約 1,622 件
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1528.html
自転車で夜の町を駆けると、耳がしびれたように痛くなった。 交差点のコンビニエンスストアでは、アルバイトの男が二人、店の前で簡素なカウンターを設置しケーキを売っている。一人がサンタクロース、もう一人がトナカイの、工夫の無いありふれた衣装だ。 「よくやるなぁ」 彼らの根性に感心し、僕は青信号を見て自転車のペダルを踏み込んだ。 せめてケーキでも買っていってあげようかと思ったが、やめる。先ほど進学塾の緊迫した授業を終えたばかりで、残念ながらそんな浮かれた気分にはなれない。 高校受験まで三ヶ月を切っている。日常的な自学自習のかいあり、僕は偏差値七十程度をキープできている。この調子で行けば僕は県内の有名私立高校に進学し、そこからさらに東大もしくは京大を目指していくことになるだろう。もちろん就職先も、それ相応のものに迎え入れてもらえるに違いない。 僕がそうなることで大喜びをするのは、両親と親戚ぐらいである。 だけど僕はというと、そうでもないのであった。 僕は屋根に上って星空を眺めていた。勉強していて、気が散ってきたからである。 残念ながら今晩は雲に覆われていた。かなり表は冷えている。耳を澄ますと静けさそのものが鈍重な低音の塊となり、町中に圧し掛かっているのがわかった。 進路のことを考えると、勉強に集中できなくなる。このまま流されるままに進んでいいのかと。この自動的に進行していく人生が、本当に正しいとは信じられなかった。自分の生き方はもっと別のものであるはずだと、心のどこかで思っているのだろう。 遠くで点滅する青信号を見つめていたときだ。下のほうから飼い猫の鳴き声がしてきた。 「シロ」 屋根に上ってきた黒猫を脇に寄せる。小学生のときに拾ってきた仔猫も、今では立派な体格をしたいい歳の雄猫だ。 「雪、降りそうだね」 僕は語りかける。外はさらに冷え込み、風も出てきた。雪が降ろうとするときの、これから何かが始まりそうな緊張感に町は包まれる。 そしてそのとき、右手の方向にぱっと淡い光が発生した。 振り向くと、白いマントに身を包んだ女の子が、白い星屑とともに天から降りてきたところであった。 「あ……」 僕はあまりにも疲れていて、夢を見ているのかとさえ思う。 彼女は両手で箒にぶら下がり、ふわふわ綿雪のように下降して僕の家の屋根に片足を付ける。とん、ともう一方の足も落ち着けた。そして箒を手元で回し、縦に向ける。 「君は」 その後が言葉にならない。箒を持ち、三角帽子とマントを身につけた「魔女」。そんな摩訶不思議な人物が僕の前に姿を現したのだ。 だが、いち早く彼女に飛びついた奴がいる。僕の猫だ。 「シロ」 驚いたことに、彼女は飼い猫の名前を知っていた。 「そうね、あなたは忘れてるはずないからね」 魔女は駆け寄ってきたシロを持ち上げ、いとおしげに抱きしめる。白き魔女が黒猫を抱き、舌で舐められ、涙を浮かべている様子。それはとても幻想的な光景だった。 そして彼女は僕のほうを向く。ウサギを思わせる赤い色素の瞳。すると僕の心臓は狂気に魅入り、高鳴り始める。でも、彼女に見つめられるとなぜか切ない気持ちになった。 「おめでとう」 そんな意外な言葉を耳にした。それはどういう意味なのだろう。 「あなたは『双葉学園』に入学する資格を得た。今日はそれを伝えに来た」 アスファルトにかかって溶けゆく雪のように、彼女は淡々と話し続ける。 「日本に存在する唯一の異能者・ラルヴァ専門教育機関。あなたは異能者であることが後の調査で判明した。我が校の高等部に入学してほしいとのこと」 「僕が異能者……?」 「だから、私はあなたを迎えに来た。あなたもずっと、私を待ち続けていたはず」 魔女はあくまでも事務的に、そのような非常識な用件を伝えてきた。 だけど、その突拍子の無い話に僕の頭は怖いぐらいに冷静でいる。彼女との遭遇に、自然と宿命めいたものを感じていたのだ。 「君の言ってること、何となくわかる」 僕は立ち上がる。魔女は思っていた以上に背が低かった。彼女は赤い目を上に向けると、無機質な表情を崩し、少し笑って感慨深そうに「背、伸びたね」と言ってくれた。 「君は誰?」 「それをこれから、私と探しに行こ」 魔女は箒を横に向け、そっと手を離す。箒は落下せずその場で浮遊していた。「異能」を直接目の当たりにすると、やはりまだ夢を見せられているような気にさせられてしまう。 箒は彼女が腰掛けても落ちることはなく、しっかり支えて浮いている。 「さ、乗って」 魔女が手を差し出した。彼女の言われるままに、僕はゆっくり右手を伸ばす。 手と手がつながったとき、彼女の「あったかい」というしっとりした声が漏れた。 そうして魔女にさらわれてしまった僕は、今日まで暮らしてきた町の上空を飛んでいた。 飛行機を操縦しているわけでもなく、グライダーで風に乗って泳いでいるわけでもない。紛れもなく彼女の力で僕らは空中を飛んでいる。心地よい冷気が僕の額と目玉を乾かした。 彼女は横向きになって座り、可愛く両足を揃えている。僕はというと箒にまたがって、彼女の左肩にしっかり両手を添えていた。 箒の穂の先から、ピュアホワイトの尾が引いている。僕らは二人で一つの彗星になり、十二月二十四日の夜空を旅している。 地上の人間に発見されたらどうなるんだろうと心配したが、学園から持ち込んできたステルスアイテムを使用しているという返事が帰ってきた。要するに、こうして飛行していても見つかることはないらしい。 やがて眼下に、どこも明かりのついていないコンクリートの建物が見えてきた。 「あれが私たちの通っていた小学校」 「やっぱ一緒の学校だったんだ。そんな気がしたんだ」 「それだけ?」 「ごめん、それ以上思い出せない」 町を横断する国道は二車線に拡張され、昔からあったスーパーは別のスーパーに名前を変えている。大掛かりな製鉄所はとっくに解体されて駅前再開発の更地となり、鉄道の踏み切りもいつのまにかアンダーパスにとって変えられていた。 「あそこで私は力に目覚めた」 魔女がそう語りながら指を差すのは、国道沿いにある小さな林である。かつては道路を包み込むよう広く存在していたが、周辺はとっくに伐採され整理され、今では鉄筋コンクリートのマンションの密林が席巻してきている。 その林の中に、昔からよく小学生が寄り道をする小さな祠がある。 「そこで拾った仔猫がシロ」 「君の言うとおりだよ。シロはここで拾った」 「じゃあ、何で『シロ』って付けたのか、覚えてる?」 「……よく覚えてないんだ」 「私が付けたからだよ」 ぷいっと、魔女は拗ねたような感じで進行方向を向いてしまう。 きっと僕が昔のことを思い出せないからなのだろう。ここで記憶を取り戻さなければ、魔女は今日を最後に、永遠に僕の前に姿を現さなくなるような気がした。 そのとき、もう二度と彼女にどこにも行って欲しくないような、一人にしてほしくないような、胸が張り裂けそうな切ない気持ちになる。 僕らはあたり一面が真っ黒な、開けた空間に降り立った。 波の音が聞える。僕らが眠りにつく間も、波は永遠に砂浜を洗い続ける。海沿いの県道は車の量もまばらで、僕らの周りは水の音と潮の匂いしかしない。 「この辺りで、私たちは別れた」 白い魔女は静かに言う。この海岸が僕らにとって大切な、神聖な場所であることは僕もおぼろげながらもわかっていた。 『ずっとここで待ってるからね』 ふと脳裏によぎる、自分が言ったらしい真っ直ぐで一途な言葉。それはあまりにも遠すぎて、前世のことのようにさえ感じられる。 この砂埃だらけの町で繰り広げられた、甘酸っぱい香りのする思い出。あと少しで僕は全てを取り戻そうとしている。それなのに、あと一歩及ばない。 「ねえヒロくん、まだ思い出せないの?」 魔女は白い帽子を脱ぎ捨て、泣き出しそうな表情で僕の顔を見た。摩訶不思議な存在から何の変哲のない女の子の姿へと戻った、そんな彼女に僕の心はときめく。 「ヒロくん、か。何か懐かしい」 「じゃあ、私のことも思い出して!」 と、そのとき僕の体は真綿のようなマントに包まれた。自分の唇が、熱くて柔らかいものに覆われる。僕は魔女に口付けをされたのだ。 そしてその瞬間、口いっぱいに「イチゴ」の甘い香りが広がったのである。波の大きなざわめきしか耳に入らなくなったとき、今まで封印されていた想い出が鮮やかに蘇る。 いつも教室の片隅で座っていた、ぶっきらぼうな女の子。 「白」の絵の具を使わない、「白」が嫌いな女の子。 木登りが得意で、仔猫を助けに行った女の子。 僕が一生、この町で待ち続けると決心した大切な女の子。 そうだ、どうして思い出せなかったのだろう。その子は僕のファーストキスを奪い、「好きだよ」と言ってくれた、紛れもない僕が世界で一番大好きな女の子じゃないか。 「マリちゃん」 ようやく僕は、彼女の本当の名前を口にする。 「待ってた。僕、ずっと待ってた……」 「迎えに来たよ、ヒロくん」 その言葉を聞いたとき、僕は感激のあまり声を上げて泣いてしまった。何も出来ないそんな僕を、マリちゃんは優しく抱きしめてくれる。 僕らの長い旅は終わった。マリちゃんは魔女になってこの町に帰ってきたのだ。 空飛ぶ不思議な箒にまたがって、浜辺から僕の部屋に戻ってきた。 「ところでマリちゃん、これからどうするの?」 時計を見ると二十三時を過ぎており、とても遅い時間になっていた。まさかこれから自力で飛行し、双葉島に帰還するのだろうか。 するとマリちゃんは僕の部屋のカーテンを完全に締め切り、少し震えた声でこう言う。 「ヒロくん、私のこと、好き?」 いきなりの質問に驚き、僕はついどぎまぎしてしまう。 「ヒロくんの気持ち、まだ聞いてない。お願い、教えて」 「好きだよ」 我ながら情けない、相手に届きそうもない直球だ。彼女は不満そうに小首を傾げる。それに僕はどうにもならなくなり、もどかしくてむしゃくしゃした気分になった。 「好きだよ!」 ほとんどやけっぱちな声の大きさで、僕はマリちゃんに自分の気持ちを打ち明けた。 それから僕は彼女の顔を直視できず、目線を落としてしまう。そんななか、手をマリちゃんに取られて引っ張られた。 え? と思って前を向いたときには、僕の左手は彼女の乳房に触れていた。 「んっ」 マリちゃんが僕の手をとり、自分の胸に導いたのである。彼女の顔も、僕に負けないぐらい真っ赤だ。 瞬間的に僕の脳みそはゆだってしまい、ずんずんと体内から巨大な音が響いて聞えてくる。よくわからないうちに指は勝手に動き出してしまい、深い弾力のあるそれをぐにぐに楽しんでしまった。触れて見て初めてわかる、かなりの大きさ。柔らかさ。 そしてマリちゃんが立っていられなくなり、ぐらっと僕の体に身を預けてきたとき、やっとのことで人間的な理性が追いついてくる。全てを理解した僕は、彼女にこうきいた。 「いいの?」 それに、マリちゃんはこく、こく、と涙ぐみながら了承する。 その顔を見てしまったとき、僕は僕の何もかもを解き放つことに至った。今にも溶け出してしまいそうな濡れた雪うさぎと、奥深くまで混ざり合う。 双葉区東双葉二丁目、あおば荘二〇二号室。 僕の新しい住所だ。手荷物を片手に建物の前でたたずんでいると、たまたま下の階の住人が玄関から顔を出してきた。郵便物を見に来たようである。僕は自分から挨拶をした。 「こんにちは。今度越してきた平田広海です」 「どうも、遠藤です」 普通そうな人だった。 なにせ珍獣怪獣など日常茶飯事だとか言われる双葉島、どんな住人がいるものかとやきもきさせられたが、幸い下の人は人畜無害そうな人だったのでほっとする。 手荷物といっても、飼い猫の入っているケースだけだった。大掛かりな荷物はとっくに運び込まれていることだろうから、足りない分は現地で調達するつもりである。 「あれ」 二〇二号室の鍵が開いている。開けっ放しにされたのだろうかと、僕は中を覗いた。 「にゃー」 学校の制服を着たマリちゃんが、大きな段ボール箱に入って座っていた。 「何してるの?」 「……何となく」 彼女は顔を赤らめる。箱には「拾ってください」と油性マジックで書かれていた。引越しの際に発生したダンボールで遊んでいたようである。 と、僕はここで気づく。 「って、何この荷物?」 すでに一人暮らしの準備を終えているはずの僕の部屋に、またいくつも引越しの段ボール箱が運び込まれていたのだ。 「私の」 「どういうこと? 寮暮らしはどうしたの?」 「もう独りは嫌だ」 この歳で同棲生活を経験するとは夢にも思わない。でも、これぐらい刺激的でないと新生活は楽しくないと思った。 マリちゃんに連れられ、僕は今年から通うことになる「双葉学園」に案内された。 彼女は魔女式航空研究部、通称「魔女研」の、春休み中の活動中だとか。よりどりみどりの魔女が集結する様子はぜひとも見てみたいと思った。 「変なこと言わないでね」 「言わないよ」 「ヒロくんえっちだから」 ただ単に僕をみんなに紹介したいだけのようである。 外を歩いているだけでうっすらと眠気が押し寄せる。「春が来たんだな」と実感していたとき、隣のマリちゃんが僕にこうきいた。 「良かったの? 進学校じゃなくても」 「うん」 本当は、家では相当揉めた。僕の決意を明るみにしたとたん母さんは放心状態になり、父さんも感情的になってしまったけど、僕は僕の進みたい方向を貫き通した。まあ、こうしてお互い距離を置いて時間も経過したとき、いつしか彼らも理解してくれることだろう。 「こうして一緒にいるのが、僕の望んだ道だから」 「え? 今なんて言ったの?」 「なんでもない」 「教えてよ!」 桜の花のように笑顔を咲かせるマリちゃんを見て、僕は思う。 あのときの物憂げな少女がこんなにもきれいになるなんて、誰が想像しただろう? 異能に目覚め、双葉学園に通い、魔女として空を飛ぶことが、彼女の本来あるべき姿だったのだ。誰にも可愛がられないアヒルの子は、白鳥を思わせる美しい魔女だった。 「そういえば、何でマリちゃんだけ白いの?」 話を逸らす意味でも、僕は素朴な疑問を彼女にきいてみる。というのも、魔女研の魔女たちは黒い帽子に黒いマントを着用するのが標準らしいからだ。 「ヒロくんがそんなこときいて、どうするの?」 「いや、すごく似合ってて、可愛いから」 「あなたが好きって言ってくれたからだよ」 また一つ、僕の青いハートは打ち砕かれる。 彼女の眩しい微笑みをみたとき、僕はそのさらに先にある幸せな未来を展望することができた。マリちゃんのためにも、新しい人生をしっかり歩んでいこうとあの空に誓う。 この子は一生大事にする。絶対に僕が幸せにする。 2019年、春。僕たちの新たな旅路は始まった。 マリ三部作はこれで完結です。ありがとうございました。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1324.html
ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt ゆっくり飾りゴージャスの続き。 このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。 1.飾りがないゆっくりは苛められる。 2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。 昨日の残りだ。 確か、これ食えるよな? 「おじさーん。まりさの帽子食う?」 「・・おまえ、それ、どうした?」 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」 「若干硬いから?」 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。 「おじさん、おかあさんしらない?」 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる? 「しらない。どうしたの?」 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」 うお、全匹泣きそうだ。 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」 とりあえず餡子を与える。 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」 よし、ごまかした。 さてと、 「君と、君と君、ちょっといいかな?」 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。 「うーん、わかった。でも」 足で地面にラインを書く。 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」 「うつとうごく!」 言ってる傍から超えやがった。 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。 「いやあああああああだしてー!」 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。 「「「ゆゆゆゆ!」」」 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!! 「わかったわかった・・・ほら」 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。 「いいか・・・その袋から出るなよ」 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。 「「「ゆゆゆ?」」」 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。 「あい、お待たせ」 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」 上を向いてため息ひとつ。 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」 撫で撫で。 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。 「「「ゆっくり~」」」 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。 「「「ゆっくりしたいーー!」」」 そして袋の中の5匹。 「いいか・・・袋からでるなよ?」 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。 さて・・・ 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」 体当たりしてくる3匹と 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。 「ほれ、とってこい」 帽子無しどもをけしかける。 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」 必死だな。 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ・・・・待つことしばし。 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない? 「「「ゆっくりするの??」」」 ・・・試してみるか。 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そして再度シャッフルしてみた。 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。 ・・これは、所有権がいれかわったのか? 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。 「あの帽子、君のじゃないの?」 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。 1つ、思いつくことがあった。 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。 さて、午後の部である。 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。 あれってさ、リボンだよね? ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」 思ったときには、すでに行動は完了していた。 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」 「わかったぜ!!」 「できたぜ!」 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」 「わかったぜ!」 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。 無論、固結びなので、外れることはないだろう。 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。 まずは声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」 もう片方も同様にする。 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」 ・・・2匹共を地面に置く。 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」 「はっはっはっはっ」 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!! 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。 ・・・もう、他の個体で試すか? そう思ったとき、 「ゅっ!」「ゆ?」 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。 「ゆっぐりづいでぎでね!」 「ゆっぐりづいでいぐよ!」 そしてどこかに移動し始める。 親元にでも行くのだろうか・・・。 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。 と、前方に1匹のゆっくりがいる。 ・・・って、ちょっと待て。 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!! 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・? 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ? wktkしながら見守ることにする。 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!! 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。 ああ・・・自分の考え違いを悟った。 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ! 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。 まさか・・・おまえまさか!!? 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」 や、やりやがった!! 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!! 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!! ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。 でも、俺は見てしまった。 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった… 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。 パチュリーは気がついてない。 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 どうするんだろうこいつら。 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、 『ゆっくりしていってね!!!』 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか? しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」 なんという威圧感・・・。 小れいむと俺は言葉も無い。 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」 心の中で突っ込む俺。 そのとおりですがなにか? 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか???? 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。 「「『ゆっくりしていってね!』」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。 「ゆっくりを育てすぎない」 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。 『ゆっくり眠ってね!』 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」 ああ、なんという統率だろう。 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。 そして、朝が来てしまった。 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 そして連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。 遅れて親れいむが反応する。 『ゆっくり落ち着いてね!』 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。 「むきゅん!れいむーーー!」 『ゆっ!ぱちゅりー!』 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!! 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!! 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」 「「「「『ゆっ!!』」」」」 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。 「うおおおおおおおおおおおお!!!」 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。 「うおおおおおおおおおおお!!」 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!! 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。 「おかおをねらうのよ!!」 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ! ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!! すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。 『ゆっくりーー!!!』 ドゴッ!! マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。 「うおおおおおおお??ガッ!!」 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。 そこに、 『ゆっくりして逝ってね!』 転がってくるマザー!! ゴシャァ!! いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。 「おれが遅い?おれがゆっくり??」 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。 その後だが・・・ 「ぐおおおおおおおおおお!!」 ツタは頑丈で、ほどけやしない。 「うおおおおおおおおおお!!」 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 この間、泣きっぱなし。 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、 「「「「ZZZZZZZ」」」」 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!! 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 この屈辱、忘れるものか。 つづく。 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定: 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。 このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。 ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、 「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。 3.野生のゆっくりはつよい。 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため) 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。 すごいゆっくりはその限りではない。 遅くなってしまい、 ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。 あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。 大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、 望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。 ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。 fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。 ゆっくりした結果が(ry このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/170.html
