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「ってぇ!!! なんだここ!!?」 後ろの方から聞こえる声にみんなが振り向いた。 紬「斎藤……どうして」 斎藤「よっ。最後にやり残したことがあってな。ほれ」 斎藤は懐から何かを取り出すと紬に向かって放り投げた。 紬「これは……宇理炎!」 唯「なんで二つもあるの!?」 斎藤「俺に聞くなよ。こっちはわかんないことばっかりなんだ。ただ必要かと思ってね」 紬「唯ちゃん、これ」 唯「うん……」 紬から宇理炎を受け取る。すると左右の宇理炎が中心で合わさり、太陽のような形となって赤々と燃えている。 それを手に取り、空に翳す。 宇理炎が二つ重なり、新たに生まれ変わった。 その名も、 唯「憂炎!!!!!!!!!!!!!!!!」 太陽のような眩しい様が、笑った時の憂と一緒だから。 和「唯、これもっ!」 和が唯にギターケースを渡す。 唯「ギー太ぁ! お帰りぃ~むちゅう~」 和「なに行ってるのよ。ギー太の方から迎えに来たんじゃない」 唯「そうでした」エヘヘ 唯「ギー太持って来てくれてありがとね、和ちゃん」 和「次から忘れないようにね」 眼鏡越しにウインクする和に笑顔で応え、ギターケースからギー太を出す。 唯「今こそ宿れ……四つの光!!!」 その瞬間、どこかから飛んできた四つの光がギー太に降り注ぐ。それは白いオーラのようになってギー太を纏った。 唯「行くよ!!! 焔薙ー太!!!」 左手に憂炎、右手に焔薙ー太。 もう、何が来ても負ける気がしないっ!!! 堕辰子「私ガ負ケル……?」 唯「あなたこそが元々ここに来るべき存在じゃなかった!!!! 還れ!!!」 憂炎を翳し、焼き尽くす。 堕辰子「ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ」 これが私達が聴く最後のサイレンになるだろう。 唯「いっけえええええぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」 焔薙ー太を振りかぶり、憂炎を纏って堕辰子を切り裂く──── 堕辰子「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」 その声もやがて聞こえなくなり、堕辰子はその存在を消滅させた。 終了条件2 達成 ピキ、ピキ、 冬の水溜まりに張った氷が割れるような音が響く。 唯「空間が…」 その空間を作っていた主がいなくなった為、維持できなくなっているのだろう。 唯「憂! このままどこかに飛ばされても……消えたりしないよね!?」 憂「……」 憂は答えない。 唯「憂っ!!!」 憂「多分……消えちゃうと思う。私が今こうやって存在出来ているのはこの空間のおかげだから……」 律「そんな……」 澪「憂ちゃん…」 憂「でもね。私はいつだってお姉ちゃんと一緒にいるよ。いつだってそばにいるよ。いつだって、笑いかけてるから」 唯「憂……」 ピキ、ピキ、ピキキ 梓「憂……」 憂「ごめんね梓ちゃん。軽音部……入ってあげられなくて」 梓「ううん。大丈夫。純と一緒になんとかやってくから」 純「うん。梓の面倒は私に任せて!」 梓「逆でしょ!」 憂「うふふ」 梓「ありがとね、純を助けてくれて」 憂「えっ……」 梓「あの時純を外に出してくれたの憂だよね」 憂「……うん」 純「ってことは梓を治してくれたのも憂ってわけだ。 ありがとう、憂」 梓「私たちのこと……唯先輩の中から見守っててね」 憂「うん……っ!」 ピキ、ピキ、ビキ──── 憂「こうして喋れるのも後少しか……残念」 唯「憂……」 憂「お姉ちゃんともっと色々なことしたかったな……」 斎藤「なら、すりゃあいい」 憂「えっ……」 斎藤は自分の心臓を親指でつつきながら言う。 斎藤「俺の命を使え。大丈夫だ。赤い水は入ってない。かすり傷一つないからな」 憂「でも……! そんなことしたらあなたが!!!」 斎藤「俺はいいんだ。もう帰る場所なんてない」 紬「斎藤……」 斎藤「さすがに飽きた……」 斎藤「この命も、紬もそうなった方が喜ぶだろうしな」 斎藤「終わらせて……いや、使ってやってくれ」 憂「でも……」 斎藤「迷ってる時間はないぞ!!! そんな荒業出来んのもこの中だけだろう!!! 早くやれっ!!!」 憂「っ……!」 次の瞬間ガラスが割れるような音がし、この世界は終焉を迎えた。 ??? ??? ??? 平沢唯 ─────────── 真っ白な世界でわたしは、確かに感じ取っていた。 三人の存在を。 唯「ごめんね、待たせて」 ───気づくのがおせーよ。全く唯はいっつもそうなんだから 唯「りっちゃん…」 ───まあまあ。唯も色々大変だったんだ。許してあげよう。 唯「澪ちゃん…」 ───斎藤の命、大事にしてって憂ちゃんに言っといてね。唯ちゃん。 唯「ムギちゃん……」 ───私達を、よろしく 最後にそう聴こえた後、わたしの意識はそこから遠ざかった。 ??? ??? ??? 平沢唯一同 ─────────── 唯「ん…あれ? ここは……」 見慣れぬ防波堤、そして広がる海。 律「んあ……はっ!!! 桜ヶ丘か!?」 次々とみんな起き出し、辺りを確認する。 澪「みたことない場所だな……」 紬「ええ。どこかの島みたい」 梓「あっ! 憂は!?」 憂「いるよ、梓ちゃん」 梓「憂~っ!」 純「無事だったんだね!」 憂「うん。斎藤さんがわたしに命をくれたの…」 唯「大事にしてねって、ムギちゃんから」 憂「……うん」 紬「?」 唯「それにしてもここどこだろ~」 律「澪~わかるか?」 澪「全然…」 紬「どこかの資料で見たことがあるんだけど…どこだったかしら」 唯「物知り和ちゃんならきっと!」 和「私も見たことないわね。ごめんなさい」 律「駄目か…」 唯「憂~、ワープとか……」 憂「出来ないよぉ。もう普通の人間なんだから」 唯「じゃあせめてタケコ○ター」 憂「出ないよっ!」 唯「だよね……」 純「まあ帰ることはとりあえず置いといて、泳ぎますかっ!!!」 唯「賛成っ!!!」 この先にまたどんな絶望が待っていようと、みんなとならきっと乗り越えられる。 どうあがいても絶望な世界なら、それに対抗しうる希望をぶつけてやればいい。 それでももし、また失敗したら……。 それでも何回も何回でも私達はやり直すだろう。 あの頃や、今を思い出して。 おしまい 別エンド ※ 憂が堕辰子だとわからないまま堕辰子を倒してしまった後の話でも書こうか 唯「これで全部買えたかな」 手に下げた白いビニール袋にはスーパーで買った材料が顔を覗かせている。 寒い冬空、思い出すのはあの時のこと。 私達があの絶望から脱出してから、3ヶ月が経った。 学園祭をこなし、受験をこなし、後4ヶ月もすればわたしは晴れて大学生だ。 結局大学はみんな別々の場所に行くこととなった。大学に行っても仲間でいよう、そんなありきたりな言葉を言った気がする…。 唯「あ……雪だ」 辛辣と降り注ぐ白く小さな塊。 唯「早く帰らないと……よいしょ、よいしょ……」 重たいビニール袋を一生懸命に抱え、帰路につく。 通いなれた道、それを通るのももう後何回だろうか。後学校へ行くのはもう卒業式ぐらいだろう。 唯「早く帰ってお鍋で暖まろう……」 何かが足りなかった。 みんなも無事に戻って来れた。 学園祭も無事に終わり、受験も全員無事にクリアした。 何も悲しいことなんてない。あの絶望から生き延び、こんなにも幸せな毎日に舌鼓をうってもいい筈なのに……。 唯「うっ……う……」 涙が出た。 時々こうして堪らなく寂しい気持ちに襲われる。とてつもなく大事なものを置いてきた気がする。 わたしという存在がそれを忘れていたのだとしても……。 ピンク色の長めのマフラーは虚しく垂れ下がっている。二人引っ付けば仲良く巻いていけそうな、それくらいの長さ。 でも、わたしにそんな相手はいない。 唯「いない……んだよね」 ようやく家にたどり着いたわたしは雪をはらって中に入った。 唯「ただいま……」 誰もいないのだからこんなものを言う必要もないのだけれど、何故か週間づいている。 鍋の材料を机に置くと、必要なものだけ取り出そうとした。 唯「あれ……」 多い、明らかに一人分じゃなかった。 