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あんまりやってるとよう【登録タグ あ 曲 欲音ルコ 重音テト 釣られ獏P】 作詞:釣られ獏P 作曲:釣られ獏P 唄:欲音ルコ・重音テト 曲紹介 にぎやかしで穂歌ソラさんも歌ってます 歌詞 その万華鏡今何が見えてるの/カラーセロファン、ビーズ、スパンコール 絶えず変わるきれいな幾何学模様/見えるものは何一つ変わらない くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる その万華鏡今何が見えてるの/切り取った世界の欠片の増殖 複製のひとつで今何か動いた/ほんものはひとつ動かないのはどれ くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる 見えているものは世界の何もかも 見えてないものは世界のほとんど さあ何が見えているのか/いないのか 君にはもう/まだ わかっているの? その万華鏡まだ何が見えてるの/誰かの落し物セロファンにビーズ 映りこんで増殖する幾何学模様/本物丸ごとどこにいったの くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる くるくるくるくるくるくる/くるくるくるくるくるくる 足元ご注意(ころんじゃうよ) コメント 名前 コメント
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きつねちゃんには騙されない! あるはずのない焼き芋を白い毛並みのイヌの少年は、焼けた落ち葉の丘の中を枝で掻き分けながら必死に探していた。 無心に探し続ける彼の大きな尻尾にはらりと落ち葉が舞い落ちるが、気にせずに泊瀬谷のためにウソの焼き芋をさぐり続ける。 しゃがみこむ少年の側で泊瀬谷が片手をぎゅっと握って立っていたのは、滲み出す罪悪感からなのだろうか。 (ごめんなさい。わたくし泊瀬谷スズナは、ウソをつく子になってしまいました) まさか、聖なる境内の中でウソをつくとは思っていなかった。後悔しても誰も助けてくれやしない。 神さまの元でウソをつくという背徳感が、一層強く泊瀬谷を責め立てる。ウソをつくのはいけません。 そんなことは子どもでも知っている。大人だったら尚更だ。それでもウソをついてしまったことは、どう説明しようか。 そんな理屈を考えるより、ついてしまったウソを引っ込めることを考えろ。しかし、ウソをつき慣れない泊瀬谷には無理なこと。 ウソを塗りつぶすたびにウソをつく。そしてそのウソを塗りつぶす為に更にウソをつく。 終わることの無いウソの塗りつぶしあいを泊瀬谷には、無論耐えることなんか出来ない。 (ごめんね。ヒカルくん……) 忠実なイヌの少年は終わることない探し物をしていると、燃えかすが彼の白い毛並みに引っ付いた。 許していただけるのなら、許してください。小さな神社の神さまは、一人ぼっちのネコの願いを聞いて下さるのだろうか。 イヌの性なのかそれでも彼は、あるはずのない焼き芋を探し続けていた。 ―――土曜日の午後、用事で登校していた泊瀬谷は、テキパキといつも以上のスピードで仕事を片付けていた。 その甲斐あって、予定していた時間より随分と早く用事を済ませることが出来た泊瀬谷は、小さく自分に向かって拍手する。 秋の空が心地よい。すぐに帰るのはもったいない。泊瀬谷は、職員室隅に置かれたダンボール箱を開ける。 その中には、紅葉と見紛うほど紅いサツマイモがぎっしりと。秋の香りがふんわりと泊瀬谷の鼻腔に届く。 「英先生、いただきまーす」 実家からたくさん届いたと、英先生が学校に持ってきた秋の味覚の代表・サツマイモ。 自分だけでは食べきれないから、ご自由に……と、置いてあったものである。大地の恵みと英先生に感謝しながら、 泊瀬谷はサツマイモを適当に見繕い、手持ちの新聞紙に包んで紙袋に詰め込んだ。 「これが楽しみできょうは来たんだよね」 ぼそりと誰にも聞こえぬように呟くと、そそくさと荷物を持って仕事場から帰る準備を始める。 そう、泊瀬谷はこの日、とっとと用事を素早く済ませることができた原動力は『このあとのお楽しみ』をひとり企んでいたからだ。 紙袋の中のサツマイモが幾ら重くても、足取りはいつもの帰り道よりも軽い。 「それでは、獅子宮先生、そら先生、お先に失礼しまーす」 職員室に残った教師たちに深々と泊瀬谷はあいさつをすると、ライオンの獅子宮怜子は「おう」とPCに向かったまま返答し、 タヌキの百武そらは、椅子に座ったままデスクの上にお気に入りである籐の枕を頭に、諸手を突っ伏したまま手を振った。 そら先生曰く、「この時間がいちばん眠い」とのこと。正直者の時計が指す時刻は、午後の4時過ぎ。 外では、泊瀬谷と同じく用があって登校してきた生徒の声がちらほらと聞こえてくる。 購買部の側を通ると、ウサギの因幡リオがじっとガラスケースを睨んでいた。 グラウンドから大空部の部員がウォームアップする掛け声が聞こえてきた。 いつもと違う土曜日の学校にいると、校舎も校庭も何もかも独り占めできる気がしてくるのは何故か。 浮かれ気分の泊瀬谷は、足元をしっかりと踏みしめて廊下を歩く。靴に履き替えて、入り口の扉を開ける。 秋の風はきょうだけはお休みの模様。まあまあ、きょう位はゆっくりしていていいんですよ。 風に語りかけた泊瀬谷は、ふと何かを急に思い出したのか、静かに足取りが止まる。 「そういえば……。ヒカルくん、どうしているのかな」 つい、職場にいることを忘れて一人ごと。ヒカルはただの生徒にすぎない。なのに、どうして今思い出してしまったのか。 ぶんぶんと首を振って再び歩き出した泊瀬谷は、グランドの側を通り過ぎる。何故か、心臓の鼓動が身体の奥から鼓膜を刺激する。 無い物ねだりをする歳ではないではないか。そう言えば、イヌが天に瞬く星を手にすることを望んで、空をじっと見つめることがあるらしい。 ヒカルの気持ちは分からないけど、イヌの気持ちは少しずつ分かってくるような気が泊瀬谷はした。 「おや、泊瀬谷のお嬢ちゃん。何の御用事かな?」 「あ!す、すいません。真田さん!!えっと、あの……焼き芋!!」 考え事をしながら歩いていたせいか泊瀬谷は、用務員室の前まで無意識にたどり着いていた。 目の前に笑いながら腕を組んでいるのは用務員の老犬・真田勉、人呼んで『ベンじい』。 無論、真田に用事があってここまで来たのだが、まさか真田の方から話しかけられるとは思っていなかった泊瀬谷。 手短に今回の用件を話すと、「こんなこともあろうと思ってな」と、言い慣れた口調で呟き竹箒とポリバケツを泊瀬谷に渡した。 「ありがとうございます!でも、『お嬢ちゃん』はないですよお」 泊瀬谷が恥ずかしげにお辞儀をすると、孫が玩具で戯れるのを見るように、ベンじいは笑っていた。 竹箒とポリバケツ、そして幾らかのサツマイモとアルミホイルが入った紙袋を持った泊瀬谷は、校舎から離れた林に囲まれた石畳を歩く。 それでもここは学園の敷地内。小高い丘に広がる佳望学園は、林に守られて月日を刻んでいったのだ。 どこぞかへと続く石畳だけが、泊瀬谷の行く手を導いている。コツコツと新しく買ったショートブーツが響く。 ここまで来るともはや学園の音は聞こえない。学園内にいることを忘れるぐらいの静けさだけが、この空間にたたずむことを許される。 「着いたぞお!」 囲んでいた林が急に開ける。広い空き地が足元に広がる。その先に街が模型のように立ち並ぶ。 ここに着くと、泊瀬谷はなんだか子どもに戻った気になるのだが、気のせいだろうか。 右手には丘を降りる石段が目に入る。左手には石段から続いて並ぶ幾つかの鳥居。そして鳥居の右にはキツネ、左にタヌキの石の像。 目の前の丸く広い空き地は、子どもたちがながなわをするには十分な広さで、林との反対側は、学園の裏の街並みを一望できる高台だ。 丘の淵の手すりが錆付いていることから、殆ど人の手に触れていないことが分かる。 街並みを見守るように鎮座する建物は、古いようで意外というのはおかしいがしっかりと自分の居場所を守っていた。 