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. 戦争が始まった。 魔王ルーゼルによってトライト王が崩御。王都の有力者達を瞬く間に傘下に加えた宮廷魔術師のムクガイアはゴート三世をルーニック島に追いやり、知識層の解放を唄ってクーデターを起こした。 ここオステアのアカデミーでは、毎日の様に議論が起きている。曰くムクガイアに付いて助力すべきであるとか、いやアレは権力欲に取り付かれた只の俗物であるとか。 「全く、気楽なものだよ。ルートガルトとファルシスの戦には間違いなくオステアも巻き込まれる。アイツ等は何も分かってない」 「うるさい、噛むわよ」 アカデミーきっての武闘派として仲間内で一目置かれている少女ムームーは、落ちつきなくローイス方面の海を見やる。 クーデターが起きる一月前に、賢者ナシュカの教えを乞いに旅立った学友、ルーネンの安否は未だ分かっていない。 人を突き放すような態度を取るムームーだったが、胸の内ではやはり心配で仕方がないのだろう。 「……なぁムームー、俺達でルーネンの奴を迎えに行かないか?お前の魔法剣と、俺の増幅魔法があれば……」 「正気?」 ムームーがこちらを振り返る。 「実戦は授業や訓練とは違うわ。貴方の増幅魔法は確かに強力だけど、時間が掛かりすぎる。……今オステアを出たところで、死ぬのがオチよ」 「でも!何もせずアカデミーに留まっているのが本当に正しい事なのか?……俺は違うと思う。正直、ムクガイアが起こしたクーデターが正しい事なのかは分からない。けど、何もせずにここでただ日々を過ごす事だけは間違ってると思う!」 「それはただの感情論よ。貴方も魔法使いなら、よく考えて行動する事ね」 話は終わりだと言うかのように、ムームーは再び窓から海を眺めた。 「……そうかよ。お前なら付いて来てくれると思ったんだけどな……」 そうして、俺は彼女と別れた。 三方を敵に囲まれたルートガルトは、在野の魔法使い達を戦時徴用するなどして奮戦。悪魔の猛進に耐え、ファルシスを破り、ゲルドを追い返して何とか一時の間を得ることに成功する。 成り行きで魔術師団の端に席を置く事になった俺は、強大な力を誇る悪魔達との泥沼の消耗戦の只中にあった。今更ながらにムームーの忠告を思い出し、あの日の自分の浅はかさを呪った。いつの間にかいつも背後に構えていた弓隊も消えた。 共に戦った魔術師達の数が半数になろうかとしたある日の事、特殊な増幅術を用いて起動した魔法を連射する術式が上の目に止まり、俺と俺の所属していた部隊は王都に呼び戻された。南方からやって来たレオームの軍を懐に引き込んで叩く作戦に参加しろという事らしい。 ……レオームの軍には、成敗された海賊達も加わっているとの事だった。ルーネンは無事だろうか? そんな事を、何処か自分から遠く離れたどこかでうっすらと思った。 その時、俺は何が起こったのか理解できなかった。 レオームの軍勢との応酬を繰り広げていたと思ったら、いきなり背後からの襲撃を受けた。 背中をバッサリと斬られ、息も絶え絶えに振り返ったそこにいたのは、見たことも聞いたこともない異形の兵であった。 何とか作り掛けだった術式を使ってそいつを倒し命からがらに逃げ出してはみたものの、そこはこの世の地獄だった。 死。 その一文字をこれほど強く意識したのは初めてだった。 と、その時。戦場に一条の光弾が走った。レオーム王家に伝わる秘剣、光竜剣だ。彼処に行けば、ゴート三世直属の親衛隊がいる。そこに合流出来れば、何とか助かるかもしれない。つい先程までは忌々しく思っていた敵軍の必殺技は、今や文字通りの希望の光に等しかった。俺は悪運の強かった生き残り達と共に光を目指し、死にもの狂いの逃走を始めた。 殆ど死に体も同然のゴート三世が神職らしき少女を庇い、光竜剣を連射する光景を目の当たりにした時、俺は目の前の事実を上手く認識出来なかった。王を護っている筈の親衛隊など、影も形も有りはしなかった。 「おぉ、友軍の者か……」 ゼェゼェと荒い息を吐くゴート三世に、俺は気圧されて頷かせられていた。 「……すまぬが、イオナを頼む。私はここに残って殿となり、諸君らの退路を作る」 「そんな!なりません!!ゴート様がお亡くなりになるような事があれば、私は、私は……」 すがり付いて泣く少女を説得しようとするゴート三世だったが、少女は少女で頑として聞き入れない。しかし、死霊達はそんな彼等を待つような事はしなかった。 「失礼!」 俺は少女の首を後ろから打って意識を奪い、その身体を背負った。生きる為に死地に置いていく王に出来る、これが精一杯の事だった。 「必ず、生き残って彼女を脱出させます」 「あぁ、頼んだぞ……」 今までのモノより遥かに巨大な体躯をした死霊に向け、ゴート三世は死力を振るって光竜剣を撃った。俺はその光景を眼に焼き付けると、南に向かい走った。 宛にしていたレオームの手勢は壊滅状態で、結局俺達を受け入れてくれたのは海賊達だった。ゴート三世を失って意気消沈したイオナは、少数の者を伴って外海に落ち延びていった。士気の無い者を気遣い、宥めて戦場に立たせるだけの余裕はもうここには残っていなかったのだ。 思いがけず再会したルーネンは、海賊の少女ニーナナスにゾッコンになっていた。水の賢者ナシュカはどうした。 「あぁ、そんなのいましたね、久し振りです」 感動の再会の筈が彼女のリアクションはこの程度で、肩透かしをくらった俺は何とも微妙な気分になった。肩をぶつけたり、背中を叩いたりして冷やかす海賊達に、つい苦笑が溢れる。 だが、そうやって笑っていられたのはほんの一時だけだった。死霊達は瞬く間に勢力を拡げ、ローイス海域にまでその勢力圏を伸ばしつつあった。 海域の首領ババラッカスはコレを迎え撃つ決断を下し、俺は数少ない本職の魔法使いである事を見込まれて左翼に配された。背中の傷がじくじくと痛んだが、気のせいと思い込む事にした。 巨大な死霊“ナイアーラトテップ”の戦闘力は凄まじいの一言に尽きた。地獄の業火や死の冷気を集団で次々と繰り出し、海賊の船団を蟻の群れ同然に踏み潰してしまった。水の賢者の大魔法デリュージと知らぬ間に成長していたルーネンのブリザードで一矢は報いる事が出来たが、他は散々であった。 中央に配された部隊は全滅、右翼に陣取っていたクリンク海軍は大きな被害こそ受けたものの何とかパーサ方面への撤退に成功。俺の所属していた左翼は俺の乗っていた一隻を残し全滅。 フェリル島に向かうか、オステアへ向かうかという決断を迫られたその時、俺はオステアへ向かいたいと熱弁を奮った。背中の傷は、直撃を浴びた訳でも無いのにその存在感をより大きなものとしていた。先は長くないのかもしれない。それだけに故郷へという思いは強く、結局海賊達に折れてもらい、俺は久方ぶりにオステアへ戻る運びとなった。 ピコック先生の死を知らされた俺は、「そうか……」と一言溢すことしか出来なかった。涙もなく、悲しみもなく、ただの事実として、ピコック先生を過去のものとして葬りさった。 そのピコック先生の一番弟子だったアルジュナは、今やオステアの指導者となって采配を振るう立場となっており、ムームーは遊軍筆頭、特に目立たない存在だったメルトアも諜報を取りまとめる立場となっていた。 そんな中、俺は負傷者としてエルティア率いるモンク達の治療を受けていた。あまりの情けなさに、苛立ちばかりが募っていた。 「久し振り」 「あぁ、ムームーか……」 俺は力無く懐かしい顔を迎えた。 「何よその景気の悪い返事は、噛むわよ」 「はは、それもいいかもしれないな……」 俺は適当に返し、天井を仰いだ。 「……結局、ムームーの言う通りだった。ルーネンは普通に無事だったし、それどころか立派に成長して死霊の一角を薙ぎ払ってやがったんだぜ?それに引き換え俺は……戦友を盾にして何とか命を拾うだけが精一杯だった。何が増幅魔法だよ!ちっとも役に立ちやしないじゃないか!」 と叫んだその時、突然ムームーが飛び付いてきて、左腕に歯を立ててきた。断じて甘噛みなどという可愛らしいものではない、本噛みだ。反射で振り払おうとして背中がつり、俺はあまりの激痛に悶えた。 「何、すんだよ!痛いじゃないか!!」 「落ち着いた?」 半ば涙目で睨む俺を、ムームーは腰に両手を当てて見下した。 「ここまで生き延びてこれたのは、間違いなく貴方の実力よ。卑下して沈んでる暇があるなら、貴方自慢の増幅魔法で一人でも仲間を救う努力をして」 俺は自分の耳を疑った。 「……こんな俺でも、誰かの役に立てるのか……?」 「貴方程の実戦経験を持った魔法使いは貴重な戦力よ。特に、死霊に有効打足りうる一撃を浴びせられる魔法使いともなればね」 俺の脳裏にゴート三世の光竜剣と、ルーネンのブリザードが蘇った。そして、俺より劣る実力ながら、悪魔相手に奮戦した戦友達の顔が次々と蘇った。戦う為の気力が、再び全身に行き渡るのを感じる。 「……分かった、もう一度戦場に立つ」 「やっとらしくなったわね」 そう言って微笑んだ彼女は女性ソルジャーに呼ばれ、本営に行ってしまった。残された俺は来るべき戦いを思い、ぐっと右の拳を握った。 「退け!モタモタすんな!!ケツに喰い付かれるぞ!!」 俺はかつての学友の尻を蹴飛ばし、ディープワンの一体に火炎魔法を叩き込んだ。背中の傷跡が激しく熱を帯び朦朧とする意識の中で、俺は友軍を逃がす為に最前線で踏み留まっていた。 「噛むわよ、ムームー剣!」 最期を覚悟する俺の前に、五紡星が光輝く。雑多な死霊を一撃で叩き潰した光はしかし、ナイアーラトテップを沈めるには至らなかった。 「貴方、まだこんなところにいたの!?さあ立って、走って!!」 叫ぶムームーに、俺は右手を掲げて見せた。それは最早原型を留めておらず、死霊の軍勢のそれと大差無い状態に変化していた。 「悪いな……俺はどうも、ここまでらしい。まだ意識があるうちに、出来ることをやりたい。……だからムームーも、もう下がって」 「うるさい噛むわよ!そんなのエルティアが何とかしてくれる、だから!」 「行けよ!!」 俺は叫んで、魔法の詠唱に入った。時間の無駄を悟ったムームーは、「バカ」と一言呟いて退いて行った。俺はそれに満足を覚えつつ、死霊の軍勢に向き直った。 最期の一瞬まで、戦うと誓って。 俺が意識を取り戻したのは戦乱が終結した後だった。俺が倒れたすぐ後にラザムの軍勢が助太刀に現れ、ボロクズのようになって横たわる俺を発見したムームーの部隊によって保護され、モンク達の必死の助命措置によって生き長らえたらしい。俺の悪運も、ここまで来ると呆れたものだ。 死霊を影から操っていた黒幕は英雄ホルスと外海の聖騎士によって倒され、今や最大派閥となったエルフやゲルドの巫女が指導するリザードマン、数をめっきり減らしたドワーフの生き残り。更にはあの悪魔達の一部まで一丸となって、この大陸の復興作業を行っていた。 貴重なA級土魔法を扱える魔法使いとして、俺も復興に駆り出された。右手を失い、左手で杖を突く不便な生活を強いられる事にはなったが、それでも俺は生き残れた事を喜び、余生を人々の為に尽くすことに決めた。 しかし、1つだけ気掛かりな事があった。それは、毎晩夢に現れる黒髪の美女の事だった。 マクラヌスを捜せ、旧き神々を目覚めさせよ……そう美女は、俺に訴えかけてくる。 マクラヌスが何なのかはよく分からないが、その内調べてみるつもりだ。だが、その前に…… 「まずは、校舎の再建だな」 俺は崩れ落ちたオステア・アカデミーの瓦礫を見上げ、そう呟いたのだった。 おお、もう次の手を…さすがww -- とある使い (2012-07-24 00 07 43) ムームー熱いね(ヒューヒュー熱いねの意味) -- 名無しさん (2023-10-09 18 02 59) 名前 コメント
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今すぐに使える当たり前の魔法 ラジオドラマのオーダーを受けて書き下ろしました 『若菜』には珍しく日記風というか小説風 声だけで相手に伝わることを意識した作品になっています かなり現実に忠実な、リアルなココロを 頑張って書きましてね(^^) 因みにこちら、会話編も作りました ボイスドラマが公開されたら こちらに全文載せますね!
