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ミドル・フェイズ06 徹 では次、沖那先輩ですか? ミドル・フェイズ06 シーンプレイヤー:堅陸沖那 GM さて、間に軽く幕間を挟んで、沖那さんです。 ―― 「いちいち、凝った演出を用意するのね……」 少し呆れたように、老婆が言う。 「あら、『凝る』には、疑うって字が入ってるわね」 馬鹿にするように、道化は応える。 「おばあちゃんには、必要があるとは思えないの」 穏やかな老婆に対し、 「私たちに、必要は必要?」 うふふ、と、赤い唇は言葉を紡ぐ。 「最後の仕上げよ……そして、 なるべくなら、納得してもらいたいじゃない」 いつもの仮面を着飾って。 「私は、泣かない語り部。 泣かないけれど笑いたい」 煙に巻くように、手を振って。 「好きにやらせて頂戴」 物語は進んで行く。 「…………」 諦めたように、老婆は目を瞑る。 ―― GM 以上。 遙 ふむ、語り部の仮面の下、か。 GM では、沖那さんのシーンです。 沖那 ああ GM 侵食率どうぞ。 沖那 (ころころ)3・・・ふむ、私も安定しているな GM ですね。 遙 いいことです。 GM 扉を開けて、中に入ります。 と…… 薄暗い――ここは、舞台裏。 沖那 ふむ GM シルクハットをかぶった人物が、慌てたようにやって来ます。 「急いで下さい、そろそろ幕が上がります」 徹 アクスかブリキだw 沖那 はははw GM 顔は、靄がかかったように……顔があるのに、顔が無いように。 背けた瞬間、忘れてしまいそうな顔で。 沖那 「やれやれ、急がなくちゃ、なら兎だろうに。帽子屋がせかすのか、ははっ」 歩みを進める GM 舞台に上がると…… 幕が上がる。 沖那 「と、いってもあの様子ではどちらかというとノーバディといったところだがな」 GM すすすすす ……。 観客達の拍手……。 どの観客の顔も、見分けはつかない。 沖那 それらを見やり (さて、折角用意してくれたようだからな…一曲ぐらい付き合ってもらおうか) GM ――曲がかかります。 沖那 ん?私の選曲でいいのか? GM 良いですよ。 沖那 ふむ、では 息を吸い 目を閉じ そして、腕を伸ばし それは、私に出来ぬこと ただ、想いは届かず ――――― 僕らの無意識は勝手に研ぎ澄まされていくようだ ベッドの下の輪郭のない気配に この瞳が開く時は心など無くて 何もかも壊してしまう激しさだけ 静かに消えて行く季節も選べないというのなら 白い手袋が闇に浮かぶ 薄桃色の眼が闇に灯る 願いだけが闇に消えた アンインストール アンインストール 僕の代わりがいないなら 普通に流れてたあの日常を アンインストール アンインストール この手で終らせたくなる なにも悪いことじゃない アンインストール 君の代わりなどいるはずもなく 明日を夢見て眠ることも無く アンインストール アンインストール この星の無数の塵のひとつだと 今の僕には理解できない アンインストール アンインストール 恐れを知らない戦士のように 振る舞うしかない アンインストール もう、死ぬことに恐れも無く ただ、ここに君がいないことに怯え 一人孤独に震え ―――だから 沖那 いじょー 今回は、前回使い損ねた2番 GM ……曲が終わり、踊りも終ると、また拍手が巻き起こる。 ぱちぱちぱちぱち、ぱちぱちぱちぱち。 沖那 一礼をし、舞台裏に下がる GM がこん と、電気が消えて…… 彼女と、二人になる。 映詩:「素晴らしかったわ」 軽く、手を叩いて、にこやかに。 沖那 「そう言って貰えるとは嬉しいな」 嬉しげに笑い GM 映詩:「ねぇ……届かない思いを抱きつづけるのは、悪い事かしら?」 沖那 「質問が漠然としすぎて答えかねるが…そもそも良い悪いなのか?」 GM 映詩:「そうねぇ……」 目をゆっくり瞑り、ゆっくり開く。 映詩:「富来克真君……だったかしら」 沖那 「ああ、あってるよ」 GM 映詩:「もう、死んでしまったのでしょう?」 沖那 「ああ」 GM 映詩:「また、会ってみたいかしら?」 沖那 「・・・・・ …会いたい。けれども、会えないと解っている」 GM 映詩:「それは……私たちの為そうとしている形では、納得行かないのね」 沖那 「ああ。どうしても、な。 それで納得できれば私も楽だったのだろうがな」 苦笑して GM 映詩:「何故……と、聞くのは、野暮な事でしょうね」 薄らと、慈愛に満ちたような笑みを浮かべて。 沖那 「ん、そうだな」 GM 映詩:「自分でも、わかってないのでしょうから」 沖那 「まあ、な。くくっ」 そう言って小さく笑い GM 映詩:「少し、夢みる乙女のようなお話をしてみない?」 くすくすと笑って。 映詩:「もし、もしも、よ。会えたのなら、何がしたいのかしら?」 沖那 「そうだ、な。 んー…と、その・・・なんだな」 GM ゆったりと、老婆は返答を待つ。 沖那 「え~っと、ほら…あの、あ~っと、なんというかその、だな… ・・・これではとても言えそうに無いな」 大きくため息を吐き GM 映詩:「あらあら……」 沖那 「まあ、なんだ…愛してると、好きだと。そう伝えたい…なぁ、と」 小さな声でそう何とか言い GM 映詩:「その一言が、中々難しいのよねぇ…… 私も、ずうっと言えてないわ」 沖那 「言った所でアイツだとスルーする可能性がありそうなのだよなぁ…」 GM 映詩:「そうなのよね。取り合ってもらえなかったら、恥ずかしくて仕方ないもの」 車椅子に体重を預けた老婆は、共感するように言う。 沖那 「まったくだ」 GM 映詩:「片想いは……辛いわ」 沖那 「ホント…まさか自分がこうなる時が来るなどとは思ってもいなかったよ」 GM 少しの、間。 何か聞きたい事があれば、どうぞ。 無ければ進めます。 沖那 んーーー…聞きたいことが無いわけでは無いが、聞かないでおく GM ですか。 沖那 それこそ野暮だからな GM 映詩:「……何故、私達の前に、貴方は立ち塞がるのかしら?」 沖那 「仲間のためだな。 茂野と玉響は、まだ両方生きている。 折角だからきちんと添い遂げてもらいたい。 八月朔日は頑張り屋だからな。 一人で仕事させるわけにもいくまい。 上成は、アイツが死んだときに泣いてくれた。 そんなアイツが助けたい人がいるなら、手伝わなくてはならない。 まあ、そんなところだな」 GM 映詩:「そこに、自分の意志が無くても……届かない言葉を抱いたままで、 そんな曖昧なもののために、頑張るのね」 首を振って。 映詩:「いいえ、それこそが貴方の意志、かしら……」 沖那 「そう、かもな」 GM 映詩:「自分の意志。 そんな滑稽な言葉も無いけれど……届かなかったところで、 抱くだけで人は動ける……」 まどろむように……。 この老婆は、何を抱いているのだろう? 映詩:「……昔話、聞いてくれるかしら?」 沖那 「構わないよ。長くなるなら、そう。お茶でも飲みながら聞きたいかな」 GM 映詩:「そうね……」 音も無く、二匹の猫がお茶を持ってくる。 …… 一人の少女がいました。 彼女を取り巻く環境は、がんじがらめでした。 旧き過去から連綿と続く、家と名前による束縛。 凝り固まった思想、身動きの取れない思惑。 少女は生まれた瞬間から、人生を決定付けられていました。 彼女の生まれた家は、没落の一途を辿る最中でした。 それは、まるで世を鏡に写した絵のように。 周りの大人達は必死でした。 継いできたものを、次へと繋げようと。 長く紡いで来たものを、自分達が断ち切ってはいけないと。 だからその少女は、結ばれる相手も他の誰かに決められて。 おおよそ今までの先祖がそうして来たように、自らもまた。 その家と名前を紡ぐ事を、選ばされました。 選ぶ。 こんなものは選択とは言えない。 しかし。 選んだ事にされた。 少女は、人間なんか嫌いでした。 少女は、世界なんか大嫌いでした。 少女は、自分なんか大々嫌いでした。 少女は、何もかもが大々々嫌いでした。 そして、それが少女の僅かな矜持でした。 夢なんて無い。 ここから見える景色全てが薄汚い。 ああ、なんて澱んでいるんだろう。 微笑みなんて全てが嘘だ。 誰もが腹の内にどす黒い思いを持っていて。 それこそが人間を人間たらしめている。 否定することは出来ないでしょう? そんな人間たちが紡ぎ建てたこの世界が、汚く見えるだなんて。 なんて自然な事だろう。 絶望する事すらも馬鹿馬鹿しくなって、ただただ嫌悪を抱き。 膝を抱え、傍観を決め込んだ少女は。 やっと、“それ”と出会いました。 “それ”は、少女と同じか彼女以上に、何もかもを見通してました。 しかし、少女が嫌ってきた全てを、愛していました。 悲しみを嘆き、苦しみを嘆き、寂しさを嘆き。 自分と言う認識を廃絶してまで、何もかもを救おうとしていました。 少女は、“それ”と出会い。 “それ”に恋をし、愛を抱きました。 救われたと思いました。感謝の気持ちで満ち溢れました。 夢も、現も、自分も、世界も、“それ”から貰ったのですから。 だから“それ”のために、少女は少女自身を捧げようと決めました。 ここに来て、誰が用意したでもない選択肢を、自ら選び取ったのです。 “それ”と同じ場所から、世界を見て。 “それ”のためだけに、景色を見よう。 世鏡絵我なんて名前は、誰かにあげよう。 妹にでも、あげよう。 私には、必要ない。 私は、うつしで良い。 そっちの方が、映えるもの―― 貴方の事を愛しています。 ずっと、出会ったその日から。 自分の存在も認めない。 何もかも愛しすぎる貴方。 だから私は貴方を愛します。 狂おしい程愛しています。 悠久の時を貴方と共に。 それが私の夢だった。 お城を、建てましょう。 せめて、世界に匹敵するほどの。 二人の城――全ての城。 遍く事象を景色と眺めましょう。 それが私の現となる。 やがて少女は、終結と言う思想の一つとなるのでした。 ……ただ、話し相手が欲しかっただけかもしれない。 理解してくれるかもしれない、相手が欲しかっただけかもしれない。 届くはずが無い思いを、ずっと抱きつづけてきた身として。 そして、その想いを貫いていく意志を、伝える相手として。 ――私も、歳を取ったものね。 沖那 「ふう…」 冷めてしまったお茶を飲み干し GM 映詩:「……長くなっちゃって、ごめんなさいね」 沖那 「いや。 そうやって、まだそんな風に語れるんだったら… もし私がこの戦いに生き残っても、なんとか生きていけるかな。 と思ってな」 GM 映詩:「そう……」 沖那 「ああ、皮肉でもなんでもないぞ。純粋な感想だ。 気を悪くしたなら謝るが」 GM 老婆は、まるでただの老婆のように、 本当に、ただの疲れた老婆のように、息を吐いて。 映詩:「いいえ……。ただ、少し嬉しくて、悲しかっただけ……」 沖那 「そうか……」 GM 映詩:「だから私達は、対立するしか、ないのだもの」 己が誰かを想い、己として何かを思うために。 ふぁ……と……周囲に花畑が展開する。 気持ちの良い風が、駆け抜ける。 かちゃ。 かちゃ。 GM 扉の開く音。 映詩:「さて、と。 のんびりする時間もそろそろ終わりにしましょうか。堅陸沖那ちゃん」 沖那 「ん…少し、残念だがな」 GM 映詩:「お互いにもう――」 思い残す事は無いでしょう。 GM カット。 沖那 うむ、時をかける少女思い出した GM ほふ。 遙 いやいやいや(笑 GM 実写版を少し見ただけで、私は見た事無いのですけれど。(苦笑 沖那 んー、まあ、昔そうだった叔母と、今そうである少女の会話があってな GM ふむふむ。 沖那 まあ、いいや GM ええと、突っ込みとかありませんか? 沖那 んー。いや。特に。 ああ、そうだ、ロイスロイス。 GM ああ、受け取ってもらえてませんでしたね。 遙 ああ、シナリオロイス。 沖那 んーと、推奨なんだったっけ GM 自由です。(笑 沖那 ふむ、正道は外していこう。 友情/嫉妬、でP表。 GM 了解です・・・嫉妬? 遙 想う所でもあるんですか? 沖那 ん、まあ。色々とな そういう風な道もまたよかったかもな、とか、そんな感じか GM 成る程です。 ◆ ◆ ◆ GM では、マスターシーンを流します。 こぽこぽこぽ、こぽぽ……。 「あいつは変な奴だったよ。 変な奴だったが、優しい奴だった」 うっすら白い湯気と、珈琲のアロマに紛れて、そう言う。 “果実の臭い(Yes Sweet)”――北化非。 「でも――今のこの状況は、 その人が引き起こしているんでしょう?」 “月崩し(Jealous Moons)”――鹿子木朋。 非の娘は、夫を持っても変わらず可愛らしく、そう尋ねた。 「そうだな……」 「悪いのはあいつじゃない、世界だーとか言っちゃう?」 「言わないよ。悪いのはあいつだ。悪いかどうかもわからんが」 「友達……だったんでしょう?」 「友達だったからこそ、救えなくて。友だったから、悔いてるんだな」 「よく、わからん事です」 「朋友でいたかったが――結局、悪友だったのかもな」 「朋――」 珈琲に口をつけ、北化非は不器用にウィンクをする。 「悪友が格好つけてきたら、こっちも格好よく返すしか、無いだろう?」 「……あっほらし。止めるべきだったんじゃないの?」 「若すぎ――いや。……年を、食いすぎてたのさ。お互いな」 夢なんか捨てちまうくらいに――現実にしか興味が無いくらいに。 だから、すまない。 あいつの亡霊を、止めてくれやしないか? 喫茶店のマスターは、無責任な大人らしく。儚く、願う。 ――今日も、喫茶:Dearは営業中だ。 誰かへ向けて。 粛々収縮。渦巻き込む。 気付きやしないすぐ其処で、その手を繋げ。 撓む現世に、ごあいさつ――♪ GM 以上です。 遙 はい。 GM 感想とかあったらお願いします! 沖那 とりあえず曲が消費できてよかったですw 明彦 まぁ、まさに最終回!という感じだなぁ。ほんと。 遙 精神面で来るものがありますね。 GM 一応、これで語り部以外の気になるキャラ(?) 過去話は軽く触れ終わったわけですが。 さりげない映詩の以前の名前と鹿子木朋のコードネーム公開。(笑 明彦 はははw
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601 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/14(土) 12 02 14.97 ID U80j37yv0 2号生きてるのかー?? 予想をさらせーーー 602 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/14(土) 15 15 49.67 ID bEf1jkVBO 二号!お前たまには顔出せよ!! 603 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/14(土) 22 25 26.17 ID NhmdXEvpO ちょい浮き 何とか明日も出来る 頑張る 604 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/14(土) 22 43 24.03 ID xtaDlK120 603 よくやった!実質、大勝利や 明日もアツくならずクールに行こうぜ 605 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/14(土) 23 42 47.11 ID 8kwLRwW8O 2号!生きてるか~? 606 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/14(土) 23 51 48.40 ID RzsB8hjS0 くず先生方、お早い書き込みをおながいします。 明日サラ金のカード作って勝負しなきゃなんないんで おれよりくずがいることに安心したいんです 607 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/15(日) 00 20 59.03 ID IsU5hdbO0 603 人生馬券さん、明日のヴィクトリアマイルは何を買うんですか? さすがにここはブエナとアパパネで固くとりにいきますか??? 608 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY 2011/05/15(日) 01 46 33.96 ID /fKehnZdO [1/3] 正直迷ってます 流石にブエナは固いでしょ そうなるとBOXだと確実にガミりそう… ん~…多分今回は馬単フォメでいくと思います 理想はメインまでに他のレースで大きく勝って気楽に観たいですね まだ買い目は決めてません 609 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/15(日) 02 07 12.62 ID /fKehnZdO [2/3] ちなみに今日獲った1番配当の大きい馬券 http //a2.upup.be/CfxqYldloD 東京8R馬単104,080円 ちなみに今日は梅田行きました 初めて梅田で10万以上の配当の馬券獲った 明日は難波行きます 610 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 07 41 22.37 ID syRIB/CG0 609 おめでとう!(´▽`) 当たる、今日もきっと当たるぞ あとは二号か 611 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 08 51 44.19 ID DSXzaffrO 人馬、10万馬券とか普通にすごいな。 612 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 09 53 57.74 ID 0HfzPl1J0 [1/2] 609 人馬先生、今日も勝って彩さんになんか買ってあげてください 613 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 11 22 22.51 ID dccSecbKO 彩さん? 614 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY 2011/05/15(日) 15 56 39.53 ID /fKehnZdO [3/3] 嫁の事ね。しかし残念ながら負け 致命傷にはならない程度で済んだからまだいいけど… しかしヴィクトリア…やはり安かった… また来週頑張ります 615 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 16 21 48.71 ID IlLNj2it0 614 昨日の10万馬券はすごいと思うけど その買い方するくらい荒れるレースなら いっそ見することをオススメする。正直買い方が非効率じゃないかな? 後は競馬板系で一発逆転狙いで信用できるコテの Happyかコブダイに試しに乗るとか。 616 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 17 32 15.91 ID 9y3b8hMQO [1/6] 前レスいつ書いたんだっけ・・・・疲れた。 今日までの出来事をざっくり書きます。 エイワの催促でなんとかしないといけないと焦った私は・・・ 「来週中に精算入るから、それまで本当に悪いけど、助けてほしい・・・」 と、2人から合わせて5万借りました。5月11日の事です。仕事関係の人では無いので精算なんて無い事は知りません。 1人は最近連絡してないけど、頼みこむしかないな・・と考えてた人。 もう1人は、2年振り位に電話してきた人です。 ・・・・やっちゃった。 617 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 17 48 00.42 ID 9y3b8hMQO [2/6] ~1人は考えてた人なのですが、突然の電話・・そして、貸して貰える!・・・・・チャンス!~ 「凄い久し振りだね、どうしたの?」 「いや~、どうしてるかと思ってさ、最近調子いいの?」 私がギャンブル好きなのを知ってますし、この人もギャンブルをやる人です。 「まったくだよ・・・やる金も無いし、生活していく金も無いよ」 「そんなにやばいの?」 「今は携帯で買い物して凌いでるけど、残高がもう無い・・・」 と言う会話から、この人の家まで借りに行きました。自宅の場所を知らなかったので、近くの駅で電話して詳しく聞きながら車で行きました。 ・・私は5月11日の夜には、5万を持っていました。 ・・・・・なのに・・・。 618 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 18 06 41.40 ID 9y3b8hMQO [3/6] ~5月12日の朝、仕事に行く途中にジャパンネット銀行に2万入金しました~ 『取りあえず、催促の電話はバックレよう・・・支払いして、金が無くなったんじゃ生活出来ないしな』 この時点で、PAT口座に2万、ガソリンを3000円分だけ入れて手持ち27000円ありました。 ここから、『今度こそ!』と言う思考で頭一杯、『勝って週末を迎える』と言う事を信じて止まない私。 12、13日に大井ナイターで負け、14日に中央競馬で負けました。この日の夕方には手持ち15000円のみになっていました。追加で入金して負けてしまったので・・・・ 『いつまで、この負け続けの流れが続くんだよ!ふざけんなよ!・・・ったく!』 ・・・この後に私はまた、競馬やります。 619 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 18 22 36.22 ID 9y3b8hMQO [4/6] ~ナイターで高知競馬をやってる事を知った私はコンビニに向いました~ 『明日の中央の資金も入金するんだし、高知は基本かたく決まるから少しでも増やせればいいな』 13000円入金して、高知競馬を開始しました。 最初に三連単3点買い→的中!! 次に三連単8点買い→的中!! 2レース連続的中で、どちらもガミ・・・ ここから、外しまくり高知競馬終了後に残高1000円。 この後、またコンビニに行き2000円入金してPAT残高手数料引かれ2800円、手持ちまた小銭のみ。 ・・・『ここから、明日復活なんてあるのか・・』 620 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 18 37 39.34 ID 9y3b8hMQO [5/6] ~何回も何回も同じ事の繰り返し・・・ただ、軍資金が出来ると『今度こそ!』と考えてしまうバカです~ 私は今日の東京1レース、東京2レース、新潟1レースを買いました。 東京1→蛯名軸の馬連。 東京2→北村、吉田豊2軸三連複。 新潟1→平野軸の馬連。 結果は知っての通りの全ハズレ。 私に残ったのは、更に増やした借金と小銭・・・・・ 精算なんて無いのに・・また数日ですべて無くした・・・ 今日は柿の種しか、食べてません。午前中から自分のバカさにまったくやる気がなく、ただゴロゴロとしてただけです。 ありのまま実話を書いてますし、バカなのは自分でよく分かっています。なので、死ねとか逝けとかのレスは今は止めてください。 猛烈に消え去りたい気持ちなので、崩れてしまいそうです。 621 / クズ二号 sage 2011/05/15(日) 18 49 59.80 ID 9y3b8hMQO [6/6] 読んでくれている人達 支払い、生活費まで突っ込んで競馬してる人は少ないと思いますが、気を付けてください。 そして、これからも競馬頑張ってください。 出来るだけ、私の様な人が増えるのを、少しだけ期待しています。 『もう本当に無理だ!と思ってから、更に悪い状況になってるだろ!くそっ!』 ・・この気持ち、何度味わってんだよ・・・・俺は。 622 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 19 08 28.91 ID 0HfzPl1J0 [2/2] 二号先生、相変わらずのくずっぷりすなぁ まあおれも立派なくずなんだけどね。借金200で、妻子持ち。貯金も600使い切っちゃった。 けどきっとなんとかなるさ…てかなんとかしなきゃ… お互いがんばろ 623 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 19 25 31.03 ID FUYYhwmk0 しっかし、両先生とも金の工面が上手すぎる 624 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 19 51 23.15 ID Tj52sTSl0 しかし2号は競馬予想が下手すぎるだろw 625 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/15(日) 20 57 21.60 ID IbEybjkdO [1/2] 人馬!オークスは荒れるぞ! 今こそ全通り買いの時だぞ! 2号はまあ、金策頑張ってください 626 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/15(日) 21 00 29.12 ID IbEybjkdO [2/2] それとさ、2号もそろそろトリつけようや もし、万が一、人馬が大勝したら絶対偽物でるぞ まあ大勝はしないのが人馬だが 大敗はあるけどwww 627 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/15(日) 21 24 34.14 ID glje3J6yO 615 なんだこいつw 何様だよおい 628 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/15(日) 21 27 00.42 ID p44sewlf0 この前、自殺を匂わせて死ななかったんだから、 もう、その反対しか残されていないってのは自覚してんだろうな。 追い詰められたら、お前やらかしちゃうタイプだわ。 まあ、どうなろうがオレには関係ないけど。 629 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/15(日) 22 19 36.81 ID pWFWkkrEO ずっとこのスレ見てて思ったんだけど、確かに二号さんギャンブルの才ないよね‥他人に金銭で頼りになるだけでなく競馬でも誰かと一緒にやったらどう? 詳しい人周りにいないのかなぁ~? 多分二号さんこれからも一人だけやとずっとこの地獄のループ繰り返しだよね。頑張って!!! 630 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 00 12 56.14 ID LEra4Igt0 [1/2] 二号よ 本気で改心したいならもう競馬もスロットも2ちゃんも辞めるんだ 631 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 03 13 53.20 ID LqvUdLMkO おれは誰かと一緒に競馬すんのは嫌だな。 なんか集中出来ないし… スロなら昔はノリ打ちしたけど今の台はかったるいし、 競馬やってデカイの取ると一日ぶん回し万枚もたいした事じゃなくなる恐さ… 自分に近い予想のファクターを持ってるTMなら何人かいるが… 632 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 03 51 37.20 ID L4D+yfM+0 馬鹿でも悔しがることはできんだねw 救えんわ 633 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 07 25 38.86 ID pP0I7ROa0 二号、悪いけど君はクズだ 634 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 09 03 42.95 ID nT9dBrD/O 昔マーフィーの法則ってあったよな、自分が思うことと逆へ逆へ… パチは時間が無い時に限って出たり、馬券は買えない時に限って当たったりな 運がない奴なんてそんなもんなんだろう 俺もそんな運の持ち主だ だが、そんな俺はその習性を利用して小遣稼ぎしている 約束時間ギリでのパチ、閉店間際のパチ… 馬券はある方法で状況を作る 時には自分を、時には神をも欺くことで状況を作るのである センスがない奴程効果絶大の気がしている 635 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 15 07 13.69 ID N/NP1QR4O 2号、必ずお前はいつか勝てる…と思う でもお前はクズではあるが金策という世界では天才だ いや、稀にみる英雄だ 金策の世界てwwwwww しかし同じクズでもお前に期待してる人がいるだけマシ これからも突き進め!いつか勝てる…と思う 人馬!10万馬券で調子乗ってんじゃねぇぞ! 先週までは負けまくってんだからな! 来週100万勝って2号助けろよ! 2号!トリつけろ!そして金策頑張りなさい 636 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 15 13 41.06 ID U41sOfW+O 2号!相変わらずのクズっぷりをありがとう~ 感動した!!!! これからも生きて生きて更にクズっぷりをさらしてくれwww オレハマッテルゼwww 637 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 16 16 29.19 ID fSZ9m1q30 2号はもう駄目だろ。 自分をコントーロールできない奴は何をやっても駄目。 638 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 18 09 35.45 ID l+hcfz70O 二号は酒飲んだり風俗行ったりはしないの? まぁ~、今は金策ばかり考えててそんな心境じゃないでしょうけど 639 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY 2011/05/16(月) 19 20 07.85 ID K6juwNTNO [1/4] 今嫁から連絡あった… もうけじめつけたいんだと… つまり…離婚… 書類すぐに送るって… はぁ… いつかこの日が来るとは思っていたが… やばい…本当に明日が見えない… 640 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/16(月) 19 34 06.11 ID K6juwNTNO [2/4] あぁ…手足が震えて何も考えられない 嫁に電話したけど…出ない… 涙が出てくる… 嫁とは… 悪徳リフォーム会社に同じ日に入社したんだよな… それから一年後から付き合いだしたんだよな… 数々のやらかしや裏切りの度に助けてくれた… 別居してからも再起を信じて離婚しなかったんだよな… 俺の唯一の心の支え… どうしよう… 書類きたら…サインするしかないよな… もう…無理なんかな… 641 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 19 41 08.70 ID X3ibKLcj0 [1/2] 無理 お前と違い常識考るだろw 自業自得だよ 642 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/16(月) 19 48 48.46 ID K6juwNTNO [3/4] 641 そうだよな もう解放してあげないとな… 嫁のカレー食べたい… 書類来るの待つよ 643 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 19 54 49.74 ID dswOdzGi0 。