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再帰的近代化 「再帰的近代化」ってなに?(立命館大学高橋秀寿教授) http //www5b.biglobe.ne.jp/~hidejyu/Refrexive.htm 上記ページより「現代社会の変容と課題を理解するためには非常に有効な概念。」 ウルリッヒ ベック, アンソニー ギデンズ 他著:「再帰的近代化―近現代における政治、伝統、美的原理」 http //www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4880592366 環境問題など社会問題への対応を考える際に、近年、CSR(企業の社会的責任)や、NPO・市民活動が重視されるようになっている。また同様に、法規制だけでなく、協定や協働による自主的取り組みが重視されるようになっている。以前の公害対策等では重視されてきた、行政による規制手法が、現在は下火になってきている。 それには、社会情勢が変化し、単なる規制では有効な手段とはなりえない状況がでてきているためである。 そのような社会的な変化を説明する考え方として、。世界的な社会学者である、アンソニー・ギデンズやウルリック・ベックらによって、「再帰的近代化」という概念が提唱されている。 イギリス労働党のブレア政権も、この「再帰的近代化」の思想を受けて、新しい政策の実施を進めてきている。容器包装リサイクル法の改正においても、再帰的社会の視点をふまえた調整がなされており、今後の施策を考えていくにあたっては、欠かすことのできない視点となっている。 (1) 「再帰的近代化」の位置づけ 「再帰的近代化」とは、封建時代の伝統社会から近代社会へ進んできた中で、近代社会が様々な問題に直面し、これを克服しようとする動きの中で表れてくる変化である。現代は、いわゆる近代社会から、次のステップである「再帰的近代」へと模索をしている段階にある。これからの社会変化のあり方を示すものとも言える。 (2) 自由重視社会と福祉国家社会 これまで、「近代社会」は、自由や民主主義を追及する形で発展してきた。18世紀以前の封建社会にくらべれは、職業選択の自由、言論の自由、個人の権利などが保証され、経済も大きく発展するのに貢献してきた。 しかし一方で、個人の自由や市場が拡大した結果、新たな貧富の格差が表れたり、環境問題や社会的疎外などの市場では扱いきれない問題が深刻になってきた。このような社会問題を解決するには、自由経済に任せるのでは不十分で、政府の介入が必要だということで、先進諸国は大きな力を持つ政府による「福祉国家」を目指してきた。多額の税金を徴収する一方で、失業対策や、保険制度、各種の福祉政策などが整備されてきた。また公害などの社会的悪に対して、政府が規制を活用して対応する動きも、大きな政府の動きとして位置づけられる。 しかし、「福祉国家」を目指す動きは、政府機構の肥大化、行政システムの硬直化ももたらした。また、高福祉のシステムに対する人々の依存を強め、自立性や活力が失われてしまうことになった。さらに、これらの問題は国家財政の危機として表れてきた。欧州では、失業者への援助が、労働の必要性を低下させ、さらに失業者を増やす要因としても認識されるようになってきた。 1980年代にはいって、先進諸国は財政健全化のためにこれまでとは逆に小さな政府を指向し、行政サービスの民営化、市場化による改革を進る動きが活発化した。イギリスのサッチャー政権における民営化の動きなどがその代表例である。自由を尊重して、規制などの政府の介入をしないという方向もあわせて出てきている。 ただしこれは改革とは言っても、歴史的な流れの中で行ったり戻ったりしているに過ぎない。単に自由を重視したからといって、問題が解決するわけではなく、また同じ問題が引き起こされるだけである。 (3) リスク社会 一方で、科学技術の高度化・産業化により、化学物質、原子力、大量破壊兵器など様々なリスクへの対応が求められるようになった。これらのリスクは増大する一方であり、必ずしも国や企業など、所属する組織で対応しきれるものではなくなっている。対応しきれないリスクは、直接個人にも降り掛かり、個人の自己責任が求められるようになった。