約 6,956 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6880.html
前ページ次ページ虚無のパズル トリステイン軍の立てこもるラ・ロシェールの街に向け、何百発もの砲弾が撃ち込まれた。 敵軍の艦砲射撃である。 アルビオン艦隊は、静々とこちらに向け行進してくる『レコン・キスタ』の軍勢の上空から、休みなくカノン砲を打ち込んできた。 重力の後押しを受けた砲弾が、トリステイン軍を襲った。 ラ・ロシェールの街を包む『天然の要塞』と呼ばれる峡谷が、砲弾の雨によってみるみる削られていく。 「あの距離から、砲撃が届くというの……?」 アンリエッタは、敵の艦隊が積む、新型の大砲の威力に青ざめた。 岩や馬や、人が一緒くたになって舞い上がる。圧倒的な力を前にして、味方の兵が浮き足立つ。辺りを轟音が包む。 「落ち着きなさい!落ち着いて!」 恐怖を押し隠しながら、アンリエッタは精一杯平静に見えるよう取り繕って、叫んだ。 隣に控えるマザリーニに小声で尋ねる。 「マザリーニ、なにか手はないのですか?」 マザリーニは素早く近くの将軍たちと打ち合わせた。 マザリーニの号令によって、トリステイン軍のメイジたちは、岩山の隙間の空に幾層もの空気の壁を作り上げた。 砲弾はそこにぶち当たり、砕け散った。 しかし、何割かは防ぎきれずに、空気の層を突き抜けて飛び込んでくる。 そのたびにあちこちで悲鳴が上がり、砕けた岩と血が舞った。 マザリーニは呟いた。 「この砲撃が終わり次第、敵は一斉に突撃してくるでしょう。とにかく向えうつしかありませんな」 「勝ち目はありますか?」 マザリーニは、砲撃によって兵のあいだに動揺が広がりつつあるのを見届けた。勢い余って出撃したが……、人間の勇気には限界がある。 しかし、忘れかけていた何かを思い出させてくれた姫に、現実を突きつける気にはなれなかった。 「五分五分、と言ったところでしょうな」 着弾。辺りが地震のように揺れる。 マザリーニは、痛いくらいに状況を理解していた。 敵は空からの絶大な支援を受けた三千。我が軍は、砲撃で崩壊しつつある二千。 勝ち目は、ない。 「なんで当たらないのッ!なんでッ!」 ルイズは焦った声で叫んだ。 五騎目の竜騎士を落としてからというもの、突然こちらの魔法が当たらなくなっているのだ。 先ほどまで、風竜のスピードと、軌跡の読めないルイズの魔法に翻弄されていたはずのアルビオン竜騎士隊は、一糸乱れぬ陣形を組み、逆にルイズたちを追いつめていた。 ルイズが呪文の詠唱を始めると、すかさず火竜のブレスが打ち込まれる。 ルネはブレスを避けるために、風竜の身体を右に左に大きく旋回させるので、ルイズは狙いを付けられない。 「こんなところで、足止め食らってられないのに……、あの艦を、止めないといけないのに……!」 ルイズは忌々しそうに背後の艦隊と、旗艦『レキシントン』号を睨みつけた。 艦隊は、ラ・ロシェールの街に向け、艦砲射撃を行っている。 ラ・ロシェールには、トリステインの軍勢が……、アンリエッタがいるのだ。 「ルネ!あの艦を追いかけて!」 「無理だよ、ルイズ!囲まれてる!」 ルネは慌てて叫んだ。 いつの間にやら、敵の竜騎士隊は大きく散開し、ルイズたちを取り囲むように陣を組んでいる。 ルイズは歯噛みし、背後に付いた火竜に向かって魔法を放った。 しかし、火竜はすぐさま身を翻し、ルイズの爆発から逃れた。 風竜を取り囲んだ火竜たちがブレスを吐きかける。 ルネはそれを必死で避けたが、避けきれなかった炎は風竜の尻尾の先を焦がした。 ルイズたちは、じわじわと追いつめられていた。 「ルイズ、さっきまでとは敵の動きが違う!もしかして、どこかに司令官が……」 そのとき、ふっとルイズの乗る風竜の上に、影が落ちた。 ルイズは思わず空を見上げる。太陽を覆い隠すように、大きな竜が、ばっさばっさと羽ばたいていた。 よく見ると、それは成体の風竜であった。火竜で構成されたアルビオンの竜騎士隊の中では、異質な存在に見えた。 そして、その背中には長身の貴族が跨がっている。黒いマントと、羽帽子を身にまとった貴族…… 「ワルド!」 ルイズはその貴族の正体に気付くと、杖を振るった。 今までより一回り大きな爆発が巻き起こる。ワルドの風竜はぐんと旋回し、爆発を避けた。 「魔法の軌跡が見えないなら、術者の杖の先を見ればいいのさ。ルイズ、きみの魔法は、もう通用しないよ」 ワルドは素早く呪文を唱える。空気の塊がルネの風竜を打ちすえ、羽を痛めた風竜は、きゅい!と悲鳴をあげた。 「ああ、ベルヴュー!」 「これでその風竜はもう、早く飛ぶことはできないな」 ワルドは残忍な笑顔を浮かべた。 「ルイズ。アルビオンでせっかく拾った命を、また捨てにきたか。一人で竜騎士隊に勝てると、まさか本気で思っていたのかな。『レコン・キスタ』に太刀打ちできると、本気で思っていたのかな。きみも、トリステインの貴族たちも、実に愚かだな」 ワルドはちらりと、トリステイン軍が立てこもるラ・ロシェールの街に視線をやった。ラ・ロシェールの街は、砲撃で崩壊しかかっている。 それから、ふいっとルイズたちに背を向ける。 「待ちなさい!この裏切り者!」 ルイズはワルドの背中に向かって叫ぶ。しかしワルドはもはや、ルイズたちに興味を失ったようだった。 ワルドはルイズたちから離れると、すっと杖を掲げ、振るった。 それを合図に、ルイズたちを取り囲む火竜が、一斉に炎のブレスを吐き出した。 四方から炎が迫り、ルイズとルネは思わず目を瞑った。 ルイズは悔しかった。こんなところで、裏切り者の手にかかって死ぬことが。アンリエッタの力になれなかったことが。シエスタの村を焼き払ったアルビオン軍に、一泡吹かせてやれなかったことが。 ルイズは思わず、手をギュッと握りしめる。 姫さま……、 シエスタ……、 ティトォ……、 アクア……、 キュルケ……、 タバサ……、 ギーシュ……、 父様……、 母様……、 姉様……、 ちいねえさま……、 ごめんなさい。わたしは、ここまでです……。 強い炎の光が、目の前を白く塗りつぶしていく…… 『立て、ルイズよ!』 突然の呼び声に、ルイズはハッと目を見開いた。 辺りは、まばゆい光に包まれている。 それは燃えさかる炎の暴力的な光ではなく、もっと美しく、神々しい輝きである。 ルイズが目を凝らすと、光の中に、一人の男の姿があった。 『そんな戦い方ではだめだ、ルイズよ。私が魔法の使い方を教えてやろう』 ルイズは放心したように、その男の姿を見つめていた。 長く美しい漆黒の黒髪。 異国の服に身を包み。 その面貌は眉目秀麗。 鋭い双眸には知性の光を湛え。 そして…… 「なんだ?なにが起こった!」 ワルドは光から目を庇いながら、叫んだ。 確かに今、ルイズと、ルイズを乗せた竜騎士は、火竜のブレスに焼き尽くされたはずだった。 しかし肉の焦げる臭いも、風竜の墜落する音も聞こえてこない。 それどころか、なんなんだ?この眩しい光は! 見ると、光の中に、一人の長身の男の姿が見えた。 異国の服に身を包んだ男は、ルイズの乗る風竜の前に並び立つように浮かんでいる。 その姿は、まるで…… 「なんなのだ?あの光は、いったい……」 アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号艦長ボーウッドと、艦隊司令官サー・ジョンストンは、背後からの眩しい光に思わず振り向いた。 タルブの村の上空、竜騎士隊が戦っているあたりで、何かが眩しく輝いている。 水兵たちもその光を振り返り、砲撃の手が一瞬止まる…… 「あれは……?」 突然敵の砲撃の手が緩んだのを見て、空を見上げたアンリエッタは、思わず呟いた。 タルブの村の上空に、強い光が見える。 その光がやがて収まると、そこには空を飛ぶ敵の竜騎士隊と、それから味方のものとおぼしき一騎の竜騎士、 そして宙に浮かぶ、一人の男の姿が見えた。 タルブまでは遠く離れているというのに、なぜかその男の姿だけは、まるですぐ近くにいるように、はっきりと見ることができた。 その神々しい姿は…… 「ああ……、ああ!」 その男の姿を見ると、シエスタは感動し、はらはらと涙をこぼした。 それから、恭しく地面に膝を付き、祈りをささげる格好になった。 村人たちも次々と、手を胸の前で組み、膝を付く。 その男に向かって、タルブの村人全員が、まるで敬虔なブリミル教徒のように、静かな祈りをささげはじめる…… ルイズは放心したように、その男の姿を見つめていた。 長く美しい漆黒の黒髪。 異国の服に身を包み。 その面貌は眉目秀麗。 鋭い双眸には知性の光を湛え。 そして……、 前掛けに刺繍されたパイの絵。 首のチョーカーに刻まれた「ふわっとサクサク」の文字。 天使の輪のように頭上に浮かぶ銀のパイ皿…… ルイズは目の前のその男の姿を見て、いつかに聞いたシエスタの言葉を思い出していた。 ──気まぐれな神です。 いつ降りてくるかも分からない。 どんな天才でも達することのできない域。 パイ職人に突然降りてくる神── 『パイ神・降臨!』 今、ハルケギニアの大地にパイ神が降り立った。 「パイ神様!」 ルイズは思わず叫んだ。 「誰!?」 ルネとワルド、アルビオンの竜騎士隊、アンリエッタにマザリーニにジョンストンにボーウッドにその他大勢は、至極もっともな叫びを上げた。 「ええい、怯むな!撃て、撃てえ!」 竜騎士の一人が叫ぶと、竜騎士隊ははっと我に返り、ルイズとパイ神に向かって次々と火竜のブレスを吐きかけた。 『邪魔だ、下がっておれ!』 パイ神の腕の一振りで、びりびりと空気が震え、凄まじい突風が巻き起こった。 ルイズたちを取り囲んだ竜騎士隊はあっという間に遠くまで吹き飛ばされて、見えなくなってしまった。 『雑魚が……』 「強っ!」 ルネと、アンリエッタ、マザリーニ、ジョンストンにボーウッドにその他大勢は思わず叫んだ。 『さあルイズ、魔法を使うのだ。お前の力はそんなものではない、あの特訓を思い出すのだ』 ルイズは戸惑って言った。 「でもパイ神様、わたし、魔法の特訓なんて……、何度やっても、爆発しか起こらなくって……、原因がわからないから、がむしゃらにやるしかなくって、だからわたし魔法の使い方なんて、ほとんど分かってないんです……」 今の自分の爆発魔法にしたって、ティトォの魔法の副作用のおかげでコントロールが効くようになっただけにすぎない。 結局「なんでもいいから呪文を唱えれば爆発する」というだけの話だ。 他のメイジたちのように、きちんと呪文を理解して、魔法を組み立てるなんてことはしていないのだ。 『なにを言う、ルイズ。お前はしっかりパイ作りの修行をやっていたではないか。それは立派に魔法の鍛錬につながる』 「パイ作りの修行が……、魔法に……?」 ばっ!と羽ばたく音がして、そちらを見ると、ワルドの風竜の姿が見えた。 ワルドは『風』の障壁で、パイ神の一撃に耐えたのだ。 ワルドは血走った目で、ルイズを睨みつけている。 「神、だと?神を呼んだ?ふざけた真似を……、まやかしがッ!」 ワルドはサーベル状の杖を掲げ、風竜を加速させた。 ルネは息を呑み、風竜の手綱を引いた。風竜は反転し、逃げに回る。 ルイズは首を振った。 「だめよ、ルネ。羽を痛めたベルヴューじゃあ、ワルドから逃げることはできないわ」 「わかってる!でも、逃げるしかないじゃないか……」 慌てるルネとは対照的に、ルイズの心は落ち着いていた。 もちろん、ワルドへの恐怖はある。それでも、ルイズはきゅっと口を引き締めると、杖を握りなおした。 パイ真はおごそかに、ルイズの頭上に手をかざした。パァっと、ルイズの体が光りだす。 『今から私が教えてやろう。お前の才能の真の方向を……、力の使い方を──!』 ルイズはこちらに突っ込んでくるワルドの姿を、正面から睨みつけた。 『奴は、お前が倒せ!ルイズ!』 「はいッ!」 ルイズは力強く頷いた。 その声に答えるように、右手の『水のルビー』が激しく光りだし、ルイズの懐から『始祖の祈祷書』が飛び出した。 『始祖の祈祷書』はルイズの頭上に浮かび、ひとりでにページを繰りはじめた。 ばばばっと勢いよくページがめくられる。白紙だったはずの『始祖の祈祷書』は、全てのページに光り輝く文字が現れていた。古代ルーン文字……、始祖の時代の文字である。 ルネは風竜を操りながら、首を回して、その様子を呆然と見つめていた。 ルイズは目を瞑り、低い声で呪文を詠唱していた。こんな状況で、なんて子だ、とルネは思った。 その呪文は、今まで聞いたこともないような響きで、その詠唱は、とても長かった。 びりびりと、空気が震えているのがわかる。大気中に、魔力が満ちている。 『魔力を組み上げよ!今までのように力で強引にではなく、熟練した業で行うのだ!魔法の構築は、天性の才能や強大な魔力だけでなすものではない。ワザで補うのだ!ルイズよ、今ならできる!』 「魔力で強引にではなく……、優しく、繊細に組み上げる……!」 ルイズは、パイ生地作りに似ているな、と思った。 パイ生地作りには、多少の熟練が必要となる。バターを生地に練り込んでしまったり、作業中にもたもたして生地が暖まってしまったりすると、焼き上がりの軽い口当たりが損なわれる。 繊細に、手早く、大胆に……! ワルドはまっすぐ、ルイズたちに向け突撃してくる。ワルドが呪文を唱えると、杖の先に氷の矢が現れた。 いや、それは矢などというちっぽけなものではない。太く、大きな氷の槍。『ジャベリン』だ。 「虚無魔法、初歩の初歩……」 ルイズが呟く。 その瞬間、ワルドは『ジャベリン』を放った。 氷の槍は、背中からルイズの胸を貫き、そのままの勢いで、同乗する竜騎士の少年と、風竜の喉までもを刺し貫いた。 ワルドはにやりと笑い、墜落を始めた風竜を上から見下ろした…… すると、どうしたことか。確かに『ジャベリン』が刺し貫いたはずの風竜の姿が、ゆらりと揺らめいた。 竜の姿は霞のように掻き消え、そこにはなにも無くなった。 「なんだと!」 ばさっ、ばさっ、と羽音が聞こえ、ワルドは振り返った。 ワルドは驚愕に目を見開く。 「……虚無魔法、初歩の初歩。パート・フィユテ※1『イリュージョン』」 そこには、無数の竜騎士が飛び交っていた。その規模は数十騎……、いや、百騎を超えるかもしれない。 ワルドは焦ったが、すぐに奇妙なことに気付いた。 その竜騎士は、みな二人乗りで、おまけにみな羽を怪我しているのだ。 そして、風竜の背中に乗った二人は、全員がルネとルイズだった。 描きたい光景を強く心に思い描くべし。 なんとなれば、詠唱者は、空をもつくり出すであろう。 「幻覚、いや、幻影か!」 ワルドは『エア・カッター』を幻に放った。幻のルイズは、揺らめいて消えた。 しかし、これではきりがない。なにしろ幻は、百騎に近い数があるのだ。 「ならば、まとめて吹き飛ばしてやる」 ワルドの杖の周りを空気が渦巻いた。 空気の渦はどんどん大きくなり、巨大な竜巻となった。 竜巻の尾はついにはるか下方の地面にまで届き、凄まじい風の威力で大地をめくり上げた。 「『カッター・トルネード』!幻ごと吹き飛べ、ルイズ!」 巨大な竜巻が、幻の竜騎士隊に向かって飛んだ。竜巻の間に挟まった真空の層で、幻が切り裂かれる。 幻を飲み込みながら、竜巻はルイズの乗る風竜に向かって突き進んでくる。 ルネはもはやこれまでか、と目を瞑った。 しかしルイズは、すでに次の呪文を唱えはじめていた。 長い長い呪文を、ものすごい早口で唱えている。小鳥のさえずりよりもせわしない。 それを聞いてルネは、よく舌を噛まないなあ、などと、この絶体絶命の状況に似つかわしくない、とぼけたことを考えていた。 竜巻はますます勢いを増し、ついにルイズたちの目の前に迫ってきた。 その瞬間、ルイズの呪文が完成した。 「虚無魔法、初歩の初歩。フィユタージュ・ラピド※2『ディスペル・マジック』!」 ルイズは巨大な竜巻に向け、杖を振り下ろした。 荒れ狂う竜巻は光に包まれ、消し飛んだ。 「ばかな!」 ワルドは狼狽した。 『カッター・トルネード』は、この世でもっとも強力な呪文の一つ、スクウェアスペルだぞ! それをこうもあっさりと消し飛ばすとは……? 吹き飛んだ竜巻の中に、影が見えた。 それは、一騎の竜騎士だった。 竜の背中に乗ったルイズが、こちらにぴたりと杖を向けている。 「おおぉぉのれえええええ!!」 ワルドは激昂し、叫んだ。ルイズが小さく呪文を呟くと、ワルドの目の前が爆発した。 