後の日差しは麗らか、そして…。 「もう、としあきさったら、あまえんぼさんだべ」 俺を見下ろし柔らかく微笑む愛しい彼女。 彼女の名前はのうかりん、ゆうか種の特徴の緑色のセミショートヘアに、 可愛いネコミミのついた胴付きゆっくりだ、さらにのうかりん独特の特徴である麦藁帽子は、今ははずしている。 胴付きゆっくり、といっても、出る所はバッチリ出てへこむところはへこんでいる、 まるで人間のようなナイスバディの持ち主だ。 かつて俺が『プレミアムすっきりドール ゆうかにゃん』を購入した際に、 購入者1万人目に見事当選し特典として送られてきた。 彼女いわく自分は不良品、商品として成り立たないから厄介払い的に送られてきたという。 けれど俺からすればそんなことは全く無い。 先の通り普通の胴付きゆっくりとは違う抜群のプロポーションにくわえ、 家事万能、性格も穏やかで優しく、訛った口調もキュートだ。 それに加えて夜の生活も恥ずかしがりながらも積極的で、 出会った日に初めて同士の関係になった俺達の身体の相性は抜群。 あれから一年ほど経った今でも暇があればいちゃいちゃしてしまうほど、俺はのうかりんに骨抜き大満足だった。 かくいう今も俺はあったか柔らか枕こと、のうかりんの膝枕に頬を摺り寄せている。 昨日もたっぷりとベッドの中でくんずほぐれつしたまま眠り、遅い昼食として、 のうかりんの美味しい手料理に舌鼓を打って満腹になって、俺はまさに全てに満たされた状態だ。 「あー、のうかりんの太ももが柔らかすぎてまたムラムラきちゃったかも」 大学生なんていういい歳になっても俺の性欲はとどまる事を知らず、 のうかりんと出会ってからそれはさらに拍車がかかり、四六時中盛っているサルのような状態だ。 頭を乗せたまま、のうかりんの太ももを手のひらですりすりと撫で回す。 のうかりんのもち肌を包んでいるスカートの生地のさらさらの手触りが心地よく、いつまでも触っていたい気分になってしまう。 そのまま頬ですりすり、手のひらですりすりとやっていると、のうかりんの手が俺の手をそっと包み込んだ。 「これ、としあきさやめてけろ、オラ・・・その気になっちまうでないか・・・」 俺を見下ろすのうかりんの頬と、俺の手を握る柔らかな手のひらがほんのりと熱を帯びていて、 やめてといいながらその手にはあまり力が入っていない。 その可愛げのある様子に俺の股間は早くも臨戦態勢に入り、むくむくとズボンにテントを張り始めた。 「きゃっ!やだぁとしあきさったら、昨日もいっぱいしたべさ、このスケベっ」 それに気づいたのうかりんが非難の声をあげる、しかしその視線は俺の股間に釘付けだ。 心なしか、俺の鼻を花の蜜のようなほのかに甘い匂いがくすぐる。 俺はそれを嗅いで心が躍った、この匂いはのうかりんのフェロモンのようなもので、 エッチなことを考えているときほど色濃く香るのだ、もちろん人間と同じで性的な部分からの分泌液の匂いでもある、 おそらく俺の目の前にあるスカートの中では、もう洪水状態なのだろう。 ことあるごとに俺をスケベスケベと非難するのうかりんだが、俺との度重なる性交渉で慣らされた彼女の身体は、 俺と同等あるいはそれ以上にスケベな反応を返してくる。 気分が盛り上がれば、身体に触れただけで熱を帯び、キスをするだけで準備が全て整ってしまうほどだ。 「や、やだっ、やめてけれ、それ以上すりすりしないでくんろ!オラ昨日でつかれただよ、それにまだ真昼間だぁ!」 俺がすっかりその気になってしまったのを確認すると、のうかりんはイヤイヤと首を振って俺から逃れようとする。 いやよいやよと言っても身体は正直なものだが、無理強いするのはよくない。 そんなことは当然わかっているのだが、俺がこの獣欲に抗うような鋼の意思を持っているわけがないのだ。 「ふああっ!あひ!いっ・・・あぅぅうんっ!」 のうかりんの可愛い悲鳴が部屋に響く、俺は膝枕の体勢からごろりと寝返りを打ってのうかりんを押し倒し、 スカートの中に顔を突っ込んでのうかりんの股間を、パンツの上からべろべろと舌でなめまわしていた。 「じゅるっ!じゅるる!じゅっ・・・じゅぱ!」 音を立ててのうかりんの蜜をパンツ越しにすする、けれど後から後からあふれてきて、 俺の口周辺は早くものうかりんの蜜でべたべたになってしまった。 のうかりんのエロいエキスを口から摂取したおかげで、俺の股間も痛いほど勃起しているのがわかる。 けれど俺はまだまだのうかりんを舌で味わいたくて、口でパンツをずらし今度は直接無毛の秘裂を舐めあげた。 「やっ!やめれぇ!はずかしいだぁ!」 のうかりんは一舐めごとに太ももをビクリビクリと反応させ、スカートの上から、股間に食らいついている俺の頭を押さえつける。 しかしそれは抑制というには全く逆効果で、俺の唇はのうかりんのまむまむに直接くっつき、 舌はまむ内の奥へ奥へと侵入していく。 舌がとれてしまいそうになるほど限界まで舌を伸ばし、俺は舌の感覚器官全体でのうかりんを味わうように、 まむ内をかき混ぜ続けた。 「ひゃっ!あっ!あっ!あっ!ああああっ!!!」 のうかりんはもう喘ぎ声以外を発する余裕がなくなってしまったようで、 俺の舌に翻弄されたまま身体を一瞬硬直させ、絶頂に達してしまった。 その瞬間、今までとは比べ物にならない勢いで蜜があふれてくる。 のうかりんの太ももが細かく痙攣を初め、俺の頭を挟み込むと同時にまむ内が収縮して俺の舌を追い出そうとする。 俺はその力に抗って舌を差し込んだまま密を飲み干し、のうかりんの太ももの痙攣が収まると、 身体を起こしてスカートの中から這い出した。 「うっ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 のうかりんは放心したように身体を投げ出して、深く呼吸して絶頂の海を漂っている。 「かわいいよ”ゆうか”」 俺はそういってのうかりんの唇に深くキスをした。 俺がのうかりんを愛称ではく本当の名前である『ゆうか』と呼ぶ、これが俺達のセックス開始の合図だった。 「あっ・・・んむ、ちゅっ、ちゅっ・・・」 のうかりんは薄く目を閉じ、俺のキスを迎え入れる、舌と舌が何度も絡み合って口内を溶かしあう。 キスをしながら俺はのうかりんの服を少しずつ脱がせていき、俺も裸になる。 たっぷりを時間をかけてから唇を離すと、俺ものうかりんもすっかり頭の中まで出来上がってしまっていた。 「としあきさ・・・オラ、オラ・・・」 のうかりんが瞳を潤ませ、組み敷いた下から手が伸びて俺のいきり立った股間をまさぐる。 愛撫を受けなくても全力で勃起しているそれを感じ、のうかりんは嬉しそうに微笑んだ。 「としあきさ、きて・・・」 のうかりんが俺の目を見つめて俺を誘う、けれど俺はそのまま覆いかぶさらず、 一旦身体を起こし、のうかりんの腕を引いて優しく抱きとめた。 「あっ、なにするだ?」 そのまますばやくのうかりんの後ろに回りこんで、胸を両手で鷲づかみにして、大き目のヒップにペニスをこすり付ける。 「あんっ、後ろからしたいだか?スケベなとしあきさ」 「床だとのうかりんの背中が痛いだろ、ベッドまで我慢できないし、な」 そのまま焦らすようにヒップの谷間にペニスをこすりつけ続けると、 のうかりんは俺に身体を預けてヒップを突き出し、挿入しやすい体勢になってくれた。 胸をつかんで抱きしめているせいで膝立ちバックのような半端な姿勢だが、俺はこのマシュマロおっぱいを離すつもりはない。 ヒップに擦り付け続けるのもそれはそれでオツだが、ここで出してしまってはもったいないので、 俺は我慢せず少し腰を引いてのうかりんのまむまむの入り口にペニスの先端をロックオンし、そのまま一気に貫く。 「あっひぃいぃぃいいい!!!ひぇえええ!!」 全くノンストップで根元まで深く挿入すると、俺の鈴口とのうかりんの子宮口がキスをした。 のうかりんの悲鳴とともに腰が大きく跳ね、まむ内がぎゅうぎゅうと俺のペニスを締め上げる。 俺も我慢を重ねたペニスに襲いかかる衝撃に、腰を動かすこともままならず、のうかりんのおっぱいをぐにぐにと揉みしだいたまま、 ただ歯を食いしばって射精を耐えながら、ペニスが抜けてしまわないように腰を押し付け続けた。 「だ、だめだぁ、オラもう腰抜けちまっただぁ・・・」 俺のペニスとのまむまむの隙間からだらだらと蜜を流しながら、身体の力を抜いていくのうかりん。 じっくりと後ろからのうかりんのおっぱいをもみほぐしていると、 次第にまむ内の強烈だった力が抜けていき、緩やかに吸い付くような締め付けに変わっていく。 俺はこの隙を見逃さず、ぐっと腰を引いてずるりとペニスを引き抜いた。 「あっ、ふぅぅぅ・・・んんん・・・」 排泄にも似た脱力感を味わい、のうかりんは切なそうな声を上げる。 「いくぞ」 「ふぇ・・・?あっっっっ!!!!?」 ばちゅんっ!と激しい音を立てて、俺の股間とのうかりんのヒップがぶつかり合う。 当然俺のペニスはのうかりんの最奥を突き上げ、のうかりんは声にならない叫びをあげた。 しかしそれで終わるはずはない、俺はスナップをきかせるように鋭く腰を使い、まむ内をペニスで蹂躙し続けた。 「ひっ!あっ!んっ!ふぅっ!おっ!あっあっあっあっ!!!」 「ぐぉぉおおおお!!」 のうかりんは逼迫したあえぎ声を上げ、俺は獣のように唸りながら腰をぶつけ続ける。 さらさらの蜜がまむまむとペニスの滑りを滑らかにするも、激しいピストン運動による摩擦はどんどん熱を増して行く。 二人の意味にならない叫び声と、ぶつかり合う肌の音、飛び散る蜜の香りが部屋の空気を侵していった。 「もうだめだとしあきさ!かんにんして!かんにんしてくんろぉぉ!!」 「イクぞゆうかぁああああ!!!」 「んああああっ!ぎもぢいいいいだぁああ!!すっきりしちまううぅぅうう!!!あああぁあぁぁあああぁああああ!!!!!」 バチィンッ! 一際力強く、のうかりんの尻肉を破壊するような勢いで腰を叩きつける。 子宮口と鈴口を完全に同化させて思いのたけを解き放つと、 噴水のようにペニスから精液がほとばしり、のうかりんの子宮内に一滴残らずしみこんでいった。 ビュービュー、ビュクビュク、ドクドクドク・・・。 射精の音が脳内に響き渡り、いつまでもやまないような気すらする。 ふとももとふともも、腰とヒップ、腹と背、腕は胸に、のうかりんは体をひねりってこちらを向き、俺がかぶりつくように唇を貪る。 全て一つになる感覚に、脳みそまでも蕩けそうな快感がいつまでも全身を支配していた。 「あぁ~、最っ高だったよゆうかぁ」 「も、もう、はずかしぃだよ!」 「はははっ、”のうかりん”はほんと恥ずかしがりだな」 やはりのうかりんはえっちの時以外は本当の名前で呼ぶと恥ずかしがる。 こうして俺が呼び方を戻せば、また日常が戻ってくるというわけだ。 だけどイチャイチャとした雰囲気は簡単には抜けず、シャワーで汗を流してもお互い半裸のまましばらく抱き合っていた。 俺はふと、そこであることに気付く。 「あれ?のうかりんちょっと太った?」 「やんだぁとしあきさ!しつれいだよぉ!・・・でも、ほんとだか?」 俺の何気ない言葉にのうかりんはカッと頬を染めた、しかし少しの後自らのお腹をさすり、ふにふにとつまんでみる。 しかし肉が余っているというほどの様子はない、 俺がセックス中に何度かさすった時にかすかな違和感を感じたのは、気のせいだったんだろうか。 「けど、俺はのうかりんが少しくらい太ったってぜぇんぜん気にしないけどな、 むしろちょっとくらいふっくらしたって、よりキュートになるって」 「もう、としあきさったら」 はたからみたらバカップルそのものだろうとは思う、だけど俺とのうかりんのラブラブファイヤーはいかなる時でも火力最大なのだ。 見つめあう二人、こんな真昼間から早くも二回戦目突入か…と、その時。 ピンポーン! 「へっ!?」 「何っ!?」 突然鳴った玄関の呼び鈴に、二人とも素っ頓狂な声を上げてドアのほうを振り返る。 しかしそれもつかの間、自分たちがとても人に見せられる格好ではないことに気付き慌てふためいた。 この部屋は決して広くない、玄関を開ければ二人の生活する居間の殆どが見えてしまう。 「おおおおお、オラ、オラっ」 「落ち着けのうかりん、まずは俺がパッと着替えて出ちゃうから、のうかりんはちゃんとゆっくり着替えなって」 「う、うん」 俺はとりあえず、情事の際にその辺に脱ぎ捨ててあった服をひっつかんで身に着けていった。 ピンポーン! 「はいはいわかってますって!」 急かすように二度目の呼び鈴が鳴った、ズボンのすそに躓きそうになりながらドアへ駆け寄る。 視界の端に映ったのうかりんは肌着を身に着け、スカートを腰に巻いているところだった、何とか間に合いそうだ。 俺が玄関口で対応すればいいだけの話だが、万一客が中を覗き込んだ時、 あられもない格好ののうかりんを見せるわけにはいかない。 俺はドアの前で一呼吸おいてから、ドアノブをひねった。 「はーい、どちらさ・・・ん?」 玄関から見えた景色は、なんてことはないいつもの外の景色、だが呼び鈴を鳴らしたはずの人影はどこにも見えなかった。 「悪いことしたな・・・」 何の用かは知らないが、痺れを切らして帰らせてしまったかと少々申し訳ない気持ちになりながらドアを閉めた、すると。 ピンポーン! 「ひっ!」 外には誰もいかったはず、けれどドアを閉めた瞬間すぐにもう一度呼び鈴がなり、背筋にうすら寒いものが走る。 「どうしただ?」 俺の声に、しっかりと服を着たのうかりんがこちらを覗き込んだ、実に似合っている…って、そんな場合じゃなくて。 「だ、誰もいないのに呼び鈴がなるんだ・・・っ!」 「や、やだぁ!おっかねぇ!」 ピンポーン! 合計四度目の呼び鈴の音、もしかしたら何かの間違いかもしれないと、ドアノブに手をかける。 ゴクリと唾を飲み込んで、意を決してドアをあけた。 「うわあああ!!!」 やはりそこには誰もいなかった、不可解な現象に恐怖のあまり手が震え、俺は勢いよくドアを締め…。 