約 6,956 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7296.html
前ページ次ページゼロのロリカード 「さすがは我が主、それでこそ仕えるに値する」 聞き覚えのあるその声に、ウォルターは弾かれたように振り向く。 見れば、邪悪な笑みのアーカードが歩いてきていた。 と、その後ろから続くタバサが詠唱をし、杖を振る。 ウィンディ・アイシクルの矢が二本、ルイズを捕えているガーゴイル二体を正確に貫いた。 機能を停止したガーゴイルの腕から逃れたルイズは、地面へと落下していく。 ウォルターは舌打ちをして、落ちるルイズを糸で確保しようとする。 しかしウォルターの糸がルイズ触れることはなかった。 アーカードが放ったジャッカルの弾丸を、止めなければならなかったからである。 瞬間的に糸を編み込み、盾を形成する必要があった為に、ルイズを確保する事は不可能であった。 ルイズはタバサのかけたレビテーションで、無事地面へと降り立つ。 (あーーー、時間掛け過ぎたなぁ・・・・・・) 最初はアーカードがいなかった事を考えると・・・・・・。 途中までは足止めをしていたが、何かしらの理由でタバサは心変わりをしたという事だろうか。 まぁそんなことは最早どうでもいい。考えるだけ無駄というもの。 ――――――こうなれば力尽くで奪うだけだ。 ウォルターの額に刻まれたルーンが一層輝く。 神の頭脳『ミョズニトニルン』。知恵のかたまり神の本。 あらゆる知識を溜め込みて、あらゆる魔道具を自在に使いこなす。 「貴様が来ていたとは、ウォルター。ふむ・・・・・・少し浅慮だったな、全く危ないところだった」 さすがにウォルターを相手にしては、ルイズ一人では持て余す。 大丈夫だろうと高を括っていたのは、何気にヤバかったと言わざるを得ない。 「ルイズを人質に、私に零号を開放させるつもりだったか?」 「いや、違うよ。多少の打算も無かったとは言わないけど・・・・・・、主人の命令でさ。 訳あって虚無の担い手を集めてるんだ。既に一人確保している。ルイズも頂いていくよ」 そう言うとウォルターはニッと笑う。 糸を天高く伸ばし、グッと握ると・・・・・・そのまま引っ張られ、空へと上昇していく。 ウォルターの姿を追うように、アーカードは夜空を見上げた。 双月を食い潰すかのように、"巨大なシルエット"が浮かび上がる。 そしてその周囲には、10メイルほどはありそうな空飛ぶ人形が四体。 羽を広げた姿は、左右で30メイルはあろうかというガーゴイルが四体。 しかしそんなものよりも、四体のガーゴイルがそれぞれ吊るし上げている"それ"を凝視する。 適当な高度で"それ"は投下され、その巨大さとは裏腹に、恐ろしく静かに地面に降り立った。 軽い衝撃と、土埃を少しだけ散らし、緩慢に立ち上がる。 落ちていた己の杖を拾って合流したルイズは、呆然と"それ"を見つめ、そして畏怖した。 誰よりもそういった物に見慣れているタバサも、かつて火竜と相対した時のように恐怖する。 大抵の事に動じないアーカードですら、驚きの色を隠せなかった。 そこに在るのは、堅固な鎧を纏った騎士風の巨大な人型。 10メイルの巨大ガーゴイルすらも小さく見える、さらに巨大な怪物。 「・・・・・・さてと、それじゃ闘ろうか」 "それ"の肩に乗ったウォルターは、さながら「遊びましょう」といった感じの口調。 アーカードはすぐさまジャッカルを構えると、弾丸を全弾撃ち込んだ。 しかし鎧が薄っすらと光るのが確認出来たところで、弾丸は全て虚しく弾かれる。 間髪入れずタバサがジャベリンを叩き込むも、粉々に砕け散った。 次いで砕けた氷の破片を縫うように、アーカードはバネ仕掛けの人形のように跳んでいた。 ジャッカルが効かないなら、生身で攻撃をぶち込むまで。 しかし渾身の拳を巨大な剣士人形の胴体に叩き込むも、逆にアーカードの拳が破壊された。 予想外の結果にアーカードは破壊された拳を見つめる。直後に糸の攻撃を視界に捉えた。 アーカードはそのままさらに蹴りを入れると、その反動で元の位置まで戻って回避する。 拳はおろか、蹴りでも剣士人形には傷一つついていない。 通常、アーカードの攻撃ならば、鉄鎧程度など簡単に破壊出来るにも拘らず。 「無駄だよ、この"ヨルムンガント"には先住の『カウンター』が掛かっている」 ウォルターは手にしたばかりの玩具を自慢するように、わざわざ解説をする。 ヨルムンガントと呼ばれた巨大な剣士人形は、非常に滑らか且つ緩やかに。 正に人間の様な動きで、大剣を抜く。 「ルイズ!!エクスプロージョンだ!!!」 アーカードの背中のデルフリンガーが突然叫んだ。 ルイズはその言葉に即座に反応して、エクスプロージョンを唱え始める。 その様子を見て取ると、ウォルターもマズいと感じたのか、ルイズを糸で襲った。 しかし襲い掛かる糸の全てを、アーカードは強引に掴んで止める。 「・・・・・・そりゃそうだよねえ」 ウォルターは呟く。主人に対する攻撃を止めないわけがない。 アーカードは掴んだ糸を引っ張り、ウォルターを引き落とそうとする。 しかし糸の鋭さはそれを許さなかった。アーカードの手は無残に切り落とされる。 だがその間にエクスプロージョンの詠唱は完成し、ヨルムンガントへと放たれた。 尤もウォルターは焦らない、それも想定の範囲内。冷静に対処するのみ。 質量を無視するような、軽やかな動きでヨルムンガントはバク宙しながら飛び退る。 その光景は非現実的としか言いようがなく。 エクスプロージョンはあっさりと、虚空のみを爆発させた。 「なっ・・・・・・!?」 ルイズの口から驚愕の声が漏れた。 まさか避けられるなんて思っていなかった。 アーカードは、ウォルターに切断された手を再生しながら思う。 回避行動を取ったことから、虚無魔法は通用する可能性が有るだろうことはわかった。 しかし、ルイズが使える虚無で唯一の攻撃魔法であるエクスプロージョンが・・・・・・当たらない。 その恐るべきスピードを目の当たりにして、アーカードだけでなく全員に焦燥が生まれる。 「ふぅ・・・・・・いつの間に人形使いに転職したのだ?」 再生を終えたアーカードは焦りを見せないよう、世間話をするかのようにウォルターに問う。 「いやあ、『ミョズニトニルン』のルーンのおかげだよ。魔道具を好きなだけ操れる、便利なものさ」 なんともまぁ厄介なルーンを手に入れたものだと思っていると、デルフリンガーが囁くように耳打ちする。 「まずいぜ、相棒。エクスプロージョンすら避けられるんじゃあ、どうしようもねえ。 『カウンター』ってのは、あらゆる攻撃を跳ね返すエルフの先住魔法だ。それに加えてあの動き・・・・・・」 デルフリンガーのその説明にアーカードが策を考えようとする。 しかし次の瞬間、ヨルムンガントが手に持った大剣を振りかぶった。 一瞬の間すら置かず、一気に振り下ろす。 アーカードは咄嗟に跳躍する。 狙いは自分に対してだったが、あんなものが己ごと地面に叩きつけられたら、その周囲も危険だ。 全身のバネでパワーを捻り出す凶悪な蹴りが、縦に襲う大剣を何とか横に逸らす。 軌道を逸らされた剣は大気を裂き、突風のように空気が渦巻く。 「ヒュ~♪」 ウォルターから思わず口笛が漏れる。 「流石だねぇ、アーカード。でも・・・・・・僕も操作するばかりじゃつまらないんでね」 ヨルムンガントの横薙ぎがアーカードを、ウォルターの糸がルイズへと襲い掛かる。 アーカードは大剣を蹴り上げ、タバサがフライでルイズと共に躱して何とか事なきを得た。 しかし・・・・・・このままでは間違いなくジリ貧だった。 アーカードは思索を巡らせる。 拘束制御術式321号を開放すれば、破壊出来るだろうか。 若しくは、魔道具と言えど所詮は無機物。英空母の時のようにヨルムンガントを乗っ取り操作するか。 いや、ウォルターが機動制御をしている以上、こちらの支配下に置くことは出来ないかも知れない。 そもそも開放する間の多少なりと出来る隙を、ウォルターが見逃すわけがない。 今はこちらが完全に待ちに徹し、即座に対応出来る状態だから辛うじて保っているだけ。 故にタバサも、無理にルイズを連れて逃げるような真似はしない。 わかっているからだ。そんな事をすれば、矛先が完全にルイズへと向くことに。 ウォルターがヨルムンガントという圧倒的戦力を保有し、且つ対峙しているからこその拮抗状態。 優位を楽しんでいるのだ。絶対的な立場にいるからこそ、焦らない。 もしルイズが逃走の素振りを見せれば、捕獲を優先するだろう。 強引に来られたら、どんな危害が及ぶかわからない。最悪死ぬ可能性すらある。 タバサは滲み出る汗を拭くこともせず、ひたすら集中していた。 既にアイス・ストームにジャベリンを二発。 ウィンディ・アイシクルに、自分の怪我を治した治癒魔法。 加えてフライで精神力をかなり消費している。 ルイズを抱えた上で、さらなるフライで逃げ切るのは不可能に近い。 故に今は来た攻撃にのみ対応して、退避するのが正しい選択。 しかし現状打破が見込めない以上は・・・・・・。 既に周囲は大変な騒ぎになっていた。 野次馬も集まり始め、距離を取っているものの、学院と生徒にいつ被害が及ぶかわからない。 (援軍は・・・・・・期待しても仕方ないな) 吸血鬼となったアニエスでもいれば色々と変わってくるが、ここは学院。 ジャッカルの弾を、タバサの氷槍を、拳も蹴りも全く効かないのだ。 ウォルターとヨルムンガントの前では、有象無象が何人いようと戦力にならない。 キュルケやコルベールですら、戦力としては心許ない。 その時、聞き慣れぬ詠唱が聞こえた。タバサではなく、ルイズの声。 それはエクスプロージョンでもイリュージョンでもない、第三の魔法。 ルイズはエクスプロージョンが通用しないとわかると、次の手を考えていた。 手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。追い詰められた今の状況を打破する一手。 今の自分に出来ること、必要に迫られた時、己のするべきこと――――――。 「あっ・・・・・・始祖の祈祷書」 ウォルターがルイズが手に持っている物を確認し呟いた。 そうだった、ジョゼフに回収してくるように言われていた事を思い出す。 四つの指輪と四つの秘宝。水のルビーと始祖の祈祷書が、たった今目の前にある。 (まぁルイズごと攫えば、一緒に手に入れられるか。それよりも・・・・・・) 新たな魔法を唱えようとしているということ。 何が出てくるかわからない以上、迂闊に喰らうわけにはいかない。 先住を扱うエルフが恐れる、悪魔の力、『虚無』。 如何に『反射』をかけたヨルムンガントと言えど、どうなるかは未知数。 虚無呪文はたとえ詠唱途中でも、不十分ながら効果が発動することは知っている。 ウォルターはヨルムンガントを操り、いつでも回避できる体勢を取った。 「くっ・・・・・・」 詠唱を完成させたルイズだが、また避けられるのではと、魔法を放つのを一旦止める。 アーカードはどんな状況にも対応し動けるように、感覚を研ぎ澄ませる。 タバサはルイズを守る事だけに専念する。フライでいつでも回避出来るようにと。 『解除』、ディスペル・マジック。 あらゆる魔法効果を打ち消す、虚無魔法。 これでカウンターを解除出来れば、アーカードの攻撃も通用する筈。 ルイズは静かに機を待つ。 そこに在るのは『勝つ為の行動』という計算世界のみ。 痺れを切らしたウォルターとヨルムンガントが動き出す、その出掛かりを潰す。 緊張が走り、全員が張り詰めているその時。 デルフリンガーが何かを思い出したようにルイズに向かって叫んだ。 「俺に『解除』をかけろ!」 ルイズは一瞬眉を顰めるものの、すぐにディスペルをデルフリンガーへとかける。 アーカードもすぐに反応し、デルフリンガーを抜いていた。 ウォルターは動かない。『誰が叫んだのか』を認識出来なかったので動くに動けなかった。 ディスペルをかけられたデルフリンガーの、刀身が鈍く光り始める。 「相棒、これなら『カウンター』を切り裂いて攻撃が通る。だがあの鎧はかなり分厚い。 多分ってか間違いなく、相棒のパワーで叩きつけられたら俺が折れる。だから――――――」 「みなまで言わずとも・・・・・・」 デルフリンガーの意図を察し、アーカードは深く腰を落として構えを取る。 そしてウォルターとヨルムンガントが動く前に、『縮地』により一瞬にして距離を詰めた。 「島原抜刀流・・・・・・鍾馗」 間合いに入った刹那には、既に攻撃は終わっていた。 アーカードの中にある命の一人、高木由美江。その技を借り受ける。 一瞬にしてヨルムンガントの腕は斬り落とされ、握っていた大剣と共に地面へと落ちる。 「なッ!?」 ウォルターは狼狽する。カウンターが掛かっている筈なのに・・・・・・。 あんな長剣一本で、鎧に覆われた腕を造作もなく斬って落とすなんて。 ヨルムンガントを綺麗に切り裂く以上、大振りになるだろう、長剣ならば尚のこと。 にも拘らず軌跡がまるで見えなかった。恐ろしいほどまでの抜き打ちの速度だった。 「島原抜刀流・・・・・・秋水」 ウォルターの糸を掻い潜り、アーカードはさらに斬撃を重ねる。 時にヨルムンガントの巨体を踏み台に、縦横無尽に動き回り、残った四肢を切断する。 足を失ったヨルムンガントは崩れ落ち、ウォルターも地に降り立つしかなかった。 「クソッ・・・・・・何故だ・・・・・・」 ウォルターは毒づくしかない。 先程までは戦闘の流れを支配していた、相手をコントロールする側に立っていた。 しかし、ルイズの虚無を起点に一気に逆転されてしまった。 「ルイズの魔法のおかげでな、今この剣はカウンターとやらをも切り裂く」 「なん・・・だと・・・?」 つまりはアーカードの持つ長剣に限って、カウンターは無効化されるわけだ。 しかしそれでも疑問が残る。あんな剣如きで、鋼鉄の鎧を突破するなど・・・・・・。 「バラバラにされたのが不思議か?なれば残骸をよく見てみるといい」 そう言われ、ウォルターはヨルムンガントを横目に見る。 「・・・・・・介者剣法。目、喉、脇、右胴合わせ、篭手裏、右帯部、草摺下、腿裏、脛、足先。 まぁこれは日本の甲冑の場合だが・・・・・・基本は同じ。要は関節の隙間を狙うだけ。造作もない」 なるほど、言われてみれば確かに関節から綺麗に分断され、バラバラにされていた。 チェック 「王手だ、ウォルター。闘うか逃げるか位は選ばせてやろう。まっ、逃げても殺すがな」 「はぁ・・・・・・まさか、ヨルムンガントが破壊されるとはねぇ」 ウォルターが発した声色には、焦燥も狼狽も窺えない。 