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12.名前で呼ぼう! 「すぐ出来るから、待ってて」 炊飯器からご飯が炊き上がる音が聞こえる。 それを聞くと、ようやく殻を取り除いた卵にツナの缶詰をぶちまける。 あとは醤油やらで適当に味付けをして混ぜると、油を引いたフライパンに軽く投入する。 その卵が薄い膜を作ったところで端によせ、もう一度卵を投入。 それを繰り返していくと……見事な玉子焼きの完成。 「上手い、のね」 「……教わったんだ」 誰に、とは彼女は告げなかった。 でも胸から少し漏れた悲しみが伝わり、自分の失言を恥じる。 またやるところだった……というかまたやったわけね。 どうしてかな、気を遣ってるはずなんだけど……拗れちゃう。 「これでいいよね? 食べよ」 ご飯が炊き上がるまでの間に、汚かった食卓は一応片づけが済んでいた。 と言っても邪魔なのを別の場所にやっただけなんだけどね。 そこにご飯をよそうと、並べる。 ……二つ。 「ああ、食べられないんだっけ」 皿を並べたところで、ようやく彼女が思い出す。 食卓に並んでいるのは、大きな皿に乗った巨大な玉子焼き。 あとはお箸が二膳に、ご飯が二つ。 それと妙に具の少ないお味噌汁……何時の間にか味噌を見つけて作ったヤツね。 それも勿論、二つ。 「もう、二度手間じゃん。言ってよ」 「あ、あははっ。ゴメンすっかり忘れてたわ」 ……。 もちろん、嘘。 だから用意するときに黙ってたのは、認めよう。 こ、ここからが大事よ。 さっき味噌汁作り始めた時に思いついた作戦。 それを成功させるには……うう、演技って苦手なんだけどな。 「あ、そ、そうだー」 「?」 出した食器を片付けようとした彼女を呼び止める。 棒読みで私の口から台詞が続く。 「せっかく二人分作ったんだし……お父さんも呼べば?」 「えっ」 彼女の手が、止まる。 私を見る目と沈黙が、痛かった。 「……何、それ」 不機嫌なオーラが少しずつ滲みでる。 伝わってくるのは苛立ち。 その後に大きく、食器を叩きつける音が台所に響く。 「やっ、えと。あの」 「……」 「うっ……」 少女に睨まれ、言い訳が続かない。 「嘘だったんだ。食べたいとか言って」 「そ、そんなつもりは……」 なかった……というのは嘘になるか。 あわよくば父親と仲良く食事できれば、という願望もあった。 今まさにそれを見抜かれたわけで……。 「……もういいよ、少しでも同情した私が馬鹿だった」 きつく言い捨てると、そのまま踵を返す。 「あっ、ま、待っ……」 「!」 少女の足が止まる。 だけどそれは、私の声を聞いたからじゃない。 彼女が扉を開けるその前に、それが自然に開いたからだ。 「ん、こなた?」 「……っ」 そこから現れた男性……父親を目の前にして、またあの感情が伝わる。 それは戸惑い。 今日二度目だから良く分かる。 その奥にもう一つ……不思議な感情が見え隠れしている。 それが多分、原因。 親子の間に入る、邪魔な感情。 これは……畏怖? 「おや、晩御飯作ってくれたのかいっ?」 食卓の様子に父親も気がつき、少し顔を緩ませる。 でもその表情にまた、心が揺れる。 なんだろう……彼女は何かを恐れてる。 父親を求める感情と相反したそれが、親子の間を拗れさせる。 「そっか、じゃあ一緒に食べようか」 「わ、私は……いいよ」 「何言ってるんだ、二人分用意してあるじゃないか」 「それはっ」 と、言いかけて言うのを止める。 まぁ幽霊なんて言ったら頭がおかしいと思われるわよね。 「とにかく、いいっ!」 そしてまた、彼女は逃げた。 これじゃあまるで、昼間の再現ね。 今度はまぁ……私の所為なんだけど。 でも材料がもう一つ……彼女が恐れる『何か』。 多分それが分からないと、父親との和解は難しいかもしれない。 ……ってそんな場合じゃないか。 「あ、あの……えっと」 おずおずと部屋の扉を通り抜け、彼女の部屋に戻る。 中には彼女が居た。 ベッドの上で膝を抱え、座り込んだまま動かない。 だけど声だけは聞こえたのか、顔を上げて私を睨む。 「……満足した?」 その声に、心が跳ねる。 「良かったね、良い事したんでしょ? 善行ってやつを積んだんでしょ!? さぁ、とっとと出て行きなよ!」 皮肉の混じった言葉に貫かれ、言い返す事も出来ない。 私がしたのは善行でもなんでもない。 自分勝手で自己満足な……蛮行。 それを今更思い知らされて、恥ずかしさと申し訳なさで死にそうになる。 ……もう死んでるけど。 「もう私に……関わらないで」 そのまままた俯き、膝に顔を埋める。 また私は、傷つけてしまった。 伝わってくる悲哀と辛さに、言葉も出ない。 どうして拗れてしまうんだろう。 私はただ、この子と仲良くしたいだけなのに。 なのに傷つけて……悲しませてしまう。 「……行きましょう」 「で、でもっ。かがみっ」 天使にも声をかける。 先程から慌てっぱなしだったが、私に声をかけるタイミングをことごとく逃していたらしい。 「また駄目だったみたい、これ以上は……一緒には居られないわ」 「宿主は彼女なんですよ? 一緒に居ないと貴方は……」 「そんなの……分かってるわよ」 24時間だっけ? それ以上この子から離れると……私は消える。 成仏するんだっけ? じゃあ、それまでにまた戻ってくればいいわ。 この子に見つからないように、ね。 それを繰り返せば……何とかなるでしょ。 幸いこんな体だし、野宿したって誰が気にするわけじゃない。 あとは地道に、ポイントでも貯めましょ……まぁこの子がエロゲ続ければ水の泡だけど。 「それでも、一緒には居られない……またきっと、傷つけちゃうもの」 「それは、逃げです」 ……。 珍しく、真摯な顔つきで私を見る。 