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来る春の陽気に誘われて、今宵は久方ぶりの大宴会。 男子禁制、飲み過ぎ上等。 女の子たちだけで、たまには羽目を外させろ――というコンセプトでありました。 場所はいつも通りの博麗神社。 神社へと続く石段の両脇、境内を囲む並木。そこかしこに植えられているのは、様々な種類の桜たちでした。 咽返るほどに幽艶な色を湛える桜は、言葉で表現しつくせないほどの美しさで佇んでいます。 この神社の桜はすでに現界に無く、幻想となったものではないかと言われている……そのような噂が立つほど、 桜の名所として知られています。 さて、掃き清めた境内に、大風呂敷を広げてのどんちゃん騒ぎとなりました。 料理やつまみは紅魔館のメイド長を筆頭に、得意な連中が担当し、それ以外の輩はありったけの酒持って来い酒、ってな具合です。 紅白巫女の音頭で乾杯。 思い思いの酒杯やらグラスやらジョッキやらの打ち合わせられる音が、宴会の始まりを告げました。 待ちかねたかのように、プリズムリバー楽団のアンサンブルが響き渡ります。 どうやら昨日から泊まり込みで、練習に励んでいたよう。舞台端には夜雀も待機していて、合同演奏会となりそうです。 本日の特別ゲストは、まだ春を撒き足らなくて、ふよふよ彷徨っていた春告精ことリリー・ホワイト嬢でありました。 たまたま神社の近くを通りかかったのが運の尽き。 悪ノリしている酔っぱらいどもに、よってたかって拉致られて、本日最高の酒の肴(もちろん、性てry)にされてしまいましたとさ。 そんなこんな大騒ぎしているうちに、宴もたけなわ。 夜も更けてまいりまして、早めに帰るやつは帰り、飲み続けるやつは飲み続け、死屍累々の死して屍拾うものなし。 おやおや? よく見ると、普段は最初からぶっ飛ばして飲みまくり、絡み酒に泣き上戸、 いのいちばんにグロッキーになっているはずの恋色魔法使い、霧雨魔理沙が、 神社の縁側に座り込んでぼんやりとしているではありませんか。 いちおうお猪口は手にしているようですが、ほとんど飲んだ形跡もございません。 澄みわたる夜空を見上げたまま、何やら考え込んでいるようです。 はてさて、どうしたことでしょう。 そもそもこんな騒ぎの場に、独りで居ること自体が稀。 いつだって彼女の周りは騒がしく、笑いに満ちている――という印象があります。 しかしながら今宵は存在感もなく、表情も陰りがちであるように思います。 魔理沙の纏う雰囲気を察しているのかいないのか、いまのところ誰も彼女に話しかけようとはしていません。 いつのまにか月は妖怪の山裾へと沈み、星は天を満たすがごとくに煌めいています。 星明りに照らされながら、桜の花びらがひとひら、ふたひらと揺落していく。 それを、ぼんやりと眺めていた魔理沙が、ふと立ち上がりました。 彼女は未だ飲み続けている連中へと歩み寄り、 「ちょっといいか、幽々子」 と、声をかけました。 名指しで呼ばれたのは、冥界の姫君、西行寺 幽々子嬢であります。 容姿端麗、ないすばでー。 かなりの天然&マイペースのおねぃさん系という、それ何てギャルゲ? な亡霊少女でございます。 宴会がはじまってから先ほどまで、親友とも言うべきスキマ妖怪と飲んでいましたけれども、いささかも酔った気配はありません。 ほややんとしたほっぺたが、ほんのりと朱に染まっているくらいでしょうか。 「どうしたのかしら?」 魔理沙の真剣な様子に、すこし訝しがりながらも言葉を返します。 「相談したいことが……あるんだぜ?」 何やら口調がおかしいのはご愛嬌。 本人、滅茶苦茶真面目な様子なので、ツッコミは厳禁ですかね。 いま彼女と一緒にお喋りに興じていたのは、この神社の主と、紅魔館の主。 話題が合うのか合わないのか、いまいちわからない組み合わせ。 それぞれの従者たちは、早々に沈没して、そこらに転がっています。 隙間妖怪は「一旦仮眠してくるわ」と、セルフ神隠しでスキマの狭間に消えていきました。 「相談……私に?」 小首を傾げながら、西行寺さんは問います。 彼女の疑問ももっともな話。 周囲の知る限り西行寺幽々子と霧雨魔理沙に、接点はあまりないはずです。 それが、このタイミングを狙っての相談事とは、想像の余地が広すぎるでしょう。 左右を見回しながら、身を縮めるかのような仕草をする魔理沙。 彼女の様子から、あまり聞かれたくない話だろうというのがわかったのか、紅白と吸血鬼は知らぬふりを決め込んでいる様子。 「ああ……だからちょっと、耳かせ」 ごにょごにょごにょ。 聞いているうちに、西行寺さんの表情が綻んできたのがわかります。 いったい何を話しているのでしょうか。 「あらあら、明日は妖夢に頼んで、お赤飯かしらね」 なんということでしょう。 「「ぶふーーーーーーッ!」」 衝撃の発言に、興味津々に聞き耳を立てていたお二人さま、飲んでたお酒を噴出しました。 ってか、ちょっと鼻からも出てますよ、お嬢さん方。 魔理沙は魔理沙で、ナイショ話のつもりが、大暴露会になってしまって顔真っ赤。 いまにも泣き出しそうな勢いです。 「う、うぁ……」 というかもう、半泣きでした。 さすがにマイペースな西行寺さんも、危険な匂いを悟ったのか、あわてて彼女を宥めにかかります。 「ゴメンなさい、内緒の話にしたかったのね。 でも、ほら、ここにいる二人も彼氏持ちだから、一緒に相談に乗ってもらったらどうかしら?」 「そうね、私にできる範囲でなら」 「――あんな表情されたら、突き放すわけにもいかないじゃない」 霊夢はもとより、いつもは犬猿の仲であるレミリアにも気遣われています。 そのことで少しは落ち着きを取り戻したのか、魔理沙は続きをぽつりぽつりと語りだしました。 「この間のことなんだけどな。今夜みたいに綺麗な満月だったから、家の縁側でアイツと月見しながらお喋りしてたんだよ」 いつもは微妙な男言葉を使って、幻想郷中を飛び回っている彼女ですが、コイバナするときはやはり年相応の女の子。 恥じらいを含んだ表情は、綻びかけた若芽のよう。 ああ、いや。ある意味もう開花しちゃったみたいですが、それ言っちゃ野暮でしょう。 初々しい少女の様子に、周りの空気も自然と暖かなものになります。 「そしたら……その……良い雰囲気になってだな。え、えっと……ごにょごにょ、しちゃったわけだ」 「ビーストモードかしら?」 「ああ、月の光で獣化したのね」 「はじめてなのに、それは辛かったわね」 「ちょっと行って、文句言って来ようかな」 巫女と吸血鬼が余計な茶々を入れますが、魔理沙にそれをいなす余裕はなさそうです。 「い、いや、そんなことはなかったぞ! アイツは……すごく優しくしてくれたんだけどさ」 「余計な横槍みたいだったかしら」 「ふむふむ――それじゃあ、何が問題だったのよ」 「ほら……お互いがはじめて同士だった所為も、あるかもしれないんだけど……その、なんだ、私が痛がり過ぎちゃったみたいで、な」 「ああ、そっか、そりゃあ仕方ないわね」 「それで、どうなったの?」 「何とか最後まで頑張ったんだけど――」 「わかった」 ここで、いままでじっと会話に聞き入っていた、西行寺さんが口を挟みました。 どうやら魔理沙の相談ごとに、見当がついたようですが……。 「たぶん、それから彼氏さんが、いい雰囲気になっても手を出してこなくなった。違ってたかしら?」 「いや、あってる……今までだったら、キスくらいはしてくれるようなときでも、何にもしてこないんだぜ?」 「どういうことかしらね。霊夢はわかる? その理由」 「うーん、ダメね。私だって、そんなに経験あるわけじゃないからさ」 「それでだ、ならば――と思って、私からいろいろやってみたんだ」 「どんなことしたの?」 「風呂上りに、寝てるアイツの布団に潜りこんでみたり」 「ちょっ!? ……思ったより積極的なのね」 「でもさ、どれもグレイズされてるというか、かわされてるんだよな……」 しゅるしゅるしゅる、と風船がしぼむように、魔理沙は項垂れていきます。 つい先ほどまで紅潮して声を張っていたかと思うと、次の瞬間にはこれ程までに凹んでいたり。 不安定な少女の様子に、話を聞いている三人も慎重に為らざるを得ないでしょう。 少女の吐露は続きます。 「不安になるんだよ。私なんてさ、レミリアみたいに綺麗じゃないし、幽々子みたいにスタイル良くないし、 霊夢みたいに何でもできるわけじゃないし――だから、アイツに理由を聞くのが怖くて、こわくて……」 いちど大きくしゃくりあげますが、それでも言葉を止めずに、 「私のこと嫌いになったんじゃないか、とか、私の身体がおかしかったんじゃないか、とか、考え出したら止まらないんだよ」 決壊した堰は、なかなかもとに戻すことはできない。 とめどなく零れる雫を拭おうともせずに、魔理沙は喋り続けます。 そこへ、 「……そう、本当に不安だったのね」 いつのまにか魔理沙の隣に移動していた西行寺さんが、ぽつりと言いました。 ふわり、と包み込むように泣き続ける少女を抱きしめます。 赤子をあやすように、薄い硝子の心が壊れてしまわないように、と。 豊かな金髪を手櫛で撫でつけながら、西行寺さんは口を開きます。 「大丈夫よ。あなたは彼に愛されているわ。あなたが思っている以上に、ね」 「どういうことだ?」 抱きしめられた少女の声は今だか細い。 「あなたの彼はね、あなたを傷つけたことを後悔しているのよ」 「私を? そんなはずはない!」 「思い込んでるだけなんだけどね。さいしょ、すごく痛かったーって言ってたわよね」 「ああ――ちょっと泣くくらいにな」 「そのせいねー。痛かった、泣かせたイコール嫌なことをした、と、思い込んじゃったのよ」 「そんなわけないのにな」 「でも、そういうことなのよ。愛する人と抱き合うことに、ひとつになることに、嫌悪感なんて抱くはずがないのに」 「そうだな……ああ、そういうことだったのか」 「たぶん、正解。お互いに臆病だったの、あなたたちは。言葉にしないと伝わらないこともあるのよ。 だから一度、ゆっくり話し合ってみるといいわ。お互いのために、ねー」 「ありがとよ、幽々子」 そう言って笑った魔理沙は、まだ涙の跡は乾いてないけれど、いつも通りの不敵な表情でした。 / その後すぐ、安心したのか、魔理沙は西行寺さんの腕のなかで眠ってしまいました。 しどけない表情。 可愛らしいというか、微笑ましいですね。 レミリアは神社に泊まっていくようです。 従者どもがあの様子じゃ、昼過ぎまでは動きようがないわ――と、愚痴っていました。 「なんか、まったく役に立ってなかったわね、私たち」 「逆に勉強させてもらった感が強いかしら」 なんて会話をしながら、社務所の奥に引っ込んでいったのが印象に残っています。 もう、境内に残っているのは、潰れて寝ている輩と西行寺さんだけのようです。 遥かに広がる星空を望みながら、手酌で飲んでいました。 ふ、と、手を止めて、 「紫、こういう話題のときは、聞き耳立てるの止めたほうがいいと思うわよ」 虚空に向けて、言葉を放ちました。 どうやら、スキマ妖怪がスキマを使っていたのでしょう。 「そんなことばっかりやってるから、耳年増とか言われちゃうのよ」 どこにいるのかはわかりませんが、西行寺さんと会話しているようです。 「恥ずかしがらずに会話に加わればいいじゃない」 「べつに彼氏がいないからーって、ああいう話に加われないわけじゃないのよ。自分の意見を言えばいいじゃないの、 いつもみたいに余裕ぶって、ね。まったく――でも、そんなあなただからこそ、可愛らしいと思うのよ、私はね」 「はいはい、それじゃあお休みなさい」 会話は終わったようです。 しかし、内容は恐ろしいというべきか、意外というべきか、判断に苦しむもの。 ひとつわかったことは、西行寺さんの口調が、霊夢たちに対するのと比べて幾分か砕けていたことでしょうか。 やはり仲が良いというのは、本当のことでした。 / 「――最後に、天狗の新聞屋さん。いるんでしょう?」 「あやややや、やっぱりバレてましたか」 「そりゃあ、ねー」 「スキマに気付かれるようでしたから、わたしに気付かないわけないとは思っていましたが」 「さっきのお話の、最初から聞いてましたわね。まさかとは思うけど、記事にするつもりなのかしら?」 「それこそ、まさか、ですよ。わたし自身が同じ状況だったとき、って考えると、そんなことできるわけないじゃないですか」 「……ごめんなさい、あなたの良識を疑って」 「いいえ、構いません。会話に加わるのに出遅れたうえに、 タイミングを逃してそのまま聞き続けてたっていうのが本当のところですから。 あんまりピンチになるようなら、加勢しなきゃなーとは思ってましたけど、その必要もなかったみたいですし」 「そうねぇ、今回はたまたま、上手くいっただけよ」 「またまた、謙遜しちゃって。西行寺さんのお話、良かったですよ」 「――幽々子でいいのよ?」 「うーん、わかりました。では、幽々子さん、で」 「ええ」 「そういえば、男性陣もこーりん堂で飲み会なんですよね」 「らしいですわね。