切り札でもあるのか、それとも諦観か。 「闘争か、逃走か・・・・・・」 ウォルターがふっと笑ってかぶりを振ると、その額が輝いた。 「両方かな」 その言葉と同時に、上空にいた三体の巨大ガーゴイルが、アーカード目掛けて襲い掛かる。 「無駄な足掻きを・・・・・・」 どれだけ大きかろうが、ただのガーゴイルならば障害にすらならない。 仮にカウンターが掛かっていたとしても、ディスペルの付加効果はまだ続いている。 アーカードはあっという間に三体の巨大ガーゴイルを斬り下ろした。 「ほんの少しで良かったんだ。そう・・ほんの少しの時間だけ・・・僕が自由になれば・・・・・・」 ウォルターがブツブツと呟くように喋り出す。 「おかげで、準備は整った」 いつの間にかウォルターは、ヨルムンガントの残骸の上に立っていた。 「我ながら名案だ、ちょっときついけどね」 ウォルターの手からは無数の糸が伸びていた。 その一本一本がヨルムンガントの残骸に複雑に絡み付いている。 「・・・・・・相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している」 ウォルターはそう告げると、同時にあやとりをするかの如く手を素早く動かす。 そのままさらに、大きく後ろへ退きながらウォルターは思い切り糸を引っ張った。 するとバラバラになっていた筈の、ヨルムンガントの四肢が繋がり立ち上がる。 アーカードが気付いた時には遅かった。 動かなくなったヨルムンガントは、ウォルターの糸によって無理やりマリオネットにされていた。 ウォルターが体ごと豪快に腕を振ると、それに合わせてヨルムンガントは両手を振り上げる。 そのままアーカード目掛けて両拳を叩き落とし、土埃が辺りを包み込む。 (チッ・・・・・・視界が・・・・・・!?) なんとか躱したものの、さらにヨルムンガントはその場で荒れ狂う。 25メイルに及ぶその巨体は、ただ暴走させるだけで充分だった。 視界の確保出来ないままアーカードは殴り飛ばされ、壁に叩きつけられる。 ――――――そして全てが終わっていた。 四体の内残った一体の巨大ガーゴイルの手にはルイズが掴まれ、その背にはウォルターがいた。 「あー・・・・・・しんど」 その言葉の後、ヨルムンガントは文字通り、糸の切れたマリオネットの様に崩れ落ちる。 ルークや黒犬獣を操った時とは訳が違う。 風石のおかげで軽やかに移動するヨルムンガントとは言え、その重量は相当なもの。 ちょっと動かすだけでも、正直指が千切れそうだった。 だが結果的に上手くいった。ちょっと血が出ているけれど、指も無事。 ヨルムンガントはこのまま破棄するしかないが・・・・・・仕方ない。 所詮は一度壊れた玩具。データも十分に取れた。 それに製造ラインは出来ているから、一体オシャカにしたところでさほど気にすることはない。 始祖の祈祷書と水のルビーも確保したし、及第点だ。 と、気付けばルイズをその軌道上から避けるように、無数の氷の矢が空中に浮いていた。 氷の矢が放たれるよりも一瞬早く、ウォルターは事も無げに糸を振る。 それだけでタバサの放ったウィンディ・アイシクルを全て切断した。 これ以上攻撃されても面倒なので、ガーゴイルはグングンと高度を上げていく。 次いでアーカードが矢の様に飛んで来るのが見えた。 しかし呆気無くウォルターの糸に掴まって、細切れにされる。 ウォルターの糸は、中~遠距離で特に力を発揮する。 近距離も不得意ではないし、使いこなすのは難しい反面、相当に強力な武器である。 ほぼ真っ直ぐ突っ込んで来る飛行体を切断するのは、さほど難しいことではなかった。 多少のフェイントを入れられたところで、何も問題はない。 「アーカード!!」 切断された従僕の姿に、ガーゴイルの手から必死に逃れようと暴れていたルイズが思わず叫ぶ。 「ルイズに手を出せば・・・・・・後悔させてやる」 地に墜ちながらアーカードは、首だけで声を発してウォルターに警告する。 「怖いなぁ・・・・・・、僕は手を出さないし善処はするけどさ。果たしてジョゼフがどうするか・・・・・・。 まっ今回は僕の勝ちってことで、潔く認めて欲しいな。・・・・・・アーハンブラ城で、待ってるよ」 零号を開放させる為に、ガリア領のはずれにあるアーハンブラ城は最適だった。 なにせアーカードが零号開放しても、ガリア国内への影響は薄い。 思う存分戦える数少ない場所であった。 ガーゴイルはさらに高度を上げていき、最早追いつくことは適わない。 「糞餓鬼が・・・・・・」 アーカードは吐き捨てる。・・・・・・確かに、今回は負けだ。 一本取られたとかじゃない。ルイズが攫われた以上、完全な敗北。 地に激突する頃には、既に再生が終わっていた。 地面を粉砕しながら着地すると、タバサが走って来るのが見える。 「気にするな」 タバサが口を開こうとするのを見て、先に制した。 何を言いたいのかは・・・・・・大体わかる。 「・・・・・・それでも、私の所為」 「私が迂闊だっただけだ。いや・・・・・・ウォルターが一枚も二枚も上手だった」 ヨルムンガントという強力な駒を、トリステインまで運び、周到な準備で以て襲った。 最初にとっとと攫わなかったのは疑問だが、とにかく戦闘になっても実に厄介極まりなかった。 (アーハンブラ城か・・・・・・) 必ず助け出す・・・・・・何を置いても必ず――――――。 それが、拘束制御術式零号開放をする事になろうとも――――――。 前ページ次ページゼロのロリカード
https://w.atwiki.jp/lets-sl/pages/110.html
その他の武器[37/37] 名前 英名 種類 説明 売却価格 ハープ Harp 撥弦楽器 本来ハープは47弦の巨大な楽器、反してこちらは小型であり正確にはリラ、ライラなどと呼称されるものを指す リュート Lute 撥弦楽器 ハープと同じく弦と胴体を共鳴させ音を出す仕組み、指板を使用したことで少ない弦でも多くの音階を表現可能になった ホーン Horn 管楽器 角笛を意味しドイツ語ではホルン、空気そのものが振動する仕組みで、機械的な機構を持たない原始的な管楽器である フルート Flute 管楽器 円筒状の木材でホーンと同じ仕組みだが、一意に穿った複数の穴を持ち、任意の穴を指でふさぐことで音階をカバーできる スペルブック Spell Book 魔法書 魔法に関する基本的な知識が書き込まれた書物、力の言葉を書き留めたりと便利な手帳としても使用可能 『マイ・ストーリー』 "My Story" by Sherry the Mouse 魔法書 前半に『マイ・ストーリー』が記され、特殊な魔力の付加された魔法書、バレンタイン限定版 アーカーシャ年代記 Akashic Chronicles 魔法書 「宇宙の記憶」「マーキュリーの水」とも呼ばれる、すべての記録、記憶を有す上位オラクルに言及した書 失楽園 Paradise Lost 魔法書 高位魔神など、被造物が創造主に対して行ったとされる謀反、人が楽園を追われた原罪などを綴った書 神曲 La Divina Commedia 魔法書 地下世界(地獄)、地上世界(煉獄)、宇宙(天上)といわれる三大世界の解説を主とする書 サーマタジー Book of Thaumaturge, The 魔法書 魔法に関する知識が書き込まれた書物の一、サークル魔法ともいわれるサーマタジーに関する教義を主に扱う ホノリウス Honorius 魔法書 黒魔術に関する書で、主に儀式に関しての解説がなされている エプタメロン Heptameron 魔法書 精霊の召喚方法、隠された秘密の発見などを主とする書、占星術師によって著されたという エンキリディオン Enchiridion 魔法書 魔除けや祈祷書を集成した書 ソーサリー Book of Sorcery, The 魔法書 魔法に関する知識が書き込まれた書物の一、ソーサリーに関する教義を主に扱う ピスティス・ソフィア Pistis Sophia 魔法書 ピスティスは信仰を、ソフィアは智慧を意味する、聖なる女神とよばれるサキュバス、魔神ソフィアに言及した書 デ・マギア・ウェルテム Arbatel De Magia Veterum 魔法書 「入門書(アルバテル)」とも呼ばれ、グリモアといわれる一連の魔導書の一冊 アントロポソフィア・テオマジーカ [Anthroposophia Theomagica 魔法書 アントロポス(人間)、ソフィア(智慧)、テオ(神)、マジック(魔術)という名を関する人智の書 テンペスタリー Book of Tempestry, The 魔法書 魔法に関する知識が書き込まれた書物の一、テンペスタリーに関する教義を主に扱う アーマの書 Book of Armagh 魔法書 主に各地の伝説や魔術を集成した書、ラテン語で綴られている、アーマは地名 シビラの書 Sibylline Books 魔法書 キューメーの巫女シビラの預言を記した書、アポローンの神託ともいわれ、本文は暗号化されている ディザンの書 [Book of Dyzan 魔法書 世界最古の写本ともいわれ、センザール語という失われた言語で書かれている シーアルジー Book of Theology, The 魔法書 魔法に関する知識が書き込まれた書物の一、シーアルジーに関する教義を主に扱う オックルタ・フィロソフィア Occulta Philosophia 魔法書 アラビア語の魔術書「賢者の目的(ガーヤト・アルハキーム)」を元に編纂されたといわれる書 オェディプス・アェギュプティアクス Oedipus Aegyptiacus 魔法書 「エジプトのオイディプス」と題される、ヒエログリフ(象形文字)で綴られた難解な書 ルディクルム・キロマンティクム Ludicrum Chiromanticum Praetorii 魔法書 ルディクルムは遊び、キロマンシーは手相を意味する、個々の占術を集成した書 ネクロマンシー Book of Necromancy, The 魔法書 魔法に関する知識が書き込まれた書物の一、ネクロマンシーに関する教義を主に扱う エノク書 Book of Enoch 魔法書 魔神や魔術に言及する一連のエノク文献の一つ、エノク語といわれる言語で書かれている 死者の書 Book of the Dead 魔法書 高位のものから下位のものまで、四百六十万一千二百の魔神について言及されるデーモン文献 グラストンベリ文書 Glastonbury Scripts 魔法書 様々な伝説を内包するグラストンベリ修道院に秘匿されていた書、死者の霊力によって書かれたといわれる ヴァルプルギスナハト Walpurgisnacht/Songe d une nuit du Sabba 魔法書 「サバトの夜の夢」と呼ばれる貴重な闇魔法書、魔女の酒宴、葬儀など失われつつある神秘、教義を扱う ネイムレスカルト Nameless Cults 魔法書 失われた原典『言表せぬ書』の不完全翻訳書、「黒の書」「無名祭祀書」などと呼ばれ、失われた言語や神々を言及 魔女の鉄槌 Malleus Maleficarum 魔法書 魔法や魔除けについて定義、成文化した神学書の一冊、魔法使い迫害にも利用され悪名をはせる 悪魔の結婚 Belphegor 魔法書 愛と知恵を司る女神ともいわれたサキュバス、不信の魔神ベルフェゴールに言及した書 ヘルメスの経典 Hermetic Canon 魔法書 伝説の錬金術師トリスメギストゥスの残した秘儀書、ヘルメティカ、ヘルマイカとも呼ばれる 天路歴程 The Pilgrim s Progress 魔法書 アローカの門を抜け、光の国、天の都を目指した魔導師による旅の記録という体裁をとった書 光輝の書 Sepher ha Zohar 魔法書 広汎多様な資料と膨大な論文、推論を集成し、光属性魔法の解明を試みた書 変化の書 Books of Changes/I Ching 魔法書 「易経」とも呼ばれ「六十四卦卦爻辞」「十翼」の二編からなる書、森羅の万象を顕すという
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/803.html
4話 「ウッ!あいつハマサカ、『幻惑』ノ『セルバンテス』!!?」 ガーゴイルが大きく身体を仰け反らせる。 小型とはいえ、ガーゴイルは普通の人間では出せない力を持つはずだ。それをここまで怯えさせるとは一体何者なのか。 「迎えに来たよ。シャルロット君!!」 雲の上。ガーゴイルに運ばれる馬車を受け止めようとするかのように、男が立ちはだかる。 「ウワアッ!」 馬車を掴んだガーゴイルが、馬車の向きを変えようと慌てて身体を傾ける。 だが間に合わず、まさに衝突するという刹那、セルバンテスの姿が煙のように消えうせる。 「何ッ!?」 外を警戒するガーゴイルが瞬きをせぬうちに、キュルケとガーゴイルの間にバンテスは立っていた。 「シャルロット君……」 ゴーグルを指で持ち上げ、タバサに視線を向けるセルバンテス。頼もしくも力強い笑みがそこにあった。 「遅れて、スマなかったね。」 「……平気。」 タバサの頬にうっすらと朱が差す。それなりに付き合いの長いキュルケは気がつく。タバサが笑っているということに。 セルバンテスが指でキュルケに向けられていた爪を弾くと、ガーゴイルが砂細工のように崩れ落ちる。 「オノレッ…!」 慌てて両扉から外に飛び出ていたガーゴイルが戻ってくる。3人を両側から串刺しにせんと爪を呻らせる。 セルバンテスが雲の上に足を降ろすとほぼ同時に、馬車が大爆発を起こした。ほんのコンマ1秒前まで馬車の中にいたはずの セルバンテスが、タバサとキュルケを抱えて、いつの間にか100mも離れた雲の上に立っているではないか。 そっと腰をかがめて2人を雲の上におろし、セルバンテスがもう安心だというように頷く。 「もしかして……『四本杖』、幻惑のセルバンテス……?」 キュルケが目を瞬かせ、口を大きく開ける。間違いない。何度もゲルマニアのパーティで見た顔だ。 「フッフフ。私が来たからにはもう大丈夫だよ、シャルロット君。そしてキミは……たしかツェルプストー卿のご息女だったね。 たしか、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー君、だと記憶しているが?」 同じ会場にいたとはいえほとんど面識がないに等しい人間の口から自分のフルネームを一言一句違わずに聞かされてキュルケが 絶句する。 