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武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター 【ぶそうしんき あーまーどぷりんせす ばとるこんだくたー】 ジャンル 育成型アクションゲーム 対応機種 アーケード 発売元 コナミデジタルエンタテインメント 開発元 コナミアミューズメント? 稼動開始日 2020年12月24日 判定 スルメゲー ポイント 武装神姫が令和に復活神姫愛を感じる作り込み気楽に楽しめるキャラゲー要素対戦のハードルはかなり高い 武装神姫シリーズBATTLE RONDO / バトルマスターズ / バトルマスターズ Mk.2 / バトルコンダクター 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 シーズン2での主な仕様変更点 余談 総評 I m ready,Master! 概要 フィギュアを中心としたメディアミックス作品「武装神姫」のゲーム5作目(*1)。略称は『バトコン』『武装神姫AC』『武装神姫BC』(*2)。 『武装神姫バトルマスターズ Mk.2』から、実に8年の時を開けてリリースされた、武装神姫初のアーケードゲームとなる。 以下では、『武装神姫BATTLE RONDO』を『バトロン』、『武装神姫バトルマスターズ』を『バトマス』、と表示する。 ストーリー 西暦2036年。第三次世界大戦もなく、宇宙人の襲来もなかった、現代からつながる当たり前の未来。その世界ではロボットが日常的に存在し、様々な場面で活躍していた。神姫、それは全高15cmのフィギュアロボである。”心と感情”を持ち、最も人々の近くにいる存在。多様な道具・機構を換装し、オーナーを補佐するパートナー。 その神姫に人々は、思い思いの武器・装甲を装備させ、戦わせた。名誉のため、強さの証明のため、あるいはただ勝利のために。 オーナーに従い、武装し戦いに赴く彼女らを、人は武装神姫と呼ぶ。 そして、2042年。高度化した神姫コントロールを悪用した「神姫犯罪」が多発、バトルそのものが危険視され始めた。それを危惧した「神姫バトル管理委員会」により、マスターと一体化したり相手を倒すことを目的としない、競技的な要素の強いものとして「ジェムバトル」が新たな舞台となった。 (公式サイトより引用) システム 神姫 プレーヤーキャラクター。種類に応じて基本的なステータスの得意武器と苦手武器、固有パッシブスキルがある。 さらに各カード個別要素としてボディサイズ、レアリティとそれに応じた武装コスト、個体値(後述)、パッシブスキルがある。 神姫の装備のコストは各神姫の武装コスト以内に収めなければならない。 別筐体の『カードコネクト』で印刷した神姫のカードを使ってプレーする、神姫ハウスでコミュニケーションを取る、あるいはガチャのおまけやリセット(*3)で入手できるヂェリカン(*4)をカスタマイズ画面で使用するごとに親愛度が向上する。上限は100,アップデートで実装された限界突破を行うと120まで伸びる。 親愛度が向上すると、パッシブスキルの習得や能力向上といった利点がある。 ボディサイズは各神姫の胸の大きさ。性能は変化しない(*5)。 ゲーム開始時に、神姫カードを3枚読み込みチームを作る。 カードの所持数が不足しているなら、デジタル神姫(神姫ガチャの項で後述)やレンタル神姫(各プレー中にのみ使える神姫。親愛度が向上しない)を使って必ず3体になるように編成しなければならない。 神姫3体はLP(体力)が0になった際に交代し、順番に出撃する。 控えの神姫たちは、プレーヤーから見て左側のサブモニターから応援してくれる。 + ステータスについて 神姫の基礎ステータスには、 攻撃した際のダメージに影響する攻撃力、攻撃を受けた際のダメージに影響する防御力、歩きの速度に影響するスピード、ブーストゲージの最大値、LP これらは後述の個体値に応じて上昇する。 アクティブスキルのゲージの溜まりやすさ ジェム回収エリアの展開速度 得意武器、苦手武器 得意武器を持つと攻撃力が上がり、苦手武器を持つと下がる。レアリティが上がれば補正が緩やかになる などがある。 + レアリティ レアリティは高い順に、UR(☆4、武装コスト860)、SR(☆3、武装コスト320)、R(☆2、武装コスト130)、N(☆1、武装コスト70)の4種がある。 当然ながら、後述の神姫ガチャではレアリティの高いキャラが出にくい。 チーム編成の際には☆の合計を7以下に収めなければならない。7以下ならいくらでもいいのでチームのメンバーを全員N,Rにすることも可能。 レアリティが高いほど神姫の基礎性能や装備できる武装が強くなるが、喪失するジェムの量(ジェムバトルのみ)やリスポーンまでの時間が伸びる。 + 個体値 カードの右下部分には、神姫の基本性能より高い能力がアイコンで示されている(通称個体値)。アイコンの数が少ないほど能力の上昇値が大きい。またアイコンが5つある場合のみ、武装コストが+10されることがある。 + パッシブスキル レベル10で神姫の種類に応じたパッシブスキルを習得する。 また、神姫ごとに3パターンのうちいずれかの組み合わせで、それぞれ異なる内容のパッシブスキルを6つ習得し、能力が向上する。レアリティごとに覚える内容の差異はない。 各パターンの呼び方はプレーヤー間の通称。 早熟型 親愛度レベル15でパッシブスキルが解放され、レベル30で全て習得する。 通常型 親愛度レベル20でパッシブスキルが解放され、レベル60で全て習得する。 晩成型 親愛度レベル50でパッシブスキルが解放され、レベル80で全て習得する。 限界突破を行うと、それまでの型に関わらずレベル110、120時点でパッシブスキルを習得する。 習得するパッシブスキルの種類は元の習得パターンに応じて変化する。 神姫ハウス いわゆるホーム画面。神姫をタッチすることでコミュニケーションを取れる。また画面下部のアイコンをタッチすることでバトルやカスタマイズ画面、カードの管理に移行できる。 神姫をタッチすると拡大表示ができる。そこからタッチ入力で会話、レバー入力で神姫ハウス内を移動させられる他、右下メニューからモーションを取らせることもできる。 武装 カスタマイズ画面で変更可能。武器、ヘッド、ボディ、アーム、リア、レッグの6部位に分けられている。 武器は2種類、それ以外は各1種類装備可能。武装にもN(コスト10)、R(コスト20)、SR(コスト50)、UR(コスト140)のレアリティと、レベル、パッシブスキルがある。 レベルは最大60、アップデートで実装された限界突破を行えば80まで伸ばせる。武装強化素材を使うか、同一の武装を入手することでレベルが上がる。 武装の性能は基本的にレアリティが上がるほど強力になる。 基本的に神姫の武装の組み合わせは、レアリティNならN武装のみ。それ以外は自身と同一レアリティの武装6つ+低レア1つとなる。 当然コスト以内だと自由に組み合わせられるので、神姫より一つ高いレアリティの武装を無理やり装備させることも可能。 基本的にバトル中のみ見た目が反映されるが、一部の防具は神姫ハウスでも反映される。 武装は全て売却可能。売却時にはレベルとレアリティに応じた武装強化素材(ネジ)を入手できる。 + 部位ごとの説明 武器 その名の通り武器、攻撃に使う。後述のアクティブスキルも基本的にこの部位に設定されている。 大まかに射撃・格闘の2タイプ。そこから様々なカテゴリーに分けられており、カテゴリーごとにモーションが異なる他、神姫ごとにどのカテゴリーの武器が得意かも違う。戦術の方向性を決める上で要といえる部位。 出撃時に装備する武器1と、装備切り替えで使えるようになる武器2がある。武器1のアクティブスキルのみが使用可能。 ヘッド 多様なパッシブスキルを持つ部位。 イベント武装以外で神姫ハウスに反映される武装がある唯一の部位。基本的に装備すると髪型が変わるが、眼鏡をかけるようになるものもある。 ボディ 主に防御・体力を底上げする部位。 服類や水着は基本的にこの部位(+α)になる。また神姫のボディサイズが反映されるものも。 アーム 攻撃に関するパッシブスキルが豊富な部位。 レッグ 主にスピードを上昇させる部位。 リア 主に体力とブーストゲージを上昇させる部位。 飛行が可能か否かを決定するのもこの部位である。装備すると攻撃の3段目を特殊なものに変化させる[RW]武装もある。総じて武器と同等かそれ以上に立ち回りを左右する部位といえる。 ゲームモード 大別して「ジェムバトル」「レイドバトル」「お散歩」の3種類がある。 + ジェムバトル 4人のプレーヤーによる制限時間240秒のバトルロイヤル。ゲーム終了時どれだけ「バトルジェム」(以下「ジェム」)を所持していたかによって勝敗が決まる。 イメージとしては『大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ』の「コイン制乱闘」をベースに、自分から出たコインを完全に獲得できなくなり、「最後のきりふだ」での攻撃で直接コインを回収できるようになったものと考えると分かりやすい。 武装レベルが統一されずランクの昇降格がある「リーグジェムバトル」、武装レベルが統一される「日時限定ジェムバトル」「店内エンジョイジェムバトル」、COMのみと戦う「オフラインジェムバトル」、店内で武装レベル非統一の試合を行う「店内ジェムバトル」、期間限定で開催される「ランキング戦」がある。 ジェムは基本的に誰かが攻撃を当てた時と誰かが撃破された時に放出される。攻撃を受けても自分のジェムは減らないが、撃破されると神姫のレアリティと順位、ジェムの所持量に応じたジェムを失う。 自分以外から通常攻撃で放出されたジェムは、誰の攻撃によるものでも回収可能。攻撃スキルで放出されたジェムは、全てスキルを使ったプレーヤーに自動で回収される。 バトル中、決まった時間に豚の風船型の「ジェムポット」が出現する。これにダメージを与えるとジェムを獲得できる。 復帰時のスキルゲージ獲得量に復帰時の順位へ応じた補正がかかる。 ランキング戦を除き、残り時間120秒の際にフィールドにコンテナが出現する。試合の最後にコンテナを所持していたプレーヤーは、使用している神姫の中から1体の純正武装を5つ入手できる。 コンテナを所持するプレーヤーを撃破すると、コンテナを奪取できる。 入手できる武装はバトル前に分かるが、レアリティは分からない。 バトル後、ゲームモードと成績に応じた数のネジと武装が手に入る。 + レイドバトル 3つのWAVEに分けて敵を討伐し、WAVE3のボスを倒せばクリア。他プレーヤーとマッチングするオンラインレイドと、自チームのキャラ+お助けキャラクターが戦うオフラインレイドの2種類に、初級と上級のそれぞれ2つの難易度がある。 WAVE1と2では、小型・中型の敵キャラクターが大量に出現。倒すと武装をドロップすることがある。ただしドロップする数にはWAVEごとに上限がある。 WAVE3では複数種類のうちいずれかのボスが登場する。ボスを早く倒すほど多くの武装が入手でき、ボスからしか入手できない限定武装もある。 バトル中に「LPポット」、「スキルポット」が出現する。 それらに攻撃すると、攻撃したプレーヤーはLP回復やスキルゲージ増加の効果を得られる。 リスポーン時間がジェムバトルと比べて長く取られているが、ジェム回収エリアの展開(後述)で短縮可能。 オンラインレイドではクリア後ネジを入手可能で、コンテナの数が総じて多い。どのボスが登場するかはランダム。 オフラインレイドではスタンプカードが用意されている場合がある。バトルをクリアした際カードにスタンプが押され、内容に応じた報酬を入手できる。スタンプカードを完走する前はプレーごとのボスの種類が決まっており、完走後はランダムに出現する。全て押した後のクリア後はネジを入手できる。 またスタンプカードを完走する前は、バトル開始時に寸劇が挟まれる。 + お散歩 トレーニングモードに、『バトロン』のジオラマスタジオの要素を足したもの。本モードではターゲットロックを外せるため、自由な角度から神姫を眺めたり写真撮影したりできる。また、ターゲットとしてジェムポットが用意されている。 途中で画面左上から切り上げることも可能。 終了時間に関わらずレアリティRのネジを5つ入手できる。 アクション + ボタン操作 筐体の左スティックにあるレバー部分で移動、スティック奥側の上下ボタンでターゲットを切り替える。お散歩モード以外ではターゲットを外して行動することは出来ない。 右手側の大きい赤いボタンがジェム回収ボタン。押している間、近接武器を装備しているなら円形の、射撃武器を装備しているならターゲットの側に向けて扇状の回収エリアを展開する。 ジェムバトル時は回収エリアに触れたジェムを自キャラクターのものとする。 レイドバトルの際は、回収エリアに触れている神姫の再出撃時間を短縮できる。 ボタンを押さずともごく小さい自動回収の範囲が設定されている。 デフォルトだと緑ボタンで攻撃、赤ボタンでジャンプ、青ボタンでダッシュの操作を行える。攻撃は基本的に3段まで連携できるが、ダッシュ中の攻撃は連携できない。ボタン長押しで溜めることや、攻撃モーション中のダッシュでキャンセルすることもできる。 ダッシュとジャンプ中はブーストゲージが減少し続ける。 ジャンプとダッシュの同時入力でガード可能。ガード中はダメージを0にするが、モーション中は常にブーストゲージが減る他、攻撃を受けるとダメージ量や装備に応じてブーストゲージが大きく減る。 一定以上体力があるときに、右手側全てのボタンを押すことでバーストが可能。体力の3割を犠牲に周囲の敵を吹き飛ばす……が、吹き飛ばし用途で使われることは少なく、主にジェムバトルで神姫を交代させたいときに体力を減らすため使われる。 吹き飛ばされた際、ジェム回収を除く全ての右手側ボタンを押すことで受け身が取れる。 飛行可能なリア装備時にジャンプ後ダッシュするとホバリング状態に移行、そこからジャンプボタンで再度ジャンプしたり、ジャンプ2回入力で降下できる。 降下中にレバー入力をせずにガードで急降下可能。 キーコンフィグも可能。 + タッチ操作 武器横の仮想ボタンをタッチすると武器を切り替えられる。 被弾時、被撃破からの復帰時にスキルゲージが貯まる。ゲージが溜まった際、画面のひし形のボタンをタッチするとアクティブスキルが発動可能。 アクティブスキルには武器に設定されたもの、プレー回数に応じて入手できる「マスタースキル」、特定武装の組み合わせで使える「固有アクティブスキル」がある。 アクティブスキル使用後は全てのスキルで武器1を装備した状態になる。 自分の神姫を長くタッチすると、顔を模したアイコンが表示される。アイコンまで指をスライドするとエモーションが取れる。エモーションの種類はプレー回数に応じて増えていき、オプションで変更可能。 右下のボタンをタッチして通信が出来る。 ターゲットはタッチでも切り替えられる。コンテナはタッチでのみロック可能。 画面左下のAUTOと書かれたボタンをタップして、AUTOモードへと移行可能。 + AUTO 神姫達が自分で判断して戦うモード。公式では「俺と神姫で戦うボタン」の略とされている。戦闘中、画面左下からいつでも切替可能。 AUTOモード中に表示される剣、盾、ジェム型のアイコンをタッチすることで、行動傾向を切替可能。 AUTO時もこちらからジェム回収とターゲット切り替えの指示を出せる。またAUTOモード中に限り、画面をタッチして操作することで画角の調整・拡大・縮小ができる。 ブーストゲージが無くなるとオーバーヒート状態となり、ゲージが最大回復するまでブーストを使うアクション並びに武装切り替えが出来なくなる。 ブーストゲージは地上にいると徐々に回復する。(*6) フォト リーグジェムバトル中以外いつでも、右上のカメラマークをタッチしてスクリーンショットを撮影できる。 撮影したスクリーンショットは、別筐体の『カードコネクト』で印刷可能。 