約 19,730 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/153.html
「提督、何かお飲みになりますか?」 「ん?あぁ・・・ほうじ茶を頼むよ」 一日も半分を過ぎ、そろそろおやつという時間。 書類に目を通し、サインをする。 大体が報告書だ。提督への報告もあれば、大本営への報告もある。 「もう少しこういった雑多な書類が減ればいいんだがなぁ」と一人ごちた。 「大本営への日次報告なんて纏めて一括でいいだろうに、何故態々各任務毎に書式を・・・」 ぶつくさと文句を垂れる提督の鼻腔を、香ばしい薫りがくすぐる。 「ふふっ、そう仰らないで」 ことん、と置かれた湯飲みを手に取り茶を啜る。 「・・ふー・・・。悪いね千歳、何時もありがとう」 ばつが悪そうに返すと、人差し指を立てて 「いいえ、これも秘書艦としての勤めですから」 ウインク、可愛い奴め。 「後もう少しですから、ね?」 「全くだ、片付けてしまおう」 そして、残り一山の書類に手を伸ばした。 「午後五時。提督、綺麗な夕焼けですよ」 「おー・・・こっちもこれで綺麗に片付くぞ」 最後の1枚を手に取ると細部まで目を通し、サイン。 「これは工廠行きと・・・」ぴっ、と投げるようにカゴへ書類を放り込む。 「お疲れ様でした、提督」 大きく息を付き伸びをすると、両肩に温かい感触が置かれた。 「肩、お揉みしますね?」 ゆっくりと、凝った肩が揉み解されていく 「あぁ~・・・気持ち良い」思わず出た声に、千歳がくすくすと笑う。 「いやいや・・ほんとに気持ち良いんだよ?」 「ありがとうございます、揉んでる甲斐もありますよ?」 「そりゃどうも・・・」 心地よさに負けて、どうにも顔が緩んでしまう。 「何かして貰ってばかりで申し訳ないな・・・千歳はして欲しい事、無いのかい?」 手が止まる 「えっ。して欲しい事、ですか・・・?」 「うん、何でもは聞けないが。どうだろう?」 「して欲しい事・・・」 うーん、と唸る千歳。どうも悩ませてしまったようだ。 「そこまで考え込まれる様な事だと出来かねるなぁ・・ 僕個人で出来る事ならまだいいけどね、例えば頭撫でて欲しいとか」 軽い冗談のつもりだった。 「へっ!?」 「・・・どうした、素っ頓狂な声あげて。」 振り向くと、顔を真っ赤にした千歳の姿があった。 「え、えっと・・・そのぉ・・・」 急に両手を合わせてもじもじとしだし、目を逸らす千歳。 「・・・・よし、分かった。」 椅子を引き、立ち上がる。 「えええっと、あの。提督?」 普段の落ち着きは何処へやら、提督の一挙一動にびくびくしている。 「ほら、千歳」 両腕を広げ、手のひらでおいでおいで、とジェスチャーをする。 「て、提督!?その「いいから、来なさい」 千歳の言葉を遮り、1歩近づく。 「じゃ、じゃぁお言葉に甘えて・・・」 おずおずと腕の中に入るが、そこで止まる千歳。 「・・・ほら。」 「あっ」 肩と背中に腕を回し、しっかりと抱きしめる。 「う・・・」 「どうした、顔が赤いようだね」 「もう・・いじわるですね、提督は」 「随分慌ててたからつい、ね。落ち着いたかい?」 こてん、と頭を胸に寄せる。 「はい。・・・提督」 「・・・なんだ」 出来る限りの精一杯で、優しく頭を撫でる。 「・・・大好きです。」
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/103.html
コン……コン。 控えめなノックが、執務室に漂う夜の静寂を打ち破った。 「入りたまえ」 僕は努めてぶっきらぼうに、ドアの向こうの気配へと声をかける。 「て、提督、失礼……します」 おどおどした様子のひとりの少女が、月明かりだけが照らす執務室の扉を開いた。 「い、磯波……です。ご、ご命令により……出頭いたしました」 消え入りそうな声で彼女は名乗り、執務室の入り口で敬礼をした。 僕が黙って頷くと、磯波は真鍮のドアノブを回し、静かに扉を閉めた。 しばし僕は、青白い月の光に浮かぶ磯波の姿をしげしげと観察する。 穏やかな波間を思わせる、三つ編みの黒髪。日々、遠征の任に駆り出されながらも白さを保つ若々しい肌。 膝より少しだけ高い、吹雪型のセーラー服から垣間見える、柔らかそうな太腿――。 普段彼女が足を踏み入れることも、いや、直接的に話したことさえも殆どない僕の部屋に 招かれた彼女は、いつにも増して小さく、儚く見える。兵装が完全に解かれている今は尚更だ。 現に、この部屋の中にいるのは磯波と僕だけだというのに、彼女は一向に僕と目を合わせようとしない。 照明が完全に落とされた執務室の中、磯波の長いまつ毛の奥にある瞳は、内股に寄せられたブーツへと 所在なさげに落とされたままだ。 ふぅ、と僕が大きくため息をつくと、それだけで磯波は細い肩をぴくっと躍らせた。 それでも僕は黙ったまま、磯波に更に視線を注ぎ込む。 「……ぅう」 磯波は、吹雪型が揃って纏うセーラー服の胸元の紐をいじりながら、チラチラと僕を見た。 僕からの一言を引き出そうと、必死のようだった。 海から吹き込む穏やかな風が窓から吹き込み、白いカーテンを揺らす。重たい空気の中、 時が確かに進んでいることを示すかのように。 だが、それでも僕は革張りの椅子に深く腰をかけたまま、彼女をじっ……と見つめたままだ。 磯波は、震えているようにさえ見えた。 「あっ……あのう……提督」 部屋の隅と僕の間を、まるでげっ歯類の動物のように素早く、しかし居場所なさげに視線を 揺らしながら、磯波がようやく唇を開いた。 「磯波に……何かご用でしょうか?」 彼女がこの鎮守府に配属されて2週間。僕は初めて、その声をまともに聞いたような気がした。 それは、本当に女の子らしく、か細く……そして消え入りそうな声だった。 仮に月が雲に隠れていて、磯波の実体が目の前に映し出されていなければ、耳に届いてさえ いなかったかもしれない。 磯波はそれ程までに控えめな声で、ようやく言葉を口にしたのだった。 僕はその声の余韻を耳に感じながら、彼女を手招きする。 部屋に入ってからというもの、一歩たりとその場を動かなかった磯波が、ようやく小股で 執務机へと近づいてきた。しかし絨毯が敷いてあるとはいえ、足音がほとんどしない。 意識的に音を殺しているのだとすれば、どれだけ自分に自信がないのだろうか。 ――もっとも、僕が彼女をこの部屋に呼んだ理由は、まさにそれなのだけど。 磯波は思った通り、執務机の前にたっぷり1メートルの間を取って、僕の正面に立った。 僕からは机を挟んで、ほとんど2メートルも離れていることになる。 「はぁ……」 予想はしていたことだが、僕は思わず2度目のため息をつき―― 「磯波?」 ようやく彼女の名前を口にした。 優しく名前を呼んだつもりが、彼女は身体を強張らせ、両目をぎゅっと閉じてしまった。 言い訳もできず、叱られるのを待つだけの子供のようだ。 「自分がどうしてこの部屋に呼ばれたか、分かっているかい?」 首を縦にも、横に振るでもなく、ますます磯波は体を小さく、固くしてしまう。 僕はほの暗い中、デスクの書類受けに手を伸ばした。 「磯波、配属されてどれくらいになった?」 「えっ?」 「二週間だ」 忠実な秘書艦娘が纏めた数枚のレポートをぱらぱらと捲り、そのうちの一枚を彼女の方へと差し向ける。 「見たまえ」 磯波はまるで危険な生き物にでも触れるかのように、コピー用紙におどおどと手を伸ばす。 暗闇の中では読みづらいのだろう、柔和そうな垂れ気味の目が細められ、書類を走った途端―― 「あ……ぅ……!」 磯波は驚愕とも恐怖ともつかない顔になり、そのまま硬直した。 「それは君の、ここ二週間の成績を纏めたものだが、見てのとおりだよ。残念ながら 、先輩諸氏のような戦績を残せてはいない。遠征にしても、作戦にしても、だ。分かるね?」 「は……はい……」 磯波はがっくりと肩を落としたまま、細い首を小さく縦に振った。 「同じ吹雪型と比較すると、なおのこと顕著だ。どうしてこんなに差が出るんだろうな? ん?」 月明かりのせいでなく、磯波の顔は、真っ青だった。 「あのっ……あの、提督……!」 磯波はレポートを持つ両手を強張らせながら、何かを伝えようと必死だった。 「これは……そのっ、私……」 「それに聞いたところによれば、何度か他の艦娘と衝突しかけたとか?」 意見しかけた磯波を、僕はより強い言葉で一蹴してやる。 「その衝突が原因で隊は陣形を乱し、結果的に燃料と弾薬を海中に失ったそうじゃないか……」 磯波は口を開いたまま、自分の意見を完全に失っていた。息をするのさえ忘れていそうだった。 「あの日は悪天候だったからな。遠征の報告書には、荒天に伴う高波の影響で物資を消失した、 とされていたよ。正式な報告書には、君の不始末はひとつも上がってきていない。言った通り、 あくまで『噂』だ」 磯波は魂が抜けたような、愕然とした表情のまま、何も映ってはいないであろう瞳をレポート用紙に 落としている。提督である僕と会話していることさえ、否定するかのように。 「だが、君の成績を見るにつけ、一度直接に確認しておかねばと思ってね。磯波、衝突は真実か?」 答える代わりに磯波は、よろけるように半歩、後ろに下がった。 「どうした磯波、答えたまえ」 「……う……わ、わた……」 「磯波! はっきり答えたまえ!」 焦れた僕は、少しだけ語気を荒げ彼女の言葉を再び遮った。それだけで―― 「くぅ、 う……」 どこまでも静まり返った部屋に、たっ、たっ……と、絨毯に雫が落ちる音が響いた。 磯波の、涙だった。 磯波は薄い唇を噛みしめ、必死に涙を堪えようとしている。しかしその意志とは裏腹に、 熱い雫が白い頬に幾重もの軌跡を描いては、カーテンを透かす星の光に輝いた。 「それが貴艦の答えか、磯波?」 僕は椅子から立ち上がると、磯波の方へとゆっくり近づいていく。 「その涙が、僕に対する答えだというんだな?」 静かな僕の怒声に、ひんっと磯波が子犬のように鳴いた。 そしてまるで磁石の同極のように、僕が近づいた分だけ離れようとする。 だが、逃がすつもりは毛頭ない。 「どこへ行くんだ」 磯波の細い手首を、僕はがっしりと掴む。 「いや……あっ!」 磯波はレポートを取り落とし、僕から逃れようと顔を背けた。 