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喧嘩商売・稼業スレ頻出語録 作品wikipedia よく使う編集構文(編集の役に立ててください) ruby(ルビ){文章} footnote(脚注の内容・元ネタについて等) 例「屍(かばね)(*1)だ」 語録は以下のようにまとめてあります ①タイトル メニューからここだけをコピペでき使いやすいです 「俺は常識のないヤツが嫌いなんだよ」 ②本編での前後の会話 これを使ってより長い語録を作れます 内田健「金田さんは打撃もできるんだよ高校生のラッキーパンチをくらうわけないだろ 俺は常識のないヤツが嫌いなんだよ」 ③サブタイトル どこで使われていたのか確かめることができます 120話「見る目」 独断と偏見で選んでおりますので、もし他にもありましたら編集やコメントよろしくお願いします。 喧嘩商売・稼業スレ頻出語録作品wikipediaあ行「あなたが父さんだったんですね」 「有り有り無し」 「富田流(ウチ)ではこれを”金剛”と言う」 「俺は常識のないヤツが嫌いなんだよ」 「エロエロですよ!!しまぶー先生!!」 「S級格闘士サクライ・ユウショウの本日の試合‥‥流れとさせていただきます」 「お前ごときが世界一‥‥ギャグだな」 「お前柔道より喧嘩のほうが強いな」 「お前は自分のプライドを保つために負けた事に意味を持たせたいだけだ」 (俺なら黒を白に変えられる) (俺は案外嫌いではない) 「‥‥‥‥俺も‥‥文さんみたいに強くなれるかな?」 「俺を笑い殺すって策戦か?」 か行「帰ってこないよすでに死んでいるんDEATH(デス)」 「梶原さん吉田をわかっていないヤツなら5億を要求しますよ」 「屍だ」 「逆にちょっとひくジャン」 「今日は玉拳の強さを証明するために道場破りに来ました」 「お母さまが見つかってよかったですね(ニコ」 「Call Kajiwara here!(梶原をここに読んでくれ!)」 「濃くはっきりとした線を引くには敗北が必要なんだよ」 (心に響かんな言葉が軽い) さ行最強の格闘技は何か!? ザザァーピチピチピチ 「失礼ですが何をなされているのですか?」 「十兵衛君……いくら何でもやりすぎだと思う 」 (十兵衛君…覚えていますか? ) 「将来の夢ぇぇ!!!!! 」 「進道塾のみなさんこれが”一撃”です」 「すげぇー説得力……押し切られてしまいそう…… 」 「「すみませんでした金田さんのおっしゃる通りです」「進道塾生得意の虚勢を張ってしまいました」と言え」 「常在戦場‥‥格闘家にとっては当たり前だよな」 「世界って‥‥‥聞いているこっちが恥ずかしくなるぜ(ニヤニヤ 」 た行「楽ぽぴよ」 な行「‥‥なあ‥‥十兵衛‥‥パレードを見て何が楽しいんだ?(タラー」 「中島ぁ!! 無茶苦茶じゃねーか!!」 「何凄い事を予想したみたいな言い方しているんだよ」 「何眠たい事言ってやがる 何でもありの喧嘩に決まってるだろ」 「飲み物買ってきますけど何がいいですか?」 は行「馬鹿にしか通じないからな」 ま行「道を誤ったな朴鐘顕(はっは!!」 「みんな目を開けてみていいぞ!! 今から玉拳の”門”という技で決める!!」 (矛盾する想いがある) 「燃えるぜ」 や行「やーやーグレイトですなグレイトだぜ億泰ども」 「山本陸はその辺何て言ってたの?」 「雪……強くなってきたな…」 「吉田さん…お金は払うが限度がある」 ら行「ルールは当然有り有り無しです!!!」 わ行「わかってくれればいいんだよ僕は本当に父さんが大好きなんだから」 「わかってねーな山本陸は必ずお前の前に現れるぜ」 改善案・追加要望等あればこちらに [部分編集] あ行 「あなたが父さんだったんですね」 睦夫「やっぱり‥‥‥あなたが父さんだったんですね」 178話「新しいパパ」 「有り有り無し」 アーサー・シロタ「ルールは当然有り有り無しです!!!」 観客「あ‥‥あのちょっとすみません」 シロタ「Lの23番の方何でしょうか?」 観客「有り有り無しって何ですか?」 シロタ「今回初めてのお客様ですね?」 観客「はい‥‥有り有りっていうのは”金的””目潰し”有りっていう言葉と想像がつくのですが‥‥」 シロタ「金的も目潰しも当然有りですがそういう意味ではございませんよ 有り有りというのは刃物有り銃器有りという事でございます!!(ビシィッ 無しというのは”防刃”防弾”無しという事でございます!!!(ニカ」 137話「クラヴ・マガ」 「富田流(ウチ)ではこれを”金剛”と言う」 文学「心臓を思いっきり蹴っ飛ばせるか聞いたよな?」 十兵衛「あ‥はい‥‥」 文学「心臓を蹴っ飛ばせば簡単に落ちるのも知ってるよな?」 十兵衛「‥‥はい‥‥」 文学「富田流(ウチ)ではこれを”金剛”と言う」 「俺は常識のないヤツが嫌いなんだよ」 内田健「金田さんは打撃もできるんだよ高校生のラッキーパンチをくらうわけないだろ 俺は常識のないヤツが嫌いなんだよ」 120話「見る目」 「エロエロですよ!!しまぶー先生!!」 十兵衛「エロエロですよ!!しまぶー先生!!」 2話「第三勢力誕生!!」 「S級格闘士サクライ・ユウショウの本日の試合‥‥流れとさせていただきます」 シロタ「本日は皆様に残念なお知らせがあります S級格闘士サクライ・ユウショウの本日の試合‥‥流れとさせていただきます」 UG観客「ふざけんな!!! コノヤロー!!」 UG観客「何日前からこの試合楽しみにしてると思ってんだ!!!」 UG観客「殺すぞ!!!!!」 UG観客「テメェが代わりに戦え!!!」 シロタ「皆様のお怒りはごもっともアンダーグラウンドを代表してお詫びさせていただきます」 UG観客「詫びなくていいからお前が死ね!!」 UG観客「サクライ・ユウショウを出せ!!!」 165話「設定! 袋小路に追い詰められた強盗の仲間割れ」 「お前ごときが世界一‥‥ギャグだな」 金田父「お前ごときが世界一‥‥ギャグだな」 99話「聖者の定義」 「お前柔道より喧嘩のほうが強いな」 梶原「お前柔道より 喧嘩のほうが強いな」 120話「見る目」 「お前は自分のプライドを保つために負けた事に意味を持たせたいだけだ」 田島「お前が山本陸に負けて得たものは何だ 精神論? 己の過信を知った? 肉体的な未熟さ? 山本陸と比べての腕力の無さか? それとも技術的な未熟さ? 技の連携? それとも回避か? そんなものは自己を知っていれば負ける必要などなく最初から気づいている 空手をやめるきっかけ? 背中を押す理由に敗北? そんなもの山本陸と戦わずに一人で決めろ くだらない嘘を言うなお前は自分のプライドを保つために負けた事に意味を持たせたいだけだ」 23話「はじまっています」 (俺なら黒を白に変えられる) 十兵衛(裁量権を持った人が判断する限り平等に裁く事など出来ない 弁護士はなぜ被疑者の身なりを整えさせる 容姿で判断が変わるのをわかっているから 不正会計でも大企業の代表者は起訴されず 野放図な新興企業の代表は懲役刑になる 初めから存在しない平等を求めてどうする 不平等ならそれを利用しなくてどうする 贔屓される側になる 俺なら黒を白に変えられる) 50話「majiでkoiする5秒前」 (俺は案外嫌いではない) 十兵衛(最強を目指す者たちは口をそろえて言うだろう 「あまい」「戦う必要などなかったのだ」と その通りではあるがそれは石橋の心情を理解していない言葉でもある) 十兵衛(最強の力を持ちながらの不遇 誰よりも才能を持ちながら依怙の沙汰を受け続けていた) 十兵衛(俺が持つことは絶対にない哲学だが俺は案外嫌いではない) 22話「やりやがったな」 「‥‥‥‥俺も‥‥文さんみたいに強くなれるかな?」 十兵衛「‥‥文さん‥‥」 文学「‥‥‥‥‥‥‥」 十兵衛「‥‥‥‥俺も‥‥文さんみたいに強くなれるかな?」 文学「なれるよ俺の弟子だからな お前才能あるよ」 69話「七代目」 「俺を笑い殺すって策戦か?」 田島「パク‥‥俺を笑い殺すって策戦か?」 朴「間違い・‥‥間違いで‥撃たれた」 166話「38度線」 か行 「帰ってこないよすでに死んでいるんDEATH(デス)」 川原「十兵衛くぅん…僕のお友達の金田君が帰ってこないのぉ 金田君帰って来るよね帰ってきますよね」 十兵衛「帰ってこないよ すでに死んでいるんDEATH(デス)」 24話「復活!! ガンダルフ」 「梶原さん吉田をわかっていないヤツなら5億を要求しますよ」 梶原「吉田はタンに2臆は要求する」 澤「梶原さん吉田をわかっていないヤツなら5億を要求しますよ」 吉田「10億だ」 タン「吉田さん…お金は払うが限度がある」 吉田「そうか11億で譲ってやるよ」 タン「…………」 吉田「12億で譲る事にした」 58話「十兵衛君…覚えていますか?」 「屍だ」 梶原「半面お前の強さに満足している俺がいる 古流は人を殺す術を血のにじむ思いで身に着けながらもそれを使う事無く一生を終える その力を遺憾なく発揮できるほどお前は強かったお前と一回戦で戦えてよかった ”屍”だ」 42話「奥の手」 十兵衛「聞いている? お眠の時間になっちゃったかな? これだけは言わせて 屍だ」 80話「春眠暁を覚えず」 「逆にちょっとひくジャン」 十兵衛「汚ねぇよ!! 目を狙うなんてよ!!」 入江文学「喧嘩に汚いも綺麗もあるかよ‥‥ 喧嘩の勝ち方教えてくれと言った自分ジャン 逆にちょっとひくジャン」 22話「前蹴り間」 「今日は玉拳の強さを証明するために道場破りに来ました」 里見「君たち聞いてくれ俺は玉拳という拳法をやっている 今日は玉拳の強さを証明するために道場破りに来ました 進道塾の空手より玉拳が気に入って学びたくなったら教えてやる」 里見最格 「お母さまが見つかってよかったですね(ニコ」 ホテルマン「く…工藤さん お母さまが見つかってよかったですね(ニコ」 60話「速攻」 「Call Kajiwara here!(梶原をここに読んでくれ!)」 十兵衛「Call Kajiwara here!(梶原をここに読んでくれ!)」 スタッフ「He has gone back to Japan.(彼は日本に帰りましたよ)」 58話「十兵衛君…覚えていますか?」 「濃くはっきりとした線を引くには敗北が必要なんだよ」 里見「お前の言う完全な勝利には固執しない 人は完全じゃない負けてもいい戦いもある 自分で決めた決意など淡く曖昧な線だ 濃くはっきりとした線を引くには敗北が必要なんだよ」 23話「はじまっています」 (心に響かんな言葉が軽い) 関「命を懸けて戦います」 文学(心に響かんな言葉が軽い) 24話「復活!! ガンダルフ」 さ行 最強の格闘技は何か!? 最強の格闘技は何か!? 空手 キックボクシング ボクシング ムエタイ 散打 テコンドー カポエイラ ジークンドー 少林寺拳法 中国拳法 日本拳法 相撲 柔道 アマチュアレスリング 古武道 サンボ シュート プロレスリング 合気道 ブラジリアン柔術 多種ある格闘技がルールなしで戦った時‥ スポーツではなく‥ 目つき金的ありの『喧嘩』で戦った時 最強の格闘技は何か!? 今‥‥現在最強の格闘技は決まっていない 各巻最格 田島彬「最強の格闘技は何か? 活殺自在の古武術家 幼少から人を倒す事のみに多くの時間を割いてきた日本拳法家 殴られれば殴り返し捕まえればへし折る原始的な戦い方をする用心棒 スポーツではない戦い方を得意とする剣豪 どんなに殴られても倒れないヘビー級ボクサー パワースピードテクニックそして圧倒的カリスマ性を持ちながら罪を犯したプロレスラー 形ある物なら真球でさえ倒す事ができると豪語する合気道家 拳聖と呼ばれ魅了する技を持つ中国拳法家 日常に居場所を無くし戦場に居場所を求めた軍隊格闘家 受ける事さえ許さない防御不能の蹴りを持つキックボクサー 義のためなら己のすべてを失う事ができる喧嘩王と呼ばれた空手家 記憶力を失っても己の強さだけを信じ戦い続けるシラットの使い手 843勝0敗0休の誰もが認める史上最強の力士 「剛法」「柔法」「整法」すべてが一流の召琳寺拳法家 国民栄誉賞受賞者で高専柔道も経験している無差別級の柔道家 総合格闘技全盛時代ブラジリアン柔術に唯一勝ち続けた総合格闘家 『表』と『裏』 『光』と『影』が入り混じる最強を決めるヴァーリ・トゥードトーナメント… 『陰陽トーナメント』を行います」 1話「おら、トーナメントさ出てぇー」 ザザァーピチピチピチ 川原「これから戦うかもしれないヤツにした事で引くわけないだろ」 文学「……」 川原「何をやったんだ?」 