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「ではまず、事の発端、および昨日の戦闘について説明させてもらいます」 機械が、無駄に丁寧な言葉でみなに伝える。 「今回の事件――――今後、反乱事件、と呼ばせてもらいます――――の発端者は、垣根聖督。垣根聖督は、学園都市第2位、垣根帝督…『未現物質(ダークマター)』の父親です。垣根帝督は、『ピンセット』を得るために起こした事件で、学園都市第1位、『一方通行(アクセラレータ)』と遭遇、戦闘を行いました。結果、垣根帝督は敗北。さらに、一方通行(アクセラレータ)による過度な攻撃により、死亡寸前まで追い詰められます。しかし、学園都市統括理事長の指示により、その後脳や心臓、肉片などを回収され、今は3つの容器にそれぞれが収められており、『生存』しています」 会話の途中から出てきた一方通行(アクセラレータ)は、特に表情を変えることなく聞いている。 隣にいる海原…ではなく、アステカの魔術師、だと思われる男や、露出度の高い女子高生などは少し表情を変化させているが、上条には理由が分からない。 「垣根聖督は、どうにかしてその情報を得たらしいのです。そして、ただ単に『生存』しているだけの息子を、元の生活に戻すために今回の『反乱事件』を起こしました」 機械は、「…だと思う」、「…だそうだ」などといった不確定な表現はしなかった。決定事項をただ冷静に報告しているのだ。 「今回の『反乱事件』の目的は、先程述べたとおり、垣根帝督を元に戻すこと。しかし、今の垣根帝督は、学園都市が作った並の核シェルターとは比べ物にならない場所で『生存』しています。そこを突破するためには、相当の戦闘力が必要とされます。ここを単純に『突破』するだけなら、超能力者(レベル5)が一人いれば十分ですが…学園都市は、それを良しとしない。そんな事をすれば自分を潰しにかかるだろう――――そう考えた垣根聖督は、『反乱因子』の作成に取り掛かったのです」 一気に言っていく機械。 「反乱因子、とは?」 そこで、神裂が疑問を口にする。 「まことに申し訳ございませんが、質問はわたしの説明の後、受け付けます。それまでは、お静かに聴いていてください」 やはり無駄に丁寧な言葉で、神裂の質問を跳ね除ける機械。 「では、話を続けさせてもらいます。 先程述べた『反乱因子』は、中途半端な力では学園都市と対立することは出来ません。そして、垣根聖督は垣根帝督の父親であるとともに、学園都市に在住する科学者でもあります」 「へぇ。そりゃァ、結構なレアじゃねェのか?」 一方通行(アクセラレータ)が口を挟んだが、誰にも反応されなかった。 「彼が担当する専攻は、『AIM拡散力場』。もちろん、息子の『未現物質(ダークマター)』のAIM拡散力場も研究対象でした。垣根聖督は、息子の能力だけでなく、様々な能力のAIM拡散力場も研究していました。彼はその研究成果をもとに、人工的に能力者を作り上げていました。これは反乱事件の前からのことです」 「能力者を…人工的に作成、ですって…!?」 美琴が、異様に反応する。似たような遭遇にある彼女だからだろうが、当の『妹達(シスターズ)』は特に反応していなかった。 「反乱事件前に作り上げた能力者は、合計47名。作り上げたものの、無能力者(レベル0)だった者は89名。能力者のうち、低能力者(レベル1)認定者は13名。異能力者(レベル2)判定は18名。9人は強能力者(レベル3)。大能力者(レベル4)は7人作り上げていました。超能力者(レベル5)、絶対能力者(レベル6)はともに0です。しかし、垣根帝督の敗北に伴い、垣根聖督に一度送られた垣根帝督から、本人のAIM拡散力場を研究に取り入れた垣根聖督は、その研究レベルを格段に増すことに成功。 その後に作られた能力者のレベルも跳ね上がり、強能力者(レベル3)が13人、大能力者(レベル4)が23人、超能力者(レベル5)が8人です」 「…超能力者(レベル5)を、8人も、ねぇ…」 あまり実感が沸かない上条は、とりあえず『凄いな』と思った。 「はぁっ!!?」 なので上条は、突然響いた大声…いや、もはや叫びに相当驚いた。 その叫びは、高位能力者たちから発せられたものだった。 「って!何をそんなに驚いてんだよ!?」 妙な叫びのせいで、自然と声のトーンが高くなっている上条。 しかし、彼らはそんな上条お構い無しに勝手に話を進めていく。 「そういやァ…どうやって超能力者(レベル5)を8人も用意したのかは気になっていたが…」 一方通行(アクセラレータ)が、机からずり落ちた腕を直し、再び頬杖をつきながら言う。 「まさか…『造る』、なんて方法で用意したなんて…」 美琴は、もはや表情を浮かべていない。彼女の無表情なんて見たことの無かった上条は、少し引いてしまう。 「実際、どのようにして造ったのか、が問題ではなくて?」 割と平静を保っている鏡子が言う。実際は、上条に自分の能力――――心理掌握(メンタルアウト)と、自称百戦錬磨の恋愛テク――――が聞かなかったときのショックが大きすぎたせいで、ショックが緩和されているだけである。 「学園都市第2位のAIM拡散力場…例えそんなものを用いたとしても、超能力者(レベル5)はおろか、大能力者(レベル4)も造り上げることは出来ないと思うが…」 妖夜が、パニックしかけた脳を落ち着かせつつ言った。 「そこら辺は、科学者さんたちにしか理解できない方程式でもあんだろう?」 思いっきり驚いた表情のままなのに、冷静な言葉を投げかける軍覇。結構シュールに見える。 「それでも…超能力者(レベル5)は造れないんじゃ…」 一方通行(アクセラレータ)の隣に座っている、ブレザーな女子高生が無理に冷静を保ちながら言う。 しかし、その声の後に続くように、誰となく言った。 「…超能力者(レベル5)を、人工的に『造った』なら…絶対能力者(レベル6)は…?」 それは、不安を言葉にしているようにも聞こえた。 その言葉を無視し、機械は話を続け始める。 「さらに、垣根聖督は絶対能力者(レベル6)を所持している模様」 「…チッ。予想はしていたが…」 一方通行(アクセラレータ)が、唐突に首筋の電極のスイッチを入れ、言う。 回りの者は当然警戒態勢を一斉に敷くのだが、一方通行(アクセラレータ)はそんなものにかまわずに目を閉じ、何かブツブツ呟いている。 「何かの演算をしているみたいだね、ってミサカはミサカはミサカネットワークが稼動したのを感知したのを感じながら言ってみる」 と、御坂妹の隣に居る打ち止め(ラストオーダー)が、机から身を乗り出しながら言った。彼女は、あまりショックを受けていないようだ。 「…しかし、超能力者(レベル5)8人、絶対能力者(レベル6)も何人か所持、ねぇ…」 美琴が、半分ため息をつきながら言う。 「戦闘力にすれば、超能力者(レベル5)だけでも軍隊8つ分。さらに応用性、コンビネーションなども含むとするならば、少なくとも軍隊12隊分を同時に相手できると考えても良いかと、ミサカはネットワークを介しながら言います」 御坂妹が、打ち止め(ラストオーダー)を椅子に座らせながら、前を見ずに独り言のように言った。 「それに加え、『絶対能力者(レベル6)』…」 妹達(シスターズ)を何か幻想でも見ているような目で見つめている鏡子が、気を取り直しつつ言った。 「未知数の戦力…少なくとも、軍隊3つ分くらいなら無傷で潰せるんじゃねぇのか?」 妖夜が、もはや少し笑いながら言う。おそらく真剣なのだろうが… 「軍隊3つを無傷、でか…根性のかけらも見えんな」 軍覇が、表情を戻しながら言った。 実はこの軍覇、オッレルスに敗れて以来、訓練を死ぬほど積んできていた。その訓練の成果、口調や性格も少し変わっていたのだが…やはり根っこは変わっていないらしい。 「話を続けさせてもらいます」 機械が、話に割り込んでいった。 「絶対能力者(レベル6)の戦闘能力ですが…やはり不明。ですが、単独で軍隊を5つ程度なら捨て身で潰せる、くらいの者、と予想できます」 やはり、機械は冷静な音声で喋っている。 「…ハッ。ふざけやがって」 上条が、半ば呆れ気味に言った。 「ンでェ?俺らは、そンなモンと楽しく殺し合ッてりゃいいのかァ?」 一方通行(アクセラレータ)が、少し楽しげな表情を浮かべながら言う。 「まことに申し訳ございませんが――――」 「チッ。それならいい。さっさと進めやがれ」 一方通行(アクセラレータ)が、機械の受け答えを予想したのか、忌々しそうにつぶやく。 「垣根聖督は、これほどの戦力を持っても強行突破をしようとしませんでした。まだ、学園都市には届かない…そう判断したのでしょう。そして、その学園都市を出し抜くために、まずは斥候として超能力者(レベル5)をよこした――――昨日の戦闘は、つまりは情報採取のためのものです」 「超能力者(レベル5)を斥候扱い…良い身分ですこと」 もう殆ど興味無さそうにしている鏡子。まぁ、そうなっても仕方がないといえる。 「ってことは、昨日のはお膳立て…ってことかい?」 それまで、全くの発言をしていなかったステイルが、唐突に発言する。 「はい。そうなります」 珍しく、機械が質問に答えた。そのときに説明していて、簡潔に答えられる質問だったからだろうか…? 「どんだけ、だよ…」 ステイルとは、おそらく違う意味で発言していなかった浜面が、ポツリとつぶやいた。なぜかその声は、浜面自身は部屋の墨にいるのに部屋全体に響き渡る。 「続けます」 機械的な音が、浜面の言葉をかき消す。 「昨日の戦闘で、おそらく戦闘不能に陥った超能力者(レベル5)は4人。ほかの超能力者(レベル5)は無傷です。その無傷の超能力者(レベル5)のうち、一人は精神系能力者であることが判明。能力名は、『精神操作(メンタルコントロール)』…対象を取った人物の精神を、ほとんど自在に操作できる能力、と言っていましたが、真実かは不明。その能力は、『一方通行(アクセラレータ)』の能力である程度『反射』できるものであることが判明しています。その他の超能力者(レベル5)の能力などに関しては、全く未判明です」 「待て」 そこで、一方通行(アクセラレータ)がストップをかける。 「あの女の能力…精神操作(メンタルコントロール)は、一度本人の精神に干渉し、そこから干渉できる精神を拡大させていき、さらに拡大した行動範囲内にて、相手の精神を自在に操る…ざっとこンな能力だ」 一方通行(アクセラレータ)が、一気にまくし立てるようにいった。 「根拠はおありでしょうか?」 機械が、単なる質問時とは異なる応えを示す。 「こっちは学園都市第1位の能力者だぞ。しかも、そいつの能力を一度喰らってンだ。これを信じねェってのほうが、おかしいンじゃねェか?」 一方通行(アクセラレータ)が、ふんと鼻をならして言った。 機械は数秒黙り込み、そして、 「信憑性は90%を越すものと判断。よって、一方通行(アクセラレータ)の意見を正式なものとして取り入れます」 機械が言った。 そのまま、機械は続ける。 「話を戻します。超能力者(レベル5)の戦闘能力などについては、先程述べたとおりです。絶対能力者(レベル6)については、全く予想できません。その能力は、今まで発祥し得なかった能力である、ということは予想できます」 「発祥し得なかった能力、か…」 上条は、自分の右手を見る。 おそらく、そんな能力でもあっさりと打ち消してしまうであろう、自分の力を。 「垣根聖督自身は、単なる人間です。能力者でもありません。よって、垣根聖督本人は戦力のうちに計算されておりません。結果として、『反乱因子』の戦闘能力は、最低で小国一国をつぶせる程度のものであり、最高でローマ正教の3分の2を潰せるもの、と判断されます」 「…ローマ正教…」 神裂が、一人つぶやく。 「3分の2をつぶせる1部隊、ね…」 ステイルが、煙草の煙とともに吐息を漏らす。 「では次に、昨日の戦闘について、ご本人たちから説明をもらいます」 「はい?」 予想できなかった機械の言葉に、思わずそんな言葉を漏らす上条。 「われわれは今回、『反乱因子』を破らなければ学園都市が多大な被害を受ける、と予想しました。よって今回『反乱因子』と戦闘を行ってもらうことになったのは、『上条勢力』の主要人物と、科学サイドの主要能力者たち、ということに決定されました。なので、互いに戦闘を振り返ることにより、今後の戦闘を有利に進めることができるものと思われますので、一つ一つの戦闘を振り返らせてもらいます。その中でも、今までなしえなかった技などを繰り出した人物もいますので、その点についてご本人から説明をもらいたいのですが、よろしいでしょうか?」 前半が説明、後半が頼みになっている機械の言葉。 それに、 「決定しました、だァ?」 一方通行(アクセラレータ)が、思いっきり不満の表情を浮かべて言う。 「何勝手に決めてんだクソ野郎ども。俺のことは俺が決めさせてもらうぞ」 「わたしもね。学園都市がどうなろうと知ったこっちゃないわよ」 隣の女も、薄ら笑いを浮かべながら言った。 ほかの面々も、大体同じ感想らしい。 しかし、機械はその反論を、たった一言で打ちのめした。 「あなたたちが、学園都市自体を敵に回してでも今回の戦闘に協力しない、というならば…こちらも策を練らせてもらいますが」 「…」 一同が、いっせいに黙り込む。 「協力してもらえるでしょうか?」 機械が、やはり単調な音で言った。しかし、その音にはなぜか有無を言わせない強さがあった。 そして、やはり誰も何も言えなかった。 「協力してもらえる、と受け取ってもよろしいでしょうか?」 機械が、確認を取る。 「…俺は、別になんだって良いけどな」 上条が、無神経そうに言った。 「はン。このごろ鈍ってきたからなァ、能力の方は。…勝手にしやがれ」 一方通行(アクセラレータ)は、適当な調子で言う。 ほかの面々も、さっきと同じく同じ意見らしい。 「ご協力、感謝いたします」 全く変わらず、無感情な声で言う機械。 「では、まずは――――」 と、いうことで。 大体の戦闘は、おおよそ理解できるものだからほとんどはスルーしてきた『仲間』たち。 と、そこで、 「…ん?おいステイル、これなんだ?」 上条が、超能力者(レベル5)の発火能力者(パイロキネシスト)と戦っているステイルを見て言う。 「?…ああ、このときか」 このとき、というのはステイルの身体能力が異様に上がっていたときである(2章 Ⅱ×Ⅹ Ⅶ時)。 そのときの映像を見たステイルは、 「あれは簡単なものだよ。自分の足の裏あたりに小さな炎剣を作り出し、即座に爆破させる。その爆風をうまく足の裏に集中させれば、一気に加速が出来る、ってわけさ。まぁ、扱いが難しいから普段はあんまり使わなかったものだけど」 面倒くさそうに言うステイル。 普段はあまり使わない――――その発言から見るに、その発火能力者(パイロキネシスト)はその技を使うに値する者だったのだろう。 「そんなことが出来たんですか」 感心したように言う神裂。 「…どうやっても、聖人様の身体能力には全く及ばないけどね」 苦笑いしながら言うステイル。 その後も戦闘の様子を見ていたわけだが、取立て不思議なところはなかったようだ。 あるとすれば、 「全然、浜面と滝壺が移ってないんだけど」 「ぐッ!?こ、こっちもこっちで忙しかったんだッ!」 全力で言い訳する浜面。 「忙しかったって…まさか…」 「ぜってー違う!上条、今お前が考えてるようなことはぜってーしてねぇと思うぞっ!したかったけどな!!」 上条のいかがわしそうな表情を見た浜面が、否定&肯定、という究極の答えを導き出す。 「あー、そういえば」 またぎゃあぎゃあ騒いでいる浜面を無視し、美琴が言う。 「戦闘…じゃないと思うんだけど、私たちの身体が浮いた『あれ』はなんだったわけよ?」 「…あ、そんなのもあったなぁ?」 上条が、今ようやく思い出した、という顔になる。 「身体が浮いた…?」 不思議そうな顔をする建宮。 「あー、そりゃ多分俺だ」 適当に言う一方通行(アクセラレータ)。 「…で?その理由と、方法は?」 美琴が、一方通行(アクセラレータ)をにらみつけながら言った。 「理由は言うまでもねェだろ。超電磁砲(レールガン)の方は、今後戦力になりそうだったからなァ。それに、俺自身の強化にもつながりそうだったから、生かしておいた。上条の方は…」 そこまで言った一方通行(アクセラレータ)が、極悪な笑みを浮かべて、 「…こいつを殺すのは、俺だけの特権だ」 「やめましょうよ一方通行(アクセラレータ)さんっ!いい加減、倒される→怒り→戦闘、の無限ループから脱しませんか!?」 「ンじゃァ、さっさと俺に殺されろ」 「んな要求のめるかぁぁ!!」 当然の反論をする上条。 だが、一方通行(アクセラレータ)は気にも留めていないらしく、 「そういうことだ。こいつらに火の粉が降りかかったら、結果として俺のマイナスにつながる可能性があった。だからわざわざ炎から遠ざけてやったンだよ。なンか文句あっか」 そういい、無関心そうに目をそむける一方通行(アクセラレータ)。 そこに、また美琴が質問する。 「動機は分かった。方法はどうやったのよ」 「…チッ。めんどっちィな…あの時、助けるんじゃなかったか…?」 一方通行(アクセラレータ)は、真剣に考え込む前に、美琴が自分をにらんでいることに気づいたようで、ため息をついてから話し始める。 「空気のベクトルを操作した」 「具体的に言いなさい」 簡潔に説明しようとしたのか、それしか言わなかった一方通行(アクセラレータ)にやはり噛み付く美琴。 「…ベクトル操作した空気を、テメェらのところまで送っただけだ。その空気は俺の干渉を受けてるから、自在に操れた。こいつの右手に触れないようにするまで、繊細にな」 そこまで言うと、もう文句はねェだろ、と小さく言い、腕を組んで目を閉じる一方通行(アクセラレータ)。 美琴の方もそれで納得したのか、何も言わなかった。 「…あのー。じゃあ、『あの声』もお前のものでいいのか?」 と、そこに上条がさらに追撃をかける。 「…」 心底忌々しそうな目を上条に向ける一方通行(アクセラレータ)だったが、 「そうだ」 その一言だけ言い、また同じように目を閉じてしまった。 「では、戦闘報告についてはこれでよろしいでしょうか?」 なんか機械が勝手に、『戦闘報告』なんて物騒な呼び方をしている。実際そうなのだろうが。 無言の会議室の中、機械は次の音声を発する。 「それでは、次は今後戦闘に協力してもらう方々の紹介に移らせてもらいます」
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭 第7話『壮絶なるビンゴ大戦』 「お、ようやく戻ってきたか。」 「……」 お手洗いに行ってから3分後、美琴は上条が待っているほうの部屋に戻って来た。 しかししゃべらない、無言で上条が座ってるソファの前にある別のソファに腰を下ろした。 「?どうした?ここ座れよ。」 そんな美琴を見た上条は自分の隣を指差してそう言った。さっきまでは美琴もそこに座っていたし人1人なら十分座ることができる。 「い、いい!私はこっちのほうが座りやすいしこっちでいいっ!!」 だが美琴は頑なに上条の誘いを断った。まあ両方と全く同じソファなのだが。 美琴がこんな態度をとったのはお手洗いに行っている間に、昨日上条がウソを言って倒れ自分も漏電して医務室に運ばれたところまで思い出したからだ。 (それにしても昨日の私はいろいろととんでもないことしてたみたいね……) 徐々に昨日の出来事を思い出してきた美琴は恥ずかしさからか思わず俯いた。 手を握ったこともそうだが大声でかっこいいと言ってしまったりと予想外の嬉し恥ずかしい展開が続き、上条を直視するだけで顔が紅潮してしまいそうだ。 「じゃあ俺がそっち行くわ。」 「へ?」 俯いている美琴の耳に上条の声が聞こえた。 その声に反応して顔を上げると、もうすでに上条は美琴の隣に座ろうとしていた。 「よいしょっと。……座り心地変わらなくないか?向こうと全く同じような…」 そりゃ同じソファなんだから当たり前だ。 「な、ちょっとアンタ……!」 「なんだよ……俺がここに座っちゃダメなのか?」 「………」 上条に少し悲しそうに尋ねられた美琴は無言でふるふると首を横に振った。 「ん…隣にいてもいいってことだな?そういやストラップ渡してからのこと何か思い出せたか?」 「あ、うん。アンタにみんなが質問してるとこまで……思い…出した…わよ……」 話している途中で気づいた。 ひょっとしてこれはまずい展開なのではないか、と。 上条のことを『優しい』とか『かっこいい』とか言ってしまっているし、もしかしてそのことについて上条に尋ねられるのではないか、と。 (……ま、まあコイツは鈍感だしさらっと流すわよね…うん、きっとそうに違いない。) 1人でにうなずく美琴。 しかしそんな想いはあっさり打ち砕かれた。 「あー質問タイムか、ってことは俺のこと優しいとかかっこいいとか言ったことも思い出したわけだな。」 「ッ!!?」 上条は普通にその話題を出してきた。 『いやー、あれには驚いたよ。』とか言っている上条を美琴は無視して顔が赤くなるのよりも早く、瞬時に顔を横に振った。 「ち、違うわよ!?あ、あ、あれはウソっていうか、アンタがみんなにいじられてるの見て助けてあげようと思ったっていうか、その……」 「え……そうなのか…?」 『かっこいい』や『やさしい』と言われたことがウソだと告げられ、またしても上条は悲しそうな表情をした。 そんな顔をされたらこれ以上否定できない。 「え、と、その、ウソじゃない…?かな?あ、でも―――」 「ほんとか!?ウソじゃないのか……ありがとな御坂!」 美琴の言葉を最後まで聞かないで上条は光り輝かんばかりの笑顔を美琴に見せた。 (………こ、こんなの反則じゃない…) 上条のものすごい笑顔に美琴はノックアウト、ポーっと上条の笑顔に見惚れていた。 だが当然いつまでもものすごい笑顔なわけはなく、普通よりも嬉しそうな表情に戻した後上条は美琴に尋ねる。 「んで続き思い出せるか?」 「え、と、あ、うん。次に……ビンゴがあったのよね。」 見惚れていた所に声をかけられたため、少し動揺した様子を見せながらも美琴は続きを思い出し始める――――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ 佐天「御坂さん本当にすみませんでした……」 漏電して倒れたため医務室に運ばれてから30分後、会場内の自分たちの席に戻ってきた美琴は友人達に謝られていた。 友人sが何を謝っているのか、というと上条を悪く言ったことだ。 それによって美琴がひどく傷ついたと思い、友人達は医務室からずっと謝り続けている。 美琴「もういいって!医務室でもあれだけ謝ってもらったんだし。それより黒子はまだ戻ってこないみたいね。」 美琴はこれ以上謝られても困るので強引に話を変えた。 そうして変わった話題に食いついたのは婚后。 婚后「そういえば遅いですわね。寮監様がついているので何も問題はないと思いはしますけど。」 1番に食いついたにもかかわらず婚后は正直どうでもいい、というかんじで答えた。 しかし美琴はまだ黒子に漏電に巻き込んでしまったことを謝っていない。 そのため1度医務室へ戻ろうかと考えたときだった。 土御門「ちょっとみんなこっちに注目するぜよ!!」 金髪グラサンの司会者土御門が舞台上に現れ、マイクを使って会場全体に叫んだ。 土御門「全体的に盛り上がってきたところで1つゲームをしたいと思うんだにゃー!」 会場がざわつく中、美琴と同じく医務室から生還した上条が舞台袖から運んできたのは1つの箱。 結構大きめの箱を持って舞台中央にたどり着いた上条が 上条「それではここで大ビンゴ大会を始めたいと思いまーす。」 おおー!!とやる気満々の人と別にどーでもいいわと言う人、ビンゴって何?とまず知らない人と反応はだいたいその3つだ。 この反応を見て上条の隣の土御門はにやにやしている。 ちなみに最初はビンゴのような運に頼るゲームではなく実力で景品をゲットするゲームにする予定だったが、メンバーがメンバーだけに下手したら死人がでる、ということでビンゴになった。 土御門「ビンゴと言えばもちろん景品だが……今回はエリザード様の協力の元かなり豪華な景品を用意しているぜい!」 そういうと今度は舞台袖からメイドの格好をした人によって数々の景品が運ばれてきた。 美琴「景品か……って何あれ!?」 佐天「うわっ!すっごい豪華じゃないですか!!!」 土御門の言う通り普通のビンゴでは考えられないくらい高価な品まで並んでいる。 テレビやゲームなどは当たり前、車まであるのだ。 それを見た会場はさらにヒートアップ。 その一部では…… ◇ ◇ ◇ ステイル「ビンゴ?僕はそんなことには興味がないよ……」 ローラ「でもステイル?あんなに大量にタバコがありけりのよ?」 ローラの言葉を聞いたステイルは舞台上を見ると……確かにある、大量のタバコが。 その大量のタバコの横の商品名には『タバコ500カートン!!』と書いてある。ちょっと量がおかしい。 ステイル「さて……少し本気をだそうか。」 ローラ「結局参加したるのね……」 ステイル=マグヌス、参加決定。 ◇ 佐天「これは盛り上がってきたね~♪」 初春「私はあのパフェ食べ放題券を狙いますよ!!」 固法「私はどうしようかな……あ、御坂さんは何にするの?」 美琴「私ですか?私は…………」 婚后「あのぬいぐるみ御坂さんの携帯ストラップと同じですわね。あれがほしいんですの?」 美琴「…………え?」 湾 浮((ゲコ太なんですね……)) そんな美琴達の会話をこっそりと聞いている人物がいた。 その人物とは…… 海原「………御坂さんがほしいのあのぬいぐるみですか…」 海原光貴(エツァリ)だ。 美琴たちが座っている席のすぐ近くの席にショチトル、トリチリと共に座っていた。 また美琴の近くの席にいるのに海原が中々話しかけに行けないのは、未だ体調が万全ではないショチトリとトリチリも一緒にこのパーティに参加しているためだ。 だがここで海原に名案が浮かんだ。 自分があのぬいぐるみをゲットして後から美琴にプレゼントすればかなりの好印象を抱いてもらえると。 海原「……これに参加しない手はないですね。」 ショチトル「エツァリ?1人で何ぶつぶつ言ってんの?」 トリチリ「多分ろくなこと考えてないぞ。」 海原光貴(エツァリ)、参加決定。 ◇ また別の場所では…… 打ち「私はぬいぐるみがほしいかなー!……あなたは参加しないの?ってミサカはミサカは興味津々に尋ねてみたり!」 一方「興味ねェ。」 はしゃぐ打ち止めに対し本当に興味がない一方通行はコーヒー片手にめんどくさそうに返事をする。 すると逆に打ち止めの目が輝いた。 打ち「じゃああなたも参加してあのぬいぐるみゲットするのを手伝って!ってミサカはミサカは可愛くあなたにお願いしてみる!」 一方「あァ!?なンで俺が!?」 芳川「いいじゃないの一方通行。どうせ欲しい物なんてないんでしょ?だったら協力してやりなさいよ。」 ここで芳川による説得、さらにこちらをジーっと見つめてくる打ち止めを見た後一方通行は少し考え 一方「……しゃーねェやってやるかァ。」 打ち「ほんとに!?やったぁ!!ってミサカはミサカは嬉しさを全身で表現してみたり!!」 一方「うォ!?おい、飛びついてくンな!コーヒーがこぼれるだろうがァ!後、芳川ァ!てめェも参加しやがれ!!」 芳川「えー……しょうがないわね…」 一方通行、打ち止め、芳川、参加決定。 ◇ こちらのテーブルは先生s 黄泉川「お~!ちゃんと景品に酒があって安心したじゃん!女王様わかってるじゃん!!」 小萌「黄泉川センセーはお酒狙いなのですか?なら私はタバコ狙いでいくのですよ!」 鉄装「ええっと私は……ゲーセン無料券とかにしとこうかな…あ、親船先生はどうするんですか?」 親船「やっぱり化粧品かしらね、結構高価な物みたいだし。」 寮監は医務室の黒子の側にいるため不在だがわいわいと騒ぐ女性教師達、そんな彼女達に対し同じテーブルで会話に入れず1人静かに座っている男性教師が1人。 災呉(……やはり筋トレセットか…) 黄泉川、小萌、鉄装、親船、災呉、参加決定。 ◇ こちらのテーブルでは… ヴェント「ビンゴだぁ?なんで私がそんなことやらなきゃなんねぇんだよ。そろそろ帰ってもいいか?」 ワシリーサ「まま!いいじゃないの!何か面白い景品もあるみたいだし!」 サーシャ「第1の質問ですがワシリーサ、あのガム1年分などどいうふざけた景品はいったい誰がほしがるのでしょうか。」 それを聞いたヴェントは舞台上を見る。 ヴェント(無駄にすげえ量だなおい、いらねーだろあんなに……ん?あれは……) ヴェントは大量のガムの横のあるものを見つけた。 そのあるものとはピアス、しかもかなりレアなもののようだ。 ヴェント「………カードってどこでもらえるんだ?」 サーシャ「第2の質問ですがまさか参加するのですか?」 