約 1,317,694 件
https://w.atwiki.jp/tibiman/pages/19.html
ちびちゃとで主に使われる言葉を紹介したいと思います。 分からない単語があったらここを使ってください。 単語 読み方 意味 tk テキ 行ってきますを略した言葉 tr テラ 行ってらっしゃいを略した言葉 こn こん 良く使われる挨拶言葉でこんにちわ、こんばんわの略称 ノシ ノシ 手を振ってるように見えるのでバイバイという意味 喧嘩師 けんかし チャットなどで頻繁に喧嘩をしている者の事 常連 じょうれん チャットなどに頻繁に来ている者の事 出会い厨 であいちゅう チャットなどに出会いを求めて訪れる者 タイパー タイパー 自己のタイピング速度を追求し続ける者の事 論 ろん 物事の筋道を立てて述べること 論破 ろんぱ 自分の論で相手の論をねじ伏せること 破綻 はたん 行きづまること 煽り あおり そそのかしたり挑発したりすること mjk まじか マジかを略した言葉 mjd まじで マジでを略した言葉 乙 おつ おつかれという意味 ROMる ロムる 自主的に黙ること 過疎 かそ 人がいなくなる場所の事又はその空間 マジレス まじれす 真面目に返答する事 ほかにもいろいろ知りたい単語がありましたらコメントしてください。 クラ厨とかニコ厨入れないんですか? 意味は知ってますけども。 -- 舞 (2012-10-14 15 09 46) 今度追加しておきますね。アドバイスありがとうございましたー(棒読み) -- 管理人 (2012-10-16 17 44 51) 棒読みしないでください(´;ω;`) -- 舞 (2012-10-17 22 51 04) よく色々な言葉しってますね・・・勉強にまりました! 4つしかわからなかった自分なにやってるんだ!笑 -- 黒心 (2012-11-12 19 40 46) 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/7000.html
唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「ほら桜だよ桜~」 紬「本当。満開だわ~」 唯「ちらちら散ってるね~」 紬「うん、と~っても綺麗」 唯「というわけで、さっき拾ってきちゃいました!」 紬「わぁっ。見てみたいわ」 唯「じゃじゃーーん。特別キレイなの拾ってきたよ」 紬「薄いピンクで唯ちゃんのほっぺみたい~」 唯「ええ~そんなにピンクかな~」 紬「今もピンクよ唯ちゃんのほっぺた」 唯「おぉ!?」ギュッ 唯「んもう、私のほっぺたはいいよ」 唯「それより桜見ながらお茶でも飲みたいね」 紬「花見の準備ね」キラーン 唯「ん~花見もいいけど、部室でおしゃべりしながらのんびりしたい!」 紬「うふふ~お菓子なら今日もいっぱいもってきたの」 唯「おぉ!さすがムギちゃん!」ギュ 唯「お茶飲みながらおしゃべりして、桜をみようね~」 紬「うん、今日も楽しくなりそう~」 唯「こう、お茶を飲んでるときに」 唯「桜が落ちてきてカップの中に入るの」 唯「それを見ながらお茶を飲むと優雅な気持ちになれるんだ」えへん 紬「ふわぁぁ~なんか格好いいわ唯ちゃん!」 唯「でしょでしょ?」 唯「ムギちゃんみたいに飲んでみるんだ~」 紬「私のマネなら、音立てずに飲まないとね」 唯「え~音出てるっけ~」 紬「出てるわよ~熱いのダメなのかしら」 唯「ネコさんじゃないから平気だよぉ」 紬「うふふ、じゃあ今日はちゃんと飲めるようにしないとね」 唯「がってんしょうち!」ふんす! 紬「じゃあ、部室いこっか?」 唯「うん、美味しいお菓子とお茶が待ってるから~」 ―――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「ムギちゃん髪がふわふわ~良い匂いだよ~」 紬「でも毎朝セットが大変なの。クセッ毛だしね」 唯「私も大変。同じクセッ毛仲間だね~」 紬「唯ちゃんと同じ仲間……いいわぁ~」キラキラ 唯「私もムギちゃんみたいに髪の毛伸ばそうかなぁ。イメチェンってやつかな」 紬「あら、どうして?」 唯「あずにゃんが髪長いとね、お人形さんみたいって言われてたからです!」 唯「長いとかわいく見えるのかな~なんて」 紬「う~ん、唯ちゃんは今のままで十分かわいいわよ」 唯「そうかな~?」 紬「私はこの肩までのふんわりした髪が好きなの。変えちゃダメっ!」 唯「あわわぁ」 紬「それにね、ちょっと寝癖がついた髪と前髪のヘアピンがチャームポイントだから」 唯「ちゃーむぽいんと?」 紬「そう、かわいい所よ~」 唯「かわいいかな~?」えへへ 紬「かわいいかわいい!」 紬「笑ってる顔も、寝てるか顔も、お菓子食べてる顔も……」 紬「ギター弾いてる真剣な顔も、みーんなかわいい!」 唯「わ、私かわいい所だらけ!?」 紬「うん。だからイメチェンなんてやっちゃダ~メ」 唯「了解いたしやしたムギちゃん!」ビシ! ―――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「雨ザーザーだよ」 紬「嫌になっちゃうわね」 唯「ムギちゃん朝から大変だったもんね」 紬「そう、手鏡の前でせっせと大変だった!」 唯「でも雨ってイヤだけど、何処と無く好きな感じなんだよねぇ」 紬「そうなの?私はあんまりいい思いはないかな~」 唯「ムギちゃん、目、瞑ってみて」 紬「こう?」 唯「うん。でね、こう音に集中してるとねだんだん気持ちよくなるんだよぉ」 唯「子守唄ぽくていい気持ち~~」 紬「あ、いいかも~」 唯「むにゃむにゃ……」フラー 紬「わわっ。立ったまま寝ちゃダメよ唯ちゃん!」ブンブン 唯「あぅー……はっ!寝るところだった!」 唯「っとまぁ、こんな感じで雨もいいわけですよ、紬さん!」 紬「唯ちゃんすごーい!」キラキラ 唯「他にもアスファルトに落ちた雨の匂いはクセになるし蛙がよく出るようになるし」 唯「雨もバカにできません!」 紬「唯ちゃん偉い!」パチパチ 唯「でも通学中くらいは止んで欲しいよね……」 紬「そうね……」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「セミだよセミー」みんみん 紬「沢山鳴いているね」 唯「家に居ても学校に居ても鳴き声が聞こえるよ」 紬「私も家でも聞こえるの。朝から元気よね」 唯「まったく耳にこびり付いちゃうよ」 唯「みーんみーんみーーん!!」 紬「声抑えて唯ちゃん」 律「唯、うるせぇー宿題写せないだろうがーー!」カキカキ 唯「ごっめーん、りっちゃん~」テヘ 唯「怒られちゃったぁ」 紬「唯ちゃんはいいの?宿題?」 唯「うん!憂に手伝ってもらったから平気!」 紬「もう、自分でやらなきゃダメよ」 唯「えへへ、分からなかったからつい、ね」 紬「じゃあ今度私が教えてあげるからね」 唯「本当?ありがとームギちゃん~」ダキッ 紬「どういたしまして」ニコ ――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「あづいーー」ヘナヘナ 紬「唯ちゃんしっかり!アイスよ!」 唯「おぉ!?」ガバッ 唯「ありがとうムギちゃん。アイスおいしー」ペロン 紬「家で貰った物だけど、まだいっぱいあるから遠慮しないでドンドン食べてね」 唯「ありがとームギちゃん」ペロペロ 紬「本当に美味しそうに食べてくれて嬉しいわ」 唯「お、美味しくて止まらない~」ペロペロ 唯「けふっ……もうお腹いっぱいです」ゴロン 紬「唯ちゃん凄いわ。こんなに食べちゃって」 唯「えへへ~まんぷくーまんぞくー」 唯「早速眠気が~」うつらうつら 紬「寝ちゃうの~?」 唯「くーくー」 紬「うふふ。ここで団扇の出番ね」 紬「まだ熱いから扇いであげるわ唯ちゃん~」パタパタ 紬「ゆっくりお休み唯ちゃん」 ―――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「外、凄い雨と風だよぉ」あわわ 紬「これは……傘も意味ない状況ね」 唯「帰れるかな私達」 紬「方法は一つあるわ」 唯「なあにそれは?」 紬「空を飛ぶのよ」 唯「空を?出来るかなぁ」 紬「今なら……出来るわ」 紬「来て唯ちゃん」 唯「うん」スタスタ 紬「この屋上から風に乗って舞うの」 唯「おぉ凄そうだよムギちゃん!」 紬「うふふ。私一度空を飛んでみたかったの~」 唯「行くよムギちゃん!」 紬「準備おっけーよ、唯ちゃん!」 唯「とうーー!」