文学「手首落としちゃった」 ザザァー 川原(あの手はお前のせいか) ピチピチピチ 23話「はじまっています」 「失礼ですが何をなされているのですか?」 スカウト「失礼ですが何をなされているのですか?」 徳夫「日拳 日本拳法」 最格 佐川徳夫(11巻) 「十兵衛君……いくら何でもやりすぎだと思う 」 もう完全にロシアの工作員レベルじゃないか」 十兵衛「違う! 違う!! 違う!!! 俺が仕込んだんじゃなくて元からそこにあったの!!!!!」 増田「見苦しいぞ舛添十兵衛」 58話「十兵衛君…覚えていますか?」 (十兵衛君…覚えていますか? ) 増田(人は私の事を愚かと笑うかもしれない だが生まれながらの悪人などいるはずがない 十兵衛君…覚えていますか? 君が僕に勉強を教えてくれた日の事を… 十兵衛君僕は知っているよ 君のやさしさを 十兵衛君…僕は知っているよ 君の笑顔を 十兵衛君…覚えていますか? 2人で見た夕日を) 58話「十兵衛君…覚えていますか?」 「将来の夢ぇぇ!!!!! 」 勝彦「将来の夢ぇぇ!!!!! 僕は金隆山になる!!!」 最格「かっちゃん(会田勝彦)編」 「進道塾のみなさんこれが”一撃”です」 金田「進道塾のみなさんこれが”一撃”です 空手ごときが”一撃”を名乗るのはやめようぜ聞いているこっちが恥ずかしくなる」 101話「一撃一撃」 「すげぇー説得力……押し切られてしまいそう…… 」 十兵衛「すげぇー説得力……押し切られてしまいそう…… あんたこんなところでいないでデパートで良く切れる包丁を打っているべき人材なんじゃねーの」 78話「邪鬼調略」 「「すみませんでした金田さんのおっしゃる通りです」「進道塾生得意の虚勢を張ってしまいました」と言え」 金田「「すみませんでした金田さんのおっしゃる通りです」 「進道塾生得意の虚勢を張ってしまいました」と言え 言え(メキッメキッメキッミシィッ 言わなければ今 見えているほうの左目えぐり出すぞ言え」 橋口「‥‥‥す すみません‥‥でした金田さんのおっしゃるとおりです」 102話「先手 金田保」 「常在戦場‥‥格闘家にとっては当たり前だよな」 田島「常在戦場‥‥格闘家にとっては当たり前だよな」 芝原「正論だが――むかつくなテメェーは(ギッ」 87話「合気」 「世界って‥‥‥聞いているこっちが恥ずかしくなるぜ(ニヤニヤ 」 デビル「俺はお前と違って世界を獲っている」 石橋「世界って‥‥‥聞いているこっちが恥ずかしくなるぜ(ニヤニヤ ボクシングの世界王者ってーのはヘビー級チャンピオンの事‥‥お前らコロポックルがやっているのはボクササイズ 格闘家は強くなるために体を大きくしようとするものだがコロポックルどもは弱くなるのに体重を減らして弱いヤツ相手に勝って王者とか言ってるわけだろ 日本にいた時思ってたのよ「今回は減量がきつかっただけに頑張りたいです」これって訳すと「自分は弱いんでより弱いヤツ相手じゃないと勝てないので頑張って痩せました」って事だろ 体重とか関係なく世界中でボクシングやってる連中を強い順に並べたらお前は先頭どころか下から数えたほうが早いんじゃねーか」 た行 「楽ぽぴよ」 文学「本当にパレード見て楽しいのか!?本当の事を教えてくれ!?」 十兵衛「楽ふひよ」 文学「ふひじゃなくてはっきり楽しいと言ってくれ!!」 十兵衛「楽ぽぴよ」 文学「いやぽぴじゃなくて!!」 52話「富田流」 な行 「‥‥なあ‥‥十兵衛‥‥パレードを見て何が楽しいんだ?(タラー」 文学「‥‥なあ‥‥十兵衛‥‥ パレードを見て何が楽しいんだ?(タラー」 十兵衛「いや‥‥あの‥‥中に入っている人暑いのに大変だな‥‥と思ったり‥‥‥‥ あれだけやっているんだから結構な金貰わないとワリにあわないな‥‥とか考えたりして楽しむみたいな」 52話「富田流」 「中島ぁ!! 無茶苦茶じゃねーか!!」 ヤクザ「中島ぁ!! 無茶苦茶じゃねーか!!」 中島「‥‥‥何がですか? 演出ですよ」 ヤクザ「こんな話聞いて」 中島「盛り上がってるじゃないですか」 98話「代わりの男が見つかった」 「何凄い事を予想したみたいな言い方しているんだよ」 刑務官「47番阿南出ろ」 囚人A(カブトが釈放か!?) 囚人B「思えばあいつ可哀想なやつだよな」 囚人A「あいつだけだろ悪い事せずにここに入ったの 殺して当然のヤツを殺しただけなのに」 囚人B「俺の予想だけどカブトここを出たら自殺すんじゃねぇ?」 囚人A「何凄い事を予想したみたいな言い方しているんだよ そんな当たり前の事をみんなあえて言わないだけだよ」 181話「仮釈放」 「何眠たい事言ってやがる 何でもありの喧嘩に決まってるだろ」 里見「一応 聞いておこうか空君に合わせて顔面無しの進道塾ルールでやっても俺は構わないけど‥‥どうする?」 山本空「何眠たい事言ってやがる 何でもありの喧嘩に決まってるだろ」 里見「さすが山本陸の子だ」 里見最格 「飲み物買ってきますけど何がいいですか?」 文学「普通弁当買ってこいって言われたら飲み物も買ってくるだろ!!(使えねぇぇ!!」 プロレスラー「あれ檜山がいないリング下で倒れてるよ‥‥あの学ランがやったのか‥‥ 学ランの師匠はかなり教え上手だなあの若さで檜山を倒すなんて考えられん指導者がケタ違いに優秀なのだろう‥‥うちのコーチはヘボすぎるからな‥‥ あ~あ‥‥俺も学ランの師匠みたいな人に出会いたかったぜ」 文学「飲み物買ってきますけど何がいいですか?」 プロレスラー「緑茶系でお願いします(すみません」 97話「十兵衛腕十字」 は行 「馬鹿にしか通じないからな」 十兵衛「馬鹿でもできるだろ でも余興ではやらない方がいいぜ 馬鹿にしか通じないからな」 118話「オリーブの首飾り」 ま行 「道を誤ったな朴鐘顕(はっは!!」 朴「格闘センスはゼロだが笑いのセンスは一級品だったな 道を誤ったな朴鐘顕(はっは!!」 166話「38度線」 「みんな目を開けてみていいぞ!! 今から玉拳の”門”という技で決める!!」 里見「全然ダメだろ塾生にも見せない普段は使わない技だとしても‥‥ ‥‥いや使わない技だからこそ自分で創意工夫をして技の完成度を高めておかないと 玉拳にはあるぞその一発目を有効に入れる手段が みんな目を開けてみていいぞ!! 今から玉拳の”門”という技で決める!!」 182話「門」 (矛盾する想いがある) 十兵衛(矛盾する想いがある 必殺技を出すが 死んでほしくない) 22話「やりやがったな」 「燃えるぜ」 工藤「燃えるぜ」&footnote(この後も十兵衛が同様の台詞を使う場面があります) 36話「力」 や行 「やーやーグレイトですなグレイトだぜ億泰ども」 文学「迫真の演技(ぷるぷるはっはっぷるぷる 超ウケるんですけど(かはっかはっかはっ やーやーグレイトですなグレイトだぜ億泰ども なかなか素晴らしい倫理観をお持ちで‥‥」 57話「短気」 「山本陸はその辺何て言ってたの?」 里見「空君‥‥今の連打‥‥やり方間違ってないか? 一発目の鉤突きを入れてからじゃないと続かないだろ? 入れずに無理矢理打ち続けても体力を消費するだけじゃないのかな? 山本陸はその辺何て言ってたの?」 182話「門」 「雪……強くなってきたな…」 狼「最後の仕事だ笑いながら潰してやれ」 工藤(そうか…この雪原は俺‥‥‥お前は俺――) 工藤「雪……強くなってきたな…」 45話「ダウンタウン・ブルース」 「吉田さん…お金は払うが限度がある」 梶原「吉田はタンに2臆は要求する」 澤「梶原さん吉田をわかっていないヤツなら5億を要求しますよ」 吉田「10億だ」 タン「吉田さん…お金は払うが限度がある」 吉田「そうか11億で譲ってやるよ」 タン「…………」 吉田「12億で譲る事にした」 58話「十兵衛君…覚えていますか?」 ら行 「ルールは当然有り有り無しです!!!」 アーサー・シロタ「ルールは当然有り有り無しです!!!」 観客「あ‥‥あのちょっとすみません」 シロタ「Lの23番の方何でしょうか?」 観客「有り有り無しって何ですか?」 シロタ「今回初めてのお客様ですね?」 観客「はい‥‥有り有りっていうのは”金的””目潰し”有りっていう言葉と想像がつくのですが‥‥」 シロタ「金的も目潰しも当然有りですがそういう意味ではございませんよ 有り有りというのは刃物有り銃器有りという事でございます!!(ビシィッ 無しというのは”防刃”防弾”無しという事でございます!!!(ニカ」 最格 櫻井裕章(19巻) わ行 「わかってくれればいいんだよ僕は本当に父さんが大好きなんだから」 睦夫「僕のほうが強いのに!!!!! 弟ばっかり 徳夫ばっかりかわいがりやがって!!!!!」 睦夫「僕の方が鍛錬していたのに僕はいつも言う事を聞いていたのに 僕を捨てやがって 僕を捨てやがって 僕を捨てやがって なんで徳夫を選んだ‥‥なんで徳夫を選んだ なんで徳夫を選んだ!!! 答えられないだろ!!!!! 父さんは答えられない事をしたんだ!! 田島彬を倒す!!!!! 今度は田島彬を倒す!!!!! 田島を倒す!!! 聞いてんのかよ!!!!! ぶっ殺すぞ!!!」 菅野「ご‥ごめん」 睦夫「わかってくれればいいんだよ僕は本当に父さんが大好きなんだから」 178話「新しいパパ」 「わかってねーな山本陸は必ずお前の前に現れるぜ」 芝原剛盛「わかってねーな山本陸は必ずお前の前に現れるぜ片目で戦う方法、技を身につけてな それがいつになるかはわからんが‥‥必ず現れる」 87話「合気」 改善案・追加要望等あればこちらに 独断と偏見でよく使う(使える)語録を選んで追加していますが、このページも編集は自由です。編集ができない方でも〇〇追加してほしい等ありましたら書き込んでください。 - 編集人 (2020-10-04 16 45 28) 名前
