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為解誤解・弁護士の天職 為解誤解 山崎今朝彌 ■大正三年頃、変ンナ男ガ私ヲ東京法律所ニ訪問シタ。弁護士総評ヲスルニ付テ意見ヲ伺ヒ度イト云フノデアツタ。色々ノ事ヲ聞キ集メテ知ツテハ居、小生意気ノ事ハ云フタガ、事務所ノ当擦リヤ意見ガマシイ事ヲ云フタカラ、ヨイ加減ニ追ヒ返シタ。其後或弁護士番附ニ、雨降リニ洋服ヲ着タリ、傘ヲ差シタリ下駄ヲ穿ク奇人、ト私ヲ悪口シテアルト聞イタ、アアアノ男ダナト私ハ思フタ。 ■今年三月頃、永田素水ト云フ人ガ私ヲ平民法律所ニ訪ネ、数百名ノ弁護士ニ元帥ヨリ少尉ノ階級ト短評トヲ付シタ表ノ原稿ヲ示シ意見ヲ求メタ。アノ男ハ此男ダツタナト思フテ聞イタラ、ソーダツタ。 ■其時、永田君ニ従ヘバ、東京法律事務所ハ非常ニ評判ガ悪カツタ。其原因ハ、東京監獄ニ出張所ヲ出シタ事、事務員ヤ勧誘状ヲ以テ事件ヲ渉猟ル事、均一販売即チ安売ヲスル事等デアツタ。私ハ今ハ既ニ東京法律ノ為メニ敢テ弁解ノ義務ヲ感ジナイガ、若シ識者ノ一人ダモ斯カル誤解ヲナスモノアラバ、何時カ一言弁解シテ見タイト私カニ思フタ。 ■其後永田君カラ、デアロウ、東都著名弁護士一覧表ガ届イタ、閑ニ任カセテ読メバ見ル程、真面目ニ出来タモノデ、驚キ入ツテ敬服シタ、真ニ表紙書通、一見直チニ斯界ノ面目躍如タリ、凝視自カラ諸士ノ性状瞭然タリ矣。思フニ永田君ハ確乎タル一見識ヲ有スル達士デアル。ト同時ニ私ハ弁護士ノ天職、ニ付テ一言ヲ禁ジ得ナクナツテ来タ。(一頁ヘ続ク) 弁護士の天職(五頁依続) 山崎今朝彌 東京法律事務所が東京監獄に出張所を出したり、新聞記事や興信所内報を見て手紙や人を出したり均一制度を設けて安売を初めたりしたのは皆私の仕事である。之れが為めに非難を受くべき筈のものなら其非難は私一人で受くべきものである。併し私は決して悪い事をしたとは思はぬ。従つて私は東京法律事務所に対して、気の毒だとも済まぬとも思はぬ。昔者、葬儀屋が死亡広告を見て御用聞きに来れば、寄つて集かつて打つたものだ。今者、相当の家で不幸のあつた時、広告取や葬儀屋が来なければ非常の侮辱を感ずる。今に事件当事者より弁護士に呼出が懸る陽気にならないものでもない。 私の一番嫌いは喧嘩である。若し好きな様に見える事があれば、其れは嫌いの故である。私は遠慮が過ぎる位気が弱い。私は陰でも未だ曽て友人を呼捨てにした事がない。口は勿論筆に於ても先輩には、さん、と云ふ字を用ひ、君、と呼んだ事はない。今より十年も前既に秋山弁護士が、故鳩山博士を捉へて、オイ鳩山君サー出廷ろふよ、と云ふて背を叩いたのを見て、其の偉ひに驚嘆した事が、私の一つ話になつてる、位の男ではあるが、此問題に関しては、私は先輩と友人を一束にして来ても喧嘩をして見度いと思ふ。 火事があるポンプが来る。人が死ぬ棺桶が来る。喧嘩がある弁護士が来る。世も斯様に進歩したら、人間も嘸便利であろうと思ふ。私は努めて刑事弁護を断わるが、ストライキ及び爆発物に関する無料弁護は営業科目に加へて居る。従つて此等の記事が新聞に出ると必らず、忘れざる限り、葉書を出す。私に時と金とが充分にあつたなら、数種の新聞を購り揃へ、毎朝欠かさず之れを読んで、同情すべき事件者に一々権利伸張の勧誘葉書を奮発し、気強く感じて喜ぶ顔を想像して見度い。我々弁護士の正に為すべき天職は外には無い。 ■ ■ ■ ■ ■人はいざ知らず、自分では此雑誌も段々整ふて来る様な気がする。雑誌はいざ知らず、自分の心は段々落付いて来る。本号は殆んど本号以後の編輯振りの其前例を示すもので、先づ大体八頁を原則とし、初頁上二段は私が刃渡りや梯子乗りを試み、下段は斯んな類を集め、次頁三頁六頁は私の好いた寄書投書のない時に、手製の判決批評で埋める。