このような社会の姿は、常にリスクを背負いながら生活することを余儀なくされる点で、「リスク社会」として捉えられるようになった。 技術が多様化されることにより、一面的な規制をしていると柔軟性に欠けてしまい、効率的な技術発展が阻害されてしまうという面もある。そのため規制を撤廃する動きがある。しかし、2005年末から話題となっている建物の耐震性能偽装事件では、耐震基準の審査を民営化したために、偽装が見抜けずに、巨大な不良建築物が建ってしまう事態となっている。この偽装事件では、マンション購入者に対して補償をすることが早急に決まったが、業者の責任であるとか、場合によっては安く購入した住民にも責任があるといった主張もある。国がリスクを負えない場合には、個人にもそのリスクがふりかかってくる例である。 個人の自由も、リスクに対する自己責任とセットで渡されるようになっている。 (4) 近代化による問題を克服する「再帰的近代化」 社会学者のアンソニー・ギデンズらは、前述のような問題は、近代化が不十分であることによるという考え方に立っており、こうした従来の「近代」を「単純近代」と呼んでいる。誰もが自由を主張し、自らの問題として考えない状況では、社会問題は解決できない。 そして、近代社会が自らもたらした問題を、自ら解決していこうとする近代化のプロセスとして「再帰的近代化」を提唱している。「再帰的」とは、再び自分に向けられるという意味である。現在起っている問題について、誰か別のところに原因や対策・変革を求めるのではなく、自らと対峙して変革をしていく、もしくはそうせざるをえないことを示している。 ここに、環境問題などの社会問題をたらした原因者が、問題に直面し、問題解決に取り組むという考え方がある。 (5) 経済と環境の連関 環境問題との関連では、これまで環境と経済とは対立するものとして捉えられがちであったが、近年では「環境と経済の統合」という概念が広まりつつある。市場や経済活動そのものに、環境の価値を組み込むことで、環境調和型に変えていこうとする考え方である。 廃棄物問題に対応してEPR(拡大生産者責任)の考え方に基づいて、製造者に回収・リサイクルの実施やそのコスト負担を義務づけるなどの制度づくりが各国で進められている。一方、すべての責任・コストを製造者に負わせることは、経済効率的ではないことなどが問題とされるようにもなっている。これに対し、製造者→流通→消費者→回収・リサイクル業者→再商品化業者といった、物の流れに沿った多様な主体の間で情報交流を進めつつ各主体による取り組みを進めることで、物流を最適化するサプライチェーン・マネジメントの考え方も広まっている。このような考え方は、日本における容器包装リサイクル法改正案においても、形式的なEPRよりも、リサイクルの高度化や、企業による自主的な取り組みと報告・公表のしくみを重視するなどの形で表れている。 欧州では、大量失業者問題に対応して、企業がCSRの取り組みにおいて、雇用の創出を重視している。ホームレスなどの問題に対しても、援助よりも雇用を通じた自立を促す、社会的企業、コミュニティ・ビジネスの取り組みが広がっている。 雇用創出などは、行政が行うよりも、本業で行っている企業のほうが得意な分野である。ただし、既存の「近代化」のように自己利益のみを追求する企業であるならば、過去起こされた問題が引き起こされるだけである。企業としても、本質的に社会を考える体制が整っていないと、「再帰的近代化」による解決へは向かわない。 (6) 市民活動のありかた 市民運動も、かつては公害企業の告発や政府への要求などが中心であった。これからは、人々が環境問題の原因者としての自覚を持ち、自らの行動やライフスタイルを変えられるように促すための市民運動がより重要となると考えられる。