゚(゚´Д`゚)゚。ウァ─ン 俺たちの彩の経歴に×が… 644 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 20 29 44.87 ID Gn2M87nf0 嫁さんに好きな男でもできたか はたまた何か違う事情か 俺も経験あるけど辛いよな人馬 でも時間が解決してくれる部類の辛さだ 645 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 20 40 55.10 ID X3ibKLcj0 [2/2] 642 仕方ないよ 別々の道を本当に歩む事になるけど人馬さんはらしく自分の道を悔やむかもしんないけど歩んでいけばいいよ。 道はずれたが二人のそれぞれの幸せを祈る 頑張れ 646 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 21 06 28.35 ID GT88K1pc0 テス 647 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 21 57 06.66 ID b/WgUwdu0 馬券に入れ込んでいて、困った時だけ嫁を思い起こすのか? どこまで自己中なんだよ。 カレーが食いたいだ?食えなくなったのは誰の所為? 他でもない自分ですよ。バカは死ななきゃ直らんみたいだし、 死ぬかどうかは別として、嫁を解放してやるくらいは最低限の責務。 人生馬券も切羽詰って、人殺しせんようにな。 そこまで行くかどうかも自分自身の問題。 いつまでも馬券に入れ込んでんじゃねーよ。 648 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/16(月) 22 15 59.08 ID K6juwNTNO [4/4] 自殺もしないし人殺しもしません しかし自分に都合のいいときだけ嫁を見てたのは紛れもない事実 競馬にのめり込んでるのも事実 クズなのも事実 でもいくら後悔しても悲しい思い辛い思いも湧き出てくるもんは仕方ない 俺も嫁を苦しめたくないから嫁のしたいようにするさ もうすぐ元嫁になるんだなぁ… 649 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 22 23 02.79 ID G9T2/MpRO 嫁のカレーが食いたいのは一食でも食費を浮かしたいだけなんじゃないか。 650 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 22 37 16.53 ID oEwRX8NZO 嫁さん紹介してくり! 頼むm(__)m 651 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 22 59 50.00 ID LEra4Igt0 [2/2] 急展開ワロタ 真面目な話、「ギャンブルやってません」とかのウソがバレてるんだと思うよ 652 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/16(月) 23 06 50.54 ID mvDq2tKZO このスレ見てんじゃね? 653 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 23 57 47.08 ID cYqy2cHo0 [1/3] 自己中心なのはこのスレを覗いている奴全員だろ。 何せここにいる奴全員が自分が買ったとおりに馬が走らないって 毎日毎週思っているんだからw お馬さんにしてみればそんな事知ったことじゃないよなwww 654 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 23 59 50.13 ID EnruCq0eO 人馬よ…改心して最後のあがきをせよ。 あがくと元サヤに戻る事もある。 あがいて×2、あがきまくるのも策。 その代わり競馬を捨てる覚悟は要る。 たとえ100円もだめだ。 あがいて開く未来もあるぞ。 655 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/16(月) 23 59 57.13 ID cYqy2cHo0 [2/3] 見逃していたが 649の追い討ちが素晴らしいw 656 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/17(火) 00 05 58.35 ID cYqy2cHo0 [3/3] 俺は改心なんかしないで、 何とかして会うまでこぎつけて 押し倒した方がいいと思う。 ダメな人たちだな。 657 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/17(火) 00 25 42.18 ID X6MUWj2nO [1/2] 今さら押し倒しても意味ないと思うが。 まぁ人馬が嫁と復縁したいなら博打止める証明をすれば、彩とやらは戻るとおもうが。 まぁでも、人馬が競馬止めるのが不可能だろうな。 結局自分次第、逆に言えば自分の意識次第でどちらの道も選べる。 658 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/17(火) 00 28 30.36 ID X6MUWj2nO [2/2] 言いわすれてたけど、 ここで人馬が離婚すればこのスレの需要は完全に無くなる。 ただのパイポのオッサンスレになるし。 嫁との絡みがあったからこそのスレだと思うぞ。 659 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/17(火) 01 22 44.70 ID PwhUZ2LD0 100%人馬が悪いからしょうがないと思う。 彩さんには幸せになって欲しいな。 しかし、山城新伍みたいにまたくっつく可能性もあるんじゃない? まあギャンブルやめるのが大前提だけど 二号は一人もんなんだから、逃げちゃうわけにはいかないの? ギャンブル好きなら麻雀屋のメンバーとかやればいいのに 毎日ギャンブルできて天国じゃん 住み込みだし 660 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/17(火) 09 10 12.10 ID XXRICqPBO 山城… ここはおっさんの巣窟だなおいw 661 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/17(火) 14 02 41.93 ID Imc3LCmPO [1/2] 人馬さん 『離婚届け』とは言われてないんでしょ? けじめ付けて、また一緒に違う場所で住む為の『賃貸契約書』って言う展開だったりしないのかな・・・・ 635 トリ付けたよ。 636 自業自得だけど、今すげ~辛い。貧しすぎ・・・ 638 家では、ほとんど酒は飲まない。風俗には、以前たまに行ってたけど、今は行ってない。 余裕が出来たら必ず行くと思うけど。 はぁ~・・・今日は午前中に作業終わったからいいけど 「朝たくさん食べて来てるから、昼は腹減らないんですよね~」 って言うのが辛い・・・ 買い置きのカップラーメンが無くなりそう。 俺の精算信じて待ってんのかな・・・ 662 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/17(火) 21 21 44.22 ID QdQ+7kYdO 2号の話しは創作臭いな 663 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/17(火) 22 24 47.74 ID Imc3LCmPO [2/2] 662 「リアルな長い夢だったな~」・・・で済んだら、どれだけいいか・・・ やる事なくて、いろいろ考えてたんだけど、このスレに、始めて馬券買った時の話から書き始めたんだけど、高校の時から馬券買うまでの間もおかしな行動してたんだよね。 この頃から「お前のやる事よくわからない、想像できない・・・」って、よく言われてたんだよなぁ・・・ 俺のこの底辺への転落は、この頃から始まってたんだな・・・って過去を振り返ってしまってた。 今の状況がやばいんだよ!何、懐かしがってんだよ!俺は!くっそ~! 664 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/17(火) 23 02 34.41 ID Z/Cp/zMgO 2号!高校編もたのむ 665 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/17(火) 23 21 59.83 ID ubw+gYim0 二号の自伝 書籍化ドラマ化漫画化ゲーム化映画化で一発逆転や! ケータイ小説がナンボのもんじゃい! 二号役 藤原竜也か忍成修吾でお願いします 666 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/18(水) 01 34 47.11 ID 9EPJsvjAO あ、それ♪ りっこっん♪ りっこっん♪ は、どした♪ はっやっく♪ あ、ほれ♪ はっやっく♪ 667 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/18(水) 09 04 59.83 ID uFecrzQnO 559 ふーん…程度で見てたが更新を待ち望む俺がいる 人馬や2号の先輩ってとこかw 2ch知ってるようだしここ来たらおもろいんだけどな 668 / 忍法帖【Lv=25,xxxPT】 sage 2011/05/18(水) 23 04 26.85 ID 2A8cKulF0 二号 また免許偽造して金借りれば? 669 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/18(水) 23 16 49.95 ID vhGRD97E0 663 何のつもりで書き込んでるのかしらんがね。 貴様のやっていることは乞食以下だよ。 乞食は恵んでもらった金を生活費にあてるが、 貴様は人の善意を踏みにじって金を得て、しかもそれをキャンブルに充てる。 くれぐれも、死んで楽になろうなんて、恥の上塗りはするなよ。 それは、金を借りた方々に全て返済してからにしろ。 670 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/18(水) 23 51 22.19 ID yUYHi2ENO 669 いまさらそんなこと言うても・・・ プクプクよりはマシ(笑) 671 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 07 40 25.62 ID SAkDWweM0 プクプクはついにいくとこまでいっちまったからな 672 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 08 23 17.77 ID lRkJ7WSmO どこまでいっちゃったの? 673 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 08 30 15.90 ID nbG1zzhdO 667 だんだん鼻息荒くなってきたなww 674 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 21 37 55.69 ID mWrAJRdlO [1/2] 離婚マダ-? 675 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/19(木) 21 37 59.97 ID 9AoP8Yi20 人馬生きてるか?どうなった? 676 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/19(木) 22 14 17.95 ID gsDS6m030 人馬も二号も金策済んだか?w 677 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/19(木) 22 23 19.13 ID 8OgXltpgO 嫁からの書類はまだ来ない いつまで嫁と呼べるのか 軍資金はある。でも今週は重賞だけにするつもり 申し込んでた楽天の口座が出来た ジャパンネットは嫁が持ってるから携帯から買えなかったけどこれから買える でも今週はあんまりやる気ないな まだ出馬表も見てない 今週は大きい勝負はしないよ ダービーまでは節約します 面白くなくてごめんなさい 678 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 22 24 59.79 ID mWrAJRdlO [2/2] あっー! 俺のID!惜しい! JRAが良かったのに 679 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/19(木) 22 29 56.84 ID vXMGgkQ60 677 面白くなくていい! ありのままの先生が好きなんや! オークスではいつも通り豪快に外して下さいね(^_^)v 680 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/19(木) 22 55 15.28 ID nqnEXKLQ0 オークスって外枠有利_? 681 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/20(金) 02 37 52.12 ID 4jsXwYWF0 金メダリストワンジルも逝ってたのか… 二号、お前は男子金策の日本記録保持者や ロンドンが待ってるぞ!生きろ! そして人馬!人馬さん! 特にないです 682 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/20(金) 05 20 23.52 ID 6RLw52d70 680 有利ってことはないだろ 半端なスタート切っちゃったら向正面まで外外走らされるんだから てかレーススレで聞きなよw 683 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/20(金) 07 27 21.39 ID MwDtYMS3O ・・・もう20日か・・約束の日だ・・ 今日必ずやらなくちゃいけない事は 『悪い、精算入らなかった・・・本当に申し訳ない』 と2人に詫びを入れる事。 ただ今日は金曜日、土日は休み。 自分の置かれてる状況をよく考えず、罵れても文句の言えない事をやってはいても、なぜかヤル気が起きる金曜日・・・ ・・『突然、連絡来て借りてしまった友人に相談しよう、まずエイワは早急になんとかしないと・・・それと・・・書くと「逝け!」って言われるだろうけど・・・・増やしたい・・』 今は何も知らない友人、すみません、ごめんなさい。俺が出来る事なら、必ず助ける!・・・お金の事、以外なら。 『こんな事を考えてる俺は、叩かれるんだろうな・』 684 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 08 12 54.86 ID Mi+uOE69O [1/2] 日曜は曇りのち雨らしい 精神的にも金銭的にも参ってる時の日曜夜の雨 これは意外に堪えるんだよな 気をしっかりな… 685 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/20(金) 09 30 30.67 ID 1oNk7OxYO 二号 死ぬまで生きろ! 686 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 12 56 30.18 ID egT2MKxKO [1/4] まあ謝りゃ一回目は許してくれるだろ 次どうするかだな 687 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 13 49 21.46 ID zIvGzNx9I 二号は誰もたすけないね 自分が1番 688 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 15 37 47.46 ID 3MukoKjz0 二号WIN5を当てて逆転しろ! 689 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 16 22 40.57 ID egT2MKxKO [2/4] 金策(すでにやっているかもしれないが) ・クレジットカードの現金化 ・身内に借金(親、兄弟が無理なら親戚) ・審査の甘い金融(闇一歩手前)※借金板にスレがある ・定期の現金化(購入後3日以内) ・借金板に少額だが貸し借りのスレあり ・質に入れれるものは入れる ・以外と金になるものを見落としてるかもなのでリサイクル業者を自宅に呼んで査定 ・以外と有効なのが別れた嫁に借金。現状を嘘でいいから悲惨にアピール ・とにかく知り合いという知り合いにアピール ・給料前借り ・ラムタルに借りる ・人馬の大勝に期待(人馬は離婚問題でそれどころではないが) ・貸してくださいスレをたてる(どこかの誰かが貸してくれるかもしれない) ・生命保険などに加入していれば解約する ・車を売る ・ダブルワーク(日払い) ・口座売買(犯罪なのでお勧めしない) ・住民票売買(これも犯罪に利用される可能性大) ・携帯売買(同上) ・パスポート売買(同上) ・闇金(更にドツボに嵌まる事必死 ・過去に完済した金融から過払い請求する ・自販機めぐり(おつり取り忘れ) 690 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 16 26 50.31 ID H7vhburMO ラムタルに借りるワロタ 新回は、いったんやるとやめられんな。手軽だし 業者使うのがアホ臭くなる 691 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 16 31 24.88 ID egT2MKxKO [3/4] そもそも2号は何件でいくら借金あるんだ? 借金板にこんなのあった 破産・ブラックでも借りられる消費者金融 part26 http //toki.2ch.net/test/read.cgi/debt/1303334066/ 合法的に誰かが金を貸してくれるスレ その127 http //toki.2ch.net/test/read.cgi/debt/1305839283/ まだまだ借りれるとこあんじゃね? さらにこんなスレまであったwwww プクプク2【叔母からも借金】 http //toki.2ch.net/test/read.cgi/debt/1305736351/ 有名人なのね 692 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 16 53 44.27 ID egT2MKxKO [4/4] あとこんなのもあったよ 低額限定貸し借りスレ12 http //toki.2ch.net/test/read.cgi/debt/1281721174/ まあ、早く大勝して迷惑かけてる周りに返す事だな どうせ競馬辞めないんだから勝つか大金作るしかないだろ? 大金は作れないから勝つしかないわなwww 無理だとは思うけど頑張れや やっぱ2号と人馬ならどっちもどっちだけど、まだ人馬の方がいつか勝てそうだな 理由は一つ、BOX買いだからwwwww 当てるまで金が持つかどうかだね。もたないと思うけど 楽天の口座なんか持ったらWIN5に嵌まるんじゃないの? 人馬では8×8×8×8×8くらいじゃないと当てれなさそうだけど いや人馬ならそれでも最後のレースで外しそうだなwwww ちなみに3,276,800円必要なんでそもそも買えないかwwww 693 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 19 28 44.96 ID HN+S3fDXO 2号!どうなった? 694 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 22 53 27.82 ID g/qXMCo00 競馬当たっても、その当たった分をまたJRAに返すんだから、 もうどうしようもないだろ。借りた人間に返す気なんかないんだし。 まあ、金の貸し借りは人間関係破綻さすからやらない方がいい。 チンスケもそう言ってたし、実際に掛布に貸さずに縁を切った。 695 / 恵美 2011/05/20(金) 23 17 57.82 ID RciUWa1nO ラムタルさんにお願いしましょう(^0^)/ 696 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/20(金) 23 53 27.93 ID Mi+uOE69O [2/2] 人馬も2号も助言しようが罵声あびせようがなんも変わらんだろ 一生自分を変えることの出来ない悲しい人種だな 俺らはこいつらのクズっぷりを見守ってやるしかない 697 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 02 07 59.77 ID s5c6eaD3O [1/7] 687 恩がある人はお金の事以外なら絶対助ける! 688 WIN5まじで当てたい!その内当たる気はする・・・よ 689 項目が多いから抜粋して カード→ブラックで不所持。 元嫁→逆に不定期で突然、援助のメールが来る→全て完全スルー。 定期→使ってない。 自販機あさり→立ち直れなくなる。 691 自分名義と親名義、合わせて550万位。プラス、毎月必ず対人借金を沢山増やす。 693 遅れてるエイワの分と軍資金15000円借りた。『貸した金だから、ギャンブルだろうが何に使おうが返してくれれば構わないよ。絶対明日やるだろ?』と言いながら貸してくれた。 695 ラムタルって誰?ブクプクとか、他のスレで見た事あるけど何者? 698 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 02 45 15.36 ID s5c6eaD3O [2/7] 691 書き忘れた事があった。 借金板は良く見てるよ、そのスレもよく知ってる。 「生年月日がころころ変わってるけど、何これ?」 と言いつつ貸してくれたエイワは神だと思った。今、遅れてるけど・・・ もう、どこも貸してくれないし・・・無理かも知れないけど大勝ちするしかない。 対人借金ループもあって、支払いが追い付かない状況だから、やるしかない。 ただ・・・・どんどん抜け出せない闇に自分から向かって行ってる気がしないでも無い・・・・ 土曜に勝つ→増えたお金でWIN5を買う→まさかの当たり→対人借金、家賃等の未払金を全部払う→他の借金も全力で返す→精神的に落ち着く→来週も何故か当たりまくる→『今まで辛か ったな~』と苦しい過去を振りかえる。 ・・・こうなる事を願う。 699 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 04 23 51.86 ID Hb6aYaFa0 常勝3ヶ条 3.過度な希望・夢・妄想を抱かない。 700 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 08 51 21.77 ID H2oNlHRI0 699 あとふたつは? 人馬は競馬どころじゃないか 時間が経てばなれるさ 2号は競艇でもやれば?数字合わせなら競馬より当たるだろ 701 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 12 08 18.61 ID f/lfhcJQ0 二号は競馬で返済もう無理でしょ 海賊王を目指すか 調査兵団に入って巨人をぶっ倒す アポトキシン4869を飲む 好きなの選びなさいよ 702 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 12 20 05.11 ID 8JFFpQhdO [1/2] 698 すげぇ妄想っぷり さすが自己チュー 闇の方向へ向かっている気がする?って… ジェットコースターのレール並にガッチリ嵌まってまっせ(ノд・、) 703 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 12 35 32.68 ID v9Shw3cj0 550万以上の借金あれば、通常の職では返済不能だ。 利息も払えず、元金なんか減る訳もないから。 704 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 12 43 36.10 ID 0dBDcHBdO 海賊王を目指すに清き一票 705 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 12 51 05.72 ID rFrg86Fi0 問題になっている第20回東海ステークスのVTRが抹消されている 降着裁定の揉み消し 706 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 13 46 15.08 ID GrLOatRC0 金策の天才も考え物ね 550万も借りれちゃったのも、ある意味不幸だね 普通の仕事じゃ無理、パチや競馬で今更取り返せるはずも無い ま、本人は気付いていないみたいだけど いまだに競馬で増やそうとしているみたいだしw 707 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/21(土) 15 55 06.55 ID pK5jl8bGO [1/2] 金はある。時間もある。 こんな時に競馬しなかったのはいつ以来だろう 明日は東海とオークスだけやるよ 月曜になったら書類来るかな? 覚悟しておこう 708 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 15 57 03.29 ID HczsKuGd0 385 名前:ラムタル ◆5cdjQaTRok [sage] 投稿日:2011/05/21(土) 14 53 16.07 ID k/BFvwPF0 [2/2] 京都10R 7 スマートシルエット 単複 単厚め。自信あり^^! これ外したら責任とって、プクさんに追加融資しますよ! 709 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 16 18 19.33 ID AmEN0Ww30 701 スレチですいませんが ワンピ 進撃の巨人 後一つ何ですか? 710 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 18 18 28.18 ID s5c6eaD3O [3/7] 今日は最初に買った、東京2レース三連単的中。 その後外しまくり、新潟10レース三連単的中。 その後全レース外れ。すべて三連単で買ったのがいけなかったのか・・・ ジャパンネット残高99円。 財布に札無し・・・・ 小銭で1811円しかない。 周りの人に迷惑かけてる、金策の仕方がいけないのは分かってるけど、このお決まりのパターンはなんなんだよ・・・自分に呆れて、嫌気がさして来た。 明日は何も出来ない、明日の夕方、サザエさんなんか見たら悲しくて崩れ落ちると思う。 明日、競馬やる人は頑張ってください。 小遣い範囲なんて言わず、あるお金全部で馬券買ってください。 同じ気持ちになれる人が、たくさん増える事を、ほんの少しだけ期待します。 711 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 18 44 13.99 ID iuomNwOwO 二号(泣)… 712 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 18 51 58.42 ID i2jqbxk00 [1/6] 710 おまえ予想が下手なんだよな だから運にたよった馬券を買うしかないんだよ 俺クラスになれば安い馬券のレースには手を出さない 少なくとも単勝3倍以下の馬は軸にしない 逆に単勝10倍以上の馬なら倍プッシュで強気に回収を目指す 大逆転狙うなら荒れそうなレース見定めて大張りしてみろよ 安いレースに大張りして抜け目とか屑のやること 713 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 18 52 48.04 ID s5c6eaD3O [4/7] 『俺は海賊王を目指す!』 って、昨日の夜だったら、笑って受け止められたと思う。 『全裸で街中走りまわったら、催促の来ない塀の中に入れるのかな・・』 非現実的な事をボーっと考えてしまう・・・ WIN5を当てて復活!の筈が今日で軍資金が無くなるとは・・・ 714 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 18 56 53.36 ID i2jqbxk00 [2/6] 713 明日からどうやって飯食うの? 明後日からどうやって仕事いくの? 給料日はいつなんだ?もうすぐか?来週あるのか? まるで俺を見ているようだwwww だが俺にはいま財布に諭吉が二人もいる 若松ナイターで諭吉をもう1人増やそうとして奮闘中なんだぞ!!! おまえみたいに暇じゃないんだ!!!! 若松ナイターが終わったら競馬ブック新潟と東京を買って明日は大勝負だ 諭吉10人になったら1人くらい恵んでやることもやぶさかではない 715 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 19 09 07.78 ID i2jqbxk00 [3/6] 今晩12時くらいに明日のWIN5を俺が予想してやるからそれ買えよ 1-1-2-3-3=18 x100円=1800円用意しとけ 716 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 19 20 00.49 ID i2jqbxk00 [4/6] 713 あと1800円も残ってるのか 競馬場かWINSまで0円でたどり着けるか? 1800円もあれば午前中に五千円 メインまでに壱万円にするくらいでやれば可能だろう? 朝と午後で1Rくらいいいの教えてやるからそれ買え 717 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 19 28 21.31 ID 8JFFpQhdO [2/2] 2号期待通りかよw 日曜日の夜、健気にサザエさん見てた小中学生の頃が懐かしいな 現実は厳しいよ 718 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 19 39 01.69 ID s5c6eaD3O [5/7] 714 若松ナイター?競艇?競輪? 飯→小銭で凌げるだけ、凌ぐ。仕事に行ったら、俯きながら深いため息を程よく繰り返し『何かあったのか?』