「その涙が何で出来ているか、分かって泣いてるのか! 答えろ磯波!」 「うぅっ、は、放してぇ!」 「貴艦が目からこぼしているそれは、何だと聞いてるんだ、僕は!」 抵抗しようとする磯波の手を振り払い、僕はもう片方の手で磯波のきれいに編み込まれた おさげを掴み、容赦なく引っ張った。 「きゃあぁぁ!?」 磯波の悲鳴と散らした涙がきらめいて、暗黒の絨毯へと吸い込まれていく。 「提督ッ! うあっ、痛い、いたいですぅっ!」 「まだ『無駄』にする気か、その涙を、あぁ?」 悲鳴を上げるのも構わず、僕は磯波の小さな耳を引き寄せて、息さえかかるであろう距離で言い放つ。 「貴艦が流しているそれは、戦列を同じくしている駆逐艦娘達が運んできた『燃料』だろうが!?」 抵抗する磯波の体から、ふっと力が抜けたのが、良く分かった。 「日々危険な海域を掻い潜り、やせ細る兵站を何とか維持しているのに……何だ貴艦は? 燃料一滴持ち帰れもせず、ロクな戦果も無いくせに、のうのうと補給まで受けて、更に無駄遣いか!」 返事がない中、「ふっ」と僕は小さく鼻で笑い、もう一言。 「磯波……我が鎮守府はね、常に逼迫しているんだよ。燃料も弾薬も……それに鋼材も」 力の抜け切った磯波の腕を放し、僕は頬を伝う涙を指で掬った。人間のそれと同じく、熱い。 「この涙さえ、一滴も無駄にはできないんだぞ?」 言って、朴は磯波の雫を口に含んで見せた。 塩辛く、ほのかに甘い味が舌に広がり、消えた。 「常勝無敗、そんなもの僕は端から求めていやしないさ。だがね、子供のお使いにも劣るような 近海の輸送任務も果たせず、あまつさえ味方に損害を与えてしまうような艦は……僕の手には 少々余ってしまってね」 「あ……あ、ぁ……」 「君の処遇は、試験運用期間の終わりを待つまでもなく決まりそうだ、磯波。貴艦の意向は既に伺ったしな」 「え……?」 顔を背けたままの磯波が、怯えきった表情で僕を見つめた。 「わたし……まだ、何も」 「何を言ってるんだ、貴艦は。僕は確かに『聞いた』よ?」 磯波の細い肩にぽんと手を突き、僕は笑顔で首を横に振った。 「僕の質問に対して、磯波。貴艦は無言だった。即ち衝突の一件は申し開きの余地無し、と。そうだな?」 ただでさえ青白かった磯波の顔から、さああっと音を立てて血が引いていった。 「ち、ちが――」 「磯波、貴艦は最期に正しい判断をした。衝突した艦を修理するために、自ら一肌脱いで――」 「だめっ……提督! い、嫌……いやあぁ……ッ!」 僕の最後通告は、磯波のか細い悲鳴にかき消された。 硬直したままだった磯波の身体が急にがくがくっ! と震えたかと思うと―― ぽたっ、ぱたぼた……っ。 スカートの下から漏れ出した雫が、絨毯に染みを広がらせていく。やがてその波は勢いを増し―― しゅわああ、あああ……。 あふれ出した温かな金色の流れが、湯気を上げながら絨毯へと降り注いだ。 太腿にも幾筋もの細かな流れが至り、紺のハイソックスをしとどに濡らしている。 「うぅっ、うううう~ッ……」 磯波は絶望とも、解放ともつかない声で呻いた。きつく閉ざされた瞼の間からも、まだ涙が溢れている。 僕がおさげを放してやると、磯波は自分の作った水たまりの上に膝を折りへたり込んだ。 まだ全てが出切らないのだろう。細い肩を震わせ、磯波は両手で顔を覆い、すすり泣いている。 「ふっ、何だ貴艦は。燃料タンクにも欠陥があるのか?」 たった今、体を離れたばかりの生暖かく、そして若々しい磯波のにおいを吸い込みながら、僕は笑う。 「貴艦の姉さん達が聞いたら、さぞ悲しむだろうね。それこそ姉妹などとはもう――」 「いゃ……です……! て、と……く……!」 磯波は顔を覆っていた両手で濡れたスカートの裾を握りしめ、僕を食い入るように見つめていた。 「提……督……! 磯波の、お願いです……!」 そして涙に揺れる瞳に、ありったけの哀願と崩壊寸前の理性を浮かばせ、 「か、解体だけは……どうか……許してください……! えぐ……ひうっ……うぅぅ……」 何とかそれだけを言い切ると、磯波は天井を仰ぎ、静かにすすり泣き始めてしまった。 「すんっ……まだっ、まだ、磯、波は……うあぁ……あぁ……ぁぁ……」 僕の乱暴な扱いに抗ったからだろう。セーラー服はすっかり着崩れ、さらけ出た肩が夜風に震えている。 月夜に照らされながら細い顎を上げて涙にくれる磯波は、船首をもたげて静かに沈んでいく軍艦を思わせた。 磯波は、完全に堕ちかけていた。このまま放っておけば、手を下さずとも次の作戦あたりで 沈むかもしれない。 静かに彼女が朽ち果てる姿を見ていることもできる。だが、僕はそうはしなかった。 ――そうしては、意味が無いのだからね。 「磯波……解体は、嫌か?」 磯波はうっすらと黒い瞳を開き、言葉を知らぬ子供のようにこくっと頷いた。 まだ、魂は生きているようだ。そこは艦娘、歴戦の軍用艦の名を引き継ぐ少女達である。 「そうか……だが磯波、僕は貴艦を今のまま運用することはできない。故に『改造』する」 「かい、ぞう?」 「あぁ、そうだ」 言いながら、僕は磯波の前にしゃがみ込んで視線を同じくした。 「磯波……人にも艦にも、『向き不向き』がある。僕は貴艦らのようには戦えない。しかし、 貴艦らを率い、深海棲艦に立ち向かう術を与えることはできる。『適材適所』とでも言おうか」 「はい……」 磯波は時折しゃくりあげながら、涙声で応じる。僕はゆ磯波が落ち着くのを待ち、続ける。 「磯波、君は艦娘ではあるが、今はたまたま、戦いに『向いていない』だけかもしれない。 ならば、貴艦は生まれ変わらねばならない。貴艦が建造され、進水され、この鎮守府に就役した ことに、意味を持たせる。それは貴艦を『改造』する事のみによって成し得ることだ。分かるね?」 「は、はい……!」 磯波は若い。蒼白だった頬に血色が戻り、何も知らない子供同然の瞳に、月と星の光が再び 差し込んでいる。暴れて着崩れたセーラー服の奥で止まりかけていた心臓が強く動き出して いるのが手に取るように分かった。 僕はよし、と小さく頷く。 「磯波、では早速だが、改造の儀式に移る。深呼吸して、息を整えろ」 「はい、提督!」 磯波は袖で顔を拭うと、言われた通り、二度、三度と胸を開いて大きく息を吸い、少しむせながら 吐き出した。 「よおし、いいだろう」 僕は人差し指を柔らかな磯波の頬に寄せ、拭いきれなかった涙をそっ……と掬い取る。 そしてその指を、ゆっくりと磯波の鼻先へ。 「磯波……目を離すな。僕の、貴艦の提督の、人差し指から」 「はい……」 磯波の黒目がちな瞳が、しっかりと、僕の指先を捉えている。 「貴艦を改造する第一歩、それは、貴艦自信をよりよく知ることに他ならない」 「はい……」 僕はその視線を試すように、ほんの僅かに指を右へ、左へと動かしながら、静かに囁く。 「磯波、僕はこれからひとつ質問をするが」 「はぃ」 「貴艦はその答えを、もう知っている。僕は既に、貴艦に答えを与えている。磯波……いいね?」 「は…………ぃ」 極度の集中からか、磯波の表情は虚ろになりつつも、その唇は既に僕がこれから命じようと してることを鋭敏に察していた。 僕は磯波の正中で、ぴたりと指を止め、問う。 「磯波……貴艦の身体から零れた『これ』は、何だ?」 磯波は答えるよりも早く、そっと唇を開き―― 「んっ……」 僕の指を、優しく暖かな口の中へと運んで、ちゅぱっと涙を舐めとった。 「ん……ふっ……。『これ』は、皆が運んでくれた……燃料、です……提督」 「良い娘だぞ、磯波」 優しく頭を撫でてやると、雲間を抜けた月の光が、ふっと強まった。 カーテン越しに届くその静かで鮮やかな白に照らされた磯波の表情を見て、僕は少し驚いた。 磯波は、笑顔を浮かべていた。 「あ、ありがとうございます、提督……」 思わず細められた磯波の眼から、悲しみや恐怖とは違う涙がこぼれる。 「おっと、磯波?」 「も、申し訳ありません……れろ……んちゅ」 咄嗟に僕が手で受け止めたそれに、磯波は躊躇なく滑らかな舌を這わせ、丹念に舐め取る。 「は、初めて……だったので、つい」 「何がだい?」 「そのっ、提督に……褒められたのが」 磯波は僕の手を取ったまま、はにかむように小さく、口もとだけで笑った。 瞳からまた涙がこぼれるのを防いだつもりだったのかもしれない。 ――成程、健気で……想像以上に早い『仕上がり』だな。 「磯波……!」 次の段階の到来を感じた僕は、へたりこんだままの磯波の足元へと手を伸ばした……。磯波ちゃん×提督6-853に続く
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/159.html
前回の話 0600時 目覚ましの鳴る前に目が覚める。 視界に入ってきたのは普段と異なる天井だった。 「知らない天井だ……」 などと数日前イムヤ達と視聴したアニメのセリフを口にしながらここが今まで使っていた居室ではないのを思い出す。 「ちょっと重たい……ってまぁ当然か」 俺の上では昨晩排卵日でありながらがっつり中出ししてしまった熊野が抱き付いたまま眠っていた。 その寝顔は幸せそのもので、かわいい寝息を立てている。 「熊野、可愛いぞ……」 「ん……おはようございます提督」 こちらがキスをしようと思ったら熊野に起きられてしまった。 でも、おはようのキスをするのは変わらないからこのまま続行だ。 「おはよう、ん……ちゅうっ」 「んん……あんっ……提督のオチンポが……」 「あ……そうか……」 昨晩はあの後、二人で思いっきり甘いトークをしたあとそのまま寝てしまったんだよな。 要するに俺の肉棒は熊野の膣内に収まったままというわけで、しかも朝勃ちしているから熊野が感じるのも当然だった。 いかん、俺の上でムズムズしている熊野を見ると……。 「熊野、このまましちゃおうか……」 「勿論、よろしくてよ」 そのまま、夜戦突入ならぬ朝戦突入してしまった。 当然、昨晩に続いてそのまま中出し……嗚呼、俺も熊野も朝から元気だよなぁ。 0700時 朝からいたした後、ひと風呂浴びてから朝食をとりに食堂へ向かう。 熊野と腕組んで歩いていると、第六駆逐隊の皆と出会った。 彼女たちもこれから朝食らしい。 「司令官、熊野さんおはよう!」 