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昔々あるところに、金持ちと貧乏人の二組の男女がおりました。 @ それぞれの男女は幼馴染で、どちらの男も自分の幼馴染の女を愛していましたが、気持ちを伝えることができずにいました。 @ また金持ちの男と貧乏人の男は、互いに顔が瓜二つでした。 @ ある日金持ちの男女が森の中を馬車で走っていると、突然馬車がひっくり返ってしまいました。 @ 幸い命に関わる怪我はしませんでしたが、男の足が馬車の下敷きになってしまいました。 @ どうすることもできずに二人が困っていると、そこに貧乏人の男女が通りかかりました。 @ 貧乏人の男女は馬車を持ち上げ、下敷きになっていた金持ちの男を助けました。 @ 助けてもらった金持ちの男女は、貧乏人の男女にお礼を言いました。 @ 「君たちのおかげで助かったよ。何かお礼をさせて欲しいのだが」 @ 「大したことはしていません。けれどお礼をしてくれるというのなら、僕たち二人が揃って安全に暮らせる働き口を紹介してはもらえませんか」 @ 「それならば、僕の家で働くといい。住むところも貸してあげられるし、ちゃんと給料も出そうじゃないか」 @ こうして、貧乏人の二人は金持ちの男の家で働くことになりました。 @ 金持ちの男の家で働くようになった貧乏人の二人は、金持ちの男の計らいもあってすぐに金持ちの家での生活になじみました。 @ 特に男の方は、互いの顔が似ていることがきっかけで、1週間も経たないうちに金持ちの男とすっかり仲良しになっていました。 @ ある日の夜、金持ちの男の部屋で二人が話をしていて、お互いに幼馴染の女が好きだと打ち明けました。 @ そこで二人は、明日の昼にお互い別の場所にそれぞれの幼馴染を呼んで、揃って気持ちを伝えようと約束しました。 @ 「もしも片方だけしかいい返事をもらえなくても、恨みっこなしだぞ」 @ 「分かっているよ。それじゃあ、明日の昼に」 @ 「ああ、お互いがんばろう」 @ そして次の日の夜にまた金持ちの男の部屋に来てお互いに結果を報告することを約束してその夜の話は終わりました。 @ 次の日の昼、貧乏人の男は庭に幼馴染の女を呼び出しました。 @ 「どうしたの?まだお仕事がいくつか残っているわよ?」 @ 「君に話したいことがあるんだ。実は僕は、僕は昔から君のことが好きだったんだ」 @ 男は勇気を出して気持ちを伝えました。しかし返ってきた答えは意外なものでした。 @ 「ごめんなさい、私あなたよりも雇い主のあの人のほうが好きなの」 @ 「えっ……そんな、どうして……」 @ 「だってあの人は、あなたが持っていないものを持っているのですもの。だから私はあの人が好きなの」 @ 男は衝撃を受けました。互いに励ましあった友人が恋敵であるというのは、辛いものでした。 @ そしてその辛さは、恋敵への怒りへと変わりました。 @ その日の夜、約束どおり金持ちの男の部屋に集まった二人は、お互いの報告を聞いて愕然としました。 @ なんと金持ちの方も、幼馴染が貧乏人の男が好きだと断られていたのです。 @ この事実に二人は嘆き、互いに怒りをぶつけました。 @ 「ああ、僕は君が憎い。僕と同じ顔をしていながら、僕の愛した人の愛を手に入れた君が憎い」 @ 「僕だってそうだ。長い間彼女を思っていたのに、どうして同じ顔の君に奪われなければいけない」 @ その時、二人は気が付きました。お互いに入れ替われば、互いの愛する人の愛を手にすることができると。 @ すぐに二人はお互いの服を入れ替え、金持ちの格好をした貧乏人の男はそのまま部屋に残り、 @ 貧乏人の格好をした金持ちの男は貧乏人の住んでいる部屋に帰っていきました。 @ そして次の日に二人はそれぞれの想い人に想いを告げ、めでたく恋人同士となりました。 @ その後しばらく、二組の恋人は楽しい時を過ごしました。 @ しかし時が経つにつれ、二人の男は違和感を感じ始めました。 @ 愛して欲しかった相手には愛されていても、それは決して自分自身が愛されているわけではないというれっきとした事実。 @ やがて二人は、この生活に苦痛を感じるようになっていました。 @ 「僕はもう、こんな生活に耐えられない。全てを打ち明けて元の関係に戻りたい」 @ 「僕もだ。元通りにはなれないかもしれないけど、この生活よりはずっといい」 @ そうして二人はお互いの立場を元に戻すことにしました。 @ 二人は服を元に戻し、ある日の昼に、想いを告げたときのように二人はそれぞれ別の場所に女を呼び出しました。 @ 「どうしたの?また何か伝えたいことでもあるの?」 @ 「そうなんだ。実は僕と彼は、君と恋人同士になったときから入れ替わっていたんだ」 @ するとこのときもまた、女は意外な答えを返してきました。 @ 「ええ、知ってたわ」 @ 「えっ、そんな!一体どうして?」 @ 「だって私たちの雇い主の彼は、私たちがあの二人と出会った日に下敷きになった足を少し引きずって歩いていたもの。 @ 突然あなたが片足を引きずって歩き出して、彼が普通に歩けるようになってたからすぐに分かったわ」 @ 「じゃあどうして気づかないふりなんかしていたんだい?」 @ 「あなた達の入れ替わりに気づいてすぐ、私は彼の幼馴染の彼女と相談したわ。 @ それでしばらくあなた達の様子を見て、頃合を見計らってばらしてやろうと決めたの。 @ けどそうして過ごしているうちに、私たちは気づいてしまったのよ。私は彼を、彼女はあなたを本当に愛していたわけじゃないって。 @ 私はただ、あなたに足りないと感じていたものを持っているあなたに惹かれただけだったんだってことに。 @ それに気づいてからは、別人のふりをしていてもあなたと恋人同士でいられるのが嬉しいくらいあなたのことが好きになっていたわ。 @ それは彼女も同じで、だから私たちはそのまま何も言わずに過ごしていたのよ」 @ 「そうだったのか……でも僕は、また元に戻ってその上で君と一緒にいたい。それでもいいかな?」 @ 「だめなんて言う訳ないじゃない。顔が同じでも、私はあなた自身を愛しているのですもの」 @ こうして入れ替わっていた二人の男は元に戻り、それぞれの幼馴染と幸せに暮らしましたとさ。 @ めでたしめでたし。 @
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入れ替わる墓標 Part14-70 通常魔法 自分の墓地をシャッフルする。 クイズ! と組み合わせる事ができるカード。他にも悪さができそうだが、シャッフルは結局ランダムでしか無いので不安定。なのでやはりクイズ! と組み合わせるのがベストか。 -- 鑑定人 (2007-07-16 03 38 58) 名前 コメント
