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風呂場での一騒動があった次の日、つまりは修学旅行二日目の早朝のこと――― 「う…ん…」 うっすらと目を開ける。秋の薄れ日が私の顔を照らし、朝だということを告げていた。鳥のさえずりも聞こえ、いかにも古都の朝といった感じだ。 気持ちの良い朝だ。昨日は、あんなことがあったけど、まあ、すぐに忘れるだろう。修学旅行は今日も入れて、二日もあるんだ。今は、その二日を楽しもうと考えなきゃいけない。 さて起きようか、と思ったそのとき、私は身体に違和感を覚えた。両腕がやけに重く、更に何かの重圧も感じられる。 「な…に…?」 私は、違和感の正体を確かめようと、寝ながら辺りを見回す。 このときは、目を覚ましたばかりのことで、私はまだ頭が回転しきってなかった。 しかし次の瞬間、私は一気に目が覚めてしまうことになる。 「…………っ……!」 その存在を認めた瞬間、私は叫びたいのを必死にこらえた。 何故なら、こなた、つかさ、みゆきの三人が、私の布団の中に潜り込んで寝ていたのだ。 その上、私の左腕をつかさが、右腕をこなたが、がっしりと掴んでいる。つまり、つかさは私の左側に、こなたは私の右側に寝ている。 そして、私に覆いかぶさるような格好で、みゆきが寝ている。つまりは、みゆきは私の上にいる。……いや、エロイ表現じゃなくて。 ともかく、これで、慌てないほうがどうかしている。 「い、いや待て……。落ち着け、クールになるのよ、柊かがみ…」 言ってから、独り言を呟いているのが何とも馬鹿らしく感じられる。……いや、今はそういう問題じゃない。 まず、問題を整理しよう、うん。えーと、私の右腕をつかさが掴み、左腕をこなたが掴んでいる。どちらもがっしりとした力で掴んでいて、しかも、どちらも、私の腕を自分の胸に抱きしめている。明らかに、故意だ。 そして、私に覆いかぶさるように、私の布団の中で、うつ伏せに寝ているのがみゆきだ。しかも、胸に胸が当たってむにゅむにゅと……何言ってんだ、私。正気に戻れ。 あーっ……。昨日の続きか? まさか、これは夢か? それとも、パラレルワールドに入ってしまったのか? 何にしても、この状況を何とか打開しなければならない。予定では、六時四十分に、先生が見回りに来るはずだった。こんな体たらくでは、何を言われるか、たまったものじゃない。 それを、この三人は分かっているのだろうか。三人とも、すやすやと、素知らぬ寝顔を湛えている。全く、困り果てるしかないこっちの身にもなって欲しいものだ。 それにしても、どうしよう。私の両腕はがっちりとおさえられ、私の上には、みゆきが寝ている。どう起きようにも、誰かに気付かれるに違いない。何かないのか、三人に気付かれず、平穏に目覚められる方法は……。 「う、うぅん……」 「ひっ……」 こなたの声に、一瞬、こなたが起きたのかと錯覚してしまったが、落ち着いて状況を察してみると、どうやら、ただの寝言らしかった。 一まず、ほっと胸を撫で下ろす。出来れば、そのまま、じっとしていてほしい。私のためにも。 「かがみん……」 ……と思っていたら、まだ、寝言は続いていたようだ。……寝言よね? まさかおきているわけじゃ……。 「大好きだよぉ……」 「なっ……!」 みるみる顔が熱くなっていく。……なに考えてんだ、私! 私は、ノーマルな…はず…よね…? そう、これは、いつもの冗談、そう、冗談よ! ……ともかく、後で、ぶっ飛ばそう。そうすれば、全てが丸く収まるはず。 それに、今は、ただの寝言だ。つまり、こなたは起きていない。だから、気にする必要はないはずだ。 ……とはいえ、時計を見ると、既に六時半だ。このままでは、先生が来てしまう。そうなれば、最後だ。 まずは、腕を二人の胸から離そう。腕さえ使えるようになれば、何とかなる。……はずだ。 とはいえ、これが難しい。さっきも言ったとおり、腕はがっちりと掴まれていて、簡単に外せる状況にない。腕を素早くスパッと抜こうものなら、確実に二人は起きるだろう。 だから、慎重に、慎重に、腕を抜かなければならない。二人が起きないように。まずは、つかさが掴んでいる左腕から始めよう。 そろそろと左腕を慎重に抜いていく。私は、つかさが起きないか、気が気でならない。緊張で、息も詰まる。 それにしても、こうしていると、どうしても、私の腕や手がつかさの胸に触れてしまう。小ぶりな胸だが、その柔らかさは結構なもので……って、おーい! 私は何を考えているんだ! 何とか雑念を振り払おうと、努力するが、一旦気にしてしまったものは、なかなか頭から離れない。どうしても、ちらちらと胸を見てしまう。当の本人は、相変わらず、素知らぬ寝顔だ。くっ、こちらの気も知らずに……。 「集中だ、集中しろ、柊かがみ……」 このときの私は、実に滑稽だったに違いない。それだけ、自分でも必死になっているのが分かった。 何の因果で、私は、修学旅行二日目の朝に、妹の胸から自分の腕を引き抜こうとしているんだろう。 …何はともあれ、深呼吸を繰り返して、私は雑念を何とか振り払い、腕を引き抜くことに成功した。 「ぜぇっ……ぜぇっ……」 息が荒い。やたら疲れた。 幸いにも、まだ、つかさは深い眠りについているようだった。その無防備な寝顔に一瞬、心を奪われそうになったが、慌てて目をそらして、何とか気を戻す。 その後、同じようにこなたの胸からも、右腕を引き抜くことに成功した。