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登録日:2019/11/15 (金) 18 42 16 更新日:2024/01/04 Thu 22 36 42NEW! 所要時間:約 25 分で読めます ▽タグ一覧 FGO Fate GO TYPE-MOON あかいあくま アスタロト アヴェンジャー イシュタリん イシュタル サーヴァント サーヴァントユニヴァース スペース・イシュタル 偽典・女神転生 女神 女神転生 守銭奴 植田佳奈 神霊 遠坂凛 まっかせて! スペースに決めてあげる! 『Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。 クラスはアヴェンジャー。 イベントクエスト「セイバーウォーズ2 ~始まりの宇宙へ~」のキーサーヴァント。 メタ的に言えば謎のヒロインXに端を発するギャグ時空「サーヴァント・ユニヴァース」におけるイシュタルであり、 主人公は本編世界のイシュタルと区別するために「スペース・イシュタル」と呼ぶが、長いので表記上では「Sイシュタル」と略される事が多く、本項でもこれに従う。 イラスト:森井しづき CV.植田佳奈 データ 身長:154cm 体重:??kg 出典:古代メソポタミア神話、旧約聖書、ウガリット神話、フェニキア神話など 地域:サーヴァント・ユニヴァース 属性:秩序・悪 【ステータス】 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 B B C+ EX EX EX 【スキル】 ○クラス別スキル 対魔力:C Cランク以下の魔術を無効化する。 ユニヴァース世界において、アーチャークラスとしての高い対魔力は発揮されない。 単独行動:C 特殊な生まれにより得たスキル。マスターと契約しなくても現界そのものには魔力を消費しない。 女神の神核:A++ イシュタルと類似した多くの女神……イシュタル、アスタルテ、アナト……の原型である『古き豊穣と戦の女神』の神核を継承した為、ランクはほぼ最高位となっている。 復讐者:EX かつて大女神であったものが何の因果か最後には悪魔にまで貶められた怒り、苦しみ、そして「……振り返ってみれば言い訳のしようもないわね私……」という哀しみがまぜこぜになったもの。 正義(秩序)側に立ちながら自らを悪と認めるこの女神は、復讐者としてはやや失格気味である。 ※旧約聖書ではこの女神は「アシュタレト」と呼ばれ、豊穣の女神、異邦の女神たちの総称とされたが、 旧約聖書から生まれたこの名前が後の西欧では悪魔(アスタロト)に堕とされてしまった。 忘却補正 A 人は多くを忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。 人間では認知できない、遥かな過去からの恩讐。かつての威厳・威光を忘れた人間たちへの八つ当たり、もとい、不義への鉄槌は強力なものとなる。 自己回復(魔力) B 復讐が果たされるまで、Sイシュタルの気が晴れるまでその魔力は延々と湧き続ける。 放っておくとどんどこテンションを高め、勝手に最終戦争を引き起こしてしまう『原始の女神』の性格がそのままスキルになったもの。 ○固有スキル デビルズ・シュガー:A 悪魔堕ちした事を気に病みながらも『魅惑と興奮』の力を十全に使いこなす、まさに真の悪魔。 Sイシュタルの微笑みと投げキッスは味方の士気を向上させ、肉体にかかる負荷を無視して限界以上の力を引き出させる。 味方に使うチャーム(呪い)そのもので、既に魅了されている為、敵からの魅了を無効にする。 勝利の女神の側面と、人を破滅させる悪魔としての側面が複合した、悪魔のカリスマと言ってもいい。 ヴィナス・ドライバー:B 金星を動かすもの。あるいは、美を駆るもの。 金星の加護により宝具の威力を向上し、また、その属性を自在に変化させる。やがて様々な女神に派生する『原始の女神』に相応しいスキル。 マルチプル・スターリング:EX ただ一つの大王冠。 イシュタルの元になった女神から派生する、様々な『天の女王』たる女神たちの王冠が重なり、完全なる形に戻ったもの。 大量のNPを獲得し、すべてのカードの性能を高確率で向上させる。 【宝具】 『原始宇宙に輝く王冠(エディン・シュグラ・クエーサー)』 ランク:EX 種別:対星宝具 レンジ:10000~気分 最大補足:気分(精神高揚により変化) もう、しかたない! 本気にさせたのはそっちだから! 神殿、顕現! これが私の、『原始宇宙に輝く王冠(エディン・シュグラ・クエーサー)』!」 原始宇宙において『女神の証』とされた古代神殿ベル・マアンナを呼び寄せ、神殿を構成する高次元の塊―――霊基銀河を開放、これをエネルギーに変換して宙域を焼き尽くす対異星侵略宝具。 Sイシュタルはイシュタルのように『常時、舟に乗っている』事はない。 Sイシュタルが呼び起こすものは神殿であり(アナトが建てたとされるバアル神殿)、その姿は禍々しく、攻撃的なフォルムをしている……と言われていたが……。 また、シュメル・アッカド語でエディンは草原、空野。 旧約聖書でいうところのエデンの語源とされる。 シュグラはそのエディンにある王冠。イシュタルがエディンに入った時に与えられたもの。 クエーサーは現代の天体用語。準恒星状の意味を持つ。 地球から遥かに離れた宙域にあって、強く光を放っている事から『最も明るい天体』と言われている。 人物 サーヴァント・ユニヴァースにおけるイシュタル。 どういうわけか類似の権能を持ついくつかの女神と合体した状態になっている。 そのため三重人格。再臨によって姿と人格が切り替わるワルキューレ、魔王信長仕様。 アウトローでありながら正義のヒロイン。 悪役ムーブをしているが、やることなすこと人々の為になっている不思議な立ち位置。 『人類の脅威』を自覚しているので属性も『悪』となっているが、これは悪党・悪者、という意味ではない。 汎人類史のイシュタルとほぼ同じ性格だが、遊び気分で他人を弄ぶような事はしない。 個人が行う善行を『正しいこと』と誇らしげに認め、人知れず喜び、 個人が行う悪行を『酷いこと』と敵意をこめて睨み、堂々と罵る。 (そして相手が悪党であるなら容赦なしで資産も生命も運命も搾り取る) Sイシュタルはイシュタル同様、自由奔放な性格で、人間社会の残酷さ・浅はかさを見下しているが、 それはそれとして、人々の生活をそれなりに考慮し、 善良な人間はそれなりに気にかけて、最終的には自分の報酬よりみんなの勝利を優先する……という、 イシュタルにあるまじき方向性を持っている。 たとえばサマーレースの時のように、イシュタルの復権の為に周りを犠牲にしてグガランナを復活させようとした場合、 Sイシュタルなら最後に反省してグガランナを自分の手で破壊し、そのリソースを参加者たちに分け与えるだろう。 「そりゃあ暴れたくなるほど勿体ないけど、そうするべきだと感じちゃったの! ほら、自分にウソはつけないじゃない?」 このように、基本的にはイシュタルそのものだが、最後の局面では決して人類の敵には回らない…… 要するに、Sイシュタルは『イシュタルとして悪い』女神なのである。 アシュタレト 恐れ、敬いなさい人間。私は宇宙の新しい支配者にして全人類への復讐を果たすもの。女神の中の女神。人呼んでスペース・イシュタル。なのですが……なにここ、作戦室? おかしくありませんか?私、なぜアナタの召喚に応じているのでしょう? 召喚時の姿。悪の組織「スペース新陰流」を率いる、寡黙で冷酷非情の悪の総帥。 しかし全く冷酷になりきれてない。遊び気分で他人を弄ぶような事は決してせず、むしろ叱責するという、悪党と呼ぶには随分と規律的。 「清く正しく、悪の道を極めるのです」とは本人の弁。 こちらの姿は機械音痴。 Sイシュタル はー、やーっと自由な私に戻れたわ。改めてこんにちわ、地球のマスター。宇宙を股にかける賞金稼ぎ、スペース・イシュタル、ここに参上! どう? やっぱりこっちの方がいいでしょう? 第一再臨後に出てくる人格。宇宙を気ままに旅する賞金稼ぎ。 名前こそ「イシュタル」だが、その性格は汎人類史のイシュタルの依代の少女のそれに近い。 弱きを助け悪しきを挫き、意外とドライだが一方で世話焼きで、金目のものには目がなく、宝石が切り札だが安易に使えるほど持っているわけではない。 なお、この状態では(凛にしては)珍しく機械に強い。 スタッフからはキャラデザインについて『Fate/EXTRA』の凛をベースにしたという発言がある(*1)。 イシュタル・アシュタレト はぁ。ようやく元の私に戻れたのね。私は原初の女神、アシュタレト。私を忘れ、悪魔に貶めた人類への復讐心を胸に秘めながら、それはそれとして、新しい宇宙を観光したい気持ちでいっぱいの女神。つまりあなたのサーヴァント、ということよ。私を失望させないようにね、マスター 第三再臨後に出てくる人格。女神の真の姿。 他の人格二人よりも精神的に幼いようで、本心を包み隠すことなく火の玉ストレートに話す。 彼女が出てきている時も他の人格は起きているらしく、絆レベル5台詞ではマスターに「好きよ」と直球を投げ、他の人格が慌てて表層化して弁明する(*2)。 アシュタレト・オリジン(霊衣) 最終再臨・レベルMAXで解放される霊衣。 下記のオリジンの姿になるが、人格はイシュタル・アシュタレトのままであり別に危険はない、はず。 ボイス丸々差し替わっててラスボス感ある?知らん。 ゲーム中の性能 「セイバーウォーズ2」に際して追加された期間限定の☆5アヴェンジャー。 同レアリティ帯のアヴェンジャーの中では最も攻撃力が低いが、代わりにクラススキルが豊富。「対魔力」「女神の神核」によりデバフに強い。 カード構成はBBAAQのセイバー型。カード性能はArtsは並だが他は良好。 スキルは全て違う種類の攻撃系バフを含む複合スキル。 「デビルズ・シュガー」はカリスマ型派生スキル。自分への効果はそれなり程度だが味方へは効果が1.5倍になる上に魅了無効までつく。 「マルチプル・スターリング」はNPチャージと確率で3Tの各カード性能のバフがつく。 確率自体は割と高いが、外すことを考えるとこのバフをアテにした戦法はオススメできないが、NPチャージは最大50になるので周回要員としては優秀。 そして最大の特徴が「ヴィナス・ドライバー」。1回限りの宝具バフと無敵を付与した上で宝具のカードを任意に変更できる。 このため自前で宝具込みBusterブレイブチェインもArtsブレイブチェインも組むことができる。 宝具は上記の通りで、カードの色を弄らない場合はArts宝具。 3T持続する宝具バフに加え、1Tのエクストラアタックに対する威力バフがつく。バフの扱いはカード性能アップと同じで、威力が2倍に跳ね上がる。 また自力でBusterブレイブチェインも組め、そうするとFirstボーナスとチェインボーナスが入るのでエクストラアタックだけでとんでもない威力になる。 ただし、宝具のHit数自体はあまり多くなく、スカスカシステムは厳しめ。Artsシステムであれば可能。 また、NP50初期チャージ礼装+NP50を配布できるサーヴァント2人を付けてやればなんなく2連発できる上、 凸カレイドスコープを持たせ、さらにもう一人NP配布役を投入すれば、NP回収関係なくNPチャージスキルだけで3連発をすることができる。 