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中津 環(なかつ たまき) 水島精二作品や錦織博作品の常連演出家。 『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の演出助手をつとめたのち、ジーベックで活躍。 切れ味の鋭いカメラワークが持ち味。 フィルモグラフィー GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(劇場/1995) 演出助手 機動戦艦ナデシコ(1997) 絵コンテ 21話 演出 8話 クレヨンしんちゃん(1997~1998) 絵コンテ・演出 地球防衛企業ダイ・ガード(1999) 絵コンテ・演出 20話 絵コンテ 18話 アキハバラ電脳組2011年の夏休み(劇場/1999) 演出 ヴァンドレッド(2000) 絵コンテ 12話 だぁ!だぁ!だぁ!(2000) 絵コンテ 20話 サクラ大戦活動寫眞(劇場/2001) 絵コンテ・演出 シャーマンキング(2001~2002) 絵コンテ・演出 14話 21話 30話 52話 60話 演出 55話 陸上防衛隊まおちゃん(2002) 絵コンテ 24話 宇宙のスティルヴィア(2003) 絵コンテ・演出 2話 絵コンテ 10話 16話 鋼の錬金術師(2003~2004) 絵コンテ・演出 19話 29話 41話 49話 アイシールド21 幻のゴールデンボウル(2004) 監督 絵コンテ・演出 蒼穹のファフナー(2004) 演出 7話 14話 ぺとぺとさん(2005) 絵コンテ・演出 3話 絵コンテ 8話 魔法先生ネギま!(2005) 絵コンテ・演出 14話 演出 1話 BLOOD+(2005) 絵コンテ 11話 桜蘭高校ホスト部(2006) 絵コンテ・演出 4話 大江戸ロケット(2007) 絵コンテ・演出 2話 絵コンテ 12話 17話 26話(水島精二、長崎健司、角田一樹と共同) 演出 3話(水島精二と共同) 18話 26話 しゅごキャラ!(2007) 絵コンテ 27話 31話 41話 52話 とある魔術の禁書目録(2008~2009) 絵コンテ・演出 9話 15話 絵コンテ 24話 ハヤテのごとく!!(2009) 演出 16話 とある科学の超電磁砲(2009~2010) 絵コンテ・演出 2話 絵コンテ 13話 会長はメイド様!(2010) 絵コンテ・演出 10話 とある魔術の禁書目録Ⅱ(2010~2011) 絵コンテ・演出 1話 14話 絵コンテ 23話(錦織博と共同) WORKING !!(2011) 絵コンテ・演出 12話 演出 6話 ソードアート・オンライン(2012) 絵コンテ・演出 12話 フォトカノ(2013) 演出 10話(高山秀樹と共同) 神さまのいない日曜日(2013) 演出 8話 魔法科高校の劣等生(2014) 演出 3話 10話 16話 25話 ALL OUT!!(2016~2017) 絵コンテ・演出 6話 絵コンテ 12話 ゲーマーズ!(2017) 絵コンテ・演出 12話 絵コンテ 4話 6話(岡本学と共同) プラネット・ウィズ(2018) 絵コンテ 2話(鈴木洋平と共同)
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ツキノワ 第3話 3.熊とシロクロ・ヒストリー 「あー…ごほん。ええと…むかしむかしあるところに、でっかいクマの王国がありました、と」 景気づけにか、ウルさんは焼きあがったばかりのパンケーキを素手で掴み、蜜に浸して豪快に噛み付いた。 えっヤケドするんじゃないの、と思ったけど全然平気そうにむしゃむしゃしてる。 なんかいいなあ。いかにも美味しそうな食べ方。豪快。…でも私がやったら引かれるだろーなー。口ん中大惨事。 「えーと…その国がどこにあったもんか、今となってはだーれも知らねえ」 「はあ。そのくらい昔ってことなんですね」 「おお。んで、そん時のクマってのは、みーんな土色の毛皮をしてて、目が緑色だったんだと。草とか葉っぱの色と同じだ」 「へえー、そうなんだあ」 私はまだウルさんしか「クマ」を知らないけど、アッチの世界でそんな熊はたぶん、いない。 さすが異世界だなー。でも『その時』ってわざわざ言うくらいなんだから、今はもういないってことなんだろうか。 ちなみにウルさんは真っ黒つやつや毛皮のツキノワさんで、瞳も黒い。 ちょっと眼は小さめだけど、それがなんか、いいと思う。…いやホント。 「それから…うーん…なんかなぁ、大地の神様を信仰しててな。そのおかげでもともと体がデカくて、力もあったんだと」 「ふんふん」 相槌を打ちながら、焼いてもらったパンケーキにジャムをのせ、ふうふうしながら注意深く噛みつく。 私もとくに猫舌というほどじゃないけど、ヤケドなんかでこんな美味しいものの味を損なうわけにはいかないもんね。 …ていうか、語り口がすでに怪しくなってきてるのは気のせいですか、ウルさん。まだ始まったばっかなんですけど。 「で…最初のうちは森の奥で大人しく平和に暮らしてたんだけども、なんの因果か、…あー、悪い王様が出てきたと」 「おお、ドキドキしますねえ」 「その王様っちゅーのが野心家でな。俺ぁこんなとこで燻ってるつもりはねぇ! とか言い出して、いきなり色んな国に宣戦布告した」 「おおお! なんちゅーことを!」 「…えーとそれから何だっけ――あ、ちょっと待ってれ、いいモンあったわそういえば」 パンケーキの残りを口に押し込んで、もぐもぐしながらウルさんは立ち上がった。 すぐそこの小屋の中に入って10秒も経たないうちに、何かを持って戻ってくる。 「ちょっとよぉ、悪ぃけどおめぇさん、これ読んでくんねっかな」 「…これ…って」 渡されたそれを一目見て、私はちょっとクラッとした。懐かしさと、現状との言い知れない違和感が入り混じった困惑で。 それは緑色のノートだった。 …表紙に大きな花の写真と、白抜きで『ジャ●ニカ学習帳』、『こくご』って書いてあるやつ。 「…うわあ…これ…小学校ん時に使ってましたよ私」 「らしいな。それ書いたヤツもそう言ってたわ」 「ですよねえ。これもやっぱり私たちの世界から落ちてきたモノなんでしょうねー」 愚問を口に出しながらノートを開く。そこには日本語でびっしり文章が書いてあった。 ぱらぱらめくって見ると、筆跡は鉛筆だったりインクだったりでまちまちだ。でもすごく几帳面に、ていねいな字で書いてる。 「これ…クマの国に落ちてきたヒトが書いたんですか?」 「そうだよ。あー、でもそいつなー大変なんだわ、クマにしては珍しく旅好きのヤツがいてさ、そいつに付き合わされてしょっちゅう旅に出ててよ。 で、そいつが色んな国に立ち寄るたんびに、クマの国に関して書いてある資料探して、そうやって書き写してくんだわ」 「へぇー。学者さんみたいなことやってるんですねえ」 「アッチの世界じゃそうだったらしいな。つってもクマの国には文字がねっから、俺らにはそこに何書いてあんのかサッパリなんだけども」 じゃあ、落ちてくる前は学生だとか、大学の教授とかだったヒトなのかな? 同じヒト同士でいろいろ話とかしてみたかったんだけど、旅に出てるのか…。残念。 …あれ。でも旅してるあいだってそのクマさん、冬眠どうしてんだろ。と思ったんだけど、まあとりあえず今はいいか。 「へえー…なんか楽しそうですね。字を見た限りでは女の子っぽいですけど…」 「残念、オスヒトだ。クマのほうは女だけどな。まーあと2年は帰って来ねーだろーな、あの様子じゃなー」 「なんだぁ、残念。――あ、それで、どこを読めばいいんですって?」 「最初っからだ。…そうそこ、いっちばん最初っから。声に出して読んでくれな、俺にもわかるように」 「ええと、はい。…うわ、しょっぱなからなんだろこれ、何て読むんですか? …きゅう…まおう…?」 「違う違う。『くまおう』だ」 ■九魔王ラオシと消えた王国 --------------------------------------------------------------- 何万年とも何億年ともつかないほどに、遠い昔の伝説である。 真実を知っている者は、もうこの世に一人もいないだろう。しかし大陸のどこかに突如現れ、栄華を極め、瞬く間に滅んだ王国があった。 その国の一族は当初、山裾に広がる森の一角で、細々と木の実を食べて暮らしていたという。 巨大な体躯と有り余る力を持て余していた他は、特に不満もなく、ほとんどの者たちが平穏を享受していた。 そのあまりにも平凡で退屈な生活を憂い、焦燥を募らせていたのが、後に初代王となる戦士・ラオシである。 ラオシは、与えられた素晴らしき体躯と能力を持ち腐らせることこそ母なる神に対する冒涜であると考えた。 彼は一族に戦いを教え、自ら兵を率いて故郷の森を出た。 先陣切って巧みに近隣の種族たちを襲い、領土の広がる喜びと戦いの興奮、血と肉と勝利の味を部下たちに覚えさせることで彼らを鍛えた。 山をひとつ、向こうの山ももうひとつ、もうひとつの山向こう――着々と領土は広がる。 多種族の肉は甘美であり、この上ない滋養であった。 ますます彼らは力を増し、人口も増え、いつしかラオシを王とした国が出来た。 どの種族にも侵略されず、しかし隙あらばどの種族にも侵略の触手を伸ばそうとする。 しかも老若男女、国民全員が好戦的で無敵の軍団。 まさに悪魔の国の誕生であったと、某国の文献は言葉少なに語る。 しかし栄華は長く続かなかった。 無敵を謳った王国は、たった数年の天下であっけなく滅んだ。 突如蔓延した奇病。潜入した大魔法使いによる殺戮。あるいは滅ぼされた一族の呪詛とも伝わるが、どれも定かでは無い。 某国の文献によると、かの種族は世界最大級の体躯を誇り、世界最強の筋力を持った無敵の種族であったという。 大地の神に生み出されたと自称する彼らは、その証拠に、土色の毛皮と草露色の瞳を持っていた。 国の名には母である神の名をそのまま冠していたとの記述もあるが、残念ながらその名は抹消されている。 代わりに、他の種族が恐れと怯えをもって彼らを呼んだという「九魔」 ――即ち「クマ」 の名が残り、今日の子孫の名として伝えられているのみだ。 何故そのような名で呼ばれたかというと、『九つの種族を滅ぼした悪魔の一族』を由来とする説が一番可能性としては高い。 桁外れに強かったため、九つの術法及び武術を身につけていたからではないかとする説もあるが、そちらの明確な根拠は無い。 --------------------------------------------------------------- =1= 「えーと…以上です」 「おー、おめぇさん読むのうめーなあー。里の子どもらに聞かしてやりてーわ」 ウルさんの拍手の音は、ぱちぱち、じゃなくて、ぽふぽふ、だった。 …可愛いなあ、これ肉球の音なんだろーなー。 手のひらどーなってんのかじっくり見せて欲しいけど、いきなりそんなこと言うの恥ずかしいしなー。悶々。 ていうか、恥ずかしくて手なんか触れない。ふとした瞬間にぶつかったりとかしたら、凄まじい中学生っぷりをお見せする羽目になりそう。 「きゃっごめんなさいっ★」 …とかって…うわあ。そんな自分想像できない。せいぜい「どわー!」 とかだよ。…色気ないわー。 「ん、どした? 疲れたか? 水飲むか?」 「あー、あはは。いやーお恥ずかしい、高校以来ですよ朗読なんて。…で、これがクマの国の歴史なんですか?」 「なんかすげーだろ? ま、現実の数倍大げさに書かれてんだけどなー」 まるで他人事みたいに言って、ウルさんはつめたい水をぐびぐび飲んでる。 私も木のカップに注いでもらったのをひとくち飲んだ。 レモンとかライムによく似た、爽やかな香りのする水だ。「水瓶に皮むいた果実を一晩つけといたらこうなんだ」って言ってた。 柑橘系の微かな酸味もあって、でも変に濃い味じゃなくて美味しい。味としてはスポーツドリンクっぽいかな。 「…次のページは…なんかひらがなばっかりなんですけど。…『しろいくまとくろいくま』?」 「あー、それこそクマの国に伝わる昔話だ。じーちゃんばーちゃんが子供に話して聞かせるやつな」 ほんとだ。※日本で言う日本書紀のようなものでしょう、って注意書きしてある。 日本書紀って…あれかな。あんまり憶えてないけど、天照大神とか、八岐大蛇とか、ああいう系のだったかな。サメに背中の皮剥がされたうさぎとか。 …あーだめだ、七五三のときに千歳飴といっしょにもらった絵本の記憶ぐらいしかないや…。 「これも読みます?」 「お願いしまっす。…あ、これは長ぇぞ。覚悟しといてくれな」 「…ウルさん…さては逃げましたね?」 「あっはっは、違う違ーう。ホント俺、ヒトの字なんか読めねんだって」 「もう。…じゃ行きますよ?」 ■しろいくまとくろいくま --------------------------------------------------------------- むかしむかし、クマたちはみんな、つちいろのけがわとみどりいろのめをしていました。 それはだいちの神さまにとてもあいされていたからあかしで、 おかげでクマは、せかいでいちばんおおきくてじょうぶなからだと、つよいちからをもっていました。 だいちの神さまのごかごのもと、クマたちはもりのおくでへいわにくらしていました。 からだがおおきいのは、よりひろくだいちにせっすることができるから。 どんなにふかいかわのながれにも、さからうことができるから。 ちからがつよいのは、たくさんのきのみをとったり、はこんだりすることができるから。 おいしいきのみときよらかなみずがあれば、ほかにはなにもいりません。 ただ、だいちの神さまへのかんしゃと、かぞくやともだちのけんこうだけが、クマたちのしあわせでした。 ----------------------------------------------------------------- しかしあるおうさまのじだい、クマたちはとつぜん、たこくにしんりゃくをはじめました。 