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もうずっと長いあいだ「それ」は待ち続けていた。 いつ晴れるとも知れぬ、狭く息苦しい暗闇のなかで。 「それ」にとってそこは、本来の居場所ではなかった。 そのことを、「それ」は本能で感じ取っていた。 ただせめて、話しかける相手が欲しいと思った。 そしてできることなら、満足のいく食事がしたかった。 そしていま、長い待ち時間の末、とうとうその時が来た。 「それ」にとっておそらく幸運だったのは、「それ」を閉じ込めていた一枚の紙片が、 ちょうど裏向きに開かれたことだった。瞬き一つする時間さえあればよかったのだ。 紙片の持ち主がそれを裏返して見たとき、すでに「それ」は「それ」本来の居場所に 辿り着いていた。温かく、がっしりとしていて、エネルギーに満ち溢れたその場所。 「それ」は宿主に気づかれることなく、その背中にとり憑いていた。 スタンドにはあるまじきことだが、ひっそりと笑みさえ浮かべたかもしれない。 新しい宿主は、なにやらせかせかと歩き回っている。ずいぶん焦っているらしい。 「それ」は、何か言葉をかけてやろうと思った。初対面に相応しい、特別な言葉を。 初対面! 背中から話しかけるのに! 対面! その考えに満足しながら、「それ」はゆっくりと言葉を探した。 あまり頭の回るタチではない。そのことは「それ」自身にも分かっていた。 やがて新しい宿主は、何者かと対峙して立ち止まった。怒りで全身が震えている。 「マァマァ、落ち着けよ!」 「それ」は気さくな口調でそう話しかけたが、その声は宿主の叫びに掻き消された。 「……ダイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」 真紅の炎が燃え上がり、あまりの眩しさに「それ」は目を閉じた。 次に「それ」が目を開けたとき、宿主は床で苦しみ転げ回っていた。 上になり下になりしながら、「それ」はその遊びを楽しんでいた。 さっきまでの息苦しい空間とは、天と地ほどの違いがある。 やがて仰向けに転がった宿主の眼前に、別な男の姿が覆いかぶさってきた。 そのとき不意に、「それ」はちょっぴり得体の知れない不安を覚えた。 このまま宿主が殺されてしまうのはマズイ! 「それ」の本能はそう告げていた。 なんとかして目の前の男に、自分の姿に気づいてもらわなくてはならない。 「コッチを見ろ……!」 頭で考えるより早く「それ」は囁いていた。 けれども目の前の男はもとより、宿主すら「それ」の声には気づかなかった。 建物全体を揺るがすほどの爆発音が、再び「それ」の声を掻き消したのだ。 宿主は走りだしていた。両方の肩を庇いながら、疲労困憊といった様子で。 肩の傷は、よほど深いらしい。全身にべっとりと脂汗をかいている。 「それ」にとっておそらく不幸だったのは、新しい宿主の走り行く方角には、およそ 動物らしきものの影のないことだった。人間はもちろん、犬猫一匹すらいない。 それでも「それ」は満足していた。 ひとまず、あの狭い暗闇から抜け出すことができたということに。 そして、「それ」本来の温かな居場所を手に入れたということに。 【道路(G-6)/一日目/午前】 【モハメド・アヴドゥル】 [スタンド] 『魔術師の赤』 [状態] 両肩破壊。両肩にダメージ。両腕が辛うじて動かせる程度 [装備] 背中に『チープ・トリック』 [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1)『ゲーム』全てを自分の幻覚の世界だと思い込み、 スタンド能力の本体である荒木を倒そうとしている 2)登場人物は全て荒木のスタンドの一部なので、 全員自分を騙し攻撃しようとしていると思い込んでいる ※アブドゥルは南東に進んでいます。 ※アブドゥルは『チープ・トリック』の存在に気づいていません。 ※『チープ・トリック』はアブドゥルの支給品でした。 ※チープ・トリックは背中に取り付くスタンドです。 背中を見られた人物は養分を吸い取られて死亡します。 チープ・トリックは背中を見た対象者を新たな宿主として取り付きます。 ※ロワでの制限 「宿主に認識された場合、能力を説明しなくてはならない」 (宿主が背中を見せず死んだ場合は、チープも消滅する) 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 73 その者共、同様につき その② アヴドゥル 94 《UNLUCKY COMMUNICATIONS》 その①
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ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(後編) ◆guAWf4RW62 ◇ ◇ ◇ ◇ 「――フフ、隠れんぼの時間は終わりだよ」 「くっ…………!」 「う、うぐぅ……」 愉しげな声は良美の、そして狼狽の声は瑛理子とあゆのものだ。 沙羅の危惧通り、良美は瑛理子達に襲撃を仕掛けていた。 怪我の影響で初弾こそ外してしまったが、数々の死地を潜り抜けてきた良美と、碌な戦力を持たぬ瑛理子達。 どちらが有利かなど、考えるまでも無い 良美は両手でしっかりとS W M36を握り締めて、次なる銃撃を行おうとする。 「……あゆ、来なさいっ!」 瑛理子はあゆの腕を引いて、農耕用車両の陰へと逃げ込んだ。 自分一人ならまだしも、あゆを守りながらの銃撃戦は明らかに不利。 先ずはあゆの安全を確保すべきだった。 「さ、佐藤さん! 沙羅さんはどうしたの!?」 「沙羅ちゃんなら別の人と戦ってるよ。一時的にだけど、私に協力してくれる人とね。 心配しなくても大丈夫、あゆちゃんも沙羅ちゃんも、きちんと私が殺してあげる」 「ひっ、うあ………」 あゆが車体に身を隠しながら話し掛けると、嘲笑うような声が返ってきた。 佐藤良美――あゆにとって、忌むべき怨敵。 だが卑劣な行いを繰り返す良美は、往人のように甘くない。 もし戦闘を挑めば、良美は何の躊躇も無くあゆを殺害してのけるだろう。 それが理解出来たあゆは、とても立ち向かおうという気など起きず、只弱々しく肩を震わせる。 そこであゆの肩に、ぽんと手が乗せられた。 「……あゆ、落ち着いて」 「――瑛理子さん」 「私が居る限り、貴女は絶対死なせない……!」 瑛理子はそう云ってから、トカレフTT33をしっかりと握り締めた。 先程左腕を負傷したものの、銃撃が行えない程の傷では無い。 車体から顔を出して、良美の方へと立て続けに銃弾を撃ち放つ。 良美もその間隙を付いて、S W M36で応射して来た。 「――――っ」 「このっ……」 瑛理子も良美も遮蔽物に身を隠している為、銃弾はなかなか互いの身体を捉えない。 そうやって銃撃戦を続けていると、やがて瑛理子の銃が弾切れを起こした。 代わりの銃は未だある。 瑛理子は直ぐ様トカレフTT33を仕舞い込んで、代わりにコルトM1917――商店街で沙羅から受け取っていた物――を取り出した。 当然の事ながら、次なる銃撃を行う為だ。 だがそれを止めるように、突然あゆが口を開いた。 「ねえ佐藤さん、さっき協力者が居るって云ったよね」 「……それがどうしたの?」 質問の意図を図りかねた良美が、遮蔽物越しに訝しげな返事を返す。 あゆは少し考えてから、はっきりとした口調で云った。 「――協力者は、多ければ多い程良いって思わない?」 「「え…………?」」 良美と瑛理子が、同時に驚愕の声を洩らした。 そこからは、正に一瞬の出来事。 驚きの表情を浮かべている瑛理子に、あゆは容赦無く体当たりを食らわせた。 予期せぬ一撃に、瑛理子が尻餅をついて倒れ込む。 続けてあゆはコルトM1917を回収し、その銃口を瑛理子に突き付けた。 「あ……ゆ……?」 瑛理子の表情が、驚愕と狼狽で大きく歪む。 何が起こったのか、未だ良く理解出来ない。 そんな瑛理子に追い討ちを掛けるように、あゆが口を開いた。 「ゴメンね瑛理子さん、ボク死にたくないから佐藤さんの協力者になるよ」 あゆが裏切った理由は、単純明快。 戦力で上回る良美サイドに付いた方が、そして瑛理子から銃を奪取した方が、自身の生存率が高まると判断したからだ。 良美への憎しみも、瑛理子達との絆も、あゆにとって重要では無い。 生き延びる事。 それこそが、唯一にして絶対の目的だった。 「くすくすっ、……あはは…………あは、あはははははははははははははっ!!」 良美が腹部を抑えながら、心底可笑しげに哂う。 この事態は流石に予想し得なかったが、決して悪い展開ではない。 御しやすい傀儡を入手出来たし、寧ろ最高の戦果だと云えるだろう。 「良いよあゆちゃん、貴女なら扱いやすそうだし歓迎するよ。 それじゃまずは、その瑛理子さんって人を殺してくれるかな」 「うん、分かったよ」 あゆは余りにもあっさりと、良美の要請を承諾した。 そこには何の躊躇も見受けられない。 瑛理子が忌々しげに歯を食い縛りながら、叫んだ。 「……貴女、佐藤良美が憎くないの!? その女の所為で、貴女は罪を犯してしまったのよ?」 「憎いよ。でも、生き延びるより大切な事なんてないもん」 「ソレ――本気で云ってるの?」 「うぐぅ……瑛理子さん、ちょっと物分りが悪いね。本気じゃなきゃ、こんな事する訳ないよ。 そうだ――アレを教えたら、ボクが本気だって信じてくれるかな?」 あゆの口元が凄惨に吊り上げられる。 ずっと胸の内に秘めておくつもりだった真実――だが、死に往く人間になら教えても平気だろう。 それに瑛理子が、どのような反応をするか見てみたい気もする。 だからあゆは、微笑みを湛えたまま告げた。 「往人さんを殺したのはね、ワザとだったんだよ」 「え――――」 「もう一度云うよ。ボクは自分の意思で、往人さんを殺した。 偶然なんかじゃない、ちゃんと殺意を持って殺したんだよ」 そこまで云われてようやく瑛理子は、自分がずっと騙されていたのだと理解した。 あゆは哀れな少女の振りをしながら、護衛して貰うべく瑛理子達に取り入ったのだ。 その行動には、罪を償おうという気持ちなど微塵も無い。 瑛理子の顔に、絶望と憎しみの色が浮かび上がってゆく。 「流石にもう分かったよね? それじゃ、撃つよ」 瑛理子の反応を見て取ったあゆが、満足気にトリガーを引き絞ろうとする。 しかしそこで、向こうの方から沙羅が走ってきた。 「これは一体……何であゆが、瑛理子さんに銃を向けてるのよ!?」 智代の追撃を振り切った沙羅は、信じられない思いだった。 何故あゆが瑛理子を殺そうとしているか、まるで理由が分からない。 それでも直ぐに、考えている暇など無いと気付き、ワルサーP99を構えた。 だが沙羅が銃を撃つよりも先に、良美がこちらに攻撃を仕掛けて来た。 一回、二回と良美の手元が火花を吹き、沙羅は回避を強要される。 「邪魔はさせないよ。あゆちゃん、早く撃って!」 「…………っ!!」 後はあゆが、右人差し指に力を入れるだけで終わる。 ――救出は間に合わない。 それは沙羅と良美の両者共が抱いた、共通見解。 だがその共通見解を覆し得る者が、一人だけこの場に存在した。 沙羅の後方で爆音が鳴り響く。 「――――ッ!?」 次の瞬間、良美達の傍にあった農耕用車両のフロントガラスが根こそぎ消失した。 あゆも良美もそちらに気を取られてしまい、その隙に瑛理子は別車両の陰へと退避した。 銃撃――否、砲撃の主は坂上智代。 外れこそしたものの、智代の砲撃は明らかに良美とあゆを狙ってのものだった。 良美が殺気の宿った瞳で、思い切り智代を睨み付ける。 「……どういうつもり? 確かに一時的にとは云ったけど、もう手を切るつもりなのかな?」 良美が問い掛けると、智代の口元に冷笑が浮かんだ。 馬鹿にするような、見下すような、そんな笑みだった。 「何か勘違いしているようだな。そもそも私は、お前と手を組むなどとは一言も云っていないぞ? 誰がお前のような、下劣な殺人鬼に手を貸すものか」 「それじゃ、さっき沙羅ちゃん達に攻撃したのは?」 「深い理由は無い。人数が多い方を狙っただけだ」 その後も良美と智代は幾つか言葉を交わしたものの、互いの意向が一致する事は無い。 裏切られる形となった良美と、誰とも協力する気のない智代。 二人が交戦し始めるのは、最早時間の問題だった。 そして時を同じくして、沙羅も状況確認すべくあゆに話し掛けていた。 「あゆ――アンタ、どういうつもりなの?」 「うぐぅ……沙羅さんも物分りが悪いんだね。そんなの見たら分かるじゃない」 「アンタ、罪を償いたがってたじゃない……。あれも、嘘だったの?」 「うん。ああ云った方が、瑛理子さん達に信頼して貰えるかなって思ったんだ。 生き残れるのは一人だけ。生き延びる為なら何をしても構わない――それが、この島のルールだよ」 あゆの言葉は、決して誤りではない。 既に四十人以上の人間が死んだ。 この島で行われている殺人遊戯は、今も順調に進行しているのだ。 甘い考えを捨てなければ、生き延びるのは難しい。 それでも沙羅は眉を吊り上げ、否定の言葉を叩き付ける。 「そんなの間違ってる! そんなルール、皆で力を合わせれば破れるよ!」 「……沙羅さんならそう考えるだろうね。でもボクは、沙羅さんみたいに強くないもん」 「――――もう問答は結構よ」 二人の会話に割り込む形で、瑛理子が云った。 背筋が凍り付くような、冷たい声だった。 「沙羅、貴女は良美ともう一人の女を食い止めて。あゆは私が殺すわ」 告げる瑛理子は、商店街で手に入れた包丁を握り締めている。 