約 412,569 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3356.html
龍一のクラスの模擬店は、予想していた以上の繁盛で あまり、長居しても迷惑だろうと考えた翼達は、早めに別の場所に移る事にした …多分、また恵が人酔いを起こすだろうから、もうちょっとゆっくり休めそうな場所を探しておこう 「ごちそうさん、龍一」 「…どうも」 御代を払う翼に、小さく頭を下げる龍一 ぱさぱさと、長い前髪が揺れる そんな龍一の様子を、じっと、見詰めて 「…なぁ、龍一」 「……何です?」 「その…俺の爺ちゃんに、何か言われたか?」 ………一瞬 時間が止まったかのような、沈黙が、流れて …それで、翼は大体、理解した 「やっぱりか」 「…宗光さんが悪い訳ではないです。翼さんの事が、心配なだけでしょうから……翼さんは、後継ぎ候補ではないけれど………契約者、だから」 契約者、と その言葉だけは、周囲に聞かれぬよう、注意を払って、口にする龍一 …日景家の現当主・日景 宗光は、都市伝説の存在を把握している だからこそ…契約者である孫の翼が、心配で仕方ないのだろう それを、龍一は理解しているのだ 「だからって、お前に迷惑かける訳には…」 「………迷惑だなどと、思っていませんよ」 小さく、笑う龍一 それは、作り笑いや愛想笑いなどではない…本物の、笑み 「…おかげで……俺は、8代目以降、獄門寺家の当主が務める事ができなかった役目を、まっとうできるんですから」 「……そこまで、家の事に縛られる必要、ないだろうが」 「受けた恩義は返します……それが、筋ですから」 感じるのは、強い意志 曲がる事ない、決意 ……ここでの説得は、無理か 「そうか……でも、気負いすぎて、無理すんなよ?」 「はい…それに、実際のところ、俺は翼さんを護れる程、強い訳でもないですから」 火の粉をほんの少し払うので精一杯です、と そう、苦笑した龍一 そんな龍一の頭を、ぽんぽん、と労うように、軽く撫でて 翼は、2年B組の模擬店を後にしたのだった 「………」 翼を見送って ふぅ、と龍一は小さくため息をついた …あそこまで、子供扱いしなくとも 頭を撫でられた事を考え、小さく苦笑する 「獄門寺君、そろそろ休憩時間じゃない?」 「ん?……あぁ、そうだな」 クラスメイトの天倉 紗奈に声をかけられ、顔をあげる龍一 休憩室に向かおうとした、龍一に 紗奈は、何気なく尋ねてくる 「ねぇ、さっきの男の人、ずいぶん親しいみたいだったけど…知り合い?」 「ん?…………あぁ、そうだが。どうした?」 「いや、獄門寺君の知り合い、ってイメージの人じゃなかったから」 …龍一は、普段、極力目立たないよう、クラスでは振舞っている そんな龍一と、金に染めた髪に日焼けした肌、露出が高めの服にシルバーアクセサリーをじゃらじゃらと身に付けた派手な格好の翼とは、イメージが違いすぎるのだろう そのような相手と知り合い、というだけで不思議なのかもしれない 「……家の関係で少し、な」 詳しく説明する事を避け、短く答える龍一 それじゃあ、と話を切り上げ、改めて休憩室に向かおうとして 「獄門寺、だっけ。委員長とその辺周ってくるんだけど、暇だったら一緒に行かない?」 …と そう、声をかけられて、足を止めたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/55604.html
【検索用 ほどけたりぼんゆれたこころ 登録タグ 2014年 Raz/作詞家 UTAU ほ パンドリストP 健音テイ 曲】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:Raz 作曲:パンドリストP 編曲:パンドリストP 調声:Raz 唄:健音テイ 曲紹介 今日も私 このまま―― 曲名:『解けたリボン、揺れた心』(ほどけたりぼんゆれたこころ) 健音テイコンピレーションアルバム 『AteLiER』収録曲。 