「ちょっと!にゃんで閉めちゃうにゃ!?」 「はい?」 下から聞こえる舌ったらずな怒気をはらんだ声、それと同時に服の裾がぐいと引っ張られる。 「お客さんには優しくしてほしーにゃ!」 「な、なんだ?」 声のしたほうを向くと、そこには頭の位置がちょうど俺の腰元くらいの身長の小さな女の子が立っていて、 頬を膨らませて俺を睨み付けていた。 女の子といっても、まんまるの頬、頭でっかちで低い頭身に、緑色の髪の毛とピンとたったネコミミ、 ゆらゆらと揺れる長い尻尾、明らかに人間では無いことがすぐにわかる。 「もしかして、ゆうかにゃん?」 俺はその姿に見覚えがある、それは俺がかつて購入しようとしていた、 『プレミアムすっきりドールゆうかにゃん』にそっくりだった。 といっても、つまり胴付きゆっくりのゆうかにゃん種というだけですっきりドールかどうかはわからない。 けれど何故そのゆうかにゃんが突然家に? 「あなたがとしあきちゃん?あがらせてにゃ」 「ちょ、ちょっと!」 ゆうかにゃんは何故か俺の名前を知っていて、しかも俺の脇をすり抜けて玄関から家に入り込もうとした。 「いきなりだな、きみどこから来たの?飼い主さんは?」 「もうっ!にゃんで邪魔するの!?」 抗議の声と共に俺を見上げてぷくぅと頬を膨らませる、実に愛らしいしぐさだ。 「まいったな・・・」 理由はわからないがその頑なな態度に弱って頬を掻いていると、家の中からのうかりんの声が響いた。 「おっかぁ!!?」 「にゃぁ~ん、ゆうかひさしぶりにゃん!」 「えっ?」 驚いたような声を上げて目を丸くするのうかりん。 ゆうかにゃんは俺を挟んで、驚くのうかりんにひらひらと手を振っていた。 「あらためまして、としあきちゃんはじめましてにゃん!ゆうかにゃんだにゃ!」 「は、はぁ・・・どうも」 ずかずかと居間に上がりこんで、ゆうかにゃんはぺこりとお辞儀をする、どうやら名前もゆうかにゃんと言うらしい。 「おっかぁ、なしていきなり来ただ?お勤めは?」 さっきから目の前のちびっ子ゆうかにゃんを『おっかぁ』と呼ぶのうかりん、俺は突然の展開に頭が混乱してしまっていた。 「ちょっと待って、ゆうかにゃんが来た理由は、とりあえずいいや、『おっかぁ』っていったい・・・?」 俺が素直な疑問をぶつけると、ゆうかにゃんが右手でぽふりと自分の胸元をたたいて、誇らしげに言い放つ。 「にゃーがこの、のうかりんことゆうかのママだにゃ!」 「えっ!?」 全く言葉通りの意味であると主張するゆうかにゃん、あまりのことにのうかりんに目を向けると、 のうかりんも若干困ったような顔をして言う。 「そうだぁ、見えねかもしんねぇけど、この子がオラのおっかぁだべ」 「ええええええええええええ!!!!?!?!?!?」 「おっかぁ、オラの膝にすわれ」 「ありがとにゃん」 テーブルを挟んで向かい合わせに座る俺とのうかりん、身長が低いゆうかにゃんを気遣ってのうかりんが膝上に誘い、 ゆうかにゃんはそれを素直に受け入れてちょこんと座る。 そのほほえましい光景は、姉妹どころじゃなくどう見てものうかりんがお母さんでゆうかにゃんが娘にしか見えない。 しかし彼女らいわく、ゆうかにゃんがお母さんでのうかりんが娘、ということらしかった。 「ところでお、お母様はどうして急に?」 姿かたちはどうあれ、のうかりんのお母さんが突然訪問してきたというシチュエーションに俺は緊張でカチカチになってしまう。 「にゃぁん、としあきちゃんったらか~わい~にゃん、ゆうかにゃんでいいんにゃよ?」 ゆうかにゃんはそんな俺の様子を見て、おかしそうにころころと笑う、その姿はとても一児?の母とは思えない。 「は、はぁ・・・」 俺が生返事をしていると、今度はゆうかにゃんを後ろからだっこしているのうかりんが口を開いた。 「そうだぁおっかぁ、さっきも聞いたけど、なんでいきなり、お勤めはどうしただ?」 「ママがかわいい娘のことを見にきちゃいけにゃい?それに、もうにゃーは”うみがかり”おわったのにゃ」 「そうだったかぁ、おつかれさまだぁ」 「ちょ、ちょっとまって」 ツーカーでさらさらと会話を進めていく親子に、俺は待ったをかける。 「えっとごめん、やっぱり状況が飲み込めないんだけど、それに”うみがかり”って?」 俺の疑問に、二人は丁寧に答えてくれた。 時々忘れそうになってしまうが、のうかりんは、 『プレミアムすっきりドール』を開発している会社から俺のところにやってきて俺の家族になった。 ゆうかにゃんは文字通りそこで彼女を産んだお母さんであり、『産み係』とは 商品になる『ゆうかにゃん』を産むための個体で、妊娠と出産を繰り返す毎日を送っていたのだそうだ。 「って、マジ?」 「マジもおおマジにゃ、いっぱいいっぱいかわいいあかちゃん産んだにゃん」 「マジかよ・・・」 のうかりんも自称不良品とはいえ、生まれる前は商品として生産されたということになる、 といえば一定の生産ラインの中から発生したものと考えるのは自然で、その元がこのちびっこゆうかにゃんだということだ。 「ほんとだぁ、オラのおねーちゃんもたっくさんいたし、いもうとだっていっぱいいただよぉ」 「いたって・・・」 そういってからのうかりんはほんの少し寂しそうな顔をした、それを追うようにゆうかにゃんが続ける。 「にゃーたちはしょーひんだからにゃ、生まれて、お勉強して、ごーかくしたら出荷されちゃうにゃ」 そういわれれば、確かにその通りだ。 「オラははじきもんだから、長いこと向こうで一緒にいれたけど、 としあきさのとこ来ちまったから寂しい思いさせちまっただな・・・」 「気にしちゃだめにゃ、にゃーは慣れっこにゃ」 昔を懐かしんでいるのか、今にも泣きそうな顔になってしまうのうかりんの頭をゆうかにゃんがよしよしと撫でる。 こうしてみると確かにお互いの心にはしっかり親子の絆があるのだろうが、いかんせん外見ではなんだか微妙な光景だ。 「あ、でも終わったってことは」 俺の言葉に、のうかりんはハッとなり、明るい顔になる。 「そうだおっかぁ、一緒に暮らすべ、オラもうおっかぁにこれ以上寂しい思いさせたくねぇだ」 「ん~、それもいいかもにゃぁね」 「としあきさも、お願いだ!」 ゆうかにゃんを抱きしめたまま、のうかりんは俺の目を見つめてから深々と頭を下げた。 「あー、まぁ、俺は別に構わないっちゃ構わないけど・・・」 「嬉しいだ!」 簡単に返事をしてしまってから、もしそうなるとのうかりんと公然イチャイチャができなくなってしまうなぁと、 ほんの少し後悔の念が頭をよぎる。 それが顔に出ていたのか、ゆうかにゃんは俺を見てくすくすとどこかいやらしい笑みを浮かべて笑った。 「にゃふふ、大丈夫だにゃ、お二人の邪魔はしないにゃ、それに気持ちは嬉しいけど、 にゃーは今度は住み込みで教育係になるにゃん、いっぱい可愛い後輩育てるにゃん」 「そ、そうだか・・・」 外見に似合わず大人な対応でやんわりと断るゆうかにゃんに、のうかりんはしょんぼりと肩を落としてしまう。 「大丈夫にゃ、工場の皆は優しいし、にゃーは寂しくないにゃ、でも時々会いたいかもにゃん」 「うぅぅ、今までごめんな、今度はオラからおっかぁに会いにいくからなっ!」 のうかりんはすっかり感極まってしまって、涙ながらにゆうかにゃんを抱きしめ、ゆうかにゃんは優しく微笑んでそれを受け止めていた。 親子の感動的な場面に俺が入り込む余地はなく、すっかり蚊帳の外だが不思議と悪い気はしない。 だが、しばらくそうした後、突然ゆうかにゃんがこちらを見てニヤリと笑う。 「にゃふふっ、さっきから気になってたけど、にゃんだかこのお部屋も、ゆうかも、えっちクサいにゃ!」 「なっ!」 唐突に指摘され、顔が赤くなるのを感じた、それはのうかりんも同じだったようで、目に見えるほど顔を赤くしている。 「ななななにいってるだおっかぁ!」 「お盛んにゃのねぇ、でもにゃーはゆうかがしっかり愛されててうれし~にゃん」 とてもではないが、さっきあなたが来る直前までセックスに溺れていたとは口が裂けてもいえない。 のうかりんと共に顔を赤くして黙り込んでしまう俺に、ゆうかにゃんは追い討ちをかける。 「でもぉ、こんなお昼からえっちするにゃんて、としあきちゃん溜まってるにゃ? ゆうかだけじゃ大変にゃら、にゃーがぬきぬきしてあげようかにゃん? 人間さん相手はしたことにゃいけど、きっとにゃーのまむまむもきもちい~にゃよ、 それともおくち?まさかまさかあにゃる?にゃぁん!ゆうかにゃん壊れちゃうにゃぁ!」 途中から妄想交じりに目を閉じて身体をくねらせるゆうかにゃん、幼い外見の可愛い口から紡がれる卑猥なワードに、 ついつい俺もそれを想像して鼻の下が伸びてしまった。 「そ、それもいいかも・・・」 「ああん!?」 のうかりんが凄い形相で俺を睨み付け、俺は股間と一緒にしゅんと萎縮してしまった。 「にゃはは、じょーだんにゃよぉ、ゆうかとっても怖いお顔になってるにゃ」 俺達をからかってゆうかにゃんは心底楽しそうに笑う、今はまさに外見どおりのいたずらっ子といったところだろうか。 「もうっ!冗談キツいべ、としあきさはオラのだぁ!」 のうかりんは完全に嫉妬してしまって、ゆうかにゃんをメッとしかる、 今までのうかりんに嫉妬されるようなシチュエーションなど無かっただけに、これはこれでオイシイ。 「にゅふふぅ・・・にゃっ!」 突然謎の掛け声と共にのうかりんの腕の中からゆうかにゃんが消えた。 「あらっ!?」 素っ頓狂な声をあげるのうかりん、どうやら腕をすっぽ抜けてテーブルの下に逃げ込んだらしい。 「どうした・・・って、おふぅっ!?」 「としあきさどうしただ!?」 思わず生々しい声を上げる俺に、のうかりんが目を丸くする。 俺の声の原因はテーブルの下の俺の股の間にあった。 「いっつも可愛いにゃーのゆうかを泣かせてるのがどんなのか、たしかめてやるにゃん」 いつの間にか俺の股間に手をすりすりとこすり付けているゆうかにゃん、 テーブルの下からまん丸の目が捕食者のようにキラリと光っていた。 「ちょ、ちょっとおっかぁ!」 のうかりんがゆうかにゃんを連れ戻そうとテーブルの下に入ろうとするも、 あわてているのか頭をつっかえてなかなか上手くいかない。 「うぉぉっ」 俺が跳ね除けてしまえばそれで済む話なのだが、これがなかなかどうして、 小さな手が艶かしく動いてペニスをズボンごと刺激し、俺のペニスはすぐにガッチガチになってしまった。 「それじゃ、ごかいちょ~にゃん」 掛け声と共にゆうかにゃんが俺のズボンのジッパーを下ろすと、 パンツを跳ね上げてすっかり膨張しきって温まったペニスが空気にさらされ、その温度差だけで射精してしまいそうになる。 「すっご~い!ぺにぺにおっきいにゃ!人間さんの生ぺにぺに初めて見たにゃ、たくましいにゃぁ」 ゆうかにゃんは初めて見たという人間のペニスに、興奮した様子でペニスをまじまじと見つめていた。 呼吸のたびに吐息がペニスに当って、それすらも気持ちいい。 「だ、ダメだって・・・」 口ではそういいながらも、すっかり期待してしまっている下半身からの命令で、俺はゆうかにゃんを拒むことが出来ない。 「ではでは、あ~~~~っん」 俺の股の間で、ゆうかにゃんがくぱぁと口をあける、上から見えたその大きな口の中は、 唾液でてらてらと濡れ光っていて、淫靡でとても魅力的だった。 今まさに俺のペニスが捕食されるっ!と思った瞬間、ゆうかにゃんがテーブルの下に消えてしまう。 「あ、あれ?」 「にゃあああ!はなすにゃ!」 「これ!いくらおっかぁでもやっていいことと悪いことがあるだ!」 ゆうかにゃんを捕まえて引きずり出したのうかりんが、テーブルの向こうでプリプリとゆうかにゃんに説教をしていた。 「う・・・ま、まぁしかたないよね」 俺はのうかりんの怒りがこちらを向かないうちにいそいそとペニスをしまいこむ。 「としあきさも!浮気なんて絶対ゆるさねぇかんね!」 「す、すみません」 当然そんなことで回避できるはずはなく、俺達はその後こってりとのうかりんのお説教に絞られてしまうのだった。 「もう、だから言ってるにゃ、あれはじょーだんなのにゃ、にゃーはまだ工場の備品だから、 勝手にえっちなんかしちゃいけにゃいんだにゃ」 「ふーんだ、しらねっ」 すっかりふくれてしまったのうかりんに、ゆうかにゃんがガッチリとホールドされている。 口ではそんなことを主張しているが、あの時とめられなかったら、 確実に俺のペニスを咥えていたと思うのは、俺の気のせいだろうか。 「ま、まぁまぁ」 「としあきさもとしあきさだ、オラというものがありながら、ほかの子にデレデレすんなぁ、それもおっかぁに」 収まったかと思った怒りが再びふつふつと湧き上がってきたのか、のうかりんは腕にぐぐっと力をこめていく。 「にゃにゃにゃ、くるしーにゃ!」 ゆうかにゃんが締め付けに腕をばたつかせるも、それはとまらなかった。 あわやお説教モード追加ターンか!?と身構えたそのとき、ゆうかにゃんが「あっ!」と声を上げる。 「そーだにゃ、すっかり忘れてたにゃ、ゆうかちょっと離して離して」 「嘘つくんでねぇだよ?」 「嘘じゃないにゃ、ほんとにゃ」 のうかりんは、腕から逃れるための方便を疑うも、ゆうかにゃんの様子をみて解放してやった。 するとゆうかにゃんは、服のポケットをまさぐって、一枚の封筒を取り出した。 「はいこれ、ついでにこれを渡してこいっていわれたのにゃん」 俺に差し出された、すっかりもみ合ってシワがよってしまっているそれを受け取って光にかざす、 中には紙が入っているようだった。 「なにこれ」 「にゃーにもわかんないにゃ、研究所のえらいひとに渡されたにゃ」 「研究所?」 またも聞きなれない単語、そんなところにかかわりがあった覚えはない。 「オラたちの生まれた工場とつながって、研究所があるんだぁ、 商品の研究をするのが仕事のとこで、オラは昔そっちで寝泊りしてただよ」 「そうなのか、どれ」 封筒の口を破って中を取り出すと、中には一枚の手紙が入っていた。 