へぇ、そんな顔も出来るのね。 「傷つけたくないんじゃない……傷つきたくないから、でしょう?」 「……何よ、分かったような口聞くじゃない」 そうだったわね……あんた、天使だったっけ。こんなんでも。 でもそんな顔じゃ天使とは言えないかも。 神々しさまで感じるその表情は……ははっ、馬鹿なこと考えるようになったわ私も。 「そうよ、悪い?」 少女を見るのが、辛い。 私が傷つけた彼女を見るのが、どうしようにもなく辛い。 だって、それは私の所為。 他の誰でもない、私の責任。 「あんまり私に押し付けないで……知ってるでしょ? 私って、弱いの。凄く、酷く……」 「いいえ」 私の言葉を抑えるように、強い口調で言う。 そして表情を変えて、私を見る。 慈しむような……素敵な笑顔で。 「かがみ……私は知っています。貴方は、誰よりも強い心を持っていますよ」 あんたに何が、と言いかけて言葉が詰まる。 彼女の妙に荘厳な笑顔の前では、そんな言葉すら返せない。 「ここで彼女を見捨てれば……貴方はきっと後悔する。いいえ、きっと後悔することすら気がつけない」 何よそれ、矛盾してるじゃない。 後悔する事に気がつかないくらいに、後悔するって? そんなわけないでしょ、あの子とはまだ会って一日目。 別れを惜しむ、なんてレベルじゃないわよ。 「今日は妙に突っかかるわね、いつもは傍観者気取ってるくせに」 「……」 少し天使の表情が変わる。 憂いを帯びた、哀しそうな表情。 それから「そうでしたね」と、無理に笑顔を見せた。 ……また、やったみたい。 いいや、後で謝ろう。 「こなた? 居るかい?」 「!」 その時だ。 部屋に、男性の声が響く。 外に出ようとしていた私の耳にもそれが聞こえ、思わず体を止める。 「お父さん……」 そしてあの、アンビバレンスな感情が一気に伝わる。 相反する二つのそれが渦を巻き、彼女の心を黒く染めていく。 だけど。 その暗闇に……一瞬だけ、光が差した。 「玉子焼き、美味しかったよ。母さんの味にそっくりだった」 「えっ……」 扉の向こうから聞こえた言葉に、心の闇が反転する。 僅かばかり刺した光を求めるように、少女の胸から暖かい何かが溢れていく。 「また、作ってくれるかい?」 それはまるで、天から降りた蜘蛛の糸。 手を伸ばせば届くのに、地獄の亡者がそれを許さない。 その糸がお父さんなら……地獄の亡者は、彼女自身。 自分自身との、葛藤。 その、口から必死に言葉を漏らそうとする少女の姿が、見ていられなかった。 だから。 ……いや、だからってのはおかしい。 自然に、彼女の傍まで体が動いていた。 そしてその震える小さな手に……触れた。 「あ……」 触れた感触に、彼女が視線をあげる。 涙混じりの瞳と視線が合い、掴んだ手を少し強く握ってあげる。 「大丈夫よ、ゆっくり……言えばいいから」 「……」 蜘蛛の糸は脆くて、彼女一人の体重は支えきれない。 だから、私に出来るのはそれを支えることだけ。 ……知らないの? オバケって浮いてるもんよ! 「じゃあお腹が空いたらお前も食べるんだよ」 「あ、お、お父……さんっ!」 扉の向こうから消えそうになった父の姿を、呼び止める。 ようやく漏れた声とともに、彼女の手が私のそれを握り締める。 「次はもっと……美味しいの作るからっ。もっと……お母さんのより、美味しいのっ!」 つたなく紡いだ言葉は緊張で、上擦っていた。 それでも、ゆっくりと。 少しずつ蜘蛛の糸を登っていく。 「だからまた……食べて、ね」 「……」 返事のない、沈黙が続く。 向こうもきっと驚いているのだろう、初めて返ってきた言葉に。 そしてその喜びを確かめるように、大きな声が部屋を劈いた。 「ああ、もちろんだっ」 暖かいそれからは、父親の愛情を確かに感じる。 彼が部屋の前から消えてからも、少女はその余韻に浸っていた。 少し呆けたように扉を見つめたまま、無言。 その心があまりにも空虚すぎて、何も伝わってこない。 それが不安で、私の心まで焦らせる。 「あっ、ご、ごめんっ」 掴んだ手を慌てて離す。 なんで謝ったのかは不明。 触れたのは多分、天使が気を利かせたからだと思う。 私の顔が熱いのも、不明。 ……ああ、何で慌ててるんだろう私。 「じゃ、じゃあ私……行くねっ」 そっそうだ、私はさっき出て行けと言われたんだ。 それがちょっと、勝手に体が動いたというか何というか。 ああもうだから何に言い訳してるんだ私は! 「……待って」 「えっ……」 慌てて出て行こうとした体が、また止まる。 彼女が、微かな声で私を呼び止めたから。それにまた、心臓が跳ねる。忙しいなぁ、私。 「な、何?」 「……」 沈黙が辛い。うう、呼び止めたなら早く言って欲しい。 「……まえ」 微かに聞こえた声。 それと共に、また感情が伝わってくる。 顔が熱いのは、私のだけじゃない。彼女のそれも、共有してるんだ。 「名前、まだ……聞いてない」 「な、名前?」 そうだったっけ? ああ、そういや興味ないって跳ね除けられたんだっけ。 じゃあ今は……興味なくない、のかな。うう、余計なこと考えるな! 「か、かがみ。柊……かがみ」 自分の名前を言うだけなのに、何所か照れくさい。 顔の熱はきっと、彼女の。全部。うん、きっとそう! 絶対そう! ああもう滅茶苦茶だ。 「変な名前」 お互い様だろ! とも言えずに、彼女と視線が合う。妙に……心が安らいだ気がした。 「……ありがと、『かがみ』」 初めて呼ばれた名前は……何所か照れくさくて、恥ずかしかった。 向こうから伝わってくる顔の熱だけで精一杯で、自分の感情なんてよく分かんない。 「それに、ごめん……ちょっと、きつく当たってた」 「そ、それはお互い様だったし……私も、ごめん」 勝手なこと言って、勝手なことして……結果、彼女を何度も傷つけてしまった。 