約 173,352 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1858.html
武装説明 FS=フロムソフトウェア GR=グレネードランチャー RC=リニアカノン MC=マシンガン FS-GR15 グレネードランチャー 装弾数 15発 (ただし、カートリッジを用いれば弾倉交換も可能) フロムソフトウェア社のAC用パーツを流用し、 スバルが神姫用にリサイズしたもの。 香鈴の肩につけるのは忍びないとのことで、 スバル自身が手に持てるように改造を施した。 また、片腕で打てるように反動計数を計算し、 反動を少なくした。 弾倉も大きく重かったため、 元々20発を軽量化を図るため15発にした。 このような改造を施したにも拘らず、 威力は減衰しない。 (爆風を起こし、相手をロスト状態にすることも可) また、折り畳むことも可能であり、 持ち運びに便利と言えば便利。 しかし、マオチャオの純正武装では装着不能なため、 これを使う際に防具を一部パージする。 折り畳んでいる時は、格闘戦用のトンファーになる。 装備最大数は、勿論のことながら両手に持つため二つである。 FS-GR30 軽量型グレネードライフル 装弾数 30発 ストラーフが本来装備しているリボルビング形式のグレネードランチャーではなく、 フロムソフトウェア社のAC用パーツを使っている。 (腕部装着型) これは元々、神姫用にリサイズされており、一部でしか流通していなかったが、 KARASUのオーナーが何かを通じて入手したと思われる。 観賞用のパーツ(武装)であり、 本来なら装着しただけで、神姫自体が動けなくなる。 威力と命中精度が格段に上がっており、 命中時の熱量を爆風の範囲が広くなっている。 FS-RC80 収束リニアカノン 装弾数 80 リアパーツGAの両肩を改造し、この武装を装備できるようになっている。 これもまた、フロムソフトウェア社のAC用パーツを流用している。 エネルギーを使用せず、実弾を高速で撃ち出す。 連射性能に優れている。 神姫用日本刀『炎加紅ノ刀(えんかくれないのとう)』 レーヴァテインに似た素材で出来ている。 しかし、形状的に好ましくないと思ったスバルが自ら作成。 日本刀のようなフォルムに、燃焼式機構を取り入れた。 また、技名を音声入力することにより様々なバリエーションが生み出される。 流石に形状変化は無い。 神姫用 至近距離パイルバンカー『グングニール』 シェルブレイク・パイルバンカーの発展版。 近距離戦が弱い春姫のために、スバルが愛を込めて作った武装。 一回のダメージがシェルブレイクよりも強い。 春姫用 長距離衝撃波弾頭ミサイル(LSWM=Long Shock Wave Missile) 何かも衝撃波で吹き飛ばすトンデモ兵器。 また、近距離~中距離にも対応しており… 近付いた神姫に対して撃った場合の相手の心情は図り得ない。 春姫がこれを装備した理由が、「日ごろの鬱憤を晴らすため」。 彩里用 MOONLIGHT〈月光〉(レーザーブレード) フロムソフトウェア社のAC用伝統武装を、 スバルが暦用にリサイズしたもの。 青い刀身を持ち、高い威力を有するという性質は一貫している。 全てのものを切り裂く、強力なレーザーブレード。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 アングリフ・ダイバー アーンヴァルのレーザーライフルにエクステンドブースターをくっ付けたもの。 ただ、それだけとは思われては製作者であるスバルも黙ってはいない。 エクステンドブースターを高性能ブースターに換え、音声認識システムを搭載。 また、銃口の側面にライトセイバーM4を二本装着することにより、スラッシュモード(乗って突撃)に変化させることが出来る。 FS-MC1000 装弾数:1000発 フロムソフトウェア社のAC用武装を神姫用にリサイズしたもの。 威力はあまり期待できないが、かく乱やミサイル等の迎撃には適している。 アーンヴァル本来の武装であるアルヴォPDW9より頑丈に作られているため、多少無茶をしてもジャム詰まりはしない。 (例外もある) 主に春姫が使用する。 FS-MC500 装弾数:500発 フロムソフトウェア社のAC用武装を神姫用にリサイズしたもの。 威力はあるものの、撃つ際に弾がばらけて収束性がないため、かく乱等に使用される。 アーンヴァル本来の武装であるアルヴォPDW9より頑丈に作られているため、多少無茶をしてもジャム詰まりはしない。 (例外もある) 主に春姫が使用する。
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/71.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第1-2話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm17944941 ヴァル「あーるーはれたー、ひーるーさがりー、いーちーばーへ…」 「ドナドナ」の歌詞の冒頭。反戦歌という説もあり、少なくとも明るい歌ではない。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2022.html
用語解説集 東都大学 優一達が通う国立大学法人。全国でもトップクラスの偏差値と倍率、人気があり、それに比例して学生全体の人数と学力は高め。 神姫同好会をはじめ、様々なサークルがある。 余談だが、ノーベル賞候補者を輩出したこともあったとかないとか。 治安局 この作品での警察機構にあたる。世界各国に支部があり、本部はスイスのジュネーブにある。正式名称はI.N.S.P(国際治安維持警察)なのだが、各国ではもっぱら「治安局」の通称で通っている。 MMS国際条約 国連で採択されたMMSに関する国際条約。武装神姫等のMMSの法律を作るためにはこの条約に基づいて起草することが決められている。しかし、これを含めて法の目をかいくぐり、軍用MMSや後述のCACが密輸などによって各国の犯罪組織やテロリストへの流出が近年社会問題化している。 CAC 正式名称・Codes of Atack Core(攻撃指令核)。主として軍用MMSに搭載され、競技用の神姫で言うところのCSCに相当する。 性能は競技用に使うことを前提とされたCSCの比ではなく、特に反応速度は非常に高いものとなっている。一応競技用の神姫にも搭載可能だが、競技バトルに出す際は厳重にリミッターを設けなければならない。MMS国際条約に基づき、輸出入は厳しく制限されている。 また、かつては各国で主力の座に有り続けたアムドライバーだが、戦闘力も優秀で、有る程度融通の利く神姫にその座を譲っている。 クリスタル・エレクトロニクス社 ロンドンに本社がある総合商社。元々産業ロボットなどの開発を行っていたが、武装神姫をはじめとするMMS市場の拡大にいち早く目を付けた企業の一つ。汎用高速度型フライトユニット「フロートシステム」を開発し、それまでデフォルトではアーンヴァルなど限られた神姫しか踏み入ることができなかった空中戦がどの神姫でも可能となり、バトルロンドの世界に革命を起こした。 その一方で軍需産業にも手を染めており、軍用武装神姫・可変戦闘機型イフリートや、MVシリーズを作り上げたのもこの企業である。 館山技研(たてやまぎけん) 日本の誇る大企業の一つで、正式名称は「館山技術研究所」。当初からMMSの開発に関わってきた。 「神姫にとって最も大切なのは動き回ること」をテーマにCE社と全く対を成す高機動性フライトユニット「飛翔滑走翼」の他、「制御動作式衝角刀」通称・「制動刀」や「廻転刃刀」等も開発している。 大東亜共和国 日本が盟主をつとめる複合国家。範囲は日本列島と朝鮮半島、台湾と東南アジアの一部まで。世界でも随一の経済大国で、「大東亜の不景気は世界の不景気だ」と言われるほど。 常備軍は存在せず、代わりに私設武装組織・黒の戦士団がそれを請け負う形となる。主力MMSは中量級全領域汎用戦闘騎型神姫の斑鳩(いかるが)。 ユニオン 正式名称・国際経済連合。かつての超大国アメリカ合衆国をはじめとする北南ラテンアメリカ諸国家とオセアニア諸国が加盟している。一応議会での合議制の上で大本の政策が決められているが、実質アメリカの独裁状態になっているため、足並みは決して揃っているとは言えない。 主力MMSは重量級戦闘爆撃機型神姫のメビウス。 合衆国中華 第二の大国、中華人民共和国を中心とする国家連合。範囲は中国とインド、東南アジアの大部分。MMS等の技術分野においては各国に一歩後れを取っているが、大量生産によってそれを補っている。 主力MMSは戦闘装甲騎型神姫のバイロン。 AEU 正式名称・Advanced European Union(新ヨーロッパ連合)。ヨーロッパ全ての国とエジプト、チュニジアといった北アフリカ諸国が加盟する国家共同体。 明確な国家元首は存在せず、加盟国の代表による会議で政治が行われているがユニオンと同様、足並みは揃っているとは言えない。 主力MMSである可変戦闘騎型(戦闘「機」では無い)神姫のシュベールトは配備が始まったばかりの最新鋭機なので、現在でもロートル機種である可変戦闘機型アムドライバーのアイゼン・ケンプが主力として運用されている。 ムスリム公国 中南アフリカや中東諸国が融合する形で誕生した国家。国民や政治家のほとんどが保守的なイスラーム教徒であること、公国制が採用されていることが背景にあるためか、世界では「時代遅れの国」と呼ばれているが軍事力、経済力ともに高い水準に有る。 主力MMSはホバータンク型神姫のオシリス。 ネオ・ソビエト ロシアを母体とする国家連合。他にグルジアやチェチェン、モンゴル等も一応加盟しているが状況はユニオンと似たようなもの。かつてのソ連の名を継承しているだけにやたらと秘密が多いが、観光名所も同じくらい多い。 主力MMSは寒冷地での戦闘を得意とする戦闘騎型神姫のサプサン。 カタロン 国境を越えて活動する巨大企業で、様々な事業を行っているが、本来は軍需産業においては右に出る企業は無いとされるPMC(民間軍事会社)で、シュベールトやアイゼン・ケンプを開発した。 しかしその裏では世界中のテロ組織に資金や兵器を横流しするだけでなく、自らも国際テログループとして暗躍し、政財界に大きな発言力を持つ。また、独自のMMSとして蜘蛛型のアリアドネを開発・製造している。 血塗られた聖夜事件(ブラッディ・クリスマス) この物語の5年ほど前、バトルロンドがまだリアルバトルのみだったころ、あるバトルロワイアルの大会で一体を残して参加した神姫とそのオーナー達が全員惨殺された事件。厳重な報道管制により、普通のテロ事件と発表されたが、その犯人は神姫だった。その犯人がソフィアである。 名前は現場の彼方此方が血痕で真っ赤に染められていたことに由来する。 ゼロ・スタンピーダー 正式名称・零距離相転移拡散粒子砲(ぜろきょりそうてんいかくさんりゅうしほう)。 ツヴァイのサブアームに装備されている特殊装備。 相転移粒子を利用して攻撃するが、拡散性が非常に強く、ショットガンのようには疎か、ビームサーベルにすら成らない程のため、相手を直接掴んだ状態で使用する。 威力は射程の短さに比例してかなりのモノのため、どんなに厚い装甲目標でも確実に撃破可能。 スキル バーチャルバトルにおいて使用可能な、神姫が持つ固有の特殊能力。 主な効果としては「攻撃力強化」等だが、中には完全オリジナルのスキルを神姫に身につけさせる強者もいる。 余談だが、ツガルなどのバトルモードも広義的に見ればスキルの一つである。 電脳空間偵察カメラ 通称「サイファー」。主としてバーチャルバトルでの実況中継に使用されるが、中にはハッキングの際に神姫と共に飛ばし、適切な指示をするための目として使用される場合もある。 反応弾 競技用、軍事用を問わず、神姫が装備する実弾武装の中では最も強力な武装。 熱源や赤外線、電磁波などに反応して誘導され、着弾時に強力な爆風を巻き起こす。 威力は競技用でもLC3レーザーライフルに匹敵し、対大型・装甲目標用に適している。特にペイロードの大きいメビウスやバイロンは大量に装備しての絨毯爆撃などで多大な戦果を上げた。 しかし、あまりにも強力すぎるために対人用としても使われたため、人道的観念により、たった一発でも使用には自分が所属する政府機関の許可が必要。 とっぷへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1364.html