まわりにすんでいたたくさんのしゅぞくとせんそうをして、どんどんりょうどをひろげていきました。 へいわなもりのせいかつをすてたクマたちは、まるできがくるったようにたたかいにあけくれました。 なにしろだいちの神さまにさずかったとくべつなちからですから、ただのにんげんにたちうちできるわけがないのです。 おもしろいほどかんたんにしんりゃくはすすみました。 クマの国はどんどん大きくなっていました。 いつになってもおうさまは、しんりゃくをやめようとしませんでした。 きのみのかわりににくを、みずのかわりにちをのんで、クマたちはじぶんたちのつよさによいしれました。 なさけようしゃなくほかのしゅぞくたちをおそい、さいげんなくとちをうばいつづけました。 それが神さまのいかりにふれるともしらずに。 ----------------------------------------------------------------- そのおうさまと9人のおきさきさまとのあいだには、9人のおうじ、9人のおうじょがいました。 むすこのひとりに、まっしろいけがわのラウがいました。 かれはおうさまのいちばん上のおうじで、せかいでいちばんのちからもちでした。 クマもライオンもゾウも、かれのこぶしにはかないません。 あまりにつよいので、ラウさまとたたかったものはかならず死んでしまいます。 どんなにてかげんをしても、たとえゆびいっぽんしかつかわなかったとしても、かならず死んでしまうのです。 だから、ラウさまはむてきでした。 せんそうではいつもすすんでいちばんまえにたち、たくさんのてがらをたてました。 みんな、ラウさまをおそれました。 そしてラウさまこそはクマの国のさいきょうのせんしであるとたたえました。 それにまっしろいけがわのクマなんて、ラウさまのほかにはひとりもいなかったのです。 あるときおうさまは、ラウさまにききました。 「ラウよ、おまえはなぜ白いけがわをもってうまれた? われわれクマのつちいろのけがわ、みどりのめのすがたこそ、だいちの神のめぐみのあかし。 ならばおまえは、どこの神よりうまれしものか?」 するとラウさまは、まよいなくこたえました。 「だいちの神のはんりょにして、せかいにあさとひかりをもたらすもの。 わたしはたいようのかみのいかりよりうまれました。 ちちよ、わたしはあなたにすくいをあたえるためにうまれたのです」 おうさまはとてもよろこんで、18人のおこさまのだれよりラウさまをかわいがったといいます。 ----------------------------------------------------------------- おうさまのこどもにもうひとり、まっくろいけがわのウルがいました。 いちばんすえのおうじょであるウルさまは、せかいでいちばんのよわむしでした。 たたかいがきらいで、いつもにげてばかりいたのです。 だから、みんな、ウルさまをばかにしていました。 だけど、だれもウルさまをきずつけられませんでした。 なぜならウルさまのけがわはとてもじょうぶで、なんでもはねかえしてしまうからです。 どんなやいばも、どんなまほうも、どんなわるぐちも、ウルさまにはきかないのです。 だから、ウルさまはむてきでした。 せんそうではいつもむりやりいちばんまえにたたされて、みんなのかわりにたくさんのまほうを、たくさんのけんをうけとめました。 それにまっくろいけがわのクマなんて、ウルさまのほかにはひとりもいなかったのです。 あるときおうさまがききました。 「ウルよ、おまえはなぜくろいけがわをもってうまれた? われわれクマのつちいろのけがわ、みどりのめのすがたこそ、だいちの神のめぐみのあかし。 ならばおまえは、どこの神よりうまれしものか?」 するとウルさまは、おびえながらこたえました。 「だいちとたいようの子にして、せかいによるとやみをもたらすもの。 わたしはつきの神のなげきよりうまれました。 ちちよ、わたしはあなたにほろびをあたえるためにうまれたのです」 おうさまは、ウルさまをにくみました。 わがことはとてもおもえないほどにくみ、さげすんだといいます。 ほろびをあたえるなどといわれてはむりもありません。ウルさまのくろいけがわはただでさえぶきみだったのですから。 ----------------------------------------------------------------- あるひ、おうさまは、ラウさまとウルさまをよんで、みんなのまえでめいじました。 「せかいでいちばんのちからもち、ラウおうじと せかいでいちばんのけがわもち、ウルひめが もしもぜんりょくでたたかったなら、どちらがかつだろう。 みんなもそれをしりたいだろう。 こんどのわしのたんじょうび、おいわいに、みんなのまえでしあいをするがいい。 ただし、きょうだいといえど、けっしててかげんをしてはならぬ」 しかし、すえむすめのウルさまが、国のこうけいしゃであるラウさまをてにかけることなどできません。 それはつまりラウさまに、ウルさまをころせと、めいじているもおなじでした。 ----------------------------------------------------------------- しあいのひ、みんなあたりまえのようにラウさまをおうえんしました。 なぜならラウさまはみんなにすかれ、うやまわれていましたが、ウルさまはやはり、みんなにきらわれていたからです。 ウルさまはいつもにげてばかりのくせに、 どんなにひどいことばをかけても どんなにいたいことをしても ぜんぜんへいきなかおをしていました。 どんなにばかにされても どんなににくまれても だれも、だれも、ウルさまをきずつけることはできなかったのです。 そのかわり、ウルさまは、だれのこともきずつけたことはありませんでした。 しかしそれにきづいたものは、この国にだれひとりいませんでした。 つよさだけをもとめ、やさしさをわすれたクマたちのなかには。 ----------------------------------------------------------------- おうきゅうのとうぎじょうでラウさまとむかいあったウルさまは、うまれてはじめてなみだをぽろぽろながしたそうです。 そして、かなしそうに、くるしそうに、こういいました。 「いつか、こんなひがくることはわかっていました。 ああ、わたしたちがたたかってしまったら、この国はたいへんなことになる」 みんなウルさまのことばをきいて、おおわらいしました。 どんなにこっぴどくやっつけてもびくともしなかったウルさまも、さすがにラウさまにはかなわないのでしょう。 だからこわくなって、ないているのだとおもったのです。 いいきみだと、ざまをみろとおもったのです。 しかしラウさまは、みんなのようにウルさまをばかにしたりしませんでした。 いままでだって、いちどもしたことはありませんでした。 ただ、さびしそうにわらっていいました。 「ウルよ。このひがくることを、わたしたちはうまれるまえからしっていた。そうだろう? こうなってしまったいじょう、たたかいはさけられん。 これがあやまちをおかしたこの国のさだめ、神よりわたしたちにあたえられたやくめなのだ」 ぎらぎらかがやくたいようはまうえにのぼり、しろくかぼそいみかづきはにしのそらにきえました。 ああ、とうとうおうさまがさつりくのかねをならします。 ころせ、ころせ、ウルをころせ! たたかいをいとうおくびょうものには死を!! じなりのようなさけびがうずまくなか、2人のきょうだいはめをとじて、どうじにてんをあおいでいいました。 「だいちの神よ、今われら、太陽と月の名のもと、おごれるあなたの子どもらに、ほろびとすくいをあたえます。 それがあなたのご意思ならば!」 ----------------------------------------------------------------- せかいでいちばんちからもちのラウさまと、せかいでいちばんじょうぶなウルさま。 どちらもむてきで、どちらもつよい。 いったいどちらがかったのでしょう? でも、さいごまでみとどけたものは、だれもいません。 なぜならあまりにはげしいたたかいで、けんぶつにんたちはほとんどまきぞえで死んでしまったからです。 9日間のぜんりょくのたたかいのすえ、ようやくつかれはてたラウさまとウルさまだけが、あれはてただいちのうえにたっていました。 おうさまと、9にんのおきさきさまと、のこり16人のきょうだいは、ぜんいん死にました。 なん万というこくみんも、ほとんど死んでいました。 せかいでいちばんつよいはずのラウさまのこぶしは、ぼろぼろ。 せかいでいちばんじょうぶなはずのウルさまのけがわも、ずたずた。 まっしろなけがわのラウさまは、きずがいえたあと、てのひらとあしのうらだけがくろくなり、 まっくろなけがわのウルさまは、むねにおおきな、きえないきずがのこったといいます。 ----------------------------------------------------------------- =2= 「…これ…あの、ウルさん?」 「あー、うん。その話に出てくんのも『ウル』だなー。 でもこれはあくまで神話だかんな。現実的に考えてクマが他の種族と比べてそんな圧倒的に強かったとは考えられんし」 石板の上でじいじいと音を立てて焼きあがっていくパンケーキをひっくり返しながら、そう言って笑った。 ナイフで削ってつるつるにした二本の枝を差し込んで、器用に裏返していく。 お好み焼き屋顔負けの鮮やかな手際を目で追いながら、私は長いむかしばなしを頭の中で整理している。 「はあ。…なんか…『矛盾』っぽい話ですね、これ…」 「書いたヤツもなんかそんなこと言ってたなあ。その、ムジュン? ってのはどういう話なんだ?」 「ええ、中国って国の昔話なんですけどね。 これはどんな盾でも突き通す矛で、こっちは絶対に貫けない盾だって言って売ってる武器商人がいて。 『じゃあその矛でその盾を貫いたらどうなるの?』ってお客さんに聞かれて、答えられなかったっていう話なんです」 「ほー。結局どうなったのか興味あんなあ」 「ただのハッタリだったんじゃないですかねえ。大きく言って買わせようっていう戦略だったんでしょう」 でも、本当に最強の矛と最強の盾がぶつかりあったらどうなるんだろうか。 ゲームなんかだと、攻撃力最高キャラと防御力最高キャラが戦ったら、たぶんスピードと攻撃回数と回復手段が勝敗を分けるよね。 これを読む限り、『ラウ』って人は最強の上に一撃必殺スキル持ち、『ウル』って人は常に全ての攻撃が無効の反則装備持ち、ってとこかな。 そんな素晴らしい特性があったとしても、もし『ラウ』が防御力ゼロ、『ウル』は攻撃力ゼロだったとしたら、そりゃあいつまでも決着つかないだろう。 もちろん現実の戦いをゲームと同じには考えられないし、2人がどういう戦い方をしたのかもわからないけど。 ――って、下のほうに※白黒つかないことの例えとしては最適、とかって書いてある。…誰がうまいこと言えと。 「…これ書いた人って、一体…」 「あ、名前シュウイチっつーんだそいつ。皆にはシュウちゃんとか呼ばれてんぞ」 …シュウイチさんっていうのか。憶えておこう。 しかし読みやすくて綺麗な字だなあ。パソコンの字でいえば明朝体に近い、お手本みたいな字。 なんていうか、丁寧っていえば聞こえはいいけど、むしろ神経質そうっていうか…。 この人を引っ張りまわして旅に付き合わせてるってクマさんて、一体どんな人なんだろ。…どっちが苦労してるのかなあ。 多分いつか逢える日が来るんだろうけど。それはそれでちょっと楽しみな気がする。 「…そんなことよりウルさん。この話って、ひどくないですか?」 「はは、おめぇさんはなんかそんなこと言いそうな気がしてたわ。まあ可哀相だわなあ、『ウル』は」 「同じ名前ですけど、なんか関係あったりします? …その、ウルさんが…『ツキノワ』ってことと」 「まあ、だいたい想像つくんじゃねーか?」 <胸に大きな消えない傷>。 もしそれがツキノワグマの三日月のことだとしたら、そりゃあ決して無関係ではないと思うんだけど…。 「うんまあ別に勿体ぶっててもアレなんで言うけど、ご先祖だ。俺んちの」 「ウルさんの家の?」 「うん。『ウル』って名前は代々、クマの国の結界を管理するヤツに付けられる名前でさ。俺の親父も『ウル』だった」 「へー!」 「で、親父が死んだんで、俺が名前を受け継いだ。…これといっしょにな」 ウルさんはそう言いながら、胸の「月の輪」 を指さしてみせる。 そっか…お父さん、亡くなってたんだ。…って、受け継いだってことはつまり。 「え、じゃあ、ウルさんは生まれたときは別の名前で、ツキノワグマでもなかったってことですか!?」 「そうそう。俺もガキんときはただの真っ黒い仔グマだったんだわ。 ツキノワグマってのは一世代にひとりしかいねぇ。その代が死んだら、この三日月が次世代のひとりに移る。移ったそいつが次のツキノワっつーことだ」 「へー…」 …じゃあウルさんのお母さんって今、どうしてるのかな。家族ってどんな感じだったんだろう。 きょうだいとか、いるのかなあ。 むかしは何ていう名前で、どんな子どもだったんだろう 。 聞きたい。知りたい、もっともっと、ウルさんのこと―― 「だからそれで俺もなー、次世代のツキノワを絶やすわけにいかねっから、さっさと子ども作れって言われてさ…ハハハ」 アーアーやっぱ聞こえなーい! 私の耳はきょう日曜日ですっ! …元・奥さん関係の話は当分いいや…ちょっとまだ冷静に聞く余裕、ないっす…。 「えーとえーと! 次読みますよっ! 『シロクマの国の成り立ち』っ!」 ■シロクマの国の成り立ち ----------------------------------------------------------------- シロクマの国の歴史は比較的浅い。