ワルドは風竜の背中から振り落とされ、まっすぐ地面に落ちていった。 ワルドとの戦いを終えて、ルイズはふうっと息を付いた。 いまワルドに向けて唱えたのは、『発火』の呪文。『火』系統の初歩の呪文だ。 しかし魔法は成功せず、爆発を巻き起こした。 ルイズはいつも、自分が呪文を唱えると、爆発していたことを思い出した。 そのたびに、意地悪なクラスメイトたちや、教師たちは『失敗』と言って笑った。 しかし、あれは……、失敗などではなかったのではないだろうか。 そう、あれは。 ルイズの頭上に浮かぶ『始祖の祈祷書』は、ページを繰るのをやめ、あるページを開いたまま止まっていた。 そこに書かれている文字は…… 以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す。 初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン(爆発)』 『虚無』。 それは、伝説の系統の名前。 ルイズは16年間目覚めなかった、自身の魔法の系統を理解した。 そして、この力があれば、アンリエッタを助けられるかもしれないこと、アルビオン軍を退けることができるかもしれないということにも、気付いた。 頭の中が、すぅっと冷静に、冷めていく。『始祖の祈祷書』を読むまでもなく、呪文のルーンが、まるで何度も交わした挨拶のように、自然と頭の中に浮かんだ。 やれるのか? いや、やるしかないんだ。 やってみよう。 ルイズはきっと、空に浮かぶ大艦隊を見つめた。 「ルネ、ベルヴューをあの巨大戦艦に近付けて」 「へっ?」 墜落する敵の竜騎士隊の大将・ワルドを、信じられないといった顔で見ていたルネは、急に声をかけられて、まぬけな返事を返した。 「いいから、あの艦に近付くの!」 ルイズは断固とした口調だ。 断ったらダメな雰囲気である。というか、今まさに、戦の追い風を背に受けているように感じられた。 ルネは相棒の風竜を見やった。 『風』の魔法で羽を痛め、身体のあちこちにブレスで火傷を負った、痛々しい格好だ。 しかしルネが見ているのに気付くと、風竜は、きゅい!と力強く鳴いてみせた。 「そうか……、よし、頼むぞ、ベルヴュー!もう少しだけ頑張ってくれ!」 ルイズとルネを乗せた風竜は、敵の旗艦『レキシントン』号に向かって羽ばたいた。 エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ ルイズは低く詠唱を始めた。 ルイズの中を、リズムが巡っていた。懐かしさを感じるリズムだ。 呪文を詠唱するたび、古代のルーンを唱えるたびに、リズムは強くうねっていく。 体の中に波が生まれ、それがさらに大きくうねっていくような感覚。 神経は研ぎすまされ、周りの雑音は一切耳に入ってこない。 オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド 『レキシントン』号に近付く風竜に向け、砲弾が飛んでくる。 左舷にも、船の真下にも砲身は突き出ていた。『レキシントン』号は、まるでハリネズミのように大砲を装備していたのだ。 ルネは『レキシントン』号に近付くことができずに、周りを飛び回ったが、やがて死角を見つけた。 艦の真上には、大砲を向けられないのだ。 ルネはすぐさま風竜を上昇させ、『レキシントン』号の上空に占位した。 ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ 長い呪文を唱えるうちに、ルイズは『エクスプロージョン』の威力を理解した。 巻き込む。全ての人を。 自分の視界に映る、全ての人を、物を、『エクスプロージョン』は巻き込む。 破壊すべきは何か。 何を殺すのか。何を殺さぬのか。 選ばなければいけない。 間もなく、呪文は完成する…… ジェラ・イサ・ウンジュー…… その時だった。 ぞくり、と背筋に寒いものを感じて、ルネは空を見上げた。 何かが、空の上から落ちてくる。 その『何か』は、ばたばたとマントを風になびかせて、ルネとルイズの乗る風竜の上に、ずだん!とすごい勢いで落ちてきた。 その衝撃で、風竜はきゅい!と悲鳴を上げた。 風竜の上に降り立ったのは、人間だった。羽帽子を被った、長身の貴族。 それは、先の戦いで墜落したはずのワルドであった。 その姿を見ると、ルネはほとんど反射的に、腰に差したサーベル状の杖を抜き放った。 しかし、ワルドは閃光のごとく杖を引き抜き、ルネの杖を切り裂いた。 返す刀で腕に斬りつけられ、ルネは小さくうめいた。ワルドは、そのままルネを竜の背中から蹴り落とした。 ルネの相棒の風竜が、慌てて投げ出されたルネの足を掴む。 ワルドは、杖に風の魔法を纏わせながら、ゆっくりとルイズに振り向いた。 ルイズは目を閉じ、集中している。ルイズの口からは低い詠唱の声が漏れ続けている。 「危ない、ルイズ!『遍在』だ!」 ルネの必死の叫びに、ルイズは目を開ける。視界に飛び込んできたものは、爬虫類のように冷たく光る目で、杖を振りかぶるワルドの姿だった。 ワルドはルイズの喉を狙って、杖を繰り出した。 ルイズは危ういところで、ワルドの一撃を避けた。杖の切っ先が、ルイズの首の薄皮を切り裂く。 そのままワルドはルイズに体当たりを食らわせる。ルイズは、げほっと息を吐いた。 一瞬ルイズの集中が途切れ、詠唱が中断された。 その瞬間、ルイズの杖の先に光の玉が現れた。光の玉はみるみる大きくなり、全てを包み込んでいく…… アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにした。 今までさんざん自分たちに砲撃を浴びせていた巨艦の……、上空に光の玉が現れたのだ。 まるで小型の太陽のような光を放つその玉は膨れ上がり、空を遊弋する艦隊を包み込んだ。 さらに光は膨れ上がり、視界全てを覆いつくした。 アンリエッタはとっさに目を瞑った。 目が焼けると錯覚するほどの、凄まじい光であった。 そして……、光が晴れたあと、艦隊は炎上していた。 巨艦『レキシントン』号を筆頭に、全ての艦の帆が、甲板が燃えていた。 あれだけトリステイン軍を苦しめた艦隊が、まるで嘘のように、がくりと機首を落とし、地面に向かって墜落していく…… 「な、なにが!なにが起こったというのだ!」 地響きを立て、次々と地面に激突する艦隊を見て、アルビオン艦隊司令官サー・ジョンストンは悲鳴を上げた。 伝令が泡を食って報告する。 「も、申し上げます!艦隊は帆を焼かれております!現在乗組員たちが必死で操舵しておりますが、体勢を立て直せません!」 「ばかな。乗組員を傷付けず、艦だけを燃やしたというのか……?」 『レキシントン』号艦長ボーウッドは、呆然として呟いた。 伝令が矢継ぎ早に、被害状況を報告していく。 二番艦以下、全ての戦列艦の『風石』が消滅。 三番・五番艦、不時着に成功。七番艦、撃沈。乗組員は『フライ』で脱出。 『レキシントン』号も、ほとんどの風石を焼き尽くされ、なんとか浮かんでいる状態である。 巨大な『レキシントン』号は、残った風石をみるみる消費していく。このままではいずれ、他の戦列艦と同じように船体を大地に沈めることになるだろう。 もはやこれまで。ボーウッドは、艦隊の敗北を悟った。 ボーウッドは乗組員たちに、脱出の指示を出しはじめた。艦内が騒然となる中、サー・ジョンストンは椅子に腰かけたまま、ぶつぶつとなにごとか呟いていた。 「ばかな……、クロムウェル閣下から預けられた艦隊が、全滅……?こんなことがあってたまるか……、神……、神の奇跡……?これが、そうだというのか?いいや、認めぬ!断じて認めぬぞ!」 ジョンストンは立ち上がると、操舵手のもとに駆け寄り、舵を奪った。 操舵手は突き飛ばされ、床に倒れる。 「サー、何を!」 ボーウッドは、尋常ならざるジョンストンのようすに叫んだ。 「何をだと?決まっている。このような無様で、クロムウェル閣下の『レキシントン』号を沈めてなるものか!」 「無茶を!もはや『レキシントン』号の風石は残りわずか!艦の沈没は避けられませぬ!サー、早く脱出を!」 ジョンストンは、血走った目で振り返った。口の端を吊り上げ、狂気じみた笑みを浮かべる。 「そうだな。きみの言う通り『レキシントン』号は沈む。だが、ただでは沈まぬぞ。この艦には、火薬と砲弾がしこたま積まれているのだ」 ボーウッドは、はっとなった。 「そうとも!ラ・ロシェールの街に、トリステインの軍勢の頭の上に、『レキシントン』号を墜としてやる!」 アルビオンの艦隊が次々と墜落する中、巨艦『レキシントン』号は、ゆるゆると動き出した。 竜の腕にぶら下がったルネを引き上げるのを手伝いながら、ルイズはそれを見ていた。 はじめ、ルイズは『レキシントン』号もまた、墜落を始めているのだと思った。 しかし、巨艦の進む先を見て、ルイズは青ざめた。 「大変」 ルイズはからからになった喉から、なんとか音を絞り出した。 やっとのことで風竜の背中によじ上ったルネに、掴みかかるようにして叫ぶ。 「ルネ、あの艦を追いかけて!連中、艦をラ・ロシェールに墜とすつもりだわ!」 ルネはそれを聞くと、顔色を変えた。 慌てて手綱を操り、風竜を全速力で『レキシントン』号に向かわせる。 ルイズは、心の中で悔しそうに呟いた。 仕留めきれなかった。 最後の瞬間、ワルドの『遍在』に呪文の詠唱を中断された。 不完全な状態で放たれた『エクスプロージョン』は、『遍在』を消し飛ばし、アルビオンの艦隊のほとんどを沈めたが、一番巨大な『レキシントン』号を沈めることができなかったのである。 見ると、『レキシントン』号から、ばらばらと『フライ』の魔法をかけたボートが飛び出しているのが見える。乗組員が脱出しているのだ。 『レキシントン』号は、まっすぐトリステイン軍の立てこもるラ・ロシェールの街に向け、墜落していく。 今度は、外さない! 「エオルー・スーヌ・フィル……」 ルイズは集中し、ふたたびルーンを唱えはじめた。 しかし。 「ヤルンサクサ……」 ルイズはふっと気が遠くなるのを感じた。慌ててぶんぶんと頭を振り、正気を保とうとする。 しかしルーンを一語唱えるたびに、ルイズの頭はずぐんずぐんと痛み、意識を保っていられない。 まさか。 精神力が、切れかかっている……! そう、『イリュージョン』『ディスペル』に続けて、あれほど強力な『エクスプロージョン』を放ったのだ。魔法を使うのに必要なルイズの精神力は、ほとんどゼロになっていた。 どんな強力な魔法も、術者の精神力がなければ、使うことはできないのである。 「ルイズ!どうしたんだ?」 異変に気付いたルネが、ルイズに声をかける。 「オス……、スーヌ……!」 ルイズはそれには答えず、身体中の気力を総動員して、ルーンをゆっくりと唱え続ける。 しかし、限界だ。 「ウ……、リュ」 急に、ルイズの全身からがくっと力が抜けた。同時に、『レキシントン』号の右舷に小さな爆発が起こる。 ルイズの残りの精神力を全てを使った『エクスプロージョン』だった。 ルイズは絶望した顔で、ラ・ロシェールに墜ちゆく『レキシントン』号を見つめていた。 そんな。 そんな。 ここまでなの? やっと、力を手に入れたのに。 姫さまを、助けられると思ったのに。 大事な人を守らなきゃいけないのに、なにもできない……、やっぱり、わたしは。『ゼロのルイズ』のままなの……? 精神力を使い果たし、ルイズの意識が遠くなっていく。 薄れゆく意識の中で……、ルイズは、パイ神の声を聞いた。 『大丈夫だ、ルイズ。そのためにお前には……』 ラ・ロシェールに向け墜落してくる巨艦に、トリステインの軍勢はパニックになった。 枢機卿マザリーニと将軍たちにより、速やかに退避命令が出されたが、峡谷に囲まれたラ・ロシェールの道は狭い。 退避は、間に合わない。 アンリエッタは混乱する軍の中、思わず始祖への祈りの言葉を呟いていた。 その時、アンリエッタは退避する軍の中、逆にこちらに向かってくるものがいるのに気が付いた。 カバだった。 背中に小柄な人間を乗せたカバが、土煙を上げ、こちらに向かってくる。 カバはアンリエッタの目の前で急停止すると、背中に乗せた人間を降ろした。 それは、青い服に身を包み、長い栗色の髪をふたつ括りにした、吊り気味の大きな目をした、小さな女の子だった。 「よーしよし、ご苦労さん」 少女はそう言って、カバを撫でてやる。少女の右手に刻まれたルーンが、ぼんやりと光っている。 アンリエッタは混乱して、言った。 「こ、子供?どうして子供がこんなところに?」 「子供じゃないよ」 少女は袖から棒付きのアメを取り出すと、ぺろりと舐めて、言った。 「大魔導士、アクア様だ!」 『そのためにお前には、友がいるのだから──』 アクアは、こちらに向かってくる『レキシントン』号の前に仁王立ちになった。 腕を振ると、大きな袖からばらばらとアメ玉が飛び出す。 「なんだか知んないけど、もうほとんど終わってんじゃないさ。ルイズの奴、ずいぶん派手にやらかしたね」 アクアはそうこぼしながら、手を振る。大量のアメ玉がぼうっと光り、アクアの周りを飛び回った。 キン、キィン、とかん高い音があたりに響いた。空中で、アメ玉同士がおはじきのようにぶつかりあっているのだ。 弾かれるたびにアメ玉の光は強くなり、魔力が大きくなってゆく。 アクアはニヤリと笑みを浮かべた。 「まっ、あたしの見せ場も残ってるみたいだからね。派手にぶちかますよ!」 アメ玉の魔力はどんどん膨れ上がる。アクアはその魔力を、狭い範囲に集中させた。 魔力がびりびりと空気を揺らし、アンリエッタは思わず顔をかばった。 そうしてアクアは、巨大な魔力の塊をつくり出した。 その形は、まるで巨大な槍。氷の魔法『ジャベリン』を思わせた。 だが、その魔力の槍は『ジャベリン』よりもずっと大きく、強力で、危険な輝きを放っていた。 ラ・ロシェールの峡谷を、すうーっと長い影が覆った。いよいよ『レキシントン』号が、ラ・ロシェールに墜ちてきたのだ。 ラ・ロシェールの空一面を、巨大な戦艦が覆いつくす。 アクアは、ぐんっと魔力の槍を『レキシントン』号に向け持ち上げる。 「闇よ煌け」 ばちっ、と空気が弾けた。 「マテリアル・パズル、スパイシードロップ……『ブラックブラックジャベリンズ』!」 凄まじい輝きと共に、破壊の槍が放たれる。 膨大な魔力が『レキシントン』号を呑み込み、巨大戦艦は跡形もなく消滅した。 アンリエッタは、雲ひとつない空を見上げ、しばし呆然とした。 空を覆っていた巨大戦艦はチリ一つ残さずに吹き飛び、見渡すと、地面に滑り落ちた艦隊と、『レキシントン』から脱出した空飛ぶボートが降下していく様子が見えた。 はっと我に返り、きょろきょろと辺りを見渡す。 カバに乗ってやってきた女の子の姿を探したが、見つからない。もうどこかへ行ってしまったようだった。 枢機卿のマザリーニは、ようやく状況を飲み込むと、大声で叫んだ。 「諸君!見よ!敵の艦隊は滅んだ!神の加護は我らにあり!」 「神だって?」 動揺が走る。 「さよう!諸君らも見たであろう、タルブの空に降臨した神の姿を!あれこそ伝説のパイ神様でありますぞ!トリステインが危機に陥った時に現れ、おいしいパイを焼いてくれるという……」 マザリーニは自分で言った言葉に、なんじゃそりゃ、と思わず疑問を持ってしまった。 「……ええ、おほん!それに、諸君らはごらんになったか?青い服を身に纏った天使様を!あれこそ始祖の御使い様ですぞ!トリステインに危機が訪れたとき、何処よりカバに乗って現れるという……」 仕切り直しに、敵の旗艦を消滅させた小柄なメイジの手柄を大仰に語ったが、なんだかどんどん胡散臭い話になってきてしまった。 「……うおっほん!とにかく、おのおのがた!始祖の祝福我らにあり!」 強引にマザリーニは締めくくった。 群衆はぽかんとしていたが、やがてあちこちから歓声が漏れ、すぐに大きなうねりとなった。 「うおおおおおぉーッ!トリステイン万歳!パイ神様万歳!始祖ブリミル万歳!」 アンリエッタはこっそりとマザリーニに尋ねた。 「あの……、その、あの。パイ神様って、なんだったのでしょうか?わたくし、そのような神の名は聞いたことがありませんが……」 マザリーニは、いたずらっぽく笑った。 「私もですよ。しかし、どのような神であれ、神が我らの元に降臨したということには変わりありませぬ。ならばそれを利用せぬと言う法はない」 「はあ……」 マザリーニは王女の目を覗き込んだ。 