たしかにパーティ会場で自己紹介をしたことはあったはずだ。だが、それだけのことである。ほかに接点はない。 今までに会ったことのある人間の名前を全て記憶しているというのはどうやら事実らしい。キュルケは唾を飲み込む。 ドォォォォォォン!! 燃え盛りながら山の斜面を転がっていく馬車から、何かが飛び出してきた。 ガーゴイルだ。 火の玉になりながら、生き残ったガーゴイルが山の斜面を駆け上がってくる。 「サスガハ『四本杖』ト称サレル、幻惑ノセルバンテス!」 駆け上がりながら陣形を組むガーゴイル。炎によって、皮膚がボロボロと次々落ちていくではないか。 「ナラバ同時ニカカル!」 「相打チデモヨイ!セメテ北花壇ニ一矢報イルコトガデキレバソレデイイ!!」 「マッシュ!オルテガ!最後ノ切リ札ダ!」 3体が一直線に並び襲い掛かろうとしたその瞬間――― 「バカめ!」 セルバンテスが矢となって3体と交錯した。 ピシン、と空気が凍ったような音。一瞬の静寂の後、ガーゴイルの足元の地面が底なし沼のごとく身体を飲みこみ始めた。 「ウワアアアアアアアアアアア!」 「ヒヤアアアアアアア!」 断末魔をも飲み込みながら、ズブズブと土の中に埋まっていくガーゴイルたち。もがいても、もがいても、土は指に一切の抵抗を 与えず体を飲み込んでいく。 「フッフッフッ。それじゃあ行くよ、2人とも。こいつに……」 身にまとう純白のマントを、バサッと翻すセルバンテス。 マントの中の空間がぐにゃりと歪み、渦となって穴が開く。 開いた穴から、シルフィードなみの巨大な猛禽類が現れた。 「乗ってね!」 3人を乗せ、巨大な鷲鷹が大空へ舞い上がった。 呪文の詠唱が終わらぬうちに、耐え切れなくなったように杖が振り下ろされた。 日本刀の試斬りに使うような形にまとめられた藁束が四散五裂し、塵芥となって床にはらはらと散らばる。だが杖を振ったルイズも 同じく、地面に崩れ落ちるではないか。 バビル2世が駆け寄り、頭を打ちつける前に身体を支えた。 部屋に戻ってくるや否や、ルイズが「虚無の実験につきあって欲しい」といわれて協力していたバビル2世は一体なにごとかと慌て て介抱を行う。そのかいあってか、ほどなくルイズが蘇生する。 「大丈夫よ。ちょっと気絶しただけだから。」 ちょっとだろうがなんだろうが、気絶はただごとではない。問いただすと、ルイズはこの世界の魔法の仕組みを説明し始めた。 「なるほど。つまり魔法は精神力を使って唱え、使用回数はメイジとしての能力に比例するというわけか。」 説明を聞いてふむふむと納得するバビル2世。なにかに合点が行ったという顔に気づいたルイズが理由を問うと、 「以前、魔法の雷で攻撃されたときに、それを吸収できたんだが、その理由が今わかったんでね。」 バビル2世も、自分の超能力について説明を始める。同じように精神力を利用していること。ただし精神力の使い方は異なっている ようだということを。 「水に例えるならば、きみたちが毎朝配られる水桶だとすると、ぼくの場合は水を満々と湛えた深井戸だ。」 水桶であるため、1日に使える量が決まっている。だが、翌日になれば同じだけの量が自動的に配られている。 一方、深井戸は1日に使える量に決まりはなく、大量に水を消費することができる。しかし一気にくみ上げすぎると井戸は枯れ、 取り返しのつかないことになる。 「取り返しのつかないこと?」 ルイズがなんの気なしに聞く。あくま素直な疑問から出た言葉であった。が、途端にバビル2世の顔が曇った。 「……死ぬことになる。」 重く、苦しそうに呟く。 「ぼくは以前、超能力を使いすぎた結果、ヨミが10秒足らずの間に老いて100歳近い白髪の老人となったのを見たことがある。 ぼくとヨミはおなじ遺伝子を持った人間だ。おそらく、ぼくも超能力を使いすぎれば、あのときのヨミのようになるんだろう。」 「で、でもっ!」 ルイズがなんとか空気を換えようと口を開く。 「使ってなければ精神力が回復したり、溜まっていくんじゃないの?」 わたしたちメイジがそうだもの…と言いかけてルイズがハッとする。 「そうよ、溜まってたんだわ!わたしも!だからあんなに大きな光を出すことができたんだわ!」 「どういうことだい?」 「えっと、錬金があるのにこの世界でインフレが起こらない理由よ。黄金を錬金するような魔法を使うには、スクウェアクラスでも かなりの精神力を必要とするの。だから1週間に一度とか、1ヶ月に一度とかしかしか錬金を使えない。しかも、それで作ったとしても ほんのちょっとの金しか得ることができないのよ。」 「なるほど。強力な呪文を使うには、精神力を溜めないといけないってわけか。」 「そう。とすると、わたしが次に最後まで詠唱できるのがいつになるか、ぜんぜんわからないってわけ。」 「ふむ。」 黙りこくって考えるバビル2世。つまり、ルイズは未知ゆえに味方としてもどう扱えばいいのかまったくわからない代物ということだ。 こちらの計算が立たないということは実にやりにくいもの。ぶっちゃけた話、どの程度の効果があるかわかっているぶん、ギーシュの ほうが役に立つだろう。 「あの本に書いてあるんじゃないのかい、そういうことが。」 あの本…つまり始祖の祈祷書だ。 「そういえば思い出した。孔明が、王室に言えば始祖の祈祷書をもらえる、って言うのよ。どうしよう……。」 「どうしよう……っていわれても。話が見えないんだが。」 「わたしもよくわかんないのよ。魚釣りとかきこりとか北島三郎とか……。でもなぜか納得してるのよね……。」 ますます混乱に拍車がかかる説明。しかしバビル2世一切動じず、 「……孔明がいうならなにかの策があるんだろう。アンリエッタ女王様に聞いてみたらどうなんだい?」 「聞けないわよ!じょ、女王よ!女王になられたのよ!いくらなんでも気軽に聞けるわけないわよ!」 なにをいきなり言い出すのだとあきれ果てるルイズ。やはり異世界人なのだと、妙なところで感心してしまう。 「いや、ぼくが言いたいのは……」 女王となる今だからこそなんでも話せる友達が傍にいてほしいのではないか。だから、ルイズはアンリエッタの元へ理由をつけて でも、むしろ行くべきじゃないだろうか。そう思ったが、あえて口には出さなかった。 ルイズには同情ではなく、純粋に友達としてアンリエッタの元を訪れて欲しかったからだ。 「怖い目にあわせてしまったかな?」 タバサが小さく首を横に振る。 「平気。」 「ほう!これは強い子に育ったものだ。おじさんは嬉しいぞ!」 ハッハッハッと朗らかに笑うセルバンテス。タバサは珍しく本を閉じている。目が潤んで、わずかに吐息が甘い。 ここは未だに空の上。ラグドリアン湖が眼下に広がるそのさまは、まさに天にいるのだと実感させられる。 「安心したまえ。母上はお元気だ。ステンガーもよくしているよ。私がいる限り、ジョゼフに手出しはさせないさ。」 安心したように微笑むタバサ。セルバンテスの袖を握り締め、じっと顔を見上げている。 「それに、子供のいない私は君が大好きなんだ……。だからまたいつか家に戻り、母上たちと一緒に楽しく暮らそうじゃないか……」 「うぉい!」 たまりかねてついにキュルケが大声を上げた。 「さっきから、どー見ても犯罪よ、タバサ!」 たしかに。近くにおまわりさんがいればあっという間にセルバンテスは檻の中だろう。 「犯罪じゃない。」 タバサがいつになく強い口調で抗議する。目が真剣で怖い。 「子供好きなおじさんと、知り合いの子供。おかしくない。」 「変よ、充分!」 キリッと顔をセルバンテスに向け、睨みつけるキュルケ。 「失礼しますが、本当に「四本杖」、幻惑のセルバンテスさまでいらっしゃいますか?」 幻惑のセルバンテス。本名をセルバンテス・ジーガ・サランガ・チン・シェル・ド・スバラといい、ガリアの名門貴族の当主である 突然の父の急死により、16歳で家を継いだ彼は名ばかりとなり傾いていたスバラ家の建て直しに奔走するはめとなる。 建て直しに当たって、まずセルバンテスが始めたのは貴族相手の金融業であった。 貴族は表向きは優雅な生活をしているが、その多くは見栄や名誉あるいは事業の失敗で窮々としている。貴族出身であったため そのことをよく知っていたセルバンテスは、「自分も貴族である」という武器を手に低金利で金を貸し始める。商人からの借り入れに ぜえぜえと言っていた国中の貴族はこれに飛びつき、あっというまにガリアでセルバンテスから金を借りていないメイジはいない、 とさえいわれるほどになった。 当然反動は来る。顧客を奪われた商人たちが、ときの王に訴えたのである。 だが、恐るべきはセルバンテス。すでに根回しを完了しており商人たちがセルバンテス追い落としに夢中になっている隙に、彼ら の店を乗っ取ってしまったのである。 さらに事業は拡大し、国境を越えて展開していくセルバンテス。融資対象はメイジのみならず、商人や発明家など有益な情報を もたらす平民にまで及ぶようになり、現在はガリアのみならず各国に強い影響力を持つようになったのであった。 中でも、ロマリア、ゲルマニア、アルビオンへは各国政府へ寄付という形で融資をおこなっており、その見返りとしてシュヴァリエと はいえ爵位を授与されたのである。 前代未聞、ガリア、ロマリア、ゲルマニア、アルビオンの4つの国で爵位を有した彼を4本の杖が集まったことに由来し、誰ともなく 『レクァトゥルケィン』、すなわち四本杖と呼ぶようになったのであった。 「すまないね。久しぶりにシャルロット君に会えたおかげですこしはしゃぎすぎたようだ。」 グッと襟元を引き締めるセルバンテス。その顔は自信に満ち溢れ、ダンディズムが漂っている。おもわずキュルケがグッときてしまう。 さきほど、タバサに 「せっかく帰るんだからもうすこしはしゃぎなさいよ」 と言ったことをキュルケが思い出す。タバサもはしゃいでいたのだろうか。はしゃぐならもうちょっと普通の子らしくはしゃいでもらいたい。 「……ラグドリアン湖」 キュルケに邪魔されてそっぽを向いていたタバサが湖の異変に気づく。上空から見るとなるほど、たしかに水位が上がって湖が 拡大しているではないか。 「そうなんだ。最近、急に水位が上がりだしてねぇ。おそらくだが、シャルロット君が呼び出されたのはその件についてじゃないかと 思うんだ。さ、2人とも、よく捕まっていなさい。」 フフ、と顎を撫でながらいうセルバンテス。猛禽を操作し、一気に急降下を始める。 「ところでタバサの実家はまだ先?この辺りってたしか…」 「あれ」 ガリア王家の直轄地だったわよね、と聞こうとするキュルケにたいして、タバサが湖の傍に立つ大きな建物を指した。 「あれって……じゃあ、タバサ。あなたの実家って…?」 鳥は大きな×印を加えられた、交差した2本の杖を意匠にした紋章を持つ門をかすめて、屋敷へと向かって行った。
https://w.atwiki.jp/fire_wiki/pages/73.html
Last up date 2010-01-28 20 23 26 (Thu) 祈祷 任務内容 あなたは政策をゆっくりと押し広げ、民も徐々にあなたを君主として認めているようだ。 ここで不要な天災が発生すれば、天地を敬う民は天からの警告だと感じて、あなたの威信はすっかりなくなってしまうだろう。 官邸で天祭の儀式を催せば、あなたの城から災害は遠ざかり、更に天からの福を授かることができるかもしれない。 ▲ 任務指南 「城内」の官邸から「民政」を選び「祈祷」を実行する。 「民政」を再び実行するには15分経過しなければならない。 ▲ 任務目標 祈祷を実施する ▲ 任務報酬 銭1000、兵糧1000。 ▲ 関連任務 +任務>発展>順応民心 任務>発展>順応民心 +データの編集について @wikiのプラグインはソート対応ではないためデータとデータの間に新規のデータを入れる場合、現状では直接編集しか出来ません。 お手数ですがデータの直接編集をされる方はコチラより編集してください。 直接編集の方法がわかりにくい方はそのままデータを追加していくかコメントにデータを残してくださると助かります。 任務 任務目標 報酬 備考 編集 兵糧 木材 石材 鉄材 声望 銭 その他 編集 救民 救民を実施 1000 編集 祝祭 祝祭を実施 1000 編集 祈祷 祈祷を実施 1000 1000 編集 流入 流入を実施 1000 編集 ▲ 名前
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/710.html
