約 37,573 件
https://w.atwiki.jp/ooo12/pages/175.html
劇場版 「ノブナガの欲望」の登場人物・出演俳優が記載されています。 【レギュラー】 登場人物 出演俳優 登場話 火野映司 (仮面ライダーオーズに変身するこの物語の主人公) 渡部秀 第1話~ アンク (グリード5大幹部 鳥系幹部怪人 メダル不足で手だけが復活、泉信吾の体をのっとる) 三浦涼介 泉信吾 (刑事 アンクに体をのっとられる) 泉比奈 (アンクが体をのっとった泉刑事の妹) 高田里穂 白石千世子 (泉比奈のアルバイト先の多国籍料理店「クスクシエ」の店長) 甲斐まり恵 謎の巨大財団・鴻上ファウンデーション 出演俳優 登場話 鴻上光生 (莫大な資産を持つ財団 鴻上ファウンデーションの会長) 宇梶剛士 第1話~ 里中エリカ (鴻上光生の秘書) 有末麻祐子 後藤慎太郎 (元警察エリート 鴻上ファウンデーション所属のバイク隊隊長) 君嶋麻耶 真木清人 (鴻上生体研究所の天才研究員 メダルシステムの開発者) 神尾佑 第9話~ グリード5大幹部 出演俳優 登場話 ウヴァ (グリード5大幹部 昆虫系幹部怪人ウヴァ) 山田悠介 第1話~ カザリ (グリード5大幹部 猫系幹部怪人カザリ) 橋本汰斗 ガメル (グリード5大幹部 重量系幹部怪人ガメル) 松本博之 メズール (グリード5大幹部 水棲系幹部怪人メズール) ゆかな (声のみ) 声の出演 出演俳優 登場話 ナレーション (予告、番組宣伝CMナレーション) 中田譲治 第1話~ オーズドライバーの電子音声 (コアメダルの組み合わせとフォーム名の変身ソング) 串田アキラ 【ゲスト】 登場人物 出演俳優 登場話 ノブナガ (記憶喪失の男 映司と出会う) 大口兼悟 ノブナガの欲望 明智よしの (比奈の先輩で明智光秀の子孫) 彩也子 フューチャーソフト社長 () 伊藤正之 フューチャーソフト社員 () 小川輝晃 源さん・ () 伊勢浩二 直美・ () 本橋由香 CM監督 (映司と比奈がアルバイトをした結婚式場のCM監督) 諸田敏 (スタッフ 本編監督) 競売人 () 高越昭紀 徳川家子孫 () 剣持直明 豊臣家子孫 () 五味涼子 【ゲスト・声の出演】 登場人物 出演俳優 登場話 プテラノドンヤミー(雄)・の声 (恐竜グリードのメダルから誕生したプテラノドンの怪人) 下山吉光 ノブナガの欲望 プテラノドンヤミー(雌)・の声 道添愛美 恐竜グリード・の声 (正体不明の恐竜グリード) 浜田賢二 鎧武者怪人・の声 (セルメダルで作られた人造人間の怪人) 酒井敬幸
https://w.atwiki.jp/marowiki001/pages/2897.html
目次 【時事】ニュース愛と欲望の毛皮 MASTERS OF HORROR PELTS RSS愛と欲望の毛皮 MASTERS OF HORROR PELTS 口コミ愛と欲望の毛皮 MASTERS OF HORROR PELTS 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース 愛と欲望の毛皮 山田裕貴主演、寺山修司の未上演の音楽劇『海王星』開幕! - 演劇キック MASTERS OF HORROR PELTS gnewプラグインエラー「MASTERS OF HORROR PELTS」は見つからないか、接続エラーです。 RSS 愛と欲望の毛皮 山田裕貴主演、寺山修司の未上演の音楽劇『海王星』開幕! - 演劇キック MASTERS OF HORROR PELTS #gnews plugin Error gnewsは1ページに3つまでしか使えません。別ページでご利用ください。 口コミ 愛と欲望の毛皮 #bf MASTERS OF HORROR PELTS #bf 【参考】 ブックマーク サイト名 関連度 備考 allcinema ★★ 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/ニコニコ動画 ★★★ ホラー百物語 マスターズ・オブ・ホラー タグ 作品 最終更新日時 2013-09-25 冒頭へ
https://w.atwiki.jp/loveplus/pages/29.html
キャスト: (両国一位)一条和矢×鳥海浩輔(沢田喜緒) (六波羅ギイ)杉田智和×吉野裕行(片山葉流)/ 飛田展男(浅葱高司) 遊佐浩二(トッペ君)/ 千葉一伸(根津鳴)/ 森谷恵利(幼少時の沢田喜緒) 黒河奈美(看護師)/ 松浦チエ(施設の先生) / 保村真(生徒)/ 飯田征利(生徒) 疋田高志(両国の同級生)/ 大須賀純(両国の同級生) / 木村拓(両国の同級生) 仲野元(会議出席者)/小伏伸之(会議出席者)/飯島肇(会議主催者)/五十嵐誠(生贄の生徒) 発売日: 2006年4月28日 関連: BLゲームドラマCD 愛と欲望は学園で 愛と欲望は学園で3 愛と欲望は学園で3 初回限定CD 愛と欲望は学園で4 初回限定CD
https://w.atwiki.jp/flydam/pages/172.html
幕間 緩い日常惰眠 変化した事 仕事 移動中越えられない壁 森丘に蠢く影黒 撃 ヌイ 追跡と待ち伏せ マキルさん ルディ「裏」 歪む 霞む 叩け 一時退避 ペイントボール 猛攻 ノロイ 用を足す 少女の汚れ ハルの雑談 子供達ニィムとネイダ 母子 散歩 村長の昔話散策 赤い幼児 ロッタ村の親子躾の結果 IN集会所 楽しい夜 解禁日 速達 幕間 何かを求め続けた結果…其処には何が待っているのだろうか? 自身の欲望をコントロールし、夢を掴む事が出来た人間。つまり欲望を手段として制御出来、夢という目標を得る事が出来た人間はさぞ幸せな一生を送れるだろう。 …しかし、目標だった筈の夢を忘れ、手段だった筈の欲望に取り憑かれた人間はどうなるのか? 欲望に憑かれた人間は何時まで求め続けるのか? …何かを求め続けた結果、欲望を満たすためだけに足掻く人生の末路には何があるのか? それはきっと何も有りはしないのだろう。 ただ満たされない欲望を抱いたまま死を待つだけの人生…決して幸せでは無い人生… 欲望に駆られた人間はその先に何も無い事に気付く事が出来るのだろうか? 緩い日常 惰眠 岩山龍の件から数週間後… ゲドは集会所で惰眠を貪っていた。 岩山龍を倒した報酬はなかなかの物で、ゲド達は村周辺の警護以外の狩りは殆ど行わなかった。(精々ランポスの群れの討伐や採取程度。偶にハル達の狩りを手伝うくらいだった。) そんな惰眠を貪るゲドの後ろでは村長の新しい子供2名が駆け回っている。 「ニィム、ネイダ。あんまり暴れちゃ駄目ニャよ。」 集会所のカウンターに座り仕事をこなす執事服を着た蒼い猫。 『分かったよ、コジロー!!』 返事をした後再び駆け出す子供達。非常に騒がしい… ガンッ!! 「2人共…今夜はミートボールにするんニャが…具材に成りたいのかニャ?」 キッチンからドアを蹴破りクギバットを持って現れる赤い猫。 『ウワァーン!??』 肉片塗れのクギバットを見て子供達は泣きながら逃走していった。 『化け猫!!』 最後に可愛らしい捨て台詞を残して。 赤い猫は無論ムサシ、それに対し蒼い猫はムサシの弟のコジロウ。 集会所の仕事に殆ど手が回らないカインを見かねてムサシが庶務として招いたのだ。(カインは今現在はギルド本部に召集を掛けられている。) コジロウはムサシ同様獣人族だが、ムサシと違い狩りは行わない。 その代わり素晴らしく有能…実際カインよりもコジロウの方が集会所の仕事が早いのだ。なのでカインは集会所に居る意義が無くなりつつある。 「姉上…遣りすぎニャよ。」 「子供はイジメる為に存在するのニャ。」 愉しげに笑うムサシ。それを見て呆れるコジロウ。(本当に兄弟なのだろうか?) …そんな緩い日常はさて置き、若干目の覚めたゲドは辺りを確認する。 「ムサシ、ご飯まだかな?」 寝ぼけた顔をゴシゴシ擦るゲド。だが、ヘルムをしたままだったので擦れていない。 「寝るときくらいヘルムを外せニャ。」 「"高級耳栓"が付いてるからこの方が良く寝れるんだよ。」 ヘルムを外しながら冗談混じりに言う。 「ご飯はさっき食べたと思いますニャよ?」 「そうか…そう言えば嬢ちゃんは?」 コジロウに言われ少しガッカリするゲド。 「嬢ちゃんは村長とハル嬢と一緒に村の周りに狩りに行ってるニャ。確かソロソロ帰ってくると思う…」 カランコロン… 言ってるそばから安っぽい音を立てて開く扉。 「今戻りました。」 「ただいま~。コジロウちゃん飲み物!」 集会所の扉から2人の少女が帰ってきた。その手にはブルファンゴの頭が持たれていた。 変化した事 『おかえり~』 狩りから帰ってきたルディとハルを三人が出迎える。 「ムサシさん、お土産です。」 ブルファンゴの頭をムサシに渡すルディ。 「お疲れさんニャ。じゃあソロソロ晩御飯の支度でもするかニャ。」 頭を受け取るとキッチンに消えるムサシ、その直後からガンガンと嫌な音が聞こえる。(あの頭をミンチにしているのだろうか?) 「ハルさん、ハーブティニャよ。良ければ皆さんもどうぞニャ。」 カウンターからティーポットと人数分のカップを運んで来るコジロウ。 「ありがと、コジロー。」 「本当にムサシさんの弟とは思えないですね…」 気が利く弟に姉の血を見いだせないルディが呟く。 ムサシはキッチン、ゲド達はティータイムなのでここ数週間での変化でも説明しよう。 岩山龍討伐後、ゲドは幸運んにも大量の古龍の肉を報酬で得た。 ギルド側も余りにも大量な肉の処分に困ったのだろう。(更に言えば古龍の肉なんて得体の知れない物を食べる人間はそうは居ないのだ。) なので最近、ゲドは殆ど集会所に入り浸っている。 ムサシも同様に狩りには行かず、集会所でコジロウに仕事の説明をしたり、子供をカラかったりしている。 ルディは幸運にも岩山龍討伐の報酬で紅玉を手に入れた。(ルディ以外は紅玉が必要では無かったため。) そしてその紅玉を使いルディの龍弓は【国崩し】から【山崩し】へと強化されている。 そしてロードのチームなのに1人村に残って居るハル。 本当は1週間前にロード達と街へ依頼を受けに行く筈だったのだが、1人風邪を引き置いてけぼりを喰らったのだ。(その後3日位は目も当てられない程の落ち込み様だった。) 因みに以前のゲリョス討伐の素材で武器の強化が行われた。 ハルは武器が『ヴェノムモンスター』を バルは『タンクメイジ改』を手に入れていた。 今回のロード達の遠征はパルの武器を新調する意味も兼ねている。 なので現在村に居るのはゲド、ルディ、ムサシ、コジロウ、ハル、村長とその子供達、武器道具屋の家族だけとなっている。(相変わらず来訪者は殆ど居ない。) 「晩御飯が出来たニャ。」 キッチンから大量の皿を持ってムサシとコジロウが表れた。 もう晩御飯の時間らしい。 次々とテーブルに並べられる大小の皿。堪らなくいい匂いが辺りに広がる。 「では召し上がれニャ。」 『イタダキマース♪』 そして何時もの様に食事が始まる。 仕事 皿の上には巨大なミートボールが並んでいる。そしてそれを口に運ぶ… 『オイシイ♪』 一同が同時に言う。 そして次々に料理を口に運ぶ面々だが… 『グチャ… グチャ…』 イヤ~な音が響く… 当たりを見回すとルディとハルの2人が食べかけのミートボールを凝視している。 「お、嬢ちゃん達が当たりかニャ?」 「…ムサシさん"コレ"は何ですか?」 ルディが恐る恐る訪ねる。 「ブルファンゴの目玉ニャ。」 思考をフル回転させる2人…今この猫は何て言った? 2人が問の答えを同時に出す。 「まぁオイシイから良いですけど。」 すっかりゲテモノに耐性の付いたルディ。 「目玉?…!!?」 少女の意識はフラッと遠退きそのまま体とサヨナラをした。 バターン そのままミートボールの海にダイブするハル。 {ハルは倒れた…晩御飯の5分の1が台無しになりました。} 「ハルちゃん?」 …食事の結果… 全員のスタミナ、防御力が上昇 ルディのみ気絶半減が ハルのみ気絶倍化が 発動しました。 数分後… すっかり綺麗に(色々な意味で)片付いたテーブルの上。ムサシとコジロウは後片付け、ゲドは食器の手入れをしている。 「お姉様は変だ!!」 「変じゃない!!…環境の問題です。」 興奮気味なハルを若干遠い目をしながら宥めるルディ。 そんな些細な論争を余所にゲドが食器の手入れを終え立ち上がる。 「コジロウ、何か面白い依頼無いかな?」 「久々に仕事を受けるんですニャね?」 「…偶には動かないと色々鈍るからね。」 ゲドが苦笑いを浮かべる。 コジロウが手を拭きながらクエストボードを物色する。 「…コレ何てどうですかニャ?」 そう言って一枚の依頼用紙を手渡す。 【森丘の黒鎧竜】と書いてある。 鎧竜とはグラビモスの事を指す。 グラビモスは火山地帯や湿地帯などに生息する竜の事。黒はグラビモスの亜種を指す。 名の示す通り鎧の様に頑丈な甲殻と巨大な体のモンスター 巨体から繰り出される突進は全てを押し潰し、口から発射される熱線は全てを焼き尽くす。 「何で森丘にグラビモスが?」 モットモな質問をするゲドにコジロウは用紙の説明を見るように促す。 {物好きな貴族に依頼され、黒鎧竜を捕獲した。だが輸送中に不備が生じ逃げられちまった。誰か奴を代わりに捕まえてくれ!!あと飛びっきりな大物な上亜種だから絶対に殺すなよ?} 「モンスターを欲しがる何て奇特な人がいるんだね。」 「人の事は言えんニャ。」 キッチンからムサシの笑い声が響いた。 移動中 越えられない壁 数刻後… 依頼を受ける事にしたゲド達は乗り心地の悪い荷車に揺られている。 しかし中にいる面子は何時もと違いゲド、ルディ、ハルの三名。 その訳は数刻前に遡る。 依頼用紙の最終行 {現地にて一名のハンター(ギルド員)と合流してもらうため最大三名まで。} 「三名か…どうしようか?」 ゲドが疑問符を投げかける。 現在村のハンターは四名、三名だと1人余る。 「まぁ村長が居るにしても村を空ける訳にはいかニャいからニャ。」 ムサシが言う様に村には何時モンスターが襲撃してきてもおかしくはない。なので最低何人かのハンターが残る必要がある。 本来パーティーを組むならゲド、ムサシ、ルディの三名になる訳だがその場合ハルが村に残る事になる。 だが、つい先日ロード達にハブられたハルを置いていくのは可哀想な気がする。第一… 「ニャあが残るニャ。」 「何でですか?」 「ハル嬢に村の自警を任せるのは頼りないからニャ。」 そう、頼りない。 ハルの腕は数人のグループで狩りを行うには問題がないレベルだ。 だが単身で狩りが出来るかと言うと微妙である。彼女の武器ハンマーは熟練者になれば1人で飛竜と渡り合える。 しかしハルはまだ駆け出しに毛が生えた程度だ。正直ランポス達に消耗戦を挑まれたらアッサリヤラレテしまう可能性もある。 「だからハル嬢が行けばいいニャ。運良く今回の獲物は半死にだからニャ。」 「私は頼りなくなんか…!!」 ムサシの言いようにハルが怒る。 「異論は無しニャ。」 「解りました、ムサシさん!!」 が、一瞬で怒りは鎮火される。(未だにトラウマが消えないらしい。) そして現在… 「どうやったらムサシさんに勝てるかな、お姉様?」 「多分一生無理だよ。ハルちゃんも私も…」 「ですよね…」 頗るどうでも良いことで意気消沈する2人。 「まぁそんな事は考えずにさ。そうだ昼ご飯にしようか?」 『…今は良いです。』 すっかりブルーな2人ともう1名を載せた荷車は間も無く森丘に到着する。 森丘に蠢く影 黒 森丘のキャンプに到着した一同。テントには先客が待っていた。 