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学生寮! 澪「なぁ、また屋上行こうよー」 律「寒いからヤダ」 澪「・・・じゃああったかくなったらいいと?」 律「あったかくなってもヤダ」 澪「・・・ぶぅ」 律「私はアブノーマルに染まるつもりはないからな!」 澪「・・・もう十分にアブノーマルだよ」ボソッ 律「ああん?」 澪「な、なんでもないですよ」 澪「(・・・なんか機嫌悪いな?あの日だっけ?)」 澪「(・・・触らぬ神にたたりなし、っと)」 澪「じゃあお風呂行こうか。たくさん温まらないとな」 律「・・・妙に物分かりがいいな」 澪「そういう気分なんだよ。さ、行くぞ」 律「あ、あぁ」 澪「でも今日の練習はしっかりできてよかったな。久々に軽音部って感じだったよ」 律「だなぁ。いい汗かいたよ」 澪「・・・」クンカクンカ 律「嗅ぐな」ビシッ ワイワイ モブ子「秋山さんって髪奇麗だよねー」 モブ美「スタイルもいいしうらやましいなぁー」 澪「あ、あはは・・・」 モブ代「なにか秘訣とかあるの?」 澪「て、適度な運動・・・、かな?」 律「ぶっ!」 澪「・・・なんだよ」 モブ子「やっぱ運動かぁ」 律「やれやれ、先に入ってるぞ」チャプン モブ代「ダイエットとかしてるの?」 澪「と、特には・・・」 モブ美「えー、してないのにそのスタイル?」 澪「(助けてぇ・・・)」チラッ 律「」プイッ モブ子「他にはー」 澪「(ひえええぇ・・・)」 律「」スイーッ ・・・ 澪「・・・ひどい目に会った」トボトボ 律「私には強気なのにな。不思議なもんだ」 澪「たいして親しくない人にいきなり話しかけられたらそりゃあな。・・・大勢だったし、・・・お風呂場だし」 律「いつもあれくらいならかわいいんだけどな」 澪「・・・さっきから律が冷たい。助けてくれなかったし」ジトーッ 律「気のせいさ。さっさと寝るぞ」パタン 澪「・・・むぅ」 澪「ねぇ。1回だけしようよ」 律「澪も早く寝ろよ、明日は1コマ目あるんだから」バサッ 律「おやすみ」 澪「・・・ぐすん」 律「スゥスゥ」 澪「こうなったら実力行使で・・・」ジャララッ 澪「・・・嫌がる律としてもあまり気持ち良くないし」 澪「・・・はぁ、寝るか」 律「(・・・不機嫌作戦成功か?)」 律「(毎日飽きずにやってたらこっちの身が持たん)」 律「(そもそもお付き合いは成人してからって言ってなかったか?)」 律「(・・・まぁ、正直私もしたい時はあるけど。私のと澪には絶望的な差が・・・)」 律「(ああやって約束しないと大惨事に・・・)」 律「(私も攻めやってみたいんだけどやらせてくれないし・・・)」 律「(・・・って、なに考えてるんだろ?)」 律「(寝よ寝よ)」 律「スゥスゥ」 恵「・・・あら、今日はないのね。残念」 恵「しょうがない。今日も『澪たん言葉攻めIN屋上』をおかずにしようっと」 恵「これは永久保存版ねぇ。何度見てもいいわぁ・・・」 次の日! 紬「そういえば今日ね」モグモグ 梓「なにがですか?」 紬「和ちゃんのお部屋。お泊りよ!お泊り!」 梓「・・・あ、あぁ」ポムッ 梓「もう金曜日ですか。なんか今週早いですねぇ」 紬「ねっ。もう今から楽しみ!」 梓「どんな部屋なんでしょうね?」 紬「名前通りに和風なお部屋だったり?」 梓「畳ですか。それもいいですねぇ」 紬「唯ちゃんの言ってたすごいって言うのも気になるし」 梓「なにがすごいんでしょうね・・・」 紬「だから今日はなるべく早く帰ってきてね」 梓「はいです。ダッシュで帰ってきます!」 紬「転ばないようにね!」 梓「任せてください!」 紬「・・・クスッ」 紬梓「あははははっ」 高校放課後! 梓「というわけで今日は部活なしだから」 純「いや、初耳だから!」 憂「そっかー。和ちゃんとお泊りかぁ、いいなぁ」 梓「憂も頼んでみたら?和先輩もきっといいって言うよ」 憂「そ、そうかな・・・」 純「・・・」 純「そっかー。和先輩とお泊りかぁ、いいなぁ」 梓「早速連絡してみようよ」 憂「う、うん」 純「・・・ぐすん」 純「だーっ!」 梓憂「わっ!」 純「私もお泊りしたい!!」 梓「もう、びっくりさせないでよ」 純「仲間はずれはしないでよー」 梓「別にそんなんじゃないよ。ね、憂」 憂「う、うん。ごめんね、勝手に話進めちゃって」 純「・・・」 梓「でも、それこそ和先輩に聞かないと・・・。こんなに泊れるかわからないし・・・」 純「うっ・・・。そうだよね・・・」 純「じゃあ今回は諦める」 梓「そう?聞いてみようよ」 憂「うん。きっといいって言うよ」 純「あははっ、実は今日家族で出かけるからねー」 梓「・・・ちょっとあんた」 純「ごめんごめん。でも今度は泊りに行かせてよ」 梓「だからそれは」 純「梓の部屋」 梓「・・・へっ?」 純「だって私だけ行ってないし!」 梓「あれ?そうだっけ?」 憂「私は行ったことあるよ」 純「でしょ!ほら、仲間外れじゃん!」 梓「た、たまたまだよ・・・」 純「・・・まぁ無理にとは言わないけどさ、ムギ先輩にも悪いし」 梓「別に大丈夫だと思うけどね」 純「そう?ならよろしく言っておいて。そのうち泊りに行きますって」 梓「はいはい。また今度ね」 純「というわけで私は先に帰るねー」テテテッ 梓「行っちゃった・・・」ポカーン 憂「今度は家にもおいでよ。純ちゃんも梓ちゃんもムギ先輩も、みんなで」 憂「お姉ちゃん、絶対によろこぶよ」 梓「そうだね、それもまた今度お願いするよ」 梓「でもその前に和先輩にだね」 憂「うん。ちょっと電話してみるね」ポチポチ 憂「・・・あっ、憂です。今日のことなんだけど」 憂「本当!?ありがとう。和ちゃん!じゃあ後でねっ!」ピッ 憂「お泊りしてもいいって!」 梓「よかったね。私達も帰ろうか」 憂「うん!」 憂「お姉ちゃんにも電話しなきゃ!」ピッ 憂「・・・もしもし、今日なんだけど」 梓「私は帰りの準備しよっと」ゴソゴソ 憂「お姉ちゃん、すっっごくよろこんでた!」 梓「クスッ、だろうね。私達も帰ろうか」 憂「うん!早く帰ってお泊りの準備しなきゃ」 梓「私もだよ。さっ、行こう」 憂「楽しみだなぁ」ワクワク 梓「(・・・気になる)」 ―――― 梓「ただいまぁ」ガチャ 紬「あっ、おかえり。唯ちゃん達も和ちゃんのお部屋に泊るのね」 梓「はい。唯先輩が言ってたんですか?」 紬「うん。もうすっごいはしゃぎながら真っすぐ帰っちゃったわよ」 梓「・・・」 紬「さぁあずにゃんも準備して!早く和ちゃんの秘密を暴きましょう!」 梓「で、ですね!」ドサッ 紬「歯ブラシとか持ったから自分の服だけ用意して」 梓「はいです!」