{ストラヴァル&ストレガの誕生だぜ} アンジェラスの視点 「…ムニャムニャ…ンゥ~?」 クレイドルで寝ていた私は目が覚めて、いつもの天井が見える。 部屋は薄暗く目を細めながら時計を見ると小さい針は三時をさしていた。 なんでこんな中途半端な時間に起きてしまったのか分からないけど、何故か起きてしまった。 ふとベットの方を見るとご主人様が寝ていなかった。 正確に言うと居なかった、というのが正しい。 ご主人様、何処に行ったのでしょうか? 私は起き上がり、窓の下を覗き込んでみる。 うん、ご主人様の愛車はあるっと。 外に出ている、というわけではなさそう。 家の中の何処かにいるはずです。 私は机から飛び降り、武装神姫用のドアを開けて一階に行った。 台所・お風呂・トイレ・リビングにも、ご主人様は居なかった。 やっぱり外に行ったのかぁ~? 玄関に行ってみてご主人様の靴があるか捜してみる。 「…靴はありますね。じゃあいったい何処に、あ!」 まだ行っていない場所がありました。 地下の部屋です。 そうと決まれば善は急げです! 私は走って地下に向かった。 …。 ……。 ………。 天薙の視点 「ヨッシャー!遂に完成したぞ!!試作型だけど…」 俺は小躍りしながら喜んでいた。 このアイテム開発に二月間は掛かったからなぁ。 眠気を振り払い作り上げたかいがあったというものだ。 「さて、と。作り終わった事だし、寝るとするか」 欠伸をしながら背筋を伸ばす。 景気に煙草に火をつけ一服する。 と、その時だ。 「あー!やっぱりここに居たー!!」 「なっ!?アンジェラス!?!?」 地上に通じる階段を下りて来たのはアンジェラスだった。 なんで起きてるんだ? オカシイなぁ、ちゃんと俺が確認した時は寝ていたのに。 まぁいいか。 「あっ!そうだ、丁度いい。お前、新しいアイテムを使ってみる気はあるか?」 「新しいアイテム?」 「そう。主にアンダーグラウンドで使うモノだな」 そう言いながら俺はアンジェラスを右手の平に乗らせる。 「そしてこいつ等がそのアイテムだ」 作業用の机に置かれている試作型戦闘機が二機。 一つは戦闘機らしい格好した軽装備の戦闘機。 もう一つの片方は武装神姫の部品で作られた重装備の戦闘機。 「アイテム補充偵察戦闘機、ストラヴァル。敵殲滅戦闘機、ストレガ。どっちも出来たばかりだが、それなりに使えるはずだ」 アンジェラスを作業用の机に下ろす。 するとアンジェラスはマジマジと二機の戦闘機を見る。 どの戦闘機も武装神姫より少し大きい。 歩きながら戦闘機にペタペタと触るアンジェラス。 「ねぇ、ご主人様。この大きさじゃ、座る場所がないじゃないですか」 「あぁん?誰が操縦席を作った、て言ったんだ?そんなモノはいらんねぇ~んだよ」 「じゃあどうやって操縦するのですか?」 「ここさ」 俺は左手の人差し指で自分の前頭葉を示した。 アンジェラスはこの意味が解らないのか、首を傾げて悩む。 しょうがない、説明してやるか。 「よーわだなぁ。戦闘機が搭乗してる神姫の脳波を感知し、その神姫が何処に行きたいかで戦闘機が動く。勿論、その神姫が戦闘機を自由自在に動かせる事もできる。脳波というより、電気信号を感知する感じだ」 「へぇ~、凄いですね。ご主人様って頭いいんですね」 「ん?それはちょっと違うかなぁ。ストラヴァルは姉貴の会社からデータをパクリ、改造したもので。ストレガに関してはストラヴァルとグラディウスをベースにし、武装神姫の部品で作ったものだ」 「…大丈夫ですか?会社の方から怒られちゃいますよ??」 「大丈夫。俺が作ったコンピュータウイルスは自分でも自負できるぐらいの出来さぁ。98%はバレねぇよ。それよりさぁ、まずはストラヴァルを試してみてよ。データも取りたいし」 「分かりました、ご主人様」 アンジェラスはストラヴァルの腹の部分の中に入る。 あ、ちょっと不服そうな顔をした。 「あの…ご主人様」 「なんだい?」 「あんまり居心地が…良くないのですけど」 まぁ、しょうがないだろうな。 下半身だけ固定して上半身だけはハダカの状態だからなぁ。 「ど~感じが悪い?」 「お腹を圧迫して痛いです。腰にも負担があって痛いです。常に顔を上げていないと前方が見えないので首が痛いです。それから」 「ストップ!…さっきから『痛い痛い』って、少しは我慢してくれよ~」 「だって、痛いだもん」 「だもんって…はぁ~、こりゃあストラヴァルは改善し直しかー。所詮、補充偵察戦闘機だからなぁ」 「もう出ていいですか?すでに首が痛いです」 「あぁ。すぐに降りていいぞ」 アンジェラスはストラヴァルを降りて右手で首を摩る。 そんなに痛かったのか? こんな調子だとストレガも駄目おしされそうだぜ。 でもストレガはリアパーツに似ているから多少は違うと思う。 …ストラヴァルより、かなり重いけど。 「それじゃあ今度はストレガを装着して」 「装着ですか?」 「こいつはヘビー級のリアパーツだと思ってくれ」 「はい。では装着しますね」 「おう」 「んっしょっと」 『んっしょっと』はないだろ。 女の子としてちょっとどーかと思うぞ。 「ウッ…ちょっと重いですね」 「ストレガは地上用の『足』がついてる。ちょっと操縦してみ」 「はい」 アンジェラスは目を閉じ、ストレガに『足』を出すように命令する。 すると機械音をだしながら二つの『足』が出でてきて、しっかりと地面に固定させる。 「フゥー、これでいくらかマシになりました」 「安定性は大丈夫みたいだな。居心地の方はどうだい?」 「悪くないです。ですが、両方に付いてるミサイルランチャーのトリガーに手を伸ばすのが少し辛いかもしれません」 あぁ~、それはあるかもしれない。 ノーマルのストレガはミサイルランチャーの改善っと。 ふむ、よし次だ。 「アンジェラス。次はEXストレガだ」 「EXですか?」 「あぁ、こいつにはEXというさらに改良した機体になることが出来るんだ」 「じゃあ、一回装着を外しますね」 「いや、そのままでいい。俺がパーツをつけるから」 俺はストレガのEXパーツを次々に取り付ける。 これで格段に重くなったが『足』があるおかげで大丈夫だろう。 そして最後にアンジェラスにホーンスナイパーライフルを二丁渡した。 「どうだ?」 「う~ん、かなり武装が強くなりましたけど。ちょっと不恰好じゃないですか、これでちゃんと飛べるんですか?」 「飛べないと意味がない。安心しろ、ちゃんと飛べる」 「でも、この戦闘機が撃墜された時はどうするんですか?」 「その時も大丈夫。ヤられた時はストレガの全パーツがバラバラに分解され、お前のリアパーツは自動的に装着されるように作ってあるから」 「ホントに大丈夫ですか?それでー」 「だから大丈夫だって」 少しは信用してくれよう。 これもお前等のために作ったんだぜ。 アンダーグラウンドのバトルはただでさせ危険が沢山あるからな。 「サンキュー、かなりデータを取れた。もう外していいぜ」 「はい」 アンジェラスはストレガの装着部分を外し、ホーンスナイパーライフルを置く。 うん、一応完成したものの…まだまだ、改善する必要性はまだありそうだ。 こいつはもう少し時間がいるな。 「あ、そうそう。EXの場合、神姫が装着していな状態だと、こんな感じだ」 白い槍と風除けのパーツをつけた。 これでちょっと戦闘機ぽく見えるだろう。 「でも、この飛び出してる白いやつを抜いてくれないと私の頭が…」 「おっといけねぇー。説明するのを忘れていたぜ、今の状態は独立状態だったんだ」 神姫が装着していな時は体当たり攻撃用の槍が装着されているんだった。 すっかり忘れてたぜ。 独立状態は主に神姫のバックアップ専門をする戦闘機になる。 「今日はこんなもんだ、壱階に行くぞ」 「はい、ご主人様」 俺は右手の手の平にアンジェラスを乗せて地下の部屋を出ようとした。 するとアンジェラスが口を開いてこう言った。 「なんで、あんな物を作ったのですか?」 「俺はお前やアイツ等を危険な目に合わせたくないだけだ」 「危険だなんて。大丈夫ですよ、ご主人様。私達は強いですから」 「…そうだな」 確かにアンジェラス達はノーマルの神姫よりは強いと思う。 でも『上には上がいる』という、ことわざがある。 実際、現実的にそいう奴等はいる。 これからのバトルに何が起きるか解らない。 だから今のうちにバックアップを用意しとかないといけない。 …出来れば、あの二機の戦闘機を使う日がこない事を祈るだけ。 そう思いながら俺は地下の部屋の電気を消して一階に戻った。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2457.html
MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 4」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 バトルステージの脇には、観客たちが座って夕食を食べている。 机の上には様々な料理や酒が並び、そして神姫サイズの飲食物が置かれていた。 観客たちは下卑た視線で瑠璃やスクルドをなじる。 オーナー1「畜生、いい女だぜ・・・一発やりてえぜ」 神姫1「スクルドか・・・まあ、なかなか強い神姫だけど、グロリアには勝てないでしょうね」 オーナー2「おい、おまえどっちに賭ける?」 オーナー3「答えるまでもねえ」 神姫2「さて、何分持つか・・・楽しみですね」 神姫3「何分で勝負が終わるか賭けましょう」 神姫4「6000万の大金賭けたバトルだ、メッタに見られるものじゃないですね」 オーナー4「瑠璃ちゃん、可愛いねー俺も種付けしたいなー」 神姫5「アホな女やでーほんまーどうしようもないでー」 オーナー5「同じ女としてコイツは最低だな、好きでもない男の精子欲しがるとか・・・下種め」 神姫6「ああーはなりたくないよねー」 神姫7「本当本当♪」 オーナー8「へっへへ、孕み頃のいいメスだな。俺もああいう女に思いっきり種仕込みたいぜ」 神姫8「マ*コ丸出しでカッコイイ!!」 神姫9「ショーの始まりですね。ワクワクします」 神姫10「これだから非公式バトルロンドはやめられねえぜ」 神姫11「わくわくしちゃいますね、ウェヘッヘヘ♪イヒッイヒヒヒ」 オーナー9「瑠璃ちゃん、孕まされちゃうのかー残念―」 オーナー10「売女が・・・薄汚い・・・」 神姫12「グロリアっーーー手を抜くなよ!!即効でぶっ殺せ!!」 神姫13「ヒューーー♪」 オーナー11「ギャッハハッハア!!」 バトルロンドのステージが動き出す。 東條がマイクを持って叫ぶ。 東條「さて、今回の戦っていただくステージはこちらミニチュア市街です。ご覧ください。」 小学校の標準的なプールサイズ、幅12m×長さ25mほどのステージにはびっしりと小さなミニチュアの建物が並びたち、町並みには線路まで敷かれ、電動の列車が走っている。 東條「1/150サイズの町並みを再現したミニチュアモデル、このステージで今回は戦っていただきます」 カミュが捕捉説明をする。 カミュ「複雑な市街地での戦闘になりまーす。障害物をうまく利用して戦ってね」 東條「ルールを説明しましょう。