唯「ちょっと買いすぎちゃったかな……?」 余分な材料を冷蔵庫に押し込めると晩御飯の用意に取りかかる。 唯「作り方は……」 わからない。 唯「……」 なのにどうしてこんなものを二人分も買って来たんだろう。頭がどうかしてるとしか思えない。 唯「…………」 残りを黙って冷蔵庫につめた後、わたしはまた寒空の下に出ていった。 唯「」もぐもぐ…… コンビニで買ってきたお弁当を適当に胃に流し込む。 特別美味しいとも思えない。ただ生きるためだけに食べている。 唯「……まただ……わたし……泣き虫だなぁ……」 リビングの床にお行儀よく体操座りしながら涙を堪える。 唯「っ……うあ……なんで……」 わからない。この悲しみがなんで生まれてくるのかもわからない。 唯「……あれ?」 いぶかしげにカレンダーに近づいて見る。 今日は2月22日、そこに何故かあかぺんのはなまるが彩っていた。 わたしはそれを読み上げる、 唯「ういの……誕生日……?」 誰だろう。親戚にそんな子でもいただろうか。友達にもそんな名前は聞き覚えがない。 でも……何故か懐かしい。 憂という響きが……。 とても……暖かい 唯「…………」 それでも、やっぱり何も思い出せない。 2月22日、わたしにとってはただの平日。 ビリッ───── これが悲しくなる元凶だ、とでも思ったのかわたしはその2月のカレンダーを破り捨て、一足先に2月に移動させてやる。 唯「…………お風呂入ろ」 食べたコンビニの容器をゴミ箱に捨てると、わたしはまた一日を生きるための生活に戻って行った。 了 戻る あとがき サイレンってゲームだからハッピーエンドにはどうしても出来なかったwwwwww なんでこんな曖昧な形になった。 最後に唯達がたどり着いた場所は皆さんもご存知の……あの場所です。 それからどうなるのかは読んだ人の想像に任せるってことで!!!! ご愛読ありがとうございましたっ!!!! ネタばらし まず最初に、物語は繋がっていた。安価で全員生き残ってたらそのまま封印解除→和登場→羽生蛇村になってた。ちなみにこうなると純は外に出てない。 ちなみにこうならなかった要因は律の警察官とのバトルで視界ジャックを過信して撃たれて死んだとこ 律が死んだ時点で一貫ルートは消滅、屍人のEND確定。次の澪の終了条件がなかったのは、律があの後澪を迎えに行き、二人で海送りを見ることになってたから。 ちなみにスポーツコーナーで木のバットを選ぶとその後工具コーナーに行くイベントを予定してて序盤からエクスカリバットを入手出来てた。 梓が純に助けられたところで終了条件達成?となってたのは倒したのが純と言うことと生き残りルートが消えてる為につけてみた 後もう一個のやつも似た理由。 屍人END辺の安価の伏線はそんなもんかな? 封印辺は一人一つの封印を解くのが前提だった。序盤で紬、澪が死んでしまった為に律、唯が全部解きにいった。 赤い川に入った時3回以上長引かせると律が半屍人化して封印解除ならず→最後で焔薙ー太に光が宿らず全滅、ループBADENDってのも考えてた。 ちなみに喫茶SDKの店長は須田恭也 さすがにこれは気づかなかったかな? パラレルワールド的な扱いなんで本当に実在してるかは不明 ジェノサイドENDはゲーム的に通らないと新エンドが見れない為もし4人とも生きていても発動してた。(その時は他のみんなが屍人を倒す描写が付け加えられてた) ちなみに封印解除編で律が死んだのは紬が死んだから。紬が生きていると怪力屍人にならず二人は生還。澪は自力だけど神安価で生還しかけたけど詞を読んじゃったから死亡 ちなみに三人が屍人になったのに戻り、梓が戻らなかったのは 三人→憂、堕辰子が造り出したものだから 梓→現代の生きている人間だから何の要因もなしじゃ戻せない だから梓だけが羽根屍人のままだった。 最後の羽生蛇村編の安価はあんまり物語とは関係なかった。 和の選択で桜ヶ丘に行く、ならその日中にヒントを得て純に心の傷が残らなかったってぐらいですかね。 元々斎藤の設定で異界の時間概念と外は違うって感じでやってたんで1ヶ月伸ばしてみました。すぐ桜ヶ丘に入れても違和感あるし。 電話をかけたのは憂、両方の世界の架け橋になって鳴らした。 まあ大体憂がやってくれましたよ。 唯達が視界ジャックが使えたのは羽生蛇村出身だから 唯には異界ジャック、紬には過去視、律にはNTの視界ジャックを持たせてみた。異界ジャックは異界から来たもの、宇理炎とか封印の場所とかがわかる能力って設定。ちなみに封印解除編で唯は死ない(既にSDK化してる為) 憂は唯達の世界を作ったって言ってたけど実際はそうじゃなくてただ異界から唯達を出した時間が27年後ってだけで桜ヶ丘は堕辰子が作ったものじゃなく実際に存在する世界。 つまり羽生蛇村の唯と桜ヶ丘の唯は別々の平行世界にいて異界を通して一緒になってしまったってわけですね。 羽生蛇村の唯達が異界に飲み込まれる。 斎藤が後を追い紬を助けにいく。 唯達は負けて27年後の世界に飛ばされる そこでまた異界に飲み込まれる 今回の騒動って思ってもらったら簡単かな 今更色々説明したところでどうなるって話でもないしここまでにしときましょう これを見てけいおん、SIREN両方に興味を持ってくれたら嬉しい限りです! あ~これあのSSにあったセリフだわwwwwwwとかたまに思い浮かべやってください
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略歴 読み:よくけんのギザ 種族:人間(ミニア) ギルド"日の大樹"の副首領の男。 外見 粗暴な印象の、咥え煙草の若者。 能力 「翼剣」の二つ名の通り、二刀使い。 ギルド"日の大樹" + 書籍版ネタバレ 首領である灰境ジヴラートを中心に、辺境の過酷なラヂオ鉱石採掘労働をしていた子供たちが手段を選ばず成り上がったのがギルド"日の大樹"である。 手段を選ばず、というのもそのままの意味で、遠くから嫁いでくる若い花嫁を引き取ると見せかけて誘拐し、身代金と交換で二度と見られぬような姿になった花嫁を返す、等の行為を恐らくは繰り返していたものと思われる。 ジヴラートはそんな立ち位置からなんとかして抜け出そうともがいていた。その結果としての六合上覧、起死回生の一手。 しかしその志半ばにジヴラートは死に、粗暴で周囲を傷付けて奪うことしか知らない品性の、無学で幼稚な暴力集団が残った。 彼らは結局利用され、守ろうとした子供たちを傷つけることになる。 ギルド"日の大樹"は陰謀渦巻く六合上覧の渦に巻き込まれ、そして消えていった者達である。 書籍版登場人物 名前 コメント
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マギー 名前:Maggie デビュー:『ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え!』(2004年) 概要 頑固者で冗談好きな品評会用の雌牛。 かつてはディクソン牧場でアブナー・ディクソンに育てられていたが、破産したため楽園農場のパール・ゲスナーのもとで育てられている。 思ったことをズケズケ言うタイプで、ミセス・キャロウェイとは気が合わない。 エピソード ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え! ディクソン牧場の牛たちがアラメダ・スリムに誘拐されたため、唯一難を逃れた雌牛のマギーはパール・ゲスナーの楽園農場に売られることになる。楽園農場は三日以内に750ドルを用意しないと競売にかけられてしまうと知り、マギーはミセス・キャロウェイ、グレイスと共にサム・ブラウン保安官の馬バックに支払いの期限を延ばしてもらおうと旅に出る。 チャグウォーターに到着した一行は、アラメダ・スリムに750ドルの懸賞金がかけられていることを知る。バックは同じくスリムを追う憧れの賞金稼ぎリコに雇われたことで、マギーたちをライバル視する。 旅の途中、競売にかけられたディクソン牧場の近くを通りかかったマギーは二頭に自分の家族がスリムに攫われたことを明かす。マギーだけは品評会の帰りに納屋に入れられていたため捕まらずに済んだのだという。