歌詞 振り返ってみても君は居ないの 哀しみ紡ぐ心を押えた すぐにでも届きそうなのに 涙ほろり 最終観覧車に乗って 視えた世界は 小さくて 冷えたガーベラ 染めてゆく 暗い 狭い 視界は 私の空 ふわりとスカート揺らす風 寒い 苦しみ紡ぐ心がイタイよ 今にでも届きそうなのに 涙ぽとり なれた手付きで振り解く 蝶々リボンが 糸に成る 「痛い」 ひとこと 言えなくて 今日も私 このまま 闇堕ちる 淡い 優しさ 切なくて 地べた 花びら 刹那くて 果てた 身体が 小さくて 擦り剥けた膝を抱えた いつからか見ていたあの影は 今日も 明日も このまま なれた手付きで振り解く 蝶々リボンは 線に成る 「モウツライ」 ひとこと 言えなくて 今日も私 このまま 闇堕ちる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/stgbuilder/pages/376.html
<色の解説> SBにおける色に関しての仕様の解説。 スクリプト(描画:カラー・パネル,背景:カラー・パネル)で色を指定する際には、32ビットARGBで色を指定する。 32ビットARGBは、α,R,G,Bの32ビット(00 00 00 00 ~ FF FF FF FF)からなる16進数である。 α,R,G,Bは、各8ビット(00 ~ FF = 0 ~ 255)からなる。(16×16=256=2^8) ARGBは、各8ビットが4チャネルで32ビットとなる。(2^8×2^8×2^8×2^8=2^(8×4)=2^32) αは、半透明時の画素の透過性(色の乗算時の割合)を256諧調で表す。(00で0,01で1/255,FFで1=255/255) 0で完全透明,0 1で半透明,1で不透明 R,G,Bは、画素の赤,緑,青の濃度を256諧調で表す。(00で0,01で1/255,FFで1=255/255) 0で黒,0 1で中間色,1で純色(赤,緑,青) 頂点カラーでは32ビットARGB同士の乗算を、オフセットカラーでは32ビットARGB同士の加算・減算が行われる。 α,R,G,Bで8ビットずつ演算・処理される。 頂点カラー(乗算): 乗算により値が小さくなるため、暗く濃くなる。 →黒に近付く(乗算値が00を割ると黒つぶれする) 1未満(FF:1=255/255以外)では乗算により値が小さくなる。 オフセットカラー: 加算では、値が大きくなるため、明るく薄くなる。 →白に近付く(加算値がFFを超えると白とびする) 減算では、値が小さくなるため、暗く濃くなる。 →黒に近付く(減算値が00を切ると黒つぶれする) 描画方式では、画像の32ビットARGBを他の画像とどのように演算させるかを選択できる。 不透明=αを1として描画:他の画像と32ビットARGB同士の乗算が行われない 半透明=αを反映させて描画:他の画像と32ビットARGB同士の乗算が行われる 加算=正にオフセットさせて描画:他の画像と32ビットARGB同士の加算が行われる 減算=負にオフセットさせて描画:他の画像と32ビットARGB同士の減算が行われる 透過色 カラー(背景),カラー(描画),描画方式
https://w.atwiki.jp/hawx/pages/13.html
Q.今日買ってきたんだけど、アシストOFFモードってのができないよ? Q.OFFモードの操作設定はどうやって変更するの? Q.機体の色は変えられないの? Q.英語音声にできないの? Q.字幕はないの? Q.音楽の音量小さくない?もっと大きくしたいんだけど Q.今日買ってきたんだけど、アシストOFFモードってのができないよ? A.Misson5、OFFモード認定をクリアするまで使えません。 Q.OFFモードの操作設定はどうやって変更するの? A.メインメニューのオプションか出撃直前の操作設定で選べます。 出撃中の変更は出来ません。 Q.機体の色は変えられないの? A.Lvが上がればスキン変更が可能になります。 Q.英語音声にできないの? A.XBOX360の本体設定を英語に切り替えるとおk Q.字幕はないの? A.ゲーム中はありません。 ブリーフィング時のみ表示されます。 Q.音楽の音量小さくない?もっと大きくしたいんだけど A.音声や効果音の音量を下げて、画面の音量を上げると良いでしょう。
https://w.atwiki.jp/299nobe/pages/1045.html
