約 19,734 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4820.html
前ページ次ページゼロな提督 東の空に朝日が昇る頃、一路南へ向けて飛ぶ風竜の一群があった。 まだ夜もあけきらないうちに編成を終えて出立した風竜騎士隊だ。 星と月の明かり、そして白み行く地平線からの僅かな陽光を頼りに、十数騎の竜騎兵は 一路飛び続ける。 現在、城下には続々と騎士や傭兵が完全武装にて集結しつつある。 姫亡命、アルビオン侵攻、ゲルマニアへの禅譲と、僅か十数時間で大きく変貌した現状 に、誰しも一時は混乱を隠しきれなかった。特に蚊帳の外に置かれた平民たちには寝耳に 水だ。国民の人気を一身に集めていた姫がトリステインを裏切った事実はすでに国中に知 れ渡り、士気の低下と指揮の混乱を招いた。街道は早くも逃亡する人々でごった返し始め ていた。 それでも、王宮がいち早く対応策を発表したこと、貴族達の意見統一も既になされてい たこと、対アルビオン戦が一刻の野猶予もならないこと、そして、トリステインに虚無の 使い手が光臨したという神の奇跡と「地に平和を」との啓示。混乱は速やかに収拾されつ つある。 とはいえ、あまりに激変する事態に対応しきれず動けない者も多い。慌ててかき集めた 一般兵は、まだ2千程度。 前日のうちに集結させていた魔法衛士隊と竜騎士隊のうち、斥候として風竜騎士隊が先 発してラ・ロシェールに行くよう命じられた。そしてその中にシルフィードに乗ったルイ ズ・ヤン・ロングビル・シエスタ・タバサの姿があった。別の風竜には公爵夫人も乗り込 んでいる。 ルイズの同行について公爵夫人とヤンは「トリステインの意思統一には虚無のカリスマ が必要」と主張し、ルイズへは城に残るよう勧めた。だが「アルビオン艦隊が勝ち残った ら『虚無』の力を使わないと倒せないじゃないのっ!」と、頑として同行の意思を曲げな かった。 平民で女性のシエスタだが、彼女はタルブが心配でいてもたってもいられなかった。竜 をも倒す銃を持っている事は中央広場の一件で知れ渡ってしまっていたので、同行を許さ れた。 そして朝日が昇りきり、夜の闇が昼の光へと置き換わった頃、風竜達は山間の町ラ・ロ シェールを視界に収めた。いや、正しくは山の向こう、町があるはずの場所からあがる煙 や火の手を発見した。 それは、撃沈され墜落した艦船の燃え上がる残骸。 彼方の有様に目を向け、風竜を急がせようとする彼らの前に、ふわりと風竜が飛んでき た。ギンヌメールの風竜だ。 同僚の無事な姿を見つけて、疲労と緊張に囚われていた竜騎士隊の面々は表情を明るく した。 「ギンヌメール殿!ご無事だったか!」 「戦況はっ!?艦隊はどうなったのだ!」 「町は!?あの火や煙は一体!?」 彼方に見える港町へ向かおうとしていた竜騎士達は方向転換し、ギンヌメールのもとへ と集まってくる。 未だに昨日の疲れが抜けきれない竜騎士は、それでも空域に集まる竜騎士達の鼓膜を破 らんばかりの大声を張り上げた。 「アルビオン艦隊は・・・大損害を受け、撤退したっ!」 刹那、空いっぱいに歓喜の叫びが響き渡った。 第28話 黄昏から暁へ 世界樹の桟橋には多くの艦が停泊していた。 それらトリステインとゲルマニアの戦列艦は、大きく数を減らしていた。見えるだけで も半分以下だ。一隻として無傷のものは無い。どれもこれも砲弾で大きく抉られ、焼け焦 げ、昔は艦だったというくらいにしか原型をとどめていないものもある。 桟橋の下には沢山の人がいる。艦隊戦に勝利し、一息つくため降りてきた軍人たちのよ うだ。恐らく艦や桟橋の中では水メイジ達による治療が急がれているだろう。よく見ると 桟橋入り口から大きな布袋に包まれたものが大事そうに運び出され、並べられている。葬 儀を待つ戦死者たちだ。 街の方から沢山の人が駆けてくる。空海軍の人々は彼等から真実を聞き、仰天している ことだろう。艦隊戦が終わった後で、命令書を届けたギンヌメールから禅譲案を聞き、目 を白黒させた様子が目に浮かぶ。 斥候隊は公爵夫人の乗る竜を先頭に、桟橋の麓に着陸した。とたんに軍人達が彼等を取 り囲んだ。 「どういうことだ!姫は拐かされたのでは無かったのか!?」「我が国へ禅譲するというの は真ですか!?一体、どうしてそうなるんですか!」「姫が亡命したなんて、嘘だろ?なぁ、 嘘なんだろ!?」「あの命令書、偽の情報で我が艦隊を利用したのか!?…い、いや、事情 は分かるし、あれが届いたから我等もトリステイン艦隊も助かったのだが…しかしこれは、 どうにも…」「ええい、とにかく城はどうなっているっ!」「皆落ち着け、とにかく一つず つ確認しよう」 公爵夫人は歴戦の軍人達に詰め寄られても怯むことなく、威厳を保って理路整然と昨日 の事態について語る。両国の軍人達は黙って、というより驚きのあまり声も出ない様子で 話を聞き続けた。 そんな中、大慌てで世界樹の麓まで丘を駆け上ってくる男がいた。彼等は坂道を駆け上 りながら、大声で叫んだ。 「タッ!タルブの村に!アルビオン軍がぁッ!!」 その言葉にシエスタの顔が蒼白になる。足が小刻みに震え、倒れそうになり、ヤンに寄 りかかってしまう。 大声を上げながら駆け上ってきた人をルイズ達が取り囲んだ。 シエスタがゼイゼイと肩で息する男にヨロヨロと近付く。 「タルブに…タルブにアルビオン軍が、来たんですか!?」 息が切れて言葉にならず、ただ男は首をガクガクと上下に振る。 シエスタも息を呑み、言葉を繋げられない。 代わりにヤンが、それでも一筋の汗を流しながら尋ねる。 「それでタルブは、一体、どうなったのですか!?」 汗を滝のようにしたたらせる男は、どうにか呼吸を整えて、やっとの事で応えた。たっ た一言を。 「ぜ・・・ぜん、滅・・・」 瞬間、ヤンはシルフィードへと駆けだした。 ルイズもタバサもロングビルも、砕けそうな足で必死に大地を踏みしめるシエスタもシ ルフィードへ飛び乗る。 青く輝く鱗を朝日に煌めかせ、風竜は再び飛翔した。 一路、タルブへ向けて。 それは、確かに全滅だった。 村のあちこちから、今も火の手が上がっている。 死体が村のいたる所に野ざらしになったままだ。 動く者の姿は無い。あれほど栄えていた村から、人影が消えた。 村で一番大きい村長の家は、跡形もなくなっていた。 そう、確かに村長の村は崩れ落ち、跡形もない。 村に人影もない。 火の手も煙も上がっている。 死体だってあちこちに転がっている。 シルフィードの背に乗る人々は、その光景に絶句していた。 ルイズが、大きな目をまん丸に見開いて、呻くように呟く。 「・・・な・・・なな、なんなの・・・これ・・・」 ロングビルも眼下の光景が信じられない。 「なんで、どうして、こんなことが・・・?」 そう、確かに信じがたい光景だった。 死体が村のあちこちに散らばっている。 だが、村人の死体は一つもなかった。 それら全てがマントを纏った軍人、アルビオンのメイジ達の死体だ。 崩れた村長の家の跡には、真っ赤な鱗を自らの血に染めた竜の死体が横たわっている。 その頭は家屋の残骸に突っ込んで埋まっている。 アルビオン軍人だけでなく、竜の死体もあちこちに横たわっていた。上空から見えるだ けでも十以上。 どうやら、竜騎兵は全滅したらしい。天下無双と言われたアルビオン竜騎兵が、エルフ と並んで戦いたくない相手と言われる火竜と、それを操るメイジ達が、皆殺しにされてい たのだ。 シエスタの目が彼方を見つめる。その視線の先を力一杯指し示した。 「あれ!あっちです!草原ですっ!」 彼女の指先の彼方、朝日に輝くタルブの草原。その中に、何か塊がある。 どうやら人間、それも大人数が一塊になっているらしい。 「タバサさん、草原の方へ」 ヤンに促されるまでもなく、タバサはシルフィードを草原へと向かわせていた。 「なあ、マッシュ…どうして黙ってたんだよ」 「何をだよ」 アルビオン兵士達は草原に腰を降ろし、朝日を眺めていた。 「タルブが、こんなとんでもないメイジに守られてるだなんて、聞いてねえぞ」 右頬に大きな切り傷を持つ、いかにも歴戦の戦士という感じな男に問いただされたマッ シュは、忌々しげにぼやいた。 「んなもん知らねぇよ。俺はただワインの買い付けに来てただけなんだから。それに、そ ん時は確かにメイジなんか見なかったぜ」 「よせよ、ジョナサン」 背後にいた兵士に諫められ、ジョナサンと呼ばれた頬に傷ある戦死は舌打ちしてそっぽ を向いた。 「確かにえらい目にあったけど、ちゃんと俺もマッシュもジョナサンもアンディも、四人 で今度も生き残れたじゃねえか。それだけでも喜ぼうぜ …おい、アンディ、どうした?」 「あ、いや、チャールズ…ほら、そっちの貴族様がよ…」 アンディと呼ばれた男は視線を右に向ける。他の三人も彼の見ている先へ視線を移す。 彼等の視線の先では、一人の貴族がなにやら必死にお祈りをしていた。 そして、袖からこっそりと小さな杖を取り出す。 その貴族を見ながら、四人はヒソヒソと呟きを交わす。 へぇ、杖を隠し持ってたのか。放り出したのはダミーだったわけだ。 しかもあの祈り方からすると…やる気か? らしいな。貴族の名誉を守るため、敵に一矢報いて死ぬつもりらしい。 って…ちょっと待て。今あいつが魔法を使ったら、周りにいる奴も! 四人は、一瞬顔を見合わせる。そして、その貴族から一気に飛び離れた。同様に他の兵 士達も一気に間を空ける。杖を隠していた貴族は一瞬で人垣の中に一人孤立する形になっ た。 それでも貴族は構わず杖を振り上げ、座り込む兵士達の外側に立つ人々へ火の玉を放と うとする。 閃光が走った。 魔法を放とうとしたメイジのこめかみを、光が貫通した。 次の瞬間、メイジは光が貫通して出来た穴から細い血飛沫をまき散らす。 草の上に倒れ込み、数度ほど痙攣した後、動かなくなった。 メイジの周囲にいる人々は、名誉のために死んだメイジへの祈りの言葉、無駄に死んだ 貴族への嘲笑、そして自分が巻き込まれなかった安堵の吐息を漏らした。 タルブ草原には、数千人の兵士達がいる。アルビオン艦隊から降り立った陸戦隊が、草 原の中に一塊で座っていた。 彼等の周囲には、鋤や鍬を構えた村人達と、槍と剣を持つ数十人の兵士。そして老メイ ジがいる。タルブの村人と、結婚式に行かずアストン伯領に留まっていた兵士達、そして アストン伯爵だった。 アルビオン軍数千人を取り囲んでいるのは、松明の燃えかすが燻る草原にたむろしてい る人々。一人の老メイジと、その部下である数十人の兵士、そして百人程度のタルブ村に 住む男達。数も見た目も、内戦をくぐり抜けた傭兵とメイジ達に太刀打ち出来るように見 えない。 なのに、アルビオン兵は草原に座り込んで動かない。彼等の武具は、とっくの昔に放棄 させられていた。村の端、草原の畔には、彼等が投げ捨てさせられた剣・槍・鎧、そして 杖がうず高く積み上げられている。