そうこうしているうちに、三頭はスリムと手下のウィリーズを発見する。スリムがヨーデルを歌い出すと、マギーやキャロウェイなど牛たちはたちまち催眠術にかかってしまった。音感がなく唯一催眠にかからなかったグレイスから事情を聞いたマギーは驚く。三頭は引き続きスリムを追うが川で溺れそうになり、マギーとキャロウェイは対立。あくまでスリムを追うべきというマギーに対し、キャロウェイは引き返すべきだと主張する。 翌朝、三頭はウサギのラッキー・ジャックと出会い、ジャックの証言からスリムがエコー・マインにいることを知る。マギーはスリムを捕まえるまで協力し、その後自分は楽園農場を去るという条件を提示し、キャロウェイは承諾する。スリムとウェスリーの取引現場を見たマギーは耳栓をしてスリムを捕まえるが、リコによって逃がされてしまう。彼は賞金稼ぎの傍ら、スリムの足跡を消すプロの悪党であった。 スリムが楽園農場の競売へ向かったことを知った三頭はジャックやバックの協力を得て蒸気機関車で楽園農場を目指す。三頭は楽園農場に汽車で突っ込み、スリムを捕獲。ブラウン保安官が彼を逮捕した。マギーたちの活躍によって懸賞金はパールのものとなった。マギーもキャロウェイと和解し、楽園農場に残ることとなった。 その他 『ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』では、写真撮影の前にミッキーマウスがみんなに号令をかけている場面から登場。ルイーサ・マドリガルに担がれていた。 ディズニー100周年記念作品『ウィッシュ』では、エンド・クレジットに登場する。 登場作品 2000年代 2004年 ★Home on the Range ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え! 2020年代 2023年 ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出 ウィッシュ(カメオ出演) 声 ロザンヌ・バー(2004年) 津田真澄(2004年)
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「男なら…!! おれと一緒に夢を見ねェか…!?」 「おれは今日…"白ひげ"の首を…即ち"世界"を取る!!!!」 尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』の登場人物。 『のび太の海底奇岩城』の殊勲者では無い(そもそもあっちは人ではなく車)。 担当声優は 千葉繁 氏で、少年期は 木村昴 氏(959話以降、それ以前は千葉氏)。 「バギー海賊団」の船長で、ピエロのような風貌から「道化のバギー」の異名で呼ばれている。 ただし本人はその赤鼻がコンプレックスなようで、いじられると激昂する。 初登場回でも部下の「小屋の鍵がつけっぱなしに…」という台詞に「誰がつけっ鼻だァ!?」と反応したり、 「全くの誤解です」を「真っ赤でデカいです」と聞き間違える等、過剰反応な所もある。その割には海賊旗と船首で鼻を強調しているけど。 配下海賊も曲芸師や猛獣使いなどサーカス風の見た目・戦法の者が多く、 陸地で滞在する際はサーカス風の派手なテントが使われている。 悪魔の実「バラバラの実」の能力者で、関節を境に体を自由自在に分離できる。 分離したパーツは空中を自在に浮遊できるが足だけは浮けないため飛行はできず、また足を中心とした一定の領域内から離れてしまうと、 浮遊どころか動かす事もできなくなってしまうという弱点がある(パーツとしての機能は生きているため死ぬ事はない)。 ルフィのように攻撃のリーチを伸ばせる能力だが、打撃を無効化し斬撃に弱い「ゴムゴム」に対し、 斬撃無効化し打撃に弱い「バラバラ」と耐性面では見事に逆の特性を持っており、戦法も格闘のルフィと武器を多用するバギーと好対照。 なお、能力者の実体を捕らえる事が可能な武装色の覇気を持つ攻撃で切られても、 実体そのものが持っているバラバラの実の「切られても死ななない」能力は無効化できないため、ダメージは受けない (実際に武装色の覇気を用いた鋭利な糸で閉じ込めるドンキホーテ・ドフラミンゴの「鳥カゴ」も、 バギーであれば糸で斬られても気にせずに脱出可能と単行本の質問コーナー「SBS」で公言されている)。 また、バラバラになってる状態でも神経はつながっているらしく、作中ではルフィに足をくすぐられたり、 アニオリ回ではサンジの金的を受けて悶絶する描写があった。 直接戦闘ではナイフ、集団戦闘では砲撃を好んでおり、街一つを滅ぼす砲弾「特製バギー玉」や、 それと同じ破壊力を持ちながらも服の間に仕込めるほど小型というトンデモ兵器「特製マギー玉」など兵器開発にも余念が無い。 パーツを捕らえられてもさらに切り離して不意打ちしたり、パーツを組み替えて「バラバラカー」などの変形を実現したり、 空中浮遊を活かして敵を拘束して高所から脳天落としをしたりと、所謂「能力だけにかまけたバカ」と異なり習熟度こそ高いものの、 序盤の敵と言う事もあって作中全体で見れば実力そのものは弱い部類だが、そのカリスマ性は確かであり、大勢の部下を持つ。 古参の部下達も偉大なる航路の前半をどんちゃん騒ぎで航海できる程度には腕が立ち、 後述の事件で名高い海賊達を多数部下に迎え入れた事で、一大勢力を築くに至っている。 また、厳しい監視体制を誇るインペルダウン監獄で看守の目を掻い潜り脱走・潜伏し、 気付かれずに鍵を奪って片っ端から他の囚人達を解放できるなど、実力に反して妙な所で修羅場慣れしている。 恐らくは幸運だけでなくロジャー海賊団所属時代の経験の賜物なのだろう。 他にも、インペルダウン編で身の丈もある戦斧を軽々担ぎながら移動したり、 超常戦争編では手負いのルフィとジンベエ2人をかなりの遠距離に投擲したり、 ルフィの攻撃を立て続けに受けても戦闘を続行できたり、青雉に凍らされてもあまり間を置かず復帰するタフさを備えており、 単に作中世界の上位陣の強さが異常なだけで、バギーも一般人から見れば十分すぎる強さを持っている事が読み取れる。 少年期はシャンクスと共に海賊王ゴールド・ロジャー率いるロジャー海賊団で見習いだったのだが、 敵船から奪った「海底に潜む巨万の富」を示した地図をこっそり独り占めしており、 更に1億ベリーの価値があるバラバラの実の偽物を作ってそれを食べる事で本物を独り占めし一攫千金を得ようとするも、 シャンクスに話しかけられて驚いた拍子に本物のバラバラの実を飲み込んでしまった上に、 地図も海に落としてしまった事からシャンクスを恨んでいる。 上記の件もあり、ローグタウンでロジャーが処刑された日にはシャンクスに同行を持ちかけられたが、断っている。 元ロジャー海賊団という経歴が明かされたのは偉大なる航路の章だが、 東の海の章でも偉大なる航路へ入る経路の海図を持っているなど、伏線はあった。 本人は海軍に必要以上に目を付けられたく無かったため、この経歴は内緒にしているが、後に思わぬ所で暴露される事に……。 もっとも、これが原因で頂上戦争終結後は後述の新世界編の展開になり一躍有名になったのだが。 また、戦争終盤に駆け付けたシャンクス相手にタメ口で話していたことで、 インペルダウンから共に脱獄した高額賞金首達がそこの光景を見てバギーに心酔する事態を起こし、大軍勢を率いるに至った。 無論バギーは実力的にシャンクスに遥かに及ばず、互いに幼馴染み故の態度だったのだが、 以降のエピソードで四皇のカイドウやシャーロット・リンリンの怪物っぷりと作中世界での恐れられ具合が明かされるにつれて、 四皇と対等に話すだけでも、作中世界の一般常識を持つ者から見れば規格外と捉えられて然るべき行為だったことが浮き彫りになっている。 ちなみに「ラフテル」到達前に運悪く病気になってしまった事で手前の島で船を一時的に降りているため、 看病のために共に残ったシャンクス共々「ひとつなぎの大秘宝」を目撃していない。 なお、かつてはあまり財宝に興味のないロジャー海賊団の仲間の方針に苦言を呈しており、 前述のように仲間を出し抜こうとする打算的な行動も取っているが、ロジャー処刑の際は人目を憚らず大号泣するなど、 逆恨みしているシャンクスはともかく、彼らに仲間意識が無かったわけではない。 