「テラ殿、助かりましたよ。あなたの提案がなければ今頃我々は……」 「本当だな。今回ばかりは感謝せねば」 繰り出される感謝の言葉。だが、それは老魔道士に聞こえる事はあったが胸に響く事はなかった。 「そうか……」 小さくそれだけ言ったテラはまたしても、ゆっくりと歩きだす。 「おいおい! そっけないぞ!」 あまり無関心なテラの腕をシドが引き止める 「――――」 瞬間、彼は言葉を失った。テラの腕は酷く痩せこけていた。それだけではなく皮膚もまるで枯れ木のような 色になっており、常に震えていた。 「離せ……」 これはどうしたのだ? いつものシドならそう聞けただろうか? おそらく出来たであろう。 だが、今の鬼気迫るテラを見てシドは無言を貫き通すしかなかった。 「どうしましたか……」 ただならぬ気配を感じたのか、ヤンも謙遜とした口調で訪ねてくる。 「奴はテラは……死ぬつもりなのかもしれん」 「なんですって……」 すぐに追いかけるべきだろう。 だが、二人はしばらくの間、どんどん小さくなっていく老人の後ろ姿をただ黙って見守り続けるしかなかった
https://w.atwiki.jp/minamiurawa/pages/20.html
男の男による男のための、具が多過ぎる味噌汁作りの記録。 原材料(男7・8人分) 水 1リットル SHOP99のねぎ 1本 SHOP99のにんじん 1本 5枚で78円の油揚げ 2枚 徳用干ししいたけ 2個 ふえるわかめちゃん 大さじ山盛り2・3杯 SHOP99のにんにく 1かけ 味の素ほんだし(スティック) 2本 SHOP99の味噌 大さじ4杯 醤油 大さじ1杯 S Bキッチン料理用カレー 2振り 作る 油揚げをお湯に浸して油を抜きます ねぎを切ります。白い部分を大きく切って、葉の部分を小さく切りました。 にんじんの皮をむいていい感じに切ります。 にんにくをいい感じに切ります。 水で戻した干ししいたけをいい感じに切ります。 油抜きした油揚げをいい感じに切ります。 鍋に、水・ほんだし・干ししいたけ・干ししいたけの戻し汁・にんじんを入れて火にかけます。 大きく切ったねぎも入れます。 しばらく煮たら油揚げを入れます。 味噌・醤油入ります。 小さく切ったねぎを入れます。 水で戻したふえるわかめちゃんを入れます。 仕上げにカレー粉を入れます(ガチンコラーメン道の佐野さんが言ってた)。 わーいできた!
https://w.atwiki.jp/tsgeneral/pages/170.html
08-051 :名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 21 13 55.16 ID 0s4EvTW+ 水着大会は大混乱 抜群のプロポーションの水着美女達、 そんな彼女達の様子を見ていた悪魔が、彼女達に魔法の粉を振りかけると、 ビキニカップが弾けそうなくらい、膨らんだ胸が、 みるみるうちに小さくなって、 蜂のようにくびれた腰周りが徐々に幅が広がって、 ビキニパンツに異様な盛り上がりが形成され、 丸みを帯びたお尻が小さくなっていき、 会場は美男子達の嘆きと戸惑いの声で満ち溢れるのであった。 08-052 :名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 21 40 19.92 ID 0s4EvTW+ ボディビル大会は大混乱 鍛え抜かれた肉体をアピールするボディビルダー達、 すると、彼らの厚い胸板が丸みを帯び始め、 自慢の鍛え抜かれた筋肉が落ちて、腕や脚が華奢になっていき、 ビキニパンツがずり落ちそうになるが、 大きく張り出したお尻がビキニパンツを受け止める。 肉体美を競う会場は一瞬で美女達の恥じらいの舞台へと変貌した。
https://w.atwiki.jp/newsop/pages/276.html
