約 1,954,380 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/69.html
キャラクター一覧 Wikiに登録及び出演しているキャラクターのみです 仮とあるのはまだ未登録な作家さんのキャラクターですのでご了解くださいませ 追記 現在キャラクター追加は、各作家さんの自主登録制となっております。ご了承ください。 かな索引 キャラクター一覧あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 あ行 アース ネコのマスターの奮闘日記 アーニャ Les lunes アール アールとエルと 愛川 愛 神姫ガーダーシリーズ? 藍田 遼 おまかせ♪ホーリーベル 愛澤 祐太 神姫ちゃんは何歳ですか? アイリーン 神姫長屋の住人達。 青葉かすみ 幻の物語 アガサ ねここの飼い方 暁 光矢 Twin Sword s アキース・ミッドナイト(橘 明人) 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 あくまたん 妄想神姫 悪友 師匠と弟子 浅見 秋人 春夏秋冬 浅見 弥生 春夏秋冬 明日香=ヴァレンシア 神姫狩人 アスティ おまかせ♪ホーリーベル 東 一 武装神姫のリン アッシュ Gene Less アトリ せつなの武装神姫 アナト EXECUTION アニキ HOBBY LIFE,HOBBY SHOP アニタ(黒ちゃん) マリナニタSOS!(仮) 網延 千喜 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 綾川 千紗都 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 アヤシロ Gene Less アラエル Mighty Magic 岡島士郎と愉快な神姫達 アラクネー 妄想神姫 アリア ねここの飼い方 アル・ヴェル 戦う神姫は好きですか アルサス 妄想神姫 アリス 戦う神姫は好きですか アルティ・フォレスト 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 アルト Battle Anima アルファ 幸せな神姫を戦場に立たせる会 アルファ達のマスター 幸せな神姫を戦場に立たせる会 アルマ 妄想神姫 アン 師匠と弟子 ANGELUS 双子神姫 イース Gene Less イオ 戦うことを忘れた武装神姫 伊小野 倉太 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン イカロス Gene Less 石川和弘(マスターさん) 犬子さんの土下座ライフ。 犬子さん 犬子さんの土下座ライフ。 井上 沙耶 おまかせ♪ホーリーベル 猪刈 久夫 妄想神姫 井原 卓三 Second Place -Howling- 今米 丈太郎 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 彩里(いろり) Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ イリン 妄想神姫 ヴァリアス Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ ヴィネット 2036の風 ウィン スロウ・ライフ ウインダム 剣は紅い花の誇り ヴェル 岡島士郎と愉快な神姫達 ヴェルナ 戦うことを忘れた武装神姫 碓氷 灯 妄想神姫 エイダ Mighty Magic エイナ 武装神姫のリン X2 マヤ 凪さん家の十兵衛さん X3 凪さん家の十兵衛さん エクエス 神姫狩人 エコー 幸せな神姫を戦場に立たせる会 エステラ・キャンベル EXECUTION エスト(弟子) 師匠と弟子 エリアーデ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン エリー・カークランド 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 衿沢 睦 神姫ガーダーシリーズ? エル アールとエルと エルガ 戦うことを忘れた武装神姫 エルゴの店長(日暮 夏彦) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 焔(海神ⅡY.E.N.N) せつなの武装神姫 逢坂 克矢 おまかせ♪ホーリーベル 大佐和 軍治 『不良品』 大山 樹 武装神姫のリン 岡島 士郎 岡島士郎と愉快な神姫達 岡島・母 岡島士郎と愉快な神姫達 岡島 優衣 岡島士郎と愉快な神姫達 小野 香住 俺とティアナの場合 小幡紗枝 2036の風 親方?(小松陸) Gene Less “俺” Battle Anima 『俺』 きしぶし! 『俺』 深み填りと這上姫 オレにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 オレにゃん Mighty Magic か行 会長 Gene Less カウベル おまかせ♪ホーリーベル 風見 美砂 ねここの飼い方 柏木 浩之 いつか光り輝く 柏木・父 いつか光り輝く 華墨 剣は紅い花の誇り 風間 健人 流れ流れて神姫無頼 香田瀬 健四郎 神姫ちゃんは何歳ですか? カナエ 神姫長屋の住人達。 金矢 利道 マリナニタSOS!(仮) 花乃 神姫ちゃんは何歳ですか? かまきりん 妄想神姫 上岡梓 幻の物語 上岡修也 幻の物語弾丸神姫 神谷香織 神姫狩人 KARASU(レイヴン) Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 香鈴 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ カンナ Gene Less 神無月 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 木井津 沙紘 せつなの武装神姫 北堀 吾妻 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ キナ Gene Less 木野 恒一 おまかせ♪ホーリーベル 木ノ宮 翔 俺とティアナの場合 木林 モトヤ おまかせ♪ホーリーベル 君島ましろ 戦う神姫は好きですか キャル 武装神姫のリン きらり せつなの武装神姫 桐沢 一真 神姫狩人 桐沢 静真 神姫狩人 キルケ ネコのマスターの奮闘日記 クイントス 剣は紅い花の誇り クウガ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン クエンティン Mighty Magic 草薙 雄也 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 クトゥルフオブナイン 神姫狩人 工藤早人 徒然続く、そんな話。 国崎 茜 戦う神姫は好きですか 國崎 観奈 神姫ちゃんは何歳ですか? クラウ・ソナス Twin Sword s 倉内 恵太郎 戦う神姫は好きですか 九羅侘 小百合 神姫ちゃんは何歳ですか? 倉本 武装神姫のリン クララ 妄想神姫 クリス・ブラッドフィールド EXECUTION CRINALE 双子神姫 駆竜 アツシ 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ 来島 葵 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ グレース 流れ流れて神姫無頼 黒い天使(アンジュラ) おまかせ♪ホーリーベル 黒須 修司 師匠と弟子 黒田 健三 武装神姫のリン 黒ちゃん(アニタ) マリナニタSOS!(仮) クロにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 黒姫 彦左衛門 ねここの飼い方 黒姫 鈴乃 ねここの飼い方 黒淵 創 凪さん家の十兵衛さん ケン Mighty Magic 鋼月 十貴(鋼月 十貴子) 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 鋼月 雄歩 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 河内課長 岡島士郎と愉快な神姫達 神浦 琥珀 剣は紅い花の誇り コクヨウ Gene Less ココ(ドキドキハウリン) 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 九重 翔 おまかせ♪ホーリーベル 越裏 宗太 スロウ・ライフ コニー 岡島士郎と愉快な神姫達 小林高明 幻の物語 小姫 いつか光り輝く コフィン Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 狛恵 妄想神姫 小山 武装神姫のリン コラン HOBBY LIFE,HOBBY SHOP コランのマスター HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 狐鈴 流れ星シィル-銀河流星伝説- ゴルドさん 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン さ行 斎藤 香子 Les lunes 彩聞 形人 流れ流れて神姫無頼 佐伯 裕子 戦う神姫は好きですか 佐伯 裕也 戦う神姫は好きですか 境 勇気 武装神姫のリン 朔 せつなの武装神姫 朔良=イゴール せつなの武装神姫 サマエル 神姫狩人 沙羅 戦うことを忘れた武装神姫 佐渡 魔琴 神姫ちゃんは何歳ですか? 佐和田美由紀 おまかせ♪ホーリーベル サユリ Gene Less CTa(Dr. CTa) 戦うことを忘れた武装神姫 ジーナス 流れ流れて神姫無頼 シーミュー EXECUTION シールド Gene Less 椎名 アキハル 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ シェイド おまかせ♪ホーリーベル ジェニー(ジェネシス) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP シエン Mighty Magic 紫貴 深み填りと這上姫 式部 敦詞 せつなの武装神姫 シザーウイング 神姫狩人 執事 岡島士郎と愉快な神姫達 シナトラ Gene Less 篠崎 茉莉 武装神姫のリン 篠房 留美那 神姫狩人 司馬 仙太郎 せつなの武装神姫 シビル Gene Less シラギク EXECUTION シラユキ おまかせ♪ホーリーベル 芍薬 Gene Less 社長 武装神姫のリン ジャロ 岡島士郎と愉快な神姫達 ジャンヌ 岡島士郎と愉快な神姫達 シュートレイ おまかせ♪ホーリーベル 十兵衛 凪さん家の十兵衛さん 銃兵衛 凪さん家の十兵衛さん 主任 師匠と弟子 主任 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン シュベールト 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ジュラーヴリク 流れ流れて神姫無頼 ジュリ(ジュリエット) 神姫長屋の住人達。 シリウス 流れ星シィル-銀河流星伝説- シルヴィア ツガル戦術論 シルヴィアのマスター(たつひと) ツガル戦術論 シルク アールとエルと シルフィ スロウ・ライフ ジル 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 志郎=アーガイル ねここの飼い方 白ちゃん(マリン) マリナニタSOS!(仮) シロにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 シロにゃん Mighty Magic シロン(元ホワイトデビル) おまかせ♪ホーリーベル シン 凪さん家の十兵衛さん 新 武装神姫のリン 神姫靴屋さん Gene Less 真 光一 流れ流れて神姫無頼 真珠 神姫ガーダーシリーズ? 真・十兵衛 凪さん家の十兵衛さん 震電 EXECUTION 新道 皐月 神姫ちゃんは何歳ですか? 新堂 真人 2036の風 シンナバー せつなの武装神姫 シンメイ 戦うことを忘れた武装神姫 鈴夏 春夏秋冬 鈴木 一郎 流れ星シィル-銀河流星伝説- 鈴村 おまかせ♪ホーリーベル セイレーン 凪さん家の十兵衛さん セザンヌ Second Place -Howling- 刹奈 せつなの武装神姫 セバスチャン ねここの飼い方 セリナ 武装神姫のリン ゼリス 2036の風 ゼリス(ぜっちゃん)二アー・トゥ・ユー 零(ゼロ) おまかせ♪ホーリーベル 左右葉 夢絃 せつなの武装神姫 ソウ Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 蒼貴 深み填りと這上姫 蒼蓮華 戦う神姫は好きですか ソフィ おまかせ♪ホーリーベル ソルティ おまかせ♪ホーリーベル た行 隊長 Gene Less 小鳥遊 鳥小 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 高野 孝也 戦う神姫は好きですか 武井 峡次 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 武井 隆芳 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 橘 明人 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 立花 圭祐 神姫ちゃんは何歳ですか? 田端 神楽 スロウ・ライフ 田中 妄想神姫 たま sister G princess? タマ ネコのマスターの奮闘日記 タマエ 神姫長屋の住人達。 たま子 Gene Less 旦那さん(藤原・父) せつなの武装神姫 地走 達人 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP チャーリー 幸せな神姫を戦場に立たせる会 ツヴァイ3 凪さん家の十兵衛さん 月影 章太郎 アールとエルと 月夜 時裕 Les lunes 月夜 のどか Les lunes つくも Gene Less 都竹 慎之介 神姫長屋の住人達。 椿 きしぶし! ツバサ ネコのマスターの奮闘日記 都村 いずる おまかせ♪ホーリーベル 露草 流音 せつなの武装神姫 鶴畑 興起 岡島士郎と愉快な神姫達 鶴畑 大紀 岡島士郎と愉快な神姫達 鶴畑 和美 岡島士郎と愉快な神姫達 ティア 武装神姫のリン ティアナ 俺とティアナの場合 ティール 妄想神姫 ティキ せつなの武装神姫 ディセン Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ ティテュス 妄想神姫 ティニア 妄想神姫 D-バンカー(バン子) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP D-ブラスター(ラスト) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP D-ブレイザー(レイザ) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP D-ベルセルク(ベル) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP デコ魔ちゃん Gene Less テスタロッサ 神姫ガーダーシリーズ? デビルバニー 師匠と弟子 デルフィ Mighty Magic デルタ 幸せな神姫を戦場に立たせる会 トゥールー Gene Less 冬花 春夏秋冬 藤堂 亮輔 武装神姫のリン 斗小野 水那岐 神姫ちゃんは何歳ですか? ドキドキハウリン〔ココ〕 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 戸坂 加奈美 スロウ・ライフ 戸田 あかね 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 戸田 静香 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ドライ3 凪さん家の十兵衛さん トリス 戦う神姫は好きですか トロンベ 戦う神姫は好きですか な行 ナイア せつなの武装神姫 内藤 いつか光り輝く 長月 紀波 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 長月 スバル Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 長瀬 祁音 流れ流れて神姫無頼 長倉 十郎太(長倉先輩) おまかせ♪ホーリーベル 那俄世 源八郎 神姫ちゃんは何歳ですか? 