約 16,372 件
https://w.atwiki.jp/zenzen53/pages/167.html
バーンの放送の声を聞いて、まず阿部に訪れたのは後悔だった。 リンゴォほどの男なら上手く立ち回ってくれるだろうと信じて、裸のままで置き去りにしてきてしまったが、その結果は最悪なものとなってしまった。 己の迂闊さ、見込みの甘さに嫌気が差す。自分の愚かな状況判断によって、一人の男を殺してしまったのだ。 その否応なしの事実が、阿部の心を苛んでやまない。 勿論、バーンの言うことを嘘だと決め付けて、自分の失態から目を逸らすのは楽なことだ。 そうすれば、自分が背負うべき責任は、全くの無しになる。これほど気安いことはあるまい。 だけど、多くの人を連れ去り、まして殺し合いを強いる輩が、この段になって虚報を流すなど、どう考えても不自然なことだった。 死の否定に繋がるような事実を残せば、それはバーン自身が掲げたお題目の意味が空虚なものとなる。 あれほどの力を持つ者であれば、わざわざそのような馬鹿なことをするはずもないだろう。 阿部はその結論と共に、己の身に降りかかる命の重さを噛み締めた。 「しっかし、寺生まれのアイツの名前は、結局分からずじまいか……まさかTさんっていうのが、本名じゃないよな?」 悲壮感が渦巻く中だったが、溜息と共に思わず阿部は愚痴を零した。 責任を感じるのはいいが、悲嘆に暮れていては、受け継いだ寺生まれの魂まで、無為なものとしてしまう。 そうしてもう一つの責任に頭を向けて気になったが、自らに全てを託して逝ってしまった寺生まれの青年であった。 バーンの放送と名簿にある名前を確認して、該当しそうなのは「寺生まれのTさん」だけだ。 自分の生き方を決定的に変えてくれた人物の名前ぐらいは、心に留めておきたい。そういった思いがあっただけに、どうにもやるせなさが残ってしまう。 尤もそんなことに拘泥する暇もないほど、この状況――バトルロワイアルは差し迫ったものがあるのだ。 前に進むための一歩を躊躇っていては、それこそ寺生まれのTさんが守ろうとしていたものに唾を吐きかけてしまうこととなる。 リンゴォ、寺生まれの青年に対するやり切れなさを脇に押しやり、阿部は勇んで足を動かしていった。 ―― ―――― ―――――――― 学校……なのだろう。目の前にある建築物を見て、阿部はいよいよ憂慮の念を露にした。 四階建て鉄筋コンクリートの校舎の至る所に、人が通れるくらいの大きな穴が開きまくっているのだ。 崩壊を思わせるような危なっかしさがあることから、元からそういったデザインだったとは考えられない。 またわざわざ主催者側が、参加者のために用意した施設を、こんな初っ端から破壊するということもないだろう。 ということは、この下手人はバトルロワイアルの参加者となる。 ただの人間が、例え武器を持っていたとしても、校舎をこのように壊すことなど可能なのだろうか。 笑って否定してやりたいところだが、既に阿部は人知を超えた超常現象を、その身一つで起こすことの出来る存在に出会っている。 だとしたら、本当に恐ろしいことだが、単騎で漫画やアニメ出てくるような馬鹿らしい現象を起こす化け物がいる可能性も十分にあるということだ。 それを理解した阿部は警戒の念を強めて、まだその当人や被害者がいるかどうか、入念に校舎の探索を始めていった。 「にょほ♪」 しばらく校舎の廊下を歩いていると、穴の開いた壁から、太った何かが阿部の前に転がり込んできた。 マーダーの登場を考慮していた阿部は、緊張のあまりか、堪らず唾を飲み込む。 「ゴクリ、これはまた……」 「……これはまた?」 「美味しそうなブタじゃないの」 「誰がブタかあああぁぁぁーーーーー!!」 その言葉と共に阿部にドロップキックをかましたのは、ニャンコ先生であった。 阿部の放つ強大な霊気の存在に感づいたニャンコ先生は、これは自らの探し人かもしれぬと、学校に立ち寄ったのである。 そしてお出迎えとなった言葉が、己の誇る美しさを無情にも否定するものだ。 ニャンコ先生は怒り心頭となって、阿部の歓迎に抗議を行った。 「よ、よりにもよって、この高貴で美しい私をブタだとおお!? ええーい、貴様の眼は腐っておるのか!? どう見ても、プリチーなネコであろうがああぁぁ!!」 「ウッ……ネコ? すまんすまん。腹が減っていたし、あまりに美味そうなものだったもんでな、つい」 「謝罪になっておらんわぁ!! 美味そうなネコがいてたまるか!! 鬼か!? 貴様は鬼なのか!?」 ニャンコ先生は唾を吐き飛ばしながら、声高にののしる。 そしてそのままニャンコ先生は勢いに任せて、阿部の顔を殴りつけようとするが、夏目貴志とは違う阿部の太い腕が、ニャンコ先生の首根っこを掴むことになった。 「ええーい、放せ! 放さんかああ!! 私は美味くないぞー!! だから、放せえー!!」 宙ぶらりんのまま、食われてたまるか、と必死にジタバタと騒ぐニャンコ先生。 そしてタプンタプンと動くニャンコ先生のふくよかなお腹を見せられた阿部はまさか、と疑問を口にした。 「その胸の印……参加者ってわけか? ブ……ァじゃなくて、ネコなのに?」 「貴様ァーー!! 今、何て言おうとしたーー!! ブって聞こえたぞ、ブって!! そこになおれ、人間!! この私手ずから成敗してくれる!!」 ニャンコ先生は怒りに任せて、短い腕で遮二無二なって何発もパンチを放つ。 しかし哀しいかな、真っ直ぐに伸ばされた阿部の腕は、ニャンコ先生のより遥かに長い。 ニャンコ先生の抵抗は、全て虚空へとすかされてしまった。 その振る舞いこそ、獰猛であり、またバカらしいものであったが、同時に人間のように感情豊かでもある。 阿部はそのことを面白く思いながら、柔らかにニャンコ先生に話しかけた。 「ネコのお前さん」 「にゃんだ、人間、その生温かい目は!! この私を舐めるなよ! 私がちょーーッと本気を出せば、お前など一ひねりなのだぞ!」 「分かった、分かった。それでこの穴だらけになった学校の惨状は、お前さんの仕業かい?」 「フン、私がそれほど暇そうに見えるか? こんな疲れるような真似は一々せんわ!」 「……出来ない、とは言わないんだな。参ったな、こりゃあ」 本当にとんでもないことに巻き込まれてしまったもんだ、と阿部は頭の後ろを掻きながら、重い溜息を吐いた。 化け物が一匹ということであれば、受け継いだ寺生まれの力で何とか対処のしようがあったかもしれないが、何体もいるとなれば、話は別だ。 当初は周りに迷惑をかけないよう独力で全てを解決すると考えていたが、脅威が増えれば、到底一人でどうこうなる問題にはならないだろう。 となれば、この殺し合いの打破するに当たって、仲間との協力が不可欠となってくる。 その結論に達した阿部は申し訳ないと思いつつも、手の中でジタバタと暴れている太ったネコに再び話しかけることにした。 「そういや、お前さん、このバトルロワイアルについて、どう思っているんだ?」 「……何故その質問に答えてやらねばならんのだ?」 ふんぞり返った態度に、実にふてぶてしい顔。余人であるならば、それこそニャンコ先生をブン殴りたくなる衝動に駆られるだろう。 しかし、今そこにいるのは、イイ男の阿部である。彼は言外の意味を巧みに察知すると、ニャンコ先生から手を離し、自らのデイパックを開けた。 そこから取り出されたのは、ランダム支給品の箱入り饅頭16コ。それを目にしたニャンコ先生は、先とは打って変わって喜色に富んだ声を発する。 「おおおーー!! それは七辻屋の饅頭ではないかぁぁーーーー!! 寄こせぇぇーー!!」 よだれを撒き散らしながら、ニャンコ先生はジャンプして饅頭に手を伸ばしてくる。 しかし、阿部はそれを予期していたかのように、その饅頭をひょいと上に上げることでかわす。 その残酷無比な所業に、ニャンコ先生は身の張り裂けそうなほど哀切じみた声で怒鳴り散らした。 「おのれえ、卑怯だぞ、人間! 七辻屋の饅頭を人質に取るとは!!」 「まあ、そう怒りなさんな。ちゃんと質問に答えくれれば、饅頭くらいくれてやるさ」 「本当かあ!? 本当だな、人間!!?」 「あ、ああ、俺は嘘は吐かないさ。それでこのバト……」 「……興味ない! さあ、答えたぞ。さっさと饅頭を寄こせ、人間」 そんなに食いたいのかよ、と半ば呆れつつ、阿部は律儀に饅頭を一つ、ネコに放り投げてみる。 目にも止まらぬとは、こういうことを言うのだろうか。饅頭が手から離れた次の瞬間には、もうニャンコ先生の口に収まっていたのだ。 げに恐ろしきネコである。そういった感想を胸に、ニャンコ先生が饅頭を食い終わるのを確認すると、阿部は続けて質問を発した。 「じゃあ、誰かを殺すつもりはないんだな?」 「フン、そんな面倒くさいことなどせんわ。まあ、この大妖たる私に愚かにも刃向かってくるというなら、話は別だがな」 「それは重畳。じゃあ、話を続けるが、お前さん……」 「……待て。その前に饅頭だ。ちゃんと質問に答えたぞ♪」 「あ、ああ」 ヒョイッと放り投げて、パクッと食いつく。芸術的とも言える無駄のない流れだが、感心ばかりでは終えられない。 阿部は再び口を開こうとする。が、それは僅か一言も発する暇もなく、ニャンコ先生に呼び止められることになった。 「人間……貴様の言いたいことぐらい分かる。大方、バーンを倒すのに協力しろというのだろう?」 「まあ、そうだが……その調子じゃ、あまりいい返事は聞けそうにないな」 「最初に言ったろう? 私は暇じゃないと。それにな、人間、貴様は大きな勘違いをしておる」 「へー、それは何だ?」 「バーン如きを倒すのに誰の協力もいらん。それはこの私一人で十分可能なことだ。こうちょちょいのちょい、とな」 どうだ、と胸を張り、視線に相手を射殺すかのような覇気を伴う姿勢は何とも頼もしい。 しかし、それを一から十まで肯定するには、どうしても無理な疑問点が阿部の中に思い浮かんだ。 「それじゃあ、お前さん、バーンより強いというのなら、何故こんな所にいるんだ?」 たらり、とニャンコ先生の額から汗が零れ落ちる。毅然としていた目も、今は虚ろにさ迷っている。 そういえば、ニャンコ先生の口の周りには饅頭の餡子がついており、頼もしいどころか、情けない姿であった。 まあ、答えは言わずもがなである。 「人間! 貴様ァ、信じておらんなあ! 私がここにいる破目になったのは、ほんのちょっとばっかし油断したからに過ぎん。それにだな、私は夏目の用心棒をしてい……」 「……分かっているさ。そういや、朝飯がまだだったな。お前さんが、美味そうに饅頭を食っているところを見たら、俺も腹が減ってきちまったよ。 で、物は相談だが、一緒に飯でも食わないか? これからの親睦を深めるついでにな」 惨めな言い訳を捲くし立てようとしたニャンコ先生を制して、阿部は朝食への誘いの言葉を投げかけた。 あのままでいたら、ニャンコ先生は余計な醜態を晒していたかもしれない。しかし、阿部は相手のことを思いやれる実にイイ男なのである。 そのことを察したニャンコ先生はプイッと横に顔を向けながら、阿部に向かってしっかりと呟いた。 「ふん、そこまで言うのなら、一緒に食べてやろうではないか。せいぜい感謝をするのだな、人間!」 「あいよ」 阿部は温和な微笑でニャンコ先生の台詞を受け止め、朝食を食べるべく、再度自らのデイパックを開いた。 ―― ―――― ―――――――― お互いの話を交えながらも、ニャンコ先生はガツガツと音を立てて、物凄い勢いでご飯を食べ漁っていった。 阿部が自分のためにと用意した朝食の半分は、ニャンコ先生の胃袋の中に消えた。勿論、ニャンコ先生の分は、別に用意したのにだ。 その健啖ぶりは呆れはするものの、ネコという人間より小さな身体のことを考えると、やはり感心せざるを得ない。 そうして阿部が目を丸くしていたのに気がついたのだろう。ニャンコ先生は、そういえば、と語りかけた。 「今更だが、阿部よ、私が人間の言葉を喋るのに驚かないな?」 「本当に今更だな。まあ、こんな所に連れ去られたことを初めに、色々と妙な超常現象を、実際にこの目で目の当たりにしちまったからな。 