「コンニチハ、アナタが合流するハンターさんかな?」 ゲドの呼び掛けにハンターはコクリと頷く。 装備からして男、全身がゲリョスシリーズで背中にはデュエルキャスト改が背負われている。 「私の名はヌイ・ノルジア。今回の経緯に付いて説明させて貰います。」小さい見た目な割に低い声で話しだすヌイ。 話の内容を簡潔に示すと、彼は依頼主である貴族の子飼いのハンターらしい。 グラビモスが逃げ出した訳は、運送中に何者かに襲撃を受け拘束の解けたグラビモスが逃げ出したらしい。犯人は未だに不明。 なおグラビモスは手負いな上、本来の生息地ではない森丘なので簡単に捕獲出来るだろう、との事。 「じゃ、行こうか。」 一頻りの説明を終えゲド達はキャンプを後にして、グラビモスの捜索を始めた。 ゲドを先頭にして、ルディ、ハル、ヌイの順番で森丘の森の部分を突き進む。 細いトンネルの様な道は、木々が日光を遮っていて不気味に薄暗い。 そんな道で言い知れない違和感と何者かの視線を感じてバッと振り返った。 「…何やってるんだ、お姉様?」 ルディの突然の奇行にハルがワンテンポ遅れて突っ込む。 「あ、いや…何か視線と言うか違和感を感じて…」 「後ろには私と、エーッとヌイさんしか居ないけど?お姉様、緊張してるんじゃない?」 少々呆れながらハルが返す。 ジーッと後方を見つめるルディ、視線は感じなくなったが違和感が拭い切れない。何かが変だ…。 キィィィン… 突如鳴き出す封龍剣が少女の不安を忘却の彼方へと吹き飛ばした。 ゲド以外の全員が武器に手を掛け臨戦態勢に入る。 トンネルを抜けた先に居る黒い塊。胸部の甲殻は無様に砕かれており、筋肉が剥き出しになっている。その上尻尾も切り落とされている様だ。 激しく手負いのグラビモス、だが…狭いトンネルの先に巨体を誇るグラビモス、その上あちらの方が早く気付いたらしく既にある準備をしていた。 今の状況は極めて不味い… 「逃げrグォォォァァア!!! ゲドの咄嗟の叫びを掻き消し、鎧竜のホウコウが全員の聴覚に襲いかかった。 撃 鼓膜をツンザく様な爆音が狭いトンネルに轟き渡る。 「ッァ!!!?」 反射的に耳を塞ぐが、両手で栓をした程度で防げる訳もない。 頭蓋に反響し脳を揺らす爆音がルディ達の思考を掻き消し、体の自由を奪った。 意識が遠退く中、ルディが微かに瞳を開くとグラビモスが大きく体を反らし、何かを放とうとしていた。 コレは不味い コレは避けなくてはならない部類の攻撃だ。…だが体の自由は利かない。 グラビモスの口が此方に向けられるより一瞬早く、ルディの視界が蒼に染まる。 「ラァァァァァア!!!」 男が叫び声を上げるが、聴覚を奪われている少女に聞こえる筈も無く、体が浮く感覚だけを少女は感じ取った。 ゲドは両脇に少女を抱えたままトンネルの壁をグラビモスに向け駆け上がる。細いトンネルを埋め尽くす様に放たれる熱線。 狭いトンネルには既にヌイの姿は無い。(跡形も無く蒸発したのだろうか?) そして放たれ続ける熱線がゲド達に逃げ場が無い事を告げる。 「あぁ…どうしようか、嬢ちゃん達?」 ゲドが他人事の様に言う。そう言っている最中も壁を駆け上がるスピードは衰え、間も無く落下する事は明確だ。 「…っ‥こん‥で!」 未だに感覚が復帰してないのか途切れ途切れにハルが言う。 「アイツに…突っ込んで!!」 「いいよ。」 精一杯の力で叫ぶハルにゲドが笑って答える。 完全な落下が始まる前に熱線を繰り出すグラビモスに向けゲドが駆け出す。 チリチリと灼け付く空気を掻き分け、グラビモスまで後1メートルまで迫った所でゲドがグラリとバランスを崩し、落下が始まる。 「後は宜しく。」 そう言うとゲドはハルとルディをグラビモスに向けブン投げた。(ルディはまだ意識が覚醒していない様だ。) ハルは空中で体勢を立て直し、ハンマーに渾身の力を籠める。そしてハンマーを振りかぶり、照準をグラビモスの頭蓋に合わせ… 「アアァァァァア!!!!」 落下の勢いに乗せ一気にブチ抜いた。 ズシャァァァア 豪快な音を立てグラビモスの顔面が地面にメリ込んだ。 ゴッ 『痛ッ!?』 ワンテンポ遅れてゲドとルディが地面に激突した。ルディは何が起きたのか把握しきれていない様だ。 「助かったよハル嬢。しかし…」 埃を払いながらゲドが立ち上がり、沈黙したままのグラビモスを眺める。 「ん~…クエスト失敗かな?」 グラビモスは全く動く気配がない。 ヌイ 地面に顔をメリ込ませたまま沈黙するグラビモス…さてどうしようか? 「お、お姉様~」 そんな事を考えていると、ピクリとも動かないグラビモスの後方から何とも情け無い声がする。 声の方を向くと手を挙げたまま硬直するハル、そしてその後ろに人影が一つ…其処には先程蒸発したヌイがいた。 「動くな、武器を捨てろ。」 ハルの後頭部に銃口を突き付けたままヌイが言う。 「何やってるんですか、ヌイさん?」 こんな状況にも関わらず呑気な口調で話すルディ(まだ脳が揺れているのだろうか?) そんな事は言わずとも判るだろう。どう言った訳かは知らないがハルがヌイに人質にされているのだ。(まぁどう言う理由かもだいたい想像が付くが…) 「嬢ちゃん…兎に角武器を捨てようか?」 状況を把握仕切れていないルディにゲドが優しく諭す。 「さて…誰かさんから俺を殺す様にお使いを頼まれたのかな?」 「答える義務は無い。」 「それとも"誰かさん"自身が痺れを切らして自分で来たのかな?」 「良いから早く武器を捨てろ。」 ゴリッとハルの頭をコズキながらヌイが言う。 ズ… 「まぁいいや、ホラ投げるよ?」 そう言って封龍剣をほり投げるゲド。放物線を描く封龍剣に一同の視線が集まる。 ズズ… 「後ろも注意した方が良いよ?」 ズボォ!! 死んだとばかり思っていたグラビモスが息を吹き返し、地面から頭を引き抜いた。 「チィ!!」 ヌイは瞬時に体を反転させ迎撃の準備をする。が、その隣をゲドが駆け抜けた。その両脇にはハルとルディが抱えられていた。 「糞がぁ!!」 即座にゲドに照準を合わせようとするヌイだが、その視界が赤に変わる。 即座に体を捻るがグラビモスの口から放たれた熱線がヌイの防具を溶かし、醜く変形させる。 「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」 半身を焼かれながらヌイが砕けた甲殻目掛け、貫通弾を乱射する。 殻を砕き肉を貫いた貫通弾は熱線を赤く染めた。 口から大量に血を吐き絶命するグラビモス。 ガチャリ… グラビモスが死んだにも関わらず弾丸をリロードするヌイ。そして溶けて体に付着した防具を無理やり引き剥がした。 半身を駆け巡る激痛に呻き声を上げるヌイ。 そしてその怒りの矛先は死に絶えたグラビモスに向けられた。 「糞が糞が糞が糞が糞がぁぁぁぁ!!!」 グラビモスの顔面をミンチになるまで撃ち抜いた後、ヌイはゲド達の捜索を始めた。 追跡と待ち伏せ 両脇にルディとハルを抱えたままキャンプに向け駆けるゲド。 「ゲド兄…降ろしてくれないか?」 「それもそうだね。」 今気付いた様に言うとゲドは両手をパッと放した。 タッと着地するハルに対して頭から自分に落下するルディ。 「大丈夫かい、嬢ちゃん?」 「お姉様、顔打ったのか?真っ赤だよ?」 少しだけ呻きながら立ち上がるルディの顔は確かに真っ赤だった。 「だ、大丈夫です!顔が赤いのは今ブツケたからですよ!?」 土を払いながら必死に否定するルディだが、顔の赤さは増すばかりだった。 「さてコレからキャンプに戻ってクエスト失敗の連絡を入れなきゃならないんだけど、その前に注意があるんだよ。」 『注意?』 聞き返すルディ達に頷くとゲドは歩きながら説明をし出す。 内容は次の様な感じだった。 今回の依頼自体ゲドを誘き出すための物だろうと言う事 その考えで行くと多分他にも刺客がいるだろうと言う事 恐らくキャンプにも待ち伏せがいる事 安全のため常にゲドの背後を歩く事 指示するまで下手な行動はしない事 危なくなったら2人で逃げる事 そんな説明をしている間中ルディは後ろが気になって仕方無かった。 (何かにツケられている気がする。ヌイが尾行しているのだろうか?…しかし何度振り返っても其処には何も無く、違和感だけが少女を焦らせた。) 「…気持ち悪い。」 結局ルディは追跡者の有無も違和感の訳にも気付けぬままキャンプに到着してしまった。 キャンプの入り口に着くとゲドは2人に隠れて居る様に伝えて1人中に入って行く。 追跡者の事も違和感も忘れゲドの行動に耳を澄ますルディ… 『お帰り~…ってヌイじゃないのね?久しぶり~ゲド君。』 キャンプの中からは聞き覚えのある声が聞こえてきた。 マキルさん ニコリと何時かの様に笑う女性。しかし同じ筈の表情が嫌に冷たく見える。 「久しぶりだねマキルさん。とりあえずソレを下ろしてくれないかな?」 自分に向け銃口を向けるマキルに言う。 マキルの手にはハンター用では無い普通の銃が握られていた、人殺し用の銃が。それはマキルが偶々狩りに来たのではなく、人、と言うよりゲドを殺しに来た明確な証しである。 「それは無理な相談ねゲド君。あと隠れてる嬢ちゃん達、後ろに気付いてるかしら?」 『えっ!?』 少女達が振り向くと強面な男達が現れていた。 『キャァァア!!!?』 すぐさまゲドの側まで駆け寄る少女達。そんな少女達に続き武装した男達が4人出て来た。 「おかえり嬢ちゃん達。」 『タダイマです。』 ビックリし過ぎて突っ込む事を忘れた2人。 「嫌に落ち着いてるわねゲド君?今の私を見ても驚かないし…カインさんに話を聞いてたのかしら?」 「聞いてないよ。あと結構驚いてるしね。」 笑いながら応えるゲド…この状況を理解しているのだろうか? 「こういう事は結構有ったし、何よりその武器じゃハンターの防具は壊せな…ぅお??!」 笑い顔のゲドのヘルムを弾丸が弾き飛ばした。 「コッチもプロなのよ、ゲド君?」 小さな拳銃に弾を込め直しながら微笑むマキル。 「チッ…人を殺るのは血が付くから嫌いなんだけどね…。」 ゲドの顔が微かに歪む…今の一発でスイッチが入ったらしい。 「どうする、お姉様?」 どうしたら良いか分からなくなっているハル。 「どうしよう…?」 それ以上に混乱するルディ。(正直今のゲドは当てに出来ない。) 目の前には元知り合いの現殺し屋、後方には5人の強面、隣にはキレてる男… 「どうしよう…」 辺りを見渡しもう一度同じ事を言うルディ。 (楽しそうな事してるじゃない?) 思考回路が限界な少女の頭に心底愉しげな声が響いた。 ルディ「裏」 頭に響く声、それと同時にゲドが一番端の強面を蹴り飛ばした。 『…どうでも良いや』 (じゃ、代わってね♪) 諦めた様に呟くと共に少女の意識は遠退いた。 強面の内一名がダウン、三名が出口を固め残りの一名がゲドに襲い掛かっている。 (ゲドはマキルの狙撃を防ぎながら襲い来る一名を宙に蹴り上げている。) そんな風景を見て少女の顔が心底愉快そうな顔に変わった。 「…楽しそうじゃない♪」 「お、お姉様!!?」 少女の変化にハルだけが気付いた。 「とりあえず場所を変えましょうか、ハルちゃん?」 そう言うとルディはハルのハンマーに手を伸ばした。そして… 「え…って、私のハンマー!!?」 出口の強面達目掛けブン投げた。 ブンブンとエゲツナい音を響かせながら空を裂くハンマー。 「「ドゥボォア!?!?」」 残りの強面三名とツイデにゲドもキャンプの外へハンマーごと消え去った。 あまりに予想外な出来事に唖然とする残りの2名… そんな2人を残してルディはツカツカとキャンプの外へ出て行った。 キャンプの外ではゲドと強面二名がノビていた。(ハンター装備ではない強面達は手足が変な方向に曲がっている。) そして強面の残りの一名が此方に襲い掛かって来た。 「こんガキャぁぁぁあ!!」 男の両手には大小のナイフが握られている。ルディはそれをアッサリと奪い取った。 「え?」 「下手くそね。」 跳びっきり冷たい笑顔でそう言うと強面を前蹴りで蹴り飛ばした。 川まで吹っ飛ぶと、強面は下流へと流れて行った。 「そこまでよ、ルディちゃん。」 「お姉様…」 声の方に振り返るとマキルとハルが立っていた。(ハルは本日2度目の人質になっている。) 「ルディちゃん、何時からそんな風に成ったの?」 銃の片方はハルに、もう片方はルディに向けマキルが言う。 「コレが地なのよ。」 言いながら奪い取ったナイフを投げツケた。 『!?』 マキルは咄嗟にハルを盾にする。(2本のナイフはギザミシリーズに弾かれた。) 「遅いわよ、オバサン?」 「お、オバ!?」 何時の間にか間合いを詰めたルディがマキルを蹴り飛ばす。 「お姉様…酷いです。」 「御免ねハルちゃん。」 腰が抜けてしまっているハルをルディが引っ張り起こす。 口では謝っているが謝意が感じられない。 「くぅっ…ぬ、ヌイ!!その子を抑えて!!」 呻き声を発しながらマキルが言う。 バッと振り返れば確かにヌイが居た。 歪む しかしヌイの防具は醜く変形し、本人も血塗れだった。 息も絶え絶えなヌイは何かを必死に伝えようとしている。 キィィィン 僅かに響く怪音、それと共にルディの背筋に悪寒が走る。 「…何か居る!?」 悪寒と共にルディの人格が元に戻る。 怪音と共にヌイの背景がグニャリと歪み、何かが現れる。 「あ、主助けデッ??!」 グシャ 背後に現れた何かの一撃を受け、崖に激突したヌイは壊れかけた防具ごと潰れ、赤い花を咲かせた。 ルディは状況を把握する前にハルの前に立ち弓を構える。 「…居ない?」 先程歪んだ空間に弓を構えても其処には何も居なかった。 兎に角ルディはハルにハンマーを拾うよう指示し、自身はゲドの側に駆け寄る。(マキルは状況が掴めず唖然としている) 見事にノビているゲドは揺すっても小突いても蹴飛ばしてもナカナカ起きない。 キィィィン 再び封龍剣が鳴く、それと共にマキルの居る方向から発砲音が響いた。 振り返り弓を構えると、マキルの前には紫色の龍が現れていた。 ガンガンガン!!! マキルは龍目掛け銃を乱射するが人用の弾丸が龍を殺せる訳が無い。 ガチャ… あっと言う間にリボルバーが空になる。即座に腰のナイフに手を伸ばすが、龍の伸びた舌がソレを絡め取り遠方へ投げ捨てた。 「あ…」 マキルの口から漏れる微かな嗚咽、ソレが彼女の最後の台詞になる。 再び伸びた舌はマキルに絡み付き、悲鳴を上げる間も無く川の対岸へ投げ捨てた。 地上から数メートル投げ上げられ森に消えたマキル、バキバキと木をへし折る音だけが彼女が落下した事を告げる。 そんな一部始終を愉しげに眺める龍… 「ラァ!!!!」 そんな龍目掛け、雄叫びを響かせながらハルが詰め寄る。 十分な間合いから渾身の一撃を繰り出すが既に龍の影は無く、ハンマーは虚しく空を切る。 訳が解らない、と言った感じでハルがルディに駆け寄る。 「…あれは何ですか、お姉様?」 ハンマーを構えたままハルが言う。 無論そんな事を言われてもルディが解るはずも無い。 「…あれは古龍だね。」 ゲドがムクリと起き上がりながら言う。(頭にデカいコブが出来ている) 「アレも古龍ですか?」 「多分ね、確か文献にあんな能力の古龍がいた筈…所で頭が凄く痛いんだけど、嬢ちゃん達何故だか知らない?」 「それはお姉様g(モガry」 「知らないです、それより早く奴を!!」 慌ててハルの口を塞ぐルディ。 キィィィン そんな事をしている彼等の背後に再び龍が現れる… 霞む 振りかざされる紫腕、攻撃の瞬間にだけその龍は姿を表す。 キィィィン 「うぉあ!?」 封龍剣の音に反応してゲドが2人を抱えて回避する。 回避から即座に体制を立て直し弓を構えるルディ、だが既に龍の姿は無かった。 標的を見失った3人は互いに背を合わせ360°を見張る。 「っ…ゲドさん、あれは何なんですか?」 