1対1のデスマッチ、相手がサレンダーもしくは機能停止すれば試合終了です。武装・戦術はなんでもなり、バトルはこのステージ内のみ、ステージにはみ出た場合は失格となります。制限時間は1時間、1時間を過ぎても相応が生き残っていた場合はダメージが大きい方が敗北者となります」 カミュ「シンプルシンプルー」 東條「相応以上のルールでよろしいですね」 海原「うむ、問題ない」 瑠璃「・・・・かまわない」 東條「了解しました。ちなみにこのバトルロンドは、ネットの裏サイトでも生中継で公開されます。お互い、よいバトルを望みます」 グロリア「おい」 グロリアがくいっと顎をしゃくる。 東條「なんでしょう?グロリアさん」 グロリア「能書きはいい、さっさと始めろ」 観客席から野次が飛ぶ。 神姫1「いいぞーグロリア!!」 神姫2「そうだ!!さっさとはじめやがれ!!!!!!!!!」 神姫3「けひゃっはは!!あへえ!?」 東條「これは失礼を・・・では・・・」 グロリアとスクルドがフィールドの端のゲートに上がる。 カミュがハンドガンをさっと宙に向ける。 東條「バトルロンド・・・・レディーーーーーーーーーーー」 海原がぐびっとワインを飲み干す。 瑠璃がぎゅっと目をつぶり、祈る。 瑠璃「スクルド・・・・お願い・・・」 東條「GOッ!!!!!」 グロリアのバイザーががしゃんと閉じる。 リアパーツの支援AIが機械ボイス(マシンボイス)で答える。 支援AI「セントウ システム キドウ」 ドンッ!!!! グロリアがバーニアを吹かして、一気にステージの中央に飛び上がる。 スクルドがさっとビルの上に飛び乗りランドグリーズ、レールガンを撃つ。 スクルド「絶対に!!負けるわけにはいかない!!」 グロリアが最小限の動きで攻撃を回避する。 グロリア「何を寝言を・・・負けていい勝負などあるわけなかろうが・・・・」 海原「グロリア、敵は前回と同じ戦乙女型だ。ノーマルの戦乙女型ヴィオラモデルだ。高出力のレールガンと近接装備に気をつけろ」 グロリア「了解!」 グロリアはリアパーツの機関銃をスクルドに向けて撃ちまくる。 ドドドオドドドドオンッ!!! スクルドはビルを影に低空飛行で回避する。 瑠璃がマイクでスクルドに指示をする。 瑠璃「グロリアはワシ型の強化カスタム機よ、ヤマネコ型の武装を追加装備して武装を増加させてるわ、その分、機動力は落ちてるからその点を狙って!」 スクルド「分かりました!」 市街地で蒼い神姫と青い神姫が軌跡を描きながら激しい攻防を行う。 ズンズウウウン!!!バキン!!ドヅウウン!! 破壊されるミニチュアの街並み、舞い上がる粉塵とガレキ、グロリアがレールキャノンを鋭く放つ、スクルドも同時にレールガンを放つ。 バキン!!ドキュン!! 空中で同時にお互いの弾丸が命中して爆発する。 東條「さあさあ!!いきなりヒートアップしてきました!お互いに名のあるランカー神姫!一歩も譲りません!!」 カミュ「2人ともがんばってー」 観客席では多くの神姫とマスターがバトルを見て騒ぐ。 神姫1「いいぞ!!やれ!!殺せ殺せ!!」 神姫2「八つ裂きにしろ!!」 オーナー1「いい動きするなー2人とも」 オーナー2「市街戦か・・・障害物多いし、一瞬のミスが命取りだな」 神姫3「グロリア!!!!殺せ!!なにしてんだ!!!遊ぶな!!」 オーナー3「瑠璃―!!やらせろ!!げふえへふえー」 グロリアがショットガンを撃ちながら突っ込む。スクルドが地面をレールガンで撃つ。 ズッドオン!! ガレキの山がショットガンの弾丸を止める。 グロリア「ほう、いい判断だ!だが、甘い!」 グロリアは脚部に装備したハフ・グーファを発射する。 バッツガアアン!! ガレキの山が吹き飛び、グロリアはまったく速度を落とさずにスクルドに急接近する。 瑠璃「スクルド!!」 スクルドは大剣、ジークフリンデをブンと振り回しグロリアに突っ込む。 スクルド「うおおおおおおおおおおお!!」 グロリア「なっ!?」 バッキン!! スクルドはグロリアのショットガンを真っ二つに切断する。グロリアは機関銃を発砲する。 ダダッダダッダダッダダダン!! スクルドはグルグルと大剣を振り回し、機関銃弾をはじき飛ばす。 グロリアはバックブースターを吹かして間合いを開ける。 グロリア「はっははは!!!下手な小細工は効かぬというわけだな!!!」 海原はくいっとワインを注ぐ。 海原「グロリア、遊びすぎるなよ・・・こいつ、前回戦ったときよりも強いぞ」 グロリア「ふ、ケツに火が付いているだけだ。負ければマスターが孕まされてしまうからの」 グロリアがペロリと舌なめずりをする。 スクルド「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」 スクルドが荒い息を吐く。 瑠璃「スクルド・・・いいわ、その調子よ」 スクルドはレールガンを構える。 スクルド「マスター・・・・私に力をください・・・絶対に・・・絶対に負けない力を!!」 瑠璃は目を閉じて祈る。 瑠璃「スクルド、幸せになろう・・・ゆうすけが・・・元気になってまた、みんなで笑って暮らせるように・・・なろう」 スクルドのCSCがドクンと波打つ。 スクルド「武装神姫の強さはマスターとの思いで決まる!!!私は信じています!!マスターと私の絆を!!思いを!!!!!!」 二階の観客席からバトルを観戦する神代たち。 ルカ「あわわわ、すすごいですねー」 神代「・・・」 安藤「観客の皆さんもお楽しみのようで、賭けの方も盛り上がっておりますね」 安藤の視線の先には、何分でどのように勝負が付くのかを予想する賭けで大騒ぎとなっている。 神代「これが武装神姫のバトルのなれの果てか」 ルカ「ま、マスター?どうしたのですか」 神代「なんでもないさ・・・」 グロリアはリアパーツからヒートブレードを取り出す。 海原「グロリア、さっさと終わらせェ・・・もう、たまらんわー、はやく瑠璃ちゃんとラブラブ子作りしたいぜ・・・俺と瑠璃ちゃんの子供はきっと可愛いだろうなー」 グロリア「やれやれ、そんなに子供が欲しいのですか?」 呆れた顔で肩をすくめるグロリア。 海原「可愛いぞー瑠璃ちゃん美人だからなー、戦いに勝ったら子供が出来るんだぞ、グロリア!!お前も俺の可愛い赤ちゃんみたいだろ」 グロリア「見たいですねー」 棒読みで答えるグロリア。 海原「だったら絶対に勝てよ!!赤ちゃん作るぞ!!」 海原は興奮する。 グロリア「変態ですねマスター」 海原「男はみな変態だぜ?グロリア?男の目的はな、いかにして自分好みのメスを見つけて孕ませて子孫を残すことしかないんだぜ?」 グロリア「まあ、でも私もまんざらでもないかも知れません。マスターの赤ちゃん見てみたいです」 海原「だろォ?」 グロリアはヒートブレードが熱く熱する。 グロリア「私は武装神姫ですから、マスターの子供を作ることは出来ません・・・ですが・・・別の手段でマスターの子孫を残せる手伝いが出来るなら・・・それはそれでうれしいことなのかも知れませんね・・・」 グロリアはふっと優しい顔で答える。 海原「グロリア・・・お前」 グロリア目掛けて、スクルドがレールガンを撃つ。グロリアはばっと横っ飛びに飛び、レールキャノンを放つ。 スクルドの後ろの商業ビルに命中し派手にガラスを舞い散らせながら崩れ落ちる。 グロリアとスクルドはお互いに牽制するようにレールガンを放つ。 黄色い弾道がお互いの脇をびゅんびゅん音を立てながら通り過ぎ、ミニチュアの街並みが崩壊していく・・・ グロリア「うおおお!」 グロリアが熱されたヒートブレードを振るう。スクルドがそれをはじき返し斬り付ける。 スクルド「やああああああああ!!」 バキンガコン!! 観客たちは派手なバトルに興奮し歓声を上げる。 両者一歩も譲らない激しい攻防、飛び交う弾丸、粉々に砕け散る道路のアスファルト、崩壊するビル、燃え上がる家屋、圧倒的な破壊のセレモニー スクルド「絶対に負けない!!私はァ!!負けられないんだ!!!」 グロリア「武装神姫は力だ!!力こそすべてだ!!!キサマも武装神姫ならば力を見せて見ろ!!!」 スクルド「黙れ!黙れ黙れ!!私はッ!!!!!!!!!!!!絶対にィ!!!正しい!!!」 スクルドがレールガンを撃ちまくる。 グロリアは全身に装備されたスラスターとウイングを複雑に動かして攻撃を回避する。 グロリア「勝った者が正義だ!!キサマが正しいと言うのなら・・・武装神姫ならば!戦いに勝って、それを証明してみせろォ!!!!!」 スクルド「うああああああああああ!!!」 スクルドが大剣を振り上げる。 グロリア「おおおおおおおお!!」 グロリアがヒートブレードを振るう。 ガキン!!バッキイイイン!!!ドキュン!! お互いの剣が激突するたびに火花が散り、剣戟音が響く。 スクルド「絶対に負けない!!絶対にィ・・・・・負けられないんだからぁ・・・!!」 スクルドがぎりぎりと力任せにグロリアを叩き斬ろうと大剣で押し斬る。 グロリア「ぐっ・・・おおお・・・おおおおおお!!」 グロリアのエンジンがドルンドルンとフルスロットルで唸る。 スクルド「ッ!!!!」 グロリア「うおおおおおおおおおおおおおお!!」 ドッツオオオン!!! グロリアはスクルドと鍔迫り合いを行ったまま、エンジンの出力を全開に開放してメインストリートをかっ飛ばす。 グロリア「パワーがダンチなんだよ!!!!」 スクルド「はっ!?」 スクルドの後ろには巨大なガラス張りのビルが立っている。 グロリア「つぶれろ!」 ドガアアーーン!! ビルに思いっきり体当りをするグロリアとスクルド。 もうもうと砂埃とガラスの破片が舞い散る。 東條「おおおーっと!これは決め手となったか!?どうなるこの勝負!!」 東條はマイクを掴んで叫ぶ。 カミュがニヤニヤと笑う。 カミュ「あーーあーーこりゃもうダメかな?」 スクルド「がはっ!!」 リアパーツが粉々に砕け散り、アスファルトにたたき付けられるスクルド。 グロリアもエンジンが熱暴走を起して火が吹き出ている。 グロリア「はっ・・・はあはあ・・・はあ・・・」 リアパーツを投棄する。 瑠璃「いやあ!!スクルド!!スクルド!!」 海原「よしーいいぞ!!グロリア!!トドメを刺せェ!!」 スクルドがよろよろと立ち上がり、大剣を構えなおす。可動ウイングをショックアブソーバーにして衝撃を最小限に抑えたようだ。 スクルド「ま、まだです・・・まだ私は負けていません・・・」 スクルドが余分な装甲や武装をパージする。 グロリア「だよな・・・勝負はここからだ」 グロリアも不要な装甲を廃棄する。 瑠璃「スクルド・・・・」 スクルド「私・・・幸せになりたい・・・マスターとゆうすけ君と一緒に笑顔で笑って・・・幸せになりたい・・・」 瑠璃「うん・・・幸せに・・・なろう・・・スクルド・・・」 瑠璃の目から一筋の涙が落ちる。 グロリア「ふん・・・まるで、私たちが悪者のような言い草だな・・・」 スクルドがキッとグロリアを睨む。 グロリア「・・・・なんだ?その眼は?」 スクルド「あなたのマスターは下種です」 グロリア「なに?」 海原「おほッ?」 にやつく海原。 スクルド「お金で、私のマスターを買って無理やり赤ちゃんを作らせようなんて・・・下種ですッ!!!!!!」 グロリアの顔面にビキッと青筋が走る。 グロリア「なにを・・・」 海原「あはは、言うなーコイツ」 グロリア「もとより・・・もとより、貴様らが始めたことだろうがぁ!!!!!!」 ぶっちとブチ切れたグロリアはヒートブレードを振りかざし、突っ込んだ。 スクルドとグロリアが再び激しい剣戟を行う。 グロリア「取り消せ!!キサマァッ!!!!!!!!私のマスターが下種だとォ!?」 ガンバキン!!グロリアはメッタ撃ちにソードを斬り付ける。 スクルド「ぐっ・・・あ・・」 スクルドは激しいグロリアの攻撃をさばくのに必死だ。 グロリア「取り消せッと言っているゥ!!!!!!!」 スクルド「ぐ・・・・」 グロリア「我がマスターをォ!!!侮辱するなァ!!!!!」 バキンン!! グロリアのヒートソードが負荷に耐え切れずに折れる。 グロリア「むう?」 スクルド「でやああ!!」 スクルドが隙を見て、大剣を振るうが・・・グロリアはバっと左手をスクルドに向ける。 グロリア「甘いな」 グロリアの左椀にはカノン砲が装備されていた。 スクルド「はっ・・・」 ドッズウウン!! スクルドの胸部に命中し、爆発が起きる。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>「敗北の代価 5」 前に戻る>「敗北の代価 3」 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/highwaybattle/pages/23.html