ネコが話す。それくらいのことなら、もう普通に受け入れられるさ」 「ふむ、もう少し人間の身勝手な常識に固執するのが、人の常なのだがな。まあ、それほどの霊力があれば、不思議ではないか」 「あ~、ありがとう……なのか?」 「別に褒めておらんがな。それで阿部よ、これから先、貴様はどうするつもりなのだ?」 「それなんだが、お前さんの人探しを手伝おうと思っているんだが……迷惑か?」 「ふん、足手纏いがいるのには慣れたことよ。しかし、あやつらに会ったところで、別に貴様の目的の助けになるとは思えんがな」 「いや、大丈夫さ。ポルポルだったか? 話を聞いただけだが、そいつからイイ男の気配を感じる。きっと俺を熱く満足させてくれるに違いないさ」 ニャンコ先生が語ったポルナレフ。確かにニャンコ先生の視点からでは、ポルナレフの格好いいところは伝わってこなかった。 しかし、数々の益荒男を見て、食べてきた阿部の勘は、確信に近い形で伝えてきてくれる。ポルナレフはイイ男なのだ、と。 対面するニャンコ先生をよそに、阿部は鼻息荒く、まだ見ぬポルナレフへとマグマのように熱く、滾る想いを寄せた。 【一日目 朝】 【現在地 D-5 学校】 【阿部高和@くそみそテクニック】 【状態】健康、ムラムラ 【装備】寺生まれのTさんのお守り@寺生まれの先輩Tさんのまとめ、釣り糸のサラシ 【道具】リンゴォの銃@ジョジョの奇妙な冒険(残弾 1/6)、七辻屋の饅頭@夏目友人帳(残り14/16)、武器支給品、支給品一式 【思考】 基本 殺し合いの打破 1. ポルナレフを探す 2. 殺し合いを打破するための仲間を探す 【備考】 ※寺生まれの魂を受け継ぎました ※寺生まれのTさんの全霊力を受け取りました 【斑(ニャンコ先生)@夏目友人帳】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】武器支給品、支給品一式 【思考】 基本 夏目を連れてさっさと家に帰る 1. ポルナレフと夏目貴志を探す 2. 禁呪の解呪 【支給品情報】 七辻屋の饅頭@夏目友人帳 夏目レイコ、ニャンコ先生が太鼓判を押す老舗和菓子屋の饅頭。箱入りで16コ。 71 Water Runs Dry BACK NEXT 73 Hold on to the Night 64 The Rose 阿部高和 [[]] 61 Against All Odds 斑(ニャンコ先生) [[]]
https://w.atwiki.jp/ikachang/pages/35.html
順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 大判焼き 79 (17%) 2 御座候 69 (15%) 3 今川焼き 66 (14%) 4 ベイクドモチョチョ 61 (13%) 5 おやき 40 (9%) 6 パンセポンセ 27 (6%) 7 回転焼き 22 (5%) 8 あじまん 21 (5%) 9 ラグナロク 8 (2%) 10 ハンバーグ 7 (2%) 11 甘太郎焼き 5 (1%) 12 芋羊羹 5 (1%) 13 おはぎ 3 (1%) 14 ふうまん 3 (1%) 15 むっちゃん饅頭 3 (1%) 16 オールドファッション 3 (1%) 17 マンメンミ 3 (1%) 18 ワームとぐろエンジン 3 (1%) 19 太鼓焼き 3 (1%) 20 神々の黄昏 3 (1%) 21 おぎやはぎ 2 (0%) 22 おすぎ 2 (0%) 23 ひぎりやき 2 (0%) 24 ぽゆぽゆやき 2 (0%) 25 バウムクーヘン 2 (0%) 26 夫婦焼き 2 (0%) 27 薄皮黄金焼 2 (0%) 28 蜂楽饅頭 2 (0%) 29 Banh bo dua 1 (0%) 30 なんでも良くない? 1 (0%) 31 ぽちょむきん 1 (0%) 32 ドーナツ 1 (0%) 33 ロールケーキ 1 (0%) 34 七越焼き 1 (0%) 35 大名焼き 1 (0%) その他 投票総数 457
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3444.html
『だんしんぐ一家』 3KB 小ネタ 小ネタ2本目です 【だんしんぐ一家】 「おねえぢゃああああん!!!」 「やめたげてよおおおおおお!!!」 「いもうちょをはなしちぇね!すぐにはなしちぇね!!」 「まりさぁぁぁ!!なんとかしてぇぇぇ!!」 「おぢびをはなすんだぜぇぇぇえええ!!!!」 昔、ダンシングフラワーという玩具が流行ったそうだ。 窓際なんかで拍手に反応してくねくねと踊るアレだ。 末っ子まりさ 三女れいむ 長女れいむ 母れいむ 父まりさ 饅頭5個が窓際でくねっくねしながら 好き勝手に鳴き声を上げている姿はアレを並べた感じによく似ていると思う。 野良対策にゴ○ブリホイホイのパチモンから蓋取っ払ったやつ 窓際に並べただけでこんなに効果があるなんて 105円で二枚入りのゴキブリ○イホイもどきで 一家族捕まえたわけだから1匹約18円? 「やっすあがりー…」 「だまるんだぜ!おちびをかえせくずにんげん!!」 「れいむのきれいなあしにひっついたこれもとってね!! いまならいのちだけはゆるしてあげるよ!!」 「「「しょうだしょうだ!!」」」 さっきからアイツらが喚いているのは、俺につままれて 起き上がりこぼしみたいな形になっている家族を返してほしいのだそうだ。 コイツだけ先頭を切って侵入してきた親まりさの帽子のつばに載っていたのだが 親がシートに捕まった時に、一匹だけ並べてあった別のシートに顔からつっこんだのだ。 シートに捕まった子まりさ(おそらく次女)を ホイ○イごと持ち上げたり降ろしたりするだけで 一家の視線がそれを追って移動する。 ふむ、どうしたものか。 一緒に購入した殺ゆ剤を噴射してしまうのが一番だろうが… そういえばコイツら粘着テープに驚いたせいでまだ『おうち宣言』をしていない。 「おい饅頭ABCEF」 Dは呼吸困難で返答不可能である。 「まりささまはまんじゅうじゃないんだぜえ!!」 「…ゆっくりしていってね!」 「「「「「ゆ、ゆっくりしていってね!!」」」」」」 本能に刻み込まれた一言は、ゲスでも強制的に反応させる。 「ここは俺の家だ、『おうち』だ。 お前らは勝手に侵入ってきたからあしが動かなくなったんだ。」 「「ゆ゛ゆう!?」」 親饅頭二個が震えあがっている。 我が身を振り返って『おうち宣言』していない事を思い出したらしい。 子饅頭共は理解が追いついていないのか、惚けた顔でゆーゆーわめいている。 「お前らは運が良かったが、コイツだけはお前らより奥に侵入りこんでたせいで息もできない有様だ。」 本来ゆっくりは息をしないでもかなり長く生きているそうだが、 苦しい事は苦しいらしい。 最初は元気よく暴れていた三女も、今はもう痙攣程度の動きしかしていない。 このままだと呼吸困難を理由に非ゆっくり症で死ぬだろう。 俺は、意を決して次女まりさを掴み ぶち ゆっくりと ぶちぶちべり シートから引き剥がした。 「っゆぎえええええええええええ!!!!」 「「おぢびぢゃんんんんん゛!!!」」 「「「ゆぴいぃぃぃ!!!!」」」 顔の皮が剥がれた次女を見て、狂ったように動き回る饅頭一家。 粘着テープに捕まっていなければ、蜘蛛の子を散らすように逃げ回っただろうが やはりバタバタともがくだけで身動きが取れない。 「余り動くとお前らも皮がはがれるぞ」 家族のシート、一列に並んでもがく その5cm先に顔面を失ったまりさを設置する。 死に体の次女まりさが、もがきながら家族の方へと向かい 「もが、ぢゃ…おど…ちゃ…」 その姿を見て家族が悲鳴を上げる。 「「ぐるなあああ゛!!」」 「「「ゆびぃぃぃ!!!」」」 ダンシングフラワーは複数個置くと、各々の音に反応して延々稼働し続けるらしい。 向こうは電池が切れるまで こいつらも、電池が切れるまでは踊り続ける姿を見せてくれるだろう。
https://w.atwiki.jp/niconico2nd/pages/435.html
どこかで見た光景であるのは確定的に明らか ◆CqqH18E08c 「ゆっゆっ!!」 ゆっくり達は進んでいた。 森をぬけB-4方向へ向かう方向へ。 別に彼女達(?)に特別そちらの方向へ向かう絶対の理由はない。 ただ僅かな時間であるが共に行動したフランがそちらにいるだろうという不確かな憶測に基づいての行動である。 ゆっくり魔理沙の頭にはいまだ偽起爆装置が刺さったままである。 その偽起爆装置を抜くことは彼女自身の手ではできない。 手がないから。 そんなはねながら移動する饅頭をやや離れた所から見るものが二人。 ホテル経由で図書館へと向かうことを決めた馬岱と藤崎である。 「なんやあの首の化け物……」 「よくわからんが首輪は付けていないところから見ると参加者ではないようだが……」 藤崎は完全に人外のはねるまんじゅうに困惑している。動揺しているのが一目でわかる。 一方の馬岱はというとこんな事態にも慣れているわけではないが「まぁこういうこともあるだろう」という程度で済ませてしまっている。 これがテラふりーだむな世界で生きてきたが故の落ち着きなのかそれとも武将として長年戦場で戦ったのが原因なのかは定かではない。 だが少なくとも宇宙戦艦が飛び交うような時代においてもこんな饅頭は存在しない。 「ゆゆっ!!」 離れたところから見られていることに気が付いたゆっくりは藤崎たちの方向へと進路を変更する。 ハネながらも着実に彼らのものとに迫ってくる。 それは軽いホラーである。 多少抜けている感は否めないが。 「うわっ、なんかこっちきたで」 「別になにか強い力を持っているというわけじゃなさそうだが・・・・・・気味が悪いな」 藤崎が浮足立つ。 馬岱はまだ落ち着いているが首饅頭が飛びながらハネて近づいてくる様子に顔をしかめる。 流石にこれはいかなる馬岱不快だったようだ。 「ゆっ!ゆっ!!」 顔面饅頭がじょじょに近づきゆっくりの顔が判別できる位置まで近づく。 そのゆっくりの顔をみて馬岱が突如として頭を抱える。 「どうしたんや?あいつらのこと知ってるんか?」 「あいつらが人間になってもっと可愛くなったような奴は知ってるがあんなムカつく顔面饅頭は知らん」 馬岱の記憶にあるのはとんでもないスナイプを決める博麗霊夢と安定した被弾補正を持つ霧雨魔理沙。 確かにゆっくりはその2人を模した姿をしていたが馬岱は彼が知る彼女達と結びつけることは拒否した。 「ゆゆゆゆっ!!」 「目の前まできたで、どうするんや?」 「別に放置でも大した害はないと思うが……」 ゆっくりがついに藤崎と馬岱の目の前にまで近づく。 この間藤崎は同様で、馬岱は馬岱で半分呆れて動くことができなかった。 そんな二人の前でゆっくり達がとった行動は―― 「光の使者、博麗霊夢」 「光の使者、霧雨魔理沙」 「「ふたりはプリキュア」」 『……そうかい』 どこかで見た覚えのある光景が再び繰り返された。 【C-3/1日目・夕方】 【藤崎瑞希@現実】 [状態]さらなる決意、パンツレスラー、、脛に軽い刺し傷(鱗粉付き)、足に痺れ、罪悪感 [装備]なし [道具]支給品一式、金属バット@現実、ショートカッター(残り0枚)@ドラえもん [思考・状況] 基本思考:主催者の目論見を粉砕し跪かせる 0:図書館に戻り、自分を襲ったやつを懲らしめる。 1:全てはチャンス 2:参加者を救う 3:受け継がれた意志を持って、闘う 4:俺を襲ったのは誰なん? 5:あそこで寝てた奴が俺を運んでくれたんか? 6:なんやこの顔面饅頭 【馬岱@呂布の復讐】 [状態] 健康、 [装備] 鍬@吉幾三、三国志大戦カード(群雄SR馬超)@三国志大戦 [道具] 基本支給品 [思考・状況] 0:図書館に向かい、強敵と戦う。 1:藤崎を襲ったやつは相手にしない……? 2:藤崎を守る気はない。 3:殺し合いに乗って、自分の力を試す 4:弱い奴からは情報を聞きたい。断ったら… 5:呂布……記憶障害とは大変だな…… 6:もうちょいまともな武器が欲しい 7:ブロリーとは遭遇したくない 8:あいつら(レムー&マリサ)と似ていないこともないが…… ※参加者の多くの名前を見た覚えがあることに気が付きました。ニコ動関連の知識の制限は実況者達等に比べて緩いようです ※藤崎と情報交換しました。 【ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ゆっくりしていってね】 [装備?] 偽起爆リモコン@オリジナル [道具] ※ゆっくり魔理沙の頭に偽起爆リモコンが刺さっています。命に別状はありません。 sm171 君へ受け継ぐ永遠 時系列順 sm172 マジックvs魔法 -I m loving it !- sm167 激流に身を任せ同化してみた 投下順 sm169 熱戦の裏側、眠れる恐怖 sm160 俺より強い奴に遭いに行く! 藤崎瑞希 sm172 マジックvs魔法 -I m loving it !- sm160 俺より強い奴に遭いに行く! 馬岱 sm172 マジックvs魔法 -I m loving it !-