「ごきげんようなのです」 「おはよう」 「はわわっ、おはようございますなのです」 うん、皆いい挨拶だ。 「あー、司令官と熊野さんが腕組んでる。私も腕組んじゃうんだからね」 俺と熊野が腕組んでいるのを見た雷が俺の左腕に自分の腕を絡ませる。 「電も……司令官さんと一緒なのです」 「司令官、いいかな?」 すると、電ちゃんと響も服の左袖をつかんできた。 「暁はいいのか?」 「お、お子様じゃないんだからそんなにベタベタしないわよ!」 そうは言っても本当は腕を組みたいのがミエミエなのだけど、そこがまた可愛いんだよな。 「暁ちゃん、一人前のレディなら殿方と腕を組んでエスコートするのは当然でしてよ」 「熊野さんがそう言うなら……」 熊野が言うと暁もおずおずと俺の右袖をつかんできた。 だがしかし……。 「これじゃちょっと歩きにくいな……」 「そうですわね……」 「ねぇ、それならじゃんけんで決めない?」 雷の一言に思わずうなずく。 じゃんけんで勝ち残った子が俺と腕を組むならいいか。 そして早速その場でじゃんけんが始まったのだが……。 「うん、やっぱり私達の司令官だけの事はあるわね」 「皆の前でこんな風に抱っこされるなんて……嬉しいけれど少し恥ずかしいですわ」 「はわわっ、高いけど司令官さんが転んだら大変なのです」 「暁がちゃんとエスコートしてあげるんだから」 「司令官の背中……広いな」 結果、じゃんけんは熊野と雷が最後まで勝負付かずでコイントスでようやく決まった。 だけどこれはどういうことだ? 現在俺は熊野をお姫様抱っこしながら雷と電ちゃんを両肩に乗せた上、背中に響をしがみ付かせ暁は右腕をがっしと掴んでいる。 それでいて食堂まで普通に歩いているんだから俺もタフになったよな……。 まぁ、普段から書類が山のように詰まったダンボール箱積み上げたのを手に軽々と歩いているわけだから当然か。 案の定食堂に着いたら、皆から奇異の目で見られた。 「提督ぅー!」 そこへ金剛が一言。 多分、お姫様抱っこして欲しいんだろうな。 「私も肩車して欲しいデース!」 「そっちかーい!」 思わずツッコミを入れてしまった。 ちなみに本日の朝食はトレーに山積みされたホットサンドを熊野と第六駆逐隊の皆で食べることになった。 朝食が終わったら帰還してくる遠征組の報告を聞いてから労ってやらないとな。 大きな海戦も無いみたいだし当面は平和だろう。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/527.html
前回の話 「楽しみにしているよ」 書類に目を落としたままこう言うこの人は一見無愛想に見えるが、 それとは不釣り合いに口角がやや上がっている。 何の面白みもない書類なんかを見ていてそうなっているのではない事くらい、最早私でなくても分かるのではないか。 「……ふふっ」 その差異が可笑しくて、つられて笑いを零しながらも、私は後ろ手に扉の把手を捻る。 今日も提督からこの科白とその内の透け透けな感情を補給し、私は厨房へ出撃する。 それにしても、今までは鎮守府近海を巡回警備する時と同じような心持ちだったこの習慣が、 今はどこか新しい海域へと足を踏み入れるような心持ちになっているのは何故か。 把手を握った時に、昨日まではなかった硬い輪の感触が薬指にあるからに違いない。 …………………… ………… …… 食堂の暖簾を潜る。 遠征に駆り出す艦、鎮守府海域の警備に駆り出す艦、夜戦だけに備えて寝ている艦等、 留守の艦が多いお昼前の食堂は空席が目立つ。 逆に、正午を過ぎてから席が埋まるので僚艦と窓際の席を取り談笑に花を咲かす艦もいる。 料理の仕込み時間をそうやって潰す艦を尻目に、私は厨房に入った。 奥で別の料理を仕込む間宮さんに一声かけてから割烹着に身を包み、まず米飯を作る作業から取り掛かる。 朝のうちに空になった大釜を軽く洗い、米を数えながら釜に放り込んでゆくと、がたがたと何やら騒がしい音が。 「あ、やっぱり大井さんだったっぽい!」 声の方に振り向く。 するとそこには、カウンターから乗り上げるように夕立ちゃんが紅い目を輝かせて私を見つめていた。 椅子の上にでも立っているのだろう。 海戦時では駆逐艦にあるまじき火力を発揮するこの狂犬と思しき彼女も、 こういった場では見た目相応に可愛らしい仕草を見せてくれるので微笑ましい。 唯、これでは椅子ごと後ろに倒れたりしないかが心配だけど。 「あれー? 指に付けてるのなぁに?」 "指に付けてるの"……。 これしかないわよね。中々目敏い。 一応見せて確認してみたが、当たりだった。 少し気恥ずかしいのを抑えようと、私は止めていた作業を再開し、大釜に米を移しながら説明する。 「これはね、結婚指輪っていうの」 「ケッコン? 提督さんに貰ったの?」 「っ……、そうよ」 「ふ~ん……」 沈黙が訪れ、私が釜に米を移す音だけが響く。 自分から聞いておいて反応はそれだけ? さっきの旺盛な好奇心はどうしたのか。 夕立ちゃんに目を向けていないので、夕立ちゃんがどんな顔をしているか分からない。 しかし、そんな状態は数秒で終わりを告げる。 「ケッコンしたってことは大井さん、コドモできるっぽい~?」 「こっ……、子供!?」 ――この子はいきなり何を言っているの!?―― 突然の事に対応できず暫し言葉が詰まる。 飛躍しているとしか思えないその話について行けず夕立ちゃんを見やったが、 夕立ちゃんはあくまでも"今言った事の何がおかしいのか"という顔で不思議そうにしている。 見た目相応……なのかしら。 もう少し知っていてもおかしくはない筈。 この子の中では子供は例えばコウノトリが運んでくるという事にでもなっているのだろうか。 いやそれよりも。 私と、提督の、子供……子供……子作り……。 ……っ!! 「あっ、あの提督と、こ、子供だなんてそんな……、それに艦娘なんだから子供なんてできる訳……」 一杯一杯だった。 ひたすらに釜に米を放り込む作業に没頭する事で、せり上がる顔の熱を忘れ去ろうとするしかない。 その結果……。 「あ、あの、大井さん? お米、少し入れ過ぎでは……」 「えっ?」 いつの間にか背後に寄っていた間宮さんの指摘によって、熱を忘れる事は出来た。 しかし、私は大事な事まで一緒に忘れてしまっていたのだ。 ――お米、何合入れたんだっけ―― …………………… ………… …… 「……今日のご飯は柔らかいな」 提督は、カレーとご飯を共に掬ったスプーンを一回口に運んだだけでそう呟いた。 分かっている。 杓文字で掬った時の感触で不安が溢れんばかりに滲み出てきたのだ。 食べなくても分かる。 そこまで分かっていてもその評論から反射的に自衛するように、 私はこの人と同じように自分の皿にも盛った物を睨みながら言い訳を零す。 「夕立ちゃんが悪いのよ……」 「夕立がどうした?」 「あっいえ! なんでもありません、うふふ」 こうやって自分の失敗を認めたがらないところは私の短所だと思う。 理性の蓋が少しだけ開いて自然と口をついた言い訳は、今回は完全には聞かれなかったらしい。 私は口角を上げて取り繕った。 すると提督は、首を少しだけ傾げてからまたスプーンを口に運び、顔を綻ばせる。 「カレーはいつも通りよく出来ているな」 「どうも」 ――食べなくてもいいのに食べるのね―― この人は、柔らかいと評したくせにそれを口に運ぶ。 罪悪感が湧くも、それ以上に優しいんだか甘いんだか分からない提督の態度に、心の奥底で私は救われていた。 私も目前の失敗作を処理するべく口に運ぶ。 ……やっぱり水が少し多かった。 これはあまり他の艦には出したくないが、捨てるのも勿体無い。 「あれっ、提督さん、指輪は~? これじゃ子供、できないっぽい~?」 「は? 子供?」 私が調理の後片付けやら提督を呼んでいる間に食事を済ませたらしい夕立ちゃんが、 子犬のように無邪気に声をかけてくる。 しかし提督もまた、犬の言う事は分からない――悪意がある訳ではなく――とでも言うような反応だ。 「ごめんね? 提督も大井さんも。ほらっ夕立行くよ」 姉妹艦の時雨ちゃんが、えーだの待ってよーだの不満を零す夕立ちゃんを引っ張っていった。 あの二人には食事が済んだら出撃の準備をするよう指示が出ている。 私達も早めに食事を済ませてその準備にかからなくてはいけないのだけど、 肝心の提督はどう反応したらいいかで悩んでいるようでスプーンを置いてしまっていた。 「……あはは……、夕立は大分子供だなあ」 そう苦笑いして提督は肩を竦み、左手をやれやれと言った具合に上げる。 しかし、私は夕立ちゃんや時雨ちゃんの事なんかとっくに頭から抜け、提督の左手を凝視していた。 ――確かに付いていない―― 「さあ、自分らもさっさと食べ――」 「提督はどうして指輪を付けていないんですか?」 夕立ちゃんが指摘して、そこに初めて気付いたのだ。 自分の事ばかり考えていて浮かれていたのが原因か。そんな事にも気づかなかったなんて。 夕立ちゃんが指摘した顔のように、提督もまたきょとんとした顔で私を凝視している。 「ああ……、その指輪は上が艦娘用に作った物でな。提督用なんてのは用意されていないんだよ」 なるほど。 上層部としては艦娘の性能上昇が目的である筈だから、コストを増やして提督用の物まで作る理由はないのだろう。 しかしそれが理由になると思ったら大間違いだ。 私ばっかり浮かれていて提督がこれでは、私が一体誰と結婚したのか、別に忘れはしないが証は必要だ。 「明日、提督の分も一緒に買いに行きましょう?」 「は、いや、そんな時間は……」 時間はない? 無理矢理割いてしまえばいい。 書類なんかその後で幾らでも書ける。 少し語気を強めて再度説得にかかる。 「……行きましょうね?」 「……分かったよ」 まだ何もしていないのにもう疲れた表情をしながらも、提督はやはりその中に笑みを隠していた。 隠れてないけど。 こんな私にここまで付き合うこの提督は中々に物好くだなあ、と自分で思う。 「……あ、そういえば艦娘って、子供作れるんですか?」 「私が知ってる訳ないだろ」 まあそうか。 そんな事を知ったところで普通は何も成さないのだから。 艦娘は人間ではない。 それでも、軽い気持ちで少しの希望を持つのもまた、悪い事じゃないし。 「それなら……」 仮に、もし仮にそれが可能だとしたら。 色々と大変な事も付いて回るかもしれないけど、 それでも、それ以上にこの幸福の更なる彩りになるかもしれなくて。 希望を捨てられる程私は捻くれていなくて。 皿に盛られたカレーライスを半分程食してくれたこの人の面白い反応を見たくて。 言うだけなら自由でしょう? 「私達で新しい艦、作ってみます?」 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/35445.html