神姫ガチャ プレー後、1体あたり100円で神姫の入手が可能。1度の購入可能数は1体か5体のみ。 5体同時購入するとレアリティRのヂェリカンが5つ入手できる。 購入した神姫はデジタル神姫として登録され、『カードコネクト』で印刷するまでレアリティNの神姫として使用可能。 デジタル神姫はカード管理からお別れできる。お別れをするとレアリティNのヂェリカンが入手可能。 デジタル神姫状態では親密度レベルは10までしか上がらない。内部的にはレアリティ・個体値・パッシブスキル解放パターンは決定されている。 『カードコネクト』で神姫を印刷することでレアリティ・個体値が明らかになり、本来の性能で運用できるようになる。 プロフィールカード カード管理からプロフィールカードの項を選ぶことで、プロフィールカードを制作できる。 デザインは左上にプレーヤーネームとリーグジェムバトルのランク、左下にコメントと称号、右側に神姫、その下に神姫の誕生日という形が基本。 店舗名・神姫名と誕生日・リーグジェムバトルでのランク・称号の表示設定が変更可能。 神姫のポージング・表情は決められた4パターンから変更できる。 『カードコネクト』で印刷することが可能。 印刷したプロフィールカードは、他のプレーヤーに神姫ハウスで読み込んでもらうことでネジや限定品を含む武装を入手できる。 カードを読み込んだプレーヤーもネジや武装を入手可能。 評価点 幅広い神姫のラインナップ 本作の大きな特徴の一つ。『バトロン』にのみ登場していた「ハーモニーグレイス」「ブライトフェザー」、登場がコンテンツ展開後期のため『バトマス』での登場に留まっていた「ラプティアス」「アーティル」、ゲームには未参戦だった「アーンヴァルMk.2 テンペスタ」「ストラーフMk.2 ラヴィーナ」など、世代を超えて幅広い神姫が参戦している。 稼動1年目以降も、新旧問わず数多くの神姫が参戦。特に2021/9/7からは、『オトメディウスX』以来ご無沙汰だった初代の「アーンヴァル」「ストラーフ」も参戦した。 「テンペスタ」や「ラヴィーナ」以外のカラーバリエーション神姫も、(フィギュア化されていないものを含めた)一部キャラクターの武装のみだが参戦している。 プラモデルブランド『メガミデバイス』でキット化されている「エーデルワイス」も、スマートフォン向けゲーム『武装神姫R』を出典として参戦している。なお2022年7月現在も『武装神姫R』の続報はない。 声優も全て当時のまま。「テンペスタ」と「ラヴィーナ」は元となった神姫と同じ声優が演じているが、きちんと演じ分けもなされている(*7)。 担当声優の笹川亜矢奈氏が芸能界を引退して久しい「ヴァッフェバニー」も、氏にオファーをした上でセリフが新録されている。 更にシーズン2においては、声優活動を実質休止して久しかった橋本まい氏が担当した「マオチャオ」もセリフが新録された。 + 参戦神姫一覧 + 初期実装 天使型 アーンヴァルMk.2(cv.阿澄佳奈 デザイン 島田フミカネ) 悪魔型 ストラーフMk.2(cv.茅原実里 デザイン 島田フミカネ) サンタクロース型 ツガル(cv.釘宮理恵 デザイン GOLI) 花型 ジルダリア(cv.小林沙苗 デザイン OKAMA) 種型 ジュビジー(cv.名塚佳織 デザイン OKAMA) セイレーン型 エウクランテ(cv.加藤英美里 デザイン 間垣リョウタ) マーメイド型 イーアネイラ(cv.井上麻里奈 デザイン 間垣リョウタ) 蝶型 シュメッターリング(cv.野川さくら デザイン:ちびすけマシーン) ナース型 ブライトフェザー(cv.原由実 デザイン:マーシーラビット) シスター型 ハーモニーグレイス(cv.大久保瑠美 デザイン:マーシーラビット) ヘルハウンド型 ガブリーヌ(cv.小林ゆう デザイン いづなよしつね) 九尾の狐型 蓮華(cv.金田朋子 デザイン いづなよしつね) 鷲型 ラプティアス(cv.遠藤綾 デザイン かこいかずひこ) 山猫型 アーティル(cv.中原麻衣 デザイン かこいかずひこ) 猟兵型 エーデルワイス(cv.白石晴香 デザイン 島田フミカネ)(*8) + 1年目追加実装 騎士型 サイフォス(cv.沢城みゆき デザイン 篠房六郎) 侍型 紅緒(cv.門脇舞以 デザイン 篠房六郎) イルカ型 ヴァッフェドルフィン(cv.清水香里 デザイン カサハラテツロー) 兎型 ヴァッフェバニー(cv.笹川亜矢奈 デザイン カサハラテツロー) 天使コマンド型 ウェルクストラ(cv.戸松遥 デザイン 島田フミカネ) 悪魔夢魔型 ヴァローナ(cv.豊崎愛生 デザイン 島田フミカネ) 戦乙女型 アルトレーネ(cv.中島愛 デザイン 羽音たらく 柳瀬敬之) 戦乙女型 アルトアイネス(cv.水橋かおり デザイン 羽音たらく 柳瀬敬之) 砲台型 フォートブラッグ(cv.柚木涼香 デザイン 柳瀬敬之) 戦車型 ムルメルティア(cv.浅野真澄 デザイン 島田フミカネ) 戦闘機型 飛鳥(cv.藤田咲 デザイン 島田フミカネ) ハイスピードトライク型 アーク(cv.堀江由衣 デザイン CHOCO) ハイマニューバトライク型 イーダ(cv.田村ゆかり デザイン CHOCO) 天使型 アーンヴァル(cv.阿澄佳奈 デザイン 島田フミカネ) 悪魔型 ストラーフ(cv.茅原実里 デザイン 島田フミカネ) 忍者型 フブキ(cv.福井裕佳梨 デザイン nuno) 忍者型 ミズキ(cv.福井裕佳梨 デザイン nuno) + 2年目追加実装 天使型 アーンヴァルMk.2テンペスタ(cv.阿澄佳奈 デザイン 島田フミカネ) 悪魔型 ストラーフMk.2ラヴィーナ(cv.茅原実里 デザイン 島田フミカネ) エレキギター型 ベイビーラズ(cv.平野綾 デザイン CHOCO) ヴァイオリン型 紗羅檀(cv.高垣彩陽 デザイン CHOCO) 剣士型 オールベルン(cv.悠木碧 デザイン 島田フミカネ) 剣士型 ジールベルン(cv.竹達彩奈 デザイン 島田フミカネ) ナビゲーター型 レイシス(cv.茅野愛衣 デザイン スティンガー)(*9) + 3年目追加実装 犬型 ハウリン(cv.喜多村英梨 デザイン BLADE) 猫型 マオチャオ(cv.橋本まい デザイン BLADE) 花型 ジルダリアB(cv.小林沙苗 デザイン OKAMA) テンタクルス型 マリーセレス(cv.桑谷夏子 デザイン Niθ) 種型 ジュビジーB(cv.名塚佳織 デザイン OKAMA) ケンタウルス型 プロキシマ(cv.朴璐美 デザイン デザイン Niθ) + レイドボス、プレイアブルとしては武装のみ参戦 大型バグΩ(*10) 闇神姫 ツガル Blue Xmas ver.(cv.釘宮理恵 デザイン GOLI) ミラージュ(ホワイト/ブラック/ナイト/サマー/オータム/バニー/フレッシュ) ジュビジーbk(cv.名塚佳織 デザイン OKAMA)(*11) ジルダリアbk(cv.小林沙苗 デザイン OKAMA)(*12) ヴァローナWh(cv.豊崎愛生 デザイン 島田フミカネ) ウェルクストラbk(cv.戸松遥 デザイン 島田フミカネ) サイフォスbk(cv.沢城みゆき デザイン 篠房六郎) 紅緒bk(cv.門脇舞以 デザイン 篠房六郎) 作り込みを感じる3Dモデル 3Dモデルはフィギュア版武装神姫を意識して作成されており、特徴的な「神姫関節」(*13)や各関節ネジ穴もある程度再現されている。 ただし一部の神姫の顔はフィギュア版とかなり異なる。『ボンバーガール』のイラストに雰囲気が近いツガルや、 眼力 無表情さが再現されていないアーンヴァル(*14)など。シュメッターリングに至っては、顔のみならずプロポーションそのものが大きく変わっている。(*15)また、アーティルもプロポーションが異なっていた。(*16)この辺りは現代的なアレンジが施されていて良いと感じるか、当時のフィギュアを再現してほしかったと感じるかは人による所だろう。 プラモデルで販売されているエーデルワイスにはネジ穴のモールドがない。芸が細かい。 モーションはいくつかのパターンを使い回しているが、しっかりと神姫に合わせたものが選ばれている。バリエーション全てで性格の方向性が異なるストラーフ系列を比較するとわかりやすい。 バトルフィールドもよく作り込まれており、特に「マスターの部屋」「和室」でのバトルはマスターの部屋で神姫が戯れている感覚を味わえること請け合い。 とっつきやすく奥深い操作性 基本的にワンボタンで攻撃やアクションができる。同時押しが要求される操作はガードとバースト、受け身のみ。スキルは画面をタッチして発動する形式で、ゲージが貯まると発光し音が鳴るのでわかりやすい。オプションからキーコンフィグも可能。 強いて言うならターゲット切り替えは若干わかりにくい。 飛行リアでのホバリング中ジャンプや急降下、射撃武器での滑り撃ちを駆使すればかなりの速さでフィールドを駆け巡ることも可能。 上級者同士のジェムバトルでは操作技能がフルに駆使され、また互いに攻撃のタイミングを探り合いつつ立ち回るため、見ているだけでも緩急あるスピード感を味わえる。 戦略的なジェムバトル ジェムバトルは単純に相手を多く撃破したプレーヤーではなく、バトルジェムを最終的に最も多く所持していたプレーヤーが勝つ。そのため、勝利にはジェム回収を行う必要がある。 通常攻撃で放出されたジェムは攻撃されたプレーヤー以外誰でも回収できるのがミソ。他のプレーヤー同士が争っているところを横からジェム回収しつつ眺める…というのはよくあること。 攻撃スキルで放出されたジェムは自動回収される。他のプレーヤーに横取りされる心配がないので、当てることができれば優秀なジェム回収ソースになる。 序〜中盤の1位を完全に放置して逆転勝ちできることはあまりないため、基本的に1位になると複数のプレーヤーから狙われる。また撃破されたときはレアリティと順位、所持しているジェムに応じたジェムを失うため、最終盤に(特に高レアリティの神姫が)撃破された場合、アクティブスキルにもよるが逆転は困難。 そのため「どのように終盤リードを維持して、あるいはジェムを増減させて最終的に1位を取るか」「どのように最後の神姫を撃破させずにゲーム終了を迎えるか、そのために何秒ごろにその神姫を出撃させるか」「戦略が崩された際にどうリカバリーするか」を装備・神姫の編成段階から考える必要がある。 バトル開始前に全員の使用する神姫と武器1の名称に加えて、ヘッド、ボディ、アーム、一部を除いたリアの防具の画像が表示される。またこのタイミングで各プレーヤーは出撃順を変更できる。この段階で相手の戦術と出撃順を予測し、どのように自分の戦略を通すか、相手の戦略を崩すかを考えられる。 武装セットを見せ合う段階で相手の戦略を予測し、いかに相手に応じた行動を取るか考えるのは『バトロン』に通ずるものがある。 相手の取る戦略を読み切った上でそれを乗り越え、自分の勝ち筋に誘導するのは達成感がある。 特に武装編成や戦略面で試行錯誤を繰り返し、好きな神姫と一緒に勝利を掴み取れた喜びはひとしお。 ゲームバランス・調整の方向性自体は良好 神姫間のバランスは比較的良好に保たれており、強弱こそあれど使うだけで捨てゲーになるような神姫はほぼ存在しない。この点はキャラゲーとして高評価。 (2023/10/25以降の環境では)ハウリン・ミズキが特に強く、ストラーフMk.2とレイシスがかなり厳しい立ち位置にある。 専用スキルや担わせる役割の都合上、神姫ごとにどのレアリティやアセンで運用するのが強いかの差異はある。 調整の方向性は、比較的ユーザーの意向に沿っている。あまりに強力、あるいはイージーウィンの可能な武装はイベント期間中でも下方されることがある。また比較的使われていない・個性が強くない神姫に対しての上方修正もそこそこ行っている。 気楽に楽しめるレイドバトル 複数人で協力して戦うレイドバトルには、強大なボスを共闘して倒す爽快感といった、対人とは違う楽しみがある。 WAVE1、2はAUTOでも十分攻略できる。自分の神姫がフィールドを駆け回る姿を存分に楽しめる。 初級に関しては基本的に難易度が低く、見た目を重視したアセンでも十分にクリア可能。うちの子(*17)お披露目会も存分に行える。 上級のボスは火力、耐久力が高く設定されており歯ごたえがある。 多様なコーデ・アセンを楽しめる武装 現在実装されている神姫の武装はほぼ全て網羅されており、実物のフィギュアほどではないが様々な組み合わせを楽しめる。またそれぞれステータス面で差別化されており、基本的に全く同じ性能の装備は無いと言って良い(*18)。そのため、いかにおしゃれなコーデや強力なアセンを組むか、どのように見た目と性能を両立させるか考えることも楽しめる。 季節ごとのイベント武装やコラボ武装も豊富。『ときめきメモリアル』のきらめき高校の制服と狐面や人魚のヒレを合わせたり、「アーンヴァル」「ウェルクストラ」のアーム・レッグを「ネイキッド」(*19)にすることで競泳水着風の服装にしたり、お姉さん系キャラクターのイーアネイラが『ボンバーガール』の「グリム・アロエ」の水着を着てダンスをしたり、『スティールクロニクル』の「スティールスーツ」が「うまい棒」を手に戦場を駆け巡ったり、『オトカドール』の「黒い月の遊戯」をBGMに鎌を振りかざしたり……といったシチュエーションも武装があれば実現可能。 一方イベント武装のほとんどは期間限定品のため、取り逃してしまうとコーデや戦略の幅が狭まる場合も(詳しくは問題点の項で)。 手元に神姫の描かれたカードを残せる 一部神姫には書き下ろしのイラストがあるため、それを小さめのカードサイズとはいえ手元に残せるのはファンアイテムとして評価点。 撮影したスクリーンショットも印刷できるため、神姫達のかっこいいシーンや可愛らしいシーン 、ムフフなシーン も印刷して保存できる。 豊富なファンサービス 筐体の各所には『武装神姫』シリーズの意匠が組み込まれており、特に古参ファンにはたまらないものとなっている。 e−アミューズメントパスの読み込み場所がクレイドル(*20)の形状を模している。ちょうどフィギュア版神姫を乗せられるサイズになっているのも高評価。 ジェム回収以外の右手側ボタンなど、様々な場所にCSC(*21)を模した意匠が組み込まれている。 神姫ハウスにはフィギュア版武装神姫の外箱や神姫用と思しき塗料、ヂェリカン等が飾られており、特にフィギュア版からのマスターの自室やジオラマをイメージした作りとなっている。 賛否両論点 ジェムバトルについて 相手の撃破が直接勝利に繋がるわけではないバトルロイヤルというバトル方式は、直接戦闘を好むプレーヤーからは賛否が分かれる。 また攻撃したプレーヤー以外もジェムを回収できるため、迂闊な攻めは他プレーヤーにジェムを回収させるだけとなる。そのため、待ちや逃げの戦法が強くなりがち。 基本的に勝ち負けのどちらも自己責任になるゲーム性なので、後述の罪悪感を煽る仕様もあって合わない人はとことん合わない。 敗北時の罪悪感を煽る仕様 評価点で述べたようなモーションへの注力はバトルで自チームが敗北した際にも表れており、神姫によって拗ねたり、泣いたり……といった反応を示す。 これらは総じて神姫が好きなプレーヤーであればあるほど負けた際の罪悪感が掻き立てられるようになっているため、特に負けが込んだ際に心が折れてしまいがち。 一方、「神姫を泣かせないために」とモチベーションを高める効果もあるため好みが分かれるところではある。 固有アクティブスキル 神姫固有アクティブスキルは、特定の武装の組み合わせを全て装備することでどの神姫でも発動できる。強力なアクティブスキルを使える神姫一強にはならないが、神姫の差別化が弱くなってしまう点でもある。 『バトロン』ではスキルは武装に応じたものだったのでそちらに準拠したとも言える。 基本的に神姫の差別化はパッシブスキルや得意/苦手武器、各種ステータスで行われている。 固有アクティブスキルは強弱の幅が非常に広く、また強力なスキルを使える強神姫の武装もあるので、神姫と固有スキルを紐付け無かったのはある意味では英断と言える。 