前方のヴェント、参加決定。 ◇ さらに別のテーブルでは…… 軍覇「お~い原谷、モツ鍋なんとか!お前らはビンゴやるのか?」 原谷「ええ、僕は参加しますよ。」 横須賀「おい!いいかげん名前で呼べやぁ!!……ん?お前はカード持ってるけどやんのか?」 横須賀と原谷が軍覇の手を見るとしっかりとカードが握られていた。 『握られていた』、ということで当然カードはグシャっとなってしまっている。 原谷「……なんか…参加するなんて以外ですね。」 軍覇「参加するのは当たり前だろ!!お前たちあれを見ろ!!」 そう言って軍覇が指差した場所には 横須賀「……なんで特攻服が景品にあるんだよ…」 軍覇「これは参加するしかないだろ!!ビンゴなんて根性でなんとかなる!!」 削板軍覇、原谷、横須賀、参加決定。 ◇ こちらは浜面グループ、今日は浜面、半蔵、滝壺、麦野、絹旗、フレメア、郭がパーティに参加している。 麦野「浜面ァ、お前ビンゴしたら速攻でカードを私によこせ。」 浜面「えええ!?なんでだよ!俺だってほしいものあんだけど!?」 浜面は麦野の横暴な発言に一応抵抗の意思は見せた、だがその抵抗が意味がないことはわかりきっている。 麦野「浜面……私のシャケ弁1年分がどうなってもいいって言うのかしら?」 浜面「イイエイイマセン……」 浜面には麦野の笑顔が逆に怖かった。 半蔵「ドンマイだ浜面。」 郭「ええ、ドンマイですね。」 フレメア「どんまい、どんまい!」 滝壺「……グー…」 浜面「……慰められてる気がしねぇ………滝壺は寝てるし……」 絹旗「ていうかこれ超明らかに特定の人物を狙った景品が用意されてますよね。さて、私は1年間映画無料券を超狙いましょう。」 浜面仕上グループ、参加決定。 ◇ こちらは…… 騎士団長「キャーリサ様は参加しないんですか?」 キャーリサ「そんなもん参加するわけないし。だいたい景品っていってもほしいものなんか………え」 騎士団長「?どうしました……あ」 キャーリサが言葉につまったことで騎士団長が舞台上を見てみると…… キャーリサ「な、なんで私の『カーテナ・セカンド』の欠片が景品になってるし!!?」 なんで、と言われたらそりゃエリザードの仕業に決まっている。 しかも舞台上には魔術バリア的なものが発動しており、勝手に舞台下の人は上がれないようになっているのでビンゴでしか取り戻す方法はない。 キャーリサ「……騎士団長、命令だし。私と共に欠片を取り戻すのを手伝え。」 騎士団長「…かしこまりました。」 キャーリサ、騎士団長、参加決定。 ◇ またこちらでは…… ヴィリアン「わぁ……あの本いいですね……私も参加しようかな…」 アックア「…………」 後方のアックア、ヴィリアン、参加決定。 ◇ ◇ ◇ 美琴が知らないところで続々と参加者が決定する中、舞台上でも動きがあった。 土御門「それと……これは女子限定なんだが素晴らしいプレゼントがあるぜい!」 上条「?なんだそれ、俺は聞いてないぞ。」 土御門の隣では上条が首を傾げていた。 どうやら本当に知らないらしい。 女子限定、もちろん美琴も該当するわけで少し気になる。 当然第一候補はゲコ太のぬいぐるみだが、もしもっといいものであれば気が変わるかもしれない。 美琴「でもなんで女子限定なんだろ。」 固法「化粧品とかじゃないかしら?」 婚后「確かにその可能性はありますわね、まあ素晴らしいと言うのだから余程のものなのでしょうが。」 がやがやとより一層騒がしくなった会場内、そんな会場内に再び土御門の声が響き渡る。 土御門「まーまーみんなしっかり聞くんだにゃー!なんと……」 土御門はいったん言葉をきり、にやにやと会場を見渡す。 そして…… 土御門「1人限定で上条当麻に抱きしめてもらえる権利がもらえるんだにゃー!!」 美琴「え」 会場全体は今までの騒がしさが嘘のように静まり返った。静まり返りすぎて怖い。 この様子を見た上条はみんながしらけたのだと思い焦っていた。 上条「おい土御門……この空気どうすんだ「あのーすいませんでございますよ」よ……?」 静寂の中上条の言葉を遮ったのはオルソラ。 舞台前まで歩いて行き満面の笑みで土御門に問いかける。 オルソラ「それは本当でございますね?」 土御門「もちろん冗談じゃないぜよ?」 オルソラ「そうでございますか……では私も参加するのでございますよ。」 上条「な!?オルソラなんで!?」 オルソラの台詞に動揺する上条。鈍感な彼にはなぜこのタイミングでオルソラが参加すると言ったのかわからなかった。 そしてオルソラのこの発言をきっかけに上条に気がある女子たちは本気になった。 ◇ ◇ ◇ そして土御門に尋ねた後、オルソラは…… オルソラ「シェリーさん?もちろん協力してくれるのでございますよね?」 シェリー「あ?私にだってほしいものくらい……」 オルソラ「し・て・く・だ・さ・い・ま・す・よ・ね?」 シェリー「……わかったよ。だからその笑顔止めろ、怖い。」 このときのオルソラの迫力はすごかったらしい。 オルソラ=アクィナス、シェリー=クロムウェル、参加決定。 ◇ 場面は再び美琴達、土御門が提案したとんでも景品のせいで大盛り上がりだ。 特に初春と佐天が。 初春「御坂さん御坂さん!!大チャンスじゃないですか!!ぬいぐるみなんて狙ってる場合じゃないですよ!」 美琴「ぅえ!?な、何言ってるのよ!別に抱きしめてほしくなんか……ないん…だから……」 美琴は想像してしまった、上条に抱きしめられている自分の姿を。 上条のたくましい腕が自分の背中に回され、距離がゼロになる場面をだ。 わかりやすく真っ赤になった。 佐天「私たちも協力しますよ!!ね!初春!」 初春「もちろんですよ!早くにビンゴしたら御坂さんに差し上げます!!是非とも抱きしめられちゃってください!!」 春上「私ももちろん協力するのー。」 固法「へぇ~御坂さん上条さんに抱きしめられたいんだ、じゃ私も協力するわ!」 婚后「まあ……協力してあげないこともないですわ。」 泡 湾「「御坂様!!私たちも協力します!!!」」 美琴「………別に…そんなの…いいって……」 訂正、全員盛り上がっていた。 美琴は何か言い返そうとしたが最早無駄である。 抱きしめてもらいたいということが完全にばれた。 御坂美琴+友人s、参加決定。 ◇ こちらは『妹達(シスターズ)』のテーブル、同じ顔の少女4人が何やら真剣な様子で話し合っていた。 御坂妹「これは……喧嘩せずに協力するべきでしょう、とミサカはあの方に抱きしめられたいあまり協力を要請します。」 10039号「全面的に同意です、とミサカは意気揚々に要請に応じます。」 13577号「そうですね、誰か1人が抱きしめられた場合我々全員が抱きしめられたことになるので問題ないでしょう、とミサカはわくわくしながら提案に賛同します。」 19090号「では早速ビンゴカードを貰ってきましょう、とミサカは人前で抱きしめられる事が恥ずかしいのを隠しつつ提案します。」 番外「へーみんな抱きしめてもらえる権利ねらいなんだ。」 カードをもらいに行こうと19090号が立ち上がりかけたところに番外個体登場、彼女は4人の『妹達』に何か用があるようで空いているイスに座った。 それを見た19090号も座り直す。 御坂妹「そんなの当たり前でしょう。お姉様や他の方達に差をつけるとしたら今がチャンスですからね、とミサカは意気込みます。」 番外「まあせいぜい頑張って。ていうかカードは配られるみたいだよ。ほら。」 番外個体の指差す方向を4人の妹達が見るとスタッフがビンゴ参加者達にせっせとカードを配っている。 19090号はそれを知らずにカードを取りに行こうとしたことを恥ずかしく思ったのか顔を少し赤くした。 19090号「……ほ、本当ですね…そういえば番外個体は何を狙うんですか?とミサカは自分のミスをごまかすため話題を変えます。」 番外「え?、ミサカも例の権利狙いだよ?」 4人「「「「!!??!??」」」」 番外個体の衝撃発言に4人は激しく反応する。 13577号「な、なんでですか!?とミサカは番外個体の衝撃発言に驚きを隠しきれません。」 番外「なんでってさーこの会場にはかなり多くの人が上条当麻に抱きしめてもらいたがってるんでしょ?」 10039号「まあ……そうですね、とミサカは番外個体の発言を理解します。」 番外「でしょ!?だからミサカが抱きしめてもらったらその人達の悔しがる顔が見れるわけ☆」 19090号「……そんな理由ですか?ま、負けませんよ!とミサカはあの人を取られたくないあまり気合いを入れます。」 妹達(シスターズ)、参加決定。 ◇ こちらは天草式メンバー達、テンションの上がりっぷりがハンパない。 建宮「こ、これはビッグチャンスなのよな五和!!」 牛深「ああ、このチャンスを逃す手はないな!!」 協力する気満々だ。しかし当の五和は余り乗り気ではなかった。 五和「で、でも流石に人前で抱きしめられるのは恥ずかしいというか……」 顔を真っ赤にする五和、そんな彼女に野母崎はため息をついた。 野母崎「そんな格好(大精霊チラメイド)しといて今更恥ずかしいってのは無しだろ……」 うっ、と五和は言葉に詰まる。まあ野母崎の言うことは正論だ。 浦上「私たちがビンゴしたら譲ってあげるから!」 香焼「問題は女教皇様っすよね。」 諫早「確かに……運いいからなぁ……」 対馬「本当にみんなやる気満々ね、まあ今回は私も協力するけどさ。」 天草式十字凄教、参加決定。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭
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上条「初詣行かないか?」 神裂「私で…良ければ」② 前へ 戻る 次へ 138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 21 50 36.02 ID 4SyRupAbO 「もしよろしければ、ご飯をご馳走させて頂けませんか?」 神裂からそんな電話が掛かって来たのは、 山小屋での一騒動からしばらくしての事だった。 建宮や土御門が迷惑をかけた事を、 神裂は申し訳なく思っていたのだ。 もちろんそれは建て前で、上条と過ごすチャンスというのが神裂の本音だ。 「どーしたんだよいきなり」 上条は建宮や土御門の悪巧みだと気付いていないので、 神裂の急な申し出に内心驚いていた。 「お前から食事に誘われるなんて、なんか意外だな」 「そ、そうですか?あの、嫌ならお断りして頂いて構いません」 「ん?嫌だなんて思ってないぞ。 むしろ上条さんは大歓迎だ」 いつもの食事といえば、インデックスとおかずを取り合ったり、 スフィンクスがお皿をひっくり返したり。 とにかくてんやわんやの大騒ぎなのだ。 神裂との食事なら久しぶりに のんびり食べられると上条は思った。 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 21 52 27.37 ID 4SyRupAbO 「で、では後程自宅へお伺いさせて頂きます」 「へっ??」 上条はてっきりどこかで外食するものだと思っていた。 「うちに…来るのか?」 「い、いけませんか?私が…その、鍋でもお作りしようかと… 迷惑でしょうか…」 神裂の寂しそうな声に、上条は思わず答えてしまう。 「い、いけなくありませんっ!! むしろ是非よろしくお願いしますっ!」 「ふふ、あなたはいつも大袈裟ですね、では後程」 そう言って電話は切れてしまった。 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 04 11.58 ID 4SyRupAbO 「し……しまったぁぁぁ!!」 上条は頭を抱えてうなだれていた。 神裂の寂しそうな声に負けて、 勢いでオッケーしてしまった。 「くっ、女の子を簡単に部屋に上げてしまうとは。 上条さんはいつからこんなプレイボーイになったんですか…」 「前からなんだよ」 上条の背後から銀髪のシスターが声を掛ける。 「とーまはいっつも知らない間に 女の子と知り合って帰ってくるんだよ。 そもそも既にこんな可愛い女の子と住んでるじゃん」 そう言ってインデックスはモデルの様にくるりと回った。 「あー、お前はいいんだよ。幼児体型のお子様なんだし」 「む!なにそれヒドい!!」 そう言ってインデックスは上条の頭に噛みつく。 「いってぇぇぇ!!!ほらみろ!! そんな事するやつが女の子であってたまるかぁぁ!!」 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 07 06.84 ID 4SyRupAbO インデックスに散々噛みつかれた上条は、全身歯形だらけになっていた。 「くそ…不幸だ…」 (しかし、インデックスに神裂が来ること伝えた方がいいのか?) (いや、もしインデックスがいたら鍋がめちゃくちゃに… 神裂の好意を無駄にしかねない…) 幸いというのか、 インデックスは電話の内容までは分かっていない様だった。 上条があれこれ考えていると、 手に持っていた携帯が震えた。 ディスプレイには月詠小萌の名前があった。 インデックスに負けない程幼児体型の、 上条の担任だ。 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 10 46.38 ID 1bZFoyDG0 困った時の小萌先生 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 16 53.40 ID 4SyRupAbO 「はい、なんすか小萌先生? 上条さんは補習ならお断りで…」 「はぁ~、上条ちゃん。 補習が嫌ならきちんと勉強すればいいのです。 それに今日は補習の連絡じゃありませんよー」 「ん?じゃあ何ですか?」 「そこにシスターちゃんはいますか?」 上条はベッドでスフィンクスと じゃれているシスターをちらっと確認する。 「いますけど?」 「良かったです。じゃあシスターちゃんに代わって下さい」 上条はインデックスに小萌先生からだと、電話を手渡した 。 149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 24 46.50 ID 4SyRupAbO 「とーま大変!!!」 小萌との電話を終えたインデックスは、 やけに興奮していた! 「あのね!小萌がお家で焼き肉するんだって! でもお肉たくさん買い過ぎて困ってるみたいなんだよ! だから神様に仕える身の私としては、 ほっとく訳にはいかないと思うんだよ!」 「は?」 「じゃあとーまはお留守番しててねっ!いってきます!」 早口でまくし立てると、嫌がるスフィンクスをひっ掴むと、 インデックスはさっさと出掛けてしまった。 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 26 11.39 ID hJP7lCGp0 やはりいらない子かww 151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 29 07.44 ID PLXAHNULO インティの扱いはどこでも安定してるな 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 34 51.75 ID 4SyRupAbO 「あいつは肉さえあれば誰にでもついて行きそうだな……」 上条はさっさと出て行ったインデックスを見て、心底そう思っていた。 「ま、まぁこれで落ち着いて鍋が…………はっ!?」 上条は重要な事を見落としていた。 「ふ…ふたりっきりじゃねぇかぁぁぁぁ!!!!!!」 その後の上条は檻の中の動物のようだった。 部屋を行ったり来たり、同じ所を何度も掃除したり。 そうこうしているうちに、 上条の部屋のチャイムが鳴った。 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 46 34.37 ID 4SyRupAbO 「お、お邪魔します」 両手に抱えきれないほどの荷物を持って神裂は訪ねてきた。 「神裂、一体なにをそんなに持って来たんだ?」 「あ、あの…食材とか土鍋とかお皿とか…」 「し、食器まで買って来たのか…」 「す、すいません!張り切りすぎてつい……」 神裂はシュンとうなだれてしまう。 「い、いや!上条さんはそのしっかり準備する姿勢に感動してます!!」 取りあえず荷物はキッチンに置いて、 上条は神裂を部屋へ通した。 161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 56 37.25 ID 4SyRupAbO 「ところで上条当麻、あの子の姿が見あたりませんが…」 神裂は荷物をおろすと部屋を見渡しながら尋ねた。 「ん?あぁインデックスなら只今絶賛焼き肉中だ」 「????」 神裂には何を言っているのか分からなかったが、 上条と二人きりになれるという事だけは分かった。 「さてと、じゃあ早速準備しようか」 上条は荷物を持ってキッチンに向かう。 神裂もいそいそとその後に従った。 162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 22 57 34.23 ID 4SyRupAbO 「あ、あの…」 上条が食材の確認をしていると、 神裂が申し訳なさそうに声を掛けてきた。 「こ…これ。紐…結んで頂けませんか?」 神裂はエプロンを必死に着ようとしていた。 背中の紐が上手く結べないのか 必死に手を動かしている。 (し、新婚さんみたいじゃないですかぁぁぁ!!) という思いは心にしまい、上条はあくまで紳士的に紐を結ぶのだった。 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 08 02.81 ID 4SyRupAbO 「はぁ~」 上条はネギの準備を始めた神裂を、 溜め息をつきながら眺めている。 「な、なんですか、上条当麻」 その視線に気付いたのか、神裂は手を止めて振り返る。 「いや、神裂がお嫁さんになったらこんな感じなのかなーって」 「おっ!!おおおお嫁さんっ!ななな何をっ! ちっ血迷いましたか上条当麻!」 「へ?」 上条はただ思った事を口にしただけなのだか、 神裂は顔を真っ赤にして慌てふためく。 169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 18 59.81 ID 4SyRupAbO 「おっお嫁さんなんてそんな… わ、悪い気はしませんが…」 「…ざき!」 「いえ、むしろ嬉しいです… もし上条当麻とけっ、結婚なんて事になったら…」 「神裂!」 「えっ?」 ブツブツと呟いていた神裂は、 上条が必死で呼び掛けているのに気付かなかった。 「神裂!あぶねー!」 気がつくとネギを切っていたはずの包丁が、 神裂の手元まで来ていた。 「いたっ!」 「大丈夫か!?」 ボーっとしていた神裂は、うっかり自分の指を切ってしまった。 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 19 09.57 ID Km9NzQ/H0 ねーちん可愛い 171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 20 45.20 ID 4SyRupAbO 「血が出てんじゃねーか。ちょっと待ってろ」 そう言うと上条は絆創膏を取りに行く。 (はぁ~、駄目ですね私は。 五和のようにはいきません) 「お前でも失敗する事あんだな」 そう言って上条は絆創膏を手に戻ってきた。 「す、すみません。ついうっかりして… ご迷惑おかけします」 神裂は自分の情けなさに ガックリとうなだれる。 しかし上条からは意外な言葉が返ってきた。 「安心したよ」 「えっ?」 「いやー、なんか神裂って何でも完璧にこなしそうだろ? だからそういうドジなとこもあったんだって思ってさ。 上条さんはその方が可愛いと思うぞ」 そう言って上条は神裂の手を取り、器用に絆創膏を巻いた。 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 30 50.51 ID 4SyRupAbO 上条当麻の言葉には 不思議な力があると神裂は思う。 どれだけ自分が情けなくても、 上条の言葉を聞けば自分で自分を許せるような気がする。 自分で背負い込んだ重い荷物も、彼の言葉で軽くなる。 「ありがとう、上条当麻…」 そう言って神裂は上条の手を両手で包む。 「は…はい?」 「な、何でもありません。さぁ、早く用意してしまいましょう!」 神裂はまたキッチンへと戻る。 何も気づいていない鈍感な上条を残して。 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 37 25.67 ID 4SyRupAbO その後の神裂は見事な手際だった。 あっという間に食材の下準備を終え、 テーブルに食器を並べていく。 「さぁ、あとは煮えるのを待つだけですね」 テーブルに向かい合った二人は、 鍋に食材を入れていく。 鍋が煮えるまでの間、 二人は思い出話に花を咲かせた。 初めて出会ったあの日、エンゼルフォールの時の事、アックアとの事。 鍋が煮えるには充分だった。 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 43 46.69 ID 4SyRupAbO 「では」 「おぅ」 「いただきます」 神裂は甲斐甲斐しく、 上条の分を取り分けてくれる。 (何度でも言うっ!!! 新婚さんみたいじゃねーかぁぁぁぁ!!!) 飲み物がなくなればすぐに注ぎ足し、 上条が何かこぼせばすぐに拭く。 まさに至れり尽くせりだ。 「なぁ、神裂。やっぱお前もいいお嫁さんになれるぞ。 上条さんが保証する」 「…!?」 カタンと神裂はコップを倒してしまう。 「あわわわわ!!!!す、すいません!!」 慌ててテーブルを拭く神裂。 (もうっ!私のバカっ!!) こうして鍋の夜は更けていくのだった。 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/25(金) 23 57 33.01 ID 4SyRupAbO 「ふぁ~、食った食ったー」 「お腹いっぱいです」 あれだけあった食材も、 上条がほとんど食べてしまった。 インデックスがいる時には、 こんなに満腹にはならないだろう。 神裂は食べ終わった食器などを、 テキパキと片付けていく。 (同じ女の子なのにこんなに違うのか) 上条の頭に銀髪シスターの顔が浮かぶ。 「手伝うよ、神裂」 「いえ、言い出したのは私です。 最後まできちんとやらせて下さい」 「な、何ですか? 上条さんには涙で前が見えませんっ!」 「ふふ、あなたはいつも大袈裟です」 インデックスに爪の垢を煎じて飲ませよう。 上条は心に強く誓うのだった。 186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 00 21 34.65 ID VIK5qYO8O 「神裂は何かいるもんあるか?」 片付けまでしてくれた神裂の為、 上条はコンビニに簡単なジュースや デザートを買いに行く事にした。 「いえ、お気遣いなく」 「んじゃあ、適当に買ってくるわ」 部屋を出た上条はコンビニで、 カゴにジュースやケーキなどを次々放り込む。 「まぁこんなもんかな」 上条がレジに向かおうとした時、 意外な二人組がコンビニに入ってきた。 188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 00 32 22.53 ID VIK5qYO8O 「チッ、ンなもン買わねーからな」 「えー、だってお菓子一個なら買っていいって言ったもん、 ってミサカはミサカは可愛く抵抗してみたり」 「それは食べもンじゃねーンだよ!!」 そう言ってコーヒー用のシュガーを引っ張り合う二人を、 上条は知っていた。 真っ白な肌に真っ白な顔、 赤い瞳の少年は"一方通行"。 学園都市で最強の能力者だ。 もう一人、体の小さな女の子は"打ち止め"。 "妹達"の最後の一人だ。 「やべ!」 別に顔を合わせてもいいのだが、 上条はなんとなく隠れる事にした。 191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 00 52 25.36 ID VIK5qYO8O 二人は大騒ぎしながら買い物を終え、 大騒ぎしながら出て行った。 「あんな大量の缶コーヒー、どうすんだ…」 上条は知らないが、一方通行は気に入った缶コーヒーは それだけを飽きるまで飲み続けるのだ。 「おっと、遅くなっちまった」 上条は急いで会計を済ませると、神裂の待つ部屋へと急いだ。 (何度でも言おう!新婚さんみたいじゃねーかぁぁぁぁ!!) 192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 00 57.84 ID aKWaSeQ90 羨ましすぎるぜ… 193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 07 01.12 ID VIK5qYO8O 「悪い神裂!待たせた!」 そう言って玄関を開けたが、神裂から返事がない。 「怒ってます?神裂さん?」 上条が恐る恐る部屋に入ると、 神裂は上条のベッドにいた。 「……ん…すー…すー」 可愛い寝息を立てて、神裂は寝ていたのだ。 上条が出て行ってから、 神裂はしばらくソワソワとしていた。 何をして上条を待っていようか。 そう思っていると神裂の目に上条のベッドが目に入った。 (す、少しだけ…) そう思った神裂は、 思い切ってベッドに横になった。 (か、上条当麻のベッド…) 今はインデックスが占拠しているが、そんな事は神裂は知らなかった。 そんな事をしている内に、 神裂は緊張と疲れから眠ってしまったのだ。 197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 21 06.99 ID VIK5qYO8O 「疲れてたんだな」 上条は神裂の顔をまじまじと眺める。 それは聖人とは程遠い寝顔だった。 いつも何かを背負い、何かを守り、自分に厳しく、 そして他人には優しい。 そんな普段の神裂からは程遠い、 無邪気で可愛い寝顔だった。 「さてと……」 上条は小萌に電話をかけた。 インデックスは明日迎えに行くと伝えた。 インデックスは電話の向こうで 文句を言っていたが、小萌は任せろと言ってくれた。 こんな時の小萌は頼りになる。 生徒の頼みは何があっても受け止めてくれるのだ。 上条は神裂にそっと毛布をかけると、電気を消した。 「おやすみ、神裂」 いい夢を見ているのだろうか、 神裂は上条に答えるように小さく微笑んだ。 201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 43 05.49 ID VIK5qYO8O 翌朝上条はいつものように バスルームで目覚めた。 上条さんはいつだって ジェントルマンなのだ。 「げっ、バスルームの鍵閉め忘れてんじゃねーか… ってもうこんな時間かよ」 上条が携帯で時間を確認すると、 正午を過ぎたくらいだった。 上条がバスルームを出ると、 神裂の姿はもうなかった。 代わりにテーブルの上に 鯛茶漬けの用意と、一枚のメモが置いてあった。 上条はメモを手に取る。 202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 44 52.93 ID VIK5qYO8O 【ベッドを使ってしまい、申し訳ありませんでした。 まさか浴室で寝ているとは思いませんでしたが、 やめた方がいいですよ。 体に悪そうです。 朝ご飯を用意しておきました。 私はイギリスに戻らなければならないので、 お先に失礼いたします。 昨日はとても楽しかったです。 ありがとう。 PS 可愛い寝顔です】 神裂らしい丁寧な字だった。 「ね、寝顔!?いや、俺も見たしおあいこか?」 上条はあれこれ考えていたが、 重大な事に気付いた。 「あっ…インデックス!」 迎えに行くと言ったのに、 もうお昼過ぎだ。 「はぁ~、また噛みつかれるのですね…不幸だ」 上条はまたいつもの 不幸な日常に戻っていくのだった。 