約 398,636 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2196.html
闇の中。 静寂に包まれた心地好い暗闇の中。 深く深く、意識がその闇の中へと溶けてゆく。 何物にも代えがたい至福の時。 そんなささやかな幸せを、突然鳴り響いた甲高いメロディーが容赦なく奪い去った。 「うあー……」 再び闇の中に戻ろうとする抵抗も虚しく、俺の意識は一気に呼び起こされる。誰だ、俺の安眠を妨げる奴は。 やかましく鳴り響く携帯を手探りでたぐり寄せ、この諸悪の根源との通話を繋げる。 「もしも……」 『はーやーとー! いつまで寝てんのー!?』 寝惚けた頭に飛び込んでくる怒鳴り声に、思わず俺は電話を遠ざける。こちらの返事も待たずに、あいつはあからさまな不機嫌さをぶつけてきた。 「なんだよ、朝っぱらからうるっせえな」 横目に時計を見るとまだ午前10時。とてもじゃないが健全な高校生が休日に起きる時間ではない。 『なっ、あんたが神姫見たいから付き合えって言ったんでしょー!? それなのにうるさい? そーゆーこと言うの?』 まだ頭がハッキリしないと言うのに、一息にまくしたてられる。えーと、神姫……? あ、そうか。 西暦2036年。 第三次世界大戦も、宇宙人の侵略もなかったこの平和な時代において開発された、全長15センチの自律型AI搭載ロボット、MMS(Multi Movable System)。 その中でも、最も一般的なのが『彼女』達。 オーナーに従い、様々な装備に身を包み戦場へと赴く彼女達。 そんな彼女達を、人はこう呼んでいる。 『武装神姫』と。 『武装神姫ーPRINCESS BRAVEー』 「うわぁー……」 想像以上の光景に、俺は思わず声をあげた。 都内某所にそびえるこの巨大なビル、通称神姫センター。このビルは部品や関連書籍の販売、更にはサポートセンターにバトルスペースまで、全てが武装神姫を取り扱う施設となっている。 そして俺はその中の販売コーナー、神姫本体の売り場に来ているのだが。 「これ全部そうなの?」 フロア全体に渡って所せましと陳列された神姫。カブトムシ型やコウモリ型、騎士型にセイレーン型、更には戦車型にシスター型とかなりの種類が並んでいて、あまり知識のない俺にはなにがなにやらまったくわからなかった。 「うん、すごいでしょー? もう随分シリーズも続いてるし、タイプ別に色々出てるからね」 舞はどこか嬉しそうに――おっと、そういえば自己紹介がまだだったな。 俺は新藤隼人。健全な男子高校生だ。以前からバトルに興味があり、ちょうど身近に神姫オーナーがいた為、俺も同じ武装神姫のオーナーになる事にした。 そして、その身近なオーナーというのが彼女、比々野舞(ヒビノ マイ)。家が近所だった事もあり、小さい頃からの腐れ縁を現在進行形で続けている。 後ろに結い上げたセミロングの黒髪と、丸い大きな瞳。 起伏の乏しい体を黒いボーダーラインのロングTシャツと袖のないパステルブルーのパーカーで覆い、青いキュロットから伸びる細身の足元には水色のスニーカー。 好きな青い色を基調としたその服装は若干の幼さを感じるが、露出した肢体は健康的に締まっていて、活発そうな印象を受けるだろう。 悪くない。うん、決して悪くない。 「……イヤラシイ目で見ないでよ、えっち」 「イヤラシクないですー。ちょっと客観的に観察してやっただけだよー」 舞はわざとらしく体を隠すと、冷ややかな目で俺を睨む。長い付き合いだが、そんな恥じらいがあったとは知らなかった。 「ふーん、変なの。ま、別にいいけどさ。隼人なんかに見られたって」 その発言は誤解を招くぞ。見てもいいのか?いいんですか?それとも異性としての意識が無いという事だろうか。うん、まったく興味が沸かない。 とにかく、舞はずいぶん前から神姫を所有しているので、初心者の俺としては色々意見を聞けるのは助かる。 ついでにこいつの神姫、天使型アーンヴァルのヒカリも紹介しておこう。片側だけ編みこんだ髪を耳の後ろに垂らしているのがトレードマーク。生真面目で大人びたアーンヴァルタイプには珍しくちょっと子供っぽいが、元気で可愛らしい娘だ。 このヒカリが俺も神姫を買おうってきっかけを作ったんだが、その辺りはいずれまた。二人は姉妹のように仲がよく、今日もヒカリは舞の肩に座って足をブラブラさせている。 「んで、どれ買ったらいいんだ?」 「自分で選ばなきゃしょーがないでしょー?どんな性格がいいかーとか、どんな戦い方したいーとかないの?」 舞は立てた指を左右に振りながらいくつかの選択肢を示していく。しかし、その動きに釣られてふらふらと頭を揺らすヒカリが気になって、話の内容はほとんど聞こえてこなかった。 「だいたいこんな感じかな?どう?」 「え?ああ、格闘戦がいい」 話は聞いていなかったが、戦い方ならそれしかないだろう。男だったら拳で語ってこそ。戦うの俺じゃないし、神姫は女の子だけど。 「アーンヴァル!天使型アーンヴァルがいいと思うの!」 舞の肩で話を聞いていたヒカリが、未だにふらふらしながら棚の白い箱を指差した。酔うぞ、お前。 さて、アーンヴァルか…… 確か高機動射撃タイプ、だったハズだ。初心者でも安定した勝率を狙えるとネットでの評判もなかなかだが、どうも俺の性には合わない。 「あすみん先生自重。そもそもアーンヴァルは格闘向きじゃないだろ?舞ともかぶるし、ややこしくなるって」 「むー、妹が欲しかったのに……」 「なんだ、そーゆー事か。ま、そうガッカリすんなって。後輩には違いないし、それなら妹みたいなもんだよ」 「んー、そっか。ならいいや!へへー、楽しみだなー♪」 頬をふくらませてすねていたかと思えば、もう屈託のない笑顔を見せている。幼さすら感じさせる彼女だが、俺も舞もそんなヒカリの笑顔が大好きだ。俺の神姫になる娘も、こんな笑顔を見せてくれるだろうか。 「あっ、ねぇこの子なんかどうかな?あんたにぴったりだと思うんだけど」 辺りを物色していた舞は一体の神姫を手に取ると、俺に差し出した。パッケージには獣の耳を模したヘッドギアと大きな手甲、そして焼ける様な橙色の瞳が印象的な少女が描かれている。 「犬型、ハウリン?」 「そ。いわゆる万能型なんだけどメインは近接格闘戦だし、防御力も高めだからあんたの要望にもぴったりでしょ?そーれーに……」 舞はぴっと指を立て俺に向き直ると、からかうように微笑みながら言葉を続けた。 「この子の性格。誰かさんみたいな、熱っ苦しい熱血感」 「誰が熱苦しいんだよ?失礼なヤツだな。でもまあ、たしかに悪くはないかもな」 僅かに胸が高鳴る。舞の手からハウリンの箱を受取ると、自然と俺も微笑んでいた。 「決まりだな。俺の相棒」 「なぁ、こーゆーパーツも買った方がいいのか?」 武装神姫、犬型ハウリンの会計を済ませた俺達は、別フロアのパーツ売り場に来ていた。 ここは剣やライフルなどの武器や、アーマー類他神姫用の服、装飾品などのパーツを扱っているフロアだ。基本セットにも武装は同梱されているのだが、戦略の幅を広める為にもこういった物が必要になってくるらしい。 「んー、まだいいんじゃない?実際に戦わせてみないといろいろわかんないでしょー?」 なるほど、もっともなご意見。確かに数さえ揃えればいいというワケでもないだろうしな。値段もバカにならないし、必要最小限に抑えたいトコロだ。 「ね、隼人。それよりちょっと上、覗いてみない?」 「上?」 なにやらそわそわした様子の舞からの提案。この神姫センターは七階建てで、一階から五階の各フロアが販売スペースになっている。そして、その上にあるのは―― 「うわぁー……」 俺は今日何度目かの驚嘆をあげた。 舞に連れられて見学に来たのは、武装神姫を所有する上では特に重要な場所。俺にとっては一番の目的であり、これから幾度となく訪れるであろう場所。 『神姫センターバトルスペース』 そこにいたのは思い思いにセッティングされた神姫と、そしてそのオーナー達。普段に比べれば空いているらしいのだが、それでもかなりの賑わいを見せている。 各対戦ポットには観戦用のモニターが設置され、中央の巨大なスクリーンにも今まさに行われている対戦の模様が映し出されていた。 「すげぇなぁ……」 「ふふん、びっくりしたー?大会の時とかはもっとすごいんだよー?」 後輩が出来て嬉しいのか、ただただ感心する俺に、ヒカリはなだらかな胸を張りながらあーでもない、こーでもないとの解説を始めた。曖昧でおおざっぱな説明なのでほとんど理解出来ないが、微笑ましいのでよし。 「へーぇ。ヒカリもここでがんばってるのか?」 「うん!あたし、すっごい強いんだから!隼人にも見せてあげるね!」 「そっか、よしよし。楽しみにしてるからな」 指先でぐりぐりと頭を撫でてやると、ヒカリはくすぐったそうに顔を綻ばせた。 「えへへー。ね、舞。せっかく来たんだからバトルしてこうよ!」 「今日はダーメ。武装持ってきてないもん。それだけじゃバトルは無理でしょー?」 