約 1,297,004 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/60277.html
【検索用 ねむれぬよるのおひめさま 登録タグ 2010年 UTAU ね トランスパンP(KOWIN) 曲 曲な 紫苑ヨワ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:トランスパンP(KOWIN) 作曲:トランスパンP(KOWIN) 編曲:トランスパンP(KOWIN) 唄:紫苑ヨワ 曲紹介 夜中に月を見て殿方を想うお姫様な曲 曲名:『眠れぬ夜のお姫様』(ねむれぬよるのおひめさま) 歌詞 (動画より書き起こし) あなたの居ない部屋で 声を枯らしては 零れる雫 枕を濡らした 眠れない夜に月を眺めては あなたの声が聞きたくなるの 優しい言葉で囁いてほしい 少しだけ我儘言ってもいい? 今すぐ私を抱きしめてほしいの お願い 切ない夜から私を連れ出して 冷たい夜風が頬を撫でるたび あなたの温もり恋しくなるの 一人だけの夜 あなたの居ない部屋は 私のことを淋しくさせるの もう一度あなたに逢いたい… 叶えてよ お願い 星空見上げて祈りを捧げてた 眠れない夜に月を眺めては あなたの声が聞きたくなるの あの日からずっと変わらない想い 伝えたいから逢いに来て欲しい 今すぐ私を抱きしめてほしいの お願い 切ない夜から私を連れ出して コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/seizade801/pages/324.html
カラスは言った。 「牡羊。愛してる」 俺がここに残った理由は、牡牛を助けるためだった。 それは間違いだったのか。いや正しかったのか。 俺はカラスを助けてやることができる。そうカラスに言ってやりたかった。 しかし俺は好きな相手には照れくさくなっちまうタイプなので、赤くなって黙り込 むしかなかった。 カラスは優しい目をしている。 「これで一人はぼくの味方だ」 そして、牡牛は不思議そうに俺を見ている。 「本当に、あんなひとことで良いのか」 俺のほうは、苦しい気分で牡牛を見上げた。 「牡牛が嫌になったわけじゃない。家族のみんなも敵だなんて思いたくねえ。でも今 の俺は、カラスを助けたいんだ」 「カラスのために、俺を攻撃できるか?」 それについては、俺はしっかりと頷いた。 俺は牡牛と戦える。たとえ牡牛が家族でも、友達でも。今の俺にとっては、いちば ん大事なのはカラスだから。 カラスは俺にこう言った。 「じゃあ戦ってくれないか。僕のために」 カラスは俺の能力を知らない。だから万が一の安全のために、俺に魅了をかけたの だろう。 それで正解だ。俺の力は戦いに向いてる。 俺は牡牛に念を放ち、ゆっくりと持ち上げた。 あとは地面に叩きつけるだけ。仕方が無い。これは仕方が無いんだ。 宙に浮いた牡牛は驚いていたが、両手を前に差し出すと、身をかばおうとするよう に、自分のからだを抱きしめた。 いや、ちがう。 取り寄せたのだ。カラスを。牡牛は空中で、カラスを抱きしめていた 混乱する俺に牡牛は告げる。 「俺たちを下ろせ牡羊。ゆっくりと」 続き
https://w.atwiki.jp/lilac1885/pages/20.html
脳漿炸裂ガール 作詞 れるりり 作曲 れるりり 編曲 れるりり 唄 初音ミク・GUMI(オリジナル ver.) 鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ(セルフカバー ver.) 