四頁五頁は法曹界たると人間界たるとを問はず人物事業の批評、知人の紹介、逸話奇談等で持切り度いと思ふ。七八頁は内外の広告を満載し度く、若し夫れ欄外文学に至つては、正に是れ本誌の誇る独特にして、二七のノドは売文社の堺君が、三六のノドは平民医学の高木君が、其他は山崎が受持つ事とし、満艦飾、錦上、花、有誌以来のレコードを破り、ウンザリする程各自の広告や気焔を載せんとぞ思ふ。 ■私の知人に、一生本を読みに生れて来た山田嘉吉先生がある。大学教授の一大敵国能く豈弁を好む若宮卯之助君がある。経済学者の魔屈淵叢たる売文社の一連がある。併し交友十年二十年の今日では、其云ふ所説く所書く処大概は推測も出来決論も解り、敢て驚異の目を見張つて耳を傾ける様な事が無くなつた。総て其人本位の雑誌が、二三号にして直ぐに厭になるは全く此理に外ならぬ。十年此方人の説を聞いた事のない私、神武以来本を買つた事の無い私には、偏に読者諸君の寄稿を歓迎するの智慧がある。斯くして初めより品切れであるべき筈の此雑誌が永遠に種の尽きざるは蓋し偶然ではない。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、『平民法律』第6年5号1、5頁。大正6年(1917年)6月。>
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川手君の発憤 川手君は武田信玄公様発祥の地たる甲州の産で、明治三十二年頃中央大学へ入つて法律学を修め第二年生になつた三十三年だかの夏帰省した。其時汽車の向側に同年輩の風彩の揚らない書生風の男が居た。暫くはお互に口も利かなんだが遂話し合ふ様になつたら其男は矢張り法律書生であつた。段々話して居る中に其男はツクヅク川手君の顔を見て『君の話では君は法律家にならなければ食ふ事が出来ないと云ふ訳ではなし、見た処君には到底判事にも高等文官にも弁護士にもなれる様子もない、悪い事は勧めぬから今の内に思ひ切つて国へ帰つた儘百姓でもし給へ』と真面目に忠告した。川手君憤るまい事か見ず知らずの初対面の人にソンナ事を云ふ馬鹿が何処にある、撲つて仕舞ふぞと云ふ処を耐へて、よい加減に応対して別れた。が、あの位図々しい無遠慮の男には其前後出会はした事がないとは今でも川手君の一つ話である。而も其男は真面目顔で初から問もせぬにベラベラと饒舌り、自分は明治大学の三年生で信州へ帰省する処で山崎今朝彌と云ふ者であると名乗つたと云ふ事だ。僕は実際覚へがないが川手君と会へば必らず君から此話が出るから萬更虚言でもあるまい。 或は恁んな事があつたかとも思ふのは、其頃は僕も中々の元気で、忘れもせぬが今の大審院の棚橋裁判長や横田博士や故今村信行さん達が出て来た信濃法政会で三人を前に並べて判事特に大審院判事の攻撃をして、あの謹厳な今村さんを憤らせ、中途退席する等云ふ騒ぎをやつた事があつた。今から考へるとあの時分はどうかして居たのかも知れぬと思ふ位だつた。 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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最近最も癪に障つた事 は某事件で某判事が自分の残忍性から被告や縁者の苦悶するのを頻りに喜んで調べた形跡があつた事と、堺君の明白なる殺人未遂事件を何故か官憲が之れを傷害事件と極力弁護した事とである。前者に対しては面白い事を考へ今に目に物見せて呉れんと独り楽しんでる処は、僕も亦残忍性があるかと思はれる。後者に対しては新年イの一番に普通裁判所殺人未遂に基く二十円の損害請求民事訴訟を起し、軍人裁判所から記録の取寄をしたり、打合前上官の心も知らず其晩功名顔に逐一事実を語つた刑事を証人に呼んだり、軍人裁判所が態と調べない証人を残らず調べたりしたいと折角堺君を煽動して居る。