204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 01 48 11.59 ID VIK5qYO8O お鍋編はこれにて「完」です 支援、保守、みなさまありがとうございました 楽しいクリスマスになりました 明日もまだスレが残っていたら、 また何かSS考えて投下します ここから美琴編 217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 17 00.90 ID VIK5qYO8O 12月25日。今日はクリスマスだ。 街はカップルが溢れ、イルミネーションで飾られたお店からは 陽気なクリスマスソングが流れている。 科学の粋を集めた学園都市でも、 こういった昔からのイベントは盛り上がるのだ。 「何なんですかこの雰囲気は? 独り者は家から出るなって事ですか?はぁ~」 深い溜め息をつき、上条当麻はカップルを避けながら 街を歩いていた。本来なら学生は冬休みなのだが、 彼は朝から月詠小萌の補習を受けていた。 「クリスマスが半日潰れちまった。 まぁ上条さんにはクリスマスなんて関係ありませんけどね」 強がりを言いながら上条は家路を急いだ。 218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 20 55.88 ID VIK5qYO8O 「あのー、お姉さま? 今日が何の日かお分かりですの?」 白井黒子はパソコンをカタカタといじりながら問い掛けた。 ジャッジメントの残務処理をしているのである。 白井黒子は学生のみで構成される 街の風紀委員【ジャッジメント】のメンバーだ。 ちなみに教師を中心に構成される 治安部隊は【アンチスキル】だ。 「クリスマスでしょ。てか黒子、その質問今日7度目よ」 お姉さまと呼ばれた御坂美琴はうんざりした顔で答える。 「そう!クリスマス!クリスマスといえば愛を誓い合った者同士が 聖なる夜を一緒に過ごす日ですの」 「そんなもんどっかのバカが消費を促す為に作った ただの悪しき習慣よ」 美琴は髪に櫛を通しながら鏡越しに答えた。 219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 25 21.29 ID VIK5qYO8O 「まぁ!まぁまぁまぁ! そんな事だからお姉さまはいつまでたっても子供っぽいのですわ!」 黒子は美琴の背後に立つと、 わざとらしく呆れてみせる。 「ですから…今日はわたくしが お姉さまを大人の女性にして差し上げますわ… 愛する者同士、仲良く過ごそうじゃありませんの。グフフ」 嫌な笑みを浮かべて黒子は両手を大きく広げた。 220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 26 18.96 ID VIK5qYO8O 「ではっっっ!!!」 黒子は美琴をガバッと後ろから抱き締めた。 「ちょっ!黒子!!!やめなさい!」 「まぁまぁいいじゃありませんのお姉さま! さぁ黒子の愛を感じて下さいませ!!」 「やめろって言ってんでしょーがっ!!!」 バチバチっと鋭い音を立てて電撃が黒子に襲いかかる。 「ぎゃぁぁぁ!!」 黒子は体から煙をあげて倒れ込む。 御坂美琴の能力は電撃。 学園都市でも最強クラスのレベル5だ。 「あー、また髪がはねちゃったじゃない」 美琴は溜め息をつきながらまた櫛で髪を溶かし始めた。 222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 30 37.49 ID VIK5qYO8O 「ぐ……さすがはお姉さま。やりますわね。 …ときにお姉さま?今日は鏡に向かう時間が 長くありませんの?」 カエルの様に床に這いつくばっている黒子は 気になっていた事を聞いてみた。 美琴は普段からあまりオシャレに気を配らない。 コンビニで立ち読みするのは ファッション誌ではなく漫画だし、 下着もパジャマも黒子からすれば小学生の趣味だ。 普段は化粧もしていない。 「べっ、別にいいでしょ。 ちょっと髪型が気に入らないだけよ」 「へー………………そうですの」 「なっ、何よその嫌な笑顔は」 「いえいえ…黒子はてっきりあの殿方と お過ごしになるのかと」 「ちっ違うわよ。じゃあ私もう出かけるからっ!」 美琴はそそくさと髪をまとめると、 床でヘラヘラしている黒子をまたいで部屋を出て行ってしまった。 223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 31 58.65 ID VIK5qYO8O 「……思いっきり怪しいですの。 ですが安心してくださいませ。 お姉さまの貞操は黒子が守って見せますわ。フフ」 美琴を追いかけようとした 黒子の携帯が突然鳴った。 「はい………えぇ………分かりましたの」 携帯を切った黒子の顔に、 氷のような笑顔が張り付いた。 「こんな素敵な日に事件を起こすなんて…覚悟して下さいな、 今の黒子はとっても機嫌が悪いんですの」 224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 02 34 32.34 ID VIK5qYO8O 「黒子のやつ、変な所はするどいわね」 実は黒子の言った事は半分当たっていた。 美琴は今日上条当麻に約束はしてないが、 会うつもりにしていたのだ。 美琴は今【ゲコ太】というキャラクターにはまっている。 ある雑貨屋で、そのゲコ太のクリスマス限定バージョン (サンタ&トナカイ)ストラップが発売されるのだ。 ただし購入出来るのはカップルのみ。 美琴は見事に"どっかのバカの作った 消費を促す悪しき習慣"に乗っかろうとしていた。 「ま、まぁゲコ太の為だし。 仕方ないわよね」 美琴は自分に言い聞かせながら、 携帯から上条当麻の番号を探す。 この上条当麻の電話番号を手に入れる為、 美琴は以前にも同じ様な方法を使っている。 「よ、よし」 電話をかける事を少し躊躇したものの、 美琴は思い切りはいい方なのである。 228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 03 04 51.11 ID VIK5qYO8O 上条当麻は喫茶店で一人コーヒーを飲んでいた。 実は昨日からインデックスは 上条当麻の両親に連れられて温泉に行っている。 もちろんスフィンクスも一緒に。 帰りは明日の予定だ。 当初は上条もついて行くはずだったが、 補習が入ったせいで一人取り残されたのだ。 「くそー、何が何でもついて行けば良かった」 誰もいない部屋で一人過ごすのも何となく嫌だったので、 こうして喫茶店で時間を潰しているのだ。 しかしそれが間違いだった事に上条は気付いた。 「ぐ……カップルばっかりじゃねーか」 見渡す限り店内はカップルで溢れていたのだ。 喫茶店に入る時にはカップルはまばらだったはずなのに、 今や店内は色で例えるならピンクだった。 「なんですかこれは。カップルに囲まれて 一人で過ごす上条さん。 一体どんなマゾプレイですかこれは。くそ、不幸だ」 229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 03 06 56.21 ID VIK5qYO8O こうなりゃ嫌がらせのごとく居座ってやる!と、上条が無料のコーヒーをお代わりしようとした時、 テーブルの上の携帯が震えた。 「ん?御坂?」 上条は珍しい人物からの電話に、 何か自分は悪い事でもしたのかと動揺した。 こんな時の上条は、 根っからのネガティブ思考なのである。 231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 03 10 15.92 ID VIK5qYO8O 「ビリビリ、何か気に障ったなら謝る」 上条は電話にでるなりそう言った。 「ビリビリ言うな。てかあんたは何か私の 気に障るような事したわけ?」 「いえ…記憶にございません」 「だったらいちいちヘコヘコしない!!」 いけない、こんな無意味な言い合いする為に わざわざ電話したのではない。 上条は何かブツブツ言っていたが、 美琴は手短に用件を伝えた。 「で、あんた今どこにいるわけ?」 「いや、上条さんはとても忙しい身でして。 まだあなたに付き合うとは言ってないのです」 ムカッ!!美琴が文句を言ってやろうと思った時、 電話越しに聞こえた言葉を美琴は見逃さなかった。 233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 03 12 19.83 ID VIK5qYO8O 「お客様、コーヒーのお代わりはいかがですか? 無料ですよ」 「へぇ…あんた、コーヒーのお代わりを 勧められる程暇してるわけ?」 そう言いながら美琴の頭は高速で回っていた。 今の時間に学園都市でコーヒーのお代わりが無料、 さらに上条当麻をよく見かけるエリアにある喫茶店。 「あんた、喫茶2CHにいるでしょ」 「なっ、なぜそれを!?」 上条がそう言ったあと、 電話からはゴソゴソと音がしている。 「発信機なんか付いてないわよ」 「ぐっ…」 「やっぱり発信機を探してたのね。 あんた私を何だと思ってるわけ?」 黙り込む上条をよそに、美琴は続ける。 「いい!今から私が"わざわざ"迎えに行ってあげる! なのにもし逃げたりしたらコロス!!」 上条の返事も聞かず美琴は一方的に電話を切った。 249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 19 44.16 ID VIK5qYO8O 20分程で美琴がやって来た。 結局上条は逃げる事も出来ず、 3杯目のコーヒーに口を付けるところだった。 「さ、行くわよ」 美琴はさっさと会計を済ませ、 上条を引っ張って店を後にした。 「んで、そのゲロゲロリンてのは どこに売ってんだ?」 「…ぶっ飛ばすわよあんた。 ゲコ太よ!ゲ・コ・太!」 「わ、分かった分かった! んでどこに売ってんだ?」 「あそこよ」 そう言って美琴が指差したのは、 可愛らしい外観の雑貨屋だった。 「んじゃさっさと買っちまおーぜ」 二人が店に入ると 信じられない光景が広がっていた。 251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 21 22.50 ID VIK5qYO8O 「なんなのよこれ…」 狭い店内にカップルがぎっしり詰まっていたのだ。 「いらっしゃいませ! 限定ゲコ太をお買い求めのお客様は こちらにお並びくださーい!」 店の外観と同じ様に可愛らしい エプロンを付けた店員が二人を案内する。 「く…ゲコ太の本当の魅力も分かってないくせに、 カップル限定ってだけで群がるんじゃないわよ」 小さく悪態を吐いて美琴は 仕方なく列の最後尾に並んだ。 美琴の横では、上条が店内に貼ってある 限定ゲコ太のチラシを眺めている。 「んー、こんなもんの為に行列作るなんて みんな変わった趣味してんだなー」 「…あんた私にケンカ売ってんの?」 行列に並ばされてイライラしている美琴は 腕を組んで上条を睨み付けた。 252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 23 23.02 ID VIK5qYO8O どれくらい並んでいただろうか、 カップルは一組、また一組とゲコ太を手に帰って行く。 そして美琴のイライラも一段階、 また一段階と上がっていく。 「………………」 美琴はもう20分以上何も喋っていない。 上条当麻とクリスマスに会える、 鏡の前で念入りに髪型を気にしていた時の気持ちなど すっかり忘れていた。 店員に文句の一つでも言ってやろうか、 そんな事を考えた時だった。 「申し訳ありませーん!限定ゲコ太はあと5組で 売り切れになりますー!」 美琴は指を差しながら 急いでカップルの数を数えていく。 「1…2…3…4…」 そして自分を指差し 「…7…ふ…ふざけんなー!!!!」 253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 28 07.02 ID VIK5qYO8O 「……はぁ~…」 あれから店員と言い合い、 一通り粘ってみたものの、 ゲコ太が美琴のもとへ来る事はなかった。 「ま、まぁ仕方ねぇって! 買えなきゃ死ぬわけでもねーんだからさ!」 上条は励まし方の教科書に載っているような、 なんのひねりもない言葉をかけてみる。 「………あんたには分かんないわよ」 いつも上条に食ってかかり、 電撃をバチバチしている姿とは違い、 美琴は目に見えて落ち込んでいた。 「んー………」 「なっ、なんであんたまで落ち込んでんのよ。」 「んー………」 聞こえていないのだろうか、 上条は頭を掻きながら生返事をした。 254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 29 19.75 ID VIK5qYO8O 「…わ、分かったわよ!もう諦めるから! あ、あんたも元気出しなさいよ!」 「ん?あぁ、そーだな」 また生返事。 「か、か、変わりに今から私に付き合いなさい! ゲコ太の恨み晴らさないと気がすまないのよ!」 そう言うと美琴は上条を引っ張って歩き出した。 ゲコ太亡き今、上条と無理やりにでもクリスマスデートしてやる。 美琴はそう思っていた。 255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 31 39.49 ID VIK5qYO8O それから美琴は上条を引っ張っり回して 色々な店を見て回った。 美琴は自分が無理やり引っ張っり回しているのは 分かっていたが、 ゲコ太を忘れるくらいに楽しかった。 ショーウインドウに映る自分と上条は カップルみたいで少し恥ずかしかったが。 「あ~すっきりした!」 ゲームセンターから出て来た美琴は 大きく伸びをする。 「すっきりしたって御坂さん。 パンチングマシーンをぶっ壊れるまで殴るなんて、 上条さんは女の子の概念を覆されましたよ」 「ふん、あれくらいで壊れる方が悪いのよ」 「さ、ちょっと休憩しましょ」 美琴は道路脇にあるベンチに腰掛けた。 上条もそれに倣う。 257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 37 51.83 ID VIK5qYO8O 「あっ、あんたちょっとここで待ってなさい。 勝手に帰ったらぶっ飛ばすからね!」 何かを思い出したのか、 ベンチに座って5分もしないうちに 美琴は近くのデパートへ入っていってしまった。 「忙しいやつだ…」 上条は小さく呟いた。 美琴はデパートの紳士服売り場にいた。 手袋のコーナーで真剣に悩んでいる。 「うーん……あっ、これ可愛い」 「いや、あっちの方が………」 「あっ、これ私が欲しい…」 259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 39 11.82 ID VIK5qYO8O ブツブツと呟きながら、次から次へと手袋を見ていく。 大人用とは思えないデザインの物ばかりを。 美琴の脳裏に黒子の言葉が蘇る。 (お姉さまの趣味……子供過ぎですわよ) 結局一時間以上迷って、 自分では大人っぽいと思う手袋を選んだ。 綺麗にラッピングしてもらってデパートを後にする。 「まさかこんなに時間が掛かるとは… …プレゼント選びって案外疲れるわね…」 「いやー、お待た……へ?」 美琴がベンチへ目をやると、上条の姿がない。 一時間以上待たせたので怒って帰ったのか。 「ぐっ…待ってなさいって言ったのに、 あのバカ!!」 261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 09 47 30.73 ID VIK5qYO8O 「おービリビリ、用事は済んだのか?」 ふいに上条に声をかけられる。 「あ、あんた!!待ってろって言ったでしょ!!」 「いやー、悪ぃ悪ぃ」 美琴は文句を言いたい気持ちをぐっと抑える (が、我慢よ美琴! こいつにクリスマスプレゼント渡すまでは!) 美琴はとにかく上条をベンチに座らせる。 冬の夜は早い。 辺りは暗くなり、イルミネーションが一層 キラキラと輝いている。 時刻は午後8時を回ろうとしていた。 「もうこんな時間か…… 私は寮の門限があるからそろそろ帰る。 そ…それから…あの…」 「ん?」 上条には俯いている上、暗くて美琴の顔は良く見えないが、 美琴は真っ赤になってモジモジしているのだ。 263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 11 51.51 ID VIK5qYO8O 「こ、これ!今日付き合ってくれたお礼! 別に変な意味はなく、 あの、ただのお礼だから!!」 そう言って上条に買ってきた手袋を渡す。 上条は恐る恐る包みをほどいている。 「こっこれは手袋!俺にくれんのか!? 上条さんには御坂さんが天使に見えます!!!」 上条は手袋を頭上に掲げ、恭しく頭を下げた。 「あ、あんたはいちいち大袈裟なのよ!」 「いやいや、ほんとに嬉しいよ。 ありがとな、御坂」 「あ、当たり前よ!私からのプレゼントなんて、 黒子が知ったらあんた殺されるわよ!」 美琴は自分の顔が熱で火照っているのを感じた。 このままでは緊張と恥ずかしさで死んでしまうのではないだろうか。 「じ、じゃあ私は帰るから。 あんたもさっさと帰りなさいよ」 そう言うと美琴はそそくさとこの場を離れようとした。 264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 14 46.58 ID VIK5qYO8O 「あぁそうだ、ビリビリ。ほらっ」 上条の声に振り向くと同時に、何かが飛んで来た。 咄嗟にキャッチをした美琴が文句を言おうとしたが、 「帰ったら開けていいからなー」 それだけ言うと上条は手袋をした手をヒラヒラさせて、 背を向けて歩いて行ってしまった。 「な、なんなのよ…」 美琴は手のひらの小さな包みを見て呟いた。 265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 20 09.46 ID VIK5qYO8O 「ただいま」 美琴が寮に戻ると、白井黒子はセクシーな(美琴からすれば悪趣味な) ネグリジェでくつろいでいた。 「あら、おかえりなさいませお姉さま。 意中の殿方と素敵なクリスマスを過ごせましたの?」 いつもの美琴ならここでギャーギャーと黒子とやり合うのだが、 今はそれどころではなかった。 「ごめん黒子!あとにして!」 そう言って美琴はトイレに逃げ込んだ。 バスルームでは黒子がテレポートしてくる可能性が高い。 黒子はいくら変態でも、 トイレにはテレポートはしないのだ。 上条からもらった包みを急いで開けてみる。 「………う…そ」 中から出て来たのは、 サンタとトナカイの格好をしたゲコ太だった。 266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 29 45.72 ID VIK5qYO8O 「な、なんで……これ…え…」 美琴には訳が分からなかった。 あの時確かに売り切れていたのだ。 どれだけ粘っても買えなかった。なのに… 「どうして…」 美琴があまりの事態に放心していると、 トイレのドア越しに黒子が話し掛けて来た。 「そういえば聞いてくださいな。 私今日はジャッジメントのお仕事であちこち駆け回っていましたの。」 「黒子…今話す気分じゃ…」 「お姉さまがいつもお話になっておられる殿方。 上条さんとおっしゃりますわよね?」 「…え?」 「午後の7時過ぎですわ、お見かけしましたの。」 美琴がデパートで手袋を選んでいたまさにその時間だ。 267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 31 26.78 ID VIK5qYO8O 「カップルを見付けては、頭を下げて回っておられましたわ。 一体何を考えているのやら。 付き合い方を考えた方がよろしくありませんの? っと…これ以上はお手洗いのお邪魔ですわね。 ではごゆっくり、お姉さま」 そう言ってドア越しの黒子の気配が消えた。 「…うっ…うぅ…」 美琴の目から涙が溢れる。美琴は全て理解したのだ。 美琴が落ち込んでいる時のあいつの気のない返事。 あれは考えてくれていたのだ。何とかしようと。 カップルに頭を下げて回っていたのは、 ゲコ太を譲ってくれないかと頼んで回っていたのだ。 他でもない自分の為に。 「うぅ………ぐす…バカ…」 美琴はただただ嬉しかった。 ゲコ太が手に入ったからじゃない。 上条の気持ちが何より嬉しかったのだ。 268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 37 22.13 ID KrzNHpufO さすが上条ちゃん 269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 39 33.37 ID VIK5qYO8O トイレから美琴のすすり泣く声が聞こえる。 「まったく。私もお人好しですの」 黒子は気付いていた。 美琴が限定ゲコ太を欲しがっていた事も、 それを上条当麻を連れて買いに行こうとしている事も。 いつも一番近くで美琴を見て来たのだ。 美琴が口にしなくてもそれくらい分かる。 そして街で上条を見かけた時、 上条が何のために頭を下げていたのか気になった黒子は、 あとでカップルに聞いてみたのだ。 なぜ頭を下げていたのですかと。 そして全てを理解した。上条当麻は美琴の為にあんな事をしていたのだ。 そして彼はその事を美琴には言わないだろう。 271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 41 09.20 ID VIK5qYO8O 黒子は最初、美琴には上条の事を言わないつもりだった。 わざわざ敵に塩を送る必要はないのだから。 だが黒子は教えた。そうした方が美琴にとって良いと、 黒子は思ってしまったのだ。 「今回だけですの、上条当麻。 あなたの為ではありません、お姉さまの為ですの」 トイレからはまだすすり泣く声が聞こえている。 黒子はベッドに潜り込むと小さく呟いた。 「メリークリスマス、お姉さま」 ここから美琴編後日談 274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 10 51 21.42 ID VIK5qYO8O 美琴とクリスマスを過ごした翌日、インデックスが旅行から戻ってきた。 「ただいま!ただいまただいま!とーま!」 「だぁぁっ!!何度も言わなくても分かったっつーの!」 「ふい~、疲れたー」 そう言ってインデックスはリュックをおろす。 「あれ、お前のリュック…そんなパンパンだったか?」 インデックスはいつも修道服を着ている。 旅行でも同じだ。 下着など必要最低限しか荷物はないはずだ。 上条の記憶では、出掛ける時はリュックはペラペラだった。 「ふっふ~、とーまにお土産たくさん持って帰ったんだよ!」 そう言ってインデックスは リュックからお土産を取り出していく。 276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 02 52.26 ID VIK5qYO8O 「はい!いっこめー!」 「なんでしょうこれは…」 蜂蜜の瓶の様な物に、 透明な液体が入っている。 「ふっふ~、おんせーん!」 「……………」 「にこめ~!」 石だ…上条の目が節穴でなければ… 石にしか見えない 「一応聞こう…これは?」 「スフィンクスに似てる石ー!!」 「……………」 278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 10 24.67 ID VIK5qYO8O 「んしょ…さんこめー!」 「アハハ!上条さんには分かるぞー! これは葉っぱだなー!アハハー!」 「せいかーい!」 「……………」 「これが最後なんだよ!」 ゴトッ、と鈍い音を立てて熊の置物が出てくる。 デカい。リュックの80パーセントは占めていたはずだ。 ご丁寧に鮭をくわえている。 「…インデックス…これ幾らした?」 「トーマにもらった紙一枚分なんだよ!」 「い、…いちまん…だと…」 「嬉しい?トーマ!」 「ふ…ふざけるなぁぁ!! 上条さんはお前が楽しめるようにと 泣く泣く一万円も渡したんだぁ! それをこんなゴミ……」 インデックスの顔がみるみる曇っていく。 279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 11 49.22 ID VIK5qYO8O そうか、インデックスは自分の為じゃなく俺の為にお金を使ったのだ。 物じゃない、気持ちを受け取ってやるべきなのだ。 「それをこんな…こんなゴミのようなワタクシにお土産! ありがとうインデックス!!! 上条さんは感謝感激です!!」 インデックスの顔が曇りから晴れに変わる。 これでいい。記憶を無くしたあの日、 自分の為に泣いてくれたインデックスを見て、 この子の笑顔を守ると決めたのだから。 「気に入ってくれた?とーま」 「もちろんです!!」 「ホント!?良かったんだよ! だったらとーま。 あの紙あと二枚ちょーだい!」 「は?」 「この熊さんあと二つ頼んどいたんだよ! 良かったねトーマ!」 「やっぱ……ふざけるなぁぁぁ!!!」 完 281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 39 55.20 ID Vaf/rTBs0 これだからイントロダクションさんは・・・ 282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 43 20.31 ID 4MoMXWRt0 インディペンデンスデイふざけんなwww 283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 48 19.20 ID UCK8s7pk0 インフルエンザさんはこれだから・・・ 284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/26(土) 11 52 28.82 ID HRcWGHxUO これだからインデックスは可愛い 前へ 戻る 次へ