こちらも、こなたは深い眠りについている。一時は、また、変な気を起こしそうになったけど、何とか自分に勝てた。 「ふぅ……」 一息ついてから、いよいよ最後の敵を見つめる。私の身体に覆いかぶさるみゆきだ。 最後にして最強の敵だ。何故なら、みゆきの場合、身体全体が私と密着している。どう退けようにも、起きてしまう可能性が高い。 ……仕方ない。恐らく、みゆきはこの三人の中で、一番良識人だと思う。いや、そうだと信じている。ならば、何とか説き伏せることが出来るだろう。……多分。 というか、早く退けさせないと、私の平常心がやばい。ここまで取り乱しておいて、平常心が何だという人もいるだろうが、一回、みゆきに覆いかぶさられてから、そのセリフをもう一回吐いてみてほしい。 私の胸は、みゆきの胸に押しつぶされているのだ。その柔らかな感触は、筆舌に尽くしがたい。早くしないと、また変な気が起きてしまう。……いや、私はノーマルなのよ? ともかく、私は、みゆきの肩を叩いた。 「みゆきー、みゆきー、起きて……」 ところが、みゆきは全く起きる気配がない。さすがの私も焦る。既に、時刻は六時半を回っているのだ。このままでは、全てが終わる。 冷や汗が私の頬を伝いはじめたころ、やっと、みゆきは起きる気配を見せた。 「うん……だ……誰…ですか…?」 「みゆき? 起きたのね? 起きたのよね?」 くどいように、私は聞く。しかし、寝ぼけて全く耳に入らないのか、みゆきは私の事を無視するように、一人で起き上がった。 自然と私の視線は上向き、みゆきを見上げる格好となる。 ところが、これがまずかった。 「あっ……! み、みみみ……!」 私は、声にならない声を上げて、驚倒した。自分でも何を言っているんだか、分からない。 私の視線の先には、眠気眼になって起き上がっているみゆきがいる。それだけならいい。 ただ、浴衣のところどころがはだけていて……その……何というか…そのとろんとした目つきなども相まって、あらぬ想像をさせてしまうような、いやにその身体は艶かしかった。 特に、やはり、胸の谷間が強調されて……い、いかん! 雑念を振り払わないと! 「み、みゆき? ちょっと、聞こえる?」 何とか話をしようと、みゆきに話しかけるが、まだ寝ぼけてるようで、 「メガネ……メガネはどこですかぁ……」 などと、ろれつの回っていない言葉を話しながら、布団を離れて、部屋中を歩き回りだす始末。 これには、さすがの私も頭を抱えるしかなかった。三人に気付かれずにして、起きるという当初の目標は達せられたが、今度は、みゆきを何とかしないといけない。それに、その……あらぬ様のままだし。 「ちょっと、みゆき? おきなさいよ……ちょっとー?」 私は立ち上がると、歩き回るみゆきの肩を、後ろから叩く。 「メガネ……」 「……ったく」 それでも、まだ気付かないようなので、私はみゆきの前に立ちはだかり、前から肩を掴み、がくがくと揺さぶることにした。……出来るだけ、そのはだけた浴衣を視界に入れないように気をつけながら。 「ちょっと! みゆき! 寝惚けてないで!」 「……ん……。か、かがみさぁん……?」 何回か揺さぶって、やっと、その焦点が定まらない目が、こちらを向いた。 「みゆき! やっと起きた? あのさぁ……」 「かがみさん……かがみさぁん……」 「……あ、あのみゆき? ちょっと話を聞いてくれる?」 こちらの呼びかけに応じながらも、何か様子がおかしいみゆきに、再び不安が募る。「触らぬ神に祟り無し」という諺の通り、触れないほうが良かったか……? と、そんな事を思ったときはもう遅かった。 「かがみさん……」 ガシっと肩を掴まれる。……えーと、これって……。 「大好きです……」 そういわれるや否や、私はみゆきに抱きつかれ、そのまま押し倒される。ドシーン、という音が良く似合う。 言葉を発する暇もないほど、その行動は素早いものだった。 再び、私の胸にみゆきの胸が当たってむにゅむにゅと……。……ってそんなこと言っている場合じゃなくて……。 「……ひゃ、ひゃーーーーっっっ!!!」 自分でも何を言っているか分からないが、とにかく叫んだ。 その叫び声に、こなたとつかさがようやく起きたようで、 「みゅみゅ……。あーっ……みゆきさん、ずるーい……。抜け駆けはダメって、昨日、言ったのに……」 「お姉ちゃんは……私のものだよ、ゆきちゃん……?」 「お前ら、呑気なことを言ってる場合かーーーー!!!」 この後、黒井先生たちに、かがみたちがこっぴどく怒られたのはいうまでもない。 コメントフォーム 名前 コメント こな☆フェチの恨みかこなた…!? -- ガ○ダムマニア (2008-10-19 21 45 47) かがみんが道を踏み外すまで後もう少し。 三人ともがんばれw -- 名無しさん (2008-05-08 11 15 59) おお、前日よりすごいことにw みゆきが一番大胆なのもさることながら かがみも3人に発情しかかってるのがいいですね -- 名無しさん (2008-05-03 18 07 09)