その周囲には村の女達が刃物やら棒やらを持って見張 りに付いている。 村人達が、アストン伯爵に向かって口々に賞賛の言葉を投げかけた。 「いやはや、さすがは領主様ですだ。素晴らしいメイジをお連れ下さって、本当に助かり ましただ」 「ほんにほんに!あーんな山の上から竜もメイジも皆殺しだなんて!」 「さすが伯爵様ですわね!私達は良い主君を持って、幸せですわ」 褒め称えられたアストン伯は、非常に微妙な苦笑いを浮かべた。 領主は山の方を見る。ブドウ畑が広がる山の斜面、山の上にはちらほらと、オレンジ色 の屋根と白い壁の民家が見える。 さっきの光はブドウ畑の中から撃たれた、様に見えた。光るのは一瞬だったため、よく わからない。それにブドウ畑の中に隠れて、誰が何をしているのか見えない。だが少なく とも、あんな魔法は見た事も聞いた事も無い。当然、自分の手勢に、そんな正体不明のメ イジなんかいない。 だが伯爵とその手勢が到着した時、その光は竜を全て撃墜した後だった。今もアルビオ ンの軍勢から士官のメイジ達を正確に殺している。 ふと空を見上げると、数人の男女を乗せた一騎の風竜が領主の頭上を舞っていた。 「あー!いた、いました!みんな無事ですよー!」 シエスタはアルビオン兵を包囲する村人達を発見し、大はしゃぎだ。 「・・・どうやって?」 タバサがたった一言、疑問を口にする。確かに事情を知らない彼女には、一体どうして アルビオン陸戦隊がこんな場所で降伏しているのか分からないだろう。 だが、ヤンは知っていた。ルイズとロングビルも薄々予想がついた。タルブがどうして レコン・キスタの襲撃を撃退する事が出来たのか。 シルフィードがブドウ畑の上を通り過ぎる。その下、ブドウの木の間には、三人の人影 が草原の方へ向けて体を屈めている。三人揃って黒髪を持つ人影達はルイズ達に向けて手 を振った。 「じーちゃん、どうやら姉ちゃん達が、お城から来てくれたらしいね」 ジュリアンは、隣にいた村長のワイズに安堵の声をかける 「やれやれ、これでようやく引っ込めるな。弾切れになる前でよかったよ。ほら、ジョル ジュ。帰るぞ」 「そうだね、父さん。まだ軍隊は来てないけど、これを撃ってる姿を見られるとやっかい だしね。 ジュリアンも、一晩中よく頑張ったな」 「へへ、僕だってサヴァリッシュだもん。でも、やっぱりじーちゃんの腕が一番だね!」 ジョルジュと呼ばれた男の手には、スコープの付いた荷電粒子ライフルが抱えられてい た。それはオイゲン・サヴァリッシュが所持していた二丁の銃のうちの一つ、ヤンが先日 メンテナンスをしたライフルだ。 竜騎兵の襲撃に気付いたサヴァリッシュ家の者達は、すぐにライフルを取り出した。飛 来してきた火竜と竜騎兵を尽く狙撃したのだ。赤い鱗を輝かす巨大な火竜も、魔法を詠唱 する騎士達も、引き金に指がかけられたライフルの前に姿を現した時点で、ただの的でし かなかった。 撃墜された竜騎士20騎の次は、草原から駆けてくる陸戦隊。遙か彼方から、偉そうな マント姿の者から順に、次々と撃ち殺した。指揮者の大半がいなくなった陸戦隊は行動不 能に陥り進軍を止めた。 陸戦隊を降下させた輸送船団では地上の有様に驚愕した。援護をしようにも武装が無い し、メイジはみんな地上に降りてしまった。右往左往していたら、上空に艦隊戦に敗れた アルビオン艦隊が敗走しているのが見えた。生き残っていた旗艦からの旗流信号で撤退を 告げられたが、桟橋がないので降下着陸が出来ず、陸戦隊を残して輸送艦隊も戦列艦と一 緒に逃げ出してしまった あとは駆けつけてきたアストン伯と部下達が、村人達と共に陸戦隊を武装解除させた。 草原の中で一晩中、松明を掲げて監視しながら城から軍が来るのを待っていたのだ。もち ろんサヴァリッシュ家の男達、村長ワイズ・息子のジョルジュ・孫のジュリアンが交代で ライフルを構え、夜を徹して不穏な動きを見せる兵士を見張り続けた。 三人が手を振ったのを見て、シエスタはようやく頬をゆるめた。大きな溜息とともに、 肩から力が抜ける。 「よかったぁ~…父さんもお祖父ちゃんもジュリアンも、みんな無事だッたんだぁ」 「そのようだねぇ、はぁ、よかった」 ヤンもヘナヘナと全身から力が抜けた。 そんな彼等を乗せたシルフィードは、村と草原の間に着陸した。とたんにシエスタは飛 び降りて、村の人々との再会と互いの無事を喜び合った。 昼前になり、ようやくラ・ロシェールから他の風竜隊と艦隊の士官達もタルブへ到着。 速やかにアルビオン兵は投降、捕虜となった。 サヴァリッシュ家のライフルについては、村人達は完全にしらばっくれた。揃って「伯 爵様の所のメイジと思ってました」と言い張った。もちろんアストン伯も言を左右にし、 歯切れ悪く説明し、カリーナに詰問されてようやく「誰だったのか分かりません」と正直 に答えた。 彼女は狙撃されたメイジ達や竜の死体を一瞥し、その傷口を確かめる。そして目を見開 き、ヤンとシエスタを睨み付けた。慌ててそっぽを向いて知らんぷりする二人に、公爵夫 人は何も言わなかった。 草原の畔、木の下ででカリーヌは力なくうずくまり続けるアルビオン兵の集団を眺めて いた。 婦人の後ろに長剣を背負うヤンが歩いてきたのは気付いているはずだが、何も語ろうと はしない。 「奥様、そろそろ城へ戻られた方が良いと思います」 ヤンの言葉にも、彼女は何も答えない。ただ黙って捕虜達を眺めている。 「奥様…?」 再びヤンが声をかける。 カリーヌは、ゆっくりと呟いた。 「口惜しい…」 その言葉に、ヤンも何も答えない。ただ次の言葉を待って立ち続ける。 「お前の持つ銃は、いや、お前と黒髪のメイドと、そしてこの村に隠されている銃は、ア ルビオン軍を倒せる程の力を持っていたのですね」 そのセリフに、ヤンは返答に窮する。 しばしの間を空けて、ヤンはハッキリと明言した。 「そんな訳はありません。多少、ハルケギニアの銃より性能は上ですが、弾切れになれば 終わりです。それに戦艦は墜とせません」 公爵夫人は肩越しに振り返る。その視線には普段の苛烈さが無かった。ただ寂しげで、 哀しげだった。 「その弾切れとやらを起こす前に、アルビオンのメイジは皆殺しにされた。メイジの魔法 は平民の銃に劣る、と証明されました」 「ハルケギニアの銃ではありません。遙か彼方、私の故郷の銃です」 「そうですね…お前の国と遠く離れていたから、我等メイジは貴族などと驕り高ぶり君臨 出来たのです。お前が魔法を使えぬ平民でありながら元帥になれたのも当然。魔法の有無 など無意味なのだから。 お前は、貧弱な魔法をひけらかす我等が、さぞや滑稽であったでしょう?」 ヤンは再び答えに窮する。 今の公爵夫人に、どんな言葉をかければ良いものか。すぐには答えが出てこない。 政治軍事方面以外には大して役に立ってくれない頭脳を巡らせて、どうにか答えらしき ものを紡いだ。 「私の国には私の国の歴史と伝統と法があります。そしてハルケギニアにもハルケギニア の歴史と伝統と法があるのです。どちらが上とか優れているとか、そういう事はないので す。どちらも等しく正しいのです」 今度はカリーヌが口を閉ざす。 視線を草原に向けたまま、指揮官を失い雑兵の群れと化した兵士達、そして彼等を囲む トリステイン軍人を見続ける。囲んでいる軍人の中に、緑やピンクの髪も見える。ロング ビルとルイズも監視の輪に加わっていた。 しばしの後、沈んだ声がそよ風に乗って届いてくる。 「歴史と伝統、ですか…。 トリステインは伝統としきたりに固執し、ゆえに国力を年々低下させた。理由は簡単。 平民でも力あれば貴族になれるゲルマニア、シュヴァリエに叙勲されるガリア。両国へ平 民達が逃げ出したのです。人口それ自体が減少していたのですよ。それも知恵や力、何よ り金がある平民ばかりが。 あとに残るのは、本当に知恵も力も富もない、家畜として飼い慣らされた平民達。それ を家畜と見下す傲慢で盲目な貴族達。我等はレコン・キスタに対抗する力を失ったため、 ゲルマニアとの同盟を画策し、失敗しました。そしてついには禅譲をせねばならなくなっ たのです。 歴史と伝統を盲信し、平民も貴族と共に国を担っていたという真実から目を逸らした我 等の無知蒙昧ゆえに、トリステインは滅んだのですよ」 カリーヌは微笑んだ。自嘲と自虐に満ちた、自信の欠片も無い、力ない笑みだった。 その言葉に、ヤンは慰めの言葉をかける事が出来ない。 国家が永遠不滅ではない事は、ヤンの知る歴史上の事実だ。あらゆる国家が発生し、消 滅した。人類生誕から今まで延々と続いた国など無いのだ。それはハルケギニアでも同じ だ。6千年続いたアルビオン王家は滅んだ。トリステインも遠からず独立国家ではなくな る。 季節が変われば服を着替える。同じように、時代が変われば歴史も伝統も法も、国も変 わる。単に、そのサイクルが人間の寿命より長いから、その事実を体感しにくいだけのこ と。 だが、それが厳然たる事実だからと言って、時代の流れに翻弄され傷ついた公爵夫人へ 冷たく事実のみを語るほど、ヤンは冷徹にはなれなかった。 なんとか、彼は物事の明るい側面を婦人に照らす。 「新しい時代が来たなら、新しい生き方を探しましょう。皆で生きるって決めたんですか ら。生きていれば、道は見つかるものです。 僕もそうやって、何度も戦争に負けて、故郷の国だって滅んで、それでも生き残って来 たんです。そしてハルケギニアに召喚されて、過去を捨てて新しい人生を送る事にしたん です」 その言葉に、カリーヌは何かを思い出したように目を開いた。そして、まじまじとヤン の顔を覗き込む。 「そういえば、お前は元の国では元帥で、軍最高司令官…という噂だったが、結局それは 真だったのですか?」 「ええ、その、まぁ…実は本当なんです。自分でも信じられませんが」 ヤンは恥ずかしげに頭をボリボリと掻いてしまう。 そんなヤンを公爵は、穴が開くのではないかというくらい見つめる。 「で…そんな過去を持つお前が娘の、ルイズの下着を洗ったり着替えをさせたりしていた のですか?」 「ええ、その通りです」 その言葉に、婦人は心から呆れたようだ。 「お前は…大人物なのか、プライドが無いのか、どっちなのですか?」 「どちらでもないですよ。郷に入りては郷に従え、というだけの話です」 当然のように答えたヤンに、公爵夫人はキョトンとしてしまう。 黙って話を聞いてたデルフリンガーが初めて口を挟んだ。 「無節操というか…少なくとも、貴族だ元帥だと威張り散らすなんて意味がないって良く 分かってるよな」 再び、二人とも黙り込む。寝ぼけまなこと呆れかえった目が交差する。 そして、公爵婦人はクスクスと笑い出した。心から楽しげに、少女のように素直に。 ヤンはヤンで、照れ隠しにやっぱり頭を掻いてしまう。 ひとしきり笑った元マンティコア隊隊長は、コホンと小さく咳払いしてヤンに向き直っ た。 