NP50チャージスキルを持つ宝具アタッカーという時点でもかなり有用なのだが、相性不利になることが少ないアヴェンジャーであり、 なおかつ一人で3種類のバフ(うち1種類は確率だが)を持ち、更に宝具を撃つたびに宝具威力が上がっていくため、宝具を回し続けている限り安定して高い火力を出せる。 また、「星属性」なので周回時に「天地人」の影響を受けない点も周回において地味に優秀。 さらに、宝具の色を変更できる特性のおかげで、カードバフ三銃士を始めとしたあらゆるサポーターに対応するため非常に万能。 スカディはQuickのカードバフを配りながらNP50を配布可能なのでシステムこそ難しいが相性自体は良い。 今まで同じ芸当ができたのはアストルフォだけだったが、その火力はアストルフォを大幅に凌駕する。 等倍で10万単位のダメージを全体に撒き散らし、それでも生き残る敵にはブレイブチェインでさらにおかわり。 これで周回どころか一部の高HPボスや高難易度までまとめて薙ぎ払ってしまうほどの汎用性を誇る。 アルトリア・キャスターとも非常に相性が良い。 元々ArtsであればそれなりにNPを回収できていたが、ArtsバフとNP50を配布した上にNP獲得量アップまで付けてくれるキャストリアとは抜群のシナジーを誇り、 キャストリアシステムのアタッカー有力候補として注目されるようになった。 敵編成・魔術礼装次第では概念礼装不問でシステム運用可能だったりする。 それでいて汎用性の高さは健在なので現在では「適当に周回するなら全部Sイシュタル(か水着のカーマ・武蔵・伊吹のどれか)でいい」とまで言われるようになってしまった。 ただし、Sイシュタルの特徴である宝具カードタイプ変更のおかげで、キャストリアの1年後に実装された光のコヤンスカヤともこれまた相性バッチリ。 「イノベーター・バニー」のスキルターン短縮効果により、これをフレンドのコヤンスカヤと重ねがけするかアトラス院礼装の「メジェドの目」を使うことで3ターン目に「マルチプル・スターリング」を再使用できる。 つまりWコヤンスカヤと自身だけでNP200を賄えてしまう。後はオーダーチェンジなどでNPを配るサーヴァントを用意しておけば上述の手段でNP回収関係ない3連発が可能になる。 コヤンスカヤと組んだときの利点はクリティカル補助もしてくれるという点。カード運こそ絡むがBusterが引けていればブレイブチェインに強化されたBusterクリティカルも絡めることで更に火力を引き出せる。 どのような編成をしても、欠点は防御の薄さとなる。 防御系スキルが「ヴィナス・ドライバー」の無敵1回だけなのでラッシュできないと押し負けることも結構あったりする。 また、要求素材も厳しい。 彼女のスキルはNPチャージスキルを含む事もあって可能な限りスキルマ推奨なのだが、Lv8→9が「真理の卵15個(*3)」ととんでもない事になっている。 スキル3つ全てをMAXにし、かつ霊衣解放の素材まで含めるとこんなものを50個も要求される鬼畜仕様。 更に基本等倍が相手なので汎用性についてはかなりのところが宝具レベルに影響されるのも欠点だったりする。 といっても真理の卵以外の素材は逆に余りやすいものばかりを消費するのでスキルLv8までは割と簡単に上げられるし、 宝具レベルについては編成である程度補えるのでこの辺りの問題は割り切ってしまうのも手である。 あと、周回については宝具演出時間がかなり長い方に入るのも悩み。これは水着カーマの登場あたりで浮き彫りになった。 Sイシュタル究極体とも言える、霊衣のアシュタレト・オリジン姿でスキルマ・宝具3以上の彼女をサポートに並べている御仁がいたら素直に褒めてあげよう(*4)。 セイバーウォーズ2での活躍 イシュタルに呼びつけられ、マイルームで待機していた主人公だったが、そこに別時空からアシュタレトがワープしてくる。 その目的は人類最後のマスターである主人公を拉致するというもので、アシュタレトはそうはさせまいとする彼/彼女の仲間と戦う覚悟をしていたが、 見た目がイシュタルそっくりな彼女を主人公とたまたま居合わせたマシュは「イシュタルのイメチェン」と信じて疑わなかった上、そのイシュタルが主人公を連れ出すことを予告していたため、 マシュには抵抗されるどころか警戒すらされることなく、主人公もあっさりと自分と行くことを承諾する始末であり、拍子抜けしながらも主人公を攫うことに成功する。 そうして、主人公を自らの世界に拉致したアシュタレトは自分を「イシュタル」と呼ぶ彼/彼女に自らの名前を名乗り、生贄にすると通告するが、 あまりにも非常事態やおかしな事態に慣れている主人公は怖がる素振りすら見せず、退屈だとこぼす主人公に自らの端末での動画視聴や配信、通販を許可するなどの世話を焼いてしまった上、 いざ生贄にする場所に向かおうとした段階で機械音痴とうっかりが発動しユニバースの彼方に放り出してしまう。 その後、そのやらかしを挽回するためにアシュタレトは主人公を賞金首として指名手配するのであった。 一方、アシュタレトの手違いで辺境の惑星に放り出された主人公は運良くX師匠と合流し、事情やこの世界についての情報を集めた後、 ひょんなことから賞金稼ぎのSイシュタルとその相棒のカラミティ・ジェーンとも知り合うことに。 その後の騒動で主人公が指名手配中の「マスター」であることを知ったSイシュタルたちは、自分たちの思惑もあって主人公が元の宇宙に戻るまでの護衛を買って出、 それを快諾した主人公と、彼/彼女を放っておけないX師匠と共に行動することとなった。 道中で六剣客を片付けつつ、アシュタレトの本拠地、ダーク・マアンナに向かう主人公たちだが、主人公は立ち寄ったSイシュタルの実家でとあるメッセージを見てしまう。 それは優雅な教授による娘へのメッセージ。 Sイシュタルは自分をただのサーヴァントだと思いこんでいるが、真実は違う。彼女は善と悪に分かれ女神の半身であり、神霊などと言った次元には収まらない存在だという。 そして彼女に独立し、静かに生きるように告げるが、しかし途中で教授は後ろから何者かに刺されてしまい、そこでメッセージは終わってしまった。 その後息つく暇もなく今度はアシュタレトが自らマスターを奪還するために襲来。 圧倒的な戦力差になす術もないSイシュタルだったが、なんとかマスターを奪われずに済んだ。 そして、初めて相手と対面したSイシュタルたちは互いに悟った。自分と相手は『女神』の半身の片割れであるということを。 アシュタレト撤退後、主人公とX師匠はSイシュタルから過去の事情を聞くことに。 ユニヴァースのお嬢様学校、女王女学院(クイーンズ)の学生だったSイシュタルが14歳の誕生日に帰宅すると、そこには何者かに斬られた父の姿があった。 父は彼女の真実と成すべきことを告げ、そして娘の誕生日を祝う言葉を口にした後、帰らぬ人となった。 以来彼女は賞金稼ぎとして自立し、父を襲った相手を探し続けているという。 女神として生まれ、ヒトとして育てられ、サーヴァントとして覚醒した。それがSイシュタルという存在であったのだ。 一方のアシュタレトはというと、Sイシュタルを引き取った養父が育てなかった方の半身である。 彼は女神の半身を両方引き取ったが、そのうち片方だけを育て片方は封印しており、襲ってきた人物はその封印された半身を奪いに来たのである。 Sイシュタルの過去を聞き、志も新たにダーク・マアンナを目指す主人公たち。 ダーク・マアンナでは一度は門番の竜殺剣に倒されマスターを奪われ自身は投獄されるが、助けを借りて脱出し中枢を目指すと、マスターとともにいるアシュタレトと再会。 かつて分かたれた女神の半身同士、壮絶な戦いを繰り広げるSイシュタルとアシュタレトであったが、途中でアシュタレトの腹心MUNENORIがアシュタレトを気絶させて祭壇に連れて行ってしまう。 そして残されたSイシュタルに告げる。おまえの父を倒したのは他ならぬ自分だ、と。 マスターを取り返した後、MUNENORIを追いかけて祭壇へ向かい、親の仇を討ったSイシュタルだったが、その胸には充実感などなかった。 そして祭壇に捧げられたアシュタレトも回収するも、彼女は既に手遅れだという。 Sイシュタルとアシュタレトは確かに『女神』の半身。ただしそれはあくまで魂、いわば「心臓」の部分である。 『女神』は2000年前に討伐チームにより倒されているのだが、その際に「心臓」を分割し、更にこれを2つに分けたのである。 実は『女神』は「心臓」がなくとも、「肉体」だけで生きていける。そして今いる宇宙は原始宇宙であり、それは『女神』の体の残滓。 そしてついに女神アシュタレト・オリジンが降臨してしまう。 オリジンは原始宇宙を広げようとするが、Sイシュタルは拒絶。どう見てもオリジンは人類の脅威そのものであり、そもそもこの旅は元はと言えば、マスターを元の世界に戻すためのもの。 『原始の女神』なんておとぎ話はノー・サンキュー!さっさと忘却の底に帰りなさいよね! 忘れろ──と?私が、私に──? たとえ私であれ、その発言は許されない。決して。決して。 こうして「心臓」と「肉体」は敵対したが、『女神』として復活した「肉体」には銀河サイズの攻撃以外無効状態であり、所詮サーヴァント止まりな「心臓」たちの攻撃は通らない。 身体が星座で出来ている女神には、人間のスケールにある限りどれほど大きなレンジの宝具でも空を切るほか無いのだ。 そしてあちらの攻撃はもちろん命中する。狙いは雑ではあるがこのままではジリ貧。 アシュタレトは自らの力を全て振り絞ってSイシュタル達を逃がそうとするが、 霊基銀河、開放。ベル・マアンナ、開門。 この宙域の生命体、すべてを無に還しなさい。 時既に遅くオリジンの攻撃が彼らを直撃した…… 「実のところ、勝利の鍵は既に揃っています。あとは本人たちの気持ちの持ちようです。」 気付くと主人公は謎のセイバー(バーサーカー)の不思議な力で前の時空に戻ってきていた(*5)。 そして本当の事情を記したレコード、「女神経典」を探すことになる。 本当の事情 そもそも女神とは 原始宇宙における女神、それは人類の生存圏信仰が人格を持ったものである。 その成り立ちゆえ、自分の生活圏内のものは全力で庇護するが、ほかは全力で滅ぼしにいくという特性を持っていた。 そんな女神の中でも『宇宙の更新』まで君臨した女神がいる。それが『原始の女神』。 学会では存在しないとされているが、しかし銀河秘密警察には存在を示す記録があった。 『女神』の力は強大である。あるだけで蒼輝銀河のルールが乱れてしまう。 サーヴァントユニヴァースにおいて消滅したサーヴァントはどこかに転生する。しかし『女神』の支配権においては、『女神』の意に沿わないものはもう転生しなくなってしまう。 これを利用し、古代女神文明を復活させ銀河を支配せんとするのがスペース新陰流の目標である。 2000年前に何が起きたか サーヴァントユニバースにおける約2000年前、『原始の女神』が復活した。 目覚めた『女神』は自らの存在と信仰を忘れた人類全てを憎悪する危険な存在と化していた。 忘却は罪である。改宗は罪である。 新天地への移住など、女神への侮辱に他ならない。 あまりにも強大な『女神』の力に対策が練られ、討伐チームが作られた。 そのチームは以下の通り。 竜殺しのセイバー 籠城名将と呼ばれたランサー 星の瞳を持つアーチャー 同じ古代女神のアサシン 自称バーサーカーのライダー 宇宙オニイサンマーリン 宇宙海賊スペーストシゾー この7騎とマスターが『原始の女神』討伐に赴き、見事撃破した。 しかし『原始の女神』は倒れる前に「褒美」と称し呪いを与えた。 最後まで生き残ったセイバーとアーチャーは死ねなくなったのである。 