ダッ 紬「やーーー!」ダッ 唯「おぉ……飛んでるーー飛んでるよームギちゃーーん」 紬「ええ!凄いわ……これが空を飛ぶ感覚ね」 唯「すごーーい。あははははあはーー」 紬「うふふふふふふふ~」 紬「わっ!」ガバッ 紬「はぁ……とんでもない夢だったわ」 紬「唯ちゃんまだ寝ているのね」 唯「くかーくかーー」 紬「涎だらけね。拭いてあげるわ~」フキフキ 紬「さぁて、もう一眠りしようっと」 ―――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「何見てるの~?」 紬「新しい小説よ」 唯「おぉ、字だらけだ。絵は付いてないんですかね」 紬「それじゃあ漫画になっちゃうわね」 唯「文字見るよりお菓子食べたほうがいいよぉ」 紬「ん~、本読みつつお菓子も食べたらもっといいわよ」 唯「え~お菓子だけのほうが絶対いいよ~」 紬「唯ちゃんにも本貸してあげるから読んでみて」 唯「ふむふむ」ペラ 唯「じ~」 唯「……が……して……と……だった」ぶつぶつ 唯「あーーん漢字読めない~」 紬「えぇ!そこまで難しくないと思ったけど」 紬「分かったわ!本貸して、唯ちゃんのためにルビ振ってきちゃうから!」 唯「え、いいよぉそこまでしなくても」 紬「ダーメ、唯ちゃんに読んでもらいたいから、私書くわ!」 唯「ムギちゃん……ありがとう!……でもお菓子も持ってきてね?」 紬「分かってるわ」ニコ ―――――――――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「風が強いよ~」 紬「うん、少し肌寒いわ」 唯「お、葉っぱがひらひら舞ってる~」 紬「ほら、あそこにいっぱい積もってるわよ」 唯「おぉ凄い!焼き芋作れそう!芋!」 紬「本当ね、作れそう。芋が無いけど」シュン 唯「芋~芋落ちてないかな~」キョロキョロ 唯「あ、これはドングリだーー」パンパカパーン 紬「あ、かわいい~」 唯「えへへ、これお菓子にも同じ形のがあるんだ~」 紬「そうなんだ~食べたことないかな」 唯「今度持って来るね、美味しいんだよ~」 紬「やったぁ楽しみにしてるから」 唯「えへへ~よし、このままドングリどっちが多く拾えれるか勝負だよムギちゃん!」 紬「分かったわ!負けないんだから!」フン! 唯「制限時間は30分!」 唯「よーい、ドン!」 紬「わっーーー!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「欲しいものは何でしょう?」 紬「欲しいもの?今は無い、かな」 唯「え~ないの~?なんかあるでしょう~」 紬「でも、私は皆とお茶したり演奏できればいいから」 唯「む~無欲ですなムギちゃんは」 唯「こういう時はおっきい事を頼むんだよ」 紬「ん~じゃあ唯ちゃんのヘアピン!」 唯「ヘアピン?この?」 紬「うん!」 唯「ええ!これはただのヘアピンだよぉ」 紬「いいの、私唯ちゃんとお揃いのが欲しかったの~」 唯「う~ん、本当にこれでいいのね」スッ 紬「わ~ありがとう唯ちゃん」パチン 紬「どう?どう?似合ってる?」 唯「おぉかわいいー!似合ってる~……って今渡しちゃダメだった!」 紬「え?」 ―――――――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「振袖キレイ~」 紬「ありがとう」ニコ 紬「唯ちゃんも着てくればよかったのに」 唯「えへへ、着るの大変なもんで」 唯「休みの間ずーっとゴロゴロしてて楽しかったよ~」 紬「私は挨拶回りで疲れちゃったわ」 唯「憂がね美味しい御節いっぱい作ってくれたの」 紬「私はそのおかげでまた体重が」シクシク 紬「唯ちゃんと体、交換したいわ~」 唯「交換……いいかも」 紬「いいのかな」 唯「いいんだよ!私、ムギちゃんみたいにグラマーになりたい!」 唯「どうすればなれるかな?」 紬「神様にお願いしましょう」 唯「そっかぁその手があったね!」 唯「私達のお願い聞いてくれるかなぁ」 紬「聞いてくれるわよ。一生懸命お願いすればね」 唯「そだね~、あ、ちょうど皆来てるみたい。あそこで待ってるよ」 紬「本当だ。急ごう唯ちゃん」 唯「うん。走れ~~」タタタ ―――――――――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃーん」ダキッ 紬「あら、唯ちゃん」 唯「甘い季節です」 紬「ん?」 唯「今日は家でチョコを作りましょう!」 唯「え~教えてくれる先生は憂先生でーす」パチパチ 紬「わーーー」パチパチ 憂「ゴホン、えー、う、憂と言います……」ペコリ 憂「早速ですが、作っていきましょう」 唯「はい!先生!」ビシ 紬「はい!先生!」ビシ 憂「まず、あれをあーしてこーして」トントン 唯「ふんふん、こうやるのね」グルグル 紬「勉強になるわ~」パコパコ 憂「で、これをこんな感じで、後は冷やすだけです!」 唯「よっ!流石、憂先生!」 紬「よっ!流石、憂先生!」 紬「これが手作りチョコ……」キラキラ 唯「美味しそうだよムギちゃん」ダラダラ 憂「まだ食べちゃダメだよ!?」 唯「分かっているよぉうい~」 唯「じゃあ先に箱だけムギちゃんにプレゼント!」 紬「わぁありがとう。じゃあ私も箱だけプレゼント!」 唯「わーいありがと~~」 ―――――――――――――――――――― 唯「ム~ギちゃん」 紬「あら、唯ちゃん」 唯「こんな所まで散歩しているの?」 紬「ん~ちょっと気分転換かな」 紬「すぐ戻るつもりだったけどね」 唯「あ、桜高!」 紬「うん、ちょっと離れすぎちゃったかな。小さく見えるわ」 唯「こっからみると桜がいっぱいだねぇ。私達の高校は」 紬「本当、もうすぐ満開だわ~」 唯「キレイ~」 紬「うん、いつみても綺麗」 唯「またみたいよね~」 紬「うん」 唯「またこようね?あずにゃんも寂しがってるかもしれないしね」 紬「そうね」クス 唯「じゃあ戻ろう~まだ写真とってなかったよ~」タッタッタ 紬「あ、まって唯ちゃん~」タタタ おしまい 戻る
https://w.atwiki.jp/llss/pages/461.html
元スレURL 真姫「にこちゃん」にこ「にこちゃん」 概要 洗脳…? 関連作 絵里「ありふれた悲しみのあれ」 タグ ^μ`s ^シリアス ^鬱 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tenkuuryuu/pages/152.html
ちびちゃとの情報などあったら教えてくだせえ 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
https://w.atwiki.jp/yuiui/pages/30.html
303 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/09/28(月) 00 43 27 ID eWrwQy7o 憂「お姉ちゃん」 唯「……」 憂「お姉ちゃんってば」 唯「んぅ~」 寝ていらっしゃる。 完膚なきまでに寝ていらっしゃる。 『そんなところで寝てると風邪ひくよー?』 そう口にするよりも早く、私は動いていた。 ぷにっ 唯「ん、んぅ~……」 やわらかいほっぺた。 この幸せそうな表情。 見ているこっちが幸せになってしまう。 可愛いなぁ、もう。 ぷにっ 唯「んぅ~、そこはダメだよ、うい~……」 憂「!!」 そ、そんなことを言われてしまうと ぷにっ 尚更やめたくなくなってしまう ぷにっ ああ、病み付きになってしまいそう ぷにっ 唯「……ハッ!?」 ぷにっ 唯「ごめん、寝ちゃってふぁ」ぷにっ 起きたことにも気付かずに、ぷにぷにし続けていた為、 お姉ちゃんの台詞の語尾が可愛らしくなった。 304 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/09/28(月) 00 44 52 ID eWrwQy7o 憂「あ、ごめんお姉ちゃん、起こしちゃった……というか起こそうとしてたんだけど」 唯「……」 寝ぼけ眼のお姉ちゃんと、少しの間見つめ合う。 ああ、寝起きのお姉ちゃんも可愛ら――「ひゃん!?」 唯「ふふふ、お返し~」 とっても嬉しそうな表情で、私の両腋に手を滑り込ませているお姉ちゃん。 唯「もう一回言って」 憂「……」 唯「ひゃん!?だって、もう、憂はかわいいなぁ」 憂「ふふ、お姉ちゃん」 唯「なに?」 憂「こちょこちょこうげきぃ!」 唯「きゃあっ!……っ、あはははっ、ちょっ、うい、すとっ、あはははっ!!」 少しだけ体重を乗せて、お姉ちゃんを組み敷く。 元々寝ていた体勢なのだ。 ポジション的に見て、どう考えたって私の方が有利である。 しかし、お姉ちゃんもまた簡単には諦めない。 くすぐり攻撃を受けながらも、その両手は私の腋、そして脇腹を攻める。 憂「くっ、あはははっ!!わ、私を本気にさせたなー!?」 唯「あはははっ、ひっ!?う、うい、胸はダメっ!!」 憂「胸じゃない、腋!」 唯「腋!?」 ――今日もまた、私とお姉ちゃんの幸せな夜が更けていくのでした。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/9254.html