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2006年5月10日 鈴木靖文 環境省の廃棄物情報 環境省の廃棄物・リサイクル対策課http //www.env.go.jp/recycle/ には見ていて面白いレベルの情報が掲載されるようになっています。 産業廃棄物業者情報検索システム http //www.env.go.jp/recycle/waste/sanpai/ 産廃業者は都道府県やおおむね30万人以上の市が許認可していますが、1週間遅れ程度でデータベースに入り、結果が表示されます。 最新の許可件数一覧表と、個別業者の連絡先、許可番号などがわかります。(許可されている業者なのかチェックできます) 一般廃棄物処理実態調査 http //www.env.go.jp/recycle/waste_tech/ippan/index.html 毎年各市町村からの結果を集計しているものです。年度が終わって1年半ほどしてから出てきますので、現在は平成15年分が最新です。 以前は全国集計だけだったのですが、市町村別に処理統計、分別収集方法などが表示されるようになっています。 海外の廃棄物処理状況 http //www.env.go.jp/recycle/waste_tech/kaigai/index.html アメリカ合衆国、EU、ドイツとの比較が整理されています。法制度の違い、排出量や分類の違いなど、参考になります。
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見学記録 作成:野瀬光弘(6月12日) 〒627-0143 京都府京丹後市弥栄町船木小字キコリ谷301-1 京丹後循環資源製造所 1.NEDOの委託事業(ホームページより) 太陽光、風力といった自然エネルギーを利用した分散型電源では、発電量が安定しないため、系統側に影響を与える可能性があり、本格的な導入には、この課題の克服が必要となる。そこで、新エネルギーの導入拡大とともに、高品質な新エネルギー導入に有効な知見を得るために、本実証研究では、変動電源である太陽光発電や風力発電設備とその他の新エネルギー等を適正に組み合わせ、これらを制御するシステムを作ることにより、実証研究地域内で安定した電力・熱供給を行うと同時に連系する電力系統へ極力影響を与えず、かつコスト的にも適正な「分散型エネルギー供給システム」を構築し、供給電力等の品質、コスト、その他のデータを収集・分析を行う。 この実証研究では青森県八戸市の「水の流れを電気で返すプロジェクト」、愛知県瀬戸市・常滑市の「2005年日本国際博覧会・中部臨空都市における新エネルギー等地域集中実証」、京丹後市の「京都エコエネルギープロジェクト」の3件を採択しており、平成15~19年度にかけて事業は進められる。 2.京都エコエネルギープロジェクト (1)実証研究の目的(パンフレットより) 風力や太陽光など環境への負荷が少ない自然エネルギーの普及に大きな期待が寄せられている。ところが、風力・太陽光発電は気象条件によって発電量が不安定になるなどの課題があり、本格的な普及には需要に応じた電力供給システムの構築が不可欠といえる。このプロジェクトでは、気象条件に左右される風力・太陽光発電と制御可能なバイオガス発電(ガスエンジン、燃料電池)による新エネルギーを組み合わせ、需要に応じて安定的に電力・熱供給を行う。 (2)プロジェクトの概要 京都府、京丹後市、アミタ、富士電機システムズ、大林組、日新電機、野村総合研究所が共同で実施するプロジェクトで、研究対象とする地域の需要家の電力消費量に追従する制御可能なガスエンジン、所内負荷への一定の電源供給と熱供給をする燃料電池からなるバイオガス発電と気象条件に左右される太陽光発電や風力発電の変動分を補償する二次電池を組み合わせ、連系する電力系統にできるだけ影響を与えずに安定的に電力や熱を供給する実証研究。プロジェクトの全体像と各主体の役割は以下のとおり(図は省略)。 (3)太陽光発電システム 公共施設2か所に、計50kwの太陽光発電設備を設置している。平成19年度までかけて天候、気温、時間帯によって変動する電力需要を予測する手法を研究する。 (4)風力発電システム 京都府の太鼓山風力発電所に隣接した森林公園スイス村に設置している。ここは良好な風況が期待される場所だが、乱れの強い風が吹くことから、プロペラ型風車ではなく、無指向性で山岳地域における大きな風エネルギーを高効率で電気に変換できる50kwの「直線翼垂直軸型風車」を導入した。 3.京丹後循環資源製造所 (1)システムの概要 バイオガス発電システムは、食品廃棄物からメタンガスを取り出し、それを使ってガスエンジン発電機、燃料電池を運転する。