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230.gif 種族値 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 75 95 95 95 95 85 持ち物候補 命の珠 拘り眼鏡 ラムの実 各種ジュエル 努力値配分 配分 性格 備考 スカーフガブ抜き H84 C252 S172 控えめ 最高火力かつ一番無駄の無い振り方。 スカーフラティ抜き H84 C252 S172 臆病 対竜性能を最大にしたければコチラで。 最速の型 H4 C252 S252 臆病 マルマインだろうが余裕でぬけます。加速1バシャや加速前テッカより早いです。 物理型 H84 A252 S172 意地っ張り 物理アタッカーが欲しければこの型で。特殊受けにダメージを与えられます。 技候補 ハイドロポンプ(滝登り) 波乗り 流星群(逆鱗) シグナルビーム 冷凍ビーム 身代わり 寝言 (アイアンヘッド) (竜の舞) *()は物理型 タイプ相性 タイプ 無 炎 水 電 草 氷 闘 毒 地 飛 超 虫 岩 霊 竜 悪 鋼 水・竜 ×1 ×0.25 ×0.25 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×1 ×0.5 考察 特性によりほぼ全てのポケモンを上から殴れるアタッカーです。 雨一致水技+ドラゴン技と範囲・火力は申し分ないものがあります。 ミラーには弱くなりますが、臆病であると火力不足があるために控えめ推奨です。 またほぼ眼鏡で固定と考えて問題無いです。 竜+水という広い攻撃範囲が魅力的。雨によって強化される水技を1/4で受けられます。 名前 コメント すべてのコメントを見る 枠分類 候補ポケモン 雨乞い ニョロトノ エース キングドラ・ラティオス・ラティアス・ルンパッパ 電気 サンダース・ジバコイル・ヒートロトム・カットロトム・サンダー・ボルトロス 格闘 ヘラクロス・ローブシン・キノガッサ・テラキオン・バシャーモ・ドクロッグ 鋼 ナットレイ・ハッサム・メタグロス フリー ウルガモス・カイリュー・ガブリアス・マンムー・トゲキッス・クレセリア
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47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/02/06(月) 23 13 17.08 ID nw5p8/or0 男が寝言でツンデレの名前を呼んだら 33 名前:代行スレより[sage] 投稿日:2012/02/07(火) 22 15 36.54 ID I2EsHftm0 前スレ 47 「ん…………」 むにゃむにゃとベッドで眠りこけているおバカは別府タカシ。 漫画を読んでいたらいつの間にか寝てやがった。 可愛い可愛い幼馴染様が遊びに来てやったというのにまったくふざけた男だ。 こうなったら鼻をつまんでやる。えいっ。 「……フガッ……んむ……」 「…………」 えいっ。 「……フグ…………ん……」 「…………」 なんか楽しくなって来た。 次は口と鼻を同時に…… 「んむ…………ち……な……」 「……!」 今、こやつ私を呼んだか……? いやこのニブチンがそんなわけ……。 「ちな……み……」 「ぉっ……ぉふぅ…………」 な、なんだ今変な溜息が出てしまった……。 「ちな……す…………き……だ」 「!」 ひょおおおおおおおおおい!! 来た! 私の時代来た! これは! こ、これはもうちゅっちゅちゅーとか! しっ、してもいいのか!? いいよな!? よっしゃいくでー! 女見せたる! 鼓動が早まるとかそんなレヴェルじゃない。ドキドキしすぎて……死にs「すき焼き……だぞー…………ムニャ」 「…………」 …………、……………………。……、…………。 ぶ っ 殺 す 「ん……? あれっ、えっ? あ……ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!」 一人の男の断末魔が、街に響く。
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【登録タグ R VOCALOID けーだっしゅ 曲 鏡音リン】 作詞:けーだっしゅ 作曲:けーだっしゅ 編曲:けーだっしゅ 唄:鏡音リン 曲紹介 Illust&Movie 小猫まり 歌詞 霞んでく藍色の境界線 溺れたふりして あの空を海に落として なにもかも 夜に溶けて交ざりあう前に 泡沫の夢を与えて 僕の中から全部奪い去ってよ 咲いて 枯れて 途切れてく 遠ざかるデタラメな空想 から回る指先を縫い合わせ 孤独の繋ぎ目を隠す 壊れそうな秒針が刻む 終幕への合図 あざ笑う 眩暈 花束を手向け 眠ったまま灰となれ 遠くなる 夢にうなされ また何度も また何度も 朝日を待っていた 閉じてく 記憶 響く共鳴が 微かに意識を奪う また何千何回繰り返して いびつな理想にすがりついては 愛して 奪って のたうちまわって 与えて 求めて 溺れてく 等身大の命をここで 優しい痛みで終わらせてよ 溶けそうな 朝に 目が覚めて 無機質で 鮮やかな 世界は回りだす 臆病な言葉並べて いつの日か こんなにも 傷だらけになってた 愛なんて不確かな形が もどかしくなるから その体温奪って心ごといっそ 一人になれたらいいのに あふれた 痛み 消える情景は ひどく渇いた呼吸 その命の痕を胸に残して 瞬きもせずに焼きつけてた くらくらするほどハイな寝言 現実逃避的な自由へ 心を越えて命が交ざり まっさらな奇跡が生まれていく 鮮やかな 傷跡を残して 夜空を彷徨う ネオンの残像 消える 泡沫の 記憶 響く 共鳴が 微かに意識を奪う また何千何回 繰り返して いびつな理想に すがりついては 愛して 奪って のたうちまわって 与えて 求めて 溺れてく 心を越えて命が交ざり まっさらな奇跡が 生まれていった そして 僕は 君を 愛したんだ 弱く 脆く 儚い心が 泣いてるように 交ざりあって 君という奇跡が生まれて 僕の中に 交ざりあっていたんだ 愛 コメント 名前 コメント