街並みに飽きて振り返ると木々に囲まれて、まるで映画のパートカラーを見るように朱色の鳥居の群れぽつんと浮かび上がる。 そして建物に掲げられた額に書かれた文字は『佳望神社』。これでも、学園の敷地内なのだ。 学園に通うものでも知る人も殆どいない小さな神社。こっそり一人で焼き芋を食べるならここなら、と はなうた交じりで泊瀬谷は焼き芋をする準備を始めた。ざっざと土を掃く音が静寂を掻き消す。 しばらくすると、境内に落ち葉の丘が出来上がった。泊瀬谷はアルミホイルに焼き芋を包み、落ち葉の丘に潜り込ませる。 余り乾燥しすぎた葉っぱでは煙いので、あらかじめ汲んでいた水を軽く振り掛ける。 新聞紙を火種にするためマッチを擦ると、焦げた匂いが鼻にツンときて、思わずマッチから顔を遠ざける。 周りには、燃え移りそうなものは無し。消火の水も準備万全。役者は揃った、あとは開幕を待つのみ。 燃え上がる新聞紙を落ち葉の丘に投げ入れると、じわじわと赤い炎が見え隠れし始めていた。 「ふふふ。楽しみだなあ」 消火用のポリバケツの水面に、はらりと落ち葉が落ちた。やがて焚き火は灰色に塗りつぶされ始める。 揺れる炎を見つめているうちに、何だか自分自身がタヌキかキツネに化されてしまうんではないか、と錯覚する。 染みる煙に耐えかねて、泊瀬谷の瞬きの数が自ずと増え出していた。焼き芋はまだまだ遠い。 ところが誰もいないはずの祠の脇で、一人腰掛けるイヌの少年がいることに泊瀬谷は気付いた。 鳥居を囲んで泊瀬谷から見える少年は、毛並みが白いので嫌でも目に付く。薄暗い中少年が浮かび上がる。 彼は、尻尾を揺らしながら一人、本の世界に耽っている所である。その姿を見て、思わず声を上げてしまった泊瀬谷。 「ヒカルくん?ヒカルくんだよね?」 佳望学園の制服を着ているし、どう見てもヒカルなのだが泊瀬谷は少しこのことを受け入れることに時間を要した。 殆ど知られていないはずなのに、いや……ヒカルのことだとすれば、知っていてもおかしくはない。 パチパチと炎に身を焦がす落ち葉を気にしながら、泊瀬谷はイヌの少年に言葉を投げかける。 「ヒカルくんも学校に来てたの?」 彼は言葉を使うことではなく、首を縦に振ることで言葉を返した。 手にしていた文庫本を賽銭箱の上に置いた彼は、泊瀬谷に尻尾を揺らしながら近づく。 「先生」 たった、一言。そのたった一言聞いただけなのに、泊瀬谷の耳には心臓の鼓動が体の中から聞こえてくる。 焚き火のせいではないけれど、身体が少し温まる。あと、もうちょっとで冬だというのに、季節外れの火照りを許して欲しい。 「焼き芋、ですね」 「う、うん。こういう焼き芋も風情があっていいよね」 暖かい焼き芋が出来上がるというのに、それを置いてきぼりにするなんて、なんてひどい女だと思わないか。 泊瀬谷の自問自答が続くのを知ってか知らずか、彼はしゃがみこみ小枝を拾って、火の弱まってきた落ち葉の丘を突付き始めた。 落ち葉の山は、燃え尽くして頂が落ち窪んでいた。落ち葉が言うには、焼き芋が食べごろか。 「そろそろ、焼けるんじゃないんですか?」 「そうね。それじゃ、ヒカルくん。お芋を拾いなさい……なーんてね」 泊瀬谷は照れ笑いをしながら、少年の働きを見守る。 秋の色から、無機質な灰色に変わった落ち葉から煤だらけのアルミホイルの固まりが、小枝に促されて手元に帰ってきた。 カーディガンの袖を伸ばして、熱くないように焼けたアルミホイルに包まれた芋を取り上げた少年は、ちょっと驚いた顔をする。 「大丈夫!?」 泊瀬谷が駆け寄ると、煤が舞い上がり少年の白い毛並みを汚す。 カーディガン越しだが、いつの間にか泊瀬谷は少年の手をそっと掴んでいた。 「ヒカルくんも食べる?」 「いいんですか」 「いいよ」 わずかなのだが、言葉を返すのがやっとの泊瀬谷は、もう少し言葉が出なかったのかと悔やんだ。 アルミホイルから顔を出した焼き芋は、泊瀬谷と同じく紅い顔をしていた。 ふたつに割られた焼き芋からは、泊瀬谷と同じく湯気を立てていた。薄い皮を剥くと一層白い湯気が舞い上がる。 青空は、ダンボールの中のサツマイモと同じく紅く染まり始めた土曜日の黄昏どき。 肌寒い秋の空気の中、ふたりの肉球は、ほかほかの焼き芋で温まっていた。 「いただきます」 「いただきます」 二人一緒にかじったそれぞれの焼き芋が、ふたり一緒にそれぞれの口の中に広がる。焼き芋が甘い。 当たり前のことだが、当たり前のことを誰かに話さずにいられなかった泊瀬谷は、ついこのことを漏らす。 少年もそのことを否定することなく受け入れる。少年は、泊瀬谷に話しかけられるたびに、頬を赤らめる。 それに気付かない泊瀬谷は、ちょっと間を空けてショートブーツのつま先で地面を蹴っていた。 ふうふうと、熱い焼き芋を冷ましながら口を尖らせる少年を見ながら、二人で影を伸ばしてゆくが、 その影もふたりに呆れたのかどこかへと消えてしまった。街並みの灯が少しずつ灯るのが目に見える。 さっきまで近寄りがたかった落ち葉の丘も、赤い火の力を弱め始めて、自分の居場所を闇に譲る。 誰もが安らぎを求める、秋の夕暮れ。泊瀬谷は、思わずのどを鳴らして、二つ目の焼き芋を口にした。 落ち葉の丘の火が消え隠れし始めて、おなかもいっぱいになって焚き火を消そうとしたときのこと。 バケツを抱えた少年の肩を叩いて耳を回しながら泊瀬谷は、遠慮がちに問いかけた。 「えっと……。まだ一つあるみたいなんだけど。お芋がね……見つけてくれる?」 ウソだ。サツマイモは一つ残さず焼き芋にして食べてしまった。 なのに、あと一つあるってウソをついてしまったのは、泊瀬谷の純粋で不純な気持ちからだ。 真っ白な毛並みゆえに、それを真っ黒に塗りつぶすことが出来ること。少年は小枝を再び手にしてしゃがみこむ。 こうすれば、一秒でも長く白い毛並みを持った少年と時間を共有することが出来る。 こうすれば、一分でも長く白い毛並みを持った少年とくだらない話をすることが出来る。 こうすれば、一時間でも長く白い毛並みを持った少年のことを思い出に閉じ込めることが出来る。 燃えたうず高い丘をせっせとほじくる少年を泊瀬谷は黙って見つめていた。 (ごめんなさい。わたくし泊瀬谷スズナは、ウソをつく子になってしまいました) あるはずの無い焼き芋は無論見つかることなく、泊瀬谷は再び少年の肩を叩いて探すことをやめさせた。 「ごめんね。無かったみたいだね」 「うん。ごめんなさい」 咎を受けることの無い少年をどうやって慰めればいいのか、泊瀬谷は悩みに悩んだあげく、結局何もいえなかった。 後悔するぐらいなら、始めから言わなければいいのにと責める泊瀬谷は、鼻の奥が詰まる気がした。 悔し涙も出ない泊瀬谷が出来ることといえば、足元の小石をポンと蹴り上げることぐらい。 少年は水で満たされたパリバケツで灰の丘の火の粉を沈めた。いつの間にか空が暗い。白い雲の変わりに星が瞬く。 先ほどまで主役を張っていた落ち葉の山はあっという間に崩されて、彼らはここを立ち去る後方付けを始める。 そして、跡形も無く元に戻った境内を二人して寂しそうに見つめるのであった。 「あ!」 「何?どうしたの?ヒカルくん!!」 いきなりの少年の声に一瞬、焼き芋の暖かい空気が逃げ去った。 共に耳を立てて、あたりに止まりかけた時間が急に早く回りだす気がする。 「ぼく、帰らなきゃ……。ごめんなさい!」 立った耳で気配を感じた白い若きケモノは、挨拶そこそこに泊瀬谷の側から消えて行った。 取り残された泊瀬谷は、何も言葉をかけられなかったことをひどく悔やむ。 秋の空は空気を読むことが苦手なのか、それともお誂えの演出をしたつもりなのか、いつの間にか黒く塗りつぶしていた。 闇に浮かんだ林を潜ってくるものがいる。その姿は、結構小さい。 「今年も会えたね、オリオン座流星群ーの星たちよー」 少しごろの悪い一人ごとのような歌が境内に響くのを泊瀬谷は耳にした。 イヌの少年と入れ替わりに境内に入ってきたのは、泊瀬谷と同い年の地学教師・百武そらであった。 小さな身体に大きな望遠鏡を担いで、パタパタと使い慣れた靴を鳴らしてやってきたのだ。 「あれー、はせやんだ!