約 19,733 件
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/9046.html
581 名前:霧の咆哮[sage] 投稿日:2024/01/02(火) 23 43 49 ID KD111239163113.au-net.ne.jp [7/11] 〇提督たちの憂鬱系統知らない方が、日蘭世界に転生したらこんな感じになるのかなって反応集その2 「ん? おわっ!?」 「……こんにちは」 ー調べ物に集中してたとはいえ、肩を指でチョンチョンとされるまで誰か来ていたことに気づかなかった彼。 振り返れば(前世の認識では)見覚えがないのに、良く馴染むほど見覚えのある今世での幼馴染の姿がエプロン姿でそこにいた。 しかも所謂銀髪ロングヘアー美少女ロリである。 「えと、どうしたんだ?」 「……特に用事があったわけではないけど、来たくなったから。もう昼過ぎなのに、台所見たらご飯食べた空気なかったから適当に作ったけど食べる?」 「あぁ、ありがとう。食べるよ」 ー会話が毎回ワンテンポ遅れるのが彼女の、鈴音(すずね)の口調の特徴だが、物心付いた頃からの付き合い故一々気にもしない。 鈴音は隣の家に住んでるし、家族ぐるみで昔から仲が良く、彼の親から家の合鍵も渡されてるのでいつでも来れるのは確かだった。 今迄空腹を意識してなかったのが、彼女の言葉から自分がそういうば朝も昼も食ってないのを思い出したかのように腹の虫が主張しだす。 「うめぇ」 「……」 ー有り合わせの食材で作られたみそ汁やオムライス、その他付け合わせに舌鼓を打つ彼。 言葉少なに美味い、としか出ないボキャブラリーの無さだが、今迄無表情だった鈴音の顔には無言のまま慈愛を感じさせる微笑みが浮かぶ。 お茶を啜りながら彼を見守る彼女と、幼馴染の手料理に集中している彼。 会話らしい会話はないが、この空間が、時間が二人にとって居心地良く自然体なのだ。 彼女からしても彼が自分の料理にそんだけ夢中になってくれている、そんな姿に幸せを感じているのだから。 「鈴音、君の親や祖父母とかに外国人の方っていたっけ?」 「? (フルフル)」 「(記憶の中のクラスメートや同級生、先輩達も名前は日本人らしいのに容姿は国際色豊かって感じなの、凄かったんだよなぁ) ー腹も満たされて人心地付いた彼だが、思いっきり外国系の銀髪美少女にしか見えないのに、性も名も生粋の日本人らしさな鈴音。 前世の認識ではハーフやクォーターでもないのに……と違和感抱いたので洗い物中の彼女につい聞いてみたが、不思議そうに首を傾げられてから無言で首を横に振られる。 自分の学校の友人知人その他の記憶を掘り返しても、金髪銀髪赤髪浅黒い肌その他が多数入り交じり、かといって純日本人らしい組が少ないわけでもないと。 この世界の日本国民どうなってんだとこれまた宇宙猫になりそうだった。 「……何も聞かないのか?」 「……良い。貴方は貴方。こうして共にいれる。それで良い」 「……ありがとう」 ー自室に戻った彼だけど、そのまま付いてきた幼馴染に対しどう対応すべきか悩んだが、彼女を一先ず置いておいてまた調べ物を再開した姿に不審そうな様子を向けるでもない鈴音。 昔から妙に勘が良く、その勘の良さに助けられても来たが、今の自分の様子のおかしさとか咎められるかもと内心で不安とか覚えていた彼。 でも、そんな彼を否定するどころか肯定してくれる彼女に正直救われた。 何かを察していそうな感じはするけど、気付いてないフリをしてくれてるのか。 彼の変化も込みで受け容れているのか、その答えは鈴音だけが知る。 されど、彼の手に重ねられた彼女の手の温もりと柔らかさに、何故かちょっと涙が出そうになった。 582 名前:霧の咆哮[sage] 投稿日:2024/01/02(火) 23 45 41 ID KD111239163113.au-net.ne.jp [8/11] 「……」 「……」 ー鈴音が共にいるせいか、独り言は辞めて内心で思考を巡らせながら調べ物再開した彼。 寄り添ったまま、または彼の部屋の漫画とか借りたり自分のスマホ操作したりもするが、彼からゼロ距離から半径一メートル以内でほぼ離れない鈴音。 お互いに相手をうっとおしがることもなく、寧ろ心底落ち着いていた。 自分でイメージしておいてなんだが、距離感バグってるなこいつら。 「……いってらっしゃい」 「あい、いってきます」 ーお盆休みに毎年恒例の祖父母の住む田舎に帰る日が来た彼。 荷物を整えた彼を隣家の、自分家から出てきた鈴音が見送る。 因みに鈴音の祖父母は隣町とか近隣にいるので、会おうと思えば簡単に会える距離であり、彼の一家みたいな遠方への里帰りみたいな経験もない。 その点はちょっと羨ましく思っている。 「……」 ー里帰りにより無人となった彼の家にて。 即日か、数日たってからかは知らないが、合鍵で入ると彼の私室のベッドに座り、両腕で彼の枕と、家から持ち込んできた自分のお気に入りのぬいぐるみの両方を抱きしめる鈴音。 残された彼の匂いや温もりと自身のそれを合わせ、心中の寂しさを埋めようとしていた。 以上です。 wiki転載は例の如くご自由に。 二回目は本来は引き続きお調べ物のアレコレの反応だったんですが。 陣龍氏のこのキーワード>情報収集とすり合わせ中に『何時まで寝コケてるのよアンタは』と幼馴染銀髪美少女がエントリーして来て素っ頓狂にひっくり返る、 に対して自分の中でスイッチが入り、多分歴代最速クラスの速さで一気に仕上げました。無理もしましたが書きたくなったので仕方ないです。 銀髪ロング無表情素直クールロリ幼馴染(しっとりもあるよ)は正義。 大人になってもロリでも良いし、正統派にスタイル良くなっても良い。 自分の夢と浪漫と性癖に人は正直になるのです。 幼馴染の名前の由来は完全にフィーリングで、直感で浮かんだ名前が妙にしっくり来たのでそのまま悩まずに。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3167.html
820 :影響を受ける人:2015/07/05(日) 22 11 13 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第六十七話 ―黒雲来たりてⅫ― 捕縛結界につかまった“オニグモ”は、その身を捻らせて逃げようとする。 しかし結界はビクともせず、その場に拘束し続けた。 ストライク・ウィッチーズの世界の結界・・・それは巨大なシールドが正体だ。 複数人のウィッチが共鳴し、増幅し合って展開できる代物。 本来は【壁】としての機能を重点的に行うものだが、空中に出現するシールドを利用して捕縛するという方法は、九曜葛葉が歴史書などを見て復活させた技術だった。 円の形を作り繋がりをもって効果を上げるわけだが、何もない空間に展開する方が楽なのに対し、異物があると術者に負担が大きくかかる。 無論そのまま切断する方法もあるにはある。しかし巨大になればなるほど、狙いが甘くなるのは共通。 更に言えば、術者全員の意思を完全に統一しないとそれは出来ない。 切断する位置は? どのくらいの高さで? 弱点の位置は? 他にもさまざまな課題があり、捕縛するだけでも御の字なのだ。 こんなにも負担のかかる結界は、こちらを守ってはくれない。飽く迄も 捕まえる 結界なのである 相手が抵抗すれば、その負担はそのまま術者が負うことになる。 だから捕縛結界が展開されたと同時に、大型砲の砲撃が開始された。 「撃てェェ!」 破壊された北東の四門以外の北の六門、東の四門が火を吐き出して砲弾を送り出す。 先に到達するのは“オニグモ”が破壊しようとしていた東側。 ほぼ直射に近い射撃により三発も命中する。 続いて北の六門の砲弾が着弾。こちらは少し距離があるためか、四発が外れた。 しかし二発は命中して、厚い装甲を簡単砕く。 凄まじい衝撃と痛みにもだえ苦しむ“オニグモ”は、出鱈目に攻撃をし始めて周辺一帯を破壊せんと暴れた。 身をよじり、レーザーで街を薙ぎ払い、実体弾で大穴を穿つ。 しかし捕縛結界は揺るがない。 次弾装填を終えた北東四門が、再び鎌首を上げて“オニグモ”に砲弾を叩きつけた。 ――――― 「すさまじい・・・」 砲撃が始まる前に急いで退避した北郷章香達は、目の前の光景ををみて唾を飲み込む。 絶えず叩き込まれる砲弾は、堀井大将等が研究させて作った特別性だという。 一応対ネウロイ用らしいのだが、その効果は絶大に効いている。 好機と見てか、重砲部隊も曲射を生かして砲弾を叩きつけていた。 だが“オニグモ”も黙って攻撃を受けているわけではない。 出鱈目に暴れているようで、的確にレーザーを砲弾に浴びせている。 空中で撃墜され、実体弾があたれば砲弾がそらされる。 空中を進む大戦艦は、沈んでたまるかと暴れまくっていた。 それでも砲弾は降りそそぐ。 当たるまで何十発と打ち込み、仕留める意思があった。 最初の呆然とした様子から、次第にみんなが喜色を浮かべて声を上げ始める。 先程まで戦っていたから“オニグモ”の反則的な実力がわかっていた。 めげそうにもなり、倒せるかわからなかった。 それが今、圧倒的鉄量で押しつぶさんと味方が奮闘している。声援を送らないわけが無い。 しかしそのなかで、章香と下田なかだけは渋面をつくったまま。 「結界、もちますかね・・・」 「無理だろうな。 “オニグモ”の抵抗だけじゃない。砲弾の衝撃も負担となっているはずだ。 その間に倒す事が出来なければ・・・」 821 :影響を受ける人:2015/07/05(日) 22 11 46 大砲全般に言えることだが、大砲と言うのは精密射撃に向いていない。 だから数を用意し、絨毯を敷き詰める様に、万遍なく砲撃を叩き込むのが理想的だ。 最初の攻撃以降は“オニグモ”の抵抗もあり、命中した砲弾は少ない。 重砲群の攻撃は、ダメージよりも攻撃手段を奪うための攻撃と言っていい。 だから章香と下田は渋い顔のままなのだ。 そうとは知らない学兵達は、興奮気味に戦況を見ている。 「いけ、いけぇ!」 「ちょっと徹子さん。落ち着いた方がいいですわ。」 「でも凛さん。このままいけば!」 大声で応援する若本徹子の横で、飯島凛がたしなめるが竹井醇子も興奮していて顔が赤い。 「すごい・・・」 「うん。」 重砲の火力は見たことがある坂本美緒と大久保小毬は、まだ呆然と見ている。 戦艦クラスの大型砲の火力を見る機会などないのだから仕方がない。 このまま済めば・・・ そう考えていたが、事態は危機的状況を迎えていたのだった。 先程、章香が懸念していた事柄が発生し始めていた。 度重なる衝撃による負荷が、とうとう結界士達の限界を超えてしまった。 魔法の光が弱まり始め、“オニグモ”の動きがより大きくなる。 巻き取られるように光が軋みを上げて引っ張られていき・・・ 「け、結界が!」 小毬の悲鳴と共に、砕け散った。 拘束を解いた“オニグモ”は、その場から逃げようと足を大きく広げた。 まだ砲弾が降り注いでいるが、もう気にする余裕などない。 ここから離れる事のみに集中していた。 「あ、隊長!」 だが、その行動を見る前に章香は動いていた。 もう一度照準を修正するのは不可能だ。あの“オニグモ”がそう簡単に留まってはくれないはず。 散々動きを止めた時に攻撃していたのだ。もう行動を止めるなどしないだろう。 だが・・・ 「動くなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 今この瞬間が千載一遇のチャンス。 この場に留め置かないと、もう撃破できるチャンスは巡ってこない。 だから砲弾の雨の中を突進する。 