「好機は決して逃さぬこと。政治と戦の基本ですぞ。覚えておきなさい殿下。今日からあなたはこのトリステインの王なのですから」 アンリエッタは頷いた。その通りだ。 敵は頼みの綱の艦隊を失い、浮き足立っているに違いない。対してこちらは、神の加護を受けたと聞いて、戦意が高揚し、追い風に乗っていた。 今をおいて好機はない。 「殿下、では、勝ちに行きますか」 アンリエッタはふたたび強く頷くと、水晶の杖を掲げた。 「全軍突撃!王軍!我に続けッ!」 ルネは、気絶してしまったルイズを乗せ、風竜を飛ばせていた。 眼下では、タルブの草原に布陣したアルビオン軍に、トリステイン軍が突撃を敢行しているところであった。 トリステイン軍の勢いは、はた目にも明らかである。 数で勝る敵軍を、逆に押しつぶしてしまいそうな勢いであった。 すぐさま自分も加勢に!と思ったが、ルネは疲れていた。 アルビオンの竜騎士隊相手に、派手に空中戦を繰り広げたのだ。ルネも、相棒の風竜ベルヴューも、ぼろぼろであった。 それに、気絶したルイズを安全な場所へ降ろさなくてはいけない。 ルネは、戦場から離れた森の中に竜を降ろし、ルイズを木陰に横たえると、自分も半分倒れるようにして、草むらに腰かけた。 ルネは相棒の風竜に寄りかかりながら、、ルイズを見つめた。ルイズは気を失って、ぐったりと倒れていた。 しかし、その顔には何かをやり遂げたあとのような、満足げな表情が浮かんでいた。 ルネは、ぼんやりと考えた。ルイズの使った魔法……、あれはなんだったんだろう? 無数の幻影をつくり出し、敵の呪文を消滅させ、強力な光で敵艦隊を撃沈した。 そんな強力な魔法なんて、聞いたことがない。 もしかして、この子は……、本当に『聖女様』なんじゃないだろうか? それに、最後の瞬間、敵の巨大戦艦を消し飛ばしたあの魔法は……。 そんなとりとめもない考えが、浮かんでは消えていく。 まあ、いいや。とにかく、今は疲れた。 いろいろ考えるのは、一休みしてからでも遅くないさ。 ルネは優しく風竜を撫でてやると、その体に寄りかかって、うとうとし始める。 ふいに、がさがさと草をかきわける音がした。 「ああ、いたいた。やっと見つけたよ、まったく」 眠りに落ちる直前に、寝ぼけ眼でルネが見たものは、青い服の小さな女の子が、カバに乗ってカバカバとこちらにやってくる姿だった……。 その頃……、遠く離れた地で。 「おや?どうかしましたか、ジュリオ」 「よい知らせです。どうやらトリステインの『虚無』が目覚めたようです」 「おお、それは喜ばしい!しかし、ジュリオ。どうやらそれだけではないようですが」 「はい……、その『虚無』のすぐ近くで、何者かが凄まじい力を放出しました」 「凄まじい力?何者です?」 「御安心下さい。なにも恐れるほどのことではないですよ、ヴィットーリオ様。いえ……、ヴィットーリオ教皇聖下」 第三話:おわり ※1 パート・フィユテ:基本的な折パイ生地。本格的なパイやミルフィーユ・ガレットなどに使われる。 ※2 フィユタージュ・ラピド:速成折りパイ生地。ラピド(早い)の名の通り、パート・フィユテよりも早く作れる。 前ページ次ページ虚無のパズル
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7101.html
前ページ次ページ毒の爪の使い魔 所変わって、城の中庭。 大きな池に浮かぶ小船の中で毛布に包まり、ルイズは泣いていた。 城の中から自分を探す声が聞こえる。 だが、この小船は小島の陰に隠れ、死角となっている為に、城からは目立たない。 お陰で、此処は幼い頃に使っていた時と同じように安全だった。 とにかく、今は一人でいたい…。それは彼女の心からの願いだった。 ルイズは毛布に包まり、泣きながら考える。 母と姉に好きな人が居ると言われた。 しかし、自分にはそんな人はいない。…いない筈だ。 なのに……何故だか、あの使い魔の顔が頭に浮かんでくる。 違う…、違う…、絶対に違う…。 ルイズは必死になって否定する。だって、ありえないから。 あいつは使い魔なのだ、自分が従えているだけの使い魔。 好き、とか…そんな感情を抱くはずがない。 あいつだって自分の事は何とも思っていない…はずだ。 大体だ、それ以前にあいつは―― (あいつには……もう、大切な人がいるじゃない…) そうだ…、既にあの使い魔には特別な相手がいる。いや、”いた”か…。 自分よりも優しそうで、あいつの事を理解していて、しっかりしていて…。 あの人に比べたら、自分なんか…ただの子供。あいつの言うとおりのガキだ。 性格だけじゃなく、胸などの体付きでも負けてるのだから…。 自分なんか…太刀打ちできるわけが無い。 ――考えれば考えるほど、情けない気持ちになってきた…。 ルイズは毛布を頭まで引っ被り、小さく蹲る。 小さな頃はそうすれば落ち着いた物だが…今はそうならない。 寧ろ、どんどん気持ちは沈んでいくようにも感じられた。 暫くそうしていると、中庭に人の気配を感じた。 土を踏みしめる音に続き、池の小島に続く木橋を渡る音が響く。 誰が来たかは関係無かった。 とにかく、見つかるまいと、ルイズは毛布に体を埋めた。 すると足音が小島で止まったかと思うと、一拍置いて小船が揺れた。 誰かが飛び乗ってきたのだろうか? だが、小島からはそれなりに離れているのだ。 そんなに運動神経のいい者がいただろうか? などと考える前に、毛布が引っぺがされた。 見つかった、とルイズは反射的に身を竦める。 「おい! 起きろ、クソガキ!」 聞き覚えの有る声に乱暴な言葉遣い。 目を開いて見上げる。 「ジャンガ…?」 「おら、行くぞ? 城の外でタバサ嬢ちゃんが待ってるからよ。テメェの荷物も一応持ってきてやったゼ」 言いながらズタ袋を一つ置いた。メダルとルビー、始祖の祈祷書とルイズの杖以外には特に入っていない。 ルイズはそれを一瞥し、しかし拗ねていたので顔を背ける。 「無理よ、許しをもらってないし…」 「ンなの、もうどうでもいいじゃネェか? テメェの頑固さの大元みたいな物なんだしよ…、 まともに話しで納得させるのは無理って物だゼ」 「…それだけじゃないわ」 「?」 「わたしが”虚無”の系統に目覚めた事も、色々頑張っている事も、何も話せないのよ? 誰が認めてくれるの? 誰も認めてくれない…、そう考えたら凄く悲しくなった…」 「カトレアの奴は色々感づいていたみたいだがよ?」 「ちいねえさまは鋭いから…当然よ。でも、母さまや父さま、 エレオノール姉さまは解ってくれないわ…」 「そんなの好きに言わせとけ…。外野が言ってる事を一々気にしてたらキリが無ェゼ」 「そんな風に割り切れないわよ…」 そう言ってルイズは寂しそうな表情で顔を伏せた。 そんなルイズを見つめながらジャンガは、やれやれ、と言った感じでため息を吐いた。 爪で頭をぐしゃぐしゃと、やや乱暴に撫でる。 「ひゃっ!? な、何よ!?」 「一人でも理解者が居るだけマシと思いやがれ。…それともテメェは本当の孤独を知ってるのかよ?」 ルイズは黙ってしまう。ジャンガがシェリーと会うまでの幼い頃を、孤独のまま過ごして来た事を思い出したのだ。 それに比べれば、カトレアと言う最大の理解者がいてくれた自分は恵まれている方と言える。 「…でも、やっぱり…」 「そうかよ? ならそうやって、ここでいつまでも拗ねてやがれ。 俺は行くゼ…、姫嬢ちゃんが奪われたままなのは我慢が行かないんでな」 そう言ってジャンガは立ち上がり、背を向けた。 「ま、待って!」 小島まで跳ぼうとしたジャンガの背にルイズは慌てて声を掛けた。 肩越しに振り返るジャンガ。 「ンだ?」 「……あ、あのね、聞きたい事があるの…」 「あ?」 「そ、そそ、そのね……あ、ああ、あの…」 もう、こうなったら後戻りは出来ない…、今この場で彼に聞こう。 自分が素直に彼について行けないのも、この疑問があるからだ。 だから、それを解決しなければならないのだ。 ルイズは恐る恐る口を開く。 「あ、ああ、あんたは…、そ、その…、わ、わわわ、わたしの事…、ど、どう思っているの?」 ジャンガは変わらない表情でルイズを見据える。 「どう、ってのは…何だ?」 「な、何って……その…」 ルイズはこれ以上無い位、顔を赤らめて口篭る。 実の所、ジャンガはルイズの質問の意味をほぼ完璧に理解していた。 だが、そこはジャンガである…、ルイズの慌てぶりが面白可笑しいので、わざとしらばっくれているのだった。 そんな事とは露知らず、ルイズは必死に自身のプライドと格闘していた。 一言…、一言尋ねればそれで全てが解決するのだ…。 だが、使い魔如きに貴族が…ラ・ヴァリエール公爵家の三女の自分が尋ねるような事なのか? そんな葛藤が心の中に渦巻く。 正直に言えば、聞かずに済めばそれでいい。しかし、このままで済ます訳にも行かない。 …悩みに悩んだ挙句、ルイズは意を決した。 「わたしとシェリーさんと、どっちが魅力的!?」 ――ド直球であった。 ジャンガは静かにルイズを見つめている。 ルイズは自分が言った言葉に顔を更に赤らめた。 暫しの沈黙。――唐突にジャンガが笑い出した。 「キ、キキ、キキキ…、キィ~~~キキキキキキィィィ~~~!」 「な、何が可笑しいのよ!!?」 ルイズは真っ赤な顔のまま叫ぶ。 ジャンガは笑いの発作と戦いながら言葉を搾り出す。 「キキキ…、いや、あんまりにもよ…キキ、お前がストレートな質問をするからよ…キキキ」 「そ、それが何よ!? わ、わたしには、せ、切実な疑問なんだから! で、でも…か、勘違いしないでよね!? わ、わたしはただ、少し気になっただけで…、 あんたの事なんか何とも思ってないんだから!!!」 必死の表情で否定するルイズだったが、真っ赤な顔で言われても説得力は皆無であった。 ジャンガはニヤニヤ笑いながら、そんなルイズの言動を見ている。 「な、何が可笑しいのよ!!?」 「キキキ、まァそんなに怒るんじゃネェよ…。テメェの質問にゃ答えてやるからよ」 ジャンガは座り込むと、ルイズと同じ目線で顔を覗き込んだ。 「正直に言ってやる。…テメェにはシェリーの様な魅力は欠片も感じねェよ」 ハッキリと否定され、ルイズは激しく落ち込んだ。 解ってはいた事だが…こう面と向かって言われると、やはり落ち込まずにいられない。 すると「だがよ…」と、言いながらジャンガはルイズの頭に手を置く。 「別にテメェの事は好きだゼ」 一瞬、ルイズは何を言われたのか解らなかった。 スキ? スキって…”隙”の事じゃなくて…”好き”って事? え、でもでも、こいつはわたしに何の魅力も感じないって今言ったんだし…、どゆこと? 考えが纏まらず、混乱するルイズ。 更にジャンガは話を続ける。 「テメェもお気に入りの玩具だからな。俺は気に入った物はどれも大好きだゼ? 女としての魅力が無ェ…、だから気に入らネェ…ってのは違うゼ」 ああ、なるほど…、とルイズは納得した。 要するにメイジが使い魔を大事にするのと同じような感覚なのだ。 そう理解した途端、ルイズの中に生まれた熱は一気に冷めた。 「そう…、そうよね…。わたしなんか魅力無いし…。シェリーさんやタバサなんかとは比べ物にならないわよね…」 「ああ、比べ物にはならネェよ。…テメェはテメェなんだしな」 「え?」 「カトレアの奴が言ってたゼ? そいつにはそいつの魅力が有る、ってよ…。 誰かと比べて劣ってるだとか、勝ってるだとか、そう言うのはバカらしいって事だな。 まァ、要するにテメェにはテメェの魅力が有るって事じゃねェのか?」 「わたしの魅力…? そんな物…無いわよ…。胸だって小さいし…、素直になれないし…、優しくないし…」 するとジャンガはニヤリと嫌みったらしい笑みを浮かべる。 「そうかァ~? じゃ、俺が確かめてやるゼ」 え? 何を? などと考える間も無い。 呆然とするルイズへとジャンガが押し倒す勢いで覆い被さって来たのだ。 抗いきれずに小船へと押し倒される。 「え!? ちょっ!? 何よ!?」 突然の事に暴れるルイズ。 そんなルイズをジャンガはニヤニヤ笑いながら見下ろす。 「ま、そんなに硬くなるんじゃネェよ。ちょっと確かめてやるだけだからさ」 「な、何をよ!? そんな事より、放しなさ――」 ルイズの言葉は最後まで続かない。 突然頬に走ったくすぐったい感触に全身を振るわせる。 「…キキキ、やっぱり予想通りマシュマロみたいに柔らかいゼ」 ニヤニヤ笑いを張り付かせたまま、ジャンガは感想を述べる。 ルイズの頬を舐めた舌を引っ込め、もごもごと口を動かす。 「甘いなァ~…」 「あ、ああ、あんた…何を…」 「味わってやってるんだよ、お前をよ」 「なななななな!?」 「シェリーとは違ってまだまだガキだな」 「悪かったわね…」 「だが、そこにあいつとはまた別の魅力を感じるゼ」 言いながらまた頬を舐める。 ベロリ、ベロリ、とアイスや飴玉を味わうように舐め上げる。 一回舐める度にルイズの身体が震えた。 「可愛いじゃネェか…、いつもの生意気なクソガキとは思えないゼ」 「褒めてるの、それ?」 「当然さ。そうじゃなけりゃなんだってんだよ?」 「いつもの悪い冗談だと思うわ」 「キキキ、そりゃそうだ」 ジャンガは笑った。 そして、一頻り笑うとまた舐め出す。 更には胸やらスカートの中やらに爪を伸ばしてくる。 頬や首筋を舐められてるだけで恥ずかしいのに、そんなふうに体中を好きにされたらたまらない。 「こ、この、や、ちょっと、あん、やん、ひゃうっ、ばか、やめ」 「好きだゼ~、ルイズ」 ――初めて、まともに名前を呼ばれた気がした。 それを自覚した瞬間、ルイズは全身から力が抜けていくのを感じた。 「テメェを女扱いするのは酔狂でしかないがよ、俺は好きだゼ~」 ああ、いつもなら微妙な評価に怒るところだが…今はそんな気になれない。 結婚しても三ヶ月はダメなのに……こいつは無遠慮に触りまくってくる。 そして、それに逆らえない自分。 だめだ~、とルイズは観念し、全身の力を抜いた。 ああ、もうだめどうしよう、お母さまごめんなさい、ルイズたぶん星になります…。 そんな事を考えながら、ルイズはジャンガがどんな顔をしてるか見てやろうと思い、 目を開くと――そこには素敵な光景が広がっていた。 船はいつの間にか岸に乗り上げていたのだが、その船の周りを取り囲むようにして使用人がズラリと並んでいる。 その中に強張った顔のエレオノールがいた。 卒倒しそうなほどに蒼白な顔の母もいた。 そして、そんな一同の真ん中には怒りを軽く通り越した顔で震える父がいた。 一瞬で熱から冷め、ルイズはジャンガを突き飛ばした。 突然の衝撃にジャンガは為す術無く、池に背中から落っこちる。 暫く落下した場所は泡立っていたが、水飛沫を上げながらジャンガが勢い良く立ち上がった。 ポタポタと雫を滴らせながらジャンガはゆっくりと顔を上げる。 「こんクソガキィ~…、人が下手に出てりゃ調子に乗りやがって…。覚悟できてるのか、あン!?」 そこまで喋って、ジャンガは漸く中庭に現れた観客達に気が付いた。 「ンだ?」 怪訝な表情を浮かべるジャンガを尻目に、ラ・ヴァリエール公爵は小さく咳をする。 そして威厳のある声で言った。 「え~、ルイズを捕まえて塔に監禁しなさい。少なくとも一年は出さんから、 鎖を頑丈な物に取り替えておきなさい」 「かしこまりました」と執事が了解の意を示す。 そして、ラ・ヴァリエール公爵はジャンガを鋭い視線で睨み付ける。 「そして、あの亜人は打ち首にしなさい。腐るまで晒すから、丈夫な台を用意して置くように」 「かしこまりました」と再び執事は了承の意を示す。 その執事の言葉が終わると同時に、使用人達が一斉に鍬や箒やカマや槍や刀を持ち出し、一斉に襲い掛かってきた。 状況を把握したジャンガは爪で頭を掻き、ハァ~、と大きなため息を吐いた。 「ったくよ…、メンドくせェ…」 瞬間、使用人達全員が宙を舞い、次々に池へと落下した。立て続けに巻き起こる水飛沫。 その場には四体のジャンガ。一瞬にして分身したジャンガは使用人達全員を蹴り飛ばしたのだ。 目の前で起きた事に一瞬目を丸くするエレオノールと公爵。 公爵夫人だけが動じてなかった。 ジャンガは再度頭を掻きながらため息を吐き、公爵を睨む。 「人の楽しみ邪魔しやがって…、少しは場の空気ってのを読んだらどうだ、オッサンよォ~?」 「ふざけるなぁあああああああ!!!」 ジャンガの言葉に激昂した公爵は杖を引き抜く。 だが、ルーンを唱える事すら出来なかった。 