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被告殴打事件 拝啓 十一日公判の[甲野]事件十日早朝本人態々出京候、貴殿に送候一点限の趣意書の控と到底駄目の意見書とは持参候、帰阪を勧候処帰らず候、翌朝又来候、花見を勧候処応ぜず候、裁判所へ同行候、面白い控訴院の刑事傍聴を勧候処聞かず候、折角故私も出廷候、[甲野]は傍聴候、長弁論の次が私の番で候、書面通りに候、直ぐ記録閲覧室に帰候、間もなく給仕が控室迄と呼に来候、参り候[甲野]が泣候、叫候、私に喰て掛り候、私も怒候、私の拳と[甲野]の頬とが衝突候、私は再び閲覧室へ戻候、聞けば[甲野]は私が法廷を退くや否傍聴席に突立上り、私が一言も弁論せぬと泣出し、猛り出し狂ひ出し、判事の命で廷丁が漸く廷外へ連出したとの事に候、廷外でも尚泣騒ぐ故給仕が私に賺かして貰ふ為め呼に来たとの事に候。 考へれば気の毒でした、面倒がらず上告の性質を説明すれば宜かつたのです、磯部博士の事として人口に噲灸してる如く、拇指で後方を指し、残の四指と目で裁判長に語り、弁論をすれば宜かつたのです、廷外に待たし、第一番に頭を下げ、見えぬ故弁論を済まして仕舞ふたと云ふ習慣法に倣へば宜かつたのです。此事実を見聞した大概の人は、私に対して之が一の気の毒の事実であつたかの如く思ふてます、此事の直後他の廷丁は私に、新潟の松井弁護士と共に出廷した時、趣意書も弁論も簡単明瞭でよいと部長が賞めていました、弁論には出ぬでもよいと云ひました、と語りました、裁判所も亦気の毒だつたと思ふてるのかも知れません、併し私は之を面白かつた愉快だつたとこそ思へ、自分が不名誉だつたとも厭な思をしたとも思ひません、只[甲野]が遂了解せずに終るかと其のみが気の毒でなりません、貴殿から何卒其辺を納得する様説明して頂き度いのです、何時か書かうと思ふてましたから、丁度此末節を利用して、之を書いたのです。 四月卅日 山崎 天野弁護士 殿 <[ ]内仮名> <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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免災財産共用(免災財産を収用せよ) ◇久しぶりに薬師寺教授一流の、共同海損理論を準用して都市免災家屋を国有にしろという思いきつた名論をよみ、教授に敬意を表する。 ◇が、この理は都市に限らず、町村免災家屋についても、家屋に限らず土地、山林、産業、債権その他全国の全資産についても同一であるから、君も免災財産国有論には毛頭異論なかろうと思う。 ◇問題は国有か公有か、共有か共用か、無償収用か補償収用か、私有または私用をどの程度に許すか、運営は社会党の社会主義と共産党の共産主義と無政府主義者の自由自治と何れを選ぶかにあるであろうが、君はどれをとるか。私はどれでも、またさきの民間経済学者石橋湛山君唱えたところの課税没収(後に寸解する)でもよい。要は一刻も早く実現可能とみた組につく。 ◇石橋湛山氏が昭和八年五月廿四日東京基督教青年会館での第三回自由懇談会(公然中秘密裏の平和運動結社、同八年九月廿八日第六回会合解散直後結社禁止)でいつたことを現状に当てはめての私の理解は、相当思いきつた措置も今は急激の変化とはならぬから勤労者には生活の余裕で貯蓄ができる程度に分配し、毎年の国費は財産税一本やりで最高額所有者より順次国民平均所有額まで全額賦課削り崩していく、毎年々々上から新しく何回でも削り崩すのだから分散隠匿敢て恐るるにたらずというにあつた。今の石橋蔵相のやり方、全額補償全額課税等でふいにその片りんを示してる所もあるが、勤労所得税の撤廃、戦争公債払の打切、財産税のつるべ打ち等に反対等の点は大いに変ぼうしてると思う、何とか考え直せぬものだろうか。【全国借地借家人同盟会長 山崎今朝彌】 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『毎日新聞』(毎日新聞社)昭和22(1947年)年3月4日号2頁「建設」欄。なお、上記投稿は『平民新聞』(平民新聞編集局)第19号(昭和22年3月12日号)1頁にも転載されており、入力に際しては両記事を参照した。『平民新聞』の底本は、『戦後版・平民新聞(コピー版)』(黒色戦線社、1983年)によった。なお、上記タイトルは毎日新聞に掲載された際のものであり、括弧内は平民新聞に掲載された際のタイトルである。>