「じゃあ」 すると、手を前に差し出す。 少女が……ううん、『こなた』が。 「仲直りの、しるし」 「え……」 差し出された手を前に、少し戸惑う。 「これからはその、少しぐらいなら……手伝っても、いいから」 彼女が恥ずかしそうな表情を必死に隠しながらも、私に手を伸ばす。 ……そう、だ。 彼女はやっと、認めてくれたんだ。 私という、存在を。 「うん……ありがと」 差し出された手に私のそれを伸ばすと、二つの手が繋がった。 天使がまた気を遣ったらしい。 なんだ……読めるのね、空気。 「ちなみにさっきのもあわせて-10TPですよ」 読めなかった! ……まぁ、いいわ。 あんたの説教も、今なら少し分かるから。 今回は特別、許してあげよっかな。 現在のTP:-499TP(↓) コメントフォーム 名前 コメント
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バイト始めました。ろく 「えっと、もう一回言ってもらっていいかな?」 「だから! ナケワメーケがしゃべったのよ!!」 「せつな、あなた疲れてるのよ…」 「疲れてる時はゆっくり安静にした方がいいっていうよね。せつなちゃん、横になる?」 「みんな信じてよ!」 「だって、ねえ…?」 みんなから憐れむような視線が送られてくる。でも、私は確かに聞いた。ハープで攻撃したとき痛いと絶叫したその声を。あのナケワメーケはテレビか何かを媒体にしていたから、人の言葉を話すとしたら番組を受信でもしたのだろうか。 しかしあの台詞をあのタイミングで…? ナケワメーケに話をする機能はなかったはず。そんなのは必要ないから。 でも、もし私が抜けた後で改良がされたとしたら、一体何の目的で… と、そこまで考えてふと視線を感じた。顔をあげてみたら三人ともハの字に眉が下がっている。思いのほか心配されているらしい。 「あ、えっと、一旦この話は…」 なんだか申し訳なくなって、この話は一先ずやめようかと思っていると、 「わかったよ!! みんなで確かめてみよう!」 「へ…?」 ラブが勢いよくそう言った。握りこぶしを震わせて、その眼には確かな信念が宿っていた。 「そうね。せつながそうそう嘘をつくとも思えないし」 「うん! わたし、せつなちゃんのこと信じてる!!」 「み、みんな…!」 ラブだけじゃなく美希とブッキーまでそう言って私に笑いかける。こんないい仲間が出来て、私とても幸せだわ。 「みんな! 作戦会議だよ!! せつな、その時の事もう一回詳しく教えてもらっていいかな?」 「ええ!」 そんな感じでせつなが友情を噛み締めている頃、これから襲い掛かる恐怖に全く気付いていない当事者は、別の意味で身構えていた。 …お久しぶりですこんにちは。今自分は何をしているのかというと…と、よそ見してる場合じゃなかった。油断すれば一瞬でやられる…!! 緊張からツーと頬に汗が伝い、知らずにゴクリと喉が鳴る。 もうすぐだ。 これからの事は、ある意味今後の自分を左右することになるだろう。周りの人全てが敵に見える。こんな状況が続いてしまったら、自分の精神がおかしくなってしまいそうだ。 カチカチとやけにうるさく感じる時計の秒針が、もうすぐ、天辺に到達する。 あと10秒…8…5…3…1…… 「…それでは16時になりましたのでタイムサービスを始めさせていただきますっ!!」 その放送と共に、戦いの火ぶたが切って落とされた。 「うおおおおおぉっ!!!」 その言葉を聞いた瞬間走り出す。兎に角走る。目的のものを追いかけて、掻き分けて、手を伸ばしたのだった…――― 改めて、こんにちは。先ほどはすみません。ちょっと立て込んでいたものですから。あのタイムセールを逃すと、本気で食費がマッハだったんです。講義の教材ってなんであんなに高いんだろうね。うっすい本が云千円とか思わず一ページあたりの金額計算しちゃったよね。で、そんな財布が乏しい人の味方である今回行ったスーパーのタイムセールは、価格破壊という言葉が文字通りでほんとに安い。貧乏人の強い味方! パッションにハープで殴られたところが未だに疼いてしまうので、せめて食事くらいはまともなものを食べたかったんです。 しかし、今回は傷の治りが遅い気がする。危険手当がいつもより多かったのはこれを見越してだったのだろうか…説明も無しとかなんか金多くしとけばいいんだろどうせ。みたいなやっつけな感じがします。嫌だねなんでも金で解決できると思ってる人たちは。 …まあ解決されるんですけどね大抵。 例に埋もれず自分も解決されてしまったわけです。あの多さを見れば、ね…? ただ、危険手当というからにはいつもより危険が大きいということで、治りが遅いだけじゃなかったら嫌だなーと思いながら自宅に到着。 「…すみません。今からバイトをお願いします」 「あ、はい。あ、あのー…」 「…なんでしょうか?」 「…あ、やっぱり何でもないです。すみません」 「そうですか。では、バイトの方お願いします」 帰宅して早々にバイトを頼まれ、次の瞬間には目の前にプリキュアが。 ちなみに、さっき謎の声に言いかけたのは、ハープで攻撃(物理)された時の危険手当について聞こうと思ってました。でもなんか怖くなったのでやめました。世の中知らない方がいいこともありますもんね。 今回はプリキュアとの目線が近く、どうやら大物ではないらしい。っていうかむしろプリキュアより目線低くね…? よくよく見ると、リンゴになっていました。 ちょっと自分でも何言ってるのかわかりません。人間の大きさのリンゴとか中途半端だろ。どうせならドデカくビルくらいの大きさにすればよかったのに。まあリンゴ三個分の重さのネコっぽいのもいるんだからこれもアリか。 …やっぱりちょっと混乱してるみたいです。アリじゃないよねどう考えても。チョイスをもっと慎重にしてほしかった。誰だよこんなの選んだの…と思い周囲を見渡せば、高笑いしながらプリキュアを馬鹿にする大男がいた。 「ふははっ! どうだプリキュア! お前らがリンゴ好きな事はリサーチ済みだ!! 好きなものを相手にいつものように攻撃できるかっ?」 勝ち誇ったように自信満々な男の意味の分からない主張。そんな男を呆れたように見つめるプリキュアたち。 その光景を見て、あ、うん。しょうがないか…と、何故だかすべてを諦められた。 「行け! ナケワメーケ!! プリキュアを倒せ!!!」 いや、行けって言われてもこの丸型でどうしろと… とりあえず転がってアタックしてみる。開幕から捨て身の攻撃である。 「アップぅウウウルっ!!」 鳴き声が絶望的にダサい… 捨て身タックルも案の定躱されて、背後から蹴られ宙に浮いた後、近くにあった電柱にぶつかった。 このフォルム死角多すぎてヤバいんですけど…! 勝てる気がしない上に高速回転だから目がまわって気持ち悪い。一回の攻撃で大分ダメージが。主に自分の所為だけど。 「しっかりしろナケワメーケ! お前の力はそんなもんじゃないはずだろ!」 必死に応援する大男に、どこの修造だよと言ってやりたい。だがアップルしか言えない。悔しいです。 「うーん…今回は言葉を話すような媒体ではないわね」 「パッションの言った通りにしてみようか」 「これではっきりするかもしれないし…」 「みんなありがとう!」 いくら今回のフォルムが雑魚っぽいからって敵の目の前で円陣組んで話し合いってどういうことなの… 「ァアアっプウウウッルーー!!」 円陣に向かって突撃してみる。だがさっきのように直線ではまた躱されそうなのでジグザグと動きながら急ブレーキとかかけてフェイントも入れる。リンゴのくせに意外と俊敏に動けて驚きを隠せない。 円陣から一斉に散らばったプリキュアの後を追いながら廻る。ピーチのパンチをカーブすることで避け背後から突進。動きの速さに追いつけなかったのか態勢を崩したピーチに渾身のジャンピングアタックをお見舞いした。 「くっ…!」 「ピーチ大丈夫っ?!」 「大丈夫だよパッション!」 「あんなフォルムなのに意外とやるわね…」 「そうだねベリー、丸いから動きが自在だし。でも…」 「まあ、あれだけ回転してたらね。そりゃあ眼もまわるわよね」 頑張ってピーチに一撃いれて優勢になったかと思いきや、高速回転のし過ぎで世界がまわっている。ふらふらしながら木とか壁とかにぶつかってしまう。眼の前にいるプリキュアにたどり着けない…そして最高に気持ち悪い。 「まあ、ウエスターの出したナケワメーケなんてこんなものよね」 「おいイース! なんだその見下した言い方は! 大体自分の好きなもの相手に何故普通に攻撃しているんだ!!」 「だって私リンゴよりももの方が好きだし。大体リンゴを媒体にしようとするあたり作戦も何も考えてなさそうよね」 「俺だって考える時はある! 例えばこんなふうにな! ナケワメーケ!!!」 「アップウウ?」 気持ち悪さを必死に抑え男を見ると、こちらに向かって何やらジェスチャーしている。 えーと、何々、自分の体を絞って匂いをだせ…? え、なに言ってんのこの人。自分の体を絞るなんてそんなことできるわけ…あ、できた。 上半身を思いっきり捻ると何やら果汁的なものがでてきた。きもい。 で、こんな汁だしてどうすればいいんだろうかと無い首を捻ると、一番近くにいたピーチがこちらにふらふらと歩いてきた。しかも全くの無防備で。どうしたのかと思いながらせっかく近づいてきたので体当たりしてみた。すると避けることもなく攻撃が当たる。なんだこれ? 「…ッ! え…なんで私ナケワメーケに近づいて…」 「ちょっとピーチどうしたのよ!」 「わ、わかんないよっ! なんか気付いたら体が勝手に動いてて…」 「ふははっ、どうだプリキュア! リンゴは見た目だけじゃなく中身も優秀なのだ!」 もしかして、果汁から出る匂いが相手に何かしら影響しているのだろうか。そうでなきゃピーチが寄ってくるわけないし。まじか。意外とすごくないかリンゴ!そしてちょっと見直したよ大男!そうと分かれば高速回転でプリキュアに近づいて果汁を出しまくる。 案の定近くにいたベリーとパインがこっちによってきたのでそこを攻撃。 なんだこれすごいぞ。やられっぱなしだったプリキュアを苦戦させている!しかもこんな弱そうな怪物なのに! 「みんな!! どうすればあの匂いを防げるのかしら……っそうだ…!」 匂いをだしてプリキュア達にアタックしまくる。わーい臨時収入だ金だーなんて現金に眼が眩んだのが間違いだったのだろうか。気付いたらパッションがこちらにハープを向けていた。思わず体が震えた。どうやら体の方がトラウマを感じているらしい。 「吹き荒れよ幸せの嵐! プリキュア! ハピネスハリケーン!!」 辺りに風が巻き起こる。と、それまで無抵抗で寄ってきていたプリキュアがピタリと動きを止めた。 「…あれ、匂いがしない」 「ハピネスハリケーンのおかげで匂いが消されてるんだわ!」 「ありがとうパッション!」 「みんな! 今のうちに!!」 くそ、風で匂いが拡散されてるのか。これじゃ捨て身アタックくらいしかできることがないじゃないか!ああ、今回はここまでか…調子よかったんだけどな。 それぞれがスティック、ハープを持っている。浄化される準備でもするかと気だるげにぼーとしていると、なぜかこちらに走り出すプリキュア。ハピネスハリケーンで時折視界が遮られるが、それでもこちらに迫っているのは見間違えようがない。予想外すぎて固まってしまう。 ついに目の前に、っていうか囲まれた。振り上げられる腕。なにこれこわい。 「…せーのぉ!!」 