其他無政府主義者が、俺は社会主義者なんかとは訳が違ふと云つたやうなことを言ふこと、社会主義者が、国家社会主義者なんかは仲間でないと云つたやうな顔をすること。国家社会主義者が俺達はもう足を洗つた局外者であるといふやうな態度に出ること、労働組合の所謂「お出入り者」が元方では漸く昨今考へた事だに、一年も前から一人で覚えたやうな口調で、戦闘力の集中だの新社会の芽生へだのと議論めいたことを言ふこと、僕の「堅公」が習ひ初めた英語を無暗矢鱈に使ひたがることも聊か小癪に障る。 最近最も痛快だつた事 は二十六年間小指一本も指す事の出来なかつた元老大家で堅めた日本弁護士協会が、十二月九日の総会で、一致団結せる無名無力の青年弁護士に跡形もなく乗つ取られた事。特に双方の間を泳ぎ廻つて甘い汁を吸ひ、又は吸はんとした打算家を一掃し得たこと(「進め」創刊二月号より転載、十一年十二月二十五日山崎今朝彌寄) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は『復刻版労働週報』(不二出版、1998年)165頁。底本の親本は『労働週報』(労働週報社)第31号3頁(大正12年(1923年)1月16日号)。>
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山崎の戦い(羽柴軍) 出現条件 戦前好感度イベント 戦前・戦後イベント・ムービー 特殊会話イベント 勝敗条件 武将データ ミッション アイテム配置 シナリオ攻略情報金ミッション情報 出現条件 織田の章、本能寺の変(織田軍)クリア 戦前好感度イベント 戦前・戦後イベント・ムービー 前・後 イベント名 選択肢 友好度上下 武将 シナリオ分岐 戦前 信長の死 選択肢なし ── ── ── 中国大返し 選択肢なし ── 秀吉子飼いの将 選択肢なし ── 主人公 戦後 光秀の三日天下 秀吉についていく 豊臣秀吉上昇 ── 賤ヶ岳の戦い(羽柴軍)へ 秀吉についていかない 小牧長久手の戦い(徳川軍)へ 特殊会話イベント 状況 プレイヤー 相手 セリフ 敵邂逅 ― 明智秀満 光秀様の五宿老が一人、明智左馬助、ここに見参 勝敗条件 制限時間 60分 勝利条件 明智光秀の撃破 敗北条件 織田信孝と羽柴秀吉いずれかの敗走 武将データ 羽柴軍 備考 明智軍 取得品 備考 羽柴秀吉 プレイヤー・敗北条件 明智光秀 ── 勝利条件 織田信孝 敗北条件 ガラシャ 武器 「父上のために」の阻止対象 加藤清正 プレイヤー 伊勢貞興 「砦を死守せよ!」の阻止対象 石田三成 斉藤利三 武器 「伏兵発見・弐」の撃破対象 福島正則 津田信春 武器 「関を突破せよ!」の撃破対象 黒田官兵衛 柴田勝定 武器 ねね 阿閉貞征 武器 羽柴秀長 明智秀満 武器 「伏兵発見・壱」の撃破対象 池田恒興 明智茂朝 中川清秀 御牧兼顕 アイテム 「明智本陣を目指せ!」の撃破対象 木村重茲 小川祐忠 神子田正治 安田国継 堀秀政 妻木広忠 丹羽長秀 増援 諏訪盛直 「砦を死守せよ!」の阻止対象 高山重友 木村吉清 津田重久 アイテム 斉藤利光 「関を突破せよ!」の撃破対象 妻木範賢 肥田帯刀 明智巳蔵 「伏兵発見・弐」の撃破対象 池田輝家 武器 「伏兵発見・壱」の撃破対象 松田政近 増援「天王山の攻防」の撃破対象 並河易家 アイテム 明智光近 増援 阿閉貞大 増援「進軍路を拓け」の撃破対象 ミッション No. 名称 難易度 内容 ボーナス条件 ボーナス 備考 1 砦を死守せよ! ★★☆☆☆ 伊勢貞興と諏訪盛直の北西砦侵入を阻止せよ! 〇〇の体力が半分以上の状態で成功 金 2 援軍を待て ★★☆☆☆ 味方援軍の到着まで、敵武将の羽柴本陣侵入を阻止せよ! 