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告訴取下書 告訴人 日比谷洋服店々主 服部濱次 被告人 自由協会常任幹事 [甲野太郎] 右告訴人は男子の面目上止むを得ず右被告人に対し曩に殴打内傷休業二時間を要する旨の診断書相添へ告訴提起致し置候処、警察は之を機会に被告に対し干渉圧迫を加へ遂に被告を拘引留置、未決に投獄致し候由頗る同情に堪へざる次第、依て憤然茲に告訴取下候条被告に対し寛大の御処分相成度候也 大正八年十一月十七日 右告訴人 服部濱次 東京区裁判所検事局 御中 <[ ]内仮名> <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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露国討つ可し、日本べからず 露国飢饉救済金募集趣旨書 露西亜はいま未曾有の大飢饉に見舞はれて居る。豊僥なボルガ河畔の耕地は昨年の収穫期に一物をも産しなかつた。而して其地方の二千六百萬の住民が飢餓に曝されて居る。或者は木の根や雑草を食つて露命を繋ぎ、或者は麦藁や粘土を囓つて空腹を満して居る。否、それすら今は尽き果てて、全く絶望の裡に悶え死ぬもの数を知らぬ。死屍途にみちて葬る術もなく、萎びたる母の乳房に空しく乳を求めて泣く幼児は、狂へる母の手からボルガの懐に投ぜられて居る。而も最も痛ましいことは、一千萬の子供が餓死に瀕して居ることである。何といふ凄惨な物語であらう。之が人類史上空前の悲劇でなくて何であらう。 それは然しゆ飢る人の罪であらうか?否、断じて否。労農政府の秕政の結果であるといふ憶説は信を措くに足らぬ。主因は天災である。来る月も、来る月も一滴の雨も降らず、早魃は雑草まで焼き尽した。此の外に露西亜が列国の封鎖の中にあつて、外国の物資を仰ぐことが出来なかつたのも、亦重大なる一因である。 兎もあれ救ひは一刻を争ふ。飢えたる人々を救ふ-それは唯純人道上の立場から遅疑なく、無条件に為さるべき事である。救が世界に求められて、今や文明国といふ文明国は挙つて飢えたる露西亜の為め、或は醵金し、或は物資を供し、或は人を派して救済に協力して居る。而して日本は如何? 今日になつて救済の事が漸く世人の口に上つたに過ぎぬ。由来日本人は正義の民であると誇称する。人道の味方であると自任する。然り而して飢えたる人の為めパンの一片を割愛することを知らないであらうか。果して然らば正義は咽び、人道は泣かう。然し日本人は非人情ではない筈である。 されば敢て正義と人道の名に於て吾が君子君法曹界の諸賢に訴ふることを許せ。我等は道徳的に飽く迄強くありたい。我等は正しき事の為に、而して人類の福祉の為に率先し、且最後まで奮闘する意気と情熱の持主でありたい。吾人はそが正義であり、善であり、人情美であるの故を以て諸賢の賛同を得ることを信じて疑はぬ。額の大小の如き、元より問ふ所でない。吾人随所救済金募集の企てらるるを見て、茲に法曹界の諸賢に訴ふ。諸賢の同情の結晶が、一刻も早く又、一銭でも多く、遠隔の罹災者の上に潤はんこと、之れが吾人の切なる願望である。而して同情金は全部、米国若くは英国の法曹主催、露国飢饉救済会に委託し、寄附金の受領は賛成新聞紙上の報告を以て之れに代へる。 発企人 <山崎今朝弥著、山崎伯爵創作集に収録>