梓「・・・りっちゃん」ボソッ 律「!?」 律(き、聞き間違えかな・・・?) 律「なあ梓」 梓「何ですか律先輩?」 律(あれ?やっぱり戻ってる) 律「今りっちゃんって言わなかったか?」 梓「まさか、唯先輩じゃあるまいし」 律「だよな~あはは・・・」 律(やっぱり気のせいか) 梓「・・・りっちゃん」ボソッ 律「!?」 律「おい」 梓「・・・・・・」 律「無視すんな」 梓「・・・今度はなんですか」 律「なんですかじゃねえええ!!今のはバッチシ聞こえたぞ!!」 梓「なんの話か全く分からないんですけど」ニヤニヤ 律「」 律「お前というヤツは・・・いったい私をなんだと思ってるんだ・・・」 梓「私はりっちゃんのこと尊敬できるいい先輩だと思ってますよ」 律「!?」 律「今言ったよな!!確実に!!私のことりっちゃんって言ったよな!!」 梓「・・・・・・」 律「おい、かわいそうな人を見る目で私を見るな」 梓「りっちゃんっ・・・酸素欠乏症にかかって・・・」グスン 律「人のことを頭がおかしい奴みたいに言うな、私は正常だっつーの」 梓「え!?」 律「このやろう・・・変なのは梓の方だからな」 梓「私のどこがおかしいんですか?」 律「だから・・・!私のことりっちゃんって呼んだだろ!」 梓「まっさかー!田井中にそんなこと言うわけ無いじゃないですかー」 律「」 律「屋上へ行こうぜ・・・ひさびさに・・・キレちまったよ・・・」 梓「そんなに怒らないでくださいよ」 律「誰のせいだ!いい加減に認めろ!」 梓「・・・チッ・・・へーへー私が悪うござんした」 梓「これでいいですか」 律「」 律「」 梓「あれ~どうしたんですか~」 律「」 梓「おーい」 律「」 梓「りつぅ~?」ケラケラ プチッ 律「中野おおおおお!!!!!」 キャー 律「ゼエ・・・ゼエ・・・む、無駄に疲れた・・・」 梓「すごかったですよ律先輩・・・///」 律「よけいな誤解を生むようなことを言うんじゃない!」 梓「つれないなあ」 律「だまらっしゃい!正座を崩すな!」 梓「は~い」 律「それで・・・なんであんなことを言ったんだ?」 梓「・・・」 律「・・・言わないと本気で怒るぞ」 梓「・・・・・・羨ましかったんです」 律「え?」 梓「律先輩と唯先輩ってすごく仲良いじゃないですか」 梓「一緒に抱き合ったり、気軽に呼び合ったり・・・」 梓「私も律先輩とそんな関係になれたらいいなと思って・・・」 律「・・・」 梓「ごめんなさい、恥ずかしかったんです」 律「馬鹿・・・」 梓「・・・ごめんなさい」 ぎゅ 梓「!?」 梓「なっ、ななななにをっ!?」 律「私も唯の奴が羨ましくてさ・・・」 梓「・・・///」 律「なぁ、梓」 梓「は、はい・・・///」 律「私のこと好きに呼んでいいからな」 梓「」ドキッ 梓「・・・いいんですか?」 律「恥ずかしいから、二人の時だけだぞ////」 梓「それでは・・・」 梓「田井中ぁ!!!」 律「中野ぉ!!!」 おわり 梓「りっちゃん」 律「」 梓「どうしたんですか、りっちゃん?」 律「おい、梓。一体お前……」 梓「ねえ、先輩。今からちょっとしたゲームしませんか?」 律「え、ゲーム?」 律「(突然話変わったなおい)」 梓「はい。あのですね、先輩後輩逆転ゲームです」 律「はあ?」 梓「だから、私が先輩になって、律先輩が後輩になるんです」 律「……そんなことしてなんのメリットが……」 梓「メリットなんて関係ないじゃないですか。律先輩だっていつもなんの メリットもないくせに練習しないで遊びまくってるし」 律「う……」 律「わ、わかったよ」 梓「じゃあ決まりですね!後輩は先輩の言うこと絶対厳守です、いいですね!」 律「えぇ……。そういう梓は今まで後輩らしく私の言うこと聞いた事あったかよ?」 梓「ほとんどありません」キパッ 律「おい」 梓「それじゃあゲームスタート!」 律「早ッ」 梓「それじゃありっちゃん、早速他の先輩方が来るまで練習しようか」 律「えぇ~。つーか私以外全員先輩なのかよ!」 梓「そうだよ。っていうか敬語。私はりっちゃんの先輩なんだし」 律「……めんどくせー……」 梓「今何か?」ニコ 律「な、何でもありましぇん!練習、練習な、練習!練習しよう練習!」 梓「も~、何度も練習って言うなんてよっぽど練習好きなんだね、りっちゃん♪」 律「(うあー、むかつくっ)」 律「(っていうかいきなりなんなんだよ。りっちゃんって……すっげー変な感じ)」 梓「……」ジーッ 律「ってうわ、なに!?なに見てんだよ!?///」 梓「りっちゃん真っ赤」ヘラ 律「う、うるせー!そうやって見られるの慣れてねーの!///」 梓「敬語」ボソ 律「う……」 梓「りっちゃん」 律「なんだよ……じゃなかった、なんですか」 梓「……」プッ 律「はい、処刑決定」 梓「ごめんごめんっ!」ププッ 律「お前なあ……」アキレ 梓「やっぱだめだなあ……」ボソ 律「なにが?」キョト 梓「先輩の先輩になってみたらちょっとはわかるかなって思ったのに……」 律「……どういうこと?」 梓「律先輩たちが卒業していっちゃったら、私が部長じゃないですか。だから、 今のうちに全くと言っていいほど部長らしくない部長である律先輩がどうして ここまでやってこれたのか知ろうって思って」 律「う……褒めてんのか、けなしてんのか?」 梓「けど、やっぱりわかんないや。私、ちゃんと部長出来るのかなあ……」 律「梓……」 ギュッ 梓「律、先輩……?」 律「大丈夫だよ。この私でも部長できたんだから、梓だって部長ちゃんと 務まるって。そんな悲しそうな顔してたらりっちゃんが食べちゃうぞ?」 梓「律先輩には食べられたくないです」キパ 律「何気にひどくね!?」ガーン 梓「ただ……」ソッ 律「あ、梓?//」 梓「私がりっちゃんを食べちゃうのはありかな?」 律「!?///」 梓「なーんて」パッ 梓「冗談ですよ」 律「だ、だよな」ハハッ 律「(けどちょっと残念だったり……)」 梓「律先輩」 律「やっぱそう呼ばれるほうがしっくりくるな」 梓「私もです」 律「それで、なに?」 梓「律」 律「」ドキッ 梓「あんまり言いたくないけど、ありがとう」 律「ばーか、最初のはよけいだっつーの」ポンッ 律「まあ、全然頼りない部長だけどさ、まだあとちょっと、梓は私に頼ってくれて いいから。だからあんまり張り詰めたりすんなよ?全部私が受け止めてやるからさ」 梓「……やっと部長らしいこと、言いましたね」プッ 律「ちょ、そこで笑うとか!私すげー恥ずかしい人じゃん!」 梓「ふふっ……」 律「……ったくもう」フウ 梓「ねえ、先輩」 梓「さっきのゲーム、続けません?」 律「え?なんでさ?」 梓「やっぱりりっちゃんを食べたくなっちゃいました」 終わる。 3