沙羅はゴクリと唾を飲んだが、すぐに瑛理子の指示通り動き始めた。 既に交戦し始めていた良美と智代を牽制する形で、断続的にワルサーP99を撃ち放つ。 必然的にあゆと瑛理子は、一対一の形で対峙する事となった。 「瑛理子さん、今まで守ってくれて有り難うね。でもボクにとって、もう貴女は用済みなんだ。 だからそろそろ死んでくれないかな?」 あゆは余裕綽々と云った感じの表情を保っていた。 銃と包丁――得物の差は、歴然。 あゆの手にしたコルトM1917が、すっと持ち上げられる。 だが瑛理子は銃を向けられても、眉一つ動かさなかった。 「あゆ――死ぬのは貴女の方。私が貴女に罰を下す」 瑛理子は向けられた銃口など気にも留めず、おもむろに前へと歩き出す。 その行動にあゆは一瞬驚いたが、直ぐに平静を取り戻し、コルトM1917のトリガーを引いた。 「あれ…………?」 放たれたのは弾丸や銃声で無く、呆然とした声だった。 確かにあゆはトリガーを引いたが、何も起きなかった。 「そ、そんな、どうして………ッ!? こんな筈は……!!」 あゆは慌てて何度もトリガーを引き絞ったが、結果は変わらない。 コルトM1917の銃口から弾丸が放たれる事は無かった。 その間にも、あゆと瑛理子の距離は縮まってゆく。 「貴女を疑っていた訳じゃないけど……保険を掛けておいて正解だったわ」 「瑛理子さん、何を云って――」 「何度撃とうとしても無駄よ。万一に備えて、銃弾を抜き取って置いたんだから」 「―――――ッ!?」 慌ててあゆが銃を確認すると、弾倉は空の状態だった。 あゆは大急ぎで、鞄から予備弾丸を取り出そうとする。 しかし瑛理子が、みすみす弾丸補充の時間を与える筈も無い。 捻挫している左足も酷使して、全速力で疾駆する。 「月宮あゆ! 皆の気持ちを踏み躙った報い、受けなさいっ!」 「ひ、ぅあっ、ああああああっ……!!」 あゆの眼前に、怒りの形相で瑛理子が迫る。 あゆは弾丸の装填作業を中断して、一目散に逃げ出した。 その直後に瑛理子の包丁が一閃され、あゆの背中を軽く掠めた。 「ゴメンなさい、ゴメンなさい、ゴメンなさい! 嫌だっ、死にたくない、助けてええぇぇぇ!」 逃げながら必死に謝罪するが、そのような行動は無意味。 瑛理子が裏切り者を、そして往人の仇を見逃す道理など存在しない。 あゆが車の陰に飛び込もうとした所で、再び包丁が突き出された。 「ひぁぁぁぁっ!?」 包丁はあゆの顔の横、数センチの所を通過していった。 後ほんの僅か軌道がずれていれば、間違いなくあゆは致命傷を受けていただろう。 あゆは恐怖に押し潰されそうになりながら、無我夢中で走り続ける。 (どうして? どうして何時も、ボクばっかりこんな怖い目に遭うの!?) 理不尽だった。 佐藤良美に騙された時も、見知らぬ狂人――土見稟――に襲われた時も、一方的に被害を蒙るだけだった。 そして九死に一生を得た後も、こうしてまた生命の危機に瀕している。 自分は何時も、搾取される立場にあった。 それは何故か。 少し考えてみたら、直ぐに答えを導き出せた。 (そっか……ボクには、『力』が無いんだ……) 全速力で走っているにも関わらず、怪我人である瑛理子すら引き離せない。 この島で生き残るには、自分は余りにも非力過ぎる。 もし自分に鉄乙女のような強さがあれば、こんな思いはせずに済んだ筈。 迫り来る脅威を、自らの力で粉砕出来た筈なのだ。 (もっと強くなりたい……。ボクは……奪われるより奪う側に回りたい……!) あゆはただ一心に、それだけを願った。 しかし願うだけで強くなれるのならば、誰も苦労したりしない。 だからあゆの行為は、全く無意味の筈だった――前方に、献身が転がってさえいなければ。 「あれは――」 何故かあゆは、敏感に察知する事が出来た あの槍は、拳銃を遥かに上回る代物だ。 自分が追い求めた『力』そのものだ。 あゆは瑛理子の追撃を何とか掻い潜って、献身を拾い上げる。 そして誰よりも強い力を与えて貰えるよう、心の底から願った。 「…………!?」 その瞬間、自分の中に色々な物が流れてきた。 献身の使い方も感覚的に理解出来たし、身体中の隅々から信じられない程の『力』が溢れ出した。 視力も、聴力も、筋力も、何もかもが桁外れに強化される。 そこであゆが後ろに視線を移すと、包丁を振り上げる瑛理子の姿があった。 「――――死になさいっ!!」 間近で包丁が振り下ろされたが、その程度の攻撃、今のあゆにとっては何の脅威でも無い。 あゆは迫る白刃をあっさりと躱し、無造作に献身を突き出した。 繰り出された刺突は、何の工夫も為されていない、素人じみた一撃だ。 だが、瑛理子を仕留めるにはそれで十分。 永遠神剣で強化された身体能力さえあれば、只の刺突も、回避困難な必殺技へと変貌する。 「ガッ……アアアァァァ!」 舞い散る鮮血。 献身の刃先が、瑛理子の脇腹を深く切り裂いた。 瑛理子は大きくバランスを崩して、頭から地面に倒れ込んだ。 「この槍……多分沙羅さんが云ってた永遠神剣だよね。うん、コレ本当に凄いよ」 あゆは倒れ伏す瑛理子を見下ろしながら、献身をまじまじと見詰めていた。 沙羅から話自体は聞いていたものの、これ程の代物だとは予想していなかったし、自分に使いこなせるとも思っていなかった。 だがとにかく、自分は『力』を手に入れた。 奪う側に回る事が出来たのだ。 かつてない程の充実感が、あゆの心を満たしてゆく。 「――――瑛理子さん!」 聞こえてきた声の方にあゆが首を向けると、駆けて来る沙羅の姿が見えた。 沙羅は先程まで、智代や良美と三竦みの状態で小競り合いを行っていた。 しかし瑛理子の悲鳴を聞き取って、素早く踵を返したのだ。 沙羅は停車してある車両の隙間を縫うように走りながら、ワルサーP99を撃ち放つ。 この殺人遊戯に於いても、トップクラスの技能を以って行われる銃撃。 並の人間ならば、遮蔽物を利用しない限り避けられないだろう。 だがあゆは獣のような俊敏さで跳ね回り、不可避の筈の銃弾を捌いてゆく。 「く――――」 それでも沙羅は、銃撃を止めたりしない。 あゆが攻めに転じれぬよう、撃ち続ける事が重要だった。 牽制攻撃は絶やさぬまま、瑛理子の傍まで駆け寄って、その身体を抱き起こす。 「大丈夫、瑛理子さん!?」 「え、ええ……何とかね……」 瑛理子が負傷してしまった以上、このまま戦い続けるのは自殺行為。 沙羅は瑛理子に肩を貸しながら、農協の建物に向かって走り始めた。 その最中にも何度か後ろへ振り向いて、牽制の銃撃を敢行する。 ワルサーP99が弾切れを起こしたのとほぼ同時、沙羅達は建物の入り口に辿り着いた。 二人はそのまま、半ば体当たりするような形で、建物の中へと飛び込んだ。 「……あゆちゃん、追うよ!」 「うん!」 良美もあゆも、手負いの敵を見逃すつもりなど毛頭無い。 だが安直に追撃しようとすれば、背後から智代に撃たれてしまう可能性もある。 故に良美達は、そこら中に停めてある農耕用車両に身を隠しながら、慎重に建物へと近付いて行く。 「……潮時だな」 そして一人駐車場に残された智代には、追撃するつもりなど無かった。 放っておいても、沙羅と良美達は勝手に潰し合うだろう。 ハクオロと土永以外の敵には余り固執すべきでない。 無茶な戦闘を繰り返して、ハクオロを倒す余力が無くなる、といった事態は避けねばならないのだ。 智代はデザートイーグルを鞄に戻し、ゆっくりと農協から離れていった。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「ふう……これで少しは時間を稼げるね」 農協の建物内に逃げ込んだ沙羅は、まず始めに入り口の扉を施錠した。 扉は鉄製である為、いかに相手が銃や永遠神剣を持っていようとも、直ぐに突破されはしない。 今からどう行動すべきか、手短に話し合う時間くらいはある筈だった。 横に居た瑛理子が、唐突に紙と鞄を差し出して来る。 「沙羅、受け取って」 「これは?」 「爆弾の作成方法を纏めたメモよ。この通りにやれば、私以外でも爆弾が作れるわ」 「…………?」 沙羅は取り敢えず受け取ったものの、何の為にこんな事をするのか分からなかった。 瑛理子が無意味な行動を取る筈は無いが、今は一刻も早く逃亡方法を模索すべき場面。 余りグズグズしていては、良美達に追い付かれ、殺されてしまう。 「ちょっと瑛理子さん、今はこんな事やってる場合じゃ――」 「裏口の場所は分かってるわね? 貴女『は』あそこから脱出しなさい」 貴女『は』。 その言葉が何を意味するか、沙羅は直ぐに理解出来た。 途端に、冷えた両手で心臓を鷲掴みにされたような、そんな悪寒が膨れ上がる。 「……瑛理子さんはどうするつもり?」 「私は逃げない。あゆを倒して、往人の仇を取るわ」 迷いの無い返答。 瑛理子は何としてでも、此処で往人の仇を取るつもりなのだ。 「そんなの無茶だよ、瑛理子さん一人で勝てる訳無いじゃない!」 「大丈夫、ちゃんと勝算はある」 瑛理子が自信ありげに云ったが、沙羅はぶんぶんと首を横に振った。 一呼吸置いてから、懸命に言葉を投げ掛ける。 「復讐なんかしないで良いから一緒に逃げようよ……こんなの、往人さんだって望んでないよ!」 自分は往人と親しくないが、図書館で接した時の彼は、とても心優しい男に見えた。 そんな往人が、捨て身の敵討ちなど望む筈が無いだろう。 何より沙羅自身、瑛理子に死んで欲しく無かった。 しかし瑛理子は諦めたような顔で、ゆっくりと息を吐いた。 制服を捲り上げて、脇腹の負傷部位を露にする。 「この怪我で……逃げ切れると思う?」 「あ……あああっ…………」 沙羅の顔から、見る見るうちに血の気が引いてゆく。 大きく切り裂かれた脇腹、傷口の向こう側に見え隠れする内臓。 予想より遥かに酷い傷だった――恐らく、瑛理子はもう助からない。 それでも瑛理子は微笑みを形作って、力強い声で云った。 「此処であゆを倒す――それが私の役目。手負いの私に出来る、最後の役目」 そして、と続けた。 「貴女はまだ自分の足で走れるでしょ? だから、これから先の戦いは貴女の役目よ。 貴女は往人と同じ、強い意志の力を持った人。仲間の為に、自分から危険に飛び込める人。 この先どんな苦難が待っていようとも、貴女ならきっと道を切り拓いてゆく事が出来る」 瑛理子は一旦そこで言葉を切って、ポケットから往人の人形を取り出した。 それを沙羅の両手に握らせて、告げる。 「――だから、決して振り返らず前に進みなさい」 そこで、すぐ近くから銃声が聞こえてきた。 遂に良美達が、建物の出入り口にまで辿り着いたのだ。 程無くして、扉は破られてしまうだろう。 沙羅の瞳から、ポロポロと大粒の涙が零れ落ちた。 「さあ、行きなさい!! 生きて、この莫迦な殺し合いを終わらせるのよ!!!」 「ああ……うわああ……あああああああああああっ!!」 沙羅は涙で頬を汚しながら、裏口に向かって走り出した。 残りたかった。 例え命を落とす事になろうとも、瑛理子と共に居たかった。 だけどそれは絶対に許されない。 自分の身体は未だ動く、まだまだ戦える。 自分は生き続けて、圭一の、そして瑛理子の分まで戦い続けなければならないのだ。 「……さあ、ここから正念場ね」 沙羅の背中を見送ってから、瑛理子は行動を開始した。 勝算があるという言葉は、決して強がりなどでは無い。 事実自分には、確固たる勝利への方程式がある。 瑛理子は傷付いた身体を酷使して、どうにか階段まで足を進める。 その際、地面に自身の血を垂らしておくのも忘れない。 血痕を残しておけば、敵は確実にこちらを追跡して来る筈。 瑛理子の考えている策は、敵が追って来てくれなければ使えないのだ。 「ハ、――――ハァ――――ハァ――――……。 往人……見ててね。絶対に、貴方の仇を取ってあげるからね」 内臓が零れ落ちないよう脇腹を手で抑えながら、一歩一歩階段を昇る。 萎え掛けた全身の筋肉を総動員して、目的の場所を目指す。 瑛理子が三階まで昇った時、下の方で何かが砕け散る音がした。 続けて聞こえてくる、二人分の足音。 