タイトルロゴ等のデザイン・オープニング テーマカラー 2006年4月 - 2009年9月:■青 2009年10月 - 2010年3月:■オレンジ タイトルロゴ表記 番組タイトルは、リング状で丸い番組のロゴマークの右に表記された。 タイトルロゴ文章の構成は「KNB NEWS」の下に「リアル」、その下に小さく「タイム」。「■■」は「リアル」の右に、「REALTIME■」は「■■」の下に小さく表示された。「NEWS」の書体は日テレと異なる。 2006年4月 - 2009年9月:「KNB NEWS」「リアルタイム」「■■」「REALTIME■」 2009年10月 - 2010年3月:「KNB NEWS」「リアルタイム」「■■」「REALTIME■」(ロゴの変更なし。「■」は日テレNEWS24のテーマカラーと同じ色を使用) オープニング 日本テレビで使用されている17時台のタイトルCGに左上に「KNB」のロゴを透かしで表示していた。 「いっちゃん★KNB」開始当初の一時期はスタジオバックに独自のBGMといっちゃん★KNBのロゴを表示していた。
https://w.atwiki.jp/teikokuss/pages/483.html
アドニス無双を描こうとしたら、シル子無双になっていた件 本当は、アドニス無双をメモしていたはずなのに>< なぜか13Rの行動を再検討することになり、 再検討の結果、土豪の取り扱いが必要になり、 あれ? でも、こんな感じ? 日差しを避けて、シルフィスは影の下へと寄り添った。 そのものの立てた方の、すねへと身を寄せると、どうにかうつむいたその肩の作る影へと入ることが出来る。それは片膝をついてうずくまる、彼女の機装甲だ。影は、その白の三の下に小さくまとまり、そろそろ正午であることを示していた。 それは、刻限ということでもある。シルフィスは隠しより時計を取り出した。手のひらに収まるそれは、銀色に輝き、龍の浮き彫りを浮き立たせている。いくつか下賜された戦功をたたえる品の一つだ。 龍の蓋は、ばね仕掛けで開き、示す針は、正午をわずかに過ぎていた。 ぱちん、と閉じる心地よい音と共に振り返る。 「時間ですね。オゼロフ中隊長、攻撃用意を」 「了解しました」 黒髪の機装甲中隊長が応じうなずく。ほとんど同時に、別の声もあった。 「連隊長!のろしが上がっています!」 その指の示す先、木々に覆われた小高い山の頂から、筋を引いて立ち上っていた。頂近くの木々の隙間から、小さく小さく燃える炎が見える。くべられる青い枝葉も小さく小さく見えた。それがもうもうと白い煙を立ち上らせている。 「どうしますか」 オゼロフ中隊長が振り向く。シルフィスは答える。 「約束の時間は過ぎました。攻撃用意を。ただし、発起はわたしの命令を待つように」 並ぶ機装甲と、野砲と擲射砲の敷いた放列、そして轡をならべた騎兵たち。攻撃準備など、とうに終えている。 さらに報告がある。 「前方に山道に白旗を携えた徒歩影あり!数はふたつ!」 「自爆かもしれません」 リコメンドは、警衛小隊長。 「距離をとられたほうが良いでしょう」 「人相書き綴りをここへ」 「はい」 山道を降りてくる姿は二人連れだった。一人はまだ若いと言っていい。けれど若造ではない。足取りには戸惑いも、てらいも無い。付き従うもう一人は、ずっと年かさだ。ちょうど、親子くらいに見える。白旗は、付き従う年かさの男が持っていた。 二人はともに、軍装を身に着けている。 「軍使とお見受けする!」 シルフィスは呼びかける。 斜面を降りて、林の縁まで至ると、二人の姿は足を止める。答えがあった。 「その通りだ」 「時間通りですね」 「連隊長」 警衛小隊長がささやく。手には人相書き綴りがある。 「XX候子息YYと見受けられます。後ろにあるは、おそらく教え役ZZかと」 うなずき、シルフィスは二人へ声を放つ。 「お名前をうかがいたい」 「名など捨てた。好きなように呼ぶが良い」 「では、YY様、こちらにおいでください。お供の方は、五歩下がってなら伴って構いません」 YYの頬がゆがむ。自嘲に似た笑みだと判った。彼は片手を軽く上げて、伴いを制すると、一人こちらへと歩き始める。シルフィスもまた片手を軽く振って、警衛を退かせる。そして待った。 YYの姿は木陰を出て、明るい日差しの下を歩いてくる。身に着けた軍装は汚れ、ほつれているが、大きな破れや傷は無い。血の跡も無い。剣帯のあとはくっきりと残っているから、いくさ場を走り回ったのは間違いない。長靴も鐙の擦れの傷がある。彼は、ただそのままに歩み、シルフィスから五歩ほどのところで足を止める。彼は言う。 