「古龍だよ。確か…霞龍オオナズチだったかな?自分の体を見えなくする事が出来るとか…」 自信なさげにゲドが頭を掻く。 ゲドの話を聞いて、ルディは今日感じ続けていた違和感の訳に気付いた。 違和感の訳…今考えれば簡単な事だ。今日森丘でオオナズチとグラビモス以外のモンスターを見ていないのだ。 以前のクシャルダオラの時もそうだったが、古龍が居る際は他のモンスターが殆ど居ないのだ。(何かを感じ逃げ出したのだろうか?) だからイレギュラーであるグラビモスしか居なかった訳だ。 恐らく背後を追ってくる気配も姿を消したオオナズチだったのだろう。 「何か弱点とか無いのか、ゲド兄?」 辺りに注意を払いながらハルが言う。(何故か挙動不審に見える。) 古龍の弱点など決まっている。それは龍殺しの力だ。しかしその力も当たらなければ意味が無い。 力の元である角をへし折ろうにも上と同じ理由で不可能だ。 攻撃を仕掛けてくる時だけ姿を表す訳だがその時は回避で手一杯だ。 何んとか奴を足止めしないと… 周りからは何かが歩く音がするが、その場所を特定する事が出来ない。 ゲドは自身のポーチを漁りながら過去に読んだ本を必死に思い出す…何かが手に触れる感触、それと共に曖昧だった記憶が蘇った。 ゲドの口がニヤリと笑う。 「打開策を思い出したよ。」 2人に手早く作戦を話すゲド。 その後2人から若干離れ角笛を吹き鳴らした。 音の挑発に反応し、確実に何かが迫る気配… キィィィン… 「ウォ?!!」 寸での所で攻撃を避けるゲド。 「そこかぁ!!」 ルディが手早く三本の矢を放つ。 皮を突き破った矢は血の赤と、龍殺しの紅をブチ撒きながら肉を抉り霞龍の体を貫通した。 肉を裂く痛みに霞龍の表情が醜く歪む。 立て続けに矢を放ち続けるルディから逃れるべく姿を半透明にするオオナズチ、後数秒もしない内に奴の体は完全に消える。 しかし、体が消えきるより早くゲドがポーチの中からアル物を取り出し、霞龍目掛けてブン投げた。 叩け 放物線を描く灰色の玉、灰色のソレは霞龍の頭が有った所で小さくハジケた。 ギイィィィィィイン!!! 瞬間、嫌な音が辺りに炸裂した。 ゲドが投げたのは言うまでも無く音爆弾だ。その爆発に伴い透明になりかけた霞龍の体が露わになった。 更に霞龍は目眩を起こしたかの様にヨロメく。 「アァァァァア!!!!」 ヨロメく霞龍の頭にハルが渾身の一撃を叩き込む。 メシャ 嫌な音を立て僅かに頭部が歪む。だがハルの手は止まらない。 つぶれろ!ツブレロ!!潰れろ!! 心の中で叫ぶ度に醜い頭を振り下ろし、毒と鮮血を撒き散らす。 ゲド達もソレに乗じて袋叩きにする。 四方八方から繰り出される斬撃、打撃、射撃から逃れるべくハンマーを押し退け、頭を持ち上げようとする霞龍。 「逃げんなぁ!!」 霞龍の頭が逃げ切る前に顎下から脳天目掛けハンマーが振り抜かれる。 霞龍の双眼がグルンと回転し、吸い込まれる様に地面に倒れ込んだ。 立ち上がろうにも立ち上がれない霞龍を再び襲うゲド達。 3方向から強撃を受ける霞龍は夥しい血を噴き出している。 このまま殺れるんではないだろうか? ハルの頭に甘い考えが浮かぶ。 ギィンッ 『っ!!?』 全員の攻撃が弾かれ霞龍の体が完璧に消え去った。 敵を見失った中ハルだけが中空に吐き出される緑の吐息を見つけ出した。 切れ味はまだ十分だ。あの距離なら射程圏内、グッと身を屈めハンマーに力を込め地面を蹴り、駆け出す。 自分の間合いまで詰め寄り、頭と思しき場所目掛けハンマーを振りかぶる。 そんなハルの眼前に霞龍が突如姿を現した。 不意の出来事だが、構いやしない。このまま叩き潰せ!! が、振り下ろされたハンマーは虚しく空を切り地面を陥没させただけだった。 「…アレ?」 辺りを見回しても奴の影は見当たら無い…嫌、影なら足下にある。つまり奴は… 「上…ぅ!?」 上を見上げたハルの視界には紫の煙幕が降りかかって来た。 クラリと少女を目眩が襲う。そんな目眩の中、少女の眼前には歪に歪んだ霞龍の笑顔が映った。 「ぁ…ヤバィ?」 クラクラする頭で其処まで理解するが体が動かない。 自分に向け振り上げられる左腕をボーっと眺める。 「ドオァァァア!!?」 振り下ろされる腕と共にゲドがハルを吹っ飛ばす。(ゲドは霞龍に吹っ飛ばされる。) ハルをどうにか受け止めるルディ、ゲドは若干血を垂らしながら消えかける霞龍にピンクの玉を投げつけた。 「よし、逃げようか?」 再びルディ達を抱えキャンプへと踵を返した。 一時退避 既に意識の無いハルをソッとキャンプのベットに寝かせるゲド。 「ハルちゃん…大丈夫なんですか?」 ハルの顔を不安そうに覗き込みながらルディが言う。 「この症状は毒だね…お、あった♪」 ゲドが支給品ボックスから何かを取り出した。 瓶詰めの青紫な液体、ゲドはハルの鼻を摘むと躊躇うことなくソレを口の中へ流し込んだ。 少しだけハルの顔色が良くなり、楽そうな顔になる。 青紫色な液体は解毒薬、名の通り毒を消す作用がある。 「コレで大丈夫ですね…ってゲドさん!!?」 「ん?」 ゲドの顔を見たルディが素っ頓狂な声を上げた。ゲドの顔が血で真っ赤に染まっていたからだ。どうやらハルを助けた際に頭を打ったらしい。(ヘルムが無かったせいだろう。) ゲドはソソクサと頭に包帯を巻くと応急薬を頭にブッカケた。 「コレでよし!」 なんだか余り良くもない気がするルディだが、自分が包帯を巻いてあげれば良かったと少し後悔した。 ゲドは適当に巻いた包帯の上から放置していたヘルムを被り直すと封龍剣を砥石で研ぎ始めた。 「今回の依頼は失敗した訳ですけど…やっぱり狩るんですか、ゲドさん?」 「俺が御馳走を前にして易々と帰ると思うのかい?」 ルディは解りきった質問をした事を少し後悔した。 剣を研ぎ終わりキャンプを後にしようとするゲド。 「ちょっと待ってください!!…ハルちゃんはどうするんですか?」 ルディが言う。 確かに今は寝ているが、目覚めた時に万全じゃない体調で追って来られても困る。(正直、今のハルに霞龍の相手は厳しい。) 「ん~…そうだ!」 ゲドは何かを思い付いたらしく寝たままのハルに近付いて行く。…妙に手つきが厭らしい。 …数分後 ゲド達はキャンプを後にした。 「ハルちゃん…アレで良かったんですか?」 ルディが凄く不満そうに言う。 「大丈夫だよ♪」 ゲドは根拠の無い自信満々な返答をする。 キャンプでは1人残されたハルが目を覚した所だった。 「んぅ…ん!?何だこれ??!」 ハルはベットにロープでグルグル巻きにされていた。 「お姉様~?ゲド兄~?」 叫んでみるが返事は無く誰も居ない。 どうしよう?そんな事を考えているハルの背筋にゾクリと厭な感覚が走る。 「…おトイレに行きたい。」 ボソリと言うハル。だが今の彼女は一切身動きが取れない。 「お姉様ぁー!!ゲド兄ぃー!!」 少女の懸命な(本当に懸命な)叫びがキャンプから響くがそれに気付く人間は居なかった。 ペイントボール キャンプを後にし森丘の丘の部分を突き進むゲドとそれに続くルディ。 「ゲドさん、何処にオオナズチが居るか解かるんですか?」 ルディが何の躊躇いもなく丘を突き進むゲドに聴く。 確かにオオナズチが何処へ行ったかを知る術はなく、運良く見つけたとしても姿を消した霞龍の横を素通り、若しくは奇襲を受ける可能性もある。 「大丈夫だよ、嬢ちゃん。」 そう言うとゲドは先ほど投げたピンク色の玉をルディに渡した。 少女はソレに見覚えがあった。 ピンクの玉はペイントボール。 ネンチャク草と特有の臭いを放つペイントの実を調合して作られる。 対象に付着すると一定時間、独特な臭いによって対象が何処に居るかを知らせるアイテムである。 ゲドが簡潔な説明をする。 確かに、気付けば臭いの元に相当近付いていたようだ。 何か蠢く気配がする・・・ 猛攻 「其処の岩影に居るね。」 ゲドが臭いの元、霞龍の居場所を特定する。 それを受けてルディは静かに、素早く龍弓に瓶をセットした。 「行くよ、嬢ちゃん?」 ゲドは少女が頷くのを確認すると、強く地面を蹴り駆け出した。 岩陰に回り込むが其処には何の影もない。だが、ゲドは躊躇う事無く何も無い空中に剣を振り翳した。 「イタダキマス♪」 煌く剣は何も無いはずの空間に紅い花を咲かせて見せた。 飛び散る鮮血が其処に霞龍が居る事を決定付ける。 「いけ!!」 ルディも躊躇う事無く”その”空間目掛け矢を放った。 五つに裂けた矢が次々に鮮血の花を咲かせる。 二人が更に追撃をしようとした時、霞龍の顔が間近に現れた。霞龍の胸部は大きく膨らみ、口からは薄緑の吐息が漏れている。 二人が、それを確認してから回避行動を行うのに数秒も掛からなかった。 今さっき二人が居た場所に薄緑の液体とも気体とも言えない何かが炸裂した。 ドロッとした嫌な空気が辺りに漂う。今の一撃は喰らってはイケナイ類の攻撃だ。二人の感がそう告げる。 回避の瞬間にそんな事を考えながら地面に滑り込む。ザーっと土を被りながらも即座に体制を立て直すが先ほどまでの場所に霞龍の気配は無い。 ルディがまだ辺りを探っている中、ゲドは既に二度目の疾走を始めていた。もう霞龍の気配を完璧に?んだらしい。 走った勢いのまま再び空間を切り裂き赤を吹き出させた。その後も止まる事無く剣を振るい、空間を赤く染め上げる。 不意にずるりと空間が動くような錯覚を受けるが、それは錯覚ではなく霞龍の逃亡を指す。だが・・ 「逃げても無駄だよ?」 アッサリと逃亡先を突き止め、切り裂いた。 ゲドの猛攻に霞龍は大きく仰け反り、その姿を露にした。 その瞬間、龍弓が限界なで引き絞られた。 ノロイ 弓を引き狙いを定めるルディ。 姿を露わにした霞龍の動きは酷くノロマで緩慢に見えた。本来透明な訳だから早く動ける必要もないのだろう。 なので少女にとって今の霞龍に狙いを定めるのは、モスを狩るよりも容易だった。 「…逝け!」 十分に力を込められた一発と、ソレに続けて三本の矢が放たれた。 五つに裂けた矢はの内三本が霞龍の頭部に突き刺さり、後から来た三本が先に刺さった矢ごと霞龍の頭をぶち抜く。 肉を裂き頭を抉る矢から一瞬、黄色い閃光が走る。 それに縛られる様に霞龍はピクリとも動かなく、動けなくなった。 ルディは装備していた瓶、麻痺瓶を外し強撃瓶へと付け替えた。 全身が麻痺し動けない霞龍と対峙するゲド。麻痺の効き目は持って10秒前後。だがそんな事など知る由もない霞龍は避けられない死を感じてか、表情が醜く恐怖に歪む。 ゲドはそんな霞龍を見てニヤリと顔を歪ませると高々と双剣を構えた。鬼は再び笑う、お前は俺の欲望から逃げられない、と。 麻痺が霞龍の体を拘束出来るのは後数秒、鬼が霞龍の頭を刻みきるには十分過ぎる時間だ。 一度振り下ろされた剣は決して止まる事は無い。龍がいくら断末魔の様な悲鳴を上げようとも、主の体を醜い肉片と返り血で赤く染め上げようとも決して止まらず霞龍の頭を刻み続けた。 断末魔は力無く風に掻き消された時、霞龍は角を砕かれ、頭蓋は割れ本来見えない場所が剥き出しに成っている。 当然そんな状態になってまで霞龍が生きている訳は無い。 ゲドは剣に着いた血を払うとユックリと背負い直した。 「ぅっ…コレどうするんですか、ゲドさん?」 惨死体になり果てた霞龍を見て吐き気を催しながらルディが問う。 「どうするって…食べるつもりだけど?あぁ、勿論剥ぎ取りをしてからね。」 ゲドがご機嫌で非道い事を言う。(まぁハンターとして当然な事を言っている訳だが…) 「いや、ソレは解ってるんですけど…今日ムサシさんは居ないんですよ。…生で食べる気ですか?」 ルディに其処まで言われてゲドがハッとする。そう言えば今日はコックが居ない。(もともと捕獲の依頼だった事すら忘れていた。) ゲドとルディは食べきる事も、運びきる事も出来ない肉塊を見ながら暫しその場に立ち尽くしていた。 用を足す とりあえず鞄に入る分の肉だけを持って帰る事にしたゲド達。そのせいで鞄が血生臭くなってしまった。 「ぉね‥様…」 キャンプに着くと消えてしまいそうな声が聞こえてくる。 ゲド達は声のする方を振り返るとハルが真っ赤な顔してプルプルと震えていた。 「どうしたのハルちゃん!?」 ハルにまだ毒が残っていたのかと慌てるルディ。 「…レ‥」 『え?』 ハルの声が余りにも小さいので2人が聞き返す。 「…おトイレに行きたいんだよ!!」 ハルが耳まで真っ赤にしながら叫んだ。 「…嬢ちゃん、連れて行ってあげて。」 ゲドは一瞬もの凄く呆れた顔をした後、ハルを縛っていたロープ切り裂くとそう言った。 ハルはロープが切られると何時もの数倍のスピードでキャンプの外へと消えて行った。 「分かりました。」 ルディは直ぐにハルを追いかけて行った。 「ハルちゃん…まだ?」 茂みの中のハルにルディが呼び掛ける。 「…まだです。」 数秒してからもの凄く恥ずかしそうな返事が返ってくる。 ただ待つだけも暇なのでルディは血塗れになった鞄を洗うため川へと近付く。 バシャ…ザバァ その時誰かが川から上がってきた。 「…マキルさん!?」 川から上がってきたのは死んだと思っていたマキルだった。 「…ハァー‥ハァー…。」 ボロボロになったマキルは声を発することすら出来ない程ダメージを受けている様だ。 右腕はだらしなく垂れ下がっているが、左手は握った拳銃でルディに狙いを付けている。 ルディの鼓動が次第に早くなる。 この状況をどうする? 疲労しているがマキルの目は死んでいない。逃げることは出来ないだろう。 …闘うか? しかしルディに対人戦の心得など無いし、勝ち目は薄い。 そんな事を考えている間にマキルはジリジリと近付いてくる。 (楽しそうね…代わってくれる?) 頭の中にあの声が響く。 「嫌…」 (何で?) 「殺すんでしょ?」 (勿論) 声がクスクス笑う。 「殺すんなら駄目」 ルディが声の意見を拒否する。 (じゃ言い方を変えるわ…代われ) 「え…?!!」 刺すような声の後少女の意識は剥奪された。 それと共にルディの支配権を取った声はクスクスと笑い出す。 少女の異変にマキルが後ずさる。が、次の瞬間にはマキルの懐に少女が入り込んでいた。 少女は笑う、酷く純粋な顔で。 「サヨナラ、オバサン♪」 少女の汚れ 首筋に当てられた剥ぎ取り用ナイフが、何の躊躇いも無くマキルの動脈を切り裂いた。 首から赤い雨を降らしながらマキルが何かを言おうとするがその口から言葉が発せられはしない。 赤い雨を浴びながら、少女は苦しむ女を見て必死に笑いを堪えている。 マキルは最後までパクパクと口を動かすが何も言えないまま瞳孔が不自然に開かれ、そのまま力無く少女に倒れかかる。 「死んだわね…フッ‥ハッハッハッハッハッハッ」 遂に堪えきれなくなった少女が笑い出す。血塗れで、狂ったように。 そんな少女の汚れを洗い流す様に森丘に雨が降り出した。 頭が冷やされ少女は興味が失せたのか、物言わぬ屍となったマキルを川へと蹴り落とした。 屍が川に落下する音は次第に強くなる雨に掻き消される。が… 「嬢ちゃん達~?」 キャンプからゲドの声がする。 まずい まだ返り血が落ちていないし、屍や流血がまだ流れきっていない。 まずい。 (嫌…今の姿をゲドさんに見られるなんて嫌、イヤいやイヤイヤイやいヤ!!?) ルディが叫ぶが今彼女に主導権は無く、叫ぶ事は出来ない。 「…貴女、あいつが好きなのよね?」 少女が悪戯な笑みを浮かべる。 そしてゲドがキャンプを出るより早く入り口に向かう。 「何か変な音がしたけど、ハル嬢が川に落ちたのかい?」 「ゲドさん。」 「ん?‥!」 少女は自分より大きな男を抱き寄せ、有無を言わさず口で口を塞いだ。 感情も好意もない、ただ後ろに広がる惨状を隠すためだけの接吻。 2人はピクリとも動かない。雨音だけがこの場を埋め尽くす。 雨が全てを洗い流すと同時に主導権がルディに戻る。 