それで、出入り口の扉を破壊したあゆと良美が、建物内部へと侵入したのだと分かった。 足音は、真っ直ぐに階段の方へと向かって来ている。 (フフ……それで良いのよ。罪人の処刑台まで追って来なさい) 瑛理子はニヤリと口元を歪めてから、目的地――倉庫へと足を踏み入れた。 三階に昇ってからは、血の跡を残さないように動いている。 後もう少しは、時間がある筈だった。 唇の端から零れ落ちる血など気にも留めず、手早く断罪の準備を進めてゆく。 まずは全体を見渡して、必要な道具を手早く掻き集めた。 続けて片隅に置いてあったカーペットを、倉庫の中心部に敷き詰める。 チャンスは一回。 絶対に失敗は許されない。 最後に、慎重な手つきで詰めの作業も行った。 そして瑛理子が最後の作業を終えた直後、倉庫の扉が開け放たれた。 「うぐぅ……瑛理子さん、怪我してる癖に手間掛けさせないでよ」 「全くだね。私疲れてるんだから、大人しく死んで欲しいな」 現われたのは瑛理子の予測通り、あゆと良美だった。 直ぐ様瑛理子は、近くにあった穀物袋の山に身を隠した。 腕だけ突き出して、あゆ達にトカレフTT33の銃口を向ける。 「…………っ!」 あゆ達は即座に反応して、思い思いの方向に飛び退いた。 云うまでも無く、瑛理子の銃撃を回避する為だ。 だが、何時まで経っても銃声は鳴り響かない。 瑛理子のトカレフTT33が、カチッカチッと音を立てる。 トカレフTT33の弾丸は、既に尽きていたのだ。 「――――隙だらけだよっ!!」 悪鬼と化したあゆ達が、敵の致命的なミスを見逃す筈も無い。 あゆは一気に勝負を決すべく、献身片手に疾走する。 良美も同じように、S W M36を構えた状態で走り出した。 だが良美とあゆが、倉庫の中央辺りまで達した時。 突如瑛理子は、遮蔽物の陰から飛び出した。 その手には――燃え盛る紙屑。 「貴女達……未だ気付かないの? 辺りに漂ってる臭いに」 そこでようやく、あゆと良美は異変に気付いた。 部屋中に漂う、ある特殊な臭いに。 「これは――――ガソリンッ!?」 臭いの発生源は、あゆ達の足元からだ。 敷き詰められた、カーペットからだ。 全ては瑛理子の作戦通り。 弾切れの醜態を晒したのは、敵を倉庫の中央まで誘き出す為。 床にカーペットを敷いたのは、秘密裏にガソリンを染み込ませる為。 全ては――――罪人に裁きを下す為……! 「――――地獄の業火に焼かれなさい!!!」 そして瑛理子の手元から、断罪の炎が投げ放たれた。 炎はカーペットの端に着弾し、地獄の業火へと変貌を遂げる。 「こ、こんな所で――――――!」 良美が必死に飛び退こうとするが、とても間に合わない。 恐るべき速度で形成された炎の津波が、罪人達に襲い掛かる。 ……敵が只の人間ならば、此処で勝敗は決していた。 瑛理子は完璧な作戦を立て、それを死に体の身体で遂行し切った。 瑛理子に殆ど落ち度は無い。 在るとすればそれは―― 「…………ウインドウィスパー!!」 「な――――!?」 ――永遠神剣の存在を、忘れていた事だけだ。 あゆの発動させたウィンドウィスパーにより、強烈な暴風が巻き起こされた。 風は、炎を消し飛ばすまでには至らない。 あゆの巻き起こした風は、精々炎の勢いを緩める程度だった。 だが、それで十分。 僅かばかりの時間さえ稼げれば、あゆと良美が逃れるには事足りる。 風が収まった時、瑛理子の瞳に映ったのは、炎の海から無傷で逃れ切ったあゆ達の姿だった。 切り札は、完膚無きまでに破り去られた。 瑛理子は血塗れの唇を歪めて、悲痛な表情を形作った。 「あ……あああっ…………」 恐るべき速度で、あゆが前方へと疾駆する。 そのままあゆは、あっと云う間に瑛理子の眼前まで詰め寄って、鋭い刺突を繰り出した。 「――バイバイ、瑛理子さん」 別れの言葉。 献身の刃先が、正確に瑛理子の胸を貫いていた。 あゆが献身を引き抜くと、瑛理子は背中から地面に倒れ込んだ。 今度こそ、確認するまでも無く致命傷だった。 (往人……往人……往人――――――――!!) それでも瑛理子は諦めない。 往人はどんな状況でも諦めなかった――だから自分も決して、諦めない。 薄れゆく意識を必死に押し留めて、何とか打開策を導き出そうとする。 だがそこで、ザクンと。 何かが突き刺さる感触を最後に、瑛理子の意識は消失した。 あゆが献身を振り下ろして、瑛理子の首を刺し貫いたのだ。 こうして瑛理子は、二度と動かぬ屍と化した。 黒い灰が霧のように宙を舞う。 倉庫の中央部では、今も業火が燃え盛っている。 ゆらゆらと揺れる炎の灯りが、血に塗れた瑛理子の顔を照らしていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ 決着から程無くして、良美とあゆは駐車場に移動した。 周辺を少し探索してみたが、沙羅の姿は見受けられない。 恐らくはもう、何処か遠くへ逃げ去ったのだろう。 「くすくす……これは役に立ちそうだね」 そう云って、良美は地面に放置されていたぬいぐるみ――紫和泉子の宇宙服を、鞄に放り込む。 先程見た光景が目の錯覚で無ければ、変装に使える筈。 自分にとっては、最高の道具と云えるだろう。 「行くよ、あゆちゃん」 「――うん」 良美はあゆを促して、次なる獲物を求めて歩き出した。 今回の戦果に満足しているのか、その顔には酷薄な笑みが張り付いている。 だが良美は未だ気付いていない――あゆの瞳に宿っている、明確な殺意に。 (……未だ、だよね。もう少し我慢しないと、駄目だよね) あゆはそう自分に言い聞かせながら、献身の柄を強く握り締めた。 『力』は手に入れた。 今の自分ならば、例え良美が相手であろうと打ち倒せる筈。 地獄の底に突き落とされた恨みを、晴らせる筈なのだ。 だと云うのに、何故今すぐそうしないのか――理由は只一つ。 ここで共闘者を失うのは、自身の生存率を引き下げる事に他ならないからだ。 良美には未だ利用価値がある。 戦闘になれば一人より二人で戦う方が有利だし、戦略的な面から見ても良美は優秀だろう。 利用出来るだけ利用し尽くして、価値が無くなったら、その瞬間こそ復讐を成し遂げれば良いのだ。 (佐藤さん……今度は貴女が奪われる番だよ) 降り注ぐ朝日の中、純粋無垢だった少女は、嘗て自分を陥れた悪魔と同じ道を往く。 初めて手に入れた強大な力――それが、少女を狂わせる。 【二見瑛理子@キミキス 死亡】 【E-5下部 /1日目 朝】 【坂上智代@CLANNAD】 【装備 IMI デザートイーグル 10/10+1】 【所持品 支給品一式×3、 IMI デザートイーグル の予備マガジン7 サバイバルナイフ、トランシーバー×2、多機能ボイス レコーダー(ラジオ付き)、十徳工具@うたわれるもの、スタンガン、 ホログラムペンダント@Ever17 -the out of infinity-、九十七式自動砲 弾数3/7】 【状態 疲労中程度、血塗れ、左胸に軽度の打撲、右肩刺し傷(動かすと激しく痛む・応急処置済み)、 左耳朶損失、全ての参加者に対する強い殺意、右肩に酷い銃創】 【思考・行動】 基本方針 全ての参加者を殺害する。 0:ハクオロを殺害すべく病院に向かう 1:何としてでもハクオロと土永さんを生き地獄を味合わせた上で殺害する。 2:ハクオロに組し得る者、即ち全ての参加者を殺害する。 【備考】 ※『声真似』の技能を使えるのが土永さんと断定しました。 ※純一の説得に心は微塵も傾いていません。 ※土永さん=古手梨花と勘違いをしています。 ※トウカからトゥスクルとハクオロの人となりについてを聞いています。 【E-5下部 /1日目 朝】 【白鐘沙羅@フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン】 【装備: ワルサー P99 (16/16)】 【所持品1:フロッピーディスク二枚(中身は下記) ワルサー P99 の予備マガジン5 カンパン30個入り(10/10) 500mlペットボトル4本】 【所持品2:支給品一式×2、ブロッコリー&カリフラワー@ひぐらしのなく頃に祭、空鍋&おたまセット@SHUFFLE! ON THE STAGE、往人の人形】 【所持品3:『バトル・ロワイアル』という題名の本、エスペリアの首輪、映画館にあったメモ、家庭用工具セット、情報を纏めた紙×12、ロープ】 【所持品4:爆弾作成方法を載せたメモ、肥料、缶(中身はガソリン)、信管】 【状態:中程度の疲労・深い悲しみ・若干の血の汚れ・両腕に軽い捻挫】 【思考・行動】 基本行動方針:一人でも多くの人間が助かるように行動する 0:まずは安全な場所まで退避する 1:当面の方針は、後続の書き手さん任せ 2:状況が落ち着いたら、爆弾を作成する 3:状況が落ち着いたら、フロッピーディスクをもう一度調べる 4:首輪を解除できそうな人にフロッピーを渡す 5:ハクオロを警戒 6:情報端末を探す。 7:混乱している人やパニックの人を見つけ次第保護。 8:最終的にはタカノを倒し、殺し合いを止める。 タカノ、というかこのFDを作った奴は絶対に泣かす 【備考】 ※国崎最高ボタンについて、何か秘密があるのでは無いかと考えています。 ※FDの中身は様々な情報です。ただし、真偽は定かではありません。 ※紙に書かれた事以外にも情報があるかもしれません。 ※“最後に.txt .exe ”を実行するとその付近のPC全てが爆発します。 ※↑に首輪の技術が使われている可能性があります。ただしこれは沙羅の推測です。 ※図書館のパソコンにある動画ファイルは不定期配信されます。現在、『開催!!.avi』と『第三視点からの報告』が存在します。 ※肥料、ガソリン、信管を組み合わせる事で、爆弾が作れます(威力の程度は、後続の書き手さん任せ)。 ※月宮あゆ、坂上智代が殺し合いに乗っている事を知りました 【E-5下部 農協付近/1日目 朝】 【月宮あゆ@Kanon】 【装備:永遠神剣第七位"献身"、背中と腕がボロボロで血まみれの服】 【所持品:支給品一式x3、コルトM1917の予備弾31、コルトM1917(残り0/6発)、情報を纏めた紙×2、トカレフTT33 0/8+1、ライター】 【状態:魔力消費中程度、肉体的疲労中程度、ディーと契約、満腹、背中に浅い切り傷、明確な殺意、生への異常な渇望、眠気は皆無】 【思考・行動】 行動方針:他の参加者を利用してでも、生き残る 0:人を殺してでも、どんな事をしてでも生き残る 1:良美を利用出来るだけ利用する(信用はしない) 2:利用価値が無くなった瞬間、自らの手で良美を殺す 3:可能ならば工場に行く(北上) 4:死にたくない 【備考】 ※契約によって傷は完治。 契約内容はディーの下にたどり着くこと。 ※悲劇のきっかけが佐藤良美だと思い込んでいます ※契約によって、あゆが工場にたどり着いた場合、何らかの力が手に入る。 (アブ・カムゥと考えていますが、変えていただいてかまいません) ※ディーとの契約について 契約した人間は、内容を話す、内容に背くことは出来ない、またディーについて話すことも禁止されている。(破ると死) ※あゆの付けていた時計(自動巻き、十時を刻んだまま停止中)はトロッコの側に落ちています。 【佐藤良美@つよきす -Mighty Heart-】 【装備:フムカミの指輪(残使用回数0回)@うたわれるもの 散りゆくものへの子守唄、破邪の巫女さんセット(巫女服のみ)】 【所持品:支給品一式×3、S W M627PCカスタム(0/8)、S W M36(5/5)、 錐、食料・水x4、目覚まし時計、今日子のハリセン@永遠のアセリア(残り使用回数0回)、紫和泉子の宇宙服@D.C.P.S. 大石のデイパック、地獄蝶々@つよきす、S W M627PCカスタムの予備弾3、.357マグナム弾(27発)、肉まん×5@Kanon、オペラグラス、医療品一式】 【状態:疲労大、左肩に銃創と穴(治療済み)、重度の疑心暗鬼、巫女服の肩の辺りに赤い染み、右手に穴・左手小指損失(応急処置済み)、左肩に浅い刀傷】 【思考・行動】 基本方針:あらゆる手段を用いて、優勝する。 