自問自答 無限苦言ヤバイ 挫傷暗礁に乗り上げている 前頭葉から新たな痛みを 共有したがる情報バイパス 収束できない不条理 スク水 吐瀉物噴出 妄想デフラグ 前方不注意 顔面崩壊 どうでもいいけどマカロン食べたい 諸行無常のリズムに合わせて ワンツーステップで女子力上げれば ゆるふわ草食 愛され給うて そう仰せにては候えども 就職できない無理ゲーパスして 面接ばっくれ交渉決裂 携帯紛失 精神壊滅 (※自律神経に問題があるかもしれません) ペラペラな御託並べちゃって 結局♂♀ 凹凸 擦って気持ち良くなりたいだけなら その棒のようなもので私を殴って 紅い華が咲き乱れて 私は脳漿炸裂ガール さあ狂ったように踊りましょう どうせ100年後の今頃には みんな死んじゃってんだから 震える私を抱きしめて もっと激しく脳汁分泌させたら 月の向こうまでイっちゃって (※この電話番号は・・・現在使われておりません) 一問一答カリスマ弁護士 How-to 本を売り上げている スタバでキャラメル濃いやつ頼んで ドヤ顔したがる東京バイアス 量産アイドル一蓮托生 お祭り道化師 恋愛 NG 子悪魔メイクで触覚生やして 3時のおやつはマカロン食べます スラップベースの刻みに合わせて ハラキリ フジヤマ ゲイシャが唄えば 思わず女子会 飛び入り参戦 スイーツ目当てでツイート控えめ 二次会 焼肉 五反田 ググって情弱ウイルス感染 薄型ガラケー2年で解約 (※暗証番号をもう一度お確かめください) 手招きされて尻尾振ってる 従順な子犬みたいな可愛さは最初から求めてないから その麻縄で私の身体を縛って マルキ・ド・サド 枕仕事 私は脳漿炸裂ガール さあ狂ったように踊りましょう どうせ100年後の今頃には みんな死んじゃってんだから 今すぐ私を抱きしめて もっとびしょびしょ脳内麻薬に溺れて 宇宙の彼方へ漕ぎ出して さあ狂ったように踊りましょう きっと100年後の私は 美少女に生まれ変わってるはずだからさ 古くさい身体は脱ぎ捨てて もっと激しく脳汁分泌させたら 月の向こうまでイっちゃって
https://w.atwiki.jp/fvocadata/pages/36.html
【検索用 ほくらはくらやみにきえてゆく 登録タグ きらきらキウイ ほ オリジナル曲 可不 曲ほ 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 こちらのページは 架空の曲のページとなっています。 作詞:きらきらキウイ 作曲:きらきらキウイ 唄:可不 曲紹介 曲名:『僕等は暗闇に消えてゆく。』(ぼくらはくらやみにきえてゆく) きらきらキウイ氏の冬の連続投稿43作目。冬が終わる際に非公開にされる予定だったが、氏の初めての殿堂入り作品ということもありファンからの思い入れが強く、そのまま残ることになった。 とある界隈で、この曲をBGMにして雪の上を走り回る動画を投稿するのが流行した。これについてきらきらキウイ氏は「くだらねぇ」と語っている。 歌詞 嗚呼、凍つる風 吹き抜ける寒さ 静寂が広がる冬の夜空 遠い未来が霞むその向こう 僕らは何処へ向かってゆく? 白い息が宙に浮かぶ 足跡を残す 白い雪原 遠くに見える星の光 希望を見つけるために! なぁ、氷点下の世界に描かれた 寂しさと憂いが響く 僕等は暗闇に消えてゆく 未来への道を切り開く いくつもの夜を越えて 歩み続ける、その意味は何? 凍りついた心に響く 静かな声が示す未来 時が止まったような世界で 夢が凍りつき 悲しみに包まれても 心の中に煌めく光があればいい 僕らは進んでいける? 氷点下の世界に描かれた 寂しさと憂いが響く 僕等は暗闇に消えてゆく 未来への道を なぁ、氷点下の世界を越えて 凍った心を解き放つ 僕等は暗闇に消えてゆく 未来への憂いを抱きしめて 凍つる風、吹き抜ける寒さ 未来への憂いを、抱きしめて。 こちらのページは 架空の曲のページとなっています。
https://w.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/pages/106.html