ルフィの「海賊王になる」という発言に対し、せせら笑うのではなく「夢見てんじゃねェ!」と激昂したのもその表れと言える。 だが、ロジャー由来の麦わら帽子を被ったルフィをロジャーと同じ場で処刑しようとしたのは、果たしてどういう心境だったのか……。 加えて、実はシャンクス同様に年端もいかない頃からロジャー海賊団に身を置いており、 一応西の海出身と分かっているシャンクス以上に出自に大きな謎がある。 + 原作ネタバレ 「東の海編」で初登場し、ある町を襲って財産を略奪していた所に偶然現れた麦わらの一味と交戦。 ルフィのゴムゴムのバズーカで吹っ飛ばされて行方不明になり、残った部下も住民の反撃に遭い町から追い出された。 その後紆余曲折を経て部下達と合流し、麦わらの一味の後を追う形で「偉大なる航路(グランドライン)」入りを決意する。 この際に、ルフィに惚れて彼の追っかけとなった女海賊「金棒のアルビダ」と作中初の海賊同盟を結成している。 「偉大なる航路」ではキャプテン・ジョンの財宝を探していたが、偶然海軍の駐屯所にぶつかってしまった事で逮捕され、 インペルダウンの囚人として「頂上決戦編」に再登場する。 ルフィやクロコダイルといった懸賞金では格上ばかりの海賊達と共に脱獄し、 直後のマリンフォード頂上戦争では白ひげ海賊団に加勢した。 この際に成り行きもあってMr.3と行動を共にするようになり、戦争後には仲間に加えているほか、 上記の経歴がド派手にバレた事で自身よりも格上の脱獄犯達からカリスマと崇められるようになる*1。 アニメ版だと千葉氏のアドリブによる暴走熱演もあり、脱獄や頂上戦争の最中でも色々と面白い事になっている。 「整いました~www マギー玉と掛けまして、水道工事で大活躍と解きます~」 Mr.3「その心は!?」 「皆さんもご一緒に。せーの…」 「「「ドッカーン!!」」」 \バギっちだガネ~!!/\キャプテンバギー!!/\うまいッ!!/ 「新世界編」では、 ロジャー海賊団の元船員 白ひげとの共闘 シャンクスとの関係あり インペルダウンの囚人達を纏めたカリスマ性 以上の事からなんと王下七武海入り。 異名も「千両道化のバギー」に変わり、海賊派遣会社「バギーズデリバリー」を立ち上げて座長の座に就いた。 後に七武海が廃止されて追われる身に逆戻りしたけど この成り上がりにファンの間では動向から目が離せないキャラクターとして注目されていたが、 ワノ国にて長年四皇に君臨したシャーロット・リンリンとカイドウの陥落後、 ビッグ・マムを倒したユースタス・キッドとトラファルガー・ローを差し置いて、 カイドウを倒したルフィと並んで新たな四皇と報道され読者を驚愕させた。 ……部下の勝手な公報で配下扱いされた砂漠の王と鷹の目には当然ボコボコにされたが。 しかし「元ロジャー海賊団かつ四皇シャンクスの兄弟分」という肩書と、バギーズデリバリーで築いたブランド名は両者以上に大きく、 新設された海軍に懸賞金を懸ける組織「クロスギルド」は世界を震撼させる新興勢力として大きく知名度を上げ、 当初は憤慨していた2名も「利用価値がありいつでも切り捨てられるスケープゴート」として、一応バギーを生かす選択をしている。 かくして傀儡として飼い殺しにされるバギーだったが、保守的な考えしかしない2人の海賊活動を見下げ、 同時にバギーは長年胸の内に秘めていた「海賊王になりたい」という夢を再燃させ始める。 ロジャー海賊団在籍当時、財宝にしか興味の無い発言をしていたバギーであったが、 これは幼少期から隣にいたシャンクスがあまりにも有望だったため彼には自分は届かないと早期に諦めていたためであり、 同時にロジャーの望みもシャンクスが後に続くものだと彼を認めていたためでもあった。 だが、上記のロジャー処刑の日、シャンクスはラフテルについて目指すつもりはないと話す。 シャンクスはバギーが知らない何かしらの情報を持っていたようで「(今は)目指すつもりはない」というつもりで言ったようだが、 その言葉は彼こそ敬愛するロジャーの後継者に最も相応しいと信じていたバギーにとっては、 「ロジャー船長の意志をないがしろにした」と見損なわせるのに十分過ぎるものであり、 失望したバギーは彼が共にくると疑っていなかったシャンクスの勧誘を、 「(海賊王を目指さねェ)おめェの部下なんかまっぴらだバーカ!」と蹴ったのであった。 まるでかつて自分が「見損なったシャンクス」の如く、打算と保身しかないクロコダイルとミホークに押さえ付けられている状況で、 やがて二十年以上経った今になってかつての盟友シャンクスが海賊王を目指すような行動に出たという報道を知ったバギーは、 それをきっかけに失ったはずの夢へのモチベーションを爆発させる。 事故であれ偶然であれ、自分はかつて足元にも及ばないと思っていたシャンクスと同列の四皇に数えられている ならば、シャンクスに先んじて「俺が海賊王になりたい」と建前も体面もかなぐり捨てて本音を放った。 当然クロコダイルとミホークには何の準備も計画もない」「赤髪、黒髭、麦わら、全員と戦えとでも言うのか」とリスクヘッジの観点から一蹴されるが、 野心を失った奴らに飼い殺しにされる位ならもはや殺されようが構わないと腹を括ったバギーには脅しにすらならず、 「出し抜きゃいい」と逆に反論を斥け、その言葉を証明するかのように隙を突いて2人を出し抜き、電伝虫を介してクロスギルド全員に布告。 「現状に甘んじた腰抜けどもよ!」 「一番欲しいものに手を伸ばせ!!!お前らにはおれがついてる!!!」 「取りに行くぞォ!!!”ひとつなぎの大秘宝”!!!!」 この瞬間、伝説を生きる男として慕うバギーの宣言にクロスギルドの構成員達は湧き立ち、 組織は全面的に「海賊王の席の奪取」という方向に舵が切られたのであった。 ここにきてバギーはいつでも始末できる傀儡から、下手に排除すればクロスギルドを崩壊させるだけでなく多大な負債を与える鬼札と化し、 ミホークとクロコダイルは競争相手となる四皇に先んじてバギーの扇動力に出し抜かれる形で彼の夢に巻き込まれることになった。 + ゲームにおけるバギー 東の海の章をベースにしたRPG『夢のルフィ海賊団誕生!』ではボスキャラクターとして登場。 原作通りの流れでルフィ海賊団に敗れた後、オリジナルストーリーでリベンジを仕掛けてくる(これは他の海賊団も同様)。 またバギーは登場しないが、町に残ったバギー海賊団残党を扱ったシナリオも用意されている。 マップのあちこちに隠されている加入アイテムを所持しているとシナリオ終了後に対応するキャラクターが加入を申し出てくるのだが、 バギーの場合のみ本人は一言も「仲間になる」と言っていないのにシステムメッセージに無理やり加入させられるというギャグ展開になる。 ちなみにバギーの加入アイテムは「つけっパナ」。 また、本作では周回プレイ時に仲間を離脱させることが可能であり、 各海賊団を仲間にしている状態でルフィ海賊団のメンバーを離脱させると、原作シナリオのボスとしてコンパチキャラクターが登場する。 バギーのコンパチキャラは「バゴーン」という海賊なのだが、 なんと悪魔の実の能力者ではないのに鍛えた肉体でゾロの斬撃に耐えるという無茶なキャラクターになっている。 + 余談 初期案では「ブギー」という名前だったが、尾田氏が連載当時に偶然見ていた映画に同名のキャラクターが登場し、 混同を避けるべく改名した事が単行本のおまけページで明かされている。勿論道化のボギーでもましてや馬糞(バフン)でもない また、この頃は鼻が小さく、耳に届くくらい唇が大きかった。 インペルダウン脱獄時にはカリスマ以外は主要脱獄者達にボロクソ言われたバギーだが、 余程の事が無い限り人の名前を覚えないルフィが序盤のローグタウンでバギーの名を覚えている事が描写された通り、 ルフィはバギーを格下と見なしている一方で、一介の海賊団の長と認識してはいる。 Netflixの実写版では、バラバラの能力が足も浮遊できるようになっている他、 打撃を受けてもサンシャインマグナムのように着弾点を切り離し衝撃を軽減できるなど、強化されている。 MUGENにおけるバギー Mikel8888氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが存在する。 海外製だが、千葉繁氏のボイスが搭載されている。 原作同様に体を切り離して飛ばしたり、上半身と下半身を分離して襲い掛かったりとユニークな技が多い。 AIもデフォルトで搭載済み。 紹介動画(公開場所へのリンク有り) 「バラバラ緊急脱出!」 出場大会 JUS風キャラトーナメント *1 この時、世界政府からはルフィと並んで脱獄事件の主犯として扱われており、 ロジャーの形見に等しいエースを奪還するためにルフィに協力していたと解釈されていた模様。