凪 千晶 凪さん家の十兵衛さん 奈津美 武装神姫のリン なな子 Gene Less ナル 戦う神姫は好きですか ニーナ 俺とティアナの場合 にーの丞 Gene Less 新高山 新菜 神姫ガーダーシリーズ? ニビル 剣は紅い花の誇り にゃー子 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン にゃーの助 Gene Less 沼田 弘毅 おまかせ♪ホーリーベル ヌル 剣は紅い花の誇り 根岸 Gene Less ねここ ねここの飼い方 ネム 春夏秋冬 ネメシス ねここの飼い方 ネロ 幻の物語 ノアール 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 ノゾミ 神姫長屋の住人達。 ノリコ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ノワル 岡島士郎と愉快な神姫達 は行 バーニング・ブラック・バニー 『不良品』 パーシ スロウ・ライフ 灰原 聖志 神姫ガーダーシリーズ? 灰原 貴志 神姫ガーダーシリーズ? 葉月 総 せつなの武装神姫 ハティ 神姫狩人 パトリシア 神姫長屋の住人達。 花菱 昴 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 花菱 燕 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 花姫 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 花屋さん Gene Less 花屋の花子さん Gene Less 浜茶屋さん Gene Less 春香 春夏秋冬 春姫 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ PARCA 双子神姫 パンドラ EXECUTION ビアンカ 岡島士郎と愉快な神姫達 氷男 聖憐 流れ流れて神姫無頼 緋上 浩子 神姫長屋の住人達。 ヒカル 流れ流れて神姫無頼 日暮 秋奈 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 日暮 夏彦(エルゴの店長) HOBBY LIFE,HOBBY SHOP 氷雪 恋 神姫狩人 久遠(ひさとお) 戦うことを忘れた武装神姫 土方 リョウジ 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ 火蒔里 神姫ちゃんは何歳ですか? ヒメガミちゃん(火神天姫) Gene Less ヒメにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 姫宮 若菜 Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~ 日好 隆斗 Second Place -Howling- 陽元 治虫 アールとエルと 美容院の店長さん Gene Less 飛竜 一深 流れ流れて神姫無頼 ビルト Gene Less ヒワ せつなの武装神姫 ファム 武装神姫のリン フィオナ 妄想神姫 フェアリ ["舞"装神姫(仮] 飛蘭(フェイラン) Gene Less フェスタ 2036の風 フェレンツェ・カークランド 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 フェンリルβ 神姫狩人 フォートレス・ブラッドバニー 神姫狩人 フォトン Gene Less 副会長(火神基生) Gene Less 藤丘 遼平 『不良品』 プシュケ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 藤原 修芳(旦那さん) せつなの武装神姫 藤原 雪那 せつなの武装神姫 藤原のおじさん Gene Less 藤原 舞華 せつなの武装神姫 ブッケ Gene Less プチマスィーン壱号 Mighty Magic ブラボー 幸せな神姫を戦場に立たせる会 マリナニタSOS!(仮) フリッグ 妄想神姫 プル軍曹 妄想神姫 碧鈴(へきれい)徒然続く、そんな話。 ヘタレマスター Gene Less ベル(ベルゼヴァイス) 神姫狩人 ベルクート 流れ流れて神姫無頼 ペルシス ネコのマスターの奮闘日記 ベルセルク HOBBY LIFE,HOBBY SHOP ベルベナ 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン 弁慶 凪さん家の十兵衛さん 鳳条院 伊織 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 鳳条院 兼房 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 鳳条院 葉月 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 ホーリーベル おまかせ♪ホーリーベル ボクにゃん 岡島士郎と愉快な神姫達 星野慎一 幻の物語 ぽち sister G princess? ホワイトデビル(現シロン) おまかせ♪ホーリーベル 本田 清張 おまかせ♪ホーリーベル ま行 Mk-Z 戦うことを忘れた武装神姫 マーヤ 戦うことを忘れた武装神姫 マイ 神姫ちゃんは何歳ですか? マイコ ["舞"装神姫(仮] マイティ Mighty Magic マイティのマスター Mighty Magic 舞姫 幻の物語 前田 啓次 妄想神姫 マオ(まるかじり猫子) 流れ流れて神姫無頼 マオ(柏木 マオ) いつか光り輝く マオファ 神姫狩人 槇野 葵 妄想神姫 槇野 茜 妄想神姫 槇野 晶(マイスター) 妄想神姫 槇野 梓 妄想神姫 孫市 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 マスターさん(石川和弘) 犬子さんの土下座ライフ。 マスターミラー ツガル戦術論 マツケン(松代剣) Gene Less 松代鋏 Gene Less 真野 おまかせ♪ホーリーベル 真那 深み填りと這上姫 マヤ X2 凪さん家の十兵衛さん マリー・ド・ラ・リュヌ Les lunes マリン(白ちゃん) マリナニタSOS!(仮) マルコ・ソロネス 神姫狩人 ミカエル 岡島士郎と愉快な神姫達 御影恭二 ツガル戦術論 ミコ(美子) 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 ミーシャ 凪さん家の十兵衛さん ミシオ 神姫ちゃんは何歳ですか? 水野アリカ 戦う神姫は好きですか ミチル 神姫ちゃんは何歳ですか? 皆川 彰人 剣は紅い花の誇り ミナツキ 幻の物語 水無月 香憐 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 水無月 桜 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 水無月 大志 流れ星シィル-銀河流星伝説- ミモザ 妄想神姫 ミラ 妄想神姫 ミラ・ツクモ EXECUTION ミュリエル 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 ミルキー おまかせ♪ホーリーベル 無価値 神姫狩人 ムツキ 神姫ちゃんは何歳ですか? 村上 静菜 武装神姫のリン メイ 武装神姫のリン メイア おまかせ♪ホーリーベル 冥夜(白雷) 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 メイリン(明倫)おまかせ♪ホーリーベル 芽河原 明 ねここの飼い方 メサイア ネコのマスターの奮闘日記 メルクリウス おまかせ♪ホーリーベル モリアン 妄想神姫 森 芳治 おまかせ♪ホーリーベル や行 ヤイバ おまかせ♪ホーリーベル 八神 さくら 武装神姫~ストライカーズ・ソウル~ ヤクト おまかせ♪ホーリーベル 山田 和章 ネコのマスターの奮闘日記 山田 信善 ネコのマスターの奮闘日記 山田 晴子 ネコのマスターの奮闘日記 山田 礼奈 ネコのマスターの奮闘日記 結城 セツナ せつなの武装神姫 雪乃 ねここの飼い方 夢卵 理音 Mighty Magic ユーナ(優奈) 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 ユキ 神姫ちゃんは何歳ですか? ユーラ せつなの武装神姫 好村 輝美 おまかせ♪ホーリーベル ヨツンヘイム おまかせ♪ホーリーベル ら行 ラースタチュカ 流れ流れて神姫無頼 來華(らいか) おまかせ♪ホーリーベル ラルフ・バーンスタイン EXECUTION 藍 双子神姫 ランスロット 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 リィリィ HOBBY LIFE,HOBBY SHOP リオーネ おまかせ♪ホーリーベル リカルド=ケンザキ 2036の風 リゼ 戦うことを忘れた武装神姫 リック 流れ流れて神姫無頼 リッパーリング 神姫狩人 竜崎 賢市 おまかせ♪ホーリーベル リュミエ 幻の物語弾丸神姫 リュミエール 妄想神姫 リリィ(リリィベル)おまかせ♪ホーリーベル リン(燐) 武装神姫のリン 凛花(りんか) おまかせ♪ホーリーベル ルカ Gene Less ルクレツィア 武装神姫のリン ルクレツィアのマスター 武装神姫のリン ルーシー 『不良品』 ルー・フライ 妄想神姫 ルシフェル 岡島士郎と愉快な神姫達 ルージュ きしぶし! LUNA 双子神姫 ルナ 深み填りと這上姫 レイア 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 零牙 流れ流れて神姫無頼 レオナ 武装神姫のリン 烈風 EXECUTION レミン スロウ・ライフ 錬 双子神姫 レン 武装神姫のリン 連山 EXECUTION ロウ Gene Less ロッテ 妄想神姫 ロン 戦う神姫は好きですか わ行 和多 清治おまかせ♪ホーリーベル 海神 せつなの武装神姫 海神ⅡY.E.N.N(焔) せつなの武装神姫 和智 小百合 おまかせ♪ホーリーベル
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1206.html
Gene21の銀幕に勝負を賭ける者たち!(なんかパチの宣伝みたい・・・) ミツ:ゾンビ型 装備:100均の下僕ゾンビロボ&飛ばすぜ四肢!! 人間なんてだいっきらいだ~!・・・っと復讐の為に神姫による神姫だけの映画なんて企画しちゃったいなかっぺ大将な監督さん。てか作者の『ネタ無くなって来たのでSSwikiのオリ神姫使ってGene Lessしちゃおう!』企画の第一の犠牲者(しかも初めからゾンビ型かよ!) ちなみにゾンビ型MMSについては長屋のご隠居の「神姫長屋の住人達。」参照ですよー♪ シビル:騎士型サイフォス 装備:心にいつもブレイク魂! Gene Lessの1番手なせいか吹っ飛んだ性格のせいかは知らないけど巷では割と人気っぽい通称土方子さん。映画出演したとてそのマイペース破壊精神は一片も失われたりはしませんよ♪(いっそごっそりと無くした方が世のためだって) モデラーさん:20歳模型作家 セリフは少ないけど文字通りそのイージーさでミツを影ながら支えたジオラマ作家さん。どうも彼的には作れさえすればOKってことらしいです。でもさー冷静に考えると1/12でだってジオラマで街一つ作るのって場所も手間もお金も物凄くかかるよね? う~ん侮れない・・・。 にーの丞&おかーさん 最後で試写会見てただけだけど、連続3回出場を果たしたなかよし親子さん。にーは特に映画が気に入ったらしく「ドリるでブレイクですにー!」としばらく家中の壁に穴をあけまくって大騒ぎだったとか何とか(えー) 親方:26歳解体業 出番少なかったので危うく紹介し忘れるトコだった(酷)シビルのマスター。彼も試写会に行き・・・とゆーか撮影時居なかった彼はその時初めて惨状を目の当たりにし「ま・・まさかまた損害賠償を請求でもされたら・・・ガクガクブルブル」と気が気でなかったとか(うわぁ) おまけ:2037年の神姫出演番組一覧♪ 武装神姫2036:大人気の神姫主演割とノンフィクションっぽいTVドラマ! 貴方も私もマジョーラマジョーラ! 武装神姫Forget‐me-not:ヘタレ少年の社会復帰を描いた(違)ドキュメンタリー番組! これを見ればNEET脱出間違いなし!・・・? 武装神姫always together:愛と感動の水曜ドラマスペシャル! あまりの人気(主に種子)で映画化も鋭意進行中! 武装神姫ラジオロンド:神姫の人工声帯のオリジナルデータ提供者による(ナニその取ってつけた裏設定)壮絶カオスラジオ番組! 神姫もたまに(たまにかよ)出演するよ! 武装神姫の化子ちゃん:ネットの片隅でゲリラ連載されている素人ドラマ! 神姫ラーのトラウマを的確につつくいぢらしさに全米が泣いた!(マテ) はじめてのおつかい:にーの丞ちゃんの出演で火がついて、神姫の出演も増えたおつかいドキュメンタリー! 子供とはまた違ったドキドキ感で新たな視聴者層を獲得中! 神姫DEご当地紹介:口コミでつい最近(笑)全国に広がった神姫による郷土紹介TVCM! むやみやたらにチープな銘菓コスプレした神姫達の艶姿が貴方の度肝を抜くぜ! 目次へ
https://w.atwiki.jp/battler/pages/1132.html
バトルロイヤル界侵略作戦!?とは、ケロロたちのバトロイ界侵略作戦を描いた小説。 1話完結。 登場人物(詳細は各キャラの項目を参照) ケロロ軍曹 地球侵略を何度か試みているが、失敗ばかりの小隊隊長。 タママ二等兵 見た目はカワイイが、キレるととても恐ろしい小隊突撃兵。 ギロロ伍長 真面目でしっかりものだが、夏美に片思いしている小隊機動歩兵。 ドロロ兵長 地球を愛する生真面目な小隊暗殺兵。しかし、日陰者なのでみんなに忘れられる。 アンゴル=モア ケロン星と同盟関係にあるアンゴル族の少女で、ヒト型宇宙人。 日向冬樹 ケロロ軍曹のパートナー。オカルト好き。 日向夏美 ギロロ伍長のパートナー。冬樹の姉。 本編 おまけ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2619.html