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│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ クロスビッキの魔法姫と怪物 No.885 礼装名 クロスビッキの魔法姫と怪物 初期最大 Rare 4 LV 80 Cost 9 HP 100 タイプ 絆礼装 ATK 100 同人活動力&同人探求力&同人空想力のドロップ獲得量を増やす【『サーヴァント・サマー・フェスティバル!』イベント期間限定】 10% 詳細情報 イラストレーター toi8 解説 とある王国で戦争の実験体として生まれた怪物と、 魔女の呪いを受けて遺失したはずの「魔法」を 身に宿したことで、戦争の切り札として監禁されて いた魔法姫の交流を描く完全創作ファンタジー。 怪物が人間に戻る、二人は永遠に離別する、など 様々なエンディングが構想されていたが、最終的に 二人は互いの力を失い、それでも異形のままに 生きていく結末に至った。 入手方法 性能 コメント すごくいいフレーバーだけど元ネタがわからない - 名無しさん (2018-08-10 18 01 18) 完全創作ファンタジーって言うし元ネタあるんだろうか。美女と野獣なんて古今東西使われてる題材だし - 名無しさん (2018-08-10 18 08 29) 元ネタはイラストだけ見ると魔法使いの嫁っぽいけども - 名無しさん (2018-08-11 13 28 00) たぶん魔法使いの嫁 - 名無しさん (2018-08-11 13 31 15) 分かった、新宿のアヴェンジャーとオフェリア連れてくる - 名無しさん (2018-08-14 03 10 39) オフェリア使うならスルト使ってあげてよw - 名無しさん (2018-08-14 09 18 18) それ声優ネタだと思うぞ - 名無しさん (2018-08-14 18 35 40) ラストで異形化する実験体&動機が愛だったことを肯定されるヒロイン……一体何クリファがモチーフなんだ… - 名無しさん (2018-08-11 23 10 20) 怪物が邪ンヌ自身で姫がぐだってイメージで描いてそうだな。なんとなくだが - 名無しさん (2018-08-14 04 30 55) 姫がぐだかどうかはわからんが、怪物は邪ンヌ自身だとは思う。一番感想を聞きたい、話したいのが、ぐだってところからして。 - 名無しさん (2018-08-21 10 15 50) 美女と野獣で最後は野獣が美形王子に戻るけど、本当に愛に容姿が関係ないって話なら野獣のままであるべきだったってどこかで議論されてたな。結局最後は容姿が伴なっちゃったって。 - 名無しさん (2018-08-14 10 21 03) 美女ははじめから終わりまで美女じゃん - 名無しさん (2018-08-14 21 46 44) ブスと野獣だとギャップ萌えにならないじゃん - 名無しさん (2018-08-14 21 51 34) 昔美女と野獣にみせかけて野獣と野獣ってネタあったなあ - 名無しさん (2018-08-15 07 36 29) 大昔コバルト文庫かなにかで読んだ、野獣の呪い解いたケモナー姫が美形王子にものすごくがっかりする話思い出したわ… - 名無しさん (2018-08-14 21 50 39) 全く同じの思い出して今書き込もうとしてた、結局1巻ラストで呪いかけた悪魔に頼んで自由に形態変化できるようになってたような - 名無しさん (2018-08-26 13 12 18) クレしんだと逆に女性のほうが人間に変えられてたってオチの話があったなぁ - 名無しさん (2018-08-15 11 34 26) 美女のほうが野獣に合わせる映画がアカデミー賞とりましたね。 - 名無しさん (2018-08-15 14 17 14) たしかこち亀じゃなかたっけ、シンデレラもブスならアウトだったとか言ってた気がする - 名無しさん (2018-08-26 13 21 41) それのせいでハンサムスーツって映画本当嫌いだったわ。「結局美女と結ばれるのがハッピーエンド扱いかよ」って - 名無しさん (2018-08-26 13 30 35) ポイントも結構貯めたのに、この礼装だけ取得条件が分かりません。どなたか分かる方いますか? - 名無しさん (2018-08-15 03 01 12) イベントシナリオクリアで取得だから素直に進めろ - 名無しさん (2018-08-15 05 15 59) 回答ありがとうございます。 - 名無しさん (2018-08-15 12 08 35) https //twitter.com/toi81008/status/1029749734951383040 - 名無しさん (2018-08-16 00 52 21) 異形のままに生きていく...? - 名無しさん (2018-08-16 02 24 26) 紅玉いづきさんあたりに原作書いてほしいわ。レッドドラゴン繋がりでワンチャンありそう。 - 名無しさん (2018-08-16 09 07 05) ミミズクと夜の王とかのシリーズに近い雰囲気とは思ったから書いてもらえるならあいそう - 名無しさん (2018-08-18 01 35 55) まさかの3章ネタバレ礼装だったとは - 名無しさん (2018-12-03 03 37 51) 演劇的魔人のメランコリーも見るのだ - 名無しさん (2018-12-03 12 50 26) メランコリーの正統進化作品だったのか - 名無しさん (2018-12-22 11 41 46) 名前 すべてのコメントを見る
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森の魔法使い/Forest Wizard 森の魔法使い/Forest Wizard(1)(G) クリーチャー - 人間・ウィザード (1)(G):森を1つ生け贄に捧げる:カードを1枚引き、森の魔法使いの上に+1/+1カウンターを1個置く。 2/2 参考 妖々夢-レア
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1st Pleasure CD。困った時の魔法。 「どんな時でも最後まで希望を捨ててはいけません」 発売日 2003/05/04 在庫状況 絶版 参加者 Revo陛下作詞、作曲 Aramary歌、台詞 Jimang歌、台詞 霜月はるか歌 収録曲 お願いっ!ぴこ魔神☆ Aramary(歌、台詞) ぴこDJ☆Aramary(歌、台詞) 詩人バラッドの悲劇 辿りつく詩 Aramary(歌、台詞) Jimang(台詞) 雷神の系譜 Aramary(歌、台詞) Jimang(台詞) Ark[Pico Magic Ver] Aramary(歌、台詞) 魔女とラフレンツェ[Pico Magic Ver] Aramary(歌、台詞) Jimang(コーラス) 魔法使いサラバント Aramary(歌、台詞) 霜月はるか(歌) Jimang(台詞) 恋人を射ち堕とした日 Aramary(歌、台詞) 銀色の馬車 Aramary(歌、台詞) タナトスの幻想は終わらない…Aramary(歌、台詞)
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前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い 未知の場所を訪れるにあたってまず重要な事。それは情報収集。 そんな訳でルイズに連れられてトリステイン魔法学院に辿り着いた柊達は、ルイズにこの世界がどんな場所なのかを聞いた。 当然それに返って来るルイズの反応は懐疑と憤懣ばかりだった訳だが、召喚直後の興奮状態からは幾分落ち着いたのか何とかまともに話をする事ができた。 そしてわかったのはこれらのこと。 この世界はハルケギニアという世界であること。 その住人は貴族と平民に分類されていること。 系統魔法と呼ばれる魔法があること。 ……要するに、ハルケギニアはごくごく普通の中世風ファンタジー世界であること。 異世界に来るのが初めてになるエリスは一つ一つ興味深げに聞いていたが、すでにそういった世界を経験している柊にとっては別段驚くような事はなかった。 重要なのはこのハルケギニアが『異世界』である事の確認だ。 これが柊の知る異世界……ラース=フェリアやミッドガルドの何処かの地方であったなら話は早かったのだが、残念ながらそう上手くはいかないようだ。 ともあれ、そんなハルケギニアの話を聞いていれば次にルイズが尋ねて来るのが、柊達の素性だ。 まっとうな反応としてとんでもない田舎者と思っている彼女に、とりあえず正直に異世界の人間だと打ち明けた。 ファー・ジ・アースと呼ばれる世界。 侵魔と呼ばれる敵対者。夜闇の魔法使い(ナイトウィザード)。 一般的に『地球』と呼ばれる世界の事情に関してはあえて深くは語らなかった。 人々の認識によって形成される『世界結界』の効果で表向きは魔法だの侵魔だのの存在しない世界とされていること。 その裏側でウィザードと侵魔の闘いが行われているのだ――などと一から説明し始めればややこしくなってしまい時間がかかるためだ。 それに、ハルケギニア――『魔法がある世界』からすれば『魔法のない世界』と説明されるよりはまだしも理解の範疇だろう。 ……根本的に『異世界』という事がルイズ達の理解の範疇を越えているだろうが。 そして話を一通り終えた後で返って来たルイズの反応は、 「……あんた達、頭大丈夫?」 だった。 「ほ、本当です!」 「……まあそう来るよな、普通」 初めて異世界に召喚された人間としては当然なエリスの声と、もう慣れきった柊の嘆息が重なる。 柊の態度を見てルイズは僅かに眉を怒らせたが、一方でエリスの必死で懸命な視線を受けて小さくため息をつく。 「信じられる訳ないじゃない。ハルケギニアとは別の世界があるとか、侵魔だとかウィザードとか……」 そして彼女はテーブルに頬杖をついて、いかにも話半分といった調子で口を開く。 「そこまで言うなら、証拠を見せて」 「しょ、証拠……ですか?」 「そうよ。私が話してあげた事は実際ここがハルケギニアだって事が証明してるわ。 でもあんた達の話は今の所ぜんぶ妄言。自分達が異世界の人間だって証拠、見せてよ」 「……先輩」 返答に困ってエリスは柊を不安げに見やった。 柊の方はといえば、ルイズの言葉に困るどころかその言葉を待っていたとばかりに大きく頷いた。 「証拠なら見せてやるよ。この世界じゃ絶対に作れないものをな」 自信満々に言い放ち、柊は懐から地球の文明の利器とも言える携帯電話――もっとも柊の使っているモノは『0-Phone(レイ-フォン)』と呼ばれる 魔法的な技術の加わった更に高性能なモノだが――を取り出、 「…………」 「……? 何よ、いきなり固まって」 ――取り出しかけて、踏みとどまった。 