たぶん、向こうでも似たような話題になって、似たようなこと言われてるんでしょうね」 「上手くいくと、いいですね」 「同意、しておきますわ」 静かに夜は更けていきます。 そろそろ空が白み始めるでしょうか。 幽々子さんは、立ち上がり、舞い始めました。 それが何を意味するのかは聞かなかったけど、聞かなくて良いような気もします。 昨日より今日が、今日より明日が、より良い一日になりますようにと願いながら、 わたしは最後に残ったお猪口の中身で喉を潤しました。 新ろだ98 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「う…うぅ………」 茸採集を開始してから僅かに10秒。 最初に見つけたのは目的の茸でもなければ珍しい茸でもなく、人。 それもこの森独特の瘴気にやられて瀕死の状態になっている人間だった。 「………………」 まさかこんなモノを見つけることになろうとは欠片も思っていなかったが、 しかし見つけてしまったものは仕方がない。 このまま放置していれば確実にコイツは死ぬだろうし、このまま死なれたのでは目覚めが悪い。 そう思った私はこの倒れている人間を手当てする事に。 と言ってもここに何時までも留まっていては手当ての意味がないので、 しぶしぶ茸採集を中止して自宅へ連れて行くことにした。 「あの、どちら様ですか?」 これが手当てを終えて意識を取り戻した奴の第一声。 ムカついたのでとりあえず一発殴っておく。 「私は『霧雨 魔理沙』だ。で、お前は?」 「イタタタ……あっ、僕は○○と言います」 自己紹介もそこそこに、私は早速○○に何故魔法の森にいたのかを聞くことにした。 先程も言ったが魔法の森には独特の瘴気が広範囲にわたって常に漂っており、 何らかの対抗手段を持たずに足を踏み入れれば確実に死に至る。 まかり間違っても○○のような一般人が足を踏み入れていい場所では……ん? 「そう言えば○○って変わった服を着てるな」 ふと気付いたのだが、○○の着ている服はあまり見慣れない感じだった。 人里で普通に着られている物とは明らかに違うし、 かといって自分の知り合い達が着ているような独特なものともまた違う。 そう言えば前に香霖堂で似たような物を見た気がするな。 あの時は大して気にも留めなかったが、もしかして○○は……… 「えっと、その、僕自身もまだよく判っていないんですけど…」 そして○○がしどろもどろになりながら始めた説明は、私の推測を裏付けるものだった。 どうやら○○は幻想郷の外の世界…こっちで言うところの外界からやって来たようだ。 もっとも強制的に拉致されたというのが正しいかな。あのスキマ妖怪め。 しかしまぁ、これはさっさと霊夢のところに連れて行ったほうが良さそうだな。 「とりあえず博霊神社にで…「ぐぅ~~~♪」…も………」 「………………」 「………………」 「………………」 「………………」 「………………」 「………………腹が減ってるみたいだし、飯くらいはご馳走してやるよ」 「えっ? あの、今のは僕ではなくて魔理沙さんの…「○○は腹が減ってるんだよなッ!!!」…ハイ」 「そうそう。人間素直が一番だぜ」 まぁあれだ。 腹が減っては戦は出来ぬって言うし、とりあえず昼飯くらいはご馳走してやろう。 魔法の森で○○を拾ってから一週間経ったが、○○は相変わらず私の家にいた。 もちろんこれは家主である私も了承している事であり、○○も納得した上での結果だ。 「おはよう、魔理沙。朝ごはんもうすぐ出来るからね」 私が寝ぼけた半覚醒状態でダイニングに足を踏み入れると、 朝食の準備をしている○○が作業の手を止めて私に挨拶してきた。 出会った頃と比べて口調がかなり柔らかいものになっているが、私としてはこっちの方がいい。 次いで○○が作っているであろう料理の良い匂いが私の鼻腔をくすぐり、残っていた眠気が吹き飛ぶ。 「今日の朝はなんなんだ?」 私は席に着きながら○○に今朝の献立を尋ねた。 この匂いからしておそらくは煮物系だろう。 「今日は御飯とお味噌汁とほうれん草のおひたし。メインはあっさり風味の肉じゃがだよ」 作業を再開した○○から背中越しに答えが返ってきた。 予想通りだな。 「あと少しだけ待っててね」 「可能な限り急いでくれよ」 この流れから想像がつくとは思うが、○○の料理の腕は達人を通り越して神の域にあった。 それをまざまざと見せ付けられたのは○○を助けた日の昼食の時である。 助けてもらったお礼がしたいという○○の申し出を受けた私は、 キッチンの使い方を教えて○○に昼食を作ってもらった。 その出来栄えたるや、とても口では説明しきれないほど見事なものだった。 ただ、あまりにも見事すぎたため私の女としてのプライドは木っ端微塵になってしまったが… 「なんで炊くだけの御飯の味まで違うんだ?」 「何か言った?」 「ん、なんでもないぜ」 ともかく○○の作る料理はどれも筆舌尽くしがたいほどに絶品だ。 そんな一度食べれば即虜になるであろう料理の犠牲?者第一号は勿論私だが、 実は既に第二号と三号が存在していた。 「……で、何で霊夢とアリスがさも当然のようにここにいるんだ?」 「細かい事を気にしてちゃダメよ、魔理沙」 「私達友達でしょう?」 一週間前に○○が作った夕食を味わって以来、食事の度に顔を出すようになった霊夢。 四日前に○○が作った昼食を味わって以来、食事の度に顔を出すようになったアリス。 それぞれ食事の材料はキチンと持ってくるので大した負担ではないが、 それでも毎日毎食の度にとなるとさすがに言いたくもなる。 「いいじゃないか、魔理沙。食事は皆で食べた方が美味しいよ」 しかし結局のところ、料理を作っている○○本人がこれなので私の言葉は無意味だろう。 それはどうでもいいとして、どうやら朝食が完成したようだ。 食欲をそそる匂いを立ち昇らせる料理が○○の手によって次々にテーブルへと並べられていく。 配膳を手伝ったりしないのかって? 生憎と私達はこの料理を凝視しながらどんな味なのかを想像するので忙しいんだよ。 「それじゃあ食べようか。いただきます」 「「「いただきます」」」 そして○○の声を合図に食事が始まる。 悪いけどここから先は一切無言だからそのつもりでいてくれ。 理由? 蟹とか食べる時何故か皆無言になるだろ。それと一緒だ。 魔法の森で○○を拾ってから一ヶ月が経ったこの頃、 私の家は○○の手によって劇的な変化を遂げていた。 「しかし、あの物置同然だった家が変われば変わるものよね」 「ホント。これが一ヶ月前と同じ家だなんて信じられないわ」 「お前ら喧嘩売ってるのか?」 ○○の作った和菓子を食べながら失礼極まりない発言をする霊夢とアリス。 悲しいかな私自身も割と本気でそう思っているためこれ以上強くは言えなかった。 「天才料理人にして天才お掃除人って訳か。○○さんって多芸よね」 そう、霊夢の言うとおり○○は多芸だったのだ。 それが驚異的な料理技能に勝るとも劣らないお掃除技能。 一ヶ月前までは至る所にゴミ…もとい蒐集した物が溢れていた我が家は既に見る影もなく。 一体何処にしまったのかと本気で首を捻りたくなるほどキッチリと片付けられていた。 「一家に一人の必需品って感じね。魔理沙、私に○○さん譲ってくれない?」 「誰が譲るか。そもそも○○は物じゃないんだ。そんな言い方はするな」 アリスの物言いに思わず本気で噛み付いてしまう私。 何故かは知らないが、最近○○に関する事に過剰に反応している気がする。 「もう、冗談に決まってるじゃないの」 「冗談だからこそ言っちゃいけない事があるんじゃないか?」 「……そうね。ごめんなさい」 今だってそうだ。 アリスが○○の事を本気で物扱いしてるなんて思ってないのに、 私の口をついて出る言葉にはアリスに対する露骨な敵意が含まれている。 自分の感情を制御出来ないなんて、何だか嫌な気分だぜ。 「…それはそうと魔理沙。○○さんはどこにいるの?」 少し暗くなった空気を変えるつもりだろう霊夢がそう言った。 残念ながら私の機嫌は更に悪くなった。 今日、○○はここにはいないのだから。 「○○は紅魔館だ」 そこで聞きつけたのかは知らないが、 あそこのメイド長が是非○○に料理を習いたいと頼みに来て、○○がそれを了承した。 ついでにレミリアからも○○の料理を食べてみたいという要望もあったそうなので、 今日は向こうで夕食を作りそのまま泊まってくるとの事。 ただそれだけ、なのにどうして私はこんなにイラついているのだろう。 「紅魔館? 大丈夫なの?」 「○○に何かあったら屋敷ごと吹き飛ばすって念を押しといたからな」 レミリアに限って自分から招待した人間をどうこうしたりはしないだろう。 しかし戦闘力皆無の○○にとっては危険が多い事に違いはない。 「そんなに心配なら、どうして同行しなかったのよ」 「………どうしても外せない研究があったんだよ」 メイド長が○○を迎えに来た時に言ったのと同じ台詞を返す。 誤解のないように言っておくがこれは嘘じゃない。 最近継続して行っている研究が架橋に入っており、長時間ここから離れる事が出来ないのだ。 もし失敗すればやり直しに3ヶ月は掛かってしまう。 さすがにもう一度繰り返す気にはならない。 「………それだけ?」 何処か釈然としない感じの霊夢。 アリスも似たような表情で私を見ていた。 別に私は嘘なんかついてないぜ? 「………それだけだ」 だって○○がメイド長と話してた時に鼻の下を伸ばしていたように見えて、 私には見せた事がないような笑顔をメイド長に向けていた気がして、 何故かそんな○○の態度が気に食わなかったからなんて……そんなのが理由な訳無いじゃないか。 霊夢達が帰ってからさらに半日。 私は○○が作っておいてくれた食事を一人で食べた。 そう言えば一人で食事をするのは○○が家に来て以来初めてだったと気付く。 まぁ、別にどうでもいい事だ。 ○○が来る前はずっとそうだったんだからな。 「………………」 私は無言のまま、淡々と料理を食べていく。 いつもと同じように美味しいはずなのに、いつもと違って全然美味しく感じなかった。 ○○が紅魔館に行ってから丸一日。 いつもより重い足取りでダイニングにやって来た私を○○が出迎えてくれた。 「おはよう。それからただいま、魔理沙」 いつの間に帰ってきたのか、普段と変わらぬように朝食の仕度をしている○○。 丸一日見なかった○○の姿。 丸一日聞かなかった○○の声。 たったそれだけで私の心は何か温かい気持ちでいっぱいになっていった。 「………………」 そして同時に物凄く恥ずかしくなってしまう。 細かい事は自分でも解らないが、とにかくこれ以上ないくらいに恥ずかしい。 それはいつもと変わらないはずの○○を直視できないほどだった。 思わず俯いてしまう。 「………魔理沙? どうかしたの?」 無言になった私の様子が気に掛かったのか、料理の手をとめてこちらに近づいてくる○○。 マズイ、マズイぜ。 ○○が一歩近づいてくるたびに恥ずかしさがドンドン強くなっていく。 私は一体どうしちまったんだ? 「顔が真っ赤だよ? もしかして熱でもあるのかい?」 そしてコツン…と、私の額に何かが触れた。 何事かと私が目線をあげると、そこにはかつて無いほどに近づいた○○の顔が…… それがその場で私の覚えている最後の記憶。 次に私が意識を取り戻したとき、 目の前にあったのは半壊した我が家と瓦礫に埋まって気を失っている○○の姿だった。 ○○と一緒に暮らし始めてから二ヶ月。 私はこの一ヶ月の間に自分の中で起こっていた異常事態の原因をついに突き止めた。 どうやらその、私は○○の事をす………すすすすす好きになってしまったらしいんだぜ? 言葉は疑問系になってしまったがこの気持ちは本物だ。 だけど、そこで新たな悩みが出来てしまった。 「魔理沙、今日のお昼ご飯は何が食べたい?」 それは○○の私に対する態度。 解りやすく言うと、○○は私の事を異性として意識していないのではなかろうかという事だ。 「…○○の作ってくれるものなら何でもいいぜ」 この想いを自覚して以来、少しでも○○の気を引くために色々な事をやってみた。 しかしどれも空しさしか残らないという散々な結果に終わっていた。 中でも極め付けなのが3日前、風呂上りにバスタオル一枚という姿で迫ってみた時の事だ。 ○○の気を引くというより私自身の気が触れそうだったが、そこは何とか気合で堪えた。 『魔理沙、お風呂上りだからっていつまでもそんな格好してると風邪引くよ?』 そんな私の姿を見た○○の第一声がこれである。 さすがに凹んだ。 いくらなんでもこれは凹まざるを得なかった。 『それに顔が真っ赤じゃないか。もしかしてのぼせたのかい?』 そして容赦の無い追撃にしてトドメの一撃。 想いを寄せている異性に対する羞恥を、 よりにもよって長湯したためにのぼせたと勘違いされてしまったのだ。 そりゃあこの姿と今の状況を考えればそうとれなくもないかもしれない。 だけど、せめてちょっとくらいは動揺するとかの反応が欲しかった。 「ああもう、こうなったら仕方がない」 こんな遠回しにアピールしていても○○には通用しない。 