の言葉待ち。 冗談ぽいと思うかもしれないけど、こういう場面でのリアルな演技だけは自信がある。 給料→月末。すでに収入より支出が上回ってる。 仕事→車で行くけど、常にガソリンの心配が付きまとう。今までは、借りた時にガソリンだけは入れてた。今回はやばい。 早く諭吉を解放してあげてください。 719 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 19 45 51.00 ID i2jqbxk00 [5/6] 718 若松ナイターといえば競艇だろjk まぁあれだこういう生活力のない奴だからギャンブルに頼ってしまうんだよな ギャンブルしなくて仕事の収入が十分支出を上回っていたら ギャンブルなんてやる気にならないわな だが男ならギャンブルで一発逆転を狙うだろう 俺はロト6も同じ目を毎回1口ずつ買っている ガソリンだけは入れておけよwwww 月末まであと何日あるとおもってるんだよwwww倒れるだろwwwww 720 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 19 48 04.52 ID rrIDR4sZI 自業自得なんだが胸が痛いな。 二号ほどクズではないが、ちょっとした拍子に二号と同じ境遇になる自信がある。 二号の買い方は本命しか狙わないんだから、それなら荒れそうなレースで本命一頭からの三連単全流しで良いんじゃね? 2~3着が荒れれば10~80万ぐらいにはなる。 28歳、借金120 残金70円の男より。 721 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 19 52 22.41 ID s5c6eaD3O [6/7] 716 日ノ出町が一番近いけど、車だとガソリンがやばいかな・・・ 最近WINS行ってないけど、10円玉も使えるのかな? その予想が当って、軍資金が増えたら、ユッケ奢る!期待する。 722 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 19 54 07.30 ID YUSSKfbuO [1/2] 若松ナイターで取り返せよ!12R 134ボックスでOK牧場 723 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 20 14 16.37 ID i2jqbxk00 [6/6] 721 まさかの俺とHOMEが近いwwww おばちゃんの窓口なら一円とか5円も受けてくれるだろw 機械でも100円10円可だ、だが50円と5円1円はやめてくれw ちょっと競馬新聞買ってくる 東京5Rの吉田豊が一番固いか?人気だろうな、競馬ってのはオッズとの兼ね合いだからな 724 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 20 28 45.50 ID s8imRKgmO 二号軍資金いくらでやってたんだ? おれは本命党なのだがおれ的銀行レース今日4つはあったぞ! アドマイヤシャトルが飛んで約800万馬券は取れたやつ凄いと思うが正直あんなの当たらんしな。 Win5当てるより難しいわ。 でもああいうの当てなきゃダメなんだろ?それは無理だろ。 おれは少額でも馬券当たると嬉しいからやってるけど… 3連単なんか高額配当当てるのは事故だろ。 一点買いで狙ってる馬が一着もしくは複勝圏に入った喜びが1番楽しいんだけどな~おれは。 オッズや金ばっかみず馬を見ようや競馬なんだから。 725 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/21(土) 20 41 48.78 ID YUSSKfbuO [2/2] 二号がwin5あたったら 光音座でオフ会やろう! 726 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 20 56 04.78 ID dIp6gfLx0 725 アーッ!! 727 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 21 08 26.80 ID jTs0r+9C0 709 名探偵コナンだね 二号、楽天銀行の口座作れ いざとなったら食費1000円くらいは毎週あげるよ(´;ω;`) 728 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/21(土) 21 34 30.54 ID s5c6eaD3O [7/7] 716 やっぱり日ノ出町まで行くとガソリンが減ってやばい。そのかわり、東スポ買った時に1000円札にしてもらって、入金してきた。軍資金900円。わすがにも程があるけど・・・ 724 今日は軍資金13800円でやった。 この金額で、大勝ちしようなんて考えてない・・・ただ、ほんの少しでも希望があれば明日までの気休めにはなる。 『当たってほしいけど、外すのかな』→当たる→『少し増えたけど、次はどうかな』→当たる→『勘違いしたら駄目だ、無くさない様に慎重に』→当たる→『全部、当たる訳が無いしな』→まさかの買ったレース全的中! ・・・この流れを目指す! 729 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 22 52 13.14 ID +yjEvLlE0 2号はギャンブルやめて もう一つ仕事増やせよ。 730 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/21(土) 23 05 38.70 ID pK5jl8bGO [2/2] 900円かあ… 俺ならどうするかなあ 多分3連複の軸二頭で3レース勝負するだろうな 3通りづつ 明日は東海、オークスと新潟メインの3レースのみ 来週はWIN5もやってみるつもり 明日は馬単フォメで軍資金15000円でやるよ 今の手持ちがなくなるとちょっと金策の方法がない だからダービーに金を残します 731 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/21(土) 23 51 26.33 ID k1lXZu0K0 しかしまぁギャンブルで増やすって考えをなくさない限り永久に返済は無理だろうなぁ 732 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 01 15 37.22 ID BTfpmaPgO [1/6] まるせりぃなはあかんよ 733 / うんこ鼻糞 2011/05/22(日) 01 55 36.00 ID KHaQdXBG0 [1/2] クズは、周辺整理しておけよ。 お前が思っている程、金の恨みは浅くはねえんだぞ。 毎週どころか毎日ギャンブル三昧で、 その姿見て怒り狂っている人間がいるってのを忘れんなよ。 正直、お前が苦しんで死ぬ様を見てみたい。同情の余地ないし。 734 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 02 25 03.54 ID BTfpmaPgO [2/6] でもお前、名前が悪すぎ 頭悪すぎ なんで耳糞歯糞が無いんだ? 理解に苦しむね 735 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 02 29 59.30 ID UQ6GcGBZ0 [1/5] おい2号待たせたな 明日一番は新潟12Rのバイオレントナイトだ ここはスギノブレイドとマーリンシチーが人気吸って負けてくれるから配当はつくぞ 13=1,3,8,9 これを買えるだけ買え 736 / うんこ鼻糞 2011/05/22(日) 02 30 37.11 ID KHaQdXBG0 [2/2] 名前悪くて、頭も悪いけど借金はねーな。残念ながら。 おまけに、人に金貸したり借りたりもしねーし。 頭悪くても、それが自分守る術だからな。 うんこと鼻糞ネタは好きだが、耳糞や歯糞なんてつまらんから採用しない。 737 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 02 53 09.37 ID BTfpmaPgO [3/6] わかりました 738 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/22(日) 03 42 54.95 ID Jegyty4YO 735 716と同じ人だよね・・?幸四郎はまったく信用してないから、 13=1 8 9 各100円買った。600円を増やして買い足す! こんな、わずか過ぎる金額だけど無くすとやばい・・ 739 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 04 23 32.79 ID P1nwxd98O ちょっとレス見直したけど二号は携帯料金とられすぎてね? パケ放題にすれば月7000円くらいで済むよ 740 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 06 57 50.10 ID mNGdEMU7O [1/2] DCMX mini 1万まで携帯でツケ払いができる。支払いを口座引き落としにすれば、最高3万まで増枠できるらしい 但し一度でも滞納すれば、今後使用不可能となる 手持ちの少ない二号は、これを利用している 741 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 08 14 31.91 ID UQ6GcGBZ0 [2/5] 738 おぅ同じだ どうしてもなくしてはいけないなら複勝だけ買っておけ 12RだからWIN5には間に合わないなぁ 新潟3R4Rの村田が両方くればWIN5買えるくらいに増やせるはずなんだが 742 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 11 01 56.09 ID BTfpmaPgO [4/6] 夕方が楽しみだあ 743 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 12 49 08.57 ID UQ6GcGBZ0 [3/5] 3Rの村田がやっと3着だけか 競馬なんてこんなもんだw 744 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 14 23 32.94 ID mNGdEMU7O [2/2] 光音座に集合や! 745 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 14 56 31.76 ID hEVqM+BlO [1/2] 738 735の買い目から3を外したか… 746 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 14 58 34.28 ID hEVqM+BlO [2/2] 最終の辛四郎 忘れた頃の辛四郎 747 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 15 55 16.57 ID UQ6GcGBZ0 [4/5] (1) 新潟(日) 12R 馬 連 01-13 100円 (2) 新潟(日) 12R 馬 連 03-13 100円 (3) 新潟(日) 12R 馬 連 08-13 100円 (4) 新潟(日) 12R 馬 連 09-13 100円 (5) 新潟(日) 12R 3連複 01-03-13 100円 (6) 新潟(日) 12R 3連複 01-08-13 100円 (7) 新潟(日) 12R 3連複 01-09-13 100円 (8) 新潟(日) 12R 3連複 03-08-13 100円 (9) 新潟(日) 12R 3連複 03-09-13 100円 (10) 新潟(日) 12R 3連複 08-09-13 100円 合計 1,000円 おいくず2号幸四郎は差し馬だとたまに巧く乗るからな、馬券買うときに好き嫌い言ってたらだめだぞ ヨシトミGJ 748 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 15 59 36.78 ID UQ6GcGBZ0 [5/5] バイオレントナイトの複勝が急に下がりだした だれか買い込んだな 2号以外の誰かがw 749 / 人生馬券 ◆KqMifUHKmY sage 2011/05/22(日) 16 16 11.65 ID ixbm72L4O 3場のメインだけ買った http //b2.upup.be/vTP1LqtZuO 結果ちょいプラス ピュアブリーゼは最後まで迷って切っちゃった まあプラスだからいいか 来週また頑張ります 750 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 16 34 01.08 ID BTfpmaPgO [5/6] 人馬www 穴狙いすぎだろwww よくそれでプラスになったな!おめ! しかしせっかくエリンコート買ってるのにね セブンシークインはよく買えたなぁ 751 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 18 02 41.56 ID HZKgivwX0 こんな運任せな買い方してるからだめなんじゃ・・・ 752 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/22(日) 21 49 37.24 ID b1V5aPb1i 当たればいいかも知れんけど、もっと絞るべきじゃないかなw 753 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/22(日) 22 46 39.45 ID BTfpmaPgO [6/6] 2号~ 大丈夫かあ? 754 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/23(月) 07 17 07.25 ID hHyGMpA9O 753 大丈夫じゃない・・・ 昨日の新潟12Rが終わってから、睡魔が凄くて、やる気がまったく起きなくて・・・ さっき我慢出来ず、タバコ買ったら残金が271円。 考えられる金策も無い。 先週にエイワの振り込み予約をして、その金に手を付けなかった事だけは良かった。 オークスに突っ込んでたら、確実に無くなってた。 ・・・・・・頭が痛い。 755 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/23(月) 07 33 06.46 ID EQUp56BN0 ラムタルさん、気づきましたか? 二号を助けられるのはあなたしかいないという現実を…! いいえそれはあなたの自意識過剰です 756 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 07 37 56.31 ID NDqpRe0mO [1/4] 2号は楽しませてくれるな 今日からトゥインクーw 雨の大井は内回り1600が狙い目だ 757 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 13 05 17.35 ID +ZoPnkITO [1/2] 頑張りやあ 758 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 14 39 40.34 ID NDqpRe0mO [2/4] 大井にこれから行ってくる! 最終1600内回りが狙いレースで①⑤⑥⑦の4頭だ パドックで軸決めてやっからしばし待て 究極に買い目絞ってやる(2点か?) 200円を先ず増やそうぞ 759 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/23(月) 16 16 49.82 ID pCXhRhM6O プクプクが土日で60万溶かしたぞww 760 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 20 42 59.85 ID NDqpRe0mO [3/4] 2号! ⑤⑥は消しだ そのかわり③を入れる 3連単③→⑦→① 3連復①③⑦ この2点だ ⑤は無いが⑥来たら勘弁… ⑥は、ちと歩様がおかしくみえるんだ 761 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 21 01 47.34 ID NDqpRe0mO [4/4] 2号 ⑥来ちゃった(ノд・、) ⑥⑭①③の順 戸崎ヤラズだったなぁ… 明日に完敗! ごめんね 762 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/23(月) 21 21 54.58 ID cPYPqNiS0 754 丸山の馬が突っ込んでくるとは思わなかったわ あれが誤算だったな 正直悪かったと思ってるが・・・・・・・馬券は自己責任 俺はオークスはヨシトミの複勝とったwwwwwwwwwwwwwww だが2号に朗報!!!!! 笹川賞が明日から6日連続開催だぞ!!!!!!!!! しかも今週末はダービーでデットーリ来日!!!!殿下も来日!!!!!! 763 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/23(月) 21 24 12.09 ID UiOcznBf0 おまいいいやつだなぁ おれも戸詐欺にやられた。 戸詐欺軸にしちゃったよ 764 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/23(月) 22 48 15.97 ID +ZoPnkITO [2/2] 離婚したか? 765 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 07 02 03.09 ID fkC3oaagO [1/7] 二号よ。以前少しだけ貸してやると書き込んだ者だ。 話の内容次第では無利息で貸してやるから連絡先を書け。 最優先は君が立ち直ること。本当に立ち直る気があるなら、俺が貸した金もいつか返せるだろう。 ただし前回スルーされてるから今回が最後通達な。 13時までにレスがつけば対応する。 なかったら、この話もなしってことで。 766 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/24(火) 07 39 26.87 ID GblUKyzcO [1/2] 761 口座にお金は入ってないし、買ってないよ・・・・金策は何も出来てないし、今はダービーも、他人事としか思えない。 765 気持ちは凄くありがたいけど、過去に、人を信じて墓穴を掘ったトラウマが・・・・ それと、人を裏切ってきた自分に罰があたる様な気がして、やばい展開しか想像出来ない。 767 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 08 46 01.82 ID Q1POU8yWO [1/4] 2号… 何を今更って感じだな よし、今日こそは儲けさせたる と思ったけど内回り1600の番組が後半レースに無いや 明日だな明日 768 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 10 24 27.10 ID YEsi7om3O 二号は仕事増やすべきだと思う… 769 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 10 49 06.90 ID LUo5xb9vO [1/3] 2号!借りれや! その金で勝負しろ! 今は金策も出来ないんだろ? 借りるしかないじゃん どうせ生活立て直す為に使えとかいうだろうけどな 金を手にすれば勝負してしまうだろ? お前はそれしか出来ないんだろ? やれ!借りれ! 770 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 10 59 08.52 ID LUo5xb9vO [2/3] ところでさあ、2号は今年馬券当ててるの? ってか勝った事あんの? 何だかんだで人馬は何回か勝ってるじゃん? しかも大勝じゃん?それは人馬なりの買い方があってはまれば大勝出来る訳だが どうも2号のレス見てると当たっても大して勝てないような気がすんだけど? 今年何回勝った? 771 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 12 02 10.52 ID xbllY/sOO [1/2] 二号は新聞の印で買ってんだろ?本命買いすぎ 外れたら「無印かよ!クソが」とか言ってそう 772 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 12 05 43.01 ID fkC3oaagO [2/7] 二号 了解。ご自由に。 773 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 12 14 44.83 ID fkC3oaagO [3/7] しかし二号はすでに頭がおかしいということはハッキリしたな。 人馬が『勝ったら助ける』には意気揚々と期待する。 しかし無利息で貸すというと信用できないという。 無利息なんて無期限と同じ。 だがクズ代表の人馬が信用できて他は信用できんと・・・。 両方ならまだしも、もう脳がメルトダウンしてんだな 774 / おねーがい ◆x7sGchDY6U sage 2011/05/24(火) 12 21 48.63 ID fkC3oaagO [4/7] ちなみに 635は俺なんだが、もうしばらく2ちゃんやってないから 知ってる人は少ないかもしれん。 でも南関攻略スレか厳選スレいけば誰かは知ってる。 大した有名人でもないがw でも釣りじゃなかったことはわかると思う。 二号はもう少しちゃんと考えてから行動した方がいいぞ。 もうコテだしたから俺は貸さないが。 775 / おねーがい ◆x7sGchDY6U sage 2011/05/24(火) 12 28 23.56 ID fkC3oaagO [5/7] ちゃうわw俺 765だた 776 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 12 29 06.30 ID mxhjO1XZ0 774 ここにおねーがいるとはな 厳選めちゃくちゃだな 復帰しろよ 777 / おねーがい ◆gJxdAkMtPI sage 2011/05/24(火) 12 41 16.94 ID fkC3oaagO [6/7] 厳選ひどいことなってんねw でも極たまーに書いてますよ。 常駐するとまた毎日バカみたいに負けそうでww ここは前スレみつけて人馬の纏め読んでおもしろかったから、チラチラ見てます。 778 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 12 43 22.96 ID Gt0tPQ160 ググったら、おねーがい氏は羽振りが良く信用できる人物だったようだ 二号、ホント持ってないな… やり直す最後の蜘蛛の糸だったかもしれんのに… ダービーでデボネア馬単総流し1700円分だけ買うから 当たったら二号に半額やるよ… 779 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 12 47 17.69 ID Q1POU8yWO [2/4] おねー 俺の立場ねーじゃんかw しゃーねー田倉のおっさんの相手してくるか 780 / おねーがい sage 2011/05/24(火) 12 52 12.19 ID fkC3oaagO [7/7] 779さん 大丈夫wその代わり俺は馬券当たらんことでは有名だからww 当たる予想で助けてあげてくださいw 携帯からなんでめんどくさいからトリ割愛 781 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 12 59 59.32 ID GH7kOIB60 3万や5万貸したところで何も変わらないだろ。 100万ただでやるってんなら、事情は違うだろうが、 782 / 関西弁煽り屋ファン 2011/05/24(火) 13 04 21.39 ID Z4H/dnevO みずのみきの肌ツルツルやないか。 アソコからは何やら液体が物凄い勢いで出とるし。 http //blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/6e/34798d3c544c60c755abcd7fee583fd7.jpg 783 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 14 14 07.70 ID SVYuPwao0 たしかにみずのみきやな 784 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 14 24 00.16 ID gbZf9sH40 競馬鹿だな 785 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 14 27 15.67 ID 7RKMNzXMi 777 難関デビューした頃に厳選スレが立ったんだよ。最初の頃は面白かったな…マジで乗って50万儲けた時もあったなぁ 786 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 15 07 55.27 ID xbllY/sOO [2/2] 執筆中の先生がいないから俺のクズ人生も書いていいかな? 787 / ラムタル ◆5cdjQaTRok sage 2011/05/24(火) 15 52 45.97 ID DH1UAZWY0 780 おねーがいさんが居たんですね! 憶えておられますでしょうか?ブライオンです! その後調子如何ですか!? おねーがいさんは僕の中で神格化されてるんで 嬉しくてレスしてしまいました! 788 / クズ二号 ◆qVejOgNfVo sage 2011/05/24(火) 15 54 09.40 ID GblUKyzcO [2/2] 770 1日終わって「勝った~!」って言う記憶がない。 途中プラスになってても、『まだまだ、こんなんじゃ足らない!』 ・・と全レースに手を出してしまう。 結果無くなる。 こんな繰り返し・・・・ 今みたいにお金が無くなると、駄目な買い方だな・・と気付くが、買えるとなると同じ事をやってしまう。 771 正解。よく言ってる・・・ でも、絶対勝てる!勝たないと追われる生活から脱出出来ない!必ず勝てる! ・・・と、信じて・・る。 789 / おねーがい ◆x7sGchDY6U sage 2011/05/24(火) 17 01 36.69 ID ooRrqYT/0 [1/3] ブライオンさん覚えてますよ~。ちょとだけ絡んだ程度だったとは思いますけど 、なんだか記憶に残ってます。 懐かしいなぁ 790 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 19 29 58.70 ID S8RuqO180 ついに揃った新旧のブルジョア この後、どん底の二号に予期せぬ幸運が訪れる! いったいどうなってしまうというのかぁー! 791 / おねーがい ◆x7sGchDY6U sage 2011/05/24(火) 20 20 58.34 ID ooRrqYT/0 [2/3] よっしゃー 久々に勝負とったー>< 792 / おねーがい ◆x7sGchDY6U sage 2011/05/24(火) 20 23 52.94 ID ooRrqYT/0 [3/3] すまん・・・ごばく。。。ごめんなさい これは感じ悪いな・・・ほんますまんorz 793 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 22 21 41.34 ID Q1POU8yWO [3/4] おい聞いてくれ 田倉のおっちゃんからかいに行くどころじゃなくなった 今日会社定時にあがって大井行こうと思ったら社長に呼ばれて飲み会 そこでとんでもない発言が… 来月会社たたむだと… 俺もこれでクズの仲間入りになりそーだ よろしく先輩方(ノд・、) 794 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 22 38 39.67 ID nte+787z0 おねーがいとかいう屑コテが暴れてるなwwwwwww 795 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 22 45 21.40 ID LUo5xb9vO [3/3] 786 よろしくお願いします 796 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/24(火) 23 01 05.74 ID Q1POU8yWO [4/4] どーでもいーけどニトロのブログ見て吹いたぞw 797 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/24(火) 23 16 53.07 ID HFisiyJa0 ニトロ頑張って欲しいわ( _ ) 798 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/25(水) 00 34 00.01 ID FU5Zs4Pw0 ニトロがんばれ 799 / 名無しさん@実況で競馬板アウト sage 2011/05/25(水) 01 19 37.14 ID K2324QoZ0 人馬( ^ω^ )つ ハイ、どこでもドア♪ 二号( ^ω^ )つ ハイ、ムリヤリキャッシュカード♪ http //ameblo.jp/nitoro-jra/ ニトロ( ゚д゚ )つ ハイ、無敵砲台!!! 800 / 名無しさん@実況で競馬板アウト 2011/05/25(水) 09 29 48.30 ID Qi32z8MXO このスレもここまで育ったか 人馬はクズだがそれだけは評価してもいいな
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3408.html