「なるほど、人相書きまで用意しているとはな」 「YY様と御呼びして構いませんね」 「隠しても意味は無い。だが、そう呼ばれる意味も無い」 「うかがってよろしいですか?」 「なぜだ?」 彼はつまらない冗句を聞いたかのように鼻で笑う。シルフィスは答える。 「あなたがXX候の判断を代行しうるかどうか、押さえておきたいのです」 「それはない。あの男が押さえているのは、己の篭った砦の中のみだ」 「では、その外側の候領については、あなたに采配されている、と考えてよろしいですね」 「俺の考え?」 彼は初めて、おかしげに笑った。 「この期に及んで何を言う」 「あなたのなさっていることは、われわれの目的にも叶っています。故に、お話させていただく意味を感じるのです」 「俺に聞く耳があるとは限らんぞ」 「あなたが何を思っていようと、帝國には関わりありません。しかし、二つの道をお示しすることはできます」 シルフィスも静かに応じた。 「ひとつ、鑓と銃口の前に滅びること。 ひとつ、あなたの頭上に帝國の旗を掲げること」 「ともに断ったら」 「いつでもどうぞ、とお答えします」 シルフィスは笑みを浮かべる。 「用意はすでにできていますから」
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/45.html
小さくはにかむ優しい緑。 目を閉じて真っ先に思い浮かぶのは、誰? ねえ。 答えは、もう、分かっているんでしょう。 ---- くるりくるりと表示が変わる時刻表を確認して、静かに開いた扉から電車内に入る。 時間帯が通勤のそれとは重ならなかったせいか車内の人影が疎らで、二人がけシートの窓側の席に腰を落ち着けた。 小さく息を吐き出して、少しずれてきたサングラスを人差し指でひょいと上げる。 メディアへの露出が以前より減ったとはいえ必要最低限の嗜みとしてキャスケットとサングラスは着用するようにしているのだけれど、本当の世界の色を見ることができないからあまり好きじゃない。 まあ、素のままの姿で表へ出て、声をかけられたりして仕事に遅れるよりはよっぽどいいのだけれど。 以前は公共交通機関で仕事場へ向かうなんてことはしなかった。それが増えたのは今の事務所に入ってからだ。 それは、事務所側に車を用意する余裕(金銭的な面でも人員的な面でも)がないっていうのも大きな理由だったけれど、なにより私がそれを望んで。 スケジュール管理だったり、移動だったり、今まで人任せだったことを自分でやって、一からこの世界の事を学び直そうと思ったから。 窓の縁に頬杖を付いて、流れる景色を夜色のサングラス越しに眺める。 まだ日が沈むには少しだけ早い時間。街中も車内と同じで人影が疎らだった。 歌にはもちろん自信あるし、誰にも負けないと思っているけれど、大人として、 仕事を持つ一人の人間として、きちんと自分の力でこの世界に立ちたかった。 そう思ったきっかけは、あの子。 緑色の優しいあの子。 与えられた仕事と誠実に向きあって、一生懸命歌って、伝えようとしている、ランカちゃんの真っ直ぐな姿勢のせい。 以前もメディア越しによくその姿を見ていたのだけれど、同じ事務所に所属してからその姿勢をより間近で感じて。 今までの自分が全て間違っていたなんて思わない。 彼女に会う前の私も真っ直ぐに前を向いて歌っていた、それを否定するつもりは毛頭ないけれど、 ただ、振り返って、そして、少しづつ仕事と自分に対する見方が変わってきた。 瞼を閉じる。 その裏でランカちゃんが真っ直ぐに歌ってて。 その真っ直ぐな姿に、私はどうしようもなく、惹かれてしまうのだ。 アルトに恋をして、彼女とライバルだった時でさえ、私は、振り返らずにはいられなかった。 彼女に視線を投げずにはいられなかった。 それが、ランカちゃんが纏う雰囲気のせいなのか、それとも別の理由からなのか、今の私には分からない。 けれど、今はただ、彼女に出会えてよかったと強く思っている。 車内アナウンスが流れて、目的地が近いことを私に知らせた。 瞼を押し上げて、頬杖を解く。窓から遠目にホームが見えた。 出会えてよかった、と伝えたら、ランカちゃんはどんな表情を見せてくれるのだろう。 アルトの前でそうなるように、恥ずかしそうにはにかんでくれる? 