https://w.atwiki.jp/unturned/pages/414.html
サーバー情報 私、饅頭使いが、暇で作ったサーバーです Skypeでもグループを作っているので、チャットをいちいち打つのが面倒な人や、打ってる間にゾンビにやられたくない人は、Skypeのほうをオススメします サーバー名 対ゾンビサーバー ホームページ なし 管理人名 饅頭使い 最大人数 50 ID(Hamati) 25.1.173.50 PvP なし モード イージー ポート 25444 Sync なし 一言 破壊、PvP、荒らし、チートはなしです ソーシャルリンク Twitter なし Facebook なし Steamグループ http //steamcommunity.com/groups/taizonnbi BANされた人達 0人
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1665.html
全自動復讐システム -初期型- 15KB 虐待-凄惨 考証 理不尽 駆除 都会 現代 虐待人間 独自設定 勢いで書いたら長くなった・・・反省してます ※全自動復讐システム の続編。と言うか過去話。 先に前作を読まれる事を推奨します。 私信:まさか!キリライターさんが挿絵を描いてくださるとは!!超嬉しかったです。 退廃的饅頭虐待クラブ:『パニッシャー』 今夜もクラブは日常に飽いた人々で賑わう。 === 【クラブ『パニッシャー』遊戯台リスト】 === − シュガーケージ - 透明な箱に押し込まれた太ったゆっくりれいむの目の前で、 1週間以上は絶食状態にされた胴付きふらんが2匹。 小さな金網リングに押し込まれ凄惨な殺し合いを繰り広げている。 赤く血走った狼のように相手の手足を噛み千切り。お互いを食らい合う。 勝利した方には目の前に鎮座するデブれいむが与えられる。饅頭は勝者の景品だ。 れいむは、どちらが勝利を収めても噛み千切られ、咀嚼され、中の餡子を吸い尽くされる。 2匹の狼少女が声を上げる。「グギャッ!ギャッ!」。人語にならぬ叫び声。 太ったれいむは箱をガタつかせ叫ぶ。「ヤダァァッイヤダァァッッ!!」。誰も助けてくれぬ。 周囲の人間はニヤリニヤリと勝負を見守る 勿論これは賭けの対象だ。札束がチップ代わりに飛び交う。 - Dポーカー - 2人のプレーヤーを挟んで、多産妊娠により巨大に腹が膨れたドスまりさが1匹 中華テーブルの様な回転台に載せられている。 各ゆっくり種が一定の割合でドスまりさに種付けされ、胎内に存在する。 プレーヤーはドスまりさのまむまむに手を突っ込み、 中から胎児を引きずり出し各種の組み合わせにより手役を作る・・・・ ドスの肛(あな)はデカイ。人間の腕ぐらい簡単に入る。 しかし、直接手を突っ込むと汚れる。さらに帽子の形で盲牌されてしまう。 それではゲームとして面白く無い・・・だから鉄のガントレットを装着し腕をねじ込む。 ドスまりさは1ゲームにつき1匹・・・死ぬ。 動けぬドスはグルグルと向きを回転させられ、2人に交互に鉄腕を突き刺され。 腹に入った子供を無理やり引き抜かれ。凄まじい悲鳴と共に・・・絶命する。 仕込みに手間がかかる為、遊戯代金は決して安くない。 しかし・・・ゲームにハマると抜け出せない・・・もう何人もこのゲームの虜だ。 - デッドエンド - 餓死寸前の胴付きれみりゃを2匹用意し、目の前に大量のゆっくりれいむを用意する。 最初は2匹とも喜んで、怯え逃げ回り悲鳴を上げる饅頭を貪り食う。 徐々にれみりゃは幸せそうに微笑む・・・ギャラリーも悪魔の笑みを浮かべる。 「おなかいっぱいだど~もういらないんだど~う~う~☆」 終わるわけが無い・・・ここから始まるのだ。 スタッフがれみりゃを押さえつけ無理やり口をこじ開け饅頭を詰め込んでゆく。 「やめるどぉぉ!!ぐっふ!!もぉぉぉいらだい・・うぶ」 何個も、何個も、何個も・・・容赦なくれみりゃの口に饅頭は詰め込まれていく。 涙を流すれみりゃは、餓鬼のように腹が膨れ、服のボタンは千切れ飛ぶ しかし、まだ終わらない・・・ゲーム終了の合図は2匹の窒息死だ。 このゲームはどちらが饅頭を、死ぬまでに何個食べられるかを賭けるのだ。 フィナーレが近づくと周囲の人間のテンションも上がる。 「潰して喉に押し込め!!」「気絶させんじゃねぇ!!タバコ押し付けろ!」 - レイパーゲーム - レイパーを1匹、他各種ゆっくりを多数用意。 レイパーに強壮剤を打ち込み精力絶倫状態にしケージに放り込む。 レイパーが腹上死するまで・・・何匹を黒生ゴミに変えられるかを賭ける。 大人、子供、通常種、希少種、犯されるゆっくりの構成と レイパーの好みを読むのがこのゲームの醍醐味。 「犯れ!!犯れ!!犯っちまえ!!ガキでも何でも犯せッッ!!」 観客も黒い生命の営みを楽しむ。 - ブレイクダウン - 幸せなゆっくり一家に、理不尽で苛烈な追い込みをかける事により どの様な『結末』を迎えるかを賭けるゲーム。 子が親を殺すか?親が子を捨てるか?無理心中するか?一家で殺し合いを始めるか? 饅頭の浅い心理ならば結末なんて数えるほどしかない。故に賭けが成り立つ。 ディーラーの追い込み手段。幸せ一家の構成と心境。たまに起こる発狂現象。 読み合いと心理戦が絡み合った思考ゲームだ。 「んん~?れいむちゃんは、どーするのかなぁ?ここでママを裏切れば『君は』ゆっくりできるよ~?」 家族の背後に纏わり付くベットリとした黒い魔の手、見てるだけでも心躍る。 他にも多種多様なゲームが存在する。 しかし、共通点が一つ。『平穏に終了する物など1つも無い』 このクラブホールは ありとあらゆる国籍、ありとあらゆる地位の人間が 欲望のままに虐待を楽しむ地獄の鍋底。人間性など必要ない。 なぜなら相手は饅頭なのだから。殺しても喜びしか残らない饅頭なのだから。 ホールを管理する者は思う。 (俺の国の拷問史が有名なのは知ってるが・・・日本人だって同じじゃないか・・・) 悲鳴、罵声、喜声、嬌声、興奮、落胆、人も饅頭もありとあらゆる声がする。 (よくこんな事思いつく・・・やはり、タケシは何かがおかしい) ホールマスターの劉は、この光景を眺め思う。 タケシの過去を詮索した事は無いが『この発想は異常だ』と。 劉はタケシを恐れてはいない。いや"いなかった"。 むしろ人間的には付き合い易い部類だと思っていた。 聡明で頭の回転が速く、タフで厳しいが仁義を持ち、情にも厚い。 普段は誰に対しても高圧的で物怖じしないが それが、年齢のハンデを補うための仮面である事を知っていた。 むしろ当初はタケシを利用するだけ利用して いずれ全ての事業を自分が乗っ取ろうと考えていたぐらいだ。 しかし、あの日 クラブ『パニッシャー』を組織のボス達にプレゼンする日 自分はタケシに絶対適わないと悟った。 ─── 1年程前 劉はクラブ経営のビジネスプランを饅頭処理場の古汚いオフィスで聞いた時素晴しいと思った。 金と人脈。日本企業に勤めていた時代、自分にとって喉から手が出るほど欲しかった財宝だ。 それが両方一気に手に入る。その上、値千金の政治情報も手に入る可能性だってある。 それらを駆使すれば母国に戻って政治中枢に就く事も夢ではなかった。 10年も組織に奉仕し信用を得た暁には『俺がそっくりそれを頂こう』と思った。 だから、タケシには釘を刺した。 「素晴らしいビジネスプランだ。しかし、まだ時期が早すぎる俺達には信用が足りていない」 「劉。人生の先達者としての忠告は真摯に受け止める。だが俺はやるぞ」 「タケシ。それは無謀だ。勝算が低い。俺達は利益を上げてるとは言え新参者だ。 俺は30歳、お前に至っては20歳じゃないか。俺達が所属してるのは進歩的な優良企業じゃない。 裏社会の組織だ、ヤクザ社会の年功序列を甘く見るな」 「俺は自分を曲げる気は無い。」 「じゃあ、勝手にしろ!」 その時は、まだタケシを甘く見ていた。 何だかんだ言ったってできるはずが無い。二十歳のガキだ。 アイデアは良くても大局観の無い鉄砲玉としか思えなかった。 しかし翌日その考えは大きく覆された。 タケシはあろう事か、組織の長に直談判し殆ど強引に 裏社会の幹部や、それに連座する闇の政治家達へのプレゼンを取り付けたのだ。 冗談では無かった。 10分の時間を割くにも半年前からアポを入れなければならない人間を一同に集めてプレゼンをする。 それは、学級会のお友達発表とはワケが違う。 相手はその場で社会的にも物理的にも自分達を抹消できる権力者だった。 難しい事は何も無い。「不愉快だ二度とそいつらの顔を見せるな」と部下に言えば良い。 そして自分達は永久に"居なくなる" 安っぽい小説では無いが冗談抜きでタケシは自分の命を交渉のテーブルに上げたのだ。 劉は最初、10歳も年下の同僚の首を絞め殺してやろうかと思った。 だが、殺せば後の責任は全て自分に来る。できなかった。 逃げようとも思った。だが劉は出世を焦るあまり顔を売り込みすぎていた。 どこに逃げたってあっという間に捕まるだろう。捕まった後は考えるまでも無い。 プレゼンの失敗時は、全ての責をタケシになすり付けようかとも思った。 しかし、そんなに甘ければ苦労はしない。後釜を狙うライバルは何人も居た。 とどのつまり、劉はタケシに協力せざるを得ない。 しかも全力で、死に物狂いで。プレゼンを成功させる為に。 それしか生き残れる道が無かった。 プレゼン当日。 いやその大分前から劉は気が狂いそうだった。資料作成に没頭できている内は良かった。 しかし前1週間、ありとあらゆる可能性を検討し終えたスケジュールの有余期間は まるで死刑執行の猶予期間に感じた。リハーサルを100回以上繰り返しても不安は消えない。 当然ながら食事は喉を通らず夜は眠れない。点滴と睡眠薬を多用した。 水分は辛うじて摂れたが、そんなものは冷や汗と脂汗ですぐに放出された。 発表前、タケシが自分のオフィスから中々出て来ない時など ストレスが頂点に達しドアが開いた瞬間に怒鳴りつけてやろうと思っていた。 だが・・・・・できなかった。劉はその時初めてタケシに恐怖した。 オフィスから出てきたのは人間ではなかった。 そこに鬼をみたからだ 巨大な饅頭処理場を前にタケシは満足していた 喧しいゴミどもが、ワケも分からずブルドーザーに救い上げられ ベルトコンベアーを登り巨大なミキサーに落下し、無慈悲に殺される。 一匹たりとも例外は許さない。 泣こうが、喚こうが、巨大なブレードはゴミを粉微塵にする。 処理した生ゴミは乾燥後、土と混ぜ合わされ有機肥料にされ出荷される。 欲望のままに増える生ゴミを収集する事で利益を得る それを支援する政府から利益を得る。有機肥料を売る事で利益を得る 機械処理が多いので支出の割合は僅かだ。 恐ろしいまでの利益率だった。 汚らしい浮浪者のようなゴミ饅頭が機械に文句を言うのは滑稽そのもの。