あの男の事が許せないか? かつてストレイト・クーガーから問われたその問いに、今ならばスバル・ナカジマはハッキリと答えられただろう。 ああ、許せない。許せないとも、許していいはずなどないと。 ハッキリと憤怒と憎悪の念をもって、そう迷わずに答えることが彼女には出来た。 この男が、自分から大切な者を奪い、大切な者を傷つけた。 故にこそ、許せない。 絶対に……絶対にッ! だからこそ―― 「カァァァズゥマァァァアアアアアアアアアアア!」 相手の、その憎き仇である獣の名を、あらん限りの憎悪を込めて叫ぶ。 その怒りを、握り固め振り被ったその拳へと込めながら。 眼前に迫り来る黄金に怯む事すらなく、空色の発光と共にスバルは相手を目掛けて突っ込んだ。 黄金と空色。アルターと魔法。拳と拳。 二つの激突が閃光と震動、そして地を割り、雲海を切り裂こうが、如何なる現象を発生させようが一切関係ない。 もはや今のスバル・ナカジマは眼前のこの獣以外には何も見えてはいなかったのだから。 そう―― ――あたしは、こいつを殺したい。 それはもはや疾風というよりはむしろ流星。 実際、スバル・ナカジマの突撃の勢いを真正面から対峙する事に覚悟を固めていたカズマでさえ、思わずに数歩怯み、押し負けたほどだ。 実際、互いにぶつけ合ったシェルブリットとリボルバーナックル……それが削り取られるように欠けたのはカズマのシェルブリットであった。 大したものだ、そして凄まじい威力と殺気だとすら腐りきったカズマですらそれは思わずに感心を抱くほど。 ……まぁ、そうでなければ意味も価値もないのだが。 それに―― 「この程度じゃあ……全然足りねえんだよッ!」 怒声と共に、弾かれたシェルブリット再び強引にスバルへと向けてカズマは殴りかかる。 殺気も勢いも上等だが……たかだかこの程度の輝きで命をくれてやるほどに己は親切じゃない。 腐りきった、底の底へと堕ちきった外道が、生き汚い死に損ないが、簡単に命を差し出すなどと戯けた事をするはずがない。 「俺の命が欲しいってんなら、テメェも命くらい懸けて挑んで来い!」 逆にド腐れとして返り討ちにして喰らいきってやる、そんな考えすらもカズマは抱いていた。 だからこその、それを分からせてやる為の一撃。 カズマの強引なその拳は咄嗟にマッハキャリバーが展開したプロテクションを叩き割り、スバルを弾き飛ばす―― 「――そんなの……承知の上だッ!」 ――ことはなく、強引に踏ん張ってそれに耐えたスバルが逆に顎先を蹴り返してきた。 強烈な、脳天に響く一撃に、思わずカズマも蹈鞴を踏みながら数歩後退。 その隙を逃さぬと言うように、間髪要れずに拳を叩き込んでくるスバル。 抉りこむようなレバーブロー。思わず九の字に身体が折れ曲がるのを追撃するように顔面へ向かって拳の一撃。 ミシリと鈍く響く嫌な音と共にカズマの額が切れ、血によって赤く染まる。 「――ハッ!」 しかし、血に染まりながらも、それでも獣はそれに歓喜を抱くかのように笑っていた。 そして笑っているだけではない。殴られたら殴り返す……彼にとっては当たり前の常識を実行し返すのを忘れてはいない。 頭ごと薙ぎ飛ばすと言わんばかりの大振りによる横薙ぎの一撃。咄嗟にスバルは顔を引いて眼前スレスレでそれを躱すも…… 「――ッ!? がァッ!?」 急激に返し刃のようにバックブローが彼女の回避速度を超える速度で戻ってきて、その頬を殴り飛ばす。 衝撃で吹き飛びかけるスバルだが、それをカズマは許さない。当然だ、まだまだ全然殴り返してなどいないのだから。 吹き飛びかけるスバルの頭、その髪を強引に掴んでこちらに向かって引っ張る。 為すがままに引っ張られて寄ってきたスバルの顔面、それを目掛けてカズマは膝頭を叩き込んだ。 鼻血だか額だかどこが切れたのかは分からないが、同じようにスバルもまた頭部より出血し、その飛び散った血が彼女のハチマキを赤へと染める。 もう一丁とばかりにふらつきながら後退しかけているスバルへと、カズマはシェルブリットを纏う拳を彼女の腹を目掛けて叩き込む。 だが―― 「――ガァッ!?」 同時、被弾すら意に介さずと言わんばかりにスバルのカウンターがカズマの側頭部へと叩き込まれた。 衝撃で脳が揺れる。気持ち悪さや吐き気もそうだが、生物として根本的にどうしようもないダメージにさしものカズマも揺らぎかけ…… 「……ざ……けん……な……ッ!」 無様に膝をつくことなど死んでもしてたまるか、そう示さんばかりに強引に膝を震わせながらも立ったまま踏ん張る。 霞みかけている視界の先で、膝をついて震えているスバル・ナカジマの姿を確認。 ……おい、どうした? テメェはその程度か? アイツは……あの女なら、それくらいのダメージ、平然と立ち上がりやがったぞ。 敵討ちを吠えるってんなら、あの女と同じくらいの気概を見せろよ。 理不尽なそんな憤慨を顕にしながら、それが出来ないならさっさと潰れろと言わんばかりにゆっくりと近付いて拳を彼女目掛けて振り下ろそうとしたその瞬間だった。 「……ウ、イン……グ、……ッ……」 ポツリと搾り出すように何かを呟いているスバル。 何をぶつぶつ言っているのか、とカズマが怪訝というよりも不快感も顕にしたその瞬間だった。 「――ロード……ッ!」 叫び、同時彼女が地面を叩く。 発生する魔法陣。そしてそこから現れる空色の道。 突如、眼前へと発生させられたそれに対応できず、突き刺さるようにカズマはそれに直撃しながら吹き飛ばされた。 負けない。 負けてたまるか。こんな奴に……こんな外道に、絶対に負けてやるもんか! ここで、こんな相手に負けてしまえば、高町なのはの名すらも穢れよう。 そんなことは認めない、絶対に。 そんな気概も顕に、土壇場の反撃。展開したウイングロードがカズマへと突き刺さり、彼をそのまま吹き飛ばす。 「マッハ、キャリバー……ッ!」 相棒に、強引に呼びかけ、求めるのは切り札の解除。 A.C.Sモード。そのスタンバイ要請。 ダメージの蓄積した身体の今のスバルに、それを行使するのは自殺行為も同じ。 『相棒! 止してください、それよりも今は橘あすかを連れて離脱を――』 「うるさい! 早くしろッ!」 頭に血が上り、怒りと戦いへの興奮で冷静さを欠いたスバルは、普段の彼女からは出るはずもない荒々しい強引な暴言で相棒の制止を遮った。 離脱……そんなこと、事此処に至って自分もそれに相手も許すはずがない。 それに―― 「これは敵討ちなんだ! なのはさんの! 君島さんの! 社長の!……皆の仇を討つんだよッ!」 そう、それを果たさずに、あの危険人物を生かしたままに、高町なのはの理想をこのロストグラウンドで果たせるはずがない。 あの獣は討たなければならない。殺さなければならない。 なのはが遣り残したであろう無念……その後始末を自分が果たすのだ! 『……落ち着いてください、相棒。高町なのははあなたにそのような事を望んでは――』 それに君島邦彦は彼が殺したわけではない。橘あすかとてまだ助かるかもしれない。 なのに怒りに任せて暴走して、感情の赴くままに、師の遺志すらも曲解させて、そうしてその結果に彼女に残るのは何だ? ……何も無い、後悔と虚無感だけだ。 それは君島を助けられなかった時以上に、スバル自身を絶望させて、闇へと落としてしまうだろう。 そしてそうなってしまえば……もはやそこに救いはない。 そうなるのが目に見えていて、マッハキャリバーにそれが容認できるはずがない。 だからこそ―― 「マッハキャリバー、何やってんのよ!? 早く――」 『――いい加減にしなさい!』 スバルの怒声を更に上回る音量を持って、マッハキャリバーは彼女の言葉を遮った。 「……マッハ……キャリバー………?」 今までずっと従順であり支えでもあった己がデバイスからの拒絶。それにわけがわからないと言った様子も顕にスバルは戸惑う。 彼女の暴走とて、怒りに駆られてしまったそれとて無理はない。彼女の心情、これまでの境遇を思えば、マッハキャリバーとて身を引き裂かれるかのような痛みを感じる。 ……けれど、それでも今の彼女は間違っている。 それは高町なのはが望んだ、そして彼女が後を託し、自らの意志でそれを引き継いだ他ならぬスバル・ナカジマ自身の決意にも反する。 高町なのははもういない、何処にもいない。そして彼女の仲間……機動六課の面々もまた此処にはいない。 だからこそ、今の相棒を止められるのは……過ちを犯させないように踏み止まらせられるのは相棒たる自分を置いて他にはいない。 それに他ならぬマッハキャリバー自身が、過ちを犯す、復讐の獣と化してしまうスバルの姿など見たくはなかった。 だからこそ―― 『思い出しなさい、スバル・ナカジマ。あなたは高町なのはへと何を誓ったのですか?』 その言葉に、スバルはビクリと震える。 誓い。高町なのはの墓前へと、自身が誓ったその―― 『彼女は何を望んでいたのですか? 何を願い、何をあなたへと託そうとしたのですか?』 激情に駆られた復讐という行為か? 後先も考えずに、己の感情だけを相手にぶつけ、そして傷つけることか? 『あなたは彼女の言葉に、彼女の意志に何を見出し、何に憧れたのですか?』 スバル・ナカジマへと高町なのはが教えた事は何か? 教えたかった事は何か? 四年前、何に憧れ、何に涙し、何を目指そうとしていたのか。 ……分かっている。それくらい分かっている。 「……知ってるよ」 マッハキャリバーに言われなくたって、そんな事は分かっている。忘れた事だって一度だってありはしない。 高町なのはに関する事をスバル・ナカジマが忘れる事など何一つとしてありはしない。 当たり前だ。自分の目標、憧れの人だったのだ。忘れる事などあるわけがない。 全部憶えている。全部……全部ッ! 一つだって忘れた事なんてない! でも―― 「分かってるよ! あたしがやってる事が違うっていうことくらい! マッハキャリバーなんかにわざわざ言われなくたって! 全部……全部ッ! 分かってるよッ!」 頭を振って涙も顕に、怒鳴るようにスバルはマッハキャリバーへと向かって叫び返す。 流石にスバルの豹変に、その勢いにマッハキャリバーもまた気圧されたかのように言葉を詰まらせる。 けれどそれすら意に介さずに、スバルの叫びは続く。 「なのはさんはこんな事望んでなんかいない!……君島さんだって、きっとこんな事、望んじゃいない!」 そんな優しい二人だったからこそ、スバル・ナカジマは憧れたのだ。 けれど―― 「でも二人がそうでもあたし自身が納得できない! 許せないんだよ、あいつが! 許すことなんて……出来ないんだよ……」 そう、高町なのはも君島邦彦も、そして橘あすかも結局の所は関係ない。 あの男が……カズマという男を許せないのは、許すことが出来ないのは、全部自分の、自分自身の勝手な感情だ。 なのはも君島も、カズマと関わりさえしなければ死ななかった。死ななくて済んだのだ。 あの二人は結局、カズマの為に死んだのも同じではないか。どっちも、アイツさえ放っておけば死なずにすんだのに、あんな奴を助けようとしたから、死んでしまった。 「あたしは……あんな奴より、あんな奴を助けるよりも、もっと二人に生きてて欲しかった!」 もっと自分を助けて欲しかった。支えて欲しかった。導いて欲しかった。 けれど彼らは自分ではなくカズマを選び、そして死んでしまった。 その事実が悔しくて、やるせなくて、悲しくて、我慢できない。 醜い嫉妬だ。どんなお題目や建前を並べようが、根本的な感情がそれであることくらいスバル自身だって分かっている。 だからこそ、そんな選ばなかった……選んでもらえなかったからこそ、せめて、自分が彼女たちの遺志を、その生き様を継ごうと思った。 最後に残ったそれくらいは、もう誰にも渡したくなかったから。 それなのに―― 「それなのに……アイツが、他の誰でもないアイツが、あたしから全部取ってったアイツが、なのはさんたちが残したものを……穢してるんだ!」 それをどうして許せよう。 それをどうして納得しよう。 そんな事、出来るはずがない。出来るはずがないではないか。 あんな無様に蹲って、目を閉ざして、耳を塞いで、現実から逃げて。 立ち向かう事をやめて、無意味な戦いの中から出て来ようともしないあんな生き方こそ、死んでいったなのはや君島に対しての裏切りであり、侮辱ではないか。 そのような蛮行……許せるはずがないではないか。 「だから、あたしは――」 ――あいつを討って、なのはさんたちの無念を晴らす! 『――ッ!? 相棒、止めなさ――』 マッハキャリバーの最後の制止の言葉すら強引に振り切って、スバルはウイングロードに飛び乗ると共にその上を駆け抜ける。 駆け抜けたその先にいる憎き仇――逃げ出した無様な獣に引導を渡す為に。 『ああ、お前は強い。そりゃあ中々のもんだ』 速さは兎も角として強さだけならば、或いは俺の次くらいには強くなれるかもしれないなとストレイト・クーガーはカズマへとそう言ってきた。 在りし日の……もう過ぎ去って戻れないかつての記憶。 あの兄貴分気取りの訳の分からない男の事を、しかもよりにもよってそんな言葉を今更どうして思い出しているのだろうかとカズマ自身が不思議と思うくらいだった。 『けどな、腹が減ったらどうする? 飯は? 服は? 寝床は?』 最低最悪の無法の大地と謳われるロストグラウンド。そこに住むロクデナシのアウトローだろうと突き詰めれば人間である事には変わりない。 人間の生活において最低限に必要な要素……衣食住。その日渡りの根無し草、風来坊を気取ろうともやはり人間である限り最低限は必須ともなる。 例え自分たちアルター使いであろうとも例外では無い。 いや、アルター使いであるからこそ尚更に大変なんだと何処か諭すようにあの男は幼いカズマへと告げてきた。 カズマにとっては深く考える必要性すらも無い、小五月蝿いだけの説教。 ……そう、あの時はまだそんな認識だったのだ。 『全て力で奪うのか?』 何を今更、弱肉強食をモットーとするこの無法の大地でそれ以外の方法なんて無いだろうと鼻を鳴らして内心で馬鹿にしていたのを思い出す。 それが態度に出ていたのだろう。それがお前の答えかと些か落胆したような溜め息も見せながらクーガーは問いかけてきた。 『そうやって、お前が手に入れたモンのお零れに群がってきた馬鹿共を従えて、お山の大将気取るのか?』 そうして口にこそしなかったが、彼はそのこちらを見据えてくる眼でありありと告げてきていた。 随分小さな器だな、お前……と。 馬鹿にされていたのは間違いない。それに無性に腹が立った。こちらを勝手に測るクーガーの態度に酷くムカついた。 そんなんじゃねえ。そんなんじゃねえよ。けど…… 俺には力がある。 全部欲しい物は奪い取って、自分の物に出来るくらいの力がある。 その力で……まぁ、気に入った奴がいたら気紛れに護ってやるくらい別に良いだろうが。 簡単なんだ。ああ、簡単だ。 俺は強いんだから。力があるんだから。 この大地は力がある奴の言い分だけが、結局の所最後には通るんだから。 だから、誰にも負けない自分がそうしたところで―― 『それとも全部独り占めしようとして、テメエを見せつけるか?』 クーガーはそんな事をこちらを見透かしたように告げながら、最後に笑って。 まるでそれが予言だとでも言うように―― 『――消えてなくなるぞ? 何もかも』 不思議な確信を込めながら、そんなふざけた事を言ってきやがった。 あまりにもムカついたので、その時にカズマは言い返すように、そんなクーガーに対して不敵に笑いながら告げたのを覚えている。 『――そんなこと、なるわけねえよ』 俺に力があり続ける限り、そんな事になどなるはずがない。 だから、クーガーの言っている事など実現するはずも無い妄言だと。 そう言い返すカズマの言葉に、クーガーは何も言わなかった。 ……そう、何も言ってはこなかった。 それが、カズマとストレイト・クーガーがある日唐突に別れる事になる前に、あったそんな出来事。 あれからふらりとクーガーがカズマを置いて何処かへ消えてしまったのは、そう遠くない日のことであった。 「……ああ、結局はテメエの言う通りだ」 腹立たしい事この上ないが、事実その通りなのだから様ァない。 ああ、見事にクーガーの言葉は予言となって的中し、カズマの未来を決定付けた。 結局、あの時にクーガー相手に偉そうに誇った力などでは、何も護れはしなかった。 ――居場所も。 ――相棒も。 ――大切な存在も。 何もかもを失って、結局出来た事など単なる八つ当たり。復讐。壊す事だけだった。 しかもそれすら……そんな憎悪と憤怒の結果ですら、逆に敵に泣かされるなんて事になった本当に情けない結果でしかなかった。 カズマは思う。 『……そっか。ありがとな―――こんな馬鹿とつるんでくれてよ』 君島邦彦はどうしてこんな馬鹿の為に命を投げ出しておきながら、そんな礼などを言ってきたのだろうかと。 『わたし泣くから、カズくんの分まで泣くから!』 由詑かなみはどうしてこんなロクデナシの為に悲しんで、涙なんて勿体無いものまで流していたのか。 そして―― 『カズマ……くん……君は……ひとりじゃ…ないよ……』 高町なのははどうしてこんなクズの為なんかに命を投げ出してまで構い、そして最後に優しく笑えていたのか。 ……分からない。分かるはずなどありはしない。 所詮自分は餓えて彷徨う、壊す事しか能のない無様な獣。心を持ち温かく、慈しむ事の優しさを知った彼ら人間のことなど理解出来ようはずがない。 そう、所詮は無いものねだり。叶う筈もない無様な憧れ。 分不相応にもそれが温かかったから、それが綺麗だったから、或いは自分にも手に入るのではないのかと憧れて、手を伸ばそうとしただけ。 そして現実はそれを許さず、力に驕り分を弁えなかった愚かな獣へと罰を与えた、ただそれだけのことだ。 そしてその結果……行き着いた結果こそがこの様だ。 無様……ああ、この上もない無様。 だが、例えそうだとしても―― 「――それならそれで、似合いの終わり方ってモンがあるだろう」 相応の幕引きはあってしかるべき。 そう、復讐に焦がれた愚かな獣を、新たな若い獣が同じ感情を以ってこの身を断罪する。 それこそお誂え向きではないか。そのまま丸々こちらの荷物を彼女へと押し付ける事そのものだが……そんな事、こっちが知ったことではない。 兎に角、もう疲れたのだ。背負い続ける事も、逃げ続ける事も。 だったら、この場で全てを―― 「……ああ、全部終わりにしようじゃねえか」 腹に突き刺さった不意打ちのウイングロード。それを掴んで強引に上に飛び乗る事で先端に突き刺さっていたのを回避したカズマは、彼女の作ったその道の上で、己を討ちに来るだろう彼女を迎え撃つ為に待ち続ける。 スバル・ナカジマ。 君島が恩人だと信頼を寄せ、そして恐らくはなのはの身内なのだろうあの少女。 橘あすかというお膳立てに加え、溜まりに溜まりきった怒りの爆発した彼女は、正しくかつての自分と同じだ。 彼女ならばやるだろう。例え命を懸けて刺し違えようが、こちらを殺しに来てくれるはず。女ではあるがなのは同様に根性がある。きっとそれくらいは出来る。 ある意味でカズマが望んでいることは、自分自身がかつての自分と同じ者に殺されるという度し難く矛盾したものだ。 だがそんな事は構わない。どうでもいい。賢しい理屈の修飾などする必要はない。 もっと単純に考えればいい。獣の間にも世代交代は必須だ。ただスバルが自分を超える新たな獣となって自分を殺せばそれで良い、ただ単純にそう思っているだけに過ぎない。 せめてなのはの愛したなのはの身内に殺されるというのなら……歪んでいるが、一応は筋を通す事くらいにはなるはずだ。 「……悪いな、なのは」 復讐の獣と化して猛るスバル。かつての自分とまったく同じ存在。 なのははそんな自分を救おうとしたが、自分はスバルを救おうとなどしていない。 ただ押し付けて逃げ出すだけ。つくづくに度し難い腐りきった行い。 だが仕方ないだろう。彼は彼女とは違い、人を救う魔法使いなどではない。 己は獣。壊す事しか出来ない、それしか能のない、どうしようもなく馬鹿でクズでロクデナシな、救いようも無い……そんな存在に過ぎない。 だからこそ、なのはと同じ事など出来ない。出来る筈もないし、するつもりだってない。 そんなどうしようもないカズマに対して―― 『――貴方には、心底失望させてもらいました』 吐き捨てるように、忌々しく、レイジングハートがそんな言葉を告げてくる。 口を開けばこちらに対する罵詈雑言……ムカつくが、もう聞き飽きた。それにこれで最後かとも思えば、むしろ好きに言わせてやるかとカズマの中では奇妙な余裕すら生まれていた。 『貴方は、こんな逃げで全てを許されるなどと思っているつもりですか?』 「さぁな。けど関係ねえ。……それに、もうどうでもいいんだよ」 意地も信念も、宿敵も喧嘩も。 失ったものも残ったものも、背負ったものも捨てたものも。 あれだけ拘り続けた何もかもが、まるで色褪せるかのように今のカズマにはどうでもよく感じられていた。 そういうのに一々煩わされることすら……疲れた。 「テメエらが俺を憎むのは勝手だし、どう思おうが自由だ。……けどな、こんな無様に死に損なっちまった俺にも、願いたいものが一つだけあるんだよ」 正確に言えば、八ヶ月の前のあの時に、なのはが死んだ時に“シェルブリット”のカズマもまた死んだと思っていた。 少なくとも、皮肉にも頑丈すぎた肉体は兎も角としても、精神の……心の方は、大事な芯があの時に折れてしまった。 だから、“シェルブリット”のカズマは、あの戦いで高町なのはに負けて死んだ。 今無様を晒し続けているのは単なる残骸。いつかは消え行くはずの残滓も同じ。 だからこそ…… 「贖罪……なんて言えねえが、それでも無様晒していつかは惨めに死んでいくのが、まぁ似合いの末路だと思ってた」 誰も自分を知らない場所で、誰にも必要とされず、誰にも価値を見出されず。 孤独に無様に……出来るだけ、痛みを感じながら死んでいこう。 それくらいはしておかないと、君島にもなのはにも、くたばった時に合わせる顔もないと、そう思っていた。 「……けどよ、やっぱどれだけ捨てようが、逃げようが――」 ――過去って奴は、俺を放っておいてくれねえ。 当たり前といえば当たり前だが、この橘たちの唐突な来訪で改めて確信した。 忌まわしい誤算だが、けれど予期せぬ嬉しい誤算があったのも事実だ。 スバル・ナカジマ。そう、彼女という存在。 「テメエだって満足だろ? アイツなら……俺の首を取ったって」 相応しい資格と役どころ。是非もない。 それに、そんな彼女を見ていたらやはりどうしようもなく思ってしまうのだ。 やはり自分はどうしようもないクズであり、救い難いほどに骨の髄までアルター使いなのだと言うことを。 疼くのだ。欲しているのだ。 ああ、そう。命くらいくれてやる。別にもう惜しくも何とも無い。 だがその代わり―― 「――最期くらい、派手な喧嘩で死なせてくれよ」 そう、やはり獣は獣らしく、その死に様は戦いの中でこそ示したい。 本当にどうしようもない、最後の我が儘。 『カズマ、貴方は――』 「お喋りはもう終わりだ。――着やがった」 レイジングハートの言葉を強引に遮りながら、どこか嬉しそうに笑みすら浮かべながらカズマは待ちわびたように呟きながら、己が前方へと熱い視線を向ける。 颯爽と鳴り響き駆け抜けてくる車輪の音。 隠すつもりも抑えるつもりも毛頭ない、こちらに対して向ける惜しみも無い怒気と殺気。 ああ、気合は十分。その面も充分に様になっている。 カズマは静かに迎え撃つように拳を握りながら、心の内で向かってくる相手へと最初で最後の、そして最大の賞賛を贈った。 スバル・ナカジマ、テメエは俺の最期の喧嘩の相手には充分だ。 だからこそ―― 「――始めようぜ、喧嘩をよォ!?」 今はただ彼女に対して愛しさにすら似た歓喜を示しながら。 黄金の輝きを発する拳をもって獣は少女を迎え撃つ為に駆け出した。 「……カズ、マ……スバル…さ…ん………」 朦朧とする意識、霞む視界、激痛を訴える身体。 だがそんな状態ですら、橘あすかは黙って倒れているわけにはいかなかった。 上空で、空に架かった道の上で拳を交えた激しい戦いを繰り広げている両者。 止めなくてはならない。あんな戦いは二人のどちらにとっても救いにもならない。 それが橘にも理解できていた。だからこそ、無理矢理に限界に達した体に鞭を打ちながら橘は動き出した。 己がアルターで人体の代謝機能を高め、自己治癒能力を促進し、負傷を治療しようともしたが……やはりダメージがダメージで気休めにすらなりはしない。 一歩進んだ先には倒れそうにもなりながらも、それでも歯を食いしばって激痛に耐えながら橘は歩みを進める。 二人の……こんな悲しい戦いを、一刻も早く終わらせる為に。 ――スバルは、どうして強くなりたいの? あの日、あの時に問われたその問い、その意味をスバルは忘れていない。 憧れの人であった高町なのは。 彼女に及ばなくても、役者不足でも、それでも彼女の後を継がなければならない。 彼女の代わりに、彼女の為に、彼女の望んでいた理想を叶えたい。 それは今も変わらない。四年前からずっと抱いた憧れと共に、もう届かなくなったからこそに、傍には居てくれなくなったからこそに、尚更にスバルはなのはという憧れを強く求めていた。 求め続けていた。 だから、なのはさん。心配しないで見ていてください。 時折、ふと幻のように瞼の裏や脳裏、そして夢の中で自分を見つめてくる彼女の姿。 いつからだろう、彼女の姿……その幻を見るようになったのは。 思い返してもよく思い出せないが……まぁ、それはどうでもいい。 むしろ、嬉しいくらいだ。居なくなったはずのなのはが、ずっと自分の傍に居てくれる。見守っていてくれる。 これほど心強く、嬉しい事もない。……情けないところや失敗などを見られないかと、少しだけ冷や冷やする事もあるが。 けれど概ね、そんな事はどうでもいいくらいに、嬉しさが勝るのは事実。 だからこそ、ちゃんと見ていてください、なのはさん。 そして……笑ってくれると嬉しいです。 あたし、頑張ります。 頑張って、なのはさんの代わりに、なのはさんになって、なのはさんのしようとした事をやり遂げて見せますから。 この男だって直ぐに斃して、仇だってちゃんと討ってみせますから。 だから、安心してみていてください。 あたしは絶対に、なのはさんになってみせますから。 ……だから、だからもう少しだけ、もうちょっとだけで良いですから。 そんな哀しそうな眼であたしを見ないでください。 もっと、嬉しそうに笑ってください。 あなたが笑ってくれれば、あたしはきっと何だって……何だってしてみせますから。 ちゃんとあなたにだって成りきれます。 ……だから、なのはさん。お願いだから…… ……そんな眼で、あたしを見ないでください。 ……そんな哀しそうな顔、しないでくださいよ。 お願いです。お願いですから…… もう一度、お願いですから笑ってください……なのはさん。 地の利は駆け抜けるスバル・ナカジマにあったことは激突当初から明白だった。 至極当然、何故ならば両者の足場はウイングロード。空を飛べぬスバルが、彼女の力で空を飛ぶために代用する翼。彼女だけの魔法なのだ。 土足で勝手に上に乗って駆け回っていようが、カズマがその場を間借りしているという事実は変わらない。 「――チィッ!」 思わず忌々しい舌打ちがカズマの内より漏れる。これでもう何度目か。一々数えるなんてしていないが、それでもそろそろ十には達している事だろう。 酷く鬱陶しい。カズマの現状を評するならばその苛立ちだけが全てだった。 その理由、その原因、カズマが思うように苛立たせるスバルの戦法。 一瞬で駆け抜けて間合いを詰めて放たれてくる拳の一撃。 カズマはそれをシェルブリットの纏う右手で防ぐ。 彼の防御と同時、直撃か否かの結果すらも関係なくそのまま通過して行く少女の影。 その後ろ髪でも掴むように咄嗟に振り返り様に手を伸ばすが、空を切る。 忌々しい空振り。蹈鞴を踏むような強引な振り返りから体勢を整え直そうとした瞬間だった。 今度は下方から生まれた新たな道を駆け上るように迫ってくる相手の強襲。 放たれるリボルバーシュート。咄嗟に右腕を翳して防ぐも――右腕がそのまま衝撃で上へと弾かれる。 そこを狙い済ましたように接近。そのまま彼女の拳が抉りこむようにカズマの体へと叩き込まれる。 魔力を纏った拳――ナックルダスター。 その威力は防御云々に関係なく並の魔導師ならば叩き潰せる威力を有する。 常人離れしたカズマの耐久力を以ってしても、効く。それは変わらない。 だがカズマが苛立つのはそんな相手の攻撃の直撃ではない。 一撃を入れると同時、スバルはそのまま飛び離れるようにその場から離脱。新たな道を作ってそちらに飛び移り、カズマの拳が届かぬ範囲にまで距離を取る。 ――ヒットアンドアウェイ。 決して深追いはせず、有効打を決めたら即座に相手の反撃を生じさせぬ為に離れるスピード戦。 彼女の修めた格闘技――シューティングアーツの真骨頂。 「……テメエら、本当にやり方まで同じじゃねえか」 高町なのはの魔弾がスバル・ナカジマの拳に代わっただけ。 遠距離が瞬間的に距離を詰めてのインファイトと代わっただけなのだが……カズマにしてみればより不愉快この上なかった。 仮にも得物を同じ拳としてくるならば、チマチマとした連打なんかで来られても面白くも何ともない。 ましてや先の橘あすか同様の劣化焼き直し……正直、飽き飽きもいいところだ。 「……そいつはもう――飽きたんだよッ!」 カズマの苛立ちとは攻撃が当たらない事でも、戦いのイニシアチブを握られている事でもない。 最後の命を懸けた大喧嘩。獣の喰らい合いに賢しい知恵を入れ込んだツマラナイ策を相手が持ち込んできたというその事実。 ましてや―― 「そんなんじゃあ……何の意味もねえだろうがッ!?」 カズマは思う。コイツは本当に自分に勝つ気があるのだろうかと。 高町なのはの仇を討つ……本当にそんなつもりがあるのか。 こんな戦法、何百何千繰り返されようが、こちらとしては脅威でも何でもない。 力づくで突き崩す。策も理屈も常識も関係なく、カズマがその気になって行おうとすればそれは可能だ。 あの高町なのはですら、力の上では結果的にそれに屈していた。 ましてやあの女にも数段劣る小娘が、同じやり方でそれで仇を討てると本気で思っているのだろうか。 だとするならば度し難い。許し難いと吐き捨てたいとすら思う。 もし本当に、このままこんな水を差すような行いしか出来ないと言うのなら…… 「……だったら、テメエにくれてやる首は無えよ」 この首、この命、差し出す事にすら値しない。 無意味で無価値……この小娘は己が求めていた存在ですらなくなる。 だとするならば―――――もう、いい。 「――消えろよ、テメエ」 いや、この手で即座に消してやる。 そんな苛立ちと共に、カズマはスバル目掛けて疾走。自身が乗っていた道から飛び降り、彼女の乗っている道の上へと着地し、そのまま駆ける。拳を振り上げ、彼女を目指して。 そんなカズマからの特攻に対し、スバルはその場で迎え撃つ――などという手を取るはずも無く、即座に車輪を火花を散らして回しながら疾走。 ウイングロードを形成。その道は側面から回り込むようにカズマを狙う彼女が駆ける彼女だけの道。 疾走速度は初動を後手に回そうがスバルが上。即座に新たな道を駆け抜けながら向かってくるカズマの背後へと回り込む。 ラリアットのように無理矢理にその身を捻りながら振り回してくる豪腕。しかし単純な大振り、難なくバックスウェーを用いながら躱したスバルは、カウンターを狙うように拳を叩き込もうとし―― ――瞬間、カズマの口元がニヤリと歪む。 「――――なッ!?」 スバルが直後に思わず驚きの言葉を漏らしたのも無理はない。 なんとカズマはスバルが拳を叩き込んでくるよりも先に、その自らの身を振り回した反動を利用して、そのまま身を投げ出すかのように飛んだのだ。 当然その先、スバルが形成するウイングロードなどあるはずもない。 身投げ? 咄嗟にスバルの脳裏へと過ぎった不可解さを顕にする疑問。まさか、こちらが親切にも道を形成してやるとでも勘違いして―― 『――相棒ッ!』 「――ッ!?」 咄嗟に怒鳴るようにマッハキャリバーから飛んでくる警告。 それだけでなく反応するよりも先に、マッハキャリバーが勝手に引っ張るように自分の体を後ろへと飛ばす始末。 ――だが、このデバイスの機転がスバルを窮地に陥りかけたのを救ったのは事実だ。 直後、その瞬間までスバルの頭があったその空間を薙ぎ払うかのように振るわれる何か。 拳――そうスバルがそれを認識すると同時に、それに続く先へと視線を向ければ、 「――チッ、外したか!」 忌々しいとその結果に苛立つかのような舌打ちを見せるカズマ。 その姿、その足は彼女の作るウイングロードの上にはついていない。 騒々しい回転音を鳴らしながら、ヘリのローターのように背中の巨大な風車を回転させて飛行している相手の姿。 そう、別にカズマはトチ狂った身投げなどを行おうとウイングロードの上から飛び降りたのではない。 シェルブリット第二形態――この状態のカズマは“飛べる”のだ。 消えたり増えたり邪魔をする不安定な足場――地に着く喧嘩こそが本望ではあるが、完全に阻害要因にしかならない足場ならば、そこに拘る必要は無い。 それに何より―― 「他人の敷いたレールの上ってのは――性に合わねえんだよッ!」 