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231 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/04/25(日) 02 46 16 ID ??? 222 コウ「下が騒がしいなぁ。みんなどうしたんだろ……あ!キラ、丁度良かったよパソコンがおかしくなったんだけど直してくれえええっ!?」 キラ「ラクス!君だけは幻覚でもなければ意識だけの存在でもない。こうやって抱く事ができるんだから!」 ラクス「き、キラ!?そんな……いきなりだなんて(///)」 キラ「……ブレンパワード、するかい?」 ラクス「(///)…………コクリ(///)」 \イーンマーイドゥリーム アーカーイバーラノハナアッー/ コウ「( ゚Д゚)」 コウ「( ゚Д゚)ウラヤマスィ……」 コウ「Σ( ゚Д゚)ハッ!? そ、そうだ見とれてる場合じゃない!カミーユ、キラがオーガニっくなってしまったんだ修正してやってえええっ!?」 カミーユ「止めてくださいよ。本気でスイカバーしたら、貴方が僕に敵うわけ無いじゃないですか(笑)」 シロッコ「賢しいだけの子供が何を言う!」 ビューンビューン ア゙ダレ゙エ゙ェェェ! グシャァアアアッ! \カミーユ、キサマハオレロォー/ コウ「( Д) ゚ ゚」 コウ「(゚Д゚)まあ、これは置いといて」 コウ「シン!キラが大変なんだアロンダイト貸してくれ!」 シン「笑止!弟一人叩きのめせずに兄を語る資格なし!俺のこの手が(ry 」 コウ「ギャアアア!?落ち着くんだシン話し合いで駄目だ聞いてない……」 コウ「これは……逃げるしかない!」 \ニゲダシタキョシヌケヘイガァ!/ コウ「なんで追いかけてくるのぉ!?」 コウ「ドモンにいさーん!助けてえぇぇ!?」 ドモン「あんま強くないよね、コウって(笑) 昔は強かったってやつ?(笑)」 コウ「(ムカッ)別に兄さんの力なんて借りなくても平気だy……」 シン「隙あり!覚悟ぉ!!」 コウ「嘘ですごめんなさい助けて下さい兄さん」 ドモン「許すもんか!大した腕も無いくせに(笑)」 コウ「ハァハァ…ハァハァ…、本当に、皆どうしちゃったんだ…………あ!」 コウ「ウッソ!?君だけはマトモだよねおかしくなってないよね!?」 ウッソ「えっ?どうしたんですかコウ兄さん?そんなに汗だくになって」 コウ「あ、あぁ実は……」 \ガシャーン/ シン「兄さあ゛あ゛あ゛ん!!」 コウ「た、助けてくれウッソ!」 ウッソ「死ねぇ!散れぇ!何処かへいけぇぇぇ!」 コウ「この家は……地獄だ……」 232 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/04/25(日) 03 17 04 ID ??? マーク「落ち着くんだコウ。こう考えるんだ “入れ替わるのが他人だからパニックになるんだ もう一人の自分と入れ替わればパニックにならない”」 コウ「な、何を言ってるんですか……?」 マーク「俺の場合……ハッ!!」 コウ「なんだと!?いつもやけに立体的なマークさんが俺達と同じ絵柄に!?」 マーク「小説版挿絵の俺と実写版の俺、どっちも俺だから入れ替わっても大丈夫!!」 コウ「ナンダッテー!?」 マーク「取り敢えずここにGジェネ魂のマイと劇場版のカミーユを用意した。 彼らを3DCGのマイとTV版のカミーユと一緒に階段から突き落とすんだ!」 233 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/04/25(日) 03 28 35 ID ??? セレーネ「みんないい加減にしてくだい…無駄無駄無駄無駄無駄!!!」 ロラン「えーっ、お料理メンドクサーイ…キャプテン料理手伝ってー、ついでにAIいじらせてー」 コウ「これからが本当の地獄だ…」
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”…さて、どうしたもんか?この状況。” 「せっ、先生、どうしよう?」 「………どうしよ。」 俺の名は石田虎侍。室江高校剣道部顧問だ。 今朝、ひょんな事で頭をぶつけて教え子と入れ替わると言う奇妙な体験をした俺は、 まさかその次の機会が、こうもあっさりと回って来るなんて思いもしなかった…が、どうやらガチらしい。 信じ難いが、いま目の前にいるタマはユージで、ユージはタマなのだそうだ。 確かに、こんなに狼狽したタマは見た事がない。ユージも流石にいつもより落ち着きすぎだ。 しかもこれって、俺とキリノが元に戻るのを手伝ってくれたせい…なんだよな。 一応顧問として、先に同じ現象を経験した者として、ここは大人な態度を示さなければならない。 大人な意見、うーんと… 『…んじゃあさ。もう一回同じことやってみりゃ直るんじゃないか? こう、”ごつんっ☆”と。』 「…ダメーっ!!」 声がでかい。サヤだ。何でお前が。 「ダメだよ、勝手な事言わないでコジロー先生! そんな一日に2回も3回も記憶の操作をやっちゃうと、人は”戻って来れなく”なるんだよ! 私、小説で読んだ事あるもん!その人達、最後には記憶が混ざり合っちゃって、 元の二人はどこにもいなくなっちゃうんだよ!だからダメ!ダメなんだってば!」 『分かった。分かったからサヤお前も落ち着け。』 まぁ、多少飛躍し過ぎの観はあるが、こんな事何度もやってると人体によくはないだろうなあ、とは俺も思う。 大体、タマが剣の振り方を忘れてしまったり、ユージくらいにまで弱体化してしまったらどうなる。俺の野望は。クビは。 「あのぅ~、ちょおっとコジロー先生とサヤに、お耳に入れたい事が…」 キリノだ。元に戻れて嬉しそうだがそんなに俺の体イヤだったのか? まあお互い様だけど…ちょっと悲しいぞ。て何考えてる俺。 「ダンくんとミヤミヤも、良かったら聞いてくれる?」 キリノの所へやって来た俺とサヤ、ダンとミヤミヤは取り合えず当人達はそっちのけでキリノの話に耳を傾ける。 「(あのね… 元に戻れるかはともかくとして、私、もうちょっとあの二人はあのままでもいいと思うの。) (って言うのもね、ユージくんって、タマちゃんの事、明らかに意識してるでしょ。この間なんて間接キ…まあこの話はいっか、とにかく)」 (でねでね、タマちゃんもちょっと今日、様子がヘンじゃなかった?他にもな~んか、怪しいのよ。あの二人。) (だからね、このまま二人を入れ替えたまま一緒にいさせて、そのままさりげな~く、くっつけちゃえないかな?って…ダメ?) 『(オイオイ、お前がそうしたいのは勝手だけどな…)』 なんつー無茶を言い出す女だ。ちょっとはタマやユージの気持ちも考え…ての思いつきなんだろうな、こいつの事だから。 その方が元に戻る可能性も高まる、とコイツなりの算段もあるのだろう。 それに対し、ミヤミヤが暗そうに口を開く。 「(馬鹿じゃないですか?そんなの当事者にやらせておけばいいんだし。それより元に戻す方法を考えてあげないと。)」 ごもっとも。しかし、それには彼氏のツッコミが入った。 