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2285.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367056947/ 十二月半ば 咲「もうすぐ十時になるのに、優希ちゃんも染谷部長もこないね」 部室の片隅、元いたベッドは反対の壁へ押しやられ、薄茶色で時代錯誤な円卓のコタツが置かれていた。 京太郎「部長も昨日は『絶対顔出すから!』なんて夜中の十二時にメール送ってきたのに、」 咲「え? 京ちゃんそんな時間に起きてるの? というか竹井先輩とそんな時間にメールしてるの!?」 須賀京太郎の対に座り、今のいままで本から視線を外さなかった宮永咲が驚きの色を隠さず、 京太郎の鼻先に顔を近づけた。腕に顎を乗せ、だらけきった京太郎はたじろぐことすらできなかった。 京太郎「お、おう。部ちょ――竹井先輩も話し相手がほしいんだって。 男友達が俺しかいなくてそれでいろいろ相談を……て、咲さん?」 咲「ふーん。そうなんだー。ほー」 京太郎にとって、ここまで不満を顔に出す咲は珍しかった。どこか感情の起伏に 喜怒哀楽の怒がぬけているし、そもそも面と向かってしゃべるという事がここ最近少なかった。 自分のいないところでは――例えば原村和や片岡優希とおしゃべりをしているとき、 勝手な想像だが、咲は憤慨などしないだろう。彼女らは人をおちょくったりしない。適度な暴走で咲を困らせるだけだ。 京太郎「なんだよお姫様。もしかして嫉妬?」 咲「!!、違っ――違うもん」 一瞬の間に思考の摩擦が見て取れたが、結局は言い直さなかった。 上目でころころ変わる咲の表情を見つめながら、京太郎はちょっとばかりの優越感を得た。 目のやり場に困った咲は読んでいた小説を栞も挟まず閉じ、コタツへと 体を押し込んだ。座布団を枕にすると雀卓へと顔を向ける。 咲「京ちゃん狭い」 京太郎「お前な、子供か」 咲「うん、子供」 京太郎が伸ばしていた足を組んで胡坐をかくと、ポケットにはいっていた 携帯電話が腰に当たった。おもむろに取り出して開くと、メールが三件。 京太郎「咲、竹井先輩と染谷部長は電車が止まって時間がかかるから遅れる。優希は家から出たくないって」 咲「ん」 京太郎「こんな天気だしなぁ。明日もずっと雪降ってるってよ。 朝、お天気のお姉さんが言ってた。美人の、竹井先輩に似たお姉さん」 咲「最後の情報いらない」 横目で睨みつけられても視線ははずさず、京太郎は微笑んだ。 京太郎「和もいまごろカナダのどこだっけ? バンクーバー? いいよなー 俺も海外へ旅行してみたいわ。それであっちの美人で金髪で碧い目をした胸の大きい……」 視線は再び咲へ。睨んではいなかったが、間違いなく頬を膨らませていた。 怒りの表現として最高にかわいいのではないか。あざとさを感じないのが咲のいいところである。 京太郎「なあ、咲はさ、どんな本読むんだ」 円卓に置かれた某書店のカバーがかけられた小説へ手を伸ばす。 一瞬手が止まり咲のほうへ視線を向けるが微動だにしない。実はそれほどこの話題を発展させたかったわけではなく、 あせった咲が自分よりも早く小説をぶんどって顔を真っ赤にして 「これは、その、普通の小説だよ」なんて言いながら、両手で背に隠し、 そこで自分が「なんだよ、隠すようなもんか?もしかして官能s」 「違うよ京ちゃんっ!!!」「冗談だよ、恋愛小説だろ? 別に隠すことじゃないさ」 「ほんと?」そういって咲はしずしずと隠していた本を前に出すと ここまで想像したのに、現実は非情である。察するにこれは恋愛小説などではなく、 その他の推理ものかファンタジー。一度図書室へ一緒に行ったとき、貸し出し書には 確かにジャンルを気にせず有象無象を読み漁る過去の咲がいた。 しかしこの流れから手を引くのは違和感がある。手にとってページを開く。 京太郎「ん? アニメの絵? ああ、ライトノベルってやつか」 咲「京ちゃんでも知ってるんだ」 京太郎「でもってなんだよでもって」 意外なことではあった。咲は文字通りライトな文学は苦手なものだと、京太郎は勝手に思っていたからだ。 ぱらぱらとめくっていく。速読ができるわけではないが、ところどころ会話文を拾っていけば、 意外と小説のおおまかな流れはみえてくる。 咲「それね、最終巻だから読んでてもよくわかんないと思うよ」 京太郎「どんな話?」 咲「宇宙人に対抗できる唯一のすごい女の子と普通の男の子の……恋愛」 それはまるで、 京太郎「まるで俺たちみたいだな」 咲「……え? はあああ?! きょ、京ちゃん何言ってんの!!?」 京太郎「宇宙人に唯一対抗ってのを麻雀最強に置き換え……あ」 無意識だった。 京太郎「いやあの、恋愛ってとこは置いといてだな、登場人物が俺たち、あ、こいつら主人公……」 自爆した。 頬が熱を持つのがわかる。とっさに持っていた小説で顔を隠したが、 一層恥ずかしさが増していった。爆発する羞恥心を沈めようと奮闘する京太郎を尻目に、 同じく、顔をトマトみたいに真っ赤にした咲が噴き出した。 咲「ぷ、あはははっ。京ちゃん、顔真っ赤だよ」 京太郎「お前もだよ。顔、すげえことになってるぞ」 部室は二人の笑い声が反響した。次第におさまりつつある中、咲と京太郎は 視線を交えると先ほどの感情がふっとわき上がり、二人は同時に顔を伏せた。 京太郎「……で、最後は二人はどうなっちゃうんだ?」 咲「女の子が死んじゃった」 即答する咲の言葉に感情はなかった。 咲「女の子は最後、地球を守るために戦って死んじゃうの。でも、それは決められた運命で 最良の選択なんだ。ハッピーエンドではないけど、ベストエンド。女の子は幸せを感じながら死地へとんでっちゃうんだよ」 京太郎「悲しい話なんだな」 咲「悲しい、かな。でも見方を変えれば、戦って死んで行くことしか存在の 価値がなかった女の子に、好きな人ができて幸せな最後。それって」 京太郎「……価値観によっては最高?」 咲「うん。私は途中まで二人は絶対生き残って結婚して赤ちゃん産んで、 健康な老後を送ってほしかった。でも、読み終わると当人が満足を得れば、周りの人たちがどう思おうと幸せなんだ、って思った」 京太郎「幸せの価値観か……。他人の物差しが当てにならないとは確かに思うけど、 でも俺からみたらその作品、やっぱり不幸だと思う。よく自殺をする人に対して、 紛争地域や貧困でろくに飯が食えない人間と比べたらよっぽど幸せだっていうけど、 それは俺も賛成。その女の子だって『宇宙人に唯一の対抗できる』なんて肩書きのせいで、死んじゃったんだから」 咲「価値観はそれぞれって言ったら、この話終わっちゃうね」 京太郎「本人でしか味わえないんだからしょうがないだろ。俺は咲ほど読書家じゃないからそこまで作品に感情移入できないだ」 咲「……そうだね」 京太郎は片方だけカバーを外し、表紙に描かれた少女のイラストを見つめた。 少女は憂いた表情の中に、どこか満足げな微笑みがあった。髪の長さが咲と同じぐらいだった。 咲「京ちゃん、恋愛ってなんなんだろうね」 京太郎「俺に聞く?今まで彼女できたことないのに」 咲「そうなの!?」 京太郎「なんで驚くかなぁ、中一からの付き合いだろ。いたらそういうの、少なくとも噂が出るだろ。まぁ童貞からの言葉でよければ聞いてくれ」 咲「どっ……。セクハラー」 京太郎「恋愛は、……そうだな、他のことがどうでもよくなるぐらい幸せなことなんだろうな。 周りが見えなくなって手につかなくなるって言うし。 不幸を反転させ死に急かす……これはフィクションだけど、 いうなれば抵抗できない絶大な力って感じ。生物的欲求へと続く道筋でもあるしな」 咲「なんか京ちゃん、京ちゃんじゃないみたい。竹井先輩の影響?」 京太郎「かもな」 咲「むー」 咲は熱を逃がさぬよう、音も立てずそろりとコタツから抜け出した。 窓の前に立つと霜がついたガラスを撫でる。不細工なニコニコマークが出来上がった。 咲「京ちゃん」 京太郎「なに?」 咲「二年後の夏、最後の大会が終わったらお話があります」 京太郎「遠っ! それまでどっちも覚えてないだろ」 咲「ううん、私は絶対覚えてるよ。絶対」 京太郎「すぐには言えないことなのか?」 咲「うん、今は、えっと、……麻雀があるから。がんばらないと、ね?」 京太郎は咲から顔を逸らした。絶対に表情を見られたくなかった。 気持ちの悪い笑顔をしていたからである。だって、だってこれは告白に変わりないではないか! この女は天然なのかそれを装った計算しつくした行動なのかわからない。だけど、うれしかった。 京太郎「絶対忘れんなよ。お前忘れっぽいから」 咲「絶対忘れない」 京太郎「絶対? 絶対だな」 咲「ぜったい! ぜったいぜったい!!!」 京太郎「じゃあ二年後、ここで」 咲「うん!」 --- -- - 宮永咲が高校を卒業し、プロ雀士になってから一年がたった。 夏の大会、東日本選手権で優勝した日の暑い夜。ひとりで祝賀会を抜け、ホテル近くの自然公園をほっつき歩いていた。 ぼけた外灯が洋式でデザインされたベンチを照らす。なかなか不気味な光景にも臆せず、遠慮なしに座った。 携帯電話を開く。たくさんの受信メールと着信。高校の部活仲間、大会で知り合った友達、そして、 須賀京太郎の文字はなかった。 咲「そうだよね」 ぽつりとつぶやく。期待してなかったと言えば嘘になる。卒業まで付き合っていた元恋人の電話を待つ、 未練がましい自分が心底気持ち悪かった。 ふったのは自分なのに。 なにが『これからは一緒にいられないから別れよう』だ。臆病だったあの時の自分を絞め殺してやりたい。 京太郎は教育学部のある大学を受けた。