外は雷と大雨 空がピカっと光る度に、ぬいぐるみを抱きしめる腕に力がこもる 唯は雷が苦手だった。小さい頃からずっと 小さい時、こんな時いつもそばにいてくれたのは遊 震える体を抱きしめてくれて、一緒に寝てくれて だけど、高校生にもなってそんな事言えるはずもなく 唯は一人、ベッドの上で小さくなっていた 「はぁ…こんな時…そばにいてくれたらな」 唯はリトを想い浮かべていた 唯にとって一番そばにいて欲しい存在であり、誰よりも一緒にいて欲しいと願う存在 「結城くん…私を一人にしないで…声だけでも聞かせて…」 雷の影響からか、いつになく弱気な唯 唯は膝を屈めると、ギュッとぬいぐるみを抱きしめた (結城くん…) その時、部屋のドアがノックされる 「唯、いるか?」 「お、お兄ちゃん!?」 唯は俯いていた顔を上げるとドアを開けた 部屋の前にはニヤニヤと笑みを浮かべている遊の姿 「な、何よ?」 一人慌てた様子の妹に遊は笑みを深くした 「お前、相変わらず雷苦手なんだな?」 「べ、別にいいでしょそんな事っ!」 つい強がって遊からそっぽを向く唯 遊はそんな唯に苦笑すると、手に持っていた受話器を唯に差し出す 「え?電話?誰から…」 「お前の彼氏から電話だよ。いいヤツじゃん?ちゃんとお前の事心配してくれてさ」 唯は目を丸くした 雷が怖いなんて一度も話した事はない 「結城……くんが?ウソ…」 ますます顔をにやけさせる遊の手から受話器を奪い取ると、唯は急いでドアを閉めた ベッドの上に戻り、ジッと受話器の向こうのリトの顔を思い浮かべる (私の事心配してくれて…) 話した事がなくてもちゃんとわかってくれる 何て言ってくれるんだろう? 私を想って家まで行くと言ってくれるの?大丈夫になるまでずっと声を聞かせてくれるの? 唯の頭の中は、妄想が駆け巡る 逸る気持ちを抑える様に唯は一度深呼吸をした 「も、もしもし?」 「あ!唯?」 結城くんの声だ! 唯の中でうれしさと安心感が生まれる 自然とやわらかくなる顔 「何なの?こんな時間に」 だけど、気持ちとは裏腹にその声はいつもと同じ 「えっと、ちょっと聞きたい事があるんだけどさ…」 「聞きたい事?」 ひょっとして本当に──── 受話器を握りしめる手に力がこもる 「な、何?」 「あのさ…、今日の宿題ってどこだっけ?」 「え?」 「ほら、今日、数学の宿題出たろ?あれ、何ページか忘れちゃってさ」 「……」 「あれ?もしもし?」 唯はリトに聞かせる様に溜め息をもらす 「何だよ?」 「……ララさんにでも聞けば?」 「え?ちょ…」 唯はリトの返事も待たずに電話を切ってしまった 「ったく、何なんだよ唯のヤツ…」 突然電話を切られたリトはワケがわからず、受話器に向かって文句を言っていた 確かに唯の言うとおり、わからなければララに聞けばいいだけの話し リトだって最初からわかっている だけど、それをわかっていても唯に電話をした理由は──── リトはやり終えた宿題の上に受話器を置くと、頭の後ろで手を組んだ 「ま、あの調子だと大丈夫みたいだな」 唯が雷が怖いなんて事はもちろんリトは知らない 知らないけれど、外の荒れ具合にリトなりに心配したのだが──── 唯はベッドの上でジッと受話器を見つめていた あれから十数分 リトからは一向に電話する気配がない 「何してるのよ…」 あんな事を言ったけど、本当はリトの声が聞きたいし、すぐにでも飛んで来てほしい だけど、そんな事を言えるはずもなく 唯はリトを待ち続けた ちょっと言い過ぎてしまった? 本当の事が言えなくても、もっと違う形で…… 外はますます激しさを増し、さっきから雷が鳴り響いている 「うぅ…結城くん……もぉ、何してるのよ!?」 受話器に文句を言っても仕方がない だけど、じっとしてなんかいられない 窓の外が光る度にどうにかなっちゃいそうだ 唯はギュッと自分の体を抱きしめた あの時、約束してくれたのに 寂しい時、不安な時は、そばにいて抱きしめてくれるって言ったのに 「結城くんのバカ…」 小さくそう呟いた時、受話器から着信を知らせる赤や青の光が灯る 「あ…」 唯はすぐにボタンを押すと耳に受話器を当てた 「もしもし?」 