だが不愉快だ。 その直後に、ミキサーブレードの回転音の中に聞こえる悲鳴は心地よかった。 饅頭は原型を留めず肥料になり袋詰めされ出荷するシステムは完璧だと思った 24時間365日ゴミを処理し続ける。 休み無くシステムはゴミ饅頭を処理し続ける。 ミキサーに放り込まれるのと同じ速度で袋詰めされた有機肥料が生産される。 不幸と害悪しか撒き散らさないウィルスの様な饅頭が 有機肥料になり人間と自然に役立ち利益まで出す。 最初は確かにタケシの心には達成感が満ち溢れた。 しかし・・・・・すぐに空しくなった。 その頃、タケシは職場である処理場で物思いにふける事が多かった 一日中、機械を見ながら考え事をしている事さえあった。 相棒は「疲れたのだろう。俺に任せてお前は少し休め」と声をかけ 成功を自分の功績として周囲に宣伝するのに忙しく走り回っていた。 タケシは同僚の行為に腹が立つことは無かった 彼が居なければ成功しなかったのは、紛れも無い事実だからだ。 さらに言えば、功績や利益などは正直どうでも良かったからだ。 悲鳴と機械音の中でずっと考えていた。 2年前復讐を誓った自分を思い出す。 安アパートの一室でゆっくりの醜悪な声の中で誓った言葉を思い出す。 (・・キサマラ・・・・ジゴクニ・・・・オトシテヤル・・・) 瞼の裏に何時でもその映像は鮮明に映し出す事ができた。不愉快で漆黒に満ちた記憶。 しかし、問題が。酷く難解な問題が目の前にあった。 (・・・ゆっくりは死ぬと地獄に落ちるのだろうか? 業火の海に焼かれたり、鬼に切り刻まれたり、針山に刺されたり 永遠の苦痛を味わうのだろうか? 答えは"否"だ。 饅頭は死ねば土になる。唯それだけだ。皮肉な事に"自分がそれを証明してしまった" (ゴミは潰しても地獄に行かない。ゆっくりには『行ける地獄が存在しない』) では、どうすれば良いか? 簡単だ。 ・・・創れば良い ・・・・・"地獄"を創れば良い ・・・・・・・オレガ ジゴクヲ ツクッテ オトシテ ヤレバイイ タケシはその夜すぐに劉をオフィスに呼びつけ、自分の新たなビジネスプランを相談した ─── 現在 大盛況を収めるクラブを眺め、劉は1年前のプレゼンの日を思い出し考える。 『あの日のアレは何だったのか?』と。 日本人特有の"神風"と言うやつか? 違う。タケシは何かの為に死ぬ人間じゃない。 むしろ何かを成さんが為に、全てを敵に回してもそれを叩き潰す人間だ。 タケシは拳銃のような人間だろうか? 意思も無く、情も無く必要に応じて問答無用で対象を瞬時に殺す。 違う。タケシは殺し屋みたいな小悪党じゃない。それ結構情に厚い。 戦争帰還兵で心を傷つけた人間はあんな感じだろうか? 違う。そもそも外部の圧力で心が病むとか治るとかでは無い。 何かこう、論理思考の位相がズレているというか・・・ あいつは悪魔や物の怪の類では無いのか? しかし、それも違う。悪魔や妖怪は奸智や誘惑で人をたぶらかす。 それはとても『人間的』だ。 あの日感じた・・・気迫や気合などと言う生易しいモノではなく 殺気や怒気などと言う人間的な感情では無く もっともっと恐ろしい名状し難い、あえて言うなら何だろう? 目を見た瞬間に「こいつの言う事を聞かなければ自分は問答無用で死ぬ、 有無を言わさず殺される」と言う圧倒的な力を目の前にした様な感覚。 ・・・死鬼人? 劉は自分の文学センスの無さに呆れる こんな不良中学生がイキがってつける様なダサい名前しか思いつかない。 しかし、字面だけで判断するなら決して間違えていないと思えた。 ─── プレゼン当日 タケシは処理場の狭いオフィスで独り悩んでいた。 (劉の言っていた事は全面的に正しい。 今の信用度で企画を持ち込んでも上の心象を害する公算は高い) だが、あの時のタケシにそんな事を考えられる心の余裕は無かった。 (自分が死んだら・・・母は悲しむ 生涯生活に問題ない分の仕送りは既にしてある。 しかし、父に続き、息子まで無くしたら母はきっと悲しみに耐えられないだろう。 それは金銭で解決できる問題では無い・・・・) 今更ながら自分の行為にゾッとしている。感情に走りすぎていたのでは無いか? もっと時間をかけるべきではなかったのか?劉の言う通りハイリスク過ぎたのでは無いか? しかし、もう遅い。自分達の命はテーブルの上だ。 正直恐ろしかった。 自分が死ぬ事が、では無く死んだ後の母の孤独が、だ。 「クソ!どれもこれもクソ饅頭のせいじゃないか!」 タケシには珍しく逆切れ気味な状況になっていた。 近くにあったゴミ箱を思いっきり蹴り上げ、苛立たしげに鍵がかかったロッカーを開く。 出てきたのは・・・ダンボールに詰め込まれた数十匹のゆっくりれいむ。 乱暴にデスクの上に放り出し。罵声を浴びせる。 「おい!!クソ饅頭てめぇらのせいで何で俺達が命賭けなきゃ何ねーんだぁ!あぁッ!?」 タケシらしく無かった。全ての元凶を見直す時の心情は常に『冷たい怒り』だ。 こんな風に八つ当たりをするのは初めての経験だった。 しかし、ダンボール箱の饅頭はいつものように卑屈に怯えていた。 「ゆっぐり・・・ごべんなざい・・れいぶ・・・あやばります・・・」 「うるせぇ!!黙れ!!生ゴミ!!」 タケシは生ゴミ達に背を向け、何とか平静を取り戻そうと努力した。 「だがら・・ゆるじでぐだざいぃぃ・・・・・」 冷や汗が流れ出ている背中に刺さるゆっくりれいむの言葉。 ピキィッ! "ユルシテクダサイ" "ユルシテクダサイ・・・・?" "ユルシテクダサイ!?" 1つの単語が脳内に反響し、ユラリと生ゴミに振り返る。 こいつは今なんと言った? 「許してください」と言ったのか? 自分がまだ『許される存在』だとでも思ってるのか? 自分がまだ『謝れば許される存在』だとでも思ってるのか? 自分達にまだ『ゆっくりできる可能性』があるとでも思っているのか? クソが・・・・ クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! 視界が赤くなる・・・息ができない・・・声が出ない・・・ 「ッククククククッカカカカカカッカッハハハハアハハハァァァァ クゥゥゥーーーーーーカッハァァァ!!!」 駄目だッ駄目だッもう我慢できん!! 「グッッガァァァッッゥッゥゥゥゥアアアァァァァ!!!!!!」 左手でれいむを一匹掴みあげると、空いた右手で思いっきり眼窩に手を突っ込む。 ズブンッ! 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!いだぁぁぁあいいいいい!!!」 涙が流れ出る眼球を思いっきり掴み潰す! 「ゆがぁぁぁぁぁ!!!!ゆぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁッッ!!!!!! (コスロナ!!コロスナ!!マダコロスナ!!マダコロスンジャナイ!!) タケシの頭の片隅で緊急アラートが鳴り響く。 コメカミが異常な程熱い。血が沸騰しているのが自分でも分かる。 「ッククッククゥゥゥフゥッフゥゥゥゥー・・・・・ ・・・・ぶーーーーーーばぁーーーーーー・・・ ふーはー・・・すーはー・・・」 深呼吸を繰り返すタケシ。他の生ゴミは突然の狂雷にビクビクしている。 冷静さを取り戻したタケシは左手の饅頭をダンボールに放り込み手を拭く。 (ユルサン・・・俺の前に立ちふさがる奴らは何人も・・・許さん。 俺の復讐を邪魔する人間は誰であろうと排除してやる。 手段は問わん・・・・問う時間さえ惜しい・・ 目的を完遂する・・・反発する人間・・・? 何を馬鹿な事を『そんな人間』イルワケナイジャナイカ?) タケシの目と表情には、あの日の凍結した怒りが戻っていた。 「おいクソ饅頭。お前らに生まれて初めて感謝するよ 初心に帰れた。素直な気分に戻れた。未来に対する不安が無くなった。 お前らの"地獄"を最短最速で創る事に躊躇する自分がどうかしていた こんな事を見失ってた自分がどうかしていた・・・・本当に最悪だよクソッタレ共!」 言いながら、ロッカーに手早くダンボールをしまい込み厳重に鍵をかける。 スーツの襟元をただし、デスクの上の資料を小脇に抱えオフィスのドアノブに手をかける。 「やはりお前らは最悪のクソだよ」 ロッカーへ向かって呟いた後に タケシは劉と共にプレゼン会場へ向かった。 ================================================================= (`Д) クソ!右を見ても左を見ても皆タケシ!タケシ!タケシ!俺だって頑張ってるんだよ! J( ー`)し リュウ。良いんだよムリしなくて。お母さんは頑張ってるの知ってるから。 ( A`) 媽媽(カーチャン) ================================================================= 作:六人 他: ふたば系ゆっくりいじめ 212 下卑た快感 ふたば系ゆっくりいじめ 254 アザーワールド ふたば系ゆっくりいじめ 515 公認虐待 ふたば系ゆっくりいじめ 737 真理の扉 ふたば系ゆっくりいじめ 758 全自動復讐システム トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓×7 ↓×5 俺は「希少種愛で派」だけど、好みは人それぞれだから気にしない。 胴付きだろうと、希少種だろうと、プラチナバッジだろうと、 需要があり儲かるのなら、実行するのが人間だろう? -- 2018-03-12 22 42 54 うんちぶりぶり~ -- 2016-02-21 11 47 36 主人公がうざい。 -- 2013-08-06 00 59 10 ↓↓あなたの中の常識が全世界の常識と言われても…… -- 2012-02-19 17 32 57 ↓この世に絶対など無い -- 2011-09-04 16 50 22 ↓ざけんなハゲ れみりゃ虐めは絶対のタブーだボケ -- 2011-09-04 10 50 57 ↓私的な好みなんぞ誰の知った事でもないよ。 思い上がっちゃ駄目だ。 -- 2011-01-22 16 44 44 私的に捕食種は虐めたくないです -- 2010-09-04 04 49 34
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2061.html
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/13(月) 21 32 02.56 ID 7xe5o42CO [10/20] 纏さん流バレンタイン 男「うおぉぉぉぉぉ! チョコ欲しいよおぉぉぉぉぉ!」 纏「何を叫んでおるんじゃ、主は……」 男「おぉ、ちょうど良かった! 纏さん良ければ俺にチョコをお恵みください!」 纏「ちょことな? なんじゃ、主ゃあ口寂しいのかえ?」 男「え、いや口寂しいっていうか。今日バレンタインじゃんよ」 纏「儂には関係ないのぅ。西洋の行事を祝う気なぞ、さらさらないわい」 男「えぇー、そんなこと言うなよー。俺がもらえそうなのお前しかいないんだからよぉー」 纏「馬鹿を言うでない。そんなに腹が減っておるなら、饅頭でも食べるかえ?」 男「おいおい、俺は腹が減ってるからチョコを所望してる訳じゃないんだけど」 纏「いらぬなら儂が食べるぞ? 七宝堂の紅白饅頭じゃぞー」 男「えっ。七宝堂ってあの高級和菓子の?」 纏「そうじゃ。儂でも滅多に食べることの叶わぬ代物じゃ」 男「……じゃ、じゃあせっかくだしいただこうかな?」 纏「現金な奴め。ほれ、くれてやるゆえいやしく食べるがよい」 男「うっひょー! いただきまふ!」パクッ 纏「ぬふふ……食べたな、主よ?」 男「えっ……食べたけど、それが何か?」 纏「別に? 主にやった物じゃ、好きにするがよかろう」 男「なにそのリアクションすげぇ気になる!」 纏「何でもない、何でもないぞえ~」ホホホ 男「その笑い方、絶対なんかあるだろ!」 纏(察しが悪いのぅ……紅白饅頭と言ったら、結婚式の引き出物じゃろうが///) 纏(ちょこなぞ儂の柄ではないからのぅ……)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3110.html