アシュタレトとSイシュタル そして2000年後、『原始の女神』の意志、いわば心臓は「女神の霊核」となり祭壇で眠っていた。 その霊核は善と悪の2つに分かれており、片方は教授に引き取られ、もうひとりは封印された後に別のものにより引き取られた。 ここまでは当の2人も知っている事実。 両方を育てなかったのは性質が違う両者をともに育てることは出来ないと判断したためである。 さてどっちが善と悪か。誰もが善の側面を引き取り、悪の側面を封印したと思っていた。 善の方は何もしなくても愛され、悪の方は何もしなくても恐れられる。 平和を願う男にとって善の側面を選ぶのはとても合理的な選択といえよう。 だが、それも違うと考えた教授、いやトキオミ氏。 悪の側面に愛を語り、ヒトとして接し、幸福を知ってもらいたい。悪の側面であっても、温かな世界で笑いあえる日々を築いてこそ、蒼輝銀河の正しさが証明できるのでは、と。 そう考えた教授は片方を引き取り、娘「リン」として育てた。 更に、根っからの善人でありながら周囲に破壊や混乱を巻き起こす助手にリンの面倒を見てもらうことで、彼女に善悪は必ずしも表裏一体ではないということを学んでもらおうとした。 つまるところ、Sイシュタルこそが悪の側面であった。 しかしトキオミ氏の教育が実り、彼女は悪の側面でありながら悪に染まることなく、我々がよく知る同じ名前の少女のような性格をした、正義の賞金稼ぎに成長を遂げたのである。 そして、Sイシュタルが悪の側面ということは、アシュタレトは善の側面ということになる。 そんな事情を知らずにアシュタレトを奪還したMUNENORIは彼女を悪の側面と思い込み、悪の総統に育て上げたのであった。 勝利への鍵 女神経典に隠されていた真実を伝える主人公。 全てがひっくり返ったことで彼女たちは混乱していたが、アシュタレトは覚悟を決めたのかスペース新陰流奥義でオリジンの攻撃を1度弾く。 しかしもう次の攻撃が来る。そしてアシュタレトはもはや限界。 こうなればもはや手は一つしかない。Sイシュタルの方を核として半身同士が合わさり、『女神』になる。 Sイシュタルは少しためらったが、すぐにそれを受け入れた。 そして… そう、私は新生した銀河。 古き恩讐を抱きながら新しい秩序を良しとするもの。 『原始の女神』イシュタル・アシュタレト。 人呼んでスペース・イシュタル。 古くさいアナタから50億年彼方で誕生した、今を生きる超新星よ。 祝え!善を知った悪、悪を知った善、それが合体して生まれた新しい姿、『原始の女神』イシュタル・アシュタレトの誕生である! 新しい秩序を肯定するイシュタル・アシュタレトと古きを良しとするアシュタレト・オリジンは相容れない。それが故に戦いを始める。 その戦いはまさに規格外。 ゲーム内でも相手のHPが合計で400万を超える一方でこちらは攻撃力・全カード性能・宝具威力がアップし、毎ターンHPが50,000回復し、そして最大HPが80,000を超えるという凄い状態になる。 一方で他の味方は一切出撃できずマスターのサポートのみ。規格外の戦いに普通のサーヴァントはついていけないのである。(*6) 規格外の戦い、同じ女神、本来なら力は同じはず。しかしオリジンが徐々に押されだす。 違いは過去に囚われるか、未来へ進むか…サーヴァントユニバースでもそれはちっぽけなこと。 しかし規格外の戦いではそんな僅かな差でも致命傷になるのである。 そして相棒の宝具の助けを借りたうえで止めの一撃をクリーンヒットさせる。 ああ───また『私』だけが、おまえたちに置いていかれるというの───? いいえ、許さない。忘れない、決して、決して! 認めないわ、こんな結末(みらい)! 原始宇宙も、蒼輝銀河も、私を拒むなら、より過去へ! たとえ『私』が霧散しようと、『私』の残滓がどれほど劣化しようと─── 必ず、おまえたち人類に復讐してやるんだから───! こうしてアシュタレト・オリジンは散った。 その後、イシュタルとアシュタレトはSイシュタルに戻る。 曰くもうあんな状態になるのはゴメンということで、その権威を使って主人公を元の世界に送り届けた。 主人公が戻ってきた時、カルデアではまだ数分しか経っていなかった。 突然消えたと思ったら何かよくわからない状態で、しかも聖杯まで携えて帰ってきた主人公は、カルデアで待っていたイシュタル、エレシュキガル、マシュに語りだす。 ───これは、とある宇宙であった物語… 余談 神霊の複合サーヴァントはこれまでも何騎か登場しているが、実は複数の神話が出典のサーヴァントは彼女が初めて。 サーヴァントは全盛期で固定されるという特性上、Sイシュタルは自立した14歳の時点から外見年齢が変わっていない。このため凛(17歳)よりも身長が若干低い。 彼女の実装でSNヒロインモチーフのサーヴァントでエクストラクラスでも三竦みが成立するようになった。(*7) サーヴァントとして実装される前に「バトル・イン・ニューヨーク2019」でもスペース・イシュタルが登場しているが、そちらは性格などが大幅に異なる。 じゃああのときのスペース・イシュタルって何だったんだよって話(推測が多分に含まれます) BIN2019で英雄王と対峙していたスペース・イシュタルは、バトル前にこのようなことを言っている。 こ、この私に、原始(オリジン)宇宙の始まりの女神によくもそんな不名誉な言いがかりを! 我こそは無の荒野(エディン)にて王冠(シュクラ)を戴く朱けの女神、幼き野生、遥かな太古に君臨した銀河輝渦(クエーサー)! このような、自らを太古に君臨した『原始の女神』であることを誇らしげに語る点から、このスペース・イシュタルはオリジン人格に近い考えを持っていることが明らかである。 それを踏まえた上でオリジンの散り際の台詞の一部をもう一度抜粋してみよう。 たとえ『私』が霧散しようと、『私』の残滓がどれほど劣化しようと─── 必ず、おまえたち人類に復讐してやるんだから───! つまりオリジンの要素が霧散、劣化した状態で再び現界する可能性に言及している。 そしてオリジンはセイバーウォーズ2のSイシュタル本人から「人類の脅威」認定されており、BINのスペース・イシュタルは「人類の脅威」属性を持っている。 このことからBIN2019のスペース・イシュタルは時空と縁を遡ってきたオリジンの残滓の一部ではないかという予想がされている。 実際に成仏できず残っていたネコの残滓がセイバーウォーズ2内でも登場しているし、ありえない話ではない。 通常の疑似サーヴァント・イシュタルの姿をとっていた理由は不明だが、恐らく本来の姿になれず最も近い姿を借りた可能性が高い。 さて、この考察からも分かる通り、BIN2019でニューヨークを襲ったスペース・イシュタルはオリジンの残滓の一部であった。 そう、まだ一部を撃破しただけなのである。・・・そう、「あれが最後のスペース・イシュタルとは限らない」ということだ。 ヒロインXX曰く、「宇宙悪魔スペース・イシュタル」というものが少なくとも存在しているらしいので今後再戦の機会もありうる。 そのときには公式にあのスペース・イシュタルが何だったかの答え合わせがあるかもしれない。 キルスコア3。FGO実装キャラではぶっちぎりのトップ。 ・女神が少女に転生する、イシュタルとアシュトレト(アスタロト)、冒険の末に女神が真の(或いは新たな)力を得るという要素から女神転生シリーズを思い出した方も多いかもしれない。 追記・修正は銀河サイズの方がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ドゥムジ「あれが最後のスペース・イシュタルとは思えない」これもあながち間違いじゃないのね -- 名無しさん (2019-11-16 01 10 01) 赤くて、オリジン・・・ガンダムフレーム? -- 名無しさん (2019-11-16 12 25 01) ヴェルバー3じゃないよね……。なんか復讐の女神って聞いたからちょっと思っちゃった -- 名無しさん (2019-11-16 19 46 37) トキオミのオチに笑ったイベだった -- 名無しさん (2019-11-16 19 57 55) MUNE"M"ORIの誤字にひょっとして元キャラと同じムネノリと思い込んでいたのでは?と攻略サイト巡って確認してきた。Nだった。直した -- 名無しさん (2019-11-17 07 28 56) サーヴァントユニヴァース面白すぎてこの方向でもっと展開して♡ ってなった -- 名無しさん (2019-11-17 18 32 02) FATE世界線のアトラス院というか、演劇親父が余裕があるのがいつか鯖ユニに更新されて可能性の果てが遠くなるからって考察みて感心した -- 名無しさん (2019-11-19 09 36 17) さりげなく宇宙平和に貢献していたジャガ先 -- 名無しさん (2019-11-19 10 54 32) スペース・イシュタルは宇宙のイシュタルである -- 名無しさん (2020-03-24 15 26 29) 恐らく主人公殺した回数No.1ではなかろうか。 -- 名無しさん (2020-04-08 11 27 19) ↑元ビーストⅢ達より危険じゃないか! -- 名無しさん (2020-04-08 13 31 05) なるほど!わざわざ女神“経典”って言ってたのは偽典に掛けてたのか!確かにイシュタルとアスタロトがヒロインだ! -- 名無しさん (2021-04-20 20 49 38) 属性が星だから天地人相性に引っかからないってってのも強さの汎用性を高めてる -- 名無しさん (2021-04-21 02 56 58) だいたいこの娘で解決するくらいに強い -- 名無しさん (2022-07-30 06 21 30) ユニバースがギャグ設定だからという前提こそあるが、現状型月最強のキャラ。キアラですら太陽系までしか能力が及ばないので、銀河そのもののSタルには勝てないとかいうトンでも具合 -- 名無しさん (2022-12-28 19 52 52) SNの三大ヒロイン、桜が身体そのものが宇宙、凛も身体そのものが宇宙 -- 名無しさん (2023-02-16 00 14 09) 名前 コメント