レイドバトルについて ボス戦はともかく、Wave1と2の小型・中型敵の討伐はひたすら小型敵を倒し続けるのみ。これを雑魚を散らせて爽快と取るか、単調になってしまうと取るかは好みが分かれる。 また、戦闘後のリザルト画面ではMVPも表示されるが、その判断基準は不明。「スコア」「撃破数」「ボスへの与ダメージ」「回復量(一部の武装で使用できるようになる)」「レスキュー時間」のいずれかが突出していれば獲得できる可能性が高くなるようだが、こんな所にまで『スティールクロニクル』の問題点を引き摺らなくても良かったのではあるまいか。 問題点 対人のハードルの高さ 可愛らしい神姫の見た目や簡単なアクションとは裏腹に、本作の対人戦のハードルはかなり高い。 相手の武器が発動するスキルや基本的な立ち回り、相手がどのタイミングで仕掛けてくるか/どのタイミングで次の神姫と交代したいかなどの予測には、武装や立ち回りに対する知識が必要。 ジェムバトルにおける交代のセオリーや武装のスキル、勝ち筋をどう考えるか・どう相手の勝ち筋を妨害するかについて、公式側からの説明や案内がほとんどないのも難点。 強くなりたければ、動画サイト等でのプレーヤーによる動画を見たり、SNSを用いて情報を収集し研究する必要がある。 さらに、武装レベルが固定化されないリーグジェムバトルでは武装強化用のネジが必要になる。神姫ガチャや装備集めの必要性もあって、対戦のハードルは概して高いと言える。 神姫ガチャ このゲームがリリースされた頃には多くのソーシャルゲームやアーケードゲームにおいて、実装された直後のキャラクターの排出率を高く設定する、いわゆるピックアップガチャがよく行われている。しかし本作では実装された直後の神姫がピックアップされた例はない。 ピックアップが行われる場合も頻度は低く、基本的に最新神姫が対象に入らない上期間も1日〜1週間と短い。 同じコナミのアーケードゲームである『ボンバーガール』では、基本的にほぼ常時ピックアップが行われている。 また、お迎えした神姫のレアリティ・個体値は基本的にランダムかつ、別筐体の『カードコネクト』で印刷しないと判別できない仕様。 印刷にも別途100円がかかるため、引いた神姫を全て印刷していたり、特定のレアリティ・個体値・成長パターンを目当てに印刷を続けていると出費は高く付きがちである。 ユーザーIDとカードの間に紐付けがないため、いわゆるフリマアプリやリサイクルボックス等の利用ができるのは救いか。 低レアリティにもリスポーン時間が短い・ジェム排出量が少ないというメリットがあるため、編成を練れば無理にURを使わずとも済む点もある。 装備掘りの必要性と神姫ガチャが合わさり、編成が整うまではプレー回数を重ねる必要がある。一方一度編成が整えば、神姫ガチャを回さずに長時間安価でプレーすることも可能となる。 ランダムドロップの武装 基本的に武装の入手は試合終了後にランダム、かつ戦績に応じた数となる。そのため(特に対人だけプレーする層では)、勝てないと武装が手に入らない→武装が手に入らないので勝てない…といった悪循環に陥りがち。 神姫由来の武装を狙いたいならジェムバトルでコンテナを入手するという手段もあるが、狙った神姫の武装を必ずドロップさせたいなら同型の神姫が3体必須。そこまでやってもお目当ての武装が手に入るとは限らない。 イベント武装はコンテナからドロップしないため、バトルを周回しての掘りを強いられる。 しかもイベント武装には強力なものも多数存在する。 + この問題を端的に表したのが稼働初期の「零神事件」。 稼働初期に「スカイガールズ」とのコラボ武装として「ソニックダイバー零神」が実装されたが、これが当時の基準だと非常に高い性能を持つ代物だった。 当時はリーグ分けが無く、ゲームモードが対人のみだったこともあり、「零神」を持っていないプレーヤーが狩られる事態が続出。 「零神」を入手しようにも武装入手数が少なくなり、入手機会が減るという事態に陥ってしまった。 公式が「零神」の入手を煽るような告知を出したこともあり軽く炎上。結果的に「零神」が下方修正されて落ち着いた。 現在では種類によるが、ログインボーナスで必ず獲得できるイベント武装もある。 またプレー回数の少ないうちに獲得できる武装の量が大幅に増加し、いわゆる格差マッチの際にもらえる武装量へ補正がかかるようになったため、初心者がかなり新規参入しやすくなっている。 期間限定武装の多さ イベント武装のほとんどは期間限定であるうえ、性能面で優れており長い期間対戦環境で活躍しているものも多数ある。入手できなかった場合、復刻は基本的に1年後。 レイドボス産の武装も期間限定である。リペイント神姫を再現したい場合は、期限内に装備を揃える必要がある。 時限要素がなく最悪外部サイトを用いることでフォローできる神姫ガチャよりも、強力なイベント武装の多さ、入手までに張り付きが要求される点の方が新規を遠ざける大きな要因と言える。 とはいえ、恒常入手が可能な武装にも強力なものは多数ある。 装備カスタマイズが分かりにくい 神姫やアセンブルの詳細なステータス確認ボタンは画面左下に小さくあるのみで、初見だと分かりにくい。 確認ボタンを押しても各装備ごとの詳細ステータスは表示出来ないため、装備それぞれがどのような性能をしているのか判別しにくい(*22)。 武装の並び順はフィギュア版各神姫の発売順となっており、絞り込みがあるとはいえ武装神姫に明るくないプレーヤーには分かりにくい。 筐体でのアセン構築に不便な点が多いにもかかわらず、外部サイトでの武装変更は行えない。 多発する格差マッチ リーグジェムバトルのランクは「プロ、SSS、SS、S、A、B、C、D、E、ビギナー」の10階級で、マッチングは「ビギナー」「D,Eランク」「A〜Cランク」「S〜プロランク」と分かれている。 このため、戦術のいろはがわからないSランクに昇格したてのプレーヤーが、プロランクのプレーヤーといきなりかち合ってしまう事態が多発する。 先述の罪悪感を煽る仕様も相まって、Sランク帯がリーグジェムバトルを続ける際の大きな壁となりがち。 スキル間のバランス アクティブスキルのうち使いやすいものは一部。攻撃スキルは発生が早かったり、巻き込みが狙えるもの以外は趣味での運用になってしまいがちで、あまりバランスが良いとは言えない。 + 改善された問題点 ネジの入手経路が少ない 当初の段階だとプレーしてもネジが入手できず、使う装備のみを残し他の武装は売ることを強いられていた。 度重なるアップデートによりネジの入手経路・プレー辺りの獲得量が大きく増え、この点は改善された。 マスクステータスの多さ 当初はジェム回収エリアの展開速度やスキルのチャージ量、ダッシュの速度など、重要な情報がことごとくマスクステータスに設定されていた。 現在はマスクステータスを閲覧可能になり改善されている。 神姫ハウスの制限時間がやや短い 先述のようにアセンブル画面が全体的に分かりにくいにもかかわらず、神姫ハウスの制限時間は3分30秒。そこから読み込み時間等でさらに5~10秒ほど減る。 神姫一人を事前に決めた武装通りにカスタマイズする分には余裕があるが、チーム全体の編成を一から整えるには明らかに時間が足りなかった。 アップデートにより、制限時間が5分→7分と伸びた。 シーズン2での主な仕様変更点 更にシーズン2稼動開始以後、上記のシステムのいくつかが改定された。 メイン画面メニューに「神姫ショップ」が登場 従来の神姫ガチャに加え、武装やオートモードのAIチップも購入する事が出来るようになった。 これに伴い、「チュートリアル時の神姫プレゼント」「プレイ後の神姫ガチャ」「ジェムバトル中のコンテナ出現」などが廃止されている。 「レクリエーション」の新設 従前からある「お散歩」と、新たに「ダンスパフォーマンス」が追加された。 + ダンスパフォーマンス プレイ時に読み込まれている神姫3体がダンスを踊る。プリセットのみでは背景がホワイトバックだけ、曲も1曲だけだが、ゲーム中の条件解禁やe-amusementによる有料コンテンツの購入で増やす事が出来る。 制限時間はハウスと共通。 AUTOのカスタマイズ制向上、AIタッグバトルの実装 アイテム「AIチップ」が実装。より詳細に神姫の行動傾向を調整できるようになった。 ゲームモードに「AIタッグバトル」が追加。全神姫AUTOで2対2の対戦を行う、『バトロン』に近いモードである。 味方・敵ともに、既存プレイヤーのデータ(いわゆるゴースト)である。 各チームがゲージを7つ持ってスタート。神姫が撃破されるごとにそのレアリティに応じてゲージが減り、0となった方が敗北になる。 ターゲット指定・スキル含めこちらは一切干渉できない。 エモーション関連の見直し 神姫を直接タップする方式が廃され、バトル中右下画面のメッセージ欄に統一された。 同欄のスクロールボタンをタップすればエモーションのメニューが現れるが、バトル中ではやや操作しづらい。 カードコネクト連動関係の見直し 神姫ガチャの時点で視覚的に胸サイズが分かりやすくなり、レアリティと個体値も分かるようになった(但し、武装コスト+10個体については、実際に呼び出されてみないと分からない)。 また、100体までならカード化しなくても親密度レベルを上げられるようになった。 これについては本作とカードコネクトのインカムが別扱いであるため「神姫カードやプロフカードを大量に刷ったところで、それはあくまでもカードコネクトのインカムであって、本作のインカム扱いではなかった」というとんでもない問題が発覚している。 ひいてはこれが後述『チェイスチェイスジョーカーズ』の稼動開始と共に本作が大規模コンバート減台を喰らってしまった大要因のひとつである、という指摘も。 余談 立体物との連携 『バトコン』のリリース時にはコナミ内製のフィギュア版武装神姫は既に展開終了しており、新品が流通している武装神姫の立体物は『メガミデバイス』コラボ商品のエーデルワイスのみ(*23)。企画中の商品もかなり長い間続報のない『メガミデバイス』コラボの無印アーンヴァルとストラーフのみだった。なお、『メガミデバイス』コラボで販売された商品は、いずれもフィギュアではなくプラモデルでの販売となっている。 その後紆余曲折を経て、コラボ版の無印アーンヴァルは無事2022年11月25日に、同じく無印ストラーフは2023年5月25日に発売となった。 ちなみにこの時点で、 初報から既に7年以上の年月が経っている。 遅過ぎた復活 「武装神姫」コンテンツは本作の発表~稼動開始まで久しく展開が停止していた事で知られるが、その期間は前作バトマスMk.2(およびテレビアニメ「武装神姫」)からでも、なんと 8年 。 所謂「武装紳士」達からは基本的に歓迎された本作だったが、この空白期間の間にゲームでは「アリス・ギア・アイギス」など、立体では(フィギュアではなくプラモデルだが)「フレームアームズ・ガール」や「メガミデバイス」など、 同種の後発コンテンツがすっかり出揃ってしまった後 で、かつての神姫ファン層の殆どはそちらに流れてしまった後であり、継続してプレーするファンは少なかった。 一方「メガミデバイス」等経由でこちらを始めたプレーヤーもある程度見受けられる。 また、ご覧の通り 本作の稼動開始はいわゆる「コロナ禍」のさなか であり、その影響もあって次々とゲーセンが閉店に追いやられていった時節でもあったため、つくづく間の悪いゲームであったと指摘せざるを得ない。 筐体数の推移 本作は『ボンバーガール』と同様に初期の稼働店舗数が非常に少なく、またあちらと比べると増台・新規導入されることも少なかった。 鳥取県にはそもそも1台も導入されなかったほか、徳島では稼働途中から設置店舗がなくなった。 一方で集まる所には多数集まっているようで、20台稼働しているゲームセンターも確認されていた。 しかし、2022年12月21日。本作の筐体をコンバート転用した新作『チェイスチェイスジョーカーズ』の稼動を境に、前述の2県に加え青森・秋田・福井・香川・宮崎にて設置店舗が消滅してしまった他、残った都道府県でもその設置数は大幅に減少してしまった。本作のサービスは未だ終了していないにもかかわらず、である。 これによる影響が出ているのが、2022年11月1日から2023年1月11日まで開催のBEMANIシリーズ 多機種連動イベント「いちかのごちゃまぜMix UP!」。本イベントは本作がブースト対象機種となっているのだが、『CCJ』にコンバートされた筐体は当然イベント対象外となるため、得られるブーストが減ってしまうことになる。よりによって翌12月22日よりブースト3倍キャンペーンが始まり、本機種分は+10%→30%に上昇しているのだが、今からでは本作のまま残存している設置店舗を探すのが難しくなるという憂き目を見ている。 とはいえ年が明けた2023年1月に、シーズン2と称して大規模アップデートを告知しており、筐体数は減れどもうしばらくはサービスを継続すると思われる。 他媒体での『武装神姫』の展開 立体については前述した通りだがコナミ内製の当時品も(造形レベルが高くなった後期の品を中心に)まだまだ根強い人気があり、特に後述するアニメ版にレギュラー出演した神姫たちなどは、今なお中古市場にてプレ値で取引されているほど。 本作からは大幅に遡るが、前述したようにテレビアニメ版『武装神姫』が2012年10月から12月にかけて全12話(円盤収録エピソードを含めれば全13話)放映されていた。 このアニメ作品での神姫達のキャラ付けは、本作に登場する神姫達の一部にも概ね引き継がれている他、過去には同アニメ登場のレギュラー神姫達が着用していた水着が、本作の期間限定武装として実装された事がある。 また、2017年にアニメ化された「フレームアームズ・ガール」にも多大な影響を及ぼしている。 更に、2023/9/12にパチスロ版『武装神姫』のリリースが発表された。 使用される3Dモデル・主題歌共に本作とは異なる模様。また、2023年9月現在時点で本作にまだ実装されていない神姫の登場も判明している。 その後2024/1/9に稼働開始。だが設置台数は『バトコン』同様少なく、いわゆるイロモノとして扱われてしまっている。 2023/9/29にはコナミオンラインプライズゲームにて、本作のキービジュアル及び描き下ろしイラストを流用した神姫のアクリルスタンドが順次リリースされた。 2024/1/12から2024/1/22まで、ユーザーに向けてゲームプレイ環境及び『武装神姫』関連ゲームについてのアンケートが実施された。 フォーマットの都合上『バトロン』『ジオラマスタジオ』『BATTLE COMMUNICATION』を「現在でもプレイしている」という選択肢があることから、一部のマスターに当時のことをネタにされた。 総評 『武装神姫』の新作ゲームとしてリリースされた本作は、キャラゲー・ファンアイテムとして見ると、過去作のプレーヤー向けの小ネタが仕込まれており、特に古参ファンに対して懐かしさを感じさせる作品となっている。 神姫たちのモデリングもフィギュア版をベースとしつつも現代的になるよう手が入れられており、動いているだけで見とれてしまうほど。 豊富な武装で様々なコーデを実現できるのも相まって、気軽にレイドバトルやお散歩で神姫を愛でたり、写真を取って眺めたりするだけでも十ニ分に楽しめる。 一方対人アクションゲームとして見ると、戦術や武装研究の重要性において『バトロン』の、アクションのわかり易さにおいて『バトマス』の遺伝子を継いでいる作品といえる。 しかし、対人における覚えることが非常に多い点、神姫・武装入手のための追加課金が必要な点など、それら二つのハードルを高める要素も受け継いでしまっている。 だが自分なりの勝ち方を考えた上で、相手の戦略・戦術を踏み越え勝ちをもぎ取る楽しみは、ハマる人はとことんハマる。 総じてキャラゲーとしての可愛さと、奥深い対戦ゲームの要素を兼ね備えたゲームと言えるだろう。