ピーチの気の抜けた掛け声を皮切りにスティックで殴られた。四方向から。え、え…? 「…ちょ、え、い、いたっ痛い!」 「ホントにナケワメーケしゃべった!!」 「パッションの言ってた通りね!」 「えいっ…!」 「やっぱり! どうしてナケワメーケが喋ってるのよ! 何が目的?!」 「おまえらが何の目的だよっ!! イタっ…やめ、ちょ、殴るの止めて!?! これただのいじめ!!!」 正義の味方に鈍器(スティック)で殴られる。この絵面ただの弱い者いじめじゃね?!ってかまじ痛い!! 「ナケワメーケに話す機能なんてつけて何のつもり!」 「ちょっとアンタ意思があるの?」 「ごめんね…!」 「質問しながら殴るなっ! 痛っ! ごめんとか言っといて一番力入ってるぞ黄色い奴っ!いたいっ、ごめんなさい、止めてっ!」 「質問に答えなさいっ!!」 殴られ過ぎて意識が遠のいてきた。なんなのなんで殴るの止めてくれないの。質問?意思があるのかって?そりゃあるよ。だって… 「だってバイトだからぁっー…!」 そんな言葉を叫んだのを最後にぷつりと意識が途切れた。 …ふと目が覚めるとそこは自分の部屋だった。身体も自分のものだ。戻ってきたらしい。戻ってこれたのか…先ほどまでのことを思い出す。プリキュアにタコ殴りにされる自分。え、ていうかなんだったのあれ。プリキュアって暴力団だったの?力のないものを力のあるやつが攻撃するって正義的にどうなんですか!一般ピーポーですよこっちは! 「っ痛っ…」 思わず打ち震えた瞬間身体のあちこちに痛みが走る。服をめくると痣が至る所にできていた。 まじかよ…やばいよこれ。まああれだけ殴られて痣だけってのもすごいが。っていうかパインに殴られたとこだけ痣デカいんだけど。しかも脇腹とか防御の薄そうなところばかり。あいつやっぱえげつないわ… それにしても意識がこっちに戻ったってことは浄化されたってことでいいのだろうか。殴られても浄化ってされるんだね知らなかったよ。でも普通にやってほしかった。 プリキュアと会話した気もするけどまあいいか別に。あの怪物に鳴き声以外のコミュニケーションのとり方があるとは思わなかったが。 あー、次バイトするの嫌だなあ… 数日後に振り込まれていたバイト代は未だかつてない金額でした。 バイト始めました。ななへ
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訪問者数 今日 - 人 アルバイトを始めました。 「アルバイトwiki」はじまりはじまり◎ まじっすか 出版会社でアルバイト始めました。(1月29日、ハルコ)
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手始め&よっぺい歌一覧 よっぺいは、主にニコ動( http //www.nicovideo.jp/ ) で動画を投稿したりしています。 二コ動は、動画を再生しながらコメントが出来たりなどユーザーやアップロード者同士が 交流できる機能を数多く備えている動画共有サイト的なものです。 んでもって、ニコ動内のよっぺいのマイページ的なの→http //www.nicovideo.jp/user/3131320 このよっぺいさんのマイページ、マイリスから、よっぺいの色々な歌ってみた動画が見れたりします。 マイリスに入ってない動画も余興なども全部手っ取りばやく見たいっ!って人は、 下のよっぺい歌一覧をゆっくりみていってねっ!!!。 +よっぺい歌一覧 よっぺい歌一覧(基本的に古い順です) =歌ってみた= エアーマンが倒せないを歌ってみた verよっぺい かえして!ニーソックス(らき☆すたOP/CW) を歌ってみた verよっぺい おっくせんまんを歌ってみた verよっぺい メタルGod knowsを歌ってみた verよっぺい 君のために歌を歌ってみたよアポロ(チーターマン) =よっぺい 真赤な誓いを歌ってみた verよっぺい ブレンパワードOP 「IN MY DREAM」を歌ってみた verよっぺい X JAPAN(X)の紅を歌ってみた verよっぺい ラピュタED 君をのせてを歌ってみた verよっぺい 【メルト替え歌】「チルノ」を歌ってみた=よっぺい 初音ミクの消失を歌ってみた verよっぺい U.N.オーエン~フランドール・Sは俺の嫁(ryを歌ってみた=よっぺい 灼眼のシャナOP JOINTを歌ってみた verよっぺい ブラック★ロックシューターを歌ってみた verよっぺい 【初音ミク】Liberate~赤い海の夜明け~ を歌ってみた verよっぺい ≪悪ノ娘 替え歌≫馬鹿ノ娘を歌ってみた=よっぺい トライアングラーを歌ってみた verよっぺい Little Busters! を歌ってみた verよっぺい ワールドイズマイン -Band Edition-を歌ってみた verよっぺい タッチを歌ってみた verよっぺい ダブルラリアットを歌ってみた verよっぺい ちょこっとLOVEを歌ってみた=よっぺい 炉心融解を歌ってみた verよっぺい ロミオとシンデレラを歌ってみた verよっぺい けいおん!Cagayake!GIRLSを歌ってみた verよっぺい 七色のニコニコ動画を歌ってみた verよっぺい ↑この七色は、運営に消されたの運営〇ね(ryよっぺい本人の再うp 初めての恋が終わる時を歌ってみた(歌いなおしてみた) verよっぺい Mrs.Pumpkinの滑稽な夢を歌ってみた verよっぺい ローリンガールを歌ってみた verよっぺい =元実写ブース(現在は余興に移動)&大会議(顔出し的なの)= 創聖のアクエリオンを歌ってみた verよっぺい デジモンOP butter-flyを歌ってみた verよっぺい 巫女みこナースを歌ってみた verよっぺい JUDY AND MARYのover driveを歌ってみた verよっぺい 矢井田瞳のアンダンテを歌ってみた verよっぺい =かぁいいものブース(主に喋り。