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東京毎日法律相談の一日 東京毎日新聞社法律顧問弁護士 山崎今朝彌 昨夜の新聞には十二月廿一日午前八時より東京毎日無料法律相談日、主任記者山崎今朝彌とあり、時計はイツに八時を過ぎて今にも九時に迫らんとして居るが、八時が九時となり、九時が十時を過ぎて十一時となるを常として居る吾々裁判所の関係者が。ソウ時間通りに行つては估券が下る、と云つた様な気で九時に出掛ける。社はスグ其処だ、誰が待てるか知らんなどと考へて出した時はモウ事務室に来て居つた。控所にはストーブを囲んで五六人が待つてる。 特別イの一番で、と社の社会部の某君。問題はコウである。或職工が機械に腕を取られた、サテ大変と後をも見ず医者に駆け付ける、此切口なら取られた腕が元通りに附けられると医者は云ふ職工は元気を出して韋駄天走り、併し遅かりし由良之助、腕は不浄物とあつて火夫がトツクに焼棄して了ふた。早朝弁護士廻りをした記者は某氏の死体遺棄説(刑法一九〇条)某氏の身体傷害説(刑法二〇四条及び二〇九条)某氏の窃盗説(刑法二三五条)某氏の横領説(刑法二五二条及二五四条)某氏の無罪説を示して意見を求めた。私はドレにも反対して物品損壊罪説を主張した(刑法二六一条)。 一番と入替つた二番札には『家屋立退の件但家主』とある。サテ来たな、吾々が初より心配した通り、無産階級の為に設けた此法律部を利用せんとする強慾非道の資本家が続々現はれるに相違ない、吾々は之に対して如何なる処置を採り如何なる応答を為すべきか、兎に角此処が修養だ、怒らず怒鳴らず落着いて。と、俄に猫撫声を出し、ストーブの熱を増して事件はと問ふ。貧相なる資本家が良心の咎に依てかブルブル震へ乍ら語るを聞けば。二番は今でも工場通ひの職工である、一生にドウか家主になつて見度いが彼れ年来の大願であつた、時機と好運は一時に巡り来つて彼は今年の五月にトウトウ家主になり了はせた。十年来の貯金と女房の箪笥は空になつたが、彼の得意と家の円満は絶頂に達した。借り手はつく敷金は這入る、之れで家賃さに取れたら何も文句がない。処が其借家人は人の家を借りては造作を拵へ、家賃を払はずに其造作を高価に売付ける手段により立退料を取るを商売とする詐欺師であつた。家賃処か、毎日毎日叱られオドされるのが怖いから、少しの金で立退かせて貰へまいかと泣くのである。ヨシ其れなら明日屈強の壮士四五人をやつて片附けてやらふと元気付けて帰へす。 三番からは事務所を解放されたる社長室に移し、時間の無駄を省く為めに、順番に拘はらず同一性質の事件は差支なき限り皆同時に相談する事に極める。三番は或無尽会社の事務員が、専務の留守中専務代理から、期限中なるに拘はらず突然解雇され他に就職口もなく困つてる、損害は取れぬかと云ふのであつた。私の鑑定は、契約期間の給料は全部請求する事が出来る。四番になつたら昼飯になつた。受附はと聞けばモウ十二件ですよと。サア大変コレカラは端折る事にして食べ乍ら語る。端折り初めでも四番は中々込入つた事件で大に手間取れた、問題は出面請負の慣習に関する件である(下段訴状参照)此処で受附を締切る、時に午後一時半受附件数十六件人員五十二人。 五番七番十番十三番十四番は皆縁談事件である。最初は他人の事親類の事で談じて居る中に自分の事になるのが此事件の特色である。男に無理があつて女に無理のないのが此事件の特色である。新旧思想の衝突が多少なりと原因を為してるのが此事件の特色である。日本家族制度若くは結婚制度の欠点が大に原因をなしてるのが此事件の特色である。四番は、娘を通勤先の工場の事務員が連出し駆落したのに男の親が知らぬ顔の半兵衛だと、其娘の母親と姉とが不平言ひに来た事件。七番は、婿の放蕩を懲す為め、赤子を置かせて娘を連れ戻りたるに、婿の親兄弟が共謀して其赤子を置逃げし、娘は病気私共は乳が出ずドウしたらよいかと娘の親夫婦の哀訴。十番は、十年も前に写真結婚で北米在住の未見の人に妹を嫁つた処、其人は帰国もせず妹も引取らず金も送らず籍も返さず誠に困るとの事件。十三番は、女房が私の留守に私の親と子供を連れて帰国して仕舞ふたが離縁の方法はないかと曖昧なる申立。十四番は、婚姻予約不履行に基く損害事件で第一審で敗訴したが、勝てるものなら控訴したいドウかと云ふ男一生の頼み。 八番九番十一番十五番は流行の家屋明渡の店子側。家主に悪いのもあるが、差配の方が余計悪人の様だ。嘘の様だが五割十割三倍四倍の家賃値上もあつた。此住宅払底では店子のビクビク騒ぐも無理がない。併し本日の事件に依るも現今の住宅問題は家主が悪いでも差配が悪いでもない。勿論住宅の払底でもない。急に人間が殖へた訳でも火事計りあつた訳でもない。無暗にビクビク騒ぐからだ、矢鱈家賃値上げに応ずるからだ、何処迄も権利を主張して明渡さずに居ればソウ住宅は払底でない。