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戦うことを忘れた武装神姫 その32 <<その31から。。。<< 久遠の前で、神姫サイズの椅子に腰掛けて向かい合うあずさとリゼ。 「・・・私の型番は型式無しの『Type-91』。 武装タイプとクラリネットタイプの合いの子、とでも言ったところでしょうか。」 「え、き、91型?!」 リゼの目が驚きで丸くなった。 「あら、ご存知でしたか。」 「ヌシさんから聞いた事があるんです。 はっ! もしかして・・・あずささんが、ヌシさんが話していた・・・」 「そういうこと。 今日、お前だけを連れてきたのも、あずささんに会わせるためだったんだよ。」 手元のチェイサー(水のこと)を含んだ久遠が口を挟んだ。 「すみませんね、あずささん。 ちょいとリゼの反応を見てみたかったというのもあって。 リゼも予想通りの反応で安心しましたよ。」 久遠の言葉にちょっぴりむくれるリゼ。 「そう怒るなって。 いま美味しいバーボン分けてやるから。」 「本当?」 ぱっと明るい表情になるリゼに、 「予想通り・・・ですか・・・。 リゼさんは本当に神姫らしい神姫ですよ。」 クスクスと楽しそうに笑うあずさ。 「あ。そうすると。」 ふと手を叩いたリゼはちょっと考えるしぐさを見せ、 「そうすると、あずささんはあたしの叔母さんにあたるんだよね? ヌシさん。」 と久遠に声をかけた。 ぴくり。 小さなピアスが付いたあずさの耳が動いた。 右の目じりがちょっと引きつっている。 それに気づいた久遠が止めるまもなく、リゼは言ってしまった。 「だって91型だと、あたしよりずっと歳増でしょ?」 カッ!!と、あずさの目が開かれた次の瞬間。 どばしゃっ 久遠の手元にあったチェイサーが、リゼにぶかっけられていた。 呆然として椅子に腰かけるヌレヌレのリゼ。 「失礼な! 起動したのは貴女よりもあとなんですよっ!!」 水音を聞きつけて慌てて戻ってきたマスターは一目でその状況を理解し、あずさの頭を小突いた。 「こら。 お客様になんてことをするんですか。 申し訳ありません、リゼさん。」 「あ、いえ。自分も悪いんです。 そのへんのことをしっかり伝えておかなかっ・・・」 言いかけた久遠をさえぎり、マスターはあずさを手に乗せて顔の前へと持ち上げた。 「あずさ。ここではどのように振舞うか、そして何故そうしなければいけないか。教えたはずですよ。」 シュンとなって黙って頷くあずさは、マスターの手のひらからカウンターの上に移ると深々と頭下げた。 「大変申し訳ありませんでした。ついカッとなってしまって。。。」 ヌレヌレになったリゼをやさしく拭くあずさ。リゼはどう反応してよいのか全く解らず、あずさに身を任せたまま久遠を見ていた。 「すみません、こいつもまだまだ修行が足りないもんで。」 久遠はちょいとリゼを突付く。意図を解したリゼも頭を下げた。 「このような形でのお詫びというのも何なのですけれど・・・ひとつはリゼさんに。」 と、マスターは奥から出したものとは別のボトルを傾け、グラスを二つ久遠の前へ差し出した。 一通り拭き終わったあずさは久遠にも頭を下げると、ひとまわり小さいグラスを手にリゼの前へ。 「どうぞ、リゼさん。」 半ば困惑の面持ちのリゼに、久遠は黙って小さく頷いた。 「いただきます・・・ !!!」 一口含んだだけで、リゼの表情が・・・緊張が解け、再びいつものリゼの顔に戻った。 「すごい・・・口当たりがいいのに、いつまでも響く感じ・・・きれいな味・・・。」 ホッと小さく息をつき、うっとりとした眼差しでグラスを見つめるリゼに、あずさもまたほっと胸をなでおろしていた。 続いて久遠もグラスを傾けた。 表情を伺うかのごとく、マスターが声をかけた。 「ハイランドの25年です。いかがですか?」 「ま、マスター、こんないいものを・・・」 「どうぞ御気になさらずに。」 「違うんです。これだけの味を覚えさせてしまうと、リゼの舌がどんどん贅沢になっちゃってウチが困るんです。」 眉間にしわを寄せて見つめる久遠に、あえて知らん顔のリゼ。二人の様子にマスターもあずさも、思わず笑みがこぼれていた。 それからどれだけの時間が過ぎたのだろうか。リゼとあずさの会話は終わる気配もなく、実に楽しそうに続いている。流れるジャスのリズムに合わせて指が動いているところをみると、おそらく歌談義なのだろう。。。 穏やかな面持ちでふたりを眺める久遠。 ふと、リズムの中に混じるカタカタという木の部品が作動する音に気づいた。 マスター、また新しい骨董品を・・・。半ば呆れるような面持ちで見上げるは、壁にかけられたからくり時計。 時報に合わせ、半円になった部分で小さな列車が走っていた。 リゼも気づいてあずさに訊いている。 聞き耳を立てる久遠、どやらねじ巻きはあずさの仕事・・・ぜんまい仕掛けか。 なんと贅沢な時を刻む道具なんだろう。 琥珀色の液体が入ったグラスに口をつけ、久遠はしみじみと噛みしめる。 ・・・リゼとこんなにも贅沢な時を過ごすのは、初めてかもしれない- 。 と、マスターがグラスを拭きながら思い出したかのように話しかけてきた。 「久遠さんは、神姫に年齢という概念はあると思いますか?」 声をかけられ、時計から視線をリゼたちに戻した久遠。 言われてみれば、今まで神姫たちの年齢なんて・・・ 「考えたこともないですね。」 「久遠さんのことですから、きっとそう答えると思いましたよ。」 マスターは安心したようにほっと息をつくと、グラスを置いてさらに続けた。 「あずさを起動させてから、私も神姫に対してずいぶんと考えが変わってね。 僕はね、神姫たちにヒトと同じような年齢という概念はないと思うんだ。」 マスターの言葉に、グラスを持ったまま考え込む久遠の袖をリゼが引っ張っていた。 「ヌシさんヌシさん、あずささんから歌を教わったんだ。」 向こうではあずさがマスターに一言二言、マスターは小さく頷いてCDを入れ替えた。 リゼは久遠にちょっと悪戯っ子の視線を投げると、リゼはあずさに目配せ。 CDの演奏が始まり- 、神姫のデュエットが静かな店内に響き渡る。 -Cradle of Time。 確か、そんな曲名だった気がする- 。歌声に魅了されながら久遠は思い出していた。 最後のソロ部分を、リゼが力いっぱいに歌い上げ- 。一礼をするあずさとリゼに、久遠もマスターも拍手を送る。 「・・・この歌の通り。それぞれが、それぞれの早さの『時』を刻んでいるんだろうな、とね。 だけどね。」 歌い上げたあずさを自らの肩に乗せたマスターは、 「そんな神姫たちと、君たち - いや僕たちの『時』が重なるような、そんな場所があってもいいだろ?」 と、あずさと合わせるかのごとく、久遠と彼の手元で甘えるリゼに微笑みかけた。 穏やかな時間(とき)の流れを紡ぐ神姫がいる。 ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 >>帰り道。。。 (その32.5へ)>> <<トップ へ戻る<<
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MMS戦記 各種設定用語集 その1 MMS戦記に登場する各種世界観の設定や用語を紹介します。 非公式バトルロンド 神姫センターやゲームセンター以外で行われる非公式のバトルロンドのこと。 違法性の強い、危険なバトルロンドや犯罪行為に相当する非公式のバトルロンドのことを一般的に指す。 これらのバトルロンドは取り締まられることもあるが、警察内部の腐敗もありそれほど熱心には取り締まられていない。特に西日本は大手MMS企業が半ば公然と非公式会場まで用意して開催しており、非常に強い勢力を誇っている。 MMSは、社会に多大な影響をもたらしたが、そういったMMSは2030年代後半にはかなりの数が普及し、全国に相当数の神姫センターが作られるようになった。だが公式の一般的で健全なスポーツ大会などの大衆娯楽に飽きてしまったマスターや神姫が多いことも手伝って、瞬く間に地下の非合法の間に浸透していった。 非公式地下バトルロンドの会場には様々だが、以下のようなものがある。 廃墟となった大型建築物 倉庫、ホテル、ビル、学校、工場、炭鉱 等 上記のような廃棄された建築物で即席に行なわれることもあるが、こういった所で行なわれる非公式バトルははっきり言ってしまうと、「粗末」に尽きる。 設備も整っていない、衛生上好ましくない、立地的に不便などの理由で開催されるのは地元のはぐれ神姫オーナーやMMS暴走族など、金銭面であまり優れてない低所得のオーナーが集まることが多い。したがってバトルも神姫も低レベルなことが多い。粗悪なイリーガル神姫や低レベルな違法カスタマイズされた神姫などが幅を利かせている。 暴力団、マフィアが管理する非公式会場 繁華街地下、ラブホテル、神社、寺、裏バトルロンドセンター、貨物船改造裏センター 等 暴力団やマフィアなどの裏組織が運営する、ある程度の設備が整った非公式会場。そこそこの規模で正規の神姫センターとさほど大差ない、また立地的にも優れている所が多く、金銭的にもお手ごろではある。また暴力団の用心棒などが目を光らせており安心して違法な非公式バトルロンドを楽しむことが出来る。金銭面に普通のオーナーが集まることが多い、神姫のレベルやバトルも標準レベル。イリーガル神姫はたまに見るくらいでほとんどはそこそこ名のあるランカーMMSや公式大会に出た強神姫などが多い。 企業、富裕層、特権階級が管理する非公式会場 高級ホテル、リゾート地、無人島、大型豪華客船、小規模都市 いわゆるお金持ちご用達の非公式会場の中でも最高級の会場である。 有り余る資材と金銭をかけて贅沢に作られた会場で、設備は完璧で中には宿泊施設まで備わっており十二分に神姫バトルを楽しむことが出来る。ただ参加するだけでもかなりの金銭が必要で、バトルの賭け金も他の非公式会場とは比べ物にならないほど高額である。中には豪華客船を丸々バトルロンド会場に仕立てたあげた移動式神姫センターともいうべき豪華客船が外国船名義で何十隻も存在するとも言われている。 参加する神姫は二つ名持ちのSSS級、SS級、S級はざらで、中にはMMS企業が開発したカスタム強化したMMSや新型MMS、試作神姫など強力無比な神姫が多い。 リアルデスバトル 実弾入りの重火器を用いて戦う、文字通りのリアルファイト。参加する神姫のギャラも、賭けの配当が高いが、MMSを破壊するだけでなく、CSCを完全破壊することも厭わない殺し合いである。 一応、観客保護用のバリケードも出てくるものの、流れ弾に当たって観客が殺傷するケースも多い。しかし、そんな危険と隣り合わせの緊張感でさえも観客に興奮と刺激を与えるものとなり、実戦での緊張感が伝わってくるといわれる。 基本的に1対1で戦うルールだが、場合によってはハンディキャップマッチも組まれることがあり、大規模バトルロンドでは強ランカーMMS1体 対 通常MMS100体 という超変則マッチが組まれるようなハンディキャップマッチが行われることも多々ある。 他にも泥レスに近いダートバトルに、複数神姫のチームによるバトルロイヤルなどいろいろなものがある。また、この手の非公式バトルロンドではよくある観客や審判の目を盗んでの反則行為や、八百長によるイカサマも後を絶たない。 このような非公式の地下バトルロンドはMMS企業が開発したカスタム強化したMMSや新型MMS、イリーガル神姫の実験場としても用いられた。 マッチメイカー 参加するMMSのオーナーは出身も様々だが、大半は公式の神姫センターやバトルからあぶれた荒くれ者であるケースが多い。そういった人材を発掘し、自分の専属選手にするのが各地の街に属するマッチメーカーである。マッチメーカーは強力な神姫の発掘と育成、試合交渉や取組の決定なども行うが、闇のMMS商人出身者も多く、また、人を簡単に騙すというイメージもあるので、一般的にイメージはあまり良くない。勿論、人間が出来ているマッチメーカーもいるが、タチの悪いマッチメーカーは参加するマスターや神姫を食い物にした後に放置し、犯罪に巻きこまれてしまうケースも多い。 賭け試合 非公式バトルに参加するオーナーは、戦いの緊張度を高めるために「賭け」を行うことが基本ルールとなっている。 賭けるものはなんでも構わない。 過去に賭けに出された物の一覧 金、証券、貴金属、土地、ビル、臓器、美術品類、自動車、漁船、事務機器類、牛、書籍、女、工場、銃火器、武装神姫、会社、ミイラ、人口衛星、島、名簿帳、同人誌、恐竜の化石、旧式潜水艦、などなど 多いのは「金」「高価な武装神姫のパーツ」等など、多種多様だが、若い女性が金銭目的で大金を賭けて、自分には金がない場合は、体を差し出す場合がある。無論そのような勝負に敗北することが、それがどういう意味かは、わざわざ語るべくもない。 そのような危険な賭け試合であるが、手軽に大金を入手することができるので、若者や青少年に人気が高く、社会問題にもなっている。特に未成年の女性が勝負に負けて暴行を受けてしまう事件が後を絶たない。 関西の神姫と関東の神姫の相違点 一般的に大阪の神姫と東京の神姫は色々な点で異なる点がある。 その1 周波数 まず、大きな点として神姫が使う周波数が違う。 冷蔵庫や洗濯機など家電製品を使用する場合,関東では50ヘルツ,関西では60ヘルツと電力の周波数が違う。これは,日本で初めて発電が始まったときの経緯による。明治29年,東京電灯(東京電力の前身)はドイツのAEG社から50ヘルツの発電機を購入したが,その翌年,大阪電灯(関西電力の前身)はアメリカのGE社から60ヘルツの発電機を購入して操業を始めた。以来100余年,新潟県の糸魚川から静岡県の富士川を結ぶラインを境として,50ヘルツと60ヘルツの地域に分かれてしまった。その後,周波数を統一する動きは何度かあったが,そうするとどちらかの地方の電気製品は使えなくなってしまう。。第二次世界大戦直後、復興にあわせて商用電源周波数を統一するという構想があったが、復興が急速に進んだことで実現がほぼ不可能になってしまったとされる。2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0を記録する東北地方太平洋沖地震と津波が発生し、日本各地に甚大な被害がもたらされたときにも周波数の違いで関西と関東で電力を共有か出来ない事態が発生したことがあるにもかからわず、21世紀から四半世紀たった現在も統一は多難で、この問題は後のMMSたちにも非常に大きな影響を与えてしまった。 周波数を統一するには一方あるいは両方の地域の発電機を総て交換しなければならない(あるいは応急処置的に発電する段階で周波数を変換する設備を組み込み、それを通す)うえ、周波数を変更する際に停電が伴ったり、さらに周波数に依存する機器(後述)を交換するかそれに対策を施す必要があるため現実的には殆ど不可能に近い。 さて、武装神姫であるが、主に関西の神姫は標準周波数60Hzの武装パーツを使用し、関東の神姫は標準周波数50Hzの武装パーツを使用する。 ここで大きな問題となるのは、関西の神姫と関東の神姫は武装パーツの交換が出来ないということである。 一般に電化製品には電源周波数を指定して設計・製造されているものがある。神姫も同じで、周波数の異なる地域で利用する際には部品交換や改修が必要となる。また、改修に対応できず、買い換えを余儀なくされることもある(神姫によっては改修するより新規購入の方が安価である場合も考えられる) だが例外もあり、大型の武装神姫「戦艦型MMS」「航空母艦型MMS」などの通常の神姫の数倍の大きさの神姫には、高効率化・低消費電力化などを目的にインバータを用いて製品内部で周波数変換しているものも多くある。これらは一般に電源周波数に関係なく使用できる(いわゆる「ヘルツフリー」と呼ばれる。) このため、神姫オーナーが引越し(例えば東京から大阪)の際には、利用している神姫の表示(銘板)や取扱説明書で対応周波数を確認し、引越し後にそのまま利用できるか、あるいは改修が必要か確認することが重要である。大型MMSには「50/60Hz」と記載されていれば、そのままかあるいはMMSのハードで周波数で切り替えることで、どちらの周波数でも利用できる。 