すっかりご機嫌になったヒカリ。余程いいトコロを見せたいのか、戦いたくて仕方ないらしい。が、今日の彼女は飛行用のフライトユニットをしょっているだけ。神姫のパーツにはバトル以外、日常生活に使えるものも多く、ヒカリも普段はこれで飛び回っている。サイズの小さな神姫には人間の生活スペースでも広すぎる為、普段からこういったパーツを付けた神姫は多く見られる。 「えー、ヤだー!隼人にかっこいいとこ見せるのー!ねー、舞、武装取りに行こ!」 「ダメったらダメ。ヒカリー?今日はいい子にしてるって約束したでしょ?わがまま言わないの」 「でも……」 「今度また準備してから来ようぜ?そしたら俺も神姫連れて来れるし、ヒカリはその時カッコいいトコ見せてくれよ。今日はここの事を教えてくれればいいからさ」 俺も見かねて口を挟む。俺のせいで怒られたのでは可哀想だ。なんとか興味を他に移そうとするが、ヒカリはなかなか納得してくれなかった。 「むー……ヤだ!あたしは今がいいのー!」 「あっ、こら!」 ヒカリは舞の肩から飛び降りると、そのまま人混みの中へと飛んでいってしまった。 「ヒカリ!あぶないから……」 「きゃあっ!」 舞が言い終わるより先にヒカリが悲鳴をあげた。 「ってーな!なにすんだよ!」 続けて聞こえたのは男の怒声。どうやら急に飛び出した為に、誰かにぶつかったらしい。舞と一緒に慌てて声が聞こえた方に駆け付ける。人とぶつかっただけだとしても、僅か15センチ程しかない神姫にすれば破損の原因には充分すぎる。 「ご、ごめんなさい……」 「すみません!大丈夫でしたか?」 ヒカリは……うん、無事みたいだ。心配したような事故には到らなかったようで、怯えながらもぶつかった相手に頭を下げていた。 「なんだよ、お前の神姫か?どうしてくれんだよ、これ!」 ぶつかった時にぶちまけたのか、男は染みのついた上着と潰れた紙コップをいかにも不機嫌そうに舞に突きだした。 「あの、えっと、あたし……」 「ほら、ヒカリもちゃんと謝って」 涙目でうろたえるヒカリをなだめながら、舞が深々と頭をさげる。 「本当にすみませんでした。あの、クリーニング代はお出ししますので」 「ご、ごめんなさい!」 「謝って済んだら警察はいらねぇよ!それより……」 男はそこで言葉を切ると、舞をじろじろと舐めるように見始めた。とても人格的に優れた人物には見えないが、まだ言い掛かりをつけるつもりだろうか。 「そうだな。ちょっとオレに付き合うなら許してやってもいいぜ」 あまりにもセオリー通りの絡み方。オヤクソク、というヤツだろうか。今時こんなヤツがいるとは思いもしなかった。国に天然記念物として保護してもらえよお前。 「え?そ、そんなこと言われても……」 舞もヒカリも、ちゃんと頭を下げて謝っている。既に出来うる限りの礼を尽しているのだから、今更そんな筋合いは無い。 「お前、いつの時代のチンピラだよ?」 異性に対しては人見知りの激しい舞。そんな舞を、これ以上黙って見ている事は出来なかった。こういうタチの悪そうなのは早めにお帰り願うのが一番だろう。 「なんだ、お前?」 「その娘らのツレだよ。お前こそなんだ?こっちは充分謝ってんだろ?」 俺はとにかく威圧的に言葉を放つ。このテのヤツは強気に出られるのには弱いハズだ。 「ぶ、ぶつかって来たのはそっちだろ!?」 やっぱりオヤクソクだ。もうどもりだした。こうなったらもう一押し。この調子で続けてやれば適当な捨てセリフでもはいて退散するハズ。 「だからさっきから謝ってんだろ?しつこいんだよ、大の男が」 「だ、だったら……だったら神姫バトルでケリつけようぜ!」 そう、セオリー通りにこれで退散……しないのか。いや、そんな事より。 「ち、ちょっと待て!なんでそうなるんだよ!?」 「お前らだって神姫オーナーだろ?だったら決着はバトルでつける!公平な条件だ!」 どんな理屈だ。この野郎、開き直ったな。 「おれが負けたら全部チャラにしてやるよ!ただし、そっちが負けたらおれの言う通りにしてもらうからな!」 言いながら舞を見るといやらしい笑いを浮かべる。ちくしょう、時代劇の悪代官みたいなヤツだ。 「舞、隼人。ごめんなさい、あたしがわがまま言ったから……」 「いいんだよ。ヒカリはちゃんと謝ったんだから」 「隼人、でもどうしよう……」 舞はもう泣きだしそうな顔だった。こんな顔を見るのはいつ以来だろうか。子供の頃から泣き虫で、しょっちゅう慰めてやったっけ。そしてその頃の気持ちは、まだ俺の中に残っているらしい。 「大丈夫。心配すんな」 俺は出来るだけやさしく微笑んで、そっと舞の頭をなでてやる。舞の泣き顔も、ヒカリの泣き顔も見たくない。沸き上がる感情はもう抑えられなかった。 「こいつを泣かせたヤツは、昔から俺か姉ちゃんに凹まされる決まりになってるんだ。俺が相手してやるよ。文句はないだろ?」 「別にどっちでもいいぜ。なんなら二人まとめてかかってくるか?」 かなりの自信があるようで、男はニヤけ顔で余裕を見せている。今のうちに笑っておけばいい。すぐに笑えなくしてやる。 「隼人!?相手してやるって言ったって……」 「ああ、俺と……コイツでな」 目を白黒させる舞に、俺は持っていた荷物を軽く掲げる。余程驚いたのか、その表情のまま一瞬凍りついてしまった。女の子がそんなおもしろい顔するもんじゃないぞ。 「コ、コイツってさっき買ったハウリン?無理だよ!まだセットアップもしてないでしょ!?」 「今からやる」 「でも!」 「大丈夫だって、いい子で待ってろ。さて、それじゃセットアップしないとな。手伝ってくれ」 「……いつもそうだよね、隼人は。ごめんね、頼ってばっかりで」 未だに納得いかないようだったが、説得は無理だと悟ったらしく、舞は少し困り顔で微笑んだ。 「いいからまかせとけって。ほら、それよりセットアップ教えてくれよ」 「うん。セットアップって言っても、必要なのはCSC(Coar Setup Chip)のセットとオーナーの認証の二つだけなの。コアユニットの胸を開いてみて」 パッケージを開くと、文字通り『小さな』女の子が眠るように横たわっていた。その寝顔はまるで本物の少女のようだったが、肩や膝等、間接の可動部分が彼女がロボットだという事を思い出させる。 舞の指示に従い、小さな少女の胸部をそっと取り外す。するとちょうど心臓にあたるその部分に、三つの穴の空いた円環状の回路が走っていた。 「そこにCSCを三つセットするの。その組み合わせで神姫の特性が決まるものだから、慎重にね」 「このちっちゃい宝石みたいのがCSCだよな?」 BB弾より更に小さな色とりどりの球体。これが神姫に『命』と『心』を宿らせる為の物らしい。 「そう。赤いルビーが攻撃特性、黄色のトパーズが命中特性で……」 「全部赤」 「ちょっ、慎重にって言ったでしょ!?ちゃんと考えなさいよ!」 「おばあちゃんが言っていた。やられる前に殺ればいい!それにほら、主人公的にも色はやっぱ赤だろ?」 あくまで舞の意見は参考にして、赤く透き通った珠を神姫の胸に填めこんだ。三つ全て取りつけると仄かな光が回路を走り、CSCがうっすらと点滅し始めた。 「もう、おばあちゃんそんな人じゃないでしょー?知らないからね?……じゃあ胸の回路を閉じて……そう。さ、起動するよ」 「え、もう?」 キューンという小さな電子音をあげると彼女は静かに眼を開き、深い眠りから目覚めようとしていた。少し間をおいてゆっくりと起き上がると、正面にいた俺を見上げ、始めての言葉を発した。俺の神姫が、起動した瞬間だった。 「あなたが、私のオーナーですか?」 「ほら隼人。オーナー認証して」 「え?あ、ああ。そう、俺がオーナーだよ」 「……認証しました。これからよろしくお願いします、マスター」 そう言うと彼女は深々と頭を下げた。礼儀正しい性格のようだ。うん、こういうことは最初が肝心だ。 「こちらこそ、よろしく」 俺は掌ほどしかない小さな彼女に手をさしだす。一瞬戸惑いを浮かべた彼女だったが、すぐに指先を両手で握り返し、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。 「はいっ!」 「オイ、いつまで待たせるんだ?それとも逃げ出すための相談でもしてるのか?」 「誰が逃げるか。すぐ相手してやるから待ってろ」 「こっちはいつでもいけるぜ。なあ、アル?」 男が腰のポーチに声をかけると、そこから小さな影が飛び出してきた。赤を基調とした体のペイントに、緑色の髪を頭の両側で結い上げた神姫。なんだかリンゴっぽい。 「もちろん!実力の差を思い知らせてやるんだから!」 「サンタ型ツガル……高機動狙撃型よ」 舞が小さな声でつぶやいた。先程の説明を聞いた限りでは、とても相性がいいとは言えない。どうやら楽に戦える相手じゃあないようだ。それにしても、サンタ型ってなんだろう。色? 「あの……マスター?」 考え込んでいると、ハウリンが不安そうに声をかけてきた。今の状況が把握しきれていない様子だ。 「ああ、そっか。実はいきなりで悪いんだけど、お前に戦ってもらいたいんだ。起動したばっかりだから無茶だとは思うけど……大丈夫か?」 「確かに、通常ですと起動直後の各モーメント制御、及び演算機能の最適化などは日常生活のような負荷の少ない状態で行っていくのが最善です。起動直後の、しかもバトル中に行うというのは少なからずリスクも伴います。ですが――」 彼女はあくまで簡潔に、そして淡々と俺の問いに答える。それはそうだ。どんなに精巧に出来ていても彼女は人工物、『ロボット』なんだ。でも彼女は―― 「私は『武装神姫』です。いつ、いかなる時であっても、マスターの為に戦ってみせますよ」 彼女の眼は、その燈色の瞳は、たしかに力強い光を放っていた。凛とした闘志をみなぎらせて。 「よし、凛だ」 「え?」 きょとんとした顔の彼女を掌に乗せ、もう一度呼び掛ける。名前、俺の武装神姫の、その名前。凛々しく、力強くあって欲しいと願いを込めて。 「お前の名前。『凛』。お前は今から凛だ」 「『凛』……」 「さあ、そんじゃあ頼むぞ凛!」 「はいっ!任せてください!」 俺と凛。俺達二人の物語が、今始まろうとしていた。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/928.html
ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.2 『神姫の構造ってどうなってるの?』 メンテナンスや装備交換で分解することの多い神姫のパーツ。だが、我々は本当に神姫の体を知り尽くしているのだろうか? ○神姫の改造やメンテナンスについて 神姫のハード本体を触るケースとして一番多いのは、手足の換装や関節部のメンテナンスだろう。これに続くのが、拡張スペーサー部や外部装備、ソフトウェア的な調整となる。 逆を言えば、それ以外のパーツはほとんど触る必要がないとも言える。 以下、主に触らない箇所を図で紹介してみた。 1.陽電子頭脳 神姫の頭脳部分。 人間で言えば頭蓋骨に相当する、頭部フレームの内側に収納されている。 陽電子頭脳の詳細については前回のコラム参照。 2.神姫顔 神姫の顔は人間と同じく、頭部フレーム表面に人工筋肉が組み合わされ、そのうえに人工皮質が貼り付けられている(モデルによって頭部の形状が異なるため、筋肉の付き方まで人間と全く同じというわけではない)。 この人工筋肉と人工皮質の動きによって、神姫は自由に表情を変えることが出来る。 3.神姫口 神姫の口には食事用の歯が付けられている。人間の義歯と同じ素材で作られているが、人間のように三十二本あるわけではない。 咀嚼の動作は表情用の人工筋肉に接続して行っているため、基本的に人間と同じように噛んだりすり潰したりする事が出来る。神姫の口の大きさもあって非常に細かいパーツ群であるため、もし歯が欠けた場合、補修はメーカー修理扱いになる。 ちなみにストラーフタイプには八重歯が付いているが、噛みつき技の使用は公式戦では禁止されているため、注意が必要だ。 4.神姫胸部 CSCとCSC基盤が納められている中枢。 5.関節 神姫素体は基本的に外骨格構造。内部にはICPF(導電性高分子アクチュエータ)を中心とした人工筋肉や、情報伝達を司る神経ケーブルが通されている。 ICPFは人間の筋肉に比べ、百倍近いパワーを出すことが出来る。神姫が自分ほどの大きさのあるライフルや、水の入ったコップを持ち上げることが出来るのは、この人工筋肉があってこその技だ。 神姫の関節は非常に大きな力を扱う丈夫なパーツだが、無理矢理な力を加えると折れてしまうこともあるので、取り扱いには細心の注意が必要。 神姫が嫌がる動かし方はしないのが大原則だ。 6.拡張スペーサー 神姫素体各所にあるハードポイント。 パーツへの給電やデータ送受信もここで行われている。 7.神姫袋 歯で噛み砕いた食事は、喉・CSC基盤の裏に通されたチューブを通り、この中に流れ込む。ただし、神姫の食事機能はあくまでもコミュニケーション用の機能であるため、消化してエネルギーに変換する事はない。 溜め込まれた水分は股間のスリット、固形物は腹のハッチを開け、主にトイレで『排泄』される。 ちなみに神姫袋はあくまでも通称であり、正式名称ではない。 8.バッテリー 神姫のメインバッテリーと充電用コネクタは、神姫袋の後ろ、腰~お尻あたりにある。お尻をクレイドルに触れさせることで、バッテリーを充電することが可能。 お尻のコネクタは非接触型の端子ではあるものの、指で触れると電位差が発生するのか、神姫が嫌がるので触らないように注意。 神姫のバッテリーは、メインバッテリー(構造は非公開)、外装を兼ねたプラスチック電池、人工筋肉のICPF(ICPFにも蓄電池の効果がある)などの複数の電源で構成されている。 基本はメインバッテリーが使われるが、バトルなどの大出力が必要になる場合は、外装・ICPFの予備電源が使われる。 9.神姫足 高いところから落ちても平気な足。 装甲強度が高いわけではなく、関節の柔らかさ等でショックを吸収する事でダメージを軽減しているだけなので、見かけほど頑丈なわけではない。 ○神姫の体はブラックボックス こうしてまとめてみると、頭部~胴体、要するに手足以外のパーツに関しては、驚くほど非公開情報が多いことに驚かされる。 特にバッテリーに関しては構造がほとんど公開されておらず、本社の完全な独占状態になっているのが現状だ。部品の取り寄せは出来るし、使用済みバッテリーの回収も行っているため、ユーザーとしての問題はないが、長時間駆動用の大容量バッテリーを望む声は多いため、メーカーには何らかの対応を期待したいところだ。 トップ
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-dialog/pages/32.html
ダーツセリフ集 話数 パート1 パート2 作業状況 例 Aパート Bパート 完 未 第145話 Aパート ――― 完 ― 第147話 Aパート Bパート 完 完 第148話 Aパート ――― 完 ― 第150話 Aパート ――― 完 ― 第153話 Aパート ――― 完 ― 第155話 ――― Bパート ― 完 第156話 ――― Bパート ― 完 第159話 Aパート Bパート 完 完 第160話 ――― Bパート ― 完 第162話 ――― Bパート ― 完 第163話 Aパート ――― 完 ― 第164話 Aパート Bパート 完 完 第165話 Aパート Bパート 完 完 第168話 Aパート Bパート 完 完 第169話 Aパート Bパート 完 完 第170話 Aパート ――― 完 ― 第172話 Aパート ――― 完 ― 第173話 ――― Bパート ― 完 第176話 Aパート ――― 完 ― 第177話 Aパート Bパート 完 完 第178話 Aパート Bパート 完 完 第179話 Aパート Bパート 完 完 第180話 Aパート Bパート 完 完 第181話 Aパート Bパート 完 完 第182話 Aパート Bパート 完 完 第183話 Aパート Bパート 完 完 第184話 Aパート ――― 完 ―
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/377.html
戦うことを忘れた武装神姫 その6 ・・・Dr.CTa。久遠とは大学の同期であり、両人とも腐れ縁を認めている。 Dr.と付くだけあって、所属する会社に於いてはそれなりの地位にあり、特にロボット工学では相当の研究成果を出してはいる才女・・・なのだが、その実は「腐女子」だと陰で囁かれている。 そんな彼女の手元には、サイフォス型の「ヴェルナ」と紅緒型の「沙羅」の、2体の神姫が住み着いている。しかしこの2体、顔が・・・明らかに通常のタイプと違う。 「雨、降ってきたっすね・・・。」 デスクで打ち出されたデータとにらめっこするCTaの脇で、コーヒーの缶に腰掛けた沙羅が、窓の外を見ながら呟いた。 「うむ。確か今朝の予報では、降水確率は70%だったな。」 ちらりと目を窓に向け、再びデータの山に向かうCTa・・・と、彼女の袖をヴェルナが引っ張っていた。 「マスター、そろそろ休憩の時間です。お茶菓子を用意しました。」 「おぉ、ありがと。」 ヴェルナから茶菓子のあんまんを受け取ると、ちぎって沙羅とヴェルナにも分け与えた。 CTaが勤務するのは、通称「ちっちゃいもの研」。体内マイクロマシンなど超小型機器の研究施設である。仕事上のつながり・・・というより腐れ縁の立場を利用されてか、久遠の神姫のメンテナンスもCTaは受け持っている。 顔見知りなのでタダではあるが、その代わり自らの研究材料としての利用もしている。そのひとつが、久遠の神姫にも搭載されている「食事」機能。 「あっちー!!」 渡されたあんまんにすぐかじりつき、餡の熱さに思わず声をあげた沙羅。 「これこれ沙羅、餡は熱いんだから。