1:あゆを利用出来るだけ利用する(信用はしない) 2:魔法、魔術品を他にも手に入れておきたい 3:あらゆるもの、人を利用して優勝を目指す 4:機会があれば、沙羅を自らの手で殺す 【備考】 ※ハクオロを危険人物と認識。(詳細は聞いていない) ※千影の姉妹の情報を得ました(名前のみ) ※大空寺あゆ、ことみのいずれも信用していません。 ※大石の支給品は鍵とフムカミの指輪です。 現在鍵は倉成武が所有 ※商店街で医療品とその他色々なものを入手しました。 具体的に何を手に入れたかは後続書き手任せ。ただし武器は無い) ※襲撃者(舞)の外見的特長を知りました。 【備考】 E-5下部、廃線近くの農協は以下のような構造になっています。 農協の駐車場には、農耕用車両が多数停めてある 農協の建物は三階建てで、最上階に倉庫がある(倉庫内部は一部焼失、一階の入り口扉は大破) 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 投下順に読む 184 Ever――移ろいゆく心 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 時系列順に読む 184 Ever――移ろいゆく心 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 佐藤良美 192 終着点~侵されざるもの~ 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 坂上智代 193 贖罪/罪人たちと絶対の意志(前編) 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 白鐘沙羅 194 銀の意志、金の翼 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 二見瑛理子 183 ファイナル・ミッション/奪う者、奪われる者(前編) 月宮あゆ 192 終着点~侵されざるもの~
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矢具座とは、南山地方の地域名。「南山のヨハネスブルグ」とも呼ばれる。 概要 地方東部の千林市内に存在する地域。地域内には、偏差値が8しかない「千林あやき沢高校」が存在する。当然、ほぼ不良しかいない。 死にたい人にオススメの世紀末地域「矢具座」 元運動系エースの自分なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格の不良にカツアゲされた。 駅から徒歩1分の路上に近くの学校の教師らしき人物が頭から血を流して倒れていた。 足元がぐにゃりとしたので視線を下ろすと、死体が転がっていた。 バイクで訪問者に突っ込んで、倒れたというか轢いた後から荷物とかを強奪する。 駅前の公衆トイレを不良達に襲撃され、女も「男も」全員レイプされた。 タクシーから駅までの10mの間で不良に襲われた。 付近に住む女性の1/3がレイプ経験者。しかも交配の回数が多いほど賢くなれるいう迷信から「赤子ほど危ない」 「そんな危険なわけがない」といって出て行った千林警察署所属の警官(交通安全課)が5分後血まみれで戻ってきた。 「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出て行った暇人ニートが靴と服を盗まれ下着で戻ってきた。 駅から半径200mは強盗にあう確率が150%。一度襲われてまた襲われる確率が50%の意味。 矢具座における殺人事件による死亡者は1日平均18人、うち約2人がただの訪問者。 妊婦が矢具座駅前にある産婦人科に駆け込んだら、待ち構えていた不良達に滅多刺しにされた
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竜の指輪(りゅうのゆびわ) 結婚指輪 所有者は竜と話すことが出来、攻撃しない限り竜に襲われることはない。 L:竜の指輪 = { t:名称 = 竜の指輪(アイテム) t:要点 = サファイア,燃える金の,指輪 t:周辺環境 = 竜洞 t:評価 = なし t:特殊 = { *竜の指輪のアイテムカテゴリ = ,,,着用型アイテム。 *竜の指輪の位置づけ = ,,,<結婚指輪>。 *竜の指輪の着用箇所 = ,,,手先に着用するもの。 *竜の指輪の形状 = ,,,指輪。 *竜の指輪の特殊能力 = ,,,所有者は竜と話すことができ、攻撃しない限り竜に襲われることはない。 } t:→次のアイドレス = 竜の蘇り(アイテム),竜語の習得(イベント),所有者への加護(イベント),竜の示し(イベント) } 解説 弓下アリアンから弓下嵐に送られた結婚指輪。 指輪に竜とつくのは過去に八神の蘇生にウォータードラゴンが関わり、 アリアンもまた冒険ゲームにて緑オーマに襲われたところを ウォータードラゴンの子供である竜太郎に助けられれた縁のためだろう。 効果は通常の結婚指輪の効果のほかに こちらから襲わない限り竜に攻撃されない。竜の言葉がわかるなど 竜との関係に特化したものになっている。 派生は所有者への加護を除けば、名前の通り竜関連のものが多い。 なお、送られた側のプレイヤーの誕生日は1月であり 誕生石はガーネットであるが、なぜか結婚指輪の石は青いサファイアである。 余談だが、プレイヤーが指輪をもらったゲームで改名した名前の「嵐」は シェイクスピアの戯曲の1つテンペストからとられている。 テンペストそのものの内容は、魔術師プロスペローの復讐劇で、 最後に自分を陥れた相手を許して、魔法を捨てるストーリーになっている。 これ自体は特にありふれた話だが、 とある推理漫画でこのテンペストを講演するときに起こる 事件を題材にしたものがある。 その話でキーになるアイテムが「サファイアの指輪」。 プレイヤーは名前を決めるときに丁度その話を思い出して 決めたというのだから偶然とはいえ面白い話である。 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 土場藩国 08/12/23:入手 弓下嵐 1 ACE 08/12/23:入手 弓下アリアン 1 参考資料 尚書省連絡掲示板 No.1044 アイドレスWiki:竜の指輪 上へ 戻る 編集履歴 矢上麗華@土場藩国 (2010/03/23) 図画 黒崎克耶@海法よけ藩国 解説 弓下嵐@土場藩国 (2009/04/12)
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概要 自然を司る精霊により選ばれた正義の味方である。 変身アイテム『ナチュルリング』を使う事により、自然の力で平和を守る優しき戦士『ナチュルスター』に変身する。 森久保乃々、白菊ほたるの二人は侵略者に襲われてるところを自然の精霊、オトハにより、ナチュルスターに変身する力を与えられた。 所属アイドル 森久保乃々 白菊ほたる 村上巴
https://w.atwiki.jp/ogcrusade/pages/195.html
本来の種類と別の種類として扱われるカード 「(種類)として扱う」等の効果が適用されたカードは、本来の種類ではなく、指定された種類のカードとして扱います。 「(種類)としても扱う」等の効果が適用されたカードは、本来の種類と指定された種類の、両方の種類のカードとして扱います。 本来の種類とは別の種類として(も)扱われているカードが、別の場所に移動した場合、原則的に本来の種類に戻ります。 まだ、OGクルセイドには無いがカードの効果等で、ユニットとしても扱われるキャラクターは、キャラクターを対象に取る「総帥の最期」はもちろん、ユニットを対象とする「天上天下念動破砕剣」、「トロイエ隊」等の効果も適用される。
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目次 【時事】ニュース肉便器 RSS肉便器 口コミ肉便器 【参考】ブックマーク 関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース 肉便器 浜田雅功 いまも自分でトイレ掃除 キスマイ二階堂のこだわりには仰天「高さ気にする!?」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース あんこを便器にニュルニュル『トイレ型もなか』が連日売り切れの大人気 「リアル感」生み出すプロのこだわり(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 安物買いの銭失いで買うと損する100均商品は? (2021年10月19日) - エキサイトニュース 「フタ開いて 後ずさりして 感心す」 TOTO、トイレ川柳の入選作品を発表 - ITmedia 屋外トイレに座った女性が「熊」に襲われた理由 - 東洋経済オンライン 屋外トイレに座った女性、「下から」尻を襲われる。犯人はクマ!──アラスカ - Newsweekjapan 納言・薄幸、飲んで飲んで飲まれて…千鳥・大悟も一目置く酒飲み - iza(イザ!) RSS 肉便器 浜田雅功 いまも自分でトイレ掃除 キスマイ二階堂のこだわりには仰天「高さ気にする!?」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース あんこを便器にニュルニュル『トイレ型もなか』が連日売り切れの大人気 「リアル感」生み出すプロのこだわり(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 安物買いの銭失いで買うと損する100均商品は? (2021年10月19日) - エキサイトニュース 「フタ開いて 後ずさりして 感心す」 TOTO、トイレ川柳の入選作品を発表 - ITmedia 屋外トイレに座った女性が「熊」に襲われた理由 - 東洋経済オンライン 屋外トイレに座った女性、「下から」尻を襲われる。犯人はクマ!──アラスカ - Newsweekjapan 納言・薄幸、飲んで飲んで飲まれて…千鳥・大悟も一目置く酒飲み - iza(イザ!) 口コミ 肉便器 #bf 【参考】 ブックマーク サイト名 関連度 備考 ピクシブ百科事典 ★★ 関連項目 項目名 関連度 備考 研究/ザーメンタンク ★★★ 研究/肉奴隷 ★★★ 研究/性奴隷 ★★★ タグ 未整理 最終更新日時 2013-01-16 冒頭へ