「ところで、話は変わるのですが…枢機卿はいずれにせよ、失脚を免れないでしょう」 「そうでしょうね」 「代わりに新しく宰相なり大臣なりが任命されると思います。そこでお前を、その補佐官 か参謀に推挙しようと思います」 その言葉に、ヤンは少し困った顔をする。 そしてカリーヌへ頭を下げた。 「奥様、もし出来ますなら、私をこのままルイズ様の執事として置いて頂けませんか?」 カリーヌは、今度こそ目を大きく見開いた。ヤンの言葉が信じられないかのように、絶 句している。 「お前ほどの者が、ただの執事に甘んじたい…そういうのですか?」 「はい」 「何故ですか?お前ほどの知恵者なら、アルブレヒト三世とて右腕として欲しようという のに」 彼はやれやれ…といった感じで肩をすくめる。 「僕は、もう戦争なんて懲り懲りなんです。権力争いも政治闘争もまっぴらです。僕の夢 は、お酒を飲みながら歴史の本を読んでのんびり過ごす事なんですよ。年金で生活しなが ら」 婦人は、今度こそ本当に心から呆れた。 アルビオン艦隊を手紙一枚で追い返し、ハルケギニアを戦乱から救わんとする英傑が、 娘の執事で良いという。もしかしてルイズの『虚無』を狙って…とも疑ったが、そんな素 振りは全く見えない。 「おいおい、欲がねーにも程があんだろ!おでれーたなぁ」 「構わないさ。やっぱり僕には政治とか戦争なんて似合ってないんだから」 「でもよ~、おめーにそんなノンビリされてっと、剣としての俺の立場が」 「大丈夫!毎日綺麗に磨いてあげるからね」 「…いらねぇよ」 カリーヌはデルフリンガーと楽しげに話すヤンを睨み付け、上から下まで観察し、これ まで彼の言動を思い返して、とうとう観念した。公爵夫人がヤンに頭を下げたのだ。 「分かりました。これからもルイズの事を、いえ、ヴァリエール家共々、よろしくお願い します」 「はい。私で良ければ、こちらこそよろしくお願い致します」 そして公爵夫人はヤンを引き連れて、村の方へと戻っていく。 彼女は村の貴族向け宿を仮の司令室として、風竜隊やアストン伯へ命令を飛ばす。ラ・ ロシェールと城への連絡、捕虜の監視など、矢継ぎ早に指示を飛ばした。 村人達も死体や崩れた家屋の後かたづけ、捕虜の監視に忙しい。なにより、崩れた村長 の家からサヴァリッシュの書を回収する事に。 日が傾き始めた頃、ようやく作業は一息ついた。 近隣に残っていたメイジや兵士なども集まり、捕虜も完全に抵抗の意思を無くし、あと は本隊の到着と、連行なり引き渡しなりの処理を待つだけだ。 ヤンはデルフリンガーを背負ったまま、ふらりと散歩に出かけた。ブドウ畑が広がる山 の斜面をゆっくりと登り、村と草原が見える所まで来て一息ついた。地面に腰を降ろし、 ブドウ畑の間でひっくり返って空を見上げる。 白くて大きな雲、澄んだ青い空。雲の彼方には宇宙、自分が人生の大半を過ごした真空 の世界。もうあそこに戻る事もないな…と、ぼんやりと思う。 横に置かれたデルフリンガーも何も言わない。ただボンヤリと、静かに空を見上げ続け る。 「まーた、こんな所で黄昏て」 ロングビルの声が降ってきた。 声の方を見ると、ちょうど緑の髪を風になびかせて降り立った所だった。『フライ』で探 していたのだろう。 「もしかして、また僕が呼ばれる様な事が起きたかい?」 「それはないけどね。ルイズだってあんたを探してたよ。勝手にどこか行っちゃうのはよ しておくれよ」 「そっか、そうだね。ゴメン」 ロングビルは、ヤンの横に腰を降ろす。 そして身を屈め、彼の上に体を被せる。 「ホントに、どこにも行っちゃ、やだぜ」 ロングビルはヤンの唇と自分の唇を軽く重ねる。 そしてヤンの首に腕を回す。 「おいおい、まだ日は高いよ。こんなところで・・・」 「だってぇ、村に帰ったら忙しくなるし、人も多いじゃないかぁ」 甘い声で囁くロングビルは、構わずヤンの服のボタンに手をかけた。 あー!見つけたーっ! いきなり空からルイズの叫び声が降ってきた。 上半身裸のヤンと、既にキャミソールも脱ごうとしていたロングビルが、慌てて空を見 上げる。 ブドウの木の間から、着陸するシルフィードと、飛び降りてくるルイズとシエスタの姿 が見えた。 「げぇ!シエスタ!なんて野暮なんだい!?」 「うわ、ルイズも、なんでいきなり!」 二人とも闖入者に驚き、急いで服を着直そうとする。 が、急な事に手元が覚束無いヤンの首にルイズが飛びついた。 「ちょっとー!何やってんのよ、こんな時に!あんた私の執事としての自覚無いの!?」 駆けてきたシエスタもヤンの体に抱きついた。ズボンしか身につけていなかったので、 上半身の素肌にシエスタの大きな胸が押しつけられてしまう。 「ひっ酷いです!あたしだって、あたしだって!ヤンさんのために、ヴィンドボナで計画 を色々立ててたのに!ゲルマニアではあたしの番だと思ってたんですよぉっ!」 一瞬、ロングビルとどっちが大きいか、という思考が駆け抜けたのは、彼が木石であら ぬゆえ。 「ちょちょちょっ!ちょっと待って!二人とも、いきなり何をというか、あんというか、 その、あの!」 さてこれから男女の秘め事を…という所へ突然の乱入。しかもシエスタの方は、明らか に自分との関係を迫って抱きついている。 こんな事態への対処法は、彼の脳内には無い。 彼は、考えてみると不思議だった。人類の歴史は男女の歴史。なのに、歴史を学んだ彼 に、男女交際についての知識がないなんて…と。無論その思考は現実逃避の類、という自 覚もあったが。 そんなわけでヤンは、生きながらにして天国と地獄を味わっていた。 対するロングビルは地獄のみを味わっていた。特にシエスタに対して地獄の悪魔を見る かのような視線だ。 「ちょっとシエスタ!あんた、どういうつもりだい!?」 「どうもこうも無いです!ヤンさんを独り占めなんて許しません!」 「なにを言ってンだぁ!独り占めも何も、ヤンはあたしの事が好きなんだよ!」 「ふーんだ!だったら、あたしは二番目で良いです!」 シエスタの愛人・妾・二号宣言。 ロングビルはおろか、ヤンもルイズも目が点になった。 ワナワナと震えるロングビル。煉獄の炎を宿すかのような目が、未だにオタオタしてい る恋人に向けられた。 「…ヤン」 「…は、はい…」 いつも半開きだった目は、彼の生涯無かったであろうくらいまで見開かれていた。 「この泥棒ネコに、ハッキリ言ってあげなよ」 「な、にを、でしょう、か?」 彼は中央検察庁で謀殺されかかった時より、『レダⅡ』号で暗殺された時よりも、フレデ リカにプロポーズした時よりも、遙かに怖かった。 何故なら、ロングビルが微笑んだから。 「あんたなんか、お呼びじゃない…て、言ってあげな」 彼女のニッコリとした笑顔が、心の底から怖かった。 で、彼はシエスタの方を見る。 潤んだ黒い瞳が自分を見上げている。いつも元気で明るくて、召喚されてからずっと自 分を見守り、支えてくれた少女。今も自分へ必死で縋り付き、健気に自分への想いを告白 しているのだ。 そんな彼女を傷つけるような言葉、彼にはとても口に出来なかった。 あ~う~、と無様に口ごもる。 そんな彼の優柔不断な姿は、ロングビルの逆鱗に触れるには十分だった。 ゆっくりと緑の髪が、重力の軛を逃れたかのように逆巻き始める。 「もうっ!あんた達、いい加減にしてよっ!」 ルイズがヤンの首を引っ張り、強引にシエスタから執事をもぎ取った。 その小さな体のどこにこれだけのパワーが、と思うくらいにヤンは首が痛かった。 「ヤンは誰が恋人とか愛人とか言う前に、あ・た・し・の!執事なの!そんでもって、あ たしの大事な、先生なの! あんた達の勝手になんかさせないんだから!」 そういって、ヤンに力の限り抱きつく。ただし、首に抱きついていたので、ヤンは窒息 しかけていた。横に置かれた長剣が「おーい、息出来ねーってば。おーい!」と声をかけ ているのも聞こえないらしい。 人間の死に方で一番苦しいのは窒息だっていうのは本当だ…と、朧気になりつつある意 識の中でヤンは納得していた。 「いい加減にするのはルイズさんです!ヤンさん死にかけですってばっ!」 と言って今度はシエスタがヤンの体を奪い返した。そして、 「大丈夫ですか!?今、人工呼吸を…」 と言って、思いっきりヤンの唇を奪った。 「ぎゃー!ヤンを返しなさーいッ!」「な、ナニしてんだあんたはー!」 ルイズとロングビルは悲鳴を上げ、二人してシエスタからヤンをもぎ取ろうとする。哀 れ、ヤンは三人の女に引き裂かれつつあった。 デルフリンガーが仲裁の言葉を発しているらしかったが、誰にも聞こえていなかった。 「きゅ、きゅい…やっぱり人間って凄いのね」 「黙って。監視出来ない」 シルフィードとタバサは、やっぱりブドウ畑の中に身を隠して、ヤンの監視任務を忠実 に実行していた。シルフィードの巨体がブドウ畑の中に隠れるのかどうか、は別として。 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/6331.html
410: 194 :2020/08/23(日) 22 45 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件その4 かの国は如何にして考えるのを止めて、手の込んだ自殺をするに至ったのか 第二次日本海海戦前日譚 韓国軍、釜山近郊に戦力を集結中! 偵察衛星から齎された情報に、困惑する日本政府の人間達。日本政府は閣僚及びアドバイザーとして夢幻会のメンバー達を招集。対応策を協議する事となった。 三島「さて、奴さん達はこのクソ忙しい時に何をやらかそうとしているのかね?」 新見「外務省は二つの見解に分かれています」 二藤部「二つとは?」 新見「はい。一つは竹島の領有権の正当化をアピールする為のデモンストレーション、そしてもう一つは・・・考えたくないですが、武力による竹島奪回かと」 春日「は?武力による奪回!?・・・・・正気なんですか?」 新見「はい。偵察衛星による情報によると、韓国陸軍及び海兵隊の車両や各種物資の積み込み。それに近隣の空軍基地には多数の戦闘機の機影が確認されているとの事です」 二藤部「なんと・・・」 新見「あくまで個人的な見解ですが・・・ただのデモンストレーションで此処までする必要は有りません。おそらく、本気で奪回を狙っているかもしれません」 三島「ふーむ・・・・・。辻さんに東条さん。あなた方の見立ては?」 辻「私は新見さんの見解と同じですね」 東条「同じく」 二藤部「・・・根拠は?」 辻「自己紹介の時にも言いましたが、私達はかつて多くの世界線で、日本を裏から導いて行く仕事をこなして来ました。そして当然ながら、色んな世界線でかの国とも関わる事にもなりました」 三島「いわゆる転生者って奴かい?まだちょっと信じられんが・・・。で、関わってきた経験で言うと?」 