何してんの?ってか、この神社のこと、知ってたんだ」 昼間が過ぎて夜が近づくと元気いっぱいになるそら先生。泊瀬谷が職員室を出るときにはタヌキ寝入りをしていたというのに、 泊瀬谷は、まさかタヌキに化されたのではないとか、とそら先生にこの愚問をぶつけてみた。 曇り顔の泊瀬谷を吹き飛ばすように、そら先生の顔は、雲ひとつ無い夜空のように明るかった。 「はせやん、なかなか面白いこと言うね。でも、ここの神社はキツネとタヌキの化かし合いの言い伝えがあるって言うからね」 「何、それ?そらちゃん…教えて!」 せっせと望遠鏡をスタンバイさせながら、そら先生はいきいきと語り始める。泊瀬谷は望遠鏡の匂いをくんくんと嗅ぐ。 「えっとね、もともとここはお稲荷さまでね、キツネの使いが住み着いていたのね。だけど、もともと小ずるいキツネは、 神さまの側にいることをいいことにワガママを始めちゃったわけ。街に降りて町人に化けて、油揚げを盗んできたり、 それはもうやりたい放題。トラの威を借るキツネってところかな、トラじゃなくて神さまだけど」 泊瀬谷は望遠鏡の匂いを嗅ぐのを一旦やめて、耳をそら先生の方へと傾ける。 「ところが、天網恢恢疎にして漏らさず。キツネの悪行が神さまにばれちゃったの。もちろん神さまは怒髪天を突いて、 キツネをここから追い出そうとしたんだよね。しかし、それを何とか止めてもらおうとしたのが…」 「したのが?」 「そうです!タヌキなのよ。でも、タヌキはある提案を神さまにしたのさ、等価交換の原則ってヤツかな。 『お願いがあります。我々タヌキもこの神社で神さまのお使いとして働かせていただけないでしょうか? その代わり、タヌキの一族がキツネを見張っているから、ここから彼らを追い出さないで下さい』ってね。 それで、ここにはキツネとタヌキが同居するようになって、『稲荷』の名前も取れたってわけ。 お陰でキツネはタヌキの温情で居残れたから、ここのキツネはタヌキに頭が上がらないんだよ。 ま、たまにタヌキの目を盗んで参拝客を騙くらかすこともあるってお話も聞くこともあるけどね」 そら先生は、自慢の望遠鏡を泊瀬谷にひとしきり見せびらかすと、手持ちの魔法瓶からココアを注いで口にした。 泊瀬谷にも勧めると泊瀬谷は、内心「甘いもので口がいっぱいだ」と思いながらも、そら先生のココアを味わっていたのだった。 「そう言えば、はせやんのクラスの子かな。白いイヌの男子ね、犬上くんだって?風紀委員長に連れられて働かされていたよ。 犬上くん、正直者だからねえ……。とっとと逃げればいいのに。でも、そんなところよろしゅうございませんか?ね、泊瀬谷せんせ」 泊瀬谷の尻尾が膨らんだ。もしかして、さっきまでいた少年はヒカルではないのではなかろうか。 しかし、それを確かめるすべはもはやない。 「……」 「はせやん!見て見て!!スピカがきれいだよ!」 望遠鏡を覗き込むそら先生は、子どものように声を上げていた。 今夜はきっと夜空が美しいだろう。曇りの無い空の星たちよ、地上のケモノの心を奪おうと瞬き始めるがよい。 青い星から遥かなる天体たちの自由な時間は、これからなのだから、そっと見守らせていただきますよ。と、そら先生。 「いけない!ハルキからの荷物が届くんだった!わたし、帰りますね」 泊瀬谷はそら先生にさよならの挨拶をしたあと、ヒカルのことを思い浮かべながら林を潜りながら学園校舎に戻っていった。 背後からそら先生の歓声が聞こえてくる。 箒とポリバケツをベンじいに返して、学園から自宅に帰ろうと、自転車置き場に向かうと白い毛並みのイヌの少年がいた。 ヒカルだ。彼もまた同じく家に帰ろうと自転車に跨っている所であった。 家でぐだぐだするのもなんだから、図書館で本を読もうと思って登校したものの、運が悪く風紀委員長のリオに捕まった。 「頑張れ!男の子!」と、リオに連れられて、学校の為、リオの為に働いていたので帰りが遅くなってしまった、と彼は言う。 彼も同じく、自転車に乗って自宅に帰るところらしい。泊瀬谷は我を忘れて白いイヌの少年の元へ駆け寄る。 「ヒカルくん!いっしょに帰ろ」 「……」 言葉は出さずとも、ヒカルの心を泊瀬谷は分かっていた。 ぐっとペダルを漕ぐ足は、いつもよりかは力が入る。話したいことなんか幾らでもある。 しかし、泊瀬谷の口から出たのはこの言葉。ヒカルについてのことを話しかける勇気が出なかった。 「い、因幡さん。は?」 「委員長なら、購買のおばちゃんと帰ってた」 学園をあとにしながら、二人一緒に自転車を進める。 ヒカルは半日中リオに引っ張りまわされたのに疲れたのか、ついついこんな一言をこぼす。 「きょうは……なんだか、先生といるとほっとする」 気の弱い泊瀬谷は、誰かと一緒にいることで安心していた。例え、相手が生徒であっても自分を受け入れてくれる者に心許す。 手を繋ぎたい。手を触れたい。できることなら……。しかし、自転車に乗っている限りそんなことは夢の話。 今度はきっと、今度はきっとと、心のうちで繰り返しながら、学園からの坂道の途中、泊瀬谷は自転車を止める。 あとから気付いたヒカルは泊瀬谷の先で自転車を止めた。心配させてしまったのかと感じた泊瀬谷は、俯き加減で言葉を吐き出す。 「なんでもないの。行こっ!ヒカルくんを追い抜いてやるぞお!」 ブレーキを緩めて、ヒカルに追いつこうと泊瀬谷は自転車を進めた。 その頃、因幡リオは購買部を守るタヌキの女主人が運転する車に同乗しながら、かきたくもない冷や汗をかいていた。 タヌキの女主人は、21世紀だというのに時代に取り残されたかのような軽自動車を操りながら、市電と競争していたのだ。 「生意気な電車だね。子どもの頃から乗ってるけど、ちっとも変わりゃしない」 「あの、おばちゃん。車のエンジン……大丈夫ですか?素人目に見ても」 「何だって?あたしのスバル360はあたしの青春時代を共にした相棒だよ。お前さんみたいな若造に同情されてたまるかい」 リオは学生カバンをぎゅっと握り締めながら、ハンドルを持つタヌキのおばちゃんを心配した。 家路を急ぐ人々で溢れた市電が、二人を乗せた軽自動車の側を追い抜いていった。 ―――祠の形が闇夜に浮かぶ。そら先生も夜空に囲まれてご満悦のまま自宅に帰って行った。 誰もいなくなった佳望神社。音の無いことがしんと耳に突く。 そこでは一人のキツネが夜遅く、境内で何処かでくすねてきたサツマイモで、焚き火で焼き芋をしている姿があった。 「おタヌキさまのいぬ間に、焼き芋作っちゃお」 佳望神社のキツネは、賽銭箱の上に置いていった本の続きを読みながら、誰からもじゃまされない夜を一人で楽しんでいた。 おしまい
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昼間の日差しの代わりに電灯が辺りを照らす御殿場市内。 夏の終わりを告げ始めた虫の音も、国道を走る家路に向かうクルマの音にかき消される。 その様子は昼間とあまり変わらない印象を受けるが、国道に面したあるGSの様子は昼間の物とは少々違っていた。 涼介が林に正式にFCのチューニングを依頼し2週間・・店を閉めた後にピットに残る林の姿がそこにはあった。 「所長―――いるぅ?」 「オキか・・調度イイから一服すっか 俺ウーロンな」 「えー自販なんか目の前にあるじゃねーかよォ」 ピットの中央に置かれたFC、そして作業台の上にはその要となる新たなREの加工が行われている所だった。 「所長 あの群馬のアイツのEgはどんなにするのさ?ただポート削るだけってワケじゃあなさそーだけど」 「組み直す前の状態が良くて250馬力前後ってところだったからナ―――それに上乗せ250馬力・・勿論このまんまじゃあ Eg本体がもたない だから高圧縮と高ブーストに耐える為にローターから総換えだ」 「と・・なるとFDの?」 「いやRX-8のローターだ・・マツダの販売戦略のせいかレネシスは従来のREとは全く違うモノという認識が強いが実は同じだ REはその構造ゆえ大幅な設計変更は出来ない・・昔っからREは技術屋泣かせだったのヨ 最近はやれエコだのウルセーだろ? そんな中新型REをあえて放つ・・これはもう意地だ そしてREである以上それは走りを要求される・・家族で乗れるREだけどRE である以上求めるのはやはり走り・・事実RX-8のEg圧縮はRX-7より高く設定されている」 「ふーん・・よくわかんないけどなんか凄いね」 「あー!?