ルディはゆっくりと唇を離した。 「…嬢ちゃん?」 少女の異変に気付いてかゲドが心配そうに声を掛ける。 だがルディはゲドの顔を直視出来なかった。 あんな事をやった上、それを隠す為だけに接吻をしたのだ。 きっと今、自分は凄く厭らしい顔をしている。そんな顔で好意を持っている相手の顔など見れる訳が無い。 今の私は汚れているのだから… 少女は何も言わずその場に泣き崩れた。 強さを増す雨音だけがこの場を支配していった。 ハルの雑談 今回の依頼は失敗となった訳だが依頼主が行方不明(マキルが絡んでいたのだろう)の為違約金を払わずに済んだ上、オオナズチをギルドに提出したのでかなりの報奨金が出たのだ。 そして今現在ゲド達は集会所に居る訳だが何時もとはかなり様子が違っている。 カランと集会所のドアが開かれた。 「タダイマ~…どうしたんだ?」 久方ぶりに帰ってきたカインが入るなり驚きの声を出す。 集会所内では包帯でグルグル巻きにされたゲドとそれを取り囲む様に他の面々が座っていた。(ロード達は居るがルディは居ない様だ。) 『おかえり~(ニャ~)。』 「あぁ…ゲド何が有ったんだ?まさか依頼でシクジったのか!?」 初めての将軍ザザミ2体にボコボコにされた時並みに重傷なゲドを見てカインが言う。 「それはハルさんに聞けば言いですニャ。」 コジロウがゲドにお粥を食べさせながら言う。 そして聞いてもいないのにハルが話し出した。 …話はオオナズチ討伐後に遡る。 トイレを済ましたハルは足早にキャンプへと引き返していた。 危うく漏らしかけるし、その上雨まで降ってくるし気分は最悪だ。 そんな少女の視界に驚きの光景が映り込んだ。 良くは見えないがゲドとルディが抱き合っている様に見える。…と言うかキスしてませんか、あの2人!? しかし、次の瞬間ルディが崩れ落ちた。…泣いている? この光景を見たハルの頭は音より早く以下の結果を弾き出す。 [キス→泣き崩れるお姉様=ゲド兄が無理矢理お姉様の唇を奪った(泣かせた)!!] 勝手な妄想をした後、ハルの脳内裁判が光より早く判決を下した。 [極刑だ!!] 次の瞬間ハルは光速に迫る勢いで駆け出した。 「死・に・さ・ら・せぇ!!!」 普段の数倍の威力の一撃(ハル談)がゲドを直撃する。 『ぐぅぼぉぁぁあ!!?』 ゲドが血飛沫を散らしながら星になった(ハル談)。 その後頭を叩き潰そうとしたがルディに止められた上、キスなんかしてないと説教までされた(その際もルディは終始泣き顔だったらしい)。 そして現在… 「で、実際やったのか、弟よ?」 『下品だよ、リーダー。』 最上級に下品な台詞を吐くロードに呆れた様にパルとバルが突っ込む。 「いや、ハル嬢のせいでサッパリ記憶が無いんだよね。」 お粥を平らげてゲドが言う。 「でも帰ってきてからお姉様は部屋にこもったままなんだぞ!!」 ハルがダンと机を叩く。 カラン その時、頃合いを計ったように再び集会所の扉が開いた。 子供達 ニィムとネイダ 開かれた扉に目をやると小さな人影が2つ、此方に向かって突っ込んで来た。 『コジロー遊ぼー!!』 「ニャボォァ??!」 そのまま小さな人影、ニィムとネイダがコジロウにタックルを噛まし、コジロウと(で)遊び始めた。 「止めてニャ、服が乱れ‥喉をゴロゴロしちゃ駄目ですニ、グルグル~」 されるがままのコジロウ。 「止めって‥言ってんだろ餓鬼共!!」 『てっ!!?』 コジロウはヤクザ並みの怒声を上げると2人を(手頭で)黙らせた。やはりムサシと血が繋がっていたようだ。 一発で意識を失う2名と唖然とする一同を余所にネクタイを結び直すコジロウ。 「流石ね、コジロウちゃん。」 ドアを開けて村長が入ってきた。 「‥ヤリ過ぎでしたかニャ?」 「子供の躾はキツメがいいのよ。」 不安げなコジロウの言葉を笑い飛ばす村長。 「で、話は表で聞いてたわよ。ルディはまだ部屋に隠ってるのよね?」 村長の言葉にハルが頷く。 「ゲド君、もう少し女の子には優しくね?」 「いや~‥何も覚えてないんですよね。」 村長が瞳をギラつかせながら言うので、ゲドは苦笑いをするだけだった。 「さて‥ムサシちゃん、コジロウちゃん、子供達を頼むわよ。」 ツカツカと再び集会所の扉に歩いて行く村長。 「任せるニャ。」 ムサシが気絶している子供達を見てニヤリと笑うと自室へと消えて行った。 「いいですけど‥村長はどこへ行くんですかニャ?」 コジロウが村長に訪ねた。 「偶には親子の会話をしようと思ってね。」 村長は不適な笑みを浮かべながら答えた。何故か一同には[会話]が[躾]に聞こえた。(と言うより目が獲物を狩る目になっている。) その後村長は『後はよろしく』とだけ言うと集会所を後にした。 数分後… 目を覚ます子供達。 『ん~…オハヨウ、ムサシ。』 目の前には怪しい器具や生物(?)が広がっていた。 心地よい夢から覚めた子供達を待っていたのは赤と青の悪魔と悪夢だった。 「身を美しくと書いて躾と読むらしいニャ。」 ムサシが触手の様な物を手に取る。 「故にコレは虐待ではなく礼儀知らずな君達への愛の鞭なのですニャ。」 コジロウもスライム状の何かを手に取りニヤリと笑う。 ジリジリと2人に迫る2匹… 『ニャホハハハハハ!!』 『ギャー!!』 響き渡る笑い声と悲鳴。 その後、集会所内では躾と言う名の拷問が繰り広げられた(らしい)。 そんな集会所での騒動を余所に、村長はルディが隠っている離れの入り口に到着した。 母子 村長邸離れ(現ルディの自室) 少女は1人自室で枕に顔を埋めていた。 (何時までメソメソしてるの?) 1人きりの少女に話し掛けるのは不快なあの声。 「…うるさい」 (人、1人殺したくらいで凹んでるの?) 「うるさい」 (それとも愛しの彼に厭らしい雌犬と思われた事を気にしてるのかしら?) 「うるさい!!」 叫ぶと共に、枕を声のする方向へブンなげるが無論其処には何も無い。 (図星なのね、人殺しさん。) 取り乱す少女を見て心底愉しげな笑い声を上げる。 コンコン‥ 誰かがドアをノックする。それに伴い声が消え去る。 しかし、取り乱す少女はノックの音にも、声が消えた事にも気付かない。 「うるさいウルサイ五月蝿い!!」 メシャ!! 少女が叫ぶと共にドアノブが毟り取られた。 バキャァ!! 続けてドアが蹴破られた。 「誰が五月蝿いって?」 残骸と化したドアの隙間からヌラリと村長が顔を出した。目が怒り狂う火竜の様になっている。 「お、お母様!!?」 少女の体を戦慄が駆け抜け、話す言葉は勝手に敬語になる。 「兎に角、其処に座りなさい。」 村長が言う、と言うより命令する。 ルディは反抗する事なく即座に正座をしたが、恐怖の余り村長の顔を直視出来ずに俯く。 そして村長の手が俯くルディの顎に伸びた。 「ゃっ!!?」 ビビりまくるルディを無視して村長の真っ黒な瞳が少女の顔を覗き込み、マジマジと見詰める。 少女の瞳は一晩中泣いていたのか赤く腫れ上がり、大きな隈が出来ていた。 「可愛い顔が台無しよ?何か有ったなら言いなさい。私は貴女のお母さんなんだから。」 予想外の優しい台詞と微笑みに張り詰めた緊張の糸がプツリと切れた。 少女の瞳からは止め処なく涙が流れ出し、口からは泣き声が漏れる。 村長は何も言わずにルディを抱き寄せて頭を撫でた。 「泣かないで、ルディ。」 村長はそのままルディが泣き止むまで静かに頭を撫で続けた。 散歩 ルディは泣き止んだ後、村長に全てを話した。 マキルを殺した事 それを隠すためにゲドにした事 そして『声』の事… 村長は黙って聞いていたが、『声』の事を聞くと口元がヒクッと引きつった。 …電波な事を言ったので呆れられたのだろうか? 「…ルディ私に拾われる前の事覚えてるかしら?」 村長の問いにルディは首を振る。なぜ今そんな話を聞くのか? 「ちょっと散歩に行きましょう。」 そう言ってルディ無理矢理村の外へと連れ出した。 2人は私服のままブラブラと密林を散歩する。村の近くとはいえ、この前の襲撃の事などを考えると無防備極まりない格好の2人。 2人の持ち物はナイフだけだった。 時折ガサガサと音を立てる密林に注意を払うルディ余所にズンズンと密林の奥へ突き進む村長。 ガガサッ 飛び出した青い影一直線に村長に喰らい掛かる。 が村長は苦もなくランポスの首を鷲掴みにし、ナイフ一発で頭を潰した。 「早くおいで、ルディ。」 まるで何事も無かったかの様に言う。 ガサッ ルディの背後から再び躍り出る青い影。 (後ろよ。) 声に言われるまま攻撃をカワすルディ。ナイフを手に取った瞬間フッと意識が遠のいた。 少女は僅かに口元を歪ませると何の躊躇いも無く、一発きりのナイフを投擲した。 ザシュ 肉を裂く音と共にランポスが呻きながら仰け反った。 少女はその隙に一気に距離を詰めると、ランポスの顔に刺さったナイフを掴み、切り裂いた。 赤い噴水を暫し噴き出した後、ランポスはバタリと倒れた。 「…ヤッパリね。」 村長がフゥッと溜め息を吐く。 「‥!、何がですか、母さん?」 今意識が戻った様にルディが言う。 「まぁコレを見なさい。」 村長が木の根本辺りを指差した。 「何ですか、コレ?」 村長の指す先には何かの頭蓋骨が有った。(形的にポポだろうか?) 「今から"コレ"に関する昔話をしてあげるわ。」 「え、なんでそんな話‥」 「良いから聞きなさい!!」 ルディに有無を言わせない村長。黒い瞳が異様な凄みを放っている。 「あれは13年くらい前の話ね。」 そして不満げなルディを無視して村長が話し始めた。 村長の昔話 散策 十数年前、まだ村が出来て数ヶ月。 まだ小さな工房しか無く、沢山の子供と村長が居るだけの村とすら言えない様な時の話だ。 村より少し離れた所を散策する2人の人影… 片方はまだ少年のロード、そしてもう片方は村長(今と殆ど変わらない)だった。 当時の村は現在以上に物流が無く、食糧や日用品などはほぼ自給自足だった。 なので村長と長兄的存在であるロードが、数日に一度散策に出ているのだ。 そして只今の成果は生肉18個、米虫3袋、オンプウオ15尾、サシミウオ14尾、特産キノコが8個だった。 「よし…帰るよ、ロード。」 成果を確認した後村長が言う。 「もう帰るのかよ母さん?」 不満げにロードが言う。大骨を振り回している様子からまだ動き足りないらしい。 「帰ったら稽古付けてあげるから我慢なさい。」 村長が諫める様に言う。 最近は肉食竜の襲撃で村が壊滅したと言う噂も聞く。正直早く帰りたかった。 バキバキ‥ドザァ!! 何かが木々をへし折りながら転倒する音、それと共に辺りが一気に焦臭くなる。 即座に武器を構える2人。 茂みの中から複数の青い影がロードに襲いかかった。 「りゃぁぁぁあ!!!!」 臆する事無く剣を振り抜くロード、血を撒き散らしながら裂けるランポス達‥だが更に横からも飛び出して来た。 ガガガガガ!!! 飛び出したランポスは地面に落ちるまでに仙人掌と化した。 「ロード、先に1人で村に戻ってなさい。」 村長が強撃ビンをセットしながら言う。ロードは村長の言葉に戸惑っているのかオドオドしていた。 「お兄ちゃんなんだからシッカリなさい、村のみんなを守れるよね?」 村長にそう言われるとロードは力強く頷き、駆け出した。 「さぁて‥」 村長はフゥッと息を吐くと弓を構えた。 歯車がギリギリと音を立てる。添えられた手が離されると共に茂みの向こうから微かに断末魔が響いた。 「…」 耳を澄ましても茂みからは音はしない、シトメた様だ。だが先ほど何かが転倒した方からは盛んにランポスの鳴き声が聞こえる。 まだいるのか…軽く舌打ちをした後、村長は音のする方へ歩を進めた。 矢に手を掛け、一気に引き絞りながら茂みを駆け抜けた。 瞬間、村長の視界が朱で埋め尽くされた。 赤い幼児 目の前に広がる赤い水溜まり。先程出来たばかりと思われる水溜まりの中心では小さな人影があった。 グシャ‥ビチャ‥ 小さな人影は醜い肉片と化したランポス達を切り裂き、水溜まりを拡大させている。 村長は予想外の出来事に動けずにいた。 人の気配に気付いてか小さな人影が此方を振り返った。 「‥女の子?」 血塗れな人影は、少女とすら言えない様な小さな女の子だった。 幼児は村長を敵と認識したらしく、ナイフを持ったままザッと後退した。 幼児は何かを守る様に身構える。‥後ろに何か居る様だ。 「ほら~オイで~。」 野良猫を相手にする様に幼児を呼ぶ村長、だが幼児は警戒を解こうとしない。 村長が歩み寄ろうとすると幼児はナイフを振りかざし、跳び掛かった。 が、猫を掴む様にアッサリと村長に捕獲された。 「いい子にしててね~。さてさて…。」 片手に幼児を掴んだまま、"何か"に近寄る村長。 「…ポポ?」 村長がぼそりと呟く。 確かに其処にはポポだった物が転がっていた。 先程ランポスに襲われたらしく、至る所に噛み付かれた後がありもう息は無かった。 しかし、このポポは普通とは違っていた。牙は切り落とされ布が巻かれていた。更に背中に小さな揺り籠が付けられいた。家畜だったのだろうか? 村長はふと先程の噂を思い出した。 それから再び幼児とポポを見る。 推測だが、肉食竜の襲撃があった村からこの子だけががポポに乗せられ逃がされたのだろう。 そして此処まで来てランポスに襲われたポポを助ける為にこの幼児が戦った様だ。(とても幼児とは思えない狩りの腕前の様だが…) もう一度幼児を見ると必死にポポの側に行こうとしていた。それを見て村長は幼児の顔を無理矢理此方に向けた。 「残念だけど、それはもう死んでるのよ?」 厳しく諭す様な口調に幼児の動きが止まる。言葉は分からない様だが、何を言っているのか理解したらしい。 ジワッと幼児の瞳が潤み、大事な物を無くした様な表情になる。 「よしよ‥ブッ!!?」 抱き締め様とする村長の顎を幼児のアッパーが捉えた。 フラリとしながら三度幼児を見ると敵意剥き出しの視線を飛ばしていた。 それを見て村長はニコリと笑い‥ 「ガキが!!」 手刀一発で失神させた。 「さて‥とりあえず持ち帰るとしますか。」 そう言うと幼児を揺り籠に詰め、帰路に付いた。 ロッタ村の親子 躾の結果 「…と言うのが貴女と出会った経緯よ、ルディ。」 村長が話を終える。 「…私そんな性格だったんですか!?」 村長の話を聞いて驚くルディ。確かに今の彼女からは想像が付かない。 「少しの間は野生児ばりの動きと性格だったのよ…だけどね、その~‥。」 村長が言葉を濁す。そんな村長をジッと見つめるルディ。 「余りにもヤンチャさんだったから一度だけ私がキレちゃってね。その時以降貴女は人格が変わったかの様に良い子に成ったのよ。」 満面の笑みで答える(誤魔化そうとする)村長。 「つまり…どういう事ですか?」 イマイチ理解出来ず首を傾げるルディ。 「そのね、さっきの貴女のナイフ捌きや動きがまんま野生児だった時と一緒だったのよ。」 苦笑いをする村長。 つまり…村長が施した(主に恐怖による)教育が今のルディの人格を作り上げ、野生児としての人格を消し去ったらしい。 「…つまりあの声は私の元の人格って事ですか?」 「多分そうだと思うわ。」 苦笑いをしたまま村長が肯定する。 「でもあの時の貴女はただ大事な物を守ろうとしていたわ。そして話を聞く限り、今『彼女』は貴女を守る時だけ出て来てると思うの。」 村長が付け足す。 …確かに村長の言う通りかもしれない。 「でも、ゲドさんに何て言ったらいいか…」 正直、ゲドがこんな話を信じるかどうか自信が無かった。 「まぁ『声』の事は話さなくて良いんじゃない?それにゲド君は細かい事は気にしないから大丈夫よ。」 「でも…」 口ごもるルディ。少女は今どうやってゲドに話掛けたら良いか分からないでいた。 「しょうがないわね。耳を貸しなさい。」 「はい?」 