弱き者よ強くあれ、只其れ強くあれ。吾法律部には愈々以て意義がある責任がある。 六番の高利借事件十二番の足尾銅山鉱毒事件最后十六番の扶養料請求事件を終つたは午後七時であつた。誌上でこそ端折りこそすれ、まこと飯くふヒマも小用達すスキもなかつた、が実に近年稀なる愉快極まる一日であつた。 ~~~~~~ 訴状 東京市本所区林町二丁目八十七番地 自由労働者組合本部方大工平民 原告 [甲野太郎]外十数名 右組合法律顧問代理弁護士 山崎今朝彌 東京市下谷区[某町某番地]請負業 被告 [乙川二郎]外二三名 出面金請求訴訟(註一) 請求の理由 被告[二郎]は[丙山五郎]より家屋の建築を請負ひ其大工出面を被告[三郎]に[三郎]は之を被告[四郎]に請負はせ、[四郎]は原告等を雇入れ、 原告等は大正八年九月一日より被告等指図の下に大工として同年十二月十六日迄其工事に従事し、其各自の出面金は各自が一定の申立に於て請求する額に達したり。 然るに被告等中[四郎]は他の被告等が請負金を払渡さざるを理由とし、他の被告等は出面は既に[四郎]に請負はせしものなることを理由として右出面金の支払を為さず。 然れども抑も出面請負なるものは、無資無産無徳無恥の請負人が、其出面の不払より工事従業の労働者に損害を蒙らしめ又は其工事の遅延若くは不完成等の為め、注文者に損害を与ふることあるべき危険を防止警戒せんが為め、請負人が出面人に支払ふべき出面金を順次に払渡す、注文者と請負人間若くは元請負人と下請負人間の契約にして、 此契約に在ては其出面金は注文者請負人及下請負人が連帯して之を支払ふべきを慣習とし、本件関係者は皆此慣習に従ふ意思を有したるものなり。(註二) 故に原告等は本訴に於て出面の注文者即ち請負人たる[二郎]第一の出面請負人たる[三郎]及び出面下請負人たる[四郎]を相手取りたり。 請求の目的及一定の申立 被告は連帯して金・・・・円に本訴状送達の翌日(註三)より本件完済迄年六分の利子を付し之を原告に支払ふべし。 大正九年一月十五日 右山崎今朝彌 東京区裁判所 御中 (註一)出面は「でづら」とも「でめん」とも読む。 (註二)少くも都市に於ては大工に限らず苟も出面請負なる以上皆此慣習あるが如し。 (註三)訴状到着の日より請求し得るものなれど普通到着の翌日より請求す。 <[ ]内は仮名・仮地名> <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、『平民法律』第9年1号21頁。大正9年(1920年)2月。>
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2023年ドラフト候補 捕手 175cm 86kg 右投右打 金足農 1998年度生(新3年目) 高校時代は故障者続出の影響で投手も経験。二塁送球1.8秒の強肩捕手。下位打線での出場が多いが、勝負強い打撃も魅力 (19 20-より山崎選手打席) 指名者コメント一覧2020年度第14回、中日:育成2位(20/05/14) URL一覧ドラフトレポート ドラフト候補の動画とみんなの評価 球歴 一球速報(打撃成績) 所属先公式HP 指名者コメント一覧 2020年度 第14回、中日:育成2位(20/05/14) 青森…亨…西武かな? 冗談は置いといて、肩はマジで全盛期細川並み 浮き上がらず真っ直ぐ飛んでいく二塁送球が、セカンドの胸元どストライクに飛び込んでいく 金農時代は3番を打っていた打撃は、3年秋現在6番から9番を行ったり来たりだが、一発長打もある中距離砲として得点を稼げる 体力も豊富で、レギュラー定着後ほぼ全ての試合でフルイニングマスクを被り続ける 主将も務めており、将来はODA二世になって欲しい URL一覧 ドラフトレポート https //draftrepo.blog47.fc2.com/blog-entry-5025.html ドラフト候補の動画とみんなの評価 https //player.draft-kaigi.jp/PlayerInfo.php?PlayerId=27908 球歴 https //www.kyureki.com/player/175840/ 一球速報(打撃成績) https //baseball.omyutech.com/playerTop.action?teamId=8649 playerId=1834826 所属先公式HP https //www.kazusamagic.com/team/ 2020プロ志望届提出者 2023社会人・クラブ・その他野手 南関東(社会人) 名前 コメント