トレーディングカードゲーム「Magic the Gathering(マジック・ザ・ギャザリング)」のウルザを召喚 一章「ワールド・シフト」 マジシャン ザ ルイズ 一話「ワールド・シフト」 マジシャン ザ ルイズ 二話「分析+葛藤」 マジシャン ザ ルイズ 三話「錬金術の教示」 マジシャン ザ ルイズ 四話「狂熱の伝染」 マジシャン ザ ルイズ 五話「灰毛の誓い」 マジシャン ザ ルイズ 六話「ハルケギニアの意志ある武具デルフリンガー」 マジシャン ザ ルイズ 七話「破壊」 マジシャン ザ ルイズ 八話「虚無の目覚め」 マジシャン ザ ルイズ 九話「無謀なる特攻」 マジシャン ザ ルイズ 十話「土くれのゴーレム」 マジシャン ザ ルイズ 十一話「力の解放」 マジシャン ザ ルイズ 十二話「上天の月光」 二章「ルイズ ザ サーガ」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (1)「堅牢なる監獄チェルノボーグ」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (2)「ウルザの怒り」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (3)「水のルビー」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (4)「霊的直感」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (5)「海無き港町ラ・ロシェール」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (6) 「行き過ぎた模擬戦」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (7)「天才の霊感」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (8)「空賊船」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (9)「罪の自覚」 マジシャン ザ ルイズ 2章 (10)「超肉弾戦」 三章「ブロージット」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (1)「死者再生」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (2)「心の傷」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (3)「始祖の祈祷書」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (4)「聖なる教示」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (5)「あなたもわたしも」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (6)「決死の一撃」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (7)「王の遺言」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (8)「轟くときの声」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (9)「イゼット・エンジン」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (10)「滅び」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (11)「帰還」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (12)「復讐の連鎖」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (13)「術師の幻視」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (14)「飛翔艦ウェザーライトⅡ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (15)「速やかなる反撃」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (16)「空中戦闘」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (17)「船酔い」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (18)「操舵」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (19)「白炎の紅蓮傭兵魔術師メンヌヴィル」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (20)「プレインズウォーカーの狂気」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (21)「爆発」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (22)「ウルザの時計」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (23)「トリステインのアカデミー」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (24)「女王の召集」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (25)「正気か否か」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (26)「ゲット・ア・チャンス」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (27)「円卓」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (28)「モット伯爵の好意」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (29)「トリステインの女王アンリエッタ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (30)「凍える月」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (31)「病蝕」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (32)「名誉の道行き」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (33)「隠れたる死霊」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (34)「ガリアの地下牢」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (35)「風破」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (36)「転機」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (37)「ガリアの女王イザベラ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (38)「女王の粛正」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (39)「病魔の進行」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (40)「悲哀の歌」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (41)「摩耗したパワーストーン」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (42)「ザルファーの青」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (43)「激突の報奨」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (44)「壮麗な宮殿」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (45)「口論」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (46)「破滅的な過ち」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (47)「マナ接続」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (48)「戦いの火」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (49)「意志力」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (50)「炎首のハイドラ」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (51)「冥界の門」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (52)「ウルザの意思」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (53)「ウルザの砲台」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (54)「虚空の大穴」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (55)「英雄的な行為」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (56)「運命の交差」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (57)「シュペー卿の剣」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (58)「うつろう虚無魔導師」 マジシャン ザ ルイズ 3章 (59)「炎蛇の教示者」 説明 ファイレクシアの闘技場で首切られた直後のウルザをサモン。 お話の背景にあるのはMagic the Gatheringのエキスパンション。 「アンティキティー」「ウェザーライト」 「テンペスト・ブロック」 「ウルザ・ブロック」 「マスクス・ブロック」 「インベイジョン・ブロック」 「時のらせん・ブロック」 基本的に次元の混乱だと思ってくらさい。 外見は http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Exodus name=Mind_Over_Matter ver=1 http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Planeshift name=Urza s_Guilt ver=1 http //ww2.wizards.com/gatherer/CardDetails.aspx??set=Apocalypse name=Death_Grasp ver=1 Magic the Gathering関係用語の解説
https://w.atwiki.jp/savagetide5th/pages/86.html
Acolyte 君は特定の神や神々のパンテオンに捧げられた寺院に奉仕する事に人生を捧げている。君は聖なる世界と定命の者の世界の間の架け橋としての役割を果たし、信者たちに神聖な存在を導き入れるために神聖な儀式を行ない、供物を捧げる。君はクレリックである必要はない―神聖な儀式を執り行う事は、信仰パワーを操ることと同じではない。 1柱の神、1つの神々のパンテオン、あるいはそれ以外の何らかの擬似神性を選び、DMと共同して君の宗教的奉仕の性質の詳細を作り上げること。「附録B」にはフォーゴトン・レルム設定におけるパンテオンの例が記載されている。君は幼少時代から神聖な儀式を行なう神官たちを手助けして身を起してきた、寺院の下級職員だったのか? 神格によって突如として別の方法での奉仕を行なうよう召命を受けた高位神官だったのか? もしかすると、君は任意の確立された寺院の組織の外に位置する小さなカルト教団や、今では君も否定しているフィーンドの主人に仕えるオカルト集団の指導者だったのかもしれない。 技能の習熟:〈看破〉、〈宗教〉 言語:君が選んだもの2つ 装備:聖印(君がその神職階級に入ったときに贈られたもの)、祈祷書かマニ車、香木5本、祭服、普通の衣服1着、15gp入りのベルト・ポーチ 特徴:信仰の避難所 侍者である君は、君と同じ信仰を持つ者たちの尊敬を集めており、君は自らの神格の宗教的儀式を執行することができる。君と君の冒険者仲間たちは寺院、社、あるいはその他の宗教的な拠点において無料で治癒や介護を受けることができるだろうが、呪文に必要とされる物質要素については自分で提供しなければならない。君と宗教を共有する者は、質素な生き方の中で君を(君だけを)支援してくれるだろう。 また君は君が選んだ神格やパンテオンに献身する特定の寺院への繋がりをも持つかもしれず、そこに住居を持つ。これは君が仕えていた寺院であるかもしれないし、そこと良い関係を保っているなら、あるいは君が新しい故郷に見出した寺院であるかもしれない。君の寺院の近くにいる間、君は君が求める支援が危険なものでなく、君が寺院との間で良好な関係を保っているなら、神官たちに支援を求めることができる。 推奨される特性 侍者は寺院や他の宗教的共同体における経験で形成されている。彼らの宗教の歴史と教義への彼らの学習と、寺院、社、あるいはヒエラルキーとの関係性は彼らの習慣と尊ぶものに影響を与える。彼らの弱味は何らかの秘密の偽善や異端思想であるかもしれないし、あるいは尊ぶものや関わり深いものは極端なものとなるかもしれない。 d8 人格的特徴 1 私は我が信仰の特定の英雄を偶像化し、いつでもその人物の行ないと実例に言及する。 2 私は最も狂暴な敵との間にすら共通点を見出すことができ、彼らに共感して、いつでも平和に向けて働きかける。 3 私はあらゆる出来事と行動に予兆を見て取る。神々は我々に語りかけようとしており、我々はそれを聞く必要がある。 4 何事であれ、楽観的な私の考えをぐらつかせることはない。 5 私はほとんどどんな状況でも聖なる文書と格言を引き合いに出す(あるいは間違った引用をする)。 6 私は他の信仰に寛容であり(あるいは不寛容であり)、他の神々への礼拝を尊重する(あるいは糾弾する)。 7 私は寺院のエリートの中で素晴らしい食事、飲み物、上流社会を楽しんできた。苦しい生活には苛々させられる。 8 私は余りに長いこと寺院で過ごしてきたため、外の世界の人との交際の実際経験をほとんど積んでいない。 d6 尊ぶもの 1 伝統:古くからの信仰と捧げ物の伝統は維持され、支持されなければならない。(秩序) 2 慈善:どれだけ個人的なコストがかかろうとも、私は常に困っている人々を助けようとする。(善) 3 変化:我々は、神々が常に世界にもたらしている変化について、それをもたらすのを手伝わなければならない。(混沌) 4 権力:いつの日か、私は自らの信仰の宗教における階級のトップへ登り詰めることを望んでいる。(秩序) 5 信仰:神が私の行動を導くと信じている。まじめに務めれば何事もうまく行くという信念を持っている。(秩序) 6 熱望:神の教えと自らの行動を引き比べることで、自分自身が彼あるいは彼女の寵愛を受けるに値する事を証明しようとする。(すべて) d6 関わり深いもの 1 遥か昔に失われた自らの信仰の古代の聖遺物を取り戻すことに命をかけている。 2 いつの日か、私に異端者の烙印を押した、堕落した寺院の階級組織に復讐するであろう。 3 両親が死んだ時に私を引き取ってくれた神官に借りを感じている。 4 私の行動は全て無辜の人々のためになされる。 5 仕えた寺院を守護するためなら何でもするつもりである。 6 敵が異端的と見なして破壊しようとするような聖なる文書を保存しようとする。 d6 弱味 1 他人を厳しく批判し、自分自身をそれ以上に批判する。 2 寺院の階級内で権力を振るう人物に信頼を置き過ぎる。 3 信仰心ゆえに、我が神への信仰を告白する者をときに無条件に信じてしまうことがある。 4 私は考え方に柔軟性がない。 5 私は見知らぬ人物には疑いの目を向け、彼らが最悪の存在である可能性を想定する。 6 目標を選ぶや、人生の他の何もかもを投げ捨てるほどに、それに打ちこむ。 個性と背景のトップに戻る