まだ若いと形容しても差し支えなかろう。 しかも彼らは文字をもたないため、建国の歴史を紐解こうとするのは至難のわざである。 口伝の民話や遺跡の壁画によれば、大陸の北端、現在の王城付近に最初に住み着いたのが初代王であるという。 彼はどこからともなくやってきて、数人の妻と召使い、ヒト奴隷とともに生活をはじめた。 一年の半分を雪が覆う極寒の地にも関わらず、彼らは非常にたくましく、かつ平穏に暮らした。 雪のない時期に畑作をおこない、寒さに強い木を植え、収穫し、貯蔵して冬をしのいだ。 子を産み育て、またその子が子を産み、その子らがまた子を産み、ゆっくりと栄えた。 ひとつの家族がふたつになり、十になり、百になり、街となり、やがて国となった。 人々に生きるための様々な技を伝えたのが、初代王その人である。 壁画の王の頭上には、必ず大きな太陽が描かれている。それはまさに彼の偉大な功績を表したものである。 彼は人々に太陽王と尊称され、現在もシロクマの国民たちに敬われ、奉られている。 一説によると、彼は太古に滅んだ『九魔』の末裔であるという。 王の名として伝わる「ラウ」 という名の音が、『九魔』の使用していたとされる言語の、『白』という単語と一致する。 そしてそれを裏付けるように、王の子孫たちは皆一様に白い毛皮をもって生まれてくるのである。 シロクマは気性が優しく、争いを好まない。 大陸でも稀なる、怪力と形容するに相応しい力を持ちながら、それを行使することを罪悪とさえ考えている。 もし彼らが本当に『九魔』の末裔であるのなら、あの忌まわしき歴史の再来を、無意識下で抑えているのかもしれない。 ----------------------------------------------------------------- =3= 「…って…クマの国とはまた別なところにあるんですか、シロクマの国って!?」 「そう。クマはクマでも、俺らクマとシロクマは種族が違うことになってんな」 …それは予想してなかった。 私はてっきり、まだ冬眠してるっていう里の皆さんは色んな毛色をしてて、さぞかしバラエティー豊かなんだろうなと思っていたのだ。 さすがに、金とか銀とか紫とかを期待してたわけじゃないけどさ。一番わかりやすい配色じゃない? 白と黒って。 「じゃあ、ここには白い毛皮のクマさんは一人もいないってことですか?」 「そうなるな。俺は一度も見たことねぇし、多分これから先も生まれねっと思うぞ。クマの国にはな」 「じゃあ、里のクマさんたちは何色をしてるんです?」 「何色もなにも。…まあ、だいたい、黒か茶だな。濃かったり薄かったりとか、二色になってたりはあんだけど」 「へー…」 あれ、クマって他にどんな種類あったっけ。 ツキノワグマやホッキョクグマ(つまりシロクマだよね)はいいとして、ヒグマとかマレーグマとか…アライグマとか? パンダ…は、さすがに違うか。あれはもう別の種族のような気がする…じゃあパンダの国ってのがあるのかな。 ま、それは里の人たちが起きてくれば自然にわかることだから、いいんだけど。 「まあ要するに、事実だけを簡潔に述べていくとだな」 そう言いながらウルさんは、両面がほどよくきつね色に焼けたパンケーキを大きなお皿に重ねていく。 「ほい。まあ遠慮せず好きなだけ食ってくれな」 「あ、はい、ありがとうございますー」 そういえば子どものころにみたアニメにこんなのあったなあ。10枚くらい重ねたパンケーキ。その上にとろりと溶けた四角いバター、たっぷりかけたはちみつ。 夢の光景だったけど、実際に目の前にすると壮観だ。 もうお腹いっぱいになってもおかしくないぐらい食べたはずなんだけど、まだまだいける気がする。 …やばいかも。太るかも。でも正直、もうちょい食べたいしなー。あのジャムまだ試してないし…。 内心でちょっと葛藤していたら、ウルさんは静かに口を開いた。 「あー…その前にな、言っておかなきゃならんことがある」 「へ?」 「なんでクマが、結界に守られて暮らしてなきゃならんと思う?」 …いやいやいや、今それを説明してもらってるところなんじゃなかったですか。 そう言おうとしたんだけど、…なんとなく、ウルさんの様子がおかしいことに気がついた。 ちょっと顎を上げて、しきりに空気の匂いを嗅いでる。 私もあたりを見回してみるけど、何か変わったようすはない。だからとりあえず質問に答えることにした。 「えっと…なんででしょう…すごいお宝を隠してるから、とか…」 「考えようによってはそうかもしれねぇな。ある種のヤツらには喉から手が出るほど欲しいモンを、俺らクマは持ってる」 「それはどういう…」 意味ですか、と、最後まで訊くことはできなかった。 【続】
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「もふらせろおおおおおおおぉぉ!」 「ぎゃあああ!」 中央都、あるところの戊詰め所。今日は、一番隊が詰めていた。 その外を、一番隊新人と、一番隊内で有名な昼人の声が通り過ぎていった。 「またでござるか」 「またですね」 がちゃがちゃと装備を調えつつ、隊長の黒間 雪風(くろま ゆきかぜ)はそう呟いた。他の隊員たちも、同じく装備を調える。 この装備は、その昼人――成宮 武雄(なりみや たけお)を捕まえるためではない。魔を退治するための装備だ。その昼人がそれほど警戒されているのか、というと、そうではない。これも理由あってのこと。 「では、行くでござる」 「はっ」 新人の声と、その昼人の声を頼りに、戊一番隊隊員は後をつけていく。 「ひいいいい!」 新人は必死だった。先輩から聞いていた、獣人好きな昼人、武雄。小説家を目指す彼は、いつもは挨拶だけなのだが、ある時になるとモフモフを求めて追いかけてくるのだという。 だが、その武雄を捕まえるわけにはいかない。戊一番隊にとって、迷惑に近いがありがたい存在なのである。 何故かというと 「キシャー!」 「先輩のいうとおりだー!?」 ――道を曲がったら、そこに自然発生した魔がいました。 武雄が追いかけてくる時は、魔も自然発生するという。しかも、何故か隊員が逃げた先に。 最初は迷惑がっていた隊員たちだが、全てが全てそんな調子だったので、今や大規模な被害を防ぐ一人としてありがたられている有様。追いかけられた隊員は大声を発生させつつ、他の隊員に知らせるという事を徹底するようになった。 くるり、と新人は後ろを向いて、 「あとで存分にモフらせるから、避難しろおおお!」 「はいいい!」 降魔掃討部隊戊一番隊隊員として、正しい選択をした。が、取引としてはちょっと間違ったかもしれない。 それを知るのは、魔討伐が終わったあとだったりする。
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お疲れ様~^^/☆今日も忙しい一日でした^^;もうそろそろ衣替えの時期だから、洋服の入れ替えしなきゃね^^;季節変わった初めの頃のおしゃれってわくわくして楽しいよね^^♪ フランス語初心者 フランス語学ぶ | ダイエット青田典子 ビューティフルダイエット | 愛犬しつけ方 愛犬しつけ藤井聡 最近、課長が自分の顔をマッサージしてるの光景をよく見かけるんだけど、あれ、何のつもりだろ・・・。美顔?ってこと?顔やせ効果を狙ってるのかな? ま、課長のことはどうでもイイんだけど、社食のミキさんはスッゴイ小顔だよね~。メイクアップも上手だし、ほんとキレイ。ファンケルの基礎化粧品つかってるんだって!生まれつき小顔ってのは、もうそれだけで得だよね~。はぁ~、羨ましいッス。私ももう少しお給料が良かったら、エステとか行きたいなぁ~。とりあえずは自分で小顔マッサージでもするかな。 バレエ教室 大人の為のバレエ教室 | 韓国語学ぶ 韓国語勉強法 | 英会話を学ぶ ネイティブイングリッシュ | せどりの眼 せどり稼ぐ 今、メガネスーパーで売っているリニィの美白パックにハマっています。なんで、メガネ屋さんで化粧品売ってるの?って疑問は置いておいて、このリニィシリーズの美白パックだけは秀逸の一品!だと思っています。もうね、ありえないくらい白くなるの!まるで肌を漂白剤に付けちゃったみたいよ。でも、やっぱり一時なんだよね~ シミは薄くはなるけれど、消えるか?というと・・・ やっぱ病院に行ってレーザー治療するのが一番だよね。 美脚になる方法 美脚モデル脚 | ボウリング 山本幸治 | ゴルフスイング ゴルフ左一軸 さてと、ストレッチでもしようかしら!出来れば体脂肪が燃えるようにウォーキングとかするといいんでしょうけど、ダイエット系は続かないのが難点なのよね。
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週報より 2006.10.22 たとい、すべての人を偽り者としても、神は真実な方であるとすべきです。ローマ3:4 9月9日の北朝鮮の核実験のニュースは私をテレビの前に釘付けにしました。軍事評論家、軍事アナリスト、共同通信記者、大学教授等、多くの方々が意見を述べていました。その中で北朝鮮とほぼ同じ政治体制をとっている中国に関しての発言に興味深いものがありました。胡主席は金正日の北朝鮮政権世襲制を受け入れがたいとしているというものです。また、今の中国共産党は一枚岩でなく、北朝鮮よりの人々は胡主席派を倒そうとねらっているとも言われていました。国家元首たる人が自分の権力を示すことに熱心で国民を危険にさらしている様であってはならないと思いました。全ての人が神さまを認めて、へりくだった生活をするように祈り願う切っ掛けになった事件でした。日本も歩みを誤らないように祈っていこうと思います 2006.10.1 あなたがたが神のみこころを行なって、約束のものに入れるために必要なのは忍耐です。ヘブル10 36 私は、娘に会いたいという気持ちが日々強くなっています。そういう中でこのみことばを思い出しました。まだ私にはイエスさまのみことばに従う生活が充実していない事に気がつきました。娘に会うためにはイエスさまのみことばに忠実に従う生活をしていかなければならないこと、会うためには忍耐が必要であると気付かされました。忍耐をもってイエスさまのみことばに従い続けることが如何に大切であることかと気付いた次第です。本当に主に感謝の心で一杯です。 2006.9.24 イエスは彼に言われた。「あなたはわたしを見たから信じたのですか。見ずに信じる者は幸いです。」ヨハネ20 29 子供のころ、将棋の駒の形をしたお守りを持っていました。それに願うことは、何でも叶い大切にしていたのですが、教会学校に行き、本当の神様の存在を知りそのお守りに頼るのをやめ、神様に祈りはじめましたしかし、形の見えない神様に祈る事はとても難しかったのを覚えています。水曜日の聖書勉強会はとても解りやすくて、楽しく聖書を学ぶことができます。先週は、偶像礼拝をした、イスラエル人の話しでした.かつて私も、偶像礼拝者だったことを思い出しました. 本当の神様に出会えて、よかったです。 2006.9.17 神は人間ではなく、偽りを言うことがない。 人の子ではなく、悔いることがない。 神は言われたことを、なさらないだろうか。 約束されたことを成し遂げられないだろうか。民数記23 19 水曜日の聖書の学びはとても楽しく、また、少しずつ理解できるようになりました。モアブのバラク王にイスラエルを呪ってもらいたいと頼まれたバラムという予言者の行動が民数記の22章から24章にわたって記されています。 バラムがロバに乗ってモアブへ行く途中、神の使いが現れて道をふさぎました。ロバは3回、神の使いを避けようとしました。バラムは神の使いに気付かずムチでロバをたたいて前進しようとしました。ロバが人間の言葉を話し、ついに神の使いはバラムに姿を現し、イスラエルを呪ってはならないと語られました。この物語の中で、「神はイスラエルを祝福する」という、一つの意志が貫かれていることをしりました。同時に何度も何度も心揺らぐバラムに忍耐を持ってご自分の心を示そうとしている神さまを知りました。私は心の中で「神さまは本当にすごい!」と叫んでいます。 2006.9.10 神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。ローマ 8 28 私は日本の歴史に興味があり、日本各地を巡って歴史上の有名な人物の史跡を辿るのが好きです。特に歴史上の人物の中には知られざるクリスチャンも多く含まれており、色々な事を学ぶことができます。今年の夏は家族で会津や猪苗代湖の方へ行ってきました。猪苗代といえば野口英世の出生地です。彼の生家が記念館として復元されており、素晴らしい感動がありました。彼は青年時代に会津若松の教会で洗礼を受けています。その後医師になり、アメリカへ行き細に学博士として多くの実績を残し、最後はアフリカのガーナで多くの人々を助け、当時流行していた黄熱病にかかり、亡くなりました。彼の信仰生活については余りよく知られてはいませんが彼の生き方から神様のの働きを見ることができます今は子どもが小さいので旅をする事も難しいのですが日本中を巡って歩くことが晩年の私の楽しみです。 2006.9.3 ハレルヤ。主に新しい歌を歌え。 聖徒の集まりで主への賛美を。 詩篇149 1 今、私は柘植美帆子さんからギターのコードを少しずつ教えてもらっています。まだまだほんの入り口のところですが、簡単な曲が弾けるように指導してくださったので、とても楽しく練習することができています。思えば10年程前にコードでギターを弾いてみたくて初心者向けの本を買ったのに理解できなかった苦い経験が在りました。この教会で良き指導者に恵まれて再び機会を得ることができて良かったと思います。もしできるならワーシップの曲が弾けるようになったらどんなにたのしいことだろうと思います。 イエスさま。どうぞ私の世界を広げてくださいますように。 