ローカルなリクに応えたりもする。その他って奴かな。ってよっぺいが言ってた。)= かぁいいものがいれば何でもできるかな?力がわくかな? かぁいいものがいれば何でもできるかな?力がわくかな?2 かぁいいものがいれば何でもできるかな?力がわくかな?3 かぁいいものがいれば何でもできるかな?力がわくかな?4 かぁいいものがいれば何でもできるかな?力がわくかな?5 かぁいいものがいれば何でも出来るかな?力がわくかな?6 =余興(短めの動画とかなど)= するめいかOP 王侯貴族のためのするめいかを歌ってみた verよっぺい スネ夫が自慢話をするときに(ryを聞きながら失恋ソングを歌ってみた 嫁のリクエストで( ^ω^)朝だおを歌ってみた 嫁のリクエストでギャグ漫画日和を歌ってみた 燃えてヒーローを歌ってみた 嫁のリクエストで青雲を歌ってみた 365歩のマーチを歌ってみた カラオケでさんぽ
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今日から始めるMMM(第2回) 目標:見上げ画像を作成しよう カメラを適当にいじって好みのポジションを探すのだが、その一例を示す 初音ミクを読み込み、カメラを選択する 画面下部の数値の説明をする 真横から見た図 被写体を原点に置いた時の視点とカメラと数値の関係図 空色町を読み込み1/100に縮小する 基本設定として以下を基準とする 位置Y=0.18、Z=-10、距離=0 こんな感じの画像になる 見上げてみる 仰角設定、回転X=-55 視野を広くする 視野角=70、回転X=-32 これで一応完成 次回はパノラマに挑戦する(予定)
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この不幸な2020年、ほぼほぼ全世界はオンラインへ移りました。ギャンブルも例外じゃありません。待ちに待ったカジノIR(統合型リゾート)は延期されているうちに、オンラインカジノは盛んになりました。ギャンブルの魅力を楽しめたい人は、パソコンからもスマホからもライブカジノに参加できます。そしてオンラインカジノの娯楽はポーカーとルーレットのような大人気なテーブルゲームに限りません。プレイヤーの期待に応えて、日本の市場にあるカジノはパチンコとスロット、そして面白いパチスロも提供します。 オンラインカジノで遊べる前にいくつかのポイントを解釈すべきです。 合法性 日本では、オンラインカジノが違法ではありませ。合法であるとも言えませんが、特別な法律がないうちに罰金・逮捕の恐れがあまりありません。 金遣い ギャンブルはお金にかかわるものですが、無料でもプレイできます。多くのオンラインカジノは様々なボーナスとフリースピンを提供します。現金でプレイしたら、賞金から税金を支払わなければなりません。 個人情報の取り扱い オンラインカジノで登録のために、主にIDなどの書類が必要ですが、個人情報は慎重に保存されています。漏洩の恐れがあまりありません。 もちろん、ギャンブルを始める前に信頼性が高いオンラインカジノを選ばなければなりません。評判と口コミを徹底的にチェックするために、https //kamikajino.com/ のようなオンカジ比較サイトは非常に役に立ちます。様々なランキングとおすすめポイント、プロからのレビュー、プレイヤーの口コミと評判をチェックしてください。
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セットアップ 1.本体をDLし解凍 ↓ 2.本体を解凍したフォルダを開いて「config.exe」をクリック ↓ 3.キー操作、名前を設定する ↓ 4.saveをクリックし「config.exe」を閉じて「xopsolt18.exe」をクリック ↓ 5.「GET SERVER LIST」をクリック ↓ 6.「VIP鯖」をクリックしたりIP、Portの所にスレに晒されてたものを入れる ↓ 7.「START」をクリック これは通常MAPでのやり方です 専用マップ、exeでは実行するexeが違うので注意 オンにしろオフにしろMODを導入すると良さげ フォントは導入しないと見づらいかも 探すのが面倒な人はここやここから
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お菓子作りコンテストは何とか無事に終わった ノアの作ったのはオーソドックスなクッキー 「何事も基本が大事ですから」 …それってさ、逆に言うと手加減なしってことなんじゃないですか? まぁ問題を起こさないでいてくれるだけでもこいつらよりかはいいか…… 「うぅ~私も出たかったよおぅ~~!!」 「アニキ、なんだよその冷ややかな目は……」 お前らが出たら問題どころか死人が出るかもしれんだろうが… お菓子作りコンテストの結果は夕方に出るそうだ そうとなれば今のうちに他の知り合いのブースにでも顔を出しておくかね 「あ・き・ひ・とっ!」 ブースを三つか四つ回ったところで後ろから声をかけられる 「ん? ああ、エリーか」 見慣れた少女を発見 「美子も優奈も凄い格好だねぇ…」 「アタシは嫌だったんだけどな…アネキがノリノリで、その道連れってところさ」 「だって可愛いじゃん!」 美子の言葉に苦笑いするエリーは右肩に神姫を乗せていた 「それがお前の神姫か?」 「あぁ四人とも、紹介しておくね。