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教祖の朝は早い。 朝日と共に起床する。 起床して最初に行うのは日課である朝の祈りだ。 これは神との交信ではなく、日々の感謝と幸福を願う純粋な祈りである。 半刻程の祈りを済ませた後は、備え付けの台所で朝食の準備を始める。 本日の朝食はサラダと豆のスープ。 質素な食事だが、毎日喰うに困らなくなっただけでも自分には贅沢すぎる。 石造りの自室は夏は暑く冬は寒い。 けれど温かい毛布はあるし、ガラス窓にはヒビ一つない。 暮らしをするには十分な環境である。 朝食を終えると、隣室の簡素な浴場に向かう。 そこで冷水で身を清めると、祭服に着替えると離れの自室から回廊を渡って神殿へと向かう。 自室と違い、神を祀る神殿は絢爛なものにした。 神殿は神の威光を示す物。 どれだけ豪勢を極めても足りない程である。 「おはようございます」 『おはようございます、教祖様』 教団に仕える巫女たちに声をかける。 気持ちの良い挨拶が返った。 「本日は神送の儀式があります、準備は整ってますか?」 「はい、滞りなく」 今日は選ばれた信徒が神の世界に導かれる選定の日である。 決まった周期はなく、月に1、2回の頻度で神託により日程が決定される。 贄の選定は神託の巫女であるイコンに一任されていた。 神の要求は日によって異なる。 若い女を要求する事もあれば、屈強な男を求める事もある、あるいは枯れた老人なんて要求もまれにあった。 心美しい穢れを知らぬ善人やあらゆる悪行を行った悪人なんて要求すらある。 神の御心は気まぐれにも見えるが、恐らくイコンに測れぬ程深いのだろう。 そして本日の注文は幼い子供だった。 一室に集められた10余名の年端もいかぬ子供たち。 幼すぎる彼らは状況を完全に理解していないのか戸惑うようにざわついていた。 「きょうそさま」 その中の一人の少年がイコンへと声をかけた。 「どうしました?」 「ぼくたちしんじゃうの?」 不安そうな声。 イコンはにこりと笑って、その不安を拭うように優しく頭を撫でる。 「いいえ、死ぬのではありません。あなた達は神の国へ導かれ、救われるのです。 恐れる事はありません。それは大変、名誉で幸福なことなのですよ」 子供たちは不思議そうに顔を見合わせる。 幼い彼らはよく分かっていないようだった。 別の少女が声を上げる。 「けど、おかーさんやおとーさんと、おわかれしないといけないんでしょ?」 「安心なさい。あなたの家族が真摯に祈りを捧げ生きる真の信徒であるならば、いずれ楽園で会えるでしょう。 あなた達は少しだけはやく楽園に向かうだけなのです」 いずれ出会う約束の地。 家族も幸福も。 そこには全てがある。 「けど…………」 だが、まだ戸惑いがあるのか。 一人の少年が躊躇いがちに声を上げた。 「まだ、ちょっとだけこわい」 「ならば祈るのです。祈れば恐怖は無くなります」 そう言ってイコンが祈ると、それを真似るように子供たちも祈った。 「神様、神様。どうか我らを導き下さい」 『かみさま、かみさま、どうかわれらをおみちびきください』 「神様、神様。どうか我らをお助け下さい」 『かみさま、かみさま、どうかわれらをおたすけください』 彼らなりの真摯な祈りを見届け、イコンは満足そうに笑うと子供たちを送り出す。 カーテンに遮られたその先にあったのは祭壇だった。 階下では、祭壇を見上げる多くの信徒たち。 その中には子供たちの両親もいるのだろう。 聖火の灯った台座に四方を囲まれた祭壇の中心に子供たちは置かれる。 イコンは儀式を取り仕切る巫女として、階下の信徒たちへと声を上げた。 「敬虔なる信徒たちよ! 彼らが今宵、神の国に送られる幸福なモノたちである。 あなた達も日々研鑽を怠らず自らを高め、魂を磨き上げるのです。さすればいずれ神のお導きがあるでしょう」 お決まりとなった儀式の口上を述べる。 階下にいる信徒たちも倣うように一同が両手を合わせて祈りをささげる。 全員が一糸乱れず同じ動作を行うその様は、一つの生き物のようだった。 「さぁ、救済の時間です。神に祈りを捧げなさい、私たちは救われるのです」 神の供物となった子供たちが消えて行く。 神の国、天上楽土へ導かれたのだ。 幸福であれ。 そう願いながら。 いずれ私もと、祈るのだ。 ■ 灯台を臨む岬に海風が吹き付ける。 岬に繰り返し打ち付けられる強い波がうるさいまでの潮騒を響かせた。 降り注ぐ日差しの温かさ、少しだけべたついた風の匂い。 その全てがとても仮想世界とは思えない実感を伴って世界を満たす。 バーチャル世界『New World』。 夜に始まったゲームは朝と昼、二つの契機を超え、いよいよ佳境へと差し掛かろうとしていた。 巻かれた運命の種は各地で芽吹く頃合いだろう。 そしてここでもまた小さな種が一つ。 昼の灯台を誘蛾灯にするようにして誘われたのは一人の男と一人の女。 同じ世界を出自とする二人は最南東に導かれ、遠方に互いの姿を認め足を止める。 辛うじて互いの声が届く距離。 ステージの様な僅かに小高い丘を挟み、赤と黒の瞳が交差した。 同じ世界の住民と言っても、生きた時代の違う二人だ、直接的な面識はない。 だが、互いが何者であるのかなど名乗るまでもなく理解できた。 「愛美ではないな。お前はイコンだな」 潮騒や風音の中でも不思議と通る威厳を含んだ低い声が響く。 見紛うはずもない自分を殺した宿敵の顔。 だが、それとは違う。 あの神の如き女とは違い、目の前の相手は人の範疇である。 「ええ。直接お会いするのは初めてですね、 改めて名乗りましょう私はイコン教団の教祖イコン。初めまして神に敗れし魔王カルザカルマ」 挑発的な笑みを浮かべながら、礼儀正しく首を垂れる。 その顔を見ながら魔王は不快そうに眉根を寄せた。 「その顔。まったく嫌になる程似ているな」 自らを殺した存在と同じ顔が目の前にある。 別人であると理解しても不快感は募るばかりだ。 「そうでしょう。我が相貌は神の威光と教えを広めるため、神より賜りし恩寵その物なのですから」 狂信者は誇らしげに謳うように語る。 この顔は神によって取り替えられた賜りもの。 神の声を聞いた翌朝、イコンの顔は変貌していた。 これをイコンは神の奇跡だと信じて疑わなかった。 己が容姿すら奪われ偶像となる。 その狂信を、魔王は心底下らないと鼻で笑った。 「ふん。その境遇を嘆くのではなく喜んでいるのだから救いようがないな」 もはや愚かを通り越して哀れだと、静かに首を振った。 だが、魔王の哀れみなど神の現身に届くことはない。 真っ直ぐな瞳のまま祈るように手を合わせる。 「いいえ、我らは救われるのです、他ならぬ神によって」 「神は人を救わぬさ。ただ悪辣な試練を与えるのみだ。 逆説的に人を救うのならばそれは神ではない、別の悍ましい何かだろうよ」 魔王は彼女の神を否定する。 だがその言い分を教祖はハッと笑って吐き捨てる。 「下らない。過去の在り方にどれほどの価値がありましょう。 我らが神は新しい神なのです。既存の価値観を覆すのは当然のこと。 これだから価値観を更新できない老害は困ります」 未来を生きる少女からすればその価値観は古い。 彼女の神はそう言った物を超越した最新の救世主である。 「モノの道理も分からぬ小娘がよく吠える。いや、盲目であるからこそか。 盲いたまま誰を導き、どこに向かうと言うのか。お前たちはどこにも行けない」 魔界を束ねる魔王は宗教という一大組織の教祖を否定する。 「行けますとも、私は楽園に行くのです」 言論は噛み合わず、どこまで行っても平行線。 魔族の王と神の使いは分かり合えない。 そんな事は既に分かり切っていた事だ。 「話にならんな。いいだろう。神ではなくこの魔王が導いてやる、貴様が行くのは地獄だ」 「やる気になっている所申し訳ないのですが、生憎あなたとは戦うなと、神にそう忠告されてますので」 イコンは視線を魔王に置いたまま、僅かに後ずさる。 通話越しとはいえ天罰の餌食となったマヌケだ。 神が警戒する程の脅威とは思えなかったが、イコンは神の忠告を無視するような不信心者ではない。 ここは素直に引き下がる事とした。 「逃がすと思うのか?」 「思いますとも。あなたは私に攻撃できない」 能力を知っているからこその抑止力だ。 神罰がある限り魔王は神の使いを攻撃できない。 イコンは慌てることなく悠々とこの場を立ち去ればいい。 「そうだな。ならば、攻撃でなければどうだ?」 言って、魔王は指先に挟まれた1枚のカードを突き出した。 それは自身が一度受けたスキル効果を一度だけ”そのまま再現”するアイテムカード。 「コール。スキル再現」 その宣言にイコンは瞬時に『神罰』が再現されることを警戒した。 だが、その警戒は杞憂に終わる。 発動したのは『神罰』ではなく。 「――――――『強奪』」 カードが燃えるように輝きながら消滅した。 盗賊ギール・グロウより受けた『強奪』のスキルが再現される。 燃え尽きたカードの代わりに、魔王の手元には一つの機械が握られていた。 「成功、のようだな」 その呟きは『強奪』スキルの成功についてではない。 『強奪』スキルを行ったにも拘らず『神罰』が下らなかったことに対してのものだ。 再現したのが直接的に相手を害する『神罰』であれば『神罰』が返っていただろう。 だが、『強奪』スキルでは発動しなかった。 危害の違いではない。 それならば舌戦では発動しないはずだ。 その違いは何か。 それは行った行動(コマンド)の違い。 発動のトリガーを、より具体的に言うならば。 「カウンター発動条件は、『貴様』に対して『攻撃』を『選択』した場合、だな?」 攻撃の内容すら問わない幅の広さだが、攻撃でなければ問題はない。 条件は判明した、だがイコンはそれどころではない。 慌てた様子で何を失ったのかを確認すると、その目が大きく見開かれた。 そして噛みつくように吠える。 「ッ。か、返せッ! それを返せ!!」 「ほぅ。ちょっとした確認のつもりだったが、どうやら当たりを引いたようだな」 魔王が手元のアイテムを確認する。 それは何やら画面に光が点滅する機械だった。 魔王にとっては未知の道具だが、この世界は便利な物で、アイテムの詳細欄を見れば簡単な概要はくらいは理解できる。 詳しい使い方はシェリンに聞けばいい。 「なるほどな、『発信機』とやらを持つ者の現在地を示す道具か。 その慌てた反応からして、ここに示されているのは、」 「黙れッッ!!」 その先を言わすまいと大声を張り上げる。 だが、言葉を途切れさせたところで事実が否定できるわけではない。 失態だ。 知れてしまった、神の所在が。 よりにもよって神の命を狙う魔王を導くなど失態どころの話ではない。 「それを返してもらうぞぉッ、カルザカルマァ!!」 後ろに下げた足を前に踏み出す。 それは神のために踏み出した一歩であり、初めて彼女が神の神託に背いた一歩だった。 取り返さねば。何としても取り返さねばならない。 「来るか狂信者。だが身の程を弁えよ。貴様如きでは我の敵にすらならぬと知れ」 魔界の王は揺るぎなく。 冷徹な絶対強者の風格で受けて立つ。 それを前にしても狂信者は怯まなかった。 彼女の両足を支えるのは信仰と確信である。 「何を戯言を。敵ではないのは貴方の方だ。天罰がある以上、貴方は私に攻撃できない」 強奪が成功しようと、条件が割れようと、その事実になんら変わりはない。 むしろイコンを引き留めたのは自ら首を絞めたと言える。 魔王は何食わぬ顔でふむと頷く。 「確かに我は貴様には攻撃できぬ」 言いながら、魔王は片腕を天に掲げた。 その掌に巨大な炎が渦を巻く。 この世界において魔法を放つのに詠唱し術式を組み立てるなどという過程は必要がない。 具体的なイメージさえあれば、選択するのみで発動する。 だが、どうする。 この業火をイコンに放てば神罰が下る。 それが分からぬ魔王ではあるまい。 「貴様には、な」 言って、練り上げた上級爆炎魔法を叩きつけた。 咄嗟に両手で身を守るも、飛び散った炎がイコンの身を焼く。 「……ッ!?」 まさかカウンターによるダメージ覚悟の自爆戦法か。 そう驚きながら攻撃してきた魔王を見つめる。 だが、魔王は健在。『神罰』が下った様子もない。 「分からぬ、と言う顔だな」 戦っているとは思えない程興味なさげな態度で、魔王はイコンではなく魔法を放った自らの手の平を見つめる。 「貴様のカウンター能力の条件は先ほども言った通り、『貴様』に対して『攻撃』を『選択』することだ。 逆に言えば、その条件をすべて満たさなければ発動はしない。 だから我は貴様ではなく、この地面を攻撃した。これはその攻撃に貴様が勝手に巻き込まれただけの話である」 魔法が叩き付けられたのは魔王とイコンの中間あたりの地面だった。 イコンに襲い掛かったのは周囲に飛び散った炎でしかない。 「これより我は、貴様を眼中にも置かぬ。言ったであろう貴様は我の敵ですらないと」 直接攻撃ではなく範囲攻撃で巻き込む。 イコンの能力は魔王にとってそれだけで攻略可能な障害に過ぎない。 視線すら向けず、独り言のように残酷な宣告を行う。 