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恋する者達はチョコを作り終え、物語は翌日の上琴の朝食を食べ終わったの場面から。 「うだー、上条さんも早く美琴たんチョコがの欲しいです!!」 「当麻、午後まで待てないの?」 「すいませんが待てません!!上条さんはそこまで大人じゃありません!!」 はぁ、と美琴はため息をつくと愛しの恋人にそっと(色っぽく)ささやく。 「こういうプレゼントを待ってる時間ってさ、どきどきしない?そのぶん当麻を喜ばせる自信があるから……待っててほしいな……ダメ?」 「……そこまで言われて待たないやつはいないぞ、よっし!!じゃあ上条さん待っちゃうぞ、待ってやるぞコンチキショー!!」 美琴の魅力に負けた上条は何年でも待つ決意を固める。 「それと当麻、そろそろ出掛けないと遅刻するわよ?」 「あっ、いけねっ!!美琴」 そしていつも通り熱い『行ってきますのちゅう』をする。 いつも美琴はキスをすると寄りかかってくるのが可愛くて上条は幸せすぎる。 「んじゃ行ってきまーす!!」 「行ってらっしゃーい!!」 上条は走る、今日はアンハッピーバレンタインになるとも知らずに…… 「で、みんなはチョコ作ったのかにゃ?」 とある高校へ登校中、バカップルの男性陣はチョコをどういうときに渡すのか話していた。 「俺はバレンタインの最後に渡すつもりだぜ。」 「俺もだなァ。デートして良いムードになったら渡そうと思うと、最後が一番良いからなァ。」 「俺も上条とアクセラと同じ意見だな。やっぱり最後渡すのが一番良いだろ。」 主人公三人はデートの最後に渡す事に決めていた。 また当麻は朝、美琴に早くチョコが欲しいと言っていたが、やっぱり良いムードの時にもらいたいと思った。 「で、四人はどういう時に渡すんだ?」 「俺は月夜のシステムスキャンとかあるからそんなにデートはできないかも知れないが、そのときになったら考えるつもりだにゃ。」 「俺も土御門と同じだな。ヘタするとシステムスキャンの時間が長引いてデートできないかもしれないから、そのときに考えるしかないな。」 土御門と真夜はいつチョコを渡すかそのときに考える事にしていた。 「俺もデートの最後に渡したいんやけど、黒子はんがジャッチメントの仕事あったりしたらどうしましょうかな。」 青ピはデートの最後に渡したいと思っているが、黒子がジャッチメントの仕事があったらどうしようか考えていた。 だが、青ピの勘はあたっている事はまだ知らない。 「今日、俺は真夜達の相手しなくていいから郭とデートして良いムードの時に渡すか。」 半蔵は良いムードになったら郭に渡す事にしていた。 「みんな大体は決まっているんだにゃ。決まっていないのは俺と真夜ぐらいらしいにゃ。」 「そうだな。まあしょうがないんだけどな。俺たちはシステムスキャンがあるんだからな。」 「俺は月夜の付き添いだけどにゃ。」 土御門と真夜は本当にどう渡すか考えていた。 「そういえばカミやん、お前はこのバレンタインどう切り抜けるつこりだぜよ?」 土御門は少し話を変える為に当麻にこのバレンタインをどう切り抜けるのか聞いてみた。 「切り……抜ける? 何の話だ? 土御門」 「何ってカミやん、寝惚けてるのか? バレンタインはカぐえっ!」 土御門の言葉を遮ったのは青ピだが、襟首を掴んで引っ張るというのはやり過ぎだが。 当麻はその頃の記憶も失っているので土御門の言ってることはチンプンカンプンだった。 咳き込んでる土御門の回復を待った青ピが小声で土御門に注意する。 「あかん! あかんでつっちー! カミやんにとってバレンタインはトラウマ、そのトラウマを自らの意思で封じ込めたんや!」 「なんと! つまり俺はカミやんの心の傷を抉り、思い出させるという友としてあるまじきことをしようとしてたのかにゃー!」 「ボクらとカミやんはデルタフォースや。今年はカミやんに幸せなバレンタインを過ごしてもらおうやないか!」 「よく言ったぜよ青ピ! 決して美琴ちゃんが怖いからじゃないですたい! カップル仲間として俺らもまとめてハッピーバレンタインを過ごすんだぜい!」 小声のはずがテンションが上がって大声になってることに気付かない土御門と青ピ、ついでに当麻達に置いて行かれたことにも気付いていない。 「何なんだ土御門と青ピのやつ……。お前ら、何か知ってるか?」 「てめェのバレンタインのことなンざ知ってるわけねェだろ。まともに学校通ってなかったンだぞ」 「「俺達は学校にすら通ってねぇ」」 「俺は上条達とは高校からだからその前のこととなると分かんないな」 当麻を含め、バレンタインに何が起こるのか、知らない者達はとても不思議でしょうがなかった。 しかし後に思い知る、当麻のフラグ体質の業の深さというものを。 男子達のやや後ろ、バカップルの女性陣、当麻の高校に通う女性達が歩いていた。 「元春との初めてのバレンタイン、そしてシステムスキャン。あー、今年のバレンタインは楽しいことのオンパレードだよ♪」 「はまづら、どんなお菓子くれるのかな? 私のチョコも喜んでくれるといいんだけど……」 「大丈夫ですよ滝壺氏! 浜面氏なら間違いなく喜んでくれます! むしろ私のほうが不安ですよ、はぁ」 「大丈夫。くるわのチョコの方こそはんぞうは大喜び。だから不安に思うことなんて何も無い」 恋人持ちの女性らしい、乙女チックな悩みと楽しみを抱えている月夜、滝壺、郭。 それとは対照的なのはチョコを貰う側の真昼と赤音、恋人がいる身としてはどうなのかと思うが。 「システムスキャンをパパッと終らせて早く真夜君のフォンダンショコラ食べたいよー♪」 「俺はチョコフォンデューが待ち遠しいぜ♪ こんな気持ちでバレンタイン迎えるのって初めてだからワクワクするぜ」 (*1) ) チョコが貰えない真夜に同情する月夜、滝壺、郭だがその同情が無意味なものだとは三人が知る由も無い。 そこで何かを思い出した真昼が二つのカップケーキを鞄から取り出すと、それを郭へと差し出す。 「これ、真夜からな。郭と服部の分だってよ。お前らには俺たちの訓練に付き合ってもらってるからな。そのお礼だ」 「あ、ありがとうございます……。でも真昼氏、どうして真昼氏が真夜氏の作ったお菓子を私に? しかも半蔵様の分まで」 「男が男に渡したら変な噂立っちまうだろ……。まあ、そんな奴がいたらボコボコにしてっけどな」 最初は真夜自ら本人達にカップケーキを渡そうとしたが、自分のやろうとしてることの重大さを理解していない彼氏に真昼と赤音は猛反対。 本人に直接渡さないと誠意が伝わらないとごねた真夜だったが、二人の真剣な表情に押されて断念することに。 結局、半蔵と郭の分は真昼が、小萌と木山の分は赤音が渡すことで丸く収まることに。 「赤音ちゃんも大変だね。天然の彼氏を持つと」 「もう慣れたけどね~。それも真夜君のいい所でもあるからそんなに気にしてないよ♪ 私も真昼ちゃんも」 「ホントに心が広いよね、二人とも。私なんて元春が舞夏以外の女の子からチョコ貰ったら……考えただけでも元春殴りたくなってきたよ」 バカップル随一のやきもち焼きの月夜の発言にその場に居た月夜以外の面々はゾッとした。 そんな空気の中、五人は校門をくぐるのだった。 一方こちらは常盤台中学、バレンタインということもあって何やらいつも以上に活気付いていた。 (どうしよう、この状態じゃ当麻とのデートがうまくいかないじゃない!!) 「お姉様、大丈夫ですか?さっきから震えていますわよ。」 黒子は美琴がさっきから震えているので、どうしたのか気になった。 「大丈夫よ。ちょっと考え事していただけだから。」 「そうですか。でも、今日はおきよつけましてよ。なんかすごい事になりそうですから。」 「確かにきよつけるわ。(にしてもどうきよつければ良いのか…)」 美琴は本当に今日をどう切り抜けて良いのか分からなかった。 その頃、柵川中学校にいる初春、佐天はと言うと… 「飾利、今日は楽しみだね。」 「そうですね。で、学校が終わったらどういう風に行きますか?」 「う~ん、まず最愛と合流してからお兄ちゃんとお姉ちゃんに渡してそれから建宮に渡しましょう。」 「そうしましょう。その後、私は別々に動いて良いですか?」 「どうして?」 「だって火織お姉ちゃんとシェリーさんに渡さないといけませんから。」 「あ、そうか。そういえばヴィリアンさんはどう渡すの?」 「…………………………………………………………………………あ。」 初春はヴィリアンにそう渡すか考えていなかった。 「もしかして、どう渡すのか考えてなかった?」 「………………コクリ。」 「じゃあ、どう渡すの?だってヴィリアンさんはイギリスにいるんでしょうどう渡すの?」 「ど、どうしましょう…」 初春はヴィリアンにどうやってバレンタイン中にチョコを渡せば良いのかまったく持って検討ついていなかった。 その頃ヴィリアンも初春にどう渡せば良いのかと同じことを考えていた。 「すっかり飾利に渡す方法を考えていなかった…どうしましょう?」 ヴィリアンもチョコを初春に送ることを忘れてどうしようか考えていた。 「こうなったら私が学園都市に行くしかありませんね。」 という事でヴィリアンは学園都市に行くつもりは無かったのだが、仕方なく学園都市に向かうのだった。 だが、 「ヴィリアン様!!お止め下さい!!」 「騎士団長!!」 だが、独り言を騎士団長に聞かれてしまいあえなく捕まってしまった。 「ヴィリアン様……ただでさえキャーリサ様が出掛けているといらっしゃるのに貴方まで出掛けたらどうなんです?」 「そうですが…」 「チョコレートの話をしていましたが、飾利様にチョコレートを渡す気ですか?」 「……うっ」 「それにあの傭兵のごろつきがバレンタインまでには帰ってきてくるらしいですが……夫の帰りを待つのが妻の務めなのでは?」 「つ、妻!?」 「しょうがないのでメッセージカードを書いて下さい、私が届けますから」 「本当ですか!?」 「ええ、必ずバレンタインまでにはお届けしますよ?」 その頃、佐天に絹旗からのメールが入り、それは初春にとって渡りに船のものだった。 「ウソッ! 飾利、ラッキーだよ! レッサーが学園都市に来るんだって!」 「ホントですか? だったらレッサーさんに頼んでヴィリアン姉さまに渡してもらえば大丈夫ですね♪」 「良かったね飾利」 「はいっ(でもレッサーさんがどうしてまた? ……まあ、いいかな)」 裏モードの初春ならレッサーが学園都市に来る目的について深く考えているのだが、そうではないのでラッキーだと思うことにした。 彼女はおろか当麻達も驚くことになる、レッサーが第二王女キャーリサを連れて学園都市にやってくることに。 「ほらそこの二人とも。HR始めますよ」 「「はーい、神裂先生」」 そこに現れたのは神裂で、初春との関係がバレて以来、開き直って初春のクラスの副担任に。 本当なら担任になりたかったのだがそれはさすがにやり過ぎだと初春に窘められて今の地位にいる。 とはいえ担任がすべきことを殆ど行っているので副担任とは名ばかりなわけだが。 「ああそれと初春さん。今日の放課後、楽しみにしてて下さいね」 呼び方はそのままなれど、接し方が普段通りの神裂に、初春は恥ずかしさで顔を真っ赤にさせていた。 それを見て佐天は思う、飾利も飾利で不幸なのかも、と。 こちらはインデックスとステイルの勤める教会、そこにインデックスとステイル、学校が終るまで暇な打ち止めと絹旗がいた。 (どうする? どうすればいい? インデックスにチョコをそれとなく催促するか? それとも僕がインデックスにチョコを渡すか?) 「ねーねーあの人ずーっとウンウン唸って悩んでるけどどうしたのかなってミサカはミサカは不思議に思ってみたり」 「きっと叶う見込みの超低いことでも考えているんでしょう。インデックスさん相手ならやることは超決まりきってるというのに」 昨日からずーっと悩みに悩んでいた問題が今にもなって解決していないステイルは、神裂とシェリーが帰ってから独学でインデックスに渡すチョコを作ったのだ。 もちろんそのことをステイルは誰にも説明していないが、打ち止めのように小さな子や当麻のように鈍い人間以外には丸分かりだったりする。 「ねーねーステイルー。『喰わせ殺し』でバレンタインフェアってのやってるんだよ! 今日はぜーんぶチョコ尽くしでこれは是非行かないとダメなんだよ!」 そこにステイルにとってのヒロイン、インデックスが無邪気な笑顔で入ってきた。 インデックスからもたらされた情報を聞いたステイルは勇気を出してインデックスを誘う。 「よし! じゃあ僕も一緒に行ってあげるよ! お金なら気にしなくてもいい! インデックス、君が満足するまで食べてくれ! なんなら閉店まで居てもいい!」 そんなこんなで時間は進み、レッサーとキャーリサが第23学区の空港に着いていた。 「やっと着きましたね。さて、あの人を探しに行くよーね。」 「あの~キャーリサ様、一応聞きたいのですけど一体何をしに学園都市に来たのですか?」 「ちょ、ちょっと会いたい人がいてな。その人に渡したい物があってーな。」 「それって上条さんじゃないですよね?」 「な、なぜ分かったのーね!?」 「なんとなく分かってましたから。それに、渡したいものってバレンタインチョコなんじゃないんですか?」 「そうだとしたらなんなーの?」 「上条さんは一応高校生なので午前中は学校に居ますので午前中は会えませんよ。」 「そうなのか?」 「だから、午前中は協会に行きませんか?午前中はそこにいて、午後になったら上条さんに会いませんか?」 「分かったーの。」 という事でレッサーとキャーリサは協会に向かった。 その頃、上条は授業中なのだがにクラスメイトと小萌先生の視線で死にそうだ。冗談抜きでマジで包丁で刺されている感覚である。 それは何故か?答えは簡単で、机の横にある、サンタクロースがかついでいるような袋が原因である。 この袋には学校じゅうの女子から257個のチョコ(青髪ピアスが数えた)が入っているのである。 まず校門の前で一斉に女子からチョコを貰い、次にげた箱から何で入っていたんだ?と思うくらいのチョコが流れ出てきた。 それから先生方から大きな袋を十袋(先生方から強引に)貰い、机に教科書を入れようとしたらまたその中にもチョコが入っていて、次の瞬間チョコを渡そうとする女子に囲まれた。 上条はこれは何の嫌がらせだ……と泣きながら呟いたが、珍しく土御門と青髪ピアスが泣きながら同情してくれた。 そして後ろの白モヤシもげっそりしている。彼も上条程ではないがチョコを75個(これも青髪ピアスが数えた)をもらっていた。 一方通行は学園都市最強だし、成績も顔もいい。これが一方通行がチョコをもらった理由だ。 だがババァから貰ってもなァ……と呟いたらクラスメイトが襲ってきた。まあ一方通行が簡単に蹴散らしたが……。 主人公二人は呟く。 「「不幸だ(ァ)………」」 と。 だが、不幸なのは上条、アクセラだけじゃなかった。 それはこの授業が終わった次の休み時間のことだった。 「カミやんとアクセラ、さすがにこんなに貰ったら俺達も嫌ぜよ。」 「そうやで。これは俺達もこんなに貰ったら困るしな。」 「「不幸だ(ァ)………」」 最初はこんな話をしていたが!! 「あのーすみません。土御門さんはここに居ますか?」 上条のクラスに女子がやって来たのだ。 「にゃ?土御門は俺だけど、一体何のようだぜよ?」 「こ、これを受け取ってください!!」 その女子が持っていたものはどう見てもバレンタインチョコの入っているであろう箱であった。 「「「「「「「「「「「「ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」 クラスに居たみんなが驚いていた。 「えっとこれは俺あてのバレンタインチョコかにゃ?」 「はい!!」 「じゃあ、貰っておくにゃ。」 土御門はとりあえず貰って置く事にした。 そして、その女子が教室から出た直後、大半の男性陣からの殺気とものすごい黒いオーラが出ていた月夜がいた。 その頃の教会、今現在いるのは絹旗と打ち止めのみである。 「二人とも行っちゃったねってミサカはミサカは留守番押し付けられたことに呆れつつもステイルの頑張りに同情を禁じ得なかったり」 「同情なんて超無用です。ステイルさんにとってはああすることが超幸せなんですから」 結局インデックスはステイルの誘いを承諾、意気揚々と『喰わせ殺し』へと出かけ教会の留守を絹旗と打ち止めに任せたのだ。 かといって盗むような物はここには無いし、出かけたくなったら出かけても構わないとステイルに言われているのだが。 「ん? 何だ絹旗とチビだけか。禁書目録とステイルは?」 「二人なら『喰わせ殺し』でデート……っぽいものの超真っ最中です。というかシェリーさん、起きるの超遅いですよ」 そこに現れたのはここの教会の寄宿舎に住んでいるシェリーで、両手で大きな包みを抱えている。 シェリーが起きてきたのは午前11時で、これには絹旗だけでなく打ち止めも呆れ気味だが彼女はそんなことは気にしない。 「ふーん。じゃあ私も出かけるから後は頼んだよ」 「どこ行くのってミサカはミサカは興味津々で尋ねてみたり!」 「とりあえず近くの喫茶店でブランチ摂って、そこから飾利の学校だ。早くあの子にこの傑作を堪能してもらいたいからね♪」 「飾利の学校ですか? だったら私と超一緒に行きませんか? 私もそちらに超用がありますし」 「悪いな、私は飾利に早く会いたいんだよ。だからこれくらいに出かけるのがベストなのさ。じゃあまたな」 こうしてシェリーも出かけてしまったが、最後に『じゃあまたな』と言ったのは彼女の変化の現われなのかもしれない。 再び二人っきりになった絹旗と打ち止めが暇を持て余しているとあの二人が教会の扉を開けて入ってきた。 「ほー、ここが学園都市でのネセサリウスの活動拠点か。そこそこ広いし内装もしっかりしてて悪くない。逃走ルートがいくつも用意されてるよーだな。うむ、いー場所だ」 「あ、あのキャーリサ様。そうゆう単語を学園都市であまり使われない方が」 「別にいーだろ、これくらい。まったくレッサー、お前は気にしすぎだってーの。それとも私のやることに何か文句でもあるのか?」 「いえ、文句などこれっぽっちもありません!」 教会に現れたキャーリサとレッサー、ここに来るまでこのようなやり取りの繰り返しで二人の人間関係もほぼ固まりつつあった。 「まったく……おや? 誰かと思ったらクリスマスパーティの時にいた三人のチビっ子メイドの一人と小さい花嫁じゃないか。久しぶりだなー、元気してたかー?」 キャーリサに声を掛けられた絹旗と打ち止め、絶対にここに来るはずの無い人間の登場に目が点になってしまうことに。 数秒後、絹旗と打ち止めは今状況を把握した。 そして、絹旗はキャーリサに聴いた。 「えっと…なんでキャーリサさんが学園都市に超いるんですか?」 「それは、ある人にちょっと渡したいものがあってーね、学園都市に来たのよー。」 キャーリサはレッサーには学園都市に来た理由を知られたが、一応他の人には秘密にしておくつもりでいた。 「はぁ…、誰に超渡すのかすぐに分かってしまった自分が超嫌になりました。」 だが、絹旗はキャーリサが来た理由がすぐに分かったのでため息がついた。 「な、何故あなたは誰に渡すのか分かったーの!?」 キャーリサはレッサーの時と同様に何故すぐにばれた事に気になっていた。 「それって答えなければ超いけませんか?」 「逆にどうして答えられないのー?」 (どうしてってって『あの人は超旗男だからですよ』って超言える分けないじゃないですか!!) 絹旗はどう答えて良いのか分からなかった。 「キャーリサ様、その答えは私でも答えられませんのでそこまでにしてくれませんか。」 レッサーは絹旗を見ていてかわいそうと思ったので話を終わらせる事にした。 「そうなのーか?じゃあその話はここまでとして、レッサーちょっと協会の案内してくれないーか?」 「分かりました。」 と言うとレッサーはキャーリサに協会の案内をしに行った。 また、絹旗はレッサーが絹旗達の方を向いた時に『超助かりました!!』とアイコンタクトでレッサーに言った。
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恋する者達はチョコを作り終え、物語は翌日の上琴の朝食を食べ終わったの場面から。 「うだー、上条さんも早く美琴たんチョコがの欲しいです!!」 「当麻、午後まで待てないの?」 「すいませんが待てません!!上条さんはそこまで大人じゃありません!!」 はぁ、と美琴はため息をつくと愛しの恋人にそっと(色っぽく)ささやく。 「こういうプレゼントを待ってる時間ってさ、どきどきしない?そのぶん当麻を喜ばせる自信があるから……待っててほしいな……ダメ?」 「……そこまで言われて待たないやつはいないぞ、よっし!!じゃあ上条さん待っちゃうぞ、待ってやるぞコンチキショー!!」 美琴の魅力に負けた上条は何年でも待つ決意を固める。 「それと当麻、そろそろ出掛けないと遅刻するわよ?」 「あっ、いけねっ!!美琴」 そしていつも通り熱い『行ってきますのちゅう』をする。 いつも美琴はキスをすると寄りかかってくるのが可愛くて上条は幸せすぎる。 「んじゃ行ってきまーす!!」 「行ってらっしゃーい!!」 上条は走る、今日はアンハッピーバレンタインになるとも知らずに…… 「で、みんなはチョコ作ったのかにゃ?」 とある高校へ登校中、バカップルの男性陣はチョコをどういうときに渡すのか話していた。 「俺はバレンタインの最後に渡すつもりだぜ。」 「俺もだなァ。デートして良いムードになったら渡そうと思うと、最後が一番良いからなァ。」 「俺も上条とアクセラと同じ意見だな。やっぱり最後渡すのが一番良いだろ。」 主人公三人はデートの最後に渡す事に決めていた。 また当麻は朝、美琴に早くチョコが欲しいと言っていたが、やっぱり良いムードの時にもらいたいと思った。 「で、四人はどういう時に渡すんだ?」 「俺は月夜のシステムスキャンとかあるからそんなにデートはできないかも知れないが、そのときになったら考えるつもりだにゃ。」 「俺も土御門と同じだな。ヘタするとシステムスキャンの時間が長引いてデートできないかもしれないから、そのときに考えるしかないな。」 土御門と真夜はいつチョコを渡すかそのときに考える事にしていた。 「俺もデートの最後に渡したいんやけど、黒子はんがジャッチメントの仕事あったりしたらどうしましょうかな。」 青ピはデートの最後に渡したいと思っているが、黒子がジャッチメントの仕事があったらどうしようか考えていた。 だが、青ピの勘はあたっている事はまだ知らない。 「今日、俺は真夜達の相手しなくていいから郭とデートして良いムードの時に渡すか。」 半蔵は良いムードになったら郭に渡す事にしていた。 「みんな大体は決まっているんだにゃ。決まっていないのは俺と真夜ぐらいらしいにゃ。」 「そうだな。まあしょうがないんだけどな。俺たちはシステムスキャンがあるんだからな。」 「俺は月夜の付き添いだけどにゃ。」 土御門と真夜は本当にどう渡すか考えていた。 「そういえばカミやん、お前はこのバレンタインどう切り抜けるつこりだぜよ?」 土御門は少し話を変える為に当麻にこのバレンタインをどう切り抜けるのか聞いてみた。 「切り……抜ける? 何の話だ? 土御門」 「何ってカミやん、寝惚けてるのか? バレンタインはカぐえっ!」 土御門の言葉を遮ったのは青ピだが、襟首を掴んで引っ張るというのはやり過ぎだが。 当麻はその頃の記憶も失っているので土御門の言ってることはチンプンカンプンだった。 咳き込んでる土御門の回復を待った青ピが小声で土御門に注意する。 「あかん! あかんでつっちー! カミやんにとってバレンタインはトラウマ、そのトラウマを自らの意思で封じ込めたんや!」 「なんと! つまり俺はカミやんの心の傷を抉り、思い出させるという友としてあるまじきことをしようとしてたのかにゃー!」 「ボクらとカミやんはデルタフォースや。今年はカミやんに幸せなバレンタインを過ごしてもらおうやないか!」 「よく言ったぜよ青ピ! 決して美琴ちゃんが怖いからじゃないですたい! カップル仲間として俺らもまとめてハッピーバレンタインを過ごすんだぜい!」 小声のはずがテンションが上がって大声になってることに気付かない土御門と青ピ、ついでに当麻達に置いて行かれたことにも気付いていない。 「何なんだ土御門と青ピのやつ……。お前ら、何か知ってるか?」 「てめェのバレンタインのことなンざ知ってるわけねェだろ。まともに学校通ってなかったンだぞ」 「「俺達は学校にすら通ってねぇ」」 「俺は上条達とは高校からだからその前のこととなると分かんないな」 当麻を含め、バレンタインに何が起こるのか、知らない者達はとても不思議でしょうがなかった。 しかし後に思い知る、当麻のフラグ体質の業の深さというものを。 男子達のやや後ろ、バカップルの女性陣、当麻の高校に通う女性達が歩いていた。 「元春との初めてのバレンタイン、そしてシステムスキャン。あー、今年のバレンタインは楽しいことのオンパレードだよ♪」 「はまづら、どんなお菓子くれるのかな? 私のチョコも喜んでくれるといいんだけど……」 「大丈夫ですよ滝壺氏! 浜面氏なら間違いなく喜んでくれます! むしろ私のほうが不安ですよ、はぁ」 「大丈夫。くるわのチョコの方こそはんぞうは大喜び。だから不安に思うことなんて何も無い」 恋人持ちの女性らしい、乙女チックな悩みと楽しみを抱えている月夜、滝壺、郭。 それとは対照的なのはチョコを貰う側の真昼と赤音、恋人がいる身としてはどうなのかと思うが。 「システムスキャンをパパッと終らせて早く真夜君のフォンダンショコラ食べたいよー♪」 「俺はチョコフォンデューが待ち遠しいぜ♪ こんな気持ちでバレンタイン迎えるのって初めてだからワクワクするぜ」 (*1)) チョコが貰えない真夜に同情する月夜、滝壺、郭だがその同情が無意味なものだとは三人が知る由も無い。 そこで何かを思い出した真昼が二つのカップケーキを鞄から取り出すと、それを郭へと差し出す。 「これ、真夜からな。郭と服部の分だってよ。お前らには俺たちの訓練に付き合ってもらってるからな。そのお礼だ」 「あ、ありがとうございます……。でも真昼氏、どうして真昼氏が真夜氏の作ったお菓子を私に? しかも半蔵様の分まで」 「男が男に渡したら変な噂立っちまうだろ……。まあ、そんな奴がいたらボコボコにしてっけどな」 最初は真夜自ら本人達にカップケーキを渡そうとしたが、自分のやろうとしてることの重大さを理解していない彼氏に真昼と赤音は猛反対。 本人に直接渡さないと誠意が伝わらないとごねた真夜だったが、二人の真剣な表情に押されて断念することに。 結局、半蔵と郭の分は真昼が、小萌と木山の分は赤音が渡すことで丸く収まることに。 「赤音ちゃんも大変だね。天然の彼氏を持つと」 「もう慣れたけどね~。それも真夜君のいい所でもあるからそんなに気にしてないよ♪ 私も真昼ちゃんも」 「ホントに心が広いよね、二人とも。私なんて元春が舞夏以外の女の子からチョコ貰ったら……考えただけでも元春殴りたくなってきたよ」 バカップル随一のやきもち焼きの月夜の発言にその場に居た月夜以外の面々はゾッとした。 そんな空気の中、五人は校門をくぐるのだった。 一方こちらは常盤台中学、バレンタインということもあって何やらいつも以上に活気付いていた。 (どうしよう、この状態じゃ当麻とのデートがうまくいかないじゃない!!) 「お姉様、大丈夫ですか?さっきから震えていますわよ。」 黒子は美琴がさっきから震えているので、どうしたのか気になった。 「大丈夫よ。ちょっと考え事していただけだから。」 「そうですか。でも、今日はおきよつけましてよ。なんかすごい事になりそうですから。」 「確かにきよつけるわ。(にしてもどうきよつければ良いのか…)」 美琴は本当に今日をどう切り抜けて良いのか分からなかった。 その頃、柵川中学校にいる初春、佐天はと言うと… 「飾利、今日は楽しみだね。」 「そうですね。で、学校が終わったらどういう風に行きますか?」 「う~ん、まず最愛と合流してからお兄ちゃんとお姉ちゃんに渡してそれから建宮に渡しましょう。」 「そうしましょう。その後、私は別々に動いて良いですか?」 「どうして?」 「だって火織お姉ちゃんとシェリーさんに渡さないといけませんから。」 「あ、そうか。そういえばヴィリアンさんはどう渡すの?」 「…………………………………………………………………………あ。」 初春はヴィリアンにそう渡すか考えていなかった。 「もしかして、どう渡すのか考えてなかった?」 「………………コクリ。」 「じゃあ、どう渡すの?だってヴィリアンさんはイギリスにいるんでしょうどう渡すの?」 「ど、どうしましょう…」 初春はヴィリアンにどうやってバレンタイン中にチョコを渡せば良いのかまったく持って検討ついていなかった。 その頃ヴィリアンも初春にどう渡せば良いのかと同じことを考えていた。 「すっかり飾利に渡す方法を考えていなかった…どうしましょう?」 ヴィリアンもチョコを初春に送ることを忘れてどうしようか考えていた。 「こうなったら私が学園都市に行くしかありませんね。」 という事でヴィリアンは学園都市に行くつもりは無かったのだが、仕方なく学園都市に向かうのだった。 だが、 「ヴィリアン様!!お止め下さい!!」 「騎士団長!!」 だが、独り言を騎士団長に聞かれてしまいあえなく捕まってしまった。 「ヴィリアン様……ただでさえキャーリサ様が出掛けているといらっしゃるのに貴方まで出掛けたらどうなんです?」 「そうですが…」 「チョコレートの話をしていましたが、飾利様にチョコレートを渡す気ですか?」 「……うっ」 「それにあの傭兵のごろつきがバレンタインまでには帰ってきてくるらしいですが……夫の帰りを待つのが妻の務めなのでは?」 「つ、妻!?」 「しょうがないのでメッセージカードを書いて下さい、私が届けますから」 「本当ですか!?」 「ええ、必ずバレンタインまでにはお届けしますよ?」 その頃、佐天に絹旗からのメールが入り、それは初春にとって渡りに船のものだった。 「ウソッ! 飾利、ラッキーだよ! レッサーが学園都市に来るんだって!」 「ホントですか? だったらレッサーさんに頼んでヴィリアン姉さまに渡してもらえば大丈夫ですね♪」 「良かったね飾利」 「はいっ(でもレッサーさんがどうしてまた? ……まあ、いいかな)」 裏モードの初春ならレッサーが学園都市に来る目的について深く考えているのだが、そうではないのでラッキーだと思うことにした。 彼女はおろか当麻達も驚くことになる、レッサーが第二王女キャーリサを連れて学園都市にやってくることに。 「ほらそこの二人とも。HR始めますよ」 「「はーい、神裂先生」」 そこに現れたのは神裂で、初春との関係がバレて以来、開き直って初春のクラスの副担任に。 本当なら担任になりたかったのだがそれはさすがにやり過ぎだと初春に窘められて今の地位にいる。 とはいえ担任がすべきことを殆ど行っているので副担任とは名ばかりなわけだが。 「ああそれと初春さん。今日の放課後、楽しみにしてて下さいね」 呼び方はそのままなれど、接し方が普段通りの神裂に、初春は恥ずかしさで顔を真っ赤にさせていた。 