ゆっくりいじめ系113 ゆっくり飾りゴージャス or fuku0708.txt ゆっくり飾りゴージャスの続き。 このssは以下の設定と、それに便乗したオリジナル設定で構成されています。 1.飾りがないゆっくりは苛められる。 2.死んだゆっくりの飾りをつけたゆっくりは殺される。 3.ゆっくりの飾りを盗ったものは死ぬまで付きまとわれる。 手元に、中サイズのゆっくりまりさの帽子が残っていた。 昨日の残りだ。 確か、これ食えるよな? 「おじさーん。まりさの帽子食う?」 「・・おまえ、それ、どうした?」 「パクった。いや、ちょっと違うか。トレードした」 「そうか、お前はそれに興味をもったか。皮の一種だから、問題なく食べられる。ゆっくりレミリアは残すけどな」 「若干硬いから?」 「たぶんそうだろう。みかんの白いやつと同じようなものだと思え」 そういうものなのか?まぁいいか・・食わずにおいておこう。 ・・ちょっと気になることが出来たので、帽子と油性ペン、あと加工場で余った餡子を袋に詰め、実験場に向かう。 実験場につき、お目当ての奴を探す。・・・いたいた。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!」」」 昨日の帽子トレード元、ゆっくりまりさシスターズ、総勢8匹だ。 トレードしたやつは他の個体と比べて、帽子がでかいため目深になっている。 パッと見ではわからないが、家族と一緒だと比較しやすいな。 「おじさん、おかあさんしらない?」 挨拶の直後、でかいのがそう聞いてきた。・・あれ?こいつ俺のこと覚えてる? 「しらない。どうしたの?」 「「「ぼうしおいて、いなくなっちゃった」」」 うお、全匹泣きそうだ。 「おかあさんは別の場所でゆっくりしているよ!」 「ほんとー?」「おじさんうそついてないー?」「うそつくひととはゆっくりできないよ!」「ゆっくりほんとのこといってね!」 「ほら、君たちのおかあさんに言われてご飯もってきたぞー」 とりあえず餡子を与える。 「むーしゃむーしゃ」「おいしー」「うまうま」「おかあさんだけずるーい!」「まりさもゆっくりしたいー」 よし、ごまかした。 さてと、 「君と、君と君、ちょっといいかな?」 帽子のでかいのと、大体同じ程度にでかいのを2匹チョイスする。 「まりさもいっしょにいくー!」「まりさもゆっくりしたーい!」「おねえちゃんだけずるーい!」 ・・・まったくこいつらは・・・別にこの場でやってもいいか。 「うーん、わかった。でも」 足で地面にラインを書く。 「この線からこっちにきちゃダメだよ?こっちきたら・・」 「うつとうごく!」 言ってる傍から超えやがった。 さっそく、そいつをこないだの袋に詰めて口をしめた。 「いやあああああああだしてー!」 前回のトラウマが残っているのか、叫び始めるゆっくりと 「やめて!」「そんなことするおにいさんとはゆっくりできないよ!」「ゆっくりかえって!」「ゆっくりしね!」 その他ゆっくりども。あー、つぶしてやりたいです。 「その線を越えたらこうなります。わかりましたか?」 「「「ゆっくりさせて!ゆっくりできないよ!」」」 結局、残り4匹も袋の中にぶち込んだ。 「「「ゆゆゆゆ!」」」 チョイスした3匹が泣いている。うおーうぜー!ゆっくりした結果がこれだよ!! 「わかったわかった・・・ほら」 袋の口を開けて、外が見えるようにしてやる。 「いいか・・・その袋から出るなよ」 「「「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ゆ゛っぐり゛ざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛」」」 「・・・・その袋の中ではゆっくりしていいから」 今、自分がどんな表情しているのか理解できない。眉間がひくひくしてるのはわかるんだが。 「「「ゆゆゆ?」」」 「その中では、ゆっくりしていいから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」「Zzzz」 やっと落ち着いたらしい・・・・・・うお、1匹寝てる奴がいる。きっと最初の奴だ・・・・おのれ・・。 「あい、お待たせ」 やっとでかい3匹の方に取り掛かれる。 ・・・待ちくたびれたのか、一斉に叫ぶ。 「「「ゆっくりしたけっかがこれだよ!」」」 上を向いてため息ひとつ。 ・・・ガッ!とおもむろに1匹とっ捕まえる。 「ゆゆゆ!」「ひどいよおにいさん!」「ゆっくりはなしてね!」 「勘違いするな・・・ゆっくりさせりゃいいんだろ」 撫で撫で。 「ゆっ・・・ゆっくり~」「いいないいな!おにいさんまりさも!」「ゆっくりさせていってね!」「「「ゆっくりしていってね!」」」 もういちいち相手にしてられん。油性ペンでゆっくりまりさの帽子と、人間で言う下あご?に【1】と書く。 次のには【2】、でか帽子には【3】と書いた。 「「「ゆっくり~」」」 もうちょっと大きかったら発情するのだろうか・・?ゆっくり3匹にその兆候は無い。 「「「ゆっくりしたいーー!」」」 そして袋の中の5匹。 「いいか・・・袋からでるなよ?」 「わかったよ!」「ゆっくりさせてね!」「ゆっくりしていってね!」「Zzzz」「Zzz・もうたべられない」 昼飯は寝てる2匹にしよう。そうしよう。 さて・・・ 「ゆっ!」「ゆっ!」「ゆゆゆぅ!」「「ゆ゛っ!」」 ナンバリングした3匹の帽子を奪い取る。 「ひどいよ!どうしてこんなことするの!」「ゆっくりかえしてね!」「おにいさんじゃゆっくりできないよ!」 体当たりしてくる3匹と 「「「・・・??」」」「「・・・Zzzz」」 困惑顔の袋の3匹、寝てる2匹。 ここで帽子を3つをシャッフルし、ちょっと遠くに置く。 「ほれ、とってこい」 帽子無しどもをけしかける。 「まりさのー!」「これまりさのー!」「まりさあああああああ!」 必死だな。 帽子を取り返して再度かぶる。そうすると、袋の中の3匹の表情が戻る。 これを10回繰り返す。3匹の表情が、灯ったリ翳ったり。 素直なのはいいことだが・・・もうちょっと可愛らしい表情してください。 さて・・・10回やって、10回とも、ゆっくりの番号と帽子の番号が一致。 こいつら、自分の帽子がわかるようだ。 ナンバリングには気がついていないようだ。ゆっくりだしな。 特に、でか帽子のやつ。でかいからすぐにわかるらしい。・・・いやそりゃそうだろうけどさ。 ここで、帽子を奪った後、でかい帽子と、もってきていた帽子を取り替える。 これで、場にあるのは【1】と【2】と番号無しの帽子・・さっきと同じようにシャッフルしてけしかけてみる。 すると、叫び出したのは、【3】のまりさ・・無論、でか帽子のだ。 「なんでえええええええええええええええまりさのぼうしがないいいいいいいいいいい!!」 「ごめんごめん、この帽子だったね。間違えちゃった!」 「がえ゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 でかい帽子を返すと真っ赤になってぷりぷり怒っている。 「おにいさんはゆっくりできないよ!ゆっくりあっちいってしんでね!」 脳天にビキビキきながらも尋ねてみる。 「それ、お母さんの帽子じゃなかったっけ?」 「ゆっ?おかあさんのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!おにいさんへんなのー!」 何回か試してみたが・・・交換したらすぐにわかるらしい。 【3】のデカ帽子だけじゃなく、普通まりさの【1】【2】に試した回もあったが、結果は同じだった。 「まりざのぼうじどごおおおおおおおおおおおお!!」 「ぼうじがえじでえええええええええええええ!!」 毎回毎回こんな感じで泣き叫ぶ。 ・・・うるせえ。あと絶対嘘泣きだろこれ。 まぁ、死活問題だしな。袋の3匹の怪訝な表情を確認してしみじみ思う。 と、閃くものがあったので、【1】と【2】の帽子を交換した。 「ゆっ!」「ゆっ!」 ・・・・待つことしばし。 「ゆゅ?」「おじさんどうしたの?」「ゆっくりするの?」 ・・・・・あれ?交換したのに気がついてない? 「「「ゆっくりするの??」」」 ・・・試してみるか。 「ああ、ごめんごめん、ゆっくりしすぎちゃったよ」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 そして再度シャッフルしてみた。 その結果、【1】まりさは【2】の帽子に、【2】のまりさは【1】の帽子へと向かうようになった。 ・・これは、所有権がいれかわったのか? 【1】のまりさへ、【2】の帽子について聞いてみる。 「あの帽子、君のじゃないの?」 「ゆ?まりさのぼうしだけど、おねえちゃんのぼうしだよ!」 【2】が姉だったのか。いや、それはどうでもいい。 この反応を見るに、盗られても、自分が飾りをつけていれば満足なのか。 1つ、思いつくことがあった。 何度も何度も、【1】【2】【3】の帽子をシャッフルする。そう、大きい帽子も交えてだ。 数十回の試行が終った後、【3】に【3】の帽子を返して、こう尋ねた。 「ねぇ、その帽子、誰の帽子?」 「ゆっ?このぼうしは、まりさのいもうとのぼうしだけど、まりさのぼうしだよ!!」 思惑通りにいったことを知り、愉悦が止まらない。 ああ・・・こいつら・・・母親の帽子だということを、忘れやがった。 ものすごく哀れに思えてきたので、残りのゆっくりまりさにもナンバリングし、1番づつ帽子をずらしてやった。 今手元にあるのは、比較して一番小さかったゆっくりまりさの帽子だ。 もう満足し、哀れな姉妹たちに別れを告げた。 「ありがとう、ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりまた遊んでね!!」」」」 ・・・こいつら、いったいどこまでゆっくりしているんだろう。 満足したので、いったん加工場に戻って昼食にすることにする。 さて、午後の部である。 ゆっくりまりさばっかり構っているのに気が引けたので、もうひとつ気になる方を消化することにした。 ゆっくりれいむの髪飾りについてだ。 あれってさ、リボンだよね? ・・あれをさ、解いたらさ、どう考えても、自分じゃつけられないだろ常考。 「いやあああああああああああああああああれいむのりぼんがあああああああああああ」 思ったときには、すでに行動は完了していた。 「ごめんごめん、手がすべっちゃったぜ!」 「いやああああああああああれいむのりぼんんんんんんんむすんでええええええええ」 「わかったぜ!!」 「できたぜ!」 「もう!ゆっくりきをつけていってね!!」 「わかったぜ!」 プンプン!と去っていく霊夢。風にたなびくリボンが尻尾のようだ。 せっかくなので、「俺より強いやつに会いに行く」スタイルにしてやった。俗に言う鉢巻。 無論、固結びなので、外れることはないだろう。 弾幕出るようにならないかなぁ。回転しながら回し蹴りとか、炎をまとってアッパーもいいよなぁ。 ボインボイン弾んでいく鉢巻れいむを観察する限り、どうやら、何でもいいから飾りをつけていれば苛められないらしい。 調子にのって、ポニテれいむ、たくましいなれいむ、おさげれいむ、鼻鉢巻れいむを作った辺りで飽きた。 個性豊かになって何よりだ・・・って、問題がずれた。 気になるのは、やつらが結べるかどうかだ。 さっそく、ゆっくりれいむを発見。しかも2匹。 姉妹かな?いつぞやのゴれいむサイズだ。大体10cmぐらい・・・よしよし。 まずは声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっ!ゆっくりしていってね!!」」 スッ、っと1匹持ち上げる。笑顔を絶やさないように。【1】っと・・。 「ゆっ!?おじさんゆっくりできるひと?」「ゆっ?れいむをどうするの?」 ささっと、ペンでナンバリング。【2】っと・・・。 「ゆっ?くすぐったいよ!!」「おじさんゆっくりやめてあげてね!」 もう片方も同様にする。 「ゆっ?なにするの!?」「おじさんわるいひと?ゆっくりできないならやめてよね!」 ・・・2匹共を地面に置く。 「はっはっはっ、ごめんごめん、きみたちがかわいいからついやっちゃったんだ!」 「ゆっ!」「それならゆるしてあげるね!」 「はっはっはっはっ」 2匹の頭を撫で撫でしつつ・・・リボンの片端を確認する。 「ゆっくりー」「ゆっくりー」「はっはっはっ・・・はぁっ!!!!!」 そしてすかさず、2匹のリボンを解き放ち、ダッシュで逃げる!!! 「あああああああああ」「りぼんがあああああああああああ」 全力で逃げて・・・茂みに隠れて観察開始。 どちらも追ってこない。地面に落ちたリボンを咥えて泣き喚く。 「ああああああありぼん!りぼん!!」「むずんで!!むずんで!!!」「」 やはりというかなんというか、結び方を知らないらしい。 「「このままじゃゆっくりできないよーーーーー!!!」」 どーするんだろ。しばらーく観察していたが特に動きがない。 ・・・もう、他の個体で試すか? そう思ったとき、 「ゅっ!」「ゆ?」 【2】が、りぼんを口に咥えてボインボイン跳ね始めた。どっかに移動するつもりらしい。 「ゆっぐりづいでぎでね!」 「ゆっぐりづいでいぐよ!」 そしてどこかに移動し始める。 親元にでも行くのだろうか・・・。 しばらくついていくと、実験上の奥深く、山のふもとエリアまで移動した。 必死なのかゆっくりだからなのか、多少雑な尾行でも気がつかない。 と、前方に1匹のゆっくりがいる。 ・・・って、ちょっと待て。 「ゆっぐり!」「むきゅん?」「ゆっ?」 そんな!?この実験場にゆっくりパチュリー、通称ゆっちゅりーはいないはずなのに!! 「ばぢゅりーー!!」「むきゅん!どうしたの?」「ゆっぐりー!」 えーと、あれは【2】の方か?どうやらとゆっちゅりーと知り合いのようだ。 ゆっちゅりーの方は怪訝な顔をしている。やっぱり識別できないのか。 「りぼんとれちゃったのーー!!」「むきゅん!むすべばいいのね!むきゅん!」「はやくつけてええええええええ!!!」 ゆっちゅりーは、すごい病弱だから、こういう野放しな実験場にはいないはずなんだがなぁ・・・? 「ありがとうぱちゅりー」「むきゅん!ええと、こうりつてきなりぼんのむすびかたは・・・」「ありがとう!ゆっくりむすんでいってね!」 なるほど、ゆっちゅりーが結んでいたのか・・・すげえなゆっちゅりー。メモメモ・・・。 でも、口だけでリボン結びか・・・どーやるんだろ? wktkしながら見守ることにする。 ・・・少し前は、wktkしていた。今ではirirしている。 かれこれ、半刻ほど待ってるが、ちっとも終らねー!! 「むきゅん!むきゅん!ぜー、ぜー・・・むっきゅん!」「ゆっくりがんばってね!」「ゆっくりはやくむすんでね!」 もちろんリボンは唾でベトベト、心なしか、ゆっくりれいむの後ろ頭がふやけてきた気がする。 ああ・・・自分の考え違いを悟った。 ゆっちゅりーはりぼんを結べない。そりゃそうだよな・・・だって自身の飾りがリボンじゃないものな。 自分の目が死んでいるのがわかる。ゆっくりした結果がこれだよ! 帰ろうかな・・・・?と思い始めたとき、待っていたゆっくりれいむ・・・【1】の方がりぼんを地面に置いた。 まさか・・・おまえまさか!!? 「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!」「むきゅん!!!」「ゆっ!!」 や、やりやがった!! 【1】がゆっちゅりーの帽子を、咥えて逃げた!! 「むきゅん!むきゅん!!」「そ、それはぱちゅりーのぼうしだよ!!かえして!!」 【2】とゆっちゅりーが【1】を追いかけ始めた!! ・・・・・・・・・が、ゆっちゅりーあっさり力尽きる。まさにゆっちゅりー。 「ゆっ!ゆっくりまっててね!」「おねがいいいいいいいいい!ぱちゅりーのぼうしがああああああああああ!!」 ボインボインと向こうに去って行く【2】をただただ見つめるゆっちゅりーと俺。 ただただ、しょぼーんとしているゆっちゅりーを見守る。 とばっちりだなぁ・・。かわいそうに。とニヤニヤしながら見守っていると、ゆっくりれいむが帰ってきた。 「ごめんぱちゅりー。ぼうしとられた」「ゆっ!ゆっ!ゆぐうううううううううううううう!!」 崩れ落ちるゆっちゅりー、慰めるれいむ・・・・。 でも、俺は見てしまった。 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 「帽子を盗んだゆっくりれいむを逃がしたのだと思っていたら、帰ってきてたのは帽子を盗んだ方だった」 な…何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何が起こったのかわからなかった… 奪い合いだとか、ミイラ取りがミイラにとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいゆっくりの片鱗を味わったぜ…。 パチュリーは気がついてない。 種族が違うからなのか、飾り無し状態で出合ったからなのか、区別がつかないようだ。 「むきゅん・・・むきゅん・・・」「ぱちゅりー、なかないでええええええ!」 場に残ったのは、2本のリボンとゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 どうするんだろうこいつら。 内心すげーモヤモヤしている。本音を言うと、ぶっ潰してあげたい。 心の中で評議会が開かれ、ぶっ潰そう派が大躍進しているのを感じつつ、ぼーっと微笑ましい様を眺めていた。 ようやく、泣き止んだゆっちゅりーが動く。 「むきゅんむきゅん。ついてきて」「ゆ?」 ゆっちゅりーがリボンを咥えて、ポインポインとどこかに行き始める。 ついていくゆっくりれいむ・・・とはいっても、ゆっちゅりーの移動速度の方が圧倒的に遅い。 どんどん奥の方に向かっていく。そろそろ結界際だろうか・・。 正直、さっきのポルポル現象以上に驚くことはないだろう。物凄い冷めた自分の心を感じながら、ゆっくりついていく。 どうやらさっきの評議会は時間切れになったらしい。 次の議題は「ゆっちゅりーこそ、ゆっくりオブゆっくりである」だった。 評議会が全会一致で可決され、万雷の拍手が脳内に鳴り響く頃、それは現れた。 「むきゅん!ゆっくりしていってね!」「ゆっ!!ゆゆゆっ!!ゆっくり!?」 挨拶するパチュリー。困惑するゆっくりれいむ【1】。そして、 『ゆっくりしていってね!!!』 とてもでかい、ゆっくりれいむが、そこにいた。 昔、1度だけ見たことがある、突然変異体。あれはゆっくりレティと同じサイズだった。おおよそ3m。 それほどではないにしろ、目の前のゆっくりれいむは大きかった。 ゆっくりれいむの成長限界は、世間一般によると「椅子に丁度いいサイズ」おおよそ50cmぐらいだろうか? しかし、目の前のは、俺の身長の半分・・・いやそれ以上、1mほどだろうか。通常の倍ぐらいはある。 こいつなら、赤ん坊を食える。間違いない。 『ゆっ!ぱちゅりーどうしたの!?ぼうしないよ!』 「むきゅん・・・とられたの」「ゆっ・・・ゆっ」 なんという威圧感・・・。 小れいむと俺は言葉も無い。 『ゆっ!ゆるせないよ!!ぱちゅりーのぼうしとったの・・・・れいむー?』 「ゆっ!ち、ちがうよ!!」「むきゅん!やめて、ちがうの!」 心の中で突っ込む俺。 そのとおりですがなにか? 「むきゅん!いいから、むすんでれいむ」 『ゆっ?』「・・ぱちゅりーには、りぼんしかないから」「ゆっ!?れいむもむすんでほしい!!」 『わかったよ!ゆっくりしていてね!!』 そこからの光景は、正直、目を疑わざるをえなかった。 どうして、その、ゆっくり丸呑みおいしいです。と、言えるほどのデカ口デカ舌で、リボンが結べるのですか???? 「むきゅん!ありがとうれいむ!」「ゆっ!ありがとうおおきいおねえさん!!」 『ゆっくりしていってね!』 ゆっくりれいむは、リボンが結べる。 その事実が確認できたものの、俺は衝撃のあまり身動きが出来なかった。 『ゆっ!よるになるよ。ゆっくりとまっていくといいよ!!』 「むきゅん。ありがとうれいむ!!」「ゆっ?ありがとう!!」 ふと気がつくと、夕焼けが目に眩しかった。 もうじき日が沈み、辺りに暗闇に覆われるだろう。 ・・・ゆっくり達が巣に向かうのを、俺はノロノロとついていった。 「「『ゆっくりしていってね!』」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 巣の中に入る大きいゆっくりれいむ・・・・敬意を表して、マザーれいむと名づけることにした。 あとに続くのは、リボンゆっちゅりーとゆっくりれいむ【1】。 途端に中がにぎやかになる。何匹か子供たちがいるようだ。 ゆっくり達が夕食を迎えているころ、なんとなく、ただなんとなく、周辺を探ってみたところ・・・・見つけてしまった。 結界のほころび・・・木が倒れて結界にもつれ込み、その部分だけ、結界が避けていた。 結構範囲は広く、この分なら、マザーやゆっちゅりーが通り抜けるには十分だろう・・・。 余談であるが、加工場には1つの鉄則がある。 「ゆっくりを育てすぎない」 えさを与えれば与えるほど、ゆっくりはでかくなるが・・・でかいゆっくりは、餡子がパサパサしていて、はっきりいって不味い。 そのため、ある程度以上大きくなったものは、即座に収穫に回されるはずだ。それはこの加工場でも例外ではない。 せいぜいで20cm、初日の親れいむぐらいがせいぜいのはず。 ああ、間違いない。マザーとゆっちゅりーは、外から来た。 結界のほころびを、岩でふさいで、マザーの巣に戻ることにする。 ゆっくりアリスとか来てたら、もっととんでもないことになっていたから、まだよしとするべきだろうか・・。 巣に戻ってきたが、お客様が珍しいのだろうか、まだ騒ぎ声が聞こえた。寝静まるのを待つことにする。 結局、しばらく夜が更けてもまで騒いでいたが、マザーれいむの声が響く。 『ゆっくり眠ってね!』 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!」」」」「むきゅん!ゆっくりおやすみなさい」「ゆっくりするよ!!」 ああ、なんという統率だろう。 加工場のゆっくりしか触ったことがなかったことを、悔やまざるを得なかった。 最後の号令から待つことしばし・・・・おもむろに巣を覗き込み、全てのゆっくりたちが眠っているのを確認する。 【1】とゆっちゅりー。マザーと他、【1】より若干大きいゆっくりたち6匹・・・合計9匹がそこにいた。 全匹にナンバリングする・・・マザーには【M】、ゆっちゅりーには【P】、残りは【2】~【7】の連番だ。 そして、ゆっちゅりーと、ゆっくりれいむ【1】~【7】からリボンを抜き取った。 あとは前回と同じ、ゴージャスゆっちゅりー、すなわちゴゆっちゅりーの出来上がりだ。 内心モヤモヤしたものを抱きつつ、寝ようとするが・・・きっと、前回のようにはうまくいかない。その確信で眠れなかった。 いったん、加工場の方に戻り、餡子と・・糸を、持って行く。色は赤。 使うようなことにならないといいけど・・・と、無駄なことを考えながら、巣の脇でゴゆっちゅりー入りの透明箱を抱いて眠る・・・。 加工場との往復で疲れたのか、どうにか眠ることが出来た。 そして、朝が来てしまった。 「「「ゆっくりしていってね!」」」の声で起こされる。 抱きかかえたゴゆっちゅりーも箱の中で目が覚めて、 「ゆっくりしていってね!」 そして連鎖して声が響く。 「ゆっくりしていってね」「ゆっくりしていってね」「ゆっ」「ゆゆゆっ!」 ざわざわと騒ぎになる。 「りぼんがないよっ!」「ゆっ!れいむのりぼんがない!」 「へんなのー!」「ゆ゛っ!!れいむもないよー!」「え゛ーっ!」 そう・・・ここまでは、前回と同じだった。 遅れて親れいむが反応する。 『ゆっくり落ち着いてね!』 「「「ゆっくりできないよーーーーーー!!」」」 『ゆっくり落ち着いてね!ゆっくり探してくるからね!ゆっくり待っててね!!』 ああ・・・くそ!!やはりマザーは餡子の容量が違うようだ。前回とは全く違うゆっくりっぷりに、歯を食いしばらざるを得なかった。 このままでは、マザーが表に出てしまう。遅ればせながら、ゴゆっちゅりーを巣の中に差し入れる。 「むきゅん!れいむーーー!」 『ゆっ!ぱちゅりー!』 それに気がつく親れいむと・・・ 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆゆっ!!りぼん!!りぼんいっぱい!!りぼん!!りぼん!!!」 リボン無しの子れいむ達。 「むきゅん!!しらないひとがおそとにいるよ!ゆっくりほどいてね!!」 『ゆっ!わかったよ!!ゆっくりほどくよ!!』 「「「「ゆっくりはやくむすんでね!」」」」 ああああああああああああ、なぜゆっちゅりーをチョイスしてしまったのだろう。子れいむか、【1】にすればよかった!! 見ているうちに・・着実に、堅実に、結びなおされるリボン。 結んでいるマザーから聞こえる・・・鼻歌。 『ゆっゆっゆっゆっゆっ~♪ゆっゆっゆっゆっゆっ~ゆっゆっゆゆゆぅ~♪』 ああ・・・その歌を聴きながら、絶望と共に確信した。 ゴれいむは、ゆっくりなゆっくりにしか、加工場で育ったようなゆっくりにしか、通用しない。 俺の、初日の実験は、まったくもって、意味がなかった。 あ、あ、あ、・・・・ああああああああああああああああ!!!! 俺の何かが、音を立てて崩壊していく。 「ゆっくりしろモーニングああああああああああああああああ!!!」 「「「「『ゆっ!!』」」」」 マザーの巣はでかい。人間が入る分には十分だった。 「うおおおおおおおおおおおお!!!」 むすび直されたゆっちゅりーのリボンを真っ先に向かい、そのまま子ゆっくり達からリボンを抜き取る。 「うああああああああ!!」