ニヤリと傲岸不遜な笑みと言動と同時、そのまま弾丸のような速度でスバルを目掛けて突撃してくるカズマ。 ――速い! その射線からの回避は不可能。咄嗟に判断したスバルがならばと行うのは当然ながらの防御。 しかし―― 「――温いんだよッ!」 「―――ッう!?」 展開する防壁。そして戦闘機人の頑強さを合わせた防御姿勢。 それすら物ともせずに力づくで叩き壊し、弾き飛ばすカズマの拳。 そう、この拳は管理局屈指の重層型魔導師である彼女、鉄壁とまで謳われたそれすらも打ち破り、下したものなのだ。生半可な防御が通用するはずなどありはしない。 殴り飛ばされ、スバルはそのまま宙へとその身を弾き出された。足場が無い。この高度、落ちれば彼女と言えど命は無い。 咄嗟に無我夢中でウイングロードを再展開。その上へと何とか着地。 しかし束の間の安堵すら与える事も許さない、そう言うかのように真上から間髪入れずに叩き落されてくる獣の拳。 咄嗟に飛び躱すも、その拳は地面ならぬウイングロードをそのまま力任せに砕く。 それによる再びの足場喪失。慌ててウイングロードを再展開。今度は再び平面方向ではなく、先の不意打ちと同じようにカズマを目掛けて。 近距離から叩き込まれてくる空の架け橋。カズマは鼻を鳴らしながら嘲笑うように軽く身を避けてそれを躱そうとするも―― 「――なっ!?」 今度は驚いたのはカズマの方であった。 彼の油断――それは彼女の生み出すその道がただ真っ直ぐにしか伸びてこない、そんな認識を抱いていたこと。 しかしそれは大きな間違い、度し難い勘違い。 弛まぬ訓練、錬度を上げたその性能は、翼の道の生み出す軌道を螺旋状などという複雑な形で生み出す事すら今のスバルならば可能。 油断して僅かに身をずらした程度――その傲慢な横っ面に軌道変換で叩き込んでやる事くらいは訳は無い。 事実、スバルの目論見どおりに、カズマにとっては実に不愉快な形でウイングロードの先端はカズマを叩き飛ばすように直撃。 その好機を逃さぬというように、即座にスバルは標的に迫るその道を流星の如く駆け抜ける。 ウイングロードの先端、カズマがいるその先へと跳躍。無謀なダイブも同然。 しかしスバルに迷いや躊躇いは一切無い。保身すらも無かった考え無しですらあったのかもしれない。 兎に角、そのままスバルはウイングロードから標的のカズマへと我が身一つで飛び移る。 小娘とはいえ人間一人分の体重。ましてや彼女は戦闘機人。しかも頭を取っての上からの突撃だ。さしもの馬鹿力のカズマとて支えきれるはずもない。 なまじ高度を上げすぎた洒落にならない高さというのもある。落ちれば……どちらが上か下かで関係なかろうとそれこそタダで済むはずがない。 道連れの……破れかぶれかのような心中。カズマとしては冗談ではない。形振り構わないこと事態は構わない……が、それで簡単に死んでやるつもりなどない。 命を取りにくることは望むところ。敗北による死――それを望んでいる事には変わりない。 けれど全力の喧嘩、死闘による終焉を望む以上は、体が動くその内は逆に相手を殺すつもりで最後まで抗わせてもらう。 であるならば、カズマのやるべき事は決まりきっていた。しがみ付いているスバル……この女を地面に墜落しきるより前に振り払う。ただそれだけだ。 どれだけしがみ付かれようが、女とは思えぬ常人離れした戦闘機人の怪力だろうが関係ない。拳で叩いて引き離す。何発だろうが、何十発だろうが、落ちる前に叩き込んで引き離す。 その為に拳を振り上げようとしたその瞬間だった。 密着したその状態から、スバルの拳がカズマの腹へと添えられる。拳と腹は触れている。1インチどころか密着だ。この状態から拳を押し込んだとしてもたかが知れている。それとも、ここから一度拳を引いて腹を目掛けて叩き込んでくるか。 ……面白い、どちらにしろならばこちらはそれに合わせてこっちも拳を叩き込んでやる。そうカズマは決めた。そちらの拳がこちらの腹を殴ってきたと同時にカウンターで彼女の顔面にこちらの拳を叩き込む。 我慢比べ、どっちが押し負けて屈するか。そんな勝負だとカズマが決めてかかったその瞬間だった。 ――カズマの全身に、まるで体がバラバラに粉砕されるかのような震動が叩き込まれる。 あまりの衝撃、あまりの威力、耐える覚悟も固めていない状態での予想を遥かに上回るダメージにそれこそカズマの意識は飛びかけてすらいた。 これは……一体………? カズマの朦朧とする意識の中で、間近に迫る黄金の瞳が冷め切った視線を持ってこちらを射抜いてきていた。 ――IS『震動破砕』 戦闘機人――タイプゼロ・セカンドたるスバル・ナカジマが保有する接触兵器。 本来ならば対人使用が禁じられているその禁を、彼女は破り、使用したのだ。 標的の内部へと直接に震動を叩き込み、破壊するその能力。 人間離れした異常な耐久力を誇るカズマであろうが無事に済むはずもない。 ましてや、前情報も何一つ無い、彼からすれば今までに体験したこともない未知のダメージによる不意打ちだ。 有効打……今までに例の無い、圧倒的な有効打であったことは間違いなかった。 スバル自身にとっても、初めて明確な『殺す』ことを目的として叩き込んだ一撃だ。これで効かない筈がない。 もはやカズマ、相手を殴るどころか拳を握る事すら……否、意識を完全に手放さずにいることすら精一杯と言って良い状態だった。 「――堕ちろ」 地獄に。そしてその底からなのはさんと君島さんに詫び続けろ。 吐き捨てるように、蔑視も顕に冷たく告げながら、カズマの体を更に蹴り込んで、下へと落としながら、スバルはその反動を利用して離脱。ウイングロードを即座に展開してその上へと着地する。 あんな下衆と心中するつもりは毛頭ない。ただ当然の裁きを下した執行官の如くに、スバルはそのまま落ちゆくカズマの末路を見届けるように上空から見下ろし続ける。 眼下、落下する獣はこちらへと届くはずも無い手を見苦しい最後の足掻きのように伸ばしながら、大地へ向かって落ちていった。 ……完全な誤算。 効いたなんてものではなかった。実際、今までに喰らってきたどの攻撃よりも直接に、スバルの繰り出してきた攻撃はカズマの内部へと響いていた。 体が言う事をきかない。急速な地面への落下を続けていくその最中で、朦朧としたカズマの意識が認識していたのはその程度のこと。 やはり、慣れない事はするものではない。 所詮は獣。見っとも無く地に這い蹲って足掻く以外の術を持たぬはずの身で、あの女の領分で戦おうなどとしているからこのようになる。 最初から分かりきっていたことだろうに。 (……俺には、翼なんて無えってのに……) そんなものも無いのに、調子に乗って飛ぼうなどと身の程知らずなことをするからこうなる。 この墜落は自業自得。……何て事はない。ただそれだけのこと。 (……空を飛べば、このクソったれた大地から逃げられるとでも思ってたのか?) そんな都合のいい事あるはずがないだろうに。 結局、やはりどこにも逃げ道などありはしない。 何処へ逃げようが……逃げられない。 過去は、罪は、因縁は、この大地は。 この身から手を離すことなど許すはずがないのだ。 (……分かってたっての。それくらいはな) 分かっていたが足掻いた、反逆した。 けれど……この反逆は届かなかった。 それだけのこと。ああ、それだけのことだ。 そして、この結果は高くつきはしたが、それを思い知らされた授業料も同じ。 いいぜ、ちゃんと受け入れてやるよ。 だが、その支払いは―― 「――まだ、ツケといてもらうぜッ!」 まだ、まだ戦いきっていない。 まだ、輝ききっていない。 まだ、燃えつききっていない。 だから――もう少しだけ、足掻く。 満足して、最後に果てるその為に――ッ! 瞬間、もはや地面に直撃目前となったその距離で、カズマは不自由な体に無理矢理鞭を打ちながら精一杯に命じる。 全身なんて贅沢は言わない。拳だ、拳を握って振るえる力だけでいい。 それだけあれば――まだ反逆できる! そんな意志も顕に、抗うように獣の咆哮。そして無理矢理に振り返ると共に目前に迫る地面へ向けて、むしろ自ら振り被るように殴りかかった。 放出するアルターの煌き。粉砕し、抉り取られていく地面。 自前のクレーターを、常識外れのサイズで作り上げながら、その中心にカズマは叩きつけられるように落下した。 全身がバラバラになるかのような衝撃。吹っ飛びかける意識。 だがそんな中で、無理矢理に意識を引き止め、痛みすら麻痺した体を痙攣させながらも、カズマは、空を仰ぐように寝転がりながら、笑っていた。 ――死の運命からの反逆。 生き残ったというその結果。それはつまり―― 「……まだ……まだ……これ、から……だッ!」 そう、喧嘩はまだ終わっていない。 「――なッ!?」 眼下で起こった呆れるほどに非常識なその光景、それを目撃したスバルは思わず絶句する。 当然だ。あのまま無様に落下して石榴のように弾け飛ぶのが当然であったはずの相手が、あんな非常識な悪足掻きで生き残ったのだ。 そうまでして足掻く。 そうまでして生にしがみつく。 ……何と浅ましく、そして無様な事か。 なのはや君島を死に追いやっておいて、まだ自分だけはのうのうと生き汚く、抗い続けるなど……ッ! 「……ふざ……ッ……けるなぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!」 咆哮と同時、カズマに向かうウイングロードを形成。滑降というよりはもはや落下に等しい角度と速度でカズマを目掛けて突撃。 漸くに震えながらも立ち上がりかけたその相手を、その顔を容赦なく殴り飛ばす。 もんどりうって再び地面へと倒れるカズマ。 しかしスバルは追撃の手は緩めない。そのまま飛びかかって倒れたカズマの腹部へと膝を全体重を込めて叩き落す。 流石に昆虫標本のように縫い付けられたかのような追い討ちには、カズマも喀血しながら悶絶。 しかし、スバルは止まらない。止まるはずなどない。 そのままマウントを取ると同時に、カズマの顔を目掛けて両の拳を何度も何度も叩き込む。 途中、カズマも反撃するように何発か殴り返してきたが、マウントを取られていることと連戦によるダメージと疲労も合わさってか、その拳はもはやスバルの猛攻を断ち切るだけの威力を有していない。 「お前がッ! お前がッ! お前がぁぁッ!」 憎悪に猛るスバル。その怒りと憎しみに塗り固められた表情は、只管にカズマを睨みつけるように見下ろし、その振り下ろす拳にも一切の呵責などありはしなかった。 「返せ! なのはさんをッ! 君島さんをッ! あたしから奪ったものをッ!」 その黄金の瞳、憤怒と憎悪しか対象に向けるものはないそれから零れ落ち続ける涙は、拳と共に次々とカズマの上へと落ちていく。 「全部ッ! 全部ッ!……あたしから奪ったものを……返せよぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」 只管に、只管に、スバルはカズマを殴り続けながら叫ぶ。 その激情を、その願望を、その無念を。 相手に向かって叩きつけるように。 『相棒ッ! 止めてください! これ以上は本当に――』 戦闘機人の腕力で力任せに人間の頭部を殴打し続ける。 下手をすれば……否、下手をせずともこのままでは本当にカズマを殺してしまう。 それを危うんだマッハキャリバーが思わず制止の言葉を再び上げるも―― 「……返せよ………返してよぉ……ッ!」 スバルはそれに応じない。否、マッハキャリバーの言葉は今の彼女には届いていない。 こうなったら無理矢理にでも、そう思い自らの判断で強制的に介入して彼女をカズマから引き離そうと、実行しようとしたその瞬間だった。 カズマへと向けて振り下ろそうとした彼女の拳。 それを後ろから腕ごと掴んで止める手。 マッハキャリバーも、そしてスバルも驚いたようにビクリと一瞬制止した。 その硬直の間を縫うように、擦れながらも穏やかな声が彼女へと告げられてくる。 「……もう、いい。……やめるんだ、スバルさん」 その声の主へと応じるように、スバルはそのまま首を廻らせ振り向いた。 その視線の先、己の手を掴んでいるその人物は、ただ優しげな視線を向けながら振り向いた彼女へと首を振った。 自分だってボロボロで、立っているのが精一杯のはずなのに、それでもそれを必死で隠すかのように耐えながら、彼女をこれ以上興奮させないように落ち着かせるように。 橘あすかはスバル・ナカジマへと出来るだけ穏やかに優しく告げる。 「もう、いい。……もう充分だ。それ以上は駄目だ……スバルさん」 彼女がカズマを殺すということ。 カズマが彼女に命を奪われる事を危ぶんで言っているのではない。 「……誰も、君がそんな形で手を汚す事は……誰も望んじゃいない」 自分も。 桐生水守も。 ストレイト・クーガーも。 マッハキャリバーも。 君島邦彦も。 高町なのはも。 それに――スバル自身も。 「きっと……そうすれば、君自身が後悔するよ」 「……勝手に、決め付けないでください」 橘の言葉を、そして掴んだ手を振り払うようにスバルはそれを斬って捨てて首を振る。 正論なんかいらない。綺麗事なんて沢山だ。 理屈じゃない。復讐は理屈なんかでやってられない。 それに―― 「ここで、こいつを……ッ……さないと、あたしは、あたし自身が許せなくなるんです」 そう言いながら、スバルはしかし苦虫を噛み潰すように悔しげに橘から顔を逸らす。 ”殺す”、その直接的表現をどうしても口に出して言えなかった。 心の中でなら吐き捨てるように言えるのに、現実に言葉に出すにはどうしても抵抗があった。 その言葉を口にしようとすると、何故か視界の端のなのはの幻が哀しそうな顔をするから。 それは結局、どこまでいこうがスバル・ナカジマの根っこが善人でしかないという証。 一線をどうしても越えられないことを突きつけられているかのようで、どうしてもそれが歯痒く、認められずに拒んだ。 けれど、そんな彼女の本心を橘もマッハキャリバーも気づいていた。 彼女に人は殺せない。殺す事などできない、殺させてはいけない。 何故なら―― 『――相棒、嘘を吐いてはいけません』 「――ッ!? う、嘘なんかじゃない!」 マッハキャリバーの指摘に、スバルは慌てたように頭を振りながら否定を示す。 嘘じゃない。嘘なんかついていない。 ここでカズマを殺さないと、きっと、いや、絶対に自分は後悔する。 仇を討たないと、なのはや君島にも顔向けできない。 そう、自分がやらなければ。他の誰でもない、自分が…… 「いいや、それは嘘だ。だってスバルさん、君は今――」 ――泣いてるじゃないか。 「……え?」 橘からのその指摘に、スバルは訳が分からないといった様子で自らの頬へと手を伸ばす。 指先に感じたのは、確かな湿った生温かい液体の感触。 涙……それ以外の何ものでもないそれ。 それの確認と共に、スバルは益々に慌てる。 「え?……な、なんで? あれ、おかしいな……あたし、別に悲しくなんてない……悲しくなんて……全然、そんなこと……あるわけ……」 そう慌てふためきながら必死に言い訳の言葉を並べ立て続けるスバル。 しかし真剣な表情のまま、橘は静かに無言で首を振る。 スバルの言い訳を否定するように。 「……違う。……違うッ! 違う違う違うッ! あたしは……あたしは、こいつを、こいつを……ッ……さなきゃ、……ッ……さなきゃ、いけなくてッ!」 どうして、どうして言えないのか。 “殺さなきゃ”……そう言えばいいだけなのに、なんで自分はそれを言葉に出来ない。 いや、どうしてそもそも何でこんな言い訳をしなければいけないのか。 違う、言い訳じゃない。殺す、殺したいんだ。殺さなきゃならないんだ。 あたしが、他の誰でもなく、あたしがやらなきゃいけないんだ。 「……あたしが……あたしがやらないと、あたしは――」 ――あたしは、なのはさんになれない! 決めたんだ。誓ったんだ。 他の誰でもない、彼女に。彼女の眠る墓前で自分が。 なのはの遺志を継ぐ。なのはの無念を晴らす。なのはのやろうとしたことを彼女の代わりに成し遂げると。 他の誰でもない、役者不足は承知の上。だがそれでも―― それでも―― 「……あたしは……あたしは―――――あの人にッ!」 憧れた、手を伸ばした、その背中を目指した、導いてもらったあの人に。 高町なのはに―――なりたいんだ。 高町なのはになって、彼女の理想を、夢を引き継ぐ。 そうしないと、そうしないと……彼女が何の為に死んだのかすら分からなくなる。 何の為に生きて、何の為に戦ったのかすらも分からなくなる。 意味を失ってしまう。価値がなくなってしまう。 そんなことは、認めない。絶対に……絶対に認めない。 だから、ここであたしがこの男を殺して、まずはやるべき事の一つを成し遂げて資格を得ないと。 彼女の後継者に……彼女自身になる資格を得なければ―― 『―――スバルは、どうして強くなりたいの?』 「………え?」 不意にポツリといきなりに聞こえてきたその声。 酷く覚えのある、忘れるはずもないその言葉。 マッハキャリバーでも、橘あすかでもなく。 まったく別のその声が、あの彼女の問いを再びに自分に突きつけてきた。 「……レイジング………ハート……?」 ポツリと、驚き信じられぬと言った様子でスバルはカズマの懐から地面へと転がり落ちたその宝石の名を呼ぶ。 よく見慣れた、戦場ではなのはと共に頼もしいとすら思っていた、他ならぬ高町なのはの魔法の杖。 どうしてレイジングハートが此処に? 否、そもそも何でレイジングハートがカズマなんかの懐から……? だがそんなスバルの疑問などどうでもいいと言った様子で、レイジングハートは構わずにもう一度同じ問いをスバルへと投げかけてくる。 他ならぬ、その魔法の杖自身の主が、かつて眼前の少女へと問うたその言葉を。 此処にはいない主に代わり、杖は問う。 『―――スバルは、どうして強くなりたいの?』 最後に残した主の『願い』……その一つを今、叶える時だと確信したから。 レイジングハートはその心中で問う。他ならぬ、この『願い』を残したなのはに対して。自分が取ったこの行動を。 (……マスター、これで良かったのですね?) 魔法少女の願いを叶える魔法の杖。 甚だ不本意でありながらも、それでも愚直に主の遺志を慮って、今自分がすべきことがこれで良かったのだと。 そして同時に思う。自分が出来るのはここまでだとも。 これ以上は、自分の領分ではないし、そもそもどうすることも出来ない。 後は、この言葉と主が少女へと伝えたかった本当の遺志。 それに気づき、汲み取る事が出来るかどうかは少女自身の問題。 自分はただ、それを静かに見届けよう。 『―――スバルは、どうして強くなりたいの?』 それは他ならぬ、あの日に高町なのはがスバル・ナカジマへと告げてきた問い。 機動六課の、否、管理局の魔導師として……否、高町なのはの教え子として。 ……否、そもそもスバル・ナカジマ個人としての、その目指すべき道、指針。 それが何なのか、そうなのははスバルに問うてきたのだ。 それに対して、己は何と答えたのだったのか……? スバルは思い出す。……否、思い出すまでもない。忘れてなどいない。ちゃんと憶えている。 一度だって色褪せず、諦めることなく、ずっとその願いを抱いて走り続けてきたのだから―― 地獄のような炎の中。出口なんて何処にも無い、絶望の底で。 何も出来ずに、誰にも助けてもらえずに、泣いてばかりだったあの時。 大好きな父と姉すらも傍にはおらず、独りぼっちで泣いてばかりで、命まで失いかけたあの絶望の中で―― 『良かった……間に合った。………助けに来たよ』 ――たった一人だけ、助けに来てくれた人がいた。 『良く頑張ったね、偉いよ』 本当は泣いてばかりで何も出来なかった。 蹲っていただけで、怖くて、何処へ逃げてもいいか分からずに立ち止まっていただけだった。 けれども、あの人はそう優しく言ってくれて、安心させるように頭を撫でてくれた。 その優しさ、その温かさ……今だって色褪せることなく憶えている。 『もう大丈夫だからね、後は―――安全な場所まで一直線だから』 そう告げて、その宣言通りに。 あの人は、地獄のような炎の中から、絶望の底から。 自分を………助け出してくれたのだ。 あの時の、彼女が自分を抱きしめて飛んでくれたあの夜空を、きっと自分は生涯忘れないだろう。 “炎の中から助け出してもらって、連れ出してもらった広い夜空。………冷たい風が優しくて、抱きしめてくれる腕が温かくて………” 不意に眼が合った自分へと、あの人は優しげに微笑んでくれた。 もう大丈夫だよ、とその目は優しくそして確かに告げていた。 “助けてくれたあの人は、強くて、優しくて、カッコよくて………” 救護隊へと引き渡され、担架で救急車へと運ばれる中、夜空を見上げれば先程自分を助けてくれたあの人が、再び現場へと飛んでいく姿が目に映った。 自分を助けてくれただけでなく、まだ残っている多くの人を助ける為に。助けてみせると決意と共に向かっていったその雄姿。 助けてもらうばかりで何も出来なかった自分とは違う……誰かを助ける力を持った、誰かを助けられる強くて優しい人。 ――その姿に、憧れた。 純粋に、綺麗だと、カッコいいと、そして自分とはまったく違う人なんだと思った。 自分も……あんな人になってみたい。 憧れの芽生え。そして進むべき道の選択。 それから四年――只管に、ただ前だけを見て、あの背中を追い続けた。 いつか絶対に、あの人とまた逢いたい。その背中に追いついて認めて欲しい。 そう思って駆け抜け続けた先で―― 『なのはさん、でいいよ。皆そう呼ぶから。………四年ぶりかな、背伸びたね、スバル。 また逢えて、嬉しいよ』 一救助者に過ぎなかった、あの日に道がすれ違った相手である自分なんかの事を、あの人は憶えていてくれて……。 嬉しかった。本当に……嬉しかったのだ。 どんな奇跡か、それからあの人と同じ部隊で、あの人の教え子になれたこと。 本当に……本当に、夢の様な日々だった。 そんな満たされていた中で、自分の目指す未来――その夢を問いかけてきてくれたあの人に、自分はこう答えたではないか。 誇りを持って、あの人にもきっと伝わると信じて―― 『災害とか争い事とかそんなどうしようもない状況が起きた時、苦しくて悲しくて助けてって泣いてる人を助ける人になりたいです。自分の力で―――安全な場所まで、一直線に!』 あの日、あの時、あの瞬間に。 自分を助けてくれたあの人と同じように。 スバル・ナカジマが誰よりも憧れた高町なのはと同じように―― ――あたしは、誰かを助けられる人になりたかった。 あの人――高町なのはがそうであったように……。 「…………ぁ」 原点に回帰したその答え。憧れの始まり。綺麗でカッコよかった姿。 スバル・ナカジマの憧れだった高町なのは。 スバルが本当に……本当に憧れた彼女は―― ――人を憎しみで殺すことを良しとする人間だったか? ……違う、違う違う違う違う違うッ! 高町なのははそんな人間ではない。誰かが傷つくことを、悲しむ事を良しとしない人間だ。 誰かの為に、誰かを護る為に、誰かを助ける為に戦う。 ……そういう、人だった。 「……あたし……は………」 ここでこの男を殺す事をなのはが望むのか? ――否。 なのはが敵討ちと称して自分が手を汚す事を彼女が望むのか? ――否。 誰かを殺める事が彼女の目指した理想なのか? ――否。 ここで自分がこの男を殺せば、それで本当に彼女の理想は叶うのか? 「……ち…が……う……」 ボロボロと瞳に再び涙を溢れ返しながら、スバルは途切れ途切れの呟きと共に首を振った。 違う、ああ違うんだ。 彼女の理想は、願いは、こんな事をしても叶わない。 こんな事をしてしまえば、叶わなくなる。 ここでこの男を……カズマを憎しみで殺してしまったら―― ――きっとなのはは、二度と自分に微笑んでくれなくなる。 それが分かった。気づいてしまった。 最初から答えは見えていたのに、目を逸らして気づかない振りをしていた。 けれど……もう、それも出来ない。 してはいけない。 それが分かったから、分かってしまったから―― 「――それでいい。それでいいんだ、スバルさん」 『……よく我慢してくれました、相棒』 いつの間にか、カズマの上に乗っていた状態から彼の上から退き、そして優しく橘が後ろからスバルの肩に手を置きながら告げてくる。 そしてそう言ってくる橘の声に続くように、マッハキャリバーからの声。 ……もう、限界だった。 「ああぁぁ……ッ…あああああああああああああぁぁぁぁぁ!」 しがみ付くように橘に振り返って抱きつき、その胸へと顔を埋めながらスバルは声を上げて泣き始めた。 橘はそんな彼女を優しく抱きしめ返しながら、この一時、彼女が泣きやむその時までこのままでいてやろうと静かに決めていた。 彼女は……よく頑張った。 他の誰が愚かと嗤おうが、自分やきっと水守たちはそうは思わない。 他の誰が何と言おうと、スバルのこの決断とこの姿を橘は尊いものだと思った。 それはきっと―― 「――貴女もそうなんじゃないんですか?」 直接的な面識は一度だってない、スバルの師であり水守の友であったというその人。 自分はその彼女のことなど伝聞以上のことは何も知らないが、それでも敢えて、もし天国からでも今のスバルを見ているのならば、今のスバルを褒めてやって欲しいと思った。 それくらいの想いは、きっと許される。 そう思いながら、自分の胸で泣き続けるスバル・ナカジマを橘あすかは静かに優しく抱きしめ続けた。 『……これが、どうやら彼女の貴方に対する答えのようですね?』 レイジングハートのその言葉に、何だそりゃと不快気にカズマは鼻を鳴らす。 眼前で自分そっちのけで好き勝手に行われている、自己に酔ったお涙頂戴の滑稽な小芝居。 ……下らない、ああ、下らない。 「……何だ、そりゃ……?」 命を捨ててもいい最後の大喧嘩だと思っていたのに。これで漸くに果てる事が出来ると確信していたのに。 ……ふざけんな。ああ、ふざけんな! 勝手に人を蚊帳の外にしてテメエらだけで納得すんなよ。 テメエらだけで救われんなよ! 何だよ、そりゃあ……何だってんだよ。 ずりぃ、ずる過ぎるだろテメエら。 それで納得すんのは勝手だけどよ、だったら―― 「――だったら、俺はじゃあどうすりゃあ良いんだよ?」 どうしたら、どうすれば、この苦しみから解放されるのか? この十字架を下ろす事が出来るのか。 いや、そもそも、お前らじゃないんなら、誰が―― 「……誰が、俺を殺してくれるんだよ……?」 なぁ、教えてくれよ。 誰でも良い、誰でも良いから。 おい、誰か―― 「……君島………なのは………」 ……かなみ。 俺は、いつまでお前らを背負い続ければいいんだよ。 分からねえ。分からねえよ。 もう……背負いきれねえんだよ。 そうして、その死闘は終わりを迎えた。 勝者はおらず、敗者ばかりが残ってしまった滑稽で無様な幕引き。 誰かの心が或いは救われ、或いは絶望に染まったかは、それは結局は当人たちのそれぞれの受け止め方次第だろう。 けれど、それでも一つだけ己なりに受け止めた結論があるとするならば…… 「……私は、スバルさんが最後に選んだ選択は、それで良かったんだと思います」 桐生水守が本心から思い、言える事があるとすればそれだけ。 彼女の手を汚させる事を厭んだ利己的な思いなのかもしれない。 綺麗事に過ぎないと、余人から鼻を鳴らして嗤われる様な決断だったのかもしれない。 けれど、それでも桐生水守はスバル・ナカジマの選んだその答え、そして彼女の心を尊んだ。 かつて、友達であった高町なのはが自分に見せてくれた強さと同じように。 スバルの決断もまた、強いものだと思った。 ……何も出来ない自分とは、それはきっと違う事だから。 結局、自分は今回、何も出来なかった。彼らの何の助けにもならなかった。 ただ、スバルたちが無事に帰ってくるのを祈っていただけ。 そして帰ってきた彼女たちを、泣きながら抱きしめたそれだけだった。 だからこそ、改めてこの一件を振り返り、水守に残っていたのは自己嫌悪、ただそれだけだった。 自分は何も役立てていない。皆の足を引っ張っているだけ。 ……これでは、なのはやクーガーの善意を押し切ってまでどうしてこの大地へと残ったのか。 (……なのはさん、私は……) いなくなってしまった新しい友達。 せめて立派だった彼女の、彼女の友として恥かしくない生き方を貫きたいと思っていた。 だというのに、この様では本当に彼女に顔向けすら出来なくなる。 己に対しての無力感……水守はそれを呪わずにいられなかった。 そんな自己嫌悪の真っ只中な時に、夜空を見上げていたその時だった。 「……あの、水守さん」 不意に背後からの己の名を呼ぶその声。 水守は振り向く、そこには申し訳なさ気な表情も顕にしたスバルが立っていた。 「……スバルさん? どうかしましたか?」 「あ、いえ……はい、水守さんにもちゃんと謝っておきたくて」 今回の騒動、己の短慮な行動が起こしてしまったその結果。 水守と橘まで危険に巻き込み、挙句の果てには橘には大怪我を負わせてしまった。 あの場を離脱し、帰還した後、橘を二人で治療したとはいえ、当面、彼には無茶はさせられない状態だ。 それに下手をすれば、何の能力も持っていない水守すらも、橘と同じような状態に巻き込んでいたかもしれない。 そう思えばこそ、言葉の謝罪でどうなるとも言えないが、それでもスバルは彼女にもちゃんと謝らざるを得なかった。 「……本当に、本当にすみませんでした」 そう言って頭を下げるスバル。その姿に他意はない。あるのは本当に感じている後悔の念と申し訳なさ、そして誠意だけだろう。 だからこそ、水守はそんなスバルにただ首を振った。別に謝罪される必要は無い。むしろ水守からすれば逆にあの時に、何の役にも立てなかったスバルや橘に自分が謝りたかったくらいである。 だからこそ、謝罪なんていらない。 むしろ水守は、スバルに対して―― 「……ありがとう、スバルさん」 ――そう、礼を述べたかった程だ。 「……水守、さん?」 だがスバルからしてみれば彼女からの唐突なその言葉、意味が分からないのが当たり前。 故にこそ、怪訝そうな表情も顕にするスバルに、水守は静かに首を振りながら告げた。 「スバルさんがあの人……カズマさんに対して選んだ決断、あなたがそれを選び取ってくれた事に、私はお礼を言いたかったんです」 無論、それは悪趣味な皮肉や悪意としての言葉ではない。 ただ、己の憎しみによる感情ではなく、なのはの残した想いを尊重してくれた彼女に、水守はただ礼を言いたかった。 なのはが残した理想、夢、その想いは……まだ死んではいない。 他の誰でもなく、スバルがそれを護ってくれた。 それが水守には嬉しく、礼を述べたかった。 そう言えばと、水守がふと思い出したのはいつかのなのはとの会話だった。 他の機動六課の中で、スバルならば自分たちに共感して協力してくれるかもしれない。 彼女がスバルを信じていたその意味が、今水守にもまた分かった気がした。 だからこそ、水守は思う。 やはり高町なのはの遺志を継げるのは、後継者となれるのはきっとスバル・ナカジマだけなのだと。 しかし…… 「……でも、あたしは結局また間違えちゃいました」 ポツリと、先の水守の言葉を否定するように小さく首を振りながらスバルは言ってくる。 また間違えたのだ、と……。 「あたしは、なのはさんにならなきゃいけなかったのに……結局自分の感情が抑えきれずに、勝手な事をして、皆にも迷惑かけて……それに、また嘘で誤魔化そうとしたんです」 スバル・ナカジマは嘘が嫌いだ。 君島邦彦を死なせてしまった時、後悔と悲しみと共に今度こそと思っていたのに、今度こそ嘘で誤魔化さず、間違えないようにしようとしていたのに。 それすら出来ずに、また道を踏み間違いかけた。 同じ失態、同じ無様、同じ間違い。 これでは…… 「……やっぱり、あたしはもう、なのはさんにはなれないと思うんです」 彼女を目指して、彼女のようになりたかった。 彼女のように誰かを助けられる、不屈の魔法使いに。 そうなりたいと思っていた。八ヶ月前のあの時に、もう一度最後になのはからチャンスを貰えたはずなのに…… 結局、それも間違えてしまった。 なら自分などもう―― 「――スバルさん、それは違います」 しかしそんなスバルに対し、水守はハッキリとした、しかし何処か厳しい態度も顕にスバルの言葉に真っ向から否定を示す。 彼女の言葉、彼女の考え、それが間違いなのだと。 「スバルさん、あなたはなのはさんになれないと言いますが、そんな事は当たり前です」 「……そう、ですよね」 水守の言葉にそれも当然だと、どこか自嘲気味に同調しながら頷きを見せるスバル。 