村長がルディに耳打ちをすると、途端にルディの耳(と言うより顔全体)が真っ赤になった。 「そ、そそ、そんな事出来ないです!!」 「もう二回もしてるのに~?ムサシちゃんから聞いてるのよ?」 村長が跳びっきり意地悪な顔で笑う。 「で、でも‥でも…」 「お母さんの命令です。」 ギロッと黒い瞳がルディを見つめた。 「…解りました。」 ムサシに対する怒りを募らせながら、ルディが渋々了解した。 IN集会所 集会所ではゲドが1人暇を潰していた。ハルに負わされた怪我のせいで何も出来る事がない。。 なのでゲドはハルに飛ばされた記憶に付いて考えていた。 キャンプに帰った後の霞掛かった記憶について… 何の気なしに手元に有ったトマトジュースを口に運ぶ… 「…赤?」 目に映ったトマトジュースの赤が記憶の断片を蘇らせる。 赤い背景に間近に迫った少女の笑顔…元通りになった背景に泣き崩れる少女…泣いている少女… カラーン 蘇りかけた記憶を吹き飛ばす様に集会所のドアを開き、顔を真っ赤にしたルディが現れた。 「どうしたんだい、嬢ちゃん?熱でもあるのかい?」 少女のオデコを触りながらゲドが言う。自然とルディと目が合う。 泣いてた少女… 「嬢ちゃん…昨日は…ング?」 兎に角謝ろうとしたゲドの口をルディが両手で塞いだ。 「昨日の事は忘れてください!!」 凄い勢いでルディが言う。…そんなに酷い事をしたのだろうか? 「で、で"コレ"が一回目と言う事にして下さい!!」 「コレ?」 ルディが何を言っているかは直ぐに解った。 ほんの一瞬だけ、少女の唇が男の唇に重なった。 「嬢ちゃん!?」 思わず声がヒックリ返った。 事の主犯であるルディは逃走を図るが入り口で待ち伏せていた村長に捕獲されていた。 「よくできましたルディちゃん~♪」 嫌に上機嫌な村長、捕まっているルディは手で顔を覆っている。 「…村長がやらせたのかな?」 「そうだけど、無理強いじゃ無いわよ。」 ニヤニヤ笑う村長、ルディは見る見る赤くなる。 「つまり…そう言う事と考えて良いのかな?」 ゲドの問いに応える様に村長がルディをツツく。 「あの、その…お、お願いします!!」 「俺でいいなら構わないよ?」 返事を聞いたルディの頭部が爆発し、そのまま失神した。 「こんな娘だけどよろしくね。」 村長とゲドが顔を見合わせてクスクスと笑った。 記憶の断片はもう思い出せそうに無いが少女が笑ってくれるのなら、それらはもうどうでも良い事だ。 「さて、今日はご馳走にして貰おうかしら?ムサシちゃん、コジロウちゃん!!」 暫くすると子供達が出て来た。 『何でしょうかお母様!!』 ニィムとネイダが声を揃えて言う。 「…ムサシちゃん、コジロウちゃん?」 壁の際から覗く2人を村長が睨む。 「ちょっと躾過ぎたニャ。」 「不味かったですかニャ?」 暫く沈黙が流れる。 「全然オッケーよ~♪」 …数年後、子供達に『声』が聞こえない事を祈るばかりである。 楽しい夜 瞼の向こう側が明るい… 漂うご馳走の香り… そして辺りが酒臭い… さて自分は何をしていたんだろうか? クラクラする頭を勢いに任せ起き上がらせ、寝ぼけた眼を擦りながら周りを見回す。 集会所に一同が介している。カウンターでコジロウに酒を注いで貰っているロード(泣き崩れている様だ)。 テーブルの上には無駄に豪華且つまともな料理が並んでいた。何事だろうか? とりあえず手近に居たムサシに聞いてみる。 「おはようございます、ムサシさん。」 「時間的にはコンバンワニャ、嬢ちゃん。」 ムサシが料理を運びながら応える。 「今日の夕食は豪華ですね。…何でですか?」 「おめでとうとだけ言っておくニャ。」 ムサシがニヤニヤしながら答える。 はて…何かめでたい事なんてあったのか? 「……………!!!!」 記憶がフラッシュバックすると共にルディ顔が真っ赤になる。 「もうすぐ夕食の準備が出来るからゲドを探してくるニャ、嬢ちゃん。」カラーン ムサシに言われてルディはダッシュで集会所を後にした。 すっかり暗くなっていた夜道を星と月の光だけを頼りにゲドを探す。 暗闇にボンヤリと浮かぶ岩に腰掛けた人影…とりあえず声を掛けてみる。 「…ゲドさん?」 「何だい?」 体を反る様にして振り向くゲド。ボキッと嫌な音と共にゲドが岩から落下した。 「ゲドさん大丈夫ですか!?」 「うっ、あぁ…所でどうしたんだい?」 少し呻いた後ゲドが問う。目線が合った途端何だか恥ずかしくなってきた。 「も、もうすぐ夕食が出来るそうです。」 瞬間的に顔が赤くなるのが解った。 「じゃ、戻ろうか、ルディ?」 ゲドの言葉に機敏に反応し戸惑う。 「…嬢ちゃんの方が良かったかな?」 「い、いえルディで良いでふ!!」 テンパり過ぎて噛んでしまった。またしても赤面するルディ、ゲドは必死に笑いを堪え息を整えた。 「じゃあ行こうか、ルディ。」 さっと手を差し出すゲド。 「…ハイ!」 ゲドの手をとり集会所へと戻って行った。 本日の集会所はルディの告白成功パーティーと言う事も忘れて… 夕食は頗る豪華だったが、ルディは色々と大変だった。 酒が入った2人のオッサンの質問攻めに会ったり、其処に暴走状態の三つ子が乱入したり、猫姉弟が本性丸出しでゲビタ話をしてきたり… 兎に角大変な一夜だったが、ルディは嬉しくて仕方なかった。 今日と言う日が何回続いても良いと思える程に… 解禁日 宴会終了後… カインは再びギルドに呼び出され街へ 村長は子供達をコジロウに任せて再び放浪中。 更に数日後… 集会所の中ではあの日以来不気味なまでに良い子になったニィムとネイダが、コジロウの指示で掃除をしていた。思わず恐怖政治とか言いたくなる。 そんな集会所のイスに上半身裸で腰掛けるゲドと、その背後に構えるムサシ。 「一気に頼むよ。」 「任せろニャ。」 ムサシはニヤリと笑うとゲドに巻かれた包帯を一気に引き剥がした。 ベリベリと爽快な音を立てながら剥がれていく包帯の下からは綺麗に完治した体が現れた。 「あぁ~…やっと剥がせたよ。」 うーっと伸びをして全身の骨をバキバキ鳴らす。違和感や圧迫感が消え去り、何とも清々しい気分だ。 カラーン 安っぽい音と共に集会所の扉が開かれた。 「オハヨウゴ…って何してるんですか!?」 入ってきたルディが予想外の光景に驚き、扉の影に隠れた。 「どうしたんだい?」 「服を着てください!!」 暫しして… テーブルに座って他愛ない談話をする面々。キッチンからはひっきりなしに何かを炒める音と、度々赤い炎が吹き出している。間も無く昼食の時間だ。 カララーン 再び開かれる集会所の扉。 『おはよ~。』 ロード達が暢気な挨拶と共に集会所に入ってきた。 「今日も仲がヨロシイな、お二人さん。」 テーブルで並んで座るゲドとルディにニヤニヤしながらロードが話し掛ける。 そんなロードにルディとハルが睨みつける。 「今日もリーダーは一言多いね。」 「…そうだね。」 パルとバルがテーブルに着いて他人事の様に言う。 それに紛れてロードも席に着くが睨まれたままである。 ガラガラガラガラ… そんな空気をブチ壊してテーブルに料理を運んでくるムサシとコジロウ。 「ゲドが全快したから今日から劇物解禁なのニャ。」 ムサシがニヤリと笑う。 その場に居たゲド以外の全員が凍り付く。食器からは濃く、絡みつく様な湯気が出ている。…人が食べれる代物なのだろうか? 「…一応胃薬は用意してありますニャ。」 そんな物用意するんなら姉の奇行を止めて欲しい物だ。 「召し上がれニャ。」 「イタダキマース♪」 『い、いただきます。』 楽しい(?)食事が始まった。 速達 カラーン ズザー 後少しでパンドラの箱が開こうとした所で誰かが集会所に滑り込んで来た。 「そ、速達‥なの…ニャ。」 一匹のアイルーが瀕死の状態で手紙を差し出した。 コジロウがソレを受け取り、ムサシがアイルーを介抱する。 突然の出来事に目を丸くする一同を余所にコジロウが手紙を取り出し目を通す。 「マスターからですニャ。」 コジロウが言うマスターとはカインの事だ。 「では読ませて頂きますニャ。」 コジロウがコホンと咳払いをすると手紙を読み上げだした。 『皆久しぶり。突然だが最近村の襲撃が多発しているのは知っているか?まぁ知らんだろうな。 ともかく襲撃を受けた幾つかの村では幻獣を目撃したと言う情報が入っているんだが、どうも話を聞くに幻獣が二匹居るらしい。 二匹の幻獣が同時期に村を襲撃する。こんな事は異例だ。 ギルドの捜査の結果ロッタ村付近の雪山がネグラらしい。 だからゲド、ムサシ、ロードの3人で即座に雪山に向かってくれ。 儂は先に雪山で待っているからな。 追伸 最近やたらとモンスターが異常発生しているらしいから嬢ちゃん達には村で留守番をしていて欲しい。』 所々に「ニャ」が入るが内容は大体伝わった。 「とりあえず食事をしてる場合じゃないみたいだね。」 ゲドが少々ガッカリした後、とても楽しげに言う。 「コジロウ、荷車を準備するニャ。」 「もうしてるニャ、姉さん。」 「お前達もルディに協力して留守を頼むぞ?」 『お土産宜しく』 「あぁ任せとけ。」 俄かに慌ただしく集会所。ルディは留守を任された事に若干苛立ちを覚えた。 …私は未だに足手纏いなのだろうか? 「どうしたんだい、ルディ。」 不満げなルディに気付いてかゲドが話し掛ける。 「…私はまだ足手纏いですか?」 「そんな事はないよ。ただ今回は村を手薄に出来ないからルディに留守を頼みたいんだよ。」 ゲドがニコニコしながら言う。 「じゃあ…早く帰って来て下さいね?」 「心配しなくても直ぐに帰ってくるよ。」 不機嫌なルディの頭をワシャワシャ撫でながらゲドが言う。 「さぁ行こうか?」 こうしてゲド達は集会所を後にした。 「さて皆さん、少し聞いて欲しいですニャ。」 コジロウが集会所に残った面々に話し掛ける。 「コレ…食べますかニャ?」 先程から放置されっぱなしの料理を指差す。(湯気が何時の間にかパープルになっている。) 全員は全力で首を振った。
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/2181.html
DQⅥ Ⅵに登場する町。 【はざまの世界】に存在し、【絶望の町】から東の方角にある。 絶望の町とは対照的に活気に満ち溢れている町。非常に不健康なギラギラした活気だが。 住人は案の定欲望丸出しの人ばっかりで、何かと主人公に金を要求してくるイベントが多発する。 どれも金を払っても損するだけなので、突っぱねておこう。まあ大した額ではないので敢えて払ってみるのもいいかもしれないが……。 貧富の差が激しく、茣蓙の上で生活してる人もいれば大きな屋敷を構えてる人もいる。 奥には【古びた炭鉱】への入口があり、ここの金持ちはそこでひと山当てた者らしい。 ちなみにモルガンの屋敷の宝箱は、番犬代わりなのか2つともミミック。 湖の穴で彼らを改心させてから左の家の大富豪を訪ねると、最強クラスの鎧である【ドラゴンローブ】を譲ってもらえる。 なお、ここはラストダンジョン前の最後の買い物が出来る町。売られている武器や防具も優秀な物が揃っている。 ただし、【まじんのかなづち】にようにクセの強い性質を持っているものや、 【みなごろしのけん】や【はめつのたて】のように使用にはリスクの伴うものもあるので、ある程度は注意も必要。 宿屋の地下には【カジノ】もあり、そこには【ルイーダの酒場】もある。 ポーカーはこの町のもののみアップダウン方式をなっているため、ダブルアップで稼ぎやすい。 スロットのレートも10コインか50コインとかなり高いが、その分景品のラインナップも豪華。 景品には【メタルキングよろい】や【はかいのてっきゅう】といった最強の武具もあるので、 余裕があればここでコインを増やして装備を揃えておこう。
https://w.atwiki.jp/flydam/pages/128.html
開幕 密林の少女(回想)密林の少女(理由) 密林の少女(現在) 密林の少女(赤い人) 密林の少女(猿) 密林の少女(矢) 密林の少女(肉) 密林の少女(所用) 密林の少女(質問) 集会所(リリーについて) 沼地の少年(白い影)沼地の少年(赤い影) 沼地の少年(赤猫) 沼地の少年(爆) 沼地の少年(夢?) 砂漠の男(四本角)砂漠の男(肉の味) 砂漠の男(食事) 集会所(集会) あの日の夢 開幕 人間の三大欲求の1つ、食欲。 一日中何もせず生活していても、腹は減る。 どんなに豪華で、美味な料理を食べても食欲が消え去ることは無い。 寧ろ美味な料理を食べるほど、食に対する欲求は大きくなる。 もっと美味な物を、もっと豪華な食事をと・・・。 欲望はその人間が生きている限り、大きくなっていく。もっと、もっと、と。 飽くなき食の欲求にとり憑かれた者は、アラユルモノを己が欲望のために口へと運ぶ。 ある者は肉や魚、野菜、果ては人ならざる化け物ですら欲望の餌食にする。 中には同族を手にかける者も・・・。 一時は満たされた食欲も生きている限りまた現れる、無くなりはしない。 その度に欲望にとり憑かれた者は狩りを続けるのだろう。 自身の欲望が消え去る日、自身が死ぬその時まで・・・・ 密林の少女(回想) 木々が生い茂る密林の海岸に少女が1人。 海からは、打っては返す涼しげな波の音。 それとは対照的に、密林からは木々を圧し折り何かを貪る音が聞こえる。木々の隙間からは大きな影が見える。 何とも物騒である。 少女はふと思った。何故自分はこんな所に居るのかと。 話は2週間前(クシャルダオラ討伐から1週間後)に遡る。 集会所には報告のため街に戻ったカイン以外の2名、その他に最近村にやって来たハンターが4名ほどテーブルに座っている。 カウンターの向こう側で微笑む女性が1人。 厨房からは、何時ものごとく料理をする音が聞こえる。 「こんな村に来るなんて物好きなハンターだね。」 ゲドが笑いながら言う。この村は辺境にある上、手頃な依頼があまり回ってこない。(何故か、やたら難度が高かったり、裏がある依頼が多いのだ。) 新米ハンターが住むにはあまり適さない場所なのだ。 「ゲドさんもそんな物好きなハンターの1人ですよね?あと私は一応ここの村長の娘ですよ?」 ルディが冷静に突っ込む。 「俺はどう考えても物好きな人間だからね。ところで嬢ちゃ・・いや村長の娘さん、あのハンター達は知り合いかな?」 ゲドがふざけた感じで言う、確かに向こうのハンターがこっちを見ている気がしないでもない。 「・・・あの中の1人が村長の息子なんだそうです。勿論養子ですけどね。最近ハンターが少ないから来て貰ったそうです。」 ルディが言う。 「・・・つまり嬢ちゃんの兄弟な訳かな?」 「一応そうですけど・・・私が小さい時に違う村に行ったんで、顔覚えてないんですよね。」 ゲドの問いに、ルディが気まずそうに答える。 「お待ちどうニャ。」 他愛の無い話をしていると厨房からムサシが出てきた。 集会所の視線がムサシに集まる。赤い猫が珍しいのだろう。 「何か視線を感じるニャ。」 ムサシがふざけながら言う。 そして、テーブルに食事が並べられる。 その中身は一週間連続しての蟹料理。 何時ものようにグロテスクな料理ではないが、一週間も同じ食材だと流石に飽きる。 (あれ程の蟹を狩ったのだから当然といえば当然なのだが・・・) そして、この後の一言が現在の状況を作り出す事になる。 密林の少女(理由) 「では、イタダキマス♪」 いつもの様に食事を始めるゲド達。 違うテーブルに居るハンター達も食事を始めたようだが、マキルの料理を一口食べて動きが止まっていた。 作った本人が目の前でニコヤカに座って居るため、精一杯の作り笑いをしているが、どう見ても苦笑いにしか見えない。 そんな彼らを横目で見ながら食事を続けるルディ、彼女が食べている料理は彼等とは違い大変美味しい。 