ここまで優しく説明してやってわかんねーってバカかオメーは(笑)」 「いや違うって・・所長がだよ」 「何?」 「このFCもそうだけど・・前にも東京から来た人いたじゃん あの人に組んだ時もそうだけど正直俺のとはレベルが違うもん」 「レベルねぇ・・・・そりゃオメーは金がねーし(笑)」 「どーせ俺は貧乏だよ!」 「まーまーそうカッカするな・・ま 本音で言えば金と言うより走り屋としての寿命っつーかさ・・・・長年色々なクルマや人間を 見ているとソイツの走るコトへの熱が保たれる期間がわかるよーになってきてな・・・・この前の群馬の兄さんはソレがもう長く ないよーな気ィするのよ だから組んでやるのよ・・とびきりのREを」 「ふーん・・じゃあ俺は長く走る人間なワケ」 「やっぱりお前は金かな(笑)」 「・・・・」 相変わらずのコンビネーションを見せる林とオキ。 対し涼介と啓介は先日の口論以来、ぎくしゃくした間柄にあった。 元々荒れに荒れていた啓介ではあったが、涼介には常に心を開いていた事もあり、生まれて初めて兄に手を挙げてしまった 事への戸惑いからまだ抜け出せないようである。 ―――こんな時にFDがあれば――― Egをかければ何処にでも連れて行ってくれたFD、兎に角この居心地の悪い場所から抜け出したい。 何処か遠くに駆けて行きたい・・啓介はぼんやりと自室の天井を見つめていた。 ピリリリリリ・・・・ 啓介の携帯が鳴り響く。 液晶画面には藤原拓海の文字が表示されていた。
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規制された新規ちゃんはこっちに名前さらそかwwwww そのうちイケメンが拾ってくれる 名前 コメント すべてのコメントを見る
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(全国大会前。ホテル玄関) ワイワイガヤガヤ 久「やっと着いたわねー」 和「やはりそれなりに時間がかかりましたね。結構疲れました」 まこ「そうじゃな。とりあえず今日はゆっくりと休むことにしよう」 優希「それにしても参加校は大体この辺のホテルに集まっているみたいだじぇ」キョロキョロ 咲「そうだね。周りにいる人たちも参加者の人たちみたいだし」キョロキョロ 和「えぇ、そうみたいなんですが」ソワソワ 久「どうしたの?」 和「いえ、何故か周りから注目を集めているような……」 ヒソヒソ アレガキヨスミ アクノソウクツ アノオモチデオトコヲ ヒトヲヒトトオモワヌ サスガノウチモヒクワ チクワダイミョウジン ダレヤネンオマエ ヒソヒソ 優希「……確かに」 久「まぁ、去年台風の目となった龍門渕を破っての進出だからね。大なり小なりマークはされてると思うわよ」 和「えぇ、もちろんそれは覚悟していたのですが」 久「?」 まこ「うむ、なにやら酷く怯えられていたり敵意を向けられているような……」 優希「ふふん、そんなに恐れられるぐらい私たちの武勇も全国に轟いているのか。これは楽しみだじぇ」 咲「……あれ? そう言えば京ちゃんは?」 久「あら? さっきまで着いて来てたような気がするんだけど……」 まこ「自分のホテルに行ってしまったのかのう?」 久「いえ、私たちの荷物も持ってるからそんなことは……あっ、来た来た」 京太郎「あっづい……」 俺は現在大荷物を抱えながら女性陣が泊まるホテルに向けて歩いている。 荷物の重さもそうだがこの暑さがやばい。 以前長野も暑いといったが訂正しよう。東京の暑さはやばい。長野の比じゃない。 つーかアスファルトの照り返しがきつすぎだろ、何だこれ。 ヒートアイランド現象ってのを昔習った記憶があるが体感することになるとは。 東京の人たちはマゾなのか常時セルフバーニング状態なのか。よく耐えられるもんだ。 京太郎「あ゛ー重いー」 愚痴が止まらない。 ちなみに俺が手に持っているのは自分の荷物のほかにパソコンやらこれまでの牌譜やら麻雀牌やらいろいろである。 パソコンもそうだけど麻雀牌は意外と重い。そしてマットもそこそこ重い。 それが2セットもあるのだから結構な重量だ。 最近麻雀の勉強もそうだけど筋トレしたほうがいいんじゃないかと思い始めてきた。 他のメンバー(部長と優希を除く)は手伝うと言ってくれたが、俺にも男のプライドと言うものがある。 見栄を張って個人の荷物以外は全部持つといった結果がこれである。 まぁ、俺を除いて大会を控えた大切な体だ。力仕事ぐらいは引き受けるべきだろうよ。 ……自分で言ってちょっと悲しくなってきた。ちくしょーめ。 俺と同じ気分を分かち合える仲間が欲しいと最近常に思う。 仮に新たな部員を迎えるとしたら、どんな美少女よりも気のいい同学年の男が欲しい。 ハーレムだなってからかわれる事も多いけどそんな事でテンションがあがったのは最初だけだ。 そこまで役得があるわけでもないし、むしろ男だからって体よく使われている感がある。 向こうも向こうで最近俺を男として見なくなってきてるような気がする。 優希とかこの前パンツ丸出しヘソ丸出しでベッドに寝てたし。 俺もそんな姿にムラムラするよりゲンナリしてしまって黙ってタオルケットをかけてやった。 ちなみにその場面を丁度和に見られて何かを誤解したのか悲鳴を上げられ、 中高一本拳が俺の人中に食い込んだのは記憶に新しい。 ほんと理不尽だよね。優希が誤解が解いてくれて、痛みにもがく俺にひたすら謝ってくれたけどさ。 京太郎「……仲間が欲しいなぁ」 暑さのせいか、疲れのせいか、何故か緊張して眠れなかったせいか、思考が思わず口に出た。 丁度どこかの高校の制服を着た女子数名が俺の横を通り過ぎていて、ガッツリ聞かれたのだろう。すごい顔で見られた。 少し歩いてから後ろを振り返ると、ヒソヒソ話していた女子は何かに怯えるように早足に去って言った。 このやってしまった感。 他の高校も同じホテルに泊まっているのだろうか。 気付けばホテルに近いほど近いこの道に制服姿の女子があちらこちらにいる。 だが不思議と皆が皆、何故か俺の顔を見ながらボソボソと話している。 だが、視線を送ると揃いも揃って気の毒そうな顔をしながら露骨に顔を逸らしたり逃げ出したりしている。 俺の人生でここまで女の子から注目されたのは初めてだ。 とはいえ、『須賀君の頭は白骨温泉の源泉ですか? いい温度で沸いてるんですか?』 と和に言われた俺も、流石に好意の視線だとは思わなかったけど。 和も大概にひどいよな。ただ、こんな手牌から 33m22255599s西中中 ツモ9s 混一色狙うために3萬切っただけなのに。 そう説明したら今にも髪の毛が金色になって逆立ちそうなぐらいの勢いで怒られたけど。 俺はその時、和は怒ると本当に怖いなって思いました。 そんな小学生並の感想を抱いていると道の先から優希と部長が手を振っているのが見えた。 優希「遅いぞ犬ー。走れー!」 久「須賀くーん。あと10秒以内に来なさーい」 周りのざわめきが大きくなった気がする。 なんとも居心地の悪い感覚だ。 そして部長は心底楽しそうな顔でカウントを開始している。 人の皮を被った悪魔め。いつか男が狼だって事を分からせてやる。 そんな思考とは裏腹に、俺の体は反射的に最後の力を振り絞って残りの道を全力疾走していた。 後から思ったけど、別に走る必要はなかった。 そもそもこの大量の荷物は事前に宅配便でホテルに送ればよかったんじゃ。 そう突っ込む前に体が動いた俺も同罪である。 (女子部屋にて) 京太郎「あー、重かった!」ドサドサ 咲「京ちゃん、お疲れ様。はい、お茶」 京太郎「おっ、さんきゅ。……あー、落ち着くと動きたくなくなるな」ゴクゴク 和「須賀君のホテルはここからどれぐらいなんですか?」 京太郎「10分ちょいだったかな? 暑いからもう外でたくねぇ……」グテー 久「あら? 