それを見て佐天は思う、飾利も飾利で不幸なのかも、と。 こちらはインデックスとステイルの勤める教会、そこにインデックスとステイル、学校が終るまで暇な打ち止めと絹旗がいた。 (どうする? どうすればいい? インデックスにチョコをそれとなく催促するか? それとも僕がインデックスにチョコを渡すか?) 「ねーねーあの人ずーっとウンウン唸って悩んでるけどどうしたのかなってミサカはミサカは不思議に思ってみたり」 「きっと叶う見込みの超低いことでも考えているんでしょう。インデックスさん相手ならやることは超決まりきってるというのに」 昨日からずーっと悩みに悩んでいた問題が今にもなって解決していないステイルは、神裂とシェリーが帰ってから独学でインデックスに渡すチョコを作ったのだ。 もちろんそのことをステイルは誰にも説明していないが、打ち止めのように小さな子や当麻のように鈍い人間以外には丸分かりだったりする。 「ねーねーステイルー。『喰わせ殺し』でバレンタインフェアってのやってるんだよ! 今日はぜーんぶチョコ尽くしでこれは是非行かないとダメなんだよ!」 そこにステイルにとってのヒロイン、インデックスが無邪気な笑顔で入ってきた。 インデックスからもたらされた情報を聞いたステイルは勇気を出してインデックスを誘う。 「よし! じゃあ僕も一緒に行ってあげるよ! お金なら気にしなくてもいい! インデックス、君が満足するまで食べてくれ! なんなら閉店まで居てもいい!」 そんなこんなで時間は進み、レッサーとキャーリサが第23学区の空港に着いていた。 「やっと着きましたね。さて、あの人を探しに行くよーね。」 「あの~キャーリサ様、一応聞きたいのですけど一体何をしに学園都市に来たのですか?」 「ちょ、ちょっと会いたい人がいてな。その人に渡したい物があってーな。」 「それって上条さんじゃないですよね?」 「な、なぜ分かったのーね!?」 「なんとなく分かってましたから。それに、渡したいものってバレンタインチョコなんじゃないんですか?」 「そうだとしたらなんなーの?」 「上条さんは一応高校生なので午前中は学校に居ますので午前中は会えませんよ。」 「そうなのか?」 「だから、午前中は協会に行きませんか?午前中はそこにいて、午後になったら上条さんに会いませんか?」 「分かったーの。」 という事でレッサーとキャーリサは協会に向かった。 その頃、上条は授業中なのだがにクラスメイトと小萌先生の視線で死にそうだ。冗談抜きでマジで包丁で刺されている感覚である。 それは何故か?答えは簡単で、机の横にある、サンタクロースがかついでいるような袋が原因である。 この袋には学校じゅうの女子から257個のチョコ(青髪ピアスが数えた)が入っているのである。 まず校門の前で一斉に女子からチョコを貰い、次にげた箱から何で入っていたんだ?と思うくらいのチョコが流れ出てきた。 それから先生方から大きな袋を十袋(先生方から強引に)貰い、机に教科書を入れようとしたらまたその中にもチョコが入っていて、次の瞬間チョコを渡そうとする女子に囲まれた。 上条はこれは何の嫌がらせだ……と泣きながら呟いたが、珍しく土御門と青髪ピアスが泣きながら同情してくれた。 そして後ろの白モヤシもげっそりしている。彼も上条程ではないがチョコを75個(これも青髪ピアスが数えた)をもらっていた。 一方通行は学園都市最強だし、成績も顔もいい。これが一方通行がチョコをもらった理由だ。 だがババァから貰ってもなァ……と呟いたらクラスメイトが襲ってきた。まあ一方通行が簡単に蹴散らしたが……。 主人公二人は呟く。 「「不幸だ(ァ)………」」 と。 だが、不幸なのは上条、アクセラだけじゃなかった。 それはこの授業が終わった次の休み時間のことだった。 「カミやんとアクセラ、さすがにこんなに貰ったら俺達も嫌ぜよ。」 「そうやで。これは俺達もこんなに貰ったら困るしな。」 「「不幸だ(ァ)………」」 最初はこんな話をしていたが!! 「あのーすみません。土御門さんはここに居ますか?」 上条のクラスに女子がやって来たのだ。 「にゃ?土御門は俺だけど、一体何のようだぜよ?」 「こ、これを受け取ってください!!」 その女子が持っていたものはどう見てもバレンタインチョコの入っているであろう箱であった。 「「「「「「「「「「「「ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」 クラスに居たみんなが驚いていた。 「えっとこれは俺あてのバレンタインチョコかにゃ?」 「はい!!」 「じゃあ、貰っておくにゃ。」 土御門はとりあえず貰って置く事にした。 そして、その女子が教室から出た直後、大半の男性陣からの殺気とものすごい黒いオーラが出ていた月夜がいた。 その頃の教会、今現在いるのは絹旗と打ち止めのみである。 「二人とも行っちゃったねってミサカはミサカは留守番押し付けられたことに呆れつつもステイルの頑張りに同情を禁じ得なかったり」 「同情なんて超無用です。ステイルさんにとってはああすることが超幸せなんですから」 結局インデックスはステイルの誘いを承諾、意気揚々と『喰わせ殺し』へと出かけ教会の留守を絹旗と打ち止めに任せたのだ。 かといって盗むような物はここには無いし、出かけたくなったら出かけても構わないとステイルに言われているのだが。 「ん? 何だ絹旗とチビだけか。禁書目録とステイルは?」 「二人なら『喰わせ殺し』でデート……っぽいものの超真っ最中です。というかシェリーさん、起きるの超遅いですよ」 そこに現れたのはここの教会の寄宿舎に住んでいるシェリーで、両手で大きな包みを抱えている。 シェリーが起きてきたのは午前11時で、これには絹旗だけでなく打ち止めも呆れ気味だが彼女はそんなことは気にしない。 「ふーん。じゃあ私も出かけるから後は頼んだよ」 「どこ行くのってミサカはミサカは興味津々で尋ねてみたり!」 「とりあえず近くの喫茶店でブランチ摂って、そこから飾利の学校だ。早くあの子にこの傑作を堪能してもらいたいからね♪」 「飾利の学校ですか? だったら私と超一緒に行きませんか? 私もそちらに超用がありますし」 「悪いな、私は飾利に早く会いたいんだよ。だからこれくらいに出かけるのがベストなのさ。じゃあまたな」 こうしてシェリーも出かけてしまったが、最後に『じゃあまたな』と言ったのは彼女の変化の現われなのかもしれない。 再び二人っきりになった絹旗と打ち止めが暇を持て余しているとあの二人が教会の扉を開けて入ってきた。 「ほー、ここが学園都市でのネセサリウスの活動拠点か。そこそこ広いし内装もしっかりしてて悪くない。逃走ルートがいくつも用意されてるよーだな。うむ、いー場所だ」 「あ、あのキャーリサ様。そうゆう単語を学園都市であまり使われない方が」 「別にいーだろ、これくらい。まったくレッサー、お前は気にしすぎだってーの。それとも私のやることに何か文句でもあるのか?」 「いえ、文句などこれっぽっちもありません!」 教会に現れたキャーリサとレッサー、ここに来るまでこのようなやり取りの繰り返しで二人の人間関係もほぼ固まりつつあった。 「まったく……おや? 誰かと思ったらクリスマスパーティの時にいた三人のチビっ子メイドの一人と小さい花嫁じゃないか。久しぶりだなー、元気してたかー?」 キャーリサに声を掛けられた絹旗と打ち止め、絶対にここに来るはずの無い人間の登場に目が点になってしまうことに。 数秒後、絹旗と打ち止めは今状況を把握した。 そして、絹旗はキャーリサに聴いた。 「えっと…なんでキャーリサさんが学園都市に超いるんですか?」 「それは、ある人にちょっと渡したいものがあってーね、学園都市に来たのよー。」 キャーリサはレッサーには学園都市に来た理由を知られたが、一応他の人には秘密にしておくつもりでいた。 「はぁ…、誰に超渡すのかすぐに分かってしまった自分が超嫌になりました。」 だが、絹旗はキャーリサが来た理由がすぐに分かったのでため息がついた。 「な、何故あなたは誰に渡すのか分かったーの!?」 キャーリサはレッサーの時と同様に何故すぐにばれた事に気になっていた。 「それって答えなければ超いけませんか?」 「逆にどうして答えられないのー?」 (どうしてってって『あの人は超旗男だからですよ』って超言える分けないじゃないですか!!) 絹旗はどう答えて良いのか分からなかった。 「キャーリサ様、その答えは私でも答えられませんのでそこまでにしてくれませんか。」 レッサーは絹旗を見ていてかわいそうと思ったので話を終わらせる事にした。 「そうなのーか?じゃあその話はここまでとして、レッサーちょっと協会の案内してくれないーか?」 「分かりました。」 と言うとレッサーはキャーリサに協会の案内をしに行った。 また、絹旗はレッサーが絹旗達の方を向いた時に『超助かりました!!』とアイコンタクトでレッサーに言った。
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その頃、一打、浜面がいる荷物置き場にだんだんと近づいてきた。 まず、『空間移動』で美琴、黒子が到着した。 「お姉様、到着しましたよ。」 「そう。ってアクセラ達、その荷物は何?」 「確かにこれは買いすぎじゃないですか?」 美琴と黒子はキャーリサが買った荷物の量に少し驚いていた。 「俺もこの荷物が誰のか分かねンだよォ。」 「でも打ち止めが『これに触って少しでも傷が付いたら不敬罪だよ』って言われたから王女様の物らしいけど…」 「えっ!そうなの打ち止め?」 「そうだよってミサカはミサカは肯定してみたり。」 美琴も黒子もキャーリサに会っていなかったので驚いていた。(現に美琴は今でもミサワを倒したのは当麻と思っている。) 「ひょっとしていつもn「第三王女じゃ無いよってミサカはミサカは言ってみたり。」 美琴はヴィリアンだと思っていたと思ってそう言おうとしたが、打ち止めに途中で否定した。 そんな話をしていたら、当麻が上空から降ってきた。 ドーン!!ゴロゴロドッシャーン!! この音は上条が空から落ちて、転がり、キャーリサの荷物にぶつかった音である。 こんな音をしながらも、骨折をしていないのは上条の耐久性のものだ。 ………………………あれ?今何だかすごいことをスルーした気がする。 読者様の指摘は間違っていない、そう、上条は今キャーリサの荷物につっこんだのだ。 この時、キャーリサの荷物と知ってる物達のリアクションは…… (まあアイツの事だから大丈夫だろ) と、そっけない物だった。 「……で、ではわたくしはジャッジメントとしてアンチスキルと合流しますわ。後のことは黒子が出来うるかぎりやっておきますので」 黒子が理由をつけてこの場を離れたことに当麻と打ち止め以外、すなわちキャーリサの荷物と知らない者達はズルイと思った。 そこに荷物の大部分の持ち主でもあるキャーリサがご機嫌でやって来た。 「おー、これはまたずいぶんと派手にやってくれたなー上条当麻」 「一応言っておくけどこれ、不可抗力だからな。……でも、荷物をこんなにしたことは悪かった。ごめんなさい」 「よし、許してやろー。形あるものはいつか滅びるわけだし、これくらいで怒っていては王女は務まらんからなー」 当麻の謝罪一つで簡単に許したキャーリサに美琴、一方通行、浜面は第二王女の心の広さに安心と感動を覚えた。 しかし、それでも不安は完全には消えないので美琴はおそるおそるキャーリサに尋ねる。 「あ、あの~、キャーリサさん。本当にお咎めは無いんですよね? 不敬罪にはならないですよね?」 「不敬罪? あー、打ち止めに言ったっけなー、そんなこと。心配するな、冗談だから。それに不慮の事故でこーなったんだ、不敬罪にはなるわけないだろー♪」 「よ、よかった~~~~~~」 「ただなぁ、その荷物、全部が全部私のじゃないんだ。私はともかく、後の二人がどー反応するのかは知らんからな」 キャーリサの口から出た事実に美琴、一方通行、浜面だけでなく当麻も目を点にさせる。 そんな中、浜面はここに運ばれる前の絹旗の言葉を思い返すと顔色を青くする。 「お、おい浜面? どうしたんだよ? もしかして二人が誰なのか心当たりあるのか?」 「あ、ああ……。言ってたんだよ、確かに絹旗が『私達の荷物番』って。つまりさ、一人は絹旗で間違いないんだけど後一人は分からん」 「お、どーやら後一人が来たよーだ。おいレッサー、だらしが無いぞ。たかだか子供一人運ぶだけだろーが。もースタミナ切れか? 情けないなー」 キャーリサの言った一人目は浜面によって絹旗だと判明したが、もう一人はまだキャーリサと打ち止め以外は分かっていなかった。 ちょうどその時、息も絶え絶えながら気を失っているミサワを抱えてやって来たレッサーを指してキャーリサが二人目だと宣言する。 「む、無茶、い、言わないで、ゼェ、下さい、よ、ハァハァ……。戦闘の後に回復魔術、おまけに……あーーーーーっ! 私と絹旗さんのチョコが置いてあった場所がーーーーーっ!」 レッサーは荷物があった場所の散々な有様に疲れも吹っ飛び、ミサワを器用に抱えたままで荷物があった場所まで駆け寄る。 荷物を一生懸命漁るレッサーに上琴はさっき彼女が言った聞き捨てては決していけないフレーズについて尋ねる。 「あの~レッサーさん、いまなんとおっしゃいましたでせうか?」 「あの中には私と絹旗のチョコが入っていたんですよ!!」 「「「「な、なんだってーーーーーーーー!!」」」」 上琴、一方通行、浜面は当麻がぶつかった所に絹旗とレッサーのチョコが入っているとは思わなかった。 そんな事をしていたら、絹旗が麦野を連れて来た。 「一体超何の騒ぎですか……ってあーーーーーっ!!私が飾利と涙子には超秘密でお兄ちゃんにあげようとしたチョコの超置いてあった場所が!!」 絹旗は初春、佐天には秘密で当麻にチョコを作っていたのだ。 話は変わるが、初春も佐天、絹旗には秘密で建宮にチョコを作っていたりする。 「麦野、自分で超立てますか!?」 「立てるけど、いきなりどうしたの?っていきなり抱えてた私を離すんじゃないわよ!!」 絹旗は麦野が自分で立てると聞いたとたん、いきなり麦野を離しレッサー同様自分のチョコが大丈夫か確認しに行った。 また上琴、一方通行、浜面はチョコが無事な事を祈った。 そして数分後、絹旗とレッサーは自分のチョコを見つけた。 「良かった~チョコが超無事で。」 「私もチョコが無事でよかった~」 絹旗、レッサーは自分が作ったチョコが無事でホッとしていた。 「超誰ですか!!ここにぶつかったのは!!」 「一体誰がこんな事をしたのですか!!」 絹旗とレッサーは自分のチョコは無事だったが、それでも誰がやっとのか気になった。 「最愛とレッサー、それぶつかったのは俺なんだが…」 「上条さん、なぜぶつかったのでs「レッサー、超待ってください。」 絹旗は当麻がぶつかった理由が下手すると自分のせいかもしれないと思ったのでレッサーを止めた。 「絹旗、一体どうしたのですか?」 「お兄ちゃん、ひょっとしてぶつかった原因って私がここまで超飛ばしたからではありませんか。」 「確かにそうなんだよな。ここに着地ときにそこにぶつかっただよな。」 「レッサー、そこにぶつかった原因は超私です。私がお兄ちゃんを飛ばしたせいで…」 「別に不可抗力だったのなら仕方が無いです。それにチョコは無事だっただから。」 「「レッサー、(超)ありがとう!!」」 当麻と絹旗はレッサーの心の広さに感謝した。 二人がレッサーにお礼している時に浜面、絹旗にとって来て欲しくない人物が来てしまった。 「はまづら……? どうしてむぎのが一緒にいるの?」 「た、滝壺っ! ど、どうしてここに? いや、麦野とは別になーんにも無いぞ、心配するな」 滝壺がここに来た理由は非常に大きなAIM拡散力場を感じ取ったからで浜面が居たからでは決して無かったりする。 浜面は何も悪いことをしていないはずなのにもの凄い罪悪感に苛まれている所に、ヤンデレ麦野の攻勢が始まる。 「久しぶりね滝壺。今まで私の浜面の面倒を見てくれてありがとう♪ もうアンタは用済みだからさ、さっさと家に帰ったらどう?」 (ちょっと麦野さーーーーんっ! あんた何言っちゃってくれてんですかーーーーっ!) 「大丈夫、むぎのの言ってることが寝言だってことくらい分かってるから。もう一度言うよむぎの、はまづらから離れてっ!」 滝壺はそう言った後で浜面に贈るバレンタインのチョコが入った袋をこともあろうか麦野の顔面に投げつけた。 これにあっさり怒りのボルテージを上げる麦野だが超電磁砲EX(蹴りで放つ超電磁砲のこと)のダメージのせいで、能力は使えない。 「てめぇ滝壺ぉ! しばらく会わないうちに生意気になったわねぇ! 浜面は私のモンなんだよ! あんたの貧相な体にコイツが満足するわけないでしょうが!」 「そんなことはない。はまづらは毎日私で気持ちいいって言ってくれるし、私だってはまづらに気持ちよくしてもらってるから」 「なんだとぉ! 浜面ぁ! 滝壺なんかで満足してんじゃないわよ! 私のテクとナイスバディの方がずっと気持ちいいんだから試しなさいよ、今すぐ!」 (やーーーめーーーーてーーーーっ! こんな所でそんな恥ずかしい会話するのマジでやめてーーーーーっ!!) 公衆の面前で恥ずかしげも無く恥ずかしいことを言い合う滝壺と麦野に、浜面は恥ずかしさと止められない不甲斐無さに泣きたくなった。 浜面を巡って言い争う滝壺と麦野、三人の修羅場が幕を開けた。 浜滝+麦野の修羅場の会話を聞こえないように打ち止めの耳を塞ぐ一方通行だが、彼の視線は未だレッサーの背中に乗っているミサワに注がれていた。 ミサワに視線を送る一方通行に気付いたキャーリサは彼に近寄った。 その際、一方通行は打ち止めに聞かせられない話に来たと思い、美琴を呼んで打ち止めを引き取ってもらっている。 「どーやらお前があの子の言っていた第一位のよーだな、白い花婿。安心しろ、気絶してるだけだ」 「だったらアイツの脇腹の血痕はどうゆう意味だァ! てめェアイツに何しやがっ……っ!」 ミサワの服に付いていた血痕を見た一方通行は激昂してキャーリサに掴みかかるが、彼女の鋭い威圧的な視線に怯み、手を放した。 キャーリサは胸倉を掴まれたことなど気にも留めず、一方通行に向かって話し始める。 「どーしてお前が自分を殺しにくるよーな子を気にかけるのか、聞きはしない。それはお前の事情だからな。心配するな、確かに血は出したが傷は塞いだ。死にはしないさ」 「……そうか、悪ィな。で、どうしてアイツをココに連れて来た? そのまま置いてきてアンチスキルに拾わせてもいいンじゃねェか?」 「なーに、ちょっとこの子の歪んだ愛ってーやつが気に喰わなくてな。説教してやるのさ♪ 結果次第じゃー連れて行って教育する。ついでだ、お前もあの子と話をしろ」 自分達の事情に立ち入らないキャーリサに一方通行は感謝したが、ミサワと話し合えという命令だけは困っていた。 しかし断ることなど出来なかったのでキャーリサに付いて行き、ミサワを担いでいるレッサーの所へ向かい、到着すると、 「…………んっ」 タイミング良くミサワが目を覚ますのだった。 「あれ、何でミサカは寝ているんだっけ?」 ミサワは起きたばっかりだったので寝ぼけていた。 「あ、起きたようですね。じゃあ降ろしますよ。」 レッサーはミサワが起きるとすぐにミサワを降ろした。 その数秒後、ミサワはさっきまでの事を思い出した。 「あ、そうだったこんな事をしているんじゃなかった。早く第一位を見つけなければ、」 「俺ならここにいンぞ。」 「あれ、何でこんな近くに居るんですか?まあ、ミサカにとってどうでも良いで早く私のものになってください。」 ミサワはなぜ一方通行がこんな近くに居るのか気になったが、今は自分が一方通行を手に入れることを優先した。 「だから、なンで俺がお前のものにならなくちゃいけねぇンだよ!!」 「何故あなたが打ち止めを選んだ理由が分かりません。まだこんなに小さいのに。」 「小さいってどういうことってミサカはミサカは憤慨していたり。あなたなんか目つき悪いくせにってミサカはミサカはさっきの仕返しをしてみたり。」 「なんですて!!胸が小さいくせに生意気なことを言うんじゃないわよ!!」 「この後だんだんと大きくなるから良いんだよってミサカはミサカは言ってみたり。」 「だから、こういうことはこんなところでやるンじゃね!!」 こっちも浜滝+麦野同様、修羅場の幕を開けた。 だが、こっちはすぐに修羅場が止まった。 それはある意味自分に言われている事になってしまう美琴が原因だった。 「ねぇあなた達、それは私に文句を言っているのと同じだよね♪」 「ひぃ!!」 「美琴さん?電池切れのはずなのになんで髪からビリビリなっているんでせうか?」 美琴はミサワと打ち止めにものすっごい殺気が立っていた。 現にミサワと打ち止めは美琴に怯えていた。(打ち止めは口癖を忘れるほど。) ちなみに美琴が電池切れのはずなのに電撃が出ているのかは不明である。 「あんた達は黒こげになりたいようね♪」 「「すみませんでした!!」」 一秒もかからずにミサワと打ち止めは美琴に土下座して謝った。 「分かったなら良いわよ。でも、また私がいる所でこんな事をしたらどうなるか分かっているよね♪」 「「肝に銘じておきます!!」」 そういうと二人は修羅場なんか忘れ、何事も無かったような感じになった。 また、一方通行は美琴二人の修羅場を止めてくれて感謝していた。 その頃もう一つの修羅場はというと… 「だから、私は滝壺より気持ちよく出来るって言っているだろ!!」 「絶対に私の方が麦野よりはまづらを気持ちよいはずだもん!!」 終わる気配がまったく無かった。 ちなみに浜面が麦野と滝壺を止めていないかと言うと、自分が恥ずかしすぎて鼻血を出して気絶してしまったからだ。 もちろん二人は浜面が気絶している事に気づいていない。 「おお、ここにも同士がいたんですか!!」 「……超やばい、このままじゃ二人の人権が超やばいです……」 そうレッサーと絹旗が感想を残してもギャーギャーアダルトな話をしている二人は止まらない。 とうとうイラダチが頂点に達したのか学園都市最強が動く。 「オイオイオイオイオイ……テメァラ、ガキが聞いてンだろォがァァァああああああああああああああああああああああああああああ!!」 必殺、ロリコンの制裁が発動した。 一方通行は麦野の服を掴むと思いっきり投げ飛ばす。これでアダルトな話は終 「んなわけあるかァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 すぐさま上条が突っ込む。 「オイオイ、これで万事解決だろォが」 「アイツ誰だか知らねえけどあんだけ投げて無事でいるか!!ありゃ普通死ぬぞ!!」 「ンな事言ったらオマエはどォなるンだよ、それにバチバチ腕から出てたから大丈夫だろォ」 「そういうもんか?」 「そォいうモンだァ」 「アクセラレーター!!いきなり何しやがるんだ!!」 吹っ飛ばされた麦野は吹っ飛ばされた後、すぐに立ち上がり一方通行に怒った。 「あのな、そういうことは別に話しても良いンだが、ガキが居るンだからせめて場所を考えろ!!」 「「あっ、」」 麦野と滝壺は一方通行が場所を考えろと言われた事でやっと自重と言う言葉が出てきた。 「今さっきまで私が言ってた事がすごく恥ずかしくなってきた。」 「私も。」 今まで自分が言ってた事がみんなに聞かれていたので恥ずかしくなった。 「とりあえずこの話は後にしましょ。」 「そうね。そういえばはまづらは?」 「確かこの辺りにいたはずだけど…って浜面!?一体どうしたの?」 麦野が浜面が気絶していることに気づき、麦野と滝壺が浜面に近づいた。 「はまづら、聞こえてる?」 滝壺がそう言っても浜面は反応がなかった。 「はまづら、気絶している。」 「どうしよっか?」 麦野と滝壺は浜面の事では揉めるのに浜面が気絶している時は一緒に考えるのだった。 「なぁ上条、あの女だけどよ、あれが第四位だぞ。能力の破壊力に関しちゃ御坂より上って評判のな」 「マジですか! どおりで強かったわけだ……。でもそれでどうして第四位なんだ? なぁアクセラって居ねぇし!」 麦野のことを丸っきり分かっていなかった当麻に彼女のことを説明した一方通行はミサワの所へと向かった、当麻のことを無視して。 一方通行が気になったこと、それは今後のミサワの身の振り方だった。 「なァミサワ、てめェこれからどうすンだ?」 「どうするも何もミサカのやりたいことはあなたを殺してモノにすること。それは組織から自由になった今でも変わらないよ。そうすることしかミサカは知らないもの」 ミサワは本来、一方通行を殺す、または精神破壊を目的として生み出され、その為に非人道的な機会を取り付けられていた。 しかしロシアでの度重なる襲撃の最中、一方通行は彼女を殺す要因を全て破壊、本当の意味で彼女を解放したのだ。 だがたった一つの生き方しか知らないミサワ、一方通行に助けてもらった気持ちすらも殺すことに繋げるほどに短絡的、いわば子供にも等しい少女なのだ。 「そーか、じゃー私と一緒に来い♪ お前の知らない生き方ってーのを教えてやる。誰かを殺して満足するよーな生き方はつまらんからな。私の元で色々学ばせてやるぞ♪」 ミサワを引き取るも同然の言葉を発したのはキャーリサで、これにはミサワも一方通行も唖然とする他なかった。 「……呆れた。自分を殺そうとした人間を勧誘するなんて。しかも『一緒に来ないか?』じゃなくて『一緒に来い♪』だよ。ホント、あなたって変な人」 「何とでも言え。私はお前が気に入った、だからその生き方を正してやりたいってー思った、それだけだ。少なくともお前の愛、あれは私は愛とは認めん」 「そんなのミサカの勝手じゃない! ミサカにはこんな愛し方しか知らな痛っ!」 キャーリサの誘いに変人と思いながらも好意的に受け取っていたミサワだったが、自分の愛し方を否定されるとすぐさま激昂する。 しかしそんなミサワをすかさず叩くと、彼女が痛がってることは無視して、ヴィリアンについて話し始めるキャーリサだった。 「まー聞け。私の妹はな、歳の離れたオッサンを恋人にしてんだ。それでな、会う度にそいつとの惚気話を嫌ってくらいに聞かされるんだ、これが」 「だから何? それが一体何の関係があるの?」 「そん時の妹だがな、すっげーいい笑顔で話しやがんだ。すっげー幸せそうな、女の私が見ても綺麗だって思えるくらいのな。誰かを愛するってーのはそんな笑顔が自然に出るもんだ」 そうキャーリサが言うと、ミサワはハッとして彼女の言いたいことを理解してしまった。 「理解したよーだな。お前の笑顔は歪んだ笑顔ってやつになってる。恋するのなら、愛するのならもっといー笑顔になれ! そーすりゃ人生も楽しくなるってーもんだ♪」 「……そのイイ笑顔ってさ、あなたと一緒にいれば作れるようになるのかな?」 「まー断言は出来んが、少なくとも人生がもっと楽しくなることは間違いねーぞ。どうだ、一緒に英国に来い」 「最後まで疑問形じゃなくて命令形だったね、ホント呆れるよ。……分かった、ミサカはあなたに付いて行く。そして今の人生観を変えてから第一位にアタックする!」 こうしてミサワはキャーリサと一緒に英国に渡ることを決意、と同時にキャーリサの元で働くことも決定なわけだが。 そのドサクサで一方通行を全く諦めていない発言にツッコミを入れたのは一打だった。 「ちょっと待てやコラァあああああああああっ! そこは俺のことは諦めて新しい恋を見つけるって言う所だろォ、流れ的によォ!」 「そうだそうだってミサカはミサカは番外固体の諦めの悪さに怒ってみたり!」 「そー喚くな二人とも。この子の意思はこの子のモンだ。想うのも自由、想われるのも自由ってな♪」 一打はてっきりミサワ自身が反論するかと思ったが、キャーリサがミサワを肯定してきたのを受けてこの第二王女は変人だと結論付けた。 そんな一打を無視してキャーリサが考えたこと、それはミサワの服装で脇腹辺りは血で染まり、服装自体も一方通行をロシアで襲ってきたもので女の子らしく無いのが不満なのだ。 「さて、お前の服だがどーも可愛くないな。よし! 今から服を買いに行くぞ! なーに心配いらんぞ。面倒見るからにはこれくらいは当然だからな♪」 「あ、あ、ありがとう……」 「礼には及ばん。引き取り、面倒見ると言ったからには私のことは家族と思って構わんぞ♪ 何なら」 「じゃ、じゃあ、あなたのこと、お、お母さんって呼んで……いい?」 「うーん、お母さんか。まあ良いだーろ。それじゃあ行こーぞ。じゃあレッサー、絹旗一緒に行くぞ。」 「「(超)待ってください!!」」 「なーんだ、まだ何かすることあーんのか?」 「あります!!私は上条さんに渡すものがあるのですから!!」 「私もレッサーさんと超同じです。お兄ちゃんに渡すものが超あるんです!!」 「そうは言っても、上条当麻なら彼女と一緒にもうどっか行ってしまったーぞ。」 「「えっ!?」」 レッサーと絹旗が見渡すと上琴はいつの間にかいなくなっていた。 「「(超)いつの間にーー!!」」 「ほら言ったとーりだろ。ということで買い物に付き合え。」 レッサーと絹旗は仕方なくミサワの買い物に付き合うことになり、キャーリサ達と一緒に動くことになった。 「じゃあ打ち止め、俺達も行きますかァ。」 「うんってミサカはミサカは言ってみたり。」 一打もここにいる必要が無いので二人も動くことにした。 「滝壺、とりあえずここに居てもしょうがないからお前の家に行って良いか?」 「………良いよ。」 滝壺は一瞬考えたが、自分の家なら良いだろうと思ったので麦野を滝壺の家に連れて行くことにした。 「でも、どうやってはまづらを運ぶ?」 「じゃあ私が浜面を運ぼう。滝壺は病み上がりなんだろ?」 「………分かった。」 滝壺はまたも考えたが、滝壺自身が病み上がりなので仕方ないと思った。 そして麦野が浜面を運び、滝壺の家に向かうのだった。