電動機を搭載した武装の場合、50Hz・200V、60Hz 200/220Vという表記をしたものが一般的であるが、極まれに60Hz200V時に起動不良問題が起こる。 これはコイルのインピーダンスが周波数に反比例し入力電流が減少し起動トルクが低下するためである。電源電圧を220Vに近くする、プーリーやギヤ比を換える、あるいは60Hz用に設計した機器を使うなどの配慮が必要である。 こういった点があるため、関西と関東では同じ神姫であっても武装の共有化が出来ないので、文化的、種類的にもまったく別系統の進化が起きてしまっている。 その2 文化 これは良く言われている事ですが、関東では右側が追越車線、関西では左側が追越車線です。 重い武装などを持っている神姫を追い越す場合などは、大抵の場合、武器は右手に持つ人が多いので、関西の方が追い越すのに武器にぶつかる事が少なく合理的な様な気もするが・・・ただ、広島や九州は関東と同じで右側が追越車線です。道路のルールに習うならば、右側が追越車線? そのため、戦場で乱戦状態になるとこの追い越しの車線の変更でまとめておかないと大きな事故になったりぶつかったり洒落にならない事態になることが起きる。 細かいことだが、けっこう重要だったりする。 マ*ドナルドの呼び方関東ではマック 関西ではマクドです。 ヨメ vs かみさん関西の皆様は自分の愛神姫を『うちのヨメ』とおっしゃいます。関東では、『うちのかみさん』と呼ぶことが多い様です。 ただ、ネットで「~は俺の嫁」というフレーズが流行ったため『うちのヨメ』といういい方が圧倒的に多くなってきている。 言語の違い 言い出すときりが無いが、関東と関西では言葉の違いが激しいため、神姫同士での意思疎通が出来ない場合が発生する。 そのため大阪にいる神姫と東京にいる神姫は、文化的(ソフト)にも武装的(ハード)にも相容れないので、お互いがお互いを嫌ったり差別したりするといった問題が発生している。 性質の違う神姫が突然出会えばお互いに警戒・威嚇をするのは当然といえば当然のこと。 ほとんどの神姫は元々集団で生活して縄張り意識が強い。普段、関西にいる神姫と関東で暮らす神姫は縄張りが重なることはほとんど無いが、マスターが神姫を連れて関東の神姫センターに出かけるとそこの神姫の縄張りに入ることになる。そこで関西の神姫と関東の神姫は激しく反発するという単純な理由。 本当は仲が悪いからケンカをするのではなく、知らない相手だからケンカをする。だから関西の神姫と関東の神姫が小さい頃から一緒に育てると特に警戒心を持たず、仲良く遊ぶことも多い。 関西と関東で神姫の性質や性格、モノの考え方や文化面があまりにも違うので、マスターたちは戸惑うことが多いようだ。武装や戦術もここ数年で大きく変化してきている傾向が見られる。 ちなみに、バトルロンドで関西の神姫と関東の神姫が戦うと、問答無用の凄惨な戦いが発生することがしばしばあるので、注意が必要である。 トップページに戻る
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ぶそしき! これから!? 武装パーツ紹介 バトルロンドやバトルマスターズなどには記載のない武装パーツの説明です。 ぶそしき! では神姫の銃器は基本的に実際には弾が出ません。全てゲーム上の演出(エフェクト)です。 ゲーム上での機能を発揮するために、神姫の武装にはデータチップが付けられています。バトルを始める前に、筐体が武装のデーターを読み込んで設定された機能を発揮させます。 データチップがなくても、実際に弾を撃てる機構があれば、ゲーム上でも弾を撃てます。 <1話> ■赤いマフラー マスターが作ってくれたお手製のマフラー。 データチップなどなく特殊な材質でもない、有り合わせの物で作られたマフラーである。 しかしヒイロにとっては、とても大切なものだ。 <2話> ■クロースアーマー(成行製) チャオに壊れた武装の代わりに渡された武装。 マスターが拙いながらも頑張って作ってくれたフェルト製のアーマーである。 見た目はアレだが、一応打撃には多少の防護効果がある。 ■プラモマシンガン(鈍器) マスターの手持ちのプラモから剥ぎ取ったもの。 データチップなど付けられていないため、銃の形をした鈍器である。 ■プラモアクス マスターの手持ちのプラモから剥ぎ取ったもの。 取り回しはともかく、攻撃範囲と威力に欠ける。 ■プラモバズーカ マスターの手持ちのプラモから剥ぎ取ったもの。 当然データチップなぞ付けられていない。 元からバネ仕掛けでセットした弾を発射できる機構があるため、神姫バトルでも一応弾は発射できる。 ただ威力も弾速も射程もお察しのものである。 トップページ
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武装神姫BATTLE RONDO 【ぶそうしんきばとるろんど】 ジャンル 育成シミュレーション 対応機種 Windows XP(SP3)/Vista(オンライン専用) 発売・運営・開発元 コナミデジタルエンタテインメント サービス期間 2007年4月23日~2011年10月31日 プレー料金 基本無料+アイテム課金方式 判定 なし ポイント オンラインゲーム屈指の高難易度? 武装神姫シリーズBATTLE RONDO / バトルマスターズ / バトルマスターズ Mk.2 / バトルコンダクター 概要 システム セットアップ カスタマイズ トレーニング 戦闘 AI育成 アチーブメント 好感度 戦闘制限 課金体系について 運営 評価点 問題点 総評 余談 概要 フィギュア・ゲーム・漫画等、様々な物と連動した武装神姫プロジェクトの一つ。通称バトロン。 武装神姫はAIを搭載した全長15cm程度の少女玩具である。戦闘ゲームを主目的とし、ゲームセンターの特殊な筐体で神姫同士で戦わせるゲームが流行している世界観を持つ。 媒体によって多少時代設定等が異なる。武装神姫プロジェクト全体が、意図的に詳細な設定をはぐらかしており、割と権利問題には口うるさいKONAMIにしては、かなり寛大な処置をとっているのも特徴。スクリーンショットの扱いについても「プレーヤー及び神姫名を伏せる程度の加工にとどめて欲しい」と言っており(その程度の配慮をしてくれれば、あとは自由に扱って良いということ)、過去の失敗とは大きく異なる。 神姫達は設定上、起動の際に使用した宝石(CSC)や、周囲の環境といった要因が性格形成に影響を与える事になっているのだが、今作でプレーヤーが入手する神姫は特にそういった影響のないスタンダードな性格に設定されている。 その一方、システム面では相当な差異が生じており、極まるとまさにプレーヤー毎に異なった性格が形成されていく。(後述) プレー料金は基本無料のアイテム課金方式(詳しくは後述)。また市販の武装神姫フィギュアにはアクセスコードが付属しており、フィギュアを購入するとそのタイプの神姫素体・コア・武装をこのゲームの中でも入手できるという仕組みになっている。 また、手に入れた神姫・アイテムは『武装神姫ジオラマスタジオ』と共有している。 システム セットアップ プレーヤーは最初に神姫をセットアップ(起動)させる。無課金・アクセスコード未入力でも、オンライン専用神姫である「忍者型フブキ」が最初から使用可能である(後に要望に応えてフィギュア化された)。 このときコアと呼ばれる頭部、素体と呼ばれるボディーを選択し、その組み合わせにCSC(Core Setup Chip)と呼ばれる宝石を三つ埋め込む。 コアは61種類(性能差でのみ計算、外見の差は同一とする)、素体は68種類、CSCは20種類。この時点で単純計算33184000種類の神姫が存在する事になる。 コアは頭部パーツなので性格(いわゆる〇〇型)や戦い方の好み、得意武器に影響する。 素体は初期Lp/Sp、重装や水中性能といった基礎性能のほか、各ステータスのレベルアップ時の上昇率に影響する。同じ回避レベルでも、回避◎と回避×の素体では実際に回避率に大きな差が出てくる。 CSCはステータスの上昇率を補正するものや、重装や水中性能を上昇させるもの、全ステータスの上昇率を下げる代わりに上限レベルを大きく引き上げるものなどが存在する。 その後、神姫に名前をつけ、プレーヤーへの呼びかけ方を選択(初期3、条件次第で2種追加される)したらセットアップ完了。 カスタマイズ プレーヤーは神姫に武装を装備させる事ができる。これをカスタマイズと呼ぶ。 武装はノーマル武装と通常武装に分かれている。ノーマル武装はいわば部屋着。戦闘時以外の通常画面では、ノーマル武装を施した神姫が登場する。 通常武装は4つ用意されており、異なった方針の武装を用意する事ができる。 クラス(後述)に応じて総武装数と重量制限が設定されており、低クラスのうちはあまり重装備をする事はできない。 武装は殆ど装着箇所が決まっている。 例えば、手首につける巨大な盾には打撃属性攻撃をダメージ半減、投擲属性攻撃をダメージ半減といった優秀な性能のものがあるが、当然手首は二つしかないので、この二つをつけると手首に装着するタイプの魔法属性半減盾や、防御能力を大幅に上昇させる盾等は装着できなくなる。 武装にはそれぞれ適切な射程(間合い)が設定されている。 プレーヤーは、複数の武装の使用優先順位を設定できる。神姫は高い優先度の武装に適した間合いに移動しようとする性質を持つため、武装と優先度を設定することで、おおまかな戦い方を方向づけることができる。 例えば接近戦用の刀剣を優先度高に設定すると、常に相手に接近する動きをとる。逆に遠距離用の銃器を優先度高に設定すると距離を離そうとする。 武装にはそれぞれ属性が設定されており、同一属性の物をそろえるとコーディネートと呼ばれる特殊効果が発揮される。 全コーディネートに「同属性武器の性能強化」という長所があるが、属性によっては強力な特典もある。他にも、コーディネートをそろえる事で特殊効果を発揮する武装もある。 逆に、異なる属性を三つ以上装備させるとディゾナンスという能力が発生し、全能力が低下してしまう。 一部武装は神姫のレベルやクラスが一定以上でないと装備できない。他にもコア専用武装もある。 神姫のコアには得意武器/不得意武器が設定されており、得意武器を使用すると性能が上昇、不得意武器ならば低下する。ただし、これはステータスで表示されるわけではない。 武装にはそれぞれ「重量」が設定されており、武装の総重量と素体に設定された「重装」能力によって戦闘能力に影響が出る。 トレーニング 神姫に攻撃・命中・回避・防御のいずれかの能力を上昇させるトレーニングを行う。 トレーニングには初級・中級・上級・特級とあり、それぞれ成功時のボーナスと減少するバッテリーが異なる。(後述) 一見手軽に強く出来る便利な方法だが、トレーニングではLp(他ゲームで言うところの最大HP)とSp(最大MP)が上昇しない。そのためトレーニングばかり行っていると、スキルも使えず打たれ弱い神姫になってしまう。 更に、トレーニングを行うと実戦感覚が鈍る「トレーニングボケ(トレボケ)」も発生する。トレボケを回復するには対人戦(後述するオフィシャルバトル)に参加する必要がある。 戦闘 本作のキモ。対CPU戦のミッションバトルというものも用意されているが、対人戦闘であるオフィシャルバトルが中心になる。 バトルの場合、経験値はオフィシャルバトルでしか上昇しない。トレーニングでステータス経験値は上昇するが、LpとSpは上昇しないため、戦術にかかわるスキル攻撃、耐久力にかかわるLpを確保するためにオフィシャルバトルは欠かせない。 神姫には階級が用意されており、最初は全員Cクラスから始まる。マッチングはクラス別に行われる。 Cクラス戦で10勝するとBクラスに昇格する。Bクラスに昇格できないままLv51になるとEXクラスとなる。 Bクラス戦で20勝(通算30勝)するとAクラスに昇格する。Aクラスに昇格できないままLv101になるとEXクラスとなる。 Aクラス戦で30勝(通算60勝)するとSクラスに昇格する。60勝する前に引き分けを除いた勝敗合計が100戦を超えるか、Sクラスに昇格できないままLv181になる(*1)とEXクラスとなる。 Sクラス以上の昇格は無いが、Sクラスのまま「通算100勝する」アチーブメント達成を目指すプレーヤーも多く、猛者揃いとなる。 EXクラスは上記の昇格条件を満たせなくなるか、プレーヤーの任意により移行可能な無差別級。EXクラスからC~Sクラスに戻ることは出来ない。60勝してSランクに昇格しても、100勝アチーブメント達成のため勝ちやすいEXクラスに手動で移行するプレーヤーも多かった。 ミッションバトルではAIの育成(後述)とアチーブメントの達成(後述)を行う事ができる。 オフィシャルの場合一定時間待機、ミッションの場合は即マッチングに移行する。 マッチング画面ではあらかじめ自分がカスタマイズした4つの武装から一つを選択して神姫を戦わせる事ができる。 その際、相手の4つの武装、相手の神姫の各ステータスレベル、過去10戦の選択武装番号、及び戦歴を見る事ができる。当然、相手からも見る事が出来る。 バトルロンド最大の魅力にして難しい部分「読み」がここで要求される。 プレーヤーは神姫のバトルに干渉することはできない。カスタマイズで武装を構築する事と、ここで武装を選択する事、大雑把な戦闘指示をあらかじめ出すくらいで、後は神姫任せのAI戦。これは当然相手も同条件なので、相手の武装構築や戦歴から判断し、相手が使用する武装を予測し、それに対処する武装を選択する事が勝利の鍵となる。やりこんだプレーヤーは「相手の過去戦歴と武装から相手の性格を予測する」「相手の素体やコアやステータスから戦術を予測する」「それらの結果から相手が自分の武装を見てどう思うかを予測する」のだと言う。 AI戦闘の特性上、両者がブリーフィングを終えた時点で試合結果はサーバー内部的には確定している。そのため戦闘中にネットワーク切断しても勝利没収となることは無い。ブリーフィング中に切断した場合は武装セット1番が選択されるため、事故に備えて万能向け武装を1番に設定するプレーヤーが多かった。 戦歴に影響せず、NPC化したどこかの誰かの神姫と対戦できるシミュレーションもある。 AI育成 神姫バトルは基本的に神姫任せのAI戦である。神姫の大まかな性格はコアによって決められているが、一部特徴はプレーヤーが教育する事ができる。AI育成はミッションバトルでも可能。 距離適正。攻撃距離に応じて近距離・中距離・遠距離の三段階に分かれており、距離適正が高ければ「得意距離」ということになり攻撃・命中・回避が上昇する。逆に低ければ「苦手距離」ということになり低下する。 神姫に複数種の武器を持たせた場合、何の武器を重点的に使えばいいか等が記憶される。 戦闘終了後、バトルログ画面の後に神姫が戦闘の感想を求めてくる。 大きく分けて褒める/無難/叱る/謝るの四つがあり、褒めればそのバトルで最も多くとった行動に重点を置くようになり、少なく取った行動を軽視するようになる。叱ればその逆、無難/謝るの場合は変化なし。 アチーブメント 一部のミッションをクリアする等、一定の条件を達成するとアチーブメントというものが達成される。 アチーブメントが達成されると設定されたアイテム等をもらう事ができる。 アチーブメント専用武装や、新しいCSC。一定条件で使用できる戦闘BGMや、神姫のプレーヤーの呼び方もアチーブメント達成で増やす事ができる。 全神姫コアには共通して「50勝する」「100勝する」「Sランクに到達する」「限界まで育てる」のアチーブメントが用意されている。 「100勝する」のアチーブメントはクラス昇格制限と違い、引き分け含めて200戦中100勝を要求される。 アチーブメント専用武装はガチ対戦で採用されうる高性能なものから見た目重視の装備、ネタ装備(*2)等様々。 もちろんこれらもジオラマスタジオで使えるので、そのためにアチーブメント達成を頑張るというプレーヤーも多かった。 好感度 セットアップした神姫毎には好感度という隠しステータスが設定されている(すぐに気づけるが)。 好感度は戦闘終了後の評価の他、突発的に発生する会話イベントで上下する。 