ガサゴソ 紬「そういえば和ちゃんのお部屋ってどこか聞いてる?」 梓「大丈夫です。帰る前に憂から簡単な地図をもらいました」スッ 紬「・・・ふむ。この前の銭湯からスタートなのね」 梓「まずは銭湯を目指しましょう!」 紬「了解です!あずにゃん隊長!」ビシッ 梓「ムギちゃん隊員、荷物の準備は!?」 紬「完了してます!」 梓「ガスと戸締り!」 紬「確認しました!」 梓「ではしゅっぱーつ!!」 紬「おーー!!」バタン テクテク 紬「今日も少し寒いわね」 梓「ですねぇ。・・・でも、寒い日も好きです」 紬「うん、私も。寒くてもこうやって手を繋げばあったかいしね」 梓「・・・荷物がなければ腕も組めるんですけどね」 紬「ふふっ、それはまた今度にしましょうか」 梓「はい。・・・あっ、銭湯が見えましたよ」 紬「ここからスタートね!」 梓「えっと、銭湯の通りを真っすぐ行って・・・」 ・・・ ?「早く会いたいよぅ」 ?「うん!もう少しだよ」 梓「この声は・・・」トトトッ 紬「あっ、どこ行くの?」 梓「やっぱり。唯先輩達でしたか」 唯「あー!あずにゃんだ!」 憂「本当だ。ムギ先輩、こんばんわ」 紬「こんばんわ。もう、急に走ったら危ないわよ」 梓「す、すみません。つい」 唯「お泊り楽しみだねぇ」 梓「先週も泊ってなかったですか?」 唯「あれ?そうだっけ?」 憂「今度はうちに泊りに来てくださいね」 紬「うん!ありがとう」 トコトコ 憂「ここですよ」 梓「・・・見た目は普通ですね」 紬「・・・うん。普通のマンションね」 ガーッ モブ華「こんにちわ」テクテク 猫「ニャー」 唯憂「こんにちわー」 梓「・・・んっ?猫?」 紬「・・・さっきの人、猫抱いてたわね」 梓「・・・まさか!」 紬「ペット可のマンション!」 唯「せいかーい!」 唯「早く会いたいよう」 梓「ペットですか。それは想像してなかったです」 紬「何飼ってるの!?」キラキラ 唯「小犬だよ!すっごく可愛いんだよ!」 梓「ワンちゃんですか。いいですね」 ポーン、ガーッ 憂「このお部屋だよ」 唯「では!」 ピンポーン 和「いらっしゃい」 紬梓「こんばんわ」 小犬「ワン!」 唯「おー!久しぶりだねぇー」ワシャワシャ 紬「か、かわいい・・・」 和「ふふっ。さぁ上がって」 紬「おじゃましまーす」 梓「ほら、唯先輩も」 唯「よーしよし、お姉ちゃんと一緒に入ろうねぇ」ヒョイ 和「狭くてごめんね。今お茶出すから」 紬「お、お構いなく」ソワソワ 梓「いい部屋ですね。家賃、高いんじゃないですか?」 和「そんなことないわ。ちょっと古い建物だし」 唯「よーしよしよしよしよし」ワシャワシャ 小犬「・・・クゥーン」 憂「手伝うね」 和「ありがと」カチャカチャ 紬「ワンちゃん、かわいい・・・」ウズウズ 和「唯、そこまで。お茶にするから手洗ってきなさい」 和「あなたはこっちね」ヒョイ 梓「でもどうして小犬を?」 7
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, - '´ , - 'i .! ,' ! , -一i'´ /__ l ! / l ヘ ̄ ̄ ̄ ̄`ー┐'´!lll| ̄ヽ ´`ヽ、 ! ,' /`ヽ、! ヘ 、―-、_ノ -=|lll|==‐ V / ./ .,'. \ ヽ'´ / .!ll| !、/l ./-、 /. \ \! =ll|=- , .l | /`ヽ、〉 \l l! / .,イ/ |_! / ./. ! __ \ / ,イ j/ .,' | /ヾ、./. 丶\`、 ュ、 ∠ - '´ ‐イ--- / ./ ヽ_ ̄ ̄ 。 ,イ、ヽ┴‐┐' ./ ,イ >―- '`‐</| `ヽ | ヾ/ r┘/ /ヘ V / ,| |/. r'´ ;//⌒ V⌒ヽ! \ | / ! /ゝ -/ゝ -イ| ヽ l / | ! || l|ゞ'∨ / | / `¨フ|[l] [l] V / l / ./ ヽ=┐「l ;イ l / ./ /´/ ;イ≡ト-、. V / _,ノ,‐-、! /! |、 /!ヘ / l´二ニ二.!;イ/イ.ヽ∨ ノ ヘ _ / .ヽ三l |,イヽ  ̄ |二`^´二,ヘ. / `ー‐'´ ヘ三三三ニ」 ` ̄ ̄´ ─────────────────────────────────────── 名前 マタムネ 役職 同盟軍・一級武官 種族 虎の獣人 性格 いぶし銀 HP 3500 戦闘能力 魔族最上位レベル 戦闘方法 物理・剣 やる夫評価 王の器をもつ御仁 《能力》 【自動】 鬼殺し 鬼族に対して2倍のダメージを与える 【選択】 居合い交差 行動を犠牲にするが攻撃される度に通常攻撃で反撃する 【選択】 巫門御霊会 戦闘時、一度だけ全員に攻撃できる 【議題】 老いた剣聖 交流した剣士を強化できる 【選択】 極めの一閃 発動ターンに行動を消費し次ターンに絶対命中、ダメージ4倍、防御スキル無視の攻撃を与える 戦闘時一度だけ使用可能で他スキルや必殺技とは併用不可 (そのターンに再行動で攻撃しても威力変わらず、次のターンに二回行動しても4倍が適用されるのは最初の攻撃のみ) 《装備》 黒神木刀 神木で作られているとても頑丈な木刀 攻撃力が一段階上がる 《備考》 『小生、猫ではなく……… 虎に候』 概要 同盟の一員、武官を務める猛獣族。 本人は否定しているが名の有る「剣聖」らしく、トウカがその名に聞き覚えがあったようだ。 人柄/経歴 当初は保護されたフランに菓子を出すモブ役として登場、 その後《嫉妬》に襲われたナズの窮地に颯爽と再登場し彼女を逃がすために《嫉妬》と対峙する事になる、 一部読者は彼の安否を気にかけるが暗殺者の撤退まで生き延び、その戦闘能力を読者に披露した。 おそらくは妻と娘の関係で猛獣族長の北斗ラオウと面識があるようで、暗殺者の件を彼に知らせようとする姿が描写されたが詳細は不明。 自分の嫁の命を救って貰ったやる夫が直に礼をするためのコミュが取られ、その功績により昇進する。 「同盟の剣の指南役・要人の護衛」をやる夫に要請され、過去に猛獣領でとある母子に剣の指導をしていた経験からそれを快諾、 彼の好みのマタタビ酒で共に盃を交わし「同盟軍・一級武官」としてやる夫に仕える事になった。 能力 以降は同盟内の剣士に修行をつけて回っているが彼の修行は厳しい、最高難度を安価せずノーマル~ハード辺りに抑えておこう。 暫くの間完遂した者はいなかったが何度も挑戦したトウカが遂に完遂第一号として修行に成功、HPが1000増加する脅威の修行効果を見せた。 戦場では「円卓騎士団戦」に囮部隊として参加、セイバーやみょんに攻撃し彼女らの出鼻を挫く活躍を見せた。 