2006.8.27 人の歩みは主によって定められる。 人間はどうして自分の道を理解できようか。箴言20 24 今、毎週のジュニア礼拝でヨセフの歩みについて学んでいます。数々の苦難、試練を乗り越えて、エジプトの権力者になったヨセフ。その辛いときでもヨセフは主にたより、主もそれに応え、最善の道を用意してくださいました。私自身、これから先の歩みを考えたとき、広すぎて正直、よく分かりません。自分がどう行動すべきかと色々と思いめぐらす事もあります。しかし、先のことが分からなくて不安なのは当たり前神さまが用意してくださっている計画の中で、しっかりと神さまとともに歩むこと、それを心に留めて生活しています。 2006.8.20 人は心に自分の道を思い巡らす.しかし、その人の歩みを確かなものにするのは主である。箴言16 9 私には2つ年上の姉がいます。栃木で夫と姑と3人で暮らしています。3人ともクリスチャンで姉の夫は牧師をし、家庭を解放して牧会しています。姉は5年前に女の子が与えられました。しかし、妊娠5ヶ月のとき、赤ちゃんの首にへその緒が巻き付き死んでしまいました。その時の姉の苦しみは大変なものでしたが、みことばによって立ち直り、後日、証しをしてくれました。 その後、私たちに愛実が与えられ、なんと、姉と同じ1月14日生まれ、申年、A型です。そしてさらに、姉は今、男の子を身ごもっています。その赤ちゃんの予定日は来年の1月14日で、「神様はおもしろいことをなさるね」と話しています。私たち夫婦も毎日、その赤ちゃんが来年無事に生まれて来るよう祈っています。子どもは本当に神様からのさずかりものです。皆様にも姉の体と赤ちゃんのために祈って頂けると幸いです。 2006.8.13 すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。マタイ11 28 対人関係の悩みは全ての人が抱えている問題だと思います。キリストの救いは罪からの解放ですがその実質は対人関係の中での罪からの解放とも言えると思います。老若男女を問わず、人間関係のもつれは人生に大きな影を落とします。 心の重荷である人間関係の苦しみを信仰によってイエスさまにゆだね、結果をイエスさまに任せることができたら、私達はどんなに楽になることでしょう。病気の重荷、貧困の重荷、どれも人の心と人生を押し潰す圧力を持っていますが、イエスさまは「すべて疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。」と招いていてくださいます。聖書には安息という言葉がしばしば出てきます。安息を辞書で引きますと「やすらかにいこうこと」「休むこと」とでています。イエスさまには私達の重荷を負う愛と力が充分にあることを信じて休ませて頂きましょう。私達が休んでいる間に神さまとしての力を発揮して罪をきよめ、人間関係を改善し、私達を救ってくださいます。 今、私の神、主は、周囲の者から守って、私に安息を与えてくださり、敵対する者もなく、わざわいを起こす者もありません。1列王記5 4 2006.8.6 人の子が来たのが、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです。マタイ20 28 湯河原夏期聖会は毎年素晴らしいと思いましたが、今年はさらに恵まれた集会でした。「仕えよ」と最初から神さまが語っておられました。ルツがナオミに仕え、エリヤが神に仕え、パウロが教会に仕えたお話しを、数々の信者の証しを織りに交ぜて、講師の佐藤彰先生が話されました。 神さまの愛のまなざしが私に注がれていることをしっかり握りしめて、人を見ず、イエスさまをしっかり見めて、歩もうと決心しました。揺れ動く弱い者ですが、みことばと祈りうちに支えていただきたいと思います。 2006.7.23 試練に耐える人は幸いです。耐え抜いて良しと認められた人は、神を愛する者に約束された、いのちの冠を受けるからです。 だれでも誘惑に会ったとき、神によって誘惑された、と言ってはいけません。神は悪に誘惑されることのない方であり、ご自分でだれを誘惑なさることもありません。人はそれぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて誘惑されるのです。ヤコブ1:12-14先日、直子師、光子姉と食事をしているときに、と罪の刈り取りについて話しをすることができました。私は今まで、辛いことがあると全て「これは神さまからの試練だ。必ず道は開ける。祈りの時だ」と思い神さまからの助けをいただきながら祈りつつ生活してきました。そんな話しをする中、直子師から多くのクリスチャンは試練と罪の刈り取りの深い理解がなされていないことがある。そしてその辛いことは神さまから来る試練ではなく、今まで繰り返されてきた自分の罪から来た「罪の刈り取り」に過ぎないと教えられました。この試練と罪の刈り取りを間違えずに歩んでいかないと自分自身の信仰生活が成長していかないことに気付かされました。 2006.7.16 それどころか、あなたがたの間で、母がその子どもたちを養い育てるように、優しくふるまいました。1テサロニケ2:7 教団本部で3年間の予定で牧師研鑽会が開かれていましたが、この月をもって終了いたしました。 これは教会成長の技術向上を目指して小笠原孝師を講師に行われました。 先ず第一に神さまは教会をどのように成長させようと考えているかを知ることが求められました。 私は「神さまは教会を輝かせたい」と思っていることを知りました。「起きよ。光を放て。」です。次ぎに、参加者同士お互いに建て上げ合うことを実践しました。ヨハネ伝6章の「よみがえらせる」というみことばに「立ち上がらせる」という意味のあることと合わせて、人間と教会を建て上げるということの実際を見ることができました。さらに、コーチングについても学べました。牧師が牧師をコーチするわけですが、心が固くなると持っているものを出せなくなりますが、コーチがそれ引き出すのです。思いや考えの言葉もそうだし、技量や能力もそうです。事実牧師たちが生き生きしてきました。 最も大きな学びとなったのは「問題解決能力」についてです。問題は整理すると解決するのです。教会内に起こるさまざまな問題も、事実と事実でないことを分離して考えること、その中で何が真実であったかを突き止めると、そこに解決の真理が浮き彫りになってきます。 今後もさらに新しい研鑽の時を持ち、神の僕としてキリストに仕えていけるように学んでいきたいと思います。お祈りをお願いします。 2006.7.9 全地よ。主に向かって喜びの声をあげよ。喜びをもって主に仕えよ。喜び歌いつつ御前に来たれ。詩篇100:1-2 新しい生活が始まり、初めのころは誰にも邪魔されることなく家で賛美し、祈ったり、聖書を読めることをとても楽しくしていました. しかし今まで家の事はほとんどしてこなかったので、掃除、洗濯、食事作りと何をするにも時間がかってしまい、いつの間にか神様を心の隅に追いやっていました。 なので日曜日の礼拝毎に、神様を中心にした生活をするよう示されていました。今は、ようやく家のことが慣れてきたこともあり、神様との時間を持てるようになりました。特に賛美しているととてもうれしい気持ちになり、元気になります。 「あなたは彼らに言え。これは主の御告げである。わたしは生きている。わたしは必ずあなたがたに、わたしの耳に告げたそのとおりをしよう。この荒野であなたがたは死体となって倒れる。わたしにつぶやいた者で、二十歳以上の登録され数えられた者たちはみな倒れて死ぬ。」民数記14 28-29 水曜日の聖書の学びは民数記に入りました。約束の地を目前にしたイスラエルの人々は、斥候として偵察に言った人の報告を受けて、後退することを選び、結局、荒野で死ぬことになってしまいました。しかし、カレブとヨシュアは信仰をもってカナンの地に入っていきましょうと、積極的に前進することを勧めました。 私も荒野で死ぬことになってしまったイスラエルの二の前を踏むことなく、主に背かないで、また、目に見えるところによって恐れたりせず、従っていく道を選び続けけて行きたいと切に願いました。 2006.6.25 私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。マタイ6 11 毎日二人の子どもたちの世話や家事に追われ、目まぐるしく過ぎてしまいます。そんな中で小さい子を抱えていても、家でできる仕事はないかなと前から考えていました。 すると、ある日、友だちから内職の仕事をしてくれる人を捜しているらしいとという話を聞き、これはイエスさまが用意してくださった物ではないかと思い、その日のうちにその会社に電話をして仕事をいただくことに決めました。 電子部品の組み立てで、1個作って1円50銭という気の遠くなるような仕事ではありますが、これでも日ごとの糧をいただくための足しにはなるだろうと頑張っています。 ただ、実際には子どもの世話と仕事の両立はとても厳しく、今、保育園へ入れるように市役所へ申請中です。そろそろ保育園か幼稚園へと考えていたので丁度良い機会だとは思うのですが、あとは市役所の方から「入れます」という通知が来るのかどうか待っているところです。どうぞ一緒においのりをお願いします。 2006.6.18 田中義久 いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。1テサロニケ5:16-18 私は福生市にあります、横田防衛施設(横田基地)の中で働いています。仕事の内容はコンテナーやFEDEX,DHL等の運送会社から届く荷物をチェックしてそれぞれの受け取り場所ごとに分けてから相手に連絡をして取りに来てもらう簡単にいうと荷物の受け渡しの仕事です。早いものでことしで20年目を迎えます。入った頃は20代前半でしたので見るもの聞くものが珍しく、若い軍人さんたちや同じ職場の人たちと施設内にある映画館へ連れて行ってもらったり、又、ハリウッド映画の情報誌などを貰ったり、逆に私達も軍人さんたちを連れて新宿や渋谷や立川などで映画を見たり、ショッピングをしたりして遊びました。その頃の私は休日ともなると用もないのに街でぶらぶらしたりして無駄な時間を過ごしていました。当然トラブルなども起こったり、つまらない事でイライラしたりするような乱れた生活になっていきましたでも年を重ねる毎に、いつまでもこんな事をしていも心が空しくなり、どうにかしなければと思うようになりました。ある日NHKの番組でジョージ・フォァマンというボクサーの特集を見ていたら、フォァマンが相手に試合で負けて控え室で落ち込んでいたところ、突然「私の前にイエス・キリストが現れた。そして何度も『私は血だらけになったイエス・キリストを見た』」といっていました。あまりにも真剣な表情で言っていたので私は感動してしまいました。そしてイエスさまに興味を持つようになりました。それから暫くして高校時代の友人に紹介してもらい、教会に足を運ぶようになり、後に洗礼を受けました。教会へ行くようになり少しずつですが、心も落ち着き日々喜び、祈り、イエスさまから、恵みを与えてもらい感謝できるようになりました。今では自分の家庭を持つこともでき、毎日忙しい中ではありますが神さまの恵みの中で生きていることを実感しています。これからも主イエスさまにより頼んで生きていきたいと思います。 2006.6.11 そして毎日、心を一つにして宮に集まり、家でパンを裂き喜びと真心をもって食事をともにし、神を賛美しすべての民に好意を持たれた。主も毎日救われる人々を仲間に加えてくださった。使徒2 47-48 先週のペンテコステ礼拝のジュニア礼拝から小学生の分級を担当しています。分かりやすく伝え、子どもにもしっかり受け止めて貰うにはどうしたら良いか考え先ず自分自身の心を整えることにしました。 今振り返ると、働き始めてからほとんど礼拝以外の場所、日曜日以外の日にデボーションをしていませんでした。自分自身のデボーションの時間を持つことでみことばが今まで以上に心に入って来るような気がします。 先週は聖霊降臨の箇所から「同じ思いの仲間を与えてくださる神さま」について美紅里ちゃんと一緒に学びました。そして仲間を大勢与えてくださるという神さまの約束を信じますと共に祈りました。デボーションを続けて日々心を整えて行きたいです。 2006.6.4 田中陽子 あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです。マタイ25 40 私は今、更生施設という施設の職員として働いています。更生施設というのはあまり聞いたことがないかも知れませんが、早く言えばホームレスの方々の社会復帰を手助けする施設です。 私が勤めている施設は女性を対象とした施設で50人の人達が共同生活をしています。入所者の中には、精神疾患を持つ利用者が多くいて毎日様々な問題に直面しています。 仕事はきついですが、とてもやりがいのある仕事で家庭との両立は大変なのですが夫を始め周りの方々のご協力によりなんとか勤めています。この仕事について思うのは、ホームレスの人達も入浴をして身なりをきちんとすれば、私達と何も変わらない人達だということです。特に男性のホームレスは仕事をなくし、家庭もなくした人が多く、自信をなくしています。施設に入所し住民票を設定して通帳を作って、仕事を探し勤め始めると、彼らは自信を取り戻し社会への再スタートを切ることが出来るのです。皆さんもぜひ、もしホームレスへの偏見を持っているとしたらそれを捨ててください。乞食というのは死語です。当たり前ですが彼らもわたしたちと同じように神さまに愛されている存在です。都内では色々な教会がホームレスの生活を支援しています。中には屋外での礼拝を通して信仰を持つようになる人達もいます。素晴らしいことだと思います。何も持っていないからこそ神さまの愛を受け取ることが出来るのかも知れません。 