「適当に巻き込まれて、適当に死ね」 ■ 灯台を臨む岬はあらゆる魔法が飛び交う戦場となっていた。 魔法師団もかくやという魔法の嵐を生み出しているのは、たった一人の魔族である。 魔法を司る王の両手から幾つもの閃光が弾ける。 次々と飛び交う魔法は手当たり次第で節操がない。 轟く雷鳴。雨の様に雷が落ちる。 地面は針山のように隆起し地形その物を変化させていた。 地表の一部は凍り付き、棘のような氷が突き立っている。 またある一部では高温で融解した地面が泡のように沸き立っていた。 熱と冷気が入り混じって吹き荒れる暴風は金切声の様な絶叫を上げながら、全てを切り裂く風の刃となる。 色とりどりの魔法力はプリズムの様に反射し空に虹の様な美しい紋様を映し出してた。 もはやこの世の物とは思えぬ光景だった。 その渦中にいるイコンは、まだ自分が生きているのが不思議で仕方がなかった。 これ程の地獄の中で生きているのは実力ではなく、完全な運でしかない事を理解しいていたからだ。 魔王の手から上空に向かって放たれた光の矢が空中で拡散した。 光の槍となって雨のように降り注ぎ地面に多くの沢山のクレーターを作る。 一条の光がイコンの肩を掠めた。 「…………くっ!?」 生き延びられている理由は敵の狙いの散漫さ故である。 直撃することはないためダメージも少ない。 本当に明後日の方向に放たれることもある。 だが、あまりにも多く、あまりにも広範囲すぎる。 僅かに掠める魔法のよって生命力が。 安全地帯を模索して駆けまわることで体力が。 いつ直撃するとも知れぬ恐怖で気力が。 直撃はせずとも、時間と共に削られてゆく。 爆心地たる魔王を見る。 宣言通り魔王はイコンに視線すら向けていない。 それどころか、完全に両目を閉じてすらいた。 意図的に、逃げ惑うネズミの気配すらを感じていないだろう。 だが、これは絶好の機会でもあった。 魔王は攻撃のために防御を完全に捨てている状態だ。 それを前提とした策なのだろうが、その態度はイコンを完全に嘗めている。 攻撃をするのは自分だけだと言わんばかりの魔王の背は隙だらけだ。 恐らく背後に回られたことすら気づいていまい。 これ程隙だらけの相手なら、イコンであろうと仕留められるだろう。 問題は一つ。 イコンの持つ直接攻撃できるような武器は七支刀だけだった。 近接武器で攻撃するには、当然ながら近づく必要がある。 それはつまり、ありとあらゆる破壊が渦巻く地獄の爆心地に飛び込んでいく必要があると言う事。 取り出した七支刀を握り締める。 彼女は戦士ではない。 破壊の渦を縫って駆け抜ける技量などない。 それでも、まともな生存圏など無い道を迷わず駆け抜ける、その勇気があるか。 彼女は神の神託を聞き届ける巫女である。 彼女の心には決して揺るがぬ信仰があった。 信仰は生きる糧となり、前に踏み出す勇気をくれる。 迷いはいらない。 躊躇えばそれこそ死だ。 振り切るようにして目を閉じてイコンは駆けだした。 イコンにできるのは祈る事だけである。 どこを走ろうが同じならば、最短距離を一直線に駆ける。 目を閉じて明後日の方向に攻撃を放ち続けるその背を、目を閉じた襲撃者が狙う。 それは傍から見ればさぞ異様な光景であっただろう。 幾重もの風の刃が身を掠める。 氷塊が背後に落ちた音がした。 目の前を灼熱の炎が通りすぎた熱を感じる。 その地獄の道のりを不意打ちに気付かれぬよう、歯を食いしばり声を出さずに駆け抜ける。 痛みがある、恐怖がある、躊躇いがある、それら全てを信仰心でねじ伏せる。 それは信仰の賜物か。 イコンは五体満足のまま辿り着いた。 七支刀を振りかぶりイコンが目を見開く。 眼前には無防備な敵の背中。 トドメとなる最後の一歩を踏み込んだ所で。 その足元が爆発した。 「ネズミが掛かったか」 その爆発音に魔王が振り向き、閉じていた目を片方だけ開く。 魔王は自らの周囲に、地雷の様に罠魔法を仕込んでいた。 敵の踏み込みをトリガーにするこれもまた『天罰』の発動条件外の攻撃である。 「我に手の内を見せたのが間違いだったな」 電話越しとはいえ、魔王に己が手の内を晒す意味。 イコンはそれを理解していなかった。 いや、理解はしていたが、見誤っていた。 魔王など、彼女からすれば神に敗れた敗北者。 軽蔑はすれど警戒をするに値しない存在だった。 だが、イコンの生きる時代は勇者によって平定された時代だ。 たとえそれがディストピアめいたものであったとしても、秩序の保たれた世界に生きた女である。 立場上命の危機に晒されることも少なくはなかったが、それも小競り合い程度の戦闘しか経験したことがなかった。 それに対して、魔王が生きたのは戦乱の時代。 十を超える大戦を超え、魔界を平定した百戦錬磨の戦闘巧者である。 魔王の名は伊達ではない。 彼我には戦闘経験には天と地ほどの差があった。 敵の手の内が知れれば対応策など、それこそ五万と考えられる。 「確かに……あなたにコールをしたのは失敗でした」 トラップを踏んだ右足は動かない。 だが、今はそれが功を奏した。 すぐ攻撃されないのは下手に動かないからこそである。 トラップに引っかかった時点で魔王はイコンを認識した。 動かないでいる限り、天罰を意識してすぐには攻撃ができない。 だが、それもこの一時の事だろう。 この魔王の事だ、すぐさまルール外の攻撃を仕掛けてくるだろう。 魔王がゆっくりと動けないイコンへと近づく。 直接攻撃による奇襲は失敗した。 魔王相手に手の内を見せたのも悪手だった。 侮っていたのも認めよう。 「ですが…………」 まだ、全てを見せた訳ではない。 切り札を出したとしても、まだ奥の手がある。 「近づいたぞ――――魔王ッ!!」 カッとイコンが目を見開く。 イコンが持つもう一つのスキル『アイドル(古代)』。 近づきさえすれば、範囲内の対象に熱狂状態を付与できる。 スキル効果の有効圏内。 だが、魔王に状態異常は通らない。 それは魔王の支配する時代に生きる者であれば誰だって知っている常識である。 故に、魔王に状態異常を与えようとするなど戦術として成立しない。 イコンは魔王の存在しない時代に生きた存在だからこそ、その常識を知らない。 加えて、他ならぬ天罰により魔王の状態異常耐性は下げられている。 アイドルに魅せられ魔王の目の色が変わる。 魔族特有の金と赤の瞳から正気の色が消え失せ、狂気を帯びた炎が灯る。 無知と偶然によりこの戦術は成立した。 灯る狂気と情熱の炎。 その炎が、向けられる先は。 「イコン――――我が愛しの君よ」 魔族の頂点たる魔王が、最大限の敬意を払うようにその場に跪いた。 勝った。 イコンは内心で勝利を確信する。 神に感謝を、幸運に祈りを。 魔王はイコンに従う信徒となった。 勇気でも技術でもなく、これは神を信じ駆けだした信仰の勝利である。 慌てる必要のなくなったイコンはゆっくりと七支刀を杖代わりにして立ち上がった。 自らに傅く巨体を見下ろす。 見下ろすと言っても魔王の座高とイコンの身長は大差がないのでほぼ水平ではあったのだが。 ひとまず自らに従う木偶となった魔王の処遇を考えねばならない。 贄として神の下に連れて行くか。 いや、まかりなりにも神の命を狙う魔王である。 万が一と言う事もある、それは危険だろう。 神の御身を危険に晒す可能性のある行為は避けるべきだ。 つまらない欲は出さず、自害を命じるなりしてここで始末しておくべきだろう。 イコンはそう決断を下す。 だが、その前に。 「周囲の罠魔法を解除し私の足を治しなさい」 この足では行動に支障をきたしてしまう。 まずは治療を行わせる。 魔法を自在に操る魔王なのだから、回復魔法も思うがままだろう。 だが、魔王は俯いたまま動かなかった。 「…………どうしました?」 促された魔王はゆっくりと面を上げる。 地面にポトリと何かが落ちた。 その目には、一筋の涙が。 「え?」 「許せよ。我が君」 魔王の腕に魔法の輝きが灯り、躊躇いなく振り落とされた。 それは癒しの力などではなく、全身を焼く炎だった。 「ぁあ…………ッ!!」 「くっ!」 上がった悲鳴は二つ。 身を焼かれたイコンと、『天罰』によるカウンターダメージに苦しむ魔王の物だ。 あれほど封じていた直接攻撃を今になって何故。 それ以前に、信仰を持ったはずのイコンに対して攻撃を行うなどあってはならないことだ。 イコンの誤りは信仰を絶対であると考えた事。 信仰している相手を殺せないと自らの尺度に当てはめてしまった事である。 愛の形は千差万別。 愛しているから守りたいという価値観もあれば、愛しているから殺していなんて事もある。 むろん魔王はそんな気質ではないけれど、愛していようが殺す男ではあった。 怠惰にして同胞を庇護する慈悲深く情深い魔王。 だが、敵であれば殺す。 そこに好悪など関係がない。 その価値観を当たり前の常識として持っている。 このガルザカルマが魔界を統一するために、何度同胞を殺してきたと思っている。 それは恨みで戦ったのではない。 むしろ敬い尊敬していた相手達だった。 それでも殺した。 殺す必要があったから。 そうしなければ魔界に秩序を齎せなかったからだ。 それが魔王カルザ・カルマという男の生きざまである。 「我が愛する君よ。苦しまぬよう一思いに殺してやる」 涙を流しながら、愛しき人を手にかける。 『熱狂』状態となった者は彼女のために命を懸ける事も厭わない。 その効果が齎したのは、自らが傷ついても殺すという覚悟だった。 これらが合わさり、魔王は自傷を厭わぬ直接攻撃に踏み切った。 「くっ…………」 動かない足を引きずってイコンは後ずさる。 神の言葉は正しかったと今になって理解できた。 魔王にはイコンでは敵わない。 いや、神はいつだって正しい。 それに背いたイコンが間違いだったのだ。 逃げるしかない。 受信機を取り返せないのは業腹だが、勝ち目のないこの状況ではどうしようもない。 無駄死にするよりは一度引いて次のチャンスを待つべきだ。 この足で逃げ切れるかは怪しいが、それなら一か八か崖から海に飛び降りてでも逃げ延びてみせる。 そう考え、一歩引いたところで。 『逃亡禁止ルールに違反したためペナルティが課せられます。ペナルティにより『アイドル(古代)』スキルが剥奪されます』 「な――――――?」 電子妖精の宣告。 同時に、元凶となったスキルが立ち消え、魔王の目から狂気の色が立ち消える。 熱狂から醒めた魔王は冷静に更新されたヘルプページを確認した。 「ふむ。どうやら、今しがた逃亡禁止ルールが追加されたようだ。残念だったな」 魔王からは逃げられない。 そんなルールがこのタイミングで追加されていた。 「いや、しかし――――やるではないか、イコン」 魔王は片手で自らの顔を負おうと、クツクツと笑った。 笑みと共に発せられたその声には、してやられた相手への敬意と、どうしようもないほどの敵意が含まれていた。 陣野愛美に至るために払うべき露としか認識していなかった相手を、敵と認めたのだ。 「――――――――ぁっ」 重圧を持った魔王の視線がイコンを射貫く。 イコンは動けない。 なにせ、逃げればスキルが失われる。 『神罰』スキルが失われれば、それこそ終わりだ。 直接攻撃を受けないための抑止力でありイコンの生命線である。 かと言って、進めば罠に引っかかる。 もう信仰がどうこうの次元の話ではなくなっていた。 どこにあるのか分からない地雷原を突き進むことなどできるはずもない。 進むことも戻ることもできない。 ただイコンは立ち尽くし、魔王の沙汰を待つばかり。 その心中に渦巻くのはただ一つの想い。 死にたくない。 神と一つになる 天上への道が見えているのに。 その先にみんなが待っているのに。 