私、今から着替えようとしているんだけど?」ニヤニヤ 京太郎「……出て行きます」 まこ「すまんのう、汗かいたからさっさと着替えたくてな。夜になったら皆で食事にでも行くか」 京太郎「うっす。んじゃ、それまでは適当にホテルで休んでます」 咲「京ちゃんごめんね。後で連絡するからね」 京太郎「おう、じゃあまた後でな」ガチャッバタン 久「さーって、さっさと着替えちゃいましょ。それにしても、本当に東京は暑いわねぇ」ヌギヌギ 咲「アスファルトの照り返しって本当に強烈ですね」ヌギヌギ 和「長野は田んぼや山ばっかりですからね。それだけでも東京と比べれば涼しいんでしょう」ヌギヌギ まこ「京太郎が外に出たくないと言う気持ちも分かるのう。……あー、大分汗かいとる」ヌギヌギ 優希「おぉ、のどちゃんのおっぱいの谷間に汗が垂れてるじぇ。えろいろい」ワシッ 和「ちょ、ちょっとゆーき、やめて!」ジタバタ 久「どれどれ、ちょっと先輩にも見せてみなさい」ニヤニヤ まこ「やめんか阿呆共」 (中略) 久「さて。夕食には早いけどどうしましょうかね?」 和「須賀君じゃないですけど、確かにちょっと出歩くには勇気のいる暑さですね……」 コンコン 咲「あれ? 誰か来た?」 優希「はいはい、誰だじょ?」ガチャ ゆみ「失礼、久しぶりだな」 優希「あ、鶴賀の部長。どうしてここに?」 智美「ワハハ。部長は私だぞ」 モモ「いや、もう引継ぎしたからむっちゃん先輩が部長っす」 睦月「新部長です。よろしくお願いいたします」フカブカ 優希「あ、どうもこちらこそ」ツラレテフカブカ まこ「……何を玄関先で話とるんじゃ」 佳織「すみません、皆さんの応援に来たので挨拶と……その、ちょっとお話がありまして」 ゆみ「悪いが上がらせて貰って構わないか?」 まこ「ん、構わんぞ」 モモ「お邪魔するっす。あー暑かった」 ドタバタ ガヤガヤ 久「何はともあれ、わざわざ応援に来てくれてありがとう」 ゆみ「あぁ。我々長野県代表だからな。精一杯応援させてもらう」 智美「まぁ、うちの1~2年生は経験が浅いからなー。全国レベルの試合を見せたかったっていうのもあるけど」ワハハ 睦月「(元部長が部長らしいことを言ったのを初めて聞いた気がする……)」 佳織「(そんなこと言っちゃうと智美ちゃん可哀想だよ)」 睦月「(直接脳内に!?)」 佳織「?」 モモ「と言うわけで応援に来たっす。ぜひ頑張ってほしいっす」 和「ありがとうございます。精一杯頑張ろうと思います」 まこ「しかし、何やら話があると言っておったがなんじゃ?」 ゆみ「あー」ソワソワ 佳織「えっと」ソワソワ 智美「ワハハ。ここは新部長、スパッと聞いてくれ」 睦月「!?」 モモ「元部長は相変わらずキラーパスが酷いっすね」 睦月「え、えっと……」 清澄一同「?」 睦月「聞きたいことが、あるんですけど」 まこ「なんじゃ?」 睦月「その、清澄に須賀さんって居ますよね?」 久「須賀君? えぇ、ホテルが違うから今は居ないけど」 睦月「その、須賀さんなんですけど……」 睦月「皆さんのペット、だとか、奴隷、と言うのは本当ですか?」 久「」 まこ「」 和「」 優希「」 咲「」 清澄一同「はぁ!?」 睦月「ひぃっ! すみませんすみません!」 モモ「(むっちゃん先輩、ずいぶんストレートに行きましたね……)」 佳織「(もうちょっとオブラートに包めばよかったのにね)」 モモ「(直接脳内に!?)」 佳織「?」 和「ど、どうしてそんな話になるんですかっ!」 久「あまりにも想定外の話過ぎて変な声出しちゃったわ」 咲「わ、私も……」 ゆみ「やはり、出鱈目だったか……」 智美「ワハハ。おかしいな?」 まこ「……どういうことなんじゃ?」 ゆみ「その、だな。合同合宿中に須賀君が荷物を届けに来ただろう?」 優希「そういえばそんなこともあったじぇ」 ゆみ「その時に、何故か須賀君が皆の犬だとか、皆に仕えることに喜びを見出しているという噂が流れてな」 咲「(そういえば)」 優希「(風越のメンバーにそんなことを言ったような記憶があるじぇ……)」 ゆみ「と言うか噂の出所の半分はうちの蒲原が須賀君の言葉を曲解してとらえてしまったことが原因なんだが」 智美「ワハハ。すまんすまん、そんなことを言ってたような気がするんだが」 ゆみ「おいっ! すまん、あとで叱っておくから……」 久「そんな噂が流れていたとはね……。確かに須賀君はたった一人の男の子だからいろいろ力仕事を任せることも多いけど」 咲「そうです! 京ちゃんが奴隷だとかそんなこと……」 まこ「うむ。決して奴隷だとか、その、ペ、ペットだとかそういうもんではないけぇ。同じ麻雀部の仲間じゃ」 モモ「やっぱそうだったすか。まぁ、おかしいとは思ってたっすけど」 和「何事かと思いましたが誤解とわかっていただけてよかったです……」 睦月「その、それが、言いにくいんですけど……」ソワソワ 咲「ま、まだ何かあるんですか?」 佳織「この噂……なんだか全国的に広まってるみたいなんです」 久「」 まこ「」 和「」 優希「」 咲「」 ゆみ「最初は長野3校の中だけで話していたんだが何故かこの噂がネットに流れていてな……」 睦月「そこで尾ひれ背びれが付いてすごいことになってるんです」 モモ「いったい誰がネットに流したんすかねぇ……」 智紀「へくちっ」 一「どうしたのともきー。風邪?」 智紀「ううん、大丈夫」 和「そ、それでいったいどういう噂になっているんですか?」 睦月「えっと、いろいろあるんですけど大きく分けて2パターンあるんです」 咲「2パターン?」 ゆみ「あぁ、まずは須賀君が言葉通り奴隷として虐げられているというパターンだ。具体的に言うと」 元々清澄高校麻雀部は数名の男子生徒で和やかに部活を行っていた。 だけどある日、議会長としての権力を笠に現在の女子メンバーがバイクに乗り肩パットを付けて乗り込んできた。 そして麻雀部の部室、備品の引き渡し及び男子メンバーに奴隷となるよう求めて麻雀対決を迫ってきた。 当然拒否する男子メンバーだが女子メンバーの中に、広島に本拠地を置くヤクザの一人娘がおり、 脅されて泣く泣く勝負を受けることに。 持ち点10万点トビ無のルールで団体戦が行われたが先鋒戦東一局で男子メンバーは飛ばされ絶望に。 対局中に豚足を丸かじりする先鋒メンバーはトビなしだから続ける旨を伝え更に嬲り続ける。 更に次鋒、中堅、副将と嬲られ続け大将戦時には-15万点。 そして大将戦では男子メンバーはひたすら一向聴のままで手を進めることができず更に執拗に嬲られ続けた。 オーラスで男子メンバーが四暗刻単騎をテンパり、せめて一太刀と思って手を進めるも、 聴牌時に切った牌で大明カンからの数え役満をアガられる。 アガリやめもせず親連荘を繰り返す大将の魔王に、男子メンバーは泣きながら全員土下座して謝ることに。 それでも魔王は「麻雀って楽しいよね」と無情にも続行を告げた。 泣いて許してくださいと言う男子メンバーに魔王は「早く座れよ」と笑った。 勝負が終わったのは男子メンバーの一人が発狂して倒れた時。 男子5人のうちの4人は現在も病院で入院中。 残った一人が女子メンバーの奴隷として日々こき使われている。 ろくに麻雀を打たせてもらえず、雑用を繰り返す日々。 従わないと暴力を示された後、3対1の麻雀で叩きのめされる。 教師に訴えかけようとするもやはりヤクザ後ろ盾があり助けてもらえない。 最近の男子メンバーはこれがあるべき姿、これが正しいこと、 皆に仕えることができて幸せ、と自分で思い込み精神の均衡を保っている。 ゆみ「まぁ、こんな感じだ」 久「(いつから私は漫画に出てくる悪の生徒会長キャラに……)」 優希「(豚足は……食べないじぇ)」 まこ「(ヤクザ……ヤクザ……)」 咲「(うぅ、私だけ一部分真実が混ざってる……)」 和「……と言うより私達じゃないほかの人たちの話が混ざってるような気がするんですけど」 透華「はっくしょん!」 衣「ぷしゅん!」 一「2人も? 風邪が流行ってるのかなぁ」 ゆみ「それで、もうひとつなんだが……」メソラシ 睦月「あの、その」モジモジ 佳織「……うぅ」モジモジ モモ「あぅ」モジモジ 智美「ワハハ」ワハハ 久「……今度は何」 睦月「そ、その。