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8327.html
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第三十一話 伝説の力 幽霊船怪獣 ゾンバイユ 登場! ルイズは悪夢の中にいるような思いを味わっていた。才人が、自分の手の中で物言わぬ姿になって横たわっている。 あのとき……彗星怪獣ドラコから身を挺して自分を救い、命を落としたときと同じ…… もう二度と見たくない……もう二度と、味わいたくないと思っていたのに。 「起きなさい! 起きなさいよ! こら! あんたがいなくてわたしにどうしろってのよ。わたしを、わたしを また置いて一人でかっこつけてるんじゃないわよ! 起きなさい、このバカ犬ーっ!」 ルイズは力いっぱい才人を頬を張り、あらん限りの声で揺り起こそうとしても、才人の目が開かれることはなかった。 しかし、絶望に沈むルイズをあざ笑うかのように、怪獣ゾンバイユはさらなる食料となる魂を求めて迫ってくる。 「ルイズ! 逃げてーっ!」 空の上から、自分の名を呼ぶキュルケの声も今のルイズには届かない。才人が倒れたということが、 完全にルイズから冷静さを奪っていた。自分の命が危機にさらされているという実感も、今のルイズにはなかった。 「サイト、起きてよ。あんたはわたしを救えてそれでいいかもしれないけど、残ったわたしはどうすれば いいのよ……わたしはあんたが好きだって言ったでしょう。知ってるくせに、ばか……」 つぶやく声もだんだん細くなり、激情も冷たい悲しみへと変わっていく。 まるで、体の半分を突然失ったような、そんな喪失感が心を覆って、外の世界のことがすべてどうでも よくなって感じられる。このまま眠ってしまいたい……才人と同じところに行けば、会えるのかな。 だが、ルイズまでも犠牲になっては才人の意思が無駄になってしまう。動かないでいるルイズへ、 キュルケはせめてルイズだけでも拾い上げようとタバサに頼んだ。 「ルイズ! タバサ、早く」 「だめ、間に合わない」 怪獣の視線はまっすぐルイズを睨んでいる。今、降りていったら自分たちも巻き込まれると、タバサは シルフィードを上昇させた。 「タバサ! あなた」 「……」 ルイズを見捨てるつもりかと、キュルケはタバサに詰め寄った。だが、唇を噛んでいるタバサを見て 黙らざるを得なかった。友達を見捨てるなんて、気楽にできるわけがない。でも、花壇騎士として 鍛え上げたタバサの冷静な意思が、残酷な選択を彼女に強制していた。 ゾンバイユは、目の前で動かないでいる絶好の獲物へ向かって狙いを定める。このまま、ルイズまでも あの怪光線の餌食となってしまうのか、タバサとキュルケが、思わず目を閉じかけた……そのとき! 「シュワッ!」 突如、流星のように飛び込んできた青い光がゾンバイユを横合いから弾き飛ばした。その光は、 ゾンバイユが渓谷を転がり落ちていくのを見下ろし、世界樹の傍らに降り立った。 「くっ……遅かったか」 「ウルトラマン……ヒカリ!」 ルイズは、目の前に自分たちを守るように現れたヒカリの姿に思わず叫んだ。 現れた青い巨人、ウルトラマンヒカリは構えをとり、怪獣からの反撃に備える姿勢をとりつつルイズたちを見返した。 ルイズの腕の中で才人は血色を失った体になり、学院の生徒たちも皆同じように倒れている。死屍累々、 むごたらしい惨状に、ヒカリは自らのうかつさを悔いた。 「すまん、俺がもっと早くここが襲われる可能性が高いことに気づいていれば」 水の精霊から、この世界の陰で暗躍している謎の存在のことを聞かされてから、セリザワはずっと そいつが動き出す気配がないかを探り続けてきた。アンドバリの指輪を水の精霊から強奪した者たち、 時期から考えるとヤプールとは恐らく無関係であろう。しかし、かつてこの星を一度滅亡させたという シャイターンと同じ気配を持つ者によって所有されているとなれば、何が起こるかはわからない。 セリザワはハルケギニアを歩き回り、怪獣や宇宙人の動静を探り、攻撃の兆候がないかを調べ続けた。 そして、先日ガリアに立ち寄ったおりのことだった。空を不気味な光を放つ船が、トリステインの方向へ 飛んでいったという話を聞き、もしやと思って飛び去った方角を追って来てみれば……まさか、こんな能力を 持った怪獣が現れるとは! ヒカリ・セリザワも初めて見る怪獣の攻撃には正直に驚いていた。GUYSの アーカイブドキュメントにも記録のない、まったく未知の怪獣……いったいほかにどんな能力を持っているのか、 想像もできない。 だが、相手の正体がなんであれ、人々の平和を脅かす存在であることだけは間違いない。なぜ、どこから、 何者が送り込んできたのか? それを考えるのは後でよい。 この怪獣は、ここで倒す! ヒカリはそう決意し、構えをとって怪獣を牽制する。その隙に、タバサは シルフィードを降下させてルイズと才人を拾い上げ、ヒカリの周りを旋回させた。 「ウルトラマン! サイトが、サイトが大変なの! わたし、わたし、どうしたらいいの!」 「才人くん……だめか、完全にエネルギーを抜かれてしまっている」 半泣きになっているルイズに、ヒカリは才人の様子を見ると落ち着くように語り掛けた。 「慌てるな。まだエネルギーを抜かれて時間は経っていない。奴を倒せば、エネルギーを吸われた人たちも 生き返れるかもしれん」 「そ、それは本当なの!」 「ああ、いくつか前例はある。可能性は充分ある」 それは嘘ではない。怪獣や星人に人間が異常状態にされた例としては、生物Xワイアール星人に植物人間に された人々や、吹雪超獣フブギララに氷付けにされた人々、きのこ怪獣マシュラにきのこ人間にされた人々などが 記録されているが、どれも元凶となる怪獣が倒されるとともに正常に戻っている。 冷静さを取り戻したルイズは、精神を集中させて、自分たちの中にいるウルトラマンAへと呼びかけた。 〔エース……ホクトさん、聞こえる? 聞こえたら返事をして〕 〔ああ、大丈夫、聞こえているよ〕 〔よかった! ねえ、サイトは! サイトはどうなったんですか!?〕 〔あの怪獣によって、肉体から魂だけを吸い取られてしまったようだ。今の彼の体は、抜け殻の仮死状態と いったところだろう。残念だが、これでは私も力を出すことはできない。だが心配はするな。ヒカリの言うとおり、 あの怪獣を倒せば、サイトくんや他の人たちもみんな助かるはずだ〕 一縷の希望を得たルイズはヒカリに向かって叫んだ。 「お願い! サイトを助けて」 「ああ! 君は彼を連れて下がっているんだ」 もとよりヒカリに異存があろうはずもない。それに、才人だけでなく、同じように魂を奪われた大勢の人々を 救うためにも、あの怪獣を倒さなければならない。 対して、ゾンバイユもヒカリを敵と認識して、ラ・ロシュールの渓谷から平地に出てヒカリを待ち構えている。 好都合だ、これで少なくともヒカリを狙っているうちは人々が危険にさらされることはない。それに、平地の ほうが戦いやすいのはこっちも同じことだ。 「いくぞ! 怪獣」 左手を前に出したゆるやかな構えから、ヒカリは怪獣に向かって駆け出した。 「デヤアッ!」 ヒカリの素早い動きを活かした速攻だ。助走して勢いをつけ、ジャンプして振り上げた手からチョップを お見舞いしようと飛び掛る。ヒカリは元々科学者であり、ハンターナイト・ツルギだったころは、戦闘力が 不足しているのをアーブギアによって補っていたけれど、今では格闘技でも兄弟にひけはとらないのだ。 まるで、獲物に牙をむいて襲い掛かる狼のように、ヒカリの手刀がゾンバイユを襲う。 必中! 誰もがそう思った。しかし、ヒカリのチョップが命中する寸前、誰も予想だにしていなかったことが起きた。 「消えた!?」 突如、怪獣の姿が何の前触れもなく掻き消えて、ヒカリのチョップはむなしく空を切った。 これは!? だが、考える間もなく背後から聞こえてきた不気味な声に振り向いてみると、そこにはおどけるように 手足を揺らしている怪獣がいるではないか。 ”この怪獣は、瞬間移動が使えるのか!?” ヒカリの、その推測は誤っていなかった。空から、そして地上から、たった今起きたことを見守っていた 人々の目にも、チョップが当たる寸前にゾンバイユの姿が分解するように消滅し、次の瞬間にはヒカリの 背後に現れたように見えていたのだ。 ”これは、厳しいかもしれないな……” ヒカリは、再度構えを取り直しながら、早くも焦燥を感じ始めていた。 瞬間移動、いわゆるテレポーテーションはウルトラマンでさえ大幅にエネルギーを消耗し、場合によっては 寿命を削るとさえ言われている代物だ。しかし、それゆえに戦闘に応用できれば強力であり、かつて五代目 バルタン星人はこれでウルトラマン80を翻弄し、あの宇宙恐竜ゼットンもこれで初代ウルトラマンや ウルトラマンメビウスをきりきり舞いさせている。 「強敵だな……しかし、打つ手がないわけではない!」 ヒカリはナイトブレスから光の長剣ナイトビームブレードを引き出すと、中段に構えてゾンバイユに切り込んだ。 むろん、正面からの馬鹿正直な攻撃をゾンバイユは恐れはせずに、青い単眼をいやらしく歪めて笑い声をあげる。 そして、切り込んだナイトビームブレードの切っ先がゾンバイユに触れようとした瞬間、またしても奴は全身を 分解するようにして消えてしまった。 「だが、同じ手は何度も通用しないぞ!」 ゾンバイユが消えた瞬間、ヒカリはそれを待っていた。間髪を入れず、ナイトビームブレードを後ろに向かって 振るい、半月状のエネルギーの刃を打ち出した。 『ブレードショット!』 振り返るまでも無く放たれた光刃は、まさにヒカリの背後で実体化しようとしていたゾンバイユに命中した。 単眼の左上部付近で爆発が起き、ゾンバイユはダメージを受けて慌て、うろたえる。奴にしてみれば、 攻撃をかわして死角に潜り込んだと思ったところへのダメージである、驚かないはずはない。 しかし、ヒカリからしてみたらたいして難しい問題ではない。本当に単純な話、敵が死角に入ってくるならば、 死角に向かって撃てば敵の方から当たりに来てくれるという、それだけなのだ。攻撃を当てられて うろたえているゾンバイユに向かって、ヒカリはすかさず反撃に打って出た。 「テヤァッ!」 フットワークを活かして高速で怪獣の懐に飛び込み、ヒカリの攻撃が始まる。パンチが火花を散らし、 キックが怪獣の皮膚を削り取る。 ”当たる。今ならいける!” ゾンバイユはヒカリの攻撃を受けるだけで、先程までの人をこばかにした余裕は見せず、テレポートで 脱出することもしないでいる。恐らく、奴はテレポートで敵を翻弄する戦術を、うぬぼれに近いところまで 自信を持っていたのだろう。例えるなら、サッカーの試合ではるかにランクの低い相手に先制ゴールを 許してしまった強豪チームがそのままペースを乱して惨敗してしまうように、自信を崩してやったことが 動揺を生み、当たり前にできることもできなくしてしまっている。 ヒカリは、このチャンスを逃してはならぬと、パンチ、キック、チョップと怒涛のラッシュをかける。 だが、ヒカリとゾンバイユは人間と子牛くらいに体格に差がある。軽量級のヒカリの攻撃が、重量級の 怪獣に対してどこまで効果を発揮できるか、戦況はまだ予断を許さない。 その戦いを、トリステイン空軍艦隊と、戦艦『レゾリューション』号に乗ったウェールズ国王は息を呑んで見守っていた。 「ウルトラマン……あのときと同じように、我々のために戦ってくれるというのか」 それは半分当たり、半分外れていた。ウルトラマンは無条件に人間を守るような都合のいい神様ではない。 人の力ではどうしようもなくなったとき、失われてはいけないものが危機にさらされたとき、少しだけ手を貸してくれる、 本当にそれだけの存在なのだ。 ウェールズは、しばらくその戦いを呆けたように見つめていたが、部下から「艦砲の射撃準備完了しました」 と報告を受けると、ぐっとしてつぶやくように答えた。 「しばらく待機だ。今砲撃しては、ウルトラマンにも当たる危険が大きい」 以前アンリエッタは彼に告げた……ウルトラマンは人間の力ではどうしようもないときにだけ力を貸してくれるのだと。 けれど、それは裏を返せば、自分たち人間の非力を証明されているようなものだ。これだけの艦隊を有している というのに、たった一匹の怪獣にすら手も足も出ないとは。 「王家は民を守るのが責務……口先ではそんなことを言っても、肝心なときには人任せにせざるを得ないとは、 情けない……」 自嘲を込めたウェールズの笑いが、『レゾリューション』の後甲板に流れて消えた。 しかし、直接怪獣に立ち向かう力はなくても自分たちなりに戦っている人は大勢いる。 「皆さん、今なら怪獣の気が逸れています。落ち着いて逃げてください」 「我々は非常事態に対応するための訓練を受けています。我々の指示に従えば助かります。皆さん、どうか パニックにならないようお願いします!」 街の保安の任務についていた兵士たちは、必死になって逃げ惑う人々を秩序正しく避難させようとしていた。 その中には、アニエスやミシェルたち銃士隊も当然おり、衛士隊や他の街から集められてきた保安官など いろいろいる。