「ん、ぬぐぉぉぉぉ~~!!?」 公爵は悶絶しながら地面に倒れ付す。 素早く近寄ったジャンガが股間を力一杯蹴り上げたのだ。 「ちったァ人様の迷惑も考えろや!」 倒れた公爵を見下ろしながらジャンガは吐き捨てた。 エレオノールが慌てて公爵に歩み寄る。 「父さま! しっかりしてください!?」 「う、はが、ぐぅぅぅ…」 公爵は呻くばかりで中々起き上がれない。 そんな二人には興味が失せたとばかりにジャンガは背を向け、ルイズの方に歩き出す。 その背に向かってエレオノールは叫びながら杖を突きつける。 「待ちなさい!! カトレアやルイズに手を出して、このまま返すわけには行かないわ!!!」 羞恥のあまり、ぽかんと口を開けて、呆然と小船の上に座り込んでいたルイズは、ハッ、と我に返った。 「ウルセェ…、人のやる事にケチつけんじゃねェよ」 ジャンガは肩越しに睨んだ。 エレオノールはその眼光に一瞬怯んだが、構わず杖を突きつける。 「やっぱり…あなたは危険ね」 「キ、仕方がねェ…。なら、夕べの続きといこうかよォ~?」 ジャンガはエレオノールに向き直る。 その背中にルイズが声を掛けた。 「ちょっと、ちいねえさまに手を出したって…どう言う事よ!?」 ジャンガはその言葉を無視した。 「ちょっと! 何無視してるのよ!? 答えなさいジャンガ!?」 徹底的に無視しながらジャンガはエレオノールを更に睨み付ける。 エレオノールの額に冷や汗が浮かぶ。 「お待ちなさい」 凛とした威厳のある声が静かに響いた。 その場に居た全員の視線が声の主に集中する。 視線の先には取り出した杖を構える、ラ・ヴァリエール公爵夫人の姿が在った。 公爵、エレオノール、ルイズ、そして池に浮かんでいた使用人達一同の顔に、何か恐ろしい物を見たような表情が浮かぶ。 公爵夫人は杖を構えながら静かに言った。 「エレオノール、お父さまを連れて下がってなさい」 「え? でも…」 「あのような凶暴かつ好戦的な相手に中途半端なやり方は通じません。ここはわたくしが相手をしましょう」 「は、はい…」 エレオノールは母の言葉に大人しく父を連れて下がる。 池に浮かんでいた使用人達も必死に我先にと池から這い上がり、住処を追われたゴキブリのように逃げ出す。 そんな周りの様子にジャンガは怪訝な表情をする。 ふと気が付くと、小船の上のルイズも震えていた。 その場だけ大地震にでも見舞われているかのような震えっぷりだ。 「どうしたってんだ?」 ジャンガの問いには答えず、ルイズは身体を震わせる。 「ジャ、ジャンガ!? い、今直ぐ謝りなさい! 土下座して! 地面に頭を擦り付けて! 早く!!!」 「何でだよ?」 ルイズは必死な表情で叫ぶ。 「いいからするのーーー!!! じゃないと、あんた本気で死ぬわよーーーーー!!!」 「ハァ?」 ジャンガは訳が解らないと言った表情を浮かべる。 ――突如、巨大な竜巻が巻き起こり、ジャンガを上空高く巻き上げた。 「な、んだああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!?」 絶叫を上げながらジャンガは竜巻の中で翻弄される。 ぐるぐると掻き回され、凄まじい風の力に身体が引き千切られそうに感じた。 デルフリンガーの鞘を背負っていた紐が千切れ、マフラーと帽子がすっ飛んだ。 デルフリンガーは小船の隣の地面に突き刺さり、マフラーはルイズの膝元に落ち、帽子は頭の上に被さった。 と、突然竜巻が消え去り、ジャンガは重力に引かれるままに、地面へ向かって自由落下を開始する。 瞬く間に地面が目の前に迫った。 「チッ!」 舌打しながらジャンガは空中で受身を取り、そのまま無難に地面へと着地する。 そのまま、ギロリ、と公爵夫人を睨み付けた。 「やってくれるじゃネェか…、テメェよォ~」 「あなたはわたくしの娘達に危害を加えました」 ジャンガの殺気を眉一つ動かさずに流し、公爵夫人は言葉を続ける。 「使い魔の躾は主人の役目…、それに失敗したのは娘の不始末であり、同時にその娘に教育を施したわたくしの責任」 鋭さを増した公爵夫人の視線がジャンガを捉えた。 「この”烈風”が直々に”躾”を施します。使い魔とはどう言う物かをよく教えてあげましょう」 ゆらり、と身体から強烈なオーラが陽炎の様に立ち昇る。凄まじいプレッシャーすら放たれている。 それらに晒されるジャンガは、それでも顔色一つ変えない。 寧ろ、背後にいるルイズの方が真っ青になっていた。恐怖のあまりカチカチと歯を噛み合わせている。 「ジャンガ……あなた死んじゃうわ…」 いつかの決闘の時のシエスタの様な台詞を口にする。 ジャンガは忌々しそうに鼻を鳴らす。 「ただの年増じゃねェのは解ってたがよ…、テメェの母ちゃん何もんだ?」 「母さまの本名はカリーヌ・デジレ…、先代マンティコア隊隊長”烈風”カリン…。 その風魔法は二つ名の”烈風”…と言うよりは荒れ狂う嵐…」 ”烈風”カリン――その名にジャンガは覚えがあった。確か何かの本で読んだはずだ。 ルイズの説明のように嵐の如き風を操り、その腕前は並みのメイジでは如何な数を揃えても勝てなかった程とか。 エスターシュと言う貴族の反乱は一人で鎮圧し、ドラゴンの群れは一人で一掃した、とあり、 ゲルマニア軍との小競り合いの時には”烈風が出陣した”と言う噂だけで敵が逃げ出した、ともあった。 その素顔は常に鉄のマスクで顔の下半分を隠していた為に解らなかったそうだが…。 「…まさか、こんなクソガキの母ちゃんだったとはな…」 世の中、何処でどんなレアムゥ…基、レア物に出会うか解らないものである。 「ジャンガ…解ったでしょう? あんたの性格は良く解ってるけど、母さまだけはダメよ! お願いだから謝って! ちいねえさまに何をしたかも気になるけど、今は謝って! お願いだから!」 ルイズは精一杯の願いを込めて必死に叫んだ。 ジャンガが決して頭を下げない奴である事は十二分に理解してはいるが、幾らなんでも相手が悪すぎる。 相手は母さま…烈風カリン…、万に一つも勝ち目が有るとは思えない。 ジャンガ自身、今の竜巻をまともにくらってその実力はよく理解出来てるだろう。 今回ばかりは大人しく頭を―― 「喧嘩売ったのはテメェだからな…、覚悟は出来てんだろうな、ああ!?」 ――下げやしねぇ…。 ルイズは顔面蒼白になった。今の言葉は十分過ぎるくらいに敵意が含まれている。 見れば母さまの発するオーラがより鮮明に見えるような気がした。 …そう言えば、こいつはあのエルフですら真正面からぶつかって倒したんだっけ? じゃあ無理だ…、などとルイズは強引に納得し、同時に諦めた。 見上げれば澄み切った青空が広がっていた。 ああ…今日は綺麗な青空だな…。 現実逃避を決め込んだルイズを他所に、その原因であるジャンガはカリーヌと互いに睨み合っている。 暫く黙って睨み合い、徐にジャンガは首をコキコキと鳴らす。 「俺はテメェが誰だろうが、関係無ェからな。邪魔する奴はあの世行き…ってのが決まりなんだ」 カリーヌは答えない。 「それが烈風だろうが、先代マンティコア隊隊長だろうが、王様だろうがな…」 ジロリと睨み付ける。 「この”毒の爪のジャンガ”様に楯突いたんだ…、テメェはあの世行き決定だゼ! 精々後悔しながら…くたばりなァ~~~!!!」 叫びながらジャンガは分身三体と飛び掛る。――直後、巨大な竜巻が生まれた。 ジャンガと分身は瞬く間に飲み込まれる。…しかも、それだけではなかった。 「な、ガァッ!!!?」 凄まじい激痛が全身を駆け巡る。 見れば体中に鋭利な刃物で付けられたかのような、切り傷が幾つも生まれていく。 分身も全身に傷が生まれ、瞬く間に消滅してしまった。 凄まじい痛みに気が遠くなりそうになる。だが、ジャンガは意識を保つべく唇を噛み締めた。 「あ…、ジャンガ!?」 茫然自失だったルイズも上空で竜巻に蹂躙されるジャンガの姿を見て、我に返った。 と、隣の地面に突き刺さっていた鞘からデルフリンガーが顔(?)を出す。 「『カッター・トルネード』…間に挟まった真空の層で相手を切るスクウェアスペル。 いやぁ…見た目の怖さ以上におっかない相手だね」 「ど、どどど、どうしよう!? このままじゃジャンガ、あいつ死んじゃうんじゃ!?」 「手加減されてるようだし、躾って言ってたんだから殺す事は無ぇとは思うが…確かに少しやばいかね?」 「どうすればいいの!? どうすれば!?」 「落ち着け娘っ子、ルビーと祈祷書は相棒が持ってきてるんだろ?」 ルイズは小船の中に転がっていたズタ袋からルビーと祈祷書を取り出す。 「これが何なの!?」 「とりあえずルビーを嵌めて祈祷書を捲れ。ブリミルは大した奴だ、ちゃんとこんな時の対策も練ってるはずさ」 言われるがままにルイズはルビーを指に嵌め、祈祷書のページを捲る。 しかし、エクスプロージョン以降のページはただの白紙だ。 「何も書いて無いわよ! 真っ白! 白紙じゃない!?」 「もっと捲りな。必要があれば読めるようになってるんだからよ」 更にページを捲っていく。すると、文字が書かれているページに行きついた。 そこに書かれているのは古代語のルーン…、エクスプロージョンとは別の呪文だ。 「…『ディスペル・マジック』?」 「それだ、『解除』だ! 理屈としてはこの前の惚れ薬の解除薬といっしょだ! それならあの『カッター・トルネード』も消せる!」 「で、でも、こんな長いの詠唱している時間は無いわよ!?」 「適当な所で切ればいいさ。あの呪文も手加減されてるんだから十分なはずだ」 「何よ…ハッキリしないわね」 文句を言いながらもルイズは急いで詠唱を始めた。 突如聞こえてきたルーンにカリーヌは眉を顰める。 顔を向けるとそこには杖を構えてルーンを口ずさむ娘の姿が在った。 そのルーンは聞き覚えの無い物だった。 風ではない…、土でもなく…水でもない、…ましてや娘が目覚めたと言っていた火ですらない。 考え込んでいると、娘が杖を振り下ろした。 自分が生み出したカッター・トルネードが光り輝き、消え去った。 カリーヌは一瞬たじろいだ。手加減をしていたとは言え、あのカッター・トルネードを消滅させたのだ…。 一体娘が唱えたのはどんな呪文なのだ?――そんな一瞬の悩みが烈風に決定的な”隙”を生んだ。 「ガアアアアアアアアァァァァァーーーーーーーッッッ!!!」 獣の雄叫びの様な絶叫が響き渡る。 血を撒き散らしながら紫色の風が走った。 赤い軌跡がカリーヌへと迫る。 カリーヌは瞬時にルーンを唱え、『エア・シールド』を作り出す。 真紅の爪が空気の壁に弾かれる。 だが、ジャンガは止まらない。血塗れの顔を怒りに歪ませながらもう片方の爪を振るう。 空気の壁の隙間からカリーヌの顔に叩き込む。 身を反らしてそれを避ける。爪に髪留めが裂かれ、束ねた髪が背中に流れた。 カリーヌはルーンを唱え、杖をジャンガに突きつけた。 ほぼ同時にジャンガの爪もカリーヌの喉下に突きつけられた。 ――両者の動きが止まった。 カリーヌは詠唱は既に終わっており、いつでも解放できる状態だ。 杖を突きつけた場所は心臓の上…、解放すれば間違い無く命を奪える一撃だ。 対するジャンガも爪の先には既に即効性の猛毒が仕込んである。 引っ掻き傷程度でも瞬く間に全身に毒は回り、十秒もすればアウトだ。 次に出す攻撃…それが一撃必殺だと言う事を悟った為、両者は動けなくなってしまったのだ。 互いの武器を突きつけ、睨み合ったまま微動だにしない両者の姿に周囲に緊張が走る。 「母さま! ジャンガさん! 止めてください!」 突如聞こえた叫び声。 その場の全員が、睨み合っていたジャンガとカリーヌも、声の方に顔を向けた。 そこにいたのはカトレアだった。血の滲んだ包帯を巻いた脇腹を庇うようにして、 フラフラとした危ない足取りで此方へと歩いて来ている。 その後ろには数人の心配そうな表情のメイドの姿も見えた。 「カトレア!? あなた、どうしてこんな所に!?」 エレオノールが叫ぶ。 「心配をかけて…ごめんなさい…、でも…気になったから…」 「気になったって…あなた、その怪我で無茶を…」 カトレアを心配そうにみつめ、直後険しい表情でメイド達を睨み付ける。 「あなた達! どうしてカトレアをこんな所に来させたの!?」 「も、申し訳ありません…。ですが、カトレア様がどうしても行きたいと申されまして…」 メイドの答えにエレオノールは深いため息を吐く。 カトレアは優しく微笑んで姉を見つめる。 「わたしは平気よ、姉さま」 そう言ってジャンガとカリーヌの方へと顔を向ける。 「カトレア…、あなたはそのような怪我で、どうしてこのような場所に?」 母に尋ねられ、カトレアは悲しげな表情を浮かべた。 「…誤解を解きたかったんです。…少し遅れてしまいましたが」 「誤解?」 カリーヌは怪訝な表情で聞き返す。カトレアは頷く。 「はい…、多分姉さまからお聞きになったのだと思います…。わたしの怪我がジャンガさんに襲われた物だと…」 その言葉にルイズは激しく反応した。 「ち、ちいねえさま!? それは一体どう言う事ですか!? ジャンガが一体何を!?」 「違うのよルイズ…、全部誤解なのよ…」 ルイズは訳が分からないと言った表情をする。 カトレアはジャンガとカリーヌへと再び顔を向ける。 「全ては誤解なんです…、だからこれ以上争わないでください。お願いですから…」 そこまで喋って体力が限界に近づいたのか、カトレアは地面に崩れ落ちる。 その身体を素早い動きで駆け寄ったジャンガが支えた。 「あ…、ジャンガさん…?」 「…前言撤回だ。テメェもあいつに負けず劣らずの無茶苦茶野郎だゼ…」 呆れた表情でそう言うジャンガを見つめながら、カトレアは蕩けそうな笑みを浮かべた。 その様子にカリーヌも静かに杖を収めたのだった。 その夜… ラ・ヴァリエール家の居間では静かな会談が行われていた。 カトレアの話を聞き、公爵もエレオノールもルイズも驚きを隠せなかった。 「病気を治してもらった…か」 公爵が呟くと、カトレアは頷いた。 「はい。お陰でこの怪我以外は、身体の調子が凄く良いですわ。ジャンガさんには感謝していますの」 言いながらカトレアは隣のジャンガに顔を向けた。 ジャンガはソファーに凭れ掛かりながら天井を見上げており、身体の所々には包帯が巻かれている。 カトレアが水魔法を掛けたりもしたのだが、”烈風”の魔法の威力の凄まじさを物語っていた。 「ちいねえさま、本当にお体は大丈夫なんですか?」 ルイズが尋ねる。因みに彼女はカトレアを挟んでジャンガとは反対の場所に腰掛けている。 タバサはジャンガの隣にちょこんと腰掛けていた。 彼女はあの後、巨大な竜巻を見て慌ててシルフィードと飛んできたのだ。 「ええ、こんな風に身体が良くなる日が来るなんて、夢みたいだわ。あなたの使い魔さんには本当に感謝をしているわ」 ニッコリと微笑む姉の言葉にルイズは嬉しくなった。 そしてジャンガを見る。 「ねぇ、ジャンガ?」 「ンだ?」 「…ありがと、ちいねえさまを治してくれて」 「礼言われる筋合いは無ェ…、俺が勝手にした事だ」 本当に可愛く無い奴だ…。だが、ルイズは自分が同じ立場だったらどうだろう? と考えて、 自分も同じような答えを返すかもしれないと思い至り、怒鳴らない事にした。 公爵は暫く口髭を弄っていたが、鋭い視線でジャンガを睨む。 「だが、あの小船の上での行為はどう説明をする気かね?」 小船の上…、その言葉にルイズは顔を染める。 するとカトレアが答えた。 「それでしたら、わたしの責任だと思いますわ」 「どう言う意味かね、カトレア?」 「『ルイズはきっと落ち込んでいるから慰めてあげてください』ってお願いしたんですの。だからでしょうね」 公爵の言葉にカトレアはコロコロと笑う。 対して公爵は苦い表情だ。 「慰めた? あれの何処が慰めだと言うのだ?」 公爵は何かしら呪詛のようにぶつぶつと言い始める。 カトレアはそんな公爵を宥める様に声を掛ける。 「父さま、何も深刻な表情をしなくても宜しいではないですか。 ジャンガさんはジャンガさんなりにルイズを慰めてくれてただけですし」 「だ、だが……む、娘が…大切な娘がそんな礼儀の一つも知らないような下賎な亜人と…」 「あなた、女々しいですわよ? ルイズの件に関してはカトレアの病気を治したと言う事で今回は不問としましょう」 隣のカリーヌに声を掛けられ、公爵は項垂れた。 カリーヌは小さく咳をし、ルイズを見つめる。突然母親に見つめられ、ルイズは緊張のあまりに硬直する。 「さて、ルイズ…あなたに聞きたい事があります」 「な、何でしょうか、母さま?」 