東京の有名なところ。彼はそれなりに頭がよかった。 今では彼女も――いるだろうか。もしそうだとしたらこんな暑い日の夜だ、よろしくやってるかもしれない。 空を見上げると、星がまばゆいていた。東京の空でも、星が十分に見えるのはちょっとびっくりだった。 夏の大三角形を眺めていると、アルタイルが陰に隠れた。 照「こんなとこにいたんだ」 咲「あ、お姉ちゃん」 宮永照は咲のとなりに座り込むと、同じように空に顔を向ける。 外灯の光に晒された照の顔はタコのようにできあがっていた。 照「お、あれがデネブ? 大三角形完成」 咲「すごい顔の色……。飲みすぎだよ」 照「いーんだ、大人だから。無駄に高い日本酒がいっぱいあったからな」 咲「お姉ちゃん、強くていいな」 照「そっか咲は弱いから飲んでないのか。もう、二十歳すぎたんだから飲む練習しないと」 咲「練習て……」 照「宮永の血は代々うわばみだから、咲も強くなるよ」 たいそう上機嫌な姉を見るのは耐えがたかった。自分はなぜこんな暗い気分なのだろうと、 考えれば考えるほど京太郎という三文字が頭に浮かぶ。 照「元気ないね」 咲「ん」 照「東日本一はそんなにくだらない?」 咲「そ、そんなことないよ!」 今の自分のテンションを他人から見れば、まぁそうなるだろうとは思う。 だけど、照は自分が絶対にそんなこと思ってないとわかってるのに、 なぜこんないじわるなことを言うのだろう。咲は無性に腹がたった。 照「京ちゃん、でしょ?」 咲「え!?」 照「そう咲が呼ぶから」 咲「そうじゃなくて、えっと」 照「別に考えてることわかるわけじゃないから。咲って自分で思っている以上に表情でやすいし、あ、」 流れ星だー 照「えと、なんだっけ。ああ、表情に出やすいって話だったね。それで、うん、それだけ」 咲「その後なんか言おうとしてなかった?」 照「んー? なんだっけ。照わかんない」 咲「素面じゃないのね」 ああそっか京ちゃんだ。 なぜ照は京太郎を知っていたのか。彼のことは照には一度も話した覚えはないのだ。 知らないところで接点をもたないはずの肉親と元彼が仲良くしているという疎外感。 というより悪い予感しかしない。そこにつっかかろうものなら、仰天する事実がでてくるかも、という恐怖が咲の唇を閉ざした。 少し間を置いて、照が口をあける。 照「咲、聞きたいことがある」 咲「何? そんなにかしこまって」 照「京ちゃ――須賀君てかっこよかった?」 質問の意図が読みとれない。 咲「は?」 照「かっこいい、かっこいくない、どっち」 咲「い、いいよ」 照「じゃあ好き?」 後頭部をぶん殴られたような気がした。自分を欺いてまで隠していたかった感情を、豪快に掘り返されたような気分だった。 咲「す」 照「す?」 咲「別に今はもう」 照「今、『す』っていったじゃん。そしたら好きか好きじゃないかの二択だよ」 咲「……好き」 照「じゃあ電話すればいいと思う」 咲「お姉ちゃん、完全に酔っ払ってるよね……」 照「かけてみて」 咲「なんで?」 照「いいから」 咲「やだ」 照「かけろ。選手団長命令」 咲「っ、」 不安とストレスは反応を起こし、怒りが沸き立った。 咲「別れて一年以上たつんだよ!? もう、全然連絡もとってないし、それにお姉ちゃんに関係ないじゃん!」 照に負けないぐらい顔を真っ赤にして怒鳴った。近くで野犬が鳴きながら逃げていった。 咲「~~~~~~っ、帰るっ!」 照「あ、咲!」 咲「ついてこないで!顔見たくない!」 外灯を背にずんずん突き進んでいく咲はすぐに見えなくなった。 照「……、ミスった」 ・ ・ ・ 咲「なんで京ちゃんが出てくるのっ! なんで京ちゃんの事知ってるのっ!! なんで電話しなくちゃいけないのっ!!!」 途中すれ違ったカップルにも気付かなかった。だから、目の前で通せんぼする男の ことなんてわかんないし、そいつの発する音なんて耳から入って口から出て行った。 「――!咲!」 咲「うわっ」 正面からぶつかった。反作用はやけに大きくて、高校時代からろくに育たない体は笑えるほどふっとんだ。 運動神経のなさが災いし、とっさに片足がでなかった。両手を藁をも掴む勢いで振り回し、 ようやくつかんだそれは男の手首だった。もちろんバランスなどとれず、そのままそいつを巻き込んで尻もちをついた。 咲「いった……、あ!すいません!大丈夫ですか?怪我とか、」 「お、おう」 そいつが持っていた携帯の画面の光がそいつの顔の片側を映した。 咲「京、ちゃん」 京太郎「久しぶり」 次の言葉が思いつかなかった。 咲「ぐ、偶然だね」 言った手前、そんなことあるもんか、と心の中でツッコミをいれる。 京太郎「立てるか?」 咲「あ、うん」 京太郎「ここ、暗いから、もうちょっと明るいところ行こう」 自然と手を握られた。付き合ってたころはたいしたことじゃなかったのに、 いざ意識すると気が狂うほど心拍数が跳ね上がった。あの、夏の大会の日の夜、初めて手をつないだときを思い出した。 自然公園を抜け、夜空を塗りつぶさんとする街灯が姿を現し、 少し歩いたところで自販機を見つけた。そのとなりにはベンチとゴミ箱。設置した人間のご厚意に沿う形で並んで座った。 咲「あ、お茶、ありがと」 京太郎「ん」 京太郎はコカコーラの口を開け、少しだけ喉に流した。 京太郎「咲」 咲「うん」 京太郎「ごめんっ」 咲「えっ、え?」 京太郎「お姉さん使ってお前を探ったのは、全部俺がお願いしたことだったんだ」 咲「……ふーん」 京太郎「本当ごめん! だからお姉さんの事を悪く思わないでくれ」 咲「……」 物言わぬ咲に京太郎の顔色はどんどん青ざめていった。 咲「私、」 間。 咲「私ね、京ちゃんが大学行くって決めたときすごく怖かったんだ」 どこか遠くでセミの合唱が始まった。 咲「遠距離恋愛なんて初めてだったし、それに大学で他の女の子にとられちゃうのが怖かったんだ」 京太郎「俺って、そんな軽そうか?」 咲「あれだけ好きだった人を信じられない自分が嫌になったんだよ」 京太郎「それで、別れようって?」 咲「ごめん、怒った?」 京太郎「いや、全然」 合唱は終わる。 京太郎「好きな人ができたとかめんどくさくなったとか、いやな事ばかり思いついて、 取り返しがつかない状況になっちまったと思った」 咲「うん」 京太郎「だから、連絡をとりたくても、」 咲「そっか」 すっごいバカなんだと思った。自分も京太郎も。素直になっていれば、こんなことにはならなかったのだ。 京太郎「遅れたけど、おめでとう咲」 咲「ありがとう京ちゃん」 京太郎「次は全日本か」 咲「うん、がんばるよ」 京太郎「団体戦のオーラスでまくったときかっこよかったぞ」 咲「うん」 京太郎「白の大明槓から、ツモ切り直後の一位直撃の跳満、録画したやつ何回も見直したよ」 いつからだろう。 咲「京ちゃんは」 いつからだろうか、自分がヒーローとして皆の注目を集めだしたのは。 姉の照は飄々とマスコミ連中に気の利いた一言を繰り出せる。 けど、自分は未だそうではない。容姿、雀力ともに似てはいるが、性格の面で彼女になりきることはできなかった。 自分は大木によりそう数多の子木のひとつでしかない。そう思っていたし、そう望んでいた。 肩書きの最年少タイ東日本一制覇だなんて、重すぎるにもほどがある。 なんだか本当の宮永咲と麻雀を打つ宮永咲が剥離していくような気がした。 咲「京ちゃんは最近どう?」 京太郎「え?あ、俺?」 咲「勉強とか大学生活とか」 京太郎「んー、最近ねぇ……、俺、小学校の先生目指す事にしたんだ」 咲「ほんと? すごい!」 京太郎「いやー、そこまで驚くような事じゃないけど」 咲「それ、昔の私の夢だったんだよ」 京太郎「へー」 咲「……小学校の先生かー」 小説家、学校の先生、お花屋さん。 咲がなりたかった職業ベスト3である。 麻雀のトッププロではないのだ。このことを口にすれば、なりたくてもなれなかった者に、 末代までの恨みを買うだろう。いくら咲とも言えど、流石にその辺りはわきまえている。 咲「うん……、さっきから気になってたんだけど」 京太郎「ん?」 咲「右のポケットに入ってるそれ、なに?」 京太郎がギクリとした。目の焦りから触れてはいけないものだとわかった。 京太郎「お前……、変なとこビンカンだな。これだよ」 でてきたのは6センチメートル四方の箱。角は丸く濃紫で光沢がない。 京太郎「咲、今から俺すごいこと言うからちゃんと聞いとけ」 咲「え?うん」 京太郎の頬がふくらんだ。何を言い出すのかわかった。 京太郎「結婚を前提にお付き合いしてください」 咲「うん、いいよ」 京太郎「軽っ!