1分以内に成功 巻物 3 天王山の攻防 ★★☆☆☆ 松田政近と並河易家を撃破し、天王山の羽柴秀長の敗走を阻止せよ! すべての敵を〇〇が撃破して成功 金 4 関を突破せよ! ★☆☆☆☆ 斉藤利光と津田信春を撃破し、東の関を突破せよ! 福島正則の体力が半分以上の状態で成功 金 5 伏兵発見・壱 ★★★☆☆ 明智秀満と池田輝家を撃破せよ! すべての敵を〇〇が撃破して成功 アイテム 下記攻略情報参照 6 明智本陣を目指せ! ★☆☆☆☆ 御牧兼顕を撃破し、北砦を突破せよ! すべての敵を主人公が撃破して成功 金 7 伏兵発見・弐 ★★★☆☆ 斉藤利三と明智巳蔵を撃破せよ! すべての敵を〇〇が撃破して成功 武器 下記攻略情報参照 8 父上のために ★★☆☆☆ ガラシャの羽柴本陣侵入を阻止せよ! すべての敵を紫が撃破して成功 巻物 9 進軍路を拓け ★★★☆☆ 味方の進軍路を確保するため、阿閉貞征を撃破せよ! すべての敵を〇〇が撃破して成功 アイテム 10 明智軍最後の抵抗 ★★★★★ 敵兵を撃破し、味方武将の敗走を阻止せよ! 羽柴秀吉の体力が半分以上の状態で成功 武器 200人 アイテム配置 アイテム種類 場所 シナリオ攻略情報 「伏兵発見・壱」では、敵はマップ中央下の桟橋付近(後のガラシャ出現場所)に出現。「伏兵発見・弐」では、敵は北砦左の詰所付近(マップ右上)に出現。両ミッション発生前に対象武将を撃破してしまわないよう注意すること。 ミッション9は、ミッション4の発生前に、阿閉貞征の守る砦にしのびの道を使って侵入すると発生。詳しいタイミングは不明なので、早めに送り込んでミッションが発生するまで放置しておくと確実。 金ミッション情報 条件 天王山に侵入されていない。 「伏兵発見・壱」「伏兵発見・弐」をクリアしている。 ミッションを失敗していない。 シナリオ開始から一定時間以内(10分以内?)。 味方武将が敗走していない。 以上の条件を全て満たした状態で「父上のために」発生。 詳細情報 ミッション1~3をクリアして、伏兵武将が伏兵を開始するまで他の武将撃破などを控えて待つ。これはイベントメッセージが終わらないと伏兵を開始しないため。該当武将が伏兵を開始したら、「伏兵発見・弐」と「伏兵発見・壱」を発生させて敵将を撃破する。「伏兵発見・弐」は発生に時間制限がある(シナリオ開始から5分以内)ので注意すること。このミッション2つをクリアし、北砦か東砦に侵入するとガラシャが消え、「父上のために」が発生する。ガラシャ撃破後に金ミッションが発生するので、撃破数を稼ぎながら他のミッションをクリアしていけばよい。 発生一例 合戦開始と同時に黄を天王山の右下の詰所の上に移動指定。 緑で伊勢貞興と諏訪盛直を撃破。その後、騎乗し、天王山の北側の曲がり角辺りに移動指定。 紫にチェンジして、ミッション2の対象の3武将を撃破。その後、本陣近くに待機指定。 緑と黄でミッション3成功させる。 伏兵武将が伏兵を開始したら、紫と黄または緑を指定移動させてミッションを発動させる。 ガラシャ出現。紫で撃破。 金ミッション発生。 金ミッションの制限時間は5分。時間は多少余裕があるが、深入りしすぎると、味方武将が敗走しやすくなってしまう。
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知人名簿 山崎今朝彌 △私の知人には可なり沢山の神様がある。静座の岡田虎二郎君、健全哲学の鈴木清次郎君、催眠術の古屋景晴君、宗教骨相の坂本茂演君等で、真人道の井伏太郎君も勿論神様の部類に属する。何時か好機を見て、私と神様の交通を書いて見度いと思ふ。 △私が明治四十年に『法律文学』を発行した時元祖第一の祝詞を呉れた人は岩井探偵元祖であつた。大正三年の『東京法律』に第一の祝詞を寄せた人も同氏であつた。