十分冷ましてからにせぇよ。」 と言いながら、CTaも餡を冷ましている。 「ところでマスター、今日は夕刻より久遠様と会議なのでは?」 一足先に食べ終えたヴェルナは、PDAを操作して予定表を確認していた。 そこには、「久遠・緊急用件@居酒屋・時刻1830」の文字が。 「あっ! 忘れてたっ!! いっけねぇ、何も用意してないぞっ!!」 あんまんを押し込むように食べ、むせ返るCTa。 「マスター・・・。」 その手元からは、沙羅とヴェルナの寒い視線がCTaに向けられていた。 沙羅とヴェルナは、いわゆる「捨てられた」神姫だった。 とある雨の日、久遠がシンメイを連れて買い物に出た帰り道だった。近道でもある河川敷を歩いていた際に、シンメイが消え入りそうな神姫のSOSシグナルを受信、周囲を捜索するとコアユニット、すなわち頭部が無惨にも破壊された 神姫を2体発見する。 それが、沙羅とヴェルナだった。 とても自らの手では修理できないと判断した久遠は、CTaに修復を依頼。コアユニットの修復はCTaも初めてであったようだが、他機種のガワを上手いこと流用し、数日後には見事に美しく修復させた。 当初、久遠が2体とも引き受ける予定であったのだが、情が移ってしまったのであろうか、CTaが自らのサポート用として、引き取ったのである。 「ふぇ・・・へぶしっ! 冷たいっ雨すねぇ。。。」 「おっと、ごめんよ。沙羅は雨が苦手だったよね。」 雨の中、待ち合わせの居酒屋へ急ぐCTaは、肩に乗せていた沙羅に小さな傘を持たせた。と、CTaの持つ鞄から、合羽を着込んだヴェルナが顔を出した。 「待ち合わせ時刻まで、残り6分と30秒です。間に合いますか?」 「だーっ!わかっとるわぃ!だからこうして急いでいるんじゃないかっ!」 「あ、マスター・・・あと20m先なんですが、私の計算ですと・・・」 「うん? なに?」 「工事に伴う歩道上の段差で、おそらく蹴躓い・・・」 どんがらがっちゃ。 ばしゃ、べっちゃり。 ヴェルナの方を振り向いた瞬間。見事、ヴェルナの予測通りの段差に蹴躓き、資材置き場にダイブするCTa。そして水のたまったブルーシートの上へ沈む。 「い、いてて・・・ ヴェルナっ!そういう事はもっと早く言うことっ!」 「も、申し訳ありません!」 鞄から転がり落ちて、ヴェルナは水たまりに填っている。 「ん、んん? あっ!沙羅っ!!」 体を起こしたCTaは、肩に乗せていた沙羅がどこかへ飛んでいったことに気がついた。ずぶ濡れのまま、あたりを見回すと・・・ 「・・・。」 目の前には、気の毒な表情を作ろうとしているものの笑いをこらえているのが一目でわかる、なんとも変な顔付きをした久遠が立っていた。そして彼の左手には、目を回した沙羅が。 「何やっているんだ? いきなり沙羅は飛んでくるし。何かしでかして思わず 投げ飛ばしたんじゃないかと思ったぞ。」 「うるさい。滑って転んだだけだ。」 むくれっ面で、ヴェルナと鞄を拾い上げるCTa。 「いえ、私の不注ぃ・・・むぐっ!」 と、CTaの手の中でヴェルナが何か言いかけたが、CTaは遮るようにヴェルナの口を塞いだ。 「沙羅じゃないけど、あたしも雨は苦手でね。目も悪いしぃ。」 「でも、私が・・・」 と、何か言いたそうなヴェルナを黙らせるかのように、どこからか取り出したタオルに包み込む。 「いんだよ。さぁ、沙羅もいつまでも目ぇ廻してないで。」 そう言いながら久遠から沙羅を受け取ると、ヴェルナを入れたタオルに併せて放り込むと、ちょっと乱暴に、がしがしと拭きあげる。そして。。。 「お前、風邪ひくぞ。」 その脇では、CTaに拾い上げた傘をずっとさし続ける久遠。 「何だよ。別にそこでつっ立っていなくて・・・ひっくしょん!」 振り返った瞬間、CTaは久遠にくしゃみをぶっかけてしまう。 「あ・・・ごめん・・・。」 「・・・。とりあえずこいつらは俺が拭いておくから。お前はそこの中武で服買ってこいや。」 久遠はひったくるようにヴェルナと沙羅の入ったタオルをCTaの手から取ると、代わりに傘を差しだした。 「くっそぉ、こんな事でポイント稼がれるとは・・・。」 ブツブツ言いながらも素直に中武へと消えるCTa。 「全く、素直じゃないんだから。」 ため息混じりにその後ろ姿を追う久遠。 彼の手元では、沙羅とヴェルナがタオルの隙間から顔を出し、ぼそっとため息混じりに呟いていた。 「あーあ、ダメっすねー。 素直じゃないのも、朴念仁なのも・・・」 「お互い様、ですねぇ。これじゃ苦労しますよ、久遠様の4人も・・・。」 そして顔を見合わせて、 『はぁ・・・。』 大きくため息の二人。 マスターの将来までをも心配する、お節介な神姫がいる。 そう、ここに居るのは、戦うことを忘れた武装神姫。。。 ・・・>その7へ続くっ!!>・・・ <その5 へ戻る< >その7 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1961.html
戦うことを忘れた武装神姫 その40 時間はそろそろ18時を廻ろうとする頃。 紫色の初秋の夕暮れを背景に、色とりどりの灯りで飾られ浮かび上がる街。 行き交う人々も、クルマも、すべてが迫る夕闇の街に溶け込み、今日もまたあたりまえの景色を作り出していた。 そんな景色を切り抜く大きなキャンバスのようなショーウインドゥに・・・黒いバイクが風の如く映り込んだ。 今ではすっかり旧式となり、見ることも少なくなった久遠のバイク。 独特のメカノイズに振り返る人はいるものの、やはり都心とあってかさして珍しがって足を止める人もいない。 きれいに整備さた久遠のバイクは、シュラウドにも街の表情を映しこみながら、混みあう国道を軽やかに駆け抜けてゆく。 今宵の久遠は出張帰りであろうか・・・。 ジャケットの胸ポケットからは、マオチャオのエルガがぴょこんと顔を出し、夜風に緑色の髪をなびかせ、大きな翠色の瞳は流れ行く街の光を湛えていつも以上に輝いていた。 ターミナル駅そばの、大きな交差点の信号につかまったときだった。 まるで潮の流れのようにスクランブル交差点を通り過ぎる人間、ニンゲン。 身体を乗り出し、じーっと眺めていたエルガが、 「にゃーさん、おさかなー。」 と、ぼそり久遠に言った。 おねだりする時ともまた違った口調のエルガに、何事かと考える久遠。 どこかに焼き魚の屋台でもあるのか? いや、そんなものはない。 だいたい魚と言っても、この近辺にあるのは海鮮居酒屋くらい・・・。 「んー、おなかすいたか?」 久遠の問いかけに首を横に振るエルガ。 「ちがうの。 にゃーさんが、おさかな。」 何のことやらさっぱりの久遠に、エルガはなんとも楽しそうな笑みと共に続けた。 「バイクに乗って、街の中を駆けてくにゃーさんがおさかな。 にゃーさんはね、ひかりのうみのなかをおよぐおさかななんだよ!」 ・・・あぁ、なるほど・・・。 歩行者用の信号点滅を始め、これから進もうとする道が開けつつあるとき、久遠はエルガの言わんとしていることを理解した。 「光の海を泳ぐお魚、と・・・。」 久遠は呟きながらクラッチを握り、ギアを入れる。 その振動はエルガにも伝わり、半身を乗り出していたエルガは再びポケットに身体を深く納めた。 「にゃーさんも、ひとつの光になって、海を作って、海を泳ぐの。 このおっきな街からみたら、にゃーさんはちっちゃな光のひとつだけど、にゃーにとっては・・・みゅぅ・・・その、あのね・・・街よりもおっきな光なの!」 そういうと、顔を赤らめてぎゅっとジャケットに顔を埋めるエルガ。 前を見る久遠はエルガの動きを知ってか知らずか、使い込まれたグローブをはめたままの右手でちょんとエルガのアタマを突付いた。 「それじゃ・・・珊瑚の脇での休憩はおしまい。 ぼちぼち大海原へと泳ぎだそうか。」 信号が変わり、前方には広い道路が・・・いや、海の回廊がひらけた。 「いくぞっ!」 「うにぁー!」 エルガの声にあわせるかのごとく久遠はアクセルをひねり、光があふれる大海原へと再び飛び込んでいった。 透きとおる眼差しで、街を見つめる神姫がいる。 そう、ここにいるのは、戦うことを忘れた武装神姫・・・。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/505.html