戦闘制限 セットアップした神姫は200戦の戦闘制限があり、200戦を超えるとオフィシャルバトルができなくなる。 このような場合、好感度以外のAI、武装、戦歴が全て0に戻る「リストア」を行うのが一般的な選択である。Sランク到達に失敗しEXに落ちてしまった神姫と最初から戦う事ができる。 他に神姫を分解する「リセット」という選択肢もある。これは戦闘制限に達していなくても実行可能。 リセットは神姫にとって死を意味するので、神姫が考え直して欲しいと懇願してくる(コアと好感度によって異なる)。一部プレーヤーはこれでトラウマを作る事もあったとか。 課金体系について クライアントソフトは無料でダウンロード、プレー料金も基本無料。その上でアイテム課金制度を採用している。 新しく強力な神姫や武装を入手する手段として、先述のアクセスコード入力のほかに、神姫の素体・コア・武装を入手できるフルセットや、コアと武装を入手できる武装セットが購入可能。 他に課金専用アイテムも多々ある。強力なものもあれば、使い道に乏しいものもある。強力なものも「これを使うだけで勝てる」という性能はしていない。 プレミアムチケットというものもある。2日間/10日間/30日間の間、一切バッテリー消費が無く、かつ過去に行われたイベントをミッション形式で遊ぶ事ができる。 そして重要なのが「バッテリー」の概念。 神姫には最大10のバッテリー値が設定されており、ミッション及びオフィシャルバトルで2消費、トレーニングで1~3消費する。消費したバッテリーは神姫専用充電器「クレイドル」に眠らせる事で、1時間に1回復していく。 そして、一瞬でバッテリー値を最大まで回復する消費アイテム「急速バッテリー充電器」も販売されている。 このため、無課金では長時間連続でプレーし続けることが不可能であり、ある程度プレーしたら一定時間の休みを取らなくてはならない。この制限を取り払うためには課金が必要という仕組みである。 この形態のシステムは後年のソーシャルゲームなどでも多く見られるが、当時のPC用オンラインゲームでは比較的珍しいシステムであった。背景には加重アクセスを避けるサーバーダウン防止の効果もあったと思われる。 運営 怏々にしてオンラインゲームの運営者とは、ユーザーからの不平不満の標的にされやすい立場であるが、本作の運営はプレーヤーに非常に好感をもたれていた。 「メンテナンスが告知より10分遅れたから全プレーヤー24時間プレミアム」「即時復旧したけどサーバーダウンしたから全プレーヤー急速バッテリー充電器配布」といった具合に、運営側の不手際(些細な物も含めて)には謝罪と補填サービスがこまめに行われた。 他にも不具合を報告すると割とすぐに修正パッチが用意されたり、オープニングデモで流れていたちょっとカッコイイ戦闘モーションが要望によりスキルになって実装されたり、特に頼んでもいないのに待機中の神姫を撫でたり頬をつっついたり出来るようになった事も理由としてあげられる。 クライアントが動かない、急に落ちるといった致命的不具合が起きてもメールを送ればきちんと返信してくれた。こういった細かい対応も光る運営だったのだ。 評価点 プレーヤーの育成方針に合わせて性能を変化させていく神姫達。 対応が早く丁寧な運営はあらゆるオンラインゲームユーザーからうらやましがられるところ。 個性豊かかつ種類の多い神姫達。そしてそのかわいさ。 全神姫のキャラクター付けはしっかりとしており、人気のムラやプレーヤーの好みもあるが、全員がどこかしらのかわいらしさがある。 後にPSPで登場した『武装神姫バトルマスターズ』と比較するとイベントの数や反応、台詞も段違いに多い。 声優陣も豪華。第一弾神姫の一人にまだ新人だった頃の阿澄佳奈氏が充てられているほか、当時既に人気を得ていた釘宮理恵氏や植田佳奈氏といった有名声優も名を連ねている。 これに関連して、作中には一定条件を満たすと「違法改造を施され精神に異常をきたした神姫」というのが登場するが、これも通常状態の神姫と同じ声優が演じておりまったく違うイメージの2キャラクター分の声を聞ける。 演出過剰なほどの派手な必殺技の数々。 武装にはスキルが内蔵されており、それらの演出が非常に派手で個性的。そのモーションの種類は100をゆうに超え、一部のスキルにいたってはコアによってエフェクトが変化する。 複雑で奥深い戦略的駆け引きは、楽しめる人はとことん楽しめる。 他にも、オンライン専用アイテムはデザイン的に優れたものが多く模型組から評価が高く、BGMも丁寧に作られている。 過去に行われたイベントのシナリオの出来が良い。 プレミアムチケットで一人用に調整された過去のイベントを体験できる。過去のイベントにはそれぞれストーリーが設定されており、軍用技術の転用や、ややオカルトじみたボスが用意されているが、それまでの展開がなかなか熱い。 問題点 上記システム欄を読んでいると解ると思うが、今作はとにかく覚える事が多すぎる。 最終的に勝敗を分ける要素が、相手の武装を読む「心理術」自分の戦闘スタイルの「戦術」自分の神姫の能力やAIの特徴や自分及び相手武装の特徴である「知識」長所短所の能力差によって生じる「相性」命中回避に携わる「運」という、対戦ゲームにおける本源が深く関ってくる。 本来対戦ゲームというのは、テクニックや知識、戦術や運が要求されればされるほど歓迎されるものである。しかし、これが行き過ぎるとアイテム課金制との相性が悪くなる。「お金を投じたら投じた分だけ強くなれる」という単純な構図を望んでいたファンも多かったのだが、彼らのニーズとかけ離れたものになってしまったのである。 ボリュームが豊富すぎてインストール容量が7GBにも及ぶ。当時としてはかなりの大容量であった。 総評 「あなただけのキャラクター」というのは、ゲームが進化する過程で登場した「理想」である。本作は性能面だけでも単純33184000種類、そこにプレーヤーの教育方針、レベル。更にノーマル武装、会話イベント、数々の戦闘経験から来る思い入れを含め、まさに「あなただけのキャラクター」と出会える、AI育成ゲームの一つの到達点だろう。しかもゲーム内で戦い、微笑む神姫は手元にいるフィギュアの神姫なのだと思えば、その思い入れはひとしおである。 だがオンラインゲームというのは、時間をかけ、お金をつぎ込めばそれだけ強くなるという場合が多い。これは、課金額を増やして収入を得たいというメーカーの考えと、とにかくどんな手段を使ってでも強くなりたいという多くのオンラインゲームプレーヤーの考えが一致しているからである。しかし本作は確かに金額をつぎ込み武装を増やしていけばある程度勝てはするが、より強くなるためにはシステムを理解し、自分の育てている神姫の長所や特徴を把握し、流行武装やそのメタ武装を己自身で構築しなければならない。極めて行って、最終的に行き着く先が「運」「心理術」「戦術」「知識」「相性」という、他のオンラインゲームとは比較にならないコアな概念にぶち当たる。 当然、それらの概念に行き着くためには相当な知識と経験が不可欠で、初心者がその何れかが重要であると知るまでには、それなりの時間と相当回数の敗北が必要である。もちろん敗北を嫌うプレーヤーは多い。特に、どんな手段を使ってでも勝ちたいと思うプレーヤーが多い対戦型オンラインゲームでは、この傾向は如実である。 そんなわけで新規プレーヤーのハードルが非常に高い本作は、コアなファンは多かったものの、収入的に見てあまり高い効果を得られないと判断されたのか、2011年8月31日をもってサービス終了が告知された。しかしその後にサービス延長が決定し終了日は2011年10月31日に変更。そして惜しまれつつも、この日に本作のサービスは終了した。 余談 2018年2月19日に『武装神姫』新作ゲームが発表された。 2020年12月24日には、アーケード作品『武装神姫 アーマードプリンセス バトルコンダクター』が稼働開始した。
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武装神姫のリン 鳳凰杯篇 その2 歓声が支配する会場に司会の声が響く。 "ついに決勝リーグ1回戦、第3試合の選手入場です!! 虎門から入場するのは鶴畑家の次男にして若年ながら立派なファーストランカー。 Eブロック覇者の鶴畑大紀選手とその神姫ミカエルの登場だ~" 司会が熱のこもった文句で鶴畑大紀の入場を告げる。 俺とリンは龍門よりの入場でまだ門の前で待機だ。 歓声はここからでも十分に聞こえているが、門を開ければ大音量で聞こえてくることだろう。 さすがにこんな大舞台は初めてだ。 冷静にしようと思っていてもどうしても心臓の鼓動が早くなる。 「緊張しますか?マスター?」 俺の様子に気が付いたリンが尋ねてくるが大丈夫だ、と視線で返した。 「はい、マスターがしっかりしないとこのバトル。勝てないですよ?」 「ああ。 やるぞ、リン!」 「はい!」 "それでは続きまして龍門より、Fブロック突破の藤堂亮輔選手とそのパートナー、『黒衣の戦乙女』リンの登場です! お~っとここで歓声が今以上に大きくなった~" 歓声は気持ち、俺とリンが登場したときのほうが大きいようだ、司会がそう告げる。 「いつも応援してます!!」 「鶴畑の坊やなんぞ蹴散らしちゃえ~」 「前もファーストランカー倒したんだろ!? やっちまえ!!」 なぜかこんな声援も聞こえる。 ここまで大きな大会で声援をもらえるとは思っていなかったので嫌が応にも気合が入る。 それはリンも同じのようだ。 そうしてゆっくりと門からステージまでたどり着く。 ステージの反対側にいる鶴畑大紀はなんとなくいつもよりさらに目つきが悪い。 と言うよりはいつものような「ふん、どんな神姫だろうとミカエルでぼろぼろにしてやるさ」と言うような自信の塊のような、相手を軽く見ているような表情ではなく、切羽詰ったかのような表情で非常に悪役面だ。 だから正々堂々戦うリンは正義の味方ってか? まあそういう要素も必要なのかもしれないけど、関係ない。 リンの力を信じ、俺はそのサポートをする。 "それでは両者、V.B.B.S.筺体でセッティングを行ってください。" 筺体にリンが接続するのを確認しスロットにフラッシュメモリーを差し込む。 通常はセンターの専用の機械でIDカードにデータを写すのだがそうしている暇が無かったのでどうしようもない、データのスペックについての確認(たとえば反則レベルが武装やらのチェックが入る。コンピューターによる自動判別で許可が下りないと使用できないのだが、今回のデータは会社で行ったほぼ同じ基準のチェックを通過したものなので問題ないはずだ。) が行われる、問題なく基準をクリア。これでこの戦いから使えるようになった。 その"突撃武装"をサイドボードにセットして、リンの初期武装はあくまで今までと同じ基本形。 これは初心を忘れないと言うのと、万が一陸戦装備で出てこられた場合に対応しにくいからだ。 そうしてリン…燐のセットが完了する。 『黒衣の戦乙女』燐がバトルフィールドに姿を現す。 それと同時にミカエルも姿を現した様子だ、距離は最大。しかしステージが幸いにもまっさらな平地ではなく多少ながら障害物の存在する荒野で助かった。仮に"突撃装備"を駆使したところで接近を許す相手ではない、しかも今回はあちらさんも気が立ってるみたいでいつも以上に油断は無いのではないか?という気さえする。 天使型の特徴である索敵能力で発見されれば平地での勝負は圧倒的にこちらが不利なのだ。 だからジャマー代わりに砂埃を巻き上げたり、障害物があるだけ相手のアドバンテージが減る。 ゆえに荒野と言うステージは最悪の状況を回避できると言うだけでも十分すぎるステージだ。 「荒野か…十分にマシだな。行くぞ!燐。」 「はい、マスター!!」 燐は荒野を駆ける。 砂埃を巻き上げつつも疾風のように進む姿はなんとなく某Z○IDSのエンディングを感じさせるがこの時代に分かる人間はどれくらいだろう? とかなりの距離を走ってきたがいっこうにミカエルを目視することができない、しかもあっちの砲撃能力は絶大で精密射撃も難なくこなせるはず、だからそろそろ第1撃が届いてもおかしくないのだが… 「おかしいな…」 「ですね。てっきりそろそろ砲撃の1つぐらい飛んできてもいいはずですが…」 と言っていたらやっと前方より轟音を上げてレーザーが…サイズがおかしい!!? 「燐、よけろ!!!」 「っつ!!!」 燐は体操の競技のようなステップやバク宙といった技の組み合わせで先ほどの地点から離れる、数秒後にそこを通り過ぎた"砲撃"は地面を半円に削っている。どうしたらこんな威力がでるっていうんだ? "ここでミカエル選手が攻撃です!! 燐選手はなんとか避けましたがこの威力は常識外だ~~当たれば1発でOK確実です!!" とにかく、やっぱりあっちにはこちらの位置が割れてるので早めに装備を換装するべきかもしれない。 そう思ったがまだ燐が相手の姿を認識していない状態ではどうにもならない、とりあえずセンサーの感度を最大限にして砲撃をできるだけ早く察知、回避して進むしかなさそうだった。 幸いにも地面はしっかりしており武装脚部への負担も少ない。データ戦の最大の利点はメンテナンスいらずで最高の状態の武装を利用できる点だ。 もちろんバトルでかかる負荷はしっかりと計算されるがイレギュラーが起こることは無い。 だからこそ力加減を見極めれば負担を最小限に抑えつつも燐は最高速度を出すことが可能なのだ。 そうして何度かの砲撃を回避しつつ進むこと3分。やっとのことで燐のセンサーがミカエルを捕らえた…がその映像を見て俺は口をぎりりと噛むしかなかった。 ミカエルの装備は、天使型のレーザーライフルを5つも束ねたサイズの荷電粒子砲に4門のレールガン。いつものビット兵器がぞろぞろとシールドを張っている。 どう考えてもあのサイズの粒子砲なんて持って動けるものじゃないだろうに…勝負を捨てたか? と思えば、荷電粒子砲を振り回して撃ってくる!!? 「消し飛べ…」 1発のチャージにどれだけかかるのか分からないが、やっぱり連射は効かないらしい。 その分はきっちりとレールガンで埋めてくるが、避けられないわけじゃなかった。 燐はステップやバックステップを駆使して飛び跳ねるようにして砲撃をいなす。 それでも超高速のレールガンだ、装甲に数発は掠っている。 「直撃しなければ…!!?」 燐は一瞬己の目を疑った。 粒子砲の先端から、極太のビーム刃が飛び出してそれが振り下ろされてくるのだ。 それでも砲身の重さからか思うような速度で振り切れていないようで、そのタイミングからでも薄皮一枚で回避することが出来た。 ここまで大味な戦い方…ありえない。 "ミカエル選手、いつもと様子が違い格闘戦を仕掛けています。これも燐選手には予想外か!!" 司会もさすがに驚いた様子で実況を続ける。 「どうしたんですか? こんな戦い方、貴女はしなかったはずです!!」 思わず燐は叫ぶ、表情を隠してて大きな光の剣を振るうミカエルに向けて。 それでも返答は無い。 ただただ、弾丸と剣の切っ先だけが返ってくる。 「ならば私から近づくほか無いみたいですね…マスター!!」 「どうするんだ?」 「とりあえず近づかなければ戦うににしてもどうにもなりません、使います!!」 「分かった。サイドボード展開。」 「現状装備の部分的ロックオフ。ハードポイント開放を確認。転送可能です。」 「させない…」 ミカエルが砲撃を加えようとするがそこにSRGRが飛び込んできて爆発。 すでに燐の十八番とも言える「SRGRの投擲から射撃による遠隔爆破」でダメージこそ与えられないものの、膨大に撒き散らされる熱量でセンサーは燐を捕らえられない。 「マスター!!」 「燐、受け取れ!!」 その瞬間、燐は光に包まれる。 それは一瞬であり、ステージにある巨大スクリーンにも燐の体が輝いたようにしか写っていないが、確かに燐の姿は変わっている。 悪魔型ストラーフの基本武装はそのままに、背部ユニットから大きな2対に翼が生え、その基部には大口径のブースター。 武装脚部のすねあたりには装甲が追加され、左武装腕部にはあの市販パーツ「EXシリーズ」のものよりさらに刃の大きい鎌が握られ、右腕部のマニピュレーターは巨大になり爪も鋭く変化していた。 