柊はこの光景とやり取りに見覚えがあった。 それは初めて異世界――ラース=フェリアを訪れた時の事だ。 その時に出会った仲間……の内の女性二人もやはり当初は柊が異世界の人間だ、という事に少々懐疑的だった。 ラース=フェリアもまたハルケギニアと同じような世界であったため、柊は彼女等に0-Phoneを取り出して見せ付けてやったのだ。 それを見て彼女等は僅かに目を見開き、言った。 『あら、これは魔導電話ですね』 『うむ、魔導電話だな』 『こんなもん持ち出して異世界人とか、ひーらぎ胡散臭いにょー』 『胡散臭いのはてめえらの方だ!? 魔導ってつけば何でも許されるとか思ってんじゃねえぞ!?』 「………………ハルケギニアに魔導電話は……いやなんでもない」 「? 何なのよ、一体」 「せ、先輩……?」 訝しげにみつめるルイズと不思議そうに見やるエリスの前で、柊はくっと呻いて顔を逸らした。 とはいえ動いてしまった以上何かしないといけないので、予定変更。 「異世界の人間の証拠だったよな。だったらこれから俺達の世界の『魔法』を見せてやるよ」 「魔法……?」 柊のその言葉を聞いて、ルイズは僅かに目を細めた。 そして彼女は椅子に背を預け、嘲りを含んだ微笑を柊に向ける。 「随分とふいてくれるじゃない。杖も持たずに魔法だなんて、さすが平民は言う事が違うわね」 「……杖?」 「そうよ。メイジが魔法を使うには杖が必要……はったりをきかすなら、せめてそれくらいの常識は知ってなさい」 勝ち誇ったようにふふんと鼻を鳴らすルイズだが、当の柊はまったく堪えなかった。 むしろ望外の収穫を得て心の中で喝采をあげるほどである。 なぜなら、これから柊が見せる『魔法』と同じような事がこの世界の魔法でできるなら何の証明にもならないからだ。 だがこの世界の魔法行使にそんな条件があるというのなら、問題はまったくない。 ぐうの音も出ないように見せ付けてやるだけだ。 「てことは、俺が杖なしで魔法を使えば異世界の人間だって認めるんだな」 「ええ、いいわよ。その代わりできなかったら契約して使い魔になってもらうからね」 「いいぜ、好きにしろ」 即答にむっとするルイズをよそに、柊はほくそ笑んでから立ち上がる。 そして彼はテーブルの上に乗っていた一輪挿しを手に取り、ルイズの目の前に差し出した。 見世物を見物するかのような、そんな余裕綽々の彼女の目と鼻の先で一輪挿しが二・三度揺れ動き――唐突にそれが薄れて"消えた"。 「……!?」 ルイズの表情が固まる。 僅かに身を乗り出して凝視するが、柊の手に握られていたはずの一輪挿しは影も形もない。 目を離した訳ではない。布が被せられた訳でもない。 目の前にあったはずのモノが、霞のように消えたのだ。 「先輩、それって……」 小さく声を上げかけたエリスを、柊は人差し指を立てて静止する。 実際の所彼がやったのはただ単に一輪挿しを月衣――ウィザードが纏う個人用の結界で、その中に様々な物品をしまう事ができる――の中に収納しただけ。 厳密に言うならこれは『魔法』ではないのだが、知らない人間からすれば同じようなものだろう。 現にルイズは何が起こったのか理解できていないらしく、食い入るように柊の手を睨みつけていた。 「どうだ?」 何も持っていない事を示すように手をひらひらさせながら、柊はルイズに声をかけた。 すると彼女は悔しそうに歯をかむと、 「な……何よ、魔法じゃなくてただの手品じゃない。こんなので……」 「疑り深いな……ならもう一回見せてやるよ」 とはいうものの、柊としてはそれなりに予想通りの反応だ。 百聞では絶対に信じないし、一見でもまず信じない。 それなら二見でも三見でもするだけだ。 柊は椅子に座る二人を促して立ち上がらせた。 そして今まで三人が囲んでいたテーブルを両手で抱えると――今度はそれを月衣に収納して見せた。 身の丈を越える長大な箒でも楽に収納できる月衣だ、この程度のものは造作もない。 「な――」 手の中に納まる一輪挿しならまだしも、両の手に抱えるテーブルまで消失してしまってはルイズも絶句するしかなかった。 テーブルがあったはずの場所に手を伸ばして確認しても、空を切るばかり。 部屋の中をどう見回してもテーブルは存在しない。 今日初めて出会い、初めて招き入れた室内に仕掛けがあるはずもなかった。 つまりこれは―― 「あ、あんた達……」 驚愕に身を震わせながらルイズは二人を凝視する。 ようやく信じてもらえたようで柊とエリスは顔を見合わせ頷きあい、そしてルイズを向き直ると―― 「……まさか、エルフ!?」 「え?」 「はあ?」 数歩後ずさって呻いた彼女に、二人は間の抜けた声を漏らした。 「エ、エルフ?」 「だ、だって、こんな魔法知らないわ! しかも杖を持たずに魔法を使うなんて、先住魔法しかないもの!」 「お、おい、何言ってんだ? 俺達は――」 慌てふためくルイズに柊が詰め寄ろうとすると、彼女は更に後ずさって距離を取る。 彼女は絶望感に震えながら頭を抱えた。 「ど、どういうこと? 耳だって普通なのに……まさか外見を変えてるの!? そんな、よりにもよってエルフを召喚しちゃうなんて……こんな事他の人に知られたら……!!」 「お、落ち着いて下さい!」 「お前人の話を聞いてたのかよ!? 俺達は異世界の人間で、さっきのは異世界の魔法だって言っただろ!」 「き、聞いてたわよ! いいからちょっと落ち着きなさい!!」 「まずお前が落ち着け!?」 ※ ※ ※ 「……確認しとくわ」 約十分後。 ようやく落ち着きを取り戻したルイズはテーブルを挟んだ柊とエリスに静かに言った(ちなみにテーブルは再び月衣から取り出した。その時もルイズは驚いた)。 彼女は神妙な表情で二人を順に眺めやった後、おそるおそるといった風に語りかける。 「……貴方達はエルフじゃないのよね?」 「はい。正真正銘の人間です」 「異世界の、だけどな」 二人の返答を受けてルイズは小さく頷き、そして息を吐き出した。 「わかった。信じる」 「……随分簡単に折れたな」 「いいの。異世界の人間ならちょっと変な奴で片付くから。『実はエルフでしたー』とか言われるよりずっといい……」 どうやらこの世界でのエルフは相当に曰くのある存在であるらしい。 ルイズは妙に悟ったような表情で呟くと、テーブルの上で組んだ手に額を当てて大きくため息をついた。 気まずい沈黙がしばし流れた後、彼女はやおら立ち上がり二人に目を向ける。 「今日は色々あって疲れたから、もう寝る」 「……は? おい待て、本題はまだ――」 「どの道先生たちの協議が終わるまでは私の一存じゃどうにもできないもの。だから話があるなら明日」 食い下がろうとした柊を無視してルイズはクローゼットへと足を向けた。 呆然とその動きを見つめる二人の前で、彼女はクローゼットの扉に手をかけた後思い出したように振り向く。 「そんな訳だから、あんた……ヒイラギだっけ? 出てって」 「あ?」 いまいち状況を飲み込めない柊は眉を寄せる。 しかし彼女は一向に構う事無く言葉を続けた。 「あんた、私の使い魔じゃないわよね?」 「当たり前だろ」 「ここは女子寮、男子禁制。で、あんたは男。出て行くのは当然でしょう? あ、そっちの子……エリスは特別に泊めてあげるわ」 「え……あ、ありがとうございます……?」 「な……っ」 訳のわからないままとりあえず礼を言うエリスの横で柊が立ち上がった。 「じゃあ俺はどこで寝るんだよ。行くアテなんてねえぞ」 「野宿でもすれば?」 「お前、勝手に呼び出しといて何っ……!」 「――大声出すわよ」 柊の訴えを切って捨てるようにルイズが目を細めて呟いた。 二人のどちらが正論かと言うなら、議論の余地などあるはずがない。 柊は悔しそうに身体を震わせると、蹴るようにして踵を返して部屋の入り口に歩き出した。 「覚えてやがれ!」と負け台詞を残して柊は部屋の外へと消えていく。 ルイズはふんと鼻を鳴らして彼を見送った後、呆然と立ち尽くしているエリスに目を向けた。 「ホントは平民が貴族の部屋に泊まるなんて有り得ないんだけど……特別なんだからね」 「は、はい……」 おずおずと答えるエリスに小さく頷くと、ルイズは改めてクローゼットからネグリジェを取り出して着替え始めた。 エリスは人目をはばからずに服を脱ぎ捨てていくルイズを呆然と見つめている事しかできなかった。 状況の変化に追いつけない、ということもあるが、何しろ唐突にこの世界に召喚されたため荷物などあるはずもない。 どうしようかと立ち竦んでいると、ルイズが薄い布をエリスに差し出してきた。 「そのままで寝るの? 貸してあげるから着替えなさい」 「え、あ、はい」 言われるままにそれを手にとって広げて見ると、エリスは目を丸くした。 ルイズが今来ているものもそうだが、今手渡されているネグリジェは生地が薄く仄かに透けており、まさしく貴族が羽織っているような代物だった。 「どうしたの? 早く着替えなさい」 「あ、はいっ」 ルイズに促されてエリスはあわてて服を脱ぎ始める。 ブラウスとスカートを脱いで下着姿になり―― 「……あの」 「なに?」 エリスは僅かに頬を染めて声を出した。 「その、じっと見られると恥ずかしいんですけど……」 ちらりとルイズに目を向けて呟く。 既に着替えを終えていたルイズがベッドに腰掛け、まるで観察するように見つめていたのである。 「女同士じゃない。気にしないで」 「はあ……」 とりあえず納得する事にしてエリスは着替えを続けた。 ルイズは下着も脱いで着用していたようだが、流石に下着までは脱げなかった。 ネグリジェを羽織り、腕を通す。 エリスはルイズよりもやや背が高いが、どうやらこれはやや大きめの採寸のようで窮屈さは感じない。 エリスは胸のボタンを留めようと手を伸ばし―― 「……あの」 「なによ?」 「…………ちょっとサイズが小……っ、なんでもありません」 寒気が走って口を噤んだ。 しかし遅すぎた。 「だったら脱いで裸で寝なさいよ! 似たり寄ったりの体格の癖に調子乗ってんの!? 大体なんなのよその胸当てはぁ! 強調してアピールでもしてるつもり!?」 「ごめんなさい! ごめんなさいっっ!!」 飛び掛ってネグリジェを剥ぎ取ろうとするルイズに、エリスは縮こまって必死に謝ることしかできなかった。 ※ ※ ※ (……はあ。これからどうなるんだろう) 灯の消えた薄暗いベッドの上。 隣で眠っているルイズに背を向けて、エリスは窓の向こうに映る二つの月をぼんやりと眺めていた。 よくわからないが何故か既視感を覚える双月を見やりながら、彼女は小さく息を吐く。 かつてはウィザードとして日常の外側に身を置いてたが、その力を失った今になってまたこんなことになるとはまったく思わなかった。 それも異世界に召喚される、などというとびっきりだ。 そういう類の物語ではよくある事だが、やはりエリスもそうなってしまった今思い浮かべるのは元の世界の事だった。 向こうでも今は夜なんだろうか、とか。明日は学校に行けないなあ、とか。 家族――はいないが、お世話になっている赤羽家の人達はもうこの事を知っているのだろうか。 召喚された時にアンゼロットもいたので説明はされているのかもしれない。 