東条「かの国は聞き分けの無い子供その物、という事です」 春日「・・・これはまた、手厳しいですなw」 東条「此方の世界にやってきた後に読んだ、史実・・・失礼、超大陸化する前の戦後日本が朝鮮戦争に参戦するという架空戦記本で、かのマッカーサー元帥がかの民族の事でこう述べているのですよ」 三島「一体、何と?」 東条「『終戦時の日本人の精神年齢を十二歳とするなら、彼等の精神年齢は漸く乳離れが済んだ三歳児に過ぎない』とまで言ってるんですよ」 二藤部「其処まで言いますか」 東条「理由としては、『彼等はまず自己主張すれば、物事の善悪すら自分の思い通りに出来ると考えている。欲しい物が有れば泣きわめく。酷い目に遭って、相手が守ってくれるのであれば、どの様な相手にも笑顔を見せる。 相手が強ければ形振り構わず逃げる。相手が弱ければ、善悪の概念無く痛めつける。そこには克己の精神や矜持といった物は欠片も無い』と言っています」 新見「辛辣ですね」 東条「これまでの経験等を見るに、全く正しい意見だと納得しましたね。というか、私が同じ立場でもそう言ったでしょう」 辻「つまり連中は、自分の思い通りにならないで泣き喚いている子供その物です。自制心を期待する方が間違っている。更に言うと、彼等の言う独島という言葉は特別な意味を持っています。その島を 奪われたままで我慢出来る程、連中は大人では無いという事です。なので・・・・・、必ず来ます」 411: 194 :2020/08/23(日) 22 46 00 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 二藤部「成程、お二人の意見は分かりました。・・・・・血が流れる事態は、避けれそうに有りませんか」 辻「老婆心から言わせてもらいますが・・・。世の中は綺麗事だけでは済ませられません。時には手を汚す事も、国と国民達を守る為に必要な事です」 二藤部「・・・・・」 東条「今回の超大陸化で、我々は膨大な軍事力を手にしました。しかし、肝心な時にそれを振るえない様ならば、それは張子の虎と同じ。それに、いざと言う時に国家や国民を守ろうとしない政治家に、果たして誰が 付いて行きますか?」 二藤部「・・・・・・・」 辻「確かにこの世界の日本は、過去に国を焼く過ちを犯しました。それは、『百年兵を養うは一朝有事の為』。この原則を忘れ、暴走してしまった結果でも有ります。ですが・・・、今回の事態はまさに今言った通りの 事となっているんです。ここで立たなければ、経緯は違えど国民を守れなかったかつての軍部と、同じになってしまいますぞ」 二藤部「・・・・・・・」 三島「二藤部さん・・・・・」 皆が見守る中、二藤部は深々と溜息を吐く。 二藤部「・・・・・分かりました。私も覚悟を決めましょう」 春日「総理・・・・・」 二藤部「全ての責任は私が取ります。防衛出動の準備を。国家と国民を脅かす存在を、打ち破って下さい」 辻「・・・・・良く決断なさいました」 東条「流石は、岸さんのお孫さんだ。腹が据わっていますな」 二藤部「・・・一度は腹を痛めて、退陣する羽目になりましたけどね?」 二藤部のジョークに、クスクスと笑うメンバー達。 かくして、日本の方針そして覚悟が、今この瞬間決まったのである。 412: 194 :2020/08/23(日) 22 46 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 一方、神崎提督達は慰霊の為に、菊水組のメンバー達と共に沖縄へとやって来ていた。 献花を行い、粛々と鎮魂の儀をこなしていく彼女達。そんな所に、韓国軍の戦力集結の一報が齎された。 大和「提督、政府から連絡が」 神崎「何々・・・・・これは!?」 矢矧「一体何と?」 神崎「・・・・・韓国軍が竹島奪回を目論み、戦力を集結させつつあるとの事だ」 磯風「何だと!?連中は正気か?こんだけ馬鹿でかくなった日本に喧嘩を売るとは・・・・・」 大和「・・・提督」 神崎「何だ?大和」 大和「私達を行かせて下さい!」 神崎「何だと!?」 大和「現在鎮守府に居る皆の内、少なくない娘達が現代化改装や整備等の為、動く事が難しい状態です。直ぐに出れるとしたら、私達位しか居ません」 神崎「確かにそうだが・・・」 大和「かつて私達は・・・・・沖縄の人々を救うべく戦いましたが、遂に果たす事が出来ないまま沈む事となりました。そして今また、守るべき人々が理不尽な脅威に晒されようとしています」 神崎「・・・・・」 大和「もう・・・あの様な想いをするのはたくさんなんです!今度こそ、守るべき人々を守りたい。私だけじゃない。ここにいる娘達全員、同じ想いなんです!!」 矢矧「私も同じ気持ちです!提督、行かせて下さい!!」 雪風「しれぇ!雪風も頑張ります!!今度こそ、誰も沈めはしません!!」 一同「「「「「「「「「提督(司令)!!!」」」」」」」」」 神崎「・・・お前達の覚悟は分かった。私も気持ちは同じだ」 矢矧「!・・・それでは!!」 神崎「ただし、一つだけ懸念がある。それが解消出来なければ、出す事は難しい」 磯風「何故だ!?」 神崎「多くの娘達が動けないというが、お前達もまだ、現代化改修が済んでいない。対して、相手は腐っても現代兵器を装備する韓国軍だ」 霞「でも!!」 神崎「特に対艦ミサイルによる攻撃は、大和の様な大型艦艇はまだしも、矢矧達中小艦艇にとっては脅威そのものだ」 朝霜「・・・・・」 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 浜風「提督・・・」 413: 194 :2020/08/23(日) 22 47 00 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp ??「大丈夫デスヨ!!」 大和「フェルさん!?」 いつの間にやらやって来ていたフェルと柏木の二人の姿に、驚くメンバー達。 フェル「韓国軍からの攻撃ハ、私達ヤルバーンが全力で迎撃するノデス!だから、安心して戦うデスヨ!!」 神崎「フェルフェリアさん・・・」 柏木「まぁプロである神崎さんにこんな事を言うのも何ですが・・・覚悟を決めたのなら、上司として夫として、信じて送り出してあげましょうや」 神崎「柏木さん・・・・・。やれやれ、柄にもなく弱気になってしまってたか」 柏木「神崎さんの言い分も分かりますよ。夫の心境としては、全く正しいですし」 柏木のセリフに、思わず苦笑する神崎提督。 次の瞬間、表情を改めると共に彼女達へと向き合う。 神崎「・・・それでは、改めて皆に命令する。国防空海軍と合同で出撃。驕敵を撃滅せよ!!」 神崎提督の指令に敬礼を返す大和達。その彼女達に、神崎提督も返礼する。 その後、彼女達は急遽派遣された蒼空に乗り、迎撃準備を整える「やまと」「しょうかく」が所属する第一機動艦隊の待つ舞鶴へと向かう。 新旧「大和」が揃い踏みするという奇跡の光景と共に、日神合同艦隊は竹島を襲おうとする韓国軍を撃滅すべく出撃したのだった。 414: 194 :2020/08/23(日) 22 47 30 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp 以上です。今回は、戦いにおける日神双方の覚悟を描写してみました。あと、何より新旧大和揃い踏みの光景を書きたかったので(苦笑) 普段のギャグ的な展開とは全く違う展開の描写には、随分と苦労する羽目となりました。こういうのをスラスラと書ける人達が本当に羨ましい・・・。 この手のネタは初めてという事も有り、拙い部分も多々有るとは思いますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 wiki掲載は、自由です。 430: 194 :2020/08/24(月) 04 58 32 HOST ai126162148238.56.access-internet.ne.jp おはようございます。 誤字・・・というか消し忘れが有ったので訂正をorz 412 誤 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で柏木の姿に死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 正 神崎「お前達は確かに、戦う為に生まれてきた存在だ。だが、同時に私にとって大切な妻達でもある。提督として、夫として、無策で死地に飛び込ませる訳にはいかないんだ」 wiki掲載時に、修正をお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4699.html
8: 194 :2017/07/23(日) 17 42 28 注意書きについて 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その二 をご覧ください(手抜き) 注意:軽いBL表現があります。苦手な人は厳重に注意を。 銀河連合日本×神崎島支援?ネタ番外編 ~絶対に笑ってはいけない鎮守府24時~ その三 後編 ※本編中に銀連キャラは出てきません。辛うじて、本編後に極稀に書かれるおまけのみに出る程度です 8:50 金剛「もうバスに乗ってから、一時間近くになりますネー・・・」 長門「まだ付かないのか・・・?」 大淀「次のバス停を超えたら、ガースー黒光り鎮守府前です。皆さん、そろそろ降りる準備をしてくださいね」 日向「はぁ・・・やっとかー・・・・・」 扶桑「もう一息ですね」 大和「早く着いて欲しいですね」 と、再びバスが停留所に停車する。 金剛「Oh・・・またデスカー」 日向「とはいえ、流石にこれが最後だろう」 大和「・・・一体誰が来るんでしょう?」 ??「いいや!絶対に提督でしょ!」 ??「いいえ、絶対に柏木政府特務交渉官ですよ!」 5人「「「「「?」」」」」 バスに乗る乗客:秋雲&巻雲の二人 大和「今度はあの二人ですか・・・」 扶桑「何やら揉めてますねぇ・・・」 口論をしながら乗り込んできた2人は、そのまま5人の正面に並んで座る。 9: 194 :2017/07/23(日) 17 43 06 秋雲「いい、巻雲?次の新刊の主役に相応しいのは、誰が何と言おうとも提督で決まりでしょう。何といっても深海棲艦との戦いを 一隻たりとも欠ける事無く私達を指揮して戦い抜き、私たち艦娘や妖精さん達はもとより、鹵獲したとはいえ元は敵だった深海棲艦 、これまで誰も出来なかったコミュニケーションの成功にこれまた種族を越えた愛を成立させた懐の深さ。これだけのチート振りに加えて 私たち皆の夫でもあるのよ!主役は提督!これだけは頑として譲れないわ!!」 巻雲「秋雲姉さんこそわかっていません!・・・確かに提督は物語の主人公に相応しいし、話とかも書きやすい。そこは認めます。