ならばいっその事正々堂々と告白してしまおう。 そもそもうじうじと悩んだりちまちまと小細工したりって言うのは私の性に合わないんだ。 うん、そうだ、そうしよう………………でも、断られたらどうしよう。 ○○と一緒に暮らし始めてから三ヶ月。 ついに私は○○に告白する決意を固めた。 告白すると決めてから決意するまでに時間が掛かりすぎじゃないかって? 馬鹿野郎、これでも急ぎすぎなくらいだ。 「へぇ~、綺麗なところだね」 「あ、ああ。私のお気に入りの場所なんだ」 そんな訳で私は○○と一緒にとっておきの場所へとやって来ていた。 うっそうと茂る魔法の森の中にポッカリとあいた小さな広場。 上を見上げれば空いっぱいに広がる満天の星。 足元を見れば月の光を受けた珍しい花々が神秘的な輝きを放っている。 それに魔法の森の中で唯一瘴気が発生していない場所でもあるため、○○も安心だ。 雰囲気を盛り上げると言う意味では最高の場所だった。 「ありがとう、魔理沙。こんな素敵な場所に連れてきてくれて」 「いや、別に。○○には色々と世話になってるしな」 お膳立ては整った。 後は私の想いを○○に伝えるだけ。 恥ずかしさなんてものはこの際無視だ。 「……なぁ、○○。聞いて欲しい事があるんだけど、いいか?」 ○○の目を真っ直ぐに見つめながら私は話し始める。 魔法の森で○○を見つけてから始まった今の生活。 最初は家事が異常に得意な居候が一人増えたくらいにしか考えていなかった。 「でも、○○の存在は私の知らない間にどんどん大きいものになっていったんだ」 ○○の事になると過剰に反応している自分がいた。 メイド長と話してた時の○○の態度が何故だか無性に気に食わなかった。 一ヶ月ぶりに一人で食べた食事は全然美味しくなかった。 そして紅魔館から帰ってきた○○を見て、声を聞いて、初めて自分の想いに気がついた。 「…つっても、自覚したのはもうちょっと後なんだけどな」 想いを自覚した後、少しでも○○の気を引きたくて色々な事をした。 でも、そんな私の努力は何の成果も生まなかった むしろ○○が私の事を異性として意識していないのではと感じ、凄く悲しかった。 それでも○○への想いは消えるどころかますます募っていった。 「だからさ、もう覚悟を決めて全部言っちまおうって思ったんだ」 そう、私の全部を伝えるために今日この場所に○○を連れてきたんだ。 「………………」 ○○はただ驚きながら私の話を聞いているようだった。 そりゃあ大して意識していなかった相手からこんな事を言われたら誰だって驚くか。 でも○○、まだなんだぜ? 「私からこんな事言われたら迷惑かも知れないけどさ、○○」 もうほとんど告白しちまったようなもんだけど、それでも一番大切な言葉が残ってるんだぜ? 「私は、○○の事が………」 ………なのに、どうして私はその言葉が言えないんだ。 もう私の気持ちは伝えたみたいなもんじゃないか。 私がこの後なんて言うのかなんて、○○にも解りきってる事じゃないか。 なのになんでこの言葉だけが言えないんだ? どうしてこんなに怖いんだ? この言葉を言ってしまったら、それが決定的なものになってしまうって怯えてるのか? 私の馬鹿、もうどっちにしたって今までみたいな関係じゃいられないじゃないか! 「○○の……○○の、事、が…………」 ○○の顔を真っ直ぐ見れなくなり、視線を明後日の方向に飛ばしてしまう。 ダメだ、泣くんじゃない。 こんなところで泣いたら全部台無しになるじゃないか。 「……ねぇ、魔理沙」 「………えっ?」 不意に響いた○○の声に反応し、思わず視線を○○の方へと戻す。 そこにいたのは今まで見たことがないくらいに真剣な表情の○○だった。 でも、真剣な表情のはずなのに何故か優しく笑っているような気がして 「実は僕も聞いて欲しい事があるんだけど、いいかな?」 そして○○の口から紡がれた言葉は……………… 「……なるほど。それがお二人の付き合い始めた切欠なんですね」 「へへっ、まぁな」 ブン屋のインタビューに答えながら、私はあの時の事を振り返る。 驚いた事に○○もまた私の事が好きだったというのだ。 私への思いを自覚したのはやはり紅魔館から帰ってきたあの日。 たった一日しか離れていないはずの私の姿を見た時に酷く安心し、 どうしようもないほどの温かい気持ちで心が満たされていくのを感じたらしい。 そして額を合わせたときはさり気なくドキドキしながらだったと言う。 私に対する態度についてだが、これもまた私の思っていた事と全く同じ理由。 つまり、○○は私に異性として見られていないのではないかと思っていたのだ。 中でも○○は私が風呂上りにバスタオル一枚で現れたときの事を例に挙げて、 『あんな無防備な姿を見せるのは、僕を男だと思ってないからとしか考えられないよ』 という風に言っていた。 あの時は私も自分の事で手一杯だったため気付かなかったが、言われてみればそういう見方もある。 だからと言ってそのくらい察しろよ鈍感!……とは、とてもじゃないが言えなかった。 私も○○と同じだったのだから。 「射命丸さん、インタビューは終わりましたか?」 キッチンからお茶と和菓子を持ってきた○○。 もはや当然の事ではあるが、○○は今も私の家で暮らしている。 家主と居候ではなく、愛し合う恋人同士という関係でな。 「ええ、もうほとんど終わりましたよ」 「でも、僕達の事が記事になるなんて、何だか恥ずかしいなぁ」 それについては私も同感である。 何が悲しくて○○との大切な思い出を世間に晒さにゃならんのだ。 ん? それならどうして全部喋ったのかって? そりゃお前、あれだよ。 『幻想郷一のカップルであるお二人を是非とも取材させて頂きたいと思いまして』 こんな事言われたらついOKしちまうだろ? 幻想郷一の最高最強ラブラブカップルなんて事実を言われたら……そこまでは言われてないって? と、とにかくだ、恥ずかしくはあるがせっかく取材に来てくれたのに追い返すのは失礼だろ。 『魔理沙さんのような素敵な人に想われてる○○さんは幻想郷一の幸せ者ですね』 という本当の事も言われたし。 べ、別に乗せられたわけじゃないんだからな! 勘違いするなよ!!! 「ところで、結局魔理沙さんは○○さんに好きだと言ったのですか?」 「……へ?」 「そう言えば僕が告白し返したせいで有耶無耶になって、結局『好き』って言葉は聞かなかったな」 改めて考えてみると私は未だに○○に『好き』という言葉を伝えていない。 告白の時も○○が私と同じ気持ちだったって事に舞い上がって、 そのまま○○に抱きついて泣きじゃくってしまったっけな。 ………なんだよ、私が泣きじゃくってたら悪いって言うのか? 「ふむ。それならこの場で言ってしまわれるのはどうでしょうか?」 「なっ!? ななななにを言い出すんだよお前は!!!」 「ふむ。それはいい考えだな」 「○○!?」 お、おいおい、何だか妙な展開になってきたぞ? ○○と二人っきりならともかく第三者がいる状況で『好き』と言えってのか? 「ちょ、ちょっと待て! 大体○○だって言ってないじゃないか!!!」 そうだ。 私が感極まって抱きついてしまった所為で、○○だって私に『好き』って言ってない。 私だけ追い詰められて恥ずかしがるなんてのは不公平だ。 こうなったら○○も恥ずかしさで身悶えし……… 「あっ、そう言えばそうだったね」 しかし○○は私の予想の斜め上を逝っていた。 私の瞳を真っ直ぐに見つめながら満面の笑みで、 「愛してるよ、魔理沙」 「………わ、私もあ………………愛、してるぜ、○○」 私はそれだけ言い返すのが精一杯だった。 新ろだ152 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12月24日の夜。俺は夕食の用意をしながら魔理沙の到着を待っていた。 何しろ今日は年に一度のクリスマスイブ。御馳走を作る腕もなるというものだ。そして用意も粗方終わった頃。 「メリークリスマス!」 風を切る音が聞こえたと思った直後、勢いよく開いた玄関と共に魔理沙が飛び込んできた。 「メリークリスマス、魔理沙。外は寒かっただろ。炬燵が暖まっ――」 言い終わる前に唇を塞がれた。 思わず顔を引こうとしたが、首に回された腕に固定されて離れることはできなかった。 そのまま体重を預けてきた魔理沙を今度はしっかりと受け止め、さらに背中に手をまわしてぎゅっと抱き寄せる。 そのまましばらく触れ合うだけのキスをしていたが、やがてどちらからともなく離れ、お互いに照れたように笑いあう。 改めて見てみれば、今日の魔理沙ははいつもの魔女服ではなくて赤を基調としたドレスを身につけていた。 「そのドレス、前から持ってたのか?」 「いや、今日のためにわざわざ買ってきたんだ。似合ってる?」 「もちろん。すごく可愛いぞ」 「○○がそうして欲しいって言えば、いつもこんな服にしてもいいぜ」 「それもいいかもな。でも俺はいつものお前の服も好きだ、というよりお前はどんな服を着てても可愛いと思うぞ」 「ば、ばか。そんな恥ずかしいこと言うなよ」 そう言って顔を真っ赤にした魔理沙は、いつもの癖で帽子を下げようとしたのか手をおでこのあたりでふらふらさせて、帽子が無いことを思い出して更に真っ赤になっていた。 思わず抱きしめたくなったが、そんなことをしたら歯止めが利かなくなりそうだったので強引に話を進めるべく。 「御馳走の用意はできてるから早く食べよう」 「へ? ああ、そうだな。そうしよう」 「それじゃあそこに座って待ってろ。今日のは豪華だから見て驚くなよ?」 「本当か!? それは楽しみだぜ」 「ごちそうさま。おいしかったぜ」 「おそまつさまでした」 一時間ほどかけて料理を食べ終わり、今は二人並んで炬燵でくつろいでいる。 胸にもたれかかっている魔理沙の髪を梳くように撫でてやると、気持ち良さそうに目を細め、額をこすりつけてくる。 しばらくまったりとした時間が流れたが、突然魔理沙がぴょこんと起き上がり 「そうだ、ケーキをまだ食べてないじゃないか。早くしないとクリスマスが終わっちゃう」 と慌てたように催促してきた。クリスマスディナーは俺が作る代わりにケーキは魔理沙が用意する約束だったのだ。 クリスマス当日はまだ来てすらいないんだがなと心の中で思いつつ、魔理沙の手作りケーキを食べたいことに変わりはないので、そんな無粋なことは口に出さず 「それじゃあ今すぐ食べるか。お皿とフォーク出してくるから箱から出しておいてくれ」 と言っておいて、台所へ二人分の食器を取りに行った。 食器を用意して炬燵に戻ると 「えぐっ…ううっ…」 魔理沙が肩を震わせて俯いていた。 「魔理沙!?どうしたんだ!?」 慌てて魔理沙の隣まで近づくと、その原因がわかった。 おそらく家に来るまでの飛行中に傾けたのだろう、元々は精巧に作られていたであろうケーキが型崩れしていたのだ。 「…ひっく……せっかく……せっかく○○のために一生懸命作ったのに……」 「魔理沙……」 「……だって……早く○○に…会い…会いたかったから…えぐっ……スピード出しすぎて……」 俯いたままの魔理沙に何と声をかけるべきか迷い、それでも何か言わなければと思って。 「魔理沙……」 「……嘘泣きがうまくなったな」 言った途端にビクッと肩を震わせ、そうっと顔を上げて 「えへ、ばれたか」 ペロッと舌を出しておどけやがった。 「なんで嘘泣きだとわかったんだ? 迫真の演技だと自負してたんだが」 「おまえは覚えてないかも知れんが、3か月前の誕生日の時に同じことをされたんだよ」 「ちっ、覚えてたか。あの時の慌てようが面白かったからもう一度見れないかと思ったんだがな」 「大体、お前は少々型崩れしたぐらいで泣きだすようなタマじゃねえだろ」 実際、型崩れしているとは言っても原型を留めないほど崩れているわけでもなく、食べる分には問題のない範囲だった。 「でも、○○に会いたくてスピード出してきたのは本当だぜ」 さっさと切り替えたのか、器用にケーキを切り分けながら魔理沙が打ち明けてくる。 「そんなに急がなくても俺は逃げないぞ」 「お前と一緒にいる時間は逃げるんだよ」 「どうせ一晩中一緒にいるんだから、数分の違いぐらいどうってことないだろ」 「どうってことなくない。好きな人の所には一秒でも早く会いに行きたいと思うのが乙女心だぜ。はいケーキ」 「サンキュ。乙女心ねえ……それじゃあ好きな人に一秒でも早く来てほしいと思うのは何心だ? 紅茶入ったぞ」 「ありがとう。男心でいいんじゃないか?」 「普通だな」 「普通でいいんだよ」 どうでもいいことをしゃべっている間にケーキも紅茶も準備が整った。二人で声をそろえて 「「いただきます」」 まずは一口掬って口に運ぶ。その味は―― 「うん。おいしい。前の時よりも上達してないか?」 「別に普通だぜ。お世辞言っても何も出ないぞ」 「お世辞じゃないよ。嘘だと思うなら、ほら、食べてみろよ、あーん」 もうひとかけら掬って、今度は魔理沙の口元に差し出す。 「あーん。むぐむぐ…んっ」 「な? おいしいだろ?」 「これだけじゃわからないな。