『ゆっくり駆除業者のお仕事風景3』 22KB 愛で 考証 駆除 もう少し続きます。お付き合いくだされば幸いです。 初めましての方は初めまして 前作を見てくださった方はありがとうございます。 投稿者の九郎です。 タイトルどおり前作の続編です。 いくさんをかわいがるので饅・即・虐の方はご注意。 ――――某日、午前6時―――― いつもの街周りの駆除。ただいつもと違う条件が一つ。 それがザーザーという音を奏でる激しい雨音。 集積所をマシンに乗って出発した俺はビル街に向かって郊外を移動していた。 元々気温の低い朝方は雨で一層気温が低下いていた。 雨の中手がふさがってしまう傘は使えないのだ。 レインコートをを着た俺は顔に雨がかからないように若干顔伏せながら進む。 「よっと…」 「ぶぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」 黒い帽子に金髪のゆっくり、まりさを 駆除用マシンのシュレッダーの蓋を上げて中に押し込んだ。 いつまでたっても聞き慣れない断末魔を耳にして顔をしかめる俺。 「あー面倒くさいなぁ…」 というわけで、今回は雨の日のお仕事風景。 ――――同日、午前7時―――― 雨に限らず、水は身体を構成する物質上ゆっくりにとって 非常に危険なものである。 雨に濡れれば数時間で溶けてドロドロになってしまう。 全身が水没すれば一分そこらで命がない。 そんなあいつらでも一人前に水分を摂取することはできる。 だが、各研究機関の報告によれば水を与えなくても 食料を与えてやれば生きていられるらしい。 それは彼らの特性『思い込み』の産物だという。 「冷てー…」 いつものビル街までマシンに乗って移動してくると俺は降りる。 通勤ラッシュで人ごみの多い大通り。 歩道は傘をさした人で溢れかえりいつも以上に混雑して見える。 モップとちりとりを持って裏路地に入る。 雨の下に饅頭共が自ら出てくることはまずありえない。 だからこそ歩き回って巣を見つけ出していかなければならないのだ。 路地裏に捨てられているダンボール。 積まれたビールケース。 このあたりには雨をしのげる場所が多くある。 ただ、回収するのは雨風をしのいでいる奴とは限らない。 「ゆ゙っ……ゆっ゙……」 「いやがったな…」 地面に半溶けで動けなくなっている哀れな饅頭が呻き声を上げていた。 このれいむはすでに饅頭としての球体すら保っておらず 奇怪な形に変形した状態で無抵抗に雨を浴びていた。 どうしてこうなったかは知らないが、もう助からないだろう。 俺はモップとちりとりを使って回収にかかる。 「ゆぶっ…」 モップで移動させようとすると身体が緩くなっていたので形が大きく崩れてしまった。 れいむは短い断末魔を残し息絶える。 ドロドロになってしまっている饅頭の皮や餡子を 全て回収しきることなど不可能だ。 ある程度ちりとりに収まったのを確認すると俺はその場を後にした。 後は雨が洗い流してくれるだろう。 ――――同日、午前8時―――― 『思い込み』の特性。 それはゆっくりがそうである、と認識したものが 実際にそうなるという非現実的な現象である。 ただ、あくまでこの特性は通説の域を出ない。 そうである、と思い込むだけで物事が成立してしまうようでは この世に秩序、規範、法則といったものが存在しなくなる。 学術的にはいくつかの説明パターンが発表されている。 例えば各種族の能力、そして先天的に知っている本能。 本来では生物に成し得ないはずの能力変化の発生が主な研究対象だ。 例えば生まれてきての第一声、産声が 「ゆっくりしていってね!!!」の一言であるのは有名な話だ。 イルカが生まれたときから泳げるのとはまた違い 生まれたときから言葉を発することができるのは この特性の恩恵という見方が強い。 「ひでぇ雨だな…」 いつものコースを回り、住宅街にやってきた。 雨は収まる様子を一向に見せず、地面を打っていた。 元々人通りの少ないこの時間帯、大雨の為さらに人は少ない。 いつもなら家屋を見て回るのだが、雨ざらしの庭先に饅頭がいるはずも無い。 いるとしても、軒下や場合によっては屋根つきの駐車場、車の下にいるかもしれない。 もっともビル街と違いプライベートな環境の多いこの場所で あちらこちらを念入りに覗いて回るわけにはいかない。 主に奴らの甲高い声を頼りに捜索することになる。 「なによあんたたち! 汚いから入ってこないで!!」 「あめはゆっくりできないんだぜ!! しょうがないからここでゆっくりしてやるから とっととばばあはでていくんだぜ!!」 「とっととでてってね!!」 その声を聞いて俺はマシンを飛び降りて走り出す。 声を頼りに進んでみると一件の民家の玄関先に 主婦らしき女性が立っており 足元にはクソ饅頭共が集まっていた。 「駆除業者です!」 「ああ早く!早く追っ払って!」 「ゆ?じじいはかんけいないんだぜ! とっととゆげえええええええええええ!!!」 「おどーじゃゆぎいいい!!!」 山狩りのときにも使っていた50cmほどの籠に 六匹のゲスらしき饅頭をさっさと放り込んでやる。 中でまだ生きているようだがこいつらにかまっている時間はない。 「大丈夫ですか?」 「大丈夫なわけないでしょ! 玄関と靴が汚れちゃったじゃない!! こうなる前に駆除するのがあんたたちの仕事でしょ!! ちゃんと働きなさいよ!!」 「すみません!すみません!」 「ああもう時間がないじゃない! 私が何でこんな…」 ぶつくさ言いながらドアを閉めた。 正直ムッとしたがこれも仕事のうちだ。 それに誰だって雨の日にこんな奴らが現れれば機嫌も悪くなる。 俺は自分をそう納得させその場を後にした。 ――――同日、午前9時―――― 『思い込み』の特性を人間が確認できる形で実証するには 生まれたばかりの所謂、赤ゆっくりを使った実験が主流。 お前の親は俺だ、お前はこれしか食べられない そういった内容をひたすら覚えこませるという手法。 はっきりとした実証データが公開されている中には 『お前の親はれいむで通常種だ、と教えて育てたれみりゃが生涯捕食をしなかった』 『お前はぱちゅりー種より頭がいい、と教えたまりさ種が多くの読み書きを覚えた』 というものがある。 つまりは根源的な部分は変わらなくとも そうであると思い込むことで変化が生じるのである。 俺はビル街に戻ってきていた。 雨は相変わらず。人々は傘をさして道を行く。 いつも通り路側帯を進むが たまに乗用車から水溜りの水がはねてくる罠があり落ち着かない。 「ここか…」 俺はビル街にある倒産会社の投棄されたままの廃ビルにたどり着く。 ここに一軒残っている廃ビルは饅頭共の格好の住処となる。 雨の日は特に逃げ場がなくなるためここに集結している 野良の饅頭共を一網打尽にできるのである。 「よし、行こうか」 ガラスの扉を押して中に入ってみると…いや、実は中に入る前から聞こえていた。 「ここはまりさのゆっくりぷれいすなんだぜ!!」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!そのあまあまちょうだいね!」 「んほおおおおおおおおおお!!!れいむかわいいよれいむうううううう!!!」 「うえのかいはあんぜんなんだね!わかるよー!」 「おかーじゃんどこおおおおおおおおお!!??」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 俺は我知らずやれやれ、と肩をすくめていた。 …醜い。あまりにも。 右奥ではおかざりを失ったまりさが攻撃を受けている。 左ではレイパーと化したありすがれいむを襲っている。 手前では子連れのゲスれいむが恐喝ををしている。 今日はちょっと豊作過ぎるだろう。 いくら野良ゆっくりが雨風をしのぐのに都合のいい場所とは言っても 限度というものがある。 俺の眼前には数十匹のクソ饅頭共が同族同士で揉めに揉めていた。 仲良くしている個体など一つもいなかった。 「ゆ!にんげんさんがきたよ! かわいいれいむにあまあまちょうだいね!」 「黙れ」 ドガ! 「ぎゅいいいいい!!ぐげ!!」 俺の蹴りがジャストミートしたれいむが正面奥にあった INFORMATIONと書かれたテーブルに激突する。 「ゆ゙げぇ…」 背中から激突したため顔がこちらを向いていた。 目玉はあらぬ方向を向き口は限界以上に開かれ中身がよく見える。 これで可愛いなどと言うとは図々しいにも程がある。 俺はこの仕事を始めてから数ヶ月たって気付いた。 仕事のマニュアルには『バッジ付きは殺すな』とある。 俺はそれを頑なに守って一匹一匹チェックをしていた。 初日に銅バッジを見つけてIDナンバーを照合して 持ち主を見つけたという偶然もある。 だがそれ以降、一度もバッジ付きを見ていない。 そして銅バッジゆっくりなど、いくらでも替えが効くということ。 要するに 『殺したところで黙ってれば誰も気付かない』 ここなら段差がなく、駆除マシンの乗り入れが可能だ。バリアフリー万歳。 つまりはいくら荒れてもマシン底部の電動モップを使えば 掃除はそれほど大変ではないということ。 そして決定的だったのが、以前の山狩りでの揺さぶり。 『じゃあ、虐待しまくって遊びたい?』 『君は同時にどちらにも傾ける猶予がある』 あの言葉、頭に残ってしょうがない。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!!?」 いくさんに暴力を振るう?冗談じゃない。 「まりさにあまあまもってくるんだぜ!!」 だけど今目の前にいるクソ饅頭共は? 「おぢびじゃあああああああああああん!!」 決まってる、こいつらの処遇は 「虐殺ですっ(はあと)!!!」 「ゆぎゃあああああああああ!!!」 足元にいたもう一匹のれいむを蹴っ飛ばした。 次はまりさを蹴り上げて、モップで水平に打つ。 「ゆ゙ぶべ!」 インパクトの瞬間に僅かにしなることでジャストミートを伝えてくる。 まりさは飛んでいかずにその場で文字通り砕け散った。 「そうれっと!!」 「ぐぎゃ!」 その場でジャンプ。両足を揃えてありすを踏み潰す。 「刺して…そりゃ!そりゃ!でぇい!!」 「ゆぶえ!ゆぎゃ!ぐげ!!」 モップの柄の方で刺して持ち上げ、空中での蹴り3HITコンボ。 「ええい、めんどくさい!」 俺は外からマシンに乗って再び中へ。 ガラス戸には鍵があったので掛けておく。 これでクソ饅頭共は逃げることが叶わない。 「全速前進DA!」 電動モップをONにして、さらにマシンのシフトを高速にして 饅頭共を生きたままミンチにする。 「こっちこないでね!」 「ぐぎゃああああああああ!!」 「いだいいだいゆべべべべべべ!!」 「ごわいいいいいいいいいい!!」 「WRYYYYYYYYYYYYYY!!!」 左手でマシンを操縦し右手のモップで横にいた饅頭共を 叩いたり突いたりする。 馬術のようだ、などと自己陶酔に浸りながら。 ――――同日、午前12時―――― 『思い込み』の発生条件は何も赤ゆっくりへの刷り込みだけではない。 自身の欲望や、特有のご都合解釈で勝手にこうである と決め付けることで見られるケースもある。 例えばこんな実証データの報告がある。 『あるところにゲスの母子れいむがいた。 そこへ比較的母性の強いゲスれいむをけしかけて親を攻撃させる。 すると元々の親れいむ以外は状況を有利に進めたもう一匹のれいむを親と仰ぎ 後々まで直接縁のないれいむと子れいむが仲良く生涯を送った』 つまりはこうであったらいいな、という状況を人為的にでもいいので 作り出してしまえばそれを結果的に事実と受け止めるのだ。 廃ビルで必要以上に暴れまくった俺は多少消耗していた。 