施設の概要は下図(省略)のとおりとなっている。食品工場残渣は水分によって量が変動することから幅が大きい。 (2)設備の特徴(パンフレットより) ①バイオガス発生設備 前処理設備、メタン発酵設備、ガス貯留設備、残渣処理設備、廃水処理設備に大別される。このうち、前処理設備では、原料となる食品廃棄物を破砕し、メタン発酵設備でガスの生産が行われる。ガスは、空気を遮断すること、有機物と嫌気性細菌が混じり合うこと、適度な温度を保つことという条件を整えれば発酵する。ここで発生したメタンガスは、ガスホルダーと呼ばれる貯留設備に貯められ、ガスエンジン発電機、燃料電池に供給される。 一方、メタン発酵処理された食品廃棄物は、残渣処理設備において、脱水機で固形分が分離され、乾燥機を通した後で場外に搬出される。また、脱水機で分離された脱離液は廃水処理設備へ送られ、有機物、窒素、リン、色等が処理され、河川に放流される。脱離液など124トン/日を処理して、75トン/日を河川に放流しているが、厳格に管理することで規制値はクリアしている。 ②ガスエンジン発電機 80kwの発電機5台を導入しており、メタンガスを燃料として、自然エネルギー発電電力の変動と需要変動を吸収し、需給調整を行うために、台数制御及び出力設定値制御で運転されている。発電効率は単独で28~29%だが、熱利用も含めると約60%に達する。 ③燃料電池 導入したのは、溶融炭酸塩形燃料電池で、250kwの発電容量を持っている。特徴としては、発電効率が45~60%と高いこと、運転温度が600~700℃と高く、熱利用の幅が広いこと等があげられる。排ガス中の窒素酸化物は1ppm以下、硫黄酸化物はほぼゼロで、騒音や振動が少ないといった面で優れている。ところが、出力を簡単に制御できない、コストが高くつくという欠点もある。 (3)有機性廃棄物 食品工場残渣は京都府北部(舞鶴、福知山など)、兵庫県北部(和田山など)、京都市伏見区の7~8社からコーヒーかす、おから、油揚げ、緑茶の絞りかす、ジャガイモの皮などを入荷している。将来的には京丹後市内の一般家庭から厨芥ごみを集めて投入するプランがある。メタン発酵後の残渣は、バイオガスボイラーで乾燥し、脱水ケーキを加えて水分調整してから2ヶ月かけて堆肥に加工する。農業試験場に依頼して1ヶ月に1回は成分分析を行っており、京丹後市内の農家で土壌改良材として実験的に投入してもらっている。 4.見学者への対応 操業を開始した平成17年11月から18年5月までで約1,000人が訪れたが、業界関係者が最も多く、環境学習の一環で京丹後市の小学生がやってきたこともあった。単なる施設見学にとどまらず、周辺のレジャースポットを楽しんでもらうことも合わせて、観光の一環というとらえ方をしている。見学に当たり、市の担当者からは観光パンフレットを受け取った。なお、今後は地元の老人会、婦人会といった様々な団体の来訪が予想される。 5.感想 風力や太陽光は自然エネルギーとして有用だが、出力が天候に左右されるために安定しないという問題があった。今回の施設は、バイオガス発電と組み合わせて需要を予測しながら安定的に供給しようという趣旨で作られており、目的意識が明確でわかりやすく感じた。これまでのところ大きな事故もないようで、実証実験が終わった後も運用を継続できる仕組みは整っている。あとは、施設の規模が大きいだけに運転コストをどのようにまかなうかが課題となるだろう。京都府北部から、福井県、兵庫県まで幅広く食品廃棄物を集めるとともに、京丹後市の厨芥ごみもメタンガス発酵に投入できれば、安定的に運用できると考えられる。 <参考ホームページ> (1)http //www.pv-kansai.com/topics/003.html(PVかんさい) (2)http //www.nedo.go.jp/informations/press/171118_1/171118_1.html(新エネルギー・産業技術総合開発機構)
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た ち つ て と