もう一口くれ、あーん」 「しょうがないな。ほれ、あーん」 さらにもうひとかけ掬って魔理沙の口の中へ運ぶ。 振りをして直前で引き寄せて自分の口へ放り込んだ。 「あー!」 「むぐ、うん。やっぱりおいしい」 「こら!それは私が食べるケーキだぞ。○○が掬ったケーキを食べていいのは私だけだ!」 「それじゃあ俺が食べれないじゃないか」 「いいんだよ。代わりに私が、あーん」 今度は魔理沙がケーキを掬って突き出してくる 「あーん」 むぐむぐ。ごくり。 「あれ? さっきよりおいしくなってるぞ?」 「本当か? 私にも確かめさせろ」 「ほら、あーん」 「あーん」 「うむむ、さっきよりおいしい」 「じゃあ今度は俺にも。あーん」 「あーん」 「さっきよりもっと美味しくなってる」 「本当か?」 「本当だよ。ほら、あーん」 「あーん。あ、さっきよりももっともっとおいしく――」 結局、ケーキがなくなるまでずっとこんなことを繰り返していた。何やってんだか。 その後、二人して食いすぎで動けなくなったのは言うまでもない。 新ろだ220 ─────────────────────────────────────────────────────────── 霧雨邸にてある本を読み終わり、時計を見るとかなりの時間になっていた。 「げぇ、もうこんな時間かよ。そろそろ帰るわ」 「もう帰るのか?」 椅子に座ってごちゃごちゃした机に向かっていた魔理沙が、俺の言葉にくるりと身体を向けながら言った。 「もうってお前……夜中だぞ。いつもなら『まだ帰らないのか』って言われる時間帯じゃねぇか」 「ん……そうだな。もうこんな時間か」 「俺の顔見ながら言うな、時計見て言えよ」 「年明けの宴会も終わって、せっかく落ち着いてきた所なのに」 新年が明ける少し前から、魔理沙の家に行っても寝てるか、酔っ払ってるか、居ないかでこうして会うのは随分と久しぶりだ。 俺もここに来たのが夜からであり、実際にはそこまでの時間居た訳ではない。 しかし、それは去年からずっと続いている事だった。 気が向いた時にここに来て、妖怪が跋扈する時間帯になる前に帰る。 魔理沙の言う"落ち着いてきた"は、俺からすればいつもと同じ日常に戻るという事だ。 ただ、今回は少し長居しすぎた。 「落ち着いてきたからこそ……だろ?」 「…………」 「今は新年って事で、妖怪も浮かれて人を襲わなかったからから毎日のように来れたが、これからはいつもの日常に戻る。今帰っておかないと、いつ帰れるかわからん」 「じゃあ――」 「あぁ、じゃあな」 「じゃあ帰らなきゃ、ずっとここにいてくれるんだな」 「何を言って――って、おわ!」 言葉の意味を取り違えたらしい。 玄関へと向かおうとした時、魔理沙の言葉に振り返った瞬間、押し倒された。 「おい魔理沙、これは流石に――」 「……磨り減るんだ」 やばいだろ、と続けようとしたら遮られてしまった。 言い返そうとしたが、震えていた声と、初めて見る魔理沙の表情に言葉が出なくなる。 「心が磨り減るんだ、お前のせいで」 眼に涙を溜めていた。非難するような、救いを求めるような眼で俺を見下ろしてくる。 涙が俺の頬に落ちてくる。それと同時に、心を溢れ出させる様に、魔理沙は言葉を溢れ出させる。 「毎日来てくれるならいいんだ……でも、○○は気が向かなきゃきてくれない。二日連続で来てくれる事もあった。一週間続けて来ない日もあった」 「いつ来てくれるか分からないから、家も空けられない。すれ違いになるのが嫌だから」 神社に寄った時、霊夢が言っていた。 『最近、魔理沙が来なくなった』と。 「来てくれたら来てくれたで、すぐに帰る。そして、いつも『楽しかった』なんて言葉を残してく。そのせいで、私は○○がまた明日も来てくれるんじゃないかと期待する」 「でも、来てくれないんだ。そうやって私を一人にして、心を磨り減らせるんだ」 「もう私にとって、お前はここにいる事が普通なんだ。居てくれなきゃ、普通じゃないんだ……」 「帰らなくていい、帰らないでくれ、ここに居てくれ……私を一人にしないで、くれよぉ……」 耐え切れなくなったかのように、魔理沙が俺の胸に顔を埋めてくる。 嗚咽する声を漏らしながら、服をしっかりと掴んでいる。 「魔理沙……」 気に入った物は、死ぬまで借りて行くひねくれ者 その癖、根は真っ直ぐで負けず嫌い。隠し事は下手なくせに必死に隠そうとする。 どこか憎めない普通の魔法使い。 本を盗みすぎる、という理由で紅魔館の全員からこてんぱんにされても、涙一つ見せずに懲りなかった少女が泣いている。 俺のせいで心が磨り減る、と。それだけの理由で。 「……○○?」 小さな身体を抱きしめてやると、魔理沙が顔を上げた。 「言っておくが、俺は霊夢に負けないくらいグータラしてるぞ」 「!」 驚くほどに似合わない、涙で腫らした顔。 俺はその顔に笑いながら答えてやる。 「それに、ここに居続けるって事は、稼ぎがなくなるって事だ」 「わ、私はこれでも生活力、あるんだ」 「そうだったな、盗みが大好きな魔法使いさんだもんな」 「か、借りてるだけだぜ……死ぬまでな」 真っ赤な顔に、笑みがこぼれる。 不覚にも、いつもより可愛いと思ってしまった。 「さて、いつもの調子に戻った所で離してくれないか? これじゃ動けない」 「……帰るって言わないか?」 心配そうな顔で、掴んでいた服に力を込める。 自分でさっき言ったくせに、と思いながら答えてやる。 「何言ってるんだよ――もう帰ってるだろ?」 「!!」 その言葉をすぐに理解した魔理沙が、嬉しそうな顔を見せたかと思うと思いっきりくっついてきた。 離れて欲しかったのに、逆効果だった。 「で、魔理沙さん」 「なんだよ」 「同じベッドに男女二人密着ってまずくないすかね」 「私の磨り減った心が治るまでは我慢してくれ」 「完治の予定はいつ頃ですか?」 「私の心は消耗品なんだぜ」 「治んねぇじゃん……」 「…………」 「…………」 「……なぁ、○○」 「ん?」 「私な、欲しい物は手に入れないと気が済まないんだ」 「あぁ、知ってる」 「誰の物でもないなら私の物にする。人の物なら借りなきゃ気が済まない」 「盗まない分、合理的だな」 「だから、借りてくぜ」 「何をだよ」 「○○を」 「別に良いけど、死ぬまで返してくれないんだろ?」 「こればっかりは、死んだって返せない」 「それは世に言う"盗み"って奴だぞ」 「じゃあ、盗んだぜ。だから――」 「○○は私の物だ。他の女にデレっとしたらマスタースパークだからな」 俺はとんでもない彼女を持ってしまったのかもしれない。 新ろだ252 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「またきたぜ!」 乱暴という言葉すら幼稚に聞こえる勢いで、今日も我が家の扉は―― 「あのね……君もうら若き乙女なら、ノックして入ってくるくらいはしようね?」 「お邪魔するぜ!」 ――吹き飛んだ。それも粉々に。 紅魔館からさほど離れていない、山中に設けられた小さな家。 私の半生の思い出を詰め込……いや、四半生だったか? 詳しくは自分でも忘れてしまったが、とりあえず築数百年のオンボロであることは間違いない。 「だからといって、ぽんぽん壊されるのは困りものなんだけどね……」 溜め息片手間に使い魔を呼び出し、今日も今日とて粉々になった扉を簡単に補修させる。 最近、ドアの修理ばかりさせている気がする。嗚呼、わかったからそんなに恨めしそうな目をするな。 奥の書斎をきらきらとした目で眺めて回っている少女に視線を移す。 ここ最近――とは言えど数ヶ月前からだが――私の家に定期的にやってきては、 仕様もない蔵書を読み漁っては帰る、という行為を繰り返している。 初対面はそれこそ最悪に等しかったが、今では半ば放置という状態に落ち着いている。 ここに私の家があると情報を漏らした麓の洋館には、いずれ修理費でも請求せねばなるまい。 「そう何冊も一度に出すんじゃない。 どうせそんなに読みきれないんだから」 埃に塗れた本を好奇心の赴くままに引き出す彼女は、 見るも無残に埃塗れとなっている。 それでも手を止めないあたりの知的好奇心には感嘆の想いだが、 見た目を気にしないのは女性としてどうなのだろうか。 キッチンに置いてあったタオルを僅かに湿らせ、彼女の元へと歩む。 「ほら、こっち向いて」 「ん」 せめて顔だけでもと思い、湿っている部分で彼女の顔を拭く。 やや薄黒くなっていた顔が多少はマシになった。 「はい、終わり。君も女の子なんだから、 もうちょっと淑やかさというものを身に着けた方がいいよ、魔理沙」 「う……気をつけるぜ」 頬を僅かに赤らめる彼女にそのままタオルを渡し、足をキッチンへと向ける。 タオル……明日には雑巾に成り果てているだろうか。 哀れな彼(?)の運命を儚みつつお茶の用意を終えると、 彼女の本選びも終わったようで、キッチンに併設したテーブルに腰掛けていた。 「いつもので良かった?」 「……ありがと」 礼を言うのもそこそこに、本を黙々と読み進める魔理沙。 そんな彼女を眺めつつ、真向かいに座り、お茶を飲む。 嵐のような挨拶の後は、こうして彼女の傍に座り、 時々発せられる質問に答える事が最早日課となりつつある。 見た目や扱う術式とは裏腹に彼女の魔法に対する造詣はとても深く、 私にとっても暇つぶしにはもってこいの相手だった。 「なあ○○、ここなんだけど――」 「そこの術式はね、こう――」 「そうか!それじゃあここの式に星の術式を組み合わせて――」 「うん、それもいいけど、こっちも――」 「――○、○○ってば!」 ゆさゆさ、と揺さぶられる感触と、どこか悲痛にも思える呼びかけで目を覚ます。 「ん……あれ、寝ちゃってたか」 静かに意識を覚醒させ、周囲に目をやる。 安堵したような表情の少女が視界に映った。 いつのまにか横に来ていた魔理沙が、私を揺すって起こそうとしていただけのことだった。 質問を待つうちに微睡んでいたらしい。 僅かに頬に垂れていた涎を袖で拭い去る。 ふと窓を見ると、既に日は落ち、真っ暗になっていた。 「もう夜か……」 「揺すっても全然起きないから、ちょっと心配したんだぜ」 憤慨だ、と言わんばかりに両手を腰に手を当てアピールされる。 「はは、ごめんごめん……最近どうにも眠くてね」 近頃午睡の時間が増えたものだ、と自覚はしていたが、 まさか人の気配を感じていながら転寝するとは思ってもみなかった。 頬を掻きながら横を見やる。 先ほどまでの雰囲気とは打って変わって、彼女は伏し目がちに俯いていた。 「……魔理沙?」 いつも元気な彼女にしては珍しい表情に戸惑いを覚え、自然と手を伸ばす。 僅かに頬に指が触れ、びく、と彼女が震えた。 それでも抵抗する様子はなく、緩やかにウェーブを描く髪を梳く。 日頃粗雑に扱われている割にはとても通りがよく、心地のよい感触が指に返る。 しばらく髪の感触を楽しんでいると、不意に魔理沙が口を開いた。 「なあ、○○」 「うん?」 制止の声かと思い手を離そうとすると、不意に強く掴まれた。 そのまま私の手は彼女の胸の前に引き寄せられ、握り締められた。まるで縋るように。 「○○は、どこにも行かないよな? 明日も、明後日も、ずっといてくれるよな?」 いきなり何を、と笑おうと思ったが、彼女の視線がそうはさせてくれない。 今にも泣き出しそうな人の前で冗談が言える程、私は会話に熟達していない。 空いているもう片方の手で、魔理沙の頭を優しく撫でる。 「この家に、かれこれ何百年いると思ってるのかな。 他に行く当ても無い以上はここにいるだろうさ」 「……本当か?」 無難に答えたつもりだが、まだ納得の行かないような視線。 「それに、君という得難い話相手もいることだしね」 偽りのない言葉を口にする。 毎回毎回ドアを吹き飛ばされるのは勘弁願いたいが、 彼女との何気ないやり取りは、私にとってはとても楽しいものなのだから。 彼女を抱き寄せ、あやすようにぽん、ぽんと背中を叩く。 最初は身動ぎをしていたが、何度か繰り返しているうちに静かな寝息が聞こえ始めた。 立ち上がろうと思ったのだが、右腕はしっかりと彼女に抱きしめられたまま解けそうもない。 「仕様のない子だ……よっと」 片腕の力のみで抱き上げ、膝の上へと移動させる。 久方ぶりの人の温もりを満喫しつつ、静かに眠りへと落ちていった。 新ろだ410 ───────────────────────────────────────────────────────────