「二輪車制作大手制作神姫について語る。」 そんな見出しで始まる新聞の地方紙面。埼玉市与野を拠点として企業活動しているオーメストラーダが新規産業参入のために設計・制作している神姫について語る記事が掲載されている。 社長曰く 「神姫に二輪ならではのノウハウを生かし、新たな魅力を生み出します。」 と現在制作している神姫についてコメントしていたとのこと。(二輪のノウハウと神姫がどう組み合わさるんだ?) そう新聞を読みながら朝食のたくあんをコリコリと噛みつつ義弘は仕事前の朝のひとときを過ごしていた。今日は総合病院ではなく診療所での仕事になる。一昔前は学校を出れば専門的な経験がなくても個人での開業できていたが、一部を除いた拠点となる病院では慢性的な人手不足を招く結果となってしまっていた。今では医者をするには、地区の拠点とな病院に必ず籍を置いて主に拠点病院で活動をおこなう。そのうえで科ごとに所属医師をローテーションで地区にある診療所に派遣され、診療所をあけるという形態をとるようになっていた。今日は義弘は診療所での業務である。 (想像がつかん。)そう思っていたが、父義昭曰く2010年ぐらいにはバイクに乗ってトレーディングカードゲームをするアニメがはやっていたらしい。その話を聞いたときは、(何故わざわざバイクに乗ってカードゲーム?)と聞いた頃は考えたが、いつ時代も用はアイデアとものは考えようなのだろう。 (ずずっ)と最後に残ったわかめの味噌汁をすすり、しばし沈黙。 「・・・・・普通だ。」 「おいしくないですか?いつもと作り方は変わらないはずなのに。」 そう部屋の隅にある本棚の方から女性的な声で反応が返ってくる。 ここは一人暮らしの義弘の自室である。神姫達もいないし当然誰もいないはずの部屋で義弘に言葉を返したのは本棚の一番上の棚に鎮座している球体型人工知能太極図だった。 太極図 バレーボー位の大きさで全面に表示の為のパネル兼タッチパネルで構成されている。元は父義明が使っていたもので、今は義弘専用のサポートコンピューターで義弘の仕事の補佐を行っている。無線装置も内蔵しており、演算から会話・記録まで様々なことができるが、小型の神姫と比べると時代遅れの感は否めない。 「なにが違うのかな・・・・。」 そうつぶやくと義弘は残った味噌汁を一気に平らげ、今日の診察の用意を始めた。 同日正午 埼玉市大宮 「さってと。まずはどこから見て回るか。」 「マスターマスター。たま子はおもしろいところがいいですぅ。」 いつも元気な神姫とマスターと共に神姫ショップ「arch」を目の前にした大宮の駅前の空中回廊を歩く。 「マスター。いつみてもarchは大きいですね。」 胸ポケットに入っているアテナは久しぶりのarch前に高揚感とウキウキ感を隠せない。 (今日は庭木の手入れをしようと思っていたんだけどな。)甚平の斜め後ろを歩きながら隆明はそう思っていたが、楽しそうなアテナをみて(自分だけそんなことを思っていても始まらないな。)と気分を切り替えた。 大宮に出かけることになったのも、少し前。 「ピリリリリリッ。ピリリリリリッ」 河野家の電話が着信を知らせる。それは甚平からの電話だった。 「これから大宮に遊びに行こうぜ。」 そういうやいなやすぐに河野家を訪れた甚平。どうやら家のすぐ前からかけてきたようだ。唐突に訪れるのはいつものことなので、河野家一度なれたものだった 。 充電中だった与一とキュベレーへの書置きを残し、アテナと共に出かける準備を整え、隆明はアテナと共に遊びに出かけていた。 「隆明はどこか行きたいところはあるか?」 「うーーーーん。・・・・・獅子の穴なんかどう?」 やっぱり大宮に来たらあそこかなと隣まで進み出た隆明から行き先を提案する。 「近くにスイカブックスもあるし、コンパスもあるしな。まずそこに行くか。」 まずは行くところが決まり二人で駅前から少し離れた路地へと歩を進める。 デフォルメされたライオンの看板のついてビルに入る。 獅子の穴・スイカブックス 秋葉原に本拠をおく同人関係の物品を多く扱ういわゆるオタクショップである。お互いの店舗とも人気は拮抗しており、あの手この手で全国展開を競っている。神姫に関しても通常の書店や神姫ショップでは置かれない商品を様々なジャンルで取り扱っており、グッズや書籍などを求めて、多くの神姫マスターが出入りをしている。 甚平と一緒に店内の神姫関連の同人誌コーナーを見て回る。神姫との日常をマンガにしたものや、神姫バトルをしているマスターの戦術指南書など様々なジャンルのものがおいてある。 「マスター。すごそうな本がありますよ。」 隆明の肩に座り一緒に眺めていたアテナが並んでいる同人誌に興味を示す。 「なになに・・・F1クラスのマスターソロモン最強神姫理論。作者:ソロモン」 隆明が同人誌を手に取り、サンプルとして包装につけられている内容の一部のを確かめる。 内容はカスタム認可を受けている作者が、強い武装を製作し手に入れていかに使うかと行った内容がひたすら羅列されていた。 数ページ分でもわかる。早くいうと自慢に近い内容であった。 「マスター。バトルって結局武装で決まるんでしょうか?」 「うーーーん。それだけじゃないと思うけど。」 実際にまだバトルをしていない隆明には断定はできない。が、それだけでは戦う前カラス勝敗は決まってしまっていることになる。 「でも、アテナは強い武装なんかなくてもマスターと一緒なら勝てます。」 そうまっすぐ、正直にいうアテナは隆明に満面の笑みを浮かべていた。そんなアテナに隆明の胸はじわりと温かくなった。 その温かさを覚えている。 亡くなった両親の代わりになってくれた義弘の父「義明」のことを。 両親がいないいじめを受けた時に守り、いつも笑顔で見守ってくれていた義弘のことを思い出した。 「うん。ありがとうアテナ。」 照れを隠すため端的にただそれだけを礼として伝える。 肩で満面の笑みを浮かべるアテナがとても印象的だった。 加藤義明 隆明の父が親友と公言する仲で、隆明の両親の死後隆明の後見人を務める。 義弘と同じく医者であった。すでに故人。 そう改めて思い直し、アテナと内容を吟味しつつ「赤城春名作:果てしなく続く神姫ロード」を購入した。 獅子の穴とスイカブックスを後にし、「arch」内の神姫バトルスペースに足を運ぶ。 いくつかの筐体でバトルが行われており、それぞれの筐体をギャラリーが取り囲み、バトルの行方に歓声を挙げている。 その中の一つの人混みに近づき観戦を始める。4人が観戦を始めた頃には既にバトルは佳境には入っており、ハウリン型の神姫の近接攻撃の連打とRA(レールアクション)で勝負が決した。 「マスター。今の攻撃見ましたか?すごいです。」 「今のパンチすごいですぅ!」 アテナは肩という不安定な場所であるにも関わらず立ち上がって意気をあげている。案の定「あわっ!」を足を滑らせて落ちそうになり、とっさに隆明の服に しがみついて落下を逃れる。 「あっ。アーンヴァルだ。」 すぐとなりのギャラリーがアテナを見つけて声を挙げるや、近くのギャラリーもアテナに注目する。バトル後の興奮さめやらぬ場だったためか、テンションあがったままで隆明達に詰め寄るものまでいる。 そんな雰囲気に危険を察し甚平が機転を利かして隆明達を人混みから引っ張り出す。 「サンキュー。助かったよ。」 「はらほろひれ~。」 肩から上着の胸ポケットに移っているアテナは目を回している。たま子はちゃっかり甚平の上着に移っていた。 アテナの回復を待ち人気の少ない階段で下へとおりる。その途中3階へさしかかったとき、階段室に出てきた仁とはちあわせする。 「店長。お疲れ様です。」 「仁さんこんにちは。」 「久しぶりですぅ。」 「こんにちわです。」 「みんな。いらっしゃい。」 仁は2階の事務所兼休憩室に行く途中。だった様子で、仁は二人を休憩室へ誘う。休憩室でたわいもない話をしているなかで、さっきのバトルスペースでの話になった。 「そっかそっかぁ。それは災難だったねぇ。」 そう言って、おごりといって仁より渡されたヂェリーを飲んでいるアテナとたま子に苦笑しながら視線を向ける。 ヂェリー 神姫の電力などのエネルギーの補助として用いられる。が、電力はクレイドルから補充するため、特に接種する必要はないのだが、ペットロボットや神姫と食卓を囲みたいという要望もあり、各制作会社は様々な様式のジェリーを作成している。人間でいう飲料水として使うもの以外にもハイテンションにしたり、酩酊状態にさせたりといった効果をもたらすジェリーなど様々な効果をもたらすものがある。 「そうなんです。あの時アテナの世界がぐるぐる回っちゃいましたぁ。」 「すごい人だかりだったですぅ~。」 ヂェリーを飲みなあらゆっくりはなす神姫二人。ちなみに紅茶味のするヂェリーである。「ゆっくりと落ち着いた感じで飲みましょう」とかかれている。 「フロントライン製の神姫はF事件以降珍しくなっているし、まぁその反応もある程度しょうがないかなぁ。」 「この前もストラーフMk.2型神姫が即売り切れたんですよね?」 隆明はマスター登録した日の義弘と仁の会話を思い出していた。 F事件 約2年前大宮のはずれにあるフロントライン社の本社と工場が爆発事故により本社ビル・工場共に全壊した事件の事。 「FRONT LINE」の頭文字をとり神姫産業における「F事件」と呼ばれている。 この事件でフロントライン社の創設者にして、神姫の生みの親の一人であるフロントライン社の社長も死亡した。 これにより神姫、ペットロボットを制作するすべての企業に対して、新しい安全基準の決めると共に安全性の再チェックが行われた。 すべての企業で安全審査がクリアするまで、神姫などの設計・製作・修理は原則禁止されることになり、事件から半年。 すべての企業で神姫の取り扱いが事実上ストップしてしまった。 事故のあった当のフロントライン社は本社と素体生産の主軸を担っていた本社工場と、 素体と武装のデータと新しく設計されていた神姫のデータが集積されていた本社施設並びに経営陣・技術陣の喪失・により、 体制の立て直しによる遅れから、安全基準の批准が遅れな結果となった。現在もそのダメージから立ち直れていない。 武装製作工場にあったデータにかろうじて残されていた設計中の新型神姫「アーンヴァルMk.2」「ストラーフMk.2」 を何とか製作しているが、ベストセラー機体「アーンヴァル」と「ストラーフ」の正統後継機というふれこみももあり、 人気が高く供給が需要に全く追いついていない。 その事態に旧アーンヴァルと旧ストラーフ等の以前の素体新品製作をすべて終了(現存する素体についてサポートは継続)し、後継機の生産に当てているが、 それでも追いついていないのが現状である。それでも2体に続く新しい神姫を製作して巻き返しをはかっているという話が噂程度で存在している。 「キュベレーさん大人気ですぅ~。」 「たま子。キュベレーじゃなくて、ストラーフな・・・・?いや、やっぱりキュベレーか?まぁどっちも大人気だな。」 そんな中、隆明を見ている視線があった。 「マスター・・・・・(ジ~~ッ)。」 「アテナ大人気だったじゃないか。すごい人混みで。」 「そうですか?」 あの時は目が回ったのしか覚えていません。アテナの間はそんなことを言いたげだった。 隆明の言葉にもアテナは釈然としない様子であった。 「それにこれから、バトルでアテナのかっこいいところをみんなに見てもらうんだから。」 「マスターはどうですか?」 さっきと同じようにじっと見つめるアテナ。 「もちろん僕もだよ。それにアテナも与一もキュベレーもみんなかっこよくてかわいいんだから。それをみんなに見てもらうんだ。」 「(ジーン。)マスター。アテナ頑張っちゃいます。」 かっこいいと言われてアテナは感動を隠せず、両手を胸の所で握りしめ喜びを全身で表している。 「いいや、一番はたま子だ。」 背中に津波の映像を背負うがごとく出で立ちで堂々と甚平が宣言する。 「一番?」 言った当の本人は気づいていないよだった。 「隆明さんはにぶいですぅ。」 「ははははっ。それでこそ神姫のマスターだ。」 仁はそんなほほえましい様子を一歩下がってみていた。 「そうだ。ストラーフと言えば、最近強いストラーフ型使いの子がきているそうだよ。」 「隆明。おまえいつの間ににキュベレーとやりこんだんだ!?」 「マスタ~。店長さんが知らない人がマスターなんですから、キュベレーさんじゃないですぅ~。」 「そういえばそうだ。さすがたま子は頭がいいなぁ。あっはっはっは。」 甚平とたま子のいつものぼけとつっこみを毎度のことで皆がそろってスルーする。 「ゲームセンターフロアで、最近連勝らしい。バトルをすれば、そのうちバトルするかもしれないよ。」 店長として全体を管理している仁の情報網は疑いようがない。 「マスター。最近って事は、神姫バトルを始めたのも私たちとそんなに変わらないかもしれないですね。」 隆明はうなづくだけで返事を返す。 (どんなマスターなんだろう。)そう思いながら隆明はこれから始まる神姫バトルの世界に静かに緊張していた。 「これからバトルを始める二人には、こんな大会があるんだけど、どうかな?」 そういってデスクに積まれていたはりだし前のPOPを4人に見せる。そこには 「新年度新マスター杯。主催:ケモティック社」 「ケモティック社が新学期間近という事でまだランクを持っていないマスターを対象に大会を開くんだ。場所はここの最上階。優勝商品はなんとハウリン型神姫の素体。」 「素体を!?そりゃすごい。」 「太っ腹ですぅ~。」 「ケモティック社の社長さんは破産しないんでしょうか・・・・」 確かに。店頭で通常販売されている素体は1万ポイント。それを1体と実質1万ポイント分である。Fクラスの大会でも通常賞金は数百から数千ポイントと商品数点である事を考えると、まだFバトルクラスで順位を持っていない初心者達にとっては破格の商品である。 「まぁ、商品だけ聞いていれば確かにすごいんだけどね。ここを見てみて。」 仁が参加資格と試合形式を示す。 「神姫2体登録勝ち抜きバトルか・・・。」 「マスタ~。どんなバトルなんですか?」 「たま子よっくきてろよ。2体登録制の勝ち抜きバトルってゆうのはな。バトル前に2体の神姫をあらかじめ選んで、まずお互い一体ずつバトルを行う。1体の神姫が戦闘不能になったら、もう1体の神姫をバトルさせる方式で、先に2体戦闘不能になったら負けってやりかたのバトルだ。」 「さすがマスタ~。物知りですぅ~。」 「そうだろう。そうだろう。」 たま子にほめられて、甚平は得意げだ。甚平は子供の頃から変に物知りで、氏名がにていたこともあり、某ゲームの登場キャラクターにちなんで「オーキド博士」と呼ばれていたことがある。 「始めたばかりのマスターが複数の神姫を持っている事は珍しい。何しろなれるまで時間がかかるからね。そういう意味でこの大会は敷居が高いんだ。」 どうかな?と仁は隆明に勧める。 「でもマスターならアテナ達がいるから大丈夫です。絶対に優勝しましょう。」 「うん。アテナ頑張ろうな。」 「はい。」 まず目の前の目標が決まった。目前の大会での優勝にアテナの激励を受けて、隆明は(頑張ろう)と決意をあらたにしていた。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2814.html
第五話:隠道姫 砂嵐が吹き荒れる道を二人が突き進む。先頭を走っているのは人形二体を従えて疾走するコタマだ。トップスピードに関してはあちらの方が上であるようだ。対してこちらは空中での自由度が高い。それをどうアドバンテージとして活かせるか、それが鍵になりそうだ。 『まずは、だ。……もっと熱くなろうぜ』 俺はアイテムパレットを表示して、選択する。その瞬間、コースは灼熱のマグマがあたり一帯に広がる。ステージチェンジャーだ。 「あっつ!!? なんだこりゃ!!?」 『ステージチェンジャーや! なんとかする!』 その直後、返しのサーキットが発動する。マグマ地帯は一瞬でサーキットコースへと戻り、仕切り直しとなる。 『慎重に来たか。だが……』 確か、峰山の時はアイテムコストを2は残している。強気に出られるわけか。 『こっちは9残している』 次のアイテムを発動する。その瞬間、晴れ渡っていた砂漠が一気に、暗闇に包まれた。 「うおっ!? まっくらだ!?」 『ダークネス……。あかん。コタマは暗視が……』 その言葉の通り、コタマは暗さで道を見失っているような様子を見せる。どうやら暗視には適していない素体を使っているようだ。 一方、蒼貴は高い暗視能力を持っている。加えて、不死鳥の翼のおかげで自分の周りだけ、多少の明かりを得られた。これでかなり有利に持って行けるだろう。 「くっそ! 走行どころじゃねぇ!!」 『一旦引いて、蒼貴についていくんや。速度はこっちに理がある。いつでも逆転できるで』 「なるほどな。それで行くぜ」 竹櫛の意見を聞いたコタマは蒼貴の後ろをピタリと張り付くような走行を始める。これで二周目になったら攻める。そういう魂胆なのだろう。 『蒼貴。スタンバイしておけ』 「はい」 なら、それに乗り、蒼貴に備えとして武器のスタンバイをさせる。その後は併走となり、何もしないままの膠着状態となる。やはり攻撃を始めからする気でいるらしい。 コースの最後のストレートに差し掛かるとコタマは攻撃のスタンバイを始める。一体は巨大なガントレットを構え、もう一体が対物ライフルを取り出す。 どうやら、この人形達は独立行動できる自立型の代物であるようだ。マオチャオ型やハウリン型が用いるプチマスィーンズよりも圧倒的に高度な攻撃が可能であることを伺わせる。 そして二周目に突入する。その瞬間、視界が明るくなり、コースが変化する。何の障害も特徴もないコース サーキットに変わった。 「っしゃあ! 一気に攻めるぜ!」 暗闇から解放されたコタマは十字架を握ってそれを動かすと射撃型がコタマの命令に従い、対物ライフルを放つ。さらにそれに合わせるように格闘型が突進してきた。 「実質、三対一ですか……」 蒼貴は格闘型が目の前に到達する前に対物ライフルの射線から逸れる位置にサイドステップをして移動し、小判を射撃型に放った。 小判はライフルを放った射撃型の額にヒットする。そこに運よくスタン状態に追い込む直後に隙を突いて、格闘型が両腕のガントレットで殴り掛かってくる。蒼貴は上へ飛び上がる事でそれを回避した。 『黒板消しで反撃。格闘型には回避からの捻脚だ。射撃型には卵をくれてやれ』 「まだまだ続くぜ!」 三回目のコタマの攻撃が来た。持っているのは十字架に代わって飛鳥の剣「霊刀 千鳥雲切」だ。それで突きを仕掛ける。 蒼貴はそれを横にスライドする様に回避するとすれ違いざまに黒板消しを投げつける。黒板消しはコタマの顔面にヒットするとチョークの粉が煙のようにコタマの顔を覆い尽くす。 「ゲホゲホ! くそっ! セコい真似しやがって!!」 煙にむせながら蒼貴を近くから追い払おうと千鳥雲切を振り回す。 蒼貴は一旦距離をとると再び襲い掛かってくる格闘型のガントレットを受け流し、その勢いで体のバランスを崩して回転力を得るとそれを利用した後ろ回し蹴り……捻脚を放った。 