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ギー達は発達障害ギークハウスの略称です。 エデン名古屋と同じ物件の2階3階に存在しています。 家賃応相談 宿泊応相談 発達障害ギークハウスとは Twitter
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あいしかたをしらないしょうじょ【登録タグ あ 巡音ルカ 曲 融合P】 作詞:融合P 作曲:融合P 編曲:融合P 唄:巡音ルカ 曲紹介 融合Pの3作目。 今回はどこにでもいる普通の少女が抱いている『孤独感』がテーマです。普段は明るくても人を信じきる事ができず、心の中では強い孤独感に襲われているような少女の歌。(作者コメ参照) 歌詞 愛し方もわからないまま あなたへと近づいてみたよ この先には何かがあるの 確かにそんな 予感がするの‥ 諦める事は簡単で 言い訳つければ始末はつく 許してしまうのは 弱さ 意気地なしの私 硝子越しの楽園には 華やか過ぎる彩り 偽りでも手を伸ばした 独りぼっちは寂しい 愛し方もわからないまま 泣き声だけは激しくなって でも聞こえない 耳を貸さない 私に興味は無いのだろう 愛し方もわからないまま あなたを求め始めていたよ 胸の中は薄暗いけど あなたがきっと照らしてくれる 酷く古ぼけた写真には 真似できない様な笑顔 高が知れている未来にも 憧れを抱いてた 私の中に違う 私 今も泣き腫らしている 「助けて欲しい…」「救い出して…」 離れ離れの心 愛し方もわからないまま あなたの手を握りしめていた あなただけが触れられたの 誰も見つけられなかった 私 愛し方もわからないまま あなたの歩幅に合わせてみた 傷ついても構いはしない ただ傍に居たいだけなの‥‥ コメント 歌詞が・・切ないですね・・。ルカに合ってる -- 名無しさん (2011-06-05 17 50 29) 唄がミクになってます~。 -- 名無しさん (2011-06-05 18 31 13) 名前 コメント
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216 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 20 23.92 ID 28GkYxDq0 【唯の秘密】 「私、見たんです。唯先輩がギターと話してるところ」 放課後、珍しく梓から呼び出された。 私は梓の不安そうな顔を見て事を察したつもりだった。 だが、その「事」は私の予想の斜め上を行っていたのだ。 「つまり、唯が完全にギターと会話してるってことか?」 慌てる梓をとりあえず落ち着かせ、私は確認した。 217 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 21 39.41 ID 28GkYxDq0 「は、はい」 「でもなぁ、梓」 「はい」 「今までも唯がギターに話しかけるなんてことはしょっちゅうあったじゃないか。 別にいまさら騒ぎ出すことでもないと思うんだが…」 だが、私の言葉を聞いている梓の顔に、どんどん暗雲が立ちこめてくる。 「澪先輩、それは分かっているんです。だけど今回は…」 「今回は?」 「完全に会話をしていたんですよ」 「一方的な語りかけじゃなくて?」 「そうなんですぅ!」 ふむ…困った困った。 いよいよ唯も精神病院にお世話になる時が来たのか… 218 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 22 25.37 ID 28GkYxDq0 「私がいい病院を紹介しましょうか?」 突然ムギが後ろから声をかけてきた。 「おいっ!ビックリするだろっ、ムギ!」 「あらあら、驚かしてすみません」 あぁ、ビックリした。 ホントに怖いのは苦手なんだから… 「全く…なんでここが分かったんだ」 「テレパシー。ですわ」 「て、てれぱしぃ?」 「えぇ」 「凄いですね。ムギ先輩」 「ウソですわ」 「ウソかいっ!」 220 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 29 18.73 ID 28GkYxDq0 それにしても不思議だ。 ムギは普段ウソなんてつかないのに。 ま、いっか。それより唯のことだ。 「まぁまだ唯がおかしくなったなんて決まった訳じゃないんだから」 「じゃぁ、どうするんですか」 「焦るな梓。ここは様子見が一番いいだろう」 「ぷぅ~」 あぁ…可愛らしく頬を膨らます梓は、なんだかニンジンをほおばり過ぎて 大変なことになってるうさちゃんみたいだなぁ。 あ~かわいい。 「ちょっと、澪ちゃん」 「あっ、ごめんごめん。ボーっとしてた」 「澪先輩。とりあえず音楽室に行ってみましょう」 という訳で、私達は音楽室へ向かった。 222 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 32 23.48 ID 28GkYxDq0 ドアに掛かった私の手を、ムギの手が制止した。 「待ってください。ちょっと様子を見ましょう」 ムギ…お前も悪人になったなぁ。 まぁ、ちょっとだけならいいか。 ってことで、ドアのガラス部分から3人で少し音楽室の中を覗いてみた。 「あれは…唯先輩ですね」 「あぁ、まぎれもなく唯だな」 「ギターを弾いてるみたいですね」 唯は椅子に座ってギターを構えていた。 確かにここから見る限り、ギターを弾いているように見える。 224 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 33 58.42 ID 28GkYxDq0 「でも…何かおかしくありませんか?」 「何がだ?梓」 「唯先輩、手が動いてません。その代わりに口が動いてますよ」 「歌ってるんじゃないのか?」 「ギター持ってるのに弾かずに歌いますかね?」 「確かに…」 その時、ムギが小声で叫んだ。 「2人とも静かにっ。何か聞こえますよ」 耳をそばだてると、唯の声が聞こえてきた。 「…それでね」 これは…? 「うん、ギ―太はどう思う?」 まさか…? 「……そっか。そうだよね。ギ―太はそういう趣味だもんね」 私は梓とムギを見た。 2人は無念ですと言わんばかりの表情で頷いた。 多分私も頷いた。 225 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 38 37.78 ID 28GkYxDq0 「完全に、会話してるな」 「そうみたいですね。やはり病院の手配を…」 「ちょ、ちょっと待て!」 私は携帯を取り出しかけたムギを止めた。 「なんですか」 「その…まだ確証が付いたわけじゃない。もう少し調べないと…」 「ですけど澪先輩、あれはもう…」 まずい、このままじゃホントに唯が病院送りにされてしまう。 「あっ!そういえば律がまだ来てないじゃないか!」 「あらあら、そういえばそうですわ」 「確かに見てないですぅ」 …単純だな。 226 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 43 47.75 ID 28GkYxDq0 「もしかしたら、音楽室の中にいるのかもしれないですね」 「どういうことだ?」 「2人で遊んでるかもしれないですぅ」 …確かに有り得るな。あの精神年齢の低い2人なら。 私達は再び音楽室の前にやってきた。 