「……えっと結城だけど」 リトの声 唯は唇を噛み締めた 「遅い!!何してたのよ!?」 「何でそんな怒るんだよ?」 「知らないわよ!!!」 うれしさと怒りがごちゃ混ぜになった感情に、唯はどうしていいのかわからなくなる ただリトの声に胸がキューっと締め付けられていった 受話器の向こうでは、どこか言い難そうなリトの様子 「あ、あのさ、大丈夫…か?その…外すごいから心配でさ」 「……」 唯は無言 「唯?」 「結城くん…」 「ん?」 心なしか唯の声は震えている 「何だよ?」 「……今日はこのままずっと声聞いていたいの。ダメ?」 受話器の向こうのリトは小さく笑った様な気がした 「結城くん?」 「いいよ。今日はずっと話していような?」 「あ!う…うん!」 「ホントに平気か?」 「だ、大丈夫に決まってるでしょ!?」 袖でゴシゴシ目もとを擦りながら、なんとか気丈に振る舞う唯 「そっか。安心した」 ホッとした様なリトの声に、唯は少し口を尖らせる 本当はもっと心配して欲しいと願っているのは唯だけの秘密 唯は丸めていた膝を伸ばすと、ベッドにゴロンと寝転がった 電話の話題は来週行くデートの話し 顔をほころばせる唯に、さっきまでの様子はもうない 雨はいつの間にか止んでいた
https://w.atwiki.jp/83452/pages/13957.html
……次の日から、和ちゃんが私の家に泊まりに来てくれることになりました。 といっても、憂が帰ってくるまでっていう約束だから、たったの3日だけ。 和ちゃんは憂のベッドを使うことになっていたけれど、 わたしが寂しくて、結局和ちゃんを私のベッドに呼び寄せたのを覚えています。 だけどおかげで、私はとてもよく眠れたものでした。 そして、予定通りに翌日憂が退院することになった晩のこと。 唯「和ちゃん……あのね、今日もいいかな?」 ほんとうは不安なんてもうなかったと思います。 だけど私は、それまでと同じように和ちゃんをベッドに呼びました。 和「ええ、わかってるわ」 和ちゃんは嫌な顔ひとつしないで、むしろ笑顔でそう答えてくれました。 しあさっては終業式という日で、とても寒い夜だったのに、 その笑顔を見ただけで、私はぽかぽか暖かくなったのでした。 和「電気消すわね」 和ちゃんが言うと、部屋がまっくらになりました。 布団がめくられて、私の隣に温もりが横たわります。 和「唯ちゃんは、やっぱりまだ心配?」 それでもお布団の中もお部屋の空気もなんとなく冷たくて、 私はほうっと息を吐いてみます。 やっぱり、白い息が広がりました。 唯「……憂のこと?」 和「うん。私が来てからはよく眠れてるみたいだから、どうなのかしらって」 唯「……怖いよ。ううん、病気はもう大丈夫だって思ってるけど」 唯「いつかは、いつだって、いなくなっちゃうものなのかなって」 自分でも何を言っているのかよくわかりませんでした。 だけどなんでか、和ちゃんの前では「寂しくない」とだけは言いたくなかったのです。 だって、私が寂しくなかったら、和ちゃんはこうして泊まりにきてくれないのですから。 和「そうね……突然の別れがない、とは言えないわね」 唯「うん、だから……」 和「憂ちゃんのこと、大事にしないとね」 唯「……わかってる。もし、いつそんなことがあっても、憂が悲しくならないぐらいに……」 真っ暗闇のなかで目を開いたまま、私はぼんやりと答えていた。 枕に乗った首の辺りから、とくとく、血の動く音が聞こえて、 そのリズムはいつもより少し速く感じました。 和「……唯ちゃんなら大丈夫だよ」 枕元の化粧台に、和ちゃんの眼鏡が乗る音がしました。 和「さぁ、寝ましょう」 ベッドが深く沈む感覚がします。 夜の中に引きずり込まれていくような……だけど、布団の中はだんだん暖まってきています。 唯「和ちゃん」 和「なあに?」 唯「ほんとにありがとね。私、和ちゃんがいなかったら……すごく辛かったと思うから」 ふふっ、と笑い声が左耳をくすぐりました。 