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作ってみた。下のほうが気力がなくなったので適当。追記はまた今度。それにしても使えるカードが多くて羨ましいな、超能力デッキは。 -- (名無しさん) 2011-04-07 04 26 47 お姉さまへの憧れ 黒子の説明が不明 -- (名無しさん) 2011-04-07 17 06 49 確かにワケワカンネ。相手のアタックフェイズの初めに前列を自由に動かせる× このカードを前列のキャラのいない枠に動かすことができる○ 効果を正しく理解した上で編集はしてね -- (名無しさん) 2011-04-07 17 41 10 一度に書いたせいで日本語が狂ってた。勘弁してくれ。。 -- (名無しさん) 2011-04-07 23 04 53 まるで冥土が必須みたいな書き方だけど、赤緑なら冥土いなくてもなんとかなること多いぞ -- (名無しさん) 2011-04-08 02 31 03 浴衣の -- (名無しさん) 2011-04-08 08 09 03 浴衣の飾利じゃなくて浴衣の初春な -- (名無しさん) 2011-04-08 08 10 11 てか壊れ壊れ言い過ぎだろ…。 -- (名無しさん) 2011-04-08 08 17 43 幼いころの記憶×→幼い頃の記憶○。最強の電撃姫×→最強無敵の電撃姫○。メイド・オブ・メイド"×→"メイド・オブ・メイド"○。先生の執念×→せんせいの執念○。衿衣との再開×→衿衣との再会○。 気づいたのはこの辺かな。 -- (名無しさん) 2011-04-08 09 47 41 別に一方さんは壊れじゃない気がする点 -- (名無しさん) 2011-04-08 21 36 47 冷徹なる暗殺者ハイデルンと比べると“多才能力者”木山は性能が桁違いなんだなと思いました。同色・同スペックで、特徴パンプ、ストックブースト能力共に大きく上回っていますし。 -- (名無しさん) 2011-04-08 22 38 49 ……赤緑のレシピが回したのか?と疑いたくなるような内容なんだが。扉3枚のくせに詰め込みすぎで、回るとは思えない。第三位美琴・御坂美琴・先輩と後輩など、あまり高スペックとは言えないようなカードの採用も目立つ -- (名無しさん) 2011-04-08 23 23 11 自分は赤緑のCX配分は悪くないと思います、けど能力と力×3よりレールガンの扉を2枚と能力とちから×1にしたほうがシナジーしやすいかと -- (名無しさん) 2011-04-08 23 53 10 異能力者春上の色が黄になってる あと赤緑のデッキレシピは参考にならないかと -- (名無しさん) 2011-04-09 01 24 55 第三位はまだ使える。でもたしかに先輩後輩、御坂美琴は使えないと思うな。CXも超電磁砲、せんせい4ずつでいくね?あとレベル2戦う気ないだろ。 -- (名無しさん) 2011-04-09 05 59 57 レシピの何がひどいって2種の初春の記憶が死にテキストってことだよ。思い出+サーチの春上ないなら水辺はいらないし、チェンジ元も記憶の見込みもないなら水着も回復だけだから美琴黒子に寄せるべきだし。まあいろいろ酷い -- (名無しさん) 2011-04-09 12 21 09 確かに。水着は回復要因と考えれば記憶はいいとして。水辺は完全に死んでるな。 -- (名無しさん) 2011-04-09 12 26 55 1レベ以下の構築がひどいな。CXもせんせいの執念はいらないだろ。 -- (名無しさん) 2011-04-09 13 58 51 総合すると全部酷いんじゃねーかwwwこれ書いた奴とある使った事ないだろってレベル -- (名無しさん) 2011-04-09 21 31 20 ごめん、素で思い出春上間違えてた。。まあ回したことないのは確か。 -- (名無しさん) 2011-04-10 00 07 03 一応直した。まあWikiなんてみんなで編集していくものだし、もっと改善点とかよろしく。 -- (名無しさん) 2011-04-10 00 11 54 1、2枚水辺の佐天させば、お花畑とかにメタれるんじゃない? -- (名無しさん) 2011-04-10 03 43 13 ↑の人達と被る所もあるが書かせてくれ 学園生活 美琴を入れるなら 1ドロー、ソウル+1、パワー+2000の超電磁砲も採用圏内かもしれないけど、 基本扉の方を四積みとせんせいの執念四積みで良いと思う。 それと御坂 美琴はシナジーが微妙だし、 先輩と後輩美琴&黒子も1コスト払って出す後列にしては微妙だと思うから抜いた方が良い。 そのかわり、勝ち気な女の子 美琴を積むとレベル2帯が弱いこのデッキには良いと思う(アンコールが冥土帰しと被るが…) ってか一つ屋根の下美琴&黒子が主体のデッキに、冥土帰しが入ってること自体が疑問なんだが… あと、流石に回復要因と言っても 記憶も発動できないんじゃ水着の初春はこのデッキには入らないでしょ…。 というとある赤緑使いのアドバイスでしたとさ。 ぶっちゃけ回してからデッキレシピ書いて欲しかった… -- (名無しさん) 2011-04-10 04 04 23 ↑行間あけすぎましたすいません… -- (名無しさん) 2011-04-10 04 18 33 効果無視しても回復持ちってだけで入れる価値はある。現環境のネオス動物デッキなんかいい例だと思う。記憶無視しても(休憩!ないのもあるが)回復要因で入れてるの多いし。 -- (名無しさん) 2011-04-10 08 50 10 一つ屋根の下入れると冥土返しが抜けるのところkwsk -- (名無しさん) 2011-04-10 10 55 41 ↑4 -- (名無しさん) 2011-04-10 11 45 10 ↑みすった ↑5こそ回してるのかって思うのだが -- (名無しさん) 2011-04-10 11 46 05 無理があるデッキだな・・・もっと考えよう^^; -- (名無しさん) 2011-04-10 17 41 31 俺が最初のレシピのLv0に初春や春上入れて一通と黒子の枚数を減らしたのはレベルが上がってもそっちのほうが使えると思うから。黒子なんてLv1以降はただの2000だし。でもあれか、今のデッキレシピは冥土帰しのアンコールが軸だから別にいいのか -- (名無しさん) 2011-04-10 19 03 51 レベル1以降に役立つとしてもレベル0で戦力外通告なんじゃ無理に増やせない。頼むからレシピ書くなら回してから考えてくれ -- (名無しさん) 2011-04-10 21 56 48 ↑6 冥土でハンド減ると屋根下バーンが撃ちづらいってことじゃね。プレイングで回避できるしチェンジ先落とせるからそこまで相性悪くはないと思うが -- (名無しさん) 2011-04-10 22 00 53 ↑なるほど。だが一つ屋根の下を3枚並べるなんてことしない限り困らない筈だよな -- (名無しさん) 2011-04-10 22 22 52 そもそも一つ屋根でアタックしたら絶対発動しようってのがおかしいだろ。チェンジで出してから相手レベル2の状態では発動しないだろ。パワーカードだけど下手な奴が使えば紙になる。 -- (名無しさん) 2011-04-10 23 12 25 ↑4最初のデッキレシピは初春2の春上3で一通2の黒子3だったから無理に増やしてるわけではないと思うのだが...ギミックとしてLv1初春のカウンターがあるし。あと、今まで誰も超能力のページを作らなかったから俺が作ってみただけで、後半の一文は「だったら回してるお前が書けよ」という風に相手を逆撫でるだけだからやめたほうがいいよ -- (名無しさん) 2011-04-11 00 21 14 すまん、ここでグチグチいっててもしょうがないな。基盤(?)は作ったからあとはみんなで良いものにしてってくれ。 -- (名無しさん) 2011-04-11 00 26 47 超能力デッキといえど、赤緑なら超能力・風紀委員って考えたほうが安定するんじゃないか。水着の固法とかビッグスパイダーとか効果は風紀委員だけど使いやすいのあるし -- (名無しさん) 2011-04-11 01 20 32 冥土帰しは2枚位でいいと思う。4枚はさすがに多すぎる。 -- (名無しさん) 2011-04-12 00 10 42 レベル0は黒子や一方通行で逃げ&相打ちしつつ春上や小萌先生で必要なキャラをサーチ。レベル1は常盤台のお嬢様 黒子とドレス姿の美琴でアタック。レベル2は“多才能力者”木山と “定温保存”初春を出してどちらかのCXシナジーでストックを溜める。レベル3は一つ屋根の下 美琴&黒子と“最強無敵の電撃姫”美琴を出して押し切るというのが私のやり方です。少しでも参考になれば幸いです -- (名無しさん) 2011-04-12 01 07 27 普通の女の子佐天をいれる案はないの?使ってるけど普通に強いよ。超能力に関係ないのはいれないという縛りがあるわけではないでしょ? -- (名無しさん) 2011-04-12 02 38 34 普通の女の子 佐天 強いとは思うが特定のCX積まないといけないし枠があるか怪しい気がする -- (名無しさん) 2011-04-12 08 08 08 安定させるならレベル1帯は一色がいいから俺なら入れない。あと上の人も言ってるがCXに割く枠がないのとCX対応は2以上あると意外と安定しない。 -- (名無しさん) 2011-04-12 08 41 54 ↑悪い対応入ってなかったな。 -- (名無しさん) 2011-04-12 09 23 35 木山2はすくなくない?回収したいってときにいないことがあるよ。 -- (名無しさん) 2011-04-12 17 06 06 プール掃除二枚しかサーチないのに、木山2枚、パジャマの美琴2枚しか入ってないとかカードゲーム舐めてるとしか思えない。チェンジをオマケにするにしてもこの構築なら木山は4積むべき。 -- (名無しさん) 2011-04-14 08 46 24 フルゲならわからなくもないが……この構築だとキャントリ三枚も入ってるし、確かに引きが不安定だな。少なくとも3:3は入れないと駄目だと思う。後列やチェンジ元が揃うか微妙だからプール掃除とか入れてる余裕ないかと -- (名無しさん) 2011-04-14 14 37 52 赤緑なら↑9の言うとおり風紀委員型がいいかと 木山を入れたいなら0/0と助太刀で調整すればいいだろうし・・・にしても上の赤緑デッキは緑少なすぎだろwww -- (名無しさん) 2011-04-14 18 14 18 木山先生は2枚がベスト。2枚でも普通に引ける。 -- (名無しさん) 2011-05-01 03 05 33 後列に2枚並べたいなら最低でも3枚は必要だろ ストック行ったらどうするんだよ -- (名無しさん) 2011-05-01 09 33 48 いや、後列は基本冥土帰しと木山せんせいじゃね?2枚でも引けるってのはちょっと強気すぎると思うけど -- (名無しさん) 2011-05-01 10 26 46 パジャマか木山の枚数増やさないとプール掃除が荷物になりそう -- (名無しさん) 2011-05-20 11 45 17 話の腰を折るようで悪いが、っぱと見た感じ緑赤型はクラスメイト佐天によって場が壊滅しそうなのだが、大丈夫なの?クラスメイト佐天を使用している者だが、簡単に揃うよ佐天は。絆があるし -- (名無しさん) 2011-05-21 00 04 35 何がどう壊滅しそうなのかkwsk。クラスメイト佐天こそ11000アンコより伸びしろが無いせいで、レベル3じゃ超能力にボコられるよ。レベル2だってチェンジで出てきた美琴黒子に勝てないし。そもそも佐天は絆や本人の2コスが重いから揃えられても簡単に並ばないし並べるとレベル3までにストックが消える -- (名無しさん) 2011-05-21 02 08 22 佐天がクドみたいな効果だったら頷けたがな。少なくとも11000程度なら壊滅はないな。 -- (名無しさん) 2011-05-21 08 14 02 木山先生は2枚で引けなかった事が無い。3枚だった時は逆に木山先生は引きすぎで事故った。(泣)だから俺は基本LV応援は2枚の構築になってる。 -- (名無しさん) 2011-05-22 02 45 41 木山先生は4積み推奨だね。冥土返しのお陰でパンチャーにもなるし引きすぎで事故ってありえんと思う -- (名無し) 2011-05-23 10 28 52 というか能力とちから積んでんのに御坂美琴入ってないしw -- (名無しさん) 2011-05-26 19 05 26 ↑必要か? 1/0バニラはあるし、個人的には好きだが少なからず選択にはなるだろうし、一般的にはバニラが採用しやすいと思う。広く採用されるカードを書くからデッキ例の意味があるわけだし -- (名無しさん) 2011-05-26 19 18 40 いらん。正直弱い。どうしても無きゃ戦えないようなレベル1以下の超能力キャラなんていないだろ -- (名無しさん) 2011-05-26 20 23 00 話は変わるが、Rewriteの天王寺瑚太郎(黄)も入れれるのか? -- (名無しさん) 2011-07-17 02 11 03 ページ作った当初にそんなものは存在してなかったんでね…。使いたかったら使えば程度じゃね?ってか先輩と後輩は強いですよ。 -- (名無しさん) 2011-07-17 12 10 29 ↑1/0だったら採用しても良かったけど1/1だとなぁ…正直ぶっ飛んでる木山先生のおかげでレベル1帯に後列要らないしレベル0に少し詰めれば十分 -- (名無しさん) 2011-07-17 14 46 43 お嬢様黒子との兼ね合いで相打ちメタや"美琴"を含んだ後列、扉めくれた時の効果とか使えると思うんだけどなぁ…。地味に木山との相性も良好だし、後列木山2枚と比べたら流石にあれだけどさ…。俺はかなり信頼してるカードだよ。ピン刺しで十分だから使ったことなかったら使ってみ? -- (名無しさん) 2011-07-18 11 25 30 緑の瑚太朗は強くなる -- (名無しさん) 2012-01-02 11 40 45 ↑追記 マーカーでレベル上がるやつ マーカー3つと木山1人で11500になる そこまでいけばなかなかやられない -- (名無しさん) 2012-01-02 11 44 29 禁書の青色で強いデッキありませんか??? -- (HELP!!) 2012-01-04 22 52 45 ↑禁書の青色で強いデッキは流石にきついんじょないか? -- (名無しさん) 2012-01-05 02 19 59 弱体化したとは言え赤緑色デッキなら冥土帰し無しでもなんとかなる、でも黄緑デッキの一方さんは返しのターン弱いから手札アンコないときつい気がするのは俺だけか? -- (名無しさん) 2012-01-05 21 31 04 ↑2いや 青はインデックスさんがなかなか闘えるが 使ったことがないからそう言えるんだろうけど インデックス中心に建宮さんと五和いれて物足りなかったらオルソラを入れるとか 色々と強いカードはあるよ 長文すみません -- (名無しさん) 2012-01-06 08 00 47 前のデッキレシピは正直微妙だが、年末にあげられたレシピは前のデッキにくらべてだいぶましになったな(笑) -- (名無しさん) 2012-01-06 15 16 26 小萌せんせーつまないのかな、 -- (名無しさん) 2012-01-30 00 11 32 後列小萌せんせーで前に木山出して殴れるんだぜ 返しは風子とかつんどきゃいいし -- (名無しさん) 2012-01-30 00 13 09 木山を4積みしてるから小萌はいらないだろ、どうせ木山に圧殺される。コスト勿体無いし冥土返しが禁止になったのにリスクを犯してまで木山を前列に出す意味がわからない。 -- (名無しさん) 2012-01-30 21 08 33 連続すみません。。それに常盤台のお嬢様 黒子のことも考えると後列の応援は「美琴」の方が安定する。 -- (名無しさん) 2012-01-30 21 10 46 これって超能力デッキじゃなくて制限前とあるデッキじゃん。超能力デッキとか言うならKOFとかハルヒとかからも有用なカードあるんだし、そこも書けよ。もし書かないんだったらデッキ名変えろ -- (名無しさん) 2012-02-02 09 03 44 知らんけど、とあるの夏ってやつのログ残すのに置いておけばいいが。デッキとしては今使えないからポピュラーそうな超能力デッキとして今残すのは違うかも -- (名無しさん) 2012-02-02 09 09 15 ↑2 ちゃんと最後まで見たか?確かに上の方のデッキは制限前だが下の方のデッキは制限に対応してるぞ。だが、「超能力デッキ」の名前を変えた方がいいとは思う。「とある超能力デッキ」とかww -- (名無しさん) 2012-02-02 12 30 43 ↑2 とあるの夏ん時からすると制限うけて弱体化はしたが、まだまだ実用レベルだろ。確かにトップメタではないが2chの強弱スレでも未だにBランクに入ってる。最強ではないが強いタイトルである事には変わりない、少なくとも弱くはねーぞ。 -- (名無しさん) 2012-02-02 12 35 45 ↑強弱以前に相手が使うタイトルやデッキによって強さなんて変わるだろw だが木 -- (名無しさん) 2012-02-09 16 26 14 ↑誤送信したorz 木山+一方通行のハイパワーのごり押しで現段階はなんとかやっていける -- (名無しさん) 2012-02-09 16 27 40 だが高パワーによる場アド維持+レベルバンプなんて壊れ性能を現段階も引き継げていけるのだから下手にエクストラ何かがでた瞬間木山が禁止か制限うけるのは必然的。 だから今あるデッキレシピがとあるの限界だと思う -- (名無しさん) 2012-02-09 16 41 06 このページのデッキレシピを最近ちょこちょこ書きこんでいるものです。そうですね、、エクストラでこれ以上強化されたら木山先生規制されかねないですorz現段階ではこれが限界なんですかね。。 -- (名無しさん) 2012-02-09 17 16 00 ↑3やっていけるわけないだろ とあるがいまでも強タイトルでいるのは木山、小萌の超能力パンプはもちろん、屋根下の存在でしょ 実際一方通行のパワー越えるタイトルなんて多々ある -- (名無しさん) 2012-02-09 17 23 12 一方通行 木山2枚張れば19000になると思うんだけど20000まで届くタイトルってそんなにある? -- (名無しさん) 2012-02-09 19 15 19 相手からしたら19000は確かに驚異だ、一方さんマジぱないっす(*1))))))弱点は早出し出来ない事と妹達を大量投入して、更にCXの関係上どうしてもサーチ、回収が弱い事。冥途返し禁止でLv.2一方通行さんが使いづらくなった事か… -- (名無しさん) 2012-02-09 19 29 05 なんかガチで一方通行スレがあがってるけど、冷静に考えて一方通行を大会に出す人はいない フリーで回す際ファンとしてはいいけど実際19000になっても3体なるわけじゃないから安定して戦えるとまでは言えない -- (名無しさん) 2012-02-09 20 07 45 ↑2まあ黄色は元々恵まれてない色だしね色々と サーチは待ち合わせ、美琴の妹ミサカでいいんじゃない? -- (名無しさん) 2012-02-09 20 10 58 何か盛り上がってる(笑)確かに一方さん19000を並べる事はできないな汗やっぱり、早出し可能でバーンのある屋根したが安定、そういえばサーチには美琴妹があったねww -- (名無しさん) 2012-02-09 20 32 30 今、赤黄でデッキを作っているのですが作り方次第で他タイトルのガチデッキと戦えますか? -- (名無しさん) 2012-05-10 22 22 00 やっぱり、マルチ木山居ないときついんじゃないかな? -- (名無しさん) 2012-05-17 03 39 35 ↑2それは夢見すぎ 昔赤黄でも闘えたのは冥土帰しがいたからだからね 今赤黄だけとかバックも不安定すぎるからとあるは現状魔法で組まない限り緑赤を中心に組まないと宇宙人や化物といった上位タイトルに勝てる訳がない -- (名無しさん) 2012-05-17 06 47 18 ありがとうございます。 初春の代わりに当麻か佐天を入れるのはありでしょうか? -- (名無しさん) 2012-05-17 20 42 13 美琴の妹 ミサカは強いな 1-6リフレッシュ狙いに行ける -- (名無しさん) 2012-05-19 01 57 17 最強無敵の電撃姫美琴と水着の初春どちらか一枚を最後のレベル3枠にしたいと思っています。 どちらがいいでしょうか? 屋根下2枚、初春2枚、電撃姫枚です。 -- (名無しさん) 2012-06-26 19 27 55 誤送信すいません。 電撃姫を今は一枚入れてます。 -- (名無しさん) 2012-06-26 19 29 25 初春でいいんじゃないですか? -- (名無しさん) 2012-06-26 21 19 57 返事ありがとうございます。 やっぱり回復の方が助かりますよね。それに風紀委員だからビッグスパイダーも使えますし。 -- (名無しさん) 2012-06-27 00 10 17 ↑今後の環境を考えるとシンフォギア対策に水辺の佐天でもいいと思うんだけど…。あとはABvol.2でるから、そこへの対策も出来るし。 -- (名無しさん) 2012-06-27 01 46 56 そういや、忘れてました。 環境にもよりますが、佐天をピン積みしてみようとも思います。 -- (名無しさん) 2012-06-27 17 49 47 初春メインt佐天でデッキを作ろうと思っています。 ビッグスパイダーを3積みか、助太刀固法ピン、スパイダー2積みどちらかで迷っています。 みなさんのご意見をお聞かせ下さい。 -- (名無しさん) 2012-08-08 21 47 11 超能力デッキのキーカードが4カード共存制限になったけど勝てるのか? -- (名無しさん) 2012-08-20 20 50 31 一応勝てるけど、タイトル的に勝てない奴らが増えた -- (名無しさん) 2012-08-28 15 48 25 ↑3私は風紀委員で固めてないのでビッグスパイダーではなく、固法先輩1択です。何かあった時にプール掃除で回収しますから大丈夫。一様緑単も作っています。そっちはビッグスパイダーを3積みの固法先輩2済みです。理由は佐天さんにビッグスパイダーが使えない点とタイトル的にイベント回収できるキャラがいないため“精神感応”春上でも回収出来きる固法先輩を入れてます。私のデッキはカウンターが5枚あることになりますね。それでも緑のイベントは他に使えたところで、スカートめくりくらいですからね。そう考えると緑で佐天さんや春上さんを入れるなら固法先輩は必要になると思います。 -- (名無しさん) 2012-10-16 22 11 46
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭 第7話『壮絶なるビンゴ大戦』 ◇ こちらは上条のクラスメイトs。 女の子達は景品に抱きしめてもらえる権利があると聞いてから大盛り上がり。 ただライバルが多過ぎることはわかっているので若干殺気づいている。 そんな状況に吹寄は腹を立てていた。 吹寄「抱きしめてもらえる権利なんて……ふざけすぎよあいつら!!」 青ピ「まーまー落ち着くんや、それに見たらわかるけどむかつくことにあの権利をほしがってる女子は結構おるみたいやで。ほら、ここにも。」 青ピが指差す先にいるのは巫女姿の少女と修道服姿の少女。 姫神「……これは参加するしかないわね…あたなも参加するでしょう?」 インデックス「もちろんなんだよ!ね?ひょうか!」 風斬「うん。でも私は特に欲しいものないしビンゴしたらカードあげるね。」 いつのまにか上条のクラスメイトの合流してしていたインデックスと風斬。 姫神と共にやる気満々だ。 吹寄「まさか貴女達あのバカに抱きしめてもらう権利ねらいなの……?」 姫神「……」 インデックス「え、そ、そんなことないんだよ?私はイギリス清教のシスターであってそんな欲望にまみれたような行為を欲するわけ……」 インデックスはあやしさ全開だ。 そんなあやしい2人と同じテーブルの席に座っていた雲川が反応した。 雲川「あなた達も権利ねらいなのか、まあ私もだけど。」 本気か嘘かわからないが雲川は不気味な笑みを浮かべる。 これにはさすがの吹寄も驚いたようだ。 吹寄「雲川先輩まで!?あんな根性無しのどこがいいのよ……あたしには理解できないわ。」 上条のクラスメイトs+インデックス&風斬、参加決定。 ◇ こちらはアニェーゼ部隊、ちゃんと200人くらい部隊員全員いる。 アンジェレネ「なんか盛り上がってますね、私は何にしようかな……」 ルチア「シスター・アンジェレネ、我々聖職者がこのようなゲームに参加することは許されません。どうしても参加するというならあの野菜の盛り合わせにしておきなさい。ね、シスター・アニェーゼ。」 アニェーゼ「へ?」 ルチアが隣のアニェーゼに目をやるとアニェーゼは手にばっちりビンゴカードを持っていた。 それもさっき土御門が『抱きしめてもらう権利』を提案するまでは持っていなかったのに、だ。 ルチア「……シスター・アニェーゼ…それは?」 アニェーゼ「ち、違いますよ!?別に私は抱きしめてもらおうなんて思っちゃいねーですからね!?」 アニェーゼ=サンクティス、参加決定。 ◇ こちらはイギリスの結社予備軍『新たなる光』のメンバー。 レッサー「さーて、ここはもちろん権利狙いでいきますかね。」 ペイロープ「そういや1つ確かめときたいんだけどさ、レッサーって上条当麻のこと好きなの?確か前は『色仕掛けで彼を組織に取り入れる』って言ってたけど。」 レッサー「え?それは内緒ですよ。各自自分で想像してください。」 フロリス「!!?ど、どっちなのよ……それによっては敵が1人減るか増えるかの大事な問題なんだし……」 ランシス「フロリス……完璧に惚れたんだ…」 『新たなる光』のメンバー、参加決定。 ◇ ◇ ◇ と、まあこんな感じで上条や美琴の知らない場所でもいろいろあって結局参加者はほぼ全員ということになった。 そのためビンゴカードを配るのにかなり時間がかかってしまった。 だがどれだけ時間が経とうと美琴達のテンションは下がらない。下がるわけがない。 初春「早くビンゴできるといいですね!」 美琴「い、いや別に……」 美琴もカードを受け取り平然とした様子を見せていたが内心ものすごくどきどきしていた。 一刻も早くビンゴを始めたい、その気持ちから真ん中の最初から開けるとこをいじりまくっている。これ以上いじるとちぎれそうだ。 土御門「よ~し!それじゃ基本ルールはさっき説明したけど他のルールを説明するぜい!」 全員にビンゴカードが行き渡ったことを確認した土御門は説明を始めた。 ちなみに全くルールを知らない人にはルールが書いてある紙を渡しておいてある。 またビンゴした人は質問タイムの時と同じマイクのスイッチを押すことでビンゴを知らせる仕組みだが、これもすでにみんなの説明してある。 土御門「えーと、1ビンゴじゃつまらないから2ビンゴにするぜい!後、ビンゴしたカードの奪い合いはほどほどにしてくれよ!」 上条「いやそこは禁止しろよ!ビンゴの意味ねーだろ!!」 『はははっ!』と、このやり取りに一部から笑いが起きた。 