「これもどうぞ」 蒼貴はスタンから復帰した射撃型にイースターエッグを投げる。放たれた卵は復帰はしていても無防備になっている射撃型にぶつかると炸裂し、卵の白身のようなものがまとわりついて機動力を奪う。 しかし、射撃型は思い出した様に蒼貴に大きな穴が穿つためにライフルを放とうとする。だが、その手は止まる。当然だった。蒼貴はすぐに格闘型が射線に割り込むように移動したのである。 「ならこれだ!」 コタマは飛鳥のガトリング「三七式一号二粍機関砲」で弾をばらまく。それに対して蒼貴は急降下して射 線から大きく離れると二体の人形を操っているであろうコタマに向かう。 「『44ファントム』!」 「ぐっ!?」 攻撃を中断してそう叫ぶと格闘型が高速で接近し、ガントレットで蒼貴を殴打してきた。その一撃は蒼貴の脇腹を殴打し、痛みで動けない彼女を吹き飛ばす。 「あばよ~!!」 そしてコタマは落ち行く蒼貴に目もくれずにその間に差をつけるべく、人形達を引き連れて、飛び去って行く。追撃よりも差を開いた後での迎撃を選んだようだ。 『蒼貴。大丈夫か?』 「ええ。衝撃を逃がさなかったら落ちていました」 俺の言葉に答えながら蒼貴は翼で体勢を立て直す。翼の自由度に助けられ、かなり早く、 飛行に戻ることができた。 『にしても厄介だ。三体で袋叩きをやれるようにしてくるとは』 「ええ。でも動いているのは二体までです」 「ああ。噂どおりではある。射撃型、格闘型を操るか、自分で行動するかだな」 あの人形について多少わかってきた。 あれは自立でもなんでもなく、コタマが操っているのだ。どういう理屈かは知らないが、指令を飛ばし、コタマの意のままに動いているのである。 噂はネットで事前に見たことがあるが、何とまあ無茶苦茶な能力である。だが、やはり欠点もあった。蒼貴の言う通り、操る、あるいは攻撃するための手は二本しかないため、実際に同時行動しているのは二体までだ。状況に応じて誰が動くかを決める必要がある。 また、格闘型はガントレット、射撃型はライフルのみで武装の使い分けはない。コタマが連射力のある武器を使ったのがいい証拠だ。 「まずは巻き返す、だ。翼の力を見せてやれ」 「ええ」 何にしても追いつかなければ始まらない。ここは一つ足止めできる手を打つ。蒼貴は俺の言葉を聞くと翼を広げ、自身を、翼をも輝かせた。 「……『焼滅の宴』」 「はぁぁっ!!」 神力解放をした蒼貴は両腕から細い熱線を大量に放つ。熱線は人形達をも巻き込んでコタマに降り注いでいく。 「な、なんじゃありゃ!? 盗賊姫にあんな隠し玉があるのか!?」 『それも焼滅の宴を拡散させとる。一本一本の威力は大したことあらへんけど……』 竹櫛は俺の意図に気付く。コタマはばらまかれる宴で足を止められ、ほとんど立ち往生に近い状態で回避を繰り返している。 そこに蒼貴が飛翔し、接近する。追いつくには遠いが、投擲をするには十分な距離は詰まった。 『塵の刃を投げまくれ。その中から卵と小判で先打』 蒼貴は塵の刃で苦無を大量に作り出すと、惜しみなく投げつける。さらに移動のルートの先にイースターエッグや小判を投げつける。 「ちぃっ! そう簡単に追いつかせるかよ!」 格闘型に自身の防御をさせるとコタマは射撃型と共に蒼貴に射撃を仕掛ける。 逃げながらの射撃はあまり正確ではなく、攻撃は蒼貴を通り過ぎていくか、投擲武器を打ち落とすかのどちらかにしかならなかった。 さらに接近する蒼貴にコタマは格闘型を操って応戦する。格闘型が突っ込み、蒼貴を吹き飛ばしにかかる。 蒼貴はそれをかわすと鎌を振るって反撃に出る。それに対しては格闘型は右手のガントレットで防御し、カウンターを放つ。 受ける蒼貴は外側へ移る事で避けると即座を苦無を投げつける。だが、それもまた、ガントレットで防がれてしまう。 『捻脚から霰舞』 俺は更なる指示を出す。 蒼貴はそれに反応し、ガントレットによる殴打でわざと姿勢を崩して勢いをつけるとそのまま踵落とし、さらに翼で上を舞う。 そこから攻撃……鋭い足の鉤爪によるムーンサルトを絡めたダンスを披露してみせた。 ガントレットで防御する格闘型だったが、蒼貴はガントレットに覆われている場所以外を執拗に狙うようにステップを踏んでいたため、さすがに防ぎきれずダンスの途中で左腕をボロボロにし、防御に使えない状態に追い込んだ。 さらに遠方からライフルを構える射撃型が見える。 蒼貴の頭を吹き飛ばそうという魂胆なのだろう。 『誘牙』 「お任せを」 それに対して蒼貴は苦無を三つ投げつける。 放たれる攻撃を射撃型は難なく回避し、容赦ない攻撃を仕掛けようとスコープを見る。 ……だが、その攻撃は実行されなかった。 スコープ越しに見えた三つの手裏剣によって。 一回目、ライフルに突き刺さり、暴発によって手ごとライフルが吹き飛ばされる。 二回目、無防備になっている所を腹に手裏剣が沈んでいく。 三回目、胸に突き刺さり、大ダメージを負わせた。 射撃型は殺到する手裏剣のダメージで限界が来たのか、そのまま動かなくなり、地面に落下していく。 『まずは一体』 「くっそ! パクリ技の百科事典か何かかよ!?」 射撃型をやられたコタマは蒼貴の悪口を言いながら、空いた手で機関砲を連射する。 蒼貴はその言葉に乗る事もなく、捻脚の要領で身体を捻って、そのまま下に降りて避けてみせた。 そしてお礼の黒板消しを進呈する。それは格闘型が割り込んできて残された右腕のガントレットで防御する事で防がれた。 さらにカウンターで左のガントレットが迫る。蒼貴はそれを左に避けて、反撃を加えようとする。 だが、格闘型は一回転してもう一回裏拳で攻撃する。 蒼貴はとっさに塵の刃で盾を作り出して防御するが、その二段攻撃に耐え切れず、また吹き飛ばされてしまう。 「もらったぁ!!」 その隙を突いてコタマが剣に持ち替えて襲い掛かってくる。この刹那的な状況では蒼貴は回避できない。 蒼貴は鎌で防御するが、コタマの勢いが強すぎて取り落としてしまった。 「なっ!?」 「もういっちょ!」 コタマは格闘型を操って打撃を仕掛けさせる。背後からの攻撃で一気に決めるつもりだ。 『剣を奪え』 対策を打ち出す。蒼貴は操るので注意が逸れている剣を握るコタマの手に手刀を放って、手放させるとその剣を取って、格闘型の攻撃を受け流す。 そのまま剣で持ち主であるコタマに攻撃する。彼女が機関砲に持ち替えて迎撃する中、塵の刃で盾を作り出して防ぎつつ、接近する。 間合いにたどり着くと横一閃を放って機関砲の砲塔を切断する。その直後、背後から格闘型が殴りにかかる。振りかぶっての一撃、蒼貴の隙をついての決定打だ。 『下に移動だ』 それに対して、蒼貴は後ろへと素早く体を倒して、下へズレる様に移動する。 そうすると決定打を与えようとしたのが災いして、格闘型はそのまま主に向かって突っ込んでいった。 「くっそ!」 「お返しします」 さらにコタマの剣を格闘型に投げつける。コタマにぶつかって無防備になっていた格闘型の背中に深々と突き刺さった。 「ぬわ~!?」 『コタマ!?』 コタマの叫び声が響く。どうやら格闘型を貫通して、コタマにも突き刺さったらしい。蒼貴は油断しないように塵の刃で苦無を作り出して、身構える。これで倒れてくれれば万々歳だが……判定が出ない。 『蒼貴、奴はまだ……』 そう言おうとした瞬間だった。ワイヤーか何かが格闘型の後ろから伸びてきて、蒼貴の手足を縛った。 「これは!?」 「かかったな!」 動かなくなった格闘型が落ちてコタマの姿が露わになる。 なんと彼女はとっさによけようとしていたのか、無傷だった。どうやら小柄なスモールタイプの素体で助けられたようだ。 そんな事より蒼貴だ。手足をワイヤーで縛られて動けない。いったい何があったというのだろうか。 「『F.T.D.D.D.』。そう呼んでんだ」 「身体が……いう事を聞かない……!?」 「ああ。んでもってこういう事もできる!!」 コタマの言葉と同時に蒼貴は自分の意志とは関係なしに自らの胸に突き立てるために塵の刃でできた苦無を向ける。あのワイヤーは拘束した相手の手足を自分の制御下に置く……つまり相手を操り人形にできる機能だった。 「とっとと自決しやがれ! 半分娘!!」 死の宣告と共に蒼貴の胸に苦無が突き立てられる。 『蒼貴!!』 俺の叫びも空しく握られた苦無は主に突き刺さる。蒼貴はゆらりと揺れると地面へと倒れる様に落ちていく。 「そのまま落ちな!」 『コタマ! ワイヤーを離さんどいて!!』 既に勝敗が決したと思ったコタマは自分が引きずられて落ちないようにワイヤーを外そうとすると竹櫛に止められる。 「えっ!?」 しかし、外してしまった。その瞬間、蒼貴が再び飛び上がって翼を広げる。その胸に傷は……ない。 「どういうこった!? 確かに制御して刺したはずだぜ!」 「ええ。確かに操られていました。……しかし、CSCやコアの制御まではできなかった様ですね」 その瞬間、俺は把握した。蒼貴は刺される直前に唯一、制御の残っているCSC……つまりはスキルである 塵の刃を解除したのだ。だから自決するための武器はなく、胸を手が叩くだけの無意味な行動となった。 俺はすぐにアイテムを使う。使うのは……『神力解放』継続のためのコンバットハイ。 「粉塵爆発って知っていますか?」 時間切れになっている神力解放を発動し直す蒼貴はそう問いかけながら、七色に輝く塵の刃の塵を自分とコタマの周囲に高濃度でばら撒く。 「な、何をする気だ!?」 「こうします……!!」 不死鳥の翼から火花がばら撒かれる。そうすると爆発が一から十、十から百と連鎖的に数を増やし、辺り一帯に起こり、爆炎が蒼貴とコタマを包んだ。 「どわぁぁぁぁ!?」 爆発の規模は大きく、煙で蒼貴達が見えなくなる。だが、その結果は数秒で分かった。巻き込まれないように折りたたんでいた翼を広げ、飛翔し続ける蒼貴と落ちるコタマ、その姿が煙の中から出てきたからだ。 『Destroy!!』 撃破判定が出た。この戦闘不能は演技でも何でもないようだ。それを証明する様にコタマのグラフィックが散っていき、消えた。 『You Win!! Winner チーム尊』 勝利判定が出て、二勝一敗の俺達が勝利したことを告げ、アクセルロンドのシステムが終了した。 これで俺の秘密は守られる。やっと肩の荷が下りたというものだ。 「だ~! 何だありゃ!? お前は狩りゲーのライオンか何かかよ!!?」 「言っている事はわかりますが、私は忍者です。あれは火遁の術みたいなものです」 シミュレータから戻ってきて早々、納得のいかないといったコタマが叫び始めた。言っていることは蒼貴の言う通り、わかるのだが、こちらはそれなりの思い付きでやっている。ゲームのように都合のいい風にはいかない。 「んなもんで済むか! おい! 二股マスター! 説明しろ!!」 「すごく犯罪くさいからその呼び方は勘弁してくれ。説明はしてやるから」 コタマから心外な称号を与えられた俺は新技を説明を始めた。 『炎塵』 それが蒼貴の新スキル、それもオリジナルだ。高濃度の塵を周りにまき、不死鳥の翼を火種にして、粉塵爆発を巻き起こす塵の刃の応用技である。 不死鳥の翼と尾による「炎」と塵の刃の「塵」の組み合わせによって自在に爆発を引き起こせる。それ故に『炎塵』という名前で用いている。 塵の刃で用いる周囲の塵も、SPも消費しつくしてしまうため、使えば塵の刃をその場では生成できなくなるものの、その威力は絶大だ。近接を仕掛けてくる相手であれば余程後退されない限り、爆発に巻き込めるため、奥の手として今後は使えるだろう。 しかし、翼がない方が塵の刃を最大限に使えたり、紫貴と連携したりするため、これはタイマン勝負で使う手段という意味合いが強い。単に威力を補うなら紫貴に任せればいいだけの話なのだから。 「おもろい技やね。それも一発逆転の大技って訳ね」 「ああ。どちらかと言えば単機で攻める時用になるな。紫貴と連携しにくくなるから普通はやらん」 「双姫主ならではの欠点ね。尊にとっては手札の一枚ってとこ?」 峰山の言う通りという事になる。俺、蒼貴、紫貴、武装強奪、武装破壊、連携、模倣技、オリジナル技。これらの手札全てが俺達なのだ。 一枚にこだわるだけが戦い方というわけではない。 「ああ。蒼貴だけの時の切り札だ。さて……種明かししたが、勝負は俺の勝ちってことでいいな?」 「むむむ……。悔しいが、てめぇの勝ちって事にしてやる。秘密も守ってやるぜ」 「それでいい。後はどうする? 今度は賭け無しで普通に戦ってみるか?」 「は? 何言ってんだあんた?」 「おかしい事言ったか?」 「秘密をばらそうしたり、いろいろ文句言った奴にそれを言うのか?」 「それに関しては、賭けで勝ったからそれをお前が守ればいい。もう一つのルールも守れるだろ?」 「もう一つのルール?」 「そうやね。むしろそっちの方が大事やし」 「な、なんだよ? 鉄子ちゃんはわかったのかよ?」 「それはね……」 俺の言葉の意味に気付いた竹櫛は秘密を知らない貞方や峰山には聞こえない様にコタマに小声で説明した。そうすると彼女の顔はやかんの様に顔真っ赤になって怒り始めた。 「なぁあにぃぃっ!!!?」 コタマは素っ頓狂な声を上げる。それはそうだ。『これでばらせばコタマ、引いては竹櫛も不利益を被る』のだから。 話の全貌はこうだ。俺の正体を竹櫛が気付いた場所は遠野貴樹のイベントだ。写メを撮った場所もそこだ。そしてそこで提示した遠野のルールは…… 『ここでの決まり事は必ず守ってもらう。 ……なに、難しいことじゃない。 一つは、俺の指示は最優先にしてもらう。といっても、大方はミスティとの対戦順についてだから、気をつけてもらえれば問題ないはずだ。 次に、ここでのことは他言無用だ。ネットへの書き込みや、ゲームセンターで話題にすることも禁止。必ず守ってもらう。 それから、神姫に記録されたバトルログも持ち出し禁止だ。ここのVRマシンを使っても、バトルログは神姫側に記録されない。だが念のため、データのバックアップは、あくまで自宅のPCで行ってくれ。帰りがけにゲーセンや神姫センターに行くのは禁止だ。もし、バトルログが必要であれば、この特訓が終わった後に、メディアで提供する。それまで待ってほしい』 つまり、俺の正体をバラすという事はその情報ソースである遠野貴樹のイベントをバラすに等しい行為なのだ。バラせば『ドールマスター』の信用もまた落ちる。 バラした場合の竹櫛達の直接的なメリットはないに等しい。むしろデメリットの方が大きすぎる。 コタマは頭に血が上っていて気付いていなかったようだが、終始冷静で、対戦を楽しんでいただけの竹櫛は初めからわかっていたのだった。 「こんの、確信犯がぁっ!! いいぜ! 普通に戦ってやる! 普通に! 全力でな!! メル! あの二股マスターをぶっ飛ばすぞ!!」 「え? あ、うん。ショウ君はいい? 双姫主とだけど」 「ああ。こういう機会だ。一回ぐらいはやっとかないとな」 コタマはメルを巻き込んでのバトルロンドに決めたらしい。戦いの後だというのに大したものである。ああいう気持ちもまた、武装神姫では必要な要素だと思った。 力にも、弱さにも流されずにひたむきに前を向こうとする姿勢。それが『ドールマスター』という形となって今あるのだろう。 「メンバーは決まった様だな。バトルロンドで対戦するか」 コタマのあり方を考えながら、彼女の戦いに応じる。バトルロンドでの戦いはどうなるのか、楽しみな限りだ。 「だが、その前に一休みとさせてくれ。何、時間はかからん。飲み物を買って飲むぐらいだ」 「何ぃ? 逃げんのか?」 「ええよ。私も飲み物を飲みたかったし」 「って……鉄子ちゃんもかよ。仕方ねぇ。待っといてやるよ」 が、その前の小休止を要求する。緊張が続いたので精神的にどっと疲れた気分にあるからだ。その要望はマスターの竹櫛があっさりOKを出してくれたおかげであっさり通る事となった。 「そうか。じゃあ、そうさせてもらおう。すまん。真那、蒼貴と紫貴を見といてくれ。すぐに戻る」 「わかったわ」 「……心配すんな。竹櫛には気にしている奴がいるし」 「な、何言ってんのよ! さっさと買ってきなさい!」 「はいよ」 少々、真那をからかうと蒼貴と紫貴を彼女に預け、俺は竹櫛と共に自動販売機に向かうことにした。 「そういえば、どうしてコタマの挑戦を引き受けたん? さっきの話なら勝負を受けなくとも私がコタマを止めておったよ?」 多少距離のある場所にある自動販売機まで歩いている間、竹櫛は俺に話しかけてきた。どうやら、話は最初から分かっていても理由まではわからなかったらしい。 「二つ理由がある。一つは『ドールマスター』に戦ってみたかったからさ。強いというのはネットでもよく耳するからな。手合せしてみたかったわけだ」 「もう一つは……?」 「賭けをした方が燃えるタイプだと考えた。あいつ、あの時に本気を出さなかっただろ?」 「あ……」 理由と本気を引き出す手段を答えると竹櫛は心当たりがあったのか、ハッとした表情になる。そう。