「どうだ、律はいるか?」 「う~ん、どうやらいないみたいですわ」 「どこかに隠れてるんじゃないのか」 「そこまでは…中に入ってみないと分かりません」 「ムギ、ちょっと覗かせてくれ」 私はムギに場所を変わってもらった。 そして、とりあえず音楽室の中を見える限り探してみたのだが… 「いないな」 「澪先輩」 「なんだ梓」 「突入するですぅ」 「そうだな」 相変わらず唯は1人で口を動かしていた。 227 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 47 25.35 ID 28GkYxDq0 「入るぞ、唯」 一応コツコツと2回ノックをしてから、私達は音楽室に突入した。 「あっ、澪ちゃん。それにあずにゃん、ムギちゃんまで…」 「こんにちは、唯ちゃん」 私達が3人で入ってきたことに、別段驚くこともなく、唯は椅子に座ったままでいた。 私はすぐに音楽室の中を探してみた。 だが、律はいない。 「なぁ、唯。律見なかったか?」 「あぁ、りっちゃんならさっき帰ったよ」 「帰った?」 「うん。風邪かもしれないって」 「そうか…あいつが風邪なんて珍しい」 おかしいな。いつもなら私にメールの一つでもよこすのに。 229 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 53 38.52 ID 28GkYxDq0 「それはそうと、唯。1人で何してたんだ?」 「えっ!?」 しまった。単刀直入すぎたか。 私はなるべく普通な感じで言い直した。 「いや、いつもなら音楽室でぐだ~ってしてる唯がさ、練習してたから珍しいなぁ、と思って」 「あっ、うん、なんか今日は練習したい気分だったんだ」 唯、残念だがバレバレだぞ。 完全に目が泳いでる…何か隠してるな。 「なぁ、唯。最近ギー太とは上手くいってるのか?」 腰をおろしながら私は唯に尋ねた。 「そうですよ、唯先輩。ギターの手入れはちゃんとしてるんですか?」 もちろん、梓とムギにはアイコンタクトで伝えてある。 2人もソファーに腰をおろした。 230 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/24(木) 23 58 08.97 ID 28GkYxDq0 「う、うん。最近すっごく仲いいんだよ」 「そうなのかぁ。それは良かった」 唯の嬉しそうな表情を見て、私は少しほっとした。 「まだギ―太くんとは一緒に寝てるのかしら?」 ムギが間髪をいれずに唯に問いかける。 「うん。最近すっごく喜んでくれるんだよ」 「喜んでくれている?」 「うん、よく眠れるって…」 再び私達は顔を見合せた。 そして、みんな唯の方を向いた。 「ど…どうしたの、みんな?」 その時、私の携帯が鳴り始めた。 231 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 02 12.30 ID ujrxD1f30 電話だ。 携帯を開くと…律からじゃないか。 どうしたんだろう。 「もしもし」 『もしもし、澪かっ!?』 「澪だが」 なんだ、風邪をひいている割にはずいぶんと元気そうじゃないか。 『今どこにいるんだっ!?』 「…?音楽室だけど」 『そこに唯はいるのかっ?』 私は唯をチラリと見た。 唯は不安そうな顔をして私を見ている。 「あぁ、いるけど」 『離れろ!早く唯から離れろっ!!』 電話はそこで切れた。 233 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 07 14.82 ID ujrxD1f30 「何だよ…ったく」 「きゃぁあ!!」 私が携帯を閉じるのと同時に、ムギの悲鳴が聞こえた。 「ど、どうしたんだムギっ!?」 私は声のした方向を向いた。 そして、その光景に目を疑った。 「おい…なんだよコイツ…」 唯の隣に怪物がいて、その怪物にムギが捕らわれていた。 幸い梓は捕まらなかったみたいだ。 「澪先輩、突然唯先輩のギターが…」 「あれになったのか?」 「は、はいですぅ!」 「む~ぎ~ちゃんっ♪」 その時、唯の甘い声が聞こえた。 なんだなんだ、唯までおかしくなっちゃったのか? 234 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 14 42.69 ID ujrxD1f30 「おい唯っ!何をしてるのか分かってるのか!?」 「何って~?」 「ムギを今すぐ離せ!」 「え~、ムギちゃんはギ―太の大切なごはんなんだよ~」 だめだ、話して分かるような感じじゃない。 そうこうしているうちに、怪物ギ―太は大きな口?を開けてムギを飲みこもうと試み始めた。 「きゃぁああ!助けてぇ!」 「ムギ先輩っ!澪先輩、このままじゃ…」 考えろ…考えろ… あれは唯のギターだ。 じゃぁ、あの怪物を動かしてるのは唯なのか? それじゃぁ… 「唯っ!悪く思うなよっ!」 私は唯に渾身の力を込めて、体当たりを食らわせた。 235 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 20 45.27 ID ujrxD1f30 「ふぎゃっ!」 唯はあっさりと吹き飛び、棚にぶつかり、倒れた。 これでどうだ…? 「ダメです、澪先輩!何も変わりません!」 そんな… でも、あんな怪物に立ち向かうほどの度胸は私にはないぞ… その時、再び携帯が鳴った。 私はすぐに取った。律だ。 『澪、大丈夫か!?』 「全然大丈夫じゃないっ!」 『もうすぐそっちに着く。だからそれまで耐えるんだっ!』 「な…無理だよぉ、りつぅ~」 だが、電話はもう切れていた。 怪物は… 怪物は箒を持った梓の攻撃に、多少ながらひるんでいるようだ。 「なんとかするしかないのか…これ」 私は速足で開きっぱなしの掃除用具箱へ急いだ。 237 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 27 56.98 ID ujrxD1f30 「梓!とありあえず箒でばしばし叩くぞっ!」 「はいですぅ!」 私達はムギに当たらないように注意しながら箒で怪物をバシバシ叩いた。 「律が…律が応援に来てくれる。それまでの辛抱だっ」 バタンと音楽室のドアが開いた。 噂をすれば…だ。律がやってきたのだ。 「大丈夫か!?みんなっ!」 「律先輩っ!」 「遅かったぞ、律!」 律は私達の所まで駆けてきた。 238 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 35 30.71 ID ujrxD1f30 後ろには…10GIAの店員さん? 「お、お嬢様!なんてことに…」 店員1人が頭に手を当てて叫んだ。 「大丈夫です。気を失っているだけですから」 すかさずフォローを入れる私。ナイスだぞ、澪。 「そうですか、よかった…捕獲班、急げっ!」 店員の合図と共に、掃除機みたいな機械を持った人たちが音楽室に入ってきた。 「準備できてます」 「よしっ、やれっ!」 「了解!」 店員が機械のボタンを押すと、音楽室が激しい光に包まれた。 私は一瞬、あまりの激しさにくらっとしてしまった。 「てんかん…起きませんよね」 「大丈夫ですよ」 店員の一人がニッコリと答えてくれた。 …イケメンだ。 239 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 40 21.81 ID ujrxD1f30 それは不思議な光景だった。 みるみるうちに怪物は小さくなり、そして最後には消えてしまった。 残されたのは、気を失ったムギだけだった。 「お嬢様!お気を確かに!」 品のいいおじさんがムギに駆け寄る。 …あ~っと、だれだっけ。 「斉藤さん…」 あっ、そうそう、そうだよ律。 「澪…ごめんな、連絡が遅れて…」 「いや、気にすることはないぞ」 「ごめんな、ムギまでこんな目に会っちゃって…うぐっ」 あぁ、律の泣き顔なんて何年ぶりに見るんだろう… なんて感心している場合じゃない。 私は律をしっかりと抱擁してやった。 