私もいつまでこの仕事を続けられるか分かりませんが神さまからの愛を受けて、彼らに接して行きたいと思います。 2006.5.28 濱野好邦 あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。1コリント10:13 「真実」という言葉は新約聖書で72回、旧約聖書で94回使われています。神の真実によって私たちは救われています。神の真実はその一人子イエス・キリストの犠牲によって世界を救ったことによって証明されています。ダビンチ・コードという小説がヒットし映画化されて社会現象とも言えるような騒ぎになっています。アメリカでは上映禁止運動が展開されているそうです。内容は、イエスはマグダラのマリヤと結婚して子どもが生まれ、その子孫が今も生きている、というような内容のようです。それは、源義経が海を渡ってジンギスカンになったとか、三蔵法師は実は女だったと言うようなラチもない空想話に過ぎません。東北地方にはイエスキリストの墓と呼ばれる場所があります。それは、エルサレムで死んだのはキリストの弟の「イスキリ」でキリスト自身は日本の東北で伝道して最後を全うしたという話しです。私たちはいつもキリストの真実に目を向け、キリストの真実に倣うものとして生きていきたいと思います。事実は事実、笑い話は笑い話としてはっきり区別して事実と虚偽が混ざり合わないようにしなければなりません。神に喜ばれるクリスチャンの大事な要素は不真実を悔い改めて真実を求め、愛のないことを悔い改めて愛に生きるというところにあります。「ダビンチ・コード騒ぎ」は私たちクリスチャンへの神さまからの警告かも知れません。 2006.5.7 久保展子 「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。」イザヤ41 10 新しいクラスになり、1ヶ月が過ぎました。ようやく日々の生活の流れに慣れてきた気がします。私のクラスには、ハンディーを持ったS君がいます。彼は4歳児なのですが、言語・知的発達に遅れがあり、成長年齢は2歳~2歳半程度です。4月中旬頃からこのS君の情緒が乱れ、パニックを起こすことが多くなったため、クラス運営は一緒に担任をしている保育士に任せ、私は彼の保育担当をすることになりました。 毎日ひとりの人からの同じ対応、同じ声掛けによりパニックを起こす回数は減ってきましたが、それでも物事がスムースに進まなかったり、緊張が長く続くと大きな声を上げ、手足をバタつかせて体をゆらし、パニックを起こしてしまいます。そんな彼の姿を見ていた先輩が、「S君は難しいタイプの子だよね~。担任は本人が過ごしやすいように色んな事を考えて、毎日の生活環境を整えているのに、なかなか伝わらないでパニックを起こしちゃうんだもんね~。S君専門書があったらいいのにね~。」と悩んでいる私を気付かって、冗談を言いながら励ましてくれました。でも私は、その冗談で少し気持ちが楽になったのと悩みを一緒に考えてくれる同僚がいることに感謝しました。自分だけの保育感だけにとらわれず、まわりの人のアドバイスにも耳を傾けながら、この一年、S君との日々を過ごしていきたいと思いました。 彼はこの頃、やっと私を名前で呼んでくれるようになりました。 2006.4.30 中上勝雄 「神よ。あなたは私の神。私はあなたを切に求めています。水のない、砂漠の衰え果てた地で、私のたましいは、あなたに渇き、私の身も、あなたを慕って気を失うばかりです。」詩篇62 1 クリスチャンの信仰の状態や成長度を見る要素の一つに、「渇き」があると言われています。どれだけ神様に渇いているか。それは教会での立場や信仰の年数社会的地位には関係ないものです。自分にとって神様はどのような存在か。自分は神様をどの程度求めているか。 この詩篇62篇を作ったダビデは、自分にとっての神様を「水」に例えています。人間が生きていく上で絶対必要不可欠なのは水です。人間の体の70%は水で構 成されていると言われています。食物を食べなくても1ヶ月以上生きられる人が何人もいるそうですが、水分を完全に抜いてしまったら、人間は3日から1週間程度で死んでしまうそうです。生きていく上では、「飲まなくてはいられない」ものです。ダビデは自分の体が水分を要求するように、自分の魂は神様を要求していると歌っています。ダビデにとっては、神様に祈らずにはいられない、神様の言葉を聞かずにはいられない、礼拝せずにはいられないのです。神様と交わらなければ到底生きられない、死んでしまうというのです 私は毎日、どの程度神様を求めているか。体が水を要求するように、「神様抜きでは死んでしまう」という程渇いているか。もし、「毎日祈った方がいい」「聖書は読むに越したことはない。」「礼拝にはとりあえず出ておこう」という程度なら、私にとって神様はコーヒーやコーラといった嗜好品か、健康食品程度になります。「あればいいが、なくても生きていられる」「たまにはしっかり飲んだ方がいい」程度ではなく、「もう飲まずには死んでしまう」程に、神様との交わりに渇くのがクリスチャンの姿だと、最近思わされています。 2006.4.23 山岸寛之 聖書学院を卒業しても、これからの進路について具体的に聞かされておらず、ただ「訓練期間」に入るということしか知らない私は、色々な、複雑な気持ちを胸に聖協団本部、総会に出席しました。そこで待っていた答えは「青梅教会で二ヶ月」ということでした。 濱野先生のことをよく知っていたわけではないのでかなりの緊張感が私を支配しました。「他人の釜の飯を食って来い。いい訓練になるから」石田先生はそう言っていました。実際青梅教会を目前にして何もかも吹っ飛び頭の中は真っ白になりました「きれいな教会・・・」思わず心の中でつぶやいていました。 あの日から、約一ヶ月経ちましたが、あれこれ思い巡らしていた不安や恐れは全く無く、それどころか濱野先生を初め教会員の皆様の温かい心遣い、そして神の恵と哀れみの中、感謝でいっぱいです。 「人々があなた方を受け入れないばあいは、その町を出て行くときに、彼らに対する証言として、足のちりを払い落としなさい。」ルカ9:5 青梅に来るまでこのみことばが胸にありました。北海道でしか生活したことが無く、東京の街にあまり魅力を感じていなかった私は、札幌よりも景色が良く、治安も良く、人も暖かい、この雰囲気にこみ上げるほどの感激を覚えました。二ヶ月間は、長いのか短いのか分かりませんが、ここを発つ時は思い残すことは無いと胸を張って出ていくことが出来るようにできる限り多くのことを学んで行きたいと思います。 ref(DSCF0013.JPG,,x=200,http //www7.atwiki.jp/oume-kyokai/) 2006.4.16 小林日出夫 私は同じ罪を犯し、罪についてとても悩み苦しんだ時がありました。いろいろ考えた末、悔い改めということがとても重みのある大事なことなのだと気付かされました。今私がこうして、日々生活できているのはだれに救われて今日があるのかと、原点に戻って考えまた。これからはイエス様が述べたように、罪を犯し、悔い改めをきちんと反省もせずに過ごしてしまうと、一日はすぐに去ってしまう、このような事がないよう、日々サタンの誘い、また悪から打ち勝てるよう強い心と体を養い、スキを見せることのないよう、みことばに従い、イエス様に密着した生活をして行かなければならないと思った。敬虔なクリスチャンになれるよう、日々聖書を読み学び続けていきたいです。アーメン。 2006.4.9 守谷美帆子 キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせ、知恵を尽くして互いに教え、互いに戒め、詩と賛美と霊の歌とにより、感謝にあふれて心から神に向かって歌いなさい。コロサイ3 16 小学1年の時に友達に「音痴だね」といわれて以来、人の前で歌うことが恥ずかしく、大きな声を出して歌うことができないでいました。でも、神様は、うまく歌うことができなくても、心から賛美することを望んでおられることを知りました今まで、人目を気にして、音痴といわれない様に、慎重に歌っていましたが、これからは神様に目を向け、自由にどんなときでも心から喜びを持って賛美していきたいと思います。 2006.4.2 浜野喜代子 踊りをもって、御名を賛美せよ。タンバリンと立琴をかなでて、主にほめ歌を歌え。主はご自分の民を愛し救いをもって貧しいものを飾られる。詩篇149 3-4 礼拝の中で賛美が歌われ、若い方々がいろいろ奉仕して下さっています。 奏楽者は教会設立の頃はなかったのですが、やがて演奏器が与えられ、今ではピアノ、ギター、ドラム、ベースと色々な器具を使って賛美がささげられ、本当に嬉しく思います。私も皆さんに合わせて歌を歌うことができるようになってきました。もっともっと主を賛美したいと思っています。神様の恵は次から次へと加えられ、もっと素晴らしくされることを期待しています。私もそのようにしていただきたいと思っています。 2006.3.26 古谷千鶴子 「主に感謝して、御名を呼び求めよ。そのみわざを国々の民の中に知らせよ。」詩篇105 1 先日高校時代の友だちに手紙を書き、私が1月に洗礼を受け、クリスチャンになったことを伝えました。2、3日のうちに彼女からすぐ返事が届きました。彼女は横田基地で仕事をしているのですが、教会に行ってみたくて、去年のクリスマスの時期に入り口の前まで行ってみたのに入ることができなかったということです。彼女はおじい様がクリスチャンであったため後を継いで自分もクリスチャンになりたいと考えた時期があったそうです。私からの手紙に再び心を動かされたようで、その気持ちを暖めていきたいということでした。いつの日か同じ仲間として歩んでいけたらどんなにいいかと思います。 2006.3.19 田中義久 そのとき、神が「光よ。あれ。」と仰せられた。すると光ができた。創世記1 3 私がこの青梅教会に来て、もうすぐ1年になろうとしています。月日が経つのは早いもので、振り返って見ればあっという間のような気がします。今日まで牧師先生方や教会の皆様の祈りに助けられ、何事もなく過ごして来れましたことを心より感謝致します。私も日常生活では仕事に保育園のお迎え、家での子供の育児と忙しい毎日を送っていますが、一日の終わりには必ず家内と一緒に、一日の反省を込めて祈り合っています。 でも時には、色々な問題にぶつかると、物事を悪い方に解釈したり、投げやりな態度をとってしまいそうになり、暗く落ち込むことがあります。そんな時は、創世記1 3のみことばを思い起こしています。また、夜の祈りの時に毎日読むみことばがあります。それはピリピ4 4-7と、詩篇103 1-2です。みことばに力を受けて日々歩む毎日です。 詩篇103篇(1、2節) わがたましいよ。主をほめたたえよ。 私のうちにあるすべてのものよ。 聖なる御名をほめたたえよ。 わがたましいよ。主をほめたたえよ。 主の良くしてくださったことを、 何一つ忘れるな。 2006.3.12 浜野光子 わたしは、あなたがたを捨てて孤児にはしません。ヨハネ14 18 保育園では、今、卒園式を前にしています。私は、卒園児担当ということで、今までいろいろな準備をしてきました。しかし、その準備にはたくさんの問題がありました。普段から、人間関係にはとても苦労していますが、意思疎通が図れない相手がいるのです。私の気持ちを理解してもらうことができません。また、卒園式までに用意する物を、いろいろな人に声をかけ確認しながら行う作業も、段取りが上手くいかず、間に合うかどうか不安があります。他にもいろいろなことがあり、私の心の中がぐちゃぐちゃになりそうなととき、上のみことばを与えられました。 私はひとりじゃない。私のことを神様は見ていてくれてる。大丈夫かな、ってみていて、きっと助けてくれる・・・・・・・・あと、一週間、みことばを聴きながら過ごしていきたいです。 2006年 3月5日 浜野好邦 「神の川は水で満ちています。」詩篇65 9 この頃私は、満足と不満足ということを考えています。人間の心と生活は何かによって満たされなければならないのか。それとも、何かによって満たされなくてもいいのか、ということです。 4年前にダイエットをしました。その時学んだことは満腹にならなくてもいい、ということでした。空腹であっても幸せに生きていくことは充分にできると言うこと。むしろ満腹になるほど食べたときの方が幸福感や充実感の度合いが低かったと覚えています。 神様の恵みによって心が満たされるとき、私たちの生活もまた、充分に満たされ、余裕さえ出てくるものであることがわかりました。金銭も、時間も、人の親切や愛情も、足りないと思うと、焦りや不安にとりつかれて、もっと欲しい、もっと欲しいという自己中心的な欲望の罠にかかってしまいそうです。 しかし、神様が守って下さる。神様が愛していてくださる。神様が全てのことを働かせて益として下さる、と思うと慌てふためくことは何もなくなってしまいます。神様の大きな愛の御手の中に憩いつつ、クリスチャンらしさを求めて行こうと思います。 2006年 2月26日 浜野好枝 「また、どんなことがあっても、反対者たちに驚かされることはないと。それは、彼らにとっては滅びのしるしであり、あなたがたにとっては救いのしるしですこれは神から出たことです。」ピリピ1 28 水曜日の夜、のどが痛み出し、風邪薬を飲んで休みました。翌朝は起きられず、ベッドから基礎コース休会の知らせを古谷姉にかけて寝ておりました。八王子教会の祈祷会の19時までにはどうやら取り戻し、出発しましたが、そんなこんなしているうちに前歯がかけてしまい、口の中に転がってしまったのです。次から次へと主を呼び求めなければならない事件が起こってきます。悪魔が心を不安に陥れようする中で固く主に信頼し続けていくことを教えていただきました。 