こんなところで無為に死ぬだなんて、耐えられない。 「褒美だ。魔界の深淵――――禁呪を見せてやろう」 その祈りを打ち砕くは魔界の王。 それは先代魔王が得意とした禁呪。 全てを破壊する終りの具現たる究極魔法。 「この仮初の身でどこまで再現できるか、我自信にも分からぬが共に確かめようではないか、我が愛しの怨敵よ!」 魔王の腕が漆黒に光り輝く。 矛盾した暗い光に照らされながら魔王が嗤う。 中てられたようにイコンは呼吸することすらできない。 瞬間、世界が黒に染まる。 日の光すら吸い込むような黒い光の束が灯台目がけて放たれた。 音が消える。 黒い極光は灯台を根元から消滅させ、足場を失った灯台が倒壊した。 倒れこむ灯台、その真下には動けないイコンが。 「――――――ぁ」 地鳴りと轟音。 もはや生存など望むべくもない死の雨が降り注ぐ。 だが、ここで魔王にも予想外の出来事が起きた。 地面に降り注ぐ巨大な灯台の破片。 これに耐え切れなくなったのは、この岬の方が先だった。 魔王の魔法を直接ぶつけられていたのは他ならぬこの地面である。 耐えきれなくなるのは当然と言うモノ。 足元の地面が切り崩されたように欠け落ちた。 魔王は咄嗟に跳躍し非難したが、イコンは大量の瓦礫と共に海へと落ちて行った。 「さて、どないなったか。仕留めたんかわからんのが面倒やな」 魔王は崩れた岬の先端で顔を出して海を眺める。 海を流れてゆく土塊や瓦礫の中に紛れてイコンの姿は確認できない。 メニューを開き所持GPを確認するがGPに変化はない。 と言う事はまだ死んではいないようである。 「おい、使い魔。逃亡禁止いう話やけど、あれはええんか?」 流れてゆく残骸を指さしながら、電子妖精に問いかける。 『事故のようなものですので、逃亡行為としては認められません』 「さよか」 あっさりと、魔王は即座に意識を切り替える。 逃してしまった者は仕方ない。 あの状態ではその内溺れて死ぬだろう。 生き延びたならその時はその時だ。 その悪運を祝福する他ないだろう。 手傷は追わなかったが、随分と魔力を消費してしまった。 禁呪は元より、広範囲魔法を何発も放たされたのだから当然だろう。 そう言う意味では厄介な相手だったと言える。 唯一の収穫。戦利品である受信機を見つめる。 中央近くで点滅する光点。 ここに魔王の宿敵がいる。 あの陣野愛美が誰かに殺されるとは思えない。 やはり決着をつけるのはこの魔王なのだろう。 居場所は知れた。 あとは、戦うだけだ。 決選は近い。 [H-8/崖/1日目・日中] [魔王カルザ・カルマ] [パラメータ]:STR:A VIT:B AGI:C DEX:C LUK:E [ステータス]:魔力消費(大)、状態異常耐性DOWN(天罰により付与) [アイテム]:HSFのCD、機銃搭載ドローン(コントローラー無し)、受信機、不明支給品×1 [GP]:87pt [プロセス]: 基本行動方針:同族は守護る、人間は相手による、勇者たちは許さん 1.陣野愛美との対決に向かう。 2.主催者を調べる ※HSFを魔族だと思ってます。「アイドルCDセット」を通じて彼女達の顔を覚えました。 ■ 思い返すのは冬の記憶。 何もなかった、私が私でしかなかった頃の記憶。 北部地方の冬は長い。 春は短く夏はなく秋も短い。 一年の殆どは冬であり、雪と寒さと共存した暮らしを強いられます。 凍り付いた凍土では作物も育たず、獣は冬眠しているため狩りで得られる獲物も少ない。 短い冬以外の季節の間に慌ただしく冬籠りの準備を行い、蓄えた僅かな食料で日々を食いつなぐ。 そうして冬をやり過ごし短い春を待つのです。 中央に行けばもっといい暮らしが出来る。 お前は若く器量の良いのだから、きっとここを離れても上手くやっていけると。 そう言う村人もます。 けれど、私はそうは思いません。 私にとっての世界はここだけです。 私はここでしか生きていけないのです。 どれだけ厳しかろうとも、変わらない。 誰にとっても故郷とはそういう物でしょう? 私は子供たちを起こさないように孤児院から外に出ました。 外は昨日の猛吹雪が嘘のような天気でした。 細かい雪がちらついていますが、これでもこの地方では晴天とも言えるいい天気なのです。 何せ雪の切れ間に輝くような青空が見えます。 そんな日は年に数えるほどしかありません。 遠く続く青空を見上げ、凍るような空気を肺に吸い込む。 意識が透き通るようなこの感覚が私は好きでした。 悴んだ指を擦る。 空を流れる雲の様に、輝くような白い息が流れて消えた。 私は青空を見上げながら両手の指を合わせて祈りを捧げる。 日々を忘れず。 感謝を忘れず。 祈りを忘れず。 どうか世界が、いつまでも続きますように。 ■ 「冷……たい」 冷たい水の中で意識を覚ました。 首を動かすのも億劫で視線だけで周囲を見渡す。 見えるのは見渡す限りの海、遠くに水平線が見える。 イコンは海に浮かんでいた。 この状況で溺れ死なずに済んでいるのは装備したライフジャケットのお蔭である。 こんな装備が何の役に立つのかと思っていたが、こうして救われるとは思わなかった。 泳げない訳ではないが激流に逆らって泳げるほど得意でもない。 何より波に逆らう体力も気力はない、波に従い進んでゆけばいずれ何処かに流れ着くだろう。 地上に付いたらすぐに神の下に向かい先ほどの件を報告に向かわなければならない。 自らの失態を明かすことになるが、神の御身が第一である。 一刻も速く地上に辿りつべく現在地を確認しようとした所で、海の異変に気付いた。 海が赤い。 潮の異常かと思ったがそうではない。 異常の原因は何なのか。 それはすぐに判明した。 「……………な、に?」 肘から先の右腕がない。 海を染める赤は自分の失われた右腕から流れ出る血液によるものだった。 「ッ!?」 何が起きたのか。 こんな誰もいないような海で。 わからない。 その混乱を助長する様に、赤い海を切り裂く刃の様な何かがイコンに向かって近づいてくる。 その刃の下には、海中を泳ぐ意味不明の生物が居た。 ――――魚だ。 それに一番近しい生物を上げるなら魚だった。 その魚は周囲に風を纏い、渦を生み出し水中を泡立たせていた。 背びれには幾つもの吸盤の付いた蛸の様な触手を生やし、背には明らかに自然物ではない四角い何かを背負っていた。 イコンは内陸育ちで魚には詳しい方ではないけれど、あんな魚は自然界のどこを探しても存在しないと断言できる。 その正体不明の怪物は、鋭い牙でイコンの右手を咥えていた。 全身が総毛立つ。 それは水による寒さではなく、純粋な怖気によるものだ。 「ハッ……ハッ……ハッ」 喘ぐような荒い息で自身のステータスを確認するが『天罰』は失われていない。 ならば何故、こうして攻撃を受けているのに発動しないのか。 仮に愛美がイコンを取り込むとして、それは天罰が下るだろうか? たとえそれでイコンが消滅したとしても、愛美がそれを攻撃と認識していなければ下らないだろう。 罪が無ければ天罰も無い。 何より、喰らうと言う獣の本能に天罰など下るはずもない。 魚から伸びた触手がイコンの体に纏わりつく。 引き剥がそうとするが吸盤が吸い付き剥がれない。 「なっ…………はッ!?」 そのまま魚はイコンを伴い水中へと潜った。 口から酸素が漏れ呼吸が奪われる。 急激な水圧の変化に、灰と眼球が潰れた様に圧迫され、肺が裏返る様だ。 パニックになりながら、拘束から逃れるべく暴れまわる。 それは更なる酸素の消費を促したが、幸運にも振り回していた七支刀の枝葉が絡まり触手を絶った。 解放されたイコンの体がライフジャケットの浮遊力により海面へと浮かび上がる。 「ぷはっ!!」 海面に顔の出た瞬間、大きく息を吸う。 だが、意識が朦朧とする。 脳が揺れ、目眩がした。 今にも吐いてしまいそうだ。 血を流しすぎた。 ただですら白い肌は、青ざめた色に変わってゆく。 傷口からとめどなく水中に赤い血が流れていった。 だが、息を付く暇もなくイコンを追って魚が迫る。 身に纏った風を推進力として、大砲みたいな勢いでイコンを狙う。 抵抗しようにも水中の機動力が違いすぎる。 いや、地上でもどうこうなるレベルの速さではない。 海に浮かぶだけのイコンに避ける術など無い。 すれ違いざま、いとも容易く今度は左足が食いちぎられる。 この魚にとってイコンは獲物ですらない。 ただ喰らうだけの餌にすぎない。 逃げ場のない水の牢獄で、なすがままにされるだけ。 「やめろ…………私は…………ッ」 こんなところで死ぬわけには。 だって、待っているんだ。 天上楽土で。 神と一つに。 約束の地である神の国へと。 そして天井楽土で、みんなと。 永遠に。 だが、無慈悲にも通り過ぎていった魚が水を切ってUターンする。 今度こそ逃さぬと、狙いを定めるようにして。 「いやだ、やめて……やめてやめてやめてやめて」 こんな事はあってはならない。 献身的であり続けた日々の祈りは報われなくてはならない。 その結末がこんな形で会っていいはずがない。 彼女の望みは、こんな魚に食べられることじゃない。 こんな魚の餌になることじゃない! 「たすけて、かみさま、かみさま」 もう祈りの姿を取れなくなった片腕で。 子供の様に呟きながら、神に助けを請う。 だが、祈りは届かない。 神は人を助けない。 無慈悲な野生の牙が、その祈りを断ち切った。 [H-4/海/1日目・日中] [VRシャーク] [パラメータ]:STR:A VIT:B AGI:A DEX:B LUK:E [ステータス]:VRシャークトルネードオクトパスバズーカー、頭部にダメージ、腹部にダメージ [アイテム]:なし [GP]:250pt→280pt(勇者殺害+30pt) [プロセス] 基本行動方針:??? 1.喰らい尽くす ※本来の姿と力を取り戻しました 【ライフジャケット】 水を感知してガスで膨らむ自動膨張式のライフジャケット。 複雑な操作も必要なくお子様も安心。 ■ 「――――イコン」 誰かが私の名前を読んだ。 私は「はぁい」と応えて振り返る。 また食料の取り分での諍いだろうか。 それとも誰かが体調を崩したのだろうか。 やれやれと首を振って私は声の方に向かって歩いてゆきます。 これが私の世界。 世界のすべて。 何もなかったけれど満たされていた冬の記憶。 私にはそれだけで良かったのです。 [イコン GAME OVER] 076.歌声は届く 投下順で読む 078.昼の流星に願いを 時系列順で読む 天上楽土 イコン GAME OVER 新しい目標 - Tribute to The Doomed - 魔王カルザ・カルマ リベンジマッチ 泳ぐサメの話 VRシャーク Deep Blue Sea