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[その他] 舞人の眠れない夜もそろそろあけようとしているとき。 [その他] ひゅおおおおおおお…… [舞人] 「ううっ!? サップゥッ!!」 [その他] 突如吹き込んできた真冬のような寒風に思わず実を振るわせる舞人。 [ルーシィ] 「っ!!」 [その他] そのとき、隣で熟睡していたはずのルーシィの体がびくんと震えた。 [ルーシィ] 「で、ででで……でっ!!」 [その他] 目をぎゅっとつぶり、ガチガチと歯を鳴らしながら舞人にしがみつくルーシィ。 とてもさっきまで寝ていたとは思えない。 危機察知能力は超一流らしかったが、察知したところで相手の正体がわかった以上、何も出来なくなるのであまり意味はなさそうだ。 [舞人] 「これが例の幽霊の登場シーンってやつか?」 [ルーシィ] 「そ、そそそ、そうっ!!」 [その他] 舞人はルーシィを庇うようにベッドから身を起こし、 [舞人] 「――ッ!!」 [その他] 息を呑んだ。 [その他] 『恨めし……憎らし……』 [その他] そこには半透明の女が浮いていた。 髪はざんばらで顔は隠れているが、ルーシィと同じくらいの年頃の女というより少女のように思える。 時代錯誤な古めかしいデザインの鎧を身にまとっていることから、戦士か騎士の亡霊だろうか。 [舞人] 「おっ、お前は何モンだ……!!」 [その他] 思わず引き気味に怒鳴りつける舞人。 もっとも、幽霊相手に何者だと聞くのもどうかと思うが。 [その他] 『恨めしい……力ある……勇者が恨めしい……』 [その他] ルーシィが使い物にならない以上、自分が気張らなければ。 舞人は果たして素の状態の自分にどれだけの魔力が備わっているだろうかと考えた。 特訓を続けて結構たつが…… [舞人] (やべ。MPが上がってる気がしない) [その他] となると、どうにかツンデイン一発で倒すしか方法はない。 舞人は会話を続け隙をうかがう作戦に出た。 [舞人] 「勇者が憎い? てことはお前、勇者に倒されたなんかの霊か!」 [その他] 『……倒された……違う……私は……私は……』 [その他] 意外なことに会話が成立している。 しかし、霊は問いに答えず苦悶の表情を浮かべる。 同時に、 [その他] ガタガタガタガタっ!! [舞人] 「うおっ、ポルターガイスト!?」 [ルーシィ] 「ひいいいいいいっ!!」 [その他] 周囲の机やらベッドが激しく動き出し、慌てる舞人と悲鳴を上げるルーシィ。 [その他] 『私は……』 [その他] ひゅううううううっ!! [舞人] 「なっ……!!」 [その他] 寒風が再び吹き荒び、幽霊のバサバサの髪を舞い上げた。 そこに覗いていた顔は―― [舞人] 「る、ルーシィ……?」 [その他] ルーシィに瓜二つの美少女だったのだ。 [その他] 『私は……モナ・アシュレイ……400年前の勇者……』 [舞人] 「な、なんだってー!!」 [その他] その空間はなんともカオスだった。 [舞人] 「ま、とりあえず茶でも飲んでくれ」 [モナ] 「ああっ、申し訳ないですぅ……でも私、幽霊なのでカップが……」 [その他] 明け方も近い寝室で、幽霊と差し向かう舞人。 しかも幽霊こと過去の勇者モナは、正体が明らかになった途端、なぜか間延びした口調になっていた。 すでに体が透けているほか、幽霊らしい貫禄は一切なくなってしまっている。 だがそれでも怖いのか、ルーシィは舞人の背中越しに隠れるように様子を伺っている。 [舞人] 「で、モナさんとやら。なんだってルーシィの先祖のあんたが、ルーシィを脅かしてるんだ」 [モナ] 「それには深い事情があるんですぅ……」 [舞人] 「事情ってのは?」 [モナ] 「そ、それはですねぇ……」 [その他] モナは知られざる歴史の真実をぽつぽつと語りだした。 [その他] 400年前。突如魔王立候補を宣言したひとりの魔族は、瞬く間に近隣諸国を征服し魔王の称号をその手に入れた。 その年、16歳の誕生日を迎えた勇者モナは当然伝承に従い、魔王を討伐しにいくこととなる。 [舞人] 「でも負けたと?」 [モナ] 「はいぃ……そうなんですぅ……」 [その他] モナはしょぼんとしながら話を続ける。 このままでは世界は魔王に征服されてしまう。 事態を重く見た魔術王ルネは、異世界から勇者を召喚したのである。 [モナ] 「それが勇者タカですぅ」 [舞人] 「へぇ……名前からして、そいつも日本人みたいだな」 [モナ] 「ニホンジン?」 [舞人] 「気にせずに続けてくれ」 [その他] 突如異世界に召喚されてきたタカは、戸惑いはしたもののすぐさまその実力を開花させ、見る見るうちに勇者専用魔法を身につけていった。 そして、一度敗北したとは言えフォスタリアの未来を救う勇者であるモナを仲間に、魔王に挑んでいったのだという。 [ルーシィ] 「なんか、誰かさんとは大違いみたいだね、その勇者タカって人」 [その他] 若干余裕を取り戻してきたらしいルーシィが、舞人の背中をつつく。 [舞人] 「う、うるさいやい」 [モナ] 「私はタカの実力に最初は嫉妬こそしたものの、次第に惹かれていったんですぅ……」 [その他] 器用に霊体の頬をぽっと染めるモナ。 [モナ] 「そしてついに魔王は倒れました……ですけど……」 [その他] 不意に目を伏せるモナ。 [舞人] 「そうか、わかったぞ……そのタカって奴はお前を選ばずに自分の世界に帰ったんだな?」 [ルーシィ] 「えっ……」 [その他] 舞人の推測にわずかに動揺の色が滲むルーシィ。 その瞳が不安げに舞人を見つめていたが、背中にいるため舞人はそれに気づかなかった。 [モナ] 「いいえ、違うですぅ」 [舞人] 「え、あ、違った? ……まぁ確かに、自分の世界に帰ったのになんでルーシィを恨むんだよって話だよな」 [ルーシィ] 「じゃあ、どうしたの……?」 [その他] 控えめに会話に参加してくるルーシィ。 モナはもったいぶるように――ゆったりしているのは地らしいが――言葉を続けた。 [モナ] 「タカは……戦いの最中、魔王の強さに心惹かれていったんです」 [舞人] 「……は?」 [モナ] 「そしてタカは……倒した魔王の命を助け、そのまま……」 [その他] ふるふると肩が震えだすモナ。 [モナ] 「そのまま二人は駆け落ちしちゃったんですぅぅぅぅ!!!」 [その他] ゴゴゴゴゴゴゴッ!! [舞人] 「うおおっ、ポルターガイスト再びっ!!」 [その他] モナの悲痛な叫びと共に、またしても家具が超振動する。 [舞人] 「っていうか、なんだよそのオチはっ!!」 [モナ] 「散々私と旅の途中イイコトしてきたのにぃぃ、結局は男同士でぇぇぇっ、しかもよりによって魔王とですよぉぉ!?」 [舞人] 「あ、イイ仲だったんだ、一応……」 [モナ] 「子供まで作っておいて必要なくなったらポイだなんて酷すぎますぅぅぅぅ!! しかも男の魔王とぉぉぉ!!」 [その他] オオオオオ…… [その他] モナの顔が次第に幽霊じみていき、どこかのホラー漫画にありがちな効果音を背負いだす。 [舞人] 「オチはさておき事情はわかったが、なんでそれでルーシィを脅かすっ!?」 [モナ] 「だって私にもっと力があればタカの心を繋ぎとめられたかもしれないんですよぉ!?」 [舞人] 「だから!?」 [モナ] 「力のある勇者が羨ましいんですぅぅ、妬ましいですぅぅ、そねましいですぅぅ!!」 [舞人] 「思いッッッッッッきり逆恨みもいいとこじゃねーか!!」 [モナ] 「そんなこと知ったこっちゃねーですぅぅぅ!! どーせ幽霊になっちゃったんですから、もう勇者の血なんかどーでもいいですぅぅぅ!!」 [その他] すでに幽霊というより、たちの悪いヒス女である。 [舞人] 「とかいいつつ、その勇者の血が途絶えてないってことは出来た子供はちゃんと育てたんだよな……」 [モナ] 「自分の子供は別ですぅぅぅ! ちゃんと立派な子に育ててもらったですぅ! ……パパとママに」 [舞人] 「うわぁなんというワガママな幽霊だ……っていうか育てたの両親かよ!?」 [その他] さすがの舞人でもそれには引いた。 [モナ] 「だってぇぇ……私はあの子を生んですぐに……」 [舞人] 「う……」 [その他] 子育て放棄と思いきや、実は重たい理由に言葉を詰まらせる舞人。 [モナ] 「捨てられたショックでだいぶ体が参ってて出産に耐え切れなかったんですぅぅ……」 [舞人] 「そ、それにしたって……っていうか、それならやっぱ恨むならそのタカって勇者を奪った魔族を恨めよ……」 [モナ] 「魔族に化けてでても怖がってもらえないじゃないですかぁぁぁ!!」 [舞人] 「うわ、そんな理由で逆恨みかよ……」 [モナ] 「というか、この家に自縛しちゃったものでここから離れられないから、とりあえず恨みのはけ口を手近なところで……」 [舞人] 「それが本音かよ!!」 [その他] もともと勇者の血筋で嘘が得意でないらしく、ついついぽろりと本音をこぼすモナ。 勇者っぽいのやらぽくないのやら、ぜんぜん分からない幽霊である。 [モナ] 「でも力のある勇者が妬ましいんですぅぅ、羨ましいんですぅぅ!!」 [その他] すでにヒスを通り越してただのダダッコである。 [舞人] 「ってか、さっきから実力だの力のあるだのいってるけど、このルーシィだって魔王に負けてるんだぞ?」 [ルーシィ] 「マイト!!」 [その他] 思わず恥部を暴露され、声を荒げるルーシィ。 [モナ] 「へっ? そうなんですかぁ……?」 [その他] 不意に力の抜けるモナ。 [モナ] 「でも小さいころからツンデインをマスターしたり、剣の腕も子供とは思えないくらい一流だったし……」 [舞人] 「アレだな。神童と呼ばれても、将来どうなるかってのはわからないってことじゃねーの?」 [ルーシィ] 「マーイートーッ!!」 [舞人] 「ぐええええ!!」 [その他] 情け容赦ない舞人の言いように、ついに怒りに身を震わせて舞人の首を絞めるルーシィ。 [舞人] 「この家に自縛してるってことは、知らなかったんだなぁぁぁ……ぐえええ、いい加減はなせ、死ぬぅぅ!!」 [その他] 首を絞められながらも続ける舞人の言葉に、モナのオーラから次第に威圧的な力が消えていくのがわかった。 [モナ] 「そうだったんですかぁ……なぁーんだ……私たち、実は似たもの同士だったんですねぇ」 [その他] 次の瞬間には、モナの表情にぱぁっと花が咲いていた。 実に態度の豹変が激しい幽霊である。 [モナ] 「私たち、いい友達になれそうですねぇ☆」 [その他] きゃるん、とまぶしい笑顔を浮かべるモナ。 [ルーシィ] 「え、え……そ、そうかなぁ……」 [その他] 今まで散々脅かしてきて自分にトラウマを植え付けてきた相手である。 いくら和解しそうとはいえ、簡単に頷けないものがあるルーシィだった。 ただ、この幽霊に関しては当初ほどの恐怖感はなくなっているのも事実だ。 ともかく、モナがルーシィに妙な親近感を覚えたことで、この家でもう恐怖現象が起こることはないだろう。 [モナ] 「ルーシィさんっ、たまには戻ってきてくださいねぇ~」 [ルーシィ] 「う、うん……」 [その他] 最も、実家に帰るたびに付きまとわれそうな気もするが。 [舞人] 「ところでさ」 [モナ] 「はい? なんですかぁ?」 [舞人] 「興味本位なんだけど、前の魔王ってなんていう名前なんだ? そいつだけ名前が出てこなかったからさ」 [その他] 舞人が何気なく聞くと、モナは不意に目を伏せた。 そして、次第にザワザワと髪がうごめき始める。 [モナ] 「思い出すのも忌々しいですぅ……魔王アーツ・グッドマン!!」 [ルーシィ] 「グッドマン!?」 [その他] その名を聞き、ルーシィが驚愕の声を上げる。 [舞人] 「知ってんの?」 [ルーシィ] 「何言ってるの……グッドマンっていうのは……」 [???] 「ご明察だ、勇者ルーシィ」 [ルーシィ] 「!?」 次へ