手紙の中には、簡単な文章で『健康診断のお知らせ』という内容がつづられていた。 のうかりんがうちに来て一年あまり、ここらで一度健康診断を受けてみてはいかがかということだ。 「だってさ、どうする?」 「ん~、オラはどっちでもいいだよぉ、としあきさにまかすだ」 突然健康診断といわれてもピンとこないのか、のうかりんは曖昧な返事を返す。 「でも、ゆうかがお怪我とかお病気になっちゃっても、普通のお医者さんじゃみれにゃいんだし、 ためしに見てもらってもいいんじゃにゃいの?お金もかからないってかいてるにゃ」 俺の横から覗き込んだゆうかにゃんが内容を読んで提案する。 「まあ確かにタダだし、万一ってこともあるしな、これって付き添いもOKなのかな?」 手紙には本当に案内だけで、日付の指定なども書かれていなかった。 都合のいい日を見つけて、とのことなので、最後に書かれている電話番号で予約をすればいいんだろう。 だから予定さえあわせれば俺も付き添いたいところなのだが、研究所なんて大それたところに俺が行ってもいいものなんだろうか。 「ちょっとまってにゃ、聞いてみるにゃ」 ゆうかにゃんはポケットに手を突っ込んで、携帯電話を取り出し、慣れた手つきでボタンをプッシュした。 「あ、もしもし?にゃーにゃ」 電話の相手が出たらしい、ゆうかにゃんは軽快に話を進めていく。 「ゆうかのけんこー診断って、としあきちゃんもついてっていいにゃ?うん、そう、ご主人様だにゃ OKにゃ?え?あ、うん、きいてみるにゃ」 そういって通話口に手を当てて、ゆうかにゃんがこちらを向く。 「ついていくのは全然かまわにゃいって、で、にゃんか、今からでいいなら送ってあげるっていってるけど、いくにゃ?」 突然のお誘いに少し戸惑ったが、俺とのうかりんはこの後の予定も特に無かったので、お言葉に甘えることにした。 電話のあとしばらく三人でまったりしていると、呼び鈴が鳴ったので玄関に出る。 扉を開けると、スーツを着た若い男性が立っていた。 「あっ、始めまして!お世話になっております、私、田中と申します」 「ど、どうも」 人当たりの良い笑顔でさっと差し出された名刺を受けとると、彼の名前と役職と会社名が簡単に書かれていた。 「へぇ、『ゆっくり生物科学研究所』っていうんですか、知らなかった・・・あ、双葉としあきです、よろしくお願いします」 「こちらこそよろしくお願いいたします」 二人してペコペコと頭を下げあっていると、準備を整えたのうかりんとゆうかにゃんが居間から顔を出す。 のうかりんは余所行きの格好になって、頭にはお気に入りの麦藁帽子をかぶっていた。 それを見て田中さんはニコリと微笑んで片手をあげる。 「やあのうかりん久しぶり、元気そうで何よりだ」 「田中さんでねぇか、ひさしぶりだなぁ」 親しげに挨拶を交わす二人。 「知り合い?」 何気なく聞く俺に、ゆうかにゃんがわき腹を小突いてくる。 「にゃんだにゃ、嫉妬さんかにゃ?」 「ちがわい」 「オラ前にも言ったけど、向こうではずっと庭いじりしてたから、皆知り合いなんだぁ」 「そ、そう」 俺の知らない時間を楽しそうに話すのうかりんの様子に、ふと寂しさが心によぎる。 確かに言われたとおり軽く嫉妬してしまっているのかもしれない、恥ずかしくて頬が少し熱くなった。 「ご準備はいいですか?」 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、田中さんは笑顔のまま俺達を促す。 「ああ、大丈夫です」 持ち物と戸締りの確認をして、俺達は田中さんにつれられて外に止めてあった車に乗り込んだ。 「オラぁ、もう帰んないと思ってたから、皆に会えるの楽しみだ」 健康診断と聞いたときは気のない返事をしていたのうかりんだが、 田中さんと会って俺の家に来る前のことを思い出したのか、車の中でさっきよりもわくわくした様子でそう言った。 「どんなところなんだい?」 「どんなところって言っても、オラにとったらただの家だったからなぁ、何にも無いけど、いいとこだっぺよ」 「何もないとは、手厳しいな」 後部座席で話す俺達の会話を聞いて、田中さんはハハハと笑う。 「にゃはは、住宅地からははにゃれてるから、たしかになんにもないにゃ」 助手席からゆうかにゃんの声、そういえばのうかりん以外と、それもこんな人数で移動するなんてここしばらく無い。 「離れているって言いますけど、そんなに遠いんですか?」 俺も遠足気分が盛り上がってきて、ついつい口数が多くなってしまっていた。 「いやぁ、そんなに離れてないんだけどね、距離にすれば双葉さんのお家から二駅くらいかな、 たださっきゆうかにゃんが言ったとおり住宅地からはちょっと離れててね、 林の中にあるから確かになんにも無いといえば、その通りだね」 田中さんは初対面の俺にも気さくに受け答えをしてくれ、すぐに打ち解けることが出来そうだった。 「あ、でも研究所の皆はオラの家族だ、皆にとしあきさのこと自慢してやりてぇだ」 そういってのうかりんは俺の腕に腕を絡ませる、それを見て前の二人がくすくすと笑う。 「二人は本当に仲がいいんだな、僕は安心したよ」 「ラブラブのあっちっちだからにゃ、にゃーは早く孫の顔がみたいにゃん」 「もうおっかぁったら何いうだ!」 「あはは・・・」 すっかり冷やかされてしまったが、のうかりんは満更でもない様子で、顔を赤くしたまま腕は解かなかった。 なんでもない会話を続けているうちに、窓の外の景色にはどんどん自然が増えていって、 木々の間を縫うように走ったかと思うと、突然開けたところに出て車が静かに停止した。 「さ、ついたよ」 「おぉ・・・」 想像していたよりもはるかに大きいその施設に、初めて訪れた俺は思わずうなってしまう。 「すごい、ちょっとした大学くらいの大きさはあるんじゃないですか?」 大小さまざまな建物が入り乱れている様は、想像していた会社というイメージとはだいぶ差があった。 「工場もくっついてるし、ここで色々やってるからにゃあ」 慣れた足取りで田中さんとゆうかにゃんはさっさと先に進んでいってしまう。 「ほらとしあきさ、つったってないでいくだ」 「お、おう」 のうかりんが呆気にとられている俺を覗き込み、すっと手を伸ばす。 俺はその手を取ってゆっくりと施設に向かって歩き出した。 入り口の建物に入ると、中はしんと静まり返っていた。 けれど隅々まで掃除が行き届いているのか、新築の建物のように中はピカピカだった。 「あんらぁ!のうかりんでないのぉ、元気してた!?」 通路から顔を出した掃除用具を抱えたお姉さんが、これまた独特なイントネーションで挨拶しながらこちらに駆け寄ってくる。 「れてぃねえさん!久しぶり!」 のうかりんは彼女のことも知っていたようで、気さくに挨拶を返し手を取り合う。 「れてぃってことは・・・」 珍しい名前だが聞いたことがある、確かれてぃという種類のゆっくりがいたはずだ。 しかし目の前のお姉さんは、のうかりんと同じように人間味のある体付きをしていて、 作業服を押し上げている胸もなかなかの重量感が見て取れる。 たしかに頬には丸みがあるが、一目で胴付きゆっくりだとは気づきにくかった。 「この人がのうかりんのご主人のとしあきさん?なまらめんこい!羨ましいなぁ」 「だめだぁ、としあきさは、オラのだ!」 キラキラと目を輝かせて俺を見るれてぃさんを牽制するように、のうかりんが俺の腕を取って身体を引き寄せた。 「あはは、誰も取るなんていってないっしょ」 それを見てれてぃさんが笑う、すっかりからかわれてしまったようだ。 「初めましてとしあきさん、あたしはれてぃ、よろしく」 「よ、よろしくお願いします」 さっと差し出された手をとっさに握り返す、柔らかい手と可愛く笑った顔、 そして動いたときにゆさっと揺れた胸についついデレデレとしてしまった。 「ふふふっ、やっぱりめんこい」 それに気づいたれてぃさんが、くすくすと笑う。 「もう、としあきさったら」 のうかりんはジト目になってそんな俺を睨む。 「あはは・・・」 女の人と見たらついつい反応してしまう思春期のように節操のない自分に、俺はただ苦笑するしか出来なかった。 「んじゃあ、あたしはゴミ投げいかなきゃなんないから、後で余裕あったらお茶すんべ」 「ああ、いっぺよ、楽しみにしてるだ」 井戸端会議のように談笑したあと、れてぃさんは通路の奥へと消えていった。 「じゃ、早速ゆうかはけんこー診断いくかにゃ」 ゆうかにゃんが施設の奥へ行こうと、のうかりんの腕を引く。 「あ、待ってけれ、としあきさはどうするだ?」 「えっと・・・どうしたらいいんだろ」 つい勢いで付いてきたとはいえ、正直俺がここにいて出来ることなど何もない。 「こっちにきたって、検査室の前でただ待ってるだけにゃよ?」 「それもそうか」 かといって他にすることもないしな、と思っていると、田中さんがニカッと笑って口を開いた。 「じゃ、施設見学でもするかい?」 「いいんですか?」 「いいとも、別に人様に見せられないことはしていない、ちゃんと見学コースだってあるんだ、僕が案内してあげるよ」 田中さんはそういって、行こうかと僕を促す。 「いってくるといいだ、オラの代わりに皆に挨拶してきてけれ」 「じゃあ、そうしようかな」 のうかりんの言葉に甘え、俺は田中さんと一緒に見学に行くことにして、その場でのうかりんとゆうかにゃんと分かれた。 「では改めまして、ゆっくり生物科学研究所へようこそ!」 少し歩いて大きな扉の前で立ち止まり、田中さんはこちらを一旦振り返りかしこまって言った。 「これから我が社の誇る製品、『ゆっくりオナホール』及び 『プレミアムすっきりドール』の生産過程を見ていただきたいと思う、準備はいいかい?」 「はい、よろしくお願いします!」 形式ばった言い方に、俺もついつい背筋を伸ばして答える。 「それじゃ、行こうか」 そういって田中さんは俺に見えるようにして扉を開け放った。 「おぉ・・・」 思わず感嘆の声を漏らす、そこは普通に生活していたら決してお目にかかることのない非日常的な空間だった。 まず見えたのは、まっすぐに伸びた両サイドガラス張りの長い通路だ。 ガラスの向こうには、綺麗な部屋が上下に2段一定間隔で並んでいて、 中には大きな身体のゆっくりが幸せそうに目を閉じている。 「ここでは『ゆっくりオナホール』のためのゆっくり達が居る。我が社の基本は安全安心、そして高い品質。 『母体』のゆっくり達はこの部屋で不自由なく過ごし、やがて元気な赤ちゃんを産む」 田中さんの解説を聞きながら、ゆっくりと通路を進んでいく。 左右の部屋には、れいむ、まりさ、ありす、みょんなど基本的な種類のゆっくりが居た。 「この子達は皆妊娠しているんですか?」 「そう、本当のことを言うと父母子の家族形式にしたいのが理想なんだけどね、そこは品質管理の都合上仕方ないことなんだ」 自然な形を考えるならば、家族ひとつで1単位なのだろうが、確かに2匹のゆっくりが居れば何かしら問題が起こったり、 予定外の子供が出来たりするかもしれない。 「そういえばぱちゅりーは居ないんですね」 「基本種はラインナップでそろえたいところなんだけどね、ぱちゅりー種は身体的に他のゆっくりと比べても、 凄く脆くてなかなか難しいんだ、もちろん今後の課題として取り組んでいるところさ」 俺の何気ない一言にも、田中さんは真摯に答えてくれる。 「この子達はどうやって妊娠してるんですか?やはり交配で?」 「その昔は、優秀な個体を個室に入れて、交配させていたんだけどね、それだと母体にゆっくすで余計な負担がかかってしまうし、 種付け用の個体を用意しないといけない、これでは非効率だということで、職員が器具を使って種付けをしているんだ。 冷凍技術が進歩したおかげで、妊娠していない個体の精子餡を長期間保存しておけるようになったのも大きいね。 だから今ではここの子達全員が母であり父なんだよ」 「へぇ、そうなんですか」 それにしても、教育がきちんと行き届いているのか、ここから見えるゆっくり達は皆おとなしい。 身重の身体ということもあるかもしれないが、起きていても行儀良く座っていたり、部屋に備えてある器具で遊んでいても、 俺達が前を通るとこちらを見てにこりと微笑んでくれる。 「ずいぶん行儀がいいんですね、ゆっくりってもっと、なんていうかガサツなイメージがあったんですけど」 「それは次の部屋で説明しよう」 田中さんの話に夢中になっていると、いつの間にか次の扉が目の前にあった。 扉を開けて中に入ると、さっきとは違い通路のサイドに大きな部屋があって、ドアについていた小窓から中をのぞくと、 小さなゆっくり達が数匹と、大きなゆっくりが一匹、そして一人の女の人が居て、なにやら楽しげにしていた。 「これはいったいなんですか?なんだか学校か幼稚園みたいだ」 思ったことをそのまま口にすると、田中さんがにやりと微笑んだ。 「そうその通り、ここは養育と教育を兼ねた施設で、年齢別及び教育レベル別に細かく分類された部屋で、 それぞれ教師役の職員やゆっくりが手塩にかけて育てているんだ」 田中さんの言ったとおり、通路の奥へ行くにつれて、部屋の中に居る小さなゆっくり達の大きさが大きくなっていく。 「ほら見てごらん、ここでは今、技術訓練をやっているみたいだね」 田中さんに言われた部屋をのぞくと、中に居るゆっくり達は、床に吸盤でくっつけられたペニスの形をした棒の前に、それぞれ並んでいた。 それに対面する形で、部屋の奥に居る教師役のゆっくりが、同じく目の前にあるペニス棒に舌を絡めて行く。 するとそれに合わせて生徒のゆっくりたちが、一生懸命先生役を真似して口を開け舌を伸ばしてペニス棒を舐め始めた。 「凄いなぁ」 「彼女らにはちゃんとした知能があるからね、生まれたときからしっかり教育してやれば頭だってよくなるし、 一定の技術を教えることだって出来る。