しかし、 何時も提督が主役だと、読者の方も飽きて来てしまいます。そういう意味でも、そろそろ変化を求めてみては?その点、柏木政府特務 交渉官なら、私達から見ても話題性十分だし、フェルフェリアさんを落とし、ティ連との交流関係を成立させた人ですよ。加えて親しい 人達からは「突撃バカ」とすら呼ばれているその性格。今度の新刊に相応しい人選じゃあないですか!何故それが分からないんですか!!」 大淀「あの、一体何の話をしているんです?」 見かねた大淀が仲裁に入り、話を聞いてみると・・・。 秋雲「今度の新刊の『攻め』役にどちらが相応しいかって」 牧雲「表紙のラフと仮のタイトルは決まっているんです。見てください」 そう言って、二人はそれぞれの本の表紙のラフを見せて来た。 ↓ (秋雲)BL同人誌:神崎博之×柏木真人 仮タイトル「神崎提督の野望 攻撃目標、柏木の菊門」 (牧雲)BL同人誌:柏木真人×神崎博之 仮タイトル「神崎島奇襲 提督の菊門にトラトラトラ」 5人「「「「「ちょwwwwwww」」」」」 \デデーン/ 全員、アウトー! 10: 194 :2017/07/23(日) 17 43 46 長門「いやいやいやwww待て待て待てwwwww」スパーン 大和「なんてお題とタイトルなんですかwwwww」スパーン 金剛「完全にOUTじゃないデスカwwwこれはwwwww」スパーン 日向「よ、予想が斜め上過ぎたwwwww」スパーン 扶桑「完全に国際問題化じゃないですかwwwあなた達wwwwww」スパーン 大淀「まぁまぁ、落ち着いて。流石にそれは問題があり過ぎますよ、二人とも。・・・もう少しましなアイデアは無いんですか?」 秋雲「・・・有るには有ります。例えば、コレとか」 ↓ BL同人誌:二藤部 新蔵×ヴェルデオ・バウルーサ・ヴェマ 5人「「「「「おいwwwwwwwwwwwwwww」」」」」 \デデーン/ 全員、アウトー! 長門「いやwwだから駄目だろwwwww」スパーン 大和「ティ連の重要人物とかもっと駄目ですよwwwww」スパーン 金剛「二人とも、周りにケンカを売り過ぎデースwwwww」スパーン 日向「お前達www少しは自重しろwwwww」スパーン 扶桑「誰得過ぎますよwwwそれはwwwww」スパーン 大淀「・・・そ、そうですか。他には?」 巻雲「・・・後はまぁ・・・GL本ですが、コレとか?」 11: 194 :2017/07/23(日) 17 44 21 GL同人誌:キャプテンウィッチ×ジェニファー・ドノバン駐日米国大使 5人「「「「「コラぁぁぁぁぁwwwwwwww」」」」」 \デデーン/ 全員、アウトー! 長門「ヤバさが全然変わってないじゃあないかwwwww」スパーン 大和「あなた達は恐れという物を知らないんですかwwwww」スパーン 金剛「もうこの二人には、厳重注意すべきデースwwwww」スパーン 日向「もう、別の意味で怖いわwwwこの二人はwwwww」スパーン 扶桑「別の意味で見たくなりそうで、怖いですwwwww」スパーン 大淀「・・・二人の意見は分かりましたが、もう少し周りに配慮してください。それに、意見が反発していてはいい作品は 生まれませんよ。ここはもう一度一から考え直してみては?そうすれば、また別の物が見えてくるかもしれませんし」 秋雲「・・・それもそうですね。もう一度、最初から作り直してみます」 巻雲「大淀さん、ありがとうございました。とても参考になりました」 こうして二人は和解し、バスを降りて行った・・・。 長門「・・・やっと帰ったか」 大和「・・・これ後で怒られる気がしてならないです・・・」 大淀「皆さん、準備はいいですか?そろそろ着きますよ」 金剛「やっとデスネー・・・」 長門「長かったな、此処まで来るのに」 日向「いや本当に、バスは強敵だったな」 ようやく目的地のガースー黒光り鎮守府が5人の前に姿を見せた。 だが、言うまでもなくバスはただの前哨戦・・・本当の戦いはここから始まるのである。 12: 194 :2017/07/23(日) 17 44 51 ~おまけ 番組の放送を見た日本・ティ連メンバー+αの反応~ 柏木「何やってだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?オータムクラウドォォォォォォォォ!!??!?!?!?!?」 フェル「マ、マサトサンが壊レたデス!!」 ※柏木家での一幕。フェルさんが必死に宥めたおかげもあってか、10分程で何とか正気に戻った模様。 三島「ぶっははははははははは。流石はオータムクラウド先生だ。そういう発想が平然とできるとはwwwww」 二藤部「・・・総理としても議員としても、もちろん私人としてもノーコメントで(滝汗)」 ヴェルデオ「コ、コレも『発達過程文明』ノ産物と言うべきでしょうカ・・・(震え声)」 ※後日発売されたDVDを視聴した三人の反応。爆笑する閣下を余所に、ネタにされた二人は頭を抱えていた。 シエ「ククククク。イヤ、アノ秋雲二巻雲トカイッタカ?恐レルコトナクアアイウノヲ作ルトハ。中々二キモガスワッテイルナ」 ※ひとしきり爆笑した後のシエさんの感想。こういう感想が出てくるあたり、やはり豪胆な人である。 ドノバン「ま、まさか私がああいうネタにされる日が来るなんて・・・orz」 ※自身がネタにされているシーンを見たドノバン大使の感想。もっとも、「この話題を武器に、かのキャプテンウィッチと友人になれるかも」 と、それなりにポシティブな考えも浮かんでいる模様。 神崎「くぁwせdrftgyふじこlp!!?」 曙 「ちょ、提督!?しっかりしなさいよ!!」 ※放送を見た神崎提督とその日の秘書艦担当の曙のやり取り。こういうネタを仕込むことは知らされてなかった模様。 なお、曙はケッコン&この世界に転移したのをきっかけに、クソ提督呼ばわりを止めているという設定。 13: 194 :2017/07/23(日) 17 49 06 以上です。 今回はもう・・・原作銀連キャラ達に土下座するしかないかと(汗)おいは恥ずかしか(ry そして、相変わらずネーミングセンスが酷過ぎるorz あと、ようやく銀連キャラが出せました。色々と大変な事になってますが(汗) ともあれ、次回からはいよいよガースー黒光り鎮守府編です。長門達の戦いは(ry wiki掲載は自由です。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1222.html
957 :第三帝国:2012/07/21(土) 21 39 26 ネタSS~世界線変動率200%の世界・その後 帝国軍将官たちを驚愕せしめ、 号泣する黒イノシシを筆頭に呪い酒を飲む帝国軍将官に、 同じく号泣する辻の母校である白凰女学院の後輩にたちと当初から結婚式は嗚咽が絶えないものであった。 特に、某財閥の娘とハッカーの公式百合っぷるはお前は娘を送りだす父親か?と言わんばかりに泣いていた。 さらに、式が進み血の気がない女垂らし提督が淡々と夫婦の初めての共同作業であるケーキ入刀を宣言した刹那。 女子高の制服の上に時代錯誤な海賊服を纏った海賊が乱入し、略奪宣言と同時に夫である義眼に対して決闘をするというアトラクションが繰り広げられた。 女性陣は純粋に楽しむアンネローゼ、真剣に義眼を応援するベーネミュンネと、このイベントは大いに受けた。 しかし、男性陣は【あの】オーベルシュタインがイベントとはいえハイスクールガール相手に嫁をめぐって決闘をした。 という事象に(まるで自然現象ないいかただが)カイザーと祖父は腹を抱えて笑い、オフレッサーは泡を吹いて気絶し。 ミッターマイヤーはビッテンフェルトが結成した『軍務尚書殿を呪う会』と共に呪い酒を飲んで現実逃避を図った。 そんなこんなで、帝国軍将官らの肝臓を悪化させた辻とオーベルシュタインの結婚式が終わり早数カ月。 両国家の平和を象徴したイベントも時間が経てば忘れるもので、いつしか人々はそのことについて口にしなかった。 より正確にいえば帝国軍将官らが【あの】オーベルシュタインの新婚生活についてゴシップ魂を発揮しようも、 それぞれの職場を退職した2人のゆくえについて徹底的な情報管制が敷かれていたため、皇帝と少数の臣下を除けば住処すらも分らなかった。 これは新婚生活を知られたくないという可愛い理由などではなく、 2人が武闘派地球教、過激派共和主義者、その他等などと随分と恨まれていたゆえである。 「だからと言って、 この俺にフェザーンに寄るからには挨拶しろ、とはマインカイザーは人の心がわからない・・・」 どこぞのNTR騎士のセリフを呟く色男。 いつもなら女性を魅力して止まない面は血の気がなく、帝国軍を代表する武人として全身に漲っていた覇気もなく。 副官や部下たちが今の彼、オスカー・フォン・ロイエンタールを目撃したらきっと我が目を疑ったであろう。 まあ、前世から辻の相棒?な嶋田が見たらそんな大人げない姿勢に『どんだけ嫌いなんだよ!?』と突っ込んでいただろう。 「あの元軍務尚書殿と金の魔女ことツジと合うのは気が進まないが、早いとこすませてしまおう」 元々フェザーンに来たのは地球教を始めとした数々の悪行が発覚した揚句、 日自銀の三カ国の暫定的共同統治と相成ったフェザーンに関して銀河帝国代表として打ち合わせをするためである。 そしてちょうどフェザーンに隠れ住んでいるツジ夫婦(なんと、あの軍務尚書殿が婿養子である!)に、 挨拶しておくように、とカイザー直々の命令に逆らえるはずもなく、やはり反逆すべきだったと後悔しつつロイエンタールはメインストリートをトボトボと歩いていた。 「お、ロイエンタール閣下ではありませんか」 そんな気落ちした状態で後ろから第三者が声を掛けてきた。 よく知っている同僚のものだったので、ロイエンタールは気落ちしているのを悟られないようにすぐさま気分を入れ替えて振り向いた。 「ほう、その声はメックリンガーじゃない。 奇遇だな、まさか卿が軍務尚書閣下に好んで合いにいくつも、り・・・か・・・?」 声を掛けて来たのは芸術提督と名高いメックリンガーであった。 相変わらずロン毛にちょび髭とインチキおじさんスタイルであったが振り向いた先にいた彼に、ロイエンタールはそこに絶句したのではない。 物がいいスニーカー。 本来の起源とは違いブランド物のジーパン。 緑髪のツインテールの少女が銀河帝国軍の制服を着て敬礼した姿がプリントされたTシャツ。 その上に羽織った時代遅れな感がするグラデーション・チェックカラーのシャツ。 背中にはリュックを背負いポスターがはみ出ており、腰には直ぐに現金が出せるようにウエストポーチが装備してあった。 それはどう見ても、ださいオタクファッションであった。 しかし、インチキおじさんな面と合わさって逆に似合いすぎているのが恐怖すらロイエンタールは感じた。 