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霧雨 魔理沙 カードテキスト 《霧雨 魔理沙》 コスト:4 タイミング:N 突撃 [F]③:射撃1、その後、このユニットをこのユニットのいる 戦場の最前線に移動する。 [T]このユニットが攻撃を行った時、 その戦闘終了時にこのユニットを このユニットのいる戦場の最も後衛に移動する。 攻撃力4/防御力2 武勲1 統率2 EX 《霧雨 魔理沙》 コスト:4 タイミング:N 突撃 [F]③:射撃1、その後、このユニットをこのユニットのいる 戦場の最前線に移動する。 [T]このユニットが攻撃を行った時、 その戦闘終了時にこのユニットを このユニットのいる戦場の最も後衛に移動する。 攻撃力4/防御力4 武勲1 統率3 コメント 東方シリーズ主人公の片割れで、男口調の努力家魔法使い。 射撃と攻撃でそれぞれ戦場を動く事が出来るトリックスター。 他に類を見ない移動を行う事が出来る。 普段は他のキャラクターの後ろに待機してチャンスを待つか、 他のキャラクターの攻撃後に射撃して連携を取る。 赤坂 衛同様、ある意味前陣を持っているようなキャラクターである。 射撃にACTコストを含まないため、射撃を連発出来るという点においても 唯一のキャラクターである。 突撃を持っているため、中型同士がぶつかり合う時には強いが、 6コスト以上の相手になるとどんどん不利になっていく。 射撃のコストが重いため、彼女を使用していく時は 兵站を圧迫していないかどうか、常に考えて運用していく必要がある。
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846 名前: NPCさん 2006/03/07(火) 20 11 58 ID ??? 各人の萌えにそぐわないNPCを無理やりヒロイン役として押し付けるGMは困ったちゃんと言う事でよろしいか 847 名前: NPCさん 2006/03/07(火) 20 31 33 ID ??? 元男でマジックアイテムで性転換してしまったヒロインとか出してしまった苦い思い出 これはやはり困ったちゃんですか 854 名前: NPCさん 2006/03/07(火) 21 00 06 ID ??? 可愛いモノ好きでいつもアッガイ萌えとか言ってる奴にヒロインとして普通の愛玩動物を出した事がある その時は割と好評だった 858 名前: NPCさん 2006/03/07(火) 23 09 00 ID ??? 847 俺の鳥取で過去3回見た うち2回は俺がタゲられた… スレ91
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魔理沙9 うpろだ285・380・943 すっごい遠まわしな○○×魔理沙です。 魔理沙とはイチャつきたいけど悪友みたいな 関係にもなりたい、だけどやっぱり・・・ あぁもう!なんで伝わらないかな!? 「う・・・」 「あ、目を覚ましたみたいだぜ」 「見れば分かるわよ。貴方、名前は?」 目を覚ました俺の前には魔女っ娘と巫女さんが居た。 すかさず俺は巫女さんの手をとり 「助けていただいてありがとう巫女さん。俺は○○、貴方の愛のドレイです」 「俺の霊夢に何をするーッ!」 巫女さんの彼氏と思しき男に蹴り飛ばされた。 紆余曲折を経て、俺はここに残る事を決めた。 元の世界よりは刺激的な臭いがするし、何より俺の美少女レーダーがビンビンだ。 そして魔女っ娘と一緒にこれから住む事になるらしい村へ 移動しているのだがこの魔女っ娘、神社からずっと笑ってやがる。 「こらソコの魔女っ娘あんまり人の事笑うんじゃぁないぜ?」 「いやいや、悪い。最近迷い込んできた奴は結構多いけど・・・ いきなり告る奴は初めてだったし、吹っ飛び方が面白くてな」 「おかしいか? 俺はこれでも地元では愛の伝道師と呼ばれる男だったんだぜ」 もちろんやっかみと嘲笑が8割だが。 「まぁ頑張ってくれ、いい女もいい男もなぜかもうくっついてる連中ばかりで 私も振られ続きだ。同士が増えたと思うと嬉しいぜ」 「なんと、お前もそうなのか!」 一瞬見つめあい、がっしと組まれる握手。 今ここに性別を超えた友情が成立したのだ、多分。 村に着くまでに自己紹介をしてもらったり幻想郷について教えてもらったりした。 物騒なんだか平和なんだか分からんが俺は俺の道を最速で突っ走るだけだ。 「で、その慧音さんとやらが顔役みたいなもんなのか?」 「なんだか間違って伝わってる気がするが、無礼の無いようにしておけば問題ないぜ」 そして前方に素敵な白髪でグラマラスなお嬢さんを発見。 すかさず全力ダッシュして手を握り 「こんにちわ素敵なお嬢さん、俺は○○、一目で貴方に心奪われた哀れな男です。」 「先生から手を離せッ!」 またも別の男に突き飛ばされ、挙句子供たちにフルボッコにされた。 「懲りないヤツだな」 「魔理沙か・・・・・・」 ボロボロの状態で一応挨拶を済ませ、あてがわれた家で休んでいると ニヤニヤしながら魔理沙がやってきた。 「見てたなら助けてくれよ」 「嫌だね、事前にいい女は大抵くっついてるって言ってやっただろ?」 むぅ、そう言えばそうかもしれぬ。 「魔理沙、俺の尊敬するアニキがこう言ったのだ」 俺は一息おくと深呼吸をして記憶に則って一気に喋りだした。 『俺はこう思ってるんです。人々の出会いは先手必勝だと。どんな魅力的な女性でも、 出会いが遅ければほかの男と仲良くなっている可能性もある。 なら出会った瞬間に自分が相手に興味があることを即座に伝えたほうがいい、 速さは力です。興味をもった女性には近付く、好きな女性には好きと言う、 相手に自分を知ってもらうことから人間関係は成立するのですから。 時にそれが寂しい結果を招くこともあるでしょう、 しかし次の出会いがいつまた来るかもしれません!』 「ってな。」 「そ、そうだな・・・それで?」 「いい女は見かけた瞬間口説く事にしている、それが俺の持論だ。」 「せっかくの同士だ、こっちの計画を手伝ってもらう前に死なれると困るぜ。」 「それはこちらも同じよ、邪魔者をひきつけてもらってその間に掻っ攫う!」 「「・・・・・・」」 再び交わされる握手、矢張り同じ考えか。 「ところでお前、誰狙いなんだ?」 「私はとりあえず××を掻っ攫おうと思ってるぜ。」 「ほう、例の猫娘のツレか、まずはそちらを手伝おう。」 結局、夜まで魔理沙のターゲットを落とす計画を話し込んだ、明日の畑仕事の手伝いどーすんだ。 「・・・・・・と、いうわけで旅は素晴しいものだと言う事をご理解頂けましたかな?」 「まぁ、それは素敵ね・・・・・・いつか紫にその道頓*に連れて行ってもらわなくちゃ」 「動機が不純すぎませんか、幽々子様」 「何を仰る妖夢さん、食事は人生におけるもっとも大きな楽しみの一つですぞ」 なんでまた俺がこの二人の相手をしているのかと言うと計略中だからだ。 無論二人とも愛らしいし、何よりも幽々子ちゃんはフリーだから篭絡を狙ってはいるが。 「よろしいですか、人には三大欲求という生存本能に基づいた欲求があります。 これらを満たさずに居ると人類は死に向かってしまう、故に快楽と結びつける事により、 それらの行為を進んで行うようにできているのです」 「それくらい知ってますよ、けれど私は半分、幽々子様は全部人間じゃありません」 「あら、人でなしだなんてひどいわ~」 「いやいや、幽々子様の場合は人を超越した美しさという事ですよ」 「うふふ、ありがとう」 「なんで私の言う事は曲解して○○さんの言う事は素直に受け取るんですかー!」 「あら、なんのことかしら?」 時間稼ぎが主な目的であったが・・・魔理沙に約束した半刻は稼いだ事だし、 後は好きにさせてもらおうk『スパーンッ!』 ・・・・・・なんだか勢いよく障子が開いたような気がするが気のせいだ。 「そういえば次の宴会、、幽々子様達はいらっしゃいます?」 「無視するなこの変態伝道師!」 「何か用ですか●●、生憎と同性に与える愛は品切れですよ」 案の定ばつの悪そうな苦笑いの魔理沙を引き連れて妖夢さんの彼氏が仁王立ちしていた。 「というより何故に俺がお前に睨まれなければならんのだ。見つめるな気色悪い」 「●●さんのどこが気色悪いんですかッ!」 「撤回するからすぐに刀を抜くのはやめてください、物静かな妖夢さんのほうが可愛くて好きですよ」 「「少し黙っててください!」」 直後二人にしばき倒されて意識を刈られた。愛の為せる合体技? 結局、俺が寝てる間に魔理沙が自白したらしく俺が起きるのを待って 時折惚気を混ぜた説教を小一時間くらうハメになった。 欝だ、奴らが俺とまったく関係ないところでのみ幸せになりますように。 さて、説教から開放されて帰ろうって雰囲気だがその前にだ。 「お前なー、せめて説教は一人で受けてやろうとか悪いのは私だ! って庇ってくれるとかそういう気遣いは無いのか」 「なんで○○を庇わなきゃならないんだ?それはお前の役目だろう」 「ふざけんな白黒、ネコ娘の時にそうやって庇ったおかげで酷い目にあったのを忘れたとは言わせんぞ」 「記憶に無いな」 「同じ意味だっつーの!」 「なんだと、丁度むしゃくしゃしてたんだ勝負なら受けてたつぜ」 「すいませんでした俺が悪かったです」 「早ッ!?」 「二人とも仲がいいのね」 いつの間にか幽々子様が背後に居た、いつの間に・・・とも思ったが まぁ、俺の感知スキルなんぞ対人でしか役に立たん。 「気のせいじゃないですか、誰がこんな突撃ガサツ娘と」 「はッ、私だって利害が一致してなきゃこんなへたれ色情魔と組みたくないね」 「言ってくれるじゃねーか、恋愛成就率ゼロの恋符使いさんよ」 「なんだとこのヘタレ野郎、お前こそこれだけアプローチかけて誰にも相手にされて無いじゃないか」 またしても口論になりそうになった俺達だったが次の一言は完全に予想外だった。 「あら、そんなことないわよ」 「「はい?」」 「あなたが要らないならちょっと○○借りるわよ~」 「ふはははははァ!見たか魔理沙、俺の実力をッ! では行きましょうか、幽々子様」 「あら、様付けなんてしなくていいわ。○○の好きなように呼んでくれていいのよ」 「あ・・・」 「ん、どうかしたのか魔理沙?」 「ッ・・・別になんでもないぜ、じゃあな!」 そういうと魔理沙はいつもより素早く(当社比120%)帰っていった。 ハラでも減ったのかね、そんなんだから色気が出ないんだ。 「さて、邪魔者も帰った事だし行きましょうか幽々子様」 「邪魔者が居なくなった割りに寂しそうな顔をしてるわよ?」 ・・・・・・ 「気のせいですよ」 「本当に~?」 「えぇ、それよりも俺を呼び止めた用事はなんです?」 「あら、寂しい私を慰めてくれるんじゃなかったのかしら」 「ありゃ、いいんですか。幽々子様がお望みとあらば朝までお付き合いしますよ」 「それは楽しみね、妖夢ったらあれで聞こえて無いつもりらしいから・・・ね」 「成る程、それは拷問ですねぇ」 「とりあえずはご飯食べに行きましょう、ご飯。」 「白玉楼のご飯は絶品ですが・・・俺食べたら死んだりしませんか?」 「あら、最近はちゃんと考えて食材選んでるから大丈夫よ」 今晩は楽しみだぜ、俺もご無沙汰だったしなぁ。 しかし魔理沙のヤツ最後に何を言いかけたんだろう? --------------------------- 「くそっ、なんで私が苛々しなきゃいけないんだ・・・ 別にアイツが上手くいったっていいじゃないか、最初からそういう目的で 手を結んでたわけだし。しかし幽々子もなんであんなヤツの事なんか・・・ 絶対に感性がおかしいぜ。しかしなんで私が上手くいかなかったんだ。 でも上手くいってたらアイツはどんなふうに思うんだろう?」 「ッ・・・馬鹿馬鹿しい!さっさと温泉入って寝て忘れよう」 「いいえ、その悩みはあなたが自分で白黒つけるべき葛藤です」 「なッ!?」 ---------------------------- 夜と朝の境界 ---------------------------- むぅ、朝か・・・・・・朝日が少し黄色いぜ、異変か? 「がんばっちゃったせいでしょ」 「ゆゆ様が魅力的だったからですよ」 「あなたもなかなか良かったわ、本気になっちゃおうかしら」 「お互いの為にやめておいたほうがいいでしょうな」 「あら、怒らないのね」 「ゆゆ様は待っているのでしょう、気長な事だ」 「あらら、紫かしら」 「正確には藍さんに」 「知っていて尚・・・ね、○○は何故そこまでしてくれるのかしら」 「それはもちろんゆゆ様が美しいk」 「・・・・・・」 やれやれだ。 「誰にも話してないはずですが?」 「女の勘、かしら」 「本当は?」 「紫に聞いたら教えてくれたわ」 「女の勘って凄いですね・・・」 「それで?」 「・・・・・・自己満足ですよ。自分には無かったものを 人に与える事で 得ようとしてるだけです。それがなんなのかを知らないのに。」 「だから鈍感なのね」 「いや、一応向こうでは研究と実践を重ねた結果9割以上の女性の 心理と傾向を把握して動けてましたよ?」 「その1割が大事なのよ、魔理沙を泣かせてたじゃない」 身に覚えが無い・・・ハズだ、覚えが無いハズなんだが・・・ 「なんのことかサッパリ分かりませんな」 「うふふ、やっぱり貴方達似てるわ」 「あんなガサツで自分から弾につっこむようなドジっ娘と一緒にしないで頂きたい」 「あら、自分の為の愛を知らない癖に他人に愛を振りまくあたりそっくりよ」 「そうですか、仮に俺とアイツが同類だとして何だと言うんです?」 目を逸らしてる。