そしてここで訓練をつんで一定以上の成績をおさめたものが、 晴れて製品になるんだ。さらにその中でも特に優秀だった個体は母体になって次の優秀な子を産み、 母体を終えた個体はその多くが教育係になる。そうしてより品質の高い製品を生み出すサイクルが出来上がっているんだ」 田中さんはとても熱心に語り、彼がこの仕事に確かな情熱を持っているということが伺える。 「これまで見たのは通常の子達ばかりですけど、例えば俺のとこに来たのうかにゃんとかは、別のところに?」 「次の部屋からが胴付きのスペースさ、胴付きは個体としての値段も高いし、プレミアムを銘打っているからね、 より強く力を入れて育てているんだよ」 また通路の置くの新しい扉を開く。 今度は少し何もない連絡用通路を歩き、次の建物に移動した。 「さ、ここが胴付きの施設だ」 そこは最初の部屋と同じように両サイドがガラス張りの部屋だった。 けれどさっきと違うのは、一つ一つの部屋が直前に見た教室と同じくらいの大きさの部屋で、中には何人かの子がまとまって生活していた。 十分に動き回れるような環境で、最初の部屋では数匹のおなかの大きなゆうかにゃんが笑いながら話していたのだが、 こちらに気づいて通路側まで寄ってきて皆ペコリとおじぎをした。 「お行儀いいなあ」 ほほえましい気持ちになった俺が軽く手を振ってやると、皆一様に微笑んで手を振ってくれる、実に可愛い。 「この子達はどうしてまとまってるんですか?」 「胴付き達はより繊細だからね、それでどうして保護しないのかって思うかもしれないけど、 逆に僕達はこうして仲間を作ってやることによって、母体達の精神衛生を良くする効果を期待しているんだ。 もちろん絶対に喧嘩なんかしないように、細心の注意を払って管理している、当然教育の成果もあるけどね」 たしかに言われてみれば、どこの部屋に居る子もみな屈託のない笑みを浮かべている。 楽しくおしゃべりをしたり、仲良く遊んだり、中には出産間近なのか、特にお腹の大きな子のお腹に耳を当てている子もいた。 「あれ?あれって」 部屋を進んでいるときに、俺はあることに気づいた。 妊娠している子に混じって、お腹のへこんだ子がいると思ったら、 その子の腕の中にはその子にそっくりな小さな赤ちゃんゆっくりがいたのだ。 「胴付きゆっくりは、よりユーザーに近い立場でコミュニケーションをとる必要があると僕達は考えているんだ。 さっきの『ゆっくりオナホール』が、あくまでグッズやペットとして扱われるとしたら、 この『すっきりドール』達はペットより高い立場、家族やパートナーとして扱われることを想定している。 『プレミアム』の名を冠する子たちは特に、ね。だからこうして生まれた直後は母親と一緒にすごさせる。 そして他の母体の子達に囲まれて、暖かな幸せの中で育てられるのさ」 そういって中の子ゆっくりを見つめる田中さんのまなざしは、まるでわが子を見つめるような慈しみに満ちていた。 結果的に正規の製品にはならなかったにせよ、ここで育ったのうかりんが、 ああして俺の大切なパートナーとしていることを考えると、この取り組みは上手くいっているといえるだろう。 母ゆっくりの腕の中で眠る子ゆっくりは、何一つ穢れない無垢な顔で静かに寝息を立てていた。 次の施設は胴なしのゆっくり達の施設と同様の学校施設になっていて、人間の幼児くらいの大きさの子から出荷直前であろう子が、 段階別に集まっていろいろなことを勉強しているようだった。 「さて、本来はここで見学コースは終わりなんだが、まだ時間がありそうだ、次に行こう」 気分がノッてきたのか、田中さんは俺の前を意気揚々と進んでいく。 次に案内されたのは、いかにも研究施設といった区画だった。 無機質な廊下、整然と並ぶ部屋のドアについている窓からは、見たこともないような器具がたくさん並んでいるのが見える。 中で働いている人たちは一様に白衣を着ていた。 「さて、あそこが暇そうかな」 田中さんは一つの部屋にアテをつけて俺を招く。 「やあ皆、紹介しようあの”のうかりん”のご主人の双葉さんだ」 部屋に入ると田中さんが俺を紹介する、部屋の中に居たのは白衣を着た男性3人で、田中さんの発言を聞いた瞬間部屋にどよめきが走った。 「まままままじっすか」 「のうかりんは、のうかりんは元気!?」 「ああ羨ましい、羨ましいなぁ」 「よ、よろしくお願いします」 イスに座ったままではあるが、凄い剣幕になる三人の雰囲気に萎縮してしまう。 「まあまあそうかたくならずに、彼らはのうかりんのファンだったんだよ」 田中さんが笑うと、三人はそれぞれ昔を懐かしむように目を閉じる。 「のうかりんは素晴らしい、優しくて気遣いも出来て、何よりあの包容力のある身体、たまらないよねぇ」 「のうかりんは僕らの、いやこの研究所皆のアイドルだった、もちろん僕も大好きさ」 「あああのうかりん、改造したい・・・」 「そうなんですか?」 一部不穏な発言も聞こえたが、俺の抱いていた印象とは違う発言を聞いて、内心驚いたというか、ほっとしたというか、複雑な気分になった。 なにしろ俺はのうかりんに『自分は不良品だからお払い箱にされた』と聞かされていたからだ。 「どうしたんだい?」 田中さんが俺の微妙な反応に気づき、声をかける。 「いえ、実は」 俺がそのことを言うと、三人と田中さんは目を丸くして、 『そんな馬鹿な!?』 と声をそろえて驚いた。 「でものうかりんがそういったんですよ、だから俺はてっきり嫌われていたのかと思って心配してたんですけど」 「そんなことは誓ってないさ、でも確かにあれはあまりに急だったし、そう思われても仕方なかったかもなぁ・・・可哀想なことをしたよ」 三人のうちの一人が、ぽつりとつぶやいた。 「商品として成り立つか否かだけを言えば、のうかりんは出荷不可能という意味で不良品なのは確かだ。 でも僕達はそんなことでのうかりんを、いや、彼女達をモノみたいに捨てたりはしない。 そういう子達だって活躍の場を与えることは出来るし、いやらしい話研究所としては研究対象にもなるしね。 のうかりんは変異体で人間に近いボディや、普通のゆっくりらしくない特殊な思考をもって生まれている。 とりあえず商品には出来ないから、特性を生かした結果菜園作業が向いているということで、庭係りをまかされていた。 でもさっきも言ったとおり、のうかりんは人当たりも良かったし働き者で、皆に好かれていたんだよ」 優しい表情で語る彼の言葉に嘘のようなものは感じられず、ここで過ごしていたのうかりんは、 本当に愛されていたんだなということが手に取るようにわかった。 「でもじゃあ何で俺のところに?」 素直な疑問が浮かび、口にする。 するともう一人が、苦々しい顔をして答えた。 「『商品としてはもちろん、まずは個として愛を注げ』っていうのがうちのボスの言葉でさ、勿論俺達は皆それに賛同してる。 生き物を扱う以上、ここを巣立っていった子達が今後どのような一生を過ごすかまでは保障してやれないけど、 せめて生まれてから出荷されるまでは愛情を与えて、幸せに育ててやりたいからね。 商品になる子、商品にはなれなかった子、実験や研究対象の子、皆同じ命さ、軽んじていいわけない。 けどこれはあくまでうちの方針、そのさらに上には経営者様が居るわけよ」 彼の言葉を引き継ぐように、三人目が口を開く。 「あ、あいつら、のうかりんを養う無駄な金は無いからどこかに払い下げるか、処分するか、 それが嫌なら何とかして商品化しろっていってきたんだな・・・。けどのうかりんは突然変異だから量産したり出来ないし、 皆のアイドルを売ったり、こ、殺したりするなんて絶対にいやだったんだ・・・。 だから僕たちは相談して丁度良く近かった『ゆうかにゃん一万体キャンペーン』のプレゼントにするっていうことで手を打ってもらったんだ・・・。 で、でも、いい人そうな人にもらわれて、う、うれしいんだな・・・」 「それについては僕が保障するよ、のうかりんは本当に幸せそうだった。 実のところ、半ば強制的にイメージと違うものを送られたら、クレームが来て出戻り、 なんてことになるかなって職員の皆は期待していたみたいなんだけどね」 田中さんの言葉に、白衣の三人はハハハと照れ笑いを浮かべる。 「安心してください、のうかりんは俺が絶対幸せにします!」 和やかな雰囲気に、冗談めかしてそんなことをいう。 勿論言葉通り有言実行のつもりだが、これでは嫁をもらう男の台詞みたいで、頬に熱が帯びていくのを感じた。 「そりゃそうだ、幸せにしなきゃ俺がぶっ殺すからな」 「何かあったら僕らも助けになる、応援するよ」 「ぺ、ぺにぺにとか着けたくなったらいつでもくるといいんだな・・・」 三人に祝福?され、俺と田中さんは部屋を出た。 「さてそろそろ」 田中さんが時計を見たところで、突然田中さんのポケットから携帯の呼び出し音が鳴った。 「もしもし?はい、あ、そうですか、わかりました、はい、では終わりましたら連絡ください、はい、失礼します」 「何かあったんですか?」 電話を切ってポケットに入れる田中さんに、俺は何事か聞くと、田中さんは変わらぬ笑顔で答えた。 「いや、たいしたことじゃないよ、ちょっと検査が延びたから、もう少しゆっくりしててくれって」 「のうかりんどこか悪いんですか?」 心配になって青ざめる俺に、田中さんは小さく首を振る。 「そんなことないと思うよ、ただちょっと気になったことがあったんだって、 もし万が一のことがあってもここの設備ならあっという間に治せるから心配しないで」 「そうですか・・・」 安心させようとしてくれたのはわかるが、万が一のことと聞いて俺はつい不安になってしまう。 そんな気持ちを吹き飛ばすように、田中さんはぱっと笑って俺の背中を軽くたたく。 「ささ、じゃあ次で最後だけど、取って置きの場所があるんだ、いこう」 「はい」 俺はくよくよしていても仕方ないかと、田中さんの後に続いて歩き出した。 「さあついたよ」 二つほど建物の中を横切ってたどり着いたそこは、丁度建物の真ん中にある空間で、 天井の窓から光が差し込み、緑や小さな池まである大きな室内の中庭のような場所だった。 「おお、すごい」 俺は思わず驚きを口に出してしまう、ただ綺麗な場所というだけならそれほど珍しくはないが、 その空間には多数の胴つきや胴なし、そして見たことも無いような珍しい種類のゆっくり達がいて、 皆それぞれグループを作ったりして仲睦まじく過ごしていた。 「ここはどういうところなんですか?」 思わずわくわくした気持ちなってしまい、興奮した様子の俺をみて田中さんはクスリと笑う。 「ここはまだ商品化していないゆっくり達の生活の場かな、やっぱり自然のあるところで過ごさせてあげたいからね。 のうかりんみたいに理由があって商品にならなかったり、これから製品化していくために飼育していたり、様々な子が居る。 まあ簡単に言ってしまえばふれあい広場みたいなものかな、ほら、入っていいよ」 入り口のドアを開いて、田中さんは俺の背中をぽんと押す。 俺が入った瞬間、数匹のゆっくり達の大きな瞳が一斉にこちらを向いた。 「こ、こんにちわ」 いきなり注目されるとさすがに少し気恥ずかしい、俺がぎこちない挨拶をすると、あちらこちらから、 『ゆっくりしていってね!』 という声が上がった、一応受け入れてもらえたらしい。 「じゃあ、僕は用事があるからここで一旦失礼するよ、自由に過ごしてくれ、何かあったら、そうだな・・・」 田中さんが広場の中に視線を走らせ、誰かを見つけて「おーい」と声をかける。 すると田中さんの呼びかけに応じて、離れたところから作業着姿の一人の女性がやってきた。 「あたしでいいかい?あらとしあきちゃん、いらっしゃい」 と思ったら、さっき玄関であったれてぃさんだった。 れてぃさんは人懐っこい笑みを浮かべて、俺の手を取る。 「さあさあ、遊んでって、あたしだけじゃこども達を手に負えないよ」 「あ、はいはい引っ張らないで」 俺がまごついているとれてぃさんは俺の腕に腕を絡めてぎゅうぎゅうと胸を押し付けてきた。 そっけない作業着の下の柔らかい感触についつい鼻の下が伸びてしまう。 「あはは、じゃあれてぃ、後はよろしく」 田中さんは声を上げて笑いながら、片手をあげて通路の奥へと歩いていった。 「おにーさんおなまえなんていうの~?」 「としあきだよ」 「あしょんであしょんで!」 「あ、ああいいよ」 「ゆっ!ゆっ!だっこしてね!だっこしてね!」 「はいはい、ほーら高い高い」 「おそらをとんでるみたーい!」 「りぐるもー!」「あたいも!」「ちるのちゃんやめようよ、あぶないよ」 「ねーえあっちですなあそびしようよー」「おにーちゃんはちぇんとおいかけっこするんだよー、わかってねー」 「あああちょっと待ってちょっと待って」 れてぃさんに連れられて広場の真ん中に行くと、職員以外の人間が珍しいのか、 目を輝かせた小さなゆっくり達に一斉に囲まれてしまった。 四方八方からの遊んで遊んでのラブコールに、俺の身は全く追いつかない。 「れてぃさんも笑ってないで手伝ってくださいよ!」 「あはは、いいっしょべつに、ほら皆、としあき兄ちゃんに遊んでもらえ」 『はーーーい!』 れてぃさんのGOサインに、再び俺をもみくちゃにするゆっくり達。 胴のない子は足元で靴を舐めたりふくらはぎに体当たりしたり、胴のある子は腹や太ももに取り付いて、よじ登ろうとする子さえ居た。 「こら!危ないって、やばっ転ぶ!」 何とか踏ん張ろうとするも、バランスを崩してしりもちをついてしまった。 「誰も怪我してないよね?」 俺よりもあきらかに身長の低い子達を相手にしているので、一挙手一投足に注意を払わなければいけない。 周りを見て、踏み潰したりしていないのを確認してほっとしていると、 低い姿勢になったのをこれ幸いと見たゆっくり達の一斉攻撃にあってしまった。 まるでアマゾン川に落ちた怪我人に群がるピラニアのように、俺の身体の隅々をゆっくり達が覆っていく。 