トリステインは、もはや特別なものではなくなってしまった市街地への突然の怪獣襲来 という事態が起きることを考慮し、備えていたのだ。 「隊長、北地区の隊員と連絡がとれません。西地区も、避難が完了したのか確認が」 「落ち着け! 戦場で連絡の不具合が起こるのはよくあることだ。三班は北地区へ、五班と六班は 商業地区の確認に向かえ。無人を確認したら打ち上げ花火で連絡、その後は、避難完了地区の閉鎖に 当たれ、引き返してくる奴らはどんな理由があろうと通すな!」 銃士隊ではアニエスが陣頭に立ち、避難誘導のための命令を次々に発していた。彼女たちは、 特にこうした経験が豊富なために中核として活躍している。中には、こうした華々しさとは無縁の仕事が 続くことに不満を持っている者もいるが、多くの者はこれまでの怪獣出現や、先日のアブドラールスの トリスタニア襲撃で、自分たちの仕事がいかに重大であるというかを痛感していた。地球でも実際に 証明されているとおり、訓練を受けた人間が避難誘導をするのとしないのとでは生存率が大きく違ってくる。 彼らは、見るだけで肝が縮んでしまいそうな人の波に当たりながらも、必死で己の責務を果たそうとしていた。 武器なき戦いを続ける人々の、目に見えない功績によって、ラ・ロシュールは着実に無人に近づきつつある。 その光景をタバサとキュルケはシルフィードに乗って上空から暗然と見ていた。 「昨日までのにぎわいが、まるでうそみたいね……」 昨晩、タバサと連れ立って食べ歩いた店店も、男の子をひっかけて歩き回った歓楽街も、今は人っ子 一人いないゴーストタウンと化している。キュルケは、他国の姫君であるアンリエッタの結婚式には それほどの興味関心を抱いていたわけではなかったが、思い人との婚礼……女の幸せをいきなり 踏みにじられる出来事が起きてしまったことには、内心で同情していた。 「ようし、タバサ! わたしたちも……?」 何かをやろうと言いかけたキュルケに、タバサは無言で首を横に振った。 今回は、自分たちにできることはない。戦うにせよ、人を逃がすにせよ、専門の訓練を受けた人たちが すでに働いている以上、素人が顔を出しても邪魔にされるだけだ。 それに、今は意識不明の才人と、意気消沈しているルイズがいる。無茶はできないとうながすと、 キュルケも配慮が足りなかったことを素直に恥じた。 今やるべきことは、ルイズと才人を安全なところまで運ぶこと。ウルトラマンAになることのできる 二人に何かがあったら、ハルケギニアが危機にさらされる。シルフィードは狂乱する街と、戦いを 続けるウルトラマンたちに背を向けて飛ぶ。 だが、郊外を目指そうとしていたそのとき、シルフィードが地上を口先で射して叫んだ。 「お姉さま、あそこ、火の中に人がいるのね」 「えっ!」 驚いた二人は地上を見下ろした。怪獣の破壊活動で火災を起こしている街の中を、一人の法衣を着た 男が逃げ場を失って右往左往している。あのままでは火に巻かれてしまう。キュルケはタバサを見ると、 タバサはうなずいて、杖で降りろと命令した。 「わたしが炎を抑える」 「わかったわ」 二人には、それだけのやりとりで充分だった。タバサが風の魔法で、火災の上昇気流を抑えて シルフィードの道を作り、地上スレスレまで降りたところでキュルケが『レビテーション』を使って男を シルフィードの上まで引き上げた。 「あ、あなたがたは……?」 「はーい、ま、通りすがりの天女のご一行ってところかしら。飛ぶわよ、じっとしてなさいな」 呆然としている男に洒落た答えをしつつ、キュルケはタバサに目配せした。「飛んで」と短く告げると、 シルフィードは今度は上昇気流に乗って一気に上昇し、安全高度に到達した。 タバサは、シルフィードに急いで郊外へ向かうように伝える。人が大勢集まる予定だったので、万一に 備えて、あちこちに救護所が備えられており、そこでなら薬もあるだろう。その前に、応急手当として ルイズとキュルケはハンカチを破って即席の包帯で、彼の傷を覆っていった。普段は男勝りな二人でも、 やはり女性らしい優しさが心の中には満ちている。止血をしながら、キュルケは男に話しかけた。 「ここはもう大丈夫だから心配しないでいいわよ。それにしても、なんであなたあんな危ないところに一人でいたの?」 「面目しだいも……私はこの式典の資材の運搬をまかされている者なのですが、アルビオンから預かった 積荷の中に、どうしても壊してはいけないものがありまして。仲間がすべてやられてしまい、私一人で行くしかありませんでした」 助け出した男は彼女たちに礼を言うと、大事そうに抱えていた包みを下ろした。 「助かりました。私はともかく、これをなくしてしまってはウェールズ陛下にも始祖ブリミルにも申し訳が立たないところでした」 「それは、もしやアルビオン王家の秘宝と言われる……」 「はい、風のルビーです」 包みの中から現れたのは、緑色の大きな宝石が埋め込まれた指輪であった。これは、ハルケギニアの 三つの王家と、ロマリアの法王庁に一つずつ伝わっている秘宝であり、始祖ブリミルより、それぞれの王家の 始祖と、ロマリアを開いたブリミルの弟子に与えられたと言われる。そして、この指輪には、トリステインには ”水”、アルビオンには”風”、ガリアには”土”、ロマリアには”火”というふうに、四色のルビーがはめ込まれて、 それぞれの王家の象徴ともなっているのだ。 「本当に、危ないところをお救いいただきありがとうございます。あの危機の中、貴女方はまさしく天使に 見えました。こうして命拾いできましたのも、神のお導きかと存じます」 「しゃべらないほうがいいわよ。ひどい怪我……安全なところまで連れて行ってあげるからおとなしくしていなさい」 「うう、ふがいない……申し訳ありませぬが、見れば、あなた方は身分卑しからざる方々とお見受けします。 どうか、わたくしめに代わりまして、この秘宝をお守りいただけぬでしょうか」 男はそのまま気を失った。 「どうする? ルイズ」 「わたしが預かっているわ。どうせ、始祖の祈祷書も守りきらなきゃいけないんだし、このくらいどってことないわよ」 キュルケは、まあそう言うだろうねとつぶやくと、「なくすと大変だから、身につけておいたほうがいいわよ」と忠告した。 ルイズは姫さまとウェールズさまのエンゲージリングを自分などが身につけてはと躊躇したが、ポケットに 入れておくよりは安全だろうなと、忠告に従うことにした。 「わたしの指には少し大きいかしら……あら?」 そのとき、ゆるかったリングが急に縮んでルイズの指に合ったサイズになったように思えた。しかし、 そんなことがあるはずないわねと切り捨てると、かすかに息をしている才人を、また心配そうに見下ろした。 才人は相変わらずぴくりともせずに、人形のように横たわっている。 「サイトの魂を、取り戻して……お願い」 ウルトラマンヒカリと怪獣ゾンバイユの戦いは、なおも熾烈さを加速度的に上げていっていた。 「トァッ!」 ヒカリの飛び蹴りを口元に受けたゾンバイユがのけぞる。重量級のゾンバイユに対して、ヒカリは スピードから生まれる破壊力を活かし、連続攻撃でダメージを蓄積させる戦法をとっていた。 流れるような、息もつかせぬような攻撃が次々にきまる。しかしゾンバイユも、伊達に伝説の怪獣などと 呼ばれているわけではない。手数の多さに圧倒されているかに見えて、強固な外皮に覆われた体は まだまだ余力を備えており、一時の動揺が収まると、また悪辣な頭脳を回転させ始める。 必殺の気合が込められたヒカリの正拳が、ゾンバイユの単眼に命中しかけた瞬間、再びテレポートして 消えてしまったのだ。 「姑息な真似を……なにっ!?」 奴が再出現したところをまた叩こうと、後ろを振り返ったヒカリは愕然とした。 怪獣は、確かにそこに実体化していた。ただし、信じられないことに一体ではなく複数いる。いや、そんな 生易しいものではなく、視界を埋め尽くすような大量のゾンバイユが右に左にとあふれかえっていたのだ。 「こいつ、分身まで使いこなせるのか!?」 平原をゾンバイユが埋め尽くす不気味この上ない光景を見渡しながら、ヒカリはどこから攻撃が あってもいいように構えた。分身……有名どころでは宇宙忍者バルタン星人や、分身宇宙人ガッツ星人が これを使いこなすことで知られ、特に後者はこれを狡猾に使いこなすことでウルトラセブンを倒している。 地味だが決してあなどれる能力ではないと、ヒカリは数十体のゾンバイユを前にして思った。 とにかく、どれが本物かわからないというのは始末が悪い。それはそうだ、簡単に本体を見破れるような 代物であったら使う意味は無い。どうする? どれを攻撃するべきなのか。 外れを選んでしまったら本物に死角から攻撃される。迷うヒカリをあざ笑うかのように、ゾンバイユは 聞き苦しい笑い声をあげて挑発してくる。まるで、『こないのか、こないのかな?』とでもいっているようだ。 けれど、ウルトラマンAが変身できない今、ヒカリまでもが倒されてしまってはこの世界を守るものが いなくなってしまう。 ”焦るな。冷静に、冷静になれ……” 自分自身に言い聞かせながら、ヒカリは隙を作らずにゾンバイユの分離攻撃に向き合った。 だが、そちらからこないならこちらからゆくぞとばかりに、数十のゾンバイユの一体から灰色の光線が ヒカリに向かって放たれる。 「ヘヤッ!」 とっさに飛びのいてかわしたヒカリは肝を冷やした。危なかった、あれは街の人々や才人から魂を 奪い取ったあの光線だった。当たればどうなるかはわからないけれど、少なくとも無事ではすむまい。 しかし、今は運良くかわせたが、何発もこられてはすぐにかわせなくなる。 ”どうする……どうすればいい……?” 打開策を練ろうとしても、早々都合よく名案も浮かばない。どうすれば、この無数の分身の中から 本物の怪獣を見つけ出すことができるのか。 だがそのとき、戦いの推移を見守っていたラ・ラメー率いるトリステイン艦隊、ウェールズ王指揮する 戦艦『レゾリューション』で、高らかに命令が放たれた。 「砲撃開始! ウルトラマンを援護せよ」 たちまち数十隻の戦闘帆船から放たれた数百門の大砲の弾が、ゾンバイユの群れに雨のように降り注ぐ。 ゾンバイユがいかに多数に分離しようと、大砲の数に比べたら微々たるものだ。幻影はすり抜けて 落ちるものの、全部を攻撃されたら本体にも必ず当たる。大砲の弾では怪獣にダメージは与えられないけれど、 爆発が体のあちこちで起こり、驚いたゾンバイユは分身を消してしまった。 「いまだ!」 分身攻撃が破れたことを見て取ったウェールズは、ウルトラマンヒカリに向かって叫んだ。その叫びには、 自分たちは非力ではない。こうして戦う力はあるんだ、それを証明したいんだという願いもこもっている。 ヒカリは、自ら戦う勇気を見せた彼らの声を確かに聞き届けた。 「君たちの意思、受け取った!」 ヒカリの渾身の力を込めた猛攻が、ゾンバイユに暴風のように襲い掛かっていく。 人間とともに戦うときのウルトラマンは、一人で戦うときの何倍もの力を発揮する。それは、ウルトラマンも 人間もともに心を持ったもの同士、仲間であるからだ。ヒカリの攻撃に押されるゾンバイユは、超能力を 発揮する暇も与えられずに追い詰められていく。 このままいけば、ウルトラマンの勝ちは決まりだろう。誰もがそう思った。 しかし、それを望まない邪悪な意思がここに存在することを、ヒカリは知らなかった。 「悪いけど、そんな簡単に勝たれたんじゃあジョゼフさまの計画どおりにはいかないのよ。だから、うふふ…… まだこれにも、使い道があったわね」 人目を離れた場所で、戦いを見守っていたシェフィールドの指にはめられていた指輪が怪しい光を放つ。 それは、かつて水の精霊から盗み出された古代の秘宝『アンドバリの指輪』、それにはめられた宝玉が 深海のように暗く深く輝くとき、水の精霊が懸念していた破滅への序曲が奏でられ、その戦慄を聞いた者たちは、 愕然として己の目を疑った。 「ウワアッ!?」 突如、轟いた大砲の音と、炸裂する砲弾の爆炎……そして、砲撃を受けてのけぞるウルトラマンの姿。 誰もが、一瞬何が起こったのか理解することができなかった。 ウェールズ、ラ・ラメー、艦隊の将兵たち、戦いの推移を見守っていたルイズたち。 彼らは、目の前で起きたことの意味がわからずに、その思考のすべてを一時停止させた。 しかし、現実において時が停止することはない。一瞬のときを置いて、彼らの脳が再始動したとき、 困惑は激怒となって発露した。 「ば、馬鹿な! 誰だ今撃った奴は! 誰がウルトラマンを撃てと言ったあ!」 犯人は即座に判明した。アルビオン艦『レゾリューション』の砲手四名が、無断で砲をウルトラマンに向かって 撃ったのだ。むろん、彼らは即座に拘束され、誤射だと友軍には報告された。だが、ウェールズは自艦の 砲手が反逆行為に出たことが信じられなかった。彼らはいずれも内戦時から王党派に尽くし、この艦にも 特に選ばれて乗り込んだ忠臣たちだというのに。 けれど、困惑している余裕は誰にもなかった。完全な不意打ちの形で砲撃を喰らったウルトラマンヒカリは、 砲撃によるダメージこそさしたるものはなかったが、体勢を崩してしまったことでゾンバイユに反撃の機会を 与えてしまったのだ。 人間たちから攻撃されたことで動揺するヒカリに、ゾンバイユの体当たりが命中する。受け止めることも できなかったヒカリは、闘牛にはねられたマタドールのように宙を舞って地面に叩きつけられた。 「ヴアアッ!」 このダメージは大きく、ヒカリはすぐに立ち上がることはできない。対してゾンバイユは、やられた恨みを 晴らそうとヒカリへさらに体当たりを仕掛け、さらに巨体でのしかかっていった。 「ウッ……アアァァッ!」 背中の上で暴れられ、ヒカリの骨格がきしみをあげる。まるで象を怒らせてしまったライオンのように、 踏みにじられてつぶされ、はねとばすこともできないいままヒカリのカラータイマーが赤く点滅を始める。 あの馬鹿な砲撃さえなければ! と、そのときウルトラマンがやられるのを歯軋りしながら見守っていた 誰もが思ったことだろう。が、四人の兵隊の錯乱したとしか思えない暴挙の裏に、狡猾な影が糸を 引いていることには、気がつきようもなかった。 突然ウルトラマンを砲撃した四人の兵士はロープで柱に厳重に拘束されていたが、その顔を覗き込んだ 兵士たちは、一様に背筋を振るわせた。彼らの顔は、まるで魂を抜かれたように、ぼんやりと目を 見開いたまま呆けた形で固まっていたからだ。 そして……それこそが、シェフィールドの仕掛けた卑劣な策略の正体だった。 