「あなた…、目覚めた系統は火だと言っていたけれど、あれは嘘ですわね?」 ――場の視線が集中する。 ルイズは息を呑んだ。虚無だと言う事がバレてしまったか? 「ああ、そうさ。こいつが目覚めたのは伝説の”虚無”だゼ」 ジャンガがあっけらかんと答える。 その言葉にエレオノールも項垂れていた公爵も怪訝な表情を浮かべ、カリーヌは鋭い目を光らせる。 ルイズは頭痛に頭を抱え込みそうになった。 ギロッ、とジャンガを鋭い視線で睨み付ける。 その視線に気が付いたジャンガは鼻を鳴らす。 「フンッ、別に隠していても仕方ないだろうが。家族が知っていて問題でもあるのか? 娘が虚無だ…、って事を知って何か企む程度の奴等だったら、捨てればいいだけの話じゃネェか。 親の器じゃネェよ…」 「で、でもね…」 ルイズは反論しようとするも言葉に詰まってしまう。 隣のカトレアは驚いた表情を浮かべている。 「あらあら、まあまあ、伝説? 凄いじゃないのルイズ。何も出来ないと言われていたあなたが伝説なんて。 わたしの身体が治った事といい、あなたが伝説の使い手だと解った事といい、今日はとても素敵な日ね」 言いながらカトレアは微笑む。 カリーヌは目を閉じ、暫し考える。 「なるほど…、”虚無”…歴史の彼方に消えた伝説のみが伝わる系統。 ならば手加減をしていたとは言え、わたくしのスペルを打ち消したのにも納得が行くと言うもの。 あの見た事も無いような輝き……、あれが”虚無”なのね、ルイズ?」 母に尋ねられ、ルイズはゆっくりと頷いた。 「そうです、母さま」 娘の言葉にカリーヌは静かに目を伏せる。 公爵も黙ってしまう。 エレオノールは話の大きさについていけず、額に手を当てたまま倒れるように背凭れに寄り掛った。 「虚無か…。俄かには信じがたいが…やはり、あれを見てしまってはな」 公爵は暫く口髭を弄っていたが、徐に立ち上がるとルイズの下へと歩み寄った。 座り込み、ルイズの顔を真っ直ぐに見つめる。 「ルイズ、朝食の席でお前は父にこう言ったね…『目覚めた系統は火』だと。…あれは嘘だったのだね?」 「申し訳ありません、父さま。ですが、この事はどうしても言えなかったのです」 ルイズは謝罪し、頭を垂れた。 そのルイズの頭を公爵は優しく撫でた。 「よいかね、ルイズ? 父に嘘を吐くのは、あれが最初で最後にしておくれ。 ……それでルイズ、今一度聞こう。…お前は何の為にアルビオンへと行く気だね?」 公爵の言葉にルイズは目を見開く。 「父さま…?」 「質問は無しだ。早く答えなさい」 「……陛下をお助けしたいからです。それにわたしの”虚無”があれば、強大なレコン・キスタにも勝てるはずですから」 「誰かに言われてではないのだね? 自分で考え、決めた事なんだね?」 「はい」 そんな娘の顔を、ジッと公爵は見つめた。 やがて、公爵は娘の頭を優しく撫でた。 「父さま…?」 「大きくなったね、ルイズ。私のルイズ。この父親は、お前の事をいつまでも甘えが抜けない子供だと思っていたよ。 だが、私の知らない所でお前は既に巣立っていたのだね」 「…父さま」 「戦への反対は無謀だと言うだけではない。私達はお前が危険な目に遭わないか心配なのだよ…。 子を心配しない親などいないからな」 公爵の言葉を聞き、ギリッ、とジャンガは歯を噛み締める。 親に終始虐げられていたジャンガにとって、今の言葉は嫌悪感を覚えるだけの奇麗事でしかなかった。 怒りに震え…、その一方でルイズが羨ましくもあった。 自分が持っていなかった…持てなかった物を持っている彼女が、たまらなく羨ましかった。 「ルイズ、忘れてはいけないよ? お前の事をここに居る誰もが心配しているのだ。 危険な目に遭ってほしくないのだ。それを解っておくれよ…」 公爵の言葉にルイズは朝の事を思い返す。 思えば自分は家族の気持ちを考えずに、自分の意見を無理に押し通そうとしていただけではないか。 自分が危険な目に遭って家族が如何思うか…、それを考えた事は全く無かった。 だと言うのに、自分は己の意見を却下されて子供の様に苛立ち、駄々をこねていただけ…。 勝手に嫌われていると思われているだけだった…。 家族の愛の深さに触れ、ルイズは知らないうちに涙を流した。 「父さま…、ごめんなさい。我侭ばかり言ってごめんなさい…」 ルイズは公爵に抱きつく。 自分に抱きつく娘の頭を、公爵は優しく撫でた。 「お間違いを指摘するのが忠義、そして…間違いを認める事が本当の勇気だ。 ここに居る者は誰もがお前を気に掛け、愛しているのだ…。 ルイズ…それを忘れてはいけないよ? 小さなルイズ」 「…はい」 泣きながら頷くルイズの額に公爵は接吻をした。 「父からの餞だ。ルイズ、一つだけ父と…いや、お前の母と姉と全員と約束してくれ」 「何でしょうか?」 「絶対に無事に帰って来てくれ。…私達が願うのはそれだけだ。…この約束だけは決して破らないでおくれ、いいね?」 「はい」 力強くルイズは返事を返した。 暫しの沈黙が流れ…、唐突にカリーヌが、ぽんぽんと手を打った。 「カリーヌ」 「話は終わりのようですわね? では、遅くなりましたが夕餉にいたしましょう。 今日はめでたい日なのですからね。カトレアの病気が治り、そして…」 カリーヌはルイズに顔を向ける。 「娘の巣立ちの日でもありますから」 「母さま…」 「ルイズ、あなたはカトレアの事を頼みますわね。 エレオノール、あなたはホストを宜しくお願いしますよ」 「わかりましたわ」 エレオノールは了承の意を述べ、部屋を退出する。 カトレアもルイズとタバサに手伝われて退出していった。 それらを見送った後、ジャンガは大きく伸びをする。 首の骨をコキコキと鳴らし、ソファーから立ち上がった。 「そんじゃ、俺も行くか…」 言いながら退出しようとする。 その背にカリーヌが声を掛けた。 「お待ちなさい」 「…まだ何かあんのかよ?」 不機嫌な表情でジャンガは振り返る。 カリーヌは静かに立ち上がり、ジャンガを真っ直ぐに見据える。 「…何だよ?」 「あなたの戦い方には色々と無駄がありましたわね」 「無駄ァ~?」 ジャンガは怪訝な表情をする。 カリーヌは変わらぬ調子で言葉を続ける。 「激情に駆られてイノシシのように突進するだけでは勝てる戦いも勝てぬというもの。 そのような者が護衛では主人は常に危険に晒される事になります。 使い魔とは主人の盾も同然…、それが役目を果たせぬようではいけません」 「何が言いたいんだ?」 「あなたに稽古をつけようと言うのです」 黙って話を聞いていた公爵の背筋が震えた。 ジャンガは動じずにカリーヌを睨む。 「ハッ…、それはまたありがてェ事だな。で…、今からやるのかよ?」 「夕食の後で、先程の庭に来なさい」 それだけを伝えるとカリーヌは静かに退出していった。 それを見送りながらジャンガは、やれやれ、といった感じでため息を吐いた。 (親子だな、本当によ…) 前ページ次ページ毒の爪の使い魔
https://w.atwiki.jp/magicalgirlwar/pages/75.html
重要ファクター サイト召喚 虚無の魔法 戦争 デルフリンガー 777ゼロ魔 エルフが作った可能性が高いデルフリンガーは6千年も生きているし (エルフが作った可能性が高い理由は先住魔法で動いてるし、初代ガンダールヴがエルフなど) 150◆cw6NU9U4lA デルフリンガーはアルハザード時代に作られたインテリジェントデバイスって事に・・・ とか考えたけど無理だな 154シルバー デルフは結構超設定与えてもいいと自分も思ってますw 例えばゴルンノヴァと同じ魔族に近いものだとか、◆cw6NU9U4lAさんが言うようにブリミルやエルフが作ったインテリジェントデバイスにするとか。 ただ、魔族系剣にした場合、後でリナガウのギガスレ剣に対抗して虚無吸収とかやらせようと思った場合にかなりのキャパを持たさないといけないですね。 デバイスの場合、長年人間の相棒探してたりとかするんでそこの部分はフィットしますよね。ただデルフってそこまでメカメカしくないからロストロギア…、いやエンシェントデバイスなんて名付けても…、いやスイマセンホント… 4の4 822シルバー 4の4はそれぞれの国が管理してるんですよね? 823ゼロ魔 ええ、指輪と秘宝はそれぞれの王家(ロマリア)に伝えられています。 虚無の担い手もそれぞれの王家の血を引く者から目覚めます。(ロマリアはまだよく分かってない) ロマリアの指輪はちょっと前に現教皇の母親が盗んでしまいましたが今は教皇に戻ってます。 ただ、ロマリアの秘宝がまったく登場してないのでどんな物かわかってないんですよねー アルビオンの秘宝は国が滅んでしまった関係で現在はガリア王が持ってます 824シルバー あとすいませんが、4の4はいくつあってそれぞれがどこの国に何があるかを教えていただけませんか? 825ゼロ魔 四つの四は担い手、使い魔、ルビー、秘宝がそれぞれ四つずつで 使い魔はそれぞれの王家で召喚されるのが決まってると言われてないので現在の使い魔を書きます。 トリステイン王家は水のルビーと始祖の祈祷書、使い魔はガンダールブが登場 ロマリア皇国は火のルビー、秘宝は未登場、使い魔はヴィンダールヴ ガリア王国は土のルビーと始祖の香炉、使い魔はミョズニトニルン アルビオン王国は風のルビーと始祖のオルゴール、使い魔はまだ召喚されておらず、 記すことすら憚られるそうで名前も能力も分かりません。デルフリンガーは知っているみたいです。 ルーンは胸に刻まれるようです。デルフリンガーがそんなことを言ってました。 826シルバー 担い手は虚無の担い手でしょうか? あと説明を見ると虚無の担い手は王家の血筋でしか現れないってことなんでしょうか? ルイズって貴族なだけで王家とかでは無かったと記憶していますが… それ見ると4の4はかなり応用利きそうな気はするなぁ。 4属性ルビーなんかはキラキラとも…、はマズいか。自然界の王が竜神になっちゃってるから。グルグルでそれ系は地と空の腕輪、バナナムーンぐらいか? 827ゼロ魔 担い手は虚無の担い手のことです。 始祖ブリミルの血を受け継ぐ王族しか発現しません。ロマリアは触れられていませんので分かりません ルイズの祖先は王族なので王家の血を受け継いでいます。 ちょっぴり豆知識、みずの水のルビーと風のルビーを近づけると共鳴して虹色の光を振りまきます。 始祖ブリミル 713名無し 最初の虚無の使い手なのは間違いないでしょう。ブリミルは自分の魔法は“変わった系統”という認識で神が授けてくれたと思っています。(始祖の祈祷書にもそう記されていまし。) それとブリミルたちは自分達をマギ族とよんでいてブリミルは族長です。(全員系統魔法を使える) 715シルバー ブリミルは何年前の人物なのでしょうか? それによっては降魔戦争でミグミグ族やレイ=マグナスあたりと絡められそうですね。 716名無し 六千年前にハルケギニア(聖地)に降臨したそうですなので六千年前の人物です。 降魔戦争、スレイヤーズTRYと絡められるかな?ダーク・スターの召喚ゲートとゼロの使い魔の聖地が似てますね。 ブリミルたちは恐ろしい技術を持ったヴァリヤーグという 鎧を着たや歩兵や騎馬隊の大軍と戦っていたので赤銃の主人公が知っている物語?と絡められそうですね。 720シルバー ブリミルは具体的に何かやった人なんですか?ただ虚無の初代の使い手ってだけじゃなくて降魔戦争みたいにそれで何かと戦ったとか。 721名無し 具体的にはブリミルは六千年前に「聖地」と人間が呼ぶ場所に降臨し、虚無と4体の使い魔を駆使しエルフと戦ったと言われています。 その後、三人の子とひとりの弟子に王家を作らせ、自らの力と、始祖の指輪ならびに始祖の秘宝を分け与えた。 それがトリステイン、アルビオン、ガリア、ロマリアだそうです(弟子が建国したのがロマリア)。 今の所、これがブリミルのしたことですが、今後の展開で新たに分かるかもしれません 722シルバー 聖地は光の園やアナスタシアやアルハザードなどもニュアンスが似ていますね 後の四つの国は他作品の町などとあわせると良さそうですね。 そんなに重要なアイテムが伝承されてるなら一つはセイルーンでいいかも。 プラトー教の腕輪も始祖の指輪か秘宝あたりに組み込めそうですね。 気になったのは、ゼロ魔ではエルフは敵対する(していた?)存在なのですか? 降魔戦争では人間、ドラゴン、エルフ、ドワーフなどが協力して魔族と戦ったので引っかかりますね… 723名無し エルフに聖地をとられていて、取り戻したいんだけど力の差が大きすぎて昔何度も戦ったけど取り戻せないのが現状ですね。(すくなくとも数百年は戦ってない) エルフとしては六千年前に虚無でひどい目に遭っているので、虚無の力(エルフはシャイターンと呼んでいる)の復活を恐れていて聖地(エルフはシャイターンの門と呼んでいる)を知を持つものに触れてほしくなく、そっとしておきたいそうです。 「我らの世界を滅ぼしかけた力だ」とか「知を持つものが触れざる場所にしておきたいのだ。それでこそ世界の安全は保たれる」と言っているのでかなり広範囲だったようです。 実際“始祖の虚無”はこの世の理すら捻じ曲げるらしいですし 726-727シルバー この世の理すらねじ曲げる魔法…、グルグルとの共通点ですね。 聖地と門とエルフ…、知を持つものを遠ざけたい… クレアバイブルのある空間を聖地=ドラゴンズピークを守ってるってのはどうでしょう? それなら知を持つものを遠ざけたいの理由にもあてはまりますね。 スレイヤーズ本編でも人間以外のドラゴン、エルフ、ドワーフなんかは降魔戦争以降は友好関係で人間にはあまり関わってきませんし。メフィやテファの絡みなんかも出来そうですね。 ただ問題は、「虚無で痛い目にあったから始祖の末裔はヤダ!」と「魔族一緒に倒すべ!」という相反する歴史ですね。 降魔戦争でブリミルが放った虚無魔法に味方だったエルフの一部が巻き込まれた…とか?で、あわててミグミグ族が封印でエルフ救助 でエルフは ブリミル→味方なのに巻き込みやがって! ミグミグ→助けてくれてありがとう!あなたがたが行く聖地は守りますね! で聖地=アナスタシアなら無理やり繋げられなくもない。ただそうするとちょっと前の光の園との絡みも考えないと… 聖地関連まとめると アナスタシア=光の園(ミグミグ族、クイーン、メポミポなど在住) で狭間にある空間(クレアバイブル安置場)がエルフの聖地(異世界から光の園へはここからでないと行けないようにすればいい)のでこれの入り口のドラゴンズピークが門 更にミグミグ族が時折遊びに来るアラハビカ(魔境)(◆kmbxgHC1NYさん案)が麓にあるので矛盾しない。 さらになのはのアルハザードも=狭間の空間(すべての知識がある=クレアバイブル) 729名無し 伝承などで初代ガンダールブと思われる人物が人間とエルフの両方に伝わっているので大丈夫だと思いますよ。 初代ガンダールブはエルフでブリミルと「ヴァリヤーグ」という軍団と戦っていますし。 でも、聖地ははっきりしてないので今後の展開に注意が必要…… ちなみにエルフいわく、最近は聖地の活動が活発なので虚無が復活するのではと考えています。 伝承で4の4が揃うと始祖の虚無が復活するというのはエルフにも伝わってます。 ヴァリヤーグ 731シルバー ヴァリヤーグてのはどういったものかは判明していないんですか? 人なのか人外のモノなのか… 732ゼロ魔 鎧を着たや歩兵や騎馬隊の大軍でしたね。ブリミルは恐ろしい技術を持っていると言ってましたけどまだそれを使った描写はありません。 (777ゼロ魔)小説を読み直したら、ヴァリヤーグは人間でした。 733シルバー ゼロのまだ判明していない分は好きにクロスさせちゃってよさそうですね。 恐ろしい技術…、闇の書の前の主にしても良さそうですね。 ヴァリヤーグ あとはその辺を上手く降魔戦争に混ぜられればおkですね。 ガンダールヴ 709シルバー ガンダールヴは異世界から召喚された虚無の使い手の使い魔で手に刻まれたルーンの力で全ての武器を使いこなせる。過去にもガンダールヴはいた 710名無し ガンダールヴは“神の左手”や“神の盾”と言われ、 虚無の使い手(担い手と呼ばれたりする)の無防備になる魔法の詠唱中を守る為に居ます。 主人公の才人に使い魔としての契約をしたらガンダールヴのルーン(左手に刻まれます)が刻まれたためにガンダールヴと呼ばれています。