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講師招待状 本大学が其設立の日尚浅きにも拘はらず今日の学務隆盛を見るに至り候は偏に教授諸氏熱烈なる御教導の賜と当局一同只管感謝致す処に御座候、就ては其億分一の意思表示として来る十月四日築地精養軒に於て聊か晩餐会相催し度御繁忙の折柄甚だ恐入候へ共、当日は又基本金の処分方法及其筋の干渉に依る平民大学講演集の発行中止等の話題も有之候へば何卒午後五時より是非御憤臨の光栄に浴し度幾重にも奉願上候、尚当方の都合等も有之候へば御出席の有無折返し御返事被下候へば有り難き仕合に存候。 平民大学 <山崎今朝弥著、弁護士大安売に収録>
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寧ろ激賞すべき愛国的行為 山崎今朝彌 川崎造船所の罷工団が神戸で「工場管理」を宣言すると、何か事あれかしと機会をネラツてゐた資本家擁護団は待てゐましたと許りに舌を揃へて、其は強盗だ家宅侵入だ赤化だ悪化だと云ひ触し、其を口実にトウトウ出兵となり検挙となつた。僕は初め湯地警保局長が大に憤慨して「裁判所とも協議の上家宅侵入で「彼等」を片ツ端から検挙する」と放言したと云ふ新聞記事を見て法律学校の二年級も卒業したと云はれる人がマサカソンナ無法の事を云ふ筈がないソレは一種の「宣伝だ威嚇だ」と思ふた。依つて其積りで或雑誌の八月号に工場管理が法律上正当の愛国的行為である事を投書したが今になつて見ると彼等は或は真にソウ思ふてゐるかも知れぬ。僕に云はせると問題の工場管理は問題にならない程正確に民法上の「事務管理」である、民法第三編第三章には「事務管理」をして其第六百九十七条には「義務なくして他人の為に事務の管理を始めたる者は其事務の性質に従ひ最も本人の利益に適すべき方法に依り其管理を為すことを要す」七百条には「管理者は本人が管理を為すことを得るに至るまで其管理を継続することを要す」七百二条には「管理者が本人の為めに本人の支出すべき賃金其他有益なる費用を立替へたるときは本人は之れを償還することを要す但し管理者が本人の意思に反して管理を為したるときは本人の利益となりたる費用のみを償還すべし」とある裁判所の判決例や学者の著書は皆一致して以上の条文を根拠として「事務管理とは頼まれもせぬのに勝手に他人の仕事をしてやる事である而して其は本人の意思に反しても構はない何となれば此は一般国家社会の利益を考慮して設けた規定であるから」と定義説明して居る然らば問題の工場管理が適法正当の寧ろ奨励激賞すべき愛国的行為である事論を俟たない。然るに世の所謂資本家擁護家なる者が頻りに之を排斥するは、独り法律の無智に基く計りではなく、他に何か曰く云ひ難しの曰くがあると云ふの他はあるまい。(東京毎日) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、『新神戸・労働者新聞』(日新書房、1969年)、底本の親本は『労働者新聞』(労働者新聞社)第43号1頁。大正10年(1921年)8月15日発行。>
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無産政党選手権獲得全国大会の結果から × 雑誌のすなる『往復問合せ』といふを解放も時々やつて来たが、今月号程成功した例は滅多になかつた。読者は本誌七二頁以下の各無産政党選手の回答から数多くのことを学び取るであらふ。私はハツと気が付いたお蔭でヤツと此の一頁を埋め得る。 × 古来左翼は理論を有つと謂はれる。此回答でも争闘気分満々たる堂々の論陣を張るは皆左翼労農党の選手である。