けれどそれが当たり前。自分などではそもそも役者不足。それは初めから分かりきっていたことで―― 「――だって、スバルさんはスバルさんじゃないですか」 代わりなんていないし、代わりなんていらない。 高町なのはもスバル・ナカジマも、それは等価値で当たり前のこと。 そう、当然のように水守はスバルへと告げてくる。 「え……?」 「スバルさんとなのはさんはそれぞれ違う人間なんです。それぞれの想いや生き方があって、それを貫いて今まで生きてきたはずです」 高町なのはには高町なのはの生き方があり、それを貫いて生きたように。 スバル・ナカジマにはスバル・ナカジマの貫いていく生き方がある。 それはとても似ていて、そして後を託されたものであるのかもしれない。 けれど、例えそうであろうと―― 「――だからこそ、スバルさんはスバルさんの生き方で、なのはさんの想いを継いで、それを成していけばいいんじゃないでしょうか」 全てが同じである必要は無い。 受け継ぐ事も背負う事も大事だ。だがそれが大事であるからこそ、 「スバルさんは、スバルさん自身を蔑ろにしてはいけません」 それは絶対に、後を託した高町なのはもまた望んでいないことのはず。 そう、後を引き継ぐ事と同じになる事は違う。 そんなものは後継ではなく単なるコピー。 そして、それではきっとなのはの想いもまた叶えられない。 「スバルさん、なのはさんは……あなたに何を望んだんですか?」 高町なのはに憧れること。高町なのはを目指すこと。 それはいい、そしてそうして師の遺志を引き継ぐ事が間違いだとは言わない。 けれど―― 高町なのはが本当にスバル・ナカジマに目指して欲しかったものは―― 『勿論―――なれるよ。……ううん、それどころかスバルに……スバルたちの胸に不屈の想いがあり続ける限り、いくらだって強くなれるよ。私を……私たちを並び超えていくことがいつかきっと出来る』 それはあの時に、もう一度、高町なのはを目指しても良いかと尋ねた時になのはがスバルへと返した言葉。 彼女が未来に夢を見た、希望へのその可能性。 スバルは気づく。あの時に、どうして彼女が嬉しそうに笑ってくれたのかを。 それはつまり…… 「……あたしは……あたしのままで、良いんでしょうか?」 高町なのはのような魔法使いになるには、高町なのはそのものにならなければならないと思っていた。 けれど、他ならぬなのはがそうではないと考えていたのなら。 そして、スバル自身が本当になのはに心の底から憧れていたというのなら…… 「スバルさんはスバルさんのままで、なのはさんの遺志を継いで、そしていつか彼女を――」 憧れた彼女。本当に遠くになってしまったその背中を。 ――追いついて、そして超える。 それが、スバルが本当に彼女の後継者として成し遂げねばならないこと。 けれど、それは何と―― 「……重たいな」 それこそ簡単に、支えきれずに潰れてしまいそうに思えるくらいに。 それはとても困難で、そして重いものだった。 だがそうだとしても―― 「――けど、誓ったんだ」 背負うって、捨てないって。 あの日、あの時に、他ならぬ高町なのはを前にスバル・ナカジマが誓ったのだ。 だからこそ―― 「――水守さん」 決意を込めて、スバルは水守へと視線を向けてそして告げる。 この日、この時、この夜に、そしてまずは彼女へと。 もう一度、はじまりの誓いをスバル・ナカジマはここで彼女に向かって立てる。 「――あたし、やってみます」 自分なりのやり方で、自分なりの想いと、決意と、その道で。 背負ったものの重さを、刻んだものの尊さをしっかりと認識しながら。 「あたしは――あたしなりのやり方で、なのはさんのような魔法使いになりたいんです」 その想い、その誓いを。 ハッキリとスバル・ナカジマは桐生水守を前に、そう告げた。 そして、その想いに対し、桐生水守もまた―― 「だったら、スバルさん」 彼女が立てたその誓いに負けぬ想いと、その決意を、自分もまた誓いとして立てよう。 高町なのはが認めてくれた友として、それに恥じないだけの誓いを。 「――私にあなたを支えさせてください」 他の誰でもなく、なのはの時には出来なかったそれを、今度こそはスバルと共に。 自分の想いも彼女に託し、そして彼女をまた自分が支える。 今、桐生水守に出来る精一杯のことを。 この大地の上で、こんなにも近い星空の下で。 桐生水守もまた、新たな誓いを立てた。 そして、少女たちがこの大地の上で新たな誓いを互いに立てていたその時。 終わりも見えぬ迷走を、獣は只管に続けていた。 『……これから、どうするつもりですか?』 相も変わらず親しみなど欠片もない、事実確認を問うレイジングハートからのその言葉に、しかしカズマは答えずに無言。 結局、失望と共に興醒めした茶番劇の後、自ら獲物ですらなかった連中を放って帰還したカズマは、当然ながら雇い主からのお叱りが待っていた。 尤も、そんなものは気にも留めていなかったし、どうでもよかった。 何より、そんな雇い主の命令を聞くだとか、顔色を窺うだとか、そんなものは既にカズマにとっては何の意味もないものに過ぎなかった。 カズマがわざわざ雇い主たちの元へと戻ってきたのは、再び穴倉の底へと戻る為などではない。 むしろ、居場所が知れてしまったここはもう駄目だ。過去は、罪は、因縁は、再びに自分に追いついてきた。 だから――逃げ出さなければ。 そう、此処にはもう居られない。 そもそも此処は……やはり、俺の居場所じゃない。 だからこそ―― 『……それで、これで本当に良かったんですか?』 この現状を問うレイジングハートの問い。しかしカズマはやはり応じぬままに無言。 取って返した帰還。そのままアルターの暴力で押し切って通した、金を寄こせという脅迫。 怯える雇い主から無理矢理に奪った金を手に、呼び止めてくる連中を一切無視、力で薙ぎ払いながら地下からの脱出。 後に残ったのは逃走による破壊と、疲労によって痛む右腕。 ……そして連中から奪い取った僅かばかりの金の残り。 奪い取ったのは結構な額だったのだが、その殆どは…… 『あの少年を連れてこなかったことだけは、あなたを評価しても良い』 けれど、それも結局は常識的に当たり前のことなのだがとレイジングハートは告げてくる。 だがそんなレイジングハートに対して…… 「……ごちゃごちゃうるせえよ」 いい加減黙れ、そうドスも利いた低い声で脅すようにカズマは告げる。 レイジングハートの好き勝手な言い分、普段は言わせるがままにしているが、今は気分的に煩わしくて仕方がなかった。 それに、こんな石ころに言われるまでもなく、そんなことは承知の上だ。 「……もう、背負いきれねえんだよ」 自分も連れて行って欲しい、そんな事を言ってきた少年を、金を投げつけて付いて来るなと脅して追っ払った今が、その現状。 もう、誰も傍には寄ってほしくない。踏み込んでこられるのは沢山だ。 ……また奪われるのも、失うのも、もう御免だ。 だからこそこの道に、こんな酔狂な石ころ以外の同道者など誰も必要ない。 いや、もう耐えられないと言った方がいいだろう。 右腕が痛む。泣き出したくなるほどに、疼いて、痛んで仕方がない。 だがそんな右腕以上に、別のどこかがもっと痛んで、そして絶望へと染められていた。 もう嫌だ。もう沢山だ。もう疲れた。 だから―― 「君島……なのは……かなみ……」 失ってしまったもの、取りこぼしてしまったもの、二度とは戻ってこないもの。 彼らに救いを求めても、助けを求めても仕方がないことくらいは分かっている。 ……けれど、もうどうしていいのか分からない。 何処へ向かえば、何処へ逃げればいいのかも……分からない。 それに何より―― 「……劉鳳ォ」 忌々しい宿敵の名。思わず、それを呼ばずにもいられない。 おい、テメエいったい何処へ行きやがった。何処で何をしてやがる。 俺はこんなに傷ついて、苦しんでるってのに……テメエは何処に居やがるってんだ。 「俺はここだ……ここに、いるんだよ……」 だからさっさと―― 「――俺の命を、取りに来いよ」 それが目的だったはずではないのか。生きている意味ではなかったのか。戦った理由ではなかったのか。 だったら――途中で投げ出さずに、最後までそれを果たせよ。 アイツは……あの女じゃ駄目だった。 スバル・ナカジマでは自分を殺せない。とんだ腑抜け、とんだ甘ちゃん、とんだ期待外れ。 だからこそ、もうお前で良い。いや、お前しかいないからさっさと―― 「――生きてるってんなら、俺を殺しに来てみろよ」 もう、お前でしか俺は燃え尽きる事が出来ないんだから。 だから―― 獣は求める。求め続けて、そして彷徨い続ける。 己のあるべき終焉を、齎されるべき救済を求めて…… 絶望の底で足掻くように求め続けながら、無様に、死に焦がれるように。 獣はただ只管に彷徨い続けていた。 彼の願う終焉、それを自らへと下す者を求め続けて―― ――不意に、誰かに名前を呼ばれた気がした。 「……劉鳳さん? どうしたんですか?」 隣で今夜も共に星空を見上げていたかなみが不思議そうにこちらを見つめながら尋ねてくる。 劉鳳はそんな少女に何でもないと首を振る。 気のせい。……ああ、気のせいだろう。 そもそもこの少女と、この集落の人間以外に今は自分の名を呼ぶ者などいないし、そもそも劉鳳がそれ以外の存在など知らないのだから。 仮に或いはと仮定しても…… 「さっき誰かに名前を呼ばれた気がしたんだ」 「え? 誰に?」 「さぁ、分からない。……もしかしたら、君の言うカズマという人か、あるいは高町なのはという人かもしれないな」 現状、他に可能性があるとすれば或いはとそう思っただけ。 けれど仮にそうだとしても、かなみの話を聞く限り、自分はその両者とはどうにもあまり友好的な関係とは言えなかったらしい。断片的に思い出す記憶の欠片のシーンでも同じようなものだ。 だからこそ、仮に本当にカズマなり高町なのはなりに名前を呼ばれていたとしても、それは恐らくとても友好的とは言い難い感情を込めてなのだろう。 どうしてその二人と自分が争っていたのかは分からない。けれど、今の自分ならば……もしかしたら、その二人ともせめて話し合いなりが出来ないだろうかとも思う。 敵意とはいえ自分を知る存在。自分が何者かを知っている者達。 ……逢ってみたい、そんな欲求が劉鳳の中でもないわけではなかった。 「……カズくん」 しかし劉鳳がそんな事を考えている最中、彼が出したその名前に反応したように今度はかなみがその名を心配気に呟く。 カズマ……かなみにとっては家族同然の男だったのだという。 心配なんだろう。いや、家族を心配しない者など居はしないだろう。 だからこそ、劉鳳から見ても、そんな切なげな彼女を見る事は痛ましくもあった。 「……大丈夫。きっと逢えるさ」 保障など無い。口から出任せも同じだが、それでも今は根拠の無い気休めだろうがかなみの事を元気付けてやりたかった。 劉鳳のそんな誠意を察したのかどうかは分からない。しかしかなみもそんな劉鳳に対して、俯いていた顔を上げながら彼の言葉に応じるように頷いた。 そう、逢える。きっと逢えるはずだ。 劉鳳がそう信じる以上に、かなみもまたそれを強く信じていた。 何故なら…… 「なのはさんが言ってくれたんです。もう一度、カズくんと逢わせてくれるって」 そう、由詑かなみの世界の全てが一変してしまったあの日。 夢を見る事が出来なくなったあの日。 けれど、自分を助けてくれたあの魔法使いは約束してくれた。 カズマと自分を逢わせてくれると。 かなみは今も信じている。きっとなのはがいなくなったカズマを見つけ出してくれるはずだと。 「高町、なのは……さん、だったか? 彼女が?」 「うん。あの人が、そう約束してくれたから」 だからきっと――大丈夫。 必ずまた逢えると、かなみは信じていた。 頑なな少女の必死に信じ続けるその姿。 感情と願望もあろう。それ以上の何らかのその対象に対してヘの信頼があることを劉鳳も察する事が出来た。 ……信頼か。 それも大事なものだろう。この大地の上では、最も容易く踏み躙られかねないものだが、それ故にこそ、それを強く信じられる者を劉鳳は尊いとも思った。 だからこそ―― 「ああ、なら大丈夫だろう」 彼女が信じている高町なのは。ならば自分も信頼してみようと思った。 他ならぬその彼女から頼まれた、この少女を護るという願い。 それを、なのはがかなみとカズマを逢わせるその時まで、しっかり果たそう。 そう改めて、劉鳳は強く誓いを立て直した。 次回予告 第11話 劉鳳 記憶無き男の下へと訪れたのは、かつて共に戦いし戦友たち。 失った過去に戸惑う知己との再会。 新たな陰謀が迫る中、男の正義が再びに目覚めを見せる。 その信念、向けられるべきは何者か…… 目次へ=www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3108.html 前へ=www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3407.html 次へ=
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好感度:双葉↑ セシル「双葉ちゃんは、自分の部屋に居るんだよね?」 芙美香「そうだけど・・どうするの?」 セシル「んと・・あの日の事・・気にしてないよって伝えて来る・・自分から伝えた方が良いと思うから・・」 芙美香「そう・・ありがと、セシルちゃん・・双葉の事、お願いするね?」 芙美香お姉ちゃんに「うん」と返事をすると、私は2階の双葉ちゃんの部屋へ歩いて行く ・ ・ ・ 『双葉の部屋』 セシル「双葉ちゃん、今大丈夫?」 こんこん、とノックをしてから双葉ちゃんの声を聞く 双葉「セシル・・お姉ちゃん・・?うん・・入って良いよ・・」 油断していると聞き逃しそうな小さな声をしっかりと聞いてからドアノブを捻る 中の風景は4年前と余り変わり無かったけど、双葉ちゃんの成長と同時に趣味の品とかは変わっていた セシル「こんばんわ、双葉ちゃん・・えっと・・ごめんね・・勝手に向こう行くのとか決めちゃって・・」 双葉「違うっ!悪いのはセシルお姉ちゃんじゃなくて・・双葉・・なんだから・・だから・・ごめんなさい・・酷い事言っちゃって・・」 セシル「酷い事って・・?」 双葉「だって・・セシルお姉ちゃんの事・・大っ嫌いって・・それにいっぱい・・いっぱい・・」 泣きそうになる双葉ちゃんの頭を撫でながら、笑みを作って精一杯優しい声で答える セシル「それは、双葉ちゃんの本心だったの?」 ブンブンと音が聞こえそうなくらいに双葉ちゃんは首を横に振る・・ セシル「んもぅ・・可愛いなぁ、双葉ちゃん」 そんな動作に我慢出来ずに双葉ちゃんに抱きつく・・双葉ちゃんは目を丸くしてるけど、今だけは何があったって離さないもん♪ 双葉「あぅ?せ、セシルお姉ちゃん・・?」 セシル「あの時の事、最初からぜんっぜん怒ってないから平気だよ? だから、双葉ちゃん明日からよろしくね?」 双葉「え・・あ、うんっ!よろしく、セシルお姉ちゃん!」 やっと笑顔の戻った双葉ちゃんとお話をしていると、芙美香お姉ちゃんが寝る場所を準備してくれた 色々とあって疲れてたみたいでベッドに入ると、何も考えずに眠った・・・ ・ ・ ・ 12月2日
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紅き夜の向こうへ ――ハーヴェイは佇んでいた。 暗い、暗い、海の方に目をやりながら。 「ハーヴェイ、貴方は救われた……?」 メイの言葉が思い出される。 ……答える事の出来なかったその言葉が。 メイの手の温もりを感じながら、死を迎えようとしていたその時。 ハーヴェイは、己が人狼であったのだとようやく理解した。死の際に抜け落ちて行った何か。「それ」が抜け落ちた時、彼の脳裏に記憶が浮かび上がった。それまで認識する事の出来なかった「それ」の見た記憶が。 そう。「それ」が目覚めた時には、ハーヴェイの意識は眠り、暗く翳っていた筈の視界は鮮やかな色彩を取り戻し……「それ」の思うままに、アーヴァインを、そしてヘンリエッタをその手に掛けていたのだった。 二人の無残な姿が、叫びが、脳裏に浮かび上がる。 生きていれば、償う事も出来たのかも知れない。 生きていれば、逃げるために死を選ぶ事も出来たのかも知れない。 けれど。 もう、償う事も出来なくて。 もう、逃げる事も出来なくて。 「ネリーの傍に…居てあげてね。 ネリーは本当に…貴方を愛してるから……。 ネリーから愛とは何か、教えて貰えるといいね。」 その言葉を思い出す。 しかし…… もう、誰かの傍にいる事は出来ないだろう。 愛する事も、愛される事も、許す事は出来ないだろう。 そう。 自分自身を許す事は決して出来ないだろう。 人を殺めてしまったから。 ……否。 その行為への愉悦を。 その手が、その心が覚えてしまっていたから。 そんな己を許す事が出来ないから。 もう、大切だと思う人の許にいる事は出来なかった。 もう、己を責める事しか出来なかった。 ……それでも。 その胸にある想いを消し去る事は出来なかった。 だから。 ずっと、一人で海を眺めていた。 ――その時。 ――視界が暗く翳り、歪む。 くっくっく、と。 上品で、けれど厭らしい……そして何より楽しげな笑い声。 身の内に込み上げる言い知れぬ感触――ざらついた、寒気を伴う怖気のようなそれに、ハーヴェイはおこりにかかったようにその身を曲げ、振るわせた。 【――良いのだよ? 思い悩まずとも。】 優しげな、声。 あの時……メイの手で命を終えた時……体から抜け落ちた筈の「それ」が、再びハーヴェイの内に巣食っていた。 【君が、本当は何をしたいのか。私が教えてあげよう。】 優しさと厭らしさを兼ね備えたその声が。 【君は……欲しいのだよ。あの娘を。そう、あのメイという娘を。あの髪も、あの柔らかな肌も。あの温もりも、瞳の輝きも。あの真っ直ぐな心も。その全て手に入れたいのだよ。己だけのものにしたいのだよ。】 ――声が。 ハーヴェイの心に染み……蝕んで行く。 否定しようとする――しかし、声にはならない。 【良いのだよ? その思いのままで。】 笑い声。 くっくっく、と軽やかに、しかし纏わりつくような笑い声。 ――視界は色を失い黒ずんで行く。 【君は今まで……ずっと自分を抑えて生きてきたのだろう? でも……もう、良いんだよ。】 ハーヴェイの心の襞をねっとりと撫で上げるように、言葉は続く。 そして、ゆっくりと。 ……そう、ゆっくりと。 意識は闇に飲まれてゆく。 【――さあ、行こうか。】 その言葉に――その誘惑にハーヴェイは頷き……彼の意識は闇に堕ちて行った……。 ――暗い夜に潮騒だけが響く。 「明日も逢えるよね。」 そう、ナサニエルに言って、意識を失った筈のメイが目を覚ましたのは海の見える砂浜だった。 そう、そこはギルバートの眠る所であった。 ――何時の間に此処に来ていたのだろうか。 メイは、そんな事をぼんやりと思いながら身を起こした。 目を瞑り、静かな潮騒に暫し耳を傾けた。 ……何故だろう。先程まであんなにも昂ぶっていたというのに、今、メイの心は静かに、そして澄んでいた。 ――ふと、振り向く。 そこには。 茶色の髪をした青年が立っていた。 そう。 この砂浜で永久の眠りに就いている筈のハーヴェイが。 少し不思議そうな顔をして……メイは、ふと微笑んだ。 「――メイ。迎えに来たよ。」 微笑みを返しながら、ハーヴェイは口を開いた。にっこりと、優しげな微笑みを浮かべながら。 メイの顔に、驚きと……期待が浮かぶ。 「ギルの所へ……行けるの? ギルに会えるの?」 幾分、声を震わせながらそう言ったメイの言葉にハーヴェイは頷いた。その顔に、優しげな笑みを浮かべたままで。そして、ハーヴェイはメイに歩み寄り……メイの頬にそっと手を触れた。 「会えるよ。君がギルバートさんと同じ所に行けるのなら、ね。」 「え?」 ハーヴェイの言葉と、そこに混じった僅かなからかうような調子にメイは眉をひそめた。 ――その刹那。 痛烈な痛みに、メイは思わず声にならぬ叫びを上げ、身をくの字に折り膝をつく。 痛みを訴えたそこは右目だった。反射的に右目を庇おうと上げた両の手は何かを掴んでいた。 それは、腕であった。 そう、それはハーヴェイの左腕であった。 頬に触れていたハーヴェイの左手の人差し指が……メイの右目に差し入れられていた。 ――笑い声が。 くっくっく、という、上品で、けれど厭らしい、愉悦を帯びた笑い声が。 ハーヴェイの喉から漏れていた。 「人を殺めた君が……真実を語り、勇気を持ち私を人狼だと言い放った彼と同じ所へ行けるならね。」 くっくっく、という、抑えたような、だが抑え切れぬような笑い声が。 「行けると思うのかい? 君が。主の御許へ行けるなどと思うのかい? その血塗られた手で。……君には……狭き門を潜る資格は残ってはいないさ。」 ――笑い声が。 抑えなければ、呵々とした大笑になっているであろう、笑い声が。 右目に走る激痛……しかし、その痛みよりもメイの心を打ちのめしたのはハーヴェイの言葉であった。会いたいと焦がれたギルバートに再び会う事が出来ない、痛みよりもその事がメイを打ちのめした。 ……ああ。 私は悦びを禁じ得なかった。 苦痛に歪み。 打ちひしがれた。 その娘の表情に。 行かせはしないよ。 そう。 行かせはしないよ。 君を。 あの男の許に。 ――否。 誰の許へも。 そう、君は。 私だけのものだから。 片方だけ開けられた。 苛む苦痛に耐えながら私を見ている、その君の瞳を。 そこに混じった絶望を。 愛しく、愛しく思いながら。 私は、そう呟いた。 その愛おしさを限りに込めて。 赤い、赤い血を流すその右の目に口付ける。 ああ。 その、血の甘さ。 涙の零れるような程の愛おしさが、身の内を巡る。 その、愛しい者の。 狂おしい程の。 血の甘さに。 その目に口付けたままに。 そっと、指を動かし。 そっと、舌を動かす。 その動きに合わせ君の上げる叫びが。 私の胸元に叩きつけるように響いて。 その声に、私は恍惚をすら覚える。 ああ、君は。 メイ、君は。 求めているんだね。 だから、私を喜ばせようと。 そんなにも素敵な声を、私の胸に響かせてくれるんだね。 ゆっくりと。ゆっくりと。 君の眼窩を、指で、舌で探って行く。 ――やがて。 血の甘さを。暖かさを。 胸に響くその声を。 存分に味わって、私は唇を離す。 崩れ落ちそうになる君の身を、右の腕できつく抱き寄せ。 私は口を開けた。 舌に転がしたそれを、左の指で抓み。 静かな夜の帳の下へと掲げる。 ああ。 月の光を受け輝く様の何と美しい事か。 私は、うっとりと。 静寂の中、夜の闇の中、美しく月の光を返すそれを見上げていた。 そう。 君の右の瞳を。 その美しさを目に焼き付けると、私は再び、君の瞳を口に含む。 胸に抱いた君が荒い息をつく事を感じながら。 私は、それを飲み込んだ。 喉を通るその感触に、我知らず、悦びに身を振るわせていた。 ああ。 ああ、これで。 私だけのものだよ。 身を震わせ、荒い息を吐く君をきつく抱き締め。 私はまた、君の右目に口付けた。 ぽっかりと空洞となったその瞼の奥に舌を差し入れた。 私の舌が撫で上げる度に、君はその身を小さく振るわせる。 まるで。 そう、まるでこの行為への悦びを示すかのように。 その様子に、私は昂ぶりを覚える。 歓喜が込み上げる。 ――唇を離す。 左手を頬に添え、君の顔を私に向けさせる。 眉根を僅かに寄せて、目を細めて、唇を少し開いて。 その顔は、更なる悦びを求めるかのようで。 私は、胸を突く愛おしさに。 はやる想いを押え付けながら。 ゆっくりと唇を重ねた。 貪るようにその柔らかさを味わうと。 私はその唇に、つぷり、と牙を立てていた。 君の血の甘さも味わえるように。 けれど、喰い破ってしまわぬように、そっと。 牙を突き立てた。 そして私は己の唇を噛み裂いて。 私は自らの血を君の口へと流し込む。 血は、舌と共に絡み。 いつしか、抗う事を諦めて。 君は交じり合ったその血を飲み込み……己の中へと受け入れた。 ――唇を離す。 赤い糸が、私たちの唇を繋いでいた。 君の口の端には、赤く血の筋が流れていて。 その姿は、一層に美しさを増したようで。 私の胸は震えた。 首筋に。 そして、服を裂き、胸元に。 私は口付け、牙を突き立てる。 その白い肌を穿ち、赤く染めて行く。 傷を穿つ度に上がる君の声が。 私の情念に火を灯して行くようで。 昏い歓喜を呼び覚ますかのようで。 君の身を。 小さく振るえる君のその体を。 そっと砂浜に横たえた。 はだけられたその肌に。 口の端から。 首筋から。 胸元から。 乳房から。 流れ、筋を引いた、鮮やかなその血の赤さは。 白い肌に咲かせた薔薇のようで。 ――荒い呼吸の音が静寂の夜に響いている。 それは、私の音であったのか。 それとも、君の音であったのか。 荒い呼吸は、何時しか重なって。 君の瞳が――片方だけになった君の瞳が、私の瞳を見詰めて。 薄く開けられた瞼の奥から。 そう。 何かを訴えかけるかのように。 君の瞳は私の瞳を見詰めていた。 ……むのなら……してくれていい。 貴方が本当にそれを望むのなら……そうしてくれて良い。 ……ああ。 言葉にはならずとも。 君の瞳はその想いを私に伝えてくれる。 君は、望んでくれるのかい? 本当に、君は望んでくれるのかい? 君のその願いに。 私は、心の内に厳かなるものさえも覚え。 君の身を跨ぎ。 跪いた。 視線を絡めたままに。 君が小さく頷いたから。 私はそっと、君の胸に両の手を置いた。 しっとりと血に濡れたその温かな肌に。 とくん、とくん、と。 君の鼓動が響いて来て。 私の鼓動と重なった。 ――私は。 私は、その鼓動を確かめようと。 君の胸を裂き。 ぱきりぱきりと音を立てて。 君の胸を開いて行った。 音の度、君は声にもならぬ声を上げ、弾けるように身悶えて。 やがて、その胸から、赤く脈打つ君の命が顔を見せた時。 君は目を開け、私を見詰め。 その身を震わせ。 ――その頬を涙の雫で濡らしていた。 その涙の美しさに。思わず心を奪われながら。 私は、脈打つ君の命に口付けた。 私の鼓動と重なっていた君の胸の音は。 やがて少しずつ、その動きをゆっくりと。 少しずつ、力を失って。 私は君の心臓に口付けながら。 やがて来る、その時を待った。 ――ふと。 私の頭に何かが触れる。 優しく私の髪を撫でるそれは。 君の温かな手の感触。 君の手は、もう一度、君の思いを私に伝える。 貴方が本当にそれを望むのなら……そうしてくれて良い。 君の手が、私にそう伝える。 ……月明かりだけが照らす夜。 いつしか、君の手はその動きを止め。 君の命がその脈動を終えようとしたその時。 私は。 君の命を喰い破り。 溢れる温かな血と共に。 ゆっくりと飲み込んだ。 ……涙が流れた。 涙は止め処なく私の頬を流れ……君の顔を濡らして行く。 ……ああ。 俺は……君を手に入れたのだろうか。 君を……失ったのだろうか。 ――気が付けば。 俺は我知らず、嗚咽を漏らしていた。 これは……喜び故であろうか。 それとも……悲しみなのであろうか。 ……メイ。君は…… 君の身を抱き起こし、きつく抱き締めた。 まだ残っている、君の温かさを感じながら。 力を無くした……命を無くした……俺が殺した……君の温かさを感じながら。 俺は……。 君の体を抱き締めたまま。 ばきりばきりと音を立て。 己の左の胸を開く。 確かな脈動を伝えるそれを。 掴み、引き千切り。 君の頭上へと掲げ。 握り潰した。 鮮血が、君を染める。 そして、俺は両腕で君を包み。 強く、強く、抱き締める。 脈打つ命を失った体は、急速に命を失い。 視界は黒く黒く染まって行く。 ――行こう。 行こう、メイ。 俺たちが行くべき場所へ。 俺がお前を連れて行こう。 ……月明かりだけが照らす夜の帳の下。 潮騒だけが響く静かな夜。 赤く染まった二つの影を。 ただ。 ……月だけが照らしていた。
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2010年頃からニコニコ生放送で活動開始し、Skypeでボイスチェンジャーを使った女声で何の罪もない中年男たちを騙し、インターネット上で晒し上げるという行為(俗に言う「Skype釣り」)で一時的に人気を博す。 2013年から2014年頃まで無職だったが、現在は正社員として労働をしながら配信をしている。 持っている資格は漢検4級、歴検5級、普通自動車運転免許、フォークリフト運転免許。 配信年表 2010年 11月23日 15歳でニコニコ生放送にて初配信を行い、Twitterを開設する。 12月 ニコニコ生放送で流行していた「Skype釣り」配信を行う。普段の放送より多くの視聴者が訪れ、天狗になったちびたそはこの配信で味を占め繰り返し行うようになる。 2011年 2月 ニコニコ動画で人気だったゲーム実況者「兄上」の口調を配信中に真似たり、放送タイトルに兄上の動画タイトルをもじったタイトルで放送。それを見ていたファンが兄上本人に暴露し、本人も乗り出しての特定作業が行われた。 この放送が原因で初代コミュニティを削除し引退する。 3月11日 東日本大震災が発生し、ネット回線がこの日から約一ヶ月間繋がらなくなる。 4月 2代目コミュニティ作成し、復活。 6月 落ち目になっていたニコニコに見切りを付け、外部配信サイトであるUstreamとJustin.tvに放送場所を移動。 2012年 2月 アメーバピグ配信で仲良くなったまちゅと知り合う。彼女の声や仕草に惚れ込んだちびたそは何度か自身の配信に登場させ、ハンゲームやL4D2配信を行う。 6月 配信者「渋谷のキング」のストリートファイター大会企画「SVO」に参加。猿のようなコントローラーさばきで見事初戦で敗退する。 10月10日 渋谷のキングの突然の引退宣言に号泣し、しばらく放送をやらなくなる。 2013年 3月 通っていた高校を無事卒業するが、進路を全く決めていなかったため無職になる。 7月20日~8月31日 世間が夏休みに突入したのを期に「夏休み絵日記配信」を行った。毎日配信終了間際に絵日記を描き、それをフォト蔵にアップロードして一日の出来事をリスナーに報告するという趣旨だったが、あまり外に出なかった為、内容が被ることが多かった。また、7月31日に「24時間配信」を敢行するが、10時間34分で敢え無く断念する。当時の絵日記は現在も閲覧することが出来る。→2013年絵日記 11月23日 3周年記念放送を行う。自身初の顔出しをするもリスナーに酷評されお蔵入りに。 2014年 2月 subuya.comを丸パクリした配信サイトを立ち上げ、自身が外部配信中に渋谷のキングにミラー配信される。嬉しさと恥ずかしさのあまりすぐ配信を切ってしまったが、渋谷のキング本人は喜んでいたということを後でリスナー伝てに知る。 7月 Instagramを始める。 11月 ついに就職先が決まり、約1年半続いたニート生活に終止符を打つ。 12月 成人したことを配信で発表。 2015年 3月 PS4を購入し、ドラクエヒーローズ配信を行う。 4月 まちゅに会いに行くがアポを取っていなかったため、会えないと断られ宿泊したホテルでむせび泣く。 5月 FC2ライブで放送を始めるが、この頃から配信頻度が激減する。 2016年 1月 Cubaseを購入し昔から興味があったDTMを始める。 2017年 9月23日 YouTubeにて本格的に配信活動を再開することを宣言するが、またしばらく配信をやらなくなる。 12月22日 PSVRを購入しスカイリムVR配信を行うもVR酔いし最初で最後のVR放送となる。 2018年 1月 バーチャルYouTuber(VTuber)になるべくFaceRigを導入するが、一ヶ月で飽きる。 4月 自宅にスロット台を購入し、パチスロ配信がメインとなる。 7月 フォークリフト運転免許を取得。
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エタイ初登録:第338回 魚のことわざ (2007/10/9 〜 2007/10/16) エタイ初登録時スコア:409pt エタイ腕試し最高記録:505pt (第355回 バレンタインデイ)