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ムルタ「皆さん知っていますか? このドミニオンには七不思議というものがあることを」 ナタル「理事、それは学校の怪談のパクリでは」 ムウ「面白そうじゃないですか。どうせならあいつらも集めて聞きましょう」 ナタル「大佐。もう夜の12時ですよ。明日の軍務に関わります」 ムウ「おや、もしかして怖いんですか?」 ナタル「そ、そんなことありません! いいでしょう。アルスター二等兵、スティング少尉達を召集してくれ」 フレイ「分かりました(艦長ってこんなに乗せられ易い人だったかしら?)」 クロト「階・段」 スティング「字が違うぞ」 オルガ「なんだってこんなことを」 ステラ「ステラ……ねむい」 シャニ「ねむーい」 アウル「ごめんねー、眠くってさあ! zzz」 ナタル「寝言か。理事、集まったのは良いですけど、彼らは聞く気が無いようですよ。中止されては?」 ネオ「艦長、やっぱり怖いんですか?」 ナタル「怖くなんかありません! アルスター二等兵、少尉達に水を掛けて起こしてくれ」 フレイ「分かりました(艦長まで壊れてきた)」 六馬鹿「ハックション!!」 ネオ「お前ら大丈夫か?」 オルガ「大丈夫なわけあるか! 寝てるとこ叩き起こして水掛けるとは何考えてんだ!」 シャニ「さむーい」 ステラ「ガクガク」 ナタル「このままでは風邪をひいてしまいます。これでは怪談は出来ませんね」 フレイ「(艦長のせいじゃ……)」 ムルタ「仕方ありませんね」 ネオ「残念ですな。お前らすまなかったな。暖かくして寝るんだぞ」 スティング「一体何だったんだ」 ナタル「ふう、助かった」 フレイ「艦長? どうしたんですか、溜め息なんかついて」 ナタル!「? いや何でもない。アルスター二等兵、ご苦労だった。今日はもういい。下がって休みなさい」 フレイ「はあ」 ナタル「明日もやると言ったらどうしよう」
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「……ルナ……ステラ……」 苦しそうな青年の声でまどろみから目を覚ます。またか、と心の中でつぶやく。 自分と向かい合うシートで仮眠を取っている青年は、この数年間生死や苦楽を共にしてきたパートナーだ。 そのパートナーが、自分の知らない女性の名をうわ言で口にするのに、少し胸が痛む。 青年とは、恋人でも、将来を誓い合った仲でもないが。 そんな仲ではないが――だからと言ってそのうわ言に少し胸が痛むのは、パートナーに対してかつての恩義だけではないものが自分の内にあるからだ。 とは言えこれまで青年は苦しげな寝言で、両親の事や男性名も口にしている。 恐らくは、失った家族やかつての仲間達、恋人の事であろう。 そして、それらの事が今のこの青年の原動力である事は理解している。 辛い過去は簡単に癒せない。そんな彼の辛い記憶に嫉妬するのは情けない。 そう思ったら、小さな嫉妬心は霧散していく。 それに―― 青年がうなされるのは、仮眠時に自分が近くにいる時のみの様だ。 「もしかして、少しは自惚れてもいいのかな?」 少なくとも自分と青年だけでなく、3人以上居る時は彼はうなされていない。 青年が一人で寝ている時は知りようもないが。 「……この馬鹿」 言いながら、青年の毛布を掛け直す。 「……辛いんだったら愚痴の一つや二つ、起きている時に言ってくれても構わないんだからね」 優しく青年の寝顔を見つめてながらつぶやく。 先程頭によぎった事を反芻する。 この青年とは、恋人でも将来を誓い合った仲ではない。そんな仲ではない――でも、いつかは。 そう、いつかその時が来る、と思いたい。そんなことを考えながら、自分も毛布を掛けなおし、眠りにつく事にし た。 (了)
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ハムワット 分類:ハムスターポケモン No.11-078 タイプ:でんき 特性:ほおぶくろ(相手の技でアイテムが破壊&奪取されない) せいでんき(接触技を受けると30%の確率で相手をまひ状態にする) 夢特性 ものひろい(対戦中に相手が使った道具を拾う) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 合計 ハムワット 80 80 85 55 85 53 428 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) じめん いまひとつ(1/2) でんき/ひこう/はがね いまひとつ(1/4) --- こうかなし --- 図鑑 1.ほおぶくろは だいじなものを しまって おくだけでなく でんきを ためこんで いっきに ほうしゅつし こうげきできる 2.