僕の神姫、ソレイユだよ。ほらソレイユ、挨拶して」 「そ、ソレイユです…」 ちょっと緊張してるんだろうな ペコリとちいさくお辞儀をするソレイユ 「ああ、よろしくね」 ソレイユのタイプはフォートブラックだが武装はしていない かわりにどこぞで見たことがあるような印象の服を着ている 白のブラウスの上から薄いブラウンのベスト、下は黒のスカートだ 「ん? かわいい? かわいい? スカートの中も見てみる~?」 「ちょ、エリー! や、やめてよぉ」 うりうりとソレイユのスカートに手をかけようとするエリー セクハラ親父かお前は 「なぁエリー」 「ふぁにぃ?」 真っ赤になったソレイユに両頬を引っ張られているエリーはなんとも滑稽だった 「何?」という返事だと解釈して話を続ける 「この服って……もしかして“Electro Lolita”ってブランドか?」 「おお、よく知ってるねぇ~。そだよ、父さんに買って貰ったんだ。しかもこれって可愛いだけじゃないんだってさ。凄いでしょ」 あの親バカ博士め… マイスターの作品は出来がいい分、値段もけして安くはないだろうに 「んで、お前もブース見学か」 「まぁね。ホントは父さんも一緒だったんだけど知り合いの人と話が弾んじゃってさ。そんな時に明人たちを見つけたから声をかけたんだよ。ちょっとお使い頼んでもいいかな?」 「お使い? なんだそら?」 「葉月とレイアに陣中見舞いってところさ」 「陣中見舞いって…差し入れでも持ってきたのか」 「そんなものかな。あ、明人にもあるんだよ?」 「俺にも?」 そう言ってエリーは黒いアタッシュケースを開き、中に入っていた二十センチほどの物体を俺に見せる それはおそらく神姫の武装だろう なんというか非常に言葉にするには難しい形をしていた 「…なんだこれ?」 「ふっふーん、新作だよ新作。えりぃじるし四作目、全領域兵器『マステマ』!」 マステマ……ああ、エヴァのゲームに出てきたやつか… 「カッチョよかったんで作ってみました!」 ぐっと親指を立てた拳を突き出すエリー 簡単に言いますねこのお子様は… 葉月に会うってことはまた本部まで行かなきゃならんのか… エリーと分かれて本部に寄り、三人に増えた我がかしましシスターズをそれぞれの定位置に乗せた後、予選会に到着する 予選会場はほとんどのグループが四回戦まで突入していた 連戦を戦い抜いた実力派の神姫とそのマスターに、予選であるにもかかわらず多くのギャラリーが歓声をあげる 「ご主人様、葉月さんがいましたよ」 人探しのときに神姫が大勢いるってのは楽だよな~ 葉月はアルと一緒に他グループの試合を観戦していた 「よぅ、選手がこんな所で油売っててもいいのか?」 「あ、兄さん!」 振り向いた葉月が笑顔だったことでなんとなく次の言葉を予測している俺 昼のときとパターン変わらんなコイツは… 「私達、勝ったよ! 決勝リーグだよ!? 夢みたいだよぉ~!」 俺の前まで来てレイアの快挙を報告する葉月 「あぁ、良かったな。おめでとう葉月、レイア」 「ありがとうございます明人さん!」 葉月は感極まって泣き出しかねん勢いだな… だけどさ、葉月…おまえなんか忘れてない? 「で、そちらさんも…無論?」 口癖を先に言ってやった してやってりな気分でアルティの方を見る 「む…そうだ。無論私達も決勝進出を果たしたぞ」 「そか…おめでとうなアル、ミュリエル」 「……ぶい…」 ビッ! と俺に向けブイサインをするミュリエル と、言うことはな…… 「決勝の一戦目はおまえらのバトルってことじゃねぇか」 「うぅ、それは言わないでよ兄さん…」 「御主人様、気を確かに!」 がっくり肩を落とす葉月にそれをはげますレイア 「葉月には悪いが負ける気はないぞ?」 「……ミュリエル…頑張る」 不敵に笑うアルティと淡白ながらもやる気満々のミュリエル こりゃ葉月とレイアには分が悪いですかな… 「葉月、そんなお前にお兄ちゃんからのお助けアイテムだ」 ホントはエリーからなんだけどな… 「え?」 「なに?」 アタッシュケースのひとつを葉月に渡す もうひとつは俺用だ 「次の対戦相手がいるのにここで開けるのもなんだから中身は後で確認してくれ。使い方は同封の取り扱い説明書を見るように」 「あ、ありがとう兄さん!」 さっきまでの落ち込み具合が嘘のように目を丸くしてアタッシュケースを抱きしめる 「これぐらいのハンデはありだろ?」 俺は自分のアタッシュケースに小さく描かれていたエンブレムをアルにだけ見せた 「…なるほど、あいつのしわざか」 だってお前もエリーのパーツ使ってるもんな~ 文句は言えねぇよなぁ~ 「私は構わんが…明人、なんだその顔は」 「べつにぃ~。そういえば昴と香憐ねぇはどうした?」 「あ…昴兄さんとランちゃんは三回戦で…」 「香憐と孫市も四回戦まで行ったんだが…」 そうか、負けたか… それでもまだ日の浅い二人にしては大健闘と言ってもいいだろうな 「それで先に兄さんを呼びに言ってくれたんだよ。すれ違いになっちゃったのかな?」 そういえば携帯の電源を切ったままだった 本部で美子と優奈を素体に交換してやったから多分そのときにすれ違ってしまったんだろう 「おや、明人さんじゃないですか…」 携帯の電源を入れようとした手を止める 聞いたことのある声、しかしできるならあまり聞きたくない声だった 「…興紀」 「どうも。