1500のHPと「魔族中位レベルらしい」戦闘能力を持つ、単発だが全体攻撃が出来るスキルを持っており軍の一員としても小規模戦でも運用可能なキャラである。 鬼族に対する特殊スキルを持っているので鬼との戦いでは大活躍してくれるだろう。 本人は現役を引退したつもりで戦闘では本気を出していなかったが、結婚を機に再び本気を出すことにした。 実は先々代の魔王の四天王の一人だったらしく、かなりの強者。 議題で訓練すると戦闘に出せないため、今後は訓練士と戦闘要員を天秤にかけることになるだろう。 やる夫に対する評価 やる夫評価は「王の器をもつ御仁」 やる夫とのコミュはモブからの昇格時の一度のみだが、それまで城で務めて治世を見ているためか評価は高い。 単独でコミュを取っても良いだろうし、過去に修行をつけた弟子キャラと絡めてコミュを取ってみよう コミュ考察 仲間コミュで同じネコ科キャラ(C.C・マタムネ・池田・ピトーなど)同士で絡めてもみても良さそうだ。 新城とまとめてコミュをとって彼にあやして貰うのも良いだろうが、そちらはコミュで無く小ネタで取りたい。 剣を使うキャラはそこそこの数が居るので仲間コミュで特に取りたい安価が無ければどんどん修行しよう。 トウカ・イザナギに訓練をつけた帰りにファサリナ紹介の中華料理屋「超飯店」で食べた薬膳料理により、数十年ぶりに回春した。 同じく薬膳料理で発情したトウカに襲われ、イザナギ共々我慢できずに3Pに至り熱い夜を過ごす。 翌朝冷静になった三人で話し合い、三人一緒に結婚することとなる。 ※まとめ270話まで記載、以降285話まで出番なし、更新時再編集求ム 《関連項目》 -マタムネが修行をつけたキャラ ※仲間コミュでマタムネと相手が重複しなければ、1ターンで複数回の修行が可能 マタムネが修行をつけたキャラ ※仲間コミュでマタムネと相手が重複しなければ、1ターンで複数回の修行が可能 神裂火織 桜崎刹那 ヘラクレス トウカ アグリアス・オークス -攻撃方法に『物理・剣』と表記または記載内に『剣』の文字が含まれているキャラ 戦闘方法に『物理・剣』・『魔法剣』と表記または記載内に『剣』の文字が含まれているキャラ アグリアス・オークス イザナギ セイバー・アーサー セイバー・オルタ トウカ マタムネ ミスト・レックス ラハール ルーク 中野梓 坂田銀時 平沢唯 神楽坂明日菜 美樹さやか 羽衣狐 蒼星石 魂魄妖夢 黒雪姫 -ネコ科キャラ ネコ科キャラ 池田華菜 五更瑠璃 マタムネ ネフェルピトー ディルムッド・オディナ C.C 編集
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ペテルブルクに直進するネウロイの勢力を迎撃する作戦を間近に控えた502JFW基地では誰もが一様に慌しく動き回っていた。 整備班の全員が念入りに俺を含めたウィッチたちが使用するストライカーの整備に没頭し、補給班が運ばれてくる物資に不足分はないかと何度も何度もリストをチェックする姿が頻繁に見られる。 日が沈み始めた頃、頭上に広がる茜空を仰ぎながら自らの今後について考え込む男が独り、制服姿のまま中庭のベンチに腰掛けていた。 俺「もう限界、か」 魔力減衰によって大幅に魔法力を削り取られた今ではかつてのような衝撃波を主軸とした戦術を取ることは不可能に近い。 傭兵時代の頃はそれこそ一度の衝撃波で大量のネウロイを撃墜していたが、今となってはそれも2、3発が限界だ。 俺「どうするかなぁ」 残りの魔法力が搾りカス程度しかない今の自分に出来ることといえば、率先して敵が群がる場所に飛び込み、少しでも彼女たちの負担を減らすことぐらいだろう。 ラル「こんなところで何をしている?」 俺「いやなに……少し考えごとをな」 身を屈め、膝の上に頬杖を突いて物思いに老け込んでいると脇に書類を掲げたラルが隣に腰掛ける。 気配どころか足音すら感知できなくなってしまっているほど考え込んでいた自分に対し、静かに失笑を洩らした。 俺「……そういうお前も休憩か?」 ラル「そんなところだな」 俺「休憩時間くらいは、書類を置いてくればいいじゃないか」 ラル「そうしたいところなんだがな」 如何せん量が多い、と苦笑いを浮かべて書類を叩いてみせるラルの整った容貌には誰が見ても分かるほど疲労の色が浮かんでいた。 ガランドの書類整理を手伝ったことはあったが、やはり統合戦闘航空団の司令も同じように目を通さなければならない紙切れの量は多いのだろう。 俺「みんなは?」 ラル「いつも通り、とは言えないな」 今度の作戦は周辺の部隊とも合同で行うことになっている。いくらブレイブウィッチーズといえども数の利を覆せるほどの力は有していない。 せめて自分があと二、三年若ければ彼女たちの負担を減らしてやることが出来るというのに。 そんなことを考えた途端、まるで年老いた爺さんのような考えだと気が付いた俺は込み上げてきた笑いを何とか押さえ込んだ。 俺「緊張しちまってるのも無理はないか。そういえば、ディオミディアの亜種が確認されたんだよな?」 今朝の重苦しい空気の中で行われたブリーフィングのときに配られた資料にディオミディア亜種に関する情報が記載されているのを思い出す。 爆撃力は変わらないものの、サイズが小さくなった他に機銃が取り除かれているため撃墜が容易になったとあるがその分、数で攻めるらしい。 ただでさえ元が超巨大の爆撃機級なだけに物量で攻められては市街地が焦土となるのも時間の問題だ。 ラル「あぁ。それに加えて亜種を束ねる通常種にも変化があった」 俺「内部突入によるコアの破壊、か」 魔眼を持つウィッチからの報告では通常種のディオミディアにも若干の改良が加えられているらしく、防御力が向上したことで通常種のほうは撃墜が困難になっているらしい。 巨大な白鯨を撃破するには一点に火力を集中させて穴を開け、内部に侵入してコアを叩かなければならないとのことだ。 ラル「あぁ……ってちょっと待て。何を考えている……まさか」 顎に手を当てて何やら考え込み始めた俺の姿にラルは背筋に薄ら寒いものが這う感覚を味わった。 空を眺める黒瞳はいつになく深く、昏く、空の向こうにある何かを見つめているようにも見え、そんな彼の様子がラルの胸の警鐘を一層激しく打ち鳴らす。 俺「その役目。俺に任せてくれないか?」 ラル「馬鹿かっ!! 魔力障壁を張れないお前が瘴気で満ちるネウロイの体内に入れば―――」 瞬く間に俺の身体は瘴気に蝕まれるだろう。 俺「だからって現役に任せて、そいつの将来を潰すわけにはいかないだろう?」 ラル「お前は……お前はどうするつもりだ? 死ぬ気かっ?」 俺「死ぬつもりはないさ。