何から逸らしてるのかも自覚しないようにしてる。 「うふふ、その悩みは○○が自分で答えを見つけるべき葛藤よ」 「分かりかねます」 「あら、拗ねないでよ。」 だけどまぁ、これだけ本当の事を他人から言われちゃったんだしいい機会だ。 「拗ねてません、そこまで言うなら今度の宴会までに答えを見つけておきますよ」 目を逸らし続けてるという事はソレが何なのか理解してるって事だ。 「がんばってね、応援しちゃうから」 次の宴会までに覚悟を決めればいい、その時向き合おう。 「しかしまぁ、自分が悩むハメになるとは思いませんでしたよ」 「いい経験よ~・・・だけど」 「だけど、なんです?」 「偶に癒しに来てね」 「構いませんけど、いいんですか?」 「いいんじゃないかしら、その程度で揺らぐ愛じゃないから」 「あー、朝からご馳走様です」 オマケ 「そろそろ起こしに行っても大丈夫かな」 「うーん、しかしアレだな」 「どうしたの●●」 「幽々子様達の・・・その、アレが聞こえたって事は」 「言わないで、今凄く自己嫌悪に陥ってるから。」 「俺か妖夢の部屋離れかどこかに移してもらおうか・・・」 ────── 「う・・・」 「あ、目を覚ましたみたいだぜ」 「見れば分かるわよ。貴方、名前は?」 目を覚ました俺の前には魔女っ娘と巫女さんが居た。 すかさず俺は巫女さんの手をとり 「助けていただいてありがとう巫女さん。俺は○○、貴方の愛のドレイです」 「俺の霊夢に何をするーッ!」 巫女さんの彼氏と思しき男に蹴り飛ばされた。 紆余曲折を経て、俺はここに残る事を決めた。 元の世界よりは刺激的な臭いがするし、何より俺の美少女レーダーがビンビンだ。 そして魔女っ娘と一緒にこれから住む事になるらしい村へ 移動しているのだがこの魔女っ娘、神社からずっと笑ってやがる。 「こらソコの魔女っ娘あんまり人の事笑うんじゃぁないぜ?」 「いやいや、悪い。最近迷い込んできた奴は結構多いけど・・・ いきなり告る奴は初めてだったし、吹っ飛び方が面白くてな」 「おかしいか? 俺はこれでも地元では愛の伝道師と呼ばれる男だったんだぜ」 もちろんやっかみと嘲笑が8割だが。 「まぁ頑張ってくれ、いい女もいい男もなぜかもうくっついてる連中ばかりで 私も振られ続きだ。同士が増えたと思うと嬉しいぜ」 「なんと、お前もそうなのか!」 一瞬見つめあい、がっしと組まれる握手。 今ここに性別を超えた友情が成立したのだ、多分。 村に着くまでに自己紹介をしてもらったり幻想郷について教えてもらったりした。 物騒なんだか平和なんだか分からんが俺は俺の道を最速で突っ走るだけだ。 「で、その慧音さんとやらが顔役みたいなもんなのか?」 「なんだか間違って伝わってる気がするが、無礼の無いようにしておけば問題ないぜ」 そして前方に素敵な白髪でグラマラスなお嬢さんを発見。 すかさず全力ダッシュして手を握り 「こんにちわ素敵なお嬢さん、俺は○○、一目で貴方に心奪われた哀れな男です。」 「先生から手を離せッ!」 またも別の男に突き飛ばされ、挙句子供たちにフルボッコにされた。 「懲りないヤツだな」 「魔理沙か・・・・・・」 ボロボロの状態で一応挨拶を済ませ、あてがわれた家で休んでいると ニヤニヤしながら魔理沙がやってきた。 「見てたなら助けてくれよ」 「嫌だね、事前にいい女は大抵くっついてるって言ってやっただろ?」 むぅ、そう言えばそうかもしれぬ。 「魔理沙、俺の尊敬するアニキがこう言ったのだ」 俺は一息おくと深呼吸をして記憶に則って一気に喋りだした。 『俺はこう思ってるんです。人々の出会いは先手必勝だと。どんな魅力的な女性でも、 出会いが遅ければほかの男と仲良くなっている可能性もある。 なら出会った瞬間に自分が相手に興味があることを即座に伝えたほうがいい、 速さは力です。興味をもった女性には近付く、好きな女性には好きと言う、 相手に自分を知ってもらうことから人間関係は成立するのですから。 時にそれが寂しい結果を招くこともあるでしょう、 しかし次の出会いがいつまた来るかもしれません!』 「ってな。」 「そ、そうだな・・・それで?」 「いい女は見かけた瞬間口説く事にしている、それが俺の持論だ。」 「せっかくの同士だ、こっちの計画を手伝ってもらう前に死なれると困るぜ。」 「それはこちらも同じよ、邪魔者をひきつけてもらってその間に掻っ攫う!」 「「・・・・・・」」 再び交わされる握手、矢張り同じ考えか。 「ところでお前、誰狙いなんだ?」 「私はとりあえず××を掻っ攫おうと思ってるぜ。」 「ほう、例の猫娘のツレか、まずはそちらを手伝おう。」 結局、夜まで魔理沙のターゲットを落とす計画を話し込んだ、明日の畑仕事の手伝いどーすんだ。 「・・・・・・と、いうわけで旅は素晴しいものだと言う事をご理解頂けましたかな?」 「まぁ、それは素敵ね・・・・・・いつか紫にその道頓*に連れて行ってもらわなくちゃ」 「動機が不純すぎませんか、幽々子様」 「何を仰る妖夢さん、食事は人生におけるもっとも大きな楽しみの一つですぞ」 なんでまた俺がこの二人の相手をしているのかと言うと計略中だからだ。 無論二人とも愛らしいし、何よりも幽々子ちゃんはフリーだから篭絡を狙ってはいるが。 「よろしいですか、人には三大欲求という生存本能に基づいた欲求があります。 これらを満たさずに居ると人類は死に向かってしまう、故に快楽と結びつける事により、 それらの行為を進んで行うようにできているのです」 「それくらい知ってますよ、けれど私は半分、幽々子様は全部人間じゃありません」 「あら、人でなしだなんてひどいわ~」 「いやいや、幽々子様の場合は人を超越した美しさという事ですよ」 「うふふ、ありがとう」 「なんで私の言う事は曲解して○○さんの言う事は素直に受け取るんですかー!」 「あら、なんのことかしら?」 時間稼ぎが主な目的であったが・・・魔理沙に約束した半刻は稼いだ事だし、 後は好きにさせてもらおうk『スパーンッ!』 ・・・・・・なんだか勢いよく障子が開いたような気がするが気のせいだ。 「そういえば次の宴会、、幽々子様達はいらっしゃいます?」 「無視するなこの変態伝道師!」 「何か用ですか●●、生憎と同性に与える愛は品切れですよ」 案の定ばつの悪そうな苦笑いの魔理沙を引き連れて妖夢さんの彼氏が仁王立ちしていた。 「というより何故に俺がお前に睨まれなければならんのだ。見つめるな気色悪い」 「●●さんのどこが気色悪いんですかッ!」 「撤回するからすぐに刀を抜くのはやめてください、物静かな妖夢さんのほうが可愛くて好きですよ」 「「少し黙っててください!」」 直後二人にしばき倒されて意識を刈られた。愛の為せる合体技? 結局、俺が寝てる間に魔理沙が自白したらしく俺が起きるのを待って 時折惚気を混ぜた説教を小一時間くらうハメになった。 欝だ、奴らが俺とまったく関係ないところでのみ幸せになりますように。 さて、説教から開放されて帰ろうって雰囲気だがその前にだ。 「お前なー、せめて説教は一人で受けてやろうとか悪いのは私だ! って庇ってくれるとかそういう気遣いは無いのか」 「なんで○○を庇わなきゃならないんだ?それはお前の役目だろう」 「ふざけんな白黒、ネコ娘の時にそうやって庇ったおかげで酷い目にあったのを忘れたとは言わせんぞ」 「記憶に無いな」 「同じ意味だっつーの!」 「なんだと、丁度むしゃくしゃしてたんだ勝負なら受けてたつぜ」 「すいませんでした俺が悪かったです」 「早ッ!?」 「二人とも仲がいいのね」 いつの間にか幽々子様が背後に居た、いつの間に・・・とも思ったが まぁ、俺の感知スキルなんぞ対人でしか役に立たん。 「気のせいじゃないですか、誰がこんな突撃ガサツ娘と」 「はッ、私だって利害が一致してなきゃこんなへたれ色情魔と組みたくないね」 「言ってくれるじゃねーか、恋愛成就率ゼロの恋符使いさんよ」 「なんだとこのヘタレ野郎、お前こそこれだけアプローチかけて誰にも相手にされて無いじゃないか」 またしても口論になりそうになった俺達だったが次の一言は完全に予想外だった。 「あら、そんなことないわよ」 「「はい?」」 「あなたが要らないならちょっと○○借りるわよ~」 「ふはははははァ!見たか魔理沙、俺の実力をッ! では行きましょうか、幽々子様」 「あら、様付けなんてしなくていいわ。○○の好きなように呼んでくれていいのよ」 「あ・・・」 「ん、どうかしたのか魔理沙?」 「ッ・・・別になんでもないぜ、じゃあな!」 そういうと魔理沙はいつもより素早く(当社比120%)帰っていった。 ハラでも減ったのかね、そんなんだから色気が出ないんだ。 「さて、邪魔者も帰った事だし行きましょうか幽々子様」 「邪魔者が居なくなった割りに寂しそうな顔をしてるわよ?」 ・・・・・・ 「気のせいですよ」 「本当に~?」 「えぇ、それよりも俺を呼び止めた用事はなんです?」 「あら、寂しい私を慰めてくれるんじゃなかったのかしら」 「ありゃ、いいんですか。幽々子様がお望みとあらば朝までお付き合いしますよ」 「それは楽しみね、妖夢ったらあれで聞こえて無いつもりらしいから・・・ね」 「成る程、それは拷問ですねぇ」 「とりあえずはご飯食べに行きましょう、ご飯。」 「白玉楼のご飯は絶品ですが・・・俺食べたら死んだりしませんか?」 「あら、最近はちゃんと考えて食材選んでるから大丈夫よ」 今晩は楽しみだぜ、俺もご無沙汰だったしなぁ。 しかし魔理沙のヤツ最後に何を言いかけたんだろう? --------------------------- 「くそっ、なんで私が苛々しなきゃいけないんだ・・・ 別にアイツが上手くいったっていいじゃないか、最初からそういう目的で 手を結んでたわけだし。しかし幽々子もなんであんなヤツの事なんか・・・ 絶対に感性がおかしいぜ。しかしなんで私が上手くいかなかったんだ。 でも上手くいってたらアイツはどんなふうに思うんだろう?」 「ッ・・・馬鹿馬鹿しい!さっさと温泉入って寝て忘れよう」 「いいえ、その悩みはあなたが自分で白黒つけるべき葛藤です」 「なッ!?」 ---------------------------- 夜と朝の境界 ---------------------------- むぅ、朝か・・・・・・朝日が少し黄色いぜ、異変か? 「がんばっちゃったせいでしょ」 「ゆゆ様が魅力的だったからですよ」 「あなたもなかなか良かったわ、本気になっちゃおうかしら」 「お互いの為にやめておいたほうがいいでしょうな」 「あら、怒らないのね」 「ゆゆ様は待っているのでしょう、気長な事だ」 「あらら、紫かしら」 「正確には藍さんに」 「知っていて尚・・・ね、○○は何故そこまでしてくれるのかしら」 「それはもちろんゆゆ様が美しいk」 「・・・・・・」 やれやれだ。 「誰にも話してないはずですが?」 「女の勘、かしら」 「本当は?」 「紫に聞いたら教えてくれたわ」 「女の勘って凄いですね・・・」 「それで?」 「・・・・・・自己満足ですよ。自分には無かったものを 人に与える事で 得ようとしてるだけです。それがなんなのかを知らないのに。」 「だから鈍感なのね」 「いや、一応向こうでは研究と実践を重ねた結果9割以上の女性の 心理と傾向を把握して動けてましたよ?」 「その1割が大事なのよ、魔理沙を泣かせてたじゃない」 身に覚えが無い・・・ハズだ、覚えが無いハズなんだが・・・ 「なんのことかサッパリ分かりませんな」 「うふふ、やっぱり貴方達似てるわ」 「あんなガサツで自分から弾につっこむようなドジっ娘と一緒にしないで頂きたい」 「あら、自分の為の愛を知らない癖に他人に愛を振りまくあたりそっくりよ」 「そうですか、仮に俺とアイツが同類だとして何だと言うんです?」 目を逸らしてる。何から逸らしてるのかも自覚しないようにしてる。 「うふふ、その悩みは○○が自分で答えを見つけるべき葛藤よ」 「分かりかねます」 「あら、拗ねないでよ。」 だけどまぁ、これだけ本当の事を他人から言われちゃったんだしいい機会だ。 「拗ねてません、そこまで言うなら今度の宴会までに答えを見つけておきますよ」 目を逸らし続けてるという事はソレが何なのか理解してるって事だ。 「がんばってね、応援しちゃうから」 次の宴会までに覚悟を決めればいい、その時向き合おう。 「しかしまぁ、自分が悩むハメになるとは思いませんでしたよ」 「いい経験よ~・・・だけど」 「だけど、なんです?」 「偶に癒しに来てね」 「構いませんけど、いいんですか?」 「いいんじゃないかしら、その程度で揺らぐ愛じゃないから」 「あー、朝からご馳走様です」 オマケ 「そろそろ起こしに行っても大丈夫かな」 「うーん、しかしアレだな」 「どうしたの●●」 「幽々子様達の・・・その、アレが聞こえたって事は」 「言わないで、今凄く自己嫌悪に陥ってるから。」 「俺か妖夢の部屋離れかどこかに移してもらおうか・・・」 -------------------------- キング○リムゾン! -------------------------- 白玉楼で幽々子様としっぽりしてから数ヶ月。 