不安があるか、と言われれば当然あると答えるのだが……彼女に悲壮感の類は一切なかった。 なぜなら、異世界に召喚されたのは彼女だけではなく、柊 蓮司も一緒だからだ。 三月の初旬、紅い月の下で初めて柊 蓮司と出逢って以来、彼は一度として志宝エリスの信頼を裏切らなかった。 それどころか彼女の側から彼を――彼と、彼と彼女の仲間と、世界総てを裏切った時でさえ柊 蓮司は志宝エリスを信じ続けた。 心の裡の小さな匣の中で重ねた指の温もりを覚えている。 心の裡の茨の檻から乱暴に引き摺り出され、けれど優しく抱きとめられた時の暖かさを覚えている。 そんな彼がエリスに「大丈夫だ」と言った。 ならばそれは彼女にとって、どんな不安や苦痛にも勝る絶対の言葉だった。 「……ねえ、エリス」 「……はい?」 背中から届いた声にエリスは現実に引き戻された。 彼女は振り向こうかと身を捩らせたが、次いで響いたルイズの声で身体が硬直した。 「あのヒイラギって奴。どういう関係?」 「え、っ」 心臓が跳ね上がり、顔に熱が帯び始めるのを感じた。 部屋は暗いので見られる心配はないのだが、エリスはルイズを振り向けないまま身を丸めボソボソと囁くように言う。 「え、えっと。どんな関係って、柊先輩は学校の先輩で……」 「……特別な関係じゃないの?」 「と、特別っ!?」 エリスは思わず上ずった悲鳴を上げて、身体を震わせた。 焼けそうに熱い頬に両手を当てて、動悸した心臓を落ち着かせようと深呼吸する。 特別な関係、とはどういう事なのか。例えば……恋人だとか。 その単語が頭の中に浮かんだ瞬間、エリスは頭を抱えて閉じこもるように身体を丸める。 そして脳内に駆け巡る妄想を振り切るように、しかし多分の期待も込めて、囁く。 「そんな。柊先輩と特別なんて……そんなのないです。だって……」 「ふぅん……」 納得したのか、それとも寝る前の単なるお喋りなのか、さほど興味もなさそうな声でルイズが返した。 そして部屋が沈黙と暗闇に包まれる。 エリスはどうにか平静を取り戻したあと、小さく息を吐いて手を胸に当てた。 (だって、柊先輩には……) 彼女は感触のいいベッドに顔を沈ませて、口の中で呟く。その先の言葉は、口の中でさえ呟くことはできなかった。 何故かちくりと胸が痛む。その理由は――半ばわかってもいたが、考えたくはなかった。 早く寝てしまおうと目を閉じると、僅かな衣擦れの音と―― 「……?」 背中にルイズの手を感じた。 ※ ※ ※ ルイズが柊達の事を異世界の人間であると信じたか、と言うと。 もちろんそんなことはなかった。 とはいえ、目の前で納得し難い『魔法』を見てしまったのは事実。 実は彼らはエルフである、という可能性はおそらくない。 最初にそう思い至った時は気が動転していたが、よくよく考えれば二人が召喚されていた時から耳は普通だったのだ。 鏡をくぐる前から擬態していたとは思えない。というか考えたくない。 召喚時は日中であったので吸血鬼、という可能性もない。 では他の先住魔法を使う亜人種は――と考えたとき、天啓のようにとある可能性が思いついたのだ。 少なくとも彼女が知識として知っている系統魔法ではああいう事ができる魔法は存在しない。 だが、彼女は『知らない』が、『思い当たる』系統魔法は存在する。 ――失われた系統とされる『虚無』の属性。 モノを虚空へと消し去り、モノを虚空から出現させるなど、虚無の名にふさわしいではないか。 柊がその『魔法』を使う時に杖を使わなかったが、そもそも虚無の魔法自体どのようなものか全くわからないモノなのだ。 四つの系統魔法を使う時には杖は必要不可欠だが、虚無もそうであるとは限らない。 杖が必要ないとも限らないと言われれば確かにそうだが、仮定としては『アリ』だろう。 つまり、柊 蓮司は虚無の魔法を使うメイジである。 そう考えると、彼と共に志宝エリスが召喚された事も説明ができた。 エリスは柊の使い魔ではないのだろうか? 使い魔を持たないルイズは当然実感する機会などないが、一般にメイジと使い魔は一心同体とも言われている。 ならば柊が召喚されるのにあわせて使い魔であるエリスも一緒に召喚されてもおかしくはない。 仮説が前提の論理とはいえない代物であるが、一応は筋が通ってしまった。 柊に直接確認するのは怖かった(なにしろ事実なら彼は始祖ブリミルの再臨、という事になってしまう)ので、ルイズは先にエリスの方に矛先を定めた。 柊を追い出し、エリスに着替えさせたのだ。 エリスが柊の使い魔ならば、身体のどこかに使い魔の証であるルーンが刻まれているはず。 注意深く観察してみたが、身体にルーンらしきものはどこにもなかった。 しかしベッドに入った後"それとなく"柊との関係を尋ねてみると、彼女は目に見えて動揺したのである。 明らかに怪しい。 何かを隠しているのかもしれない。 そういえば、着替えの時にエリスの身体を全部確認した訳ではない。 ショーツ……は置いておくとして。彼女が身に着けていた妙な胸当て。 胸の形に沿って身体を覆っている布のようなモノ。コルセットにも似ているが覆っているのは胸の部分だけ、というのは奇妙だった。 怪しすぎる。 ついでに、年はあまり変わらなさそうなのにエリスのソレは明らかにルイズよりも大きかった。 何か秘密があるに違いない。 ルイズは確信した。 ※ ※ ※ 「ねえ、エリス……」 「は、はい……?」 背中に触れられるルイズの手のひらに何故か悪寒を感じながら、エリスは呻くように言った。 細くしなやかなルイズの指が背中から肩に伸び、ゆっくりと肩先を撫で上げる。 「ちょっとお願いがあるんだけど……」 やさしく宥めるようなルイズの声がエリスの耳朶を打つ。 悪寒が更に強くなった。 そういえば、彼女はやけに唐突に柊を部屋から追い出していたような気がする。 更に、着替えの時には彼女の食い入るような目線を感じていた。 加えて、今まで少し棘のある態度だったのに、何故かいきなり優しい。 なにか。 とても。 嫌な予感がする。 「あ、あのっ……その、私」 「大丈夫。これは秘密にしておくから」 (何を!?) と、エリスは叫ぼうとしたが、口から出す事はできなかった。 ルイズの手が肩から二の腕に降りてきたのだ。 ぞくぞくと駆け回る悪寒に硬直してしまったエリスをよそに、ルイズの手は彼女の身体を撫でてあげていく。 二の腕から胴体に、そして抱きすくめるように胸元へと―― 「……わ、私用事を思い出しましたっ!」 そこが限界だった。 吹っ切るように叫んでエリスは身を起こし、逃げ出そうとする。 「ま、待ちなさい!!」 だがそこにルイズの腕が伸び、エリスを捕まえた。 二人はベッドの上でもみ合いになり、ルイズを払いのけたエリスがベッドから飛び降りるように逃げ出した。 しかしルイズとしては逃がす訳にはいかない。 逃げるエリスの背中にタックルを仕掛けるように飛び掛ると、彼女を押し倒した。 再び床の上で押し合いへし合いが始まり――そして勝ったのは、ルイズだった。 「はぁ、はぁ……逃げる事ないじゃない」 床に倒れたエリスに馬乗りになり、荒れた呼吸でルイズは語りかける。 だが、落ち着かせるために言った彼女の言葉にエリスはびくりと震えた。 「大丈夫、痛くしないから……すぐ終わるわ」 「ひぅっ……!」 揉み合いに勝利した事で薄く笑んだルイズの表情に、エリスは涙目になった。 そしてルイズの手がゆっくりとエリスの胸へと伸びていく。 胸を覆う布――要するにブラジャーに触れた瞬間、エリスの中で何かが弾けた。 「い……いやぁっ!!」 「あいたぁ!?」 思いっきり振り回した腕がルイズの側頭部に直撃し、ルイズはもんどりうって倒れこんだ。 拘束を振り払ったエリスが這うようにして(腰が抜けていて立てなかった)ドアへと辿り着き、カギを開ける。 「待ちなさい! 待ってってば!!」 「待てと言われて待つ人はいません……っ!」 背後から響く静止の声を無視して、エリスは廊下へと飛び出した。 隣の部屋から響く騒音で睡眠を中断されたキュルケ・ツェルプストーは酷く不機嫌だった。 艶やかな焔髪を苛立たしげにかきあげると、彼女は文句を言うために自分の部屋を後にする。 そして廊下に出た彼女が見たのは、 「うるさいわねー、何やってんのよヴァリエー……る?」 「!?」 見覚えのない、紫髪の少女だった。 彼女はこの寮にいる女生徒全員の顔を知っている訳ではなかったが、少なくとも目の前にいる少女はこの階の寮生ではない。 しかも少女は酷く怯えた顔をしており、着ているネグリジェも少しサイズが合っていないような気がした。 おまけに彼女が出てきたらしき、たった今すごい勢いで閉じられたのはルイズの部屋のドアだ。 全く訳がわからなかった。 そんな風にキュルケがぽかんとしていると目の前の少女が、 「た、助っ、助けてくださいっ!!」 いきなり縋り付いてきて、 「――待ちなさい、エリス!!」 ルイズが物凄い形相で廊下に飛び出してきた。 ルイズはキュルケの姿を確認すると驚きの表情を浮かべ、次いで彼女の身体に隠れるようにしているエリスを見て、キュルケに視線を戻して肩を震わせる。 「ツェルプストー! その子をそっちに渡しなさい!」 何を怒っているのかわからないが、初っ端からそんな態度では当然キュルケとしては気に食わない。 何事かを言い返そうとして口を開きかけた瞬間、自分に縋り付いている少女が震えているのに気づいた。 よくよく見て見れば、その少女が纏っているのはルイズのネグリジェだった。 しかも、服装や髪が少し乱れていた。 ルイズに再び視線を戻すと、彼女もやはり少し髪と服が乱れている。 「……………あ゛ー」 キュルケは『納得』した。 これでルイズの『お相手』が顔見知りであったなら大いに煽ってやる所だが、それが見知らぬ少女――しかも怯えている――では流石に茶化す訳にはいかなかった。 なのでキュルケは普段の彼女からは想像もできないほど優しい声でルイズに語りかける。 「ルイズ……ルイズ・フランソワーズ。独り身で寂しいのはわかるけど、いくらなんでもそれはよくないわ」 「な……独り身ですって!?」 ルイズが眉を吊り上げ、怒りに身を震わせる。 普段と違う生暖かい態度もそうだが、『独り身』という言葉は聞き逃せない。 おそらくキュルケは昼ごろに行われた『使い魔の儀式』が成立しなかった事を聞いているのだろう。 既に使い魔を得ている彼女が自分を揶揄しているのだ、とルイズは思った。 「あんたには関係ないでしょ!! これは私とその子の問題よ!!」 火を噴くような勢いでルイズは叫んだが、一方のキュルケはやはり生暖かい表情でうんうんと頷いた。 「そうよね、お互いの合意は必要よね」 そして彼女は僅かに頬を染めると、恥ずかしそうに告白した。 「その、正直言って私も”そういうの”に興味がないって訳じゃないけど……ほら、やっぱり非生産的な事なわけだし……ね?」 「は? そういうの? 非生産的? あんた何言っ――」 いい加減話の雲行きがおかしい事に気づいてルイズが眉をひそめた。 そしてキュルケの態度と、エリスの表情と、これまでの行為を反芻して――ようやく状況を悟った。 