遠野のイベントでの対戦を観戦していた時l、ネットで噂されていた手札の中で切り札である「F.T.D.D.D」……つまりは相手を操り人形にする技を使っていなかった。引いては全力を出さなかった事になる。 だから、本気を引き出すために燃えるシチュエーションを用意した。負けてもデメリットに気付いている竹櫛が阻止してくれるだろうから保険を掛けるまでもない。そのまま、コタマの言う事に流されるだけで本気のコタマと戦える展開になる。結果はさっきの対戦通りだったというわけだ。 しかし、バトルロンドではなく、アクセルロンドを仕掛けてくるという所までは予想していなかった。そのため、戦術を変更する事を余儀なくされ、チケットを使って不死鳥の尾を手に入れたり、アクセルロンド用の戦術を真那と一緒に用意することとなったのである。 「なるほどねぇ。もし負けて、私たちが言うと思わかったん?」 自動販売機に辿り着くまでに一通りの説明をすると竹櫛は納得した様子で頷いて、問いを投げかける。 「これっぽっちも思っていないな。コタマは何とも言えんが、竹櫛がそういう事をするのはまず無いと考えた。コタマが勝って天狗になって言いふらそうとしてもお前が止めてくれる。そう、確信してた」 「ありがと。……それにしてもすっごい自信ねぇ。だからそんなに強いん?」 「それは違うな。さっき言った通り、俺達全てで強さなんだ。自信も手札の一つでしかない」 竹櫛の問いに信用と自信をもって迷いなく答える。周りの要因も、自分も、味方も、全ての事象をひっくるめてカードゲームそのものだ。手札から何ができるか、山札から状況を変えるカードを引くことができるか、捨て札からどんな情報が得られるか。言い換えられる事は非常に多い。 「持ち札で何ができるか。それを考えているだけさ」 「確かにトランプのゲームで言い換えればそうなるね」 「そういう事だ。……っと、ドリンクは奢るぜ。選んでくれ」 「ええの? 真那さんおるやん」 「対戦してくれた感謝の印みたいなものだ。受け取ってくれ。あいつには別で何か買ってやるさ」 「なら、お願いしよかな。ミルクティーで」 「OK」 竹櫛の注文を受けた俺は自動販売機にお金を入れて、ミルクティーと、俺の分であるスポーツドリンクを勝って、ミルクティーを彼女に手渡した。 「ありがとね。……前にも聞いたけど、正体はいつまで隠し続けるん? 私達が言わなくても多分、いつかバレるんやない?」 「そうだろうな。ちょっとした拍子にこういう事は起きる。いつか友達にも話すかもしれん」 「その時は?」 「その時だ。縁が切れるも、切れないも、俺次第さ」 これまでの俺を武装神姫という色を入れたら、武装神姫をする前の友人からはどう見えるか、不安ではあるが、どうあがいてもそれら全てが自分になる。ちょっと小細工するだけで何かが変わるというわけではないだろう。 「……私は切れない事を信じてる。尾上君が積み上げてきているものは、すごいから」 「すごいってもんじゃないさ。友達の約束を果たしたいだけだ」 「それがすごいんよ。誰かのためにできる事があるって」 「そうか。……ありがとう」 「礼はええよ。……せやね、背比の事で応援してくれた事のお礼と思っといて」 「OK。そういう事にしておくぜ」 「さ。そろそろ戻ろ。コタマは待たせすぎると何をするかわからんで?」 「そうしよう。何をするか想像もつかん」 短いやり取りが終わると待たせている皆、特にコタマの事を考えて、俺と竹櫛はシミュレータの場所へと戻るために歩き始める。 誰かのためにできる事がある、か。竹櫛からは大事なことを学んだ事を気がする。遠野の体現してくれた絆は俺がもたらすものを、竹櫛の言葉は俺の行動の意味を教えてくれた。 いつか、守のような神姫を嫌う友達にこの事がバレたとしても、自分の成した事、その友達と積み重ねた物があれば、縁は切れないと思い始めているのを感じる。 可能性がゼロじゃないと思えるのなら、それを信じていれば、何かが変わる。隠れるだけの道から変われるだろう。 変わりたいと。まずはそう思おう。全ては、そこからだ。 第二部:15周程度の疾走 -終- トップへ 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2223.html
ウサギのナミダ 番外編 少女と神姫と初恋と その1 ◆ 「なあ、八重樫。昼休みに時間もらえる? ちょっと相談に乗ってもらいたいんだけど」 八重樫美緒だって、年頃の女の子である。 男子と話すときは少しドキドキするし、こんな台詞ならなおさらのこと。 それが、憧れている男の子からなら、思考が真っ白になって当然だ。 「え、あ……うん……いい、けど……」 「そっか、よかった。じゃあ、弁当持って屋上集合で」 「え、お弁当……?」 「ちょっと込み入った話になりそうでさ……八重樫にしか相談できないんだけど……だめかな」 「え、あ……うん……いい、けど……」 「よかった! それじゃあとで」 「うん……それじゃ……」 さわやかな笑顔を残し、去りゆく彼の背中を、呆然と見送るしか美緒にはできなかった。 彼はすぐに男子の輪に取り込まれてしまう。 「安藤! お前、八重樫になに話してんの」 「大したことじゃねーよ」 ははは、と笑って答える彼。 そう、大したことじゃないんだ。 男子たちはもう別の話題で盛り上がっている。 美緒は苦笑する。 ただちょっと、声をかけられただけ。期待するなんてどうかしてる。 美緒が鞄から教科書を取り出そうと視線を下げたそのとき。 「美緒っ!! アンディと何話してたんだ!? あたしにっ、親友のあたしに話してみろっ!」 うきうきとした口調と共に、後ろから首に腕を巻わされ、絞められる。 「ちょ……有紀……くるし……」 「ああ? おっと、わりぃわりぃ」 手荒なスキンシップをしてきたのは、親友の園田有紀。 仲良し四人組の一人である。 有紀の長い腕をはがしながら、視線を上げると、目の前に残りの二人も立っていた。 「よかったわね。きっかけが掴めそうじゃない」 「そうだよ、美緒ちゃん! ファイト、押し倒せ!」 蓼科涼子の落ち着いた物言いは、師匠譲りだろうか。 江崎梨々香は、顔に似合わず過激なことを言う。 それにしても、彼はこっそり美緒に話したのに、なんでみんな注目しているのか。 少しぐらい目をそらしているふりをするのが、友達がいと言うものではないだろうか。 「そんなんじゃないわ。ほんとに、大したことじゃないもの……」 そう言って、顔を上げた美緒は、涼子と梨々香の背後を見て、凍りつく。 注意喚起する暇もなく、女子の一群が二人の背後から押し寄せ、はじきとばし、美緒をあっと言う間に取り囲んだ。 「ちょっと、ヤエガシ! 今のどういうこと!?」 「安藤君とどういう関係!?」 「今アンディと話したこと、洗いざらい吐きなさい、ミオ!」 「え、ええええぇぇっ!?」 美緒は自分の席から立ち上がることさえできないまま、女子たちの詰問を受けた。 だが、あの短い会話の内容を何と答えられるというのだろうか。 よく見ると、自分を囲む女生徒には、自分のクラスメイトでない女子も含まれているような気がする。 美緒はとまどいながら、お茶を濁し続けるしかなかった。 教壇でクラス担任の教師が、わざとらしく大きな咳払いをするまで。 美緒に声をかけてきた彼……安藤智哉は、同学年女子の間で一番人気のある男子だった。 ◆ クラスメイトたちにおける、八重樫美緒の評価は「変わり者の文学少女」である。 整った顔立ちに、セミロングの黒髪、銀縁の眼鏡はいかにも文学少女といった風情で、理知的に見える。 実際、彼女は読書家だ。時間があれば本を開いているし、図書館の常連であることはよく知られている。 おとなしく、女の子らしい優しさと気遣いの持ち主で、男女問わず、クラスメイトは彼女に好感を抱いている。 成績も常に学年上位。まさに絵に描いたような優等生だ。 また、あまり表立ってはいないが、美緒に憧れている男子も少なくない。 その理由の一つが、彼女の魅力的な胸にあることは、年頃の男子にしてみれば仕方のないところであろう。 ブレザーの上着を着てもなお存在を主張する大きな胸は、楚々とした性格と外見とはあまりにミスマッチで、美緒の意志に関係なく、男子たちを密かに魅了しているのだった。 そんな美緒を「変わり者」呼ばわりさせているのは、彼女の交友関係に原因がある。 いつも美緒と一緒にいる三人。彼女たちは揃いも揃って変わり者だった。 園田有紀は、長身でプロポーションもよく、顔もボーイッシュな美人だ。乱暴な男言葉を使うが、それがよく似合っていて、嫌みを感じさせない。下級生女子には絶大な人気を誇っている。 しかし、彼女は言葉だけでなく、性格も乱暴だった。短気で、男子とでも平気で取っ組み合いをする。しかも強いので、負けるのはたいがい男子の方だ。 また、学業は下の下。数学以外の勉強が壊滅的だ。 スポーツは万能で、特に球技は特待生とも向こうを張るほどの実力を持つ。球技大会のバスケットボールで、バスケ部の部員三人のマークを蹴散らしてダンクを決めたのは、もはや伝説だ。 しかし、なぜか再三のクラブ勧誘を頑なに断っている。 有紀は劣等生のレッテルを貼られ、教師たちからも問題児扱いされていた。 蓼科涼子は、有紀ほど悪目立ちするタイプではない。 むしろ真面目な性格で、責任感もあり、努力を欠かさない。そのため、教師たちからは人気がある。 長い黒髪を後ろで結わえたポニーテールは、彼女のストイックな性格によく似合っている。 だが、ストイックな性格こそが、蓼科涼子の問題点だった。 生真面目すぎるのだ。 特に同年代の男子は不真面目に見えるのか、いつもやぶにらみである。 女子でも「カタ過ぎる」と言って、涼子を敬遠する者が少なくない。 涼子に近しい友人以外で、彼女の笑顔を見た者はほとんどいないという有様である。 もちろんその美少女ぶりに、付き合ってくれと告白した男子は数多い。 しかしそのたびに一言、 「あなたと付き合うことは、金輪際あり得ません」 とばっさり切り捨てられる。 あまりにとりつく島のない物言いに、逆ギレした男子が、直後に涼子に襲いかかったことがある。 だが、逆に投げ飛ばされて地面にたたきつけられた。 実は涼子は合気道の有段者である。小さな頃から定期的に合気道の道場に通っているのだった。 以来、涼子は陰で「武士子」と呼ばれているのだが、それを聞くと本人は激昂するという。 生徒の人気という点では、江崎梨々香が四人の中で一番かもしれない。 梨々香は男女ともに人気がある。 性格は明るく、社交的だし、可愛い印象の美少女だ。 彼女はファッションにとても詳しい。コーディネートは友人たちからいつも相談を受けるし、自分で服や小物も作ってしまうほど。 本人の普段着はピンクハウスや甘ロリ系ばかりなのだが、それがまた異様に似合う。 料理も上手で、家庭科実習の残りなど、男子よりも女子が狙っている。 その明るさ、家庭的な趣味もあいまって、男子の人気もすこぶる高い。 だが、彼女にも問題点はある。梨々香はとにかく勉強ができない。家庭科以外の科目は、間違いなく最下位クラスである。 それだけなら勉強すればいいのだが、本人に勉学に励む気がまるでない。しかも、成績が悪いことを全く気にしていない。だから、成績が上がるはずがないのだった。 教師たちから見れば、梨々香は非常にたちの悪い劣等生だった。 このように、性格も趣味もまるで違う変人が、なぜか仲良しグループを形成している。 そのリーダーが、普通の優等生である美緒なのだ。 三人とも、美緒の言葉は、なぜか素直に聞き入れる。 有紀の乱闘に仲裁に入れば、「仕方ねぇなぁ」と言って、あっさり拳を引っ込める。 「武士子」呼ばれて激昂する涼子を、一瞬にしてなだめられるのは美緒だけだ。 追試になっても勉強しようとしない梨々香に、「いい加減にしないと怒るわよ?」の一言で、一心不乱に机に向かわせる。 なぜ変わり者の三人が、ここまで美緒を立てるのか。 三人はそれぞれ抜きんでた特技があるのに、クラブ活動を頑なに拒むのはなぜか。 そして、全く方向性の違う四人の共通点とは何なのか。 その理由こそが武装神姫だった。 彼女たちはいずれも神姫のオーナーであり、ゲームセンターに入り浸るバトルロンド・プレイヤーだ。 クラスメイトたちは思う。 なぜ武装神姫なのか、と。 それこそが、美緒を変わり者に仕立て上げている最大の理由なのだった。 ◆ 午前中の授業は、まったく上の空だった。 安藤智哉は、美緒にとって憧れの男子生徒だ。 彼の印象を一言で言えば、さわやか系、だろうか。 とにかく、表情にも言葉にも屈託がない。 怒った顔も、悩んだ顔も、裏を感じさせない。 いつも仲間たちの輪の中で、笑っているような人だ。 その笑顔が可愛くて、魅力的だと、多くの女子が思っている。 成績は中の中といったところだが、スポーツが得意だ。 特に得意なのはサッカーで、いつも昼休みにクラスメイトとボールを蹴っている姿を見かける。 球技大会でもフォワードで大活躍し、クラスの優勝に貢献した。 その姿を見てファンになった他クラスの女子や、下級生も多いらしい。 だが、安藤もまたなぜか、特定の部活動はしていない。 ある意味、女子の理想の彼氏像を体現しているような安藤智哉は、モテて当然だった。 しかし、いままで、安藤が特定の女子と付き合ったことは確認されていない。 同じ中学出身者はもちろん、同じ学年の女子で、安藤と付き合いたいと思う者は数知れない。 多くの女子が、安藤の彼女の座を、虎視眈々と狙っている。 美緒は、彼女の座を狙うだなんて、大それたことは考えていない。 時々妄想の中で、かの『エトランゼ』菜々子とティアのマスター・遠野がゲーセンで談笑している姿に、自分と安藤を重ね合わせてみたりするのが関の山だ。 そもそも、美緒と安藤の共通点なんて、同じクラスであること以外、何もないのだ。 話をしたことくらいはあるが、それは単なる連絡事項とか挨拶とか、その程度のことだった。 安藤が自分をどう思っているかなんて、考えたこともない。考えるまでもない。 それが、今朝のように名指しで、しかも個人的に相談だなんて、全く想定外だった。 美緒は視線を窓際の前の方に走らせる。 そこには頬杖をついて黒板を見る安藤の後ろ姿。 その背中を見つめるだけで、胸のドキドキが止まらなくなる。 いったい何の相談なんだろう。 美緒には想像もつかない。 期待半分、不安半分な気持ちを持て余したまま、午前中は過ぎていく。 ◆ 一方、安藤智哉を本命と狙う女子連には、激震が走っていた。 高校入学からこれまでの数ヶ月間、安藤が特定の女子を誘って昼食だなんて、前例がない。 いや、同じ中学出身者に言わせれば、中学時代だって一度もなかった。 それが今朝、覆された。 しかも、相手は、物静かであまり目立たない文学少女の八重樫美緒である。 まったくノーマークの人物だった。 確かに美緒は、男子の人気はそこそこある。 だが、安藤が美緒に特別な関心を寄せたことは、今までなかった。 美緒は安藤を憎からず思っているようだが、表立った行動に出たことなどない。 しかも、美緒は変人グループのリーダーである。 彼女たちにしてみれば、ライバル候補としてまずあり得ない、と思っていた人物だ。 彼女たちは、急浮上した新たな恋のライバルに、何を話したのか尋問したが、本人の答えは要領を得ない。 いったい、安藤は美緒に何の相談をするのか。 恋のライバルたちは、いったん休戦に合意。非常事態宣言を発令した。 今回の事案に対し、周辺情報の調査が開始され、様々な情報が飛び交う。 授業中の情報伝達方法は、いにしえより、ノートの切れ端と相場が決まっている。 数え切れないほどのノートの切れ端が、教壇に立つ教師には気づかれぬよう、極秘裏に受け渡される。話題の本人たちのみを迂回し、教室内を音もなく行き交った。 短い休み時間中は、教室の端、階段の踊り場、女子トイレなど、そこかしこで緊急ミーティングが開かれ、情報の検討と精査が行われた。 そして、情報の真偽は、携帯端末からのメール配信によって、すぐに情報共有される。 事態は高度情報戦の様相を呈してきた。 しかし、昼休みを目前にしても、最重要事項……安藤の相談内容については、まったく判明しなかった。 ◆ 「おーい、八重樫! こっち!」 昼休み。 美緒が屋上に上がると、ベンチの一つに陣取った安藤智哉が手を振った。 彼の指示通り、五分ほど教室で待ってから、屋上にやってきた。 その間に、安藤は学食でパンを調達し、上がってきたらしい。ビニールの手提げ袋を手にしている。 美緒は、安藤から一人分ほどの間をあけて、ベンチに腰掛けた。 「はい。八重樫はこれが好きだったよな」 俺のおごり、と言って安藤が差し出したのは、ミルクイチゴのパックだ。 美緒は驚きながらパックを受け取る。 「ど、どうして知ってるの……?」 「え? だっていつも、そればっかり飲んでるじゃん」 安藤はコーヒー牛乳のパックにストローを刺した。 美緒は混乱する。 確かに、美緒はいつもミルクイチゴを決め打ちで買っているが……でも、そんなことを、まさか彼が気にとめていたなんて、夢にも思わないではないか。 (……これって、どういう夢なの……!?) 彼からのささやかなプレゼント。 