だが美琴は一切笑っていない。笑っている余裕などなかった。 両手でビンゴガードを宝物のように持って上条のみを見つめていた。 美琴(ビンゴすればアイツに抱きしめてもらえる……ビンゴさえすれば…ビンゴさえ……) なんとしてでも抱きしめてもらいたい。美琴は強く、それは強く願った。 しかしそんな美琴の想いを上条は知る余地もない。 そんなこんなでいろんな人の想いが交差する中、ついにビンゴ大会が始まった――――― 土御門「では上やん!記念すべき1つ目を引いてくれい!!」 上条「あいよ!どれ……」 上条はゴソゴソとでかい箱の中身をかき回しピンポン球くらいの大きさの玉を取り出した。 そこの書かれている数字を上条が読み上げる。 上条「えーと……16番!!」 美琴はすぐさま手元のカードに目を移す。 16番は美琴のビンゴカードには 美琴「………ない……」 なかったことで美琴のテンションは急降下。他人が見てわかるくらい落ち込んだ。 佐天「ッ!?御坂さん!?落ち込み過ぎじゃないですか!?」 初春(それほど上条さんに抱きしめてもらいたいんですね。) 美琴はわかりやすかった、だが美琴と同じ反応をしている女の子は会場にたくさんいた。 続いて2回目、上条が取り出した玉に書かれていた数字は 上条「続いて71番!」 会場内からは『よっしゃー!』とか『上条もっといい番号ひけー!!』とかいろいろ聞こえてくる。 そして美琴はというと… 美琴「……ない…」 またしてもはずれ、上条の手を握ったり素直にストラップを渡せたりと先ほどまでは運がいいほうだったのにビンゴとなってからはなぜか運が悪かった。 そんな美琴に対し初春、春上、湾内の3人は2つ、固法、婚后が1つカードに書いてある番号をコールされているので気まずい雰囲気になりつつあった。 さらにその後も美琴のカードの番号がコールされることはなく8回目を迎えた。 美琴「………グスッ…」 佐天「な、泣かないでくださいよ御坂さん!?」 固法「そ、そうよ!今度こそ呼ばれるって!」 少し……というか結構涙目だった。 美琴以外のメンバーは全員少なくとも2度は自分のカードの番号を呼ばれているので超かなり気まずい雰囲気が漂ってしまっている。 そして8回目、上条は勢いよく箱から玉を取り出した。 上条「えーと……68番!」 美琴のテーブルのメンバーの視線が美琴のカードに集まる。 とにかく1つ美琴のカードの番号が呼ばれてほしい、全員そう願っていた。 そして――― 美琴「あ、あった!!」 8回目にしてついに1つ穴が空いた。普通に考えて1つ目が開くのには遅いが美琴は嬉しかった。 だが――――― ???「おおおおおおおおおおお!!!!!!!!ビンゴや!!奇跡やぁー!!!!!!!」 美琴「ッ!!?」 上条「ええ!?もう!?」 なんと最短でのビンゴが出た。舞台上では上条も驚いており、参加者の間ではざわめいている。 ビンゴの主はというと 上条「また最初が青ピかよ……」 土御門「なんだつまらんにゃー。」 上条のクラスメイトの1人、青髪ピアスだった。ほしい景品があるようで小躍りしている。 美琴「よかった、男子か……」 ビンゴしたのが男子だとわかって美琴はほっとした。 まだ1つしか開いていないが美琴にも例の権利を手に入れられる可能性はある。 が、忘れてはならない。今この会場内にいるのは猛者中の猛者達、そしてそれぞれのどから手が出るほどほしい景品がある。 そして土御門が最初に言った『ビンゴカードの奪い合いは程々に』という言葉を。 青ピはビンゴの確認のため舞台前にやってきて土御門にカードを見せる。 どうやら間違いや不正はないらしく土御門はOKをだした。 土御門「はい、それじゃ1つ選んでくれだにゃー。」 青ピ「よっしゃっ!それじゃあボクの欲しい景品はごほぅぅううううううう!!」 上条「ええ!?ごぼう!?」 その時青ピに誰も触っていないにもかかわらずすごい勢いで後方へ吹っ飛んだ。 そして1回、2回とバウンドしてうつぶせで止まり動かなくなった。 こんなことができるのは1人……いや結構いるが今回は魔術が原因。 アニェーゼ「カードって……奪うのありなんですよね……?」 そう、アネェーゼの『蓮の杖(ロータスワンド)』だ。 彼女は『蓮の杖』を片手にニヤリと笑みを浮かべた。 つまりアネェーゼの計画は誰かビンゴした人を『蓮の杖』で攻撃し倒れたところでカードを奪うというものだった。 だがその策略とは裏腹に青ピが吹っ飛んだ勢いで彼の手にあったビンゴカードは宙を舞っていた。 このチャンスを逃す一同ではない。 一同「渡すかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 迷わず一斉に飛びかかった。 早かったのは聖人である神裂、アックア、レベル5の一方通行、軍覇、元神の右席のヴェント、騎士派の長騎士団長、まさにオールスターだ。 だが他の面々も負けてはいない。 天草式十字清教、インデックス、ステイル、シェリー、絹旗、麦野、海原などなども続く。 こうしてパーティ会場は戦場と化した。 だが美琴はあまりに急な出来事であったのに加え、戦闘能力がほぼない友人たちを非難させなければならなかったのでカードの奪い合いに参戦できていなかった。 同じテーブルにいたメンバーと共に会場の端っこの安全地帯に急いで非難する。 佐天「な、何がどーなってんの!!?」 湾内「……み、みなさん武器とか持ってるんですけど…」 急な大戦争に美琴の友人sは驚き、戸惑っている。 しかし幾多の戦場を経験してきた美琴には余裕があり、何がどうなっているのか状況判断をするため会場を見回す。 美琴(うわっすご…これ止めるべき?でも止められる雰囲気じゃないし……ん) みんなの殺気は尋常ではなく、たった1枚のビンゴしたカードを求めて戦争が起こっている中、美琴の目は1人の少年を捕えた。 美琴「アイツ……!」 上条だ、さっきまで舞台上にいたのになぜ下にいるのかは知らないが急に全員の攻撃が上条に集中しだした。 美琴たちが上条に行った集中砲火よりも凶悪な攻撃だ。 美琴(ちょっと!いくらアイツでも危ないんじゃない!?た、助けないと!!) そう考えた時、美琴はすでに上条の元へ走り出していた。 ◇ ◇ ◇ 上条「おいぃぃいいい!!土御門お前これどーすんだよ!!」 上条は舞台上で叫んでいた。 今会場内では国の軍隊と戦えるような人々による争いが起こっているのだが、その原因を作ったのは間違いなく土御門のせいだ。 彼が『カードの奪い合いはほどほどに』、などと言ってしまったからこんな戦争が起ったのだ。 怒鳴る上条に対し土御門は冷静に考えるそぶりを見せたあと上条の両肩を持ってこう言った。 土御門「………上やん、こういうときの対処方法は1つぜよ? い っ て こ い 」 上条「は?―――」 次の瞬間上条の目の前に広がっているたのは安全な舞台上からの景色ではなく戦場と化していた会場内だった。 つまり上条は舞台上から土御門に容赦なくつき落とされたわけだ。 ちなみに、会場全体と能力を全く使えない人には魔術による防御壁が張られているので安全だ。 とってつけたよう設定だが気にしないでほしい。 上条「………ビンゴってこういうゲームだっけ…」 何もできずただ呆然とする上条、そんな彼の元に何がどうなってかはわからないがひらひらと1枚のカードが降って来た。 上条「ん?……これはまさか…」 上条の顔がサーっと青くなる。 と、まだ完全に青くなっていないにも関わらず上条めがけてビーム的なものが飛んで来た。 上条「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 間一髪、上条は右手を前に出しそのビームをかき消した。 攻撃の正体はレベル5の1人、麦野沈利の『原子崩し』だ。 麦野「チッ!失敗したか!!次はぶ ち 抜 く 」 上条「え、当てる気!?」 当たれば当然ビンゴカードも消し飛ぶがなぜかそんなことはおかまいなしのように第2、3陣の攻撃が上条を狙う。 すると今度は白い弾丸的なものが飛んで来た。 上条「ななな!?なんだなんだ?何が飛んで来たんだ!?」 軍覇「根性だぁぁぁぁぁあああああ!!レベル5の7人目削板軍覇、参上!!」 削板軍覇だ。上条は軍覇の存在を知らないので特攻服姿に唖然としていた。 そんな上条に白い特攻服が近づいてきた。 軍覇「さあそのカードを渡せ……っうお!!」 上条からカードを受け取ろうと手を伸ばした軍覇に凶悪なハンマーが勢いよく振り下ろされた。 軍覇はそれを間一髪で交わし臨戦態勢に入る。 軍覇「後ろから狙うとはなんて根性のないやつだ!!お前何者だ!!!」 ヴェント「名乗る暇なんかねぇよ白いの!邪魔するってんならテメェから消すぞ!!」 軍覇「ほう!いい根性だ!!相手になってやろう!!!」 ここでまさかの削板軍覇VS前方のヴェントが勃発、そろそろシャレにならない。 ヴェントはハンマーを振り回し、軍覇は素手でわけのわからない能力を使い応戦している。 上条「こーれはまーずいんじゃねーの。」 上条は半分現実逃避していた。 だがそんな時間は長く続かない。 海原「そうですね……じゃあカードを渡してください、それで全て解決しますから。」 上条「な……海原…ッ!?」 いつのまにか上条の横には海原(エツァリ)が立っていた。 手には『トラウィスカルパンテクウトリの槍』のレプリカが握られており攻撃態勢に入っている。 上条「おおおおおおお!!?」 間一髪、上条は海原の攻撃をよけた。 上条「痛って……」 ……と、思われたがよけきれてはいなかった、手の甲の皮膚が少しはがされ血がにじむ。 上条は海原が2撃目の攻撃に移る前に再び走り出す。 上条「海原のやつ本気かよ!!つーかなんで俺の帰還記念パーティでこんな目の遭わなきゃなんねーんでせうか!??」 上条は最もな意見を叫ぶがそんなことは無駄である。 カードを狙う者が次々と上条に襲いかかる。 インデックス「とうま!そのカードを渡すんだよ!!」 アックア「渡すのである!!」 一方「とっとと渡さねェかァ!!」 ステイル「渡せ上条!!」 絹旗「超渡しなさい!」 建宮「早く渡すのよな上条!!」 アニェーゼ「渡しやがりなさい!!」 結標「渡したほうがいいわよ!!」 みんな本気だった。 テーブルやイスや浜面や横須賀は吹っ飛び、粉々になったテーブルなどの破片がそこらじゅうに散乱している。(注:浜面と横須賀はコナゴナになっていません) それに科学サイドの人が多くいるというのに普通に魔術を使っている。だがそんなこと誰も気に留めていなかった。 さらにあまりに激しい攻撃のため上条の制服は破れ、靴は脱げてしまった。 だがそれでも上条は逃げる、止まらずに会場内を駆け回る。 上条「うっおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」 カードを手に入れようとする人々も必死だが上条も必死だ、そりゃ何たって命がかかってるんだもの。 次々とやってくる攻撃をかわし、かき消し、あることに気づいた。 上条「あ、これカード手放せばいいじゃん。」 もっと早く気づけと言いたくなる、上条は速攻でカードをそこらへんに放り投げた。 が、不幸のせいなのか知らないが 上条「はあぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!??!?なんでだよ!!!!」 上条への攻撃が一切止まなかった。 さらに再び麦野の『原子崩し』が上条を襲う。 上条「もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」 恐怖のあまり、思わず側にあった何かにしがみつくように飛びついた。 上条「はっ、はっ、もう、無理、逃げれな……あれ?何?どうしたの?」 なぜか今の今まで大騒ぎしていた会場内がかなり静かになっている。上条を追っていた人々も止まっていた。 不信に思ったので息を整えながらぐるりと辺りを見渡すと、誰もが上条のほうを見ていた。一部からは先ほどとは別の殺気が感じられる。 ここで上条は気がついた、今自分が抱きついているモノがただのモノではないことを。 上条は目線をその抱きしめているものに移す。 上条「…………これはまさか……?」 目に映ったモノは茶色っぽい髪、どうやら頭のてっぺんのようだ。 上条はそのままゆっくりと抱きしめてる手を離した、すると現れたのは――― 上条「み、御坂………」 顔を真っ赤に染めた美琴だった。 つまり上条は30秒ほどに渡って美琴を自分の胸に押しつけ思いっきり抱きしめていたのだ。 土御門「おおっー!?これは常盤台の超電磁砲こと御坂美琴ちゃんが『上条当麻に抱きしめてもらえる権利』獲得だにゃー!」 舞台上で1人暢気に実況する土御門。 だが上条はそれどころではなかった。 上条「御坂!!ごめん!その、わざとじゃねーんだって!!」 美琴「………」 上条はパニクりながら必死で謝っているが美琴は無言、微動だにしなかった。 否、動いていないようで動いていた、というか何やら震えている。 上条「だ、大丈夫か!?」 上条は地味にショックだった、そんなに抱きしめられたことが嫌だったのかと思ったからだ。 すると美琴は少し電気を発したかと思うと 上条「ま、まさか……」 美琴「ふにゃー。」 上条「漏電はやめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」 ものの見事に漏電した美琴、上条の右手はなんとか間に合い周囲に被害がでることは防いだ。 さらに本日2度目の気絶により美琴は倒れかけたので上条がしっかりと受け止めることにも成功した。 しかし不幸なことにその様子はまたしても上条が美琴を抱きしめているように見えたため火に油を注いだこととなり、女子陣はものすごい殺気を放ちながら上条に近づいて来た。 上条「え……ちょっと待てなんでせうかそのオーラは!お願いだから落ち着いてください!!土御門、お前からもなんか言ってくれ!!」 先陣を切って近づいてきたのは主に戦闘能力は高い面々。下手したら死ぬ。 上条は殺気を当てられ盛大にビビり、舞台上から愉快そうに眺めている土御門に助けを求めた。 土御門「しょーがないにゃー。んじゃ新しい景品を出すぜよ。でも同じものってのはつまらないし……」 土御門はうーん、と数秒考えた後パッと閃いたようで 土御門「じゃ、キスでいいかにゃー?」 上条に近づいていっていた女子陣が止まった。 土御門「だからビンゴした人には上条当麻から頬にキスしてもらえる権利が与えられるってわけですたい。」 「おおおー!!!!!」、と会場内の女子陣から大歓声が巻き起こった。 上条をフルボッコにしようとしていた女子陣も納得したようで、頬を紅く染めながら自分の席へと引き上げていった。 上条「た、助かった……?助かったぞぼぉう!??」 全然助かっていなかった。 上条は後頭部にドロップキックをくらい吹っ飛んでいた。 黒子「全くこの類人猿ときたら油断も隙もありませんわね……この場で抹殺しておいたほうがお姉様のためになるのでは、と考えましたが今はお姉様の介抱を優先しなければいけませんのでこれにて失礼いたしますわ。」 上条を蹴った犯人は医務室から生還した黒子、相変わらず容赦なかった。 そして上条が吹っ飛んだ際に離れた美琴は黒子にガッチリキャッチされ、黒子のテレポートによりどこかへと運ばれた。 上条「…ふ、不幸だ……」 ぼろぼろになった上条は倒れたままそう呟いた。 そんな上条に真っ赤なドレスの女性が近寄って来た。 キャーリサ「んー……おー!まだ王冠は無事じゃないか!!よかったな、お前まだ国際指名手配されずにすむぞ!この調子で大事にするがいいし。」 そしてキャーリサは去って行った。 『わざわざ王冠の確認のために俺を見に来たのか!』と、上条は言いたかったが体力的に無理だった。 それにしてもこんな状態になったというのに頭の上の王冠は無事なのだから奇跡としか言いようがない。 そんなわけでまだまだビンゴ大会は終わらない、次回も続く!! 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある少年の帰還記念祭
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その頃、一打、浜面がいる荷物置き場にだんだんと近づいてきた。 まず、『空間移動』で美琴、黒子が到着した。 「お姉様、到着しましたよ。」 「そう。ってアクセラ達、その荷物は何?」 「確かにこれは買いすぎじゃないですか?」 美琴と黒子はキャーリサが買った荷物の量に少し驚いていた。 「俺もこの荷物が誰のか分かねンだよォ。」 「でも打ち止めが『これに触って少しでも傷が付いたら不敬罪だよ』って言われたから王女様の物らしいけど…」 「えっ!そうなの打ち止め?」 「そうだよってミサカはミサカは肯定してみたり。」 美琴も黒子もキャーリサに会っていなかったので驚いていた。(現に美琴は今でもミサワを倒したのは当麻と思っている。) 「ひょっとしていつもn「第三王女じゃ無いよってミサカはミサカは言ってみたり。」 美琴はヴィリアンだと思っていたと思ってそう言おうとしたが、打ち止めに途中で否定した。 そんな話をしていたら、当麻が上空から降ってきた。 ドーン!!ゴロゴロドッシャーン!! この音は上条が空から落ちて、転がり、キャーリサの荷物にぶつかった音である。 こんな音をしながらも、骨折をしていないのは上条の耐久性のものだ。 ………………………あれ?今何だかすごいことをスルーした気がする。 読者様の指摘は間違っていない、そう、上条は今キャーリサの荷物につっこんだのだ。 この時、キャーリサの荷物と知ってる物達のリアクションは…… (まあアイツの事だから大丈夫だろ) と、そっけない物だった。 「……で、ではわたくしはジャッジメントとしてアンチスキルと合流しますわ。後のことは黒子が出来うるかぎりやっておきますので」 黒子が理由をつけてこの場を離れたことに当麻と打ち止め以外、すなわちキャーリサの荷物と知らない者達はズルイと思った。 そこに荷物の大部分の持ち主でもあるキャーリサがご機嫌でやって来た。 「おー、これはまたずいぶんと派手にやってくれたなー上条当麻」 「一応言っておくけどこれ、不可抗力だからな。……でも、荷物をこんなにしたことは悪かった。ごめんなさい」 「よし、許してやろー。形あるものはいつか滅びるわけだし、これくらいで怒っていては王女は務まらんからなー」 当麻の謝罪一つで簡単に許したキャーリサに美琴、一方通行、浜面は第二王女の心の広さに安心と感動を覚えた。 しかし、それでも不安は完全には消えないので美琴はおそるおそるキャーリサに尋ねる。 「あ、あの~、キャーリサさん。本当にお咎めは無いんですよね? 不敬罪にはならないですよね?」 「不敬罪? あー、打ち止めに言ったっけなー、そんなこと。心配するな、冗談だから。それに不慮の事故でこーなったんだ、不敬罪にはなるわけないだろー♪」 「よ、よかった~~~~~~」 「ただなぁ、その荷物、全部が全部私のじゃないんだ。私はともかく、後の二人がどー反応するのかは知らんからな」 キャーリサの口から出た事実に美琴、一方通行、浜面だけでなく当麻も目を点にさせる。 そんな中、浜面はここに運ばれる前の絹旗の言葉を思い返すと顔色を青くする。 「お、おい浜面? どうしたんだよ? もしかして二人が誰なのか心当たりあるのか?」 「あ、ああ……。言ってたんだよ、確かに絹旗が『私達の荷物番』って。つまりさ、一人は絹旗で間違いないんだけど後一人は分からん」 「お、どーやら後一人が来たよーだ。おいレッサー、だらしが無いぞ。たかだか子供一人運ぶだけだろーが。もースタミナ切れか? 情けないなー」 キャーリサの言った一人目は浜面によって絹旗だと判明したが、もう一人はまだキャーリサと打ち止め以外は分かっていなかった。 ちょうどその時、息も絶え絶えながら気を失っているミサワを抱えてやって来たレッサーを指してキャーリサが二人目だと宣言する。 「む、無茶、い、言わないで、ゼェ、下さい、よ、ハァハァ……。戦闘の後に回復魔術、おまけに……あーーーーーっ! 私と絹旗さんのチョコが置いてあった場所がーーーーーっ!」 レッサーは荷物があった場所の散々な有様に疲れも吹っ飛び、ミサワを器用に抱えたままで荷物があった場所まで駆け寄る。 荷物を一生懸命漁るレッサーに上琴はさっき彼女が言った聞き捨てては決していけないフレーズについて尋ねる。 「あの~レッサーさん、いまなんとおっしゃいましたでせうか?」 「あの中には私と絹旗のチョコが入っていたんですよ!!」 「「「「な、なんだってーーーーーーーー!!」」」」 上琴、一方通行、浜面は当麻がぶつかった所に絹旗とレッサーのチョコが入っているとは思わなかった。 そんな事をしていたら、絹旗が麦野を連れて来た。 「一体超何の騒ぎですか……ってあーーーーーっ!!私が飾利と涙子には超秘密でお兄ちゃんにあげようとしたチョコの超置いてあった場所が!!」 絹旗は初春、佐天には秘密で当麻にチョコを作っていたのだ。 話は変わるが、初春も佐天、絹旗には秘密で建宮にチョコを作っていたりする。 「麦野、自分で超立てますか!?」 「立てるけど、いきなりどうしたの?っていきなり抱えてた私を離すんじゃないわよ!!」 絹旗は麦野が自分で立てると聞いたとたん、いきなり麦野を離しレッサー同様自分のチョコが大丈夫か確認しに行った。 また上琴、一方通行、浜面はチョコが無事な事を祈った。 そして数分後、絹旗とレッサーは自分のチョコを見つけた。 「良かった~チョコが超無事で。」 「私もチョコが無事でよかった~」 絹旗、レッサーは自分が作ったチョコが無事でホッとしていた。 「超誰ですか!!ここにぶつかったのは!!」 「一体誰がこんな事をしたのですか!!」 絹旗とレッサーは自分のチョコは無事だったが、それでも誰がやっとのか気になった。 「最愛とレッサー、それぶつかったのは俺なんだが…」 「上条さん、なぜぶつかったのでs「レッサー、超待ってください。」 絹旗は当麻がぶつかった理由が下手すると自分のせいかもしれないと思ったのでレッサーを止めた。 「絹旗、一体どうしたのですか?」 「お兄ちゃん、ひょっとしてぶつかった原因って私がここまで超飛ばしたからではありませんか。」 「確かにそうなんだよな。ここに着地ときにそこにぶつかっただよな。」 「レッサー、そこにぶつかった原因は超私です。私がお兄ちゃんを飛ばしたせいで…」 「別に不可抗力だったのなら仕方が無いです。それにチョコは無事だっただから。」 「「レッサー、(超)ありがとう!!」」 当麻と絹旗はレッサーの心の広さに感謝した。 二人がレッサーにお礼している時に浜面、絹旗にとって来て欲しくない人物が来てしまった。 「はまづら……? どうしてむぎのが一緒にいるの?」 「た、滝壺っ! ど、どうしてここに? いや、麦野とは別になーんにも無いぞ、心配するな」 滝壺がここに来た理由は非常に大きなAIM拡散力場を感じ取ったからで浜面が居たからでは決して無かったりする。 浜面は何も悪いことをしていないはずなのにもの凄い罪悪感に苛まれている所に、ヤンデレ麦野の攻勢が始まる。 「久しぶりね滝壺。今まで私の浜面の面倒を見てくれてありがとう♪ もうアンタは用済みだからさ、さっさと家に帰ったらどう?」 (ちょっと麦野さーーーーんっ! あんた何言っちゃってくれてんですかーーーーっ!) 「大丈夫、むぎのの言ってることが寝言だってことくらい分かってるから。もう一度言うよむぎの、はまづらから離れてっ!」 滝壺はそう言った後で浜面に贈るバレンタインのチョコが入った袋をこともあろうか麦野の顔面に投げつけた。 これにあっさり怒りのボルテージを上げる麦野だが超電磁砲EX(蹴りで放つ超電磁砲のこと)のダメージのせいで、能力は使えない。 「てめぇ滝壺ぉ! しばらく会わないうちに生意気になったわねぇ! 浜面は私のモンなんだよ! あんたの貧相な体にコイツが満足するわけないでしょうが!」 「そんなことはない。はまづらは毎日私で気持ちいいって言ってくれるし、私だってはまづらに気持ちよくしてもらってるから」 「なんだとぉ! 浜面ぁ! 滝壺なんかで満足してんじゃないわよ! 私のテクとナイスバディの方がずっと気持ちいいんだから試しなさいよ、今すぐ!」 (やーーーめーーーーてーーーーっ! こんな所でそんな恥ずかしい会話するのマジでやめてーーーーーっ!!) 公衆の面前で恥ずかしげも無く恥ずかしいことを言い合う滝壺と麦野に、浜面は恥ずかしさと止められない不甲斐無さに泣きたくなった。 浜面を巡って言い争う滝壺と麦野、三人の修羅場が幕を開けた。 浜滝+麦野の修羅場の会話を聞こえないように打ち止めの耳を塞ぐ一方通行だが、彼の視線は未だレッサーの背中に乗っているミサワに注がれていた。 ミサワに視線を送る一方通行に気付いたキャーリサは彼に近寄った。 その際、一方通行は打ち止めに聞かせられない話に来たと思い、美琴を呼んで打ち止めを引き取ってもらっている。 「どーやらお前があの子の言っていた第一位のよーだな、白い花婿。安心しろ、気絶してるだけだ」 「だったらアイツの脇腹の血痕はどうゆう意味だァ! てめェアイツに何しやがっ……っ!」 ミサワの服に付いていた血痕を見た一方通行は激昂してキャーリサに掴みかかるが、彼女の鋭い威圧的な視線に怯み、手を放した。 キャーリサは胸倉を掴まれたことなど気にも留めず、一方通行に向かって話し始める。 「どーしてお前が自分を殺しにくるよーな子を気にかけるのか、聞きはしない。それはお前の事情だからな。心配するな、確かに血は出したが傷は塞いだ。死にはしないさ」 「……そうか、悪ィな。で、どうしてアイツをココに連れて来た? そのまま置いてきてアンチスキルに拾わせてもいいンじゃねェか?」 「なーに、ちょっとこの子の歪んだ愛ってーやつが気に喰わなくてな。説教してやるのさ♪ 結果次第じゃー連れて行って教育する。ついでだ、お前もあの子と話をしろ」 自分達の事情に立ち入らないキャーリサに一方通行は感謝したが、ミサワと話し合えという命令だけは困っていた。 しかし断ることなど出来なかったのでキャーリサに付いて行き、ミサワを担いでいるレッサーの所へ向かい、到着すると、 「…………んっ」 タイミング良くミサワが目を覚ますのだった。 「あれ、何でミサカは寝ているんだっけ?」 ミサワは起きたばっかりだったので寝ぼけていた。 「あ、起きたようですね。じゃあ降ろしますよ。」 レッサーはミサワが起きるとすぐにミサワを降ろした。 その数秒後、ミサワはさっきまでの事を思い出した。 「あ、そうだったこんな事をしているんじゃなかった。早く第一位を見つけなければ、」 「俺ならここにいンぞ。」 「あれ、何でこんな近くに居るんですか?まあ、ミサカにとってどうでも良いで早く私のものになってください。」 ミサワはなぜ一方通行がこんな近くに居るのか気になったが、今は自分が一方通行を手に入れることを優先した。 「だから、なンで俺がお前のものにならなくちゃいけねぇンだよ!!」 「何故あなたが打ち止めを選んだ理由が分かりません。まだこんなに小さいのに。」 「小さいってどういうことってミサカはミサカは憤慨していたり。あなたなんか目つき悪いくせにってミサカはミサカはさっきの仕返しをしてみたり。」 「なんですて!!胸が小さいくせに生意気なことを言うんじゃないわよ!!」 「この後だんだんと大きくなるから良いんだよってミサカはミサカは言ってみたり。」 「だから、こういうことはこんなところでやるンじゃね!!」 こっちも浜滝+麦野同様、修羅場の幕を開けた。 だが、こっちはすぐに修羅場が止まった。 それはある意味自分に言われている事になってしまう美琴が原因だった。 「ねぇあなた達、それは私に文句を言っているのと同じだよね♪」 「ひぃ!!」 「美琴さん?電池切れのはずなのになんで髪からビリビリなっているんでせうか?」 美琴はミサワと打ち止めにものすっごい殺気が立っていた。 現にミサワと打ち止めは美琴に怯えていた。(打ち止めは口癖を忘れるほど。) ちなみに美琴が電池切れのはずなのに電撃が出ているのかは不明である。 「あんた達は黒こげになりたいようね♪」 「「すみませんでした!!」」 一秒もかからずにミサワと打ち止めは美琴に土下座して謝った。 「分かったなら良いわよ。でも、また私がいる所でこんな事をしたらどうなるか分かっているよね♪」 「「肝に銘じておきます!!」」 そういうと二人は修羅場なんか忘れ、何事も無かったような感じになった。 また、一方通行は美琴二人の修羅場を止めてくれて感謝していた。 その頃もう一つの修羅場はというと… 「だから、私は滝壺より気持ちよく出来るって言っているだろ!!」 「絶対に私の方が麦野よりはまづらを気持ちよいはずだもん!!」 終わる気配がまったく無かった。 ちなみに浜面が麦野と滝壺を止めていないかと言うと、自分が恥ずかしすぎて鼻血を出して気絶してしまったからだ。 