「(ミヤミヤ~ 俺はユージとタマちゃんがうまくいった方がいいと思うぞぉ~) (それに人と人が恋をするのって、いい事じゃないかあ~ 俺とお前だって、そうだろぉ~)」 「(ダンくんっ…! わかった私協力するよ!)」 全くこいつらは。サヤはどうやら元々乗り気のようだ。 「(い~じゃんいいじゃん?楽しそうじゃん!やってみようよ!)」 まぁくっつける云々は置くとして、いま無理に外からいじるよりは暫く放置してみるのもいいのか…? 『(まあ、じゃあ、やってみるか?)』 「(さっすが、コジロー先生!)」 キリノは嬉しそうだ。お前はあの二人のお母さんか? ともあれ、こうして一枚岩になった俺達は、ユージとタマを呼んだ。 「タマちゃん、ユージくん、ちょっとおいで~」 俺達のひそひそ話を少し訝しがりながら、やって来るユージのタマと、タマのユージ。 「あのね、サヤの言う通り、あんな方法で何度も試してると、危ないし、もっとヤバい事になるかもしれないよね? でね、ちょっとだけの間、他の方法が考えつくまで二人にはそのままで暮らして欲しいの。」 元に戻る方法はあたし達が絶対何とか考えるから!安心して!ぶいっ!」 「「……………。」」 まあ、そりゃ、受け入れ難いわな。 そういえば、何で俺はヘーキだったんだ…? 夢だと思ってた?時間がなかった?…相手がキリノだったから? …いやいやそれは。さすがに。 … 「わかりました。」 お、タマ。いや今はユージか。 「さっきタマちゃんとも二人で話してたんですけど… やっぱり、こうなった以上ある程度覚悟はしなきゃいけないと思うので…ね?タマちゃん」 「………うん。 でも… ううん、何でもない。」 なんかユージ、いや今はタマか…は様子が変だな? まぁ、でも、決めた事だししょうがない。 『よっしじゃあ、早いけど今日は解散!家に帰ってグッスリ眠る事!いいな!』 「「「「ありがとうございましたっ!」」」」 (ユージの川添家) 『ただいまー。』 っと、ついいつもの家の調子で言っちゃったけど… まあ、ただいまくらいは皆言うよね? でも…ホントに、何でこんなことになっちゃったのかなあ… おっと、タマちゃんらしくタマちゃんらしく! 「おお、おかえりタマキ。今日は早かったんだな。」 『うん、そうだよ父さん、今日は部活が先生の都合で途中で終わっちゃって… あ、でも、ちゃんと練習はしたんだよ? 心配しないでね。』 「(目をぱちくり)そ、そうか。いや心配はしてないのだよ。スマンな…」 …う~ん、何か変な事言っちゃったかな? … 「タマキ、道場の時間だぞ~」 『あ、うん!』 あれ?安請け合いしちゃったらまずかったのかな… 今僕はタマちゃんなわけだから… 稽古つけるって、大人相手に!? そりゃムリだ!うわあああどうしよう。 … 『メェェェェェン!!!!』 「今日も凄いな、タマちゃんは…お願いします!」 『お願いします、キヤァァァァァ!!!!』 …すごい。自分でも自分がとんでもない集中の域に居るのがわかる… 相手のきっと、凄く強いオジサンの行動が手に取るように分かるし、身体が勝手に動く。 どうしちゃったんだ僕? ううん、これがきっと、タマちゃんの見てる物なんだ… だとしたら、僕ってなんなんだ…? こんなにも、こんなにも、タマちゃんは遠くに居て、クソッ! 『…ごめんなさい父さん。今日はこの位で上がらせて下さい。』 「む、そうか?まぁ今日はお前の剣にも迷いが見える。上がりなさい。」 …迷っているのは、どう考えても僕、だな。 (タマちゃんの翌日・学校編) 『………栄花くん、おはよう。』 「おはようユージぃ~」 夕べは大変だったなあ。ユージくんの家族… いい人達だったけど、私、緊張しちゃって… ユージくんも、家じゃそんなに喋らない方みたいだから、ごまかせたけど… …ホントに、なんでこうなっちゃってるのかな。 でも、ユージくんらしくしなくちゃ…ユージくんらしく? … 「中田くん、中田くん、放課後ヒマ?もし良かったらここ教えてくれない?」 あ、女の子… ユージくんなら、教えてあげるのかな… これくらいなら私でも、分かりそうかな? でも… やっぱり、だめ。 『………ごめんね。放課後、部活、いかなきゃ。』 「えっ、ううん、いいのよ、私の方こそゴメンね~」 「お~、じゃあ、俺が教えてやるよぉ~」 「えー、栄花くんはいいよお。」 「つれない事言うなってぇ~」 …あ。 『………栄花くん、宮崎さんが見てるけど…』 「お~ミヤミヤぁ~ごめんよ浮気しちゃってえ~」 「ううん、いいのよダンくん~ だっていつも最後は私の所へ戻って来てくれるんだもん!」 …仲良いなぁ、栄花くんと宮崎さん… ユージくんも… 昨日、キリノ部長と、仲良さそうだった。 ううん、あれは先生だから… でも… なんでこんなに、モヤモヤするの? …部活、行こうっと… 『………おはようございます。』 「あら~おはようユー… タマちゃん!」 キリノ先輩…先に来てたんだ。 (…チクリ。) 「聞いてよ聞いてよ!サヤと今日すっごい考えてたんだけど~」 キリノ…昨日の今日で元気な奴だ。しかし… こいつらの共謀なんて、十中八九ロクなもんじゃないだろうな。 「そうだよ!タマちゃんユージくん!いい?」 「「キスしてみれば、治るんじゃない?」」 ほら見たことか。 …お前ら、氏んで来い。マジで。 「えっっっと、キス、ですか? な、な、なんでそうなるんですか!?」 「………キス…(俯きがちに顔真っ赤)」 おーおーおー、若いねえ。 『悪い事は言わんが、あいつ等の言う事は右耳で聞いて、左耳から流せ。』 「「………は、はぁ。」」 「もうっ、真面目に言ってるのに~」 「そうだよ!私がこの本で、ちゃんと見つけたんだから! いい?深層意識を共有している だけの二つの個体の表層意識はもはや別人だと言ってよく、 それ故にその深層意識を表層意識から呼び覚ます為に(ry 行う行為がキスなの!」 出典:少女漫画。わかったわかったサヤ。お前は偉い。 『オラ、練習するぞー』 「「ぶぅ~」」 やっぱりタマの様子がおかしいな。 それどころか今日はユージまで何か変に思い詰めてるし… どうしたんだ一体。取り合えず素振りしてるユージに声をかけてみるか。 『おいユージ、掛り稽古やろうぜ。』 「あ… はい。でも… 先生じゃ相手にならないと思いますよ?」 カチーン。てめえ見た目はタマだが中身はユージだろ! 俺がてめえに負けた事… あれ?試合した事あるっけ? まぁとにかく負ける訳がねぇだろがごるぁぁぁぁ! 「メェェェェェン!!!!メェェェェェン!!!!メェェェェェン!!!!」 『だああっ、ストップ!ストップだタ…じゃなかった、ユージ。』 …ハー、ハー、ハー。 何だこりゃ?ユージの野郎どんなドーピング… いや今はタマだが… んっ、強さはタマのままなのか。じゃあ、タマの方にも当たってみるか。 『おいユー、いやタマ、どうした?なんか悩んでるんじゃないのか?』 「………コジロー先生。 ………私、変ですか?」 いや、俺が聞いているんだが。 『変かどうかは分からないけど、調子悪そうだぞ?