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『飼われるって幸せな事』 D.O 「ゆっくりしていってね!!」 ゆーん。やっぱり朝のご挨拶はゆっくりできるよー。 お空も晴れてて、太陽さんもゆっくりしてるね。 まりさは今日も、とってもゆっくりしてるよ! 「のーびのーび、すっきりー。」 すーやすーやした後は、のーびのーびするとすっきりーだよ。 まりさは、朝は必ず初めにのーびのーびしてるんだよ。 ゆっくりしてるよね。 ゆ?まりさのことを、教えて欲しいの?ゆっくり理解したよ。 まりさは、お兄さんの飼いゆっくりのまりさだよ。 ゆふぅん。少し前までは野良だったんだけど、 とってもゆっくりしたお兄さんが、飼いゆっくりにしてくれたんだ。 だからまりさ、とってもしあわせ~だよ。 ゆっくりよろしくね。 お兄さんのおうちは、とっても大きくて、木さんで作ってあるんだよ。 でも、大きすぎてまりさはちょっと苦手かな。 だから、お兄さんのおうちの隣に、まりさだけのおうちを作ったんだよ。 ゆっくりしてるでしょ。 「ゆ~ん。ゆ!ごーくごーくするよ!」 のーびのーびが終わったら、次はごーくごーくするんだよ。 これもいっつもやってるんだよ。 飼いゆっくりは、大事なことは毎日必ずやるんだよ。 まりさは野良だったけど、ずっと前に死んじゃったお母さんが、ゆっくり教えてくれたんだよ。 きれいなお水さんは、野良だったときはなかなか無くって大変だったよ。 でも、今はお庭の『たらいさん』に必ず入ってるから、ゆっくりできるよ。 「ごーくごーく。ゆっくりー!ゆふぅん。ちゃーぷちゃーぷ。おぼうしさん、ゆっくりしてるね。」 ごーくごーくしたら、ついでに身づくろいもするよ。 大事なお帽子は、お水でちゃーぷちゃーぷすると、とってもキレイになるんだよ。 ゆっくり! 「ぺーろぺーろ。まりさのかみのけさん、ゆっくりしてるよー。」 お帽子さんの次は、体もきれいにちゃーぷちゃーぷ、ぺーろぺーろするんだよ。 『たらいさん』のお水に映ったまりさ・・・寝グセも無いし、とってもゆっくりだね。 こうやって、朝の体操と身づくろいが終わったら、次はゆっくり朝ごはん。 今日もたくさんむーしゃむーしゃするね。 「ゆ!たんぽぽさん、ゆっくりしていってね!!」 お兄さんのお庭には、たっくさんご飯があるんだよ。 今日は豪勢にタンポポさん。 フワフワで、ちょっとあまあまで、ちょっと苦くって、 お母さんが、生まれてすぐに食べさせてくれた茎さんみたいで、とってもゆっくりしてるんだよ。 「むーしゃむーしゃ、ごっくん。し、し、しあわせー!!」 ゆっへん!まりさは、飼いゆっくりのごはんの食べ方も知ってるんだよ! お口にごはんがあるのに『しあわせー』したら、 周りを汚しちゃうからダメなんだよね! 『ふぁぁ・・・ああー、いい天気だ。』 ゆ!お兄さんが起きたみたいだよ。 まりさはゆっくりした飼いゆっくりだから、元気にご挨拶するね! せーの・・・ 「ゆっくりしていってね!!」 --------------------------------------------- 「頭痛てぇ・・・」 「うげぇ・・おい、マサル。水くれ、水ぅ・・・」 「台所知ってんだろ。自分で行け・・・昨日は飲みすぎた・・・」 「潰れるまで飲んだの久しぶりだ、ったく・・・気持ち悪ぃ・・・。」 朝。 ここは、畑とかの間にポツンポツンと家が建っている、いわゆる田舎町だ。 そして、二日酔いで苦しんでいるお兄さん達の一方は、一郎お兄さん。 この古き良き農家を思わせる、年季の入った木造平屋に住んでるお兄さんである。 で、もう一人はマサルお兄さん。 都会から里帰り中のお兄さんで、一郎お兄さんの親友であった。 中学生の頃は、『M1コンビ』などと呼ばれ、大変なエロガキ達として名を馳せていたものだが、 今ではそこそこ落ち着いた社会人達である。 二人だけになると、ついつい羽目をはずしてしまい、今日のような状態になるのだが。 ガラガラガラッ マサルお兄さんが這うようにして台所に向かっている間に、 一郎お兄さんは居間の障子を開けた。 「ふぁぁ・・・ああー、いい天気だ。」 『ゆっくりしていってね!!』 「・・・ああ、ゆっくりしていってね(棒読み)。」 『ゆゆー!!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!!』 「はいはい。ゆっくりゆっくり。」 まりさは挨拶を返された事に大変満足らしく、雑草だらけである意味芝生になっている庭を、 ぽゆんぽゆん跳ね回っている。 と、そこにマサルお兄さんも戻ってきた。 「ほぉ。そいつが例の・・・」 『ゆゆっ!?おにいさん、ゆっくりしていってね!!』 「・・・おお、ゆっくりしていってね(棒読み)。」 『ゆわーい!!ゆっくり!ゆっくり!!』 。 「いいゆっくりだな。」 「ああ、性格は相当いい方だと思う。」 。 「ホントに飼ってないのか?」 「ああ、飼うって言った覚えは無い。」 一郎お兄さんは二日酔いの頭痛をこらえながらボソリと言った・・・。 --------------------------------------------- 「でもなぁ。いくらゆっくりっても、何もしないで誤解はないだろ。」 「何もしてねぇって。」 マサルお兄さんがいつの間にか作っていた味噌汁をすすり、 ほぉ、と言った表情を浮かべた後、一郎お兄さんは話し続ける。 「餌すらやってない。生ゴミ一欠けらもな。」 「じゃあ、雨の日に一晩家に上げたとか?」 「無い。土間にだって入れた事は無い。」 「今見たけど随分小奇麗だったし、体を洗ってやったりとかは?」 「アイツの風呂場兼水飲み場は、庭に置きっぱなしの金ダライとか、プランターとかだ。 まあ、雨水は溜まりっぱなしだし、庭木に水遣りした水とかそのままだから、水には困らんだろうけど。」 「おうちを作ってやったとか?」 「縁側の下に古タイヤ置きっぱだろ。その裏に板っきれとか石とかで壁作って、 勝手に住み着いたんだ。俺がなんかしたわけじゃねえし。」 「・・・うーん。なんかきっかけ無かったのかよ。」 「つってもな・・・あぁ、あれか?」 「あったか?」 「ううん。アレは確か、あいつと初めて会ったときで・・・」 ~ 一郎お兄さん回想 ~ 夕方、縁側で酒を飲もうと外に出たとき・・・ 「ゆっくりしていってね!!」 って言われたんで、思わず 「お、おお、ゆっくりしていけ。」 って、返事したんだよ。 ~ 回想終わり ~ 「以上だ。」 「それで契約成立か・・・」 マサルお兄さんも聞いてすぐは半信半疑といった表情だったが、 一郎お兄さんの真面目な表情を見ると、ゆっくりならばあり得る、とも思ったようだ。 考えて見れば、『ゆっくりしていってね』ってのは色々な意味があるものだ。 ゆっくり的には挨拶でも使うが、人間的な使い方だと『ココに住んでもいいぞ。』とも取れなくはない。 難しいものである。 --------------------------------------------- 『むーしゃむーしゃ・・・もぐもぐ、ごっくん。しあわせー!』 「ほぉ。ちゃんと飲み込んでから『しあわせー』するのか。」 『ゆゆっ!?そうだよ。まりさはかいゆっくりだから、とってもおぎょうぎいいんだよ!』 マサルお兄さんは、また疑問が生まれたようだ。 再び一郎お兄さんに質問をぶつける。 「なあ、あのまりさ、随分しつけられてるっぽいぞ。どっかの飼いゆっくりだったんじゃね?」 「無いな。」 「どうしてよ?」 「自分で言ってた。生まれたときから野良だって。しつけ云々は、母親に教わったらしい。」 「じゃあ、捨てられゆっくりの子供か。」 だが、一郎お兄さんは首を横に振る。 「その母親も、自分の母親から教わったらしい。」 「飼いゆっくりの孫ってことか。」 だが、一郎お兄さんはそれにも首を横に振る。 「んで、母の母も、やっぱり母親から教わったらしい。先祖が人間に捨てられたのは事実らしいが。」 「・・・もう、ほぼ野良じゃね?」 呆然となるマサルお兄さんから視線をはずし、 庭の芝生の上でゴロンと横になって日向ぼっこ中のまりさを見ながら、一郎お兄さんは話を続ける。 「思うに・・・あのまりさは、『飼われる』ってことをよく理解してないようでな。」 「何だよ急に?」 「俺は、まあ、ゆっくりを飼う気は無いんだが・・・・・・、 それにしてもな。まりさに何かを要求されたことが無いんだ。一度もな。」 。 「あまあまよこせ、とか?」 「ああ。食事とか、水とか、おうちとか、ましてや家に上げろとか可愛がれとかも。」 「・・・?んじゃ、まりさは何で飼われてるとか思ってんだよ。」 そして、話題は最初に戻った。 一郎お兄さんも結論は出ていないらしく、うーん、と考えながら言葉を紡いでいく。 「多分だが・・・まりさは、『飼われる』ってのは、人間と仲良くなること、とか思ってんじゃないか?」 「はぁ?」 「つまりな。飼いゆっくりってのは、人間と仲良しだから、 一緒に住んだり、世話してもらったり、守ってもらえたり、バッジをもらえたりするってことで・・・」 だとしたら、それは、あまりにも悲しすぎる話でもあった。 それは、町のゆっくりが、 人間と仲良くなる以外、人間に優しくされることは無いと思っている、ということであり、 仲良くなる=飼われる、と思っているということであり、 ただ、人間と仲良くなりたいがために、 良くない頭をフル回転させて、先祖が人間から受けたしつけを受け継いでいったということで・・・ その日の午後、マサルお兄さんは都会の自分の家に帰るため、 一郎お兄さんの家を後にすることにした。 だがその前に、一郎お兄さんと話をつけて、まりさにある提案を持ちかけた。 「なあ、まりさ。」 『ゆ?なに?おにーさん。』 マサルお兄さんは、ゆっくり日向ぼっこ中のまりさに話かける。 「まりさ、俺の飼いゆっくりにならないか?」 それは、マサルお兄さんの本心でもあった。 しつけのレベルはともかく、これくらい性格のいいゆっくりは、 正直言ってゆっくりショップでは、まずお目にかかれないのだから。 それに一郎お兄さんも、まりさが望めば、好きにしていいと言った。 だが、それに対するまりさの答えは、マサルお兄さんに諦めさせるには充分だった。 「ゆわーい!おにーさん『も』、まりさをかいゆっくりにしてくれるの!ゆっくりありがとう!!」 マサルお兄さんは図らずも、一郎お兄さんの仮説を実証することになったのである。 --------------------------------------------- マサルお兄さんは、帰りの電車の中で考えずにはいられなかった。 『もし・・・もし、まりさのご先祖が、まりさみたいなヤツだったら・・・ そうだったら、まりさもその親も、さらにその親も、野良として生きていくことは無かったかもしれない。 それにしても、人間に捨てられたというまりさの先祖は、 どのような気持ちで我が子達にしつけを施したのであろうか。 そこには、人間には想像もつかないほどの後悔があったのであろうか。 そのしつけだけが、ゆっくりした生活への唯一の足がかりと信じていたのだろうか。 野良としての過酷な生活と、先祖代々受け継がれたしつけの結晶が、 あの飼いやすそうな、善良なまりさだとすれば、ゆっくりというのは悲しい生き物なのかもしれない・・・』 ところで、一郎お兄さんは、マサルお兄さんとこんな話もしていた。 「ホント・・・いいまりさだな。」 「ああ。」 「・・・今後、ホントに飼う予定は?」 「無い。現状維持がお互いのためだ。」 「・・・あのまりさが、奥さんや子供作ったら?」 「知らん。メシをたかったりしなけりゃ、どうでもいい。 隣の家も離れてるから、都会と違って騒音で怒られることもないしな。」 「そうか。」 「・・・そうだ。」 「そうか・・・。」 --------------------------------------------- 2ヵ月後、マサルお兄さんは再び一郎お兄さんの家に遊びに行った。 その時、相変わらずゆっくりしているまりさの帽子を見て見ると、 「ゆっくりしていってね!!」 「おう、ゆっくりしていってね。」 「ゆっくり!ゆっくり!!」 マジックで『野』と書かれた駄菓子屋の缶バッジが付けられていた。 野良バッジか。 まあ、正式な飼いゆっくりまで、もう一息ってところだな。 「まりさ。ゆっくりしろよ。」 「ゆっくり!ゆっくりしていってね!!」 いい加減、一郎も観念すればいいと思うんだが。 餡小話掲載作品 町れいむ一家の四季シリーズ→休止中につき、anko1374にてご確認あれ anko238.txt ぱちゅりおばさんの事件簿 anko394.txt ゆっくりちるのの生態 anko970.txt ごく普通のゆっくりショップ anko989.txt ゆっくり向けの節分 anko1042.txt みんな大好きゆレンタイン anko1052.txt 暇つぶし anko1061.txt 軽いイタズラ anko1136.txt お誕生日おめでとう! 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