死んじまったらフィーネの笑った顔も見れないし、お前たちとも会えなくなる。それに501の奴らともまた会おうって約束しちまったからな」 ラル「なら!」 俺「ギリギリの綱渡りになるってことは、分かってる。それでも、俺に出来ることは、もうこれくらいしか無いだろ?」 あぁ、そうだ。お前は何かあると決まって、その目をする。 ウィッチを守るのが自分の仕事だとぬかすくせに、お前は自分自身を勘定に入れてない。 ラル「……悪いが、今のお前を行かせるわけにはいかない。それにな、もう別の部隊のウィッチが突入要員として決まった。瘴気に対する先天的な強い免疫力と強固なシールドを持っている。お前が心配する必要はないさ」 俺「やっぱり駄目か?」 ラル「この馬鹿野郎っ。お前がどう生きようが、それはお前の人生だ。だがな? お前が死ぬことで他人の人生が狂うこともあるんだ。それを忘れるなよ」 俺「何だ? 心配してくれるのか?」 ラル「仲間を、家族を心配しない奴がどこにいる。それに、お前の命はもうお前だけのものじゃないだろう」 心臓辺りを人差し指で突くラルの言葉に俺は愛しい女性の姿を思い浮かべた。 悲しみに暮れるガランドの姿を想像しただけで、胸が張り裂けそうになる。 だが、それ以上に彼女を失ったまま生きていくことのほうが、どんなことよりも恐ろしかった。 あの笑顔も、あの温もりも。 失うくらいなら……いっそ。 日が沈み、紺碧色をたたえた空の下。 腰まで伸びた黒髪を靡かせながらアドルフィーネ・ガランドは唇を尖らせながら基地内を歩き回っていた。 珍しく仕事が早く片付いたので俺と一緒に夕食でもとろうと彼の部屋を訪ねてはみたものの、肝心の人物は留守であった。 仕方なく基地内を歩き回っているのだが、一向に俺の姿が見つからない。 要塞を改装しただけあってか、基地の内部は広く、その上複雑に入り組んでいる。地図を片手に持つか、あるいは記憶力がよほど優れていない限り、目的地へと辿り着くのは至難の業と称していい。 それでもペテルブルク基地に到着してから、まだ日が浅いガランドが、こうして思い当たる場所を容易に探し回ることが出来ているのも、彼女がいかに聡明であるかが伺える。 ガランド「俺くんっ」 自分のやや前方を歩く見慣れた後姿。 いつだって自分に安らぎを与えてくれる背中を見つけた瞬間、愛しい男に向かって駆け出していた。 俺「フィーネ?」 ガランド「まったく。君は……探そうとすると……中々見つからないね」 俺「探させちゃったか? 悪いな」 ガランド「いいさ。こうして君と会えたんだ」 膝に手をついて息を整えていると温かい手の平が背中をさすってきた。俺の優しさにガランドの表情から満面の笑みが零れる。 ガランド「ところで俺くん。今日の夜は空いているかな?」 俺「いいねぇ。デートのお誘いか?」 俺が破顔する。好きのする笑みを前にガランドの口元も自然と緩んでいく。 ガランド「そんなところだ。街に出て夕食でもどうかな?」 俺「そういうことなら大歓迎だ。今すぐにでも行こうか。外出許可はもう貰っているんだろう?」 ガランド「もちろん。君の分もね」 俺「だと思ったよ。それじゃあ店が閉まる前に行くとしますか」 俺が手を差し出す。 白い歯が僅かに見え隠れする笑みを浮かべて。 ガランドが手を握る。 これからも、こうして手を握ることがずっと続きますようにと願いながら。 凍えた夜気が街中を包み込むなか、橙色の灯の下を俺とガランドは指と指を絡ませて歩いていた。 不思議と寒さを感じないのはガランドが傍にいるという今の状況と絡め合った指から伝わってくる温もりが安寧を創り上げているからだ。 俺「車で来なくて良かったな」 ガランド「まったくだ。まさかワインをサービスしてくれるとはね」 俺「飲酒運転はさすがにマズイからな」 ほんのりと朱に染まり、やや上気したような顔立ちのガランドが愉快そうな笑みを浮かべる。 彼女に案内されたのはこじんまりとした酒場だった。それでも決してみすぼらしいくはなく、全体的に小洒落た店であった。 客層も酒を飲んで馬鹿騒ぎをするといった部類の輩ではなく、銘酒の味を落ち着いて楽しむ者ばかりであったため、俺とガランドも思い出話に華を咲かせながら夕食を楽しむことができた。 風が吹く。 ほんの僅かな肌寒さを感じ、思わず身震いしてしまうと隣を歩くガランドが身体を預けてきた。 腕を組み、もたれかかる柔らかな肩に俺も手を回して抱き寄せる。 近頃、こうして身体と身体を密着させるだけでも幸せがこみ上げてくる。 ガランド「寒そうにしていたからね」 俺「ありがとうな。あぁ、温い温い」 ガランド「……俺くん」 俺「なんだ?」 ガランド「愛しているよ。世界中の誰よりも」 瞼を閉じて。 頬を埋めて。 幸せを噛み締めるように、ガランドが囁いた。 俺「どうした……?」 ガランド「……俺くん。これは夢じゃなく、現実だね? 私は今、確かに君に抱き寄せられているね?」 俺「フィーネ……」 ガランド「君の捜索が打ち切られたと聞いた時、目の前が真っ暗になったよ。それでも再会出来たときは驚きよりも喜びで胸が満ちていったんだ」 満身創痍の身でありながらも銃を手に取り空を駆る彼の姿を魔眼で捉えた、あの日の出来事は今でも忘れられない。 おそらくはあの時からだ。小さな街を守るために、たった一人でネウロイ相手に立ち向かう彼に恋焦がれるようになったのは。 俺「幽霊だとは考えなかったのか?」 ガランド「全くね。それに君はこうして生きている。こんなにも温かくて……安心できる」 俺の背へと回り、胸板に手を回すと傷だらけのそれを服の上からまさぐった。初めて感じるくすぐったさに思わず身体を強張らせる。 俺「汗と血の匂いだ」 低く冷めた声。 この手も身体も斬殺した大勢の人間の血を浴び、穢れている。 秘書官から聞いた話では他の将官との縁談を何度も持ちかけられていたらしい。 相手はどれも名家出身で軍人としての能力にも優れている。 おまけに殆どが基地や艦隊司令を務めており社会的地位だって備えている男たちばかりと聞く。 それなのに。 どうしてこの女は自分を選んでくれたのか。今でもたまに疑問に思う。 ガランド「私にとっては愛しい男の匂いなんだ」 ほとんど声としての機能が成り立っていない俺の言葉を跳ね除けるかのごとくガランドが最愛の男の身体に回した腕の力を強める。 俺「……本当に、良かったのか? 俺で」 ガランド「君がいいんだ。君でなければ駄目なんだよ」 俺「決まった家だってないんだぞ?」 ガランド「はぁ……そんなことで私が男を選ぶと思ったのか?」 後ろから、やや不機嫌そうな声が返ってくる。 俺「悪い。つい、な……」 ガランド「まったく。