それに何か今日はキリノを避けてないか?』 「………いえ、何でも…何でもないです。」 的を射んなあ。キリノとサヤのあんな寝言なんか無視しとけばいいのに。 入れ替わり生活でもストレスでもあるのか… でも、俺には無かったな?キリノの体でも… ああっ、だから俺までキリノを意識し過ぎだ!キリノから離れろ、まず。 しかし…今日はまぁ、こんなもんだな。 『よっしゃ、今日の稽古ここまで!』 「「「「ありがとうございましたっ!」」」」 (ミヤミヤの下校風景) 「タマちゃん、一緒に帰ろう。」 「ユージくん……うん、帰ろ。」 「あのね、タマちゃん、話したい事があるんだ。喫茶店、寄っていい?」 「……うん。私も、お話、あるから。」 …下校中にそんなとこ寄ったらダメだろあんたらは… でも帰りに喫茶店なんて、健全だねー。 「お~いミヤミヤ~、の~どかわいたから駅前のスタバよってい~~?」 『もちろんよダンくん!』 … 「ミ~ヤ~ミ~ヤ~ 席とっといてよ~~」 『は~い』 えっと、あの二人は… やっぱり、いた。 「………ふう。」「………フウ。」 「「………あのねっ!」」 「「…………ど、どうぞ。」」 ふふっ、初々しいなあ。あたしとダン君にもこんな頃、あったっけ… 「…あのね。僕、この…タマちゃんの身体になって、気付いた事があるんだ。」 「………気付いた事?」 「この、タマちゃんの体に比べて、元の、僕の体は…男なのに、全然、弱くてさ。 ホントに嫌気がさしてて… なのに、こうして入れ替わってるとさ。 時々、酔っちゃいそうになるんだ。今、この、自分の物でない力に。 それがもう… 僕自身が、許せなくてさ。情けなくて…」 「………私も…ユージくんの身体になってから…ううん、なる前から… ユージくんがキリノ部長と… 仲良さそうにゴミ運んでた時、ちょっとイヤだったの。 それで、今日も…ユージくんの身体で他の女の子と仲良くするのが、すっごく、イヤだったの。 部活のときだって、ずっと、ずっと、ユージくんの身体でキリノ部長とお話するのが怖くて… 私、私、なんでこんなイヤな事思うのかなあ? ………私、分からない…」 ちょ、ちょっと。 「えっ、でも、そんな事…」 「"そんな事"じゃないよ! ………こんなに、苦しくて、悲しいのに… ………"そんな事"なんかじゃ…ない、よぉ…」 「(ムカ) じゃ、じゃあ!僕だってこんな… 強いタマちゃんが… 守り、たいのに! 何で…」 「………そんなの… グスッ …いらない… 私、」 「そっちだって、"そんなの"じゃないか! 俺だって、」 「ユージくんになんか!」 「タマちゃんになんか!」 「「なりたくなかった!!」」 …うわぁー、これは、さすがに、出て行かないとダメかなあ? 「ゆーじぃ」 「え、栄花くん!?」 (ぱぁん、とユージ(体はタマ)の頬を張るダン) ちょちょちょっと、なんてカッコいいのダンくん! いやいやいや。 『ストーップ!ハイそこまでです。』 『あなた達が何でケンカしてるのかは知らないけど。』 『ケンカするなら、場所を選びなさいっ。お店にご迷惑、かけちゃだめでしょ?』 「「………」」 「……ゴメンね、先、帰る… 宮崎さん、栄花くん、ごめんね。ありがと。」 「僕も、帰るよ… ごめん、ミヤミヤ、栄花くん。」 …ふぅ。そうそう、今日の所は帰りなさい。 『…ダンくん、ありがとうね。カッコよかったよ。』 「ミ~ヤミヤのほうこそ、かぁっこよかったぞ~」 『ダンくんっ…!』 この人が私の彼氏で、ホントに、よかった。 翌日。ユージから事の顛末を聞いた俺達は、一様にこう反応した。 『あやまっとけ。』 「あ~やまんなさ~い」 「あやまった方がいいよ!」 「…まだ、あやまってねえの?(黒)」 「おまぁえが~あやまれぇ。」 「うう… あやまります。」 …(それから一週間後。) …だからって、わざわざ道場をその待ち合わせに使うかぁ? 誰かに吐き出せば解消できる類だったユージの悩みに対し、タマの傷は深かった…のだろう。 他の部員に知られてしまった事もあるし、実際タマは全然道場にも姿を見せていなかった。 それが、ようやく話をつけられたと言うので、今日はここ道場にて謝罪の儀式なのだが、肝心のタマが… 来た。 『ほらほら俺達は出てるぞー』 「「「「え~」」」」 『二人だけにしてやんなきゃ、な?』 渋々ながら全員出払った。じゃあ後は、頼むぞユージ。 「………ユージくん。」 「タマちゃん。 …来てくれてありがとう。」 (ひょっこり、道場裏の格子戸に野次馬5人。) 『(コラッ、お前等、何してんだよ!)』 「(え~だって、やっぱり気になるじゃないですか~)」 「(先生こそこんなトコで隠れて見てるのに!ずーるーいー!)」 …教師たるもの、生徒の管理は当然の権利だ(?) まぁ実際、俺とキリノが撒いた種みたいなもんだしな…当然、気にはなる。 「僕、タマちゃんの気持ち考えずに、自分の事ばっか聞いてもらおうとして。」 「…」 「それどころかすっごい傷付ける様な事まで言っちゃって…」 「……」 「ホントに、どうやって謝っていいのかもわからないけど、ごめん!」 「………いいよ。」 「…許してくれるの?」 「……もともと、許とか、許さない、とかの事じゃ、ないし… あのね、私… あれから一杯考えて。 わからないけど、この気持ちのホントが知りたいの。」 「えっ、それって…」 「……ユージくん、私と、えっと… キス、してくれる?」 「な、な、なんでそうなるの?」 「宮崎さんが…」 !!!! 『(ミヤ~お前なぁ~)』 「(えーっ、だって… 先生はニブいから分からないと思いますけどぉ)」 『(誰がニブいんだよ… ったく! キリノ!お前くっつきすぎだ!見えんだろーが!)』 「(え~いいじゃないっすかぁ~~)」 「「「(それだよ…)」」」 「…ダメ?」 「いや、ええと、ううん… ホントに、僕でいいの?」 「………ユージくんとじゃないと、分からないよ… ううん、こう言う言い方じゃズルイよね。 ………ユージくんが、いいの。」 「…あ、ありがとう。 …じゃあ、えっと。」 「うん…(目を閉じる)」 「…」 「…ん。」 …長い。ユージはともかくタマは知識もないだろうにこの長さはどうだ。 大人のキス。いやいや大人未満の… ユージの方が知ってたのだろう。 とりあえずおぼつかないながら、ずっと、目は閉じたまま、唇を重ねている。 『(オイあいつ等、長くないか?息、止まってるぞ?)』 「「「「(先生ちょっと黙ってて!)」」」」 やっと終わったらしい。 ゆっくり離れていく二人の唇に銀の橋がかかる。 …ん?なんか様子が変だが。 「…ぷは。 …ん?あれ?」 「………ふぅ。 ………あ。」 「もどっ…てる?」 「………戻ってる。」 「やったよ、タマちゃん!」 「………うん。よかった…! …ありがとう、ユージくん。」 「僕の方こそっ… 一杯迷惑かけちゃったのに、そんな…」 「ユージくん…」 だあぁ、そっから先は流石にご法度だ!ヤング誌じゃあるまいし! 『そこまでっ!お前等、神聖な道場を汚すんじゃねえ!』 