「うへぁあああああああ!!」 足の先から顔面までむにゅむにゅの身体に包まれ、前後不確定な状態に陥ってしまう俺。 しかも中には製品用の知識を勉強している子も居るのか、誰かはわからないが耳や指先を咥えたり舐めたりしている子まで居た。 というよりも、正直柔らかいゆっくり達が身体の上を蠢いている時点で結構気持ちいい。 俺はこんなところで勃起すまいと精神統一して気を静める、が。 「ぐ、ぐるじいいいいだすげで!」 顔にまで無邪気な笑顔のゆっくりが張り付いているおかげで、まともに息もすえない。 「あっははははは!」 ゆっくりの壁の向こうかられてぃさんの笑い声が聞こえる、薄情者め。 あわや窒息かと思われたときに、ぐいと手が引っ張られて助け起こされた。 「大丈夫ですか?」 「はは、なんとか・・・君は?」 俺を助けてくれたのは見たことないゆっくりで、薄く紫がかったピンク色の髪の毛の、幼稚園児みたいな服を着た胴つきの子だった。 「げっ」 思わず声を上げたのは、彼女の胸付近にくっついていた謎の目玉とばっちり目が合ってしまったからだ、アクセサリーかなんかだろうか。 「わたしの名前はさとりです」 「さとりちゃんか、ありがとう、俺はとしあき、よろしく」 俺が礼を言うとさとりちゃんははにかんだように微笑んだ、幼い外見とその仕草は実にキュートだ。 まだ製品化されていないようだが、こんな子といちゃついたなら、犯罪チックで興奮するかもしれない。 「こちらこそ、よろし・・・ハッ!」 挨拶をして立ち上がると、さとりちゃんはカッ!と目を見開いて俺の手を勢い良く振りほどいてしまった。 「ど、どうしたの?」 「ふ、不潔です!いきなりそんなっ!いやあああ!」 いきなり顔を真っ赤にしてまくし立てたかとおもうと、そのままさとりちゃんは脱兎のごとく逃げ出してしまう。 「な、何か悪いことしたかな?」 突然のことに呆然と立ち尽くす俺の背後から、笑いをこらえきれないといった様子のれてぃさんが肩を叩いた。 「ぷっ・・・くくく、としあきちゃんダメでないか、えっちぃこと考えたっしょ」 「なっ、そんなこと」 慌てて否定するも、れてぃさんは全く信じず腹を抱えて笑い出す。 「あはははっ、隠すんでないって、あのこ、さとりは手を握った相手の気持ちがわかるんよ、だからえろいこと考えたら一発さ」 嘘のようなその言葉をきいて、顔がカッと熱くなる。 さとりちゃんの走っていった方を見ると、木の陰から真っ赤な顔をしたさとりちゃんがこちらをのぞいていた。 「悪いことしたな・・・」 むにむに地獄から逃れた後に美少女に助けられたせいで、変な気を起こしてしまった自分に反省する。 しかし俺の股間は刺激によってテントを張ったままで、それをれてぃさんに見つけられて再び爆笑されてしまうのだった。 「全く、そんなに笑うこと無いじゃないか、生理現象だってーのに」 足元できゃいきゃい言っていたゆっくり達をれてぃさんに押し付けて、愚痴をこぼしながら散策する。 「それにしても、いろんな子がいるなぁ」 草木が茂っている場所、小さな池のある場所、子供用の遊具みたいな設備、色々な場所に目をやっても、 どこもかしこも大きさ大小、種類も様々なゆっくり達が楽しげに過ごしていた。 さっき囲まれたようなちびっ子達が多いが、中にはのうかりんやれてぃさんみたいな背の高い、 大人の女性みたいな胴付きの子も少なからず居た。 そういう子達はやはり見た目どおりお姉さん役のようで、小さな子達に囲まれて笑顔で相手をしてあげている。 「い、いかんいかん、俺はのうかりん一筋だぜ・・・」 なんて呟いて自制を試みるも、ついつい視線は可愛い子、体付きのいい子などに向いてしまうのは、男のサガというやつだろう。 どの子も、もしのうかりんがいなかったらお持ち帰りしてしまいたいほど可愛い、 しかもその子達が、えろいことをする製品になるための研究所で飼われているのだから、妄想も膨らんでしまうというものだ。 脳内で想像するくらいは浮気じゃないだろ?などと都合のいいことを考えながら目の保養を続けていた。 すこしすると突然首筋にひやりとした気配を感じた。 「ひゃっ!うぉ!?」 冷たさに声を上げたのもつかの間、突如目の前に現れた眉をキリリと吊り上げたドヤ顔に再びドッキリ。 「としあき!あたいをだっこしろ!」 「え、ああ、こう?」 いきなりの命令口調に思わず従って、その子を手にとって抱きかかえた。 「ゆっくりー!」 青い髪の毛の胴なしのあたいっ子は、実に満足そうだ。 「っていうか今浮いてたよね、飛べる子なのか・・・?」 そして普通のゆっくりと違って体が全体的にひんやりと冷たい。 頭に付いた大きなリボンをよけて頭を撫でてやると、ゆっゆっと声を上げて気持ちよさそうに目を閉じる。 「ちるのちゃんをかえして!」 突然、悲痛な声と共に後ろから腰にタックルをかまされた。 「うぉっ」 何とか咄嗟に一歩踏み出してバランスを取って、後ろを振り返ると、 緑色の髪の毛のポニーテールの胴つきの子が、こちらを見上げてキッと睨みつけていた。 「ちるのちゃんをかえしてっ!!」 その子はべそをかきながら手を伸ばして、俺の腕の子を奪取しようとする。 けれどその子の頭は俺の腰元くらい、あまりに身長が違いすぎて、届く気配はまるでない。 そういえば最初にもみくちゃにされている時も 「あたい!」「ちるのちゃん!」という声を聞いた気がする、きっとこの子達だったんだろう。 「この子がちるのちゃん?」 別に意地悪する気などないので、抱えていた子、ちるのちゃんをその子に差し出してやった。 「ちるのちゃんっ!」 「だいちゃん!あたいくるしい!」 ポニーテールの子はだいちゃんというらしい、ちるのちゃんを受け取った瞬間もう離すまいとぎゅうと胸に抱き、 ちるのちゃんは少し形をゆがめるほど平らな胸に押し付けられている。 「お友達をとっちゃってごめんね」 俺がだいちゃんの頭を優しく撫でてやると、だいちゃんはいまだ警戒しながらもほんのりと嬉しそうに目を細めた。 「ちるのーだいちゃーん、あーそぼ」 小さな手足を大きく動かして、だいちゃんと同じような大きさの、活発そうな子がそばによってくる。 今度の子は全体的に黒い服装でズボンをはいた緑色のショートカットの胴つきの子だ。 頭からはピョンと伸びた二つの触角のようなものが生えている。 「えっと、君は~?」 「あたしりぐる!」 その子はピッと手を上げて元気良く答える、なかなかいい子だ。 けれど俺はふとあることが引っかかってしまった。 「あたし?男の子じゃないの?」 外見から判断して、男の子のゆっくりなんて珍しいなと思っていたが、自分をあたしと呼ぶなんて変だなと感じてしまった。 するとりぐるくんはぷくぅと頬を膨らませて抗議の声を発する。 「ぷっくうぅぅぅ!!あたしおんなのこだもん!ほらっ!」 そのままズルリと自らパンツごとズボンを下ろす、そこには確かに可愛いワレメがついていた。 「あ、あはは、ごめんよりぐるちゃん、ズボンはいて」 あまりの無邪気な行動に子供を相手しているような気になって、さすがに勃起はしなかった。 けれどそのままにしておくわけにもいかないので、しゃがんでズボンをはかせてやる。 「これでわかったでしょ!?」 りぐるちゃんはなおもご立腹なようで、頬を膨らませたままぷりぷりと怒る。 なんとかなだめようとしていると、後ろから大きなスカートと可愛い飾りのついた帽子を身に着けた胴つきの子がやってきた。 「ちんちん!」 「なっ!?」 突然飛び出した卑猥な言葉に思わず耳を疑う。 「あっ、おにいさんえろいことかんがえたでしょ、ちんちんはみすちーのなきごえだよ、ねー」 「ちんっ!」 りぐるちゃんが俺を軽蔑したような眼差しで見て、みすちーちゃんを俺から隠すように背後に押しやった。 「えろなのかー」 みすちーちゃんのスカートがもぞもぞと動き、金色の髪の毛の赤いリボンをつけた胴なしの子が現れ、俺をニヤニヤと見上げる。 「なんでそんなところから・・・」 「るーみあはくらいところがすきなんだよ、ちんちん!」 俺の呟きにそう答えて、みすちーちゃんがしゃがんでるーみあちゃんをスカートの中に隠す。 中がどうなっているのかはわからないが、大人しくなったのでそれがお気に入りらしい。 「へんたいおにいさんなんてほっといて、みんないこいこ!」 りぐるちゃんはからかうように俺を笑って、他の子達の手を引いてつれていってしまった。 「じゃーね、ちんちん」 ニコニコと笑うみすちーちゃんが振り返って手を振ってくれる。 俺はそれに手を振り替えして、彼女らを見送った。 「なんだったんだか・・・」 水辺に近づくと、見慣れたゆっくりが身体を寄せ合って水面を見つめていた。 「えっと、れいむとまりさでいいのかな?」 俺が声をかけると、ゆっくりれいむとゆっくりまりさがこちらを向く、最もポピュラーな種類の二匹の胴なしのゆっくりだ。 「こんにちわおにーさん!れいむはれいむだよ」 「ゆゆ?まりさたちになにかようなのぜ?」 れいむは行儀良く目を伏せて挨拶をし、まりさはこちらを見上げて疑問を投げかける。 一見そこらへんにいるゆっくりと変わらないように見えるが、髪の毛の色艶や肌のハリも良く、 ペットとしても最上級のレベルだろう。 それにしても、れいむとまりさは『ゆっくりオナホール』として商品化されていたはずだ。 ここにいるということは何か問題があったりするのだろうか。 周りには商品化されていない、希少種と呼ばれるようなゆっくり達が多かったので、ふと気になってしまう。 失礼かなとは思いつつも、興味にかられた俺は二匹にどうしてここにいるのかたずねてみた。 するとれいむとまりさは、特に気にした風もなくすんなりと答えてくれる。 「れいむとまりさは、いまはせんせーさんなんだよ」 「きょうはおしごとないのぜ」 「ああ、そうなんだ」 二匹は決して不良品などではなく、教育施設の教師役だったようだ。 「今は何をしてるんだい?」 「おともだちをまってるのぜ」 「へぇ」 水を飲んでいたわけでもなさそうだし、特別いちゃついているような様子も無かったので、 何をしているのかとおもったら、そういうことだったようだ。 けれど二匹が見ていたのは水面で、そちらからそのお友達が来るとは思えなかった。 「もうすぐくるんだよ」 そういって、やはりれいむとまりさは再び水面のほうを向く。 少しすると、突然二匹が見つめている水面が揺らめき、何者かが顔をだした。 「かぱぁ~」 出てきたのは、二匹と同じ胴なしで、青い髪の毛を短いツインテールにして、緑色の帽子をかぶったゆっくりだった。 「にとり、ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!ゆっくりしていってね!」 れいむとその子が挨拶を交わす、どうやらにとりという名前らしい。 「ささ、あそびにいくのぜ、きょうはなにするのぜ?」 まりさがおさげを振りながら元気良く跳ねて移動すると、れいむもそれについていく。 けれどにとりは、俺のほうをじっと見て立ち止まってしまっていた。 「おにーさんだあれ?」 見慣れない人間がいて興味を引かれたのだろう、大きな瞳が実にきらきらと輝いている。 「えっと、俺はとしあきだよ、よろしく、のうかりんのご主人って言えばわかるのかな」 俺がそういうと、にとりはぐぐっと身を乗り出してうなずいた。 「うんうん!のうかりんしってるよ!おっぱいぼいんぼいんで、やさしーの!」 「ははは、そうかそうか」 なんだか嬉しくなってくしゃくしゃと頭を撫でてやると、にとりは目を細めてくすぐったそうに笑う。 「えへへ、ねえねえだっこして、だっこー!」 「いいぞ、ほらっ」 無邪気なお願いに、両頬を包み込むようにもって持ち上げてやる。 今しがた水から上がったばかりで濡れていたので、抱きかかえてやることは出来なかったが、 それでもにとりはきゃっきゃと嬉しそうにはしゃいでいた。 「ゆわぁ~いたかいたかぁ~い」 「ほーら高いたかーい」 あまりに喜ぶもんだからこっちも調子に乗って遊んでいると、足元にぽすりと何かが当った。 「ちょっとおにいさんにとりをとらないでほしいのぜ、ぷくぅしちゃうのぜ!?」 足元を見るとまりさがふくれっつらでおさげを使って俺の脚をつついていた。 「ゆっ、ゆっ!れいむもたかいたかいしてね、とってもたのしそうだよ」 れいむはぴょんぴょんと飛び跳ねながら俺にアピールしている。 「いいぞ~、よっ、それっ」 一旦にとりをまりさの横に帰してから、れいむをひょいと抱えて持ち上げてやる。 「ゆわぁ~い!おそらをとんでるみたい!」 れいむももみあげをぴこぴことふって実に楽しそうだ。 それを見たまりさは、ますます不機嫌になって、ぷくぅと頬を膨らまして俺を睨みつける。 「ずるいのぜ!まりさもしてほしいのぜ!」 遊ぶ約束をしていたお友達を盗る形になってしまって、体当たりでもかまされるかと思ったが、 口から出たのはなんとも微笑ましい言葉だった。 「あはは、順番な、順番」 俺はその後しばらく3匹に付き合って交互に高い高いをしてあげた。 「はぁ、つかれた・・・」 あの後れいむとまりさとにとりが飽きるまで付き合って、くたくたになったところで解放された俺は、 そばにあった木陰で休むことにした。 空調設備だろうか、室内のはずなのに時折頬を撫でる優しい風が、運動して火照った身体に心地いい。 「持ち上げておろして、なんて作業でも意外とキツイもんだなぁ・・・」 普段から運動していたはずの俺も案外と体力がないもんだなぁと実感させられる。 …といっても大抵のうかりんとのベッド運動会ではあるが。 離れたところで遊んでいるゆっくり達を眺めていると、前触れなく突然視界が暗くなった。 「ばあ!」 そして耳元に響く大きな声。 「うぉっ!?」 全く無警戒だった俺は、素っ頓狂な声を上げてしまった。 「あははっ!びっくりしたびっくりした!」 驚かしが成功してご満悦なのか、俺の前で青い髪の毛の女の子が変な傘をさしながらくるくると回ってはしゃぎだす。 