和「大袈裟よ」 そして、またその呼吸が落ちついて、深くなって、眠りに落ちそうになってしまいます。 唯「ん、……」 私は体をもぞもぞ動かして、和ちゃんに近づきます。 和「なによ……?」 唯「えへへ……」 和ちゃんの体に抱きついて、ゆっくり、強く抱きしめていきます。 和「甘えんぼね」 唯「……そうじゃなくってね」 和「?」 唯「和ちゃん、ほんとにありがとう」 和「さっきも聞いたわよ」 唯「……あのね」 ちょっと顔を上げて、和ちゃんをじっと見ました。 和ちゃんの手が私の髪にふれて、そっと頭を撫でていきます。 優しい微笑みに、見つめ返されていました。 唯「私、和ちゃんのこと大好きだよ」 和「唯ちゃん……」 唯「だから、和ちゃんのこと、すっごくすっごく大事にする」 和「えぇ。私もよ」 わたしは、いっそう強く和ちゃんを抱きしめて、 和ちゃんの胸元に顔をうずめました。 唯「……だからっ……ずっと、そばにいてね。いなくなったりしないでね」 和ちゃんが一瞬驚いたように感じられました。 和「……当たり前じゃない」 しばらくしてから、和ちゃんがそう答えました。 和「明日も学校あるんだからもう寝ましょう、ね?」 唯「……うん」 和「唯、ちゃん?」 私は頷いたものの、抱きしめた腕を離せませんでした。 唯「……このまま、寝ちゃってもいいかな?」 和「いいけど……」 けど、と言って、和ちゃんはそれ以上続けませんでした。 私は和ちゃんに覆いかぶさって、和ちゃんの匂いを抱きしめながら、 いつの間にか眠ってしまっていました。 ―――― 唯「……」 思い出せば、その翌日からだったと思います。 和ちゃんが私のことを、呼び捨てで「唯」と呼ぶようになったのは。 はじめはわがままが過ぎて怒られてしまったと思ったのだけれど、 それにしては和ちゃんの態度はむしろ私に甘えてくるかのような、 今までにない付き合い方をしてきていました。 だから私は、それを和ちゃんの変化として、 なにも考えずにほうっておいたのです。 事実、教室でも呼び捨てというのは流行っていたものです。 ちゃん付けで呼び合っている子もいましたが、少数派だったはずです。 和ちゃんもその影響で、大人への変化をしただけだと思っていました。 和「ちょっと、唯? ほんとに顔赤いけど」 だけど、違います。 いや、大人への変化というとちょっと間違っても無い感じですけど。 和ちゃんはなにも勘違いなんてしていなかったのです。 確かに私に好きだと言われて、付き合いだしていたのです。 私がそれを知らないだけでした。 和「……唯?」 足元がふらつきます。 近くの塀にもたれて、背中にしょっていた新しいカバンが潰れてしまいました。 唯「う、うそだ……」 あの日、というかあの夜。 私が伝えた好きという言葉は、まぎれもなく愛しているという意味で発したものでした。 付き合おうという意志があって言ったわけではないはずです。 だけど翌日になって、和ちゃんに呼び捨てにされたとき、 私の中の熱い熱い気持ちが、すーっと冷めてしまうのを感じました。 あの、なにかを失う感覚は、よく覚えています。 和「……」 和ちゃんを好きになったはずでした。 和ちゃんと付き合うことになるはずでした。 なのに私は、ひとりで嫌われたと思って、 自分が傷つかないように、和ちゃんに好きと言ったことさえ忘れたふりをして。 唯「和ちゃん……」 和ちゃんが、私の前に立ったかと思うと、両腕が私の耳の横を通っていきました。 ちらりと目をやると、和ちゃんの手がブロック塀についています。 唯「……あ!?」 ――追いつめられている。 そんなことはすぐにわかりました。 背後にはブロック塀で、左右は和ちゃんの腕で塞がれて、簡単に逃げられるとは思えません。 唯「ちょ、ちょっと和ちゃん!?」 和「……いいわよね、唯」 唯「あぅ……」 それに、和ちゃんの目がじっと私を見つめて、体がうまく動きません。 唯「ま、待って、待とうか和ちゃん!」 和「今更待ってられる余裕ないわよ」 いつもの調子で頼んだら、いつもの調子で断られます。 