「こ、コジロー先生!?見てたんすか?」 「「「ちょ~、先生、空気読もうよ~」」」 「!!! ………みんなも、見てたんですか?#」 「いやいやいや、あらら …タマちゃん? …ちょっと、あ、突きは、ダメぇーッ!!」 怒れる大魔神・タマと便乗したユージにフルボッコにされた俺達は 足腰ガクガクのまま自転車で帰ってく二人を見送った。 いや、と言うか、お見送りさせられた。 …その後、下校中のカップルに、このような会話があったかどうかは、定かではない。 「……ねえ、ユージ君。」 「なに、タマちゃん?」 「……私達、サヤ先輩の言ってたお話みたいに、少しは、混ざっちゃったのかなあ。」 「入れ替わって…それから元に戻った事で、記憶が、って言う事?」 「…うん。今、たぶんユージくんと同じ事、考えてると、思うし…… 私ね。」 「待って。」 「…え?」 「それは僕に、先に言わせて?」 「……うん。」 「好きだよ、タマちゃん。」 「……私も、ユージくん。」 「「ふふふっ」」 「じゃあ、またね!」 「…うん、ばいばい!」 [終わり?] ~「その後」の「その後」の、エピソード~ 「ねぇ~?だから言ったじゃん!うまくいったでしょ?あっはっはっは」 …キリノ。こいつは。本当に。どこまで分かってるんだか。 全て終わった後の道場。タマに最も念入りにボコられた俺とキリノは二人だけで道場の壁にへたりこんでいた。 「…ところでコジロー先生、不思議じゃなかったですか?」 『ん?何がだ?』 突如、エンジンが再点火したかのように、表情をイキイキとさせるキリノ。 相変わらずこいつの表情からは何を考えているか読めない。 「ほら~、はじめ、私と先生が入れ替わった時、先生、イヤじゃなかったでしょ? …私も、全然、イヤじゃなかった。」 「サヤの言ってたお話って、ホントなんですよ。意識と意識が入れ替わると、一瞬、お互いの記憶… 記憶、だけじゃなくて、人格やキモチや経験、そんなのが全部、同じになっちゃうの。」 『ちょっと待て、何を言ってるんだお前?』 ついには立ち上がり、手を広げて解説を始めるキリノ。 俺もなんとか、壁を頼りに身体を起こす。 「きっと、タマちゃんとユージくんは、ぶつかった時、どっちか…もしかしたら二人とも、不安だったのかな? だから、あんなに、離れていきそうになっちゃったんですよ。お互いの、心と心が。 それを直す為には、二人が、ホントに結び付く必要があったんですよ~」 『…だあああっ、だから、俺にわかる言葉でしゃべってくれ、お願いだから。』 と言いながら、覗き込めばキリノの目は真剣その物だ。一点の曇りも無い。 俺の身体を回り込むように歩きながら、続けて喋り出す。 「…私達が入れ替わった時、コジロー先生の気持ちが私に溶けて、私の気持ちもコジロー先生に溶けたんですよ。 お互いの… その、”好きだ”って気持ちが、ね? 私… ホントに、嬉しかったんですよ? 本当の本当に… 今でも思い出すだけで、跳び上がっちゃいそうなくらい! コジロー先生も、そうだったはずですよね~? …だから、私達は見た目は変わっても、全然変わらなかったでしょ?」 「サヤは勘違いしてるみたいだけど、サヤの言ってたあの物語って、本当はハッピーエンドなんですよ。 私たちは、最初から、”もとどおりの二人”、だったって事なんですよ!」 『…つまり?』 俺の正面にキリノの身体が来て、向かい合う。 つまりは。 「私たちぃ、トロットロに、相思相愛!相性抜群!って事ですよ、せーんせっ♪」 カカトを少し上げ、静かに目を閉じて、キスを促すキリノ。 ―――ああ、こいつには、一生敵わんな。と、思った。 『しょうがねえなあ…』 [おわりです。]
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入れ替わり not ラブラブ編 by 243さん 2 「気にしないでください。 …エヘヘヘ」 無理に作ったような笑顔を浮かべ、奈緒子は遠くを見あげた。 上田が不安になっているから、自分は頑張らなくちゃならない。 そう思っているのだろうか。 何もわからないまま身体が入れ替わったうえに勝手に身体を触られて、 いくら奈緒子とはいえ冷静でいられるわけがないのに。 上田の泣きそうな表情に気付き、奈緒子は上田の肩に手を置いた。 「ほら上田、私が来たからもう大丈夫!トリック見つけてあげますよ!」 元気な声とは裏腹に、置かれた手が震えている。 居たたまれなくなると共に情けなくなり、上田は緒子の手を払い除けた。 「…正直に言えばいい!軽蔑しただろう!? 強がって俺を気に掛けたりするな!! そんなに俺は頼りないか!!」 一気にまくしたて、膝を抱えて布団に顔を埋める。 奈緒子は深くため息をつき、上田を強く見据えた。 「…私だって本当は怖いし、恥ずかしいですよ。 でも、強がるとか気遣うとか、頼るとか頼らないとか、 …そーゆー問題じゃないでしょう? 二人の問題なんだから…向き合わなきゃ、何も解決しないだろ!!」 奈緒子は無理矢理布団をはがし、上田を押し倒す。 上田は奈緒子の豹変に驚き、動けなくなってしまった。 「え、やまだ…?」 「…上田さん。 気持ち良かったですか?私の体…」 上田の耳元に息を吹き掛け、奈緒子は微笑んだ。 上田はなんとか起き上がろうと抵抗するが、なぜか力が出ない。 「…謝る、すまなかった。 頼むから落ち着いてくれ…」 いつもと違う奈緒子。 自分に押し倒されるという状況。 感じたことのない恐怖だが、必死に意識を保つ。 「ねぇ上田さん…」 奈緒子の舌が、耳をゆっくりなぞる。 上田は必死に声を抑えた。 なんて感じやすいんだ、この体は。 …もう、どうなってもいいか…。 上田は抵抗をやめ、奈緒子に身を任せた。 「…なんだ、案外しぶといですね。 これだけやれば気絶すると思ったのに」 「…。え?山田…」 「うん、からかったらすっきりした。 上田さん服着てくださいよ、服」 からかわれた!?山田に? …恥ずかしいというか、残念というか。 少し落胆しながら、上田は起き上がった。 ふと、奈緒子の動きが不自然なことに気付く。 妙に上田から体を背け、落ち着かない様子で視線が定まっていない。 「ん…?まさかYOU…」 背後からそっと股間に手を伸ばすと、指先が硬いものに触れた。 「!!んにゃー!!さっ触るな!! 違う!!これは私の意志じゃなくて!」 奈緒子は必死に股間を隠して後ずさる。 よし、これで優位にたてる! 上田は勝ち誇ったように笑みを零した。 「…YOU、自分の裸を見て興奮したのか? 山田奈緒子は貧乳の上にナルシスト、と…」 「違う!!何言ってるんだ! う…上田さんこそ、どうなんですか」 奈緒子は上田の足の間に無理矢理手を突っ込んだ。 上田はその衝撃で、仰向けに転がる態勢になる。 「こら、やっ山…」 既に濡れて愛液を滴らせるそこに、奈緒子は一気に指を突き刺した。 「っおぉあ!!…ぅくっ…」 「あ、大丈夫ですか?」 