2006年 2月12日 久保展子 「私の神は、キリスト・イエスにあるご自身の栄光の富をもって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。」ピリピ4 19 先日、久し振りに元上司と会う機会がありました。元気な姿で会う事ができ、とても嬉しく思いました。以前私は聖書と週報を送りましたが、忙しくて何の連絡もせずにいましたが、常に私の頭の中にあり、気になっていました。それでも先日元上司から、「用事があって教会の前を通るたび、いつか教会に行きたいと思っている。毎朝、見えない神様に今日も一日元気で過ごせますようにと祈っているんだ・・・」と話しを聞き、私は少し嬉しくなりました。主が元上司にいろんなかたちで働きかけている事に感謝し、次回の教会のイベントにはぜひ声をかけたいと思いました。 2006年2月5日 佐藤麗奈 先日、推薦入試がありました。12月の終わりから、入試本番に向けての本格的な勉強が始まり、塾も朝から夜まででとても辛かったです。その中で辛いとき、イエス様にたくさん祈ったり、ワーシップを歌ったりして、頑張って乗り越えて来ました。推薦入試の前日は直ちゃんに祈ってもらい、心が落ち着きました。面接の直前まで、ずっとずっと「ちゃんとできますように。」と自分自身に語りかけていました。そして、教会のみなさんが応援して下さったことを思い出しなが ら試験に臨みました。 面接では大きなミスもなく、黙り込むこともなく、無事に終えることができました。試験官につっこんだ質問をされた時、伝えたいことをなんとか伝えることができ、その時、神様が一緒に面接を受けているんだと実感しました。すごく辛い時期でしたが、イエス様がずっと私の側にいて下さることがよく分かりました。これから一般入試がありますので、尚お祈りください。お願いします。 2006年1月22日 守谷美帆子 あなたが敵と戦うために出て行くとき、馬や戦車や、あなたよりも多い軍勢を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの地から導き上られたあなたの神、主が、あなたとともにおられる。 申命記20:1 仕事をしているといろいろな戦い(試練)があります そのようなときは胃が痛くなり、行くのがいやでいやで仕方がないときがあります。そういう時は、電車の中でひたすら祈り出勤します。 この間も不安で祈りました。その日は祈り終わると心がとても穏やかになりました。 そして不思議なことに、私の後ろを聖霊部隊とでもいうか、兵隊が後から、ぞろぞろついて来るような感じがしました。一人じゃない!そんな気持ちで出勤しました。 その日、私が想像していたつらいと思っていたことが、あっけなくかたずいてしまいました。 感謝です。 2006年1月1日 今週の証 濱野好邦 信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。 ローマ10 17 昨年は青梅教会の早天祈祷会での聖書の学びが変わりました。従来は創世記から黙示録へページを追って1日1章でしたが、日本聖書教会の聖書愛読暦によって1週間にわたって同じテーマでみことばを学び続けました。新改訳聖書を読んだ後、現代訳聖書、新共同訳聖書、リビングバイブルを読んでいます。読み終わってから、一人ひとりが読後感想を述べ合います。 一週間同じテーマで学び続けるのでテーマに対する理解がとても深まります。 4種類の聖書を読み重ねるので語句の中にある意味の含みが浮き上がってきて信仰が養われます。 さらに、相互に、恵を分かち合うことによって、自分では気付かなかった点や、示されなかった真理を学ぶことができます。 毎朝のメーリングリストでの「今日のみことば」早天の「聖書愛読暦」個人の「聖書通読」水曜集会の中上師による「レビ記の学び」金曜集会のグループディボーション「ローマ書の学び」礼拝での「ヨハネの福音書講解」習志野教会では「ローマ人への手紙」等々。 この様な形で、みことばに親しみ、みことばによって心を養われることを有り難いと思っています。みことばの中にあるイエスさまのお姿をハッキリ見てイエスさまのような人になれるように努力して参ります。 2006年1月8日 浜野光子 「わたしは、わたしの美しい家を輝かす。」イザヤ60:7 あけましておめでとうございます。 新しい年になり一週間が過ぎました。4日から仕事が始まり、また、忙しい毎日が始まるのか、と少し悲しい気持ちでしたが、みことばを思い出しました。「わたしは、わたしの美しい家を輝かす。」神様が私を輝かせてくれるのだから、心配は要らない。すべき事はたくさんあるけど、毎日みことばに触れ、神様と一緒に生活すれば、きっと大丈夫だ。という思いが与えられました。 毎日、神様とコミュニケーションをとりたいと思いながらも、去年は「デボーション」というかたちでみことばを読むことはあまりありませんでした。みことばに触れることの必要性を感じていたので、今年は、「聖書愛読暦」を使用して、毎日、神様としっかりコミュニケーションが取れるようにしていきます 2006年1月15日 浜野喜代子 「それとも、神の慈愛があなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かな慈愛と忍耐と寛容とを軽んじているのですか。」ローマ2 4 新年も恵みのうちに幕開け、83歳を迎えました。新年聖会にも出席することが出来ました。その中で神の豊かな恵みが私たちを悔い改めに導いて、神との正しい関係を築き上げることをお聞きしました。 確かに衰えていく自分の身体を支えていくこと、守ることが大切と考えていますが、息子やその家族が救われるように祈り、神に従えるように歩みたいと願っています。 教会に集う兄弟姉妹が実にへりくだって神様に従い、仕えている様子を見、何も出来ませんが、一人でも多くの人のために祈っていきます。今年もよろしくお願いします。
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コツコツ コツコツコツ ぱりん やっとたまごのからがわれた まぶしいなあ おそとはまぶしいなあ ぼくはまだ めがあかないけど おそとがとっても まぶしいのはわかるよ 「う、生まれたミィ!ベビちゃん、僕がパパミィ!」 「私がママミィ!なんて可愛い顔ミィ、とっても幸せミィ!!」 うれしそうなこえがするよ パパとママのこえなのかな はじめまして ぼくベビンネ はやくパパとママの おかおがみたいよう ぺろぺろ ぺろぺろぺろ うふふ くすぐったいよう ぼくのけがわを なめてくれてるんだね でもとてもあったかい きもちいいなあ ぼくとってもしあわせ なんだろう? とおくでおおきなおとがするよ さけびごえがきこえるよ 「ここは危ないミィ!はやく逃げるミィ!」 どうしたの なにがおきてるの まだめがあかないから わからないよ パパ ママ どうしたの どうしてはしってるの どこへいくの 「コワイ コワイ コワイ……」 パパとママの こころのおとが つたわってくるよ どうしたの なにがこわいの? ぼくもこわくなってきちゃったよう…… 「ミィィィィ!!!」「に、逃げるミィ…その子を頼むミ……ギャ!!」 バリバリバリバリ!! いまのおとはなに? いまのこえはパパのこえ? パパどうしたの? ママがないてる……… 「お願い、見逃してくださいミィ!私達何にも悪い事してないミィ! この子は生まれたばかりで名前もつけてないし、お乳もまだ飲ませてあげてないミィ!」 そこにいるのはだれ? おねがいだから ママをなかせないで ママのいうとおり ぼくはまだ なまえもつけてもらってないの ママのおちちも のんでない…… いたいっ! ああ やっとぼく めがあいたみたいだ まわりのものが みえるようになったよ でもへんだなあ からだがふわふわ ふわふわするよう からだがうかんでるよ どんどんおそらに のぼってくよ そうだ ママは? ママはどこ? 「さあベビンネよ、こちらへおいで。一緒に天国へ行きましょう」 ママのこえじゃない あなたはだあれ? 「私は天の使い。あなたを迎えに来たのです。さあ、いらっしゃい」 いやだよ いやだよ ぼく ママのそばがいいよ ママのところへいかせて 「それはできません。あなたの母は罪を犯しました。 その罰を受けねばならないのです。あなたとは別のところへ行くのですよ」 いやだよ いやだよ ぼく まだママのかおも みてないのに ママのおちちがのみたいよう ママにだっこしてほしいよう 「ベビちゃん!私のベビちゃん!……ミギャアアアア!!」 あっ あれは ママのこえだ おねがい ママのところへいかせてよ 「気の毒ですができません。さあ、天国へ行って新たな魂に生まれ変わるのです」 いやだ いやだ いやだ ママにあいたい ママのところにいかせて ああ ママのこえが とおくなってく ママ ママ ママ…………
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ツキノワ 第3話 3.熊とシロクロ・ヒストリー 「あー…ごほん。ええと…むかしむかしあるところに、でっかいクマの王国がありました、と」 景気づけにか、ウルさんは焼きあがったばかりのパンケーキを素手で掴み、蜜に浸して豪快に噛み付いた。 えっヤケドするんじゃないの、と思ったけど全然平気そうにむしゃむしゃしてる。 なんかいいなあ。いかにも美味しそうな食べ方。豪快。…でも私がやったら引かれるだろーなー。口ん中大惨事。 「えーと…その国がどこにあったもんか、今となってはだーれも知らねえ」 「はあ。そのくらい昔ってことなんですね」 「おお。んで、そん時のクマってのは、みーんな土色の毛皮をしてて、目が緑色だったんだと。草とか葉っぱの色と同じだ」 「へえー、そうなんだあ」 私はまだウルさんしか「クマ」を知らないけど、アッチの世界でそんな熊はたぶん、いない。 さすが異世界だなー。でも『その時』ってわざわざ言うくらいなんだから、今はもういないってことなんだろうか。 ちなみにウルさんは真っ黒つやつや毛皮のツキノワさんで、瞳も黒い。 ちょっと眼は小さめだけど、それがなんか、いいと思う。…いやホント。 「それから…うーん…なんかなぁ、大地の神様を信仰しててな。そのおかげでもともと体がデカくて、力もあったんだと」 「ふんふん」 相槌を打ちながら、焼いてもらったパンケーキにジャムをのせ、ふうふうしながら注意深く噛みつく。 私もとくに猫舌というほどじゃないけど、ヤケドなんかでこんな美味しいものの味を損なうわけにはいかないもんね。 …ていうか、語り口がすでに怪しくなってきてるのは気のせいですか、ウルさん。まだ始まったばっかなんですけど。 「で…最初のうちは森の奥で大人しく平和に暮らしてたんだけども、なんの因果か、…あー、悪い王様が出てきたと」 「おお、ドキドキしますねえ」 「その王様っちゅーのが野心家でな。俺ぁこんなとこで燻ってるつもりはねぇ! とか言い出して、いきなり色んな国に宣戦布告した」 「おおお! なんちゅーことを!」 「…えーとそれから何だっけ――あ、ちょっと待ってれ、いいモンあったわそういえば」 パンケーキの残りを口に押し込んで、もぐもぐしながらウルさんは立ち上がった。 すぐそこの小屋の中に入って10秒も経たないうちに、何かを持って戻ってくる。 「ちょっとよぉ、悪ぃけどおめぇさん、これ読んでくんねっかな」 「…これ…って」 渡されたそれを一目見て、私はちょっとクラッとした。懐かしさと、現状との言い知れない違和感が入り混じった困惑で。 それは緑色のノートだった。 …表紙に大きな花の写真と、白抜きで『ジャ●ニカ学習帳』、『こくご』って書いてあるやつ。 「…うわあ…これ…小学校ん時に使ってましたよ私」 「らしいな。それ書いたヤツもそう言ってたわ」 「ですよねえ。これもやっぱり私たちの世界から落ちてきたモノなんでしょうねー」 愚問を口に出しながらノートを開く。そこには日本語でびっしり文章が書いてあった。 ぱらぱらめくって見ると、筆跡は鉛筆だったりインクだったりでまちまちだ。でもすごく几帳面に、ていねいな字で書いてる。 「これ…クマの国に落ちてきたヒトが書いたんですか?」 「そうだよ。あー、でもそいつなー大変なんだわ、クマにしては珍しく旅好きのヤツがいてさ、そいつに付き合わされてしょっちゅう旅に出ててよ。 で、そいつが色んな国に立ち寄るたんびに、クマの国に関して書いてある資料探して、そうやって書き写してくんだわ」 「へぇー。学者さんみたいなことやってるんですねえ」 「アッチの世界じゃそうだったらしいな。つってもクマの国には文字がねっから、俺らにはそこに何書いてあんのかサッパリなんだけども」 じゃあ、落ちてくる前は学生だとか、大学の教授とかだったヒトなのかな? 同じヒト同士でいろいろ話とかしてみたかったんだけど、旅に出てるのか…。残念。 …あれ。でも旅してるあいだってそのクマさん、冬眠どうしてんだろ。と思ったんだけど、まあとりあえず今はいいか。 「へえー…なんか楽しそうですね。字を見た限りでは女の子っぽいですけど…」 「残念、オスヒトだ。クマのほうは女だけどな。まーあと2年は帰って来ねーだろーな、あの様子じゃなー」 「なんだぁ、残念。――あ、それで、どこを読めばいいんですって?」 「最初っからだ。…そうそこ、いっちばん最初っから。声に出して読んでくれな、俺にもわかるように」 「ええと、はい。…うわ、しょっぱなからなんだろこれ、何て読むんですか? …きゅう…まおう…?」 「違う違う。『くまおう』だ」 ■九魔王ラオシと消えた王国 --------------------------------------------------------------- 何万年とも何億年ともつかないほどに、遠い昔の伝説である。 真実を知っている者は、もうこの世に一人もいないだろう。