しかしどんな料理にも飽きが来るものである。そして少女はその言葉を発する。 「美味しいけど…流石に飽きますね。」 微かに聞こえる程度の少女の呟き。 その小さな囁きを聞き取った料理人である猫は、その場に膝を着いて崩れ落ちた。 最近は村長からの土産も野菜類のみ、在庫も大量に狩った蟹しかない。 (ここ一週間はゲドが余韻に浸って狩りに行きたがらなかったため。) そんな台所事情を抱えつつも、猫は今出来る最高の料理を出すことで自分の料理人としてのプライドを保っていた。 しかし少女の一言で猫のプライドは音を立てて崩れ落ちた。 「ム・ムサシさん!?」 プライドを打ち砕いた張本人が声を掛けてくる。 「殺せ、殺すがいいニャ。」 倒れたまま訳の分からない事を口走るムサシ。 「よし、狩りに行こうか?」 それまで黙って料理を食べていた男が口を開く。 「流石の俺も蟹には飽きたしね。」 そして笑いながらムサシに止めを刺す。 「お願い、殺して…。」 「どうしたんですかムサシさん?!語尾が[ニャ]じゃ、なくなってますよ!!」 既に虫の息であるムサシに、冷静に突っ込みを入れるルディだった。 「食材を効率良く集める為に皆、バラバラになって狩りに行こうか。」 ムサシをスルーして提案を続けるゲド。 「皆バラバラですか!?」 ゲドの提案にルディが少し驚く。そのため抱えていたムサシを取り落とした。 ゴッという鈍い音と共にムサシが床でワンバウンドする。 「そう、嬢ちゃんもある程度は一人で狩りが出来るようになったよね?それに、バラバラに狩りをした方が色々と食材が集まるからね。」 アッサリと言うゲド。ムサシはスルーされた。 「どの位の間バラバラで狩りをするんですか?」 「カインが帰って来るまでだから…1ヶ月くらいかな?今は特に予定はないしね。」 ルディの問いにサラリと答えるゲド。 「じゃあ俺は砂漠に行くよ、久しぶりに奴が食べたいからね。ムサシは沼地に行ってきてくれるかな?」 「分かったニャ。」 何時の間に復活したのかムサシが応える。 「私はどうしたらいいんですか?」 少し期待しながらルディが言う。 「ん~…嬢ちゃんは村に残っててくれるかな?最近、村長が忙しい様だからね。」 ニコヤカにゲドが言う。 ゲドと一緒に二人きり…と言う淡い希望を打ち砕き、ルディのお留守番が決定した。 「…わかりました。」 ガッカリ気味にルディが言う。 因みに、この村から行ける狩場は密林、頑張っても雪山が限界である。 そのためルディを除いた残り2人は、それぞれの狩場がある村へと出発する事になった。 密林の少女(現在) そして1人村に残ったルディは、村長から様々な依頼を受けた。(主にキノコ狩りやブランゴ討伐等の雑用だが) その際にイャンクックの討伐等もあったが、どうにか1人で攻略した。 その報酬素材で強化した鳥幣弓を装備し、現在密林にいるのだ。 依頼はランゴスタの駆除。 ランゴスタ 大きな蜂の様なモンスター。神経毒のある毒針で対象を麻痺させ、その体液を吸い取る。 作物に被害が出るので退治を任された訳だが、今ルディの前方にはランゴスタではない奇妙な影があった。 有り得ない程派手なピンク色の毛並み、頭のてっぺんに鶏冠の様に突き出した極彩色の毛、そして猿の様な見た目、そこまで確認してルディは思い出した。奴はババコンガだ。 ババコンガ 派手なピンク色をした猿の様なモンスター。 同種に小型のコンガと言うモンスターがおり、そのコンガの群れのボスがババコンガである。 ルディはババコンガを見るのは初めてだったが、話には聞いていたのですぐに分かった。 その話とは、ムサシが出発する前にババコンガが居たら狩っておいてと言われたからだ。 何でもババコンガの腸は珍味として有名らしい。 「…どうしよう。」 ルディが呟く。 正直1人で狩りをする自信が無かった。 イャンクックは以前に戦った事があったので1人でも倒す事ができた。 (それでも少し苦戦した訳だが…) しかし、ババコンガと戦うのは無論初めてである。 その上ババコンガの強さはイャンクックより幾分か上である。 そもそも虫の駆除のつもりだったので道具が十分ではない。 ルディはダメもとで鞄の中身を確認してみる。 薬草が5つ、回復薬が2つ、昼食用の生肉が3つ、それと強撃ビンがあるだけだった。 考え込むルディ、今回の依頼はランゴスタ狩りなのでババコンガは無視してもいい、最悪リタイアしても構わない。 確かにババコンガを狩っておいてと言われたのだが…正直な話自信がないのだ。 1人溜め息を着く。 「手伝ってあげようか、お嬢ちゃん?」 不意に後ろから声が聞こえた。 密林の少女(赤い人) 声のした方に振り向くと、見知らぬ女性が立っていた。 全身に燃え盛る様な赤い防具を身に着けている。 背負われた弓は二本の角が特徴的な弓だった。 どちらの装備も見たことは無かったがルディはこう思った。…美しい。 「お嬢ちゃん、聞いてる?」 その一言でルディは我に帰った。気付けば鋭い瞳がこちらを見つめている。 「は、はい…お願いします。」 少し動揺していたルディは反射的に「Yes」と答えてしまった。 今時は小さい子供でも、他人に話し掛けられたら少しは警戒するだろう。 「でも、なんで手伝ってくれるんですか?」 「少しあの猿に用があってね。…あ、心配しなくてもお金とか取ったりしないからさ。」 今更ながらに警戒するルディに気付いてか、女性が付け足す。 2人とも弓に強撃ビンをセットする。 「あ、そうだ。お肉があったら貰えないかな、お嬢ちゃん?」 「いいですけど…生ですよ?」 「構わないよ、お嬢ちゃん♪」 何故か楽しそうな女性。 「はい、どうぞ。あと私はお嬢ちゃんじゃなくてルディ・ロッタです。」 生肉を手渡しながらルディが言う。 「ありがとう、お嬢ちゃん。私のことはリリーとでも呼ぶといいさ。」 生肉を受け取りながらリリーが言う。相変わらず楽しそうに。 そんな態度に自分はからかわれているのでは?と思うルディだったが、その女性を見ていると怒る気にはなれなかった。 「じゃあ私が前衛をやるから、お嬢ちゃんは私のサポートね…まずは周りの小猿達を片しておいてね。」 弓を構えながらリリーが言う。その目つきは鋭い、狩人の目になっていた。 「分かりました。」 そんなリリーを見て自身の気持ちも引き締めるルディ。 「それじゃあ、行きましょうか。」 そう言うと2人は走りだした。 密林の少女(猿) ルディは素早くコンガ達の場所を確認する。 1、2…3。全部で3匹だ。 ババコンガはまだ此方に気付いていない、気付かれる前に片付けてしまいたい所だ。 近くに居るコンガにギリギリまで接近し、此方を振り向く瞬間に右手に持った矢を突き刺した。 顔を押さえ呻くコンガ、其処へ間を空けずに矢を放った。 至近距離で5つに裂けた矢が、突き刺さり火を吹き出す。 小さく響く断末魔、コンガはすぐに動かなくなった。 そして直ぐに断末魔を聞きつけた残りの2匹が此方に突っ込んで来た。 それを見てルディは思った。余りにも遅いと。 馬鹿みたいに真っ直ぐな突進は、今までの敵に比べると余りにも遅かった。 ゆっくりと弓に力を込める。その間もコンガ達が迫ってくるが、十分な間合いがあった。 手を離れた矢が地面と水平に5つに裂け、内3本が近くのコンガを直撃した。 再び響く断末魔、倒れるコンガ。 間近まで残りの1匹が迫って来てもルディは動じない。何故か動きがハッキリと見える。 コンガが触れるより一瞬早く、ルディが矢でコンガの眼を一閃する。 僅かに怯むコンガ。 「これで…終わり。」 一閃した矢をそのままコンガの脳天に突き刺した。 吹き出す火、断末魔をあげる間もなく地に伏すコンガ、案外簡単に済んだとルディは思った。 少女は少しだけ自分が強くなっている事に気付いた。 少しだけ余韻に浸るが、その後すぐにババコンガの位置を確認する。 生い茂る木々の向こうに赤い影と桃色の影を確認する。 バキバキと木をへし折る音、時折小さな爆発音と共に桃色の影から真紅の炎が噴き出している。リリーの弓は炎の属性を持っている様だ。 素早く矢と強撃ビンの残りを確認する…まだまだ余裕だ。 見晴らしの良い場所へ行くため、一度海岸まで走るルディ。 海岸ではリリーとババコンガが戦っていたが、ババコンガは既に変わり果てた姿に成っていた。 密林の少女(矢) ルディは自分の目を疑った。 リリーに襲い掛かるババコンガ、その姿はたった数分の間に変わり果てていた。 全身に相当な数の矢が刺さっている。まるで海栗か栗のようになっているババコンガ、生きているのが不思議なほどであった。 唖然と眺めるルディ、ババコンガがリリー目掛けてその豪腕を振り回す。リリーはバックステップをしながらそれを難なくかわした。 勢いあまってそのまま倒れるババコンガ、その頭部に弓を構えるリリー。 「まだ寝るには早いわよ?」 放たれた矢がババコンガの顔面で炸裂する。 猿の自慢の鶏冠はだらしなくバラバラになった。 怒りを露わにし立ち上がるババコンガ、顔は真っ赤に染め威嚇のためか放屁を放った。 「下品な猿ね。」 怒り心頭のババコンガにどんどん矢を放つリリー、拡散した矢が次々に突き刺さり爆発を起こす。 矢が刺さっていく猿、それを見るリリーの顔は防具に隠れていても笑っているのが判った。 もしかしたらリリーはワザと殺さないように攻撃をして楽しんでいるのかも知れない、ルディはそう思った。 リリーの雨の様な攻撃を受けながらもババコンガはルディに気が付いた。 そしてルディに向かって尾で何かを投げつけてきた。茶色い何か・・・それは凄まじい異臭を放っている。 飛んでくる何か、茶色い見た目、放たれる異臭、それはある意味どんな攻撃よりも恐ろしいもの、そうそれは・・・・ 「ふ、糞!?」 認識すると同時に横っ飛びにかわすルディ、反撃する間も無く次々と糞が飛んでくる。 リリーに助けを求めようと振り返ると、リリーは笑いながらその光景を見ていた。 だがすぐにルディの視線に気付いたリリー、すぐに表情を元に戻すと何かを放り投げた。 放物線を描きながら宙を舞う何か・・・ それは先程ルディが渡した生肉だった。 「えぇえぇぇぇ肉!?」 何故このタイミングで肉を投げるか理解できないルディは思わず突っ込んだ。 密林の少女(肉) ボトッと音を立てて落下する生肉、ルディが唖然とそれを見ているとババコンガがそれに向かって突っ込んで行った。 戦闘の最中に肉を貪るババコンガ。もしかするとこの猿は物凄く馬鹿なのではないか?ルディはそう思った。 其処へリリーが再び肉を放り投げた。 落下する肉に大口を開けて喰らいつこうとするババコンガ。 「…馬鹿な猿よね。」 蔑む言葉を吐きつつも、リリーの顔は心底楽しそうだった。 複数の矢を素早く撃ち出すリリー。その矢は生肉を貫通し、無防備に開かれたババコンガの口で炸裂した。 口から火を噴出し倒れるババコンガ、それでも足を引きずりつつ逃走を試みる。 「逃がす訳ないじゃない。」 意地悪な笑みを浮かべるリリー、次の瞬間には構えた弓から三本の矢が吐き出されていた。 内二本は的確にババコンガの両足を貫いた。 そして残りの一本がババコンガの尻尾をグチャグチャに貫通した。 両足と尻尾を駆け抜ける激痛に耐えかね、地面をのた打ち回るババコンガ。 ふと見上げると眼前には赤い影が迫っていた。 「おやすみ、永久にね。」 優しい顔で冷たく言い放つと、リリーは右手に持った矢を眼球から脳へ躊躇わず、真っ直ぐに突き刺した。 ババコンガの瞳からは血とも炎とも解らない紅が吹き出した。 そして、それに伴う様に全身がビクンと動いたがそれっきりババコンガは動かなくなった。 命を刈り取った後の余韻に浸る様に、ただ立ち尽くす女。 すぐ傍らには真っ赤に染まった肉塊が転がっている。 女が身に付けた防具の紅、そしてその防具を染め上げる血染めの赤、混じり合った2つの赤はその女を妖しく、そして美しく飾り上げた。 それに暫し見とれるルディ、しかし此処は狩場のど真ん中、何時までもボーッとしては居られないのだ。 「り、リリーさん。」 恐る恐る声を掛けるルディ、だが返事がない。 「リリーさん!!」 先程より大きな声で呼び掛けるが、やはり返事がない。 その女はまだ立ち尽くしたままだった。 密林の少女(所用) 徐にヘルムを外すリリー、長い髪が風に靡く。 ルディはそれを見て驚いた。リリーの見た目はルディより一回り上くらいに見えるのだが、その髪は全て真っ白だった。 リリーはルディの事など忘れた様に、ババコンガの尻尾の辺りを調べている。 「…あった。」 小さく呟くリリー、その顔はただ純粋に嬉しそうだった。 「リリーさん?」 恐る恐るリリーの肩に手をかけるルディ。 次の瞬間ルディは抑え込まれ首筋に剥ぎ取り用ののナイフが当てられていた。 殺す事に一切躊躇いが無い、そんな瞳がルディに向けられる。 「…リ、リ、ン…」 突然の出来事に声を出すことすら出来ないルディ。 「あ!!ゴメンお嬢ちゃん、スッカリ忘れてた。」 そう言って半ベソのルディを起き上がらせるリリー。 「な、何し、フゥー…、何してたんですか?」 呼吸を整えてルディが言う。 「ゴメンねお嬢ちゃん、"コレ"を探してたんだよ。」 半ベソのルディを見て苦笑しながらリリーは、"コレ"を取り出す。 小さいが美しい光を放つブレスレット。 「私の旦那がくれた数少ないプレゼント…、それを寝ている間にあの猿に盗られちゃってね。」 一瞬暗い表情をした後、笑いながらリリーが言う。 つまりリリーがババコンガ狩りを手伝ってくれたのは、そのブレスレットのタメだった様だ。 密林の少女(質問) 「…まだ何か聞きたい事があったら聞いても良いよ?さっき殺しかけたからね。」 此方を見つめるルディに気付いてか、リリーが言う。 「じゃあ…何で髪が白いんですか?まさか実は凄い年…」 「年だからじゃないよ。断じて違うよ。ハンターなんて仕事をやってるから気付いたらこんな髪に成ってたのさ。」 ルディの言葉を途中で遮りリリーが笑いながら答える。年齢を気にしているのだろうか? 「最後に聞きますけど、なんでリリーさんは呼んでも気付いてくれなかったんですか?」 素晴らしく不満げにルディが言う、そのせいで先程死にかけた訳だから当然なのだが…。 「あぁ、それはリリーが私の名前じゃないからよ。自分の偽名を自分でも忘れてたんだよ。」 笑いながらリリーが言うが、ルディはポカーンとしていた。 「じゃぁ本当の名前は何ですか?」 言ってから自分は凄く間抜けな質問をしたとルディは思った。 今名前を教えてくれるなら、初めから教えてくれる筈だからだ。 「私の本当の名前は私の愛した男に捧げたのよ。だからそれ以外の誰かに私の本名は教えてあげないんだよ。」 フザケているのか本気なのか解らない口調でリリーが言う。 「でもお嬢ちゃんには私の通り名だけ教えてあげる。私の通り名は…。」そしてそれを言った後、女は去って行った。 とある街に行くため密林を歩いて横断していたそうだ。 ルディはババコンガのテッポウ(腸)を剥ぎ取って帰ろうとした時にあることに気付く。 「あ、ランゴスタ駆除!!」 そのまま密林に引き返す事になったルディだった。 集会所(リリーについて) 村長の依頼をある程度済ましたルディは暫く、集会所に行って時間を潰す日々を送っていた。 ある日ルディが集会所の扉を開くと見覚えのある男が座っていた。 「…なんだ、カインさんか。」 あからさまにガッカリした顔でルディが言う。 「…ゲドじゃなくて悪かったな。」 そんなルディの言葉にカインは少し傷付いたようだ。 「お帰りなさいカインさん。…そうだ、ちょっと話があるんですけど?」前半を棒読みで言いつつ、途中で思い出した様にルディが言う。 「ゲドが居ないと可愛げがないな…で、話しって何だ?」 