てか早いよ!もうちょっと驚いたりとか」 咲「なんとなくきそうだなーって。流れ的に」 京太郎「流れ的にかぁ。流石文学少女」 緊張が抜けて、ベンチにへたり込む京太郎に罪悪感が沸く。 一生に一度するかしないかの告白をさらりと受けてしまったのだ。それでも、自分のはずかしさを隠すための攻撃は続く。 咲「もしかして、これ言うのに練習とかした?」 京太郎が笑う。 京太郎「お前、きついこと言うなー。そうだよ、すっごい練習したんだからなこれ。 本当は電話でお前のこと呼び出して、もっと星が見えるところでこいつを渡すはずだったんだよなー」 橋をつなぐ人物に照を選ぶと言うセンスが間違っているのだろう。あの人はいろいろとヘタクソなのだ。 咲「開けていい?」 京太郎「ああ」 止め具はなく、摩擦だけで封がされていた。 金色のリング。プラチナ色の装飾が流れるように交わったシンプルな作りだった。 咲「きれい」 京太郎「よろこんでくれてなによりです」 咲「明日の会見、これつけてでていい?」 京太郎「べ、別にいいけど、なんかつっこまれたらどうするの?」 咲「『婚約者からの優勝プレゼントです』って堂々いうよ」 京太郎「咲、お前が元気でよかった」 ふいな一言に言葉がつまった。 京太郎「やっぱり麻雀続けてよかったと思うよ。俺はそういう明るい咲が好きだ」 目頭が熱くなる。これ以上冷静でいるのは不可能だった。 咲「京ちゃん……キス、して」 京太郎「ん、目つぶって」 セミがまたどこかで鳴きだした。 ◆◇◆◇◆◇ 「あ、なんだここにいたのか」 「!!っ、……菫か」 「びびりすぎだろ。私までびっくりしたぞ。というかなんだそのカメラ」 「しーっ! 静かに! 一緒に隠れて」 「お、おう。あれ、咲じゃないか。それともう一人は誰?男?やけに近いな。あ、」 「おし、そこでちゅーだ! ちゅーするんだ。ハァハァ」 「お、おおおおお……」 「フヒヒ、咲の成長日誌にまた新たな1ページ……」 「……」 「なんで引いてる」 「妹の情事を記録つけるのは気持ち悪いぞ」 「うるさいなー。姉として大切な事なのだ」 「どこの世界の人間だよ」 「それにキスは普通だよ。菫はどうせそういう経験ないんだろ」 「な、私は、い、一応経験あるぞ。そういう照こそないだろ」 「んだと万年処女」 「試してみるか? ああ!?」 「いったな後悔すんなよ」 「は? マジ? いや、冗談だからな。う、酒くさ! お前よっぱらっt」 アッー
https://w.atwiki.jp/83452/pages/15965.html
「みおちゃんをいじめるなー!」 「げっ田井中だ」 「めんどくさいやつが来ちゃった…」 「田井中には関係ないだろー!」 「みおちゃんはわたしの大事な子なの!」 「ほらみおちゃん、いこっ」 「う、うん…」 「ねえりっちゃん…」 「いいよーお礼なんか」 「…おてて痛いよ」 「あっ!ごめんね」 「…何でいつも助けてくれるの?」 「言ったでしょ!みおちゃんはわたしの大事な子だからだよ」 「…そっか」 「みおちゃんは、わたしのこと大事ー?」 「うん、大事」 「じゃあ、好きー?」 「大好きだよ」 「両思いだね!」 「ふふふ、そうだね」 「今度は引っ張らないから、また手繋いでもいいー?」 「…いいよ」 ~~~ 昔のわたしたち。 ひょんなことからそんな話になり、彼女は過去を話し出した。 話を遮ろうとするわたしを尻目に。 唯、ムギ、梓の3人は目を輝かせる。 彼女の話は止まらない。 「勝手にしろ」 そう言ってわたしは、ベースをいじり始めた。 思い出したくない、と心で思いながらも、わたしの頭の中はその頃に舞い戻る。 「りっちゃん」 「みおちゃん」 わたしたちはかつて、お互いをこう呼び合っていた。 そんなに遠くない記憶。かれこれ4年ほど前まで、ごく自然に。 ある時を境に、「りっちゃん」という呼び名を使わなくなった。 正確には、使わないよう彼女に言いつけられたんだ。 その頃のわたしたちは、今はもういない。 近くに住むわたしたちは、幼稚園、小学校、中学校と、当たり前に同じ場所へ通った。 幼稚園まで同じだったことは、彼女の記憶にないらしい。 他人が聞くと、彼女を「薄情」だと言うかもしれない。 でも、それも仕方ない。 内気でおとなしいわたし。 元気で落ち着きのない彼女。 共通点なんてまったくない、正反対の二人だった。 仲良くなったのは、小4の時。 彼女がわたしの内気を克服しようと、特訓してくれたのがきっかけだった。 恋愛感情なんて、あの頃はまだわかってなかったと思う。 それはいつものように、彼女の家に遊びに行ったある日のことだった。 「みおちゃん、ちゅーしたことある?」 「あるよ?」 「え!誰と誰と??」 「パパとママ」 「それはなしだよ~」 「じゃありっちゃんは、キスしたことあるの?」 「キス!?みおちゃん、おっとな~!」 「…パパママ以外とちゅーしたことあるの?」 「あるよ~」 「えー…誰?」 「ちっちゃい時のさとし!その頃は可愛かったんだよ~」 「さとしもなしだよー!」 「家族以外とはしたことないよ」 「わたしと一緒だね」 「じゃあみおちゃん、ちゅーしよう!」 「ええ!?」 「だって好き同士はちゅーするものだよ!」 「でも…」 「わたしのこと、嫌い?」 「…好きだよ?」 「じゃあいいでしょ?」 「でも…」 「みおちゃんとちゅーしたい!」 「じゃあ…いいよ」 「みおちゃん、目閉じて?」 小さな心臓が破裂しそうだったのに対し、柔らかく当たる唇。 彼女から、頬に軽く唇を当てるだけだった。 「ははは、みおちゃん顔真っ赤!」 「だって…恥ずかしいよ…」 「トマトー!」 「…りっちゃんのばか」 「みおちゃん、すっごく可愛い」 「…りっちゃんも可愛いよ」 「ほんと?」 「うん、可愛くて大好き」 「じゃあ今度はお口にしてもいい?」 「…うん」 こうしてわたしは初恋の相手と、お互いのファーストキスを交わした。 人前でこそしなかったが、それからたくさんのキスをした。 手を握りながら、軽く唇を当てるだけのキス。 幼いながらに、心が満たされていくのがわかった。 顔を離しては、二人して幸せそうな笑顔を作った。 本当は気付いていた。 一般的に、わたしたちの行動はおかしいということ。 いつから気付いてたのかはわからない。 二人だけの時に、こっそり唇を重ねていたんだから、 本当は最初からわかっていたのかもしれない。 それでも幸せだった。 そう、幸せだったんだ。 中学に入る。 紺のベストに白いシャツ、若草色のリボン。 新しくて、少し大きめの制服。 少し緊張しながら彼女を迎えに行った。 約束の時間より少し早かったのに、彼女は玄関先に立っていた。 今まで私服だったからか、滅多に目にしなかった彼女のスカート姿。 「りっちゃんがスカート…ふっ」 「何がおかしい!」 「ごめんごめん、だって今まで私服だっただろ? スカート姿ほとんど見たことなかったから…」 「…笑うほど変?」 「ううん、似合ってるよ」 「あ…そりゃどうも」 「顔赤いぞ?…トマト!」 「うるせー!…みおちゃんも似合ってる、可愛いよ」 「…ありがと」 「…よし、行くか!」 そう言うと彼女は、わたしの腕を引き意味なく走った。 短い式が終わり、クラス分けのプリントが配布される。 自分のクラスを確認すると、次は彼女の名前を探した。 …一緒だ。 「みおちゃーん!」 「りっちゃん!何組か見た!?」 「見た!一緒だな!」 「うん!よろしく!」 無邪気に抱き合って喜んだ。 これからも一緒に居れる、そう思うと顔が緩んで仕方なかった。 それからも変わらず、登校も下校も一緒だった。 変わったとことと言うと、同じくらいだった二人の身長に差が出来たこと。 男女が互いを意識し始めて、境がくっきりしたこと。 誰かと誰かが付き合ってる、なんて噂話で盛り上がるクラスメイトたち。 その頃だったと思う。 彼女への気持ちが「恋」だと自覚したのは。 ただの友達じゃない。 彼女は、わたしの好きな人。 いつもと変わらない通学路。 まだ桜が舞っていたと頃だったと思う。 どちらが言い出したわけではないが、わたしたちは人通りの少ない道を使っていた。 他愛もない会話をしながら歩く。 周りを気にすることもなく、手を繋いで。 その日は少し、彼女が待ち合わせに遅れてきた。 「遅いぞ」なんて言いながら、まだ余裕はあった。 急ぐわけでもなく歩いていると、たまたま同じクラスの男子に出会った。 彼はわたしたちに近づき、茶化すようにこう言った。 「なあ、何で手繋いでんの?レズってやつ?」 たちまち顔が赤くなっていくのがわかる。 