しかし大陸のどこかに突如現れ、栄華を極め、瞬く間に滅んだ王国があった。 その国の一族は当初、山裾に広がる森の一角で、細々と木の実を食べて暮らしていたという。 巨大な体躯と有り余る力を持て余していた他は、特に不満もなく、ほとんどの者たちが平穏を享受していた。 そのあまりにも平凡で退屈な生活を憂い、焦燥を募らせていたのが、後に初代王となる戦士・ラオシである。 ラオシは、与えられた素晴らしき体躯と能力を持ち腐らせることこそ母なる神に対する冒涜であると考えた。 彼は一族に戦いを教え、自ら兵を率いて故郷の森を出た。 先陣切って巧みに近隣の種族たちを襲い、領土の広がる喜びと戦いの興奮、血と肉と勝利の味を部下たちに覚えさせることで彼らを鍛えた。 山をひとつ、向こうの山ももうひとつ、もうひとつの山向こう――着々と領土は広がる。 多種族の肉は甘美であり、この上ない滋養であった。 ますます彼らは力を増し、人口も増え、いつしかラオシを王とした国が出来た。 どの種族にも侵略されず、しかし隙あらばどの種族にも侵略の触手を伸ばそうとする。 しかも老若男女、国民全員が好戦的で無敵の軍団。 まさに悪魔の国の誕生であったと、某国の文献は言葉少なに語る。 しかし栄華は長く続かなかった。 無敵を謳った王国は、たった数年の天下であっけなく滅んだ。 突如蔓延した奇病。潜入した大魔法使いによる殺戮。あるいは滅ぼされた一族の呪詛とも伝わるが、どれも定かでは無い。 某国の文献によると、かの種族は世界最大級の体躯を誇り、世界最強の筋力を持った無敵の種族であったという。 大地の神に生み出されたと自称する彼らは、その証拠に、土色の毛皮と草露色の瞳を持っていた。 国の名には母である神の名をそのまま冠していたとの記述もあるが、残念ながらその名は抹消されている。 代わりに、他の種族が恐れと怯えをもって彼らを呼んだという「九魔」 ――即ち「クマ」 の名が残り、今日の子孫の名として伝えられているのみだ。 何故そのような名で呼ばれたかというと、『九つの種族を滅ぼした悪魔の一族』を由来とする説が一番可能性としては高い。 桁外れに強かったため、九つの術法及び武術を身につけていたからではないかとする説もあるが、そちらの明確な根拠は無い。 --------------------------------------------------------------- =1= 「えーと…以上です」 「おー、おめぇさん読むのうめーなあー。里の子どもらに聞かしてやりてーわ」 ウルさんの拍手の音は、ぱちぱち、じゃなくて、ぽふぽふ、だった。 …可愛いなあ、これ肉球の音なんだろーなー。 手のひらどーなってんのかじっくり見せて欲しいけど、いきなりそんなこと言うの恥ずかしいしなー。悶々。 ていうか、恥ずかしくて手なんか触れない。ふとした瞬間にぶつかったりとかしたら、凄まじい中学生っぷりをお見せする羽目になりそう。 「きゃっごめんなさいっ★」 …とかって…うわあ。そんな自分想像できない。せいぜい「どわー!」 とかだよ。…色気ないわー。 「ん、どした? 疲れたか? 水飲むか?」 「あー、あはは。いやーお恥ずかしい、高校以来ですよ朗読なんて。…で、これがクマの国の歴史なんですか?」 「なんかすげーだろ? ま、現実の数倍大げさに書かれてんだけどなー」 まるで他人事みたいに言って、ウルさんはつめたい水をぐびぐび飲んでる。 私も木のカップに注いでもらったのをひとくち飲んだ。 レモンとかライムによく似た、爽やかな香りのする水だ。「水瓶に皮むいた果実を一晩つけといたらこうなんだ」って言ってた。 柑橘系の微かな酸味もあって、でも変に濃い味じゃなくて美味しい。味としてはスポーツドリンクっぽいかな。 「…次のページは…なんかひらがなばっかりなんですけど。…『しろいくまとくろいくま』?」 「あー、それこそクマの国に伝わる昔話だ。じーちゃんばーちゃんが子供に話して聞かせるやつな」 ほんとだ。※日本で言う日本書紀のようなものでしょう、って注意書きしてある。 日本書紀って…あれかな。あんまり憶えてないけど、天照大神とか、八岐大蛇とか、ああいう系のだったかな。サメに背中の皮剥がされたうさぎとか。 …あーだめだ、七五三のときに千歳飴といっしょにもらった絵本の記憶ぐらいしかないや…。 「これも読みます?」 「お願いしまっす。…あ、これは長ぇぞ。覚悟しといてくれな」 「…ウルさん…さては逃げましたね?」 「あっはっは、違う違ーう。ホント俺、ヒトの字なんか読めねんだって」 「もう。…じゃ行きますよ?」 ■しろいくまとくろいくま --------------------------------------------------------------- むかしむかし、クマたちはみんな、つちいろのけがわとみどりいろのめをしていました。 それはだいちの神さまにとてもあいされていたからあかしで、 おかげでクマは、せかいでいちばんおおきくてじょうぶなからだと、つよいちからをもっていました。 だいちの神さまのごかごのもと、クマたちはもりのおくでへいわにくらしていました。 からだがおおきいのは、よりひろくだいちにせっすることができるから。 どんなにふかいかわのながれにも、さからうことができるから。 ちからがつよいのは、たくさんのきのみをとったり、はこんだりすることができるから。 おいしいきのみときよらかなみずがあれば、ほかにはなにもいりません。 ただ、だいちの神さまへのかんしゃと、かぞくやともだちのけんこうだけが、クマたちのしあわせでした。 ----------------------------------------------------------------- しかしあるおうさまのじだい、クマたちはとつぜん、たこくにしんりゃくをはじめました。 まわりにすんでいたたくさんのしゅぞくとせんそうをして、どんどんりょうどをひろげていきました。 へいわなもりのせいかつをすてたクマたちは、まるできがくるったようにたたかいにあけくれました。 なにしろだいちの神さまにさずかったとくべつなちからですから、ただのにんげんにたちうちできるわけがないのです。 おもしろいほどかんたんにしんりゃくはすすみました。 クマの国はどんどん大きくなっていました。 いつになってもおうさまは、しんりゃくをやめようとしませんでした。 きのみのかわりににくを、みずのかわりにちをのんで、クマたちはじぶんたちのつよさによいしれました。 なさけようしゃなくほかのしゅぞくたちをおそい、さいげんなくとちをうばいつづけました。 それが神さまのいかりにふれるともしらずに。 ----------------------------------------------------------------- そのおうさまと9人のおきさきさまとのあいだには、9人のおうじ、9人のおうじょがいました。 むすこのひとりに、まっしろいけがわのラウがいました。 かれはおうさまのいちばん上のおうじで、せかいでいちばんのちからもちでした。 クマもライオンもゾウも、かれのこぶしにはかないません。 あまりにつよいので、ラウさまとたたかったものはかならず死んでしまいます。 どんなにてかげんをしても、たとえゆびいっぽんしかつかわなかったとしても、かならず死んでしまうのです。 だから、ラウさまはむてきでした。 せんそうではいつもすすんでいちばんまえにたち、たくさんのてがらをたてました。 みんな、ラウさまをおそれました。 そしてラウさまこそはクマの国のさいきょうのせんしであるとたたえました。 それにまっしろいけがわのクマなんて、ラウさまのほかにはひとりもいなかったのです。 あるときおうさまは、ラウさまにききました。 「ラウよ、おまえはなぜ白いけがわをもってうまれた? われわれクマのつちいろのけがわ、みどりのめのすがたこそ、だいちの神のめぐみのあかし。 ならばおまえは、どこの神よりうまれしものか?」 するとラウさまは、まよいなくこたえました。 「だいちの神のはんりょにして、せかいにあさとひかりをもたらすもの。 わたしはたいようのかみのいかりよりうまれました。 ちちよ、わたしはあなたにすくいをあたえるためにうまれたのです」 おうさまはとてもよろこんで、18人のおこさまのだれよりラウさまをかわいがったといいます。 ----------------------------------------------------------------- おうさまのこどもにもうひとり、まっくろいけがわのウルがいました。 いちばんすえのおうじょであるウルさまは、せかいでいちばんのよわむしでした。 たたかいがきらいで、いつもにげてばかりいたのです。 だから、みんな、ウルさまをばかにしていました。 だけど、だれもウルさまをきずつけられませんでした。 なぜならウルさまのけがわはとてもじょうぶで、なんでもはねかえしてしまうからです。 どんなやいばも、どんなまほうも、どんなわるぐちも、ウルさまにはきかないのです。 だから、ウルさまはむてきでした。 せんそうではいつもむりやりいちばんまえにたたされて、みんなのかわりにたくさんのまほうを、たくさんのけんをうけとめました。 それにまっくろいけがわのクマなんて、ウルさまのほかにはひとりもいなかったのです。 あるときおうさまがききました。 「ウルよ、おまえはなぜくろいけがわをもってうまれた? われわれクマのつちいろのけがわ、みどりのめのすがたこそ、だいちの神のめぐみのあかし。 ならばおまえは、どこの神よりうまれしものか?」 するとウルさまは、おびえながらこたえました。 「だいちとたいようの子にして、せかいによるとやみをもたらすもの。 わたしはつきの神のなげきよりうまれました。 ちちよ、わたしはあなたにほろびをあたえるためにうまれたのです」 おうさまは、ウルさまをにくみました。 わがことはとてもおもえないほどにくみ、さげすんだといいます。 ほろびをあたえるなどといわれてはむりもありません。ウルさまのくろいけがわはただでさえぶきみだったのですから。 ----------------------------------------------------------------- あるひ、おうさまは、ラウさまとウルさまをよんで、みんなのまえでめいじました。 「せかいでいちばんのちからもち、ラウおうじと せかいでいちばんのけがわもち、ウルひめが もしもぜんりょくでたたかったなら、どちらがかつだろう。 みんなもそれをしりたいだろう。 こんどのわしのたんじょうび、おいわいに、みんなのまえでしあいをするがいい。 ただし、きょうだいといえど、けっしててかげんをしてはならぬ」 しかし、すえむすめのウルさまが、国のこうけいしゃであるラウさまをてにかけることなどできません。 それはつまりラウさまに、ウルさまをころせと、めいじているもおなじでした。 ----------------------------------------------------------------- しあいのひ、みんなあたりまえのようにラウさまをおうえんしました。 なぜならラウさまはみんなにすかれ、うやまわれていましたが、ウルさまはやはり、みんなにきらわれていたからです。 ウルさまはいつもにげてばかりのくせに、 どんなにひどいことばをかけても どんなにいたいことをしても ぜんぜんへいきなかおをしていました。 どんなにばかにされても どんなににくまれても だれも、だれも、ウルさまをきずつけることはできなかったのです。 そのかわり、ウルさまは、だれのこともきずつけたことはありませんでした。 しかしそれにきづいたものは、この国にだれひとりいませんでした。 つよさだけをもとめ、やさしさをわすれたクマたちのなかには。 ----------------------------------------------------------------- おうきゅうのとうぎじょうでラウさまとむかいあったウルさまは、うまれてはじめてなみだをぽろぽろながしたそうです。 そして、かなしそうに、くるしそうに、こういいました。 「いつか、こんなひがくることはわかっていました。 ああ、わたしたちがたたかってしまったら、この国はたいへんなことになる」 みんなウルさまのことばをきいて、おおわらいしました。 どんなにこっぴどくやっつけてもびくともしなかったウルさまも、さすがにラウさまにはかなわないのでしょう。 だからこわくなって、ないているのだとおもったのです。 いいきみだと、ざまをみろとおもったのです。 しかしラウさまは、みんなのようにウルさまをばかにしたりしませんでした。 いままでだって、いちどもしたことはありませんでした。 ただ、さびしそうにわらっていいました。 「ウルよ。このひがくることを、わたしたちはうまれるまえからしっていた。そうだろう? こうなってしまったいじょう、たたかいはさけられん。 これがあやまちをおかしたこの国のさだめ、神よりわたしたちにあたえられたやくめなのだ」 ぎらぎらかがやくたいようはまうえにのぼり、しろくかぼそいみかづきはにしのそらにきえました。 ああ、とうとうおうさまがさつりくのかねをならします。 ころせ、ころせ、ウルをころせ! たたかいをいとうおくびょうものには死を!! じなりのようなさけびがうずまくなか、2人のきょうだいはめをとじて、どうじにてんをあおいでいいました。 「だいちの神よ、今われら、太陽と月の名のもと、おごれるあなたの子どもらに、ほろびとすくいをあたえます。 それがあなたのご意思ならば!」 ----------------------------------------------------------------- せかいでいちばんちからもちのラウさまと、せかいでいちばんじょうぶなウルさま。 どちらもむてきで、どちらもつよい。 いったいどちらがかったのでしょう? でも、さいごまでみとどけたものは、だれもいません。 