「おじさんゆっくりできないひとだね!!」「ゆっくりしね!!」『でていってね!』 ガフッ!!ぐぐっぐ・・・マザーの体当たりが顔面に直撃する。首がもげるかと思った。 「うおおおおおおおおおおお!!」 『ゆっ!!ゆっくりはなしてしね!!』「「「「ゆっくりしね!!」」」」 足を奥にいれこみ、マザーをがっちりホールドする。手は向かってくるゆっくりれいむ【1】~【7】から着実にりぼんを奪う!! 「「りぼんかえして!」」「ゆっくりできないひとはあっちいってしんでね!!」「ゆっくりしんでいってね!」 ボインボインボインボインと体当たりを食らいながら、奪ったリボンを持ってきた赤い糸で連結していく。分厚く重ねて解けないようにしつつ、雑に結んでいく・・・。 「おかおをねらうのよ!!」 ゆっちゅりーの指示が飛ぶ。 容赦なくアゴや顔を狙ってゆっくり達が飛び掛ってくる。ボイン!ボイン!!ボイン!!!ボイン!!!ゴッ! ・・・今のはいい一撃だった。二段ロケットのごとく、ゆっくりれいむのジャンプを利用し、鼻をめがけて飛んできたゆっちゅりーによって鼻血が吹き出た。 だがしかし、リボン改め、多数連結式鉢巻が完成した!!! すかさず親ゆっくりの頭に巻く!もちろん固結びでこれでもかというほどきつく結ぶ。 「ははははは・・これでも、お前に、りぼんが結べるのか?」 そう告げた。そこに油断はなかった。そのはずだった。 『ゆっくりーー!!!』 ドゴッ!! マザーの渾身の体当たりによって、巣から吹っ飛ばされる。 「うおおおおおおお??ガッ!!」 そのまま転がり、木にぶつかる。頭を打ったのか、一瞬意識が飛んだ。 そこに、 『ゆっくりして逝ってね!』 転がってくるマザー!! ゴシャァ!! いくらゆっくりが柔らかいとはいえ・・・木とサンドイッチされ、後頭部を強かに打ちつけた俺の意識は、あっさりと遠のいた。 「むきゅん!「「「「これじゃゆっくりできないよーーー!」」」」」 遠のく耳に届いたのは、マザー以外のゆっくりたちの声だった・・・。 意識が戻ったときには、すでに日が暮れていた。ものすごい吐き気と・・・自由にならない体。 そこらへんにあるようなツタで、木にがんじがらめに縛られている。きっとゆっちゅりーの差し金だろう。 「おれが遅い?おれがゆっくり??」 もっと準備を整えれば、もっとタイミングを見計らえば・・・。 脳内に、ジワジワとしみこむ、敗北の記録。 「・・・・・・俺は敗者だ!! 負け犬だああああああああああああああ!!!」 流れる涙を拭う事も出来ない。夜が更けるまでただただその場で泣き続けた。 その後だが・・・ 「ぐおおおおおおおおおお!!」 ツタは頑丈で、ほどけやしない。 「うおおおおおおおおおお!!」 無理やり、木と自分とのスキマをつくり、半転。 腕とかかっちり結ばれてたらどうなっていたことやら・・・。 次に、ツタを左右で引っ張って支えとしながら木を上る。 最後に、木からツタを抜き取って、どうにか開放できた。 夜間の作業で、かなり大変だった・・・。 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!」 この間、泣きっぱなし。 意外に血涙にはならないな・・・と、心のどっかが剥離したようにつぶやく。 「ゆるさんぞゆっくりどもめ!!ジワジワと嬲り殺しにしてくれるわ!!!」 涙を止めて、熱い決意と共に、目の前のマザーの巣に入った。 しかし、そこにいたのはマザー達ではなく、 「「「「ZZZZZZZ」」」」 よりにもよって、いつものゆっくり魔理沙シスターズだった。ナンバリングもそのままだった。 たぶん、空っぽの巣を見つけて、住み着いたに違いない。 ・・・ゆっくり理解する。逃げられた。ゆっくりした結果がこれだよ!!! 収まりつかなかったので、ゆっくり魔理沙シスターズの帽子を全部奪いとり、縦に重ね、赤い糸で結んでやる。 これぞ、多連装式ゆっくりまりさ帽子。せっかくなので、【3】のまりさにかぶせてやった。 朝にはまだ遠い・・・巣の脇で泣き寝入りすることにした。 「ぐぐぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 この屈辱、忘れるものか。 つづく。 今回の実験結果のように見えなくもないオリジナル設定: 1.ゆっくりの飾りには所有権があり、前の持ち主はわかるが、前の前の持ち主はわからない。 このことから、飾りを奪われた場合に「どのゆっくりが奪ったのか」まではわかる。 ちなみに、ゆっちゅりーさんの帽子は、 「奪って」「奪い返された」ので、もうゆっちゅりーさんにはわからない。 2.ゆっくり子れいむはリボンを結べない。成長すると結べる個体がいる。 3.野生のゆっくりはつよい。 4.ぱっちゅんは郊外型実験場ではレア。(病弱すぎるので、主に室内での実験用素体となるため) 5.ゆっくりれいむは加工場では50cmぐらいにしかならない。 すごいゆっくりはその限りではない。 遅くなってしまい、 ゆっくりいじめ系110 髪飾り or fuku0692.txt & fuku0779.txtの兄貴や、 ゆっくりいじめ系104 ゆっくりみじめ or fuku0680.txt の兄貴には申し訳ない。 あと、fuku0845.txt と fuku0779.txt には愛を。 大戦争「異端ゆっくりvsゆっくり」はやろうかと思ったけど、 望んだ結末にもっていけないので悩んでいたんです。 他の誰かがやってくれる。こんなにうれしいことはない。 ちなみに、ゆっちゅりーさんを出す予定は全くなかった。 fuku0787.txt の影響だと思う。いいよね・・・知識あるのに空回りするゆっちゅりーさん。 ゆっくりした結果が(ry このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/hddnavi2sdd/pages/15.html
Clarion HDDナビゲーション 直リンクでこのページに飛んできた方は、右メニューの「よくある質問(FAQ)に目を通しておいてください。」 基本データ OS ATAパスワード 換装手法 μITRON? あり 未確立 実行概要 HDDの型番を見ているため、特定の型番のHDDのみが換装可能。 報告のあった機種リスト 年度 機種名 HDD機種・容量 状況 2006 MAX560HD MK3029GACE(30GB) 予備実験のみ(同機種別個体のHDD交換は不可能だが、マウント自体は出来ている模様) 2006 MAX760HD MK3029GACE(30GB) 予備実験のみ(MAX560HDにマウントは可能。HDDUnlockは成功したがその後はマウントできず) MAX860HD 手法未公開(「プロテクトを解除」と言っているが、一時的な解除をしただけでコピーはしていない模様) 2008 MAX670(HC307-A) MK3029GACE(30GB) ロジアナでATAパスワード解析後、虎TS32GSSD25-Mで試すがHDD型番チェックで起動せず。MK4036GACE(HDD)では正常起動 報告事例1 83. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 16 30 23 ID yXmc84ci0 うちにバックアップをつくろうとして挫折していたClarionMAX760HD用のHDDがあったから、 ちょっとだけ人柱になってみた。HDDはToshibaのMK3029GACE。 ・パスワードの解除 東芝のマスターパスワードと言われるスペース×32個を入れてみるがあえなく轟沈。 (使用ソフトはHDAT2、ATAPWDなど) HDDUNLOCKでやったところ、見事パスワード解除に成功。費用は460円。 ただし、パスワードが何であったかは教えてもらえないみたい。 ・内容の確認 WindowsでもLinuxでもファイルシステムをマウントできない。 どうもMAX760HDはμITRONで動いているようで、ファイルシステムも特殊みたい。 ・動作確認 実機を持っていないため無理w 84. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 17 30 54 ID m5roX2tA0 実機、どこやった? 85. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 17 37 21 ID yXmc84ci0 84 ジャンク扱いのHDDを入手しただけなので、元々本体はない。 手持ちのナビはMAX560HDで、昔入れたときには「機種が違います」とか 表示されて動かなかったw 87. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 17 52 29 ID m5roX2tA0 85 「機種が違います」が出れば、基本的に成功じゃないか? HDDの中の機種情報を示すファイルを読んでると思うよ 全く無関係なHDD(フォーマットしたもの)をいれてみて 「機種が違います」と出なかったらガチだ。 88. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 20 27 38 ID Hi9LmnMM0 ID変わってますが83です。 87 それはパスワード取る前の話。 先ほど入れてみたら次のような表示になった。 ----------- HDD ERROR HDDを読み込めません。 販売店へご相談下さい。 ----------- そこで、HDAT2でDUMPさせてみたところ00で埋め尽くされてる。 そんな馬鹿なと思ってよく見ると、どうもHDDにアクセスしに行ってない。 もう訳わかんないので、人柱報告は以上とします。 これからwindowsでフォーマットかけてみる。 89. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 21 21 03 ID Hi9LmnMM0 windows7セットアップ完了。 どうもHDAT2ではこのドライブは上手く読めないだけみたい。 90. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 22 27 08 ID Hi9LmnMM0 連投で申し訳ないが、もう一つだけ報告。 うちにはMAX560HDが2台あるんだが、そのHDDを入れ替えてみた。 ----------- HDD ERROR HDDが異なります。 販売店へご相談下さい。 ----------- たしか760HDのパスワード解除前HDDを入れたときのメッセージもこれだった気がする。 HDDがパスワード解除後も正常だったと仮定すると、パスワードを解除したら 立ち上がらなくなるのかも知れない。 91. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 23 13 16 ID NOfRL+bD0 もうやっちゃてる人いるから重複報告なるけど AVIC-XH009でhddunlock使ってSSD化したよ サイバーナビ系はAVIC-XH990以降OSがwindowsなったから PC上で普通にHDD認識する 後は適当なバックアップソフトでコピーして完了 SSD化の恩恵はそんなに感じれないけど 振動を気にせず走れるのは良いね 90 そりゃHDD ERROR出るでしょ もしかしてHDDの型番しかパスの種類無いと思ってる? ATAのパスはMasterとUserPassword有るの知ってる? ナビ本体とHDDはセットでしか動かないよ たとえコピーしたHDD or SSDでも元のナビ以外じゃ動かないからね 92. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/21(水) 23 22 53 ID gPmg2SLO0 91 意味がよくわからんけど 要するに 本体搭載のHDD→別のHDDもしくはSSDにコピーできたとして そのコピーしたHDD・SSDはコピー元のHDDが入っていたナビでしか使えないってこと? 99. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/22(木) 08 04 52 ID azDuVKBt0 90 同型で、どっちもパス削除してないんだよね? 入れ替えただけで「HDDが違うぞ」とバレるってことは HDDのシリアル番号か何か読んでるか?? そこまでやるか?って世界だが 107. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/23(金) 08 40 43 ID Art06Ftg0 99 そのとおり。どちらも通常状態のまま交換。 本体のシリアルとHDD上に記録されたシリアルを照合してるんだろう。 91さんのように、他のメーカーでもやってるみたいね。 報告事例2 初音ミクの音声案内HDDナビ「改造」 http //minkara.carview.co.jp/userid/315557/car/211261/401323/note.aspx 作業の流れは 1.ボーカロイドでナビの音声案内を作っておく 2.ナビからHDDを取り外しパソコンに接続 3.HDDのプロテクトを解除 4.HDDのプログラム改変(主に音声ファイルとその ファイルを指定するプログラム) 5.1で作った音声ファイルをHDDにコピー 6.ナビにHDDを戻す。 しかし、パスワードを解除しているわけではないらしい。 169. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 18 56 41 ID g30IoM490 人柱1号です。 166 何故上手くいくんだろ? しかも内部ファイルの改変までしてるし。 俺が失敗したのかな・・・ 170. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 21 11 59 ID TNbfk35r0 169 内容の書き換えだけでHDDの換装はしていないね。 171. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 21 23 48 ID A1IE2hi80 169 ということは、ケーブルスワップでパスワードを無効にしただけか? 謎は深まるばかり。 173. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 22 04 07 ID KopqaWzC0 170 でも元に戻して使えてるんだから、換装しても戻せるって事じゃね? 174. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 22 57 28 ID TNbfk35r0 173 パスワードを一時的に解除して書き込みしているのなら パスワードは生きている。 換装したら元のパスワードも設定しないとエラーが出るのでは? 175. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 23 11 16 ID 9YA8bu150 166 これは単にスワップさせて、一時的にUnlock状態にさせて ファイルを書き換えただけじゃん ここ的には、スレ違だな 176. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/01/27(火) 23 16 55 ID KopqaWzC0 174 なるほど パスワードを消したんじゃなくて、PCにつなぐ時だけ無効にして ナビに戻す前に有効にしたって事か てっきりパイのようにナビに戻したら書き込まれたのかと思った 研究事例3(パスワード解析) 676. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 02 35 01 ID Jxc4ytR/0 蔵のMAX670(OEM)をいじってます。 虎のSSD買ったのでつないでみましたが、 (おそらくジャンパなしなのでSlaveだが、ナビ内部でジャンパされてるかもしれない) "HDDが接続されていません"とでました。 元HDDは正常起動 東芝のノート用HDD(NTFS)をつなぐと"HDDを読み込めません"と出る。 これはとりあえず記録内容やATAパスワードはどうであれ HDDを認識していることを示すと思われる。 虎のジャンパピンをSSD内部を改造してMasterに強制しても 同じ。"HDDが接続されていません"画面。 CSはまだ試してないです。 とりあえず、SSDで"HDDを読み込めません"画面が 出ないと話にならないですね・・・ んで、 Repair StationってATAコマンドの UNLOCK使ってるのかな? それとも、管理領域直接アクセスでパスワードを抹消してるのか・・・ もし前者ならドライバ監視ソフトで ログとれば見れるのではないかと・・・ 677. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 08 50 42 ID DN3gnSWg0 676 作業に掛かる時間からすると、辞書からパスワード群を引っ張ってきて、それを送って解除しているんじゃないのか? つまり前者。 管理領域を書き換えるだけなら3秒もかからん。 フィルタドライバを書けるなら、データを横取りして見ることは可能だと思うが。 678. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 10 51 23 ID kh4fus7O0 676 同じ現象かどうかはわからないけど、 PanasonicとかSONYのHDDナビでは、3.3V駆動できないためにSSDだけ認識不能になってた例があるよ。 例によって壊す危険はあるけど、 539 とかを参考にして、試してみる価値はあるかもしれない。 679. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 11 50 56 ID uWasm+IR0 677 MAX670使用してるので MasterとUserパスワード消失のリスクが 現時点では大きいっぽいので こちらでは検証しかねるが、 A-FF使用時に BusHoundってソフトの体験版を併用してみると 面白いことになるかもしれない。 678 トン そういう方向でも調べてみます・・・ とりあえず認識してくれないとね、最悪は別HDDになちゃいますけど。 681. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 12 35 59 ID uWasm+IR0 680 おお! 678 虎の1番ピンの電圧を測って1.6V以下なら 1.7V以上になるように改造しないといけないってことですか・・・ 今日は寝るのが遅くなりそうだw 683. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 16 05 06 ID V7aZI8WB0 クラリオンにはデバックモードあるみたいだな。 行き方は分からんが…。 760hdの差分ファイルバイナリーで見ていたら いろいろあるようだ。 684. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 18 29 00 ID uWasm+IR0 683 68系っぽい?86系っぽい? 685. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 19 25 54 ID WFLHcz080 684 cpuはSH-4のようだ。正直良く分からん。 ただ、IDコード等の表示があるようなのでもしかしたらこれが パスワードなのかもしれん。 昔CDナビの時代に修理から上がってきたナビに検査用CD-ROMが 入ったままの事があった。 これにはメニューのみで地図データーは入っていなかった。 ちなみに、SMOONAVIのスクリーンデーターは bmpみたい。解凍して、拡張子変えるとそのまま いろんなアイコンらしき画像見える。 687. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/13(月) 23 45 46 ID IPeWMfqM0 クラの勇者あらわる・・・か。 期待してます! 688. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 01 26 47 ID 0d9Y7O6N0 MAX670(OEM)だが、 とりあえず、虎32Gで 強制 Master Slave CableSelect 試してみたがすべてNG。 VCCは2.1V RESET-は0.5Vぐらい。 678 さんの 情報っぽくなってきた(笑 とりあえず、 1ピン折れとか VCCとRESET-の間に10kΩつっこめとか 正しい対処法が今のところまだ勉強不足中。 チップはJM20330とJMF601ってのが乗ってるw 手持ちの2.5インチHDDをUSBに接続するインターフェースに 虎をつなぐとSlaveモードでしか正しく動かない。 MAX670はもしかしたらSlaveで動いているのかもしれないなー とか考えています。 685 さん SH-4ですか、68系なのかな。 まぁ、そのうち気が向けば分解してみるかもだけどw 689. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 05 37 37 ID adVzBosH0 蔵の760HDは誰でもバイナリーでみれる、 蔵のHPにバージョンアップで置いてあるから。 たぶん、特殊なタッチ方法で出てくると思われ。 憶測なんだがHDDのパスワードは本体のシリアルか、HDDのシールに記載されてる 様な予感。バージョンアップの際メーカーに送るんだけど向こうでは 簡単にバージョンUPしてるから。 蔵は後でパスワード等設定必要らしいから、解除して終わりというわけには いかないだろうし。 マスターのパスワードがわからん。案外単純にClarionだったりしてな。 そんでUSERはシリアル。 まさかね・・・・。 691. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 07 29 21 ID 0d9Y7O6N0 689 さん HDDがないという警告と同時に 8桁の十進数っぽい数字がナビの画面上に表示されるので それで固体を管理しているぽいですけど、 HDDにはそれらしいシールとかは残念ながらないです。 ただ、2桁の数字を黒の油性ペンで殴り書きしてあるだけです(笑 692. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 07 32 11 ID SICRALop0 8桁の数字はたぶんただのエラーコードじゃないの? 693. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 09 00 39 ID 5yBiIJwc0 692 さん 明確に製造番号00000000と書いてあるので エラーコードではないと思います。 694. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 12 00 52 ID 5yBiIJwc0 JM20330 ttp //www.jmicron.com.tw/PDF/JM20330/JM20330.pdf ttp //www.mcuol.com/download/upfile/20080424025139_JM20330_Spec_Rev.%202.3.pdf JMF601 ttp //www.jmicron.com.tw/PDF/JMF60X/JMF601.pdf どうやら、虎の内部は基本SATAのSSDでわざわざパラレルATAにするために JM20330チップを使用しているみたいですね。 まぁ、 ttp //www.transcend.co.jp/support/dlcenter/datasheet/SSD25-JMI%20Datasheet%20v1.03.pdf の6ページにあるブロック図通りですか。 んで、SSDの41番ピン折るやら42番ピン折るやら書いてあるけど どっちも虎のデーターシート上では同じVCC。 SSD基板上で何か機能が分かれてるってことなのかな。(レッツノート依存かもしれないけど) 実機みてみないとわからないけど、 1番ピンをプルアップすればいいらしいことだけはわかった。 695. 539 2009/04/14(火) 13 59 29 ID 0jKPmYrt0 NVX-Z555 1番ピンプルアップで動いていますが、1番ピン折りも試してみた。 結果、普通に動いています。 内部を改造して強制Masterにしてます。 696. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 16 11 32 ID CeOAkOjYO 676 670ではHDD認識してるのか 8700DTはなに入れてもNO HDDになるから 670ってアップデートはHDDメーカー送りだっけ? 8700DTはDVDアップデートだからそのあたりでなんかできればいいけど 697. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 18 45 18 ID 5yBiIJwc0 695 さん RESETnを切断はちょっと勇気無いですw 10kΩでプルアップの方向で今夜やってみますね。 雨でいちいち駐車場まで行くのが億劫だけど(笑 696 さん 8700DTは他のHDDやSSD問わず全部はじくのですか、 MASTERとかSLAVE,CSとかの設定ではなくって、 特定の型番のデバイスしか無理ってことですかね・・・ そこまでくるとやりすぎって感はありますね。 ん〜HDDがスピンアップしてるようであれば、Reset不良でなくって 型番読んで判別してるかも・・・ もしアップデートファームウェアのバイナリがDVDに入ってる場合、 リスク高いですけどそこからHDDの型番検索して・・・ MAX670はファームウェア側に閏年のバグ(2008/4/30日がカレンダーにない) を持ってる機種があり、アップデートCDを電話すると送ってくれた らしいのですが、最近電話すると破棄したのでもう無い とか言われてしまったらしいです。(そんなもん破棄するなんて メーカーとしてはどうかとは思うがw) 個人的には欲しかったのですけどね・・・ 地図のアップデートは・・・よくわかりません。 MAX760のアップデートみてみましたけどヘッダみると確かにSH-4っぽいですね、 ROMICEで開発してるのかなーとか、保守モードの入り方はちょっと見たけどよくわからなかったです。 698. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 18 57 36 ID 5yBiIJwc0 AVN05APL.254 をメモ帳で開くと S \_WMODE.KEY TOSHIBA MK1620GAP TOSHIBA MK2027GAC TOSHIBA MK3029GACE TOSHIBA MK4036GAC TOSHIBA MK4036GACE とか気になる文字列がありますね。 699. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 20 28 17 ID sxaeF2fw0 697 SSDは試してないけどHDDは何台か試した FUJITSU(古いのから比較的新しいものまで)3台に HITACHIの7200rpm、TOSHIBA 6台くらいかな 全部NO HDDって出た マスタースレーブ設定はしてないからなんともいえないけど 本体側に細工がしてあってもあまり関係ない気がするんだけど 前にもカキコしたけど8700DTはHDDには地図のデータしか入ってないっぽい HDDなしでもナビ機能以外は使えてるので(DVDの再生もできる) 今年になって地図部分のみの更新があったから この更新DVDで何かわかればいいんだが・・・・高いから買う予定なしw クラのスレには認識させるのにドライバがいるって書き込みがあるけど このあたりもちょっと気になるんだよな 700. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 20 29 42 ID sxaeF2fw0 追加 >ただ、2桁の数字を黒の油性ペンで殴り書きしてあるだけです(笑 うちのHDDはペンで32だか16って大きく書かれてた 意味はまったく不明だけど 701. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 20 41 42 ID sxaeF2fw0 連続カキコすまん 683 760とかの裏モード たぶん販売店用メニューだと思うけど クラのページにマニュアルが落ちてるな 8700DTで使えるか試してくる 702. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 21 04 45 ID sxaeF2fw0 販売店用はジャイロ設定とかだった HDD情報内に製品コード8桁、シリアル番号8桁、確認コード4桁あるから 次の休みこのあたりを攻めてみるか しかしアゼストの方法試してたら地図サイズで100mや50mでも なが押しするとさらに細かくサイズが変更できたんからちょっと驚いた 今回はじめて知ったし・・・ 703. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 21 08 09 ID 5yBiIJwc0 MAX760のアップデートの中身みてますけど OSは スーパーHファミリ用リアルタイムOS [HI7750/4] ttp //japan.renesas.com/fmwk.jsp?cnt=hi7750_4_tools_product_landing.jsp fp=/products/tools/os/itron/hi7750_4/ っぽいですね。 みてもよくわからんけど構築ガイドみたいなのもあった。 ttp //documentation.renesas.com/jpn/products/tool/apn/j502176_hi7750_4.pdf ROM-ICEで開発したのなら、多分こういうのを使ったんだと・・・推測の域。 ttp //www.computex.co.jp/products/pdf/summary_pdf/nextice/nextice_sh4_gaiyou.pdf ttp //www.computex.co.jp/products/pdf/technical_pdf/jtag_sh_4_gijutsu.pdf 699 さん おそらくはファーム内に認識可能なHDDの名前リストが あって、それ以外では認識しないのかなと推測しています。 MAX760には 698 のようなリストが入ってました。 ちなみにすべて車載用HDDでした。 あと、FATアクセス用のライブラリっぽいのもありましたけど、 メモリーカード用なのか、HDD用なのかは不明。 まぁでも汎用的なフォーマットの可能性は高い気がします。 704. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 21 19 57 ID 0Kr74C7D0 販売店メニューの中でたぶん詳細3回広域3回押すんじゃない? たぶんね。 このコマンドはアゼスト時代から有名だから。 設計専用モードに移行するのかも? 漏れも8700DT使ってる。 残念ながら車両から取り外してる。 705. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 21 23 10 ID sxaeF2fw0 704 ぇ 販売店用メニューのほうかよ 設定画面だと思ってた ちょっと走ってくるわ って詳細3回広域3回って詳細3回押して広域3回押せばいいのか? どっかには1秒以上って書いてあったが 706. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 21 47 16 ID 0Kr74C7D0 そうそう。 期待しないでくれ。 でもどこかの画面で押すんだと思う。 詳細3回 広域3回押すんじゃない? バイナリーで見ると設計専用モードの項目のあとにビーコン等の設定があるから 初期設定の画面にてやるような予感。 憶測ですまん。 707. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/14(火) 22 28 01 ID sxaeF2fw0 いろいろやったけど出ないや もうちょっと調べるか 708. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/15(水) 00 49 39 ID RHJzwB0e0 いろいろ試してみたが、 とりあえずMAX670で虎が認識した。 ただ、一般的に言われる1ピンをプルアップして折る手法。 で強制マスターにすると認識するが、 RESETn(1ピン)を6.8kΩでプルアップしただけでは 動作しなかった。 RESETnがナビ本体と連動しないので今のままでは不具合が出る可能性はあるが とりあえず、MAX670がどんなHDDやSSDでも認識する可能性を持っていることは 現時点ではっきりとした感じ。 まぁ、もう少しRESETnの電圧を見るなり何なりして調べてみますけど。 あとはBusHoundかBusTraceで監視しながらA-FFでATAパス解除すれば いけるかなーって感じです。 709. 83 2009/04/15(水) 01 00 48 ID ou2XtpXq0 夜遅くまで乙です。 MAX560と、空になってしまった(w)MAX760のHDDは持ってますので、検証作業ぐらいは 協力出来ると思います。 がんばって下さい! 710. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/15(水) 01 05 48 ID YsJxoInd0 傍観者だけど、みんなすげぇチャレンジャーだな。 このスレのレポート、見てるだけで面白すぎる。 711. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/15(水) 02 34 22 ID RHJzwB0e0 MAX670+虎で 6.8kΩプルアップ時のRESETnの電圧を測ってみたけど 4.85VあったのでRESETnに問題はないと思う。(VCCからのプルアップなので 電圧が高いが、USB接続のケースに入れてパソコンで認識を確認済みなので虎自体は動いてると思う) でも、なぜかMAX670では認識しない・・・ 0.1uFぐらいのコンデンサをプルアップ抵抗と並列に入れて駄目なら、ナビの再起動はおそらくできなくなるけど、 やはり1Pin切断してRESETnを分離するしかないかも。 ナビの再起動なんて滅多に使わないだろうし。 多分、SATA→パラレルATAに変換する過程があるので SSDのRESETに時間がかかってしまって ナビから送られてくる最初のコマンドを取りこぼしてるのではないかと・・・ というのはあくまで推測。 なんかレッツノート+SSDの跡を追ってる気分ですね。 712. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/15(水) 07 53 55 ID RZmJ3MNP0 707 お疲れ様です。 バイナリーで見る限り、どっかにパスワードあると思うけどね。 いまいちわからん。 HDDのシリアルで判別しているとおもわれる。 後はマスターのパスワードだろうと思うんだが・・・ 見ている感じでは分からない。 713. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/15(水) 20 25 15 ID uybtpUgD0 712 ってか、外れたドライブを入れてブートするとパスワードロックがかかるなら、必ず内部にヒントか答えがあるはず。 ナビのブートシーケンスからトレースしていけば、わかりそうな気がするが。 741. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/17(金) 11 45 43 ID uvzvXQSc0 蔵だけど、本体シリアルなくてもバージョンUP可能らしい。 仕事上メーカーに聞いてみた。 と、言うことはHDDのシールに記載されてる予感。 もしくは、シールの番号に何か数字等プラスするかとおもう。 ロジアナ壊れてた。 732 さんのロジアナ素敵。 742. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/17(金) 12 02 53 ID Ma1Ajw6A0 お騒がせしてすみません、 目的としては個人的に使用しているナビのHDDの寿命がくるまえに 動作速度の高速化も見込んでSSDに移し替えるため、 またその過程を楽しむために 自己責任でもって作業をやってます。 一応、UPした路地穴の写真は 自分で適当にパスワードロックをかけた虎のSSDに対して わざと間違えたパスワード(12345)でUNLOCKコマンドを送って 路地穴でIDEケーブルに流れる信号を受信させて トリガ条件があってるかどうかとか ちゃんとATAの仕様通りになってるかどうか、確認した物ですので 法的には何ら問題ないかと認識しております。 この後、実際にMAX670に路地穴を繋いでパスワードを取得する作業を 近々行うつもりですが、 "予め有志のWikiをくまなく読んでます" ので法的に問題のありそうな部分については公開するつもりはないです。 まぁ、実際パスワードわかったとしてもSSDで動く保証なんてないですし、 またさらなる難関が立ちはだかるかもしれません。 もし動けば、どれくらい体感に差が出るとか再起動したらどうなるとか レポートできたらいいかなーと考えてます。 751. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/18(土) 12 02 33 ID FJ4gTIxW0 とりあえずMAX670の結論からすると どうやらHDDの型番を見ているようです。 SSDとか非正規のHDDつなぐとATAの0xECコマンドを6回連発して終わります。 多分、 698 みたいなリストが蔵のファームウェアのほとんどの機種に 入っているのではないかと思います。 ここまでくるとファームウェアUPDATEバイナリを入手してパッチあてるか、 MODチップみたいなもんを自前で開発してSSDの型番を電気的に偽装するかしか 方策がなくなってきますね・・・。 うーむ、気晴らしに ちょっと走ってくるか! 754. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/18(土) 21 15 32 ID FJ4gTIxW0 路地穴使って MAX670のパスワードわかりました。 MAX670の中ではUSERのみのチェックでした。 んで、パスワード解除した状態でナビにつなぐと "HDDを読み込めません"と出てパスワードの復帰も行わずでした。 再度パスワードを設定してナビに刺すと正常に起動 ってな感じです。 HDD形番チェック(IDENTIFY DEVICE (ECh)コマンド発行) ATAパスチェック(なんか2回SECURITY UNLOCK (F2h)コマンド発行してチェックしてる模様) ATAパス自動復帰なし 虎のSSDはそのままでは多分リセット処理が遅くて認識しない 結果として堅固なナビです;;。 SSD化したい人には地雷w この後は同形式のHDD入手してデュプリして動くか試してみたいと思います。 HDDの中身についてはそのときに調べてみたいと思います。 あーそれからJMF601のファームって書き換えたりできるんですかね?^^; 755. 83 2009/04/19(日) 01 45 25 ID TJpHIRgQ0 754 乙でした。 パスワードはクラリオン全機種共通という感じですか? それとも形式毎に違うという感じなのでしょうか。 さすがにシリアル番号毎に違うと言うことはないと思いますが。 759. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/19(日) 10 17 52 ID KMTFt7WP0 755 さん あまり詳しくは言えませんが、 見る限りではちゃんとパスワードとして成立しそうな 全く関係のない値が仕掛けられているような気がします。 ATAの仕様ではパスワードの長さは32Byte"固定"。 使用できる値は00h〜FFhまでです。 754 さん 確かに誤字かもしれませんが、 MAX670は難易度が高いような気がするって意味合いで捉えて頂ければ 的を得てるかなと思います。 まだ動かす手段が全くないわけでもないのですが、 要求されるリスクと技術のレベルが高くなりそうなので・・・ってな感じです。 760. 759 2009/04/19(日) 10 22 38 ID KMTFt7WP0 正: 756 誤: 754 自分にレスしてるしw 763. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/19(日) 18 06 36 ID bpkvmyGv0 路地穴使ってパスワードを抜いたあと、UNLOCKしたHDDの中のデータをいじるくらいか・・・ ここまでわかったこと自体、かなりすごい成果だと思います。何にしても乙でした。 772. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/21(火) 18 25 33 ID xp5BhvqP0 あーなんか IDENTIFY DEVICE (ECh) コマンド仕様眺めてると 128WORD目にSecurity statusて項目がある。 もしかして、EChでHDDの型番チェックじゃなくって ATAパスワードかけてるかどうか みてるだけかもしれないとか 思い始めた・・・MAX670まだ可能性はあるかもしれない。 773. 名無しさん@そうだドライブへ行こう 2009/04/21(火) 20 39 28 ID 2cHvm3250 772 バスアナライザ噛ませて調べているなら、データ横取りしてそこだけ書き換えてどうなるか試してみれば? Total来訪者 - 本日 - 昨日 -
https://w.atwiki.jp/lore0914/pages/23.html
俗に「オケピ」と略されることもある、主にバレエやオペラなどの楽器演奏を伴う舞台において、客席とステージとの間に設けられる演奏用のスペースを指す言葉は何でしょう? オーケストラピット フランス語で「国家への一撃」という意味がある、武力などの非合法な手段で政権を奪うことを何というでしょう? クーデター 人間の臓器のうち、消化液やインスリンなどのホルモンを分泌するものは何でしょう? 膵臓 競泳で、スタート後に潜水で進んでいい距離は何m以内と定められているでしょう? 15m 野球用語の「ゴロ」は元々何という英語が転じてできた言葉でしょう? グラウンダー 英語では「人参と棒」を意味する言葉で呼ばれ、ドイツ帝国の宰相ビスマルクがとった政策を評した言葉がその最初とされる、厳しい弾圧と譲歩を併用することを意味する慣用句を日本語では何というでしょう? 飴と鞭 アメリカの二大政党の1つ「共和党」のシンボルマークとなっている動物は何でしょう? ゾウ 関門海峡の「門」の由来である、現在は福岡県北九州市の区の名前になっている地名は何でしょう? 門司(もじ)(*1) 海外の人気ファッションブランドで、ジョルジオ・アルマーニ、グッチ、フェラガモといえばどこの国のファッションブランドでしょう? イタリア 高校野球の優勝旗のうち、いわゆる夏の甲子園のものをその色から通称「何の優勝旗」というでしょう? 深紅(しんく)の優勝旗 ゴルフクラブの3番ウッドのことを、そのヘッドの形状がある食器に似ていたことから何というでしょう? スプーン イタリア語で「小さい」という意味を持つ、フルートの派生楽器は何でしょう? ピッコロ 「細長い布」を意味する、インドなど南アジア地域の女性が着用する民族衣装は何でしょう? サリー 「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じ意味のことわざで、虫へんの漢字を2つ使って「何取らず」というでしょう? 虻蜂取らず 大相撲で関取衆が土俵入りする際に着用する、金銀の刺繍などを施した前垂れが付いた儀式用のまわしを何というでしょう? 化粧まわし 第二次世界大戦の沖縄戦で多数の犠牲を出した沖縄師範学校女子部と第一高等女学校による学徒隊を弔った、沖縄陸軍病院第三外科の壕跡に立つ慰霊碑のことを、その学徒隊の通称から「何の塔」というでしょう? ひめゆりの塔 オーストラリアの先住民のことを「アボリジニ」といいますが、ニュージーランドの先住民のことを何というでしょう? マオリ スコットランド民謡『オールド・ラング・サイン』を原曲とする、日本では『NHK紅白歌合戦』のエンディング曲などでお馴染みの、稲垣千穎作詞の唱歌のタイトルは何でしょう? 『蛍の光』 ボウリングで、フレームの1投目にヘッドピンが倒れ、残りの2本以上のピンが隣接しない状態で残ることを何というでしょう? スプリット 中世ヨーロッパにおいて、都市の商工業者間に結成された職業別組合を何というでしょう? ギルド 女声3部合唱におけるソプラノとアルトの中間の声域のことを、「中間」を意味するイタリア語を使って一般に何というでしょう? メゾソプラノ 日本の都道府県で、1937年に日本初のプラネタリウムが設置されたのはどこでしょう? 大阪府 気象庁が発表する情報で、注意報、警報よりもさらに警戒すべき度合いが高い、数十年に1度の甚大な被害が予想される気象現象について発令されるものを何というでしょう? 特別警報 日本語では「高精細度(こうせいさいど)マルチメディアインターフェース」という、テレビやHDDレコーダーなどの間でケーブルを介して映像や音声をデジタル信号で伝送するための標準規格を、アルファベット4文字の略称で何というでしょう? HDMI 元々は一人前の特に立派な男子を指す言葉で、転じて、しっかりしている状態、問題ない状態などを指す言葉は何でしょう? 大丈夫 英語では「ケトルドラム」などという、音程の異なる複数台を1組としてオーケストラなどで使用される打楽器を一般に何というでしょう? ティンパニ 平たい容器に薄く張った牛乳に1滴の雫を落とした時に、落下点を中心に美しい形状の跳ね上がりが生じる現象のことを、それがある装飾品に似ていることから一般に何というでしょう? ミルククラウン 日本では1974年に熱海駅に設置されたものが最初である、鉄道駅のホームに設置される可動式の開口部を持った仕切りを和製英語で何というでしょう? ホームドア 1284年6月26日、130人の少年少女たちが笛吹き男に連れ去られたという伝説がある、ドイツ・ニーダーザクセン州の都市はどこでしょう? ハーメルン 日本語での物の数え方で、琵琶、琴、鏡、テニスコートを数える時に共通して使われる助数詞は何でしょう? 面 ゴルフで、打球が利き手の方向に大きく曲がって飛んでいく球筋を英語で何というでしょう? スライス 卓球のラケットの持ち方を大きく2つに分けると、ペンホルダーと何でしょう? シェークハンド 印刷物を仕上げる際に、仕上がりサイズに裁断するための位置を示すマークのことを、その形がある昆虫に似ていることから何というでしょう? トンボ ギリシャ語で「行く」という意味がある、電荷を帯びた原子または原子団のことを何というでしょう? イオン インドの国技・カバディは、1チーム何人で行われるスポーツでしょう? 7 アンデルセンの童話『親指姫』で、親50指姫が生まれたのは何の花の中からでしょう? チューリップ オリンピックの陸上競技種目の中で、50kmという最も長い距離で行われる種目があるのは何という競技でしょう? 競歩 1955年にイギリスの精神科医ジョン・トッドによって命名された、自分の体や周囲の物体の大きさが実際とは異なって感じられることを主な症状とする症候群を、ある文学作品のタイトルから何症候群というでしょう? 不思議の国のアリス症候群 1980年代後半にソビエト連邦のゴルバチョフ政権により進められた政治体制の改革運動のことを、「再構築」という意味のロシア語で何というでしょう? ペレストロイカ 英語圏においては熱力学第二法則(*2)を説明する際の比喩にも用いられる、マザー・グースに登場する卵を擬人化したキャラクターは何でしょう? ハンプティ・ダンプティ 日本ペンクラブの初代会長を務めた、代表作に『若菜集』『破戒』『夜明け前』などがある小説家は誰でしょう? 島崎藤村 古代中国の前漢と後漢の間の時期に、約15年だけ成立していた王朝は何でしょう? 新 女性文芸誌『青鞜(せいとう)』の創刊号に寄せた「元始、女性は実に太陽であった。」という言葉で知られる、市川房枝らとともに新婦人協会を設立した女性解放運動家は誰でしょう? 平塚らいてう 春の七草で、スズナは蕪のことですが、スズシロといえば一般に何と呼ばれる野菜のことでしょう? 大根 能や狂言で、主役を務める人のことを何というでしょう? シテ 日本では柳屋本店のものが有名な、強い固定力と艶のある仕上がりが特徴の油性の整髪料を、ラテン語の「りんご」や「果実」を意味する言葉から何というでしょう? ポマード 専門的には「両親媒性物質(りょうしんばいせいぶっしつ)」とも呼ばれ、水と油にそれぞれなじみやすい部分を併せ持つことによって表面張力を下げる性質を持つ、一般的な洗剤の主成分となっている物質を総称して何剤というでしょう? 界面活性剤 サンリオのキャラクター「ハローキティ」のボーイフレンドの名前は「何・スター」でしょう? ダニエル・スター 馬子(まご)(*3)が問屋へ荷物を取りに行くついでに他の荷物を届けて手間賃を得たことから、あることのついでに他のことをすることを「行き掛けの何」というでしょう? 行き掛けの駄賃 天守が国宝に指定されている5城のうちの1つで、別名「烏城(からすじょう)」ともいう長野県の城は何城でしょう? 松本城 フランス語では「集合住宅の管理人」という意味の単語で、ホテルやマンション、デパートなどで利用者の様々な要望に応えたり、案内に対応したりする職業を何というでしょう? コンシェルジュ 英語で「光沢」といった意味がある言葉で、唇や髪などに光沢をもたらす化粧品を総称して何というでしょう? グロス 商売が流行らない様子を表す「閑古鳥が鳴く」の「閑古鳥」とは、何という鳥のことでしょう? カッコウ メキシコのハリスコ州周辺でのみ製造が認められている、リュウゼツランの樹液を原料に作られる蒸留酒は何でしょう? テキーラ 1950年に始まった朝鮮戦争への在日米軍出兵に伴い、日本の防衛力が低下することを憂慮したGHQがその発足を指示した、現在の自衛隊の起源となった組織は何でしょう? 警察予備隊 最高峰はアネト山である、スペインとフランスの国境にそびえる山脈は何山脈でしょう? ピレネー山脈 1979年にユネスコの世界遺産に登録され、名物のオムレツ料理でも知られる、フランスのサン・マロ湾に浮かぶ小島に位置する修道院は何でしょう? モン・サン・ミシェル 世界最大の島であるグリーンランドはどこの国の一部でしょう? デンマーク王国 1921年に光電効果の解明によりノーベル物理学賞を受賞した、ブラウン運動の解明や相対性理論の発見などの功績でも知られるドイツの物理学者は誰でしょう? アルベルト・アインシュタイン だし汁に醤油や砂糖、みりんなどを加えて作られる、関東風のすき焼きや柳川鍋の煮汁として使われる調味料は何でしょう? 割下(わりした) インドネシアの首都・ジャカルタがある島は何島でしょう? ジャワ島 小倉百人一首に収められた和歌「この度は幣(ぬさ)もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」を詠んだ、現在では学問の神様として天満宮などで祀られている平安時代の政治家は誰でしょう? 菅原道真 現在はドイツ・ブランデンブルク州の州都である都市で、1945年にアメリカ、イギリス、ソ連の3か国により第二次世界大戦での日本の降伏条件などを決定する会談が行われたことで知られるのはどこでしょう? ポツダム 唐から帰朝した最澄が805年に日本に伝え、日本では比叡山延暦寺が総本山となっている仏教の宗派を、一般にその発祥地である中国の山の名を用いて何宗というでしょう? 天台宗 化学式はC5H12N2O2で、シジミに含まれる健康成分として近年サプリメントなどに使用されているアミノ酸の一種は何でしょう? オルチニン 1895年の下関条約により日本に割譲されるも、いわゆる三国干渉によって清に返還された、現在の中国・遼寧省にあり旅順や大連などの都市が位置する半島を音読みで何半島というでしょう? 遼東半島 元々は「サイコロを振って出た目のままに行動する」という意味だったとする説がある、いいかげんであることを意味する仮名4文字の言葉は何でしょう? でたらめ 大相撲の観戦席の一種として設けられている、四角く区切られた枠の中に4人分の座布団を敷いた座席のことを何というでしょう? 升席(ますせき) 1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が制定し、現在有効な飲食物に関するものとしては世界最古とされる法律を、その対象となっているある飲み物の名をとって「何純粋令」というでしょう? ビール純粋令 江戸時代の三大改革のうち、上知令、株仲間の解散、人返し令などの政策が行われた、老中・水野忠邦の主導による改革のことを一般に何の改革というでしょう? 天保の改革 仕事などが始めたばかりで不慣れである人と、その年に収穫したある穀物という2つの意味を持つ漢字2字の言葉は何でしょう? 新米 バレーボールで、リードしているチームの得点が8点及び16点に達した時に自動的に取られるタイムアウトのことを、特に「何タイムアウト」というでしょう? テクニカルタイムアウト 自己抗体の過剰な産生により甲状腺ホルモンが多量に分泌され、眼球突出や動悸などに代表される様々な症状が現れる病気を、これを発見したドイツ人医師の名前をとって何病というでしょう? バセドウ病 男性はパジ、女性はチマをはく時に上着として着用する、朝鮮半島に伝わる民族衣装は何でしょう? チョゴリ 「薩長土肥」と称される藩のうち、山縣有朋、木戸孝允、伊藤博文らを輩出したのは何藩でしょう? 長州藩 1963年に九州地方初の政令指定都市となったのは何市でしょう? 北九州市 「為せば成る為さねば成らぬ成る業を成らぬと捨つる人の儚き」(*4)という歌を詠んだことで知られる、甲斐武田家第19代当主を務めた人物は誰でしょう? 武田信玄 タラの胃袋を唐辛子やニンニクなどを合わせた調味料に漬け込んで作る韓国の珍味を、日本では一般的に何と呼ぶでしょう? チャンジャ 先史時代の壁画が見られる「ショーヴェ洞窟」や「ラスコー洞窟」があるのは、ヨーロッパの何という国でしょう? フランス リラダンの小説『未来のイヴ』がその言葉を用いた初めての作品とされ、Google社が開発しているスマートフォン向けOSの名前にも使われている、「人造人間」を意味する言葉は何でしょう? アンドロイド クラミドモナスやミドリムシに見られる、推進力を生み出す毛状の細胞小器官のことを日本語で何というでしょう? 鞭毛(べんもう) 環状に並んだ巨石とそれを囲む土塁からなる、イギリス南部ソールズベリーにある先史時代の遺跡は何でしょう? ストーンヘンジ ローマ神話のユーピテルにあたる、ギリシャ神話の主神は誰でしょう? ゼウス 三姉妹の岩、妖精の煙突、キノコ岩などの奇岩や、洞窟や地下都市の遺跡が存在し人気の観光地となっている、トルコのアナトリア高原東部に位置する地域を、その一帯の古名から一般に何と呼ぶでしょう? カッパドキア 皆既日食において、太陽が月にすべて隠れる直前と、再び太陽が現れた直後にだけ見られる、月の影を環状に囲むコロナの1ヶ所だけが強く輝いて見える現象を、それがある宝飾品のように見えることから何というでしょう? ダイヤモンドリング セルビアの100ディナール紙幣にその肖像画が描かれ、磁束密度の単位にもその名を残している、自身の名を冠したコイルなど数多くの発明を行い「エジソン最大のライバル」といわれた発明家は誰でしょう? ニコラ・テスラ 気象庁の予報用語で、「朝」とは午前6時頃から午前何時頃までの時間帯を指すでしょう? 午前9時頃 童話『ブレーメンの音楽隊』で知られるブレーメンとは、どこの国の都市でしょう? ドイツ ラテン語で「永遠」を意味する「アイオーン」を由来とし、千葉市美浜区に本社を置く大手流通企業グループのサービスブランド名は何でしょう? イオン 別名をアミノエチルスルホン酸という、タコやイカの神経組織や大正製薬の「リポビタンD」などに多く含まれる物質は何でしょう? タウリン 「広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ」という文から始まる、1868年に明治天皇が公布した明治政府の基本方針を示した5つの条文を何というでしょう? 五箇条の御誓文 マルコ・ポーロの『東方見聞録』で「世界に類を見ない美しい橋」と紹介されたことから西洋では「マルコ・ポーロの橋」と呼ばれ、1937年に日中戦争の発端となった事件が起きた場所としても知られる、中国・北京市の橋は何でしょう? 盧溝橋(ろこうきょう) 主に動きやすくすることを目的に、スカートに入れる折り目やひだのことを英語で何というでしょう? プリーツ 裁縫で、縫い針の頭を押すために指先にはめる、革や金属で出来た用具を何というでしょう? 指貫(ゆびぬき) 1986年にヒットした女性歌手・ややの曲のタイトルにも使われている、主にバブル期の日本のブティックにおいて、その店の商品を着て客に応対する販売員を指した言葉は何でしょう? ハウスマヌカン 1654年に来日し、黄檗宗(おうばくしゅう)と呼ばれる仏教宗派の祖となった、ある豆の和名にもその名を残す中国・清の僧侶は誰でしょう? 隠元(いんげん) 日本100名城では88番目に指定されている、弥生時代の大規模な環濠集落跡である佐賀県の遺跡は何遺跡でしょう? 吉野ヶ里遺跡(*5) ダイヤモンドのことを、その硬さから日本語では「金」を使った漢字3文字で何というでしょう? 金剛石(こんごうせき)