能力はそのとおりで他に武器に触れるとルーンがひかり、身体能力の上昇武器に関する使い方や構造などを教えてくれます。(怒り、悲しみ、愛、喜び、など何でも良いので心の震えで強さが決まる) 最初のガンダールヴはエルフで契約で“勝手”に刻まれたものではなく、虚無の使い手(ブリミル、男)が自分でエルフ(名前はサーシャ)に刻んだものです。 ついでに言うと、ガンダールヴと言う言葉の意味は当時のブリミル達の旧い言葉で “魔法を操る小人”という意味だそうです。 712シルバー 魔術師と護衛。同じ虚無の魔法使いリナとガウリイも同じような関係ですね。 ルーンってなんでしょうか?使い魔の契約の証とかで他の動物の使い魔とかにも必ず刻まれるものなのですか? そしてガンダールヴのルーンのみこのような特殊効果を生み出すんでしょうか? 零戦に乗ってきたガンダールヴもいたはずだから歴史上数人いるようですね。 ガンダールヴは同時に複数存在もするのでしょうか? 713名無し ルーンは使い魔には必ず刻まれます。 普通の使い魔のルーンは言葉が操れるぐらいには知能が発達する効果があります。このために主人の命令をよく理解できます。あと視覚を共有する効果が確認されてます。 ガンダールヴは主がピンチのときに近くに居なかったら左目に主の視界が映ります。(他の虚無の使い魔はできるか確認されていません) 虚無の使い手のみ特別で使い魔のルーンには四種類あります。 ガンダールヴのみ確認されましたが、弱いながらも洗脳に近い効果があります。 あと他に記憶の共有する効果、ブリミルと初代ガンダールヴの記憶があるのではないかと言われています。 ゼロ戦に乗ってきたのはガンダールヴではありません。この世界には時々異世界の人間や武器が迷い込みます。 主に聖地の近くに多いので聖地になにかゲートのようなものがあるのではといわれています。 実際、エルフがシャイターンの門と言う物があります。 初代と主人公以外のガンダールヴは確認できていなく、複数存在についてはまったくふてられていないので 考えないほうがいいと思います。 またルーンは死ぬと消えます。(主人公のガンダールヴのルーンは心臓が止まったら消えた。) 4の4(使い魔・秘宝(始祖の○○、アニメ既出は祈祷書のみ)・王家の指輪(○のルビー)・担い手)が揃うと始祖の虚無が復活すると言われている 781シルバー 4人の使い魔のガンダールヴのサーシャ(女性かな?)以外の情報はわからないでしょうか? 782ゼロ魔 サーシャは女性です。過去の使い魔はサーシャ以外分かっていません。 785シルバー 後に3つの国を建国したブリミルの三人の子孫はサーシャとの子(てことはハーフエルフ?)なのでしょうか? 787名無し 子孫はまだわかってません。可能性はあるけど。 178◆cw6NU9U4lA 破壊の杖は原作通りロケットランチャーとするのでしょうか? ここも何かクロス出来そうですね。地球から来た兵器という事でなんかないかなと 180シルバー 代用は…、何かありますかね? それか、ガンダールヴの特殊効果で魔族にも効くように通常兵器に精神ダメージをプラス出来るとかにしてロケランなどはそのままで行きますかね? 182ゼロ魔 ガンダールヴは武器の性能を上げている可能性があるので大丈夫でしょう それに魔族と戦うにはそのくらいの効果が無いと役にたたなそうですからね 183シルバー じゃあ武器に特殊効果付加の能力底上げ方向でいいんですかね? トリステイン学院 65,77シルバー ゼロ魔さんはネギまのほう進んでいませんかね? 自分もネギま立ち読み程度何で深く言えませんがトリステイン学院とネギまの魔法世界上手く合わせられませんかね? 同じイギリスあたりがモデル(ハリーry)みたいですし、ユエ(ネギ)が今いるとこなんてもろかぶりかと 3話始める前に決めないとなかなか混ぜにくいかと思います。 ネギまもゼロ魔と同じく精霊魔法特化+αなので悪くないかとは思いますが。ゼロ魔さんどうでしょうか? 84ゼロ魔 スレイヤーズの魔法を完全に理解し切れてないので少し答えずらいんですよね まあ、精霊魔法特化+αで良いと思いますよ。物理的な効果と火水風土が合ってますし 85シルバー それはスレイヤーズの世界観で例えたところのゼロ魔とネギまの魔法系統の感じですね。 まだネギまは読んでおられないんでしょうか。混ぜられそうなら学院にネギま要素を追加したかったところなんですが アルビオン侵略、壊滅 749シルバー ゼロ魔で他国に侵略された町ありましたよね?(ハルケギニアだったかな?)あれサイラーグと合わせてはどうですかね? イベントもうまく合いそうな気がするんですが… 750名無し タルブですね。 751名無し ハルケギニアは街の名前じゃなくてゼロ魔の世界の大陸名ですね 752シルバー タルブ?初めて聞く名のような…。アルビオンてのも違いましたっけ? 753名無し アルビオンで合ってますよ。正確には神聖アルビオン共和国ですけど 754シルバー アルビオンがアンリエッタの国と戦争したんですよね? 755名無し そうです。 ゼロ魔流れ 765名無し サイト召還 ギーシュと決闘 デルフ入手 フーケの破壊の杖事件 お手紙の回収 才人、キュルケらと共に宝探し 才人、タブルの村で『竜の羽衣』を発見 神聖アルビオン軍、トリステインに宣戦布告 惚れ薬 アンリエッタ誘拐される アンリエッタの依頼で街の調査を開始。『魅惑の妖精』亭でバイトを始める 魔法学院で夏休みが始まる アンリエッタ、リッシュモンを粛清 夏休み終了。士官教育が始まる 才人、ルイズ、シエスタと共に帰省するため魔法学院を出発 ギーシュやマリコルヌら学生士官が約2ケ月の士官教育を終え、各軍に配属 ルイズ実家に連れ戻される 学院襲撃。ジャックコルベール死亡(原作では死なないらしいが…) サイト対七万 才人、ウエストウッド村で目覚める ジュリオ学院に。ルイズ、サモン・サーヴァントを唱える アニエス、ウエストウッド村で才人発見 ルイズとシエスタ、才人探し ティファニアと新手の虚無の使い魔登場 トリステインに帰国 才人、シュバリエに。騎士団できる 才人、タバサと戦う。キュルケとコルベール帰還 タバサ、エルフと戦い敗北アーハンブラ城に囚われる シルフィード、才人に助けを求める。才人ら助けるために行動開始。 牢に入れられたり、銃士隊に追撃されたり、タバサの実家に行ったり。 アーハンブラ城でエルフと対決辛くも撃退し、タバサと母親を救出 才人たち一行、ルイズの実家に向かう。母カリン様に襲撃される ティファニア、魔法学園に編入 ティファニア、正体を明かす 騎士団、お風呂を覗く シエスタ、才人の一日使用権を使う ロマリアへ、出発 聖堂騎士との戦闘 教皇と対面 才人、槍を手に入れる 教皇、世界扉を会得する ルイズ、教皇に才人を地球に返してもらうように頼む 才人、ルイズに眠らされる 才人、なぜだか過去に ルイズ、ティファニアに記憶を消してもらう ミョズニトニルン、ヨルムンガントで襲来 才人、タイガー戦車で参上。ミョズニトニルンを追い払う ルイズ、才人のことを思い出す 873ゼロ魔 宝探しや惚れ薬のイベントはどうしましょう? 戦闘が少ないし(と言うか無い)ので入れ難いですよね。 875シルバー 宝探しってどんな話でしたっけ?惚れ薬はタバサ関係の話ちょっとやっとかないと後々苦しいんじゃないかと思います。 ゼロ魔は戦闘シーン少ないとありますが、戦闘イベントのみに絞るとフーケ事件からアルビオン壊滅の間にいくつありますかね? サイラーグをアルビオンの1都市にすると言うことで滅亡のタイミングを合わせた方がいいと思うんですよ。 あとゼロ魔での早期にこなしておきたいのはデルフの入手とルイズの魔法バリエーションの増加。 前者はリナ達が学園に来る前に町で買った…みたいなセリフのみでも可能かと思います。その場合、ゼロ魔組初登場がその話だとすると説明口調が多くなりすぎるので3話に学園話を1話挟んだ方がいいと思われます。 ルイズに関しては、原作でも爆発以外には大して魔法を使えないそうですがどうしましょうか。リナに教わる…にしても原作を尊重してあまり他作品の魔法は使わない方がいいかとも思いますが… SRCの特性上ギャグイベントとか戦闘以外のイベントってなかなか盛り込みづらいですよね…。 882ゼロ魔 宝探しは、シエスタが大胆に誘う→シエスタとサイトがベットに倒れこむ→ルイズ目撃→サイト使い魔クビ→サイト学園の敷地の隅でテントを張り酒浸り→キュルケ見かねて宝探しに誘う→ハズレばっか→シエスタの故郷にお宝が→ゼロ戦発見 戦闘は フーケ事件 旅の途中で奇襲 ワルドとサイトの決闘 白い仮面とフーケ、傭兵の一隊が奇襲 空賊襲撃 ワルドと戦い こんな感じですね。ワルドとの決闘はいちお入れておきました。 空賊は戦闘は実は起こらなかったけどいちお入れておきました。 884シルバー 旅の途中で奇襲はちょっと置いといて、フーケ事件はリナ達が来園時に消化。ワルドとサイトの決闘か白仮面&フーケは泉でのカンヅェル戦に組み込めそうかな? もしくは泉後のオリハルコン像を狙わせてゼル達と手を組ませるor別の軍団として登場させるか…、かな? すみませんがフーケ事件以下のイベントをちょっと解説していただけませんか? では3話に学園話を入れる方向で行きましょう。 上手くやらないとルイズ・サイト以外のキャラが上手く出せないな… 885名無し ワルド登場でルイズ、サイトと共にアルビオンへ。ワルドがウェールズ殺害 →ルイズ、サイト脱出→シエスタの村でゼロ戦入手→日食の日にシエスタの村に新アルビオン軍進撃 →ゼロ戦で才人が駆けつける、竜軍団を蹴散らすもワルドに苦戦→ルイズが虚無に目覚めワルドあぼん→しかし才人は日食のタイミングをのがし、地球へは帰れず 895シルバー 解説ありがとうございます。 やはりゼロ戦かぁ、ゼロ戦は難しいな。でも世界の行き来が出きる前にやらないと意味が無いイベントだから異世界編でどうしてもやらなきゃいけないですね。 903ゼロ魔 イベントはいちお絞ってみたけど…… サイト召還 ギーシュと決闘 デルフ入手 フーケの破壊の杖事件 お手紙の回収 才人、キュルケらと共に宝探し 才人、タブルの村で『竜の羽衣』を発見 神聖アルビオン軍、トリステインに宣戦布告 惚れ薬 アンリエッタ誘拐される 学院襲撃。ジャックコルベール死亡(原作では死なないらしいが…) サイト対七万 才人、ウエストウッド村で目覚める ジュリオ学院に。ルイズ、サモン・サーヴァントを唱える アニエス、ウエストウッド村で才人発見 ルイズとシエスタ、才人探し ティファニアと新手の虚無の使い魔登場 トリステインに帰国 才人、シュバリエに。騎士団できる 才人、タバサと戦う。キュルケとコルベール帰還 タバサ、エルフと戦い敗北アーハンブラ城に囚われる シルフィード、才人に助けを求める。才人ら助けるために行動開始。 牢に入れられたり、銃士隊に追撃されたり、タバサの実家に行ったり。 アーハンブラ城でエルフと対決辛くも撃退し、タバサと母親を救出 才人たち一行、ルイズの実家に向かう。母カリン様に襲撃される ティファニア、魔法学園に編入 ティファニア、正体を明かす 騎士団、お風呂を覗く ロマリアへ、出発 聖堂騎士との戦闘 教皇と対面 才人、槍を手に入れる 教皇、世界扉を会得する ルイズ、教皇に才人を地球に返してもらうように頼む 才人、ルイズに眠らされる 才人、なぜだか過去に ルイズ、ティファニアに記憶を消してもらう ミョズニトニルン、ヨルムンガントで襲来 才人、タイガー戦車で参上。ミョズニトニルンを追い払う ルイズ、才人のことを思い出す あんまり減ってないですね……ごめんなさい 905シルバー うーんイベント沢山ありますね。というかアニメと前後が変わってたりしますね原作は。 まず、どこまでやるかを決めて線を引きましょうか。 この表の中でアルビオンが滅びるのってどのタイミングでしょうか? 907ゼロ魔 そうなんですよねー。しかも自分はアニメは全く見てないから把握してないんですよね。 アルビオン王国ならお手紙の回収で滅んじゃいますね。 ルイズの戦闘能力 809名無し ルイズって最初は魔法使えないと記憶してたけど、パワーアップとかは大丈夫なんですか? 811ゼロ魔 ルイズって最初、魔法を使おうとすると爆発しか起きなくて、その後、エクスプロージョンという爆発魔法を覚えるんだよな。 違いは詠唱時間の長さに比例して威力が増す事と、命中率が上がったことかな。 パワーアップって言えばパワーアップだけど 今現在ルイズが使える呪文は三つだけなんだよなー。 814名無し ルイズの魔法一覧には エクスプロージョン(短時間詠唱) エクスプロージョン(長時間詠唱) エクスプロージョン(MAP) とかすれば、リナと比べても遜色ないって事かな。 815シルバー 困ったときのリナ先生。ただ、リナのが年下だしリナは貴族とかそうゆうの気に入らなそうですよね… 876 874さん ルイズの魔法はしばらくはおあずけor小爆発程度でいいんじゃない? イベントで虚無に目覚めるまでは才人に頑張ってもらう
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/9348.html
ゼロの使い魔 Memorial Complete Blu-ray BOX 発売日:3月28日 1)「始祖の祈祷書」風BOX 2)キャラクター原案・兎塚先生描き下ろしパノラマ4面デジパック 3)アニメ描き下ろしパノラマ4面デジパック 4)アニメーションメモリアルブック 5)スペシャルブックレット 6)映像特典 ここを編集 2012年1月放送開始。ゼロの使い魔シリーズ完結編。Amazonインスタントビデオが配信開始。 http //www.zero-tsukaima.com/ 監督 岩崎良明 原作・シリーズ構成 ヤマグチノボル チーフライター ヤスカワショウゴ キャラクター原案 兎塚エイジ キャラクターデザイン・総作画監督 藤井昌宏 プロップデザイン 野田康行 美術監督 廣瀬義憲 色彩設計 但野ゆきこ、石川恭介 撮影監督 武原健二 ビジュアルワーク 向井吉秀 3D 塩田潤 編集 後藤正浩 編集助手 坪根健太郎 音響監督 明田川仁 音響効果 今野康之 録音調整 小原吉男 録音助手 武田直城 音楽 光宗信吉 制作担当 福世晋吾 プロデュース ジェンコ アニメーション制作 J.C.STAFF 脚本 ヤスカワショウゴ 國澤真理子 絵コンテ 岩崎良明 堀之内元 柳伸亮 岡村正弘 園田雅裕 鈴木洋平 大久保政雄 島崎奈々子 越田知明 演出 岩崎良明 藤本次朗 堀之内元 丸山由太 岡村正弘 奥野浩行 鈴木洋平 嵯峨敏 村上貴之 作画監督 藤井昌宏 神本兼利 北川大輔 山本篤史 前田学史 出野喜則 のりみそのみ 落合瞳 北村晋也 戸田麻衣 長谷川亨雄 小野和寛 兵渡勝 市原圭子 原修一 北原サトシ 砂川正和 伊部由起子 宮川智恵子 満田一 Amazonインスタントビデオ ゼロの使い魔F Ep. 1 "聖国のルイズ" 監督 岩崎良明 再生時間 0時間23分 初公開日/初回放送日 2012年1月7日 提供 ゼロの使い魔F製作委員会 ■関連タイトル ゼロの使い魔 Memorial Complete Blu-ray BOX Finale ゼロの使い魔コンプリートイラストコレクション 兎塚エイジ アートワークス Blu-ray ゼロの使い魔F Vol.1 ゼロの使い魔 ~Last Song from ZERO~ ゼロの使い魔 主題歌集 OPテーマ ICHIKO/I'LL BE THERE FOR YOU《限定盤》 EDテーマ 釘宮理恵/キスシテ↑アゲナイ↓《限定盤》 ゼロの使い魔 ルイズBEST[CD+DVD] ねんどろいど ルイズ 画集 兎塚エイジZeroゼロの使い魔イラストコレクション フィギュア・ホビー:ゼロの使い魔 原作小説 ヤマグチノボル/ゼロの使い魔 1巻 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/gensounoutage/pages/469.html