聖者提督 ラプソディ・パルテノン UC 光/闇/火 (6) クリーチャー:イニシエート/アーク・セラフィム/ハンター/エイリアン 5000 ■ブロッカー ■相手の呪文の効果またはクリーチャーの能力によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、墓地に置くかわりにバトルゾーンに出してもよい。 ■このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中にある多色カードをすべて自分の手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に戻す。 作者:翠猫 DMSPP-01「伝説、豪傑、再集結!スーパー・ヒーロー・パック」収録。種族はイニシエート、アーク・セラフィム、ハンター、エイリアンの4つ。 多色カードをサーチできる提督。ブロッカーも持つ。 《希望の守り手ラプソディ》と《聖霊提督セフィア・パルテノン》の合体カード。 関連 《希望の守り手ラプソディ》 《聖霊提督セフィア・パルテノン》 収録エキスパンション DMSPP-01「伝説、豪傑、再集結!スーパー・ヒーロー・パック」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/96.html
前回の話 「第二次攻撃隊、稼動機、全機発艦!」 瑞鶴の声と同時に多数の艦載機が敵艦隊を蹂躙していく。 主力艦隊にはまだ練度が劣るとは言えそこは最新の正規空母 相手に空母がいなかったということもあり、あっさりと制空権を抑えた後 アウトレンジからの攻撃で次々と巡洋艦や駆逐艦が沈んでゆく。 そして第二次攻撃隊の帰還を待たず突撃していった他の艦娘たちの攻撃により あっという間に戦闘は終結した。 「どうした瑞鶴、MVP取った割には機嫌が悪いな」 「だって相手は軽巡と駆逐艦の艦隊でしょ、勝って当然じゃない」 「まぁ戦力差で言えば確かに圧倒的ではあったが味方に被害が出ないに越したことはない、よくやってくれた」 「う、うん……」 瑞鶴の視線の先では帰還時の恒例とも言うべき頭撫でが駆逐艦たちに行われている。 中には子供扱いしないで欲しいという娘もいるので嫌がる相手や年長組には『基本的には』していないが 「あーずるいなー。鈴谷もなでてよー」 「お前もか、別に構わんが」 「へへー」 こういう例外もいたりする。 「……(ぐぬぬ)」 思い切り不機嫌な顔でその様子を眺め、自分もなでて欲しいという言葉を必死に飲み込む瑞鶴。 (ず、瑞鶴は正規空母なんだからっ!!) そう自分に必死に言い聞かせる、が…… 「提督、翔鶴姉達が帰ってきたみたいよ」 主力である第一艦隊が帰還する。 そういえば瑞鶴が秘書艦になってから第一艦隊の報告に立ち会うのは初めてだ。 (やっぱりみんな風格あるよね……翔鶴姉もすごい馴染んでるなぁ) 歴戦をくぐり抜けてきたという自信からくるオーラのようなものを感じて正直圧倒される。 「提督、第一艦隊帰還した」 旗艦長門の報告に口元を緩める提督。 「ご苦労、圧勝だったそうだな。翔鶴が小破か、ゆっくり休んで疲れと傷を癒せ」 「はい」 何気ないやり取りの中にある確たる信頼関係とやはり自分はまだ子供なのかという悔しさを感じる。 (……頭撫でられたいなんて思ってるようじゃダメだよね……もっとがんばらなk) 「ヘーイ、テートクゥー!」 「どうした金剛?」 「どうしたじゃないネー、いつものアレして欲しいネー!」 「はいはい」 と、提督は金剛に近寄り ナデナデ 「は?」 瑞鶴が小さく間の抜けた声を上げる。 「やっぱり帰ってきたらこれがないと落ち着かないネー!」 (ま、まぁ金剛さんは普段から思いっきり行動に出てるしね……) ナデナデ 「へ?」 「そんな……榛名にはもったいないです……」 金剛に続いて頭を撫でられ顔を赤くする榛名。 (は、榛名さんも、ま、まぁ……ね) 思わぬ光景に内心動揺しまくる瑞鶴。 ナデナデ 「へへっ……ありがとね」 (えっ、北上さんも!? 提督大井さんに刺されるよ!?) ナデナデ 「連合艦隊の旗艦を務めた栄光に比べれば微々たるものだが、貰っておこう……か」 頬を微妙に赤らめて呟く長門。 (長門さん!なんかカッコいいこと言ってるけど表情がセリフと逆ですよ!?) ナデナデ 「……良い作戦指揮でした。こんな艦隊なら、また一緒に出撃したいものです」 (一航戦ッ──────!!!) そして最後に ナデナデ 「うふふ、瑞鶴が見ている前だと少し恥ずかしいですね」 (し、翔鶴姉まで………!!) 「では解散!」 その言葉と同時に部屋を出ていく6人。 「じゃあ瑞鶴、私ドックに行ってくるわね」 そう言って翔鶴も出て行った数分後。 「提督さんのバカァ─────!!!」 ワナワナと体を震わせた瑞鶴の罵声と同時に理不尽な暴力が提督を襲うのであった。 「ふん……なによ……提督さんのバーカバーカ……チェッ」 膝を抱えて自室の部屋の隅でいじける瑞鶴、そしてその態勢のままゴロリと横になる。 (翔鶴姉のあんな顔……今まで見たことなかったな……) 頭を撫でられている時の翔鶴の顔、普段自分に向けてくれる笑顔とは違う 気配りのある自慢の姉がみせていたのはまるで恋する─── 「ああもうっ! なんなのよー!!」 提督に八つ当たりしていた時もそうだったが胸がざわざわする。 他の艦娘たちと触れ合っているところを思い出すとさらにざわざわは酷くなる。 わかってはいるのだが認めたくない、だからこんな言葉が口から出てしまうのだ。 「提督さんのバカ……」 枕を抱き締めながら自分がして欲しかった事を想像する。 以下妄想 「提督さんっ! 瑞鶴頑張ったよ!」 「よくやったな瑞鶴」 ナデナデ 「えへへ……提督さん」 「ん?」 「大好き(はぁと」 「俺もだよ瑞鶴」 提督が瑞鶴の唇を塞ぐ。 ちょっとびっくりするけど提督のするがままに任せる。 空いている手で抱き寄せられ、頭を撫でていた手は徐々に下に下がり…… 「あっ……提督さん! そこは……」 「ダメか?」 「……ううん。提督さんなら……いいよ」 気がつくと瑞鶴は自分の指を下着の中に入れ、自慰をしていた。 「提督さん……んっ……提督さん……」 妄想の中で瑞鶴は提督に純潔を捧げる。 指使いがだんだんと激しさを増し、瑞鶴の口から押し殺した喘ぎ声が漏れる。 「やっ…! 提督さん! 瑞鶴、イっちゃうっ……!!」 自身の奥に指を突き入れると同時に瑞鶴の体がビクンと跳ね、軽く絶頂に達する。 ハァハァと息を整えながらボンヤリと自分の愛液にまみれた指を見つめる瑞鶴。 そしてノロノロと体を動かしティッシュで指とアソコを拭き、再び枕を抱きしめる。 (この枕が提督さんだったらいいのに……) しばらくしてそんなことを思いながら先ほどの自分の行為を思い出し、自己嫌悪に陥る。(………く) (なんで素直に言えないのかな……こんな性格じゃ好きになってなんか……もらえないよね) いつも何かしようとしては空回ってばかりいる気がする。(……かく) (それに翔鶴姉にも……ううん、ほかの人にもどうせかないっこないし……) はぁ~と深くため息をつく(…いかく?) (だけど、少しくらい気づいてくれたっていいじゃない) そう思いながらまたいつもの言葉をこぼしてしまう。 「提督さんのバーカ……」 「瑞鶴?」 「瑞鶴、提督と何かあったの?」 背後から翔鶴の声がして文字通り飛び上がる。 「しょ、翔鶴姉!?」 お風呂上がりの翔鶴がいつの間にか瑞鶴の背後に立っていた。 湯から上がったばかりでほんのりと肌の上気している翔鶴は同性から見ても艶かしい色気を醸し出している。 「べ、別に……何も……」 「あら、提督のこと呟いてるからどうしたのかしらって」 「へ……? ……翔鶴姉……どのくらい前からいたの?」 「5分くらいかしら、瑞鶴ったらちっとも気づかないんだもの」 つまり5分間ずっと恥ずかしい妄想をしていて気づかず、独り言を聞かれていたということだ。 「イヤァァァァァァァ!!」 真っ赤になった顔を枕にうずめてジタバタと転げまわる瑞鶴 クスクス笑いながら見守る翔鶴をよそに10分ほど転がっていた。 「落ち着いた?」 「う、うん……」 転げまわっている間に翔鶴がいれてくれたお茶を一口飲む。 「あ、あのね……一つ聞きたいんだけど……」 「あら、あらたまってどうしたの?」 「そ、その……翔鶴姉って……提督さ、て、提督のことどう思ってるのかな……って」 「そうね~、提督のことは好きよ? というよりここの鎮守府にいる娘達はみんな好きなんじゃないかしら」 なんともないかのように答える翔鶴に瑞鶴は盛大にずっこける。 「え、いや! そ、そうじゃなくて、そう言う意味の好きじゃなくて!」 「?」 「あの……その……い、異性として……その……ゴニョゴニョ」 顔を赤くして口ごもる瑞鶴に翔鶴はあぁ……という笑顔を向ける。 「そうね、正直に言うと困ってしまうわね」 「え、どういうこと?」 予想のしていなかった答えに瑞鶴の顔が?になる。 そんな瑞鶴に翔鶴は笑顔のままで爆弾発言をかました。 「だって、妹と同じ人を好きになってしまっているんですもの」 「……へ?」 全く表情を変えない翔鶴とは対照的に瑞鶴の顔がみるみるうちに赤くなってゆく。 「そっそそそそそそんなことないっ!!」 「あらあら」 そんな瑞鶴の様子を楽しそうに見ていた翔鶴だが、少し真面目な顔になり、瑞鶴の手の上に自分の手を乗せ静かに尋ねる。 「本当に……そうなの?」 「…………」 瑞鶴は目を逸らして黙りこくってしまう。 「だ、だって……どうせかなわないから……翔鶴姉みたいに強くないし。