カインが言うと、ルディはリリー(偽名)と狩りをした事を話し出した。 「…へぇ、そんな人が居たんだな。その人の通り名は?」 「アイアンメイデンです。」 ルディの言葉にカインは驚きの余り、飲んでいたビールを落としてしまった。 「嬢ちゃん、その人に本当に遭ったのか?」 「はい、知り合いですか?」 「ハァ…その人はゲドの母親だ。」 カインの言葉が理解出来なかったのか場の空気が完璧に止まった。 「母親?………エェェェエ!!?」 やっと理解したルディが叫ぶ。確かに口調や性格が似ていた気がする。 「今更気付いても遅いな…。まぁ嬢ちゃんに言ってなかった俺も悪いんだがな。」 頭を掻きながらカインが言う。 「でもなんで【アイアンメイデン】なんですか?」 暫く後悔した後ルディが口を開く。 アイアンメイデン:拷問器具の名前。 鉄で出来た円筒に近い棺桶の様な形状。 顔の部分には女性の顔が描かれており、正面が観音開きになりそこから罪人を入れる。 内部には四角推の鉄が無数にあり、入れられた罪人に突き刺さる。 因みに中の罪人がどれだけ出血したかによって有罪か無罪かを決めていたらしい。(入れられた段階で死亡は確定だと思うが…) 「でだ、昔彼女の狩りに同行したハンターが、全身に矢が刺さって血を垂れ流すモンスターを見て、[まるでアイアンメイデンに入れられた様だ]と言ったのがキッカケらしいぞ。」 カインが長い説明を終えた時、ルディはそのピッタリすぎるネーミングに苦笑いをしていた。 外は大変いい天気だった。 沼地の少年(白い影) 沼地の洞窟を1人走る少年。 全身はガタガタと震え、奥歯がガチガチと音を立てる。この震えは寒さから来るものではない。恐怖から来るものだ。 少年の頭が目まぐるしく回転する。何故こんなことになったのかと。 本来の依頼はキノコ狩り、小遣い稼ぎの簡単な仕事の筈だった。 まだ駆け出しのハンターだが、できる限りの装備を揃え万全の体制でやって来た。 キノコを集め終えた頃突如雨が降り出した。そのため少年は洞窟を通る事にしたのだが、それが間違いだった。 洞窟に入ると即座に少年の影に大きな影が重なった。少年は直感的に前へ転がった。すると先程まで少年の居た場所に大きな何かが落ちてきた。 白い体、その体にうっすらと見える血管、不気味に裂けた赤い唇、目の無い顔が更に少年の恐怖を駆り立てる。少年の背後にフルフルが現れた。 初めて見る飛竜、少年は即座に逃げ出した。 逃げる少年を再び天井に張り付いたフルフルの影が追って来る。 少年は走り続けるが今までの疲労と洞窟の寒さに体力を奪われ、このまま逃げ切るのは難しい。 少年は自分の武器、ショトボウガン・蒼の弾倉を確認する。通常弾LV,2が17発、鞄の中には拡散弾が1発だけ入っている。 今更になって少年は弾を使い過ぎた事を後悔した。しかし今はこれで何とかするしかない。 影が自分に追いつく前に手早くリロードをする少年、ガチャッと言う音と共に6発分の弾がショトボウガンに装填される。 迫る影を頼りにスコープを覗き込み照準を合わせようとするが、既に影は消えていた。 辺りを見回しても奴の影は無い。巻いたのだろうか?そう思う少年の肩に何かが落ちてきた。 …水滴? しかし、その何かは少年に落ちると共に激痛を持ってその考えが間違いであることを示した。 強烈な酸に灼かれた様に少年の肩が痛む。 それは水滴ではなく、強い酸性を持つフルフルの涎だった。 気付けば少年の影が随分と大きくなっている。 直ぐにその場を離れ、天井に向け弾を撃つが、天井を移動するフルフルは思いのほか素早い。 駆け出しの少年が狙った程度では当たりはしなかった。 やはり適わない。無理でも何でも逃げるしかない。 そう決心し出口へ向け駆け出そうとする少年を嘲笑うかの様にフルフルが堕ちてきた。 沼地の少年(赤い影) 少年と出口に挟まれる様にフルフルが位置する。 フルフルの動きは陸では案外愚鈍だ。 少年は震える手で照準を合わせもせずに引き金を引いた。 撃ち出された通常弾はフルフルに直撃するが、フルフルは微動だにしない。 次々に弾を撃つが結果は同じだった。何度も引き金を引く少年だが、ショットボウガンはカチャッと言う音だけで弾を発射しなかった。弾切れだ。 攻撃が止むとフルフルの首が真っ直ぐに伸び少年に襲いかかった。 横っ飛びに避けた少年、外れたフルフルの攻撃は空間ごと抉り取るようだった。 まだ通常弾は11発残っているが、この火力では埒があかない。 まだ弾が残っている弾倉を投げ捨て、拡散弾の弾倉をセットする。これを撃った隙に逃げるしかない。 しかし次々に襲い掛かるフルフルの攻撃がリロードを許さない。 攻撃を避け、即座にリロードをする少年だがリロードが終わる前にフルフルの口が襲い掛かる。 真っ赤な口が迫って来るが、リロード中は動くことすら出来ない。 迫る死から目を背ける様に堅く目を瞑る少年。 ガギィィィンと言う音が洞窟に響き渡った。 その音は少年の防具が噛み砕かれる音ではなかった。 少年が目を開くと、少年よりもずっと小さな赤い影が、少年よりもずっと大きい剣でフルフルの攻撃を防いでいた。 「コイツはニャアが貰うニャよ、少年?」 話しかけてきた赤い小人は顔も真っ赤だった。 沼地の少年(赤猫) 目の前の赤い小人を凝視する少年。 「・・・・赤い、猫?」 「猫以外の何に見えるのニャ?」 赤い影は小人ではなく真っ赤なアイルーだった。 「悪いけど少年、邪魔ニャ。」 そう言うと赤い猫はフルフルの顔を弾き返し、くるっと少年の後ろに回り込んで大剣を構えた。 「何する気ですk・・。」 「ミネ打ちにしとくニャ。」 少年の言葉を遮り言うと、赤猫はニヤッと笑みを浮かべた。 「チョ、待っtゥボッォォォォォオ!!!?」 大剣の横薙ぎをモロに喰らい宙を舞う少年。そのまま放物線を描きフルフルを飛び越え出口付近に落下する。 ゴシャァァァァ・・・ 頭から落下し、数メートル滑った後少年は停止した。無論既に少年の意識は無い。 「・・・やりすぎたかニャ。」 反省の言葉を漏らす赤猫、其処へフルフルが首を鞭の様に振るい襲い掛かってきた。 距離を取ってそれをかわす猫、どうやらフルフルは狙いを少年から赤猫に変えた様だ。 「かかってこいニャ、来週辺りの晩御飯。」 余裕の表情を浮かべる赤猫。 十分に距離を取れたフルフルは電撃を溜めだした。 目に見えるほど膨大な電撃、口元に溜められているそれは不気味な青白い光を放っている。 そして吐き出された電撃が三つに裂け、赤猫に襲い掛かる。 赤猫は素早く大剣を担ぎ直すと、裂けた電撃の僅かな隙間を駆け抜けた。 即座にフルフルを射程距離に捉えると再び大剣を構えた。 ニヤリと笑う赤猫と同様に不気味に笑う大剣を真っ直ぐに振り下ろした。 振り下ろされた大剣は中心から微かにずれるもフルフルの顔を斬り裂いた。 皮一枚だが切裂かれたフルフルの顔は、あっという間に白から赤へと色を変えた。 フルフルは血を垂れ流しながら、口から白い吐息を吐き出している。 そして、怒りに任せ赤猫に噛み付こうと首を伸ばした。 赤猫はそれを避けもせず大剣を地面と水平に振りぬいた。 ガギィィィィン 鉄と牙が激突する音が響く。 「マ、ダマダ・・・ニャァァァァア!!」 赤猫が叫び、自身の相棒に有らん限りの力をこめた。 ズバァァァァ その後即座に大剣がフルフルの下顎を切り落とした。 グチャッ 嫌な音と共に肉が落下した。 笑いながら迫ってくる赤猫。 口と顔の側面から血を垂れ流しながらも、フルフルは天井に飛びつき逃げ出した。 沼地の少年(爆) 天井をフルフルが逃げ惑う。 「逃げるんじゃニャイのニャ。」 そう言って鞄から小樽爆弾の様な物を取り出す赤猫。 「さぁ墜ちてくるのニャ。」 火が着けられた爆弾はフルフル目掛けて飛んでいった。その樽爆弾はただの爆弾ではなく、打上げタル爆弾だった。 名の通り火が着き打上げられた爆弾はフルフルの周りで爆発を起こす。 しかしフルフルは全身を焦がしながらも天井を逃げ回り続けた。 そして最後の打上げタル爆弾を受けてもフルフルは天井に張り付き続けた。 小さく舌打ちをする赤猫、このままではフルフルに逃げられてしまう。 ドォン…ゴッ 「んなっ!?」 その時洞窟に一際大きな発砲音と何かが壁にぶつかる音、そして情けない声が響いた。 何時の間に目を覚ましたのか少年が拡散弾を放ち、その反動を殺しきれず壁に後頭部をブツケ再び気絶したようだ。 しかし、その少年が放った拡散弾は確実にフルフルを捉えていた。 フルフルに直撃した弾から複数の爆薬が飛び出し激しい爆発を起す。 足場を崩され、全身に爆撃を喰らったフルフルが落下してくる。 「なかなか良い働きニャ、少年。」 最早聞こえないであろう言葉を言うと、赤猫はフルフルの落下に合わせて大剣を振り下ろした。 グシャッァ 嫌な音と共にフルフルの方翼が無惨に切り裂かれた。 返り血を浴び益々真っ赤に染まる赤猫。その顔からは嫌な笑いが消えない。 迫り来る死神を遠ざけるべく、全身から青白い雷を噴出するフルフル。 この電撃を放っている間は死神は近付けない、ハズだった。 「そんニャので防げると思ってるニャ?」 そう言うと赤猫は電撃の射程外から大剣を振り下ろした。 再び嫌な音を響かせ残りの翼が切り裂かれる。 それと共にフルフルの体が痺れて動かなくなった。赤猫の大剣には麻痺属性があったのだ。 本来麻痺に強いフルフルがその効果を受けるのは僅かな間だけだ。しかし止めを刺すには十分過ぎる。 動けないフルフル目掛け大剣を振りかぶる死神、その笑顔がフルフルの最後の時を告げている。 「これで終わりニャ。」 死神は満面の笑みで限界まで力の込められた大剣を振り下ろした。 嫌な音を立てながら落下したフルフルの首は、洞窟に赤い花を咲かせた。 沼地の少年(夢?) 薄っすらと目を明ける少年、目の前には見覚えのある黄色が広がっていた。 黄色い天井、どうやら少年はキャンプで寝ていた様だ。 何か嫌な夢を見た気がする。 ゆっくりと体を起こすが何故か頭の前と後ろが痛い。と言うかそもそも何故自分はこんな所で寝ているのだろう? 確か自分はキノコ狩りに来た筈なのだが・・・ かばんの中身を確認するとボウガンの弾の代わりに既にキノコが入っていた。 異様に痛い頭、使い切った弾丸、そして集まっているキノコ。 何か忘れている気がするが、思い出さない方がいい気もする。 ふと気が付くとベットの横に箱が置いてある。そして紙には{少年の取り分ニャ}と書いてある。 「ニャ?」 何故か聞覚えのある語尾、それと共に背筋に寒気が走る。 手紙を見るのを止め、箱に目を移す。何故か若干異臭のする箱の底は赤黒い。 不気味な外見の箱、開けないほうが良いのは見て取れるが少年は自分の好奇心を抑え切れなかった。 ガパッと蓋を開けると血の匂いが鼻をツイタ。箱の中には更に包帯に巻かれたものが入っていた。 ゆっくりと包帯を剥がしていく、その度に血の匂いが濃くなっていく。 薄くなってきた包帯を一気に剥がす。 「!!?」 包帯の下からは少年を一飲みに出来そうな口が開いていた。 不気味に笑う目の無い白い顔、首だけになったそれが少年の記憶を甦らせた。 「あぁフルフル・・・か。」 しかし、この後少年は気を失ってしまいキノコ狩りは期限切れで失敗となる。 (まぁキノコ狩りの報酬よりもフルフル素材の方が価値がある訳だが・・・) 因みにこの後少年の村は暫くの間、赤い猫の噂で持ちきりになった。 「さて、後は嬢ちゃん様に毒怪鳥の頭でも取って帰るかニャw」 無論こんなことを考えるムサシがそんな事を知る由は無い。 砂漠の男(四本角) 見渡す限り砂ばかりの砂漠、その砂漠の洞窟付近に男が1人。 全身蒼の装備、背負われたナイフとフォークが砂漠の日差しをギラギラと反射させる。 「…暑いなぁ、あのままどっちもくたばってくれないかな?」 男、ゲドの視線の先には黄土色と黒色の影が激しい激突を繰り返している。黄土と黒はどちらもディアブロスだ。 ディアブロス;通称角竜。名の通り二本の巨大な角が特徴の飛竜だ。気性が荒く好戦的、更に砂中を高速で移動出来る。 雄同士は縄張り争いをする際に、その角とハンマーの様な尻尾を使い戦う。 因みに黒い方が亜種である。 「黄土色、もう少しがんばれよ。」 暑さでグッタリしつつゲドが言う。 飛竜種、もといモンスター達は、どれも亜種の方が普通の者より大きく、強力である。なので黄土色が黒に勝のは難しいだろう。 (ゲドは共倒れを望んでいる様だが…) 何度目かの激しい激突、黄土色がその衝撃に後退りしながらヨロメいた。 其処へ賺さず黒の尻尾がトドメを刺しにきた。 風を切り裂く尻尾が、鉄槌となり黄土色の方角をへし折った。 情けなく悲鳴上げた黄土色、無様な姿になったその角が勝負の勝敗を物語っている。 そのまま逃げ去ろうとする黄土色、そこでゲドが重い腰を上げた。 「別に一匹でも良いと思ったけど、二匹の方がいいよね。」 言いながら鞄に手を伸ばした。 そして高らかな角笛の旋律が砂漠に響き渡った。 即座に音に気付き此方を向く二匹、人間を見たとたん先程は段違いの殺意を此方に向けてきた。 どうやら二匹の眼中には既にゲドしか映っていないようだ。 「…仲の宜しいことで。そのまま仲良く喰われてくれるかな?」 先程との二匹の変わりように苦笑する。 「さぁ、あの日の喜びを思い出させてくれよ?」 そう言うとゲドはニヤリと笑った。 砂漠の男(肉の味) 角竜…それは記憶を無くしたゲドに肉の味を教えた飛竜。 その味に魅入られた日からゲドは竜を食べ物として認識している。 命を懸ける飛竜との戦いの恐怖すら打ち消すほどの快楽が其処にはあるのだろう。 そのため角竜はゲドにとってのお気に入りとも言える食べ物なのだ。(角竜にとっては迷惑な話だが…) なのでゲドは定期的に角竜を狩るため、角竜の動きを熟知している。 だから一匹だろうが二匹だろうが関係無いのだろう。 視線を黒と黄土色に移す。縄張り争いのせいでどちらも傷だらけだ。 特に縄張り争いに敗れた黄土色は既にボロボロである。 「今日の狩りは簡単そうだね~♪」 2体の角竜を前に上機嫌のゲド、そして片手を鞄に伸ばした。 何時まで経っても向かってこないゲドにしびれを切らし黄土色が地中に潜った。 それに続くように黒が突進を始める。 砂煙を上げ地中を突き進む黄土色、地を揺るがし迫ってくる黒、それを見てゲドはニヤリと笑った。 「まずは一匹~。」 そう言って地中を突き進む黄土色に、鞄から音爆弾を投げつけた。 音爆弾が砂中にまでその爆音を轟かせる。 驚きの声を上げ地上に上半身だけをさらけ出しモガく黄土色、其処へ黒が突っ込んできた。 ザクッ 嫌な音と共に黒の双角が黄土色に突き刺さった。 「では、イタダキマ~ス♪」 黒の角を受けながらも微かに動く黄土色の腹を切り開いて行くゲド。 「やっぱり、角竜は美味しいね。」 ゲドは狂喜の笑いが止まらない。あの日の味は今日も変わらずゲドに喜びを与えてくれる。 腹を切り裂かれ生き絶える黄土色、しかしゲドは手を止めず一気に切り開いた。 黄土色の、死体の肉に角が突き刺さったままの黒の眼前の肉が二つに裂けた。 深紅に染まった体、狂喜に歪み裂けた口、獲物を突き刺すその眼光、その姿は最早人には見えない。 「さぁ、次はお前だ。」 黒の眼前に鬼が現れた。 砂漠の男(食事) 黒いディアブロスの前に赤い男が現れた。 その男は角が刺さって動けない角竜にフォークを突き刺し何かを抉り取った。しかしあまりの速さに角竜は何をされたか解らなかった。 男が抉り取った何かを口に運ぶ、丸くて血を垂れ流す赤いそれ・・・・それは紛れも無く角竜の眼球だった。 それに気付いた瞬間左目に激痛が走った。視界も半分が消えてなくなっていた。 激痛にモガク角竜などまるで見えていないかの様に男は笑みを浮かべた。 角竜はその男に明確な殺意を抱いた。 