奴隷は奴隷でも……その、性的な意味での、奴隷っていう噂も流れているんです」 久「」 まこ「」 和「」 優希「」 咲「」 ゆみ「大方の流れはさっきの話と変わらないんだが……」 女子メンバーの中にヤクザの情婦がいる。 その女子メンバーは豊満な肉体を生かし残った男子メンバーに迫っている。 男子メンバーは必死に拒絶するがそれでも女子メンバーは迫ってくる。 とうとう我慢できなくなった男子メンバーは女子メンバーと関係を持ってしまう。 女子メンバーはそれをネタに男子メンバーを脅し、男子メンバーの調教を開始する。 殴る縛る垂らす責める、ありとあらゆる苦痛を与える。 最初は苦痛に身をゆがめていた男子メンバーも、徐々に覚えたことのない快感に身をよじることになる。 そしてある日、男子メンバーは開いてはいけない扉を開いてしまう。 女子メンバーはそれに歓喜して男子メンバーを「犬」と呼ぶ。 今では率先して女子メンバーにつき従う男子メンバー。その瞳に輝きはなかった。 男子メンバーの下着は亀甲縛り。好物は蝋燭というクッソ濃厚なM奴隷となっている。 最近は対局中も椅子(物理)になっている。 ゆみ「ざっとあげるとこんな感じだ」 和「」 (そのころの宮守女子宿泊地) 塞「ねぇ、聞いた? あの清澄高校の噂」 豊音「うん。聞いた聞いた。ちょーこわいよー」ブルブル 胡桃「ヤクザの権力を盾につけて男子部員を奴隷に……」 白望「ダル……」 エイスリン「ニホンノmafia。ヤクザノオイコミ? エンコヅメ?」ガクガク 塞「ちょ、どこでそんな日本語覚えてきたの?」 エイスリン「コワイ。モシ、キヨスミトアタッタラ、ワタシノアイテハ」 胡桃「清澄次鋒は(麻雀雑誌ペラペラ)あっ、噂の広島ヤクザ……」 エイスリン「ユビ、ユビキラレル。アガッタラキットユビキラレル。ヤダ、コワイ」ポロポロ 豊音「だ、だいじょーぶだよ! そういうのは何かしでかした人が責任取るためにやることだから!」 胡桃「そ、そうそう。そんな一緒の卓についただけで小指切られるなんてことはないから」 白望「(あんまりフォローになってない……ダルい)」 塞「と、とにかく当たらないことを祈ろう。大丈夫、参加校は沢山あるんだしそうそう当たることはないって」 白望「塞、なんだかフラグっぽい……」 豊音「そういう私も相手は噂の魔王さんだし、ちょっと怖いな。アガれるのかな。ひ、酷いことされるのかな」プルプル 塞「見た目はおとなしそうな女の子なのにね。長野はどんな魔窟なんだか」 エイスリン「コワイ、ヤクザ、コワイ。キット……」 モワンモワンモワーン ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― エイスリン「ロ、ロン! 8,000テンデス!」 まこ「ッチ」 エイスリン「ア、アノ。8,000テン……」 まこ「わかっとるわい! おらっ!」点棒バシッ エイスリン「ヒッ!」ビクッ 巴「あ、あの。点棒の受け渡しはもう少し丁寧に……」 まこ「あぁん?」 巴「そ、その、ま、マナーというか」 まこ「ほーう。姉さん、言うのぅ」 巴「」ビクビク まこ「……まぁ、そうじゃな。すまんすまん、以後気を付けるわ」 巴「い、いえ、わかって頂ければ」ホッ まこ「ところで、最近こっちに店を出してな。よかったら働かんか?」 巴「えっ?」 まこ「なーに、ちょっと客と一緒に風呂に入って体を洗ってあげるだけじゃけぇ。大したことないわ」 巴「そ、それって」 まこ「客も気持ちよくなって自分も気持ちよくなる素晴らしい商売じゃ。給料も高いぞ。どうじゃ?」 巴「け、結構です」ナミダメ まこ「そうか、残念じゃな。ベッピンじゃけぇ、売れっ子になるぞ」カチャカチャ、タン 由子「あ、あの。それ、ロンなのよー。5,200点」 まこ「あぁ? もうアタりけぇ。楽しそうでえぇなぁ、こっちは全然じゃと言うのに」 由子「す、すみません」 まこ「まったく、わしも楽しみたいのぅカチャカチャ 由子「」ブルブル エイスリン「エ、エット、リーチデス」っ6ピン まこ「あぁん? 3順目じゃと? わかるかいな、そんなもん」っ9ピン エイスリン「アッ」ピクッ まこ「なんじゃ?」 エイスリン「ア、アノ、ソノ」 まこ「はっきりせんかい!」ダンッ エイスリン「ロ、ロン! リーチ、イッパツ、サンショク、ドラドラ。18,000……」 まこ「おどれ……」ビキッ エイスリン「エット、ソノ」オロオロ まこ「誰に向かって上等コいとるんじゃ! あぁ!?」タクヲケリアゲ 巴「ちょ、暴力は」 由子「お、落ち着いてほしいのよー」 まこ「黙れや! おまんらもいてまうど? あぁ!? それとも代わりにワビ入れるんか? あぁ!?」 巴「」 由子「」 エイスリン「ユ、ユルシテ」ガタガタ まこ「おう。で、どうワビいれるんじゃ?」 エイスリン「エッ?」 まこ「どうワビいれるんじゃって聞いとるんじゃボケがっ!」 エイスリン「ゴ、ゴメンナサイ」ペコペコ まこ「アホか。ワシもガキの使いで来とるんじゃないんじゃ。誠意ってもん示せや」っドス エイスリン「ヒッ!」 まこ「おらっ、指出さんかい。それで許したるわ」 エイスリン「Noooooooooooo!」 ――――― ―――――――――― ―――――――――――――――――――― エイスリン「キットコーナル。ヤダヤダ」ポロポロ 豊音「落ち着いて! 審判の人もいるんだからそんなひどいことにはならないから!」ワタワタ 塞「……何でこんなに怯えてるの?」 トシ「あー私がこの前貸したヤクザ物のVシネマで変なイメージができちゃったのかねぇ」 胡桃「あー……」 白望「ダルい」 (またまたそのころの阿知賀女子宿泊地) 穏乃「嘘だよ、ね」 玄「そうです。嘘に決まっているのです」 灼「話を聞く限り、その、男の子を、せ、せ……奴隷にするよう子には思えないけど」 宥「た、確かお父さんやお母さんは弁護士や検事さんですごく真面目な人だったんでしょ? ヤ、ヤクザの愛人だなんて。まだ15歳なのに」 穏乃「はい。本人もすごく、すごーくお固い真面目な子で」 憧「……でも、さっき別の学校の人が話してたけど清澄の人が男の子1人に大荷物持たせて走らせてたって」 玄「ほ、ほんとなの。それ?」 憧「うん、それでその男の子のことを、その、犬、って呼んでたって」 穏乃「そんな……」 灼「奈良から引っ越していってもう数年経つんだよね。……朱に交われば、ってやつなのかな」 宥「な、長野って怖いところなんだね」 灼「それにしても、せ、性奴隷って」カァッ 宥「あ、灼ちゃん。やめて」マッカ 穏乃「ほ、本当にそんな世界があるのかな。ねぇ、憧」 憧「(性奴隷……)」 穏乃「憧?」 憧「(それって……)」 モワンモワンモワーン ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 「なぁ、和。もう、もうやめよう」 放課後の麻雀部部室。今日は練習もなく、部室にいるのは男女が1人ずつ居るだけだった。 京太郎は後ろ手に手錠をかけられた窮屈な体勢のまま、目の前で椅子に座りながら悠然と見下ろす和に言った。 苦しげな京太郎の表情とは裏腹に和は慈愛すら感じさせる柔らかい表情で京太郎に微笑みかけた。 「須賀君、何を言っているんですか」 「こんな、こんなことはやっぱり、やっぱりよくない」 「ふふっ」 京太郎の口から出る拒絶の言葉を聞きながらも、何故か和はとても楽しそうに笑った 和にはわかっていた。 (結局、言い訳と逃げ道を用意したいだけなのに) 和に無理やり従わされた。 手錠をかけられてどうしようもなかった。 脅迫されていたから仕方がなかった。 京太郎はこの関係を続ける際にそういう言い訳を用意しているということは和にはよくわかっていたのだ。 だが、この日まではそれを許していた。 目に苦痛と怯えしかなく、ただただ苦しんでいた時期まではそれでもよかった。 (だけど、それもお終いです) 先日の京太郎との逢瀬で彼の眼に灯ったその光を和は見逃さなかった。 責苦を受けている間、京太郎は先日口では拒絶の言葉を吐きつつ、苦しそうな表情を浮かべつつも確かにその光が宿ったのだ。 (『理解』と『許容』の時期ですよ、須賀君) 和は無言で立ち上がり、京太郎に近づいた。 びくりと体を震わせる京太郎を気にも留めず、黙って後ろに回り込んで京太郎の手錠の鍵穴に鍵を差し込んだ。 「……えっ?」 きょとんとした京太郎がそんな声を漏らすが、和は何も言わず鍵を回し、手錠を話した。 「そうですね、やめましょう。もう、自由の身ですよ」 「なっ」 「大丈夫です。今までのことは誰にも言いません。私の心にしまっておきます」 「あ、あぁ」 「さぁ、もう、行ってもいいですよ」 和は呆気にとられる京太郎ににっこりとほほ笑みつつ黙って入り口を指した。 「ふふ、行かないんですか? 解放されたんですよ」 和の言葉から3分ほど経っても京太郎はその場を動かなかった。 顔を伏せ、何か顔をしかめ辛そうにしている。 「ほ、本当に誰にも言わないんだよな」 「えぇ、本当に」 「本当だよな」 「しつこいですね。本当ですよ? データ類ももう消しました」 これ程念を押しても京太郎はそこまで言っても不安気な顔だった。 いや、これは『不安』ではなく『不満』の顔だった。 それに気づいた和は黙って椅子に座って京太郎に向き直った。 「須賀君」 「……なんだ?」 「跪きなさい」 京太郎の体がびくりと震える。 それを聞いた瞬間、京太郎の顔に一瞬浮かんだ喜びの表情を見逃さなかった。 だが、慌てて取り繕うように真剣な表情に戻る。 「の、和。もう終わりにするって……」 「えぇ、終わりにしました。これは私がただ単に、須賀君に『お願い』しているだけです」 今までの優しげな笑みから一転、酷く蠱惑的な、官能的な笑みを浮かべる。 事に及んでいるときに和が浮かべる笑みだった。 京太郎はその笑みを見るとぞくりと背筋に走る何かを感じた。 「この『お願い』を聞かなかったからと言って、今までのことを誰かに言うことはありませんよ。安心してください」 「う、嘘、だ」 「ふふ。須賀君、私が今まで嘘をついたことありました?」 その言葉に京太郎は黙り込む。 そう、和は一度たりとも嘘をついたことはなく、京太郎に言ってきたことはすべて真実だった。 京太郎自身、好まざるものではなかったが和との付き合いも長くなってきているからこそ理解できた。 「さぁ、もう一度『お願い』しますよ」 そういいながら和は足を組む。 比較的短めなスカートだ。おそらくかがみこめば下着が容易に見えるだろう。 さらに和は組んだ左足のソックスを脱いですっ、と軽く前に出した。 「跪きなさい」 京太郎は胸を抑えて何かを耐えるようにかきむしった。 呼吸が荒くなる。 ちらりと出口の扉を見た。 ほんの数歩歩けばたどり着く距離。 (行かなくちゃ) だが、京太郎は踵を返そうとするが、足が張り付いたように動かなかった。 (この部屋を、出ていくんだ) 和に対して必死に拒絶の言葉を吐こうとするが、軽い息が漏れるだけだった。 (逃げ、なきゃ) 意志とは無関係に膝ががくりと折れた。 踵を返そうとしたときは全く動かなかった足がゆっくりと折れていく。 (お、俺は、に、にげ、こ……こん、な) 膝が麻雀部の冷たい床に触れる。 (こんなこと、い、いや、嫌なん、だ) ぺたりと、そのまま床に手をついて、 (あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ) 心の中で狂ったように叫びつつ、京太郎は床に額を付けた。 (なんで、なんで) (逃げなきゃ、逃げなきゃいけないのに) (せっかく、せっかく終わったのに) (何で、何で俺は、こんな、こんなことを) 必死に芽生えたそれから目を逸らし、必死に取り繕おうとするも結局逆らうことはできなかった。 京太郎は、わずかに震えながらも和の前で跪いた。 (あぁ!) 目の前で跪いた京太郎を見て、和は脳がどろりと溶けたかのような快感を覚えた。 あれほど言ったのに、逃げなかった。 言うとおりに跪いたのだ。 間違いなく京太郎は一歩を踏み出したのだ。 自らの意志で。 ぐつぐつと頭の何かが熱くなってくる。 下腹部の奥の奥がぎゅっとする不思議な感覚を和は味わっていた。 「須賀君。『お願い』を聞いてくれてありがとうございます」 (だけど、まだ『お願い』を聞いただけって言い訳をするかもしれませんね) 「とっても嬉しいです」 (次は、もっと明確な一歩を) 「だから、顔を上げてください。須賀君」 (踏み出してもらいましょう) 京太郎は跪いた体勢のまま顔を起こした。 瞬間、ドクリと大きく心臓が跳ねた。 椅子に座った和よりさらに低い体勢にいる京太郎が顔を上げると、ちょうど和の組んだ脚の隙間から下着が見えた。 薄手の赤い生地が見える。 和はそれを隠そうともせず、むしろ見せつけるようにそれを晒していた。 だが、京太郎の体を熱くさせた原因はそれだけではなった。 伸ばされた和の足。 ソックスを脱いで外気に晒されたその足に京太郎は目を奪われていた。 親指から小指に至るまで繊細に整った指。 珠のようにつるりとした美しいな踵の丸み。 ぷくりと程よく膨らみ、官能的なカーブを描いた脹脛。 美しい山の清水が常に滴り落ちているのではないかと疑うほどの美しい肌。 しかし、その美しい芸術品にわずかな疵があった。 脹脛の一部にわずかに青く、痣となった個所があるのを京太郎は気づいていた。 そして、その痣を付けたのも自分だということに気が付いていた。 (あれは、この前……) そう、京太郎が和に言われるがまま和の足を舐めた時に付けたものだ。 その時京太郎は何気なく力を入れてしまったせいか、軽く歯が当たってしまったのだ。 その後和に沢山殴られたことも忘れ、京太郎は不思議な幸福感を味わっていた。 (あの、あの疵。あの足に疵をつけたのは、俺だ) 体が震えてくる。怯えでも恐怖でもなく純粋な喜びから。 (あの綺麗な足に) 京太郎の下腹部が熱くなってくる。 それが、固く熱を持ち始めてくることを京太郎は感じていた。 (俺が、俺が疵をつけたんだ) そして京太郎は、小さく口元に笑みを浮かべた。 「さぁ、須賀君」 和も笑う。これから始まるであろう享楽的な時間を思い浮かべて。 京太郎の笑みを見て和はもうわかっているのだ。 これから京太郎がどう答えるのか。 「これから、どうしますか?」 和自身、もう我慢ができそうになかった。 少しでも返事が遅れれば欲望に身を任せ、京太郎をひたすらに嬲っていただろう。 だが、それは無用の心配であった。 「足を」 和の問いに即座に口を開く。 そして京太郎自身も和の望んでいること、自分の望んでいることを理解した。 倫理観や常識といった煩わしいのは京太郎の心にはどこにもなく、ただ純粋な本能だった。 「足を、舐めさせてください」 そういって、京太郎は笑みを浮かべたまま頭を下げた。 それを見た和は叫びだしそうな歓喜に包まれていた。 目の前の雄が愛おしくて仕方ない。 下腹部がさらに熱くなる。 恐らく、下着はひどいことになって居るだろう。 だがそれは和にとって些末な問題だった。 「まったく、本当に仕方ない人ですね須賀君は」 「はい。すみません」 和の侮蔑の言葉に、今までとは比べ物にならないほど従順な声で京太郎は謝罪の言葉を吐いた。 だが、謝りつつも京太郎の伏せた顔は今まで浮かべたこともないような歪んだ笑みを浮かべていた。 「ふふ、いいですよ」 ごくり、と唾を飲み込む音が部室に響いた。 それが京太郎のものなのか、和のものなのか、それとも両者のものなのか。 和は足をゆっくりと、京太郎に軽く差し出した。 「……さぁ、どうぞ」 「ありがとうございます!」 和の許しの言葉を聞いて、京太郎はまるで飢えた犬のように和の足に飛びついた。 自分の眼前で自分の足に縋り付く京太郎を見ながら、和はとろけきった情欲の表情を隠そうともせずその感覚に身を預けていた。 ――――― ―――――――――― ―――――――――――――――――――― 憧「いやあぁぁぁぁぁ! 和が、和がそんなことをするなんてぇぇぇぇ!」 宥「きゃっ」ビクゥ! 穏乃「うわっ! あ、憧?」 灼「いったい何を考えたんだか……」