さすがに悪魔らしくし過ぎたかとも思ったが追加パーツは基本的に同じ濃紺かシルバーなので見た目はそれほど悪役ではない。もっとも悪魔型にするなら最初からは翼は赤にしてたし。 「黒の戦装束」 その名のとおり、燐専用の武装ユニット。 基本はあのEXシリーズの悪魔型用のユニットだが内部構造や各アクチュエーター等の出力、感度、レスポンスすべてが燐の今までのバトルのデータを元にチューニングされ、デザインもカラーも変わっている。 とはいえ根本のデザインは機能美の観点からしてもこれが一番だと思われるものなので似通っているところがあるのはあたりまえだ。 あと違うとすれば本体のアーマーが通常より強化されている、特に胸部アーマーは防御力に定評のある第3弾のアーマー並みの強度を出している。もちろんその分だけ重くなっているが武装脚部があればその変化は微塵にも感じないレベルだ。 また翼の色が銀色に変わるだけで印象がかなり違うらしく、観客は口々に意見を出し合っている。 「カッコよすぎるぜ!!!」 「あ~あ陸戦特化だから黒子は美しいというのに…」 「でもしょうがないでしょう? 相手はずっと空飛んでるんだから自分も飛ばないと攻撃できないじゃん?」 「俺の黒子も改造で銀の翼にしようかな…」 「文字通り銀の翼に望みを乗せて…ってかw」 …最後のは言った人の年代がわかってしまうな…俺の親父と同年代かよw "燐選手、サイドボードの武装を展開! しかもこれは私も初めて見る武装です。これが燐選手の切り札なのか!!?" 実況も驚いてるな…デザインに1週間掛けた甲斐があった。 「これで貴女と同じ空に行けます」 「来れるものなら…」 その後は言わずに無言でレールガンを撃って来るミカエル。 「当たるわけには!」 鈍角の軌道を描きながら燐は飛翔し、レールガンを回避しつつも全速力でミカエルに向かっていく。 「来る来るな来るな!!」 もう照準も付けずに発砲している、これでは回避行動もほとんど要らなかった。 "ものすごい機動力で空を飛び、燐選手はミカエル選手に一直線だ!!! これで勝負は決まるのか!!!?" 「貴女は何がしたいのですか?」 ついに粒子砲に手を掛け、ゆっくりとそれを払いつつ燐はミカエルに顔を近づけ、ついに彼女の表情を見た。 「…………」 「なぜ、泣いているのですか?」 「…うるさい、関係ない」 「でも、気になります。」 観念したのか、ぽつりとミカエルはつぶやいた。 「勝敗に関係なく、今日で私は壊されるから」 燐は驚いたらしいが、それでも優しい表情を変えずに 「……なぜですか?」 「この前に犬型とかに負けたから」 「どこのですか?」 「知らない、でもひどい負け方をした。頭から真っ二つにされた。その後もまた他のにやられた。」 「怖かったんですね…」 「で、負けたから私は今日で終わりだって、マスターが」 「そうですか…」 「ええい!! いったい何をやってるんだミカエル。今なら背中ががら空きだぞ!!ビットで撃て!!!!」 鶴畑大紀も見ていてうっとおしくなったらしく、ミカエルに指示を出す。 「でも、貴女は同じような恐怖を他の神姫に与えたことが何度かあったはずです。」 「…うん、あの時の恐怖は忘れられない…怖い。そんな勝ち方を私は何度も相手に与えてた…」 「もう、しませんか?」 「しない。だって怖いもの……でも私は今日で"死んじゃう"」 「させません、私と、私のマスターが」 「そんなの無理だよ。」 「信じてください。」 「…」 「ね?」 「………本当?」 燐はいつも俺たちに向けるあの柔和な笑顔を浮かべて 「はい。」 そう言い切った。 「分かった。信じる。」 そうしてミカエルは自らサレンダー信号を送る手続きに入った。 "お~っとミカエル選手が武器を下ろした!! 何が起きたのでしょうか!?" 実況はもう混乱している。 無理もないと思うけど…とりあえず無傷の勝利を得た燐にねぎらいの言葉でも掛けてやろうと思った。 「燐、よくやったな」 「いえ、マスターの装備のおかげですよ」 「…ありがとう、燐」 ミカエルが右手を差し出してくる。 「いえ。」 そうして燐が手を差し出そうとした瞬間…… ビットが突然燐に砲撃を加えた。 「きゃぁあああああ」 ビットの砲撃は威力こそ低めなものの、無防備な燐を撃ち落とすには十分な威力を持っていた。 「サレンダー信号を出そうとしてたのに…なんで!?」 ミカエル自信にもなにがなんだか分かっていない様子だ。その表情も次第に変わっていく。 「何?コレ…私の体が…思うように動いてくれない!! 嫌、いやぁ!!!」 そう言いつつもミカエルの右手の粒子砲は燐の墜落地点を捉えている。 「燐を撃つなんて…いやだぁああああああ!!」 なんとかミカエルの意思が一瞬通ったのか、発射と同時に右手はそっぽを向き、墜落地点からはずれた。 「なに、貴女誰?? 私? そんな…だめ、だめぇ」 「燐、大丈夫か?? 燐!!」 「……はい。ダメージも問題ありません。でも背部のラックがつぶれました。装備をマウントできないので左手がフリーになりません…」 「しかたない、鎌は一度戻すか?」 「それでは間に合いません。このままで行きます」 「ああ、とにかくミカエル自身にもどうなってるか分からないから気をつk……」 レールガンとビットの砲撃の嵐が燐を襲った。 "まさか、まさかまさか!!! 今までのミカエル選手の行動は高度な頭脳戦だったのか?? 先ほどとうって変わって全力の砲撃だ~~^" 「貴女、先ほどまでのミカエルじゃないですよね?」 ふとミカエルが声の方向に目を向ければ…強烈な衝撃が加わりミカエルは大きく後退する。 現在。さっきまでミカエルが佇んでいた座標には燐がいる。 それもさっきの砲撃の雨を抜け、最高速度で飛翔したまま体をひねって回し蹴りを叩き込んだのだ。 首をぽきぽきと鳴らして体制を整えたミカエルが先ほどの燐の問いに返答してくる。 「私はミカエル。それ以上でも以下でもない。私が下された命令はお前を壊す。ただそれだけだ。」 「…"ミカエル"を返してもらいます。絶対に。」 そうして第Ⅱラウンド、正真正銘の試合が始まった。 ~鳳凰杯篇その3?~
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戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -08 註:このSSも、完全に勢いと思いつきだけで出来ています。 「背徳のKISS」(奥井雅美)をイメージ曲としています。 お手元にありましたらBGMとでもしていただければと存じます。 戦場からの帰りの電車。 「今日も・・・勝ちましたね・・・。」 マスターの胸ポケットに収まった私が静かに言うと、マスターはじっと外を見たまま小さく頷いた。 窓の外には、夕日に照らされてすべてが赤くなった街並み。私の顔も、紅く染まる・・・。 「Black DEVIL」、これが私のバトルネーム。 いまや、マスターの下で仕えるただひとりの神姫。 電車を降り、にぎやかな通りを歩いて家路に向かう私たち。 土曜とあって、手をつないで歩み行く恋人たちも多く。彼らの楽しそうな笑顔もまた、夕暮れの空に吸い込まれていく・・・そんな澄みきった街中に、こんな私が居てもよいのだろうか。 筐体戦闘時に罠にはめ、敵の高出力砲で・・・姉だったツガルのコアを射貫かせたのは、私。 バーチャル訓練時に、事故に見せ掛け強制データフォーマットを・・・妹のフォートブラッグにかけたのも、私・・・。 マスターと暮らしているうちに、いつしか芽生えていた感情。 -大きな手に抱かれているだけでは、足りない-。 間違っていると、自分自身でもわかっていても抑える事が出来ない衝動。 -マスターと、二人きりの未来がほしい-。 私は、リペイント版とはいえど「天使型」のアーンヴァル・・・。 しかし。自らの歪んだ心に天使の翼を奪われ、大きな十字架を背負い歩む道に堕ちた、そのときから。 すべてを奪い、そして求め続けることしか、見えなくなってしまったのだ。 もしかしたら、マスターは私の行動に気づいているのかもしれない。 だが、何一つ今までと変わること無く、私に優しく接してくださる・・・。 そんなマスターが・・・ツガルタイプやフォートブラッグを見かけたとき、時折浮かべる寂しそうな瞳の輝き。 その輝きを見るたびに、私のコアが・・・悲しげな共鳴を起こすことがある。 私は、この苦しみから逃げることは決して許されないのだ、と・・・。 決して実ることがないと、わかっている。 それでも。いや、だからこそ、私はマスターに尽くし続ける。 一秒でも長くマスターに見てもらいたい。 -だから、バトルには勝ち続けなければならない- 小さな神姫が、ニンゲンに恋をすることは。 決して許されないことなのだろうか。 私だけの、マスターで居てほしい。 -だから今、この瞬間に口付けをしてほしい- それがたとえ。 背徳の行為であっても・・・。 <<トップ へ戻る<<
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流れ流れて神姫無頼 著者:第七スレの6 更新記録 6/12 すごく今更間もありますが、少し余裕ができたので無頼16を差し替えました。 時間は掛かりますがどうにか秋前には完結したいと思います。 あらすじ: どこにでもいる?高校生「彩聞形人」とのんびり屋の鳥子「ヒカル」が繰り広げる日常ストーリー……のハズ。 主要登場人物 登場神姫 タイトルリスト 無頼0「神姫が手元にやってきた」 無頼1「100円ショップに行ってみた」 無頼2「カレーとヒカル」 無頼3「出会い」 無頼3.5「我は零牙」 無頼4「バトルロンド!」 無頼5「熱唱! 武装神姫」 ※戦うことを忘れた武装神姫よりリゼ出演、けものや氏の監修済。歌詞 無頼5.5話「神姫と社会」 無頼6「第二の神姫、起動」 無頼7「のんびりショッピング」 無頼8「リアルバトル!」 無頼9「神姫の日常 ~ジーナスレポート~」 無頼10「インターミッション」 無頼11「校内ねこねこ大騒動!」 無頼12「電子の世界へ」 無頼13「ヂェリー・パニック」 ※微エロ注意 無頼14「零下の館」 無頼15「流出映像騒動」 ※時系列的に「岡島士郎と愉快な神姫達」の第十二話の直後ぐらいとなっています。 無頼16「夜中の侵入者」 無頼17「蒼穹の猟犬劇場」 無頼18「ガラクタ置場とある神姫」 無頼19「ヒカルの夢」 無頼20「蒼穹の猟犬劇場その2」 無頼21「バトル&チェイス!」 無頼22「神姫のウェディング・ベル」 無頼23「前夜の再会」 無頼24「聖夜の夜よ、奇跡あれ」 無頼25「変わらぬ日常」 ■没作品 無頼26「兄者、帰宅。」 無頼27「ヒカル新生」 今日来た人: - 昨日来た人: - 合計: - 何か伝えたい事があればどうぞ。 -- 第七スレの6 (2009-08-02 01 01 54) 名前 コメント トップページ
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ウサギのナミダ ACT 1-12 □ 海藤がコーヒーカップをゆっくりと配り、そっと溜息をついた。 「僕がバトルロンドをやめた理由……言ったことなかったっけ?」 「ないな……君から自分のバトルの話自体、聞いたことがない」 そうか、とコーヒーを一口飲んで、また一つ溜息をつく。 海藤も以前はバトルロンドのプレイヤーだった。 実力もかなりのものであったらしい。 だが、俺が神姫を血眼になって探すようになった頃には、すでにバトルロンドをやめていた。 だが、興味がなくなったわけではないらしい。 今でも、主要な大会の映像はチェックしているようだし、バトルロンド用のパーツや改造方法なんか俺より詳しいくらいだ。 だからなおのこと、俺には海藤がバトルをやらないことが解せない。 「……あまり、格好のいい話じゃないんだ」 「……今の俺以上に格好悪いマスターはいないから安心しろ」 苦笑しながら、海藤はさらにコーヒーを一口。 そして、観念したように目を閉じた。 「僕がバトルロンドをやめた理由はね……バトルロンドを嫌いになりたくなかったからだよ」 かつて、俺も通うあのゲームセンターに、腕利きの神姫プレイヤーがいた。 空中戦闘タイプで、近距離、遠距離共にこなす万能タイプ。的確な戦術と、高度な技術に裏打ちされた戦闘スタイル。 マジックマーケット社製の武装パーツを中心に組み上げられた武装は、エウクランテの羽とイーアネイラの下半身パーツを中心にして、水中を泳ぐがごとく自在に飛行することが出来た。 勇猛果敢な戦闘スタイルと、空中を自在に翔る姿から、『シードラゴン』とあだ名されていた。 それが、海藤仁と神姫・アクアだった。 「シードラゴンか……聞いたことあるな……三強の一人が、同じような武装をしている」 「あの装備は、羽と鰭の連動が難しいんだけど……へぇ、使いこなせる神姫がいるなんてね。会ってみたいな」 「……やめておいた方がいいぞ。人間性に問題があるから」 シードラゴンは公式大会にも積極的に参加した。 公式のポイントも稼ぎ、ホビーショップや神姫センターで行われるローカル大会でも勝つようになり、少しずつ知名度も上がっていった。 いきつけのゲーセンではトッププレイヤーの仲間入りを果たし、シードラゴンの噂を聞きつけてゲーセンにやってくる神姫プレイヤーもいた。 そして、来たる全国大会。ここC県エリアの代表候補に、シードラゴンのアクアの名前が挙がっていた。 「その当時のこと、『ヘルハウンド・ハウリング』のマスターなら知ってるかな」 「ああ、彼はまだバトロン現役なんだ? がんばるなぁ」 「最近は三強の一角で、ちょっと天狗になっているけど」 「僕がやってるころはまだ、その二つ名で呼ばれはじめた頃だったよ」 そして、待ちに待った全国大会の地区予選の時がやってきた。 公式の神姫センターで開催される大規模な大会。 県内から有力な神姫が集まり、バトルを繰り広げる。 海藤とアクアは、意気揚々と大会に臨んだ。 シードラゴンは順調に駒を進めた。 そして準決勝。 いずれ劣らぬ武装神姫ばかりだったが、マスターと神姫の連携、戦術はシードラゴンが頭一つ抜きんでていた。 C県エリア代表はシードラゴンのアクアだと、誰もが信じていた。 海藤も優勝する自信があった。 「だけど……僕たちは準決勝を戦えなかった」 「……なぜ?」 「他の準決勝進出者からクレームが入ったんだ。違反行為をしている可能性がある、ってね」 「そんなこと……君がしたとは思えない」 海藤との付き合いは高校一年の時からだが、そういうルール違反に手を染めるような性格でないことはよくわかっている。 「うん、僕もしていない。しているはずがないんだ。でもさ……その準決勝進出の三人のマスターが口をそろえて抗議したんだ。 その理由がさ……おかしいんだよ」 海藤は笑った。ものすごく苦いものを飲んで、その味をごまかすような表情で。 「イーアネイラだから」 「え?」 「イーアネイラが、準決勝まで勝ち上がれるはずがない、そんなに強いはずがない、何か問題行為をしているに決まっている……ってね」 「な……」 俺は驚きを通り越して、あきれかえった。 そんなバカな話があるか。 特定の神姫が特別弱くて、決して勝ち上がってこられないなんて。 「そんなの、いいがかりもいいところじゃないか」 「うん……でも、その抗議は受け入れられた」 「……は?」 「それで、大会のスタッフが、準決勝前にアクアのボディと武装をチェックした」 アクアがテーブルの上から、心配そうに自分のマスターを見上げている。 それを見て、俺の胸が痛んだ。 気軽に振っていい話じゃなかった、と今更後悔した。 「そしたらさ……武装に塗った塗料から、ごく微量のレーダー攪乱効果のある成分が見つかったって。 確かに、アクアの武装をネイビーブルーで塗装していたんだけどね……」 「……何の塗料使っていたんだ?」 「普通の、ホビーショップで売っている塗料だよ。一番ポピュラーなやつ」 「そんなの、他に使っている神姫だっているはずじゃないか!」 あんまりな話に、つい声が大きくなってしまった。 すまん、と謝り、俺は下を向いて、海藤の話しに耳を傾ける。 