A80RZK(カスタムカー) スペック※ノーマル CAR No.:147 CLASS:A 全長:4520(mm) 全幅:1810(mm) 全高:1275(mm) 車重:1429(kg) 駆動形式:FR エンジン形式:直列6気筒ターボ 排気量:2997cc 最高出力:345PS 最大トルク:56.7kg/m 価格:54500000CP 解説 12覇聖の一人、「エキゾーストイヴ」が駆るカスタムカー。 A80RZMをベースに、Abflug S900風のボディキットを纏っている。 ライバルNo.398を倒すことで購入可能。 モデルになった車はチューニングショップ「Abflug(アブフラッグ)」 がJZA80スープラをベースに製作したコンプリートカー、S900。 因みにS900の名前の由来は「SUPRAの900馬力」からとのこと -- ルク (2012-01-18 17 51 52) 更に同社の「RACING BATTLE C1 GRAND PRIX」にて「Ebihata SUPRA」という名義で同じくAbflugが製作したスープラベースのコンプリートマシン「Zefi;r](ゼフィール)が登場している -- ルク (2012-01-18 17 57 33) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1774.html
{イリーガル・レプリカ迎撃指令…パルカ編} 「それじゃあパルカ以外は散開。敵は見つけ次第破壊しろ」 「「「はい!」」」 「いけ!」 俺の声と共に夜のアンダーグラウンドの街に散開する三人の神姫達。 最近、イリーガル・レプリカの出現率が低下してるらしい。 多分アンダーグラウンドのオーナー達がよってかたってイリーガルを破壊しまくるからだろう。 そりゃあ数も減るわなぁ。 「お兄ちゃん…」 「………」 左肩に座ってフル装備したパルカが暗い顔で俺に問いかけてきた。 「また…私だけ出撃禁止なんですか?」 「…あぁ」 俺はというとパルカの答えに声低く答えた。 あの高速道路でのバトル以来、パルカに軽くトラウマみたいなものが出来ちまった。 それはバトルでの恐怖感が普通の神姫より何倍も感じてしまうもの。 あまりにも増幅された恐怖感でパルカはバトルになった途端に力が抜け闘う事が出来なくなってしまうのだ。 『しかた無い・しょうがない』という言葉で済ませる事は出来るが、本来の『武装神姫』としての役割を果てせなくなってしまう。 パルカはそれが怖くて、自分が闘えないと知っててもこのように俺と一緒にアンダーグラウンドに来る。 俺的には来て欲しくないのだがパルカがどうしても、と言いしかたなく同行を許可してるだけ。 でもアンジェラス達みたく散開させて敵の討伐には行かせない。 行かした所で返り討ちになるのは目に見えてるからだ。 「あの…私は闘え」 「『闘えます』か?嘘つけ」 「でも!」 「でももクソも無い。今のお前じゃイリーガルの奴等にバラバラにされるのがオチだ。恐怖感は少しずつ直すしかない」 「私は役立たず…ですか?」 「『武装神姫』としては役立たずだな」 「! お兄ちゃん…」 パルカの心の痛い所を言葉で突き刺す。 俺はこういう事に関してはストレートに言う野郎だ。 同情とかあんまりしてやらない。 そいつの為にもならないからな。 「でもお前は何も『武装神姫』として役立つ必要は無い。お前にはお前の他に役立つ事があるさ」 「…けど」 「アンジェラス達が出来て自分だけ駄目、なのが許せないのか?」 「はい」 「まぁ気持ちは解らなくもない。だから少しずつ恐怖感を克服しようぜ、俺と一緒に」 「お兄ちゃん、嬉しいですぅ。私はお兄ちゃんの武装神姫になれて嬉しいです!」 「何も弐回も言う必要はないって。逆に恥ずかしいぞ」 さっきまで泣きそうな顔だったパルカが今は少し涙を流しながら喜んでいる。 まったく、本当に世話の掛かる妹みたいだぜ。 アンダーグラウンドの街を歩きながら路地裏の角を曲がる。 すると。 「ひ、ひぃー助けてくれ!」 一人の三十歳ぐらいの男が恐怖に怯えた顔しながらこっちに走って来た。 なんなんだいったい? 「イリーガルの神姫だ!俺の武装神姫は壊されて、近くまで来ている!!」 「チッ!こんな時に!!」 マズイなぁ~。 今はアンジェラス達を散開させて討伐しに行かしてるから、あいつ等がいない。 居るとしたらパルカだけ。 でもパルカは…。 クッ、兎に角この場は逃げるしか。 「お兄ちゃん!私にヤらせてください!!」 「馬鹿!お前じゃ無理だ!!」 「き!?来たー!奴等だ!!」 「ッ!?」 男はそのまま逃げてしまった。 俺は敵を見据えると数は1、2、3! 三体もいやがる! マズイにも程がある! あの男、とんでもない置き土産してれやがったな! 今度あった時には必ず暴力をプレゼントしてやる! 「お兄ちゃん危ない!」 「エッ!?ドワッ!」 パルカは俺の右手を無理矢理に引っ張る。 そのせいで俺はバランスを崩し地面に右膝を付けるような体制になった。 そしてさっきまで俺の頭や上半身があった場所に敵が撃った弾が通過していく。 あ、危なかったー。 パルカがもし引っ張ってくれていなかったら、今頃俺の上半身は蜂の巣のように穴だらけになっていたぜ。 でもマズイ状況には変わりない。 どうするべきか!? 考えろ、考えるんだ! 「お兄ちゃん…私、行きます!」 「え!?ちょっ、ちょと待てパルカ!」 ライフフォースを右手に持ちパルカは俺に背中を見せながら言う。 「ここでお兄ちゃんを守らないと皆に怒られちゃいます!」 「でもパルカ!お前はまだ!!」 「お兄ちゃん!心配してくれるのは嬉しいですけど、私は弱くありません!!もう皆の足を引っ張る私じゃないんです!!!」 「!? パルカ、お前…」 「叱るのは後です。今はお兄ちゃんの目の前に居る敵を倒します!」 「パルカー!」 パルカはスピードを出して敵に向かっていった。 パルカの視点 私はお兄ちゃんの大声を無視して敵に向かって飛んでいく。 敵は飛び道具系で弾幕はるような形で撃ってきて少し怖いです。 でも今の私は恐怖感なんかありません。 あの時、お兄ちゃんが敵に狙われた時に私は咄嗟に行動が出来た。 そしてお兄ちゃんを助けた瞬間、何かかが身体からはじけ飛んだような感覚があり、今までの恐怖感がまるで嘘のように無い。 多分、自分が死ぬ事と私が死ぬ事に怯えていたのだと思う。 でもそんな事で怯えていては必ずいつかは死んでしまいます。 お兄ちゃんや皆を死なせないためにも、私が頑張らないといけないと思いました。 そう思えば私は怖くない。 だから恐怖感も感じない。 今の私なら出来る! ごめんなさい、お兄ちゃん。 言う事きかなくて…。 ありがとう、お兄ちゃん。 心配してくれて。 でも私はお兄ちゃんを守りたいから。 だから。 「だから私は闘います!ヴェーニア!!」 <ヴェーニア> ジャララララ!!!! 大気中から無数に精製し、ライフフォースを中心にして翼状に展開させる。 このお兄ちゃんから貰ったこの武器で敵を倒します! 「蒔く!」 <セミナーレ> バシュバシュバシュバシュバシュバシュ!!!! ライフフォースから無数の銀の矢を全方位に向けてばら撒くように放つ。 すると敵はバラバラに散開し銀の矢を避けていく。 敵の一体目の姿が見えました! 犬型のハウリンです! 姿が見えたのならこっちのモノです! 「ヴェーニア!奔る!!」 <ヴェーニア&ルケーレ> 再びライフフォースを中心にして銀の矢を再生させ翼状に展開させる。 でも銀の矢を半分程残し残りの半分を弾丸のように相手に撃ち出した。 「!?キャー!?!?」 ハウリンは銀の矢に命中し地面に落ちていく。 残り二体です! 「ヤァアアアアーーーー!!!!」 紅緒が私の後ろから攻撃してきました。 でも瞬時に振りかえりライフフォースを敵に向けて。 「護る!」 <レメディウム> ジャララララ!!!! ガキャン! ライフフォースから広がるヴェーニアの翼で私を覆い、敵からの攻撃を防ぐ。 更に敵の武器、破邪顕正をガッチリとヴェーニアの翼で取り囲み抜けなくした。 そしてそのまま。 ギギギギ、バキィ! 破邪顕正はヴェーニアの翼の力で折ってしまいました。 これでは相手は攻撃できません! 今です! 「断つ!」 <セクティオ> ズバッ! 「グヮァー!」 大きめな銀の矢、一振りを手に取りライフフォースにセットし、そのまま大上段から相手に斬りつける。 紅緒は斜めに斬られ、そのまま身体の中身を盛大に噴出しながら落ちていった。 残り一体です! でも何処にいるのか解りません。 完全にロストしてしまいました。 今のうちに再生しといた方がよさそうです。 「ヴェーニア」 <ヴェーニア> ジャララララ!!!! 再び銀の矢を再生させる。 ハウリンを倒すために半分程使ってしまいましたからね。 だからの次に備えて再生させたのです。 でもライフフォースは疲れていないかな? 大丈夫かな? <大丈夫、マスター、心配、ナイ> 「でも心配だよ。私だけのライフフォースなんだから」 <マスター、酷似、オールマスター、性格> 「私がお兄ちゃんと似ている?」 <一部断定> 「少しだけって…でもなんだか嬉しいです。本当の兄妹みだいで…」 <! マスター、敵発見、ドウスル?> 「勿論、倒します!」 <承諾!> ライフフォースを構える。 敵はヴァッフェバニーですか。 ならお互い飛び道具が主要ですね! バババババ!!!! 敵はSTR6ミニガンを乱射してきました。 私は負けじとライフフォースから銀の矢を乱射させる。 途中、銀の矢と敵が撃ってきた弾がぶつかり合い弾同士が砕け散る。 でもこのままの状態が続くのでしたら私の勝ちです! なぜなら。 カチッカチッ 「ナッ!?弾切れ!」 敵のヴァッフェバニーはSTR6ミニガンが弾切れに気づき慌てる。 その隙が命取りです! 私はライフフォースのお願いしてヴェーニアして銀の矢を補充。 そして再びライフフォースを敵に向けて照準、というより私の目と勘で狙いつけ。 「壊ツ!」 <ディルエレ> バシュバシュバシュバシュバシュバシュ!!!! 「ッ!?」 大量の銀の矢がヴァッフェバニーに飛んでいき、叫びあげる前に銀の矢の餌食となり絶命した。 ヴァッフェバニーだった残骸がボロボロと落ちていく様を見ながら、息遣い荒く両肩を上下に動かす程、私は疲れていた。 今頃疲れが出てきたのかな? 少し無茶しすぎました。 これじゃあ姉さんと同じです…。 「パルカ!」 「!? お兄ちゃん!?!?」 地上を見るとお兄ちゃんと姉さん達が居ました。 お兄ちゃん、私、お兄ちゃんの事守れたよ! 闘えたよ! 「お兄ちゃん!」 私はお兄ちゃんの胸に飛び込み自分の顔をこすり付ける。 あぁ、お兄ちゃんの匂いがします。 「まったく、危なかっしい行動するなよな。クリナーレの事言えないぞ」 「そうだよパルカ!ボクがいる時にせめてバトルしてよ!!心配じゃないか!!!」 「姉さん…。ウフフッ、これで姉さんとおあいこですね♪」 「ナッ!?パルカァーこのー!調子にのるなよ!!」 「おい!俺の胸で暴れるな!!」 お兄ちゃんは怒鳴っていましたが顔は笑っていました。 無言だったアンジェラス姉さんとルーナさんも笑顔で私を見ていてくれました。 そして姉さんも私にじゃれ付きながらも笑っていました。 私はこの笑顔を守るため、皆を守るために恐怖感を克服できたのでしょうか? もし違ったとしても別にどうでもいいです。 結果的にお兄ちゃんや皆のために頑張れたのですから。