が、其堂々たるや抑々と来れば世界の資本主義となり、今やと来れば日本の客観的状勢となるの類で、千筍一律少々仰山に云へば、三つのフレース半百のワードの入れ替へで、理論と云へば理論、口写と云へば口写し、所謂福本張から一字一句も進出して居らぬといふ点が著しく目に著く。 × 読者の誰もが其氏名を知らない人は皆地方農民党の公認選手である。其人柄を見よ、其論調を見よ、而して其宣言綱領を見よ、蓋し止むを得ざる当然の帰結乎。只之れを無産政党だなどと弁護する者は、回答にも見える通り、結局党を中傷するもので、其恨を買ふに至ることを覚悟しなければならぬ。 × 成程社会民衆党は名士と紳士の政党だ。品の良いことと温和しいこと。闘志満々覇気横溢の喧嘩士労働健筆家が中々多いと聞いたのに、此の人達が安んじて沈黙を守らされるのは、当分の間であらうが、教会クラブの政党たる所以であろふ。 × 反之、日本労農党は回答の少ないことでマダマダ未成品中、傑出した組合の人々の回答があるので、組合中心の労働者党、局外に支持者が多いので前途有望期待疑問の中間党が伺へる。最後に此処へ飛び込む程の論客猛者は、意見がないのか勇気がないのか、此種の人の回答は余りに少なかつた。 × 各党好む処の公認公選であるとは謂へ、この暮と正月に際つて四割の回答があつたは、政治政党運動の中々本気で真面目の処を物語る。之れでは私の各党は忌憚なく和気靄々と大に喧嘩すべしの持論を一場の夢と化し、各人は挙つて全部の各政党に加入すべしとの主張を戯談化する危険がある。 (一月十六日、山崎今朝彌) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、踊り字は修正し、旧漢字は適宜新漢字に直した。> <底本は、『解放』(解放社)第6巻2号1頁(昭和2年(1927年)2月1日発行)>
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此の子此の親 山崎今朝彌 布施君が、(無粋の)古田君の本を読むと引ずり込まれる。(詩人の)中濱君の書いたもの読むと議論をしたくなる。といふ意味の事を云つた。僕も例により括弧内の文字だけ附け加へて全部賛成した。 今度本が出ると古田君のお父さんがすぐ一冊持て来て呉れた。一二時間かかつて一通り所謂飛び読し、改めて初めから本ん読し今日は丁度三百頁の所に居る。何処を読んでも僕は古田君のお父さんと初体面した時の事を憶い出さずには居れない。難波大助の親爺某なる者が大助を極度に憎悪無視して一世の同情と賞讃とを一身一家に聚め天下の風教を独りで維持して居る真ツ最中、其れを知るや知らずや古田君のお父さんは血と涙とを以て古田君の生立人柄性質行動を一々語られ確信誠意以て極力古田君の無罪を説かれた。堪へ切れず思はず泣かされた。僕は此時、百巻の御経念仏よりも此真情をこめた一つの弁護が一番有効である。此弁護を聴いて動かざる人間の裁判所はあり得ないと堅く決心し、公判廷でお父さんを証人として弁護をして貰はふと思つたのだつたが古田君自身の反対で果されなかつた。 今古田君の本を読むと到る処に此父にして此子がある。話に聞いてさへ家庭円満親子兄弟仲良しは美しく、美しい。汝臣民克く孝に兄弟相和し朋友相信じは仮令何処にあつたとしても悪くない。僕は古田君が云つてる様に古田君は不運不幸の人ではなかつたと思ふ。 僕は先日古田君のお父さんにザツト左の意味の手紙を出したらスグ承知の返事があつた。君(加藤君の事)等(布施君、江口君等の事)も考へて置いて貰いたい。 ご本は大体読みました、古田君其儘の本で実に良い本ですが解放に書いて呉れたものや手紙の方が一層良いように思ひます。既に雑誌等に載つたものや手紙等を一冊出して呉れる処はないでせうか。もしないなら古田君も、一人では淋しいから皆の衆と一緒に本を一冊出して貰いたいと云つて居たから、僕の処やお宅や其他方々にある手紙と村木君中濱君等故人の手紙計りを一冊集めて出さうかとも考へて居ます。御考置きを願ます。(七月四日喜多見高台にて) <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、『復刻版原始』(不二出版、1990年)、底本の親本は『原始』(原始社)第2巻8号33頁、大正15年(1926年)8月1日発行。>