はんしょくりょくが ひじょうに たかく つがいで かうと あっと いうまに ふえて しまうので きをつけよう 技 スパーク、雷、10万ボルト、電磁砲、エレキボール、放電、怒りの前歯、噛み付く、頭突き、ロッククライム、欲しがる 蓄える、飲み込む、吐き出す、充電、電磁波、甘える、鈍い、ド忘れ、仲間作り、眠る、寝言、いびき、あくびetc その他 新世代のピカチュウポジで黄色い毛皮とまん丸お目目のハムスターポケモン。ポジション自体はプラマイパチリスよりもエモンガ寄り ほおぶくろに気に入ったものをどんどんしまっておく習性があり、気がつけばほおぶくろがパンパンに膨れ上がって別の生物に見える位まで溜め込む 小さくて可愛らしいため愛玩用として飼う人が非常に多いが、つがいで飼うと凄い勢いで増えてしまうため、育てきれずに捨てられる者が多いとか… 高めの耐久と物理攻撃を持ち、耐久型として結構優秀な技がそろっているが攻撃面では一致物理技がスパークどまりなのに一致特殊がやたら豊富 特性はスカーフトリックや虫食いで木の実が食われるといった事態を防げるだけでなく、命の玉と同じようなバg・・・仕様で風船が破壊されないというメリットがある 名前 コメント
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第6話「旅行の夜に」 ……それは修学旅行二日目の夜のことだった。 修学旅行二日目の夜。同じ班になった私たち軽音部4人は旅館の部屋でダラダラとくつろいでいた トランプをするなり、テレビを見ているなりしているうちに気が付けば すでに時計の針は就寝時間の一時間ほど前を指していた もう明日は帰るだけか……と思いながら 名残惜しく窓の景色を眺めていると、私に突如いい考えが浮かんだ その考えを実行すべく、私は体の向きを変え 視線を窓の景色から軽音部の皆の方に移し、1つの提案をしてみたのだった 「……そうだ!みんな今日は徹夜で語り合わないか? こうやってみんなで夜通しで話できる機会も最後かもしれないしな」 「! それはいいね!私も今日はみんなとたくさんお話したい! ナイスアイデアだよりっちゃん!」 「私、徹夜で友達とお話しするの、夢だったのー♪」 「ちょっ……待てよ。帰るだけとはいえ、明日もあるんだからちゃんと寝とかないと体がもたないぞ。それに夜更かしは健康に良くないし……」 「……ふーん、そっかー。じゃあ澪抜きで今夜は語り合おうぜー」 「え!?」 「……や、やっぱり私もお話するー」 「うふふ」ニコニコ 「よーし、決まりだな! 今夜は夜通し語り合うぞー!!」 「「おー!!!」」 「お、おー……」 ……と、こんなわけで今夜はみんなで徹夜で語り合うことになったはずだったんだけど… 「zzz」グー 「……ムニャムニャ」スヤスヤ 「……むぎゅ」スピー 「……(なんでみんな電気消したら速攻で寝ちゃうんだよ!!)」パッチリ しかも私だけ全然眠くならないし。 昨日もそうだったけど、なんかいつもと違う環境だと緊張しちゃって寝づらいんだよなー (……今何時なんだろ)チラッ 枕元に置いておいた腕時計を拾い上げ、時計の針を見てみると、時刻は11時30分を示していた ……私の腕時計がこわれていなければ、もう就寝時間から30分ほど経っていることになる 私は力なく、はぁー…… と一つため息をつくと再び腕時計を枕元に戻し 布団に顔をうずめた 「……りっちゃん」 その時だった。突然、私の耳元に聞きなれた声が飛び込んできたのは。 「……! 唯隊員!起きててくれたのか!!」ガバッ 唯の言葉を聞き 私はすぐに体を起きあがらせる ……嬉しかったからだ。唯があの約束をしっかりと覚えてくれていたことが。 ……別に一人で寂しかったわけじゃあないぞ 「唯っ!! ってあれ……?」 「zzz」グー しかし上体を起こし唯の方を見てみても 私の視界には寝息をたて すやすやと気持ちよさそうに眠る、幸せそうな彼女の寝顔しか入ってこなかった 「……寝言かよ」 唯の言葉はどうやら自分の意思で発せられたものではない、と理解するのにそう時間はかからなかった 唯が寝ていると分かると、先ほどまでの気分の高揚は一瞬にして去り、私は引きずり込まれるように再び力なく自分の布団に倒れ込んだ 「……えへへぇー、もう食べられないよー…」 まったく幸せな奴だ。いつもティータイムの時に人一倍食べてるくせに、夢の中でもたらふく食べてるなんてな…… 「りっちゃんもケーキ食べるー……? …あげなーい」 ひどいな、オイ。もう食べられないんじゃなかったのかよ。 …まぁ甘いものは別腹なのかもしれないけど 私が心の中で一人で虚しく突っ込みを入れていると、そんなことにもまるでお構いなしであるかのようにさらに唯の口から強大なボケがかまされた 「……あぁ!りっちゃんが……! 足利尊氏に…首を…!」 「!?」 え!?急に場面変わったの!? てか夢の中とはいえ私何やったんだよ! 「……zzz」グー それきり唯の寝言は止み、部屋には再び静寂が訪れた 「……まったく、どんな夢見てんだよ」 突っ込みが追い付かないあまりに突拍子な寝言に半ば呆れながらも 私はまぶたを閉じ再び眠りにつこうとした ……しかしいくら目を閉じても、体勢をかえても、全くといっていいほど睡魔は私に襲い掛かってこなかった 数学や古文の授業ならすぐにでも眠れるのに……。 こういう時に限って全く眠れないことは非常にもどかしいことであった 「だー、もう!!」ガバッ あまりに眠れないことの苛立ちから、私は再び体を起こしてしまう 上体を起こすと ぐっすりと眠っている三人の寝顔がいやでも目に付いてきた くそっ……。すやすやと眠りやがって。 