一見普通の女の子かと思ったが、彼女も胴つきの子らしい、背丈は人間で言うと中学生くらいで、左右で色の違う瞳が印象的だった。 回るたびにスカートの下からのぞくほっそりとした生足が健康的で魅力的だ。 「コラ!こがさ!」 「ひっ!?」 俺を驚かせた子が、今度は別の声でビクリと身体を強張らせた。 どうやらこがさちゃんという名前らしい。 「その声は、さ・・・さなえさん・・・?」 緊張した面持ちで、ギリギリと首を動かして声のしたほうを向くこがさちゃん。 俺もそれを追って視線を向けると、そこにはなんと、セーラー服の女子高生が仁王立ちしてこがさちゃんを睨みつけていた。 「なんで女子高生・・・?」 今までにないシチュエーションに疑問が浮かぶ、そんな格好のゆっくりいただろうか。 彼女もまたこがさちゃんと同じくほっそりした体型で、格好と同じく背丈も高く、遠くからみたら本物の女子高生に見えなくもない。 かろうじて丸い頬が、彼女もまた胴付きゆっくりだということを教えてくれる。 「初めまして、としあきさんですよね、私さなえともうします」 さなえさんはニコリと微笑んで、丁寧にお辞儀をした。 「あ、ご丁寧にどうも」 あまりにきちんとした挨拶に、座ったまま身を正してお辞儀をしてしまう。 「どうしてそんな格好を?それがさなえさんの本当の服でしたっけ?」 ゆっくりさなえといえば、そこまで珍しい種類ではない、何度かテレビやネットで見たことがあったと思うが、 俺の記憶の中の胴つきさなえ種は、変わった形の巫女装束だったと記憶している、少なくとも女子高生ルックではなかったはずだ。 「これは趣味です」 「あ、そうすか」 胸に手を当てて、あまりにきっぱりと言い放つので、妙に納得してしまった。 「さてこがさ、あなたお客様をいきなり驚かせるなんて、失礼じゃないですか」 「ごごごごめんなさい、ほんの出来心だったの許してぇ」 今まで俺に微笑んでいたさなえさんが、こがさのほうを向いて詰め寄る。 俺からその表情は見えないが、こがさちゃんの怯えっぷりは尋常ではない。 「絶対に、ゆ・る・さ・な・え!」 「いやああああああああ!!」 さなえさんはこがさちゃんの両頬をガシッとつかむと、そのままぐいぐいと引っ張っていく。 「いひゃいいひゃいいひゃいいいいいい!!!」 ゆっくり特有の柔らかいもちもちの頬は、そのままむにーっと伸びて、こがさちゃんは顔面崩壊状態だ。 「うふふふふふふふふふ」 さなえさんは実に楽しそうに笑いながら、こがさちゃんの頬を引っ張るのをやめない。 「お、おいおいその辺でやめてあげなよ、俺は気にしてないからさ」 異様な光景に、止めなければと俺が立ち上がろうとすると、何者かが走ってきてさなえさんのスカートの中に身体ごと突っ込んだ。 「きゃっほーう!」 「きゃあっ!」 楽しそうな声をあげながら何者かがスカートの中で暴れ、スカートを押さえて可愛い悲鳴をあげるさなえさん。 「ごめんなさああああい!」 その隙をついてこがさちゃんは全力でその場から逃げ出した。 「あっ!こらこがさっ!きゃああ!やめ、だめですよう!」 こがさちゃんを追おうとするも、スカートの中の襲撃に頬を染めて身をよじるさなえさん、ちょっとエロい。 「もーらった!あはははは!」 蠢いていたさなえさんのスカートの中から、紫色の髪の毛の、赤い服を着て丸い何かを背中につけた胴つきの子が飛び出した。 その手には何かをつかんでいる、良く目を凝らすと、ひらひらと舞うその白い布は…。 「ひ、ヒモパン・・・?」 「きゃああかなこさま!返してください!」 顔を真っ赤にしたさなえさんが小さなかなこちゃんを追い回す。 けれど体格の差を利用したフットワークの軽さで、かなこちゃんはさなえさんの手をひらりひらりと回避する。 「それぇっ!」 狙ってか否か、俺の目の前でかなこちゃんがさなえさんの股の下をくぐって、スカートの端をもって思い切りジャンプした。 「きゃああああああああ!!!」 絹を裂くようなさなえさんの悲鳴、俺の目にはさなえさんの健康的な白くて丸いお尻が眩しく写る。 「あはっ、ぼっきしてるぅ」 突然耳元で響く声、それと同時にいつの間にかテントを張っていた股間を小さな手がさらりと撫でた。 「うおっ!?」 無防備な股間への攻撃に、思わず甘い衝撃が腰を走る。 目をそらしている隙に、さなえさんとかなこちゃんは追いかけっこをしたまま遠くへ行ってしまっていた。 「あたしすわこ、おにーさんってえっちすき?」 いつの間にか横にいた、艶っぽい声を出す金髪の長い髪の胴つきのちびっ子はすわこちゃんと名乗る。 「んっ、ちゅっ・・・」 目を閉じてすわこちゃんが俺の頬を大きな舌でぺろぺろと舐める、大きな目のついた帽子がゆらゆらと揺れてこちらを見つめていた。 「こ、こら、やめなさい」 「あたしは、えっちなことすきだよ、おにーさんも、かわいいし、すき・・・」 妖しく舌を動かしながら、伸ばした手で股間をさすり続けるすわこちゃん。 俺の声を無視してのソフトな愛撫に、いけないと思いつつも気分が盛り上がってしまう。 「だ、だめだよすわこちゃん・・・」 ビクビクとズボンの下でペニスが脈打つ、まさかこのままイかされてしまうって言うのか!? 「あっ、かえるさん!」 あわや射精かと思ったそのとき、すわこちゃんが声を上げてパッと身体を離す。 「え?」 俺に興味をなくしてしまったかのように、すわこちゃんが走っていった先には、大きな緑色のカエルがドッシリと構えていた。 「かーえーるーさ~ん、けろけろ~ん」 すわこちゃんはカエルに駆け寄って捕まえようとする。 するとカエルはその手をスルリとすり抜けて、ぴょんぴょんと離れていってしまう。 「まってよぉ」 すわこちゃんはカエルを追って、そのまま遠くへといってしまった。 「どうすんだよこれ・・・」 俺の股間では、ギリギリまで焦らされたペニスが虚しくヒクついていた。 休もうとしていたはずなのに、その後もちょくちょく誰か彼か変わりばんこにやってきてはちょっかいをかけられ、 すっかり疲労困憊してしまった俺は、いつの間にか草の上で眠ってしまっていた。 「とーしあーきさっ!」 身体の上に、むにゅりと柔らかい衝撃がのしかかる。 「んあっ」 目を覚ました俺の視界に、優しく微笑む見知った顔があった。 「のうかりん!もう検査は終わったのかい」 別れて少ししか立っていないのに、ひどく懐かしい思いに駆られ、思わずのうかりんを抱きしめる。 「お、おわっただよ、ってやめてけろとしあきさ、はずかしいっぺよ、皆見てんだから!」 「え?」 首をめぐらせると、あちらこちらから視線を感じる、皆俺とのうかりんがいちゃついているのを見て、ニヤニヤと笑っていた。 「うわわっ」 こっぱずかしくなってのうかりんを離し、あわてて身をよじって体を起こす。 「ひゃあっ、あはは、もうとしあきさったら」 俺の上から転げ落ちたのうかりんが、寝転がったまま笑う、つられて俺も笑顔になった。 「あははっ、悪い悪いって、ん?」 ふと、のうかりんのそばに何かがあるのに気づいた俺は、何事かと目を凝らす。 巨大な緑色のそれは、草の上で補色になっていてわかりづらかったが、とても大きなカエルだった。 「ゲコゲコッ」 カエルは一声なくと、寝転がっていたのうかりんの大きなお尻に向かってジャンプし、べたりと張り付いた。 「うっひゃああああ!なんだなんだぁ!?」 全く気づいていなかったのうかりんは、お尻に感じた衝撃に悲鳴を上げながら身をよじる。 けれどカエルは、のうかりんのお尻が気に入ったのか実にご満悦でガッチリとへばりついて離れなかった。 「も、もうとしあきさ!とってけれ!」 「ちょいまち」 のうかりんが起き上がって背を向け、ぐっとお尻を突き出して俺に助けを求める。 形のいい大きなヒップに思わず目を奪われるが、今はそれどころじゃない。 のうかりんのお尻とカエルの腹の間に指を突っ込んで、何とか引き剥がそうと引っ張った。 けれどぬるぬるとしたカエルの身体はなかなかつかみどころが無く、思うように引き剥がすことが出来ない。 「いやあああ、きもちわるいだああ」 どこか嬉しそうな顔でもぞもぞと動くカエルの感触に、のうかりんはひんひんと泣き出してしまう。 「こらっ!は~な~れ~ろ~!」 何度目かの挑戦にもめげないカエル、その時横から小さな手がすっと伸びてきた。 「けろけろ、めっだよ」 それは、さっき俺のことを弄んだすわこちゃんだった。 すわこちゃんがカエルをつかむと、カエルは大人しくなってのうかりんのお尻から素直に離れる。 「ありがとうすわこちゃん」 俺がお礼を言うと、すわこちゃんは頬を少しそめてはにかんだ。 「ありがとうすわこちゃん、相変わらずめんこちゃんだなぁもう」 やっとカエルの呪縛から逃れたのうかりんは、すわこちゃんのもちもちのほっぺたをむにむにと捏ね回しながら感謝の言葉意を伝える。 すわこちゃんは気持ちよさそうに目を細めてのうかりんの手に身を任せていた。 ゆっくりはそうやってあやすと喜ぶのか…。 ちょっとしたカルチャーショックを味わっていると、すわこちゃんは満足したのかカエルを抱えたままゆっくりと去っていった。 「どうだった?としあきさ」 突然、のうかりんが俺を覗き込みながらそんなことを聞いてきた。 「どうって、ここがかな?いいところだったよ、思ってたよりずっと暖かいところだった」 俺がそういうと、のうかりんは優しい微笑みを浮かべる。 「そうだべ、いいとこだべ、オラ、ここが大好きなんだぁ」 のうかりんが笑みを浮かべたまま遠くを見つめる。 俺がその視線を追うと、広場の端の花畑を数人のゆっくり達が、楽しそうにおしゃべりをしながら手入れをしていた。 「あの花畑ってもしかして」 「そう、オラがここにいたとき世話してたところだ、今年もいっぺぇ綺麗な花さかせたみたいで、オラぁうれしいだ・・・」 のうかりんが居なくなってからもきちんと手入れされていたのだろう。 のうかりんの言うとおり花畑には色とりどりの花が綺麗に咲いていた。 「もしかして、戻りたくなったりした?」 昔を懐かしむように優しい表情をしているのうかりんに、ふとそんなことを聞いてみた。 「ん~、それもいいかなっておもうけんども、でもオラはやっぱりとしあきさのそばがいいだよ・・・」 「のうかりん・・・」 お互いの視線が交叉し、見詰め合う、なんだかいい雰囲気になってしまった。 そのままゆっくりと目を閉じながら二人の顔が近づいて…。 「そこまでだにゃ!」 突然二人の間に、にゅっとゆうかにゃんの顔が飛び出し、俺とのうかりんの唇が同時にそのやわらかい頬に触れた。 「おおおおおっかぁ!」 「ゆうかにゃん!?」 俺とのうかりんは顔を真っ赤にしてバッと身を離す。 「まったくちょーっと目を離したら、時と場所を選ばずいっちゃいちゃで、あっちっちだにゃん」 ニヤリと笑うゆうかにゃん、俺たちは熟れたトマトのようになってうつむいてしまう。 「帰ってくるなら、帰ってくればいいにゃん」 『えっ?』 ゆうかにゃんの突然の言葉に、俺とのうかりんの驚きの声がかぶる。 「そ、そんなこと突然言われたってオラ・・・」 困惑するのうかりんにゆうかにゃんが笑いかける。 「としあきちゃんと離れろっていう意味じゃないにゃ、別に好きなときにここきていいし、 少なくともにゃーはゆうかのことを歓迎するっていう意味だにゃ」 「で、でも・・・」 しかしのうかりんは歯切れが悪くなり俯いてしまう。 その原因に心当たりがあった俺はのうかりんの手をとって努めて優しく言った。 「のうかりんさ、自分は不良品だって言ってたけどそんなことなかったって、研究室の人たちや田中さんが言ってたよ」 「え?」 「色々あって、どうしてものうかりんをこの施設から出さなきゃいけなくなっちゃったらしいけど、 のうかりんが嫌いな人なんて誰も居なかった、俺の言うことが信じられないかい・・・?」 「うっ・・・お、オラ、オラ・・・」 俺の言葉を俯きながら聞いていたのうかりんが、くしゃりと顔をゆがめてぽろぽろと涙を流す。 俺は黙ってのうかりんの肩を抱いてやった。 「そうだにゃ、ゆうかは売られたんじゃなくてお嫁に行ったんだから、自由に帰ってきていいのにゃ」 ゆうかにゃんも優しくのうかりんの背中を撫でてやる、その表情は幼い外見でも、しっかりお母さんの顔だった。 「あ、そーだ!ついでににゃーがゆうかのことも、れくちゃあしてあげるにゃ!」 「れくちゃあ?」 目元を腫らしたのうかりんがおどけるゆうかにゃんの言葉に顔をあげる。 「そうにゃ、ゆうかは生まれからずっと商品化はムリ!ってなっちゃってお庭番してたけど、 にゃーと一緒に男の人を喜ばせる方法をおべんきょーするにゃ、としあきちゃんも喜ぶにゃん」 「お、おいおい」 苦笑いする俺に、ゆうかにゃんはふふふと笑って続ける。 「安心するにゃとしあきちゃん、しんぴんぴーんの子達用の訓練なんだから、プラスチックの棒でぺろぺろの練習したり、 お布団にまたがって腰を動かす練習とかだにゃ、心配するようなことなんて何にもないにゃ、 それとも、俺が仕込んだから必要ないっ!ってかにゃ!?たしかにぃ、他の皆や人間さんとしたことないにゃーより、 実践経験をつみまくったゆうかのほうがよっぽど上かも知れないにゃあ、せんせーとしてオファーかにゃ?」 ニヤニヤとイヤラシイ笑みを浮かべながら、からかいモードになってしまったゆうかにゃん。 嵐が過ぎるのを待とうと覚悟しようとした俺に対して、のうかりんが突然ぐっとこぶしを握って気合を入れた。 「お、オラやるだ!」 「へ?」 のうかりんの気合の声に、俺は目を丸くしてしまう。 「オラ、皆に不良品って思われてなくても、やっぱお勉強してない落ちこぼれだぁ、 だからおっかぁと訓練して、堂々とここ出身だって言えるようになって、としあきさをもっともっとメロメロにしてやるだ!」 さっきまで落ち込んでいたのはどこへやら、のうかりんは瞳に炎を宿してめらめらと燃え盛っていた。 