https://w.atwiki.jp/rm96/pages/127.html
しっかりと繋いだ小さな手。 ひらひらと軽やかに揺れるパステルピンクなドレス。 ちょっと不安げに時々美貴のことを見上げるまなざし。だから、にこって微笑み返してあげると、きゅって、小さな指先に力がちょっとだけ入って、はにかむように笑う、かわいいかわいい小さなレディ。 人通りの多い並木道を並んで歩く。 ほら。あんまりかわいいから、みんなから注目されてる。 かわいいでしょ? 美貴の小さなお姫様は。 うれしくって、その視線が気持ちよくって、だから自然とココロも足取りも軽くなる。 そんな浮かれモードの美貴の隣で不思議そうに首を傾げるから、それがあんまりにもかわいくって…。 「抱っこしてあげよっか?」 そしたら、ふっと軽く丸めた左手の人差し指を軽く唇ではむって感じて当てると、立ち止まった。 しゃがんで、ちょっと真剣に考えてる顔を覗き込む。 「疲れるでしょ?」 「うーん…」 「ね?」 強引に抱っこしちゃってもいいんだけどね。っていうか、拒否られてもするけど。 ちらりと上目遣い。あぁ…なんか小さくってもかわんないかも。ヘンに色っぽい。 「うん」 こっくりとうなずいて、ちょっと恥ずかしそうに笑うと、美貴に向かって両手を伸ばす。 そっとその小さな体を包むように抱き上げて、しっかりと腕で支えた。 「じゃ、行こう。梨華ちゃん」 「うん」 腕をうんって伸ばして美貴にしがみつくように抱きついた梨華ちゃん。 「ふふっ。なんかうれしい…。ちょっと…はずかしいけど」 はにかむその微笑にとろけそう。なんかもう、母性本能くすぐられまくり。 「ね。みんな見てる」 「うん…」 不安そうに目を泳がす梨華ちゃん。 「大丈夫だから。ね。美貴はうれしいくらいだよ」 「…どぉしてぇ?」 ちょっと高いうえに、舌っ足らずでいつもの500倍増しに甘い口調。 だからね…。 「うん。だって、こんっなにかわいい子が…美貴のものなんだぞって!」 「…みきちゃん」 ふふって鼻先をくっつけて笑ったら、くすぐったそうにくすくすって。 「堂々としてればバレないって。それに、今の梨華ちゃん、わかんないから」 まぁ。自分のことは棚上げ。まっ。すっぴんだし、大丈夫でしょ。 「…そうだよね」 妙に冷静。 「だから、楽しもうよ」 ちゅって唇にキスを落としたら真っ赤になった。 で…。 ぺしっ! 軽く頭を叩かれて、 「ばかぁ…っ」 むうって膨れるから、それがかわいくって、ついついほお擦りしちゃったりして。 「ふふっ。梨華ちゃんがいけないの! あんまりかわいいから」 「だからってぇ…こんなとこで…」 「じゃあ、普段のままだったら、いいんだ?」 なんて、イジワルしてたら、むうって唇を尖らせた。 「もぅ…。みきちゃんのばか」 「ふふっ。ごめんごめん」 腕の中のお姫様がむうって膨れる。きゅうってシャツの胸元を掴む小さな手がいじらしくってかわいい。 よしよしって頭を撫でて、スタジオに向かう。 「うで…おもくない?」 っていうから、またちゅってキスした。 「大丈夫。りかちゃん軽いから。ずーっとこうしてたい」 「…うん」 梨華ちゃんの腕がきゅって首に巻きついて、甘えるように顔を寄せて…。 ずっとこのままは困るけど、いいよね。なんか。 だけど、これから向かうスタジオには強敵がたくさんいるわけで、どーやってみんなにこんな素敵なお姫様を自慢するか、そして守るかでいっぱいアタマん中いっぱいなんだよねぇ。 * それは美貴がちっこくなってから1週間後のこと。 久しぶりに梨華ちゃんが美貴んとこにお泊り。かれこれ4日ぶり。もう、ホンっトに久しぶり…って、え、ぜんぜん久しくないって? いやいや。4日は長いでしょ。まぁ、二人ともそれなりに仕事や付き合いがあるからって、そうじゃなくって…。 で、いつものようにたっぷり梨華ちゃんを堪能して、そして、たっぷり愛されて眠ってたわけだけど、なんかね、なんかこう…胸のあたりがごそごそして、目が覚めた。 「ん…? りかちゃん?」 あれ…まだものたんないの? もう。しょーがないなぁ。なんて顔がにやにやしちゃってるけど。 ぐいって美貴の胸に顔を押し付ける梨華ちゃん。 きゅってしがみつかれて、背中に回りきらない腕。 抱き寄せようと腕を伸ばさなくてもすっぽりとつつまって、なんかヘン。きゅって抱きついてるはずなのに、足も絡んでない。っていうか、絡みようがない。 丸まって木にしがみつくコアラみたい。 「りか…ちゃん?」 ちょっとだけ体を起こした。 手探りでベッドサイドの明かりをつけると、そこには…。 「へっ!?」 すっぽりとTシャツに包まった小さい小さい女の子。見事なまでの5歳児な姿。 すーすーとキモチよさそうな寝息。 まさにコドモなわけで、ほんっとに赤ちゃんみたいな寝顔。 ふにって頬を突いたら…。 「んん…っ」 眩しそうに眉を寄せて、胸に擦り寄るようにうにうにと頬を摺り寄せて、シャツをきゅって掴む。 うわ…。 「むぅ……みきちゃ……ん…」 甘ったるい舌ったらずな寝言に胸がドキドキした。 うっわぁ…。 きゅぅって抱きしめた。 やっばいって! かっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっわ…いぃっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ! 「ん…んんっ! いたい…ぃっ!」 「あっ!」 起こしちゃった。 「ごめん」 慌てて腕の力を緩めたら、まだ少し眠たげ目を据わらせて梨華ちゃんがぼんやりと美貴を見ていた。 「大丈夫?」 「…うん」 こっくりとうなずく梨華ちゃん。 「んー。どーしたのぉ。みきちゃん」 「どーした…って…」 ふぁ…ってあくびをして、こしこし目をこする仕草がかわいくてたまらない。 どうしよう…。 「どーしたの? ねぇ。みきちゃん?」 うにって首を傾げる感じで覗き込んでくる。それがまた…ねえ。上手くいえないけど、たまんない。 どうしよ。美貴…ロリコン? たしか…あの時、梨華ちゃんも…。 『あたしはロリコンじゃない!』 って、心の中で23578回叫んだ…って言ってた。 でも…。 「みきちゃん?」 『だいじょうぶ?』って、ますます顔を近づけるから、ちゅって小さな唇に唇を押し当てた。 「ふふ。だいじょうぶじゃない」 「みきちゃん!?」 美貴の答えに驚いたのか梨華ちゃんが目を丸くする。 起き上がると、 「うっわ。軽い!」 梨華ちゃんを抱き上げて膝の上に向かい合わせに乗っけた。 ちょこんって座った梨華ちゃんが「?」って顔して美貴を見上げるから、よしよしって頭を撫でてぴったりくっつくように抱き寄せた。 「梨華ちゃん。自分の姿、見てみなよ」 「え?」 きょろきょろと見回す梨華ちゃんの顔がふーっと強張っていく。 「…うそ…」 自分のちっちゃい手を唖然と見つめる梨華ちゃん。 「なんで!?」 「さぁ」 「ちょっとぉ! なんでそんなにれーせーなのぉ!」 「だって、梨華ちゃんかわいいんだもん」 「…ぅ…あのね、みきちゃん?」 「ふふっ。あんまりかわいいから、なんかうれしくって。ちっちゃくてもおっきくても、やっぱ梨華ちゃんかわいいし。それにね、なんかねぇ」 あぁ…。どうしよ。にやにやしっぱなしだよ。 「かわいいんだよ。とにかくっ」 そして、またちゅって唇にキスをして、すりすりと頬を寄せる、もぉ…このもちもちとしたやわらかい感触がたまんない。 「みっ…みきちゃぁん…」 情けない声を出して、むぅって眉を寄せる梨華ちゃん。 「この際だから、楽しんじゃおうよ。ね? どーせ今日は元に戻んないんだから」 「…みきちゃん、ぽじてぃぶすぎ…」 「だって、楽しいんだもん!」 こつんとおでこを合わせてやさしく微笑んでみたら、じっと目を見ていた梨華ちゃんがふっと肩をすくめて、 「ありがと。わかった…」 ふわっと笑って、ちょっとハの字に下がった眉。その顔に、いつもの梨華ちゃんの面影。 時計の針はまだ夜明けまでだいぶ時間があることを教えてくれる。 今日の仕事もいちおう午後からだし…。 「もうちょっと、寝よう?」 「うん」 はしって抱きつく梨華ちゃんをしっかり支えて、明かりを消すとベッドに横になる。 おでこにキスをして、「おやすみ」って言葉を交わして深い眠りに落ちるまでずっと梨華ちゃんの髪を梳くように撫でた。 着替えは当然、あの時梨華ちゃんが買ってくれたものがあるわけで、それに着替えて、 「これっ。これね」 あの時こんなことになるって思って買ってもらったわけじゃないんだけど、ピンクがベースのレースたっぷりのワンピース。 「うんっ!」 やっぱピンクがうれしいらしく、まして、ドレスっていうか、ひらひらのかわいいワンピースなんてもうコントですらめったに着れないわけで、上機嫌の梨華ちゃん。 「ね。ね」 すそを持ってくるって一回転。ちょんって、片足のつま先で地面をトンって。 「うん。かわいい。お姫様だね」 もう、すっごいきらきらの笑顔。 あぁ…。なんかよくわかんないけど、神様ありがとう。 そう思った。 * 「みきちゃん?」 梨華ちゃんが不思議そうに首を傾げる。 「どーしたの? なんか……コワイ…」 「え? なんで?」 「だって、ずーっとにやにやしてるから…」 つい思い返してずーっと笑ってた美貴がどうやら怖かったらしい。そんなにすごい顔で笑ってたのかなぁ? 「だって、かわいいんだもん」 「もぉ。そればっかり…」 「だって、ほんとのことだもん」 と、そのとき、一件のお店がちらりと目に飛び込んだ。 あぁ……。うん。よしっ! ふつふつ湧き上がる衝動。 「ね。梨華ちゃん」 ちらりと目で促す。 梨華ちゃんがそのお店に顔を向けた。 「ん? みきちゃん?」 「行こう。買ってあげる」 今日もいい天気。 陽射しがちょっと眩しい感じで、なんかいい感じ。 小さな手にしっかりとソフトクリームを握る梨華ちゃん。 うううううううっ! かっわ…いいいいっっっっっ! もうね、絶対にソフトクリームなの! カップとかじゃダメなの! 「あ…あの…」 「ん? なぁに?」 今の美貴…声がたぶん、普段の梨華ちゃんぐらい高くなってるし…。 「いいの?」 「うん。いいの。食べてるのがみたいから」 「…え゛っ!?」 あれ…。なんで軽く引くの? むうってにらむような上目遣い。 そんな目したら、襲っちゃうよ? 「あの……だから、みきちゃんは…いいの?」 「へ?」 すいって、梨華ちゃんがソフトクリームを差し出す。 ちょんって首を傾げて不安そうな見つめる姿にきゅんって胸がなった。 どうしよう…。刻一刻と、やばくない? 今の美貴ってば。 ま、でも…ね。梨華ちゃんだもん。 「じゃあ、梨華ちゃんが食べたら、一口、美貴にもちょーだい」 「うん!」 ぱあって咲いた明るい笑顔。はむって小さな口でソフトクリームにぱくついた。 「おいし!」 口の周りにぐるってついたクリーム。 『ふき取るなんてもったいない。舐めちゃえよ』 『いけません。周りにたくさん人がいますよ。いけません』 悪魔と天使がささやきかける。 わりと人通りが多い道。 どう見えてるかわかんないけど、たぶんヤンママとかわいい娘さんってとこでしょ。時々振り返られつつ、かわいいとか聞こえてくる。 『いいじゃねぇか。親子に見られてんだし。な? 舐めちゃえよ』 『いけません。人前ですよ。何より、梨華ちゃんが引いちゃうと思うの』 それはたしかに。 さっきポロッと零れた本音に軽く引いたてし…。 『けどよぉ。こんなかわいい子に何にもしないっていうのも、へんじゃねぇかぁ?』 悪魔さん。ごもっとも。 