もうなんか本格的にだめな感じです。 唯「わ、わかったから! ちょっとだけ、ちょっとだけ時間を!」 和「……」 このやりとりさえ面倒なのか、和ちゃんは腕を曲げ、ぐっと顔を近づけてきました。 こんなに近くで、恋人とまっすぐ見つめ合うのは初めてです。 唯「ま、ってよぉ……」 あぁ、もう声に力も入りません。 和ちゃんの視線が、私のくちびるのあたりにちらちら浮気しているのがよく見えます。 それは私も同じかもしれませんが。 和「……たとえこれで唯に嫌われても、私はキスするから」 嫌うはずがありません。 ぶんぶん首を振ります。 しかし、いくらなんでも心の準備というものが必要なのです。 まだ気持ち的には付き合って1分経ってないんですよ。 和「……ごめんなさい。大好きよ、唯……」 和ちゃんの顔がさらに近づきました。 もうだめです。 ここは覚悟を決めましょう。 ぎゅっと目を閉じて、どうにも震えてうまくいかないけれど、くちびるをちょっと突き出しました。 これで和ちゃんのキスを受け入れる姿勢は万全盤石でしょう。 あとは……抱きしめたりすればいいのかな。 和ちゃんの吐息を感じました。 和ちゃんのくちびる、どんな味がするんでしょうか。 ファーストキスは甘酸っぱいといいますが、和ちゃんはなんだかその限りでない気がします。 でもこれでものすごく優しくて甘いキスなんてされたら、 それこそあの、いわゆる悶死というものをやってしまうんじゃないかと思います。 やっぱり私、和ちゃんのことが大好きみたいです。 和「唯?」 唯「……あぇ?」 和「……心配しないでも、無理矢理キスしたりしないわよ。そんなに震えないで」 そんなふうに言われて、ぽんぽんと頭を撫でられました。 唯「……」 目を開けると、和ちゃんが困ったように笑っていました。 和「ちゃんと、唯がいいって言うまで待つから……」 私は、和ちゃんを抱きしめるはずだった両手で、和ちゃんの肩を掴みました。 和「あら、なに?」 そのまま足をつっぱって、和ちゃんを向かい側のブロック塀に押していきます。 和「ちょっと、未遂なんだからそんなに怒らなくても……」 和「唯ー?」 私がされたのと同じように、和ちゃんを壁際に追い込みました。 手のひらを刺すブロック塀の感触が、少しだけ痛く感じました。 和「……ちょ、ちょっと待って?」 ようやく状況を理解したらしい和ちゃんが言いました。 唯「……」 まさかね。 和ちゃんは賢いし、私のこともよく知ってるし、 まさかそんな一言で私が止まるなんて思っていないでしょう。 和「こ、心の準備が……!」 つまりこれは「OK」ということです。 そうだよね、和ちゃん。 和「ん~~~!?」 ファーストキスは、歯みがきしたあとみたいな、ちょっと苦いような味でした。 おーわり 戻る
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/98.html
水銀燈さん大好きです!付き合ってください!! http //yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1196492738/ 1~
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/74.html
水銀燈……キス、しよっか http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1191968971/ 1~
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
https://w.atwiki.jp/suiginto/pages/27.html
水銀燈ふうああああああああああ http //wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1185420973/ 1~