本当はすぐに逃げ出してしまいたかった。 思わず握った手に力がこもる。 何も言い返せない、そんなわたしの顔を覗いて彼女が言った。 「違う、ただの友達だよ」 そう言うしかなかったんだ。 わたしもきっと、言い返すのであれば選んだ言葉。 それなのに少し悲しくなって、手を離して下を向いてしまった。 「ほーら、行くぞ!」 彼女はにっこり笑って、離した手をまた繋いで走った。 ―――― 勉強はあまり好きではない。 だからと言って、それを怠る勇気もないわたしは、 黒板の文字をせっせと写し、テストでは平均以上の点が取れた。 気付けば周りは、わたしを「優等生」と呼んだ。 でもその日は朝のこともあり、授業が頭に入ってこない。 少し不安になって、ぼんやりと彼女の方に目をやった。 彼女はいつも、授業を寝て過ごしたり、 ノートいっぱいに誰かの似顔絵や、変な落書きをしている。 真面目とは程遠い存在だった。 今日もノートに何かを書いている。黒板を写している様子もない。 何かを書き終え、ノートの1ページをちぎった。 すると急にこちらに目線を向け、不意に目が合う。 教師が背を向けているのを確かめると、丸めた紙をわたしへ投げた。 「今日放課後あそぼ」 うん、と首を縦に振ると、彼女はにっこり笑った。 そして机に顔を伏せた。 それ以降、彼女はどの授業もずっと寝て過ごしていた。 その日の放課後、約束どおり彼女の家に寄った。 朝のこともあり、何となく空気が重くて、居心地が悪い。 そんな中、彼女が口を開いた。 「なあ、うちらさ」 「友達なんだし、もうああいうのはよそうな」 「ああいうの?」 「手繋いだり、キス…したり?」 「…何で?」 「言ってんじゃん、友達だからだよ」 「…りっちゃん、わたしのこと嫌いになった?」 「…その『りっちゃん』っつーのもナシだな」 「今までこう呼んできたじゃん」 「親友なんだからさ、他人行儀に『ちゃん』なんて付けなくて良いだろ」 「…何それ」 「とにかく『りっちゃん』『みおちゃん』ってのは禁止! …今までどおりにいかないんだよ」 それから、彼女はわたしを呼び捨てするようになった。 わたしの方は、うまく彼女を呼び捨て出来なかった。 「ねえ」だとか「ちょっと」だとか、 とにかくただ二文字を口に出来なかった。 「りっちゃん」と呼んでしまうと、彼女はそのたびに怒る。 「そんな呼び方するな」と言った。 …他の友達はそう呼んでいるのに。 ついこの間までは、手を繋いで歩いた道。 それがもう、触れることすら許されない。 今まで気にも留めなかった、同性という壁。 それを彼女は急に、わたしたちの間に高く高く隔てた。 『親友』という言葉を使って。 それからのわたしたちは『親友』だった。 彼女はわたしに、普通に接してきた。 あくまでも普通に、友達として。 戸惑いながら、わたしはそれに付き合った。 …律、と呼べないまま。 それしか、彼女の隣に居る方法がなかったんだ。 2
https://w.atwiki.jp/kachan/pages/81.html
2007/07/31 みんなで「多摩テック」に行ってきました。 かっちゃんと年長さんの遠足で来て以来、2年ぶりです。 まずは入り口にあったNSXの前で記念撮影。 DREAM-Rの展示モデルに乗車! でもかっちゃんは年齢制限で、本物には乗れませんでした。(半べそ) その代わりに、F-1サーキットに2回も乗って、漸く機嫌が戻りました。 重たいステアリングも、ものともせず、なかなか鋭いコーナリングを見せます。 先のコーナーを睨みつけています・・・ レースクイーンが駆けつけました。 とうちゃんとにぃちゃんが行っちゃいました。 でも私には運転できません。 こんなゴーカートもありました。 おにぃちゃんはゴリラに跨って御機嫌。 平日の遊園地はガラガラなのに、ゆっきーが唯一遊んだのはボールプールのみ。 かっちゃんは古いプラレール。ゆっきーはストロベリークッキーが御土産。 いつのまにか「タイコ」になっていました。 2007/08/04 夕飯後、花火をしに出掛けました。 写真にすると燃え上がっているみたいです。 びびりゆっきーは、かあちゃんの御柱に抱きついたまま・・・ 少々風があったので、線香花火が、なびいています。 2007/08/10 自宅より30分ほど走ると、山の中の渓流釣堀があります。 家でごろごろしていると、暑くてたまらないので、急遽BBQをしに出掛けました。 肉をクレーーーー ねぇ、まだぁ? 今回は料理番が忙しくて、あんまり遊んであげられなくってごめんね。 また今度来ようね。 2007/08/24 かっちゃんのお料理教室。 先日料理番組で紹介していたスパゲッティーを、とうちゃんに御馳走してくれるそうです。 チーズと玉子たっぷりのナポリタン「ナポリナーラ」です。 上手にできたね。すごくおいしかったヨ。また作ってね。 2007/08/30 今日は夏休み明けの「水泳記録会」の日。 とうちゃんは代休を取って見学です。 少々緊張気味です。 25m以上泳げる子は、他の子と別れて泳ぎます。 いつの間にそんなに泳げるようになったの?(とうちゃんはチョット嬉しい・・・) 頑張ってね! 呼吸するときの顔上げが左なのは何故? どうもキチンと教わったわけではなく、見よう見まねで出来たという程度のようです。 バタ足が弱くて、スピード感が・・・ でも、リレーの選手にも選ばれて、頑張っていました。 2007/09/02 今日は「かっこいいシュートができるようになるサッカー教室」の日。 ??? プロのサッカー選手がコーチをしてくれました。 おーかっちょえー! そのうち、かっちゃんも、かっちょいいところを見せてくれるのでしょうか・・・ 2007/09/15 秋の大運動会!! 「あの」体格でも意外と足が速かったり・・・ 何かすごく楽しそうです。 日差しが強くって、ゆっきーはおにいちゃんの体育帽を被って、日除けの下で見学です。 ※ ミカンばっかり食いすぎじゃ お友達とも仲良く・・・ でも、「はなちゃん」や「まりあちゃん」はライバル。 お友達と手をつないで「探検」に出かけるのだそうです。 玉がうまく入らなくっても、楽しけりゃOK! 綱引きは頑張ったけど3位でした。 2007/09/18 運動会の代休日。疲れを見せることなく、元気にお出かけしましょう。 久しぶりに「沼津」でおいしいものでも食べよう! としちゃんも一緒です。 ゆっきーはあんまり食べられるものが無くって残念。 食べる前からテンション高すぎ! とうちゃんは日焼けの跡が痛いです。。。 食事の後は、「三津シーパラダイス」へ・・・今度で何回目? ゆっきーが「イルカさん見たい!」というのでやって来たのに、寝起きでチョット不機嫌です。 ドルフィンリングって、どうやって教えたんだろ?? スーパージャンプも見せてくれました。 2007/09/25 十五夜さんのうさぎさんを作りました。 2007/10/14 近くのお宮さんのお祭りの日 ゆっきーもハッピ着たかったのになぁ・・・ おにいちゃんはご機嫌で「子供御輿」を引いて練り歩きます。 かっちゃん3 子供たちメニュー かっちゃん5
https://w.atwiki.jp/83452/pages/4824.html
授業中。 唯「あ、教科書忘れちった。和ちゃん教科書見して~」 和「前後の席で見せ合うって無理あるでしょ」 唯「そっか。 じゃあ立花さん見せて!」 姫子「え……いいけど」 唯「わーい」 机を寄せ合う二人。 姫子「はい」 唯「ありがとー」 姫子「……」 唯「……」 姫子「……」 唯「英語の授業って退屈だよね~」 姫子「そうね」 唯「この先生の話聞いてると眠くなるよね~」 姫子「うん」 唯「世界が嫉妬する髪へ」 姫子「へぇ」 唯「もー、立花さん反応薄い~」 和「……」 姫子「ていうかいま授業中なんだけど。話しかけないでよ」 唯「えっ、立花さんってけっこう真面目なタイプ?」 姫子「そうじゃないけど…… 目ぇ付けられて起こられたら嫌でしょ」 先生「こら、平沢、立花。さっきからうるさいぞー」 姫子「……ほら、怒られた」 唯「あうぅ」 姫子「静かにしててよ」 唯「はーい(小声)」 姫子「……」 唯「……」 姫子「……」カチカチ 唯「あっ立花さん携帯いじってる」 姫子「いいでしょ別に」 唯「あー、さっきは私に 『授業中だから静かにしろ』って怒ってたくせに」 姫子「携帯いじってても静かでしょ。 ていうかさっきからうるさい。黙ってて」 唯「逆に怒られた」 姫子「ったく……」カチカチ 唯「……」 姫子「……」カチカチ 唯「……」 姫子「……」カチカチ 先生「えー、で、だからつまりここがこうなる。 