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/6055.html
6,スタートライン 果たして中庭で待っていた古泉は開口一番に、 「緊急事態です」 と言った。微笑み、手には湯気の上がる紙コップの安コーヒーを二つ持って。一つを俺が受け取ると、少年はテーブルを挟んで対面に座った。 その様子と台詞が余りに俺の中で食い違う。「藪から棒に何を言ってやがるんだ、お前は」なんて言葉を俺は寸での所で飲み下して、ソイツの二の句を待つ。古泉はまるで焦っている様子も無く、のんびりとコーヒーに息を吹きかけてから口に運んだ。 「ゆったりコーヒー啜ってられる間は緊急なんて言葉を使うな。その内に俺が意味を履き違えるようになったらお前の責任だぞ」 「おやおや、これは責任重大だ。再来年のセンター試験で緊急の意味を問う問題が出ない事を祈りましょう。……まあ、」 少年は右手でカップを握りこんだままに遠くを見つめた。人差し指を伸ばす。 「このままでは今年度のセンター試験はおろか来年すら一生訪れませんけど……ね」 「はあっ!?」 古泉の流し目と人差し指の先を俺は咄嗟に振り返る。ああ、そこにはやはりと言うべきか…………いや、「やっぱりお前か」以外に出てこない。えーっとだな、まあ、その眼と指は当然と文芸部室に向けられている訳だ。 どこに行った、意外性。おい、マジでどこ行った。戻って来い。 そこに居るのは……そうだよ、ハルヒだよ。他の誰だともお前らだって思ってないだろ。俺だってそうさ。前科が有るからこそ疑惑の眼を向けちまう。それが偏見だとも分かっちゃいる。 それでも、二度有る事は三度有る。夏の時は何回だった? 一万五千回くらいだったと思うんだが。そりゃもう一回有っても一つもオカしくない。だが! そんなんで納得出来るか? 出来ないよな? な? 「いえ、結論から言いますと十二月二十五日以降の時間が」 古泉は俺に向けて笑った。 「長門さん曰くどうやら途絶しているそうでして」 「……またか」 古泉のような爽やかな笑みなどまさかまさか浮かべられる筈も無い俺は空を仰いだ。未来を相談しようと言ったヤツが、未来を断絶してどうすんだよ、ハルヒ。 まったく、神様の真意とやらはいつだって雲の上である。 「頭が痛くなってきた。アイツは反省って言葉を知らんのか?」 つい今朝方「涼宮ハルヒの口から反省なんて言葉が出るなんて」と感動したはずなのだが。一歩進んで二歩下がるって有名なフレーズが今の俺ほど似合うヤツもいないだろう。――ちっとも嬉しくない。 「どうでしょうね。それと、貴方は『またか』と仰られましたが初めてのケースですよ。恐らく昨年の夏の終わり、エンドレスサマーを思い返しての発言ではないかと思われますが」 「違うのか?」 「その時との最大の違いはループしていない、という点です。いえ、ループが確認出来ないと言うべきですね」 どういうことだ? 古泉は言い直したが、その前後に何の違いが有るのか俺には正直よく分からない。 「僕も最初に長門さんに時間の断絶を言い渡された時に『あの』八月を思い出しました。タイムリミットが定まっているという共通項、そして幾重にも上書きされた記憶のインパクトがそこへと思考を自然に誘導したのでしょう」 「いや、俺はあの時と何が違うんだと聞いているんだ」 「言った通りです。ループが長門さんのお力をもってすら確認出来ていません」 つまり、どういうことだ? 今回は八月が一万五千回続いたあの時とは訳が違うのか? 勝利条件が明示されてるだけでも気の持ちようは大分違ってくるんだぜ。 「考え方としては二通りです。今、この時がループの一回目である可能性。これならば長門さんのお力でもループを確認出来ない説明が付きます。なにしろ前回が無いのですから。 もう一つは可能性は低いですが、長門さんにも確認出来ない高次の力を涼宮さんが発揮しているというもの。まあ、僕個人としてはこれは無いと思っています」 「その根拠は?」 「簡単な話です。長門さんは十二月二十五日がタイムリミットだと気付いていらっしゃる。そんな方がループの方には気付けないと思いますか? 気付かないのならば両方ともであるのが、この場合の筋です」 古泉は眼に見えて生き生きと話し出す。テーブルの上に身を乗り出して肘を突き、おい、顔近いぞ。離れろ。 「であるならば、これがループの一回目であると僕は考えますね。……さて、何か思い当たりませんか?」 古泉の言いたい事はここまでくれば俺にも理解出来るってなモンで。 「果たして本当に『ループ』なのか、だな?」 「ええ、その通りです」 おいおい、少しづつ話が厄介になってきたぞ。だっていうのに、そんなのにもどこか「いつも通り」だって感想を抱いちまう俺。 我ながらどうかしてるとしか思えないね。 ループでは無い。つまり「次」が無いってことだ。そうなっては緊急性は一気にグリーンからレッドに達する。悠長な事は言っていられないし、世界の終わりも割と現実味の有る話になってきた。 「以上より、ループではないという前提で僕らは行動するべきでしょうね。まあ、具体的に何をすれば良いのかは分かりかねますが。幸いにも時間は有ります。こちらでも地道に探りを入れてみますよ」 こちらでも。つまり俺の協力を当たり前だと思っている訳だ。一年半も付き合っていれば、それが自然になってくるか。でもって俺にだって断る理由は無い。別に世界の為になんて格好良い事を言う気は無いが。 そりゃまあ、えらく現実味の薄い話だがそれでも誰よりもこの俺が動かない訳にはいかんだろう。 「っつーかさ、古泉」 「はい?」 「なんでお前、そんな事知ってるんだ?」 あはは、と小さく笑っても俺は誤魔化されんから大人しく白状しろ。それとも俺には言い出し難い情報源なのか、超能力者? 「いえ、そんな事は。……そうですね、ちょっとした引っ掛かりです。最近の長門さんはどうにも素っ気無い気がしまして。心ここに在らずとでも言いましょうか」 ああ、猫の話か。バックグラウンドで走らせてる分身の術が相当メモリを食っているらしいからな。そりゃ古泉への応対もおざなりにならざるを得ないだろうよ。 どうやら猫と古泉との間における関心の不等号が長門の中で食い違っていないようで俺としちゃ一安心だ。 「それで少し探ってみたのです。いえ、問い詰めてみたと言いましょうか。ああ、勘違いなさらないで下さい。乱暴な事は決してしていません」 いや、そこは疑ってない。大体、古泉では長門によって返り討ちにされるに決まっている。アイツはSOS団最強だからな。地域限定超能力者ではどう足掻いても相手にはならん。 「で、長門がそう言ったのか? 未来が無い、って?」 「……ええ。但し、疑念が二つ。なぜ長門さんは僕らに言い出さなかったのか。そしてもう一つ」 十二月二十五日よりも先が無い。それに気付いた時点で真っ先にアラートを出さなきゃいけないお方が、眼を真っ赤に染めて泣きながら俺に抱き着いて来なければおかしいあの先輩が、しかし何のアクションも起こしていない。 「朝比奈さんの時空通信デバイスとも言うべきそれが、どうやら通信途絶を起こしていないようなのです」 「……は?」 なんだそれ? 未来が無くなっているんじゃなかったのか? 矛盾してるだろ。 「長門さんと朝比奈さんのどちらかが嘘を吐いているというのも考えました……が、そんな事をしてもあの二人に何のメリットも有りません。しかし、何かがおかしい。僕らの認識の何かが確定的に間違っている。そんな気がしませんか?」 古泉は笑顔を崩さない。どちらかと言えば推理を楽しんでいるような節さえ見受けられる。俺は紙コップの中の冷めたコーヒを一息に呷った。 「分からん」 推理小説で言うなら証拠が出揃ってない状態に感じる、あのモヤモヤ。多分、まだ全貌が見えてくるのは先なんだろう。長門が動いていないこと、朝比奈さんが泣き付いてこられないこと。それはつまり、時期尚早って意味なんだと思う。 「つまり、静観なさるおつもりで?」 俺は頭を掻いた。 「こっちもやる事が有るんでな。端的に言えば忙しいんだ。だから、そっちはお前に任せた。信じてるぜ、副団長」 「やる事、ですか?」 紙切れを一枚ポケットから取り出して古泉に見せる。言うまでもないだろうが件の進路調査票だ。実はこれについての相談をこの休み時間にしたかったのだが、まあ、こればっかりは仕方ない。 「この字、涼宮さんですか」 筆跡鑑定人か付き纏い(ストーカ)の二択しか出てこない観察眼を披露された。古泉は生き方をそろそろ見直す段階に来ているんじゃなかろうかと個人的には思う。 未来をよりによってのこの俺に危ぶまれるほど可哀想な超能力者は、真剣そのものの顔で暫しの間ハルヒの字を見つめていた。やがてもう五時限始めのチャイムが鳴ろうかという頃、古泉はようやく口を開いた。 「……ふふっ、なるほど」 だから、どうしてどいつもこいつも説明を省略しようとしたがるのか。推理モノの探偵だったら即クビだぞ、クビ。 「それほど悪いことは起こらないのではないかと。そう思いまして」 はあ? なんだそりゃ? 楽観論も度が過ぎると単なる怠惰になっちまうが、その理解でお前はいいのかい? 「根拠を問われると苦しいところですが。しかしながら状況証拠も量によっては証拠能力を有するものです」 状況証拠? それってのは長門や朝比奈さんがまるで危機感を抱いていない点か? いや、まあ確かに妙と言えばそうだが。 あの絶望と希望の入り混じった十二月を越えて以降、長門に対して俺は全幅の信頼を寄せてはいる。昔ならば何もかもを一人で背負い込んじまっていたあの宇宙人少女ではあるが、今はもう違う。 多少ではあっても頼りにして貰えているんじゃないか、などと――これは自惚れではないと思いたい。 だから何かが有れば俺にも荷物を山分けしてくれるはずなんだ。しかし、今回はそれがない。一人で苦も無く背負える量なのか、それとも最初からその背には荷物なんて載ってはいないのか。出来れば後者だと信じたい。 今度、長門とちゃんと話してみようか。 「ただ、この時期に何も無いとは俺には思えないんだよなあ……」 頭を掻きながら、そうボヤく。と、午後の授業開始五分前を告げる鐘が鳴り、古泉は立ち上がった。聞きたい事は山と有るが、どうやらこの場ではタイムアップらしい。 「そう構えなくとも大丈夫ですよ、きっと」 「無責任な言い方だな。お前らしくも無いぞ、古泉。ついに職務放棄(ストライキ)でも決行する気になったか?」 「ふふっ、まさか」 古泉は顎をしゃくって俺に起立を促す。膝に手を付いて立ち上がる時に「しょっ」と掛け声が出た事はどうかそっとしておいて頂けたら幸いだ。 「僕は信じているんですよ」 「信じる」ねえ。そりゃ良い言葉だ。信じるものは救われるとも言うしな。だが、その対象が俺としちゃどうにも気になる。放棄した責任は一体どこの誰の肩に乗っけたんだよ? あまり長門ばかりに頼るのもどうかと思うぜ、俺は。 「いえ、長門さんでは……と、急ぎましょうか。授業が始まります」 「だな」 未来に本気になると言っておいて、授業に遅刻してちゃ論外だ。次の授業は化学だったか。センター試験で取らない俺にはどうでもいい授業。 いつもならば教科書を目隠しに机に突っ伏す時間でも、今日からは違う。内職に、と佐々木から受け取ったプリントをこなさねばならない。 「涼宮さんが待っていますよ」 別れ際に優男が瞬き一つして(止めろ、気色悪い)言い放った一言は俺の胃の中に何かモヤモヤしたものを植え付けるのに十分なものだった。 咄嗟に反論が口から出て来なかった事が悔やまれる。ぐるぐるした腹ん中は一体どこに吐き出せば……って、あ。 「あーあ……昼飯食うの忘れた」 なるほど、そりゃ腹も落ち着かないってもんだ。 佐々木から貰ったプリント三枚をどうにかこうにか終わらせた所で授業終了まで十分余った。もう一枚やろうかとも考えたが、いや待て。一枚終わらすのに大体十五分弱掛かってるんだから、今からやっても中途半端になるか。 ならばと思考を転換。俺はポケットから折り畳んだ紙片を取り出して睨み付けた。朝から俺を悩ませ続ける紙切れを、俺は勉強をする事で思考から無理矢理に追い出してきた訳だが。 短期目標、中期目標、長期目標……か。よくよく考えれば俺が目を背けているのは自分自身の未来で、つまり自分そのものである。 そんなもんも直視出来ないとはなんともまあ情けないもとうとう極まってきた感が有る。これがまあ、他人が進路に悩んでいるってんなら思わず応援したくなる話にもなってくるんだろう。だが残念、こればっかりは客観的にとはいかないのが現実だ。 流され体質を自認するも吝かではない俺であるが――っつーか、これはSOS団に在籍している時点で否定のしようが無い――流石に自分の未来まで他人に決めて貰うのは違う気がする。いや、「気がする」じゃない。絶対的に間違ってんだ。 そこまで決定力の無い人間は、乱暴な話だがそれはもう人間なんて呼んじゃいけない気すらすんだよな、個人的に。考えなければナイル河に生える水草と大差無いとパスカル先生も言っていらっしゃる。含蓄の有るお言葉だ。 さて、前置きはここまで。なら本腰を入れて考えよう。見つめてみよう、今の自分ってヤツを。 特技は無し。成績も下から数えた方が大分早い。夢なんてご大層な代物は当然と持っておらず、まあ、持っていればもう少し授業や日々の生活にも身が入っていたと思うが。こればっかりは仕方が無いか。無い袖は振れん。 気が滅入るばかりであるが自己分析はまだ続く。家は普通のサラリーマンだから家業を継ぐという裏技は最初から無く、趣味にしたって漫画やゲームといった男子高校生のテンプレート。見事なものだと自分でも思うくらい、多数派から逸脱した記憶がない。 これが俺の現在地、スタートラインである。 やりたい事を探しもせず、自己の根源欲求と向き合いもせず、ただ漫然と生きてきたそのツケは「何者でも無い自分」という至極当たり前に落ち着く。 ――ハルヒの言う通りだった。 俺は適当に適当な大学へと進学し、これまた適当に適当な会社に就職しようと考えている、ザ・適当だ。 いや――ザ・適当「だった」。過去形にするにはいささか以上に気は早いし、そもそも千里の道における一歩を踏み出したくらいで何を大袈裟な、とは自分でも思う。 しかしだ。しかし、それに気付けた今はチャンスなんだ。千載一遇ってのを今使わないでいつ使うってくらいの。 変わろうとするのは、決して悪いことじゃないと思うから。思いたいから。 あと一ヶ月で自分はどうなっていれば良いのか。この学校を卒業する時に俺はどうなっていたいのか。どんな自分でありたいのか。 自分に問い掛ける。決まっている。恥ずかしくない自分でいたい。 それは誰に対して? 親? 妹? そりゃ勿論だろう。家族が自慢できるような「お兄ちゃん」に、なれるんなら俺だってなりたい。顔を合わせては溜息を吐かれるのにだってもう飽き飽きだ。でも、それはそこまで強い欲求じゃない。 そうじゃなくって。 家族じゃなくって。 今……この今を並んで立っている友人と、未来も卑屈になる事無く付き合っていけたらと俺は願うんだよ。変かも知れない。人によってはそんなものは夢でもなんでもないと言うだろう。俺もしょうもないとそう思う。けど、仕方ないじゃないか。 ああ、つまり。 俺の望みってのは。 SOS団と、そしてこの一年半に集約されていたんだな。 7,クリスマス戦線異常アリ 「起立、礼――」 日直が号令を掛けて、本日の授業も終わる。日が暮れるのも早くなって、後一時間足らずで夕暮れが始まるだろう。時間は巻き戻らないなんて常識を俺が儚んでアンニュイになっていると後ろからハルヒに首根っこ掴まれた。 「ぐえっ」 「ちょっと用意が有るから、アンタは少し時間潰してから部室に来なさい。十分くらいでいいわ」 耳元に掛かる少女の吐息は艶かしい。座椅子の後ろ足だけという不安定がもたらす吊り橋効果は鼻で笑い飛ばすとしても。顔のすぐそばにハルヒの顔が有る、その事実。さらさらとした髪が頬に当たる、そんな僅かな感覚が俺に教えること。 涼宮ハルヒは異性である。それもトビッキリの。 それでもコイツは、なんて言葉では誤魔化せないのは距離のせいだろう、きっと。顔が近いのは超能力者の持ち芸じゃなかったのか。そんな抗議を俺がするよりも早くハルヒは離れた。 「そんじゃ、おーばー」 鞄とコートを両手に抱えて少女は教室を飛び出していく。その様に空母から離陸する戦闘機の勇姿を幻視せずにはいられない。きっと廊下はカタパルト加速。周りに衝撃を撒き散らすとこまでそっくりだぜ。 「なんだか、涼宮さん機嫌良さそうだね。良い事でも有ったのかな?」 俺へと近付いてそう言った国木田に向けて首を横に振る。いや、思い当たる節が無いのは本当だ。昨日の今日で機嫌を直しているのがそもそも俺にはクエスチョンなのだから、だったらアイツが上機嫌の理由なんて俺に思いつくものかよ。 「仏頂面がデフォルトの彼女が――廊下を走ってく時の顔見たかい、キョン? すっごい満面の笑みなんだよ。楽しいこと見つけた、って顔中に書いてあった。だから、僕はてっきり君が関わっているとばかり思っていたのだけど」 「お前、俺をアイツの付属機器かパワーアップキットだと思ってんだろ」 「どうかな? その辺りは自分の胸にでも聞いてみたほうが良いんじゃない?」 まるで取り調べでも受けている気分だった。まったく、ドイツもコイツも俺とハルヒの間柄を誤解するのに余念が無いらしい。そんな下らない事に心血を注ぐよりももっと優先するべき事項が有るだろうに。具体的には自分自身の恋愛とか。 「玩具扱いの域をいまだもって出れちゃいないと俺は思っているが」 「いや、遊び友達でしょ」 一体、その前後で何が違うのか。なぜだかオランウータンと人間の遺伝子の差異が一パーセント程しか無いって話を思い出した。だからどうしたってんでもないけどな。論ずるまでもなく猿と人の間には深い溝が有る訳で。 「遊び友達は選べるけど、遊び相手は選べないんだよ。言ってる意味、分かる?」 国木田が言っているのは俺なりに要約するとつまり扱いの差であろう。オブジェクトとして見られているか、ヒトとして見られているか。まったく、何を物騒な事を言っていやがるのか、この友人は。ああ、しかしそうは言っても玩具と友達の違いを説明するにはコイツの発言内容は確かにしっくりとくる。 そうだな。俺もからかわれる側にはなりたくはない。 「ま、ハルヒが俺をどう思っているのかなんざ分からんよ。興味も無い」 「割に良好な関係を築けていると思うけどね。少なくとも傍から見るとさ」 ああ、国木田。そりゃあアレだ。 「ハルヒと他のクラスメイトとの距離が余りに絶望的だから、相対的に俺との関係がマシに見えるだけだろ」 言っても入学し立ての頃とは違いハルヒも結構丸くはなってきている。クラスの女子とも普通に話すようになっているし、俺を通してハルヒに伝言をするなんてのも最近はとんとご無沙汰だ。 友達と呼べそうな関係にはまだ誰も至っていないが、それにしたって時間の問題だろうと俺は勝手に見ている。特に阪中。彼女はどうやらハルヒの事が気になっているらしく何かとよく話しかけていた。ハルヒもそう邪険にしておらず、このままならそう遠くない未来、二人は打ち解けることが出来るだろう。 晴れてハルヒにも普通の友人が出来る訳だ。そうなれば必然、俺の負担も軽減される事だろう。喜ばしい話だ。赤飯の準備をしなければならないくらいにな。 「そうかなあ……ううん、キョンの言う通りかもね」 「ああ、そうだ。なんせ人間ってのは本質的に相対評価しか出来ない悲しーい生き物だからな。落差が大きければマシに見えても無理からぬ話だろ。クラスも部活も同じだから周りがそれを勘違いしたくなる気持ちはまあ、百歩譲って俺にも分からなくはない」 しかもその部活ってのが得体の知れない少人数のクラブだった日には尚更懐疑も深くなろうというものだ。 「だが、それだけだ。誰かが俺とハルヒがデートしてる場面でも目撃したか? 決定的瞬間でもフライデーされたか? いやいや、そんなもん有る筈が無い。以上、証拠不十分で不起訴なんだよ、この案件は」 否定材料は揃っている。人気の無い場所でキスしたとかは……まあ、悪夢って事でアレはノーカウント。誰にだって気の迷いは有るものだからな。 SOS団についてよく知らない人から見れば、そりゃまあデートに見えなくも無いような事も度々している訳だが、しっかし不思議探索のどこに桃色幻想が幅を利かせる余地が有ったと言うのか。 何も無い。そりゃもう呆れ返るほどにな。 「ねえ、キョン。さっきから気になっていたんだけどさ」 国木田が口を開く。ほほう、まだこの俺に恋愛模様を期待するか。無駄だから止めとけと、ああ、一年の頃から何回言っても聞かない奴だ。アサガオの鉢植えを眺めて観察日記に毎度毎度「変化なし」と書き込む時のあの味気無さと良く似たものがこうなると俺の胸に去来する訳で。 「なんでそんなに向きになって否定するのかな?」 「あ?」 向きになってなんていない。そう言おうとしたのだが、口から出てきたのはスモールエーとスモールイーが背中合わせに寄りかかった発音記号でしかなかった。否定の言葉が喉元から先へ出て行かない。それくらいに俺は動転してしまっていたらしい。 「キョン、一つ良い事を教えてあげるよ」 中学から続く友人はお前のことはお見通しだと言わんがばかりにくすりと笑って。 「二重否定は肯定なんだ」 なんて言われてしまった日には俺としちゃ押し黙る他にもう打つ手は残されていなかった。まったく、腹立たしい。 「まあ、全部そうだったら面白いなあっていう僕個人の希望なんだけどね。でも実際キョンだって涼宮さんのことは嫌っていたりしないんだろう? っていうか、多少好意的に見てるよね」 ……ノーコメントだ。どうしても知りたけりゃ司法解剖して心臓を取り出し、矯めつ眇めつしてみてくれ。谷口の顔みたいに油性マーカで落書きしてあるかもしれんぞ。 国木田の追及はそこで終わり、俺はこれ以上傷口を広げてなるものかと教室から退散した。夕暮れにはまだ早い廊下は冬のこの時期であれば壁に凭れ掛かって談笑するような生徒の数も少ない。当たり前だな。誰だって寒いのはゴメンだ。 教室の有るだけマシってなストーブ周辺は人気スポット過ぎて場所取りに苦労するし、部活動をやっている奴なら部室に秘密裏に持ち込んだ暖房器具を利用する。そして俺はもっぱら後者だった。とは言え部室には遅れて来いと言われているんで、どっかに良い時間潰しは無いかと思っていたところ偶然に長門が通り掛かった。 「よう、長門。今帰りか?」 「……そう」 立ち止まり、無表情に俺を見上げる少女。いつもと変わらぬ三点リーダはなんとなく俺を安心させてくれる――って、いやいや。何をころっと忘れているんだ。和んでるんだ。 世界の危機。未来の途絶。ワールドエンド・クリスマス。 長門に聞きたい事は山のように有るじゃないか。ここで会ったがなんとやら。幸いにも人通りは他に無しとなれば、後は寒さに耐えるだけだ。 「あーっと、その聞きたい事が有るんだが」 さて、どう話し始めたものか。いつもならば聞いてもいないのにスラスラと日本語ギリギリのスペース・ミステリを披露するってのが多かっただけに、もしくは解説役の超能力者が同行していた為に、こういうのに悩むってのは珍しい体験だった。 「……何?」 クリスマスに世界が終わるって聞いたんだが、なんてストレートな切り出しでいいのだろうか。それとも「最近どうだ」みたいな外堀から埋めていく感じにするべきか。誰に聞かれているかも分からない場所柄を考えると後者だな。 いや、流石に聞き耳防止策くらいは長門の事だから講じてくれているだろうが。 「最近、どうだ? 何か変わった事はないか?」 時節柄だろう。なんとなく長門に引け目と言うか負い目と言うか、注意して見ててやらないとな、って思いが無かったとは言わない。コイツは人知れず悩むのが常な上に、表情を隠すのが古泉並に得意だ。 去年はSOSを見逃した。だから今年こそは二の轍は踏むまいと決めている。 「貴方は古泉一樹から現状を聞いたはず。それが今の私に教えることの出来る全て」 宇宙人少女は抑揚無く言った。それは確かにいつも通りではあったかも知れない。でも、引っ掛かった。 今の私に教えることの出来る全て――ってのはつまり教えられないことが有るという意味じゃないのか。それに隠し事を教えたくないのならば「貴方は古泉一樹から現状を聞いたはず。それが全て」で済んだだろう。ならばなぜわざわざ長門は言葉を足した? それは「私は隠し事をしていますよ」とそれとなく俺に伝えるためだ。するとまた別の疑問が浮かぶ。なぜこんな回りくどい真似をするのか、って点だ。 長門に制限を掛けられる相手ってのはそう多くない。というか俺は一人しか知らない(果たしてそれを一人とカウントしていいのか分からないが)。 情報統合思念体――長門の親玉だ。 なるほど、つまりこの件には宇宙人の思惑も関わっているとそういう事か。はあ……どうやら古泉のヤツもここ最近めっきり平和ボケしてきたらしい。ったく、なーにが「それほど悪いことは起こらないのではないか」だ。しっかり長門に緘口令敷かれてるっつーの。 「俺に話せない事が有る、って感じか?」 長門は何も喋らなかった。どうやらこれ以上のヒントはコイツの口からは出せないらしい。そんな風に思ってソイツの顔をよくよく見てみれば、いつもと変わらぬ無表情の中にも歯痒さがどことなく混じっている気がする。もしくは焦り。 勿論、こんなのは俺の気のせいかも知れない。人は見たいように見るらしいからな。宇宙人少女の表情学における第一人者を自称するもやぶさかではない俺では有るが、さりとてそれが長門の顔を見て十を知ることが出来るかと言えば、当たり前だが無理な話だ。 谷口みたいに顔に油性マーカで落書きしてあるのとは訳が違うのだ。繊細さもな。 「そっか、分かった」 さてさて、返答も応答も無いせいで、少女の前で独り言をぶつぶつ呟いている怪しい人みたいに俺はなってしまっている――客観的に見れば。 会話とはキャッチボールで成り立つものなのだとしみじみ思う。剛速球でもいい、逆に飛距離が足らなくったっていいから拾ったボールを逐一俺に向けて投げ返してはくれないものかね、コイツも。正直言って間が持たん。 捕り易く、また投げ返し易い球を投げるべきか。 「それじゃ切り口を変える。長門、俺は何をしたらいい? 何をするべきなんだ、教えてくれ」 目的語はあえて省いた。それは言わなくても分かるはずだし、また間違えようもないからだ。 SOS団の今後の為に。それとも俺自信の未来の為に。もしくはクリスマスの破滅を回避する為に。 ほらな、穴埋め候補のどれを目的語に持ってこようと結局、俺が聞きたい肝心要は一緒だろ。でもって、もし目的語を省かなかった場合――長門の口から出る回答には情報規制がかかってしまう可能性が生まれる。網の目をすり抜ける言葉をもって、危機回避の手段をご教授願おうって腹だ。 平たく言や、婉曲表現で回りくどく、核心には触れないように攻めていくしか手は無いってこったな。……今なら爆弾処理班の気持ちの数分の一くらいは分かりそうだ。果たして長門は俺の期待通りにその小さな口を開いた。 