戦うことを忘れた武装神姫 その16 ・・・その15の続き・・・ 何年前になろうか。 ・・・武装神姫、一般発売。 その翌年、バトルサービス開始。 各地で繰り広げられる熱い戦い、築かれてゆくつながり。ペアが生まれ、 チームが編成され・・・ 楽しむために戦う、仲間と集うために戦う。 そして・・・ 名誉と、賞金のために-。 スポンサーが付き、賞金のかかる試合もぼちぼち増えてきた頃。 とある町の、小さなチーム。彼らもまた、神姫バトルで賞金を稼ぐ者たち のあつまりであった。 彼らは、全員がストラーフのみを所有し、「黒い嵐」とも呼ばれた強豪で あった。 その中で、試合へ出向く神姫たちの、トレーニングをする際の 相手だけを務めるストラーフが居た。 特定のオーナーを持たず、 名前も与えられず。 表舞台へと向かう仲間が、新たに編み出した技を確かめ、オーナーたちが 試作した武器や技術を試すため・・・。 勝利を収めても、誉めてくれるオーナーはいない。 負傷しても、慰めてくれるオーナーもいない。 ただ独り、ひたすらに、黙々と、与えられた仕事をこなす。心を持つこと なく、まさに「機械」としての日常-。 そんな毎日を送る彼女を、一人だけ「仲間」と呼ぶ者がいた。 チームのリーダーで、最も成熟した心を持つストラーフ。 手加減のない 模擬戦のあとでも、必ず彼女のことを気にかけ、破損があろうものなら、 自らの損傷は後回しにして、真っ先に彼女の修復を申し出ることも。 「貴方のおかげで、私たちは常に頂点に居ることができるんですから。」 これが、リーダーの口癖だった。 しかしオーナーたちの中で、その意味を理解していた者は-、いなかった。 「毎日のように貴方は私たちと、対等の戦いを繰り広げ、次々に渡される 新型機器を、いとも容易く扱える。 もっと自信を持ちなさい。 ソロの 対戦なら、貴方が最も強い神姫かもしれませんよ。」 ある日、模擬戦で彼女が勝利を収めた際、リーダーが彼女に言った言葉。 いつも日陰者と自称していた彼女にとって、今までにない程の、暖かく、 熱い言葉-。 胸に、こみ上げる思い。 オーナーを持たない彼女に「こころ」が、芽生えた瞬間-。チームリーダー の証である、蠍のマーキングが施された自らの頬を指しながら言った。 「いずれ貴方も、表舞台で先頭に立てるといいですね。」 そして、この会話が、彼女とリーダーの最後の会話となった。 翌日の公式戦終了後、リーダーを収納したボックスが、何者かに持ち去ら れてしまったのだ。 リーダーのストラーフを失ったチームは、徐々にランクを下げていった。 それに比例するかのように、彼女への仕事-、いや、仕打ちと言った方が いいかもしれない- は、凄惨なものへと変化を遂げた。 勝つために作った力任せ・反則スレスレの改造武器を持たせ、彼女を動く 標的として-。 たとえ装備が破損してもそのままに、自らでの簡易修復 が限界の毎日-。 やがて、彼女自身が損傷を受け、まともに動く事すら 出来なくなった。 鍛錬の相手が居なくなり、チームはついにランク外へ と陥落。。。 ここで、ようやく彼女の存在意義、存在の大きさに気づいたオーナー連中。 息も絶え絶えの彼女を、大急ぎで東杜田の片隅にある工場へと持ち込んだ。 どんな損傷を受けたロボットをも生き返らせる技術者がいるというウワサ を聞いて・・・。 だが。 そこの技術者の答えは「修復不可能」との返答。長期間、内部損傷を放置 したため、コアへも損傷が生じてしまった、というものだった。 オーナー連中が出した結論は-、 チーム解散。 リーダーを失い、陰の立役者を失ったチームが、勝ち続けることは不可能 だった。 オーナーたちは、それぞれの所有する神姫を手に、それぞれの 道へと戻る-。 オーナーを持たない彼女は・・・ 研究所へ残された。 オーナー連中が立ち去り、静かになった研究室の片隅。 彼女を診断した技術者が、彼女を手に取り、にやりと笑みを浮かべた。 「・・・お前のことはよく知っているぞ。 リーダーが、徹底的に誉めて いたからな。」 いきなりのその言葉に、彼女は目を丸くした。 「時折来ていたんだよなー、あいつ・・・。 本当にいいやつだったよ。 無事でいてくれればいんだけど・・・ お前もそう思うだろ?」 彼女に、涙がわき上がった。 機械の身体であるはずなのに、何故、涙が 出るのだろう・・・。訊かずとも、技術者がすぐに答えた。 「泣いたな。 お前は、今や機械じゃない。 立派なひとりの『神姫』と なったからだよ・・・。」 ぼろぼろの身体をそっと撫でる技術者。はじめて、信頼できる「人間」が、 目の前にいる・・・。 自らの動力は、もう息絶えようとしているけれど・・・。 今までがんばってきて、良かった・・・。 「さて。と・・・って、こらこら! 一人で感動シーンをやってるんじゃ ないよ。 お前はまだ終わっちゃいないんだから。」 ごりごりと、ちょっと乱暴に頭を撫でる技術者。 「ああ言えば、あいつらはスンナリ納得して、お前を置いて帰るだろうと 思ったんだ。 ま、それもこれもあたしの腕と信頼があっての事だけど。」 そう言いながら、技術者は彼女を作業台へと運んだ。山と積まれた工具、 機材、そして素材。 「お前を見捨てるようなやつらは、ホンモノの神姫使いじゃないよ。私が ホンモノの神姫使いと巡り合わせてやる。 そうさ、これからがお前の、 本当の『武装神姫』として生きていく時間になるんだ-。」 と、技術者が言った。 彼女はそれが何を意味するかすぐに理解できた。 まだ、いける。 明日が、ある・・・!! 「・・・なんだけどねー。 あんたを救う代わりに、あたしの実証実験に 少し協力しなさーい! それがあたしへの報酬さっ!」 突如、小悪魔のような笑みを浮かべた技術者。 だが、そこに悪意は一切 なく、むしろ彼女への愛情のある顔付きだった・・・。 先とはうってかわり、機材を駆使してのテッテー的な破損個所の洗い出し を行い、詳細な修復計画を立てた技術者。まずはメインボディの修復作業 を行こととし、いったん動力を落とす旨を彼女に告げた。音声回路も破損 しかけ、かすれた声しか出せななくなっていた彼女は、ノイズ交じりの声 で、ひとつのお願いをした。 -いままでの記憶を、全て残してほしい- その願いに、技術者が目を丸くした。 本当にいいのか?と、問いかける 技術者に、彼女は強い意志を持った眼差しで答えた。 -記憶を消したら、私ではなくなってしまう- その答えに技術者は再びにやりと笑みを口元に浮かべると、彼女をそっと 撫でて、やさしく言った。 「へっ・・・泣かせる神姫だなぁ、お前は。 よーし、わかった。あたし がお前を、世界で一番の神姫にしてやる。 人間をオーナーにしてしまう くらいの、強く、かっこいい神姫に-。」 数日後。 彼女が目を覚ますと、初めて見る顔の人間がいた。 彼の肩や 胸のポケットには、3人の神姫が。猫、犬、白・・・。 「・・・なーるほどね。 そりゃー大変だったねぇ。」 「いいやつだよー。・・・ちょっと意地っ張りだけど。」 「いやぁ、構わない構わない。 話を聞いたら、なおさらウチに居て欲し くなったよ。」 その男は、技術者と親しそうに会話をしている。 やがて一段落付いたの だろうか、彼女の元へとやってきた。 と、彼女はひとつの異変に気づいた。 彼は、私のマスターだ・・・。 すぐに、認識が出来た。 そう、正式な 起動を行い、造られてから、はじめての「マスター」を得たのだ。。。 ・・・私の・・・マスター・・・ もう、独りでは・・・無いんだ・・・!!! 「どうも、はじめまして。 君のマスターになる、『ヒサトオ』っちゅー 者ですわ。 んで、こっちがエルガ、シンメイ、イオ・・・。」 それぞれの神姫が、彼女の前に降りて会釈をする。 「・・・ところで、君の名前は?」 うれしさがこみ上げる中、彼がふと尋ねた。 返答に困る彼女。 今まで、 名前で呼ばれたことなど無い・・・。 すると、技術者がさらさらと紙に文字を書いた。 「日はまた昇る、の『Rise』から音だけもらって、ちょいと綴りを変えた んだけどねー。 どお? いいでしょ。 なんたって、この数日かけて 考えた名前なんだからねっ!」 涙でにじむ視界に、ぼんやりと、しかしはっきりと浮かび上がった文字。 それは-。 「 -Lize- リゼ=ストラーフ 」 ・・・>続くっ!>・・・ <その15 へ戻る< >その17 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/526.html