俺は今地獄に居た。(比喩的な意味で無く) 何故こんな所にいるかと言うと話は遡って前回の宴会の時。 何時も通りに宴会に馳せ参じると今まで見たこと無いくらい狼狽した魔理沙に遭遇した。 丁度いい、ここでキッパリと言わねばならぬ事がある。 「その・・・○○・・・わたしは・・・」 「おっと魔理沙、その先を聞くわけにはいかないな」 俺の返しが予想外だったのか、それとも何か勘違いしたのか泣きそうな顔をしたのでデコピンをお見舞いしてやった 「痛っ」 「俺は俺を否定できない、俺は俺の決めた道を最速で突っ走る。 そしてその為には魔理沙、『今』その先を聞くわけにはいかない。 その前に成さねばならん事がある」 「なんだか分からないけどその「成さねばならん事」って何なんだ?」 「俺は愛の伝道師だ、やっかみの他称だろうと自称だろうとそう在ると決めた。 故に女性に愛をもたらすのが宿命だ。細かい所は違うだろうがお前もそうだろう?」 「まぁ、分からなくも無いぜ・・・だけど、それと何の関係があるんだ?」 「俺は一人しか居ないからな、一人ずつしか幸せにできん。故に俺は幽々子様の笑顔を取り戻す為に××を迎えに行ってくる」 「誰だそりゃ?というかどこに居るのか分かってるのか?」 「幽々子様の恋人、今地獄で罪を償ってる」 「なっ・・・何言ってるんだ○○!それってお前が死んじゃうって事じゃないか!」 「誰が死ぬか、閻魔様に頼み込んで罪の償いを手伝わせてもらうだけだ」 「嫌だそんなの!結局○○が地獄の苦しみを味わう事になるのは変わらないじゃないか! ○○、私はッ」 そっと指先で魔理沙の唇に触れる、思ったよりも柔らかくてこれからの事を 思うと魔理沙の言うとおり逃げたくなるが、それは許されない。 俺が俺を許すわけにいかない。 「その先は聞けないと言っただろ? 何、帰ってきたらちゃんと聞いてやるし 俺から10倍返しで言いたいこともしてやりたい事もある。 ・・・なーんて言うと死亡フラグだなwww」 「○○!ふざけてる場合じゃないぜ!」 「大真面目さ、じゃあまた『後』でな」 その後、宴会に来ていた閻魔様(これがまた可愛かったが隣の大男と眼があって諦めた)に 何とか頼み込んで××の贖罪を手伝う許可をもらって地獄へ降りた。 「そして今に至る、と」 「○○さん、また独り言ですか?」 「日記に代わりさ、△△。何も無い所だが記憶と心はあるからな 俺達が顕界なり冥界なりに戻るまでの暇潰しだ。」 割と気楽に会話してるように見えるが霊峰富士の如く積み上がった昔の罪人達に関する 罪状等をひたすら整理しながらである。俺が地獄に来た時は衆合地獄の責め苦を××が 耐え切った所で、ぶっちゃけもう終わりかけてるんじゃないのか?とも思ったが 転生やら何やらにはまだ徳が足りないらしく、生身の人間も一緒にできる贖罪の一環として この書庫の整理を言い渡されたのだった。 「○○さん、大叫喚地獄に関する資料ってどこに置くんでしたっけ?」 「0869-ろ-5429の列にその年代のヤツがあったぜ」 「了解、行ってきますー」 -------------- 本人達の感覚で数十年くらい -------------- そんなこんなで働いてる時間が分からなくなった頃、宴会で会った素敵な閻魔様が現れた。 「△△、あなたの転生の日取りが決まりました」 「お言葉ですが映姫様、僕は彼女と同j」 「分かっています、この場合の転生は種族変えという意味です。 ちゃんと西行寺幽々子と同じ亡霊として白玉楼に住めるよう手配してあります」 「ありがとうございますッ!」 おー、よかったよかった。来た甲斐があったってもんだ、多分。 「さて、○○。あなたは何故ここに居るのかまだ覚えていますか?」 「西行寺幽々子の笑顔を取り戻す為、自分自身に嘘をつかないため。 そして何よりも己の道理を通した上で伝えたい思いがあるから『だぜ』」 「驚いた・・・よく覚えているものです、この書庫での時間は数十年にも感じたのではないのですか?」 「だからこそ俺は俺の思いと待たせている女の為だけに生きていたのさ」 「馬鹿も突き抜ければそれはそれで一つの道理なのかもしれませんね。 あなたにできる善行はそこのドアを開けてさっさと顕界に戻る事です」 「△△はいつ出れるんです?」 「もう冥界に行きましたよ」 早ッ!?挨拶無し!?と、思いきや目の前に置手紙で簡潔に別れと謝辞が書いてあった。 まぁ仕事中に何度も怒られたし謝られたし感謝されたからいいか。 「じゃあ娑婆に帰らせてもらいますね」 「その用法は・・・まぁ人間達の間では正しいので良しとしましょう」 「じゃあ映姫様、お世話になりました」 「彼女とお幸せに、○○」 ----------------- 地獄門の裏(顕界的な意味で) ----------------- 「おぉ、さすが顕界。空気が旨くて朝日が眩しいぜ」 「ここはキノコだらけで空気が悪いし今は昼過ぎだぜ」 振り返ればそこに懐かしい白黒の姿 「森の中で魔法使いに会うと攫われて食われるんだったか?」 「あぁ、攫って食ってやる。どれだけ待ったと思ってるんだ?」 「んー、10年くらいっ」 「残念、3ヶ月だ。」 この空気が好きだった 「外れか、罰ゲームは何かあるのかな?」 「相棒、空気を読もうぜ」 一緒に居ると何でもできそうな気がした 「了解、じゃあ言うぜ・・・俺は霧雨魔理沙の事g「私は○○の事が好きだ!」・・・」 「ズルいぜ相棒」 「罰ゲームってやつだぜ相棒」 そして何よりも 「おい魔理沙」 「何だよ○○」 「愛してるぜ」 「言うのが遅いんだよ、馬鹿」 俺は普通の魔法使い霧雨 魔理沙の事を大好きらしい。 おまけと言う名の蛇足① 「そう言えば何で私だけ最後まで告白されなかったんだ?」 「なんかお前の事見た時、可愛い女の子じゃなくて同類として認識しちゃったんだよね」 「なんだそりゃ?」 「同じにおいがする、とかコイツとは仲良くなれそうだとか、すけこまち・・・じゃなくてスケコマシだとか。」 「ひどいぜ○○」 「お前も似たような感想だったんじゃないか?」 「禁則事項です☆」 「・・・・・・霖之助さんから何を奪った?」 「面白そうな漫画があったからパk・・・インスパイアしたんだぜ」 「悪い子にはおしおきだべー」 「いやーおそわれるー」 「あんたら神社でサカるなッ!」 蛇足② 「ただいま戻りました幽々子様」 「おかえりなさい△△」 「なんかごく普通に見えるけどアレでいいんですか妖夢さん、こう長い間離れてたんだから もっと色々「あいたかったわっ」とか言って熱烈なハグとかしないんですかね?」 「知りませんよ、△△さん自体私は知りませんし。」 「妖夢ー、●●ちゃん~。紹介するわ、私の旦那の△△よ」 「「結婚済み!?」」 「言ってなかったんですか幽々子様?」 「えぇ、聞かれなかったもの」 「とりあえず・・・その、旦那様って呼ばせていただきますけど 旦那様のお部屋は俺と同じように離れでよろしいのでしょうか」 「要らないわ」 「幽々子様?」 「ご飯もしばらく要らないから」 「「幽々子様!?」」 「それと、迎えに行くまで母屋に近寄っちゃ嫌よ?」 「あはは、挨拶はまた今度しっかりとさせてもらうね」 「△△さん引きずられて行っちゃいましたね」 「妖夢、しばらく離れのほうで一緒に寝ようか」 「●●さん!?」 「もちろん従者的な意味で、邪魔できないでしょ?」 「・・・そうですね」 蛇足③ あやややや:そう言えば○○さんが目を逸らしていたものって何だったんですか? ○○:そりゃ愛する女さ あやややや:なんで目を逸らしてたんです? ○○:誰かをマジに好きになった事がなかったからこっ恥ずかしかったんだよ。 あやややや:えー、初対面の私の肩に手を回していきなり口説いて来た貴方にそんな感情が? 魔理沙:ほほう、それは初耳だな あやややや:じゃあ私はこれで失礼しますねっ ○○:裏切ったなブンヤ!OK落ち着けまいふぇあれでぃ、昔の事だし文には彼氏が居るし今の俺達には関係ない 魔理沙:それこそ私には関係ないぜ、嫉妬の心も恋心!恋符「マスタースパーク」! ○○:ッアー!? 色々と終われ ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ357 此処は紅魔館、俺は吸血鬼もどきの執事である 最近嬉しかった事は腐敗が止まった事だ まぁそんな事はどうでもいい、俺はいま廊下の掃除をしている、窓開けて館を換気しているのだ 「曇りじゃ無いと死んじまうぜ」 なんたって一応吸血鬼、日光は大敵だ 長い廊下の先、もそもそと何か動いてやがる 「・・・白黒か」 どっからどう見ても忍び込んだ霧雨魔理沙だ 「何してるんだ魔理沙君?」 「うひゃぁぁ!?・・・なんだ○○か」 「また勝手に侵入してきたのか、借りた本は返せよ?」 「解ってるって、借りるって事は返すって事だろ?返す気が無いなら借りるなんて言わないぜ」 「そういうことは一度でも返してから言いなさい」 「はっはっは」 まぁ言って聞くなら苦労しないけどな 「パチュリー様ならレミリア様と一緒にお茶を飲んでる、お前もご一緒すれば?」 「あー・・・○○の休憩はまだなのか?」 「休憩?俺の?基本的に各自自由でいつでもいいんだけどな」 「ふーん・・・じゃあさ・・・お茶にしないか?」 「いや、だからパチュリー様が」 「そうじゃなくて・・・私と、お前で、レミリアが居ちゃ一緒にお茶もできないだろ?」 「あ、ああ・・・じゃあ何処か部屋にいくか」 「と言うわけで救護室にお邪魔する」 とりあえず行き場の無い俺達はティーセットのあるメイドの憩い場、救護室にお邪魔する事になった 「○○さんと魔理沙さん・・・珍しい組み合わせですね」 「すいません、何かお邪魔しちゃったみたいで」 救護室では数人の妖精メイドが雑談していた 「いいんですよ~どうせ井戸端会議だしwwそれにここはみんなの憩いの場ですから~誰が使っても構いませんよ」 救護メイド、通称救ちゃん、この救護室は彼女の根城だ 常にうろうろしている他のメイドと違いこの部屋に常に居る、保険のせんせーみたいなもんらしい 「じゃあ魔理沙さんとごゆっくり~・・・後でkwsk教えてくださいね」 なんて親指たてて退室しやがった、いまだに何を言ってるのか解らないときがある 「あー・・・じゃあ茶でも飲むか」 「あ、ああ・・・その・・・これ、よかったら・・・食べてくれるとありがたいぜ」 懐から出した小さな紙袋? 恐る恐る(失礼)開けてみる・・・おお、クッキィだ、星型だし、スターダストレヴァリエッ! 「い、いびつで悪かったな・・・始めてなんだから大目にみてくれ」 甘い香り、シナモン? とりあえずミントティーを入れる ミントティーに柔らかな午後の光と~ なんてやったら死ぬけどな、日光だめ 「へぇ・・・初めてにしては上手に作ったな・・・うむ、味も美味い・・・うーむ、乙女ティックが止まらない」 「そ、そうか、口にあったか・・・よかった」 何だかな、間が持たない、白黒がいつもと違うのでやりにくい そういえば何だかいい香りがして・・・コロンか?魔理沙が香水?・・・しかしこれは 「なぁ魔理沙・・・今日はその・・・なんで俺と?」 しょうがないので直球で、内閣低めのストレート(嘘 「た、ただ何となくだぜ!別に深い意味は・・・その・・・」 調子狂うなぁ、何だか今日は魔理沙が女の子してて・・・なんだか 救護室のテーブルはあまり広くない、だからか、魔理沙が凄く近い、魔理沙の香りも、息遣いさえも、わかるほど 身を乗り出せばキスだってできそうなぐらい、近い、いかんいかん、意識してしまう 「なぁ○○・・・」 寄るな、意識して、しまうだろ 「私はさ」 勝手に一人で突っ走って、思春期の少年か俺は、頼むから加速する脳内妄想よ、止まってくれ 「○○?大丈夫か?」 「あ、ああだいじょうb」 確認しておこう、俺は俯いてた、魔理沙は俺を心配して「身を乗り出して」はなしかけた そして俺は顔を上げた 唇が触れ合ってしまった、正確に言えば掠った程度だろう、だがそれでも十分だったこんなに近い所に顔があるそれだけで 「~~~~」 魔理沙は驚いて、真っ赤になって飛びのいた、俺は驚いてのけぞった 「ま、魔理沙・・・その・・・大丈夫か?」 今度は魔理沙が俯いている、真っ赤になって やっぱり、いや一段と気まずい、これはこれは、この空気に耐えられないよ 「あ、あれは・・・その・・・かうんとしないぜ」 「カウント?なにが?」 「だから・・・その・・・キスに」 あ、やばい、これは凄い威力だ、ぐらっときた 「じゃあ魔理沙、これはカウントしてくれるか?」 ちょっと肩を引っ張って、体制の崩れた魔理沙を抱きとめた 「○、○○!?○○!?冗談は―」 互いに硬直、魔理沙は魔理沙で目を瞑ってなんか待ってるし、でも俺はやっぱりチキンで吸血鬼もどきで もう何時間経っただろうか、いや実際まだ一分経ってないんじゃない? これはオッケーって事なんですよね?しますよ?いいですか? 「・・・・・・」 よし、する、するからちょっと待って・・・よし、いくぞう・・・ 「ああもうじれったい!