食事休憩をしたかったのだがびしょ濡れのレインコートで すぐそこらの店に入っては迷惑だ。 というわけでいつものコースを外れてアーケード街まで足を伸ばしていた。 人通りが多いがここにも雨をしのぐ野良ゆっくりがいないとも限らない。 俺はレインコートを脱いで他の迷惑にならないように留意しながら バタバタとさせて水気を取り、マシンのへりに引っ掛けた。 「んしょっ…ふああああ…」 伸びをすると気が抜けたせいか欠伸が出てきた。 少しの間マシンに座って疲れを取った後 コートを荷台にしまい、駐輪場の横の空きスペースにマシンを止めてキーを抜いた。 「あの、すみません駆除業者の方ですよね?」 「え?ああ、はい」 普段入らないファミレスでも入って飯を食おうかと思っていた矢先 唐突に女性に声を掛けられた。 エプロンを付けてはいるがそれ以外は普通の装い。 飲食店の店員とはちょっと思えない。 「うちの店の裏手に野良ゆっくりがいるんです 回収してもらえませんか?」 「はい、分かりました。どちらですか」 「こちらです…」 案内されたのは理髪店の裏口だった。 裏口の直上にはちょっとした屋根があるが基本的にあたり一面雨ざらし。 その雨ざらしの中に例によって雨を被って半解けとなった饅頭共が三匹いた。 「こいつらですか、すぐ片付けますんで」 「どちらへ?」 「ああいえ、ちょっと駆除車のレインコートを取りに戻ってきます」 「それでしたら、こちらをお使いください」 大きめの傘を差し出してくる。 「でもちょっと、手が塞がっては回収が難しいんで」 「じゃあ、私が持ちますから」 傘を開いて俺の隣に並ぶ。 その様子を見て俺は少々違和感を覚えた。 一刻も早く、或いは目の前で回収して欲しいのか? 持ちますから、という台詞から少しだが苛立ちが感じ取れた。 「ああ…はい、では回収しますんで、傘お願いします」 「はい」 俺は女性の持つ傘に入った状態で ちりとりとモップを使い回収にかかった。 饅頭共は三匹ともまりさ種だ。 三匹を回収するにはちりとりが小さい気もするが 経験上ドロドロになった饅頭は隙間無く中に収まるため 何とか回収できることを知っている。 「―――れ……!――――り…………っ…!!」 途切れ途切れで、小さく、呻き声と聞き違えそうになったが 一匹のまりさ種が何か喋った。 「ありがとうございました」 「いえいえ、仕事ですから」 三匹を回収し終えると俺は女性と別れてアーケード街に戻ってきた。 ちりとりに入った餡子をマシンに入れていく。 あのまりさは、死に際に確かにこう言った。 「ぐぞどれい…!よぐもまりざざまをっ…!!」 そして俺は見逃さなかった。 溶け残っていた帽子のつばにバッジが付いていたと思しき 小さな穴が開いていたのを。 あれは、彼女の飼いゆっくりであったのではないだろうか? ゲス化して手がつけられなくなったのを俺に回収させたのではないか? だがバッジ付きを、それも同じまりさ種を三匹も買うのは不自然だ。 まさか、回収させるためだけに野良を捕まえてきて 雨の中に放った上で俺を呼んだというのか? いや、それは流石に深読みしすぎなのか…? 俺は釈然としないものを頭から追い出して 食事できるところを探した。 ――――同日、午後2時―――― 『思い込み』がどの程度まで効力を発揮するのか。 その疑問には長らく予想も、仮説も、暫定的な回答さえ得られないでいた。 が、最近になってある論文が発表された。 『昨今、研究内容において様々な『思い込み』を 題材にした実験が行われているが そもそもその考え方自体に誤解があったのではないか。 人間の能力限界を数字で表すことはできない。 オリンピックにおける世界記録が 上書きされていくことを見てもそれが確認できる。 ということは、実験においてゆっくりが種の性質に反する 行動や能力を発揮するのも思い込みなどではなく 状況と、それに伴う努力や教育が生んだ成果と言えるかもしれない。 加えて思い込みの実験においては特異な才能にのみ 焦点が当てられてきたが、例えば まりさ種が帽子を使って水上を渡ることの得意不得意も ありす種が過度の発情によって他の個体を襲い死に追いやるのも れみりゃ種が胴付きであるかそうでないかも それぞれの遺伝、環境、経験などがもたらした 同じ理由による個体能力差ではなかろうか。 結論を述べれば、ただ単に我々は ゆっくりの能力限界を過小評価していただけなのかもしれない』 食事も終えた俺はいくらか気力を回復し 駆除の仕事を続けていた。 なのだが、実は食事してからまだ一匹も回収していない。 探し回っているのだが、饅頭が一匹も見つからないのだ。 いつものコースに戻り公園に来ている俺。 木の根元や公衆トイレ、遊具の影など さまざまな場所を捜索しているのだが クソ饅頭は影も形も見えなかった。 「ん、まあ居ないなら居ないでいいんだけど」 雨が降っている公園はどこまでも無人だ。 俺は雨に塗れたベンチと 人が入れるように整備された芝生を見て先週の休日を思い出していた。 ――――六日前、午後3時―――― 「いくさん、行ったぞー」 「はい!」 いくさんがぴょんぴょんと移動する。 俺は芝生の上に座りいくさんとキャッチボールをしていた。 ボールは安全第一で考えた結果、紙風船だ。 最初はつまらないかと思ったがいくさんもゆっくりだ フワフワとゆっくり飛ぶ紙風船を気に入って室内屋外かまわず 楽しそうに遊ぶ。 それに屋外では風に煽られるせいもあって落下点は予測しにくい。 俺はともかくいくさんにとってはそれなりの運動になった。 「えい!」 羽衣で紙風船を打ち上げる。 しかも器用にバレーのトスの形でだ。 「ほいっと」 俺の横に落ちてきた紙風船を打ち上げる。 いや、打ち上げる、の表現は間違いだ。 簡単に変形してしまうそれに衝撃を与えるわけにもいかないので 手に軽く乗せてからすくい上げたというのが正しい。 「うしろですね!」 いくさんの頭上を飛び越えた紙風船を追って再び移動。 ああもう、可愛いなぁ。 俺はほんわかした気持ちでいくさんを見ていた。 「あ」 「おとしてしまいました…」 地面に落ちた紙風船を拾うといくさんはそれを持って俺のそばに来た。 「少し休むか」 「はい」 紙風船を折りたたんで鞄にしまっていると いくさんはいつも通り胡坐をかいた膝の上に乗った。 俺は緩やかな風を感じながらいくさんとこれ以上ないくらい ゆっくりとした休日の午後を過ごしている。 「ゆゆっ!!なかなかいいびゆっくり(美ゆっくり)だぜ! まりささまのめかけにしてやるからこっちにくるんだぜ!! まりささまのてくにっくで」 「死ね、今すぐ死ね」 「ゆげっ!!ぐひゃっ!!ぶげ!!やべ!!いだ!!」 雰囲気ぶち壊しのゲスが登場。 俺はそちらには目も向けずにトンガリ帽子の頂点から 地面に対して垂直に拳を何度も振り下ろした。 「とどめた!いくさん!10まんボルト!!」 「ピ~○チューーーーーーーー!!!!!」 「ゆべべべべべべべべべべべべっべべべべべ!!!」 羽衣の先端から青白い電気が伸びてゲスまりさを襲う。 勿論そんな大出力が出るわけが無い。 さすが空気の読めるいくさんは違った! 「おうクソ饅頭、よくも俺のいくさんに手を出そうと してくれやがりましたですね?」 俺は真っ黒、とは言わないが少々焦げた臭いのする クソ饅頭を威嚇する。 「ぐぎぎぎぎぎぎぎ…!! どれいのぶんざいでまりざざまにざがらうどは いいどぎょうなんだぜ!!」 この期に及んで俺のことを奴隷呼ばわり。 さすが空気の読めないクソ饅頭は違った! 「いくさん、今度はバレーボールをしよう」 「…! はい、わかりました」 いくさんは俺のやろうとしていることを察して羽衣を構える。 「レシーブ!!」 「ゆわああああああ!!!」 俺がすくい上げるように饅頭を空中に放り出す。 「とす!!」 「ゆべっ!!」 いくさんが先ほどの紙風船の時と同じ要領で打ち上げる。 ただし、今度は全力で。 そして、ちょうどいい高さに落ちてきたところで 「スパイク!!」 「ぎゅぶ!ぐげ!!」 俺のスパイクを受けて地面にたたきつけられた。 破裂しない程度の力加減により何とか饅頭の形状を保って 痙攣をしているクソ饅頭。 「さて、まだ言いたいことはある?」 「ごべんなざいごべんなざい!! ぞのゆっぐりはにんげんざんのめがげでいいでずがら だずげでぐだざい!!」 「…ぽっ」 「赤くなるな」 いくさんは羽衣で両頬を押さえて「いやんいやん」と 言わんばかりに顔を振っている。 電気を食らったのはよく分からなかったようだが 先ほどのトスでいくさんが自分より強いことを察したのだろう。 亭主関白の夢想は儚く崩れ去った。 その後、彼の行方を知るものは誰もいなかった…。 ――――今日、午後4時―――― 公園を休日のほんわか気分のまま出た俺は 上機嫌で集積所目指して郊外を移動していた。 雨は大分緩くなっていて今は小雨と言える塩梅になっている。 「クソ饅頭どこだ?潰してやるZE!」 相変わらずテンションコントロールがおかしい俺。直す気は全く無いが。 前、後、左、右、上…にいるわけない、最後に下。 すると、地面に黒い水が流れているのが見えた。 「こいつはひょっとして…」 マシンを降りて黒い水が流れてくる先を辿っていく。 黒い水はマンホールを越えて、壁に沿って進み たどり着いた民家の門の中から出ていた。 ピンポーン 「すみませーん、ゆっくり駆除業者ですがー!」 呼び鈴を鳴らして十数秒、インターホンから女性の声がした。 「何ですか?」 「こんばんは、ゆっくり駆除業者のものですが こちらのお宅からゆっくりの餡子が溶けた水が流れ出ているんで ちょっと確認させてもらってもいいですか」 「あ、はーい、今出まーす」 一分後、玄関から主婦らしき恰幅のいい女性がドアを開けた。 「すみませーん、どこから出てるんでしょう…?」 「お庭のほうからですね、失礼します」 傘をさして出てきた女性と一緒に庭のほうへ回る。 「やだ!なにこれー!?」 庭に回ると、ビニールシートやダンボール、新聞紙などがあった。 元は綺麗に積まれてビニールシートを被せられてトタン屋根の 下に置いていたらしいのだが しっちゃかめっちゃかになって雨に打たれている。 「こいつが原因ですね…」 ダンボールの一部をどけてみると、その下には クソ饅頭共の一家が仲良く溶けているのが見つかった。 「もう!運び出すのにどれだけ苦労したと思っているのよ! この饅頭は!!」 「まあまあ、ともあれこいつらを回収します ビニールシートは一旦どけて、ダンボールと新聞紙は分けて 積みなおしましょう」 先刻の回想で機嫌を良くしていた俺は これら資源ごみの整頓も手伝って、その家を後にした。 ――――同日、午後6時―――― 「ただいまー、今日は疲れたぜー」 仕事を終えて家に帰った俺。 雨の中買い物をするのも面倒なので 買い置きのカップ麺で食事は済ませようと真っ直ぐ帰ってきた。 「あれ?」 いつもなら嬉しそうに出迎えてくれるいくさんが今日に限って出てこない。 「いくさーん?」 「…お、おにいさん…」 「なんだいるんじゃないか…え?」 いくさんは押入れの中にいた。 そこから顔を覗かせているのだが…顔の位置がおかしい。 頭部しかないゆっくりは常に地面に接地した状態であるはず。 だが今のいくさんは頭ひとつ分くらい床から離れた高さに顔がある。 「う…」 俺の見て顔をゆがませるいくさん。 「おい、本当にどうした?何があった!」 近づいて押入れを全開にしてみるとそこには 桜色の服に緋色のフリル 黒のロングスカート それらを纏った胴付きゆっくりがいた。 「いくさん?一体どうなって…?」 「う…ううぅぅ…おにいさん、ごめんなさいいぃ…」 「いやまてまて、どうした、何を謝っている」 「べっど、こわいしちゃいました…」 見ると押入れの中には半壊した赤ん坊用のベッドがあった。 テープなどで修理した後が見られるが元の姿を考えると見る影もない。 「ちょっとまて、それは別にいいんだが どうして胴が付いているんだ?」 「わかりません…おひるねからおきたらこうなってたんです…」 いくさんの涙声での説明はこうだ。 