「いえ、イベントに参加するために外に出ておりました」 「そ、そうか・・・・・・」 メックリンガーの軍服姿しかしらないロイエンタールは眼の前に映る服装に押されている。 口調が公務時と同じく真面目なものなせいで似合っているはずの服装から違和感が出され、どう対応すべきか迷う。 958 :第三帝国:2012/07/21(土) 21 40 06 「まん○だらけ、虎の○、メロン○ックスこそオーディンにもありますが、 コミケのようなイベントは治安維持の名目上未だ帝国領では開催されておりませぬから、このたびの会談に随行員として来れたのは幸いです。」 「・・・・・・・・・それは幸いだったな」 ロイエンタールにとってメックリンガーが言うイベントとは、 女を腐らせる類の物だと実体験していたので同僚の意外な趣味に少しばかり距離をとった。 もっとも、それは誤解であり芸術家提督はプリントされたシャツがミクのように、ミク厨であり。 同時に東方信者であり、女垂らし提督が知る貴腐人のように決して腐り神に洗脳された腐男子ではなかった。 正しくはエヴァンゼリン、アンネローゼ、ウエストパーレ男爵夫人の【貴腐人たちに洗脳されつつある】だけである。 今後の付き合い方を真剣に考えた方がいいかもしれない。 等とあながち間違ってはいない未来への対策をロイエンタールは考え――――。 「久しいな、このような場所で卿らに合えるとは私も思わなかった」 ドライアイスの剣、感情がない絶対零度の音声が2人に呼び掛ける。 それが知っている人物ゆえに会話を中断して反射的に横に振りかえる、芸術提督に女垂らし提督。 幻覚か幻聴の類であることを普段は信じない神様に自分たちの認識がどうか間違いであること願った。 だが、現実は残酷であった。 例えると、日曜日は過ぎていつかは月曜日になるのと同じくらい現実は非情であった。 「卿らと最後にあったのはあの結婚式以来であったな」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 できれば、合いたくない。 というよりもむしろ死んでくれと願っていたかつての上司、パウル・フォン・オーベルシュタイン・ツジであった。 相変わらず、というよりも結婚した癖に変化がなく現役時代と同じく感情と言うものを感じさせない瞳で2人を見ていた。 しかし、服装は大いに変化していた。 清潔感を感じさせる桃色のポロシャツに茶色のカーゴパンツと割とお洒落な姿をしていたが、 そもそも、灰色が似合う風体をしていた上に、黒の軍服以外の姿を見たことのない2人にとってそれだけでもSAN値直葬ものであった。 おまけに足元にはミュラーが言っていた、 例の老犬をつれており首輪を付けてリードをしっかりと握り、空いた手には買い物袋と生活感溢れる姿をしていた。 「ふむ、メックリンガー提督。卿も我が家に来ると良い」 「な・・・ななな」 説明過程を吹き飛ばし出された結論によろめく芸術家提督。 事前に会うと約束していた女垂らし提督と違いまさかの誘いに動揺が隠せていない。 「そうだな、俺も賛成だ」 「な、ろ、ロイエンタール提督っ!!!」 ロイエンタールはそんな姿に懐かしさを覚えると同時に、 逃げ道をなくすように同意を表明し、生贄が増えたことに内心で歓喜した。 「では、来るといい。妻が車で待機している」 そう言いつつ、道の反対側に待機してある車に感情のない視線を向ける。 そこには、黒髪眼鏡の東洋的美少女が嬉しげに手を振っていた。 流石は元裏方担当、2人して逃げる道は閉ざされている。 「メックリンガー。何、仲良く逝こうではないか」 「・・・ああ、では逝きましょう」 地獄への片道切符を持たされたように、ゆらゆらと幽鬼のごとくオーベルシュタインと共に車へと向かった。 959 :第三帝国:2012/07/21(土) 21 44 23 理想郷がつながらないからむしゃくしゃして書いた、今も反省してない。 真面目なSSもいいけど、今後も銀英ネタでこうしたSSが増えることを切に願います。 後、さりげなくモーレツ宇宙海賊とクロスさせています。 では 追伸:理想郷が繋がったら真っ先に寄付するんだ・・・
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5464.html
330: 635 :2018/11/15(木) 19 20 40 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島if世界線支援ネタ 戦艦大和の伝説 東シナ海海上 「ミサイル命中!」 「被害状況は!?」 ニミッツ級原子力航空母艦9番艦ロナルド・レーガンのCDCに怒号が飛び交っていた。 中華人民共和国にて発生した同時多発核爆発と黄海津波の調査のためにアメリカ海軍第7艦隊を中心とした多国籍連合艦隊が組まれ その旗艦としてロナルド・レーガンが行動している最中にそれは起きた。 共産党中央の統制を離れ軍閥と化した人民解放軍海軍の一部が暴走し多国籍艦隊へと攻撃を加えたのだ。 流石に攻撃はないと思われたので対処が遅れていた。 「右舷水平線上に2発、飛行甲板に1発命中しましたが誘爆等は確認されていません。」 「弾薬庫や原子炉は?」 「大丈夫との報告です。これがニミッツ級の初期型やエンタープライズだったらまずかったと思われますが。」 「そうか…。」 ロナルド・レーガンはニミッツ級の中でも特に重防御な空母であり、そのためにこの程度の被害ですんだのだ、 艦隊の総指揮官として乗り込んでいたアメリカ海軍将官の提督は艦長の報告に安堵の溜息を吐いた。 「我が海軍の空母がこれだけ攻撃を受けるとは半世紀以上ぶりになりますな。」 「それをなしたのがソ連の血を継ぐ国家とはとんだ皮肉だな。」 「ソ連のドクトリンも強ち外れてはいなかったと?」 「そう考えるしかあるまい。」 多国籍艦隊に対し中国海軍が行った行動は実にシンプルであった。 旧ソビエト連邦海軍の軍事ドクトリン、対艦ミサイルによる防空システムの対処能力を超える飽和攻撃ただそれだけである。 だがその効果は絶大であった。 対処の遅れから迎撃が間に合わなかった艦艇も存在し、艦隊に少なくない被害が発生している。 旧ソ連がなし得なかった米機動部隊への打倒するための軍事ドクトリンの有用性をその弟子が示すこととなった。 「艦隊の被害状況は?」 「イギリスのクイーン・エリザベスは小破、フランスのシャルル・ド・ゴールが飛行甲板で誘爆が発生中です。他の艦は…。」 「中々被害が大きいな…。」 「海自のイズモは破壊したミサイルの破片が命中すれど航行に問題なし、ロシアのアドミラル・クズネツォフは迎撃に成功。」 「神崎島のヤマトには…、7発命中!?」 「なんだと!?ヤマトの被害状況は!?」 今回の作戦にはアメリカ等の強い要望により神崎島鎮守府の戦艦大和が参加していた。 それはこの世界での大和が現実の様に時代遅れの大艦巨砲主義の権化や帝国の無定見に振り回された悲劇的なただの戦艦ではないからである。 日本、神崎島統合の象徴 ティエルクマスカに希望を齎した聖地ヤルマルティアの名を冠した発達過程文明の象徴たる水上戦闘艦 欧米が忘れ去ったファンタジーと共に現世に帰還した奇跡の戦艦 悪しき日帝の象徴たる悪の権化 他にも様々な見方がなされるがこの世界の人々にとって戦艦大和は『特別』なのである。 大和が参加が決定した際には多国籍艦隊へ参加する艦艇の乗組員達の士気が上がり、 艦隊で大和の存在を目にした際には全艦が登舷礼を行ったという噂もネットに流れた程である。 実際に全艦やらかしたのであるが。 そして大和の損傷は艦隊の士気とティ連のご機嫌に関わっているために提督は非常に心配し通信士の報告を待った。 331: 635 :2018/11/15(木) 19 21 40 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「あ…、え?…。」 「どうした?まさか損傷を!?」 「無傷です…。」 「ファッ!?」 「だから無傷なんです!!」 提督たちは声が出なかった。 他の艦に少なくない被害が出る中での無傷である。 しかも7発の空母殺しの重対艦ミサイルを受けてだ。 「!ヤマトより入電です…。『戦艦が簡単に沈むか!』以上です。」 「「「…。」」」 「ハハッ、あの映画のセリフをヤマトに言われるとはな!」 「本来ならミズーリが言うべきセリフですな。」 「そのミズーリの姉もあっちに嫁に出したからなあ。」 通信を受けた後CDCでは軽口が交わされた。 大和が無傷であった。 ただそれだけでこの場の空気が変わったのだ。 大和という存在の大きさを痛感せざるを得ない。 「流石旧日本海軍最大の戦艦ですな。提督?」 「ああ、それに彼女はナガトの妹分でムサシの姉だぞ。彼女自身も坊ノ岬でのタフさを見ればな。」 「確かに…。」 「それにだ。現在の彼女はヤマト・カイだ。ヤマトタイプの発展型の様なものだぞ?」 「確か対20インチ砲防御がなされているとか?」 二度の原子爆弾に耐えきった長門、 魚雷20本、爆弾17発、至近弾20発以上に数時間に渡り耐え続けた武蔵 大和自身も沈めるためには空母11隻・艦載機386機、述べ1000機に及ぶ航空機という数字が必要だった。 日本の戦艦はとかく堅いのだ。 そして現在では大和・改となったことで施された対51センチ砲防御と現代式のダメージコントロールによりタフさに磨きが掛かっていた。 中国海軍は大和を損傷させる事で艦隊の士気を削ぎ、日帝への大勝利を喧伝しようとしたが大和の防御力の前に敗北し、 逆に自軍の士気を落とすこととなった。 そして大和が無傷であるという事実は艦隊全体へと広がり大和に負けるな!大和が見てるぞ!と士気を高める結果になった。 全く大和様様だと提督は感じた。 砲と装甲で彩られた華やかな戦艦の時代の終わりを告げた艦が現代においてその装甲への信仰が艦隊を鼓舞する大戦艦となる。 運命とは角も不思議な物だ。 不沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。 そしてある言葉を思い出した。 『幾万もの英霊たちが水底をささえているのですよ』 彼女に向けられた言葉でないが、それが本当なら…。 ああ、ならば今尚幾万の英霊と共にある彼女はもう沈むことはないのだろう。 そして決意した。我らが父祖もいるならば…、ならば我々もそれに続こうと。 332: 635 :2018/11/15(木) 19 22 45 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 「提督?」 「通信士…、艦隊全艦艇に通信を。」 「通信内容はどうされますか?」 何かを察した艦長が提督に問う。 「『海の古強者は死せず。我が連合艦隊は未だ健在なり。』以上だ。」 「!了解しました!」 「提督…。」 「皆を言うな。」 「中国海軍に動きあり!