キスするならさっさとぶちゅーっとやっちゃいなさいよ!!」 「きゅ、救ちゃん!?だめだって!もうちょっとだったかもしれないじゃん!」 「えーだってあの鶏肉野郎があんまりへたれてるもんだからしょうがないじゃん」 勢いよくドアが開いたと思ったら救ちゃん+妖精メイド三人計四人が 状況から察するにドアに聞き耳を立ててたんでしょう、ああもう、このこったら 「ななな、なんでお前ら別の部屋に行ったんじゃなかったのかよ!!?」 「あわわわわわ」 俺も魔理沙も混乱、魔理沙は驚きのあまり壊れた 「こんなwktkするギャルゲーみたいなイベントを!この救ちゃんが!見逃すとでも思ってるんですかっ!!」 何か偉そうに言ってるけどただの盗聴だよ、せっかくいい空気が、見事にぶち壊しだよ 「大体ですね!あの体制まで持っていったのになぜ!ってああ!?」 残りの三人が救ちゃんを引き摺っていきました、何か断末魔が聞こえたのは気のせい 「は、ははは・・・魔理沙?」 「あ、ああ、だいじょうぶだぜ・・・はははは」 何となく調子が戻った気がする さっきのは惜しかったけど・・・まぁ気にしない 「○○・・・さっきの続き・・・する?」 「ま、魔理沙・・・そ、そうだな・・・」 「ぷっ、はっははは!なに緊張してるんだよ!○○の癖に」 「う、五月蝿いな!緊張するに決まってんだろ!」 「・・・ねぇ○○、何で緊張してるか教えてよ」 「・・・・・・好きな女のキスしそうな状況だから、だよ」 「あっ・・・ばか、いきなり告白かよ、ずるいぜ」 「はっ、お前も真っ赤だ、緊張してるか?」 「あ、当たり前だ、好きな男とキスしそうな状況だから、な」 そのまま、ゆっくりと、唇を重ねた キスってのはいろんな事を、意味を孕んでる、気持ちを伝える行為だったり、性交における前菜として、挨拶だったり 何となく、俺は魔理沙を好きだって気持ちが伝わるように、そう思って 「ぷはっ・・・これは・・・カウントするのか?」 「も、もちろん・・・はじめてのカウントだぜ」 「魔理沙のはじめて、俺が貰ったわけか」 「ば、ばっか!なんか・・・恥ずかしい」 今日の魔理沙は乙女してる、いや正確に言えば、そういう娘なのか、なのだ 「茶が冷めちまったな、入れなおそう」 「あ、ああ・・・クッキィも、食べてくれよ?」 「もちろん、魔理沙の手作りクッキィはありがたくいただきます」 これから魔理沙の言うカウントができなくなるぐらい、キスできればいいな、なんて思ったのは秘密 これは蛇足だが後日メイドの間で魔理沙と俺の噂がすごく流れた、しかもいじられるのはやっぱり俺 ああ、救ちゃんめ、今に見てろ、何かしら仕返ししてやる・・・返り討ちにあいそうだけどな ~終~ ───────────────────────────────────────────────────────────
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霧雨 魔理沙 キャラクター 発生エフェクト:魔理沙 illus:皐月メイ コストに対してパワーの高いカードが多く、序盤から高火力のスペルカードを大量に並べて、素早く相手を焼ききる戦法を得意とします。 高コストカードはとても大きな攻撃力を持っており、アビリティカードもスペルカードを強化する等、瞬発的な攻撃力では全キャラクター中最高です。 その反面、防御面は非常に弱くディフェンダーを持っているカードは一枚も無い為、相手の攻撃には非常に無力です。 ともかくガンガン攻めたい人にお勧めです。(オフィシャルブログより)
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霧雨 魔理沙 絵師 いずみべる ストック 2 ゲージ速度 速め 発動タイミング 自摸時 効果 手牌のうち1種類(ランダムに決定)の数牌を赤ドラ牌に変化させる。 使いやすさ★★★★★ コメント 初心者向け。 手牌のどれか1枚ではなく1種なので、2枚以上ある牌に当たった場合は2つ以上が赤くなる。ストックが2個あり、ゲージ速度も良好でとりあえず使えば1飜追加されるので聴牌時に即座に使っても構わない。 要らない牌が赤くなっても泣くな ただし、その時は全員に聴牌を察知されるだろう。場合によってはブラフで使うのもあり。
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普通の魔法使い 霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ) 【種族】 人間 【能力】 魔法を使う程度の能力 魔法の森に住む魔法使いで、東方Projectのもう一人の主人公。 人外だらけの幻想郷の中では最も普通の人間に近い存在と云える。 身長はやや低いグループ。 人間であるが、妖怪退治に喜び勇んで出かけるなど、普通の人間とはいいがたい。 蒐集癖があり、物が捨てられない性格。負けず嫌いでひねくれ者だが努力家で勉強家。 何処へ行っても迷惑がられるが、実際に迷惑な行動が多い。魔法を使う妖怪には余り好かれていない。 だが変な奴には好かれやすい人間。 根は真っ直ぐ。博麗霊夢とは友人。 光と熱を使った魔法が得意であり、人間の中では最高クラスの威力があるが、物を破壊する程度の効果しかなく多様な魔法は使えない。 しかし人間として魔理沙ほど魔法を使いこなしているのは珍しいらしい。 また「狂うのには慣れている」と自称している辺り、幻覚に対して耐性がある節がある。 ボムの「マスタースパーク」はあらゆるボムの中でも最高クラスの威力を持ち、魔理沙の代名詞ともなっている。 口癖は「派手でなければ魔法じゃない。弾幕は火力だぜ」。 喋り方の特徴として語尾に「〜だぜ」「〜か?」等をつける男口調が挙げられる。 以下、本ロワにおけるネタバレを含む +開示する 霧雨 魔理沙の本ロワにおける動向 初登場話 06 生命遊戯 Easy 死亡話 登場話数 18話 スタンス 対主催(主催者打倒派) ランダム支給品 蓬莱の薬、ダーツセット、MP3プレイヤー 現在状況 二日目黎明の時点で生存 現データ 175 A History of Violence(前編) 他の参加者との関係(最新話時点) キャラ名 関係 解説 初遭遇話 リグル・ナイトバグ 敵対? 八卦炉を取り戻そうと深追い、霊夢による殺害を招く 06 生命遊戯 Easy 博麗 霊夢 敵対 殺し合いを止めさせることを誓う 命を取る気はない 06 生命遊戯 Easy 八意 永琳 共闘? 輝夜への伝言を依頼される 主催者ではないと判断? 35 盗まれた夢/Theft of Dreams レティ・ホワイトロック ?? 永琳と会っているところを目撃され、不信感を抱かれる 魔理沙本人は認識せず 35 盗まれた夢/Theft of Dreams 八雲 藍 共闘 地雷にかかって死に掛けていたところを助けられる 以後同行 51 十年物の光マグロ フランドール・スカーレット 共闘 魔法の森で遭遇 以後同行 59 覚めない魔女の夢 西行寺 幽々子 共闘→離散→敵対 香霖堂でチームを結成するも離散 精神状態を心配していたが、再度遭遇した際にはもう手遅れに 84 うたかたのゆめ(前編) 魂魄 妖夢 共闘 香霖堂でチームを結成するが… 84 うたかたのゆめ(前編) 八雲 紫 敵対→共闘 霊夢との交戦に介入される 一度は同行を拒否されるも、再度博麗神社で会った後は共闘の構えへ 119 悲しみの空(前編) 森近 霖之助 旧知の間柄 最期を看取る 119 悲しみの空(前編) 因幡 てゐ 共闘 禁止エリアに足を踏み入れたところを助け出す 148 乾いた叫び 東風谷 早苗 共闘 博麗神社の麓で合流し、以後共同戦線を張る 163 消えた歴史 小野塚 小町 敵対→共闘? 人里で交戦 その後は紫の判断で一時力を借りることに 175 A History of Violence(前編) 本ロワ上の行動 ロワをただのお遊戯だと思っていた彼女の思考は、いきなり親友である霊夢がリグルを殺害するのを目の当たりにすることで改められることとなる。 霊夢の手から辛くも逃れた後も、霊夢を止めるという基本方針はそのままに、殺し合いそのものを止める方向へと進んでいく。 だが、香霖堂での惨劇、霊夢との二度目の交戦、幽々子との悲しい再会と、なかなか望むものを得るには至っていない。 そんな中、主催者を騙られていた永琳と真っ先に遭遇し情報交換を行うなど、早くから黒幕の存在に感づいている。 その後はフラン、紫、早苗といった目的を同じくする仲間も手にし、現時点で最も主催者に近いところにいると言ってもいい。 ここまで戦闘面で芳しい成果は残せていないが、その専門的な知識を生かして肥料爆弾を製造中。名誉挽回を図っている。 不注意から一度死に掛けた際に蓬莱の薬を服用している。ロワ内では並の人間よりも高い回復力を持つに至った。 果たしてこのことが、今後の戦い、そしてもしも生きてここから脱出した時にどう影響するのかが気になるところ。 最新の状態 【D-4 人里 二日目・黎明】 【霧雨魔理沙】 [状態]蓬莱人、右頬打撲 [装備]ミニ八卦炉、上海人形、銀のナイフ(3)、SPAS12改(7/8) [道具]支給品一式、ダーツボード、文々。新聞、輝夜宛の濡れた手紙(内容は御自由に) 八雲藍の帽子、森近霖之助の眼鏡、 紫の考察を記した紙、バードショット(6発)バックショット(5発)ゴム弾(12発)、ダーツ(3本) [思考・状況]基本方針:日常を取り返す 1.爆薬を作る 2.霊夢を止める。 3.紫の考察を確かめるために、霊夢の文書を読んでみる。 踏破地域(白が踏破地域) 1■■■■■■■ 2■■■■■■■ 3■■■■■■■ 4■■□□□□□ 5■■□□□□□ 6■■□□■■■ 7■■■■■■■ \A B C D E F G D-6→C-6→C-5→(D-5)→E-5→F-5→F-4→(E-4)→D-4→E-5→F-5→G-5→G-4→F-4→G-4→(F-4)→(E-4)→D-4→D-3→D-4 ※カッコ表記はそこを踏破したと推測される地域
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東方キャラ解説ページ的なものを目指してみる ______ ´ `ヽ、 _,.'-=[><]=.,_ ヽi レノλノ)レ〉' ノレ§゚ ヮ゚ノiゝ `k'_.〉`=' !つ i_ノ'i! ̄i! 、 ~'i,ンT,ン"~ 名前 霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ) 能力 魔法を使う程度の能力 二つ名 普通の魔法使い 等 登場作品 上海アリス幻樂団作品 東方紅魔郷 プレイヤーキャラ 東方妖々夢 同上 東方永夜抄 同上、キャラ限stage4ボス 東方花映塚 同上 東方風神録 同上 東方地霊殿 同上 東方星蓮船 同上 黄昏フロンティア作品 東方萃夢想 操作キャラ、一部ストーリーモードの撃破対象 東方緋想天 同上 東方非想天則 同上 キャラクタ概要 魔法の森に居を構える、普通の魔法使い。 森の自宅で様々な魔法の研究を行ったり、キノコ等をベースにしたマジックアイテムの開発に勤しんでいる。 霊夢と仲がいい 種族:人間として見れば、魔法使いとして非常に優秀と評される 陰の努力家 蒐集(しゅうしゅう)家 八卦炉 だぜ ゲーム上での要素 ほぼ全ての作品に登場霊夢と等しい、はず 移動速度は高速、レーザーやミサイル等直線多めで中級者以上向け レーザーとミサイルをはじめとしたマジックアイテム マスタースパーク 二次創作での要素 霊夢との対比「魔理沙<霊夢」の構図で劣等感等を表現したり やたらとプレイボーイ男口調だから? 本泥棒ある程度は公式
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【作品名】東方project 【ジャンル】弾幕STG、格闘ゲーム、漫画、小説etc 【名前】霧雨魔理沙 【属性】普通の魔法使い 【年齢】24歳 【長所】公式の漫画だと「二次創作か?」って言いたくなるくらいしょっちゅう霊夢の神社に訪れている 【短所】こんな中途半端な年齢で萎えるという人もいるだろう でも公式の設定を計算するとどうしてもこうなってしまうんだ、仕方ないんだ 【備考】魔理沙というか東方の人間の少女は基本的に全員十代前半(10歳~14歳)という設定。 東方では基本的に紀年法は○○季という暦が用いられており、1季=1年に該当する 魔理沙を最低値として10歳だとして、紅魔郷が第百十八季で 花果子念報の百三十二季が最新なので、14年は経過しているので24歳 vol.1 修正vol.8 163 249 東方文果真報 Alternative Facts in Eastern Utopia. [雑誌] 東方蒼神縁起V 東方幻想魔録W ダブルパック 東方鈴奈庵 ~ Forbidden Scrollery.(1) (カドカワデジタルコミックス)