「貴方にして貰いたいことが一つ有る」 赤のコードと青のコード、どっちを切るか選んでくれとかそういった内容でないといいのだが。ああ、そんなのは去年の十二月でお腹いっぱいだから、今年は謹んで辞退させて頂きたいモンだ。 「十二月二十四日の午後六時に会って欲しい」 それはもしかしてデートのお誘いかなどと考える間も、赤面する暇も俺には与えられず長門は二の句を次いだ。 「貴方と接触させたい人物が居る」 「接触させたい人物? お前じゃなくてか?」 長門はほんの少しだけ頷いた。ああ、そりゃもうほんの少し。極めて僅か。ここに居るのが俺じゃなければ見逃していたに三千点。 「……そう」 「誰だ?」 「……言えない」 それも口止めされているのかと聞きたかったが、恐らく口止めの事実から口止めされているであろう長門に聞いたところであの気まずい沈黙が廊下を更に寒々しくするだけかと考え至って止めた。これ以上気温が下がったらいつぞやのハルヒを笑えない事態に陥りかねないしな。 しかし、そうは言っても俺だって健康的な高校生男子の類に漏れないのであるからしてこれは大いに気になる。日時の指定がクリスマスイブの午後六時ってのも俺の好奇心に拍車を掛けた。 「えーっと、それは……それってのは」 と、ちょっと待て。これは果たして口に出していいものなのだろうか? 誰かからのデートの申し込みなのか、なんて。気にはなる。気にはなるがしかし、これで長門から「……デートって、何?」とか聞かれたら俺は窓ガラスに全力体当たりして中庭に飛び降りるだろう。 多分、頭から。意識の混濁は願ったり叶ったり。 果たしてそんな危険を侵してまで俺は長門に聞くべきか。いや、普通に考えたら聞いておくべきなんだ、それは。だって、クリスマスだ。しかも本番の、中でも一番「いい」時間帯だ。テレビで言えばゴールデンタイム、日本史で言えば関が原。極々極々個人的な天下分け目で誠に恐縮ではあるが。 「……何?」 少女の瞳は真っ直ぐに俺を見つめてくる。何の躊躇いもなく。昔ながらの奥ゆかしい日本人にはちょっと出来ないその無遠慮な――素っ直な眼差し。 「あー、その……」 当然だが先に眼を逸らしたのも、 「……すまん、なんでもない。男か女かだけ気になってな。その、俺が会った方がいいって人がさ」 ついでに話を逸らしたのも俺だ。だが、大筋は逸らしてないから安心して欲しい。それにここで男だって言われればまあ、十中八九古泉で間違いないだろう。 本音を言えば折角のクリスマスイブにまであのニヤケ面に会いたくはないのだが。 だが、そんな俺の不安と、やっぱりそんなオチだよなって具合の意味不明な安心をもたらすであろう言葉は長門の口からは出て来なかった。 「性別は女性」 顔色一つ変えず言う長門とは対照的に俺は全身にカーっと血が回っていくのを感じていた。いや、仕方ないだろ。クリスマスイブで午後六時に異性と出会えって言われて、これに恋愛的ななにがしかを期待せずにいられるようならソイツはきっと頭がオカしいから病院に早急に行くべきだ。 「お、女?」 「そう」 「ちなみに、そこには長門も一緒に居るんだよな?」 そうだ、二人きりなら何事かも妄想しようが、事これが三人になってしまえばなぜだかは知らんがそんな事は起こりえないのがこの世界のルールであり、不文律である。今だけはそこに感謝しよう。 「……なぜ?」 おや、情報の伝達に齟齬が発生しているぞ、長門。 「いや、だってお前が連れてくるんだろ、誰だか知らないけど、ソイツ。その、俺が会うべき人っての」 「違う」 「え? それはどういう」 「彼女と貴方が出会うその時間、私は別の事を行っている。言い換えるならば――忙しい」 って事は何か? 待ち合わせでもしなきゃならんのか、俺は。誰かも分からん相手と? 俺の認識ではそこに「デート」の三文字がどうしてもピタリと嵌まり込んでしまう。せめて事前に相手くらいは知っておきたいんだが。 情報統合思念体とやらは本当にロクな事をしやがらないな。 「なあ、『それ』って本当に必要なのか?」 「必要」 こう言い切られちまっては、SOS団一の事情通を信じない訳にはいかない俺としては、ああ、初クリスマスデートの相手くらいは自分で選びたかった。それとも選ぶ権利が有るとでも思ってんのか、って皮肉屋の運命の仕業だろうか。 それだけはないと信じたい。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4401.html
今回のこの事件、実行犯は俺だった。ま、種を明かせばそういうことになる。 だが、そううまく事は運ばなかったのだ────、 「誰? 誰かそこにいるの?」 ────なんと、ハルヒに見つかっちまったい。どうすりゃいい? 新・孤島症候群─結末編─ 完全に予想外だった。たしかハルヒは下の階に走っていったと鶴屋さんは言っていた、それが正しければハルヒは一階に行き、三階には来ないはずなんだ。しかし、今のこの状況はそうじゃない、はっきり言おう、アイツには常識どころか既定事項すら通じないのか、っと。 「みくるちゃん? みくるちゃん見っけ!」 ハルヒに指を刺されて固まった表情のまま朝比奈さんはゆっくりとハルヒの方に向く。 別にかくれんぼをしてた訳じゃないんだが……。 朝比奈さんだけなら何とか言い訳も出来たのかもしれない、ハルヒにとって、この事件はただのサプライズパーティなんだからな。 古泉たちが仕組んだ人が消えていくミステリー、朝比奈さんは最初の犠牲者でどこかに隠れている、っということにしておけば、たとえハルヒに見つかったとしても「見つかっちゃいましたぁ、えへへ」で、済んだかもしれない。だが、 「それ……と、……キ、キョン!?」 どこかに隠れようとしてあたふたしている俺に声を掛けた。 そうなのだ、俺は絶対見られてはいけなかったのだ、どう考えてもこの時間にはもう一人俺がいて、今現在、鶴屋さんの部屋のイスに座り込んで居眠りをしているはずなのである。 さて、どうやってこのピンチを切り抜ける? 考えろ、俺。 だが、よくよく考えてみればハルヒが言っていたセリフと鶴屋さんが言っていたセリフに矛盾があったのだ。そう、ハルヒはすでに一階の探索は自分の目で行っていたのだ、多丸さん兄弟と共に。 だとすると『やっぱちゃんと自分の目で探してみなきゃだめね』と言っていたのはそれ以外の場所ってことになる。二階は長門と森さん、新川さんで、三階は俺と古泉が調べたんだ、二階は朝比奈さんがいなくなった時に全員集まって探しはじめた場所だし、ハルヒもその場にいた、ってことは、ハルヒが言っていたのは三階のことになる。だからハルヒが三階を探索しに来るのは当たり前なのだ。 と、言うことは。鶴屋さんが嘘をついているって事になるんだが、一体なぜ? いやいや、今はそんなことを考察している暇はない。俺が二人いるこの状況を、目の前にいるこいつにどう説明すればいいのか考えなきゃならんのだ。下手な説明だと、古泉が言っていた想像したくない結末に向かうかもしれん。 かと言って真実を話す訳にはいかないのが、なんというかコイツのややこしいところなのである。仮に真実を話したとしてもコイツは信じないと思うが、それによって別の被害が発生する可能性があるのは既に去年の映画撮影時に実証済だ。 ハルヒは豆腐とヨーグルトを間違えて食べてしまったような戸惑った表情で立ちつくしている。無理もない、俺が居眠りしている部屋から出て、階上から人の気配がするので見にいってみるとまた俺がいるんだからな。 「お! みくるじゃないかっ、さすがハルにゃん、さっそく見っけたんだねっ」 ハルヒの後ろから鶴屋さんもやってきた。そして俺を見つけると、 「あれ? キョンくん? おっかしいなぁ、いつの間に先回りしてたんだい?」 「あ、えーと……それはですね……」 そろそろタイムアップだ、これからは言い訳を考えながらしゃべらなばならん。 「なんかいつもと違うふんいきだねぇ? 本当にキョンくんかい?」 鶴屋さんは覗き込むようにして俺を見る。偽者じゃありません本物ですよ。と、ここで天啓が舞い降りた、……ふむ、なるほどその手があったか。ありがとう鶴屋さん。 俺は観念したように深呼吸し、ハルヒと鶴屋さんを一瞥すると、 「まあ、見つかっちまったんじゃしょうがない。今この時間には俺がもう一人いるってことになっている」 俺がそう言った瞬間、全員の表情が変わった。ハルヒは何言ってるの? って感じで眉をひそめ、朝比奈さんは驚愕の表情、鶴屋さんはへぇーって感じで興味深そうに目を見開いた。 「どういうことよ? あんたが二人いるって」 予想通り、ハルヒが乗ってきた。 「二人いるってのはつまり、どちらかが偽者でどちらかが本物ってことだ」 考えながら話すのは少々辛かったが、ようやく俺のほうも頭が回転してきたらしく乗ってきた、 「さて、ここにいる俺と下にいる俺とではどっちが本物で、どっちが偽者でしょう?」 ちょっと調子に乗って芝居がかったセリフを言い放つ、さてハルヒはどうでる? などと考えてる間もなくハルヒはつかつかと俺の前に歩み来て、 「い、痛てててっ!」 いきなり左の頬をつねり上げられた。なにしやがるっ! 「ふうん、どうやらその顔は作り物じゃなくて本物のようね、それに声や仕草もいつものキョンと同じだし」 ハルヒは顎に手をやり、頭のてっぺんからつま先までまじまじと俺の姿を眺めながら言う。俺はつねられてヒリヒリするほほを撫でながらハルヒを睨み返す、なんだか品定めされてる気分になって少々不愉快になった。 「おっと、それじゃあここにいるキョンくんが本物で下の部屋で居眠りしてるキョンくんは偽者ってことなのかいっ」 なぜかにやにやしながら鶴屋さんは言う。ほんと、楽しそうですね。 「うーん、どっちかてーとあたしはこのキョンくんの方があやしい気がするにょろ、でもどっからみてもキョンくんなんだけどねっ」 「まさか、ひょっとしてどっちも偽者ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。 おいおい、さらに事態をややこしくするような事を言うなよ。どちらかといえばどっちも本物だ。 「さてね、偽者か本物か、そんなこと正直に言ったらせっかくのサプライズパーティが台無しになっちまうだろ、それよりハルヒ、さっきみたいな強引に偽者か本物かを調べるような行為は自重してくれ。探偵を気取るんなら推理で本物かどうか当てるもんだ」 まったく、俺が二人いる状況をなんとかハルヒに納得させることが出来ても、ハルヒがもう一人の俺に今のような行動を取ったら事態がややこしくなっちまうからな、なんとか釘を刺しておかないと。 「む、それもそうね。みくるちゃんが見つかってこれで解決じゃああまりにもあっけないもんね。それじゃあこれからは二人いるキョンのどっちが本物か見極める推理ゲームをはじめましょ、と言ってもよく考えたらここにいるキョンの方が本物っぽいけどね」 ハルヒは隣にいた鶴屋さんに同意を求めるように言う。 まあ、それはいいんだが、この事件のシナリオはまだ残ってるんだ、そういう事は全部終わってからにしてもらいたいんだがな。 「それくらい解ってるわよ、事件を未然に防いじゃったらミステリーとして破綻しちゃうじゃない、そんなのは推理じゃなくて予知よ、予知。探偵が予知能力なんて使ったらカンニングしてるようなものじゃない」 ハルヒは腰に手を当て、えらそうにレクチャーし始めた。お前の考えなんか今更どうでもいいよ。 あと、俺が二人いるってのはここだけの内緒にしてくれないか、でないと色々と不都合が出て、打ち合わせ通りに事が運ばないんだ、あとこれ以上誰かと鉢合わせするのも回避したいんだが……、といっても残っているのはもう一人の俺と妹だけどな。 「そういうことなら鶴にゃんにまかせときなっ! とりあえず三階に行かないようにすればいいってことにょろね」 そう言って鶴屋さんは胸をドンと叩いた。 なるほど、あの時、鶴屋さんのセリフに矛盾があったのはこういう訳だったのか。 「なんとかやってみるよっ、キョンく……」 そこで鶴屋さんは一時停止したように言葉を止め、 「あたしとしてはまだ本物か偽者か解らないから……んーと、そだっ、言わば少年Kってところだねっ」 一応どちらも本物なんですけど。てか、あの時言っていた少年Kってそういう意味だったんですね。 それじゃあ鶴屋さん、よろしくおねがいします。それと、また後で伺います。 そうして二人は下に降りていった。まるで台風一過のような感覚だ。 朝比奈さんと俺はやれやれって感じで顔を見合わせてほっと胸をなでおろした。 と、そこに急にハルヒが戻ってきて、 「あんた、ちょっと手だしなさい」 なんだいきなり。 「いいからさっさと出すの!」 なんだか解らんがとりあえず右手を差し出した。抵抗しても仕方ない上に理由もなく命令してくるのはいつものことだ。 するとハルヒはポシェットからすばやくサインペンを出すと俺の右手にバツマークを書いた。 なにするんだいきなり! て、おい! これ油性ペンじゃねえか。なかなか消えねえんだぞこれ。 ところで、おまえはいつも油性ペンを持ち歩いてるのか? まさかとは思うが、急にサインを求められる芸能人を気取ってんじゃないだろうな。 と、思ったが、ポシェットからペンを出す時、中に赤いものがちらりと見えた。あれはひょっとして腕章? て、ことは腕章に書き込むためのペンか。 「何言ってるの、見た目そっくりの二人なんだから印つけとかないと紛らわしいじゃないの、推理の途中で入れ替わられたりしたら判断しにくいでしょ」 たしかにそうだが……、それで、何でバツ印なんだ、これじゃ俺が偽者っぽいじゃねえか。さっき、俺の方が本物らしいとをいっていた気がしたが。 「丸でもバツでもどっちでもいいでしょ、ただの印なんだから、それに手のひらには丸よりバツのほうが早く書けるのよ」 そうかい。しかし別に早く書く必要もない気がするが、まあ、手早く行動するのはこいつの特徴だしな。 そうこうしている内に、下の階から扉の開く音が聞こえた。この時間の俺が鶴屋さんの部屋から出てきたようだ。 「あ、もう一人のキョンくんが出てきたみたいです」 階下を覗き込んでいた朝比奈さんがこちらに振り向いた。それを聞いたハルヒがどれどれって感じで階下を覗き込む。頼むからその『俺』に見つからないでくれよ、これ以上ややこしくなっちまったら収拾が付かなくなっちまうんでな。 「わき目も振らず一階にいっちゃいました」 ま、そうですとも朝比奈さん、あの時の俺はまったく周りを警戒せずに一階に向かったんだったな。 「やっぱりどう見てもそっくりね、全然見た目じゃ判断できないわ、まさか双子ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。 恐ろしいことを言うなよ。 話題を変えることにする。「あー、そうだハルヒ」 「なによ」 俺はこの後、二階の俺の部屋潜む予定なんだ、だから推理が成り立ったらその前で披露してもらいたいんだ。そこでちゃんと事件の推理とどっちが偽者なのか判明してくれ。お前の推理が正解ならそこで事件は解決。大団円だ。 「何言ってんの、あたしの推理力なら正解するに決まってるでしょ、間違うなんてありえないわ」 まぁ今回はそのハルヒの推理どおりに事を運ぶつもりだからな、たしかに間違うなんてありえないってのは当たっているがな。だが、いつも思うがその自信は一体どこから湧き出してるんだろうか? とはいえ、自信なさげなハルヒなんてのも想像しにくいが。 そのハルヒも今は一階に向かって階段を降りている。絶対ニセ俺の証拠を見つけ出してやるって背中が語っているようなふんいきだ。まったく、わかりやすいヤツだな。くれぐれもお手柔らかにたのむぜ、本当はどっちも俺なんだからな、軽く脅かしてやるくらいにしといてくれよ。 ともかく、今のところどうにか辻褄合わせだけはうまくいっているようだ、まったく、ハルヒに見つかった時は一体どうなることかと思ったが、考えてみればどうやらこれも既定事項らしい。 俺は手の平に書かれているバツ印を見ながら、今頃一階でビクビクしながらハルヒを探しに行っている過去の俺のことを思い浮かべた。そういや、あのときのハルヒは変によそよそしい感じだったな。らしくないなと思ったが、あの時には既に偽者だと決め付けていたと考えればしっくりと来る。急に夜食作り始めたのも俺を観察するためだったんだろう。 後は鶴屋さんと妹、ラストのハルヒ消失のトリックだけだ。 とりあえず、朝比奈さんが来てくれたからこのトリックも時間移動で間違いないだろう。 妹はどうせ眠ったままだろうからいいとして、問題は鶴屋さんだ、やっぱ眠らせてから時間移動した方がいいのか? それとも事情を話してもいいのだろうか、俺としてはもうすべてさっぱり話しても良さそうなんだけどな。 しかし、ここにいる朝比奈さんはおそらく、鶴屋さんには正体を知られたくないようだ。そして鶴屋さんもどうやらそのことについて感付いているらしい、きっと事情を話し始めても途中で、 「事情なんて堅苦しいことどうでもいいっさ! 要するにあたしは○○しておけばいいんだねっ!」っと言ってくるに違いない。 そんなことを考えながら俺は朝比奈さんと共に鶴屋さんと妹のいる部屋に向かった。 俺たちの今の状況を知ってか知らずか、鶴屋さんは大きなあくびをすると、眠くなったから寝ると言い出した。 どうやら勘の鋭い鶴屋さんは詳しい事情を説明する前に悟ったようだ。後、朝比奈さんが口ごもりながらタドタドしく、 「あたしが急にいなくなって鶴屋さんに心配を掛けてしまったみたいで、あの、えーと、ごめんなさい。えーと、皆いなくなってるのもお芝居だからあの、安心して休んでてください」 と、困った表情で謝りながら言ったからだろう。鶴屋さんもそのしぐさを見て更にニヤニヤした笑みを浮かべてたしな。 で、その鶴屋さんが、そのニヤニヤ顔を俺の方にきゅいっと向けて、 「そこの少年Kくんも一緒に寝るかい? この部屋、セミダブルのベッドが二台もあっから四人で仲良く寝れるよっ!」 とんでもなく魅力的なお誘いだが、さすがにそれは辞退させてもらうことにする。というか明らかに鶴屋さんの冗談だしな。それに俺はまだやらなきゃいけないこともあるんでね。 てなわけで、ここは朝比奈さんに任せることにする。 まあ、予想通り鶴屋さんと妹も未来に時間移動する結果となった。眠っていた妹はそのまま、鶴屋さんは本当に眠っていたのか怪しかったが──ひょっとしたら狸寝入りだったのかも──寝ている隙に朝比奈さんが長門と古泉たちのいる時間につれていった。 しばらくして朝比奈さんが戻ってくると、俺は朝比奈さんを廊下の端の部屋に連れて行った。その部屋は最後に俺とハルヒが入って消えた場所である。 俺は朝比奈さんと最後の打ち合わせをする。内容は俺とハルヒがこの部屋に入ってきたらすぐさまハルヒを眠らせて三人で時間移動をしてもらうことだ。ここで手間取るとこの時間の俺に目撃されてしまうからな。 頼みますよ、朝比奈さん。ここでドジっ娘メイドはやらなくて良いですからね。ま、ハルヒが大声出して俺のことを呼ぶからそれが準備の合図になります。 「わかりました、なんとか涼宮さんに気付かれずに眠らせれるようにがんばります。ちょっと自信ないけど」 朝比奈さんも普段はちょっとドジな部分も有るけど未来からの指令は結構きっちりとこなしているように思う。これは俺の主観的な意見だが、朝比奈さんは集中力があり、どんなことにも一生懸命に取り組む姿勢があるからだろうと思う。 そう言うことできっと朝比奈さんはうまくやり遂げると思う、なので俺がこれから考えなきゃならないのは、その後のハルヒへのフォローだな、さて、どうするかな。ちゃんと考えておかないと、この後のことは完全に未知の領域だからな。 考えながら俺は待機場所である俺の部屋に入った。 とりあえずこの後に俺が話さなければならない会話を思い出しておかないといけないな。一字一句間違いないかどうかは解らんが、大体あってれば良いだろう。 あの時はそんなこと細かく覚えている暇もなかったし、違和感と不条理さで一杯だったからな。 そんなふうに頭の中でシミュレーションしている時だった。 ぐうぅ……。 部屋の隅の方からなにか音が聞こえてきた。ついでに何やら人の気配までする。 おいおい待ってくれよ、ここまで来て話をややこしくするような事態は勘弁してもらいたいんだがな。どこの誰かは知らないが自重してくれ、あと少しでこの事件は収束するところなんだからさ、たのむぜ、で、誰だ? 「やだ、わたしったら、こんな時に……」 その人物がベッドの影から現れた。 頬をちょっと赤らめ、お腹の辺りをさすりながら、 「もうちょっとミステリアスに登場したかったんだけどなぁ、ふふ、お久しぶり、キョンくん」 「朝比奈さん!?」しかも大の方だ。 でも俺としては数時間前に会ったばっかりで『お久しぶり』って感じではないんですけどね。 「あ、そっか、そうだったわね。わたしったら」 ちろっと舌を出し、自分の頭をコツンと叩く朝比奈さん。でもあなたにとって俺と久しぶりに会うんでしたらそれでいいんですよ。そうだとしたら、俺の方がお久しぶりとちゃんと挨拶しないといけない立場じゃないですか。 と、そこでまたもや、ぐうぅ……、っと朝比奈さんのお腹が鳴り出した。 どうしたんです? ダイエットですか? ダイエットなんてしなくても朝比奈さんなら充分ナイスバディですよ。それともひょっとして満足に食事も取れないほど極貧な生活でもしているんですか? なぁんてことを顔を真っ赤にして照れている朝比奈さん(大)に訊ける訳もなく。 「こんな時じゃなかったら一緒に食事でもどうですか? と、言いたいところなんですが……」 今の俺自身、身動きが取れない隠密行動中であり、ふらふらとあちこち出歩くことが出来ない身分なのだ。それは朝比奈さん(大)の方にも言える事であり、お互いに異時間同位体がいるこの時間では隠密に行動するのがセオリーだろう。 「そうね、キョンくんの言う通り、いくら忙しかったからって食事くらいはきちんと取っておいた方がよかったわね、今みたいに隠れてる時にお腹がなったりしたら大変なことになっちゃったかもしれない」 照れ隠しなのか少し早口でしゃべる朝比奈さん、そういや最初の時間遡行の前に食事したっけな。 「そっか、それで無理やり俺に食事をさせたのか……」 空腹じゃいくら気配を殺してもさっきの朝比奈さん(大)のようにお腹の音で誰かに気付かれてしまう可能性があるってわけか。 それもあるが、あの時朝比奈さん(大)はお腹が空いてたってことだったのか。それで普段よりよく食べてたってわけか。なるほどね。 「えーと、今の俺は無理ですが、このあとこの時間の俺となら食事できますよ、朝比奈さん。なんせ俺たち以外誰もいなくなりますからね、気兼ねなしにいけますよ」 ちょっとした提案だったのだが、よく考えてみると朝比奈さん(大)にとっては、俺がここでこう言うって事もすべて既定事項なんだろうか? まぁそんなこと考えたってしかたない、この後この朝比奈さんと食事したから酔い止め薬も飲めたし、大惨事にならなかったんだからな。 「え、キョンくんと二人きりで食事……。うん、そうね、それもいいかもね」 朝比奈さん(大)は、その大人びた姿になっていてもやはり朝比奈さんだ、しぐさにかわいらしさが残っている。それによほど空腹なんだったんだろう、食事と聞いて嬉しそうにしている。 俺だって空腹の時は食べ物のことを考えただけで楽しい気分になるさ、レストランに行ってメニューを見てるときなんて最高だね。 この後少しばかり話をしたが、たわいのない話しか出来なかった、なんせちょっとでも未来の情報に関わることだと禁則事項となってしまうからな。 だが、その中でこの事件について少し訊くことが出来た。 どうやらコレは未来人が主催のサプライズパーティーって事らしい、まぁ、詳しくは話せないらしいが要約するとそういうことなんだそうだ。 それで、なんでこんなことをしようとしたのか? そういうことは古泉たち機関の方々の役目じゃなかったのかと訊いたら、 「あなた達と行動を共にしている過去のわたしは、もう高校三年生、夏休みが終わったら進学、就職、卒業等の準備とかで色々と忙しくなるじゃない、今しか時間に余裕がなかったの。だからもう一度あのバレンタイン間際の時みたいに二人だけで行動するような楽しい思い出が欲しかったのよ」 そりゃ朝比奈さんと秘密を共有して二人だけで行動するってのは、どちらかと言われれば楽しいって方向になるだろう。 でもあの騒動は俺にとっちゃ終始ハラハラの連続で、目の前で誘拐された朝比奈さんを追ってカーチェイスしたり、つじつまあわせに翻弄したり、長門に謝ったり、とあんまりいい思い出じゃないんですが、まあ最後にチョコをもらえたのが救いでした。よく考えたらそれで充分過ぎるほどいい思い出なのかもしれないが。 つまり、とても大変で、その時にはとんでもなく迷惑だった事柄でも、その方が深く記憶に残り、いずれ良い思い出になる、ってことなのか? うーん、そんなことをいわれても俺にはまだピンとこないがな。 記憶と思い出の違いなんてさっぱりわからん。どっちも同じに思えてしまう、良い記憶が思い出で悪い記憶が後悔か? そうこうしている内に、廊下からハルヒの話し声が聞こえてきた。 「さてと、そろそろ呼び出しかな、それじゃ、行ってきますね、朝比奈さん」 笑顔で手を振り見送っている朝比奈さん(大)。 俺もつられて手を振り返した、右手だ。その手の平にバツ印が書かれているのを忘れていた俺は、それを朝比奈さん(大)に見られてクスリと笑われた。 「キョーンっ! 団長命令よっ、今すぐ出てきなさいっ!!」 和やかな雰囲気を打ち壊す様にハルヒの声が響きわたった。 まったく、なんてでかい声なんだ。そんな大声をだすな、ちゃんと聞こえてるよ。 俺はガチャリと扉を開けて廊下に出た。 勝ち誇ったような表情でこっちを向いたハルヒは俺を見てニヤリと口元をゆがませる。 「何者だお前」 目を見開いて俺をみているこの時間の“俺”がつぶやくように呻いた。 そうだった、普段聞き慣れているようで聞き慣れない声なんだったな。やっぱ違和感がする。 俺は「ようっ」て感じに右手を上げて挨拶をした。もちろんハルヒに手の平が見えるようにだ。ハルヒはそれを確認すると勝ち誇った感じでもう一人の“俺”の方に向き、 「何しらばっくれてるの、こっちが本物のキョンでしょ、どう? 観念した、偽キョンさん」 よう、本物はどうやら俺の方だ、まあ、後のことはまかせろ、うまくやるからさ。だからお前もなんとかうまくやれよ、ちょいっと苦労するが、終わっちまえばいつものことだと思うはずさ。 「と、言うわけでハルヒ、サプライズパーティはこれで終了だ、みんながあっちで待ってる、いくぞ」 「ちょっと何勝手に仕切ってるのよ、それよりあたしの見事な推理、ちゃんと聞いてた?」 ほんとのところ朝比奈さん(大)と会話していて聞いちゃいなかったんだが、ハルヒの推理の内容はすでに既知していたので、 「ちゃんと聞いてたさ」っと、返事をしておく。そう、お前の推理が正解ってことにして、このまま大団円に向かうところさ。 ハルヒはもう一人の俺について、 「見た目はほんとにそっくりね、その手の印がなきゃ、どっちがどっちか解らなくなるところだったわ」 等と言っていたが、どっちも本物の俺なんだから当たり前だろ、と、本当のことを言えるはずもなく、俺は適当に返事をしておくことにする。 「俺はどこにでもいるようなごく普通の人間だからな、そっくりに化けることくらい、ちょいと練習すれば誰にでも出来るんじゃないのか? まあ、古泉達がどっかから見つけてきたんだろ。素質のあるヤツをさ」 「うーん、そっか、だったら有希やみくるちゃん、あたしのそっくりさんも古泉くんに探してきてもらおうかしら」 二ヒヒ、っといやらしい笑い顔をして顔面の筋肉を弛緩させるハルヒ。 「あたしが二人に増えたりしたらみんなどんな顔するんだろ?」 おいおい、お前が急に二人に増えてたら朝比奈さんなら間違いなく卒倒するはずだし、あの長門ですら何かしらのリアクションを起こしそうだ。 ていうか、俺が二人いて自分が驚かされたから、他の誰かも同じ手口で驚かせたいって発想だろ、それは。はっきり言ってそんなのは小学生並みの単純な思考じゃないのかね、ハルヒくん。それにお前は唯一無二の存在だろ。天上天下唯我独尊、それがSOS団団長、涼宮ハルヒだろ。 なぁんてことを考えていたが、俺は口に出して言わなかった。今は余計なことを言わない方が良いと判断したからだ。今は適当にハルヒに合わせておき、好きなように妄想させておけば朝比奈さんが行動しやすいんじゃないかと考えたのさ。 そして朝比奈さんの待ち構えている部屋に入り、俺はこの時間でしなければならない最期の仕上げをする。部屋に入る直前に、古泉並のエセスマイルをもう一人の“俺”に見せなければならないのだ。自分ではどんな表情なのか鏡がないので確認できないが、まぁそれなりに悪びれた感じは出てるんじゃないかと思う。 それが証拠にそのスマイルを見たもう一人の“俺”がハッと何かに気付いたように表情を変化させたからだ。 