241 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 49 11.30 ID ujrxD1f30 「唯先輩っ!」 どうやら梓は唯の方に行ったらしい。 「んっ…あずにゃん…?」 唯の声が聞こえる。 よかった、大したことはなさそうだ。 「皆様には、本当に謝らねばなりません」 斉藤さんは私達に向き直し、深々と頭を下げた。 「我々コトブキが極秘に開発していたものなのです、これは」 「極秘に…?」 「えぇ。実のところ、私めもあまり細かいことは知らないのです」 「そうなんですか」 「ただ、小耳に挟んだことはあるのです。何にでも擬態可能かつ、自分の意思をも持つことが出来る兵器…」 「そんな恐ろしいモノを開発しているんですか?」 「いえ、あくまでも噂でしたし、計画自体はもう何年も前に極秘のうちに無くなったと聞いていました。ですが…」 斉藤さんは唯のほうりチラリと目をやった。 「まさか実在していたとは…」 242 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 00 54 42.98 ID ujrxD1f30 「え?唯がその兵器なんですか?」 「いえ、ただ見ただけです」 見ただけかいっ。 「あれっ、ここどこっ?」 唯が目をぱちくりさせた。 「唯先輩、覚えてないんですか?」 「うん…さっきまで教室にいたんだよ、私」 「そ、そんな…」 「おそらく…兵器に操られていたのでしょう。心配いりません。体に障害などはありませんよ」 「よかったぁ…」 梓が大きくため息をついた。 よっぽど心配だったんだろうな。 「あいてて…」 「だ、大丈夫ですか!?」 「なんか背中が…」 や、やばいっ。 私が突き飛ばしたの、忘れてた! 「いや…やっぱり大丈夫…」 ふぅ… 243 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 01 00 38.64 ID ujrxD1f30 「それにしても、律はなんでここが分かったんだ?」 「そうですぅ。律先輩は音楽室に行かなかったんですか?」 私達の質問攻めに、律はあっけらかんとして答えた。 「あぁ、10GIAに新しいスティック買いに行ってた♪」 なんだ、唯のはウソか。 まぁ、操られてたんだから、ウソぐらいつくよな。 「律様が来ていただいてもらって、本当によかった。ちょうど連絡が来ていたことろなんですよ」 「連絡?」 店員が突然話に割り込んできた。 「えぇ、本店から電話が…」 「君、そこまでにしておきなさい」 さ、斉藤さん…怖い… 244 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 01 07 11.99 ID ujrxD1f30 「この件はコトブキの特別機密です。知らないで頂いた方が」 「そ、そうですね。すみません…」 「皆様、この事は秘密にしておいてはもらえませんか?」 なんかやばそうだなっていうことだけは分かったぞ。 「えぇ。大丈夫ですよ。私達、そういうことに興味とかないですし。なにより」 律はムギを見た。 「ムギは私達の大切な友達だから」 「あぁ、そうだな」 「そうですぅ!」 「ムギちゃん、大丈夫かなぁ」 斉藤さんは、顔を下ろしてしまった。 「すまない…本当にありがとう…」 そう、斉藤さんは男泣きをしていたのだ。 246 :ギ―助 ◆CvdBdYFR7. :2009/09/25(金) 01 12 10.73 ID ujrxD1f30 こうして、私達を襲った謎の事件はほどなく解決した。 「なぁ律、一つ質問」 「質問?」 「なんで連絡してくれなかったのさ、10GIA行くって」 「あ…ゴメン。すぐに学校に戻るつもりだったから」 「いいよ、律」 私は律にヒマワリのように微笑んだ…はず。 「あら…みなさまおそろいのようですね」 「ムギちゃん!」 「ムギ!」 よかった…ムギも目を覚ましたみたいだ。 「せっかくですから、ティータイムにしましょうか♪」 もちろん、私達がティータイム楽しんだのは言うまでもない。 Fin
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%97B.png 声 - 豊崎愛生 主人公。マイペースで天然なドジっ娘。 パートはリードギターとボーカル。 ライブではMCも担当。 軽音楽を「軽い音楽」だと勘違いして軽音楽部に入部。 勉強も運動も苦手で、楽器演奏も全くの初心者だったが、意外にも非凡な技量を発揮する。 愛用するギターのことは「ギー太」と呼ぶ。
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愛し <1> 前へ前へと只走る。 何度も後方を振り向きながら。 「一体なんなのよ此処はッ!」 私の『人間』としての人生はこの言葉で終わり、 私の『ヒト』としての人生はこの言葉から始まった―― 見渡せば愴然と広がる穢れ無き純白の雪。 まるで凍っているかの様に聳え立つ木々はそれを纏っていた。 凍える大地に息する者は居らず、ただ存在を否定されていて。 だが、私はそんな場所に居る。 厳密に言うと、私――ではなく、私達、であったが。 私を一心不乱に追いかけてくるそれは。 灰褐色の――犬、ではなくて多分、狼。 その狼は比喩でも何でもなく、私を追っていたのだ。 只、狼は狼でも、私たちの言う狼ではなく、その筋肉隆々とした手足は四足ではなく、二足歩行であって。 それ特有の突き出した口(鼻、と呼ぶべきなのだろうか)からは私が理解できるであろう言葉を吐き出して。 言葉の内容は聞かない。いや、聞けない。 そんな暇なんて無いのだから。 ――ハッ、ハッ 動物特有の息遣いが聞こえる。 その声をだしているのは、紛れも無く私だったが。 きつい・・・けど頑張らないと・・・・あの狼に・・・・・。 「―――――――――――!!!」 後方から狼の叫び声が聞こえる。 さすがに距離が開いているためか、やはり内容は聞き取れないが。 でも、その声量と足音から狼がどれだけ私に近づいてきているのかが分かった。 まだ距離はある――多分、結構・・。 このまま走れば大丈夫、逃げ切れる! いや、根拠は無いんだけどね。 でもそう思わなければ、走らなければ―― あの狼に、喰われてしまう。 「そんなのは絶対に、嫌!」 私はそう叫び、更に足を速めた。 だいたい始まりは何だったのか。 いつもと変わらずに、朝のまだ日が昇る前に起きて。 いつもと変わらずに、まだ回転しない頭を振起し、身支度をして。 いつもと変わらずに、簡単な朝食を作り食べて。 いつもと変わらずに、家を出たはずだった。 でも、目を覚ましたら此処に、異世界にいた。 異世界と私がはっきりと決め付ける理由は2つ。 1つは二足歩行し、人語と思しき言葉を話す狼で。 二つ目はあの双月が――あれ? 余所見したのが悪かったか、雪に足をすくわれて派手に転倒する。 顔から行った。視界を染める、白。 でもこけたからと言って立ち止まるわけにはいかない。 もう限界を迎えている足を、無理矢理に起こす。 速く、遠くへと逃げないとあいつに―――― 「やっと捕まえた。」 ・・・・・・・・・・・・・追いつかれちゃった。 とか考えてる場合じゃなくて逃げなきゃ! 今すぐに足を動かして遠く、遠くへと。 しかしそう思い前を見据えた瞬間には、もう私は狼の腕の中に収まっていた。 「あうっ。」 いきなりの抱擁に、情けない声がでた。 罵声の1つでも浴びせたくなったが、 狼に抱きしめられているという事実が背筋に恐怖を走らせ、声が出ず。 変わりに口から出る、白い吐息。 がしり、と掴まれたから多分密着状態なのだろう 私たち人間とは違う獣特有のふわふわとした毛が私の服に体温を伝えてくる。 まるで、小動物を保護したかのようにその抱擁は優しくて。 それでも理性がこの狼と離れろと言っているのだが。 正直言うとこの毛皮がとても暖かくて・・・離れられなくなって。 いや、私が逃げたくないとかそんなこと言ってるんじゃなくて! もう暖かいならこの狼に喰われても良いなんて思ってるわけじゃないんですよ、決して! まぁ・・・つまり理性は本能に勝てないっていうことですねぇ。 それもそうだ。私の世界での今の季節はまだ夏。 