む、胸だってゴニョゴニョ」 「それはあなたの気持ちとは全然関係ないわよ?」 「う……」 「提督のこと、好きなんでしょ?」 ………コクン 「うふふ、素直でよろしい」 畳を見つめながら瑞鶴は考える、姉妹だというのにこの余裕の差は何なんだろうと。 「気持ちってね……多分ちゃんと言葉にしなければ伝わらないものなのよ」 そう言う翔鶴は優しく語りかけてくる。 でも、と瑞鶴は思う。そう言うなら翔鶴はもう提督に対して…… 「翔鶴姉は……もう提督にそのこと話しちゃったの?」 少なくとも提督からはそういう感情は見受けられなかった、と思う。 そんな瑞鶴の言葉を聞いた翔鶴は困ったような笑顔を浮かべて答える。 「それがね、まだなの。私だって怖いのよ。拒絶されたらどうしようって」 お淑やかな雰囲気の中にも凛とした強さを持ち、一航戦にまで実力を認められた姉の意外な言葉に瑞鶴は目を丸くする。 「し、翔鶴姉ならそんなこと……!」 「ふふっ、私も瑞鶴と同じなのよ。思っていてもなかなか素直に言い出せない」 と、何かを思い出すように天井を見上げる。 「翔鶴姉?」 「ん……違うわね。一回だけあったわ、素直に気持ちをぶつけたこと」 「そうなの?」 「ええ、前に加賀さんのこと瑞鶴から言われたことあったでしょう? それで思い出したの」 その頃着任したばかりの翔鶴は正規空母という肩書きに見合った戦果を上げられず 当時秘書官であった加賀からは名指しで 「五航戦の子なんかと一緒にしないで」 と言われていた。 そして言い返せない自分が情けなかった。 かつて付けられた被害担当艦という不名誉なあだ名を思い出させるかのように出撃するたびにドックに入る日々。 今の瑞鶴にとっての翔鶴のように頼れる人もおらず、鬱々とした感情が溜まっていった。 そんな感情がその日ついに爆発した。 いつものように中破し、惨めな姿で帰ってきた翔鶴は暗い気持ちで戦闘詳細を報告した。 いつものように優しく労いの言葉をかけてくれる提督。 だが隣に立っていた加賀の視線が、翔鶴には冷たく自分を見下すものに思えてならなかった。 そう思った瞬間言わずにいられなかった。 自分なんていてもいなくても変わらない なんでボロボロの自分にそんな優しい言葉をかけるのか、いっそ罵られたほうがマシだ 他にもひどい言葉をたくさん言った気がする。 もう自分でも何を言っているか分からずに気がついたら泣いていた。 それと同時に提督が優しく抱きしめてくれていることに気づいた。 何も言わずに頭を撫でてくれるその暖かな感触にまた涙が溢れ 今まで溜めていたものを吐き出すように提督の胸でわんわん泣き続けた。 泣き止んで我に返り、慌てて周りを見ると執務室には自分と提督しかいなかった。 加賀はどこに行ったのだろう? 恐る恐る尋ねると「多分演習場」という答えが帰ってきた。 「何故?」という翔鶴の問いに笑いながら提督は答えた。 「あいつも昔は今のお前と同じだった。だがお前よりも強い今も必死に自分を高めようと努力し続けている。何故だかわかるか?」 「わかりません……」 「怖いからだ。きっと翔鶴は強くなる加賀は思っている。 だからこそ一航戦……単なる先輩としての意地に思えなくもないが お前にとっての目標でありつづけようと人一倍自分を律しようとしている」 まぁ口調がきついのはあの性格だから仕方ないが、と付け加える。 正直信じられなかった、加賀が自分をそこまで評価しているなんて。 だが、ある日演習場で加賀の訓練を翔鶴は目にする。 通常の訓練が終わった後も居残り 発着艦と攻撃指示を反復し続ける姿を。 自分の思い通りに艦載機を操る、それがどれだけ難しいかは同じ空母である翔鶴にもわかっていた。 見ている間一切気を抜かずにより早く、より速く、より正確に 鬼気迫る表情で訓練を続ける加賀を『美しい』と思った。 そして自分は一体何をやっているのだろうと。 最新の正規空母であることによる慢心があったことは否定できないが それ以上に覚悟の段階で彼女とは埋められるはずのない差ができてしまっていたのだ。 (もう迷わない、いつかきっとこの人に追いついてみせる) そう決意した翔鶴の足は自然と演習場に向かっていた。 「………」 並んで訓練を開始した翔鶴を加賀は横目でチラリと見ただけだった。 その視線を気にすることなく加賀に負けじと艦載機を発艦させる。 そして宣言する。 「いつかきっと……加賀さんに追いついて、追い抜いてみせます!」 「……五航戦の子には負けないわ」 加賀はそっけない声を返した。 だが翔鶴は確かに見た、ほんの一瞬だが加賀が微笑んでいたのを…… 「その時からかしらね……全て受け止めてくれた提督を好きになって 加賀さんからだんだん『五航戦の子』って言われなくなっていったのは」 翔鶴の長い話を聞いた瑞鶴は黙りこくっている。 自分にもし翔鶴姉がいなかったらどうだったろう。 きっとその時の翔鶴姉と一緒で耐えられなかったと思う。 そして自暴自棄を起こしたであろう自分を提督は受け止めてくれるだろうか。 (きっと提督さんは受け止めてくれるんだろうな……) 明確な証明などできるはずもないが、瑞鶴はそう確信していた。 だから好きになってしまったのだろう、姉と同じように。 「翔鶴姉……」 「なに?」 「瑞鶴も頑張る……翔鶴姉達に追いつけるように!!」 「うふふ、期待してるわ。瑞鶴……でも今は夜間だから訓練できないわよ?」 今にも飛び出しそうだった瑞鶴が固まる、そうだ……空母は野戦無理だった…… 夜戦……という言葉で以前提督の言葉を勘違いした記憶が蘇る。 (提督さんと夜戦……) さっきの妄想が脳裏をよぎり、真っ赤になりながら頭をぶんぶん振って追い出そうとする。 「瑞鶴……大丈夫?」 「だ、大丈夫……そ、それと……その……提督さんのことは……」 「そのことなんだけど……」 翔鶴はニッコリ笑って一言。 「どうせだし、今から二人で言いに行きましょうか?」 「へ……? え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!? な、なんで!?」 「せっかくの機会だし……それに私もまだ一人で言う勇気がないもの」 「え……う……い、いや……その……」 有無を言わさず姉に腕を掴まれて瑞鶴はズルズルと引きずられていくのであった。 「え~と……これは……瑞鶴?」 「う、うぅ~……」 執務室に入った二人が目にしたのはまるで誰かに爆撃でも受けたかのような惨状の執務室と 床で大破して気を失っている提督だった。 「こ、これは……その……」 癇癪を起こして全力で提督に爆撃を浴びせた瑞鶴は状況の確認もせずに 「提督さんの大バカァァァァァァァァ!!」 と叫びながら飛び出していってしまったため、提督がどんな状態かわからなかったのだ。 「怪我はそこまで酷くないわね。気を失っている……というより眠ってしまっているようだけど」 「……う」 「あ! て、提督さん!?」 うめいた提督が目を開き、周囲を見回す。 「提督、大丈夫ですか?」 「……翔鶴と瑞鶴か……まぁ、少し体は痛むが。最近寝不足だったからそのまま寝てしまったようだな」 ほっと胸をなでおろして謝ろうとする翔鶴を瑞鶴が止めた。 「あの……提督さん。……ひどい事してごめんなさい」 提督の正面に正座し、涙を浮かべながら瑞鶴が謝る。 もしかしたら大怪我を負わせていたかもしれない、改めて部屋の惨状を見てそう思う。 「……ふぅ、二度はごめんだぞ?」 「……はい、ごめんなさい」 「さて、じゃあ提督はドックに連れていきましょうか」 「……いや、医務室でいいだろ」 提督の反応は至極真っ当なものだ。 そもそもドックは艦娘用のもので原理はよくわからないが傷や損傷を高速で癒すことができる。 確かにそのよくわからない効果で傷は早く治るかもしれないが普通は男子禁制の場所だ。 「大丈夫ですよ。今日は私が最後でしたから今は誰もいません」 「いやしかし……」 「ほら瑞鶴、そっちの肩を持って」 「う、うん。わかった」 「いや、お前ら人の話を」 と言いたいところではあるが正直体に力が入らない。 抵抗する間もなくドックに到着。 「ちょっと待て、わかった。ここで直すからその手をどけろ」 提督の声に焦りの色が浮かぶ、原因は二人が自分の服を脱がそうとしていることだ。 なんとか歩ける程度には感覚が戻っている。 流石にこれ以上させるのは風紀上望ましくない。 タオルだけ受け取ると器用に前を隠して服を脱ぎ、危なっかしい足取りで湯船に歩いて行った。 半裸は見られているがこの際仕方あるまい、さすがに体が限界だった。 湯船に浸かると不思議な感じが体を駆け巡る。 これがドックの効果かー……などど考えながら体の感覚を確かめる。 体ははほぼ動くようになった、傷や火傷はまだ痛むがそれは時間に任せればいいだろう。 もう少ししたら出るか、と考えていたところでガラガラと脱衣所の扉が開いた。 「はい?」 そこにいるのはバスタオルで体を包んだ翔鶴と同じくバスタオルで体を覆い、顔を赤くした瑞鶴だった。 「おい、お前達は別にドックに入る意味がないだろう。それに俺はもうすぐ出る。入るならそのあとにしてくれ」 笑顔でそれを無視しつつ翔鶴は湯船に入り、提督の隣に座る。 そして遅れて瑞鶴もその反対側に座った。 「……なんなんだ一体……」 「本当に提督……あなたという人は、鋭いのか鈍いのか未だによくわかりません」 いつにもまして静かな瑞鶴は姉よりも体を密着させてくる。 完全に離脱するタイミングを逃した提督は諦めたように背を湯船につけた。 しばしの間静かな時間が流れる。 「……あのね」 「ん?」 瑞鶴が口を開く。 「瑞鶴が勝手に怒って提督を爆撃したのはね……その……瑞鶴も、頭なでて欲しかったから……」 提督の頭の中が今日の出来事を掘り起こす。 そういえばなでられていないのは瑞鶴だけだ。 ただ、言わなかったのでそういうことをされるのは嫌だと思ったからであった。 ただでさえ爆撃してくるし、とはいえ チャプン、という音ともに提督の右腕が湯から出て瑞鶴の頭をなでる。 「濡れた手で申し訳ないけど、な」 なでられている瑞鶴の方はというと、真っ赤な顔をしながらもおとなしくそれを受け入れている。 