それを見ていた砲撃陣地の指揮官が、慌てて無線から呼びかけた。 『何をしている!』 「このまま斬り込む!」 『無茶だ。引き返せ!!』 「ここで仕留めきれなければ、次は無い!」 『し、しかし・・・』 「ネウロイは単純な奴らじゃない。経験を蓄積し、その都度学習する。 この手が次も通用する確証はない! 倒すわけじゃない。こいつを何とかしてこの場に引き留めるだけだ!!」 そして思いついた作戦を言うと、少しの間をおいて返答が入る。 『わかった。司令部に言おう。 だが砲撃は停止するぞ。君等に当てるわけにはいかない。』 「・・・了解。」 通信は切れた。 今だ砲弾は降りそそいでいるが、もうすぐ止むだろう。 扶桑刀を抜刀し、上段に構える。 己の最大技【海割り】の為に魔力を一点に注ぎ込み始め、どうじに下田の叱責が無線機から飛び出す。 『何やって居るんですか貴方は!!』 「うおっ!」 『砲弾の雨の中を飛ぶなんて正気ですか!?』 822 :影響を受ける人:2015/07/05(日) 22 12 19 鼓膜に響いて頭が痛いが、軽く振って取りあえず言い訳をする。 「早めに行動しなければ、どうにもできん。」 『ハァァァ・・・・・・ それで、どうするのですか?』 「ああ、それはな・・・ ・・・だ。」 説明を受けた下田は心底あきれ返りながらも全員に指示を出す。 無論、慌てて着いてきた学兵達にもだ。 章香はそのまま“オニグモ”の真正面に突撃していく。 その後方上方から一団は接近、敵の上をとるために前進。 同時に“オニグモ”は前方から感じる圧力を脅威ととらえ、回避すべく緊急加速の方向を右寄りに変えた。 足が一気に閉じ、爆発的な加速力で右に出ようとする。 真正面から攻撃できない時点で章香の狙いは外れたように思えるが、別にどこに移動しようともどうでもいい。 彼女はが考えていた事はただひとつ、叩き斬る事だけだ。 「ウゥゥリャァァァァァァ!!!!!!!!」 振りかぶった一閃は中心からずれて右側にぶち当たった。 当たった瞬間のみ抵抗していた“オニグモ”の巨体は、次の瞬間にはごっそり切り裂かれていた。 【海割り】の一撃の威力はなおも止まらず、地面に一直線の筋を付けるほど。 切り裂かれ、バランスを崩した“オニグモ”は、回転していた事が仇になり、そのまま錐もみ状態で地面に激突していしまう。 それを見届ける事無く、扶桑刀は振り切ると同時に砕け散った。 地面に半ば埋まってしまった“オニグモ”に対し、フライパスをしながら憤進弾・機関銃で攻撃し、下田達はそのまま散開して遠目に包囲した。 そして離脱しながらも章香は号令を出す。 「今だ!!」 「「「「「了解!!」」」」」 全員が少し斜めに意識したシールドを遠距離展開する。 “オニグモ” の真上に。 押さえつけられた“オニグモ”は逃れようと必死に暴れたが、素早く座標修正した砲台群が火を噴く砲が早かった。 砲弾暴れるオニグモに降り注ぎ、外れそうになる砲弾も魔導布マフラーと術符により強化したシールドの表面を滑って目標にぶち当たる。 “オニグモ”は最悪な事に、章香に斬られた部位を上にして地面に沈んでいた。 さらに体の体積約三分の一を削られている。 迎撃も出来ないまま体を砕かれていき、最もかたい部分から核が露出する。 それを砕いたのは重砲の砲弾だったのか、切り札としていた砲台の砲弾だったのかわからない。 しかし美緒の目には、しっかり砲弾が核に命中する瞬間をとらえていた。 ―Giiiiiiiiiiiiiiii!!!!!!― 大音量の金切音の後、“オニグモ”の巨体が光り輝き・・・砕け散った。 大質量体が消えた影響による暴風が章香達を襲うが、何とか耐えて風が収まるのを待ち、目を開くと。 もう“オニグモ” はいなかった。 以上です。 ちとハ速足だったけど、“オニグモ”戦しゅうりょうです。 次は戦後処理。 次の次が夢幻会パートにしたいな。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3178.html
359 :影響を受ける人:2015/10/11(日) 22 40 26 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十七話 ―選択― 撤退日時が決まり、忙しい毎日が過ぎた。 いや。以前から忙しくはあったが、より増したと言える。 それでも、地獄の一週間と呼ばれているあの時に比べればまだ余裕だ。 襲撃頻度は少なくなり、夜間戦闘も一回あるかないか。 一部の兵士達は「ネウロイは疲弊しきっているのでは?」というが、上層部は「戦力を温存、増強しているに違いない。」と判断している。 北郷章香、江藤敏子両名も上層部の、この判断を支持している。 今は嵐の前の静けさに過ぎないと、己の感が言っているのだ。 自分達の上司も同意している。 今の内に押し返そうと主張する輩もいるらしいが、兵器の質が劣るためにそれは不可能。 連戦により兵士達も疲れているし、再編が必要な部隊が多すぎる。 今は現場をわかってくれている上層部がいるから何とかなっているが、横槍には注意しないといけない。 主に海軍に問題がある。 陸軍は大陸戦線が発生してから人材の適材適所が急がれたおかげで、大分組織的に風通しが良い。 対して海軍は昔から、対人の戦争でも前線で頑張り、ブリタニアを退けたこともあるからプライドが高い。 一応政治に口は出さないと言っているが、堀井一派は最近露骨に干渉しているという。 が、さすがに織田信平首相に付け入る隙は無く、失敗しているとか。 上手く行かないからと豊臣秀文に接触しようとするも、彼は既に本土からいなくなっており、影響力も皆無になっている。 ならばと、陸軍で不遇の待遇を受けた者に接触し、足を引っ張らせようとするも・・・末端過ぎて意味が無い。 こんなことをしている合間に、九鬼大将との不仲が影響して離れていくものが相次いでいる。 それにより更に影響力が落ち、焦っているという。 個人的に、何をやっているんだと言いたい。上司は愚痴愚痴言っているけども。 撤退作戦自体は既に最終段階まで移行している。 自分達は本土に先に帰り、陸軍海軍合同機械化航空歩兵部隊を作る予定だ。 これは将来において空軍設立を視野に入れたもので、夢幻会が主にかかわっている。 章香と敏子両名は知らないが、ウィッチの総数が少ないから先に実績を作ってみようという試みだ。 いかに前世の経験があるとはいえ、こちらの世界では女性がすでに飛んでいる。 別の問題が発生するとも限らない為、早めに問題を解決したい、と思っての行動だ。 そんな思惑は知らずに上司から聞かされていた二人は精力的に話し合い、いろんな問題に直面しつつも調整し続けている。 上司達はこれが完成したら引退して隠居するつもりのようだが、内心では「「見捨てないで~!」」と叫びたい。 コネクションもそれほどではないし、まだあの二人の力が必要。 というか、まだ若いからそんな重責を負いたくないというのが本音。 もうちょっと自由でいたい。 ――――― 隊舎を引き上げる際に北郷部隊・江藤部隊はきち司令に別れの挨拶をした。 彼等も後に引き上げるが、大きな機械を扱っているから最後になるのは避けられない。 それでも次の避難船団の船便で帰る予定だから、問題は無いだろう。 「その時、私は基地司令ではないだろうがね。」 「航空隊の司令になっているかもしれませんよ?」 「はははは! それならいいが、さすがに歳だ。引退時手後進に譲るべきだろう。」 章香の言葉をジョークとして笑った司令だが、微妙に寂しさを浮かばせる笑顔となっているのに本人は気が付いていない。 「本土に戻っても忙しいだろう。ありきたりだが、頑張ってくれ。」 「司令もお元気で。」 一同は綺麗な、陸軍海軍それぞれの敬礼をするとトラックに乗車した。 全員乗ったのを確認すると、章香は運転手に促してトラックは基地を出ていく。 全てのトラックを見送った司令は、傍らに残ったウィッチを見やる。 「君は別の基地に移動だったかな?」 「・・・肯定。」 問いに答えた夜間戦闘部隊を指揮する旗本サエは、別に待機していたトラックに乗り込む。 そして彼女等も分かれの挨拶をし、順次トラックに乗り込み、一台ずつ門から出て行く。 司令と副指令はしばらくトラックの後姿を見ていたが、十分小さくなると基地内に戻っていく。 二人の心には小さな安堵と、寂しさが残った。 360 :影響を受ける人:2015/10/11(日) 22 41 53 ――――― 港に着いた一行は、一時的に近くの倉庫内に集められた。 驚くべきことに倉庫中には同時期に志願した学兵等もいたのだ 「おお! おまえ元気だったか!?」 「琴野さん、無事だったのですわね!」 若本徹子と飯島凛が見知った学兵の傍に駆け寄る。 「あ、坂本だ!」 呆然と学兵達を見ていた坂本美緒、竹井醇子、大久保小毬は他の学兵達に囲まれてアワアワしてしまう。 よくよく見れば学年の違う学兵も交じっていて、それぞれグループを作って話している。 大体はお互いの無事を祝い、亡くなった友に黙祷していた。 部隊長等は彼女等に対し、しばらくここで待機するように言うとその場を去っている。 空戦陸戦、海軍陸軍に別れてしまったとはいえ、一度話せば尽きる事が無いと言えるぐらいに話し込む。 中には以前、美緒に突っ掛った学兵もいたが、一言詫びを入れると美緒は許して再会できたことを喜んだ。 事情をよく知らない徹子は、何で謝るのか知らなかったが深くは聞かない。 一々聞いて、不仲になる原因を作るのは愚かだから。 当の本人が気にしていないなら問題ない。 暫らくにぎわっていた倉庫であったが、戻ってきた隊長陣に気が付くと一気に静かになる。 この辺は軍隊生活が長がった影響だろう。 章香自身も厳しくしていたし、敏子にいったては怒らずにどのように話していたか聞き、間違っていれば怒気を発する笑顔で再度説明をしていたものだ。 隊長陣と副隊長陣が学兵等の前に移動し整列する。 その間に学兵達も所属部隊別に分かれて整列した。 「皆、休んでよろしい。」 敏子が前に出ていうと、全員が休めの体勢に移行する。 「今日をもって私達は大陸から離れる。 これは計画に基づいた行動であり、逃亡ではない。 まるで追い出されるようになっているが、計画に基づいての行動だ。 繰り返して言おう。これは、逃亡ではない! 私達は、諸君ら学兵の働きを良く知っている。 志願してくれた諸君等の中では、悔しい気持ちがあるだろうが、此処は堪えて欲しい。 諸君等の御蔭で民間人の退避は間に合い、助けによって生き残れた者達もいる。 これらは誇るべきものであり、決して恥ずべきものではない! しかし、残念ながら生きて帰る事ができなくなった者もいる。 その責任は私達にある。すまない。」 そう言って隊長陣は頭を下げた。 その行動に驚いた学兵達は口々に「そんな事は無い」と言った。 必死にフォローしようとする彼女等に、隊長陣は顔を上げたが苦笑している。 「諸君らの擁護は嬉しい。しかし、上官と言う物は・・・ 上に立つ人間は責任を負うものなのだ。 だから責任は必ず負い、それを注がなくてならない。 さて、話を続けよう。 諸君らも知っているとおり、政権交代した政府は強権を行使し、派遣部隊を戻そうと躍起になっている。 すでに第一陣が戻ってきてはいるが、すぐに使えるわけではない。 旅の疲れを癒し、体調を整え、もう一度訓練をせねばいけない。 その期間を三ヶ月と見ているが、上層部は最短の一ヶ月で終わらせようとしている。 予定は未定であり、決定ではない。 誰が言ったかはわからないが、良い言葉だ。計画的にやっても一ヶ月で戦力化は難しいだろう。 