さて、こっから超特急でやらなければならないことのオンパレードだ、と、言っても俺が出来ることは殆どないんだけどな、頼みましたよ朝比奈さん。て、俺は祈るだけかよ。 「あれ……」 ハルヒが力なく崩れ落ちるように倒れ始めた。俺は何とかそれを受け止める。 朝比奈さんがうまくハルヒの背後を取って眠らせるのに成功したのだ。小さくVサインをしている。 「後は時間移動です、おねがいします」 「はい、では目を閉じてください、行きますよ」 朝比奈さんのセリフとドアの向こうからハルヒの名前を叫ぶ声が殆ど同時だった。 エピローグ まあ、これで事件は一応の終わりを迎えたってわけなのだが、残った問題はハルヒへのフォローだけだ。ハルヒが気を失って眠ってしまったのは、事件の解決と同時に緊張がとけて、自分でも自覚していなかった疲労と、空腹感、睡眠不足などが一気に押し寄せたため、と言うもっともらしい古泉の説明でなんとか納得したようだ。俺もそれに同意しておく。 どうやらハルヒは理屈で説明すると納得するらしい。後、古泉が言うとそれらしく聞こえるそうだ、それもひょっとしたらあいつの超能力の一種なのかもしれないな。 ちなみに、俺の偽者は急用があると言うことで朝一番で帰ってしまったと言うことになっている。そのことについても、古泉は苦しい言い訳をハルヒにしていたけどな。 俺そっくりの人物を探してきたのはいいが、スケジュールの調整がうまく出来ず、本来ならこのサプライズパーティーは、合宿の最終日にする予定だったのだが、どうしてもはずせない用事があって、急遽前倒しになってしまった、ということだそうだ。 その後、説明好きの古泉には色々補足があったらしく、ハルヒが席を外している時に俺に語りかけてきた。 「なかなかいい経験をさせてもらいましたよ、ですが僕としてはもう少し長い期間の時間移動も経験してみたいですね、特に、未来に飛ぶのではなく過去の方に行ってみたいというのが本音です」 言っておくが過去に行ってもろくな事がないぞ、遠足みたいに自由行動なんてできないからな、それに、結局まともに帰ってこれるのかどうかもあやしいんだ。長門に時間凍結されたり朝倉にナイフで刺されたりしたからな。 「そうですね、時間移動をするということはその時間で成すべき事があるからそこに向かうわけですから、理由もなく時間移動は出きないんですよね」 古泉は何か言いたげな表情を含んだ笑みを浮かべて俺の方を見る。 なんだ? 何か言いたげだな、すでに俺は精神的にも肉体的にも疲労していて、どちらかといえばお前の長話に付き合いたくはないんだがな。早くのんびりとしたサマーヴァケーションを味わいたいんだ。 そんな俺のことなどお構いなしに古泉は語りだした。 「今回のこの事件、今までの時間移動と少し趣向が違うような気がしてならないんです。はっきりいいますと、未来人らしくないといえます。このようなサプライズはどちらかといえば我々の分野です。実際、今回のシナリオ通りのことなら機関ででも再現可能です」 まったく聞く気はなかったし、この事件について少しばかり朝比奈さん(大)から訊いていたので聞き流すつもりだったのだが、どうやら古泉は未来から現在に介入があるときは何かしら理由がある、と言いたいらしい。 だが、そんなこと俺が考えることじゃないし、考えたから答えが出るわけでもない。俺にとっては朝比奈さん(大)が言っていた、高校最後の夏休みだからみんなで過ごす楽しい思い出を作りたかった。って理由で十分なのさ。 それ以外になにかあるのか? 無いならそれでいいじゃないか。 「未来人の、いえ、別の出で立ちをした朝比奈さんの考えならそれで正しいのかもしれません、ですが我々はもっと別の見解があるのですよ」 ほう、一応聞いとくか。だいたい予想はつくが。 「すべて涼宮さんがそう望んだから、そうなったという見解です」 やはりそうきたか。 「あの時、あなたが眠くなった妹さんと朝比奈さんと共に二階に行った時、まだまだ遊び足りなさそうな涼宮さんは、もう少しあなたと、いえ、みんなと遊びたいと願ったのではないでしょうか。その願いが未来人を介入させてこの事件を引き起こしたのかもしれません。まあ、これはただの推測に過ぎませんが、涼宮さんが考えそうなことだと思いませんか?」 結局古泉の考えを聞いたから何かが変わるわけでもなく、無駄な時間をすごした結果になっちまった。 だが、俺にとってそんなことよりも一つ懸案事項が増えてしまったのが気になるところだ。 それは、席をはずしていたハルヒが戻ってきて、俺に話しかけてきた時に沸きあがった。 「ねえ、キョン、あたしが作った夜食のパスタどこに行ったか知らない? あぁ、あんたはその場にいなかったんだっけ、その時にいたのは偽キョンだったわね。まあ、どっちでもいいわ、さっきそれのことを思い出して鶴屋さんの部屋に取りに行ったら、誰かが全部食べちゃってたのよ、鶴屋さんも知らないって言うし、みくるちゃんと有希にも聞いたけど食べてないって言ってるのよ。あの時考え事しながらだったから結構な量を作ったのよね、ちょっと一人では食べきれない量のはずなんだけど」 ハルヒは隣にいた古泉の方にも問いただす。 実は俺には心当たりがある、ていうか、食ったのは俺と朝比奈さん(大)だ、最初の時間遡行直前に食べたんだっけ。おかげで酔い止め薬を飲む余裕が出来て大助かりだったんだが、二人でも平らげることはできない量だったのだ。朝比奈さん(大)も普通の量しか食べてなかったし、俺もその時はそれほど食欲も無かった状態だったからな。 なので半分以上残していたはずなのだが、それがすべてなくなっていたって事はどういうことなんだ? 誰かが残りを食べたというならこの中にいるはずだ。しかし、ハルヒがみんなに訊いて回ったところ誰も食べていないそうだ。 まさか、俺たち以外に誰かいるってんじゃないだろうな。お前が真の黒幕で、このややこしい事件を作り出した張本人だったとしても、そんなことはどうだっていい、少しくらいなら遊びに付き合ってやるからさ、だからハルヒ、へんな考えを起こすなよ。 特に、俺たち以外に誰かがこの別荘にいる、なんてことをな。 「あ、すまんハルヒ、それなんだが実は俺の偽者のやつが食べてたぞ、て言うか俺も少しばかり食べちまったんだが……」 誰かが犯人として名乗り出ればハルヒが変な考えを起こさないだろうと思ってとっさに手を上げてしまった。 ハルヒが作った料理を無断で食べちまったからな、何か文句ぐらいは言ってくるだろうと思っていたが、意外とハルヒはおとなしく、 「ま、食べちゃったんならいいわ、偽者の方はともかく、あんたはあのパスタのことあたしが作った夜食だって知らなかったんでしょ? それに、あの後あたし朝まで寝てたから、せっかく作ったパスタが冷めて固まって食べられなくなるし、もったいないお化けが出てくるかもしれないもんね」 そんなお化けが出てくるのも困り者だが。 そのせいで俺の中に妙な考えが浮かんでしまったんだ。ハルヒがあのパスタを食べたのが俺だと思い込めばそれが現実になるのではないか? という考えだ。そうなれば、ひょっとしたら俺はハルヒの作ったパスタの残りを食べに、またもやあの時間に行くことになるのかもしれない。 それに、ありえないとは思うが、パスタの姿をしたみょうちくりんな生物を生み出されても困るからな。 ────で、もしまたあの時間に行くことになったら今度はちゃんと味わって食べようと思う。 なんせ、ハルヒが作った料理は美味いからな。 おわり 目次に戻る 挿絵
https://w.atwiki.jp/doroboumama/pages/5555.html
サマンサ奥 10 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 12 59 ID c0M87MFa ついさっき、サ◯ンサタバサ盗まれた… 盗んだのはさっきまで来てた奥樣方のひとり。 残りの奥樣方やそのご家族や警察にまで迷惑かけて凸ったのに マトモに戻って来なかったよ…これから弁償してもらうのに また電話しないといけないのが憂鬱だ。 11 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 15 17 ID c0M87MFa 10だが、まとめて吐き出したいので後で書き込ませていただきます すいません。 15 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 32 33 ID IXw3gxRR 10 乙かれサマンサ。 18 :1/4:2010/06/06(日) 21 44 00 ID c0M87MFa 長くなりました。文才無い私… 今日、ご近所に住んでる幼稚園繋がりのママさんたち3人が お茶しに来てくれた。 私はこの土地に引っ越して来たばかりなんで、 色々教えてほしくてもてなしたのね。 そしたら、その中のひとり(G奥)がリビングの隅に置いてあった 紙袋を勝手に開けて中身の財布を引っぱり出して、 「かわいい~、サマンサだよね、いいなあ」と。 正直、まだ買ったばかりで撫で擦ってる状態だったんで、 触ってほしくなかったからさりげなく取り上げてしまいこんだ。 それから30分ほどしたころに、G奥がなんだかそわそわし始めて 調子悪いから帰る、と先に帰っていった。 しばらくして、残りのA奥とB奥が 「もう一回お財布見せて」と言うので紙袋を開けたら、無い。 21 :2/4:2010/06/06(日) 21 46 34 ID c0M87MFa 最初にG奥が勝手に包みを開けたんで、紙袋はリビングの 隣りの和室に置いてた。 それがまずかった…目を離しちゃいけなかったんだね。 多分、トイレにでも行くついでに盗ったんだろう、あの人は違う意味で 癖が悪いから、注意してたんだけど まさか泥棒するとは思わなかった、私たちが追い返していれば良かった、 ごめん。 とA奥B奥に謝られたわ。 実は今日のお茶会も、AB奥を呼んだのに、G奥がどこかで情報を 聞きつけて図々しくあがりこんできたので、私もちょっとおかしい人だとは 思ったんだけど で、A奥がさくさく警察に連絡、A旦那様(町会長)召還で A夫妻・警察×2・B奥・B奥義父(県議員)に私の総勢7人でG家に凸。 (私の旦那は没、子供はB奥義母が見てくれた) 笑顔で迎えてくれたG奥、私が 「Gさん、さっき私の財布…」と言いかけたら 警察を見ながら 「今は言っちゃ駄目よ!大丈夫、私訴えたりしないから!」と。 22 :3/4:2010/06/06(日) 21 47 53 ID c0M87MFa そのセリフに正直何がなんだか分からない状況になって、 とりあえず話を聞かせてと警察が言ったら ・私(G奥)の財布をAさん(私)が欲しがってた ・見せて上げたら取られて、隣りの部屋に隠された ・気持ちは分かるけど、やはり返してほしいのでそっと持って帰った ・でもAさんも出来心だったと思うので、どうか穏便に見てあげてほしい え?えええ?えええええ????の嵐。 だってそこにA奥もB奥もいるんだよ? 私のだってちゃんと目の前で見てるんだよ? そこでA奥がG奥に 「とりあえず、その問題の財布見せて」と言ったら にこにこ持って来て 「財布っていっても、雑誌の付録だから恥ずかしいな」 なんて言いながらA奥に手渡して来た。 そこにあったのは確かに私の財布だけど、裏面にでかでかと [G奥]の名前が油性マジックで書かれてたよ。 24 :4/4:2010/06/06(日) 21 49 21 ID c0M87MFa 最後。 警察も何が正しいのか分かりかねてる様子で、私はもう 泣き出してしまった。 旦那が死んでから、ひとりで子供二人育てるのにギリギリの生活で (保険とか保障とか、全部義母に奪われた。 遺族年金はあるけど正直辛い) 必死で頑張ってたら、上の子(小6)が自分にもらったお年玉全部使って 私が好きなブランドだからと買ってくれた財布なんだ。 傷付けるのも嫌で、なかなか使えなくて、たまに袋から出して ニタニタするのが楽しかったのに。 とぼそぼそ訴えたら、B奥が切れた。 「Gさん、それ雑誌の付録じゃないよ。雑誌のはもっと安っぽい それは正規の店で買ったもの。なんでそれがアンタの家にあるの。」 そこまで言ってもまだ 「私の財布」「雑誌の付録」と言い続けるG奥にBさんが自分のカバンから 出して来たのは、その雑誌の付録のサ◯ンサ。 「これが雑誌の分、あなたのとはデザインが違うでしょ。 お巡りさん、とりあえずこいつ捕まえて。私らが証言する」と そこでやっとお巡りさんがG奥をお持ち帰りしてくれた。 G旦那はいたけど…まるで空気。 今はここまでで、家で連絡待ち中。 今日は下の子はBさんの家でお泊まりで、上の子だけ。 事情をよくわかってくれて、なぐさめられてしまった… 息をはくような泥棒って聞いたことあるけど、 あれはまた違う種類のような気がする。 25 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 50 30 ID c0M87MFa ごめんなさい、書き殴りでしかも泣きながらなんですごい下手な文。 上の子にとりあえずお風呂入れって言われたから ちょっと入って、あとでまた来ます。 26 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 51 19 ID yItRJWcT 気の毒すぎる…… 何といっていいか 27 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 53 26 ID +NmsAkI6 ものすごいムカつく…!! なんかもう、心からがんがれ。絶対にこてんぱんにして欲しい。 娘さんの気持ちを黒く塗られたみたいで、本当に腹立たしい。 泥、実刑くらえっ。 28 :名無しの心子知らず:2010/06/06(日) 21 54 25 ID ZSp6UJ+p G奥ひどすぎる。AB家族がいい人で良かったね。 とりあえずGに制裁ありますように。 134 :サマンサ ◆DEQRrMCHZU:2010/06/07(月) 16 27 29 ID cHhDk7TT 昨日は途中で失礼しました。サマンサタバサ盗まれた者です。 先ほどまた気分をえぐるような目にあいました。 幼稚園に下の子を送っていったあと、少し道の脇で他のママさんと 立話をしていました。 すると、園から担任の先生が出て来て、園長室に来てほしいとのことで 行こうとしたら肩をがっしり掴まれました。A奥でした。 一緒に行くからと言われて、何が起ころうとしてるのか さっぱり分かりませんでした。 園長室には園長先生と担任の先生、ちょっと年配の男性、 それにG奥がいました。 目が赤かったのでてっきり謝ってくれるのかと思って何も考えずに すすめられた席に座ると、レコーダーを回すと言われました。 その男性は名刺をくれて、そこには弁護士と書いてあり、 私を名誉毀損で訴える用意があると言われたんです。 「サマンサの財布はG奥の物で、レシートもある。買ってすぐに名前を書いた。 だいたいお年玉で買ったと言うなら、もっと古いはず、 あの財布はこの春の新作である。 最初にG奥から奪って自分の物としてAさん・Bさんに用意周到に見せ、 取り返しただけのG奥に罪をなすり付けるとは言語道断」 みたいなことを言われました。 で、園長も 「G奥はこの地域に両親・親戚とも長く住んでいて、ご主人も園と面識がある。 一方、C(私)はシングルマザーで園の用事も仕事で出て来ないことがある。 お金に困ってるからと言って、G奥のものを盗るような保護者は信頼できない。 そのうち、そういった盗癖はCの子にも影響してくるだろうから 今の内に退園してほしい」と言われました。 135 :サマンサ ◆DEQRrMCHZU:2010/06/07(月) 16 28 40 ID cHhDk7TT 確かに生活困窮で、2ちゃんでも叩かれる県営住宅住まいです。 でも、人様のものに手を出すような性格も躾もしていないと訴えたんですが 弁護士さん、園長ともに「シングルですからねえ…」と。 隣りで黙っていたA奥にも、 「騙されて何か盗られてませんか」と聞く始末でした。 A奥さんは、 「わかりました。取りあえずこちらでも調べます。 今日のところは一緒に帰ります」 と私の手を引き立たせてくれました。 するとG奥が 「謝りなさいよ!それと私の財布返してよ! 何なら現金でも許しておいてあげてもいいけど、どうせダンナに捨てられた 身分じゃ払えないでしょ、このメスブタ!」と言われて… 言いかえそうかと思ったけど、A奥さんが「いいから」と引っ張ってくれました。 その後、A奥さんが家まで送ってくれて、B奥さんも来てくれて、 B奥さんが知り合いの弁護士さんを連れて来てくれました。 A奥さんは先ほどの話をなぜか持っていたICレコーダーに録音されており、 「最初に弁護士が録音しますって言ってたから、こっちのも有効」と言って 今後は園とG奥相手に戦う予定になりました。 A奥さん、B奥さんともに、G奥には恨みがある!と言われており バックアップをしていただけるそうです。 お金の面も心配しないでいいとまで…甘えていいんでしょうか。 しばらく2ちゃんにも書き込んじゃ駄目と言われたので、離れます。 全部終わったら報告をその後にしますね。 愚痴を聞いていただいて、ありがとうございました。 136 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 33 02 ID O0+oeBPL 134 サマンサさん、乙です。 大変でしたね。 一瞬、偽弁護士か?と思った私はハン板住人だったりするんだけども。 一応、こちら側の弁護士さんにその名刺を渡して本物の弁護士か 確認したほうがいいですよ。 そして幼稚園の対処も最悪ですね。 恐らくはG一家も幼稚園も将来的に高い代償を払うことになるでしょうから あなたはAさんBさんと弁護士さんを信じて堂々としていてください。 138 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 33 59 ID vBcfxUYi 135 甘えて、というかA奥とB奥がG奥を訴えたくて そのきっかけと証人としてサマンサさんが協力すると思えばいいんじゃないの? というか「メスブタ」のくだりでG奥を注意しないなら その弁護士って偽物の可能性があるんじゃないの・・・? 140 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 36 47 ID BsRLLFYu お年玉、使わずに貯めて置いて、春に買ったんだろうにね 頑張って下さい 141 : [―{}@{}@{}-]名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 36 48 ID lAPoc/dt 135 俺も偽弁護士かと思ったwシングルだからとか言うか普通・・ 幼稚園の対応も最悪だし転園を視野に入れて戦った方が良いと思うよ 多分AもBも積もり積もった物が有るんでない?共同で頑張ってくれ! 142 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 38 15 ID zqYovZQz 旦那さん、亡くなったんだよね、たしか? それを園は知らないの? 知っててその暴言を止めなかったんだったら、園にも十分責任があると思うけど。 153 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 16 48 56 ID f92wLj67 なんかG奥の言い訳が雑誌付録→自分で買ったになってるのは 凄くサマンサ奥に有利な状況なんじゃない? 雑誌付録って警察官の前で言ったんだよね? で、今回は弁護士立会いの上録音付で自分で買ったって言ったんだから 突っ込みどころ満載だわ 173 :サマンサ ◆DEQRrMCHZU:2010/06/07(月) 17 09 30 ID cHhDk7TT 皆さん、ありがとうございます。 A奥さんは2ちゃん見てます…昨日の書き込みも早速今朝指摘されました。 財布はなぜG奥がレシート持っていたかが分かりません。 上の子は買った途端にレシートのことは忘れたwwと言ってるし(多分捨てた) 袋にも入ってなかったので、我が家で拾った可能性は薄いです。 あと、なぜいきなり「自分が買った」という話になってるのかも分からない。 ただ、盗られたのは箱ごとだったので(ショップ袋だけ残ってました) あちらには箱はあると思います。 それと、弁護士さんは本物らしいです。 B奥さんの連れて来てくださった弁護士さんが確認しました。 どうしてこんな案件を引き受けたか分からないそうです。 あと、園の対応ですが、A奥さんが私以上に怒ってまして 何か手を打つそうです。 何の力も無い自分が情けないですが、お二人の 「あなたは悪くない!」 という言葉にすがって、戦ってくるつもりです。 見えないけど、皆様の言葉で背中、いっっっっぱい叩かれた気分ですwww 応援ありがとうございます。頑張ります! 174 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 10 17 ID zqYovZQz こんなにすんなり弁護士雇える金があるなら、 サ○ンサどころか、もっと高いブランド財布だって余裕で買えるでしょw もともとA奥B奥にも被害があったようだし、 金があって常習なら治療が必要な病気のレベルだよww 175 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 11 22 ID K2cVaHbO ショップに行ってみたら? お母さんへのプレゼントってけっこう記憶に残ってるかも。 176 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 13 26 ID H22U6WJP 付録発言の時に立ち会った警官に応援頼めないだろうかね。 178 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 16 35 ID 2jSUIaOk 176 それはもしかしたらさまんさがわ弁護士が依頼するかもしれないね 185 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 24 16 ID uDrDObX7 182 同意。けっこう不利な立場にいると思う。 てか、A奥B奥、このまま信用してて大丈夫なの? G奥の急な行動見てて、無い通者がいるとか ほかにまだG奥の味方として関わってる人がいる気がするんだけど。 189 :[―{}@{}@{}-]名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 17 28 52 ID lAPoc/dt ふと思った。名刺を渡した人物が名刺と違う人である可能性はある 貰った名刺を使っているとか 219 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 18 53 46 ID lD9KwEOY しかしながらすごいタイムリーだよね サマンサマルチケースの付録の雑誌、一応今日発売日 226 :サマンサ ◆DEQRrMCHZU:2010/06/07(月) 19 14 49 ID cHhDk7TT 詳しく書けないけど、レスが嬉しくて、まだのぞいてました。 皆さんのご意見、全部プリントアウトして弁護士さんに 見てもらおうと思ってます。 ありがとうございます。 219さん B奥さんもサマンサ好きで、(多分)その雑誌買ってました。 今日じゃなく、6/4発売のステディですよね? 私も欲しいんですが、田舎なんで手に入らない状態ですorz 227 :サマンサ ◆DEQRrMCHZU:2010/06/07(月) 19 18 04 ID cHhDk7TT 大人しくしてるように書いてますが、内心は煮えくり返っています。 罪にならないのなら、Gの家の壁一面に ドロボー!と書いてやりたい…しないけど。 子供のケアもきちんとしていきます。 皆さん、本当にありがとうございます。 246 :名無しの心子知らず:2010/06/07(月) 20 18 02 ID daghCVt6 サマンサ奥応援書き込みが嬉しくても弁護士が言う事が絶対 しばらく出てこないほうがいい これで名誉毀損だなんだと入ってくると面倒なことになるから 気を確かに頑張ってね 続きはこちら→サマンサ奥2 次のお話→プレゼント泥ママ(42)
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/2159.html