祈祷 読み:きとう 呪力:3 レベル:早苗 使用:戦闘 フェイズ終了時まで、スペル1枚は「防壁(X)」「高速移動(X)」「低速移動(X)」を得る。 (Xは、属性に『神』が含まれている自分のキャラの総数に等しい) 製作者コメ いわゆる、「世話焼き」的なカードを目指しました。 まさかの早苗1:神奈子1:諏訪子1:雛1のデッキがくる日も近いか?w
https://w.atwiki.jp/antarcticpenguin/pages/10.html
Bランクのジョブ。 騎士団戦において 後衛として 奥義 アビリティ 破滅の祈祷Lv.1 解放時 精霊の祈りLv.1 ジョブLv.5 破滅の祈祷Lv.2 ジョブLv.10 精霊の祈りLv.2 ジョブLv.15 奥義 照魔鏡 マスター後(ジョブLv.20)とジョブ選択時に使用可能 解放条件 第3回魔獣狩猟大会、全エリアクリア報酬
https://w.atwiki.jp/nolnol/pages/2390.html
宝飾之か 祈祷札 材料 生産数 4 ヤマニシキギ材 6、牛毛筆 1 生産可能職 職業 技能 神主・巫女 宝飾之か 基本性能 分類 価値 重量 特殊効果 材料 主な用途 職業 技能名 生産品 僧 手芸之ら 道具入れ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7830.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二四四 ホーキンスは眉根を寄せる。 怪訝そうな目つきで君を見るが、やがて 「奇妙なことに、クロムウェルも、カルトゥームらカーカバードから来た指揮官たちも、その者の名を口にはしなかった。 もちろん姿を見た事もない。もっとも、カーカバードの王がアルビオンに来ているという話は聞いていないのだが」と言う。 君はがっくりと肩を落とす。 敵の首領の名を聞けば、カーカバードから来たと自称する、謎めいた連中の正体を推察する助けになるのではと考えたが、 そううまくはいかぬようだ。 「そういえば、クロムウェルは同盟者のことを単にカーカバードの王と呼んでいたが、あの蛮族どもは別の呼び方をしていた。 一度だけ聞いた事がある」 ホーキンスは言う。 「『大魔王様』。奴らは自分たちの主君の事を、そう呼んでいた」と。 「ふざけた称号だと思うかもしれないが、当を得た呼び名だとわたしは考える。カーカバードの奴らの所業を見れば、 その頂点に立つのは人ならざる存在――地獄の悪魔の王か何かなのではないかと、思わせられるからだ」 君はホーキンスに礼を述べ、話の腰を折ってすまなかった、本題に戻ってくれと言う。 結局のところ、謎は深まるばかりだ。 カーカバードはもちろん≪旧世界≫全域の歴史をひもといたところで、『大魔王』を名乗る悪党など見つかりはせぬだろう。 マンパンには『大魔法使い』が君臨しているが、かの者は王を名乗れるほどの権力は持っておらぬ――少なくとも、当面のところは。 魔の都カレーを統治する貴人たちにしても、王を気どるには力不足だ。 『大魔王』とはいったい何者なのだろう? 君が考えに没頭している間にもホーキンスの話は進む。二九へ。 二九 「≪門≫を消し去り、クロムウェルとカーカバードの脅威からハルケギニアを守る方法は、ただ一つだけ……」 ホーキンスは重い口調で言う。 「……少人数の決死隊をロンディニウム塔に潜入させ、装置を破壊するのです」 テーブルを囲んだ一同の間に、沈黙が訪れる。 重苦しい静けさを破って最初に口を開いたのは、カステルモールだ。 「失礼ですが、将軍。本当に他に方法はないのですか? たとえば、艦隊で砲撃を加えて、その装置を塔もろとも粉砕してしまえば……」 「ロンディニウム塔は、おそろしく堅固な造りと聞いておる。砲弾ごときではびくともするまい」 オスマンが口を挟む。 「おまけに、≪門≫を使った奇襲でアルビオン遠征軍は大混乱との話じゃが、空軍も例には漏れぬじゃろう。まともな艦隊が組めるかどうか」 オスマンの言葉に、ホーキンスもうなずく。 「仮に艦隊を編成できたところで、塔に近づくことは難しいでしょう。なぜなら、アルビオン空軍のほぼ全戦力が、 ダートマスやスカパフローといったロンディニウム以西の港に集められ、王都とロンディニウム塔に近づく敵に睨みをきかせているのですから」 「精強を謳われたアルビオン空軍が連合軍の上陸を迎え撃とうともせず、何の動きも見せなかったのは、そういうことだったのですか! 何より大事な拠点である塔を守るため、戦力を温存していたとは」 カステルモールがうなる。 「クロムウェルは最初から、まともに戦をするつもりなどなかったのですね。≪門≫さえあれば、負けることはないのですから」 「なればこそ、≪門≫は消し去らねばならん」 マザリーニが口を開く。 「それも、ごく少数の者たちの、速やかで隠密な行動によってだ。彼らはアルビオンにおもむき、せめぎ合う敵味方数万の軍勢の間をすり抜け、 ロンディニウム塔に忍び込み、装置を破壊する――たやすい事ではないが、なし遂げねばならぬのだ」 「して、その『彼ら』の人選はいかがなさるおつもりで? 戦い慣れた勇敢なメイジのほとんどは今や雲の上 ――アルビオンに出征しておりますぞ。よもや、現地で志願者を募るつもりではありますまいな?」 オスマンの言葉に答える者は誰もいない。 君はテーブルを囲んだ人々の顔をちらちらと見やる。 彼らは全員、目を下に落としたまま押し黙っており、その表情からは深い苦悩がうかがえる。 エレオノールはいらだたしげに眉をひそめ、パリーは物思いに沈んでいるかのようにまぶたを閉じている。 カステルモールとホーキンスの眼には、恐れが見える――このふたりは、敵の暴虐と脅威をまのあたりにしているのだ。 彼ら以上に恐れおののき、絶望の色を隠せずにいるのはアンリエッタ王女だ。 祖国と自身の前途が絶たれたも同然となった今、その胸中はいかばかりだろう。 最後に、隣に座るルイズを見る。 拳の形に握った両手を膝の上に置き、口をぎゅっと引き結んで、アンリエッタの方をじっと見つめている。 大きく息を吸い込み吐き出す動作を、何度か繰り返す。 気になった君が声をかけようとしたとたん、彼女は勢いよく立ち上がり、声を上げる。 「わたしが行きます」と。二〇九へ。 二〇九 君を含め、その場に居る全員が驚きの表情でルイズを見る。 「いや、ラ・ヴァリエール嬢。祖国を思うその気持ちは嬉しいが、この任務は……」 戸惑い顔のマザリーニが言い終わらぬうちに、エレオノールが声を張り上げる。 「何を考えているの、ルイズ! これは遊びじゃないのよ? トリステインの、いいえ、世界の命運が懸かった、とてつもなく危険な任務なのよ! 王国の危急の時に何かをしたいという気持ちはわかるけど、あなたにいったい何ができるというの!」 エレオノールの剣幕にひるんだルイズは、もごもごと口ごもる。 「でも、ねえさま。わたしは……」 「早く座りなさい、ルイズ。誰かをロンディニウム塔へ向かわせねばならないのは確かだけど、それは少なくとも、あなたじゃないわ」 「わたしは……今のわたしは……」 ふたりのやりとりを見るに、この姉妹の上下関係は明らかだ。 ルイズは昔から、母親に似て厳格で妥協を許さぬ性格の姉に、頭が上がらなかったに違いない。 アンリエッタ王女やマザリーニをはじめとした重臣たちの目を気にした様子もなく、エレオノールは非難の声を高めていく。 「まったく、この子ったら戦場をなんだと思っているの。魔法の使えない≪ゼロのルイズ≫が行ったところで、むざむざ死にに行くようなものよ」 ≪ゼロ≫の一言に、ルイズはびくりと体を震わせる。 きっと顔を上げエレオノールを睨むと 「わたしはもう、≪ゼロ≫じゃない!」と叫ぶ。 妹からの思わぬ反撃を受けたエレオノールは、驚きに言葉を失う。四三五へ。 四三五 「わたしは……わたしは、自分の系統に目覚めたわ」 ルイズは懸命に声をしぼり出す。 「わたしには力がある――他の誰にも使えない、わたしだけの力が。これさえあれば、≪門≫を作り出す装置だってきっと……!」 「ルイズ、あなた何を言っているの?」 エレオノールが眉をひそめる。 「ねえさま、実はわたし……」 「いけません、ルイズ・フランソワーズ!」 ルイズの言葉をさえぎり、ぱっと立ち上がったのはアンリエッタだ。 「あのことは忘れると、二度と使いはしないと、わたくしに誓ったではありませんか!」 悲痛な声で訴える王女に向かって、ルイズは 「誓いを破ったことをお許しください、姫さま」と言って頭を下げる。 「でも、わたしは祖国と姫さまのお役に立ちたいのです。長いあいだ≪ゼロ≫だったわたしが今になって力をさずかったのは、 これをもって祖国を救えという神のおぼしめしなのではないでしょうか。トリステイン存亡の時である今、持てる力を隠し続けることは、 裏切りも同然の行いだと思うのです」 熱心に語るルイズに気おされたアンリエッタは、弱々しい口調で言う。 「でも、ルイズ。≪担い手≫であることを明らかにしてしまったら、この先、あなたの人生は平穏とはほど遠いものになってしまうのですよ?」と。 「どうも話が見えんのじゃが」 オスマンがひそひそ声で話しかけてくる。 「≪担い手≫とはいったい? ミス・ヴァリエールは何の系統に目覚めたのかね? もしや、君の故郷の魔法を会得したのではあるまいな?」 君は何も答えないが、心の中では頭を抱えている――『ご主人様』のうかつな言動に。 会ったばかりで信用できるかどうかわからぬ、重臣たちや外国の者たちを前にして、≪虚無≫の秘密を明かそうとしているのだから! 「≪門≫を消し去らないままではどのみち、平穏な暮らしなどありえません。クロムウェルの奴隷としての、 恥辱に満ちた一生が待っているだけです」 ルイズはそう言い切る。 「しかし、ルイズ。なにもあなたが、アルビオンの戦場に向かうことは……」 「いいえ、姫さま。わたしがやるのが、いちばん確実なのです。その装置を壊すためには、警戒厳重な塔に潜入しなければならないのでしょう? でも、わたしなら塔に踏み入ることなく、任務を果たせるはずです――わたしの≪虚無≫の力をもってすれば!」 ルイズはあっさりと秘密を明かした。 君は強情で後先を考えぬ彼女の行動にあきれるが、同時に喜びも感じている。 ルイズは誰よりも責任感が強い。 自分にしかできない事があると思ったなら、危険をかえりみず無鉄砲に動き出すのだ。 彼女が任務に名乗りを上げたのは、自分のことを≪ゼロ≫と呼ぶ者たちを見返してやろうという、名誉への渇望ゆえか ――いや、それだけではない。 両親から受け継いだ貴族としての義務感と高潔さ、そして、姉のカトレアと同じようにすべての生けるものを慈しむ心が、 ルイズを突き動かしているのだ。 彼女は、祖国アナランドを救う任務を買って出た自分とどこか似ている、と君は思う。 どこへ行くのであろうと、この誇り高き『ご主人様』を守ってやらねばと決意する。三五四へ。 三五四 「なんと、≪虚無≫とな!?」 「そんな、まさか! 嘘でしょう?」 ルイズの口から出た≪虚無≫のひとことに真っ先に反応したのは、オスマンとエレオノールだ。 他の者たちは言葉の意味をすぐには理解できず、ただ呆然とするばかりだ。 「本当に≪虚無≫なのかね? いったいいつから……」 「ルイズ、どういうことなの!? 説明しなさい!」 オスマンとエレオノールは口々に質問を浴びせるが、ルイズが答えるより早く 「ふたりとも、静粛に!」と声が響く。 我に返ったマザリーニが、場を収めるべく叫んだのだ。 マザリーニは威厳を正し、ルイズにゆっくりと呼びかける。 「さて、ラ・ヴァリエール嬢。事情を説明してもらえるかね?」と。 ルイズはうなずくと、語りだす。 ≪水のルビー≫を指に嵌めて≪始祖の祈祷書≫に目を通すと、黄変した頁に古代語が浮かび上がったこと。 ≪始祖の祈祷書≫に記された呪文を読み上げると、周囲が光に包まれ、タルブの村を襲った怪物が消し飛んだこと。 そして、ルイズとアンリエッタ王女のあいだで、≪虚無≫に関する事柄を秘密とする約束が取り交わされたこと。 ルイズがこれらの説明を終えると、マザリーニは礼を述べ、着席をうながす。 「アルビオンの軍艦から投下された正体不明の怪物がタルブの村を襲撃し、最後には謎めいた光を発して消滅した、という事件の報告は受けていた」 マザリーニは言う。 「まさかラ・ヴァリエール嬢がその現場に居合わせ、伝説の≪虚無≫の魔法を操って、怪物を倒していたとは……にわかには信じがたい話だが、 どうやら本当のようだな。虚栄心から出た作り話にしてはあまりに途方もないし、従者である君も、その様子を目撃しているのだろう?」 最後の言葉は、君に向けられたものだ。 君がうなずき、女神リブラに誓って真実だと答えると、枢機卿はわずかに眉をひそめる――相手はブリミルを信奉する聖職者なのだから、 『始祖に誓って』と言うべきだった。 マザリーニは君のうかつな言葉を追求しようとはせず、白い髭をなでながらつぶやく。 「始祖が操ったという伝説の魔法の力を得たとなれば……勝てるやもしれん」と。一七四へ。 一七四 「装置を破壊するために、ロンディニウム塔へと潜入する必要はなくなった。離れた場所から≪虚無≫の魔法で吹き飛ばせばよいのだから」 そう語るマザリーニの目には、希望の光が輝いている。 テーブルを囲んだ者たちは一様に半信半疑の表情を浮かべ、ちらちらとルイズのほうを見ているが、 それでも先刻までの重苦しさはいくらかやわらいでいる。 「しかし、ロンディニウム塔へと向かうだけでも、その道のりは困難なものとなりましょう」 ホーキンスが言う。 「カーカバードのけだものどもはアルビオンを席巻し、見つけたものは何であれ奪い、殺そうとします。 ≪門≫による奇襲を受けた連合軍は混乱のきわみにあり、頼りにはなりますまい。誰か優秀な護衛を、 ラ・ヴァリエール嬢につけなければなりません。それも、できるだけ少人数で」 マザリーニはうなずく。 「人数を多くすればそれだけ、敵に見つかるおそれが増すからな。せいぜい四・五人といったところか。しかし、 先ほどオールド・オスマンのお言葉にあった通り、戦いに馴れたメイジのほとんどは戦場にいる。遠方から呼び寄せる時間はない。 そうなると、宮殿の衛士から選ぶか……」 そこまで言ったところで、マザリーニは何かを思いついたような顔つきになる。 「オールド・オスマン。学院の教師には≪トライアングル≫のメイジが揃っていると聞き及んでおりますが、いかがですかな?」 オスマンは困ったような表情を浮かべ 「恥ずかしながら、学院の教師の大半は荒事に不慣れでしてな。何千人もの軍団のうちのひとりとして戦場へ赴くならともかく、 ほんの数人で敵中まっただ中に乗り込めるほど、肝の据わった者はおりませんのじゃ――この私を含めて」と言う。 温和で争いごとを好まぬコルベールはともかく、いつも自分が得意とする≪風≫の系統こそ最強と吹聴していたギトーも、 あまり頼りにはならぬらしい。 「君ももちろん、ラ・ヴァリエール嬢とともにアルビオンへ向かうのだろうな?」 マザリーニの問いに、君はそのつもりだと答える。 「お待ちください、猊下。人数が限られているというのに、この平民を加えるのですか?」 そう言って傲然と君を見つめるのは、ホーキンス将軍だ。 彼は、君が魔法使いだとは知らぬのだ。 カステルモールも将軍に同調し、 「この任務に必要なのは、優れたメイジです。平民など連れていったところで、足手まといになるだけでしょう。 起死回生の計画を失敗させるおつもりですか」と言う。 君はどうする? 君が魔法使いであることを知っている者が説明してくれるのを待つか(四四一へ)? ホーキンスとカステルモールに挑戦的な言葉を浴びせるか(三五〇へ)? それとも術を使うか? GAK・七四六へ SUS・七七二へ FAL・六八五へ TOG・七六〇へ GOD・六二〇へ 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/3466.html