瞬間、ルイズの顔が真っ赤に染まる。 「ち、違っ! そうじゃない、そんなんじゃないの! 私はただその子に……!!」 「うんうん、わかってるわかってる。だから部屋に戻って……いえ、私の部屋においでなさいな。 一旦落ち着いてゆっくり話し合いましょう?」 キュルケはまるで赤子をあやすようにそう言うと慌てふためくルイズの腕を掴み、脇にいるエリスを促して二人と共に自分の部屋に歩き出す。 「だから違うんだってば!! もう何なのよぉおおおぉぉぉ!!」 夜の静寂を切り裂いて、ルイズの悲鳴がとどろいた。 ※ ※ ※ 「……もう、何だってんだよ……」 ルイズの部屋を追い出された柊は、女子寮の扉の前で大きくため息をついた。 勢いに任せて外に出てはみたが、ルイズに言った通り行くアテがある訳でもない。 幸い気候は暖かいので野宿してもどうにかなるということはなさそうだが、やはり気が滅入る。 「こんな事ならエリスの時のテント一式、貰っときゃよかったぜ……」 彼女の住むマンションのベランダでのテント生活を思い出して柊は息を吐き出し、夜空に浮かぶ二つの月を見上げた。 ルイズから聞いたハルケギニアの話は特に驚くような事はなかったが、話す内に日が暮れて二つの月が浮かんだ時は目を見張った。 というのも、ほんの三ヶ月程前に関わった事件で空に二つの月が浮かぶ、という現象が起きたためだ。 とはいえこの世界では二つの月が昇るのは普通の事であるらしい。それなら何も心配はなかった。 「何者です」 「……!」 と、そこで不意に誰何の声が上がり柊ははっとして声の主を探した。 女子寮の入り口から少し離れた場所、薄暗がりの中に、ローブに身を包んだ人影があった。 フードに隠されていて顔立ちはよく分からないが、声の高さから恐らくは女。 そして友好的な雰囲気でないことはわかる。 「ここは名のある貴族の子弟が通う魔法学院。たとえ偶然とはいえ平民が足を踏み入れて良い場所ではありませんよ」 剣呑な響きでその女性は言うと、懐からルイズが持っていたようなタクトを取り出した。 それで柊はこの世界の魔術師――メイジが魔法を使う時には杖が必要だという話を思い出す。 恐らく彼女はメイジで、取り出したアレは『杖』なのだろう。 柊は慌てて両手を上げると敵意がない事を示す。 「ま、待ってくれ! 俺は……あー、その、ルイズって奴に召喚されて……!」 言いかけて柊は心の中で舌打ちした。 明らかに怪しすぎる言い訳だ。信用されるはずがない。 だが、相手の反応は違った。 「召喚? まさか、貴方が件のミス・ヴァリエールの……?」 「そ、そう! それ!」 「……なるほど」 女性は小さく息を吐くと剣呑な空気を収め、手にした杖を懐に戻した。 あっさりと信用した事にむしろ柊の方が驚いていると、女性はくすりと笑みを零す。 「昨日今日の出来事ですから、むしろそれらしい言い訳をするよりは信憑性があります」 普通の人間ならそんな事は言いませんしね、と言いながら女性はフードを払った。 そして彼女は青い髪を揺らして僅かに首を傾げ、温和な表情で眼鏡越しに柊を見つめる。 「それで、こんな所でどうしたのです。ミス・ヴァリエールと一緒ではないのですか?」 「あ、いやー。それが、なんでかわかんないけどいきなり追い出されまして……」 「……はあ」 「それで泊まるアテもないんでどうしようかと……」 「……」 柊の言葉を受けて女性は指を顎に当て、しばし黙考した。 そして僅かに顔を俯けると、探るように尋ねる。 「そういえば貴方と……もう一人いたんでしたか。契約を拒否した、と聞きましたが」 「あ、そうっす」 「今後も契約をするつもりは?」 「ありません」 そこははっきりと断言した。 すると彼女は何故か納得したように頷くと、ちらりと周囲を見回した後で柊に歩み寄り心持ち低めの声で言う。 「……ならば、連れの人と一緒に今すぐここを離れた方がいいでしょう」 「え?」 女性の提案に柊は僅かに驚いて目を見張る。 しかし女性はまっすぐに柊を見つめ、言葉を続けた。 「貴方達に対する処遇は明日先生方の協議で決定されます。……が、まず間違いなく結論はこうでしょう。 ――無理矢理にでも貴方達……あるいはいずれかを契約させる」 「な……なんだよそれっ!?」 「使い魔の儀式は『彼等』にとって神聖な儀式です。やり直しなど認められません。 ましてヴァリエール公爵家はトリステインでも三指に入る程の名門……その御息女が使い魔に拒絶された、などという事になれば彼女自身の風評はおろか学院の名にも傷がつきます。 『彼等』は彼等の名誉にかけて貴方達を認める訳にはいかないでしょうね」 「……無茶苦茶だな」 「……あの方達は『貴族』ですから」 女性は僅かに目を逸らした。 その表情と、その言葉の響きに一瞬だけ陰鬱なものが混じる。 その変化に柊はひっかかりを覚えもしたが、他人の事情に深く踏み込んでいる場合でもなかった。 柊は顎に手をかけて少しだけ黙考し、女性に向かって問いかける。 「ここ以外に召喚……魔法について詳しい所ってありますか?」 「魔法、ですか? ロマリアを除く各国にも魔法学院はありますが、規模と資料なら恐らくここが一番ですね。 もっとも、平民の貴方では他の魔法学院に行ったところで敷地に入る事もできないでしょうが……」 「そうか、そうなるか……」 柊は返答に難しい顔をして顔を俯ける。 確かに身の危険は差し迫っているかもしれないが、ここが元の世界に戻るための手がかりに最も近い場所には違いないようだ。 ……ちなみに同じ頃、エリスには別の意味で危険が差し迫っていた訳だが、それを柊が知る由もない。 ともかく、そんな柊の表情を察したのか、確認するように女性が言った。 「……ここを出る気はないようですね?」 「はい。元……あー、元いた場所は普通じゃちょっと行けない場所にあるんで。魔法を使わないとちょっと……」 「そうですか……一応忠告はしましたから」 「すいません、ありがとうございます」 頭を下げる柊は女性は僅かに口の端を歪めると、踵を返して歩き始めた。 遠ざかっていく彼女の後姿を見ながら改めて今夜の寝床をどうするかと考えていると、女性が立ち止まって声をかけた。 「こちらへ」 「?」 柊の返答を待たず再び歩き始めた女性に、柊は首をかしげながらもとりあえず後を追った。 彼女に先導されて少し敷地内を歩きやがて何かの建物に辿り着くと、彼女はドアを軽くノックする。 ややあって扉が開かれ、姿を見せたのは寝着を纏うやや年のいった女性だった。 彼女はローブの女性を見るや驚きに目を見開き、どこか慌てた風に口を開く。 「ミ、ミス・ロングビル!? どうなさったのですか、こんな時間に!」 「少々事情がありまして……たしか先月、部屋が一つ空きましたわよね?」 「え、あ、はあ。それはそうですが……」 「簡単で構いませんので、部屋の用意をして下さい」 「え……よ、よろしいので?」 「構いません。許可は後ほど私が学院長に取ります」 「……かしこまりました」 寝着の女性は一度柊を訝しげに見やった後、堂の入った仕草で恭しく一礼すると建物の中に姿を消した。 そしてローブの女性――ロングビルは後ろで控えていた柊を振り返ると、 「今夜はこちらに泊まるといいでしょう」 「あ、ありがとうございます……でも、本当にいいんですか?」 「構いませんよ、事情が事情ですしね。……ただし」 「ただし?」 「空き部屋がここしかなかったのでやむを得ませんでしたが、ここは使用人達が詰める女子宿舎です。くれぐれもみだりに出歩きませんよう」 「あ……はい、それは」 気恥ずかしくなって頭をかくと、ロングビルはくすりと笑みを零した。 柊は思い出したように背筋を伸ばした。 「あ、俺、柊 蓮司って言います」 「ロングビルと申します。この魔法学院の学院長の秘書を務めさせて頂いてます」 「げ……ということは結構上の人……」 「肩書きだけですわ。教鞭をとっている訳でもありませんしね」 気まずそうに眉をしかめる柊を見てロングビルが可笑しそうに笑みを零す。 学院長の秘書がなぜこんな時間に外を出歩いているのか気になりはしたが、尋ねるのをはばかっている内に部屋の準備を終えた女性が戻ってきてしまった。 「すいません、色々と世話になっちゃって」 「貴方も大変でしょうが頑張ってください」 頭を下げるとロングビルは人のいい笑みを浮かべて会釈を返し、再び夜の敷地内へと歩いていった。 それを見送った後、柊は多分に不審そうな表情が入り混じった女性に連れられて与えられた部屋へと向かうのだった。 建物から十分に距離を取ったのを確認した後、彼女は大きく息を吐いて肩を落とした。 再びフードを被って顔を隠すと、いささか疲れた様子で小さく呟く。 「……やれやれ。夜になってまでイイヒト演じなきゃなんないとはね……」 誰に言うでもなく零したその言葉は、やはり誰に聞かれるでもなく夜闇の向こうに消えていった。 前ページ次ページルイズと夜闇の魔法使い
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DC3/W46-098 カード名:With You カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:2 【自】このカードが手札からクライマックス置場に置かれた時、あなたは自分の控え室の赤のカードを1枚まで選び、ストック置場に置き、自分のキャラすべてに、そのターン中ソウルを+1。 立夏「ふぅん、面白いわね」 レアリティ:CC illust.CIRCUS 「D.S. -Dal Segno-」&「D.C.Ⅲ With You~ダ・カーポⅢ~ウィズユー」収録 ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 ふたつの世界の物語 立夏 1/0 5000/1/0 赤 桜に語り掛ける立夏 3/2 10000/2/1 黄 “君と旅する時の魔法”立夏 3/2 9000/2/1 赤 ・同名カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 With You(W81-046) CX 枝 黄 「サーカス 20th Anniversary」収録
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カードデータ カード名 霧雨 魔理沙〈普通の魔法使い〉 効果:☆このカードが相手のカードの効果で手札から墓地に置かれるに際し、代わりに中央エリアのスクエアにフリーズ状態で置いて良い。★このカードは相手のカードの効果でスクエアから離れない。(相手のカードの効果でこのカードがスクエアを離れようとする場合、代わりに何もしない。) 種族 メイデン/ウィッチ 種別 ユニット タイミング クイック 使用コスト 白2無2 移動コスト 白1無1 パワー 4500 スマッシュ 1 ゲーム外カードデータ 収録セット 東方零次元 ~緋想天&星蓮船~ No. 187 フレーバーテキスト 魔法の星キラキラ、恋が始まる。 Illustration かやこ?