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関西二府四県限定ですが、GoogleMapを使って、お住まいの市町村から出るごみが、どこで処理され、最終的にどこに埋め立てられるのかを、みることができるページを作成しました。学習用に、リンクを張るなど、ぜひご活用下さい。 ふだんはみることができない、焼却施設、リサイクル施設、最終処分場など、ワンクリックでズームしながらジャンプして、航空写真から確認することができます。 また、2012年の廃棄物処理量データもあわせて掲載がされています。 府県と、市町村を選んでから表示するようにしていますが、URLでは市町村IDを指定しているだけでですので、お住まいの市町村固定で表示させることも可能です。 http //gomi.tank.jp/ 府県と市町村を選んで「表示する」ボタンを押すと、焼却施設や最終処分場のボタンが表示され、上空からの写真を表示することができます。ズームイン・アウトなどスムーズ移動ができるようになっており、ごみが移動している流れを追うことができます。 京都市 http //http //gomi.tank.jp/?c=26100 大阪市 http //http //gomi.tank.jp/?c=27100 神戸市 http //http //gomi.tank.jp/?c=28100 ※画面デザインは随時変更しています。こんな形になったら使いやすいという意見があれば、教えてください。
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週刊循環経済新聞(2007年2月5日) 木材情報260 大需要時代の新たなリスク 燃料チップを大量に使用するボイラが定期的なオーバーホールで施設を休止するときは、需給とともに年間スケジュールに入れてあることもあり、双方である程度チップをストックするなどの対策を講じて需給バランスを調整する取組が進めやすい。しかし、ボイラのトラブルなど不足の事態が発生したときの対応まではできていないのが現状だ。 バイオマスボイラで起こりうるトラブルも、そもそもボイラ自体の問題だったり、燃料チップに混入した異物が原因だったりさまざま。トラブルの程度にもよるが、ボイラを修理する場合、たいていはいったんストップさせてから作業をする必要に迫られる。フル稼働状態に戻すには、少なくとも1ヶ月以上はかかるといわれる。 東日本では昨年末、大口需要施設の一部が止まった影響で燃料チップの行き先が狭まってしまい、廃材量が落ち込む時期に入っているにもかかわらず、工場によっては受け入れ制限をしたところもあったという。取り扱うチップの量が大きな分、需要家が止まった場合のリスクも大きくなることは以前から指摘されていたが、実際多くのチップ業者が影響を受けた。 燃料チップは若干質の落ちる廃材、とくに建物解体系の廃木材のリサイクル用途として大いに期待できるが、その製造過程まで質を落とす必要はまったくない。チップに混入した異物もボイラで使用する際のトラブルの一因であることから、出口を自らで狭めないためにも、チップ製造現場では異物、特に金属類の混入にいっそう注意を払っていかなければならない。 ※これまで何度も指摘されていることの繰り返しです。廃棄物データシートを契約時にきちんと交わして、問題が起こらないようにするなど前もって何らかの対策を講じる必要があります。 週刊循環経済新聞(2007年1月29日) 木材情報259 伸びる需要堅調な需要 2005年度の建設発生木材再資源化率は約68%、前回調査に比べて7ポイント伸びたことを重視するか、いまだに7割に満たない再資源化率の低さを重視するか、指揮者によっても議論の分かれるところだ。それでは、建設発生木材の再資源化の内訳はどうなっているのか。今回は、05年度建設副産物センサスの施設調査で行われた建設発生木材の再資源化用途内訳が、国交省の建設リサイクル推進施策検討小委員会の資料にて公表されていたので紹介する。 05年度における再資源化用途の内訳は、パーティクルボード用が約42万トン、製紙(板紙)用が約44万トン、燃料用が約120万トン、堆肥が約40万トン、敷料が約26万トン、マルチング材が約8万トン、その他の用途が約29万トンとなっている。 このうち、今後大幅に伸びそうな分野はバイオマス燃料用途とパーティクルボード用途。