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← ◆◇◆◇ ひとり分の隙間。 たったそれだけの、僅かな空間。 すぐ隣にいるのに。 すぐ傍にいるのに。 近くて遠い、距離があって。 ふたりの心は、分かたれている。 櫻木真乃と、星奈ひかる。 ベンチに腰掛ける少女達は、言葉を交わさず。 星空に見下されながら、静まり返っていた。 なけなしの勇気を絞り出して。 ほんの僅かに、手を伸ばそうとしても。 結局、後ろめたさのような躊躇いを感じてしまう。 お互いに、手を繋ごうとしているのに。 ほんの数センチの距離が、届かない。 ひかるは、苛まれていた。 “子供”の命を奪って。 “守るべき人達”を助けられなくて。 結局、真乃さえも支えられていない。 それどころか、真乃を心配させている。 真乃は、苦悩していた。 ひかるに重荷を背負わせて。 心に深い傷を負ってるのに、それを癒せなくて。 心を通わせたあさひやプロデューサーから、決別を告げられて。 思いを、何ひとつ届けられない。 二人の心は、互いを想っていた。 淡く輝く星の光のように。 二人の感情が、胸の奥底で燻っていた。 手を伸ばさなきゃ。 この子の手を、この人の手を、握らなきゃ。 二人はそう思っていた。 それでも、互いの心は縮まらない。 また一歩、踏み出して。 そうして、心を癒せなかったら。 結局、余計に苦しめてしまうかもしれない。 無理に励まそうとして、逆に相手に気を遣わせて。 それだと、結局自分の為にしかならない。 支えてあげたい。 でも、傷つけたくない。 どうすればいいか分からない。 そうやって二人は、沈黙を重ねて。 「―――真乃さん、アーチャーさん」 やがて、彼女達を呼ぶ声が飛び込んでくる。 二人はすぐに顔を上げて、声の主の方へと視線を向けた。 アサシンのサーヴァント―――ウィリアムが、二人を見つめていた。 「私は、マスター達のもとへと戻ります」 ウィリアムは、静かにそう伝える。 赤い瞳の表情を動かさず、黙々と。 彼の言葉に、二人は何も言わずに耳を傾ける。 「世田谷にいる283の脱出派の面々は、既に“子供達”の一味に捕捉されています。 先程来た“密告”が事実ならば、じきに攻撃を受けることになる」 伝えられたその情報に、思わず二人は目を見開く。 直後に真乃は、ひかるの方へと視線を向けた。 ひかるは、膝の上でギュッと拳を握って。 だけど、その手は―――静かに震えていて。 表情には、迷いと葛藤が滲み出ていた。 子供達。グラス・チルドレン。 この舞台で蠢く、幼い殺し屋たち。 白瀬咲耶を殺害した張本人。 そして、星奈ひかるが一度は手に掛けた相手。 ああ、そうだ。 ひかるにとって、苦悩の始まりだった。 彼女の責任と罪の意識を自覚させた、最初の出来事だった。 真乃はそのことを考えて、目を伏せた。 「そして彼らだけではなく、峰津院財閥……この聖杯戦争における一大勢力すら攻撃を仕掛けてくる可能性があります」 283の面々へと迫る窮地が、次々に伝えられる。 峰津院財閥―――その名前は、真乃達ですら知っていた。 この東京で絶大な権力を握っている組織が、聖杯戦争の勢力として存在している。 そして彼らが、283への攻撃を目論んでいる可能性がある。 件の“新宿事変”にも峰津院財閥が関わっていることが確実であると、ウィリアムは二人に伝えた。 「安全を確保できていない中でマスターを一斉に避難させれば、寧ろ彼女達が奇襲されかねない。 だからこそ、一旦合流した上で今後の対処を急がなくてはならない」 これから世田谷へと戻る中で、残留してる面々に避難の指示を出さない理由を語る。 グラス・チルドレンは確実に襲撃を仕掛けてくる。峰津院による攻撃もいつ始まるか分からない。 そんな状況下で考えなしにマスターの避難を急げば、敵にとっては格好の獲物となる可能性が高い。 サーヴァントの面々で護衛を努めたとしても、無力なマスター達をその場で守りながらの戦闘は容易である筈がない。 ならばこそ、今は自身が帰還するまで下手に動くべきではない。 敵を迎え撃つにせよ、撤退を選ぶにせよ、マスター達の安全は出来る限り確保しなければならないのだから。 「そして――283プロダクションの“黒幕”である私が、これから戦場となる世田谷へと到着する。 それだけでも、大きな意味がある」 そう、黒幕であるウィリアムが帰還する。 今まさに攻撃を受けようとしている彼らの元へ、脱出派の盟主であるサーヴァントが現れる。 それを告げたウィリアムの意図を、ひかるは悟ってしまった。 「アサシンさん、それって……もしかして」 「彼らにとって最優先で排除すべきなのは、脱出派の盟主に等しい私です」 そう呟くウィリアムの瞳に宿っていたのは。 生きるための覚悟か。勝つための決意か。 あるいは、限界を悟ったが故の抵抗だったのか。 ひかるには、分からなかった。それでも。 「私が、彼らを迎え撃ちます」 彼が宣言したことの意味だけは、理解してしまった。 アサシンが、敵を迎え撃つ――――違う。 彼が言いたいのは、そういうことじゃない。 相手にとって最優先に排除すべき存在であることを、彼は自覚している。 彼というサーヴァントを排除することは、283という集団の要を崩すことを意味する。 それは間違いなく、敵にとっては“勝利”に等しく。 つまり、ウィリアムは。 ――――自分が囮を引き受ける。 ――――彼らは、間違いなく此方を狙うのだから。 そう言っているのだ。 ひかるは、それに気付いてしまった。 そんな。それじゃ、アサシンさんは。 そうやって彼を引き留めようとした矢先。 「―――貴方達は、先に逃げて下さい」 紅い瞳が、真っ直ぐに二人を射抜いた。 真乃も、ひかるも。思わず唖然としたように声を漏らす。 「真乃さんも、アーチャーさんも、まだ心の傷は癒えていない。 それにお二人は今から戦線を離脱すれば、少なくとも今回の襲撃からは逃れられる」 ウィリアムは、伝える。 二人の心を案じて、訴えかける。 貴方達は、これ以上傷付かないでほしいと。 「他の皆さんの無事は……私や、彼女達のサーヴァントが引き受けます。 少なくとも、生存の道だけは必ず確保しなければならない」 此処から先は、自分達が引き受ける。 他のサーヴァントと連携して、彼女達を守り抜く。 大丈夫だから。貴方達は、先に逃げてほしい。 それは、ウィリアムにとっての本心だった。 自らの責任に葛藤する少女への、贖罪だった。 自分が果たさねばならなかった“汚れ役”を、彼女にやらせてしまった。 自分がもっと彼女達を支えていれば、苦しまずに済んだ―――。 その想い故に、ひかる達にそう伝えていた。 彼らの標的は自分である。 だから自分が、彼らを迎え撃つ。 その言葉を聞いたひかるは。 ほんの少しの躊躇いを、覚えつつも。 彼に、その疑問を投げかけようとした。 「その……アサシン、さん」 その矢先に。 真乃が先に、口を開いた。 「アサシンさんは……私たちを気遣ってくれてる。 本当に、ありがとうございます。その上で、聞かせてください」 恐る恐る。 しかし、何かを悟ったように。 彼女は言葉を紡いでいく。 それは、ひかるが抱いたものと同じ疑問であり。 「本当は―――ひとりで、引き受けるつもりなんじゃないですか」 だからこそ。 真乃はその言葉を、彼にぶつけた。 それを問いかけずには、いられなかった。 彼が他のサーヴァントと協力しようとしているのは、きっと間違いない。 だけど、もしもの時は、一人で全部を背負おうとしている。 自分が犠牲になることで、ひとつの終止符を打とうとしている。 真乃は、それを感じ取ってしまった。 ひかるもまた、それを察してしまった。 何か、不思議な感じがする。 なんとなく、胸騒ぎがする。 ざわざわと、ひかるの胸中に不安が込み上げる。 こんなことに、覚えがあった。 何か、思い当たる節があった。 こうして一人で背負おうとして。 自分の体と心を、犠牲にして。 痛みで引き裂かれそうになっても。 それでも誰かのために、奔らなくてはならない。 何だろう、この感じは。 確か――――。 「……ええ、その通りです」 そして、ウィリアムは一言。 そう呟いて、肯定した。 見抜かれてしまったことを、悔やむように。 既に腹は決まっているかのように。 彼は、ふっと口元に笑みを浮かべた。 ひどく、ひどく―――寂しげな微笑みを。 「これは、私がやるべきことですから」 その時。その一言。 アサシンが呟いた、何気ない言葉が。 ひかるの脳髄に、心に、打ち付けられ。 そして―――ふいに記憶が、蘇った。 ◆ あの瞬間。 灯織さん、めぐるさんに手を掛けて。 氷の鬼へと変貌した人々を“止める”と決意した、あの時。 拭えない罪で私自身を縛り付けた、あの言葉。 ――――“それでも”。 ああ。 それは、酷く単純なことで。 私はどうして、気付けなかったんだろう。 私はどうして、向き合えなかったんだろう。 ――――“これはわたしにしか出来ないことだから”。 苦しんでるのは。 背負ってるのは。 責任を抱えているのは。 何かがを守っているのは。 私“ひとり”だけじゃない。 真乃さんが、悩み抜いてたように。 あさひさんが、決別を告げたように。 他の人達だって、思いを抱え込んで。 そうやって、みんな苦悩と戦って。 前へと進んで、未来を見つめていく。 アサシンさんは、ずっと。 そう――――ずっと、ずっと。 私達に代わって、283プロダクションを守ってくれた。 たとえ仮初めだとしても。 この世界で再現されたモノだとしても。 真乃さん達にとっての大切な居場所を、大切な人達を、支え続けてくれた。 誰にも頼れない中で、戦い続けて。 考え抜いて、守り抜いて―――――。 私は、そんな簡単なことに気付かなくて。 それで、この人に重荷を背負わせていた。 ―――――“辛えよなぁ。嫌になっちまうよなぁ”。 ―――――“大人になれって突き付けられるのは……痛ェよなあ”。 ライダーさんが、あの時。 どうしてああ言ってくれたのか。 今なら、分かる。 痛みを背負って、何かを諦めて。 苦しみを隠して、妥協してしまう。 未来の輝きを、捨ててしまう。 そんなのは、とても悲しくて。 全然、“キラやば”じゃないから。 そして、すぐ側にいるひとを見つめた。 真乃さん。私の大切なマスターで。 私の―――掛け替えのない“家族”。 ずっと、ずっと、心配を掛けてしまった。 傷付いた私を、支えてくれようとして。 なのに、ちゃんと応えられなくて。 そうして、お互いに一歩を踏み出せなくなって。 真乃さんと、視線が交錯した。 ほんの少し、悲しそうで。 あることを、悟ったようで。 それで、何かを決意したような。 そんな表情をしていた。 何となく。何となくの直感だけれど。 今の私も、同じような顔をしていたんだと思う。 真乃さんも、アサシンさんの一言で気づいたんだ。 大切なことを、改めて分かったんだ。 星と星が結びつくみたいに。 私達の心は、繋がっていた。 ああ、そうだ。 私は今―――何をやるべきなのか。 ◆ 「アサシンさん」 星奈ひかるは、立ち上がった。 影が掛かっていたウィリアムの瞳を、真っ直ぐに見据えていた。 先程までのひかるとは、違う。 何かを悟り、何かを想い。 そして、何かを決意し。 自らの道を、見出したかのような。 そんな眼差しを、ひかるは持っていた。 そこに、弱々しく項垂れてた時の面影はなく。 彼女の姿に、ウィリアムは思わず微かな驚きを見せる。 「―――ごめんなさい」 ひかるは、深々と頭を下げた。 自らの過ちを、非を詫びるように。 大切なことに気付けなかった自分の不甲斐なさを謝った。 「アーチャーさん、貴方は……」 「“アサシンさんなら何とかしてくれる”って、私は思ってました。 あなたは私たちの光になってくれる。あなたなら、暗い未来を変えてくれる―――」 そうしてひかるは、正直に打ち明けた。 あのプロデューサーのビデオメッセージが来たとき。 ひかるは、ウィリアムを頼ることに迷わなかった。 彼なら何とかしてくれる。 星のように道を照らしてくれる。 何も出来なかった、自分とは違う。 そんな思いを胸に、ひかるはウィリアムの元へと駆けつけた。 「―――そう思い込んで、アサシンさんに重荷を背負わせようとしてたって。 やっと、気付いたんです。あなたの輝きばかり信じて、私はちゃんと輝けてなかった」 けれど、それは間違いだった。 ウィリアムへの盲信であることに、ひかるは気づかなかった。 信頼というものを履き違えて、彼に寄りかかろうとしていた。 それを背負うことになるウィリアムが、どんな苦悩を抱えているのか。 自分の葛藤ばかりに目を向けて、そのことに向き合えなかった。 「だから。本当に、ごめんなさい」 だから、ひかるは謝罪した。 あなたを分かろうとしなくて。 あなたの思いに、気付かなくて。 あなたを知ろうとせず、背負わせようとして。 そんな自分に、やっと気付いてしまったから。 呆気に取られたように、目を丸くしていたウィリアム。 顔を上げたひかるは、再び彼を見つめる。 星のような瞳が、彼を捉える。 確かな輝きを放って、彼と向き合う。 「私、一緒に行きます」 そして、ひかるはそう告げる。 迷いなき言葉で、伝える。 ――――あなた一人で、戦わせない。 彼女は確かに、それを示した。 「アーチャーさん、ですが……」 「アサシンさん。私、すっごく強いんですよ」 戸惑うウィリアム――彼はまだ、彼女達の傷を案じていた。 それに対し、ひかるはニッと笑みを見せて応える。 大丈夫。私はもう戦えると、伝えるように。 「みんなと手を合わせて――宇宙だって、救ってみせたんですから」 そう。 彼女は何者なのか。 彼女は一体誰なのか。 この街にいる誰もが、彼女を知らなかった。 犯罪卿でさえも、その全貌を掴んではいなかった。 無垢な祈りで、現実と向き合い。 個々の輝きによって、心を繋ぎ止めて。 希望を胸に奇跡を成し遂げてみせた、本物の英雄だ。 たった5人の少女達が、宇宙(そら)の理すら乗り越えてみせたのだ。 「私は、アーチャーのサーヴァント……星奈ひかる! 宇宙(そら)に輝く星、“キュアスター”!」 その名は、プリキュア。 銀河を救ってみせた、伝説の戦士。 そう、星奈ひかるは。 「私も―――みんなを守ります!」 キュアスターは、紛れもなく―――。 この聖杯戦争における、最強のサーヴァントだった。 この空を仰ぐのは、一人だけではない。 世界を超越する力を持つのは、新宿を破壊した“最強の英霊”だけではない。 “蝿の王”が全ての空を支配せんとする力を持つように。 “煌めく星の少女”は、果てなき星の空を救ってみせたのだ。 その輝きを前にし。 困惑と動揺を浮かべていたウィリアムは。 やがて、その瞳の淀みを――少しずつ、晴らしていく。 喪いつつあった色が、取り戻されていく。 「ひかるちゃん」 そして、ひかるを呼びかける声。 真乃もまた立ち上がり、彼女を見つめていた。 「……真乃さん」 ひかるは、同じように真乃を見つめていた。 互いの視線が、ようやく一つに繋がった。 それから、ひかるは―――届かなかった手を、ゆっくりと伸ばし。 「ありがとうございます。私を、ずっと支えてくれて―――」 真乃の手を掴んで、感謝を伝えた。 届けられなかった想いを、届けた。 「―――私の、“お姉さん”でいてくれて」 自らの友人であり、家族でもある真乃に。 精一杯の想いを、確かに伝えた。 「私は……正直、まだ気持ちは晴れてません。 救えなかった人達がいて、許されないこともしました。 心の奥が痛いのは、今でも変わらない……」 それからぽつり、ぽつりとひかるは呟く。 自らがするべきことを気づいたとはいえ。 まだ心の傷が癒えた訳ではないし、そのことを隠したくもない。 これ以上は、誰かに迷惑を掛けたくなかった。 「でもッ!それで足踏みして、後悔を積み重ねたら……いつまでも輝けない! 同じように苦しんでる人達がすぐ側に居るのに、寄り添ってあげられない……それが一番悲しいことだって、分かったんです!」 その上で、彼女は宣言する。 進むべき道を選んだことを。 自らが成すべきを理解したことを。 懺悔するように。 そして、決意するように。 「だから、真乃さん―――」 「――――うん。分かってるよ、ひかるちゃん」 そんなひかるに、真乃は微笑みとともに言葉を返した。 「ひかるちゃんが、アサシンさんに……誰かに寄り添うなら。 私は、ひかるちゃんに寄り添いたい」 罪というものは、拭いがたい傷で。 例えこの世界がなくなっても、それを背負いながら生きていくことになる。 誰かが赦してくれたとしても、その人の心はずっと苛まれるかもしれない。 優しい人達は、そうして苦しんでいく―――ひかるちゃんも、アサシンさんも。 そして、“七草にちか”を支えられなかったプロデューサーも。 だからこそ。 優しい人が、誰かに寄り添うように。 優しい人へと、寄り添いたいと。 真乃は、そう祈った。 星は、一つ一つ輝きを放つように。 星々もまた、繋がりを持って輝くのだから。 ――――アイさん。 真乃の脳裏に、あるマスターの姿が浮かぶ。 同業者であり。同盟者であり。 やがて決別へと至った、とあるアイドル。 例え汚れても、傷付いても、私は立ち続ける。 そう宣言してみせた彼女のことを、追憶していた。 ――――アサシンさんが、言ってたように。 ――――あなたは、“強い人”だったんだと思います。 ――――自分で“いま”を考えて、自分の道をちゃんと見つめてた。 だから、これからは。 進む道は、きっと相容れないけれど。 私も―――自分の道を、真っ直ぐに見据えたい。 貴女みたいに、強くありたい。 そうすることで、優しい人達に寄り添いたい。 誰かが、前へと進みたいと願ったときに。 誰かが、自分の世界に色を求めたときに。 ほんの少しだけ手を伸ばして、小さな光を与える存在。 それが彼女にとっての、アイドルだったから。 星野アイが、生き抜いた果てにアイドルで在り続けることを望んだように。 櫻木真乃は、アイドルで在り続けるために生きることを誓った。 ――――あさひくん。 ――――いつか、あなたと向き合える日も来れば。 その果てに。 あの優しい少年に。 想いを背負って、戦い続けるあの子に。 再び、寄り添うことができれば―――。 真乃は胸の内で、小さな祈りと決意を抱いた。 そしてひかると真乃は、再びウィリアムと向き合う。 その瞳に、迷いはなかった。 双子の星の輝きが、そこに宿っていた。 そんな二人を見つめる、ウィリアムの瞳には。 霞みかけていた、微かな光が宿っていた。 自ら希望を取り戻した彼女達に、驚嘆の思いを抱いていた。 そして、暫しの沈黙の後。 彼もまた、口を開く。 「―――感謝致します。本当に、良かった」 僅かな負い目を感じるように。 それでも安心したように、彼は微笑んだ。 ◆◇◆◇ 世田谷へと急行していく最中、ウィリアムは摩美々と念話によって情報を共有していた。 真乃達との合流を果たしたこと。 にちか同士の会談が無事に終わり、共に道を見出したこと。 ウィリアムが手を結んだ“協力者”の一味が襲撃を受けたこと。 グラス・チルドレンが皮下医院の勢力と手を結んだ可能性が高いこと。 ライダーが聖杯戦争を打破する上での具体的なプランを述べたこと。 峰津院財閥が283を標的にする可能性が極めて高いこと。 プロデューサーから送られた、あの動画のこと。 そして―――じきに世田谷への“襲撃”が始まり、乱戦になる可能性があること。 今対処すべきことは、これから訪れるであろう敵襲の件だ。 ここで下手に外部へと散らばれば、逆に奇襲攻撃の餌食となる可能性がある。 だから今は拠点で待機するように。 自分達が到着してからマスター達の安全を確保し、急ぎ侵攻へと備える。 ウィリアムは摩美々にそう伝えた。 NPCのアイドル達は、恐らく既に犠牲になっている。 密告のメッセージについて言及し、ウィリアムはその可能性を打ち明けた。 これからこの聖杯戦争を生き抜けば、遅かれ早かれ気付かされることになる事柄だ。 故に隠し通したりなどしない。 どのみち襲撃の根拠となる密告の件に触れる上で、避けては通れないことだった。 そして、とあるメッセージが届いたことを、摩美々が伝えた。 傷心を抱く少女達に、更なる追い打ちをかける言葉だった。 『仲間思いの誰かさん。貴女の尽力のお陰で死人が増えました』 『無駄な努力をご苦労様でした』 それは、NPCである彼女達の死を突きつける宣告。 それは、283にとっての決定的な“敗北”を伝える通告。 それは、彼女達を守護してきた犯罪卿にとって。 その心の奥底を深く抉る、後悔という呪いを叩き付けた。 ―――守れなかったのは、自分だ。 ―――予測できなかったのは、自分だ。 ウィリアムは、自責の念を抱く。 “子供達”への脅迫が無意味になっていたことを、もっと早く悟るべきだった。 ああ、そうだ。彼女もまた―――“星奈ひかる”も、このような想いを抱いたのだろう。 罪や過ちが身体に伸し掛かり、鎖のように縛り続ける。 それでも彼女達は、寄り添うことを選んでくれた。 その輝きに、ウィリアムは安心を覚えた。 二人の輝きを守りたいと、確かな想いを抱いた。 その姿を見届けられたことで、少なからず苦悩が癒やされたとは言え。 彼女達を戦線へと巻き込む結果になったのは、変わらない。 そして、ひかるの心の傷が簡単には癒えないように。 ウィリアムの心に掛かる影も、容易くは消えず――――。 『……アサシンさん』 そんな矢先に。 摩美々が、ふいに声をかけた。 『こうなったのは自分のせいだ、って思ってませんか』 そして、単刀直入にそう問い掛ける。 ウィリアムは、思わず目を見開き。 『……はい。お恥ずかしいことながら』 『そういうの、やめてくださいね』 『真に……申し訳ありません』 僅かな沈黙の後に、そう打ち明けた。 やっぱり、と摩美々はぼやきつつ釘を差した。 『誰が悪いとか、誰が憎いとか、誰のせいだとか……多分、そういうのじゃない。 こんなのを送ってきた人は、許したくないけど。 でも……やっぱり、何か違うと思います』 それから、一呼吸の間を開けて。 ゆっくりと、言葉を紡ぎ出した。 『前に真乃と話した時に、思ったことがあるんです』 どうしても叶えたい願いがあって、そのために戦う。 そんな人達の思いに向き合う意志は忘れたくない。 真乃は以前、摩美々との電話でそう伝えていた。 『本当に許せないのは……願いのために誰かを殺す道を選んだ人達じゃないし。 もしかしたら、平気で酷いことをする人達ですらないかもしれない』 良い人。悪い人。あるいは、どっちでもない人。 様々な者達が、この聖杯戦争に招かれている。 願いを叶えるために、生きるために、皆戦いへと駆り出されている。 戦わなければ、この世界に消されるのみ。 聖杯が欲しくても、そうでなくとも。 マスターとサーヴァントという主従関係を結ばされた以上、勝ち抜くために奔らなければならない。 それが界聖杯における絶対的な掟だ。 そんなルールを、有無を言わさず押し付けられている。 願いを叶えるためだった。仕方がないことだった。 そんな謳い文句で戦う人達がいるかもしれない。 自分以外の他人なんて、障害物でしかない。 そうやって誰かを蹴落とせる人達だって、いるかもしれない。 だけど、違う。 摩美々は、思う。 例えそういった者達を受け入れられなかったとしても。 本当に憎まなければならないのは、彼らではない。 『“たった一組しか願いは叶えられませんし、生き残れません”。 “他は皆死んじゃうから、争ってください”――――そうやって皆を巻き込んだ界聖杯が、一番許せない』 “こんなこと”を強いているのは、この世界。 “命懸けの戦い”を無理やり始めたのは、この世界。 何でも願いが叶う奇跡の力。元の世界に生きて帰れる権利。 それらを餌にして、奪い合いを正当化しようと押し付けてくる張本人。 悪戯好きで、天邪鬼で、優しくて、誰よりも身内想いで。 そんな少女が、一番許せなかったもの。 それは―――界聖杯だった。 『勝ち取るとか、奪い合うとか、覚悟とか。 一組しか幸せにできないから、蹴落とし合わせるとか。 そうやってアイドル同士のオーディションみたいに、平気で命を競わせる。 聖杯に到れるかどうかで、命の価値を決めつける』 だから摩美々は、改めて憤る。 皆に痛ましい責任や覚悟を背負わせる、この世界に。 身勝手な理屈で可能性を語る、この舞台に。 『そんなの、奇跡の願望器なんかじゃない。 みんなを幸せにして、めでたくハッピーエンドで終わらせて……それが“奇跡”でしょ?』 本当の“奇跡”は、そんなものじゃない。 犠牲のもとに積み上げられる戦利品なんかじゃない。 優しい人達が追い求める“理想”こそが、奇跡だと。 摩美々は、そう信じていた。 『なんていうか……プロデューサーも、咲耶も、そうだったんです。 誰かに怒ったりするよりも、まず自分を追い詰めてた。 自分を許せなくて、苦しみを抱え込んで……』 そんな優しい誰かを支えられたら、どんなに良いか。 摩美々は、それを果たせなかった。 “七草にちか”を挫折させてしまった在りし日のプロデューサーの哀しみに、寄り添うことが出来なかった。 奇跡に縋るまでに追い詰められる―――そうなる前に、彼を支えることが出来なかった。 『“いい人”は、みんな……自分だけで責任を背負おうとするから』 それが、摩美々の哀しみであり。 彼女が背負ってきた、確かな想いだった。 みんな、一人で抱え込んで。一人で悩んで。 そうやって、押し潰されてしまう。 『正直……あのビデオメッセージ、ショックでした』 だからこそ、プロデューサーからの“決別の言葉”に打ちのめされた。 『最初見たときは、“何でこんなことになっちゃったんだろう”って思いました。 しばらく、気持ちも上手く纏まらなかった』 もう君達の元へ戻るつもりはない。 君達のプロデューサーは死んだものと思ってくれて構わない。 『彼等』と共に全ての役割を遂げて、全ての結末を見届ける。 摩美々を見つけてくれたあの人は、淡々とそう告げていた。 『だけど、それ以上に……悲しかったんです。 “ああ、プロデューサーは一人で全部背負う気なんだな”―――って』 ―――この道しか、俺は今まで自分が犯した間違いと折り合いがつけられない。 その一言で、摩美々が抱いたのは“悲しみ”だった。 裏切りを告げられた衝撃。 もう戻らないと伝えられた断絶。 だけど、それだけではない。 彼が何を思っているのか。 何故こんなことに至ってしまったのか。 かつてプロデューサーが経た一件を振り返って。 この聖杯戦争での経験や、対話を通じて。 摩美々は、半ば悟っていた。 『マスターは、彼から……何を見出しましたか?』 『夢で見た“生前のアサシンさん”と、同じものです』 ウィリアムの問いに、摩美々はそう断言した。 その一言と共に、互いが思い浮かべた心象風景は―――同じものだった。 『走馬灯みたいで曖昧だったけど……あのときのアサシンさんが何を思ってたのか、やっと分かったんです。 プロデューサーの気持ちが、少しでも分かったから』 そうして、摩美々は言葉を紡ぎ続ける。 プロデューサーが抱える痛みを、静かに噛み締めるように。 『ずっと一人で苦しんでるのに、独りぼっちのまま戦おうとしてる。 痛い、辛い、悲しいって。心が泣いてるのに、無理して全部引き受けようとしてる。 だけど、そういう風にしか生きられなかったから、前に進むしかない……』 摩美々の紡ぐ想いと共に。 “彼”の言葉が、ウィリアムの脳裏をよぎる。 生前にぶつけられた、あの言葉が。 『だから、誰かが手を掴んであげないといけないんです』 ―――まだ間に合う。 ―――この世で、取り返しのつかないことなんて! ―――ひとつもねえんだよ! 夢を通じて共有した、とある“探偵”の姿。 救われぬ道を進もうとした青年に手を伸ばした、一人の“親友/ヒーロー”の姿。 俺はお前を救いたい。 取り返しのつかないことなんてない。 だから、共に生きよう。 そう叫び続けた“彼”の姿が、“今”と重なった。 ウィリアムは、確信した。 摩美々は、確信していた。 最後に残された、決定的なピースを。 彼が抱えている痛みを、苦悩を。 それ故に背負っている、大きな十字架を。 ああ、同じだった―――ウィリアムは、全てを悟った。 自身を慕う少女達と決別し、たった一人で戦い抜こうとする青年の心を、確かに捉えた。 そして、そんな生き方を選ぶことの哀しみに、改めて向き合った。 ―――“誰が相手でも、こう言うと決めているんだよ。” ―――“俺がお前に協力すれば、全ては丸く収まるのだろうか。” そうだ。 善とは、正しさとは。 孤独に背負う犠牲の意志ではない。 心を繋ぎ止める、光り輝く道なのだ。 進むべき道を見つけたのはウィリアムだけではない。 罪を背負おうとする彼の手を掴む。 きっと、それが出来るのは。 “七草にちか”だけなのだろうと。 あの会談を経て、摩美々は既に理解していた。 そのことに一抹の寂しさを感じても、摩美々はもう受け入れている。 にちかにしか出来ないことがあるように。 自分には、自分の出来ることがある。 悲しんでる場合じゃない。苦しんでる場合でもない。 今やるべきことは、一歩前へと進み続けることなのだから。 プロデューサー。咲耶。 そして、ウィリアム。 摩美々にとって、みんな大切な人達で。 そんな人達が、この世界で傷付いていた。 『……だから、アサシンさん』 そう。 だからこそ、摩美々は告げる。 『“あなた一人のせい”だなんて絶対に考えないで』 自らを守ってくれた、“優しい人”へと。 摩美々は、寄り添いたかった。 ウィリアムは―――ただその言葉を、静かに聞き届けていた。 『私は、優しい人達に傷付いてほしくないです。 プロデューサーも、プロダクションの皆も……もう家族みたいなものですし』 そうして噛み締めるように、どこか照れ臭く思うように。 摩美々は言葉を紡ぎ、一呼吸を置いて。 『アサシンさんだって、私の家族ですから』 そして、そう伝えてきた。 その一言に、ウィリアムは目を再び丸くして。 少しばかり驚いたように、沈黙し―――そして。 『……ありがとうございます、摩美々さん』 ふっと微笑んで、礼を伝えた。 ひどく安心したように。 心の霧が晴れたように。 だからこそ、ウィリアムは確信する。 『貴女は、僕の……親愛なる友人です』 “もう一人友達を作りなさい”。 それは一日目の夕方に、摩美々から告げられた命令だった。 あの言葉は、支え会える仲間―――信頼できるサーヴァントとの交流を持ってほしいという祈りであり。 そういう意味では、未だに果たされていない事柄ではあったけれど。 それでも“友達を作ってほしい”という願いそのものは、知らず知らずのうちに果たされていた。 『どういたしまして、リアムさん』 寄り添い、支え合うのは“家族”だけではなく。 きっと“友達”もまた、そういうものなのだろう。 摩美々がいたから彼は自らの心を繋ぎ止められ、彼がいたから摩美々はこの世界に屈さなかった。 “掛け替えのない親友”とまでは行かなくとも。 “運命で結ばれた二人”には及ばなくとも。 摩美々とウィリアムは、間違いなく―――友達だった。 さあ―――往こう。 この世界で抱いた“理想”を胸に。 彼(ヒーロー)が守った未来に焦がれ。 犯罪卿は、夜を駆ける。 ◆◇◆◇ 「なあ、ランサー」 夜風に吹かれながら、男は問いかける。 窶れた眼差しで、星空を見つめながら。 彼は、虚ろな木偶の兵隊達を率いる。 「俺は、滑稽なのかな」 自嘲するような笑みを浮かべて、男はそう問いかけた。 彼の従者であるサーヴァント―――猗窩座は、目を閉じて。 ゆっくりと、口を開いた。 「ああ」 弱い奴が、嫌いだった。 常に間に合わず。 何も成し得ず。 信じるものを、喪っていく。 そんな者を、憎んでいた。 虫酸が走るほどに、忌まわしい。 「哀れで、惨めで、“役立たず”だ」 そう。弱い奴が、嫌いだ。 眼前の男も、そうだった。 守るべき者たち。 愛する者たち。 その死を、まざまざと見せつけられ。 そして今、あの幼き殺人者達の掌で踊らされている。 彼女達を守るために、彼女達の陣営を崩す。 皮肉で、惨い話だ。 「だからお前は、鬼になろうとする」 脳裏をよぎる、記憶。 遥か昔。霞の掛かった、朧気な情景。 口から血を流し、肌を青白く染めて、ぴくりとも動かず。 そんな愛しき者の“亡骸”を前に、泣き崩れる者がいた。 俺が守る。