本来ならば大陸から撤収し、本土に帰還した時点で諸君等は解散する予定であった。 しかしこのような事情の為、帰還第一陣が使えるまでいてほしいと思っている。 これは強制ではない。志願制で募ろうと思っている。 なぜ志願制かと言うと、諸君等の中には「もう戦いたくない」「家族の元に帰りたい。」と思っている者がいるはず。 故に強制することは出来ない。本土に戻ったら一人一人を呼び、面接をする。 その時に気持ちを、素直な気持ちを聞きたい。 もう一度言う。これは強制ではない。 逃げる事は恥ではない。怖いと思うのは、人間だれしもある事なのだから。 諸君等は正規兵に負けないくらいに頑張った。 ここで引いても誰も笑は無いし、笑わせはしない! 後ろ指をさされることもない! そんな不敬な奴は私達が黙らせる! 諸君等はしっかり戦ったのだと! 私が反論してやる! だから、元の日常に戻ってもいいのだ。 学友たち共に将来について学び、遊び、語らってもいいのだ。 家族の元に戻ってもいい。」 361 :影響を受ける人:2015/10/11(日) 22 42 27 「これは個人の問題。 相談しても良いが、決めるのは自分の意思であると思ってほしい。 最前線に出さない方針ではあるが、不確定要素により出てもらう可能性も考慮してほしい。 出すにしても補給部隊として編成し、なるべく前には出さないように計らう。 志願した際に優遇措置を取るという書面を覚えている者はいるか? たとえ志願しなくても、その措置は必ず行うので安心してほしい。 北郷総隊長も言ったが、志願しなくとも恥ではない。 それもまた、勇気ある決断だ。誰それを咎めはしない。」 北郷章香・江藤敏子両名はそう言うと沈黙した。 言い終わると同時に学兵達は少し困惑した表情で、お互いの顔を見合うが口に出せない。 無理もない。たとえ本土に戻っても、戦争が収束しない限り除隊できるとは思っていなかったからだ。 それなのに途中で離脱しても良いという。 一応隊長陣の言い分もわかるつもりだ。 扶桑のウィッチである寿命が長い事は散々言っているが、それ故に徴兵が他国よりも遅いのも特徴だ。 中学において選ぶ軍学科により階級が与えられるのだが、それでも小学生である坂本美緒等は早すぎる。 大体中学卒業くらいから本格的に軍隊生活となるのが、扶桑としては常識。 基本的にウィッチは才女が多いのだが、精神年齢は幼いのを考慮し忘れる事がある。 いかに勇敢に戦おうとも子供。 多感なこの時期に、戦場で過ごすのは避けなければならない。 しかし、この世界はそれを許してはくれない。 当初は親友の若本徹子が心配で志願した二人は、お互いの顔を見て竹井醇子は気が付いた。 (・・・そっか。美緒ちゃんは残るつもりだ。) 坂本美緒の表情は、戦争に参加する前と比べて弱々し良い所が無くなっていた。 そしてその瞳にも以前よりも強い意思が宿っている。 恐らく、早良ミチルの代わりに戦争の行方を見届けるつもりなのだろう。 徹子は言うまでもない。彼女は最後まで戦うつもりだ。 対して自分はどうだろうか? ――あの言葉を聞いてまだ戦う気力はあるか? ――家族の元に帰りたいと思うか? ――平和な世界に戻りたいか? 確かに家族の元に戻りたくはある。 しかし、それよりも二人を見捨てる・・・ ちがう。そんな考えをしてしまう自分が許せない。 うん。自分はまだ戦える。 自分の気持ちをしっかり把握し少しだけ微笑むと、美緒はちょと心配そうな顔になったがすぐに苦笑する。 どうやら心配させてしまったらしい。 自分は大丈夫だからと意思を込めて前を見る。 前には少し俯く飯島凛と、右隣りの大久保小毬がいる。 前を向いているので表情はわからない。 凛は悩んでいるようだが、おそらくそのままだろう。 なんだかんだ言って面倒見が良いから、徹子を放っておくなどしないはず。 小毬はわからない。 それなりの付き合いをしているし、話もしている。 しかし彼女がどのような選択をしようとも、総隊長が言ったように責めるつもりはない。 除隊するなら、むしろ笑顔で送り出す。 けして戦闘が得意な彼女ではないが、素早い補給に助けられたことは何度もある。 補給中にフォローしてもらった事もある。 何気に整備に関しては同期の中で一番うまく、なんどか指導してもらった事も。 それぞれの思いを胸に仕舞い、彼女達は本土に帰る。 以上です。 不思議な事に、演説のセリフが旨い具合に出てきた。 なんでだろう?
https://w.atwiki.jp/poke_ss/pages/1913.html
21ページ目 ――1330 女「さて、午後の課業だけど……」 女「さっき連絡が入ったわ」 漣「どうぞ」ペラ 女「ん、ありがと」 女「ガ島の沖合いにて深海棲艦の目撃情報あり」 女「地元の漁師の証言では数日前から人らしきものが海上を移動している姿が見られていたとのこと。複数人が同じ目撃」 女「当初、艦娘と思っていたものの、今回基地要員との会話の中で哨戒時間外だったことが判明し、発覚した」 女「とはいっても、まだ本当に深海棲艦なのかは分からないわ。目撃情報だと一人だけだったみたいだし」 女「人の形をしているとなると重巡クラスか、それ以上の可能性が高いけど、艦娘の可能性も捨てきれない」 女「よって、軽巡那珂以下、北上、漣、曙で艦隊を組み、調査に出てもらうことにしました」 女「漣が留守の間は秘書お願いね」 潮「あ、はい!」 那珂「那珂ちゃん、現場入りまーす!」 女「大事に使ってね。うちで唯一の水偵なんだから」 那珂「任せてください!」 女「……勿論、貴方達の命には代えられないけど」 北上「まーそのへんはしっかり線引きできてるからさ」 女「戦力差を感じたら、無理をせず追撃を諦めて。ショートランドの方にも一応連絡してあるから」 曙「心配のしすぎよ、クソ提督」 女「はいはい」 女「じゃ、みんな気をつけてね。艦隊出撃!」 漣「ほいさっさー」 次へ トップへ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4447.html
892: 影響を受ける人 :2017/03/05(日) 22 37 47 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第百三話 ―扶桑海事変-07― ―― 台風の目 ―― 嫌な感じがする。 それは雨が降り始めた当初から感じ取っていた事だった。 だがそれが難なのか、まったく見当がつかない。 不満を言う“ヤマ”に対しては強く出れたが、古株の部下の訴えは無碍にはできなかった。 そして報告が有った空間に躍り出たわけだが・・・ ―妙だな。― ―何がです? いい感じな空間じゃないですか。― ―それはそうだが・・・― 取りあえずその空間に対して一周してみたが、何の障害も無く回れた。 流石に気にし過ぎだと部下が言う。しかし彼はリーダーとして、群れを安全に統率する義務がある。 とりあえず皆一息ついてリラックスする。 その時だった。違和感が増大したのは。 ―なんだ!?― 慌てて周囲を警戒する。 周囲・・・というよりも、空間そのものが嫌な反応を示すものに変わっている。 それは散々大陸で味合わされた、例の小さい殺戮者が使う反応そのもの。 全員がパニックに陥る中、彼だけは雲海に向けて飛翔しつつ攻撃を敢行する。 半ば確信に似た行動だった。そして、それは報われる。 ―やっぱりか!― 攻撃が、境界線の手前で弾かれた。 慌てて“ヤマ”も攻撃するが、それすら弾き飛ばす。 その白い光の障壁に悪態をつきまくるが、現状出来る事は無い。 しいて言うなら次に来る敵の一手をいかに防ぐかだ。 ―― 北郷隊 ―― 移動はかなり順調な工程を進む事ができた。 元々迂回行動をとっているし、味方が懸命に囮を務めている。 これで襲撃されるなら、相手方の能力は人類が想定するよりもはるかに高いモノとなる。 そうなればお手上げだ。 自分達は如何にかすれば助かる可能性はあるが、運搬してくれている輸送機とグライダーはやられてしまうだろう。 何せ旧式の機体を引っ張り出して使用しているのだから。 夢幻会が用意させた機体だが、原作にてウィッチが複葉機の支柱につかまって移動すること覚えていた転生者が急遽提案した案だ。 グライダーも複葉機で、とにかくウィッチを沢山載せて移動できるように設計されている。 もっとも、急造品なので武装は一切ない。戦闘など考えていないから、問題はないのだが。 楽に移動できるから北郷章香としては、これは有りだ。 「出来れば、燃費もどうにかしたいのだが・・・」 『それは無茶ではぁ?』 「旭川、ウィッチの消耗度合いは重要だぞ。」 『それはそうですけど。発動機はどうするので?』 「あー・・・それはだな・・・」 副隊長の的確な指摘に、言葉が出てこなくなる。結局は技術の進歩待ちでしかないのだ。 それでも日進月歩で進んでいるので、将来は空中でウィッチ発進が有ると思い、ちょっと「カッコいいな」などと愚考する。 そんな会話をしていると、輸送機から通信が入った。 『すまん。これ以上行くと機体が持たん。 何せこの機体はオンボロ婆さんだからな。労わってやらんとどうにもならん。』 周囲を見渡せば、すでに雲量が凄まじい事になっている。 横風も酷くなっており、そろそろ別離した方が良いだろう。 「わかった。これより我々は突入する為、当機より離脱する。」 『了解した。あー・・・』 「なにか?」 『月並みにしか言えんが・・・ 頑張れ。生きてこそ、人生だ。』 893: 影響を受ける人 :2017/03/05(日) 22 38 21 不器用な応援に面食らった章香だが。すぐに笑って答えた。 「ならば、基地に帰還した際に酒をおごって欲しいな。」 『お、おお! いいともさ!!』 「約束を守ってくれよ。」 そう言って、通信先を部隊全てにかえた。 「これより作戦を開始する!」 「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」 「臆病でもいい。足掻いて足掻いて、恥になっても生きろ!」 「「「「「「「「「「応!」」」」」」」」」」 「北郷隊。出撃する!!」 輸送機の支柱から手を放し、そのまま身を大空に投げ出す。 そのまま安全距離まで降下し、出力を上げて輸送機の前に躍り出る。 ちらりと後方を見れば、全員が綺麗に追従してきているのが見えた。 同時に輸送機とグライダーが機体を傾けて帰還していくのが見える。 そして銃を構え直し、台風に向けて一同は突撃して行った。 ―― 台風の目 ネウロイ側―― いかなる方法を試しても、まったくこの檻はビクともしない。 すでに抵抗を諦めて、リーダーは襲撃してくるだろう敵に備えておくことにした。 っと。“ヤマ”が何度目かの砲撃を敢行し、先程からと同じ結果で終わる。 ―おい。無駄なんだから、余計な力を使うな。― ―うるさい!― 今回の敵はもの凄い、硬い壁を用意したようだ。 リーダーは周辺に気を配り、動揺冷めやらぬ味方に声をかけていく。 悠然と、堂々と先頭を飛行するリーダーの姿に味方のネウロイ達は落ち着きを取り戻し、周囲をしっかり警備する。 どうせ何もできないのだ。ならば最初からやっていたことをすればいい。 癇癪を起こしている護衛対象に辟易しつつ周囲を見回す。 ―・・・きやがったか。― 暫らく飛行を続けていた彼等の前に、ウィッチが出現したの割と早い段階だった。 ウィッチ側としても、長時間結界や呪歌を使用するには問題がある。 だから間髪入れずに襲い掛かるのだ。 もっとも、最初の一撃を放ったのはイラついていた“ヤマ”の砲撃。 アッサリ弾かれ更に激昂するのを尻目に、リーダーは数少ない部下を突撃させた。 ―― 台風の目 狐狸部隊視点―― 強風吹き荒れる空域を強行突破し。全身ずぶ濡れにしつつもようやく敵を視界に入れて一安心。 したのもつかの間、いきなりの挨拶代りの砲撃に全員がビビった。 けれども結界が上手く働いて砲撃を塞ぎ切る。 「あっぶな!」 穴吹智子が驚いて、顔を引き攣らせながら無遠慮な敵に視線を送る。 護衛としてついている“スズメバチ”が二手に分かれていくのがわかった。 反対側から向ってくる敵に対して、戦力を分けたのだろう。 そして、黒い雲塊のようなモノが出現する。 「なにあれ・・・」 誰かが呟く。 黒い雲塊の正体は、大量の“コバエ”の群れだ。 スズメバチよりも小型で、単純な作りの彼等は、思考も単純なので大量に作って置ける。 しかし小型の小型であるが故に航続距離が短い。だから先程まで“ヤマ”の表面に張り付いていた。 そしてようやく出番が来たというわけだ。 「流石にあれは多すぎるな・・・」 黒江綾香も冷や汗を垂らしつつ、黒い雲塊を睨み付けた。 「でも削りきるしかない!」 気圧され始めていた一同であったが、加東圭子の一言により目的を再度思い出す。 そして総隊長の加藤武子が号令をかけた。 「敵は弱いとはいえあの数だ。ここは一気に減らすぞ!」 そう言って特殊武装を持つ狐火隊をみた。 総隊長の機体に答えるために親指を上げてみせ、一気に加速していく。 その後ろから他の二部隊も、行動を開始する。 「さて、これを実戦に使用するわけだけど・・・」 「未知数。」「期待は大。」 894: 影響を受ける人 :2017/03/05(日) 22 39 09 双子もやる気に満ちている。 それに満足しつつ、制御が難しい部下を右側に飛行させ、自分は左側に遷移する。 別に部隊を二つに分けるわけではなく、武装を使用した攻撃をするために離れただけだ。 変に干渉して、暴発するなんて考えたくもない。 飛翔速度をそのままに、【偽神烈火】に左手を添えて右手の刀を強く握る。 炎の出し方は数日で何とかマスターしている。 精神を落ち着け、感情は炎のごとく燃やし、魔力を刀に集め、流れを止める。 籠手はそれに答えて気炎の熱波で大気を揺らめかせて、刀に魔力の炎を現出させる。 同時に左の籠手に仕込んだ術符のいくつかが反応し、青白い炎をまき散らして燃え尽きていく。 そうして出来上がるのは、巨大な火球。直径にして10mもあるだろう。 反対側の不和ヒビキ/スズ姉妹は【真雷】【進電】をぶつける様に交差させる。 そして智子と同様に魔力を送り始めた。 交差した刀が帯電し始め、小さな稲光が徐々の大きく、範囲を拡大しつつ空間をのた打ち回る。 交差した中心が、強力な力の本流により左右に押しのけられていく。 同時に稲光がその一点に集まり始め、こちらも球体を作り出す。 それを目前にした“スズメバチ”達は動揺したが、何も考えていない“コバエ”は無心に向かってきた。 恐れ知らずの“コバエ”達は、圧倒的数の暴力でもって敵を葬ろうと近づいて行き、 「狐火一閃!!」 上下に分断するように振るわれた智子の一撃を受けて、中央部にいた“コバエ”の群れは焼滅した。 10mもあった火球は一気に小さくなり、刀の先端に宿ったかと思うと、高熱量の熱戦ビームとなって薙ぎ払ったのだ。 その空いた空間に向けて、双子も雷球を解き放つ。 「危ない。」「防御、防御。」 何の緊張も無く喋っているが、内心ではこの後に起こる轟音に対して備えていた。 発射された雷球に対し、“コバエ”達は総攻撃をかける。 単純な思考しかない彼等は、味方が殲滅された事に対して何の感情も浮かばない。 ただ機械の様に反応を返すに留まるだけだ。 だが雷球はそんな攻撃をものともせずに突き進み、一定の距離で術式を起動させた。 組み込まれている術式は九曜葛葉が作ったもので、誰でも同じ効果が出る様になっている。 そして効果は単純明快。雷同様に、周囲に“伝播”していくのだ。 密集し過ぎていた“コバエ”達は溜まったモノではない。 広範囲で魔力の雷が伝播し、一気に空間に隙間ができる。 後方で指揮を執るつもりだった“スズメバチ”が動揺して呆然としてしまう。 「うわぁ・・・」 「これは。」「酷い。」 惨状を作った三名も動揺してしまい。他の隊員達も「何あれ・・・」と硬直した。 双方共に、僅かとはいえ止ってしまった珍事は誰に記憶にも残らなかった。 取りあえず、強力な手札が有るとだけ記憶して置こうと、武子はちょっと現実を直視しない様にして心で思った。 以上です。 いや~・・・ 時間掛かった。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3486.html
681 :ooi:2016/07/06(水) 23 04 53 よし。 嶋田島ネタ第三章の投稿を行おう。 重い雰囲気がほんわかした雰囲気になるだろう? 684 :ooi:2016/07/06(水) 23 12 55 嶋田島ネタ 第三章~嶋田鎮守府始動~ 嶋田は艦これが実装されるまでの時間に室内で行う仕事に使う様々な資格を獲得していた。 また、バイトで資金も稼いでいた。 大学卒業後は室内で行える仕事で資金を稼いでいた。 また、「偶然記憶していたロト6の当選番号」でキャリーオーバー発生も重なる幸運も有り、現金4億円を当てる事に成功した。 これによって、生活費と課金代は余裕で捻出出来る様になったのである。 なお、他の使い道は後述する。 嶋田は正に準備万端で艦これが始まるのを待っていた。 そして、嶋田が24歳を迎える約5ヵ月前の2012年4月、いよいよ艦これがサービス開始となったのである。 「ついに開始か。かつての知識が有るから海域の攻略や建造、開発は問題ないから、後は運だな。」 「初期艦は…、勿論前世と同じ電だ。よろしく頼むぞ、電。」 「そして、先行特典の大井か。甲標的で覚醒するまでは扱いにくいが、その潜在能力は分かっているから育て上げねば。」 「まずは、ドック開放とやって、次は建造だ。おっ、いきなり第六駆逐隊が揃ったか。装備を開発したら出撃しよう。」 こうして嶋田提督の鎮守府生活が始まったのである。 なお、初日は転生チートのお陰もあって1-3まで到達した。 ~1ヵ月後~ 「よし、春イベ完全制覇だ!夏イベに向けて急いで育てないとな。」 ~1年4ヶ月後~ 「もう1年4ヶ月か…。時間が経つのは早いな。AL、MI作戦の為に艦載機とボーキサイトを増やしておこう。」 嶋田提督は着任してから全てのイベントを完全制覇していた。 そして、2014年2月に1つの転換期を迎える。 「ケッコンカッコカリ」の実装である。 嶋田はこの時点でレベル99になっていた60人の艦娘と即日挙式を敢行し、次いで煎餅布団を獲得したのであった。 最初にケッコンカッコカリしたのは初期艦である「電」で、2番目は提督初日に着任した「大井」だったのは言うまでもない。 ケッコンカッコカリを済ましてからは更に戦果を加速度的に挙げて行き、この時点で既にトップランカーの元帥となっていた。 これ以降も次々と戦果を重ねて2015年には当時実装されていた艦娘の全員とケッコンカッコカリを行っており、艦娘や兵装の全パラメーターはカンストしていた。 そして、艦これ運営からあの機械が届くのである。 685 :ooi:2016/07/06(水) 23 21 28 投稿は以上です。 まとめwikiへの転載は自由です。 まさか、鎮守府の名前を間違えてしまったとは…(汗) 次回は、嶋田さんが艦娘たちに出会います。 ゲームの中ですが、神様がこっそり介入して自由に会話出来るようになっています。 なお、某SSみたいにボタンをクリックしたら嫁が登場する機能は付いていません(苦笑) 会話話出来ると言っても、実態ではないので夜戦(意味深)は現時点では不可能です。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3172.html
491 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22 41 13 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第七十一話 ―義勇の翼― ―リベリオン義勇飛行隊:隊舎― 割り当てられた部屋の一室、隊長室として使っている部屋で一人の少女がタイプライターを使って書類を作成していた。 エリス・グリンフィールドは眉間に皺を寄せ、頭を掻き毟る。 「ああ、もう!」 この地に派遣される際、取りあえず年齢と階級から判断されてやってきた。 あまり乗り気ではなかったエリスだが、総隊長としての責任は自覚しており。投げ出す気は無い。 ただし、本国に送る資料作成がかなり面倒に感じていた。 ウィッチとして出撃する事は最近減ってきたとはいえ、やっぱり空を飛びたいと思う。 ストレス解消にではない、恐らく。 “オニグモ”戦においては最前線を崩壊させないという功績を上げた。 が、もし自分達が相手をするならば・・・と言う意見見解を送れと言う。 「見たことも無いのに送れるか!」 そう怒鳴ったが、結局はつらないといけないので項垂れるしかなかった。 一応扶桑側から、詳しい内容の資料が上がってきているので何とかなる。 チームプレイでは負けないと自負しているが、この脅威にどう立ち向かえばいいのかまったく想像できない。 結局は強力な兵器による集中攻撃しかないだろう。これが昨晩開いた会議による結論だ。 ウィッチは確かに対ネウロイとして装甲をある程度無視でき、再生能力を遅くでき、圧倒的な機動力を持つ。 しかし火力が手持ちの武器に限定されてしまう。 装甲と言えるのがシールドだけなので、究極の軽戦闘機も皮肉る時があった。 そんな中で開発された墳進砲は魅力的に映り、すぐさま報告書を上げたのは良い思い出だ。 リベリオンはすぐさま扶桑にライセンス生産をしたいと申し入れ、扶桑は快く応じた。 今現在、量産するために工場建設を急いでいるという報告が来た時には、思わずガッツポーズをしたものだ。 話がずれたが、エリスは何とか対“オニグモ”のレポートを書き上げて一息つく。 思いに深けて考えるのはエースチーム設立についてだ。 確かにウィッチは少々非力な所がある。しかしそれを補う能力持ちの少女達もいる。 そう言った者達を集め、対大型ネウロイのチームとして発足するのはどうだろうか? 椅子にもたれかかって熟考する。 「アイディアとしては申し分ないわね。 武装に関してはおいおい考えるとして・・・問題は、そう言った子達がどれだけいるか。 そして部隊編成する上で、誰がリーダーとなるか。かな?」 今の所そう言った人材の採掘は行われていないが、将来を見据えるならやっておいて損は無いだろう。 しかしながら扶桑のウィッチ達を見ていると、少し考えてしまう。 扶桑のウィッチ派能力開発に精力的であり、個人的に動く事が大きい。 癖もあり、チームワークを重視するエリスにとっては、少々扱い辛い。 「少数精鋭なら・・・ いける?」 特殊部隊になるかもしれない。 しかしそうなると発案者である自分が上司となるだろう。 「それは面倒臭いなぁ・・・」 悩み多く、解決する光明は見えない。 ―航空母艦【グラーフ・ツェペリン】― 大海原を小さな艦橋を持った艦が航行している。 前方一隻、左右に二隻ずつ駆逐艦が護衛をしていて、後ろには軽空母【ペーター・シュトラッサー】が追随している。 今日、ようやく【グラーフ・ツェペリン】の公使試験に入る事が出来た記念すべき日だ。 カールスラント様式に合わせて改装された艦橋の空間は、狭いながらも自分達らしいと思えた。 このように改装してくれた扶桑の技師たちに、多大な礼を【ペーター・シュトラッサー】艦長は心の中で送る。 