なぜならあまりにはげしいたたかいで、けんぶつにんたちはほとんどまきぞえで死んでしまったからです。 9日間のぜんりょくのたたかいのすえ、ようやくつかれはてたラウさまとウルさまだけが、あれはてただいちのうえにたっていました。 おうさまと、9にんのおきさきさまと、のこり16人のきょうだいは、ぜんいん死にました。 なん万というこくみんも、ほとんど死んでいました。 せかいでいちばんつよいはずのラウさまのこぶしは、ぼろぼろ。 せかいでいちばんじょうぶなはずのウルさまのけがわも、ずたずた。 まっしろなけがわのラウさまは、きずがいえたあと、てのひらとあしのうらだけがくろくなり、 まっくろなけがわのウルさまは、むねにおおきな、きえないきずがのこったといいます。 ----------------------------------------------------------------- =2= 「…これ…あの、ウルさん?」 「あー、うん。その話に出てくんのも『ウル』だなー。 でもこれはあくまで神話だかんな。現実的に考えてクマが他の種族と比べてそんな圧倒的に強かったとは考えられんし」 石板の上でじいじいと音を立てて焼きあがっていくパンケーキをひっくり返しながら、そう言って笑った。 ナイフで削ってつるつるにした二本の枝を差し込んで、器用に裏返していく。 お好み焼き屋顔負けの鮮やかな手際を目で追いながら、私は長いむかしばなしを頭の中で整理している。 「はあ。…なんか…『矛盾』っぽい話ですね、これ…」 「書いたヤツもなんかそんなこと言ってたなあ。その、ムジュン? ってのはどういう話なんだ?」 「ええ、中国って国の昔話なんですけどね。 これはどんな盾でも突き通す矛で、こっちは絶対に貫けない盾だって言って売ってる武器商人がいて。 『じゃあその矛でその盾を貫いたらどうなるの?』ってお客さんに聞かれて、答えられなかったっていう話なんです」 「ほー。結局どうなったのか興味あんなあ」 「ただのハッタリだったんじゃないですかねえ。大きく言って買わせようっていう戦略だったんでしょう」 でも、本当に最強の矛と最強の盾がぶつかりあったらどうなるんだろうか。 ゲームなんかだと、攻撃力最高キャラと防御力最高キャラが戦ったら、たぶんスピードと攻撃回数と回復手段が勝敗を分けるよね。 これを読む限り、『ラウ』って人は最強の上に一撃必殺スキル持ち、『ウル』って人は常に全ての攻撃が無効の反則装備持ち、ってとこかな。 そんな素晴らしい特性があったとしても、もし『ラウ』が防御力ゼロ、『ウル』は攻撃力ゼロだったとしたら、そりゃあいつまでも決着つかないだろう。 もちろん現実の戦いをゲームと同じには考えられないし、2人がどういう戦い方をしたのかもわからないけど。 ――って、下のほうに※白黒つかないことの例えとしては最適、とかって書いてある。…誰がうまいこと言えと。 「…これ書いた人って、一体…」 「あ、名前シュウイチっつーんだそいつ。皆にはシュウちゃんとか呼ばれてんぞ」 …シュウイチさんっていうのか。憶えておこう。 しかし読みやすくて綺麗な字だなあ。パソコンの字でいえば明朝体に近い、お手本みたいな字。 なんていうか、丁寧っていえば聞こえはいいけど、むしろ神経質そうっていうか…。 この人を引っ張りまわして旅に付き合わせてるってクマさんて、一体どんな人なんだろ。…どっちが苦労してるのかなあ。 多分いつか逢える日が来るんだろうけど。それはそれでちょっと楽しみな気がする。 「…そんなことよりウルさん。この話って、ひどくないですか?」 「はは、おめぇさんはなんかそんなこと言いそうな気がしてたわ。まあ可哀相だわなあ、『ウル』は」 「同じ名前ですけど、なんか関係あったりします? …その、ウルさんが…『ツキノワ』ってことと」 「まあ、だいたい想像つくんじゃねーか?」 <胸に大きな消えない傷>。 もしそれがツキノワグマの三日月のことだとしたら、そりゃあ決して無関係ではないと思うんだけど…。 「うんまあ別に勿体ぶっててもアレなんで言うけど、ご先祖だ。俺んちの」 「ウルさんの家の?」 「うん。『ウル』って名前は代々、クマの国の結界を管理するヤツに付けられる名前でさ。俺の親父も『ウル』だった」 「へー!」 「で、親父が死んだんで、俺が名前を受け継いだ。…これといっしょにな」 ウルさんはそう言いながら、胸の「月の輪」 を指さしてみせる。 そっか…お父さん、亡くなってたんだ。…って、受け継いだってことはつまり。 「え、じゃあ、ウルさんは生まれたときは別の名前で、ツキノワグマでもなかったってことですか!?」 「そうそう。俺もガキんときはただの真っ黒い仔グマだったんだわ。 ツキノワグマってのは一世代にひとりしかいねぇ。その代が死んだら、この三日月が次世代のひとりに移る。移ったそいつが次のツキノワっつーことだ」 「へー…」 …じゃあウルさんのお母さんって今、どうしてるのかな。家族ってどんな感じだったんだろう。 きょうだいとか、いるのかなあ。 むかしは何ていう名前で、どんな子どもだったんだろう 。 聞きたい。知りたい、もっともっと、ウルさんのこと―― 「だからそれで俺もなー、次世代のツキノワを絶やすわけにいかねっから、さっさと子ども作れって言われてさ…ハハハ」 アーアーやっぱ聞こえなーい! 私の耳はきょう日曜日ですっ! …元・奥さん関係の話は当分いいや…ちょっとまだ冷静に聞く余裕、ないっす…。 「えーとえーと! 次読みますよっ! 『シロクマの国の成り立ち』っ!」 ■シロクマの国の成り立ち ----------------------------------------------------------------- シロクマの国の歴史は比較的浅い。まだ若いと形容しても差し支えなかろう。 しかも彼らは文字をもたないため、建国の歴史を紐解こうとするのは至難のわざである。 口伝の民話や遺跡の壁画によれば、大陸の北端、現在の王城付近に最初に住み着いたのが初代王であるという。 彼はどこからともなくやってきて、数人の妻と召使い、ヒト奴隷とともに生活をはじめた。 一年の半分を雪が覆う極寒の地にも関わらず、彼らは非常にたくましく、かつ平穏に暮らした。 雪のない時期に畑作をおこない、寒さに強い木を植え、収穫し、貯蔵して冬をしのいだ。 子を産み育て、またその子が子を産み、その子らがまた子を産み、ゆっくりと栄えた。 ひとつの家族がふたつになり、十になり、百になり、街となり、やがて国となった。 人々に生きるための様々な技を伝えたのが、初代王その人である。 壁画の王の頭上には、必ず大きな太陽が描かれている。それはまさに彼の偉大な功績を表したものである。 彼は人々に太陽王と尊称され、現在もシロクマの国民たちに敬われ、奉られている。 一説によると、彼は太古に滅んだ『九魔』の末裔であるという。 王の名として伝わる「ラウ」 という名の音が、『九魔』の使用していたとされる言語の、『白』という単語と一致する。 そしてそれを裏付けるように、王の子孫たちは皆一様に白い毛皮をもって生まれてくるのである。 シロクマは気性が優しく、争いを好まない。 大陸でも稀なる、怪力と形容するに相応しい力を持ちながら、それを行使することを罪悪とさえ考えている。 もし彼らが本当に『九魔』の末裔であるのなら、あの忌まわしき歴史の再来を、無意識下で抑えているのかもしれない。 ----------------------------------------------------------------- =3= 「…って…クマの国とはまた別なところにあるんですか、シロクマの国って!?」 「そう。クマはクマでも、俺らクマとシロクマは種族が違うことになってんな」 …それは予想してなかった。 私はてっきり、まだ冬眠してるっていう里の皆さんは色んな毛色をしてて、さぞかしバラエティー豊かなんだろうなと思っていたのだ。 さすがに、金とか銀とか紫とかを期待してたわけじゃないけどさ。一番わかりやすい配色じゃない? 白と黒って。 「じゃあ、ここには白い毛皮のクマさんは一人もいないってことですか?」 「そうなるな。俺は一度も見たことねぇし、多分これから先も生まれねっと思うぞ。クマの国にはな」 「じゃあ、里のクマさんたちは何色をしてるんです?」 「何色もなにも。…まあ、だいたい、黒か茶だな。濃かったり薄かったりとか、二色になってたりはあんだけど」 「へー…」 あれ、クマって他にどんな種類あったっけ。 ツキノワグマやホッキョクグマ(つまりシロクマだよね)はいいとして、ヒグマとかマレーグマとか…アライグマとか? パンダ…は、さすがに違うか。あれはもう別の種族のような気がする…じゃあパンダの国ってのがあるのかな。 ま、それは里の人たちが起きてくれば自然にわかることだから、いいんだけど。 「まあ要するに、事実だけを簡潔に述べていくとだな」 そう言いながらウルさんは、両面がほどよくきつね色に焼けたパンケーキを大きなお皿に重ねていく。 「ほい。まあ遠慮せず好きなだけ食ってくれな」 「あ、はい、ありがとうございますー」 そういえば子どものころにみたアニメにこんなのあったなあ。10枚くらい重ねたパンケーキ。その上にとろりと溶けた四角いバター、たっぷりかけたはちみつ。 夢の光景だったけど、実際に目の前にすると壮観だ。 もうお腹いっぱいになってもおかしくないぐらい食べたはずなんだけど、まだまだいける気がする。 …やばいかも。太るかも。でも正直、もうちょい食べたいしなー。あのジャムまだ試してないし…。 内心でちょっと葛藤していたら、ウルさんは静かに口を開いた。 「あー…その前にな、言っておかなきゃならんことがある」 「へ?」 「なんでクマが、結界に守られて暮らしてなきゃならんと思う?」 …いやいやいや、今それを説明してもらってるところなんじゃなかったですか。 そう言おうとしたんだけど、…なんとなく、ウルさんの様子がおかしいことに気がついた。 ちょっと顎を上げて、しきりに空気の匂いを嗅いでる。 私もあたりを見回してみるけど、何か変わったようすはない。だからとりあえず質問に答えることにした。 「えっと…なんででしょう…すごいお宝を隠してるから、とか…」 「考えようによってはそうかもしれねぇな。ある種のヤツらには喉から手が出るほど欲しいモンを、俺らクマは持ってる」 「それはどういう…」 意味ですか、と、最後まで訊くことはできなかった。 【続】
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こんちゃー☆ リリアンですッ♪リリアン描きやすいなぁ~~~(^^@)スイカ食べた~ぃ!!! -- なつき (2009-07-11 14 31 24) 超うまーーー!表情とかポーズとか凄い素敵です^^*可愛いし♪♪スイカも美味しそう♥うちも食べたいっすb -- なっしー (2009-07-11 14 36 02) なつき^^かわいいよ~^^うらやましい~>< -- NANAMI (2009-07-11 14 39 41) なんと申し上げていいのか・・・ Goodと申しておきましょうとも!ええ!スイカは自分、タネをとってから食べます(せこ -- 名無しさん (2009-07-11 14 41 41) なつきsの絵 -- 名無しさん (2009-07-11 14 47 39) ミス なつきさんの絵はよくみれば簡単ですよね。最初に形。次に色。次に影。 -- 名無しさん (2009-07-11 14 49 09) そう、これは、超うまーーー。まではいかない。 -- 名無しさん (2009-07-11 14 50 54) そしてこんなにでかく書かれても邪魔ですがね。 -- 名無しさん (2009-07-11 14 54 41) 上手いとか個人の基準によると思うよ^^ -- 名無しさん (2009-07-11 14 58 47) なつきさーん、気にするでない、絵に簡単もなにもないですし^^ 態々なつきさんに対抗するうな発言を口に出す理由が私には分かりませんが、私から見れば超うまいですよ^^ -- 名無しさん (2009-07-11 15 03 46) みなさま、ありがとうございます~~~ えっと、でかいですか。 -- なつき (2009-07-11 15 06 13) うん -- 名無しさん (2009-07-11 15 06 40) 絵が神レベルだったらでかくてもいいって事か? -- 名無しさん (2009-07-11 15 07 27) では、小さくします! -- なつき (2009-07-11 15 11 30) はじめの名無しさんのいうとおり、 わたしは 影を付けたり、色のくみ合わせを考えて 描いているだけなので。。。(^^;) -- なつき (2009-07-11 15 12 48) うまいうまい^^ -- 名無しさん (2009-07-11 17 29 34) ありがとうございます☆ うれしいです~(^∀^) -- なつき (2009-07-11 17 34 47) うわ~なつきさん優しいね~!あんな酷い事いう名無し(本当はずっと前からいる人ww)の言う事をちゃんと聞くなんて、ねw(別に私はIPがみれる訳じゃありませんwwww -- 名無しさん (2009-07-11 21 21 37) 名前 コメント
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スタート 蛇の抜け穴 ゲームスタート ↓ ゲンアン居なくなる ↓ 神社(町の上の方)で水晶みたいのに触る ↓ 荒神さまのおいかりじゃー ↓ シノ姉とかと話す ↓ 蛇の抜け穴にいく(町の右) ↓ B6でシュウチ倒す ↓ 地の珠ゲット 地の珠の使いみちミツモト(町の中央)に使うと正気に戻る ツバキ(町の左)に使うと正気に戻る→預かり屋を使えるようになる カツタケ(町の左上の洞窟)に使うと正気に戻る→鍛冶屋を使えるようになる ヒナギク(神社の左下)に使うと弱気が直る