二人きりのお昼ご飯。 今の状況に、ひどく現実感がない。 でも、一口飲んだミルクイチゴは、いつも通りの甘い味がした。 ◆ 「かたい……かたいよ美緒ちゃん! もっとこう、やわらかく、かわいく、媚びて笑えば、もう男なんかイチコロなのにっ!」 小声でエキサイトしている梨々香を押さえ込みながら、涼子は二人の様子に目を細める。 「美緒の飲み物まで用意してるとは……いつもながら、さすがの気遣いね」 「あれ、涼子はアンディとそんなに仲良かったっけ」 「同小、同中だからね」 涼子と安藤は、特に仲がいいわけではない。 小学校から同じ学校だし、同じクラスにもなったこともあるから、お互い顔は見知っている。 また、二人とも噂に上りやすい性質なので、情報がよく耳に入ってくるだけだ。 安藤の気遣いの良さ、マメさは昔からの筋金入りである。 「まあ、安藤はあのくらいして当たり前よ。昔からそうなんだから」 「……そう思ってない連中も多いみたいだけどな」 涼子の言葉を聞きつつ、有紀は背後を振り返る。 そこにはクラスの女子が大勢隠れつつ、二人の様子を覗いる姿がある。 クラスメイトの半分以上がいるんじゃないだろうか。 階段ホールのある建物の裏側は、通学ラッシュのバスの中もかくや、という状況である。 そんな女子たちは皆、今の二人の様子を見て、絶望的なショックに顔を真っ青にしていたり、ハンカチの端を噛んで細い奇声を上げたりしている。 二人を監視しているメンバーは、階段ホールにいるだけではない。 美緒と安藤が座るベンチから少し離れたところで、他クラスの女子グループが談笑するふりをしながら、監視活動を行っている。 そうした女子グループがぐるりと二人のベンチを取り囲む形に、いつのまにかなっていた。 だが、さすがに安藤自身が美緒を呼び出しただけに、妨害するわけにも、すぐ近くに行くわけにもいかず、ある程度の距離を保った包囲網を形成することとなった。 ゆえに、二人の会話はあまりよく聞こえない。 「……座るベンチが分かっていれば、盗聴器を仕掛けたものを……」 近くにいた女子の一人が呟く。 盗聴器をいつも持ち歩いてんのか、と突っ込みたくなる有紀である。 有紀は呆れながら、いまなお微笑ましい、ベンチにいる二人に目をやった。 ◆ 美緒は持ってきた弁当の包みを開け、小さな弁当箱のふたをそっと開く。 卵焼きにウインナー、きんぴらごぼう、チェリートマトに蒸しキャベツ。 半分はごはんが占めており、真ん中に梅干しが乗っている。 何の変哲もない、弁当の定番メニューだ。 「……それ、八重樫が作ったの?」 コロッケパンをかじりながら、安藤が尋ねてきた。 「う、うん……そう、だけど……」 美緒は一人っ子で、両親は共働きだ。 働いている母が早起きして弁当を作るのは大変だ。 だから、家族三人分の弁当を作るのは美緒の役目だった。 「すっげー。朝早く起きて、こんなおいしそうな弁当作ってくるなんてさ」 「そ、そんな……大したこと、ないよ……ぜんぜん……」 本当に感心している様子の安藤に、美緒は恥ずかしくなってしまう。 弁当の定番メニューなんて、短い時間で作れてしまうもので、ちっとも凝った料理じゃない。 美緒にしてみれば、見せるのもためらわれるほどの手抜き料理だ。 それを褒められるなんて。 美緒はうつむきながら、横目で安藤を見つめた。 総菜パンを食べる彼。 お弁当は持ってきていないのだろうか。 お昼ご飯が購買のパンだけでは、少し味気ない感じがする。 安藤は、毎日購買のパンを買っていたように思う。 それでは食事が偏ってしまうし、毎日代わり映えしない。 そんな風に思ったら、つい口から言葉が転がり出た。 「……よかったら、少し食べる?」 ……わたし、何言っちゃってるの!? 言った次の瞬間には後悔していた。 ちょっと彼がお昼に誘ってくれたからって、調子に乗りすぎだ。これでは下心があるみたいではないか。 ほら、彼だって呆れてこっちを見ている。 だが、美緒の予想と違って、安藤からかけられた言葉は、 「……いいの?」 むしろちょっと驚いた感じの口調だった。 美緒は安藤の顔をまともに見られないまま、そっと、弁当箱を差し出す。 小さく頷いた。 安藤は嬉しそうな顔をして、卵焼きを一切れ摘むと、口に入れる。 もぐもぐと口を動かす気配。 「……うまー……」 ため息のように呟いた後、安藤は美緒に満面の笑みを見せた。 「すごいおいしいよ! こんなにうまい卵焼き、久しぶりに食べた」 「そ、そう……よかった……」 もう、助けて。 嬉しいはずなのに、楽しいはずなのに。 せっかく自分に向けられた笑顔を、美緒はまともに見ることができない。 めいっぱい緊張した美緒の心は、逃げ出したくなっていた。 ◆ 共同戦線を張った女子連は、大ダメージを被っていた。 手作りの弁当を二人で摘むなど、まさに清き学生の恋人同士の姿である。 その一撃たるやメガトン級で、共同戦線を一瞬にして崩壊させる破壊力だった。 ここで二人の共同作業を阻止すべく、過激派の実行部隊が動き出しそうになったが、状況がそれを許さない。 当の安藤が満面の笑みを持って、美緒の弁当を食べているのだ。 ここで邪魔をしたら、かえって自分たちの心証が悪くなりかねない。 また、今日の本題は弁当ではない。 安藤が美緒を呼び出した理由がまだ明らかになっていないのだ。 女子連は苦渋の選択を強いられる。 階段ホールの陰に隠れたクラスメイトたちは、毒ガスを食らったかのように、苦悶の表情を浮かべつつ、声を出さないように喉を押さえている。 まるで地獄絵図の様相だった。 「……ばかじゃね?」 呆れた有紀の端的な感想である。 美緒の様子を見れば、完全にテンパっているのは明白だ。 「あー、あれは、購買のパンばっかり食べてたら栄養価が低くて心配だ、とか思って、反射的に弁当差し出したのねー、たぶん」 なま暖かい眼差しで二人を見ながら、涼子は棒読みで言った。 さすがに親友だけあって、性格を読み切っている。 親友のテンパった姿を見ながらも、空気を読まずにエキサイトしている人物もいる。 「そおよ、美緒ちゃん、ナイス! 手作りのお弁当はポイント高いよ! このまま、毎日作って来てあげるって展開に……」 「それ以上はやめとけ、梨々香。後ろの女子連中に殺されるぞ」 頬を膨らませて不満を露わにする梨々香だったが、さすがに殺気だったいくつもの視線に睨まれては、口を噤まざるを得なかった。 美緒の親友三人は、再びなま暖かい眼差しで、二人を観察する。 ◆ 「……それで、相談って……?」 昼食を食べ終わり、二人の手にジュースのパックだけが残ってすぐ、美緒は切り出した。 安藤は気を遣ってくれたのか、ずっと気さくに話しかけてくれたが、美緒はまともに会話することができなかった。 さぞかし話し下手な女だと思われたことだろう。 美緒は自己嫌悪に陥りながらも、それでも安藤の相談には真摯に対応しようと心に決め、勇気を振り絞って切り出したのだった。 「ああ……これなんだけどさ」 ストローから口を離した安藤は、傍らにあった一冊の本を手に取り、美緒に渡す。 美緒はイチゴミルクを一口飲んで、本を受け取った。 少し分厚い、飾り気のない本。 どこかで見たことのあるデザイン。 タイトルを見る。 美緒はイチゴミルクを吹き出しそうになった。 ◆ 階段ホールの陰では、今度は親友三人が悶絶していた。 声を上げずに爆笑しているのだ。 涼子は声を上げようとする梨々香の口を押さえながら、背中を丸めて身体をぷるぷると震わせている。 有紀にいたっては、声を立てずに爆笑し、地面をのたうち回るという器用なことをしていた。 クラスメイトは三人を奇異な目で見ている。 安藤が美緒に渡した本を見て、爆笑し始めたのだ。 しかし、女子連には、三人が笑いのツボを突かれたポイントがわからない。 見れば美緒も、なにやらむせている。 「ねえちょっと、あの本はなんなの? 何がおかしいって言うのよ」 クラスメイトの一人が、身悶えしながら無言で笑う有紀に言った。 有紀は両手で目に浮かんだ涙を拭い、ひーひー言いながら答えた。 「まあ、そりゃアンディも美緒に相談するわな……あれはマニュアルだよ」 「マニュアル?」 「そう。武装神姫の取扱説明書だ」 その場にいたクラスメイト全員が、毒気を抜かれたような顔をした。 ◆ 美緒はかろうじて、イチゴミルクを吹くという醜態をさらさずにすんだ。 そんなに驚いたのには、二重の意味がある。 一つは、安藤が武装神姫について相談を持ちかけてきたことだった。 まさか彼が武装神姫に興味があろうなどとは、夢にも思っていなかった。 もう一つは、手渡されたマニュアルの武装神姫の機種である。 「アルトレーネ……」 「お。八重樫、知ってるんだ?」 知っているも何も。 アルトレーネは、今、神姫オーナーの間でもっとも話題の新型機だ。 ここのところ、武装神姫の新製品のリリースに、各メーカーともかなり慎重である。 各メーカーとも特色ある人気機種が定番となりつつあって、保守的になっているのだ。 新しい武装神姫を開発するより、人気機種のリペイントバージョンや、装備を変更、追加したリパッケージ品の市場投入を優先したのである。 しかし、目の肥えたユーザーたちは納得がいかない。 フルセット品の購入離れがはじまり、ヘビーユーザーは既存の神姫のカスタマイズに走るようになった。服を着せたりして神姫のいる日常を楽しむ「非武装派」も増えている。 そのため、神姫自体の売れ行きは横ばいなのに、カスタムパーツや神姫サイズ服の市場は急激に広がっていた。 そんな状況下、彗星のごとく現れた新製品、それが戦乙女型MMS『アルトレーネ』である。 人気機種の要素も取り入れながら、独自性を備えた豪華な装備、清廉な印象を与えるデザインに、美しさとかわいらしさを兼ね備えた神姫本体。 武装派には、装備の豪華な仕様と組み替えの可能性に期待が集まった。 非武装派も、神姫自体の良さに前評判が集まった。 かくして、アルトレーネは、新規参入メーカーの新作であるにも関わらず、予約が殺到し、生産が追いついていない状態だ。 その盛り上がりを受け、既存メーカーも新製品を発表し、神姫市場はいまや活況を呈している。 そのアルトレーネは、先週末に発売になったばかりだ。 いま、ゲーセンの武装神姫コーナーはアルトレーネの話題で持ちきりと言っていい。 美緒が知っているのも至極当然のことだった。 「今話題の神姫だもの。もちろん知ってるわ。……でも、よく買えたね。ほとんど予約完売らしいけど」 「もらったんだよ」 「え?」 「誕生日プレゼントなんだ。オレのおじさん、アルトレーネ作った会社にいてさ、製品サンプルをプレゼントにくれたんだ」 「なるほど……」 武装神姫の初心者である安藤が、そう簡単に人気機種を手に入れられるとは思えない。 納得がいった。 「それでさ。日曜にマニュアル読んでみたけどよくわからなくて……なんか小さくてデリケートな部品もあるし」 「ああ、CSCね」 「だから、起動の仕方を詳しい奴に聞いてみようと思って……それで八重樫に声かけたってわけ」 「そう……」 期待していたわけではない。 でも、少しも期待してなかったと言えば嘘になる。 安藤の中の美緒は「武装神姫に詳しい奴」に過ぎないのだ。 すこしがっかりしたが、美緒は気持ちを切り替えた。 そう、期待していた自分が悪いのだ。 せっかく安藤君がわたしを頼ってきてくれたんだ。 だから、少なくとも彼には、自分の誠意を尽くそう。 「わかった……わたしでよければ、力になるわ」 「そっか。やった!」 にっこりと笑った彼の顔を、美緒はまともに見られなかった。 無防備にそういう顔するのは、ずるい。 どんな女の子だって、わたしだって、勘違いしたくなってしまう。 美緒はうつむきながら、手元にあるマニュアルの表紙の文字を繰り返し読み続けた。 だが、そんな美緒の気持ちなど伺い知ることもなく、安藤は話し続ける。 「八重樫、今日なんか用事ある?」 「え……? えっと」 放課後の用事は、きっと今日もいつもの四人でゲーセンだ。 それは日課のようなものなので、特別な用事ではない。 安藤の相談に乗ってから、遅れてゲーセンに行っても、他の三人は気にしないでいてくれるだろう。 「ううん、特にないよ」 「それじゃ、放課後、荷物置いて着替えたら、M駅の改札集合で」 「え?」 図書館あたりで詳しくレクチャーということではないのか? 「え、って……だって、神姫の起動のやり方教えてくれるんだろ?」 「うん……そう、だけど」 「だから、ウチに来て、オレがやるとこ見ててよ。そしたら間違いないし。八重樫の神姫もみたいし」 「……そ、それは……その」 「お礼に、親にケーキ買ってこさせるからさ。何がいい?」 「……チーズケーキ」 なにオーダーしちゃってるの、わたし!? 美緒がそう思ったときにはもう、安藤は笑いながら頷いてしまっていた。 「わかった。飲み物はミルクイチゴは用意できないから、コーヒーか紅茶で勘弁してくれ」 「え、あ、あの……」 「っと、もう昼休み終わるな……それじゃ、放課後。よろしくな!」 安藤は立ち上がり、階段ホールへと歩き出す。 美緒は呆然とその背中を見送るしかできなかった。 まだ手元に、アルトレーネのマニュアルが残っている。 返さなくちゃ。 あ、でも、放課後でいいのか……。 放課後。 それを意識した瞬間、美緒の心は沸騰した。 顔が真っ赤になっていることを自覚する。 顔どころか体中から火が吹き出しそうだ。 あまりに急転直下、超絶怒濤の展開に美緒の思考は吹っ飛んでいた。 (これって、どういう夢なのーーーーーーーっつ!!?) 続く> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/81.html
店内ジェムバトル 概要 アップデート履歴 コメント 店内ジェムバトル 店内のプレイヤーとオフラインでバトル。 マッチングの時間は1分。 基本的に武装LV無制限帯の[店内ジェムバトル]、武装LV20固定の[店内エンジョイジェムバトル]が常設されており、期間限定でイベントが開催されると、イベント用の[店内イベントモード(今はレイドボスバトル(第二回))]が追加で選択できるようになる。 [店内ジェムバトル]と[店内エンジョイジェムバトル]は、バトル参加報酬として【Rネジ】×5個が追加報酬される。 概要 COMのAIを弱めに調整されている。 リーグジェムバトル・全国ジェムバトルと比べると報酬の質・数共に劣りやすい。 通常報酬は順位に関係なく6個。 現状交流会や身内用のモードとなっている。 アップデート履歴 日時:2021.10.07 内容:期間限定イベント開催に伴い、[店内ジェムバトル]、[店内エンジョイジェムバトル]、レイドボスバトル(第二回)にモードを細分化。 日時:2021.09.06 内容:参加した際のご褒美アイテムのレアリティを【N】×5個 →【R】×5個に変更。 日時:2021.02.24 内容:新規実装 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2171.html