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数字が抜けてたり順番がおかしかったりするけどギルティギアやってる奴はdjkだから仕方ないよね! スレタイ the end of genesisギルティギアやってる奴evolution turbo type D→TMR ギルティギアやってる奴 of Power→STGネタ DEEP IN ギルティギアやってる奴→音ゲーネタ ギルティギアやってる奴-THE RIGHT STUFF-→パトレイバー 913 ギルティギアやってる奴コンプリート→ライダーネタ 国民的ガールフレンドギルティギアやってる奴→ラブプラス Black Eyed ギルティギアやってる奴→音ゲーネタ 君は見たかギルティギアやってる奴が真っ赤に燃えるのを→歌詞 何が幸せかわからないまま終わるギルティギアやってる奴→歌詞 交狂曲ギルティギアやってる奴→デススマイルズ ギルティギアやってる奴-OVERTURE-→GG2 生え際が気になり始めたギルティギアやってる奴→クソル 101~200スレ目? 201~300スレ目? 301~400スレ目? 401~500スレ目? 501~600スレ目? 601~700スレ目? 701~800スレ目 801~900スレ目 901~1000スレ目 1001~1100スレ目 1101~1200スレ目 1201~1300スレ目 1301~1400スレ目 1401〜1500スレ目
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OpenOffice.org OpenOffice.org日本語プロジェクトより入手できる、フリーのOfficeソフト。MS Officeでなくてはいけない理由が無いのならば、使って損は無い。 VirtualBox 様々なOSをサポートする、仮想マシン作成・実行ソフトであり、Intel Mac上で動作可能(PowerPCはサポート外)。VirtualBox公式ページよりダウンロードできる。インストール後、仮想マシンを作成し、そこに別途入手したOSをインストールする。 どうしてもWindowsが必要な状況になったときなど、便利。グラフィックに多少難あり。 Opera webブラウザ。公式ページはこちら。 AquaSKK Macに簡単にSKKの環境を導入できるパッケージ。ことえりと同様、標準のIMとして動作する。また、SKKサーバーにもなるので、ddskk等からAquaSKKの辞書を参照することもできる。SKKは一般的なIMと操作方法がかなり違うが、慣れるととても快適である。また、辞書データはごく一般的なテキストファイルであるため、編集も容易である。 公式ページはこちら KeyRemap4MacBook MacBookやMacBook Pro、MacBook Air用の、キーリマップユーティリティである。装飾キーの入れ換えや変更だけならばMac OS Xのシステム環境設定で可能だが、この方法ではそれの以外の細かい設定変更はできない。それでは困るという時に、KeyRemap4MacBookはとても便利である。かなり多くの設定が初期状態で選択可能。 公式ページはこちら。
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他人との違いを知る… 他人と似ている所を知る… 人を知るということは… 自分を知るということ… そして自分の優れている所… 劣っている所… 認識して… 人は活きる事が出来る… 何をすれば活躍出来るのか… 何をすれば成長出来るのか… 全ては… 他人を理解する所から始まるのかも知れない… 一期一会… 新たな自分を発見する… 人生は自分探しの旅か…
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生き残るということ 依頼主 :フ・マージャ二等甲兵(外地ラノシア X19-Y16) 受注条件:レベル47~ 概要 :キャンプ・オーバールックのフ・マージャ二等甲兵は、沈痛な表情をしている。 フ・マージャ二等甲兵 「アタシらを、最狂部隊なんて呼ぶヤツもいるけどさ。 そんな名声の陰で、死んでいく仲間が何人もいるんだ。 今だって帰ってこない新人が4人もいるんだよ・・・・・・。 アンタ、もし仲間を・・・・・・その遺体を見つけたら、 「紅燕の首飾り」を回収してくれないかい。 せめて、きちんと家族に伝えてやらなくちゃね・・・・・・。」 フ・マージャ二等甲兵に紅燕の首飾りを渡す フ・マージャ二等甲兵 「ああ、アンタか。 アタシの仲間はみつかったかい・・・・・・?」 (紅燕の首飾りを渡す) フ・マージャ二等甲兵 「・・・・・・ありがとう。 そうか、やっぱり全滅したのかい・・・・・・。 グスッ・・・・・・悪いな・・・・・・ちゃんと弔ってやれなくてさ。 いけね・・・・・・泣いてる暇なんかなかったよ。 仲間の分まで、アタシらが戦って生き延びなくちゃな。 ・・・・・・それが、生き残った者の使命だと思っているさ。」 紅燕の首飾り:燕紋の入った紅燕陸戦隊の認識票
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自分の家族を大事にすることが当たり前の感覚であるように、自分の国を大事にするという感覚も至極当たり前の感覚のはずです。 海外に行けば、誰もが自分の国が1番だ、と言うし、自分の国に誇りを持っています。 その国に対する誇りが、自己の誇りを支えるものでもあるし、国に対する誇りがなければ、真に自分の誇りを確立させることは困難であると思います。 先日、尖閣諸島を東京都が買い取るということで、物議を醸しましたが、 尖閣諸島購入計画をめぐり、東京都が購入資金の寄付口座を開設してから20日で総額約7億円が集まったそうです。 都には、寄付とともに、「賛同する。がんばってほしい」「石原(慎太郎)知事にしかできない」といった意見が全国から寄せられたということがありました。自分たちの手で国を守りたいという意思が凝縮した結果と石原知事は述べましたが、正にその通りだと思いました。 これこそ愛国心の表れそのものといえると思います。 本当に素晴らしいです。 最近は、日本人は素晴らしい、という事が多岐に渡り、TVやメディアでも良く取り上げられるようになりました。 当然のことながら、日本人の技術力の高さは世界トップレベルで、日本製の物は海外では大変信用が高く、海外では日本製というだけで1つのブランドのようになっています。 COOL JAPAN という言葉は最近良く耳にしますが、具体的には、ゲーム・漫画・アニメなどのポップカルチャーを指す場合が多く、 さらに、自動車・オートバイ・電気機器などの日本製品、料理・武道などの伝統文化など、日本に関するあらゆる事物が対象となりうるようです。 また、KAWAII という言葉を良く耳にしますが、世界の女子が日本の女子の服装に憧がれ、真似する外人が沢山いるそうです。 2009年のカワイイ大使就任の記者会見やインタビューにおいて、外務省からの配布資料に記されていない「KAWAII」という言葉に対して日本国外メディアから一切の質問がないなど、日本国外メディアにおいては「可愛い」という言葉は2009年時点で既に解説不要なほどに広まった言葉。 「可愛い」に近い意味を持つ言葉は各国にあるが、ぴったりと当てはまる言葉はないため、「可愛い」「KAWAII」という言葉が輸出されて使われるようになったとのことです。 などなど日本の素晴らしさ、活躍を挙げれば切りがないのですが、未だ日本人が日本人としてのアイディンティティーを持つことを快く思っていない、日本のイメージアップを望んでいない左翼の輩が数多く存在します。※左翼= 国のイメージを落とす圧力団体 私達日本人が真に日本人としての誇りを持ち、自己確立を遂げる為にも、 まず彼ら左翼を、 ①左翼であると確りと認識し、 ②そして左翼を「改善」もしくは「排除」する ことが必要です。 ※情報や感想をお寄せ下さい。 名前 コメント