俺くん、私は君がどんなになっても受け入れるつもりだよ……皺くちゃのお爺さんになってもね」 だから、と一旦言葉を噤んだガランドが瑞々しい桃色の唇を俺の耳元へと寄せ、 ガランド「君も私のすべてを受け入れてくれるね? 俺くん」 俺「あぁ。わかってるよ……って、フィーネぇぇ!?」 ガランド「はむっ……んむっ……ふふっ……どうしたんだい?」 裏返った声を上げる俺の耳たぶを甘噛みするガランドが弾んだ声音で返す。顔は見えずとも、その悪戯めいた口調から今の彼女がどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべているのが容易に想像できる。 俺「どうしたって……どこを……!?」 ガランド「君の可愛らしい姿をもっと見てみたいと思ってね」 俺「だからって……首筋はぁぁ!?」 ガランド「俺くんの弱点は耳たぶと首筋か。ふふっ……これは収穫だ」 ミルクを与えられた仔猫のように舌先で震える俺の首筋を舐め上げるガランドの唇が妖艶につり上がる。 夜道を歩く二人が基地に着いたのは、それから大分あとの話だった。 俺「フィーネ。今度の作戦のこと……フィーネも聞いているんだろう?」 基地に戻りガランドの部屋のソファに座る俺がむず痒い首筋をかく手を休めず、静寂を破った。 ガランド「あぁ」 俺「だったら……ここに残って良かったのか? 視察の途中なんだろう。次の基地に行けば」 ガランド「前線である以上、100%安全な基地なんかどこにもないさ」 俺「少なくとも、ここよりは安全だろ?」 ガランド「こういうときにこそ、この肩書きが役に立つと思ってね」 俺「フィーネ……」 確かにガランドがペテルブルクに残ったおかげで補給物資の量も増え、物資が届く速さも格段に良くなっている。 ガランド「でも、本当は愛しい君から離れたくないだけなんだ……」 俺「それは……俺も同じだよ。でも、もしお前に何かあったら……」 ガランド「それこそ、私も同じ気持ちなんだ。あのまま君を置いて次の基地へ向かっていたら、私と君がこうして二人で語らうこともなかったかもしれない。それどころか、もう二度と会えなくなるかもしれない。そう思ったんだ」 心配しすぎだ、という言葉は喉に詰まるだけで終わった。戦場では何が起こるか誰も予測することはできない。名を馳せたエースがあっけなく死ぬことだってある。 俺自身、かつて組んでいた仲間の一人が他人を庇い、一瞬で命を落とした様を目の当たりにした経験があったからこそ、言い返すことは出来なかった。 俺「……」 身体が震える。 散々命を奪ってきておいて、今更命が惜しくなったとでもいうのか。 いや違う。 死ぬことが怖いわけではない。大切なものを失ったまま、生き長らえることが恐ろしいのだ。 ガランド「俺くん?」 透き通った青い瞳に自分の姿が映り込む。 俺「いや。何でもないよ」 ガランドだけじゃない。 ここにいる“家族“の誰一人として死なせはしない。ウィッチを守るのが自分の仕事なのだ。 たとえ命を賭けることになったとしても、守り通さなければならない。 俺「……っ!」 それでも、やはり自分はここに帰ってきたい。彼女の隣を、また歩きたい。 ガランドに抱きしめて欲しい。ガランドの笑顔が見たい。 あぁ。何て贅沢な願いだろうか。 ウィッチを守るという信念だけが今までの自分を支えてきた。 彼女、彼らの幸せのために自ら道を踏み外した。正義の味方も、不幸な男も気取るつもりなどない。 それが今では死ぬことに躊躇いを感じてしまうほどにガランドを愛している。 もはや俺にとってアドルフィーネ・ガランドという女性は無くてはならない存在と化していたのだ。 俺「フィーネ……ごめん」 ガランド「えっ……!?」 それまで隣に座っていた俺がガランドをソファの上に押し倒す。だが、彼の手がガランドの衣服を剥ぐことも無ければ、彼女の唇が奪われることもなかった。 目を白黒させる恋人の上に自分の身体を預けた俺は胸の内に秘めこんでいた葛藤を吐き出す。 ガランド「俺、くん……?」 俺「今度の戦い。頑張ってくるからさ。もし無事に帰ることが出来たら……出迎えてくれないか?」 恋人の黒瞳のなかで揺らぐ不安げな光を捉え、ゆっくりと彼の背に手を回し抱き寄せる。今まで彼が不安といった感情を自分に見せたことなど一度たりともなかった。 だからこそ、彼の不安を少しでも和らげんとガランドの手が幼子をあやすかのように彼の背をさする。 ガランド「……俺くん。わかった。そうだな……恋人らしく手料理でも作って待っているよ」 こうして俺が自分に対して弱みを見せてくれたことが何よりも嬉しかった。普段は自分の我侭を聞いてくれている彼に頼られているという喜びが全身に染み渡る。 俺「ははは……それは楽しみだ。ますます無事に帰ってこないといけないな」 ガランド「当たり前だ。ちゃんと……無事に帰ってきてもらわないとこまるよ?」 自分を見つめる男の頬に両手を添えて、顔を近づける。 俺「わかってるよ。ちゃんと帰ってくる」 俺もまた瞼を閉じて、自分の唇をガランドのそれに重ね合わせた。 間近に迫る嵐から互いの身を守るように。 ディオミディア内部への突入ですが、いらん子本編の第一巻に智子が刀を持ってディオミディアに開いた大穴のなかに突っ込んでいく描写がありますが。 このことから外部からの攻撃だけではなく内部侵入によるコアの破壊も出来るのではと考え、ディオミディアへの突入作戦を思いつきました。
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ペテルブルクに直進するネウロイの勢力を迎撃する作戦を間近に控えた502JFW基地では誰もが一様に慌しく動き回っていた。 整備班の全員が念入りに俺を含めたウィッチたちが使用するストライカーの整備に没頭し、補給班が運ばれてくる物資に不足分はないかと何度も何度もリストをチェックする姿が頻繁に見られる。 日が沈み始めた頃、頭上に広がる茜空を仰ぎながら自らの今後について考え込む男が独り、制服姿のまま中庭のベンチに腰掛けていた。 俺「もう限界、か」 魔力減衰によって大幅に魔法力を削り取られた今ではかつてのような衝撃波を主軸とした戦術を取ることは不可能に近い。 傭兵時代の頃はそれこそ一度の衝撃波で大量のネウロイを撃墜していたが、今となってはそれも2、3発が限界だ。 俺「どうするかなぁ」 残りの魔法力が搾りカス程度しかない今の自分に出来ることといえば、率先して敵が群がる場所に飛び込み、少しでも彼女たちの負担を減らすことぐらいだろう。 ラル「こんなところで何をしている?」 俺「いやなに……少し考えごとをな」 身を屈め、膝の上に頬杖を突いて物思いに老け込んでいると脇に書類を掲げたラルが隣に腰掛ける。 