お久しぶりです」 いかにも好青年な笑顔を見せる目の前の男は 鶴畑興紀 鶴畑コンツェルンの社長、鶴畑千代氏の長男でランキング54位のファーストランカーである 後ろには見事に丸まった体つきの二人を連れてのご登場だ 右は次男、鶴畑大紀 ファーストランカーだが実力は兄には及ばず、ランキングは144位 この前の全国大会で静香ちゃんとココちゃんに負けてた子だな さっきエルゴに挨拶しに行ったところだったからやけに印象的だ 兄とは違って周りからの評判はあまりよくない まぁどっちが良いかといわれても困るが… 左は長女、まぁこっちのには比較的最近会ってるんだけど 和美嬢だ 「…俺はあまり会いたくなかったがな」 興紀と大紀はファーストランカーなので俺との面識がある それに付け加えて、もとより俺は鳳条院グループの総帥の孫だ 過去に鶴畑コンツェルンとの関わりも多少はあったのさ と、言っても俺が鳳条院にいたころの和美嬢はまだ小さかっただろうから彼女だけは前の時が初対面だ 「ははは、つれないこと言わないで下さいよ。僕は明人さんを尊敬してるんですから」 自分よりランクが上の者に会ったら誰にでも言うセリフなんだろうが 「世辞はいらねぇよ」 とは言ったものの、コイツの場合…世辞とはちょと違うかもしれねぇな あえて言うなら自分が相手よりも上に立ったときに相手をどん底まで叩き付ける為の布石というかフラグというか、それに近い感じだ 悪いが俺は簡単にお前の仮面に騙されてやるほどお人好しじゃねぇんだよ… 「あ、あの…」 「ん?」 先まで兄の後ろにいた和美嬢がオドオドと俺の前まで来る この前の威勢が良かったときとは大違いだ 「こ、この前は…どなたか存じ上げず…ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした!」 この前のことを詫びてくれているんだろう 「うちの妹がご迷惑をお掛けしたようで……」 微笑を浮かべながらぽんと和美嬢の肩に手をやる興紀 興紀が手を置いた瞬間、和美嬢がびくりと反応したのを俺は見逃さなかった 「いいよ、彼女もわかってくれただろうし…」 怖い兄貴から十分お説教されただろうしな まぁ、お説教の内容が迷惑を掛けたことに対してなのか、それとも簡単に負けたことで鶴畑の名を落としたことに対してなのかは別として… 「ここにいるってことは…エントリーしてるのか」 「ええ、鳳条院と鶴畑の付き合いもありますし…これから弟はE、妹はOの四回戦でして…僕は決勝まで進みましたよ。グループはMですね」 「M…だと?」 香憐ねぇと同じ… 「そういえば予選の最後の相手は鳳条院さんの使用人さんでしたっけ?いや、なかなかの相手でした。それよりも…明人さんには本戦で解説していただけるようなので楽しみにしていますよ。それでは僕らはこの辺で…」 そう言い残して鶴畑三兄妹は去っていった 「……なかなかだと? ふざけるな!」 三兄妹のいなくなった後、アルが我慢していたものを吐き出すように一喝した 「……レイア、バトルの内容は?」 この四人の中では一番冷静に話してくれそうなのはレイアだからな 「は、はい。バトル開始直後からの一方的な展開でした。孫市さんも見事なたちまわりでしたが…力の差は歴然…開始から五分とかからずに…」 「…そうか…」 「もともと格上相手の戦いですので負けたこと自体は仕方がありません。ただ、バーチャルでなかった時のことを考えるとゾッとしてしまいます…」 なるほどな…アルが熱くなっている原因はそこか… 「葉月! どちらが勝ったとしてもあいつだけには優勝させるんじゃないぞ!」 ガッチリと葉月の両肩を掴むアルティ 「え、あ、う、うん!」 よほど腹が立ったのか熱血気味ですよアルティさん 葉月、ちょっとびびってるじゃないか… 追記 「あの子、女の子じゃなかったんだってよ! マジでビックリしたぜ!」 「その子に見とれてて私への指示が遅れたんですよね。それで負けたんですよね。昴さんわかってますか?」 「そ、それは悪かったって言ってるだろ?」 「昴さんはホントに節操なしなんですから…明人さんを見習って下さいよ」 「明人から学ぶことなんかねぇよ。むしろアイツはもうちょっと俺を見習うべきだ」 「なに無茶苦茶言ってるんですか…」 「それより香憐ねぇ、まだ明人と連絡取れねぇのか?」 「はい…例の事件に巻き込まれていなければ良いのですが…」 「例の事件ってなんですか?」 「い、いえ、何でもありませんよ」 「姫君殿、若君殿と入れ違いになっているやもしれませぬぞ。一度、葉月姫殿の処へ戻られてはいかがかと…」 「そ、そうですね。戻りましょうか昴様、ランさん」 「ん…あ、ああ……」 続く メインページへ このページの訪問者 -
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1 唯梓 2013/01/03 http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357221319/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 個人的にはなかなか良いと思います -- (モップ) 2013-08-06 20 09 32 だからどうしたの?ってレベルの話だな。 -- (名無しさん) 2013-01-24 12 12 27 これはスレの終わり方でワロタ覚えがある -- (名無しさん) 2013-01-08 15 22 22 結構好きだけどなこれ -- (じゅわ〜) 2013-01-07 05 00 08 ボロクソに言われるような内容でもないのでは? 物足りない感じはあるが、いつもの唯梓で個人的には良いと思う。 -- (名無しさん) 2013-01-04 21 37 21 唯梓なら何でも喜ばれる、という考えは改めた方がいい。 -- (名無しさん) 2013-01-04 16 29 50 図々しい -- (名無しさん) 2013-01-04 15 03 50 なんかこの唯ウザい -- (名無しさん) 2013-01-04 14 05 20