俺を見送ったすぐ後、体の調子がおかしいことに気付いた。 メールをだそうか、とも思ったが緊急を要する程ではないし 今日は帰ってくるのだからその時相談すればいいだろう、と ベッドで休んでいたらしい。 そして昼過ぎに痛みで目が覚めると ベッドを粉砕して横たわる胴付きゆっくりいくさんがいた ということだ。 「べっどはなおらないし、ごはんもいつもよりおおくたべないと おなかいっぱいになりませんでしたし おにいさんにおこられるとおもうと、うぅ~…」 「いや、別にいいさ、いくさんのせいじゃない」 ベッドはぶっちゃけ頭部が30cmほどのいくさんに ジャストフィットする乳飲み子、0歳児用だ。 急に2.5頭身ぐらいまで大きくなれば収まりきるはずが無い。 「ごはんのためのおかねもたくさんかかりますし そうじをしたりおせんたくものたたんだりして おやくにたちたいとおもっていたのに、こんなことになってしまって…」 「泣くな、泣くなって 大きくなったのなら食事が多く必要なのは当たり前だし ゆっくりフードくらい別に負担になりはせんさ」 抱きしめて頭を撫でてやる。 いくさんは帽子を落としたことにも気付かずしゃくりあげる。 「な、それに手足があるなら出来ることも増えるさ 跳ねるより立って歩くほうが楽だと聞くし 掃除でもなんでも今まで以上にできるようになるさ 現に、ベッドをここまで修復できているじゃないか」 編み上げのベッドはバラバラになっていたはずだ。 どのパーツがどこ、というものでもなかったろうに セロテープで修復されたそれはベッドの形状を取り戻していた。 「おにいさん…おこらないんですか…?」 「もちろんだ」 「わたしをすてないでくれますか…?」 「捨てるわけ無いだろ。 お得意の空気を読む能力はどうした?」 「おにいさ~ん…」 涙に濡れた笑顔はこの上なく可愛かった。 こんなに可愛いいくさんを捨てるものか。 俺はより一層強くいくさんを抱きしめた。 生物として先天的に持っている本能。 例えばどの生き物が危険でどの生き物かそうでないか 自分はどのようなものを食べて生きるのか そのようなものはどんなちっぽけな生物でも持っている。 が、どのような生物であれ 現状になじむように、今よりいい状態を目指すのが常だ。 それは感情とは無縁の『思い込み』などではない 命の宿る『願い』だ。 それがどのように発現するか?そんなものは誰にも分からない。 もしかしたら今より悪くなるかもしれない。 誰かを傷つけてしまうかもしれない。 たとえ自分には何もできなかったとしても どんな無様を晒しても それが失敗であったとしても その『願い』は誰かに受け継がれ また新たな成長と進化の礎となるのだ。 終わり あとがき 書いてて何度も叫びだしそうな程恥ずかしい結末でした。 途中の『思い込み』論はいくさんの成長の布石でした。 でも読み返してみると単に文章を読み辛くしただけでした。 そういう事態は起こりそうだなという仕事重視なんで単調でした。 虐待成分でフィーバーするのは難しい内容展開でした。 他作品のネタで笑わせようとするなと言いたくなる文章ででした。 行間のパターンを少し修正して書いてみた作品でした。 衣玖さんのファーストキッスは私が貰い受けると決めているのでした。 最後に、この作品を読んでくださった全ての方に無上の感謝を。
https://w.atwiki.jp/hidamari774/pages/109.html
「ヒロ~ 疲れたよ~ 」 執筆中の小説にひと区切りがついて、沙絵は床にごろんと転がった。達成感と同時に心地よい疲労に包まれる。 「お疲れ様。沙英」 ヒロが、エプロンをとりながら熱いお茶と、饅頭を持ってきてくれる。 「はい。どうぞ」 「サンキュ」 むっくりと起き上がって、出された白い饅頭を口に運ぶ。 「ん…… 甘いね」 「そりゃあ、おまんじゅうだから」 少しだけ呆れて肩をすくめてから、ヒロは、はにかむように微笑んだ。 「ところで…… お話、だいぶできたの? 」 「うむ。今日は筆の進みがいいみたい」 満足そうに頷きながら、次々と饅頭を口に放り込む少女をみていたヒロが、ぽつりと漏らした。 「ねえ。沙英…… 」 「ん!? 」 ほっぺたが膨らんだ沙英を見ながら、少しだけ寂しそうな表情を浮かべて、言葉を続ける。 「もし、沙英がもっと売れっ子になって、有名になったら、私達って離れ離れになっちゃうのかな…… 」 「…… 」 沙英が何も言わないでいると、急に恥ずかしくなったのか、顔を赤らめ俯いてしまう。 「ごめんね、沙英。そんなこと言うつもりはなかったの。ただ…… 」 続きの言葉を出そうとして、強く抱きしめられる。 「ばーか。そんなことするもんか」 「あっ…… 」 少しだけ不器用で、でも想いは伝わるように、想い人の頭を撫でながら沙英は言った。 「どんなに売れても、逆に売れなくても、私は私だから。ヒロさえよければ、ずっと一緒にいたい」 「ありがとう」 とても温かいぬくもりが心地よくて、沙英の胸に顔をうずめる。 涙が流れてとまらなかったけれど、拭こうとは思わなかった。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1203.html
※全自動復讐システム の続編。と言うか過去話。 先に前作を読まれる事を推奨します。 私信:まさか!キリライターさんが挿絵を描いてくださるとは!!超嬉しかったです。 退廃的饅頭虐待クラブ:『パニッシャー』 今夜もクラブは日常に飽いた人々で賑わう。 === 【クラブ『パニッシャー』遊戯台リスト】 === − シュガーケージ - 透明な箱に押し込まれた太ったゆっくりれいむの目の前で、 1週間以上は絶食状態にされた胴付きふらんが2匹。 小さな金網リングに押し込まれ凄惨な殺し合いを繰り広げている。 赤く血走った狼のように相手の手足を噛み千切り。お互いを食らい合う。 勝利した方には目の前に鎮座するデブれいむが与えられる。饅頭は勝者の景品だ。 れいむは、どちらが勝利を収めても噛み千切られ、咀嚼され、中の餡子を吸い尽くされる。 2匹の狼少女が声を上げる。「グギャッ!ギャッ!」。人語にならぬ叫び声。 太ったれいむは箱をガタつかせ叫ぶ。「ヤダァァッイヤダァァッッ!!」。誰も助けてくれぬ。 周囲の人間はニヤリニヤリと勝負を見守る 勿論これは賭けの対象だ。札束がチップ代わりに飛び交う。 - Dポーカー - 2人のプレーヤーを挟んで、多産妊娠により巨大に腹が膨れたドスまりさが1匹 中華テーブルの様な回転台に載せられている。 各ゆっくり種が一定の割合でドスまりさに種付けされ、胎内に存在する。 プレーヤーはドスまりさのまむまむに手を突っ込み、 中から胎児を引きずり出し各種の組み合わせにより手役を作る・・・・ ドスの肛(あな)はデカイ。人間の腕ぐらい簡単に入る。 しかし、直接手を突っ込むと汚れる。さらに帽子の形で盲牌されてしまう。 それではゲームとして面白く無い・・・だから鉄のガントレットを装着し腕をねじ込む。 ドスまりさは1ゲームにつき1匹・・・死ぬ。 動けぬドスはグルグルと向きを回転させられ、2人に交互に鉄腕を突き刺され。 腹に入った子供を無理やり引き抜かれ。凄まじい悲鳴と共に・・・絶命する。 仕込みに手間がかかる為、遊戯代金は決して安くない。 しかし・・・ゲームにハマると抜け出せない・・・もう何人もこのゲームの虜だ。 - デッドエンド - 餓死寸前の胴付きれみりゃを2匹用意し、目の前に大量のゆっくりれいむを用意する。 最初は2匹とも喜んで、怯え逃げ回り悲鳴を上げる饅頭を貪り食う。 徐々にれみりゃは幸せそうに微笑む・・・ギャラリーも悪魔の笑みを浮かべる。 「おなかいっぱいだど~もういらないんだど~う~う~☆」 終わるわけが無い・・・ここから始まるのだ。 スタッフがれみりゃを押さえつけ無理やり口をこじ開け饅頭を詰め込んでゆく。 「やめるどぉぉ!!ぐっふ!!もぉぉぉいらだい・・うぶ」 何個も、何個も、何個も・・・容赦なくれみりゃの口に饅頭は詰め込まれていく。 涙を流すれみりゃは、餓鬼のように腹が膨れ、服のボタンは千切れ飛ぶ しかし、まだ終わらない・・・ゲーム終了の合図は2匹の窒息死だ。 このゲームはどちらが饅頭を、死ぬまでに何個食べられるかを賭けるのだ。 フィナーレが近づくと周囲の人間のテンションも上がる。 「潰して喉に押し込め!!」「気絶させんじゃねぇ!!タバコ押し付けろ!」 - レイパーゲーム - レイパーを1匹、他各種ゆっくりを多数用意。 レイパーに強壮剤を打ち込み精力絶倫状態にしケージに放り込む。 レイパーが腹上死するまで・・・何匹を黒生ゴミに変えられるかを賭ける。 大人、子供、通常種、希少種、犯されるゆっくりの構成と レイパーの好みを読むのがこのゲームの醍醐味。 「犯れ!!犯れ!!犯っちまえ!!ガキでも何でも犯せッッ!!」 観客も黒い生命の営みを楽しむ。 - ブレイクダウン - 幸せなゆっくり一家に、理不尽で苛烈な追い込みをかける事により どの様な『結末』を迎えるかを賭けるゲーム。 子が親を殺すか?親が子を捨てるか?無理心中するか?一家で殺し合いを始めるか? 饅頭の浅い心理ならば結末なんて数えるほどしかない。故に賭けが成り立つ。 ディーラーの追い込み手段。幸せ一家の構成と心境。たまに起こる発狂現象。 読み合いと心理戦が絡み合った思考ゲームだ。 「んん~?れいむちゃんは、どーするのかなぁ?ここでママを裏切れば『君は』ゆっくりできるよ~?」 家族の背後に纏わり付くベットリとした黒い魔の手、見てるだけでも心躍る。 他にも多種多様なゲームが存在する。 しかし、共通点が一つ。『平穏に終了する物など1つも無い』 このクラブホールは ありとあらゆる国籍、ありとあらゆる地位の人間が 欲望のままに虐待を楽しむ地獄の鍋底。人間性など必要ない。 なぜなら相手は饅頭なのだから。殺しても喜びしか残らない饅頭なのだから。 ホールを管理する者は思う。 (俺の国の拷問史が有名なのは知ってるが・・・日本人だって同じじゃないか・・・) 悲鳴、罵声、喜声、嬌声、興奮、落胆、人も饅頭もありとあらゆる声がする。 (よくこんな事思いつく・・・やはり、タケシは何かがおかしい) ホールマスターの劉は、この光景を眺め思う。 タケシの過去を詮索した事は無いが『この発想は異常だ』と。 劉はタケシを恐れてはいない。いや"いなかった"。 むしろ人間的には付き合い易い部類だと思っていた。 聡明で頭の回転が速く、タフで厳しいが仁義を持ち、情にも厚い。 普段は誰に対しても高圧的で物怖じしないが それが、年齢のハンデを補うための仮面である事を知っていた。 むしろ当初はタケシを利用するだけ利用して いずれ全ての事業を自分が乗っ取ろうと考えていたぐらいだ。 しかし、あの日 クラブ『パニッシャー』を組織のボス達にプレゼンする日 自分はタケシに絶対適わないと悟った。 ─── 1年程前 劉はクラブ経営のビジネスプランを饅頭処理場の古汚いオフィスで聞いた時素晴しいと思った。 金と人脈。日本企業に勤めていた時代、自分にとって喉から手が出るほど欲しかった財宝だ。 それが両方一気に手に入る。その上、値千金の政治情報も手に入る可能性だってある。 それらを駆使すれば母国に戻って政治中枢に就く事も夢ではなかった。 10年も組織に奉仕し信用を得た暁には『俺がそっくりそれを頂こう』と思った。 だから、タケシには釘を刺した。 「素晴らしいビジネスプランだ。しかし、まだ時期が早すぎる俺達には信用が足りていない」 「劉。人生の先達者としての忠告は真摯に受け止める。だが俺はやるぞ」 「タケシ。それは無謀だ。勝算が低い。俺達は利益を上げてるとは言え新参者だ。 俺は30歳、お前に至っては20歳じゃないか。俺達が所属してるのは進歩的な優良企業じゃない。 裏社会の組織だ、ヤクザ社会の年功序列を甘く見るな」 「俺は自分を曲げる気は無い。」 「じゃあ、勝手にしろ!」 その時は、まだタケシを甘く見ていた。 何だかんだ言ったってできるはずが無い。二十歳のガキだ。 