『キモチはわかるけど、だけどこれじゃあ、ヘンタイじゃない!』 天使さんの言うことも正しい。でも…キモチもわかるって……。 『っていうかさ、もう1回キスしてんじゃん』 そういえば。 そして、ハルマゲドンは終わる。 『……ほどほどにね。でないと梨華ちゃん、引いちゃうぞ』 「おいし?」 「うんっ!」 あーもう。無邪気できらきらな笑顔。さっきまでの注目あぴ過ぎて怖がってたのがちょっと消えてるみたい。よかった。 一応周りを見回して、口の周りについたクリームをキスしながらなら舐め取ると、カバンから出したハンカチで口の周りをぬぐった。びっくりして目を見開く梨華ちゃんになんでもないように笑って、さりげなく…。 「あっと、じゃ、一口もらうね」 パクッと一口。 ふわっとした甘さ。ま、リカちゃんの唇の方がいつだって甘いけどね。 ハンカチでコーンの部分を包んであげると、 「ね、みきちゃん」 くいっと、袖を引っ張られた。 「おりる」 「あ、うん」 なんか気ぃ使ってくれてる? そっと下ろしてあげると、すぐにはしっと美貴の手を掴んだ。 しっかりとその手を包んで、リカちゃんにあわせてゆっくり歩く。 今日はオフだったらよかったのにって、ちょっとだけ思った。 * スタジオに到着。 まぁ、美貴の時を考えれば仕事にはなんないと思うんだけどね。 テレビ局と違ってガードマンさんがうるさく言うわけでもなく…と思ったら、呼び止められた。っていうか、この間と同じスタジオだもんね。しょーがないか。 「あの、その子は?」 ガードマンさんが屈んで梨華ちゃんの顔を覗き込んだら、さっと梨華ちゃんが美貴の後ろに隠れる。それがまた、こんなときになんだけどかわいい。 しゃがんで包むように抱きしめた。 「あぁ。親戚です」 美貴はこのときいたずらしたんだけどね。でも、梨華ちゃんはむしろおどおどしてる。うーん。やっぱせっかくこういう状況なんだし…と、そこに…。 「あー。ミキティ、おはよー」 来た来た。いータイミング。 梨華ちゃんがにやりと笑った美貴を見て、びくっと体を震わせた。 「み…みきちゃん!?」 ぱっと梨華ちゃんが美貴の視線の先を追うと、「あっ!」という顔をした。 その声に気づいて、よっちゃんが『ええっ!』という顔になる。 梨華ちゃんを抱き上げて、美貴が、 「おはよ。ぱ…」 と、言いかけたところで、 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 よっちゃんはがばっと美貴の口を塞いで梨華ちゃんもろとも抱きかかえると、すっごい勢いでクラークを駆け抜けていった。 ちっ……。 バタン! 乱暴な音を立ててドアが閉まった。 ぱって美貴の口から手を離すと、へなへなとよっちゃんは床にへたり込んだ。 とりあえず梨華ちゃんをテーブルの上に座らせた。 「あーあー。せっかく面白くなりそうたったのに」 「いや…。面白くないから」 がっくしとうなだれるよっちゃん。 梨華ちゃんも「めっ」って。 「もぅ…。みきちゃんがよっちゃんのママなんてやだよぉ」 「でも、ほら、梨華ちゃんのお母さんってことにもなるよ?」 「でもそれって、おかあさんとむすめってことでしょ?」 「あぁ…」 そっか。 はぁ…。かわいい。拗ねてくれてる。 思わずぎゅっと胸に抱き寄せた。 「んんっ! くるしいっ!」 「はいはい。ごちそーさま」 よっちゃんがよろりと立ち上がる。 「とにかくさ、楽屋行こうよ」 力なく背中を押されてその部屋を出ると、重い足取りのよっちゃんをひきずってうきうきと歩き出した。 * 「おはよーございまーすっ!」 楽屋のドアを開けると、それとなくぱらぱらとこちら向いて、 「おはよー…!」 一人残らず固まった。 視線はがっちりと美貴の腕の中のお姫様。 「ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」 大絶叫。 梨華ちゃんのカラダがびくうっと震えて、よっちゃんががっくりとうなだれてため息をついた。 だーっとヤグチさん、つじちゃん、かごちゃんの元祖ミニモニ。が駆け寄ってきた。 「おっおい! 梨華ちゃん!?」 こっくりとうなずく梨華ちゃん。 つじちゃんがふわーっと笑った。 「かーわいいー! やっぱ黒いけど」 「こらぁ!」 ぷくってほっぺが膨らんで、かごちゃんはちょんってそんなほっぺを突っつくと、 「でも、お姫様みたいだよぉ」 って、目を細めてよしよしと頭を撫でた。 「ね。抱っこしてもいい?」 「うん。いい?」 一応梨華ちゃんに確認すると、こっくりとうなずいた。 「よいしょ。りっかちゃん」 なんかお姉さんモードなかごちゃんが、よっこいしょと梨華ちゃんを抱っこする。 「うはぁ。かっるーい!」 なんとなくあやすようにゆらゆらとカラダを揺らす。 いつのまにやらそばに立っていたイイダさんが、にっこりと微笑んでいた。 「なんか…誘拐してっちゃいたいね」 「カオリ…ちょっとまて…」 ぴしと突っ込んで、ヤグチさんがひきつった笑顔を見せた。 しかし、そんな言葉を聞いてないのか、 「あいぼん、のんちゃん。みんなでお菓子食べよっか」 女神のような微笑で餌付けを試みる。 「「うんっ!」」 たーってテーブルに走っていく。 負けじと美貴も乗り込んだ。 やっぱりママと一緒でしょ。 ということで、かごちゃんが美貴の膝の上に梨華ちゃんを乗っけてくれた。 「あー。あたしもしょーらいこんなかわいい女の子…ほしいなぁ」 愛ちゃんが目を細める。 「うんっ。うは! 手、ちっちゃーい!」 って、まこっちゃんがにこにこ笑ってる。 なんかレイナはじっと梨華ちゃんを見つめたまま無言で、梨華ちゃんが「ん?」て首をかしげてると、なんか真っ赤になった。 それを見てエリちゃんがにやにや笑ってる。 「あの、いしかーさん」 こんな時でもさん付けって言うのは、なんか違和感だね。 エリちゃんがひそひそと梨華ちゃんに耳打ちする。美貴もそっと耳を近づけて聞いてみた。 「ふーん…」 「へへ。ね?」 美貴と梨華ちゃんににっこり微笑むエリちゃん。 梨華ちゃんがいったん美貴のことを見上げるから、うなずいてあげた。 くるっとレイナに体を向けると、ちょこんって首を傾げて上目遣い。で…。 「おねぇちゃん」 「…ぅは…」 ぴきっと真っ赤になって固まるレイナ。 しゅうって音がしそうなほど首まで真っ赤になってて、隣でエリちゃんがくすくす笑ってた。 梨華ちゃんが照れくさそうに見上げる。 そしたら、 「ねっねっ!」 「りかちゃんっ!」 ダブルユーの二人が身を乗り出すから、「ね」って促してあげた。 梨華ちゃんはまた照れくさそうに微笑んで、 「のぞみおねぇちゃん」 「あいおねぇちゃん」 って、名前つきでサービス。 言われた二人は、なんかとろけちゃってるし。 「梨華ちゃん」 ふわりと微笑んでリーダーがにっこりと顔を覗き込む。 頬杖をついて上目遣いのイイダさんに、梨華ちゃんがいつものように普段美貴がかるーく嫉妬するくらい甘えた声で、 「カオたん」 って。 普段はともかく、このくらいの子が“カオたん”って、なんかはまりすぎてて怖い。ましてこの声とこの容姿。 うっとりと目を細めて、ほっぺにふっくら厚ぼったい唇でちゅうっとキス。 「あーー。たまんねぇ!」 ってアナタ…。 「カオリ…それじゃオヤジだよ…」 呆れ顔のヤグチさん。 「だって、かわいいんだもん。カオたんだよ!カオたん」 「いっつも呼ばれてんじゃん」 「いや。いつもと違うの。あぁ…。声録っとけばよかったぁ」 と、そこに…。 「あ! 私録りましたよぉ」 ぱっとガキさんが手を上げた。 あぁ…あなたの後ろ光が…。 ガキさんが天使に見えて、つい目を細めてしまう。 それはみんなおんなじみたいで、きらきらと眩しそうにガキさんに集まる熱いまなざし。 へへへーっと照れるガキさん。 「えらいっ!」 イイダさんのあっついキッスがガキさんに炸裂する。 まこっちゃんが目にたくさんの星を輝かせて身を乗り出した。 ぼそりと梨華ちゃんに耳打ち。 「ね…。よろこんでるから、みんなに言ってあげたら?」 「うん。もちろん」 にこって笑って、そっと口を寄せた耳元を小さな手で隠すと、ちゅとキスをくれた。 ふふって、肩をすくめてくすぐったそうに笑う梨華ちゃん。 「まことちゃん」 うひょーって意味不明な叫びをあげてわちゃわちゃしてるまこっちゃん。なんかおもしろい。 「あいちゃん」 顔をくしゃくしゃにして笑う愛ちゃん。 「さゆみおねぇちゃん」 きゃはってはしゃぐしげさん。 「えりおねぇちゃん」 なんかくねってるし…エリちゃん。 「あさみちゃん」 ちょこんて首を傾げて覗き込まれて、真っ赤になって、ほわーっと微笑むポンチャン。 「りさちゃん」 「なぁにっ!」て、ガキさんの満開の笑顔。 みんなが喜んでるのを見て、ふふんって梨華ちゃんがうれしそうに笑う。 あぁ…かわいい…。 ほっぺをきゅうってくっつけて、アタマを撫でてあげると、 「ほら。まだ言ってない人いるよ」 「うん」 ウインクしたつもりで、ぱちって両目をつぶるのがかわいくて、まぶたにチュって唇を落とす。 「うわ…。なんか…美貴ちゃんメロメロになっとるで」 なぜか真っ赤になる愛ちゃん。まこっちゃんがにひひって笑った。 「そりゃあ…あんなにかわいかったら、なるでしょ」 「ったく。ミキティ、なんかそれじゃロリコンだぞぉ」 何が面白くないのか、今日はやけに呆れ顔で突っかかってくるヤグチさん。 「いいんだもん。ねぇ」 「ねぇ」 って、梨華ちゃんとうなずきあう。 梨華ちゃんはふふって微笑んで、さっきから一言も発してない彼女に、にっこりとチャーミースマイル(ハイパーおこちゃまバージョン)で微笑んだ。 「ひーちゃん」 甘えた口調で、いじらしい純粋な、ほんっとに穢れを知らないまなざしでの上目遣い。 藤本美貴、自信を持って言えます。 このまなざしで、「みきたん」とか「ミキティ」とか「みきちゃん」とか、それこそ亜弥ちゃんじゃないけど「たん」って言われたら、確実に…襲います。ハイ。 呼ばれたその、ひーちゃんは…っていうと、首も耳までも真っ赤にして、ふらりとよろけて背中を向けてぺたりとへたりこんでしまった。 「よっ! よしざわさんっ!」 「おい! どーした? よっすぃ!」 慌ててまこっちゃんが駆け寄ろうとしたところを愛ちゃんがにかっと笑って襟を掴んで何気にブロック。ヤグチサンが駆け寄ると、うが…とヤグチサンを振り払った。 「あ? よっしぃ~?」 「あ…あの、なんでもないっすから」 妙な鼻声。 梨華ちゃんと顔を見合わせた。 「もしかして…」 「うん…」 梨華ちゃんがふにっと首をかしげて、もう一回。 「ひとみちゃん?」 「うが…!」 「あ゛っ!」 ヤグチさんが思いっきりカラダを引いた。 イイダさんはすっと立ち上がると、ふわりとティッシュを差し出した。 そして、梨華ちゃんに向かってにっこり。 「悩殺しちゃったね」 「……」 「「「「「「「「「「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇええぇぇえぇえぇええええっ!!!」」」」」」」」」」 がっくしとよっちゃん。 「よっ…よしざーさん、ロリ…」 唖然とまこっちゃんが言いかけて、がばっとティッシュを鼻に詰めたよっちゃんが起き上がった。 「ちがーーーーーーうっ! 梨華ちゃんがエロいからだよっ!」 「えええーーーっ! あたしがわるいのぉっ!」 まぁ、よっちゃんの言うことも間違ってないけどね。 けどさ…。 「小さい子のせいにしちゃだめだよ。そりゃ、ちょっとエロっちいけどさぁ」 と、ふたすじにたしなめられる一徹さん。 「なんだよぉ! それに、そしたら、ミキティだってロリコンじゃんかぁ。さっきから…」 「ロリコンでもいいよ 」 美貴の一言にみんなが『ええっ!?』と固まる。 まぁ、今日何度、どっか人気のないところに行って…と思ったことか。でも結局我慢しきれなくって、人前とか気にしないでキスとかしたけどね。 