2月14日の武装神姫-02 ・・・2月14日の武装神姫-01の続き・・・ 「このくらいかにゃ? ・・・それじゃ、次〜。」 一個目、無事流し込み完了。2個目、3個目・・・一度上手くいけば、あと はラクチン・・・すんなりと完了。・・・チョコが余ったので、一旦ボウル を湯煎の上へ戻し、先の分に、3人であれやこれやと飾りを着けて、文字を 書いて。 ワイワイやっているところへ、ようやくイオが起きてきた。 「あー!! おそーい!!」 エルガが声をあげた。 「あ・・・すっかり忘れていました・・・今日は14日でしたね。。。」 まだ眠そうにあくびをするイオ。 「忘れていましたって・・・。 まぁいいや。 今年は一人一個作るから、 イオも作ること。」 リゼが言うと、目をこすりながらリゼはボウルの方へ。 「はーい。それで、チョコレートはどちらに? あら、美味しそうな香り。」 まだ寝ぼけているのであろうか、フラフラ〜と、足下も怪しいまま・・・ どべちゃっ!! 「いやーーーーーー!!! あ、熱い、熱いぃぃぃっ!!!」 見事・・・というかお約束というか、よりによって湯煎の湯の方ではなく、 チョコレートの方へ転落したリゼ。 「な、何やっているんですかっ!!!」 慌ててシンメイが駆け寄る。 エルガがすでに飛び上がり、ワイヤーを引き ボウルを持ち上げている。 ひとまず(もったいないとのリゼの一言で)、 イオの分の型の上へイオ入りのチョコレートを流す・・・と。 「あ・・・。」 受け側でボウルを動かしていたリゼが絶句。型に流すまでの間が仇となった のだろうか、出した途端にリゼごとチョコは固まってしまった。 「あ、あの・・・ 固まってしまいました・・・。」 「見れば解る。」 「そ、そんなぁ〜! リゼ、冷たいこと言わないで、何とかしてっ!」 「何とか、ねぇ・・・。 寝坊して、残りのチョコレート使い果たすはめに なった原因を作ったヤツが言うことか?」 「ちょっとリゼ。そこまで言うことはないでしょ?」 と肩を叩くシンメイに、リゼは無言で、後に座り込むエルガを示した。 「イオが悪いわけじゃないけれどね・・・ にゃんか納得行かない・・・。 せっかくみんなで、一個ずつ渡そうと思ったのに・・・。」 大きな目に大粒の涙をためてぐずるエルガ。 「・・・。」 さすがのシンメイも、どう声をかけたら良いか解らない様子。 文字通りに 固まったままのイオも、(おそらく)申し訳なさそう目をしている。 「ん? むむ・・・ あぁ、いい方法があるぞ。」 固まったイオを見ていたリゼがポンと手を叩いた。 「ぬっふっふ・・・」 小悪魔のようなにやりとした笑み。 エルガ、シンメイもちょっとゾクッと 走ったモノがあった。 そして。。。 「ただいまー。 いやぁ、今日は久々の定時上がりだよ。」 まだ早い時間に久遠帰宅。 きれいに片付けられたキッチンに・・・何やら 見慣れないハコが4つ。 「おかえりなさーい!」 と、エルガ、シンメイ、リゼがぴょっこり顔をだした。 「あのね、今日は伴天連隊員の日だか・・・ぶにゃっ」 豪快にシンメイがエルガをどつく。 「もう・・・バレンタインでしょっ!」 「っつーことだ、ヌシさん。 あたしたちも作ったよ。」 片目をつむって、イオがハコを差し出した。 続いて、エルガとシンメイも。 聞けば、皆でちっちゃい身体を駆使し、一人一個、人数分作り上げ、なんと 片付けまでも済んでいるというではないか。 「あんたら、ようやるねぇ・・・ いやー、こりゃ嬉しいよ!さっそく開け させてもらうよっ!!」 満面の笑みで久遠は包みを開ける。 ・・・エルガのチョコはでっかい肉球。 リゼのチョコにはLOVEとでかでかと書いてある。 シンメイのチョコは・・・ アーモンドがちょこんとひとつだけ。 でも、よく見ると・・・濃淡で見事 なハートが描かれ、隅には小さく「愛は最強」・・・って何が言いたいんだ? ・・・とここで久遠が気づいた。 「そういえば、イオ・・・は?」 「あ、あの娘なら疲れて先に寝ちゃったよ。」 リゼが答える。 「こんな早い時間からか?」 「ま、まぁね。 それはそうと、これ。イオの分のチョコレート。」 「をを、何やら豪華そうな大きさだ!」 3人とは違い、高さもあるハコ。 開けてみると・・・そこには、イオその ままの姿のチョコレートが! 「こりゃぁすごい! 時間かかっただろう・・・。」 「チョコを彫って作ったそうですよ。」 何か言いたげなエルガの口を塞いで、シンメイが言った。 「そうかそうか・・・。嬉しいねぇ、こんな立派なモノをもらえるなんて。」 そう言いながら久遠はひとしきり写真を撮り(銀塩)、フィルムを1本使い 切ったところで、まずはイオのチョコレートに手を伸ばした。 「ありがたく頂くよ。 今日の夕食はこれで決まりだなっ!」 嬉しそうに、満面の笑みを浮かべた久遠。 イオのチョコレートの台座部分 をまずは食し、足から食べようとして、一口かじった・・・ その瞬間。 「ぎゃーーーーーーーーーーっっっ!!!!!」 今まで、誰も聞いたことがないほどの悲鳴。 そう、イオ型のチョコは、中身がイオのチョコだったのだ。 何も知らない (当然だけど)久遠は、容赦なく、思いっきりイオの足にかじりついた形に なったのだ。 あまりの痛さに、大暴れするイオ。 剥がれ落ちるチョコ。 さらに、片足を久遠にくわえられたまま、久遠の顔面に猛烈な殴る・蹴るの 暴行を加えている。 そして。 ・・・ぽとり。 イオが久遠の口から落ちた。久遠の顔面は真っ赤に腫れ 上っていた。その一連の様子を見ながらリゼは笑いこけ、シンメイとエルガ は口を開けたまま、どうして良いのか手も出せずに・・・ただ見ているしか できなかった。 その夜。 仕組んだリゼは、顔を氷で冷やす久遠にこってりとしぼられ、イオはチョコ まみれであったため、失神するまで洗浄された。エルガとシンメイは、その 間どうにも気まずく、2人とも部屋の隅で並んで反省モード。 さらには、 その話が何故か翌日にはCTaの所へ漏れ、輪をかけて大騒ぎに。結局、全て が笑い話になるまで、数ヶ月を要することになった。 そんなこんなで、去年の2月14日はとんでもない騒ぎになってしまった久遠。 「・・・今年はチョコレートらしきモノは全部探して没収したから、大丈夫 だと思うんだけどなぁ・・・。」 ぼそりつぶやく。手には、皆で食べようと思い買った、値引きされたチョコ レートケーキ。 しかし、不安の中に、ちょっと期待があるのもまた事実。 (あんなに嬉しい2月14日ははじめてだったっけ。。。) しだいに足が速くなる。 ・・・自宅はもうすぐ・・・ そう、今日は2月14日。 大切な貴方へ、こころを伝える日-。 <トップ へ戻る<
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/427.html
ネタバレ注意スプーン型メリエンダ セリフ集 ネタバレを含みますので覚悟のある方のみ↓へ。閲覧はあくまで自己責任です。 親密度の分類、選択肢の結果など各自協力して完成度を高めましょう。 可能であれば編集前にセリフの再検証を行いましょう。ウィンドウの出るものはSSを取るなどすると有効です。編集時にはネタバレ閲覧回避の為「更新情報を宣伝する(Ping)」のチェックを外すといいかもしれません。 見出しのテンプレートの改変など、セリフ集全体に関わるものは、編集前にセリフ集テンプレまでご一報ください。ページの再編集、編集合戦を防ぐため、ご協力をお願いいたします。 オーナーズルームセットアップ メンテナンス コマンド バトルウィンドウあり ウィンドウなし イリーガル バトルイリーガル ウィンドウあり イリーガル ウィンドウなし リザルト 神姫に触る ポイントバトル入賞 コメント オーナーズルーム セットアップ 社名 製、MMS-Automaton 神姫 神姫名 、 型番 セットアップ完了、起動します オーナーのことは、何とお呼びすればよろしいでしょうか?呼称選択この呼び方でよろしいですか? 呼称決定時のセリフ 命名を促すセリフ 命名 セリフ (名称決定時) セリフ (使用できない名前を入力した時) 上へ戻る メンテナンス 起動 クレイドルから目覚めた時のセリフ3種/一部神姫は呼称による派生あり 挨拶 神姫の挨拶3種/一部は呼称による派生あり 挨拶(長期間起動していなかった時) 長期間起動していなかった時の挨拶/起動しなかった期間に応じて3種/一部神姫は呼称による派生あり 用命(メンテナンス) 下記のイベントが発生しない通常時のセリフ3種/一部神姫は呼称による派生あり クラスアップ クラスアップ目前 Class B到達 (?) Class A目前 (Class Bで累計27勝以降)(?) Class A到達 (?) Class S目前 (Class Aで累計57勝以降)(?) Class S到達 (?) Class Ex到達 (?) ランダムトーク たまに出てくるセリフ (?) イベントトーク(特定の日付の1回目の呼び出し時に発生/一部は呼称による派生あり) ゲーム開始時に入力した誕生日 (誕生日)(?) 1/1 (元旦)(?) 2/14 (バレンタイン)(?) 3/3 (ひな祭り)(?) 3/14 (ホワイトデー)(?) 4/1 (エイプリルフール)(?) 長いお休み、いいです……○○をずっと見てられるし……え?あ、私、何か言ったですか……?(5/1 GW)(アップ) 7/7 (七夕)(?) 10/31 (ハロウィン)(?) 12/25 (クリスマス)(?) 呼称による派生がある場合 セリフ ( イベント +呼称「 呼称 」)(?) 選択トーク 神姫からの質問 (判明していれば発生条件)⇒( 回答 ) 返答 (?) 選択トーク(得意武器・戦術・呼称変更について) 神姫からの質問/得意武器について (起動後1回目の呼び出し時は固定、以降ランダム)⇒( 回答2種 ) 返答 (?) 神姫からの質問/戦術について (起動後2回目の呼び出し時は固定、以降ランダム)⇒( 回答2種 ) 返答 (?) 