大型木質ボイラの新設ラッシュを控えていることに加え、ボード原料も年々建設発生木材のウェイトが増えている。ボードメーカー中心に取引をしているチップ工場の担当者も「破砕機投入前の選別を徹底すれば、ボード原料に使える材は相当量確保できる」と語る。両分野がチップ需要をけん引していく流れは今後本格化するだろう。 一方、製紙用とは品質に厳しい基準があること、堆肥や敷料用途は動植物に対して使用するもので塗料や金属類の混入はご法度であるから、再資源化が困難だった材の受け皿とはなりにくい。しかし、これらの用途は需要が根強く存在するので、今後も古参チップ業者を中心に堅調な需給が続くとみられる。 ※ボード類は合板が高騰しているから増える可能性はありますが、加工過程で多大なエネルギーを投入するのであまりおすすめできません。質のバラツキが多い特性を活かすなら燃料用をメインにした方がいいでしょう。 週刊循環経済新聞(2007年1月22日) 木材情報258 センサスの結果を業界はどうみる? 昨年12月に国土交通省が行った「05年度建設副産物実態調査」(建設副産物センサス)の結果が発表された。05年度における全国の伐木材・除根材を含む建設発生木材発生量は約470万トンで、縮減された文を除いた再資源化率は68.9%だった。再資源化率は前回調査(02年度)と比べて約7ポイント向上している。廃木材の「縮減」はほとんどが焼却処理で、縮減率は22.5%で前回調査から約6ポイント減少したが、処理方法として依然根強い結果となった。 この結果について、チップ業界では「再資源化率がまだまだ低い状態。業界としてもっとリサイクルを啓発していく必要がある」としている。チップ業界は国の関係各省に対して、廃木材の再生利用を加速させる制度改正の要望が今後いっそう強まっていくだろう。また、一部の県ではいまだに再資源化率が半分に満たないところもある。このような地域にあるチップ業者が負担にならない需給の調整が今後求められるだろう。 2005年はチップ工場の新設も相次ぐなか、どの工場も拡大する受け皿に備えて生産量を増やしているところが多かった。多くのチップ業者が統計の数字と現場の状況にずれを感じるところだが、考えようによっては、05年度は建設発生木材の再資源化が発展期に移った端境期だったという見方ができる。 一方で、バイオマス発電施設を中心とした大口需要家の稼働状況次第で、再資源化率も大幅に向上すると予測する有識者も多い。チップ製造現場での感覚と統計に出てくる数字が一致するのは、次回調査以降なのかもしれない。 ※※調査のベースが工事現場単位なので、チップ業者の思うような数字が出てくる可能性は低いといえます。いずれにせよ、地域ごとの再資源化率の違いは何に起因しているかは調べる必要があります。 週刊循環経済新聞(2007年1月15日) 木材情報257 明らかになる課題 行政との連携重要に (前略) 昨年以降チップ業界では、建設廃木材以外の未利用木質資源の再資源化に向けた議論が活発に行われている。未利用材の内容も、事業系一般廃棄物扱いの物流パレットや間伐材に加え、剪定枝、花粉症対策で伐採されるスギ材や三宅島の火山ガス枯損木なども議論の対象になった。とくに剪定枝チップは、これまでの家畜用敷料や堆肥化に加え、燃料として使う動きもある。未利用材を再資源化する上で、産業廃棄物扱いにならない木質資源を産廃処理業者としてのチップ業者が処理する場合の法的取扱が課題となる。 チップユーザーからの要請も高まってきている。燃料チップユーザーから、チップ品質管理に関する要望を耳にすることが多くなってきた。また、ボード業界などマテリアルチップユーザーは、需要が燃料用途に飲み込まれる危機感から、良質なチップはマテリアル用途に搬出することを強く求めている。チップの品質管理、マテリアルとサーマルのチップ需給バランス確保にかかる課題の解決策のひとつとして、木質チップの品質規格化が期待されている。現在暫定版扱いにとどまっているチップの品質基準をJIS基準化することで、製造現場と使用現場での品質管理がしやすくなるとともに、チップ用途の「適材適所」の一助となるはずだ。 (後略) ※事業系一廃と産廃の木くずの区分は業者の利権が絡んでおり、現実にはすんなりといきません。本来は有害か無害かで分けた方がわかりやすいのですが…。