再度の攻撃かと思われます!」 「奴等ミサイルがまだあるのか!?」 「カミカゼか!?」 「ヤマト、Z旗掲揚!それにこれはキクスイの旗か!?」 「ヤマトより入電!『我、敵艦隊ニ突入ヲ開始ス』!」 「ナガト、アイオワ、ウォースパイト、ヤマトに続きます!」 「リシュリュー、イタリア、レヴォリューツィヤ以下全戦艦もだ!」 ロナルド・レーガンのCDCも俄に忙しさを増す。 「空母の艦載機を全部出せ!制空権を奪い返すぞ!」 「全防空艦に通達!彼女たちの突入を支援しろ!」 『こちらクイーン・エリザベス、艦載機をヤマトの直掩に回す!』 『ピョートル・ヴェリーキイ、これよりヤマトの支援に入る!』 大和が行動を開始した途端に釣られるように艦隊は行動を開始した。 「全く、ヤマトとは凄い戦艦だな…。」 『我々が散々梃子摺った相手だからな。』 「祖父さん、自分もそう思うよ。」 提督の呟きに応えた居ないはずの祖父の声に疑問も抱かずに提督は動き出した状況を眺めていた。 333: 635 :2018/11/15(木) 19 27 06 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 以上になります。 転載はご自由にどうぞ。 大和が活躍する話を書いてアメリカに連合艦隊は未だ健在なりと言わせたかっただけですwww 後、現実にほぼありえないであろう各国が連合して巨悪(笑)に立ち向かうとか燃える展開が見たかっただけだったり。 335: 635 :2018/11/15(木) 19 44 02 HOST p1898232-ipbf412souka.saitama.ocn.ne.jp 334 あっ(汗) 誤字に気かなかったorz 転載の際には 浮沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。 を 不沈戦艦、現実にありもしないその言葉は彼女にこそ相応しい様に感じた。 にお願いします。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/5734.html
946: 第三帝国 :2019/05/29(水) 23 28 04 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――「胎動、戦略機動演習」 ―――――――神崎島鎮守府、統合軍令本部の一室。 「足りないな」 シエへの対応を終えた真田忠道少将が呟きを漏らす。 真田少将の副官として配属されているバルクホルン少佐が反応する。 「かっ・・・何か問題がありましたか?」 閣下、と呼ぶと露骨に嫌な顔を浮かべる事を覚えていたので途中で止める。 なおアバター的に真面目でカッコよくて可愛くシスコンなお姉ちゃんキャラクターとしてこの対応は未だ慣れていない。 そしてこの上司が時折仕事をサボって江戸時代のエロ本を読みふけっている件については未だ納得していない。 「海上護衛総隊からだ」 真田は『戦略機動演習(仮)』と書かれた書類をバルクホルンへ渡す。 内容は神崎島の北西に位置する竜宮島へ兵力を移動させる戦略的な機動の演習。 というのは名目でその立地条件から吹雪たち御一行がイゼイラへ行ってからも領土欲を隠さないどこぞの国に対応するための兵力の増員である。 「護衛の旗艦は『能代』を筆頭に軽巡は「由良」。 空母は「大鷹」「隼鷹」、駆逐艦は6隻、十分すぎるのでは?」 「軍事的にはそうだ。 しかし今回この演習には各国の武官だけでなくメディアに広く公開する予定――――つまり玄人も素人も思わず注目する目玉商品がない」 まるで夏のセールに備えて会議に挑む営業部長のような口ぶりで真田は語る。 「合理的とは言えませんが」 「理を問われる問題ではないのだよ、 政治的な問題であって政治とは常にイメージ。 さらに極論すればアイドルと同じだ――――――すなわち萌えそうか、推そうか」 「しかし、目玉商品。 となれば・・・戦艦に正規空母?」 真田の名言?あるいは迷言を華麗に無視してバルクホルンが呟く。 「うん、そうそれだ。 大淀君にさっそく掛け合ってみよう」 渾身のネタを無かったことにされ、 内心傷ついているのを隠しつつ真田は電話を手に取る。 947: 第三帝国 :2019/05/29(水) 23 28 55 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 「ドーモ、真田です。 ええ、もちろん仕事の話ですよ。 決してそちらの可愛い霞ちゃんに提督のあれこれを吹き込んでいるわけではありません」 この男は何をやっているんだ。 とバルクホルンは色々な意味で頭を抱えそうになる。 案の定、というか当たり前のごとく受話器の向こうからドスをきかせた声が漏れる。 「それで近日行われる戦略機動演習についてですが、 護衛の数は適正だとしてももっと増やさんといけません。 ええ、そうです。所謂政治的な問題と言ったところであります。 具体的には戦艦4ハイ、正規空母2ハイ、ついでに重巡数ハイ、1個水雷戦隊程度つけてやらんことには」 「・・・流石に盛り過ぎでは?」 どう聞いても機動部隊を1つ追加する。 としか聞こえずバルクホルンは呆れた声を漏らす。 「なるほど、好戦的平和主義者に瞬発湯沸かし器型リベラル。 などと言った人間から田舎にいる夏のセミのごとくあれこれ言われるではと。 ですがそうした連中はどうせ何をしようと安全圏から口出しする事しか考えてませんよ。 それよりも抑止力を高める、すなわち舐めたら殺す、その気概を見せつける方が何よりも重要かと」 電話の向こうでやや悩みを含めた声が聞こえる。 しかし真田とさらに2、3言会話を交わした所で折れる。 「では大淀さんの代わりにわたしが護衛総隊と提督に話をして来ます。 いえいえ、提案したのはこちらなのですからその程度はしなくては、では」 そう言い丁寧に受話器を置いた。 「さて、忙しくなるぞ。 何せ上司に納得できるレベルで完成された提案書を作るのだから。 まあ、それよりも忙しいのは出撃前に妻とのコミュニケーション(意味深)を取らねばならぬ提督の方なのかもしれないが・・・」 「・・・大丈夫だろうか?」 一夫多妻。 というよりも多妻一夫制。 と表現すべき提督と艦娘の関係を知るバルクホルンが思わず素の口調で心底提督に対して同情を寄せる。 「何、我々種族『妖精』がこうであるように、 種族『提督』とはそういうものだよ、かくあるべしと」 言われなくとも分かる常識とばかりな口調で真田は断じた。 おわり 948: 第三帝国 :2019/05/29(水) 23 32 49 HOST 70.244.32.202.bf.2iij.net 以上です。 社会人の3月4月は忙しい(血涙)
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/707.html
韓国経済スレはこちらへ / 2ちゃんねる / 韓国 / 北朝鮮 / Enjoy Korea / 韓国関連ネット記事メモ 当該スレ検索 ● 【国債問題】商船および海軍の航海士による(Hebei Spirit号裁判に対する)抗議集会が開催される(01/05) 下スレは上スレに引継がれた ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★33[01/02] 過去ログ 2009.1.6-6 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★32[01/02] 過去ログ 2009.1.6-6 ■ blanklink プラグインエラー URLかページ名を入力してください。 過去ログ 2009.1.6-6 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★30[01/02] 実況中… 2009.1.6- ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★29[01/02] 過去ログ 2009.1.5-6 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★28[01/02] 過去ログ 2009.1.5-5 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★27[01/02] 過去ログ 2009.1.5-5 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★26[01/02] 過去ログ 2009.1.5-5 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★25[01/02] 過去ログ 2009.1.5-5 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★24[01/02] 過去ログ 2009.1.4-5 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★23[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★22[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★21[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★20[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★19[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★18[01/02] 過去ログ 2009.1.4-4 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★17[01/02] 過去ログ 2009.1.3-3 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★16[01/02] 過去ログ 2009.1.3-3 ■ 【重油流出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍元提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙★15 過去ログ 2009.1.3-3 この間の過去ログは ⇒ こちら ■ 【重油量出】サムスンが証拠をでっち上げ、証人を脅迫、インド海軍提督の息子に責任をなすりつけた=HINDU紙 過去ログ 2009.1.2-2 .