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これでもう、逃げも隠れもできひん。 伏し目がちにはるなの様子を窺う野中氏の表情は、 迷いに囚われた愁いを帯びているように見えた。 野中氏にこんなに哀しい顔をさせてしまっているのは、はるなのせいや。 だから、はるなの手でその愁いを取り払ってやらんと。 でも。 野中氏に声をかけようと口を開きかけたはるなの喉が、一瞬にして凍り付く。 心の奥底から湧き上がってくる強烈な恐怖。 頭の中が一気に霞がかり、思考能力が急速に奪われていく。 また……これや。 はるなが本気で自分を変えようと肝心な一歩を踏み出そうとしても、 いつもそれを阻止するように恐怖が襲い掛かってきて全身を支配し、 結局はるなは立ち竦んだままで何もできずに終わってしまうんや。 でも今回だけは。 あかねちんが、まりあが、そして石田さんと小田さんが、 はるなのためにあれだけ手を差し伸べ激励してくれた今回だけは、 この恐怖に打ち勝って前に進まんとあかんのや。 必死になって心を奮い立たせようとするものの、 その感情を全て呑み込んでいくように足元から震えが上がってくる。 ああ……。ここまできて、みんなの助けもあって、 それでもはるなはヘタレのままで終わってしまうんか。 恐怖に抗うことができず、心折れかけたはるなに絶望が広がる。 はるなはこのまま、一生弱虫で、恐怖に打ち震えて生きていくしかないんや。 きっと誰の助けがあってもはるなは自分を変えることなんてできひんし、 たとえどんな魔法を使えたとしてもそれは…………。 その刹那。 『尾形には色々魔法を教えてきたけど、 最後にもう一つだけ、とっておきのものを伝授してあげる』 脳裏に突然響く、懐かしい声。 これは……道重さんに魔法を教わった時の記憶や。 『この魔法は本当に特別でね。これまで教えた魔法は、自分自身には使わず 周りの人を幸せにするために使うように言ってきたけど、この魔法だけは違う。 唯一の自分自身のための魔法なの。 それも、使っても何が起こるかはわからないっていう、一種のパルプンテな魔法なんだ。 ただね、具体的な効果はどうなるかわからないけど、間違いなく言えるのは、 この魔法を使えば自分の背中を押してもらえる。 八方塞がりで身動きも取れなくなった時に、 現状を打破して一歩踏み出すためには最適な効果を発揮してくれるはずだから。 でもそのリスクもとっても大きくて、もし一度使ったら自分自身の魔力を全て使い尽して、 もう2度と魔法を使うことができなくなってしまう。 だから、もし尾形が本当にどうしようもなくなった時に、 魔法を使えるって特権も何も全てを投げ打ってもいいという覚悟をした上で使ってね』 そういえば確かに、道重さんにそんな話をされたことがあった。 パルプンテな魔法なんて教えてもらっても自分には使う機会もないからと、 すっかり忘却の彼方に記憶を置き去りにしていたけど、きっと……。 今が、その時や。 もう2度と魔法を使えなくなったって、それでもかまわない! だから、だから……恐怖に打ち勝つだけの勇気を、はるなに与えておくれ!! 恐怖に覆い尽されて思考が完全に停止するその前に、 ワラにもすがる思いで、はるなは小声で最後の魔法を詠唱する。 その瞬間、はるなを襲う強い眩暈。 これが……パルプンテの効果なんか。 それ以上何にも考えることができず、 はるなは闇に落ちるように気を失った。 … … … 「……! …………!!」 誰かに呼ばれた気がして、はるながゆっくりと目を覚ます。 ここは……。 見覚えのない小部屋。 そしてはるなの目の前にいた人物は……。 佐藤さんやった。 この状況は一体……。 魔法を唱えて気絶したはるながこの小部屋に運び込まれた……ってことではないやろな。 となると、魔法によってこれまで封印されていた過去の記憶が呼び覚まされたとか、 それとも仮想現実の世界に飛ばされたとか、もしかして全く別次元の出来事やったりして。 魔法酔いした回らない頭でそんなとりとめのない想像に沈むはるなの顔を、 目がなくなるほどの満面の笑みで佐藤さんが覗き込んできた。 『で、はーちんは何をそんなに悩んでるの? まさに聞かせて』 突然の問いかけにも関わらず、はるなはまるでそれが当然であるかのように これまでにあったことやその時々のはるなの心情を、包み隠さず佐藤さんに話していた。 道重さんに魔法を教わったことから始まり、 魔法を用いて様々なメンバーにちょっかいをかけたこと、 その挙句に野中氏の想いを無下にして傷つけてたこと、 野中氏を傷つけてしまったと気づいた時の後悔の念、 そしてどうにか自分を変えようと足掻くはるなをあざ笑うかのように襲い来る恐怖……。 全てを聞き終えた佐藤さんが、なるほどねと微笑む。 『そっか、怖いんだはーちんは』 『……はい』 佐藤さんの次の言葉は、はるなの想像の範疇から突き抜けたものやった。 『良かったじゃん』 良かった!? いやいやいや、どこをどう切り取っても良かったことなんて何もあらへんですやん。 反射的に浮かんだツッコミを口に出す前に、佐藤さんが続けてその理由を語り出す。 『だってこれまでは自分がこんなにも怖がってるなんてちっとも気づいてなかったのが、 それをようやくちゃんと自覚できたってことでしょ? そのことがわかっただけでも大きな前進じゃん』 なるほど、はるなはこれまで心の奥底にある恐怖から無意識に目を逸らして生きてきた。 ここまではっきりと、自分が恐怖を抱えて生きていると自覚したのは 確かに初めてかもしれん。 でもそれを前進と言われても……。 『どうしたら……この恐怖から逃れることができますか??』 思わず縋りつくように佐藤さんに訊ねてしまったけど、その答えは絶望的なものやった。 『うーん、逃げようとか消しちゃおうとかはやっぱ無理じゃないかなぁ』 はるながガックリ消沈するのもつかの間、佐藤さんが更に言葉を紡ぐ。 『だってはーちんの感じるその恐怖ってのは、はーちんの心が叫び声を上げてるんだから、 はーちんは嫌がるだろうけど、それも立派なはーちんの一部なんだよ。 だから逃げたりするんじゃなくって、怖いってことを怖いってこととして そのまま全部受け入れてあげて、怖いって感情を抱えながらその上で、 それでもはーちんがやりたいこと、やらなきゃいけないことは何なのか、 そのことを考えてみればいいんじゃない?』 この恐怖はあくまではるなの一部であり、恐怖を恐怖として受け入れる……。 今までどうにか逃れたいという思いで一杯一杯で、そんなこと考えたこともなかった。 『まさもそーだったから。 ヘルニアになった時、まさはモー駄目だと思った。 もう2度と前のようには戻れないんじゃないかって怖くて怖くて仕方なかった。 でも、そんな怖さを受け入れた上で、それでも絶対にまたみんなの元に戻りたい、 モーニング娘。の一員としてまたステージに上がって みんなと一緒に踊りたい、みんなと一緒に歌いたい。 そんな気持ちがとっても強かったから、ツラい治療も我慢して、キツい筋トレも頑張って、 だからまさは今みんなと一緒にいれるんだよ』 腰を痛めたあの時、佐藤さんはそんな恐怖を抱えながらも、 それ以上の強い想いによってヘルニアを克服したんか。 でも、はるなは佐藤さんのように強くはあらへんし……。 佐藤さんの言わんとすることは呑み込めてきたものの、 それでもまだ不安を拭い切れないはるなに、 佐藤さんが小首を傾げながら問いを返す。 『はーちんはなんでそんなに怖いの?』 『……わかりません』 もちろんこれまでに、その答えを求めて自問したことはある。 大きな理由の一つとして、傷つきたくないからというのがあるのは間違いないんや。 ただ、それだけでは答えとしてまだ足りず、更なる深層に隠れているものが一体何なのか、 それを考えようとしただけで今までにない恐怖に襲われたはるなは、 結局その正体を見極められないまま有耶無耶にするしかできひんかった。 はるなの答えに納得がいかないように眉根を寄せた佐藤さんやったけど、 しばらくして何か閃いたようにポンと一つ手を叩いた。 『もしかして……。 はーちんってさ、D&Nのこと、どう想ってる??』 D&N=ドンクサイ&野中、つまり野中氏のことをどう想ってるか訊かれて、 なんやわからへんけどはるなはむやみやたらに慌てふためいてもうた。 『どうって……。 野中氏は、はるなの同期で、アメちゃんをよくくれて、それで、えーと……』 そんなはるなの様子に、佐藤さんがニヤリと笑った。 『やっぱりわかってない。 D&Nのことどう想ってるか、その答えはさっき自分で言ってたじゃん。 よーく思い返してみなよ』 佐藤さんに促され、はるなの記憶が急速な勢いでリピートされる。 そうや。 あれは野中氏を傷つけてしまったことにようやく気づいたはるなの心情を、 佐藤さんに伝えた時のことやった。 『はるなの心はただただ恐怖に打ち震え、かけがえのない存在を傷つけても 見て見ぬ振りしかできずに立ち尽くすだけ』 野中氏は、はるなにとって、かけがえのない存在……。 『道重さんから教えてもらった魔法も、もう使う資格なんてあらへん。 すぐ側にいる大切な人を幸せにできないどころか、逆に悲しませてしまうようなはるなが、 周りを幸せする魔法なんか使えるはずもないんや』 野中氏は、はるなにとって、すぐ側にいる大切な人……。 そうやったんか。 はるなが野中氏に対してそんな想いを抱いていたなんて。 何で、今までそのことに気づきもしなかったんや……。 はるながずっと閉じ込め続けてきた封印が、ついに解かれる。 溢れ出す野中氏への想い。幻想的な痛みがはるなの胸を締め付ける。 『D&Nへの想いにも気づけて、これでまた一つ大きな前進だね。 これで怖いのを受け入れた上で、それでもD&Nのためにやらなきゃいけないこと、 そのこともわかってくるんじゃない? それにもしかしたら、はーちんがずっと隠し続けてきた2つのこと、 怖いって気持ちとD&Nへの想い、 その2つって何か特別な深い繋がりがあったりするのかも。 なんではーちんがそんなに怖がってるのか、その理由も何か見えてくるかもね』 はるなの恐怖の奥底に潜む、その根源にあるもの。 それは、野中氏を…………。 はるなの全身を電流が貫く。 その瞬間、はるなの中で全てが繋がった。 わだかまる恐怖と野中氏への想いは、はるなにとって表裏一体やったんや。 そのことに気づけた今なら、はるなはこの恐怖を素直に受け入れられる。 新たな一歩を踏み出すことだってきっとできるはずや。 はるなのせいでこんなにまで傷つけ苦しめてもうた野中氏に、まずはちゃんと謝らんと。 そして、ようやく向き合うことができた野中氏への想いを全てぶつけよう。 その結果どうなってしまうのか、それはわからへん。 でもそれでいいんや。 だって、はるなは野中氏のことが…………。 「ああもう、まどろっこしいなぁ!!」 ……えっ?? カーンと突き抜けるような佐藤さんの声で、はるなの意識は現実世界へと引き戻される。 「いくよ! よこやま!!」 「はい!!!」 「「せーの、ドーン!!!!!!!」」 背中から受ける激しい衝撃。 まったく無防備だったこともあり勢いよく前方にふっ飛んだはるなは、 同じように突き飛ばされた野中氏の身体を抱き留める形となってようやく止まった。 野中氏の肩越しに目にしたのは、ニヤニヤ顔のよこやんと、困惑顔のかえでぃーの姿。 はるなと目が合ったかえでぃーは、「うちの横山がすいません」とばかり 横にいるよこやんの後頭部をガシッと掴み、2人してはるなに向かって頭を下げる。 そうか、野中氏の背中を押したのはよこやんってことやな。 となると、はるなの方は……。 「最初からこーしてれば良かったんだよ!」 「いやいやまーちゃん、いくら何でも強引すぎるでしょ」 振り向いて確認するまでもない。 はるなの肩越しに野中氏が目にしているのは、佐藤さんと工藤さんのお2人や。 それにしても…………。 いくらなんでもおかしすぎるやろこの状況!! せっかくはるなが佐藤さんの助言によって自分の真実の想いに気づいて、 ついに恐怖を乗り越えて自らの意志で新たなる一歩を踏み出そうっていう、 ホンマ重要な、はるなにとってはオイシイ見せ場のシーンやったのに……。 それがドーン一発で台無しやん!! しかも、道重さんが『背中を押してくれる魔法』なんて言うてたけど、 それってまさかのそのまま物理的な意味やったんかい!!!! はるなの頭に高速で渦巻く、口にはできないツッコミの数々。 