「うふふ、良かったわね瑞鶴」 「……うん」 姉の言葉に素直に頷く瑞鶴 「さて、それじゃ俺はそろそろ上がる」 そう言って湯船を上がるがなぜか二人共付いてくる上に洗い場の方に誘導されてしまう。 「いつもの気を使っていただいているお礼にお背中流させていただきますね」 「瑞鶴は……さっきのお詫び」 提督とて男だ、二人の態度が何を示しているのか完全に分からないほど愚かではない。 だがそれは彼自身の決めたルールを破る行為に他ならなかった。 「すまないが「提督」 提督の言葉は翔鶴の言葉で遮られ、彼女の体が背中に密着する。 「提督……私はあなたが好きです。ずっと前からお慕いしていました……それに瑞鶴も」 その言葉と同時に斜めから瑞鶴が提督の体に細い腕をまわす。 「うん……瑞鶴も提督さんのことが好き……大好き」 力はそれほどでもない、だが振りほどくことを躊躇われるほどの意志がその腕に込められていることを感じる。 再び静寂に包まれるドック内、提督の声が静かに紡がれる。 「お前たちの好意は嬉しい、と思う。だがそれ以前に俺は提督だ。 特定の部下と関係を持ってそれが指揮や士気に悪影響をもたらしてしまっては本末転倒になってしまう」 ある程度好意に気づいたとしても応じなかった理由がそれだろう。 (ほんとに頑固なんだから……) 瑞鶴としてはもっと職権乱用してもいいと思ってるくらいだ。 だが、翔鶴はにっこり笑いながら全く予想外のセリフを紡ぎ出す。 「提督も意外と甲斐性がないのですね」 「は?」 「『提督ならば艦娘の10人や20人養ってやる』位のことを言ってくださってもいいと思いますよ?」 さらりととんでもないことを発言する翔鶴。 要約してしまえば『YOUハーレム作っちゃいなYO! 誰も邪魔しないからSA!!』ということだ それに、と翔鶴は言葉を続ける。 「提督ならきっとうまくできますよ、それどころか絶対に守りたい人が鎮守府にいて自分たちの帰りを待っていてくれる。 こんなに嬉しいこと、そしてこれ以上ないくらいに士気を高めてくれる事はありません」 「…………ッ!?」 逡巡する提督の唇に突然柔らかいものが触れる 瑞鶴が目一杯の勇気を振り絞って提督の唇を奪ったのだった。 舌を入れるとかそういうことはなしに、ただただ自分の思いをぶつけるかのように提督に口付ける瑞鶴。 ようやく唇を離すと真っ赤になりながらも真っ直ぐな目で提督を見つめる。 「瑞鶴も絶対翔鶴姉や加賀さんみたいになるために頑張る ……だけど強くなりたいのはそれだけじゃなくて……その、提督さんやみんなを守りたいから」 「瑞鶴……」 今までの彼女とは違う、どこか吹っ切れた迷いのない瞳でそう宣言する彼女を見つめる。 「提督」 「ん?……んんっ!?」 今度は翔鶴に唇を奪われる。 「お願いします。提督が私たちを受け入れてくれたように今度は私たちが提督を受け入れたいんです」 唇を離すと穏やかな中にも譲れない強さを秘めた目で提督を見つめる翔鶴。 「……負けたよ。憲兵でも軍法会議でもなんでも持って来い」 「提督!」 「提督さん!!」 本当に嬉しそうに提督の体を強く抱きしめる二人。 「~~~~っ!!」 ムクムク 「どうしたの提督さん……ってきゃあ!」 提督の視線がそらされたのを見て視線を下げた瑞鶴の目に入ったのは すっかり元気になってタオルの下からこれでもかと主張する提督の分身の姿だった。 「仕方ないだろ、俺だって男なんだから……それにお前達みたいな美人に抱きつかれたら普通はこうなる」 (お前達? って瑞鶴のことも美人って言ってくれてるんだ……!!) 翔鶴が美人なのは瑞鶴から見たって一目瞭然だ。 そんな姉と同じに見てくれている、それが嬉しくてますます提督の体にしがみつく。 提督からすると後ろからは翔鶴の体全体、特に背中に二つの柔らかいものが強く押し付けられ さらに前からは今まで見たことがないくらい素直になった瑞鶴の若々しい肌が密着して これで体に興奮するなというのが無理な話だろう。 思う存分提督の体に抱きついた二人が提督の前に移動しタオルを取り外すと 下からはすっかり固くなり反り返った肉棒が現れる。 「これが提督……殿方の……」 「お、思ってたよりおっきい……」 「あんまりジロジロ見ないでくれ……これでもかなり恥ずかしいんだ」 目を逸らしながら言う提督を無視して瑞鶴に尋ねる翔鶴。 「ねぇ瑞鶴、どうしてさしあげるのが一番いいのかしら」 「えっ!? そ、そこで瑞鶴に聞くの!?」 「ごめんなさい、私よりは知っているかなって」 「そ、その……確かこうされると気持ちいいって書いてあったかな……」 そう言いながら瑞鶴はおずおずと肉棒に舌を這わせる。 舌が触れた瞬間、ビクッと肉棒が震える。 「あら、提督。大丈夫ですか?」 「あ、ああ……その、気持ちいいぞ瑞鶴」 褒められて嬉しくなり日々の妄想で培われた技術を提督の分身にぶつけていると 反対側から翔鶴も肉棒に舌を這わせ始める。 「ん……ペロッ……これでよろしいのですか?提督」 「うっ……あ、あぁ……」 ある意味目の前の光景は天国である。 あの美人の鶴姉妹が自分のモノをこれ以上ないくらい愛おしげに舐めてくれているのだ。 これで興奮しない男がいようか、いやいない(反語) 口や舌捌きは当然ぎこちないが、そんなことはおつりが来て有り余るほどに目に映る光景は扇情的だ。 提督とて一応健全な男子だ、その光景とまるで取り合いをするかのように竿や亀頭に与えられる刺激は 限界を迎えるに十分すぎるものだった。 「うっ…二人共離れろ!」 だがその言葉に二人は従わず、唇を亀頭に押し付け舌による攻撃で止めを刺した。 ドビュルルルルッ!! 白い液体が先端から吐き出され、二人の顔を汚してゆく。 目を閉じ、逃げずに受け止めた二人がゆっくりと目を開く。 「これが……提督の子種」 「し、翔鶴姉!?」 瑞鶴の顔についた精液をゆっくりと舐め取ってゆく翔鶴。 その背徳的な光景は精を放出したばかりのソレを再び固くするのに申し分のない光景だった。 「提督さんの……また大きくなってる」 「し、仕方ないだろう」 「提督……」 「翔鶴?」 うっとりとした顔を提督に向けながら翔鶴が自分と瑞鶴がまとっているタオルを外し 「お願いします……どうか次は提督のお好きなように……」 正直そこからはよく覚えていない。 理性の切れた頭で本能のまま二人の体を貪った。 唇を奪い、体中に手を這わせ、秘所に舌を這わせた。 指を入れ、豆を弄り、二人が喜びに悶える姿をぼんやりとした頭で見つめていた。 そしてそそり立ったモノを入れようとした時ふと迷ったことで少しばかり我に返る。 (こ、この場合……どっちを先にすればいんだ) 息を荒くして絶頂の余韻に浸ってた翔鶴が提督の様子に気づくとニッコリと微笑む。 「提督、瑞鶴から先にしてあげてください。この子がいなければ今日こんなことをする勇気、出ませんでしたから」 そう言うと翔鶴は瑞鶴の足を開け、割れ目を指で広げる。 綺麗なピンク色のそこはヒクヒクと蠢き、物欲し気なよだれを垂れ流している。 「ぁ……やぁ……恥ずかしいよぉ……」 顔を赤くする瑞鶴だが、抵抗は全くしようとしない。 頷いて瑞鶴に近づき、先端を割れ目にすりつける。 それだけの刺激で瑞鶴の中からさらに愛液が漏れて先端に絡みつく。 「じゃあ行くぞ瑞鶴」 「……うん」 「よかったわね瑞鶴。でも提督、私にもちゃんとしてくださいね?」 「ああ」 そう言うとゆっくりと瑞鶴の中に侵入をはじめる。 「あっ……くっ……痛っ」 「うっ……瑞鶴、力を抜け」 「で。でも……」 痛みに顔をしかめる瑞鶴の頭を翔鶴の手が優しくなでる。 「大丈夫よ瑞鶴。私もいるから、ね?」 「ぁ……翔鶴姉……」 抵抗が弱まった瑞鶴の中をゆっくりと進み、やがて先端が処女膜に達する。 少し力を入れるとプチンという感覚とともに結合部から初めての証である血が流れる。 さらに用心深く肉壁をかき分け、コツンという感触とともに肉棒の先端が瑞鶴の子宮に達した。 「全部入ったぞ……瑞鶴」 「あ……提督さん……グスッ……嬉しい」 痛みと嬉しさで涙を流す瑞鶴の目尻に優しく手を伸ばし涙をぬぐい取ってやる。 「それじゃあ……動かすぞ」 「うん……提督さん……瑞鶴の中でたくさん気持ちよくなって……」 ゆっくりと腰を前後に動かす、瑞鶴の中はきつく肉棒を締め付けて気を抜くとすぐにでも果ててしまいそうだ。 何度か往復するとだんだんきつさが薄れ、それと入れ替わるようにやわやわと肉壁が優しく全体を包み込み 愛液を潤滑油としてグチャグチャと卑猥な音が結合部から漏れ始める。 それと同時に瑞鶴の声にもだんだん喘ぎ声が混じり始める。 頭を撫でていた翔鶴の手は今は優しく瑞鶴の乳首や肉芽を刺激し、その度に瑞鶴の体はビクンと跳ね キュウキュウと提督を締め付ける。 「あっ!ダメ翔鶴姉!!これ以上されたら瑞鶴おかしくなっちゃうッ!!」 「いいのよ、おかしくなって」 そう言ってさらに瑞鶴の体に刺激を与える翔鶴。 提督の方はすっかり馴染んだ瑞鶴の中に容赦なく自分のものを叩きこんでいる。 全身に与えられる快感に瑞鶴はあっという間に絶頂に上り詰めてく。 「あっ……!やぁっ! 提督さん…翔鶴姉……! 瑞鶴、もう……もうっ────!!!」 瑞鶴の膣内がギュウっと欲望を締め付ける。 「クッ……瑞鶴!!」 その刺激を存分に味わおうと一番奥に叩きつけ、先端が子宮を叩いた瞬間 ドクンッ!! 大量の熱い白濁液が瑞鶴の一番奥に放たれる。 「ふぁぁぁ……あったかいのがいっぱい……入ってくるよぉ」 その感覚を瑞鶴は本当に嬉しそうな表情で受け入れていた。 ズルッ…… 精を吐き出した肉棒を瑞鶴から引き抜き翔鶴を見ると 「……ん……はぁ……すごい」 瑞鶴の痴態を見ていた翔鶴はぎこちなく自分の秘所に手を伸ばしていた。 普段の彼女からは全く想像できないその光景に再び元気を取り戻していく欲望。 (我ながら業が深いな、人間ってのは全く) そんなことを思いながら翔鶴を抱き寄せる。 「ぁ……提督」 赤らんだ顔で翔鶴は提督の顔を見て小さく頷く。 瑞鶴の血と愛液、そして精液で汚れた肉棒を翔鶴の割れ目に押し当てる。 優しい表情で頷く翔鶴に笑みを返して今度は昇格の中に挿入してゆく。 瑞鶴ほどではないがやはりきつい、だが翔鶴は必死に声を上げずに痛みに耐えている。 ズブズブと肉棒が翔鶴の中を押し分け、彼女の処女膜を突き破る。 