NIGHT WIZARD The 2nd Edition Character Sheet TXT Ver1.2 キャラクター名:日暮 鈴 プレイヤー名: 種族: 人間 ワークス: 学生 年齢/性別: 15歳 / 女 髪の色: 黒(長髪) 瞳の色: 紫 肌の色: 黄色 身長/体重:148㎝/ 42㎏(91/63/84) ウィザードクラス:侵魔召還師 1LV 落とし子 5LV スタイルクラス:[[キャスター]] 0LV 属性: 〈冥〉/〈冥〉総合レベル: 6LV CF修正値: 2 プラーナ 内包値: 9 解放力: 2 基本能力値 ベース 成長値 現在値 基本能力値 ベース 成長値 現在値 【筋力】 7 1 8 【知力】 13 1 14 【器用】 9 - 9 【信仰】 4 - 4 【敏捷】 7 - 7 【知覚】 6 - 6 【精神】 12 - 12 【幸運】 5 1 6 戦闘値 ベース クラス修正 特殊 総合 未装備 装備 最終戦闘値 【命中】(器用+知覚)÷2 = 7 -/- - - 7 -1 【命中】 6 【回避】(敏捷+知覚)÷2 = 6 -/- - - 6 -1 【回避】 5 【攻撃】(筋力+器用)÷2 = 8 -/- - - 8 3 【攻撃】 11 【防御】(筋力+信仰)÷2 = 6 -/- - - 6 - 【防御】 6 【魔導】(精神+幸運)÷2 = 9 3/3 4 3 22 5 【魔導】 27 【抵抗】(敏捷+幸運)÷2 = 6 3/2 - - 11 2 【抵抗】 13 【魔攻】(知力+精神)÷2 = 13 3/4 3 - 23 30 【魔攻】 53 【魔防】(知力+信仰)÷2 = 9 3/2 - - 14 4 【魔防】 18 【耐久力】 = 24 2/2 -2 - 26 - 【耐久力】26 【魔法力】 = 32 5/5 - - 42 -2 【魔法力】40 【行動値】(筋力+敏捷+知力+信仰)÷3= 11 2/2 - 3 18 -6 【行動値】12 【移動力】 ベース 特殊能力 未装備 装備 最終値 (未装備状態【行動値】)÷10+1 = 2 - - - 2 Sq ■ライフパス 出自: 三年寝たろう 特徴: 眠気との戦い / シナリオ1回、代償のMPをHPで消費できる。 生活: 病に倒れる 特徴: ヘルパー / [[華霧 亜沙]] に恩人のコネ。 コネクション/関係 グイード・ボルジア / 腐れ縁 華霧 亜沙 / 恩人 宮苑 晶輝 / はじめての人 [[月島 紅蓮]] / いい人 ■特殊能力 名称 :SL: タイミング : 判定値 :難易度: 対象 : 射程 : 代償 :効果 汎用 : : : : : : : : 《月衣》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :所持品を隠せる。マイナーアクションで飛行できる。(代償:1D6MP) 《月匣》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :月匣を展開できる。 《伝家の術式》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :ヴォーテックスランスを取得 《訓練:幸運》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :幸運+SL 《訓練:筋力》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :筋力+SL 《訓練:知力》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :知力+SL 《伝家の宝刀》 :5: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :ブースターロッド、破魔弓、スマート0-Phoneを入手 《闘気の才》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :プラーナの解放力+SL 落とし子 : : : : : : : : 《烙印・水》 :1: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 2HP :【魔導】ジャッジ直前、【魔導】ジャッジ+[SL+1]、水属性に変更 《カースド・ウェポン》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :選択した武装の【魔導】-2、【魔攻】+[SL+2] 《侵魔の血》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【耐久力】-2、【魔導】+2 《冥き焔》 :―: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【魔攻】ジャッジ+受けているバッドステータスの数×3 《瘴気の城砦》 :―: セットアップ :自動成功: なし : 自身 : なし : マヒ :ラウンド中、【移動力】-2m、【魔攻】+5 《カラミティインフルエンス》:―: マイナー :自動成功: なし : 自身 : なし : 1プラーナ :1点でもダメージが通ったら、全てのバッドステータスを対象に与える。 《惑乱の渦》 :1: メジャー :【魔導】: 対抗 :範囲選択(1): 武器 :狼狽、3HP:一点でもダメージが通ったら、【行動カウント】―[SL+2]、ラウンド一回。 《カラミティフラッド》 :2: メジャー :【魔導】: 対抗 : 単体 : 武器 : 1プラーナ :任意のBST一つを受ける。(邪毒なら5)、【魔攻】+現在のBSTの数×5シーンSL回 《紅月の刻》 :1: メジャー :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :即座に攻撃するメジャーを2回行う。そのとき魔導判定-4。シナリオ1回。 《リバースストライク》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :DR直前、[CL×3]点までHPを消費、【魔攻】ジャッジ+消費量 侵魔召喚師 : : : : : : : : 《荒廃する世界》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 1プラーナ :魔法攻撃のDR直前、対象は【魔防】ジャッジを行えない。戦闘値を達成値に。シーン1回。 《八界の嵐》 :-: マイナー :自動成功: なし : 自身 : なし : 6カウント :メジャーで使用する魔法の対象をシーン内の任意のキャラクターにする。シナリオ1回。 キャスター : : : : : : : : 《魔法攻撃力UP》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :【魔攻】+[CL+3] 《マジックマスタリー:冥》 :1: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :冥属性攻撃魔装装備時、【魔導】+[SL+1] 特殊 : : : : : : : : 《黒杖》 :-: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 3カウント :【魔攻】+4 《呪文編纂機》 :-: 常時 :自動成功: なし : 自身 : なし : なし :識別に成功したクリーチャーへの【魔攻】+5 : : : : : : : : ■魔法 魔法記憶容量[【知力】+総合レベル]:20 名称 :LV: 種別 : タイミング : 判定値 :難易度: 対象 : 射程 : 代償 :効果 《リフレクトブースタ》 :3:付(-): オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 3MP :【行動値】+[【魔導】-13](最大7) 《ロケーション》 :1:付(-): メジャー :【魔導】: 別記 : 自身 : なし : 2MP :求めるものの方角や距離を検索 《ディフェンスアップ》 :2:付(-): オート :自動成功: なし : 単体 :1Sq:3MP,2c:【防御】+[【魔導】-10](最大10) 《ダークバリア》 :2:付(-): オート :自動成功: なし : 単体 :1Sq:4MP,3c:【魔防】+[【魔導】-10](最大15) 《ヒール》 :1:治(-): メジャー :【魔導】: 12 : 単体 :1Sq: 2MP :【治癒力】=【魔防】-10(最大3) 《キュア》 :1:治(-): メジャー :【魔導】: 15 : 単体 :1Sq: 3MP :バッドステータス一つを回復。 《サーチトラップ》 :2:汎(-): メジャー :【魔導】: 効果 : 効果参照 : 効果 :5MP,3c:トラップ探知を魔導で行う。 《トラップクラック》 :3:汎(-): メジャー :【魔導】: 15 : 効果参照 :1Sq:3MP,2c:レベル2以下の「構造:魔法」のトラップ解除 記憶外 《コンティニュアルライト》 :2:汎(-): メジャー :自動成功: なし : 効果参照 : 効果 : 4MP :タイル全体の明度+1(最大4) ■武装/魔装 重量上限[【筋力】+総合レベル]:14 魔法装備可能レベル合計[【知力】+総合レベル]:20 名称 : 種別 :部位:重量/LV:命中:回避:攻撃:防御:魔導:抵抗:魔攻:魔防:耐久力:魔法力:行動:移動: 射程 :備考 ブースターロッド :武(箒):片手: 1 / :-1: :+3: :+2: :+2: : : : : : :《黒杖》《呪文編纂機》 破魔弓 :[[その他]]:片手: 2 / : : : : :+2: :+2: : : : : : :《呪法弓》魔法の射程+1Sq マジカルリボン : 防具 :頭部: 1 / : : : :+1: : :+2:+3: : : : : : ダンガルド製黒ローブ : 防具 :胴部: 2 / : : : :+1:+2:+1: :+2: : :-2: : :《偉大なる英知》魔法難易度-1 外道祈祷書 :その他: : 1 / : :-1: :-2:+2:-1:+3:-2: : +10 :-1: : :《アンラック》【幸運】ジャッジー5 《ヴォーテックスランス狂》 :攻(冥):攻魔: / 5 : : : : :-3: :+21: : : -12 :-3: :3Sq:《カースド・ウェポン》1の適用済 : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : 合計 : : : 7 / 7 :-1:-1:+3: :+5: :+30:+4: : -2 :-6: : : 武装/魔装 ■所持品 月衣収納上限[【筋力】×2+GL]:22 名称 :重量:効果 0-Phone : 0 :《エスポラント》:常時:あらゆる言語でコミュニケーション可能 スマート0-Phone : 0 ;《モバイルシステム》:メジャー:いかなるタイミングでもアイテム購入可能。 : 0 ;《メモリ領域》 ;常時:メモリ領域が必要な装備を使える。 MUGEN-KUN : 0 :《信用取引》 :常時:借金可能。 幸運の宝石 : 1 :《幸運の加護》 :AA:F値だったときにファンブルを打ち消せる。シナリオ一回。 MPヒールポーション : 1 :MPを[治癒:0]ジャッジだけ回復。 : : : : ■設定 ”魔王蛇”レビュアータの落とし子。 幼いころの病気のリハビリ中に夢の中、レビュアータが寝ている夢を見たのがすべての始まり。 彼女の気持ちよさそうに眠る姿に共感して、一緒にぐてーっと寝ていたら気に入られたようだ(ぁ その為、普段は寝ている。それはもう、世界の危機でもない限り。 彼女は小さいときに大病を患い、一時、死の淵まで行ったが、華霧 亜沙の治療魔術によって永らえた。 そして、完愈にいたらないとされていた後遺症を、レビュアータとの契約によって解かれ、 今では(少なくとも見た目は)健康そのものである。 □レベルアップ GL2:落とし子CL2:耐久+2魔法力+2:魔導+1:冥き焔、瘴気の城砦 GL3:落とし子CL3:耐久+2魔法力+2:行動+1:惑乱の渦、カラミティフラッド GL4:落とし子CL4:耐久+2魔法力+2:行動+1:リバースストライク、カラミティフラッド GL5:落とし子CL5:耐久+2魔法力+2:行動+1:紅月の刻、カラミティインフルエンス GL6: 召喚師CL1:耐久+1魔法力+3:行動+1:荒廃する世界、八界の嵐 □経験点:成長3回分貯め 総計:361点 使用:259点 残量: 87点 使い道 ・麟の転職(忍者→侍)(10点) ・麟に≪伝家の宝刀≫×2≪ヘヴィスマッシュ≫≪超巨大武器≫を取得。(20点) ・麟に【ダンスエンブレム】を常備化(4点) ・鈴にMPポーション、ダンガルド製黒ローブ、外道祈祷書、魔法数個(ぁ)を常備化(16点) ・鈴に≪伝家の宝刀≫×5≪訓練:幸運≫≪訓練:知力≫≪闘気の才≫≪訓練:筋力≫を取得。(45点) ・小恋の転職(魔剣使い→人狼)(10点) ・小恋に≪伝家の宝刀≫≪ヘヴィスマッシュ≫≪超美形≫≪超巨大武器≫(20点) ・小恋にダンスエンブレムを常備化。(4点) ・白兎に≪伝家の宝刀≫×2≪財力≫≪訓練:筋力≫×2を取得。(25点) ・白兎に結界徹甲弾、魔力水晶弾、ディストーションハウル魔弾を常備化。(23点) ・トリスの転職(転生者→強化人間)(10点) ・[[ヴィル]]に≪伝家の宝刀≫≪伝家の術式≫≪訓練:筋力≫×6≪訓練:信仰≫×4≪訓練:知力≫×2≪超美形≫を取得。(85点) ・ヴィルにマジカルリボン、戦羽織、ダンガルド製黒ローブ、MPヒールポーション、エメラルドタブレット ヒール、ヒートシフト、リヴァイブ、ディスアペア、ヘイスト、マジックブレードを常備化(12点) ■追加性的ルール 性的戦闘値 ベース 特殊 総合 未装備 装備 最終戦闘値 【性攻】(器用+知力)÷2 = 12 3 -- 15 -- 【性攻】 15 【性防】(精神+信仰)÷2 = 8 -- -- 8 -- 【性防】 8 【性力】(精神+筋力)×2 = 40 20 -- 60 -- 【性力】 60 SP 内包値:0/解放値:2 ■性的ライフパス:好色 特徴:【淫乱】:[絶頂状態]から即座に回復EPは1。行動カウントは10に。1シナリオに1回。 ■ESイベント 取得可能イベント数:【知力】:14 名称 :LV:獲得SP:シチュエーション :追加効果 《同時絶頂》 :-: 5 :一緒に絶頂に達する。 :- 《同性愛》 :1: 2 :同性でいちゃいちゃ、シーン1回 :- 《口腔奉仕》 :1: 2 :口や舌を使った奉仕、ラウンド1回:- 《おっぱい!》 :1: 2 :胸を使った奉仕、ラウンド1回 :- 《キス》 :1: 1 :重複可能ラウンド1回 :- 《くぱぁ♪》 :1: 2 :女性器を開く。シーン1回 :対象に発情(3)を与える。 《ごっくん!》 :1: 3 :男性側絶頂使用。シーン1回 : 《ぶっかけ!》 :1: 2 :男性側絶頂使用。ラウンド1回 : 《膣内射精》 :1: 2 :結合で絶頂。シーン1回 :その後の妊娠判定に±3の修正を与える(妊娠し易くなる方に) 《子宮内射精》 :3: 3 :結合で絶頂。シーン1回 :その後の妊娠判定に±5の修正を与える(妊娠し易くなる方に) 《連続絶頂》 :3: 3 :絶頂時使用。シーン1回 : ■性的特殊能力 名称 :SL: タイミング : 判定値 :難易度: 対象 : 射程 : 代償 : 効果 《精力UP》 :1: 常時 : なし : なし : 自身 : なし : なし :【精力】+[5+SL×5] 《性的攻撃力UP》 :1: 常時 : なし : なし : 自身 : なし : なし :【性攻】+[SL+2] 《激しい抽挿》 :2: オート :自動成功: なし : 自身 : なし : 2SP :[結合攻撃]のダメージ直前、【性攻】ジャッジ+[SL×3] 《秘められし過去:精力旺盛》:-: 常時 : なし : なし : 自身 : なし : なし :性的ライフパス:逸品を取得。【性力】+104
https://w.atwiki.jp/sonic_d/pages/113.html
祈祷師とは、牌に神を降臨させて競い合う競技に参加するシャーマンである。 大見出し 祈祷師リスト A00 nao. orga SKNK snake xu あさぎ くらげ しらゆき てぃーあい はるひろ ぷちこ よねはら カシス ショレア・ロブスタ ノワール ハピマテの予感 プリ☆ンス レモリア レンジ 中ボス 二次元メイド 北to南 更木 100人以上の場合はこちら