そんな不穏な空気を敏感に察知したのかどうか、 「さあやることやったからさっさと退散するよみんな!」という工藤さんのツルの一声で 闖入者4人がゾロゾロとレッスンルームを退室していく。 結果残されたのは、またしてもはるなと野中氏の2人だけなんやけど……。 はるなの腕の中にジンワリと広がる野中氏の温もりが、 さっきまでとの状況の違いを明確に主張していた。 しばらく無言で抱き合ったままの2人。 でもそれは、直前のドタバタ騒動の余韻から抜け切れず半ば放心状態なだけで、 最初に2人きりになった時の緊迫した空気はすっかり霧消していた。 そして、呼吸することを急に思い出したかのように 大きく吐いた野中氏のため息をきっかけに、時が再び動き出す。 「……ビックリしたねぇ」 「そうやな」 「なんか、すごかったねぇ」 「そうやな」 短いやり取りの後、また沈黙が続くかと思いきや、 突然野中氏の肩が震えだし、小さな笑い声が漏れてきた。 「なんやねんいきなり。今笑うところちゃうやん」 「だって……。背中を押された時のはるなちゃんのビックリ顔を思い出しちゃって」 はるなの抗議に、堪えきれなくなったのかさらに笑いのスイッチが入る野中氏。 「失敬やな。そういう野中氏かて飛んできた時すごい顔してたで」 背中を押された瞬間の状況を思い返してみる。 普段見たこともないくらいに大きく目を見開いた野中氏のビックリ顔は、 確かにかなりレベルの高い変顔やった。 きっとはるなも、野中氏に負けないくらいに凄い顔してたんやろな。 そんなことが頭に浮かぶと、はるなの方も無性に笑いがこみ上げてきて、 そこからはもうお互いに我慢できず、2人して大きな声でひとしきり笑い合った。 レッスンルームに響く笑い声が、一体どれくらい続いたやろか。 ようやく笑いが収まった時には、はるなの中の重苦しい気持ちはすっかり浄化され、 気負いもなく素直に、そして自然に自分の想いを口にすることができたのやった。 「ごめんな、野中氏。 はるなはこれまでずっと自分のことしか考えないで、 野中氏のことを酷く傷つけてばかりやった」 「ううん、悪いのは私。私の方こそ自分の気持ちを抑えきれず 自分勝手にはるなちゃんに押し付けるようなことをしちゃったから、 はるなちゃんに嫌われても仕方ないよね」 悲しげな声で否定する野中氏に、はるなはゆっくりと首を振る。 「それはちゃうで。野中氏は何も悪くない。 ホンマに悪いんは全てから目を逸らし続けてきたはるなの方なんや」 至近距離で目が合う2人。 もうはるなは、野中氏から目を逸らすようなことは絶対にせえへん。 「なあ野中氏。はるなの話を聞いてもらえるか」 見つめ合った瞳から真摯な想いを感じ取ったのか、野中氏は小さく頷いてくれ、 はるなはじっくり噛みしめるような口調で胸の内を話し始めた。 「はるなは、怖かったんや。 自分が傷つくことが。誰かを傷つけてしまうことが。 でもそれは間違いやて、ただの欺瞞でしかないって、まりあが教えてくれた」 あえて厳しく否定することによって、はるなの殻を打ち破ってくれたまりあの想い。 はるなは絶対に忘れへん。 「それでも消えることのない恐怖。 その正体が何なのか、ずっとわからんままやった。 でも、やっと見極めることができたんや。 この恐怖が、野中氏への想いと密接に関わっていることに」 意味が呑み込めず頭にクエスチョンマークを浮かべる野中氏に、 はるなはついに、秘め続けてきた真実の想いを伝えようと口を開く。 その瞬間、またしても胸の奥から襲いかかってくる激しい恐怖。 でも、それも承知の上や。 もうはるなは、この恐怖を受け入れることに躊躇いはあらへん。 それに……。 あかねちんに噛まれたはるなの手首が、もちろん傷痕なんて残ってるはずもない手首が、 ジンワリと熱を持ってはるなの心を奮い立たせる。 あかねちんから受け取った熱い想い、はるなは決して無駄にはせえへん。 胸の奥から襲いかかってきたのは、恐怖の他にもまだあった。 秘めた想いを隠したままにしようとする、言い訳と誤魔化しの数々。 でもそれも、はるなの決意を止めることはもうできひん。 新たな一歩を踏み出す勇気を、はるなは石田さんから確かに受け取ったんやから。 「なあ野中氏。はるなはな……。野中氏のことが、好きなんや」 野中氏から目を逸らすことなく、はるなはやっと、この想いを伝えられた。 「そんな…………」 「野中氏が驚いて絶句するのもようわかる。 野中氏の好意を受け止められず目を逸らして傷つけてもうた癖に、 今更何を言うとんねんって話やもんな。 でもはるなは、野中氏がホンマに好きやったからこそ、 野中氏の気持ちを受け入れるのが、怖くてできひんかった。 それどころか、自分が野中氏のことを好きやっていう気持ちすら直視できひんかった。 そのことに、今頃になってやっと気づいたんや」 「それって……。 石田さんが言ってたのと同じような理由? 好きって気持ちを自覚しちゃったら、今の心地よい関係が あっさりと壊れてしまうかもしれないという恐怖のこと? それなら……私もわかる。だって私もそうだったから」 「うん、それもある。 でもな、はるなはどうやら、野中氏が思うよりずっと、 身勝手で独占欲が強い人間のようなんや」 最後の魔法によって導き出された、はるなの抱える想いの全貌。 全てを理解した今でも見て見ぬ振りしたいくらい恥ずかしすぎる内容やけど、 もう何も隠し立てはしないと決めたんや。 それがどんなに無様なものであっても、野中氏に全部聞いてもらわんと。 「もしはるなが自分の想いに気づいたら、 野中氏のことが好きだという本音を受け入れてしまったら、 まず間違いなくそのままにしておくことはできひん。 きっと何かの拍子に、勢いに任せて告白してしまうはずや。 優しい野中氏のことやから、一度はそれを受け入れてくれるかもしれへん。 でも、両想いになれたとしても、それは長続きせえへんはずや。 何しろはるなは、ビビリでヘタレで自分勝手な個人主義やから、 いつもずっと一緒にいたりしたら、はるなの嫌な部分が全部露わになってしまう。 そんなことになったら、すぐ嫌われてあっさり捨てられるのも当然のことやから」 自分の感情に流されないように、一言一言慎重に言葉を紡いでいく。 「一度は想いを実現しながら、その上で全てを失うダメージの大きさ。 それが計り知れないほどの辛さなのは容易に想像できることやし、 もしそうなってしまったら、はるなはもう二度と立ち直れへん。 それならいっそ、最初から手に入れようとしない方がずっとましや。 ……なんていう気持ちが根底に隠れていたからこそ、 はるなは野中氏からの好意に過剰反応して無意識に距離を置き、 その結果、野中氏のことをこっぴどく傷つけてもうた。 度々はるなの決断を阻む恐怖も、自分自身の想いに気づかせまいとする 一種のストッパーの役目を果たしていたんやな、きっと」 口に出してみてはっきり実感するあまりの独りよがりな内容に、 思わず自嘲気味に吐き捨てる。 「飛んだお笑い種やろ。どこまで妄想を広げてるっちゅーねん。 野中氏と両想いになれるのを前提に話を進めてること自体、 自意識過剰にもほどがあるやろ。 こんな勝手な想いによって野中氏をこれほどまで苦しめていたなんて、 いくら謝罪してもし足りひんし、愛想をつかされて軽蔑されたって仕方のない……」 「STOP!!」 はるなの話を黙って聞いてくれていた野中氏から、突然放たれる制止の声。 驚いて言葉を止めたはるなに、野中氏が優しく微笑みかける。 「はるなちゃんってさ、ホント頭いいよね。 だからどんなことでも自分で論理立てて考えて、自分でしっかり結論を導き出して。 私はそういうの全然苦手だから、羨ましい限りなんだけど。 でも、はるなちゃん一人では済まない問題に対してまで、他にも当事者はいるのに 全部自分で結論まで決めつけちゃうのって、ちょっと暴走しすぎだと思うんだ」 もう一人の当事者である野中氏からの穏やかな抗議は、 まさにぐうの音も出ない正論やった。 「だから……。次は私の番。 私の話も、聞いてくれるかな?」 静かな気魄に圧倒されたはるなが小さく頷き、 そして野中氏はゆっくりと語り出した。 「この前、横山ちゃんに言われたんだ。 私とはるなちゃんはおんなじ、何もかも全部がおんなじだって。 私も言われた時は半信半疑だったけど、今ならよくわかる。 確かに私とはるなちゃんはおんなじ。 違いがあるとすれば、自分の中でスパッと結論を出してしまえるはるなちゃんと、 いつまでもウジウジ足踏みしちゃう優柔不断な私の差くらいで、 胸の内に抱えているものは、全部おんなじだったんだよね」 おんなじって……。 はるなと野中氏は、性格から何からほとんど全てが対称的で、 だからこそずっと仲良くしてこれたんやって思ってた。 それを何もかも全部がおんなじだなんて、そんなの想像したこともあらへん。 「はるなちゃんが私のことを好きって言ってくれて、本当に嬉しかった。 だって、私はずっとはるなちゃんに嫌われちゃったとばっかり思っていたのに、 そうじゃなかったんだってわかったから。 そして、私達が本当におんなじだって、はるなちゃんから気持ちを伝えられて、 その時にようやく確信が持てたから……」 そこで一度口を閉ざし、躊躇したように軽く俯く野中氏。 でもすぐに顔を上げて、潤んだ瞳をはるなへと向けた。 「私も……はるなちゃんとおんなじ。 はるなちゃんのことが、好きなんだ」 その瞬間、はるなの鼓動が激しく高鳴る。 野中氏の好意はわかっていたつもりでも、面と向かってはっきり伝えられると どう反応していいかわからず目が泳いでしまう。 そんなはるなの動揺を知ってか知らずか、野中氏が相好を崩した。 「良かった。やっと直接ちゃんと言えて。 はるなちゃんは私の想いなんてとっくに気づいてただろうけど、 ちゃんと告白する余裕ももらえないままだったからさ」 「それを言われると……。正直すまんかった」 痛いところを突かれて首をすくめるしかないはるなに、 野中氏は苦笑しながらはるなの背中をぽんぽんと叩く。 「いや別に謝ってほしいわけじゃないから、そんな恐縮しないでよ。 それより、さっき話してくれた、はるなちゃんの抱えている恐怖。 その原因を取り除く方法を、私は知ってるんだ。 知ってるというか、聞いててすぐにわかった。だって簡単なことだから」 言いながらドヤ顔を向けてくる野中氏。 この頃はずっと悲しげな表情ばかり焼き付いていたから、 野中氏の楽しげなドヤ顔を目にすると、なんかはるなまで気持ちが高まってくる。 「はるなちゃんは、自分のことをビビリでヘタレで自分勝手な個人主義だから、 それを理由に捨てられちゃうなんて言ってたけど、 そんなこともうとっくに知ってるってば。 加入してからどれだけ一緒にいたと思ってるのさ。 私はそんなはるなちゃんの、ビビリなところもヘタレなところも個人主義なところも、 はるなちゃんが嫌な部分と思っているところ全部ひっくるめて好きなんだよ。 だから、そんなことで捨てられちゃうとか心配する必要なんて全然ないんだって」 できるだけみんなには自分の嫌な部分は見せんようにと思ってたけど、 野中氏にはバレバレやったんか。 確かに、デビューからずっと一緒に過ごしてきた濃密な日を思えば、 はるなの性格から何から嫌な部分も含めてバレバレでも当然かもしれへん。 でも、それも全部ひっくるめて好きだと言ってくれるやなんて、 嬉しいという気持ち以上に、なんて物好きなと耳を疑うレベルやろ。 「想いを実現しながらその上で全てを失う辛さを味わうくらいなら、 最初から手に入れようとしない方がましなんて言ってたけど、 それももっといい方法があるよね。 両想いのままずっと一緒にいればいい。ただそれだけ。 だって私達の想いは全部おんなじなんだから、 変わらずにずっと一緒でいれば失う辛さなんて味わうこともないでしょ」 たとえ今は想いが同じやったとしても、それがずっと続いていくとは限らない。 「変わらずにずっと一緒」がホンマに可能なのかと問われると、 はっきりいって野中氏の提案は現実的とは言い難いものやと思う。 でも……。 野中氏と一緒なら、そんなあり得へん「永遠」も実現できるかもしれない。 はるなは本気で、そう心を動かされてもうた。 「……こんな情けないはるなで、ホンマにええんか?」 「もちろん。