本来ならば軽空母【ペーター・シュトラッサー】にいなければならないのだが、今日は特別にここにいる事が出来る。 なにしろ速力を限界まで出した後、初めての着艦を体験するのだ。 一応【ペーター・シュトラッサー】である程度訓練しているとはいえ、緊張しないはずがない。 元【グラーフ・ツェペリン】の艦長は、【ペーター・シュトラッサー】で副艦長をしていて練習を欠かしてはいない。 しかし大型艦と、小型艦とでは手ごたえが違う。 492 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22 41 49 彼は今、緊張により手に汗を握りしめている事だろう。 最初の頃の自分と重なって何だか微笑ましい。 【ペーター・シュトラッサー】艦長は少し下がり、アドルフィーネ・ガランド大佐に並ぶ。 「どうですかな。」 「安定感がちがうな。流石大型空母だ。」 「ですな。」 「だが艦長は、あまりこの船に興味はなさそうだ。」 にやりと笑う大佐を一瞥して、艦長は大海原を見る。 「そうですな。私にはあのくらいの船が丁度良いと感じています。」 「ほう? それは麗しき戦乙女が乗っているからかな?」 「ふむ。それもありますが・・・愛着でしょうか。」 愛着と言う言葉に、アドルフィーネの眉が少しだけ上がる。 「この船よりも長く乗っていますし。操船の仕方も熟知しております。 初めは緊張しました。初めての艦種でしたし、艦橋がずれた場所にあるというのは・・・ ですが知れば知るほど面白く、興味がひかれるものでしたな。」 「そうか。」 「そうですとも。皆さんが空に対する未知の思いに近いのではないでしょうかな?」 「そして、知れば知るほどもっと大空へ・・・か。なるほど、良く似ている。」 小さく笑うと「これより速力考試に張ります。」という言葉が聞こえた。 二人はそのまま黙って経過を見守る。 前方にいた駆逐艦がどき、【グラーフ・ツェペリン】は速力を次第に上げていく。 元々高速戦艦として設計されただけはあり、加速力は申し分無い。 余りの速力に、護衛として連れている駆逐艦たちが置いて行かれてしまうほどだ。 速力をおとして回答して合流し、次に着艦試験を行う為の場所に移動する。 【グラーフ・ツェペリン】の出来の良さに他の軍人が褒め称えている中、二人の話題は陸戦に移った。 「しかし扶桑は面白いな。陸戦ウィッチに、近接戦闘を主体とする部隊があるとは思わなかった。」 「話には聞いていましたが・・・本当だったので?」 「ああ。空からだがこの目で見たぞ。」 半信半疑の艦長に対し、小さく笑いながらあの光景を思い出す。 「いや。私も話半分で聞いていたんだが、実際見ると違う。 槍で敵を貫く隊長、斧でもって叩き割る隊員。 矢がネウロイを貫いた時には思わず吹いた。 大きな刀を振りかざすのもいたし、巨大な甲冑?を纏って突進して蹴散らすのもいた。」 「・・・近接攻撃は有効であると?」 「う~ん。そうは思わないな。 やっぱり重火器の方が安全だ。我々には近接攻撃は似合わないよ。」 「しかし、士気は上がりましょうな。」 「そこだな。あの部隊が存続し、あり得ているのも。」 そう言うと髪をかき上げる。 実際に近接攻撃を主体とする部隊を創設するというなら、まず度胸が無いといけないだろう。 そして次に戦場を把握できる観察眼、そして危機を感じ取れる勘。 あの部隊はそれが出来る隊長が居て、しっかり指示に従う隊員がいてこそ成り立つ。 それからはあまり関係ない話をしつつも試験を見守る。 試験は順調に消化され、後は発艦と着艦だけとなった。 艦載機は扶桑の古い機体を回して運用している。 本来ならば自前で用意したかったのだが、開発が始まったばかりなので故郷に戻ったら搭載できるかどうかだろう。 最悪、他国からの購入で済ませるしかない。 飛行甲板後部に展開した艦載機(すべて戦闘機)は、順次プロペラを起動させていく。 そして扶桑の空母同様に、艦首方面から白い煙が吹き上がり、真っ直ぐ航行しているのを確認した。 と、同時に艦載機が一機ずつ発艦していく。 その光景を見て、猛特訓をした成果が良く見て取れる。 危なげなく、全ての艦載機が発艦し、所空で旋回しながら編隊を組む。 そして着艦試験となると先程よりも緊張感が高まるのがわかった。 空母の着艦は計算された墜落ともいう。 それ故に全員が強張るのも無理は無い。 一機ずつ、慎重に着陸態勢に入っては着艦していった。 一つ一つの動作を間違えない様に、慎重に・・・ その甲斐あって無事に全て終わりを迎え、艦橋内に安堵の空気が漂う。 そこに通信が入った。 ニヤリと笑う艦長と、完全に見学者のアドルフィーネは戸惑う【グラーフ・ツェペリン】乗員を見る。 『これより、ウィッチの緊急着艦を行う。準備されたし。』 離着艦をしていた【グラーフ・ツェペリン】の右後ろに退避していた【ペーター・シュトラッサー】から、四人のウィッチが発艦した。 彼女達はそのまま高度を上げて旋回する。 対して【グラーフ・ツェペリン】の飛行甲板は大騒ぎだ。 マットをエレベーターで上げたり、乗員がてんやわんやと忙しく動いている。 突然であったが、実はこれも試験に含まれている。 493 :影響を受ける人:2015/08/02(日) 22 42 20 通常戦闘機を専門に運用しているが、ウィッチも緊急着艦できるようにしておけば憂いは無いという判断だ。 緊急でもすぐに対応できるかと言うのも入っている。 まだまだな対応に苦笑しつつ二人は見守った。 ―大陸:料亭― 「「乾杯!」」 陸軍の軍服を着た男二人が、ようやく一息つけた仕事をねぎらって集まっていた。 夢幻会に所属する東条英機、牟田口廉也が御酒を流し込む。 一息吐き、旨い刺身を摘まむ。 「東條さん、司令部で大立ち回りを演じたと聞いていますが?」 「そう言わんで下さいよ。今反省しているのですから・・・」 苦笑する東条に対し、牟田口は刺身を摘まんで食べる。 「でも好評と聞いていますよ?」 「そうでしょうか?」 「ええ、上の覚えはめでたい方が良いともいますし。」 そう言うと徳利の御酒を注ぐ。 「転生二度目・・・三度目ですか? 流石に対応出来る様になりますよ。」 「そうですね。」 話を一時的に切り上げ、旨い肴を食べていく。 御酒もおかわりをし、上機嫌になっていく。 「本多大将がこちらの味方についてくれたのは、大きいと思いますが?」 「それは同意します。正直、この世界での出世は難しかった・・・」 前世では大日本帝国がまだ若く、介入する余地が多々あり、基礎を作り上げた偉人の覚えが良かったからこそ夢幻会は大きく育った。 しかしこちらでは緩やかに移行しており、歴史まで違うから介入の余地は無かった。 地道に努力しなければならかったが、大陸のネウロイ戦は大幅に出世の道を縮めてくれた。 「能力が無いと生き残れないから、厳しかったですね。」 「ええ、また勉強し直しだと思ったら。流石に答えた。」 酔っ払い二人は愚痴を言いながらそのまま夜を過ごす。 翌日からまた始まる仕事との格闘を目を逸らして。 以上ですが、最後がグダグダで占める形になってしまった。 ネタが無かったから、シカタナイヨネ?
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3101.html
500 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20 50 10 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。今回はちょっと卑猥な表現があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第二十三話 ―乙女の休日Ⅵ― 北郷章香の首筋から水滴が流れ落ちる。 そのまま水滴は肩の方に移動し、胸の方を流れていく。 そして胸の先端に溜まっていた水滴と合流し、温泉に落ちていった。 風呂に浸かり、一息ついたところで横に座った同期をじろりと見る。 「それで・・・真嶋は何でここにいるんだ?」 「ん? そりゃ、ここに露天風呂があるからだぜ?」 「・・・回答になっていない。」 真嶋の回答に、二人は眉間をもむ。 「お前、ここに泊まるのか? 他の隊員はいるのか?」 「うんにゃ。もう一つの方だ。」 ちらりとサエの方に視線を向けると「・・・初めからいた。」と答えた。 「あっちも広いはずだぞ?」 「でも空が見えねえじゃんか。」 確かにもう一つの方は室内式である。 だが露天風呂一択のこっちとは違い泡風呂やサウナ、寝湯や打たせ湯といった最新の設備が充実しているのである。(夢幻会転生者運営) 上官に言えば、どちらのお風呂も使用できるが・・・ 「それだけの理由で来たのか?」 「おう!!」 こいつの説得などは不可能だろう。野獣に言葉は通じない。 しかし元気いっぱいな同期の様子に、章香は呆れると同時に安堵した。 脳筋気味な同期だが、今の逼迫した状況でも変わらない態度と言うのは有り難かった。 ちなみに学兵達は遠慮して、端っこの方で温泉を堪能していた。 小さいが打たせ湯があるので、それを楽しんでいるらしい。 「あいつら元気だな。良いんじゃないか!?」 「最近ようやく接近戦をやらせてもいいと、思えるようになったよ。」 苦笑と共に言って、上に腕を伸ばして体を伸ばす。 張りのある胸が強調されていて、しげしげと志麻はみつめる。 その視線に気が付くと、ちょっと恥ずかしくなったのか胸を隠した。 「な、なんだ。」 「いやぁ・・・胸が又大きくなったんじゃないか?」 ニヤニヤと変態親父のような笑みで嗤う志麻に、サエが拳骨を落とす。 〔ゴッ!〕と言う鈍い音が聞こえて、叩かれた頭を抱えた。 「・・・やめろ。」 「え、エエじゃないですか! 同期の中じゃ一番デカいんですぜ!!」 「お前は二番目にデカいだろ・・・」 「一番いいのを愛でるのがいいんじゃねえか!!」 (*1) 三人はこんな感じで久しぶりの旧交を温めていく。 別れてからの戦い・・・ 新しい部下との付き合い等々・・・ 話すことはいくらでもあった。 「しかし、俺ら同期は鼻高々だぜ! 何せ一番の出世頭だからかんな!!」 「そうか?」 「おうよ! 先に行っちまって、ちょっと寂しいけどよ・・・ 訓練校時代のライバルとしては、嬉しい限りだかんな!!」 501 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20 50 49 「ぎぁははははは!!」と豪快に笑うのを見て、章香も照れくさそうに頭を掻いた。 「それによ。学兵を六人も抱えるなんて、お前以外出来ねえよ! 源田実里(げんだ みのり)に聞いたぜ。部隊編成時に文句言ったんだってな。 「自分に学兵を六名預けて下さい。絶対に生き残らせてみせます。」 そう啖呵きったって聞いてるぜ?!」 「いや、それはだな!」 「・・・無理、無茶、無謀。 ・・・馬鹿の極みだ。」 「ゴフゥッ!」 思わず恥ずかしくなったので言い訳しようとしたものの、副隊長の痛恨の追撃に撃沈してしまう。 ライバルが意気消沈してしまった事に気づかず、志麻は続けた。 「他の部隊は学兵四人、熟練四人から三人で構成してるっつうのによ。 お前はたいした胆だよ。俺は副隊長やってんけど、突撃思考だから四人の面倒を見るのも大変よ!」 「・・・そのフォローで苦労しているだろうお前の隊長に、詫びの酒でも送っておくか?」 「なんでですか!!」 (敬語・・・ 真嶋、お前いまだに旗本さんが怖いのか? 癖になっているのか?) 内心でそんな事思っていると、大きく息を吐いて御湯に浸かりなおした志麻が呟く。 