秋を知らせるものなんて何も無かった。寧ろ春の名残がある、そんな初夏だったのに。 もちろん来ている服もそれに合わせた、いかにも涼しげにうっすらと蒼を帯びた半袖の制服で。 唯一救われたのは私の学校の下の服がスカートじゃなかったことかナー・・ いやー・・・・それにしても毛皮って暖かいですよねぇ。 ってそんなこと考えてる場合じゃない! この状況は、なんていうか激ヤバイですよ! 本能を理性で押さえ込み、なんとか体を動かす。 この狼から逃れる為に、必死に手を振り、足では地面を蹴っている・・・つもりなのに。 手はまるで蝶を捕まえる時の様にジタバタとふれ。 足は地面を蹴る前以前に、宙に浮いている。 理由は簡単で、狼の身長が高すぎるだけ。 あー、やっぱり遠近法とかそんなんじゃなかったんだ・・おかしいとは思ってたんだけどね。 それでも抵抗を止めるわけにはいかない。 このまま捕まっていたら何されるか全く分からない。 そう思うと、再び恐怖が戻ってくる。 自分は何も出来なくて、相手にされるがままの状態が。 相手は逃げる自分を、捕まえるために追いかけてきたという過程が。 そして、自分はその相手に――見たこともない種族に抱きしめられているという事実が。 きっと私は此処でこの狼に・・・ そう思った時だった。 狼の口が、開いたのは。 「大丈夫だよ、何もしないから、ね。」 ――――――――――え? そう言うと狼は私をそっと地面に降ろし、抱きしめる力をより一層強くする。 それに比例して背中に感じる、狼が贈ってくる体温であろう暖かさもだんだんと上がってきて。 「寒いんでしょ?ほらもっと僕の腕の中に・・。」 その狼の猫なで声に、私の体は毛皮ににうずまっていく。 状況とか過程とか事実ということは、どうでもよくなっていって。 考えれることは唯一つ。 なんか・・・もふもふしてて気持ちいい。 何時の間にか抵抗をやめていた。 手はだらしなく垂れ、足は立つ為だけの最低限の力しか出していなかった。 今は只、この暖かさを感じていたい。 背中が暖まってきたのは狼の所為ではなく、私自身が熱くなっているのだろう。 この狼に何かを感じて。 それは此処に来てから今まで求めていた「暖かさ」なのだろう。 だからこんなことされても平気なのだと。 そしてこの狼は、良い『人』なんだと。 心からそう思ったのに。 <2> この任務に、失敗は許されない。 もし、失敗すれば、待っているものは「死」なのだから。 心臓は押しつぶされそうな程に、バクバクと鳴っていた。 全身を廻る血はきっと今、全ての要素を右腕に運んでいるのだろう。 呼吸を整えるために軽く目を閉じると、様々なことが思い出される。 前の世界のこと。 此処の世界に落ちてきたこと。 そして、御主人様に拾われたこと―― 目を開け、見据えるものは只一つ。 虚空へと続くその穴を、私は貫かなければならないのだ。 この右手が握っている細長く鋭利な武器で。 穢れを知らない、この右手で―― しかし、もう退けない。やるしかないのだ。 全神経を右手に集中させ、なおかつ左手にも最善の注意を払う。 左手でしっかりと目標を固定し、右手への集中をそのまま指先に以降させ 武器をその暗闇へと伸ばしていく。 手が震えそうになるのを何とか堪え、歯を食いしばる。 多分目は、充血しているのであろうな。 後、少し・・・ほら・・・・・其処ッ! 「もう、逆に緊張するからそーゆーこと言うの辞めてくださいよ!」 「嫌、お前のが本当に気持ち良いから前戯を・・と思ってな」 「前戯って何ですか!前戯って!大体今・・・」 そう言いながらも私に従順なペットである彼女は、 主人である私を快楽へと導くために右手を使って奉仕する。 目は私のある一点を凝視して、一生懸命に。 しかし彼女は只只、右手を上下しているわけではない。 大きな動きから、小刻みに震えるようにする繊細な動き、 そして私が耐えられなくそうになると右手の動きを止める焦らし。 そのテクニックは並大抵の者ができることではなく、今まで何度もこの行為をやってきた証でもあった。 私を喜ばせるために。 私に奉仕するために。 「だから本当に辞めてください!しかもなんかえっちぃですし・・。」 「『えっちぃ』・・・だと。ならば何処がどう『えっちぃ』のか言ってみろ。」 「いや・・・それは・・あの・・・・ていうかもう黙っててください!耳掻き突っ込みますよ」 「あ、そこもうちょい右が良い」 話を聞いてくださいよ・・・という言葉はこの際胸に沈め、耳掻きを小刻みに上下させる。 さっきの話で誤解するような人がいないように話すけど 私は二週間に一度、御主人様の耳の中にこびりついた垢をとる、いわゆる『耳掻き』をしているだけで そんな卑しいことはしていないということをどうか理解して欲しい。 っていうか私誰に向けて話してるんだろ。 この家には、いやこの山一帯には私達以外にはいない筈なのにね。 「しかしお前、『耳掻き』上手くなったもんだな。」 「有難きお言葉で御座います・・・と、この場合は言うべきですか?」 「そういうのはよせ。お前にそんな言葉は似合わねぇよ。」 「『御主人様』って呼ばせてるくせに何を言ってるんですか・・ふふ。」 「別にお前がそう言いたいんだったらそうしても良いんだぜ。 俺もその言葉にふさわしいような姿や性格に『調教』してヤるから・・・な。」 「ひぃー、食べられるー。」 「黙ってろ。」 そんな深い意味がありそうで案外浅い話をしながら右の方の手首を小刻みに動かす。 こりこりこりこりと。 まぁ・・・確かに上手くなったかな。 私がこの御主人様――凶悪犬面犬耳巨躯ないわゆる「人狼」――に『拾われた』ときよりも。 こりこりこりこり 私は少し御主人様の虚空へ続く穴から視線を剃らす。 そこにはやはり凶悪犬面犬耳巨躯な「人狼」の顔がある。 鼻の上に一線のキズを携えた、「人狼」の顔が。 こりこりこりこり その傷を見るたびに思い出すんだ。 あの日のあの時のあの事を。 こりこりこりこり こりこりこりこりこり こりこりこりこりこりこり・・・・ 「痛ぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇ!」 いきなりの叫びにとても驚ろき、思わず耳掻きを放り投げる。 ・・・御主人様が右耳を押さえてうずくまっている・・・。 どうやら私がいろいろと考え事している間に痛いところをやっちゃったらしい。 ぅぉぉ、とか小声で呟いてたりして、物凄くいたそうだが・・・正直面白い。 「ってテメェ何時まで耳掻きしてやがるんだ!そろそろ痛みが気持ちよさを越えたぞ!」 やっぱりダメだ・・・笑いが堪え切れそうに無い。 こうなったら、とことんからかってみよう。 御主人様に笑ってもらう為にも。 「いやぁー、近年稀に見ない良い『犬』耳でしたからつい・・・あ、『狼』でいらっしゃいましたっけ、こりゃ失礼。」 「俺様のことを『犬』だと!どの口がそんなこと言ってやがる!」 「この口ですよー。だって『狼』ってどことなく黒いイメージなのに御主人様は灰褐色ですもん、仕方ないですー」 「な、テメェ!灰褐色は我が一族の誇りなんだぞ!それを・・・」 「いや、そんなこと言っても、地味は地味です。犬耳です。」 「『犬』耳は関係ねェだろうが!・・・こいつ、今日まで生かしておいたがもう我慢できん、今此処で喰ってヤる!」 「ぎゃー私を食べても美味しくありませんよー。」 「ぐだぐだ言ってねーで大人しく俺に食われてろ!」 そう笑いながら、御主人様が私を押さえつける。 こんなセリフを吐きながら1人と1匹の顔は笑っていて 「美味そうだなァ。さて、どこから喰ってやろうか?」 「きゃー。食ーべーらーれーるー。」 いつもの様に『獣ごっこ』を始める。 そんな関係が、ずっと続けば良い。 そう思ってる『自分』は、果たして本当の『自分』なのであろうかと。 変な疑問が、頭を掠めた―― 双月の理由を。 対である意味を。 ある者はこう解釈する。 「互いが互いを照らし合わせるためにあるものなのだ」と。 ある者はこう解釈する。 「一つの器に二つの心が、あるべき姿になったのだ」と。 ある者はこう解釈する。 「双月であるからこそ、意味があるのだ」と。 しかし私は思うのだ。 「ならば二つの内どちらかが欠けたなら―― それはもう『月』では無いのではないか」と。