一旦そこで侵入を止め、翔鶴の息が落ち着くのを待つ。 「て、提督……私は……大丈夫ですから」 「そういうわけには行かない、それに仕返しをしたがっている奴がそこにいるぞ?」 気丈な言葉を放つ翔鶴にいたずらっぽい笑みを投げかける。 「え?」 いつの間にか余韻から復活した瑞鶴がやわやわと翔鶴の胸を揉みしだく。 「ひゃう!? ず、瑞鶴?」 「さっきのお返し、それに翔鶴姉にも気持ちよくなって欲しいし……」 そう言いながら今度は胸にくちづけ、赤ん坊のように翔鶴の乳首を赤ん坊のように吸う。 「あんっ……ふぁぁっ!!」 翔鶴の気が上にそれている間に徐々に腰を動かす提督。 その場で細かく動かしていると緊張がほぐれてきた翔鶴の中から愛液が溢れ 徐々にスムーズに動かせるようになったのを確認すると不意に一番奥まで突きこんでやる。 子宮を叩いた瞬間キュンと中が締まり、危うく出してしまいそうになるところを歯を食いしばってこらえる。 「て、提督も瑞鶴も……いきなりしてくるなんてずるい……です」 その嗜虐心をそそる表情に反応して大きさを増す肉棒。 「あっ……中で大きく! ず、瑞鶴も……ダメェ!!」 長い銀髪を振り乱してイヤイヤする翔鶴の中を思う存分に提督の欲望が蹂躙する。 「翔鶴姉……可愛い」 そう呟いた瑞鶴は結合部に顔を近づけ、翔鶴の陰核を舌で刺激する。 そのたびに翔鶴の体が跳ね、快楽から逃げようとするのだが腰をがっちり掴んだ提督の腕がそれを許さない。 「やぁっ! こん、な……気持ちいいの……私知らな……あぁっ!!」 結合部は翔鶴の愛液と血でピンク色の泡が立ち、瑞鶴の時と同じグチャグチャと淫猥な音と翔鶴の喘ぎ声が風呂場に響いている。 感じやすいのか既に数回イっている翔鶴が提督に懇願の目を向ける。 「お願い……します……わ、私……もうっ!」 「ああ……いくぞ翔鶴」 提督の方もそろそろ限界だった、腰の動きを早め、ラストスパートに移る。 激しく肉と肉がぶつかる音が響き、完全に快楽に支配された翔鶴の息絶え絶えな声が欲望を刺激し 「翔鶴……出すぞっ!!」 「ああっ……!提督!提督!私も、もうっ!!」 ドクン!! 今日三回目の射精が翔鶴の中で暴れ狂う。 ビクンビクンと大きく体をのけぞらした翔鶴の体が落ち着いた頃 ようやく収まったモノを引き抜くと入り切らなかった精液がゴポッっと翔鶴の中から溢れた。 そして3人は荒い息を吐きながらしばらく快楽の余韻に浸っていた。 それぞれ体を洗い流した3人がドックから出て廊下を歩いているとバッタリと加賀に出くわした。 「あら」 そう言いながら3人を一瞥する加賀。 提督の両脇は翔鶴と瑞鶴がそれぞれ腕をとってしがみついている。 「はぁ……せめてもう少し声を抑える努力をしなさい」 とため息を漏らした加賀の言葉に固まる三人。 風呂場の反響でどうやら外に丸聞こえだったらしい。 「あと提督」 「ハイ」 「提督たるものが率先して風紀を乱す行為をなさるのはどうかと思いますが」 「いや、まぁ……その、言葉もない」 翔鶴があんなことを言ったとはえ、加賀の言うことは正論だ。 「全く……してしまったものは仕方ないですが」 そう言ってすれ違い、廊下を曲がって加賀は消える。 「まぁ……あれが正論だよな」 「ふふ……いいんです。だって提督は言ってくださったでしょう? 10人20人の艦娘くらい養ってくれって言ったら『憲兵でも軍法会議でもなんでも持って来い』って」 「oh! それは本当デスカ!?」 「こ、金剛さん!?」 瑞鶴が驚いた声を上げる。 「お、お姉さま! 飛び出していってどうするんですか!?」 突然登場した金剛の後ろから榛名が現れる。 「榛名、気にすることないネー! 翔鶴サン達に先を越されてしまったと思いましたが その言葉からするとまだチャンスは十分にアリマース!!」 「はぁ……さっきまで提督を取られたって泣いていらっしゃったというのに」 「な、ななな何の話ネ!? 榛名だって思いっきり涙ぐんでたじゃないデスカー!?」 「そ、それは……その……」 「と、というわけで改めてバーニングラァァァァァァ」 「そこは譲れません」 呆気にとられてそれを見ていた3人をよそに提督の胸に飛び込もうとした金剛の体が空を切る。 いつの間にか提督の背後に回っていた加賀が提督を羽交い絞めにして後ろに引っ張り。 危うく金剛は壁の直前で慌てて停止する。 「提督、少しお話が」 「ちょ、ちょっと待て! 引っ張るな!!」 「oh、加賀サン! 抜けがけはずるいデス!!」 「とにかく提督、先ほどの言葉の件について詳しく話していただきます」 そう言って提督をズルズル引きずっていく加賀。 「ふふ、加賀さんも素直じゃないんだから」 「へっ?」 一連の流れに完全に飲まれていた瑞鶴が疑問の声を上げる。 「あら、見てなかった? 提督を引っ張っていく加賀さん、顔が真っ赤だったわよ。さっきの瑞鶴みたいに」 「うっ……え、えっとじゃあ加賀さんて……」 「そうね、私達と同じだったのかもしれないわね」 告白はした。 受け入れてもらえた。 まぁその後がいろいろグダグダだった気がしなくもないが それでもこの人達となら上手くやっていけるのかな そんなことを瑞鶴は思った。 もう昨日までの自分ではない、瑞鶴には目指すものと守るべきものができたのだから
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/597.html
「自分には関係のないことだと思っていました。この気持ちが強さに繋がるとは……。 さすが提督殿、恐れ入りました……ますますあなたのことを知りたくなったであります」 白手袋を外して曝け出したあきつ丸の白い指で、指輪は銀色を主張させている。 黒の装甲に身を包むあきつ丸自身の生身の色もそうだが、光を反射するそれは一際目立っていた。 自分があきつ丸に贈ったそれが、関係ないと言うあきつ丸の答弁を完全に否定してくれる。 今やあきつ丸はここにすっかり慣れたものだが、 一方の自分は全く別世界の陸軍で作られたあきつ丸について、知り尽くしたとはまだまだ言い難い。 自分も益々あきつ丸の事が知りたい。 あきつ丸と紡ぐこれからの日々がどのような走馬灯になるのか、とても知りたい。 自分はそう思っている。 「提督殿も、でありますか」 奇遇な事にな。 するとあきつ丸は白手袋を装備している右手で軍帽のつばを引っ張り、気恥ずかしそうに目元を隠そうとする。 それでも、ふちから左目が此方を覗き込んでいた。 「それなら、自分にいい案があります」 白い左手で右手を掴まれる。 指輪の硬い確かな感触を味わう間もなく、自分は奥の私室に連れ込まれた。 あきつ丸は、施錠した扉に私の体を押し付ける。 木の扉に装飾として施された凹凸の感触が背を刺すが、 一方目の前では、元々の肌に添える程度の白粉を纏った顔が迫っていたのでそれどころではなかった。 「ん……」 唇が柔らかい感触を受け震える。 此奴は昔からずけずけと物を言う奴だったが、口を塞ぐ時までその性格は変わらないようだ。 それでも流石に経験まではそれに伴わなかったようで、 口を他人の同じ物に重ねるだけの行為が初めてである事を教えてくれる。 口でなく別のモノに押し付ける行為はこなしてきたと言うのに、皮肉な物だ。 「っは……。ふふ、提督殿も、こういったことは知らないようでありますね?」 悪かったな。 だが経験がないのはおあいこだ。お前がそうやって私を笑う権利はない。 「別に馬鹿にしているのではない。 提督殿も、こういったことをこのあきつ丸で知ってもらえることを嬉しく思うだけであります」 あきつ丸はこう補足するが、 自分はやはり遠回しに馬鹿にされているような、見縊られているような気がしてならなかった。 だから、可愛いものでも見るような目で私を見詰めるあきつ丸の柔らかい笑みを崩したくなるのは、 当然の道理と言えよう。 その道理に則り、自分はあきつ丸の唇を奪いに行く。 「っ!」 が、頭の軍帽が邪魔をした事でそれは阻まれた。 当たり前だ。 自分もあきつ丸も、軍帽を被っている。 小細工無しで突っ込めばそうなる事は明白だったのに。 顔の角度を傾けて私に挑んできたあきつ丸を見習え。 「っふふ……、落ち着いて。自分は逃げないのであります」 ほら、また笑っている。 もう黒歴史確定だ。今のはノーカンだ。 あきつ丸。やり直させろ。 「お断りであります……。んむ……」 あきつ丸は私の失態を無かった事にはしてくれず、口を啄ばみに来る。 作戦を考えていなかった私と違い、あきつ丸はやはりしっかりと角度を考えて軍帽同士の衝突を避けている。 あきつ丸の作戦に完全に呑まれているようだ。 「ん……、ん……」 とは言っても、幾ら練度を上げようともあきつ丸は戦闘に向いている船ではなかった。 それ故あきつ丸が単独で遂行する作戦はとても慎重だ。 分からないままに求めようとするあきつ丸の接吻には、それがひしひしと表れている。 「ぁ……! はふ、ちゅる、提督、殿っ、んむ、んぁぁ……」 だから、あきつ丸の作戦と言えど、私も参加して先導しないと先へ進めない。 あきつ丸の口をこじ開け、舌を捕まえた。 それを弄ぶと、あきつ丸は驚きながらも拒まない。 あきつ丸の邪魔な軍帽を取る。 陸軍所属のあきつ丸は、今ばかりは本当に私だけのものだ。 あきつ丸の体を反る程に抱き寄せる。 「んっ、ぱ、んむ、ちゅく、ぅぅ、ん……、はー……。っふふ」 どうした。 面白いものを見るような目で。 「自分の熱も提督殿に感化させることができたようだ、と思いまして。 提督殿の激しい一面を知ったのであります」 珍しい事にな。 只、彼方にとってはこんな事は何の価値もない情報だろうよ。 「からかわないでほしい。情報目的などではなく、純粋な気持ちで自分だけが知っていきたいのであります」 分かっている。 自分もそうだ。 だからこそ、抱き寄せたあきつ丸の身体を素直に魅力的だと思う。 堅苦しい言動とは逆にこのふくよかな身を感じたくて、寝具へ導いた。 自分のとあきつ丸の軍帽を脇へ放る。 寝かせたあきつ丸の、自分の軍服と同じような作りの装甲をゆっくりと確実に解いてゆく。 内側の白シャツも完全に開くと、【以下は陸軍により検閲】 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/111.html