「の、のうかりんが言うなら、あ、でも泊まりとかは無しだぞ!?」 自分にそのつもりは無くても、ついつい嫉妬してしまう俺を見て、二人がクスクスと笑う。 「もちろんだぁ、としあきさを起こしてとしあきさと寝るのもオラの仕事だぁ」 「安心するにゃ、としあきちゃんのゆうかをとったりしないにゃ」 「な、ならいいけどさ」 気恥ずかしくなってそっぽを向くと、ゆうかにゃんとのうかりんがあれこれと今後について会議を始める。 どうやら本当にお勉強会をすることでのうかりんの決意は固まったようだ。 「あ、そうそうとしあきちゃん、所長さんが会いたいっていってたにゃ」 女子会ムードからあぶれてぼーっとしていると、突然ゆうかにゃんが俺に言った。 「え?俺?」 突然のことに、間違いではないかと思ってしまう。 「そうにゃとしあきちゃんだにゃ、それを伝えにきてたのにすっかりわすれてたにゃ、案内するにゃん」 最初に俺達の間に割り込んでから結構な時間がたっている、ゆうかにゃんはそわそわしながら立ち上がり俺の手を引いた。 「その必要はありません」 けれど俺の後ろから急ににゅっと手が伸びてきて、ゆうかにゃんにつかまれていたほうとは反対の腕がぐいと引っ張られる。 「おっとと」 ぐいぐいと引っ張られて俺がバランスを崩すと、腕が伸びてきて胸を支えられ、ぐっと抱き寄せられた。 「おぉ、失礼失礼」 妙に柔らかい感触が背中にあたり、艶かしい大人のお姉さんの声が耳をくすぐった。 「遅いので、お迎えにあがりました」 「にゃはは、きめぇちゃんごめんだにゃ」 「きめぇちゃん?」 支えられた俺が後ろを振り向くと、すぐ目の前に女の人の顔があって、ばっちりと目が合ってしまう。 「うぉっ!」 びっくりして身体をのけぞらせるも、がっしりとホールドされていて身体は動かなかった。 「どうも、清く正しいきめぇ丸です、どうぞよろしく、おぉ、おぉ」 細い切れ長の瞳が俺を見つめ、何故か首をくいっくいっと横に振りながら答えるきめぇ丸さん。 のうかりんやれてぃさんと同じように大人の体型で、やはり彼女もゆっくりなのだろう、頬が結構丸い。 いまさらながら、さっきからむにゅむにゅと押し付けられているのがおっぱいだということに気づき、慌てて体を離す。 「ああっ!すみません」 反射的に謝ってしまう俺に、きめぇ丸さんは怪しい微笑みを浮かべた。 「おぉ、お気になさらず、では行きましょう」 そういって俺の手を再び引っ張り、ぐいぐいと先に進んでしまう、なんだか不思議な人だ。 「おっとと、じゃあ行ってくるから」 振り返ってのうかりんとゆうかにゃんに手を振ると、二人は笑顔で送り出してくれた。 きめぇ丸さんは特に何もしゃべらず、俺の手を引いたまま黙々と歩いていく。 しかし、俺を邪険に扱っているという雰囲気はなく、無言なのに不思議と居心地は悪くない。 それにきめぇ丸さんの顔立ちは、同じ大人な胴付きでものうかりん達とは違う雰囲気で、 どことなく香る妖しい色気に、歩いている間ついつい俺も無言で横顔を見つめてしまっていた。 きめぇ丸さんはスーツ姿で、背筋をピンと伸ばして、俺に見られているのを気にも留めずキビキビと歩いている。 身長はのうかりんよりも高くて、頭の上にちょんと乗った、ぼんぼりの付いた赤い烏帽子など特徴的なパーツはあるものの、 一見するとビジネスウーマンのように見えなくもない。 突然歩きながらきめぇ丸さんが首をぐいんと動かして、俺の方を向いた。 「ひっ」 予想してなかった動きに、少しひるんでしまう。 「私の顔に何か付いていますでしょうか」 きめぇ丸さんは眉一つ動かさないので、嫌がっているのかそれともただ聞いてみただけなのかいまいちわからなかった。 「い、いえ、綺麗だなと思って」 意を決して素直な感想を述べてみると、きめぇ丸さんはぐいっと顔を前に戻してしまった。 気を悪くさせてしまったかなと思ったが、突然きめぇ丸さんはブンブンと首を振って頭をシェイクし始める。 「おぉ恥ずかしい恥ずかしい」 あまりの速さに表情は見えないが、どことなく顔全体が赤くなっている気がしないでもない。 しかしそんな状態にあっても俺の手をつかんだまま真っ直ぐ歩みを止めることは無かった。 正直ちょっと怖い。 またも突然ピタリとシェイクをやめると、手をぐいと引っ張って俺の体制を崩させるきめぇ丸さん。 「おっとと」 前のめりに倒れそうになったところで、首に手が回ってきて頭を胸元に引き寄せられた。 スーツを押し上げている胸に顔がうずまり、おっぱいがむにゅりとゆがんで柔らかく俺の顔を包み込む。 なんともいえない嬉しい感触、けれどきめぇ丸さんは一定の速度で歩き続けるので、 俺も不自然な体制のまま歩みを止めることは許されなかった。 「おぉ可愛い可愛い」 首をホールドしている手とは逆の手で俺の頭を撫で回すきめぇ丸さん、その声はさっきよりもどことなく嬉しそうだ。 「あ、ありがとうございます、でも苦しいです・・・」 ラッキースケベな状況にも、残念ながら首を決められたままの足も動かしてで、おっぱいの感触を楽しむ余裕が無い。 しかも顔がスーツに押し付けられているので、案外と息苦しい。 でも呼吸をしようと思い切り息を吸い込むと、きめぇ丸さんのほのかに甘い体臭が鼻をくすぐって、 なんだかイケナイ気持ちになってしまいそうだった。 「つきました」 その後もガッチリ抱き寄せられ髪の毛をくしゃくしゃと撫でられ続けていると、きめぇ丸さんがある時急に停止して、そう告げた。 「ぷはっ!」 そして俺もおっぱいから解放され、ようやく新鮮な空気を吸うことができる。 顔を上げるとそこは飾り気のある、ちょっと格調高いドアの前だった。 きめぇ丸さんはコンコンとドアをノックすると、返事を待たずにドアを開けてしまう。 『あっ!?』 その瞬間ドアの向こうから男女二人のあわてた声が響く、何事かと思って中をのぞいてみると、 白髪交じりのいい歳のおじさんがメイド服の女の子の両胸を後ろから鷲づかみにしているところだった。 「へ・・・変態だー!!」 あまりの衝撃に思わず俺は叫んでしまった、きめぇ丸さんは「おぉおぉ」と薄ら笑いを浮かべている。 「や、やぁ・・・」 「もう!所長早く離して下さい!」 引きつった顔でこちらに挨拶するおじさん、どうやらこの人が所長さんらしい。 メイドの女の子は身体をよじって無理やり所長さんの腕の中から脱出する。 銀色の髪の毛にフリルのカチューシャをつけた、一見女子高生くらいの見た目の女の子だが、若干頬が丸い。 この子もゆっくりなのかなと思っていると、乱れた服を調えながら、「さくやです」とお辞儀をしてくれた。 さくやといえばゆっくりさくやという種類がいる、おそらくその胴つきなのだろう。 「いやぁ、さくやくんのおっぱいはどうして大きくならないのかと思って、ここは一つ揉んで大きくしてやろうかと」 聞いてもいないのに言い訳を始める所長さんをすかさずさくやさんが無言で思い切り尻を叩いた。 「いたっ!」 「双葉としあき様ですね、お待ちしていました、ささこちらへどうぞ」 済ました顔でさくやさんは俺を来客用イスへと促し、俺はそれにしたがって座ったことも無いようなふっかふかの皮イスに腰を沈める。 すかさずさくやさんが俺の前にお茶を出してくれる、本当にメイドさんみたいだ。 尻をさすりながら所長が向かいに腰を下ろすと、さくやさんときめぇ丸さんは後ろに立って控えた。 「お見苦しいところを見せたね、この施設の所長の斉藤です、よろしく」 「こちらこそ動揺してしまってすみません、双葉です」 俺達はお互いに頭を下げて挨拶をする、さっきまでの変態オヤジな印象とは違い、 所長さんは人当たりのよさそうな、でも貫禄のあるいかにも所長というオーラを身にまとっていた。 「さて双葉くん、とりあえずまずは心配事を取ってあげよう、のうかりんは至って健康でベストな状態だったよ」 「そうですか、よかった」 俺は所長さんの言葉にほっと胸をなでおろす、のうかりん抜きで俺だけ呼ばれたとあっては、 何かあったのではないかと心配していたが杞憂に終わったようだ。 「検査には私も立ち会ったから信用してくれていい、所長なんていう立派な肩書きをもらっているが、 私も研究者の端くれだ、ゆっくりのことに関しては誰にも負けたくないと思っているんだよ」 所長さんは胸を張りながらそう宣言する、その瞳はどこか少年のような輝きを帯びていて、 本当に研究が好きなんだなということが雄弁に伝わってきた。 「検査中もことあるごとにキミの話をしていたよ、本当にキミはのうかりんを大切にしてくれているようだね、 ここの皆を代表して、お礼を言わせてもらうよ」 「いえ、そんな、俺のほうこそお世話になってますから」 深々と頭を下げる所長さんに、慌ててフォローするも、お世話になっているなんて言い方をしてしまったせいで、 はははと笑われてしまった、俺もその意味に気づいて頬が熱くなる。 「あ、いやそれはそういう意味じゃなくてですね」 「いいんだ、そういった意味でも良きパートナーであることは、私たちの職業柄、とても喜ばしいことだよ」 所長さんの言葉に、ここがすっきりドールの工場であったことを思い出す、 いままでのあまりにほのぼのとした雰囲気にすっかり忘れてしまっていた。 「あくまで仕事として、性的扱いに特化したゆっくりを生産しているけど、 私自身としてはここの研究を通してゆっくりの持つ可能性について模索していきたいと思っているんだよ、 ゆっくりは非常に賢い生き物だからね、きちんと教育すればのうかりんのように庭いじりや家事だって出来る、 れてぃのように施設管理だって出来るし、この子たちのように私の秘書活動だって出来るんだ。 今はそのほとんどが胴つきに限られているけど、いずれは胴の無い普通のゆっくりだって・・・」 熱く語りだしてしまった所長さんに、さくやさんがコホンと咳払いでたしなめる。 「っとと、すまんすまん逸れてしまった、つい悪い癖でね」 「いえ、為になります」 お世辞ではなく、本当にそう思った、確かに俺はのうかりんと肉体関係だけでなく、料理をしてもらったり、 コミュニケーションで日々の疲れを癒してもらったり、とにかく色々と世話になっている。 ここで見た胴つきの子達も、なにかしら役目を持っていて、それを上手くこなしているようだった。 世間一般ではゆっくりは胴のあるなしにかかわらず、所詮ペットという扱いでしかないが、 今は副産物的なものだったとしても、ここで研究していることは今後ゆっくりのあり方というものを、 大きく左右するものであるだろうということは、素人の俺でも十分理解できた。 「さて、では本題に入ろうか・・・」 所長さんが一度イスに深く座りなおし、居住まいを正す。 俺も釣られて背筋を伸ばした。 「その前に一つ、双葉くんは、のうかりんが好きかな?」 「えっ、あ、はい」 いったい何を言われてしまうのかと緊張していたところでの唐突な質問に、拍子抜けしてしまった。 けれど所長さんは神妙な面持ちのまま、ぐっと身を乗り出す。 「ぶっちゃけ、のうかりんのこと、愛してるかな?」 「えっ・・・」 真剣な顔そう聞かれ、俺は思わず身構えてしまう。 今まで俺はのうかりんに対して、セックスの最中に好きだ愛してると発言したことは確かにある。 でも俺ののうかりんへの気持ちを誰かに聞かれたことなんて無かったし、 俺とのうかりんの関係を知っている人とのうかりんについて話すのも今日が初めてだ。 この所長さんの発言の意味を掘り下げると、つまり『俺はゆっくりを愛しているか』ということになるだろう。 俺は『のうかりん』のことを本当に好きだし、これが愛だというならばその通りだとは思う。 けれど他人に胸を張って俺は『のうかりんという胴つきゆっくりを愛している』と言えるだろうかと考えると、 つい口ごもってしまう自分がいた。 「いや、いいんだ、すまないね変なことを聞いて」 所長さんは笑顔でそういうが、その表情はどこか残念そうな色を帯びていた。 何故か無性にそのままではいけないと思い、俺は口の中に溜まった唾をぐっと飲み込んで、 出来る限りの真摯な態度で口を開いた。 「愛してます・・・俺は、のうかりんを愛してます」 所長さんと後ろにいた二人が、おぉと色めき立つ。 こんなことを言って所長さんはどう思うだろうか、もしかしたらゆっくりを本気で愛する変態野郎だと思われたかもしれない。 けれど他人に言い切ってやった俺は、どこか清々しい気持ちでいた。 のうかりんと出会ってたった一年、だけど今までの共同生活の中で、俺はこれからもずっと、 ペットなんかじゃなくパートナーとしてのうかりんと過ごしていきたいと思っている。 それがたとえ人間とゆっくりというタブーな関係であったとしても。 俺の言葉をきいて、所長さんは表情を緩ませた。 「そうか、ありがとう、是非のうかりんにもその言葉を伝えてやってくれ。あの子は私にとって娘のような存在だからね、 ここに来るまでに聞いたかもしれないが、本来のうかりんをよそにやることは私たちとしては不本意だったんだ。 この施設にはのうかりんと同じように、この子達みたいな希少な胴つきゆっくり達がいるだろう、 彼女らと同じように、商品としてでは無くここで過ごさせてやりたかったんだけど、 上が『ゆうかを商品に出来るんだからその変異種だって量産出来るだろ』なんていってね、彼女らはそんな簡単な生き物じゃないし、 それにこうして長い間一緒に過ごしていると、どうしても情が移ってしまってね、本当はあまりよくないんだけどね。 難しい個体の量産を模索するためには、どうしても開発研究をしなくちゃならない、でものうかりんを実験道具のようには扱いたくなかったんだ。 けれどキミのような人とのうかりんが巡り会えて本当に良かったと思っているよ、改めてお礼を言わせてほしい、本当にありがとう」 「いえいえ、そんな」 なんだか気恥ずかしくなって顔を赤くする俺に、所長さんと後ろの二人は優しい笑みを浮かべる。 