梨華ちゃんはきゅっと美貴の服を掴んで笑ってる。 「だって、美貴は梨華ちゃんがすきだもん。小さくてもね」 そしたら、へにゃ~っと、空気が緩んだ。 「なんだよ。のろけかよぉ」 ほっと息を吐くヤグチさん。 でも、これじゃちょっとよっちゃんがかわいそうだから、梨華ちゃんとアイコンタクトでちょっとしたいたずらを試みる。 「ねぇねぇ」 ぱたぱたと小さな手でテーブルを叩くと、たぶん19歳の梨華ちゃんがやったらわざと「さむい」とか「かゆい」とやりたくなるようなくらい甘ったるい口調で、上目遣いでふわっと微笑んで…。 「まこちゃん?」 「…ぅぁ」 しゅうって音がした。そんな感じで赤くなって…。 「マコト…」 つーっと赤い線が2本。 愛ちゃんがやれやれとティッシュを取り出して鼻に押し込んだ。 っていうか、アンタ…愛ちゃんいるのに節操なさすぎ…。 ほにゃとへたり込むまこっちゃん。 なんだかんだとよしよしと頭を撫でる愛ちゃん。 「すびばせんでしたぁ…」 「な。言っただろ」 憮然とするよっちゃん。 さて、そういえば…。 にっこりとイイダさんが笑った。 「ヤーグチ」 「いっ…いいよ。オイラは」 慌てて照れくさそうに手をふるヤグチさん。 梨華ちゃんが「ねぇ」ってお願いするから、がしっと逃げないように腕を捕まえた。 「ちょっ! なにすんだよぉ」 「まぁまぁ。照れるのはわかりますけどね」 「てっ…照れてなんかないってば」 そしたら、いつのまにか後ろに回りこんだイイダさんが腰に腕を回してぎゅっと捕まえた。 「ちょっとぉ! カオリまでふざんけんなってばぁ!」 「なによぉ。なに今更じょーしき人ぶっちゃってぇ。だいたいミニモニ。はコドモたちの憧れでしょうが」 「ううっ」 そう言われてしまうと、言葉も出ないらしい。 つじちゃんとカゴちゃんがぱっととなりに来てがしっとヤグチさんの肩を抱く。 ほら。完全包囲網。 梨華ちゃんはくすくすって笑うと、 「まーりちゃんっ!」 って、ミニモニ。の極めポーズの横ピースをえいって。 それがあんまりにもかわいくて、みんなで、えいって横ピース。 「へへっ…」 なんだかんだとヤグチさんもうれしそう。 「まったく。すなおじゃないんだから」 ちっちゃな指でえいっておでこを弾かれて、 「うっ…うっさい」 って、真っ赤になって、 「ほら。カオリ!」 腰に引っ付いたイイダさんをひきずってドアに向かうヤグチさん。 「ん? なによぉ」 「梨華ちゃんがあれじゃ、仕事になんないだろっ」 「あー。そうねぇ」 そういうと、イイダさんはよいしょっとヤグチさんを抱っこした。 「じゃ、交渉してくるから。みんな帰る用意しといてねぇ」 こらーってばたばた暴れるヤグチさんにオトナなキスで黙らせる。 上機嫌で楽屋を出て行くリーダーと、ぐったりしてるサブリーダー。 やれやれと梨華ちゃんと顔を見合わせて笑った。 * 結局明日に延期。 まぁ、その分スケジュールは押すわけだけど、それはしょうがないよね。 帰りはタクシー。 みんなの熱いまなざしを一睨みで振り切った。 で、帰りのタクシーの中で、やっぱ緊張して疲れたのか梨華ちゃんは美貴に抱っこされたままキモチよさそうに眠っていた。 梨華ちゃんもそうしたらしいんだけど、着く前に起こして、その起き抜けの無防備な顔をみんなにメールで送ってあげた。 ベッドにコロンと転がって、んーって体を伸ばす。 ドレスはシワになっちゃうから、だふだふだけどTシャツを貸してあげた。 「疲れた?」 「うん。でも…楽しかった」 「そっか。よかった」 そっと髪に触れると、んーって目を細めてキモチよさそうにうっすらと微笑んでる。 美貴もその隣に横になった。 もそもそと梨華ちゃんがカラダをくっける。 「ね、明日になったら…戻ってるかな?」 「不安?」 「…うん」 まじめな梨華ちゃんには自分のことで、ましてわけわかんないことで迷惑かけてるって言うのは、やっぱり口に出さないけど嫌なんだろうな。 美貴もやっぱり、なんかなぁ…って思わなくもなかったし。 中身は19歳。見た目は5歳。 なんともいえないアンバランス。 なりきっちゃうのは、時として楽しくて、だけどなんか辛くって。 「みきちゃん…」 小さな手がぺたって美貴の頬を包んで、ふわって唇が重なった。 小さなカラダをゆったりと包み込んだ。 美貴が言えること、わかってることは、それでもたった一つだけ。 「大丈夫。どんな梨華ちゃんでも、美貴はすきだよ」 * 次の日。 梨華ちゃんは無事に19歳の、等身大の石川梨華に戻ってた。 みんなはお姫様なちっちゃい梨華ちゃんが見れないでちょっと残念がってたけど、梨華ちゃんは心底ほっとしてた。 仕事も遅れを取り戻すためにさくさく進んで…。 「あー。疲れたぁ」 美貴んちについた早々ベッドに飛び込む梨華ちゃん。 「ちょっとぉ。ベッド占領しないでよ」 そしたら、ぱって両手を広げて、 「美貴ちゃん」 って、おねだりモード。 そんな風に言われて、笑顔見せられちゃったらさぁ…怒れないじゃん。 「ったく。もう…」 なんて文句たらたらで、だけどついつい笑顔できつくそのカラダを抱きしめる。 美貴がよく知ってる、なじんだサイズ、ぬくもり。 やっぱりなんか…安心する。 「ふふっ。愛してるっ」 背中に腕が回って、抱き寄せられて、それとなく唇が重なって…。 いつもと同じ。 そこに感じる不思議なやすらぎ。 「だいすき。みきちゃん」 「うん。だいすきだよ。りかちゃん」 梨華ちゃんは梨華ちゃん。 わかってるんだけどね。 美貴の知らないサイズの、知らない姿の梨華ちゃんもかわいいけど、これって神様のいたずらなのかな? 腕の中で幸せそうにふんわかと微笑む梨華ちゃん。 たまにはあーゆーことがあるのも面白いけど、いたずらはほどほどしてよね。神様。 (2004/6/5)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/24.html
武装神姫のリン 第1話「リン」 今日は久々の休みだった。ということで某家電量販店へ出掛た。 目当ては今話題の「武装神姫」。 最初は購入を考えていなかったが、ネットでの評判や友人に勧められたこともあったので購入することにした。 結構な人ごみの中、なんとか最後の1箱を入手して帰宅した。 購入したのは「TYPE DEVIL STRARF」一番気に入っていたモデルだった。 早速起動させてみる。 瞳をゆっくりと開くと彼女は俺に挨拶をした。 「おはようございます。」 どうやら正常に起動したようだ。 マニュアルを片手に初期設定(とは言っても彼女に名前を与えるだけなのだが)を開始する。 「まず最初に私の個体識別のための呼び名をいただけますか?」 名前については購入前から決めていた。 「リン・・・リンですね。認識しました。」 それから彼女は部屋の中を走り回っては目に付くものがあると俺に質問してきた。 なんだか、歳の離れたいとこが家にやってきたような感覚を覚えた。 しかしリンばかりに気をとられているわけにはいかない。 リンの寝床の確保がまだだった。 おれは昔貰ったキャラクター物のタオルハンカチ2枚と100均で買ったバスケットを使って寝床を作る。 早速リンを呼んで寝かせてみると気に入ってくれたらしい。 そして少し頬を赤くさせたか?と思うと質問してきた。 「マスター、このキャラクターの名前は?」 これは少し予想外だったがちゃんと答えてあげる。 「…ピ○チュー。かわいい名前ですね。 マスター、こんなにいいものをありがとうございます。」 リンはそのピ○チューの描かれたタオルハンカチをうれしそうに抱きしめ、にこやかに微笑んでお礼を言ってくれた。 自分でも少し恥ずかしかったが「どういたしまして。」と返事をする。 その後、リンはじっとタオルハンカチを見つめていた。 俺が夕食を作っていると、リンがなにやらし始めた。 のぞいて見るとリンは鉛筆(ロケット鉛筆のヘッドの部分を与えてあった。) とメモ用紙を使って何か描き始めた。 だんだんと輪郭がはっきりしてきた。ジグザグのなにかと丸っこいからだ・・・・・ まあジグザグの何かの時点でだいたい検討はついていたのだが。 そうしてリンが描いたのは紛れも無い、ピ○チューだった。 「絵が上手いんだな」と声をかけるとリンはあわてて身体で自分の描いたピ○チューの絵を隠して、 「見ないでください・・・」と恥ずかしげに返事をした。 もちろんそのリンの顔が忘れられないほど可愛かったのは言うまでも無い。 その後もリンはお絵かきを続けていたが、俺が風呂に入っている間に寝てしまった様だ。 寝顔は穏やかでこれが人工のモノだとは思えない。 ふと表情が変化する。とても幸せそうな笑顔だった。 そのとき、俺はリンを大切にしようと誓った。 ~燐の2 「初めてのプレゼント」~
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2240.html
アルトアイネス奮闘姫 第一話「いりーがる?」 すでに人工知能が開発されて久しいが、軍事への利用を可能なAIは大国同士が核拡散失敗の反省を受けて非常に厳しく制限していた。しかし、優れた自己判断能力が規定外の使い方をされることは半ば予想され、実際に行われてた。 そんな中で民生品のAIを持つ日本の玩具、自立制御の高性能なAIを備えつつ、機能の拡張が容易な武装神姫はその一つに数えられていた。 武装神姫、それはわずか一五センチのMMSという技術を使用した女性型自律型ロボットである。本来玩具として発展したものであり、玩具の例にもれず、用途から外れた使い方は固く禁じられている。 もちろん、神姫のAIはそうした用途に使われないようになっているが、改造されればそうとは言えない。また型の古いモデルにはセキュリティの甘さゆえに違法改造がなされやすい。 改造された神姫は表向き、神姫同士の戦いにしか使用されてはいなかった。 「お兄ちゃん、どうしてそんな旧式のを買ってきたの!」 机の上で小人が怒鳴る。いや小人よりは妖精と言ったほうがいいだろう。 妖精の大きさは手のひらサイズ、淡い紫の髪に赤い瞳というのは一見、妖艶な組み合わせだが、髪は二つ小さなお下げに分けて、いくぶん子供っぽい髪型だった。顔つきもぷっくりとしたほっぺがなおさら幼さを引き立てている。着ている服は薄手の生地のハイネックに短いスカート、見る人が見れば、鑑賞ドール用の薄手の生地だとわかる。 彼女はMMS神姫、戦乙女型アルトアイネス、名前はメロン。名前の由来は、起動したときにそこにメロンがあったから、というあまりにも安直な由来である。 そのメロンに怒鳴られた相手、メロンの持ち主――オーナーであり、神姫はこの夏に始めたばかりの新人オーナー、勝見だった。 「旧式っていうけど、安かったんだからいいだろう」 「私に安い武装を使えって言うこと?」 理不尽な理由だが、睨み付ける視線には殺気がある。 勝見がなぜそんなアルトアイネスを選んだのかというと、アルトアイネスは最新鋭機だったからだ。武装神姫は新鋭機といえど、性能が極端に高いわけではない。神姫はレギュレーションにより、新旧の武装でも極端な性能差はありない。しかし、最近傾向や戦闘データがフィードバックされており、全体のバランスが高く、結果的に強力な武装神姫となるのだ。 しかし、そうであっても、経験の差はいかんともしがたい。武装神姫は今日昨日始まったホビーではない、古参ともなれば四年以上戦闘経験を持ち、その実力は高い。 そのための対策は大きく二つある。一つは神姫の実戦経験やトレーニングで能力を上げること、もう一つは有利な武装を揃えることだ。金銭的な余裕の少ない勝見は武装をそろえるのを半ばあきらめていたが、たまたま寄ったリサイクルショップで格安の武装を手に入れた。 それがこのメロンの不機嫌の元となっているのだ。 「しかも、このタイプって白いのじゃないの? 黒いのってどういうこと?」 「いや古いってのは知ってるけど。なんで黒いかはわからない、でもお前に似合うかなぁって思ってさ」 不満げな顔がわずかに赤くなる。 