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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 【アイプラ】リセマラは必要?当たりキャラランキング【IDOLY PRIDE】 - Gamerch(ゲーマチ) 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ダンカグ】登場キャラクターと担当声優一覧【東方ダンマクカグラ】 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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上からのツヅキ 呪いが積み重なり強大な呪術を生み出すのなら、 それ以外の想いだって、同じ条件で重なれば大きな力を生み出せるはずだ。 誰かを憎み、破滅させる呪いとは違う、 それは優しさだとか、勇気だとか、欲望だとか呼ばれていて、 自分の為だったり、誰かの為だったり、皆の為だったり、 統一性のないバラバラな色だけど、どれも強くて美しい色をしているはずだ。 それらを束ねた希望の色を、人々は“にじ”と呼ぶ。 「なるほどですね。それがあの子の起こした奇跡の形。人の想いを戦う為の形に変えた、七色の光を放つ救世の剣」 「攻撃力220、クリティカル率70%。奇しくも、あのゲームの最強装備と同じ形をしているわね。ラヴォスの中で起こった奇跡だから、形もそれに従ったのかしら?」 一人の巫女と、一人の薬剤師が空を見上げている。 彼女たちの瞳に映るのは、上半分を失くしても平然と生存し、中空へ向かっておびただしい数の炎弾を放つきめぇ丸(黙示録形態)の姿と、それに毅然と立ち向かう、一振りの剣を持ったゆっくりの姿だった。 空を真赤に染め上げん程に放たれる炎弾の渦をものともせずに空中を飛び回り、剣を一振りすれば忽ち幾千もの炎弾を相殺する衝撃波が放たれる。 そのゆっくりは、世界をも滅ぼしかねない地獄と互角以上の戦いを繰り広げていた。 「ラヴォスの形を成しているとはいえ、流石に急ごしらえの存在じゃ、本物程のパワーも耐久力もないということですね」 「それでも、あれは蠱毒が生み出した呪術の結果だから、あのまま暴れて負の想念を取り入れ続ければ、いつか世界が滅んでしまっていたことは確かでしょう。それを防いでいるのがあの剣。あの黙示録形態と同じ起源を持ちながら、まったく逆の性質で形作られた神なる器。あの力なら、あの化け物にも対抗できる」 「でもそれって、“圧倒”ではなく“互角”って意味ですよね」 「ええ、彼女だけでは勝つのは難しいでしょう‥。だから」 彼女たちは再び空を見据える。 (手ごたえがない‥!) 一方、空中で激しい弾幕の雨に抗いながら武器を振るい続けていたゆっくりあやは、自分に有利に働いている戦況とは裏腹に、強い焦燥感を感じていた。 一番最初に外殻を真っ二つにしたように、何度も剣撃から生まれる衝撃波を本体にぶつけて、着実に敵の身体を削り斬ってはいるのだが、そのことで敵が怯む様子も力を落とす様子も見受けられない。 その代わりというように、削れて内部の暗黒が剥き出しになった箇所からは、豪雨のような炎弾が彼女に向って放たれる。 (これじゃまるで火に油を注いでいるようなものじゃないか) 本体から切り離された部位は光の粒子となって消失していくため、攻撃が効いていない訳ではないだろうが、如何せん終わる気がしない。 あの怪物は体をあと何分割すれば機能を停止するのだろうか。 (分からないことで悩んでも仕方なかい‥。あれがどんなにしぶとかろうと関係ない。あれは私が倒すって決めたんだ!) そして、ぜったいにアイツらを助け出す。 そう強く覚悟している彼女は、迷いを振り払うがごとく、自身の前方から迫りつつある炎弾の群れを一振りにて斬り払う。 「!?」 瞬間。眼前の在り得ない光景を見て彼女の動きが鈍る。 あろうことか、剣の一振りで発生した衝撃波を、炎弾がまるで生きているかのように、自力で群れの方向を転換させて、全て避けきってみせたのだ。 物理法則を豪快に無視された弾の動きにゆっくりあやは対応する暇もなく、 数多の炎弾が彼女の眼前で弾け飛んだ。 「危ない所だったわね」 眼前で、である。 ゆっくりあやの眼前に立ち、両手を前に押し出し防御結界を張って彼女を守ったのは二人の少女。 八意永琳と東風谷早苗の実況解説の二人組。 「お久しぶりです。生きていて何よりです」 「私の壺どころか、アイツの腹の中から生還できるとはね。あなた、中々素質ありですよ」 炎弾を一つ残らず打ち消した彼女たちはゆっくりあやへと振り返り、 「でも、闇雲に攻撃するだけじゃ奴は倒せませんよ」 「奇遇にも、この惑星を守りたいと思うのは私たちも一緒でね」 その手を、ゆっくりあやへと向かって伸ばし、良い笑顔でこう言ってきた。 「「協力して、一緒に奴を倒しましょう!」」 ☞たたかう ピッ ピピッ わざ アイテム クリティカル 東風谷早苗に939のダメージ! クリティカル 八意永琳に873のダメージ! 「「きゃー」」ピチューン ピチューン! ゆっくりあやはそんな二人の戯言には構わず、手近なところにいた悪二人を取りあえず滅ぼしてみた。 「いたた‥、酷い、突然何をするんですか!?」 「ゆっくりあやさん。どんな悲しいことがあったか知らないけど、闇雲に他人を傷つけてはいけないわ。無意味な暴力は人を闇の道へ引きずり込むものですよ」 「うるせぇッッッッよ!!本格的にお前が言うなだよ!!どうして自分が斬られたか、自分の胸に手を当てて考えてみろ!」 「‥‥‥?」「‥‥‥?」 「何マジで心当たりがないように可愛く首を傾げてんの!?萌えねーよ!?寧ろ腹立つよ!?なにその仕草!?」 折角斬ったのに、二人ともただの人間じゃなかったから、残機を一つ失っただけで済んだようだ。 『STGキャラはこれだから厄介なんだ、ちぃっ!』と、ゆっくりあやはこれみよがしに舌を打つ。 「まぁ、あなた方の言うことも一理ありますけどね。不覚にも助けられたのは事実ですし」 話している最中にも遠慮なく襲ってくる炎弾を適度に避け、それが無理な分については斬り払い撃ち落としつつ、不承不承といった面持ちでゆっくりあやは二人の少女に問いかける。 「それで、わざわざ私に話しかけてきたってことは、あいつを倒す算段を持っているってことで良いんですよね?」 「ええ」と、待っていましたと言わんばかりの自信満々な態度で早苗は説明を開始した。 「といっても難しい話じゃありません。まずは弱点についてですが」 ∧∧∧ < ○ > -≦_○○ _≧- ↑ ココ 「この眼だか口だか分からない、如何にも弱点っぽい部分に攻撃を当ててください。そもそもゲーム中じゃ、本体のターゲットポイントはここにしかありませんから、それ以外の箇所ではまずダメージ判定がないと推定されます」 「変なとこばっか再現されてるんですね」 的確なアドバイスに感心していいか、呆れるべきか分からず、ゆっくりあやは大きなため息をついた。 「『真似ボス』が再現されてないだけマシと思いましょう。アタッカーは現在攻撃力が一番高いあなたにやって頂きます。このポイントに近づくにつれ、攻撃は更に激しくなることが予想されますが、私と永琳さんがフォローするので、安心して接近してください」 しかし問題は、と隣に立つ永琳が続ける。 「あなたが持つ剣は、あのきめぇ丸だったものと起源を同じくし、性質を真逆にした対存在。故に、あの怪物を浄化させるのに、その剣は打ってつけでしょう。しかし、問題はその残りエネルギー。それほどの力を持つ奇跡が、長くこの世に顕現できる訳がありませんからね。本来は大した力を持たない一人のゆっくりであるあなたが使っているのなら尚更です」 永琳は難しい顔をしてゆっくりあやに対して一つの数字を示す。 「あと3回。細かい衝撃波ならともかく、あなたが一番最初に外殻を真っ二つにしたレベルの斬撃を放てば、その剣が持つ奇跡の力を使い果たしてしまうでしょう‥」 「なんですって‥!?」 最大攻撃を放てる数はたった三回。 たった三回ですべての蹴りをつけなければならない。 その事実を知ったゆっくりあやは‥ ☞たたかう ピッ ピピッ わざ アイテム クリティカル 東風谷早苗に1203のダメージ! クリティカル 八意永琳に1192のダメージ! 「「ぎゃー」」ピチューン ピチューン! 取りあえずその貴重な二回で身近な悪二人を、今度は全力で滅ぼした。 「て、何するんですかぁ!!永琳さん言ってたでしょ、あと3回って」 「貴重な攻撃回数を半分以上減らしてまで私達を攻撃するなんて、気でもふれましたか!」 「うるせーよ!少なくとも私にとっても、きめぇ丸にとっても、その二回はお前たちを攻撃する価値があると判断するよ!適正価格だよ!」 もしこの場にイズン様が居たらそれだけで剣の力を使い切ってしまったかもしれない。ゆっくりあやの怒りはそれだけ本物だった。 「とまぁ、色々と確執はありましたが、今は置いといて」 「今はお互いにラヴォスを倒すために手を組みましょう! ‥、何か魔王が仲間になった時のノリと似ていてちょっとすてきね!」 ゆっくりあやのそんな荒ぶる感情を誤魔化すようにシカトしながら、二人の少女は今なお炎弾を自分たちに向かって放ち続ける地獄の化身に向けて、各々の武器を向けた。 「取りあえず一回残ってればアレを倒すには十分でしょう。私がこの弓矢で弾幕を張り、あなたに接近する全ての炎弾を消し飛ばします」 「そして私の風であなたを一気に奴の弱点部位へと接近させます。うまくいけば、ケリは一瞬でつくはずです」 『私はその様子を実況解説します。一人しかいませんが頑張ります』 早苗、永琳、そして姿を見かけないと思っていたら、未だに地上の会場で実況していたイズン様が、それぞれの役割をゆっくりあやに説明し終える。 「おい、頼むからそこの女神誰か黙らせておいてくれないか。本当誰でもいいから」 しかし、全ての観客が非難し終わった会場に、実況のイズン様以外の人影は誰もいなかったので、それも無理な話であった。 「それでは、最後の奇跡を起こしましょう。私たちの手で」 「この一撃で、呪われし術儀の幕を永遠に閉じるためにも」 『頑張ってください!信じる力があれば、きっと勝てるはずです』 「頼むからお前らがそういうこと言うなよ!元凶共が!」 そして彼女たちは、持ち得る力の全力を出して、燃え盛る炎の弾幕の渦へと飛び込んだ(イズン様除く)。 蘇活「生命遊戯 -ライフゲーム-」 一番手は八意永琳。 彼女が弓矢を弾き震わせると、まるで碁石のように円形の青色の弾幕が、ゆっくりあやを囲むような布陣を作り、彼女に近づく炎弾の全てを飲み干していく。 奇跡「神の風」 二番手は東風谷早苗。 ゆっくりあやの背中を掴み、そのまま祝詞を唱えると、彼女たちを中心に目に見える程確かな形で翠色の風が吹き荒れる。 「早苗、行きます!!」 神風。 そう呼ぶに相応しいスピードで、彼女たちは黙示録形態の懐へ一直線に飛び込んで行った。依然として永琳の弾幕が彼女たちをガードしているため、その接近を阻むものは何もない。 天上から黙示録形態の鼻の先まで辿り着くのに、ほんの数秒の時間もかからなかった。 「ゆっくりあやさん、お願いします!」 「言われなくてもな!」 しかし、三番手はイズン様。 『敵が目の前にいます。気をつけてください!』 分かりきっていることを教えてくれる実況が大空全体に響き渡る。 ゆっくりあや、内心『誰でもいいから本当あいつ殺してくれねーかなー』と凄く思う。 そして四番手。ゆっくりあや。 奇跡の剣“にじ”を装備し、ただ一撃。 きめぇ丸達から受け継いだ万感の想いを込めて、 「罪も業も呪いも、あの場所で膿出された“くだらない”モノ全て‥!」 彼女達が自分を助けてくれたという事実を証明する為に、 彼女達の想いが全て無駄であったという真実を反証する為に、 「全部、叩き斬る!!!」 彼女は黙示録形態の弱点部位目掛けて、渾身の力を込めて剣を振り下ろした。 「うおぉおおおおおおおッッッ!!!!」 激しく、それでいて美しい光が、黙示録形態と剣の間で火花のように散乱する。 呪いが想いを、想いが呪いを、蝕み喰らいつくし相殺していく。 『元々は同じモノ。言うなればぶつかり合う氷河と暖流。だから、削り勝つのは、より大きな力を残しているものです』 珍しく的を射たイズン様の実況が走る。 ここまで来たら後はもうゆっくりあや、そして彼女が起こした奇跡の耐久力に懸けるしかない。奇跡を起こす巫女も、月の天才も、ただ見守ることしかできない。 