「うふふふ……アルビオンに内乱を起こすために、二年も前に根回ししていたことが今ごろに役立つ とはねえ。まだまだ、モノは使いようということかしら」 暗い笑いをシェフィールドは口元に浮かべた。以前、レコン・キスタを作るためにアンドバリの指輪で アルビオンの貴族を操って行動させたように、王党派の中にも戦闘中に王党派を不利に働かせる ために洗脳したものたちがいたのだ。アルビオンの内戦を操る謀略自体は、途中でヤプールに 利用されたために瓦解したものの、指輪の効力を眠らせていた者たちがアルビオン艦に乗っていたのは シェフィールドにとって幸運だった。 「さあて、これでウルトラマンを倒したら、次は上空の艦隊。そして次は地上の虫けらどもを皆殺しに しましょうか……でも、ジョゼフさまのおっしゃるとおりなら……? さて、どうなるかしらね」 好奇心と、残忍な笑いを浮かべたシェフィールドの耳に、人々の怨嗟の声が届くことは無い。 ジョゼフと、その意を受けたシェフィールドの邪念が乗り移ったかのように、ゾンバイユの攻撃は 容赦なくヒカリを襲う。 足蹴にしていたヒカリを、ゾンバイユは子供が石ころにするように蹴飛ばした。 「ヌワアッ!」 腹を蹴られ、大きくダメージを受けたヒカリは、それでも立ち上がろうと手をついて力を込める。しかし、 もはやエネルギーも残り少ない状態では、体が別人のものになってしまったように言うことを聞かない。 絶好の標的となったヒカリに向けて、ゾンバイユの単眼が不気味に輝く。放たれた光線はヒカリの 体にロープのように絡みつき、動きを封じて持ち上げはじめた。これは、相手を拘束する牽引ビームの 一種だ。振り払うこともできず、両手両足にビームをかけられたヒカリは、マリオネットのように 空中でエネルギーロープの磔にされてしまった。 「なんてこと! これじゃなぶり殺しじゃない」 いたぶることを楽しんでいるような怪獣の攻撃に、思わずキュルケの口から怒りの声が漏れた。 同じように、上空の艦隊でもウェールズをはじめ激昂した者たちによって怪獣への攻撃命令がくだる。 「撃て! あの化け物を今度こそ吹き飛ばせ!」 艦隊の一斉砲撃が、動きの止まったゾンバイユに降り注ぐ。が、煙の薄れた後にゾンバイユは 元と変わらない姿をとどめていた。 「馬鹿な……」 落胆の声が将兵の数だけ流れる。ゾンバイユの皮膚はビーム砲の直撃に耐えるだけの強度を 兼ね備えている。不意を打たれて驚くことはあっても、まともに受ければ大砲の弾くらいでは傷つく ことはないのだった。 人間たちの必死をまるで無視し、ゾンバイユは身動きの取れないヒカリを攻め立てる。空中で 見えない十字架にかけられているも同然のヒカリを、ビームの力でそのまま五体バラバラにする つもりなのだ。 「ヌワァァッ……」 カラータイマーの点滅はすでに限界に達し、もう何秒も持たないだろう。「ウルトラマン、がんばれ」 という声援も、この絶望的すぎる状況を逆転させるだけの力は持っていない。 どうすればいいんだ……艦隊の砲撃すら通じなかった相手に、いったいどんな手段があるというのだ? しかし、このままでは奴に魂を食われた大勢の人たちの命はない。それどころか、ハルケギニア中の 生き物の魂が奴に食い荒らされてしまう。 なんでもいい、何か残されている手はないのか? 絶望の中で、人々は必死に希望を探した。 そして、そんな中でルイズは深い悲しみのふちに立たされていた。 「こんなときに……サイトの命がかかってるこんなときに、なにもできないなんて……わたしは、 こんなに無力だったの……」 今、ウルトラマンAへ変身することさえできれば、怪獣を倒してみんなを助けることができるのに。 小さいころから魔法の才能がなく、無能のゼロだなどと揶揄されてきた自分。でも、そんな自分でも できることがあるとがむしゃらに突き進んできた。そうして、才人と出会い、多くの戦いや冒険を 乗り越えていくうちに、世界を守るなんて大それたことができると思ってきた。 なのに、今の自分はなんだ。うずくまっているだけで、何一つすることはできない。いつもはげまして、 くれる才人も今はいない。自分は、一人だとここまで無力だったのか。思わず歯軋りをした口元から かきむしる音が漏れ、目じりから熱いものがこぼれた。 「サイト……わたし、いったいどうすればいいの? 教えて」 無力をなげいてすがる言葉にも、才人は答えることはできない。ヒカリが敗れれば、才人の魂は怪獣の 胃袋の中で消化されてしまうだろう。そうなれば…… 「やだ! こんなことで、こんなところで永遠にお別れなんて許さないんだから! まだ、まだあんたには この世でやることがいっぱい残ってるんでしょう! わたしだって、サイトといっしょにやりたいことが たくさんあるんだから!」 なによりも、才人を失うかもしれないという恐怖がルイズに喉の奥から叫ばせた。風のルビーがはめられた 手が強く握り締められ、爪が手のひらに食い込んで血がにじむ。あれほど大切にしていた始祖の祈祷書も 放り出し、シルフィードの背に落ちてページが開かれる。 その……その瞬間だった。 風のルビーと始祖の祈祷書が、ともに共鳴するように光り始めたのだ。 「な、なんなの!?」 突然の目もくらむばかりの光に、ルイズはとまどった。そばで見ているタバサとキュルケも、想像も していなかった事態に何も言うこともできずに、ただ目を覆って呆然としているだけだ。 けれど、ルイズは光の中に、白紙だったはずの始祖の祈祷書のページの中に文字を見つけた。 それは、古代のルーン文字で書かれていて、ルイズは無意識にその文字を追った。 『序文。これより、我が知りし真理をここに記す……』 ルイズはとりつかれたように文字を追う。その正気を失ってしまったかのような目に、キュルケが 「ルイズどうしたの? いったい何をつぶやいているの?」と、問いかけてくるが、ルイズの耳には入らない。 どうやら、不思議なことに文字はルイズにだけ見えているらしい。いったいなぜか……いや、今のルイズに とってそんなことも、ここに記されていた信じられないような内容もどうでもよかった。 記述の最後、古代語の呪文の羅列をルイズは祈祷書を手に、杖をかざして読み上げる。 「エオヌー・スーヌ・フィル・ヤルンクルサ・オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド」 呪文を読み進めるごとに、自らの中に力が湧いてくるのをルイズは感じた。 生まれて今日まで、どんな魔法を唱えても爆発しか起こらず、虚しさを感じていたのとはまるで違う。 例えるなら、血が滾り、自らが炎と化していくような。今まで空回りしていた歯車が、はじめてかみ合った ような快く、猛々しい感覚。 これが、自分が生涯初めて使う魔法だとルイズは理解した。そして、自らに隠されていた系統も知った。 だが、それすらも今のルイズにはどうでもよかった。必要なのは、今何ができるか、それだけだ。 「ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシュラ・ジュラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……」 長い詠唱の後、呪文は完成した。 同時に、ルイズはこの呪文がどれほどの威力を持つのかを理解した。 破壊……圧倒的な破壊がもたらされる。 それは、望むのならば視界に入るすべてを焼き尽くすことも可能だろう。 選択肢はルイズの杖にある。なすべきことは、破壊すべきはなにか? 答えは、最初から決まっていた。 「キュルケ、タバサ、身構えてて。とてつもないのが来るわよ」 友への気遣いが、ルイズの魂が人のうちにあることを証明していた。 力は今、この手の中にある。それは、ただ一つの願いのためにだけ使う。 杖の先を、この瞬間にもヒカリにとどめを刺そうとしている怪獣に向け、息を吸い込み叫ぶ。 「サイト、今助けるからね。いくわよ……虚無の系統、初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン!!』」 その瞬間、すべての力を込めてルイズは杖を振り下ろした。 刹那……白い光がゾンバイユを包み込んだ。 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
https://w.atwiki.jp/h_session/pages/3731.html
NIGHT WIZARD The 2nd Edition Character Sheet TXT キャラクター名:闇雲 愁(やみぐも しゅう) プレイヤー名:水無月 桜 種族:人間 ワークス:不良高校生 年齢/性別:18歳/♂ 髪の色:茶 瞳の色:黒 肌の色:黄 身長/体重:171cm/62kg ウィザードクラス:勇者 4LV スタイルクラス:[[キャスター]] 0LV 属性:〈冥〉/〈火〉総合レベル:4LV 使用経験点:22 未使用経験点:23 CF修正値:2 プラーナ 内包値:11 解放力:4 基本能力値 ベース 成長値 現在値 基本能力値 ベース 成長値 現在値 【筋力】 9 ――― 9 【知力】 10 ――― 10 【器用】 10 ――― 10 【信仰】 4 ――― 4 【敏捷】 7 ――― 7 【知覚】 7 ――― 7 【精神】 10 ――― 10 【幸運】 6 ――― 6 戦闘値 ベース クラス修正 特殊 総合 未装備 装備 最終戦闘値 【命中】(器用+知覚)÷2 = 8 2/0 ―― ―― 10 ――― 【命中】10 【回避】(敏捷+知覚)÷2 = 7 1/0 ―― ―― 8 -1 【回避】 7 【攻撃】(筋力+器用)÷2 = 9 2/0 ―― ―― 11 ――― 【攻撃】11 【防御】(筋力+信仰)÷2 = 6 1/0 ―― ―― 7 +4 【防御】11 【魔導】(精神+幸運)÷2 = 8 2/3 +2 ―― 15 +4 【魔導】19 【抵抗】(敏捷+幸運)÷2 = 6 1/2 ―― ―― 9 -1 【抵抗】 8 【魔攻】(知力+精神)÷2 = 10 3/4 +3 +4 24 +24 【魔攻】48 【魔防】(知力+信仰)÷2 = 7 1/2 ―― ―― 10 -1 【魔防】 9 【耐久力】 +6= 22 4/2 ―― ―― 28 ―――【耐久力】28 【魔法力】 +6= 20 3/5 ―― ―― 28 -8【魔法力】20 【行動値】(筋+敏+知+信)÷3 = 10 1/2 ―― ―― 13 -8【行動値】 5 【移動力】 ベース 特殊能力 未装備 装備 最終値 (未装備状態【行動値】)÷10+1 = 2 ―――― 2 ―― 2Sq ■ライフパス 出自:死亡 特徴:黄泉還り/[[生死判定]]+3 シナリオ1 生活:ケンカ屋 特徴:街のカリスマ/縄張り内での情報収集+1 コネクション /関係 アンゼロット /主人 [[真神 朔夜]] /恋人兼主人(?) --/-- ■特殊能力 名称 :SL:タイミング:判定:難易度:対象:射程:代償:効果 汎用 : : : : : : : : 《月衣》 :――: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:所持品収納 マイナーで飛行(代償:1D6MP) 《月匣》 :――: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:月匣を展開可能 勇者 : : : : : : : : 《ウォークライ》 : 1: オート :自動: なし :自身:なし:なし:[SL+2]以下のHP消費・行動+[消費HP] 《覚醒》 : 2: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:プラーナ開放力+SL 《天運》 : 1: オート :自動: なし :自身:なし:なし:C時に発動+10→+20に シナリオSL回 《ヒーロー》 : 2: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:プラーナ内包値+SL+1 《不幸中の幸い》 :――: オート :自動: なし :自身:なし:なし:戦闘時Fをだすとプラーナ1回復 《決戦存在》 : 1: オート :自動: なし :自身:なし:2プ:【行動値】以外のジャッジをCに変更する クライマックスのみ・ラウンド1 《最後の力》 」――: マイナー :自動: なし :自身:なし:なし:プーナCL点回復・CL点ダメージ・シナリオ1 キャスター : : : : : : : : 《魔法攻撃力UP》 :――: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:【魔攻】+[CL+3] 《マジックマスタリー:火》: 1: 常時 :自動: なし :自身:なし:なし:攻撃魔装(火)を装備していれば【魔導】+[SL+1] 《死点撃ち:魔法》 :――: オート :自動: なし :自身:なし:2M:【魔導】でCなら相手【魔防】-10 ■魔法 魔法記憶容量[【知力】+総合レベル]:14 名称 :LV:種別:タイミング:判定:難易度:対象:射程:代償:効果 リフレクトブースター :3:付与: オート :自動: なし :自身:なし:3M:【行動値】:+[【魔導】-13](MAX7) : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ■武装/魔装 重量上限[【筋力】+総合レベル]:13 魔法装備可能レベル合計[【知力】+総合レベル]:14 名称 :種別:部位:重量/LV:命中:回避:攻撃:防御:魔導:抵抗: 魔攻 :魔防:耐久力:魔法力:行動:移動: 射程 :備考 破魔弓 : 他 :片手: 2/ : : : : :+2: : +2 : : : : : : :魔法射程+1 改造学生服 :防具:衣服: 2/ : : : :+2: : : :+1: : : : : : レザージャケット:防具:上半: 2/ : : : :+2: : : : : : : : : : 外道祈祷書 : 他 : : 1/ : :-1: :-2:+2:-1: +3 :-2: :+10:-1: : :幸運ジャッジ-5 バーストアッシュ:攻火: : / 5: : : : :±0: :+24:-1: :-18:-7: :1Sq:対〈水〉+5 合計 : : : 7/ 5: :-1: :+2:+4:-1:+21:-1: : -8 :-8: : : 武装/魔装 ■所持品 月衣収納上限[【筋力】×2+総合レベル]:21 名称 :重量:効果 スマート0-Phone: 0:ウィザード専用携帯電話。《モバイルシステム》《メモリ領域》 MUGEN-KUN : 0:ウィザード専用クレジットカード。 幸運の宝石 : 0:ファンブルを通常ダイス目として扱う 1シナリオ1回 死活の石 : 1:オート 生死判定+4/+2 ■[[ヴィヴィ]]先生の預かり所 名称 :重量:効果 : : ■設定 ・闇雲 愁(やみぐも しゅう)18歳・男性 ・輝明学園秋葉原分校高等部3年 ・アンゼロットの下僕 ・ヘビースモーカーで月衣内に常に2・3カートンのタバコが入っている ・よく吸う銘柄はデス ・性格は「普段はひねくれているが、いざとなると人がいい」