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/3082.html
284 :影響を受ける人:2014/05/12(月) 22 03 48 この作品にはTS要素が含まれています。 オリキャラ化が含まれています。と言うかオリキャラが出てきます。 最低系である最強要素があります。 それでも良い、という方のお読みください。 提督憂鬱×ストパン+零 第九話 ―真実・現実 参― 最前線に来た坂本美緒達を待っていたのは、本土と変わらない訓練だった。 訓練時間が足りない事は承知済みだったとはいえ、若本徹子にとっては不満でしかない。 「くそぉ・・・」 「徹子さん。歯ぎしりしていないで、銃の手入れをして下さいな。」 「委員長は悔しいと思わないのか?」 “私不満です”と言う顔で、横にいるお嬢様を睨むように見る。 その顔を見て、溜息を一つ。 「多少はありますけれど、仕方ありません。隊長陣がお決めになった事ですし。」 ―――――――――― ―――――― ――― 北郷章香は元々この基地で活動していた。 ある意味古巣に戻ってきたようなものだ。 旧知の仲の江藤敏子と執務室で話し合いを始めた。 「ほんの数か月なのに、ずいぶん長くいなかった感じがするわね。」 「そうだな・・・旗本さんと、澤桐が負傷して後方に下がって以来か。」 「そして、そのまま志願兵の教育・・・どうなの? 使える?」 少しだけ昔話をして弾んでいたのだが、本題に入ると二人の顔は真剣なものとなる。 「正直厳しい・・・何もかもが足りなかった。」 「そう・・・報告書だと、【スズメバチ】を二体撃墜したようだけど?」 「あれは運が良かっただけだな。だが、私たちの到着まで逃げ回っていられたか?と問われれば、悩んでしまうが・・・」 「そうなの。」 フゥと息を小さく吐き、椅子に寄り掛かって天井を見る。 「とりあえず。今晩、隊長と副隊長を皆呼んで会議ね。」 「頼む。」 その夜・・・ 久しぶりの再会に喜ぶ一同(主に穴拭)は、持ち込まれた問題に頭を抱えた。 学兵は確かに両部隊にもいるが、どちらかというと・・・部隊が壊滅的被害を受け、負傷した人員の代わりに配属された・・・という感じ。 この部隊で育てたわけではなく、それなりに経験してからやってきたのだ。 「新人も新人いいところじゃない。戦場に出てほしくないわ。」 本音を言って、智子はお茶をすする。 彼女の横に座る副隊長も頷く。 「そうだね。いくらなんでも短すぎる。共同するにしても、足手纏いにしかなりそうもない。」 「彼女たち、結構やる気みたいだけど?」 黒江綾香がフォローするように言うが、本音は同じだろう。 「やる気だけで、経験はできない・・・襲撃規模を考慮して配置するしかないと思うぞ?」 加藤武子は無難な提案をする。 しかし、敵の襲撃規模を考えると、そんな余裕があるかわからない。 予想できた答えの数々に、頭が痛い文香であったが、とりあえず考えていることを述べる。 285 :影響を受ける人:2014/05/12(月) 22 04 22 「しばらくは、基地に慣れさせるために訓練しているつもりだ。」 「・・・勘を取り戻す。」 「旗本さんも入院長かったですからね・・・」 武子が苦笑するが、鉄火面であるサエの顔は変わらない。 「・・・訓練はしていた。」 「後は戦場で、ですか。」 このメンバーの中で、最高齢で古参兵である旗本サエは頼りになる人物。 今まで、なんでこの人が低い階級にいるのか、分からなかったくらいだ。 喋る様な人ではないが、的確に指示してくれる。 この後も細々としたことを話し合ったが、普段は通常訓練。 余裕はないが、後方に適度に敵を置くれそうなら出撃してもらうことにした。 ――― ―――――― ――――――――― 「だけど・・・」 「それぐらいにした方が良いよ。」 「淳子。お前は不満がないのか?」 銃の整備を終えた親友に対し、不満を垂れ流す。 そこに美緒と里子もやってきた。 「仕方ないんじゃないかな?」 「しょうがないっす。隊長の命令はぜったいっすよ。」 「くそ!」 誰も賛同してくれないことに腹を立て、その様子を見た親友二人は顔を見合わせて、内心で大きくため息をつく。 美緒が口を開いた直後、整備質に誰かが入ってきた。 皆が振り返ると、早良ミチルがちょうど入室してきたところだった。 固まっている一段を見つけると立ち止まり、顔が一瞬だが嫌そうに歪む。 それを見た徹子は、睨みつけた。 「何だ、その目は。」 「・・・別に。」 「私が学兵で、戦場に出ているのに、何で自分は出れないのか・・・そう言いたいのか。」 「分かっているなら意見具申してくれませんか。そのために訓練してきたのに。」 食って掛かるような口調だが、ミチルは気にならない。 「何で足手纏いを出さなければならない。」 「足手纏いじゃない! 本土でネウロイの襲撃を防いだんだ!」 「だからなんだ。一度きりの戦闘でもう有頂天か? そんなやつに後ろは任せられない。」 「っく・・・」 徹子にとってあの戦闘は、教えてもらった事を生かせた初の実戦だった。 内心ではちょっとだけ誇らしかったが、驕るつもりはない。 しかし、意気込んでやってきたのに、貢献できない悔しさが、彼女をイラつかせている。 だからといって無鉄砲ではない。 もっともな意見に、悔しそうに堪えるしかない。 ブルブルと震えて耐える親友と先輩を、オロオロと交互に見る淳子に代わり、場の空気を変えようと美緒が話しかける。 「せ、先輩は・・・どうしてここに?」 「銃の整備だ。」 そういって手短な椅子に座り、肩にかけた銃を机の上に置いた。 銃は陸軍が開発した最新式で、装弾が楽であり、威力も十分。 その性能を知った海軍は、資金を渡して銃を確保している。 当初は対抗して銃を開発するつもりだったらしい。 しかし大蔵所の魔王が殴りこんできて計画は中断された。 もっとも、現場は共通の武器を使うことで整備性が上がり、すぐに替えがあるというのはうれしいことだ。 ほかにも共通部品や兵器を、順次揃えていく事が進められているらしい。 この働きは夢幻会によるものであるが、誰も知らないし知っても意味がない。 やり易ければどうでもいいのだ。 286 :影響を受ける人:2014/05/12(月) 22 04 58 「自分の命を預けるものを、大切に使わなくてどうする。」 「そうですわね。でも、だいぶ使い込んであるように見えますけれど?」 「・・・これでも、だいぶ前に取り替えたばかりなんだがな。」 「そんだけ、戦場はキツイんっすね・・・」 感心するように頷く里子を軽く睨みつける。 その眼光に皆少しだけ下がった。 「キツイ・・・と言う言葉ではすまない!」 声を荒げてミチルは美緒達を順繰りに見ていく。 「想像出来るか? 朝一緒に食った仲間がいなくなることを、 自分の不注意で死ぬ先輩を、 目の前で息を引き取る兵士の顔を、お前たちは想像出来るのか!」 「「「「「・・・・・・」」」」」 鋭い視線から感じられる威圧に誰も答えられない。 あの徹子ですら、少しだけ青ざめている。 息を大きく吸って、気持ちを落ち着けたミチルは静かに整備を始めた。 「用が済んだなら出て行け。寝られるときに寝るのも兵士の仕事だ。」 「えっと・・・はい・・・」 意気消沈してしまい、一行はそのまま整備室から出て行いった。 残されたミチルは、静かになった部屋で銃を分解する。 部品を分かるように置き、手早く拭いては油をさしていく。 黙々と作業をこなしていたが、疲れたのか背伸びをして体をほぐす。 少しだけ休憩する事にし、考え始めたのは先程彼女等に言った言葉。 「・・・」 自分しかいなくなった、静寂に包まれた整備室で呟く。 「そうだ・・・足手まといは、いらない。」 ミチルの目は、前の部隊が壊滅した原因を睨むように宙を見ていた。 以上です。 ミチルのイメージは【艦これ:日向】なんですけれど、いまいち掴めん(汗 戦闘は次回にすることにしました。 自分的に近衛扱いとなる【アホウドリ】零編に出てきた高速爆撃機が相手となります。 いきなりきついでしょうけど、頑張ってほしいですね。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/4998.html
16: ひゅうが :2017/11/27(月) 14 37 47 12-13に追加 ――「余談、あるいは戦略的打撃力の所在について」 ――同 神崎島鎮守府本庁舎 「そうだ。クルーズに行こう。」 「馬鹿いってないで仕事しましょう提督。市民の皆さんからの陳情にはきちんと回答しようっていっていたじゃないですか。」 頭が茹ってくると、唐突な発言が目立ち始める。 だいたい徹夜二日目夕方四時ぐらいの特徴である。 すでに昼のお茶請けは消費し尽くされ、業務を再開して三十分たってもまだ本調子に戻らない絶望感が漂い始める。 そうした焦りが諦めに変わる前の、脳の精一杯の足掻きであるのかもしれなかった。 こうした取り留めもない言葉を交わせるか交わせないかでよい職場か否かは決まるのであって、この鎮守府は少なくともよい職場の部類に入るのであろう。 大淀という常設秘書官(艦)とこのように親しく言葉を交わすことができるし、彼が休憩すると宣言すればこの執務も切り上げられるのである。 それをわかっていてやっているあたり、この神崎博之提督という人物はのろけているのかもしれなかった。 「面白そうですな。どちらへ行かれるので?」 だがここで、トラのような顔をしたカーキ色の男がソファーからむっくりと起き上がった。 神崎島駐在高等弁務官 山下奉文中将。 平行世界にてマレーの虎と呼ばれるこの男が執務室に「遊びに」きていたことから今回の話ははじまる。 「そうですね。せっかく近場にあることですし小笠原…いや八丈島とかもいいですねぇ。 うちにも客船はありますがほとんど使っていませんから。」 「そういって豪華客船まで作ったあとで日本郵船に譲渡したばかりじゃないですか。」 「甘いぞ淀さん。船旅というのは優雅なだけじゃない。マットを敷いたフェリーに雑魚寝でわいわいやるのも修学旅行じみていい。」 「どこかで頭を打ちました?」 ひどい…とのの字を書く提督に、大淀は「あ、これはダメなパターンだわ」と確信した。 この普段はいかにも大人物じみた海軍提督は、時折こうして子供っぽくなることがある。 いわゆる「イベント戦」。 数か月に一遍発生していた「異界」の拡大とそれに伴う深海勢力の大拡張の中では特にそういうことが目立つことがあった。 共に初期秘書官をつとめた吹雪いわく、本当に限界を迎えそうになったときはもっと恐ろしいものをみることになるらしいが… まぁそんなことはどうでもよかった。 大淀は、興味深そうに提督の話に聞き入る山下に、適度な休暇を入れるいい口実を作ってくれたと感謝すべきかしばし考え、決断し、口を開いた。 「はぁ…しかたがありませんね。全員連れていきましょう。ここのところ働き詰めでしたからね。」 余談ながら、この神崎島鎮守府側の決断は日本本土の陸海軍や帝国政府に文字通りの爆弾のような作用をもたらした。 西太平洋で存在するだけで各国の軍事行動を掣肘する大艦隊が丸ごと動くのである。 その影響を測ろうとした政府文官と、その穴を埋めるためにどうするべきか悩む武官たちは数日間喧々諤々の議論を戦わせ、何人かが病院送りになったところで崩れ落ちた。 「八丈島と小笠原の旅3泊4日の旅」はその頃にはもう終わっており、何事かと慌てた在比米軍が駐在武官経由で問い合わせたときにはすでに鎮守府の主力艦艇は再配置が完了していたのである。 (余談ながら、この間山下中将は駐在武官の義務と称してクルーズに同行していた) ――なお、その間を基地航空隊の冷戦期の戦略爆撃隊の水爆パトロールよろしく常時空中待機しており、それに気が付いた陸海軍が絶句するのはこのすぐあとである。 17: ひゅうが :2017/11/27(月) 14 39 49 【あとがき】――「八丈島と小笠原3泊4日の旅」に修正で… 上だけだと堅苦しいのと久しぶりに大淀さん書いてみたかったのでちょっと追加しました。
https://w.atwiki.jp/avin_unicorn/pages/337.html
クエスト紹介街 リスボン 必要スキル ポルトガル語 イタリア語 報酬 14,000D 難易度 ☆☆ 発見物 アイテム その他 攻略順序 リスボン工房職人 → ジェノバ船大工 → 出航所役人 投稿者・海老