前回の続き 海水浴ではしゃぎ過ぎた艦娘たちは早々に夕飯を食べ終え各自の部屋に戻るヒトハチマルマル。 何時もはうるさい食堂で霧島は湯呑に入れたお茶をゆっくりと飲んでいた。普段は姉の金剛に合わせ紅茶を飲むことが多いが、生まれも育ちも日本な彼女はどちらかと言えば緑茶の方が好みだったりする。 「あ、霧島さん。今時間良いでち?」 振り向くと提督が羽織らせたのかぶかぶかの上着を着たゴーヤがピッと背を伸ばして立っていた 「あら、ゴーヤ。体は大丈夫?」「ハイでち!心配かけてごめんなさい」 ぺこりと頭を下げるゴーヤに隣に座るように促す。 「失礼しますでち」「そんなに畏まらなくてもいいわよ?それで何か用かしら?」「あの、てーとくの事まだ怒ってるでち?」 霧島の顔を覗いつつそう聞いてくるゴーヤに 「大丈夫よ、怒っていないわ」 そう返すとニッパとゴーヤの顔に笑みが戻る。 「よかったでち。」「ふふ、ゴーヤは指令が大好きなのね」「ハイでち!」 いつもの調子に戻ったゴーヤに頬が無意識のうちにゆるむ。 「あ、それででちね」「まだ何か?」「今日これから何か予定とかあるでち?」 うーんと考えるがとくにはない。いつも賑やかな姉たちは遊び疲れて寝ているし榛名もそれにつき合わされてくたーっとしている 「とくにはないわ。どうかしたの?」「んと、霧島さんもてーとくとお風呂入りたいって言ってたでち。だから一緒に入ろうかなって」 不意を突かれカッと顔が赤くなる霧島。 「き、聞いていたの?」「ハイでち。」「いえあれは、その…」「じゃあフタマルマルマルに指令室にくるでち、水着忘れちゃだめでち!」 そう言い残すと真っ赤になった霧島を置いて鼻歌交じりに食道から出ていくのであった。 「指令とお風呂…」 つぶやきながら霧島は自室の衣装ダンスから水着を取り出す。彼女は資料庫の整理を提督に頼まれていたためこの水着は着用していない。 ―指令と一緒にお風呂に入る―そんな想像をした自分の少しに緩んだ顔に気が付きパンとほほを叩く。 ダメよ霧島、この鎮守府の風紀を乱しては。そう言い聞かせふぅと息をつく。 「あ、あれ?」 気が付けば指令室の前。手には水着を入れた小さな鞄。時刻はヒトキュウゴーゴー 無意識のうちに指令室に来てしまった。しかも五分前に。今なら引き返せると思いつつもその手は指令室の扉にかかり、開けていた 「霧島さん?早いでちね」「え、ええ」 指令室にいたのはゴーヤのみだった 「指令は?」「今お風呂でち。さ、早く行くでち」 そして霧島はゴーヤに手を引かれ更衣室に消えてゆくのだった 「はぁ…やってしまった」 こんこんとわく風呂に入りつつ天井を見上げる。自分の艦隊に所属する潜水艦と性行をしてしまった。(字面にすると物凄いな) 別段彼女だけを特別扱いするわけには職務上行けないのだが体の関係となってしまへばそうも言えない。どうしたものかそう思案していると急に浴室のドアが開く 「てーとく!」 水しぶきを建てながらお湯に入りさも当然のように提督の膝の上に座るゴーヤ。そして水着に着替えおずおずと入って来る霧島にポカーンと口を開ける提督 「お、お邪魔します」「え、あ、え?」 霧島はちゃぷっと静かに入り提督の左隣に座る。提督はというとぽかんとしながらも霧島の豊満な体に目が釘付けとなっている。 「あ、てーとくの魚雷さんこんにちはでち!」 当然男として反応してしまう物は仕方なくゴーヤの尻の下でムクムクと大きく勃起する提督の魚雷。以前と違い提督は水着など付けていないため直にゴーヤの尻とスク水に当たっている。 ゴーヤが尻をどけ向かい合うように座ると尻の下で隠れていた魚雷が当然霧島からも見える訳で 「お、大きい…これが指令の…」「霧島さん、てーとくの魚雷さんは凄いでち。こうやってなでなでしてあげるともっと大きくなるでち!」「おい、ゴーヤ止めなさ、オウッ!」 提督がゴーヤを止めようとするが不意に霧島の手が竿を握り阻まれてしまう。 ちゃぷちゃぷと霧島の細く白い手が竿をしごきゴーヤの小さく肉付きのいい手が先端を撫で繰り回す。同時に霧島の豊満な胸がギュッと提督の左腕に当たり、太ももではゴーヤのスク水を着た尻が当たる。 そんな状況で我慢が続く訳もなくどっぷりと湯の中に射精してしまう。 「これが、指令の精液…」「それ不味いでち」 湯の中をフワフワと漂う精液を救いまじまじと見つめる霧島と以前精液を口にしたときの感想を言いゴーヤ。そんな中すでに歯止めがきかない提督の魚雷は再び高度を上げる。 「好き勝手すんな!」 と右手でゴーヤの頭を捕まえキスをし、左手で霧島の股間部を弄りだす。 「んちゅ…ふぁ…てーとく…」「や、駄目です。し、しれぇ!」 ばちゃばちゃという水音と共に熱がこもった声が響く。 「ぷは…霧島さん、こんなことをしたんですから覚悟は出来ていますよね」 ゴーヤとのキスを止め隣にいる霧島に声をかける。普段は眼鏡をかけ凛とした彼女とは思えないくらいに溶けきった表情に理性など吹っ飛ばしてむしゃぶりつきそうになるのを堪え最終警告をする。 「は、い。指令…お願いします」 その言葉を聞き提督の欲求が爆発する。左手はそのまま動かしながらかぷっと胸の先端にかぶり付き吸い上げる 「あ、だめ…ん…そんなに吸っては」「ふぁめ?」「しゃべらないでぇ!」 ゴーヤには右手で股間に指を入れ少し荒々しく動かす。 「てーとくぅ!指、キモチイイでちぃ!」 そして霧島の胸から口を離した提督はゴーヤに耳打ちをする。 「ゴーヤ、霧島さんの胸どう思う?」「ふぁ…すっごく柔らかそう…でち」「よし、じゃあゴーヤは右胸を舐めて霧島さんを気持ちよくしてあげよう」「ハイでち!」「二人とも何を話して…」 霧島が言い終わる前に二人はそれぞれ左右のたわわな胸にしゃぶりつく 「あぁあああ!」 当然ゴーヤたちの中に入れている指を動かしながら貪るように胸をしゃぶる。 「あ、やめッ、イッ、イクゥ!」 霧島の股間からお湯とは違う暖かさの水が放たれ気を失った。 「ゴーヤ、次はお前だ」「ハイでち!」 霧島の中から指をだしゴーヤの股を覆うスク水をどかす。ぬめっとした粘液を出す肉穴に硬度を上げた提督の魚雷がゆっくり入ってゆく。昼間に一度経験したとは言ってもまだ幼いそこはきつい。ゆっくりと侵入させてゆくとぶるっとゴーヤが震える。 「痛いか?」「うんん、大丈夫でち…てーとく、もっと深く入れて…」 提督にしがみ付くように密着するゴーヤの頭を撫でながら魚雷はゴーヤの奥深くに進んでゆく。 「此処までか。動くぞ…」「ん」 激しく水音を立てながら互いに求め合う提督とゴーヤ。その音に目を覚ました霧島は無意識に自身の性器を弄っていた。同時に彼に対し愛を叫ぶ姉に対しての引け目を感じていた。 (私なんかが金剛姉様より先に指令とこんなことになるなんて) そんな彼女をよそに目の前の男女の行為は終盤に差し掛かっていた。 「行くぞゴーヤ!」「あ、来て!てーとく!」 ビクンと二人の体が震えゆっくりと結合部が離される。ぽたぽたとお湯に落ちる精液と愛液。 「気持ち…よかった…でち」 くたっと気を失ったゴーヤに提督はバスタオルをかけそして霧島を見つめる。まだ硬度を失っていない。それを見るうちに金剛に対する引け目がすっと消えていく。 「指令、改めてお願いします」「ああ」「私を抱いてください」 その後二人は激しく求めあった。胸を貪りしがみ付き指で性器を弄られ…そして 「行くぞ」「はい」 お湯から出て浴室の壁に手を付き尻を突き出す形になった霧島の性器にゆっくりと提督の肉棒が入っていく。 ゴーヤと違い柔らかくそして優しく包み込むような肉のうねりに直ぐに腰を振りたい気持ちを抑えじっくり入れて行く そして入りきったのを確認しゆっくりと腰を突き出す。そのたびにプルプル震える胸や形のいい尻を鷲掴みにする。 「あ、それダメ、です」 胸を弄りながら突いてやると一層ナカが締まる。そして提督も知らず知らず腰が激しくなる。 「霧島、さん、イきそうだ」「はぁ、ください、指令の、私に!」 ドップリと霧島の中に出し二人はストンと床にへたり込む。 「ヘイ!霧島!こんな時間に何処に行ってたのかナー?」「金剛姉様!?いえ。その…」 自室に戻る途中の寮内でばったりと姉に遭遇してしまった。 「ドックにもいないし心配シタノヨ?」「御免なさい…」 このまま白を切るつもりの霧島だったが偶然ゴーヤがそこを通りかかり 「霧島さん!またいつかてーとくとお風呂入るでち!」 と言ってしまった 「お風呂ネー」「あ、あの姉様?」「比叡!」「ハイ此処に!」「霧島を連行シマス!」「了解」 「え、ちょっと姉様!?あーれー…」 翌日から提督の入浴中に艦娘たちが浴室に侵入、経費に大量のまむしドリンクが追加されたのはまた別の話
https://w.atwiki.jp/eojpsp/pages/483.html
【提督 水還り採用型】 カード名 枚数 火に仕えた魔道師 1 嘆きの見習い僧 1 サイアムの船員 2 女王の急使 2 雲影の私掠船 3 国賊サイアム 1 カデナの動く島 3 サイアムの番兵 2 ティノアの堅門 サルマ 1 ティノアの提督 ベルタ 1 ヴェルザールの歩兵 3 迷い弓の女エルフ 1 木狐の群れ 1 罵士道のゴブリン 1 ゴーリの祭壇 1 コーザスの血団式 1 迷いの羅針霧 1 ゴーリの地割れ 1 アルージアの水還り 2 水の箱篭 1 運用上のポイント 急使でカデナを捨てれば水還りを用いて早い段階でマナロックが可能。 箱篭はなるべくベルタに温存し、同ターンでの派兵で急襲しよう。 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/3652.html
闘翔提督フレシェット P 火文明 (5) クリーチャー:ティラノ・ドレイク/ファイアー・バード 5000 ■自分のコスト5以下の、名前に《オーバーロード》とあるクリーチャーはブロックされない。 ■相手の呪文またはクリーチャーの効果によって、このクリーチャーが自分の手札から捨てられる時、かわりにバトルゾーンに出してもよい。 作者:赤烏 収録 DMWD-07 「ザ・ビッグバン・オリカデッキ OVER LORD」10/13 評価 名前 コメント