「似合うって……そんなのは次の次よ」 と言いつつ、勝見と視線を合わせていられない。メロンは照れ隠しが下手だった。 彼が手に入れたのは発売当初、黎明期の神姫の一人、天使型アーンヴァルの初期型、しかもリペインバージョンだった。本来であればプレミアがついてしかるべき製品なのだが、新古品として放出された上に店主が価値をよく知らずに売り、かつ勝見がよく知らなかった。ちなみに売り飛ばせば新品の神姫二体分くらいにはなる。 「それに安く、これだけの装備が手に入ったんだし、いいだろう?」 「確かにそーだけど」」 不満げな表情をしながらも、メロンの視線の先には黒く巨大なレザーライフルや黒いアーマーやウイングなどの武装をしっかりと捉えている。そのせいで口元が緩み、結構面白い表情になっている、しかし、メロン本人は気がつかない。 アーンヴァルはいまだに高い人気を誇る。特に初期型のアーンヴァルの装備はダウンチューンが行われたほど高性能なものがあり、公式大会ではハンデをつけられ、野良試合ではいまだに一級品の装備だった。 武装には問題がない。問題なのは別のほうだった。 「これでセット完了っと」 クレイドルで横になっているのは黒いアーンヴァル。長い金髪に黒い肢体、赤い塗装がアクセントが黒を一層引き立てる。本来の天使型という白いやさしいイメージとは真逆の印象を与える黒い天使。 「相談もなく新しい子を買うなんて、あたしを何だと思ってるのよ!」 そう、問題とは新しい神姫を迎える、そのことにメロンが怒っているのだ。いわゆる嫉妬である。 神姫というのはおもちゃであり、一人のオーナーが複数の神姫を所持することは珍しくはないが、神姫にとってオーナーは一人だ。 神姫心のわからないオーナーは複数の神姫を所持することはいろんな意味で危険だった。 その禁忌を犯そうというのか勝見よ、となるのかというとその心配はない、と勝見は思っていたのだ。今はカンカンに怒っていても。 「おお動いた」 セットアップを完了すると、アーンヴァルは目を開いた。 「この子、あたしと同じで目が赤いんだ」 なんだかんだ言いつつ、メロンは起動したてのアーンヴァルにくっついている。 アーンヴァルはぎこちない動作で立ち上がると勝見の方を見た。 「はじめまして、貴方がオーナーの真田勝見ですね」 姿こそ普通のアーンヴァルとは違っていたが、声はバトルで聞きれたアーンヴァルのものだ。 神姫の声はコアによって決まるので、ある程度は似てしまう。しかし、神姫はおのおのにその個性を持つのでオーナーは平気で聞き分けられる。勝見だって、一〇人くらいのアルトアイネスと混じってもメロンを見分ける自信はあった。 「よろしく、ほらメロンも」 「よ、よろしく」 さっきまでの勢いはどこに行ったのか、メロンはしどろもどろに言う。 「早速ですが、私の名前を決めてください」 「そだな、よし、メロン名前を決めてくれ」 「え……えええ!」 とにかく驚いた表情、でもその中に嫌そうな感情は含まれていなかった。 「姉になるんだから、それくらいはまかせる」 「あたしが姉……お姉さん」 頬がこれでもかというほど、ゆるむ。すぐにその場で腕を組んみあぐらをかいて考えるポーズ。勝見からは思いっきりショーツが見えてるが、指摘するとうるさいので黙っておく。 「……スイカ」 「よし、スイカな。、君の名前はスイカだ」 「って、いいの!?」 「わかりました、私の名前はスイカですね」 言い出したメロンが困惑するのを尻目に、メロンとスイカ、こうして新しい姉妹が生まれたのであった。 「そう、それでいい!」 腰に手を当てたメロンが言う。 メロンの目の前には着たばかりの洋服、Tシャツ(ケモティック社製)をひっぱってるスイカがいる。 起動したての神姫のほとんどのメモリは真っ白だ。基礎的な人格や常識は備えているものの、記憶の点では幼児よりも少ない。ところが、スイカの様子はいささか違っていた。 「これは一体何か?」 「なにって、洋服よ。それも知らないの?」 「わからない」 メロンは小さくため息をつく。スイカにはなぜか常識さえ十分に持っていなかった。 確かに起動したてだし、型の古い初期型だ。それでも神姫にはあらかじめ常識はあり、洋服を着るぐらいは普通にこなせるはずだ。 「これは動きを阻害する」 「しないって……あーもう、そんなふうに脱いだら服が破けるって!」 あわてて抑えるメロン、スイカは素直に従った。 「もう、そんなんじゃ私にも勝てないよ」 「勝つ? 戦う相手は敵。タイプアルトアイネスは敵なのか?」 真顔で言うスイカにメロンはがっくり肩を落とす。 「敵じゃないよ」 そうして、まじめな顔をしてスイカの肩に手を置いた。 「あたしは味方、絶対にね」 「うまくいってるか?」 そう言いながらドアを開けたのは勝見だった。 「あ、お兄ちゃん、ノックぐらしてよ」 「いや、ここ俺の部屋だし」 そういいながら、勝見は頭をかく。スイカが聞きてから、メロンの話し方は少し変わったように思えた。 「聞いてちょうだい、やっぱりスイカは常識がぜんぜんだよ」 そんなことを勝見が考えてるなど露にも思わず、メロンは続ける。 「常識なんてプログラムされてるはずだし、それに」 「ワルキューレタイプアルトアイネス、私に問題があるのか?」 「だから、そういう呼び方はやめなって言ってるでしょう!」 変わったのは別にいい意味だけではない。もともと高い声が、スイカが来てから頻度も加えて一層拍車が掛かっている。 「スイカ、オーナーとして命令だ、ワルキューレタイプアルトアイネスって呼び方はやめなさい」 「オーナーの命令を確認」 しばらく沈黙が流れた。天使型は優等生タイプと言われまじめな言動が多いが、いささかロボットじみている。 「なあメロン、生馬に聞いてみようと思う」 先に口を開いたのは勝見だった。メロンもなんといっていいかわからないような様子で同意する。 「うん、そだね」 「よう」 「いらっしゃい、まってたわ」 玄関で出迎えたのは熱海生馬。勝見の同級生であり、勝見に武装神姫を教えた人であり、メロンを薦めた張本人であったりする。容姿としての素質はいいほうだが、趣味に没頭するあまりオシャレっけはあまりない、いわゆるオタク女なので自分のことを気にかけていなかった。 生馬の肩に乗った天使型アーンヴァルのルーシェがメロンに手を振る。こちらは白のワンピースに黒いアクセントを加えた手作りの服を着ていた。派手さはないが、おとなしげなアーンヴァルの印象をうまく引き立てている。生馬に服のセンスがないわけではないのだ。 早速部屋へ案内される。メロンを起動させて以来、何度か訪れているので特に感慨はないものの、勝見は来るたびに感心はする。 その部屋は神姫一色に染まり、神姫サイズの家や洋服などが部屋の一角を専有している。 エプロンと耐熱手袋をつけたルーシェがお茶を部屋の中央のちゃぶ台に出すと、勝見はスイカを買った経緯とメロンの話を聞いた。 「話はわかったわ」 相槌をうちながら聞き終えた生馬は、整理された机の上のPCとクレイドルをつないだ。 「ちょっとクレイドルに乗ってね」 そういうとスイカをクレイドルにセットする。と言っても座らせるだけだ。 PCでデータを読み取り、MMSサポートセンサーに問い合わせる。すぐに応答があり、検査結果が表示される。 「……あれ?」 検査結果を見て、生馬は首をかしげた。 検査のデータは、スイカを初期型の白子、ノーマルバージョンと示していた。 「この子って中古なの?」 「いや新品だったぞ、なあ?」 「うん、新品だったよ」 勝見はメロンと顔を見合わせる。封を開けたとき、確かに未開封だった。 「じゃあ、何でリペイントされてるのよ?」 スクロールして他の結果も見る。すると検査結果には何箇所か不明の文字が浮かんでいる。 「もしかしてこれって……違法改造?」 一応櫛くらいは通してあるらしい短い髪が傾く。 「ごめんなさい、これ以上はわからない。神姫センターに行ったほうがいいわ」 そういって、ルーシェの淹れてくれたお茶に口をつける。 「違法改造といえば、この話は知ってる?」 生馬はスイカをちゃぶ台に返す。スイカにメロンが近寄った。 「三年前になるけど、大量のイリーガルが回収された事件があったのよ」 「話ぐらいは知ってるけどな」 勝見は言った。横目でルーシェを見ると小さく頷いている。たぶん、ルーシェもかかわったのだろう。 「そのときにほとんどのイリーガルは回収されたんだけど、アリスって天使型だけが相当数、逃げ延びたって話なのよ。そのときの生き残りかも……でもアリスは白いアーンヴァルだし」 生馬は倒したアリスを思い出した。彼女は見た目こそルーシェと同じ格好をしていたが、目つきも言葉遣いもまるで違った。愛らしさというものがまるでなく、ただ戦うことを生きがいにする人形。 スイカもアーンヴァルにしては変わっているが、しかし、アリスのような悪意は感じられない。 「……とにかく用意をして行きましょう」 「わかった、スイカ……って、いない!?」 「どこに行く?」 「いいからついて来て!」 隙を見て部屋を抜け出した二人は、生馬の家の台所に逃げ込んだ。ここには隠れる場所が多い。 「スイカはわからないの? 下手に連れてかれたらたぶんリセットされる、いや、悪いと廃棄されちゃうよ!!」 当時の事件を直接は知らないメロンは、神姫センターがどういった対処を行ったかを詳しくは知らない。しかし、どうされようと、スイカがいなくなっていまうだろうという予想はできた。 「とりにかく、お兄ちゃんと生馬さんを説得するまで隠れてて」 「それは命令か?」 メロンは小さく首を振る。 「ううん、お願いよ」 メロンはスイカの表情を見る。いつもどおりの無表情。そんなスイカだったが、メロンはやさしくいった。 「大丈夫お兄ちゃんたちは必ず説得する、私はお姉ちゃんなんだから」 言うが早いか、メロンは駆け出した。 「……わかった、隠れている」 そのとき初めてスイカに浮んだ表情をメロンは見逃してしまった。 探すと、すぐにメロンの方は見つかった。というよりもメロンのほうから出てきた。 「メロンちゃん、どこ行ってた? あのイリーガルはどこ?」 「お兄ちゃん、生馬さん、スイカをどうする気?」 「どうって……」 「私はお姉ちゃんだから、スイカを守る」 スイカを妹として、姉になるメロン、買った時に勝見はそのシナリオを考えていた。しかし実際にメロンがそれをはっきりというと勝見の心は暖かくなる感じがした。 しかし、今は余韻に浸っている時間はない。 「ちょっと待て、スイカ。それは勘違いだ」 「そう、従来型のイリーガルならセンターに問い合わせた段階でわかるわ」 そう続けたのは生馬だった。 「イリー……スイカがどう違うのか、実は私にもよくわからないの」 困惑した表情の生馬だったが、まだメロンの視線は貫くほどきつい。 生馬はメロンに説明する。今のところわかるのはスイカが何らかのエラーを抱えているということ、そのエラーの正体さえわかれば、スイカが今のような性格なのかがわかる、ということをメロンに伝えた。 「それが人為的なものである可能性は高いけど、どれくらい深刻なものなのかは私にもわからないのよ」 人為的な神姫の改変、それは一般的にイリーガルと呼ばれている。 イリーガルは公平なバトロンを阻害し、対戦相手の神姫への危険も大きい。 しかし、神姫への改造は当初から行われている。当初は髪型や目の色、体系など見た目だけだったが、それがコアの改変まで行われるのにそう長い時間はかからなかった。 イリーガルと一般改造の間はあいまいになりつつあり、改めで明確な基準が定められた。それに基づけば、過度な改造が行われているスイカも問題はないはずだった。 「お兄ちゃん約束して、スイカは私達のところから連れて行かないって」 「当たり前じゃないか」 「約束して」 「約束する」 納得したメロンはスイカを呼び、一緒に神姫センターへ向かった。 神姫センターで検査の結果は真っ黒だった。