神姫からの質問/呼称変更について ⇒( 回答1種 ) 返答 (?) オーナーズルームでしばらく待つ(ウィンドウなし) 特に何もしなかった時の神姫の独り言 上へ戻る コマンド カスタマイズ カスタマイズを選んだ時のセリフ 武装エディット セリフ (ディゾナンス発生時) 呼称変更 セリフ (呼称変更可能/一部は呼称による派生あり)⇒( 呼称1~5 ) 返答 ⇒( 中断 ) 返答 セリフ (「呼称変更イベント発生前」呼称変更不可) セリフ (「呼称変更イベント発生後」呼称変更不可、72時間以内に再度変更を行おうとした時) トレーニング トレーニングを選んだ時のセリフ 開始前 トレーニング開始時のセリフ 開始(ウィンドウなし/トレーニング画面移行後にたまに出るセリフ) セリフ 成功 トレーニング成功時のセリフ 大成功 トレーニング大成功時のセリフ 失敗 トレーニング失敗時のセリフ ステータス ステータスを選んだ時のセリフ/一部神姫は呼称による派生あり クレイドル 充電確認時のセリフ/残量に応じて3種 (残量10~4) セリフ (残量3~1) セリフ (残量0) 充電開始 充電開始時のセリフ3種/一部は呼称による派生あり リセット 最初にリセットを選んだ時の神姫の訴え3種 ⇒(リセット) リセット選択1回目に対する神姫の哀願 ⇒(本当にリセット) リセット選択2回目に対する最期の言葉 ⇒(キャンセル) リセット選択キャンセル時の神姫の安堵。1回目と2回目で共通 リセット実行 社名 製、MMS-Automaton 神姫 神姫名 、 型番 リセット完了、停止します 上へ戻る バトル ウィンドウあり 開幕 開幕時のセリフ/神姫によって3~5種類 ジャーナル神姫の開幕時のセリフ (ジャーナル専用) 中盤 ターンの途中途中でのセリフ 終盤 終盤に近づいた時のセリフ 優勢 相手のLPを自分より一定以上多く削っている時のセリフ 劣勢 自分のLPが相手より一定以上多く削られている時のセリフ 双方共にピンチ 双方共にLPが一定以上削られている時のセリフ ロスト ロストした時のセリフ2種 SP切れ SP残量が極少量になった時 勝利 勝利時のセリフ3種 勝利(圧勝) 圧勝時のセリフ3種 勝利(辛勝) 辛勝時のセリフ3種 上へ戻る ウィンドウなし 攻撃 攻撃時のセリフ スキル スキル使用時のセリフ (「 スキル名 」) セリフ (通常回避と同じ) セリフ (「バタフライエフェクト」) 命中(喋らない相手の場合) 命中した時のセリフ 回避 回避成功時のセリフ 防御 防御成功時のセリフ 被弾 回避・防御できずにダメージを受けた時のセリフ セリフ (「ラッキーコイン」はずれ) 回避される 回避された時のセリフ 防御される 防御された時のセリフ 前進 前進時のセリフ 後退 後退時のセリフ 敗北 敗北時のセリフ 上へ戻る イリーガル バトル Illegal/○○ イリーガル ウィンドウあり 開幕 開幕時のセリフ 中盤 ターンの途中途中でのセリフ 終盤 終盤に近づいた時のセリフ 優勢 相手のLPを自分より一定以上多く削っている時のセリフ 劣勢 自分のLPが相手より一定以上多く削られている時のセリフ 双方共にピンチ 双方共にLPが一定以上削られている時のセリフ ロスト ロストした時のセリフ SP切れ SP残量が極少量になった時のセリフ 勝利 勝利時のセリフ 勝利(圧勝) 圧勝時のセリフ 勝利(辛勝) 辛勝時のセリフ 上へ戻る イリーガル ウィンドウなし 攻撃 攻撃時のセリフ スキル スキル使用時のセリフ (「 スキル名 」) セリフ (通常回避と同じ) セリフ (「バタフライエフェクト」) 命中(喋らない相手の場合) 命中した時のセリフ 回避 回避成功時のセリフ 防御 防御成功時のセリフ 被弾 回避・防御できずにダメージを受けた時のセリフ セリフ (「ラッキーコイン」はずれ) 回避される 回避された時のセリフ 防御される 防御された時のセリフ 前進 前進時のセリフ 後退 後退時のセリフ 敗北 敗北時のセリフ 上へ戻る リザルト 勝利 勝利時の報告 ⇒(褒める) 返答 (?) ⇒(無難) 返答 (?) ⇒(叱る) 返答 (?) 勝利(圧勝) 圧勝時の報告/一部は呼称による派生あり ⇒(褒める) 返答 (?) ⇒(無難) 返答 (?) ⇒(叱る) 返答 (?) 引き分け 引き分け時の報告/一部は「自分が悪かった」に別セリフあり ⇒(褒める) 返答 (?) ⇒(無難) 返答 (?) ⇒(叱る) 返答 (?) ⇒(自分が悪かった) 返答 (変化無し) 敗北 敗北時の報告/一部は「自分が悪かった」に別セリフあり ⇒(褒める) 返答 (?) ⇒(無難) 返答 (?) ⇒(叱る) 返答 (?) ⇒(自分が悪かった) 返答 (変化無し) 敗北(完敗) 完敗時の報告 ⇒(褒める) 返答 (?) ⇒(無難) 返答 (?) ⇒(叱る) 返答 (?) ⇒(自分が悪かった) 返答 (変化無し) 上へ戻る 神姫に触る 頭(髪)を触る セリフ2種 顔を触る セリフ2種 装備を触る セリフ (黒ぶちメガネ・おしゃれメガネ(白)) セリフ (ストライプワンピース・チュニックワンピース) セリフ (シャツパジャマ) セリフ (セーラー服) セリフ (巫女装束) セリフ (和装束・和装束(矢絣))一部コアは巫女装束・和装束のセリフが共通 セリフ (エンゲージリング) セリフ (アルテミスの泪) 上へ戻る ポイントバトル入賞 ポイントバトル入賞時のセリフ 上へ戻る コメント 長いお休み、いいです…… ○○をずっと見てられるし…… え?あ、私、何か言ったですか……?(5/1 GW)(アップ) -- (名無しさん) 2011-05-01 23 18 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/413.html
戦うことを忘れた武装神姫 その8 ・・・その7の続き・・・ 「・・・ロクな武装神姫にならないとは聞き捨てならないなぁ。」 振り向いた久遠は、M町センターのトップランカーに言った。 「別にこいつらは戦わせるだけが全てじゃないんだし。俺に言わせりゃ、あんな戦い方をする神姫こそロクでもない育ちをしている思うんだけどな。」 「言いたい事いってくれるっすねぇ、オッサン。」 と、言われたときだった。 「ヌシさんをオッサンと呼ぶなー!! このクサレ神姫使いがー!!!」 久遠の肩の上でリゼが叫んだ。あまりの声の大きさに周囲の目が一瞬にして彼ら に集まる。 側ではかえでがどうして良いのかオロオロ・・・。 「り、リゼ・・・肩の上では大声出すんじゃない・・・。」 片耳を押さえもだえる久遠。元々、耳が良い久遠にとってはかなりのダメージのようで、しきりに頭を振っている。一方のトップランカーもリゼに「クサレ」と呼ばれたことに動揺を隠せない様子。 「な、なんだよ神姫のくせに、偉そ・・・」 ヒュッ! さくっ、さくさくっ!! 作業台に降りたリゼの投げたデザインナイフの刃が数本、トップランカーの手にしていたケースに突き刺さった。恐ろしい形相で、さらにデザインナイフの刃を数本手にしている。 「神姫のくせに、だって? てめぇ、あたしらを何だと思ってるんだっ!!」 「お前らは機械なんだぞ! 人間に刃向かったらどうなるか、わかっ・・・」 ヒュッ! さくさくっ! 再びデザインナイフの刃が投げられ、ボックスに突き刺さる。・・・だんだんと刺さる位置が、ボックスを持つ手に近づいている。トップランカーの額には脂汗がにじんでいる。 「ほぉ・・・『機械』ねぇ。 そうかそうか。」 替え刃がなくなり、リゼは転がるナイフから刃を取り外し- ヒュッ! さくっ! 投げた最後の1枚は、ボックスの持ち手に刺さった。彼は完全に硬直した。リゼは彼を指差し、堂々と言い放った。 「なら、あたしたちが機械と神姫の違いを教えてやるよ。 よーし、準備期間を1週間与えてやる。対戦方式はそれぞれ4体、1vs1が4戦でいいな?」 「お、面白いじゃないっすか・・・。 やるっす、受けるっすよ!」 トップランカーはちょっぴり震えながら答えた。 「じゃ、決まりだな。 あたしじゃ正式な申し込みは出来ないから、ヌシさんが ・・・って、いつまでも耳押さえてるんじゃないよ!」 のっそり立ち上がった久遠だが、まだ耳鳴りは治まっていない模様。 「お前の所為だろ、この耳と頭痛とめまいは・・・。はいはい、対戦の申し込みするんだね。 受付に行って来るから、リゼはここでちょいと待ってろや。」 ちょいちょいとリゼの頭をなでつつ、片手は久遠は耳をさすっていた。 「本当にいいんすね、オッサン・・・」 と、トップランカーが言いかけたとき。「オッサン」という言葉を聞き逃さなかったリゼは、 ぶんッ! べちん!! 手元のマスキングテープを投げつけトップランカーの手にブチ当てた。 「ってー!! わかりました、いいんすね、ストラーフのマスターさん!」 「わかればよろしい。」 作業台上で仁王立ちするリゼの姿に、再び動揺するトップランカーは、ちょっと申し訳なさそうにする久遠に促され、共に受付へ向かった。 