ちなみに、イズン様は最初から見守ってしかいない。 ぶつかり合い削り合い、形を消していく二つの力。 そして、最初にガタが来たのは、 ピキっ― 虹色の剣の方だった。 「まずい‥!」 永琳がいち早く気づいてそう口走るが、もう遅い。 剣にヒビが入ったとゆっくりあやが気づいた次の瞬間にはもう、彼女の剣は音もなく粉々に砕け散っていた。 音は発生しなかったが、その衝撃は剣を中心に大きく響き伝わった。早苗が自分とゆっくりあやに纏せていた神風も、永琳が放っていたままの弾幕も、一瞬のうちに弾け消え去る。 「そんな!?」 そして早苗自身もまたその衝撃波で身体を吹き飛ばされる。暴風のように形を共わない波だった為、身体にダメージは負わなかったものの、彼女だけが吹き飛ばされた結果、ゆっくりあやだけが黙示録形態の懐に取り残される結果となってしまった。 「ゆっくりあやさん、危ない!!」 そして、彼女を守る防壁がなくなった今、外殻から発射された炎弾の群れが、容赦なく彼女へと降り注ぐ。 それを守るものはもう誰もいない。 『スライディングで避けるんです!』 イズン様のアドバイスも役に立たない。 身を焼きつかさんとする業火に囲まれたゆっくりあやは、 「例え、あの場所で生まれた呪いの量が、私達の想いの量をどんなに上回っても」 その表情に、恐怖も絶望も諦めも浮かべていなかった。 「それに私たちが負けるはずなんて‥、ないっ!!!」 武器も防具も装備していない状況で、ゆっくりあやは、ただ自身の身体を黙示録形態の弱点部位へ目掛けて、残った全ての力を込めて叩き付けた。 それは、体当たり、頭突き、徒手空拳、悪あがき、様々な呼ばれ方をする、最後まで諦めなかった戦士が放つ、最終攻撃。 「ねぇ、そうでしょう!?きめぇ丸ッ!!!」 きめぇ丸から受け着いた想いではない、 ゆっくりあや自身が生み出した“救いたい”という願い、 彼女はそれを、地獄の化身に向かって、ただ力づくで叩き付けた。 __,, ======== ,,__ ...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐... ..‐´ ゙ `‐.. / \ .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ´ ヽ. ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;................. .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;...... ;;;;;;゙゙゙゙゙ / ゙ ゙゙゙゙゙;;;;;; ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙ ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;. ||i .i| ;il|l||;(゙ `;;i|l|li||lll|||il;i ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;; `ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;, ,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙ ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii ;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´ 早苗「私達、勝ったんですね‥」 永琳「ええ、けれど、その為に払った犠牲は大きかったわ」 イズン様「けど、そのお蔭でこの星は救われました。この星に住む数多の生物の息吹を、守りきることが出来たんです」 彼女たちが涙と共に見つめるのは、焼け野原と化した嘗ての会場。 数多のゆっくりあやときめぇ丸が勝負を交わした決戦の舞台跡。 早苗「私は‥忘れません。世界を守る為に命を懸けて戦った戦士たちのことを‥、彼らが私達に教えてくれた大切なことを‥!絶対に‥忘れません‥!」 永琳「近い将来、また悪しき者たちの手によって、似たような事件が巻き起こされるかもしれない。人の想いを、呪いを利用して、己が欲望の為この世界を滅ぼさんとする輩が現れるかもしれない。そう、どんなに荒野に花を埋めようと、どうせ人はまた吹き飛ばす」 イズン様「ならば、何度吹き飛ばされようと、私達はまた花を植えましょう。今度は容易に吹き飛ばされないような、強い花を」 永琳「はい‥、そうですね」 早苗「だから、今はお別れです‥」 そして、東風谷早苗は大地に四つん這いになって倒れ伏し、それらに向かって最後の別れを告げた。 早苗「さよなら、私の青春。クロノ・トリガーとスーパーファミコン‥」 彼女の腕の中には、黙示録形態の爆撃によって会場ごと粉々に砕け散ったスーパーファミコンと、そのカセットロムの残骸が残されていた。 そう、壊れた玩具は、もう二度と元には戻らない。 良い子の皆は親に買ってもらった玩具は大切にしよう。 「あいつら、マジ殺してやりたいんですけど。マジで殺してやりたいんですけど」 「おお、無茶をしてはいけません。死んでしまいます」 そして、思い出のゲームが壊され涙にふけっている神様系三人娘の後方では、全身包帯グルグル巻きにされたゆっくりあやと、その看病をする一人のきめぇ丸の姿があった。 「結局、犠牲者は出ませんでした。ならば、平和が一番一番」 「出なかったって言ったって‥」 ゆっくりあやは複雑な心境で、自分の看病をしてくれているきめぇ丸の顔を見つめた。 彼女が最後の力を振り絞ってきめぇ丸(黙示録形態)に打ち勝った後、その内部から引っ張ってこれたきめぇ丸は、たった一人だけだった。 それは、きめぇ丸を全員一人残らず救ってみせると決意したゆっくりあやにとって、決して望ましい結果ではなかった。 「結局この世界に帰ってこれたきめぇ丸はあなた一人だけじゃないですか」 「おお、心配ご無用心配ご無用」 しかし、当の本人であるきめぇ丸は、そんなことまるで気にしてない様子で、快活な口調で話を続ける。 「あの全てが闇に覆われた空間の中、あなたと心が触れ合うことが出来た18人のきめぇ丸の人格も記憶も、その想いも私と共にあります。今の私達は既に19人で1人。言わば19の力を併せ持つスーパーきめぇ丸と言える存在です。仙水忍的なアレです。」 「あれはただの多重人格じゃないですか‥。実際、今のあなただって人格がどうあれ、身体は一個しか残っていない訳ですし‥」 「おお、そういった器に囚われないのが我々きめぇ丸なのです。ワン・フォー・オール、オール・フォー・ニャン」 「猫どっから出てきた?」 「ただの萌えですにゃ」 「うぜぇ‥」 きめぇ丸の奇妙で訳の分からない理屈に、ゆっくりあやはまた大きなため息をついた。 しかし、そんな訳の分からない奴らの優しさに、彼女が救われたのもまた事実だった。 「うざいけど‥、だけど、今回のことで正直、あなた方のことを見直しました。例え種族が違っても、誰かの為にひた向きに頑張ってくれる、優しいゆっくりなんだって。私は、あなたのそういう良い所を今まで見ようとしてなかった」 「やめてください、照れてしまいます」 「今まで嫌ってばかりだったけど、あなた方のそういう所、好きですよ」 それは、今回の件でゆっくりあやが感じ学んだことの一つ。どちらが本物だ、偽物だと絶えず争いを続けてきた二つの種族だが、これからはもう少し歩み寄って仲良くすることができるかもしれない。 今はそんなすっきりとした気持ちで、彼女はきめぇ丸達のことを見ることが出来た。 「‥‥‥‥」 「?」 しかし、きめぇ丸からの返事はない。疑問に思った彼女はきょとんとした表情で隣に座るきめぇ丸の方へ振り向くと、きめぇ丸の顔はどういう訳だか朱色に染まっていた。 「その‥、やめてください。恥ずかしいです」 「へ?何が?」 「突然、愛の告白なんて‥」 ゆっくりあやがきめぇ丸のその言葉の意味を理解するのに、およそ5秒の感覚を要した。 そして、理解した後、ゆっくりあやもまた目の前のきめぇ丸同様、顔を真赤にして慌てはためく。 「は?へ? ば、ババば、バ!馬鹿!! だ、誰もそんな意味で言ったんじゃ‥!!」 そう。そんなはずない。突然こいつは何を言いやがってくれるのだろう。 あろうことか、ゆっくりあやである自分が、きめぇ丸のことをそういう意味で好きだなんて、そんなはずが‥あるはずない! ゆっくりあやは必至でそう思おうとしたが、そう思おうとすればするほど、どういう訳か脳内では、ラヴォスの腹の中で優しい謝罪の言葉をかけてくれたきめぇ丸の言葉ばかり再生される。 それを思い出す度にゆっくりあやの顔を紅に染まっていき、目の前にいるきめぇ丸のことを直視できなくなっていく。 「す、す、好きな訳ないじゃないですか!い、いや、好きって言ったけど!それは恋愛とか百合とかそういう好きじゃなくて‥!そういう意味じゃアレだし!嫌いだし!あんたなんて、好きになるはずないし!!」 否定の言葉を積み重ねてはいるが、『好き』という単語を口に出す度に、ゆっくりあやの顔は、更に更に包帯の下からも分かるくらいリンゴのように真っ赤に染まっていく。 「おお、ツンデレツンデレ」 「勝手なことぬかすな!畜生、やっぱ死ね!お前ら種族丸ごと死んでしまえぇぇ!!!」 自分の内で生まれ落ちた未知なる感情に戸惑い混乱しながら、ゆっくりあやは大きな声で叫び回って、これは何かの間違いだとゴロゴロとその身体を回し始めた。しかし、その言葉からはこれっぽっちも相手を呪いたいという負の想念は発せられていなかった。 きめぇ丸は顔を朱に染めながらも、その姿をニヤニヤしながら見つめている。 ,--‐‐‐‐v‐‐-、 ハッo+0*O*0+ッハ,, ,、'`冫〈 //ヽヽ 〉,、ヽ ./シ刕,((/ ヽ))ミー、 i`,、ゝ, ノ/__,. 、__ヘ i/j / o フ ノ(ヒ_] ヒ_ン `,'。フ 1年後、この二人はめでたく結ばれることになるのですが、 〈 V.ゝ!'" ,___, "' iノゝi それはまた別の御話です。 `、_.淼. ヽ _ン ノ淼ノ .|X|>,、_____, , ,.イ .|X| 「死ね、お前が一番死ね!」 こっちはガッチリ殺気が籠った、立派な呪言だった。 【2011年夏企画】 きめぇ丸VSゆっくりあや 十番勝負 蠱毒 きめぇ丸〇 ― ×ゆっくりあや (惚れた弱み的な意味でも) きめぇ丸の勝利を以ってここに終了。 「きめぇ丸のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」 もとい、 「コドクにイキル」 ―完!!― 一言。 か ぐ も こ ジ ャ ス テ ィ ス の 人 だ っ た。 -- 名無しさん (2011-08-27 06 53 54) 途中までギャグだったのに最後の熱い展開に燃えてしまった、くやしいっ(ビクビクンッ) 読んでいて物凄く楽しかった、読み終わるのが勿体ないと感じる作品でした クロノトリガーネタをギャグだけじゃなくてシリアスでも活用されるところなんて感嘆しました にじ懐かしいなぁ…… それにしても元凶三人組、救えねぇw だがそれがいいw -- 名無しさん (2011-08-27 13 33 37) 名前 コメント
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