俺が助ける。 下らぬ戯言を吐き続けて、何一つ成し遂げられなかった。 「お前は、なれもしないのに―――」 脳裏をよぎる、記憶。 ほんの十数分の過去。 守るべき者の“亡骸”の前で、沈黙する男がいた。 淀んだ眼差しで、自らの罪を背負う男がいた。 彼女達を守る。あの娘を幸せにする。 そんな儚き理想を抱いて、修羅の道を歩んでいく。 ああ、お前も―――俺も。 だが、お前は違う。 お前は、人であることしか出来なかった。 何処まで行っても心を棄てられず。 それでも尚、戦うことを選んだ。 最早幾ばくの命も無く。 愛する者達と生きる未来も見えず。 今にも朽ち果てそうな身体を引き摺り。 それでもお前は、戦い続ける。 ひどく惨めで、滑稽で。 何ともまあ、つまらない姿だ。 だが、それ故に思う。 「―――――故に。此の俺が、修羅になろう」 お前が、空ろな勝利を求めるのは。 慈しき者達を、守るため。 ならば。なればこそ。 己は―――貴様の“鬼”となろう。 俺は、強さを求めていたのか。 俺は、武を極めることを望んでいたのか。 俺は、鬼神になりたかったのか。 違う―――それくらい、識っていた筈だった。 鬼の王の支配から解き放たれた時点で、真理を悟っていたはずだった。 俺は、取り返しが付かなかった。 弱さを憎み、己を憎み。 そうして全てを取り零し、化外へと成り果てた。 百余年もの間、望みも忘れ去り。 暴虐に明け暮れ、この手を業で穢し続けた。 だが、お前は違う―――お前は鬼になれなかった。 罪を背負い、罪に苛まれ、お前は人で在り続けた。 お前は、俺のような悪鬼ではない。 陽の下に立てず、虚ろに彷徨う影法師などではない。 人間であるお前には、未来がある。 故にお前は、光を求めてもいい。 愛する者達と共に歩む道を、選んでもいい。 鬼であることは、俺が引き受ける。 だから。 ―――――生きろ。 その為に、俺は戦う。 ◆ 鬼が駆ける。鬼が翔ぶ。 百鬼夜行の如く。逢魔の如く。 闇夜と共に、化外が跋扈する。 上弦の参、猗窩座。 今宵、正真正銘の修羅が此処に立つ。 ◆◇◆◇ “犯罪卿”は絶望の淵に立たされ、それでも慈しき者達の為に奮い立つ。 “星の少女”は苦悩と葛藤の果てに、己が果たすべき使命と向き合う。 “狛犬”はかつて取り零した祈りを一人の男に見出し、修羅の鬼となる。 そして、迫り来る“蝿の王”は、ただ全てを蹂躙すべく翔ぶ。 今宵、世田谷の地にて。 誰にも譲れぬ死闘が、幕を開ける。 その果てに―――誰が散り、誰が生きるのか。 【新宿区(世田谷区へと移動中)/二日目・未明】 【アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)@憂国のモリアーティ】 [状態]:心痛、覚悟 [装備]:現代服(拠出金:マスターの自費)、ステッキ(仕込み杖) [道具]:ヘルズ・クーポン(少量)、Mとの会話録音記録、予備の携帯端末複数(災害跡地で入手) [所持金]:現代の東京を散策しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)→限定スイーツ購入でやや浪費 [思考・状況]基本方針:聖杯の悪用をもくろむ主従を討伐しつつ、聖杯戦争を望まない主従が複数組残存している状況に持って行く。 0:マスターの元へ戻る。そして、彼女達を生かすために動く。 1:いずれはライダー(アッシュ)とも改めて情報交換を行う。 2:『彼(ヒーロー)』が残した現代という時代を守り、マスターを望む世界に生還させる。 3:"割れた子供達"、“皮下医院”、“峰津院財閥”。今は彼らを凌ぐべく立ち回る。 4:いざとなればマスターを信頼できるサーヴァントに預けて、手段を選ばない汚れ仕事に徹する―――だが、願わくばマスターの想いを尊重したい。 5:乱戦を乗り切ることが出来たならば、"もう一匹の蜘蛛(ジェームズ・モリアーティ)"の安否も確認したい。 [備考] ※ライダー(アシュレイ・ホライゾン)とコンタクトを取りました。以後、定期的に情報交換を試みます。 ※櫻木真乃およびアーチャー(星奈ひかる)から、本選一日目夜までの行動を聞き出しました。 【櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】 [状態]:疲労(小)、精神的疲労(中)、深い悲しみ、強い決意 [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:予備の携帯端末 [所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入) [思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。 0:ひかるちゃんと共に戦う。 1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。 2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。 3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。 4:ひかるちゃんを助けるためなら、いざとなれば令呪を使う。 [備考] ※星野アイ、アヴェンジャー(デッドプール)と連絡先を交換しました。 ※プロデューサー、田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。 【アーチャー(星奈ひかる)@スター☆トゥインクルプリキュア】 [状態]:ワンピースを着ている、精神的疲労(中)、悲しみと大きな決意 [装備]:スターカラーペン(おうし座、おひつじ座、うお座)&スターカラーペンダント@スター☆トゥインクルプリキュア [道具]:洗濯済の私服、破損した変装セット [所持金]:約3千円(真乃からのおこづかい) [思考・状況]基本方針:何があっても、真乃さんを守りたい。 0:真乃さんと共に戦う。 1:何かを背負って戦っている人達の力になりたい。 2:ライダーさんには感謝しているけど、真乃さんを傷つけさせない。 3:罪は背負う。でも、大切なのは罪に向き合うことだけじゃない。 【世田谷区 七草にちか(弓)のアパート/二日目・未明】 【田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー) [所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力) [思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。 0:ただ、プロデューサーに、生きていてほしい。 1:プロデューサーと改めて話がしたい。 2:アサシンさんの方針を支持する。 3:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。 [備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています 【世田谷区・住宅街/二日目・未明】 【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ】 [状態]:覚悟、魂への言葉による魂喪失 [令呪]:残りニ画 [装備]:なし [道具]:リンボの護符×10枚、連絡用のガラケー(グラス・チルドレンからの支給) [所持金]:そこそこ [思考・状況]基本方針:“七草にちか”だけのプロデューサーとして動く。……動かなくてはいけない。 0:283のサーヴァントを攻撃。犯罪卿は必ず仕留める。 1:にちか(騎)と話すのは彼女達の安全が確保されてからだ。もしも“七草にちか”なら、聖杯を獲ってにちかの幸せを願う。 2:283陣営を攻撃する中でグラス・チルドレン陣営も同様に消耗させ、最終的に両者を排除する。 3:白瀬咲耶が死んだことに悲しむ権利なんて、自分にはない。 4:『彼女』に対しては、躊躇はしない。 5:序盤は敵を作らず、集団形成ができたらベスト。生き残り、勝つ為の行動を取る。 6:神戸あさひは利用出来ると考える。いざとなれば、使う。 7:星野アイたちに関する情報も、早急に外部へ伝えたい。 [備考] ※チェス戎兵を中心に複数体のホーミーズを率いています。中には『覚醒者』であるグラス・チルドレンのメンバーや予選マスターの魂を使った純度の高い個体も混じっています。 ※今回の強襲計画を神戸あさひ達が認知しているのか、またはその場合協力の手筈を打っているのかは次のリレーにおまかせします。 【猗窩座@鬼滅の刃】 [状態]:令呪『今回の戦い、絶対に勝利を掴め』 [装備]:なし [道具]:携帯電話(犯罪卿より譲渡されたもの) [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:マスターを聖杯戦争に優勝させる。自分達の勝利は――――。 0:283のサーヴァントを強襲。 1:プロデューサーに従い、戦い続ける。 [共通備考] ※今回の時間軸は少なくとも106話「Cry Baby」以前を想定しています。 時系列順 Back 向月譚・弥終 Next 輝村照:イン・ザ・ウッズ 投下順 Back 蒼い彼岸花のひとひら Next チルドレンレコード ←Back Character name Next→ 096 プロジェクション・イントロデュース 田中摩美々 114 逆光(前編) 101 さまよう星と僕 アサシン(ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ) 櫻木真乃 114 逆光(前編) アーチャー(星奈ひかる) 093 支え合う心! あさひの覚悟と確かな繋がり プロデューサー 117 prismatic Fate ランサー(猗窩座) 114 逆光(前編)
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第二章『二人の出会い』 出会って嘆いてぶつかる叫び 泣いて悔やんで拒絶が響き なら何故二人は出会うのか ● ―――貴金属は力を得る。 自らの声に似たそれが響き、佐山は一つの変化を知覚した。 停まった・・・? 具体的に何が変わった訳ではない。自分が立つ道路も、暗くなりつつある空も、眼下に広がる木々の斜面やその最底辺を流れる川も、何一つ変わってはいない。 しかし気配というものが無くなっていた。 木の上に住む野鳥、草むらに潜む虫、そよぐ風と揺れる木々。山中とはそういった目視出来ぬもの達の気配に溢れる場所だ。だがそれらは今、全てが失われていた。 「一体何が・・・」 佐山は呟きながら辺りを見回し、そして気付いた。背後から近付くそれに。 「車!?」 背後から一台の車が走り込んでくる。 違和感のあまり、道路の中央で棒立ちを・・・! 車はこちらへと高速で接近、避ける間もなく佐山に迫り、 「すり抜け、た?」 迫った車は自分と重なり、しかし佐山の身を跳ね飛ばす事も無く突っ切った。 そして佐山は見た。自分を透過したその車が、青みのある薄い影となって走り去るのを。 どういう事だ・・・ 佐山は車の走り込んで来た方を向く。そして目前にあるものは、 「――壁、か?」 一定以上先の風景を僅かに霞ませ、それより先に佐山を進ませない何かだ。まるでこちら側とあちら側の空間がズレた様だ、と思い、 「まさか・・・さっきの車は私が見えなかったのか?」 それならば説明がつく。向こう側の車がこちら側の佐山に干渉出来なかった様に、向こう側からはこちらが見えなかったのではないか、と。 「――どういう事だ」 解りはしない、謎ばかりでヒントすらもない。立ち尽くして思考に沈み、そしてふと佐山は音を聞いた。 物音でもなく自然の出す音でもない。それは声だった。ただし、本能のままに捻り出された声、それは悲鳴と呼ばれる。 「―――――」 耳は響く悲鳴を聞き、佐山は変化を得る。全身に力が込められ、そして過去を思い返すという変化だ。 かつて、母に連れられてこの辺りまで来た記憶。山中に連れられ、大事な人に会おうと言われ、 「しかしその約束は果たされず・・・か」 胸は軋むが、呼吸と意思を持ってそれを抑える。 「――よし」 悲鳴は山彦の様な音で佐山に届いた。つまり悲鳴の主がいるのは、 この斜面の下だ! 佐山はネクタイを緩め、スーツの上着を脱いでシャツを露にする。両方が果たされた時にはもう足が道路脇のガードレールに駆け寄り、そして飛び越えた。草のたわむ音と共に着地、即座に疾走する。 腰と共に重心を下げ、滑る様にして斜面を下る。夕闇も近い。日没ともなればさぞや暗いだろう。 急げ、その一念が佐山を駆けさせる。 そうして風を切り、木々の間を抜ければ見えてくるものが三つある。 一つは石や岩に囲まれた川。道路から見えたものだ。 もう一つは人間だった。それも仰け反った姿勢で宙を飛んだ、手に白い杖の様な物を持つ少女。 いかん! 少女の体が落下を始めた。地面は石と岩に埋められた川沿い、背から落ちればただでは済まない。佐山は上着を捨てて跳躍、慣性を持って少女へ近付き、 「・・・っ!」 抱えた。弧を描いて落下し、が、という硬い音と、じゃ、という湿った音を鳴らして佐山は着地する。少女を抱えた事で勢いが弱まったのも功を成した。 「――しかし世界とは不思議なものだ」 少女の危機回避に成功した所で佐山はそれを見た。この川に辿り着いた時に見えた、最後の一つを。 やれやだ、と佐山は思う。今日一日で随分な体験をしたものだ、と。 訳の解らない空間に閉じ込められ、悲鳴を聞いて山中を下り、少女を助け・・・ そして極めつけは、 「人狼、とでも言うのかね? ・・・まさか伝説上の異形に会えるとは思わなかった」 この少女を宙に送った相手なのだろう、佐山は人型の獣と対峙していた。 ● 佐山の視線の先、それは確かにいた。 鈍色の剛毛、強靭な巨躯、指先には長い爪、そして頭部は狼のものだ。その右足には裂傷がある。深くは無いが血が流れ、それが今の自分達を襲わない理由、そして血走った目でこちらを睨む理由だろう。 敵意、否、殺意は万端という事か・・・ 少女の落下は避ける事が出来たが、根本的な危機はまだ免れていない様だ。 「・・・え?」 そこまで考え、佐山は腕の中の少女が声を漏らすのを聞いた。 「――無事かね」 「き、君は・・・」 目を丸くして少女は佐山を見て、ふいに自分の姿を見た。佐山に抱きかかえられたその体は、 「・・・きゃぁ!?」 服が引き裂け、右脇から左腰までが露出していた。 しかし奇怪な服だ・・・ それは装甲服なのだろうか。白地に黒で彩られた装甲がボディスーツに付け足された様なデザインだ。そして何よりも、 あの異形の爪に引き裂かれた様だが・・・何故体に傷がついていない? 破れたボディスーツの下、色白の腹部には傷一つついていない。緊張故か汗に濡れ、小さく上下している。 「な、何見てるんだよ!」 紅潮した少女の拳が佐山の腹に突き刺さった。両腕は少女を抱えていたので対応出来ず、打撃はクリーンヒット。 「―――」 佐山は悲鳴すらなく倒れた。少女もそれに巻き込まれ、わ、と声を出して川沿いに落ちる。 い、いかん。今は先に確認しておくべき事があった! 内臓に響く痛みを堪えて佐山は上体を起こし、同じく身を起こす少女を見た。 「あの異形を退ける方法は?」 「え? あ、ていうか、君は何? 覗き魔?」 「覗き魔ではないし哲学的な問答をここでする気もない。問いは一つ、答えも一つだ。――あの敵を倒す方法は?」 少女は息を飲み、しかし人狼が動き始めたのを見て口を開いた。 「貴金属。――それに関するものじゃないと効果的な力を得られないんだ」 信じよう、と思う。今この状況が解り、協力してくれるのは彼女だけだ。 「――君の名は?」 「・・・新庄」 「そうか。では新庄君は下がっていたまえ。彼の相手は私がする」 その理由は、彼女が戦えるのか、という疑問故だ。彼女が宙を舞いながらも放さなかった白い杖、それこそが人狼の足に裂傷を与えた武器だろう。それを持ちながら人狼に勝る事が出来なかったのは、 彼女の意思、か・・・ 佐山に抱えられて初めて見せた、涙の薄く滲んだ新庄の瞳を佐山は思う。 彼女は甘い人間だ、攻撃力にはなれない・・・ だから佐山は走った。 「ちょ、ちょっと待って! ボクの仲間が来るのを待ってよ!」 そんな間は無い! 彼女の仲間がどのようなものかは知らないが、不確定要素に警戒した人狼の攻撃よりも先に現れるとは思えない。そして構えて攻められた時、不利なのはこちらだ。 人狼の巨躯に佐山は迫る。 ● 転ぶ事無く佐山は石の上を疾走、左手でシャツの胸ポケットから二本と形容出来る小物を引き出した。 「スイス製のボールペン。・・・先端は銀、貴金属だ」 二本のボールペンを指に挟み、 「――これで痛い目を見せよう」 投じた。 2メートルもない至近距離での速度は高速、残像を引いて人狼に迫る。 しかし人狼は反応、右手でボールペンを鷲掴みにした。瞬間、ボールペンを内包する右手が青白い炎を吹き出した。 「――が」 人狼の雄叫びは怒りによって上げられたもの。すぐさま右腕を振ってボールペンを払い捨てる。そして佐山はそれによって空いた右脇へと飛び込む。 だがそこで佐山は衝撃を受けた。何が、と確認すれば、 「・・・尾か!」 人狼の腰下から伸びる長い尾、人間では有り得ない第三の攻撃手段が佐山を打った。威力こそないが一瞬動きを止めるには充分。そして人狼の口、黄味を帯びた鋭い牙が迫り、 「・・・っ!!」 佐山の左腕を貫いた。巨大な口内、そこが佐山の二の腕の中程から先を完全に含んだ。 目前に迫る人狼の頭、そこに備わる目が笑みで佐山を見る。痛い目を見たのはお前だったな、と。 「―――あ」 後方、新庄が悲鳴を上げた。 そのまま人狼は首を振って佐山の腕を引きちぎろうとし、 「ッ!?」 その頭部が青白い炎に包まれた。 「―――――――――っ!!」 人狼が叫びを上げる。口が大きく開かれ、佐山はその隙に左腕を抜き出す。そして口の最奥には光る物が突き刺さっていた。 それは、佐山が投げた筈のボールペンだった。 「二本とも投げたと思ったかね? ・・・投げたのは一本だけだよ。もう一本は指に挟み、こうして手元に残っていた」 至近で投げられたので解らなかっただろう、と佐山は続ける。鷲掴みにした時も、燃え上がった痛みで正確な本数が解らなかっただろう、とも。 人狼は燃え上がる頭部を押さえて悶える。佐山は二の腕に空いた穴から血を零すが、一言を告げる。 「――痛い目を、見ているかね?」 ● 「嘘・・・。あの敵を・・・」 新庄は見た。突然現れた、恐らく一般人であろう少年が人狼を倒したのを。 ボクじゃ、勝てなかったのに・・・ 敵を倒す、そう出来る様に訓練された自分がそれを果たせず、無関係な筈の少年はそれを果たした。その事に思いを得る。 「・・・駄目だよ」 その言葉には二つの対象がある。一つは勝つべきだった自分が負けた事、もう一つは勝たなくて良かった人間の勝利を羨む事だ。無意識に力が込められた手、それに掴まれた杖を新庄は見る。 Exーst、柄の部分にそう銘打たれた杖は新庄専用のストレージデバイス。意思を持たないそれに対し、新庄が望んだ機能は一つだけだ。 ボクが望む以上の威力を出さない事・・・ 新庄の意思に呼応して出力が設定される、そう説明してくれたのは開発課のマリーさんだっただろうか。実際この機能は正常に働いている。使う様になって随分長いが、未だ暴発とは無縁だ。 しかしそれ故に、今は新庄の思いを裏付ける結果となる。 「ボクの意思に出力は呼応し・・・でもボクの目的を果たせなくて」 ならば自分の意思は目的に相応しくなかったのか、と新庄は思う。 「――駄目」 思うな、と。今は沈んでいて良い時ではない、と思う。新庄はかぶりを振り、自分を助けた少年に声をかけようとした。一緒に仲間の所へ行こう、今度はボクが助けてあげる、そう言おうとして。 しかし新庄が見たものは、 「・・・え?」 未だに頭部を炎に包み、しかし倒れぬ人狼だ。ふらつきながらも人狼は目前の佐山に向き直る。 「だ、だめ」 新庄はExーstを構える。先端基部のアンカーを引けば内蔵された水銀の光が放たれ、貴金属に関するものに力を与えるこの空間では、それこそレーザーとも言える切断力となる。 新庄はアンカーに指をかけ、 「―――あ」 見た。否、見てしまった。 抗議、諦め、嘆き、怒り、そして悲しみ。全てを含み、しかしどれでもない、そんな表情をする人狼の顔を。 「・・・撃たなきゃ」 アンカーを引かねばならない。そうしなければ少年が失われる。 「・・・撃たなきゃいけないのに」 迷ってしまう。無関係な少年とあんな表情をする人狼を、どちらも失わなくて済む方法は無いか、と。 「・・・や、やだぁ」 先ほどもそうだ。少年が来る前、人狼と交戦し、Exーstで足を裂き、 その事にボクは竦んで・・・ 震えた所に攻撃を受け、吹っ飛んだ自分を支えたのが少年だ。その少年に人狼が迫る。最早迷っている暇はない。新庄は腕に力を込めてアンカーを、 「―――動かな、い?」 否、動いてはいる。新庄の指は小刻みに震えていた。まるで怯える様に。 「――だ」 眼前、人狼が少年へと腕を振り上げる。 「駄目ぇっ!!」 ● 佐山の眼前、再起した人狼が腕を振り上げている。 まだ動くか! その思いが恐怖や驚きではなく、感嘆によって紡がれた事に苦笑する。 いける、まだいける・・・ 何が? という疑問の答えは既に佐山の中にある。 「本気になるという事を・・・」 目の前の敵をぶちのめして最後まで立っていれば良い。いかなる手段をとっても構わない。本気で潰せ、それが悪役として祖父から叩き込まれた事だ。 炎に包まれた人狼の口は未だに開きっぱなしだ。そこに拳でも叩き込んで喉奥のボールペンをより深く貫かせれば良いだろう。実際、そうしようと思った。 しかし、 「・・・・っ」 人狼の顔を佐山は見た。歪む表情、込められた感情の密度が佐山の身を硬直させる。 この感情を打ちのめす事が、本当に必要なのか? 思う。自分の悪が正しいのか、と。 しかし人狼は止まらない。腕が上がりきり、長い爪が微かに光る。 未熟だ。私は、本当に・・・! だが、佐山は動く。重傷の左腕に代わり、右腕を構えて打ち出そうとした。 その直後、佐山は見た。 目前の人狼が、桜色の閃光によって貫かれたのを。 人狼の胴体、それを閃光は右側から左側へと斜めに貫く。佐山は周囲を見渡すが、人影はない。 「・・・狙撃?」 それもこちらからでは何処にいるか解らない、遠距離からの、だ。 撃ち抜かれた人狼は硬直、ややあってから身を仰け反らせ、 「―――――――ッ」 それは叫びだった。抗議する様で、しかし感情の発露といえる叫び。 叫びの最中、人狼が動く。両腕を大きく振り上げ、右手の爪を己の喉の左側に、左手の爪を右側に当てる。そして、勢い良く引き抜いた。 果たされるのは、切開という名の自傷。 繊維質の何かが裂ける様な音がして、人狼は背後へと倒れた。 ● 人狼が倒れて事態は集結した。 佐山は新庄と共に、曲線を描いた岩の上に座っている。滑らかながらも段差のあるそれは、腰を下ろして一息つくには十分な場所だ。 「さっきの一撃は、ボクの仲間の狙撃だと思う。・・・多分、すぐに救助が来るよ」 その一言以来、新庄は項垂れている。俯く彼女に対し、何か言うべきだろうか、とも思うが佐山にはそれより先にやるべき事がある。 シャツの左袖を肩口で裂き切り、包帯代わりにして手早く左腕を止血する。牙による傷は大きく、この程度では応急処置程度だがやらないよりかはマシだろう。 と、そこまでやって佐山は、新庄が一連の動作に見入っている事に気付いた。 「・・・珍しいかね?」 「あ、いや、手慣れてるな、って」 「昔ナカジマ道場という、ここより少し上に行った所にある道場に通っていた事があってね。・・・そこで、実戦という形で習った」 傷の手当はまず傷を負う所から、とか言ってあの道場主は包丁片手に躍りかかって来たものだが、今も健在だろうか。 「いかん。山猿の事など考えていては意識が遠のく・・・!」 「あぁ! 顔色が真っ青を通り越して土色にっ!?」 失血と痛みに佐山は倒れた。そして頭部は、丁度正座に近い形となっていた新庄の両股の上に落ちた。ひゃ、と新庄は顔を赤くするが、佐山は至って蒼白。 「すまないが一時の間貸してくれ。・・・流石に疲れた」 下から見る佐山に、新庄は恥ずかし気に頷きを一つ。お互いに身を動かして体勢を整える。 それから幾許かの時が流れた。 仰向けになって見えてくる空は完全に漆黒、夜中と言っても良い時間になっていた。 結局IAIには行けずじまいだったな、と佐山は思う。 「―――御免」 唐突に、新庄が呟いた。 「撃つべきだったよね」 人狼が再び襲いかかった時の事を言っているのだろうか・・・? 「君はそう思っているのかね?」 佐山が問い返せば、新庄は眉尻を下げた顔を向けてくる。 「・・・君はああいう時、やっぱり撃つ事を選ぶの?」 「仮定ではあるが、確かにそれを選ぶだろうね。・・・君は何故撃たなかったのかね?」 「撃たなかったんじゃないよ。――撃てなかったんだ」 新庄は答える。 「君は最終的に動いたよね。・・・でもボクは敵の表情を見て、何も解らなくなったんだよ。何か他に、良い解決があるんじゃないか、って」 「私とは違う選択をしようとしたのか」 それが思い至らず、結局時間は経過してしまった。その末に敵は狙撃され、自害した。 甘い話だ。だから最悪の結果を得る・・・ だが、と思う。悪役の自分には出来ない判断だな、と。 「実際は、やはり私が間違っていて、君の方が正しかったのだろうな」 「ボクが正しい? でもボクは、ひょっとしたら君を危険に・・・」 「良いかね。君は、私と敵の命を天秤に乗せられなかった。それは正しい事だよ。――人の命を判断出来るのは間違った人間だけだ」 佐山は苦笑する。 「君は正しい事をした。謝るのは止めたまえ、代償を要求する事になる」 「で、でもボクは気にするよ」 そう言って佐山を見る新庄の表情は、 「・・・どうして君は、そう不安そうな顔ばかりするのかね? 確かに君の様な人間が生き残っていくのは困難だろうが、生き残った今は自分の正しさに自信を持って良いだろう」 その言葉に新庄は口を開く。きっと言おうとしているのは、佐山の言葉の否定だろう。だから佐山はそれを遮り、 「では代償として、子守唄でも頼もうかな。・・・少し眠りたい」 「・・・そのまま死んじゃったりしないよね?」 「そんなのは映画の中だけだ」 互いに笑みを交わし、視線をそらした後に新庄は、えーと、と前置きを一つ。 紡がれるのは佐山も知っている歌、清しこの夜だ。 Silent night Holy night/静かな夜よ 清し夜よ All s asleep, one sole light,/全てが澄み 安らかなる中 Just the faithful and holy pair,/誠実なる二人の聖者が Lovely boy-child with curly hair,/巻き髪を頂く美しき男の子を見守る Sleep in heavenly peace/眠り給う ゆめ安く Sleep in heavenly peace/眠り給う ゆめ安く――― 静かなリズムは眠気を誘い、その中で佐山は、 君は正しい事をした・・・ もう一度言おうと、そう思った。自分と彼女の声と鼓動が失われずに済んだ様に、新庄は、敵のそれも失わせたくなかったのだから。 しかし発声するだけの体力も尽き、佐山の意識は微睡みの中に沈んだ。 ● 少年が目を伏せた時、新庄は焦りを得た。 しかし少年の腹部が上下する事、自分が身を震わせた事で少年の眉が僅かに歪んだ事に気付く。 「・・・寝てるだけ、だよね」 物騒な事を考えたな、と新庄は反省、腹部を隠していた手で少年の髪を梳く。そうして変化した少年の表情が安堵に見えて、 「自惚れ、かなぁ・・・」 そして少年の額を撫で、そこに感じた冷たさに怖さを得る。しかし今度は、大丈夫、と自分に言い聞かせて新庄は彼の左腕を見た。止血が効いているのか、傷の割に流血は収まりつつある。 だが二の腕から先は赤く染まっており、何かの傷痕を残した左手にまでそれは及ぶ。 「・・・え?」 そこで新庄はある物に目をとめる。それは佐山の中指に嵌った女物の指輪だ。 疑問と共に新庄は自分の右手を見た。グラブを外して素手になれば、その中指にある物は男物の指輪だ。 まるであつらえたみたいに・・・? 偶然の一致という事もありえる。しかし、真逆の選択をした自分と彼の共通点に何か意味がある様な気がして、 「君は―――」 そこでだった。背後に何かが降り立った音を聞いたのは。 「・・・!?」 あわてて顔だけ振り向けば、そこに立つのは二つの人影だった。 一人は長柄の斧を持った黒服、その後ろには、先端が弧を描く杖を持った白服の二人が浮遊している。斧の方は黄、杖の方は赤の宝玉を、どちらも先端部に備えている。 「・・・負傷者を」 背後に立った黒服の表情は哀しさを含んだもの、白服はまるで自責するかような暗い表情だ。 新庄は見た。浮遊する白服、その足首から伸びる桜色の光翼を。 人狼を狙撃したのはあの人だ、と思い至り、そしてもう一つの思いが湧く。 ボクはこの人に、敵を殺めさせたの・・・? 厳密には違う。最終的には自害だったのだから。しかしそれに追い込んだのはまぎれもなく白服で、 「・・・ごめんなさい」 謝罪を紡ぐ新庄。その言葉に黒服は辛さを深め、そして白服は首を横に振った。 「――負傷者を連れて早く行こう?」 白服は言った。暗い感情を紛らわす様な声で、 「死んでなければどうにかなるんだから。――この世界では」 ● その一部始終を見るものがあった。 全身を夜空と同色とする金の両眼を持った小動物、黒猫だ。その喉には青い結晶を備えた首輪がある。 「―――――」 青い結晶が僅かに光を放ち、次の瞬間、猫の姿が変じた。 それは風だった。黒い風へと身を変じた猫は空を流れる。ある場所を目指して。 ―CHARACTER― NEME:新庄・??? CLASS:特課員 FEITH:??? 戻る 目次へ 次へ
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【検索用 そういえはわすれてた 登録タグ 2009年 UTAU そ トナリノ 曲 曲さ 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:トナリノ 作曲:トナリノ 編曲:トナリノ 唄:重音テト 曲紹介 酸いも甘いも噛み分けた、テトさんじゅういっさいに不器用な大人の歌をUTAって頂きました。 曲名:『そう言えば、忘れてた』(そういえばわすれてた) トナリノ氏の2作目。 歌詞 そう言えば 忘れてた DVDの返却日 通い始めたばかりの 歌のレッスンも 昨日だったっけ 過ぎ去ってから いつも 気付く 〝まだ間に合う〟じゃ遅いんだ 失くした悲しみが 鈍く痛んで キミのコト ぼんやり考えてた 「たった一日だけでいいから 時間を巻き戻せないかなぁ そうすれば きっと キミとまた笑い合えるのに…」 そうやって 日が暮れて また今日が 零れ落ちていく どうすれば もっと 上手く 生きてゆけるんだろう… そう言えば 忘れてた 素直な気持ちの出し方 『ツンデレ』なんて言われて それで嫌われてちゃ ダメだね 大事なコトバ 誤魔化したまま 〝きっと通じてる〟なんて甘いかぁ 今更 どうでもいいハズなんだけど キミのコト 気付けば考えてる 「たった一歩だけでいいから 明日へ踏み出せないかなぁ そうすれば きっと ただの記憶にできるのに…」 そうやって 眠って また変わらない 今日に目覚めた どうすれば もっと 強く 生きてゆけるんだろう… 昨日でも 今日でも 明日でも ない場所で キミを想ってる 本当は もうずっと気づいてたよ キミのコト 今でも好きなんだ 「もう一度だけでいいから 会いたい キミに会いたいよ そうすれば きっと 勇気出して 伝えるから…」 そうやって 電話を 握ったまま 今日も掛けられない どうすれば もっと 楽に 生きてゆけるんだろう… コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。