力任せに元同族の体から角を引き抜いた。角と左目が赤く染まっている。 「さて、黒い方も食べられてくれるかな?」 今になって気付いた様に男が此方に笑みを向ける。 その笑みが角竜に憤怒の感情を抱かせる。 竜に取って人間など本来取るに値しない存在なのだ。 そして、亜種でありたの同族よりも大きく、強靭な体を持つ黒い角竜に取ってハンターだろうが只の人間だろうが、所詮は雑魚に変わらない。 その狩られる立場の人間が角竜をみて笑っているのだ。 同族がやられたことより、自身の目を抉られた事より、その馬鹿にした態度が許せなかった。 黒い煙を吐きながら角竜は思った。必ず殺してやる、力の差を見せ付けてやる、と。 数分後、黒の角竜は砂漠に転がっていた。 その腹はズタズタに引き裂かれ、流血が辺りを赤く染めている。 肉を貫く角も、骨を砕く尻尾も男には通じなかった。 今日、黒い角竜は狩られる立場だったのだ。 朦朧とする意識の中、角竜の腸を食べ終わった男の声が聞こえた。 「ゴチソウサマでした。美味しかったよ、角竜君?」 狂喜の表情のまま男が発する。 その言葉で角竜は気付いた。 男にとって角竜を狩ることは戦いなどではなく、日常で繰り返される平凡な食事に過ぎないのだと。 圧倒的な敗北感と憤怒を抱えたまま角竜の意識は砂漠の砂へ溶けていった。 集会所(集会) 久しぶりにゲドは密林の村へ戻ってきた。 そして数週間ぶりに集会所の扉を開いた。 「うっ、酒臭いな!?」 何故か集会所の中は荒されており、異様に酒臭かった。 「ゲドさ~ん、お帰りなさ~イ!!」 不意にタックルを仕掛けてくるルディの頭を反射的に鷲掴みにした。 「イタイ、ア、イタタタタ!!?」 頭を掴まれたまま宙ぶらりんになるルディ、その顔はお酒のせいか真っ赤だった。 「おー、お帰り糞ガキィ。」 何時もより若干テンションの低いカインの声が聞こえる。 カインも酔っている様だ。 「お帰りニャ、ゲド。」 其処へ1人だけ何時もどうりのムサシがやって来た。 「あれ、ムサシの顔も真っ赤だよ?」 「これは元からニャ。ニャアはマタタビでしか酔えないニャ。」 ムサシがゲドのジョークを軽く聞き流す。 「で、なんでこんな状態に?」 「それはだニャ・・・・」 ムサシの話では、カインと村長の息子パーティがお酒を飲んでいたらしい。 そして、ふざけてお酒をルディに飲ました所、予想以上に酒乱で集会所で暴れまわったらしい。 結果、息子パーティは全滅、中はこの有様と言う訳なのだ。 (マキルは酒の臭いだけで酔いつぶれたらしい。カインはルディに相手にすらされなかったとか・・・) 「・・・狩りの時もこれくらい頑張って欲しいね。」 ゲドが苦笑いを浮かべる。 「それより早く手を離さないと嬢ちゃんが失神すると思うニャよ?」 ムサシがゲドに言う。 いつの間にか手に力が入っていたらしく、ルディはピクリとも動かなくなっていた。 それに気付くとゲドは即座に手を離したが、そのせいでルディは床に激突することになった。 「アッ!嬢ちゃん、大丈夫かい?」 急いでルディを抱き起こすゲド。 「・・・ゲドさ~ん!!!」 起きると同時にゲドをガッチリとホールドするルディ。 「・・・まだ酔いが冷めてないらしいニャ。」 その様子を見て呆れ顔をするムサシ。 そして、周りの酔っ払い達も再び暴れだそうとしている。 「・・・ムサシ、酔っ払い達をどうにかしてくれるかな?」 「任せるニャ。丁度道具はたくさんあるのニャ。」 ゲドの言葉を聞くとムサシはニヤアっと邪悪な笑みを浮かべ食糧庫へと消えていった。 数分後、集会所内では酔いも吹っ飛ぶ様な惨劇が起こったらしい。 偶にはこんな事をするのも楽しいと思うゲドだった。 あの日の夢 雪山の洞窟に男1人と女が1人、二人とも全身に傷を受けている。 女の傷は特に酷く、胸の防具が真っ二つに裂かれている。 防具の隙間からは止血用に巻いた布が真っ赤に染まっているのが見える。 彼らは数時間前に此処へ逃げ込んだ。 簡単な仕事と聞いて彼らは雪山へやって来た。 そんな彼らを突如吹雪が襲う。 雪の隙間から微かに鋼色の影が見えた。 それを確認した刹那、女の血が吹雪を赤く染めた。 話が違う。 男は女を抱え洞窟へ逃げ込んだ。 辛うじて止血をするが、吹き荒れる吹雪が、木霊する咆哮が、何より彼の本能が告げる。 外には奴がいる。 早く女を運び出さなければイケナイのに一向に奴の気配が消えない。 気付けば吹きつける吹雪が洞窟の入り口を塞いでいた。 話が違う。 寒さが女の命を蝕んでいく。 奴の気配は消えたのに外に出ることが出来ない。 双剣で必死に氷塊を砕こうとするが逆に彼の武器が砕けてしまった。 話が違う。 女の白い肌は、益々白く血の気が無くなっていく。 武器もない、道具もない、此処に逃げ込んでどれほど経ったかすら判らない。 男も気が付けば相当疲労していた。このままでは二人とも此処で死ぬだろう。 その時、女が口を開いて男に何かを伝える。その言葉に男は懸命に首を振った。 男を見て微笑むと女は氷のように冷たくなった。 洞窟の中に1人取り残された男。 話が違う。簡単な仕事と聞いていた。 凍りついた微笑む女。 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ こんな事は認めない。そうだ、これは夢だ、現実な訳が無い。こんな事は決して認めない。 「絶対に認めない!!!」 男がガバッと起き上がる。 全身から嫌な汗が吹き出ている。頭の上で煌めく星と月がまだ夜であることを告げている。 嫌な夢を見た。忘れたい記憶。頭に焼き付いて消えないあの日の出来事。 この夢を見る理由は何時も同じだ。 「・・・腹が減った。」 ボソリと言うと男は空腹を満たすため街の闇へと消えていった。 あの日の雪山、女は死んだ。 しかし、男は生きている。 あの状態からどうやって? その答えは夢の続きが知っている。あの日の記憶だけが知っている。
https://w.atwiki.jp/yuusukeban/pages/2.html
メニュー トップページ プラグイン紹介 まとめサイト作成支援ツール メニュー メニュー2 愛と欲望の館 壊れかけのオルゴール リンク @wiki @wikiご利用ガイド 他のサービス 無料ホームページ作成 無料ブログ作成 2ch型掲示板レンタル 無料掲示板レンタル お絵かきレンタル 無料ソーシャルプロフ ここを編集
https://w.atwiki.jp/toho/pages/6392.html
博麗ちゃん欲望のテーマ サークル:ザ・フライング発狂団 Number Track Name Arranger Lyrics Vocal Original Works Original Tune Length 01 博麗ちゃん欲望のテーマ ザ・フライング発狂団 高森 高森 東方永夜抄 少女綺想曲 ~ Dream Battle [4 15] 02 永夜!!ザ★フライング [single ver.] 高森 高森 高森 東方永夜抄 永夜の報い ~ Imperishable Night. [4 24] 詳細 All instrumental,Vocal,Lyrics,Mix,Mastering … 高森 Illustration,Design … あかしー Love Thanks … 月村ナオト 豚乙女 博麗神社例大祭9(2012/05/27)にて初頒布 イベント価格:100円 レビュー 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/sangokueiketsuden/pages/225.html
ただ欲望のままに ただ欲望のままに あらすじ 戦場情報基本 戦功目標 武将データ 戦局展開・イベント 特別会話相互 個別 その他 攻略アドバイス 天絆鏡 ストーリーモード・シナリオ展開 あらすじ 戦場情報 基本 冒頭解説 呂布は劉備たちの留守を狙い反旗を翻す。下邳城は占拠された。城内に取り残された雷斌と張飛との合流を果たせ! 出現条件 「敗将は雪路を行く」をクリア 推奨Lv 30 勝利条件 呂玲綺の撃破↓雷斌および張飛の脱出地点への到達 敗北条件 雷斌もしくは張飛の敗走 戦功目標 内容 褒賞 備考 5ターン以内に14ユニット撃破する 銀塊(中) 共鳴を3人以上で発動する 銀塊(大) 5ターン以内に呂玲綺を撃破する 青銅の宝箱 武将データ 趙雲軍 備考 呂布軍 ユニットタイプ Lv 体力 攻撃力 移動 力 防御 技量 敏捷 精神 武器 アイテム スキル 備考 趙雲 固定武将 呂布 アタック 50 1287 499 5 414 311 329 361 331 方天迅戟 黒鉄の宝箱 踏ん張り一閃・極真乱舞 総大将 雷斌 固定武将敗北条件 陳宮 テクニック 33 639 285 6 232 157 315 298 210 練竹簡 青銅の宝箱 韋駄天・極猛毒誘発 張飛 呂玲綺 アタック 33 846 337 5 256 192 208 228 212 連迅戟 青銅の宝箱 一閃・極報復の歌 勝利条件戦功目標 武将・甲 選択武将 高順 アタック 30 651 296 3 215 164 222 210 189 斬馬豪刀 青銅の宝箱 一閃・改脱力戦法 武将・乙 許汜 テクニック 29 442 197 4 149 111 194 182 134 霖雨 消耗品 治癒 呉資 ディフェンス 29 648 271 3 207 162 212 199 182 貫薙槍 木製の宝箱 一閃 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 29 322 161 3 123 91 108 116 97 鈍刀 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 30 333 166 3 128 93 112 119 103 鈍刀 槍兵 テクニック 28 321 152 3 116 90 112 115 92 鈍槍 槍兵 テクニック 28 321 152 3 116 90 112 115 92 鈍槍 槍兵 テクニック 29 330 156 3 120 94 114 119 97 鈍槍 槍兵 テクニック 28 321 152 3 116 90 112 115 92 鈍槍 盾兵 ディフェンス 28 348 143 2 108 109 108 103 92 鈍槍盾 盾兵 ディフェンス 28 348 143 2 108 109 108 103 92 鈍槍盾 消耗品 盾兵 ディフェンス 29 360 146 2 111 113 108 103 92 鈍槍盾 消耗品 盾兵 ディフェンス 28 348 143 2 108 109 108 103 92 鈍槍盾 消耗品 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 弓兵 テクニック 29 252 146 3 113 77 155 147 98 鈍弓 貴金属 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 消耗品 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 29 322 161 3 123 91 108 116 97 鈍刀 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 貴金属 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 貴金属 弓兵 テクニック 29 252 146 3 113 77 155 147 98 鈍弓 貴金属 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 弩砲 テクニック 35 784 259 0 259 200 277 220 222 なし 張遼 スピード 33 776 305 7 241 184 257 242 221 隼双鉞 黒鉄の宝箱 韋駄天・極一閃・極 増援 李封 アタック 30 545 235 3 171 126 140 154 138 貫薙槍 木製の宝箱 一閃・改治癒・改 薛蘭 テクニック 30 645 293 5 212 165 224 209 188 斬馬豪刀 消耗品 韋駄天逆境戦法 槍兵 テクニック 30 342 161 3 125 96 118 122 103 鈍槍 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 弓兵 テクニック 30 261 149 3 116 78 159 154 100 鈍弓 貴金属 剣兵 アタック 28 313 157 3 119 87 106 112 92 鈍刀 剣兵 アタック 30 333 166 3 128 93 112 119 103 鈍刀 弓兵 テクニック 28 242 143 3 110 74 149 143 96 鈍弓 貴金属 弓兵 テクニック 30 261 149 3 116 78 159 154 100 鈍弓 貴金属 戦局展開・イベント 開始直後、呂布が激昂状態になる。 陳宮を撃破後、城内の弩砲が停止。 呂玲綺の撃破後、下邳城西門が開門。雷斌らとの合流成功。 合流後、敵増援が出現。勝利条件変更。 勝利条件変更後、下邳城内郭門が開門。呂布が進軍開始。 特別会話 相互 対象武将 内容 話者 発言 個別 使用武将 対象武将 内容 話者 発言 その他 対象武将 発生条件 内容 話者 発言 攻略アドバイス 呂布の能力からして、正面どころか側面から戦っても、勝つのは絶望的。 勝利条件通りに撤退に専念しよう。 陳宮は、城外の三人による共鳴乱舞で遠距離から仕留めた方が良い。 天絆鏡 ストーリーモード・シナリオ展開 前のシナリオ 現在のシナリオ 次のシナリオ 敗将は雪路を行く ただ欲望のままに 交わらぬ仁と覇
https://w.atwiki.jp/lucs/pages/1890.html
《欲望(よくぼう)の代償(だいしょう)》 速攻魔法 相手が魔法・罠・効果モンスターの効果で、 デッキ・フィールド上・墓地のカードを手札に加えた時に発動できる。 相手が手札に加えたその枚数分まで自分の手札からレベル4以下のモンスターを選んで特殊召喚する。 バトルシティ編で登場した速攻魔法カード。 相手のサーチやサルベージ。効果によるドローに反応して手札のモンスターを特殊召喚させることができるが、基本的に相手依存になるため能動的には使いにくい。 ただ、手札消費が激しいが、手札にあれば種族や属性の制限なくモンスターを特殊召喚できるというアドバンテージは小さくないため、使うのならば《手札抹殺》などの、互いに効果が及ぶ手札交換や《魔宮の賄賂》《無償交換》などのドローさせるデメリットがついたカードと併用したい。相手が2枚以上カードをドローorサーチorサルベージしたのをトリガーにすればこちらも複数特殊召喚が可能。 相手ターンで発動した場合はたいていの場合そのまま処理されてしまうため、《ワンダー・エクシーズ》や《撤収命令》などを用意しておくとよいだろう。 原作・アニメにおいて― 「闇遊戯vs海馬」(4戦目)において海馬が使用。《堕天使の施し》によるサルベージをトリガーに発動し、《ブレイドナイト》と《ソードオブソウル》を手札から特殊召喚した。 海馬の狙いはこれによって《オベリスクの巨神兵》の効果発動コストを確保することで、直後の《オシリスの天空竜》の効果は《ガードオブカード》によって防御している。