生産者として、研究者として、そしてここで生まれたゆっくり達の親として、所長さんは立派な人だなと俺は素直に思った。 「ごめんごめん、またそれちゃったね、いやね、検査の結果は良好だったんだけど、ある問題があって」 「えっ?」 問題という言葉に、俺の中に緊張が走る、思わず膝の上に乗せていた手に力が入った。 「実は、のうかりんが・・・」 「のうかりんが、一体どうしたんです!?」 すっかり焦ってしまい、語気を荒らげる俺に、所長さんは何故かニヤリと笑った。 「妊娠してるんだよ」 「・・・・・・・・・は?」 あまりに予想していなかったことに、俺は完全に思考停止してしまう。 所長さんの言葉が、まるでいまだかつて一度も聞いたことの無い言語のように俺の耳を通り抜けた。 「にんっしんっ、してるんだよ、しかもまさかの三つ子ちゃんだよ?信じられないよねぇ、おめでとう」 固まっている俺をよそに、嬉しそうに話を続ける所長さん、後ろの二人が笑顔で『おめでとうございます』と拍手を始める。 「ええええええええええええええええ!!!!?!?!?!?」 部屋中に俺の絶叫が響き渡った。 錯乱する俺を、きめぇ丸さんがなだめ、さくやさんがお茶のおかわりを用意してくれる。 何とか落ち着きを取り戻してイスに座りなおして、まだ高鳴ったままの心臓を押さえながら口を開いた。 「に、に、にんっしんっ、ですか・・・」 いまだ動揺を隠し切れない俺に、所長さんはハハハと笑う。 「安心したまえ、もちろんキミの子だよ、のうかりんが浮気なんてすると思うかい?」 「いえ、あの、その、人間とゆっくりの間に子供って・・・」 嬉しいか嬉しくないかと言われれば、大好きなのうかりんとの間の子供なんて、嬉しくないはずは無い。 けれど妊娠なんてすると、毛ほども思ってなかったのだ。 もしわかっていたら絶対にゴム無しで何発も中出しなんてしなかっただろうと思う。 顔面からだらだらと汗を流している俺をみて、所長さんはふっと息を吐いた。 「ごめんごめん、種明かしをしよう、ゆっくりと人間の間には子供は出来ない」 「じゃあ妊娠してるっていうのは」 「それは本当さ」 「う・・・」 責任という言葉が鉄の塊となって実体化したように、俺の背中にずしりとのしかかる。 そんな俺に対して、所長さんはどこかわくわくした表情を浮かべて、話を続けた。 「ゆっくりっていうのは実に面白い生き物でね、その個体の思いというか、願いというか、 そういうものが強ければ強いほど、自身の肉体に大きく影響を及ぼす特性を持っているんだよ。 つまりのうかりんは、キミとの生活の中で、ぶっちゃけセックスの中で、キミとの間に子供を授かることを強く望んでいたんだろうね。 想像妊娠っていう言葉は聞いた事あると思うけど、まさにそれ、でもゆっくりの場合はお腹が膨らむだけじゃなく、 時に本当に妊娠して、出産することが可能だっていうことなのさ。 これがのうかりんに起こったんだね、ここで育った子達は自分の『性処理の為の役目』を自覚しているから、 そういう事は今まで無かったんだけど、のうかりんはここでのそういう教育は受けてなかったからね。 正確に言うならばのうかりんのお腹にいる子は、のうかりんのクローンか、 のうかりんとのうかりんの子という位置づけになる、ややこしいかな? キミの遺伝子とのミックスということは無いと思うよ、詳しく調べてみないとわからないけどね」 「そ、そうなんですか」 せっかく話してくれている学術的な話しも、いまいち俺の頭には入ってこなかった。 「もしキミが子供なんて望まないっていうなら、僕達が引き取ってもいいんだけど」 「所長!」 鼻息荒くしてすっかり研究者モードになってしまった所長さんを、さくやさんがたしなめる。 「おっとすまん、今の発言は忘れてくれ」 「い、いえ、ありがとうございます、でも俺、ちゃんと責任とります!」 愛していると言った手前、もう後には引けない。 それにゆっくりとしてでは無く、パートナーとしてのうかりんの事を考えると、 のうかりんと俺との間に産まれた子供達と暮らすという未来は、俺にとって幸せなもののはずだ。 「おぉかっこいいかっこいい」 「おめでとうございますとしあき様」 「まだこのことは誰にも言っていない、ここにいるメンバーだけの秘密だ。 大切なことは是非キミの口から伝えてあげなさい、それがより絆を深めることになる」 「はい」 三人に祝福され、俺は胸を張って力強く答えた。 所長さんとさくやさんに見送られ、きめぇ丸さんに連れられてのうかりんの待つ庭へと歩いている間、 ずっと俺は今までのこと、そして今後のことについて考えていた。 のうかりんとの出会い、俺は始めは『プレミアムすっきりドールゆうかにゃん』を買うつもりで注文をして、彼女が家に来た。 人間に近い体付きと容姿、それと優しくて暖かいのうかりんの性格に、 性処理の為という本来の目的だったはずのことをすっかり忘れて繋がり、それから一緒にすごしていた。 朝俺を起こしてくれるのうかりん、一緒に食事をして、出かけるときに見送られ、家に帰ると暖かく迎えてくれて、夜は一緒にベッドに入る。 その一つ一つが、俺達は本来あるべき形である『飼い主とペットの飼いゆっくり』という主従の関係ではなく、 少なくとも俺にとって、彼女を一人の女として見てしまい、まさに男と女の関係であった。 俺は今まで彼女との別れなどということは想像したことは無いし、今想像しようとしても出来ない。 この生活の延長線上には、一体どんなことが起こるんだろうということも、あまり考えていなかったが、 たしかにのうかりんと一緒にいながら、今後別の女の人と恋に落ちて、愛し合い一緒になるということは無いだろうと思う。 「不安ですか?」 すっかり無言で考え込んでしまっていた俺に、きめぇ丸さんが優しく声をかけた。 「正直言えば、少し・・・でも」 深呼吸をして目を閉じると、のうかりんの笑顔が浮かんで、胸が温かくなる。 「のうかりんを幸せにしてやりたいって、思います」 俺の言葉に、きめぇ丸さんはふっと微笑んで、それからは何も言わなかった。 「としあきさ!」 ついにたどり着き、庭への扉を開くと、ちいさなゆっくり達に囲まれて遊んでいたのうかりんが、ぱっと顔を上げて俺に手をふる。 俺も手を上げてそれに答えて、ゆっくりと輪に近づいていく。 きめぇ丸さんは、俺を後押しするように一歩下がって後ろを付いてきてくれていた。 俺は高揚した気分のまま、ゆっくり達の中に割って入っていき、のうかりんの手を握る。 「としあきさ、なんかあっただか?」 俺が所長さんに呼び出されたことを心配して、のうかりんが顔を覗き込む。 俺はそれには答えず、のうかりんの目を真っ直ぐ見て口をひらいた。 「なあのうかりん、のうかりんは俺との子供、ほしいと思ってるかい?」 「え!?な、なにいきなりいってるだ、その、あの、としあきさとのこっこ・・・出来るもんなら欲しいけんども、でもオラ・・・」 俺の唐突な質問に、のうかりんは慌て、そして寂しそうな顔をして俯いてしまう。 けれど俺は、のうかりんが俺との子供を望んでいることを確認できて、さらに鼓舞されていた。 ぐっとのうかりんの手を握る手に力を入れる。 「実はのうかりん、今きみは妊娠してるんだ、しかも三人も」 「!?」 のうかりんがハッと息を呑んで顔を上げる、その目をしっかりと見つめて言葉をつないでいく。 「本当は人間とゆっくりの間に子供は出来ないんだ、けどのうかりんが強く望んでくれたおかげで子供を授かった。 その子達は間違いなく俺とのうかりんの子だ、一緒に育てよう」 「としあきさ・・・オラ、オラぁ・・・」 のうかりんの瞳が潤んでいく、それは決して悲しい涙などではなく、喜びで満ち溢れた表情だ。 周りのゆっくり達からどよめきが走る、そして女の子らしい好奇と期待の瞳が俺達を取り囲む。 俺はそれら全てを前に進むエネルギーの変えて、一旦のうかりんから手を離し、ビシッと気をつけをしてのうかりんに向き直った。 「ゆうか!きみを愛しています!俺と結婚してください!!!!」 俺の顔は真っ赤、正直これ以上無いくらいに恥ずかしい、恥ずかしいけど、それはもはや爽快感にも似たものとして俺の中を駆け巡る。 きめぇ丸さんやれてぃさん、りぐるちゃん達にれいむ達、さなえさん達、 皆が俺の一大告白に歓声を上げ、手をたたき祝福の声を浴びせ、俺とのうかりんはその輪の中心にいる。 のうかりんは感極まってしまい、涙をぼろぼろと零しながら口を開けないでいた。 それを見たそばにいたゆうかにゃんが、のうかりんの袖を小さく引く。 「ほら、泣いてちゃだめにゃ、お返事してあげにゃきゃ」 「うん・・・」 お母さんの優しい声に促されて、のうかりんが袖でぐいぐいと涙をぬぐう。 そして真っ赤な顔で、息をすって、俺の目を見つめ返した。 「お、オラ、オラぁ・・・」 口を開く先からのうかりんの頬を涙が伝う、けれどのうかりんはそれを無視して、ぐっと身を縮めた。 「ふつつかもんだけど、よろしくおねがいするだあああああ!!!!」 弾かれたように俺の胸にタックルをかましながら、のうかりんは俺の愛に答えてくれた。 俺はのうかりんをしっかりと受け止め、腕にぐっと力をいれて抱きしめて強引に唇を奪う。 のうかりんも俺の背中に手を回し、口付けを優しく受け入れる。 「二人とも、おめでとうだにゃん!」 鳴り止まぬ歓声の中、俺たちはいつまでもいつまでもお互いを強く抱きしめていた。 あれから数年の時間が流れた。 妊娠発覚から数ヶ月の後、のうかりんは3人の元気な赤ちゃんを出産した。 皆外見はのうかりんと殆ど変わらなかったが、ゆうか種としての特性のほうが強かったようで、 全員がのうかりんと同じように方言を話すわけではなかった。 俺たちは3人をそれぞれ「ゆうこ」「ゆうき」「ゆうな」と名づけ、出来る限り普通の人間と同じように育てることにした。 3人はすくすくと育ち、中身はまだまだおこちゃまだが、外見は人間の子供よりも早く成長し、 あふれるエネルギーに押されつつも、幸せな毎日を送っている。 俺は大学卒業後、縁あってあのゆっくり生物科学研究所に勤めることになった。 ずぶの素人だった俺も、所長さんを始めとした研究所の皆の助力を受け、 今では何とか半人前を卒業出来たといったところだろうか。 「じゃあ、行ってきます」 玄関の扉を開け、家の中に挨拶をする。 三人の娘達がいつものように並んで見送りにきてくれていた。 「おっとぉ、いってらっしゃい!」 「早く帰ってきてゆうきと遊ぼうね!」 「ずるい、ゆうなも遊びたいの、おとーさんゆうなも」 「おっとぉは皆のだ!ゆうこだっておっとぉと遊ぶ!」 「あはは、はいはい」 見送りのはずが、取り囲まれておしくらまんじゅう状態にされてしまう。 のうかりんの娘だけあって、発育の悪くない三人の身体をぎゅうぎゅうと押し付けられては、 父親として男として決して悪い気はしない。 「こら!おめさたちおっとさんの邪魔すんでね!ほら、としあきさもさっさといくだ!遅刻すんべ!」 もみくちゃになっている玄関に、目を吊り上げたのうかりんがやってきて、 娘達たちは引き剥がされ、俺はぐいぐいと外に押し出されてしまう。 そのまま家からポイかと思いきや、のうかりんも俺を押したまま外まで出てきて、後ろ手に玄関を閉めた。 「もう、としあきさったら鼻の下伸ばしてデレデレしてぇ」 のうかりんは可愛く頬を膨らませて俺を睨みつける、どうやら嫉妬させてしまったらしい。 「嫌だな、あの子達は娘だろ、それに俺はのうかりん一筋だって」 優しく頬を撫でてやると、のうかりんは目を閉じて顎を軽く上げる。 もちろん俺もそれに答えて、行ってきますのキスをした。 のうかりんもあの後、定期的に研究所に通い、宣言どおりゆうかにゃんのレッスンを受け、 立派に研究所出身と言えるだけの技術を身につけている。 行ってきますのキスのはずなのに、巧みに舌を絡ませてくるのうかりんに、俺の股間はすっかり臨戦態勢になってしまった。 衝動に任せ、のうかりんの身体を強く抱こうとしたが、 のうかりんはすり抜けるようにぱっと身体を離して、小悪魔的な笑みを浮かべる。 「んふふ、こっからは夜までお預けだよ、お仕事がんばって!」 「あはは、帰ってくるのが楽しみだ、じゃあ、行ってきます」 俺をくるりと回して、背中をぽんと押すのうかりん、俺は笑顔で手を振って家を出た。 初めは不安もあった、俺とのうかりん、人間とゆっくりが添い遂げるなんて、前代未聞だ。 だけど今の俺にはもう迷いは無い、愛するのうかりんと、可愛い娘達に囲まれて、これ以上望むものなど何も無い。 たとえ一般的に見れば、世間から後ろ指を指されてしまうような関係であったとしても、 俺は精一杯家族を愛し、笑顔を守り続ける、それが俺の幸せなんだ。 「今日もいい天気だなぁ」 職場への道を歩きながら、一人呟く。 心はいつも、この透き通る青空のように晴れやかだった。 おしまい。 ------------------------------------- どうも、ばや汁です。 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。 かなり前の作品の続編ということで、当初おまけのつもりで考えていたものですが、 書いているうちにどんどん長くなってしまい、100kb近くなってしまいました。 次はどんなものを書くかはまだ決めていませんが、あまり長くならない小ネタで行こうと思います。 長い話でお疲れだとは思いますが、ご意見ご感想等いただけましたら大変うれしく思いますので、 どうぞよろしくお願いいたします。 個人用感想スレ http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/ 過去作はこちら。 ふたば ゆっくりいじめSS保管庫ミラー-ばや汁ページ- http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/395.html ばや汁でした。