こいつら私の眠気まで吸い取っちまってんじゃねーか? そのまましばらく羨望の眼差しで皆の寝顔を見守っていると 私はあることに気がついた ……そういえば私あまりムギに触ったことないなぁ 唯とはいつもじゃれあってるし、澪にもよくちょっかいを出したり、叩かれたりしてるけど、ムギの肌に触れた記憶は私の中ではほとんどなかった 「……」 つまり、これってムギの肌に触れる絶好のチャンスなんじゃないか? うん。きっとそうだな 「とーう!!」シュタッ そんな適当な理由(?)で自分を納得させて、とりあえず私はムギのそばへ歩み寄り、ほっぺたをつついてみることにした 「うーん、やわらかそうなほっぺですなー、ムギさーん?」 ……我ながらおっさんみたいな台詞だなー、と思いながらもムギの頬を人差し指でつつく ツンツン。 頬をつつくと、想像以上にやわらかい感触が私の人差し指に伝わってきた 「おぉ……。マシュマロみたいにふわふわ……」 ツンツン。 あんまりつっつきすぎるとムギが起きてしまうかもしれないと思ったが、その後しばらく私はムギのほっぺをつつくことをやめることができなかった 別に寂しいからムギに起きてほしかったとかそういうわけではないけれど。うん。 「……あんっ///」 私がほっぺたをつつくのをやめたのは ムギがこの言葉を発したときだった え? 何この色っぽい声……? これじゃあ、なんかまるで私がムギといけないことしてるみたいじゃないか ……ん? ……ムギと…いけないこと……? ムギと…… 「……!!///」カァーッ 私が自分の布団に素早く戻ったのは そんなことを想像して顔に血が上ってからすぐのことであった ムギと……いけないこと……? そう考えた途端、私がムギとあんなことやこんなことをする妄想が次から次へと…… 「うわぁあああああ!!!」ガバァ 思わず私は布団をかぶり 妄想を払拭するために大声で叫んでしまう まさかムギのほっぺをつついただけでこんなにも気分が高揚してしまうとは……。 まったく恐ろしいぜ、ムギのほっぺ。 ある意味世界最強の武器かもしれないな そんなことを考えながらも、気分を落ち着かせるために とりあえず私は布団から出て深呼吸をしてみることにした スゥー、ハーッ…… スゥー、ハーッ…… 皆が寝静まっている静寂に包まれた部屋に 私の深呼吸の音だけがひびく …こんな夜中に一人で何やってるんだろう私…… 「……『深』夜に『深』呼吸…。 ……なんちゃって」 ……うん。思いついたから言ってみたけどひとっつも面白くねぇな。 自分でもそう思うわ。 どうやら私には駄洒落のセンスがないみたいだ でもそのくだらない言葉のせいで気分が大分落ち着いた気がした …まぁそれだけ駄洒落が寒かったってことなんだろうけど 「……はぁ、とりあえずもう一回横になるか」 眠気はさっきの事件のせいで完全になくなってしまっていたが とりあえずいつでも寝られるような体勢をつくっておくことにした それから一体どれくらいの時間がたった時だっただろうか 私が相変わらず眠れずに一人唸っていると 突然私の左腕が何かに掴まれる感触がした 「ひっ!? な、なんだ……?」 私は左腕を動かそうとしてみたが、その何かに結構強い力で掴まれ動かすことができなかった 金縛りか……? 私は恐怖を感じながら、恐る恐る視線を左腕の方に向ける 左腕を見てみると 何者かの手が私の腕を掴んでいた 「うわっ!手っ!? ……待てよ、ということは…」チラッ 「……やっぱり。澪の手か」 腕をたどっていくと すぐにその手の持ち主が私の隣で寝ている澪のものであることが分かった 2
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「あ、そうだ」 と、ローゼンが唐突に呟いた。 その呟きを聞いてピタリとその場に停止するラプラス。 「ねぇ、ラプラス君」 「なんです?」 「戦隊モノってどうおもう?」 いきなり何を聞いてきやがりますか? この馬鹿は。 と、ため息をつきつつ丁寧にも答えるラプラス。 「そうですね、私としては子ども達の良きヒーローだと思いますが よく悪の幹部と戦う時一対五と数の暴力を知らしめるモノだと認識しておりますが?」 「うんうん。そーだよね。後半の発言は無視するとして」 「……で? 何を考え付きやがりましたか? この馬鹿校長」 「ラプラス君。なんか僕に限って本音ポロポロ毀れてない?」 「しりませんよんなこと」 さっさと書類整理したらどうです? と、言いつつ自分のデスクに戻り書類整理を始めるラプラス。 「でさ、丁度(?)八人いるじゃない? いや、僕とラプラス君を入れたら十人になる訳で」 「なりますね」 「だからさ、五対五に分けて戦隊モノやらない?」 「……」 無言でデスクから立ち上がり、ローゼンに近づくとガシッと肩をつかむラプラス。 「寝言は寝て言え」 「ラ、ラプラス君?」 「いいですか? ロクデナシの馬鹿で阿呆な校長」 「う、うん」 「貴方の発案を実行したとしましょう」 「うん」 「被害とか被害に対する金銭的問題とか考えてみやがりください」 「………」 「雪華綺晶先生のみで考えてもです……校舎一部倒壊は免れないと考えられます それでですよ? 全員参加してみてやがりください。 校舎全壊に加え、荒野になること必須……校長の命も危ない そして……全壊した場合などの被害総額を全て貴方のポケットマネーで払ってもらいます」 ラプラスの言葉を聴いたローゼンは、「うん、やっぱりやめよう」と言って 素直に書類整理することにしたのだった。 終わり。