心配しているような言葉をかけるが、特に悪怯れる様子もなく 奈緒子はくちゅくちゅと中指を動かした。 乱暴すぎる指使いに痛みを覚え、上田は奈緒子の腕を掴む。 「ゆ…YOU、普通は、指とかはな、 まず…慣らしてから、入れるものだ…っ」 奈緒子は試行錯誤しながらひとさし指をねじ込んだ。 二本の指でかき回され体が仰け反り、痛みで顔が歪む。 「知ってますよ、いきなり入れたら痛いじゃないですか」 何!?まさか…。 さらりと言ってのける奈緒子に、上田は思わず冷静になって問い掛けた。 「いつの間に。相手は誰だ?矢部さんか?」 「んなわけないだろ!! じ、自分で…。ときどき…」 ほっとしたと同時に、心臓が強く跳ねた。 起きたとき全裸だったのも、 自慰に励んでいる途中で寝てしまったからに違いない。 …ダメだダメだ、想像するな! 「…上田さん、顔真っ赤ですよ?」 最初は乱暴だったものの、奈緒子もコツを得たようで、 指先をねっとりといやらしく動かしだす。 「っあ…山田、やめたほうがいい! 取り返しのつかないことになる」 奈緒子は手を止め、首を傾げて上田を見つめた。 俺のかわいい動作なんて見たくない… と思いつつ、視線を返す。 「俺たちは、こんなことをする間柄じゃないはずだ。 この手を離しなさい」 これは恋人同士だとか、性行為に飢えている人だとかがすることだ。 俺は山田が好きだし告白も一応したつもりだが、未だに返事はない。 山田は少なくとも俺に好意はあるだろうが、 返事がないということは恋愛対象じゃないのかもしれない。 もしくは自分の気持ちを認めたくないか、はたまた気付いていないのか。 俺ははっきりさせたかった。 答えを待っていると、奈緒子はやっと口を開いた。 「…いいじゃないですか、私の体なんだからどうしようと」 …やはり明確な返事はもらえないのだろうか。 「またわからないことを…。 いいか、今YOUは上田次郎で…おっおぉう!」 奈緒子は再び指を動かしはじめた。 空いている左手で上田の手首を握り、切ない表情で訴えかける。 「っ上田さん!もう無理…! さっきからこの巨根疼くんですよ! どうにかしてください!」 奈緒子は上田の右手を股間に押しつけた。 「や、やまっ…うあっ、わかった、わかったから…!」 上田は反り立った巨根をズボンの上から扱いた。 お互いに激しく手を動かし、腰を揺らす。 「あっあぁん!何…すごい…! 気持ちいい、もっとぉ…上田ぁっ」 奈緒子はこのままだと達してしまいそうだ。 この部屋に上田の服があるはずもないので、下着を汚すわけにはいかない。 「…っはぁ、う…っ 山田、ズボン…脱げ!」 上田は一旦手を止め、ベルトを外しにかかった。 だが、奈緒子は初めての快感に酔い痴れてそこまで頭が回らない。 上田の手を掴み、再び股間に強く擦り付けて腰を振る。 「離すなぁっ!!…もっとぉ…もっと!!」 「っぐ…山田っ、出すなよ!? してやるから、とりあえず脱いっ…あうぁ…!」 奈緒子にかき乱されて、上田は力が入らなくなる。 …してはいけない、でもずっとこうしていたい。 混乱と快楽にうめつくされた頭の隅で、そんなことを思った瞬間。 「上田さん!!ああんっ、んやっ…なんか変…!! …ふっやああぁぁっ!」 「っやまだ!…うああっ!」 奈緒子の体ががくがくと揺れて崩れ落ちる。 同時に奈緒子の指が膣内の奥に突き立てられ、 上田も声を上げて果てた。 「…はぁ、はぁ…う…山田?」 倒れこんだままぴくりとも動かない奈緒子の体から、 上田はなんとか抜け出した。 まだぴくぴくと収縮する膣内から、二本の指がずるりと抜ける。 上田は荒い息を整え、ぼんやりと奈緒子を見つめた。 「…おい、山田…?」 …反応はない。 上田は奈緒子の背中を枕にして寝転んだ。 NEXT>>
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306 :1/2:2008/06/01(日) 20 13 10 ID EwXC8uS1 サンクスでは書き込みます。 きっかけは、虎聖杯が破壊されて数日後の夜のことだった。 「タイガ、結婚する気あったの?」 「あ、相手なんているわけないでしょー!! 誰のせいだとおもっとんじゃー!!」 イリヤの一言によっていつも通り虎は爆発し、何事もなく沈められた。 その帰り道。偶然あった屋台で、飲んだくれる虎に近寄る怪しげな男。 「なるほど、それは大変だ。これを使ってみるかね?」 「ん~何これ、青くて綺麗…」 「願いのかなう宝石…といったところかな」 「あ~、なんか聖杯みたい。よ~し、士郎のそばにいる女の子は、ぜんぶどっかに飛んでっちゃえ~ ついでに虎聖杯も復活だ~ な~んちゃって」 酔っ払いの一言で再び始まる混沌の世界。 「お、おはよう。士郎、お腹が空いた。…で、いいのかな」 「あ、衛宮君。おはようさん」 「…高校生……しかも主人公の後輩……この設定は、かなり苦しいの」 「あの、すみません。どちらさまでしょうか」 セイバーたちの代わりに突如現れた少女達。 時を同じくして再び始まる虎グッズのバーゲンセール。しかも売り子はガジェットドローン。 「藤ねえ、また何かしただろ。もうわけわかんないぞ」 「ん~、それが良く覚えてないのよ。でも、セイバーちゃん達がいなくなると話が成り立たないから、 代役を引っ張ってきたとか何とか…ほら、弟子一号まで」 「心配するな士郎。姉に任せておけ」 「スパッツ履いてるーーー!?」 307 :2/2:2008/06/01(日) 20 14 14 ID EwXC8uS1 ヒロイン総入れ替えという緊急事態。被害は冬木市だけに留まらない。 「エリオ、お腹が空きました」 「フェイトさんは、フェイトさんは大食いキャラ何かじゃないんだーー!!」 「エリオ君、しっかりして!」 「特殊部隊の隊長か~。これはチャンスかも…」 「待てコラ。何するつもりだ!」 「くぅくぅおなかがすきました。ティアナさん、少し、頭食べようか?」 「ちょ、待って。ごめんなさい。もうしません!」 「部隊長達どこ行っちゃったの~」 地上本部襲撃事件を上回る衝撃が、時空管理局を走る。 良識人は頭を抱え、それ以外はこれぞ好機と浮き足立つ。 そして誰もが思った。 「もう、作品の壁すら無くなってない?」 後にSSF(そこまでにしておけよ藤村)事件として、無限書庫司書長ユーノ・スクライアによって 記録される一連の戦いが幕を開けた。 「言っただろう士郎。女の子には優しくしなきゃいけないって」 「…爺さん!?」 Fate/リリカルころしあむ、始まります。 308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/01(日) 20 20 24 ID EwXC8uS1 以上です。 309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/01(日) 20 20 40 ID ZFakO7Dj SSF(そこまでにしておけよ藤村事件)WWWW いいセンスだ!