「でもよぉ・・・ へたすると、柊みたいになぁ・・・」 「「・・・・・・」」 柊隊、アホウドリ迎撃戦の前に一体だけ撃墜した時に参加した隊だ。 その時に学兵の一人が戦死した。柊隊長が給弾を行っている僅かな時間で。 それを気に病んだ彼女は、残った学兵達に厳しい訓練を貸したのだが・・・モノになる前に彼女の心が耐えられなかった。 再び戦死者を出すかもしれないという不安が、酒びたりにさせてしまい。 副隊長がフォローしようとしても、まったく効果が無かった。 真面目だった・・・まじめ過ぎた彼女は、学兵の戦死を重く受け止めすぎてしまっていた。 そしてついに、訓練中に下手をした学兵に軍刀を振るい・・・後方の精神病院に入れられたという。 「あいつが潰れるとは思わなかった。」 「真面目で、いい奴だったんだがな・・・」 同期だった二人が空を仰いで、むなしい気持ちを何とかしようとする。 志麻はチラリと、今はゆっくりお湯に浸かっている学兵達を見る。 「大丈夫だとは思うがよ。俺ぁ・・・ しんぱいでな・・・ 飯井さんみたいに、守るために無茶して部隊壊滅なんて「真嶋!!」 叫んで言葉を遮り、不用意な同期を睨み付ける。 その気迫に押されそうになったが、同じように睨みつける。 「お前だって、飯井さんにゃあ世話になったろうが!」 「それとこれとは違う! 今この場にはあの子達がいるんだぞ!」 「飯井さんとこ生き残りを抱えている部隊と一緒なんだろうが! いつかばれる事を隠してどうすんだ!」 「だからと言って、人の不幸をベラベラ喋って良いわけが無いだろう!」 「だから無茶するってか! それで飯井さんと同じになったらどうすんだ!!」 「っぐ!」 「お前が強いのは知っているがな。柊みたいに、飯井部隊みたいにならないっていう確証はねぇだろうが!」 御互い熱くなり始め、立ち上がって言い争い始めた。 学兵達が何事かと此方を見ていることにも気づかずに。 真嶋志麻としては、あんなことが起きないように忠告しているつもりだ。 言葉使いや、表現がうまくない事を知っているから、ある程度は理解できる。 しかし北郷章香としては、人の不幸を無理に知る必要はないと思っている。 ましてや、あの事件で一番木津付いているのは張本人だ。 飯井部隊は壊滅したが、生き残りは二人いた。 しかし戦線に復帰できたのは一人だけ、残る一人は本土に移送され、ウィッチとして生命線は閉ざされたという。 反論しようとして口を開いた章香と、鼻息が荒くなった志麻は、サエの足払いをまともに受けて温泉にドボンした。(大変危険な行為です。絶対にやってはいけません。) 502 :影響を受ける人:2014/08/10(日) 20 51 35 「「ガゲゴボボボボボッッ!!!!!」」 「・・・頭を冷やせ。・・・馬鹿共。」 〔ザバンッ!〕と豪快に温泉から顔を出した二人は、じっとりとした視線で犯人を睨んだ。 とうの犯人は、いつもの鉄皮面で冷たく見るだけ。 「・・・真嶋。 ・・・お前が心配しているのはわかるが、言葉をもっと選べ。」 「へぃ・・・」 「・・・北郷。 ・・・お前もいい加減熱くなりすぎて、周りが見えなくなるのは直せ。」 「はい・・・」 少しだけ学兵達の方を見るが、湯煙でよく見えない。 取りあえず距離はあるから、聞こえていないと思う。 「・・・二人とも、水風呂に行け。」 「「えっ!」」 「・・・口答えするな。・・・行け。」 すごすごと風呂から上がり、水風呂に向かう二人の背を見送りながら思う。 あの二人は、もっと大人になればそれぞれ大成するのに、と・・・ 「・・・未だ雛か。 ・・・されど羽ばたきは遅くなく。」 月を仰ぎ見て、 「・・・飯井よ。 ・・・大佐と共に育てた雛は、大きな隼になりそうだ。」 ――――― 時間は少し前に戻る。 章香と合流した一同は少しだけ交えて話していたのだが、すぐに三人だけにして自分達は下がった。 遠慮があったのは間違いないが、同時にある悪戯を考えていたからだ。 打たせ湯を十分楽しんだ後、隊長陣を見る。 充分離れているのを確認すると、里子は耳に仕込んでいた術符を取り出す。 「・・・里子さん。何をするつもりですの?」 「いやだなぁお嬢。隊長の恥ずかしい話を聞くためじゃないッスか。」 「ちょっ! そr「おお、それ面白そうだな」徹子さん!!」 「それはいけなんじゃないかな・・・?」 さすがの美緒もプライベートに干渉するのはどうかと思い、反対に回った。 それに続いて醇子、小毬も頷く。 「いいよ、二人で聞くから。なっ?」 「そうッスね。二人で聞きましょ。」 そういって【強化】が付いた術符を使用して聴力を上げる。 「って・・・ 委員長も聞くんだな。」 「こ、これは・・・ ですわね・・・」 「皆も聞くんッスね・・・」 「「「あ、あはははは・・・」」」 そうして聞いていたのはいいのだが・・・ 最初はいい感じだったのに、後半の怒鳴り合いと、新たに知った事実に皆驚愕して黙り込んでしまった。 大きな物音で全員振り返ったが、湯煙のせいでよくわからない。 しかし・・・ 「なんか・・・ 大変なモノを・・・」 「どうしよう・・・」 (あの時聞いたのは事実!? で、でも・・・そんな人には見えないし・・・) 「美緒ちゃん、徹子ちゃん・・・どうするの?」 「どうするって、言ったて・・・」 「どうするもこうするもありませんわ。」 皆の視線が凛に集まる。 「隊長は知らせたくなかった・・・ ですからワタクシ達は“何も聞かなかった”いいですわね?」 凛が宣言すると、不安げな視線を合わせながらも皆頷いた。 以上です。 今回でミチルの秘密がばれました。ナハト様申し訳ありません。 ネタに詰まってしまい、ココでばらすことになりました。 もし都合が悪ければ、変更します。 そしてお風呂回は今回で終了です。 次は残った部隊の暇な時間の過ごし方・・・でしょうかね。 もしご要望があれば、出来うる限り受けようかと思います。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3113.html
109 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 45 29 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第三十五話 ―異なる翼は共に飛びⅥ― 二度目の哨戒を終えた美緒達は、待機所に戻って休憩していた。 と言っても、緊急事態にすぐ対応できるようにはしていたが。 これも戦場生活の影響だろう。自然とそうなっていた。 「次は最後の競技ですわね。」 双眼鏡で会場となっている上空を仰ぎ見る凛の隣で、徹子も双眼鏡をのぞきながら同意した。 「チーム戦は惜しかったな。」 「・・・っていうか、真嶋さんのゴリ押しがすごかっただけッスよ。」 「あの弾幕はちょっとね・・・」 里子はげんなりした様に言い、醇子は乾いた笑いをするしかなかった。 噂には聞いていた重火力のウィッチ存在、それが真嶋志麻だと知ったときは納得したものだ。 あの筋肉量から重火器を運用しているのからだと思っていたが、能力による通常戦闘機にも劣らない弾幕が売りだったのは予想外ではあったが。 それでも「ああ、あの人なら・・・」と、実際にあった六人はすんなり受け入れた。 それでも技量と質を、チームワークで埋めるリベリオン組には負けた。 チームの弱点である鮫島トミに狙いをさだめ、早々に撃墜してした。 こうなると重火力を発揮する真嶋の価値は激減する。 元々狙いが荒い彼女は、弾薬補給係がいないとただのお荷物になってしまう。 接近戦を禁じられていたのもあって、得意の獲物である鉞を振るえなかったのも大きいだろう。 なによりも、彼女のストライカーは補給係が使用している【鍾馗】のカスタム・ストライカーを使用しているので燃費も悪い。 そう言う理由から負けてしまった。 次に当たった欧州組もそこを狙ったものの、学習した真嶋は機関銃を四丁に変更して鮫嶋を背中に貼り付けて戦闘を行うという暴挙に出たため、諦めて周りの敵を撃ち落として判定勝ちに持ち込んだ。 真嶋はその後、水瀬大佐に呼び出されてこってり怒られたという。 それはさておいて。 この場にいるのはいつもの学兵メンバーと、ミチルがいるだけだ。 ミチルと同僚の学兵は知り合いがいたので、そっちに行ってしまってこの場に居ない。 真面目なミチルも、何もしていないというのはさすがに暇なので、美緒達同様に見物人となっている。 「最後は隊長陣の総当たり戦・・・誰が勝つと思う?」 「「「「「「北郷先生です!」わ!」ッス!」だ!」」」 「そ、そうか・・・」 皆揃って言うと、驚いて唖然としてしまう。 まあ、それだけ慕われているという事だ。 はた目から見ても北郷章香の訓練は、自分が受けた訓練以上にきついものがあったと思う。 いや、きつくしなければならなかったのだ。 聞けば訓練期間は自分よりも短い期間だった。 そうなると、必然的に切り捨てられる部分が出てくる。 切り捨てられるのは当然、訓練についていけない者達。 そして与えられたのは、軍隊としての必要最低限の知識。 一時的な志願学兵とはいえ、本当の戦場に放り込まなければならない以上、必要な事だけは教え込まなければならない。 そうしてやってきたのが彼女等だ。 彼女達には・・・才能が有った。 そこまで考慮して、北郷章香は選んだわけではないだろうが。 しかし・・・ 不敵に笑うと、美緒達が目を見開いた。 110 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 46 03 「江藤大隊長も負けていないぞ。」 「あれ、贔屓ッスか?」 「ちがうな・・・ 一度だけ、訓練の戦闘を見たんだが。」 視線を滞空する大隊長に合わせ。 「あの人は別格だったよ。」 そう呟いた。 「美緒ちゃん。私、先輩が笑う所初めて見たかも。」 「そうですね・・・」 「醇子に小毬もひどいと思うよ。先輩は人なんだから。」 「美緒・・・ お前も十分酷いぞ・・・・・・」 「皆さん・・・早良先輩が肩を震わせておりますわ。」 (アタイは何もいわないッス・・・) ――――― 闘技場となる空中で陸軍が誇るウィッチと、海軍が誇るウィッチが対峙している。 両者ともに本土では有名であり、希望の星だ。 「こうして交えるのは久しぶりだな。」 「そうね・・・まだこんなえらい階級じゃなかった頃は、よく刀を交えたわよね。」 二人は過去の出来事を思い出して、懐かしそう笑う。 「五十戦二十三勝二引き分け・・・」 「ここで勝たせていただきましょうか。」 二人の笑みがにやりとした不敵なものに変わる。 「ぬかせ。私が勝ち越させてもらうぞ。」 北郷章香はそう言って、唯一の武器である刀・・・ではなく木刀を引き抜く。 対して江藤敏子も獲物である木刀を構えた。 お互いに銃器は持っていない・・・ 完全な接近戦勝負だ。 そのままお互いに構えに入り・・・ 「いざ・・・」 「参る!!」 激突した。 元々距離的にはそんなでも無かった、ゆえに衝突は早かった。 「ゼェイ!」 「ふっ!」 章香の上段からの斬撃を、滑らせるようにして右に逸らす。 そしてそのまま無防備な頭部・・・ではなく肩を狙うが、章香は倒立するようにして体を捻って避ける。 左の発動機を弱め、右を強くする。それでその場での倒立が可能となる。 ウィッチならでは・・・ストライカーが双発と言う特性の回避方法だ。 しかもそのまま横薙ぎに移行するが、敏子とって負けてはいない。 同じ様に発動機の出力調整で回転し、木刀を逆手持ちにして滑らせるようにして受ける。 木刀が接触し、受けた勢いを利用して大きく下がる。 