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その日、柊かがみは一人涙にくれていた。悲しみでも苦しみでもない、ある不吉な感情がかがみを支配して、涙が止まらなくなったのであった。 事の発端は、ある一本の電話からだった。それは、かがみが最も大切で最も好きな泉こなたからのものだった。携帯電話の受信表示画面を見て、心が躍る。泉こなたというその4文字の言葉。かがみを最も元気にしてくれる魔法の言葉である。 「もしもしー、こなたー?」 「やぁやぁかがみん、元気にしてるかね?」 「昨日会ったばかりだろ。」 いつものように、鋭い突っ込みを入れる。最近はつっこむことが快感となるくらい。受話器の向こうで、こなたが続ける。 「今日はかがみんに言いたいことがあってね・・・。」 「なぁに?」 「かがみん・・・大っ嫌い。」 思いも寄らなかった言葉に、思わず「はぁ!?」と声が出る。無理もない。自分が一番大好きな人にいきなり大っ嫌いと言われたら、誰だって信じたくないだろう。でももしかしたら聞き間違えかもしれないから、もう一回聞き直す。 「あ、あんた、今なんていったの!?」 「大っ嫌いって言ったんだよ。」 ピッ。 かがみはすぐに電話を切る。もう何がなんだかわからなくなって、携帯電話を放り投げる。床に落ちた携帯電話は、こなたからの着信を表すバイブレータで何回もふるえていた。 かがみはベッドにうつぶせになる。顔を枕で覆って、それっきり。目頭の熱を感じる。床に落ちた携帯電話は未だ鳴り続けている。うそだ。これはきっと悪い夢だ。 時計を見ると、まだ朝の10時。目覚めてそんなに時が経っていないのに、もう一度悪い夢を見るなんて。 昨日まですぐそばにあったぬくもり。そのぬくもりが自分の手からスルリと逃げていったような気がして、ますますこなたへの思いが膨らんでゆく。 「うっ・・・うっ・・・こなたぁ・・・。」 かがみの涙で枕が水分を吸って重くなる。泣けば泣くほど心が重くなっていくのは私と同じだわね、と思いながらもとまらない涙を枕に移してゆく。 たった少しでも、永遠のように感じる時間。出来ることなら、このままこの街を離れてどこかに行ってしまいたい。こなたに嫌われたら、もうこの街にいる意味などないのだから。 ようやく、床で鳴っていた携帯電話が止まった。かがみはそっとそれを手に取り、携帯電話の電源を切る。これで私たちはもうおしまいね。あきらめと、喪失感。それだけの思いで、電源ボタンを長押しした。 その数分後、かがみの部屋をノックする音が聞こえてきた。叩いた主は、つかさ。一番良い相談相手で、今までつかさに助けられた点も多い。 「お姉ちゃん、こなちゃんから電話・・・」 「今ちょっと出られないって言って!」 かがみは、つっけんどんに答えてつかさを返す。今は部屋の中にも、心の中にも誰にも足を踏み入れて欲しくない。じぶんだけの世界。ほんの数分前まではかがみとこなた、2人だった世界には今はかがみしかいない。 目に入ってくるのは、枕と、壁。壁をキャンパスにして、とろけそうな心の筆でこなたを描き出す。かがみの描いたこなたは、駅で会うときのように、笑顔で手を振りながら自分の方に走ってくる姿だった。 一通り描き終わると、すっとそれが消えてゆく。消えながら、こなたの言った最後の言葉が頭の中で響く。 「かがみん・・・大っ嫌い。」 何度脳内再生をしても、大っ嫌いが大好きに変わることはない。たった一言が、これだけ人を落ち込ませて悩ませるものだろうか。 ある作家は小説の中で「言葉は最大の武器だ」と人物に言わせていたが、まさに今のかがみは、その武器で打ちのめされたような状態。動きもなく、かがみの部屋の中だけ時間が止まったようだった。 「お姉ちゃん、こなちゃんからなんだけど・・・。」 つかさがノックもせずに部屋に入ってきた。悲しそうにリボンがくたっと垂れているところを見ると、相当かがみを心配しているらしい。 かがみは最初、さっきと同じように出てってと声を荒らげるが、つかさの悲しそうな表情を見て、すこし張りつめていた心の糸がほぐれていくような感じになった。 「こなた、何かいってたの?」 「それがね、お姉ちゃんが急に電話に出なくなるからって、心配してた。お姉ちゃん、こなちゃんと何かあったの?」 「な、何もないわよ。」 「お姉ちゃん、顔に全部出てるよ。」 鋭い。さすが小さい頃から一緒にいた姉妹だと思った。つかさには何も隠せないかもしれない。隠そうとしてもすぐにばれてしまいそうな気がして、自然と視線が下がる。 「こなちゃん、私が電話を切るときに、何か言いかけてたんだけど、なんていうか、のどに何かがつまっていて出ないと言うか・・・。」 「結局言わずにさよならしたんでしょ。」 「そうなんだけど、きっとこなちゃんもお姉ちゃんに伝えたいことがあるんじゃないかと思って・・・。」 「それならさっき聞いたわ。」 「えっ?そ、そうなんだ。」 同じ事を今更二度聞くこともない。こなたが私を嫌っていること。それをつかさに見抜かれないために、かがみがとった苦肉の策であった。 きまりわるそうに部屋を出ていくつかさ。また、部屋の中にはかがみ一人。小さいからだでも、大きすぎる存在。いかにもそれはこなただった。大きすぎて、私の中におさまらない存在。 一方のつかさは、明らかにかがみの様子がおかしいことに気づいていた。