受付を終えた久遠が戻ると、心配そうにまだうろたえるかえでとティナに何やら語っている。 「・・・大丈夫だって! まー、見てなって。あんたとかえでちゃんの『痛み』 は、何が何でもあいつらに味わわせてやるから! あ、ヌシさんおかえりー。」 「お話中だったかな。ごめんなさいね、かえでちゃん。ちょっと待っててね。」 久遠はちょっとため息をつくと、リゼをひょいとつまみ上げた。 「リゼの気持ちはわからんでもないが・・・」 と、つまみ上げられて周囲を見回し、リゼはここで初めて、何をしでかしたか、事の重大さに気づいた。 廻りを取り囲むギャラリー。そのギャラリーの前で、このセンターのトップランカーに勝負を挑んでしまった・・・ だんだんと表情がこわばり、膝ガクガクになったリゼを久遠はじっと見つめる。 「わかった? いまの状況が。」 「や、やばい・・・ す、すまない、ヌシさん・・・ど、どど、どうしよう?」 久遠はリゼの動揺する姿をかえでに見られないよう、リゼを手のひらでちょいと包むように持った。 「まー・・・俺の言いたいことをリゼが全部言ってくれた感じかな。結局、俺が話しても対戦申し込んだだろうし。だから・・・」 手を顔の高さまで持ち上げ、リゼにそっと耳打ちするように、 「リゼ、お前は・・・何があろうと、かえでちゃんとティナちゃんのヒーローであり続けること。いいね。」 と付け加えた。しおしおになりかけ、悔恨と焦りと申し訳なさの涙がいっぱいになっていたリゼの瞳に、別の涙が湧いてきた。 「ありがと、ヌシさん・・・。」 「いいから、いいから。ささ、涙を拭いて。 そーだ。いい顔になったか?」 リゼはぎゅっと久遠の指に抱きつき、ぐぐっと涙を拭き取った。 いい目つきが戻ったリゼを久遠は手のひらに立たせ、ギャラリーの方を振り向き-。 「じゃー、やるぞー。リゼもいっしょに合わせてくれよっ!!」 ・・・ 「んで、その時の記事がこれかい。」 久遠から渡されたミニコミ紙の記事をつつきながらCTaが言った。 そこには、肩の上にリゼを載せた久遠が、リゼと同じ格好を決めている写真が。 「こんなトコロにまで宣戦布告と取り上げられているけど、どうすんの?」 山と積まれた皿や器、ジョッキに囲まれたCTaは、竹串で久遠を指していった。 「だから、それを相談しようと思てっ呼んだんだけど・・・」 いつものこととはいえ、つれないCTaにゲンナリの久遠。 「自分でまいた種なんだ、お前らが何とかしろ。 ・・・と、いつもなら言うところだけど。あたしゃ、こいつらを『機械』呼ばわりした事が許せないね。是非、あんた達には勝利してもらわないと。」 CTaは、新たに運ばれたジョッキカクテルを一気に半分呑み、続けた。 「だけど相手はM町のトップランカー、要は戦うことのセミプロだ。でもって 戦うことに関しちゃ、お前のところの4人は全くの素人。だろ?」 黙って頷く久遠。 「普通なら『勝率0%』と考えるだろう。だけどな、武装神姫は『戦うこと』を忘れていても、『戦い』を忘れているわけじゃないんだぞ。」 CTaの目が、さっきまでの酔っぱらいから、技術者としての目に変わった。 「いいか、あたしに言わせりゃ日常ってのは常に『戦い』なんだよ。 時間と戦う、食材と戦う、仕事と戦う、害虫と戦う・・・ どうだ?」 「間違ってはいないと思うけど、なんかピンと来ないな。」 と久遠が言うと、CTaは久遠の手にした手羽先に、ざっくりとフォークを突き立てた。 「だーかーら! お前んとこの4人、あたしが見る限りでは、そんちょそこらの戦闘マニア神姫よりは強いって事だよ!」 「そ、そうなのか?」 「そう! どうせ何でもありのフリーバトルでしょ? ならば、いつもの事をいつも通りにさせてみろ。絶対に勝てるから。」 「いつもどおりと言われてもなー。どうすりゃいいのかさっぱりわからんぞ。」 フォークの刺さった手羽先を持ったままの久遠・・・ と、その時。 「何? あたしのアドバイスがわからない、だぁ?」 技術者の目から、再び酔っぱらいの目に戻ったCTaは、久遠に絡みだした。 「あらしのはらしをらぁ、よくけけってんらよ! らぁ? わかっれんろか?」 「・・・はいはい、わかりましたわかりました。 ・・・全く、どのっくらい呑んだらすっ飛ぶか、統計でもとって管理しろよ、技術者なんだし・・・。」 どうやら、CTaの酒が閾値を超えたらしい。酒を飲むと途中まではむしろ冴え渡るくらいなのだが、閾値を超えるととたんにオヤジギャル(古)に豹変する傾向があるCTa、今宵もしっかり発揮している。 「ぉらー!! もぃっけんいくろー! つれてけひらろー!」 腰砕けの状態で、久遠の袖を引っ張り外へ行こうとする。 「ちょ、ちょい待てってば。イオ!沙羅!ヴェルナ!ちょっ・・・え?」 CTaに絡みつかれて困惑する久遠の目に入ったものは、積まれた食器の谷間で、呑み比べ大会に興じている沙羅、ヴェルナ、そしてイオ。 「おまえらー! 混乱したりつぶれたりの俺らをさしおいて何やってるんだ!」 「あれ、マスター。CTaさんとのお話は終わりました?」 名実ともザルのイオが、いつものペースで杯片手に振り返った。 「ったく・・・イオ、帰るぞ。でないと、こいつが寝ゲロする恐れがある。」 荷物をまとめた久遠は、沙羅、ヴェルナをとりあえず自らのジャケットのポケットへと押し込んだ。 「えー?もう終わりなんすか?」 「まだイオさんと勝負がついておりませんのに・・・。」 不満そうな沙羅とヴェルナ。 「ばかっ! イオと勝負するんじゃない、こいつはザルだっ!」 物欲しそうに指をくわえるイオを最後に自らの肩の上へ載せると、ずるずると崩れそうなCTaを反対の肩に支え、如何してもって帰るか、頭を悩ませる久遠だった。 ・・・この数時間後-日付が変わってからと言った方がいいだろうか-、久遠はちっちゃいもの研の仮眠室へ、CTaと沙羅・ヴェルナをほっぽり込んだ。心配そうに見る守衛に後を任せ、研究所を出る。 久遠の手には、背中についた「何か」を洗い流したジャケット。肩には、疲れきった様子で寝息をたてるイオ。 雨が上がり、広がる星空を見上げながら思い返すは、CTaの言葉- 「戦うことを忘れていても戦いを忘れてはいない」- 。 これが何を意味するのか。 ・・・また眠れぬ夜になりそうだ・・・ 久遠は一人つぶやき、傾きかけた月の下、家路へと急ぐのであった。 ・・・>その9へ続くっ!!>・・・ <その7 へ戻る< >その9 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/yu-gi-oh-dialog/pages/27.html
イシズ・イシュタールセリフ集 話数 パート1 パート2 作業状況 例 Aパート Bパート 完 未 第052話 Aパート Bパート 完 完 第054話 Aパート ――― 完 ― 第057話 ――― Bパート ― 完 第060話 Aパート ――― 完 ― 第065話 Aパート ――― 完 ― 第071話 Aパート ――― 完 ― 第082話 Aパート ――― 完 ― 第084話 Aパート ――― 完 ― 第085話 ――― Bパート ― 完 第089話 Aパート Bパート 完 完 第093話 Aパート Bパート 完 完 第094話 Aパート Bパート 完 完 第095話 Aパート Bパート 完 完 第097話 ――― Bパート ― 完 第122話 Aパート ――― 完 ― 第123話 Aパート ――― 完 ― 第125話 Aパート Bパート 完 完 第127話 Aパート Bパート 完 完 第128話 ――― Bパート ― 完 第129話 Aパート Bパート 完 完 第130話 Aパート Bパート 完 完 第135話 ――― Bパート ― 完 第136話 ――― Bパート ― 完 第137話 Aパート Bパート 完 完 第138話 Aパート Bパート 完 完 第139話 Aパート Bパート 完 完 第140話 Aパート Bパート 完 完 第141話 Aパート Bパート 完 完 第142話 Aパート Bパート 完 完 第143話 ――― Bパート ― 完 第201話 Aパート Bパート 完 完 第202話 Aパート Bパート 完 完 第203話 Aパート Bパート 完 完 第204話 Aパート Bパート 完 完 第205話 Aパート ――― 完 ― 第207話 Aパート Bパート 完 完 第209話 Aパート ――― 完 ― 第210話 Aパート Bパート 完 完 第211話 Aパート Bパート 完 完 第212話 ――― Bパート ― 完 第213話 Aパート Bパート 完 完 第215話 Aパート Bパート 完 完 第216話 Aパート Bパート 完 完 第220話 Aパート ――― 完 ― 第221話 Aパート Bパート 完 完 第222話 Aパート Bパート 完 完 第223話 Aパート Bパート 完 完 第224話 Aパート Bパート 完 完