「うん……だから、僕も抗議したよ。でも通らなかった。 もし準決勝を戦いたければ、塗装をしていない武装だけ使いなさいって言われてね」 視界に、海藤の手が見えた。 握った拳が白くなっている。 強く、握っている。今思い出しても、拳を握ってしまうほど悔しかったのだ。 「そんなことをしたら、アクアは何の装備もなく、素体だけで戦うことになってしまう。 それは無理だ。だから……棄権したんだ」 「……」 「で、その準決勝に出た三人が、実は秋葉原の神姫バトルミュージアムの出身でさ……」 「ちょっと待て。県内でバトルしてたわけじゃないのに、C県エリアの代表大会に出てたのか!?」 「そうだよ」 「そんな……それは筋が通らないんじゃないのか」 たとえば、高校のインターハイとかで、個人競技の選手が、都内の高校に通っているのに、別の県のインターハイ予選にエントリーして優勝してしまう。 それを「県の代表」ということが出来るのか。 「だけど、バトルの取得ポイントさえ足りていれば、どこの神姫センターの大会にでもエントリーできるんだ」 「そんなバカな……」 「そうなんだから仕方がない。 それで、そのバトルミュージアムでは、激戦の秋葉原を避けて、あちこちの郊外のエリア大会に遠征組を派遣したんだ」 「そんな……その連中が勝ち上がったら、全国大会じゃなくて、そんなの、ただの身内の大会じゃないか……」 「そういうのは少なからずあるよ。おそらく、関西でも、有力な神姫センターやゲーセン、ホビーショップでは同様のことをやってる。そうやって、同じ店から全国大会出場者が一人でも多く出れば、箔がつくしね」 公式大会に出る気は最初からなかったので、海藤の話は初耳だった。 てっきり、参加する大会のエリアに在住していなければ、そのエリアの大会には参加できないものだと思っていた。 今の海藤の話に、俺は納得できなかった。 全国大会ならば、そのエリアを代表する神姫が出場するべきであって、他のエリアから乗り込んでくるなんていうのは、ルール違反じゃないのか。 激戦区の選手達は、確かにレベルが高いのだろう。 地方のゲームセンターでならしているだけでは、勝てないのかもしれない。 だからといって、そのエリアに乗り込んでいって、エリア代表になるというのは違うと思う。 実力があれば何をしてもいいというのか。 その実力がない、地元の神姫プレイヤーが悪いというのか。 見ず知らずの遠征チームがやってきて、実力で大会を勝ち抜いて、地元を代表しますと言ったところで、地元の神姫プレイヤー達は心情的に納得が行かないだろう。 それに、よく見知った神姫が別のエリアから勝ち上がってきたところで、つまらないではないか。 別のエリアには、様々な戦い方をする、未だ知られていない実力者がいて、戦うことが出来るかもしれないのに。 俺が悶々と考えを巡らせていると、しばらく黙っていた海藤が口を開いた。 「まあ、遠野の言いたいこともわかるよ。僕もそうあるべきだと思ってる。 でも、現実は違う。 それで、さっきの続きに戻るけど……秋葉原の神姫バトルミュージアムって、あの鶴畑財閥の経営なんだ。 しかも、準決勝の三人は、鶴畑の次男坊・大紀の舎弟だった」 「っておい……それじゃあ、そのいいがかりは、まるっきり仕組まれてたんじゃないのか!?」 鶴畑財閥といえば、神姫のオーナーで知らない者はいないというほど有名だ。 あらゆる神姫関連の製品を扱っているし、公式大会の大手スポンサーでもある。 鶴畑財閥の御曹司三人は、いずれもバトルロンドのプレイヤーで、こちらも非常に有名である。 次男の大紀は、あまりいい噂を聞かないことで有名な人物だ。 大手スポンサーの鶴畑財閥と、その経営する神姫センター、そこから送り込まれた遠征組と、バックにいる次男坊……誰が考えても、海藤へのいいがかりは策謀だったとしか思えない。 「だけど、証拠がない」 興奮してしまっている俺に対し、海藤は至って冷静だった。 「大会の時は時間もなかったしね……真相は誰にも分からずじまいさ」 「君らだけが貧乏くじを引いて……それで、秋葉原の連中がC県の代表になったって言うのかよ……」 やりきれない話だ。 「大会の後、僕はゲーセンに行くのをやめた……翌日行ったら、みんなに卑怯者呼ばわりされてね……」 「……あそこのゲーセンはそんなのばっかりか」 「まあ、端から見てればそう見えるんだろうし……。 それで、僕はバトルロンドをやめることにした。 僕はバトルロンドが大好きで、今でも情報はチェックしているけど、もう自分でやりたいとは思わない。 実力ではない……何か別のところで勝負が決まっていることが、やっぱり、どうしても、許せなかったんだ。 このまま続けていれば、きっとバトルロンドが嫌いになる。バトルロンドを好きでい続けたいから……やめたんだ」 気の優しい海藤であっても、そこまで許せないものがあるのかと、正直驚いた。 そして、俺は自分が少し恥ずかしくなった。 「すまん……俺ばっかり、辛い目に遭ってるような顔をして……」 「何言ってるんだ。誘ったのは僕の方さ」 コーヒーを淹れ直そう、と空になったカップを回収し、海藤は立ち上がった。 俺があらためてドーナツの箱を開けると、テーブルの上にいるアクアと目が合った。 少し思い詰めたような表情。 アクアは思い切ったように、俺に言った。 「マスターは……それでも本当は、バトルロンドをやりたいのだと思います」 「え……」 「こら、アクア」 コーヒーを淹れて戻ってきた海藤がたしなめる。 「余計なこと、言うもんじゃない」 「ですが……マスターは、あのクイーンの戦いぶりを見て、目を輝かせていたではありませんか。まるで子供のように」 「クイーンのバトルを見て、ワクワクしない武装神姫ファンはいないよ」 海藤は俺の前にコーヒーを置いた。 そして言う。 「クイーンはすごいよね。あの秋葉原で、正々堂々戦って、そして全国出場を決めているんだ。尊敬するよ」 「そうか、秋葉原は鶴畑の……」 海藤は頷いた。 言ってみれば、秋葉原は鶴畑の本拠地だ。 そこで、彗星のように現れた神姫が、フェアプレーで、実力で勝ち上がったのだ。 海藤には大いに思うところがあるのだろう。 「いま仮に、前の装備を引っ張りだしてきて対戦しても、大した勝負にならない。だから対戦する気もないけど、協力はしてあげたいと思うよね」 そもそもクイーンと会う機会もないだろうけど、と海藤は苦笑した。 海藤の家を出るときには、雨が降っていた。 「これを使いなよ」 ビニール傘を貸してくれた。ありがたい。 雨の中、駅に向かう道すがら、俺はまた考えを巡らせる。 バトルロンドをやめた後、海藤はもう一つの趣味である熱帯魚の飼育が行きすぎて、ついには水族館でアルバイトをするようになった。 海藤は大学生だが、水族館に入り浸り、いまはほとんど大学に顔を出していない。 その水族館での仕事に、アクアをアシスタントとして使っている。 それがお客の目に留まり、少しずつ話題になった。 魚たちと一緒に水槽を泳ぐアクアの姿は、まさに人魚姫のようだ。 「K水族館の人魚姫」と呼ばれ、神姫の雑誌の表紙を飾ったこともある。 海藤はバトルロンド以外でアクアが活躍できる場所を見つけたのだ。 彼は俺に言った。 「神姫が活躍できる場所は、バトルロンドだけじゃない。戦う以外の道も選択肢だよ」 そうなのかもしれない。 俺はバトルロンドにこだわっていたが、そうでない道をティアに歩ませることが出来るのかもしれない。 ティアを大切に思うなら、もうこれ以上傷つけたくないと思うなら、そう言う道を探すのがマスターたる俺の仕事かもしれない。 海藤とアクアのように、バトルでなくても、自分達の活躍の場を得て、笑い合うことが出来るなら……それは幸せなことなのだろう。 そんなことを考えているうちに、気がつくとアパートの前にいた。 ポケットから鍵を出す。 扉を開ける。 慣れきった、無意識の動作。 「ただいま」 返事はなかった。 少し寂しい気持ちに捕らわれる。 ついこの間まで、ティアが来るまで、返事なんてなかったのに。 ティアの「おかえりなさい」という控えめな挨拶が、もう耳に慣れきっていたのだ。 ……なんで返事がない? ティアは自主練で留守番じゃなかったのか!? 俺は急いで靴を脱ぎ、玄関を駆け上がる。 部屋に飛び込んだ。 「ティア!?」 そこには誰の姿もない。 静まり返っている。 俺の荒い息と時計の音がやけにうるさい。 夕方の薄暗い部屋の中、PCのディスプレイの明かりが浮き上がって見える。 俺はマウスを操作し、スクリーンセーバーから通常画面に復帰させる。 マウスの手触りに違和感を覚え、机の上を見た。 「水滴……?」 キーボードやマウスの上のそこかしこに、小さな水滴が点々とついている。 なぜ水滴が……。 俺は不審に思いながら、復帰したディスプレイ画面を見た。 背景はウェブブラウザだ。どこかの巨大掲示板が画面に映されている。 その手前にワープロソフトが立ち上がっている。 短い文面。 「……ばっ……かやろ……っ!!」 次の瞬間、俺はアパートを飛び出していた。 外は雨。 傘を忘れている。 知るか! 俺は雨の中を走る。 ワープロで書かれた、それは短い置き手紙。 マスター もうこれ以上迷惑かけられません さようなら ティア 次へ> トップページに戻る
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2月14日の武装神姫-03 「ただーいま。 おとなしくしてたかな〜?」 久遠、帰着。 手にする紙袋には、半額売りされていた特大のチョコレート ケーキが入っている。。。 「おかえりなのー。」 と、出迎えるエルガ。 とりあえず室内の様子を探る久遠。 「? にゃーさん、どうしたの?」 「いや・・・去年のことがあるから・・・」 「にゃーん。 もうにゃーたちだけで作ったりはしないですよ〜。」 「良かった・・・ ってちょい待ち! 今、『にゃーたちだけで』は作らな かった、って言ったよなぁ?」 「にゃっ!! い、いってない! 言ってないのっ!」 「なんか隠しているだろう。」 入室拒否しようとするエルガをむんずと掴んで、ずかずかと部屋に入る久遠。 部屋の中で変わった様子はない・・・ 次、キッチン!・・・も異常なし、か ・・・いや、異常発見! 「チョコレートと油のニオイがするぞ。」 聴覚と嗅覚には自身のある久遠、聞き耳を立てる。久遠の手の中では、エルガ が冷や汗ダラダラ。。。 かたり 「そこだっ!!」 バタン! 戸棚の下の戸を開けると、そこにはシンメイ、イオ、リゼの3人と、 沙羅とヴェルナと・・・メイド姿のCTaが、かなり無理な体勢で収まっていた。 「・・・お前ら、何やってるんだ?」 驚くよりも、まずはそのスタイルに呆れる久遠。 「どこから説明したらいいかなー・・・とりあえずヌシさん、悪いけどCTaの ねーちゃんを引っぱり出してくれないか? 無理矢理つっこんだら、出せなく なっちゃった・・・」 珍しく困惑した表情で、かつストレートにお願いするリゼ。 確かに、CTaの 顔色も・・・良くない・・・ 「って、呼吸困難になってるじゃないかっ!」 手にしたエルガをほっぽりだし、大慌てでCTaを引きずり出す久遠。だがどの ように入ったものか、なかなか出てこない・・・ 数分後。 「はぁ、はぁ・・・ 死ぬかと思った・・・」 飛びかけていた意識がようやくハッキリしたCTaは、久遠から受け取った麦茶 を飲みながら、 「だから、バレンタインじゃない、今日は。だからちょっとどっきりイベント をしようと思って、先にあがって作業をしていたわけ。」 等と、経緯を説明していた。 「先回りも何も、俺の部屋にピッキングで入る時点でどうかと思うが。しかも 機械油くさいメイドのままだろ?」 「細かいことは気にしなーい。」 「そういうレベルじゃないって、犯罪だってば。」 「まぁまぁ、あたしとあんたの仲じゃないか。つーことで、はい義理チョコ。」 半ば強引に丸められた気が・・・と苦笑いする久遠に特大のチョコが渡された。 「あとはあんたの神姫たちの本命チョコがあるぞ。 今年はあたしが監修した から、神姫の脚とかは入ってな・・・」 と言うが否や、イオの酒瓶による一撃がCTaの後頭部に炸裂。声もあげられぬ 程の痛みなのだろうか、その場にうずくまるCTa。 その姿に沙羅がぼそり。 「イオぉ、気持ちは分かるっすけど・・・ あ、すんまそん。。。」 だが、イオの怒りの涙目に謝り小さくなる沙羅。 さらに十数分後。 久遠に冷却パックをもらい後頭部に当てて、イオたちに一言二言告げたところ で、CTaは仕事の続きがあるとのことで、メイド姿のままで帰っていった。 「はぁ・・・何だったんだ? ったく・・・。」 CTaと沙羅・ヴェルナを送り出し、再び部屋へ振り向くと、目の前にふよふよ と浮かぶイオ。 「マスター、いつもお疲れさまです。これ、私たちの気持ちです。受け取って 下さい〜!」 と、足下ではシンメイとエルガが、テーブルの上ではリゼが、それぞれにハコ や包みを用意していた。ちょっと照れたそぶりでリゼが、 「どっきり大作戦は失敗しちゃったけどねー。」 と言うと、シンメイも続けた。 「今年は昨年のようなことがないようにと、CTa姉様が手伝って下さったので 大変に良いモノが出来ましたよ。」 皆からものを受け取り、さっそく開く久遠。昨年のように大きなもはないが、 下手な洋菓子屋よりも手の込んだ「作品」であった。 リゼは、生チョコ風に仕立てたのハート型。 イオは、自らの顔をモチーフにした彫り物。 シンメイは、完全な球形のマーブル柄のチョコ。 エルガは、にくきゅう型のクランチチョコ。 いずれも食べるのが惜しいくらい。 「あんれまぁ・・・ 本当にお前たちが作ったのか?」 頷く4人。自称、彼女いない歴=年齢な久遠、 「2年連続で、こんな形でチョコもらえるなんて・・・ 俺ぁ嬉しくて・・・」 と、涙を浮かべる。 ふらり立ち上がった久遠は、自室へ入り秘蔵のシングル モルトを持ってきた。 「嬉しくてたまらない!今日は飲むぞ! つまみはチョコとこのケーキだっ!」 テーブルに、酒瓶とケーキと、神姫たちのチョコが並べられた。 「にゃーん!! そんなに喜んでもらえると、にゃーもうれしいのだ!」 久遠に飛びつくエルガ。 それを引き剥がそうとするシンメイ。 「あっ! マスターの独り占めは許しませんよっ! エルガ、離れなさい!」 片やこちらでは、 「そうだイオ、ナッツ持ってきてよ。 あたしゃ漬け物出すから。」 「そうですねぇ・・・リゼ、漬け物じゃなくて氷の支度をお願い。」 と、飲みモードに突入しているお二人。。。 かくして、久遠と神姫たちの、2月14日の夜は更けていく。。。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「どれっくらい呑んだんだろう・・・。」 深夜。 テーブルに突っ伏したまま寝てしまった久遠、のどの渇きて目を覚ま した。 散乱する酒瓶、空き缶。 ケーキの皿は見事に空っぽ。 だが、神姫 たちのチョコは・・・ すべてきれいなまま。 久遠は、勢いで食べることは しなかったようだ。 「これは・・・ 静かに、ひとりでうれしさを味わいたい時に食べようかな。」 麦茶を飲みながら、ハコや包みに戻し、自室の机の上へ置いた。 と、その時 ふと思い出した久遠は、 「そういや木野羽のやつ、何を作ったんだ? 義理チョコっていうには・・・」 先に渡されたCTaの包みを開けた。 「あいつ・・・。どこが義理チョコなんだよ。 食えないじゃないか、こんな もの・・・。」 デスクライトで照らし出されたそのチョコには、久遠の神姫たち4人と沙羅・ ヴェルナの顔が実に美しく描かれ、真ん中には小さく「Love for YOU」。。。 久遠はふっと息をつき、イスに腰掛けて笑みを浮かべると、机からミニチュア ボトルとショットグラスを取りだし・・・ CTaのチョコを目前に置き、それ を眺めながらグラスを静かに傾けた。 同時刻、東杜田の片隅。 工場に隣接する公園のベンチ。着込んでモコモコになった木野羽は、ポケット にちいさな2人を入れて、缶ビール片手に3人で夜空を眺めていた。 届け、ちいさなものに乗せた、あたしの想い-。 今日は2月14日。 大切な貴方へ、想いを伝える日-。 <トップ へ戻る<