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入れ替わり not ラブラブ編 by 243さん 5 何度か押し問答が続き、奈緒子は諦めたように息をついた。 「わがままだな…しょうがない、今回は私がしてあげましょう」 奈緒子は上田を押し倒し、足の間に顔を埋めた。 薄い茂みを指でわけ、舌を滑り込ませる。 「えっ…うぁ、あっ…!」 突然の刺激に戸惑い、上田は奈緒子の髪を握り締めた。 何かに掴まっていないと、どこかへ飛ばされそうな気がする。 「痛いぞ上田!ぅ~…変な味」 奈緒子は再び舌を動かしはじめた。 くちゅくちゅと、唾液と愛液の入り交じった音が耳に届く。 「んっ…ふ…はうっ… なんだこの感覚は…!すさまじいパワーだっ…」 「変なことゆーな。 あ、これがクリトリスってやつか…?あむっ」 小さく膨らんだそこを、奈緒子は丹念に舐め回す。 「あぁっ!…はぅ…山田ぁ…あッ」 「そんな声出さないでくださいよ、こっちが恥ずかしい…。 あ…もういいかも…つけますね」 これまでの行為で再び大きくなったそこに、 奈緒子はゴムをかぶせようと奮闘している。 ついにこの時が来たのか…。 上田は不安が頂点に達し、起き上がって思わずペニスをつかんだ。 「わ!?何ですか…」 意を決し、上田は震える唇を近付けた。 先端を口に含み、舌をちろちろと動かす。 「…ふ、ん…」 「ふぁっ!?っう、うえだ…」 苦い、まずい。 だが痛みよりましだ! このまま何度も口と手でイかせてやれば、力尽きてくれるかもしれない。 「…ふっ、んんー…ぶぇふとをつくふぇ~!」 「ベ…ベストを尽くせ?」 上田は口の最奥までペニスを呑み込み、高速で頭を動かす。 体中に妙な感覚が走り、奈緒子は背中を仰け反らせた。 「っにゃ~!…ちょっと、上田さんっ… ストーーーップ!」 「おおぅっ!!」 奈緒子は思い切り上田を蹴り飛ばした。 うずくまって息を荒げる上田をじっと見る。 「…上田さん、入れられるのが怖いからって時間稼ぎしてません?」 しまった、ばれたか。 上田は口元を拭い、乱れた髪を耳にかけた。 笑顔を作りそろそろと奈緒子に近付く。 「いやいや、YOUに男性の快楽というものを味わわせてやりたいんだよ」 「じゃあ、もう入れていいですか?それが一番の快楽だと思います」 正論だ。 ふふん、と鼻で笑い、奈緒子は上田の髪を一房掴んだ。 もう逃げることはできない。 次の言い訳を考えているうちに、あることに気が付いた。 「YOU、物事には順序というものがある」 「濡れてる、立ってる、だから入れる。順序どおりだろ」 指折り数えながら、奈緒子はさも当然かのように言う。 大雑把なやつだ。 「…違う、キスがまだだ。キスをしよう山田」 「あぁ…忘れてました」 奈緒子は上田の髪を引いて顔を寄せ、ちゅっと一瞬口付ける。 あまりに幼すぎるキスに、上田は呆れて苦笑した。 「はい、キスした。…何笑ってるんですか」 「今のがキスか。YOUは子供だな」 奈緒子はむっとしてまた顔を近付けた。 子供と言われたのが悔しいのか、かなり真剣な目をしている。 「…いいんですか、本気でしても」 「ど~んと来い!」 どんなに頑張っても所詮は山田だろう。 まぁ一応努力だけは見てやろうじゃないか。 上田は静かに目を閉じた。 NEXT>>
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入れ替わり not ラブラブ編 by 243さん 7 奈緒子は上田を抱き締めたまま起き上がり、そっと体を倒した。 疲れてしまったのか、上田は虚ろな目をして奈緒子を黙って見つめている。 「…えーと。上田さん、正常位でいいんですか?」 「へ?あ、あぁ…任せる」 少しは知識があるようだ。 雑誌の立ち読みなどで覚えたのだろうか。 「…あんまり長くはもたないと思います…」 「何回でもすればいいじゃないか。 今日は何も用事はないから」 「明日は?」 「明日は大学に行かなきゃならないんだ。 まぁ俺がサポートするから心配しなくていい」 「心配するなと言われても」 「…話はこれくらいにしないか?」 「あ…はい」 繋がったまま普通に会話するとは、やっぱり俺たちはどこかずれているのかもしれない。 そんなことを呑気に考えていると、奈緒子が腰を強く打ち付け始めた。 突然の衝撃で頭がくらくらする。 「あっ…やっ、奈緒…っ」 「気持ちいいですか?」 上田はもはや頷くこともできなかった。 振動に任せて体ががくがく震える。 「…ふぁっ…あ、あ」 奈緒子が何度も体を引いては、最奥まで突いてくる。 突然頭の中が真っ白になり、体が熱くなる。 「…っあっあぁーっ!!」 体が大きくびくんと跳ねる。 秘部から愛液が溢れ、力強くペニスを銜え込んだ。 薄れる意識の中、奈緒子の体に必死にしがみついた。 「上田さん、いった?…だめ、きつぃっ…」 「…なぉ…ひゃうっ!」 絶頂を迎えて敏感になっている秘部を、奈緒子は何度も突き続ける。 結合部がぎゅっと収縮した瞬間、奈緒子も絶頂を迎えた。 「…あぁっ!!」 上田の体の中でペニスがどくどくと熱を放つ。 はぁはぁと息を荒げ、二人はぎゅっと抱き締めあった。 「…上田さん…すき」 「…奈緒子?」 奈緒子は繋がったまま離れようとしない。 上田は不安になり、そっと結合部に手を伸ばした。 「…奈緒子、まさか外れないわけじゃ…」 「違…もう少しこのままでいさせて」 離れたくないのだろう、体が震えている。 不安にさせたくない。 上田はその一心で、奈緒子を精一杯抱き寄せた。 「…結婚、しよう」 奈緒子は体を起こして、涙が溜まった目で上田を見つめた。 