ウサギのナミダ ACT 1-31 □ 翌日。 俺はいつものように午前の遅めの時間に、ゲームセンターに向かった。 ついに虎実との対戦だ。 虎実のバトルはよく側で見ていたから、まだ一回しか対戦していないという実感はない。 ティアと戦うために、納得いくまで技を練り上げたという。 それだけでも興味は尽きない。 はたして、虎実はどんな武装神姫になったのか。 駅前で、久住さんと合流する。 彼女も、彼女の神姫・ミスティも、ティアと虎実の対戦は是非観たい、と熱望していた。 あのゲーセンには、感情的に入りづらいので、久住さんが同行してくれるのは心強い限りだった。 ほどなくして、ゲーセンの入り口にたどり着く。 入り口をくぐる。 バトルロンドのコーナーにいるすべての客が俺たちに視線を向けた。 ランキングバトル一位の大城と戦うから、注目されているのだろうか。 それにしては、雰囲気が微妙な感じだが……。 そんな俺の思考を、大声が中断させる。 「あああぁぁっ!! 来た! やっと来た!! まったく君は、どこに行ってたんだよっ!!」 大騒ぎしながら、俺に近寄ってくる、その男。 忘れるはずもない。 「井山……貴様が何でここにいる?」 「決まってるだろ、アケミちゃんを返してもらうためだよっ!!」 そう言う井山の態度には、いつぞやのような余裕は微塵もなかった。 怒りの形相で、目をギョロギョロとさせて俺を睨んでいる。 口調はせっぱ詰まっていた。 俺は久住さんよりも一歩前に出て、彼女を守る位置に。 胸ポケットから、震えが伝わってきた。 俺は胸ポケットをそっと手のひらで隠す。 「くどいやつだな。何度来たって、ティアは絶対に渡さない。あきらめろ」 「うるさいっ! あきらめられるもんか! もうアケミちゃんしかいないんだよ! この間の一斉取り締まり以来、酷い目に遭ってるんだ! 雑誌の連載は打ち切られて、残りのギャラをもらうどころか、とばっちりで怒られる! 神姫風俗はほとんどなくなっちゃって、馴染みの店も神姫もいなくなっちゃったんだぞ! それどころか、取り締まりの日は、逃げるのが大変だったんだ!」 どうやらこいつは、逃げるのだけは得意らしい。 「それからたびたび、警察には捕まりそうになるし、ボクにすり寄ってきた連中はいなくなっちゃうし! 神姫風俗なんか、もうろくな店が残っていないんだ! もう一ヶ月も、神姫でやってないんだぞ!? 頭がおかしくなりそうだ!」 ……こっちの方がおかしくなりそうだ。 周りを見回すと、どうやら井山は俺が来る前から持論を展開していたようだ。 ギャラリーは一様にうんざりとした顔をしている。 「君が素直にアケミちゃんを渡せば、こんなことにはならなかったんだよっ! だいたい、元々ボクの神姫なのに、それを返そうとしないなんて、盗人猛々しいにもほどがある!」 「……自分でゴミ捨て場に投げ捨てておいて、よく言う」 俺の呟きに、井山の顔が引きつった。 ギャラリーがざわめく。 「な、なにを……」 「貴様は、店の追っ手から逃げ切れそうになくなって、それを神姫のせいにして、ゴミ捨て場に投げ捨てた。 雨の中、電柱に叩きつけてな。 腕も脚も折られていて……そんなんでよく自分の神姫だなんて言い張れるな」 「き、君……見ていたのか!?」 「ああ。その後すぐに、お前が悪態をついていたゴミ捨て場で、神姫を見つけた」 ティアの素性は、もうばれている。 だから、ティアを見つけたときのことを隠しておく必要もなくなった。 いまや俺はなんのためらいもなく、井山と対峙できる。 そもそも、素性をばらしたのは井山だ。自業自得だな。 「ティアは確かに、貴様が捨てた神姫だ。 だけど俺が拾ったときには、壊れた精密機械ゴミのような状態だった。 俺は動けるように修理して、自分の神姫にした。 それなのに、まともに動くことがわかったら、また自分のものだと言い張って……盗人猛々しいのは貴様の方だ」 「ひ、開き直って……」 井山はもはや反論もできない様子だ。 もともとこいつの話は正論ではないのだ。 俺が追い込まれたあの時とは事情も違っている。 だから今回は、俺も余裕を持って対峙できる。 ギャラリーはざわついていた。井山の話が、結局は身勝手で一方的なものだということが分かったようだ。。 「く、クイーンとちょっといい勝負したからって……ちょっと雑誌で取り上げられたからって……いい気になりやがって……この、淫乱神姫がっ!」 俺の胸ポケットが、びくり、と震えた。 ティアが怯えている。 俺と本当に心を通じ合わせた今でもなお、この男とのしがらみは、ティアの心を縛り付けている。 こいつだけは許せない。 俺の心にも暗い炎が宿った。 「ふざけるな……この犯罪者」 俺の言葉は、地の底から響くようだった。 「貴様のような奴がいるから、いつまでも神姫たちの悲しみがなくならないんだ。 神姫虐待の犯罪者が、神姫の悪口を言う資格なんざない。 神姫の気持ちも考えず、ただ性のはけ口としてしか考えない貴様と、貴様と同類の連中を、俺は絶対に許さない」 「し、神姫の気持ちなんて……考える方がおかしいだろ!? 神姫なんて、人間様の言うことを素直に聞いてりゃいいんだよっ!!」 次の瞬間、ギャラリーから一斉にブーイングがあがり、井山に罵声を浴びせた。 当然だ。 周りにいるギャラリーは、バトルロンドのプレイヤーばかりだ。共に戦う神姫を、多かれ少なかれ、大切なパートナーと考えている。 今の一言で、井山はここにいる神姫とマスターすべてを敵に回していた。 「うるさい、うるさいっ! 自分の神姫をどんなふうに扱ったって、そんなの勝手だろ!?」 「うるさいのはお前の方だ!」 「この変態野郎が、いい加減にしろ!」 「お前に神姫マスターの資格はねぇ!」 「だいたい、神姫風俗の店から盗んできた神姫は自分のじゃないんじゃね?」 「神姫いじめて悦んでること自体がサイテー」 「普通、神姫風俗行ってたことを自分で言ったりしねぇよな。頭おかしいよ、こいつ」 ギャラリーはいつも無責任に当事者たちを罵倒する。 今回は俺ではなく、井山に向けられている、それだけの話だ。 だが、井山は追いつめられた。 この場で、井山の味方など誰一人としていない。 それでもなおこの場に踏みとどまっているのは、ティアに対する執念なのか。 井山は顔を青くしたり赤くしたりしながら、俺を指さしてこう言った。 「だ、だったら、バトルロンドで勝負だっ! アケミちゃんを賭けて正々堂々と勝負しろっ!」 何が「だったら」なのかよく分からないが。 井山の背後にいた大城が言う。 「アホか! そんな勝負、受けるまでもねぇだろ! それに、遠野たちになんのメリットもないだろが!?」 「もし、万が一、ボクが負けたら……ボクは二度と君たちの前に姿を現さない。アケミちゃんも諦めてあげるよ」 「それだけじゃ、賭けるものが釣り合わないだろ」 俺の言葉に、大城が驚いたようにこちらを見る。 続いてギャラリーがみな、俺に注目した。 「貴様が負けたら、警察に行け。そして、二度と俺たちの前に姿を現すな」 「遠野くん!?」 俺の後ろから、久住さんが悲鳴のように俺を呼ぶ。 俺は少し彼女を振り返った。 彼女が心配してくれるのは嬉しい。 言いたいことも分かる。こんな勝負、受ける必要がない、そう言いたいのだ。 だが、俺は井山と雌雄を決するつもりでいた。 ティアが奴への恐怖を克服しない限り、ティアの本当の安息は訪れない。 だったら、奴とのしがらみをここで断ち切るほかにない。 俺は、もう決心していたのだ。 久住さんは俺と目を合わせた。 彼女の大きな瞳に、俺のくそ真面目な顔が映っている。 久住さんはそっと溜息をつくと、俺から視線をはずした。 心配してくれた彼女には申し訳ない、と思う。 俺は井山の野郎に向き直る。 「どうだ。その条件が飲めるなら、バトルロンドで勝負しようじゃないか」 「そ、そんなことしたら、ボクが捕まっちゃうかも知れないだろ!?」 「だから、負けたらおとなしく捕まれ、と言っている。 警察には、ティアの過去の記憶も提出済みだ。解析も終わっていて、顧客も特定されているだろう。 貴様は神姫虐待の容疑で間違いなく逮捕される立場だ。 警察に逮捕された上で、自分の罪を反省し、二度と俺たちに前に姿を現すな」 「な、な、なんでこのボクが、たかが神姫のために、そこまで体を張らなくちゃいけないんだよ!!」 「俺はティアのために、すべてを賭ける覚悟をした。 貴様が仕掛けた罠を覆すためにな。 自分がティアのオーナーだと主張するなら……貴様もすべてを賭けて勝負に挑め」 「や、やっぱり……今回の神姫風俗の件は……君の仕業かっ!!」 「……俺はきっかけだったに過ぎないけどな」 井山の視線には憎悪すらこもっていた。 だがそれは逆恨みというものだ。 警察が神姫風俗取り締まりに動こうとしていたそもそもの理由は、井山が提供した、あの雑誌記事だったのだから。 結局は自業自得なのだ。 せっぱ詰まっていた井山だったが、不意に、表情を変えた。 いつものいやらしい、余裕の笑みをにじませる。 「いいよ、わかったよ。ボクが負けたら警察に行く。勝ったら、アケミちゃんはボクのもの。どちらにしても、君たちの前には二度と姿を現さない。 その条件でバトルしよう」 「……どういう風の吹き回しだ?」 「いいじゃないか。ボクが条件を飲むって言ってるんだからさぁ。すぐ始めようよ」 「貴様、神姫をつれてきてるのか?」 「ここにいるよ」 井山は、手に持っていたアタッシュケースを持ち上げて見せた。 何が入ってるのかと思えば、神姫だったのか。 「条件を飲むかわりに、ステージはボクが指定するよ」 「断る」 俺は即座に井山の意見を却下した。 ティアがまともに戦えないステージを指定されては意味がない。 「わかってるよ、アケミちゃんが戦えるステージじゃないと、ダメなんだろ? ボクが指定するのは……塔だ」 「……塔?」 ギャラリーがざわめく。 俺は記憶をたぐり寄せる。 塔ステージは人気の低い、かなりマイナーなステージだ。 確か、巨大な円柱状の塔の内部がそのフィールドである。 塔の内部はそこそこの広さがある。 外周部に螺旋状に階段がしつらえてある。 全体は強固な石造り。 明かりはたいまつによって、ところどころ照らし出されている。 天頂部は閉じられており、出入り口もない。 円柱状の巨大な密室だ。 特別な仕掛けもない。 なぜこの塔ステージが人気がないのかというと、面白味がないからだ。 飛行タイプの神姫は、最高速度も出せないし、機動も制限される。 地上タイプは身を隠すところもなく、縦方向への移動は螺旋階段のみ。 あらゆる神姫が、お互いの持ち味を発揮できないフィールドなのだ。 奴がこんなステージを指定してくること自体が不可解だ。ティアだけではなく、奴の神姫にだってメリットはない。 「どうだい? ここならアケミちゃんの機動を制限する訳じゃないし。壁走りだってできるよねぇ?」 「……!」 井山はバトルロンドに興味がないのかと思っていたが、そうではないらしい。 少なくとも、ティアの戦闘スタイルを知っている。 ある程度、俺たちを研究していると見るのが妥当か……。 身を隠すところがないのは不安だが、だからといってティアに不利なステージでもない。 井山の神姫がどんなやつなのかは気になるところだが、塔で有利な神姫というのはちょっと思いつかない。 俺たちが有利になりこそすれ、不利な要素は何もなかった。 唯一の気がかりは、奴が何を考えているのか、それだけだった。 「……いいだろう」 「うふふふ、それじゃあ、はじめようよ」 井山は大きな体を揺らしながら、筐体の方に歩いていく。 客たちは、汚いモノに触れるのをいやがるように、奴に道をあけた。 そんな客の態度を、井山は気にもとめない。 「遠野くん……こんなバトル、受けてもよかったの?」 久住さんが心配そうに尋ねてくる。 「ああ。あいつをのさばらせたままじゃ、ティアはいつまでも怯えて暮らさなくちゃならない。ここで奴に引導を渡して、ティアの過去も断ち切る。 これは、どうしても必要なバトルなんだ」 「でも……ハイリスク過ぎるわ」 「わかってる……でも、リスクが高いのは奴も同じだ」 いままで必死に逃げ回っていたのに、このバトルに負けたら、警察に素直に捕まらなくてはならない。 井山の人生においては、大きな事件になるだろう。 お互いにハイリスクなものを賭けたバトル。 それでも俺は一歩も引く気はなかった。引くわけには行かなかった。 「ティア……」 おれは胸ポケットでうずくまる神姫に声をかける。 「怖いか?」 「はい……」 ティアの声は震えている。 実のところ、俺の心は怒りで煮えくり返っていた。 あんな奴のせいで、今もティアはこんなに怯えている。 あいつだけは、絶対に許さない。 「いいか? これから井山とバトルする」 ティアがびくり、と身体を震わせた。 「だが、怖がることなんてない。 昔のお前は一人きりで、奴の言うなりだった。 今は違う。俺がいる。お前と一緒に戦う。あんな奴には決して負けない。 だから……勇気を持て」 ティアが俺の方に顔を上げた。 瞳に涙が滲んでいた。 「戦うのはお前なのに……勝手に奴とのバトルを決めて、ごめんな」 「……いいえ」 ティアは弱々しく微笑んだ。 胸が痛くなる。 このバトルは、ティアには気の進まない戦いだ。 なのに俺はそれをティアに強要する。 だから俺はエゴイストだというのだ。 だが、この戦いがティアに必要だという考えも揺らがない。 一連の騒動に決着をつける最後のピースは、ティアが自らの過去と決別することだ。 そうしなければ、ティアはいつまでも自分の過去を引きずってしまう。 このバトルで、ティアの過去を断ち切る。 俺は強い決意を持って、筐体の前に座った。 「おい、遠野」 「大城……」 大城は俺の後ろにやってきて、くそ真面目な顔をしている。 「すまんな、お前たちとのバトルは、これが終わるまで待っていてくれ」 「……勝つんだろうな?」 「負ける気はさらさらない」 俺も真面目に受け答えする。 大城は頷いた。 このバトルに勝たなくては、長く目標としてきた大城たちとの対戦も実現しない。 俺が決意を新たにしていると。 なんと虎実が、ティアに声をかけた。 ■ マスターが何の考えもなしに、こんなバトルを受けるとは思っていない。 思っていないけれど。 心に刻み込まれた恐怖は、簡単には拭えない。 あの人の……かつてわたしのお客さんだった人の顔を見るだけで、恐怖に身がすくむ。 条件反射のようなものか。 あの手がわたしを掴んだ瞬間から、もう逃げようのない虐待が始まるのだと、どうしてもそう考えてしまう。 マスターは、そんなわたしに気を遣ってくれた。 それはとても嬉しいのだけれど。 でも、マスターの言うような勇気は、まだ絞り出せていない。 バトルに挑む心ができないまま、わたしは筐体の上に立つ。 身体が小刻みに震えているのが分かる。 マスターの指示通りに戦えば、勝てると信じているけれど。 どうしても、どうしても、怖くて怖くて仕方がない。 このままでは、勝てる試合も勝てないのではないか……。 そんな弱気が心に浮かんだ時。 わたしを呼ぶ声が、聞こえた。 「ティア!」 「……え?」 「アンタがあんな奴の神姫に負けるはずがねぇ! さっさと勝って、アタシと対戦だ。忘れんな!!」 驚いた。 虎実さんがこんな風に私に声をかけてくれるなんて、初めてかも知れない。 虎実さんは、まっすぐにわたしを見つめてくる。 真剣な表情に、わたしは息を飲む。 マスターの後ろから、別の神姫の声が聞こえてきた。 「そうよ、自信を持ちなさい! あなたは、この『エトランゼ』にも勝てる、あの『クイーン』とだって渡り合える実力があるんだから!」 ミスティ。 彼女はいつもわたしの心配をしてくれる。 そして、いつの間にかマスターの後ろに来ていた、四人の少女たち……久住さんの弟子?の四人の肩の上から、次々と声がかかる。 「ティア、がんばって!」 「また、あのきれいなバトルを見せて下さい!」 「勝てる、勝てるよ!」 「あんな奴に負けないで、ティア!」 ライトアーマーの神姫たち。 会話するのも初めての彼女たちが、わたしを激励してくれている。 どれほど驚いたことだろう。 どれほど嬉しかったことだろう! わたしは、驚きに見開いていた目を、一度伏せる。 そして再び目を開いたとき。 恐怖に怯える気持ちは、小さくしぼんでいた。 「ありがとう……みんな」 ずっと、独りだと思っていた。 マスターのところに来たときから、わたしは誰にも迷惑をかけないように、独りでいなくちゃならない、そう思っていた。 だけど今は、仲間がいる。 わたしを認めてくれる友達がいる 折れそうなわたしの心を支えてくれる。 アクセスポッドに歩み寄る。 向かい合う相手のマスターは、どうしても怖いけれど。 今は、マスターと仲間たちがくれる、勇気の方が勝っている。 わたしは戦える。 このバトルに勝って、約束を果たそう。 □ 仲間ができた。 俺たちを信じてくれる仲間は、何よりかけがえのない存在だ。 俺は仲間たちに支えられて、絶望の淵から立ち上がることができた。 だから、ティア。 お前も仲間たちの言葉を胸に、勇気を持って走り出せ。 お前が走れるのなら、俺が勝利への道を示してやる。 そして、この事件のすべてに決着をつけよう。 「……準備はいいか?」 俺は井山に尋ねる。 相変わらずの、薄気味悪い笑み。 「いいとも。はじめよう」 俺と井山は同時にスタートボタンを押した。 筐体に今回のフィールドである「塔」が浮かび上がる。 対戦カードが表示される。 『ティア VS クロコダイル』 『GET READY …… GO!』 塔の内部が表示される。 薄暗い塔の中、ティアがたたずんでいる。 どこか、不安な表情。 塔の中は静寂に包まれている。 奴の神姫は…… 瞬間、井山の耳障りな叫びが響きわたった。 「ひゃははははは! かかった、かかったね!? もうこれで、ボクの勝ちさ! さあ、アケミちゃん、思いだしなよ。 これが、ボクの神姫だ!!」 その叫びと共に。 塔の上の方から。 奴の神姫が姿を現した。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/busoushinkibc/pages/2.html
まずはこちらを参照 ▽ 【どんなゲーム?】 【このゲームの始め方】 メニュー トップページ どんなゲーム? このゲームの始め方 よくある質問 ゲームの流れ 神姫ハウス カスタマイズ 神姫バトル オプション データベース 参戦神姫一覧 ▼簡易参戦神姫一覧 アーンヴァルMk.2 ストラーフMk.2 ツガル ジルダリア ジュビジー エウクランテ イーアネイラ シュメッターリング ブライトフェザー ハーモニーグレイス ガブリーヌ 蓮華 ラプティアス アーティル エーデルワイス ▼装備一覧 ヘッドパーツ ボディパーツ アームパーツ レッグパーツ リアパーツ ウェポン ▼スキル 神姫スキル マスタースキル ▼バトルシステム ジェムバトル 攻略情報 戦法・テクニック マメ知識・仕様 コミュニティ 雑談・質問 設置店舗一覧 その他 関連サイト ここを編集
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1936.html