それを猛追する章香・・・しかし、突等に右に大きく避けた。 経験と嫌な予感で避けたが、それは正しかった。 「っく!」 「忘れたの? この距離が私の間合いよ!!」 見れば敏子は左腕を突きだしている。 彼女御得意のシールド攻撃。見えざるシールドの棍が付きだされていたのだ。 「ああ、忘れていたよ! お前は陸軍一のシールドの使い手だと言うのを・・・っな!!」 負けじと、魔力斬撃を繰り出してリーチを伸ばす。 慌てて避ける。流石にこの攻撃は受けたくない。 111 :影響を受ける人:2014/11/09(日) 21 46 34 「ちょっ! それは反則よ!! 受けたら死んじゃう!!」 「本気で来ている相手に手加減など無用だ!」 元々二人は相反する特技を持っていた。 敏子はシールドが得意。 章香は魔力撃が得意。 攻撃と防御・・・だからなかなか勝負がつかず。何時も時間切れでの判定となっていた。 「今日こそは、しっかり勝たせてもらうぞ!」 「それはこっちのセリフ!!」 「「大佐に弄られるのは嫌だ!」なのよ!」 二人の戦う理由は同じで、くだらないが必死だ。 それに、そうでなくても決着をつけたいとも思っているのは事実。 故に真剣に、しかし楽しく大空を舞う。 「イッヤァッ!」 「っっ!!」 見えざるシールド棍を、空中制御で操作して足払いを掛ける。 己はそのまま上段切りで肩狙い。 章香は棍を木刀で防ぎ、脇差代わりの短い木刀で上段切りを防ぐ。 と同時に小刀に魔力を流して鋭利にする。 それに気が付き、受け止められていた棍を掴みとり、空間固定して一気に伸ばして後ろに下がる。 追撃で小木刀に込めていた魔力撃を、放射状にして撃ち放つ。 威力は無いが判定を大きくとられてしまう。 仕方なく棍を丸めていたのをやめて、大きく広げて防ぐ。 そこに章香が斬り込むが、敏子は大きく広げたシールドを突進させて近づけさせない。 仕方なくシールドを切り裂いて突撃するが、途中で止まる。 「おいおい・・・」 目の前には魔力の光を放つ、見えるようになった棍が六つ浮かんでいた。 「いつの間にそれだけ制御できるようになった。」 「あら心外ね。私がデスクワークだけしかしていないと思っていたの?」 「うむ。」 ガックリと前のめりになってしまう。 この脳筋一歩手前は・・・・・・ 眉間をモミモミして頭痛を和らげる。こんなことを気にしていたら身が持たない。 それは部隊を纏める上で経験してきた事だ。 そんな思いを知らない章香は、息を整えると眼前のライバルを見据える。 「それが今のお前の最高か・・・ならば、こちらも見せようか。」 「え?」 章香は木刀をしまうと、小木刀をもう一本取り出した。 そして、 「ぬぅぅぅぅ!!!」 魔力を両手に持った小木刀、両肘、ストライカーの先、使い魔の尻尾に集中させた。 それぞれの場所が、魔力撃を伴った狂気に変貌したのだ。 全身凶器と化したライバルに、敏子も苦笑い。 「さて、待たせたか?」 「いいえ。再開しましょうか!」 「そうしよう!」 二人はそのまま、最初の様にぶつかりあった。 以上です。中途半端になってしまったけど、次回も続くんじゃ。 と言うかしっかり勝敗を決めたい。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3211.html
825 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 00 28 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 オリジナル設定、個人的解釈が入っています。 アグレッシブルートです。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン×ギアス 第◆▲●話 ― 一合一会 ― 12月31日 この日は年末で、仕事が無い人は無い。ある人にはあるのだが。 意図せずして、前世では大日本帝国の首相になっちゃった人身御供・・・もとい、嶋田繁太郎は自宅にてのんびり過ごしている。 このコードギアスの世界は平和そのものだ。 原作を知る物からすれば「はぁ?」なのだが、実際平和だ。 と言うのも、シャルル・ジ・ブリタニア皇帝は戦う愛の人ともいうべき人。 そんでもって嶋田とは親友とも言える間柄。どこに戦争する要素があるというのか。 かわりにオセアニアと言う敵国があるのだが、不気味な蠢動はあるが表立った動きは無いので無視する。 面倒事は枢木ゲンブに任せてしまいたい。 「御馳走様でした。」 「御馳走様です。」 年越し蕎麦を食し、真向かいに座るピンク色の髪を持つ少女と共に御箸を置く。 そして顔を見合わせると二人とも笑いあう。 なんだこのバカップル空間は? もう、なんか言いたいが、この二人は周囲にとっては公認のカップルだ。 親馬鹿皇帝は未だに認めていないけども、ちゃんとした交際をしているのである。 親と子並の、歳の差カップルだが祝福するモノは多い。 二人は静かに、夫婦の様に食事をしていた。 使用人がタイミング図って入室し、食器を片づけていく。 その際に少女、ユーフェミア・リ・ブリタニアは嶋田繁太郎の横にチョコンと座る。 余りに自然に座り、まったく違和感が無い。夫婦か。 使用人が御茶の有無を聞くと二人とも頷く。 そして出ていくと嶋田はおもむろにテレビを付けた。 「ふむ。大晦日定番の番組しかないか。」 「あれ、ありませんか?」 「うん? “笑ってはいけない” シリーズか・・・まだやっていないな。」 「そうですか・・・」 かわす言葉はもう夫婦と言って良い。爆発してしまえ。 どこからともなく呪いの言葉が降りかかる状況だが、二人は呑気にTVをみる。 使用人が御茶を持って来ても、仲睦まじく視聴している。 嶋田が蜜柑を細かく分けられるまで剥き、お互いに一切れずつとって食べていく。 ユーフェミアがティッシュを二枚取り、一枚を嶋田に自然に渡し、彼も自然と取る。 無言で、阿吽の動きで追従する。鴛鴦夫婦か何か、か? 最後の一切れをお互いの手が取りあい、接触すると二人ともびくっと手を引っ込める。 お互いの顔を見合うと恥ずかしくなってソッポを向く。 だが、そーっとお互いに顔をもう一度顔を見合わせ、二人の顔が自然と近くなり・・・ ―ドゴォォォォン!! 「ぬわぁ!」「きゃぁ!」 突如巻き起こった轟音に、キス寸前だった嶋田はユーフェミアを庇う。 轟音はすぐ目の前の庭から聞こえた。 と、同時に屋敷中からドタバタと足音が響き渡っていく。 「旦那様、御無事ですか!」 「ああ、大丈夫だ。ユフィ、大丈夫か?」 「だ、大丈夫です。繁太郎が庇ってくれましたので・・・」 826 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 01 03 警備員も慌てて庭にやってきて轟音の中心部分を包囲する。 「何が起きたんだ?」 「旦那様、御下がりください。危険です!」 使用人兼護衛が立ち上がって庭を見ようとした己の主人を、庇うように前に立ちはだかる。 「繁太郎、ここは・・・」 「そうだな。ここは彼等に『いてて・・・ここはどこナンダ?』・・・む?」 「声・・・ 少女の様ですね。」 轟音が収まった中心部から声が聞こえた。 そしてユーフェミアが言う通り、ブリタニア語だが声の感じは少女のらしく聞こえる。 『エイラさん大丈夫ですか?』 『ああ、芳佳は大丈夫カ?』 『芳佳ちゃん・・・』 『サーニャちゃんも大丈夫?』 『駄目・・・ 腰打ったみたい・・・』 その後も聞こえてくるのは少女の声。それも三人。 さすがの警備兵も困惑気味だが、油断はしていない。 ゲリラの中には少年兵もいるのだ。恐るべき爆弾を所持していると可能性もある。 誰も油断なく土煙が収まる迄待っていると・・・現れたのは三人の少女達だった。 ――――― 事の起こりは夜間哨戒から帰還してきたサーニャを出迎えた後、芳佳が少し父の様子を見ようとして二人も同行。 この時実験室では、異次元空間を使った転送システムを、ウィッチの手を介さずに行うという実験が行われていた。 最初は良かったのだ。起動は上手く行った。 ただ、機械で行う術式が間違っていたが。 だが三人が到着した時、ちょうど暴走に入り始めており研究員は我先に退避していた。 宮藤博士はやってきた三人に、大声で退避するように呼びかけたが時すでに遅し。 機械が発生させた人工魔力が大きく膨れ上がり、咄嗟に芳佳が発生させたシールドに共鳴。 更に三人に九曜葛葉が渡してあるお守りが起動してしまう。 “あらゆる方法”で緊急回避を行うように仕込まれているお守りはよりにもよって、三人を異次元空間を媒体とした転送を主なってしまったのだ。 そして空間爆発と共に三人は、見知らぬ土地に投げ出された。 ――――― 土煙が収まるまでにエイラは、腰につけていた拳銃の確認を済ませた。 リボルバーだが、予備弾丸も合わせて30発はある。 一回の戦闘くらいなら何とかなるが、その後はどうにもならない。 更に言えば学生が一人、帰還したばかりで消耗しているナイトウィッチが一人。 この二人を守るのは至難の業だ。 『エイラさん大丈夫ですか?』 『ああ、芳佳は大丈夫カ?』 『芳佳ちゃん・・・』 『サーニャちゃんも大丈夫?』 『駄目・・・ 足を捻ったみたい・・・』 最悪が追加された。足を痛めたサーニャは早く動けない。 こうなると・・・ (いや。マダ状況判断が済んでイナイ。) 非情な選択を取りたくないエイラは土煙が収まるのを待ち・・・さらなる最悪を目にした。 目の前には見たことも無い武装をした、銃器を構えた兵士達がいる。 (これって・・・カナリ不味いゾ!) 内心で焦りつつ、二人を庇える位置に移動する。 もっとも、目の前の銃がライフルなら意味が無いのだが。 サーニャを助けていた芳佳が、エイラのただならぬ様子に気が付く。 そして同時に、目の前で銃をこちらに向けている人影に気が付いた。 827 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 01 34 『え、エイラさん・・・!』 『芳佳ちゃん・・・!』 『え・・・っと・・・』 軍人の殺気に当てられた二人が怯えて抱きしめあう。 エイラも気の利いた言葉を変えてやりたいが、何も思いつかない。 こういう時、あのリベリオン人が羨ましく思う。 すると、兵士の壁の奥から声がかけられた。 『あ~、君達は何者かな?』 『・・・誰だ?』 『ああ済まない、名乗り忘れていた。自分は嶋田繁太郎と言う。 この屋敷の主だよ。』 『屋敷?』 そう言われてよくよく見れば。二階建ての大きな屋敷が見える。 扶桑式の、見事な瓦屋根だ。 『ココって、扶桑皇国ナノか?』 『扶桑? いや、ここは日本だが?』 『え?』『え?』 此処は扶桑じゃない? 日本? 全く来た事が無い。 『ナア芳佳。日本って聞いたコトがアルカ?』 『確か、昔の扶桑の呼び名がそうだったかと・・・』 訪ねた先も少し不安そうに答える。 『ふむ・・・ 君たちの国の事を聞きたいが?』 『ソレハ良いけど・・・ 銃を下してクレ。 仲間が怯えてイルンダ。』 ――――― 嶋田は武装解除してくれればと交渉し、銃を一丁回収できた。 更にボディーチェックを使用人兼護衛が確認し、安全であると判断して今にあげる。 もっとも、庭には警備員が未だにいるし。隣の部屋にも待機している。 使用人兼護衛も御茶くみとしている。警護は万全だ。 「大丈夫?」 「・・・大丈夫です。」 ユーフェミアは治療が完了したサーニャに問うが、サーニャはまだ警戒しているのか芳佳に引っ付いている。 サーニャの捻った足は、芳佳による“魔法”の治療によって完治している。 