では次に演習問題をやってもらおうかな…… じゃあ、立花」 姫子「えっ」 先生「どうした、立花。 ちゃんと授業を聞いてれば答えられるはずだぞ? ん?」 姫子「えー……と」 唯「答えは3番だよ、立花さん!」ヒソヒソ 姫子「え、あ、3番です」 先生「うん、正解だ。 少し難しい問題だったが良くできたな」 姫子「あ、ありがとう平沢さん」 唯「えへへー、ここのページは 昨日みんなで予習したからねっ」 姫子「みんなって、軽音部の?」 唯「うん、そうだよー。 立花さんもちゃんと予習しなきゃだめだよー」 姫子「分かってるわよ。 答え教えてくれて、ありがとう」 唯「えへへー」 昼休み。 唯「和ちゃーん、お昼ごはん食べよ」 和「ええ、いいわよ。 今日は偶然にも澪と律とムギが休みだから、 久々にふたりだけの食事ね」 唯「何その説明口調」 和「気にしないで」 唯「和ちゃんのお弁当、今日も美味しそうだね」 和「そうかしら。 憂の作ったお弁当のほうが美味しそうじゃない?」 唯「隣りの芝は青いんだよ和ちゃん」 和「あ、そう」 姫子「……」がたっ 唯「あ、立花さーん。 立花さんも一緒にお昼ごはん食べようよ~」 姫子「えっ」 和「……」 姫子「あー……私、購買行くから」 唯「じゃあ戻ってくるまで待ってるよ!」 姫子「いやいいよ、時間かかるし」 唯「大丈夫だよ、待つよ~。 ね、和ちゃん」 和「……唯、無理に誘うのは良くないわ。 立花さんもああ言ってるし」 唯「えー、でもー」 姫子「ごめんね、じゃ」たたっ 唯「あ、立花さーん……いっちゃった」 和「じゃ、食べましょうか」 唯「うん……」 和「……唯、立花さんと仲良かったの?」 唯「? ううん、さっきの英語の時間に初めて話したよ。 でももっといっぱいお話したいな~って思って」 和「……そう」 放課後。 さわ子「はい、じゃあHRはこれで終わり。 みなさん、さようなら」 生徒「さよならー」 生徒「さよーならー」 生徒「あーやっと終わったー」 生徒「つかれた帰ろー」 ざわざわ 唯「立花さん! 一緒に帰ろ!」 姫子「えっ?」 唯「ダメかな?」 姫子「いや、ダメ……じゃないけど。 部活はいいの?」 唯「今日は澪ちゃんたち欠席だから中止だよ~」 姫子「あ、そう……」 和「……」 唯「ねー、一緒に帰ろうよ」 姫子「別にいいけど……」 唯「わーい、やったー! 和ちゃんも一緒に帰ろ~!」 和「あ、私は生徒会あるから」 唯「そっかー、残念。 じゃあ二人で帰ろっか、立花さん」 姫子「え、うん……」 唯「じゃあねー、和ちゃん」 和「うん、また明日………… ……………………」 音楽室。 梓「誰も来ない……」 帰り道。 唯「立花さんっていえどこなの?」 姫子「あー……中村橋を越えたとこ」 唯「へー、けっこう遠いんだね」 姫子「まあね」 唯「私はけっこう近いよ~」 姫子「へえ…… ところで平沢さん」 唯「なに?」 姫子「なんで私のこと誘ったの?」 唯「え、だめだったかな? もっといっぱいお話したいなって、思ったんだけど」 姫子「ああ、いや別にダメってわけじゃないけど……ちょっと気になって。 今まで全然話したことなんてなかったし」 唯「そういえばそうだねー、 せっかく隣の席だったのに」 姫子「まあ、席が隣だってだけであんまり接点ないし」 唯「接点か~。 立花さんはギター好き?」 姫子「あんまり音楽は興味ない」 唯「そっかー、うーん…… 放課後はいっつも何やってるの?」 姫子「バイトしてる」 唯「えっ、すごいねー、どこで?」 姫子「近所のファミレス」 唯「へー、すごーい…… バイトしてるなんて大人だね~」 姫子「そんなことないでしょ…… バイトくらいみんなやってる」 唯「いやー、でもすごいよー。 立花さん大人っぽいと思ってたけど、 バイトしてたからだったんだね~」 姫子「バイトのせいじゃないと思う…………ただ1コ上なだけだし」 唯「え?」 姫子「……」 唯「え? 1コ上って? 何が?」 姫子「あ、知らないんだ…… 私が留年してるってこと」 唯「え、留年してたの? 全然知らなかったよ!」 姫子「うん、留年してるの」 唯「でもなんで留年したの? 成績悪かったの? 病気で入院してたとか?」 姫子「……」 唯「え、あ、ご、ごめんね。 だめだよね、こんなプライヴァスィーのことに踏み込んじゃ……えへへ」 姫子「いや、別にいいよ。 ただタバコやって何回か停学くらってただけ。あとバイク。 うちの学校バイク禁止だから」 唯「ふーん、そうなんだ…… ごめんね、変なこと聞いちゃって」 姫子「いいよ、別に気にしなくても……」 唯「……」 姫子「……」 唯「……」 姫子(空気が……死んだ) 唯「……」 姫子「あー……なんかごめん…… 同じ学年とはいえ、年上と一緒にいるのってアレだよね。 私、こっちから帰るから」 唯「あっ、違うの、そういうのじゃなくて。 ただ変なこと聞いて申し訳ないなって思って……」 姫子「それは気にしなくていいってば」 唯「分かった、もう気にしない。 だから立花さんも私に気つかわないで!」 姫子「へっ」 唯「立花さん年上でも、私気にしないから! 同じ教室で隣同士のクラスメイトだもん! 大事なお友達だもんね」 姫子「と、友達……」 唯「あ、ダメ……? 友達……」 姫子「えっ、ううん、そんなことないよ…… まさかそんなこと言われるなんて思ってなかったから……その」 唯「あっ、立花さん顔赤いよ!」 姫子「こっ、これは……違」 唯「えへへー、立花さんってカッコイイ系だと思ってたけど、 けっこう可愛いよねっ」 姫子「もう、からかわないで」 唯「へへ、ごめんごめん。 そうだ、あのさ」 姫子「何?」 唯「下の名前で呼んでもいい……?」 姫子「うん、いいよ」 唯「わーい、姫子ちゃんっ」 姫子「唯」 唯「えっへへー」 姫子「ふふっ」 翌日、教室。 ガラッ 和「おはよう、ゆ……い」 唯「あ、おはよー和ちゃーん」ぎゅーっ 姫子「ま、真鍋さん……おはよう」 和「何やってるの、唯」 唯「何って、姫子ちゃんに抱きついてる」 和(姫子……ちゃん……!?) 姫子「あはは……」 和「唯、離れなさい。 立花さんが迷惑してるでしょ」 姫子「あ、私は大丈夫だから」 唯「そーだよー。 私たち友達だもんね~姫子ちゃん!」 姫子「うん、そうだね」 和「……………………」 ………… さわ子「じゃあ朝のHRはこれで終わり。 今日も一日頑張ってね~!」 わいわいがやがや 姫子「じゃね、唯」 唯「あれ、移動教室?」 姫子「うん、私化学とってるから」 唯「そっかー、じゃあまた後でね~」 姫子「うん」 唯「私たちは生物だね、和ちゃん」 和「え、うん、そうね……」 唯「どしたの?」 和「あー、なんていうか…… 唯、立花さんと仲いいの?」 唯「うん、そうなんだー。 昨日一緒に帰って仲良くなったんだよ~!」 和「ふーん…… 言いにくいんだけどさ、唯……」 唯「なに?」 和「立花さんと仲良くするのはやめておきなさい」 唯「えっ……な、なんで!?」 和「なんで、って……知ってるでしょ。 あの人、留年してるのよ」 唯「それは昨日姫子ちゃんから聞いたけど…… なんで留年してたら仲良くしちゃいけないの?」 和「私生徒会だからよく知ってるんだけど、 立花さん去年タバコで何度も謹慎処分くらってたのよ。 それにバイクの免許もとったりしてて、 授業も出席日数ギリギリしか出てなかったのよ。 あとちょっとで退学になるところだったらしいわ」 唯「……姫子ちゃんがそういう悪い子だから、 仲良くするなってこと?」 和「ええ、そうよ。 友達は選ばなきゃダメよ、唯。 あんたの世間体にも関わってくるんだから」 唯「せ、世間体って…… 私、そんな考えで友達作りたくないよ。 ただ姫子ちゃんと仲良くしたいから仲良くしてるの!」 和「私は唯のためを思って言ってるのよ。 あんな不良と友達になるのは、唯にとって良くないわ」 唯「私にとって良いか悪いかなんて、 和ちゃんが決めることじゃないよ!」 和「あんたが不良と付き合ってるって知ったら、憂だって悲しむわよ」 唯「憂は関係ないじゃん!」 和「関係あるわよ。いいから立花さんと仲良くするのはやめなさい! あんな不良と友達になるんじゃありません!」 唯「やだ! 姫子ちゃん良い子だもん! 私は姫子ちゃんと仲良くしたいのっ!」 和「唯っ!」 唯「和ちゃんの馬鹿! あんぽんたん! ババア声! 高校デビュー! もういいよ! 和ちゃんなんて大っきらい!!! ふん!!!」 和「唯っ……」 キーンコーンカーンコーン 先生「はーい授業始めるぞー」 2