鋼の心 ~Eisen Herz~ 登場神姫の武装紹介 ~その他編~ 焔星(エンシー) 【壱式=炎(ホノオ)】 焔星の基本形態。 強力無比な【プロトン砲】を主兵装に、【レーザーブレード】や【シールドファング】、【オートガン】等で武装している。 基本的には回避主体の軽量級神姫だが、プロトン砲の火力は凄まじく攻撃力は極めて高い。 二機の【ぷちマスィーンズ】である【光阴(コウイン)】、【闇阳(アンヤン)】との連携を駆使する事で、ステータス以上の戦闘力をも発揮できる。 ただし、【光阴】、【闇阳】は、高い性能の代償として稼働時間が短い為、こまめな補給を行う必要があるが、その際の補給は、本体との接触により電力の譲渡と言う形で行われる。 その電力を生み出す為の大型ジェネレータをバックユニットに内蔵している上、プロトン砲とシールドの重みも加わり、機動性を維持する為に装甲の大部分をオミットする必要があった。 大型ジェネレータは、【ぷち】への補給以外にもプロトン砲のエネルギー源としても利用される。 【式神弐式=光阴(コウイン)】 浮遊移動を駆使する近接防御型の自律兵器。 上半身のみという特異な形態ながら、非常に高い装甲防御力と切断力の高い大鎌【デスサイズ】を有し、近接格闘戦で相手を追い詰める。 作中では使用していないが、飛び道具として双発式の【小型イオン砲】を装備している。 腕と頭部を本体内部に収納する事で球状の防御形態へ変形し、更に守備力を向上させることも可能。 高性能かつ多彩な装備を有するものの、そのエネルギー源は小型のバッテリー一つでまかなわれている為、こまめな補給が欠かせない。 【式神参式=闇阳(アンヤン)】 四足による安定性を活かした精密砲撃を駆使する砲撃支援型の自律兵器。 ある程度の連射力と威力を両立させた速射砲二門を主兵装とし、後方から焔星本体や【光阴(コウイン)】を援護する。 更に、変形する事で高速飛行も可能であり、砲撃の最適ポイントへと素早く移動することが可能。 また、飛行モード時に焔星本体を上に載せ、ボードアタックを敢行する事も出来、用途は多岐にわたる。 エネルギーの消耗が【光阴】ほど激しくないので頻度は多少落ちるものの、補給が必要なのはこちらも同じ。 【真鬼王=零】 焔星の高速戦闘形態。 従来型の【真鬼王】とは真逆に、速度と機動性を向上させる事を目的とした形態であり、焔星本体が、【光阴(コウイン)】、【闇阳(アンヤン)】と合体する事で形成される。 両ぷちとの合体により、それぞれのコンデンサを活用することが出来るようになるため、主兵装の【プロトン砲】もリロード時間が短縮され、発射間隔が短くなる。 また、【デスサイズ】、【レーザーブレード】、【オートガン】等も使用可能で、攻撃面に隙は無い。 巨大な割に装甲防御は然程高くも無いが、強化される機動性で攻撃を回避する事が出来る為、生存性は高い。 なお、【零】の高速戦闘能力は、機体に直結される二機の【ぷち】が焔星本体のAIとCSCを補助することで実現している。 【プロトン砲】 非常に高い威力を持つエネルギー砲。 榴弾砲と同様に、着弾地点で爆発を起こす性質があり、回避するのが困難な武器。 その威力、攻撃特性の代償として重量とリロード時間と言う枷を持つ。 【零】形態では【ぷち】用のバッテリーを流用する事で、リロード時間の大幅な向上を得ている。 【シールドファング】 【炎】形態時に盾となる部分を展開し、大顎として敵に食いつかせる武器。 奇襲性が高く、飛行タイプなどの脆弱な装甲ならば食い破る威力も持つが、重装甲タイプの神姫には歯が立たない。 本来は噛み付く事で動きを止め、【ぷち】でトドメを指す為の補助的な武器。 【デスサイズ】 単分子カッターを内蔵した長柄武器。 作中では使用していないが、大鎌、薙刀、長斧の三形態を使い分けられる。 切断力は凄まじいものの、少々重く扱いづらい面もある。 実は市販されている典雅の製品の一つ。 【レーザーブレード】 アーンヴァルのレーザーブレードを出力強化したもの。 威力はノーマルタイプに比べて向上しているが、稼働時間で劣り、充電に必要な時間も長い。 もちろん、威力が高いといってもカトレアはおろか、フランカーのものよりも出力は劣る。 ただし、通常の神姫相手に格闘武器として用いるならば、充分に強力な性能。 【オートガン】 【炎】、【零】、どちらでも使用できる小型火器。 通常のハンドガンとして手に持って使用する事も可能だが、脚部にマウントしたまま自動的に稼動し、発砲する事もできる。 威力は無改造のハンドガンと同じでしかないが、自衛火器としては有用であり、近接防御に一役買っている。 歌憐(カレン) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (karen001.jpg) 【重装潜水装備(メキアリル)】 目立たないものの、実はかなりの実力者である藤堂晴香の神姫。イーアネイラ型。 重装潜水装備となる【メキアリル】ではサポートマシンである【アイオール】をそのままバックユニットとして装備し、水中での機動力と攻撃力を強化している。 カレン最大の特徴は、主兵装である【オルフェウス】がギタータイプに改造されている事で、音響兵器としての性能向上に加え、そのまま近接武器としても使用可能。 特別に【エレメンタルソング】と銘を与えられているこの【オルフェウス】は、弦を爪弾く事でエッジ部分が共振を起こし、刺突のダメージを格段に向上させられる。 近接戦では、相手に突き刺したまま『演奏』する事で相手の内部(電子機器)に直接攻撃できる。 要するに轟鬼の『雷電激震』 背面ユニットで目立つ二器のサーペントは、【エレメンタルソング】に砲身を共振させる事でその効果を増幅するアンプの役目も持つ。 もちろん直接メーザー砲としても使用可能で、各種魚雷やニードルガンなどと合わせ、カレンの絶大な水中戦闘能力を支えている。 水中戦に限れば作中最強で、フブキにすら抗し得る神姫。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (karen002.jpg) 【軽装陸戦装備(メルリンク)】&【自立型随伴砲台(アイオール)】 9話で使用した軽装の陸戦装備。 本来肩装備のニードルガンを合体させ、ツインランサーにしているが武器はこれと【オルフェウス】だけ。 余談だが【エレメンタルソング】が開発されたのは大会直前なので、9話の時点では武器は普通の【オルフェウス】だった。 サポートメカである【アイオール】は、水中行動しか出来ないという制約はあるものの、水中戦では単独でも陸戦型の神姫を倒しうるほどに強力。 高い移動速度と圧倒的な火力を武器に、水中戦を制するだけでなく、VLS(垂直発射ミサイル)で陸上への支援攻撃も行える。 カレンの18番である【霧】も【アイオール】本体、及び発射されるミサイルから散布する。 天使型MMSブラック・アーンヴァル 試作開発段階のプロトタイプアーンヴァルをコピーした擬似神姫=マリオネット。 正確には神姫でもMMSでもないロボット。 旧海底資源掘削プラントで行われた戦闘(バトル)においてフブキ側の手勢として数千機が投入された。 CSCを搭載しておらず、本体内蔵のAIが司令塔からの大まかな指示で行動する方式。 もちろん性能は通常の神姫は及ばず、数で攻める物量戦でその真価を発揮する。 件の旧プラント攻防戦においては数種類のブラックタイプが確認されており、それぞれに用途が異なる。 神姫と違い柔軟な判断が出来ない為に最初から役割を分担していた物と推測されるが詳細は不明。 【TYPE/α】(写真上段) LC3レーザーキャノンで武装した空戦砲撃戦タイプ。 小回りは利かないものの、最大速度は最も早く装甲も(比較的)頑丈であった。 反応速度等に難のある擬似神姫だが、武装の威力は通常の神姫と変わらず、特にこの【TYPE/α】は突入側の最大の脅威となっていた。 頭髪はロングであり、レーザーの発熱を放出するヒートシンクの役割を果たしていた。 【TYPE/β】(写真中段) 空中格闘戦(ドッグファイト)に特化した戦闘タイプ。 上記の【TYPE/α】とは比較にならない旋回性能を持ち、射程こそ劣る物の時間当たりの総火力でも勝っていた。 手持ち武装のレールガンは後に市販される物とは違い、本体から電力を供給されている為、手首のジョイントに固定する必要があり運用には多少の難が見られる。 格闘専用のレーザーソードと防御用のシールドを一つづつ持った最もバランスの良いタイプでもある。 頭髪はポニーテールで、利便性と緊急時の放熱性能を秤に架けた結果だと思われるが、マリオネットにその様な判断が出来たのかは不明。 【TYPE/γ】(写真下段) 屋内白兵戦に対応した陸上歩兵タイプ。 装備は最も安価で、施設内に大量に配備されていた機種。 しかし、過半数を占めていた主力部隊は、たった一機の神姫に一瞬で撃破されており運用には問題点が残っていた物と推測される。 火器はアルヴォ系のSMGであり対神姫戦には十分な威力だが、特筆するべきような機構は見受けられない。 屋内での密集戦を想定してか頭髪は短く、過熱の多い武装の使用が出来なかった物と推測される。 尚、この戦いの後回収されたこれらのブラックタイプを参考にFrontLine社が開発した物が、トランシェタイプのアーンヴァルであるとも言われているが、同社から公式の発表は無い為に詳細は不明。 サソリ型MMSアルアクラン 神姫事業の先駆けであるグループK2が開発した試作神姫。 一体の神姫に極限の装甲と火力、それを支えるパワーを持たせたテストベッド機。 商品化する際の価格がストラーフやアーンヴァルに対し3倍ほどに上る為、試作段階で企画が終了している。 後にUnion Steel社が神姫事業に参戦する際、開発資料として譲渡されており同社のティグリース、ウィトゥルースの雛形ともなった。 主な武装は 【荷電粒子ビーム砲】×1 【2連装速射機関砲】×1 【電熱シザーアーム】×2 特筆するべき性能としては斥力場浮遊による滑走能力が上げられるが、これは単体では完成しておらず、バトルフィールドに予め電磁レールとして使用できる磁場発生装置が必要となる。 鋼の心本編の最終決戦場となる、旧資源掘削プラントには重要設備付近にある大部屋にこの電磁レールが予め敷設してあり、一体ずつのアルアクランが配備されている。 また、その電磁レールを利用し、主砲である【荷電粒子ビーム砲】を発射後に湾曲させる能力もあるが、滑走機能同様にレールの敷設された室内以外では使用できない。 余談だが、基本的に試作タイプの情報は他社に公開されない為、後にMagic Market社がサソリ型MMS(グラフィオス)を作成したのは単なる偶然である……。 清姫(キヨヒメ) 数多の重火器で武装し、強固な電磁装甲で身を守る巨大な神姫。 乱戦においては最強とも言われており、天海におけるランクは2。 火力の高さは言うまでも無いが、格闘能力、機動力も決して低くは無い。 非常に有名な神姫ではあるが、その実態は謎に包まれており、オーナーの正体すら定かでは無い。 一部では、イリーガルであるとも噂される。 幾度かバージョンアップを受けているが、現在(大会時)の搭載火器は以下の通り。 【3.5mm滑空砲】 主砲となる、インターメラル製の超大型滑空砲。 火力は凄まじく、直撃を受ければ如何なる神姫とてひとたまりも無いと言う、文字通りに必殺の火器。 重量がある為に取り回しが難しく、近距離では照準をつけるのは困難だが、破壊力はそれを補って尚余りある。 【1.2mm滑空砲】 副砲は【FB256 1.2mm滑空砲】と同様のもの。 腕部に内蔵されており、非常に広い射角と操作性を持つ。 威力では【3.5mm滑空砲】に劣るものの、近接戦でも使用可能である為に使用頻度は高い。 【1.0mm狙撃砲】 超長距離での主力となるロングバレルキャノン。 他の砲と同じく行進間射撃も可能だが、静止状態における精度が極めて高く、大口径の狙撃銃としても機能する。 ある程度の連射も可能で強力な弾幕を展開し、対空射撃を行う事も可能。 【0.8mm速射砲】 連射性に特化した小口径滑空砲。 清姫の弾幕の真髄とも言える火器であり、これと【ガトリングガン】の併用は極めて強力。 弾種は近接/時限信管の【榴弾】であり、対空高射砲としても機能する。 【ガトリングガン】 小口径の銃弾を極めて速い速度で連射する機関砲。 清姫の火器としては比較的小型だが、通常の神姫であれば主兵装であっても過剰とも言える程の火力である。 【6連短距離ミサイル】 左右連動で、合計6発の誘導ミサイルを発射するミサイルポッド。 短距離と銘打たれているが、通常の神姫の射程距離よりも遠くまで攻撃可能。 誘導性が極めて高く、飛行型、高機動型の神姫にとっては致命打となる。 【2連長距離ミサイル】 理論上フィールドの端から端まで届く長射程の巡航ミサイル。 威力は【3.5mm滑空砲】にも匹敵する程であり、極めて強力。 装弾数が少なめなのが弱点。 【レールガン】 電磁加速された小口径高速弾を発射する武器。 装甲貫通性が極めて高く、ジュビジーの【キュベレーアフェクション】ですら貫通する。 破壊力そのものは【榴弾】に比してやや劣る。 【スプレッドランチャー】 散弾のように拡散する【榴弾】を発射するランチャー。 比較的射程距離は短いものの、面制圧火器であり、広範囲を一瞬でなぎ払う。 更に連射も可能であり、主砲とは別の意味で凶悪な武装。 【小型機銃】 至近距離や小型目標への射撃に使用するバルカン砲。 補助的な兵装であり、威力も普通の神姫の副砲並で極立った特長は無い。 【Sマイン】 爆発し、周囲に散弾をばら撒く近距離用特殊兵装。 無差別攻撃であるため、清姫自身も攻撃を受けるが、散弾の威力は清姫の装甲で弾く事が可能である為、敵だけが被害を蒙る。 これを防ぐような重装甲の敵はそもそも至近距離まで近寄れない為、低い威力に問題は無い。 リーヴェレータ(リーヴェ) 飛行型かつ、重量級という極めて特異な神姫。 飛行速度は極めて遅く、他の飛行型はもちろん、平地であればトライクやティグリース、果てはハウリンにすら移動力で劣る事もある。 ただし、装甲はストラーフをも凌ぎ、攻撃力は極めて凶悪。 また、移動力の低さも地形の利用(悪路へ追い込む)や高度を下げながら飛行する事で加速を行い、補うことが可能。 空対空戦には向いていないが、バトルロイヤルの特性上飛行タイプは遭遇率が低く、リーヴェの装甲を貫けるだけの重火器を有さない事が殆どなので、結果として生存性は極めて高い。 主な兵装は機体下部の大型連装機銃と各種爆弾。 爆弾は【無誘導爆弾】【レーザー誘導爆弾】【燃料気化爆弾】【クラスター爆弾】【テルミットナパーム弾】等を多数有しており、彼女の真下は如何なる神姫もその生存を許されない地獄と化す。 実は重過ぎる重量をフロートで浮かして、ターボプロップで移動するという飛行船のような移動法である。 普段はお淑やかだが、バトル中は性格が豹変する。 それはもう、別人レベルで……。 何か溜まっているのかも知れない。 アーシュラ 【アトラクアナクア】 パワー最優先のチューンナップを施されたストラーフ。 天海市の神姫センターでも上位に位置する神姫の一人で、ランクは6。 最大の特徴は6本装備の【チーグル】であり、近接格闘で右に出る者はいない。 ただし、反応速度を向上させる為、思考能力を極限までカットしてしまう為、戦況判断が不得手。 過去に、「蜘蛛らしく糸を吐く能力」を付与された事があったが、自分で張った蜘蛛の巣を敵と認識し、即座に殴りかかった事がある程におバカ。 当然、正式採用は見送られた。 トリオ・ザ・サーべラス(Cerberus) 三機一組で活動するサーべラスの構成機体。基本的に三機とも装備は同一。 概要としては、ハウリンの標準装備をベースに、カスタムアップされた強化型ハウリン。 主兵装は【吠莱壱式】と【ヒートサーベル】(レーザーブレードではない)。 補助兵装として【拡散ビーム砲】(頭頂部の“耳”部分)を装備している。 ただし、【拡散ビーム砲】は出力不足で目くらまし程度の効果しかない。 機動面では、極小タイプのフローターユニットを内蔵しており、地面の上を滑走移動する事が可能で、通常のハウリンの比ではない高速移動を可能としている。 更に、装甲も充分に頑丈で、ハウリンタイプの特徴である頑強さと相まって高い耐久性を持つ。 しかし、これ程の高性能でありながら何故か戦果が振るわず、天海最弱の3機という不名誉な知名度を持ってしまっている。 三機の連携による、非常に強力な必殺技を持っているらしいが、未だ公開された事はない。 因みにオーナーは黒井三兄弟。 高校3年生の三つ子であるらしい。(黒い三年生!!) また、構成する三人のハウリンは戦闘中の呼称をα、β、γと言う記号で呼称するが、本名は別にあるとか。 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る -