気配どころか足音すら感知できなくなってしまっているほど考え込んでいた自分に対し、静かに失笑を洩らした。 俺「……そういうお前も休憩か?」 ラル「そんなところだな」 俺「休憩時間くらいは、書類を置いてくればいいじゃないか」 ラル「そうしたいところなんだがな」 如何せん量が多い、と苦笑いを浮かべて書類を叩いてみせるラルの整った容貌には誰が見ても分かるほど疲労の色が浮かんでいた。 ガランドの書類整理を手伝ったことはあったが、やはり統合戦闘航空団の司令も同じように目を通さなければならない紙切れの量は多いのだろう。 俺「みんなは?」 ラル「いつも通り、とは言えないな」 今度の作戦は周辺の部隊とも合同で行うことになっている。いくらブレイブウィッチーズといえども数の利を覆せるほどの力は有していない。 せめて自分があと二、三年若ければ彼女たちの負担を減らしてやることが出来るというのに。 そんなことを考えた途端、まるで年老いた爺さんのような考えだと気が付いた俺は込み上げてきた笑いを何とか押さえ込んだ。 俺「緊張しちまってるのも無理はないか。そういえば、ディオミディアの亜種が確認されたんだよな?」 今朝の重苦しい空気の中で行われたブリーフィングのときに配られた資料にディオミディア亜種に関する情報が記載されているのを思い出す。 爆撃力は変わらないものの、サイズが小さくなった他に機銃が取り除かれているため撃墜が容易になったとあるがその分、数で攻めるらしい。 ただでさえ元が超巨大の爆撃機級なだけに物量で攻められては市街地が焦土となるのも時間の問題だ。 ラル「あぁ。それに加えて亜種を束ねる通常種にも変化があった」 俺「内部突入によるコアの破壊、か」 魔眼を持つウィッチからの報告では通常種のディオミディアにも若干の改良が加えられているらしく、防御力が向上したことで通常種のほうは撃墜が困難になっているらしい。 巨大な白鯨を撃破するには一点に火力を集中させて穴を開け、内部に侵入してコアを叩かなければならないとのことだ。 ラル「あぁ……ってちょっと待て。何を考えている……まさか」 顎に手を当てて何やら考え込み始めた俺の姿にラルは背筋に薄ら寒いものが這う感覚を味わった。 空を眺める黒瞳はいつになく深く、昏く、空の向こうにある何かを見つめているようにも見え、そんな彼の様子がラルの胸の警鐘を一層激しく打ち鳴らす。 俺「その役目。俺に任せてくれないか?」 ラル「馬鹿かっ!! 魔力障壁を張れないお前が瘴気で満ちるネウロイの体内に入れば―――」 瞬く間に俺の身体は瘴気に蝕まれるだろう。 俺「だからって現役に任せて、そいつの将来を潰すわけにはいかないだろう?」 ラル「お前は……お前はどうするつもりだ? 死ぬ気かっ?」 俺「死ぬつもりはないさ。死んじまったらフィーネの笑った顔も見れないし、お前たちとも会えなくなる。それに501の奴らともまた会おうって約束しちまったからな」 ラル「なら!」 俺「ギリギリの綱渡りになるってことは、分かってる。それでも、俺に出来ることは、もうこれくらいしか無いだろ?」 あぁ、そうだ。お前は何かあると決まって、その目をする。 ウィッチを守るのが自分の仕事だとぬかすくせに、お前は自分自身を勘定に入れてない。 ラル「……悪いが、今のお前を行かせるわけにはいかない。それにな、もう別の部隊のウィッチが突入要員として決まった。瘴気に対する先天的な強い免疫力と強固なシールドを持っている。お前が心配する必要はないさ」 俺「やっぱり駄目か?」 ラル「この馬鹿野郎っ。お前がどう生きようが、それはお前の人生だ。だがな? お前が死ぬことで他人の人生が狂うこともあるんだ。それを忘れるなよ」 俺「何だ? 心配してくれるのか?」 ラル「仲間を、家族を心配しない奴がどこにいる。それに、お前の命はもうお前だけのものじゃないだろう」 心臓辺りを人差し指で突くラルの言葉に俺は愛しい女性の姿を思い浮かべた。 悲しみに暮れるガランドの姿を想像しただけで、胸が張り裂けそうになる。 だが、それ以上に彼女を失ったまま生きていくことのほうが、どんなことよりも恐ろしかった。 あの笑顔も、あの温もりも。 失うくらいなら……いっそ。 日が沈み、紺碧色をたたえた空の下。 腰まで伸びた黒髪を靡かせながらアドルフィーネ・ガランドは唇を尖らせながら基地内を歩き回っていた。 珍しく仕事が早く片付いたので俺と一緒に夕食でもとろうと彼の部屋を訪ねてはみたものの、肝心の人物は留守であった。 仕方なく基地内を歩き回っているのだが、一向に俺の姿が見つからない。 要塞を改装しただけあってか、基地の内部は広く、その上複雑に入り組んでいる。地図を片手に持つか、あるいは記憶力がよほど優れていない限り、目的地へと辿り着くのは至難の業と称していい。 それでもペテルブルク基地に到着してから、まだ日が浅いガランドが、こうして思い当たる場所を容易に探し回ることが出来ているのも、彼女がいかに聡明であるかが伺える。 ガランド「俺くんっ」 自分のやや前方を歩く見慣れた後姿。 いつだって自分に安らぎを与えてくれる背中を見つけた瞬間、愛しい男に向かって駆け出していた。 俺「フィーネ?」 ガランド「まったく。君は……探そうとすると……中々見つからないね」 俺「探させちゃったか? 悪いな」 ガランド「いいさ。こうして君と会えたんだ」 膝に手をついて息を整えていると温かい手の平が背中をさすってきた。俺の優しさにガランドの表情から満面の笑みが零れる。 ガランド「ところで俺くん。今日の夜は空いているかな?」 俺「いいねぇ。デートのお誘いか?」 俺が破顔する。好きのする笑みを前にガランドの口元も自然と緩んでいく。 ガランド「そんなところだ。街に出て夕食でもどうかな?」 俺「そういうことなら大歓迎だ。今すぐにでも行こうか。外出許可はもう貰っているんだろう?」 ガランド「もちろん。君の分もね」 俺「だと思ったよ。それじゃあ店が閉まる前に行くとしますか」 俺が手を差し出す。 白い歯が僅かに見え隠れする笑みを浮かべて。 ガランドが手を握る。 これからも、こうして手を握ることがずっと続きますようにと願いながら。 凍えた夜気が街中を包み込むなか、橙色の灯の下を俺とガランドは指と指を絡ませて歩いていた。 不思議と寒さを感じないのはガランドが傍にいるという今の状況と絡め合った指から伝わってくる温もりが安寧を創り上げているからだ。 俺「車で来なくて良かったな」 ガランド「まったくだ。まさかワインをサービスしてくれるとはね」 俺「飲酒運転はさすがにマズイからな」 ほんのりと朱に染まり、やや上気したような顔立ちのガランドが愉快そうな笑みを浮かべる。 