この時初めて“魔法”を見た一同は度肝を抜き、警戒心を更に上げた。 だが将来の女主人は、「まあ、魔法なんて初めて見たわ!」と大興奮してからの気概を挫いたけど。 「・・・ん。」 「サーニャちゃん、大丈夫だよ。」 使い魔の猫の様になすりつくサーニャに、芳佳は安心させるようにナデナデする。 それを見てユーフェミアはほんわかしている。 そんなカオス空間を見ない様に、少女と初老の男が話し合っていた。 「ブリタニアがリベリオン大陸に・・・」 「ああ、こちらではネウロイなんて聞いた事が無い。」 「全然コチラノ事がわからないゾ・・・」 「まあ、そうなるよね。」 頭を抱えて炬燵のテーブルに突っ伏すのを見て、嶋田は苦笑するのみ。 そりゃそうだ。 (違う漫画・アニメ世界だもんな・・・ というか、この子等何処かで見たなと思ったが、ストパンのキャラだよな。) 見れば見るほど見たことがある三人・・・なのだが、 (芳佳と言われていたこの子は、主人公の【宮藤芳佳】だよな。 服装がセーラー服と水着じゃない。巫女服みたいなのを着ている。) 828 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 02 04 芳佳が着ているのは扶桑皇国指定のウィッチ専用戦闘服なので、違和感があっても仕方ない。 嶋田もわかっていないがこの服は、魔力を通せば拳銃弾くらいなら何とか耐えられる強度を誇る。 まあ「似合っているな。」程度の感想しか無けれども。 ―クゥ~… 「・・・あ。」 「サーニャちゃん、帰って来たばっかりで何も食べていないもんね。」 「ムゥ・・・、悪いケド我慢してクレナイカ?」 「・・・うん。」 ヘンニャリと耳が垂れ下がるのを幻視した嶋田とユーフェミアは、すぐさま食事を出す様に言う。 「御蕎麦がまだあった筈だ。食べていきなさい。」 「御蕎麦が嫌なら蜜柑もあるから♪」 「え・・・ でも・・・」 サーニャは困って二人の友達を交互に見る。 二人も困って顔を見合わせた。 「どうしましょうか。」 「甘えたいケド、この後ドウナルカわからないしナァ。」 エイラの判断としては、目の前の歳の差夫婦は信用できる。 何故かわからないが、特に初老の男性が特に。 サーニャを思うなら食べさせてあげたい。しかしそうすると今度は眠くなるだろう。 昼夜逆転の生活をするのがナイトウィッチだ。 その大変さを知る身としては・・・ ちらりと、もう一度歳の差夫婦を見る。 一人は微笑み、もう一人はしっかりとした眼でこちらを見ている。 初老の男性、嶋田繁太郎と言う男性。 彼はどこかで見たことがあるような気がする。 じーっと見つめていて気が付いた。 (オバサマに、似てイルンダ・・・) 自分が家族と同列に信頼し、信用して慕う人物。九曜葛葉にそっくりな雰囲気もっているのだ、この男性は。 だから無条件に自分は信頼しようとしている。 (本当はイケナイのだろうケド・・・) 何が有ろうとも責任は自分が取る。何があっても二人を返すのだ。 「エット、お願いできますか?」 「ええ、喜んで。」 「とりあえず。ゆっくりしていきなさい。」 そう言って二人は微笑む。そしてエイラは「よく似た夫婦だな。」と思うのだった。 ――――― 「「「御馳走様でした。」」」 「「お粗末でした。」」 警護している者達は思った。 (*1)))) 歳の差夫婦と娘達。 人種? 歳の差? 世界が違う? そんなモノなんのその。 そこには 家族 そう呼べる光景がった。 「美味しかったナ~」 「うん。」 「・・・天麩羅できたて。」 829 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 02 53 1人分用意するよりも、複数人用意した方が良いと言われ。エイラと芳佳も結局御馳走にあずかってしまった。 今日が大晦日であると知ると、三人は時間が違う事に大いに驚いた。 そして最高級品室で作られた蕎麦・・・ではなく、スーパーで安売りしていた生麺であったが、できたての天麩羅は何よりも御馳走。 自らオーダーすれば、すぐさまその天麩羅が出てきて驚く。 金持ちってスゲー。 「三人ともいいかな?」 「なにかな、オジサマ。」 「変える方法なんだが・・・一つ心当たりがある。」 「エ、本当か!?」 思わず身を乗り出すエイラを、芳佳が慌てて引っ張って座らせる。 「ああ、ただそれは国家機密に近くてね・・・」 「あら、どうしたの?」 「そうナノカ・・・」 「・・・眠い。」 「特に詳しい人物は、この国の人ではないのがねぇ。」 「あらあら。こっちにいらっしゃいな。」 「それって、どこの人なのですか?」 「・・・でも。」 「こちらのブリタニアの人なんだ。」 「炬燵で寝るといけないわ。」 「もしかして・・・王族?」 「・・・ん。・・・失礼します。」 「うん。」 「どうぞ、どうぞ♪」 「エイラさん・・・」「う~ん」 「・・・ハフゥ。」 「何か問題でも?」 「あら。すぐ寝ちゃった・・・ 疲れていたのね。」 「実は………という事があって・・・」 「ンム・・・ スゥスゥ・・・・・・」 「こちらではそんな事は無いよ。」 「ふふ、可愛い寝顔♪」 「「「って、何しているの?」」ンダ?」 「大きな声を出さないでください。起きちゃいます。」 「「「はい・・・」」」 ショボンとする三人だが、サーニャの寝顔を見るとホッコリする。 さっきまで警戒心バリバリだった彼女は、ユーフェミアの優しさに当てられて警戒心を完全に解いていた。 恐るべし、癒し系。 エイラはとりあえず帰る手段が見つかり、一安心した。 まだ確定ではないが、希望が一つできただけでも嬉しい。 そんな事考え、嶋田が「御汁粉食べるかい?」と進めてきた。 さすがにここまで御馳走になり、更にデザートまでいただくのは気がひけた。 だから丁寧に断ろうとして口を開き。 ―チュドォォォォン!! 「「「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」」」 「きゃぁぁ!?」 「ふぇ?」 再び庭先に爆発が起きた。 視線を慌てて向けると、土煙を吹き飛ばして一人の女性が立っている。 いや、 浮 い て いる。 地面には青白い光の魔法陣。 そして女性は三人の魔法少女から聞いた容姿の女性・・・白い髪・白い肌・白い九尾。 「かぁぁぁぁぁはあぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」 口から煙を吐きだし、目が爛々と輝く・・・その姿は化物だ。 強烈な殺気まで発しており、誰の目にも化物としか映らない。 「う、うわぁぁぁぁぁ!」 警備兵の一人がとんでもない現象にパニックとなり、銃を向けて引き金を引いた。 エイラが止める前に弾丸は九曜に向かい・・・空中に静止する。 「え?」 疑問が誰からか上がった。 しかし事態は答える間に瞬時に動く。 「雷・・・」 830 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 03 29 一言つぶやいただけで弾丸が撃った警備兵に向かって放たれる。 同時に九尾が蠢き、周りに展開した兵士を蹂躙しようとシールドをボーリングマシーンの様に回転させて纏わせ、薙ぎ払おうとした。 瞬間、誰もが死を思い浮かべる前に殺され 「オバサマ、駄目だぁぁぁぁ!!」 かけた。 エイラの静止。その声を聞いた事により弾丸は再び停止。 九尾も薙ぎ払う直前で止まった。 間髪入れずにエイラは九曜の元に駆け寄る。 靴を履いていないから、足が汚れて痛い。 「オバサマ。私達は大丈夫だよ・・・」 「エイラ、無事なんだな?」 九曜の口調が男言葉になっている。これはかなりの興奮状態だと悟り、安心させるように抱き着いてゆっくりと語る。 「ウン。芳佳も、サーニャも何ともナイ。」 「そうか・・・ それなら、いい・・・」 エイラの身を確認した九曜は撒き散らしていた殺気を収めた。 そして彼女の体を優しく抱きしめる。 「貴女が爆炎に消えたと聞いて、慌てて調査して、痕跡を見つけたのが三日前なのよ。」 「み、三日!?」 「ええ・・・」 「私達、1・2時間しか此処にいないゾ・・・?」 「時空時間が違い過ぎるのかも。早く戻った方が良いわね。」 そう言うと、視線を始めて立ち尽くす歳の差夫婦に向けて・・・目を剥いた。 「っ・・・・・・」 「オバサマ、ドウシタンダ?」 「なんでもない・・・」 そう言ってポンポンと頭を軽く叩くと、前に出る。 警備兵達が銃器を油断なく向けてくるが、先程まで殺気をまき散らしていたのだ、仕方がない。 九曜は数歩のみ進み、その場で土下座をした。 「騒ぎを起こし、申し訳ありません。」 「あ、いえ・・・」 「保護して頂いたのにこのような仕打ちをしてしまい。詫びの言葉もありません。」 「そうですね。その謝罪、お受けいたします。」 顔を完全に地面につけて詫びる姿に、ユーフェミアは公然と答える。 「ありがとうございます。感謝の言葉がこれ以上出ませぬ。」 「この子達が、それほど大切なのですね・・・」 「はい。」 簡潔ながらもはっきりした答え。 ユーフェミアも、王族として対応する。 「では、お詫びとして少々お付き合いしてほしいのですが?」 「いかようにも・・・」 「わかりました。ああ、無茶な事は頼みませんから?」 個々の主そっちのけで彼女は微笑み。九曜はステルスで放っている分体から芳佳達を確認した報を聞いて胸をなでおろした。 831 :影響を受ける人:2016/01/01(金) 00 04 10 ――――― 年明け、夢幻会は集まって嶋田繁太郎を睨んでいる。 「貴様ぁぁぁ!!」 「クソ。なんで俺はリア中を爆破しに行かなかったんだ!」 怒号の中心は、ある“写真”が原因だ。 その写真には嶋田繁太郎にユーフェミア・リ・ブリタニア。 そして宮藤芳佳、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、サーニャ・V・リトヴャク。 最後に白き九尾の女性が写っている。 「なるほど、あの騒ぎはコレですか。」 「辻さん。貴方はどこから情報を得ているので?」 相変わらず不気味眼鏡を光らせる腐れ縁に、嶋田はソッと引きながら問う。 「それは色々ですよ。ところでこの女性について情報は?」 「ありません。証拠はこの写真と・・・」 ゴソゴソと懐探り、目的の物を見せる。 「このお守りくらいですよ。」 「魔法で守られたお守りですか・・・興味深い。」 まじまじと見る辻正信を静止し、懐に戻す。 「ユフィも、もらっています。」 「いや、その場にいたかったですな。」 そう言って笑うが、嶋田としては余計に引っ掻き回されていただろうと思っているので、これでよかったのだと完結させた。 今年も忙しいだろし、これ以上面倒事は嫌なのだ。 ――――― 九曜葛葉は司令室で書類を片付けている。 手を休めて写真盾を見ると、ライトニング・フォックスメンバーで撮った写真。 バーニング・フォックスメンバーで撮った写真。 501部隊で撮った写真。天皇家で撮った写真。 そして・・・不思議な縁で撮った写真がある。 戸棚にはあの世界にいた証拠である品が入っている。 この世界には無い機械。 サクラダイトでしか動かないモノの資料。 KMFの詳しい図鑑。 もう出会う事は無いだろうけど、大切な思い出がまたできた。 「オバサマ、昼食が出来たゾ~」 「御婆ちゃん。今日はサーニャちゃんと作ったんだ!」 「そうなの。しっかり楽しまないとね。」 そう言って九曜は二人と共に司令室を後にした。 この束の間の幸せを噛み締めながら。 以上です。 去年書いて、今年投下する・・・意味わかんねぇな。 今年もよろしくお願いします!