耳まで赤くして笑む彼女ははすごく可愛いから ―――。 ――― 見て、みたい。私にそんな表情を向ける、彼女を、 そこまで考えてはっとする。一体何を考えているんだ。 (これじゃあ、まるで、) アナウンスが車内に響いて、車体が静かにホームに滑り込んだ。 扉が開いたのを見とめて、私はホームに降りるべく席を立った。 思考は、そこで中断したまま。 ---- 「あ、シェリルさん!」 スタジオの控え室に入って、真っ先に向けられた言葉。 とたとた駆け寄ってきたランカちゃんは、満面の笑みで「お疲れ様です」と言って。 彼女の動きに合わせて、ぴょんと揺れる緑の髪の毛が可愛らしかった。 「お疲れ様。ランカちゃん、早いのね」 サングラスを取りながら笑いかける。 この時間では収録までかなりの時間あるはずだ。 私も相当早くに着いてしまったと思ったのに、それ以上前からここにいたらしい彼女は一体何時に着いたんだろう。 最近増えたランカちゃんと一緒の仕事を思い出してみたけれど、こんなにも早く仕事場に顔を出す子じゃなかったと思う。 そんな事を考えながら作り付けの机の上にサングラスを置いて、キャスケットを取る。 壁に取り付けられた大きな鏡を見ながら髪の毛を整えていると、後ろから控えめな笑い声。 「違うんです。あの、ついさっきまで、ここのスタジオで別のお仕事してて」 だから早いのだと、彼女は教えてくれた。 よく通るその声に耳を傾けながら、だけど、私は鏡の中に写りこむランカちゃんから目が離せなくなってた。 もともと血色の良い頬が更に鮮やかに色づいて、嬉しそうに笑む彼女から。 ――― まるで、アルトといる時のような顔。 そう思ったら、ひゅうと冷たい風が心臓を一撫でして、小さく身体が震えた。 なんだろう、この感じは。 まるで、切ないようなこの気持ちは。 私の中にはまだ、あの馬鹿への気持ちが残っているとでも ―――。 アルトのことは好きだった。 間違いなくあの頃は恋愛感情を抱いていたけれど、あの事件の夜すべてを一度手放して、 ランカちゃんと共に歌ってから、少しずつ緩やかに、だけど、それは確実に変化していった。 今でもあいつのことは好きだ。 それは好意に他ならないけど、それは深くて大きい感情で、恋愛の対象に向けるそれとは全くの別のもの。 もう、キスしたいとも、抱き締められたいとも思わないのに。どうして。 頭を振って、考えをはらった。 今は、そんなことを考えている時じゃない。 バッグを机の上に置いて振り返ると、ランカちゃんと目があった。 彼女は一瞬驚いたようにびくりとして。 それから花が咲くように笑顔を浮かべた。鮮やかな頬の色が更に強くなる。 柔らかそうなその頬は、触れたら一体どんな感触がするのだろう。 「……嬉しそうね?」 彼女に手を伸ばしたくなる衝動を抑えてそう言うと、 ランカちゃんは少しだけ俯いた後、上目遣いでそっとこちらへ視線を投げた。 さわさわと、落ち着かない感情が背中を駆け抜ける。 「だって、シェリルさんと一緒のお仕事だもん」 少しだけ言い難そうな声音。 「だから嬉しいんです」と付け足して、ちょこんと顔を傾ける彼女。 真っ赤な顔ではにかみながら私を捕らえる、視線。 胸が熱くなる。 それは、まるで燃えてるようで、 ―――― 痛い。 心臓の上に右手を添えて、小さく握り締めた。 鼓動が聞こえる。それがいつもよりも早く打ってるように感じるのは私の気のせい? 熱い息を吐き出しても、それは止まらなくて。 私はそれを必死に隠しながら小さな笑顔を彼女へ向けた。 「そう」 一言呟くのが精一杯だった。 声は震えなかっただろうか、ランカちゃんに変に思われなかっただろうか、そんな事が頭を占めて。 まともに彼女を見ることができない。 作り付の机に腰を預けて、小さく俯く。 「シェリルさん?」 不思議そうな彼女の声が聞こえた。だけどそれに応える余裕なんてとおになくて。 胸の中の炎が一層激しく燃え上がる。 小さく息を吐いて、落ち着こうと瞼を閉じた。 その裏側で、緑が揺れる。 小さくはにかむ優しい緑。 どくりどくりと聞こえる鼓動。 全身が、熱くなる。 目を閉じて真っ先に思い浮かぶのは、誰? ねえ。 答えは、もう、分かっているんでしょう。 おわり そんな自分はシェリランリバ派。