はるなちゃんの方こそ、こんな優柔不断でドンクサイ野中で本当にいいの?」 「もちろん、そんな野中氏がええんや」 「やっぱり私達は……」 「うん、何もかも一緒やな」 「そう、これからもずっと……」 溢れ出す感情を抑えきれず、強く抱き合う。 2人の心がピタリと1つに重なり合ったような、これまでにない感覚。 うちらの他に誰もいない2人だけの空間に、時間も何も忘れてただひたすらに…………。 そんな前提を全て覆す拍手と歓声が、突然2人を包み込む。 慌てて身体を離して周囲を見渡すと、まったく気づかんうちに うちらの周りを真っ白な霧のようなものが囲んでいたことに愕然とする。 それが徐々に薄らいでいき、姿を現したのは……見知った顔の面々やった。 中心にいるうちらの周りを円になってぐるりと取り囲み、破顔しながら拍手したり 「ヒューヒュー!」とか「オメデトー!」とか声を上げているメンバーのみんな。 ぽんぽんさん、まりあかね、だーさくさん、まーどぅーさん、れなでぃー、 そして飯窪さんと……道重さん!? これでようやく全てが腑に落ちた。 この霧の結界もそうやし、その前もミーティングルームまで足が勝手に動いたり、 冷静に考えれば違和感のあることばかりやったけど、 それらは全部、道重さんが魔法によって裏で糸を引いてたんや。 はるなの恨めしげな視線に気づいた道重さんが意味ありげな笑みを返す。 『大丈夫、さゆみはただお膳立てしただけだから』 幻聴かそんな声が耳元にそっと届いたような気がした。 「一時はどうなるかと思ったけど、キレイに収まってくれてホント良かった」 拍手や歓声も一段落し、譜久村さんの安堵交じりの一言に生田さんが相槌を打つ。 「そうやね。ここしばらく2人のぎこちない様子に、周りも気を遣って大変やったし」 「……迷惑をおかけしてホンマすみません」 「別に謝らなくてもいいって。代わりに今日はみんな存分に楽しませてもらったしね」 やっぱりそうや……。 飯窪さんの返事に暗澹たる気持ちになりながら、恐る恐る確認してみる。 「一体、いつから??」 「それはね……。メンバーによって違うけど、基本的に最初からかな」 飯窪さんのしてやったりの笑顔に、はるなは赤面を抑えきれんかった。 「うちらがあれだけ骨折りしてあげたんだから、 最後まで見守るのは当然の権利だし。ね、まりあ」 「そうだよね~! あかねちん!!」 まりあかねの2人だけならまだ仕方ないとは思うんやけど。 「最後の告白、もうキュンキュンしちゃいました!」 「うん、本当に」 後輩のれなでぃーにまで弄られるというのは、 もう恥ずかしすぎてどこかに隠れていなくなってしまいたいくらいや。 思わず眩暈を覚えるはるなの肩に、そっと添えられる野中氏の手。 野中氏の吹っ切れた笑顔を見て、はるなもようやく落ち着いてきた。 そうやな、別に後ろめたいことしてるわけでもなし、 何を言われても胸を張って受け止めていればええんや。 「今まで散々うちらのことを弄り倒してきたんだし、 尾形も弄られる恥ずかしさを味わって少しはこれまでの悪行を反省すればいいのよ!」 はるなの弄りによってこれまで溜め込んできた鬱憤を晴らすべく、 ここぞとばかり反撃してくる石田さん。 あれ? でも……もしかして。 「最初からということは、皆さん石田さんの告白もバッチリ見てはったんですか?」 「ちょっと! そのことは触れちゃダメだって!!」 「もちろん見てたよ! 良かったねお団子!」 「あゆみんに告白する勇気があったなんてビックリだよ!」 はるなの切り返しにみんなの標的が一気に移り、一転して石田さんが慌てふためく。 「うちらのことなんてどうでもいいから、 弄るなら尾形達の方にしなさいよ!!」 「それは無理だと思うよ亜佑美ちゃん。 だって、今でも2人して恋人繋ぎしてるくらいラブラブなんだもん。 そんなの弄らずにいられるわけないでしょ」 「ちょっと小田ぁ! 何を勝手に手なんか繋いでるのよ!!」 鋭い指摘に泡を食った石田さんが即座に手を振りほどき小田さんに食って掛かるも、 小田さんの対応も手慣れたものや。 「勝手にって、石田さんも普通に握り返してくれてたじゃないですか。 別にもうみんな知ってるんだし、今更変に隠す必要もないですよ」 「はーちぇるの2人も、だーさくのようにみんなの前でイチャイチャしたりするの?」 「そんなのするわけないじゃないですか譜久村さん。 うちらはそんなだーさくさんとは違いますから」 「うちらだってそんなことしないし!!!」 見事に連携した石田さん弄りに、周囲が笑いに包まれる。 そんな中、空気を読まず元気よく挙手する13期が一人。 「はい!」 「どうしたのよこやん」 「尾形さんと野中さんは、これで晴れて恋人同士になったということは、 お2人はキスしたりそれ以上のこともやったりするんですか!?」 「ぬぁ!?」 はるなが変な声を出したと同時に、今まで石田さん弄りに夢中だったメンバー全員が ニヤニヤといやらしい笑みを向けて来た。 よこやんめ、なんてことを質問してくるんや。 言葉に詰まり忙しなく動かしていたはるなの手を野中氏がそっと抑えた。 それから妙に妖しい笑みを浮かべる。 「安心して、横山ちゃん。みんなの前ではしないから」 野中氏の言葉に、よこやんは「うひょー」と謎の奇声を発して 気持ち悪いほどのニヤつきとともに隣りにいるかえでぃーの肩をバシバシと叩き始め、 かえでぃーに「痛いって、痛いから!」と嫌がられていた。 「ねーこれって思いっきりパクリじゃない??」 「今はああいうのをリスペクトって言うんだよ、まーちゃん」 「リスペクトだのオマージュだの言っておけば何やっても許されるって開き直りも、 ちょっとどうかと思うけどねハルは」 石田さんを除く10期3人のこそこそ話は軽く流され、 譜久村さんが頃合いも良しと見て一つ手を叩く。 「じゃあこれでもう、はーちぇるの2人も大丈夫だね」 「「はい!」」 期せずして野中氏と綺麗に声が揃って、思わず笑みがこぼれる。 ようやくこの場の空気も落ち着いてきたと思えた、その時やった。 「みんな、騙されないで!!」 重いレッスンルームの扉を力強く押し開けて乱入してきたのは……。 ちぃちゃん!? なんでいきなりちぃちゃんがと目を丸くする周囲の反応を気にもかけず、 芝居がかった声を張り上げる。 「人の心は移ろいやすいもの。 たとえ言葉では永遠の愛を誓い合ったとしても、 何かの些細なきっかけ一つで簡単に崩れ去ってしまうものなのよ!!」 ちぃちゃんの勢いに押されて言葉もない中で、 一人冷静な道重さんが穏やかな声で問いかけた。 「じゃあ森戸ちゃんは、どうしたら納得するというの?」 「そうですね、言葉だけではなく何か形に残るものでもあれば、少しは違うかも……」 「なるほど、いっそ2人に誓約書でも書いてもらえばいいかな」 「それなら私がピッタリのものを持ってますよ!」 一歩進み出た飯窪さんが、満を持して手元の袋から取り出したのは、 はるなが忘れるはずもない、思い出の品やった。 それは……婚姻届。 正確には、婚姻届が印字されたファイルや。 これは去年、はるなが野中氏から誕生日プレゼントでもらったのと同じもの。 つまりこのちぃちゃんの乱入も道重さんが仕組んだサプライズの一つで、 全てが計算通りの予定調和ってことなんか。 目の前で展開されるちぃちゃんの「カントリー劇場」はまさに迫力満点で、 見事に雰囲気に呑まれてもうた。 はるなだけでなく、おそらく事前に聞いてなかった道重さんと飯窪さん以外のみんなも、 婚姻届のファイルを見てようやくその意図に気づき、一斉に歓声を上げて囃し立てる。 そしてうちらの方に身体を向けたちぃちゃんは、真剣な表情から一転可愛らしく微笑み、 ごめんねポーズでキュートに謝罪して見せた。 これほどまでに盛り上がってしまってはもちろんうちらが拒絶なんてできるはずもなく、 それ以前に拒絶するつもりもなかったんやけど、みんなが固唾を呑んで見守る中、 飯窪さんの用意した婚姻届に粛々と署名する。 『じゃあはるなも今度、婚姻届を野中氏に書いて渡そうかなと思います!』 そういえば以前ラジオで誕生日プレゼントの話をした時、こんな宣言をしたこともあった。 その時はただの冗談やったのが、まさかそれが現実となる日が来るなんて……。 万感の想いとともに名前を書き終え、野中氏と照れくさそうに顔を見合わせて頷きあう。 次の瞬間、「結婚おめでとう!!」とか「末永くお幸せに!!」等々、 レッスンルームは割れんばかりの祝福の声に包まれたのやった。 … … … … … それから2人はどうなったのかって? 別になんも変わらへんよ、少なくとも表面的には。 変化があったとすれば、最後の魔法によって魔力を完全に使い果たしたことから、 一時期のように魔法によるメンバー弄りができなくなったのと、 一部ファンの間で、「はーちぇるがまた仲良くしてくれて嬉しい」とか 「はーちぇる復活のお知らせ!」といった感じで話題になることがある程度やな。 あとだーさくさんも、「普通に仲良すぎ」だと不満の声(?)が上がることがあるくらい。 今でもはるなは、突発的に言い知れぬ恐怖に襲われることもある。 でももう、絶対に足を止めることはない。 だってはるなは、もう独りじゃないんやから。 ずっと隣りにいてくれる野中氏と手を取り合って、 一歩一歩着実に、弛まぬ歩みを続けていくんや。 2人で、未来へと向かって…………。 (HAPPY END) ←スプ水先生の奇跡【最終章】 ~最後の魔法~(前) スプ水先生の奇跡【最終章】 ~祭りの後に~→
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芝村さんならこう答えるに違いない Aの魔法陣?公認チャット?にてまれに行われる遊び。 ルール 参加者は1名の進行役(兼ジャッジ)を選ぶ。 進行役は打順を決め、出題者1名を指名する。残り参加者な回答者となる。回答者は(奇数)名が望ましい。 出題者は公式掲示板SDである芝村SD?に聞きたい質問を提示する。 回答者は各自で脳内に芝村SD?を想像し、一言で回答させ、それを皆で発表する。 一番それっぽいと認められる、ありそうな案がこの場での芝村回答となる。 プレー例 ニンジャ 持ち回りで一人がお題を出す。各自脳内に芝村さんを想像してみて、一言で回答させてみる。それを皆で発表。一番それっぽいと認められる案がこの場での芝村回答、というルールで遊んでみるという……めんどいかな? なかだい いや、個人的に乗ります(笑)>ニンジャさん ニンジャ どうもですー☆>なかだいさん / 必要人数は出題者1+回答者3の4名ぐらいかなあ。あと2名。 雨中 のります さちひこ 参加します<芝村さんさんを創造 ニンジャ ありがとうー>雨中さん さちひこさん これで成立か。 ニンジャ じゃあ、出題と回答の順番は ●なかだい ●ニンジャ ●雨中 ●さちひこ でいこう。 なかだい 質問の趣旨としては、どんなものがいいですかね? ニンジャ やっぱ、回答者的にはAマホのこととかが皆知ってていいんじゃないかなと。 なかだい えーと、デュマに騎魂号みたいな副座型はありませんか? ニンジャ (脳内芝村さぁんに問合せ中……)「ある。要改造だが高い」 ニンジャ みんなも答えてねー> ●雨中 ●さちひこ 雨中 「あれはウォードレスですからありませんよ(笑)」 さちひこ 「あります」 ニンジャ ある2、ない1. というわけで「俺たちの脳内芝村SD」回答は「ある」でした~☆ これで1回終了。 なかだい ……なんだか、ウェンディシステムみたいだ(笑) サターン ドリルルル~。 サターン ああ、微妙に面白いかも。途中参戦よかですか? 鷹月 こんばんわ。 鷹月 うむ、俺も微妙に面白そうなので参戦。当たり前だけど真面目回答で。 ニンジャ どうぞどうぞ。>サターンさん鷹月さん これ回答者が奇数人いないとつらいのでちょおOKす なかだい それじゃ、ニンジャさん質問をどうぞ! (途中経過略) ニンジャ これで一時エントリーは1巡目終了。みなさんおつかれー。 で、どうする? 再エントリー募集して2巡目いく?>all なかだい 再エントリー希望 雨中 再エントリします さちひこ 再エントリーします サターン 再エントリすます。 鷹月 じゃあ俺もー 効能 答えやすい質問?、答えにくい質問の区分けについて理解が深まる。 外延近接戦の練習になる。 暇が潰れる。 戻る→専門用語集 専門用語集/さ行 専門用語集/さ行/し