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2845.html
前ページ次ページゼロと聖石 ミメットが元気に走り回り、シルキスが火の塔の上に立っている。 ほかの使い魔たちと一緒にはしゃぎ回るのがチョコボの日常だ。 チョコボを飼って知ったことは、成長が早いことだ。 一週間で私の背丈を追い越して、乗れるサイズまで育った。 今は、鞍を体になじませている最中である。 その光景を見ながら、私はポーションを飲む。 手元には白紙の本、王家に伝わる始祖の祈祷書だ。 アンリエッタ姫から結婚式の祈祷文を読み上げてほしいと。 今は各属性の同級生に協力してもらって、文章を考えてる最中だ。 普段ならシエスタが紅茶を運んでくるが、今は帰省中。 といった事情で、チョコボの面倒は私が見ている。 野菜をあげたり、羽を整えてやったり、騎乗の練習をしたり。 コルベール先生は相変わらず『エンジン』を弄っている。 労働八号に進行状況を聞くと、 「ゲンジョウデ、ウゴカスコトハ カノウデス タダシ カイセキシュウリョウハ モウスコシダト イッテマシタ」 この分だと、もうしばらく掛かりそうだ。 二週間で間に合えばいいんだけど。 といった事情にも裏がある。 アルビオン方向から来る噂が不穏な空気をはらんでいる。 それも、軍備を進めているという噂が。 情報元はシエスタ。 タルブ村に集まる噂話を手紙にして送ってもらっている。 休暇なのにゴメンなさい。 しかし、今トリステインを攻めるのは得策じゃ無いはず。 気に入らないとはいえ、ゲルマニアとの同盟が有る。 いくらレコンキスタが最強の空軍を持っていた所で、数は覆せないはず。 「休戦で力を蓄えるの? それとも奇策でも使うのかしら…?」 どちらにせよ、開戦まで時間はそう長くは無い。 ここがトリステインの修羅場といったところか。 ところで今まですっかり忘れていたが、ウェールズさまはどうなったかしら? 別れ際に眠らされたからなぁ… 時間はアルビオンからの帰還までさかのぼる。 傷の処置を済ませた後、私ことワルドは『土くれ』フーケと共に、ウェールズの死体を捜していた。 奥の聖堂には、私とルイズ、あの平民―――シエスタとの死闘の後が残されていた。 中身の無い袖が揺れ、あの戦いで奪われたものと敵の姿がよぎる。 ―――アレだけの傷を負わせたのに、生きているということ自体が驚きだ。 地下の港に倒れていたメイジの遺体を見て、確証に変わった。 鋭い斬撃と共に残る焼け焦げ、十中八九シエスタの聖剣技だ。 聖堂から歩き、玉座の間にたどり着く。 ウェールズの遺体はそこに倒れていた。 手には、シエスタが使っていた剣の片方。 刻まれているルーンが何を意味するか解らないが、魔力の増幅効果を意味するものだろう。 「これは、コピーのルーンソードだね。タルブ村でしか売られていないヤツだ」 「ほう、目利きは流石だな。土くれ」 「ちょっとでも旅をしたことあるなら『冒険者の楽園』のことは知ってるさ」 なるほど、冒険者の楽園か。 気になるところだが、たかが小規模の村。 所詮は搾取されるだけの平民集団が肩を寄せ合っている程度。 「気になるのは、聖剣技か。メイジでもない平民が一体なぜ…」 「やぁやぁ! ワルド君、ウェールズの遺体、それとラブレターは見つかったかね!?」 やけにテンションの高い声が響く。 オリヴァー・クロムウェル。 もともとはただの司祭で、今はレコンキスタ総司令である。 「申し訳ございません、腕ごと持ち去られました」 「いや、構わんよ。それ以上に大事なのはこっちのウェールズだ」 倒れたままのウェールズに杖を振り、呟くような詠唱を紡ぐ。 すると、ウェールズの遺体が起き上がり、クロムウェルに対して礼をした。 ―――これが、虚無の魔法か。 会話をするウェールズとクロムウェル。 薄ら寒いものを感じながら、虚無の力に軽い恐怖を覚えるのだった。 シエスタが帰省してから五日が経った。 レコンキスタから休戦協定が持ちかけられ、王家はそれを受けた。 それにアルビオン側からの親善訪問も間近に迫っている。 当面状況は動かないだろう。 クックベリーパイを食べながら、シエスタからの手紙を読む。 噂話は休戦ムードで染まっていて、当面の動きは無いものと見ている。 ただ、一つだけ毛色が違う一言が載っている。 『レコンキスタの元、全ての国が統一され、聖地奪還のために一丸となる』 という一文が書かれている。 この噂は、レコンキスタに参加していたタルブ村の傭兵からだ。 内容の詳細を読むのと同時に、違和感が湧き上がる。 オリヴァー・クロムウェルはただの司祭だった男だ。 そんな男が虚無を手に入れただけで、あそこまでのし上がれるものなのか? 何か、裏を感じる。 クロムウェルの背後もそうだが、親善訪問にも何かの意図が見えてくる。 全ての国を統一して、聖地を奪還する。 今、レコンキスタは勢いに乗っていて、士気も抜群。 加えて虚無の使い手という肩書きだけでも、掲げた看板に箔が付く。 消耗しているとはいえ、殆どは無傷。 アルビオンの空軍戦力は脅威そのもの。 対するトリステイン側に対抗しうる航空戦力は無い。 この状況で掛けられる奇策は唯一つ。 ―――騙し討ち。 親善訪問でイチャモンをつけ、先制攻撃で数少ない航空戦力を黙らせる。 その後は援軍の来ないうちに、煮るなり焼くなり好きなように調理。 いくらなんでも親善訪問を騙った奇襲など、恥さらしな真似… いや、やりかねない。 レコンキスタは、聖地奪還のためになら何でもやりそうだ。 それこそ、聖地奪還のためには仕方が無いことだという言い訳と共に。 その結論に至った私は、シルキスとミメットを呼び寄せた。 帰省から七日目。 今日の分の手紙を書き終わり、ベットに寝転がる。 やはり、故郷はいい。 しばらくはこうやって、自分の剣を磨いたりしてのんびりと過ごしたい。 起き上がり、村のメインストリートを歩く。 商いの声に、噂話をする近所の人たち、はしゃぎまわる子供の声。 それらを耳にしながら、村を出て、草原にたどり着く。 風が吹き、草の香りが私を包む。 平穏な日常、これらがずっと続いていけばいい。 そう思っていた。 空には親善訪問を行うトリステイン空軍の船が飛んでいる。 ラ・ロシェールよりタルブ寄りで行われる親善訪問のお出迎えは、ここからだとよく見える。 ロイヤル・ソヴリン号から祝砲である空砲が放たれ、返答の空砲がトリステイン側から発せられる。 次の瞬間目にしたものは、レコンキスタ側の船が爆煙をあげる瞬間だった。 その光景を見た瞬間、私は村まで走った。 ここはもうじき―――戦場となる。 その前に村の人を避難させないと! 口笛を吹き、呼ぶのは私の愛羽。 「来なさい、トウホウフハイ!」 凄まじい勢いで飛んできて、隣に降り立つ黒チョコボ―――トウホウフハイに跨り、村へと急いだ。 前ページ次ページゼロと聖石
https://w.atwiki.jp/soulou/pages/57.html
「ゼロの使い魔」はヤマグチノボルによるライトノベル。イラストは兎塚エイジ。 MF文庫J(メディアファクトリー)より2004年6月から刊行。既刊25巻(本編20巻+外伝5巻)。 略称は「ゼロ魔」「ゼロ使」。 MF文庫Jの看板作品。漫画、アニメ、ゲームなど多くのメディアミックス作品がある。2011年2月時点の売り上げ部数はシリーズ累計450万部。 著者が榊一郎に対して「三銃士が元ネタ」と明言しており、登場人物や物語内で発生する事件などの多くを『ダルタニャン物語』から取っている。それゆえ登場人物名も、ブルボン朝期の人物にちなむものが多い。 筆者のヤマグチノボルは2012年9月の段階でラストまでのプロットを完成させたと述べていたが、20巻あとがきで表明していた残り2巻を残して2013年4月4日に亡くなった。 あらすじ (MF文庫Jライブラリーより) 「あんた誰?」――才人が目を覚ますと、可愛い女の子が才人を覗きこんでいた。 見回すとあたりは見知らぬ場所で、魔法使いみたいな格好をしたやつらが、才人と女の子を取り囲んでいた。その女の子・ルイズが才人を使い魔として別の世界へ「召喚」したらしい。訳がわからず面くらう才人に、ルイズは契約だと言って、いきなりキスしてきた。俺のファーストキス! と怒る間もなく、手の甲にヘンな文字が浮かび、才人は使い魔にされてしまう。仕方なく、ルイズとともに暮らしながら、元の世界に戻る方法を探すことにした才人だが……。才人の使い魔生活コメディ! テレビアニメ 原作とは設定や、物事が起きる時期などで相違点がある。 第4期は原作が未完であった為、オリジナルエピソードで完結している。 ゼロの使い魔 第1期。くぎゅう。 放送期間は2006年7月から同年9月。全13話。 ゼロの使い魔~双月の騎士~ 第2期。読みは「ゼロのつかいま ふたつきのきし」。 放送期間は2007年7月から同年10月。全12話。 ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~ 第3期。読みは「ゼロのつかいま プリンセッセのロンド」。 放送期間は2008年7月から同年9月。全12話+TV未放送1話(DVD収録)。 ゼロの使い魔F 第4期。シリーズ完結作。 原作者のヤマグチノボルがシリーズ構成を担当。タイトルの"F"は「4(フォー)」「ファイナル」「フォーエバー」などのいろいろな意味が込められている。 放送期間は2012年1月から同年3月。全12話。 既刊情報 ゼロの使い魔 初版発売日 ISBN 1 ゼロの使い魔 2004年 6月25日 ISBN 978-4-8401-1105-8 2 ゼロの使い魔 2 風のアルビオン 2004年 9月25日 ISBN 978-4-8401-1144-7 3 ゼロの使い魔 3 始祖の祈祷書 2004年12月25日 ISBN 978-4-8401-1196-6 4 ゼロの使い魔 4 誓約の水精霊 2005年 3月25日 ISBN 978-4-8401-1236-9 5 ゼロの使い魔 5 トリスタニアの休日 2005年 7月25日 ISBN 978-4-8401-1290-1 6 ゼロの使い魔 6 贖罪の炎赤石(ルビー) 2005年11月25日 ISBN 978-4-8401-1449-3 7 ゼロの使い魔 7 銀の降臨祭 2006年 2月24日 ISBN 978-4-8401-1501-8 8 ゼロの使い魔 8 望郷の小夜曲(セレナーデ) 2006年 6月23日 ISBN 978-4-8401-1542-1 9 ゼロの使い魔 9 双月の舞踏会 2006年 9月25日 ISBN 978-4-8401-1707-4 10 ゼロの使い魔 10 イーヴァルディの勇者 2006年12月25日 ISBN 978-4-8401-1766-1 11 ゼロの使い魔 11 追憶の二重奏 2007年 5月25日 ISBN 978-4-8401-1859-0 12 ゼロの使い魔 12 妖精達の休日 2007年 8月24日 ISBN 978-4-8401-1900-9 13 ゼロの使い魔 13 聖国の世界扉(ワールド・ドア) 2007年12月25日 ISBN 978-4-8401-2110-1 14 ゼロの使い魔 14 水都市(アクイレイア)の聖女 2008年 5月25日 ISBN 978-4-8401-2319-8 15 ゼロの使い魔 15 忘却の夢迷宮(ラビリンス) 2008年 9月25日 ISBN 978-4-8401-2418-8 ゼロの使い魔 15 忘却の夢迷宮DVD付き特装版 2008年 9月25日 ISBN 978-4-8401-2419-5 16 ゼロの使い魔 16 ド・オルニエールの安穏(ティータイム) 2009年 2月25日 ISBN 978-4-8401-2664-9 17 ゼロの使い魔 17 黎明の修道女(スール) 2009年 6月25日 ISBN 978-4-8401-2807-0 18 ゼロの使い魔 18 滅亡の精霊石 2010年 1月25日 ISBN 978-4-8401-3153-7 19 ゼロの使い魔 19 始祖の円鏡 2010年 7月23日 ISBN 978-4-8401-3454-5 20 ゼロの使い魔 20 古深淵の聖地 2011年 2月25日 ISBN 978-4-8401-3821-5 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 初版発売日 ISBN 1 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 2006年10月25日 ISBN 978-4-8401-1726-5 2 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 2 2007年10月25日 ISBN 978-4-8401-2058-6 3 ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険 3 2009年 3月25日 ISBN 978-4-8401-2727-1 烈風の騎士姫 初版発売日 ISBN 1 烈風(かぜ)の騎士姫 2009年10月23日 ISBN 978-4-8401-3053-0 2 烈風の騎士姫 2 2010年 3月25日 ISBN 978-4-8401-3246-6 参考 「ゼロの使い魔F」スペシャル対談 - TVアニメ ゼロの使い魔F オフィシャルウェブサイト http //www.zero-tsukaima.com/cast_interview.html