【俺Side】 俺「うぉおおおおおおおおおおおおお!!」ガガガガガガ 謎の人型ネウロイへ向かって弾を撃ち続ける。 しかし人型ゆえの小ささとその機動性もあり、ネウロイに弾があたらない。 俺「くそっ・・・。」 エイラ「俺!ビームが来るゾ!」 俺「了解!」 何とか固有魔法は使える程度まで調子を取り戻したエイラの合図に合わせシールドを張る。 エイラの言ったとおり、ネウロイが両手から二発のビームを発射してきた。 俺「っ!・・・そこまで威力は高くないな。」 エイラ「俺そっくりだから速いのかと思ったケド、そうでもないしナ。」 俺「確かに思ったほど速くは無いな・・・まさかただ姿形を真似しただけなのか?」 さっきから攻撃もビームのみ。 しかも一発の威力は普通のネウロイの半分程度しかないだろう。 エイラ「もしかして、そんな強くないノカ?」 しかし、妙なのはあの翼から出ている霧だ。 俺のフォースウィングのように常に翼の形をとり続けるわけではない。 それどころか人型ネウロイの周囲に漂っていて・・・本物の霧のようだ。 坂本『俺!エイラ!』 俺「少佐!」 坂本『もうすぐお前たちの居る地点へ到着する!無茶はするなよ!』 エイラ「わ、ワカッタ!」 もうすぐ増援が来るというなら無理して突っ込むことはない。 敵をけん制しつつ味方の合流を待って一気に叩けば・・・。 そう思っていた。 俺「」ゾクッ 背筋を、何か冷たいものが通り抜けた。 俺(な、なんだ・・・?一体何が・・・?) この感覚に従いネウロイを注視する。 といってもあふれ出した赤い霧のせいでよく見えないのだが。 やがて、霧が俺の居る地点にまで到達した。 そして、その霧を吸った瞬間。 俺「っ・・・がっ・・・ゲホッ!!」ビチャッ エイラ「お、俺!?」 口から生暖かくて赤い液体が零れ落ちた。 エイラ「オイ!どうしたんだヨ!」 俺(肺が・・・体の内側が焼けるみたいに熱い・・・っ!!まさか!?) 俺は呼吸を止め、一気にネウロイから距離をとった。 俺「ゴホッ・・・ぐっ・・・。」 エイラ「ど、どうしたんダヨ!?」 俺「エイラ・・・ゲホッ・・・あの霧を絶対に吸うな・・・。」 エイラ「霧・・・?」 俺「あの霧は・・・あのネウロイのビームだ・・・。」 エイラ「び、ビームの霧!?」 俺「ウィッチが普段無意識に纏ってる魔力のおかげで・・・ゲホッ・・・体が傷つくことはない・・・けど。」 一度吸い込めば、今の俺のように体の中をビームで焼かれることになる。 エイラ「なら、遠距離から射撃で・・・!!」 エイラがネウロイへ発砲した。 しかし、銃弾が霧に触れた瞬間「ジュッ」という音と共に消し飛んだ。 エイラ「なっ!?」 俺「多分ネウロイの周囲の霧の濃度だと銃弾が届く前に焼ききれるんだ・・・。」 つまり。 近づけばあの霧に体の内側から焼き殺される。 しかし、遠距離からの攻撃はネウロイへ届く前に無効化される。 俺(けど・・・。) これだけでも十分理不尽な強さだというのに、未だに嫌な予感が消えない。 俺「・・・?」 よく見ると、霧が少しずつ一箇所に集まっているように見える。 まるでばらばらにしたものをもう一度組み上げているように・・・。 俺「・・・まさかっ!!」 坂本「俺!エイラ!」 俺「少佐?・・・だめだっ!!来るなっ!!」 坂本「何!?」 エーリカ「なにあれ・・・霧?」 バルクホルン「一体何なんだ・・・?」 あの霧は防御のためだけのものじゃない・・・! 霧はすべてビーム、そしてソレを一箇所に収束したら・・・。 俺(俺の後ろの方向にはエイラと少佐たち・・・それにサーニャの居る基地。) ネウロイの周りを覆っていた霧が晴れていく・・・いや、一箇所に収束し巨大な光点となる。 俺「っ・・・やめろぉおおおおおおおおおおおおお!!」 そして、その光が解き放たれた。 ネウロイの周囲を覆っていた霧はすべて一箇所に集まり、巨大なビームとして俺たちへ向けて発射された。 俺「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 シールドを張る。 フォースウィングも解除、固有魔法で全ての魔力をシールドへと注ぎ込む。 シールドによってはじかれたビームが海面をえぐり、雲海に風穴を開ける。 俺「ぐっ・・・がっ・・・ガハッ!!」ビチャッ エイラ「俺!?」 俺(まずい・・・さっき霧を吸った時に肺を・・・呼吸が・・・っ!) 先ほど霧を吸ったときのダメージがきつい。 だが、逃げるわけには行かない、負けるわけにも行かない。 俺「ここで俺が負けたら・・・みんなが・・・基地の・・・サーニャがっ!!・・・がふっ!!」ビチャッ 意識が一瞬消えかける。 だめだ、もう少し持ってくれ! 俺「あ・・・あぁああああああああああああああああ!!」 やがて、赤い光の奔流は止んだ。 ビームの余波を防ぎきれなかったのか・・・服はボロボロだしそこら中やけどをしているようだ。 けど・・・。 俺「・・・・・・。」 守りきった・・・。 あれ?体の自由が利かない・・・。 あ・・・もしかしなくても落ちてるよなこれ・・・。 エーリカ「俺ぇっ!!」 バルクホルン「大丈夫か俺!!」 エーリカとバルクホルンにキャッチしてもらったみたいだ。 はは、持つべきものはいい仲間だよまったく。 ネウロイ『・・・・・・。』 ルッキーニ「あっ!逃げた!」 人型ネウロイは撤退していく。 あたりに漂っていた霧も消えたようだ。 坂本「ハルトマンとバルクホルンは急いで俺を運べ!!他は周囲の警戒を怠るな!!」 シャーリー「いや!私が運ぶ!急がないとやばい!」 坂本「わかった!頼む!!」 やばい・・・意識がかすれていく・・・。 エーリカ「俺!しっかりして!」 バルクホルン「くっ・・・頼むぞリベリアン!!」 シャーリー「任せろ!」 シャーリーに抱えられて俺は基地へ運ばれていく。 ここで、俺の意識は完全に途切れた。 エイラ「俺・・・・・・。」 【ミーナSide】 ミーナ「軽度のやけど、そして呼吸器系の損傷・・・宮藤さんが居て助かったわね。」 俺さんが撃墜されたとの報告を受けた翌日。 私は報告書へ目を通していた。 シャーリーさんに運ばれてきた俺さんはまさに死ぬかどうかの瀬戸際だった。 何とか助かったのは宮藤さんの必死の治療と・・・運が良かったとしかいえない。 ミーナ「そして俺さんに酷似した人型ネウロイ・・・その特徴はビームの霧・・・。」 近距離に近づくものを焼き、遠距離攻撃を無効化する。 気体という性質上、ウィッチのシールドは意味を成さない・・・。 ミーナ「・・・最悪の敵ね、なんとか倒す方法を考えないと・・・。。」 あの霧が人の住む場所で撒かれたら・・・想像もしたくない。 宮藤「あの・・・失礼します。」 ミーナ「宮藤さん・・・俺さんの様態はどうかしら?」 宮藤「怪我自体は治したんですけど・・・意識がまだ。」 ミーナ「そう・・・ありがとう、サーニャさんは大丈夫かしら?」 宮藤「少しは落ち着いたみたいです、今はエイラさんが見てくれてます。」 ミーナ「そう・・・。」 昨日、ハンガーへ向かっている最中にサーニャさんが廊下で倒れているのを見た時は心底驚いた。 ちょっと恥ずかしい悲鳴を上げてしまったのは秘密にしておこう。 宮藤「・・・あの!」 ミーナ「なにかしら?」 宮藤「俺さんがやられたネウロイって・・・どんな相手だったんですか?」 ミーナ「・・・それについては明日のミーティングで話すわ、今はしっかり休んで。」 宮藤「はい・・・失礼します。」 宮藤さんは部屋から出て行った。 【サーニャSide】 サーニャ「・・・ぁ・・・。」 少しずつ意識が覚醒していく。 最初に目に入ったのは見慣れた天井だった。 サーニャ「ここは・・・私の部屋・・・?」 昨日は確か・・・魔道針がすごく強い反応を示して・・・それで・・・。 サーニャ「そうだ・・・お兄様とエイラは・・・っぁ・・・。」フラッ 横たわっていた上半身を急に起こしたらめまいがした。 まだ熱は下がりきっていないようだ。 ふと、ベッドの右側に人の気配を感じた。 エイラ「・・・zzz・・・zzz。」 サーニャ「エイラ・・・無事だったのね・・・。」ホッ 安らかな寝息を立てる友人の姿を見て安心する。 エイラが無事だったのだ、きっとお兄様も無事に違いない・・・。 いや、お兄様はいつも無茶をする人だ。 また魔力切れで眠っているかもしれない。 サーニャ「・・・お兄様は・・・どこにいるのかな・・・。」 お兄様の部屋?それとも医務室? もしかしたら元気に訓練をしているかもしれない。 隣で眠っている友人なら知っているだろうか? サーニャ「エイラ・・・エイラ、おきて・・・。」 エイラ「・・・!サーニャ!」 サーニャ「ど、どうしたの?」 エイラが目を覚ますと同時に大声を出したのでびっくりしてしまった。 サーニャ「エイラ、お兄様は・・・?」 エイラ「お、俺は・・・。」 サーニャ「エイラ・・・?」 エイラの話を聞き終わるや否や、私は体調が悪いことも忘れて医務室へと駆け出していた。 【俺Side】 気がついたら俺は真っ暗な空間に居た。 俺の立っているところだけがスポットライトに照らされたように明るくなっている。 俺「・・・ここは・・・?」 辺りを見回していると、別の場所が同じように明るくなった。 そこには子供が一人立っている。 ?『うぇ・・・ひっく・・・うぇぇええ・・・。』グスッ 俺「あれは・・・妹?」 見間違えるはずがない、小さいころの妹の姿だ。 泣いている小さいころの妹に別の子供が走ってきた。 ?『やめろっ!妹をいじめんなぁ!』 妹『おにいちゃん・・・。』 俺「あれは・・・小さいころの俺・・・?」 そういえば、妹は小さいころはよく近所の悪ガキにいじめられてたっけ・・・。 そんな妹を庇ってケンカするのが俺の日常だったんだ。 俺『大丈夫だ!妹は俺が守ってやるからな!!』 妹『ほんと・・・?』 俺『ああ!なんたって俺は・・・兄貴だからな!』 妹『・・・うん!』 その会話が終わると、小さい俺と妹は消えていった。 俺「・・・なんだったんだ一体。」 小さい俺と妹がいた場所の明りが消えた。 また周囲が暗い空間へと逆戻りする。 かと思えば、こんどは別の場所が照らされた。 ?『よかったわねサーニャ、お兄ちゃんができたわよ。』 ?『おにいちゃん・・・?』 俺「サーニャと・・・サーニャのお母さん・・・?」 サーニャ『・・・おにいさま・・・。』 母『私たちが一緒に居て上げられないときは・・・サーニャのことよろしくね?』 俺『任せてください、サーニャは俺が守りますよ。』 短い会話が終わると、また人影は消えて元の暗い空間へと戻った。 俺「・・・そっか、俺こんな約束してたんだな。」 どちらかを守ろうとすれば、どちらかを破ってしまう約束だ。 だって、俺が守ると約束した二人は・・・存在する世界そのものが違うのだから。 ?『けど、あなたは守りきった・・・。』 俺「!?」 突然聞いたことのない声があたりに響き渡る。 そして、俺の目の前にスクリーンのようなものが現れ、そこに映像が映し出された。 俺『逃げろっ!!妹ぉっ!!』 こちらへと突っ込んでくるトラックの前に居た妹を突き飛ばす映像・・・。 俺『よっ、さすがにあきらめるのが早すぎないか?』 サーニャを抱きかかえ、ネウロイのビームをシールドで防ぐ映像・・・。 ?『しかし・・・その結果がこれです・・・。』 俺『ここで俺が負けたら・・・みんなが・・・基地の・・・サーニャがっ!!・・・がふっ!!』 謎の声と共に映し出されたのは、血を吐きながら人型ネウロイからの巨大なビームを防ぐ俺の姿だった。 ?『もう良いではないですか、あなたは十分に戦った・・・その身を犠牲にしながらも必死に・・・。』 ?『あなたが安息を得る権利は十分にあるはずです・・・少なくとも、命を張って戦う世界に居る必要はない・・・。』 ?『あなたが望めば還れます・・・あなたが本来居るべき世界へ・・・。』 俺「えっ・・・。」 ?『まだ決断を下せないというのであれば待ちましょう・・・私は、常にあなたと共にあります。』 俺「待てよ!お前は一体・・・!」 ?『いずれ直接お会いしましょう・・・その時を楽しみにしております・・・。』 その言葉を最後に、視界がブラックアウトした。 【エーリカSide】 エーリカ「・・・起きないなぁ・・・。」 医務室の椅子に座ったまま目の前に横たわる少年を見つめる。 やけどを負った肌は宮藤の治癒魔法によって綺麗に治っていて、もとの美しい肌が見える。 エーリカ「起きろよ~、起きないといたずらしちゃうぞ~。」 いつもの調子で『ちょっ!おいエーリカ!!』なんて反応が来るのを期待したがそんなことはなかった。 エーリカ「ホントにイタズラしちゃうぞ~ほれほれ。」ツンツン ためしにほっぺをツンツンしてみた。 意外とやわらかい。 エーリカ「起きないなぁ・・・。」 とりあえずベタだけど額に肉って書いておこうか? そう思ってどこからともなく極太油性ペンを取り出して俺の顔を覗き込んだ。 俺「・・・スー・・・スー。」 エーリカ「・・・・・・。」 昨日大怪我をした人間とは思えないような安らかな寝顔のせいでやる気がなくなった。 さっきまで座っていた椅子に座りなおす。 エーリカ「・・・むぅ。」 それどころか、胸がもやもやしてきた。 もやもやする胸なんかないだろうって?これが自然体だから良いんだよ!・・・グスッ。 エーリカ「なんなんだろう、この感じ。」 前に感じたのは・・・そうだ、俺と二人で買い物に行ったときだ。 俺がサーニャんサーニャんって言ってるのを聞いてたら・・・。 エーリカ「・・・思い出したらまたむかむかしてきた。」 そんなときに医務室の扉が勢いよく開かれた。 サーニャ「お兄様っ!」ガラッ! エーリカ「うわっ!さ、サーニャん!?」 医務室に飛び込んできたのはサーニャんだった。 ていうか、考え事をしていたこのタイミングでまさに渦中の人がやってくるって・・・。 サーニャ「ハァ・・・ハァ・・・お兄様は・・・?」 エーリカ「俺ならまだ起きてないけど・・・。」 エイラ「サーニャ!」バッ! エーリカ「うわっ!」 今度はエイラが走りこんできた。 エイラ「まだサーニャは熱が下がってないんだから寝てなきゃダメダロ!」 サーニャ「ごめんなさい・・・けど、お兄様が・・・。」 エイラ「俺なんかよりも自分の心配シロヨ!昨日だって倒れたんダロ!?」 なんとなくだけど大体の事情はわかった。 きっと俺のことが心配でここに飛んできたサーニャんと・・・それを心配したエイラが追いかけてきた、ってところかな。 ・・・っていうか。 エーリカ「エイラ、俺『なんか』っていうのは聞き捨てならないなぁ・・・。」 俺があの巨大ビームを防いでくれていたからこそ今私たちは生きてるんだ。 エイラ「あっ・・・ご、ゴメン・・・。」 サーニャ「・・・ねぇエイラ、どうしてお兄様を目の敵にするの?」 確かに俺とエイラの仲はそこまで良くは無いけど・・・目の敵って言うほどだったっけ? 何かあったのかな? エイラ「ソレは・・・サーニャが・・・っ!」 サーニャ「私・・・?私がどうしたの?」 エイラ「だってサーニャが!俺のこと好きだナンテ言うカラ!!」 エーリカ「!?」 エイラからの衝撃の告白に言葉が出なくなった。 俺とサーニャんって兄妹・・・だよね? サーニャ「待ってエイラ、それとどういう関係が・・・。」 エイラ「・・・っ!サーニャの馬鹿!!」ダッ サーニャ「あ・・・待ってエイラ!!・・・ぁっ・・・。」フラッ エーリカ「あっ・・・サーニャん!!」 エイラ「あっ…!」 ふらついて壁にもたれかかったサーニャんに駆け寄ろうとしたとき。 ?『やれやれ・・・病室では静かにしていただきたいものですね。』 どこからか聞いたことのない声が響いた。 エーリカ「えっ…?」 あたりを見回すが声の主と思われる人物はいない。 サーニャんとエイラも声が聞こえたようで不思議そうにあたりを見回している。 ?『あなた方の足元ですよ。』 言われるがままに足元に視線を向ける。 そこにいたのは…。 エイラ「…犬?」 そう、犬だ。 犬種はシベリアンハスキーだろうか? ただ、毛並みは普通のハスキーと同じだが瞳の色が金色になっている。 犬『こうして皆さんの前に姿を現すのは初めてですね…。』 犬『初めまして、俺の使い魔の犬と申します。』 私たちは気づかなかった。 病室の外に、エイラの叫びを聞いてしまった人が居ることを。 リーネ「サーニャちゃんが・・・俺さんのことを・・・?」
https://w.atwiki.jp/monsters/pages/83.html
人外×人間でハァハァするスレ 551-600 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972 551. 名無しさん@ピンキー 2008/09/05(金) 23 59 06 ID Ya7xKopC ショタでもホモはいらん。 凛とした女の子が唯一心を許すのが人外のモノとか 元気活発少年に心を奪われてしまった鬼(女)やらが好き。 まあ、式神の城だが。 552. 名無しさん@ピンキー 2008/09/06(土) 00 42 37 ID pzn4p5/R 551 だな。ホモはそっち専用スレでやってくれ、だな。 553. 名無しさん@ピンキー 2008/09/06(土) 01 19 28 ID TvqSB0mo 女装したカマっぽいインキュバスにあーだこーだされる嫁 とか ごめんなさい。いまサモンナイト3やっててスカーレルっていうキャラクターが(ごにょごにょ 554. 名無しさん@ピンキー 2008/09/06(土) 18 46 09 ID DBODCCnW 竜とか神様とかの偉そうな人外ショタといつもにこにこしている側仕えの女の子とか 臆病な人外のショタと気が強いちょっと年上の世話係的な少女とか 近頃、低年齢な人外カップルもイイもんだと思えてきた 555. 名無しさん@ピンキー 2008/09/06(土) 19 22 15 ID 5P/M2FWJ 554 激しく同意 是非その設定を活かしてSSを…! 556. 名無しさん@ピンキー 2008/09/06(土) 19 57 27 ID pzn4p5/R 年齢的には1000年超えなのに、外見はショタ。 生まれたときから立場が上階級の種族なので、 「甘える」という行為を、いままで一度もしたことがない。 そんなショタ神様が、ゆいいつ心許せる人間の女の子に モフモフくっついたり、チューをおねだりする。 という、そんな光景が好きなんだよコノヤロー 557. 名無しさん@ピンキー 2008/09/07(日) 09 03 10 ID sqcqrcBT 無限図書館に籠もって蔵書を読みふける眼鏡ショタを 「こんな所に閉じこもって本ばっかり読んでたら大きくなれませんよ!」 って叱られて外に遊びに引っ張り出されながらも (これ以上は育たないんだけどなぁ…) なんて苦笑しつつ逆らわない人外ショタを妄想した 558. 名無しさん@ピンキー 2008/09/08(月) 15 22 07 ID xnWneZFl エッチすると成長するショタケモとエロねぇさん と言う夢を(ry 559. 名無しさん@ピンキー 2008/09/09(火) 13 31 27 ID NxVAkvga 初期バスタードな感じか 560. 名無しさん@ピンキー 2008/09/09(火) 13 32 14 ID NxVAkvga 初期バスタードな感じか 561. 名無しさん@ピンキー 2008/09/09(火) 23 27 25 ID 51CswE/D はたして彼は同じ内容を二度も書き込む必要はあったのだろうか…… それは永遠のなぞだ 562. 名無しさん@ピンキー 2008/09/10(水) 22 54 46 ID f1g6G1qw 539 ありがとう それとなんとなくお前さんは両生爬虫類スキーとみた いいよねトカゲとか鱗とか 563. 名無しさん@ピンキー 2008/09/13(土) 00 28 03 ID 9VfzisjR ほしゅ 564. 名無しさん@ピンキー 2008/09/14(日) 20 32 17 ID n/XxDZS+ このスレ的にオススメの書籍ってある? いかにもな小説や漫画は省いて、出来れば図書館に置いてそうなので。 565. 名無しさん@ピンキー 2008/09/14(日) 22 51 54 ID 3HRRHuMk カフカの「変身」 566. 名無しさん@ピンキー 2008/09/15(月) 00 28 03 ID RRFTy9rL よく言われてることだけど、神話・民話系はガチ 他にはベタだけど、雪風とか狐になった奥様とか 567. 名無しさん@ピンキー 2008/09/15(月) 18 06 50 ID B+Lcoh1Q 565 それは人外というよりは異形化スレ向きジャマイカ 568. 名無しさん@ピンキー 2008/09/15(月) 18 40 04 ID ae4uLeyf 人外系のスレいっぱいあるから勘違いしたんじゃね? 569. 名無しさん@ピンキー 2008/09/15(月) 21 22 23 ID TaGH5P4t 梨木りかさんの家守記譚 メインは亡くなった友人が訪問してくる話だけど 家の樹木が主人公に恋をする件に萌えた 他にはベタだけどしゃばけも良いよ 570. 名無しさん@ピンキー 2008/09/16(火) 01 31 11 ID 0nbkbPQg パラレル日本怪奇モノで、女霊能者と悪霊とかどうでしょう ここで出だしだけ投下おk? 571. 名無しさん@ピンキー 2008/09/16(火) 01 34 45 ID sQUclAYc まてまて、それは梨木香歩の家守綺譚じゃないか? タニス・リー「血のごとく赤く」 グリム童話をモチーフにした短編集なんだけど、美女と野獣を元にした作品が入っている 短編集としても普通に面白いんでお勧め 572. 亜里1 2008/09/16(火) 01 34 55 ID 0nbkbPQg カラスの鳴き声は人のそれに酷似している。 だから亜里は、カラスを嫌う。 鉄格子越しの小さな空色は澄んでいたが、まるで別の世界のように遠い。 この灰色の独房に届くのは不快な鳴き声だけだった。 アア、アアとわめくその声は、気の触れた人間が囃立てているように陽気に響き渡る。 うるせぇな 亜里は胸中で吐き捨てた。 昭和は、苛烈を極めた戦争の傷も癒え、めまぐるしく発展を遂げていた。 街も人も豊かになったが、至る所に残る戦争の遺物は今更退けるのも困難な程、この国に強固に根をはっている。 山岸亜里が74号という名で収容される研究所も、戦時中に建てられた遺産の一つだ。 各地で稀に生まれる“霊能者”を集めて収容し、軍事に役立てられないかと研究されたのだ。 国際社会では一笑に付されるのだろうが、元来湿った風土のこの国では、呪いや祟りといった物が深く信仰されている。 国がそれを軍事に利用せんとしたのも、霊能者達がお国の大事じゃ仕方がないと大人しく収容されたのも、滑稽だが本当のことだ。 そして、とうに終戦を越えた今日も、亜里は未だにこの研究所に居座っている。 「74号、出ろ」 573. 亜里2 2008/09/16(火) 01 36 11 ID 0nbkbPQg 看守の鋭い声に、亜里は真っ黒な瞳をグルリとそちらへ向けた。 格子の扉の向こうには、顔馴染みの女看守が立っている。 女の収容人には、女の看守。 亜里は楽しそうに目を細め、椅子から立ち上がった。 拘束衣で両腕は体に巻き付けられているが、足は自由に動かせる。 扉へ向かいノソノソと緩慢に歩んだ。 「看守さん、今日のお客さんはどんな方ですか?」 亜里は看守に笑顔で問う。 形こそ西洋人形のように整ったその顔に、黒々とした日本人の瞳が填め込まれているのが不釣り合いで薄気味悪い。 看守の背には冷気が這ったが、彼女は厳しい表情を取り繕ろった。 「余計な私語は慎め。黙って進め」 「はい…はい…」 唇を笑みで吊り上げたまま亜里は独房を出る。 二人の女の足音が遠ざかれば、また、カラスも飛び去ったのか。 生き物の声はかき消え、主を失った部屋には静寂が満ちた。 続く 574. 名無しさん@ピンキー 2008/09/16(火) 01 47 23 ID 0nbkbPQg 以上です 割り込みみたいでごめん 575. 名無しさん@ピンキー 2008/09/16(火) 22 22 49 ID URRHqCAL 574 これは続きが気になる 続投してほしいな 576. 名無しさん@ピンキー 2008/09/18(木) 22 13 38 ID /pazPaLS 今日仕事が休みだったので、前から気になってたライラの冒険を借りてきたんだが… よろいグマ萌えたw 577. 名無しさん@ピンキー 2008/09/18(木) 22 17 50 ID WNUCtUgW 576 あれ気になってるんだよな このスレ住人的にどうだった? 578. 名無しさん@ピンキー 2008/09/18(木) 23 33 20 ID /pazPaLS 577 意外といい バトルやいらんシーンが多いかと思ったら ライラとよろいグマの会話多いわ、ライラが襲われて第一声がよろいグマの名前だわと色々ニヤけるw 579. 名無しさん@ピンキー 2008/09/20(土) 20 11 22 ID sPaFN3YD 勇者の少女とインテリジェンスソードって意外と萌えないだろうか。 てことで小ネタ投下。 女「普段気にしたこと無かったけど、顔がないっていうのも意外と困りものだよね」 剣「? それは一体どういう……」 女「どこにキスしたらいいかわかんないじゃない」 剣とか車とか顔のない人外とキスしたりするときどうしたらいいんだろうと考えていたら、 何か変な電波を受信した。 580. 名無しさん@ピンキー 2008/09/20(土) 21 26 48 ID H+zoZKX5 そこでスティーブン・キングの「クリスティーン」とか ヤンデレクリスティーン(車)が可愛いよ 映画も萌える 581. 名無しさん@ピンキー 2008/09/20(土) 23 57 53 ID /K0Aqvdd 579 もう凄いアヘ顔で刀身をベロリベロリと舐め… 582. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 00 02 57 ID vN1OFuRC 581 鋼の刀身、金の飾り、銀の柄、真鍮の柄頭と舐めまくるうちに ひと舐めであらゆる金属を鑑別できる達人に… 583. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 01 10 15 ID 87iHVVPa 剣とか車が一番感じるところにキスすれば無問題 どこかは知らんけど 584. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 18 14 44 ID z7WVtASL 剣か…戦国ランスにあったな剣で乱交 あれだと触手というかオーラ的なものでエロだったし顔も作ってあったからなー 顔作っとけばいいんじゃね? 585. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 21 14 53 ID 87iHVVPa 584 ターミネーター2の液体金属ばりに刀身からニュッと出てきた顔しか想像できないんだがどうしたら良い 586. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 22 23 14 ID F+XAj0pf 油性マジックで顔かいてそこにキスすれば 587. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 23 10 28 ID N8VUlKyU 美少女剣士にキスされて、照れて鞘の中でカタカタ震え出す日本刀を想像した俺は変態 588. 名無しさん@ピンキー 2008/09/21(日) 23 17 05 ID quON6W51 ありがとう、ものすごく幸せになれた 589. 名無しさん@ピンキー 2008/09/22(月) 21 50 39 ID eyFWxNii さっき知ったんだが、テレ東で深夜に放映してる「ワールド・デストラクション」って見てる奴いる? 人間が獣人に支配されている世界の話らしいんだが、このスレにドストライクじゃね? 公式を見た分にはwktk要素溢れる世界だったんだが、良い物なら最初から見たいから意見を聞きたい 初めて見るのが最終回ってのも悲しいからな 590. 名無しさん@ピンキー 2008/09/23(火) 01 54 37 ID VmKAUZ4l 585 違うw とりあえずゲーム起動して撮ってきた http //www.dotup.org/uploda/www.dotup.org0995.jpg.html 589 地方だから見れねぇえええええええ 591. 名無しさん@ピンキー 2008/09/23(火) 07 57 20 ID yFMlMIx/ 589 もふもふ率低いからな……。あんまり好きになれない。 (敵側の獣貴はふるもっふなのに主人公の仲間で唯一の獣がぬいぐるみっぽい中身がアムロの人だし) あとセガゲーのアニメ化はイクサクロスウィンドで痛い目にあってるからちょっと…… 592. 名無しさん@ピンキー 2008/09/23(火) 12 42 27 ID Xs23VO1W 590 カオス…今回はいい目見れて良かったなww でもそこまでの過程に「へし折る」だの「捨てる」だの言われてきたかもしれんがw 人外×人間なら大神も意外にイケるんじゃないかと思った。 593. 名無しさん@ピンキー 2008/09/24(水) 04 56 16 ID FrbTfiAW 参考に聞かせて欲しいんだが、ロボット×人って、どうやって致すのが一番受け入れられ易いかな トランスフォーマーやヒカリアンとか見ても明らかに人間よりでかいし ロボコンとかメダロットなら出来るかも分からないけど、やっぱ器官の設定が問題だろうし やっぱ人種の垣根越しにお互いが相手を思って自分で…ってのが良いんだろうか… 594. 名無しさん@ピンキー 2008/09/24(水) 04 57 59 ID FrbTfiAW sage忘れたごめん 595. 名無しさん@ピンキー 2008/09/24(水) 11 01 38 ID IPjiOl5H 器官については、 普段は収納してあるけど、人間に奉仕するために元から付いてる ロボが人間を勉強して自主的に取り付ける 誰か(相手の女の子とか悪役)に無理矢理くっ付けられる というパターンを妄想してる。あと行為の前にローション飲んで疑似精液を精製 っていうの思い付いた。 596. 名無しさん@ピンキー 2008/09/24(水) 21 43 19 ID c1Y3kwQu 宝玉がついてる魔剣ならそれが頭(顔)だったりするよね 剣といえば、バトルもののエロ漫画とかで時々 柄が男根の形というのを見かける 597. 名無しさん@ピンキー 2008/09/24(水) 22 08 31 ID ME2oWPlI 今まで見たのは疑似性器か、両者とも電脳世界に精神プラグインしていたすという少々な荒技。 後者は作品の世界観によっては使えないな…。 メカとか異形とかの硬い装甲に柔乳が押しつぶされてるのを想像すると幸せになれる自分プライスレス。 598. 名無しさん@ピンキー 2008/09/25(木) 02 41 46 ID 3NByqTS9 ファンタシースターオンラインのアンドロイド(キャスト)の設定だと 構造自体は人間と非常によくにていて、人工皮膚がつけられないから装甲をつけているとかなんちゃら。 (キャストのエロ同人みると性器もきっちり生えてるのとかあるよ) ユニバースでは時代が進んで人工皮膚に近いものをつけてるから、人間っぽい姿をしているとか。 597 昔エロゲから切り出したGIFアニメで抜いたことがある…VIPPERシリーズなんだけど……思い出せない。 599. 名無しさん@ピンキー 2008/09/25(木) 18 31 28 ID BAEtHskH 593 取りあえずトランスフォーマーには小さいのもいるしヒカリアンは少なくとも一期の方ではサイズを変えられるんだぜ。 600. 名無しさん@ピンキー 2008/09/26(金) 00 27 27 ID cvnu4MQu おっと、しゃべる刀のネタがきているじゃないか。 刀が偉そうに喋るのが好きなんだが、これとかどうか。 http //kanasoku.blog82.fc2.com/blog-entry-2382.html マイナーな雑誌に連載されている漫画で、同じような設定のものが一本あった。 元人間で、魂だけ愛刀に宿らせて死んだ剣士。 どーてー君だったので、現在の持ち主の女の子に 「頼む、柄のさきっぽだけでも良いから、入れさせてくれ」とかお願いしてた。 誰かタイトルわかる勇者おらぬかね。 ←・→ 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972