私の頭に見た事も会ふた事もない岩井三郎と云ふ名が書付られて居るは此故である。海軍事件の時等は其探偵かアーあの人だナと直ぐ思ひ出した。中平文子の書いた中にある某探偵とは誰だろう等と今でも考へて居る。 △私も一時神様になりかけて、三四年間絶対の菜食主義で通した事がある。私が医学博士としての粗食養生論は此間に出来たのだ。食物の六ケ敷のは少しも困らぬ私も、奥山医師の注射には弱つた。病気の工合と人々の身体に依り注射の方法も皆異ふとの事だが、私のは塩気と砂糖気と動物性とを絶対に禁じられた。学術圧迫事件、北里犯罪事件の主人公の医師と云ふが即ち此人である。 △小松医師は久しく実費診療所の産科婦人科長として患者より沃度先生の名を頂戴して居つた。自費で患者に沃度を試用し研究を積んで、私の耳も必らず聞える様にすると云ふ意気込、君の耳が治つたら俺も行くから知らせと云ふ弁護士が三四人ある。聞へる様になれば拾ひ物として御礼広告をする積りだ。 △萬世橋医院の西片院長は米国以来の友達、堺井差配所の堺井金次郎君、増澤商会の増澤正留君は信州以来の友達で面白い話が沢山あるが領分が無くなつたから次号に譲る。 △私はこれから毎月順々に知人の事を何か書かうと思ふ。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、『平民法律』第6年5号5頁。大正6年(1917年)6月。>
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訴状 芝区新桜田町十九番地 原告 弁護士 山崎今朝彌 下谷区坂本警察署官舎 被告 官吏 山川秀好 名誉回復請求訴訟 目的及申立(註一) 被告は左記形式の謝罪文を奉書紙に自筆調印の上日付を付して之を原告に差入るべし(註二) 謝罪状 大正八年八月十五日貴平民大学夏期講習会に於て拙者が貴殿に対し『何ツ此野郎』と無体の言を吐き候は昻奮の余り思はず識らず出で候失言に有之別段悪意ありたる次第に無之候へば何卒御勘弁相成度茲に謝罪状差入謝罪仕候(註三) 山崎今朝彌 殿 山川秀好 請求の原因 (一)原告は明治三十四年試験に合格し明治四十年登録して今日に及びたる弁護士にして傍ら独立(註四)の平民大学を経営し平民法律、破毀判例、社会主義研究等の月刊学術雑誌を発行し未だ曽て刑辟に触れ若くは説諭を受けたる事無きのみならず却て其筋より親孝行及び人命救助の故を以て表彰せられたる事ある者なり(註五) (二)原告は大正八年八月八日より十五日迄平民大学の夏期講演会を芝区三田の統一教会内に開き当時三田警察署長たりし被告は職権を以て之に臨監せり(註六) (三)被告が最後の十五日に至り講師室伏高信氏の講演中止を命ずるや(註七)聴衆は被告の不当処置を非難絶叫して止まず、原告は依て聴衆に対し左の挨拶をなしたり (四)諸君、今晩は之にて閉会し私方にて茶話会を開く故私と一所に同行されたし、署長今晩の中止は私も不当と思ふ、特に署長と私との間には特別契約あり私は総て其条項を履行したるに署長は之が履行を為さず不当なる中止をなしたり、併し職権行為故諸君が如何に騒ぎたればとて法律上致し方なし故に今晩は私に免じて騒がず柔順しく私方に引揚げられたし、其代り私は法律上可能の範囲に於て有らゆる手段を採り、署長今晩の処置の当否を争ひ、私が社会的に死すか署長が責任を負ふて転任するか迄戦ひ、誓て諸君の面目を立つべし (五)言未だ終らざるに被告は之を歯牙に懸け奇声を発して原告に飛び掛り「何ツ此野郎」と大声に叫びながら猿臂を延して原告の腕を掴みたり (六)此時早く彼の時遅く、之を聞きたる聴衆は鯨波を揚げ被告目懸けて押寄せ来り将に之を捕へんとするや、被告は断然狼狽忽ち身を躍らし獅子奮迅の勢を以て脱兎の如く原告を捨てて場外に逃走し為めに原告は幸ひ事なきを得たるも被告の野郎呼はりには流石に聊か侮辱を感じたり (七)要するに被告は聴衆の面前に於て(公然)原告に対して野郎扱を為し(侮辱)(註八)以て聴衆が原告に対して有する尊敬の念慮感情を減殺(名誉毀損)せしめたるものなり(註九) 大正八年十月一日 右 山崎今朝彌 東京地方裁判所 御中(註十) 註 (一)訴状には民事訴訟法第百九十条の規定に従ひ、起したる訴訟の目的と其を受けんとする裁判の申立とを(訴訟を起す理由の外)記載すべきものとす、併し目的と申立とは要するに同一なれば両者の中一つを書けばよい道理なり (二)尻拭紙に鉛筆で他人に書かせ而かも宛名を下げて書いた謝罪状の如きは謝罪の誠意なきものなれば本項も必要なり (三)裁判の訴訟費用は敗けた者の負担にして特に其請求なしと雖も判決書に其旨を書いて呉れる (四)平民大学は官立なりや公立なりや将た又私立なりやの問合せがよくある故、官立にも公立にも私立にもあらず全然独立なる旨を茲に明にしたる訳なり、尤も平民大学が独立を以て創立せられたる後、法律は改正せられて凡ての学校大学等に官公私立等の文字を冠するに及ばずと云ふ事になりたり、尚昇格も平民大学を以て嚆矢とす (五)本件は名誉恢復事件故原告の身分地位を証明する事が必要なり (六)治安警察法第十一条第二項には、政治に関せざる集会と雖も安寧秩序を妨害する虞ありと認むるときは警察官署は制服を著したる警察官を派遣し臨監せしむる事を得、此場合には発起人に於て警察官の求むる席を供すべし、とあり (七)同法第十条には、集会に於ける講談論議にして安寧秩序を紊すの虞ありと認むる場合に於ては警察官は其の人の講談論議を中止することを得とあり (八)刑法第二百三十一条に曰く、公然人を侮辱したる者は拘留又は科料に処す、同二百三十二条本章の罪は告訴を待て之を論ず。故に原告が告訴するときは被告は拘留又は科料に処せらるべきものとす、此場合原告は刑事訴訟法第二条に従ひ本訴を私訴として公訴に付帯して提起する事も得 (九)民法第七百十条に曰く、他人の名誉を害したる者は財産以外の損害に対しても其賠償を為すことを要す同七百二十三条は曰く、他人の名誉を毀損したる者に対しては裁判所は原告の請求に因り損害賠償に代へ又は損害賠償と共に名誉を回復するに適当なる処分を命ずることを得 (十)本件訴訟には百円だけの印紙三円五十銭を貼用するものなるも五百円以上の訴訟と同じく地方裁判所にて審理するものなり <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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結婚通知書 旧山形さい、奥州弘前産なりと雖も日本語を良くす。明治卅九年度女子学院の出、元来ヤソなり。多弁頓狂にして少々薄野呂の傾あるも、貞淑人好にして悪心少なし。最初は何だか厭の感ありしも目下は至極結構なり。何一つ之れと云ふて出かす事はなけれども、身体強壮にして能く食す。 維時明治四十二年二月十三日 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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官庁注文書人民命令書 官庁注文書 二経丙第四一八号 貴大学発行の社会主義研究購読致度に付七月一日分より当所宛発送相成度 大正八年六月廿八日 第二師団経理部 印 平民大学 御中 人民命令書(右返事) 甲第一号 社会主義研究七月一日分より販売致度に付代金前払相成度 大正八年六月卅日 平民大学 印 第二師団経理部 御中 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>