彼女に案内されたのはこじんまりとした酒場だった。それでも決してみすぼらしいくはなく、全体的に小洒落た店であった。 客層も酒を飲んで馬鹿騒ぎをするといった部類の輩ではなく、銘酒の味を落ち着いて楽しむ者ばかりであったため、俺とガランドも思い出話に華を咲かせながら夕食を楽しむことができた。 風が吹く。 ほんの僅かな肌寒さを感じ、思わず身震いしてしまうと隣を歩くガランドが身体を預けてきた。 腕を組み、もたれかかる柔らかな肩に俺も手を回して抱き寄せる。 近頃、こうして身体と身体を密着させるだけでも幸せがこみ上げてくる。 ガランド「寒そうにしていたからね」 俺「ありがとうな。あぁ、温い温い」 ガランド「……俺くん」 俺「なんだ?」 ガランド「愛しているよ。世界中の誰よりも」 瞼を閉じて。 頬を埋めて。 幸せを噛み締めるように、ガランドが囁いた。 俺「どうした……?」 ガランド「……俺くん。これは夢じゃなく、現実だね? 私は今、確かに君に抱き寄せられているね?」 俺「フィーネ……」 ガランド「君の捜索が打ち切られたと聞いた時、目の前が真っ暗になったよ。それでも再会出来たときは驚きよりも喜びで胸が満ちていったんだ」 満身創痍の身でありながらも銃を手に取り空を駆る彼の姿を魔眼で捉えた、あの日の出来事は今でも忘れられない。 おそらくはあの時からだ。小さな街を守るために、たった一人でネウロイ相手に立ち向かう彼に恋焦がれるようになったのは。 俺「幽霊だとは考えなかったのか?」 ガランド「全くね。それに君はこうして生きている。こんなにも温かくて……安心できる」 俺の背へと回り、胸板に手を回すと傷だらけのそれを服の上からまさぐった。初めて感じるくすぐったさに思わず身体を強張らせる。 俺「汗と血の匂いだ」 低く冷めた声。 この手も身体も斬殺した大勢の人間の血を浴び、穢れている。 秘書官から聞いた話では他の将官との縁談を何度も持ちかけられていたらしい。 相手はどれも名家出身で軍人としての能力にも優れている。 おまけに殆どが基地や艦隊司令を務めており社会的地位だって備えている男たちばかりと聞く。 それなのに。 どうしてこの女は自分を選んでくれたのか。今でもたまに疑問に思う。 ガランド「私にとっては愛しい男の匂いなんだ」 ほとんど声としての機能が成り立っていない俺の言葉を跳ね除けるかのごとくガランドが最愛の男の身体に回した腕の力を強める。 俺「……本当に、良かったのか? 俺で」 ガランド「君がいいんだ。君でなければ駄目なんだよ」 俺「決まった家だってないんだぞ?」 ガランド「はぁ……そんなことで私が男を選ぶと思ったのか?」 後ろから、やや不機嫌そうな声が返ってくる。 俺「悪い。つい、な……」 ガランド「まったく。俺くん、私は君がどんなになっても受け入れるつもりだよ……皺くちゃのお爺さんになってもね」 だから、と一旦言葉を噤んだガランドが瑞々しい桃色の唇を俺の耳元へと寄せ、 ガランド「君も私のすべてを受け入れてくれるね? 俺くん」 俺「あぁ。わかってるよ……って、フィーネぇぇ!?」 ガランド「はむっ……んむっ……ふふっ……どうしたんだい?」 裏返った声を上げる俺の耳たぶを甘噛みするガランドが弾んだ声音で返す。顔は見えずとも、その悪戯めいた口調から今の彼女がどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべているのが容易に想像できる。 俺「どうしたって……どこを……!?」 ガランド「君の可愛らしい姿をもっと見てみたいと思ってね」 俺「だからって……首筋はぁぁ!?」 ガランド「俺くんの弱点は耳たぶと首筋か。ふふっ……これは収穫だ」 ミルクを与えられた仔猫のように舌先で震える俺の首筋を舐め上げるガランドの唇が妖艶につり上がる。 夜道を歩く二人が基地に着いたのは、それから大分あとの話だった。 俺「フィーネ。今度の作戦のこと……フィーネも聞いているんだろう?」 基地に戻りガランドの部屋のソファに座る俺がむず痒い首筋をかく手を休めず、静寂を破った。 ガランド「あぁ」 俺「だったら……ここに残って良かったのか? 視察の途中なんだろう。次の基地に行けば」 ガランド「前線である以上、100%安全な基地なんかどこにもないさ」 俺「少なくとも、ここよりは安全だろ?」 ガランド「こういうときにこそ、この肩書きが役に立つと思ってね」 俺「フィーネ……」 確かにガランドがペテルブルクに残ったおかげで補給物資の量も増え、物資が届く速さも格段に良くなっている。 ガランド「でも、本当は愛しい君から離れたくないだけなんだ……」 俺「それは……俺も同じだよ。でも、もしお前に何かあったら……」 ガランド「それこそ、私も同じ気持ちなんだ。あのまま君を置いて次の基地へ向かっていたら、私と君がこうして二人で語らうこともなかったかもしれない。それどころか、もう二度と会えなくなるかもしれない。そう思ったんだ」 心配しすぎだ、という言葉は喉に詰まるだけで終わった。戦場では何が起こるか誰も予測することはできない。名を馳せたエースがあっけなく死ぬことだってある。 俺自身、かつて組んでいた仲間の一人が他人を庇い、一瞬で命を落とした様を目の当たりにした経験があったからこそ、言い返すことは出来なかった。 俺「……」 身体が震える。 散々命を奪ってきておいて、今更命が惜しくなったとでもいうのか。 いや違う。 死ぬことが怖いわけではない。大切なものを失ったまま、生き長らえることが恐ろしいのだ。 ガランド「俺くん?」 透き通った青い瞳に自分の姿が映り込む。 俺「いや。何でもないよ」 ガランドだけじゃない。 ここにいる“家族“の誰一人として死なせはしない。ウィッチを守るのが自分の仕事なのだ。 たとえ命を賭けることになったとしても、守り通さなければならない。 俺「……っ!」 それでも、やはり自分はここに帰ってきたい。彼女の隣を、また歩きたい。 ガランドに抱きしめて欲しい。ガランドの笑顔が見たい。 あぁ。何て贅沢な願いだろうか。 ウィッチを守るという信念だけが今までの自分を支えてきた。 彼女、彼らの幸せのために自ら道を踏み外した。正義の味方も、不幸な男も気取るつもりなどない。 それが今では死ぬことに躊躇いを感じてしまうほどにガランドを愛している。 もはや俺にとってアドルフィーネ・ガランドという女性は無くてはならない存在と化していたのだ。 俺「フィーネ……ごめん」 ガランド「えっ……!?」 それまで隣に座っていた俺がガランドをソファの上に押し倒す。だが、彼の手がガランドの衣服を剥ぐことも無ければ、彼女の唇が奪われることもなかった。 