上田は秘部からペニスを抜き、奈緒子に向き合って笑う。 「恐いかもしれないけど、俺がいるから」 奈緒子は両手で顔を覆い、頷きながら泣いていた。 きっと大丈夫。 奈緒子と俺なら、きっと幸せになれる。 それから、俺たちはセックスをしまくった。 人間の生まれついての欲、食欲・睡眠欲を忘れて とにかく性欲しか残っていなかった。 幸福、恐怖、不安、何もかもが性欲に変わっていった。 まるでセックスの快感を覚えたての幼いカップルのように。 「う…ん?もう朝か…」 一体何時間寝ていたのだろうか。 性欲が尽きたあと、押し寄せた多大な睡眠欲に負けたらしい。 隣では、むにゃむにゃと寝言を言いながら奈緒子が眠っている。 か細く柔らかな体を抱き寄せ、長い髪を撫でた。 なんて幸せな朝なんだ…。 …ん? 隣に眠っているのは、…奈緒子…。奈緒子!? 上田は瞬時に起き上がり、自分の股間を見つめた。 見慣れた巨根に安堵と歓喜を覚え、思わずガッツポーズをとる。 そばに置いてあった眼鏡をかけ、奈緒子の体を揺さぶり、叩き起こした。 「おい起きろ!奈緒子っ」 「うにゃ~…ビビンバ…冷し中華」 睡眠欲の次は食欲か。 奈緒子が目を擦りながら無意識に唇を寄せてくる。 一度だけ口付け、目が完全に覚めるまで顔を押さえて待った。 「奈緒子…わかるか?俺だよ」 「……。上田さん!?」 やっと起きたか。 口をぱくぱくさせる奈緒子を、ぎゅっと強く抱き締めた。 「よかったな…奈緒子」 奈緒子は何も答えず、上田の体を押し離した。 不安そうに涙を湛え、震えた目で上田を見上げる。 「どうした?嬉しくないのか」 「戻ったから…結婚、する意味なくなっちゃいましたね…」 奈緒子は真剣に落ち込んでいるらしい。 思わず鼻で笑ってしまった。 「馬鹿だな。戻れたからこそ結婚するんだよ」 「…ほんと?」 奈緒子は安心したようにふにゃっと笑った。 溜まっていた涙が、一筋頬を伝って落ちる。 上田は奈緒子の頭を撫で、頬を流れる涙を唇で受けとめた。 「…上田さん、すき」 「結婚するのに『上田さん』はないだろ」 「う…ぇ、あう…」 俯き、困ったように髪の先を弄んでいる。 やがてちらりと目を上げ、真っ赤な顔で唇をそっと開いた。 「じ…次郎、さん…?」 これはなんだ、予想以上に…その、 …かわいいじゃないか。 何も言えず、奈緒子を抱える腕に力を込めた。 奈緒子は苦しそうに藻掻き、腕の中でくすくす笑っている。 「好き、大好き…」 寄り添って、耳元に舌を這わせてくる。 昨日も思ったが、奈緒子は意外と積極的だ。 あぁ、でも今日は… 「奈緒子、今日は大学に行くから…」 「…ちぇ」 残念そうに耳にかぷっと噛み付き、奈緒子は腕を振りほどいた。 本当は講義も学会も捨ててしまいたいくらい、奈緒子が愛しいのに…。 無言で服を探して身を包んでいく奈緒子を見ていると、忘れていたことに気が付いた。 「そうだ!服…」 シンクには、水を含んだままのズボンと下着が放置されている。 服のボタンを留めながら近寄ってきた奈緒子が、笑って言った。 「あーあ。普通、洗ったら干すでしょ」 おいおい、そもそも奈緒子が射精したから俺が洗ってやったんだろ。 …多分、服が乾くまで一緒にいられると喜んでいるんだろう。 期待に添えなくて悪いが、今日は本当に急いでいる。 「…ジャージ借りるぞ」 「はっ!?入るわけないだろ!」 それもそうか。仕方なくそばにあったタオルを拾いあげて腰に巻いた。 その格好でいいのか…という視線を感じるが、他に方法もない。 家に帰るまでに誰にも見られなければ怪しまれることはないんだ。 「YOU、ここまでどうやって来た」 「上…次郎さんの車で」 よし、それならすぐに身を隠せるな。 唯一乾いたままのシャツを身にまとっていると、奈緒子が背中にもたれかかってきた。 昨晩と違い、恐ろしい程か弱く健気な女に見える。 一瞬騙されているのかと思ってしまうが、顔が見られなければ素直になれるのだろう。 向き直って奈緒子を見つめてみると、恥ずかしそうに顔を背けた。 おもしろい奴だ。 できることならもう少しこの反応を楽しみたい。 「…またすぐ会いに来るよ」 小さく頷く奈緒子の手を握り、ドアに向かった。 玄関前で数回キスを交わし、名残惜しそうに手を離すと、 上田は周囲を気にしながら階段を駆けおりていく。 「さよなら~」 階段の上から、ジロー号にこそこそと乗り込んだ上田を手を振って見送ると、 奈緒子は一目散に部屋に戻って電話に向かった。 「…もしもし、奈緒子です!」 電話の相手は、奈緒子の母・山田里見だった。 いつもの穏やかな声が返ってくる。 「あら奈緒子。恋愛成就のお守り届いた? 正式に結婚決めてほしくて作ったんだけど、よく効いたでしょう」 母の心遣いが嬉しく、奈緒子は思わず顔を綻ばせた。 「うん、すごく効い…じゃなくて!」 それどころじゃない、あの謎を説き明かしたい。 奈緒子は原因が里見にあるのではと考えていた。 「自分でも信じたくないんだけど、私たち体が入れ替わってね」 「お母さん忙しいから切るわね」 「ちょっと待って、何度考えてもトリックがわからないんだけど…ねぇお母さん」 「上田先生によろしくね~」 喚いている奈緒子を無視し、里見は受話器を置いた。 「…販売したら、いくら取れるかしら」 にやっと笑い、いそいそとパソコンを立ち上げる。 たくさんのお札やお守りの中に、新しい画像が追加された。 「文字の力は、愛の力…」 里見は怪しげにほくそ笑んでいた。 =END=
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構想のみ 実践 http //www.nicovideo.jp/watch/sm10691722