アイデアは良くても大局観の無い鉄砲玉としか思えなかった。 しかし翌日その考えは大きく覆された。 タケシはあろう事か、組織の長に直談判し殆ど強引に 裏社会の幹部や、それに連座する闇の政治家達へのプレゼンを取り付けたのだ。 冗談では無かった。 10分の時間を割くにも半年前からアポを入れなければならない人間を一同に集めてプレゼンをする。 それは、学級会のお友達発表とはワケが違う。 相手はその場で社会的にも物理的にも自分達を抹消できる権力者だった。 難しい事は何も無い。「不愉快だ二度とそいつらの顔を見せるな」と部下に言えば良い。 そして自分達は永久に"居なくなる" 安っぽい小説では無いが冗談抜きでタケシは自分の命を交渉のテーブルに上げたのだ。 劉は最初、10歳も年下の同僚の首を絞め殺してやろうかと思った。 だが、殺せば後の責任は全て自分に来る。できなかった。 逃げようとも思った。だが劉は出世を焦るあまり顔を売り込みすぎていた。 どこに逃げたってあっという間に捕まるだろう。捕まった後は考えるまでも無い。 プレゼンの失敗時は、全ての責をタケシになすり付けようかとも思った。 しかし、そんなに甘ければ苦労はしない。後釜を狙うライバルは何人も居た。 とどのつまり、劉はタケシに協力せざるを得ない。 しかも全力で、死に物狂いで。プレゼンを成功させる為に。 それしか生き残れる道が無かった。 プレゼン当日。 いやその大分前から劉は気が狂いそうだった。資料作成に没頭できている内は良かった。 しかし前1週間、ありとあらゆる可能性を検討し終えたスケジュールの有余期間は まるで死刑執行の猶予期間に感じた。リハーサルを100回以上繰り返しても不安は消えない。 当然ながら食事は喉を通らず夜は眠れない。点滴と睡眠薬を多用した。 水分は辛うじて摂れたが、そんなものは冷や汗と脂汗ですぐに放出された。 発表前、タケシが自分のオフィスから中々出て来ない時など ストレスが頂点に達しドアが開いた瞬間に怒鳴りつけてやろうと思っていた。 だが・・・・・できなかった。劉はその時初めてタケシに恐怖した。 オフィスから出てきたのは人間ではなかった。 そこに鬼をみたからだ 巨大な饅頭処理場を前にタケシは満足していた 喧しいゴミどもが、ワケも分からずブルドーザーに救い上げられ ベルトコンベアーを登り巨大なミキサーに落下し、無慈悲に殺される。 一匹たりとも例外は許さない。 泣こうが、喚こうが、巨大なブレードはゴミを粉微塵にする。 処理した生ゴミは乾燥後、土と混ぜ合わされ有機肥料にされ出荷される。 欲望のままに増える生ゴミを収集する事で利益を得る それを支援する政府から利益を得る。有機肥料を売る事で利益を得る 機械処理が多いので支出の割合は僅かだ。 恐ろしいまでの利益率だった。 汚らしい浮浪者のようなゴミ饅頭が機械に文句を言うのは滑稽そのもの。だが不愉快だ。 その直後に、ミキサーブレードの回転音の中に聞こえる悲鳴は心地よかった。 饅頭は原型を留めず肥料になり袋詰めされ出荷するシステムは完璧だと思った 24時間365日ゴミを処理し続ける。 休み無くシステムはゴミ饅頭を処理し続ける。 ミキサーに放り込まれるのと同じ速度で袋詰めされた有機肥料が生産される。 不幸と害悪しか撒き散らさないウィルスの様な饅頭が 有機肥料になり人間と自然に役立ち利益まで出す。 最初は確かにタケシの心には達成感が満ち溢れた。 しかし・・・・・すぐに空しくなった。 その頃、タケシは職場である処理場で物思いにふける事が多かった 一日中、機械を見ながら考え事をしている事さえあった。 相棒は「疲れたのだろう。俺に任せてお前は少し休め」と声をかけ 成功を自分の功績として周囲に宣伝するのに忙しく走り回っていた。 タケシは同僚の行為に腹が立つことは無かった 彼が居なければ成功しなかったのは、紛れも無い事実だからだ。 さらに言えば、功績や利益などは正直どうでも良かったからだ。 悲鳴と機械音の中でずっと考えていた。 2年前復讐を誓った自分を思い出す。 安アパートの一室でゆっくりの醜悪な声の中で誓った言葉を思い出す。 (・・キサマラ・・・・ジゴクニ・・・・オトシテヤル・・・) 瞼の裏に何時でもその映像は鮮明に映し出す事ができた。不愉快で漆黒に満ちた記憶。 しかし、問題が。酷く難解な問題が目の前にあった。 (・・・ゆっくりは死ぬと地獄に落ちるのだろうか? 業火の海に焼かれたり、鬼に切り刻まれたり、針山に刺されたり 永遠の苦痛を味わうのだろうか? 答えは"否"だ。 饅頭は死ねば土になる。唯それだけだ。皮肉な事に"自分がそれを証明してしまった" (ゴミは潰しても地獄に行かない。ゆっくりには『行ける地獄が存在しない』) では、どうすれば良いか? 簡単だ。 ・・・創れば良い ・・・・・"地獄"を創れば良い ・・・・・・・オレガ ジゴクヲ ツクッテ オトシテ ヤレバイイ タケシはその夜すぐに劉をオフィスに呼びつけ、自分の新たなビジネスプランを相談した ─── 現在 大盛況を収めるクラブを眺め、劉は1年前のプレゼンの日を思い出し考える。 『あの日のアレは何だったのか?』と。 日本人特有の"神風"と言うやつか? 違う。タケシは何かの為に死ぬ人間じゃない。 むしろ何かを成さんが為に、全てを敵に回してもそれを叩き潰す人間だ。 タケシは拳銃のような人間だろうか? 意思も無く、情も無く必要に応じて問答無用で対象を瞬時に殺す。 違う。タケシは殺し屋みたいな小悪党じゃない。それ結構情に厚い。 戦争帰還兵で心を傷つけた人間はあんな感じだろうか? 違う。そもそも外部の圧力で心が病むとか治るとかでは無い。 何かこう、論理思考の位相がズレているというか・・・ あいつは悪魔や物の怪の類では無いのか? しかし、それも違う。悪魔や妖怪は奸智や誘惑で人をたぶらかす。 それはとても『人間的』だ。 あの日感じた・・・気迫や気合などと言う生易しいモノではなく 殺気や怒気などと言う人間的な感情では無く もっともっと恐ろしい名状し難い、あえて言うなら何だろう? 目を見た瞬間に「こいつの言う事を聞かなければ自分は問答無用で死ぬ、 有無を言わさず殺される」と言う圧倒的な力を目の前にした様な感覚。 ・・・死鬼人? 劉は自分の文学センスの無さに呆れる こんな不良中学生がイキがってつける様なダサい名前しか思いつかない。 しかし、字面だけで判断するなら決して間違えていないと思えた。 ─── プレゼン当日 タケシは処理場の狭いオフィスで独り悩んでいた。 (劉の言っていた事は全面的に正しい。 今の信用度で企画を持ち込んでも上の心象を害する公算は高い) だが、あの時のタケシにそんな事を考えられる心の余裕は無かった。 (自分が死んだら・・・母は悲しむ 生涯生活に問題ない分の仕送りは既にしてある。 しかし、父に続き、息子まで無くしたら母はきっと悲しみに耐えられないだろう。 それは金銭で解決できる問題では無い・・・・) 今更ながら自分の行為にゾッとしている。感情に走りすぎていたのでは無いか? もっと時間をかけるべきではなかったのか?劉の言う通りハイリスク過ぎたのでは無いか? しかし、もう遅い。自分達の命はテーブルの上だ。 正直恐ろしかった。 自分が死ぬ事が、では無く死んだ後の母の孤独が、だ。 「クソ!どれもこれもクソ饅頭のせいじゃないか!」 タケシには珍しく逆切れ気味な状況になっていた。 近くにあったゴミ箱を思いっきり蹴り上げ、苛立たしげに鍵がかかったロッカーを開く。 出てきたのは・・・ダンボールに詰め込まれた数十匹のゆっくりれいむ。 乱暴にデスクの上に放り出し。罵声を浴びせる。 「おい!!クソ饅頭てめぇらのせいで何で俺達が命賭けなきゃ何ねーんだぁ!あぁッ!?」 タケシらしく無かった。全ての元凶を見直す時の心情は常に『冷たい怒り』だ。 こんな風に八つ当たりをするのは初めての経験だった。 しかし、ダンボール箱の饅頭はいつものように卑屈に怯えていた。 「ゆっぐり・・・ごべんなざい・・れいぶ・・・あやばります・・・」 「うるせぇ!!黙れ!!生ゴミ!!」 タケシは生ゴミ達に背を向け、何とか平静を取り戻そうと努力した。 「だがら・・ゆるじでぐだざいぃぃ・・・・・」 冷や汗が流れ出ている背中に刺さるゆっくりれいむの言葉。 ピキィッ! "ユルシテクダサイ" "ユルシテクダサイ・・・・?" "ユルシテクダサイ!?" 1つの単語が脳内に反響し、ユラリと生ゴミに振り返る。 こいつは今なんと言った? 「許してください」と言ったのか? 自分がまだ『許される存在』だとでも思ってるのか? 自分がまだ『謝れば許される存在』だとでも思ってるのか? 自分達にまだ『ゆっくりできる可能性』があるとでも思っているのか? クソが・・・・ クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!!クソガ!! 視界が赤くなる・・・息ができない・・・声が出ない・・・ 「ッククククククッカカカカカカッカッハハハハアハハハァァァァ クゥゥゥーーーーーーカッハァァァ!!!」 駄目だッ駄目だッもう我慢できん!! 「グッッガァァァッッゥッゥゥゥゥアアアァァァァ!!!!!!」 左手でれいむを一匹掴みあげると、空いた右手で思いっきり眼窩に手を突っ込む。 ズブンッ! 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!いだぁぁぁあいいいいい!!!」 涙が流れ出る眼球を思いっきり掴み潰す! 「ゆがぁぁぁぁぁ!!!!ゆぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁッッ!!!!!! (コスロナ!!コロスナ!!マダコロスナ!!マダコロスンジャナイ!!) タケシの頭の片隅で緊急アラートが鳴り響く。 コメカミが異常な程熱い。血が沸騰しているのが自分でも分かる。 「ッククッククゥゥゥフゥッフゥゥゥゥー・・・・・ ・・・・ぶーーーーーーばぁーーーーーー・・・ ふーはー・・・すーはー・・・」 深呼吸を繰り返すタケシ。他の生ゴミは突然の狂雷にビクビクしている。 冷静さを取り戻したタケシは左手の饅頭をダンボールに放り込み手を拭く。 (ユルサン・・・俺の前に立ちふさがる奴らは何人も・・・許さん。 俺の復讐を邪魔する人間は誰であろうと排除してやる。 手段は問わん・・・・問う時間さえ惜しい・・ 目的を完遂する・・・反発する人間・・・? 何を馬鹿な事を『そんな人間』イルワケナイジャナイカ?) タケシの目と表情には、あの日の凍結した怒りが戻っていた。 「おいクソ饅頭。お前らに生まれて初めて感謝するよ 初心に帰れた。素直な気分に戻れた。未来に対する不安が無くなった。 お前らの"地獄"を最短最速で創る事に躊躇する自分がどうかしていた こんな事を見失ってた自分がどうかしていた・・・・本当に最悪だよクソッタレ共!」 言いながら、ロッカーに手早くダンボールをしまい込み厳重に鍵をかける。 スーツの襟元をただし、デスクの上の資料を小脇に抱えオフィスのドアノブに手をかける。 「やはりお前らは最悪のクソだよ」 ロッカーへ向かって呟いた後に タケシは劉と共にプレゼン会場へ向かった。 ================================================================= (`Д) クソ!右を見ても左を見ても皆タケシ!タケシ!タケシ!俺だって頑張ってるんだよ! J( ー`)し リュウ。良いんだよムリしなくて。お母さんは頑張ってるの知ってるから。 ( A`) 媽媽(カーチャン) ================================================================= 作:六人 他: ふたば系ゆっくりいじめ 212 下卑た快感 ふたば系ゆっくりいじめ 254 アザーワールド ふたば系ゆっくりいじめ 515 公認虐待 ふたば系ゆっくりいじめ 737 真理の扉 ふたば系ゆっくりいじめ 758 全自動復讐システム