もちろん二人は浜面が気絶している事に気づいていない。 「おお、ここにも同士がいたんですか!!」 「……超やばい、このままじゃ二人の人権が超やばいです……」 そうレッサーと絹旗が感想を残してもギャーギャーアダルトな話をしている二人は止まらない。 とうとうイラダチが頂点に達したのか学園都市最強が動く。 「オイオイオイオイオイ……テメァラ、ガキが聞いてンだろォがァァァああああああああああああああああああああああああああああ!!」 必殺、ロリコンの制裁が発動した。 一方通行は麦野の服を掴むと思いっきり投げ飛ばす。これでアダルトな話は終 「んなわけあるかァァァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 すぐさま上条が突っ込む。 「オイオイ、これで万事解決だろォが」 「アイツ誰だか知らねえけどあんだけ投げて無事でいるか!!ありゃ普通死ぬぞ!!」 「ンな事言ったらオマエはどォなるンだよ、それにバチバチ腕から出てたから大丈夫だろォ」 「そういうもんか?」 「そォいうモンだァ」 「アクセラレーター!!いきなり何しやがるんだ!!」 吹っ飛ばされた麦野は吹っ飛ばされた後、すぐに立ち上がり一方通行に怒った。 「あのな、そういうことは別に話しても良いンだが、ガキが居るンだからせめて場所を考えろ!!」 「「あっ、」」 麦野と滝壺は一方通行が場所を考えろと言われた事でやっと自重と言う言葉が出てきた。 「今さっきまで私が言ってた事がすごく恥ずかしくなってきた。」 「私も。」 今まで自分が言ってた事がみんなに聞かれていたので恥ずかしくなった。 「とりあえずこの話は後にしましょ。」 「そうね。そういえばはまづらは?」 「確かこの辺りにいたはずだけど…って浜面!?一体どうしたの?」 麦野が浜面が気絶していることに気づき、麦野と滝壺が浜面に近づいた。 「はまづら、聞こえてる?」 滝壺がそう言っても浜面は反応がなかった。 「はまづら、気絶している。」 「どうしよっか?」 麦野と滝壺は浜面の事では揉めるのに浜面が気絶している時は一緒に考えるのだった。 「なぁ上条、あの女だけどよ、あれが第四位だぞ。能力の破壊力に関しちゃ御坂より上って評判のな」 「マジですか! どおりで強かったわけだ……。でもそれでどうして第四位なんだ? なぁアクセラって居ねぇし!」 麦野のことを丸っきり分かっていなかった当麻に彼女のことを説明した一方通行はミサワの所へと向かった、当麻のことを無視して。 一方通行が気になったこと、それは今後のミサワの身の振り方だった。 「なァミサワ、てめェこれからどうすンだ?」 「どうするも何もミサカのやりたいことはあなたを殺してモノにすること。それは組織から自由になった今でも変わらないよ。そうすることしかミサカは知らないもの」 ミサワは本来、一方通行を殺す、または精神破壊を目的として生み出され、その為に非人道的な機会を取り付けられていた。 しかしロシアでの度重なる襲撃の最中、一方通行は彼女を殺す要因を全て破壊、本当の意味で彼女を解放したのだ。 だがたった一つの生き方しか知らないミサワ、一方通行に助けてもらった気持ちすらも殺すことに繋げるほどに短絡的、いわば子供にも等しい少女なのだ。 「そーか、じゃー私と一緒に来い♪ お前の知らない生き方ってーのを教えてやる。誰かを殺して満足するよーな生き方はつまらんからな。私の元で色々学ばせてやるぞ♪」 ミサワを引き取るも同然の言葉を発したのはキャーリサで、これにはミサワも一方通行も唖然とする他なかった。 「……呆れた。自分を殺そうとした人間を勧誘するなんて。しかも『一緒に来ないか?』じゃなくて『一緒に来い♪』だよ。ホント、あなたって変な人」 「何とでも言え。私はお前が気に入った、だからその生き方を正してやりたいってー思った、それだけだ。少なくともお前の愛、あれは私は愛とは認めん」 「そんなのミサカの勝手じゃない! ミサカにはこんな愛し方しか知らな痛っ!」 キャーリサの誘いに変人と思いながらも好意的に受け取っていたミサワだったが、自分の愛し方を否定されるとすぐさま激昂する。 しかしそんなミサワをすかさず叩くと、彼女が痛がってることは無視して、ヴィリアンについて話し始めるキャーリサだった。 「まー聞け。私の妹はな、歳の離れたオッサンを恋人にしてんだ。それでな、会う度にそいつとの惚気話を嫌ってくらいに聞かされるんだ、これが」 「だから何? それが一体何の関係があるの?」 「そん時の妹だがな、すっげーいい笑顔で話しやがんだ。すっげー幸せそうな、女の私が見ても綺麗だって思えるくらいのな。誰かを愛するってーのはそんな笑顔が自然に出るもんだ」 そうキャーリサが言うと、ミサワはハッとして彼女の言いたいことを理解してしまった。 「理解したよーだな。お前の笑顔は歪んだ笑顔ってやつになってる。恋するのなら、愛するのならもっといー笑顔になれ! そーすりゃ人生も楽しくなるってーもんだ♪」 「……そのイイ笑顔ってさ、あなたと一緒にいれば作れるようになるのかな?」 「まー断言は出来んが、少なくとも人生がもっと楽しくなることは間違いねーぞ。どうだ、一緒に英国に来い」 「最後まで疑問形じゃなくて命令形だったね、ホント呆れるよ。……分かった、ミサカはあなたに付いて行く。そして今の人生観を変えてから第一位にアタックする!」 こうしてミサワはキャーリサと一緒に英国に渡ることを決意、と同時にキャーリサの元で働くことも決定なわけだが。 そのドサクサで一方通行を全く諦めていない発言にツッコミを入れたのは一打だった。 「ちょっと待てやコラァあああああああああっ! そこは俺のことは諦めて新しい恋を見つけるって言う所だろォ、流れ的によォ!」 「そうだそうだってミサカはミサカは番外固体の諦めの悪さに怒ってみたり!」 「そー喚くな二人とも。この子の意思はこの子のモンだ。想うのも自由、想われるのも自由ってな♪」 一打はてっきりミサワ自身が反論するかと思ったが、キャーリサがミサワを肯定してきたのを受けてこの第二王女は変人だと結論付けた。 そんな一打を無視してキャーリサが考えたこと、それはミサワの服装で脇腹辺りは血で染まり、服装自体も一方通行をロシアで襲ってきたもので女の子らしく無いのが不満なのだ。 「さて、お前の服だがどーも可愛くないな。よし! 今から服を買いに行くぞ! なーに心配いらんぞ。面倒見るからにはこれくらいは当然だからな♪」 「あ、あ、ありがとう……」 「礼には及ばん。引き取り、面倒見ると言ったからには私のことは家族と思って構わんぞ♪ 何なら」 「じゃ、じゃあ、あなたのこと、お、お母さんって呼んで……いい?」 「うーん、お母さんか。まあ良いだーろ。それじゃあ行こーぞ。じゃあレッサー、絹旗一緒に行くぞ。」 「「(超)待ってください!!」」 「なーんだ、まだ何かすることあーんのか?」 「あります!!私は上条さんに渡すものがあるのですから!!」 「私もレッサーさんと超同じです。お兄ちゃんに渡すものが超あるんです!!」 「そうは言っても、上条当麻なら彼女と一緒にもうどっか行ってしまったーぞ。」 「「えっ!?」」 レッサーと絹旗が見渡すと上琴はいつの間にかいなくなっていた。 「「(超)いつの間にーー!!」」 「ほら言ったとーりだろ。ということで買い物に付き合え。」 レッサーと絹旗は仕方なくミサワの買い物に付き合うことになり、キャーリサ達と一緒に動くことになった。 「じゃあ打ち止め、俺達も行きますかァ。」 「うんってミサカはミサカは言ってみたり。」 一打もここにいる必要が無いので二人も動くことにした。 「滝壺、とりあえずここに居てもしょうがないからお前の家に行って良いか?」 「………良いよ。」 滝壺は一瞬考えたが、自分の家なら良いだろうと思ったので麦野を滝壺の家に連れて行くことにした。 「でも、どうやってはまづらを運ぶ?」 「じゃあ私が浜面を運ぼう。滝壺は病み上がりなんだろ?」 「………分かった。」 滝壺はまたも考えたが、滝壺自身が病み上がりなので仕方ないと思った。 そして麦野が浜面を運び、滝壺の家に向かうのだった。
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【殲滅白書その2】 そこは、先程までサーシャと五和が居た時計塔だった 五和「うーん……ここは……ッ!」 目を覚ますと、自分が椅子に座らされ、ロープで体を固定されている事に気付いた ヴェロニカ「お目覚めかしら?五和さん。」 五和「何の真似ですか!こんな事!」 ヴェロニカ「暴れない方がいいわよ。タダのロープじゃないから。」 五和「ッ…!」 ヴェロニカ「それよりも、早いとこ話を進めましょう。単刀直入に話すけど、 あなたにサーシャ・クロイツェフにここに来るように言ってほしいの。 本当はサーシャを直接誘拐した方が手っ取り早いのだけど、彼女は中々強いし、 たぶんオルガ一人じゃ勝てなかったでしょうから。出来るだけ穏便に事を運びたかったのよ。」 五和「で?それを私が承諾するとでも?あなた達は一体何者なんですか!?」 ヴェロニカ「はぁ、めんどくさいわね。こういう強気で正義感のある人って本当にめんどくさい。私達は殲滅白書のシスターよ。」 五和「殲滅白書!?ということは!」 ヴェロニカ「そうよ。理解してもらえた?ならさっさと指示に従ってくれるかしら?」 五和「聞いてなかったんですか?私は嫌だと言ったんですよ?」 ヴェロニカ「そう。じゃあ、ここで死ぬけど良い?」 五和「そんなものが脅しになると思ってるんですか?」 ヴェロニカ「へえ、面白い事言うじゃない。」 ヴェロニカ「じゃあ、ここであなたが断れば戦争になるけど、それでも良いかしら?もちろんあなたにもここで死んでもらうわ。」 五和「戦争ですって!?」 ヴェロニカ「私達はそれを避けるために取引してるのよ。一体戦争でどれだけの人間が無意味に死んでいく事か。 私は嫌だし、あなただって嫌でしょ?」 五和「……」 ヴェロニカ「この作戦が成功すれば、誰も死ななくて済むの。平和的でしょ?だかr」 五和「ふざけるな!!!」 ヴェロニカ「!?」 五和「何が平和的ですか!そもそもあなた達が勝手に人殺しを始めようとしてるだけじゃないですか!! サーシャちゃんを引き渡せば誰も死なない?だから平和的?ぜんっぜんおかしいですよ!!」 ヴェロニカ「そう。じゃあ戦争しかないわね。あなたのせいで無関係なシスターさんが沢山死ぬのね。心が痛むわ。」 ヴェロニカ「そう言えば、サーシャはあなたの友人だったかしら?友情と多くの人間の命、はたしてどっちが重いのかしらね?」 五和「サーシャちゃんは……あなた達から逃げて来たんですよね……?あなた達が誰も助けてくれないから、 だから私達に救いを求めてきたんですよねぇ!!だったら答えなんか最初から決まってます!! 例えどんな人でも、どんな事情があっても、敵でも味方でも、友達でもそうじゃなくても!! 救いを求める人に手を差し伸べるんですよ!!」 五和「救われぬ者に救いの手を!!それが私の唯一の信念であり、戦う理由ですから!!」 ヴェロニカ「……」 五和「戦争でも何でも勝手に起こせば良いじゃないですか!! 私達は、自分の命惜しさに仲間を売る様な弱い集団ではありませんから!! あなた達みたいに、痛む様な心なんて持ってない人達には負けませんから!!」 その目に確かな意思が宿っているのをヴェロニカは感じた どんな言葉も脅しにも屈しない、そんな強い目をしている ヴェロニカ「クッ…この…!」 ローザ「ヴェロニカ、落ち着いてください。」 ヴェロニカを宥め、五和の方を向くローズ ローズ「戦争を起こしたくないというヴェロニカの言葉は本当です。 そして、彼女は本当はこんな手荒な真似もしたくはなかったのです。 もう一度考え直して下さい。本当に私達の申し出を断るのですね?」 五和「しつこいですよ」 ローザ「そうですか。」 そう言うと、ローザは透明な液体の入った小瓶と、口紅を取りだした 最初にその小瓶に薬指を軽く入れ、指先に付いた透明な液体を唇に薄く塗った そして次に、紫色の口紅をその上から塗る ローザ「こちらとしてもあまり時間を掛けたくはありません。これも少々手荒な真似になりますが…」 ローザは五和に顔を近づけた 五和「一体なにをむぐ…」 五和の唇を塞ぐローザ すると、ローザの唇の紫が、五和の唇へと移っていく 五和「これは…」 ローザ「自白剤みたいなものですかね。宗教裁判や魔術師の尋問で、本当の事を喋らせる薬みたいなもの… といっても、実際は単に人の心を操って都合のいい事を喋らせたりするだけの薬ですけど。」 五和「心を操る!?」 ローザ「似たような薬はイギリスの処刑塔でも使われていたみたいですけど?まあもっとも、 今はこれに対抗するための薬もありますし、裁判や尋問での使用が確認されたら判決が無効になってしまいますが。 効果時間もせいぜい一時間程度と長いとは言えませんし。」 ローザ「ですから、手っ取り早く私の指示に従ってもらいましょうか。」 五和「うっ…」 視界がぐにゃりと歪んだ 自分というものがどこかへ消えていきそうな感覚… 覚えているのはそこまで ローザ「では、早速ですがサーシャ・クロイツェフをここに呼び出してもらえますか?」 五和「はい」 五和の目には、先程の様な強い意志は微塵も無く、光すらも感じられない Prrrrr サーシャ「おや、誰からでしょう?」 ディスプレイを確認すると、発信者は五和だった なんとなく嬉しくなって顔がニヤけてしまう サーシャ「第一の質問ですが、どうかしましたか五和?」 五和「……さい」 サーシャ「第二の質問ですが、よく聞き取れないのでも少し」 五和「時計塔の最上階へ来て下さい。」 サーシャ「第三の質問ですが、今からでしょうか?しかし、もう遅い時k」 五和「来てくれないと私……死にますよ?」 サーシャ「五和?…一体どうしたのですか!?」 五和「ちなみに、一人で来て下さいね。もしも誰かと動向を共にしていたり、 周囲に魔術師およびシスターの存在を確認したら、すぐに死んじゃいますから。」 サーシャ「五和!?いt!!」 そこで電話が途切れた サーシャ「五和……」 アニェーゼ「どうしたんですか?なんか叫んでたみたいですけど」 ルチア「五和という言葉が聞こえましたが、天草式のですか?彼女に何が?」 サーシャ「第一の解答ですが!すみません!ちょっと用事が!」 アニェーゼ「サーシャ、私達は仲間ですよ。それを分かってますよね?」 サーシャ「……第二の解答ですが、それでもこれは私一人で行かなければなりません。」 そう言うと、サーシャは二人の前から逃げるように走り去って行った ルチア「…アニェーゼ、これは」 アニェーゼ「分かってますよ。サーシャは一人で抱えたりはしません。おそらく、誰にも言えない状況なんでしょう。 そう脅されてるんだと思います。部隊で今すぐ動ける人間を集めて下さい!それと、すぐに天草の方に連絡を!」 ルチア「分かりました!」 サーシャは無我夢中で走っている どう考えてもおかしい。五和があんな事を言うはずが無いし、それ以前に明らかに友人を呼び出す様な口調ですらない 嫌な予感がする 唯一心当たりがあるとすれば、彼女がかつて所属していた殲滅白書… サーシャ「はあ…はあ…」 さすがに寮から時計塔までは、遠くは無いがそれなりに距離はある 全速力で走って来たので、さすがのサーシャでも両手を膝小僧に乗せて体重を掛け、息を切らしていた それでも止まるわけにはいかない サーシャは時計塔の壁を調べ始めた。すると、今日自分と五和が発見した秘密の扉はすぐに発見できた。 帰り際に結界を修復して元通りにしたはずなのに、その結界が再び破られ、扉が露わになっている。 サーシャ「間違いありませんね。」 サーシャはいくつかの扉を開け、再び巨大な魔法陣の中心に立った サーシャ「五和、今助けに行きますよ。」 サーシャの体は最上階へと移転されていった サーシャ「……やはり、あなた達でしたか。」 オルガ「やっほー♪久しぶりだねー!」 サーシャ「第一の解答ですが、馬鹿を相手にしてる時間はありません。」 オルガ「酷ッ!」 サーシャは移転先で最初に遭遇したオルガを無視し、中央の一番大きな扉を開けた ヴェロニカ「あら、早かったわね。」 サーシャ「第一の質問ですが、どういう事でしょうか?」 ヴェロニカ「安心して、彼女は傷付けてないから。ちょっと心を操らせてもらってるけど。」 サーシャ「五和!」 五和「……」 親友の声にも全く反応しない。 彼女の右手にはナイフが握られている。 ヴェロニカ「さて、おとなしくロシアまで同行してもらえるかしら?」 サーシャ「第一の解答ですが、私はイギリス清教所属のシスターです。 こんな真似が許されると思ってるのですか?それに、なぜ私なんかを?」 ヴェロニカ「大義名分ってやつ?それなら問題無いわ。あなた、国際指名手配犯だから。」 サーシャ「なぜ…?そんな…」 ヴェロニカ「容疑は国家機密情報の漏洩に関する何とかかんとか。まあ身に覚えは無いだろうし、 嘘なんでしょうけど。その他にもテロ計画や国家反逆罪とかまあ適当に寄せ集めて色んな容疑をかけられてるみたいよ? とんでもない冤罪ね。当然、国籍の離脱なんて却下されてるわ。」 サーシャ「第二の質問ですが、どうして私ごときのためにそんな…」 ヴェロニカ「あなたを欲しがっている人が居るみたいよ?まあどうでも良いけど、そう言う事だから大人しく連行されてもらえないかしら?」 サーシャ「第三の質問ですが、拒否した場合は?」 ヴェロニカはローザを一瞥した すると五和は、手にしたナイフの切っ先を自分の喉に当てた サーシャ「……!」 ヴェロニカ「さーて、どうする?」 サーシャ「……分かりました。あなたの言う通りにします。」 ヴェロニカ「そ、物分かりが良くて助かるわ。ローザ、サーシャに手錠と拘束衣を」 ローザ「つまらないです」 ヴェロニカ「ローザ?」 ローザ「もっと抵抗すると思っていたのですが、何ですかその腑抜けた態度は?」 サーシャ「…何が言いたいのですか?」 ローザ「以前のあなたは、もっと自分のすべきことに対して冷徹で一途だったはずです。 いつからそんな顔をする様になったのですか?」 サーシャ「質問を繰り返します、何が言いたいのでしょうか?」 ローザ「甘いと言ってるのですよ。まさか友情とかいう幻想に絆されて こんなにもあっさり受け入れるなんて、甘過ぎるのですよあなたは。」 サーシャ「幻想なんかじゃありませんよ。」 ローザ「幻想ですよあんなもの。簡単に壊れるし裏切られる。ちょっと信頼して心を許したら、 いつのまにか勝手に退学届を出された上に除籍処分になってるんですから。」 ヴェロニカ「うっ…」 オルガ「それはヴェロニカが悪いですねー」 サーシャ「第一の解答ですが、あなたには理解できないだけです。」 ローザ「理解したくありませんし、殲滅白書にはそんなもの必要ありません。」 ローザ「と言うわけで、目も当てられないほどに腑抜けになってしまったあなたを矯正する必要があるみたいですね。五和!」 五和「はい」 ローザの命令で、五和はナイフを捨て、代わりに槍を構えた 練習用では無い。殺傷能力を持つ海軍用船上槍だ。 ローザ「サーシャ、今からあなたに彼女と戦ってもらいます。もちろん、ちゃんとトドメをさしてもらいますよ。」 ヴェロニカ「ちょっとローザ!あなたいい加減n」 ローザ「黙れ。」 ヴェロニカ「はい。」 オルガ「あちゃー、完全にドSモードに入っちゃってますねー」 アーニャ「眠い…」 サーシャ「第二の解答ですが、あなたは馬鹿ですか?私がそんな事をするわけ無いでしょう?」 ローザ「じゃあ今すぐ五和には死んでもらいましょうか?言っておきますが、本気で戦わなかったら殺します。 あなたがとどめを刺さないなら私が殺します。10分以内に決着を着けなかったら殺します。 ちなみに気絶させるのは無駄ですよ?もともとは尋問用の薬なんですから、気絶なんて生易しい事を許すはずが無いでしょう?」 サーシャ「……第三の解答ですが、私はあなたが大嫌いですこの腐れ外道。」 ローザ「私は昔のあなたなら結構好きでしたよ?五和!」 ローザの合図と共に五和が突進してきた サーシャ「!」 頬を海軍用船上槍の先端が掠め、僅かに血が出る サーシャ(速い、今日の練習の時よりも格段に速いですね) それはつまり、五和が本気でサーシャを殺そうとしているという事だ サーシャ「どうすれば…!」バキン! 術式で強化したノコギリで槍を受け止めたが、その刃が耐えられずに折れてしまった ローザ「どうしたのですか?あなたなら簡単に殺せるでしょう?」 サーシャは今すぐローザの綺麗な顔にバールをぶち込んでやりたい気分になった ローザ「余所見なんてらしくないですね」 ドスッ! サーシャ「うッ!」 槍の柄の部分で思い切り腹を殴打されて、そのまま吹っ飛び、壁に叩きつけられた ドガッ! サーシャ「ぐっ…がハッ…!」 背中に鋭い痛みが走る。脇腹は、肋骨をやられたかもしれない だが、そんな事情などで待ってはくれない 五和は倒れ壁にもたれ掛かってるサーシャを完全に刺殺しようと、凄い勢いで槍を突いてくる サーシャはそれをバールを打ち付けてそらし、さらに槍を下から思いっきり蹴り上げる。 そして五和の体重が後ろへグラついた瞬間を逃さずに、すかさず足払いをして五和を後ろへ転倒させた。 ローザ「どうしたのですか?転んだ今なら殺せますよ」 サーシャ「ぐっ…!」 体がふらつく それでも今ならあのムカツク女を殺せるだろうか? しかし、そんな事を考えている間に再び五和は立ち上がり、サーシャを殺そうとしてくる ローザ「はぁ…とんだ期待外れですね。薬の効果もあと持って3分ってとこですか。人を操るのは難しいものです。」 その言葉はサーシャに希望の光を与えた。あと3分持ちこたえればこの状況から… ローザ「残り2分間を戦わせて、殺せなかったら残り一分の間に自殺してもらいますか。」 希望の光は一転して絶望に変った ローザはそれをわざと狙ってこの様な言い方をした事は、彼女の悪魔の様な笑顔から分かる どうする?後一分で五和を殺さなければ、どのみち五和は自害する 考えている間にも五和に壁際まで追いつめられる サーシャ「そう言えば、五和には好きな人がいるんですよね…?」 五和「……」 サーシャ「第一の解答ですが、あなたにはまだやらなきゃならない事があるはずです。私と違って…」 カラン! ヴェロニカ「サーシャ…どういうつもり?」 サーシャは握っていたバールを離し、床に落とした そして、両腕をゆっくりと広げた。まるで全てを受け入れるかのように ヴェロニカ「いけない!ローザ!」 ローザ「五和!攻撃中止!」 だが遅かった ドスッとサーシャの肉を貫く音が部屋に響く サーシャ「がふ…!ぐっ…がはっ!!」 大量の血を吐き出すサーシャ 腹部を海軍用船上槍で貫かれている 五和は槍を引き抜こうとしたが、サーシャは最期の力を振り絞ってそれを阻止する サーシャは渾身の力で海軍用船上槍の柄を握ったまま、壁を背にして床に崩れ落ちた そこでちょうど三分 魔法が途切れ、五和が絶望する時間が始まる 意識が戻った時、最初に目に飛び込んできたのは、大量の血液が目の前の壁にペンキの様に塗られていた事 次に、その血を絵をなぞる様に下を向くと、金髪の少女が崩れ落ちているのを確認した あまりにも変わり果てた姿だったので、最初はそれがサーシャだとは気付けなかった そして、サーシャの腹部には三股の槍が刺さっている その槍を先端から順にたどっていくと、そこには自分の手が…… 五和「あ、ぁ…あ…あ…ああああああああ!!!!」 五和は槍から手を離し、頭を抱えて膝を付いた どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?なぜ!? なぜ自分が大切な友達をこんな…… サーシャ「いつ…わ…」 血まみれのサーシャが口を開いたのを聞き、五和はとっさサーシャの方を見た サーシャ「に…げて……早く……逃げて……!」 しかし五和はそれを無視する 五和「ああ…早く……早く応急処置を!!回復術式を!!」 五和はヴェロニカ達をどけて自分の鞄を漁り始めた ヴェロニカ達はそれを見ている事しかできなかった ローザ「……なぜです…サーシャ・クロイツェフ…なぜそこまで出来るのですか?たかが友人のために……理解できない…」 ヴェロニカ「仕方ないわ。ここは五和を始末し、早急にサーシャを奪還しt」 ?「させませんよ!」 オルガ「あれー?」 ヴェロニカ「なっ…なぜあなた方が!」 そこには蓮の杖を構えたアニェーゼとルチア他部隊のシスター達が居た 建宮「五和!」 そして天草式も同行している アニェーゼ「どうやら、サーシャの予想通行ルートに殲滅白書のシスターを何人か待機させていたみたいですね。 そのうちの一人をとっちめて吐いてもらいましたよ。後は簡単な誤認術式を発動させて、 10人一組でバラバラにわけて殲滅白書の魔術師を探させました。みんな蜘蛛の子を散らすように逃げやがりましたよ。」 殲滅白書の方は、せいぜい3人一組程度に分かれて監視していた そこに10人一気に来られてはたまらない ちなみに隠れた殲滅白書の魔術師を探し出す役割は天草式の術者が担った。 もともとが隠密行動を得意とする天草式は、逆に隠密行動を行う魔術師を探し出すのにも長けている。 そうしないと、自分達を狙う幕府から生き残れなかった天草式の歴史の賜物だ。 ヴェロニカ「くっ…ここは一端引きましょう!」 アニェーゼ「させませんよ!」 アニェーゼはナイフを取り出した しかし ヴェロニカ「アーニャ!」 アーニャ「どーん」 突然アーニャの周辺に炎が巻き起こり、その炎を壁にぶつけた 凄まじい破壊音と共に壁が崩れる アニェーゼが術式を発動するよりも早く、四人はそこから素早く逃走していった ヴェロニカ「まったく、対象を殺しかけるなんて何を考えてるのよ!」 ローザ「すみません、つい…」 オルガ「サーシャが死んじゃったらどうするんですかー?アタシのサーシャが。」 ヴェロニカ「今はサーシャの無事を祈るしかないわね。作戦を練り直すわよ。すぐに部隊の人間を呼び集めなさい!」 作戦は失敗した それはすなわち、殲滅白書とイギリス清教の小規模な戦争の勃発を意味している 五和はサーシャの前に膝をついている 彼女の目は涙で赤く腫れていた 五和「サーシャちゃん、どうしてこんな…」 サーシャ「いつわ……これでいいのです…」 五和「良くありませんよ!こんなことって…」 涙が止まらなかった 自分の犯してしまった誤ちも、またしても大切な人を守れなかった自分の弱さも 全てが自分を責め立ててくる サーシャ「泣かないでください……あなたは…何も悪くない…」 なぜそんな事が言える なぜそんな笑顔でいられる 五和には理解できない 五和「サーシャちゃん……意味無いですよ、やっぱり……優しさなんて…誰も守れないじゃないですか!!! あなたをこんな目に遭わせてしまうなら、優しさなんてなんの価値もありませんよ!! こんな優しさなんて!!誰かを傷付けるだけじゃないですか!!!誰も幸せになんてなれないじゃないですか!!」 泣きながら激昂し自分を責め立てる五和を、サーシャは優しく諭す サーシャ「そんな事ありませんよ……」 サーシャは自分の血で濡れた手を伸ばし、五和の頬に触れた サーシャ「あなたの優しさに、私は助けられました……もしも五和を殺していたら、 私は一生後悔していたでしょう……一生苦しみ続けていたでしょう……そんな地獄から…あなたは私を救ってくれた。 ……あなたに出会う前の私なら、きっとあなたを殺していた……しかし、あなたが教えてくれた優しさが、 正しい答えを教えてくれたのです……ありがとう、五和……。」 サーシャの顔には苦しみも怒りも無い ただただ穏やかで、優しかった あの時、そう天使の様な頬笑みを見たあの時と同じように 五和「どうして……どうしてあなたはそんな顔ができるのですか…?なぜあなたを殺そうとした私にありがとうなんて……」 サーシャ「決まってるじゃないですか…」 サーシャは再びにっこりと笑う サーシャ「第一の解答ですが、私はこんなにも幸せじゃないですか……」 五和はたまらずサーシャを抱きしめた サーシャは声を上げて泣く五和を宥めるように、よしよしとその頭を優しく撫でてあげる こんな最期も悪くないと思えた こんなに穏やかな気持ちで死んでゆけるなら、それはきっと幸せな事なのだろう ありがとう、五和…… 幸せというものをあなたは教えてくれた…… 顔から血の気が無くなっていく だんだんと痛みも感じなくなってきた 疲れたので、ちょっと眠ろう もしかしたら、もう目を覚ます事は無いかもしれないけど それでもこんなに幸せな気分で最期を迎えられたのなら きっと永遠に幸せな夢を見続ける事ができるかもしれない できる事なら、今度は幸せな夢の中で五和に会いたい もしもまた会えたなら、また私と友達になってくれるだろうか? 大丈夫、彼女は優しいから またあの時計塔に、広場に、一緒に……