絶対うそをついている・・・予想は確信のものへと変換される。つかさは、もう少し姉の様子を見守っていようと決意したのだった。 先ほどと比べると、かがみの心理状態は徐々に安定に向かってきた。涙でぼやけていた視界も回復し、巣くっていた腫瘍も小さくなっているように思える。 気分転換に、とでも本棚からラノベを取り出して読み出す。1ページ、2ページ・・・。ページをおうごとに、抑まっていた感情が徐々にまた近づいてくる。遠くに行きかけたものがまた戻って来るというのは不気味なもので、一種のメランコリーとさえ感じる。 かがみは、本を閉じた。これ以上自分が何かに支配されるのが怖い。そして、堕ちてゆく自分が怖いから。 外は雨が降っていた。心の雨・・・そんなものかしら、今の私の心は。電話がかかってきたときには晴れ渡っていた空も、一瞬にして荒れた天気に早変わり。 知らない間に、かがみは睡眠に入っていた。泣き疲れとでも言うのだろうか。湿って冷たくなった枕によりかかって、スースーと寝息を立てる。 かがみが見ていた夢・・・それは、こなたと出会ってからの高校での思い出が一本にまとめられたVTRのようなものだった。一緒に夏祭りに行ったこと。黒井先生やみゆきさん達と車で海に海水浴をしに行ったこと。花火大会。 いつも私の隣にはあいつがいた。あいつがいなかったら、こんなに楽しい学校生活は送れなかったかもしれない。私とあいつは、クラスが違えど二人三脚。いや、それ以上の関係だったかもしれない。 「こなた・・・。絶対に離れないから・・・むにゃむにゃ」 かがみから知らない間に寝言が発せられる。できることなら、その寝言をこなたのもとまで届けたいくらい、切なくて甘い寝言。 しかし、その寝言を密かに聞いていた人がいた。そう、つかさである。かがみの様子が気になってずっと小さく開けたドアの隙間からかがみのことを見ていたつかさは、自分の携帯を使ってこなたにメールを打つ。 「お姉ちゃんは、こなちゃんと離れたくないそうです、と。」 メールを打つときはいつも敬語になってしまう、と前々から言っていたつかさが、敬語でこなたにかがみの素直な気持ちを伝える。悩んでいるのはかがみだけではない。 つかさだって、かがみのこういう面は今まで見たこともなかったし、見ていて気持ちのいいものではない。一刻も早くいつものかがみが戻ってきてほしいと願いながら、送信ボタンを力一杯押した。 心臓の鼓動が早くなる。お姉ちゃんはきっと、心のどこかでまだこなたを愛しているはずだ、というつかさの心理が、自然と行動に表れる。 「(今のお姉ちゃんを救えるのは私しかいない。)」 自然と、携帯電話を持つ手に力が入る。その瞬間、バイブレータが細かく振動する。メールが来た合図だ。画面を開いて、内容を見る。そこには、たった一行の言葉。 「すぐ行くから待ってて。」 それを確認したつかさは、黙って携帯電話を閉じる。つかさはもう黙っていることに決めた。後は時間の成り行きに任せるだけだな、と。 一方のかがみは、まだ夢の中にいた。教室でいっしょにお弁当を食べながら楽しく雑談をしたこと。黒井先生の前で「だらしなさは担任に似た」といい気まずい空気をつくってしまったこと。印象に残っているものはよりはっきりと、頭の中を流れていく。 大嫌いといわれても、やっぱり私はあいつが好きだ。嫌われたって、辛抱強く付き合っていけば必ず実を結ぶ。さっきは、ショックが大きすぎて自分からあいつをシャットアウトしてしまったけど、私の正直な気持ちを伝えられれば、向こうも気が変わるかもしれない。 かがみは目を覚ました。体を起こして、一回伸びをする。大分寝たような気がするなぁと思いながら、床に起きっぱなしの携帯電話を手に取る。電源を入れると、そこには不在着信4件の表示。ため息を一回つき、携帯電話を閉じる。 「こなた・・・私のところに戻ってきてくれればいいのにな。」 「戻ってきたよ、かがみん。」 小さく開いたドアの向こうで声がする。とっさに振り返ると、視線の先には小さいからだのこなたがいた。その奧には恥ずかしそうにするつかさ。 「こ、こなた、どうしてここに・・・。」 「私がかがみんのピンチに駆けつけないわけないじゃん。」 「だ、誰がピンチなのよ・・・。」 「かがみん。」 「何?」 「・・・私が本当にかがみを嫌いになったと思う?」 「そう、言ってたじゃない。さっき、電話の向こうで。」 「今日は、何月何日?」 「何よ突然。4月1日じゃ・・・え?ちょっとあんた、もしかして・・・。」 「かがみん、見事に引っかかったねぇ。」 「だ、だましたのね!」 「かがみん、エイプリルフールの日に、私が大っ嫌いっていった意味、わかった?」 「こなた・・・。」 かがみの目には涙が湛えていた。うれしさとよくわからない感情が入り交じって、それが涙となって出てきたような感じだ。 かがみは、目の前のこなたを力一杯抱きしめる。子供のように、堰を切ったように泣きじゃくりながらこなたを抱きしめる。 「き、きついよ、潰されそうだよ、かがみん。」 「こなたなんか、大っ嫌いなんだからああ!!!うっ・・・うっ・・・うわあああああ・・・・。」 「か、が、み・・・。」 再開を喜ぶ二人から少し距離を置いたところで、つかさは今の二人にもっとも似合うであろう歌を口ずさんでいた。 「呼んでいる 胸のどこか奧で いつも心躍る 夢を見たい かなしみは 数え切れないけれど その向こうできっと あなたに会える・・・」(いつも何度でも/木村弓)