目を白黒させる恋人の上に自分の身体を預けた俺は胸の内に秘めこんでいた葛藤を吐き出す。 ガランド「俺、くん……?」 俺「今度の戦い。頑張ってくるからさ。もし無事に帰ることが出来たら……出迎えてくれないか?」 恋人の黒瞳のなかで揺らぐ不安げな光を捉え、ゆっくりと彼の背に手を回し抱き寄せる。今まで彼が不安といった感情を自分に見せたことなど一度たりともなかった。 だからこそ、彼の不安を少しでも和らげんとガランドの手が幼子をあやすかのように彼の背をさする。 ガランド「……俺くん。わかった。そうだな……恋人らしく手料理でも作って待っているよ」 こうして俺が自分に対して弱みを見せてくれたことが何よりも嬉しかった。普段は自分の我侭を聞いてくれている彼に頼られているという喜びが全身に染み渡る。 俺「ははは……それは楽しみだ。ますます無事に帰ってこないといけないな」 ガランド「当たり前だ。ちゃんと……無事に帰ってきてもらわないとこまるよ?」 自分を見つめる男の頬に両手を添えて、顔を近づける。 俺「わかってるよ。ちゃんと帰ってくる」 俺もまた瞼を閉じて、自分の唇をガランドのそれに重ね合わせた。 間近に迫る嵐から互いの身を守るように。 ディオミディア内部への突入ですが、いらん子本編の第一巻に智子が刀を持ってディオミディアに開いた大穴のなかに突っ込んでいく描写がありますが。 このことから外部からの攻撃だけではなく内部侵入によるコアの破壊も出来るのではと考え、ディオミディアへの突入作戦を思いつきました。
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【巡音ルカ】 ラプラスの曼陀羅 (オリジナル) 曲名:ラプラスの曼陀羅 作詞:サ骨 作曲:サ骨 編曲:サ骨 唄:巡音ルカ 歌詞: 浅い夢の中で囁きかける 想像上の質量 まだクリスマスのコスプレで 無限遠方からの助けを待ち叫ぶ偶像 全てを把握した知的存在ですら 不安定な過去を知らない 砂で描いた世界の状態は尚 消え去る事を想定せず 流れる川はただ一つの自我 ガンジスの砂ほどに描いて ラプラスの悪魔さえ 曼陀羅に標され消えるように 一握の砂ほどに ただただ眺めるしかできずに 浅い夢の中で囁きかける 想像上の質量 まだクリスマスのコスプレで 無限遠方からの助けを待ち叫ぶ偶像 流れた川の行く末を見つめ ふるさとに降る星が泣いた ラプラスの悪魔さえ 穏やかな川の水面のような 静かな力でほら まだ見えぬ明日を映したようだ あるいはそれは一つの 舞い降りた花が揺らす空気 ラプラスの悪魔さえ 曼陀羅に標され消えるように 一握の砂ほどに ただただ眺めるしかできずに
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ローラリア・アウスレーゼ 性別:男 種族:タビット 享年:60歳 職業:民族研究家 外見:茶色の毛並みをしたタビット 設定:あるところに非常に臆病なタビットがいた。彼の名はローラリア・アウスレーゼ。彼はタビットという種族に生まれ、自身の種族ゆえの寿命の短さを恐れており、死ぬのを怖がった。そして彼は研究のたびに出る。それは自分より長命なほかの種族たちの研究。その研究をすることによってこの寿命の短さを何とかする術を探そうとした。そのときに行く先々で絶滅寸前の危機に陥った民族を救い、その民族の人間を仲間にしてフェンディルを中心に活躍する有名冒険者たちとなる。そして彼は冒険のさなか、結局タビットの寿命を打ち破ることはできずに60歳というタビットにしては長生きした部類に入る年でこの世を去る。 基本的にザルツ地方をメインに冒険をしており、ローラリアの名はそこそこ有名となっている。 パーティでは頭の良さと持ち合わせていたカリスマで冒険者たちのリーダー兼作戦参謀として活躍をしていた。
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#blognavi ファーガ、ゴウマ、昴が中州にやってきたので理由を尋ねると 地下を使いたいという話だった。 探索予定が一日ということだったのでエレベーターが未実装のため 適正レベルの階層まで行けないだろうと言う旨を伝えると こともあろうに工事初期に資材を落とすために使っていたただの縦穴で 降りるから問題ないと言い出した。 息をするように空を飛ぶ戦闘機械は万事そういう発想をする。 少し前まで飛ぶという行為はジャンプを意味していた俺にはない考え方だ。 まあ、この前の陳情書が通ればこの縦穴がそのままエレベーターシャフトに なるのだから問題ないと言えば問題ないと考え特別に許可した。 ゴウマに蹴り落とされたガングリルが派手に墜落していった。 どうやら元々の彼には飛行ユニットはついていなかったようだ。 姿勢制御もできずに頭を壁に埋め込んで止まっていた。 追伸:結局無事生きて帰ってきたので問題なかったようだ。 カテゴリ [探索] - trackback- 2011年09月04日 00 34 39 #blognavi
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廃墟の街で生き残れ(スレ紹介)(なな板TRPG広辞苑) http //www18.atwiki.jp/trpirasuto?cmd=upload act=open pageid=60 file=haikyo0.jpg
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このページはこちらに移転しました 生きててごめんなさい 作詞/238スレ277 「君のこと好きじゃない」とか「嫌い」とか言うけど それって結局人気者にのみ許された特権だよね 切っても切っても友達いるもんね 畜生どうせ友達なんかいないよ なにやっても最後は嫌われてる もうだいぶ生きたけどそんなことの繰り返し どうしたら愛される存在になるの? 試行錯誤の末また嫌われる
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/12877.html
このページはこちらに移転しました 生きてるってなんだろ? 作詞/まるぴょん い・きる【生きる】命を保つ。生存する。 他の命を犠牲にしてまで生きてるけど 簡潔にまとめた辞書 ミュージシャンが歌った生きてる理由? なんかよくわからない 生きてるってなんだろ? わからないけど 心が脈を打つ 生きてるってなんだろ? わからないけど 誰かが僕を見る 生きてるってなんだか 辛いんだけど 何かが背中押す 生きてるってなんだろ? わからないけど 心が脈を打つ